約 1,696,463 件
https://w.atwiki.jp/tesu002/pages/4063.html
5年後 慰霊碑 律「ここも綺麗になったな」 律(澪、ムギ、和、純ちゃん、みんな天国で仲良くしてるか?) 律(もっとも澪は死んだ自分達のこと怖がってるかもしれないけど……) 律(あの事件の後、私達はみんなとの思い出が多すぎるこの町に住むのがつらくなって別の場所に引っ越したから、ここに来たのはひさしぶりだな) 律(明日私達”新生HTT”のファーストアルバムが販売するんだ) 律(あれからみんな大分変わったんだぜ。私達の目標だった武道館ライブもやったしな) 律(一番変わったのは唯なんだ、意外だろう?) 律(昔はただの池沼だったのにいまや世界四大宗教のひとつ、ユイ教の教祖様だ) 律(もっとも、その宗教も抹茶派とバニラ派とチョコ派とイチゴ派で分かれちまったらしい) 律(唯の一番好きなアイスの味の解釈の違いだけで紛争までおきてやがる。笑っちゃうだろ) 律(それでも彼らには重要なことなのかもしれないけどな。毎回違うこと言う唯がいけないんだ) 律(そんでアルバムは信者の人も買うから日本だけで初週500万枚は売れそうらしい。デタラメだろ?) 律(純粋なファンはその数パーセントだろうけど) 律(今でも時々おもうんだ。澪やムギが生きていて後ろから声かけてくるんじゃないかって) ?「律――」 律(え……?もしかして、澪?) 梓「――先輩、ここにいたんですか?」 律「梓か…」 梓「なんですかその残念そうな態度」 律(梓はあれから背が伸びてゴキブリヘアーもやめたから昔の澪にそっくりなんだ。胸は小さいけど) 律(おかげで私がメンバーで一番のチビになっちまった) 憂「律さん、遅れました。お姉ちゃんは宗教の仕事の関係で夜、合流するそうです」 律「あぁそうか。また信者達に適当なこと言いいそうだな。唯の奴。かわいそうに」 梓「信者の方それ聞いたら怒りますよ」 律(憂は結構大人びて髪が長くなったから唯との差が大きくなったぞ) 律(唯の奴は見た目はあまり変わらん。背は少し伸びたのかな?) 律(けど23にもなっても10代半ばにしかみえないからなー) 律(信者達には不老不死の体現者と言われているらしいが、ただの若作りだと思う) 梓「何してたんですか?」 律「澪たちに明日の報告をな」 律(私達は明日ここで新生HTTのライブを行うんだ) 律(天国で聞いててくれよ) 律「それじゃぁ憂ちゃんの実家で明日の打ち合わせしようぜ!」 律梓「はいっ」 律(私達はお前たちの死を乗り越えて今日も前をみて生きてくよ) 律「じゃあな。また来るよ……」 天国 紬「唯ちゃんたちのアルバム明日販売ですって」 澪「本当か! あいつらがんばってるんだな」 ?「そのCDもってきてあげたよ~」 純「おそいですよ。待ちきれました」 ?「ごめ~ん。いろいろ忙しくて~」エヘヘ 和「来たわね」 和「唯……」 唯「フフッ」 純「すごーい。本物だ、あっ生のサイン入り! 地上じゃ数千万の価値があるんじゃない?」 澪「最初は驚いたぞ。まさか私達のほうが死んでて、しかも唯はこの世とあの世を行き来できるんだもんな」 ムギ「おまけに不老不死だし」 さわ子「うらやましいわ」 唯「不死じゃないし、ゆっくりだけど年はとってるから不老でもないよ♪ 背も少し伸びたしね」 ムギ「まぁそうでもないと教祖さまなんて務まらないわよ」 唯「私はそんな宗教作った覚えはないけどね~ 気がついたら出来てたんだよ♪」 唯「私はそんな宗教作った覚えはないよ~ 気がついたら出来てたんだよ♪」 和「ねぇ唯、どうして律たちに唯がこの世とあの世を行き来できること教えないの?」 和「きっとものすごく喜ぶと思うわよ」 澪「今のお前の力なら三人ぐらい行き来させるなんて楽勝だろ」 澪「実際、ユイ教の最高幹部は前に連れてきたじゃないか」 ムギ「そうよ。ここにいる神様のだれよりも唯ちゃんは強いじゃない」 ムギ「最高神だって怖くて文句言えないわよ」 唯「そんなことしたら、あの子達は前に進めなくなっちゃうよ」 唯「あの子達は過去じゃなくて未来を生きるんだからね。後ろばかり振り向いても人は何も変われないんだよ」 唯「だから神様は人の前に姿を現すのをやめたんだ」 憂の実家(旧平沢家) 律「あの辺も前はあんなに散らかってたのにきれいになってたなー」 梓「慰霊碑も昔はグリコのおもちゃみたいだったのに、無駄に立派になりましたね」 憂「校舎も粉々になったのに今じゃそのかけらも落ちてないし」 憂(そうだ、思い出した。おかしいよ。だって梓ちゃんはあの時……) 憂「ねぇ梓ちゃん? なんで梓ちゃんは校舎にいたのに無事だったの?」 律「そういえば変だな…… まさか、梓お前……」 憂「幽霊?……」 梓「違いますよっ。 『人類滅亡後は中野梓が地球を支配する』って言われてますからね」 梓「核撃たれても私は死にませんよ」カサッカサッ 憂律「……」 唯「みんなおまたせ~ってあれどしたの?」 ちょい前 天国 澪「なあ、前から思ってたんだが」 唯「なに?」 和(そういえば、よく来るわよね、この子……) 澪「梓はあの日、私達と一緒に校内回ってただろ?」 紬「たしかにそうよねー」 純「ゴキブリで思い出した。梓に100円返してもらってない」 澪「なんであいつは生きているんだよ。しかも無傷で砕け散った校舎の中から這いでてきたんだろ?」 和「不思議よね。梓は唯みたいに人間から神様にはなってないんでしょ?」 唯「うんそうだよ。あ~あれはね、たぶん……」 唯「毎日、あずにゃんに抱きついてたら私の力の一部があずにゃんに移ってたみたい」 唯「だからGじゃないんだよ。今は澪ちゃんみたいな髪型だしね」 唯「生命力だけなら私よりあるよ~。そのうちあずにゃんもここにくるかもね~」 唯「うっかりしてたよ」エヘヘー 和「唯、あんたって子は……」 澪「唯は神様になってもかわらないな」 純「梓がきたら100円返してもらおう」 ムギ「変わらないものもあるわよねー」 FIN 256:以下、名無しにかわりまして梓がお送りします ◆X5XE8QMuSo :2010/07/25(日) 23 50 07.48 ID DJRVxpAw0 あとがき あずにゃんは俺の嫁 お前らには一年のモブ二人(生徒AB)をやろう 267:以下、名無しにかわりまして梓がお送りします ◆X5XE8QMuSo :2010/07/25(日) 23 55 31.61 ID DJRVxpAw0 質問受け付けます わかりにくいようなのでまとめ 飛行機事故で唯と梓以外みんな死ぬ、律と憂は意識不明 憂と律は死人と一緒に狭間に。唯は死者として割り込む ぎりぎり二人は助かる 5年後唯たちはアルバムデビュー あずにゃんはゴキブリではなく神様になりかけているだけ←重要 276:以下、名無しにかわりまして梓がお送りします ◆X5XE8QMuSo :2010/07/26(月) 00 06 27.53 ID QRY+2yw60 ちなみに原案は核戦争の中あずにゃん以外が次々と死んでいって 最後は最高神になった唯を殺して地球上であずにゃんしか生き残らないって言う鬱SSだった それを新人賞への応募用の小説の設定と混ぜたら前半と後半で違う作風になってしまった だれもきいてないか…… 279:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/26(月) 00 09 09.23 ID 1BhGfemc0 276 正直、どこを混ぜてあるのかわからない 283:以下、名無しにかわりまして梓がお送りします ◆X5XE8QMuSo :2010/07/26(月) 00 20 26.77 ID QRY+2yw60 279 PtipeSS 神様の唯VS超耐久力のあずにゃん 小説 少年はいつの間にか死者の世界に迷い込んでた 幽霊だと思ってた少女が実は霊媒師で助けてもらう VIP 悪ふざけ大好き 俺 あずにゃんLIVE 結果 唯「最後の一週間」 できるかぎり鬱展開は避けようとおもってね ちなみに旅客機が落ちたのは唯を恐れた他の神々のせい 277:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/26(月) 00 08 17.43 ID +TAvcOrxO どう混ぜたらそうなるんだよw 286:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/07/26(月) 00 25 49.40 ID 1McfG2Ov0 ちなみに旅客機が落ちたのは唯を恐れた他の神々のせい ギリシャ神話みたいなずいぶんと俗物的な神さんだなおい。 289:以下、名無しにかわりまして梓がお送りします ◆X5XE8QMuSo :2010/07/26(月) 00 32 28.62 ID QRY+2yw60 286 それは原案のSSの設定が生きている数少ないところです 原案では憂が殺されて怒った唯が神々を粛清して最高神に君臨する 北欧神話が原案のモデルだった 糞つまらない廚二SSになるところでした 戻る
https://w.atwiki.jp/kurokage136/pages/607.html
この男、たくっちスノー。 ある事情あり、あらゆる世界を一人旅しているのだが、常に金欠問題に悩まされている。 その為、一日バイトで生計を立てているのだ。 そもそも、稼いでるジーカは食費の他にどのように使われているのか………それは禁句である。 たくっちスノー「おっ、ちゃんとバックワークがアップグレードされてる、兄貴やるじゃん」 たくっちスノー「さてさて、お次は……」 『ゴッドシップ』 仕事内容:カジノの雑用 報酬 四千万ジーカ たくっちスノー「一日カジノの雑用するだけで四千万か、下手なギャンブルより狂ってるな」 たくっちスノー「ま、いいか!稼ぐぞ稼ぐぞー!」 たくっちスノーは意気揚々とバイト先に向かって……… ………… 〜ゴッドシップ〜 たくっちスノー(って豪華客船の中にあるのかよっ!!!) たくっちスノー(ここに入るまでで既に20万ジーカの消費!!) たくっちスノー「このバイト……何としても完遂させて、金を貰わなきゃ割に合わない!」 「おい、ワイン持ってこい!」 たくっちスノー「あっ、待ってろ!」 豪華客船『レーン・シュバリエ 』 その中の地下にある巨大カジノ、それがゴッドシップだ。 雑用係ことたくっちスノーはここでギャンブラーに酒を運んだり、清掃したり、終わったあとの後片付けをすることが多い。 たくっちスノー(カジノ、一日バイト……間違いなく絶対何か起こる、起こるはずなのに………なんだ?この、何かモヤモヤする) たくっちスノー「まぁ何も起きず金貰えるならそれはそれでアリなんだけどね」 「おい!」 たくっちスノー「あーワインね!ただいまいきまーす」 たくっちスノーは呼ばれた方に行き、相手の方にワインを用意する。 ちょうど対戦相手はルーレットの勝負中だった。 ワインを注ぐ時、相手からたくっちスノーにハンドサインが送られる。 たくっちスノー(下からテーブルに膝を立てろ?) 別にどうしたこともないと思い、たくっちスノーが言われた通りに膝をテーブルに立てると、ルーレットの上で転がっていたボールが微妙に傾き、赤に止まりそうだったのが黒に止まった。 「黒!黒の61!ジャスト!」 たくっちスノー「…………」 ……… そして次に呼ばれたところでは、ブラックジャックを行っているところでシャッフルを頼まれて……… (3枚目を一番下に置いてこれを入れろ) たくっちスノー(はいはい) サインの通りにトランプを操作し、見えないようにカードを受け取ってシャッフルしていた物の中に仕込む。 「AとJ!開幕ブラック・ジャックだ!」 ……… たくっちスノー(なるほど………このカジノの雑用ってのは表向きの仕事) たくっちスノー(実際はあんな風にギャンブラーのイカサマの手を貸せってわけね………) 「おい、新入り!」 たくっちスノー「うーい」 ……… 次にたくっちスノーは工具を持たされて、スロットとパチンコの設定を変えるように言われた。 メモを確認しながら指定された通りに操作を変える、設定を変えることによりその筐体の当たりやすさが大きく変化するのだ。 たくっちスノー「設定A、設定A……これ全部作り替えるのか、めんどくっせー………」 たくっちスノーが弄っていると、1つの筐体だけ設定Cに変化するように書いてあった。 その設定Cというのは、恐らく1番当たりやすい状態だろう。 たくっちスノー(なるほど……そうやってイカサマをこっちからもね……) ……… たくっちスノー「なんかなー……仕事とはいえイカサマに手を貸すのはなんか気が引けるな」 たくっちスノー「つってもここは船の中、いつものようにバックれて逃げることも不可能だ」 たくっちスノー「それに、俺には時間がないんだよな……」 たくっちスノー「よし!だったら俺にも考えがある!!」 ……… たくっちスノーはその後、またルーレットをやっている相手の所にワインを入れ、また膝を立てるようにサインが送られる。 たくっちスノー(さっき見た感じだと、1箇所だけ机の足が微妙に低い……俺が膝を立てることで傾きが直り、その結果ボールが微妙に動くわけか) たくっちスノー(だったらこれでどうだ) たくっちスノーの体は100%特殊な『成分』の液体で構成されている。 自身が念じればどんな風にも変異させることが出来る、例えば……そう、強力な磁力を生み出すような物体にも。 たくっちスノー「おっと失礼」 たくっちスノーが机の下に指を立てると、ルーレットで回る鉄の玉は急速に静止してガッチリと止まる。 赤と黒の間で。 たくっちスノー「あっ、なんかこの台調子がおかしいみたいなんで別の所でやってくれない?」 そう言って相手を離し、浮いている部分に粘土化させた成分を貼り付けて、傾きを直した。 たくっちスノー(これでもうこのイカサマは出来ないな………) 次にたくっちスノーは、ポーカーやブラックジャックなどで使われているトランプを全部すり替えた。 たくっちスノー(やっぱりな……聞いたことがある、トランプの何処かにシミを付けたり曲げたりすることで、それがどのカードなのか判別出来るようにするって) たくっちスノー(あのトランプは何も出来ないよう仕組んである……それだけで充分だ) …… 数時間後、たくっちスノーのシフト交代の時間が来た。 たくっちスノー「ふぅ、やっと終わったぜ」 たくっちスノー「後は適当に陸地についたらそのままオサラバ……あ、でもまだあのイカサマ問題があるのか」 たくっちスノー「うーん、まぁセコイのはある程度手を付けておいたからいいが………」 たくっちスノー「………ここからどうしよう?」 たくっちスノー「飯にしたいところだが、この船の海鮮レストランすげー高いから手を出したくないんたまよな」 たくっちスノー「4000万の給料は有難いが、旅のことを考えるとまだまだ節約したいからな」 たくっちスノー(…………ギンギラ兄貴から貰った分も含め、そろそろ億万長者みたいな額になってきた、一日バイトだけでここまでいくとはな………) たくっちスノー「そろそろ………1つの世界に何日か滞在しても問題ないぐらいの額になったかな。」 たくっちスノー「足りなくなったらその世界でアルバイトするか………また一日バイトしながらぶらりぶらりすればいいだけだもんな」 たくっちスノー「…………さーーてと!次はどの世界に行って、どんなやつに会いに行こう」 たくっちスノー「もっともっと沢山のやつに会って、沢山の事件が相手でも乗り越えて………」 『いつしか、俺たちは結末を迎えるんだ!』 【CAST】 たくっちスノー たくっちスノー 現在財産 1000000000ジーカ 最低でも3年は暮らせる額である。 【たくっちスノーはお金が無い!】END
https://w.atwiki.jp/kdpfrontier/pages/336.html
よもやまくらぶとさいごのばんにんした【登録タグ よ マエノヒロタカ 小説 晴海まどか 本】 よもやまクラブと最後の番人(下) よもクラシリーズ 著者:晴海まどか イラスト:マエノヒロタカ 本紹介 サンプル 動画 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kdpfrontier/pages/322.html
よもやまくらぶとさいごのばんにんうえ【登録タグ よ マエノヒロタカ 小説 晴海まどか 本】 よもやまクラブと最後の番人(上) よもクラシリーズ 著者:晴海まどか イラスト:マエノヒロタカ 本紹介 サンプル 動画 コメント 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/kinokazu/pages/4.html
レイトン教授と最後の時間旅行の攻略情報! 掲示板や発売前情報も! http //layton3.game-navi.com/
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3322.html
前ページ次ページ虚無と最後の希望 level-1 「悪魔」 「何か言うことは」 言ったのは全身を特殊複合装甲で包まれた強化服を着た人物。 緑を基調とし、各関節保護は黒、そしてヘルメットの前面。 顔の部分には金色と橙色を混ぜ合わせた色合いの、鏡面体のヘルメット。 そこに映り込んでいたのは怯え、座り込んでいた一人の少年貴族。 「ま、まいった……」 突きつけられた銃口を前に、二つ名『青銅』のギーシュ・ド・グラモンは薔薇型の杖を離す。 途端、軽い金属音が鳴り響き青銅のゴーレム『ワルキューレ』が崩れ落ちた。 それを確認してから銃口を下げる人物……、知らぬ者が見れば人型のゴーレムにでも見えただろう。 「その勇気は買うが、無謀はいただけない」 ギーシュ・ド・グラモンを見ながらアサルトライフルを背中に担ぎなおす 、周りの人垣は音が消えたように静まっていた。 それもそのはず、予想を反して襲い掛かったワルキューレが激しい音とともに一撃で下されたのだ。 一体目は銃のグリップで顎を叩き殴られ、頭部が学院の屋根を越えて消えた。 二体目は左拳のボディブローで殴りつけられ、バラバラになりながら地面に転がった。 三体目は速度の乗った右足で胸を蹴られ、周囲のギャラリーを越えて学院の壁に激突した。 5体居たワルキューレ、彼とギーシュの直線状にいたのは3体。 その3体のワルキューレがものの数秒で消え、気が付いた時にはギーシュの目前へと迫り、一瞬のうちに勝敗が決まった。 ギーシュには考えが足りなかった、「ゼロのルイズ」の使い魔如きに負ける筈が無いと高を括ったのだろう。 慢心、それが無様な負けを演出した最大の要因。 考えが足りない、心構えがなっていない、そして彼と対峙するには実力が足りない。 そう、ギーシュが相手にするのは格上の実力者。 もしギーシュが彼を確実に倒そうとするならば、今の100倍の数は必要だろう。 この男を相手にするには、それなりの死線をいくつも超えなければならなかった。 「チーフ!」 歴然たる勝利を手にした人物は『チーフ』と呼ばれ、振り返ると彼の主たるピンクブロンドの小柄な少女。 『ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール』が駆け寄ってくる。 「えっと……」 駆け寄ったは良いが掛ける言葉が見つからない。 正直負けると思っていた、全身鎧を着けているけどギーシュのゴーレムの攻撃を防げるとは思っていなかった。 いや、下手すれば殺されるとも思っていた。 だが現実は逆、一瞬でワルキューレを叩き潰し、ギーシュを降参させた。 周りのギャラリーも同様の考えだったのだろう、次第に水を打つ静けさが消え、歓声が沸き起こる。 「ゼロのルイズが召還した使い魔が勝った!」 「嘘だろ、平民がメイジに勝った!」 「ギーシュが負けたぞ!」 当の本人、マスターチーフは歓声が耳に入ってない。 それを見て、なにかおかしいと気が付いたルイズは声を掛けた。 「どうしたの……?」 チーフは左手を握っては開き、開いては握るを繰り返していた。 「いや、なんでもない」 「ど、どこか怪我したの!?」 「大丈夫だ」 慌てるルイズをよそに、質素な返事を返した。 このような決闘と相成った事の顛末はギーシュが落とした香水。 学園専属のメイドであるシエスタがそれを拾い、ギーシュに届けるがそれが原因で二股がばれて二人に振られてしまった。 シエスタが必死に謝るが、ギーシュは怒り心頭で聞く耳を持たなかった。 あまつさえ手を上げようとしたのを止めたら、矛先がチーフに向き決闘と相成った。 彼の威容を見て一瞬怯えたギーシュではあったが、ルイズが召喚した使い魔だと知った瞬間大いに開き直っていた。 公然と恥をかかせられると意気揚々決闘場となったヴェストリの広場に来てみればこの有様だった。 無論、負けたギーシュは色んな意味で冷たかった。 「勝ちましたね」 「勝ってしまったのう」 『遠見の鏡』で決闘の一部始終見ていた三人。 学院長のオールド・オスマンと学院教師のコルベール、そしてオールド・オスマンの秘書ミス・ロングビル。 「ドットとは言えメイジを退けるほどじゃ、素直にミス・ヴァリエールの使い魔になって貰えるか頼んでみようかの」 「……どうでしょうか、彼は帰る方法を探しているようでしたし」 「ふむ、何れにせよ直接話をしてみるしかなさそうじゃ。 ミス・ロングビル、ちょっと用事を頼まれてくれんかの」 「彼をお連れすればよいのですね?」 「そ……うっ!」 ニッコリと笑うロングビルの足元にはネズミ、今にも踏み潰されそうだった。 「は、話が早くて助かる」 ネズミに乗せていた足を降ろし、ロングビルは一礼して引き下がった。 「ふう、踏み潰されるかと思ったわい」 オスマンの膝元に上ってきたネズミを撫でる。 それを訝しげな視線で見るコルベール。 「これに懲りて、大人しくした方が良いと思いますが」 「老人の楽しみを奪わないでくれい……」 使い魔たるネズミ「モートソグニル」を撫でながら、オスマンは窓の外を見て呟いていた。 ルイズが先頭を切って歩く、その後ろにはチーフ。 ギーシュとの決闘後、学院長であるオールド・オスマンからの呼び出しを受け、いつも以上に堂々と歩くルイズは内心焦っていた。 (ど、どうしよう、使い魔と契約出来ていないから……、たたた退学とか!?) ルイズは召還されたチーフと契約を行ったが、使い魔の証たるルーンがどこにも見あたら無かった。 当然契約失敗と思われ、一時保留と言う事になっている。 (どどどどどうしよう!) 心拍数上昇、学院長室に近づくにつれヒートアップしていく。 心なしか呼吸も荒く、手が震えている。 考える事は父や母、二人の姉。 家族皆が優秀で、自分だけが魔法をまともに使えない劣等メイジ。 今までは魔法の実技以外で常に上位に食い込み続け退学を免れていたが、今回は苦手と言うか全く使えない魔法での試験。 百に届くサモン・サーヴァントの果てに召喚した使い魔とは契約が出来ていない状態、文句無しに退学させられる状態。 ルイズは退学と言う二文字が頭の中を回り続けていた。 「ストップだ」 「ど、どうしたのよ」 チーフはルイズを呼び止め、見つめる。 ヘルメット内、ヘッドアップディスプレイにはルイズの身体情報が表示されていた。 激しく動いても居ないのに過度の呼吸、体温上昇、多量の発汗など明らかな異常。 「落ち着け」 「おおおおちついてるわよ!」 呼吸を荒げ、反論するルイズ。 目に見えて顔色が悪い、緊張による重度の過呼吸と判断した。 そう、初めて戦場に出る新兵も同様の症状をよく引き起こしている為に見間違う事など無い。 「は、はやくいくわよ!!」 ルイズの体が揺れている、意識もぼやけているだろう。 「行く必要は無い」 振り返ったルイズを後ろから抱き上げる、所謂お姫様だっこ。 周囲に対処法できる袋が無いため、医療室へ連れて行くのを選んだ。 「ちちちちょっと!?」 「学院長室より先に医療室だ」 「そういうわけには行かないでしょ!」 じたばたと暴れ始めるルイズ、腕力は常人の軽く数倍を誇るチーフ。 ルイズがいくら暴れても動かないで居るのと同義だった。 「……分かった、一人で歩けるなら学院長室に行こう」 ふん、そんなこと簡単よと言いたげに下りるが途端にふらつき倒れそうになる。 「うっ」 それを支え、チーフは言った 「医療室だ」 ルイズは反論できない。 なすすべなく同じように抱き上げられ、医療室へ直行した。 前ページ次ページ虚無と最後の希望
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3450.html
前ページ次ページ虚無と最後の希望 level-6 「価値」 気を失っている女性の襟首を掴む左腕。 振り上げた右腕が、右の手のひらが振り下ろされる。 パァンと乾いた音が響く、叩かれた頬は赤く染まっていた。 「っ…」 苦しそうな声、だが気にせずもう一度頬を叩く。 「……、痛ったいわね……」 さらに振り下ろされた手のひらを左手で受ける。 「あら、起きたのね」 フーケの頬を叩いていたのはキュルケ。 「それならもう一発!」 左手でフーケの、ミス・ロングビルの右頬を叩く。 掴んでいた襟を放し、叩かれたその反動で倒れた。 「このガキッ!」 怒りが込みあがり、起き上がろうとした時。 「あら? 私、怒ってますのよ?」 素早く抜き出した杖をフーケの額に当てる。 ニッコリと笑うが、目は少しも笑っていない。 「今この場で、消し炭にしてあげてもよろしくてよ? それでも構わないと言うのでしたら、どうぞ杖をお取りくださいな」 「………」 冗談ではない、『それ以上何か言えば、即殺してあげる』とキュルケの目が語っていた。 「それで、何か聞きたいことがあったんでしょ? ルイズ」 「え、ええ」 幾度と無くキュルケと喧嘩してきたルイズだが、本気で怒っている姿を見て驚いていた。 「えっと、ミス・ロングビル、どうしてあんな事を?」 は? とフーケとキュルケが同時に言った。 何を言っているんだこいつは、と言った表情。 「ルイズ、本気で言ってるの?」 「あああたり前じゃない!」 「何のためって、宝物庫からお宝を盗むために決まってんじゃないさ」 いつもとは違う、学院長秘書『ミス・ロングビル』の喋り方ではない。 猫を被るミス・ロングビルではなく、土くれのフーケの地であった。 「それ以外に何の用があって宝物庫に行くのさ」 自嘲気味にそう言うフーケ、だがルイズはそれだけには見えなかった。 「本当に……、それだけ?」 前かがみのルイズ、その瞳はフーケを映す。 この眼、あの子と同じ目をしているじゃないか。 そう、心の中まで覗いてくるような……。 「そ、そうだよ! お宝盗んで売り払えば金が手に入るじゃないかい」 たったそれだけの言葉に、ルイズは引っかかった。 「『お金』が欲しい、ね」 「ああ、金があれば何でも出来るだろ?」 「まあ、そうよね」 同意したキュルケの故郷はゲルマニア、金があれば貴族にでも成れるという他の三国とは違う特異な国。 『地獄の沙汰も金次第』といっても納得できるほどの『お金』を重視した大国。 「それなら、私が給金を出すから雇われない?」 さらに、は? とフーケとキュルケとタバサも加わった。 「ルイズ、精神力の使いすぎで頭がおかしくなったの?」 「ち、違うわよ! 第一あんなのじゃ全然疲れないわよ!」 え? とキュルケは驚く。 あれだけの大爆発を起こしながらまったく疲れていない? 「あんた、どういう精神力してるのよ」 あれほどの爆発、スクウェアクラスでも起こせるかどうかわからない。 とりあえず、キュルケには全精神力を搾り出しても無理だった。 「普通よ、普通! 全然違うみたいな言い方やめてよね!」 どう考えても違うと、キュルケとタバサは思った。 「ちょっと待ちな、私のゴーレム破壊したのは……」 「私よ!」 胸を張るが胸が無い、口に出せば地獄を見るだろう。 「……は、ははは、ははははは!」 途端に笑い出すフーケ、すでにタバサがサイレントを掛けているので周りには聞こえない。 「ははははは! まいったね! 『ゼロのルイズ』が私のゴーレムを破壊するなんて!」 「ちょっと! 私はゼロじゃないわよ!」 ガア! と噛み付くように反論する。 「それで、どういうつもりだい? このまま城の衛士にでも引き渡せばそれで終わりじゃないのさ」 「それもそうね、でも何か引っかかっちゃって気持ち悪いのよ」 「私が、って事かい?」 「いえ、そうじゃないわ」 何か引っかかる、気持ちが悪い、それはフーケ自身の事ではなく。 ルイズ自身の気持ち、踏み潰そうと迫ってきた時見えたフーケの顔。 酷く辛そうな、今にも泣き出しそうな顔に見えていた。 もっとも、自分の魔法でゴーレムを吹っ飛ばしたときの高揚でルイズはすっぱり忘れているが。 「ともかく! 貴女には二つの選択肢しかないわ!」 「私の提案を断って牢獄へ行くか、私に雇われて泥棒をやめるか、さあどっち?」 「………」 フーケは考えた、まともに働いた金で、『彼女達』を養うか。 いつ手が回るとも知れない悪事で得た金で、『彼女達』を養うか。 稼げる金で言えば、明らかに後者だがそれゆえに危険。 「……、いくらだい?」 「うーん、そうねぇ……」 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール。 知らぬものは居ないほどのトリステイン有数の大貴族、そこの子女ともなれば小遣いでも相当なものになるだろう。 「うーん……、ミス・ロングビルの希望額はあるの?」 「最低でも年1500エキューは必要だね」 これだけあれば、とりあえず食うには困らないだろう。 「1500エキュー!? か、かなり……」 ルイズは指を折り始めた、ひいふうみい……をトリステイン風にして。 しかし、流石と言うべきか。 驚きながらも出せない金額ではない、と言っている様なものだった。 ちなみに、平民は年間で約120エキュー、下級貴族は約500エキューほど使用する。 「どうだい? それ位出せりゃあ、雇われてもいいがね」 もっとも、フーケの選択肢は一つしかない。 『ルイズに雇われること』、断って監獄行きになればそれこそ終わりだ。 そう言う訳でどうせなら、そこそこの値段を吹っかけてみたが。 「わかったわ、年1500エキューね」 「おでれーた、娘っ子は余裕があるな~」 その返答にデルフリンガーが反応した。 「あるわけ無いでしょ! いろいろと……」 何かぶつぶつと呟くルイズ。 「あはははは! ほんと、面白いガキだね」 「ガキって言うんじゃないわよ!」 「逃げるなんて考えないのかい?」 「その点は安心よ、チーフに追いかけさせるから」 と顎でチーフをさす。 「こいつ、走り回るだけで何もしてなかったじゃないさ」 「あのね、チーフは手加減してたのよ? 本気だったら貴女もう死んでるわよ」 「へぇ、どう──」 そう言おうとした瞬間、カチリとフーケの額にはハンドガンの銃口が突付けられていた。 あまりの速さにその場に居た誰もが気が付かなかった。 チーフがハンドガンを突きつけてから約1秒。 「チチチチチーフ!?」 何をしているのか理解したルイズ、チーフはそれを気にせず己に起こった状態を考える。 ただ、ハンドガンに手を掛け、銃口をフーケに向けただけだ。 だが、その速度が異常、以前ならば考えられない速度。 ルイズと契約する前からこの状態になる事が度々あった。 武器と認識できるものならば、その手に持つだけで反応する。 契約してからは身体機能と、それに付随するかのようにアーマーの機能上昇が顕著に現れた。 有効稼働率は100%を超え、本来なら絶対に在り得ない状態。 100%を超えて動けば、自身とアーマーに損傷が発生するはずだ。 それなのに200%を超えていたフーケ戦でも、全くの異常なし。 異常が無いことが異常だった。 「やっぱ相棒はすげぇな、本気なら永遠に動かなくなってたところだな」 うんうんと頷く? デルフ、それを聞いたフーケの顔から血の気が引く。 ルイズやキュルケも同様、そしてタバサはその速度に驚愕した。 恐らく対峙して、杖に手を掛けようとしたときには死んでいるだろう。 いや、すでに持っていても呪文を唱え始めた時には死んでいるかもしれない。 この使い魔を敵にしたらどれほど恐ろしいのか。 タバサは知らない、チーフがコヴナントになんて呼ばれていたかを。 「わわわわわかったでしょ!?」 銃をしまうチーフを見て、あまりの出来事にルイズの声が裏返る。 「これは失礼を」 逃げられない事を悟ったのか引きつった顔を抑え、口調が丁寧になりミス・ロングビルその者に成った。 「これでよろしいですか?」 「え、ええ、それで良いわ! それと、給金渡すんだから泥棒なんてもうしちゃ駄目だからね!」 「わかっております、ルイズ御嬢様」 ニッコリと、淑女の仮面を被った、いや『狡賢い大人の女』が居た。 今巷で話題の土くれのフーケ、事もあろうに魔法学院のひよっ子共に負けて捕まった。 そのうちの一人が給金を出すからと言われ雇われた。 さて、仕事は? 「何させればいいのかしら……」 この始末だった。 「それは後でいいだろ、ついてきな」 ぞろぞろと5人で上るのは階段、その終着点は学院長室。 着替えたロングビルがノックすると、中から「入ってよいぞ」と聞こえてきた。 「オールド・オスマン、お話が」 騒ぎが起き、コルベールに叩き起こされたオスマン。 眠そうな眼が5人を見ていた。 「どうしたのじゃ?」 「はい、彼らが土くれのフーケを撃退したと報告に」 「なんじゃと!?」 オスマンとコルベールが驚いた。 「話によると、相当な怪我を負わせたとの事です」 「ええ、襲ってきたので私が火達磨にして、タバサが氷漬けに、とどめにルイズが爆発させましたわ」 ぶるっとオスマンが震えた、その惨状を想像するだけでちびりそうになった。 「ですが、逃げられたようです」 「秘薬を用いた水メイジの治療でもすぐには治らないでしょうね」 打ち合わせもしていないのに不都合無く進んでいく話。 ルイズとタバサとチーフは女の黒い部分を見た。 「そ、それはすごい。 ミス・ロングビルはその光景を見ていたのかね?」 「はい、かなりの悲鳴を上げてました。 もしかしたら……」 「死んでいるかも、と言う事かね?」 「その可能性が高いかと」 うーむ、と唸るオスマン。 ロングビルを見て、一言。 「それは素晴らしいの! この事が事実なら君達にはそれなりの褒美を与えなければならんな」 褒美と聞いてキュルケの目が輝いた。 「そうじゃのぉ、宮廷に『シュヴァリエ』称号の授与を申請しておくかの」 「「シュ、シュヴァリエ!?」」 ルイズとキュルケの声が重なる。 シュヴァリエとは国に対して大功を収めた者に送られる貴族称号。 家柄など内因的な要素を度外して、外因的、実力実績のみに評価され叙せられる。 つまり、実力ある者しか戴けない名誉称号である。 「うむ、スクウェアクラスのメイジをもすり抜けて貴族の財宝を荒らしまわる盗賊を懲らしめたのじゃ、当たり前じゃろう?」 オスマンは遠回りにスクウェアクラスメイジ以上の功績と言っている様なものだった。 「おお、ミス・タバサはすでにシュヴァリエ称号を所持しておるから、精霊勲章かの」 「そうなの!?」 小さく頷くタバサ、通りでと言った感じ。 「そうとなれば早速書簡を書かなきゃならんので解散じゃ!」 机の引き出しから紙を取り出し、立ててあった羽ペンでさらさらと書き始める。 「おっと、忘れとった」 「ちーふ殿、少しばかり話があるのだが良いかね?」 その言葉を聴いて振り返ったのは3人。 ルイズとタバサと、チーフ。 キュルケは浮かれ構わず、さっさと出て行った。 「ほれほれ、ちーふ殿に話があると言ったじゃろう」 「いえ、関係あります! チーフは私の使い魔ですから!」 「ほ? 契約したのかね?」 「はい」 オスマンは嬉しそうにうなずいた。 「それは良かった、ミス・ヴァリエールの進級一時保留は取り消しとし、正式な進級とする」 「ありがとうございます!」 「ならば、わしも約束を守らねばならんな」 それを聞いて顔をしかめたルイズ、タバサも少しだけ表情を変える。 約束、チーフを元の世界に返す方法。 「世界でも初のことじゃから、それなりに時間が掛かるとは思うがの」 「ああ、チーフ君、君のルーンを見せてもらっても良いかな?」 コルベールが、必要なものと言って要求してくる。 「私覚えてます」 「それは良かった、この紙に書いてくれるかね」 さらさらと、書き写す。 「この形だったと思います」 「ふむ」 それを見たコルベール。 「オールド・オスマン、見たことはありませんか?」 「む? ……、これは見たこと無いの」 「私もです、調べておきます」 「そうしてくれい。 それでは、解散じゃ」 オスマンは手をひらひらと動かし、これで用件は終わりと言った。 それを聞いた3人は、学院長室を後にした。 「ふぅ、本当に良い子じゃのぉ」 「何か?」 「いや、なんでもないぞ」 つぶやき、髭を触るオスマンはどこか嬉しそうだった。 翌日、噂は広がりきっていた。 フーケが学院に現れたこと、フーケが宝物庫を狙っていたこと、フーケが学院生徒により撃退されたということ。 そのことはオールド・オスマンも認め、より一層噂を盛り上げた。 誰が撃退したのか、賭けが行われるほどの盛り上がりようだった。 「何か凄いことになってるわね」 「いいじゃない別に、噂がどうあれ私達が捕まえたんだから」 『アルヴィース食堂』で昼食をとる3人、チーフは食べずにルイズの斜め後ろに立っている。 「それにしてもよ、何で雇おうと思ったわけ?」 「雇おうと思ってたわけじゃないわ、結果がそうなっただけよ」 「それに、私が雇うだけで土くれのフーケが泥棒しなくなるんですもの、良いに決まってるでしょ」 テーブルに置かれた、口に運びながら答える。 「まあ、それはそうだけど。 お財布の中厳しいんじゃないの?」 「うっ」 実はルイズ、借金をしていた。 チーフの治療に使った秘薬の代金がかなり掛かっていたためである。 そこへフーケへの給金、もうギリギリである。 「まあ、何とかなるわよ」 「何とかならないとまずいでしょう?」 「すまない」 と、それを聞いたチーフが謝る。 「かか勘違いしないでよね! 私のせいだからチーフはあああ謝らなくて良いのよっ!?」 突然の謝罪に動揺したルイズだった。 「少しくらい貸してあげましょうか?」 「ふん! ツェルプストーから借りるくらいなら死んでやるわよ!」 「あらあら、そんな邪険にしなくてもいいでしょう?」 にこにこと笑うキュルケ。 その顔を見てルイズが顔をしかめる。 「な、何よ気持ち悪い」 「いえ、なんでもないわ」 キュルケは昨日の出来事を思い出して喜んでいた。 あの巨大なゴーレムを一撃で破壊するほどの、失敗とはいえ強力な魔法を放ったルイズ。 今まで魔法において下に見ていたルイズが、『威力』と『精神力』と言うカテゴリーでキュルケを容易く抜いたのが嬉しかった。 ヴァリエール家とツェルプストー家は国境を挟んでお隣同士、変な意地や話で比べられることが良くあった。 まあ、ルイズは魔法を使えないので比べる意味すらなかったわけだが。 ここに来て急転、実はタフな精神力、実は強力な破壊力を持っていた訳が知れたのだ。 もしルイズがちゃんとした魔法を使えるようになったら? そう考えると寒気と暑気が同時に上ってくる。 やっとルイズと競い合いが出来ると考え、嬉しくなっていたのであった。 「はあ、頑張らないとね」 「ほんと、気持ち悪いわね……」 二人がぶつぶつ言い合っているのを横目に、タバサは後回しにされていた約束を果たして貰おうと動いた。 立ち上がり、向き直り杖でチーフを軽く突付く。 「約束」 「授業は良いのか」 「問題ない」 そう言って二人は歩き出した。 「ちょっとルイズ」 「ああ!? 何よ!」 いつの間にか口喧嘩を始めていた二人。 キュルケはマシンガンの如く暴言を吐きまくるルイズと止めて、二人の後姿を指した。 「タバサがダーリンを連れてっちゃったわよ?」 それを聞いた瞬間、ルイズはテーブルを叩きながら立ち上がり駆け出した。 「ちょっと待ちなさいよ!」 あわててそれについていくキュルケであった。 「入って」 連れて来られたのはタバサの部屋。 中で話を聞きたいらしいが。 「ちょぉぉっと待ちなさい!」 廊下の端の方から走ってくる、ピンクブロンドの少女から待ったが掛かった。 「チーフを部屋に連れ込んで何する気!?」 肩で息をしながらルイズが聞いた。 「約束」 「約束!?」 コクリとうなずくタバサ。 「約束って何よ!?」 「戦闘技術の提供だ」 「せんとうぎじゅつ?」 「ああ、教えると約束した」 ああ、そうだったわねと思い出したルイズ。 「それなら私も参加するわ!」 といきり立つが、ついていけるとは思っていなかった。 ルイズは魔法関係の知識は学院随一を誇るだろうが、軍事方面の知識は薄いと思われた。 戦術から戦略、隊形や近接戦闘、話を聞いても理解するのに苦労するだろう。 「構わないが、難しいぞ」 「大丈夫よ! そのくらい簡単よ!」 と自信満々で答えたルイズ。 「はぁはぁ、私も、いいかしら?」 「ああ」 息切れを起こしているキュルケも参加を申し出た。 「入って」 再度催促。 ルイズ、キュルケ、チーフ、タバサの順で部屋に入った。 扉を閉めると同時にカチリと鍵が閉まる。 「───」 魔法が発動して、鍵に強力なロックが掛かった。 「───」 さらに別の魔法、サイレントを掛けた。 「タ、タバサ?」 これでほぼ密室、もしこの部屋で殺人が起きても誰も気が付かないだろう 「邪魔されたくない」 それはいいのだが、やりすぎではないだろうかとルイズとキュルケは思った。 タバサはベッドまで歩み寄って座る、そしてチーフを見ていた。 ルイズ、キュルケもそれに続いて座りチーフを見る。 「始めて」 チーフは3人の前に立ち、自分が受けてきた訓練内容を話し始める。 一日中、数百リーグを重さ百数十キロの装備を背負って踏破。 一日中、あらゆる武器と兵器の知識を座学で習う。 一日中、射撃と格闘訓練、格闘訓練のほうは死者が出るほどの激しいものとなる。 それを年単位で行うと言う、常人なら容易く脱落する訓練を耐え抜いた者達が正式なスパルタンとなる。 チーフも同様、訓練を耐え抜いた一人である。 本当は非人道的な肉体的改造を施され、それによりスパルタン候補が死亡したり、永久的な肉体の機能不全を患った者が居り。 半分以下にまで減ったと言う事実があるのだが、別段話す事ではない。 それを意図して話さず、ただ受けた訓練や座学を行ったと話す。 「す、凄すぎるわね……」 「女性が出来る物じゃないわね……」 聞きながら黙々と書き綴るタバサ。 「女性も何人かこなして、スパルタンになっている」 「う、うそでしょ?」 「本当だ」 事実、女性のスパルタンも存在したが。 男女問わず生存しているスパルタンはチーフのみ。 マスターチーフが最後の一人だと言われている。 「次は訓練内容だ」 と、それを聞いてルイズとキュルケがごくりと喉を鳴らす。 「各々にあった訓練内容を提示するが、二人は受ける気は?」 「内容によるわね」 「同じく」 一目でわかる、二人は体を全く鍛えていない。 メイジは言葉を綴り、魔法を発生させて攻撃するだけなので当たり前か。 「悪いことは言わない、やめておくべきだ」 「うん、そうする」 「ダーリンが言うならしょうがないわね」 あっさりと言った、ルイズはタバサと二人きりにさせないため、キュルケは単純に興味があっただけ。 訓練をまともに受けようなんて思っていなかった。 「だから、人の使い魔をダーリンなんて呼ぶんじゃないわよ!」 と、いつもの口喧嘩が始まるの中、チーフはタバサに施す訓練内容を話す。 教えて欲しいと言ったのは近接格闘技術、タバサは提示した技術の中でポピュラーな『剣』を選んだ。 素晴らしい魔法の才能を持つタバサは、近接戦闘の才能まであるかはわからない。 だが約束したからには、全てを教えるつもりだ。 全ての技術を吸収したタバサは、稀に見る『魔法剣士』になるであろう。 そして思う。 「……、益々ファンタジーだな」 と。 具体的な話が終わり、いよいよ実践……。 と言うわけには行かなかった。 キュルケが突然声をあげ、とある事を言い出した。 「舞踏会! 『フリッグの舞踏会』よ!」 そう叫びながら、タバサを引っ張っていった。 ベッドにしがみついてまで抵抗したタバサだが。 一大イベントに心ときめかせるキュルケの腕力に負け、キュルケの部屋へとさらわれた。 「ああ、確かそんなのあったわね……」 ベッドから降りて、自分の部屋へ戻るルイズ。 それに付いて歩くチーフの耳には「ああ、めんどうだわ」と聞こえた気がした。 「相棒、なんでそんなに緊張してるんだ?」 デルフに手を掛け、テラスから辺りを見回す。 暗闇に落ちた学院の外には囲むように幾つもの光が点っている。 「こういう時が一番危ないからだ」 「それはどういうこったい?」 学院の外には息子娘のために派遣された幾つもの部隊が駐留している。 その部隊数は100を超え、人数は5000を超える。 鉄壁と言って差し支えないが、それが油断を生む。 「杞憂であればいい」 そこへ。 「こんなところで何してんのよ」 白のパーティドレスで身を包んだルイズ。 「警戒だ」 「警戒? あんなに護衛が居るのに?」 学院の外の光を見る、多数の親馬鹿が使わした光だらけ。 「完璧と言うものはこの世には無い」 「まあ、そうだけどね」 背後からは楽士が奏でる音楽と生徒達の楽しそうな声が聞こえる。 チーフにとっては、決して聞けなかったであろう声だ。 「ねえ、チーフ」 ルイズが問いかけるがチーフは返さない、それを気にせず続けて言った。 「チーフは、帰りたい?」 これも答えない、いや、答えは最初から出ている。 だが、その答え通りにすると彼女は、ルイズはどうなるのだろうか。 見えない未来に、チーフはどうするべきか悩んだ。 「俺は──」 「こんなところで何してるの? お二人さん」 細かい装飾がされ赤いドレスを着たキュルケが邪魔するかのように現れる。 「なによキュルケ、取り巻き放って置いていいの?」 「構わないわ、それよりダーリンだし」 「だから──」 何時も通り、よくも飽きずに口喧嘩。 その光景を見てると、指で突付かれる。 料理が盛られた皿を手に、黒いパーティドレスに身を包むタバサが隣に立っていた。 「食べる?」 「いや、遠慮しておく」 「そう」 と言って皿の料理を食べ始める。 夜空には双月、遍く世界を照らす。 その風景をどう取ったのかは、チーフのみが知る。 あの時の夜空と同じ、何も変哲も無い安全な世界。 チーフが求めていた世界がここにあった。 3人はホールの中へ戻っていた。 それぞれがそれぞれの、楽しみ方をしている。 チーフはそれを見守るだけ、戦うだけのために作り上げられたチーフはそれ以外の方法を知らない。 物思いに耽るわけでもなく、彼女らに危険が及ばぬようただ警戒する。 そこに現れたのは。 「こんなところで何してるんだい?」 金色の巻き毛をした少年、ギーシュ・ド・グラモンであった。 「そちらこそ何をしている」 「いや、その……」 チーフの物言いに少しおびえ、言葉が詰まる。 「謝ろうかと、思ってね」 ハハ、と力なく笑った。 「俺より、3人に謝ってきたらどうだ」 「もう謝ったよ、モンモランシーとケティにはボロボロに言われちゃったけどね」 「そうか」 「その、すまなかった」 「ああ」 「許してくれるかい?」 「そう思ってるなら、次は誰も傷つけないようにした方が良い」 「ああ、そうするよ」 相当凹んでいたので居たんだろう。 先ほどと同じように力なく笑った。 「そうそう、今噂のフーケを撃退したのってチーフじゃないかい?」 「違う」 「あれ? てっきり……」 「ゴーレムを破壊したのはルイズだ」 「……なんだって?」 聞き間違いかと思ったのだろう。 「ルイズがゴーレムを破壊した」 「それは本当なのかい?」 「ああ」 「は、ははは、やっぱり只者じゃなかったんだね、ミス・ヴァリエールは」 「どういう事だ?」 「そのままの意味だよ、チーフのような強い使い魔を召還したんだ。 『メイジの力を知るなら使い魔を見ろ』って言葉があってね、この言葉の意味を始めて納得したよ 噂じゃ、トライアングルクラスって言われてたメイジのゴーレムをルイズが破壊しても納得さ」 「そうか」 「……謝る時二人の顔を見て思ったよ、僕は何をしてるんだろうって。 守るべき女性を傷つけてしまった、男としてどうかしてたんだね」 「君のように強くなるには、どうしたらいいんだい?」 「出来ることをすればいい、そうすれば自然と強くなる」 「難しい事言うね」 「簡単だ」 実際、チーフは自分に出来る範囲の事しかしていない。 言い換えれば、自分にしか出来ないことをやってのけただけ。 自信や危機感など、捨てている。 常に全力で、出来ることだけをやる。 その結果、彼は『人類最後の希望』とまで言われた。 「なら、僕も出来ることだけをするよ」 「僕に師事してもらえないかい?」 「何?」 「出来ることをやるんだ、今チーフが言ったとおりにね」 「厳しいぞ」 「覚悟してるさ」 夜は更けていく、ここに一人、男が生まれた。 前ページ次ページ虚無と最後の希望
https://w.atwiki.jp/kusataro/pages/449.html
アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝 クリア(・∀・) 2016/09/28 難易度は中級でエンディングを見ましたが、 ちなみにチャプター21からは盛り上がりに欠けました。 2016/09/25 チャプター20までクリア。 2016/09/24 チャプター18までクリア。 多分もう少しでエンディングだと思います。 2016/09/23 チャプター16までクリア。 2016/09/22 チャプター14までクリア。 2016/09/21 チャプター11までクリア。 2016/09/20 チャプター10までクリア。 2016/09/19 チャプター9までクリア。 2016/09/18 チャプター5までクリア。 まだドンパチは少ないですがこれからかな? 2016/09/17 PS4を購入してまず手にしたかったソフト。 ただし良くも悪くも「アンチャー」なので、 もう驚きはありませんね( ・ω・) とりあえずチャプター2までクリア。
https://w.atwiki.jp/cirring/pages/25.html
歌詞 でゃー でゃー でゃー でゃー でゃー でゃー でゃー だりゅりゅりゃりゅら でぃだでぃー でぃだでぃー でぃだでぃー でぃだでぃー でぃだでぃー でぃだでぃー でぃだでぃー でぃだでぃー でぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだ でーでーでーでー でぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだでぃだ でーでーでーでー だったったったった ぱかぱかぱか だったったったった ぱかぱかぱか だったったったった ぱかぱかぱか たーたーたたたー(ぴゅーん!) だーだー たたたたたたた だーだー たたたたたたたー たたたたたー たー だーだーだーだーだ たたたたたたたたー たー だーん だだだーだーだーだーだーん だーん だーだー たたたたたたた だーだー たたたたたたたー でゃでゃでゃでゃでゃー でゃーん でゃーでゃー だたらただらだら だーだー でゃー でゃでゃでゃでゃでゃー ちゃーん ちゃちゃちゃちゃーちゃーちゃーちゃー ちゃーちゃー ちゃー ちゃちゃちゃちゃーちゃーちゃちゃーちゃちゃー でゃーん たたた てゃってゃってゃてゃーん でゃーん だだだ でゃっでゃっでゃでゃーん てゃら たってゃーてゃっ てゃーんてゃーた てゃーん でーでーでーでーで でるるでれれれ でーでーでーでーで でるるでるれるでー てられられー れー てゃー たりらりらー たりらりらりらりらーん てってってってってってってって てーん てーん でーでーでーでーで でるるでれれれ でーでーでーでーで でるるでるれるでー てれれれ てー てれれー れーれ でゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるら でゃーでゃーでゃー でゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるら でゃーでゃーでゃー でゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるら でゃーでゃーでゃー でゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるらでゅらるら でだでーでだでー たんっ! だんったんったんたんっ! この手の曲(譜面)の作り方 0:原曲をしっかり頭に叩き込む。基本。 1:先に原曲で譜面を作っておく。完全にプレイできる形にしておく。 2:歌詞を起こす。起こさなくても可。なお、「最後の一撃」では歌詞はぶっつけで作った。 3:イヤホンとマイクをセット。録音ソフトと原曲を聞くためのソフトも起動しておく。 4:録音ソフトを起動。すぐにイヤホンに原曲を流す。「最後の一撃」の最初にマウスの音が入るのはプレーヤーをクリックしたため。 5:己のソウルの赴くままに歌う。考えるのではなく感じる。 6:録音が終わったら、その録音したファイルと先に作っておいた譜面のbgm.txtを入れ替える。 7:Starttimeをいじり、開始時間を調整する。 8:完成。
https://w.atwiki.jp/jojoson/pages/941.html
時計は動くのを止め 奇妙な和音は静かに響く 終わりを告げる様に もうそろそろ瞼閉じて 伝えられてるかどうかの答えは 貴方に託した それなら命を失う事にも… 輝くものは 未来の道標 だから僕に 後悔などないから 静かな風に半身の光 『独りでなんて逝かないで』 『どうか私と最期を』 この冬の過ぎる頃には 終わった戦いが記憶に溶ける 仲間の居ない場所で あとどれだけ頑張れるだろう 『でも貴方の望み果てへでも』 『それが希望なら』 この身の滅びるその限界まで 失う時が いつか来る事も 知っているの 貴方は悲しい程 それでも何故生きようとするの (…と、過去の自分が囁く) そんな寂しい期待で 輝くものは 未来の道標 だから僕に 後悔などないから 静かな風に半身の光 『独りでなんて逝かないで』 自分の半身 崩れて消えていく 最後を共に 名前を呼んで 身体に帰す これが最後だから 「貴方が居たから自分で在れた」 「ふたりで希望見届けよう」 そして私と最後を どうか彼らに未来を 原曲【鬼束ちひろ「私とワルツを」】 元動画URL【http //www.nicovideo.jp/watch/sm2049764】