約 1,472,745 件
https://w.atwiki.jp/blazer_novel/pages/198.html
ここが雪国というのは、今この時に限って言えば皮肉だったかもしれない。 今その場所に降ってきているのは純白の雪ではなく、漆黒の羽根だったのだから。 彼は降り行くその羽根を眺め、そして空を眺めた。 彼の視線の先の空――そこに、一羽の大鷲が舞い降りる。 彼の掲げた腕に止まったその鷲は、何をするでもなくただ、彼の目を見つめた。 「長い間、お疲れ様。もう、自由にしていいよ」 そう言うと、彼は鷲の止まった腕を更に高く掲げる。それに合わせて、大鷲は再び空へと舞い上がった。 もう鷲は彼の方を見ることなく、しかし彼は飛び去る大鷲をずっと眺めていた。その姿を目に焼き付けるように。 やがて、彼は振り返る。 そこに、倒れた少女を抱きかかえる少年の後ろ姿があった。 ホテルから落下し、横たわるミラ・クラウス。 彼女は、しばらくして起き上がり、よろけながら立ち上がる。 「これ、でも…まだ、死ねない、の…?」 自らの胸元を見やって、彼女は絶望した。 ビームサーベルを突き立てた傷は、煙と共に、既に塞がりかけている。 「ミラ!!」 彼女の名を、駆けつけたジャックが叫んだ。 駆けだそうとするジャックに、即座にミラが叫び返す。 「駄目!来ないで!!」 彼女の言葉に、ジャックは立ち止まらざるを得なかった。 「…一体どうしたの?何があったの、ミラ…!?」 恐る恐る、静かにジャックが尋ねる。 ミラは視線をジャックから外し、頭上――ホテルの屋上の辺りを睨んだ。 「まだ、アイツがいる…あなたを、傷つけたくない」 「ミラ…一体何を」 狼狽えるジャックに、ミラは僅かに笑みを浮かべた。哀しみの入り混じった笑みを。 「ごめん…私、何も…できなかったみたい」 その瞬間、再び発生させたビームサーベルを、彼女は治りかけていた胸の傷口に深く突き入れ、自らの身体を斬り裂いた。 彼女のアーマー、そして翼が消えて、元の姿へと戻っていく。 彼女の眼に絶叫するジャックの姿が映った。 もう彼の声も、彼女には聞こえない。その光景を最後に、彼女は意識を失った。 「グッ…ガハッ」 ヘルメットの中に、ジャンゴは血を吐いた。 空中で爆発し、その状態から地面に落下したジャンゴは、それでもまだ辛うじて生きている。 メインブースターこそ破損・爆発したが、肘と膝裏に仕込まれた姿勢制御用のサブブースターは生きており、落下間際に噴射することで衝撃を軽減していた。 だがそれでも身体にかかった衝撃は凄まじいものがあり、手足はおろか内蔵にまで深刻な打撃を及ぼしている。 一緒に落ちたクロウ・エリュシオンはどうなったのか。仰向けの姿勢のまま、ジャンゴは周囲に視線を向けた。 「ッ…!」 ジャンゴの眼前で、クロウは立ち上がっている。 左目を瞑っているが、そこから涙の様に血を流し。爆発の影響で身体中が灰や埃で覆われ、更に顔には幾つか火傷が見える。 そんな満身創痍の状態にも関わらず、それでもクロウは立ち上がっていた。 ジャンゴはクロウに何か言おうとしたが、内臓にダメージを負っているせいか、声を出すことができない。 クロウはそんなジャンゴを一瞥すると、踵を返す。 まだ負けてない。そう言おうとしたが、声は出ず、身体も動かなかった。 ――畜、生…!! そう思ったのを最後に、ジャンゴは意識を失った。 そんなジャンゴに近づく影が一つ。 「やっと追いついたぞ…!!」 肩から血を流しながら、レオン・トラヴァースがジャンゴに近づく。 彼は無事な方の腕で、重そうな袋を一つ肩から担いでいた。 そして彼は、意識を失っているジャンゴと、歩み去ろうとしているクロウに視線を向ける。 「おい、トドメを刺さないのか!?こいつはまたお前を狙ってくるぞ!!」 歩いていくクロウに向けて、レオンが問う。 クロウは振り返ると、ただ首を振った。そして、再度元の方向へ歩いていく。 レオンは途方に暮れたように頭を掻いた。 「ったく…」 言いつつ、機関銃をジャンゴへ向けるレオン。 だがしばし考えて、彼はその銃口を下げる。 ――俺が斃してもいねぇのに、トドメだけ刺すなんて真似ができるか。 そう考えながら、傍らの建物に目をやった。 クロウとジャンゴが落ちてきた建物で、5階建てのアパートだ。周囲の建物よりは高いように見える。 「…望み薄だが、せめて最後まで足掻くとするか」 肩に担いだ袋を一瞥し、彼はその建物に入っていった。 「ミラ…ミラ、ミラ!」 倒れたミラを抱き起こして、ジャックは必死に彼女の名を呼ぶ。 しかし、ミラがジャックの言葉に反応することは無かった。 それでも、諦めずに彼女の名を呼び続けるジャック。いつしか、彼の眼に涙が溢れ出していた。 その光景を、やっとその場に辿り着いたクロウが呆然と眺める。 「あぁ…俺は…」 自然と彼は膝をつき、両手も地面に着いていた。 その脳裏に、過去の光景が蘇る。 過去の、忌まわしき記憶が―― 「また…間に合わなかったのか…レノア…」 「何で…どうして…こんなことに、なったのかな…」 ミラを抱きしめて、小さな声でそう呟くジャック。 もう彼にも、それ以上言葉を紡ぐことも出来なくなっていた。 背後から、声がかかるまで。 「それは、哀しみか」 涙を流したまま、ジャックが振り向く。 彼の後ろに立っていたのは、クリストファー・セレナードだった。 初めて会った時と同じ、クリーム色のコートを身に着けているが、髪は縛っておらず、眼鏡もかけていない。 彼は、感情を出さぬ表情のまま、しかし真剣な眼でジャックを見た。 「その子の死が、哀しいか。ジャック君」 「そんなの…当たり前じゃないですか…!!」 悲痛なジャックの言葉に、クリスはゆっくりと彼の前に回ってくると、その場に腰を下ろしてジャックと向かい合った。 「もう一度、答えてほしい」 「何を犠牲にしても、その子を救う覚悟があるか」 クリスの言葉に、ジャックは何か言い返そうとした。 だが、クリスの真剣な眼を見て思い直すと、彼は答えを返す。 「…はい!救えるのなら…僕はどんなことだって…」 「その子の一生を背負う覚悟はあるか」 続けて再度紡がれた問い。 今度はジャックは、即座に肯定した。 「はい!僕は…僕は前から…!!」 ジャックの言葉の続きを、クリスは手で制する。 そして、それまでの表情から一転して、彼は微笑んだ。 「それが聞きたかったんだよ。ずっと」 そう言うと、クリスは視線をジャックから、彼の後方にいるクロウに向けた。 微笑んだまま、その瞳から涙が一筋流れ落ちる。 それを見て、直感的にクロウは悟った。彼が何をするつもりなのか。 「お前、まさか…!!」 クリスはゆっくりと、横たわるミラの手を取り、その手を握り締める。 やがて無数の光が、クリスの腕からミラの腕に流れていくように見えた。 「クリス…さん…?」 その光景に、彼の名を呼ぶことしかできないジャック。 クリスはそんなジャックに視線を向けると、言った。 「まだ時間があるから、昔話を聞いてくれないか」 「昔…話…?」 ジャックの言葉に頷くクリス。やがて彼は、話を始めた。 「昔ね、信じていた人全てに裏切られた者がいた」 そう話す彼の視線は、自分の手元に注がれている。 「彼はやがて旅に出て、会う者全てにこう尋ねるようになった。『君が死んだら、哀しむ者はいるか』と」 「きっと、身近な人全てから死を願われた彼は、知りたかったんだ。他者の死に際し、心の底から哀しむことのできる人間は、存在するのかと」 「でも今なら分かる。彼がやるべきだったのは、問う事じゃなくて…諦めずに見続けることだった。そうすれば…僕のように、きっと答えを得られたのかも」 「…その人は、どうなったんですか…?」 クリスの話に、自然とジャックはそう尋ねていた。 彼の問いに、クリスは僅かに微笑み、首を振る。たったそれだけで、ジャックは結末を察して、目を伏せた。 クリスは静かに続きを紡ぐ。 「僕も今の今まで悩んでた。過ちを犯し、目的を亡くし、どう生きればいいのかって。僕を生み出した人が、何故僕を目覚めさせたのか…少し恨みさえした」 一泊を置き、彼は続けた。その視線を手元から、ジャックの方に移して。 「でも…考えてみれば、君達はそれが普通だったんだよね。目的をもって生まれる僕らの方がむしろ…歪だったのかもしれない。力を失って、初めて気づいたよ」 「クリスさん…」 クリスの話の後半は、ジャックには理解が難しかったが、それでも彼の言葉に、何かしらの感情をジャックは読み取っていた。 やがてクリスは、それまで微笑んでいた表情を真剣なものに変えると、ジャックに言う。 「僕と違って、彼女は翼を持ってる。だから、まだ…生きられる筈だ」 話の内容をジャックに言い聞かせるように、彼は言葉を続ける。 「いいかいジャック君…彼女が力を最大限発揮するのに必要なものが二つある。太陽と、感情だ」 「太陽と、感情…」 ジャックの言葉に頷くと、クリスは尚も続ける。 「太陽が力の源であり、感情が力の発露だ。だから、ジャック君…彼女が力を発揮できるかは、君にかかってる。それを…憶えておいてくれ」 「は、はいっ…!」 ジャックの返事に微笑むと、深く息を吐くクリス。 「そろそろ、時間だ」 「…クリス、さん…?」 クリスの視線が、ジャックから彼の背後に移る。 クロウが、ジャックの背後まで近づいてきていたからだ。 彼は全てを察した表情で頷くと、静かにクリスに言った。 「思い残すことは…無いか」 クリスはクロウの問いに、微笑みながら頷く。 気がつけば、クリスの身体全体から、淡い光が浮かんでいた。 かつて、この星で消えた、最後の人間のように。 「ありがとう。さよなら」 その瞬間、クリスの姿は消えていた。 クロウは目を瞑り。ジャックはただ、呆然としている。 「ぅ…」 「ミラ…!?」 抱きかかえていたミラが僅かに声を発し、ジャックが彼女の名を呼ぶ。 やがて彼女が薄く目を開いていた。 「…邪魔者が消えてくれたのは幸いだった、が」 ホテルの屋上から、その様子を眺めていたビートルジュースが言う。 その顔に、先程まで浮かんでいた歓喜の表情は跡形も無く消え去っていた。 「まさか…」 言いながら、彼は振り返る。スティーブと相対している、レイラの方に。 レイラもまた、ビートルジュースの方へ視線を向けていた。 彼女はただ、首を振る。 「駄目か?」 「ああ。もうあの娘は、操れない」 ビートルジュースの念押しに、改めて言葉で伝えるレイラ。 その言葉に、ビートルジュースの顔に怒りの色が浮かんでいく。 米神に血管が浮き、眉間に皺が寄り、その口はぎゅっと引き締まっている。 「ジェネシス…最後の最後まで余計なことを…」 「どうしたビートルジュース。さっきまでの笑顔はどこに行ったんだ?」 そう言って、スティーブは笑みを浮かべた。 彼の居る位置からは地上の様子は分からないが、ビートルジュースとレイラの会話から、何か不都合な出来事が起こったのだと察することができたからだ。 ビートルジュースは血走った眼をスティーブへ向ける。 「ここから先、どうなるかな。あんたの望み通り、全員一緒に破滅するか…それとも、違う結末になるか」 そう言って笑みを浮かべるスティーブに対し、ビートルジュースは視線をレイラへと移す。 その瞬間、スティーブの身体が意思とは無関係に動き出し、構えていた銃の銃口が、スティーブ自身の米神に押し当てられる。 「っ!?」 「自分の立場が、分かってねぇようだな」 静かな口調で、ビートルジュースはそう呟いた。 しかし、それでもスティーブは笑みを止めない。 「俺に構っていていいのか?ここから先どうなるか、見逃しちまうぞ」 その言葉にビートルジュースは舌打ちすると、再び視線を地上へ向けた。 その様子を見て、スティーブは内心で胸を撫でおろす。内ポケットに入っていた携帯が、着信により震えていたからだ。 誰からの着信であるにせよ、今ビートルジュースとレイラに気づかれれば、まずいことになる。そうスティーブは直感していた。 ジャックが固唾を呑んで、意識を取り戻したミラを見守る。 傍らにいたクロウは後退し、二人を見守った。 「私…」 呟きながら、ミラは数回瞬きする。 やがて彼女は、ガバッと勢い良く起き上がった。 「ミラ…!!」 ジャックが彼女の名を呼ぶ。ミラはジャックを見ながらも、その場に立ち上がった。 「大丈夫…?」 「…何故、来たの…?」 ジャックがその身を案じる言葉に対して、ミラは消え入るような声でそう呟く。 「また、自分を抑えられないかもしれない。次は親しい人を…あなたを、傷つけるかもしれない…!!」 強い語調でそう呟き、再び静かな声で彼女は言う。 「だから…もう、会わないと思ってたのに…」 ミラの言葉に、ジャックは勇気を奮い起こした。 脳裏に、ケインの言葉が響く。 脳裏に、クリスの言葉が響く。 彼は、自分の想いを言葉に乗せた。 「アレで終わりなんて嫌だ。これでお別れなんて…絶対、嫌だよ…!!」 「ジャック…?」 言いながらジャックは、1年前を思い出した。 ミラの父親であるジョエル神父の死と、一緒に逝こうとする彼女を引き留めた言葉。 「ミラ…今度こそ、一緒に生きよう」 「君が好きだ」 ジャックの言葉に、しばらくミラは反応できなかった。 やがて彼女の頭がジャックの言葉を理解してくるにつれて、彼女の目から――涙が流れ落ちてくる。 「でも、私…こんな、こんな身体なんだよ…?」 ジャックは微笑み、首を振った。 「そんなの関係無いよ。僕が好きになったのは、ミラなんだ」 「ジャック…」 堪え切れなくなったミラが、ジャックの胸に飛び込んだ。 ジャックも、ミラを抱きしめる。 そうしながら、彼は言った。 「だからさ、お願いだ…必ず戻ってきて」 「うん…うん!」 やがて、二人が離れる。ミラは泣き腫らした目で、微笑んでいた。 「私…絶対、戻るから!!」 その瞬間、ミラの姿が光に包まれる。 やがてその光が晴れた時、彼女の姿は――純白の翼を纏っていた。 翼だけじゃなく、身体を覆うアーマーも、黒から白へと変じている。 その姿に、クロウは過去に戦ったロックマン・ジーザスの姿を思い浮かべた。 頭と背中の二対の白き翼、そして純白のアーマー。だがクロウの記憶にあるジーザスのそれとは違い、そのデザインに攻撃的な部分は鳴りを潜めている。 ミラは、頭上にあるホテルの屋上を見つめた。 そんな中、クロウのアーマーに内蔵された通信機から通信が来る。 「…誰だ?」 『俺だ、さっき助太刀したろう』 その声が、アーマーを着る前にジャンゴに襲撃された際、助太刀してくれたレオン・トラヴァースのものであることにクロウは気づく。 『スティーブ・ハントが電話に出ねぇから、あんたに言っとくぞ』 「何だ?」 クロウの問いに、レオンが答える。 『ジャンゴのレーザーを拾って修復した。町を囲んでる巨像を破壊するのに使えるんじゃねぇかってな。ただ、応急処置で恐らく一発しか撃てねぇ。準備ができてるんなら、あんたが指示してくれ。こっちはもう準備できてる』 レオンの言葉に、クロウはジャンゴとの戦闘中に喰らった、あの高出力のレーザーを思い出す。 あれなら戦闘端末を破壊することも可能かもしれない。そうクロウは判断した。 「ミラ・クラウス!町を囲んでる戦闘端末を破壊する必要がある!!」 クロウの言葉に、ミラは頷いた。 そして、重力を操作してゆっくりと空中に浮上していく。 ホテルの中ほどの位置まで浮遊した彼女は、町を囲んでいる三体の戦闘端末を見回した。 ホテルの中ほどではあるが、その時点で既にそこよりも高い建物はプリズナの町には存在せず、戦闘端末三体の姿が見える。 彼女は片腕をバスターに変化させると、西側の戦闘端末に向けた。 その様子を見て、クロウが叫ぶ。 「待て!一体を攻撃すれば他の二体が攻撃を開始するぞ!!やるなら、三体同時に破壊する必要がある!!」 ミラはクロウに視線を向け、無言で頷いた。 「クロウさん」 そんなクロウに、傍らのジャックが声をかける。 クロウが視線を向けると、ジャックは先程までとは打って変わり、落ち着いた表情で彼の方を向いていた。 「大丈夫、彼女を信じて」 クロウは少し考えると、やがて通信機で繋がっているレオンに声をかけた。 「合図したら東側の戦闘端末に向けて発射しろ!」 『了解した!』 「やらせると思うか?」 ホテルの屋上から、彼らのやり取りを見ていたビートルジュースがそう口走る。 「おいリヴァイアサン、あの小娘が操れねぇんなら、あの小僧を…」 「フフッ、ハッハッハッハッハ!!」 急に笑い出したスティーブに、ビートルジュースが血走った目を向ける。 「何が可笑しい?」 「お前は可笑しくないのか?あんなに笑ってたのにな」 笑みを浮かべながらそう言うと、スティーブは続けて言葉を口にする。 「分からないか?お前はテレビでこの町の住人に『自由にしろ』と言った。自由にして、この町が破滅するのを見たかったんだろ。なのに自分の計画が上手く行きそうにないと、『便利なコントローラー』で町の人間を自由にさせないようにしてる。違うか?」 言いながら、レイラに視線を向けた。今しがた自分が『便利なコントローラー』呼ばわりしたレイラに。 「その時点で、お前の計画は破綻してるんだよ、ビートルジュース。レイラに頼れば、確かに何もできずに早晩この町は壊滅するが、お前の望み通り、全ての人間が自由にした結果として、破滅するんじゃない」 スティーブの言葉に、レイラは僅かに目を見開いていた。 「リヴァイアサンを使ったその時点で、このゲームはお前の負けだ。ビートルジュース」 その瞬間、ビートルジュースの持っていた銃が火を噴き、スティーブの肩を銃弾が貫く。 「ぐっ!!」 「黙れよ、お前?」 久方ぶりの激痛に、流石のスティーブも表情が苦悶に変わる。 だが、それでも彼は、ビートルジュースを睨みつけた。 「あぁやっぱり、お前はガキだよ。自分の望み通りにならなきゃ気が済まない、ただのガキだ。このゲームにレイラという保険を用意した時点で、自分は賭けの盤上に上がるつもりも無い、ただのガキだってことが、よく分かったぜ」 「黙れぇ!!」 そう叫び、ビートルジュースは再度、銃の引き金を引こうとした。 だが、ビートルジュースの指は動かなかった。 「おい、リヴァイアサン…何してる?」 同時にスティーブは、自分の身体が自由に動くことに気が付いた。 自分の米神に向けていた銃を下ろして、彼はレイラを見た。 レイラは、ビートルジュースを冷めた視線で眺めていた。 「彼の言う通りだ」 瞬間、今度はビートルジュースが、持っている拳銃を自身の米神に向ける。 「!?おい、冗談は止せ…『パンドラ』!!」 「『プロメテウス』、貴方は貴方自身のゲームで、脱落した」 瞬間、ビートルジュースの持っていた銃が、再び火を噴いた。 手を握り、開くのを繰り返して、自分が自由になった事を確認するスティーブ。 やがて彼は、まずビートルジュースを見た。 ビートルジュースは、床に血溜まりを作って死んでいた。 死体は白目を剥き、その場に横たわっている。 米神に撃ったせいで、その顔の大半が血に覆われていた。 そして、その傍らにレイラは佇んでいる。 「…れ、レイラ…?」 「下の様子を見ないのか?」 レイラは心底不思議そうにそう言って、スティーブを見た。 スティーブはレイラに視線を向けたまま、屋上の縁の近くまで行くと、そこまで行ってからやっと視線を地上の方に向ける。 そして視線をそちらに向けながら、彼は言った。 「お前…何考えてる?」 「…後で話すよ。スティーブ」 レイラもまた、地上の様子を見守りながらそう答える。 名前を呼ばれたことに、スティーブは驚愕して視線をレイラに向けた。 「今のお前は…どっちなんだ」 レイラはただ、微笑んだ。 ミラの方を見ながら、クロウが通信機越しにレオンへ話し続ける。 ミラも視線をクロウに向けていた。 「よし…やるぞ。3、2…」 その瞬間、東側の戦闘端末から轟音と爆炎が上がった。 「!?」 クロウとミラ、それに屋上でレーザーの発射準備を行っていたレオンが目を見開く。 三人が視線を向けた後も更に断続的に、爆撃が東の戦闘端末を襲う。その爆撃が一発ごとに、確実に戦闘端末を破壊していた。 『ージュ…ミラージュ…』 クロウの通信機から、雑音交じりの声が響く。その声が、安否が気になっていたものの声であることにクロウは気づいた。 「ゼゼか!?」 『すみません、残りの二体…お願いします』 クロウは、再度東側の戦闘端末を見た。既に全体が炎上し、崩れ落ちようとしている戦闘端末の姿を。 「これでいいのか」 『ええ…後は彼らがやってくれると…信じます』 東の山の中腹で、バズーカのような兵器を構えたジョン・クラフトが戦闘端末を見やる。 既に半壊状態となった戦闘端末。それでもジョンは、兵器の引き金に掛けた指を緩めない。 そんなジョンの傍らに、墜落したゼゼがいた。 先程は点滅していたゼゼの瞳が、今は赤く輝いている。 「…リーバードと話すのは初めてだ。無事なのか?」 『体内のナノマシンが修復中ですので…もう少ししたら動けます』 ゼゼの言葉を聞き、少し安心したように頷くジョン。 「だが…三体同時に破壊しないと、町の人間が殺される」 『大丈夫です…もう彼らも、準備ができているようでしたから』 そう語るゼゼを一瞥した後、ジョンは再び戦闘端末に照準を定め、引き金を引いた。 東の戦闘端末が、もうレーザーの発射もできないほど破壊されていくのを確認するクロウ。 『おい!発射していいのか!?』 レオンの声を聞き流しながら、続けて彼は西と南、二つの戦闘端末を見やる。 東の戦闘端末が攻撃されたのに反応して、既に2機は攻撃を開始するため、エネルギーをチャージしていた。 「レオン!!西側だ!撃て!!」 クロウが、声の限りに通信機に向かって叫ぶ。レオンも快活に返事を上げた。 『アイアイサー!!』 瞬間、ビルの屋上から高出力のレーザーが発射され、西側の戦闘端末を貫いた。 一撃で、胴体部に大穴が開き、手足までもが巻き込まれて溶解していく。 それを確認し、クロウはミラの方を見た。 「ミラ・クラウス!!」 「ミラ!!」 クロウとジャックがミラの名を呼ぶ。 ミラが、片腕のバスターを南側の戦闘端末に向け、エネルギーを収束した。 戦闘端末もまた、エネルギーの収束を終えようとしている。町の住人を虐殺せんと、凶悪な光を携えて。 ミラはバスターを構えて、戦闘端末を見据えた。 そして、気付いた。自分が今破壊しようとしている『巨像』は、一年前地下で父親が操ろうとしていたモノの一体だったことに。 その事実は、ミラの決意を――揺るがせはしなかった。 ――ああ、そうか。そこに、ずっと居たんだね。 「さよなら、父さん」 流れる涙を振り払うように、ミラはバスターを発射した。 東の戦闘端末を破壊した爆撃。西の戦闘端末を破壊した収束レーザー。 そのどちらをも凌ぐ威力の光の奔流が空を駆け、今まさに収束したエネルギーを解放しようとしていた巨像を飲み込んだ。 後には、頭部を含む胴体が消失し、巨像の二本の脚が残るのみ。バランスを崩したそれもまた、音を立てて倒れていく。 「はぁっ…はぁっ…はぁっ…」 バスターの反動により、肩で息をするミラ。南の巨像が消失したのを確認すると、彼女は西と東の巨像も見る。 東の戦闘端末も、爆撃を浴びて炎上、半壊し、沈黙している。レーザーの直撃を浴びた西の戦闘端末も、同様に胴体に大穴を開けて沈黙していた。 「…やった…」 その時、ミラは気づいた。 人々の声が聞こえる。 誰もが空を見上げて、彼女を見ていた。 呼吸が整った彼女はやっと耳を澄まして、人々の声を、視線の意味を理解した。 自分を包んでいるのが、歓声であると。 「成功か…」 ホテルの屋上からその様子を眺めていたスティーブは、力が抜けたようにその場に腰を下ろす。 「全く、ヒヤヒヤさせやがって…」 言いながら、彼は傍らのレイラの姿を見る。 そして気付いた。彼女の表情に、まだ緊張が残っていることに。 「…どうした?」 レイラは町を眺めたまま頷くと、言う。 「この町に集められた私達には共通点があった」 「…共通点?」 「ジャンゴは金と設備。ビートルジュースは金と時間。そして私はこうして『元に戻る』こと」 「…どういう意味だ?」 そこで初めてレイラは、視線をスティーブの顔へと向けた。 「この町の人間全てを殺すために必要なものだ」 「なっ…!?」 レイラの言葉に、スティーブが絶句する。 彼女が何を考えているのか、その表情からでは読み取れない。 だからスティーブは緊張と共に、問いを投げた。 「一体…何が言いたい…?」 レイラはスティーブの顔を見つめ、無表情のままに続きを紡ぐ。 「私達は各々が別々の方法で、町の人間を殺せる。彼女もだ」 「彼女…?」 レイラの言葉をスティーブが理解する前に、彼女は空を見上げた。 不意に強い風が吹き、レイラが髪を掻き上げる。 やがて彼女は、ポツリと言った。 「聞こえるか。彼女の、哭き声が」 雲の中で、町の様子をずっとベルカナ・フォン・ロワイアルは把握していた。 「大口を叩いた割には、随分期待外れな幕切れじゃない。ビートルジュース」 そして、彼女は目を開ける。 「まぁいい。ならば私の手で…」 「全て、滅ぼすとしよう」 第七章へ 続・雪の町に集う者たち・目次
https://w.atwiki.jp/tamakagura/pages/517.html
5%上昇 スキル名 使い手 習得レベル 説明 備考 フォーチューン がぶりあす 50 戦闘中のコダマのスペル追加効果の発動率が5%上昇します。 片腕有角の仙人 A華扇D華扇 25 あらゆる本を解読する程度の能力 T小鈴 25 奇跡を起こす程度の能力 D早苗JK早苗 50 神話幻想 A神綺H神綺 50 坤を創造する程度の能力 N諏訪子A諏訪子D諏訪子 50 比較物理学教授の助手 Hちゆり 25 聖徳伝説 N神子A神子T神子 50 久遠の夢 A夢美 50 騒霊ボーカリスト HレイラDレイラ 50 何でもリズムに乗らせる程度の能力 S雷鼓 50 打ち出の小槌を扱う程度の能力 S針妙丸 50 10%上昇 スキル名 使い手 習得レベル 説明 備考 トラブルメーカー ADてゐ 50 戦闘中のコダマのスペル追加効果の発動率が10%上昇します。
https://w.atwiki.jp/dcab/pages/413.html
デュオ=ブランドー 愛称: 称号: 種族:ドワーフ 年齢:48 性別:男 穢れ値:0 外見:美しい髭を三つ編みにしている、褐色のドワーフ。 プロフィール 大失恋をして自暴自棄になっているところに、 あるリルドラケンの方に拾われて、その方が産んだ卵を (髭で)暖めていた。 そのタマゴを暖めたお嬢さんに「おじちゃんかれいくさいー」 といわれてショックで逃げ出して、冒険者になる。 ツッコミおじちゃんとしての地位を確立しつつある。 最近はいじられおじさんとしての地位も確立しつつある。 別に生まれながらの悪党でもなければ、死神と呼ばれることもまだ無い。 そろそろ防具習熟/金属鎧がとっても欲しいお年頃。 得意料理:ゆでたまご(マテ 性格 テンプレドワーフを目指した系。 旧版ガルガドさんを目指したけど出来ているかは謎。 他PCとの交友関係 +セッション記録 セッション回数:21回(失敗:0回)(死亡:0回) GMB投入回数:1回 +1~10回 回数 日付 シナリオ名 GM 経験 報酬 名誉 成長 同行者 01 10/12/30 届けて!守りの剣! ときたみ 1230 888 2 筋力 アンゴラ、エフェドラ、ソーン 02 11/01/02 子供かむばっく:りばいずどえでぃしょん くろねこ 1170 720 9 器用度 キャロライン、アンゴラ、マッサル 03 11/01/08 蛮族が相手ならよかったのに トロ 1200 658 14 生命力 ソーン、キウイ、アイラ、ノト 04 11/01/10 成人の儀式 Let s Toragari!! 糸色 1170 1643 22 筋力 シーセス、キャロライン、ラランティ 05 11/02/18 食料泥棒をつかまえろ すばる 1220 1873 29 器用度 シャルル、シンノ、リルフィリア 06 11/02/21 沼地の遺跡 Xiii 1560 2878 21 精神力 エイジス、ステイシー、リルフィリア、アンゴラ、レイラ 07 11/02/23 魔法の杖、奪還依頼 RON_AG 1490 2942 19 生命力 シーセス、クーナ、ステイシー、アンゴラ、シンノ 08 11/02/24 挑戦!剣が呼ぶ迷宮 Xiii 1450 4095 24 器用度 リルフィリア、エイジス、ジョージ、シンティラ、クララベル、アンゴラ、ステイシー 09 11/03/11 酸の雨の鎮魂歌 南仔 1920 8220 0 精神力 ジョージ、ジラ、ドル、リルフィリア 10 11/03/27 手紙を届けに行こう MH35 1000 8875 0 器用度 スパナ、フェイト、アミカ +11~20回 回数 日付 シナリオ名 GM 経験 報酬 名誉 成長 同行者 11 11/04/02 いやぁ、ハンドル廻しちゃ駄目ぇ Xiii 1280 5110 23 筋力 シトリー、クナジア、カルフォート、ティス 12 11/04/21 シンプルなダンジョン Xiii 1440 5356 33 器用度 シトリー、ロナルド、レイラ、ゼファード 13 11/05/09 お金がなければ稼げばいいじゃない 比具人 1690 4780 41 精神力 ロナルド、シンティラ、ウェンディ、サラサ 14 11/06/23 移ろいゆく戦況 シャイン 1680 5100 52 知力 レイラ、カルーラ、シトリー、リリー、ストーム 15 11/06/24 おいでよ、どくどくの森 Xiii 1910 7120 36 知力 シトリー、レイラ、ゼファード、ウンバボ 16 11/07/07 カミに願いを m7i 1580 4996 41 筋力 シトリー、ウンバボ、ドレッド、ストーム 17 11/08/08 ルキスラ剣客浪漫譚 第1話『人族斬り』 比具人 1530 8525 44 精神力 アシエル、レオナ、ドレッド 18 11/08/12 ルキスラ剣客浪漫譚 第2話『過去』 比具人 1680 10450 55 生命力 アシエル、ルディ、レオナ、リヤン、レイラ 19 12/03/24 GMB投入1回目(8レベル) - 1650 6000 30 筋力 - 20 12/03/28 深緑の番人 冬 1440 7500 52 器用度 カーナ、ブラン、エーテル、ロッタ、ピエロ +21~30回 回数 日付 シナリオ名 GM 経験 報酬 名誉 成長 同行者 21 12/04/07 斬るのは人か魂か night owl 1270 7850 36 知力 クラッチ、アリア、ロッタ、チャック、ブラン 22 12/10/07 幸薄き冒険者 fine 1580 9300 23 筋力 コルト、ミーファ、モモモ、トラップ、ラウン 23 00/00/00 24 00/00/00 25 00/00/00 26 00/00/00 27 00/00/00 28 00/00/00 29 00/00/00 30 00/00/00 +~回 回数 日付 シナリオ名 GM 経験 報酬 名誉 成長 同行者 01 00/00/00 02 00/00/00 03 00/00/00 04 00/00/00 05 00/00/00 06 00/00/00 07 00/00/00 08 00/00/00 09 00/00/00 10 00/00/00 +他PCとセッションで同行した回数(前後は1回づつカウント) 同行回数 同行したメンバー 1回 エフェドラ、マッサル、キウイ、アイラ、ノト、ラランティ、シャルル、クーナジラ、ドル、スパナ、フェイト、アミカ、クナジア、カルフォート、ティスカルーラ、リリー、ルディ、リヤンヴィサージュ、カーナ、エーテル、ピエロ、クラッチアリア、チャック、コルト、ミーファ、モモモ、トラップ、ラウン 2回 ソーン、キャロライン、シーセス、シンノ、エイジス、ジョージ、シンティラ、ロナルドゼファード、ウェンディ、サラサ、ストーム、ウンバボ、ドレッド、アシエル、レオナブラン、ロッタ、 3回 ステイシー 4回 リルフィリア 5回 アンゴラ、レイラ、シトリー 6回 7回 8回 9回 10回 11回 12回 13回 14回 15回 プレイヤー:エイノ 登録タグ:
https://w.atwiki.jp/asaahingaeaw/pages/226.html
アサシン・零先生が特別に書いたコードギアス独立のルルーシュの後継作品。映画にもなりそうな作品だが発売予定は推定2036年になる。 物語のあらすじ ルルーシュは日本を取り返したがその一方でEUに目を向けた。一方でレイラも日本に目を向ける。世界が予想もしなかった世界大戦が始まる。 登場 合衆国日本 ルルーシュ(黒吹 雄一) シャーリー(黒吹 雫) 紅月カレン C.C. 扇要 玉城真一郎 南佳高 杉山賢人 井上直美 吉田透 藤堂鏡志朗 四聖剣 千葉凪沙 朝比奈省悟 仙波崚河 卜部 巧雪 ディートハルト・リート ラクシャータ・チャウラー ジェレミア・ゴットバルト EU連合 日向アキト レイラ・フォン・ブライスガウ 佐山リョウ 香坂アヤノ クラウス・ウォリック 新キャラ アイン・レモンド アスラン・フラウ ジェームズ・パーキソン コナー・アルマルセン フランシス・ギルフォート アルメダ・ナイフバレット
https://w.atwiki.jp/zatchbell/pages/1666.html
S-233 ラージア・ミグセン 術 中級 MP3 +6000 ダメージ3 バトル攻撃 バトル防御 相手の魔本にダメージ。 レイラ第4の術 巨大な三日月が相手を襲う。 LEVEL 7 R 少ないMP消費で、魔力6000、3ダメージを与える。 攻撃の中心になれる術。 中級制限は、あるもののS-261 ミグロンより魔力が少し高く設定されている。 ダメージ3と高いので、攻撃呪文として使うことができる。 防御呪文としては、MP3と高いものの、魔力が6000とS-262 ミシルド級なので、防御としても使う事ができる。 コストパフォーマンスの良さを生かし、E-067 ナオミちゃんを使い、魔本に直接ダメージを与えるのが最善か。 収録パック LEVEL:7 蒼き斥石の光芒 タグ:MP3 ダメージ3 バトル攻撃 バトル防御 レイラ 中級 術 +6000
https://w.atwiki.jp/thvision/pages/1113.html
《騒霊三姉妹チーム》 No.584 Character <Special Collection Vol.4> GRAZE(0)/NODE(4)/COST(2) 種族:幽霊 【連結(「ルナサ・プリズムリバー」+「リリカ・プリズムリバー」+「メルラン・プリズムリバー」)】 奇襲 速攻 先制 貫通 (自動α): 〔このキャラクター〕は、あなたの冥界にある、名称に「プリズムリバー」を含むカードの枚数によって以下の効果を得る。 ・3枚以上…「戦闘修正:+3/+3」 ・4枚以上…「(自動α):〔このキャラクター〕はスペルカードの効果の対象にならない。」 ・5枚以上…「(自動α):〔このキャラクター〕は他のキャラクター効果の対象にならない。」 ・6枚以上…「(自動α):〔全ての相手キャラクター〕は「戦闘修正:-3/-3」を得る。」 攻撃力(6)/耐久力(6) 「一曲聴いていかない?友達のよしみで」 「お代は見てのお帰りよ。友達のよしみの所為で」 Illustration:cercis コメント 【連結】(ユニオン)を持つカードの一枚。 ノード・コスト・グレイズや戦術、戦闘力のみを単純に見た場合、三姉妹合体を果たしたルナサ・プリズムリバー/1弾が一枚に収まっただけだったりする。 「ルナサ・プリズムリバー」「リリカ・プリズムリバー」「メルラン・プリズムリバー」の三枚を要求されるという連結の中でも条件を満たすのが一見難しそうに見えるカード。 しかし、このカードやレイラ・プリズムリバー/3弾の存在から黄泉の舟や香霖堂をデッキに無理なく採用出来るという点や、プリズムリバー専用サーチカード合葬『プリズムコンチェルト』、そして何よりこのカード自体の異常なまでに安いノード・コストとサーチカードである倫敦人形、またサルベージ兼コスト軽減ができる夢殿大祀廟によって、比較的楽に、また安定して場に出す事が出来る。 その戦闘能力は圧巻の一言。速攻による圧倒的なスピードだけにとどまらず、先制を持っているため耐久力6以下のカードはほとんどが何も出来ずに決死状態になる。先制を持っているキャラクターも同じ連結持ちを除けば攻撃力6以上は6ノード帯からのため追いつけない。 奇襲持ちであるため1ターンに複数枚出せる可能性も持ち、さらに貫通を持っているため小型キャラクターによるチャンプブロックすら許さないという高性能ぶり。 さらにこれだけのカードパワーを持ちながら、なんとグレイズは0。強烈な一撃をあえて受け、そこから得たグレイズで反撃という事も許さない。 奇襲+速攻による防御もできるが、それすらも余技と言わんばかりの攻撃性能であり、このカードへの対策を考えておかないと一方的に負けてしまうだろう。 なお、奇襲を持っているため、相手がこのカードに向けて除去をプレイしてきたときに手札の2枚目を出すことで、場の1枚目を3姉妹の誰かとして除外しつつ除去を目標不適切にさせられる。覚えておきたいテクニックである。 戦術と戦闘力、グレイズだけでも十分過ぎるほどに強いこのカードであるが、この連結の真価を発揮するためには(自動α)を発生させる必要がある。 (自動α)は、このキャラクターのプレイヤーの冥界にある名称に「プリズムリバー」を含むカードの枚数で効果が変化する。 プリズムリバー3枚以上で得られる一つ目の効果は戦闘修正。+3/+3と、これだけでも非常に強力であり、最低でもここは狙いたい。9/9先制貫通を安定して受けられるキャラクターは一握りしか存在しない。 4枚以上で得られる二つ目はスペルカード耐性。「対象にならない」効果なので、全体除去も回避可能。ただし、自分のスペルカードの対象にもならないので注意。 5枚以上で得られる三つ目はキャラクター効果耐性。出すのに手間がかかるユニオンキャラだけに、西行寺 幽々子/5弾や符ノ壱“八雲 紫”を自力で回避できるのは非常にありがたい。二つ目の効果と相まって、除去などにはかなり高い耐性がつくことになるが、自分のキャラクターからの支援も受けられなくなる点は覚えておこう。 そして6枚以上で得られる四つ目の効果は、相手キャラクター全てに戦闘修正:-3/-3を与える能力。耐久力3以下のキャラクターは存在すら許されず、たとえ生き残ったキャラクターでも戦力として数えるのが難しくなるだろう。 このように、どれも強力であるが、『冥界にある名称に「プリズムリバー」を含むカードの枚数』という条件は、普通にプレイするだけではクリアは非常に困難。その力を十全に発揮するためには、黄泉の舟や香霖堂はもちろん、手札にきた「プリズムリバー」をノードに送ってからのコスト支払いや裏取引で処理しつつ、祟り神の薫陶なども使った大量ドローによる2枚目以降の黄泉の舟の引きこみなどで積極的に落としていくというようなデッキ構築段階からの工夫が必要だろう。 また、このキャラクターを場に出すために3枚除外してしまうことを考えると、「プリズムリバー伯」や「レイラ・プリズムリバー」といった他の名称「プリズムリバー」のカードをデッキに組み込まない限り、場にルナサら三姉妹が出せないことになる。 また、全ての能力を得てもコマンドカード耐性だけはつかないので、少女密室や聡慧なる守護者などで対策する必要もある。特に緑眼のジェラシーは採用率も高いので危険。 各々の専用スペルカードでもある騒符『ルナサ・ソロライブ』、騒符『リリカ・ソロライブ』、騒符『メルラン・ハッピーライブ』や、レイラ・プリズムリバーの効果との相性はあまりよろしくない。冥界から場に出てしまうため、能力の条件と真逆の行動になってしまうのである。一応、メルラン・プリズムリバー/11弾とリリカ・プリズムリバー/11弾は自らの効果により独力で冥界に落とすことができるためそれなりではあるのだが。 相手のレイラ・プリズムリバー/11弾には注意。このカードが場にいる場合、連結の効果によって「ルナサ・プリズムリバー」「リリカ・プリズムリバー」「メルラン・プリズムリバー」としても扱われているため、レイラ・プリズムリバー/11弾が決死状態になるとその(自動γ)でこのカードも除外されてしまう。冥界に5枚以上のプリズムリバーがいる場合はキャラクター効果の対象にならなくなるので除外されることも無くなる。6枚以上が適用されていてレイラが出落ちしても巻き添えを食うことは無い。 2012/03/09のエラッタにて、ノード・コストが(3)/(1)から(4)/(2)に引き上げられた。あまりの高速展開を抑制するためのエラッタだが、上述の夢殿大祀廟を採用すれば軽減自体は可能である。また、ノード・コストの引き上げにより裏切りの少女などの一部の対策カードの範囲から逃れることにもなった。全体的には当然弱体化しているのではあるが。 関連 Special Collection Vol.4 Power Of Union Dark Night Illusion ルナサ・プリズムリバー/1弾 ルナサ・プリズムリバー/3弾 ルナサ・プリズムリバー/11弾 ルナサ・プリズムリバー/14弾 リリカ・プリズムリバー/1弾 リリカ・プリズムリバー/3弾 リリカ・プリズムリバー/11弾 リリカ・プリズムリバー/14弾 メルラン・プリズムリバー/1弾 メルラン・プリズムリバー/3弾 メルラン・プリズムリバー/11弾 メルラン・プリズムリバー/14弾 ※名称に「プリズムリバー」を含むカード ルナサ・プリズムリバー/1弾 ルナサ・プリズムリバー/3弾 ルナサ・プリズムリバー/11弾 ルナサ・プリズムリバー/14弾 リリカ・プリズムリバー/1弾 リリカ・プリズムリバー/3弾 リリカ・プリズムリバー/11弾 リリカ・プリズムリバー/14弾 メルラン・プリズムリバー/1弾 メルラン・プリズムリバー/3弾 メルラン・プリズムリバー/11弾 メルラン・プリズムリバー/14弾 レイラ・プリズムリバー/3弾 レイラ・プリズムリバー/11弾 プリズムリバー伯/3弾 プリズムリバー伯/11弾
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/3553.html
クレイラップ(アニメ) 装備魔法 自分フィールド上の「[[E・HERO クレイマン]]」にのみ装備できる。 装備されたこのカードが墓地に送られた時、相手フィールド上の魔法・[[罠カード]]1枚を墓地に送る。 罠破壊 装備 魔法 魔法破壊 関連カード E・HERO クレイマン
https://w.atwiki.jp/zatchbell/pages/2006.html
魔本リスト P NO. カード名 P NO. カード名 01 PR-033 テッド《ファイティング・ポーズ》 防御ページ 02 E-024 プロフェッサー・ダルタニアン 03 E-064 そうそう甘く見ないでよ 攻撃ページ 04 M-173 ロップス《かう!》 05 MJ-003 フライング・ビート 防御ページ 06 E-070 黒い覇道 07 E-084 私の紳士をいじめるな! めくりページ 08 Ex-081 ビクトリーム《バカだが強い!》 09 M-125 レイラ&ビクトリーム《ベリーメロン!》 めくりページ 10 M-060 ウマゴン《メルメルメ~》 11 M-187 ビョンコ《カッコイイビョンコ》 攻撃ページ 12 E-103 決戦 13 MJ-003 フライング・ビート 防御ページ 14 E-084 私の紳士をいじめるな! 15 E-070 黒い覇道 攻撃ページ 16 PR-011 ガッシュ・ベル《元気ハツラツ》 17 Ex-060 アポロ《自由人》 防御ページ 18 E-092 ゴメンネ 19 E-064 そうそう甘く見ないでよ めくりページ 20 M-219 ガッシュ・ベルVSゾフィス《許せぬ者》 21 Ex-060 アポロ《自由人》 攻撃ページ 22 PR-023 ザグルゼム 23 PR-006 金色の超呪文 防御ページ 24 E-095 最強の意地 25 E-061 アーイル・ビー・バーック !! 攻撃ページ 26 PR-023 ザグルゼム 27 S-254 ザケルガ 防御ページ 28 E-095 最強の意地 29 PR-009 ラウザルク 攻撃ページ 30 E-100 新しい熱き何か 31 PR-007 やさしい王様 攻防ページ 32 S-254 ザケルガ 第4回魔界王決定戦大阪地区大会シニアクラス準優勝者の魔本。 環境は8弾(旧ルール)。 当時の対戦レポートは こちら 。 PR-023 ザグルゼム or PR-024 ザグルゼム +S-254 ザケルガで着実に4枚めくりを狙う正統派のビートダウン。 ロップス《かう!》とレイラ&ビクトリーム《ベリーメロン!》で守りを固め、相手の行動をロックしながらS-254 ザケルガが通りやすくなるよう工夫されている。 テッド《ファイティングポーズ》 当時の環境では、キッド《進め!キッド》の効果が初手でも使えたため、それを利用した先攻8枚めくりが流行っていた。 テッド《ファイティングポーズ》を使用したのは、その対策のためと考える。 ドンポッチョ《命乞い》のような妨害効果のある魔物を封じ、場のカードを揃えられる点も大きい。 ロップス《かう!》 厄介なかけられている効果は、このカードで対処できる。 パートナーのアポロ《自由人》を含め、優秀な効果を持っている。 MJ-003 フライング・ビート この魔本において多種多様な役割を果たしている。 ①ビョンコ《カッコイイビョンコ》を出し妨害カードを使えなくする。 ②ウマゴン《メルメルメ~》を出し妨害ページを飛ばす。 ③アポロ《自由人》を出し展開を妨害。 ④ガッシュ・ベル VS ゾフィス《許せぬ者》を出し相手のVS魔物を捨て札。 ビクトリーム《バカだが強い!》 レイラ&ビクトリーム《ベリーメロン!》を出すプロセスのために、使用されている。 もしレイラ&ビクトリーム《ベリーメロン!》を出しそびれても、このカードでイベントを使えなくする。 レイラ&ビクトリーム《ベリーメロン!》 かけられている効果を取り除く効果は、ロップス《かう!》と被るが、自分のターンのイベントカードを封じれるため作戦・攻撃が通しやすい。 自分のかけられる効果も取り除かれてしまうため、「ザグルゼム」の効果は1ターンの内に消費できるよう構築されている。 ウマゴン《メルメルメ~》 E-084 私の紳士をいじめるな!などの魔本からのカードで展開が妨害されそうな時、MJ-003 フライング・ビートで呼び出し割り込む。 ビョンコ《カッコイイビョンコ》 ナゾナゾ博士《博士はなんでも知っている》・ドンポッチョ《命乞い》など場のカードで展開が妨害されそうな時は、MJ-003 フライング・ビートで呼び出しこちらを使う。 ガッシュ・ベル《元気ハツラツ》 MP枯渇対策として使われている。 自分がMPを消費して1以下になった場合でも増やせる。 S-254 ザケルガは、追加コストを使う術なのでMPの調整もしやすい。 アポロ《自由人》 VS魔物の呼び出しを防ぐ。 MJ-003 フライング・ビート・E-080 スカイダイビングなどの呼び出す効果の対策。 1枚の「アポロ」が捨て札になった場合、MJ-003 フライング・ビートで2枚目を呼び出す。 ガッシュ・ベル VS ゾフィス《許せぬ者》 自分の「ガッシュ・ベル」が相手のVS魔物で捨て札になった場合、MJ-003 フライング・ビートで呼び出し、逆に捨て札に仕返す役割を持つ。 使い方 自分のターン:スタートフェイズに1枚めくりロップス《かう!》・MJ-003 フライング・ビートを出す。 相手のターン:アポロ《自由人》等の厄介なカードがあればE-070 黒い覇道で除去。 自分のターン:スタートフェイズに3枚めくりE-103 決戦を使用。 ビクトリーム《バカだが強い!》→レイラ&ビクトリーム《ベリーメロン!》を出す。 相手のターン:後攻第1ターン同様、厄介なカードがあればE-070 黒い覇道で除去。 自分のターン:スタートフェイズに1枚めくりガッシュ・ベル《元気ハツラツ》・アポロ《自由人》を出す。 相手のターン:捨て札になった魔物がいればE-092 ゴメンネで復活。 自分のターン:スタートフェイズに2枚めくる。 PR-023 ザグルゼム+PR-006 金色の超呪文でS-254 ザケルガを指定。 5枚めくりを狙う。 その後、毎ターン1枚めくり、攻撃と防御を繰り返す。
https://w.atwiki.jp/greefifa/pages/1551.html
レア 選手名 ポジション コスト 初期能力 MAX能力 スキル 国籍 備考 メイン サブ OFF DEF PHY OFF DEF PHY 名称 効果 N シシーニョ RSB - 5 217 528 314 728 1766 1052 - - ブラジル 2 N エンリケ CB RSB 6 195 585 323 654 1956 1081 - - ブラジル 3 N チアゴ・エレーノ CB - 5 196 574 291 656 1919 973 - - ブラジル 4 N ジェルレイ LSB - 3 193 489 292 - - ブラジル 18 N レアンドロ・アマロ・ドス・サントス・フェレイラ CB - 4 182 528 279 - - ブラジル 36
https://w.atwiki.jp/revival/pages/575.html
ガルナハンの首都、バードクーベ。 その石畳の上を二体の鋼鉄の巨人が疾走する。 『シン、次の角を右だ。その先35mに滑空砲と弾薬三パック』 「判った!」 シンの駆るダスト、そしてその背後には 『こぉらぁ!いい加減無駄な抵抗は止めて大人しく武装放棄しなさい!』 レイラの駆るFBが迫る。 『別に取って食いやしないわよ!私達は戦いを止める為に来たんだから!』 レイラの説得?には耳も貸さずに、滑り込む様に道端のテントに飛び込む。 そのまま隠しておいた滑空砲を構え、振り向きざまにFBにロック、そのまま引金を絞る。 ドン! 胸部装甲にマトモに直撃を受けてFBがよろける。が、 『痛いじゃないのよこのトーヘンボク!女の子の胸触るなんてどー言う神経してるのよ!』 流石に倒れる事は無く、再び追撃してくる。 『そう言われてもMSなのだから性別は関係無い筈だが』 レイがズレた発言をしてくる。 「そう言う問題じゃないだろ!」 律儀にレイに答えながらシンは再びダストを疾走させる。 『ふむ?痛覚が無いのに痛いと言うのがおかしいという事か?』 「だ・か・ら!」 再び振り向きざまに発砲。コレはビームシールドに防がれた。 「レイ!お前、わざとやってるだろ!」 『何をだ?それよりシン、2つ先の十字路を右だ』 「ああもう!」 もういっそ全て投げ出したいような倦怠感に襲われつつ、シンはひた走る。 「レイラ・・・大丈夫かなぁ?」 「何をやってるんだアイツは!」 上空から2機のFBがその『追いかけっこ』を見ていた。 シラヒとウノの2人である。本来なら、3機で包囲して捕獲しなくてはならないのだが、レイラの 「三人で追い込んで無駄に暴れ出したら周辺に被害が出るでしょ?なら、私が捕まえて見せるわ」 と言う意見に押しきられる形でこうゆう状態になってしまった。 実際、ウノは格闘戦より射撃に長け、シラヒはどちらもそれなりに(とはいえPGレベルだ)どちらもこなすが、やや大雑把なきらいがあるので、2人が参加すれば周辺に被害を出しかねないのも事実ではある。 そもそも、9機のFBで一斉に砲撃すれば(多少ならず都市に被害は出るが)簡単に片が付く問題であるが、情況がそれを許してくれなかった。 PGがバードクーベに到着した段階で、相当数の市民が今だ避難が完了していなかったという事実は、キラを少なからず驚かせた。 そして、その驚きは当惑へと変わっていった。 「まさか、市民が自発的に残ったとでも?」 情況だけ見ればそう取れなくもない。 テロリストに拘束されている様子もなく、むしろキラ達の姿を見て右往左往している有様だ。 もはや「テロリスト」と「善良な市民」の識別などつけようもない。 キラ達PGには知らされていないが、コレはテロリストが罪の無い市民を盾に防御戦をしているのではなく、レジスタンスと市民によるガルナハン政府に対するれっきとした「政治的行動」なのだ。 「僕達は騙された訳か・・・」 「隊長、御指示を」 「各自、このまま上空からレジ・・・不法占拠者への呼びかけを続行しながら情況を確認。発砲は極力控えてください、まだ市民が多数残っています」 「了解!」 そしてキラはガルナハン政府へ通信を繋いだ。 「こちらはPG隊隊長、キラ・ヤマトです。至急、責任者の方を・・・」 直後、レイラによりダストの存在が確認される。 「隊長!稼動しているMSを目視!」 未だに責任者が捕まえられないキラへ、レイラからの通信。 「情況は?」 「MSが一体・・・発砲されました!損害は・・・ありません?極めて軽微」 「PS装甲へ実弾兵器?・・・罠かな?」 実弾兵器のみと思わせて、隙を見せたところへビーム兵器。単純だが有効的な罠ではある。 常識的にもパラエーナの火線で即座に倒すべきだが、いかんせんEF、FB共に火力が強すぎた。 闇雲に撃てばバードクーペは灰になりかねない。今だ市民が残るこの情況では迂闊に攻撃は出来なかった。 やむなく、シラヒ、レイラ、ウノの3人に『格闘戦で捕獲せよ』と言うムチャな指示をキラは出したのだった。 「・・・ですから、当方といたしましても・・・」 「ライヒ長官はなんて言うでしょうね?」 しどろもどろで言い訳を綴る政府高官達にキラは冷笑を送る。 あれから延々と通信し続けて、ようやく責任者を捕まえたのだが、まったく要領を得なかった。 「要するに、市民の大半がまだ避難していない、と」 「ええ、まあ・・・」 「テロリストに占拠されたというお話でしたが、正直、僕にはそんな情況には見えません」 「そこが奴らの強かな所でして・・・」 「僕達に嘘の報告をしてまで出動を求めるほど強力なテロリスト、ってことですか?」 「いえ、我々の手で対処できない訳では有りません。しかし・・・」 「しかし?」 言い澱む高官達にキラが畳み掛ける。 「わ、我々が対処した場合、市民に全く被害が出ないかといえば正直・・・」 まさか、馬鹿正直に 『我々の手では手におえない情況なのでPGに丸投げしました』 『自治権獲得の政治運動をテロとして処理する為にPGに泥を被ってもらう積もりでした』 などと本音を漏らせば何を言われるか判ったものでは無い。 なにしろ「あの」ライヒだ。いきなり自治政府解体、直轄領に、等と言い出しかねない。 「弱ったな・・・ともあれ、他の隊員に火器の使用の制限を徹底させないと」 ゴウン! 直後、バードクーベに閃光が走った。 時間は少し戻る。 シンとレイラの(当人達は大真面目だが)間の抜けた鬼ごっこについにシラヒが痺れを切らした。 バラエーナの照準を、ダストの脚部に合わせる。 「え?シラヒ君、駄目だよ!」 「ウノ。お前はこんなふざけた状態をなんとも思わないのか?」 「確かにコレは副長にどやされそうだけど、無闇に発砲するなとも命令されたよ」 「つまり、無闇じゃなきゃ良いって事さ」 ウノの制止の声を無視してシラヒがトリガーを絞る。 「脚が無くちゃ走れないだろ!」 そして、ダスト目掛けてプラズマ球が走った! 『いい加減にしなさーい!御近所に迷惑でしょ!MSの足音ってとっても響くのよ!』 「そんな問題かよ!」 『いや、シン。大質量の物体が衝突した場合の騒音はそう馬鹿に・・・』 「だから話がズレてるっての!」 『大体、女の子から逃げるってどー言うことよ!私が魅力無いみたいじゃないの!』 「だからどーしてコッチのパイロットが男だって決めつけてるんだよ!」 『シン、お前は男だろう?』 「そう言うことを言ってるんじゃ無い!」 とんでもなく間の抜けた問答を繰り返していた最中、突如レイの声に鋭いものが入る。 『シン、上だ!』 「くうっ!?」 殆ど本能的に機体を捻り、地面を転がる。 そのダストの機体を掠めるようにプラズマ球が石畳に突き刺さり、そして、そのまま地面を抉りながら家々を吹き飛ばした。 ゴウン! 吹き飛ばされる家々がシンの視界に入る。そして、それは、シンにとって最も忌まわしい記憶を連鎖的に引き摺り出した。 「・・・貴様ら・・・自分達が何をしようとしてるのか、わかってるのか?」 『シン、落ちつけ!』 「何がPGだ何が「平和の使者」だ何が「恒久平和」だ!」 『シン!』 レイの制止の声も振りきり、ダストが疾る。 『ちょっと!急に何を・・・』 そのままレイラのFBへ対艦刀を振り下ろす。 ゾン! 『きゃあっ!』 右腕を叩き落され後退するレイラ機へ、更に対艦刀を振り上げる。 「レイラ!」 咄嗟にシラヒ機が間に割って入る。 「テロリスト風情が!」 シラヒ機が二刀のビームサーペルでダストの対艦刀を受けとめ、力任せに叩き折る。 が、ダストの突進力は些かも翳らない。そのまま体制の崩れたシラヒ機を押し倒す。 「ガハァッ!」 「こいつ!こいつ!こいつ!」 ダストのアーマーシュナイダーが唯一PS装甲ではないシラヒ機のカメラアイに突き立てられた。 そのままメキメキとシラヒ機の頭部を破壊していく。 「なんなんだ!なんなんだよ貴様は!?」 シラヒは恐慌を来しながらもサーベルでダストへ斬り付けようとするが、 ダストの膝に両肩を抑えられて可動域が確保できず、もがくばかりだった。 ゴッ! 横合いから蹴り飛ばされるダスト。ウノ機の仕業だ。 「2人とも平気?」 妙に気の抜けた声で二機に問う。 「遅いわよ馬鹿!」 「大丈夫に見えるのか!」 「2人ともひどいよ・・・」 ソコへ体勢を立て直したダストが飛び掛る! 「うぉ!」 「ヤだぁ!」 「あぶないなぁ」 流石にPGだけあって3名ともこれには即座に対応し、難無くシンの突進をかわした。 が、次の瞬間。シンは我が眼を疑った。 「2人とも下がってて」 空中へ逃れたFBがフルバーストモードを取っている。 「ウノ、お前、正気か?」 「隊長の命令聞いて無かったの!?」 「え?だってあの人と接近戦したら勝てそうに無いよ?」 ウノ機がダスト目掛けて大量のレールガンとプラズマ砲を叩き込む! 「気でも違ったのかあの野郎!」 ダストに限界ギリギリの機動をさせ、雨霰と振ってくる砲撃を回避しながらシンは毒づく。 『シン、お前相手に接近戦は自殺行為だと判断したんだろう』 「辺りに人が間だ残っているかもしれないんだぞ!?」 ダストが致命的な一撃を避けるたび、流れ弾で街が破壊されているのだ。 『なりふり構っていられなくなったんだろう。お前は強敵と見なされたんだ』 「くッ!」 『だから俺はアレほどマトモに連中の相手をするなと言ったんだがな』 「・・・!」 ギリ、と奥歯を噛み締めるシン。返す言葉が無い。 「流石にあっさり直撃させてくれないね」 どこか現実感の無いウノへ、叱責の声が走る。 「ウノ=ホト!貴様何をやっておるか!シラヒ=ホス=ホデリ!レイラ=ウィン!貴様らもだ!」 見れば、ウノ機の更に上空に副隊長のFBと、そして 「・・・発砲は避けてって言った積もりだったんだけど?」 キラの駆るEFが居た。流石にキラも腹を立てているようだった。 「周辺の熱反応と動態反応はチェックしました。大丈夫ですよ」 能天気そうに答えるウノに一瞬絶句するキラ。が何かを感じ取ったのか。 「・・・君は・・・?・・・まさかね」 そのままダストへ視線を向ける。 「揃いも揃って・・・連中、弱い者虐めって言葉、知ってるのかね?」 『半分以上自業自得だがな。俺とお前の』 5機のうち半壊が2機とはいえ、FBが4機とEF。もはや勝敗云々以前の問題である。だが。 「・・・時間的にはもう良いよな?」 『ああ、上出来だ』 「それじゃあ・・・ケツまくって逃げますか!」 クルリと背を向けて走り出す。しかし。 『・・・流石にそうそう上手くは行かないな』 既に残りの5機のFBが接近、MS10機による包囲網を完成させつつ有った。 「強引に突っ切るぞ!」 『まあ、何時ものパターンか』 「各員に通達。火器は一切の使用を禁止します!理由の如何に関わらず使用した場合はそれなりの処分を覚悟してください!」 キラの命令により、全機が格闘戦に移行する。 対艦刀や斬機刀を持ち込んだ猛者が一斉にダスト目掛け必殺の斬激を送り込む。 ギャリイン! 対艦刀をスレスレで見きり、ソレでも避けきれずに装甲に傷をつけながらも身を翻し。 斬機刀をアーマーシュイダーで刃毀れしながらも受け流し。 第2陣のビームサーベルの林を、装甲を焦がしながらも擦り抜け。 そしてその先には。 「キラ・ヤマト・・・」 EFの姿があった。 『重ねて言います。武装を放棄して投降を・・・』 『くどい!』 外部マイク越しでキラに答えるシン。 『力ずくでも通させてもらう!』 『なら、僕は』 二刀を抜き放つEF! 『僕のなすべき事をするだけです!』