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http //hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1341143066/ 清澄麻雀部 部室 咲「こんにちはー」ガチャ 咲「あれ?一番乗りかな...?」キョロキョロ 咲「誰かいるかと思ったんだけどなぁ...どうしようかな...」 咲「!」 咲「そうだ。借りてた本があったんだっけ...」 咲「最近、麻雀が忙しくなってきて、あんまり本も読めてないしね…」 咲(麻雀やっぱり面白いからなぁ。京ちゃんに誘われて良かった。) 咲(そ、それに!放課後も京ちゃんと居られるし///…京ちゃんほぼ雑用だけど。) 咲「ま、皆が来るまで読書でもしてよう」ペラペラ 咲「さて、どこまで読んだかなと」ペラペラ ……… …… … ガチャ 京太郎「うぃーす。」 咲「あ、京ちゃん」 京太郎「おー咲。何だ一人だけなのか?」 咲「うん。部長とかもいなくてね。それで本読んでたの」 京太郎「おお。久しぶりの文学少女モードか!やっぱ咲はそっちのがしっくりくるなぁ」 咲「えへへ。最近本読む時間とかも無かったしね。」 京太郎「そうだな。なんか高校入った頃を思い出すなー」 咲「京ちゃん…なんかお爺ちゃんみたいだよ?」 京太郎「んー?失礼な事を言うのはこの口かー?」グリグリ 咲「やっやめふぇよぉ…」/// 京太郎「おらおら、ここがいいのかー?」グリグリ 咲「ほっへたぐりぐりしないでよ…///というか何か意味変わってきてるよ!」 京太郎「はっはっは。よいではないかー」グリグリ 咲「うぅー」/// ガチャ 久「遅れてごめんなさい…あら?お邪魔だったかしら?」クスクス 咲「お、お邪魔だなんてそんなことっ…///」 京太郎「そーですよ部長。咲に限ってそんなことあるわけ…」 咲「むっ」ゲシッ 京太郎「痛ってぇ!なにすんだよ咲!」ジンジン 咲「ふーんだ。京ちゃん何か知らないもん!べーっだ!」 久「あらあら…うふふ」 京太郎「思い切り弁慶蹴りやがって…」サスサス 京太郎「あ、そういえば部長今日は人少ないですけどどうしたんですか?」 久「あ、ごめんなさい!すっかり忘れてたわ」 久「伝えるのが遅れて悪いんだけど今日は部活休みにしようと思うの」 咲「えっ!そうなんですか?」 久「えぇ。ここのところインフルエンザ流行ってるじゃない?」 久「ウチの部員も何人かかかっちゃったみたいでね…。」 京太郎「ま、まさか今いない三人って…」 久「そうなの。皆ダウンしちゃったみたいでね?」 咲「皆大丈夫かなぁ…」 久「一応皆にはメールを貰ってて来週には復帰できるようになるって」 京太郎「そうですか。それなら良かったですね。」 久「ホントにね。それに大会も近いんだから体調管理はしっかりとしないと。」 久「そこで今日は三人でしか打てないからそれなら明日から土日だし」 久「三連休にして皆にはしっかり休息を取ってもらおうと考えたのよ。」 京太郎「確かに、ここのところ根を詰めっぱなしだったもんなぁ…」 久「でしょう?たまにはゆっくり休むことも必要だからね。」 久「私はまだ学校で学生議会の仕事が残ってるから先に帰ってもらっていいわよ」 咲「そうですか。お気遣いありがとうございます。」 京太郎「部長も気をつけてくださいね?インフルエンザ」 久「ふふっ。ありがとう二人とも」 久「あ、須賀くん。」 京太郎「はい?なんでしょうか。」 久「きちんと咲ちゃんを送らないとダメよ?世の中物騒なんだから」 京太郎「えっ」 咲「っ!///ぶ、部長!」 久「ふふふ。ごめんなさいね。それじゃ二人とも気をつけて。」ガチャ 京太郎「…」 咲「…」/// 咲(もぉー。部長があんなコト言うから意識しちゃうよ…) 咲(そ、そりゃあ今日は人が少ないし?珍しく優希ちゃんとかじゃなくて) 咲(私にかまってくれるかなとか…考えてたけどさっ///) 咲(うぅ。好きなのバレたかなぁ…?いや、京ちゃん鈍感だもんね…) 咲(大丈夫。うんきっと大丈夫だよ!) 京太郎「…」 京太郎(いやー。部長怖いなーさすがだわ) 京太郎(やっぱアレなのか?好きってことバレてんのか?) 京太郎(というか今の発言からしてなぁ…十中八九そうだよな…) 京太郎(んー。中々切り出せないヘタレなオレが悪いんですけどね) 京太郎(咲も咲なりにアプローチしてくれてんのに…ヘタレだなぁオレ…。) 京太郎(と、とりあえず送るか…まぁ今日は何か口実つけて一緒に帰るつもりだったけど) 京太郎「帰るか。咲」 咲「う、うん!」 帰り道 京太郎「んー。まだまだ暑いなぁ」 咲「だね。まぁ夏だから仕方ないよ京ちゃん」 京太郎「そりゃそうだな。しかしいきなり休みとなると暇だよなぁ」 咲「そうだね。でもここのところ練習ハードだったから良いリフレッシュだよ」 京太郎「かもな。しっかりした部長だと安心だよホント。」 咲「あはは。そうだよね。」 京太郎「…咲はさ、今の麻雀部楽しいか?」 咲「えっ?どうしたの京ちゃん?」 京太郎「いや、なんかさ。咲を麻雀部に連れてきたのってオレじゃん?」 咲「そうだね。なんか懐かしいよ」 京太郎「お前すごく強くてさ。驚いたんだけどそれよりも」 京太郎「咲にはもっと他の高校生活もあったんじゃないかなーと思うんだよ」 咲「京ちゃん…」 京太郎「きっかけを作ったのはオレだからさ。咲が今をどう思ってるのか知りたくて」 京太郎「練習だってハードだし。貴重な高校生活」 咲「ふふっ。心配してくれてるんだー?」ニヤニヤ 京太郎「ばっバカ。オレは割りと本気でだな…」 咲「大丈夫だよ京ちゃん」 京太郎「えっ…」 咲「私ね、最近すごく麻雀するの楽しいんだよ?」 咲「騒がしい麻雀部も好きだし居心地が良いし」 咲「たぶん中学の頃みたいに本を呼んでばっかりの私じゃ体験できなかったことだと思うの」 咲「だから京ちゃんにはこれでも感謝してるんだよー?」 京太郎「咲…」 咲「私も麻雀が嫌いだったりした頃もあったけど、今は好きになれたのは」 咲「和ちゃんとか麻雀部のおかげでもあるし、今で打ってきた人たちのおかげでもあるし」 咲「それに、それになりよりきっかけをくれたのは京ちゃんだから…。」 京太郎「ありがとうな。咲」 咲「ううん。御礼を言うのはこっちだよ京ちゃん」 京太郎「そっか。良かったよそう言ってもらえてさ」 咲「あーでも。確かに高校生活だもんね。他のことも大切だよね」 咲「そ、その…例えばれ、恋愛とか…?」/// 京太郎「あ、あー恋愛ね…恋愛…」 京太郎「れ、恋愛!?」 咲「な、なにさ!私だって女の子なんだよっ?」 京太郎「いや、まぁそりゃそうだろうけどさ…お前の口からそんな言葉が出るなんて」 京太郎「おにーさん嬉しいよ…」 咲「ひどいよっ!京ちゃん!」ギュルルッ 京太郎「うぐっ」 京太郎「お、お前コークスクリューなんて何処でおぼえた…」ガクッ 咲「ふーんだ。京ちゃんがいじわるするからだよ」 京太郎(ちょっと咲からかうのやめとこう…体がもたん…) 咲宅前 京太郎「痛ぅ…まだ痛むぞこれ…」 咲「からかった罰ですよーだ」 京太郎「うぅ…っと家ついたな。」 咲「あ、ホントだ。えと、ありがとね京ちゃん…送ってくれて」 京太郎「いえいえ。姫のためなら当然でございますよ。」 咲「あはは。京ちゃん似合わないね」 京太郎「うっ。お前も優希に似て毒舌になってきたなぁ…」 咲「それは自業自得じゃないかなー?」 京太郎「へいへい。よし、んじゃ帰るかね」 咲「あ、京ちゃん気をつけてね。また来週に」 京太郎「おう!んじゃまたなー」テクテク 同日咲の部屋 咲「んー」ゴロゴロ 咲「心配してかぁ…」 咲「…」 咲「………えへへ///」 咲「でもなぁ…あんなに馬鹿にすることないよね…」 咲「やっぱ女の子として見てもらえて無いのかなぁ…」 咲(そもそも麻雀部は女の子だらけだしなぁ…) 咲(優希ちゃん何かちっちゃくて可愛いし…) 咲(あのふたり仲良しだもんなぁ。京ちゃんタコスまで作れるようになったし) 咲(和ちゃんはスタイル良いし綺麗だもんなぁ) 咲(京ちゃん和ちゃんのおっぱいばっかりみてるし…) 咲「おっぱい…」 咲「…」ペタペタ 咲「…はぁ。」 咲「牛乳のもう…」 <~♪ 咲「ん?電話かな…」 咲「こんな時間に一体誰だろう…?」 from京ちゃん 咲「京ちゃんだ!」 咲「えっと落ち着こう…深呼吸深呼吸」スーハー 咲「よし、で、でるぞー」pi 咲「も、もしもひっ!」 咲(噛んだーっ!!)/// 京太郎「さ、咲か…?」 京太郎「すまん後生だ…助けてくれ…」 咲(良かった噛んだことバレてない)ホッ 咲(いや、そんなことより!) 咲「えっ!?ちょっとどうしたの京ちゃん!」 京太郎「実は………」 前日京太郎宅 京太郎(ふーむ。今日は一緒に帰れてよかったな) 京太郎(しかし、アレかまさかあのお姫様が恋愛ねぇ…) 京太郎(これはライバルの危険性も考えないとイカンのかね) 京太郎(あいつトロ臭いからふらふら行きそうで怖いんだよなぁ…) 京太郎(はぁ…。) 京太郎「っともう家か。ただいまーっと」ガチャッ 京太郎「ん?あ、あれ?」ガチャガチャ 京太郎「何で鍵かかってんだぁ…?えっとたしか郵便受けの中に…」ゴソゴソ 京太郎「あった鍵!よしただいまー」ガチャリ … 京太郎「誰もいない…?母さーん?」 京太郎「お、机の上に手紙…?何々…」ペラリ 京太郎へ 岩手のお婆ちゃんがお爺さんが倒れて一人なので お父さんと一緒にお世話をしにいくことになりました。 とりあず日曜には戻ると思うので土曜日はお留守番お願いします。 食事などはお金を置いておくので適当に何か買って作ってください。 母より 京太郎「なん…だと…?」 京太郎「いや、婆ちゃんのことなら仕方がないけどさ」 京太郎「料理って…できねぇよそんなこと…」 京太郎「朝昼はなんとかして夜はなぁー」 京太郎「どうする…?このままでは飢えてしまう。」 京太郎「そういえば咲って料理できたか…?」 京太郎「んー。仕方ない恥を偲んで頼んで見るかな」 京太郎「えーっと咲の番号はっと」pipipi 京太郎「…というわけなんだわ。」 咲「はぁー。なんだ、心配して損しちゃったよ!」 京太郎「いや、これはオレにとっては死活問題でだな…」 咲「ふふっ。まぁいいよ?ここは幼馴染のよしみで助けあげよう。」 京太郎「さすが、さすがです姫!信じてた!」 咲「ほ、褒めすぎだよっ///それに姫とか恥ずかしぃよ…」 京太郎「あはは。でもほんとありがとう咲。助かるよ。」 咲「ふふっ。いいよ京ちゃん。それでいつ行けばいいの?」 京太郎「あー。とりあえず冷蔵庫空みたいだからさ」 京太郎「とりあえず買い物行かないとかなぁ…?」 咲「なるほど。それなら4時くらいにお邪魔していいかな?」 京太郎「おう。んじゃそれでよろしく頼む。ごめんなこんな時間に」 咲「んーん。いいよいいよ京ちゃんだもん。それじゃおやすみ京ちゃん」 京太郎「おやすみ。咲」pi 咲「…まったくしょうがないなぁ京ちゃんは…」 咲「…」 咲「…えへへ///」 咲(やった!やったやった!京ちゃんの家で御飯!)/// 咲(しかもあれだよね?家族の人誰もいないんだよね…?) 咲(これって、アレだよね…なんか奥さんみたいだよ!)/// 咲(うー。顔のニヤけ戻んないよぉ…///どうしよう…) 咲「夕方からだよね…とりあえずこっちの夕食を適当に作ってからかな」 咲「何作ろうかな?やっぱ京ちゃん男の子だしお肉とかの方が良いのかな」 咲「よーし。明日は頑張るぞーっ!」 当日夕方 咲「京ちゃんいるかな?えっと、こんばんはー」ピンポーン 京太郎「はーい。お、咲悪いなわざわざ…」ガララッ 咲「ほんとだよー?今度何か学食奢ってね?」クスクス 京太郎「おう、まかしとけ何でも奢ってやるよ!」 咲「約束だからねー?あ、買い物行く前に荷物置いといていいかな?」 京太郎「ん?何か持ってきたのか?」 咲「うん。エプロンとあと肉じゃが作ってきたから」 京太郎「おぉー。さすが咲!」 咲「えへへ。それじゃ置いてくるからちょっと待っててね?」 京太郎「おう。よろしく頼むわ」 ……… …… … スーパー 京太郎「さて、スーパーに着いたわけですが」 咲「そういえば京ちゃん何か食べたいものある?」 京太郎「んー。食いたいものなぁ…」 京太郎(別に咲が作るものならなんでもいいんだけども) 京太郎「あ、あれだ。ハンバーグが食いたいです」 咲「ハンバーグかぁ。それだとひき肉と卵と玉ねぎとパン粉くらいかな?」 咲「調味料はあるとして…あ、京ちゃん牛乳あった?」 京太郎「ん。まだあったと思うぞ?」 咲「そっか。京ちゃんて和食好きだったよねたしか」 京太郎「おう。よく憶えてるなぁ…。」 咲「幼馴染やってますから」エヘン 咲「それじゃソースは和風にしようかな!んじゃ買い物行こっかー」 京太郎「おう。行きますか!」 ……… …… … 会計後 京太郎「ひき肉、たまねぎ、卵にパン粉…あと大根に大葉にレタスか。」 京太郎「結構買ったなー」 咲「そだね。っともう5時だよ京ちゃん!」 咲「早く帰って作らないと」 京太郎「おう、んじゃ戻るか。その前に買い物袋をこっちに渡してもらおう」 咲「へっ?なんで?」 京太郎「いや、お前なんでって…こういうのって普通男が持つもんじゃないか?」 京太郎「それに咲はトロ臭いからなぁ…」ニヤニヤ 咲「こ、これくらい持てるもん!」/// 京太郎「でも卵とかもあるし、それに女の子に持たせるのはオレのプライドが許さん」 咲「うぅ…じ、じゃあ!買い物袋の左側持ってよ!」 京太郎「えっじゃあ右どうすんだよ」 咲「だから右側は私が持つから!それなら安心でしょ?」 京太郎「んー。まぁそれなら…」 咲「よし、決まりだね京ちゃん!早く帰んないと暗くなるよ?」 京太郎「おー。んじゃ行こうか。」 帰り道 京太郎「…」///テクテク 咲「…」///テクテク 京太郎(いや、まぁわかってたんだけどさ…) 咲(この格好…) 京太郎、咲(は、恥ずかしい!)/// 京太郎(うん。全く先程から会話がない…咲は咲で顔赤くしてうつむいてるし) 京太郎(恥ずかしいならやめとけばいいものを…可愛い奴め) 京太郎(しかしこれはオレにもダメージがデカいな…まぁ嬉しいんだけどさ) 咲(うーっ。勢いで言ったとは言え恥ずかしいよぉ…)/// 咲(京ちゃんの顔見れないし…私今絶対顔ニヤけてるし…) 咲(どうしよう…でも嬉しいや…)/// 京太郎「…」スタスタ 咲「…」テクテク…タタッ 京太郎「…」スタスタ 咲「…」テクテク…タタッ 京太郎「……あ。」スタスタ…テクテク 咲「…」テクテク 咲(あれ?なんか急に歩くの楽になった気がする?) 咲(あっ…) 京太郎「…」テクテク 咲(京ちゃん…歩く速さ…合わせてくれてるんだ…) 咲(やっぱり、優しいんだね京ちゃん…) 咲「…えへへ」/// 京太郎「ん。どうかしたか咲?」 咲「何でもないよー?へへっ」/// 京太郎「明らかに笑ってんじゃん!」 咲「教えてあげないもんねっ。さ、早く帰ろ京ちゃん!」タタッ 京太郎「なんだよそれ…ってうわっ!いきなり走んなって…」タタッ 京太郎宅 咲「ただいまー」 京太郎「ただいまーって誰もいるわけないだろ」 咲「あはは、そっか。それじゃ台所借りるねー?」 京太郎「おう。んじゃ俺も行くよ。何か手伝いたいし」 咲「そう?んじゃ待ってるね。」 台所 京太郎「ふぅ。おまたせー」 京太郎「!」 咲「ん?どしたの京ちゃん?」 京太郎「いや、エプロン着てるんだなーと」 咲「あぁ。これ着ないと服汚れちゃうしね。どう?結構様になってるでしょ?」クルッ 京太郎(いや、普通に似合ってるな…良い物を見れた。) 京太郎「あ、あぁなんつうか…その、可愛いと思うぞ?」 咲「へっ!?」/// 京太郎「あ、いや…なんか普段の咲とギャップっていうかなんというか…」 咲「も、もう!何言うの京ちゃん!からかわないでよ…」 京太郎「からかってるつもりはないんだって!その…普通に可愛いから…」 咲「えぅ…///そ、そっか…ありがと」モジモジ 京太郎「お、おう…」 咲「…」 京太郎「…」 咲「り、料理作ろっか!」/// 京太郎「そ、そうだな!手伝うよ。」 咲「さて、まずはボールにひき肉、卵、玉ねぎ、パン粉、牛乳…あと調味料を入れてと」 京太郎「ふむふむ…」 咲「よし、これを素手で混ぜてくれる?京ちゃん」 京太郎「おう。コレがタネってやつだな」グリグリ 咲「そうそう。白くなるまでしっかり混ぜてねー」 京太郎「へいへい。まかせろ!」コネコネ … 京太郎「おし。結構白くなってきたぞ」 咲「うん。おつかれさま。それじゃ今度はこのタネをこうやって小判型にね」ヒョイッ 京太郎「おーなんかもうハンバーグだな」ヒョイッ 咲「意外に簡単なんだよねハンバーグ。ウチでもよく作るよ?」 咲(いつか京ちゃんに作ってあげるタメに死ぬほど練習したからね…) 京太郎「へー。咲は料理が上手いし良いお嫁さんになりそうだな」 咲「よ、嫁とか!///何言ってるの京ちゃん!」 京太郎「いや、だって最近ってアラフォー?っての?」 京太郎「婚期逃す人多いって聞くしさ、やっぱ料理できるのって大事だろー」 咲「だからって…もう…京ちゃんのバカ」 京太郎「バカとは失礼な!」 咲「あ、今度はこうやって形を両手でキャッチボールして空気抜いてね」ペチペチ 京太郎「なぁ?これって何か意味あんの?」ペチペチ 咲「んー。空気を抜いて形崩れを防ぐためかな?最後に真ん中にくぼみを入れて完成だよ」 京太郎「よし、こっから焼く訳か」 咲「うん。焼きは私がやるから京ちゃん御飯ついで食器並べといて?」 京太郎「うい。了解しました」 京太郎「…」カチャカチャ 咲「~♪~~♪」ジューッ 京太郎(うむ。エプロンを着た咲が鼻歌を歌いながら台所に立ってる…) 京太郎(なんか…こう…良いなこういうの。) 京太郎(温かい気持ちになるぞ) 京太郎「…っと食器、食器」カチャカチャ … 京太郎「よし、咲。こっちは準備できたぞ」 咲「こっちも焼けたよー。運んでくれる?京ちゃん」 京太郎「おぉ。美味そう!」 咲「あ。あとこれもお願いね。」コトッ 京太郎「ん?なにこれ?」 咲「ソースの大根余ったからレタスと合わせて簡単なサラダにしてみたの。」 咲「お肉ばっかじゃバランス悪いでしょ?」 京太郎「片手間にもう一品ってやつか。すげぇな」 咲「女の子ですからねーふふっ」 京太郎「おぉ。並べると壮観だな…」 京太郎「よし、それじゃ頂きます!」 咲「はい、召し上がれー」 京太郎「んじゃ。とりあえずハンバーグから…」パクッ 咲「ど、どうかな…?」 京太郎(う、美味い!…程よい焼き加減…溢れる肉汁…そしてすべて包み込む) 京太郎(おろし和風ソース…完璧なハンバーグだ…) 京太郎「美味い美味い!すごいな。まさかここまでとは」バクバク 咲「良かったぁ…」ホッ 咲「って京ちゃん!落ち着いて食べないとつまらせるよっ」アセアセ 京太郎「いやでも美味すぎてさ…」モグモグ 京太郎「止めるとか無理だわこれは」モグモグ 京太郎「この肉じゃがもサラダも美味いよ」モグモグ 咲「もう…ふふっ」/// ……… …… … 京太郎「ふぅー。食べた食べた。」 京太郎「ご馳走様でしたっ」パンッ 咲「はい。お粗末さまでした。」 咲「それじゃ、洗い物しちゃうねー」カチャカチャ 咲「しかしすごいね…全部食べちゃったんだ」 京太郎「だって美味いんだもん仕方ないだろ」 咲「ふふっ///なにそれー」ザーッカチャカチャ 京太郎「こんなのなら毎日食いたいね」 咲「あはは。それじゃ…お、お嫁に貰わないとだねぇ…あはは」カチャカチャカチャ 京太郎「うん。そうだよなぁ。嫁に貰わないとだなー」 咲「あ、あはは。京ちゃんちょっと冗談言い過ぎだよ…?」 京太郎「いや、…別に冗談じゃなくてもいいよ」 咲「えっ!?///っとわわっ」パリーンッ 京太郎「!」 京太郎「さ、咲大丈夫か!?」 咲「う、うん。お皿割っちゃってごめん…。」ショボン 京太郎「そんなことはいいから!怪我とかないか?」 咲「うん。それは大丈夫。スグどけたから。」 京太郎「そうか。…良かった」ホッ 咲「そ、それよりもさ今の話…ホントなの?」 京太郎「うっ。いや、あの…それはだな…」 咲「う、嘘なの…?」ジワッ 京太郎「ち、違う!オレは…オレはお前が…」 京太郎「…お前のことが…好きなんだよ」 咲「京ちゃん…」 京太郎「ホントはもっと早く言えれば良かったんだけどな…」 京太郎「ずっとずっと言いたくてさ。でもどうもヘタレちゃってな」 京太郎「でも、もうちゃんと言えるぞ。オレはお前が好きだよ。咲。」 京太郎「やっと言えたよ。何年越しなんだっつー話だよな」 京太郎「ごめんな。ほんとこんなに遅くなってさ。」 咲「…」 京太郎「さ、咲?」 咲「………うぅぅぅ。」ギュッ 京太郎「お、おい!」 咲「京ちゃん…京ちゃん…グスッ」ギュッ 咲「私…ずっと…ずっと待ってたんだよ…?…ヒック…」 咲「それで…こんないきなり…ヒック…」 咲「京ちゃん…ずるいよこんなの…嬉しくないわけないよぉ…グスッ」ポロポロ 咲「私もね…私もずっと言いたかったの…でも和ちゃんとか美人な人ばっかりで自信なくて」 咲「今の京ちゃんとの関係を壊すのもすごく怖くて…グスッ…」 咲「だから…今すごく嬉しくて…涙止まらなくて…ヒック」ギュッ 咲「私も好き…京ちゃんが大好きだよっ」 京太郎「よしよし…」ナデナデ 咲「…京ちゃんッ…」ギュッ ……… …… … 京太郎「落ち着いたか?」 咲「う、うん。ごめんね?」/// 京太郎「いや、別にいいけどさ、とりあえず皿片付けようぜ?」 咲「そ、そうだね!箒もってくる!」タタッ 京太郎「おいおいこけるなよー?」 咲「大丈夫だもんっ!」/// 京太郎「よし、こんなもんか」 京太郎「咲、破片踏むなよ?まだあるかもしれないから」 咲「そ、そこまでドジじゃないよっ」 京太郎「ホントかよ…ってもうこんな遅いのか…そろそろ帰るか?」 咲「…」 京太郎「…咲?」 咲「もう、ちょっとだけ…ダメ?」 京太郎「親父さん心配しないのか?」 咲「遅くなるって言ってあるし…それに…もう少し京ちゃんと一緒にいたいし…」/// 京太郎「そ、そうか。ならリビングでテレビでも見るかな」 咲「うんっ!行こー京ちゃん。」 … 京太郎宅リビング 京太郎「さて、オレ達は夕食を終えてリビングでTVを見てるわけだが」 咲「そうだねーへへっ///」チョコン 京太郎「それで、だ。」 咲「なーに?京ちゃん?」 京太郎「いや、お前はなんでオレの膝上でTVを見てるんだ?」 咲「だって…。私達もう…恋人同士…だよね?」/// 京太郎「あぁ。そりゃそうだな。さっき死ぬほど恥ずかしかったぞ」 咲「私すっごく待たされたんだよ?京ちゃん麻雀部で全然かまってくれないしー」 京太郎「あはは。…………すみませんでしたっ!」 咲「私だって沢山かまって欲しかったし、あ、甘えたかったんだもん」/// 京太郎「いや、ほんとすみませんでした…。」 咲「でもいいの。京ちゃんとこうして付き合えた訳だし…」 咲「あ、でもこれからあんまり和ちゃんのおっぱいばっかり見てたら拗ねるからね?」 京太郎「うっ…善処いたします…」 咲「京ちゃんはこういう甘えん坊…嫌い?」 京太郎「………そんなわけないだろ」 咲「えへへ///ならどう思ってるのー?」 京太郎「可愛い幼馴染で幸せだぞ」 咲「き、京ちゃんてばっ」/// おわり
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京太郎「えーとなになに。『あなたは21世紀の人々の中から抽選で選ばれました。無料で一品未来の道具を一つ差し上げます』」 京太郎「なんかすこぶる怪しいが……カタログの手が込んでて面白そうだし、注文してみるか」 京太郎「さて、何にしよう」 京太郎「このあらかじめ日記って面白そうだな」 京太郎「これにチェックつけてポストに投函と」 京太郎「さて、家に帰るか」 京ちゃんのおうち 京太郎「ただいまー」 母「おかえりなさい。荷物が届いてるわよ」 京太郎「ん?なにが届いて……って、これは未来デパートの品!」 京太郎「投函してすぐ届くなんて……本当にこれは未来の品かもしれないな」 京太郎「えーっと、How to use……」 【この日記に書かれたことは現実でも起こります。ただし書かれた未来は消しゴムで消す等しても取り消すことはできません】 京太郎「なるほど。カタログに書かれてた通りだな」 京太郎「とりあえず本物かどうか試すために、ウソ800と書いてみるか」 京太郎「そうだ。これを使えば他の秘密道具も手に入るかもしれない」 京太郎「他にも欲しい道具があったんだったな。ウソ800が送られてくる……と」 タッキュウビンデース 京太郎「流石未来デパート。早いな。これがウソ800か」 【これを飲むと言った事がウソになります】 京太郎「なるほど。本当に書いた事が起きるようだな」 京太郎「ん?なんか使い方以外にもう一通の手紙があるぞ」 『今回は記載していなかったため、一回のみ使える使い捨て品を差し上げますが。ですが過去の世界に秘密道具が氾濫してはいけないため、今後秘密道具を使い秘密道具を手に入れる事を禁止します』 京太郎「……未来の道具は未来人には通用しないのか……」 京太郎「まあ本物だって証明されたわけだしいいか」 京太郎「さて、未来日記と一緒に送られてきた使い捨てどこでもドアで、美少女のいる高校に行くか」 京太郎「有珠山にしようかな。あのユキっておもちの子が可愛かったし、その子を好きにできると思うと……むふふ」 京太郎「よし!どこでもドア~」ガチャ 北海道 京太郎「えーっと、ここが有珠山高校か」 警備員「君、ここでなにしてるのかな?」ガシッ 京太郎「おっと、だがこれは予想の範囲内だ。絶対遵守の力を得た俺に不可能はない!」 京太郎「あらかじめ日記~」 『有珠山高校前で警備員に引き止められるも、顔パスで入れる』 警備員「……君」 京太郎(お、効いてる効いてる) 警備員「なかなかいい身体してるね」 京太郎「……え」 警備員「俺は君のような男がタイプなんだ」 京太郎「え、いや、あの」 警備員「ちょっと休憩所までこないかい?」 京太郎「え、ちょっと……アッー!」 京太郎「なんとか隙をみつけてあらかじめ日記で菊紋は守ったぞ……」 京太郎「どうやら書いた事は本当に起こるが、書いた本人の望む通りに起こるってわけじゃないんだな」 京太郎「まあ本当に有珠山高校に入れたわけだし、麻雀部を探すか」 京太郎「えーっと麻雀部は」 成香「ヤックルトヤックルト~」 京太郎「おっと、あれは有珠山の先鋒の本内成香ちゃんだっけ」 成香「有珠山高校自販機のヤクルトは70円で2本~おっ得だよ~」 京太郎「ねえ君」 成香「ひ、ひぃぃぃ!誰ですか!?」 京太郎(やべ、警備員に捕まらないとしか書いてなかった) 『有珠山高校に入った須賀京太郎。誰にも不審に思われずに麻雀部室に行く』カキカキ 成香「あ、すいません。確か清澄高校の男の方でしたっけ」 京太郎「ああ、そうだよ。今日は麻雀部に用があって来たんだ」 成香「そうですか。麻雀部室はこっちですよ」 京太郎(よし!) 麻雀部室 成香「ただいまー」 揺杏「お帰り成香」 ユキ「この方はお客様ですか?」 爽「お、清澄高校の須賀京太郎君じゃん」 京太郎「どうも」 誓子「何の用できたの?」 京太郎(ふむふむ) 京太郎(小動物ちっくな成香さん、美人でしっかり者の誓子さん、スレンダーで美人、以外と家庭的な揺杏さん、おもちが最高でかわいいユキちゃん、アホっぽさが可愛い爽さん) 京太郎(どの子もいいな……さて、何をしようか) 京太郎(とりあえユキちゃんが自分からおもちを揉んでくださいと頼んでくるって書こうかな) 成香「爽ちゃん、ヤクルト買ってきましたよ。二人で分けましょう」 誓子「ありがとう成香」ナデナデ 成香「えへへ~」 京太郎(……いや、その前にこの二人を恋人同士にしてみよう) 京太郎(濃厚なレズ。前菜としては悪くない) 『誓子と成香が愛し合う』カキカキ 誓子「ねえ成香」 成香「はい?」 誓子「成香ってほんと可愛いわよね……食べちゃいたいくらい」ウットリ 成香「チカちゃん……私も、チカちゃんなら……いいですよ」 誓子「今なら二人きりだし……愛し合いましょう///」シュルル ユキ「私たちがいますよ」 成香「チカちゃん……///」ヌギヌギ 爽「あーだめだ。二人だけの世界に入ってる」 京太郎(おお!二人ともおもちは余りないが、美しい肢体をして……) 揺杏「成香とチカセンの裸を見るなー!!」ドゴッ 京太郎「へぶし!」 揺杏「ほら出て行け男子!」 京太郎(くっ……このアマ……あらかじめ日記で性奴隷に……いや、それよりユキちゃんのおもちを……) 京太郎(そうだ、準決勝戦でユキが着てたような服。あのスカートの短い恥ずかしい服をこいつに着せよう) 『揺杏がいつもユキが着てるような服を着る』カキカキ 京太郎(ククク……みてやるぜ、この女のあられもない露出を!) チカチャーンナルカーギシギシアンアン 揺杏「……ねえユキ」 ユキ「はい」 揺杏「あんたが着てる服今ない?なんかすごいその服着たいんだけど」 ユキ「ありますよ。どうぞ」スッ 揺杏「ありがと」ヌギヌギ 京太郎(ぶほっ!目の前で服を脱いで着替えるなんて……) 京太郎(おもちは無いけど、全体的に引き締まって美しい身体だ……) 京太郎(この後は、この身体を我が物に……!) 揺杏「着替え終わりっと」 京太郎(さてさて、どんな感じに……) ユキ「似合ってますよ、先輩。その堕天使の服」 京太郎(……はい?) 揺杏「いやー、胸がダボダボなのが寂しいな」 京太郎(えっ、なんでそんな某第1ドールみたいな服着てんの?ユキちゃんの露出高い改造制服は?) 爽「ユキはよくいつもこんな服を着て外に出れるな」 京太郎(そういう事かぁぁぁ!!サイズが合わなくて尻チラとかヘソチラとか期待してたのにぃぃぃ!!) 京太郎「うおぁぁぁぁ!!!」 ユキ「ひっ!この人、涙と涎と汗と鼻水でぐちゃぐちゃです!」 爽「顔から出るもの全部出てるな」 京太郎「くそっ!この悲しみはお前の身体で払ってもらうぞ!」 『揺杏が京太郎の性奴隷になる』カキカキ 揺杏「……」ポー ユキ「どうしたんですか先輩」 揺杏「なんか……凄く身体が疼く……」 揺杏「京太郎……なんか、切ないんだ……」 揺杏「あんたに、支配されたがってる……」 京太郎「俺の目の前で服を脱げ、揺杏」 揺杏「うん……」ハラリ 京太郎(ふ……ふはは!) 京太郎(あらかじめ日記、これがあれば俺は無敵だ!) 京太郎(さて、まずはこいつを調教するとしようか) キョウタロウ…ユアン… ヨカッタヨカッタナルカ…ダイスキデスヨチカチャン… 爽「なんだこの状況」 ユキ「私たちだけ取り残されましたね」 爽「そうだな……なんか疎外感を感じるな」 ユキ「……なんだかあの四人を見てると、私も……」 爽「そうか。じゃあ私と……するか?」 ユキ「先輩……」 爽「ユキ……」 爽(私の勝ちだ) . 『△月×日 私が作った未来デパートからの手紙が須賀京太郎の元に届き、あらかじめ日記を選んでポストに投函する その後家に帰った直後に、私が発送した最初の数ページだけあらかじめ日記にすり替えたただの日記が須賀京太郎の元に届く 須賀京太郎はそれを使い、成香と誓子、須賀京太郎と揺杏が愛し合うようにする』 爽(未来デパートに選ばれたのは須賀京太郎。あんたじゃなくて私なんだよ) 爽(あの手紙が送られてきてあらかじめ日記を手に入れた時、真っ先にユキを私のものにしたくなった) 爽(けど道具の力で人の心を手に入れるのは意味が無いし、つまらない) 爽(だから須賀京太郎を使って、そうなるような状況を作り出した) 爽(間接的に私とユキがくっつく状況を作る……それが私のゲーム!) ユキ「せんぱい……わたし、もう……」ハァハァ 爽「ユキ……愛してるよ」 十年後 揺杏「京太郎、朝ごはんができたよ。今日は京太郎の大好きな出し巻き卵を作ったんだ」 京太郎(……あの後、あらかじめ日記は使えなくなった) 揺杏「今日の味噌汁は自信作だから、味わって食べてちょーだい」 京太郎(結局俺が手に入れたのは、揺杏だけだった) 揺杏「ほら、あーん」 京太郎「あーん」 揺杏「美味しいかな?」 京太郎「ああ。美味しいよ、揺杏」 揺杏「へへ……良かった///」 京太郎(そして俺は揺杏と日々を過ごすうちに……揺杏の事を愛してしまった) 揺杏「あ、そうだ。チカセンが成香と結婚するんだってさ」 京太郎(それと同時に、心に一本のトゲが刺さったような気持ちが常に付きまとっている) 揺杏「その、そろそろ私たちも……ごめん、なんでもないや」 京太郎(俺の事を愛してくれる揺杏は……俺が秘密道具で無理矢理作り出した姿なんだ) 揺杏「なあ京太郎。桜も満開になってきたし、花見に行こう?お弁当を作る準備もできてるからさ」 京太郎(この揺杏の笑顔を見るたびに、彼女の心を無理矢理俺に向かせてしまった罪悪感が俺を蝕む) 京太郎「いいな。行こうか」 揺杏「やった!それじゃあ準備してくるよ」 京太郎「俺は部屋で着替えてくるよ」 京太郎の部屋 京太郎(揺杏……) 京太郎(こんな、作られた恋じゃなくて……俺だけの力で、揺杏に好きになって欲しかった) 京太郎(けれど、もうそれは叶わない……) 京太郎「えっと、ポロシャツは……」 バザバサ 京太郎「おっと、昔の荷物が落ちちまった」 京太郎「これは未来デパートの手紙とカタログか……」 京太郎「これさえなければ……もしかしたら揺杏と、普通の恋を……」 京太郎「ん?これは……」 [ウソ800] . 京太郎「これは……あらかじめ日記で手に入れたウソ800!」 京太郎「最初に手に入れてから、すっかり忘れてた……」 京太郎「これを飲んで言ったことが嘘になる……多分、あらかじめ日記の効力にも影響を!」 揺杏「京太郎、そろそろ着替え終わった?」ガチャ 京太郎「……なあ揺杏」 揺杏「ん?なんだ改まって」 京太郎「全てが無かった事になる前に……お前に言っておく」 揺杏「なんだよ急に」 京太郎「俺は例え未来の道具が無くったって、お前に出会う。そしてきっと、お前を好きになるし、お前に好きになってもらうようにする」 揺杏「……?」 京太郎「愛してるぞ、揺杏」 揺杏「それは、私もだけど……ほんとどうしたんだよ。花見は取りやめにして病院に行くか?」 京太郎「いや、いい」ゴクッ 京太郎「すぅ……」 京太郎「あらかじめ日記の効果は絶対だ!どんな事があっても覆せない!」 . 揺杏「京太郎……?」 京太郎(ああ……時空が歪んでいる。あらかじめ日記が存在しない世界に戻ろうとしてる) 京太郎「揺杏……?」 揺杏「んー?」 京太郎「花見、絶対に行こうな」 揺杏「……うん」 京太郎(世界が、変わっていく) 京太郎(揺杏……さよなら) 京太郎(いやーーーーーーまたな) . 先生『今年の修学旅行は北海道に行く』 咲『楽しみだね、京ちゃん』 優希『北海道のタコスはどんなのか楽しみだじぇ』 和『札幌のご当地エトペン……楽しみです』 京太郎『北海道かー。楽しみだな』 京太郎『咲め……また迷子になって』 京太郎『あの、すいません。この辺でこの写真の子を見かけませんでしたか?』 成香『ひっ!男の人に声をかけられました!』 爽『あ、この子はインハイで私と戦った宮永咲じゃん』 ユキ『まさか、迷子になってるんですか?』 揺杏『しゃーない。探してやんよ』 揺杏『見つけたら連絡するからさーーー携帯の番号教えてよ』 揺杏『京太郎は進路どうすんの?』メール 京太郎『まだ決めかねてますね……』メール 揺杏『ふーん。いく大学決めてないならさ、私と同じ大学に来ない?』メール 揺杏『ういー京太郎ー』 京太郎『揺杏さん酒臭い!サークルの飲み会に行ってきたんですか!?』 揺杏『なんだよー嫌そうな顔するなよー。私とあんたの仲だろー?』 …… …… 揺杏「ほら、おきなよ京太郎」 京太郎「ん……おはよう、揺杏」 揺杏「どうしたんだよ、こんな時間まで寝てるなんて珍しいじゃん」 京太郎「あー、なんか長い夢を見てた気がしてさ」 揺杏「んー。わけわかんねー」 京太郎「そんな事より、今日は天気もいいからーーーーーー」 京太郎「花見でも、行こうか」 Fin
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前話 次話 京太郎インタビューその4 全国大会へとやってきた清澄高校。そしてSK君。 今回から全国大会中の様子を高スパンでお送りする予定の為、インタビューの様子を動画で配信する事となった。 それに合わせて、以前より問い合わせの多かったSK君の素顔の公表についても交渉し、これを受諾。 彼の身内と取材陣しか知らなかったSK君の端正な顔立ちが、今明かされる。 まずは動画配信、並びに素顔の公表を受け入れてくださって、ありがとうございます。 京太郎「はい。といっても、そんなに需要があるとは思えませんけどね。このインタビューって、基本的にうちとかの女子選手達の裏側が知りたい人が見るものでしょうし」 ……需要しかないから問い合わせが殺到したのですが……まぁいいでしょう。 京太郎「それで、今回はどんな話をしましょうか」 それではまず気になった事なのですけど……気を悪くしないでくださいね? 京太郎「はい?」 良く来られましたね? 京太郎「? と言いますと?」 いえ、基本的に大会での遠征となると、選手や監督、コーチくらいのもので、それ以外の応援する部員となると、それこそ大手の学校になるのですよね。 京太郎「あ、あーそういう話ですか」 S君一人分にしても遠征費は馬鹿になりませんし、男子となるとまた別で部屋を押さえる必要があるので、それだけのお金を学校から出してもらえたということに……まさか自費ではありませんよね? 京太郎「それは無いですけど……うーんと。聞くところによると、どうやら学校としては元々俺も付いていかせるつもりは無かったそうです。理由はさっき言ってた通りで」 では、何故? 京太郎「俺ももっともな理由だと思ったんですが、部長がそれについて先生方に抗議したらしくて」 部長さんが、ですか? 京太郎「はい。なんでも「何言ってるんですか! S君がいなかったら咲は広い東京で迷子のまま帰って来なくなりますし、優希はエネルギー切れで行き倒れますし、和なんか道行くわるーいお兄さんに連れ去られて行方不明になるでしょーが!!」とか」 後輩達に対する信頼がまるでありませんね……。 京太郎「心配なんだと思いますよ。かくいう俺も同じ所で心配ですから。そんな訳で、応援兼ボディガード兼マネージャーという形で一緒に東京来る事になりました」 成程。 京太郎「咲は東京に着くまでの駅でも何度か迷子になりますし、優希は遠征に思ったより時間が掛かったせいでエネルギー切れて自分で歩かなくなりますし、和は俺と一緒にいる時にも遠目でジロジロ見られてたみたいで、付いてきて正解だったな……とは思いましたね……」 それはまた、予想を裏切らない方達ですね……。 東京に来た事はありますか? 京太郎「無いですねー。今の時代、電車やら新幹線やら飛行機やらでどこでも行けますけど、特別用が無いとそれだけの時間と金を掛けて出掛ける事無いですし」 長野から出た事も無い? 京太郎「いえ、家族旅行とか修学旅行とかではありますけど……、東京方面に行った事は無いかな」 どうですか? 東京に来てみて。 京太郎「圧巻、ですよね。色んな建物が所狭しと立ち並んでますし、何より人が多いのなんの」 初日にして東京の洗礼を浴びましたか。 京太郎「そうなりますかね。で、初日の昨日は遠征ってのもあってみんなは旅館で休んでました」 みんなは? 京太郎「俺も疲れてましたけど、みんな程じゃなかったし、ちょっと休んだらじっと落ち着けなくなって、周りの地理を把握する意味でもと思って散歩したんですよ」 迷子にはなりませんでしたか? 京太郎「旅館の名前やらはメモってたので、地図アプリを開けば場所は分かりましたから、特に問題ということは無かったですね。咲とは違うのだよ! 咲とは!」 それ以上は宮永さんに怒られそうですが。 京太郎「あいつ麻雀絡ませない限りは怒っても大して怖くないですしねー。で、テキトーにその辺をほっつき歩いてたら、「あ! え、S君だ!」って突然声掛けられまして」 目線を入れない素顔の公開は今回が初なのに、掛けられたんですか。 京太郎「ええ。誰だ? と思って見てみたら穏乃……阿知賀女子の高鴨穏乃でして」 阿知賀女子のというと、奈良県代表高校の? 京太郎「ええ。そういや雑誌でそんな高校もあったな、と」 穏乃……というと。 京太郎「あー。まぁ話してる内に思いの外仲良くなった、というか。その時は向こうも礼儀正しくして、「あ、あの! 私麻雀部で、奈良県から出場してる高鴨穏乃って言うんですけど! 長野で清澄高校のS君ですよね!?」って聞かれまして」 前から思ってましたが、物真似上手いですよね。 京太郎「そうですか? それで、そうだけどって返したら、どうやら和の昔の友達らしくて」 ほほう。意外な所に接点が。 京太郎「他にも和の友達がいて、今の和について聞きたいからっつって阿知賀の人達が泊まってる部屋に案内されまして」 ホイホイと連れ込まれてませんかそれ。 京太郎「まー普通なら警戒するとこでしょうけど、毒気が抜かれるというか危機感を持つだけアホらしいというか、これで騙されてたら俺の見る目を一生信用出来ないってくらい無邪気だったんで。大人しく連れていかれました」 それで、連れ込まれてからどうなりましたか? 京太郎「一応俺を連れてくるっていう連絡は事前に入れてたみたいで。部屋に入った時に紙袋を被った人に「ふっふっふ、良く来たのですSK君!」って出迎えられました」 紙袋。 京太郎「頭を覆い隠してた紙袋の穴から長い黒髪が伸びてましたし、他の特徴と阿知賀女子の人ってのと照らし合わせて正体は松実玄さんってのはすぐ分かったんで、指摘したら「はうっ!? な、なんで分かったの!?」って言った後にハッとして「ち、違うよ!? 私は謎の覆面女子高生MK! 奈良県代表阿知賀女子麻雀部先鋒で、旅館を経営してる松実家の次女で、ドラ保有率100%故に阿知賀のドラゴンロードと呼ばれている松実玄ちゃんではないのです!」なんて取り繕い始めまして。隣にいた鷺森さんに「玄。余計な事までバラしてる」ってツッコまれてました」 なんでそんな奇天烈な行動を……。 京太郎「さぁ……? ともかく正体バレバレなのが分かると松実玄さんは紙袋脱いで、阿知賀女子の四人の人と自己紹介しました」 四人、ですか? 五人ではなく? 京太郎「一人は男性慣れしてないとの事で布団に包まってました」 布団に包まって。 京太郎「……まぁ男慣れしてる人ってのは一人もいませんでしたが、特にって感じで。あと監督もいたそうなんですが、その時は席を外してましたね」 それで、その四人と原村さんについて? 京太郎「いえ、和の友達は五人の内三人で、内一人は包まってたので、穏乃と玄さんの二人と、ですね」 玄さん? 京太郎「あー。姉妹で一緒にいたんで、松実さんだと混ざるからって名前呼びするように、と」 阿知賀女子の方と仲良くなるスピードが尋常じゃないですね。 京太郎「俺も結構なものだと自負してますが、向こうも向こうでコミュ強でしたからねぇ……」 彼女等の部屋にいる間はその二人とずっと原村さんについて語ってたのでしょうか? 京太郎「それがそうでもなくて……しばらく話してる内に、話の流れで玄さんが「ええ!? S君、おもちに触った事無いの!?」とか言い出しまして」 おもち? 京太郎「直訳すると女の子の胸の事です」 何故そんな話の流れに……。 京太郎「なんだったかなぁ……。和は今あれだけ大きいけど、小学生の頃から凄かったんだよーって玄さんが語り始めたからだったような」 それで、それから松実玄さんが胸…………おもちについて語っていたんですか。 京太郎「いや、そこからは話すぐ終わったんですよね。……いや終わらせられたというか……」 というと? 京太郎「俺が触った事ないです、と返したら玄さんが「それは勿体無い! 大丈夫なのです! おもちは友達! 怖くないよ! ほら!」とか言って、俺の手を掴んで自分の胸を鷲掴ませまして……」 え。 京太郎「俺が呆気に取られて何秒かぐいぐいさせられたら、玄さんも自分のやってる事に気が付いたんでしょうね。一気に顔が真っ赤になって弁解らしき言葉を口にしようと」 かなりおばか…………勢いで生きてる方なんですね。 京太郎「あまり包めてませんよオブラート」 ちなみに鷲掴んだ感触は如何でしたか? 京太郎「………………………………ノーコメントで」 京太郎「で、なにか言葉になる前に新子さん……包まってた人ですね。が、「くーーーろーーー……?」って、笑顔で怒ってる感じで玄さんの後ろに立ってまして」 いつの間に出て来てたんですか。 京太郎「俺達が話してる内に顔だけはちょこっと布団から出してたのは見えてましたね。で、それ見て怯えた玄さんを「逆セクハラ娘は出ていきなさい!」つって部屋から蹴り出してました」 先輩に容赦がありませんね、新子さん。 京太郎「幼馴染みだと年の垣根ってあって無いものかもですね……。それで、閉め出された玄さんが部屋の外で「お、お゛ね゛え゛ぢゃああああん!!」って泣き叫びながら、何故か部屋から遠ざかっていって、その後で宥さん……姉の方の松実さんが「く、くろちゃー……」つって追いかけてって、まず松実さん二人が部屋から消えまして」 まず? 京太郎「その後、新子さんに助け舟出してくれた事にお礼を言ったら、聞いたことの無い悲鳴? を上げられまして」 悲鳴? ……具体的にはどのような? 京太郎「確か「ふきゅ!」だったかな?」 また新しい悲鳴ですね……。 京太郎「そんでまくし立てるように穏乃にあれこれ言った後、新子さんも部屋から出て行っちゃって、俺と穏乃と鷺森さんの三人が取り残されました」 それで、その場はもう解散となった? 京太郎「俺はそうかなと思ったんですが、穏乃的にはそうでなかったらしく、ちょっと言い辛そうな感じでもじもじしてたんですよ」 おや、面白そうな反応が……。 京太郎「俺がどうした? って聞いたら穏乃は意を決した感じで「あ、あのね!」つって」 これは、まさか……!? 京太郎「「S君ってドラゴン○ール読んでる!?」って」 ズコーッ! 京太郎「うわっびっくりした! なんですか急に顔面スライディングして!」 い、いえ……思ってた反応と違ってたもので……。 767名無しさん@お腹いっぱい。2021/07/01(木) 17 45 44.38ID PTFFyHFK0 京太郎「まぁ俺も唐突! とは思いましたけどね。どうやら穏乃ってドラゴ○ボールの大ファンなんですけど、周りにそういうの語れる人がいなかったらしくて。男で同年代で和の友達の俺ならもしかしたら、って思ったらしいです」 同年代の男の子ならともかく、原村さんの友達は関係あるんでしょうか……。 京太郎「ある程度信用出来る男って意味なら、あるかもですね」 それで、S君は読んでるんですか? ドラ○ンボール。 京太郎「そりゃあもう。漫画は読破してますし、アニメもDVDが全部家にありますし、ゲームも全部とはいきませんが古いのから新しいのまで揃ってます」 かなりのファン度ですね。 京太郎「穏乃はゲームこそ無いものの、数あるド○ゴンボール映画をコンプリートしてましたよ」 そうなると、とても話が合ったんじゃないですか? 京太郎「そうですね。俺は男友達にもファンはいますけど、穏乃はそうじゃなかったんで、今までに語れなかった分を語り尽くそうって勢いで話してました」 その流れで下の名前呼びになったんですか? 京太郎「ええ。そろそろ帰らないとって時間になって、語り足りないし連絡先交換しようっつって、その時に」 東京初日で女の子の連絡先ゲットしたんですね? 京太郎「言い方!」 では、最後になにか一言。 京太郎「東京でオススメの、テイクアウト出来るタコスが売っている店を知っている方がいらっしゃれば、どうかコメントの方お願いします」 晴絵「…………私がいない間に何やってんだあんたら」 穏乃「いやーごめんなさい! 初めての東京でテンション上がって、その辺をダッシュしてたら京太郎君ぽい人見掛けちゃって! 確認したら本物だったからそのまま連れ込んじゃいまして!」 晴絵「いやそれもだけどさぁ……見ず知らずの男を部屋に招くとかさぁ……」 穏乃「? 和の友達だし、見ず知らずじゃないですよ?」 晴絵「そーなんだけどさぁ……」 灼「ハルちゃん。穏乃には何言っても無駄……」 憧「しずもしずだけど、玄も玄よ。なんであんなに恥を晒したわけ?」 玄「言い方酷くない!?」 灼「須賀君が部屋にいる間、ほぼずっと布団に包まってた憧も大概だと思……」 憧「そ、それは仕方ないでしょーよ! 部屋でだらだら過ごしてたらいきなりしずから連絡来て「S君見つけた! 今そっちに一緒に向かってるー!」とか言うのよ!? 心の準備ってものがあるでしょ!?」 穏乃「でも憧、雑誌で京太郎君の写真とかコメントとか読んで、「ふーん。まぁ、悪い奴じゃないかもね」とか言ってたし、男の子苦手な憧でも大丈夫かなって思ったんだけど」 憧「……違うのよ……悪い奴どころか、本物見たら超タイプだったのが問題なのよ…………」 穏乃「へ?」 憧「と、とにかく! どーすんのよ玄。あの時の事が知られて、アンタこれから「初対面の男に胸触らせた痴女」って事になるんだけど?」 晴絵(動画のコメントだと「勢いで胸触らせちゃうおばか女子高生」って感じだけどな……) 玄「痴女!? ち、違うよぉ。私本当にそんなつもりなくて……」 憧「和だってそんなつもり無いけど、ネットじゃ「長野が生んだエロの化身」とか呼ばれてるわよ。そこ行くと玄は「奈良が生んだエロの化身」になるわね」 玄「うぇぇん! そんな渾名つけられたらもうお嫁に行けないぃぃぃ!!」 灼「そしてそんな化身と一緒に出場する私達……」 憧「言うな……言わないで…………」 玄「おねえちゃぁぁぁん!!」ビエー 宥「だ、大丈夫だよ玄ちゃん。その時は、ほら。責任を取ってもらう? って事で……」 晴絵「逆セクハラした立場でそれは難しくない……?」 穏乃(今度は和や清澄の人達とも一緒に話せたらいいなー) ちなみに、公表されたSKの素顔に注目が集まったので、阿知賀女子麻雀部の事柄はそれ程話題に挙げられなかったという。 カン 前話 次話
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「停学明けてから須賀のやつ、宮永に対して冷たくね?」 「怪我のこともあるし、落ち込むのはわかるけどあれは流石にな……」 「彼女にとる態度じゃないよな」 「彼女? 須賀と宮永って付き合ってたのか!?」 「あれだけ一緒にいれば誰だってそう思うべ」 「まじかー」 京太郎「……お前ら何の話してんの?」 「す、須賀っ?」 「い、いやなんでもないから、本当に」 「俺たちもう行くわ……じゃあ」 京太郎「……なんだっての。好き勝手言いやがって」 照「あ、いた。京ちゃん、一緒に帰ろ?」 京太郎「用事あるから」 照「最近そればっかり……でも、嘘だよね?」 京太郎「なにか証拠でも?」 照「うん。だって京ちゃんが嘘吐くとき、いつも鼻かくから」 京太郎「――ちっ、そういやそうだったな……で、それがお前に何の関係があるわけ?」 照「京ちゃんが心配だから……元気な京ちゃんに戻ってほしいから」 京太郎「あのさ……」 照「なに?」 京太郎「――京ちゃん京ちゃんってうるっせぇんだよっ!!」 京太郎「ハンドができなくなって落ち込んでる俺に優しくして満足か? そうだよな。これまでと立場が逆だもんな!」 京太郎「気持ちはわかるってか? だがあいにくとな、俺の気持ちが俺以外にわかるわけねぇんだよ!」 京太郎「どんだけ遠ざけてもひっついてきやがって……」ガシッ 照「京ちゃん、痛い……」 京太郎「前に言ったよな? 酷いことするかもしれないって。そうしたら俺から離れてくれるのか?」 照「……酷いことでもなんでも好きにして。でも――」 照「――私が京ちゃんから離れてくなんてありえない」 照「だって私には視えるから」 照「京ちゃんは私の手を引いてくれたときからちっとも変わってない。私の大好きな優しい京ちゃんのまま」 京太郎「こんなことされてるのによく言うよな」 照「お菓子、全部食べてくれた」 京太郎「は?」 照「食欲ないって言ってたのに、全部食べてくれた」 京太郎「……ああ、そうかよ」 京太郎「それなら、なにされても文句言うなよ……!」 照「――んむっ」 京太郎「やめろって言われても絶対やめねーからな」 照「いい……全部受け止めるから」 京太郎「はぁ、はぁ……」 照「ぅ、あ……」 京太郎「は、はは……だから言ったろ。近寄るなって」 照「京ちゃん……泣いてるの?」 京太郎「あ、れ……俺、なんで」 照「大丈夫、私がそばにいるから」 京太郎「――っ、離せよ!」 京太郎「なんだよ、なんなんだよ……!」 京太郎「自分がレイプされたってことわかってんのか!?」 京太郎「なのに、どうしてまだそんな……!」 照「京ちゃんがくれるものはみんな大事だから」 照「それが痛みでも苦しみでも……私は受け入れたい」 照「好き、京ちゃんが好き。京ちゃんがしたいならいつでも――」 京太郎「やめろ!」 京太郎「わかんねぇ、わけわかんねぇよ……」 京太郎「もう、ほっといてくれよ……」フラフラ 照「あ……行っちゃった」 照「ん……お腹の中、あったかい」 照「京ちゃん……」 京太郎(あれから、照ちゃんは姿を消した) 京太郎(行方を調べようと思えば出来たのかもしれないが、俺はそれをしなかった) 京太郎(理由はいくつかある。でも、その中で一番大きなものを選ぶとするなら――) 京太郎(怖かったんだ。自分のしたことへの後悔が渦巻いて) 京太郎(それは中学を出て、高校に入って、ただ無為に日々を過ごして、卒業を目前に控えた今でも変わらない) 京太郎「……ふぅ」 一太「何ため息ついてるんだい?」 京太郎「もうすぐ卒業だなって思うとさ」 一太「進学はしないんだろ?」 京太郎「もう勉強はこりごりだしな」 一太「そういえば君の彼女、県外の大学行くみたいだね」 京太郎「へぇ、そうなんだ」 一太「そうなんだって……知らなかったのか?」 京太郎「この前別れたし」 一太「はぁ? 今度は長続きしてると思ったのに」 京太郎「遠恋なんてめんどくさくてやってらんねーよ」 一太「まったく……君って本当に下衆野郎だな」 京太郎「その下衆野郎に付き合ってくれるお前は本当に物好きだな」 一太「そりゃまあ……一応は友達だし」 京太郎「お前……ほんとロリコンなのが玉に瑕だよな」 一太「違うっ!」 京太郎「ただいまー」 カピ「キュッ」 京太郎「なんだお前だけか。まぁ、まだ午前中だし買い物中か」 カピ「キュッ」 京太郎「……この前また別れちゃったよ。別に不満があったわけじゃないけど、なんとなくな」 カピ「キュッ?」 京太郎「一緒にいて楽しくないわけじゃない。けど、そいつと一緒にいる未来が浮かんでこないんだ」 京太郎(傍にいるのが、照ちゃんだったら……) 京太郎「……突き放したのも手放したのも俺なのにな」 カピ「キュ~」スリスリ 京太郎「悪い、ちょっとブルー入った」 カピ「――」ピクッ カピ「キュッ、キュッ」グイグイ 京太郎「なんだなんだ?」 カピ「キュッ!」 京太郎「玄関のドアを開けろってか?」 カピ「キュッ!」 京太郎「わかったわかった……ったく、なんだって――」ガチャ 「わ、ドアがいきなり開いた」 京太郎「……え?」 「久しぶり。四年くらいかな?」 京太郎「なんで、ここに……照ちゃん」 照「もちろん、京ちゃんに会いに」 京太郎「俺に……?」 照「ずっと、会いたかった……」ギュッ 京太郎「だって、俺は……」 照「それなら私が許す。でももし京ちゃんが自分を許せないなら――」 照「これからもずっと、私の傍にいて欲しい」 京太郎「……怖かったんだ」 京太郎「照ちゃんに酷いこと言って、酷いことして」 京太郎「それなのに、嫌われたら、憎まれてたらどうしようって」 京太郎「でも、やっぱり傍にいたい。傍に、いてほしいんだ」 京太郎「都合のいいことを言ってるのはわかってる……許さなくてもいい、憎んでてもいい。だから……一緒にいてくれ」 照「じゃあ……んっ」 京太郎「なんだ?」 照「仲直りのちゅー」 京太郎「それぐらいでいいなら――ん」 照「……京ちゃんの味」 京太郎「はは、なんだそりゃ」 「ママー、ねむいー」 京太郎「あれ、その子は?」 照「私の子供」 京太郎「……はぁ!?」 「そのひとだれー?」 照「この人はね……あなたのパパ」 つづ……かない
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尭深「何を用意したの?」 京太郎「羊羹です」 尭深「…ふむ」 京太郎「冬に食べるのも乙かと思いまして」 尭深「いい判断ね」 京太郎「それじゃ、邪魔が入らないうちに頂きましょうか」 尭深「ええ」 京太郎「お味の方はどうですか?」 尭深「うん、おいしい」 京太郎「冬だと温くならないからいいですよね」 尭深「だね」 京太郎「それに渋谷先輩のお茶があるから、尚更おいしく食べられます」 尭深「もう…褒めたって何も出ないよ?」 京太郎「お茶だけで充分すぎます」 尭深「…誰も来ないね」 京太郎「そりゃまだ冬休みですし」 尭深「まあいいか。いつもならこうはならないだろうし」 京太郎「普段は騒がしすぎますからね」 尭深「あの二人のせい?」 京太郎「ええ、あの二人のせい」 尭深「…でも、それが当たり前になってるから寂しさも感じちゃうんだよね」 京太郎「確かに」 尭深「…ねえ」 京太郎「何でしょう」 尭深「羊羹の量、少し多すぎじゃないかしら」 京太郎「…」 尭深「…」 京太郎「…てっきり二人が嗅ぎつけて来るものかと」 尭深「来てないけどね」 京太郎「…」 尭深「…どうするの?これじゃあ食べきれないわ」 京太郎「まだ時間はありますし大丈夫ですよ」 尭深「まあ、そうなんだけど」 京太郎「ただ…特にやることないからって、部室に来たのは間違いだったかもしれません」 尭深「人を呼んでおいてよく言う」 京太郎「先輩なら、きっと応えてくれるだろうと思ったんです」 尭深「どうして?」 京太郎「先輩ってあまり気難しくはないですし、一軍の中じゃ一番温厚な方です」 京太郎「それに…こうして静かな所で過ごすのは嫌いじゃないでしょう?」 尭深「否定はしない。けど、いつでもそうだとは思わないで」 京太郎「わかってますって」 尭深「あなたがそういう返事をするのは、当てに出来ない」 京太郎「酷い言い草ですね」 尭深「雑用は無理しない程度にって言っても聞かないし」 京太郎「世話好きというか物好きでして」 尭深「大して強くもないのに、いつもホラを吹いてばかりで」 京太郎「そうでもしないと負け続けられないでしょ?」 尭深「そもそも才能だってないし」 京太郎「知ってます」 尭深「それでも私達と打とうとするのだけは、ある意味才能だと思うわ」 京太郎「…どうも」 尭深「須賀君、あなたはいつまでここにいるつもり?」 京太郎「渋谷先輩が帰るまでは、ううん…家まで送っていきますよ」 尭深「…言い方を変えましょう。いつまでこの麻雀部にいるつもり?」 京太郎「知りません」 尭深「そんな答えじゃ納得いかないわ」 京太郎「他に言い様ないですから。俺、きっと周りのみんなほど麻雀は好きじゃないでしょうし」 尭深「…そう」 京太郎「ですが打ってて楽しいのは確かです。ただ、この先もそうだとは限らないってだけ」 尭深「そんなの、誰だってそうでしょう?」 京太郎「俺は他と違って、麻雀の楽しい所しか知りません」 尭深「…」 京太郎「だからこの先麻雀の嫌なところを思い知って、それでもなお麻雀を楽しめるのか…結局はこれから次第なんですよ」 尭深「…それで須賀君、あなたはどうしたいの?」 京太郎「残れるのなら残りたい。少なくとも、今はその程度です」 京太郎「それはそれでどうしようもありません。それが俺の今なんです」 尭深「なら、この先をどうするかを考えなくちゃいけないわ」 京太郎「えっとですね…恥ずかしながら俺一人じゃどうにか出来る気がしなくて」 尭深「そんなの当たり前でしょう。須賀君って、どうしようもなく無力なんだから」 京太郎「ズバリと言いますね」 尭深「だってそれが事実なんでしょ?」 京太郎「ええ」 尭深「だけど、自分の弱さを知っているだけまだいいわ。自分一人で何とかしようとするよりは、ずっといい」 京太郎「…」 尭深「私は、そんなあなたを放ってはおけない。だから支える。支えてあげるの」 京太郎「…」 京太郎「…本当にいいんですか」 尭深「そのつもりで私の問いに答えたんでしょ?」 京太郎「はい」 尭深「それに私なら、あなたの願いを聞いてくれるだろうと」 京太郎「…はい」 尭深「…ふふ、ダメな子だね。須賀君って」 京太郎「う…」 尭深「そうさせたのは私だし、あなたはただそれに乗っただけなんだけど」 京太郎「…どうせなら、俺が卒業するまで甘えられたらよかったんですけどね」 尭深「それは無理。流石に私も、須賀君のために留年なんてしようとは思わない」 尭深「私には私の人生があるし、あなたにはあなたの人生がある」 尭深「生憎私はこの羊羹のように甘いだけではない…つまりはそういう事よ」 京太郎「…それはそれで助かります。先輩が甘いだけなら、俺はますますあなたに依存してたでしょう」 京太郎「そうなったら俺の意志はありません。先輩の存在こそが、麻雀を打つ理由になってしまう」 京太郎「俺も一応男ですから…カッコ悪いままで終わるのって、嫌ですよ」 尭深「なら、いつかはカッコ良くなってくれるの?」 京太郎「ええ」 尭深「ホラじゃないよね?」 京太郎「これは誓いです。俺と…そして、あなたのための」 尭深「…」 京太郎「必ず、強くなってみせますから」 尭深「ええ…私待ってるわ。あなたがそうなってくれるのを、ずっと…ずっと待ってる」 尭深「どんなお菓子があるの…ってうわぁ…」 京太郎「煎餅、羊羹、団子に変化球としてショートケーキっす!」 尭深「うん…えっと…」 京太郎「どうしました、尭深さん?」 尭深「えっと…その、ね?…多すぎないかな?」 京太郎「正直それは俺も思ってました」 尭深「何でこんなに用意したの…というかどこからこんなに…」 京太郎「いつもこれぐらい用意してましたし何というか癖で…あとどこからかってのは企業秘密です」 尭深「…どうしても?」 京太郎「どうしてもです」 尭深「むぅ…」 京太郎(可愛い) 尭深「…まぁ確かにいつも宮永先輩や淡ちゃんがお菓子を用意した先から食べ尽くしていたからわからなくもないけど…」 尭深「さすがに二人でこれは多すぎると思う…」 京太郎「そーですねー…どうしましょうかこれ?」 尭深「うーん…お煎餅はまだ良いとして他のは袋から出しちゃってるから…」 尭深「やっぱり食べるしかないんじゃないかなぁ…」 京太郎「ですよねー…」 尭深「…まぁ、とはいっても全部二人分ずつだから頑張れば食べれそうかな」 尭深(問題はその後の体重とかとかなんだけど…) 京太郎「そうですね。形はどうあれ、せっかくのお菓子なんですから…味わって食べましょう!」 尭深「うん、それじゃあ…」 「「いただきます」」 ……… …… … 尭深「まずは…ショートケーキからにしようかな…」 京太郎「あ、それからいっちゃいます?」 尭深「え、うん…ダメだった?」 京太郎「いえいえ、ただ意外だなぁーって。尭深さんと言えば緑茶、緑茶と言えば和菓子みたいに思ってましたからね」 尭深「須賀君もそう思うんだ…変なのかなぁ…緑茶に洋菓子って」 京太郎「別に変じゃないですよ。俺がただそう思いこんでただけですし」 尭深「でも…みんなに言われちゃうと自分が変なのかなって…」 京太郎「気にすることないですって。悪い癖な訳じゃないんですから」 尭深「…うん、そうだね。私は私だもんね」 京太郎「それにーなんですか、そのままの尭深さんが好きだからーみたいな?」ポリポリ 尭深「はむっ…あ、これおいし…」 京太郎「まぁ聞いてませんよねー。知ってました」 尭深「え?何か言った?」はむはむ 京太郎「いえ、なんにも」 尭深「そう?」 京太郎「俺も食べよ…はむっ…む?」キュピーン 尭深「美味しいね、このケーキ。甘すぎないというか…そんなにしつこくないからお茶にぴったりで…」 京太郎「これは…砂糖の量か…?いやでも少なすぎると失敗するし…となると牛乳が…」ブツブツ 尭深「あ、始まっちゃった…」 尭深(料理が趣味なのは良いけど…何かを美味しいと思うとその味をコピーしようと真剣になっちゃうんだよね…たとえ会話中でも) 京太郎「とにかくここはもう一口食べてから気になった所を整理して…」ブツブツ 尭深「…」はむはむ 尭深(…ちょっと寂しい)シュン
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858 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 00 23 01.39 ID qQnWTDQ+o 【とある放課後】 京太郎「いやー今日は遊んだ遊んだ」 桃子「今日“も”の間違いじゃないっすか?」 京太郎「えー……俺ってそんなに遊んでるように見えるか?」 桃子「少なくとも遊んでないとは言えないっすね」ジトーッ 桃子「……色んな所で違う女の子と遊んでるのを見られてるらしいっすから」 京太郎「うぐっ……確かに、よく考えてみるとそうかもしれない」 桃子「端から見るとそりゃもうチャラい男っすよ」 京太郎「でもさー仕方ねーもん」 京太郎「世界に男はたくさんいるはずなのに、何故か俺の周りにだけ居ない気がするし」 桃子「いやいや、まさか。そんな訳ないっすよー」 京太郎「だよなぁ。中学の時はたくさん居たはずなんだけど」 京太郎「でもこっちに来てからまったく出来ないんだよな。不思議と」 京太郎「……まるで俺には男友達は必要ないと言わんばかりに」 桃子「……それ本当なら軽くホラーっすよ」 京太郎「俺、何か呪われてるんだろうか?」 862 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 00 37 04.32 ID qQnWTDQ+o 桃子「だとしたら嫉妬っすね。いつもかわいい女の子侍らしてるっすからね!」 桃子「私が男の子でも嫉妬してるっすよ」 桃子「このリア充死ね!とばかりに」 京太郎「やめてくれって。俺は別に普通に過ごしてるだけだし……多分」 京太郎「大体、そう言う事ならモモもこっち側だろ?」 京太郎「かわいいし、それなりに今はリア充だし」 桃子「なっ!?///」 桃子「……もう。そう言う事さらっと言うからきょーくんは卑怯っすよ」ボソッ 京太郎「ん?何か言ったか?」 桃子「何でもないっすよー!」 桃子「まぁ良いじゃないっすか。嫉妬されるくらいきょーくんが良い男って証っすよ」 京太郎「……そう言うものからは遠い存在だと思ってたんだがなぁ」 863 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 00 49 38.40 ID qQnWTDQ+o 京太郎「――っと、もうこんな時間か」 京太郎「寮まで送ってくぞ」 桃子「あっ!ちょっとタンマっす!」 京太郎「ん?何だよ」 桃子「……最後に一ヶ所だけ行きたい所が有るんすけど、良いっすか?」 京太郎「まぁ俺は構わねーけど……」 京太郎「モモは大丈夫なのか?門限とか」 桃子「大丈夫っす。万が一遅れるかもしれないって伝えてあるっすから」 京太郎「それなら良いんだが……」 京太郎「それで行きたい所って何処なんだ?」 桃子「それは着くまで秘密っすよ♪」 864 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 00 56 39.88 ID qQnWTDQ+o 京太郎「――それで……行きたい所が何で学校なんだよ」 京太郎「ってか、こんな時間じゃ中に入れね――」 桃子「こっちっすよー」ブンブン 京太郎「……なんで中に入ってるんだよ」 桃子「ステルスモモっすからね!」エッヘン 京太郎「ステルスって壁抜けも出来たっけ?」 桃子「じょーだんっす。あっちにセキュリティの甘いところがあるっすから、そこから入れるっすよ」 京太郎「……大丈夫かこの学校のセキュリティ」 865 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 01 12 07.17 ID qQnWTDQ+o 京太郎「しかしまぁ、夜の学校ってのは昼間と違って全然雰囲気違うよな」 桃子「人が居ないだけじゃなくて独特の雰囲気があるっすからねー」 京太郎「夜の学校と言えば、中学の時は学校の七不思議とか有ったなぁ」 桃子「あー有ったっすね」 京太郎「人体模型が動くとか、ピアノが勝手に鳴るとか、階段の段数が違うとか」 桃子「トイレの花子さんとか有名っすもんね」 京太郎「そうそう。男友達と肝試しで忍び込もうとしたのは良い思い出だな」 桃子「忍び込もうとした……って事は未遂っすか?」 京太郎「ああ。どうやら俺がばれない様に行動してたら、咲が不審に思ったらしく先生に見つかってアウトだ」 京太郎「……あの時は本当めちゃくちゃ怒られたよ」 桃子「それは……ご愁傷様っす」 京太郎「そう言えばこの学校と言うか、街には七不思議とか無いのかね?」 桃子「……あー噂話程度なら聞いた事あるっすよ?」 京太郎「マジで?」 桃子「確か――」 一、ツクヨミコモウェなる人物は虚数学区の住人。年をとらない。 二、最も不幸な少年の家には空から大飯食らいの白いシスターが落ちてくる。 三、学園都市最強の能力者はふたなりである。 四、悪者は不幸な少年に必ず負け、今後は正義の道を歩む。 五、とある学校の食堂にはメガネで巨乳の幽霊が出る。 六、清掃用ロボットに乗っているメイドさんにご飯を奢ると幸せになれる。 七、学園都市には同じ顔の人が一万人いた。 桃子「――みたいな?」 京太郎「不思議っつうか予言っぽいぞ、それ」 867 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 01 29 34.33 ID qQnWTDQ+o 京太郎「――ってか、まぁそれは良いとしてだな」 京太郎「その……桃子さん、あのですね」 桃子「何っすか?」ムギュッ 京太郎「何故腕を組んでいらっしゃるのでしょうか?」 桃子「えっ?」 ....-―…―-.... / \ / \ / / ヽ / / / ヽ \ ., , / ! ヽ; , l | / / | ! | /| ハ | ! , / ト ! ハ 「! | ! /l/`lメ、!/! l | ! . / | ヽ ト|!,x≠ミヽハノ x=≠ミ, }/ / | ! / | |〃んハ んハ ヽ, | | | / | ∧ ゞ゚ ' ゙ ゚|!' ∧ | . l / /! ' 込、/l/l ' l/|!/..イ | ! ! | |/| / ! ! / |介ト . ⊂⊃ . イ | | | } l | |! !/| | |' | | | _!` ー ´ ト .// | / ハ ! .川 ト、 | _ ;斗≠. . ! |. . . ` ≠! /| / リ ヽ!. .´. . . ._. . . . . { /. . . . . . _. . . . .7==、 / |. . . . 厶}-――--r―…‐--ゝヽ. .// } | ヽ / -‐…r‐=彡ミ7''7¨ ‐- ∨ | | / -―、} ', /. . {ィ¬ } ト、 , /! ―‐y'. . ', /. . . .}厂¨ |ヽ } / / / { 厂ノ---Y--=フゝ丁 !| .} ,イ } .| / ヽ__,.ノ7 ニ=ミ---イ { .! /. ',! } / |' / 》-《 ', `¨ ヽ { 桃子「え、えーっとその……そ、そうっす!きょーくんが七不思議なんて言うから怖くなったんすよ!」 桃子「だからこれは仕方ない事っす!」 京太郎「そ、そっか。それなら仕方ないな///」 桃子「そ、そうっすよ!仕方ないっす!///」ギュッ 京太郎「……///」 桃子「……///」 868 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 01 43 06.16 ID qQnWTDQ+o 桃子「あっ!着いたっすよ!」 京太郎「ん?どれどれ――ってここ俺達の教室じゃねーか」 桃子「そうっすよー」 桃子「いやー夜に来るとここも雰囲気違うっすね」 京太郎「そうだなぁ。見慣れたはずなのにまったく知らないように感じるかも」 京太郎「俺の机は――」 京太郎「あぁここだここ。流石に自分の席は間違えねーな」 桃子「……きょーくん」 京太郎「ん?何だ?そろそろここに来た理由を教えて欲しいんだが……」 ______ ... ...、 , / / \ // / / . // / / / . r、 i/ / /!/i/i / /`i } Vヽ} / { /7/心i/ // / / / i 「`}} / / ヒ沙' }/ /ヽ/ / / !ノ|! / / ''' 、__厶イ / / / / { / / i ´ ん心ノ彡' / / / / / ヽ_ { 〃 ∧ 、_ ヒ沙' 厶イ / / / / r一' 八 ( { / ∧ /'' // / ィイ / )' 八 /i /´_介ト../_,// / / ヾノ'_ノ{_人/__// / / -‐ _ノ ⌒Y’ _/ / / / / / 厂 ̄厶ィ { /| // / / /´ ̄ ノ' { { /´ 八 /´ ゝ=〈 7、 ,-- 、 \  ̄ヽ} ヽ_ノ`i } / / 〉、__ ´ ノ__/ / } . . . .ヽノ / 〉 / . . . /-= }/ 、 { / /. . . }-=__/ ー‐┤ / / / / i .、 / ノ / / / 〈 /, , `ヽ _ノ / / / ∨// / r‐/ / 桃子「――私が何処に居るかわかるっすか?」 869 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 01 54 21.27 ID qQnWTDQ+o 京太郎「何言ってるのかわからねーけど、そこに居るだろ?」 桃子「……姿形も?」 京太郎「そりゃ明かりも月明かりぐらいだからはっきりじゃねーけど、それでもちゃんと見えてるぜ?」 京太郎「セミショートの綺麗な黒髪も、可愛い顔も、その……結構主張してる胸も///」 桃子「!///」 桃子「……もう!セクハラっすよ?///」 京太郎「わりいわりい」 桃子「はぁ……でも凄いっすねきょーくんは」 桃子「これでも精一杯ステルスしてるつもりなんすけどねー」 京太郎「そうなのか?」 桃子「普通ならこれで、私の事を普段認識してる人でも分からなくなるっすよ?」 桃子「……おっぱいさんとか例外もいるっすけど」 京太郎「ふむ……」 京太郎「でもまぁ一番最初ならともかく、今だったらどうなろうとモモを見つける自信はあるぞ?」 京太郎「モモは大切な友人だからな!」ニィッ 桃子「……大切な友人っすか」ズキッ 871 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 02 11 02.79 ID qQnWTDQ+o 京太郎「おう!こっちに来て結構友人は出来たけど、その中でもモモは結構気が合うと言うか……」 京太郎「男なら悪友とか親友になれたかもしれねーな」 ′ / / | l ! ! ! , | / | l l l ハ l ! ! ! ! | ;' | | | i i | | ! ! | | | | | ; | | | l l | | } ! | | | | | ; | | | l l | | リ / ! ! ! , ; l | | ト、 !ヽ!\ ト、! /イ ; ! ! ! i ; ; ! ! |ヽ|!/////ヾ/// |!/ | | | | | | | | | |! ' |!' | | | | '; ! ! ! ! !ヽ|! -- , ィ / ! ! ! >! ! ! ! !} .|!>、--x<} |厶イ! ! ム、... x< ヽト、 | |ハ.|! ィ . . ト .| |! / // ! ! i { l从 V´ ヽ. . | ヽ_! 厶イ | | | '; !、 .} !. . ', j _/ l / ! | '; .| > ' ', .|. . . ', ./ < | }! .|. '; Ⅵ ヽ Ⅵ. . . . V / _ _ | ! ;′ } l | \ { . . . ./ ./ ..| ! .} 桃子「……それは嫌っすよ」 京太郎「えっ?ああ、まぁ確かに悪友とかは感じ悪いか……」 桃子「そうじゃない。そうじゃないんすよ」 桃子「……私はもうきょーくんとは友達ではいられないっす」 京太郎「なっ!?」 京太郎「ちょ、ちょっと待ってくれ!俺何か悪い事したか?」アセアセ 京太郎「モモの気に障ることをしていたとしたら謝る。すまなかった」ペコリ 桃子「きょーくんが謝る事はないっすよ。本当に謝るとしたらそれは――」 872 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 02 11 29.47 ID qQnWTDQ+o .....-―━━―-.. / \ / \ / . / / // / . / / / / 〃l / / / / ! / / / /l从八〃/ / / / / l | ′ ′ /7芹苅 )/ / /} / / / リ. | | | | | l 以炒゙//}/芹ミ / / /. | | | | | | `|~ ′ /炒゙厶イ i. | |l l | | | | ゛|゛ , ~´/ | | |. _|八从 | 込. | V_フ ゛゛.イ | | | / `丶 ̄>j八ト≧|、_.......-=≦ リ リ リ八 , ∨ { \ 〉介ミ / / // ∨  ̄У ヾ i iト、〉\/ / // / /〉 { o Vi| \ ∨ / // ; }/ `丶 》! / ∨ // | ∧ \} / ∨/ | , 八 |O }' | ′ \ | / , { ` l イ ,′ l∨ lO | ,′ \〉| | 、; 《 ´ ̄}/ | ∧ ∨ / ‘, ∧ ∨ / ', ∧ \ ,/ O∧ ∧ ∨ /. . ∨ \ {__ /. . . . .∨ /《 /. . . . . . . . .トミ /. . . . . . . .}_/. . . . .\ 桃子「――きょーくんを好きになった私っすよ」 873 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 02 21 35.05 ID qQnWTDQ+o 京太郎「……は?」 桃子「あーあ。やっぱりその様子だと全然気付いてなかったっすねー」 桃子「予想通りっすけど、ちょっと悲しいっすね」 京太郎「ちょ、ちょっと待ってくれ。モモが俺の事を好きだって?」 桃子「そうっすよ」 桃子「まぁ自分でも自覚したのは最近っすから、きょーくんが気が付かないのも無理はないっすけど」 桃子「でもあえて言わせて貰うっす。このニブチン!」 京太郎「いや、だってさっきまで普通だったし……」 桃子「この際だから言っとくっすけど、普通の友人が腕組んだり、裸エプロンとワイシャツとかしないっすよ?///」 京太郎「い、言われて見ればそうだよなぁ……」 京太郎「あれ?と言う事はその頃から?」 桃子「……そうなるっすね」 京太郎「ぐっ……それは確かに鈍いと言われても仕方ない気がしてきた」 876 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 02 32 07.22 ID qQnWTDQ+o 京太郎「で、でもこっちも言わせて貰うとモモって俺と友人になった時すげー喜んでたし、その頃からスキンシップも結構合ったしさ」 京太郎「距離感がわからねーのかと思ってたし」 桃子「あー……それに関しては確かにこっちのせいでは有るっすね」 桃子「友人とかどれくらいの距離感で過ごせば良いのか全然分からなかったっすから」 京太郎「ってかさ、言いたく無いけどその恋とか言うのも友情とかそう言うのと誤認してるとか――」 __ 才´ `ヽ ,ィ´ ; ハ / / /ハ ハ j / l / l j l ! ! l l ハ ノ l l /l ! ! l l | l j | ヽ / ! jl '_,lハ ! !'; ! ;!ニ´l/! ! ', / / l ヘイ{r' ハ`lハlヘ{r' ハ`リl ヘ l !. ,、 /l ;' l ハ!乂ツ 乂ツl !ハ ヽ ';!r-,ヽ ! ハ! ノ ハ ' l !' l l ノ`ヽヽ∨ .______,,r ――ー-----r'ハ / / . ヽ (__,) ィ| !ハ!! l !ヾ ヽ} Vイ ヽ 、 - - - -―― 、 Vリ l . . . . ',> __ イ/! リ /ル' .,ィヽ lノ .{二 - ‐ ヽ  ̄ 二 ー lハ !. . . . .Vヽ _'/. . . . . ./ 、 \ / __,乂 ;_ _ _ へ _ ! ヽ. . . .V`-----'. . . . ./ ヽ \ ∧ ゝ'"  ̄ ̄ ̄ ̄  ̄ ̄ ̄ ̄ ヽ/' ハヽ. .V (__) /. . . / ヽ ヽ ヽ. ∧ ,イ ヘゝ _f、ー-_==辷 V \ ヘ ! .,ィ `ゝ- 二_´ ! ` . 、 }ヽ ハ l/ / ;ィ_´,ィ /--'! ` ー -、 ハ ', / ;ィ´ _ノ .l 'イ ヽ ゝ、 ヽ ハ 乂 / / ./; ィ ゝ `ヽ ! ノヽ、 ! ヽ! 7 / | | `ー! !--' / > _ _ _ ; イ ! ヽ / l | | | | / // V ! !O! ! l/ / 桃子「誓ってそれは無いっす!!」 877 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 02 44 05.74 ID qQnWTDQ+o 桃子「確かにそう言う経験がほとんど無くて、見つけて貰った嬉しさでゆみ先輩とか特別に思ってる人は居るっすよ」 桃子「……多分きょーくんと出会った最初の頃は、ゆみ先輩と同じような気持ちだったのは否定できないっす」 京太郎「だったらそれは俺が男だったからたまたま……」 桃子「確かに私は単純だから、例えば私を見つけたのが別の男子だとして、私がその人と仲良くなる事は有ったかもしれないと思うっす」 桃子「――だけど!」 桃子「好きになったのは、今ここに居るきょーくんっす!」 桃子「私を見つけて!私と遊んでくれて!私の胸にモヤモヤした感情を植えつけた!」 桃子「他の誰でもない、目の前に居るきょーくんなんすよ!」 _ ...... _ , ... ´ ` ..... ,.. ' ` .. /. .ヽ / ハ /. λ ハ .'. ハ .', .′. / _ .i__..i_ /.' i _ i ', ト / i .| i _. ..| i..---|. |. | |_i i....|  ̄ i i ' i_..i-‐. T |、 i i ! ! } i | .... i i. ト | i | ヽ | λ | | / | i |/ i i_,、. .|孑ヾ | ̄´ ト 、|` ー- _イ/ /| . .i ', ト、 |i`  ̄` `ヾ /. .|i' `''| i .i ヽ ト. ,ィ示元下 示=ミ|i | i .' i `小. |iゞ。== ' ゞ= .o.|}〉 .小 i i i ハ .|i .゚ . . . . . __ni ヽ_. . . . .|i゚.∧| i .′ ' ∧|i / /  ̄_ -─} .ii ′.| | .i /| トi . / ´ _ -─}ヽ.ii' | | .i i .| i |i / , - 二ハ . V | | _.| i_i _ _ | |/ / i | | __ / ヽ \|i  ̄フヽ / .' ̄ |/ {  ̄ 7 ヽ .' ', }i / ` ヽ. .,イ .i ヾ ´ / . i V / \/ . | __{ ヽ / i | V / } . . ..}. -‐ ´ \ \ {. | 桃子「……それが本当で、それだけが私の“真実”っす」 880 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 03 01 07.68 ID qQnWTDQ+o 京太郎「……モモ」 桃子「……他の人から見たら錯覚だとか思い込みだと言われても仕方ないし、否定はできないっす」 桃子「でも好きって気持ちが“これだ”って明確な定義なんて無いはずっすよ?」 京太郎「……」 桃子「……私はきょーくんの側にもっと居たいっす」 桃子「もっとお喋りしたいっす」 桃子「もっと遊んで、もっと二人で思い出作りたいっす」 桃子「叶うならその先の――死ぬまでずっと一緒に居たいっす!」 桃子「……ダメっすか?」 881 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 03 07 55.28 ID qQnWTDQ+o 京太郎「……モモ、俺は」 桃子「駄目なら駄目ってハッキリ言って欲しいっす」 桃子「でもその場合でも、わがままかもしれないっすけど友人で居て欲しいっす」 桃子「……すぐには無理だと思うっすけど」 桃子「だから……返事が欲しいっす」 京太郎「 901」 ※承諾以外の台詞は安価下。なんか酷そうなのも安価下 告白ぐらいビシッとね 902 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 23 45 53.95 ID qQnWTDQ+o 俺なんかで、いいんなら 京太郎「……俺なんかで、いいんなら」 桃子「きょーくんなんかじゃなくて、きょーくんが良いんす!」 桃子「……きょーくんじゃなきゃ駄目っすから」 京太郎「そっか……」 京太郎「正直、俺自身モモの事をモモが俺を思ってくれてるほど好きかどうかは分からない」 桃子「まぁそれは当然っすね。自分でも結構重い気がするっすから……」 京太郎「でも別にそれが嫌だとかそう言う訳じゃねーぞ?それぐらい思われてるって事は嬉しいし」 京太郎「……刺されるのとかは勘弁だが」 桃子「どうっすかねー。私嫉妬深いっすから、浮気とかしたら分かんないっすよ?」 京太郎「ははは……。まぁそうなったら俺も悪いけど」 京太郎「……まぁそう言う訳だから、俺とお前では“好き”に違いが有ると思う」 桃子「……」 京太郎「だけど、モモがそれでも良いと言うなら――」 京太郎「――これからよろしくな」 桃子「――はいっす!」 903 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 23 53 09.15 ID qQnWTDQ+o 京太郎「……///」 桃子「……///」 京太郎「……あーなんか改まるとすっげー恥ずかしいな」 桃子「そ、そうっすね。まるで漫画か何かのようっす///」 桃子「……まさか自分がやる事になるとは思わなかったっすけど」 京太郎「よし!こうなったら、恥ずかしついでだ。何かやりたい事とかあるか?」 桃子「そうっすね……」 桃子「正面向いてかがんでくれるっすか?」 京太郎「ん?こうか――」 チュッ 904 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 23 54 02.07 ID qQnWTDQ+o -━━━━ 、 / \ /´{ / 、 | | 〃 / i } } } ハ _ ̄ ¨¨> 、 | 、 / / ∧ | | | | . / ) / ̄ ̄ \  ̄} \ / ′ / } /} } ハ ! | ! . / / / /──== { ハ=- 、 ′ | i { {⌒八{ }/ } V⌒}/}} | . / // /__── -、 ヽ ノ\ハ> / | |八ル{/ ノ〃 У /}从 /} . _ / } ___ / -、 } | `> / ∧ ム r=≠ミ r=≠ミ〃 | . <´/{ ̄ } (___ / ,/ -─━- _ ノ l| \ / 从人 {{゛゛゛ , ゛゛゛}}/{ 从}、ハ <´ / | _人 ___ / / }_/ ′ // 八.ノ {{ ___ }}ノ} / }/}/j} ´ | { \ { (/ }⌒\/ {/{/{\l/}}、 { } //}/} /// . . |_乂/⌒ ̄ \ \ 乂_ _ / Ⅵ八 . .}\{\ 、_ .ノイ l . ∨′ 、 V / ヽ_ノ  ̄ ̄ ̄/ ̄ \ . .{ |\ _ / } / .〃 ィニ¨ ̄ ̄ ̄ ̄ `ー’ }≠-. . .{\ /. . / |/⌒\,/ } } / ハ / .|. . .∨ 〈 八/ニニ{/ 0/ }/ .、_ _ _ _ _ } ム__ .| . . . { . . \. . .∧jニ/ /⌒ | } { | |. . . .| \. . ∨ / . .| | ‐─={ | ,. . . 乂 .\{/ ′ ′ | V __ . 、 ` ____ 人_____彡 /⌒¨¨¨V ∨ .\ { / 〃 、 ノ\ __ ノ、 _____ ,/⌒\ ./ \ / } ヽ 、 ∨ < / { . } } _ア ` <__}___人_ ア¨ ̄ 桃子「きょーくん。もう、ぜぇーったい離さないっすからね!」 905 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 23 54 39.81 ID qQnWTDQ+o 【東横桃子の好感度がMAXになりました】 【東横桃子が恋人になりました】 【東横桃子が覚醒しました 以後タッグ及びチーム戦において使用が可能になります】 906 名前: ◆UNNCnfZIx6[saga] 投稿日:2014/07/07(月) 23 56 23.73 ID qQnWTDQ+o 東横桃子(覚醒ver) 【聴牌速度】(33/∞) 【和了速度】(33/∞) 【放銃補正】(34/∞) 【打点補正】(31/∞) 【防御補正】(35/∞) 【結ばれし絆《アカイイト》】 【聴牌速度】【和了速度】【放銃補正】【打点補正】【防御補正】がカンストしなくなる それに加え全ての補正が恋人ランク÷2[現在値:0]上昇する また恋人ランク5以上なら京太郎のスキル(教えてもらった、または自力で取得したもののみ)をコピーできる 更に恋人ランクMAXならこのスキルはあらゆるスキルに無効化されない 【ハイステルス】 対局開始時から判定。京太郎とゆみ、またはスキル無効化する相手が居ない場合 毎局の聴牌時にコンマ30以上で発動 成功時全てのステータスに+25 相手に和了牌を振り込んでも無効となり、自分の次にコンマの低い相手が振り込む ただし振り込んだ相手がオカルト無効を持っていた場合は無効化される 対戦相手の【聴牌判定】の合計値に応じてコンマ判定は+全員の合計÷3される 【信頼の絆~縁~】 加治木ゆみ、もしくは須賀京太郎がチームに居る場合お互いの全てのステータスに+20 7月へ
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【白糸台麻雀部】 淡「ロンー!跳満12000点!!」 モブ「アイター、と、跳んだ……」 淡「アハハ!今回も私が一番ー!」 モブ「半荘五回連続トップとか……」 モブ「今日も絶好調ですね、大星さん」 淡「うん!なんか今日は流れが来てるね。テルーにだって負けないよ」 照「ふーん……じゃあ、やってみる?」 淡「いいよ、打とうか!えっと、それじゃあ残り二人は……」 モブ「もうやめて、私達のライフはゼロですよ!?」 モブ「いやぁー……宮永先輩と大星さんが同卓じゃ東場すら耐えられる自信がないぃぃ……!」 淡「跳んだっていいじゃない、麻雀だもの」(キリッ 照「確かに」 モブ「な、なにか話を反らさないと……」 モブ「そ、そうだ、コレよ!」 モブ「それは……!」 モブ「そ、そーいえば宮永先輩、大星さん、二人とももうこれは読みました?」 照「ウィークリー麻雀TODAY?」 淡「うん、読んだけど?」 モブ「じゃ、じゃあじゃあココ読みました?ココ!?」 モブ「長野の県予選で優勝した男の子の記事、なんかこーいうのって気になりますよねー」 照「…………」 淡「あー見た見た、その記事。面白いことしてるよね!」 モブ「ですよね、ですよね!麻雀強くなって女の子に振り向いてもらおう、って必死なとこ、何だかカワイイですよね」 モブ「こんな風に一途に思われてみたいなー、私も」 モブ「宮永先輩と大星さんはこの人、どう思います?」 照「(長野に住んでるのは、少し気になるけど)特に何も……」 淡「一途なのはいいけどー、会ったことない人にこんなこと言われても困るよねー。正直、ストーカーみたいじゃない?」 モブ「いやいや、そういう考え方もあるかもしれませんけど、女の子ならこういう一途な人に好きになってもらうのは一種のステータス、乙女の嗜みって奴ですよ!」 モブ「そうですよ。特に照先輩や大星さんは雑誌とかテレビで出たこともあるし、やっぱりこの人――須賀京太郎君の想い人の可能性は高いですって!」 照「…………そんなこと急に言われても、困る」 淡「わ、照ーもしかして照れてる~?」 照「照れてない、なんとも思ってないし」 淡「そーかそーかー!」 菫「――――あいつらは何の話をしているんだ?」 誠子「さあ……」 尭深「あそこだけ、世界が華やか」(ズズッ 菫「いやいや、私達も華やかだから」 誠子「女子高生っ……圧倒的女子高生の真っ只中だから……!」 尭深「…………女子高生らしさって、何だったっけ」(ズズッ 菫「ま、麻雀?」(目ソラシ 誠子「つ、釣り?」(目ソラシ 尭深「…………」(ズズッ 淡「じゃあねー、テルー!また明日~!」(フリフリッ 照「ん」(フリフリ… ――――そんでもって大星家 淡「ただいまー!」 大星母「おかーえりー。お弁当箱、洗うからさっさと出しちゃってー」 淡「ハーイ……あー、今日も楽しかった!テルーとは打てなかったけど……まあ、明日対局すればいいよね」(鞄ゴソゴソ 淡「あ、麻雀TODAY持って帰ってきちゃった……。まあいいか、部で買ってるやつだし、明日返せば問題ないよね」(ポイーッ 淡「お母さーん、私、部屋でネット麻雀してるからゴハンになったら呼んでねー」 大星母「はいはーい。呼ばれたらすぐ来れるように、東風戦にしとくのよー」 淡「え~……しょうがないなー、了解ー」(トタトタ 大星母「ホントに麻雀バカなんだから、あの子は……。アラ?なにこれ、ウィークリー麻雀TODAY……ああ、あの子とか、先輩の……是永ちゃん?だったかが載ったりしてる雑誌か」(×是永→○宮永 大星母「――――ふーん、よく分からないけど将棋とか囲碁みたいに定石があるのね、麻雀って」(パラパラ 大星母「あ、ここからはいろんな学校の生徒さんの特集記事か。フフ、澄まし顔で写ってるわね、あの子――――――――アラ?」 『心に秘めた熱き夢!届くか、少年雀士の想い!?長野県男子個人戦一位の心を射止めた少女はこの中にいる――――!!』 大星母「長野……須賀京太郎――――――――アラアラまあまあ♪」 大星母「淡ー、ちょっと淡~!」(オイデオイデ 淡「なーにー?私、いま忙しいんですけどー!」 大星母「今やってる対局終わったらでいいからこっちに来なさいー。オヤツにシュークリーム用意してたの、お母さん忘れてたのよー」 淡「シュークリームと聞いてっ」(シュパッ 大星母「現金な子ね、少し心配になるぐらい。ちょっとお茶も用意してくるから待っててねー」 淡「ハ~イ♪」(チョコン 大星母「はい、お待たせ」 淡「わーい、いただきまーす!」(モフモフ 大星母「……食べながらでいいんだけど淡、この子の記事ってもう読んだのかしら?」 淡「ウマウマ……んー?長野の男子個人戦優勝した人でしょ。なんか、好きな人に振り向いてもらいたいからガンバッター、っていうの」(マフマフ 大星母「そうそう、その子。お母さん、麻雀はよく分からないけど大会で一番になるのって、とっても大変なんでしょう?」(淡母がプロだとか元プロだか設定出たら終わるね、イッチ 淡「ん~、わっかんない。長野がどのくらいのレベルか知らないもん」(モキュモキュ 大星母「薄情な子ね~……まあしょうがないか、あなたアホの子だものね」 淡「アホじゃないよ!?ちょっと物忘れが激しかったりするだけだもん!!」 大星母「じゃあ鳥頭ね~」(ウフフ 淡「ぶー……なんでそんな意地悪なこと言うのよー」 大星母「だって、かわいそうじゃないこの子」(記事指差し 淡「………どーして?」 大星母「アラアラ、やっぱり完全に忘れ去ってるわね、この子ったら」 淡「もきゅ?」(二個目 大星母「ほら、あなたが小さかった時、長野に旅行にいったことがあるじゃない?」 淡「長野に旅行…………ん~、あったような、なかったような」(ンムム 大星母「まあ、小学校に入るか入らないかって頃だから、忘れてても仕方ないのかしらねー」 淡「あー…………そう言われると、なんか思い出してきたよーな。けっこー長い間、お泊まりしたっけ?」 大星母「そうそう、それよそれ。観光なんて一日で一通りやっちゃって、やることなくて暇だったから地元の散策するようになったじゃない。そこであなた、地元の子達の遊びに混ぜてもらったの、覚えてない?」 淡「――――それって、公園……?」(モグモグ 大星母「それよー。なんだ、あなたちゃんと昔のこと思い出せるんじゃない、お母さんビックリしちゃったわ」 淡「長野で……公園…………地元の子――――あれ?」 ――――おまえー、なにやってんのー? ――――みんな、わたしがしらない子だからまぜてあげないー、って…… ――――フーン……ちょっとこっちこいよ! ――――うきゃ……てーひっぱんないでよ……! ――――いいからいいから。オーイ、この子もまぜてイロオニやろーぜー! ――あー、すが君だー ――えー、その子しらない子じゃん。しらない子とあそんだらいけないんだよ ――――そんなの気にするヤツは「ちっちぇえな」って、このあいだ王様がいってたぜー ――王様がいってるならしょうがないね ――そーだね、王様のいうことはぜったいだもんね ――――ホラッ、みんないいってさ! ――――わ、わたしもいっしょにあそんでいいの? ――――だいじょーぶだって、ホラ、オニきめるからジャンケンするぞー! ――オー ――――お、おー ――――そういやおまえー、なまえなんつーの? ――――あ、あわい……おーほしあわい ――――フーン、オレはきょーたろうな、すがきょーたろう。よろしくなー 淡「――――――――アアァァァァァァァッ!?」 大星母「あら、ちゃーんと全部思い出したのかしら。この子のお陰であなた、遊びに混ぜてもらったのよねー。それから帰郷するまで毎日、公園に行ってついて回ってたんだから」(京太郎が関東から引っ越してても死ねるな、コレ 淡「え、ウソ……なに、ホントにこいつがアレなの、あのきょーたろう君!?」 大星母「長野で須賀って苗字は珍しかったはずだし、同じ子だと思うわよお母さんは」 淡「え、ええぇぇ~……」 大星母「それでホラ、明日東京に帰るからってみんなにバイバイしに行った時、あなた急に帰りたくないーって大泣きしだして~」(ニマニマ 淡「ちょっと、やめて思い出させないで……」(カァッ ――――ヤダヤダ、かえりたくないー!ムリならきょーたろうくんもつれてかえる~! ――――おまえどこのジャイアンだよ…… ――――だってー…… ――――ん~、しょーがねえなー。だったらおおきくなったら会いにいってやるよ、おれが ――――ホント……?とーきょーって、ここからずーっとずっととおくにあるんだよ? ――――まあ、なんとかなんだろー、タブンネ ――――それに、オウチがどこにあるかもしらないと迷子になっちゃうよ…… ――――ん~、そしたらさ、なんかゆーめいになっとけばいいんじゃないの? ――――わたしが……? ――――そうそう、それならどこにいてもわかりそうじゃん! ――――な、なにでゆーめいになったらいいのかな…… ――――そんなのしらねー、なんかかんがえてくれ。オレ、バカだからよくわかんねーもん ――――え、えぇ~……んっと、んーーーっと……そ、それじゃあ、マージャンは? ――――マージャンって、あのドンジャラのニセモノ? ――――ドンジャラがニセモノだよー……あれがつよいと、テレビにいっぱいうつれるし。わたし、じつはマージャンとくいなんだよ! ――――フーン、ドンジャラってマージャンのニセモノだったのか…… ――――ダ、ダメかな? ――――んー、まあいいんじゃねーの? ――――それじゃあ、やくそくしたからね!ウソついたら点棒100ぽん、のますからね! ――――おー、いいぜー。テンボーがなんなのかしらんけど 淡「……………………え、あれ?いろいろ思い出したのはいいんだけど、この流れでなんできょーたろう君が麻雀やってるわけ?」 大星母「ホントーにアホの子ねえ、あなた。ここにちゃんと書いてるじゃない……漫画ばかり読んでちゃダメよー?」 淡「ここって……」 だから、今言えるのは……自分もあんな風に真剣に、楽しそうに麻雀を打てるようになりたい……それだけです―――― 大星母「あなた、麻雀だけは一人前だもんねー。スゴイじゃない、自分の得意なことで男の子を必死にさせられるなんて♪」 淡「一人前どころか百人前だよ!」(フンゾリ 大星母「麻雀しか取り柄がないっていうのは、お母さんとしては心配なんだけど……まあ、しょーがないのかしら」 淡「アハハ、そっかー、きょーたろう君は私に会った時に恥ずかしくないよう麻雀強くなってるのか~!フッツーに会いに来てくれればいいのに、回りくどいことしてるな~、もう!」(ニヤニヤ 大星母「ついさっきまで、思い出を忘却の彼方に追いやってた子の言っていいことじゃないわねー」(ヤレヤレ 淡「よーし、なんかやる気出てきちゃったから私、もっ回ネット麻雀してくるね!さっき対局した【トーカ】っていうのが、ケッコー手強くてさ。最後まで振り込まないし、捲りにくるしで生意気だったの!」(プンスカ 大星母「ちゃんとご飯は食べにくるのよー」 淡「ハーイ!!」(ダダダッ 京太郎「――――ふえっくし!」 一「あれ、須賀くん風邪でもひいたの?」 純「っかしーな、ナントカは風邪ひかねーんじゃなかったっけ?」(ケラケラ 京太郎「酷いですねー……これはアレです、誰かが噂してるんですよ、噂」 衣「きっと、いつか相まみえる兵に違いないな!」 京太郎「だったら……望むところっ……」(ざわ… 衣「ククッ、その意気だぞ京たろー!」(ざわ…ざわ… 純「だからおめーら、そのざわ…ざわ…はやめろって」 透華「くーーーー、ムカツク、なんかムカツキますわ、さっきの相手!」 智紀「透華、どうかしたの?」 透華「どうもこうも!ネット麻雀で【あわあわ】とかいうのと対局したのですけど、最後他家を跳ばして私の四暗刻聴牌を台無しにしてくれましたのよ!?」 京太郎「あちゃあ、それは痛いですね」 透華「今度会ったらギャフンと言わせてやりますわ、ギャフンと!!」(ジタバタ 京太郎「ハハ、が、頑張ってください透華さん」 透華「ええ、もちろんですとも!だ、だからその時は応援よろしくですわ、京太郎!!」 京太郎「えー……俺が応援してもたいして変わりませんって」 一「須賀くん、そこは素直に任せてくださいって言うところだよ」 智紀「わかってない、乙女心」 衣「ダメダメだな、京たろーは!!」 純「おお、ダメダメだな。なんのことかよくわかんねーけど」 京太郎「皆ひどいっすね……」 ハギヨシ「――――皆さま、お食事の用意ができました」 京太郎「あ、もうそんな時間ですか?じゃあ、俺はそろそろお暇――」 ハギヨシ「もちろん、須賀様の分も用意してあります。どうか皆様と食事していってください」 透華「グッジョブですわ、ハギヨシ!!」 ハギヨシ「私、透華お嬢様の執事ですから」 そんでもって食事の時間―――― 一「そういえばさ、僕たちは小さい時から麻雀やってるわけだけど」(カチャカチャ 純「おー、なんだかんだで結構長いことやってるよな」(ガツガツ 智紀「私は……透華に外へ引っ張り出されてから」(チビチビ 一「ともきーはまあ、あれとして。須賀くんって高校になってから麻雀始めたんだよね、確か」 京太郎「ええ、そですね。周りで流行ってるのは知ってましたけど」(モグモグ 一「今時珍しいよねー。なんか切っ掛けでもあったの?こう、麻雀やってみようかなーって切っ掛け」 京太郎「んー……どうでしたかね」 京太郎(まさか、和が麻雀部に入るって優希と話してるの聞いて、同じ部なら近くでオモチを見れる――――なんて思った、とは言えねーな、言えねーよ) 京太郎「…………なんとなく、ですかね。麻雀でこう、新しい世界が開けるかも――みたいな?」 純「なんだよそりゃー」 一「男の子って、たまに変な理由で新しい趣味を見つけたりするよね~」 智紀「青春……?」 京太郎「そ、そこまで青臭いもんじゃないですけど……。そういえば俺、昔は麻雀ってドンジャラのパチモンだって思ってたんですよね」 衣「おお、絵合わせのゲームだな、知ってるぞ!」 透華「そ、それはさすがにどーかと思いますわ……」 京太郎「いや、まあ今思えばとんでもない勘違いなんですけど……そういや、誰だったっけ、ドンジャラが麻雀のニセモノだって教えてくれたの……?」 一「案外、将来の約束したかわいー女の子だったりして」(ケラケラ 透華「んな!ホントですの、京太郎!?」 京太郎「ハ、ハハ、そんな都合のいい思い出なんて……思い出…………ん?」 透一智純衣ハギ「――――――――え?」 京太郎「――――ナイデスヨ、タブン」 透一智純衣ハギ「そ、その間は何?」
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特別編 勝った嬉しさからメールしてみました 小蒔「zzz...zzz...ん?なんですか?」ピリリリリ 小蒔「!?きょ、京太郎さんから!!え、えっと確かこうして……」 小蒔「できました!!へぇ、京太郎さんの初勝利!良かったですね!!」 小蒔「えっと……お・め・で・と・う・ご・ざ・い・ま・す、です!」 煌「ん?これはこれは京太郎くんからメール……」 煌「すばら!あの3人に勝つなんてすばらです京太郎くん!!」 姫子「花田ー?どがんしたとー?」 煌「姫子さん、このメール見てください!」 姫子「んー?京太郎からのメール……はぁ!?あの3人相手でトップ!?」 煌「そうです!!すばらですよね!!」 姫子(いやそれ以前にあの3人に勝つとか何があったのか気にならんと?普通じゃ勝てんメンツやろ) 煌「こうしてはいられません!!私ももっともっと練習です!!」 姫子「あ、あぁ、そうやね!私も付き合う!」 竜華「お、メール……おぉ!やるやん京太郎!!」 怜「どしたん?」膝枕中 竜華「いや、京太郎が初めてトップ取ったってメールが来たんよ。それも清澄の一年3人相手に」 怜「ほー、やるやん。京太郎もウチみたいになんか目覚めたんかな」 竜華「なんや、京太郎病弱キャラやないやん」 怜「普通は勝てん相手やしな。こう、一回死にかけて未来が見えるようになったり」 竜華「怜やあるまいし」 怜「何度か意識朦朧とした先に新しい境地に目覚めたり」 竜華「そんなしょっちゅう意識朦朧とせんやろー。あ、返事せんと」 怜「あ、ウチの分もー」 豊音「んー?あ、メールが来てるよー」 塞「豊音、勉強中だって」 白望「ダル……」 豊音「ちょっとだけだよー。あ、京太郎くんだー。えー!?ちょーすごいよー!!」 塞「もう、なんて書いてあったの?」 豊音「えっとねー、宮永さんと原村さんと、片岡さんと麻雀してトップだったんだってー!」 白望「……え?」 塞「……はい?京太郎って、そんなに上手かったっけ?」 豊音「でもー、勝ったのちょーすごいよー」 塞(いや、そんな普通の打ち方だったらまず原村和には勝てないって) 白望(京太郎なら……あのうるさいの相手じゃ東場で飛びそうだけど……) 塞・白望(どうやって勝ったんだろう……) 豊音「えへへー、おーめーでーとーうー、っと」 照「……京ちゃんからメール?」 照「……そっか、初めてトップだったんだ」 照「……おめでとう、京ちゃん」 照「でもあの3人相手か……成長したね、京ちゃん」 おまけ 洋榎「ん?なんやこんな遅くに……」 洋榎「ぬあっ!?」 洋榎「ぐぬぬぬぬ……性懲りもなくまたこんな写真を……」 洋榎「うっわ、うまそうなから揚げ……まだあるん!?」 洋榎「あああやめぇぇぇ……こんな時間に食うたらぁぁぁ……」 洋榎「あ?勝った?」 洋榎「へぇ、結構やるやん」 洋榎「ってまたぁ!?なんやから揚げ丼って!!ご飯はアカンやろご飯は!!」 洋榎「あああああああああ……食べたいぃぃぃぃ……」 雅枝「やかましい!!遅くに騒ぐなや!!後また夜に食う気か!?あんた食うても胸いかんやろ!!」
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【兵どもの夢のあと……】 京太郎「……酷い目にあった」 京太郎(目が使えて五分か四分六分なのに、今打って勝てるわけねーだろ!) 京太郎(……マホのやつは、またコピーし始めるし) 京太郎(東一局で風牌ドラ4の親倍とか勘弁してくれよ……) 京太郎(再生怪人か、お前は……!) 目薬をさしながら、バックヤードに引っ込む。 戦いの後のキセルは美味い。禁煙したはずなのに。 あんまり吸うと、髪の毛に匂いが付きそうである。 それはまずい。人気商売である。 京太郎「しっかし……あれ」 京太郎「まあ、マジじゃないとしても……だ。相手は小学生だし」 京太郎「10年後が楽しみだな、うん」 京太郎「小鍛治プロと俺ぐらいの年齢差になるのかね、ありゃ」 一「――10年後って」 一「なーにーが、どうしたのかなぁ……?」 京太郎「いや、あの二人のおもちについて――」 京太郎「……げっ」 一「へー」 一「ふーん」 一「ほー」 京太郎「は、一さん……」 一「そっかそっか」 一「疲れてると思って、冷えピタと目薬と甘いものを持ってきてあげたのに」 一「当の京太郎くんは、女の子の品定めですか」 一「ボクよりもスタイルがよかったからねー……うんうん」 一「そうかい、君はそういう奴だったんだね」 一「いやー、心配して損したなぁ」 一「勝手に期待しちゃったから、応えようと張り切って疲れてないかなー……とか思ってたんだけど」 一「京太郎くんは、そんなこと考えてたんだね」 京太郎「いや……あの。その……」 京太郎「こ、これには……わけがありまして……」 一「どんな訳があったら、疲れてる頭を使って……」 一「女の子の品定めを始めるのかなー」 京太郎「……うっ」 京太郎「あ、あんまり苛めないでくださいよ……」 京太郎「人間は、弱いんですよ……?」 一「へー」 一「ふーん」 一「ほー」 京太郎「……」 一「……」 京太郎「……」 一「どうしたの? ほら、言い訳を続けていいよ?」 一「京太郎くんはちゃんと、事情があって“視る”人間だもんねー」 一「いやー、どんな事情があるのか気になるなぁ」 京太郎「……」 一「……」 京太郎「……ごめんなさい」 一「ん? 何が」 一「どうして謝るのかなぁ……?」 一「京太郎くんは、何か悪いことでもしたのかな?」 京太郎「……」 京太郎「ごめんなさい。冗談だったんです。出来心だったんです」 京太郎「すみません、俺には一さんしかいないんです」 一「……調子いいなぁ」 一「ま、今のは冗談だけどさ」 一「ボク以外に聞かれたら……うっかりしたら、大変なことになるよ?」 一「有名人なんだから、そのあたりには気をつけなきゃ」 京太郎「言われてみれば……」 京太郎「そっすね。了解っす」 一「うんうん、素直でよろしい」 一「……まあ」 一「――お疲れ様、京太郎くん」 京太郎「――どういたしましてっす、一さん」 一「やっぱり、君を信じてよかったよ」 一「オカルトスレイヤーが、犬死はしないってさ」 京太郎「正直これが、どっちかとの一対一だったり……」 京太郎「普通のタイトル戦みたいなものだったら、危なかったっすけどね」 あの二人のオカルトが食い合ったから。 だからこそ、初見の京太郎でも勝負になったのだ。 どちらか一人だけであったのなら――。 まさしく宮永照の言うように、京太郎は勝負の土台にも乗れずに敗北していただろう。 加えて言うなら、ハギヨシのアシストも大きい。 彼が前半は2位につけてくれていたからこそ、相手も攻めにいかねばならなかったのだろうし、 彼が幾度か確かめるように前に出てくれなければ、相手の能力の謎も解けなかった。 引きが京太郎よりもつよいから、何度か相手の攻撃を潰してくれたし……。 タッグ戦ではないと言ったものの、京太郎の思考を理解して合わせてくれた。 京太郎が牌を特定しやすいように、手牌を並べてくれたというのもある。 本当に、縁の下の力持ちだ。 さすが執事だ。 一「ハギヨシさんには、そう伝えておくよ」 一「『足を引っ張ってしまってはいなかったか、心配です』」 一「そんな風にちょっとへこんでたしね」 京太郎「あの人もへこむことあるんだ」 一「まあ、ボクはこのあたりにしようかな」 京太郎「そっすか?」 京太郎「俺はもっと、こうして一さんと話してたいんすけど……」 一「……まったく」 一「だから、そういうのは恋人相手だけにしなって」 京太郎「一さんがそうなってくれるなら俺、大歓迎っすよ?」 一「考えてあげてもいいけどね」 一「そうやって、ナチュラルに女の子を口説いたり……」 一「小学生のバストサイズの将来に、舌なめずりするような軽い男はちょっと……」 京太郎「まるで変態なみたいな言い方をするのは、やめて下さいよ!」 一「……むしろ、まさに変態じゃないの?」 京太郎「手厳しいっすよ……」 人為変態、須賀京太郎とか。 そんなフレーズを使われたらどうしよう。ちょっと悲しい。 一「あはは」 一「ま、ちょっとここで頭を冷やしてるといいと思うよ?」 京太郎「……そう言われると、なんか違う意味に聞こえるっすね」 一「……違う意味も含めて」 京太郎「だから、酷いって!」 一「冗談だってば、冗談」 一「君とボクの関係は、いつもこんなのじゃないか」 京太郎「そうっすけど……」 笑いながら、スポーツドリンクを京太郎に押し付けた一が席を立つ。 相変わらず、けしからん格好である。 胸がなくてもドキドキする。二重の意味で。 これでもしももうちょっと育ってたら、正直押し倒しててもおかしくない。 一「……あ」 一「ひとつ、言い忘れてたよ」 京太郎「……なんですか?」 一「打ってるときの京太郎くん――格好よかったよ?」 京太郎「――」 京太郎「お、俺はいつも格好いいっすよ!」 一「そういうところが、残念な男なんだよなー」 京太郎「残念って……」 そりゃ、確かに言われるさ。 話してみたらイメージと違ったとか。 テレビのあれ、素だったんですねとか。 黙って麻雀打ってれば、実はワイルド系のイケメンなのにとか。 正直いい人で終わりそうだよね、とか。 軽くて信用できない、とか。 「おもちについて、語り合おうよ!」とか。 「おねーちゃんのおもち、どう思うの?」とか。 「げっ」とか。 「馴れ馴れしくすんな、馬鹿」とか。 「京太郎、今日のご飯何……?」とか。 「京太郎、ベッドまで運んで……」とか。 「須賀プロ、あとで起こして」とか。 「須賀プロ、このおかしおいしい」とか。 思えば色々言われるところである。 一「ま、今日は色々発見があってよかったよ」 京太郎「……発見?」 一「そうそう」 一「やっぱり、生だとすごい迫力でテクニックがわかるなーってのと」 一「君はやっぱり、誰かの期待を裏切らないこと」 一「あとは……そうだね」 京太郎「……?」 一「今みたいに、相手からストレートに言われると意外にテンパることとかかな」 一「なるほどなー」 一「天然ジゴロなのか、わかっててそういうことやってる格好付けしいなのかはともかく……」 一「京太郎くんも、こーゆーのは苦手だったんだね」 一「こりゃ、使える」 京太郎「う……」 京太郎「一さん!」 一「じゃーねー」 そう笑いかけて、彼女は足早に去っていく。 なんとも、いたずらっぽい笑みだ。 こりゃ暫くは、ネタにされるだろうこと間違いなしだ。 京太郎(ったく……あの人は) 京太郎(あー、もう……これホントにネタにされるんだろうなぁ) 京太郎(心臓に悪いっつーか、なんつーかさぁ) 京太郎(……) 京太郎(そりゃ、あんないい笑顔されたら動揺してもしょうがないだろ!) 京太郎(あー、もう) 京太郎「……本当にあの人は」 京太郎「男相手にそういうことすると、危ないんだってば」 京太郎「俺みたいな紳士じゃなかったらどうするんだよ……」 京太郎「格好も格好だし……なんつーか」 京太郎「あー、もう」 京太郎「……あー、もう」 うだうだと、国広一の無防備さについて悩む。 もうちょっと危機感を持ってほしい。 あの格好にしてもそうだ。危ないんだってば、色々。 気さくな人だから、異性からも悪くは思われないだろうし……。 いや、最初が気さくかって言われたら別にそうでもなかったな。自分の場合。 瞼に冷えピタを押し当てて、あーでもないこうでもないと煩悶する。 そこに、声がかかった。 咲「――京ちゃん?」 頭を戻して、入り口を見る。 先ほど。麻雀で自分をぼこぼこにしてくれた宮永咲が、そこにいた。 京太郎「そういうお前は、宮永咲!」 咲「……あはは」 咲「ジョジョネタなら、乗らないよ?」 京太郎「乗れよ。わかってるなら」 京太郎「……って、お前は絵がアレだから無理なんだっけか」 咲「うん」 咲「絵よりも……ちょっと残酷なところかな」 京太郎「そうかー」 京太郎「……そうかぁ」 咲「お姉ちゃんには、『絵でジョジョを馬鹿にするなんて万死に値する』」 咲「『人間讃歌を描いたわけであって、グロは主体じゃない』」 咲「『読まないというのは人生の九割を損してる。これからその人生を終わらせてやる』」 咲「……なんて、言われたけど」 京太郎「あの人は……まったく」 咲「……京ちゃん」 京太郎「……おう」 咲「……お疲れさま」 京太郎「……おう」 咲「……」 京太郎「……」 穏やかな沈黙。 咲と居て会話がなくなると、いつもこうだった。 隣に腰かけて、空を眺める。 先ほどまで覗いていた積乱雲は、雨をバラ蒔いて消えてしまったらしい。 すっかりと、晴天が訪れていた。 どちらともなく、言葉を切り出す。 京太郎「……さっきの」 咲「え……?」 京太郎「さっきの約束、守ったぜ」 咲「約束?」 京太郎「お前に出番は回さないって奴だよ」 雨上がりのセミの声は、普段のそれほどうるさくない。 ちょうどいいBGMだった。 咲「……京ちゃんは、さ」 京太郎「うん?」 咲「昔から、どんなに適当でも……約束を破ったことは、ないもんね」 京太郎「……適当ゆーな、適当」 咲「あはは、事実でしょ?」 咲「次当たるとこやってきてないから写させてくれ、とか」 咲「教科書忘れたから貸してくれって言って、落書きして返してきたり」 京太郎「……あったなぁ」 咲「あの落書きのせいで私、怒られたんだよ?」 京太郎「つまらない授業が悪い」 京太郎「俺なら、もっと上手く教えられる」 咲「……なにそれ」 京太郎「教職のときに、研修で行ってな」 京太郎「大人気だったんだぜ? イケメンで、授業も分かりやすいって」 咲「イケメンって……自分で言う? 普通」 咲「そういうこと言ってるから……」 咲「『イケメンだけど残念で嫌味じゃないタレント』とか言われるんだよ」 京太郎「また残念呼ばわりかよ……」 京太郎「いいんだよ。嫌味じゃないんならさ」 咲「良くないよ!」 京太郎「うおっ」 京太郎「な、なんだよ……いきなり」 京太郎「驚かせんなって……」 咲「……ごめん」 咲「……」 京太郎「お、おう……」 急に黙って俯く咲に、調子を崩された気分だ。 今の会話のどこに、咲の琴線に触れる点があったのか。 些か、疑問であるが……。 京太郎「……なあ」 咲「……何、京ちゃん」 京太郎「お前に――大事な話がある」 京太郎「正直に……真面目に、ちゃんと答えてくれるか?」 咲「へっ」 咲(だだだだだだだだだだだ、大事な話!?) 咲(真面目に答えて!? 正直に!? ちゃんと!?) 咲(あ、私たち今……二人っきりだ) 咲(ど、どうしよう!? いきなり過ぎるよ、京ちゃん!?) 咲(うあ……。こんなことなら……もっとおめかししてくればよかったよ) 咲(変な匂い、しないよね?) 咲(ちゃんと香水付けてきたけど……もっといいのにすれば良かったかな?) 咲(京ちゃん、すっごい真面目な顔……) 咲(睫毛、長いなぁ……) 咲(やっぱり告白は男の人からしてほしいけど、私の想いも伝えたいっていうか――) 咲(……って、うんうんうんうん! そーいう話じゃないってば!) 咲(あう、なんだろう……) 咲(……何かな、京ちゃん) 京太郎「なあ――」 京太郎「この間のタイトル戦――どうして、あんなことしたんだ?」 咲「……」 京太郎「……」 咲「……」 京太郎「……」 京太郎「その顔……驚かないのな」 京太郎「シラを切る訳でも、話を反らす訳でもない」 京太郎「やっぱりあれは……お前の仕業だったのか」 咲「……そうだよ」 咲「私が、京ちゃんのアシストをしたのは事実」 咲「本当に、考え通りに行くなんて思ってはないし……」 咲「アシストしても、京ちゃんが和了がらなかったら……結局は何にもならなかったけど」 咲「助けたのは……助けようとしたのは、本当」 京太郎「……」 京太郎「誤魔化そうとか、嘘を吐こうとか……」 京太郎「否定しようとは、思わないのか?」 咲「しないよ」 咲「京ちゃんなら、気付くかもしれないって思ってたし……」 咲「さっきのアレを見て、京ちゃんなら絶対に気付くと思ったから」 咲「だから……京ちゃんに、嘘は吐かない」 京太郎「……ああ、そうだよな」 京太郎「あんときもお前は……嘘は言わなかった。嘘なんざ、言っちゃいなかった……!」 京太郎「だからって……開き直ってんじゃ、ねえよ!」 咲「……」 京太郎「答えろ……! なんで、あんなことをした……ッ!」 京太郎「言えよ、咲……!」 咲「……言いたく、ない」 京太郎「――ッ」 京太郎「……答えろよ」 京太郎「胸ぐら掴んどいてなんだけど、俺は今まで一度たりとも女に手は上げてねえ」 京太郎「ストーカー紛いのキチガイに襲われたときも……」 京太郎「路上でやってたハードな痴話喧嘩を止めに入ったときも……それは変わらない」 京太郎「だけど今……俺は、本気で怒ってる」 京太郎「こちとら、スタッフがプッツンしてる撮影のおかげで……大分鍛え上げてんだ」 京太郎「正直に言わないと……」 京太郎「お前をどうするか、自分でも分からねえんだよ……!」 咲「京ちゃんの気が紛れるなら……」 咲「……殴ってくれても、いいよ」 京太郎「……ッ」 咲「……」 咲「そう、言いたいけどさ……」 咲「京ちゃんの手は、麻雀をする手だもんね」 咲「京ちゃんの手は、誰かを助ける手だもんね」 咲「そんなこと……京ちゃんにさせたら、駄目だよね」 咲「だから……答えるよ」 咲「放して貰っても……いい?」 京太郎「……ああ」 咲「……」 咲「……あの頃の京ちゃん、全然笑わなくなってた」 咲「いっつもしかめっ面して、憔悴して麻雀打ってた……」 咲「麻雀の事が、嫌になってる……なりそうな感じだった」 咲「……家で打ってたときの、お姉ちゃんみたいに」 京太郎「……」 咲「それで……タレントの仕事の方が、増えてたでしょ?」 咲「そっちだと……麻雀だとしない顔をしてる」 咲「でもやっぱり、疲れてた」 咲「京ちゃんの打ち方なら……研究に研究して、だから」 咲「収録が終わってからも……研究してるんだと、思った」 咲「……私はね、京ちゃん」 咲「京ちゃんが……麻雀をやめちゃうんじゃないかって、思ってた」 咲「世間だとタレントだと思われ始めてて、京ちゃんもそっちに向かってた」 咲「……京ちゃん、麻雀を捨てちゃうんじゃないかと思った」 咲「和ちゃんから、京ちゃんが大学のときに……一度麻雀を諦めようとしてたって、聞いてた」 咲「だから……『まさか』って、思った」 咲「そうじゃないと、思いたかったけど……」 咲「あの日の京ちゃんを見て、ハッキリと思った」 咲「京ちゃんは全部をぶつけにきて――」 咲「――負けたら、やめようとしてるって」 咲「……私の、勝手な勘違いかな?」 咲「でもあの日の意気込みは……ただでさえ凄い、いつも以上だった」 咲「だから私は……」 咲「京ちゃんのアシストをしようと、思った」 咲「京ちゃんの覚悟に水を注すことになるし……」 咲「京ちゃんの力を、信じてないことになる」 咲「……それは、分かってた」 咲「私の自分勝手だっていうのも、分かってる」 咲「でも私は……京ちゃんにやめて欲しくなかった」 京太郎「……ッ」 京太郎「だから、タイトルの一つでもくれてやれば! それを与えてやれば!」 京太郎「首輪繋がれた犬とか、電極に繋がれた鰻みてえに……」 京太郎「俺が、麻雀プロでいると思って……それをやったっつーことか?」 京太郎「そういう、ことなのか……?」 咲「……」 咲「……ふたつ、違う」 咲「私は……少し手助けしただけで、勝ちとったのは京ちゃんがあそこまで頑張ったから」 咲「江口プロと……大星プロと戦ってて」 咲「場を支配することなんて、私には無理」 咲「きっと、お姉ちゃんでも無理」 咲「私の言葉が信じられなくても……お姉ちゃんの言葉なら、信じられるでしょ?」 咲「あれは、京ちゃんがあそこまで粘ったから起こった」 咲「私は……最後の最後で京ちゃんの作戦に気が付いて」 咲「それを少し手伝った以上のことは……してないよ」 咲「……」 咲「タイトルをとったから、京ちゃんは麻雀プロでいる」 咲「そうは……思ってないよ」 京太郎「……」 京太郎「なら……なんで」 咲「……ううん、ごめん。それも考えた」 咲「でも……もしかしたら」 咲「何も不思議な力を持ってないのに……運があるわけでもないのに……」 咲「高校生の頃から、ここまで強くなって……」 咲「あの場に立った京ちゃんなら、気付いてくれるんじゃないかって……思った」 咲「そうしたら、京ちゃんは……」 咲「きっと、私を許さないと――思った」 咲「私のことを、許さなかったら……」 咲「私のことを、恨んでくれてる間は……」 咲「私にリベンジするまで、京ちゃんは麻雀プロを続けてくれるんじゃないか――って」 咲「そんな風に、考えた」 咲「大学生のときは離れちゃったけどさ……」 咲「京ちゃんとは、付き合いが長いから……さ」 咲「一途で不器用なところがあるから……京ちゃんなら、私にリベンジしようとしてくると思った」 咲「そうしてくれてる間は……麻雀、続けてくれるんじゃないかなって」 咲「そう、思った」 咲「自分勝手だってのは、分かってる」 咲「きっと、京ちゃんのことを……凄く傷付けることになるって、分かってる」 咲「それでも……それでも、だよ?」 咲「私をこっちに連れ戻してくれた京ちゃんには……」 咲「麻雀の楽しさに気付くチャンスをくれて……」 咲「また、こっちの道に戻る機会をくれた……」 咲「そのあとの、高校での楽しい思い出のきっかけになってくれた……」 咲「そんな京ちゃんには……麻雀をやめて欲しく、なかったんだ」 咲「……ごめんね、京ちゃん」 京太郎「……なにが、だよ」 咲「あのときの京ちゃんの実力を信じないで……」 咲「京ちゃんの気持ちに、水を注しちゃって……」 咲「ごめん、なさい」 京太郎(……確かに、こいつの言う通りだ) 京太郎(俺はあの場に、覚悟を背負って立った) 京太郎(凡人の俺でも、魔物を倒せることを証明するって) 京太郎(俺と同じような誰かを、勇気付けるって) 京太郎(所詮は俺じゃあ勝てやしないって評判を否定するために) 京太郎(そのために――自分の全力を) 京太郎(今までを、これからを……俺の人生、全部懸けて) 京太郎(賭けに、身を投じた) 京太郎(俺が、こっちに連れてきたお前なら……) 京太郎(あれぐらい強いお前なら、本当の全力――何もかもを懸けて戦えると、思って) 京太郎(ああ……お前の、言う通りだ) 京太郎(あのタイトルが取れなかったら……俺の全力のスタイルで及ばなかったのなら……) 京太郎(お前に、負けたんなら……) 京太郎(俺は、辞めてもいいって思ってたんだ) 京太郎(お前に負けたんなら……諦められるって、思ってた) 京太郎(……ああ) 京太郎(自分勝手って話をしたら、そもそも俺もなんだ) 京太郎(お前なら仕方ないって……咲を言い訳にして) 京太郎(それがお前に何を背負わせるかも考えないで……) 京太郎(俺は、お前と戦った) 京太郎(どっちが悪いって、話じゃない) 京太郎(俺がエゴを通そうとしたら――咲が傷付いて) 京太郎(咲がエゴを通したら――俺が、こうなった) 京太郎(……俺が、お前の立場なら) 京太郎(どうしたん、だろうな) 京太郎(わっかんねーな。わっかんねーよ) 京太郎(でも……お前みたいに、恨まれ続けるのに耐えられるかは) 京太郎(そういう選択を選べるかも……やっぱりわかんねーよ) 京太郎(強いて言うなら……) 京太郎(辞める覚悟みたいのを、こいつに見破られた) 京太郎(俺が一番、悪い) 京太郎(突き付けてるもんだもんな……言っちまえばさ) 京太郎(『勝たせてくれなきゃ、麻雀を辞める』って) 京太郎(そりゃあ、卑怯だよ) 京太郎(こんだけ一緒にいた奴が……自分の人生を、人質にしてるんだろ?) 京太郎(『覚悟』だなんて聞こえのいい言葉を使っちゃあいるが……) 京太郎(はたから見たら、スゲー卑劣な行為だ) 京太郎(自分のことだけで、『なんで全力でやってくれなかった』……なんて言うのは) 京太郎(てめえが邪悪だと気付いてない、もっともドス黒い悪だ) 京太郎(被害者面して、相手に拳銃の引き金を渡すなんてのは……) 京太郎(公正な勝負とは程遠い、もっとも卑劣な行為になる) 京太郎(どっちにも、思うところはあった) 京太郎(そこに優劣はないし、卑尊はない) 京太郎(でも、今回は……) 京太郎(俺のした行為が、もっとも卑劣で……唾棄すべき最低な行為であるのは確かだよ) 京太郎(つーか) 京太郎(他の二人がいるのに、個人的な事情を持ち込んだ俺がな……) 京太郎(江口プロも、大星プロも……) 京太郎(あの戦いの直後に……俺が辞めるなんて言い出したらさ) 京太郎(いい気は、しねーよな) 京太郎(……いや、大星あたりなら『弱いんだから当然でしょ』とか言いそう) 京太郎(まあ、そうだとしても……やっぱ駄目だ) 京太郎(そりゃあ、世の中にはそーいうプロもいるだろ) 京太郎(『ここで限界を悟りました』って、そーいうのはあり得るだろ) 京太郎(そりゃ、当人の事情だしな) 京太郎(でもきっと……その人たちは隠してる) 京太郎(自分の人生がかかってるほど大事なことを、他人に気付かせないように努力してる) 京太郎(大事なことなんだから、それぐらいして当然だよ) 京太郎(俺は、甘かった) 京太郎(ひょっとしたら心のどこかでは……) 京太郎(『辞めなくてもいいんだよ』って言われるのを期待してたのかもしんねー) 京太郎(それって、情けねーよな) 京太郎(女々しくて、ダサい) 京太郎(つーか、よ) 京太郎(思えば、さっきの女の子たちもおんなじパターンだった訳だろ?) 京太郎(向こうは、あっちが勝っちまったら辞めるつもりだったみてーだけどさ) 京太郎(やってること、咲と同じじゃねーかよ。俺) 京太郎(いや、ちょっとは違うけど……) 京太郎(……大分違うかもしんねーけど) 京太郎(大分違うけど) 京太郎(なんつーか、なぁ) 京太郎(……まあ) 京太郎(幼馴染みの女の子にそんな選択させて) 京太郎(それからずっとその事に怯えさせて) 京太郎(挙げ句、胸ぐら掴んだり脅したり声を荒らげたり) 京太郎(そんな俺が、一番ダサい) 京太郎「……咲」 咲「な、何……?」 咲「京ちゃんが顔を見せるなって言うなら、そう……するよ」 咲「今日は、京ちゃんに謝ろうと思って……だったから」 咲「見逃して、欲しいけど……」 京太郎「――すまんっ!」 咲「ふぇっ!?」 京太郎「俺が悪かった!」 京太郎「許せ……いや、許さんでいい!」 京太郎「殴れ! 俺を、殴れ!」 京太郎「思いっきり、一発入れろ! そうじゃなきゃ、お前に申し訳がたたねえ!」 咲「へ? え? あの……」 咲「一体、何が……」 京太郎「俺が、悪かった。全面的に俺が悪かった」 京太郎「お前の言う通り、俺はあのとき負けたら辞めようと思ってた」 京太郎「俺が卑怯だった。俺が女々しかった。俺が情けなかった」 京太郎「俺に、配慮が足りなかった……!」 咲「え……あ、あの……」 京太郎「悪かった」 京太郎「お前に、『俺を辞めさせるか』『俺に恨まれるか』を迫って悪かった」 京太郎「それなのに、悲劇のヒーロー気取って悪かった」 京太郎「そんな状況で……俺と会ったら辛いだろうお前にこんな仕事させて、悪かった」 京太郎「お前のことを怯えさせて悪かった。胸ぐら掴んだり、怒鳴ったりして悪かった」 京太郎「ずっとお前と居たのに、お前の気持ちを全然考えないで……本当に、本当に悪かった」 京太郎「許してくれだなんて、言えない」 京太郎「お前に何をされても、俺は言い返せない」 京太郎「ただ――悪かった」 京太郎「本当に、ごめんな……って」 京太郎「お前に、謝らせてくれ」 咲「そ、そんなこと言われても……」 京太郎「ああ、確かにそうだな」 京太郎「鍛えてるし……お前が俺を殴っても、逆に怪我するかもしれないもんな」 京太郎「悪かった」 咲「……う、うん」 京太郎「ちょっと壁に頭打ち付けてくる」 咲「そ、そういう話じゃないってばー!」 咲「それを言ったら、京ちゃんの覚悟の邪魔をした私が悪いんだよ!」 京太郎「いーや、邪魔されるようにバレた俺の方が悪いね!」 咲「だったら、知ってて邪魔した私が悪いよ!」 京太郎「邪魔を許した弱い俺が悪い!」 咲「うー」 咲「意地っ張り! 京ちゃんの格好つけ男!」 京太郎「うるせえ、この頑固者! なんでもかんでも背負い込みやがって!」 咲「格好つけしいで、普段は重くて軽い癖に! バカ京ちゃん!」 京太郎「格好つけて、意地が張れなきゃ男じゃねーんだよ!」 咲「その考え、古い! 似合わない!」 京太郎「温故知新って言うだろうが! 古いことの方が大事なこともあるんだよ!」 咲「京ちゃんらしいけどらしくないし、気障すぎ!」 京太郎「外見格好いいんだから、内面も格好よくしようとして何が悪い!」 咲「この、軽薄軟派男! スケコマシ!」 京太郎「はぁぁぁぁあ!? 俺は、硬派だっつーの!」 咲「そう思ってるのは、自分だけでしょ!」 京太郎「はぁ!? 俺は、麻雀一筋の硬派だってーの!」 咲「タレントもどきやってる癖に!」 京太郎「それでも心は麻雀のことばっかりだからな!?」 咲「この雀キチ!」 京太郎「麻雀プロなんだからそんなもんだろうが!」 咲「そんなんじゃ、瑞原プロとか小鍛治プロみたいに売れ残るよ!」 京太郎「はぁ!? 俺なら、その前に一人や二人見つけられるからな!」 咲「やっぱり軟派男!」 京太郎「うるせえ! 本の虫!」 京太郎「……なあ」 咲「……なに?」 京太郎「俺ら、なんの話をしてたんだっけ」 咲「……あー」 咲「うん」 京太郎「とりあえずは……だ」 京太郎「お互い悪かったってとこで、この件については手打ちで」 咲「私の方が悪いけどね」 京太郎「いや、普通にどう考えても俺だけどな」 咲「……」 京太郎「……」 咲「……やめよっか」 京太郎「平行線だしな……」 京太郎「それより問題は、だ」 咲「うん」 京太郎「同卓した江口プロと大星プロだよな」 咲「……関係ないことに、巻き込んじゃったしね」 京太郎「そうなんだよなぁ」 咲「……うん」 京太郎「あとは、番組のスポンサーに……プロデューサーだろ?」 咲「ファンと後援会の人たちにも、だね」 京太郎「改めて……公の場でやることじゃなかったよな」 京太郎「立派な社会人失格っつーか、なんつーか」 咲「そう……だよね」 咲「選手生命を賭けた戦いって……他にもやってる人がいるし、例もあるから」 咲「そういう意味だと、個人の事情を持ち込んでも大丈夫そうなんだけど……」 京太郎「却下」 咲「……理由は?」 京太郎「改めて思うと、格好悪いから。バレたのが一番だとしても」 咲「……格好つけ男」 京太郎「うっせ」 咲「うーん」 京太郎「とりあえず、同卓した二人には謝るべきだよな」 咲「そうかな」 咲「そう……だよね」 京太郎「そりゃ、間違いないだろ」 咲「うん。そうだね」 咲「スポンサーさんたちは?」 京太郎「我慢して貰う」 京太郎「つーか、あれはあれで視聴率良かっただろうしな」 咲「あー、うん」 咲「……劇的だったよね」 咲「最後の最後で、3位が1位を捲ったのって」 京太郎「お前の槓で、ドラついたんだけどな」 咲「それなしでも……京ちゃんは自力で1位走ってた大星プロから逆転してたでしよ?」 京太郎(確かに、そりゃそうだけどさ……) 京太郎「逆転1位と2位じゃ、大きな違いがあるっての」 咲「あー、うん」 咲「……ファンの人たちには?」 京太郎「真実話しても、余計な混乱招くことになるしな」 咲「……うん」 京太郎「ファンの人達には、希望を持ってて欲しい」 京太郎「だから……今回の――夢を壊すようなことは、アウト」 咲「そうなるよね」 京太郎「まあ、その分……普段からもっと気張ってサービスしないとな」 京太郎「それで代わりになるとは、思えないし……ケジメにもならないけど」 京太郎「それでも、それ以外を考え付かない」 咲「……うん」 京太郎「……あー」 京太郎「気が重い」 咲「……でも、仕方ないよね」 咲「それだけのこと、しちゃったんだし」 京太郎「……だよな」 咲「プロ失格だから、辞めろって言われたらどうする?」 京太郎「……あー」 京太郎「辞めたくねえよ……ねえけどさ」 京太郎「でもそんときゃ……仕方ないだろ」 優希「……やれやれ」 優希「京太郎……暫く見ない間に詰まらない男になったな」 京太郎「お前は……!」 咲「死んだはずの……!」 京太郎「片岡優希ッ!」 優希「Yes, I am !」 優希「……というか、勝手に殺すな!」 京太郎「すまん、ついノリで……」 咲「……ごめんね」 優希「まったく、このぽんこつ麻雀バカ二人は……」 京太郎「なんつーか……久しぶりだな」 京太郎「高校以来か? 元気にしてたか?」 優希「まあ、そこそこだな」 優希「……他に、言うことあるんじゃないか?」 京太郎「ああ、なんつーか」 京太郎「前もそうだったけど……もっと、美人になったな」 優希「ふふん」 京太郎(……高校の頃の憧に似てるって、うっかり口滑らしそうになった) 京太郎(……) 京太郎(……一部分を除いて) 京太郎(そこは……変わらずか) 京太郎(何ッ、で! だよッ! どうしてそこだけ置き去りにしたんだよ!) 京太郎「どうしたんだ、今日は」 優希「京太郎がこっちに顔出すって聞いたから、同窓会気分でな」 京太郎「そっか、なるほどな……」 京太郎「……口調、少し変わったか?」 優希「ん?」 優希「そりゃ、いい歳になったんだから……当然だって」 優希「今でも、気を抜くと出そうになるんだけどなー」 京太郎「そーゆーもんか」 優希「そーゆーもんです」 京太郎「……本当に、久しぶりだな」 優希「あの日以来だからな」 咲「あれ、そうなの?」 咲「てっきり京ちゃんとも連絡とってると思ったんだけど……」 優希「まあ、連絡先を知らなかったからなー」 優希「携帯一回ポシャっちゃから、仕方ないんだ」 咲「そうだったんだ……」 咲「言ってくれれば良かったのに」 優希「次からはそうさせて貰うじぇ!」 咲「……あ、今の懐かしい」 京太郎「な」 京太郎「結局高校三年間、そうだったから」 京太郎「こっち方がしっくりくるんだよなぁ……」 優希「そんなこと言われても困るからな」 優希「それにしても……」 優希「そういう京太郎は、随分と詰まらない男になったもんだな」 京太郎「オレェ?」 優希「お前以外にどこに京太郎がいるんだ?」 京太郎「ギャラリーの中にもしかしたら」 優希「片岡京太郎とかがか」 京太郎「……なんか殺人事件に遭遇しそうだな」 咲「やっぱり、京ちゃんは須賀が一番だよね」 京太郎「婿入りとかできねーなー」 咲「予定あるの?」 京太郎「いや、ないけど……」 京太郎「ひょっとしたら、どっかのお金持ちでスタイルよくて可愛いお嬢様が俺を見初めて」 京太郎「一緒に実家を継いでくれとか言うかもしれねーじゃん」 咲「ないない」 優希「そんなオカルトありえないじぇ」 京太郎「そこまで言うかぁ?」 咲「京ちゃんが役満あがるよりもないでしょ」 優希「どんだけ夢見がちなんだ」 咲「まずお金持ちのお嬢様って、それで大分絞られるよね?」 京太郎「搾られても……いや、ああ」 咲「そこから、京ちゃんにあってる年齢で……」 咲「しかも可愛くて、スタイルがいい人ってなるともっと限定されるでしょ?」 京太郎「されるな」 咲「これ、日本にどれぐらいいると思う?」 京太郎「国際結婚でも俺は構わないぞ」 咲「デンマークとかでも? イランとかでも? ソマリアでも?」 京太郎「そもそもソマリアにお金持ちいるのかね」 優希「さあ……」 咲「仮にそんな人がいるとしてもさ……」 咲「都合よく京ちゃんと知り合うことが、ないでしょ?」 京太郎「あー、全国飛び回ってるけど……」 京太郎「基本収録と麻雀だから……ないなあ」 優希「すれ違うことぐらいはあるかもしれないけどな」 咲「でもそこから、会話に発展しないでしょ?」 京太郎「……いや、声かけるかもしれない」 咲「……最低」 優希「……軟派男」 京太郎「いや、冗談だからな?」 京太郎「いつ誰に見られてるかもわからねープロだからしねーよ!」 咲「で、そんないい人がフリー」 咲「それで、京ちゃんのことを好きになってくれる……」 咲「これ、どんな確率か分かる?」 京太郎「わっかんねー。なんもかんもわっかんねー」 咲「まあつまり、天文学的数字だよね」 優希「夢見んなってことだじぇ」 京太郎「あー」 京太郎「あー」 京太郎「10年くらい待てば、チャンスあるんじゃ……?」 咲「……あ、駄目だ」 優希「お前は、結婚できないアラフォーか!」 京太郎「……で」 京太郎(優希の話、果たして咲に聞かれてもいいもんか) 京太郎(それがわからないから、ちょっとくだらない話をしてみた……心にもない話を) 京太郎(……) 京太郎(……ないからな? そんなこと思ってないからな?) 京太郎(いや、出会えたらラッキーだと思うけどさ) 京太郎(正直、いたら口説きたいぐらいだけどさ。うん) 京太郎(まあ、本気じゃないからな? ないぞ?) 京太郎(……) 京太郎(まあ、いいさ。いいよな) 京太郎(優希の反応を見る限り……咲が居ても、大丈夫な話題っぽいな) 京太郎「優希」 京太郎「さっきの話は、どういうことなんだ……?」 優希「……今さらシリアスな空気を出されても、シリアル並みにバッキバキだからな」 咲「そこらへん、本当に残念なイケメン枠だよね」 京太郎「真面目な空気ィ!」 京太郎「あと、残念なイケメンゆーな!」 京太郎「ホスト部とかの少女漫画なら、主人公とくっつくんだぞ!」 咲「そこらへんは、内面で俺物語を目指そうよ」 優希「京太郎だから仕方ないってもんだじぇ」 咲「京ちゃんだしね」 京太郎「なんで俺、こんなジョジョスレでのポルナレフみたいな扱い受けてるんだよ!?」 咲「京ちゃん」 京太郎「なんだよ」 咲「ポルナレフと一緒にしたら、ポルナレフさんに失礼だよ?」 京太郎「クソッ、なんて時代だ……!」 京太郎「あとお前やっぱりジョジョ読んでるじゃねーか!」 京太郎「……で、仕切り直して」 京太郎「詰まらない男になったっつーのは、どーいう意味だ?」 優希「そのままの意味だ」 優希「前に、言ったよな?」 優希「『私をフッたんだから、もっといい男になれ』って」 京太郎「……ッ」 京太郎「お、おま……! なんで、そのこと……っ」 咲「えっ、ど、どういうこと……!?」 優希「そこはどーでもいい」 京太郎「どーでもいいって、お前……」 優希「もう終わったことだし、別にもういい話だからな」 京太郎「う……」 咲(優希ちゃん、有無を言わせぬ勢いだ……京ちゃんがたじろぐくらいに) 優希「……で、だ」 優希「京太郎。なんだ、この様は」 京太郎「この様って……」 優希「……」 優希「さっきの話、聞かせて貰った」 優希「聞けば……」 優希「『進退をかけてタイトル戦に臨んだ』とか『辞めて欲しくなかったからアシストした』とか」 優希「『どっちが悪い』とか『皆に謝らなきゃいけない』とか」 優希「傍から聞いてりゃあ、ちゃんちゃらおかしいじぇ」 咲「……」 京太郎「……なにがだよ」 優希「どれだけお前ら自分勝手で、馬鹿で、ぽんこつなんだ?」 優希「いい歳した大人のすることじゃないもんだ」 京太郎「……ッ」 咲「……」 京太郎「……分かってる」 優希「いーや」 優希「なんにも分かってない。分かってないな」 優希「前から鈍感な奴だとは思ってたけど……」 優希「お前、どうしてそう大事な場面で間違えるんだ?」 優希「普段は気遣いのできる男とかよばれてかもしれないけど……」 優希「こんな有り様じゃ、それも怪しいな」 京太郎「……」 京太郎「……何が、だよ」 優希「第三者から言わせて貰うと」 優希「『進退懸けて戦おう』が『そのアシストをしよう』が、はっきり言ってどーでもいい」 咲「どうでもいいって……」 優希「事実だからな」 優希「そのあたりは、二人の中で決着つけたらいいんじゃないか?」 優希「聞くとしたら」 優希「別に打ち合わせとかしてないんだよな?」 咲「……うん」 京太郎「してるわけないだろ」 優希「咲ちゃんは、確実に京太郎のアシストをできるって初めから確信してたのか?」 咲「そんな訳ないよ……」 咲「最後で京ちゃんの作戦がわかったから、もし上手くいったらいいなって」 咲「それに乗っかっただけだよ」 優希「京太郎は……」 優希「大星プロをなんで狙ったんだ?」 京太郎「……そうだな」 京太郎「アイツがトップで、厄介で……」 京太郎「俺のスタイル的に……あの場で、一番狙いやすかったからだ」 優希「他の人間を狙わなかったのは?」 京太郎「できたならしたけど……状況によるからな」 優希「なるほどな」 優希「まあ、聞いても大してわからん」 優希「麻雀は心得てるけど、私はプロじゃないからな」 京太郎「……わからんのかよ」 優希「わからないもんは、わからない」 優希「だから、京太郎や咲ちゃんがどんな気持ちなのかも……知らない」 優希「どれだけ苦しいのか、辛いのかもな」 優希「ただ、今の話を聞く限りじゃあ……」 優希「二人とも、博打に勝った風にしか思えない」 優希「京太郎の読みが他の二人の上を行って……」 優希「咲ちゃんが、更に上手だったってな」 優希「辞める覚悟を見抜かれたことも全部含めて――」 優希「今回は、京太郎の負けってことだ」 優希「……ま、これは私の意見だから」 優希「普通に無視してくれていい」 京太郎「……」 咲「……」 優希「さっきも言ったみたいに、二人の問題だからな」 優希「……で」 優希「私が言いたいのは、こっからだ」 優希「随分と前置きが長くなったけど、こっからが本題だ」 優希「二人は……謝らなくちゃいけないって言ってたな?」 優希「なんでなんだ?」 咲「……それは」 京太郎「俺の……俺らの勝手な戦いに、巻き込んだから」 京太郎「そういう、個人的なことに付き合わせて迷惑をかけたからだ」 優希「ふむふむ」 優希「……京太郎」 優希「1つ聞くが……もしも、もしもだ」 優希「『絶対に許せないからタイトル返上しろ』って言われたら?」 京太郎「当然、返上する」 優希「じゃあ、『お前みたいのはプロと思えない。辞めろ』って言われたら?」 京太郎「……」 京太郎「……そんときは、仕方ない」 優希「……なるほどな」 優希「――バカか、お前」 京太郎「……」 優希「タイトル返上までは……まあ、まだ分かる。正直分からんが、分かる」 優希「その時点で、余計な迷惑をまたかけることになるけどな」 京太郎「……」 優希「まず1つ」 優希「一回人に迷惑かけてるのに、舌の根も乾かないうちに繰り返してどうすんだ?」 優希「とても、社会人の行動とは思えないじぇ」 京太郎「……」 優希「一度のミスはいいとしても、二度も同じことやるな」 優希「……で、次」 優希「言われたら辞めるのも考えるって言ってたな?」 京太郎「……ああ」 優希「やれやれだ。やれやれだじぇ」 優希「お前、そうやってまた――他人に引き金を預けるのか?」 優希「そりゃ、『許してくれなきゃ死ぬ』って言ってるようなモンだじょ」 京太郎「俺は……そんなつもりじゃねえ」 京太郎「けど、言われてみれば……そう、だよな」 優希「そんなつもりがなくても、そういう意味になる」 優希「咲ちゃんにそれをやっといて……」 優希「また、それを繰り返すのか? 反省したのに?」 優希「いいか、それは反省って言わない。おんなじことをやるなら反省にならない」 優希「麻雀プロがどれほどのものかはしらないけど――」 優希「――社会人、ナメんな」 優希「ここは結局、読みとしては咲ちゃんが勝ったし」 優希「結果としては京太郎が勝った」 優希「二人とも……自分の勘を信じて、博打に勝った。不確実だけど、結果は勝った」 優希「それでいいんだ」 京太郎「……いや」 咲「そんな、力こそがすべて……みたいな」 優希「力がすべてなんて、私は言わないじぇ」 優希「それ以外に、大事なものはたくさんある……」 優希「でも……競技プロなんだろ? 実力勝負なんだろ?」 優希「だったら、力が相当大事なのは言うまでもないだろ」 優希「私たちが経験したインターハイだってそうだったし……」 咲「……」 優希「普通の会社だって、そうだ」 優希「結果出せない奴の言葉よりも、結果出した奴の言葉の方が重いんだよ」 優希「そんで……」 優希「それよりも、もっと大事な事がある」 京太郎「……なんだよ」 咲「なに、かな……?」 優希「それはな――」 優希「――負けた奴を、それ以上惨めにすんな」 優希「いいか、お前らがしようとしてることを言うとこうだじぇ」 優希「『ぐだぐだ考えながら麻雀打ってたらアシスト決まって勝たしちゃいました。メンゴメンゴ』」 優希「だいぶ砕けて誇張した言い方だけど、こうなる」 優希「負けて、悔しいんだよ。ただでさえ悔しいんだよ」 優希「そこに……」 優希「『二人の間にはこんなことがありました』」 優希「『二人の世界で君たちのこと考えてませんでした』」 優希「『それなのに勝っちゃってごめんね』」 優希「『よく考えたら不公平だよね。君たちが可愛そうだ』」 優希「『こんなの公平な勝負じゃないし、結果はなしでやり直そっか』」 優希「『許せないならタイトル返すし、麻雀プロ辞めるよ』」 優希「なんて言われてみろ」 優希「どうなる? どう思う?」 優希「京太郎、お前ならどうだ?」 優希「咲ちゃんなら、どう思う?」 咲「許せない……けど」 京太郎「それ以上に、惨めな気持ちに……なる」 優希「だろ?」 優希「誰だってそー思う。私もそー思う」 優希「気遣いができるって言うなら……これぐらいは考えろ」 優希「『自分がやられて嫌なことを他人にはしない』」 優希「こんなの、小学生でも知ってるもんだ」 優希「大人なんだから、それ以上できなくてどうする」 咲「……はい」 京太郎「……ああ」 優希「咲ちゃんは、高校から直接麻雀プロって特殊な世界に行ったから仕方ない」 優希「でもな、京太郎」 優希「お前は大学出てるんだろ? サークルやゼミに入ってたんだろ? バイトしたことあるんだろ?」 優希「それぐらい、できなくてどうする」 京太郎「……仰有る通りです」 優希「……まあ」 優希「普段はできるんだろうし、それぐらいデリケートな問題なんだろうけど」 優希「ちょっと二人とも、麻雀の勝負に囚われすぎだじぇ」 優希「江口プロとはどーだか知らないが」 優希「大星プロとは、かなり仲良くしてるんだろ?」 京太郎「……いや」 京太郎「たまたま飯屋被るだけだし、ありゃあ嫌われてる。間違いなく」 優希「……アホか、京太郎」 優希「……」 優希「そんな関係でも、顔見知りなんだろ?」 優希「そんな相手から、言われてみろ」 優希「かなり腹立つし、それだけじゃ済まないじぇ」 優希「咲ちゃんがそんなことしてるって知ったときの、京太郎より酷い」 優希「リベンジ誓われてるって、大星プロは間違いなく気付いてない」 優希「その状態で言われてみろ。どれだけショックなことになると思う?」 京太郎「……あー」 京太郎「薄々感ずいてた俺より、酷い」 優希「だろ?」 優希「お前、それをやるのか? 自分自身が謝ってスッキリしたいからってやるのか?」 優希「そいつは、勝手がすぎるんじゃないか?」 京太郎「あー……」 京太郎「はい、確かにそうです」 優希「というわけで、二人は普通にしてりゃいいんだ」 優希「タイトル持ちとして、そんなオーラ出してりゃいいんだじぇ」 優希「そんで、次に戦えば結果も分かるだろ」 優希「そんときは今回みたいに下らないことをしないようにすること」 優希「ぶっちゃけ、それ以外どうしようもないじぇ」 京太郎「……」 咲「……」 優希「さて、言いたいことは言い切ったし……」 優希「辛気くさい話はこれで終わりだ!」 優希「折角集まったんだから、楽しく飲み明かそうじぇ!」 咲「うえぇ!?」 京太郎「酔っ払いの相手は勘弁してくれよ……」 京太郎「……あ」 京太郎「つーか、悪い。俺このあと収録」 優希「マジか」 京太郎「マジだ」 京太郎「週6で収録」 京太郎「……なんちゃって」 咲「……寒いよ」 優希「松実プロを凍死させる気か?」 京太郎「……ちょっとした、場を和ませるギャグじゃねーかよ」 咲「いくらなんでもつまらない」 優希「……つまらない男になったな。ギャグ的な意味で」 咲「そんなの誰も笑わないよ」 優希「間違いなく下らない行為だじぇ」 京太郎「そうかぁ……?」 京太郎「うーん」 京太郎「……松実プロには、今度聞いて見よう」 優希「殺す気か!」 咲「やめてあげて!」 京太郎「って、ことで悪いな」 優希「……まったく、本当だ」 咲「私は空いてるけど……京ちゃんは忙しいから」 京太郎「もう少し、絞ろうかなとも思ってるよ」 京太郎「それか、マネージャーでも雇おうかって」 咲「その方がいいんじゃないの?」 優希「残念だな。もう少しいい男だったら、仕事辞めて応募してやったのに」 京太郎「ハハ、言ってろよ」 京太郎「咲、照さんを呼んできて貰えるか?」 咲「あ、うん」 京太郎「迷うなよ?」 咲「流石にこの距離で迷わないよ!」 京太郎「ハハハ、どうかなー」 咲「迷わないから!」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「……元気、だったか」 優希「……うーん」 優希「まあ、そこそこはなー」 優希「開幕スタートダッシュでトップとって」 優希「今は、いきなり部下持ちで困ってるけど」 京太郎「流石の速度だな」 京太郎「さっきの説教にも、貫禄があるわけだ」 優希「基本的に説教はしない方針だけどな」 優希「……よっぽどじゃない限りは」 京太郎「……よっぽどだったか」 優希「よっぽどだったな」 優希「思わず昔の口調が出ちゃったし……これで部下のお説教中に飛び出したらどうしてくれるんだ?」 京太郎「それで、会社に居づらくなったら……貰ってやるよ。責任持って」 優希「生憎、そこまで安くないじぇ……安くないよ」 優希「もっと男を磨かないと、お眼鏡にはかからないな」 京太郎「……手厳しいな」 優希「いい女は、男の趣味にも妥協しないんだって……覚えといた方が得だろ」 京太郎「なるほどな」 京太郎「……今日は教えに来たつもりだったけど、教えられたのは俺の方か」 優希「トッププロに説教できるなんて、いい気分だ」 京太郎「……そいつぁ、よかった」 京太郎「再開の土産にはなったか?」 優希「まあまあだな」 優希「京太郎が、いい男になってたら文句なしだったんだけど……」 京太郎「駄目か?」 優希「駄目だな」 京太郎「……精進するよ」 優希「そうしてくれ」 京太郎「……」 優希「……」 京太郎「……お前は、さ」 優希「ん……?」 京太郎「そういうお前は、本当にいい女になったな」 京太郎「なんつーか、大人っぽいよ」 京太郎「色々、荒波に揉まれたんだろうなって風格がある」 優希「あー」 優希「まあ、そこは進んだ道の違いじゃないか?」 優希「私は京太郎みたいに、毎局毎局頭使って真剣勝負なんてできない」 優希「そういうときの目付きの鋭さとか、迫力とか気迫は比べ物にならないって」 京太郎「そんなもんか?」 優希「そんなもんだよ」 優希「……今の問題だってさ」 優希「今日、魔物級と戦って神経すり減らしてなかったら……」 優希「もうちょっと、いつもの京太郎らしく、気遣いできてたと思うし」 京太郎「そんなもんかね」 優希「私はそう思うって、だけだ」 京太郎「……つーか、見てたのか?」 優希「最初からじゃなかったけどな」 京太郎「マジかよ……全然気が付かなかった」 優希「それぐらい真剣に集中してたってことで、許してやる」 京太郎「……さんきゅ」 京太郎「あと、いつもの俺って……」 京太郎「まるで、見てきたように言うんだな?」 優希「……うっ」 優希「あー、テレビ番組の京太郎を見ていてだな」 優希「あ、これあのときの部長に対するのと同じだなー……とか」 優希「これ、素なんだろうなぁ……とか」 優希「そーいう程度だじょ」 京太郎「あー」 京太郎「俺……結構、テレビ出てるもんな」 優希「正直タレントかと思うくらいだ」 京太郎「……はあ」 京太郎「今日はちょっと、色々疲れたな」 京太郎「なんつーか……本当に長いこと何かをやってた気がする」 優希「それぐらい、密度が濃かったんだな」 京太郎「しばらくは、勘弁して欲しいぜ」 優希「あー」 京太郎「しかも……このあと、照さん連れて収録いかなきゃなんねーし」 優希「なにやるんだ?」 京太郎「……」 京太郎「『月曜いやでしょうもういいでしょう』×『○○ sキッチン』」 優希「……あー」 京太郎「正直俺、死ぬかもしれない」 優希「……頑張れ」 京太郎「……頑張る」 優希「……」 優希「……なあ」 京太郎「なんだ?」 優希「……」 優希「……いや、なんでもない」 京太郎「そっか」 優希「そうだよ」 京太郎「それじゃ……そろそろ行くな」 優希「……そっか」 優希「元気でな、京太郎」 京太郎「ああ、そっちこそ」 優希「……」 優希「……とりあえず、今日教えたことは頭の片隅にでも置いとくんだじぇ」 京太郎「ああ」 京太郎「……思えばあんときから、お前には教えられてばっかだな」 京太郎「……」 京太郎「……なあ」 優希「……なんだ?」 京太郎「最後に、言い残したことがあったんだけどな――」 京太郎「お前――フッたの後悔するぐらい、いい女だったぜ」 優希「――」 京太郎「あのときの約束通り、お前はいい女になってた」 京太郎「なんつーか、流石だよ」 京太郎「俺も、負けられないって思う。約束したしな」 京太郎「だから、俺もっと頑張るよ」 京太郎「お前が約束守ったんだ。俺が守らないでどうするって」 京太郎「今日みたいなことになっても、言われたことを思い返してみる」 京太郎「そんで、身なり正して歩き出すぜ」 優希「……」 京太郎「どっかの空の下で優希も頑張って仕事してるんだなって」 京太郎「そう思って、俺も仕事頑張るよ!」 京太郎「約束通りなら、次はお互いの結婚式かなんかか?」 京太郎「ま、流石にそれはちょっとつまらねーから……」 京太郎「機会があったら、清澄麻雀部で同窓会かなんかしようぜ?」 京太郎「これ、メアドな」 優希「あ、うん……」 京太郎「それじゃあ、行くわ」 京太郎「次会うときは……まあできれば、お互い恋人を連れてだな!」 京太郎「そうじゃなくても、連絡ぐらいとろうぜ」 京太郎「じゃ、またなー」 優希「……またな、京太郎」 優希「……はあ」 優希「相変わらず、こういうとこが鈍感なんだじぇ」 優希「まったく……」 __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ __ 【宮永咲の好感度が上昇しました!】 【宮永照の好感度が上昇しました!】 【片岡優希の好感度が上昇しました!】 【染谷まこの好感度が上昇しました!】
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郁乃「今日はごめんねー、部の備品買い込むんに男手ほしかったんよー」(アッチへひょこひょこ 京太郎「い、いえいえ、このぐらいだったら……ええ」 郁乃「やっぱり男の子がおると違うねー、頼りになるわー」(コッチへふららー 京太郎(せわしないっ……翻弄されている……!)(キョロ……キョロ…… 郁乃「えへへー……こーやって並んで歩いてるとー」(ダキー 京太郎「ちょっお……!?」 郁乃「なんやー、仲のええカップルー、って感じやねー」(腕組み 京太郎(二の腕に感じる……この感触、オ、オッパイかっ……!ていうか、なんだ……適度に押しては返す絶妙な力加減はっ……!?)(須賀に電流走る! 郁乃「どしたんー、須賀君。なんやー、歩き方ぎこちなくなってんでー?」(フニフニ 京太郎「い、いいえ、ソンナコトナイデスヨ?」 郁乃「ふーん、じゃあ買い出しは終わったし、今日はこのまんまデートしよなー♪」(キュムキュム 京太郎「ぁ、ヤメテ、それ以上はいけない……!」(ざわ……ざわ…… 京太郎(和や絹恵さんなんかと比べれば取るに足りない、世間的に見ればフツーのオモチだというのにこの威力……だと……!?ややややべえ、落ち着け……麻雀やってる時のリスペクト精神を使えば、たかがオモチの一つや二つ堪えられるっ……!)(ざわ……ざわ……! 郁乃「えー、あかんの?」(フニュー 京太郎「ダ、ダメじゃないけどダメなんですよ……わかってください、それぐらいっ……!」 郁乃「だからー…………あ・か・ん・の?」(囁き艶声 京太郎(ク、クリア・マインドッ…………リミットオーバーアクセルシンクロォォォォォーーーッ……!!)(京太郎、覚醒っ……! 郁乃「もー、つれへんわー…………もしかして、根腐れしとるー?」 京太郎「失敬な!?」(京太郎、愕然っ……! 洋榎「…………買い物してる時に見かけて、うち差し置いてなにおもろそーなことしてんやー、つっこんだろ思ったら……」(ウギギ 絹恵「お姉ちゃーん、これ以上デバガメしててもダメージ負うだけやってー、もう帰ろーよ」 洋榎「オッパイか、しょせん女の器量はオッパイで決まるってか!」 洋榎「うぅぅ……京太郎のアホーっ!」(ウェーン 絹恵「あぁ、お姉ちゃんがグリコの人みたいなカッコで走っていってしもた!?」 絹恵「お、追いかけなデバガメと、その前にメール、メール」(ペコペコポン 京太郎「うわっ……メ、メール?」 郁乃「えー、誰からー?」 京太郎「なにナチュラルに人の携帯覗きこんでるんすか!?」 郁乃「ええやんー、私と須賀君の仲やんー♪」 京太郎「姫松の監督(代行)と他校の生徒の間柄のはずですけど!」 京太郎「ええい、と、とりあえずメールの確認だけは…………?」 郁乃「うーん?」 絹恵『虫酸ダダダッシュ!(゜д゜)、ペッ』 京郁「???」 一度終われ