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<終末を背負う者- Terminal Hazard -> 『―――私は迷わない』 ステータス ス キ ル プロフィール 攻撃 20 1 赤色領域 名前の読み しゅうまつをせおうもの 防御 0 2 最後の審判 性別 女性 体力 35 3 絶世の美女 衣装 キャスケット+アウター+包帯+セーラー服+ローラースケート 精神 10 胸のサイズ 控え目 反応 30 格闘スタイル ニンジャアクション FS 30 FS名 ニンジャソウル 武器 ロジカル・デザイン 着衣 10 移動パターン 特殊(後述) 必殺技 『ソウルボディ』(消費MP:5) 効 果 : 20ダメージ攻撃(ガード不可) 自身に攻撃力+20付与(戦闘中継続。重複する) 制 約 :反応-30(戦闘中継続。30未満でも技の使用は可能) 説 明 :トランスポーターを用いてエイリアス(分身)を生成する。エイリアスは自らの意志を持たず、影のように自身と同じ行動をとる スペシャルスキル 『赤色領域 -Amaranth Field-』効果1:自身が一回の攻撃で受けるダメージは最大100となる 効果2:自身に対するアイテムの効果を無効化する(「転校生除けのお守り」も効果が無い) 効果3:戦闘終了毎に、自身のMPを10、着衣Pを1回復させる ★ RMX-114の永久機関「アマランス」から生じるエネルギー場が、閾値以上のあらゆる波動を捻じ曲げる 『最後の審判 -Doomsday-』効果1:同じ地形にいる連戦希望者(自分以外)のマッチング反応値を+5する 効果2:戦闘後の怪我判定で残り体力補正を100で計算する ★ RMX-114の自己修復機能を司るナノマシンを周囲に散布。 RMX-114の体外に放たれたナノマシンは、感染者の体内で無秩序に増殖を開始する。 無秩序な増殖の結果、ナノマシンは感染者の魔人因子を攪乱し、感染者を狂行へと走らせる。 ドロップアイテム ? 行動ロジック 前ターン終了時に『賞品の少年』を所持しているPC/転校生が移動する地形へ移動し、そのPC/転校生を狙う。『賞品の少年』がNPC化していればその地形に移動して『賞品の少年』を狙う。 マッチングに使用する反応値はステータス依存ではなく、0を基準とする(ダイス目修正は加わる) PCと同じように行動提出処理を行う。<対戦希望>……『賞品の少年』を所持しているPC/転校生。 <対戦回避>……なし。 <連戦>…………する。対象は『賞品の少年』を所持しているPC/転校生。但し戦闘回数は初戦含めて1ターンに3回まで。『賞品の少年』を所持した場合は自分からそれ以上の連戦を行わない。但し挑まれれば戦闘には応じる。 キャラクター説明 【名前】 χ(きぃ) 【容姿】 黒髪ショートカット。血の色の瞳を持つ。 「顔」と「ひじから指の先まで」を包帯でぐるぐる巻きにしている。 重量:40kg 全長155cm http //cdn18.atwikiimg.com/drsx2/pub/X5.png (1) http //cdn18.atwikiimg.com/drsx2/pub/xx2.png (2) http //cdn18.atwikiimg.com/drsx2/pub/X2.jpg (中破) 【強化型人造魔人-タイプ・エクスブリッド- CodeName RMX-114 (Reinforced Magusoid X 114)】 未来世界から送り込まれた強化型人造魔人の第114号実験機。 生体の限界を遥かに上回る情報処理能力と反応速度を持つ。 トランスフォーム能力により、瞬時に身体の各部を機械化できる。機械化によって自在に兵器を構築し、その操作が可能。 その高い回避性能ゆえに、耐久性能は他スペックに比べて低く設計されている。 【魔人化人工細胞 -Artificial Cell Typed Magus- (A.C.T.M)】 魔人因子を埋め込んだ人工の細胞。 RMX-114の肉体は、人体を構成する細胞数とほぼ同じく、約60兆個ものA.C.T.Mによって構成されている。 ▽ 【Matrixer】 A.C.T.Mの超有機的結合体。トランスフォーム能力の発動が可能な最小単位。数千から数万のA.C.T.Mから成る。 RMX-114にインストールされたオペレーティングシステムによってシステム化されている。システム化されることでA.C.T.Mは互いに結びつき、Matrixerを形成する。 トランスフォームは物理法則の制限を受けずに、質量等を無視して行うことが可能。 ただし、より超高々度な機械化ほど極端に発動率は下がってしまう。それでもトランスフォームに関わるMatrixerが多いほど、その発動率は指数関数的に跳ね上がる。 ▽ 【BouleOS】 RMX-114にインストールされているオペレーティングシステム。 ▽ 【Virtual Brain(VB)】 数多の強化型魔人の頭脳を解析して仮想化した人工頭脳。BouleOSのカーネル。 ▽ 【Logical Design(LD)】 トランスフォームに必要なデータの管理等を行うソフトウェア。機械(サイボーグ)化能力に特化している。 主な機能としては、生体の汎用性と機械の専門性を適時自動的に(瞬時に)切り替えることで身体機能を合理化する。 壁蹴りやダッシュなどのアクロバティックなアクションや高速自動修復等を可能にしている。 ▽ 【特殊武器】 RMX-114にプリインストールされた専用特殊武器。LDによってデータファイルは管理されている。 構築される武器は、数千から数千億以上の魔人因子が、RMX-114と同様に超有機的に働いている。その関わっている魔人因子の規模が、結果的にコピー防止機能の役割を果たしている。 WOZ-041「雷神」 ⇒Matrixer:掌 ⇒構築兵器:エネルギーソード ⇒備 考:基本兵装、紫色に発光するエネルギー体を利用した近接兵器 伸縮自在、太刀のようにモノを切り裂くでなく、鞭のようにしならせることも可能 貫かれたものは感電する WOZ-043「飛燕」 ⇒Matrixer:背部/脚部 ⇒構築兵器:イオンスラスター ⇒備 考:イオンエンジンを搭載した推進システム 主にダッシュなどの高速移動や多段ジャンプ、壁蹴り、ホバリングなどの移動能力の拡張に貢献している 戦闘における応用性は非常に高く、イオンスラスターの推進力を利用した強力な蹴り技など、RMX-114の学習機能と相まって想定以上の能力を発揮している WOZ-056「双幻」 ⇒Matrixer:頭部 ⇒構築兵器:トランスポーター ⇒備 考:物体の非実体化⇒転送⇒実体化の連続したプロセスを瞬時に行う装置⇒転送機 特殊な使用方法ではあるが、複数のワームホールをボット化し、それらのワームホールと使用者を常時接続することで使用者のエイリアス(分身)を発生させる WOZ-057「闇掌」 ⇒Matrixer:胸部 ⇒構築兵器:タイムブースター ⇒備 考:使用者の周囲の時間を1/1000に減速させる装置、周囲にとっては使用者の動きが1000倍になる 使用中は慣性が1000倍になることに加えて、莫大なエネルギーを消費することから、その使用時間は非常に短い WOZ-068「裂光」 ⇒Matrixer:左腕 ⇒構築兵器:ポジトロンライフル ⇒備 考:陽電子を加速して射出する兵器 魔人因子を導入することで加速器の超小型化および諸々の技術的問題の解決に成功している 対転校生戦を想定して採用され、対人兵器としてはオーバースペックな威力を誇る WOZ-088「葉断」 ⇒Matrixer:右腕 ⇒構築兵器:パイルバンカー ⇒備 考:金属製の槍を電磁力を用いて爆発的に射出する兵器 格闘戦においては、槍を射出せず、その爆発力とイオンスラスターの推進力を利用した突撃も行われる ▽ 【人格エミュレートプログラム:Key】 命令を遂行する上で、人とのコミュニケーションが必要な状況を想定してインストールされている。 エミュレートする人格情報は「被験体169号」との生活を元に学習したもの。 RMX-114の生体デザインも「被験体169号」をモデルにしている。 一人称は「私」。 ▽ 【一 六九】 一族中の魔人率が99%を超える戦闘破壊家族、一家(にのまえけ)の一人。華奢な体躯の絶世の美少女。 14歳にして燃え滾る熱いソウルを持つ、生まれながらのパンクロッカーにしてベーシスト。実は男性恐怖症。顔を隠すのはそのため。 魔人能力「Baby King Kitchen」を持つらしいが、その能力の発動を見たものは誰もいない。 腕っ節の強さからか、その容姿に似合わず「オンナゴリラ」「狂犬」「Gオンナ」など、様々な渾名を持つ。 そのパワーは鋼鉄製の壁を軽々と貫き、たとえ魔人能力を使わずとも、その格闘センスだけで並の魔人を凌駕している。 友人関係は良好で、義に篤く、割と社交的な面もあることから、何でも屋ポジが定着し、他校の生徒にまで頼られることもしばしば。 ▽ その正体は未来世界から送り込まれた要人抹殺用のマグソイド。 当時、まだ胎児であった「一六九」へとタイムリープすることで、一六九と入れ替わった。 構成する細胞の入れ替わり自体はおよそ7年で完了したが、RMX-114としての各種機能の復元にさらに7年を費やす。 その間の潜伏中は、一家の一員として振舞い続け、学校にも通う。 だが一六九としての人格はすべてエミュレートされたものにすぎず、現状、RMX-114には「ココロ」と呼べるものはない。 不必要な言動を一切せず、ひたすら命令に対して絶対的なその姿は殺戮兵器そのもの。 ▽ 【被験体169号】 一六九のクローン体。 http //cdn18.atwikiimg.com/drsx2/pub/6029.jpg ▽ RMX-114のタイムリープ先を、過去のある時点へと固定するために利用された。 RMX-114を妹のように思っており、製造されてから処分されるまでの14年間、RMX-114と共に過ごしてきた。 幼いころから機関による教育を受けていた割に、どこか抜けたところがある。自身を製造した機関を生みの親のように思い、その愛情を信じていた。 RMX-114を構成するA.C.T.M(人工細胞)の製造には、彼女の遺伝子情報が使われているため、RMX-114も厳密には一六九のクローンと言える。 機関は彼女の処分を命令の実行能力の試験を兼ねてRMX-114に行わせた。これは、万が一ココロが芽生えた場合でも、その重みにRMX-114自身が耐えられず、その心が壊れるように仕組んだからである。 誰よりもRMX-114に心が芽生えることを望んだ彼女であるが、皮肉にも彼女自身がその心の形成を阻害する最大のストッパーと化している。 [ダイス目] 1 気弾 2 強攻撃 3 神速攻撃 4 弱攻撃 5 必殺技 6 必殺技 [技表] 弱攻撃………飛燕脚 強攻撃………葉断突 神速攻撃……裂光覇 気弾…………ダークホールド 必殺技………ソウルボディ エピソード 【始】挿話「変わる世界」 「いい度胸だね、私に戦いを挑もうなんて」 ここは妃芽薗学園敷地内。グラウンド。 「ずっと探してたんだ。あの時の借りを忘れたとは言わせねえぞ!」 目の前の男はわなわなと全身を震わせている。 男は何か恨みを私に抱いているようだが、私には身に覚えがない。 「忘れるも何も。私は別に、君と関わりのある人だけを狙って遊んでるわけじゃないよ」 ここ妃芽薗学園は女子校ということもあって、他校の特に男子の侵入者が多い。 私は風紀委員として、そのような不埒な輩を幾度となく叩きのめしてきたのは確かだが、近頃はこういう逆恨みから挑んでくるのが多くて煩わしい。 「うるせえ! おまえのせいで! おまえのせいで……! 俺たちがどれだけ苦しんだと思ってやがる!」 目の前の男も、その手の輩であろう。男は涙を瞳に滲ませている。まぁ、この姿だけを見れば同情しないこともない。 「で、私があんたに何やったの?」 「この俺の夢をお前は邪魔したんだ! 千人切りの金次と呼ばれるべく、今まで地道に頑張ってきたのに! お前はそれを邪魔しただけでなく、俺の! 俺たちの! 大事な……!」 男は唇を噛みしめ、全身をぶるぶると震わせている。 妃芽薗の学外へと強制送還される際、去勢させられたのだろう。 「命があるだけましだね」 被害にあった子達が、私刑を行うのはよくあることだ。 「うるせえ! お前さえいなければ……! この落とし前つけさせてもらうぜ……!」 男はどこからかモーニングスターを取り出し、内股で私の方へとにじり寄ってきた。 「あんたには、もう落とせる『前』は無いけどね」 そう揶揄してやると、 「やめろぉ!」 と男は顔をひきつらせながら叫んだ。 「というか、あんたも希望崎なの……?」 「たりめえよ……!」 やはりと私は合点する。噂によると希望崎学園にはビッチとレイパーしかいないとか。この学園での彼らの蛮行の限りを見るに、こんなのまで、いちいち相手にしていたらきりがないかもしれない。 「まあまあ、お互い様ということでさ。あんたもこれで反省して、これからは女性として生きていくことを考えてみたらどうかな?」 そう打診してみる。 「て、てめえ、ふ、ふさけんじゃねえぞ!」 しかし男は激昂した。どうやら男としての矜持だけは捨てきれなかったらしい。 ◆ 男を叩きのめし、縄で縛っていると、背後から声をかけられた。 「よう! 相変わらず仕事熱心だな」 私はうんざりしながら振り返る。 そこには、今度は別の男が立っていた。 「希望崎の桐野紫檀だ」 面倒くさくなって私は手でしっしっと宙を払う。 しかし、紫檀と名乗る男は、なおもその場にとどまる。 「そいつ、うちのなんだ。返してくれよ」 紫檀は縛られている男を指して言う。 「むーりー。こいつほっといたらまた、うちに来るでしょ? うっとうしいんだよね、そういうのさ」 私がそう答えると、紫檀は盛大に笑いだした。 「要は力づくで取り返せってことか?」 紫檀は威勢よく言う。 「男女平等! 俺は女だからって手加減しないぜ? わび入れんなら今のうちだ。何せ俺は最強。誰にも負けたことがねえからな」 紫檀はガハハと笑う。こういう挑発は乗ってあげるのが、筋というものだろうか。 「じゃあ、その無敗北神話も今日までってことだね」 「は! いいぜ。ならやってみな! その細い腕っ節でよぉ」 紫檀がそう言い終えるやいなや私は、彼の顔面に拳を叩きつけていた。 「あ、あれれ?」 しかし、私の拳は紫檀に届くことなく、そのすぐ目の前で停止した。私は飛び退く。 「相手の能力もわからず突っ込んでくるとか馬鹿か? 調査通りの猪突猛進っぷりだな! どうだ? 逃げるなら今のうちだぞ?」 紫檀は得意顔だ。 「不利なのは明らかっぽいね。じゃあ、お言葉に甘えて今日は退くよ」 「おう、逃げたければ逃げろ。俺様は逃げるものは追わない主義だ。捨て台詞忘れんなよ負け犬」 気づけば、私は足元の石ころを紫檀に投げていた。紫檀は目を見開き、慌てたようにのけ反り、それを避けた。 「やっぱやめた。あんたムカつく」 私の中でスイッチが入った。一方で男はなぜだか動揺した。 「お、おい! 逃げんじゃねえのかよ。だまし討ちかてめえ!?」 狼狽して後ずさる姿は滑稽に映る。 「あれー? さっきまでの余裕はどうしたの?」 「クソ! マジかよっ! おまえら出て来い!」 紫檀が声をあげると、草むらや、木の上、ありとあらゆる物陰から、何人もの黒装束の男達が現れ、こちらへと駆けてきた。 「フハハ! これで多勢に無勢! お前も終わりだな!」 「ださっ……」 恥も外聞もなく仲間を呼ぶその姿勢に幻滅する私。 「あんたみたいのを卑怯者って言うんだよ。何が最強だよ。」 「ふんっ! 勝者こそが正義。俺様の辞書には勝利の二文字しかない! 卑怯者? そんな言葉は知らなくていいのさ」 「なら、今回の件で一つ勉強になるね。よくできました」 「負け惜しみを! その減らず口黙らせてやれ!」 「「「いー!」」」 ◆ 「てめえら、そんなやつにやられて恥ずかしくないのか!」 紫檀は黒装束らに向かってそう声を荒げた。黒装束らはグラウンドのあちこちで、力尽きたように横たわっている。 「あんたらみたいなのを有象無象っていうんだよ」 「俺の顔に泥を塗りやがって!」 「口だけの人がそれを言う?」 「てめえは黙っていろ!」 「あんたが黙ればね」 紫檀は拳を震わせている。 「もういい! おまえら下がれ! 来い『楓』!」 その瞬間、紫檀の影から何者かが飛び出し、私の背後に立つ。 「結局、他人使うんだ。さすが自称最強なだけはあるね」 「ふふふ」 紫檀は笑った。 「気持ち悪いなぁ」 「ふははは! 楓は我がチームの中でも群を抜くほどの強さ。おまえなんかに負けるわけがない。なあ楓?」 「……あの、そういうフラグとかはやめてください」 楓と呼ばれた黒装束の少女は迷惑そうに顔をしかめた。 「というか、兄様。ちょっと無理かも……」 「玉砕だ! 玉砕! ひるまずいけ、楓!」 「はぁ」 楓は気の抜けたような返事をし、こちらを見る。 「では、行きます」 そう告げると同時に、楓の姿がいくつにも分かれていく。 「え、ちょ……分身?」 思わず感嘆する。 気づけば私は楓の分身たちに取り囲まれていた。 楓はニヤリと口元をゆがませる。 「忠告しとくよ……。こんなことは無意味だと……」 意味深な言葉に私は眉をひそめる。 「何それ?」 「まあ、信じる信じないは君しだいさ……。どうする?」 どうするも何もないと私は思った。 「バカじゃないの」 そうきっぱりと告げた。 「ふふ……。なら僕がここにいる意味はないね……。じゃ、兄様頑張って」 結局何がしたいのかわからないまま、楓はどこかへと文字通り飛び去っていった。 紫檀は口を空けてぽかんとしている。 「逃げちゃったよ」 呆れつつ紫檀に声をかける。 「そうだな」 と紫檀は楓の飛んでいった空を見上げている。 「もう仲間は呼ばないの? それとも終わりにする?」 「その必要はねえ!」 紫檀は突如大声をあげた。ハッと私は身構える。 その刹那に、紫檀はグラウンドの隅へとすでに駆けだしていた。 「今日はもう遅いからな! 仕切り直しだ!」 小さくなっていく紫檀の背中に、私は足元にあった小石を投げつけた。 【終】挿話「変わる世界」 【始】本筋「前日譚」 目の奥に焼き付くような光。 燦々と輝き、この身を焼いていく赤熱。 「バカみたいだ」 思わずそんな言葉が口をつく。 幾つもの好奇のまなざしと反響する嘲笑。 やはり体は動かない。薬でも打たれたのか、身体にまるで力が入らない。 ――これでこいつも少しは可愛げのある顔になったな。 男達はせせら笑っている。 眼前に突きつけられる鏡。白く歪んだ皮膚が私の右目を塗りつぶし、視界の右半分がごっそりと抜け落ちていた。 ――もうやめて……。 級友たちの悲鳴が木霊する。 視界の隅には見知った顔があり、口元に手を当て、私を見て青ざめている。 「これくらいヘイキだから」 そう微笑みかけようと試みたところ、側頭部を何かが駆け抜けた。 ――へらへらするなよ、萎えちまうだろ。 男が拳を振り下ろして、私にそう告げる。 薄暗い部屋の中に、男が五人と少女が三人。私を入れれば九人がここにはいた。死者を含めるなら、おそらくその数は両手を使っても足りない。 「もう縮み上がってんのかと思った」 私は鼻で笑う。周囲の男たちはゲラゲラと声をあげ、目の前の男は激昂した。 意味不明な言葉を喚き散らし、私の胸倉をつかんで何度も拳を振り下ろす。 人助けなんて趣味でするもんじゃない。あまりにも割に合わない。 ぐらぐらする意識の中で、この場には不釣り合いなほど、景気のいい声が聞こえた。 ――さぁ、パーティー再開と行こうか。 それに続く男達の下卑た声。少女らはあられもない姿で男達に抱えられ、それぞれが苦痛に顔をゆがませている。 ああ、少女のカラダとココロを壊すことに、どれほどの価値があるというのか。 男達――とは言っても、彼らの年齢は少女らとさほど変わらない。纏っている制服とその体格からして希望崎学園の生徒であろうが、まだ中学に入って間もない彼女らにとって、獣欲に狂った彼らは得体のしれない化けものだった。彼女らにとって彼らは、決して「少年」などという言葉で言い換えられるような存在ではない。 あんな奴ら殺しちゃえばいいのに。 かつての級友の影が脳裏によぎる。彼女は私をそう詰った。その級友もまた彼らの犠牲者であり、「人助け」なんていう私のこの気まぐれに救われた人間の一人だった。 そんなやり方じゃ……いつかさ、痛い目見るよ? けれど彼女は、その言葉を残して校舎の屋上から身を投げた。手の届く位置にいながらも、私は誰も救えていない。 この手を血に染めず、この心を怒りに染めず、中途半端に「人助け」なんてことをしている私は、きっと誰よりも彼女の心を踏みにじった。 「おい油もってこい!」 声が続く。 「もっとビジンにしてやるよ」 意識が遠のいていく。 【続】本筋「前日譚」 【始】挿話「蠢動」 雪景色が広がっている。 降り積もった雪が、屋根を滑り落ち、軒下に大きな雪山を築いている。 空を見上げれば灰色の空。 想い馳せるは、かつての記憶。しかし、現実においてはただの幻。 とらえどころのない雪が、私の掌で溶けて消えていく。 これが単に妄想であるならば、きっと私はすでに気が触れている。 生まれ変わりなんてものが、もしあったとしても、この私に宿る記憶は空想(ファンタジー)と一笑にふされる絵空事。 ――未来世界から送り込まれた殺戮兵器。 なんともリアリティがなく、何とも夢のないことを想うのか。 かつてオカルト雑誌のコラムでみた前世の記憶の持ち主は、世界を救うべく立ち上がり、仲間とともに敵を払った。 強化型人造魔人。タイムリープ。 すべてを忘れろと、現実が私に迫りくる。すべてはお前の妄想だと、現実が私に突きつける。 限りなく人間に近い身体。 「復元には、まだまだ時間がかかる」 けれど脳裏によぎるのは疑念。誰もそれを保証しない。 未だに私の能力は魔人の域を出ない。身体能力が頭一つ飛び抜けてるだけ。 あいまいな記憶、あいまいなココロ、あいまいな居場所。 ふとした瞬間、冷静な自分が問いかけてくる。 そういう設定? 現実逃避。 妄想癖。 古い記憶は思い出す回数もやがて減る。 降り積もる雪のように、古い層の上に新たな記憶が降り積もる。 「何か悩み事?」 背後からかけられる声。振り返ると、一一(にのまえはじめ)がそこにいた。私の標的、定められた目標。 時期はお正月、親族のうちの何割かが一同に介し、団欒と会食している。 こんこんと降りしきる雪。こっそりと抜け出して、ぼんやりと空を仰いでいた姿は、はた目にも物憂げに見えたらしい。 家の中からは、大人たちの楽しげな声がする。 「ちょっと食べすぎちゃって」 私はお腹に手を当て、笑って取り繕う。 少年は心配げに私に歩み寄り、自身が纏っていたカーディガンを私に羽織らせた。 「冷え込むらしいからさ、あまり長居しちゃダメだよ」 少年はそう言い残して、家の中へと戻っていった。 噂によれば、親族内にも、その少年に並々ならぬ恋慕の念を抱いているものが一定数いるらしい。 魔人は思い込みの強い生き物だ。優しさがときに罪となることが少なからずあるのだろう。 このときも、一三九六が物陰から私をじっと見ていた。 「おいでよ」 そう声をかけると、彼女はハッとしたように目を見開き、私に背を向けた。 「逃げることないよ」 瞬時に彼女の目の前に回り込み、私はその行く手を阻んだ。 「え、え……?」 戸惑う三九六に、私は羽織わされていたカーディガンを脱いで渡した。 「風邪ひくよ?」 押し付けるようにそれを彼女の胸に差し出す。 三九六はカーディガンをその手にしっかりと握りつつ、怪訝な顔を向けてくる。 「頑張ってね」 ぽんと肩をたたいて、私はその場を後にした。 行く当てもなく歩いていると、神社の境内が目に映る。 「おーい」 見なれた後ろ姿を見つけ、私は声をかけた。 一三五が振り返ってこちらを見る。 「初詣に来た」 にっと笑ってみせると、三五はやれやれと首を振った。 「おぬしなぁ」 三五は本殿の下のテントの中で、初詣に来た人々に甘酒を配っていた。 彼女の元へ行くと、彼女は手を伸ばして、私の頭に積もった雪を払う。 「儲かってる?」 「ほら」 私のその言葉は無視し、彼女は甘酒を私の方へと差し出す。 「見てわかる通り、忙しいからな。それ飲んだら帰るのじゃぞ」 私は甘酒を受け取ると、テントの空いてるスペースに腰を下ろす。 ちょびちょび飲んでいると、三五が私のところへやってきて、すっと傘を差し出した。 「返さないよ?」 私は眉をひそめる。 「おぬしみたいなのも一応は家族じゃからな」 三五はその場に傘を置くと、甘酒を配りに戻っていった。 「……一人は家族の為に、家族は一人の為にか」 家に戻るなり客間から悪酔いする四一の声が聞こえてきた。 また彼女が暴れているらしい。客間を避けて居間の方を覗くと、 「裏切り者っ……!」 私の顔を見るなり、四が開口一番そう告げた。 どうやら子どもらは子どもらで、こたつでトランプに興じているらしい。 「まーだ裏切ってなーい」 ご名答と心中で皮肉りながら、私は四を押しのけてこたつに足を入れる。 「私には見えたんだから」 そう目を細める四。けれど私はせせら笑う。 「当たるも八卦、当たらぬも八卦ってね」 「私の未来予知は占いなんかじゃ――!」 「まぁまぁ、四ちゃん。六九ちゃんもする?」 声をあげる四に、それをなだめる一。見ると、その一の両隣には千四五と三一八がしがみつくように寄り添っていた。どうやらそのポジションは競争率が激しいらしく、彼女らの背後にも幾人か控えているため、異様にそこだけ人口密度が高い。 「来たばかりだし、見学するよ」 彼女らの身が凍り付くような眼差しに晒されたこともあり、私は誘いを断る。 四が居心地が悪そうにもぞもぞとしているのを見て、その原因が私にあると知りつつ、どことなく親近感がわいた。 「四ちゃんの占いは外れるって評判みたいだけど、当たることってあるの?」 「う、うらないなんかじゃない……! 魔人物理学に基づいて計算された確実な予知だよ!」 四は狼狽えつつもそう私に断言する。 「じゃーさ、四には何が見えた?」 「え……?」 「私について何が見えたー? 断言するくらいなら教えてよ」 私は何でもないことのように顔をきらきらさせて尋ねる。 しかし、四は深刻な顔で押し黙った。 この時代、この場所に、未来予知能力を持つ一四という存在は、機関にとってこの上なく厄介なものであった。 外すことが多いとはいえ、彼女の能力は間違いなく危機に瀕した際には有効に機能することが確認されており、たとえ未来から直接的にエージェントを送っても、こちらの手駒は限られており、手を打たれれば計画そのものが瓦解する可能性さえある。 「ん、どうしたの?」 その顔を私は覗き見た。苦悩に歪んだ表情。 だからこそ、機関は家族の絆を、その信頼を、逆に利用することを考えた。標的に対してエージェントを送りこむのではなく、標的にとって身近な存在をエージェントに変えること。 家族愛を逆手に取った狡猾な一手。 「……秘密」 四は悪戯っぽく笑った。彼女はそうやって、いつもはぐらかす。私に関する予知を自分の中で抱え込んで決して人には話さない。 一人は家族の為に、家族は一人の為に。そして家族と交わした約束は必ず守るべし。 私は彼女と約束した。誰も裏切ったりしないと。守るつもりのない約束を。 「ケーチー」 私は四の胸に顔をうずめて、彼女の脇腹をくすぐった。 「も、もう……! や、やめてってば……!」 彼女は身をよじらせ、こたつから這い出て逃げて行った。 その後姿を一瞥し、私は寝転がる。 強化型人造魔人RMX-114は、タイムリープマシンであり、さらに言えば、時間と空間を超えて、条件に適合する人物を洗脳する兵器であった。 RMX-114は時間軸を逆行することで、ウィルスとしての性格を発現し、タイムリープ先の生命体の遺伝情報を書き換え、自己複製を図る。適合可能者は十億人に一人。クローン個体を用いて遺伝情報の同期を行えば、三万人に一人。決してゼロではない。 未来世界において、争いの戦火が時間軸線上にまで広がったとき、機関は最重要ターゲットである一一の掌握を図った。一方、敵は敵で一枚上手であり、一一の保全を最優先として行動し、機関が彼に直接、干渉を行うことを許しはしなかった。彼と彼に近しいものの情報は、優先的に保護され、機関の計画は早々に断念せざるを得ない状況へと追い込まれた。 それでも、機関は探し求めた。何人もの人間を洗い出し、徹底的な調査の末に、機関は一六九を適合者としてついに特定した。 これが妄想の類であるならば、きっと私はすでに気が触れている。 けれど、四の予測するならば、ほんの数パーセントであろうと、それが私の希望となる。 「バカらしい」 思わずそう呟いていた。 四の能力の産物であるラプラスの魔。四の予測が外れれば四を、四の予測が当たれば私を、ラプラスの魔は食らおうとする。 誰だって死ぬのは怖い。四だってそうだ。能力の仕様を少しずつ変えることで、予測が外れてもいいように進化させている。 当然、私も死ぬのは怖い。 だからこそ、私は四の予測が当たればいいと思う。 私はまだ生まれてきてもいない。そのことを四は分かっていない。 【未完】挿話「蠢動」 【再開】本筋「前日譚」 気づけば私はけらけらと腹の底から笑っていた。 白衣の男たちが怪訝な顔を向けている。 私はそれでも笑い続ける。偽物のカラダと偽物のココロがぽろぽろと崩れていく。 ――気でも触れたか? どこからかそんな声。 まるで他人事のように、私はその光景を俯瞰していた。 真っ白な天井がそこにはあった。 ここに運ばれて一週間。右眼の欠損と全身におよぶ重度の火傷と打撲に裂傷。医者からは、この短期間でここまで回復したのは奇跡とまで言われた。 それでも全身に及ぶ損傷は永遠に残る。私が何者かに関係なく、私はまだ一六九だから。 あるはずのない記憶。薬品のにおいが、どこか懐かしく感じた。 「バカが」 声の方へと視線を向ける。 「紫檀……?」 透明なカーテンの向こうに、ぼんやりと見知った顔が浮かんでいる。 「わざわざ来てくれたんだ」 まるで他人事のように実感がわかない。 「当たり前だろ」 紫檀は今にも泣きだしそうな声で言う。 身体は思うように動かず、視界もどこか左に偏っているような違和感がある。 「あんたが助けてくれたんだよね」 「……俺は助けられちゃいねえよ」 紫檀は吐き捨てるように告げる。 あの状況で、私たちを助けられるのは、彼しかいないだろう。 「なんで、みんな殺しちゃったの?」 「あんな奴ら! 死んで当然だ!」 紫檀の震える声が病室に響き渡る。 「それでも、殺すのはダメだよ。我慢した私がバカみたいじゃん」 自嘲気味に私は笑った。 しかし、紫檀は私の冗談を笑うことなく顔をゆがませた。 「お前はなんで……! 自分を……!」 紫檀は身を震わせている。 「みんなは無事?」 「お前は自分の心配をしろ。みんなお前と比べれば、無傷みたいなもんだよ」 「身体じゃなくてさ」 「……お前、やっぱ狂ってんぞ」 「褒め言葉として受け取るよ。でさ、みんなは無事?」 「男の俺には分からん」 「……あっそ」 私は目をつぶり、紫檀が帰るのをじっと待つ。 しかし、紫檀の気配は消えない。 「あのさ、いつまで居る気?」 そう声をかけるが、紫檀は心ここにあらずといった顔で私をじっと見ている。 「見せられるような顔じゃないよ?」 思わず苦笑いを浮かべた。包帯で覆われているとはいえ、顔の少ない部分がケロイドとなりつつある。 しかし紫檀は首を振った。 「そんなことねえよ」 「もうお嫁にはいけないね」 「だから俺は本気で――」 「あーはいはい。ごめんね。気持ちはうれしいよ」 「……俺は諦めない。同情なんかで言ってんじゃねえぞ」 「じゃあさ――なんで私を殺さなかったの?」 「何言って……」 「私の右眼は大切にしてくれてる?」 「お前の眼は、俺は知らないが……」 「あはは、ごめん。まだちょっと混乱してるみたい。今日はもう帰ってくれない?」 【続】本筋「前日譚」 【始】挿話「病室の前で」 「兄様、振られちゃいましたね」 病室を出た紫檀を楓が出迎える。 にやにやと、どこか嬉しそうな表情の楓に対し、紫檀は拳を握りしめ、ツカツカと歩きだす。 「え、兄様、まさか……」 楓はその背中を追いつつ、どこか胸騒ぎを覚えていた。 【終】挿話「病室の前で」 【再開】本筋「前日譚」 「先輩、何ですかあの人たち?」 紫檀と入れ替わるように病室に声が響く。 同じ風紀委員の鵠城千花だった。私に懐いているのか、私以外の他者に対する不快感を隠すことなく表情に出す素直さは、割と嫌いではなかった。 「だめですよー? あんな得体のしれない人を入れちゃ」 千花はニコニコと私の前に座る。 「君は、私がこんなになっても変わらないね」 「ふふ! 当然です。何があってもチカは先輩一筋ですから」 「……ねえ千花」 私は目を閉じる。 「あ、先輩! 聞いてください。学校でですね」 「千花」 私は千花の話を遮った。 「ん?」 千花は目をパチクリさせてこちらを見ている。 「私の眼、どうしたの?」 千花の表情は変わらない。 「ようやく確信が持てた」 私はほっと胸をなでおろす。 「食べたの?」 私のその質問にも、千花は答えない。 「ふふ、別に問い詰めるつもりじゃないの。ただ、ただ、嬉しい。あなたがそれを拾っていてくれたことが」 「先輩、何を……」 千花はようやく口を開く。その頬には一筋の汗が伝っていた。 私は笑う。生まれて初めて心からの笑みを浮かべた。 千花の体の奥で、私の右眼が信号を送っている。 「せ、先輩。わ、わたし、あの……」 千花は私の様子に慄き震えていた。 ああ、彼女は勘違いしている。私は怒ってなどいないのだ。 終わってみれば、むしろ、これほどまでに清々しい気分はない。 「ありがとう! ありがと! 千花っ!」 身体が軽い。不思議と私は腹の底から笑っていた。 【未完】本筋「前日譚」 【始】挿話「本来の世界線にて」 工場跡に男どもの下卑た声が響く。 耳障りな破壊音が夜の闇に轟いている。 「先輩……」 私は恐怖に押しつぶされそうな心を奮い立たせて、シャッターの前に立った。 「千花ちゃん、無理だよ……」 同じ風紀委員のサナが私の手をつかんで首を振る。 振り返ると、皆が不安そうな顔をしていた。ここに来て、このシャッターの向こうから漂う異様な空気に気圧されていた。 「六九ちゃんは、運が悪かったんだよ……」 一人がぽつりと漏らす。 「六九、可愛かったからね。あいつらも、そりゃほっとかないよ」 誰かがそう続く。 さわさわとざわつき始め、一人が踵を返した。そして、一人、また一人と去っていく。 ◆ 少女たちの嗚咽と悲鳴が木霊する。 薄明りの中、男たちが喜びの声を上げている。 何人もの少女たちが裸に剥かれ、男たちとまぐわう中、ただ一人だけ、その狂気の宴にまじわらず、その光景を楽しむかのごとく見物している少女がいた。 「楓姉さんもどうすっか?」 男の一人がニタニタとその少女に話しかける。だが、少女はケラケラと笑うだけで、首を縦には振らなかった。 楓と呼ばれたその少女は、この宴を取り仕切っている者の妹であり、希望崎の生徒である。 本来ならば楓は男であるが、性転換能力を受けたことで、今は女性となっている。希望崎では性別を偽ることはよくあることであるため、特段、そのことが取りざたされることはなかった。 「兄様、こいつどうする?」 楓はのけ反り、背後へと視線を向ける。兄様と呼ばれた男は、部屋の隅でバイアルに入った目玉を光にかざし、恍惚の表情を浮かべていた。 兄様と呼ばれたこの男こそが、このグループのリーダーであり、楓の兄である。名を紫檀と言う。 楓の足元には全裸の少女が、力なく横たわっていた。少女の名前は一六九と言う。本来なら美しくしかったその容姿も、今となっては化け物のそれにしか見えない。右の眼窩が空っぽであることさえも可愛らしく見えるほど、彼女の全身は酷い火傷によって皮膚が変性していた。 ――絶対に許さない。 楓は思う。 『紫檀のお眼鏡に適ってしまった』 ただ、それだけが彼女の罪。 楓と六九はここで初めて出会った。六九の美しさに楓が嫉妬を覚えなかったといえば嘘になる。 そもそも楓は紫檀に並々ならぬ想いを抱いており、楓が性転換を受け入れたのにも、そのことが大きくかかわっていた。 「べっぴんさんに、もったいないことしたっすね」 下っ端の一人が楓の方を見てため息をつく。 「あーあ、こうなるなら、もっと楽しんでおけばよかったっす」 別の下っ端は腰を振りつつ笑う。 少女はここに集まった男衆全員に一通り回された後、楓によって油で全身をじわじわと焼かれ、紫檀によって右目をくりぬかれた。 少女が痛みと恐怖で気を失うたびに、楓は少女の爪を剥いだ。そして剥ぐ爪が無くなれば、鼻孔に水を注ぎ、無理やりにでも意識を戻させた。 紫檀が少女をここに囲い込み、仲間たちと慰み者にすること自体は、今に始まったことではない。彼も希望崎学園の生徒であり、その変態性はチームのリーダーだけあって突出していた。 楓自身も愛する兄の行いを容認しており、女性としての自身のルックスにも自身があった。しかし、その余裕も六九を前にして、嫉妬に代わる。紫檀が六九をその手に抱く順番が回ろうという時に、楓は紫檀を押しのけ、その顔に傷をつけた。 楓の並々ならぬ様子に、紫檀を含め周囲の男衆は楓の凶行を止めることはしなかった。 結局、紫檀は六九の右目をくり抜くことしか、楓に許されなかった。しかし、絶世の美女となろう六九の魔性は、たとえ右眼のみと言えど、紫檀の心を奪っていた。 「兄様はやっぱり、今でもこいつを抱きたい?」 楓の問いに紫檀は頬をひきつらせる。 「そんなもん抱けるか」 紫檀はそう吐き捨てる。 ホッと胸を撫で下ろす楓に、紫檀は不愉快そうに告げた。 「お前、今日は飯抜きな」 【終】挿話「本来の世界線にて」 【設定】 ◆一六九 華奢で小柄な体躯に似合わず、怪力を持つ少女。絶世の美女たる素質を持つが、その怪力っぷりによって魅力を台無しにしている。 面倒見もよく、厄介ごとにすすんで巻き込まれている節がある。その目的は、この世界線における全イベントの回収だが、死の運命に対する足掻きというよりも、与えられた人生を少しでも充実させられればという意味合いの方が強い。 RMX-114の能力により、未来世界からタイムリープしてきており、タイムリープの仕様上、連絡すらも取れない状況の中、単独で任務を遂行している。 自身の存在を抹消することなく、自身の死の運命を克服することが、任務の遂行以前に必要な条件。そのフラグが立たない限りは、RMX-114としての能力は解放されない。 この世界線においては、千花へと寄生することで、偶発的ではあるが千花の子や孫を脈々と経由することで、未来世界へとの六九のDNAが届くことになる。 ただし死の未来は回避したが、能力解放前に受けた損傷により、本来の能力の半分も発揮できない状態へと陥っている。 また、無理な状態での解放により、既に内部では細胞が次々にメルトダウンを起こしており、遅かれ早かれ、結局は大会終了後には跡形もなく溶けて消滅する定め。 未来世界で魔人全ての救世主となる存在の父親となる運命を持つ一一と、救世主の母となる存在とのフラグ立ての阻止、という指令を受けている。 ∴本来の世界線での設定 絶世の美女たる少女。 怪力を持つわけでも、面倒見が良いということもない。 家庭的な性格であり、家事が趣味。風紀委員であったが、風紀委員としての活動にはあまり参加せず、茶道部の方によく顔を出していた。 帰省のために、校門を出たところを、紫檀一派にさらわれ、暴行の末に殺害された。 このとき紫檀が持ち帰った彼女の右眼は非常に保存状態が良く、未来世界において回収され、RMX-114の開発に利用される。 ◆紫檀 結成したその日に、六九によってチームを壊滅させられる。その際、六九に一目ぼれし、たびたびチョッカイをかける。 自身のチームの元ナンバー3が結成したチームの策略によって、六九が捕らえられた際に、千花と協力して救出作戦を行った。 しかし、時すでに遅く、六九は命は助かるが、本来の世界線と同じように男達に虐げられる。 全身に火傷を負った六九の姿は、本来の世界線とは異なり、紫檀の覚悟を逆に固め、結果として六九に対する想いをよりいっそう強くさせた。 ∴本来の世界線での設定 この世界線では六九によってチームを崩壊させられていないため、非道の限りを尽くした結果、人格が歪んでしまう。 ◆楓 紫檀の妹。もともとは男性であるが、性転換能力を受けて女性と化している。 兄である紫檀に対して並々ならぬ愛情を抱く。 ∴本来の世界線での設定 六九に嫉妬する。直接的には彼女が六九を殺した。 ◆千花 六九の後輩。 六九に対して思春期ということもあってか、歪んだ想いを向けている。 ∴本来の世界線での設定 それなりに六九を慕ってはいるが、そこには特別な感情は無い。
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(回復した特許権の効力の制限) 第一一二条の三 前条第二項の規定により特許権が回復した場合において、その特許権が物の発明についてされているときは、その特許権の効力は、第百二条第一項の規定により特許料を追納することができる期間の経過後特許権の回復の登録前に輸入し、又は日本国内において生産し、若しくは取得した当該物には、及ばない。 2 前条第二項の規定により回復した特許権の効力は、第百二条第一項の規定により特許料を追納することができる期間の経過後特許権の回復の登録前における次に掲げる行為には、及ばない。 一 当該発明の実施 二 特許が物の発明についてされている場合において、その物の生産についてされている場合において、その物の生産に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をした行為(改正、平一四法律二四) 三 特許が物の発明についてされている場合において、その物を譲渡等又は輸出のために所持した行為(本号追加、平一八法律五五) 四 特許が方法の発明についてされている場合において、その方法の使用に用いる物の生産、譲渡等若しくは輸入又は譲渡等の申出をした行為(改正、平一四法律二四) 五 特許が物を生産する方法の発明についてされている場合において、その方法により生産した物を譲渡等又は輸出のために所持した行為(本号追加、平一八法律五五) (本条追加、平六法律一一六) 趣旨 本条は、回復した特許権の効力の制限について規定したものである。 一一二条の二第一項第一項の規定に基づき特許料等が追納されたときは、一旦失効した特許権が遡及的に回復する(納付期限の経過の時に遡って存続し又は初めから存在していたものとみなす)こととなるが、この場合に、特許権が消滅した後に特許発明の実施をしていた第三者にまで、特許権の回復後に遡及的に特許権の効力を及ぼすことは妥当ではない。このため、一一二条一項の追納期間の経過後から、特許権の回復があった事実が公示される回復の登録までの間における第三者の一定の行為については、特許権の効力が及ばないこととした。 一項は、特許が物の発明についてされている場合に、特許料の納付期限経過後六月の追納期限の経過の時から特許権の回復の登録までの間において、輸入、国内生産又は国内において取得した物には特許権の効力が及ばない旨を規定したものである。また、二項は、通常は特許権の侵害とされ得る行為についても特許権の効力が及ばない旨を規定したものである。 平成一四年の一部改正において、一〇一条の改正により、「~にのみ用いる」という専用品の要件を満たさないものであっても間接侵害が成立する可能性が生じることとなったため、本条二項においても、「のみ」という要件を削除して各号の該当範囲を広げ、一〇一条で広がった侵害とみなす行為についても、所定の期間、特許権の効力が及ばない旨が規定された。また、一〇一条の記載に合わせ表現上の修正が加えられた。 また、平成一八年の一部改正において、権利の消滅から回復登録までの所定期間内において回復後の特許権の効力が及ばない行為として、当該特許に係る第三者による「譲渡等又は輸出のために所持した行為」を追加した。本条の規定によって、効力制限期間内に行われた第三者の譲渡等又は輸出の実施行為は非侵害行為とされるのであるから、非侵害行為とされる譲渡等又は輸出を目的として所持行為も同様に非侵害行為として法的整合性を図ったものである。(青本第17版)
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417 :第三帝国:2013/12/06(金) 20 01 17 衝号ぬきの太平洋戦争~第14章「太平洋の戦い」 ミッドウェーを攻略した日本は、 史実のシー・ビーズに匹敵する装備を保有する設営隊が短期間で飛行場の機能を回復させると、 第11航空艦隊の美幌航空隊、爆撃機『連山改』64機がミッドウェーに進出。 百式重爆二二型『連山改』 最大速度:544km/h(ロケットブースター使用時:612km/h) 航続距離:4,290km(最大爆装時)~6,750km(標準爆装時)~7,880km(偵察時) 飛行高度:11,790m 爆装 最大7,000kg さっそく真珠湾へ夜間爆撃を敢行。 まさかいきなり二三〇〇㎞先のミッドウェーから爆撃するとは思っていなかったアメリカは効果的な対応ができず、 美幌航空隊は電子戦でジャミングによる援護の下フォード島航空基地、ヒッカム陸軍基地を爆撃。 機能不全に陥らせて一〇〇機あまりの航空機を破壊しすることに成功した。 なんとか四〇〇機近い航空戦力まで保有するようになったハワイの航空戦力は、 いきなりその戦力が削られ真っ青になる関係者であったが、真珠湾の重油タンクが根こそぎ消滅、との報告を受けると髪の毛が抜けおちた。 加えて、潜水艦が数隻破壊された上に保管していた魚雷が誘爆したせいで、元々効率的でない通商破壊がさらに低下したことをここに記す。 無論、アメリカはこれに黙っておらず翌日には『B17』と『B24』の合計約二〇〇機による報復爆撃を実施したが、 ミッドウェー防衛と周辺諸島攻略のために徘徊していた第一機動戦隊(空母3戦艦2巡洋4)が搭載機を戦闘機でほぼ固めていたせいで、 一五〇機近い『烈風』が電探の管制で優位な位置から襲撃し、空対空ロケット弾を限界まで抱え俄かにミサイルキャリー化した『流星』がロケット弾を編隊に放つ。 中には重爆撃機対策として斜め銃を備えた『流星』がこの戦いに初めて参加し、 電探を装備したその機体は後にゲリラ的に夜間爆撃をする『B17』を数多く落とすことになる。 アメリカにとって救いようがないことに、ここにミッドウェーに配備された戦闘機も加わり、 さらに戦力が削られ、なんとかミッドウェーに辿りついても「VT信管」を優先的に配布された、 高射砲部隊による熱烈な歓迎によりたった一度の爆撃で、それでも相応の被害を与えるこに成功したが壊滅的な被害を被った。 以後、ハワイは貝殻に閉じこもるかのごとく戦力保全に走り、ゲリラ的に夜間爆撃をするが効果は芳しくなかった。 418 :第三帝国:2013/12/06(金) 20 02 00 アメリカ海軍の方は戦死者多数による混乱のさなかにあっても、 日本のミッドウェーへの補給路を締め上げるべく潜水艦による通商破壊を実施したがこちらも効果が薄かった。 史実でも一年半~二年に渡り悩まされた魚雷の不調は未だ改善されておらず、なかなか戦果が上げられなかった。 余談ながら、その魚雷の不調がどのくらい酷いかと言えば、 「第三図南丸」の例だと【12本】の魚雷が命中したが起爆したのがたった【2本】と実に酷過ぎる代物である。 現場では改善要求が行われたが開発部門は現場の使い方が悪いと言うばかりで、 「兵備局が命中しても爆発しないような魚雷しか作れないならば、艦船局で敵艦を引き裂けるようなボート・フックを作ってもらう」 と太平洋潜水艦隊司令官ロックウード中将は公言し、敵は日本軍ではなくワシントンの奴らだと憤怒する有様であったとか。 なおこの物語における『霧島』撃沈の例は魚雷が偶然おりこうさんであったことを記す。 そして、憂鬱世界では護衛に関しては海軍よりも歴史が長い『海援隊』、 史実よりも装備と数が強化された『海上護衛総隊』、近海警備担当の『海上保安庁』が待ち構えている上に、 対潜装備については『ヘッジホッグ』『対潜誘導魚雷』を装備して電探と磁気探知機を装備した航空機による哨戒。 HA/DA(電波方向探知機)で潜水艦が発する電波を捉えると対潜攻撃を仕掛けた。 結果、アメリカ側の潜水艦は何が起こったか分らず派手に沈めれる一方で、 それでもなお攻撃の止めるわけにはいかず送り出すが、魚雷の不調と真珠湾で魚雷が爆撃で吹き飛んだせいで効果はいまいちである。 対する日本側は、ウェークまで前進してきた工作艦に移動式ドックで一通りの補給と修繕を終えると、使用可能な戦艦数が減ったので第一艦隊は一度本土へ帰還。 代わりにオーバーワークになることを承知で、周辺諸島の占領のため再編した幾つかの機動戦隊と軽空母一を中心とした通商破壊艦隊を送り出した。 第一遊撃艦隊(軽空母『瑞鳳』重巡洋『那智』駆逐一六) 第二遊撃艦隊(軽空母『龍鳳』重巡洋『羽黒』駆逐一六) 軽空母1重巡洋1駆逐艦16を基盤に高速タンカーを付随させアメリカの海上航路の破壊を開始した。 空母は祥鳳型軽空母でこれは和風コロッサス級を指針にしており、排水量は一万八〇〇〇tである。 祥鳳型航空母艦(※参考:32話) 速力 :30.0ノット 搭載機数:航空機42機(+補用機8機) 主兵装 :40mm連装機銃8基16門 重巡洋艦は妙高型で元々通商破壊を想定して航続距離が長く、 索敵のために水上機を八機も搭載しており、こうした任務に適していた。 妙高型重巡洋艦(※参考:外伝) 主兵装:50口径20cm連装砲4基、 45口径12cm連装高角砲4基、 20mm機関砲24門、 61cm魚雷連装発射管4基 搭載機 :水上機8機 最高速度:33ノット 航続距離:15ノットで10000浬 419 :第三帝国:2013/12/06(金) 20 02 35 潜水艦だけでなく空母を投入したその効果は絶大なもので、 一度五〇隻規模の大型船団に対する攻撃では『烈風』が真っ先に護衛の戦闘機を捻り潰し、 魚雷を抱いた『流星』が護衛空母に突撃して瞬殺、続いて護衛艦にロケット弾、機銃掃射、爆撃などを浴びせて船団の防衛力を削ぐ。 この際に、新たな装備として『烈風』にガンポットを取りつけて機銃掃射の威力を増させる装備に、 二五〇キロ爆弾の代わりにスキップボミングが出来る跳飛爆弾が試験的に使用され被害を拡大させた。 日が沈むと集結した呂号潜水艦三〇隻余りによる反復襲撃が行われ、 残り僅かな護衛艦を誘導魚雷で沈めると、思い思いに輸送船に魚雷を放ち、 暗闇の海面にはあちこちから水柱が立ち上り、誘爆炎上する炎が闇を照らす地獄を作り出す。 そして、最後は夜が明けて再度の空襲と潜水艦の襲撃で三、四隻を残して全滅してしまった。 これに対抗すべき合衆国の海軍の主力艦隊は壊滅状態で現在、本土で修理、整備中で出撃できず、 いくら時間が経過すれば数が揃うとはいえ一年もたたぬ間に軒並み艦が沈められてはどうしようもない。 この時の制海権は間違いなく日本側が握っており、 このような船団への襲撃が相次いで行われ、沈められる船舶トン数を急上昇させた。 悪い事にミッドウェー陥落で、哨戒機を気にしなくて済んだ潜水艦と支援する潜水母艦に特設巡洋艦が大挙して押し寄せ、一層ハワイ=西海岸の航路を苦難に満ちたものへと変貌させた。 アメリカ軍では、特に陸軍は輸送中の連隊や師団が水泳を余儀なくされる事態が相次いだせいで、 不甲斐ない海軍の対応に怒り心頭で負け込んだことも相まって、海軍との仲が徐々に険悪なものに成らせつつあった。 一度、独自に設計した潜水艦による輸送や、英国から売り込まれた氷山空母を原型にした船舶の建造など計画されるなど迷走することになる。 一月末に日本は二個機動戦隊を中心にパラミラ、ジョンストン島への上陸作戦を敢行。 アメリカ海兵隊を中心に激しく抵抗したが、元々ミッドウェーからの爆撃と封鎖で補給が途絶え、 せいぜい多くて連隊程度の戦力で、ましてや孤立した島で勇戦はしたが可能な抵抗など限られており数日以内に陥落。 自らの砲撃で開けた穴を設営隊がブルドーザーで埋めると、 第一二航空艦隊から派遣された戦闘機、爆撃機が展開しハワイへの嫌がらせをミッドウェー共々実施。 夜間爆撃で重要拠点が吹き飛ばされ、ばら撒かれる機雷でハワイはボディーブローを受けるボクサーのごとく体力が消耗してゆく。 太平洋艦隊の本土への事実上の撤退など絶望的な状況であったが、 それでもなお降伏しないのは、通商破壊で満身創痍でも本土から船団が常に物資を運搬しており、 四発機によるピストン輸送すら行われ、苦しい状態であったが合衆国は自分達を見捨てておらずいつかは勝利できる。 そう誰もが考えており、スターリングラードやマルタ島の住民と同じく現状の苦難に耐え忍んでいた。 次話:第15章「次の一手へ」:目次
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写真 文化財ナビ愛知 復元想像図 奉納年 宝暦2年(1752)5月 掲額者 榎本犀助章清、大岩久治郎則重 緒元 縦32.2cm ×横176.7cm ×厚3.0cm 杉材 問題数 4 奉納先住所 愛知県知多郡南知多町豊浜鳥居37-2 奉納先名称 光明寺 別保管住所 別保管名称 文化財指定 県指定文化財 拝観時注意事項 答算序算数之道譬之渤海□浦浩湯莫窺涯際□□□蓋学之者多初洋退若其□鈔満染汗手名若□□□白日然非博識未易研究放□□窮曰之力得之於□□□心壱通於方然後可以説算也近代野口氏先生玩□□□斯術當延宝間為也円而□方之薬師前共円橋也□□□円堂也円躍直也方平也平円也立円也平円内三星也□内四星也鈎股内□□也鈎股内一星也都十一箇也前三箇有問後八箇無問依之□□覧後□其有問答前三箇□□□造之円懸其壱辺□吾輩□見発其所己知所□□□附驑尾耳豈敢□先生之徳□□術之所至耶先生以□□□三箇繋問也譬如能□□除當□害之処而築鉄銀金之三関令天下有足者得能□誰何鶏鳴狗盗之客不得敢進馬焉然則先生□□於吾輩也猶河漢□□□ .........驑... 野口氏伝 問1 此橋鈎股狐天弦山形陽橋加円闕東西土井高同。石垣登四丈五尺。石垣跋巾一尺九寸。同上小登三丈同右数弐拾□井□道五丈七寸余。土井上而川幅九丈。水深三尺。上無水。板枚九拾五枚巾壹尺。土井根置九丈。土井高橋真中之高問 答1 忌答曰土井上高三丈六尺二寸答也同答曰橋真中高五丈壹尺余也 法1 法曰石巾石数懸三丈八尺①也九丈之内ヨリ引余五丈四尺②也是減合載千七百。四坪ト成外□□□合三千百。弐坪五分□内右引□□百九拾八坪五分八□⑤之□□□巾也是ト①懸合シ加□□八百四拾弐坪五分是開平法除四丈弐尺九寸□□□④也是〇登□三丈加□七丈弐尺九寸□⑤□□□相合五千筭百拾四坪五分ト成□根置□合八千百坪ヲ加テ左壹□二千四百拾四坪五分ト也内ノ□□□五坪列□□余壹万千三百八拾九坪五分ヲ実として□□根置□して拾八丈為法実割八六□三尺弐寸余□□足八⑥也是ヲ楫合四十。三坪□□□有⑤巾五□千三百拾四坪五分□□□余ノ千三百拾壹坪□□を□□法高三丈六尺弐寸余又曰□枚板巾□九丈五寸也口楫□合九十□□坪 高ヲ川巾九丈懸合八千百坪□□□九百弐拾五坪□を弧法の□ニテ割百二拾四□一云□□□を□□法□除壹丈弐尺四寸余□ハ⑥也□□□源三尺□三□合五丈壹尺六寸八橋真中之高也但シ附□寸ヨリ余ノ不用 ①~⑥は、〇つきひらがなのい~へ、に対応 野口氏伝云 問2 □□□巾壹間方寸□□宛□□□壹乃□壹方□□□壹の□寸して九堂立□□□問也 答2 忌答曰堂壹□拾□六分〇五毛余也 法2 法曰道巾乃左方と角三分□□六坪足を二割八三坪也八拾弐坪□□三坪を列余也□九坪実として四角。道巾合□□□七分五□□□定□□□として□平方除也□□分□□也上道左右二□□壹の多□□□上□□□三間を引て余四□六分一八九二□□乃三一六二を然て拾四間六分〇五を余□也 野口氏伝云 問3 円曜六円拾弐曜 答3 答曰六円径何□□連為四百五拾宛也 法3 □□三□□書合ヲ□□□□百五有也□□□加七拾四□を□□□列し拾□□□□百□□□余り□□百□□□之牧□也 野口氏図之問無問之許 方□之西国者隙中□□陽中之隙等忌曰此八箇無問依之無答や問寸有術や 宝暦二歳(壬申)五月上旬 内海住 榎本章清. 大岩則重 自問自答之図如左 問4 今有載図大平方与平方只云積和而弐百拾弐寸壹分弐厘五毛別云従平方面寸減不足二寸余寸為実開平方得与立方面寸和而七寸五分問立方面幾何 答4 答曰立法面四寸五分 術4 術曰立天元一為立方面〇以減別云数余自之加入不定寸得数自之為平方巾寄左〇列立方面亦自乗之以減只云数余得数余寄左相消得開方式三乗方開之商得立法商四寸五分 額文は「愛知県算額集」による。改行位置も同書に従う。 名前 コメント
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【名前】浅録愛里(あさとりあいり) 【性別】女 【所属】科学 【能力】念動手錠(ハウンドルーパー)level3 念動力を環状に象った不可視の物体=手錠を操る念動使いの一種。 浅録の自分だけの現実が強く影響した結果で、捕縛限定の能力。 手元から飛んでいく形で半径38M以内であれば自在に操作でき、範囲から外れてしまえば当然消滅する。 手錠のサイズは指にはめるサイズから大の男五人が固まったサイズまで自由に調節可能。 捕縛前は環が開いた状態で、何か物体が環の中心にくると完全な形態となる。 捕縛後の環はサイズを縮めることで物体を締め付けたり、本来の念動力の性質をあらわすことで最大65㎏までなら持ち上げ浮かせられる。 地面や壁に設置すれば目に見えないトラップとして応用可能。 一度に7つまで作れる。 もちろん、手錠という名称だからといって捕縛できるのが手だけなのではない。 【概要】 明知中等教育学院二年生一部クラスの女子生徒。 風紀委員で第一六八支部に所属する。 頭脳明晰、品行方正、容姿端麗、運動神経抜群なまさにアイドル気質である美少女で校内外含めてファンが少なくない。 ただし料理だけは壊滅的で、彼女の料理を口にした者は全身から汗を拭きだしながら卒倒するレベル。 しかも本人は無自覚であり料理自体の見た目は至って美味しそうという辺りが性質が悪い。 支部のメンバーやクラスメイトに手作りクッキーを差し入れする度に地獄絵図が繰り広げられる。 (彼女の純真な笑顔に断れない者が犠牲となる。) 得意料理(!?)は洋風全般。 正義感と責任感が強く、たとえ管轄外であろうと困っている市民に肩をかす。 仕事もソツなくこなし、模範的そのもの。 ここまでくればちょっとドジ要素の入ったアイドル美少女なのだが、実は「完璧な人間ほど裏に欠点がある」といった思想を具現化したような人格。 実力至上主義であり風紀委員至上主義。 特技・超能力問わずとにかく実力のある者はその実力を公に掲げるべきだと考え、そしてその実力を振りかざすためには風紀委員になることが一番合理的だと言う。 そのため特に自分よりも優れた地位にある人間をどのような手段であろうと風紀委員に勧誘してくる。 明知のlevel4や一部クラスたちが被害にあっている(既に風紀委員の者を除く)。 以上の人格は素というかこちらも無自覚なため、普段は当たり障り無いがこういった話題に入ると次第にズレた価値観が見え始める。 力を持たないと判断した者には容赦なく無能のレッテルを貼る。 クラスメイトにいつも行動を共にする親友がおり、それなりに実力を持つ親友を信頼しており、度々風紀委員に誘う。 自身の価値観を否定されようものなら激昂する。 そして無自覚なのでそのことは忘れるという悪循環。 能力然り料理然り本性然り、「トラップ」だらけの女である。 ヤンデレの気アリ。 【特徴】 規定の制服(+腕章)に青いベレー帽が特徴的な肩甲骨辺りまで伸びた黒髪の美少女。 異性にも同性にも好かれそうなアイドル風。 身長は162㎝体重45㎏ B82W58H80で発達中(ファン調べ) いつも清楚な佇まい。 【台詞】 「ねぇ、今度あそこの喫茶店寄っていかない?評判良いんだって。」 「どうして?力がある者はその実力を掲げるべきだわ。風紀委員になるべきよ・・・ね?」 「無能ね。」 「だってだってだって、貴方はずっと私のことを見ててくれてたもの。だから、私も貴方の力を信じてきたのよ?なのに、酷いじゃない!貴方が私を否定するだなんて、絶対に許せるわけないじゃないッッッ!!」 【SS使用条件】 特になし
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出典 閃乱カグラ/焔紅蓮隊(※独立mlt) 種族 【人間】 プロフィール 〈ケバルライ〉に住む大剣を抱えた女【冒険者】。 貶しやかな雰囲気に加え、柔らかな丁寧語と上品に振る舞うので 彼女を知らない人間からは〈ラサルハグ〉に住まう様なお嬢様だと勘違いされている。 その他プロフィール ●{キルオに対しての感情}:片側1段階補正 ●〘アイテムボックス〙贈与済み {年齢}:013 精神はやや世間知らず程度で済むが、肉体は大人顔負けとかそういう次元ではない。 尚、当人は何故自身に視線を向けられているのか全く分かっていないようだ。 {異性耐性}:079 {ちしき}:02 両親の教育上、見知らぬ男は避けるようには言われている。 だが、過保護な教育は道半ばのせいなのか何故そうするかは分かっていない節があるようだ。 {幽霊耐性}:019 {CG回収(意味深)} 第一六〇話:http //yarufox.sakura.ne.jp/test/read.cgi/FOX/1707992753/2468-2487(雑談枠) キャラクタースペック ├(0):詠├【戦闘力】:025│┣―――【体】02 〔1〕【力】32 〔2〕【技】11 〔3〕【魔】13 〔4〕【速】07│┣―――[AS]〚黄泉への誘い〛 [AS]〚イスカのクチバシ〛│└――…z...._______________________├【体】02:([St.R]"0")□□___ _____├【力】32:([St.R]"3")□□___ _____├【技】11:([St.R]"1")□____ _____├【魔】13:([St.R]"1")□□□__ _____└【速】07:([St.R]"0")□□□□□ □□___ 装備【アイテム】 一枠目 ┌〘轟剣・ラグナロク〙├①:【体】の【スペック】を"06"〔上昇〕。├②:【力】の【スペック】を"12"〔上昇〕。└③:【速】の【スペック】を"06"〔減少〕。 ニ枠目 なし 三枠目 なし [キャラクタースキル] なし [アサルトスキル] [LV.1] ┌〚黄泉への誘い〛├(必要[AG]:"010")├◎:【力】が〔選択〕された時に〔発動〕する。├①:〔自身〕の【力】を"10"〔上昇〕させる。├②:〔選出〕された〔相手〕はこの[ターン]、〔自身〕の【弱体効果】を〔無効化〕する【スキル】の効果が適応されない。│ 「大剣を下から大きく弧を描くように切り上げる技。└ 自らの背丈よりも大きな剣を的確に振り回すというだけでも、十分な威力を誇る。」 [LV.2] ┌〚イスカのクチバシ〛├(必要[AG]:"030")├[先制スキル]/[弱体スキル]├〔回数制限:1[ターン]/二回〕├◎:【技】が〔選択〕された時に〔発動〕する。├①:〔選出〕された〔相手〕の【スペック】をこの[Command]中、"03"〔減少〕させる。├②:同[ターン]中に同〔相手〕にこの【スキル】を二回〔発動〕した場合、├1D3ターンの間その〔相手〕に〔【気絶】状態を付与〕する。│ 「左腕に付いているボウガンから大量の手裏剣を発射する技。│ 大振りな攻撃ばかりすると高を括って近づく相手は、└ この飛び道具に対処できずに逆に多大な隙を晒すことになる。」 [LV.3] なし
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(同前) 第三六条の二 特許を受けようとする者は、前条第二項の明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書に代えて、同条第三項から第六項までの規定により明細書又は特許請求の範囲に記載すべきものとされる事項を経済産業省令で定める外国語で記載した書面及び必要な図面でこれに含まれる説明をその外国語で記載したもの(以下「外国語書面」という。)並びに同条七項の規定により要約書に記載すべきものとされる事項をその外国語で記載した書面(以下「外国語要約書面」という。)を願書に添付することができる。(改正、平一一法律一六〇、平一四法律二四) 2 前項の規定により外国語書面及び外国語要約書面を願書に添付した特許出願(以下「外国語書面出願」という。)の出願人は、その特許出願の日から一年二月以内に外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を、特許庁長官に提出しなければならない。ただし、当該外国語書面出願第四十四条第一項の規定による特許出願の分割に係る新たな特許出願、第四十六条第一項若しくは第二項の規定による出願の変更に係る特許出願又は第四十六条のニ第一項の規定による実用新案登録に基づく特許出願である場合であつては、本文の期間の経過後であつても、その特許出願の分割、出願の変更又は実用新案登録に基づく特許出願の日から二月以内に限り、外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を提出することができる。(改正、平一八法律五五) 3 前項に規定する期間内に外国語書面(図面を除く。)の同項に規定する翻訳文の提出がなかつたときは、その特許出願は取り下げられたものとみなす。 4 第二項に規定する外国語書面の翻訳文は前条第二項の規定により願書に添付して提出した明細書、特許請求の範囲及び図面と、第二項に規定する外国語要約書面の翻訳文は前条第二項の規定により願書に添付して提出した要約書とみなす。 (本条追加、平六法律一一六、改正、平一四法律二四) 旧法との関係 該当条文なし 趣旨 従来の特許法においては、特許出願にあたっては願書を提出するとともに、願書には明細書、必要な図面及び要約書を添付しなければならず(三六条二項)、これらの書類は日本語により作成しなければならないとされた。 このため、従来、外国人が我が国に特許出願を行う場合は、通常、外国語により行った第一国出願に基づきパリ条約の優先権を主張し、願書に日本語に翻訳した明細書等を添付することにより行っていた。 しかし、従来の特許法においては、①パリ優先権が主張できる一年の期間が切れる直前に特許出願せざるを得ない場合には、短期間に翻訳文を作成する必要が生じることに加え、②願書に最初に添付した明細書又は図面(すなわち外国語を日本語に翻訳した出願当初の明細書又は図面)に記載されていない事項を出願後に補正により追加することは認められてないため、外国語を日本語に翻訳する過程で誤訳があった場合には、外国語による記載内容をもとにその誤訳を訂正することができないなど、発明の適切な保護が図れない場合があった。 本条は、こうした問題点を解決するため、平成六年の一部改正において新設された外国語書面出願について規定したものである。 一項は、外国語書面出願の提出書類について規定したものである。願書には日本語で作成した明細書、特許請求の範囲、必要な図面及び要約書を添付しなければならない(三六条二項)が、本項では、これに代えて日本語による願書に、①明細書に記載すべき事項を経済産業省令で定める外国語(特許法施行規則二五条の四において英語を規定)で記載した書面、②必要な図面でこれに含まれる説明をその外国語で記載したもの及び③要約書に記載すべき事項をその外国語で記載した書面を添付して提出することができる旨を規定している。 二項は、一項の規定により願書に添付した外国語書面及び外国語要約書面の翻訳文の提出義務について規定したものである。我が国においては、特許権は日本語により発生させる必要があることから、特許協力条約に基づく外国語特許出願については、従来から翻訳文の提出を求めていた。外国語書面においても同様であるため、外国語書面及び外国語要約書面の日本語による翻訳文を提出しなければならないこととした。本項に規定する翻訳文の提出期間は、平成一八年の一部改正前は出願の日から二月以内とされていたが、我が国に外国語書面出願により第一国出願をする出願人の翻訳文作成負担の軽減を図るため、同改正により、優先日から一年二月以内に延長された。「一年二月」としたのは、(1)分類付与や公報発行準備等の出願公開前(先の出願)に基づいて国内優先権を主張して新たな外国語書面出願(後の出願)を行う場合であって、翻訳文提出期間経過後に後の出願を行う場合、先の出願と後の出願の両方について翻訳文を作成する必要がある(翻訳文を提出しておかないと、先の出願が見なし取下げとなってしまう)ことを考慮したためである。本項ただし書は、特許出願の分割、若しくは出願の変更に係る外国語書面出願、又は実用新案登録に基づく外国語書面出願を行った場合について規定したものである。この場合であっても、出願日(もとの出願又は基礎とした実用新案登録に係る実用新案登録出願(以下「もとの出願等」という。)の出願日に遡及)から一年六月経過後に速やかに翻訳文付きで公開が行われる必要があるため、翻訳文提出期間は原則として、「出願日(もとの出願等の出願日に遡及)から一年二月」であるが、もとの出願等の出願日から一年以上経過後に特許出願の分割若しくは出願の変更に係る外国語書面出願又は実用新案登録に基づく外国語書面出願を行う場合には、分割の日、変更の日又は実用新案登録に基づく特許出願の出願日から二月の間、翻訳文提出期間を設けることとしている。 三項は、翻訳文の提出がない場合の取扱いについて規定したものである。出願の日から一年二月以内に外国語書面のうち明細書に相当する書面の翻訳文の提出がなかった場合は、特許協力条約に基づく外国語特許出願について明細書及び請求の範囲の翻訳文が提出されなかった場合の扱い一八四条の四第三項)と同様、その外国語書面出願は取り下げられたものとみなすこととした。 なお、図面に相当する書面と外国語要約書面の翻訳文が提出されなかった場合の取扱いについては、以下のとおりとした。すなわち、図面について翻訳文が提出されなかった場合は、四項の規定により願書に添付して図面はないものとして取り扱えば足りるため、出願のみなし取下げとはせず、また、外国語要約書面について翻訳文が提出されなかった場合は、技術情報としての利用に供することができるよう出願人に補正を命じれば足りるため、この場合も出願のみなし取下げとはしないこととした。 四項は、二項の規定により提出された翻訳文の特許法上の位置付けについて規定したものである。特許法においては、「願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面」が審査の対象となるとともに、これらに基づき特許権、補償金請求権が発生する。外国語書面出願の場合は、従来の特許協力条約に基づく外国語特許出願と同様(一八四条の六)、外国語書面の翻訳文を願書に添付して提出した明細書、特許請求の範囲及び図面とみなし、外国語要約書面の翻訳文を願書に添付して提出した要約書とみなすことにより、翻訳文が審査及び特許権等の対象となることを明確にした。本項の規定により、外国語書面出願の審査は、特許法上の明細書等とみなされた翻訳文に基礎をおいてすればよいこととなるが、このような取扱いとしたのは、特許権等の範囲が外国語書面で確定されると、第三者は常に外国語書面イあたることが必要となり第三者の監視負担が極めて大きいこと、審査の対象を外国語書面とすると、たとえ翻訳文が提出されたとしても拒絶理由の有無等は外国語書面に基づいて審査しなければならず、迅速な審査に支障をきたすこと等を考慮したためである。 なお、平成一四年の一部改正において、三六条二項の「明細書」から「特許請求の範囲」が分離されたことに伴い、本状にも同様の修正が加えられた。(青本第17版)
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736: 昭和玩具の人 :2019/10/27(日) 14 31 25 HOST p1304131-ipngn11701hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp 艦娘“ふじ”の誕生―――その発表は世界中を巻き込んでの大騒動となった。 なにせそれまで神崎島にしか所属していなかった存在が現れたのだ。「ふじ」の建造時に神崎島が大きく関わっていたとはいえ、所属する組織が異なる艦娘(ついでに神崎提督の妻でない艦娘)の出現は、各国政府はもとより、神崎提督や艦娘達、さらにはティ連までもが大きく注目することになる。 そんな世界どころか別銀河でも注目の的となった当の本人は現在、私の目の前に移るモニターの中で、十数隻の深海棲艦達との実弾演習を繰り広げていた。 737: 昭和玩具の人 :2019/10/27(日) 14 32 21 HOST p1304131-ipngn11701hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp 銀河連合日本×神崎島ネタ ふじ艦長の憂鬱 その2 「これは凄いな・・・」 就役前の護衛艦「ふじ」のCICで演習の様子を眺める一同。上空を飛ぶ偵察機(妖精さん達が操る小型飛行機)や、何をトチ狂ったのかギリギリまで“ふじ”に近づくものいて映像を届けるものまでいる(巻き込まれて撃墜されたのか、たまに映像が途切れるのはご愛敬だ)。 そのおかげで、大迫力の光景をここまで届けてくれている。食堂に設置されているテレビにもこの映像が届けられているので、恐らく手すきの乗員達も食い入るように見ているのではないだろうか。 「ああ、これが艦娘達の戦い・・・」 画面に映る“ふじ”の戦い。それは数的劣勢にも拘らず、全ての装備を駆使して徐々に優勢に持ち込んでいることから、その凄さが分かるだろう。 確かに演習相手を務める深海棲艦達は第二次世界大戦当時の装備で固めており、技術格差は“ふじ”が圧倒的に優位にある。だがそれを補うほどの物量で攻められれば、質を追求し続けた現代兵器では早々に息切れしてしまい、最終的には敗れ去る。以前自衛艦隊との演習では、序盤こそ自衛艦隊が圧倒していたものの、深海棲艦達が巡洋艦や戦艦を前面に押し出すと対艦ミサイルでは装甲を貫けず、最終的には弾薬が欠乏して一方的に蹂躙された。余談ではあるが、以来技本では対装甲用対艦ミサイルの開発に躍起になっているという。 だが、“ふじ”の戦いは異なる。 ―――“ふじ”、ひいては「ふじ」には前時代的ともいえる砲を多く備えている。近接防御火器である二〇ミリCIWS四基、対空対地対水上目標に対応できる傑作艦砲、オットーメララ七六ミリ速射砲四基、そして世間が本艦を“戦艦”と(間違って)呼称する原因ともいえる大口径砲、五〇口径三五六ミリ連装砲三基――― 彼女は現代に生まれた“護衛艦”にも拘らず、全時代の主兵装たる砲熕兵器を主に戦っていたのだ。 接近する球体型の艦載機に対し、両手とサブアームの七六ミリ速射砲で効率よく迎撃し、それでもなお近づいてくる敵には二〇ミリCIWSでハチの巣にする。VLSのESSM近距離空対空ミサイルなど、演習が始まってからまだ数発しか放っていない。 艦載機からの波状攻撃中にも無数の一六インチ砲弾や八インチ砲弾が頭上から降り注ぐが、これを持ち前の機動力で回避、あるいは艦載機と同じく迎撃し、敵の攻撃が緩んだわずかな隙をついて、三基の三五六ミリ連装砲が火を噴く。六秒に一発というとんでもない連射力で放たれるその砲弾はほぼ全て相手に命中し、対一六インチ用以上の装甲を持つ戦艦クラスにすら効率的にダメージを与えて、それ以上に装甲が薄い重巡洋艦クラスに至っては、一斉射で大破させている。 無論ミサイルだって全く使っていないわけではない。演習開始早々、九〇式艦対艦誘導弾を全弾発射して軽巡洋艦、駆逐艦を多数片付け、それでもなお残っていた相手は三五六ミリ砲弾をお見舞いして戦線離脱させているし、海域に潜んでいた潜水艦には発見次第〇七式VLAで撃破、例え魚雷攻撃を受けても回避するか短魚雷で迎撃していた。 とはいえ、今までの演習内容を見るに、“ふじ”は間違いなく砲熕兵器を主として戦っている。ミサイル全盛期ともいえる現代において異端ともいえる戦い方だ。 738: 昭和玩具の人 :2019/10/27(日) 14 33 07 HOST p1304131-ipngn11701hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp 「―――だが、理に適っている」 ミサイルは迎撃されなければほぼ一〇〇パーセント目標に命中する射手座(サジタリウス)だが、その分コストは高い。しかし砲熕兵器は砲弾自体に誘導装置を備えていないため、安価かつ多数揃えられる。つまり物量攻撃にも対応できるだけの弾薬が揃えられるのだ。ましてや現代の砲熕兵器でも十分ミサイルを迎撃できる能力はある。限定的ではあるものの、この場においては完全に立場が逆転していた。 「・・・なんというか、想像はしていましたが、実際に出来るものなんですね」 「そうだな。あれこそが我々が目指す領域なのだろう」 副長の呟きに、私はそう答える。最も、そんな能力を発揮する機会など来てほしくはないが。やはり平和が一番である。 『―――赤軍旗艦大破。演習終了、“ふじ”の勝利』 「終わったか」 「ええ、凄いですね。“ふじ”さんはまだ誕生したばかりなのに」 「まあ相当な技術格差があったからな。それに物量攻撃にも対応できるなら負ける要素などないだろう」 演習が終了し、画面では大破した深海棲艦達と談笑をしている“ふじ”。至近弾こそあったものの、被害らしい被害はなかったようで、あちこち煤だらけ絆創膏だらけ(それも白い十字型の。実際に現実で見れるとは思わなかった)な彼女達とは対照的だ。 「いやはや、まだ「ふじ」は就役前だというのに、あんなの見せつけられては自分も奮起せざるを得ないじゃあないですか」 「勇み足すぎるぞ、副長。まだ本艦は全ての試験を完了していないのに」 「それはそうなんですがねぇ」 私も副長も、思わず苦笑する。平和が一番だが、あんなものを見せられては艦乗りの血が騒いでしまう。恐らく他の乗員達も同じ気持ちだろう。艦を預かる身としては喜ばしいことだ。 『艦長さん』 “ふじ”から通信が入る。 「“ふじ”か、お疲れ様。怪我はないか?」 『大丈夫です、被弾はありませんし。まあ弾薬はだいぶ使っちゃいましたけど』 「そのくらい問題ない。無事で何よりだ」 『ありがとうございます。―――あ、そういえば今日って金曜日でしたね!』 「それはそうだが―――まさか」 予感は的中する。 『はい! 今日演習相手を務めてくださった深海棲艦の皆さんにもふじカレーをご馳走したいんですけど、よろしいでしょうか?』 “ふじ”からの唐突な提案。現在給養員達が必死に夕食を作っているだろうが、それはあくまで人数分。多少多めに作っているだろうが、全員となると恐らく新たに作らなければならないだろう。流石にそれは大変だが――― 「―――許可する」 「よろしいんですか?」 隣で聞いていた副長が訪ねてくるが、意見を変える気はない。 「問題ないだろう。我々の分を少し減らせば問題ない。食べ盛りの隊員達も喜んで提供してくれるだろう」 「まあ“ふじ”さんの頼みであれば、誰も断りませんか」 誕生してまだ半年も経っていないが、既に全乗員達から慕われている“ふじ”。上目遣いで“お願い”されたら、若い男性自衛官等喜んで全ての夕食を差し出すくらいはするんじゃないだろうか。 『ありがとうございます、艦長さん。では皆さんにお伝えしておきますね』 声を弾ませて通信を切った“ふじ”。有事となれば無機質な戦闘モードに移行するCICが、朗らかな空気に支配された。 「―――“ふじ”さんは、我が艦の清涼剤ですね」 「まったくだ」 ―――余談だが、今夜の「ふじ」では一時的に、カップラーメンの価値が激増したらしい(“ふじ”が申し訳なさそうに教えてくれた)。 739: 昭和玩具の人 :2019/10/27(日) 14 34 09 HOST p1304131-ipngn11701hodogaya.kanagawa.ocn.ne.jp 以上、第二話でした。 ネタは色々出てきますが、それを文章化してまとめるのはやはり難しいなぁ
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PLが施設を登録する用のページ。登録された施設は今後シティルールに流用される可能性もあり。 極めて特異なものに関してはGM陣の手によって修正・消去を行ったりこちらから幾つか質問するかもしれませんが、 基本的に設置する施設に対する制限はありません。ただまあ、ある程度は学園都市の世界観を踏まえた上でね! 学区ごとの特色や立地は学園都市MAPを参照しよう。 テンプレート 施設名 施設説明 投稿者名 第一学区 第二学区 第三学区 第四学区 第五学区 第六学区 第七学区 第八学区 第九学区 第一◯学区 第一一学区 第一ニ学区 第一三学区 第一四学区 第一五学区 第一六学区 第一七学区 第一八学区 第一九学区 第ニ◯学区 第ニ一学区 第ニニ学区 第一学区 第二学区 第三学区 ホットドッグショップ『ニャンダフル』 移動式のホットドッグ屋台。白く輝く移動販売車の内部には空間魔法によってプロ仕様のキッチンが広がっている。元コックである猫変化店主の腕前は観光客から地元民にまで愛されている。第三学区が中心だが、時々別学区で営業している。たまに変なデブが客対応をしてるのが玉に瑕。 ポポカ 第四学区 生酢姜神社 学園都市が出来る前からこの地に根付いていた神社。その歴史は遥か昔から続いているらしいが、江戸時代の火事で資料が焼失したらしく詳細は不明。現存する資料から察するに、どうやら世界創生神話に関わる神を祀っているらしい。読み方は「きずきょうじんじゃ」。 hakino 蕎麦屋「半〼矢」 迷路のような道を通ってたどり着く古めかしい蕎麦屋。香り豊富な蕎麦ももちろんのことだが、カツ丼が非常に肉厚かつジューシーで美味しいと評判。老夫婦二人と息子夫婦で経営しており、老夫婦が厨房にいる時は蕎麦が美味しく、息子夫婦が厨房にいる時はカツ丼が特に美味しいと言うのが常連の間では通説となっている。 梅酒 第五学区 第六学区 妖精喫茶「湖の乙女」 ニミュエ高等教室の卒業生が経営しているカフェ。店員は全て50cm以下の小人系幻想種で統一されており、家具や食器も小さめにデザインされている。まるで小人の世界に迷い込んだようだと評判で、学園都市観光MAPにも載るほどの人気店。 hakino おばんざい「ひなや」 第六学区と第七学区の境目辺りにある定食屋。そこまで大きくない店舗は下町の定食屋といった風情でパッと見は少し地味にも見える。基本は家庭料理のようなほっとする味で、リピーター多数。また、ごはんのおかわりは自由。店主の人柄もありアットホームな雰囲気が売り。また、執行委員の一人荒谷膳の実家でもあり手伝いをする息子の姿も時折見られる。 うみゃ 霧原探偵社館浜事務所 中規模探偵社の学園都市支店。雑居ビルを一棟借り切っている。有望な学生のスカウトもかねて学生向けの探偵術の講習会を実施しており、利用者も多い。社員は拳銃を用いる会社伝統の護身術を身に着けていることで知られる。捜査で行き詰った時は、ここに頼る執行委員もいるとか。無論タダとはいかないが 桑畑 展望レストラン『レインボーリゾート』 ビルの高層にある、いわゆるところのスカイラウンジ。夜景が望める展望レストランとして人気が高く、店内は回転するため反対側の館浜の海も臨める。一見値の張る店に見えるが実際は学生向けを謳っており、子供だけでも手の遠い存在ではない。 ぴゃー 第七学区 定食屋『アンゴルモアの陰謀』 赤い看板が特徴的な定食屋。安い、美味い、多いと食べ盛りの若者に嬉しいと評判。一番人気はステーキ定食、AとBがあり、Aは赤身肉1ポンド、Bは霜降り300gの大盛りである。店主は陰謀論を大げさに語る変人であり、時折調理場から店主の叫び声と店員のなんだってー!という相槌が聞こえてくる。なお、前述のステーキ定食でも千円で、他は500円から800円という安さを誇りこの定食屋が赤字経営でないという事が一番の陰謀なのでは、と常連の間では囁かれている おうしゅく 第八学区 電子改造ショップ『英雄』 蒔菜横丁内にある魔法電子生徒手帳改造ショップ。様々なデザインのケースから、機械部品や魔法陣、おトクなアプリケーションパックまで、様々なものが揃っている。デザインは電子や歯車、機械をテーマにした物が多く、マニアにはたまらないものらしい。店員は中性的な見た目をしたマキナ人が中心で、此方目当てに通う少年少女もいるとか…… 梅酒 第九学区 ランバダ商店街 割と古くからある商店街。長いこと第9学区の商業の中心だったがスーパーに客を奪われつつある。住民たちは血の気が多く、座して死を待ってなるものかとばかりに様々な斜め上の集客策を実行している。例としては草野球チームを結成し負かした相手を買物させる、近所の高校の学園祭に勝手に出店する、住民一同バニーの格好で接客(平均年齢43歳)等。いちおう普通の振興策も行っているが効果はいまいち。品ぞろえはそこそこで、安い飯屋も多い。 桑畑 第一◯学区 国立幻想感染症研究所 幻想種が由来となる感染症の研究をしている場所。通常の病原菌によって引き起こされる感染症だけでなく、現象として存在するものや概念を通じて感染する病なども取り扱っている。バイオハザードを防ぐため、施設のバイオセーフティレベルは世界でも有数の「レベル5」である。日本では唯一の幻想感染症研究所のため、全国から優秀な研究者が集まってくる hakino プロジェクション研究センター 映像などを現実にプロジェクション(投影)する研究をしている場所。エンターテイメントとしてのプロジェクションマッピングや立体テレビなどの研究もしているが、メインの研究は「現実に世界を投影して科学の力で異界を構成する」研究。個人の力量に頼らず異界を作り上げることが出来れば人類は資源問題から完全に解放されるとかなんとか。ちなみにここの所長はワカメみたいな髪型をしているともっぱらの評判 hakino 館浜市家畜品種改良所 館浜市役所の下部組織の一つで、家畜の品種改良を研究している。様々な学校と研究提携を結んでおり、たまにとんでもない動物が誕生してしまい執行委員が出動することもある。ここで改良された家畜は第十八学区に送られ、繁殖能力や肥育速度などを検証されてから実用化となる。最近では、食肉用以外の家畜も研究しているとかいないとか。 hakino 第一一学区 第一ニ学区 第一三学区 萌え☆萌えショップ『ファッキン』 老若男女や一定以上の年齢層が楽しめるゲームやビデオが売っているお店。。外装はピンク色。壁には濃いピンクで縦線。女の子イラスト多め。従業員はすべて店長の趣味で、全員18歳以上の男で形成されている。スタッフの健康のため週3でトレーニングジム「鍛人×鍛人」へ通わせているようだ。 レン 第一四学区 プラネタリウム「プレインズウォーカー」 世にも珍しい「歩くプラネタリウム」。天井はもちろん壁や床に至るまで一面の星空が映し出されておりひとときの宇宙散歩が楽しめると好評。 Raglice カラオケスタジオ「でんかめ」 学園都市全体に5つの支店を持つカラオケの本店。新しい物好きな学生の嗜好に合わせるため、楽曲は常に最新の状態に更新すされている。その分食べ物はちょっと微妙。なお、最新楽曲にまぎれてこっそり店長が作詞作曲した歌が毎月リリースされている。店名は「伝承歌唱呪文仮面」の略。 hakino Live/Life/Library 第十四学区で最も新しい娯楽施設、8月の最初の週にオープンしたばかり。内部は巨大で古い図書館のように見えるが、それらは全て投影された魔法。中に収められている本の世界を再現する仕組みが作られていて、本を取り出すと空想の世界への扉が現れる。登場人物は再現されないという難点があるものの、物語の中へと入れる、読書家たちみんなの夢を叶える施設。 梅酒 第一五学区 第一六学区 喫茶店「MoFU」 完全に人の姿をとることができない半端な幻想種などが働いているカフェ。入店に抵抗感を覚える人も珍しくはないが手作りのお菓子やモフリーな一部のスタッフを目当てに足繁く通う人もいるとか。 Raglice ドラゴン丘 背中に剣が刺さったまま封印されているドラゴン。剣を抜くのは固く禁じられているが、仮に引き抜こうとしても剣自身が拒否しているかのようにビクトもしない。危険なため触れるのは禁じられているが、ランドマークとして有名である はきの 第一七学区 第一八学区 第一九学区 第ニ◯学区 第ニ一学区 第ニニ学区
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(特許無効審判)(見出し改正、平一五法律四七) 第一二三条 特許が次の各号のいずれかに該当するときは、その特許にすることについて特許無効審判を請求することができる。この場合において、二以上の請求項に係るものについては、請求項ごとに請求することができる(改正、昭五〇法律四六、昭六二法律二七、平一四法律二四、平一五法律四七) 一 その特許が第十七条の二第三項に規定する要件を満たしていない補正をした特許出願(外国語書面出願を除く。)に対してされたとき。(本号追加、平五法律二六、改正、平六法律一一六) 二 その特許が第二十五条[外国人の権利の享有]、第二十九条、第二十九条の二[特許の要件]、第三十二条[特許を受けることができない発明]、第三十八条[共同出願]又は第三十九条第一項から第四項まで[先願]の規定に違反してされたとき。(改正、昭四五法律四六、昭六二法律四六、昭六二法律二七、平五法律二六) 三 その特許の条件に違反してされたとき。(改正、平五年法律二六) 四 その特許が第三十六条第四項第一号又は第六項(第四号を除く。)[特許出願]に規定する要件を満たしていない特許出願に対してされたとき。(改正、昭五〇法律四六、昭六〇法律四一、昭六二法律二七、平二法律三〇、平五法律二六、平六法律一一六、平一四法律二四) 五 外国語書面に係る特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にないとき。(本号追加、平六年法律一一六、平一四法律二四) 六 その特許が発明者でない者であつてその発明について特許を受ける権利を承継しないものの特許出願に対してされたとき。(改正、平五法律二六) 七 特許がされた後において、その特許権者が第二十五条[外国人の権利の享有]の規定により特許権の享有することができない者になつたとき、又はその特許が条約に違反することとなつたとき。(改正、平五法律二六) 八 その特許の願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面の訂正が第百二十六条第一項[訂正審判]ただし書若しくは第三項から第五項まで(第百三十四条の二第五項において準用する場合を含む。)又は第百三十四条の二第一項ただし書の規定に違反してされたとき。(本号追加、平五法律二六、改正、平六法律一一六、平八法律六八、平一四法律二四、平一五法律四七) 2 特許無効審判は、何人も請求することができる。ただし、特許が前項第二項に該当すること(その特許が第三十八条の規定に違反してされたときに限る。)又は同項第六号に該当することを理由とするものは、利害関係人に限り請求することができる。(本項追加、平一五法律四七) 3 特許無効審判は、特許権の消滅後においても、請求することができる。(改正、平一五法律四七) 4 審判長は、特許無効審判の請求があつたときは、その旨を当該特許権についての専用実施権その他その特許に監視登録した権利を有する者に通知しなければならない。(改正、平一五法律四七) 旧法との関係 五七条、八四条 趣旨 本条一項は、審判により無効にすべき場合について規定したものである。この規定は四九条の拒絶査定をする場合と同様に特許を無効にすべき理由を制限的に列挙したものであって、本稿に掲げる理由以外の理由によっては特許を無効にすることができない。また特許を無効にするのは本項の審判による場合のみであって、裁判所その他の機関は特許を無効にすることができない。したがって、侵害訴訟の対象となっている特許権について、裁判所が本項に掲げる無効理由があると判断した場合においても、本項の規定によりその特許が無効にされない限りは、裁判所はその特許権は有効なものとして裁判しなければならないのである。 なお、昭和四五年の一部改正において二九条の二を追加し、平成五年の一部改正において一七条二項(その後一七条の二第三項に移動)を追加し、平成六年の一部改正において五号を追加したが、その趣旨は四九条の場合と同様である。 一項中一号は、平成五年の一部改正において設けられた規定であり、従来は、要旨を変更する補正について、それが設定登録後に認められたときは、出願日を繰り下げる(旧四〇条)のみで特許の無効理由として規定した。この結果、新規事項を追加する不適法な補正の取扱いに関して、対世的効力が与えられるともに、制度の国際的調和が図られることとなった。なお、平成六年の一部改正において、一号中から外国語書面出願の場合を除く旨を規定し、また、出願公告後の補正が不適法であった場合の規定を削除した。一号中から外国語書面出願の場合を除いたのは、次の理由による。 (1)一七条の二第三項の規定は、外国語書面出願の場合、翻訳文に記載されていない事項を、誤訳訂正書によらず手続補正書による補正により追加した場合に適用される。しかしながら、誤訳訂正書の提出を義務づけたのは、誤訳の訂正に伴う第三者の監視負担の軽減を図るためであり、誤訳訂正書により手続を行うべきところを手続補正書により行ったとしても、手続をすべき書面の選択を誤ったにすぎない形式的瑕疵と考えられること。 (2)出願時に選択した外国語書面に記載されている事項の範囲内であるにもかかわらず、こうした形式的瑕疵についてまで特許の無効理由とすることは特許権者にとって酷と考えられること。 二号中の二五条違反とは権利の享有能力のない外国人が特許を受けた場合であり、二九条違反とは産業上利用することができない発明について特許された場合とか、新規性、進歩性を有しない発明について特許された場合であり、二九条の二違反とは特許掲載公報の発行若しくは出願公開又は実用新案掲載公報の発行がされた先願の明細書又は図面にされた発明または考案と同一内容の発明について特許された場合であり、三二条(昭和六二年の一部改正により旧三八条となった)違反とは共同出願の規定の違反であり、三九条違反とは先願でない特許出願に特許がされた場合である。 三号については、旧法において条約に違反して特許された場合であってその違反が前三号(旧法における)に掲げるもの準ずべきものと規定しているが、現在のところ条約に違反していて、かつ、前号(現行法の)に掲げるものに準ずるものでないという事例があり得ないので「準ずるもの」を削除し単に条約に違反してされたときとしたものである。 四号については、明細書の記載に係る問題であるが、この記載が適当でない場合は特許発明を公開した意味が失われ、ひいては公開の代償として独占権を付与するというと特許制度の本旨も没却されることになるので無効事由として規定したのである。なお、ここで注意すべきは三七条(昭和六二年の一部改正により旧三八条は三七条となった)違反が四九条四号の拒絶理由に掲げられているにもかかわらず、本号の無効事由として掲げられていないことである。三七条は現行法制定当初から無効理由から除かれているが、これは三七条に違反した場合はその特許権の内容である発明に実体的に瑕疵があるわけではなく、二以上の特許出願にすべきであったという手続上の瑕疵であり、それを理由に特許を無効にするのは苛酷であるという理由から本号に規定しなかったのである。また、三六条六項四号も、拒絶の理由(四九条四号)とされているが、特許無効の理由からは除かれている。これは三六条六項四号に違反した場合は、特許請求の範囲の記載形式に違反があるのみで、特許権の内容である発明に実体的に瑕疵があるわけではないので三七条に違反する場合と同様に考えられるためである。 五号は、平成六年の一部改正により追加された規定で、翻訳文の提出又は補正により外国語書面に記載されていない事項が追加された結果、特許の願書に添付した明細書又は図面に記載した事項が外国語書面に記載した事項の範囲内にない場合の無効理由についてきてしたものである。 六号については、別段説明することを要しないであろう。 七号は、後発的な事由によって無効にする場合であって外国人が特許後に特許権を享有することができないくなった場合および特許後に条約が改正されて特許の際は適法であったものが、その後条約に違反するようになった場合である(この場合は一二五条に規定するようにその無効処分の効果は特許が本号の規定に該当するに至ったときまでさかのぼるのみで、はじめからなかったものとみなされない)。 八号は、平成五年及び八年の一部改正において設けられた規定であり、制度の国際的調和及び審判手続の効率化、迅速化の観点から、従来の訂正無効審判(旧一二九条一項)を廃止したことに伴い、特許異議申立ての手続における訂正(一二〇条の四第二項)、訂正審判による訂正(一二六条)及び特許無効審判の手続における訂正(一三四条二項)が不適法であった場合には、当該訂正を特許無効理由とすることを規定したものである。その後、平成一五年の一部改正において、特許異議申立制度が廃止されたことに伴い、特許異議申立ての手続における訂正を削除した。 一項柱書の後段は、いわゆる一部無効の観念をとり入れたものであり、かつ昭和六二年の一部改正により改正されたものであって、二以上の請求項について一出願で特許を受けた者については、そのうちの一請求項に係る特許請求の範囲ごとに無効審判を請求することができるものとしたのである。しかしながら、ここにいう一部無効はあくまで一請求項に係る特許請求の範囲ごとということであって、一請求項のうちのその一部について特許の無効を請求することを認める趣旨ではない。したがって、特許請求の範囲に記載された一請求項の構成要件の一部に無効事由がある場合は、その無効事由のある部分を訂正審判または訂正請求によって除かない限りその一請求項全部が無効にされるわけである。昭和六二年の一部改正前の多項制のもとでは一発明について複数項の特許請求の範囲を記載した場合にその発明に無効事由がある場合は、訂正審判によって無効事由を除かない限り、その発明についての複数項の特許請求の範囲のすべてが無効にされていたが、昭和六二年の一部改正により請求項ごとに無効にされることとなった。なお、改正前に「特許請求の範囲に記載された二以上の発明に係る」と規定されていたのを「二以上の請求項に係る」と規定したのは、特許法上、「発明」は、必ずしも「特許請求の範囲に記載された」もののみではなく、「明細書又は図面に記載された発明」もあるが、「請求項」は、特許請求の範囲以外に記載されたものは存在しないためである。 また、平成一四年の一部改正において、三六条二項の「明細書」から「特許請求の範囲」が分離されたこと等に伴い、本項にも若干の修正が加えられた。 二項は、平成一五年の一部改正により設けられた規定であり、特許異議申立制度に関する規定の削除に伴い、特許異議申立制度が担っていた公衆審査機能を特許無効審判に包摂させるため、特許無効審判の請求人適格を拡大して、何人も請求できるものとした。 ただし、本来特許無効審判の請求人適格は利害関係人に限られており、全ての無効理由について請求人適格を拡大するものではなく、公益的理由や後発的理由について請求人適格を拡大し、特許異議申立制度の持つ公衆審査機能を特許無効審判制度に包摂させるものとしている。 したがって、無効理由のうち権利帰属にかかわる無効理由、すなわち共同出願要件違反の出願(三八条)及び冒認出願(一二三条一項六号)については、発明の特許性についての問題ではなく、専ら権利の帰属が問題となっているものであり、このような特定の当事者間における権利の帰属を巡る紛争の解決、従前通り、利害関係を有する当事者にその解決を委ねるのが適当であることから、二項後段では、権利帰属に係る無効理由についての請求人適格は、利害関係人に限定する旨を規定したものである。 なお、一二三条一項の審判の特許無効審判と規定する修正を行った。趣旨については一二一条を参照のこと。 三項は、特許の無効の効果が生ずることとも関連して、特許権の消滅後にも請求することができる旨を規定したのである。たとえば、特許権の存続期間満了による消滅後に存続期間中の侵害行為に対する損害賠償の請求がされた場合、その請求をされた相手方は、特許権の消滅後であってもその特許について無効審判を請求することができ、もし請求が容認されればその特許権は初めから存続しなかったことになるので、損害の賠償をする必要はなくなる。 四項は、主として当該審判について利害関係ある者に参加の機会を与える意味において、審判の請求があった旨を通知することとしたものである。 [参考] 1 <請求適格としての利害関係>旧法八四条二項は「無効審判ハ利害関係人及審査官ニ限リ之ヲ請求スルコトヲ得」べき旨を規定していたが、現行法においてはこれらの請求適格に関する規定を削除した。 旧法においては利害関係人という要件があるために無効審判においてしばしば利害関係の有無が争われ、この争いのために数年を要することも稀ではなかった。しかも、利害関係の有無が争われている間は本案の審理にはいらないのであるから、被請求人が利害関係についての争いを真理を遅延せしめるために利用することすらあった。 現行法においては利害関係について規定を削除するとともに、審査官の審判請求についての規定も削除したが、これは利害関係についての要件を削除したことに伴い請求適格をあまり厳格にいわないこととしたので、公益代表として審査官にのみ特別な請求適格を認める必要はないと考えたからである。 2 <審判の一審制>旧法の下では無効審判、訂正審判、分割審判、確認審判、実施許諾の審判はすべて審判、抗告審判の二審制度が採用されていたが、現行法においてはこれを一審制に改めた。ただ、これらの審判のうち、確認審判は七一条の判定を求める制度に改められ、分割審判は全く廃止され、実施許諾の審判は九二条に規定するように特許庁長官の権限となり裁定を求める制度となった。残るのは結局無効審判及び訂正審判であるが、これらの審判を一審制にした理由は、審判手続の迅速化ということを図ったものにほからならない。審判手続(裁判手続もすであるが)はその手続の厳正さということと迅速ということとの調和点に制度の運用が求められるわけであるが、現在の審判についてはより迅速にすべきであるという批判があり、一方、特許庁内部の審級を一審制としてもさらに高等裁判所、最高裁判所と争う途はあるので、権利の保護を弱めることにはならないものということができる。そこで迅速化という要請に応じて一審級としたものである。 3 <分割審判制度の廃止>旧法七条ただい書は一の特許出願に二以上の発明を包含せしめ得る場合について規定していたが、このただし書の規定に該当しないにもかかわらず二以上の発明を一つの特許出願に包含せしめ過誤によってそのまま特許になった場合に、この特許を七条に違反しているということで無効にすることができるかどうかは学説は一致しなった。少なくとも旧法五七条の無効理由中には七条違反というのはないのであるが、無効にすることができるとする説にあっては、七条違反は一条違反の中に包摂されるものであると説く。ところで旧法において特許権分割審判制度が認められていた(五三条二項)のは、七条に違反しているにもかかわらず、過誤により特許されたときは無効にされるおそれがあるのでその救済のための制度であるといわれていた。もし、分割審判制度の立法趣旨をそのようなものと解するならば、現行法においては前述のように(四号の無効理由の説明参照)三七条違反は無効理由とされないので、分割審判制度の必要性もなくなってくるわけである。これが分割審判制度を廃止した理由である。 4 <請求適格と無効理由との関係> 特許無効審判の無効理由の中には、特許異議申立の理由となっていないのも(いわゆる後発的無効理由)も存在している。具体的には、特許付与後に外国人の権利享有違反が生じたこと(一二三条一項七号)特許付与後に条約違反が生じたこと(同号)及び、訂正要件違反の訂正がなされたこと(一二三条一項八号)がこれにあたる。これの事由が特許異議申立ての理由とされていないのは、特許付与に対する早期の異議申立てという制度趣旨からみて、特許付与後に発生する後発的事由までも申立理由とすることは必ずしも必要ではないこと、そもそも六月という短い申立期間にこれらの事由が発生することは極めて稀であることなどから、このような理由について、請求人適格を広く認めることが不適切であるというよりも、むしろ単に、六月という限られた申立て期間を前提とする異議申立制度にはなじまなかったからに過ぎない。したがって、平成一五年の一部改正において、特許異議申立制度を特許無効審判制度に包摂させるに際しては、後発的無効理由についても広く公衆審査の対象とすることが望ましいとの判断から、当該理由についても、請求人適格を拡大している。(青本第17版)