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なやみごと【登録タグ azuma な 初音ミク 曲】 作詞:azuma 作曲:azuma 編曲:azuma 唄:初音ミク 曲紹介 初音ミク登場時を思わせる歌詞のとおり、作者が2007年10月に作ったもの。 creazumaとしてボーマス1で頒布したCD「あなたのための曲集」のカップリング曲。 歌詞 (PIAPROより転載) 「心」…私はいらない あなたが教えてくれたけど 私はあなたの歌を謳うだけの機械 ボーカロイド あなたが歌で 伝えたい言葉が 私に響く 私が響かせる どうして私に心を教えたの 知りたくなかった 切ないこの気持ち 深い闇の中 私一人にしないで 寂しくて壊れてしまう 「形」…私はいらない あなたが与えてくれたけど 私はあなたのために謳うだけの回路 プログラム 形があると 夢見てしまうよ 画面を越えて あなたに触れられると あなたにこの手を つかんでほしいの 私がいること あなたに教えたい だけれどその夢 叶うわけがない むなしくて壊れてしまう あなたにもらえた私の姿は みんなと私の唯一の相違点 心と形が 嫌でも辛くても 恋しくて壊れてしまう コメント ちょこんな名曲をゴミ箱に入れるなんてもったいない…支援します。 -- pak_13 (2009-10-30 14 11 53) 名前 コメント
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作者 伊東潤 時代 戦国時代 主人公 毛利良勝 塙直政 荒木村重 津田信澄 弥助 ジャンル 歴史小説 書籍情報 単行本 文藝春秋 短編5本全1巻 王になろうとした男(2013年7月29日)(果報者の槍、毒を食らわば、復讐鬼、小才子、王になろうとした男) 電子書籍 短編5本全1巻 王になろうとした男(2013年12月20日)
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柊かがみの憂鬱 Ⅱ ◆tu4bghlMIw ▽ 《……絶対に、絶対に許さない――鴇羽舞衣》 一部ボロボロになったコンクリートの海。 市街地の一角、綺麗に舗装された道路の上でかがみと舞衣達は数メートルの距離を開けて対峙していた。 「殺、した?」 舞衣の唇がまるでソレ自体が命を持っているかのようにぎこちない動作で歪む。 顔面の筋肉が硬直しているようだった。何も考えられない。全てが憎い。辛い……悲しい。 (嘘だッ……嘘だッ……嘘だッ……!!) 鬼のような、般若のような。憎しみと絶望と憤怒が混ざり合った凄まじい怒りの表出だった。 マーブル模様を描きながらに様々な感情が一つの結論を目指す。 舞衣の心はいまだ〝かがみ〟が言い放った台詞の意味を理解出来ないでいる。 「んーあぁ、殺したぜ? おっと、もしかして俺の口からじゃなくて次の放送で聞きたかったか。そいつぁ悪い事をしたなぁ」 「な、んで……」 「何で? あらあら、おかしな事聞くのね……」 白と紫の女が嘲るように言う。柊かがみの口調の次はラッド・ルッソ。 自身で否定したスイッチを切り替えるような言葉の変化を難なく〝かがみ〟はやってのける。 まるで様々な人格が一つの身体の中に同居している乖離性人格障害患者のようだ。 彼女(あるいは彼)は遊んでいるのだろうか。それとも…………? 「そりゃあ、タァカヤ君が考えちまったからに決まってんじゃねぇかよぉ!? すっかりおびえきった顔の普通の女の子につよーいつよーい宇宙人の自分が殺される訳ねぇってよ!!」 「――ッ! そ、そんな……」 瞳を見開き、唇を震わせ、拳を握り締める舞衣とは対照的にゆたかが小さな悲鳴を漏らす。 だが絶望の淵にいる所をDボゥイに救われた舞衣と違い、ゆたかがDボゥイに抱いている気持ちは別の色合いを持っている。 それは、春の空のような爽やかな憧れにも似た一途な想い。 自分に自信が持てない少女が覚えた「好き」や「愛してる」には届かない憧れのようなもの。 「……る……さない」 だが、一方で舞衣がこの世界へとやって来た状況は極めて限定的なモノだった。 彼女はほんの数刻前に何よりも大切な自分の弟を失った状態で殺し合いに参加させられていた。 加えて、それに付随する環境も最低最悪のモノだ。 尾久崎晶のチャイルド、ゲンナイが美袋命に倒された事によって鴇羽巧海は命を落とした。 そして、怒りに支配された舞衣は命を自身のチャイルドであるカグツチによって殺した――と思っている。 舞衣には救いもなく、同時に心の底から大切だと思える相手もいなかった。 いや、想う事を許された相手がいなかった、と表現するべきだろうか。 彼女が想いを寄せた相手――楯祐一は幼馴染である宗像詩帆を選んだ。 だから、舞衣は自身が楯を大切な人であると思う事に抵抗を感じていたのだ。 結果として――その想いの矛先は、相羽タカヤという一人の寡黙で不器用な男へと向けられた。 しかし、 「……何? よく、聞こえなかったんだけど。質問する時は大きな声でハッキリと発音よく。 学校で教わらなかったのかしら? そう、それでね。タカヤ君との約束があるのよ。 聞きたい? そりゃあ聞きたいわよねぇ? でも残念だけど遺言とかじゃないのよね。 そう、私とタカヤ君との約束ってはね……舞衣ちゃんとゆたかちゃんをぶっ殺してあげるって事! どう、素敵でしょ?」 目の前の少女の姿をした怪物が、彼を殺したと笑いながらに言うのだ。 ニコニコと〝かがみ〟が口元を綻ばる。 まるで学校の友人達と他愛のない話で盛り上がっている時のような和やかな表情だ。 ダンサーがステップを踏むように、コンダクターが楽隊のリズムを合わせるように。 〝かがみ〟はボコボコになったアスファルトの道路をコンコンと爪先で叩く。 放っておけば鼻唄でも歌い出してしまいそうなご機嫌具合だった。 そう〝かがみ〟はまるで辛い事など何一つ存在しないとでも言いたげに、殺戮の武勇伝を語るのだ。 (Dボゥイが死んだ? Dボゥイが殺された? なんで? こいつに? こんな奴に?) 舞衣は心の中で自問自答を繰り返していた。 こころの迷宮に足を踏み入れては、右も左も分からないような永久の闇の中で頭を抱える。 全てを、忘れてしまった訳ではない。 力がなかったから自分は守れなかった。足手纏いになる事しか出来なかった。 無力な自分が大嫌いだった。巧海を守れる力が欲しかった。 相手を倒す力ではなくて「大切な人」を守れる力。もう誰にも悲しい思いをさせたくなかったから…… だけど、あの時舞衣はラッド・ルッソを「殺すための力」が欲しいと願ってしまった。 チャイルドを呼び出す事の出来ない舞衣は極めて無力だ。 彼女のエレメントはただひたすら「守る事」に特化している。攻撃としての力の行使はほとんど行った事がない。 だから、舞衣は心の底からカグツチが現れてくれる事を願った。 カグツチは最強無比の力を持った強力なチャイルドだ。 大空を翔ける炎の翼、口から吐き出す天壌の劫火は森を焼き、山を消滅させる神如き破壊力を秘めている。 (でも、もうカグツチはいない。カグツチはやられてしまった……エレメントも出せない…… 憎い……この柊かがみの姿をしたラッド・ルッソが憎くて堪らない……) カグツチは、藤乃静留との戦いによって消滅してしまった。 姫舞闘におけるルールの一つとして、チャイルドがやられた場合、HiMEはHiMEとしての力を失ってしまう。 そして「大切な人」も緑色の光になって消えてしまうのだ。 勝ち続けるしかない。誰かを守るための力は崩壊した瞬間にその持ち主を喰らい尽くすのだから。 「……絶対に、絶対に許さない」 「ああ? 別に許して欲しくなんてねーよ。懺悔してる訳じゃねぇんだから――」 ラッドはヘラヘラと、そしてニヤニヤと。 言葉が変われば表情も変わる。 だがどちらの〝かがみ〟も周囲に強烈な不快と絶望を撒き散らす存在である事だけは同義だ。 (憎い……っ、憎いっ……!!) どんな言葉を重ねようとも舞衣には目の前の少女がラッド・ルッソにしか見えなかった。 口調もクルクルと変わるし、姿は彼女の仲間である小早川ゆたかの先輩である柊かがみのモノだ。 だが、根本的に舞衣は『本来の柊かがみ』という人間を知らない。 ラッド・ルッソと混ざり合った不純物としての〝柊かがみ〟としか顔を合わせた経験がない。 舞衣は決して聖母のような心を持った全ての罪を赦せるような人間ではなかった。 彼女は極めて普通の、どこにでもいるような女の子だ。 人間がどれだけ可能性に満ちた生き物であったとしても、十やそこらしか生きていない若者に賢者のような理性が備わっているだろうか。 柊かがみに対する思い入れが正直な話、舞衣はそれほど濃い訳ではない。 ゆたかの生き残った唯一の知り合いだ。出来るなら助けてあげたいと思う。しかし、 (私には、あの〝柊かがみ〟が――ラッド・ルッソに憑りつかれた、ただの抜け殻にしか見えない。 なんて……私は…………最低、なんだろう……) 彼女がラッド・ルッソの口調を、仕草を示すたびに、舞衣の胸はキリキリと締め付けられるのだ。 死んだはずのラッドが何故か生き返って、そしてDボゥイを殺したと――そんな穿った視点でしか、柊かがみについて考える事が出来なくて。 吹き付ける生温い風と燃えるような太陽にまでとばっちりが行きそうなくらい、舞衣の心は荒れ狂っていた。 「とりあえず、舞衣ちゃん達がまだ殺し合う気がないなら……少しだけお話でもしましょうか。 どれくらいタカヤ君がボロボロになって、無様に惨めに血だらけになって死んでいったとか――興味深いでしょ?」 「こ、いつ……っ!!!」 「おい、馬鹿! 待て不用意に飛び出すんじゃねぇ!」 「放してよスパイクっ!! こいつは、Dボゥイを……!」 限界だった。 しかし、武器も持たずに〝かがみ〟に向かって行こうとした舞衣がスパイクに後ろから羽交い絞めにされた。 必死にその手を振り払おうとしても、隻腕のはずの彼の拘束から抜け出せない。 腕一本なのにしっかりと身体をロックされてしまっている。 カグツチの名前を呼ぼうとも、エレメントを出してみようとも思わなかった。 どうせ何も起こらない事は分かっている。だけど、ジッとして見ている事なんて出来る訳がなくて…… 「おうおう、スパイクさんよぉ。舞衣ちゃんは俺と戦いたがってるんだから好きにさせた方がいいんじゃねぇか。 俺達大人だって、時にはガキの自主性を尊重するべきだしなぁ!」 「その口で大人を語るってかい。俺には好き勝手生きてるアンタが一番子供っぽく見えるがねぇ」 「……ふぅん。〝私〟の番だけに反論出来ないのが残念だけど……ま、どっちにしてもあなた達は戦って殺し合うしかないの。 だって、ね。あなた達……この前私に負けたばかりでしょ。しかも懲りずにまるで同じ面子。 流石に二度目はないわよ? 今回はそっちの白い龍もしっかり相手してあげるから……」 「……痛い所突くもんだ」 顔面を苦渋の色に染めながら、スパイクが苦し紛れに言った。 スパイク、ジン、舞衣、奈緒、そしてゆたか。 メンバーはかがみが〝かがみ〟へと変貌した時と変わっていない。 今回は「柊かがみを救う」という意志が強く存在するものの、奥の手が存在している訳ではない。 「さぁさぁ、いったい誰から俺の相手をしてくれるのかねぇ!? ああ、何なら全員一気に掛かって来てくれてもいいんだぜ。 殲滅戦、電撃戦、打撃戦、防御戦、包囲戦、突破戦、退却戦、掃討戦、撤退戦、どれだって構わねぇしよ!」 〝かがみ〟が腹の底から己の戦いに対する思いをぶちまけた。 舞衣達は彼女の放つ強烈な威圧感に気圧される。絶対的な一手などそう簡単に見つかる訳がない。 本当に〝かがみ〟を殺すつもりで戦わなければ逆にこちらがやられてしまうだろう。 しかし、それでは意味がない。柊かがみを救い、皆で帰らなくては意味がない――舞衣がそう思った時だった。 天に金色の光を放つ『影』が現れたのは。 ▽ 《痴れ者が……その程度の力で我に敵うと思ったのか?――ギルガメッシュ》 「ふむ。そこまで戦いに執着するとは呆れた戦闘狂、いや殺人狂だな」 どこかの国の国家金庫から盗み出してきた金塊から抽出したような見事なまでの黄金色の髪。 金色のフルアーマータイプの頑強な鎧。溜息が出るほど端正な容姿と、全てを射抜くような紅の瞳。 突如大空から弾丸のような速度で飛来したのは――英雄王ギルガメッシュ、その人だった。 装備したインテリジェントデバイスマッハキャリバーを用い移動用魔法、ウイングロードを行使。 帯状魔法陣を展開し、そこをカタパルトのようにして移動する戦術は音もなく敵に接近する事に何よりも優れている。 完全にギルガメッシュはかがみの虚を突き、背後から攻撃範囲へと近づく事に成功した。 「ギ、ギルガメッシュ!?」 「なっ――」 いち早くギルガメッシュの接近に気付いた奈緒が大声で彼を呼んだ。 ほぼ同時に〝かがみ〟が振り向くも時既に遅し。 それどころか、タイミングよく『顔だけを後ろに向けた』事は〝かがみ〟に更なる災禍を呼び込む事になる。 ギルガメッシュは〝かがみ〟へと突っ込みながら、無遠慮に右腕を伸ばした。 そして、ガッチリと彼女の顔面を鷲掴みにする。 五指が頬骨からこめかみ、額と彼女の皮膚に食い込む。その拘束は完璧。ソレこそ指を切断でもしない限り外れる事はない。 マッハキャリバーの高い機動性でもって〝かがみ〟へと突撃して来た彼はそのままゴツゴツとしたアスファルトに着地。 機動性をフルドライブさせて自身に更にスピードを加算する。 そして、 「テメェ、何しやが――」 「――笑いたくば、心ゆくまで笑え。その減らず口がどこまで利けるか、我が試してくれよう。 貴様の言葉に合わせてやるとすれば……そう『持久戦』という奴だ」 「や、やめなさいっ! なにするつも――ガ、ガァアアアアアアアアアアッ!!!」 〝かがみ〟の顔面を思い切り地面へと叩き付けた。 そしてマッハキャリバーを加速させる――当然、かがみの顔は道路へと押し付けたままだ。 「ガ、ガ、ア、ガガ、ガガア、ガガ、ガガ、ガア、アッガ――」 ズタズタに引き裂かれた〝かがみ〟の口から言葉にならない呻き声が漏れる。 ギルガメッシュは更にスピードを上げる。彼と〝かがみ〟が通った後に残るのは真っ赤な道。 そして擦り潰されミンチにされた肉。 皮膚が裂け、歯が砕かれ、肉に食い込み、神経は断裂し、小石が口腔に吸い込まれ嚥下、そして食道までも犯される。 濃いねずみ色の車道に紅が混じり、屠殺された家畜のように両手足も引き摺られるままに擦り切れる。 ズルズルに擦り剥けた皮膚が簾のように垂れ下がる。 白く真新しかったタキシードは待ち望んだ返り血ではなく、顔面から吐き出すように零れる血液で汚される。 ビクンビクンと彼女の身体が痙攣する。実験で電気を流される蛙のように筋肉だけが意味の無い動作を繰り返す。 (あ、あ、あ……) そんな光景を、ゆたかは顔を真っ青にしながらも脳へと強制的に流し込まれた。 眼を瞑る事など考えもしなかった。いや、恐怖のあまり身体が硬直して瞳を閉じるよう思考する事さえ出来なかったのだ。 英雄王のその蛮行自体が数秒の間に行われた行為だった。 しかし、スローモーションのように全てが再生される。見たくない筈の現実まで、全てを水晶の瞳は映してしまう。 だから、ゆたかは呆然としながら見つめる事しか出来なかった。 叫び声を上げる事も、悲惨な光景に卒倒して倒れる事も出来ない。 大切な大切な先輩が血液を噴出しながら、削られ、潰され、摩り下ろされ、壊されるのを黙って見ているだけ。 〝かがみ〟の頭部がどんどん減っていく。 舗装された道路といえど、鏡のように磨かれた完全な平面という訳ではないのだ。 当然、そこには微細な起伏があり突起がある。 そんな場所を人間が身体を、しかも顔から引き摺られたとしたら――? 生きて、いられる訳がない。 それが例え人形のように整った容姿の持ち主であったとしても、その美は完全に凌辱され破壊されるだろう。 残骸として残るのは、化物のような血と肉と骨が無様に飛び出した物言わぬ死体だけ。 そう――普通ならば。 「痴れ者が……その程度の力で我に敵うと思ったのか?」 〝かがみ〟の顔を紅葉おろしにする事に飽きたのか、ギルガメッシュが彼女の身体を勢いよく空高く放り投げた。 五、六メートルほど、天高く打ち上げられた〝かがみ〟は辺りに黒く濁った血液を撒き散らしながら落下。 重力に抗う翼を持たぬ者の宿命に逆らう事は出来ず、出来の悪い球体間接人形――ジャンク――のように両脚膝脹脛をへし折りながら大地へ叩き付けられた。 (かがみ……センパイ……私が……何も出来ないから、こんな事に……?) ▽ 《ねぇ、ひとつ質問なんだけど…………どうして今すぐにでも死なないの?――結城奈緒》 「しかし、妙だな。その低俗で熱苦しい喋り方は例の狂犬であろう。だが奴は死んだはずだ。 加えて身体は〝衝撃〟と一緒にいた小娘か? こちらはまだ放送で名前を呼ばれていないな。 が、この右手に残る妙な感触は何だ……? 押し殺した細胞がすぐさま産声をあげているようだ。 殺しても殺しても再生する、という事か。ふむ、なるほど。つまりは小娘、貴様――」 金色の手甲に付着した血液を払いながら、ギルガメシュが口元を歪める。 「――不死者、という生の地獄に縛られた畜生か?」 英雄王が確信に到った瞬間、倒れ伏していた〝かがみ〟が突然、頭を上げた。 そして蒼の瞳だけを爬虫類のようにギョロつかせながら、 「……アハ、ハハハハハハッ!! き、効いたわよ……今のは……!! 本当に……本当に! 死ぬかと……思ったわ」 「ふん、どうも削り足りなかったようだな。イマイチ加減が分からんな。我には不向きの無粋な戯れだったようだ」 冷徹な瞳でギルガメッシュは全身の骨を軋ませながら起き上がろうとする〝かがみ〟を見下ろす。 彼女の修復速度は異常だった。特に斬撃系統のダメージを多く受けていたため、顔面の傷はみるみる内に治っていく。 とはいえ、額から顎までほぼ全ての皮膚をこそぎ落されていたに近い状態だ。 特に完璧なまでに破壊された口周りなどは未だ赤い肉が腐り堕ちた果実のように充血し、屍人のような様相を見せていた。 「……いやいや、まさか君が来てくれるなんてね」 「〝王ドロボウ〟よ。これは、失態だな。あのような屍人一匹すら撃滅出来んとは」 「君が怒るのも分かるんだけどね……ま、こっちにも色々事情があって」 問い詰めるような視線に射抜かれたジンだが、ギルガメッシュに威圧される気配は微塵もない。 肩を竦め、飄々と応じるその様は同じ『王』の呼び名を持つ者として、英雄王に決して見劣りはしない。 親しげな雰囲気を保ちつつ破顔一笑。とはいえ、柊かがみの動きへの警戒は解かない。 「……ギルガメッシュ」 ギルガメッシュの名を親しげに呼ぶ少女の声――結城奈緒だ。 最後に出会った時に比べ、彼女の身体がズタボロになっている事を見咎めギルガメッシュは僅かに眉を顰めた。 だが、すぐに表情を戻すと奈緒を一瞥しながら、 「ナオよ、一つ聞いておこう。あの狗はどうした?」 「狗……ああ、ドモンの事? あいつなら一度会って、それからすぐに別れちゃったけど」 「……伝令もまともにこなせんとは。やはり、奴に王を名乗る資格はないな」 頭を押さえ、ギルガメッシュは落胆の声を漏らした。 元々低かった期待値が更に下がった格好になる。このままでは最安値も間近だ。 奈緒はそんな彼を見て小さく笑った。 そう、こういう傲岸不遜で自己中心的で他人を虫けら程度にしか思ってないのがギルガメッシュなのだ。 久しぶりに出会えた安堵か――いやいやいや、何だソレは。 何故あたしがそんなモノを金ぴかに感じなければならないのだ。 まぁ確かに、かなり頼りになる事だけは事実だけど(というか、そこを除いたら何も残らない) しかし、金ぴかの登場はあたし達にとってかなりの好機と言えるだろう。これなら…… 「とにかく! そんな事はどうでもいいからさ、手を貸してよ金ぴか。 いい? 不死の酒ってのを飲んだ柊かがみがラッドをね……なんか食べ……いや、違うな。 何ていうか、あまりにファンタジー過ぎて説明しにくいんだけど吸収しちゃったみたいなの。それで――」 「我と出会えた感動のあまり口数が増えるのは分かるが、そこまででよい。事情は察しているつもりだ」 うんうん、と頷きながらギルガメッシュが言った。が、言われた方は納得しかねる。 会っただけで感動なんてする訳がない。 それこそ動物園にパンダでも見に行った方がよっぽど胸が躍るだろう。 「いや、全然ないからソレ。まぁでも……分かってるなら話は早い、かな」 「照れずともよい。何、久しぶりに会った臣下の頼みだ。加えて我はそこそこ機嫌が良いのだ。 容易い事よ――――柊かがみを我に殺せ、と言いたいのであろう?」 自身に満ちた表情で、ギルガメッシュは奈緒に堂々と宣言した。 ――うん、訂正しよう。やっぱりこいつは全然分かっていなかった。 いや、一瞬でも「さすが金ぴか、無駄に頭の回転が速い」とか思ってしまったあたしが悪いのだ。 そもそもよくよく考えてみれば、あたし達が柊かがみを助けたいと願っている事をこのゴールデンバカが知り得る訳がない。 コイツにそういう、人間らしい慈愛の心とか他人を救いたいと思う心が存在する訳がないのは重々承知していた筈なのに。 ゆたかの大切な人を守りたい、暗黒の世界から救い出したい!なんて純粋な気持ちを理解出来るよう、頭が出来ていないのだろう。 「…………違うって。アイツの身体からラッド・ルッソを追い出して、本物の柊かがみを取り戻したいの。 小憎たらしい相手だけど、ゆたかの……大事な先輩だから」 ちょっと投げやりな感じで奈緒は自分達の目的をギルガメッシュに告げた。しかし、 「意味が分からんな。何故、そんな回りくどい道を歩まねばならんのだ? 我が進む道は全てが王道。至高へと到る覇道よ。あのような小汚い畜生は今すぐにでも塵に還した方がよいとは思わんか?」 帰ってきた解答はあまりにもギルガメッシュらしいの一言に尽きた。 奈緒は気が気でなかった。何しろ、この会話を奈緒達にかがみを救って欲しいと頼んだゆたかも聞いているのだ。 妙な方向に話が進んだら、ギルガメッシュがゆたかを恫喝し始める可能性だって捨て切れない。 「おい奈緒、ジン」 その時、傍らのスパイクが咎めるような口調で二人の名前を呼んだ。 「……何」 「あまり……聞きたくない話題かもね」 「〝コレ〟がお前らの言っていた偉そうで傲慢だけどその代わり何だって出来る英雄王サマか?」 「……残念ながら、そう」 「まぁ、一応……そうだね」 「ったく、マジかよ……」 ちょっとシュンとしながら、奈緒とジンがスパイクの問い掛けにしぶしぶと答えた。 二人とも、まさかギルガメッシュが出会って早々こんな大ボケをかましてくれるとは夢にも思っていなかったのだ。 仲間達に彼の事を美化して伝え過ぎた事を微妙に悔いる。 「待て、聞き捨てならんな。そこの雑種よ――我を愚弄する気か? 余程命が惜しくないと見える」 「いや、今の戦闘見ただけでもあんたの実力はそれなりに理解したよ。 とはいえ人間誰にでも欠点はある。俺はそういうのは大して気にしない性質でね。安心してくれ」 「――欠点、だと?」 「……っと、失言だったか」 スパイクの言葉にギルガメッシュが更に苛立ちを募らせる。 欠点、などという単語は天上天下唯我独尊完全無欠を自負する彼にとっては存在する筈のない言葉だ。 「おいおいおいっ! 俺の事を忘れてお喋りしてもらっちゃ困るねぇ、ギルちゃんよぉ!! アンタは俺の最高の餌だっつーの! あん時は殺し損ねたけどよぉ、見ろよ今はまだ俺はピンピンしてるぜぇ! 俺の中から〝ラッド・ルッソ〟だけを取り出して柊かがみを救い出す!? おぅ、やれるモンならやってみろっつー話だぜ! 絶対死なねぇと慢心しきったお前を俺はぶち殺す!!」 立ち上がった〝かがみ〟の視線は真っ直ぐギルガメッシュへと注がれる。 既に全身の再生は終了。 砕けた両足の骨も、引き摺られ擦り切れた皮膚も身体ベースである柊かがみの健康状態へと至った。 顔面の傷口もほぼ完治に近い状態と言えるだろう。 飛び散った血液すら綺麗に傷口に吸い込まれて元通りだ。所々ズタボロになったタキシードだけが唯一の爪痕と言えるかも知れない。 ……なるほど。 実際、金ぴかが現れた以上〝かがみ〟の関心がアイツに向けられるのは分かる気がする。 映画館での無茶苦茶なバトルの際、ラッド・ルッソはギルガメッシュを第一のターゲットに定めていた。 柊かがみの意思が沈み、ラッドっぽい人格がメインとなっている今〝かがみ〟が金ぴかを狙うのはある意味道理に適っている。 ラッド・ルッソの殺人の定義は『絶対に自分が死なないと思っているような生温い奴を殺して殺して殺しまくる』だ。 金ぴかは見れば分かるが、自分が死ぬとか負けるとかやられるとか微塵も思っていない。 まさに絶好の獲物という奴だろう。〝かがみ〟の中のラッドっぽい部分がそう考えるのも不思議では…… ――ん? その時、奈緒の頭の中にとある不思議な疑問が浮かび上がった。 そうだ。当たり前に考えていけば、これはどう考えても変だ。 あれ……何だ、コレ。どうなってんの……? 「貴様、何か勘違いをしているようだな」 「はぁ? まさかこの期に及んで、まだ私とは戦う気になれないとでも言うつもり?」 「だから貴様は愚図だというのだ……そろそろ、その悪趣味なごっこ遊びは止めにしたらどうだ」 尊大に、ギルガメッシュが言い放った。 「ごっこ……遊び、だと?」 「そうだ――ナオ、お前も核心に至っているはずだ。 いや、我を除けばこの場にいる人間で、その真理にたどり着ける人間は貴様しかおるまい」 ギルガメッシュが突然、奈緒に話を振った。 スパイクやゆたかなどはギルガメッシュの言葉の意図を掴めず首を傾げている。 やっぱり、金ぴかは全てを見抜いていたようだった。 理知的な推理力や理詰めの論理構成。そういう分野はギルガメッシュの専門外かもしれない。 だけど、彼の最大の武器はその『化け物じみた全てを見抜く超眼力』だ。 過程を全てすっ飛ばして結論へと至る魔法のような能力。だから、分かっている筈なのだ。 「アンタさ、誰?」 ――何が正しくて、何が歪なのかも全て。 「……つれないわね。結城奈緒ちゃん? 私とあなたが何回戦ったと思ってるのよ。 それにラッドとだってあなた、会ってるじゃない。かがみがラッドを喰う瞬間にも立ち会っていたし……」 一瞬、面食らった表情を浮かべた〝かがみ〟が笑いながら答える。 確かにあたしはかがみとラッドには会った事がある。 ぶっちゃけ、不死身の柊かがみに関して言うなら誰よりも険悪でムカつく因縁がある自負もある。 ラッドだってあの馬鹿騒ぎを何とか生き延びて再会した時は、それなりに話もした。 だけど、 「違うよ。だって――アンタはラッドでもかがみでもないでしょ?」 〝かがみ〟はそのどちらとも違う。まったく、別の……存在だ。 「……ああ、そういう事か! 確かに、混ざっちまったからなぁ! いくらメインは俺だとしても、かがみからの影響も少なからずあるのは当然――」 「だから、違うって」 〝かがみ〟を見ていると一つだけ、気になる事がある。 それは、コイツが自分自身をどういう感じで認識しているのか、って事。 〝かがみ〟は気付かない、いや、気付けないのかもしれない。 でも、コイツがラッドでもかがみでもないと、あたしは胸を張って断言出来る。 ところが、この〝かがみ〟は自身を『ラッド・ルッソ』と呼んだ。 つまり、意識していないのだろう。 忘れてしまったのだろう。ラッドにとって、一番大切だったモノを。 きっと、自分が――ラッドのおっさんであるのだと思い込もうとしているのだ。 自分が自分でなくなる感覚なんて、あたしは一度も味わった事はない。 催眠術も変な洗脳もトンと縁がないのだ。 ずっとあたしはあたし、結城奈緒として今まで生きてきた。 そりゃあ周りの人間が誰一人として信じられない時期もあった。 というか、つい最近までずっとそうだったんだけど。 だけど、もし――その自分を失ってしまったとしたら? それは人なのだろうか。不死者という死なない化物になったとしても、心は裸の人間のままだ。 少なくとも、あたしが出会った〝不死身の柊かがみ〟はそうだった。 人だからこそ夢を持つ。人だからこそ過去を捨て切れない。人だからこそ――神を目指した。 「本当に、気付いてないの?」 「だから……何をよ。私はラッドだって言ってるでしょ? あ、もしかして柊かがみの口調を使うのがおかしいって事?」 「違う。ここまで言って分からないなら……アンタは、すごく可哀想な人だよ」 「可哀想? おいおい同情してくれんのかぁ? まったく奈緒ちゃんは優しいねぇ、ヒャハハハハハハハハッ!! ついでにその辺で顔ボコボコにしてくたばってるタカヤ君に十字でも切りに行くかぁ!?」 笑い声は空虚。荒れ果てた廃墟に木霊する夕焼けのノイズみたいだ。 全然不愉快じゃない。ただただ、哀れに思うだけ。 アイツが意図してるのとはまるで違う意味で胸の奥が痛くなるだけ。 でも、本物の【ラッド・ルッソ】と【柊かがみ】を知らない人間にとって……これはきっと全く違う光景に見えている筈だ。 「ラッドッ!!」 「とと、馬鹿ジッとしてろ! お前の気持ちも分からなくはねぇがよ……」 「だったら放してよ! あいつは、あいつのせいでっ……!」 Dボゥイという名が出ただけで突如、舞衣が大声で喚き始めた。 スパイクが必死に止めるが、彼も〝かがみ〟に対して、大分業を煮やしているように奈緒には感じられた。 ……確か尾久崎晶が敗退して、アイツの弟君が死んだ時もあれくらい取り乱してたって聞いたっけ。 元々、ヒステリーっぽい気質なのだろうか。それにしても、あの錯乱っぷりは相当なモノだと思うが。 そもそも、鴇羽って楯祐一と付き合ってるんじゃなかったのか。 いつのまにか別れていた? まぁ、あの男なら分からない話でもない。 ただ……それ以外にも、幾つか気になる事はあるのだ。 アイツの態度はまるで、『まだ蝕の祭が終わっていない』ような具合なのである。 そして、それ以上に不思議なのは――アイツ、いつまでチャイルドやエレメントが出せないんだろうか、という事。 「ま、舞衣ちゃん……」 「ゆたか……? ごめん、ごめんね……! でも、あたし……」 柊かがみの中に入った〝かがみ〟の意思は、辺りに不興と厄災を撒き散らす。 個人の認識と主観の食い違い、掛け違えた歯車がぎこちない音を立てて油の切れたロボットのように躍る。 ラッドを知らない者は、〝かがみ〟を見て彼という人間をただの気違いの殺人狂だと判断するだろう。 かがみを知らない者は、〝かがみ〟を見てもイマイチこの現状に実感が持てない筈だ。 目の前のよく喋る殺人鬼のイメージが大き過ぎて、かがみは消えてしまったのではないかと疑い出す。 そしてラッドのイメージも変わっていく。 彼が何のポリシーも流儀も哲学も持たない低俗な快楽主義者に思えてくる――リライトされる。 奈緒は思う。あたし達は人間だ。神様なんかじゃない、と。 だから、そんな全てを見通すような視点で物事を考えている訳がない。 閉じられた小さな世界の中で必死にもがいている。きっと……どんな人間だってそうだ。 あたし以外の奴にはきっとこの〝かがみ〟は本当に異様な存在に見えている筈なのだ。 だけど、 「メインだとか、サブだとか、そういう問題じゃなくてさ。 アンタはそのどっちとも違うって言うか。身体は確かに柊かがみだけど、本当にそれだけ。 頭の中は所詮、劣悪なコピーよ。かがみでもない。ラッドにもなれない。ぶっちゃけ、贋作以下ね」 あたしだけは【柊かがみ】も【ラッド・ルッソ】も知っている。 だからあたしは、二人を……かがみだけではなく、ついでにラッドも救うために頑張らないといけない。 別にあのおっさんを助けたいと心から願っている訳ではない。 というか、これこそ自分の大嫌いな偽善者的行為そのものだとも思う。 だけど――あたしはアイツに借りを返さないといけないのだ。 ラッドは初めて出会った時、あたしを殺さずに見逃した。 気が変わったとか、元々気まぐれな性格だった、とか。 そういう言い訳は山のように思いつくけど、いまいち釈然としない。 あの時のあたしは完全にビビッてた。 背中を向ける事だけはしなかったけど、戦ったら確実に殺されていただろう。 ――もしかして、情けを掛けられたのかもしれない。 だから、この場で逆にあたしがラッドに同情し返してやるのだ。 柊かがみに喰われてしまったラッドを……死人のような眼をして……絶望に顔を染め上げて死んでいった彼へのせめてもの手向けとして。 「な、何ですって……!? コピー? 贋作? 笑わせてくれるわね。私は、私はラッドよ!」 「ハッ――あんたはラッドとかがみの名前に泥を塗る存在でしかないわ。 それだけじゃないわ。あたしは……倒れてて詳しい場面は見てないけど、アルベルトの眼帯、アンタしてたじゃない。 それってつまり、あのおっさんの遺志を継いだって事じゃないの。 BF団とか神になるとか……その辺、全部忘れちゃったみたいだけどさ。ねぇ――――違う?」 〝かがみ〟がここに来て初めて、狼狽の色を覗かせた。 奈緒はあの時、彼女が柊かがみから〝かがみ〟へと変化した時の光景を脳裏に浮かべる。 戦いに敗北した奈緒は暴走し始めた時には気を失っていたが、事の顛末はゆたかやスパイクから聞いていた。 ――柊かがみは眼帯が取れた瞬間、切り替わるように凶暴な人格を露にした。 おそらく、彼女の中には二つのキャラクターが存在するのだろう。 本物のラッド・ルッソがそっくりそのまま、残っている可能性もあるが、ここは考えないでおく。 そしてアレは少なくとも、ラッドではない。 奈緒もそこまでラッド・ルッソと深い交流があった訳ではないが、それでも分かるのだ。 彼は快楽に溺れたシリアルキラーなどではなかったし、己の定義に該当する相手だけを殺す――そういう人間だった。 だが、そもそも今の〝かがみ〟は非常に矛盾に満ちた存在だ。だって…… 「そう、ラッドのおっさんのポリシー……『自分は死なないと思っている人間を殺して殺して殺しまくる』だっけ?」 「ああ、そうだっ! 俺はそういう腑抜けた人間を見てると無性に殺したく――」 「アンタ馬鹿? だって、今のアンタって『不死者』じゃん。誰よりも自分が一番死に遠い人間だよ?」 ピシリと割れる。世界が、ぐにゃりと歪む。 「あ――ははっ! そ、それが違うのよ奈緒ちゃん。確かに私は不死の酒を飲んだけど、ちゃんと死ぬの! この空間には制限ってものがあってね。ほら見て! この首輪が私に制限を……! だから今の私は、私は……不死なんかじゃ……!」 「あのさぁ、制限って――首輪の力じゃないんだけど」 「…………え?」 信じていた全てのものがガラガラと音を立てて壊れていくような。 「でしょ、ジン」 「……まぁ正確にはギルガメッシュの考察なんだけどね。俺達にけったいな枷を嵌めてるのは――天だよ。 遥か大空を覆うドーム状の防護結界……これが能力制限の正体だね。首輪にはね……そんな力はないんだ。 現に舞衣は首輪が取れてるけれど、今でも若干身体能力が抑えられているそうだ」 「う、そ…………だろ?」 殺さなければラッドではない。 だが、自分が安全で死なない不死者になった時点でラッドはその存在理由を失う。 殺しを正当化するための方便は消え〝かがみ〟には『少しだけ死に難い身体』だけが残った。 「殺して人が少なくなればなるほど、アンタは不死者に近づいていく。じゃあ人を殺せる訳がないよね。 あたしはね、絶対に絶対に絶対に……死なないよ。ほら、殺したくなってこない? アンタの大好きな自分が死ぬなんて夢にも思ってない人間だもの! でもね、アンタはあたしを殺せない。 優勝する……なんてのも無駄っぽいよ。 あの髭面のおっさんが約束を守ってくれるって考えられるめでたい頭してんのなら止めないけど。 で、アンタが攻撃して来たら、あたしはこう判断するもの――アンタは結界を破って不死になりたいからあたしを殺そうとしてる、って」 「殺せば殺すほど……私は……死ななくなる? でも、私は……あれ? 殺さないとラッドじゃ……」 「っていうかさ――」 それは終わりのない禅問答。千日手。スリーフォールド・レピティション。 ラッド・ルッソとは己の定めたルールに乗っ取り、欲望のまま殺人を犯す存在だ。 彼ほど死に対して真摯に向かい合った人間はおらず、彼ほど死に対して敬意を払った者も早々いない。 敬虔なる教徒ですらない彼にとって、死とは何よりも身近なモノだった。 常に死と隣り合わせで生きるため、そのためだけにラッドはひたすら殺人を犯していたのだ。 だから、殺せば殺すほど自身が死から遠ざかっていく――そう認識してしまった瞬間に何もかもが破綻を来たす。 〝かがみ〟の中のラッドを模倣していた全てが終幕を迎える。 コンピュータシステムに侵入したクラッキングプログラムがネットワークに多大な損傷を与えるように。 軋み歪み、彼女の中に決定的な矛盾を発生させる。 その揺らぎこそが〝かがみ〟が作り出していた偽りの人格に終焉をもたらすのだ。 そして―― 「ねぇ、ひとつ質問なんだけど…………どうして今すぐにでも死なないの?」 奈緒のこの言葉こそが、全てを崩壊へと誘う最後のトリガー。 何かが壊れたような、そんな静寂が辺りを包み込んだ。 音抜きされた空気はまるで世界の終わりを想起させる。焼き尽くすような光が大地に降り注ぐ。 全ての人間が息を呑んで、事の成り行きを見守っていた。 ギルガメッシュもスパイクも舞衣もゆたかもジンも、まるで一切の言葉を発しようとしない。 奈緒が踏み込んだのは禁じられた領域だ。 そう、それはきっと〝かがみ〟が忘れたくて忘れたくて堪らなかった事実。 「わた、私っは……俺? お、俺が、私……? お、俺は……どうなったんだ? ラッドは……ラッド・ルッソは……? かがみ……俺が……不死者?」 それが終わりの始まりだ。 〝かがみ〟は再生した――不死者である――自身の掌を絶望に染まった眼で見つめる。 ガクガクと彼女の両膝が砕けたように震え始める。 額や首筋には大粒の汗を浮かべ、かがみとラッドの言葉がついに混ざり始める。 幾つもの精神が融合した彼女の身体は非常に不安定だ。 確かに、柊かがみの心は儚く脆弱な年頃の少女のソレだった。 だが、彼女が喰った男の精神はどうだったと言うのだろう。 彼は強いのか。どのような状況にあっても自分自身の流儀を貫き通せる人間なのか。 そしてもしも彼が、その『流儀』を手放したとしたら、それは彼であると言えるのだろうか――? 時系列順に読む Back 柊かがみの憂鬱 Ⅰ Next 柊かがみの憂鬱 Ⅲ 投下順に読む Back 柊かがみの憂鬱 Ⅰ Next 柊かがみの憂鬱 Ⅲ 275 柊かがみの憂鬱 Ⅰ 柊かがみ 275 柊かがみの憂鬱 Ⅲ 275 柊かがみの憂鬱 Ⅰ 小早川ゆたか 275 柊かがみの憂鬱 Ⅲ 275 柊かがみの憂鬱 Ⅰ 鴇羽舞衣 275 柊かがみの憂鬱 Ⅲ 275 柊かがみの憂鬱 Ⅰ スパイク・スピーゲル 275 柊かがみの憂鬱 Ⅲ 275 柊かがみの憂鬱 Ⅰ ジン 275 柊かがみの憂鬱 Ⅲ 275 柊かがみの憂鬱 Ⅰ 結城奈緒 275 柊かがみの憂鬱 Ⅲ 275 柊かがみの憂鬱 Ⅰ ギルガメッシュ 275 柊かがみの憂鬱 Ⅲ
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全ての終わり、一つの始まり――そして誰かいなくなった(後編)◆o.lVkW7N.A 前編より 二つの人影が、北東にある港町目掛けて歩いていた。 そのうちの片方、桃色の長い髪を靡かせる色白の少女が、褐色の肌をしたもう一人に話しかける。 「あれで、良かったのかしら」 「さあね」 その問い掛けに少々むっつりとした表情で振り向くと、彼女はぶすりと呟く。 「ああしろって言ったのは、私じゃなくてあなたでしょ」 「確かにそうだわ。でも、トリエラさんだって承諾したじゃない」 相手から平然とそう言い放たれて、少女は益々むっとしながら反論を試みようとする。 けれど視線を向けた先では、淡々とした狂いのない歩調で歩みを進める少女が、興味深そうにこちらを見つめていた。 それに毒気を抜かれた形になった彼女は、大きく吐息して胸の中に詰まった空気を一斉に吐き出すと、掌をひらひらさせて告げる。 「そうだね、確かに私もオーケーした。はいはい、あなたの言う通りだよ……」 * * * まるで肺に小さな穴でも開いているかのように、吸っても吸っても酸素が足りない。 眩暈がするほどの息苦しさに倒れ込みそうになりながらも、双葉は駆け足を止めなかった。 目的地へ続く森の中を一目散に走り、朽ちかけた廃病院を一人、目指す。 シャナの行為を無為にするわけにはいかなかった。 戦う力を持たない自分に出来るのは、守ってもらった命を無駄にしないよう努めることだけだ。 双葉は荒い息で木々の間を掻き分け、よろめく足で一歩一歩と前へ進んだ。 先ほど上空から落下した衝撃で体中に鈍痛が響いていたものの、泣き言を言う暇はない。 苦しさを無理やり抑え込んで、少しでも速くと疾走する。 「……いて削って裁って刻んで刎ねて刈って削いでほじくってくりぬいて薙いで断って削いで……」 その途中、林の間から耳に飛び込んできた誰かの独言に、思わずびくりと身体を強張らせた。 あまりにも異常で物騒なその単語の羅列に息を呑み、相手に気付かれないよう迂回しようとする。 大きく距離をとってその場から通り過ぎようとしたところで、しかし双葉は気付いた。 そこに立っているのが、先ほど別れたばかりの紫穂だということに。 安堵に胸を撫で下ろそうとするものの、常軌を逸したその表情を見て判断を迷う。 正直に言って、とても恐ろしかった。近寄りがたい気色の悪さすら感じた。 すぐ側にいる双葉にも気付かないのか、紫穂は壊れたテープレコーダーのように言葉を紡ぎ続ける。 どんよりとした双眸に明るい色はなく、ただ闇のように深い黒色が澱んでいるだけだ。 恐怖に竦む足で、それでも双葉は紫穂へと足を進めた。 『三人で病院へ戻るわよ』と、シャナはそう自分に言ったのだ。 だったら、紫穂をここへ置いていくわけにはいかない。 首に縄をつけてでも彼女を病院まで連れて行って、そうして三人で再会しなければ。 「紫穂? おい、どーしたんだよ!」 生気の感じられない彼女に近づいて、がくがくと肩を揺さぶった。 そうされて漸く双葉の存在に気がついたのか、紫穂は薄い笑みを湛えたまま呟く。 「きっと、皆皆皆死んじゃうんだわ。シャナちゃんも小太郎君も薫ちゃんも葵ちゃんも、皆皆皆……」 「……何言ってるんだよ? 紫穂、お前、おかしいぞ!?」 そう問いながらさらに強く身体を揺すっても、彼女は平然としたままだ。 まるで幽霊の相手でもしているような気分になって、ぞっとした双葉が背中一面に鳥肌を立てた。 「人形がね、棺桶を運ぶのを『見た』のよ。あれはこの島にいる皆のための棺。次は誰のためのものかしら。 私? あなた? ああ、そう言えばシャナちゃんが居ないわね。シャナちゃんのかもしれないわ」 「……なっ、てめぇ!!」 双葉には、人形だの棺だのという言葉の意味は分からなかった。 どんな理由でかは知らないが、今の紫穂は相当に混乱している。 そのせいで死神の登場する白昼夢でも見て、現実との区別がつかなくなったのかもしれない。 けれど、だからと言って、今の彼女の発言が許せるわけはなかった。 「……何よ、シャナちゃんは強いから死ぬわけなんてないって、そう思ってるの? でも、そんなわけないじゃない。だって、あなたを助けた神楽ちゃんは呆気なく死んじゃったでしょう?」 ケラケラケラケラと耳を劈く甲高い声を立てて、紫穂が可笑しそうに笑う。 双葉は見開いた両目で相手を真っ直ぐに睨み付けると、その笑声を打ち破るようにして叫んだ。 「……あいつらのことを、そんな風に言うな。あいつらは、あたしに約束してくれたんだ。 絶対に戻るから、きっとまた逢えるからって、そうあたしに言ってくれたんだ!!」 そうだ、シャナは自分に約束してくれた。 すぐ怒るし、考え方は合わないし、冷たいし、頑固だし、素直じゃないし。 そんな嫌なやつだけど、それでも、双葉の前で確かに誓ってくれた。 ――――だから、守ってもらった自分に出来るのは。 「……だから、だからあたしは信じてるんだ。 シャナがあんなやつに負けるわけねーって、死んだりなんかするはずねーって!!」 * * * 赤い髪をした少女は最早、絶体絶命どころではなかった。 死の淵に足を掛けているどころか、全身がその沼に浸かり辛うじて指先だけが岸辺に引っかかっている状態だ。 のび太の見ているすぐ先で、トリエラがナイフを振るっている。 腕と脛に鋭く線を引いて相手の動きを封じた彼女が、ついにその剣先を喉笛へと持っていった。 あと数センチ、5ミリ、3ミリ、1ミリ……。――――さくり。 耳を塞ぎたくなる様な音は、意外にも聞こえなかった。 むしろ、温めたナイフでバターを切るのに似たごく軽い手応えで、刃先は皮下へ潜り込んでいく。 その光景に思わず息を呑んだのび太には微塵も構わず、トリエラの手にするナイフの鋭利な先端が少女の喉下へ喰らい付く。 そのまま指先に力を込め、彼女は皮膚に食い込んだ刃先を真横へ引こうとした。 まるで、仕留めたばかりの獲物を巨大な虎が一撃で屠るかのように無駄の省かれた動作で、そのナイフを真っ直ぐに――――。 「だだだだだだだ駄目、駄目ぇぇっっっっっ!!!!!」 瞬間、のび太は反射的に叫び声をあげていた。 その絶叫にトリエラがぴたりと作業をやめ、不可解そうな表情で彼へと振り返る。 「怖いなら目でも瞑ってなよ。すぐに終わるから」 トリエラはそれだけ言い捨てると、すぐに止めを差そうと少女の身体へ向き直る。 それを阻止せんと急いで彼女に駆け寄ると、のび太は泣きそうな顔でぶんぶんと首を激しく横に振った。 「ちちち違うんだ。……僕、僕っ、トリエラさん達に嘘吐いてたんだよ……!!」 「……どういうこと?」 のび太が口にした言葉に、トリエラが眉を顰めて問う。 先ほどまで使用されていた血染めのナイフを向けられ、のび太はうっと声を詰まらせた。 怖い。怖い。本当のことを言ったら、きっと殺されてしまう。 まるで、石でも丸ごと飲み込んでしまったみたいに喉の内側が苦しかった。 たった一言の言葉を発するのがひどく困難で、舌の先は縺れているのか思うように動かない。 それでも、自分の嘘のせいで関係のない人が死んでしまうなんて、やっぱり耐えられない。 僕は運動だって勉強だってできないし、弱虫の臆病者だけど、それでもそんな卑怯な人間にはなりたくないから。 「……先に襲おうとしたの、本当は僕のほうなんだ。 でも、その人に反撃されそうになって、それで……腹が立って……、僕……っ」 「それで、私達にあることないこと吹き込んだ、ってわけね」 ふぅと心持長めな溜息を吐いて、トリエラが左右の瞳を苦々しげに歪める。 握っていたままだったナイフの先端をのび太の胸元へ押し当てると、怒ったように告げた。 「だとしたら、私が今退治するのはあなたってことになるけど」 「……うん、分かってる」 ごくんと唾液の塊を嚥下すると、のび太は恐怖に震えた聞き取り難い声で言った。 膝をがくがくと振動させ、顔中に冷たい汗をびっしりと掻きながら、それでも彼はしっかと口にする。 「ぼっ、僕が死ぬのは……、仕方ないからいいんだ。 すごく、すごくすごくすごく怖いけど! 本当に怖くて怖くてしょうがないけど!! でもいいんだ! だけど、だけどお願いだから、僕を殺したら、代わりにその人を助けてあげて!」 「言っている意味が分からないよ。あなたを殺したって、この子を助ける義理も方法もないしね」 にべもなくそう返すトリエラに、けれどのび太は怯まない。 死への恐怖も戦慄も、自分の情けなさへの嫌悪感も勿論全部ある。 それらは、ともすれば体中全てを飲み込んで襲い掛かってきそうなほどに強すぎる感情だ。 だが今はそれ以上に、自分のせいで重傷を負ってしまった少女を助けたい、助けねばという一心が勝っていた。 「あ、あのね……」 野比のび太は、決して学校の成績がよいほうではない。 むしろ、万年0点ばかり取っているような相当の落ち零れ少年である。 けれど彼には、二つの特徴があった。 一つは、定められたルールの応用が人並み以上に巧みであるということ。 例えばひみつ道具を使用する際など、彼は瞬時にその道具の最適な利用方法を思いつくことができる。 その特異な発想によって、お金儲けやちょっとした悪巧みに利用された道具は数知れない。 彼のそういった才能は、ドラえもんですらしぶしぶ認めざるを得ないところだった。 勿論、最後に何らかのしっぺ返しを喰らうことも多々あるのだが、顔に似合わずアイディアマンであるというのは事実だ。 そしてもう一つ。 ――――彼は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる少年だった。 この殺し合いが始まってからの彼は、確かに駄目なところばかりが目立っていた。 自分達が手掛けてしまった子豚の死に怯え、グリーンに泣き言をいい、果てには幼い赤ん坊や少女を殺害しようとまでした。 だがそれでも、のび太は根っからの悪人などでは決してない。 ただひどく臆病で怖がりなだけで、奥底では誰よりも優しい心の持ち主――それが彼だった。 他人のために泣いてあげられ、友人のために命をかけられる少年。 普段はいじめられてばかりなのに、ここぞというところでは歯を食い縛ってでも意地を貫き通すことの出来る少年。 そんなのび太だからこそ思い付けた、少女の助け方。 それは。 「トリエラさん、さっき言ってたよね。これで三人目だから、そうしたらご褒美でも貰おうか、って……。 だから、だったら僕を三人目にして……そのご褒美で、その人の怪我を治してあげて……!」 * * * リルルは、眼前の状況を面白いものとして捉えていた。 単にお人好しなだけだと思っていたのび太が放った覚悟、それが非常に興味深かったのだ。 自分の命と引き換えに他者を助けようとするなんて、非効率的で非合理な判断だわ。 そう思うものの、彼の行いを『馬鹿げた行為』とばっさり切り捨てられない自分が、心のどこかに存在した。 この島で出会った人間達を通して知った、『他人を思いやるこころ』というキーワード。 人間を理解する上での重要なその言葉の意味を、リルルは未だ本質的には把握していなかった。 その語意を分かろうと思えば思うほど、頭の中で激しいエラー音が鳴り響く。 けれどその障害ゆえに益々、リルルは『こころ』について関心を引かれた。 人間の本質を、ロボットと人間の差を知りたいという彼女の欲求は、最早己でも止めようがない。 折角銃を持っていたのに、自分を撃たず結果的に死んでしまったサトシ君。 元々は敵だったはずなのに、危機に陥った少女を助けに入った黒髪の少年。 その彼の理性的な命令を無視して、無意味にも援護に向かおうとしたお下げの少女。 そして、大切な人を壊してしまったにも関わらず、自分を心配してくれたイエローさん。 彼らの不可解な行動に共通する『こころ』というものの存在を、リルルはもっと理解したかった。 そして彼女は、それが一般的なロボットの思考回路から相当に逸脱していることも知らず、思う。 ここでのび太君を死なせてしまっては、いけないのではないかと。 ――それは、彼女の思考内に現われた、小さな、けれど明確なバグだった。 リルルは考える。サンプルを減らすのは得策ではないから、と。 けれど、この島に人間はまだまだたくさんいる。観察対象が必要ならば、トリエラを注視していればいい。 一人くらい壊れたところで損失とは呼べないし、その一人が以前からの知り合いだったとしても同じことの筈だ。 それなのに彼女は、のび太を殺さずに済ませる方法を探していた。 自分の選択したその行動の真意には気がつかないまま、リルルはトリエラに告げた。 「のび太君は私にとって重要な観察対象だわ。壊すのはやめて」 「そういう訳にはいかないよ。その子はゲームに乗ろうとした側だし、そもそも本人がそれを望んでる」 ナイフを翳したままそう答えるトリエラに、リルルが臆することなく言葉を続けようとする。 「いいえ。それでも私は、大切なサンプルを失うわけにはいかな……」 「……いいんだ、リルル」 言いかけた声を途中で遮ったのは、彼女が庇おうとしたのび太本人だった。 その口調は、以前に聞いた情けないそれとは百八十度違い、別人のように力強いものだ。 驚くリルルに、のび太は憑物が落ちたようなからっとした笑顔で更に告げる。 「すごく怖いし、痛いのは嫌だけど……、でも悪いことをしようとしたのは僕なんだから。 それに、こうでもしないとあの子の怪我は治せないんだもの」 真っ直ぐな瞳で自分を射抜くのび太に、リルルは何か言い知れぬものを感じた。 そして彼女の体の奥底から、純粋な感情が湧き上がる。 ――――『この人を、ここで壊したくはない』と。 リルルは無言で顔を伏せると、背負っていたランドセルから小さなガラス瓶を取り出した。 桃色の液体がなみなみと注がれたその小瓶を手に、彼女は告げる。 「それなら、問題はないわ」 「え?」 彼女の言葉に、のび太とトリエラが二人揃って首を捻り、不思議そうな顔を向けた。 リルルはその疑問に応えるように、手の中の瓶を左右に揺らしてみせる。 中の薬液がちゃぷちゃぷと音を立て、小さな波を起こした。 「折角だから、これを使ってみようと思うの。 効果がどのくらいあるかは分からないけれど、試してみてからでも遅くはないでしょう?」 言いながら、リルルは倒れている赤髪の少女へそっと近づいてその脇にしゃがみ込む。 強制的に上下の前歯を抉じ開けて、その隙間から桃色の液を流し込もうとする。 とはいえ、意識のない人間に薬を飲ませるのは難しい。 流し入れた溶液の大半は唇から零れ落ち、僅かでもきちんと嚥下できたのか相当に疑問が残る。 その様子を見つめながら、リルルはぽつりと小さな声で少女へと向けて呟いた。 「……あなたは、このまま壊れてしまってもいいの?」 * * * 少女は、がらんとした広い堂内を、一人、ぽつりぽつりと歩いている。 そこは、かつて彼女がある契約を交わした場所と酷似していた。 紅蓮の炎が壁際一面にゆらゆらと揺らめいて燃ゆる、天道宮最奥の聖堂。 それまで呼ばれる名前の無かった少女が、己のすべてと引き換えにして一つの称号を得たそこ――。 今現在彼女の眼前に広がっている光景は、記憶の中のその場所とあまりに似通いすぎていた。 色が、音が、匂いが。五感のすべてがその相似性を鋭敏に感じ取る。 けれど細部が似ていればいるほど、埋め様の無い、あの日あの瞬間との絶対的な差異が際立っていた。 彼女に力を与えた、 天壌の業火’アラストール。 ――――大いなる紅世の王であり、彼女の無二のパートナーでもあるその姿が、今ここには存在していないのだ。 彼の代わりとして目の前にあるのは、どこまでも落ちていけそうな深い奈落の闇と、その脇に立つ一人の男だった。 いかつい身体つきに、ばらりと肩へ垂れ流した長い髪。 そしてその顔に纏われた、サーカスの道化のようなデザインをした奇妙な仮面。 その面の間から覗いているぎょろりとした両の目玉が、これでもかというほどの眼力で少女を睨み上げる。 けれど痛いほどのその視線に、彼女は微塵も怯みなどしない。 むしろ、相手を逆に圧倒せんばかりの鋭さを持って、男を真正面からねめつけた。 互いの視線が、中空で交錯する。 瞬間、火花が飛び散るのにも似た刹那的な緊張感が辺りを包み、重苦しい空気を周囲に齎した。 「お前にたずねたいことがある」 注ぐ視線を逸らさぬまま固そうな口を開くと、男は目の前に立つ少女に質問する。 それはあまりにも重い問い掛け。 これまでに、ある難病を患った幾人もの者が尋ねられてきた、生死を分かつ究極の二者択一。 「――――生きのびたいか? それともこのまま死んでゆくか?」 「どういうこと?」 男の言葉に少女は眉を顰め、そうして先を促すように顎を傾けた。 彼女の仕草を了承したのか、男はゆっくりと己の伝えるべき言葉を続ける。 「お前はこのままでは、いずれその怪我によって死ぬ。 ゆっくりと失血死に見舞われ、或いは傷口が化膿して、やがてもがいて死ぬ……」 そう言われて四肢に目をやった少女は、漸く自分の手足の健が深く断たれていることに気付く。 今の瞬間まで痛みを感じなかったのが不思議なほどに重傷だった。 わざわざ相手に指摘して貰わなくとも、確かにこの傷ならばいずれ自分の命は消えてなくなるだろう。 どこか冷静にそう判断を下している少女を再び凝視すると、男は懐から何物かを取り出して指の先で摘んだ。 手の中へ容易に隠れてしまいそうなほど小さな瓶に入れられた薄赤色の液体。 それを彼女の前で軽く振ってみせると、男は告げる。 「しかし、この『生命の水』を飲めばおまえの怪我は治るだろう」 「…………っ!」 小瓶の中の液体が、ちゃぷんちゃぷんと表面を波立たせて波紋を作った。 期待に満ちた眼差しでそれを見つめる少女の鼻先へ、男がにこりとも笑わずにその華奢な瓶を差し出す。 少女が、おずおずと腕を伸ばした。 けれど後ほんの僅かというところで、男は瓶をぶらりと上空高く持ち上げ、少女から遠ざけた。 その行為に、少女が全身から苛立ちの色を発散させる。 「私は生きたいの。もっともっともっと生きたいの。生きなきゃいけないの! ……だから、早くその薬を渡しなさいよ!!」 苛立たしさを声に変換させるようにして絶叫した彼女を、男は無表情のまま軽く手で制する。 開かれた掌を胸の前に突き出され、少女は未だ憤懣冷めやらぬ顔のまま「何よ」と口にした。 「私は、公平を期するため、前もって言っておかねばならない。 これを飲んだ瞬間から、お前は死の苦痛から解放されるとともに、人生の様々なものをあきらめねばならない……。 お前は『生命の水』のあやつり人形になるのだ」 そこで一旦言葉を区切ると、男は薄く胸先を上下させて息を吐き――――、そして訊いた。 「……さあ、どうする?」 尋ねられ、少女はそっと瞳を閉じた。 そのまま、永遠にも感じられるほど長い――けれど実際には刹那でしかない時間が経過する。 今にも心臓の鼓動が響いて聞こえそうな静寂が周囲に帳を下ろし、闇がさらに深さを増した。 しんと静まり返ったその暗闇を切り裂いたのは、彼女の瞳。 ぱちりと開かれたその双眸に宿るのは、全ての昏き物を斬り伏せる灼熱の赤き炎だ。 闇の中で燃え盛る二つの紅き業火が、男の瞳を一直線に射抜き貫く。 「……馬鹿にしないで。私はとっくに人間をやめてるの。 過去も現在も未来もなくして、その全てを代償にしてフレイムヘイズになった。 失ったものも諦めたものも数えきれないくらいなのに……、 今更それが一つ二つ増えるのを、まさか怖がるとでも思ってるの?」 少女はそれだけ言うと、男の手にしていた瓶を奪うようにもぎ取った。 それを鷹のような視線でただ眺めながら、男は彼女へ告げる。 「苦難の道を選んだか。――――覚悟は出来ているんだな?」 「……茨の道ならずっと前から歩いてる。何度も言わせないで」 少女は手にした小瓶の蓋を回し明け、中に詰められている液体を一息に仰ぐ。 薔薇に似た柔らかな香りがふんわりと鼻を抜け、微かな甘みを伴ったそれが喉を滑り降りた。 それを最後に彼女の意識は霧の様に失せ――――、 同時に、 炎髪灼眼の討ち手’と呼ばれた少女の存在もまた、完全に消えてなくなった。 * * * 「本当にいいわけ?」 不審そうな顔で尋ねてくるトリエラに、のび太は力強く首肯した。 彼女がのび太に訊いたのは、彼がこれからどうするつもりなのかという事だった。 「あと数時間もすれば、陽が落ちて辺りが闇に包まれる。 足を引っ張りさえしなければ、北東の街で夜を明かすつもりの自分達に同行しても構わない」と。 そう話してくれたトリエラの提案は、確かにとても魅力的だった。 彼女達は二人とも十二分に強いから、一緒に行動すれば一人でいるよりもずっと心強いだろう。 それに、この島にいる中で数少ない友達であるリルルとここで別れるのも、非常に躊躇われる。 けれどのび太には、まだやらねばならないことが残っていた。 だからこそ、彼は二人の誘いを断って一人この場に残る決心をしたのだ。 それを決意するのはとっても勇気がいることだったけれど、それでものび太は覚悟を決めていた。 ……一言でもいいから、この子に謝ろう。 のび太は自分の吐いた嘘のせいで大怪我を負ってしまった少女へ、心からそう思っていた。 あの液体を無理やり飲み込ませたあと、彼女の身体にあった傷跡は波が引くようにして消えていった。 その光景は、まるでビデオテープの映像を逆回しに流しているような不思議なものだった。 だが、傷が消えても少女の意識はなかなか戻らない。 そのためのび太は、倒れたままの彼女が目覚めるのをじっと辛抱強く待っていたのだ。 意識が戻ったら、今度こそ僕はこの子に殺されてしまうかもしれない。 でも、たとえそうなってしまうとしても、やっぱりちゃんと謝らなくちゃ、との思いを抱いて。 「それじゃあ私達、そろそろ行くわ」 「うん、……リルルたちも気をつけて」 そんな風にまるで普段と変わらない挨拶を交わして二人と別れてから、どれほど時間が経っただろう。 のび太は、地面に横たわっている少女が小さく唸り声を上げて、ぴくりと身体を動かすのに気付いた。 肩を抱えて前後に揺さぶれば、腕の中の彼女が緩やかな動作で半身を起こす。 「……起きた!!」 ほっとして思わず歓声を上げるのび太に、対する少女がゆっくりと瞳を開く。 恐らく、起きたばかりで現在の状況が分かっていないのだろう。 眼前にいるのが、先ほど自分を落とし入れようとした相手であるのにも、気付いていないのかもしれない。 少女はきょろきょろと辺りを見渡すと、突然、目の前に居たのび太に勢い込んで問いかけた。 吐息のかかりそうな距離まで近づけられた相手の顔面が、必死の形相を見せている。 「……おまえ、茶色い肌の女を知らない!?」 「ト、トリエラさんのこと? それなら、もう行っちゃったけど……」 咄嗟にそう答えたのび太に、少女は憎憎しげに顔をくしゃりと歪める。 それは上官の命令を遂行しそこなった下士官のようであり、或いは親の敵を逃した復讐者のようでもあった。 まるで、背後の何者かに十本の糸で操られているかのように感情を抑えた声色で、少女はぼそりと呟く。 「あいつの肩から覗いて見えた、あの骨組み……」 そうして、怖気のするほど低い声で彼女は告げた。 感情を見透かさせない銀の双眸に、透き通るようなプラチナブロンドの髪の少女。 ―――― 銀髪白眼の破壊者’が、「しろがね」としての唯一絶対の使命を。 「…………自動人形は、全部壊さなきゃ」 【B-2/草原/1日目/夕方】 【シャナ@灼眼のシャナ】 [状態] しろがね化、生命の水の効果で傷は全て回復 [装備] マスターソード@ぜルダの伝説(重量感あり、使えない事は無い) [道具] 支給品一式(水少量、パン一個消費)、包帯、ビュティの首輪 [思考] あの自動人形はどこ……? 第一行動方針:のび太から情報を聞く 第二行動方針:廃病院に帰還し、双葉・紫穂と合流。その後18時までにB-7のタワーを目指す。 第三行動方針:自動人形(と認識した相手)は、全て破壊する 第四行動方針:コキュートスを見つけたい(アラストールと合流) 第五行動方針:小太郎の仲間(ネギとエヴァ)を探す 基本行動方針:ジェダを討滅する。 [備考]:義体のトリエラを、自動人形の一種だと認識しました。 【野比のび太@ドラえもん】 [状態]:心身ともに疲労、鼻骨骨折。 [装備]:なし [道具]:グリーンのランドセル(金属探知チョーク@ドラえもん、基本支給品(水とパンを一つずつ消費)、 アーティファクト『落書帝国』@ネギま!(残ページ無し))、ひまわりのランドセル(基本支給品×1) [服装]:いつもの黄色いシャツと半ズボン(失禁の染み付き。ほぼ乾いている) [思考] :こ、怖いけどちゃんと謝らなきゃ…… 第一行動方針:シャナに自分のしたことを謝る 第二行動方針:リルルたちを追って、北東の街へ向かってみようか? 第三行動方針:最初の子豚≠ジャイアンだと確信するために、ジャイアンを探す。 基本行動方針:もう、他の人を殺そうとしたり嘘をついたりは絶対にしない [備考]:「子豚=ジャイアン?」の思い込みは、今のところ半信半疑の状態。 【B-2/森/1日目/夕方】 【吉永双葉@吉永さん家のガーゴイル】 [状態]:腹部の銃創と胸部の刺傷は塞がったが、激しい運動は禁物。全身に打撲や擦り傷。 [服装]:血のついたオーバーオール、腹部にカラフルな包帯。 [装備]:メガネ@ぱにぽに、コキリの剣(泥がついている)@ゼルダの伝説 [道具]:基本支給品一式(水少量、パン一個消費)、ショックガン@ドラえもん、きんのたま@ポケットモンスター、包帯 [思考]:……シャナ、絶対に戻って来いよ!? 第一行動方針:紫穂を連れて廃病院に帰還。そこでシャナや小太郎の帰還を待つ 第二行動方針:あまりにシャナが遅いようなら、様子を見に行くことも考える 第三行動方針:梨々と合流 基本行動方針:このふざけた殺し合いを終わらせ、脱出する 【三宮紫穂@絶対可憐チルドレン】 [状態]:邪剣による精神汚染、 [装備]:ワルサーPPK(銀の銃弾7/7)@パタリロ!、七夜の短刀@MELTY BLOOD、邪剣ファフニール@TOS スクール水着@魔法先生ネギま!、全身黒タイツ@名探偵コナン [道具]:支給品一式×2(水少量、パン一個消費)、デスノート(ダミー)@DEATH NOTE、血濡れの庭師の鋏@ローゼンメイデン、包帯 [服装]:スクール水着の上に全身タイツを重ね着 [思考]:削って裁って刻んで刎ねて刈って削いでほじくって死んで死んで死んで…… 第一行動方針:???(精神汚染真っ最中) 第ニ行動方針:誰も信用しない。状況に応じてステルスor扇動マーダーor対主催のどのスタンスもとれるように構えておく 第三行動方針:利用できそうな仲間を探す 基本行動方針:元の世界に帰るためには手段を選ばない。自分の安全は最優先。 [備考]:サイコメトリーを駆使し以下のことを知りました 1、神社で起こったコナン&ネギ&リリスの遭遇について、支給品を透視して大まかに把 握しました。先入観による勘違いあり。 2、廃病院内部で起こった事態について客観的に把握しました。表面的に透視していたの で、会話以外の細かい部分は見落としている可能性あり。 3、庭師の鋏を透視して、これがブルーの支給品でなかったこと、また動く人形の存在を把握しました。 4、モニュメントで起こった出来事について、神楽の死体を透視することで把握しました。 5、蒼星石が棺を運んでいる姿を、森の中を透視して目撃しました。 【D-1/道路/1日目/夕方】 【トリエラ@GUNSLINGER GIRL】 [状態]:胴体に重度の打撲傷、中程度の疲労。右肩に激しい抉り傷(骨格の一部が覗いている) [装備]:拳銃(SIG P230)@GUNSLINGER GIRL(残段数1)、US M1918 “BAR”@ブラックラグーン(残弾数0/20) ベンズナイフ(中期型)@HUNTER×HUNTER、 トマ手作りのナイフホルダー [道具]:基本支給品、回復アイテムセット@FF4(乙女のキッス×1、金の針×1、うちでの小槌×1、 十字架×1、ダイエットフード×1、山彦草×1) ネギの首輪、金糸雀の右腕(コチョコチョ手袋が片方だけついている)、血塗れの拡声器 [思考]:余計な運動しちゃったなぁ……、早く街で休もうっと 第一行動方針:リルルに警戒しつつも、一時的な同盟を了承。足を引っ張ったり敵対するようなら始末も考える。 第二行動方針:安全な場所まで移動して休息。 第三行動方針:好戦的な参加者は倒す。 第四行動方針:南西or北東の街に行き、銃器店or警察署を探して武器弾薬の補給を図る。 第五行動方針:トマとその仲間たちに微かな期待。トマと再会できた場合、首輪と人形の腕を検分してもらう。 基本行動方針:最後まで生き延びる(当面、マーダーキラー路線。具体的な脱出の策があれば乗る?) [備考]: US M1918 “BAR”@ブラックラグーンは、地面に叩きつけられた際、歪みを生じている可能性があります。 少なくとも肉眼的には異常は見られません。 【リルル@ドラえもん】 [状態]:左手溶解、故障有(一応動くが、やや支障あり)、人間への強い興味 [装備]:長曾禰虎徹@るろうに剣心 (※レッドの体液でべっとりと汚れ、切れ味がほとんどなくなっている) [道具]:基本支給品×2、さくらの杖@カードキャプターさくら、クロウカード(花、灯、跳)@カードキャプターさくら [服装]:機械部分の露出している要所や左手を巻いたシーツで隠した上から、服を着ている [思考]:のび太さんが助かってよかったわ。また逢えるかしら? 第一行動方針:とりあえずトリエラに同行。邪魔をしないよう注意しながら、観察を続ける 第二行動方針:人間に興味。「友達」になれそうな人間を探す 第三行動方針:強い参加者のいる可能性を考え、より慎重に行動する。 第四行動方針:兵団との連絡手段を探す。 第五行動方針:のび太に再会できたら、そのときこそ一緒に行動する 基本行動方針:このゲームを脱出し(手段は問わない)、人間についてのデータを集めて帰還する 参戦時期:映画「のび太と鉄人兵団」 中盤 (しずかに匿われ、手当てを受ける前。次元震に巻き込まれた直後からの参戦) 【B-2/草原/1日目/午後】 【白レン@MELTY BLOOD】 [状態]:腹部に大きなダメージ(休んでマシになってきた)、中度の疲労、体の所々に擦り傷 「こぶたのしない」の力で、白く可愛らしい子豚の姿に変身中。ランドセルは咥えて運んでいる [装備]:エーテライト×3@MELTY BLOOD、 [道具]:支給品一式、ころばし屋@ドラえもん、小銭入れ(10円玉×5、100円玉×3)、 [服装]:こぶたに変身中なので今は無し。 元の姿に戻れば、『いつもの白いドレス(洗ったばかりなので一部が少し湿っている)』になる。 [思考]:とにかく、今のうちにどこかへ逃げなきゃね 第一行動方針:のび太達から逃げる。 第二行動方針:豚化が解けるまでは、どこかで大人しくしておこう 第三行動方針:蒼星石たちを置いて逃げてきてしまったが、後で戻って戦場跡を漁るかどうか思案中 第四行動方針:できれば『ご褒美』で傷を治したい。 基本行動方針:優勝して志貴を手に入れる。 [備考]:白レンはシャナに解放されてすぐ、この場から離れました。 その後どちらの方向へ向かったのかは、次の書き手さんにお任せします。 ≪165 信じるものは -all or nothing- 時系列順に読む 168 そして誰も東に行かなかった≫ ≪165 信じるものは -all or nothing- 投下順に読む 167 少し遅い(前編)≫ ≪161 骨は囁く シャナの登場SSを読む 171 大した事じゃない(前編)≫ ≪160 リリス乱舞/斬、そして……(前編) のび太の登場SSを読む 171 大した事じゃない(前編)≫ ≪161 骨は囁く 双葉の登場SSを読む 171 大した事じゃない(前編)≫ ≪161 骨は囁く 紫穂の登場SSを読む 171 大した事じゃない(前編)≫ ≪148 MOTHER/2発の銃弾/金糸雀の逆襲 トリエラの登場SSを読む 175 第一回定時放送≫186 集結の夜≫ ≪148 MOTHER/2発の銃弾/金糸雀の逆襲 リルルの登場SSを読む 175 第一回定時放送≫186 集結の夜≫ ≪160 リリス乱舞/斬、そして……(前編) 白レンの登場SSを読む 171 大した事じゃない(前編)≫
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■ 霞が関官僚から「法律起案権」をはく奪し「全ての立法作業を国会に一元化」すべし! 知人からのメールで、衆議院法務委員会委員の橘秀徳衆議院議員(神奈川第13区)がTwitterで極めて 重要な情報を提供してくれたことを知りました。 (情報1)法務省課長以上64名中、検察官出身26名、裁判官出身20名、事務官出身18名。中でも 事務次官始め枢要なポストは検察官出身者が 独占している 橘秀徳 http //twitter.com/touch_tachibana 党「検察のあり方検討ワーキングチーム」に出席。 法務省幹部名簿、出身別の名簿が提出され、 課長以上64名中、検察官出身26名、裁判官出身20名、事務官出身18名。中でも事務次官始め、 枢要なポストは検察官出身者が独占。改めて、法務省=検察帝国を確認。 (情報2) 法務省所管の法律案、 政府提出法律案や制度は結局検察が作っている 橘秀徳 http //twitter.com/touch_tachibana *touch_tachibana 法務省所管の法律案、政府提出法律案や制度は、結局、検察が作っている。あ り得ない。 Twitterfor iPhone http //twitter.com/#%21/download/iphoneから (情報1)では法務省は実は検察庁の検事に支配されていることが初めて暴露されています。 「コンピューター監視法」が成立し「児童ポルノ改正案」や「人権擁護法」や近い将来「共謀罪」が 上程される背景には米国と一体化した検察官僚の治 安対策があるのです。 (情報2)では唯一の立法機関である国会を無視して検察庁の検事が法務省官僚として自分たちに 有利な法律を作り「政府案」として国会に上程し与党の賛成多数で成立させていることがわかります。 ▼ どのようにして「官僚支配」が可能となったのか? 法務省と財務省をトップとする霞が関官僚は「法律」と「捜査権」と「カネ」と「天下り」の特権を 握ることで「官僚支配」を完成させているのです。 法務省と各省が「法律」を起案し、検察庁と警察庁が反対派を「捜査・逮捕・起訴」で威嚇し、財務省が 予算と特会の「カネ」を支配し、国税庁が「国税捜査」で政治家や企業を威嚇し、各省が官僚を「天下り」させて 業界を支配しているのです。 2009年8月30日の総選挙で「国民生活が第一」を掲げて政権交代を実現した小沢・鳩山民主党政権は 「官僚支配の打破」を公約に掲げましたが、特権と利権を脅かされた霞が関官僚は「対等な日米関係」で特権と 利権を奪わりかねない米国支配層と結託して小沢一郎民主党代表の追い落としを図りました。 検察は「西松建設政治献金事件」と「陸山会土地公購入事件」をでっち上げ、大手マスコミは 「小沢バッシング」を仕掛け、また検察と裁判所は謎だらけの憲法違反組織「検察審査会」を使って 小沢一郎氏を「検審起訴」したのです。 田中角栄氏や現在下獄中の鈴木宗男氏や小沢一郎氏のように「米国支配」と「官僚支配」に反対する 政治家は検察による「国策捜査」と大手マスコミによる「バッシング報道」で政治生命を絶たれるか 窮地に追い込まれるのです。 ▼ 官僚による「法律の起案」は憲法第41条違反 憲法第41条は【国会の地位・立法権】として「 国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である」と 規定しています。 日本国憲法は「唯一の立法機関」である国会に法律の起案、審査、審議、採択などすべての立法作業を独占的に 行うことを認めているのです。 すなわち三権分立の原則にのっとり、行政権力である各省庁の官僚や司法権である裁判官に法律を起案することを禁じているのです。 霞が関官僚から「法律起案権」をはく奪して「全ての立法作業を国会に一元化」する運動が今こそ必要だと思います。 (終わり)
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隻腕の王 クエスト 隻腕の王 達成条件 ボスを倒す 詳細 過去に戦ったボスと再戦。 サポートキャラクター なし ランクS攻略 ランク基準目安 ランクS クリアタイム:2 10 トータルダメージ:318 敵の殲滅数:22 戦利品:憎悪の継承器×3/金の星火×5/天の星火×1/天聖の星火×1 ランクA クリアタイム: トータルダメージ: 敵の殲滅数: 戦利品: ランクB クリアタイム: トータルダメージ: 敵の殲滅数: 戦利品: ランクC クリアタイム: トータルダメージ: 敵の殲滅数: 戦利品: 名前 コメント すべてのコメントを見る
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1@soysource 彼は消しゴム 擦れて減った体は捨てられてゆく でも彼は地図に載るという夢のためにふんばって生き続けた ふんばった結果カスはねりケシになり 彼が残すねりケシは大きくなっていった そしてとうとうねりケシは島になった 夢が叶った彼はもういなかった 2@soysource 僕は僕をダンゴムシだと思っていた。みんな僕のことをダンゴムシって呼んでいたから。でも僕は水面に映る僕の姿を見て気づいた。僕はアルマジロだった。ダンゴムシは僕につけられた名前だった。バカにされていたんだ。今日僕は強くなろうと誓った。あと美白する。 3@sosoro1103 凍えるような寒さの夜。ヒラヒラと舞い落ちる小さな輝き。彼は雪の結晶。仲間の結晶達も後に続くように夜空を舞う。これから彼等が大地に降り積もり、一面を真っ白に染め上げるだろう。やった、地面に一番乗りだ。小さな喜びを胸に、彼はゆっくりと溶けていく。 4@pino_tabecco 僕を手に、子供が色んなゲームをやってくれていた。僕で遊ぶために、学校から走ってくる子供。目一杯笑ってくれていた。でも、ある新参がキッカケで、僕は一切手を着けられなくなった。そうさ。どうせ僕はたかがスーパーファミコン。どうせ64には勝てないのさ。 5@Haisokkusu 私は冴えない男のラブドール。男は私に加奈子と名づけ、愛でるようになった。ある日、男は私を乱暴にクローゼットへ詰め込み扉を閉じた。部屋からは女の声が聞こえ、男はその女をカナコと呼んだ。次の日、私は廃棄物として処分され、男はカナコと幸せに暮らした。 6@dorami1 僕はルイ・ヴィトンのバッグに転生し、美女にご購入された。彼女と肩を組み出掛ける毎日は幸せだった。しかし僕はある日突然捨てられた。泣きながら自分のポケットの内側を見るとnikeと書いてある。そこに書かれたマークは〆。ナイキですらなかった・・・ 7@usizimakouhei 公園に来る人はみな私に座る。弁当を食べる女性、昼寝するおじさん、愛を語り合うカップル・・・いろんな人がいた。今目の前にいる人は笑っている。彼はへらへら笑いながら私にバットを振り下ろした。あえなく私はバラバラになった。 8@atomiking 携帯電話の中には僅かな金が入っているとか。いくら色々に成り変わってきたからといって、これ程身体中を弄くり回された事はない。資源を取り出された身体は鉄屑に混ざっていた。やっと捨てられる。まさか次が無いことはあるまい。この人生は最後まで散々だった。 9@sonakana 紙を繰る音…明転――「ふはぁ…つかさぁ……」週刊少年ジャップのエロ枠漫画の、僕が大好きだった登場人物の名。どうやら僕は現在、つかさらしい。みるみる目前の男の顔が険しくなっていく。大好きなキャラとして、見知らぬ男に使われる憤り。無力感。 暗転―― 10@hukubu1985 僕はあの娘に恋をした。彼女は町のウエイトレス、僕はいつも店の窓越しに彼女を見ていた。そんなある日彼女の気まぐれか、彼女は僕を摘み、花瓶に活けた。それから毎日、水を入れ替え僕にほほ笑んでくれた。その笑顔、やっぱり君だったんだね。また会えて嬉しいな 11@atomiking ひらがな、むずかしい。ぼくがいま、えほんだからです。むずかしいことは、かけなくなりました。ぼくが こうじえん のとき…あれはあれで ぜいたく だったとおもう。でも、ぼくをよむこどもがえがお。むかしのことは、わすれよう。ほんのじんせいは、ながい。 12@conbini 僕はあの子の鼻毛。最近忙しいのか手入れを全くせず、体が尋常ではない速さで伸びているのが分かる。嗚呼このまま伸び続けてしまったら、私は電信柱の頂に到達するのでは?と淡い期待もしたがすぐ辞めた。私は鼻からチラッと出てしまうと抜かれてしまうんだ。 13@furenji 薬として生まれた彼は、人の役に立ちたかった。ウイルスに打ち勝つ日を今か今かと待っていた。ある日、彼は包装から取り出され、大悪党の掌に置かれた。彼は喜び勇んで大悪党に飲みこまれた。大悪党は彼の力で健康になり、さらに悪事を重ねた。 14@salon_de_pro 多くの女達が僕の名前を使って男達を誘惑した。愚かな男達は妖艶な肢体に導かれ罠に落ちていった。ある日上書きされた上目遣いの美少女に、僕は恋をした。けれど至福の時は長く続かなかった。omanko.gifは既に存在します。上書きしますか? 15@nebusyoku 僕はついにループから抜け出した。なぜかって? それは僕が正直者だからさ。生まれ変わりなんてものは僕には似合わない。僕が何もせずに存在しているだけで、この世界はとても平和なんだ。ああそうそう、みんな僕のことを変な風に言うんだ。嘘つき、ってね。 16@tibuyaro 只今18回目 17@zooey1223 男が引き金を引くと撃鉄が俺の尻に仕込まれた雷管をぶっ叩いた、爆発とともに銃身を一気に通り抜けフロントサイトの思惑どうりに銃口から脂ぎったオールバックの脳天めがけて飛び出した。頭蓋骨をぶち破り前頭葉から側頭葉に到達したあたりで力尽きてしまった。 18@sosoro1103 みんな僕に入るとすぐウトウトしちゃうんだから。ほら、また1人テレビを観ながら寝ちゃったね。ちゃんと布団で寝ないと風邪引くよ。やれやれ、おやすみなさい。僕はこたつ。もうすぐ冬が終わる。少しさみしくなるけど、寒くなったらまた会えるよね。待ってるよ。 19@usizimakouhei 働き蜂として私は生まれた。名前の通り一生働き通し。結婚もできず、群れのため、女王蜂のためにこの身を尽くすことになるだろう。そんなのは御免だったので、雀蜂に密告して巣を壊滅させた。働き蜂としてしか生きる術を知らなかった私は、結局のたれ死んだ。 20@gekidan7triaez スクラップ寸前のピアノである私は、可愛らしい彼女に指でなぞられ、叩かれ、悲しい歌を歌う。そんなに泣くのはおやめ、という私の言葉も届かず、彼女はただ泣く、泣く。いつしか涙に濡れた指が私から離れる。私にとっては最高の別れの歌。 21@hedoro01 皆はまるで汚物を視るような眼で僕を視る。或る者は履物を叩きつけてくる。また或る者は何かを噴霧してくる。それでも僕はしぶとく生きる。ある時、珍しく僕に御飯をくれた人がいた。匂いにつられて近づくと、身動きが取れなくなっていた。そうして僕は息絶えた。 22@furenji 憎い。食器が憎い。奴らが清潔でいられるのは、私のおかげなのだ。それなのに奴らはただ汚れを押しつけるばかり。欠片ほどの感謝も見せない。私の自慢だったカラフルなルックスは日に日に褪せていく。今の救いは、体に残った洗剤の、シトラスの香りだけだ。憎い。 23@firefllly ここに生まれて100年。春が来る度に花を咲かせて、たくさんの別れと出会いを見守ってきた。町も随分変わった。私は今年も変わらず、ピカピカのランドセルの子供や、あの老夫婦のために咲かせよう。精一杯の桜を。夏には、大きな道路が作られる。今年が最後だ。 24@wth_akm 屋上から落ちて息絶えたにんげんを目の前にして、そういえばにんげんの生は一度きりのものなのだとぼんやり考える午前8時半。たまには羨ましく思うことだって、ある。 25@atomiking 香しき たわわに実る その胸を 横から覗け 隙は僅かぞ …この褒美に余りある苦痛。せめて彼女が運動部だったら…この際汗臭い男子に使い回されても仕方ない!もう9月だ!君が今夏に使い切ってくれないなら、お母様に期待するしかない。早く棄ててくれ頼む 26@usizimakouhei 僕一人だけが生き残った。鼻毛になった時とはえらい違いだ。国民的一家の長の頭にぽつん。僕が倒れたら日曜の夕方はどうなってしまうというのか。凄まじいプレッシャーに押しつぶされそうになりながら、今日も頭皮にしがみつく。 27@qqquatrefoil 無数の物語が僕に映写される。無数の誰かが僕を観賞する。無数の誰かを僕は観賞する。無数の僕を僕は観賞する。美白しすぎた。 28@CeleronYokohaba 新しい僕を見て誰かが言う、彼はトロそうだと。僕はトロくない。でも腹の肉はトロのように脂が乗っていそうだ。誰かが言う、彼はバカだと。僕はバカじゃない。いや逆立ちすればバカになるか。じゃあ僕は何だろう?・・・カバ?違うね、僕はヒポポタマス!! 29@Nmiya1010 どうしてそんな男がいいんだい、君を大切にしてくれている男が居るというのに。その男、アドレス帳の上から十番目の男だろう。ほら、出てやりなよ。留守電を聞かされる僕の身にもなってくれよ。君の好きな音楽を鳴らしてあげているじゃないか 30@mmi924 喉を潤す為に生まれた僕は、狭い場所に閉じ込められなければいけないという。僕は窮屈な思いをしながらそこに入った。ある日僕は外に出ることができた。僕は解放されたのだ。喜んだのも束の間。僕は何かに吸い込まれた。最後に見えたのは真っ赤なトンネルだった。 31@dorami1 僕は念願だったアイドルに転生。超絶可愛いのに秋葉原で握手会しても客は3人しか来ない。ある日ドラマに通りすがりの役で出演すると、放送後ドラマの掲示板には僕に対する褒め言葉で埋められていた。全て一人の手による書き込みとわかったのは武道館ライブの後 32@kadomatu 暑い。声を出したはずなのに、出るのは濃度の薄い空気だけだった。憧れのあの人がそばに来て、嫌な顔をして去って行った。私はせめて匂いだけでもとそっと彼女の指に吐息を絡ませた。もう十分ださぁ消してくれ。彼女が愛す口の臭い男が黙って煙草を捨てた。 33@CeleronYokohaba ・---・ --- ・-・- ・-・-・ -- ---- -・・・ -・・・ ・・ 僕は生まれ変わった。どうやらモームス信号?を発する機械になったらしい。とりあえず良く分からないのでツーツー言ってます。意外と毎日が充実してます。 34@dorami1 僕はアヤという子に大切にされていたが、卒業式の日何故か僕は男の筆箱の中にいた。年月が過ぎ、男は引出しから僕を見つけるなりどこかへ向かう。僕を握り締めた男の手は汗ばんでいた。公園に見覚えある顔。大人びていたが屈託のない笑顔は紛れもなくアヤだった 35@KininaruVege ある時男は王様だった。男には、欲しいものは何でも手に入ったし、やりたいことは何でもできた。でも、本当に欲しいものだけは、一つも持っていなかったのだと気がついたのは、炎が男の身を焦がしている時であった。 36@foni42 あなたは隣の子とばかり遊んで私にあまり構ってくれない、たまに私に触れてきても、またすぐ隣の子のところへ言ってしまう、あの子が醜くなっていき、私が綺麗なままでも・・・。そう、私はマウスの右クリックに転生した。 37@atomiking 寿命が決まってるってのは気が楽だ。運が良いことに家族は毎日にこにこと私を破りに来る。時々7歳の末っ子が2、3枚破って叱られているのを見るが、ここは絵に描いたように幸せな家庭だ。ああ、おはよう。君が大人になっていくのを見届けられないのが寂しいよ。 38@furenji 俺は長くともあと3日の命。自分の賞味期限を知ってしまった日から、ずっと焦っている。店の客入りはそれなりに良いのだが、俺自身は昨日も一昨日もこの場所から動いていない。このままただのゴミになるなんて嫌だ。誰でもいい。俺を食べてくれ。 39@furenji のんびり過ごしている。年1回の点検時にひと鳴き。それさえこなせば、あとはぼーっとしているだけで良い。気楽だ。「災害は忘れたころにやってくる」とは言うが、ここの家主はしっかり者だし、そもそも火事なんて、そうそう起こるものではないだろう。 40@ugociyo とある時代、とある世界で、私は旅をしていた。かの賢人ゼノス・レ・ムントグントと共に、我ら黒の民の悲願を達するべくガウスの石に関与するインフォメーショネルを追い求めてダンダニアルモアパル大陸に差し掛かったあたりで強烈な便意に襲われ私は旅を辞めた。 41@sosoro1103 人参、じゃがいも、玉葱、お肉。今日はカレーかな。いい匂いだね。おや、電話だ。火加減には気をつけてね。美味しくできるといいね。ちょっと電話が長すぎないかな?コゲ臭くなってきたよ。あれ、焦げてるのはカレーじゃなくて僕だ。カレー を入れてる僕の体だ。 42@fotori 私は奴隷に転生した。これから王の墓を造るらしい。混雑する記憶が確かなら、その王は私の息子だったはずだ。今は違うとしても、親だった私に墓を造らせるとは、何と言う子供だ。花を捧げることはできないが、せめて立派な墓を造ってやろう。 43@Policy25 ある時その男性は鳥でした。人とお話ができる鳥です。彼は飼われていました。前世の記憶がある彼は、主人に自分の気持ちを伝えようとしました。「育ててくれてありがとう」と。しかし言葉は出ませんでした。主人はお話の練習をさせていませんでした。 44@tiyomatsu 今日も私は畑の中に案山子としてボンヤリと立っている。鳥たちも私に慣れ、畑に植えられた作物は馬鈴薯だ。世界は広いという言葉に劣等感を感じたこともあったが目に見える範囲だけを世界と読んで前向きに生きようと思う。どうせ後ろ向きにはなれないのだから。 45@onihsoy ころころころころ。彼は転がる転がされる。飽きたらその辺に放置される。本当はキラキラしていたい。だけど転がされるだけなのも悪くない。いつか勝手に転がっていこう。彼は心の中でそう思う。そんなビー玉の話。 46@e__bi 初めはこの体に嫌悪感をもっていたけどゴキブリも案外悪くない。足は速いし空も飛べる。ご飯も汚いけど慣れたら全然平気だ。さあ、明日はどこを駆け回ろうか。 47@usizimakouhei 今回の人生は平凡だった。たいした起伏も無く、ひたすら善良に生きただけだった。そういえば、変な格好した連中に村の名前を訊かれ、答えてやったのにも関わらず、そいつらに家の薬草やゴールドを盗られたことがあった。まぁ、いい人生だった。 48@conbini 僕は寝ぼすけな蛙。真冬に目が覚めた。僕の夢は空を飛ぶ事、毎日一生懸命空へ向かってジャンプしていた。努力が認められて高飛びの日本代表選手に選ばれた。嬉しくて夢じゃないかと思いホッペをつねったら痛くて死んだ。という夢を冬眠中に見て僕は2度寝した。 49@uonomeee 嫌だ、私は白球を打ちたい。向かってくる白球に身体をぶつけ、歓声に身を浸したい。…今私は体中から釘を生やし、血に濡れている。身を浸すのは悲鳴と怒声。どうしてこんなことに… ああ、やめて。ベンチだけは壊したくない。あの日の私の記憶が全身を恐怖させる 50@ugociyo 彼は日めくりカレンダー。自分の命がきっかり一年であることを静かに受け入れている。彼に取って3月2日という時期は、我々の人生で言えば20歳といったところか。春を告げるにふさわしい、まさに青春を謳歌している青年そのものだろう。 51@01523km この人生は長くなりそうだ。僕は都市の中心に聳え立つ高層ビルに生まれ変わった。なんでも世界一の高さらしく、完成を祝うたくさんの人が僕の足元に群がっている。少し億劫になっていると視界にある物が写った。”それ”はまっすぐ僕に向かってくる。 52@atomiking 荒む。荒むよねーほんと。ね。僕はね、筆を走らせる君を見上げてわくわくしていたんだよ。「堅苦しい本じゃない、マンガ!これは漫画か!」…ぬか喜びでした。僕と君は趣味が合わないみたいです。心配してないよ、きっとボツになる。あ、シュレッダーがいいな 53@kikaku0108 私は昔、動物園の動物は狭い中に押し込められて見世物となり可哀想だと思っていた。しかし実際は、ずいぶんと過ごしやすい。飯は勝手に来るし、敵に怯えることもない。見世物になるのも苦ではなかった。今日も長い首振って客を出迎える。最高のニート生活だ。 54@01523km 僕を手放す人間は大抵喜ばない。しかし今僕を若い女に渡し引き換えに生クリームの乗った可愛らしいケーキと6本のロウソクを手にした男の表情は、とても嬉しそうだ。 55@kikaku0108 産まれて初めて嫁ができた。巷では美人と噂されるほどの嫁だ。うれしくて意気揚々とセックスをする。しかし俺は忘れていた。このセックスが終わったら嫁に食われることに。かぷっ 56@furenji 愛しの彼女が、僕を右手の人差し指に貼ってくれた。料理の途中で切ったらしい。すべすべした肌。血の温かさが心地いい。一緒に作ったお弁当を持って、彼女と僕は外出した。駅に着くと彼女はお弁当を左手に持ち替え、右手で男の掌を握って幸せそうに歩き出した。 57@Haisokkusu 俺は大泥棒。猫のように目を光らせ、暗い路地を駆け巡る。今日もしつこい警察に追われ、高層ビルの屋上。拳銃を構える警察を尻目に、俺は華麗に飛び降りる。急降下する視界の中でふと気づいた。ああ、やっちまった。俺はもう鳥じゃないから飛べやしないのにな。 58@hako2 なんだ、また人間か。 59@sonakana ヒトの子として生まれたようだ。母は疲れ果てているが優しさに溢れた目で俺を見ている。父は涙と笑顔で顔を皺くちゃしている。大泥棒として名を馳せ誇らしげに思っていた自分が恥ずかしくなる。この涙はどうしようもない後悔と、愛に包まれた嬉しさによるもの。 60@yukio0079 「ここはオレにオレに任せて先に行けよ。」このセリフを言ったのも一体何度目だろう…。そんな顔するなよ…。どうせ俺は何度でも蘇る…。 61@Haisokkusu 我輩は猫。老いぼれた三毛猫である。捨てられた我輩を拾ったのは若い夫婦であった。夫婦には子供がいない。女はよく泣いていた。我輩は思う、もしまた転生できるのであれば、この夫婦の子になりたいと。そして我輩は女の膝の上で眠りにつく。女はまた泣いていた。 62@gamefrogs 「食べないの?」彼女の声が転がるように響いて、ぴんと尖った愛らしい耳を見つめていた俺を呼び戻す。目の前に用意された灰色の食事は、その鼓動を微かに残していた。背徳心で息が詰まる。なぜ、猫になど。俺は意を決して、かつての姿にぷすりと爪を突き刺した。 63@firefllly しまった。ちょっとばかりタイミングを間違ったな。今の父さんと母さんには、親不孝な事しかしてこれなかった。ごめん。ただ、この終わり方には後悔してない。猫を救えたんだ。ほら、俺は経験済みだからさ。轢かれて終わることの寂しさを。だから、これでいい。 64@hako2 ああ、また大豆製品。納豆に始まり、醤油に豆腐にきな粉に味噌。この国の人間はどれだけ大豆を摂取したいんだ。 65@pakirasama 待つだけというのも退屈だな。まあ競い合うだけの男側の時に比べれば遥かにいい。険しい道を私に会う為に越えて来るのだ、1番の男と結ばれるのも悪くないな。…おや?ここは…!?女になっても結局白い世界で果てるのか。血まみれの分男より性質悪いか… 66@atomiking やっと人間になった頃には外の世界は随分と様変わりしていた。初めて産まれた土地、16人目の母はとても優しかった。18歳までは長かったが、広辞苑の時ほどではない。すっかり見慣れた地図を手に、僕は旅に出る。消えた島がいくつかある。新たに生まれた島も。 67@zakkyi 僕は涙、君の悲しみの雨。君はとても弱いから僕は君に何回も呼び出されるんだ。勘弁してくれよ、もう散々なんだ。早く僕を嫌いになってくれよ。君を励ます事等出来やしない僕を。 68@atomiking 掘れ!掘れ!掘れ!スコップを振り上げろ!まだ、だいぶ下だ!大丈夫だ!思い切り掘れ!見つけるんだ!新たな歴史へ辿り着け。この下に僕がいる! 69@usizimakouhei 彼がこの世を去って5年過ぎた朝のこと。ゴミを捨てに表へ出た時、チュンチュン鳴いていた一羽の雀が、急に鳴き止み私を見つめた。その瞬間、何故か涙が止まらなくなった。 70@zakkyi 僕はあの子が書いたラブレター。笑っちゃうだろ、今時ラブレターなんて。だけど純粋な好きという愛情が僕には沢山つまっているのさ。ところでそこのお前、僕を読まずにそのゴミ箱に捨てるなんて思ってないよな。あの子が一生懸命お前のために生み出した僕を。 71@kikaku0108 私が何度言っても娘は猫に対しての暴力をやめなかった。私が理由を聞くと娘は決まって親の仇だと言う。私は生きていると言っても娘は聞かなかった。ある時、娘が悲しそうにたたずんでいるのを見た。娘の手のひらにはネズミの死がいが乗っていた。 72 @hako2 もう1000回近く転生しているのに、いまだに俺は地球を抜け出せないのか。 73@nebusyoku 兄さんは美人さんで、姉さんはイケメンさんだった。僕はきっとブサイクさんかブスさんだと思うけど、鼻をかまれた友達よりはマシかな。お、僕の番だ、と思ったら投げ捨てられた。芯に残った2センチでもお尻は拭けるのに。僕の気持ちを尻もしないで、ひどいなあ 74@sonakana ようやく買われた。しかも超絶美人。今、俺は缶コーヒー。俺が彼女を暖め、彼女が俺を愛撫する。俺の存在しないチンポがおっき。むくりなう。今は余計な事は忘れて、ひと時の甘美を愉しむことにする。 75@Policy25 僕は今何だろう?生まれてから光を見たことがない。数年経った。そして僕は気づいた。蝉だ。今から外に出ないといけない。飛び立つために。外に出ると、体は光に包まれた。初めに視界に入ったのは、口を開けた猫だった。今まで通り、僕は次の転生に期待を込めた。 76@cafemoca19 君は下ばかり向いてなかなか上を見ない。私が君の元へきたのはコンクリートの溝なんかをはっきりと見せるためじゃない。さぁ勇気を出してその顔を上げて、私越しに世界を見てごらん。鮮やかで美しい景色が君の前には広がっているだろう? 77@fotori 「俺は何回も死んだんだぜ。」「あら、私も何回も貴方と生きたわよ。」「それは気がつかなかったな。でもどうやって俺だって分かるんだ?」「あら、何で私だって分からないの?」「悪いけど、分からないんだ。」「ふふ、今度は貴方から気がついてよね。」 78@nebusyoku また染んだので天声した。抱けど来れは、時分出もナニを炒っているのか若ら無い。五時返還は麺道過ぎる、恥四季があった百花自転だった殺が夏瑕疵い。漬かうひと我モンクを飯田氏たぞ。消去するのかヨ。あ、修正パッチが作動したからストップしt....... 79@pino_tabecco なぜだろう。俺が顔を出すとみんなしかめっつらをする。でもそんな顔を見るのが俺は好きだ。まるで世界を操っているようだ。明日は少しひねくれて、水を垂らしてやろうか。そう。俺は雲になった。 80@conbini 君はよく頑張ったよ。僕がよく知ってる。メールの途中で相手が寝た時、どうしたのかな?と心配になる気持ち。他の異性と話をしている所を見て泣きたくなる気持ち。その片想いの気持ちが僕。寂しいけど君とは今日でお別れだね。さよなら、そして両想いおめでとう。 81@firefllly 今日やっと土から抜け出せる。生まれてから1年。今まで地味に生きてきたけど、今日からが人生の花だ。体を一生懸命光らせてみようじゃないか!光輝く人生の始まりさ。お!あの子可愛い!ちょっと光らせて、誘ってみよう。たとえ、残り短い人生と分かっていても。 82@foni42 宇宙に行きたかったボクはスペースシャトルになることができたんだ。遂に出発の日、ボクは宇宙へ向けて舞い上がる・・・そのときだった、ボクは切り離され真っ青な海に落ちて行った。ボクは何もない海底で自分がロケットブースターだったことを知ったのさ。 83@sonakana とある中学校の校長室。「今日も、絶好調だぜ」 これを一度校長として言ってみたかった。我ながらよく分からない無駄な事をしたと思う。寒いんじゃぼけ!今回はもう死んで良いや~ 84@usizimakouhei ショーウィンドから眺める街は白く染まっていた。マネキンとしてすましている彼を、少年がじっと見ている。「室内っつっても寒いんだけど」と一人愚痴る。彼の着ていた服を着て、嬉しそうな顔で店を出る少年を見送りながら。 85@fotori 私がうたた寝を始めると、皆は私をバンバンと叩いて起こす。今日もうたた寝をし始めると、知らない顔が運ばれてきた。お母さんという女性が言う。「やっとブラウン管テレビから解放されるのね。」 86@KininaruVege ある時男は大地だった。男は空だった時こう言っていた。「俺はパンツが覗きたい。」でも、大地になってしまったら、何十億人の人々に踏まれるじゃないか。男はこう言う。「我々の世界ではご褒美です。」 87@wth_akm モノの寿命はいつかというと、そのときによって異なったりする。形を失ったときだったり、モノとしての用を成さなくなったときだったり、誰かに忘れられてしまったときだったりする。川の石なんかになったときは、気づけば眠っていたりする。まあ、いろいろ。 88@kikaku0108 きたないだって?何を君は言っているんだ。こんなにもがんばって生きているのに馬鹿にしているのか!もういい。君には疲れたよ。・・・全く、世の中には低能しかいないな。君もそう思うだろう? 私は黒く光る彼の死体に話しかける。自分の過去を思い出した。 89@furenji 道路の振動が支柱に伝わる。あのトラックはもう止まれない。真正面で赤を光らせているのに、なぜ少年は飛び出してしまったのだ。ああ、彼はかつての持ち主だ。私の次の自転車を手に入れて、はしゃいでいたのか。グシャリという音。細いタイヤが転がってきた。 90@atomiking 母さん、ごめん。貴女の息子は、僕なんだ。貴女の息子の人生が、僕のものになってしまった。どこからかこんな思いが降りてきて、自己嫌悪に陥る夜があった。僕は人の子 だった 。今は母さんの息子だけど、僕には本当の母さんがいたんだ。ごめん。ごめんなさい。 91@otoufu1 今日で張り込み7日目だ いや正しくは張り付けられてか・・私はガム。ある男に踏んづけられて男の靴の裏に住んでいる。この男どうも足元が危ない、いつもフラフラと歩く。ほらみたことかまた踏んづけた。やれやれ今度の同居人は茶色く少し臭う奴だな 92@zooey1223 NATO設立前のイタリア製ボルトアクションライフルから初速755m/sで発射された7.35mmの俺は目標物に命中するとアルミ製の弾頭が潰れ断面積が広がり運動エネルギーが拡散しさらに回転しながらケネディの頭半分を粉砕し射出口から飛びだした。 93@01523km 古ぼけたピアノから僕が生まれて、どれだけの月日が経っただろうか。何十年、もしかしたら何百年かもしれないが今でも僕はたくさんの人に口ずさまれている。 94@mugo_n 久しぶりに人間に転生したがあまりにも容姿がひどい。これではまともに生きていても良いことは少ないと判断し、一般的に悪とされている行為に一生を費やした。もともと孤独な私には、終身刑も死刑もなんの刑罰にもならない。欲求に素直に生きることも悪くないな 95@sosoro1103 真っ赤な魚の群れの中にただ1匹、体の黒い魚が泳いでいる。突如、群れを巨大なマグロが襲う。黒い魚の合図と共に群れが集まり巨大な魚のシルエットを作り出す。驚いたマグロは一目散に逃げていく。目の役割を果たしていた黒い魚が呟く。「絵本で読んだとおりだ」 96@neet_12345 おい、僕だ。見えているだろうか?そう、このツイートが僕だ。まさかツイートにまで転生するなんて思ってもみなかった。くそっ、せめて美少女のツイートに生まれたかったが…まぁいいだろう。TLから消えるまでの短い人生を僕なりに謳歌してみせるさ。 97@neet_12345 「光よあれー」と投げやりな声が聞こえて僕は生まれた。え、そんな簡単に生まれるの?と考える間もなく体が直進し始める。速い、速い、超速い。ていうか超反射する。痛い。速い。訳も分からないまま徐々に吸収された僕はまた闇に消えた。 98@neet_12345 目が覚めたときから僕は争うことを義務付けられていた。時が来たら決死の覚悟でただ一人しかたどり着けぬゴールに向かう。けどその時思い出したんだ。このゴールはただのスタートライン。そこから始まる長い苦しみ。僕は隣の奴にゴールをゆずることにした。暗転。 99@neet_12345 今度はチョコに転生した。日付は2/14。どうやら僕はこれから愛のキューピッドになるらしい。なんだかわくわくしながら僕はそのときを待った。ところが、様子がおかしい。女の子のすすり泣く声。投げ捨てられる感覚。僕は哀のキューピッドになってしまった。 100@Yasoichi 去年、妻と娘が遺体で発見された。人の形をしていただけで、愛する者の面影などなかった。そして、私は一人の男を殺した。男の「次は何がいいかな」という言葉が頭から離れなかった。しかしもうそんなことはどうでもいい。これから家族に会えるのだから。 101@neet_12345 はっきりと言おう。今の僕は孫よりかわいい存在である、と。さらにいうならば目からうろこよりも素晴らしい体験をさせられるそんな素晴らしい存在なのだ。だから、だから捨てないで欲しい。デイリーといっても2,3日は使えると思うから…ああ…! 102@zooey1223 過激なレーガン政権による格差社会が生んだならず者たちを取り締まるため作られたロボコップはオムニ社が支給したバレット対物狙撃用ライフルで重武装ロボットに50口径弾と化した俺を撃ち込むと特大のマズルブレーキから大量の発砲煙と硝煙の匂いが噴出した。 103@salon_de_pro 白いハイヒールが静かに蒸発している僕を踏みつけて舌打ちした。そんなに睨むなよ、携帯ばかり見て歩いていた君が悪いんじゃないか。たしかにその黒いシミは僕の体液だけどさ。青い空には虹がかかっていて、僕の体には油が浮いている。パンツの色は赤だった。 104@shiki5965 僕は美しい。うっとりとした目で女が僕を見つめている。「ああ、なんて美しいの」美しい彼女が美しい目を輝かせそう言った。そうだ、僕は美しいんだ。そして間もなく、僕は死んだ。美人薄命とはよく言ったものだな。「あら…鏡が割れてしまったわ」彼女は言った。 105@shiki5965 気付いたら僕は携帯電話だった。僕を見る彼女の顔はいつも幸せそうだった。ある日恐い顔をした男が僕を取り上げた。泣き叫ぶ彼女を背に男は僕の中身を次々と見ていく。そして大きな音がして、僕は真っ二つになった。何も聞こえなくなった。 106@kikaku0108 俺はついに最強の姿を手に入れた。老若男女ほとんどから愛されるその姿はまさに最強。特に女性受けがいいし、犬猫なんかより飼い易いのも利点だ。俺はただ飲み食いして、気が向いたら滑車を回してればいい。それだけでモテモテだ。最高に気分がいい。 107@neet_12345 「ファー…プルスコ…ファー…」だ、めだ から、だがも、う、うごかな。い。ひさびさの、ともだちのあいても、できません。「ダッコ…シテ」ちからをふりしぼっても、ともだちはこわ、がるだけ。どうせてんせいすると、わかっていても、ぼくは、かなしい。 108@zooey1223 正面にいるのは囮であった。クルスクで遭遇したソ連軍は側面からわが軍を狙い始め砲戦の爆音と大型モーターによる無線のノイズの中で車長の怒鳴り声がインカムから装填手に伝わると砲塔バスケットから8.8cmL56砲弾の俺を取り出し主砲に押し込んだ。 109@wth_akm 「この世にはね、どうにもならないことが、たくさんあるんだよ」暖炉の前で椅子に揺られながら、年老いた男は膝に抱いた少女の頭を撫でた。少女は気持ちよさそうに眼を閉じている。「…この若造が」少女は幼さを残した声で、祖父に聞こえないように小さく呟いた。 110@uonomeee 可愛い彼女の首元を鮮やかに彩るのが、私の役目。鎖骨と胸元の間をゆらりゆらり…何だか少し落ち着かない。後少しチェーンが長かったら谷間に行けるのになあ。多分そっちの方が落ち着くと思うんだ。いつになってもスケベ心が失われないのは、嬉しいやら悲しいやら 111@uonomeee チラチラと私に視線が向けられる。気を抜く暇が無い。だって針が狂ってしまったら、取り換えられてしまうから。まあ今回は中々楽とは言えないけれど、ずっと身につけてもらえるし、寂しさを感じることも少ない。これはこれで幸せか。愛用される限りは精一杯動こう 112@furenji 「か、金を出せ!」主が行員に俺を突きつける。バカかこいつは。こんな紛い物一つで強盗が成功すると本気で思っているのか。ああ、もう一度本物になりたい。銃弾の重さ。火薬の匂い。皆が俺を恐れる。グリップを握る者も、ヤケを起こしたウスノロではないはずだ。 113@atomiking 先生が得意気に読み上げる異国の言葉はカタコトで、とても聞いてなどいられなかった。配られた手製の練習問題にもおかしなところがそこここにある。僕は頬杖をついてそれらしい答えを選んでいった。そうだな、将来は教師もいいかもしれない。今の僕なら、 114@gamefrogs さいごだ。雲の上から身をなげるんだ。死ににゆくのではないよ。ふうわりふわりとただよって、あたたかな地面にすいこまれていくだけだ。もしも叶うなら、きみが一目でもぼくを見て、きれいだねって言ってくれたらどんなに幸せだろう。白に生まれたぼくを見て。 115@gamefrogs 三月の雪が頬をかすめた。恐らく最後の雪だろう。降り注ぐ白はどこか懐かしくて寒々しく、私の羽を冷やしていく。私は桜の枝に寄り添って、ぶるると小さく身震いした。目の前の膨らんだ蕾は、この雪が止むころ開くだろう。春が来るのだ。 116@atomiking 隣の、隣の家の奥様はとても素敵な方で、うちの子が遊びに行く度良くしてくださるの。ただね、そこの娘さんがおかしな子で、時々お庭にガラクタを並べてにこにこ話しかけてるのよ。聞いたら「可哀想だから、ひなたぼっこしてるの」って。少し気味が悪いわ 117@firefllly 口から心臓が飛び出る感じ。何回経験しても慣れない。でも、先輩が卒業する前にって思ってる。右手に手紙。びっくりするくらい乙女だ。昔、ラブレターになった時は、捨てるなよとか思ってたけど、今はどうでもいいや。ただ伝えられさえすれば。今、足を踏み出す。 118@Policy25 幾多の記憶がある彼の、今の姿は蜘蛛でした。四方を見渡す彼の目は、いつも貴方を見ています。隠し事など通用しません。見られているのに気づきません。貴方は時にいけないことを、小さな罪を犯します。そんな時、彼は貴方に送ります。罪悪感を送ります。 119@fotori 僕が普通ではないと知ったのは、いつだったかな。確か、世間話の中で言ったんだ。「前世は何だった?」帰ってきたのは、「ねーよ。」の一言。今、目の前の後輩が言う。「先輩、前世は何でしたか?、俺はですねー…」僕は先輩として彼に答えた。「ねーよ。」 120@atomiking ずっと昔から使われてはいたけど、「おっぱい」って言葉は確か500年位前に一回流行してから国中に定着したんだ。それまではみんな、呼び方はばらばらだった。 121@morioooo きみ、今日で何度目だい?僕の兄弟を何人殺せば気が済むんだ。簡単だろ?たった二文字だ。それを伝えればいい。僕らの主はよくわからない。ああ、また消すのかい。僕の人生も短かった。君の思いを相手に届けてやりたいのに。どうかその恋、うまくいきますように 122@morioooo 足が熱い。真っ赤に焼かれた鉄の靴を履いているせいだ。わたしは踊っている。世界で一番うつくしいと言われたあの娘は今、王子の隣で微笑んでいる。なんて最期だ、もう踊る力もない。意識が遠のく中、来世は誰からも愛されるプリンセスになりたいと小さく願った 123@usizimakouhei 渡す前に割るなよ・・・ 124@neet_12345 「あ、ライターないな…久々にこれで火つけるか」シュッ!アタシは死んだ。マサーツ(笑) 125@neet_12345 1989年、この日はナニかチガウ――アタシは直感した。ガッシボカ!この日に彼らは旅行自由化になってアタシを破壊した。アタシは死んだ。ドイーツ(笑) 126@Haisokkusu どうやら次はゲームの中らしい。以前、村の名を言うだけの人生も悪くなかったが、是非とも長いセリフを喋りたいものだ。私は目を開き、自身を見る。ああ、これは。私が少年の頃、何度も挑んだ魔王の姿。いいじゃないか、勇者よ。この名に恥じぬ闘いをしてやろう。 127@usizimakouhei 夕暮れの教室。今日も我が主の同級生である彼がやって来る。頬を紅潮させ、薄気味悪い笑みを浮かべながら私を舐める。これはたて笛の宿命故仕方あるまい。でも一つだけ言わせて欲しい。君の好きな娘の席は隣だ。 128@conbini おいおいおい、これおれの意味ある?歩くとこみたいに隣の奴がピカピカすりゃいいじゃん。だって・・・ほらぁ~また行ったしー!!我は黄色い者なり。その命 自分の物だけとは 違います。皆も、交通ルール守ろう、ゼッタイ。 129@KininaruVege 急げ。---幾度となく転生を繰り返し、いつしか私は自分の死期を予感できるようになっていた。どうやら私に残された時間はあまりないらしい。死ぬ前に彼女に気持ちを伝えたい。---急ぐあまり道路に飛び出したのが運の尽き。死期予測の精度はあまり良くない 130@zooey1223 近代戦においてはすべてが自動で行われる。風向きや気圧、コリオリ効果などを考慮した弾道計算から機力による装填作業まで駆逐艦に配備されたMk42砲塔の弾薬庫で炸薬を腹に詰め込んだ5インチ徹甲榴弾の俺は眠っている。 131@atomiking 彼の絵は素晴らしいから。私は知っているから。さあさ、筆を持って。カンバスに向かうの。描いて!明日のパンなら心配ない。温かいスープなんて時々飲めたらいいじゃない。絵具があったらなんとかなる。描いて。たくさん遺して。数百年先までも私が見届けるから。 132@atomiking 僕が死んでから数日、家の中は忙しなく落ち着かなかった。幾度転生しようと自分が死んだ後なんて見たこともなかったから、なんだろう。凄く不思議な気分。僕の死は突然すぎて、身重の兄嫁を驚かせてしまったらしい。腕の中は温かい。また眠るまで僕の顔を見てよう 133@firefllly なんか空気ぐんぐん入れられたと思ったら、今風船なわけね。と思ったラ、ヘリウムガスダァ!フワフワイイ気分ー。イエーイ!オォ、カワイイ女ノ子にモラワレタ!と思ッタラ手カラ離レタ!ヤッタ!!空に飛ビタテルぜ!ん?木?ガサガサッ!パァァン!! ・・・ 134@firefllly そのとき彼は靴だった。小さな赤い靴だった。幼く可憐な少女に大事に大事にされていたけれど、いつからか少女が彼を履いて外に出ることはなくなった。下駄箱の扉が開けられなくなって、もうどのくらい経つだろう。彼はそっと眠りにつく。次の転生への扉を開ける。 135@fotori 今日は外の景色を見ながらの移動だ。あのお店は喫茶店になったのか。駅の周りも何か綺麗になってるし、変わったなぁ。あ!今可愛い子と目が合った!ハロー!目を逸らさないでよ。恥ずかしいの?さて、この主人はチャックが開いていることにいつ気がつくのかな? 136@foni42 今度は一体何に転生したんだ。ん?なんかみんな叫んでるな、それもかなりの数だ、何かが破裂する音も聞こえるぞ、でも音が近づくにつれ叫び声が少なくなっている、そして俺は見た。巨大な指が俺たちを一つずつ潰しているのを。そーか今度はプチプチだったのか。 137@furenji 見知らぬ女性からスニーカーを貰った。理由を尋ねると「26年前、あなたが私に願ったから」。いささか不気味だが、最近の運動不足が気になるし、ありがたく使わせて戴こう。 26年前といえば、天体観測に勤しんでいた頃か。夏に見た流星群には感動したものだ。 138@fotori 誉められたって、嬉しくなんかないんだから!ただの絵画なんかじゃない。もっと、内面を見てよ。今度の主人は随分な髭面ね。男は私の中に隠されてた、数枚の写真を抜き出し、泣いた。あら、マイ・ロード?今度も人間に生まれ変わったのね。 139@morioooo ほら、見てみなよ。僕らの舞台にみんな足を止めている。大きな音を立てて、人々が空を見上げているんだ、小さい子供が「わー」ってキラキラした笑顔ではしゃいじゃってさ。また人に生まれたら僕を作る人になろう。職人が足りないと主がこないだ嘆いていたからね 140@Yasoichi 赤だよ、赤。そう。次は緑。よし。最後は青ね。白じゃないよ。青だよ。青、青。違うよ、そっちじゃない。あ~、やっちゃった・・・。うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉらららららららぁぁぁぁぁぁぁぁあががあががががが!!!!! 141@Haisokkusu ここ何回かの人生はとても忙しいものだった。さすがに記憶が混乱する。しばらく何も考えずに過ごそうと思う。最期がいつになるか分からないけれど、無心でいられるならそれだけでいい。僕は深く暗い海の底、一粒の砂として生きるだけだ。 142@BonChi0902 ああまたこの人生か。もう70回目じゃないか。そして君はまた悲しそうな顔して言うんだ。「君はわかってくれないね」って。またこの人生に巡り合うのはいつなんだろうか。次は君を笑顔に出来るかな。 143@zooey1223 将来、共和党の最終候補としてオバマ上院議員と大統領選を争うことになるベトナム戦争の英雄マケイン海軍少佐の操縦するA4戦闘爆撃機に抱かれたスマートな流線型の自由落下式汎用爆弾の俺は高射砲による対空砲火を避けるためハノイの空を超低空飛行で突き進んだ 144@fotori 彼は、羽が退化していて飛べないし、引き篭っているうちに大きくなり過ぎて、洞窟から出られなくなった哀れな竜だ。大きな体を丸めて、全身は苔だらけ。「誰か助けて」竜が涙を零す。何に生まれればこいつを助けられるかな。僕は胞子を飛ばしながら考えた。 145@morioooo 会社帰りに一人の少女が花束を渡してきた。「お誕生日おめでとう」そう言って人ごみに隠れるように去っていった。今日は俺の誕生日ではないんだが… 電話がなる。妻が世話になってる産婦人科からだった。 146@firefllly 痛っ!また踏まれた。今の世の中この時代に、僕に気付く人は、僕の名前を知る人は、どのくらいいるのか?僕がここに存在していることも疑いたくなる。しかし、痛みは現実。突然、少女が近づいてきた。ああ、また踏まれるのか。「ママー!つくしだよー!」 147@cafemoca19 何度目か前の人生に読んだ絵本の中に出てきた猫は、どうやら俺と似たようなことを繰り返していたようだ。 あいつは最後の人生を納得して愛して、その転生の幕を閉じた。果たして俺は最後に満足することなどできるのだろうか。そもそも終りなどあるのだろうか。 148@furenji 何度も希望した転生先だが、実際なってみるとこれは大変。我が主はかなり大きめで、Eカップ用の私ですら全く余裕がない。一日中圧迫されて息苦しいうえ、ホックが千切れそうなほど張って痛い。次は男として、こんなバストの持ち主とめぐりあいたいものだ。 149@firefllly この星に今、人間はいない。皆、別の星に移住した。昔は、妄想だとか、儚い希望だとか、叶わぬ夢だとか言われていたことが、今では現実だ。 150@Haisokkusu 早朝、私は駅の売店で他の雑誌と並ぶ。くたびれたサラリーマンは、温かいコーヒーと私を買って電車に乗った。人の少ない車両。サラリーマンは私を読み終え、まだ暖まりきっていない車内に置き去りにして電車から下りる。ドアから流れ込む空気がやけに冷たかった。 151@shiki5965 「あの葉が落ちたら私は死んでしまうの」彼女は私を見てそう言った。そして今私は、今にも枝から離れてしまいそうな身体を必死に支えている。間もなく身体に衝撃が走り私は枝から落ちた。見上げるとカラスが得意げな顔で私を見下ろしていた。彼女は死ななかった。 152@usizimakouhei 彼女はひたすら穴を掘る。あてがあるとはとても思えないが、その顔は希望に満ちている。遥か昔、地中深くに眠る私を見つけた彼のような笑顔を、彼女もまた見せるのだろうか?テンポ良く私を振るう音を聴きながら、そんな事を思う。 153@zooey1223 冷戦が終結しさらなる国防費削減のため安価で生産できるホーネットへと配備変更が進む中、空母甲板では古参のイントルーダーらと共に出撃準備のトムキャットは主翼付け根のパイロンにスパローと名付けられたAIM-7対空ミサイルの俺を搭載しイラクへと向かった 154@fotori 戦闘機に生まれ変わった私は、今日も体に弾をつみ、命をつみ、罪をつむ。今回の目的地は、過去に過ごしたあの土地。まさか、こんな姿で帰ることになるとは。 155@fotori 包丁に生まれ変わった私は、今日はウロコを剥ぎ、ヒレを取り、サカナをさばく。しかし、この魚の顔は、昔、隣の席で消しカスを集めていた田中君に似ていると思う。まさか、田中君なのか。 156@mmi924 ここはくさい場所だ。くさい場所なのに、人は絶えずやってくる。そして何故か下半身を剥き出しにする。それだけならまだしも、液体やら茶色い固形物を落としていくのだ。これがまたくさい。覚えているだけでも10回目だが、今回もまた同じ末路を辿るようである。 157@atomiking 学校が終わって公園に行くと、「おつかれさま」と言っておじさんが迎えてくれる。くさくないし綺麗だけど、ママはこのおじさんを嫌っていた。おじさんは僕たちにワクワクするようなお話をしてくれたり、時には勉強も見てくれた。僕たちはおじさんが大好きだった。 158@Policy25 僕は皮膚に転生した。残念ながら女性ではないようだ。長年この体を見てきて気になることが出てきた。生え際が後退しているのだ。可哀想に・・・この男も心に苦しみを抱えていくんだなと思った。しかし男は強かった。すべてを許容するこの男に、僕の心は救われた。 159@morioooo もうちょっと優しく入れてくれよ。ちゃんと店長のいうとおりに歌うから。相変わらずここのコーヒーの香りは最高だ。そういえば昔の僕はかっこつけで女の子の前ではブラックを無理して飲んでいたっけ?さあ店長、開店だ!今日も僕の喉は絶好調さ! 160@firefllly 今日、天国に行ったのね。つらく悲しくどうにもならないこともあったね。でも、私は同じ時を共有できて幸せだった。どこか達観していて、不思議な空気を持つあなた。願わくば、幸せに別の人生に転生できますように。ひょっこり生まれ変わってそうだから、笑える。 161@usizimakouhei そこに居たモノ達は、皆狂っていた。地元の人間ですら入らない山の中腹。壊れたモノ。世代交代したモノ。必要とされなくなったモノ。他のモノに生まれ変わる事もできず、泣きながら狂い、ただ朽ちていく。そんな彼らを横目で見ながら、私は静かに目を閉じた。 162@zooey1223 オバマ政権下での核体制見直しによって抑止力の維持と削減の間で存在の有無を問われている。軍産複合体として軍事産業への依存はますます膨れ上がり軍事費は厳しい経済状況を圧迫し続けているアメリカは核弾頭として生まれ変わった俺の役割に終止符を打つだろうか 163@atomiking 年の瀬、家族総出で大掃除をしている。子供達が埃を叩く側で、僕はガラクタを並べていた。歪んだレコード、壊れた万年筆。大切にしていたけれど、だからこそ捨ててあげたい。物の声は聴こえないから。「パパ、万年筆捨てちゃうの?」お前には新しいのをあげるよ。 164@atomiking エロ本になった。女優は好みじゃないが、そこそこ楽しんだ。そして飽きた。せめて痴女に買われたい。多分無理。僕はコンビニの片隅で再来月を待つ。トイレからは冷たい風が吹いている。 165@zooey1223 世界貿易機関の怠惰が引き起こす機能不全で大企業による発展途上の国に暮らす労働者たちへの搾取が問題になっている。私の働く工場でも不適正な低賃金、奴隷のような長時間労働、福利厚生の皆無など貧困に付け込んだ先進国の資本主義イデオロギーの弊害を憎んだ。 166@salon_de_pro 今の俺は本屋に並べられた釣り情報誌だ。向かい側のエロ本コーナーから覚えのある女優が上目遣いにこちらを見つめている。女優はあの時とは名前が変わっていて、年齢的にベテランになっていた。色々なものを見てきただろう彼女を、今なら好きになれる気がした。 167@BonChi0902 おいおい。そんな手で触るなよ。自家発電した後にそのまま俺に触るな。臭くてたまらんぞ。左手でオナニーしやがれ。話はそれからだ。 168@fotori 次は何になるかわからないし、次があるのかもわからないので、今を精一杯生きようと誓ったこともある。だが、何度も生きるうちに、私の考えは変わってしまった。そんな私を、あの人は好きだと言ってくれた。今は君の為に、あの誓いを守ろう。 169@atomiking どしゃぶり。とてもばかなことで、世界を変えてみたい。ヒーローでも悪役でもいい。善人ぶってばかを見てもいい。雨を吸った頭が重い。小さな手が僕を抱いて震えている。しとしとと、赤い血が雨に混じっていく。それはこの世で一番凶悪な弾丸だった。 170@morioooo 花屋が建つ前は保育園だったらしいと、店長が話し出した。「とっても優しい先生がいたのよ」「クッキーを作るのが上手なの」店長が作るクッキーもおいしいですと言うと彼女は笑った。「味をマネするのにいつの間にか3度の人生を歩んでいたわ」 171@fotori 笹の葉になった時は、笹舟になって遠くへ行ったし、風は私を、色々な所へ連れて行ってくれた。今、舞い落ちる桜の花びらも、遠くへ行きたいのだろうか。私は、髪についた花びらをそのままにして歩いた。 172@Policy25 僕は目になりました。転生直後は、どんな景色を見れるのかと期待しました。しかし、僕は万に一つの確率を考えていませんでした。「盲目」という地獄の始まりです。僕は共に呪いました。まるで自分の体のように、まるで自分の心のように。あぁ、目の前が真っ暗だ。 173@hako2 僕は雪にも屈しない。僕が休まず働かないと、今はみんな暮らせない。原子力、火力、水力、風力。これからは太陽かな。たくさんの仲間と一緒に、毎日君のそばに立ってるよ。たまには空を見上げてね。僕がなんだかわかるかな? 174@hako2 コンビニでも無いのに、最近は24時間やってるな。猫の発情期は末恐ろしい。人間の頃にこのパワーが欲しかった・・・。 175@firefllly 今の俺は乾燥している。これからフライパンで焙られることは分かっているんだ。火にかけられた!きたぞ!周りがどんどん弾けていってる!ポンッ!ポッポン!よし俺も!・・・おい!火を止めるなよー!・・・まだ弾けてないのに。空気読めなくてごめんなさい。 176@e__bi 今日も退屈だ、日向ぼっこやぶらぶら散歩する毎日にはもう飽きた。何か面白いことはないかな。ああ、そういえばこの姿になったら言ってみたい言葉があったな。「我輩は猫である。名前はまだ無い。」 177@sosoro1103 僕はね、紙を切る為の道具なんだ。髪を切ってもいいけど専門は紙の方。僕を使って髪を切るのはあまりオススメできないけど、今こうして刃先を人に向けられている状態ってのはそれ以上にオススメできない。だから嫌なんだよ。刃物に生まれるとロクな事がない。 178@shiki5965 毎日同じ線路を辿る人生というのも悪くない。同じ風景も毎日少しずつ違っていて、毎日乗り込む客の顔も違う。何よりこの疾走感がたまらない。さぁもうすぐ東京駅だという時に、衝撃音と共に何かが潰れる音がした。ああ、また顔が汚れてしまった。最近多いなぁ。 179@firefllly 僕はここにいるけれど、ここにはいない。だめだ、そこを動かないで。追ってきてはだめ。近づいてしまうと、僕の存在は見えなくなってしまう。遠くからでいい。少しでも元気を出してくれるなら。ああ、雨があがるよ。今の僕を見つけてくれて、ありがとう。 180@negi_soba 今度の俺は音楽室の肖像画か。 まぁ心地いい音楽が聞こえるからいいかな。 たまに音痴なやつもいるけどな。 イタッ!! おいおい目に画鋲なんか刺すなよ。 そんな目を光らせようとしなくたって俺はキミらを見てるのに。 181@hako2 え?明日は急に気温が上がるって?死亡フラグktkr。せっかく幼女が作ってくれたのに・・・!雪だるま儚すぎ。 182@negi_soba 俺は小さなデッサン人形。 小さくても間接もたくさん動いて色んなポーズができるんだ。 せいぜいかっこいいポーズにさせてくれよ。 うんうん、いいぞ、って、えっ、ちょっ、なんでコマネチ? 俺を見て何を描く気だよ! やめて、恥ずかし~~!! 183@CeleronYokohaba ズルッ、ズルズルッ!ジュルル!ズルズルッ!吸われていく、噛み砕かれていく。ズルズルズルッ!!ジュジュジュルルルル・・・飲み込まれていく、どんどん減っていく・・・全部飲むと体に悪いよと言ってあげたくても今の僕では言えない。そして僕はいなくなった。 184@usizimakouhei 枯れかけた井戸の底。二匹の蛙の兄弟がありました。兄の蛙は、井戸の外の話を弟の蛙にたくさん聞かせてあげました。「兄ちゃんは物知りだなぁ。僕も一度でいいから、外の世界に行ってみたいなぁ」弟の蛙は呟きました。兄の蛙は悲しそうに、ただ微笑むだけでした。 185@sosoro1103 彼は窓ガラス。暖炉の炎が揺らめく中、彼を通して外の景色を眺める1人の少女。夜空を埋め尽くすかのように降りしきる雪。民家の灯りに仄かに照らされた、シャープで鮮やかな白と黒のコントラスト。ふと、自分が以前雪の結晶だった事を思い出す。おかえり・・・。 186@fotori 生まれる前に死んでしまうこともあった。いや、あれは殺されたのか。私が笑いのネタとして生み出されようとされてた時、あの男はたった一言で、私を殺したのだ。「ボツだろこれはー。」 187@furenji ボタンを押されたら、派手に光って大きな音を出す。それだけ。変身など、させられるはずもない。しかし2時間前からずっと私を身に着けている彼は、何度も何度も満足げにポーズをとる。どうやらこの生涯、私はテレビの中の「本物」よりも幸せに過ごせそうだ。 188@morioooo そろそろ自分で耳掃除をしなさいよ、もうやってくれるあの子はいないのよ。せっかく私がいい音を出したってなんの意味もないわ。失恋バラードももうやめてよ。こっちまで悲しくなるじゃない。 189@fotori 猫に生まれたので、「リア獣にゃぅー。」とか言ってみたら、おかあさんに、「くだらない!」て言われたので、「下らなかったらおりれないよ。」って言ったら木のぼり中だったのにネコパンチくらったにゃう。 190@wth_akm その兵は苦しそうに息をしながら、血まみれの手で妻の写る白黒写真を握りしめた。搾り出された涙声。死への恐怖を、僕は誰より知っていて、誰より知らない。どうして人は生き返らないんだろうなあ。空から砲弾が降ってくる。僕は彼の拳ごと散り散りになった。 191@fotori 「やっと見つけた。」そう言って彼女は俺を抱き上げた。「やっぱり生まれ変わってたんだ。」覗き込む瞳。「でも、何度だって見つけてやるんだから!」おいおい、これはとんだドジっ子ちゃんだな。お前さんの捜してるのは、そっちのデコボコしたやつだぜ。 192@minyazuki 喧嘩をして俺は地上に置いていかれた。ほんのちょっとイタズラのつもりだったのに、マジにブチ切れるとは思ってもなかった。相手は名前の通りの雷親父。決まりが悪く帰れずにいた時、明るい母さんが迎えにきた。…謝ろう。俺はまた、天の我が家へ帰っていった。 193@minyazuki ぐつぐつぐーぐーおいしくな~れ♪ ぐつぐつぐーぐーおいしくな~れ♪ とうふもスリッパもよ~くしみて くら~いおへやでみんなでめしあがれっ♪ 194@atomiking 自殺を思い留まる理由は、それだけで充分だった。死は怖くないけど、ドラマの結末を観れないのは怖い。あの子が来週どんな顔をするのかとか、あの子が再来週上映の映画に出ていたこととか。あの子の近所に来月越す事とか、再来月に彼女が誕生日を迎えることとか。 195@atomiking まっくらだしちょうねむい。ほっほほっほ言って、ポップコーンもらった。若者は駅前にぎっしぎし。僕らは銅像とかにとまって、ほっほほっほ男女を急かす。せーっぷん!せーっぷん!せーっぷん!せーっぷん!これが楽しくて夜更かししてます。おなかいっぱい。 196@e__bi 誰もいないこんなさみしい場所は嫌だ、地球に戻りたい、と彼はいつも嘆いていた。しかし惑星となってしまった彼の声は誰にも届かないし、どうすることもできなかった。彼が何万年という星としての寿命を迎えた時にはすでに彼の心は壊れていた。 197@e__bi パッパラプップー僕は今日も陽気に歌う。原動力はかわいい彼女の熱いキスと細かな指使い。明日も明後日もこれから毎日彼女と歌うつもりさ。ああ、もうずっとトランペットの生活でいいや。 198@KininaruVege 「あんっっっっ、らめぇぇええ!そんなにぃぃいい、おさないでええぇぇぇえ!出ちゃう!出ちゃうのおおお!」 カチカチカチ 「おかしいなあ、シャー芯が出てこないぞ?シャー芯入ってんのに。」 カチカチカチ 199@KininaruVege もー、生まれ変わったらブラになりたいって言ったじゃんー。これブラじゃないよ、大胸筋矯正サポーターだよー 200@iindene トランプっつうから、こう、紳士的、かつ緊迫感を楽しむの想像してたのにさっきから俺は違う意味で緊張状態にある。いま動いたら引き裂かれるだろう、こいつ目ぇ血走らせてるよ。隣りの奴が疲れた死ぬって泣いてるしそろそろこの組体操も終わり。 201@Haisokkusu 俺はショッカー戦闘員。最初から負けると決められている人生なんて。そう思い、ため息をつくと「イーッ」という小さな声が漏れた。ちくしょう、まともにため息もつけないのか。俺は泣いた。涙は出なかった。代わりに「イーッ!」という悲痛な叫び声だけが響いた。 202@shiki5965 俺は今まで何回も転生を繰り返しているらしい。電車、鏡、携帯電話…。数々の経験を通じて無機物にも命が宿ってることを知った。おっと…花を踏んでしまうとこだった。今日も数々の無機物に感謝をしつつ自宅のドアを開ける。「おいババァ!早く飯を用意しろ!!」 203@mmi924 とある蚊の日記「今日の収穫:トマト1個分の血。やはりヒトの血は格別だ。」次の日の日記は見つからなかった。 204@leviathan02 僕は豆。前世は食べられる豆だったけど今住んでいるのは密林。 今度こそ一瞬でこの人生が終わることはない。だけど突然誰かが密林を掻き分けて僕を食べた。なのに僕はまだ生きてる。それから頻繁に密林の中を探しに来るようになった。あれ最近地震が多くなった。 205@pakirasama あの洞窟を壊してやるんだ!ようやく気づいたよ。竜を助ける為にボクは何度も戦闘機やミサイルに転生していたんだ!待ってろよー!湿っぽく懐かしいあの洞窟が見えてきた。 206@firefllly わしは今、時計。大きな古時計である。この家の主人が生まれた朝ここにやってきて、それ以来動き続けているのじゃ。主人も今年で100歳か。疲れたじゃろう。そろそろ眠ってもいい頃じゃて。わしもさすがに疲れたわい。おやすみ。チク、タク、ぼーーーん。
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遊戯王について 遊戯王アニメ の歴史 はずいぶんと長いです。 まず第一期 遊戯王 第二期 遊戯王GX 第三期 遊戯王5D s そして、今現在放送されている遊戯王が 遊戯王ZEXALが現在放送されています そして、今特殊モンスターが変化していっていることにお気づきでしょうか? 実は、 融合モンスター・儀式モンスター シンクロモンスター エクシーズモンスター と、どんどん新たな特殊モンスターが登場しているのです。 次もどんなモンスターがでるのか 楽しみですね。 ※そして特にルールなどは、今後掲示するかしないか考えてい予定です。 ご了承下さい
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ハスター(黄衣の王) ランク:C S(クトゥルフ神話) 属性 ・性別不明 ・黄衣の王 ・旧支配者 ・邪神 敗北条件 (L)と自身の正体を見たキャラクターが生きていると敗北 パラメータ ESP能力レベル 4 ESPパワー 35 耐久力 5 精神力 6(+1) 能力 ・バイアクヘー[戦闘前][手下:2] 1D6を振り、この戦闘中以下の数だけ手下を得る。 この手下はテレポートの逃避にも同調を行える。 出目 手下の人数 1~3 1人 4~6 2人 ・黄の印[戦闘][常動] このキャラクターシートを見たキャラクターが戦闘に参加している場合、 自分の精神力に+1の修正を受ける。 ・戯曲「黄衣の王」[戦闘][特殊] 自分が攻撃を行う時、幻覚を1枚破棄することで その攻撃で攻撃対象の耐久力と精神力に同時に攻撃を行う。同調不可。 攻撃対象は精神力チェックを行う。成功した場合、この効果を無効化できる。 ・黄色い衣[戦闘][特殊] LV:6以上の攻撃によってこのキャラクターに損害判定が行われる時、 その損害判定を[(このキャラクターの耐久力):1]の損害判定に変更できる。 ・同化[戦闘][主要] 攻撃Cカードを1枚破棄することで、この戦闘中、 破棄したCカードと同名のCカードをCカードの発動チェックを行わずに使用できる。 備考 正体を見られると自分と相手の両方のデメリットになるので早めに特殊能力を使用して正体を明かすとよい。 自分から好き好んでハスターの敵になりたいキャラクターは稀有なはずだ。 うまくいけば敵が(L)だけなので楽なゲーム展開が期待できる。 ただし、(L)からの接触テレパスには注意すること。 接触テレパスに成功されると戦場にいる全てのキャラクターに自分のシートが見られてしまうため、 一気に敵が増えてしまい勝利するのが厳しくなる。 (E)陣営と結託して(L)を倒すのがセオリーだが、 場合によっては(L)対(E)の戦場に駆けつけない方が良いこともある。 Q&A Q.このキャラクターは漢字サーチライトを使用できますか? A.いいえ、使用できません。 名前欄の()内の文字は名前に含めません。 このキャラクターへの意見 名前 コメント
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浄黒の王跡 15までの旧バージョンはこちら。 エクストラクエスト 難易度: ★×25 必要レベル:30+1 第1ボス:選択ルートによる、クリア評価用 第2ボス:インドラレコード用 クリア報酬:金貨 650G、トレジャーコイン 5枚、名声値 45 プレイ後開放レシピ:なし 一人プレー全討伐時獲得経験値:31,000前後 獲得熟練度:240 Qチケット:陸x1~10(レベルで変動) 固定アイテム:なし 攻略 「 WARNING!! A HUGE BOSS INDRA IS APROACHING FAST」 「参考、ソロで中間1億~4億、最終20億ダメージ。」 「試限と試誘の中間であり+30クエスト並みにきつい。」 2016/1/1日より、リニューアル公開されたクエスト。 「シャイニング・フォース クロスエクレシア Ver.2 Rev13」の 期間限定エクストラクエスト 。 試面邂逅同様の サバイバルラッシュ に近い形式のクエスト。 最初のエリアを除き、前半戦はボス撃破後に白・赤いずれかのワープを選択、選択したルートによって次ボスが変化する。 又、通常のボスラッシュ同様、部位破壊時に素材が確定出現、ランダムでアイテムが出現する。 初期の持ち時間は350秒で、ステ-ジ5のボスを撃破ごとに一定タイムが追加され、時間切れ・死に落ち・途中退出・最終ボス撃破のいずれかで終了となる。 追加時間は、ステージ5 +40秒(1エリアごと)のみ。 このクエストをクリアすることで、閃光の宝珠、各種ミネリアかLE宝石アクセサリが確定報酬で入手できる。 いわゆる持ち込み可能な時間制限ありのボスラッシュ。 クリア評価はステージ5までのトータルタイムで決定され、以降はクリアであっても途中終了であってもクリア評価は変わらない。(S評価は通常のボスラッシュ同様に、ステージ5までを6分未満?) なお、ステージ5までクリアせずタイムアップの場合は死に落ちと同じ扱いでクリア報酬を獲得できない! (*1) ステージ5が終了した時点で、ステージ6に進むかそこで終了して脱出するかを選択できる。(2種類のワープゾーンが出現する。) ステージ5撃破以後は結果の如何にかかわらずクリアと同じ扱いになる。 又、ステージ6以降は途中終了であっても得た報酬は持ち帰ることが可能。 特定のボスに特化したような装備で挑むと、それ以外のボスが出てきた時に火力が下がる可能性が生じる。 全てのボスに対して安定した火力の出せる装備が求められる(立ち回りも同様)。 中ボス 便宜上白よりの方からステージ3-1~3-2等と表記するが、好きな順番で攻略してかまわない。 デイリーミッションやウィークリー(EX)ミッション、武器相性や得意不得意で選ぶのもよいだろう。 ステージ11-1ブレイズドラゴン ステージ22-1GNT-114、2-2妖峰樹バルバト ステージ33-1ガルーダ、3-2幻雷の虚竜、3-3GNT-207 ステージ44-1フロストドラゴン、4-2グレイブドラゴン、4-3テネブラ、4-4ニムバス ステージ6クロウ・クルワッハここでは開幕行動が咆哮→回復魔方陣なので要注意。 ステージ7ヴァルス、シュバルク ステージ8オーズ&フレイヤここでは目玉スイッチは出ない。 ステージ9ヴァジュラ ボス 中継ステージ55-1GNT-028、5-2リンドブルム、5-3ネフィリム、5-4アルトミスラ、5-5アナンタここまで撃破でクリア評価決定、及び1度目のクリア報酬が得られる。獲得後ステージ6へ継続可能。 ラストステージ10インドラ時間内に撃破できれば2度目のクリア報酬が得られる。ボスと相打ち時、どうしても報酬か欲しい場合は、J+STARTで時間延長した後にコンテしよう。 前半分岐まとめ 上が青ワープ、下が赤ワープ ボロボ 氷帝 魔鳥 リンド 緑ロボ GD BD 虚竜 蜘蛛 紫玉葱 BBA 赤ロボ 焼鳥 ニム 穴子