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その5より 「おおおにいさん!! きょきょきょうは、れれれいむをぎゃくたいしてね!!!」 翌日、れいむは男の足音が聞こえてくるや、男の言葉を待たずして、精一杯の声でそう叫んだ。 そうでもしないと、奮い起した勇気がいつ萎んでしまうか分からないからだ。 現に、今のれいむは朝から一度も震えが止まらなかった。 しかし、言ってしまった以上、後戻りはできない。する気もない。 自分の存在意義がかかっているのだから。 「ほう、ようやくお前の出番が来たか。待ちくたびれたよ」 男はさも嬉しそうに、扉越しに声をかける。 対して、まりさとありすは、何を馬鹿な事を!! と言わんような口調で、れいむに詰め寄ってくる。 「れいむ!! なにをいってるの!! ゆっくりばかなことはいわないでね!!」 「そうよ、れいむ!! れいむがぎゃくたいされることはないわ!! ここは、まりさととかいはのありすに、まかせておけばいいのよ!!」 まりさもありすも、予想通り、れいむを止めにかかる。 しかし、ここで虐待を止められるわけにはいかないのだ。 まりさと対等になるためにも。 ありすより先に、まりさにプロポーズするためにも。 「まりさ、ありす、ゆっくりありがとう!! でもれいむはへいきだよ!! きょうは、ゆっくりしていってね!!」 「ゆぅぅ!! うそつかないでね、れいむ!! こえがふるえてたよ!! れいむがいじめられることなんてないんだよ!! きょうはまりさにまかせてね!!」 「もうきめたんだよ、まりさ!! それに、いつまでもまりさとありすにたよってばっかりじゃいられないよ!! ゆっくりりかいしてね!!」 「れいむこそゆっくりりかいしてね!! れいむがいじめられること、ないんだってば!!」 「なんといわれても、れいむのかんがえはかわらないよ!! おにいさん!! ゆっくりはやく、れいむをつれていってね!!」 埒が明かないと感じたれいむは、さっさと男に連れて行けと要求する。 いつまでもまりさやありすと話をしていると、せっかく奮い立たせた勇気が萎えてしまいそうになるのだ。 そのため、多少強引ではあったが、れいむは二匹との会話を切り上げた。 「ふふ、久しぶりに、れいむを苛め倒すことが出来るよ。楽しみで仕方がないぜ」 男はれいむの部屋の鍵を開けると、扉を開けた。 その手には、一月ぶりに見る、恒例の箱が収められている。 この部屋と虐待部屋を行き来するのに、かつて男が使っていたものだ。 れいむはそれを見るや、体が委縮してしまう。これから虐待をされるのだと、否応なしに思い知らされるのである。 「さあ、れいむ。この箱の中に入れ」 男が木箱の蓋を開けて、命令してくる。 両壁からは、突然まりさとありすの声が聞こえなくなった。 何を言っても無駄だと気づいたのだろうか? それはそれで好都合だが、いざ声が聞こえてこないと不安になってくるのも事実だ。 生物(?)の心理とは、本当に不思議なものである。 れいむが完全に入ったことを確認した男は、木箱の蓋を閉める。 そして、れいむに一言言葉をかけた。 「お前だけは、利口なゆっくりだと思っていたのに、どうやら俺の見込み違いだったようだな」 利口なゆっくり。 この場合、頭がいいという意味ではなく、卑怯・狡猾という意味であろう。 二匹に虐待を任せ、一匹気楽に過ごしていたれいむに対する皮肉であろうか? 何とでも言うがいいと、れいむは心の中で反発した。 男は知らない。 虐待されることこそが、れいむの望みであることを。 これこそが、自分がこれから生き残る上での最善の方法であることを。 虐待されることは、すなわち将来への布石なのだといういことを。 自分が勝者だとおもっているであろう男は、れいむから見たら自分に従って動くピエロのようなものであった。 男の規則正しい足音が聞こえ始めた。移動を開始したのだろう。 これから一か月ぶりに、れいむは虐待を受ける。 れいむは、再度耐えしのぐ決意を固めた。 およそ一月ぶりに受けた虐待は、予想通り、死んだ方がマシといえるほど苦しいものであった。 それでもれいむは必死に歯を食いしばり、男の責苦に耐え続けた。 悪魔の拷問ような一時間が過ぎた時、れいむはあまりの激痛に意識を手放してしまった。 それでも男はきっちり時間どおり終えて、部屋に戻してくれた。 れいむが目を覚ましたのは、翌日の朝方であった。 虐待を受けてから、丸々20時間近く眠っていたことになる。 昔は虐待を受けても、ここまで長く休息を取ったことはなかった。 やはり、久しぶりの虐待に、体が付いてこなかったのだろう。 れいむは起き上がると、未だ痛みの引かない体を引きずりながら、ドッグフードと水の置かれている部屋の隅に向かい、もそもそと食べ始めた。 まりさとありすはまだ寝ているのか、物音一つ聞こえなかった。 少し残念ではあるが、れいむももうひと眠りしたいので、好都合でもあった。 何しろ、れいむは今日も男の虐待を受けるつもりなのだから!! まりさやありすに言えば、絶対に反対されるだろう。昨日の様子を見て入れば、考えるまでもない。 しかし、虐待を一回受けた程度でまりさと対等になったなどというおこがましいことは、さすがにれいむも考えていなかった。 まりさの受けた回数と同じとまではいかなくとも、少なくとも一週間分くらいは虐待を受けなくては、まりさと同じ位置に並べない。 だからと言って、ありすがいつまりさに告白するか分からない以上、三匹で順番に虐待されるなんて、悠長なことは言っていられない。 ほんの一月前までは、毎日のように虐待をされ続けてきたのだ。 それでも、れいむは生きている。悔しいが男の加減は、それだけ正確なのだろう。 これで障害が残ったりするなら考え物だが、そんなこともない以上、れいむは今日も明日も明後日も虐待してもらわなければならない。 そのためには、まず体力を回復させることが、何をおいても重要である。 れいむは食べ終わると、再び男がやってくるまで、眠りについた。 「れいむ!! いいかげんにやすんでよ!!」 「そうよ、れいむ!! これいじょうむりはやめてね!!」 れいむが虐待される決意をしてから、一週間が経過した。 まりさとありすは、2〜3日はれいむを説得し続けたが、れいむが以前のありすのように意志を曲げないと分かると、次第にれいむの心意気をくんでくれるようになった。 しかし、それでいて二匹のこのセリフ。れいむを行かせまいと必死で止めている。 納得したというのに、二匹がれいむを止める理由。 それは、れいむがこれで一週間連続で虐待をされ続けているためである。 どんなに止められようと、れいむは虐待され続けた。 男もそんなれいむの狂気じみた様子に、何か思うところがあったのだろうか? れいむの言い分を聞いて、毎日虐待をし続けてくれた。 しかし、虐待を受けているというのに、れいむは嬉しかった。 自分の思い通りに事が運んでいることに満足していた。 れいむにどんなにやる気があろうと、目下最大の懸念は、男がれいむを指名してくれるかというものであった。 如何に自分から名乗り出ようと、れいむを心配するまりさとありすも必ず名乗りを上げてくる。 心配してくれるのは嬉しいのだが、この時ばかりは、二匹のお節介も鬱陶しいと思わざるを得なかった。 気分屋の男だ、その日の気分次第ではれいむを虐待してくれないかもしれない。まりさやありすを選ぶかもしれない。 しかし、れいむには時間がないのだ。最短でまりさと対等にならなければならないのだ。 それを男は見据えているかのように、れいむを虐待してくれる。 れいむは、すんなりと事が運ぶことに満足し、今日も虐待の痛みに必死で耐えた。 虐待が終わり、れいむは部屋に戻された。 いつもなら食事をしてすぐに寝付くのだが、今日のれいむは中々寝られなかった。 嬉しかったのだ。 れいむの目安としていた一週間が終わったのだ。 これでやっとまりさとありすに、負い目を感じることはなくなる。 まりさと同じ高さに立てる。 そう考えると、ついついニヤケ面になってしまい、体の痛みも忘れてしまいそうになる。 そんなれいむに、両隣から声が掛って来た。 「れいむ!! だいじょうぶなの!?」 ありすの声である。 余程心配だったのだろう。 れいむの企みを知らぬありすは、必死にれいむの名を呼び続けてくる。 「れいむ!! あしたはぜったいにまりさがぎゃくたいされるからね!! これいじょう、れいむがいくんだったら、ぜっこうだよ!!」 まりさの言葉。 絶交とは、温和なまりさがよく口にしてきたものである。 危なかった。ノルマが達成した後で助かったものだ。 まりさと一緒になるために頑張っていたのに、そのまりさに嫌われてしまっては、本末転倒である。 「ゆっ……わかったよ、まりさ……あしたは……まりさにまかせる…ね……」 「ゆっ!?」 今まで頑として、まりさの言葉に耳を傾けなかったれいむが、いきなり素直になったのを受け、まりさは言葉を詰まらせた。 しかし、れいむの言葉はまりさにとっても、嬉しかったのだろう。 久しぶりに、まりさの声が落ち着きを取り戻した。 「ゆうぅ!! やっとれいむが、まりさのいうことをきいてくれたよ!!」 「ごめんね……まりさ………しんぱいばっかり……かけて」 「まったくだよ!! ゆっくりはんせいしてね!!」 「ゆっくり……はんせいするよ……」 「れいむ!! あしたはまりさだけど、そのつぎはありすがいくからね!!」 「ゆっ……ゆっくり…りかいしたよ……ありす……がんばってね……」 「まったく、しょうがないわね!! あとはとかいはにまかせなさい!!」 「おねがいね、ありす……でも……そのつぎは………またれいむがいく……からね」 「なにいってるの、れいむ!! れいむはしばらくおやすみよ!!」 「そうだよ、れいむ!! あとは、まりさとありすにまかせてね!!」 「だめだよ……れいむだって……まりさとありすの……やくにたちたいよ……ゆっくりなかまはずれは……やめてね」 「ゆぅぅ……やっぱりれいむはいじっぱりだよ!!」 まりさは最後に困ったような言葉を吐きながらも、最終的にはそれを認めてくれた。 元々、れいむが虐待をされることに反対だったわけではなく、れいむの行き過ぎる行いに対して苦言を呈していたのである。 れいむがしっかりと順番を守ってくれるのなら、まりさはれいむの意志を尊重してくれるつもりなのだ。 やはり、まりさは最高のゆっくりである。 この一週間、地獄の苦しみに耐えたかいがあったというものだ。 これで、準備は整った。 後はありすより先に、まりさに告白をするだけ。 しかし、物事にはタイミングというものがある。 少しでも確率を上げるためにも、その時に告白するのがベストだろう。 あの呑気でお人よしのれいむは、この時もうすでに存在していなかった。 世の物事すべてを損得の計算で考えられるように変わってしまったのである。変わらざるを得なかったのである。 それだけこの異常な空間が、れいむを変えてしまったのである。 しかし、れいむは自分が変わってしまったことに気付きもしない。いや、例え気づいていても、どうも思わないだろう。 すでに賽は投げられたのだ。 もう振り直しは出来ない。どの目が出ようと、突き進無以外道はない。 れいむは、そのまま少しの間二匹とお喋りをし、その後すぐに意識は深い深い海の底に落ちていった。 自分の成功を信じながら。 れいむの無茶苦茶な一週間が終わり、まりさとありすを含めて、三匹でサイクルを組んで虐待される日々が始まった。 すでにまりさ→ありす→れいむと一回り虐待は終了しており、今日はサイクルが始まってから、れいむが二回目の虐待を受ける日であった。 それと同時に、れいむが例の作戦を実行に移し出すと決意した日でもあった。 今日、男の虐待から戻ってきたら、まりさに告白しよう。 れいむはそう決めていた。 そのタイミングを選んだ理由はいくつかある。 一つ目は、虐待帰りだということである。 普通に告白をするより、虐待を受け心身ともに疲れている方が、まりさの気を買えるだろうという、れいむなりの考えである。 それなら、虐待一週間を終えたすぐの方がいいのではと思うかも知れないが、これについても、れいむなりに思うところがあった。 あの場で告白してしまったら、れいむの考えを見透かされる可能性があったからである。 見透かされるとは、虐待を受け続けた理由が、まりさに告白するためだとバレテしまうことを意味する。 そんなことを知られては、計算高いゆっくりだと、逆に引かれてしまいかねない。 しかし、数日置けば、さすがにそこに結びつけることはなくなるだろう。 二つ目は、あまり悠長に構えている時間もないということである。 作戦はただ告白するだけでなく、ありすより先にするというのが根幹の部分にある。 れいむも出来ることなら、もっと時間を置きたいのだ。 虐待のノルマを達成したといっても、それは所詮れいむだけが考えていることである。 まりさからすれば、れいむなんてまだまだ苦しんでないよと感じられるかもしれない。 だからこそ、今後もっと虐待を受け続けていけば、それだけまりさに近づくことが出来るのである。 しかし、悠長に構えていてありすに先を越されてはたまらない。 そういった様々な要素を考えまとめ、れいむは今日まりさに告白することを決意したのである。 男に虐待部屋に連れてこられ、今日も虐待が始まった。 その日れいむに怯えはなかった。 いざ告白を決意しても、ちゃんとまりさに伝えることが出来るか不安でいっぱいなのだ。 それに、ちゃんと告白できたとしても、まりさがれいむの告白を受けてくれるかどうかも分からない。 その気持ちが、虐待の不安を押し退けてしまったのである。 体が虐待に慣れてきたことや、虐待内容が以前行われた事の繰り返しであるということも、れいむにあまり不安を与えない要因となったのだろう。 れいむは、虐待の痛さに必死で耐えながらも、頭の中では今後のことばかりを考えていた。 虐待は終了し、れいむは部屋に帰された。 いよいよ告白の開始である。 痛さと疲れはあるものの、ゆっくりのくせにアドレナリンでも出ているのか、れいむはそれをほとんど感じなかった。 ゆっくりは思い込みの生物であるという学説がある。 思考のすべてを今後のプロポーズに費やしたれいむは、自分が痛いということを忘れてしまい、それが体にも影響しているのかもしれない。 ある意味羨ましい体である。 と、れいむがどういうふうに切り出すか悩んでいると、当のまりさの方かられいむに声をかけてきた。 「れいむ!! ゆっくりだいじょうぶだった?」 「ゆぅ!! ゆっくりだいじょうぶだよ!! ぜんぜんへっちゃらだよ!!」 いつも通りのやり取りであるが、れいむは言葉にしてからしまったと思った。 虐待後を狙ったのは、苦しみながらも告白することで、まりさの気を最大限引き寄せる効果を狙ってのつもりだったのに、うっかりと普通に話をしてしまった。 考えに夢中で痛さを感じないのも良しあしである。 こうなったら作戦実行日を変えるか? いや、やはりそれは出来ない。 ありすがいつ告白してくるか分からないのだ。あまり時間はかけたくない。 それに、せっかく今日に計画を合わせてきたのだ。 れいむは気持ちの面でも最高潮に達している。今なら、れいむの有りっ丈の気持ちをまりさに伝えきることが出来る。 れいむは、無駄な事を考えることは止めた。 最初から出鼻を挫かれたのだ。もう怖いものなどありはしない。当たって砕けろ!! いや、砕けたくはないけど、そんな意気込みで言え!! 本心をまりさにぶつけることにした。 「まりさっ!!」 「ゆっ!? なあに、れいむ?」 「れいむは、まりさがだいすきだよ!! まりさのことを、ゆっくりあいしているよ!! れいむといつまでもゆっくりしていってね!!!!」 「!!!」 言った!! 言ってしまった!!! もう後には引けない。賽は投げられた。 れいむの愛の告白に、まりさは何も返事を返してくれなかった。 しかし、一瞬、言葉に詰まった様子を見せた。相当驚いているのだろう。 こんな場合だというのに、告白なんてしてくるんだ。無理もない。 れいむは緊張で、喉(?)が乾いて仕方がなかった。 一刻も早く、水を飲みたい。 しかし、まりさの返事を聞くまでは、なんとか我慢するつもりだった。 壁越しの告白のため、姿は見えないのだが、水を飲んでしまったらまりさに振られる気がしたのだ。 様は願掛け、気分の問題である。 30秒が過ぎ、一分が経過しても、まりさは一向に口を開かなかった。 さすがにれいむも焦りだした。 やはり、まりさはれいむのことを好きじゃないのか? れいむじゃ、まりさには釣り合わないのか? 様々な感情が去来する。 しかし、ようやくまりさが口を開いて来た。 考えが纏まったのだろう。 「れいむ……れいむのきもちはうれしいよ」 「ゆっ……」 「まりさもれいむがだいすきだよ……」 「ゆゆっ!!」 「……」 そう言って、まりさは再び沈黙してしまう。 大好きだよ。 愛の告白をして大好きを言われたのだから、普通に考えれば、れいむの気持ちを受け止めたと考えていいのかもしれないが…… その後の間が嫌な気分にさせる。 なんとか傷つけないように断る手段を考えているような気分を感じさせる。 れいむは、やはり自分ではダメだったのかと弱気になった。 しかし、次の瞬間…… 「だから!! だから、まりさといっしょに、いつまでもゆっくりしていってね!!!」 …… ……… ………… れいむは唖然としてしまった。 もう十中八九、玉砕を覚悟していた。 それなのに、まりさはれいむの気持ちをしっかりと受け止めてくれた。 れいむは、ただただ感情を整理できず、言葉を詰まらせた。 「れいむ、どうしたの?」 何も話してこないれいむが気になったのだろう。言葉をはさんでくる そんなれいむの心情に気付かないのが、まりさらしいと言えばまりさらしい。 れいむは、とにかく何か話さなければ、言葉を掛けなければと、考えを纏め上げようとしたが…… 「ゆ……ゆゆ………ゆゆ……」 「ゆっ?」 「ゆ……ゆあああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁあぁぁ――――――――――――んんんんんん!!!!!!!」 「れ、れいむ!! どうしたの!!」 一気に感情が爆発してしまった。 爆発は涙となって、れいむの目から止めどなく溢れてくる。 嬉しかった。まりさが自分を選んでくれたのが。 嬉しかった。あの虐待された日々が、無駄ではなかったことが。 嬉しかった。れいむにはっきりと居場所が出来たことが。 れいむは、今までの自分の行動を振り返り、延々と泣き続けた。 「れいむ、なきすぎだよ!!」 「ゆぅ……ゆっくりごめんね、まりさ!! でも、れいむ、すごくうれしかったんだよ!!」 「まりさもうれしかったよ!! れいむがすきといってくれて!!」 「まりさ!!」 「れいむ!!」 ようやくれいむは泣きやんだ。泣きやむまで、実に10分もの時間を費やしてしまった。 れいむは水が飲みたかったことも忘れ、まりさとの話に興じ始める。 「れいむ!! いまはできないけど、けっこんしきはここをでられたらゆっくりしようね!!」 「ゆぅ!! そうしようね!!」 「それから、れいむはまりさのおうちにゆっくりくるといいよ!!」 「ゆゆっ!? いいの!!」 「あたりまえだよ!! れいむのおうちはまだできていないんでしょ? それに、れいむはまりさのおよめさんだもん!! いっしょにくらすのは、ゆっくりあたりまえだよ!!」 「ありがとう、まりさ!!」 「まりさのおうちはおっきいよ!! にんげんさんのおうちみたいにおっきいから、ゆっくりたのしみにまっててね!!」 「ゆっ!! ゆっくりたのしみだよ!! ゆっくりはやく、まりさのおうちにいきたいよ!!」 「あと、おちついたら、はねゆーんにもいこうね!!」 「ゆっくりたのしみにしてるよ!!」 人間のお家と同じくらい大きいとは、まりさも大げさに出たものだ。 まあ、所謂物の例えだろう。 しかし、れいむは「うそつかないでね!!」なんて、無粋なセリフを吐くつもりはない。 まりさは、れいむを喜ばせるために言っているのだろう。れいむだって、そのくらい分かるつもりだ。 こんな幸せなひと時を、自分から壊す必要はない。 自分の居場所が出来たばかりか、出会ったときからずっと好きであったまりさと、これからは永遠にゆっくりすることが出来るのだ。 れいむの頭の中は、まりさとの会話でいっぱい幸せいっぱいで、何にも考えられなかった。 しかし、次にまりさが言った言葉が、れいむに重要なことを思い出させた。 「ありす!! ありすも、まりさとれいむを、ゆっくりしゅくふくしてね!!」 「!!!」 そう、作戦が完璧なほどに決まったことで浮かれまくってしまい、すっかりありすのことを忘れていたのである。 れいむはなんと言葉をかければいいか分からなかった。 そもそも勝者であるれいむが、敗者であるありすにかける言葉なんて、どれも陳腐に聞こえるだろう。 裏切ったれいむの言葉なんて、都合のいい言葉としか感じないだろう。 事実、れいむの心の中は、ありすへの優越感で満たされている。 何とか考えずにいようとしても、すぐに思考の中に入り込んできてしまう。 とても甘美な麻薬のようなものだ。 れいむの口から出る言葉も、自然とありすを見下すものになってしまうだろう。 しかし、ありすへの背信行為をしておきながらも、ありすとは親友でいたい。嫌われたくない。 これもまたれいむの本音だった。 それは、勝者だからこそ持ち得ることが出来る、自分に甘く都合のいい考えである。 ありすのことを全く考えてない、自己中心的な思考である。 しかし、例えそれが分かっていようと、れいむはありすとの友情も諦めきれなかった。 それだけありすのことが好きだったのだ。 ありすは、まりさの言葉に、なかなか返事を返さない。 一体、どんな心中でいるのだろう。 自分を裏切り、まりさを手に入れたれいむに、仕返しでも考えているのだろうか? それとも、まりを諦めきれず、虎視眈々とまりさを奪う算段でも整えているのだろうか? 何とかありすに言葉を掛けなければならない。 親友でいてもらうためにも。 れいむが、なんて声をかければいいのだろうと、頭を悩ませていると、ようやく当の本人から反応が返ってきた。 「おめでとう!! れいむ!! まりさ!!」 その言葉に、特に棘があったようには聞こえなかった。 いつものやさしさに満ちたありすの声に聞こえたきがする。 心から祝福しているような気がする。 「ゆっ!! ありがとう、ありす!!」 まりさが祝福を受け、感謝の意を示す。 「けっこんしきには、ぜったいにありすをよんでね!!」 「あたりまえだよ!! ゆっくりかならず、ありすをよぶよ!!」 「ゆっくりれいむをたいせつにしてね!!」 「ゆっくりやくそくするよ!! れいむをいつまでもかわいがるよ!!」 その後、まりさとのやり取りを終えると、ありすはれいむにも声をかけてきた。 「れいむ、おめでとう!! まりさとゆっくりしてね!!」 「ゆっ……ありがとう、ありす……」 「けっこんしても、ありすとはしんゆうでいてね!!」 「ゆぅぅ……」 ありすはれいむを祝福してくれた。 そればかりか、れいむに対して、親友でいてくれとまで言ってくる。 れいむは自分でありすを裏切っておきながら、ありすの寛大な態度に居たたまれなくなった。 それと同時に不審に思った。 ありすは悔しくないのだろうか? 悲しくないのだろうか? れいむがありすの立場なら、決して自分を許さないだろう。 なのに、ありすは祝福してくる。れいむが最も望んでいた言葉をかけてくる。 腑に落ちなかった。自分に都合がよすぎる。 昔のれいむなら、その言葉に何ら疑問を抱かなかっただろう。 しかし、今のれいむは、物事を計算で見るようになってしまっている。 ありすの言い分は、そんなれいむを納得させるには、あまりにも納得の出来ない言葉だった。 折角想いに想っていたまりさと一緒になることが出来たのだ。 なのに、つまらないことで将来への希望を壊されるようなことは、絶対にあってはならない。 本当にありすは自分たちを祝福してくれているのか? 何か不穏当な考えを持っているのではないか? もしありすが何らかの手で自分を陥れようとしているのなら、何が何でも防がなくてはならない。 例え、今後ありすとの友情が壊れようと。 れいむは、ありすの真意を測ることにした。 一夜明けた翌日、今日はまりさが虐待される日である。 男はまりさを虐待部屋へと連れていった。 今がありすと話す絶好の機会である。 れいむは、ありすのいる壁際の方に行くと、真意を質すべく、核心をぶつけた。 「ありす、おきてる?」 「ええ、ゆっくりおきてるわ!!」 「ありす!! れいむ、ききたいことがあるよ!!」 「なにかしら?」 「きのうのことだよ!! ありすは、れいむにまりさがとられて、かなしくないの?」 「……」 「まりさがすきじゃなかったの?」 「……」 「れいむをうらんでいないの?」 「……」 「ねえ、どうなの、ありす!!」 れいむの問いに、ありすは中々反応を示さない。 れいむはゆっくりとありすが言葉を出すまで待ち続けた。 ようやくありすが口を開いて来たのは、一分後であった。 「……くやしいわよ!! かなしかったわよ!! ありすはまりさがすきだったんだもの!!」 ありすは、自分の隠していた感情のすべてをぶつけるかのように、大きな声で叫んできた。 これには、さすがのれいむも、少なからず動揺した。 ありすがこうまで生の感情を出してくるとは思わなかったのだ。 「それじゃあ、どうして……」 「……だって、しょうがないじゃない!! これはこいのかけひきなんだもの!!」 「ゆっ?」 「れいむは、じぶんのことをどうおもってるの? ありすのことをうらぎったとおもってる?」 「ゆぅぅ……それは……」 「さいしょはありすもそうおもったわ!! れいむにうらぎられたって!! でも、じっさいはそうじゃない!! まりさはだれのものでもないんだもの!! まりさにこくはくするのは、れいむのじゆう!! それをうけるのもまりさのじゆう!! そこのありすのはいるよちはないわ!!」 「……」 「ありすがまりさにさっさとこくはくしなかったのもいけなかったしね!! まりさのあいてが、れいむならなっとくだわ!! それに、まりさはれいむのことがすきだったみたいだから、こくはくしてもたぶんふられていたけどね!!」 「ありす……」 「だからありすはあきらめたの!! かこをふりむかないことも、とかいはのたしなみよ!! だから、れいむがきにすることはないわ!! これからもありすのしんゆうでいてね!!」 「……ありす!! ありがとう!! ありがとう!!」 「かんしゃすることなんてないわよ!! ここからでられたら、まりさいじょうにすてきなゆっくりをみつけてやるんだから!!」 「ありすならきっとみつけられるよ!!」 「ありがとう、れいむ!!」 れいむはここに来て以来、三回目の衝撃を受けた。 自分はなんて小さいのだろう。ありすと言葉を交わし、嫌というほど思い知らされた。 自分は決してそんな風に考えられない。 ありすの立場なら、絶対に嫉妬をせずにはいられない。 しかし、ありすはどこまでいってもありすだった。 優しく他人を思いやれるゆっくりだった。 本当に心の底から、れいむとまりさを祝福してくれていたのだ。 れいむは、ありすを疑ったことを悔いた。 そして、同時に感謝した。 こんな最高のゆっくりと知り合えたことを。 ありすと親友になれたことを。 「ありす!! れいむとありすはいつまでもしんゆうだよ!!」 「もちろんよ!!」 れいむは、今最高に幸せだった。 隣には愛するまりさと、親友のありす。 例え姿は見えなくても、スリスリ出来なくても、心が繋がっている。 それが感じられるだけで満足だった。 しかし、今日の幸せはそれだけに留まらなかった。 まりさが虐待を終えて帰ってきた。 それと同時に、壁越しに男からとんでもない一言が飛び出してくる。 「お前たち。今日でお前らの虐待は終了する」 「!!!」 突然の男の発言に、れいむは驚きのあまり、餡子を吐いてしまいそうになった。 何とか飲み込んで、事なきを得たが。 「ゆっ!!! ほ、ほんとうなの!?」 「ああ。飽きてきたしな。明日、部屋から出してやるよ!!」 「ゆうううぅぅぅぅぅぅぅ―――――――!!!!!」 れいむが雄たけびを上げる。 まさか、婚約した翌日に、この辛く苦しい虐待まで終わることになるとは!! 人間でいえば、盆と正月とクリスマスがいっぺんに来たようなものである。 「やったああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ―――――――――――――!!!!」 遂に、遂にここから出られるのだ。 まりさとありすに会えるのだ。 スリスリ出来るのだ!! 隣では、二匹とも感無量なのか、一言も言葉を発しなかった。 「それじゃあな」 そう言って、男の足跡は遠ざかっていく。 れいむは、すぐさま二匹に声をかける。 「まりさ、ありす!! でられるんだよ!! やっとここからでられるんだよ!!」 「ゆう!! ながかったよ!!」 「やっと、ここからでられるのね!!」 「まりさ!! あしたはいっぱいすりすりしようね!!」 「ゆっ!! そうだね。れいむ!!」 「あしたがたのしみね!!」 「ゆっくりたのしみだよ!!」 れいむの頭の中には、男が嘘を付いているという考えは一切ない。 別に昔の純粋なれいむに戻ったという訳ではなく、単に嬉しすぎて頭が回らないのだ。 もっとも、男はちゃんと出してやるつもりなので、考えたところで、れいむの杞憂に終わるのだが。 早く明日が来ないだろうか? れいむは浮かれて、なかなか寝付けなかった。 その7へ
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その畑では、本当に、お野菜さんが、勝手に生えてくるのであった。 理由は判らないが、数日前にゆっくり達が言っていた台詞が真実になってしまったな、と思った。 「だから、ここは、僕のおうちで、これはお兄さんが育てたお野菜なんだよ。」 「おやさいさんはかってにはえてくるんだよ!!」 「おやさいさんをひとりじめするにんげんさんはずるいよ!!ゆっくりしんでね!!」 「「「「「ちんでにぇ!!!!!」」」」」 まりさとれいむと、赤ゆっくりが5匹。初めてゆっくりの被害にあってしまったが、 なんというか、本当にこんな思考をしてるんだなぁ、と驚愕するばかりである。 別に自分は農業で生活を立てている訳ではない。親から受け継いだ畑で、趣味として野菜を育ててるのだ。 新鮮な野菜を食べれるし、国からわずかだが、お金も出る。それだけだ。そんな理由なので荒されても別に心は荒まない。 被害も、きゅうりが4本程度、トマトが5個くらいだろう。どうでも良かった。 だが、自分が畑を荒してる所を止めようとしたら、体当たりしてきたのだった。 ぽこん、ぽこんと足に体当りする様が面白かったので、捕獲しようと思った。 使っていない納屋まで誘導し、扉に鍵を掛ける。 こうして、着いてきた一家丸ごと捕まえる事に成功したのだった。 「ゆっへっへ。もういちどまりささまのたいあたりをくらいたくなかったら、ゆっくりここからだすんだぜ!!」 「そうだよ!!まりさはとってもつよいんだよ!!!はやくあやまったほうがいいよ、おにーさん!!!」 「「「りぇーみゅちゃちに、はやきゅあみゃあみゃをもっちぇきちぇね!!」」」 「「まりしゃちゃちにももっちぇきちぇね!!しょしちゃらゆっきゅりちんぢぇね!!!」」 どうも、先程の体当りで優位に立っていると思っているようだ。捕まえたと言っても閉じ込めている訳ではないし。 まあ、いいか。……と野菜は勝手に生えてこない事を根気よく説明したが、返事は、勝手に生えてくる。という一点張りだ。 これはやり方を変えないと駄目かも。そう思ってると足に音が鳴る。 「ゆっふっふ。おにーさんのざれごとに、つきあっていられないぜ。まりささまのこうげきでしんでもらうぜ。」 またもや、ぽこんぽこんとリズムを奏でる事にしたようだ。 「うっそお?」 さっき何度も繰り返して効かなかった攻撃を繰り返すとは。他に攻撃の手段はないのか、と驚いてしまった。 「まりさ!!ゆっくりきいてるよ!!!」 「「「おちょーしゃん!!ぎゃんばっちぇにぇ!!!しょしちぇあみゃあみゃをとってきちぇね!!!」」」 効いてないし、と突っ込むよりも、子供達の台詞がひたすらに甘い物を求めているだけな事のほうが気になる。 そういえば、ここに缶ドロップがあったことを思いだので、気づかれないように移動、そして腕だけ動かし 缶ドロップを取る事に成功した。そして、まりさの攻撃?に合わせて飴を落とす。 「「「ゆゆ!!?おにーしゃんからにゃにきゃおちちぇきちゃよ!?」」」 親が必死に体当りしてる場所が近いと飴を拾えないだろうから、気づかれないよう移動する。 「「「ちあわしぇ~~♪♪きょれはちょってもあみゃあみゃだにぇ!!!」」」 うお、いきなり口に含むとは・・・。何という警戒心の無さ。 「まりさ!!おにーさんをこうげきしたらあまあまがでてくるよ!!!」 「わかったんだぜ!!もっとこうげきをはげしくしてあまあまをださせるんだぜぇえええ!!!」 「「「おちょーしゃん!!もっちょあみゃあみゃをだしちぇね!!!!」」」 飴が落ちるたびに子供達がきゃいきゃい騒ぎ出した。 ……しかし、何度か続けると、飴が出なくなってしまう。 まあ、缶ドロップの中身などたかが知れている。というか飴を舐めないで食べてるから消費が早いのだ。 「まりさ!なにやってるの!?はやくあまあまをだしてね!!!!」 「「「ひゃやくだしちぇね!!やくたたじゅにゃおちょーしゃんはちんでにぇ!!!」」」 「どぼじでぞんなごどい゛う゛のお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 何故か責められる親まりさ。不憫だ。助け舟を出してやろう。 「まあ聞きなさい。飴さんは勝手に落ちてこないんだよ。限りがあるんだ。お野菜さんだって同じだよ? 勝手に生えてこないんだ、解るかな?」 「ゆゆ!!?まりさのゆっくりぷれいすににんげんさんがいるよ!!?」 「そんなのどぼでぼいいでじょお゛お゛お゛!!はやくあまあまざんをだじででいぶにもっでぎでね!!! でいぶはまだあ゛まあ゛まざんをだべでない゛んだよ!!!」 「「「やくたたじゅのおちょーしゃんはちね!!しょしてあまあましゃんをもっちぇきちぇね!!!」」」 聞いてなかった・・・。というより気づいたのはまりさだけだ。 そのまりさもさっきは出してといっていたのに、今ではここが自分のゆっくりぷれいすだと思っている。 れいむは、子供達を優先したようだが、心の中は飴に夢中だったらしい。涎が物凄い事になっていた。 子供達は甘いものしか見えてないのが哀れだ。これが、ゆとり教育の弊害かもしれない。 「にんげんさんはまりさのゆっくりぷれいすからでていってね!!!そしてあまあまをもってきてね!!!」 「ばりざあ゛あ゛あ゛!!!あまあまざんをだすのをあぎらめない゛でえ゛え゛え゛え゛!!!」 「「「あまあまをもってこないまりしゃおちょーーしゃんはゆっくりちんでにぇ!!!」」」 駄目だ、この一家。家庭崩壊とかいうレベルじゃない。なんだか親まりさが哀れで泣けてくる。 あまりにも(頭が)可愛そうだったので捕まえるのは止めた。納屋から出してやる。 「ゆゆ!!??おやさいさんがいっぱいあるよ!!!ここをまりさたちのゆっくりぷれいすにするよ!!!」 「ゆ!?……やったね!!まりさ!!さすがれいむのおっとだね!!!」 「「「おちょーしゃんしゅぎょーい!!!」」」 目の前に畑があっただけなのだが、それだけで突然一家の中が良くなった。なんだこいつら。 「むーしゃ、むーしゃ!!しあわせーー!!!」 「むっしゃ!むっしゃ!!しあわせーー!!!」 「むーちゃむーちゃ!ち、ちあわちぇええええええ!!!」 一家そろってガツガツと野菜を食べ始めるが、自分はもう止める気はなかった。 どうせ趣味でやってる畑だ、こう幸せに食べてくれるなら、いいじゃないか。自分ではこうも幸せそうに食べられないし。 それに、親まりさには同情している。こんな一家の大黒柱を務めるなど、とても出来ない事だ。 まあ、かといって家に上がられると困るので、家の鍵は厳重に閉めておこう。 毎日自分の畑に来ては、野菜を食い漁っていたまりさ一家だが、その幸せは突然終焉を迎えた。 なんと、畑に野菜が全くなくなってしまったのである。 「どぼじでおやざいざんがないのお゛お゛お゛お゛お゛!!!!」 「「「ゆえーーん!!おやしゃいしゃんたべちゃいよおおお!!」 「まりざあ゛!!!まりざがたべだんでじょお゛お゛お゛お゛!!!」 「でいぶだっでだべだでじょお゛お゛お゛!!ぞれに!!おやざいざんは!がっでにはえでぐるんだよお゛お゛お゛!!! なぐなるばげない゛んだよお゛お゛お゛お゛お゛!!!!!」 「じゃあ゛なんでないのお゛お゛お゛お゛!!!?まりざのぜい゛でじょお゛お゛お゛お゛お゛!!!!! おやざいをだべだまりざはごみぐずい゛がだよ!!!!」 「「「おやしゃいしゃんをたべちゃ、まりしゃおちょーしゃんは、ゆっくちちね!!!!」」」 「どぼじでばりざのぜい゛にずるのお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 家の窓から覗いていたら、こんな光景を繰り広げていた。まあ2週間もバクバク食ってたら無くなるよね。 無実(?)の罪で罵られ、妻からは、 「まりさは今日の分の狩りをして帰ってきてね、れいむ達は家に置いてあるお野菜を食べて待ってるね。」 というような事を言われ、置き去りにされているまりさ。 相変わらず不憫だ。と思っていると、畑に向かって土下座し始めた。 「かみさま、おねがいだから、おやさいさんをちゃんとはやしてあげてね!かってにはえてくるのをじゃましないでね!」 という台詞を土下座しながら叫んだまりさは、去っていった。何言ってるんだろう、あのまりさ。 だがまあ、神頼みとはゆっくりにしては、上等な行為をするものだ。宗教の概念も無い物体の癖に……。 まりさのお願いをせめて、山の神様に届けてみるか。そう思い、お賽銭を山の上の神社に投げ入れる事にした。 神社に着くと、参拝客は誰も居なかった。この寂れ具合だと、優先順位は一位だろう。願い事が少しアレだが。 自分は全てのゆっくりの平和を願っておくか。 この願いよりは、まりさの願いの方が若干楽だろうから、自分の願いは後回しなはずだ。 翌日、自分の畑には野菜が全開で生えていた。ありえん。 「ゆゆーーーっ!!まりさのゆっくりぷれいすにおやさいさんがはえてきたよおおおおお!!!」 「まりさのいうとおり、きのうはおやさいさんがゆっくりしてただけだったんだね!!!」 「「「おちょーしゃん、ものちりだにぇ!!!!」」」 「ゆっへん!!みんなでおやさいさんをたべようね!!!!」 ガツガツと食っていくまりさ達。おいおい、一日で出来た野菜とか恐くて食えねーよ・・・。少しは考えようよ。 「「しあわせーーーー!!」」 「「「ちあわちぇええええええ!!!!」」」 食えるのかよ。しかも旨いのか。まあいいよ、自分は食う気にならないし・・・、好きにしてくれ。 まりさの地位も元に戻ったようだし、満足だ。ヒエラルキー最下位はつらいよな。 さらに、次の日、畑の野菜の濃度が上がっていた。個人でやってるような畑ではなく、農業を営めるような畑だった。 神社効果か?神様スゲェ、としか言いようが無い。まあ、隣の家まで2kmある田舎だからそうそう騒ぎにはならないだろう。 「おやさいさん、すっごいゆっくりしてるよぉおおお!!!!」 「こんなにゆっくりとしたおやさいさんは、はじめてだね!!まりさすごいよ!!!」 「「「しゅごいゆっくちだにぇ!!!おちょーしゃんだいしゅきだよ!!!!」」」 「ゆゆ~ん。てれるよぉお!!」 まりさの株もストップ高だ。おめでとう!!まりさ、おめでとう!! 心の中で誉めてやる。 それからは、毎日がゆっくりデイだった。 お野菜は本当に勝手に生えてきたので、まりさはゆっくりしている。 妻のれいむとの仲も良好なようで、常に頬擦りしてるような感じであった。 まりさの子供達も発育が良く、最近では、赤ちゃん言葉が抜けてきたようだ。 試しに家族を尾行して巣を探してみたが、巣の中は人間が入れる程広く、野菜も存分に保管されていた。 というか、巣というのは俺の納屋であった。畑は納屋をも侵食し、今や大農園の様相を呈していたので、気づかなかった。 そろそろお隣さんにバレるかと思ったが、お隣さんはいつの間にか空き家になっていた。 調べてみると半年前かららしい。ビクビクしていたのが馬鹿らしい。 1ヵ月後、最近まりさ達の姿が見えないな、と思い探してみる事にした。 納屋が探せない・・・。なんという野菜王国。自分の家だけを避けるようにびっしりと生えた野菜の楽園。 ここまで来るとさすがに気持ち悪い。もうやめて。と神社にお祈りしにいこうかな。どうせ自分はこの野菜を食べないし。 30分程かけて納屋を見つけた。中に入ると入り口には変な生物が居た。冬虫夏草っぽいゆっくりだ。 「あ゛あ゛あ゛あ゛!!!でいぶのあんごがずわ゛れでい゛ぐう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛」 れいむらしい。頭からトマト(大)を30個はぶら下げている。というか、そう言っている間にもトマトが生っていく。 養分が吸われるのか、それを補うようにずりずり移動しながら野菜を食べている。気持ち悪い。 キャベツを食いながらトマトを生産するとは・・・。これが連金術か。 無視して中に入っていくと、子ゆっくり達が居た。 「おねーちゃんのとまとおいじい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛」 「れいむのきゅうりざん、どっでもあまあまだよお゛お゛お゛お゛お゛お゛」 「まりさおねーちゃんのいちごさん、すごくゆっくりだねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛」 「おねーぢゃんのなずざんばすっごぐじんなりじでる゛よお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛」 「まりさのとうもろこじはざいごうだよう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛」 数珠繋ぎだった。野菜が生えてくる瞬間から共に食べあっている。うーん、飽きないのかなあ・・・。 飽きたら順番変えればいいのか?・・・というかトウモロコシだけ凄い食べにくそうだが。まあいい、ほっとこう。 まりさを探す。まりさは何処だ?まりさやーい。 奥の奥、納屋の中でも全く日に当たらない暗闇の中、まりさは居た。懐中電灯を持ってきてようやく見つけたのだった。 見てみると頭から野菜は生えていない。おお、無事だったか。 「ゆ!!?おにーざん!!???」 覚えててくれたとは、おにーさん嬉しいよ。 「おに゛い゛ざあ゛ん!!!ごごは、ぜんぜんゆっぐりでぎない゛よお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」 よしよし、何があったか話して見なさい。おにーさんに聞いてみて? 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!!」 早く話してよ・・・。 まりさの説明は要領を得なかった。3時間かかって、ようやく理解した頃には日が暮れていた。 ながったらしい説明である、正直途中で見捨てようかと思ったが、泣いてすがり付いてきたので我慢する事にした。 光っていたお野菜さんの種があったので、家族で食べた。 すると、まりさ達の頭の上に野菜が勝手に生えてくるようになっていた。 最初は喜んでいたが、自分の力が吸われていく、と気づいてパニックになる。 れいむが頭の茎をへし折った所、今度は2本の茎が生えてきた。折るのはまずい、と理解した。 力が抜けていくのを感じたので、急いでお野菜を食べたが、一向に力が戻らない。 それどころか、余計にお野菜さんが力強く生えてくるようであった。 日が沈むと、お野菜さんは生えてこなくなり、この時にお野菜を食べれば力が戻ると解った。 なら、安心だね。と笑いながら眠ったが、それが間違いだった。次の日には益々お野菜さんが生えてきた。 まりさは恐くなって納屋の奥に逃げた。しばらくするとお野菜さんが大人しくなっているが解った。 まっくらな所にいれば、お野菜さんは生えてこない。すごい事に気づいたと思った。 急いで家族に知らせようとしたが、その時はすでに夜であり、何も見えなかったので、次の日に知らせる事にした。 だが、その時には遅かった。れいむは頭から10本のトマトを実らせ、ほとんど動けず。 這いずりながら野菜を食う、生きる屍と化していた。 子供達もほぼ同じ状態。跳ねる事が出来なければ、この暗闇には来れない。 まりさは一人、暗闇に舞い戻るのであった。 ………。光る種を食べたのはまあいい。……だが、ゆっくりしすぎだ。答えを先延ばしにした結果がこれじゃないか!! 「おにい゛ざあ゛ん!!だずげでねえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 やれやれ、解ったよ。同情しちまったなら、最後まで面倒みるのが筋さ。 というか神社にお祈りしたせいなら、半分は俺のせいだし。 そういうわけで、夜なのに神社にやって来た。上等な酒を持ってきたので大丈夫なはず。人間も神様も酒が好きのだ。 おやさいさんが勝手に生えてくる、という願いを取り消してください。お願いします。 シンプルに願って、山を降りた。 自分の家に着くと、そこは普通の畑があるだけだった。野菜都市は崩壊したようだ。 そうだ!!まりさは!?まりさはどうなった!!?? 急いで納屋に駆け込む。 冬虫夏草なれいむと子ゆっくりは死んでいた。恐らく、身体のほとんどを野菜に乗っ取られていたんだろう。 まりさは大丈夫だろうか。侵食の具合が気になる。納屋の奥に行くと、まりさは泣きながら胸に飛び込んできた。 「おにぃーざーーん!ありがとお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!まりざのなががら、おやざいざんがぎえだよお゛お゛!!」 ……、全く、これに懲りたらお野菜が勝手に生えてくる、なんて言っちゃ駄目だよ? 「わがっだよお゛お゛お゛お゛!!!ありがどう゛!!ありがどう゛う゛う゛!!!」 その後、妻と子供の死を知り、また泣いたまりさだったが、家族の分まで生きていくと言っていた。 自分と一緒に暮すか?と聞いたが、これからは、お野菜さんが勝手に生えてこない事を布教して回るという。 ゆっくりまた会おうね。と別れた。 いい奴だったな……。ゆっくりにもいい奴がいる。そんな事を、思った。 しかし、山の上の神社は本物かな?何か間違った方向に叶ってしまう気がするから使う事はないだろうけど……。 自分も何か願ったような……。気のせいかな? ───────────── 前に書いたの まりさとの平日 ぱちゅりーとおにーさん
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「ほらっ、もうおうち宣言なんてするなよ」 とある民家からまるでゴミのように丸い物体が三つ投げ捨てられた。 それはゆっくりの一家だった。投げ捨てられたのは成体れいむとまりさの両親と、一匹の子れいむ。 つい数十分前までどこにでも在るありふれた存在であったが、今は違う。 それはゆっくり達の状態。 なんと面妖か。まず親まりさには顔がなかった。当然生まれつきではない。先ほどおうち宣言をした民家の主によって改造されたのだ。 目も口もくりぬかれた上で餡子と小麦粉の皮で補修され、のっぺらぼうのようになってしまったのだ。このまりさはもう何も見ることは出来ぬし、食べることも喋ることも出来ない。 更には底部も火傷を負っていた。二度と動けぬほど炭にはなっていないが、僅かに這うことしか出来ずに自然治癒も不可能なまでには焼かれていた。 そして子れいむもまりさと同じような状態だった 目も口もなくのっぺらぼう、更にはまりさと違って髪もリボンも無い。ただ幸いだったのは底部には何もされておらず自力で動ける点か。 そしてこの中で一番まともな状態だったのは親れいむだった。 民家の主によって全身に打撲を負ってはいるが、それも生きる上には何も支障はなく、ゆっくりの自然治癒能力で治る程度だ。 「ゆぐっ……えぐっ、ばりざぁ……」 れいむは全身を殴られた痛みをこらえながらも、ずりずりとのっぺらぼう状態のまりさにすり寄った。 れいむはまりさがこんな状態にさせられた地獄を目の前で見てしまった。生きたまま目をくりぬかれて、面影もないほど顔を改造されるというこの世のものとは思えぬ光景を見たれいむは激しい恐怖を覚えた。 その上で恐怖だけでなく、れいむを散々痛めつけた人間から少しでも逃げるようにと、れいむはまりさを連れて逃げようとした。 まりさはもう自力では歩けない。だから自分が連れていくしかない。 髪を引っ張ってずーりずーり。まりさも子れいむも音を聞くことは出来る。だかられいむがかけた「ゆっくりかえろう」という声も聞こえていたはずだ。 子れいむはれいむがそう声をかけた瞬間、何かから逃げるように(いや、実際に人間から逃げている)全力で、あさっての方向に跳ねはじめたので、慌ててれいむが捕まえて親まりさの帽子の中に入れた。 しばらくそこでゆっくりしててね、と言ったら傍らに親まりさのぬくもりを感じて安心したのかおとなしくなった。 今やまりさも子れいむも、かつての姿は似ても似つかない。身内以外が、いや身内でも改造される場面を見てなければ個の判別がつかないだろう。 しかし、それでもれいむにとってはかけがえの無い家族なのだ。れいむは自身の体力を振り絞って、今や二度と治らぬケガを負った家族を、かつての巣へと引っ張っていった。 そして、治らぬケガを負っていたのはまりさと子れいむだけでは無かった。れいむもまた、心の傷という治らぬものを負っていた。 翌朝。おうち宣言する前の、子供が生まれて手狭に感じるようになった巣でれいむは目覚めた。 そこは木の根のあたりに出来た、地面の穴だった。れいむはもぞもぞもと起きて、「ゆっくりおきるよ」と小さく呟いた。 そして、家族へと視線を移す。そこにあったモノを見て、昨日のことは夢では無かったのだと今再び再確認し、落ち込んだ。 傍らにいるのは、もはや起きているのか寝ているのかも分からない、表情を浮かべることも、何かを美味しく食べることも、優しい言葉も発することが出来なくなった、最愛の伴侶の最愛の我が子の姿。 れいむは嗚咽をこらえながらも、静かに涙を零した。れいむは、自分一人で家族を支えなければならない。もはや何かを聞くことしか出来ず、何をすることも何かも伝えることも出来なくなった家族を。 こんな存在、当然野生ではお荷物以外の何物でもない。 しかしながら、れいむにとってまりさと子れいむは、お荷物だからといって切り捨てることが出来る存在ではなかった。 「まりさ、おちびちゃん、ゆっくりまっててね」 れいむはそう二匹にそう囁くと、巣を飛び出た。エサを探しに行ったのだ。 れいむが身ごもってからは毎日まりさがやっていた仕事。それを今日からはれいむがしなければならない。 出来る、出来るはずだ。れいむはそう言い聞かせて、森の中を駆けまわって朝食を集めた。 だがれいむは、あまりにも現実感のない事だから忘れていた。 もう、まりさと子れいむに食事は必要無いのだと。 「ゆ゛ぅ……」 れいむは困惑した。嘆いた。再び泣いた。 もう二度と「む~しゃ、む~しゃ、しあわせ~」が出来ぬまりさと子れいむ。そしてその現実を再び目の当たりにしてしまった。 子れいむは動けるはずだが、危ないからとれいむが再三に渡って動かぬように言っておいた。だから、子れいむは動かぬ。自身もまた、何も見えない恐怖に苛まれているのだから。 れいむはのっぺらぼうの伴侶と我が子の前で食事をした。二匹は食事が出来ぬとも、れいむはしなければならないからだ。 れいむは昨日暴行によって負ったケガと、体力を回復させるために、久しぶりに自分が集めた食事を口に運ぶ。余分に集めてしまった、家族の分も。 「む~しゃ、む~しゃ……」 その口から「しあわせ~」が出ることなど、二度とない。 そのまた次の日。れいむの生活サイクルは昨日の時点で確立された。 れいむが巣の外へ出るのは一日三回のエサ集め。それも一匹分のみ。 あとはずっと、巣にこもってまりさと子れいむの相手。まりさも子れいむも、当然ろくな反応も示さない。 だがれいむは、相手に伝わってるはずと思い、す~りす~りをしたり、歌を歌ったりした。 そんなれいむに、子れいむは光がない恐怖から少しだけ小さく跳ねて、まりさはろくに動かせない体を身じろぎさせて反応してくれた。 れいむは、それだけで嬉しかった。 そんな二日目。れいむが昼食を食べ終えた後の、まりさと子れいむへのお歌タイムをしている時だった。 「やぁ、れいむちゃん元気かな?」 この一家を、こんな地獄へと叩き落した張本人が、巣に現れた。 れいむは絶叫した。絶叫し、泣き叫び、狭い巣の奥へと引っ込んだ。 そのれいむの叫び声に混乱し、それまで動かなかった子れいむがにわかに跳ね始めた。顔も髪もなく、ただの饅頭と化したそれは、方向もわからず逃げようとした。 それは偶然出口へと向かっており、人間に巣の中へと殴り返されて、その後ぐったりとして動かなくなった。 その間もずっとれいむは、半狂乱に陥ったまま巣の奥に逃げていた。それ以上奥にはいけないというのに、更に奥に、より遠くへ逃げようと。 「ゆ゛ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!! だずげで、だれがだづげぇぇぇぇぇ!!! ゆっぐりでぎないおにいざんがいるよ゛ぉぉぉぉぉぉ!!! いやだっ、でいぶゆっぐじじだい゛ぃぃぃぃぃぃ!!! だじゅげでぇぇぇぇぇぇ!!! いやじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 その叫び声を、まりさも聞いていたはずだった。 だが、まりさにはどうすることも出来ない。れいむを慰めることも、人間に立ち向かうことも、逃げることも涙することも。 ただぷるぷるとわずかに震えるのみの饅頭として、そこにあることしか出来なかった。 しかし、しかしだ。それでもまりさは愛するれいむの泣き声を聞いて、ずりずりとみっともなく這って、人間の声を頼りに立ち向かおうとした。 そんなまりさを、人間は殴り飛ばした。殴って、殴って、殴って、なおもずりずりと這ってくるまりさを喜々として殴り飛ばした。 その後もれいむは、人間が立ち去ってれいむに見つからなず巣を観察出来るポイントに行くまでずっと泣き喚いたままだった。 そして一度泣きやんだ後、巣の中で横田たわるボロボロのまりさと倒れている子れいむを見てまた泣いたのだった。 ある日れいむが巣に帰ると、そこにはボロボロになったまりさと子れいむがいた。 人間によって虐待された傷ではない。明らかにそれ以外の者による傷だった。 のっぺらぼうのただの饅頭が二個、巣の中に転がっていた。至る所ケガだらけ。餡子もわずかに漏れていた。 まりさは自身で起き上がることも出来ない。子れいむは起き上がっていてもただの髪も顔もないので、分からない。 「ばりざぁぁぁぁぁぁ!!! おぢびぢゃぁぁぁぁぁぁん!!! どぼじだのぉぉぉぉぉぉ!!!」 れいむは泣いて二個に駆け寄った。涙をボロボロと流して、すりすりと頬をすり合わせる。 目も見えない二匹でも、これなられいむが傍にいることが分かるだろう。もっとも、二匹がそれを伝える術は殆どないのだが。 かろじて、子れいむが拙い動きですりすりを返したぐらいだった。 それだけだったが、れいむは泣いて喜んだ。光を失ってからピンチの時以外ろくに動こうとしなかった子れいむが、動いてれいむにすりすりを返してくれたのだから。 傷ついた体にも関わらず。それで、嬉しくないはずがない。 ちなみに、二匹をこんな目にあわせたのはとある野良まりさだった。 一人立ちして自分の巣を探していた野良まりさは、ちょうどよくのっぺらぼう饅頭が留守番していた巣を見つけた。 当然そこでおうち宣言をしようとしたが、そこにいたのは気味の悪い饅頭だった。 その饅頭を野良まりさはゆっくり出来ないものとして暴行をくわえた。 散々体当たりをしたり踏みつけたりした挙句、ここはゆっくり出来ないといって巣を立ち去って行ったのだ。 なお、その野良まりさは現在、虐待を行った一家のその後を観察している人間に捕まって玩具兼おやつになっていた。 頭をくりぬかれて中の餡子を攪拌されて、小刻みに痙攣している。 人間は野良まりさの餡子を一割ほど食べたところで、「飽きた」と言って放り捨てた。 命である餡子を削り取られ、頭を切り取られた野良まりさはその場でずっと痙攣したまま動かず、そのままアリのエサとなった。 日に日にまりさと子れいむは衰弱していった。当然だ。何も食べることが出来ないのだから、餓死するしかない。 生命維持のための餡子が消費され、体が小さくなっていく。皮も薄くなって、中の餡子が透けて見える。 一日、一日と、刻一刻と死へと近づいていく日々。かつては少しは跳ねたり身じろぎして反応を返してくれたまりさも子れいむも、やがてはそんな反応も示さなくなった。 そして、ある日を境に二匹は微動だにしなくなった。 顔が無いため一見しては分からなかったが、二匹とも死んだのだった。 れいむは大声をあげて泣いた。涙が枯れるほど泣いた。流した涙で体が溶けて流れるのではないかというほど泣いた。 泣いて、泣いて、悲しんで、ゆっくり出来ていた日々と人間に合された地獄、とそのあとの苦しい生活を思い返した。 そんな、そんな不幸のどん底にいるれいむに、またあの人間が現れた。 人間は狂乱に陥ったれいむを捕まえると、しかと目を見開かせ、その状態でまりさと子れいむの死骸を踏みつぶした。 顔がなくても、まだ原形を、カタチを保っていた家族の体が跡形もなくつぶれる様を見て、れいむの精神は壊れた。 しかし、人間の手によってまた再生された。 れいむが正気を取り戻したのは、人間の家だった。ゆっくりは、精神崩壊を起こしても中の餡子をかき回せば正気を取り戻すのだ。 そしてれいむは、正気を取り戻して、恐怖の記憶を呼び起こして、もはや言葉ですらない声をあげて人間の家の中、人間から逃げ惑った。 しかしそれは徒労に終わり、地獄を見た。 それでもれいむは生還した。 ただし、まりさや子れいむと同じく、のっぺらぼうの状態で。 のっぺらぼうれいむは人間の家の表通りに捨てられた。底部は無事だから、自分で動ける。 しかし、れいむには我が家に帰還する術は残っておらず、助けてくれる者もいなかった。 のっぺらぼうれいむは、その無表情の顔のまま、あさっての方向へと跳ねていった。 その後のっぺらぼうれいむがどうなったのかは、誰も知らない。 END
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※れいむを多少愛でますが、それ以上に無意識に虐待します。 ゆっくり童話シリーズ 第一回 「赤い靴」 あるところにれいむという名の若くてかわいいゆっくりがいました。 れいむは、すっきりー!しすぎて腰を痛めたおかあさんありすのためにまいにち食べ物を探しにいきます。 ですが、若いゆっくりに2匹分の食料を集めることは出来ません。 しかたがないので自分の分を巣の外で食べ、残ったほんの少しの食べかすをおかあさんありすに持って帰ります。 おかあさんありすは栄養が足りなくて日に日に弱っていきます。 痛めた腰も直りません。退屈紛れに泥団子で作ったまりさとすっきりーしようとするせいです。 ある日、れいむはおかあさんありすに言いました。 「れいむもおおきくなったから、ごはんがたりなくなってきたよ。 れいむはあたらしいおうちをさがしにいくけど、うごけないおかあさんはここでゆっくりしていってね!」 「どう゛じでぞんなごどい゛う゛の゛おおお!!!!いっじょにすっぎりじょうよおおおおおお!!!!」 おかあさんありすは別れを惜しみますが、れいむの足を止めることはできません。 無理をして飛び跳ねたので、着地したときに腰が破けて中のカスタードクリームが勢いよく飛び出します。 「ゆぎゃああああああああ!!!ずっぎりじずぎだげっががごれだよ!」 その言葉を最後におかあさんありすは動かなくなりました。ですが、れいむはもう巣から出て行った後でした。 巣を出たれいむはもっと食べ物があるという人間の町に行くつもりでした。 それはおとうさんれいむが生きていたころにお話してくれたとてもゆっくりできる場所です。 途中で出会った子まりさや子ありすをおやつにして、れいむはようやく町にたどり着きました。 地面が土から大きめの石になっていましたが、若くてぴちぴちなれいむのお肌はその上でもゆっくりできます。 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー♪ゆっ!ゆっくりしてたらまちについたよ!さすがれいむ♪とってもゆっくりしてるね☆」 もう夕暮れ時なので、見える範囲には殆ど人間は居ません。 れいむは町に着いたらおうちと食べ物がすぐ見つかると思っていたので、自然と喜びの声が出てしまいます。 「ゆ~ん、ゆ~ん。かわいいーれいむの、おうちとごはん♪ま~ってーてねー。」 気持ちよく歌いながら歩いていると、近くの窓から頭と骨だけになった生魚が飛んできました。 べちっ「ゆぶふっ!?」 れいむはその勢いで路地へと転がります。ころころ。 「れいむにぶつかったわるいこはおしおきだからね!いますぐあやまってね!」 魚はなにも答えません。死んだ魚の目でれいむをみつめるだけです。 「ゆ!はんせいしないなられいむにもかんがえがあるよ!・・・むーしゃむーしゃ・・・い゛だいいいいいい」 謝らなかった悪い魚はれいむにたべられてしまいました。 ですが、そのするどい骨はれいむの口の中に深く突き刺さってれいむをくるしめます。 舌より奥の餡子に入ればすぐに骨は餡子になるのですが、刺さっているので飲み込むこともできません。 しばらく路地でぎゃあぎゃあと醜い悲鳴を上げていると、れいむに声をかける人間が居ました。 「あらあら、たいへん。あなたどうなさったの?」 それは丸い老眼鏡をかけた白髪のおばあさんでした。 助けが来たとれいむは喜んでおばあさんのほうへ駆け寄ります。 「ゆぎゃあああああああ!!!」 口の中に刺さった骨は飛び跳ねることによってより深く刺さり、れいむの餡子へものすごい痛みを伝えます。 大きく口を開けて叫ぶので、おばあさんも鷹の目(ホーク・アイ)で魚の骨を見つけました。 「すぐにとってあげますからね。ほら、大丈夫ですよー。」 やさしくれいむを抱きかかえるおばあさん。 れいむはようやく痛みから解放されると思って脱力しました。 おばあさんは裁縫が得意なので、刺さった魚の骨を抜かずに押し込んで背中から取り出します。縫い針みたいですね。 全部抜き終わるころにはれいむは静かになっていました。口から泡を吹いて安らかな顔で眠っています。 このままここに置いていくのもかわいそうだと思ったおばあさんは、れいむを家につれて帰ることにしました。 次の日、目を覚ましたれいむはとてもゆっくりしていました。 なぜなら、れいむが寝ていたのはとてもやわらかいクッションで、かわいい人形がいっぱいの部屋だったからです。 部屋の真ん中にはお皿が置いてあり、中にはクッキーが入っていました。 昨日はとても疲れたような気がしたのでれいむはそのクッキーを一息に食べます。 「むーしゃむーしゃ。しあわせー♪あまあま、おいしー☆おとうさんのいったとおり、まちはとってもゆっくりだね。くすくす。」 幸せそうな笑顔を浮かべるれいむを昨日のおばあさんが見つめています。 おばあさんは家族が居なかったので、クッキーをおいしそうに食べてくれるれいむを飼ってもいいな。と思いました。 れいむがおばあさんと暮らし始めて最初の日曜日、おばあさんはれいむに贈り物をしました。 それはとても綺麗な赤い布でできた靴でした。 町は石畳なので、全裸のれいむが飛び跳ねるには少々危険なのです。 靴を装着してもらったれいむは鏡をみて驚きました。 そこにいたのはれいむの赤いリボンとおそろいの模様が付いた靴のとてもかわいいれいむ。 ”とーたるこーでぃねーと”とでも言いましょうか。 ゆっくりの丸い体の下半分を覆うその靴はすぐにれいむの宝物になりました。 「おばあさんありがとう!ちょっとそとのゆっくりにかわいいれいむのくつをじまんしてくるよ!」 言うが早いか、れいむは一人で飛び出します。 おばあさんの家は猫用のドアが扉に付いているのでゆっくりでも自由に出入りができるのです。 でていくれいむをおばあさんはゆっくりと見つめていました。 「あの子、一人で戻ってこれるかしら・・・まあ猫みたいなものだし、大丈夫よね。」 外に出たれいむは改めてみる人間の町の美しさに見とれてしまいます。 硬くてゴツゴツしているけれど跳ねやすい道。おばあさんの赤い靴のおかげで全く痛くありません。 いたるところに植えられた色とりどりの花。れいむのためにおやつとしていっぱい用意してあるのでしょう。 町の中心には大きな噴水がありました。れいむはそこでお水を飲みながら、靴を自慢するため他のゆっくりを探します。 「ゆぅ~ん。れいむのきれーなくつをみせたら、どんなかわいいゆっくりだってれいむにめろめろだよねー。」 一人で身をよじらせてクネクネしている様を人間がくすくすと笑いながら見ていますがれいむは気づきません。 夕方近くになって、ようやく路地裏からみすぼらしい姿のありすが噴水までやってきました。 れいむはおなかもすいてきたのでそろそろ帰ろうと思っていましたが、待ってましたとばかりに言いました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりすっきりしていってね!」 ありすは発情ありすでした。ものすごい勢いで噴水まで駆け寄ると、噴水の淵に乗っていたれいむの所まで一跳びで上りました。 れいむはかわいいだけでなくかしこいれいむなので、ありすはおかあさんありすと同じようにすっきり中毒だと見抜きました。 ですが、ゆっくりそんな分析をしていてはありすからは逃げられません。 「はぅーん、あかいくつをはいたれいむはとてもとかいはだから、きれいなありすのおよめさんにしてあげるねえええ!」 「ゆ゛う゛う゛っ!みにくいありすはかわいいれいむとはつりあわないよ! かってにれいむにさわらないでね!ばかだね!どろにんぎょうとでもすっきりしたらいいよ!」 かしこいれいむもゆっくりなので自分が先程言った言葉も忘れています。 一方、ありすはきれいに着飾ったれいむにめろめろで辛抱たまらん!といった様子で強くれいむを押さえつけます。 ゆっくりが一匹乗るだけの幅しかない噴水の淵ではれいむはありすを振りほどくことができません。 間違って噴水に落ちればゆっくりできなくなってしまうのですから。 れいむはもぞもぞと抵抗にもならない力でありすを押し返しますが、それはありすを興奮させるだけです。 「まぁ!れいむはありすのためにじぶんでうごいてごほうししてくれるのね?いじらしいわああああああ!!!」 ありすは嫌がるれいむをお構い無しに責め立て、すっきりへの快感をむさぼっていきます。 れいむはなすすべも無く蹂躙される屈辱に、涙を流しながら耐えるしかありませんでした。 「んほおおおおおおおおおおお・・・・すっきりー!」 「・・・すっきりー・・・」 激しい野外プレイもようやく終わりを告げ、ありすは去っていきました。 自分さえすっきりできれば別に誰でもよかったようです。 取り残されたれいむは自分がすっきりー!させられたことによって子供ができてしまうことを悲しみました。 まだ若くてかわいいれいむなのに子持ちになったら自由などありません。 それどころか、できる子供の数によっては栄養を吸い尽くされてれいむは干からびてしまうかもしれません。 きれいな噴水に沈んだらゆっくりできるかなーと思って水面を覗き込んだときにれいむは気づきます。 水に映るれいむの頭には蔓は生えていません。おばあさんの赤い靴がありすの邪悪なすっきりー!から身を守ったのです。 むりやりすっきりー!させられた悔しさは残りましたが、れいむはまだゆっくりできるのです。 こんなすばらしい靴をつくってくれたおばあさんに、れいむはごほうびをあげたいと思い、いそいでお家に帰ります。 れいむは最初に町に来た日以来、ずっとおばあさんの家でゆっくりしていたのでどこがおばあさんの家かわかりません。 いつの間にか日が暮れて真っ暗になってしまいました。おばあさんもきっと心配してれいむをさがしているでしょう。 真夜中になってもれいむはおばあさんの家を見つけることができません。おばあさんは探しにも来ません。 人間の家は全部同じに見えるので、体当たりすれば中に入れる不思議なドアだと思って、れいむは何度も硬い扉にぶつかりました。 れいむはその度に、来客を確認しに開かれたドアによって顔面を強打しました。 もはやれいむの顔は凹凸がなく、絶壁といってもいいくらいに平らになりました。 「ゆぐぅ、こんなゆっくりできないおうちにはようはないよ・・・」 おなかもすいて、心身共にボロボロになったれいむは、ふらふらと町をさまよいます。 とりあえずゆっくりできるところを探して、ついにゆっくりできそうな丁度いい大きさの穴が、レンガの家の壁にあいていました。 しかもその穴からはとてもおいしそうな香りが漂ってきています。 その穴の横にはイスとテーブルがあり、それに登れば穴の前の足場までいけそうです。 「・・・あそこなられいむがひとりでゆっくりできるよ。さがしにこない、いじわるばばあもはいってこれないね・・・」 れいむは痛む体を早く休ませたい一心でイスを、テーブルをよじ登り、壁の穴へ飛び移ります。 べちゃん! かわいそうなれいむは足を滑らせ、石畳へ落ちてしまいました。足の皮が破れ、そこから餡子がもれ始めます。 ですが、なんということでしょう!おばあさんの赤い靴は、れいむの足をきれいに包んでいるので餡子は殆ど漏れ出しません。 もはや悲鳴を上げるのも疲れてしまったれいむですが、硬い石の路上で眠れるほど田舎者のゆっくりではありません。 二度、三度と同じことを繰り返して、ようやく壁の穴までたどり着きました。 「もう、つかれたよ。かわいいれいむはこのおうちでゆーっくりしていってね。」 一人でゆっくりしていってねを言うと、れいむはおいしそうな香りの中で深い眠りに落ちていきました。 翌朝目が覚めると、れいむの足の傷はふさがっていました。おばあさんの赤い靴はれいむの命を何度もつなぎました。 「ゆっくりしたけっかがこれだよ。さっすがー」 喜びの声を上げるれいむ。と、同時におなかがなります。先日の昼食以来、水しか飲んでいません。 れいむは思い出したようにあたりを見回します。おいしそうな香りの出所を探しているのでしょう。 入り口は狭い穴でしたが、中は以外に広々としている一部屋の石造りになっています。 れいむはその穴の片隅に、平べったく焼けた物を見つけました。 「むーしゃ、むーしゃ。うっめ、まじうっめ、これちょwwwぱねぇwww」 はしたない声を上げてれいむはそれを食べます。食べます。食べます。 「ゆふーん。しあわせー!」 平べったいものを全部食べつくしたれいむはそのままとてもゆっくりして、二度寝を始めてしまいました。 余程疲れが溜まっていたのでしょう、その寝顔はだらしなく伸びきって、時々いびきのような音が漏れます。 熱い。れいむは足元から来るあまりの熱さに飛び起きました。 飛び起きたつもりですが、れいむは飛び上がることはできません。 なぜなら、れいむの足は既にこんがりと焼かれ、固まってしまっていたのです。 れいむの周りには、寝る前に食べた丸くて平べったいものが一杯置いてあります。 そう、そこは伝統のピッツァ窯の中。れいむはそんなものは全く知りませんが。 「ゆぎゃあああああ!ゆっくりしないでここをでるよ!!」 跳ねようと足に力を込めるれいむ。足はぴくりとも動きません。 (熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、いたいいたいいたいいたいいたいいたい・・・・) 深い眠りによって、れいむは起きるのが遅くなってしまいましたが、おばあさんの赤い靴はまだれいむを守ります。 熱く焼かれた石のオーブンの上で、れいむの足の皮が石に張り付いていないのは赤い靴のおかげです。 ただし、動くことができなくなったれいむにとって、それは何もありがたいことではありませんでしたが。 「どぼぢでれ゛い゛む゛のあじうごがな゛い゛のおおおおおおお」 れいむは泣き叫びますが、誰もその声には気付きません。そうしているうちにも、どんどんれいむは焼かれていきます。 足の皮が火ぶくれを起こし、爆ぜ割れました。 そこから、れいむの餡子が飛び出します。 けれど、おばあさんの赤い靴はれいむの命の餡子を外へ逃したりはしません。 ぱちん、ぱちん、ぱちん・・・・・ 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・・」 餡子が沸騰して、皮が破れ、普通のゆっくりならばとうに原型をとどめていないでしょう。 赤い靴はとてもいい布でできているので、そう簡単には燃えたり、破れたりはしません。 おかげでれいむは全身がぐつぐつと煮えたぎっているにもかかわらず、まだ生きているのです! ついにれいむの頭の皮が破れました。長い苦しみももう終わり。 しかし、赤い靴は形を変えません。熱によって固まった靴は、今や鍋のようです。 口も溶け、目も、髪も、リボンも餡子のスープに沈みました。 ですがれいむの苦しみは続きます。餡子はまだ一滴もこぼれていないのですから。 全身を、生きながらに焼き尽くされても死ねない事に、れいむは恐怖しました。 判るのは、窯の奥で固まっていた物のように、れいむはこれから毎日焼かれ続けるだろうということだけです。 参考文献:世界名作アニメ絵本14 赤いくつ 書いてるのがドン詰まりしたので気分転換です。カーレンタソの可愛さは異常。 シリーズとか書いてますが、続くわけが無いと思っている。 あと、この町はお年寄りばかりなので積極的にゆっくりを虐める人はいません。しかもズボラ。 羊の羽 このSSに感想を付ける
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※れいむを多少愛でますが、それ以上に無意識に虐待します。 ゆっくり童話シリーズ 第一回 「赤い靴」 あるところにれいむという名の若くてかわいいゆっくりがいました。 れいむは、すっきりー!しすぎて腰を痛めたおかあさんありすのためにまいにち食べ物を探しにいきます。 ですが、若いゆっくりに2匹分の食料を集めることは出来ません。 しかたがないので自分の分を巣の外で食べ、残ったほんの少しの食べかすをおかあさんありすに持って帰ります。 おかあさんありすは栄養が足りなくて日に日に弱っていきます。 痛めた腰も直りません。退屈紛れに泥団子で作ったまりさとすっきりーしようとするせいです。 ある日、れいむはおかあさんありすに言いました。 「れいむもおおきくなったから、ごはんがたりなくなってきたよ。 れいむはあたらしいおうちをさがしにいくけど、うごけないおかあさんはここでゆっくりしていってね!」 「どう゛じでぞんなごどい゛う゛の゛おおお!!!!いっじょにすっぎりじょうよおおおおおお!!!!」 おかあさんありすは別れを惜しみますが、れいむの足を止めることはできません。 無理をして飛び跳ねたので、着地したときに腰が破けて中のカスタードクリームが勢いよく飛び出します。 「ゆぎゃああああああああ!!!ずっぎりじずぎだげっががごれだよ!」 その言葉を最後におかあさんありすは動かなくなりました。ですが、れいむはもう巣から出て行った後でした。 巣を出たれいむはもっと食べ物があるという人間の町に行くつもりでした。 それはおとうさんれいむが生きていたころにお話してくれたとてもゆっくりできる場所です。 途中で出会った子まりさや子ありすをおやつにして、れいむはようやく町にたどり着きました。 地面が土から大きめの石になっていましたが、若くてぴちぴちなれいむのお肌はその上でもゆっくりできます。 「むーしゃ、むーしゃ。しあわせー♪ゆっ!ゆっくりしてたらまちについたよ!さすがれいむ♪とってもゆっくりしてるね☆」 もう夕暮れ時なので、見える範囲には殆ど人間は居ません。 れいむは町に着いたらおうちと食べ物がすぐ見つかると思っていたので、自然と喜びの声が出てしまいます。 「ゆ~ん、ゆ~ん。かわいいーれいむの、おうちとごはん♪ま~ってーてねー。」 気持ちよく歌いながら歩いていると、近くの窓から頭と骨だけになった生魚が飛んできました。 べちっ「ゆぶふっ!?」 れいむはその勢いで路地へと転がります。ころころ。 「れいむにぶつかったわるいこはおしおきだからね!いますぐあやまってね!」 魚はなにも答えません。死んだ魚の目でれいむをみつめるだけです。 「ゆ!はんせいしないなられいむにもかんがえがあるよ!・・・むーしゃむーしゃ・・・い゛だいいいいいい」 謝らなかった悪い魚はれいむにたべられてしまいました。 ですが、そのするどい骨はれいむの口の中に深く突き刺さってれいむをくるしめます。 舌より奥の餡子に入ればすぐに骨は餡子になるのですが、刺さっているので飲み込むこともできません。 しばらく路地でぎゃあぎゃあと醜い悲鳴を上げていると、れいむに声をかける人間が居ました。 「あらあら、たいへん。あなたどうなさったの?」 それは丸い老眼鏡をかけた白髪のおばあさんでした。 助けが来たとれいむは喜んでおばあさんのほうへ駆け寄ります。 「ゆぎゃあああああああ!!!」 口の中に刺さった骨は飛び跳ねることによってより深く刺さり、れいむの餡子へものすごい痛みを伝えます。 大きく口を開けて叫ぶので、おばあさんも鷹の目(ホーク・アイ)で魚の骨を見つけました。 「すぐにとってあげますからね。ほら、大丈夫ですよー。」 やさしくれいむを抱きかかえるおばあさん。 れいむはようやく痛みから解放されると思って脱力しました。 おばあさんは裁縫が得意なので、刺さった魚の骨を抜かずに押し込んで背中から取り出します。縫い針みたいですね。 全部抜き終わるころにはれいむは静かになっていました。口から泡を吹いて安らかな顔で眠っています。 このままここに置いていくのもかわいそうだと思ったおばあさんは、れいむを家につれて帰ることにしました。 次の日、目を覚ましたれいむはとてもゆっくりしていました。 なぜなら、れいむが寝ていたのはとてもやわらかいクッションで、かわいい人形がいっぱいの部屋だったからです。 部屋の真ん中にはお皿が置いてあり、中にはクッキーが入っていました。 昨日はとても疲れたような気がしたのでれいむはそのクッキーを一息に食べます。 「むーしゃむーしゃ。しあわせー♪あまあま、おいしー☆おとうさんのいったとおり、まちはとってもゆっくりだね。くすくす。」 幸せそうな笑顔を浮かべるれいむを昨日のおばあさんが見つめています。 おばあさんは家族が居なかったので、クッキーをおいしそうに食べてくれるれいむを飼ってもいいな。と思いました。 れいむがおばあさんと暮らし始めて最初の日曜日、おばあさんはれいむに贈り物をしました。 それはとても綺麗な赤い布でできた靴でした。 町は石畳なので、全裸のれいむが飛び跳ねるには少々危険なのです。 靴を装着してもらったれいむは鏡をみて驚きました。 そこにいたのはれいむの赤いリボンとおそろいの模様が付いた靴のとてもかわいいれいむ。 ”とーたるこーでぃねーと”とでも言いましょうか。 ゆっくりの丸い体の下半分を覆うその靴はすぐにれいむの宝物になりました。 「おばあさんありがとう!ちょっとそとのゆっくりにかわいいれいむのくつをじまんしてくるよ!」 言うが早いか、れいむは一人で飛び出します。 おばあさんの家は猫用のドアが扉に付いているのでゆっくりでも自由に出入りができるのです。 でていくれいむをおばあさんはゆっくりと見つめていました。 「あの子、一人で戻ってこれるかしら・・・まあ猫みたいなものだし、大丈夫よね。」 外に出たれいむは改めてみる人間の町の美しさに見とれてしまいます。 硬くてゴツゴツしているけれど跳ねやすい道。おばあさんの赤い靴のおかげで全く痛くありません。 いたるところに植えられた色とりどりの花。れいむのためにおやつとしていっぱい用意してあるのでしょう。 町の中心には大きな噴水がありました。れいむはそこでお水を飲みながら、靴を自慢するため他のゆっくりを探します。 「ゆぅ~ん。れいむのきれーなくつをみせたら、どんなかわいいゆっくりだってれいむにめろめろだよねー。」 一人で身をよじらせてクネクネしている様を人間がくすくすと笑いながら見ていますがれいむは気づきません。 夕方近くになって、ようやく路地裏からみすぼらしい姿のありすが噴水までやってきました。 れいむはおなかもすいてきたのでそろそろ帰ろうと思っていましたが、待ってましたとばかりに言いました。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりすっきりしていってね!」 ありすは発情ありすでした。ものすごい勢いで噴水まで駆け寄ると、噴水の淵に乗っていたれいむの所まで一跳びで上りました。 れいむはかわいいだけでなくかしこいれいむなので、ありすはおかあさんありすと同じようにすっきり中毒だと見抜きました。 ですが、ゆっくりそんな分析をしていてはありすからは逃げられません。 「はぅーん、あかいくつをはいたれいむはとてもとかいはだから、きれいなありすのおよめさんにしてあげるねえええ!」 「ゆ゛う゛う゛っ!みにくいありすはかわいいれいむとはつりあわないよ! かってにれいむにさわらないでね!ばかだね!どろにんぎょうとでもすっきりしたらいいよ!」 かしこいれいむもゆっくりなので自分が先程言った言葉も忘れています。 一方、ありすはきれいに着飾ったれいむにめろめろで辛抱たまらん!といった様子で強くれいむを押さえつけます。 ゆっくりが一匹乗るだけの幅しかない噴水の淵ではれいむはありすを振りほどくことができません。 間違って噴水に落ちればゆっくりできなくなってしまうのですから。 れいむはもぞもぞと抵抗にもならない力でありすを押し返しますが、それはありすを興奮させるだけです。 「まぁ!れいむはありすのためにじぶんでうごいてごほうししてくれるのね?いじらしいわああああああ!!!」 ありすは嫌がるれいむをお構い無しに責め立て、すっきりへの快感をむさぼっていきます。 れいむはなすすべも無く蹂躙される屈辱に、涙を流しながら耐えるしかありませんでした。 「んほおおおおおおおおおおお・・・・すっきりー!」 「・・・すっきりー・・・」 激しい野外プレイもようやく終わりを告げ、ありすは去っていきました。 自分さえすっきりできれば別に誰でもよかったようです。 取り残されたれいむは自分がすっきりー!させられたことによって子供ができてしまうことを悲しみました。 まだ若くてかわいいれいむなのに子持ちになったら自由などありません。 それどころか、できる子供の数によっては栄養を吸い尽くされてれいむは干からびてしまうかもしれません。 きれいな噴水に沈んだらゆっくりできるかなーと思って水面を覗き込んだときにれいむは気づきます。 水に映るれいむの頭には蔓は生えていません。おばあさんの赤い靴がありすの邪悪なすっきりー!から身を守ったのです。 むりやりすっきりー!させられた悔しさは残りましたが、れいむはまだゆっくりできるのです。 こんなすばらしい靴をつくってくれたおばあさんに、れいむはごほうびをあげたいと思い、いそいでお家に帰ります。 れいむは最初に町に来た日以来、ずっとおばあさんの家でゆっくりしていたのでどこがおばあさんの家かわかりません。 いつの間にか日が暮れて真っ暗になってしまいました。おばあさんもきっと心配してれいむをさがしているでしょう。 真夜中になってもれいむはおばあさんの家を見つけることができません。おばあさんは探しにも来ません。 人間の家は全部同じに見えるので、体当たりすれば中に入れる不思議なドアだと思って、れいむは何度も硬い扉にぶつかりました。 れいむはその度に、来客を確認しに開かれたドアによって顔面を強打しました。 もはやれいむの顔は凹凸がなく、絶壁といってもいいくらいに平らになりました。 「ゆぐぅ、こんなゆっくりできないおうちにはようはないよ・・・」 おなかもすいて、心身共にボロボロになったれいむは、ふらふらと町をさまよいます。 とりあえずゆっくりできるところを探して、ついにゆっくりできそうな丁度いい大きさの穴が、レンガの家の壁にあいていました。 しかもその穴からはとてもおいしそうな香りが漂ってきています。 その穴の横にはイスとテーブルがあり、それに登れば穴の前の足場までいけそうです。 「・・・あそこなられいむがひとりでゆっくりできるよ。さがしにこない、いじわるばばあもはいってこれないね・・・」 れいむは痛む体を早く休ませたい一心でイスを、テーブルをよじ登り、壁の穴へ飛び移ります。 べちゃん! かわいそうなれいむは足を滑らせ、石畳へ落ちてしまいました。足の皮が破れ、そこから餡子がもれ始めます。 ですが、なんということでしょう!おばあさんの赤い靴は、れいむの足をきれいに包んでいるので餡子は殆ど漏れ出しません。 もはや悲鳴を上げるのも疲れてしまったれいむですが、硬い石の路上で眠れるほど田舎者のゆっくりではありません。 二度、三度と同じことを繰り返して、ようやく壁の穴までたどり着きました。 「もう、つかれたよ。かわいいれいむはこのおうちでゆーっくりしていってね。」 一人でゆっくりしていってねを言うと、れいむはおいしそうな香りの中で深い眠りに落ちていきました。 翌朝目が覚めると、れいむの足の傷はふさがっていました。おばあさんの赤い靴はれいむの命を何度もつなぎました。 「ゆっくりしたけっかがこれだよ。さっすがー」 喜びの声を上げるれいむ。と、同時におなかがなります。先日の昼食以来、水しか飲んでいません。 れいむは思い出したようにあたりを見回します。おいしそうな香りの出所を探しているのでしょう。 入り口は狭い穴でしたが、中は以外に広々としている一部屋の石造りになっています。 れいむはその穴の片隅に、平べったく焼けた物を見つけました。 「むーしゃ、むーしゃ。うっめ、まじうっめ、これちょwwwぱねぇwww」 はしたない声を上げてれいむはそれを食べます。食べます。食べます。 「ゆふーん。しあわせー!」 平べったいものを全部食べつくしたれいむはそのままとてもゆっくりして、二度寝を始めてしまいました。 余程疲れが溜まっていたのでしょう、その寝顔はだらしなく伸びきって、時々いびきのような音が漏れます。 熱い。れいむは足元から来るあまりの熱さに飛び起きました。 飛び起きたつもりですが、れいむは飛び上がることはできません。 なぜなら、れいむの足は既にこんがりと焼かれ、固まってしまっていたのです。 れいむの周りには、寝る前に食べた丸くて平べったいものが一杯置いてあります。 そう、そこは伝統のピッツァ窯の中。れいむはそんなものは全く知りませんが。 「ゆぎゃあああああ!ゆっくりしないでここをでるよ!!」 跳ねようと足に力を込めるれいむ。足はぴくりとも動きません。 (熱い、痛い、熱い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い、いたいいたいいたいいたいいたいいたい・・・・) 深い眠りによって、れいむは起きるのが遅くなってしまいましたが、おばあさんの赤い靴はまだれいむを守ります。 熱く焼かれた石のオーブンの上で、れいむの足の皮が石に張り付いていないのは赤い靴のおかげです。 ただし、動くことができなくなったれいむにとって、それは何もありがたいことではありませんでしたが。 「どぼぢでれ゛い゛む゛のあじうごがな゛い゛のおおおおおおお」 れいむは泣き叫びますが、誰もその声には気付きません。そうしているうちにも、どんどんれいむは焼かれていきます。 足の皮が火ぶくれを起こし、爆ぜ割れました。 そこから、れいむの餡子が飛び出します。 けれど、おばあさんの赤い靴はれいむの命の餡子を外へ逃したりはしません。 ぱちん、ぱちん、ぱちん・・・・・ 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎ・・・・」 餡子が沸騰して、皮が破れ、普通のゆっくりならばとうに原型をとどめていないでしょう。 赤い靴はとてもいい布でできているので、そう簡単には燃えたり、破れたりはしません。 おかげでれいむは全身がぐつぐつと煮えたぎっているにもかかわらず、まだ生きているのです! ついにれいむの頭の皮が破れました。長い苦しみももう終わり。 しかし、赤い靴は形を変えません。熱によって固まった靴は、今や鍋のようです。 口も溶け、目も、髪も、リボンも餡子のスープに沈みました。 ですがれいむの苦しみは続きます。餡子はまだ一滴もこぼれていないのですから。 全身を、生きながらに焼き尽くされても死ねない事に、れいむは恐怖しました。 判るのは、窯の奥で固まっていた物のように、れいむはこれから毎日焼かれ続けるだろうということだけです。 参考文献:世界名作アニメ絵本14 赤いくつ 書いてるのがドン詰まりしたので気分転換です。カーレンタソの可愛さは異常。 シリーズとか書いてますが、続くわけが無いと思っている。 あと、この町はお年寄りばかりなので積極的にゆっくりを虐める人はいません。しかもズボラ。 羊の羽 このSSに感想を付ける
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てぃーたいむP【登録タグ 作て 作り手】 【ニコニコ動画】 特徴 UTAUでオリジナル曲を発表している。 各種UTAUライブラリを使用するが、波音リツの使用が多い。 リンク Twitter 曲 Always June Bride Larmes Nookery Nostalgia Solitude Sorrow Of Parting twinkle あめのちなると きょうのゆめ 虚構のタントラ 追憶 にちようびのうた 背徳のマリオネット 秘密の物語 ヨーグルト CD EFB EXIT TUNES PRESENTS UTAUSEKAI ピコピコンピ! 動画 コメント 名前 コメント
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「おねえちゃん、おやさいがおちてるよ!」 「きょうからここをれいむたちのゆっくりプレイスにするよ!」 畑仕事がひと段落つき、干草に寝っ転がっていると近くからなんとも自分勝手な主張が聞こえてくる。 また出やがったな、害獣ゆっくり。幻想郷の作物を食い荒らす迷惑な生き物だ。俺は鍬を手に取り、ゆっくり共の背後に忍び寄った。 実は俺、虐待お兄さんである。だが、飲まず食わずでも平気な妖怪虐待お兄さんと違い、人間の俺は食べなければ餓死する。 しかたなく、オヤジから継いだ畑で農家をやっているのだ。 本当は加工場に勤めたかったんだが、志望動機に『ゆっくりをいじめることなら誰にも負けません』と書いたら 『加工場はゆっくりを虐待する場所ではありません。貴方は何か勘違いをしているようですね。』 と言われてしまった。なので、農作業の合間に畑に現れたゆっくりを潰すのがせめてもの息抜きなのだ。 荒い息を抑え、ゆっくりの背後の木の陰に隠れる。どっちから先に潰そうか…。よし、れいむの姉妹のようだし姉のほうから潰そう。 んで、妹が「お゛ね゛えぢゃん゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」とか喚くところを蹴り飛ばしても良いし、畑に生き埋めってのもいい。 自力じゃ降りられない木の上に放置っていうのもいいな。 そんなことを考えていると、ふと思いついた。ゆっくりの中でも母性や家族愛が強いれいむ種。そんなヤツラの絆(笑)を引き裂くのはどんなに楽しいだろうか! 一瞬にして幾通りものパターンが頭の中でシミュレートされる。口端が釣り上がるのを押さえられない。ひゃあ!虐待だぁ! 「やあ、ゆっくりしてるかい?」 ゆっくり姉妹に声をかける。 「ゆっ!おじさん、ここはれいむたちのおうちだよ!!ゆっくりでていってね!!」 「おねえちゃん、にんげんだよ!にんげんにあったらすぐににげろっておかあさんもいってたよ!」 「だいじょうぶだよ!れいむのことはおねえちゃんがまもるよ!!」 なんて美しい姉妹愛。ああ、空気を吸って身体を膨らませている姉れいむを叩き潰したら、妹れいむはどんな声で鳴いてくれるのか…!!! だが、ここで欲望に負けるわけにはいかない。目先の快楽に捕われては、真の虐待お兄さんとは言えないのさ。 「大丈夫だよ、実はお兄さんは君達にもっとゆっくりできる場所を教えてあげようと思ってきたんだ。」 「ゆゆ、ほんとう?」 俺は農具小屋に向かって歩き出す。饅頭どもは半信半疑についてくるが、小屋の扉を開けてやると 「ゆっくりできそうだよ!」 「きょうからここをれいむたちのおうちにするよ!」 と早速お家宣言だ。跳ね回るゆっくりたちに屑野菜を放ってやり、俺は小屋の扉を閉めた。 ここならゆっくりがぶつかったところで壊れるものなど無い。さあ、後はアイツを待つだけだ。 二日ほど経った。ゆっくり共は納屋に監禁したままだ。時折中を覗くと、二匹仲良く跳ね回って遊んでいる。エサは屑野菜や生ゴミを投げ込んでやっている。 実はこの農具小屋、まだ俺が虐待お兄さんだった頃にゆっくりを監禁する場所にしていた。 攫ってきたゆっくりが、いざ虐待の際に弱りきっていてはつまらないので、ゆっくり用の遊具を置いて元気でいられるようにしてあるのだ。 そして、畑のほうには待ち望んでいたアイツ。特別ゲストの登場だ。 「きょうからここをまりさのおうちにするんだぜ!!」 「やあ、ゆっくりしてるかい?」 「ゆっ!おじさん、ここはまりさのおうちだぜ!!ゆっくりでていってね!!」 「大丈夫だよ、実はお兄さんは君達にもっとゆっくりできる場所を教えてあげようと思ってきたんだ。」 俺はまりさを小屋まで案内してやる。 「「ゆっくりしていってね!!」」 出迎えるのはれいむ姉妹だ。 「やあ、れいむ達!今日からまりさもここでゆっくりさせてあげてね!」 「ゆっ!!まりさがいるよ!」 「ゆっくりしていってね!」 「ゆ…ゆっくりしていくぜ!!」 準備完了。早速三匹は俺の作ったゆっくり用滑り台で遊んでいる。俺は小屋の戸を閉め、農作業に戻った。 その日の夜。寝る前に小屋に入り込むと、中では三匹が思い思いの場所で寝息を立てている。俺はまりさの頭を掴み、小刻みに振動を与えた。 「ゅ…?ゆぅうぅう…!」 途中で目を覚ますまりさ。しかしその目はトロンとしている。これでは体が火照って眠れまい。見ていると、まりさは手近なれいむに夜這いを掛け始めた。 「ゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆっゆーっ!!!」 れいむのほうは身体は反応しているが、起きてはいないようだ。まりさが体を揺らすたび、泡立った粘液が二匹の身体を伝う。 「んほおおおおおおっ!!すっきりー!!」 やがて、まりさがすっきりする。夜這いを掛けられたれいむの方も、心なしか顔がすっきりー!の顔になっている。 しばらく待つと、れいむの頭から小さな目が出てきた。交合成功だ。さてまりさ、お前はもう用済みだ。死ぬ前にいい思いが出来てよかったな。 翌日、れいむ姉妹はまりさがいなくなっている事にショックを受けたようだが、それ以上に新たな命を授かったことが嬉しいようだ。 妹れいむの頭の上には蔓が伸び、八つほどの実が生っている。まだ爪の先ほどの大きさだが、いずれ拳大の大きさの赤れいむとなる。 その日はお祝いということで、いつもの屑野菜と一緒に餡子を投げ込んでやった。 ゆっくり一匹分、昨日迷い込んできたまりさの大きさと同じくらいの量の餡子だが、 「うっめ!めっちゃうっめ!」 「まじぱねえ!」 と意地汚く食べていた。 さらに三日ほど経った。小屋からは饅頭共の跳ね回る音は聞こえなくなり、代わりに 「ゆ~♪ゆ~♪ゆ~っくり~♪して~♪いってね~♪」 だの下手糞な歌が聞こえてくるようになった。 エサをやりにいくついでに様子を見ると、実の大きさもビー玉くらいになり、早いものは髪や目や口が形成され、時折ぷるぷる震えている。 れいむ達はそれを見ては顔をほころばせている。そろそろ頃合だな。 その日の夜、俺は再び小屋に忍び込んだ。みると、姉妹は寄り添って眠っている。妹れいむが姉れいむに寄りかかっている状態だ。 なるほど、妹が体勢を崩さないようにしているんだな。 月の明りを頼りに懐からキリを取り出し、先端をライターで炙る。そして、蔓から生えている一番大きな赤れいむに焼けた針を数回突き刺した。 「み゛ゅ゛っ!」 小さな目をカッと見開いて、赤れいむは生涯を閉じる。通常のゆっくりではこんなもので殺せないだろうが、体の小さな赤ゆっくりはそうもいかない。 おお、目と口から煙を噴き出していて笑える。その調子で合計七つの実を焼き殺した。残ったのはやっと目、口が出来始めた実が一つ。 これなら何が起きたか気付くまい。そのまま小屋を出、俺は眠りに就いた。 翌朝、農作業に使う鋤を取りに小屋に入ると、れいむ姉妹は白目を剥いて気絶していた。起きたら赤れいむがほぼ全滅していたのが相当ショックだったようだ。 とりあえず頬をひっぱたいて起こしてやる。 「おい、大丈夫かれいむ?」 「ゆっ…おに゛い゛ざん゛!!れ゛いむ゛のあがぢゃん゛があ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「いも゛う゛どのあ゛がぢゃん゛がしん゛じゃっだよ゛お゛お゛ぉ゛!!」 取り乱して涙やら涎やらを撒き散らしている。おお、きもいきもい。 「まあ落ち着けお前ら。まだ一匹残っているじゃないか。」 「ゆ゛っ゛!れ゛いむ゛のあがぢゃん゛!!!!」 どうやら気付いたようだ。しかし七匹も死んだという事実はこたえているらしい。涙をボロボロと流して、 「どうじでごんな゛ごどに゛い゛い゛ぃ゛!!」 と叫んでいる。さて、ここからが俺の演技力の見せ所だ。まあ、ゆっくり相手なら誰だって騙せるんだろうが。 「これは栄養失調だな!妹れいむの栄養が足りなかったんだ、このままでは残りの赤ちゃんも死んでしまうぞ!」 「ゆ゛ーっ゛!?え゛い゛よ゛う゛しっぢょう゛!!!?」 「ごめ゛ん゛ね゛え゛、おがあ゛ざんがえ゛い゛よ゛う゛しっぢょう゛のぜいで、ごめ゛ん゛ね゛え゛ぇ゛!!!」 あっさり騙された。というかそんなもち肌で何が栄養失調だ。こいつらには屑野菜や生ゴミしか与えていないが、それでも雑草や虫よりは栄養価が高い。 お前らで栄養失調なら野生のゆっくりなんてみんな干からびてるっての。それは置いておいて、演技続行だ。 「残った赤れいむを救う方法は一つしかない。お前達、やれるか?」 「ゆ゛っ゛!!おね゛がいじまず、れ゛い゛む゛のあがぢゃんだずげでぐだざい゛!!」 「いも゛う゛どのあ゛がぢゃん゛を゛だずげであげでえ゛え゛!!」 よし来た。俺は小刀を取り出し、姉れいむの頭頂部を突き刺して一捻りする。すぐに頭頂部には穴が開き、餡子を覗かせた。 「ゆ゛ーーっ゛!!!おね゛え゛ぢゃん゛にな゛に゛ずるの゛お゛お゛お゛お゛ぉ゛っ゛!!!」 妹のほうが叫んでいる。一方姉のほうは白目を剥いて痙攣している。そう慌てるな妹よ、次はお前の番なんだから。 今度は妹れいむの蔓を掴み、根元付近を小刀で一周させたあと、少し力を込める。すると、蔓は根ごとすっぽ抜けた。もちろん妹れいむはショックで気絶している。 すぐさま姉れいむの傷口に根の部分を突っ込み、接合部に小麦粉を振りかけてやる。妹れいむの頭も小麦粉で塞ぐのは忘れない。 気付けにオレンジジュースを二匹にぶっ掛けてやれば作業終了だ。 妹れいむは目覚めるなり頭上の蔓がなくなっていることに気付き、 「れ゛い゛む゛のあがぢゃん゛ん゛ん゛!!」 と怒鳴っている。まあ落ち着け。落ち着いてお前の姉貴の頭を見てみろ。 「ゆっ?れいむのあかちゃんがおねえちゃんのあたまにいるよ!?」 「おにいさん、いもうとのあかちゃんになにしたの!ゆっくりせつめいしてね!!」 詰め寄るゆっくり共。うざい、潰したい。いや、我慢我慢。 「妹れいむは栄養失調だからな。健康な姉れいむだったら、赤ちゃんを死なせないで産んであげられるから、差し替えた。これで赤ちゃんは助かるぞ!」 「「ゆーっ!!!!おにいさんありがとう!!!!」」 まあ気にするな。赤ゆっくりを殺したのは俺なんだから。 翌日。他の赤ゆっくりを間引いた結果、残った一匹は栄養を独り占めして破格の成長を遂げた。 通常ならあと三日はかかるところを、すでに目、口、髪、リボンが形成され、 「ゆー、ゆー」 と声を上げることも出来る。生き残ったのはれいむ種だったか。 「ゆっきゅいしちぇいっちぇね!」と喋れるようになるのもすぐだろう。明日には蔓から離れるかもしれない。 妹れいむは姉れいむの頭上を見上げ、 「ゆ~♪れいむがおかあさんだよ!ゆっくりしてね!」 「はやくおかあさんといっしょにゆ~っくりしようね~♪」 と声をかける。一方、姉れいむのほうは微妙な表情を浮かべている。この表情…おそらく俺の企ては成功している。だが、確証が欲しかった。 「おーい、妹れいむ!もうすぐ赤ちゃんが生まれそうだから、お祝いにドアのところにお菓子を置いてあるよ!お姉ちゃんれいむにゆっくりとってあげてね!」 「ゆっ!?お菓子!?取ってくるよ!!」 妹れいむはドアのほうに駆け、散らばったクッキーを舌で掻き集めている。そのとき、俺は確かに無く耳にした。 姉れいむが頭上の蔓…蔓に実った赤れいむを見つめながら 「れいむがあかちゃんのおかあさんだよ…」 と、妹れいむに聞こえないよう呟くところを。 あああああああああ、ニヤニヤが止まらない!!姉れいむのほうは、たった一日蔓を頭に生やしただけで、母性を持ってしまったようだ。 もう、口の両端が目に届きそうなくらいに笑顔が止まらない。 その日、俺一度も休みを取ることなく、全力で農作業を進めた。明日は、あのれいむ姉妹に付き合ってやらなきゃいけないからな…! 翌朝、小屋に入ると赤れいむが生まれる寸前だった。 姉れいむの蔓の上で、トマトほどの大きさに育った赤れいむは身体をブランコのように揺らし、妹れいむはをそれを見て 「がんばってね!がんばってね!!」 と声をかけている。そして赤れいむが一際大きく揺れると蔓から頭がちぎれ、ぽてりと地面に落ち… 「ゆっきゅいしちぇいっちぇね!」 鳴いた。妹れいむは感動のあまり目を潤めている。だが、次の瞬間。 「おかあしゃん!おなかしゅいた!!」 赤れいむは。姉れいむに向かって。「お母さん」と言ったのだ。戸惑いながらも、嬉しそうな顔をする姉れいむ。しかし妹れいむは黙っていられない。 「どお゛じでぞんな゛ごどい゛う゛のお゛お゛お゛!!れ゛いむ゛があがぢゃんの゛お゛があざんでしょ゛お゛お゛お゛お゛っ゛!!!」 姉れいむのほうも、悲しそうな顔をして赤れいむから目を逸らす。よく分かっていないのは赤れいむだ。 「ゅ?れいみゅのおかあしゃんはこっちだよ?」 言いながら姉れいむのほうに飛び寄る。妹れいむは半狂乱になって 「ちがうの゛お゛お゛お゛っ!!れ゛い゛む゛があがぢゃん゛の゛お゛があざん゛な゛ん゛だよ゛お゛お゛っ!!!」 と訴える。まあそうなるだろうな、赤れいむは物心ついたときには姉れいむの頭の上だったんだから。 こうなると、気になるのは姉れいむの反応だ。姉れいむは悲しそうな顔をして 「ゆう、あかちゃんのおかあさんは、あっちのれいむだよ。あっちのれいむをおかあさんってよんであげてね…。」 おお、母性愛よりも妹を気遣う家族愛が勝ったか。てっきり妹に向かって「このこはれいむのあかちゃんだよ!」ぐらい言うかと思ったが。 そんな姉の気遣いにも気付かず、妹れいむは赤れいむと姉れいむの間に割って入り、 「おねえちゃんはゆっくりむこうにいってね!!」 と威嚇する。あー、本当笑える、こいつ等。 それからも修羅場は続いた。赤れいむが滑り台の着地に失敗したとき、「おかあしゃーん!」と泣きながら見るのは妹れいむに気を使い、離れている姉れいむのほ うだ。 妹れいむが(俺の用意した)昼飯を持ってきた時も、姉れいむのほうを見て「おかあしゃんもいっちょにたべよ?」といった後、慌てて「ゆっきゅりまちがえちゃ った!」だと。 そのたびに姉れいむは悲しそうな、済まなそうな顔をし、妹れいむは「れいむがおかあさんだよ!!」声を荒げる。そんな光景が昼間中続いた。 夕方になった。赤れいむも学習能力が出てきたのか、ここ三時間ちかく姉れいむを「おかあしゃん」と呼んでいない。今は歌を歌っている最中だ。姉れいむは少し はなれたところでそれを聞いている。 「ゆ~♪ゆ~♪ゆっくりしていってね~♪」 「しちぇいっちぇね~♪」 俺には不快な音波にしか聞こえないが、ゆっくり共にはそうでもないんだろう。目を閉じて聞き入っている。だがそのとき、赤れいむの悪い癖が起きた。 「ゆ~、おかあしゃんもいっちょにうたお?」 うっかり姉れいむに「お母さん」と呼びかけてしまったのだ。妹れいむの頬が膨れていく。アレはキレてる。相当キレてる。 「なんで!わからないの!れいむが!おかあさんだよ!!」 赤れいむのすぐ近くで地団太を踏むようにジャンプする。赤れいむのほうは本気で怒られて涙目だ。 「もういいよ!!そんなにおねえちゃんがすきなら、おねえちゃんのあかちゃんになればいいんだよ!!」 言いながら、妹れいむは赤れいむに体当たりした。人間で言えば思わず手が出てしまったというところか。 しかしゆっくりだと手が出てしまったでは済まない。その体格差には赤れいむは一メートルほどポヨポヨと跳ね、泣き出してしまう。 瞬間。 妹れいむは。 猛スピードで体当たりしてきた姉れいむに弾き飛ばされた。 一メートルなんてものではない。ノーバウンドで跳ね飛ばされた妹れいむは壁で跳ね返り、赤れいむから少し離れた場所でやっと起き上がる。 その赤れいむまでの距離を遮るように、姉れいむが立っていた。 「れいむのあかちゃんになにするの!!!いもうとでもゆるさないよ!!!!」 ここで母性愛が勝ったー!一瞬睨み合った後、お互いに飛び掛って喧嘩を始める姉妹。 いや、これは喧嘩なんてものではない。転げ周り、お互いの身体に食いつき、跳ね飛ばし、踏みつける。 まさに殺し合いだ。傍目からはネコの喧嘩に見えるが。 俺は赤れいむが巻き添えを食わないよう手の上に乗せてやった。赤れいむは涙を流しながらその光景を見つめている。 やがて、体格差を生かした姉れいむが妹れいむに噛み付いたままのしかかる。 姉れいむが妹れいむに「れいむのことはおねえちゃんがまもるよ!!」って言ってたのは一週間前だっけ? とにかくこのままでは死んじまうな。俺は二匹を引っぺがした。 「おにいさんなにするの!!」 「じゃましないでね!!」 で、二匹揃って俺の手の上の赤ゆっくりに気付く。 「「れいむのあかちゃんをはなしてね!!!」」 お互いにその発言が気に入らなかったのか、すぐさま戦闘態勢に入る二匹。 「まあ、待て二匹とも。」 二匹は互いを警戒しあいながら俺のほうを見る。ああ、俺はこの一言を言いたかったんだ。この一言のために、今まで準備をしてきたんだ。 今までの準備が走馬灯のように頭をよぎる。ああ、やっと報われる。このために、潰したい饅頭を潰さずにがまんしてきたんだ。 ようし、言うぞ?言っちゃうぞ? 「そんなに自分の子供って言うなら、この赤れいむをお互いに引っ張って、勝ったほうが母親ってことにすりゃいいじゃん。」 言って、赤れいむを二匹の合間に放り投げる。二匹は一瞬間をおいた後。 「いぢゃい゛い゛い゛いっ!!!お゛があじゃん゛、い゛だいよお゛お゛お!!!!はなじでええ゛え゛え゛え!!!」 「あかひゃんがひたがってうよ!!!!ゆっくいはなふぇええええ!!!」 「そっちがはなへええええええ!!!!」 おお、醜い醜い。姉れいむは赤れいむの髪を、妹れいむは赤れいむの顎を噛み、それぞれの方向に引っ張る。 赤れいむのほうはかわいそうに、二倍近く伸びてしまって口から餡子を吹き出している。 「あかひゃんのあんこがでひゃってるよおおお!!!」 「おねえひゃんがはなへばあああ!!!?」 「おまえがはなふぇええええ!!!!」 一方赤れいむは、体の真ん中から裂け始めている。 「もっちょ…ゆっきゅり…しちゃか…」 でた、断末魔宣言だ。言い終わったと同時に、二匹は吹っ飛んだ。赤れいむが千切れた反動だ。 「ゆ、あかちゃん…は…?」 「れいむの…あか…ちゃん…」 …。 ……。 ………。 「「むーしゃむーしゃ、しあわせ~♪」」 食うのかよ!!!しばらくたち、二匹とも口の中のものを咀嚼し終わった時点で、ようやく口の中に広がった甘味の原因に気付いたようだ。 「れいむの…あかちゃんが…いもうとに…」 「おねえちゃんが…れいむのあかちゃんをたべちゃった…」 「よくも…!!!」 「れいむのあかちゃんを…!!!」 「「ゆっくりしね!!!!!」」 再び始まる大乱闘。今度は止める理由も無い。俺は小屋の戸を閉め、家に戻った。あー、井戸水で冷やしておいた西瓜うめぇ。 完全に日は落ちた。小屋のほうからは物音一つ聞こえない。西瓜を食べ終わった俺は、小屋のドアを開けた。 みると、そこら中に散らばった餡子。小屋の真ん中では、千切れたリボンの近くで荒い息を吐く傷だらけのれいむが一匹。 辺りにはゆっくりの表皮や目玉が散らばっている。 コイツ、妹れいむか?姉れいむか?今までは体の大小で判断つけてたんだが、比較対象がなくなっちまってわからない。 れいむのほうは、俺のほうを見ようともせずにふーふー唸っている。さて、どうやって声をかけるかな。 「あーあ。死んじゃったな、二匹とも。」 びくっと震えるれいむ。しかし、その顔はこちらを向かない。 「俺にはよくわからないけどさ。」 言葉を続ける。れいむは動かない。 「あの赤れいむにとっては、どっちも本当のお母さんだったんじゃないかな。」 「ゆ………。」 ゆっくりと出口に這っていくれいむ。そして。 「おにいさん、いままでありがとう…れいむはここからでていくね…」 餡子を片付けた後、小屋の周りを一周してみたが、れいむの姿は無かった。 うん、昔はゆっくりを肉体的にいじめていたが、こういう精神攻めも案外面白いな。 次の獲物はどうやって虐めてくれようか…。よし、今夜は虐待お兄さん復活祭りだ!農家なんてどうでもいいぜ!っひゃあ、虐待だあ!! 数日後、一匹のれいむがドスまりさに討伐された。最近群れに迷い込んできたれいむは、にんっしんっ!しているゆっくりの蔓を片っ端から噛み千切ったのだとい う。 そのれいむは「あかちゃん…やっとあえるね…」と呟き、事切れたそうだ。 /**** 書くのに丸一日かかった。 本当はゆっくりが食虫植物に食われるのを書いていたんだ!でも、 行き詰る→新しいネタ思いつく→メモっておく→もう一度書き始める→行き詰る→新しいネタの続き思いつく→メモっておく→以下ループ。 by町長 /****今までに書いたもの fuku2120.txt 満員電車とゆっくり このSSに感想を付ける
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ゆっくりいじめ系2216 「さあ、おたべなさい!」のこと(上)から 「あー、金と時間損した……ただいまー」 「ゆゆっ!おにいさんがかえってきたよ!!」 「おにいさん、ゆっくりしていってね!!」 玄関のドアが開く音に続いて飼い主の青年の声が聞こえるや、 二個のれいむは押し合いへし合い、お兄さんを出迎えようと玄関に走った。 そんな光景を目の当たりにしたお兄さんは、素っ頓狂な声を上げざるを得ない。 「へっ!? 何で二個!?」 「ゆゆ!おにいさんがたべてくれないからふえちゃったんだよ!!」 「ゆっくりできるれいむがふえて、にばいゆっくりできるよ!!」 れいむ達は、あくまで前向きだった。 お兄さんは「ああ、そういえばこいつ今朝割れたんだっけ」と、どうでも良過ぎて忘れていた事を今思い出した。 ゆっくりが適当な存在であることはお兄さんも承知していたつもりだった。しかしまさか分裂するとは…… 頭を掻きながら家に上がり、とりあえず腰を落ち着けるお兄さんに、れいむ達はぴょこぴょこついてくる。 「おにいさん、れいむおなかすいたよ!!」 「れいむもだよ!!ゆっくりごはんをちょうだいね!!」 「これ食い扶持が増えたってことだよなあ……別にそのぐらい困らないけどよ」 お兄さんはブツブツ言いながら、台所にゆっくりフードを取りに行く。 しかしゆっくりフードは買い置きを切らしており、残っていたのはあと一食分ほどだった。 彼は「しまった」と言おうとしたが、よく考えたら勝手に増えたのはゆっくりの方であることを思い出し、やめた。 他に何か作るか……と思うも、ペットショップ店員の言葉が脳裏に蘇る。 「基本的にこれ以外は食べさせないで下さいね。人間の料理などを食べさせると、舌が肥えますから。 そうすると餌代がかさむようになりますし、ゆっくりも満足出来難くなりますから、どちらにとっても良くないんですよ。 このゆっくりフードがゆっくりにとって、美味し過ぎず不味くもなく、一番ゆっくり出来るバランス食品なんです」 一度彼もゆっくりフードをつまんでみたことがあるが、何とも言えぬ微妙な味だった。 あれなら自分で作った酒のツマミなどの方が、よほど食べ物として上等と言える。 そんなものを食べさせて食事の水準を上げてしまっては、お互いの不幸を招こうというものだ。 仕方なく彼はゆっくりフードの箱を手にし、わくわくと身体を揺する二個のれいむの元へと戻る。 「おい、悪いけど一人前しかないぞ」 「ゆゆっ!?そんなぁぁぁぁぁ!!」 「れいむおなかいっぱいたべたいよ!!」 当然、れいむたちからはブーイングが噴出。しかし彼にとってこれは初めてではない。 以前にもゆっくりフードを買い忘れてしまい、れいむの晩ご飯が抜きになったことがあった。 確かにその晩は機嫌が悪かったが、翌日買ってきた餌を与えると、ケロリと忘れて上機嫌に戻った。 極端な話、数日抜いたところで別に死ぬようなものでもない。そう彼は楽観視していた。 「まあ明日は少し多めに買ってくるから。今日はそれで我慢しとけ」 「れいむおたべなさいしてつかれたよ!!おなかぺこぺこだよ!!」 「れいむだっていっしょだよ!!」 「だったら仲良くはんぶんこしないとな。それがゆっくりってもんだろ」 「「ゆっ・・・」」 しかしこの問題の根は、空腹とはまた違うところに存在した。 れいむたちは「二倍ゆっくりできる」と前向きに考えていたが、事実はそうではない。 お兄さんが与えてくれる有限のゆっくりを、二人ではんぶんこしなくてはいけないのだ。 それでは充分にゆっくり出来ず、満足な「おたべなさい!」が出来るかどうか解らない。 この「ごはんが足りなかった」という一事は、れいむ達の心にそう印象付けるに至った。 しかし内心はそう感じていても、そこはゆっくり。出来る限り波風を立てず、お互いゆっくりする方向で動いた。 「ゆっ、れいむ、いっしょにたべようね。おにいさんをこまらせないでね」 「ゆゆ、わかってるよ!はんぶんこしようね!」 「れいむはゆっくりしてるね!!」 「れいむもゆっくりしてるよ!!」 二個のれいむは形ばかりのすりすりで一応の親愛を高めると、食事に取り掛かった。 とはいえ、ゆっくりの知能で綺麗に二等分など出来るはずもなく、自然と偏りが生じた。 多く餌を取れた方のれいむは、「むーしゃ、むーしゃ♪」と食事に集中している。 そうでない方のれいむは、まだ咀嚼をしているもう一個のれいむを羨ましそうに見つめている。 そんな手持ち無沙汰の状態だったから、お兄さんがぽつりと呟いた一言に気付けたのだろう。 「くだらねえな……」 (ゆっ!?) れいむたちを見下ろすお兄さんの瞳は、どこか冷ややかだった。 いつもはぶっきらぼうながら、どこか暖かみのある視線を送ってくれていたのに。 しかしそれも無理からぬ。青年は心のどこかが次第に冷えていくのを感じていた。 彼は「自分対れいむ」という限定的に完結した関係性の中に意味、救いを見出していたのだ。 それがもう一個ゆっくりが増えたことにより、「れいむ対れいむ」という異なる関係性が生まれた。 人間は人間同士、ゆっくりもゆっくり同士の方が接しやすいだろう。 となると、彼がそこに食い込んでいくのにはエネルギーを使わなければならない。 それが彼には面倒臭い。それは彼が日頃疎ましく感じていた、社会というものの構図だからだ。 実際にはれいむたちは、お互いを内心嫌っており、お兄さんにゆっくりしてもらうことしか考えていない。 だが客観的に事実を見れば、れいむたちはお互いにゆっくりしており、お兄さんは観察者に過ぎなかった。 彼にはゆっくり同士が仲良く過ごすのを眺めるような趣味は無かった。 (いや、これは自己中心的な考えか……) そう思いなおしたとて、一度感じてしまったことを撤回することなど出来はしない。 まあ、長く付き合っていれば色々ある。自分もその内、こういった観察の良さが解ってくるかもしれない。 そう自分を納得させながらも、お兄さんは表情を顰めたままれいむ達に背を向け、PCの前に腰掛けた。 (おにいさんがゆっくりできてないよ。きっとこのゆっくりできないれいむのせいだよ) そんな様を見ていた食いっぱぐれいむは、お兄さんの感情の機微を直感した。 お兄さんは、れいむたちが増えちゃったのを見て、明らかにゆっくり出来なくなっている。 「晩御飯を食いっぱぐれる」という、分裂のデメリットを味わった方のれいむだからこそ出来た発想かも知れない。 このままではお兄さんもゆっくり出来なくなり、れいむの享受出来るゆっくりも、以前の半分以下になってしまうだろう。 まさに負のスパイラル、ゆっくり無き世界。待っているのは絶望だけ。 早急に何とかしなければならない。 ようやく食事を終えたもう一人の自分を見ながら、れいむは決心を固めた。 とにもかくにも、まずはゆっくりしなければならない。 とは言え、れいむ同士では到底ゆっくり出来ない。同じ髪飾りをつけたゆっくりなど気持ちが悪くて仕方がない。 お兄さんが構ってくれなければ、ゆっくり出来ない子と過ごすしかなくなってしまう。そんなの嫌だった。 れいむはネットの巡回を楽しむお兄さんの足下へと縋り付いて行った。 「おにいさん!れいむとあそぼうね!れいむとゆっくりしてね!!」 「えっ? どうしたんだ急に」 「おにいさんとゆっくりしたいよ!れいむとおはなししてね!!」 れいむがこんな風に遊びをせがんで来ることなど、今までほとんど無かった。 珍しいことだとお兄さんが一瞬戸惑っている間に、沢山ごはんを食べた方のれいむが慌てて駆け寄って来た。 お兄さんの足に身体を擦りつけていたれいむを、身体を使って押しのける。 「ゆっ、れいむ!おにいさんのじゃましちゃだめだよ!!」 「ゆゆ、でも、でも・・・」 「おにいさんはゆっくりしてるんだよ!れいむはれいむとゆっくりしようね!!」 「ゆぅぅぅぅ・・・・・」 沢山ごはんを食べて幸せになった方のれいむは、少し心に余裕が出来ていたようで、 「ゆっくり出来ないれいむとでも何とかゆっくり過ごしてやろう」という気概を見せていた。 しかしもう一方のれいむにとって、そんな気遣いはありがた迷惑も良いところであった。 「まあ良いじゃないか、仲良くしてろよ。ゆっくりはゆっくり同士の方が良いだろ」 「ゆゆ・・・おにいさん・・・・・」 「おにいさんもそういってるよ!むこうにいってゆっくりしようね!!」 お兄さんにまで言われては仕方がない。ここでゴネてお兄さんにまで嫌われたらどうしようもない。 部屋の隅に置かれたれいむ用のゴムボールに向かって、意気揚々と跳ねていくれいむと、 後ろ髪を引かれる思いで渋々その後ろについていくれいむ。 お兄さんはその背中をどこか寂しげに見送ると、PCに向き直り、面白動画サイトを見てアハハと笑っていた。 れいむとれいむは交互にゴムボールに体当たりし、キャッチボールのような遊びをしていた。 何だかんだで身体を動かす遊びは楽しいし、遊び相手がいるというのも悪くない。 それでもやはり、相手が自分と全く同じものだと思うと、両者とも良い気持ちはしなかった。 これからお兄さんが仕事に行っている間、ずっとこんな思いをしなければならない…… 一方のれいむは「その内慣れるさ」と自分に言い聞かせていたが、ごはんを少ししか食べられなかった方のれいむは 空きっ腹を抱えながら、来るべき憂鬱な生活を想像して、そんなのは耐えられないと感じていた。 「ゆっ!れいむ、ゆっくりしてる?」 「ゆっ・・・?れいむはゆっくりできてるよ!!」 「いっぱいゆっくりして、おにいさんをゆっくりさせてあげようね!!」 そんなものは欺瞞だ。れいむが二人もいる限り、お兄さんはきっとゆっくり出来ない。 空きっ腹のれいむはボール遊びを中断し、もう一方のれいむの傍に駆け寄った。 「ゆ?どうしたの?れいむもっとあそびたいよ!!」 「れいむきいてね。あしたになったらまたおたべなさい!しようね」 「ゆゆ!?でもまたたべてもらえなかったらたいへんだよ!もっとゆっくりしてからじゃないとだめだよ!」 「だいじょうぶだよ。れいむにいいかんがえがあるよ」 「ゆゆ・・・ほんとう?さすがれいむだね!!」 自分の分身の考えた作戦なら、きっと素晴らしいものに違いない。 疑いもなくそう確信したれいむは二つ返事で承諾し、二人はゆっくりと明日の打ち合わせを始めた。 ヘッドホンを付けて動画を見ていたお兄さんがその密談に気付くことはなかった。 もしかするとそれは、れいむ達が楽しそうにしている声をむざむざ聞きたくないという、ある種の防衛行動であったのかもしれない。 それぞれがダラダラと時間を過ごし、夜は更け、やがて一人と二個は深い眠りについていった。 運命の朝。 お兄さんがいつも通りの時間に起きて来ると、居間のテーブルには二個の饅頭が行儀良く並んでいた。 「「おにいさん、ゆっくりしていってね!!」」 「ああ……おはよう。そういえばお前増えたんだっけ……」 そこ邪魔だからどいとけよ、とれいむたちに言い、流しに顔を洗いに行こうとするお兄さん。 しかしそんなお兄さんを、れいむたちは「ちょっとまってね!!」呼び止める。 「ん……何だってんだよ?」 「おにいさん!きょうこそれいむをたべてもらうよ!!」 「ふたりになったからにばいゆっくりできるよ!!」 「またその話か。だから俺は要らないって」 「えんりょしないでね!いっぱいあるからたべていってね!!」 「あのなあ……」 「れいむ!あれをやろうね!」 「ゆゆっ、わかったよれいむ!!」 「おい、ちょっとは聞けよ」 れいむたちの打ち合わせ。それはお兄さんのおいしい朝ごはんになること。 いっせーの、で二人同時に「さあ、おたべなさい!」をする。 そのまま放っておいてしまえば、可愛そうなれいむは四人に増えてしまう。 れいむが増えるとお兄さんはゆっくり出来なくなるのだから、今度こそ食べるしかあるまい。 お兄さんを脅かすようで気が引けるやり方だが、食べてもらいさえ出来ればゆっくりしてもらえるのだ。 その結果を得るためには、仕方の無い妥協だった。 れいむたちは互いに頷きあい、お兄さんにの顔をきりりと見つめる。そして…… 「「いっせーの、」」 「「さあ!」おたべなさい!!ゆっ!?」 「ああ、また……あれ?」 「さあ!」までは二人同時に発声した。しかし肝心の「おたべなさい!」を行ったのは一方だけだ。 作戦立案をした空きっ腹のれいむの方は、割れたれいむの隣で平然と、丸々と構えている。 お兄さんへの親愛は衰えていなかったため、「おたべなさい!」は痛みもなく上手くいった。しかしこの状況は何だ? 「ゆゆ、れいむどうしたの!?ちゃんとおたべなさいしてね!!」 「・・・・・・」 何か失敗したのだろうかと、割れたれいむが必死に呼びかける。 だが残ったれいむは何も言わず、割れいむが予想もしていなかった行動に出た。 バクンッ 「むーしゃ、むーしゃ・・・しし、しししししあわせーーー♪」 「ゆあああぁぁぁぁぁ!?どうしてれいむがたべちゃうのおぉぉぉーー!!」 れいむが「おたべなさい!」をしたのは、お兄さんに美味しく食べてもらうため。決して他の人間や動物には食べられたくない。 なのに何故かれいむを焚き付けたれいむの方が、お兄さんのためのれいむの身体をむしゃむしゃと食べ始めた。 こんな結末、苦痛と絶望以外の何者でもない。「おたべなさい!」を冒涜されたれいむは、その全生涯を否定されたのだ。 「むーしゃ、むーしゃ♪」 「やめてね!!れいむをたべないでね!!れいむをたべていいのはおにいさんだけだからね!!」 空きっ腹れいむがどんなにゆっくり食べたとしても、一度誰かに口をつけられてしまった以上、 割れいむが「ふえちゃうぞ!」で再生する事は最早無い。同胞……いや、自分自身の裏切りを甘受し、このまま消えていくだけだ。 「どうじてごんなごとするの!!れいむやめてね!!これじゃゆっぐりでぎないよ!! やべてよおぉぉぉぉぉ!!!ゆっぐ」 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせーーーーー♪」 残された半身の口も食べられてしまい、断末魔の叫びが途絶える。 もう一人の自分の身体を跡形も無く食べつくしたれいむは、一回りほど大きくなり、心身共に満たされていた。 れいむはやっぱり、ものすごく美味しかった。こんなれいむをお兄さんが食べたら、一生分のゆっくりが味わえることだろう。 更にそんなれいむを食べたれいむには、ゆっくりが二人分乗算されている……これこそがこのれいむの、真の作戦だったのだ。 でっぷりと膨れた身体を引きずり、残ったれいむはお兄さんに向き直る。 「おにいさん!!れいむはやっぱりすごくおいしいんだよ!!おにいさんもきっとすごーーくゆっくりできるよ!! れいむはゆっくりできるれいむをたべたから、きのうよりもなんばいもゆっくりしてるよ!! こんなにゆっくりしたれいむならおにいさんもたべてくれるよね!!さあ・・・」 「あー、ちょっと待て」 お食べなさい、と言おうとしたれいむを、お兄さんがその手で制止する。 お兄さんは一連の光景を眺めて、どん引きしていた。この上食べてもらえないと泣き叫ばれては敵わない。 「俺、甘いもの嫌いなんだよ」 「ゆ・・・・?」 「食べたらオエッて吐いちゃうぐらいな。だからお前は食えん。悪いが」 れいむの頭は真っ白になった。 どうして? あんな裏切り紛いのことを働いてまで、お兄さんにゆっくりしてもらおうとしたのに…… どうして甘いものが嫌いなのに、れいむのことを飼ってたの? れいむと一緒にいっぱいゆっくりしたら、最後には甘い甘いれいむを食べるって決まってるのに。 れいむのゆっくりは、お兄さんに食べてもらうためにあったのに。 れいむは自分を食べてもらう以上に、お兄さんをゆっくりさせてなんてあげられないのに。 じゃあれいむは、本当はゆっくりできない、いらない子だったの? 次から次へと溢れてくる疑問が、そのまま涙となったかのように目からこぼれて来た。 「ゆっ・・・・ゆぐっ・・・・どうじで・・・・・・・・ゆぐっ・・・・」 「はぁ……別に食べてもらう以外にも付き合い方は色々あるだろ。そう落ち込むなよ」 お兄さんは事も無げにれいむを一瞥すると、洗面所に顔を洗いにいってしまった。 れいむははっと我に返り、お兄さんのあとを必死な顔でついていく。 「おにいさん!まってね!!れいむをたべなくてもいいよ!!だかられいむをきらいにならないでね!! れいむゆっくりできないゆっくりじゃないよ!!おにいさんといっしょにゆっくりしたいよ!! もうあんなことしないからね!!だからあんしんしてゆっくりしていってね!!ずっといっしょだよ!!」 「…………」 バシャバシャと水を顔にかけながら聞いていたお兄さんには、返事は出来なかった。 続く
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『ゆっくり家族とエターナルフォースブリザード』 冬も近づき朝の冷え込みが辛くなってきた頃、奴らはやってきた。 やることもなく家でまったりしていたら突然玄関がガラガラと開いた。 誰も、いない? 居間から玄関は覗けるのだが、扉の開いた向こう側には誰も見えない。 いたずらかと思ったが、疑問はすぐに解けた。 「ゆっくりしようね!」 「ゅ! においがちゅるよ!」 「おいちいたべもののにおいだよ!」 「ゆっくりちようね!」 突然の来訪者はゆっくりだった。 ゆっくり霊夢の家族のようで、扉を開いた母れいむはまだ小さい子供たちを中へと急かす。 子れいむたちの数は4匹。そのどれもが赤ちゃんだ。 まだ雪は降ってないとはいえ寒い中よく来たものだ。 私は立ち上がってゆっくり達の様子を見る。 ちなみに居間と玄関は1つの空間で繋がっているが段差があるので座ってるとゆっくり達が見えないのだ。 れいむ達は相当飢えて余裕がないのかこちらを気付いていないようだ。 あ、でも母れいむはこっちを見たような。いや確実に私を見た。 「こっちからにおいがちゅるよ!」 「じゃあみんなでゆっくりたべようね!」 玄関入って目の前が台所で食糧もそこにまとめてある。 こいつらはそれを食べようとしていた。 冬のために貯めておいた食糧を無断で取られるわけにいかない。 私はそっとゆっくり達の元へ行く。その前に開きっぱなしの玄関も閉めないとな。 「ゆ! かごのなかにあるよ!」 と籠を体当たりで倒そうとする母れいむを掴んだ。 「ゅ? なに? ゆっくりはなしてね!!」 「これは私の食糧だから取っちゃダメだよ」 しかし母れいむは聞かない。 「なにいってるの! ここはれいむたちがみつけたんだかられいむたちのおうちだよ!!」 「しょーだよ! おかーしゃんをゆっくりはなちてね!」 「ゆっくりできにゃいひとはでてってね!!」 「かってにれいむたちのたべものとりゃないでね!」 「しょーだよ! くうきよんでね!!」 口々に私を罵倒してくるゆっくり達。 これは教育しないといけないようだ。もちろん虐め的な意味で。 ちょうど家には親ゆっくりサイズの透明な箱が2つある。 ゆっくりで遊びたい人なら誰でも持ってるあれだ。 私は手早く母れいむと子れいむ4匹をそれぞれ別の箱へと閉じ込めた。 「ゆっくりはやくだしてね!」 餓えていて少し小さい母れいむは箱に入れても余裕があった。 ただ、自由に跳ねまわることはできないので不満そうだ。 「おかーしゃーん!!」 「だちて~!!」 「おなかちゅいたよー!!」 「ゆっくりちゃせて!!」 赤ちゃんサイズの子れいむたちは4匹とはいえ飛び跳ねたりと空間に余裕はあるようだ。 「君たちにはちゃんとあげるよ」 子れいむたちの箱の中に昨日の料理の時に出た生ゴミを入れる。 生ゴミと言っても野菜の切れ端や皮なので十分ご馳走といえるだろう。 「ゅー♪」 「これでゆっきゅりできるね!」 「うっめ! しあわちぇ~!」 「こんなおいしいのはじめちぇ!!」 今までどんなものを食べてきたんだ。とても幸せそうに食べていく子れいむ達だった。 「れいむにもちょうだいね!!」 涎を垂らしながら母れいむも、食事をくれと要求してくる。 「だが断る」 「ゆ"っ!?」 「子供には罪がないし飢えていて可哀想だから食事をあげる」 「でもお母さんれいむはまず私に言うことがあるよね?」 「ゆ…そうだったね…」 お、意外と反省するのが早かったな。これだけ素直なら冬の間飼ってもいいかも。 「いただきます!!! さぁ、いったよ! だからしょくじをちょうだいね!!」 前言撤回。教えてあげないとやっぱりダメだ。 というか、言ってやったぞと勝ち誇ったような顔がすごくムカつく。 「私のおうちに勝手に入ったこと、私を無視して食糧を漁りにいったことを謝ってね」 いやまぁ、外の環境がゆっくり達には辛いのは分かるし子持ちで大変なんだろうけど、 私に気づいておきながら無断で食糧を漁ろうとしたことを母として謝ってほしかった。 「ゆ! しらないよ! ここはれいむたちのおうちなんだからたべものたべたっていいでしょ!」 「分かってないみたいだから食事なしだね」 「なんでぇぇぇぇ!!! れいむはちゃんとわかってるよぉ!!」 「じゃあここは誰のおうち?」 「れいむのにきまってるでしょ!」 「私が元々いたのに?」 「だれもいなかったよ!」 「家に入ってきたときこっち見たよね?」 「ゆ…! しらないよ! とにかくれいむたちのおうちだよ!!」 一瞬言葉が詰まったようだがなかなか強情な奴だ。 「別に良いけど、分からないならずっと食事なしね」 「いやだよ! じゃあここはおにいさんのおうちってことにしてあげるよ! これでまんぞく!?」 大いに不満足だ。私の頭がフジヤマヴォルケイノだよ。 ふと子れいむを見るとぐっすり眠っていた。 きっと疲れていたんだろう。 この子たちはお馬鹿な母れいむのために使わせてもらうとしよう。 私は子れいむの入った透明な箱を持って外へ向かう。 「ゆ! れいむのあかちゃんをどこにもっていくの!!」 「外。でも殺さないしすぐに会えるから安心してね」 「しんようできないよ! ゆっくりいそいでかえしてね!!」 どっちなんだか。 家の脇に水を汲んだ桶を置く。 そして子れいむ達を水の中へと入れる。 うー、さすがに冷たいな。 その水の冷たさに子れいむ達は目を覚ました。 「ゆびべっ!」 「ち、ちべだいよ!」 「み、みじゅ!? ゆっくちできなぃぃ!!」 「しずむよ! うかべないよ!!」 どの子れいむも一言だけ声を発すると桶の底へと沈んでいった。 これだけ冷たければ身が締まってふやけないだろう。それにゆっくりは窒息しないらしいからね。 子れいむ達が逃げられないことを一応確認すると、私は家へと戻った。 「ゆ!! れいむのあかちゃんは!? どこにやったの!!」 「大丈夫。明日には会わせてあげるから」 「なにをいってるの! ふざけないですぐにかえしてね!!」 「じゃあここは誰のおうち? 答えたらすぐに返してあげる」 「だからおにいさんのおうちということにしてあげるっていってるでしょ! ゆっくりりかいしてね!」 「お前が理解しろ。もう一度だけ言うけどここはずっと昔から私の家だ。そしてそこに入ってきたのがお前だ」 少なくとも母れいむは私が家に居たことを確認したのに無視して食糧を取ろうとした。 そこは反省してもらわないとね。 しかしその後も母れいむは反省する様子はなかった。 まー、すぐに反省されても拍子抜けな訳で。 せっかく子れいむの準備をしたのだから明日まで教育という名の虐めは止めておく。 翌朝家の外に置いておいた水の入った桶は見事に凍りついていた。 水量も少なめだったので中まで凍りついていた。 氷の中には苦悶の表情をしていたり、すやすやとした表情の子れいむ4匹が固まっていた。 よし上手くいった。 私は氷漬けの子れいむを母れいむの元へと持っていくと、母れいむはすぐに氷の中の子を見つけた。 「ゆぐぅ!? れいむのあがしゃん!! これはどういうごどおぉぉぉぉ!!」 「何って。氷漬けだけど?」 「だいじょうぶだっていったぐぜにぃぃぃぃ!!」 「大丈夫だって。氷が解ければ元に戻るよ。ほら、冷凍保存ってやつ」 「じゃあゆっくりしないでいそいでとかしてね!!」 「お前が反省したらいいよ」 「はんせいすることなんてないよ!!」 「じゃあこの子たちはずっと氷漬け」 「やめてね! あかちゃんとほおずりしたいよ!!」 「じゃあ早く自分がやったことをゆっくり理解してね」 それだけ言うと私は子れいむを母れいむの入った箱の前に置く。 それも目が合うような向きで。 「ゆっくりしていってね!」 母れいむは子れいむが反応するんじゃないかとお決まりの挨拶を発するが当然無反応だ。 「ゆぅぅぅ!! はやくとけてね!!」 残念だけどこの部屋は朝から暖めていない。なんで室温は外気温とさほど変わらないので氷もすぐには融けない。 「それじゃあ謝る気になったら謝ってね」 それだけ言うと私はれいむ達を放って奥の部屋に籠った。 奥の部屋は暖めてあるのでそこで自分の時間を過ごす。 そして一時間か二時間に一度居間に戻ってれいむ達の様子を見る。 母れいむは私の姿を見ると 「あかちゃんをはやくたすけてね!」 「しょくじをよういしてね!」 しか言わない。 やっぱり直接命に危険がなかったり子の悲鳴を聞かないとダメなのかな。 「まだ分からないならずっとそこにいてね」 それだけ言ってまた奥の部屋へと戻る。 四度目の様子見の時には子れいむ達の氷が融けつつあったので再び外の水を入れた桶に沈めておく。 また明日の朝にでも出すことにしよう。 三日経ったところでようやく母れいむが泣きを入れた。 「おねがいぃぃぃぃ!! なにがだべざぜでえぇぇぇ!!! あかじゃんどゆっくりざぜでえぇぇ!!」 「心から反省すれば許すって言ってるじゃないか」 「ずみばぜんでじだぁ! もうじないがら! だがらゆるじでぇ!!」 「何が悪かったか言ってみ?」 「かってにおうちにはいっだごどだよ!!」 「誰の?」 「おにいさんのだよ!!!」 泣きながら私の質問に答える。 謝るなら敬語で謝れよと思ったりするがゆっくりに言葉づかいを期待しても仕方ないか。 「勝手に私の家に入ったのはいい。だが私がいることに気づいたのに食糧を漁ろうとしたよね?」 「ご、ごめんなざいぃ!!」 「うん、でもなんでそんなことしたの?」 何かこういうやり取りしてると子供を叱ってるみたいだな。 「あかちゃんをそだてるためにしょうがなかったんだよぉぉ!!!」 「だったらそれを最初に言えよ。無視して食糧を取るのはただの泥棒だぞ」 「ごめんなざい! もうじないよ!!」 「じゃあ、あの時のやり直しだ。反省した今ならちゃんと頼めるよね?」 「あかちゃんがおなかすいでじにぞうなの! だからゆっくりしょくじよういじでね!!」 なんでそんな偉そうなんだ。 でもまぁ、ゆっくりは元々こんな感じだからやり直しとしてはむしろリアルだ。 「まぁ…いいだろう。子供を返してあげるよ」 「ゆ! はやくかえしてね!!」 私は居間に氷漬けの子れいむ達を持ってくる。 「じゃあ溶けるまで待ってね」 「ゆっくりまつよ! でもおなかすいたからしょくじもってきてね!!」 私が許したことで何か調子のった気がするけど、 生ゴミも子れいむを凍らせてから溜まってたので母れいむにあげることにした。 「むーしゃ、むーしゃ…しししあわせえぇぇぇぇ~~~~♪」 この家に来る前からもほとんど食べてなく餓えていたのだろう。 歓喜の涙を流しながら三日分の生ゴミを平らげてしまった。 ちなみに母れいむはすでに透明な箱から解放してやってる。 「ゆ! まだたりないよ! ゆっくりもっともってきてね!」 「ダメだ。後まで我慢しろ」 「ゆぅ…ならじぶんでもってくるよ!」 そう言うと母れいむは台所へ向かおうとするので頭を掴んで阻止する。 「なんでじゃまするの!」 「ここは私の家だ。分かるよね?」 「ゆ! わかってるよ!!」 「じゃあ私がダメって言ったことは守らないとダメだよね?」 「でもれいむはおなかすいてるんだからべつにいいよね!」 「そういうつもりならやり直しだ。子供はまた氷漬けにするね」 「ゆっ、ごめんなざい! ぞれはやめでぇ!!」 「だったら私の言ったことは守らないとね」 「ゆっぐりりがいじだよ!!」 まったく本当にゆっくりはお馬鹿だなぁ。 出してやった結果がこれだよ。 とにかく子れいむ達が溶けるまで待ってもらおう。 それから三十分ほどで子れいむの周りの氷が融け切った。 しかしまだ中身は固まったままだろう。 「れいむ、まだ触っちゃだめだよ?」 「ゆ! もうとけたんだからいいでしょ!」 「あ、コラ…」 母れいむは私の忠告も聞かず子れいむに頬を擦り合わせた。 「いっしょにゆっくりしようね!」 しかし子れいむはその場で割れてしまった。 母れいむが体を擦りつけた次の瞬間亀裂が入ったと思ったら、 亀裂に沿っていくつかの餡子の塊になってしまったのである。 「あ"あ"あ"あ"あ"あ"!! れいむのあかぢゃんんんん!!!!」 割れてしまった子れいむに向かって泣き叫ぶ。 あー、だから言ったのに。 「おにいざんのぜいだよ!!」 今度は私に向かって怒り出した。 「私はまだ触るなって言ったよね? 私の言うことは守るって理解したんだよね?」 「う"…あ"う"う"ぁ"」 母れいむは自分のやってしまったことに嘆く。 「とにかく子供が自分で動き出すまで待とうね」 「ゆ"ぅ」 母れいむはゆっくり頷くと、割れた子れいむを食べ始めた。 「ちょっと! 自分の子供食うなよ!」 「ほかのあかちゃんがおきたときにこわがるよ。それにあいするものにたべられるのはしあわせなんだよ」 「そ、そうか」 お腹が減ったうえでの凶行ではなかったようだ。 そういえばゆっくり愛好家の友人が「俺のゆっくりが自分を食べてと言うので困る」なんて言ってたな。 愛する相手に食べられるのが幸せなんて変な生物だ。 それから一時間経った。 また子れいむは動かない。 母れいむは何度も 「ゆっくりしていってね!」 「はやくゆっくりしようね!!」 と動かない子れいむに声をかけ続けている。 さらに二時間。 子れいむはまだ動かなかった。 「おにいざんどういうごどぉぉぉぉぉ」 母れいむは私に泣きついてきた。 あるぇ~? 解凍すれば復活すると思ったんだけどなぁ。単純な構造だし。 しかし子れいむは復活しない。 指先でちょっと触れてみた。 柔らかいし体温も通常のようだ。 「ゆ! れいむもさわるよ!! こんどはいいよね!?」 「ああ今度はもう割れないみたいだからいいよ」 「ゆっくりふれるよ!!」 母れいむは子れいむに頬を擦りつける。 しかし反応はない。 舌で舐めても子れいむは母の唾液で濡れるだけだ。 あー、なんか死んだっぽいなぁ。 いやぁ失敗失敗。 「おにいざん! とけたのにおきないよ! うそついたの!?」 「あーうー、嘘じゃないよ」 「でもなおらないよ!」 「それだなぁ。うん、お前がすぐ反省すれば治ったはずなんだよ。でも何日も反省しなかっただろ?」 子れいむが死んだ事については100%私が悪いけど、せっかくだから母れいむのせいにしちゃおう。 「ゆ"ぐっ…」 母れいむには私の言い訳がもっともらしく聞こえたのか言葉に詰まる。 「ゆぅぅぅ、ごめんねあがじゃんんん!!!」 もはや動かなくなった子れいむ達に母れいむは謝り続けた。 しばらくしてようやく母れいむは泣きやんだ。 「れいむはもうでていくね…」 表情にも声にも元気はない。 「この子れいむ達はどうするんだ?」 さっきまで母れいむは泣きながらも残る3匹を食べようとしていたのだが、 傷一つない魂が抜けただけの子れいむの姿を見ると食べることができなかったようだ。 「ゆっくりここにいさせてあげてね」 それだけ言って母れいむは玄関に向かうがそんなことさせない。 「まぁ待ちなさい。ここでお前に帰られたら困る。主に私が困る」 ここで帰られたら冬の間の楽しみが無くなってしまう。 子れいむが死んだのはちょっと予想外だったけど唯一残った母れいむを逃がす手はない。 「ゆ!? はなしてね!」 「ダメだ」 そして母れいむを透明な箱に閉じ込める。 「やめてね! ゆっくりだしてね!」 「せっかくだから春までゆっくりしていきなよ」 「やだよ! おにいさんとはゆっくりできないよ!!」 「別にお前とゆっくりするつもりはないよ でもそうだな。一匹で寂しいだろうからゆっくりを持って来てやるよ。ありすとれみりゃどっちがいい?」 「ゆ"っ!? ど、どっちもやだよ!!」 「選べないならお兄さんが選んであげよう。楽しみに待っててね」 「ゆ"ぅあ"あ"あ"あ"あ"あ"!! いやだよぉぉぉぉ!!!」 母れいむの背に私は家を出た。 せっかくだからゆっくり生産機の二つ名を持つありすを捕まえてくるとしよう。 ありすを持ち帰った私はありすを揺さぶって発情させた。 まず狙われたのは箱に入っている母れいむではなく、ただそこに在るだけの子れいむ達だった。 レイプという名の殺戮。 成人ゆっくりの重さに赤ちゃんサイズの子れいむが耐えきれるわけもなくすぐに潰れてしまう。 「あ"あ"あ"あ"あ"! ごろざないでえぇぇ!! ありずやめでえぇぇぇ!!!」 「ハァハァ、まだれいむがいるうぅぅぅぅ!!!」 子れいむ三匹を潰し終えたありすは母れいむの入った箱へ突撃する。 私は優しいので母れいむを箱から取り出してありすの前に差し出した。 反撃されても困るのでしばらく押さえつけておく。 「れいむかぁいいよれいむぅぅぅぅ!!!」 「ゆあ"あ"あ"あ"! やめで! おがざないでえぇぇぇ!!!」 ありすの猛烈な愛撫を嫌がる母れいむだったが次第に感じてきたのか抵抗する力が弱まっていく。 「れいむぅ! すっぎりしぢゃいそうよ! いっしょにすっぎりじよぉ!!!」 「ああぁぁぁぁぁぁ!!!」 「「んほぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ♪」」 二匹同時に達したようだ。 そして母れいむの頭から茎が生え始めてきた。 よしよし、赤ちゃんゆっくりが出来たら冬の間いろんな遊びができる。 二回戦を始めようとするありすを引き離して透明な箱に入れる。 赤ちゃんゆっくりが必要になったらまた出してあげることにしよう。 数日後、私の家には別々透明な箱に入ったれいむとありす。 そして籠に入った十匹程度の赤ちゃんゆっくりができていた。 この数日でれいむは二度の出産を終えている。 一度目の赤ちゃんゆっくり達は粗相をして反省も無しなので母れいむの目の前で潰してあげた。 注意しないからこうなるんだぞ、と言いながらね。 ありすの透明な箱は別室に黒幕をかけて置いてある。 ゆっくり生産機なので赤ちゃんゆっくりが必要な時でなければ出すつもりはない。 外を見ると雪が降り始めていた。 春まではまだ長い。 私は赤ちゃんゆっくり達を眺め、 今日は母れいむの前でどうやって虐めようかと考えていた。 終 by ゆっくりしたい人 子ゆっくりを凍らせたかっただけ。 物理的におかしくてもゆっくり補正ということで。 でもゆっくり可愛いよゆっくり。 タワシで力強く洗ってあげたいぐらいかぁいいよー。 このSSに感想を付ける
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※虐待SSです。れいむと赤ちゃんれいむの虐待注意 ゆっくりのいる時間 家に帰るとれいむがいた。 「ゆっくりしていってね!!」 おかしいな、鍵をかけたはずなのに。 「ゆっくいちていってにぇ!!」 あらあら、れいむの後ろからにょきっと小さな饅頭大の赤ちゃんれいむが現れたぞ。 こいつは面白い。さっそく虐待しよう。 「ゆ!やめてね!れいむをたすけてね!」 「おがーぢゃーんぎょわいよぉお!!」 れいむ親子を透明な箱にさっそく入れる。 れいむはのっぺりとした顔、ぎょろりとした目、ぷくぅーとしたほんのり赤い頬、 つり上がった眉、ダンベルみたいな髪、そして猫を真似たようなリボン、 どれを取っても不快だ。 赤れいむは手に持ってもてあそぶ。 「ゆ”ゆ”・・・」 ふるふるしている赤れいむは正直、可愛い。 「ゆ!やめちぇくだしゃい!やめちぇくだしゃい!」 いっぱしに謝ることはできるようだ。 「そっそうだよおにーさん!ゆっくりかわいいれいむのあかちゃんをこっちによこしてね!!」 ?今「ゆっくりかわいいれいむのあかちゃん」と言ったな。 かわいいのは「れいむ」ともとれるし「れいむのあかちゃん」とも取れる。 通常ゆっくり虐待では虐待に都合のいいようにゆっくりの言葉を受け取るべきだ。 したがってこいつはかわいい自分のために赤れいむをよこせと言っている。 「何てカスだ」 「ゆ”っん!?」目を白黒させたれいむの頭に赤れいむをねじこむ。 「ゆぶ!ゆぎぇぎゃぎぇげ!あーびヴぁー!!!」 れいむの皮は弾力性があるが頭は弱いだけに柔らかくすんなりと赤れいむを挿入することができた。 れいむの目は焦点が定まらず、舌をだらしなく垂らし、小刻みな痙攣をおこしている。 「ゆっゆっゆくーち♪ゆめーはゆっくゆっくゆくーち♪ぷぅ!」 おやおや、気が触れてしまったようだ。れいむも案外精神が弱いんだな。赤れいむはせっかくだから殺さず取り出そう。 ズブブ 「むぽきゅりー♪のうのうのう!めいぇあー!りゅりゅりゅりゅりゅりゅ」 スポン! 「デニムの濃淡があああああ」そうとしか聞こえない奇声を発したれいむはよだれを垂らして横たわる。 なんにせよ無事赤れいむを取り出した。 「っ・・・!!ヒック、・・・!!!うわあああああん!!!うわあああああああん!!!!ごわぎゃっだじょーーーー!!だーべちゃーやだああああ!!」 どっかで聞いたことのあるフレーズだな。珍しい。捕食種の気分が分かるものなのだろうか? 私は一言、 「むっきゅん☆」 と言ってやったら 「・・・???おじしゃん、ひょっとしてぱちゅりいにゃの??ぱちゅりー!!!おにょれぱちゅりーーーーー!!れいむをおぎゃーぢゃんをがえぜええええ」 と怒りの形相で迫ってきた。といっても手の平の上でぽよんぽよん飛び跳ねる程度なので無害。 しかし、飾りよりも言葉で種を区別しようとしてるのか。ゆっくりのまた新たな一面を見つけた感じだ。 「ゆ!!でいぶのせいじゅんながらだがあああああ」 赤れいむはれいむの餡子の中にいたせいで狂ったようだ。潰してゴミ箱に二匹を早く処理しよう。 このSSに感想を付ける