約 159,387 件
https://w.atwiki.jp/legends/pages/1186.html
賑やかになってきたな、と思う 多分、酒を飲んでいる人達が、いい具合に酔いが回ってきた頃なんだろう …気のせいだろうか 若干、未成年に見える中にも酔っ払っているのが見えるような見えないような まぁ、もしかしたら年齢の割りに若く見えるだけなのかもしれないし、放っておこう 酔っ払いに関わったらロクな事がない事は、組の飲み会見ていてよくわかっている そんな事を考えながら、俺は近くのテーブルにあったジュースの瓶をとって、コップに注いだ …にしても、炭酸系のジュースが多いんだな 今まで飲んだの、全部炭酸のジュースだ。それも、わりと変わった味わいの ……お、これは甘い、飲みやすい 「み、けーやくしゃ、これも美味しいよー!」 「ん、ありがとうな、花子さん」 花子さんが持ってきてくれたカボチャのパイを受け取る もぐ、とそれに食いついていると…料理と酒を求めて彷徨っていた赤マントと青いはんてんが戻ってきた 青いはんてんが、いい具合に酔ってきているらしいのが、よくわかる 「あはは~、飲んでる~?」 「ジュースは飲んでる」 上機嫌な青いはんてんの言葉に、俺はそう答えた 未成年なんだから、酒を飲めるはずがないだろう 「楽しんでいるかね?」 「それなりに。花子さんが楽しそうだし、それでいいよ」 赤マントの言葉に、俺はそう答えた 青いはんてんにもパイを勧めている花子さん その無邪気な様子に、癒される …うん、何故だろう この会場において、こう言う花子さんのように無邪気な存在が、とても、とても、とても、貴重な存在に思えるのだ もしかしたら多分きっと恐らく、気のせいだとは思うのだが 「ん~…熱くなってきたわね」 「…?そうか?」 ぱたぱた 熱そうにしている青いはんてん …っつか、はんてんの下は晒しとスパッツだけなのに熱いとか… 「…む、いかんな」 「え?」 「みー??」 赤マントの呟きに、俺と花子さんは、ほぼ同時に首をかしげた …不味い? 何が? 「…彼女の酔いが、そろそろ危ないラインにきた」 「はぁ」 …確かに 酔っ払いというやつは、ある線以上に酔っ払うと、さらに厄介になる場合が多い 親父の部下でも、一定ライン以上に酔いが進むと凄い勢いで絡み上戸になる奴がいて大変そうだった 青いはんてんも、そのタイプなのか? 俺がそう考えていると…青いはんてんが、己の晒しに手をかけた ……晒しに? 待てっ、まさか!? 「ふふふ………っ、キャスト・オフ!!」 っば!!! やったっ!? やりやがった!? 青いはんてんは、ぽ~ん、とそりゃもうあっさりと、清々しいほどに、あっさりと 己の胸元に撒いていた晒しを、取り去った っちょ!? やばいだろう、どう考えてもやばいだろう!? そう考えて、俺は慌ててはんてんから背を向けた …あれ? 俺の真向かいにいたはずの赤マントの気配が、離れたような… 「む~、何するの、赤マント」 「…全く、君の露出癖にも困ったものだ」 ……お? つ、つ、つ…と、恐る恐る、振り返ると そこには、己のマントの中に、すっぽりと青いはんてんを包みこんだ赤マントの姿が ……ほっと、俺は息を吐く 「けーやくしゃ、どうしたの?」 「…いや、何でもない」 …その 女の裸なんてもんに、耐性なんざもっているはずのない俺が まともに露出した青いはんてんの胸元なんて、見ていられる訳もない ありがとう、赤マント 素早い反応をありがとう!! 「暑いから脱いだのに。こうされたらもっと暑いじゃない」 むぅ、と青いはんてんが、赤マントに抗議している いや、脱がないでください、お願いです 色んな意味でヤバイから 「いいから、大人しくしていてくれたまえ」 青いはんてんを背後から抱きしめるような状態で苦笑する赤マント …赤マントに羨望の眼差しとか嫉妬の眼差しとか余計なことしやがって!的な眼差しが注がれているのは多分気のせいじゃないのだろうな、と どこか、他人事のように俺は考えたのだった 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
https://w.atwiki.jp/tohofight/pages/2234.html
魔理沙「ふぁ……ファイト……なのか……?」 前回ファイトの直後に開催された今回のファイト、実は魔理沙はまだ解放されていなかった。 黒魔女の服は下着までボロボロになり、胸と腰を隠すように蔦が絡んでいる。 何をされているのか、魔理沙の頬は少し上気して、目もやや潤んでいた。 もうこれ以上見過せない人ともう辛抱たまらん人が近くで見てはいるのだが、 いかんせんファイト連戦かつ状況の指定があり、手が出せないでいる。 小町「ああ、この漫画を全部、一気読みするってファイトだよ」 小町が持ってきた100冊近い単行本を、洞穴の床に置く。 それを見て魔理沙は懇願の視線を幽香に送ったが、当然それは逆効果、 ドSの化身たるゆうかりんをさらに燃え上がらせるだけだった。 その日魔理沙は、二度と解放されなかった…。 チラリズムとそこまでよの中間の生命体となり、 一日中漫画を読まされたのだ。 そしていっそ死にたいと思っても死ねないので ――そのうち魔理沙は考えるのをやめた。 映姫「失礼します」 永琳「……あのねぇ、いくらファイトだからって――」 輝夜「仕方ないわよ永琳、ファイトの指定は絶対だもの。あーたいへんだわー」 映姫「実際、揚げ菓子であるあられを食べ続けるのは少々酷でもありますので、 油分の少なめな、ひなあられを用意しました」 輝夜「逆につまみ難くなるけど……まあ仕方ないわよね、ファイトの指定だものねぇ」 永琳「……どうしてファイトの会場がここなんですか。しかも相手も来ないし」 映姫「魔理沙の方は幽香が手放さなかったため、そしてこちらの方は…… そちらの姫が、『絶対に外に出たくないでござる』と、魔理沙の居る洞穴でのファイトを拒んだためです」 輝夜「だって私まで捕まっちゃうかも知れないじゃない」 永琳「……それだけが理由とも思えませんが」 映姫「とにかく、ファイトの規定ですので従って頂きます。それでは読んで下さい」 映姫「という事で、全巻読んで頂きました。確認のために少し質問をしますが…… 第三部ラストで、ジョセフが本物か確かめるために使われた曲の名前は?」 魔理沙「……あー……?……だい、さんぶ……?」 輝夜「今夜もイート・イット」 映姫「正解です。こんなくだらない事を覚えているのは、全巻読んだ人だけですね」 輝夜「まあ私は前に読んでるから、お題にもならなかったけどね」 魔理沙「なあ……ファイト……おわった、んだよな?……もう、かえれる……よな……?」 映姫「そうでした、勝者は蓬莱山輝夜、本日のファイト、ここまで!」 アリス「待たせたわね、魔理沙!今すぐ助けてあげるわ!」 パチュ「そんな格好も、囚われの暮らしも、『そこまでよ!』」 幽香「ふふん、ちょっとは愉しめるといいけど」 輝夜「あっちは大変ねぇ」 雛「こんにちはー」 永琳「あら、厄神」 輝夜「こんな所で何してるの?」 雛「いえ、あなたが食べられたひなあられ、あれって『雛あられ』なのよ」 輝夜「まあひなあられはひなあられだけど……」 雛「うーん、つまり『厄あられ』なの」 永琳「という事は……」 雛「ええ、厄を祓わないと、厄い事になるわよ」 輝夜「具体的には……きゃっ!?(びりびりっ)」 永琳「なんてこと……流れ弾で、姫の服がビリビリに……!」 雛「大変ねー、どうしましょう?」 映姫「少しそのままにしておきましょう」 永琳「命に別状は無いでしょうし、それが良いですね」 輝夜「ちょっとあんた達、他人事だと思って何言ってんのよ!」 雛「ちょっと食べるぐらいなら問題ないんだけど……」 永琳「姫はもりもり食べてましたからね」 映姫「魔理沙の受けた恥辱のいくらかでも身に受けてみる事です」 輝夜「私何もしてないのにーっ!」 結果:考えるのをやめた魔理沙はきちんと読んでおらず、輝夜の勝ち。
https://w.atwiki.jp/game_rowa/pages/50.html
泣くことならたやすいけれど 悲しみには流されない 恋したこと この別れさえ 選んだのは 自分だから □ 気づくと私は、床に倒れていた。 起き上がり周囲を見回すと、そこが通い慣れた八十神高校の教室だと分かった。 「え、ここって……」 黒板や机の配置を見て、二年二組の教室だと気づく。外が暗く、人がいないこと以外は、いつもの教室と同じだ。 私はなんとなく、自分の席に着いた。 もしかして、さっきの光景は全て夢なのか。そんな想像が頭をよぎる。 ほっとしたのも束の間、喉のあたりに違和感を覚えて、手を触れた瞬間、現実に引き戻された。 「これ、首輪……」 呟くのと同時に、脳内についさっきの光景が浮かんだ。 マナと名乗る金髪の少女が、笑いながら話す姿。そして、完二くんの首輪が爆発して、勢いよく血が噴き出している姿。 思い浮かんだ光景を振り払うように、私はぎゅっと目をつぶる。 それなのに、脳内からその光景は消えない。 「じゃあ、完二くんは本当に」 声が震えた。その先は口に出せそうにない。 頭では理解していても、それを認めたくない。 私は考えを断ち切るために、別のことを考えようとした。 「……千枝はどうしてるかな」 さっきの場所には、千枝もいた。 親友がいつも着ている緑ジャージを見間違えるはずがない。 正義感の強い千枝は、殺し合いを強制するマナに対して、怒り心頭だろう。 顔に靴跡をつけてやる、と息巻く姿が、容易に想像できた。 「もしかして、他のみんなもいるのかな……」 完二くんに千枝、それと私。 この殺し合いには“自称特別捜査隊”の仲間が、三人も巻き込まれている。 想像したくはないけど、他の仲間もここにいるかもしれない。 花村くん、クマさん、りせちゃん、直斗くん。そして、リーダーの鳴上くん。 みんな信頼できる仲間たちだ。殺し合いの場にいて欲しい、とは言えないが、もし会えたなら心強い。 花村くんや直斗くんなら、もう脱出する方法を考えついているかもしれない。 「……でも」 ぽつりと声が漏れていた。 無意識のうちに出てきた、私の心の声。 私の頭に浮かんできたのは、鳴上くんの姿。 頼れるリーダーであり――私にとって初めての特別な人だ。 「鳴上くんには、いて欲しいな……」 私は自分で自分の肩を抱いた。 こうすると、鳴上くんに優しく抱きしめられたときの感触を思い出す。 この先ずっと、忘れることはないだろう記憶。 「って、私ったら何を……!」 仲間が死んでいるのに、あまりにも不謹慎だ。 少しだけ熱いほほを手で扇いで、私は窓から空の月を見上げた。 そのとき、私はあることに気が付いた。 どこかから、声が聞こえてくる。 いや、これは単なる声というより、歌声だろうか。 耳を澄ますと、歌声は上の方から聞こえてくるように感じられた。 (行ってみよう、かな) 私は教室を出て、歌声のする方へと歩き出した。 □ 群れを離れた鳥のように 明日の行き先など知らない だけど傷ついて 血を流したって いつも心のまま ただ羽ばたくよ □ (やっぱり、屋上から聞こえるみたい) 屋上に向かう階段に着くと、女性の歌声がはっきりと聞こえてきた。 とても澄んだ声だ。曲はゆっくりとしたバラードで、歌詞も聞き取りやすい。 (上手……悲しい曲なのかな) 歌手に精通しているわけではない私でも、この歌は上手いと感じた。 けれど同時に、悲痛な感情が含まれている気がした。 (どんな人なんだろう) 屋上のドアをそっと開ける。 外は暗いものの、何度も来ている場所なので、恐怖心はない。 ぐるりと見渡すと、少し離れたフェンスの前に、人影が見えた。 少しずつ近づく内に、女性は私と同じ長髪だと分かった。 「……っ、誰!?」 私に気づいたのか、女性は歌を中断して叫んだ。 その声に私はビクッとしたが、ここで怯えていても仕方がないので問いかける。 「あの……あなたも、参加者ですよね?」 「……はい」 「あっ、名前……私、天城雪子です」 「……如月千早です」 私が名前を言うと、若干の間はあったけど、相手も名前を返してくれた。 立ち話もなんだし座ろうか、と促すと、これにも応じてくれた。 そして、よく鳴上くんとご飯を食べるときの場所に、二人で並んで腰掛けた。 「えっと、高校生?」 「はい」 「そっか、私も高校生なの。偶然だね」 「そうですね」 「……」 「……」 「千早ちゃんって呼んでもいいかな?」 「お好きにどうぞ」 「そ、そっか……」 「……」 会話が途切れてしまう。 私は千枝や花村くんのように、初対面からどんどん話に行けるタイプではない。 かといって鳴上くんのように、話をさせる雰囲気作りが上手いタイプでもない。 それは相手も同じようで、どうにも会話が弾まない。 沈黙を断ち切るために、私はいちばん気になっていたことを尋ねた。 「ねえ、どうして歌っていたの?」 「……」 「あ、もし言いたくないなら……」 これまでよりも気まずい沈黙。 これは言葉選びを間違えたかもしれない、と焦りながらフォローを入れる。 すると、断定的な口調での返答が来た。 「私には、歌しかないんです」 「え?」 私は千早ちゃんの横顔を見た。その横顔から感情は見いだせない。 ただ、もともと落ち着いている声のトーンが、より暗く低くなったように感じた。 「人は死んだら、歌えなくなりますよね」 「それは……」 私は何か言おうとしたけど、思いつかなくて口をつぐんだ。 死んだら歌えなくなる。それは、当然と言えば当然のことだ。 急にそんなことを言い出すなんて、ネガティブになっているのだろうか。 あるいは殺し合いというマイナスのイメージの言葉が、そうさせたのかもしれない。 「歌えない私に、意味なんてない」 暗い声でありながら、千早ちゃんの言葉には強い意志が感じられた。 「まだ死ぬって決まったわけじゃ……」 「じゃあ!」 叫ぶと同時に、千早ちゃんはいきなり立ち上がって私を見た。 その表情は先程までとは異なり、焦燥がありありと浮かんでいる。 「殺せって言うんですか!?歌うために、他人を殺すの!?」 「……」 「そんなこと、できるわけがない……」 殺すという強い言葉。それが同年代の口から出たことにも驚いた。 それでも、それ以上に、千早ちゃんの苦しそうな表情が、印象的だった。 呼吸を整えた千早ちゃんは、再び腰を下ろした。 「……だから、私は歌い続けます。 歌い続けることで、如月千早という自分が、ここにいたという証拠を残したい」 「千早ちゃん……」 私は何も言うことができず、下を向いた。 声をかけたときは、人が来て危ないかもしれないから歌うのは止めた方がいい、と言うつもりだった。 けれど、歌うことに対する千早ちゃんの熱意、あるいは執念とも呼べるそれは、あまりにも強い。 まさに命を懸けてでも、歌いたいのだろう。 (……でも、なんでそこまでして歌うのかな?) 少し考えたけど、その気持ちは分からない。 きっと、千早ちゃんの心の深いところに、その原因があるのだろう。 そんなことを思っていると、ふと、ついさっき耳にした歌の歌詞を思い出した。 □ 蒼い鳥 もし幸せ 近くにあっても あの空へ 私は飛ぶ 未来を信じて □ 蒼い鳥が、未来を信じて独りで飛んでいく歌。 この歌は千早ちゃんにとって、どれくらい大事な歌なのだろうか。 今の私には、想像することしかできない。 「……話はもういいですよね?私はここから動くつもりはありません」 そう言うと、千早ちゃんは私に顔をそむけた。 その動きからは、若干の後ろめたさが感じ取れた。 私はそんな姿を見て、意思を固めた。 「わかった。じゃあ、私もここにいる」 「え?」 キョトンとした顔を私に見せる千早ちゃん。 私は微笑んで、はっきりと自分の意思を伝えた。 「ここで千早ちゃんの歌を聴くね」 「ど、どうしてですか?何の理由が……」 困惑した様子を見せる千早ちゃん。 もちろん、捜査隊の仲間がここ、八十神高校に来てくれるかもしれない、という打算的な考えもあるにはある。 けれど、それ以上に私は千早ちゃんのことを気にしていた。 「私と千早ちゃん、どこか似ている気がするの。 なんていうか……他人事だと思えないっていうのかな」 他人事だとは思えない。これは私の本心だ。 歌に執着して――囚われて――いる千早ちゃんの姿が、かつて見た私のシャドウと重なるのだ。 どうにかしてあげよう、何かできるはずだ、などとは思っていない。 ただ、なんとなく近くにいてあげたいという気持ちが湧いた。 「それに、千早ちゃんの歌、聴きたい。 ここにいる理由、それじゃダメかな?」 「……まあ、なんでも、いいですけれど」 千早ちゃんの返事は、今までよりも少しだけ上ずって聞こえた。 【E-5/八十神高校・屋上/一日目 深夜】 【天城雪子@ペルソナ4】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品(未確認) [思考・状況] 基本行動方針: 1.千早ちゃんの歌を聞く。 2.八十神高校にいれば千枝が来るかもしれない。 ※(少なくとも)本編で直斗加入以降からの参戦です。 ※鳴上悠と特別な関係(恋人)です。 【如月千早@THE IDOLM@STER】 [状態]:健康 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品(未確認) [思考・状況] 基本行動方針:歌う。 1.この場所で歌い続ける。私にはそうするしかない。 Back← 016 →Next 014 Abide 時系列順 017 For a future just for the two of us. 015 後戻りはもう出来ない 投下順 NEW GAME 天城雪子 041 奪う者たち、そして守る者たち(前編) NEW GAME 如月千早
https://w.atwiki.jp/tohofight/pages/2535.html
今回のファイトが行われている寺子屋にて。 霊夢「バンドもパートも関係無いじゃない…(ボーカル 霊夢、ギター 早苗、ベース 咲夜、ドラム 魔理沙)。」 魔理沙「…こういうチマチマしたもんは私には向いてねえぜ…」 リリカ「ねえ、"誰か一人解けたら勝ち"にしない?」 メルラン「めるぽめるぽめるぽー(最早思考する事を放棄している)」 こういった頭脳パズルを苦手とする四人を尻目に残りの四人はものの十数分で解いてしまった。 咲夜「お嬢様からこういった問題を解いてくれって何度もやらされてますからね、馴れましたわ。この程度なら美鈴でも楽勝ね。」 早苗「外の世界にいた時にこの手のパズルはインターネットで見ました。そんなに難しくなかったです!」 ルナサ「…私の妹達はこんな問題も解けないのか…。鬱だ死のう。」 レイラ「…姉さん達、やっぱりこういう考えるタイプの物、苦手みたい…。いつも何も考えずに演奏ばかりしてるから…。」 映姫「さて、競技開始から30分が経過致しましたが、今だ四人の筆が進まず…おや、ここに来て霊夢選手の筆が一気に進みました!そして…!!」 霊夢は子供の住む村と、質問に答えて指差す道の組み合わせの表を書き上げ、可能性のある組み合わせ以外を全て潰していった。その霊夢の筆の動きから何かを察したリリカが、やはり表を書き上げた。 映姫「45分経過…おっとここで霊夢選手とリリカ選手、同時に解答用紙を提出!!そして気になる慧音先生のジャッジは…、霊夢選手、正解!リリカ選手も正解!!残りは魔理沙選手とメルラン選手の二人となりました!!」 こうなると後は魔理沙がいつ解けるか時間の問題、と思われていたが…。 レイラ「いけない、そろそろ白玉楼へ戻らなきゃ!人里への滞在許可時間があと少ししかないわ!!」 映姫「まあ、貴女は既に正解を出しているので、ファイトの結果には影響しないでしょう。わかりました。亡霊嬢に私が今度挨拶に行くと伝えておいて下さい。」 レイラ「はい、有難う御座居ます。メルラン姉さん、頑張ってねー!!」 そのレイラの応援を耳にして、先程までパニック状態だったメルランが突然我に返り、落ち着いて、自分のペースで解き始めた。 それに対して魔理沙はこの問題のキーである"子供が指差す道は3つあり(つまり、今まで旅人が歩いて来た道も選択肢に含まれる)そして、その道の続く先にあるのはまちがいなく正直村であると言う事"と、もう一つのキーである"旅人が絶妙な質問をして2回の質問で道を探り当てた訳ではなく、たまたま子供の答えから道を特定できてしまっただけと言う事"に気が付かず堂々巡りを繰り返し、完全に頭の中が煮詰まってしまった。 映姫「さてそろそろファイト開始から一時間半が経過しようとしてますが…あっ、メルラン選手がここで初めて解答用紙を提出!魔理沙選手も五度目の提出です!!」 僅かに魔理沙が早く提出したが… 慧音「霧雨魔理沙…やり直し!メルラン・プリズムリバー…。」 霊夢「頼む…外れて外れて…!」 早苗「八坂様ミジャグジ様…どうかあの騒霊がチルノより⑨でありますように…!!」 魔理沙「(余りの緊張で言葉にならず)」 咲夜「完全に油断しきっていたわ…。」 ルナサ「レイラ…、メルランはお前の為に頑張っているんだ、負けても悔いはないよな…。」 リリカ「姉さん頑張れ~(自分が正解したので最早他人事)。」 慧音「正解!!」 メルラン「やった…、やったーーーー!!レイラ、みんな、私やったわよーーーーー!!!」 そしていつも以上にめるぽめるぽ騒ぐメルラン、勝利を演奏ではなく万歳三唱で讃えるルナサとリリカ、それとは対照的に茫然自失となった霊夢・早苗・咲夜、さらには余りのショックにぶっ壊れた魔理沙がうふうふと呟き出してこの長いファイトを締め括った。 結果 プリズムリバー四姉妹の勝利 魔理沙「おっけ~☆魔梨沙におまかs」 霊夢「魔理沙、お願い、正気に戻って!!」 早苗「ここは幻想郷ですよ、98の世界じゃないんですよ!!」
https://w.atwiki.jp/miyanagake/pages/35.html
1/14 150 告白した時のこと 俺はいつからこんな想いを抱えていたんだろうか。 中学の時、なのかもしれない。 いつも一緒で、いつもお互いにからかいあって、夫婦なんて茶化されて 高校でも一緒。レディースランチを頼めば、咲はいつだって文句を言いながら頼んでくれる。 咲にとって一番優先順位が高いのは本を読むことだ。 それだって関係ない。 いつだって俺は咲の手を取って振り回した 咲はいつだってそれを受け入れてくれた それが俺と咲の関係だった。 恋人関係なんかじゃない。幼なじみのような関係。 俺が咲を引っ張って、咲が文句を言いながらついてくる。 どちらかが手を伸ばせば、どちらかが受け取る。 それだけの関係だ。俺はそれが楽しかった。 ふと浮かんだ昔の話を振り払い、現実を見直す。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2/14 【清澄高校。団体戦全国2位】 1位は白糸台 4チーム全ての接戦。最後に上がったのは宮永咲。 裏ドラが乗れば白糸台を捲って全国優勝の場面だ。 咲は自信満々に裏ドラに手を伸ばし ------途中で手を止めた。 その後、数秒。無表情で裏ドラを返した。 裏ドラは乗っていなかった。 部員に広がるのは勝てなかったことへの悲しみ。 全国2位にまで達することの出来た喜び。 何もかもがぐちゃぐちゃになってしまった表情。 そんな中、おおよそ全国に来ているものとは思えない顔をしていたのが俺と咲。 咲の表情には何も見えなかった。悔しさすらもなく、それが当然だと無表情を貫いていた。 俺は咲を見ていた。嬉しいとか悲しいなんて想いは浮かんでこなかった。他の全てを排除して、ただ咲だけを見ていた。 ふと、届くはずもない咲に向かって手を伸ばした------途中で手を止めた。 今の俺と咲の距離は、この控え室と対局場まである。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 3/14 全国個人戦。咲の初戦でそれは起こった。 咲と照さん。二人が初戦でぶつかり合うという事態に会場が揺れた。 後にインターハイの伝説と言われるほどのお互いのぶつかり合い。 最後に上がったのは照さん。咲お得意の嶺上開花のお株を奪った。 問題はその時に起きた。 奇しくも決勝の状況の再現。裏ドラが乗るか否かが勝敗の差。 照さんは手を伸ばした。------躊躇しないで裏ドラへと 裏ドラは乗っていた。これで照さんの逆転勝ち。 憔悴した照さんは、咲の方を見据えて、驚愕した。 遠くから見ていた俺も、同じように驚愕した。 咲が笑っていた。本当に嬉しそうに、全力で負けてしまったことが本当に嬉しかったんだと、その顔は言っていた。 二人が抱き合って泣いている。ああ、何かが伝わったんだなと、他人事ながらホッとした。 ……そう、俺には他人事なんだと、胸をチクリと痛めた。 この対局を見たものは言った。宮永咲は宮永照の後継者だと。 今後の麻雀界を引っ張っていく存在だと。誰もが確信した。 しかし、その予想は裏切られることになる。 この対局を最後に、全国で宮永咲が麻雀を打つことはなかった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 4/14 照さんと和解した咲はまた迷子になったのか、ふらふらとどこかに行ってしまった。 みんなで探そうという言葉を制止し、自分一人で探すと言い切った。 思えば中学時代はずっと俺が探していた。高校時代は和の方が探しているくらいで、咲との関わりが減った気がする。 どうしようもなく胸が痛い。 「咲、こんなところで」 「なぁに、京ちゃん?」 咲は近くの公園のベンチに座っていた。 ぼーっとしていて、簡単にさらわれてしまいそうなくらい無防備。ちょっとムッとした。 「何やってんだよ、こんなところでさ。 みんな待ってるぞ」 「うん」 「帰りたくないのか?」 胸が痛い。自分で発しているはずなのに、言葉を発するたびに胸が痛い。 俺は咲を帰らせたくないのか? 咲はそんな俺を見通しているんじゃないかとこちらを見てくる。 なのに、それだというのに、このポンコツは 「どう思う?」 そんなことを言ってのけやがった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 5/14 俺は手を伸ばした。届かなかった。他人事だったからだ。 照さんは手を伸ばした。届いた。何としてでも勝ちたかったからだ。 咲は手を伸ばした。届かなかった。……本当に届いていなかったのか。届かせる気がなかったのか? 俺にはわからない。咲の考えることなんて何にもわからない。 昔はあんなにわかっていたのに、最近は何もわからない。 そもそも俺は咲の家族関係の話すら知らなかったってのに、咲の何を分かったつもりでいたんだ? きっとここが分岐点。咲はトッププロになって活躍するだろう。俺とはどんどん疎遠になる。 咲の持っていた本でもよくあったっけ。 『幼馴染関係なんて簡単に崩れる。ずっと幼馴染でいることは出来ない。 進もうとしなければ進まない。どんな本でも幼馴染は大人になって別の人と------』 胸が痛い! それだけは、嫌だ!! 考えるより先に、行動していた。 絶対に掴んでくれと、手を伸ばす。 伸ばした結果なんて、知ったことじゃない。 伸ばす動作をしなければ、結果を知ることすらできないんだから。 「咲。東京観光するぞ」 「……ふぇっ!?」 このポンコツ幼馴染は、手を取ってくれた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 6/14 「もー、京ちゃんったらいきなりなんだから!」 「咲だって結構楽しんでただろ」 「そ、それはそうだけどさ」 なけなしの小遣いを使って電車を乗り降り、東京のメジャーどころをまわった。 その間、あそこにいた理由について何も聞かない。 本当にただ迷子になっていただけなのかもしれない。いや、そうならばあんな返答はしないだろう。 お互いそれに触れるのはタブーだと言わんばかりに、観光を楽しんだ。 「もうすぐ暗くなりそうだね。 結構まわったな」 「もー、ヘトヘトだよー、 そろそろ帰る?」 胸が痛くなった。 「帰らない。 まだ行きたいところがあるんだ」 「えー」 「東京スカイツリーからの夜景がめちゃくちゃ綺麗らしくてさ。 どうしても見たいんだよね」 「えー。もうすぐ暗くなるのに連れまわすって、どうなの?」 咲を麻雀部に誘った日。 あの時と同じように頼んで、あの時と同じように答えが来た。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 7/14 「一番高いとこは怖いからヤダ」 「それでいいよ」 スカイツリーの成り立ちを説明するエレベーターの中、咲はじと目でこちらを見てくる。 「それに別料金だしね。 もうお金ないし」 「いっぱい連れまわすから……」 ジト目でそんなことを言われても、急増のデートプランだったんだから仕方ない。 と、着いたみたいだ。 「うわぁ……」 咲が感嘆の息を漏らしている。無理もない、俺も同じだ。 夜景がすごく綺麗で、東京全体を見通せるようだ。 いわゆるロマンチックな雰囲気というやつだ。 「咲、ちょっと座って見ようか」 「うん。あんまりガラスに近づくと怖いよぉ」 確かに、高すぎて怖い。タマヒュンする。こわい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 8/14 「咲」 「なぁに、京ちゃん」 咲は歩き疲れたのか足をプラプラさせたり、自分で揉んだりしている。 ……うん。 「全国大会、楽しかったか?」 もう、後には戻れない。 「……」 「決勝の最後、照さんとの最後。 変な顔してた。気のせいなら、いい。 無理に話したくないなら、聞かない。ただ吐き出したいなら、付き合うよ」 良くない。本当は無理矢理にでも聞き出したい。 「本当はね」 ボソッと、消え入るような声で呟き始めた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 9/14 「すごく、怖かったんだよ?」 きっと、これが俺の知っている宮永咲。 他の人たちが通り過ぎるだけで腰を抜かすような存在じゃない。 ちんちくりんで、ぽんこつで、優しくて、人見知りの宮永咲。 対局相手は、咲のそういった部分を知らないんだ。 「部長念願の団体戦出場なのに、私が大将。 負けたら部長の夢が壊れちゃうって立場にいたのに、私はそんなこと考えてる余裕がなかった」 「私にとってこの大会は、もう一度、言葉でなくてもお姉ちゃんと語れるかもしれないっていう大会」 「これを逃したら、もうお姉ちゃんと会えなくなってしまう気がして」 誰も知らない咲の本心。俺だけが知っている宮永咲。 「全国から、お姉ちゃんに会うためには一戦も負けられなかった」 「どんなに努力してきた人たちも関係なかった。全部倒す、それだけ考えてきたんだ。」 「でも、団体戦のメンバーで、私とお姉ちゃんは打てなかった」 周りにたくさんの人がいるのに、場が静寂する。 まるでこの空間だけ、時が止まってしまったかのように。 「今まで「お姉ちゃんと戦う」で誤魔化していた部分がドッと出てきてね。すごく焦った。 それでも、勝たなきゃ、勝たなきゃ、部長のために勝たなきゃって、麻雀を楽しむことより、勝ちに拘っちゃった」 「ここまで走り抜けてきた。でも後ろには何もなかったんだ。 頑張った練習、みんなとの絆、他のチームは鬼気迫る勢いで来るのに、この瞬間の私には何もなくなっちゃった」 「無理して最後の嶺上開花。でも、裏ドラが乗らないことはわかってた」 『だから手を途中で止めた』 「もう楽になりたい、って感じの一打だったんだけどね。負けちゃった」 「咲……」 「うん、ちょっと待って。 もうちょっといいかな?」 「ああ、いくらでも聞くぞ」 「でも、そんなことより、対戦相手の努力が伝わってきたのが一番辛い。 みんな、何年も、何年も麻雀をうってきてた。 一瞬のために、全てをかけて倒れた人だっていた。 ……本当は、私が居るべき場所じゃないんだな、って思ったよ」 「なんで私が家族に怒られたのか、お姉ちゃんに怒られたのか、和ちゃんに怒られたのか、今更分かっちゃった」 「お姉ちゃんに会うために来た、ってのは、違ったんだね」 「私は団体戦の最後に負けた時、負けて悔しいなとは思っても、それだけ。 優勝を逃して泣いているみんなの前に、出られないでしょ」 長い年数をかけてきたものならばそれが自信になる。 全国大会の咲は一枚の薄いガラスのような精神で綱渡りをしてきていた。 だから最後、『努力をしてきたもの』に負けて安堵したのだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 10/14 「……それだけだよ。 うん、吐き出せてスッキリしたかな。 京ちゃん、ありがとう」 「何もしてないよ。 ……お姉さんと仲直りできて良かったな」 違う。 咲が楽になったのはいい。 俺はもっと低俗な考えでここにきた。 違うんだ、咲。 「そろそろ帰る?」 「……いや、待ってくれ」 「どうしたの?」 「咲」 「なぁに、京ちゃん」 きっと、お前は俺のことを嫌いになる。 けど言わなかったら、俺は自分のことを嫌いになる。 「俺は、咲のことが好きだ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 11/14 時間が止まった。 胸の痛みが増した。 咲がポカーンとしている。 ムードも何もあったもんじゃない。 どこの世界に女の子の愚痴を聞いた勢いで告白するバカがいるんだ。 普通なら100%断られる。 でもこのタイミングしかないんだ。 俺の好きな宮永咲がいるのは、このタイミングしかないんだ! 中学時代の咲、麻雀をしている咲。 どっちだって好きだ。 俺は、咲と一緒にいたい。 ポンコツのお前でいいんだ。 なんて傲慢なんだ。 それでも、それでも! 俺から咲が離れていってしまうと思った以上 「俺は咲と一緒にいたいんだよ!」 もう我慢なんて出来るわけがない! ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 12/14 「前にお前が貸してくれた本、あっただろ。 幼馴染が離れて別の人と結婚する話。 両思いだったのに、想いを伝えるのを怖がって別の人と結婚した話。 俺はそうなりたくない」 「え、え、え、きょ、京ちゃん」 「俺は咲が好きなんだよ。 他の人と一緒にいて欲しくない」 「ふえぇ!? い、いきなり、いつから!?」 「そんなの知らない! 気づいた時だよ! お前と離れたくないって思ったら、言うしかなかったんだ!」 「う、嘘? え、夢? ……夢じゃない」 咲が自分のほっぺをつねる。そのまま俯いてしまう。 咲の表情を見て取れない。心臓がバクバクで落ち着かない。 「離れて行って欲しくないんだ。 咲っ! 付き合ってくれ!」 そう言って俺は、手を伸ばした。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 13/14 「……普通、女の子の愚痴を聞いた後に言う?」 「……」 「京ちゃんはいつだって女心がわかってなくて、中学校から、ずっとそう。 確かに場所はロマンチックだけど……」 もっと俯いてしまう。 「中学校から……、ずっと……。 そう、幼馴染はいつも一緒になれないんだ。 大抵、どっちかが想いを伝えないまま、気づいたら大人になって、別の人と結婚しているのを見る、そんなのばっかり。京ちゃんの言ってた通り。 でも、怖くて、今の関係すら終わっちゃうのが怖かった」 泣きはらした顔で、こっちを見る。 「男の子に慣れてない女の子はね! 中学校の頃、ちょっと優しくされただけで惚れちゃうんだよ! ばかぁ! ちゃんと捕まえておいてよね!」 咲が俺の手を握った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 14/14 スカイツリーから駅に向かう。 「場所はいいけど、ムードが0点!」 「うっ、返す言葉もないです。 でもな! 今しかなかったんだよ!」 「何が!」 「さっきも言ったろ、想いを伝えないまま、気づいたら大人になって、別の人と結婚しているって。 咲が麻雀にのめり込んで、俺と疎遠になって離れていくのが嫌だった。 嫌だと思ったら、言うしかないと思ったんだ」 咲が遠くなって、理解できなくなるのが嫌だった。 「ふーん……、随分入れ込んでるんだね!」 「そうだよ! 悪いか!」 「ひゅ!? わ、悪くない、よ」 咲が真っ赤になって俯いてしまう。 でも、これだけじゃ終わらせない。 「まだ咲から好きって聞いてない」 「ええっ!? ここでそれ言う!?」 「……」 「う、うぅぅ、ばかぁ……。 わ、私も、京ちゃんのことが大好きです! 宜しくお願いします!」 きっとこれからも、チグハグで、喧嘩して、辛いことも楽しいこともあるんだろう。 俺はそれでもコイツと生きていきたい。 カン!
https://w.atwiki.jp/watch_tb/pages/17.html
$マジキチ部門 ★ふじお。たん (壱宮美月=都筑美月) 同一ジャンル内で複数の名前をもつ虚言癖の詐欺師(金銭トラブル) 個人誌、合同誌、アンソロのノベルティ、ありとあらゆるものの搬入ミスが起こる 借金の返済を迫られると「騒ぐと晒す」と逆に貸主を脅迫&ふじおたんの行状について書かれた貸主の支部ツイ垢など全削除を条件に返金 被害者が続々判明するなか、はるたんの件を説明・一部削除したあと動きなし 専スレ 【印刷所濡れ衣】ふじお。=都筑美月=壱宮美月【金銭トラブル】TB他 2 http //nozomi.2ch.net/test/read.cgi/doujin/1403092016/ ★ガチ可哀想な人(pixiv id=3486650) 虎と折以外の全キャラヘイト考察をアップしていたが その内容にそっくりな荒らしが折スレに出現し、支部が晒されるも本人荒らし否定 何故か晒したのも叩いたのも全て兎厨のせいと自殺や訴訟を仄めかして脅迫しつつダンシング ★腐ーたん(pixiv id=1718870) CP固定公募アンソロに応募、何度も〆切りをぶっちぎったあげく別カプリバ成分を注入した作品を主催がろくに確認できないタイミングで極道提出 直後、支部サンプルページにて自作の別キャラ×攻め小説と繋がってると後だし 宣伝 気付いた主催が刷り直しするも、ツイでの告知では刷り直しさせたことには触れず「どうやら私のは載らないみたいよー」と他人事 後に2chに晒されたと何故か被害者きどりで派手に踊った挙げ句「大手はアンソロなんかに参加しねーよ」などの暴言を吐いて主催sage参加者sage、注意した身内はブロック 現在該当作品・ツイートを非公開 消去してばっくれ中 ★ヘイトシスターズ リンメイ(id=3424826)トーマス(id=4722562)差の差の(id=2816963) ヘイト作家の作品にはコメントを残すトラブルメーカーなROM専 他にも物語の進行上必要な話の谷間にケチをつけて兎断罪の方向に持っていこうとする ヘイトシスターズの攻撃で連載を停止にした作家も存在する みさこ(id=4701971) 同上。小説書きでもあるが映画特報に発狂「公式虎廃に喧嘩売ってんの?!」 「二次創作で公式を越える話を公式に叩きつけよう」とキャプで吼える 可茶たん(pixiv id=3097151) ヘイトシスターズにノセられて自作コメ欄で兎への制裁生き地獄見せる発言した小説書き 自作が映画特報に近いとおだてられて満更でもないコメをする ★ろき汚たん (pixiv id=29335)(@roki_TB) 儒教と日本的な常識のハイブリッドで異様に倫理観が厳しい評論家() 身内への鬱感情をキャラへ投影して「質が悪い(特に脚本)」やネグレクトなど 虎と公式脚本disを繰り返し散々こき下ろした後に兎虎アンソロを主催 お友達の08(里美)たんと、原作が本気でトンチキなので爆笑の準備をしながらUST待機中 ツイ発言まとめ http //ux.getuploader.com/tbdojin/download/224/rokio_matome2.png ★12万婆 (pixiv id=3346641) (以下婆☆っちスレ天麩羅) 文芸サロン板の渋スレにて自演宣伝をして$デビュー。 twitter、mixi、pixivスタックフィードなど各地で自慢、自分語りを長文で垂れ流し、 それでいて小説の蘊蓄は各地からパク。 さらに公募のカプアンソロに空気読まず突撃、 やんわりお断りされた途端、儲に愚痴愚痴と誘い受け。 自分大好き爆ageのチュプvvsmを生温かくヲチするスレです。 婆っち語録まとめwiki http //www18.atwiki.jp/hafuu/ (専スレはdat落ち) http //awabi.2ch.net/test/read.cgi/net/1360831321/ ★ykt(横/田/守)(pixiv id=667394) 腐女子のお○んこ目当ての出す出す詐欺師食った女の話は周りに自慢 2011年火花で禁止事項のスペース譲渡を受けようとし会場出入禁止措置 専スレはピンクにあるので名前検索 現在は話題に上らないマジキチ ★土画 (pixiv id=36096) 虎兎スペで砂折本を販売しモーゼになり、スタッフにかけあいスペース移動 実録漫画で爆死を両隣のせいにし差し入れをくれた人の容姿を晒す 牛寺ではおさわり禁止の$ .
https://w.atwiki.jp/jinyokikaku/pages/80.html
海龍社没落事件の続きのお話です。 ―――――― 「はぁ、今日も疲れただ」 ある日の夕暮れ、いつも通り軍の訓練を終えた佐吉は、大きく伸びをしながらあくびをした。 佐吉が軍に入隊してから約3年。人より寿命の短い狸にとっては果てしなく長い年月である。佐吉にとって、訓練時間は気の遠くなるような長さであり、今日とて彼の胃袋は、既にキュルキュルと悲鳴を上げていた。 「今日のご飯、何だったべか……」 訓練後の夕食、彼はそれだけのために毎日の訓練を乗り切っていると言っても過言ではない。夕食に想いを馳せていると、隠している尻尾がふわふわと揺れる心地を覚えたのだった。 そんな所に、初老の男性が声をかける。 「佐吉、今時間あるか?」 「伍長!如何なされましたか」 「そう固くならなくてもいい、自然体で話してくれ」 「ん、わかりましただ」 伍長と呼ばれたその男は苦々しく笑うと、声を顰めて話し始める。 「八十神千鶴の事は知っているか」 「ヤソガミ?ああ、この前の作戦の」 思い当たったのは、先日人伝に聞いた『海龍社没落事件』のことであった。 人による人の大量殺戮と拉致監禁。彼は作戦に参加していなかった身ではあるが、神も恐れぬその所業に人間の持つ凶暴性を再確認したところであった。 しかし、野生動物が狩りをするのと同じで軍人も妖怪を狩り捕縛する。そう考えている佐吉にとって、その出来事も同族が対象となっただけで、至って他人事なのであった。 「そいつも可哀想だが、おら達も仕事だで。運が悪かったべなぁ」 「彼女の件だが、我々の部隊で働く事になったそうだ」 「……ん?」 真顔で告げられた言葉に、佐吉は眉を顰める。 「生きたまま捕縛することに成功したことは聞いただろう?あれから息を吹き返してな」 「待で、ちょいとばかし超展開すぎねだか?」 まさか家族を友人を、自身の大切な人達を皆殺しにされた人間が、その犯人に仕えるなんてとても考えられない。 もし自分がそんな事を強いられたら。―――狸は旧友の顔を思い浮かべ、小さく身震いした。 「そしたら事ありえねえべ」 「それがな、目を覚ました彼女は全てを忘れていたようだよ。軍の事も、自分の事も思い出せないらしい」 「……記憶喪失、っつー奴か?」 「そういうことになるな。何も知らない彼女を軍で育て、その力を利用したいそうだ」 「あー」 記憶がないなら軍への恨みもある筈がないし、諸々の話も説明が付く。 それにしても初めて現実で聞いた事柄に、珍しいこともあるものだと自己完結した。 ……という所で話が終わればよかったのだが。 「理解してくれたなら話は早い。君が彼女の教育係に任命されたそうだよ」 「……んん?」 「城の研究者直々の任命だそうだ。名誉な事だぞ?是非頑張ってくれ」 「伍長待つだ、頭こんがらがってきた。そいつ神子じゃねか?」 「そうだが」 「変な力もってるんだべ?」 「そうだな」 「そうだなじゃねえだ!おら呪われるのだけはごめんだで!」 顔色を変えて、抗議の声を上げる佐吉。いつだって自分の身が危ぶまれる事は怖くて仕方がないのだ。 伍長はそんな様子の佐吉を見て、やれやれと息を吐いた。 「わかったわかった、今度美味しいあんころ餅の店連れてってやるから」 「なん?」 「繁華街にある、月光茶屋って店なんだけどな。都一の美味しいあんころ餅が食べられるって話題なんだ」 あんころ餅。柔らかな餅がつやつやとした小豆に包まれたあの菓子は、佐吉が一番好いてやまない甘味である。 それも都一の美味しさ。佐吉の心は揺れていた。危険からは離れたいが、空腹が冷静さを欠く。 「それに、そこのあんこ餅は黄金色に輝いているそうだよ」 天秤が、完全に傾く音がした。 「……仕方ねえの」 「そうか!よろしく頼んだぞ!」 食べ物の誘惑には勝てなかった化け狸。事の深刻さに気付くのは、もう少し先のお話。 登場キャラクター 佐吉 八十神千鶴 戻る トップページ
https://w.atwiki.jp/kagakyon/pages/641.html
◆ugIb3.rlZc氏の作品 澄み渡る空、心地良い風、隣には想い人+α… 私は屋上が好きだ。 大好きな人が、私の作ったお弁当を美味しそうに食べてくれる場所… 彼の笑顔を一時だけでも独り占めに出来る場所… 今日は見物人が居るけどね。 ー君と響き合う屋上ー キョン「今日も一段と美味しいな。料理の専門学校に行くまでも無い位だ」 そう笑って言ってくれる彼が、私は好きだ。 純粋に、その言葉が私を幸せにしてくれる… つかさ「えへへ…やっぱりキョンくんは褒めすぎだよ~」 キョン「そんな事はないさ。だろ、長門?」 長門「そう」 そう、+αはユッキー。 初めてキョンくんにお弁当を作ってあげた日…唐突に現れて、お弁当の催促をしてきたの… キョンくんだけに作ってあげたかったのになぁ… でも、私の料理を美味しそうに食べてくれるから良いんだ!うん、良いんだ!納得しろ私!自重しろ私! ー教室ー かがみ「あんたもよくやるわね?毎日作って疲れない?」 教室に戻ると、お姉ちゃんがこなちゃん達と喋っていた。 つかさ「うん、大丈夫だよ♪食べて欲しい人に作るんだもん!疲れるなんて事ないよ~」 これは本心。あの笑顔を見れるなら、私は幾らでもお弁当を作れる… 彼が満足すれば、私も満足できる… 本当に彼が好きなんだなと、他人事の様にしみじみ思った。 こなた「料理は女の武器の1つだからネ!つかさの事は、ウェポンマスタリーと呼ぶヨ」 かがみ「意味が分からねぇよ」 みゆき「私も見習わなくてはいけませんね」 ー放課後ー あの日から、私は途中までキョンくんと帰る様になった。 キョンくん曰く、「礼をするのに邪魔に入られたくない」そうです。 お弁当を作る代わりに、帰り道にお礼をして貰うのがお約束になっちゃった♪ 寄り道をしたり、手を繋いで貰ったり……キスをして貰ったrくぁw背drftgyふじこlp;@:「 キョン「どうしたつかさ?顔が赤いぞ?」 つかさ「う、ううん!何でも無いよ!?」 妄想が走り出して止まらなくなってきちゃったよ~… …うん!今日はアレをして貰おう!! ふふふ…ふふふふふ… キョン「正直、怖いです」 勇気を出して言うんだつかさ!頑張れつかさ! つかさ「きょ、キョンくん!お願いがあるのっ!」 いきなり声を張り上げたせいか、キョンくんの肩がビクッてなった。ゴメンナサイ… キョン「な、なんだ?」 つかさ「キョンくんに……お姫様抱っこして欲しいの!」 ……… ………… キョン「…ず、随分と急だな」 キョンくんが狼狽してる…突然過ぎたね私! やっぱりダメ…かな? そう思った瞬間、彼が微笑み、私の腰に手を回してきた。 キョン「まぁ、それ位ならお安い御用さ」 そう言った刹那、私の体はフワリと浮かび、彼の腕の中に抱き上げられていた。 つかさ「………」 自分から言い出した事なのに… 突然だったのと、彼の逞しさを感じて、黙り込んでしまった… やっぱり、男の子なんだよね… キョン「どうした?落ち着かないか?」 つかさ「…はっ!う、ううん!嬉しくて…ね?」 ダメだ、顔が熱いよ~… でも…もうひと頑張りしてみよう! つかさ「キョンくん…このまま、キス…して欲しいな…」 あの日から、私は少し大胆になってきている。 少しじゃないよね… キョンくんは再び微笑み、私の唇に唇を重ねてくれた… キョン「…満足ですか?お姫様」 つかさ「…うん♪」 よく見ると、キョンくんが顔を赤くさせている…私もまた、同じ様に赤くさせているんだろうな… 長門「……」 キョン「長門さん!」 だから、どっから湧いてくるのユッキー! 長門「…私もお弁当を作ってくる」 なんで対抗意識を燃やしてるのユッキー!? ま、負けない!負けないよ私!! キョン「あー…、俺はどうしたら良いのでしょう?」 ー柊家ー ユッキーがどんなお弁当を用意してこようと、私は負ける訳にはいかない! かがみ「つかさが燃えてる…?何があったのかしら?」 ー長門宅ー 長門「明日は私がお弁当を作る」 朝倉「め、珍しいわね…ちゃんと作れるの?」 長門「無問題。カレーは得意」 『ラストを飾るは長門さん』 ー完ー 作品の感想はこちらにどうぞ
https://w.atwiki.jp/touhoudaisuki8488/
このウィキの使い方と存在理由!? やっぱりここの管理人はキ○ガイだったよ…このwikiを見るにあたっての注意事項などを説明したいと思います。 1:数多くの実況者様の動画やチャンネル、キャラクターの紹介などが載っております。(…注意事項?これ?(笑)) 2:実況者様それぞれの作品のネタバレとか色々含まれております。ご覧の際はご注意ください。 3:このページは基本的に関係者や管理人以外の編集は受付しておりません>< 4:ゆっくり見ていってくれればまぁ…いいんじゃないかなぁ? 5:リオレウスについては滅茶苦茶書かれております。ご覧の際は、レウス愛を感じながらじっくり読んでいってね☆ 最初に見ておくといいかもしれないです…(他人事 先生!ゆっくり劇場ってなんですか!? 登場人物の設定を味わうのじゃ! 我が世界の糧となれ! 劇場に登場する専門用語的な物まとめ ※基本的にメニューからみたい一覧をクリックしていただければ回覧することができます。それではゆっくりしていってくださいませ☆また、携帯からのごアクセスの場合。意味不明なカオス☆になっておられますのでご注意くださいませ! バグ・不具合を見つけたら? 要望がある場合は? お手数ですが、お問い合わせフォームからご連絡ください…☆ また、YouTube『フリートーク』や『PSM(パーソナルメッセージ)』。Twitterでも受け付けることにいたしました。 更新情報(不定期) 2015/11/28 『銀河眼の時空竜』を追加致しました。 『???2』を追加致しました。 『???』を追加致しました。 2015/07/12 『神姫ちゃん日記☆』』が更新されました。 『並行世界の規定について』を追加致しました。 『たけゆきの米喰いページ』を追加致しました。 『今日も狭間の家は平和です』を追加致しました。 2015-06-/09 『第00神命使徒ラグエル』を追加いたしました。 『第六使徒ラミエル』を追加致しました。 2015/05/30 『○○程度の能力とは』を追加致しました。 『瞑想院月見詠』を追加致しました。 『黄泉津大神 伊邪那美』を追加致しました。 『輝天使ウリエル』を追加致しました。 2015/05/25 『刻まれた本棚』を追加致しました。 2015/05/15 『東方幽魔異変』を追加致しました。 『霊式八神異変』を追加致しました。 『ゆっくり劇場シアター』を開設致しました。 2015/05/12 『リオレウス』を追加致しました!!!!! 『セティ・ガルバルディ』を追加致しました(^Д^) 『伊邪那岐命(俺魂さん)』を追加致しました。 2015/05/10 『法則操作について』を追加致しました。 『式神 出雲』をまじめに追加致しました。 『姫宮紀伊』を追加致しました。 『神姫ちゃん日記☆』を追加致しました。 2015/05/06 『用語集』を追加致しました。 『精霊愛香』を追加致しました。 『藤魄寺夢子(ブロリピチューン)』を追加致しました。 『光内蛍』を追加致しました。 『藤原妹紅』を追加致しました。 『護国の華将軍』を追加致しました。 『創造者』を追加致しました。 『世界観inmagu9331』を追加致しました。 2015/05/05 『@wiki』が開設されました。 『輝ク蕾』を追加致しました。 『登場人物』を追加致しました。 『ゆっくり劇場とは?』を追加致しました。 次回予告(New!!) 精霊梨沙の追加 伊邪那美命の更新 藤原妹紅の更新 リオレウスの更新 八神早織の追加 八神紅翼の追加 東方凍闇章の追加 護国華戦記の追加 現在開催中の劇場の動画 東方鳳凰伝 東方羅雪異変(次回最終話) 東方幽魔異変(次回より第三章) 俺の仲間がこんなに可愛いはずがない! 幻想再生譚(次回最終話) 東方柳影記 幻想館の陰謀-過去の引き金-(現在停止中) 狂骨異変(現在停止中) 東方狂薬異変(現在停止中) 管理人名:touhoudaisuki8488 協力:愛梨沙~AIRISA~
https://w.atwiki.jp/compe/pages/19.html
森林地帯。鬱蒼とした森の中で、一人の参加者が居た。 「テ~レ~ポ~ト~!!」 銀髪と白髪の中間のような髪型の、やたら肩幅が強調された男性が、実に間の抜けた、しかし本人にとっては真剣そのものの様子で呪文を唱えていた。 「駄目です。移動できません」 しかし、予想していた効果は発揮されず、彼は落胆したように肩を竦めた。 本来ならダンジョンの外に転移するテレポート魔法は、何らかの制限が課せられているようだった。 この調子なら、他に習得している魔法も制限されているかもしれない。 確認しておきたいが、MPが勿体無いので試すのは止めておいた。 「僕はどうすれば良いのですか?」 男は困惑していた。 彼はキングダムの辺境、ローレル村出身の勇者である。 この催しに招かれる直前、悪の根元であるブラックドラゴンを討伐するため、神聖な木の命に従い、ドラゴンの剣とドラゴンの盾を獲得するため、古代遺跡に転送される筈だった。 その筈が、何故かこうして殺し合いに参加させられている。 いや、あるいはこの催し自体が、伝説の武器を得るための試練なのかもしれない。彼にそれを確かめる術はないが。 「装備は没収されています。装備はこれだけですか?」 所持していた剣や盾、防具は全て没収されていた。身に付けているのはローレル村を出発した直前のように青Tシャツ一枚。 いかに100年に一人の勇者と言えども、この装備ではそこらのコボルトやただのウルフは勿論、ローレル村周辺に群生しているジェリームにすら勝てないだろう。 やがて勇者は、何か装備がないか落ちていたデイパックを漁り始めた。 中身は、基本的な支給品と、開け方のよく解らない容器、同じくよく解らない食べ物らしき物体が3つずつ。 テレッテッテッテ~(クソデカBGM) 『家宝の宝剣 盾 獲得!』 そして、匠の技が施された立派な剣と盾が入っていた。 勇者は慣れた手付きで一瞬で装備すると、その場でバク宙する。 「スゴい武器ですね」 どこか他人事のような感想だが、どうやら満足したらしい。 伝説級の品には及ばないものの、実に素晴らしい逸品に彼は感動していた。これなら、剣術スキルも問題なく発動できる。 同封されていたメモには『令嬢剣士の家宝の宝剣と盾』と書かれていた。 「これは家宝の武器ですね。家宝の武器なのか……?」 持ち主には申し訳ないが、遠慮無く使わせて貰う事にした。 歴戦の勇者といえど、素手ではゴブリンやコボルト一匹にすら勝てないのだ。 「主催者はどこに居ますか? この会場のどこかにいますよ」 不自然な自問自答を呟く。どうやら勇者は、主催者を倒してこの場からキングダムに帰還するつもりらしい。 とりあえず地図にしたがって街に向かおうとした瞬間、悲鳴が聞こえてきた。 「ん?????」 驚く勇者。どうやら、もう誰かが何者かに襲われているらしい。 「モンスターの仕業ですね!」 勇者は一瞬の間も置かず即答。特に原因は解らないのに断言すると、騒動のもとに駆け足で向かった。 彼は100年に一度の勇者。悲鳴の主を見捨てることはできない。 もしくは、こういった場合、被害者を助けると、新たな魔法や装備の獲得手段となる事を彼は知っていたのだった。 【勇者(主人公)@ファイナルソード】 [状態]:健康 [装備]:令嬢剣士の家宝の宝剣と盾@ゴブリンスレイヤー [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1 [思考・状況]基本行動方針:勇者として主催者を倒します。 1:襲われている人を助けます。 2:主催者はどこに居ますか? この会場のどこかにいますよ 3:この催しは神聖な木の試練ですか? [備考] 支給品は確認済み。 参戦時期は神聖な木と会話した直後。 現在地にて謎の叫び声を聞きました。発生源に向かっています。 【令嬢剣士の家宝の宝剣と盾@ゴブリンスレイヤー】 令嬢剣士の家宝の剣と盾。特殊効果は無いが家宝に相応しく非常に高品質。 剣と盾のセットで支給品2つ分。 このSSが面白かったなら……\ポチッと/ コメントはご自由にお使いください 名前 コメント すべてのコメントを見る