約 2,296,844 件
https://w.atwiki.jp/kiyotaka/pages/31.html
第19話 合宿 ~4日目―2~ 山の中・・ 山の中は、草の上にあった朝露がそろそろ消え始めている時刻になっていた。太陽が空高く上がりはじめ、木々の 間から光が差し込んでくる。 しかし、それ以上に興味を引くのは気温の低さだった。8月の中旬、夏真っ盛りの今の季節に、午前10時になってよ うやく気温が20度を超えてきたか?という気温の低さには驚かされた。 ここが山の中だから気温が上がりにくいかもしれないが、それにしても肌寒く、薄暗い。 木々がこの周りを囲っているからだろうか? ふと、頭の上から木の葉が落ちてくるのを見て、レッドはそれを掴んでみた。 その葉は、少しばかり緑が薄く、所々が茶色になっている。いや、というよりこれは、秋の木の葉に近い色をしてい た。 季節が狂っている・・・・? さきほどから、周りでタンポポの綿毛が飛んでいると思ったらひまわりの種が落ちている、という場面がたびたび見ら れた。 タンポポとひまわりが同時に咲くなど、少しばかりおかしい。 そう思っていると、急にいっそう肌寒い風が吹いてきた。レッドは風に体温を奪われないように身を小さくし、身体をこ する。温かみを感じたのはその数秒後だった。 そこでレッドはふと、イエローのことを思い出した。 この場所は結構肌寒い。彼女は半袖半ズボンでいるはずで、その格好じゃ寒いに違いない。 レッドは踵を返して近くの洞窟へと向かっていった。 洞窟に入るとイエローが呑気な顔で眠っていた。2時間ぐらい前に1度起きたと思ったら、状況説明を終えた途端にま た眠ってしまったのだ。朝には弱いと言っていたので、2度寝など普通のことなのだろう。 レッドは、半袖のままでいるイエローの身体に自分のジャケットをかけた。 上着の重みに気付いたのか、イエローは身体を少し動かした。起きたか?とレッドは思ったが、イエローはそのまま ジャケットを小さな手で掴んで、また動かなくなってしまった。 レッドは、目の前で安心した顔で眠っているイエローを見て、本当によかったと思った。 昨夜はどうなることかと思ったものだ。 ただ正直言って、イエローを見つけられたのは幸運だとしかいいようがなかった。 昨日の午前6時頃、勢いよくプテラで山に向かったのはいいものの、イエローの捜索は難航した。山はかなり広かっ た。いくら空を飛んでいたとは言え、この広い山から人1人を見つける事はかなり難しい。1時間ほど空の上からイエ ローを探し回ったが、成果はまったく上がらなかった。 どんどんと周りが暗くなっていき、このままではイエローを見つけられないのでは?と思って、かなり焦った。内心、焦 っては駄目だと思いつつも、自分の生徒――それもおそらく1番仲が良い生徒が遭難してしまったと考えると、どうし ても気持ちが先にいってしまう。いつの間にか目はひっきりなしに森の中を探りまわっていた。 捜索を始めて、2時間。 自分の背中を掴んで飛んでいるプテラは、長時間飛んできたせいか、そろそろ疲れの色を隠せないでいた。いつもは 移動するのにも1時間ほどしか飛んでいなかったが、今はその倍近くは飛んでいる。疲れるのも当たり前だった。 プテラに無理をさせると、後々に響いてくるかもしれない。イエローを見つけたとしても、今度はプテラに自分とイエロ ーの2人を運んで貰わないといけないのだ。その時のことを考えると、今は休憩を取った方がいいとレッドは考えた。 少しばかり休憩を取った後、もう一度捜索を再開しよう。 そう思った矢先だった。 視界の端で何かが光り始めた。 驚いてその場所を見ると、山のある1部分、それも今飛んでいるところからそう遠くない場所から明るい光が現れてい た。 こんな山奥にそんな光を出すような施設はあるはずはなかった。まして、それは人工的な光とは感じられなかった。 その光を数十秒眺めた後、何の光なのかが理解した。 その光は、自分もまた持っているポケモン――ピカチュウの電気の光なのだ。 プテラに指示し、レッドがその場所に到着すると、案の定、そこにはすさまじい勢いで辺りを照らし続けているイエロー の持ちポケモン『チュチュ』がいた。身体から電気を発する技『フラッシュ』を使い、夜を昼にする勢いで光を出してい る。 そしてその横には、仰向けになって倒れているイエローがいた。 その姿を確認すると、レッドはすぐにイエローの傍に寄った。彼女を見つけたことを喜んでいる暇はなかった。倒れて いる、という事実はレッドに最悪の状況を想像させるきっかけとなってしまった。 レッドはまず、イエローの傍で電気を出し続けているチュチュに「大丈夫だ」と言って、その行動を止めさせた。チュチ ュはもうすでに大量の電気を出し切っており、それ以上放出すると危険な状態になってしまうからだった。 近くに転がっていたモンスターボールにチュチュを入れ、レッドはすぐにイエローを起こそうと声を掛け始めた。 「おい、イエロー!」 しかし、意識がないのか、イエローはまったく反応を示さなかった。 脈と呼吸をとると、心臓はちゃんと鼓動は刻み続けており、息の出し入れもしている。 レッドはとりあえず、イエローを起こす事は後にして、彼女が怪我を負っていないかを調べる事にした。無理に起こす 事はできないので、仰向けのままで手足を探ってみる。 イエローは幸い、主だった怪我を負っていなかった。出血などの外傷は無し、骨が折れているような形跡も無い、おそ らく気を失っているだけと思われた。 レッドはそこまで確認すると、ほっ、と安堵の溜息をついた。あとはイエローが目覚めた時に彼女が身体の異常を訴 えなければ、何の問題もない。気を失っている理由は分からないが、とにかく怪我がなくてなによりだった。 そして次にレッドは、その場で立ち上がって周りの状況を確かめた。何故、イエローがこんな所で倒れているかを見 極めなくてはいけない。 イエローが倒れていた場所は、目の前に岩壁がありその周りは森林で囲まれている地点だった。岩壁はちょうど山 が垂直に削り取られたように岩肌を見せていて、それが左右に続いていた。 森林はそれほど深くはない。公園にあるぐらいの高さの木が周りにあるだけで、それ以上は特徴的なものはなかっ た。普通の山、と考えていいだろう。 そう確認すると、レッドは首を傾げた。おかしい。見渡す限り、周りにはイエローの気を失わせるようなものは何も無 い。障害になりそうなものが1つも無いのだ。 唯一考えられるのは、イエローが何者かに襲われたか、もしくは単に転んで頭を打ったというようなもので、それ以上 もそれ以下も何もなかった。 レッドは悩み始めた。これぐらいならイエローが遭難する理由なんて見つからないが・・・・ ふと、岩壁に沿って上を見上げてみた。木々の間から、遥か頭上、つまり岩壁が終わっている地点に道のようなもの があるように見える。高さからして、マンションの3階ぐらいだった。 レッドはそれを見て、まさか、と思った。 もしかしたら、イエローは崖から落ちてしまったのではないか? そう思いついた途端、レッドはイエローの身体をもう一度確認し始めた。 先ほど診た時は何も無かったが、もし崖から落ちたのなら、身体に何かしらの形跡が残っているはずだ。 手足や頭を診てみたが、その辺りには何も大きな傷は無かった。少々のかすり傷がついているだけだ。 ということは、あとは背中ぐらいか?そういえば、イエローの身体を案じて身体を起こさなかったので、背中は見てな い。 レッドはまだ気を失ったままのイエローの身体を上半身だけ起こして、背中の服をまくってみた。女の子の服をまくる のは少しばかり気恥ずかしいが、今はそんなことを言っていられない。 レッドは背中の状態を見て、あっ、と声をあげた。予想は当たっていたようだった。 彼女の背中には、無残な打撲の跡と、皮膚の内部まで裂傷している出血中の傷が見られていた。背中にここまでの 傷を負っているのだから、イエローは間違いなく崖から落ちたと見ていいだろう。 レッドは背中に背負っていたリュックサックから、医療用具を取り出した。もしものために持ってきたものだが、本当に 使うとは思っていなかった。 まず裂傷部分の手当てから始めた。傷周りの血を拭き取り、水筒に入れてきた水で傷を洗う。 消毒液で傷を殺菌し、傷部分を直接手で圧迫して出血を少なくすると、その上に止血剤を塗った。傷は深いものの、 それほど広くは裂傷していない。止血剤で十分だと思われた。 出血がある程度まで止まると、今度は傷の上にガーゼを載せる。後は布をその上に被せて医療用のテープで固定す れば終わりだ。応急処置だが、これで切り傷の方はなんとかなる。 そして次に、青白い打撲の跡が残っている背中を丹念に調べた。打撲がある場合、まず骨折を疑わなくてはならな い。打撲に骨折はつきものだ。 皮膚の表面を指で押したり、身体を動かしたりして骨折があるか見てみるが、幸い骨折はしておらず、打撲だけのよ うだ。打撲なら薬と冷湿布でなんとかなる。 レッドは打撲用の薬を塗りつつ、よくあんな高さから落ちて打撲で済んだな、と内心に思った。普通なら骨折ぐらいし ていてもおかしくない高さだ。よほどイエローの運がいいのだろう。 薬を塗り終え、最後に打撲跡の上に冷湿布を貼る。打撲は後々熱を伴ってくるため、あらかじめ湿布は貼っておいた 方がいい。 ふぅ、と息をつくと、レッドはイエローの服を元に戻した。これで応急処置は終わりだ。 医療用具をリュックサックに直しつつ、レッドは早くここから出よう、と思った。イエローを見つけたのならもう用が無 い。さっさと彼女を連れて、プテラでこの山を脱出するべきだ。 レッドは後ろの方に待機させてあるプテラを呼ぼうと、振り返ってみた。 が、 「プ、プテ!」 プテラは、何があったのか地面に倒れていた。地面に大きく翼を広げ、苦しそうな表情をしている。 プテラの身体を調べてみるが、その身体には何も異常が見当たらなかった。おもだった外傷もまったく見当たらない のに。 2時間ぶっ続けで空を飛んだことが原因とは考えにくい。まるで身体の体力だけが奪われているように、プテラは地 面にその巨体を寝かせていた。 レッドはすぐにプテラをモンスターボールに戻した。とりあえずボールの中で休ませて、回復薬か何かで回復させてお こう。 プテラの入ったボールを腰につけ、まずどうやってこの山を抜け出すかを考えた。 まず、歩いて山を降りる事は不可能だ。この暗さでやみくもに歩くのは自殺行為に等しいし、イエローがまだ目を覚ま さない。彼女を山を降りるのは体力がもたないだろう。 なら、電話をかけて救出を待つというのが最善か?と思って、ポケギアで助けを呼ぼうとしてみた。 が、 『圏外』 ポケギアの画面は、無情にもここがワタルの言っていた、『電波が通らない場所』ということを示していた。『電波障害 地域』。ポケギアの電波さえも通らない場所。 電波が通らない理由は不明と聞いた。いや、今はそんなことを考えている時じゃない。早く安全な場所に避難しなけ ればならなかった。森の中にこのままいると野生のポケモンに襲われたりして危険だ。 そう考えて気を失い続けているイエローを自分の背中に背負い、近くを歩き回って見つけたのが1つの洞窟だった。 そこはイエローが気を失っていた場所からそう遠くない所で、高さは2メートルほど、横は5メートルの小さめの洞窟だ った。 とりあえずの避難場所になるかと思ってそこに入ると、外から見るよりは中が結構明るい事に気が付いた。洞窟の壁 をよく観察してみると、どうやら発光性のコケが生えているようで、それが月光ぐらいの明るさを洞窟の中にもたらして いるらしい。 月明かりと同じくらいの明るさの中、コケが生えていない場所を選んで、イエローをそこに寝かせた。 眠っている間は体温が下がる。怪我をしている状態でそれは危険なので、彼女の身体に自分のジャケットをかぶせ てやった。イエローが目覚める気配はない。 目が覚めるまで待った方がいいな、と思って、とりあえず彼女をそのまま眠らせてやることにした。 レッドの記憶はそこで途切れている。寝てしまったのだ。 ※ レッドはそこで眠ってしまったことに激しく後悔していた。 あそこで寝てはいけないのだ。本当なら、徹夜して彼女の容態を確認し、危険が寄って来ないように見張りをしつつ、 どうやって山から脱出しようか考えておくべきだった。自分はそれを忘れて、ぐーすか寝ていたわけだ。 「はあ~・・・・」 レッドのため息が洞窟の壁に連続的に反響し、段々と消えていく。自分のため息が聞こえるたびに肩を落とし、肌をこ すって温かみを得ようとした。午前10時を回っているのに、洞窟の中はまだ肌寒かった。 「はぁ・・・」 もう一度ため息をつく。 「・・・・どうしたんですか?」 イエローが急に目をあけてこちらに話し掛けてきた。ずっと気持ち良さそうに寝ていたのに、いつの間に起きていたの だろうか? イエローは地面に横になったまま、こちらを見つめてきた。レッドは、その彼女の様子に驚きつつ「・・・・身体は大丈 夫か?」と声を掛けた。 「あ、はい。もう背中の痛みもましになってますし・・・・・・・それより、さっきのため息はなんだったんですか?」 「ん?・・・ああ、あれね・・・・あれは・・・・」 レッドは迷った。自分の事がふがいなくて、自己嫌悪のため息をついていたなんて・・・・言えるだろうか?いや、いえ まい。 「・・・・・・」 「・・・レッド先生?」 「い、いや、なんでもない。ただ無意識に出たんだ・・・・・それより、歩けそうか?」 「どうでしょう・・・・・ちょっと立ってみますね」 イエローはそう言うと、地面に手をつき、足に力を入れて立とうとし始めた。レッドはそれを助けようと、彼女の手をとっ て支えになる。 「ん~・・・よいしょ!」 「・・・・・どうだ?」 ゆっくりと立ち上がったイエローは、傍目から見れば何も問題なさそうに見えた。背中の怪我もましになっていると言 っていたし、これなら少しは歩けるかもしれない。レッドはそう思った。 「痛!」 急にイエローが声をあげた。レッドはすぐに「どうした?」と尋ねる。 「・・・足が」 イエローが痛そうな声を上げながら、右足首を指差した。レッドはしゃがんでそこを見てみると、少しばかり赤く腫れて いる足首があった。 「・・・・・ん~・・・これは足をくじいてるみたいだな」 「そうみたいです・・・・・少しぐらいなら歩けますけど・・・」 「いや、無茶はするなよ・・・・・・・とりあえず、足首に包帯と湿布を貼って・・・あと、背中の方にも薬塗っとくか」 レッドはそう言って、リュックサックの中から白の包帯と打撲のための薬を出し、イエローに「それじゃ、湿布と包帯巻 くから足出して」と言った。 イエローは素直に従い、赤くはれ上がっている右足首を差し出した。 レッドは、ゆっくりと捻挫をしている部分に湿布を貼り、その上から足首を固定するための包帯を巻いていく。 足首に包帯を巻くというのは、少々テクニックがいる。一応、何度かやったことはあるものの、不器用な自分には少し 難しい。何度かやり直して、4度目の挑戦でようやくイエローの足首に包帯を巻くことができた。 レッドは、はさみで包帯の余分な分を切り、フックを付けて固定してやる。 これで捻挫の処置は出来あがりだ。 「とりあえずの応急処置だから、そんなに動かすなよ・・・・・・それじゃ、次は背中を出してくれ」 「え・・・・・あ、はい・・・・・」 イエローは一瞬うろたえたもののすぐに後ろを向いて、背中の部分の服をぎこちなさそうにまくった。 昨夜貼った湿布を剥がすと、真っ白な肌の上に青い打撲の跡が見えた。その横にある布とガーゼを取ると、実が見 えている傷が見え、ここまですさまじい怪我だとかなり痛そうに思われた。 レッドは痛みが伴わないよう慎重に、薬をつけた手を背中に滑らしていった。 打撲の箇所にまんべんなく薬を塗りつけた後は、その部分に新しい湿布を貼る。傷の部分には消毒薬を塗り、新しい ガーゼを貼り、また布を載せてテープで固定する。 これで終わりだ。 「・・・よし、背中、直していいぞ」 「はい・・・・」 レッドは薬を再びリュックサックに戻していった。 イエローは服を元に戻して、こちらを正面に見るように座りなおしていた。自分が薬をしまっているのを見ているようだ った。 薬を直している間、イエローはずっと自分の方を見つめていたので、レッドは何かあるのか?と思って、薬を直した 後、尋ねてみた。 「・・・・どうかしたのか?」 「いえ・・・・・・・・・あの、もしかして、私を見つけた時に薬を塗ったり、湿布を貼ったりしてくれたのは、レッド先生です か?」 「ああ、そりゃ、俺しかいないからな・・・・・・・それがどうかしたのか?」 「いや、その・・・・・」 イエローの顔が心なしか赤い。熱でもあるのか?と思って、彼女の額に手を当ててみるが、手をつけた瞬間、その顔 は一層と赤くなってしまった。 いったいなんなのだろうか? 「ん~?・・・・どうしたんだ?」 「なんでもないんです・・・・・はい・・・・」 額に当てた手をやんわりと退けると、イエローはそのままこちらと目線を合わそうとしなかった。何かに緊張している ような様子だ。そっぽを向いているような気がした。 そんなイエローを見て少し不審に思ったが、とりあえずそのことを保留にしておき、レッドは「さて、どうするか な・・・・・」と、これからのことを考えながら呟いた。 「何がですか?」 そっぽを向いていたイエローが、その言葉を不思議に思ったのか、再びレッドと顔を合わせてきた。 レッドは「ん?あ~それがな・・・・・・・・・」と答えながら、腰につけてあるモンスターボールを1つ取り出し、イエローの 目の前に差し出した。 一瞬、イエローはそれを不思議そうに見つめた。いきなりボールを出されて何の事か分からないのだろう。だが、疑問 顔でその中身を見た途端、その表情ははじけたように驚愕のものとなり、勢いよくこちらを向いた。 「どうしたんですか、プテラは・・・・」 「分からない・・・・薬を使っても治らないんだ」 ボールの中に入っているポケモン――プテラは、モンスターボールの中で苦しそうに息をしていた。レッドの目から見 てもそれはかなり痛々しい様子だった。 プテラは昨夜いきなり倒れたっきり、まったく回復してくれなかった。回復薬をいくつか飲ませたものの、効果はなし。 一晩休めば治るかと思っていたので、これはかなりの誤算だった。 とにかくこうなってしまうと、空を飛んでの脱出は不可能だ。 レッドは続けて、第2の訃報をイエローに伝える。 「それに・・・電話が繋がらない」 「ポケギアが、ですか?」 「ああ・・・・・」 昨夜から分かっていた事だが、ここは電話の電波が通らない区域らしい。電話をして救助を待つということも出来な い。 「それで、どうやって山を降りるか・・・って考えてたんだ」 「そうか・・・私が怪我をしているから・・・・すみません」 「いや、お前があやまることじゃないって」 頭を下げるイエローに、レッドは苦笑してそう言った。 「ま、それでどうしようか・・・・・」 レッドは腕を組んで悩んだ。 どうやって、ここを出るか。 飛んで帰ることも出来ないし、救助も待つ事が出来ない。 残されているのは、イエローを背負って山を降りるか、もしくは電波が通る場所まで移動して、そこで電話をして救助 を待つか、の2つだ。 どちらも、イエローを背負って移動をする事になるので自分にかかる負担はかなりのものだろう。昨夜からの捜索で 疲れも溜まっている。 しかし、ここにいても何も変わらないのも現実だ。恐らくグリーン達が捜索してくれているだろうが、この場所はかなり 見つけにくい。自分はチュチュの光でなんとか見つけられたものの、今は昼なのでその方法も使えないだろう。電気 の光は太陽の光のせいでかき消されてしまう。 なら、答えは1つだ。ここでじっとしているより、行動を起こした方がいいに決まっている。 ――・・・・・・・・するか!―― レッドは「なあ、イエロー」と、何かを考えている彼女に呼びかけた。 「はい?」 「・・・・・とりあえず、ここから出ようと思うんだ。最低でも、電波が届く所まで出て、そこで救助を待った方がいいしな」 「・・・・・そうですね・・・・そうしましょう」 イエローは考えに賛同すると、再び立ち上がろうとした。 しかし、やはり足が痛いのか、少し立ったと思ったらすぐに倒れそうになる。レッドはとっさにイエローの腰に手をやっ て、倒れないようにしてやった。 「あ・・・す、すみません」 「いや、いいよ・・・・・それより、その足で歩くのは無理だろ?俺がおぶってってやるよ」 「え!いいですよ!」 「ほら、怪我人が遠慮しないで」 顔を赤くして遠慮しているイエローに向かって、レッドは後ろを向いてしゃがみ、背中に乗れというような合図を送っ た。 よほど恥ずかしいのか、しばらく考えるような仕草をするイエロー。結局、渋々といった様子で、イエローはレッドの背 中に身体を預けた。 背中に重みがかかったのを感じると、レッドは「よし、それじゃ行くぞ」と言って立ち上がり、自分のリュックサックを手 に持って洞窟の出口に向かった。 「・・・あの・・・・レッド先生?」 出口に向かう途中、イエローがレッドの耳の近くで話し始めた。 「ん?」 「私、重いですよね?やっぱり、自分で・・」 「ああ、そうだな、ちょっと重いかな」 「え!・・・」 思いもかけない言葉だったのか、イエローはそれを真剣に受け止めてしまったらしく、落ち込む様子を見せた。顔を俯 かせて、「そう・・・ですか」と言って何も喋ろうとしない。 レッドはそんなイエローを見て、微笑んだ。 「冗談だって・・・・・本当は『お前、ちゃんと物食ってんのか?』って言いたくなるほど軽い。だから、どれだけ歩いてい ても疲れないって」 レッドは冗談めかした声で言いながら、イエローの身体が本当に軽い事に驚いていた。自分達の体重とは明らかに 違っているのだ。まるで空気を背負っているようで(大袈裟だが実際にそう感じる)これなら本当に疲れない。いつもは もっと重い荷物を持っているのだ。 いつもポケバト部で指導している時は意識していなかったが、こんな小さくて軽い身体を背負っていると、やっぱり女 の子なんだな、と実感させられてしまう。 ――・・・・・なら、余計に守らなくちゃな―― 女を守るのは男の使命。 イエローが女の子と思わされたのなら、生徒という範疇だけでなく、それ以上に守るべき対象だ。 そう考えていると、思いもかけず昔のことが思い出されてきそうになった。昔は守れなかったものがいる。その思いが 急に頭の中に浮かび上がってきた。 だが、レッドはそれを振り払った。今はそんなことを考えている場合ではない。洞窟を出るのが先決だ。 イエローは、先ほどの冗談でふて腐れてしまったのか、とても静かになっている。彼女の小さな身体からは心臓の鼓 動が感じられる。レッドはそれを背中で受け止めながら、今はこいつを守るのに集中しよう、と決意を固めた。 洞窟の外は、少し明るかった。 ※ 外はまだ冷気が漂っていた。先ほどより2℃は低く感じられる。昼が近づいているのにこれはかなりおかしい。ひまわ りが周りに見られていて、タンポポの綿毛もそこかしこに飛んでいる。 レッドはおかしくなってきそうな感覚を、なんとか張り詰めさせ、足を進めていた。 もちろん、無言で黙々とではなく、イエローと色々なことを喋りながら。 「レッド先生・・・・・」 「うん?」 「ポケギアが・・・・」 洞窟を出てから10分ほど、足を止めることなく歩いているのに、なかなか『圏外』の文字が消えなかったポケギアを、 イエローが目の前に差し出してきた。 「・・・・これは」 ポケギアのディスプレイには、ちゃんと電波が通っている証であるアンテナのマークが立っていた。マークは1本。 これなら、電波状況は悪いものの通話は出来るはずだ。 「イエロー!電話してみてくれ!」 「はい!」 レッドはイエローが電話をしやすいよう、歩く足を止めた。イエローは早速ポケギアのボタンを押している。緊張してい るせいか、彼女は何度かやり直していたりした。 レッドはそれを横目で見ながら、もう一度周りを見渡してみた。 相変わらず、菊の花、まつぼっくりなどの、季節感をまったく無視したような風景がそこには広がっていた。森林という にはあまりにも不自然だった。 ――こことも、やっとおさらばか・・・―― さすがにこんな所にずっといるのはごめんだった。ポケギアの電波は通らない。季節感を無視した植物が生えてい る。気温も低くなったり高くなったりして、しかも自分のポケモンの体力が何故か回復しない。 そして、もうひとつ。 なんだか感覚というか、直感というか・・・・そういう、トレーナーとしての『カン』がまったく働かないのだ。 今日の朝に目覚めた後、少し外を歩き回っていたときに気付いた事だった。例えば、野生のポケモンがいきなり草む らから出てきたり、前を横切ったりすることがたびたびあったのだが、レッドはそれを予想するというのが出来なかった のだ。 昔から、野生のポケモンと戦う時や、トレーナーと戦う時、はては道を歩いている時も、レッドはどんな状況でも、野生 の嗅覚ともいえるような感覚で相手の行動を先読みすることができた。野生のポケモンがそろそろ出るかな?と思っ た途端、それが大当たり、というのが高確率であるのだ。 しかし、今はそれができない。 そういう『カン』は、自分にとって1番に大事なものだと考えているレッドにとって、これは大問題だった。 ――なんでかは分からないけど・・・・・早くここから出たいな・・・―― 『カン』が働かないことがこんなに気味の悪い事だとは思わなかった。昔から『カン』に頼りっぱなしなせいもあるのだ ろう。 と、 ――・・・・なんだ・・・?―― なんだか、嫌な視線を感じる。 『カン』で感じるような気味悪さではない。人間に見つめられているような視線でもない。 まるで、獣が今からしとめる獲物を狙おうかという視線だ。背中にへばりついてくる。感触が悪く、背筋が凍りつく。 しかも、いくつもの方向からその視線は出ている気がした。 ――いったい・・・?―― 周りを注意深く見回してみると、急に目の前の草むらから、ガサ、と何かが動く音が聞こえた。レッドはそれを聞き、 草むらの中に何かがいると感じた。 まただ。また、自分の『カン』が働かなかった。 ガサ! 今いる場所は、ちょうど木があまり無い場所――つまり、森林が広がっている中で、ここだけが円形に木が切り取ら れているような場所だった。 広くはないものの、ここなら視界はそんなに狭くない。もし、今から出てくる『何か』が襲ってきたとしても、余裕をもっ て反応できる。 ガサ! レッドは、背中に乗せているイエローを落とさないように注意しながら、腰につけているモンスターボールに手をかけ た。 イエローはまだ電話をかけるのに夢中になっているようだ。前に『何か』がいることに気付いていない。 ガサガサ! 『何か』は草むらから姿を現した。それほど大きくない、人の身長ほどぐらいと見られた。レッドはニョロボンの入ったボ ールに手をかけた。 だが、レッドはその『何か』の姿をしっかりと目に入れると、一瞬にして身体を固まらせた。 「・・・・・レ、レイ・・・」 レッドはそれを見て、唖然としていた。 黒く長い髪に、とび色の瞳。 5年も前から、その顔を写真の上でしか見る事ができなかったレインボーの姿が、そこにはあったからだった。 山の中を色々と探し回っているが、それは何の意味もなさないかのように、周りは静けさで一杯だった。 地上から白く見えている太陽は高くまで昇ってきている。午前10時を過ぎたこの時ならこれが普通だが、それにして も暑い。汗が身体中に滲み出て、もうすでに30℃を越えているのではないか?と思わせるほどだった。 照りつける太陽の中、ジェルブは額に少しばかり汗を浮かべながら、山の中を歩いていた。キョロキョロと周りを見渡 しながら、どんなささいな情報も逃すまいと目をこらす。折れた木の枝を踏んで、ポキ、という音がした。 イエロー達の姿はまるっきり見つからなかった。捜索開始から3時間以上経っているが、イエローの姿は見えないし、 2人を見つけたという連絡はまったく入らない。 ジェルブは、ずっと沈黙しているポケギアを手に取り、眺めた。改造ポケギアの画面が妖しく光り、いつでもイエロー や他の部員からの連絡を受けられるようになっている。だが、ここ数時間はまったく反応はなく、それはイエローがま だ見つからないという事を示していた。 いったいどこにいるのか・・・・・ 早く見つけないと、という思いが焦りの気持ちを引き出す。早く見つけないと、彼女が危ない。 だが、焦りは禁物だ。こういう捜索活動は、探す方も探される方も忍耐が勝負だ。焦れば、その分体力が減るだけ で、冷静に事を進めないといけない。 ジェルブは焦りを身体の奥底に押し込めて、周りを眺めてみた。 昨日、今と同じ様な暑さの中でポケモン捕獲をしていたが、山の中はその時とはまるっきり雰囲気が変わっているよ うに感じた。前のように季節に外れた植物が生えているわけではない。何か変な視線を感じるわけでもない。 その代わり、静かだった。草木のさざめく音も聞こえないぐらいに、あまりにも静か過ぎるのだ。 「なあ・・・・ワタル・・・・・・静か過ぎると思わないか?」 「・・・・ああ、そうだな・・・・・周りからは何の気配もない」 ワタルは目をきょろきょろと運びながら答えた。せわしなく目を動かし、早歩きとも言える速さで歩いているワタル。表 情は焦りの色を見せている。 そんなワタルを見て、ジェルブは、珍しいな、と思った。 ワタルとは、人数の関係で自分とが余ってしまい、しかたなく2人で捜索する事になっていた。グリーンが2人で大丈 夫か?と尋ねてきたが、別に問題はない。いや、逆にワタルと2人の方が良かったのだ。下手にしらない人物といる より、昔からの付き合いで事情を知っているワタルと一緒にいる方が、何かと都合がいい。 しかし、その昔からの付き合いであるワタルが、今のように焦っている姿は始めてみるものだった。 この焦っている姿、というのは、普通の人なら絶対に分からないぐらいに微妙な変化だ。目線や口元の動き、そして 口調。ジェルブでもなんとなくでしか感じ取れないが、とにかくワタルは何かに焦っている。 まあ、こんな事件が起きてしまえば焦るのも普通なのだが・・・それでもかなり珍しい事なので、ジェルブは少し驚い ていた。 「ジェルブ・・・・・1度電話してみたのか・・・?」 突然、ワタルが話し掛けてきた。 ジェルブは「ん・・・ああ」と答えて、ズボンのポケットから改造ポケギアを取り出した。 「1度はな・・・・だけど、やっぱり圏外だった」 捜索が始まる前、1度イエローに対して電話をかけてみたが、やはり相手が出る事は無かった。 おそらく電波が通らない場所にいると思われた。この改造ポケギアで通話できないとしたら、相手が通話できない状 態でいる時だけだ。 イエローが電波障害地域にいるとしたら、その地域の付近を捜せばいいだけなのだが、いかんせん、その場所が何 個もあるのが問題なのだ。 電波障害が起こる場所は、ワタルによると山のあちこちにあるらしい。自分が昨日行った場所もその1つだし、ワタル でもその場所が何ヶ所あるのか見当もつかない。 よって、イエローが電波障害地域にいると分かっても、どの地域にいるのかが分からないのでどうしようもない、という のが現状だった。 「・・・・もう一度掛けてみろ」 ワタルが、こちらの持っているポケギアを見ながら、言った。 「・・・・・・こっちが改造ポケギアでも、あっちが改造してないから、どれだけ掛けても無駄だけど?」 「それでもいい。早く掛けてみろ」 いつにも増して強情なワタルに、ジェルブは少しばかり溜息を吐きつつ、ポケギアのボタンを押してみた。 こちらのポケギアをいくら改造したとしても、相手のポケギアがそうでないのだから、どれだけかけても、絶対に通じる 事はないのに・・・ ワタルはそれが分かっていないのか・・・・ プルルルルルル! 電話から呼び出し音が耳に鳴り響いている。しかし、どれだけこの音が続いていても、相手が出る事はない。どうせ、 圏外だということを知らせる、ただの機械の音が出るだけだろう。 ガチャ! ――え?―― 『はい・・・』 「イエローか!」 『その声はジェルさんですね!』 これは驚いた。まさか、本当に通じてしまうとは・・・ ワタルのカンが当たったという事か。 ジェルブははやる心を押さえつつ、「どこにいるんだ?」と尋ねてみた。 しかし、イエローはそれを無視し、悲壮な声を出していた。 『大変なんです!レッド先生が・・・』 「レッド先生?いったいなにがあったんだ?」 レッドがイエローといっしょにいるということを聞いて、少し安心しつつ、一方で真剣味を帯びている声を聞いて、気が 張り詰めるのを感じた。その声は、あちらの状況が普通でない事を伝えている。 『あの、それが・・・・・』 「イエロー、いったいどうした?」 『そ、それが、なんだかさっきから様子が 』 その瞬間、プツ、という音と共に電話が切れた。 「おい!イエロー!イエロー!」 大声でイエローの名前を呼ぶが、電話からは単調な機械音しか聞こえてこなかった。ツー、という連続音が耳にむな しく響いている。 「どうした?」 ワタルが、怪訝そうな顔で話し掛けてきた。 ジェルブは「切れた・・・」と答え、呆然とした。いったい、彼女に何が起こった? しばらくそのまま考えていたジェルブは、すぐにそうだ!と思いつき、再びポケギアのボタンを押し始めた。 ポケギアについている10個以上ものボタンを滑るように操り、操作を行う。 ワタルはそれを不思議そうな目で見ていた。 「・・・・・ジェルブ、何をしている?」 「ポケギアで改造したのは、電波を強くしただけじゃない。もう1つ機能を追加しておいたんだ・・・まさか本当に使うと は思わなかったけど・・・・」 ポケギアの画面が、この山一帯の地図を写し出した。 ジェルブはそれを家訓すると、もう一度ポケギアについているボタンを押す。 「いったい何を・・・」 「ポケモン図鑑に、1度出会ったポケモンの居場所を知らせる追跡機能がついてるだろ?あれを少し応用して・・・」 画面は検索中を示していて、真ん中にはパーセントの表示を示していた。左から右へグラフが増えていく。今は『5 0%』だった。 「電話を掛けた相手の居場所を追跡できるようにしたんだ。まだ未完成だから、おおまかな位置しか特定できないけ ど・・・」 パーセンテージがついに『100%』を示した。 すると、画面上の地図の上に、白く点滅している点を中心とした赤い円が表示された。 「これは・・・・」 ワタルが画面を覗き込みながら、感嘆の声を漏らした。 ジェルブはボタンを押して、地図の尺度を小さくして幽玄岳全体を映し出す。 「円の半径が、実際の距離で約1キロメートル・・・・・・つまり、この点滅してる地点を中心に、半径1キロメートルの範 囲でイエローとレッド先生がいるんだ」 ポケモン図鑑についている追跡装置をちゃんと理解して、それを応用し、このポケギアに追加させた機能。『逆探知』 とも言うべきこの機能は、つけるのに2、3日徹夜したほどだ。 だが、ちゃんと完成させておけば、イエローの居場所は1発で確定できていた。 ――こんなことになるならちゃんと完成させとけば良かった・・・―― ジェルブは心なしか後悔した。 一方のワタルは、その画面をジーッと見つめていた。おそらく、円の中心地点を覚えているのだろう。 そして、ついにその地点を頭に入れたのか、ワタルは急に顔を上げてこちらを見据えた。 「・・・・・・この円が示しているのは、今いる場所からそう遠くないようだな」 「ん~・・・少なくても、2キロぐらいかな?」 「よし、それなら、早く行くぞ」 ワタルはそう言って歩き始めた。 ここまで特定できれば話は早い。後でこのことをグリーン達にも知らせておいて、自分達はこの赤い円の範囲の捜索 を始めればいい。この範囲にイエロー達がいるのだ。電話の様子からして、何かしらの危機に直面しているイエロー 達が・・・ ガサ! 歩き始めた途端、ちょうど目の前の草むら、かすかな気配を感じた。 ジェルブはその気配の出所を驚くべきスピードで察知し、すぐにその場所に目を向ける。ワタルもそれに気付いたらし く、同じ様にその場所を見ていた。 「・・・・なんだ・・・・?」 「・・・・・・さあ・・・・」 ワタルの疑問に対し、曖昧な答えを返している間に、すでに気配が消えてしまっていた。 しかし、警戒を怠らなかった。周りに常に気を配り、少しの変化も逃さないよう5感を全て解放する。 周りには生物がいる気配どころか、木々のさざめきさえも無いような静寂が満ちていた。 ガサ! 今度は後ろから気配を感じ、2人はすぐに後ろを振り向く。 しかし、その瞬間、急に横から大きな物体が飛んできたのを感じた。 「なっ!!」 ジェルブはそれを後ろにジャンプして、すんでの所で避けた。ワタルも同じ様にその物体を避けている。 地面に着地した瞬間、さっきまで自分達が立っていた場所から、バコン!という、すさまじく大きい音が聞こえた。ま るで爆弾が爆発したような音だった。 そして、その地面には30センチほどの穴が開いていた。 「こ、これは・・・!!」 ジェルブは、その地面の穴を開けたその物体を、はっきりと視界に入れた。 それは、穴の上に立ってこちらを殺気立った目で見据えている。 それは生き物――ポケモンだった・・・・ 「・・・・・これは・・・・リングマ・・!」 驚いたようなワタルの声と同時に、草むらの中からリングマが2匹姿を現した。どうやら、先ほどの気配の正体はこの 2匹のリングマだったらしい。攻撃してきたリングマのために囮の役をしていたのだろう。 これで、自分達の目の前にいるのは3匹のリングマだった。 「これは・・・・まずいな・・・」 ワタルが渋い表情を浮かべながらそう呟いた。 「ここのリングマは縄張り意識が強く、自分達の縄張りの中に入った者には容赦しない・・・・迂闊だった」 「・・・・とにかく、ここは戦う事になるみたいだな」 ジェルブは腰につけてあるモンスターボールを手に取った。3つのボールの内、自分と1番長い付き合いとなるポケモ ンが入っているボールを選び、ボタンを押す。 そして、ボールを地面に向かって放った瞬間、リングマ3体は一斉に飛び掛ってきた。 「気をつけろ!こいつらはコンビネーションがいい!1匹を倒そうとすると、他の2匹でカバーしてくるからな!」 「分かった!」 自分に忠告してきたワタルがハクリューを出しているのを横目で見つつ、爪を立てたリングマ達が目前まで迫ってき ているのを確認したジェルブは、ボールから光と共に出てきたパートナーであるポケモン――スピアーに、攻撃の指 示を与えた。 「スピアー!」 スピアーは、その鋭いニードルを携え、リングマ達へと羽を動かしていった。
https://w.atwiki.jp/yumeyumeyume/pages/266.html
極貧ワープア (ごくひんわあぷあ) 極貧ワープアは仮のハンネで、その後「1」と名乗り、現在はハンネ無し トリップ ◆PgRION3pn. プロフィール 【性別】 多分、女の人 【年齢】 まったく謎な人 【努力】 英語・ペン字 【人種】 カステラ人 【味方】 パスタ 【図式】 シャボン玉=駄菓子屋で30円 【言葉】 カップヌードルの中は小宇宙 【特徴】 カステラを語らせたら馴れ合い1、かな? 【お金】 一日に使えるのは250円(急な出費に備えて100円貯金をしている) 【好物】 カステラ(街に馴染んだパン屋さんやケーキ屋さんに立ち寄るのが大好き) 【希望】 ぜんまい侍の住んでいる、からくり大江戸に住みたい・・・ 【スレタイの由来】 その日暮らしの泣く頃に 【所属】 夢・独り言板 編集担当:淀のコメント 決められた?予算内で、上手にお菓子(ご飯?)を購入している点、中々のお買い物上手 うPされた数々のお菓子や可愛いモノに、ホッとした安らぎを感じさせられる また9月30日お別れの挨拶を最後に消えるが、11月22日の復帰まで住人達(ほとけさん・のねこさん・名無しさん)によりスレを守られるという愛されぶり コメント欄より投稿いただいたコメント 名前 コメント 【トップページ】
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/8875.html
スピア・パトローラー UC 水文明 (2) クリーチャー:マーフォーク 1000 ■相手のクリーチャーが自分のシールドをブレイクした時、カードを2枚引く。 作者:テーメノン フレーバーテキスト 周りに流されて生きることなど何の意味もなく、そんな紙屑のような生き方しかできないのなら死んだ方がましだ。−スピア・パトローラー 収録 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/talewiki/pages/8705.html
盗賊・カノープス [部分編集] 難易度 上昇値 ネオテシス1 イージー HP+2000,S+250,H+250,X+100 ノーマル HP+2000,S+200,H+200,X+50 ハード HP+2000,S+150,H+150,X+20 ネオテシス2 HP+2000,S+200,H+200,X+50 盗賊・カノープスのSkill 不意打ち:対象のモンスターの隙をつき、強力な一撃を与える。 対象のモンスターが、スキルを使ったプレイヤーを狙いにくくなる。 Lv 攻撃力 再使用制限 MP EMP HP SP 要XP 要Lv 要Xien 1 ?% 5s 10 - - - 0 1 0 2 - - - - - - - - - 3 - - - - - - - - - 4 - - - - - - - - - 5 - - - - - - - - - 盗賊の罠:対象のモンスターを一定時間断続してダメージを与える。 対象のモンスターの現在HPで増減する「割合攻撃」(毒と同等と考えてよし)を付加する。 Lv 攻撃力 持続時間 再使用制限 MP EMP HP SP 要XP 要Lv 要Xien 1 0.5% ? 5s 30 - - - 0 1 0 2 0.6% ? 5s 30 - - - 0 1 0 3 - - - - - - - - - - 4 - - - - - - - - - - 5 - - - - - - - - - - 会心の一撃:対象のモンスターに強力な一撃を与える。 対象のモンスターの現在HPを一定割合減らす。 発動から追加ダメージが消える前に、重ねがけすると追加ダメージ無効。 Lv 攻撃力 追加ダメージ 再使用制限 MP EMP HP SP 要XP 要Lv 要Xien 1 - 現在HPの5% 5s 50 - - - 0 1 0 2 - 現在HPの10% 5s 50 - - - 0 1 0 3 - 現在HPの15% 5s 50 - - - 0 1 0 4 - 現在HPの20% 5s 50 - - - 0 1 0 5 - 現在HPの25% 5s 50 - - - 0 1 0 野獣の血:使用者の物理攻撃力を5分間上昇させる。 スキルレベルが上がるごとに与ダメージ2%上昇。 野獣の血よりも先に使えば盟約、アンプリフィケーション、炎術強化、水術強化、雷術強化と重複可能。 Lv 持続時間 上昇値 MP EMP HP SP 要XP 要Lv 要Xien 1 5m 2% 50 - - - 0 1 0 2 5m 4% 50 - - - 0 1 0 3 5m 6% 50 - - - 0 1 0 4 5m 8% 50 - - - 0 1 0 5 5m 10% 50 - - - 0 1 0 盗賊の極意:使用者のクリティカル確率を5分間上昇させる。 スキルレベルが上がるごとにクリ率2%上昇。 PET会心、虎の巻、神秘の油揚げと重複可能。 Lv 持続時間 上昇値 MP EMP HP SP 要XP 要Lv 要Xien 1 5m 3% 50 - - - 0 1 0 2 5m 5% 50 - - - 0 1 0 3 5m 7% 50 - - - 0 1 0 4 5m 9% 50 - - - 0 1 0 5 5m 11% 50 - - - 0 1 0
https://w.atwiki.jp/4423/pages/343.html
編集する。 2024-09-03 00 44 50 (Tue) - 選択肢 投票 この作品はネ申 (3) 良かった (21) 普通 (0) 微妙 (0) いまいち (0) 最悪 (0) 雲のむこう、約束の場所は、新海誠監督のアニメ作品。 ストーリー 登場人物 用語 リンク内部リンク 外部リンク 討論用 情報収集 編集者用ミニ編集参加(文の提供・嘘・誤字等) 出典、参考 ストーリー 第二次世界大戦後ユニオンに占領された蝦夷(北海道) そこには天まで届くようなユニオンが建っていた。 青森の 登場人物 用語 リンク 内部リンク 雲のむこう、約束の場所 雲のむこう、約束の場所の登場人物 雲のむこう、約束の場所の用語 外部リンク 上へ 討論用 名前 コメント すべてのコメントを見る 編集する。 2024-09-03 00 44 50 (Tue) - 情報収集 トラックバック一覧 trackback() テクノラティ検索結果 #technorati 口コミ一覧 #bf 関連ブログ一覧 #blogsearch リンク元 #ref_list 上へ 編集者用 ミニ編集参加(文の提供・嘘・誤字等) 出典、参考 上へ
https://w.atwiki.jp/dq_dictionary_2han/pages/2054.html
DQⅧ 空を飛ばない限りは到達できないような高台である場所の総称。 これらの場所へ行くには、【神鳥のたましい】を用いる必要がある。 上空から見ると、うっすらと雲に覆われているのが目印。 ここでしか手に入らないアイテムがあったり、隠しダンジョンの入り口があったり、スライム系ばかり出る場所があったりする。 【暗黒神ラプソーン】の第二形態は空中戦だが、出現場所が便宜上ここになっている。
https://w.atwiki.jp/r-type-tactics/pages/209.html
「ワープ空間に関する情報」 ワープ空間には、我々の住む太陽系にはない「エーテリウム」という物質が結晶化して存在するらしい。 この物質は新しい機体(ユニット)を作るために役立つとのこと。 ワープ空間の進入不可領域に溜まっているものを、作戦中に見つけたら採取して欲しいと 分析班のスタッフに言われたのだ。 作戦中の資源採掘・採取は危険を伴うが、非常時だからこれも仕方がない…。 それで少しでも有利に戦えるようになるのであれば…。 こうしている内に緊急連絡が入った。 艦隊周辺にバイドが現れたらしい。 臨戦体制を指示して、作戦室へ向かう。 →出発する 「ワープ空間での戦闘に敗北」 ワープ航行中に艦隊に攻めてきた、バイドの撃退に失敗。 再度作戦を練り直し、突破を試みる。 →帰還する 「ワープ空間での戦闘に勝利」 ワープ航行中に艦隊へ攻めてきた、バイドの撃退に成功。 目的地に向けて、移動を継続する。 →帰還する 前ミッション→No.1226次元の入口 次ミッション→No.14次元の狭間 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/bicmap/pages/233.html
Top / 講座一覧 / ワープロソフト 文字 文字入力 文字を入力する 入力した文字の飾りつけをする 入力した文字を行の中央に配置する 色々な文字 チラシを作成する 行の間隔を変える 文字の間隔を変える 表 表を作成する 表を中央に配置する 表の飾りつけをする 表を好きな場所に配置する 文章 文章を作成する レイアウト ヘッダーとフッター 目次を付ける 体裁を整える 美しい文章の作り方
https://w.atwiki.jp/c21sanji/pages/11.html
aaa 隊員名簿 隊員番号 隊員名(ユーザー) 階級 近衛隊長 ぽてち(BALLACK) 第二近衛兵 炒飯(サンジ) 第三近衛兵 タルト(BOLEX)? 第四近衛兵 林檎(lime crown) 第五近衛兵 安倍川餅(SideWinder) 第六近衛兵 パスタ(John.) 第七近衛兵 白菜(KNG) 第八近衛兵 お茶(新緑の魔力) 第九近衛兵 牛乳(グラーバク) 第十近衛兵 グラタン(崩瞬) 第十一近衛兵 ソーダ(スピア) 第十二近衛兵 水道水(MZ2403)? 第十三近衛兵 雪見大福(エルフェイル) 第十四近衛兵 ラーメン(sygy)? 第十五近衛兵 肉団子(肉蝮) 第十六近衛兵 キャッサバ (玉城真一郎) 第十七近衛兵 ワッフル (ブタマリア・ポーク) お知らせ 階級のアイコンの画像をアップロードしました。自分の名前の横に下記の様に入力すると表示させる事が出来ます。 ファイル名は以下の通りになりますので該当するものに上記を変えてお使いください。 階級 ファイル名 ルーキー ルーキー.gif 一等兵 一等兵.gif 上等兵 上等兵.gif 兵長 兵長.gif 軍曹 軍曹.gif
https://w.atwiki.jp/gods/pages/107206.html
ゾフィアフォンラープス(ゾフィア・フォン・ラープス) 神聖ローマ帝国のニュルンベルク城伯の系譜に登場する人物。 関連: フリードリヒイッセイフォンニュルンベルクツォレルン (フリードリヒ1世・フォン・ニュルンベルク=ツォレルン、夫) コンラートイッセイフォンニュルンベルク (コンラート1世・フォン・ニュルンベルク、息子) フリードリヒニセイフォンニュルンベルク (フリードリヒ2世・フォン・ニュルンベルク、息子) エリーザベト(20) (娘)