約 454,636 件
https://w.atwiki.jp/terachaosrowa/pages/5741.html
「痛いッ!」 「翼先輩!?」 「吸った分の倍の量の因子が、吸収し返されてる!」 訂正、吸収した以上の量の因子がユーノの方へと流れ込んでいた。 その影響かツバサの腕にヒビが入り、血のように因子がにじみでる。 「これは……まさか!」 「ツバサ! 吸引を中止しろ! 早く!!」 何かにきづいたギムレーとアナキンは急いでツバサに因子吸引を中止させる。 指示に従うことでツバサの因子がユーノへの流出も止まった。 一方でツバサとユーノは苦しそうだ。 「ツバサちゃん、その腕……」 「大丈夫、怪我そのものはキングストーンの治癒能力でなんとかなる。 問題なのは失ったエントロピーと因子が戻ってこない……」 ツバサの腕の怪我は本人曰く大したことはなく、すぐに治る。 だがユーノに逆流した因子等が戻らずに、ユーノのものになってしまった。 「ユーノくん! ユーノくん! しっかり!!」 「世界をカオスにしろ世界をカオスにしろ……その言葉で頭が割れそうだあ!」 ユーノは床に倒れ頭を抱えて悶えていた。 なのはは誰よりも心配そうにユーノに駆け寄り、そして救い主になると信じていたツバサを責めた。 「これはどういうことなの!? あなたならユーノくんを救えると信じていたのに!!」 「私にも何がなんだか……」 恋人が助けられるどころから余計に苦しむ様を見て感情的になったなのはに涙混じりの罵声を浴びせられて困惑するツバサ。 そんな二人にアナキンとギムレーが仲裁するように割って入って考えを述べた。 「落ち着くんだなのは、ツバサは何も悪くない!」 「これはきっとユーノがテラカオスになることによって得られた固有能力に起因するものだ!」 「どういうことなの?」 「ユーノはエネルギーを『増幅反射』する……逆にエネルギーを吸引するような攻撃を受けると『吸収攻撃』を『増幅反射』する。 すなわち因子を吸い出そうとすると、吸われた倍の量の因子を吸い返すんだ」 「ユーノの意思は関係なく、体の方が勝手にね」 「じゃあユーノくんは……」 不安になるなのは、彼女についで不安になる仲間たちの視線を受けながらアナキンとギムレーは残酷な解答を提示した。 「ツバサの能力じゃ、ユーノを助けることは絶対にできない」 「それどころか吸引による浄化もおそらくダメ、ルナミラクルゼロのように外部から作用する浄化技も聞くか怪しい。 彼を救える能力者はおそらくいな――」 ギムレーが台詞言いかけた瞬間、なのはは精神的ショックで倒れた。 「なのは!」 「なのはちゃん!」 「イケマセン! 誰カ彼女トユーノサンヲ病室ヘ!」 近くにいるハズの仲間たちの言葉が、なのはにはとても遠くに聞こえた。 □ 「ここは……?」 「気づいたようだね、なのは」 なのはは気が付くと、病院内のベットの上にいた。 隣のベットにはユーノが横になっている。 なのはは自分がユーノを助けられないという衝撃的な事実に卒倒してしまったことを思い出した。 「あれから何時間寝ていたの?」 「15分程度、そんなに時間は経ってないよ」 「そう……ごめんなさい」 「謝ることはないさ、僕となのはの立ち位置が逆だったら同じリアクションを取っていたと思う」 涙を流すなのはをユーノは諭すように微笑む。 「いや、全部私のせいだよ」 「え?」 「今思えば、私がユーノくんが怪物化したことを千年タクウで見たのにありえないと勝手に思い込んで黙っていた。 都庁の怪物に寝取られることばかり気にしていたせいでユーノくんを怪物にしちゃった…… 都庁の方にはユーノくんの病気を治す手段があったかもしれないのに! ハス太くんやレオリオさんが死んだのも私のせいなんだよ、きっと!」 なのははただ、千年タクウがもたらした情報を信じず、または触手レ〇プばかりに気を取られてチャンスを逃したことを後悔していた。 ユーノが今苦しんでいるのは全て自分の過失によるもの、そうとしか思えず、自分を責める。 「……なのはのせいじゃないさ、運が悪かっただけだよ」 「ユーノくんは、自分が助からないと思うのに怖くないの?」 「僕はブリーフ博士やアナキン、サラを信じてるからね」 「え?」 「なのはが気絶している間に、技術に優れた人たちが僕を助けるために瘴気や因子に効く薬を作るんだってさ」 □ ここは病院にある研究室。 過去に都庁から貰い受けた風鳴翼の片腕を検体に三人は機材を使って研究をしている。 「博士……ユーノの能力は増幅反射ですが、薬でなんとかなるものなのでしょうか?」 「できる……彼はシャドウの驚異を肌で感じとった時、暴走しかけたが睡眠薬で一時的にでも眠らせることはできた」 「ということは外部からの浄化はダメでも、薬のような何部からの浄化ならなんとかなるということでしょうか?」 「推論じゃがね。今後そのようなテラカオス化に見舞われる参加者が出ないとも限らんし、瘴気の正体解明と同時に特効薬を作り出そうと思う」 イチリュウチームで科学知識に優れたブリーフ・サラ・アナキンの三人は特効薬を作ることを目標に研究を開始する。 大災害までに因子を集めたいツバサとしては消されると困るが、ユーノのように外部からの浄化を受け付けない存在がいる可能性を考慮して、彼女とは違う浄化の手を考え出さねばならなかった。 特効薬を使うのは最低限の人数ならばという条件で、ツバサも承諾した。 ブリーフはもちろん、サラも乗り気でありセコセコと研究のための腕を動かしている。 一方、アナキンは内心乗り気ではなかった。 (ツバサがユーノの因子を吸収してくれるなら嬉しかったが、それができないとは…… ツバサも万能でない以上、予備のテラカオスが作れなくなる特効薬作りは気乗りしないな) テラカオスとしては最も完成に近いツバサも万が一、死亡するケースもある。 ならばユーノのような予備のテラカオスがまだ必要なのだ。 もしかするとテラカオスとして完成するのはツバサよりユーノが先である可能性も捨てきれないため、ユーノにはまだテラカオス候補者である必要がある。 (どうするべきか、手伝うフリをして妨害するか? ユーノに特効薬を与えるフリをしてこっそり偽薬でも与えるか? 他の謎解明のためにも研究者であるブリーフ博士やサラの目もあるし、どうするべきか……) 下手な行動をすると仲間たちに怪しまれる。 今、浦安市は邪竜の体で覆っているので正体がバレると脱出が困難。 そうでなくとも予言に必要な野球選手や、テルミが死んで情報を聞き出せなくなった以上、ブリーフやサラのような謎を解いてくれそうな研究者を手放すのは惜しい。 (それにしても……似ているな) ふとアナキンは先ほどの、ユーノとなのはのやり取りを思い出す。 なのはの有様はまるで妻パドメを助けられなかった過去の自分に似ていた。 恋人を必死に守るためになりふり構っていられない様が正に過去のアナキンそのものであった。 一瞬、アナキンの脳裏にユーノのテラカオス化だけ諦めるという選択肢が現れる。 (ユーノだけ見逃し、特効薬を作り出せばイチリュウチームから信頼されて僕を疑うギムレーを攪乱できる。 だが、テラカオス候補者自体が貴重……ギリギリまでどうするか見極めるべきか) ユーノを助けて信頼を得るか、ユーノを見捨てて未来の安全を取るか。 シスの暗黒卿の悩みどころであった。 「…………ん?」 「アナキン様?」 「どうしたアナキンくん?」 「いや、なんでも」 色々考えていたアナキンだったがフォースで何やら感知したようだ。 (見張られてるな……そんなに僕が信用ならないかギムレー) □ 病院の玄関口。 突然のなのは気絶のハプニングにより考察や今後の計画を一時中断したイチリュウチームだったが、ユーノ、なのは、アナキン、サラ、ブリーフの五人がいない中で再開する。 その前に萃香はギムレーの指示に従って『密と疎を操る程度の能力』を使用し、全身を霧にして浦安中を覆った。 彼女はかつて異変を起こした際にこのように体をして幻想郷を覆って住民を監視していたこともあり、生きた大規模監視カメラになることも可能だった。 チート能力すぎたためにこれまでは制限のせい一切できなかったが、首輪がなくなったおかげで可能になった。 「ギムレー、指示通りに浦安を覆ったぞ。今のところ怪しい影はなしだ」 「ご苦労、ユーノや博士たちは?」 「大丈夫、暴走の気配はないし、博士たちも順調に研究に励んでいるよ」 「そうか」 萃香という頼もしい警備員から異常がないことを聞くギムレー。 浦安は自分の体で覆って物理的な侵入ができないとはいえ、万が一を考えて萃香に見張りをさせた。 彼女の監視化ではマーダー一匹入り込むことはできまい。 またユーノが暴走する危険や、萃香には伝えてないがアナキンが裏切る可能性を考慮しての監視係でもある。 久保帯人の時のような遅れは取らないつもりであった。 「さてと計画を練ろうか」 「今、私たちがやるべきことはこれぐらいやな」 ブリーフからホワイトボードを借りたはやてが書記係として記入していく。 〇ブリーフ博士たちが瘴気に関する特効薬を作り出すまで待つ(確定) 〇救済の予言の更なる解明 まだ謎だらけな『器・巫女・歌・勇者』の正体を突き止める 〇上記のために都庁との接触、主催幹部の捕獲も考える 〇拳王連合軍・狂信者の具体的な討伐計画 〇状況から察するに狂信者に囚われたと思われるオシリスの救助 〇ツバサにテラカオス因子を集めさせ、『救いの神』にする 沖縄に現れたシャドウを撃破させ、ツバサに大災害の原因であるTCホールの暴走を止めさせて世界を救わせる やることは多く、未だに解明できてない部分も多いが、テラカオスであるツバサの出現やTCの正体が判明しただけでも大きな前進と言えた。 式はできてなくとも解答だけは見える、あとは因数を解き明かすだけとも言え、希望はいくらか見えた。 「あー、ちょっと良いか?」 再び会議を開始する前にベルナドットが一枚の紙を持って、ホワイトボードの前に来た。 「どうしたんや、ベルナドットさん?」 「たった今、Lの旦那から渡されたメモを読んでさ、気になることが書いてあったんだ。 なんだか今度を左右し、今までの常識を覆しかねない情報もあるかもしれないから伝えておく」 「カオスロワちゃんねる、誰しも一度は使った奴がいるだろ? ――その裏にとんでもねー闇が蠢いているとしたら、おまえさんたちは信じるか?」 ベルナドットの手にはLから死に際に託された一枚のメモが握られていた。 □ 場面は戻り、なのはとユーノがいる病室。 二人は今 一つのベットの上で『愛し合って』いた。 「ユーノくんは怖くないの……?」 「本当は怖いさ、今も頭の中には『世界をカオスにしろ』って言葉がうるさく聞こえてきて、気を抜くと頭が変になる……でもね!」 年不相応どころか大人並に頭が回るユーノだが、あくまで青年の姿をしているだけで中身は10にも満たない子供。 本当は怪物化が進行していく体が怖くてたまらない。 「だけど僕ははやてたちを信じている。 きっとあの人たちなら僕の病気を治し、元の人間に戻してくれると信じている。 ……頑なに信じなきゃ、不安で押し潰れそうになる、君と歩む未来を失うんじゃないかと」 「ユーノくんユーノくん!」 「何よりも君は僕の希望なんだ! 君がいるからこそ僕は僕を保っていられる!」 ユーノは愛するなのはがいるからこそ、自分を見失わずに済んでいた。 少なくとも肉体は言うことを聞かなくても精神はまだ死んではしなかった。 なのはが生きている世界という現実……それだけがユーノが絶望しないための最後の砦であった。 なのはにとっても、ユーノがいるからこそ自分を保てた。 「なのは、絶対に最後まで希望を捨てずに生き残ろう!」 「うん、ユーノくん!」 「全てが終わったら結婚して……二人で平和に過ごそう。 そのために僕は諦めない、諦めてたまるものかよ!」 愛しあう者を抱くたびに不安が少しずつ消えていくなのはとユーノ。 テラカオス化? そんなの知るかと言わんばかりに唇と体を重ねていく。 だが二人は気づいていない。 その病室の内装がかつて二人で抱き合った『ホテル』とほぼ同じであることに。 ついでに言うと霧になって病室を見張っていた萃香にラヴュラヴュしているところをバッチリ見られていることにも気づいていない。 【二日目・19時30分/千葉県 浦安市 病院 玄関】 ※都庁同盟軍が危険な組織でないことを知りました。 ※イチロー・6/・蛮・萃香・ナッパ・サラも大災害がこの世界に迫っていることを知りました 大災害の原因であるTCについても知りました ※救済の予言にある化身の正体がテラカオス、滅びの化身がシャドウ、予言の目的がテラカオスの強化だと知りました ただし、器・巫女・歌・勇者に対する明確な答えがわかっていません 【イチロー@現実?】 【状態】ダメージ(中)、疲労(小) 、非常に強い悔しさ、首輪解除 【装備】野球道具 【道具】支給品一式 【思考】基本:大災害の阻止 0:会議を続ける 1:DMC狂信者を倒すために多くの仲間を集める 2:邪魔をしてくるDMC狂信者を倒すまでは試合は保留 3:予言に対しては慎重に考える 4:DMC狂信者の本拠であるビッグサイトを攻略したい 5:主催者は予言のことを知っているんだろうか? 6:オシリスが生きているなら助けに行きたい 7:できるならドリスコルだけはこの手で討つ ※ネオ・レーザービームは使用すると腕に多大な負担がかかり、あと二球以上使用すると選手生命が終わる危険があります いかなる回復手段を持ってもこれは回復できません 【◆6/WWxs901s氏@カオスロワ書き手】 【状態】ダメージ(小)、疲労(小)、怒りと悲しみ、首輪解除 【装備】胡桃1500個 【道具】支給品一式、メタグロス、コルトパイソン 【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる 0:今は会議に集中 1:ハラサン……ありがとう 2:大正義を忘れない 3:目立つことも忘れない 4:予言に対して盲信気味 5:DMC信者は絶許。本当に絶許 6:なんかシマリスから俺と同じ臭いがする 7:ダイゴ、死んだみんな、すまねえ…… ※ダイゴのポケモンであるメタグロスを預かりました しっかり操れるかは不明 【美堂蛮@GetBackers-奪還屋-】 【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、首輪解除 【装備】サングラス 【道具】支給品一式、マスターソード、魔竜石、リザイアの書、不明品 【思考】 0:会議に参加する 1:DMC狂信者、その他マーダーと達と戦う 2:狂信者の中でもドリスコルだけは特に許さねえ ※邪眼を一回使いました 【伊吹萃香@しゅわスパ大作戦】 【状態】ダメージ(中)、疲労(小)、気絶中、顔が赤い、強い悲しみと怒り、霧化中、首輪解除 【装備】なし 【道具】支給品一式、日本酒×50 【思考】 基本:イチリュウチームについていく 0:霧になって浦安を見張る 1:KBTITとかいうクソホモは忘れる 2:なのはとユーノが抱き合ってる件はみんなに秘密にしておこう ※霧化して浦安市全体を監視しています 【ナッパ様@ドラゴンボールZ】 【状態】ダメージ(中)、疲労(中)、尻尾切断(処置済み)、野球脳、激しい怒りと悲しみ、首輪解除 【装備】病衣 【道具】なし 【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる 0:会議に参加する 1:野球を邪魔するDMCは許さない 2:また多くの仲間が死んじまった……自分の無力さが不甲斐ない 3:生きていてくれソウルセイバー! 4:拳王連合軍は本当に悪逆集団なのか? ※回復したため、戦闘力がとても大幅に上昇しました ※一瞬だけスーパーサイヤ人化しました。これからいつでも変身できますが本人は気づいていません 【ラミレス@横浜DeNAベイスターズ】 【状態】右足切断(処置済み)、監督といて生きていく決意、首輪解除、深い悲しみ 【装備】野球道具一式 【道具】支給品一式 【思考】基本:ハラサンの意思を継ぎ、チームを優勝させる 0:会議ヲ続ケル 1:コレカラハ監督トシテガンバッテイク 2:オ、オシリスサン……生キテタノ? 3:都庁ノ噂ガ誤解ダッタコトダケハヨカッタデス ※イチリュウチームの監督になりました ※首輪解除により、常人よりも屈強な野球選手本来の力を取り戻しました ※足がどうにかなれば、戦える可能性があります 【白光炎隼神ホルス@パズドラ】 【状態】健康、悲しみ、首輪解除 【装備】不明 【道具】支給品一式 【思考】基本:世界を救うためにイチローについていく 0:会議に参加するホル 1:死んでしまった奴らのためにも頑張るホル! 2:都庁に儚げな巨乳がいるなら、向かってみてもいいかもしれない 3:ええ乳持ち(ry ソウルセイバーの無事を祈る 4:ホルもソウルアーマーを遺したくなるよう人に会ってみたいホル 5:できればそれは巨乳の女の子が(ry 特にクリスやなのは、はやてみたいなええ乳の(ry 6:ツバサも乳があればなあ…… 【ギムレー@ファイアーエムブレム 覚醒】 【状態】健康、人間形態、シャドウだった者へ若干の恐怖心、首輪解除 【装備】トロンの書、鋼の剣、邪竜ギムレー 【道具】支給品一式、不明品 【思考】基本:自分以外がもたらす破滅(未来の大災害)の阻止 0:まずは会議をし、今後の計画を練る 1:『正確な』情報を集めて仲間をフォローする。アナキンは要警戒だが今は誰にも話さない 2:試合の邪魔をするDMC狂信者を倒すために、本拠であるビッグサイトを攻略したい 3:都庁がまともな場所と判明したのは僥倖。変態の巣窟でも文句はないさ 4:西の邪悪な気配は警戒を続ける 5:ネット上の乳神に若干嫉妬 6:ツバサこそ大災害から世界を救う鍵かもしれない 7:そういや最近ドラゴンネットワーク繋いでないや、そろそろ繋ぐか 8:オシリスは救助したいが少し厳しいか……? ※外見はデフォルト設定の銀髪青年です ※首輪を外したとしても、屍兵は簡単には生み出せません ※首輪解除により、人間の姿のまま、自分自身である邪竜ギムレーを操れるようになりました ※現在、邪竜ギムレーの体を使って浦安市を覆うことでシェルターとなって外敵の侵入や攻撃を防いでいます 『通常手段』での突破は容易ではありません 【テラカオス・ディーヴァの残滓『ツバサ』@テラカオスバトルロワイアル十周目】 【状態】健康、完全TC耐性、キングストーンにより変身可能、首輪なし、若干エントロピー減少により弱体化 【装備】キングストーン 【道具】リボルケイン 【思考】基本:テラカオスの因子を集める。この力で守れるものを守る。 0:会議に参加する 1:どうして人はあんなに残酷に殺しあえるんだろう…… 2:Lさん、ゼクスさん……貴方達の犠牲を忘れません。 3:私にも救えない人がいたなんて…… ※ディーヴァが持っていた能力はキングストーン以外が使用不可。 ※一度、テラカオスになったことにより完全なTC耐性を保持、テラカオス候補者のTCを回収できます。 ※死んだことによりディーヴァの性格を引き継いでいません、これからどうなるかは不明。 ※記憶を大半喪失していますが、生みの親の名前、風鳴翼が捕食で世界を救おうとしたこと、都庁での悪い思い出、沖縄で敵が現れ敗北したこと、夢で出会った男(才人)のことは朧げながら覚えています。 ※仮称としてツバサという名前が与えられました ※ユーノに吸収された因子とエントロピーは通常手段では回復できません 他者の因子を吸収することによってのみ回復します 【シマリス@ぼのぼの】 【状態】ダメージ(小)、疲労(中)、天子を救えなかった悲しみ、首輪解除 【装備】胡桃×1500 【道具】支給品一式、その他不明 【思考】基本:仲間と共に生き残る 0:会議に参加するでぃす! 1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える 2:胡桃の扱いを極める 3:衣玖さん、ごめんなさいでぃす…… 4:クリスちゃんとツバサちゃんは友達でぃす! 5:6/さんを見ているとなぜかホッとする 【雪音クリス@戦姫絶唱シンフォギア】 【状態】健康、首輪解除、悲しみ、嘔吐によって気分不快 【装備】イチイバル 【道具】支給品一式、その他不明 【思考】 基本:仲間を探して現状を打破する 0:会議に参加する 1:近日中に来る天変地異のことをより多くの者に伝える 2:もっと強くなりてぇ 3:未だにツバサが翼でないと信じられない 4:寝ている間にゼクスたちが死んでたなんて…… 5:天子を助けられなくてごめんな、衣玖…… 6:拳王連合軍にはやっぱクソだわ ※テラカオス化が進行していましたがディーヴァの残滓によって回収され正常に戻りました。 【ピップ・ベルナドット@HELLSING】 【状態】健康、首輪解除 【装備】自動式拳銃×2、M16 【道具】支給品一式、スピーダー、手榴弾×25、ノートパソコン、カオスロワちゃんねるに関する考察メモ 【思考】基本:バトルロワイヤルを生き残る 0:会議に参加、まずはLが残した考察メモの内容を明かす 1:生存確率が上がりそうなので今はイチローについていく 2:制限がなくなったイチローやナッパを見るにドリスコルにも勝てる気がしてきた 3:予言はそれなりには解明できたな 【八神はやて@魔法戦記リリカルなのはForce】 【状態】健康、精神不安定、非処女、死んだ仲間たちへの深い悲しみ、アナキンへの好感度(大)、首輪解除 【装備】なし 【道具】基本支給品一式、夜天の書@魔法少女リリカルなのは、アナキンからもらったピルケース 【思考】基本:死んだ仲間たちの為にも主催を倒す 0:会議に参加する 1:主催者打倒と大災害阻止のために、情報と仲間を集める 2:他の参加者の都庁=ヘルヘイムの誤解を解きたい 3:恩人であるアナキンに特別な感情 4:ユーノとなのはが心配 5:アナキンさんとブリーフ博士ならきっと特効薬を作れるで! 6:シグナムまで死んでしまうなんて…… ※主催側が大災害について何か関与していると考えています(細かい部分は分かっていません) ※カオスロワちゃんねるより、風鳴翼の情報を少し入手しました ※アナキンの正体に気づいていません ※世界滅亡(次の大災害)と救済の予言の内容を知りました また、沖縄の天候がおかしくなっていることに気づきました 【二日目・19時30分/千葉県 浦安市 病院 研究室】 【サラマンディーネ@クロスアンジュ 天使と竜の輪舞】 【状態】両羽喪失(処置済み)、首輪解除 【装備】なし 【道具】一人用ポッド、スクーナー級×500、ガレオン級×30 【思考】基本:対主催 0:瘴気を研究し、特効薬を作る 1:イチリュウチームについていく 2:滅亡を止めたいとは思うものの、予言に関しては未だ懐疑的 4:リオレウス様…… 5:ナッパ様の髭が一瞬だけ金色になったのを目撃しましたがあれは一体…… ※予言には主催者も関わっていると推測しています ※ブリーフ博士が首輪解除を先に行ったため貯めていた首輪やスクラップを破棄しました ※アウラの民の指揮権が戻りました 【ブリーフ博士@ドラゴンボール】 【状態】精神疲労(中)、深い悲しみ、首輪解除 【装備】なし 【道具】基本支給品一式、機材一式、風鳴翼の右腕、TCホール観察日記 【思考】基本:対主催 0:瘴気を研究し、特効薬を作る 1:ユーノのようなテラカオス化の犠牲者はどうしても助けたい 2:対主催参加者と出会えたら、首輪を外す 3:恩人であるアナキンを信頼 4:亡くなったブルマや殺生丸くんたちのためにも技術者として戦い続ける ※首輪解除が可能となりました ※風鳴翼の右腕は四条化細胞とナノマシンの塊です。うまくいけば抽出できるかもしれません 現在いる病院なら抽出・研究が可能 ※情報交換により、風鳴翼(テラカオス・ディーヴァ)の能力の一部を知りました ※情報交換により、謎の物質(ナノマシン)の存在および危険性を知りました ※アナキンの正体に気づいていません ※世界滅亡(次の大災害)と救済の予言の内容を知りました 【アナキン・スカイウォーカー@STAR WARS】 【状態】健康、不安、若返り、ジェダイ風衣装、首輪解除 【装備】邪剣ソウルエッジ&聖剣ソウルキャリバー@ソウルキャリバーシリーズ 【道具】支給品一式、四条化細胞入りカプセル、ライトセーバー@STAR WARS、闇のルビー、ギンガスパーク@ウルトラマンギンガ、ココ・ジャンボ@ジョジョの奇妙な冒険、大量の不明支給品(アナキン確認済み/回復薬なし) 【思考】基本:世界を救うためにテラカオスを成長させ完成に導く計画を遂行する 0:瘴気を研究し、特効薬を作るをするが場合によっては…… 1:対主催への信頼を得るためにブリーフ博士やはやてを利用する 2:計画のために殺し合いを促進させ、計画の邪魔をするものは消す 3:不足の事態に備えて予備のテラカオスを作り出すことも念頭に入れる 4:ユウキ=テルミが死んだので予言を解き明かせる科学者や知恵者はなるべく殺したくない 5:いざという時は四条化カプセルで新たなテラカオスを作る 6:沖縄のフォースから世界の破滅の危機を察知。色々と急がねば…… 7:萃香に見張られていることに気づいている ※タイムふろしきで若返ったのでピーク時の姿と力を取り戻しました 【二日目・19時30分/千葉県 浦安市 病院 とある病室】 ※病室の内装が4900話まで滞在していたホテルと似ていますが、暗いために二人共気づいていません 【高町なのは@魔法少女リリカルなのは】 【状態】精神疲労(大)、19歳の身体、深い悲しみ、首輪解除、全裸 【装備】レイジングハート@魔法少女リリカルなのは、千年タウク@遊戯王 【道具】なし 【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ 0:今はユーノくんとひたすらに愛し合う 1:死んでしまったヴィヴィオたちのためにもこの殺し合いを終わらせる 2:救済の予言で世界を救えるのかな? 3:都庁に行ったエリカたちが心配 4:ユーノ君がいれば何も怖くない……と思っているけど…… 5:博士たちが作る特効薬に期待 6:落ち着いたら玄関に戻る 7:レオリオさんまで亡くなってしまうなんて ※千年タウクの効果によって、高町ヴィヴィオの存在と日本に世界を襲った大災害が起こる未来を知っています ※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました ※未来の自分が使っていた技の一部が使用可能です 【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは】 【状態】疲労(中)、精神疲労(特大)、19歳の身体、テラカオス化進行度(特大)、首輪解除、全裸 今はなのはのこと以外考えられない 【装備】なし 【道具】基本支給品一式 【思考】基本:大災害による世界滅亡を防ぐ 0:今はなのはとひたすらに愛し合う 1:なのはを絶対に護るためにも、もっと力が欲しい 2:救済の予言の謎を解く 3:野田総理の死の原因を探りたい 4:いかなる理由があってもなのはを悲しませた主催者たちは絶対に許さない 5:沖縄に『敵』がいると本能で感じている 6:博士たちが作る特効薬に期待するしかない 7:頭の中で『世界をカオスにしろ』という言葉が反芻してるが、なのは愛で自己を保っている ※タイムふろしきを使ったので、19歳の肉体に成長しました ※PSP版の技が使えます ※テラカオス化進行によって巨大フェレットに変身する能力を得ました あらゆる攻撃を防いでエネルギーを吸収し、威力を数倍にして返す魔力の塊を発射できます ただし現状では変身すると暴走状態に陥り、敵味方に関係なく襲い掛かります またTCを扱うシャドウの危険を本能的に察知できます この能力のせいでツバサによる吸引やフォレスト・セルによる浄化を受け付けません(逆にエントロピーを吸収します) 物理的破壊や薬による経口摂取は効く可能性はあります ※TC値と救済の予言の内容を知りました ※まだ自分が完全なテラカオスにはなっていない=元に戻れる可能性を知りました ※ツバサの因子を吸ったことで肉体になんらかの影響が出るかもしれません
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/505.html
準備中の看板が出ている翠屋。 そこにユーノ君がなのはに会いにやってきた。 ユーノ「こんにちは~。なのはさんいますか?」 いつもなら、調理場に行けば、すぐにお手伝いをしているなのはに会える。 しかし、今回は、足を止めて店内で待つべきだったのだッッ!! 調理場は神聖なる領域であることを日々の行いから忘れていた! その報いがくるッッ!! 中で午後の開店に向けて準備をしていたのは見知らぬ男だった。 ???「そこで何をしている~~~ッ!見タナァ~~~ッ!」 ユーノ「!!」 ドッシュウッ ドズウ! ビイィーーン 翠屋厨房に顔を出したとたん、顔のスグ横に包丁が突きつけられる! ???「オマエッ!のぞき見に入ってきたというわけデスカァーッ! ただじゃあおきませンッ!覚悟してもらいマスッ!」 ただならぬ展開にバリアジャケット装着、即時に結界を展開して構えるユーノ。 男が何か固形物をつかんで……差し出すッ! ???「ここでは!『石ケン』で手を洗いなサイッ!」 ユーノ「えっ!?」 ???「ユルせないッ!断りなく調理場に入ってきたのはユルせないッ!アナタ!ここに入る前ニ手を洗いなサイッ!調理場は清潔でなくてはイケないのデスヨッ!」 その後、用事から戻った高町夫妻となのはが見たのは、店内を拭きなおしているユーノの姿だった。 トニオ「ワタシ、イタリアからやってきたトニオ・トラサルディーと申しまス。自分のお店を出す前に、日本語の勉強をかね、高町さんの所で修行させていただいておりス。 トキドキ槙原さんの「さざなみ寮」に出張お料理サービスもやっておりマス」 続かない 単発総合目次へ その他系目次へ TOPページへ
https://w.atwiki.jp/mugenshoko/pages/241.html
続々々・クビになった司書長 作者:q/Memg9b ■フェイトの場合■ ハラオウン家(地球・海鳴市)のまるで通夜のような陰鬱な空気に包まれていた。 その鬱な空気の最大の発生源、フェイト・T・ハラオウン執務官は 今にもバルディッシュで手首を掻っ切りそうな雰囲気を醸し出している。 「はやてさんも駄目、フェイトもやっぱり駄目だったわね」 「母さん」 疲れた表情で溜息をつくリンディをクロノが嗜めるが、彼女にも義娘をフォローするだけの余裕が無い。 なにせユーノの手がかりは目下、管理局最凶の冷血コンビが最も有力なのである。 一応、師は同じだし弟弟子・妹弟子に当たるわけだが、彼女が二人を苦手としているのは変わりがない。 「フェイト、気を落とすなよ?」 完全に余裕を無くしている母親に代わり、クロノが義妹を気遣うが、 その言葉が彼女に届いていないのは明らかであった。 今のフェイトは嘗てのPT事件でプレシアから切り捨てられた時のごとき様相である。 ブツブツと何事かを呟いているあたり、当時よりも病みっぷりがパワーアップしているとも言えるが。 「ただいまー。って、あれ? クロノにお義母さん、フェイトちゃんも。珍しい」 そんなときであった、二児とアルフをつれたエイミィ・ハラオウンが帰宅したのは。 現在一番余裕のある(最大の衝撃を通り越し一応の平静状態)クロノが、 十日ぶりに直接顔を合わせた妻に管理局での出来事を説明する。 「ああ、実はユーノが管理k(ry」 「うん、聞いてるよ」 説明の途中で割り込むエイミィに、クロノはそうじゃない! と声を荒げる。 「だから、ユーノがだな!」 「管理局辞めたんでしょ? だから、ユーノ君から聞いてるよ?」 妻の言葉がクロノの脳内に染み渡り、理解するまでに要した時間は実に十秒。 「はぁ!?」 「ど、どーしちゃったの? クロノ?」 いろいろ予想外の状況に、クロノはエイミィの肩を掴んで何か言おうとするが言葉が出てこない。 同じく予想を超える事態にリンディも硬直したまま、孫に、どうしたのー? とつつかれている。 ガタンッ!! 椅子の倒れる音に全員が視線を向かわせると、瘴気を撒き散らしながらふらーんと佇むフェイトがバルディッシュを手に臨戦態勢である。 「ふぇ、フェイト?」 主の奇行に、皆の様子を黙って伺っていたアルフが恐る恐る声をかける。 「あるふ?」 「ひゃ、ひゃいい!?」 地獄の底から聞こえるようなフェイトの声に、アルフは直立不動で返事をする。 「あるふもゆーのがかんりきょくやめたのしってるの?」 「し、知っているであります!」 いつの間にやらフェイトが手にしたバルディッシュはザンバーフォームに、 切っ先はアルフののど元にぴたりと当てられている。 アルフは全身で助けを求めるが、クロノほか触らぬ神に~と言わんばかりに二人を見守るだけである。 「なんでおしえてくれなかったの?」 「……何でフェイトが知らないのさ?」 主であるフェイトが瘴気を纏っている理由を、なんとなく理解したアルフは逆にフェイトに問いかける。 「え!?」 「あたしらは一月ほど前からユーノから直接、管理局を辞めるかもっていう話を聞いてたし、 この間も翠屋で11年間お疲れ様ってことでこっちの知り合い集めてパーティーもやったよ?」 そっちでもやったんじゃないの? とアルフ。 「と言う事は、桃子さん達もご存知ということ?」 「ええ、高町家の皆さんはもちろん、アリサちゃんやすずかちゃんのご家族も知ってます」 なんとなく現状を理解し始めたリンディの問いに、エイミィが返事をする。 そして、 「ようやく話が理解できましたけど、要するにお義母さんにクロノ、 フェイトちゃんはユーノ君が管理局を辞めるってことは聞いていなかったって事ですか?」 「ええ、なのはさんやはやてさんもね……」 その言葉に思わず顔を見合すエイミィとアルフ。 「「なんで?」」 「僕が知るか! あのフェレットもどきに聞け!」 ■はやての場合■ 「ユーノくんが管理局辞めてしまたー!」 翌月に機動6課の再編を待つ八神はやて二等陸佐は、 自宅(ミッドチルダ・クラナガン)のドアを開けると共にそう叫んで玄関に倒れこんだ。 それとほぼ同時にリインハウスより飛び出したリインフォースⅡ空曹長が大変ですぅ大変ですぅ、 とはやての頭上をくるくると飛び回る。 その様子に驚いたのか、シャマルはエプロン姿のまま台所から飛び出してきたが、 はやての声がちゃんと聞こえた残りの3名はのんびりと玄関に参上した。 「あー、信じてませんね? 冗談とかじゃn(ry」 全く慌てた様子の見られない守護騎士達に、まくし立てようとしたリインをシグナムが手で制する。 そして、 「はあ、主はやて、私は存していますが?」 「ああ、あたしだって聞いてるぜ?」 「はやてちゃんは知らなかったんですか?」 「主?」 と、シグナム、ヴィータ、シャマル、ザフィーラの順で口を開くと、 家族たる守護騎士達は音速が遅いぜ、マスター? と言わんばかりの表情ではやてを見る。 「え? えっ!? はぁ~~!? なんで知っとるん!? わたし、ユーノくんから何も聞いてへんよ?」 ぽかんと呆けてしまったリインに、 こちらを見つめる守護騎士達を交互に見やりながらはやては悲鳴のような声を上げる。 「はあ、先日、四日ほど前ですがヴィータと模擬戦をやった際に結界を張ってもらったので、 礼にとユノユノを食事に誘った時に聞きましたが?」 「あたしもシグナムと同じ日に聞いた」 「私はユーノ君本人ではありませんが、何人か司書の方と親しくさせていただいてますのでその方から」 「私はアルフから何度か愚痴交じりに……」 対する守護騎士達はあくまでも冷静である。 意外であるがシグナムとユーノは互いにあだ名で呼びあう仲で、 ヴィータも出不精なユーノをしょっちゅうクラナガンに連れ出し遊んでいる。 またシャマルとザフィーラは直接会うこと事態少ないが、 ユーノ身辺の人物、司書やアルフといった面々と親しく、 彼と無限書庫の状況はほぼリアルタイムに近い形で把握していた。 逆に主と末妹の慌てっぷりの方が、騎士達にとって理解しがたい。 「いやいやいや、ありえへんやろ! 何で私に知らせへんの! あと、シグナム! ユノユノってなんや!!」 はやては図らずも声を荒げる。 さきほどから釈然としない違和感がねっとりと付きまとっている。 それがなんだか分からないが、非常に気持ちが悪い。 「当然、ご存知と思いましたので。彼のあだ名です。わたしのことはシグシグと、それが何か?」 「あたしも、はやては知ってるかと思ってたし」 「はやてちゃん、ユーノ君から聞いてなかったんですか?」 「……」 守護騎士達としても、はやてがそれを知らない事の方が驚きであった。 騎士達の言葉を聞きながら、はやては感じていた違和感が形になっていくのを感じる。 はたして、八神はやてとユーノ・スクライアが、 高町なのはとフェイト・T・ハラオウンを介さない状況で仕事以外の会話をしたことがあったであろうか? 確かにデバイス製作に関して協力を得た事はある。 しかし、はやてから見れば友情と思ったソレも、彼が同じ感情を持っていたとは限らない。 いや、そもそも、 「わたし、ここ最近ユーノくんと話した事あった?」 19スレ SS アルフ エイミィ クロノ・ハラオウン ザフィーラ シグナム シャマル フェイト・T・ハラオウン リンディ・ハラオウン ヴィータ 八神はやて 追放系
https://w.atwiki.jp/mugenshoko/pages/219.html
宗教怖いという話 作者:7pRmqKKB 流れを読まずに電波投下テロ 晴れ渡る大空の下、地上本部の摩天楼は高らかに顕在していた。 最上階でユーノは、室内に乱舞する画面を背にしてクラナガンの街並みを見下ろしている。 眼鏡の奥で内心を窺わせず黙然と瞳を凝らす彼の横手に、非常回線の通信映像が開かれる。 実直な容貌を強張らせる男性は、ユーノの線の細い横顔に厳然とした視線を突き刺す。 「結局、本局は止められなかった」 クロノは端的にユーノへそう告げた。対するユーノが半ば諦念じみた色の溜め息を薄い唇に滑らせた。 「騎士カリムは」 「会議には出席したが、今は教会本部で事の推移を監視している筈だ」 「聖王教会が一歩引いたとなると、地上本部と本局の決裂は決定的だね」 さして焦燥も無くユーノが言うと、クロノも事態の深刻さに似合わない呆れた目色を浮かべる。 「聖王様の復活で狂信者どもは狂喜乱舞、本局は最高評議会の計画の如何で内部分裂、 地上本部はレジアス派残党が独自路線で武力拡張。内でも外でもやってる事は同じだ。全く……」 クロノはクラウディアの艦長席で頬杖をつく。 ミッドチルダ衛星軌道上への転送中だが、通常は数時間で到着する筈が難航している。 後発部隊としては当然の事だが、 それだけの転送物量がミッドチルダに殺到していると思えば僅かな寒気は禁じえない。 「本局の陸海空教導隊が先行して敵拠点を強硬制圧。その後、次元航行部隊が敵性局員の一斉拘束に出る。 いいのかユーノ、そこにいると辛い連戦が続くぞ」 知った顔で本局の作戦を暴露しつつ、クロノは試すような目で親友を見た。 「まぁ、大丈夫だと思うよ。出来ればクロノと交戦するまでは行きたくないけどね。 クラナガンでは今、特別救助隊が首都航空隊と連携して市民の避難に専念してる。 本局も無駄な被害は出したくないだろうから、もう少し襲撃のタイミングを見計らってくるかな」 「お前にはいつも、面倒な仕事や汚れ役を押し付けてしまっているな」 ユーノが眼鏡の奥の瞳を場違いに和らげた。 「局員待遇の特権。立場に小回りが利くからね。地上本部がなのは達の手で堕ちそうになったら撤退するよ」 「そうしてくれ。彼女だけでも退場させると、後々楽になると思うが。 エースオブエースの撃墜は本局の士気低下にも繋がる」 「そこはそれ、師弟対決がどう運ぶかだね。可能なら僕がスバルの手伝いに行くよ」 「あぁ、あの戦闘機人の……。それはいいが、まさか使い魔が主に反逆するのか?」 「……狂信者一派は?」 「露骨に不機嫌になるな、相変わらずだな。 北部の廃棄都市に多層結界を張って、一体何の儀式を始める気なのやら」 クロノの甚だ冷めた声が、通信映像から室内へと流れる。 「困ったものだね、あの人達には。局内の頭の固い人達もだけど」 「全くだ。本当の敵、真に律するべきものが何かを完全無欠に見失っている。挙句に僕達で内輪争いか」 聖王教会の局内に通じる権威を懸念し、 苦肉の自浄作用として海と陸の仮想戦争という茶番を仕立て上げた上層部には呆れる以外に無い。 教会も教会で、たとえ過激派とはいえ身内である事に違いは無い。 外部の騒ぎに対しては彼等の擁護を選ばざるを得ない。 初めから噛み合う事の無かった歯車が、決定的な齟齬を発露させただけに過ぎないが、 そんな想定さえ覆させられない程に人は愚かだったのだろうか……。 ユーノはクロノの通信映像の奥、高価なソファの上で横たわる少女に目を向ける。 時空管理局の動乱も知らない無垢な寝顔で、ヴィヴィオは規則的な寝息を立てていた。 「ヴィヴィオはお前が守れ。何があってもだぞ! 狂信者一派にも本局にも彼女の身柄を預けるわけには行かない。そうなれば全てが終わりだ」 ユーノは俄かに眼の奥を引き締め、小さく頷く。 彼女が平素から無限書庫に頻繁に顔を見せていた事が、こうして彼女を保護する機会を得る為に僥倖だった。 狂信者が聖王のクローンとして生み出されたヴィヴィオを手にしたとなれば、 どんなおぞましい方法で崇拝するか、ユーノにもクロノにも想像さえ及ばない。 そんな異端一派を鎮圧する事が、管理局の火急の使命の筈が……一体どこで道を踏み外したのか。 教会本部からの顰蹙を恐れ、 クロノの言う通り内輪争いの馬鹿げた茶番で最も重大な火種を放置しているとしか思えない。 「この一次抗争が終わった後は、暫く部族の皆に匿ってもらおうと思っている。 クロノ、出来ればなのはかフェイトにその事を連絡してほしい」 「何とか彼女達と直接顔を合わせられる機会を作って必ず。ユーノ、絶対に生き延びろ」 「任せて」 共に気持ちの通じ合った笑みを交わし、クロノの通信映像は途絶えた。 ユーノは再度ヴィヴィオを眺めて目許を緩め、そして正面眼下のクラナガンへと視線を移した。 握り締めた彼の拳は、再び争いの渦中へ身を投げ出す決意に満ち溢れていた。 これは司書長と×ヴィヴィオなのか×スバルなのか×クロノなのか電波を受信した自分でもわかりません とりあえず宗教って怖いよって話なのかもしれません 18スレ SS クロノ・ハラオウン スバル・ナカジマ ユーノ・スクライア ヴィヴィオ 電波
https://w.atwiki.jp/mugenshoko/pages/36.html
が……キャロタイムは…こないのかな 自分でいったスーパータイムだ 電波促進をかねて、ユーノとキャロの相性の良さを語るとしよう ユノキャロ要素を含む作品は 某家族、エロパロの蟻地獄、地獄司書長(の初期)、←の人が書いた恋愛相談中のキャロ がとっさに浮ぶものだな 某家族SSで親子ネタは認知されている しかしだ。良く考えれば、“師弟ネタ”もいけるんだぞ? こら、そこ! スバルだけの専売特許だと思うなよ! 某家族SSでも初めは師弟から始まっていたし、二人とも高町なのh曰く『優しくて背中があったかくなる』支援魔法系だからな エリオにもシグナムという師がいるんだからいいだろう 二番目は兄妹ネタ かつてこのスレでも有ったはずだが、違和感が皆無なんだなこれが まあ、無茶を繰り返すユーノを泣いて止めるキャロというのがデフォルトだろう もしくは、旅から帰ってくるのを心待ちにしているのもよい コンビ(パートナー)ネタ はいここの電波は重要です。テストに出ますよー! わかりやすく言えば、ラジオの司会役として組む二人を想像して欲しい さらに地獄司書長での二人(黒ユーノと黒キャロ)でも可 他にも 医療所を開く二人、ユーノ孤児院にやってくるキャロ、旅をする二人、ガーディニングにいそしむ二人、 竜の生態調査に向かう二人、ミッドチルダの名ラジオ司会な二人、智の果実(リンゴ)狩りに手を出す二人、 焼き芋を焼く二人、ネコミミキャロとフェレットユーノの子供向け番組! タッグデュエルをする二人(バーストストリーム!!)、他多数 可能性は無限大だ!! 61スレ キャロ ユーノxキャロ 小ネタ
https://w.atwiki.jp/damnedfish/pages/193.html
マツダ ユーノスロードスター 型式(エンジン形式) 93~’97 E-NA8C(BP-ZE[RS]) 89~’92 E-NA6CE(B6-ZE[RS])
https://w.atwiki.jp/mugenshoko/pages/23.html
あの人に想いを届けるために 「あーあ、先生とクリスマスパーティーに出たかったなぁ……。ま、しょうがないけど……。」 そう言うとスバル・ナカジマはぎしり、と椅子を鳴らした。 毎年地球・日本の海鳴市で行われるクリスマスパーティーに、スバルも参加する予定であった。しかし、今年は当日になって 参加をキャンセルする事になった。 何故ならば、部隊の当直を変わってあげたからである。 「あたし、そこまでお人好しじゃなかったと思うんだけど……。」 そう言いながらスバルは、自分のデスクにある写真立てを手にとった。 その写真立てには、数年前に行われたクリスマスパーティーの写真が収められていた。 その顔ぶれは彼女のかつての上司や同僚、そしてその家族や友人達である。 スバルはその中の一人、流れるような金髪と翡翠色の目をした、女性と見紛うような美しい男性にすっと指を滑らせた。 「やっぱり、貴方の影響ですかね……先生……。」 優しく微笑みながらそう呟くと、スバルは先程、自分が当直を変わってあげる事になった経緯を思い出していた。 「ようし、これで引き継ぎは大丈夫っと……。それじゃあ、そろそろ行こうかな?」 スバルはそう言いながら時計を見た。これからの移動時間を考慮すると、丁度良い時間である。 「ふふっ……。皆が揃うクリスマスパーティーなんて、久しぶりだなぁ……。……先生に逢えるのも、久しぶりだし……。」 そう呟くと、スバルは顔を綻ばせた。彼女が先生と呼ぶ人物……無限書庫司書長、ユーノ・スクライア……とは、中々会えないでいた。 彼女が以前機動六課にいた時に知り合い、半ば押しかけ同然に彼の生徒になって以来、その関係は続いていた。彼には魔法の事だけでは なく、様々な事を教わった。もっとも、今はそういった事を教えてもらう事は少なくなり、休日に一緒に出かけたり、食事をする事が多 かったのだが。 しかし元々忙しい二人である。特にここ最近はユーノとスバルの予定が合わず、中々逢えなかった。 メールや電話で連絡を取ってはいたが、それでも少し寂しいと、スバルは思っていたのである。 だが、うきうきしながら帰る準備を整えていたスバルの耳に、ふと会話が聞こえた。 「……あの子は? そう……。悪いけど、頼むわね、あなた。本当にごめんなさい……。分かっていた事とはいえ、あなたにもあの子にも 申し訳なくって……。はい……。ええ、分かったわ。それじゃ……。」 その声の主をスバルは見た。それは先輩の女性隊員であった。数年前に結婚し、女の子を出産した後に再び湾岸警備隊特別救助隊に戻って きたタフな女性であり、女性隊員が少ない湾岸警備隊にあって、スバルが特に信頼を寄せる人であった。 (あれ? でも先輩も今日はこれからオフな筈なのに……。今日は確か、娘さんの誕生日だった筈じゃ……。) 彼女と娘と、娘を抱いた夫の写真を見せられながら教えられた事をスバルは思い出した。嬉しそうに語る彼女は本当に幸せそうで、それを 見たスバルも、幸せな気持ちを抱いたものであった。 だが、今の彼女は沈んだ表情をしていた。それが気になったスバルは、彼女に声を掛けた。 「先輩……どうなさったんですか?」 「あら、スバル……。いえ、ちょっとね。今日の当直の一人が体調を崩したみたいでね、私が当直になったの……。」 「え!? でも先輩、今日は娘さんの誕生日じゃ……!」 「うん……。でも、仕事だから仕方ないわ。私も夫も、こういう事があるって事は納得した上で、結婚して子供も作ったんだし……。」 「でも……それじゃ、娘さんが……。」 「そうね……。でも、きっと分かってくれるわ。いつか、きっと……。」 そういって寂しげに笑う彼女に、スバルの胸は締め付けられた。 それは、彼女や彼女の娘の事を思っただけではない。その寂しげな表情に、見覚えがあったからだ。 かつてのクリスマスパーティーの際に、とある事情でケーキを買いに行ったユーノを迎えに行った時に見た、彼の表情。 親子連れを見つめ、とある行動に出た時のユーノの表情と、今見た彼女の寂しげな表情が重なったのだ。 そう思った瞬間、スバルは彼女に言っていた。 「先輩、今日の当直、私が代わりますよ。」 だがその申し出に、女性隊員は微笑みながら首を振った。 「有難うスバル。だけど、貴女もこれからパーティーなのでしょう? ずっと楽しみにしていたじゃない。」 しかしスバルは笑顔で言った。 「いいんです、皆とはまた機会がありますから。だけど、お子さんの誕生日は今日だけです。しかも、小さい時の誕生日って特別じゃない ですか。そんな日に御両親がいなかったら寂しいじゃないですか。ちゃんとお父さんもお母さんもいるんですから。……行けるのなら、 行くべきですよ。娘さんの、ためにも。」 「……スバル……。」 女性隊員は、スバルの言葉に唇を噛み締めた。彼女は、スバルの生い立ちを聞かされていた。その彼女が発した言葉には、重みがあった。 悩む女性に、スバルはダメ押しとばかりに笑顔で言った。 「あ、先輩、もちろんタダではありませんよ? 最近、美味しいケーキ屋さんを見つけたんです。そのお店のケーキを奢ってもらいますよ。 ……それでどうです?」 そのスバルの言葉に、女性は吹き出すと言った。 「……分かったわ、スバル。それじゃあ当直を代わってもらうわね。ケーキはホールで奢ってあげるから、好きなのを考えておいて頂戴。」 「さっすが先輩、太っ腹! それじゃあ早く行って下さい!」 「ええ。スバル……本当に有難う……。」 そう言ってスバルは彼女を見送った。そして冒頭の場面に戻る訳である。 「今頃、先輩と旦那さんと娘さん、楽しくやってるかな……。それに、先生達も……。」 急に参加出来なくなった事を既に向こうにいたギンガに伝えた時も、残念がられていた。 「スバル、どうして? 貴方、今日はちゃんと休みを取っていたんじゃないの?」 「う……ん。そうなんだけどさ……どうしても、当直をやらなきゃならなくなってさ。あたしも行きたかったんだけど……皆によろしく 言っておいてよ、ギン姉。」 「……分かったわ、しっかりね。だけど、貴女がそんな事をするようになるだなんてね……。ユーノさんの影響かしら?」 「ぅえ!? な、何の事、ギン姉!?」 「何でもないわよー。また仕事が終わったら連絡を頂戴。保存が効きそうな料理はとっておいて、持っていって上げるから。」 「わー! お願いギン姉!!」 (……ギン姉には、大体分かっちゃってるかなぁ……。) 携帯端末を切った後、スバルはふっと溜息をついた。特にばれても問題は無い事だが、少し気になってしまう事ではあった。 「……まぁ、その時はその時か……。」 そう呟くと、スバルはたまっていた書類仕事を片付け始めた。 そして暫く後、湾岸警備隊特別救助隊に緊急コールがかかった。 とある市街地のホテルにて、爆弾テロが発生したのである。テロリストは既に逮捕されたのだが、爆弾を止める事は出来ず、ホテルが 火の海と化してしまったのである。 「こちらナカジマ! ヴォルツ司令! 要救助者を確保しました! 他の方達の救助に向かいます!」 『こちらヴォルツ! ナカジマ、無理はするな! この火の勢いじゃ、二次災害の危険も高い!』 「分かってます、無理はしません! 無理はしませんが、出来る範囲で救助します!」 『馬鹿野郎! お前の場合、それが無理してるってんだよ!! いいか、要救助者を助けるのは大切だが、そのために己を犠牲にするな! 俺のようになるな! 分かったな!!』 「分かりましたよ! これから要救助者の捜索を行うので通信を切ります! それでは!」 『あ、おい、ちょ……!』 通信を切ったスバルは辺りを捜索し始めた。その時、微かに助けを呼ぶ声が彼女の耳に届いた。 スバルがその声を辿ると、若い女性が倒れていた。スバルが駆け寄ると、息も絶え絶えに言った。 「お願い……。子供が上に……子供が逃げ遅れているの……!」 「!? 何ですって!?」 「お願い……私の事はいいから、早くあの子を……! あの子を助けて下さい……! どうか……どうか……!!」 そう言うと、女性は気を失った。丁度他の隊員が到着したため、彼らに女性を任せると、スバルは上階へと向かった。 上階は、既に炎の海であった。黒煙も立ちこめ、あまりにも酷い状況であった。だが、スバルは捜索を開始した。 (あの時のあたしみたいに、救助を待ってるかもしれない……!) 思い出すのは、かつての自分。あの空港火災で死に瀕していた自分を救ってくれたなのはのように、様々な現場で、幾つもの命をスバル は救ってきた。 全ての命を救える訳ではない事は分かっている。だが、それでも全ての命を救おうという気持ちは持っていたいと、スバルは思っていた。 (今度も……絶対に……!!) そう強い気持ちを秘め、スバルは子供の捜索を続けた。その時。 「……っく……れか……たすけ……」 「─────────ッ!?」 スバルの耳に、微かにだが子供の声が聞こえた。その声と生体反応を辿ると、座り込んで泣いている小さな女の子を発見した。 「見つけたっ! 大丈夫!? 怪我はない!?」 自分の前にやってきたスバルに、女の子は一瞬驚いた顔をしたが、安心したのか、泣き出した。 その様子に笑顔を浮かべながらスバルは言った。 「よーしよしよし、もう大丈夫だからね! 怪我は……無いみたいだね。よし! 早く帰ろう! お母さんが待ってるよ!!」 スバルが言った「お母さん」という単語に反応した少女が言った。 「おかあさん!? おかあさん、だいじょうぶ!?」 「うん、大丈夫! だから早く帰ろう!」 そう言って少女を抱えると、スバルは現場から離脱するべく立ち上がった。 だが、現場の状況は、スバルの予想よりも早く悪化していた。通路は炎に包まれ、階段は爆発で崩落していた。 (出口は……無いか! こうなったら外に出て、ウイングロードで脱出を……!) そう思った瞬間、スバルの足場が崩れた。反射的にプロテクションを張ったものの、周囲から猛火と瓦礫が襲ってきた。スバルのプロテク ションとバリアジャケットは耐火仕様ではあるものの、ここまでの業火や大規模な瓦礫に耐えられるかは厳しかった。彼女一人ならばとも かく、少女と一緒だと……。 (でも……助ける! 助けてみせる!!) そう思いながら、スバルは少女を強く抱きしめた。かつて彼女の知人である提督は言った。「世界はこんな筈じゃなかった事ばかりだ。」と。 今日が誕生日で、父母に祝ってもらっている少女もいる。 遠い異国では、今日はクリスマスという祝日であり、家族や恋人達が幸せを謳歌している筈だ。 そんな人達がいる一方で、この少女のように予期せぬ災いに見舞われている子もいる。だが、生きてさえいれば、再び幸せを噛み締める 事が出来る筈だ。そしてそれは、この少女だけではない。 (あたしも……こんな所で終われない……! 生き延びて、皆に……あの人に、また逢うんだ……!) スバルの脳裏には、かつての仲間や家族の事がよぎった。そして、一人の青年の事も。 いつも誰かを護るために、己の身を削り。 誰かに評価される事が無くても、その誰かのために働いて。 どんなに苦しく、辛い状況でも笑顔を絶やす事なくその困難に立ち向かい。 そして必ず何とかしてしまう、翡翠色の魔力光を纏う魔導師の事を。 「……せんせい……ッ!!」 そう呟いたその瞬間、彼女の耳に、ここでは聞こえる筈の無い、けれどとても聞きたかった声が聞こえた。 「スフィアプロテクションッ!!」 そしてスバルのプロテクションを更に覆う形で、新たなプロテクションが形成された。 とても暖かく、とても優しく、そして……とても心を震わせる、翡翠色の魔力光のプロテクションが。 そのプロテクションは、激しい業火も、大きな瓦礫も物ともしなかった。スバルの腕に抱かれた少女も、驚いたようにその様子を見つめて いた。 やがて翡翠色のプロテクションは、風船の用にスバルと少女を完全に包み込むと、ふわふわと浮かび上がった。 そのまま二人は崩落した所から浮かび上がると、一人の青年の前へと運ばれた。 女性と見紛うような美しい容姿。 流れるような金髪は、翠色のリボンで纏められている。 普段はラフな格好だが、今はどこかの部族の民族衣装のようなバリアジャケットを身に纏っていた。 「……先生……?」 「うん。良く頑張ったね、スバル。」 スバルの問いかけに笑顔で頷いたのは、無限書庫司書長ユーノ・スクライアであった。 「せ、先生!? い、一体何でここに!?」 驚くスバルにユーノは言った。 「それは後で説明するよ。今はこの子を何とかしてあげないと……。」 そう言って少女に向き直るとユーノは優しく言った。 「特に怪我は無いね。それじゃ、ちょっと目を閉じていてくれるかな? すぐに安全な所へ送るよ。」 だがその言葉に、少女はユーノの手を握ると言った。 「おねえちゃんとおにいちゃんは……こないの? ここ、あぶないよ? いっしょにいかないの?」 その少女の言葉に、ユーノとスバルはお互いに顔を見合わせると、笑顔で言った。 「うん。お姉ちゃん達は、まだやる事があるから。でも大丈夫! 必ず無事に戻るから!」 「僕達はこう見えても強いんだ。心配してくれるのは嬉しいけど、大丈夫だから。先に戻って、僕達を待っていてよ。ね?」 二人に諭されると、少女はこくり、と頷き目を閉じた。それを見たユーノは、転送魔法を発動させ、少女を救助隊の元へと送った。 「それで先生、どうしてここに?」 スバルの問いに、ユーノは頬を掻いて苦笑しながら答えた。 「うーん、話せば長くなるんだけどね……。君が当直をやらなきゃいけないから来れないってギンガから聞いた時、ティアナも交えて 三人で考えたのさ。これは、誰かの代わりになったんじゃないかって。」 付近の生命反応を探りながらユーノは言った。 (流石にティアとギン姉と先生が揃うと、私の思考は相当トレースされちゃうなぁ……。) 苦笑しながらスバルはユーノの話を聞いていた。その様子を見ながらユーノは言った。 「でね、僕の伝手を辿って、君が先輩隊員を娘さんの誕生日を祝えるように当直を代わってあげたって事が分かってね。」 しかし、そのユーノの言葉を聞いた瞬間、スバルは盛大に吹きだしていた。 「ぶふぉっ!? せ、先生、一体どんな伝手があったんですか!? かなり個人情報が絡んでると思うんですけど!!」 「いやぁ蛇の道は蛇って言ってね。公には出来ない情報の入手法って、結構あるものなのさ。」 さらっとそんな事を言うユーノに、スバルは改めて畏怖と尊敬の念を抱いた。そんな彼女の気持ちなぞ露知らず、ユーノは言った。 「ただその時に、同時にこの火災の事を知ってね。すぐに関係各所に連絡を入れて許可を取って、やってきたんだ……皆でね。」 「え? ……皆……?」 スバルがそう言うと、彼女の前にウィンドウが開き、見覚えのある顔ぶれが映った。 『そうよスバル! 皆で来ちゃったんだから!』 『スバルさん、無事ですか!?』 『心配しましたよ! 無茶をして……!』 「ティア、エリオ、キャロ! 皆、どうして……!?」 『皆、貴女を心配したのよ、スバル。』 『そうだぜスバル。あんま無茶すんなよ?』 「ギン姉! ノーヴェも……!」 そう、この大規模火災の事を知ったユーノ達は関係各所に許可を得て、海鳴からやってきたのである。そしてそれは、パーティーに出席 する面子の殆どであった。ヴォルケンリッターも、ヴィヴィオやその友人達も、スバルの弟分であるトーマやその仲間も来ていたのである。 現場に出たり、後方支援をしたり、それぞれのやり方で救助隊を援護していた。 そしてもちろん、あの面子も来ていた。 『おいフェレットもどき、こちらは要救助者をもう収容し終えたぞ。もう少し資料を作成するようにきびきびと働かないか。』 『ちょっと兄さん! そんな言い方ないでしょ!! ごめんねユーノ、ユーノも頑張ってるのに……。』 『なーに、大丈夫やってフェイトちゃん! クロノ君もユーノ君を心配してる裏返しなんやから!』 『にゃはは、そうだよねー! でもユーノ君、大分救助者は収容したよ! そちらもそろそろ撤退を考えてね!』 「分かった、皆有難うね。……ただしクロノ、君には後で話があるから。」 「皆……わざわざ……。」 そう呟いたスバルの目には涙が浮かんでいた。ユーノはその様子を微笑ましそうに見つめていた。 「みんな君を心配したのさ。その……もちろん、僕もね。」 「先生……。」 「さぁ、要救助者はもういないみたいだ。僕らも撤退するよ!」 「はい、先生!」 そう元気良く返事をすると、スバルはユーノにぎゅっと抱きついた。 「ちょ、ちょっとスバル!? 何してるのさ!?」 スバルが機動六課にいた頃、ユーノは良く彼女に抱きつかれていた。それから数年経ち、彼女も大人になって流石にそういう事が無くな ってきたために、ユーノも油断していたのである。 「だって、先生とはずっと逢えなかったから。だから先生分を補給してるんですよー。」 そう言いながらスバルはユーノに抱きついたまま、その匂いをすんすんと嗅いだ。その行動に、ユーノは更に焦った様子で言った。 「や、やめてよスバル! 君もいい大人なんだから、昔みたいな事をしちゃ駄目だよ!!」 スバルは昔からスタイルが良く、それ故にユーノは抱きつかれた時に色んな意味で困っていた。それが今、成長した彼女に抱きつかれて いるのだから、ユーノは以前とは比べ物にならない位困っていた。 (うわ、スバルは本当に成長してる……ボリュームや柔らかさが昔とは段違い……って、だ、駄目だ駄目だそんな邪な事を考えちゃ!!) 頭をもたげる男の本能的な考えを、ユーノは必死に振り払おうとした。だが、そんなユーノを見て、スバルは悲しそうな顔をしながら 言った。 「先生……。あたしにこんな事をされて、迷惑ですか……?」」 だが、スバルの悲しい表情を見たユーノは、迷う事無く言った。 「いや、迷惑なんかじゃないよ。君の事を迷惑だなんて思った事は、只の一度も無いさ。君の明るさは、いつだって僕を救ってくれたよ。 それは本当さ。誓ってもいいよ。」 そのユーノの言葉に、スバルは笑顔になると、再びユーノを抱きしめて言った。 「有難うございます、先生! やっぱり先生、だ……。」 スバルは「先生、大好きです!」と思わず言いかけた。だが、その時幸か不幸か再び爆発が起こった。 「くっ……! とにかくスバル、撤退しよう! 積もる話は、その後でね!」 「は、はい! 分かりました!」 転送魔法の準備をし始めたユーノに抱きついたまま、スバルはそっと安堵の息を漏らした。 (あ、危なかった……。いくら先生が鈍いって言ったって、面と向かってはっきり『大好き』なんて言ったら……。でも、いつかは……。) ユーノのバリアジャケットの裾を握り締めながら、スバルは一人、決意を新たにした。 ユーノと共に転送魔法で現場から無事に離脱したスバルは、そのままヴォルツ司令へと報告に向かった。 「ヴォルツ司令! スバル・ナカジマ防災支長、只今戻りました!」 「おう、お疲れさん。無事で何よりだ。……だが、今回はちっと無理をし過ぎだ、ナカジマ。要救を助けるのは大切だが、それでお前が 危険な目に遭っちゃあ本末転倒だろうが。次は気をつけろよ。」 「はい、申し訳ありませんでした。それで、司令、今回の犠牲者は……」 スバルは声を落として訊いた。流石にこの規模の火災であれば、死者も相当数出たのではないかと思ったからだ。だが、それを読み取った ヴォルツは、意識して明るく言った。 「それがだな、重症を負った人はいるが、今回死者はいない。皆生きているぜ。お前が救出した母親も意識を取り戻した。娘さんと一緒に 病院へ搬送されたよ。お姉ちゃんとお兄ちゃんによろしく、有難うって言ってたぜ?」 「えっ!? 本当ですか!?」 驚くスバルに頷きを返しながらヴォルツは言った。 「ああ、本当だ。この規模の災害で犠牲者がいないってのは奇跡だな。……いや、お前やナカジマ姉が巻き込まれた空港火災もそうだった か。あの時は管理局の誇る若きエース達が奮闘したんだったっけな。だが今回は、更に成長した彼女達に加え、伝説の機動六課の元隊員 達や元凄腕の執務官だった提督、それにエースやお前の家族達も加わったんだから、そりゃ助かったってもんだぜ。ああ、それと……。」 そう言うと、スバルの様子を見ながらヴォルツは意味深に言った。 「……お前が敬愛する、伝説の司書長様も来てくれたんだよな。いや、彼が皆を連れてきてくれた、と言った方が良いのかな? お前の状況 を把握したり、すぐに転送魔法の許可を取るために関係各所の調整をしたり……。よくもこの短時間でやり遂げたモンだぜ。そのおかげで 迅速な救助が出来て、犠牲者が出るのも防げた。流石はお前の先生だな?」 そのヴォルツの言葉に、スバルは満面の笑みで頷きながら言った。 「はい! やっぱり先生は凄いです! 流石は『私の』先生です!!」 ヴォルツが意図的に持ち上げていた事に気付かず、ユーノを褒められた事に気を良くしたスバルは、我知らず自分の想いを吐露していた。 それに内心で笑みを浮かべながらヴォルツは言った。 「まぁ、とにかく、今夜はお疲れさん。報告書なんかの提出は後日でいい。今夜はもう帰れ。パーティーに出るんだろ?」 だがスバルは苦笑しながら言った。 「いえ、そうしたいのは山々なんですが、今夜は私、当直なんですよ。ですから……。」 「大丈夫よ、スバル。当直は私が引き継ぐわ。貴女は安心してパーティーに行ってらっしゃい。」 「え!? 先輩……!?」 スバルは驚いて振り向いた。そこには、スバルに当直を代わってもらい、娘の誕生日を祝っているはずの女性隊員が立っていた。 「先輩、どうしてここに!? 娘さんの誕生日を祝ってあげてる筈じゃ……!」 「流石にこの規模の災害だもの、私も出動するわ。」 「え、それじゃ、娘さんの誕生日は……。」 「大丈夫。ちゃんとプレゼントを上げて、祝ってあげられたわ。凄くはしゃいじゃって、すぐに寝ちゃったのよ。呼び出しがあったのは その後だったから、変な言い方だけど……丁度良かったわ。」 「そうでしたか……。」 スバルはほっと胸を撫で下ろした。隊員が娘の誕生日を祝う事が出来て、本当に良かったと、心から思った。 その二人の様子を微笑ましげに見ていたヴォルツが、笑顔を浮かべて言った。 「ま、そう言う訳だ。元々休みだったお前にこんな事を言うのはなんだが、これは俺と彼女のからのクリスマスプレゼントだ。有難く 受け取ってくれや。」 「司令……。」 二人の心遣いに、スバルは胸が熱くなった。 「さ、お行きなさい、スバル。皆が待ってるわよ。それに……。」 そこまで言うと、にっこりと笑って彼女は言った。 「……早く行かないと、スクライア司書長を取られちゃうわよ?」 「──────ッ!?」 いきなりそんな事を言われたスバルは、耳まで真っ赤になった。 更に追討ちをかけるように、ヴォルツも言った。 「そうだぜナカジマ! 相手がエースオブエースだろうが、元仲間達だろうが関係ねぇ! 湾岸警備隊特別救助隊魂を見せてやれ!」 「司令まで……もう……!」 羞恥心で肩を振るわせていたスバルであったが、やがて吹っ切れたように顔を上げ、びっと敬礼をすると言った。 「……分かりました! 湾岸警備隊特別救助隊防災士長スバル・ナカジマ、湾岸警備隊特別救助隊魂を胸に、パーティーに行ってきます!!」 「おう! 頑張ってこい!」 「しっかりね。スクライア司書長はきっと難敵だけど、貴女ならきっと射止められるわ。」 二人に激励されたスバルは、転送ポートへと駆け出していった。 「やあスバル、待っていたよ。」 「え? 先生!?」 指揮所を飛び出したスバルを待っていたのはユーノであった。スバルは小走りにユーノの所へ駆け寄ると言った。 「先生、どうしてここに? それに皆は?」 「皆は僕が一足先に転送したよ。僕は、君がこれからパーティーに参加するってヴォルツ司令から聞かされてね。君をすぐに海鳴に送れる よう、待っていたのさ。」 「そうだったんですか……。」 スバルにそう答えながら、ユーノはヴォルツ司令に言われた事を思い返していた。 (それにしても、『ナカジマをよろしくお願いします。』ってヴォルツ司令も大袈裟だなぁ……。ちゃんと海鳴まで送ってあげるのに……。 いや、それだけ彼女が大切なんだろうな。僕もちゃんとエスコートしてあげないと……。) とても聡明なのに、恋愛方面に関しては全くと言っていいほど疎く鈍いユーノは、ヴォルツ司令が言った事の真意を今一つ理解していなかった。 それでも。 (まぁ、僕もスバルと久しぶりに一緒にいられるのは嬉しいかな……。今夜は楽しいクリスマスパーティーになりそうだ……。) スバルの想いは、少しずつユーノに届いているのかもしれなかった。 その証拠に……。 「さ、行きましょうか、先生!」 と、スバルが腕を組んできても。 「ああ、そうだね。それじゃあ行こうか、スバル。」 と、ユーノはそれを自然に受け入れたのだから。 腕を組んで寄り添う二人は、正しく恋人達のようであった。 この後、パーティー会場である月村家に着いてから制服姿だった事に気付いたスバルが涙目になったり、こんな事もあろうかと用意されて いたドレスで見事にドレスアップされたスバルにユーノが見蕩れたり、その事に若干の不満を覚えた女性陣にユーノが怒られたり、ドレス を着て気合が入ったスバルが積極的にアプローチをし、それに対抗して他の女性陣もアプローチを開始したり、それをクロノを始めとした 男性陣にからかわれたり、最終的には皆心からパーティーを楽しんだのだが、それはまた別のお話。 142スレ SS スバル スバル・ナカジマ ユーノxスバル ユーノ・スクライア
https://w.atwiki.jp/mugenshoko/pages/213.html
6課襲撃時にユーノがいたら eAse5psi ユーノTUEEEEEEEEEE設定だから苦手な人は下にスクロールしてくれ ―――舞い上がる火の粉、崩れ落ちる瓦礫、倒れる二人の騎士、その上空には不気味に 飛び回るガジェットの群と破壊された隊舎を見下ろす二人の戦闘機人。 正義の象徴でたる隊舎はかつての姿を失い、天を染める炎を立ち上らせていた。 彼女達の任務は、地上本部警備のためにエースを失った機動6課の制圧 …そして聖王の器の奪取 抗う【力】を持つ者は倒れ、この6課を太陽の様な笑顔で包んだ少女も奪われようとしていた。 守りたい、守りたい、守りたい、守りたい、 傷付き、意識を失った隊員達は最後までそう祈っていたはず。 その願いを打ち砕いた戦闘機動が口を開く。 「オットー、ルーお嬢様からの通信は? いくら何でも遅すぎる」 タイムリミットは近い。エース達が帰還したら帰還は難しくなる 「ルーお嬢様からの通信は無いよ。…ガリューも付いてる。大丈夫」 絶望に染まるはずだった。守りたかった。全てを奪われるはずだった。 ――そんな願いがとある男に届いた 「ルーお嬢様ってこの娘の事かい?」 不意にこの場にそぐわない透き通った声が響く。 「説得しようとしたんだけど攻撃してきたらちょっと眠ってもらったんだ」 燃え上がる隊舎から現れたのは、細身の男だった。 美しい蜂蜜色の長髪、透き通った翠の瞳、中性的な顔には妙な迫力が漂っている。 「っ隊員か!?」 ディードとオットーは同時に戦闘態勢に入る。 情報ではここにいる戦闘員は先程の騎士二名だけだったはず! 「僕? 6課の人間じゃないよ。僕は無限書庫司書長のユーノ・スクライア」 「何故その司書長がここに?」 オットーは考える。この男からはルーテシアを気絶させる程の強さが感じられない。 「私用でね、娘に会いに。そしたら6課がこんな有り様で。 意識を失う前にザフィーラからヴィヴィオと負傷した隊員達を頼むと言われたから、皆を転移させてたんだ」 ユーノは一瞬の間を空け、睨みつけるように言った。 「…それよりさ見てるんだろ? スカリエッティ」 ―ブン 音と共にオットーとディードの間にモニターが出現した。 「おやおや、珍しい人がいたものだね。無限書庫司書長ユーノ・スクライア殿?」 そのモニターに映っていたのは、この事件の中心にいるジェイル・スカリエッティ本人だった。 そんな男に怯む事無くユーノは告げる。 「顔を合わせるのは初めてだね、Dr,スカリエッティ。 僕はこれでも怒っているんだ。何故こんな事をしたのか説明して欲しい」 「説明!?そんなモノが必要かね?計画の邪魔になる敵を潰し、必要になるモノを返してもらっただけだよ」 「…そうか。こんな小さな女の子を使って、もっと小さな女の子を奪う……」 「それが人のやることかぁぁ!!」 ユーノは怒鳴りつけた。普段の柔和な彼からは想像もできない怒気を纏っている。 「フフフ…そう恐い顔をしないでほしいなぁ。 君とはもう少し話をしてみたかったんだが時間もあまり無い。今日は失礼させてもらうよ」 そこで彼は思い出したかの様に言う。 「あぁそうだ。ディード、オットー、帰還するんだ。」 「この男とルーお嬢様はよろしいのですか? 」 「あぁ。ルーテシアは必ずこちらに戻ってくるし、今の君達では彼には勝てないよ」 ―ブン モニターが消えた瞬間、戦闘機人のふたりはユーノに背を向ける。 「ルーお嬢様はいずれ返して頂きます」 告げるなり彼女達の周りから光が噴出し、次の瞬間には消えていた。 「…彼女達が戦闘機人か…、それに掃除も残ってるなぁ」 ユーノは上空のガジェットの群に目を向け溜め息をつく。 「疲れるんだけど、そうも言ってられないよね」 言うなり、ユーノは目を閉じ集中する。 思い浮かべるのは鎖。それも魔力で練った鎖では無く、鋼の鎖。 AMF、ガジェット達は魔法の力を強制的にキャンセルする力場を発生させている。 でも彼はそれを破る術を知っている。 「フルメタルバインド!」 唱えると同時にガジェットを挟む形で翠の魔法陣が顕現する。 「貫け!」 その魔法陣から現れたのは鋼鉄の鎖だった。 その鎖がガジェットの機体ん貫いていく。空を埋め尽す程のガジェットは翠に包まれた瞬間に全てが爆散した。 「転移魔法を無理矢理使った後のコレは厳しいな…」 苦しそうに呟きながら空に目を向ける。 するとそこには白い竜に乗った、見慣れた姿があった。 「…エリオとキャロ、来てくれたんだ。」 安心すると体が重くなる。 魔力量の少ないユーノにとって転移魔法と複数の束縛魔法は厳しすぎるものだった。 自分の頼り無さに苦笑いを浮かべながら彼はあっさりと意識を手放した。 長くなってしまったorz 中二病な強さなユーノ君を書きたくてやった。反省はしている。 この後の病院でお見舞い合戦が行われたのは間違い無いよ 14スレ SS オットー ディード ユーノ・スクライア
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/379.html
あの人に出会ったのは、まだフェイトちゃんと友達じゃなかった頃の話。 ロストロギア『ジュエルシード』をめぐる、後にプレシア・テスタロッサ事件と呼ばれる事件での事。 あの人は傷だらけの体で突然現れ、そして全ての記憶を失っていた。 そう、自分が誰なのかさえも…。 魔法少女リリカルなのはA s -NOCTURNE-、はじまります。 第1話『かくて、少女は狩人と出会う。(前編)』 「東京の方で時空震…、ですか?」 その日なのはとユーノは、リンディに呼び出されていた。 「ええ、そうなの。ジュエルシードの反応は無いんだけど、念のため確認に行って欲しいの。 本来なら他の局員に行ってもらってるんだけど、今ほとんどが出払っちゃてるの。」 リンディはそう言って、申し訳なさそうにしている。 なのはとユーノはそれを見ると互いの顔を見てうなずきあい、 「わかりました。お引き受けします。」 そう、答えた。 それを聞くとリンディは微笑み、 「ありがとう助かるわ。で、肝心の場所なんだけど…。」 そう言ってコンソールを操作し、モニターにマーキングの入った地図を表示させる。 「どうやら公園みたいね。公園の名前は、『井の頭公園』ね。」 リンディが告げたのは、とある世界で滅びの運命が始まるきっかけとなる事件が場所であった。 男は、森と思われる場所をさまよっていた。 (ここは…、どこだ?この傷は、一体?) 男の体は常人であれば動く事も出来ないほどの傷があった。 (ちっ、とりあえずここから出て傷の手当てが先か…。) 男はそう考え、この森から出るためにその傷だらけの体を引きずりながら移動を始めた。 男が移動を始めた頃、なのはとユーノは井の頭公園の入口に到着していた。 「ここが井の頭公園かぁ~。でも、夜だから誰もいないみたいだね。」 なのはは苦笑しながらフェレットモードで自分の肩に乗っているユーノに告げる。 「うん、誰かに見られる可能性が少ないのはありがたいけど、どんなことが起きるかわからないから気をつけて。」 ユーノはそう言いながら周囲を警戒している。 「わかったよ、ユーノ君。」 そう言ってなのはは、レイジングハートを構えなおし公園内へ進もうとするが…。 「あれ、何か事件でもあったのかな?」 公園の入口には、『KEEP OUT 立ち入り禁止』とプリントされた黄色いテープが張られていた。 「えーと、どうしようユーノ君…。」 なのはは困った顔でユーのに問いかける。 「う~ん、時空震の反応は公園の中から出てる以上中に入って調べるしかないよ。」 ユーノも困った顔でなのはにそう告げる。 「そっ、そうだよね。それじゃ、お邪魔しま~す。」 誰に断っているのかわからないがなのははそう言いながらテープをくぐろうとする。 だが、その瞬間…。 「ふむ、こんな時間に立ち入り禁止と書かれているところに子供が入ろうとするのは感心せんな。」 「ひゃぁーーっ!」 突然、背後から響いた老人の声になのはもユーノも心底驚かされた。 だが、それでも声を出さなかったユーノは男の子としての意地か、それとも声が出ないほど驚いたのか。 「ふぉっふぉっふぉっ。もう、夜も遅いのじゃからあまり大きい声はいかんぞ?」 声の主は、自身がその原因にもかかわらずそんなことを言っていた。 そして、なのはは、少し涙目になりながら老人のほうへ向き問いかけた。 「あっ、あの、どこから見ていました?」 そう、声をかけられるまでまったく気配のしなかった老人。 彼がどこから見ていたのか、もしかして魔法を使っているところを見られたのではないか。 その不安がなのはにはあった。そしてその不安は的中する。 「うむ、おぬしがその靴から奇妙な羽を広げて降りてきた辺りからじゃな。」 老人は、その長いあごひげを撫でながらそう告げる。 つまり、最初から見られていたということだ。 (どどどどっ、どうしよう!ユーノ君!!) なのははとことんまで慌てていた。 それはそうだ、完全に言い訳できない状況を見られていたのだから。 (とととっ、とりあえず落ち着こうなのは!) ユーノもユーノで慌てている。 だが、そんな二人に意外なところから救いの手が差し伸べられる。 「まさかこんなところで魔法を使う者に会うとはのぅ。」 「「へっ?」」 二人は同時にその声がしたほうへ向く。 その先にいたのは例の老人である。 「あの、その、おじいさん魔法の事知っているんですか?」 なのははおずおずと老人に向かって尋ねる。 老人のほうは飄々とした態度でこう答えた。 「知っとるも何も、わしも魔法を使うからの。」 「そっ、そうなんですか!?」 ユーノは驚いて声を上げる。 突然の驚きと夜であることも手伝ってよく見ていなかったが、見ると老人はあぐらをかいた状態で浮かんでいる。 何かで吊り上げていると言うことも無く、これでは魔法使いではないというほうがおかしいだろう。 「いかにも、わしの名はアガレス。おぬしらは?」 アガレスは自らそう名乗るとなのは達の名を聞いてきた。 「あっ、高町なのはです。」 「ユーノ・スクライアです。」 なのは達は姿勢をただし自分たちの名前を名乗る。 「ふむ、なのはにユーノか…。おぬしらは何故ここに来たのじゃ?」 アガレスは、なのは達の目的を問いかける。 「ハッ、ハイ。この辺りで起こった時空震の調査に来ました。」 「ちょっ、なのは!」 あっさりしゃべったなのはにユーノは慌てる。 それはそうだ、アガレスと名乗る老人の目的がわからない以上こちらの事を喋るのは危険だからだ。 「なるほどのぅ。じゃが、つい最近この公園で傷害事件が起こった聞くぞ?それでも行くのか?」 まるでなのは達を脅すようにアガレスは問いかける。 「行きます!それが今、私がやるべき事ですから。」 なのはは、その脅しとも取れる問いかけにもひるまず答える。 まったくおびえず答えたなのはに老人は目を丸くし、そして…。 「ふぉっふぉっふぉっ。いい目をしておるの、なのはよ。」 一本とられたとばかりに笑い出す。 アガレスは、ひとしきり笑った後こう告げた。 「ならば行くがよい。おぬしなら何があっても乗り越えそうじゃしの。老人の出る幕はなさそうじゃ。」 そして、アガレスは去ろうとする。 「ちょっと待って下さい。」 そう言って引き止めたのはなのはの肩に乗っているユーノだ。 引き止められたアガレスは、ユーノのほうに目を向けそしてなのはのほうに向きを変える。 「なんじゃ?何か他に用があるのか?イタチの使い魔よ。」 そう言いながらアガレスはなのはの肩に乗ったユーノに顔を近づける。 「ボクはユーノで、この姿はフェレットですっ!!…って、違った。あなたは『何者』ですか?」 イタチに間違われたことに激昂するが、すぐに思考を切り替えアガレスに問いかける。 「え?え?どういうこと?ユーノ君。」 なのはは、訳がわかっておらず?マークで頭がいっぱいになる。 「なのは、このアガレスさんは確かに魔法使いだ。こうやって宙に浮かんで移動もして見せた以上疑う余地は無いと思う。 でも、こっちの目的は話したけどあっちの目的は聞いていない…。」 そう言って、ユーのは警戒心をあらわにする。 「ふむ、イタチ君はワシが敵ではないか?と、思っておるのか。」 アガレスは、なのはの肩のユーノに顔を近づけ、まるでからかうように問いかける。 「だからイタチじゃ…っと、話をはぐらかさないで下さい!」 「やれやれ、イタチにいちいち反応しとるのはおぬしじゃろうに…。」 怒りだしたユーノからアガレスは少し離れ話し始める。 「ワシの目的か…。まあ、おぬしらと同じじゃの。」 そう言って、まるでめんどうくさいと言わんばかりにあごひげを撫でる。 「つまり、時空震の調査ですか?」 アガレスの態度を意に介さずユーノは質問を続ける。 「ああ、そうじゃ。ひとつ付け加えると人探しもじゃな。」 「人探し?それは誰ですか?」 なのはが、アガレスのもうひとつの目的である人探しの部分に反応する。 「ん?ああ、ちょっとした知り合いの息子じゃよ。」 なのはの問いに、アガレスはやはりめんどくさそうに答える。 「?、なぜ人探しと時空震の調査が一緒になるんですか?」 ユーノは、アガレスの説明から感じた疑問を口にする。 「おぬしらにそこまで説明する義理はないのぅ。」 そう言って、アガレスは説明を拒否する。 「そんな…。もし人探しに時空震が関係しているなら、詳しく話してくれたら私も時空管理局の人もきょ……。」 協力してくれる。そう言おうとしたなのはをアガレスは手で制する。 「なのはお嬢ちゃんの優しさはありがたいが、その申し出は断らせてもらおうかの。」 アガレスは申し訳なさそうにそう言った。 「なぜです?その『知り合いの息子さん』が時空震によっていなくなったと言うのなら時空管理局はきっと協力してくれます。」 そう言いながらユーノは思った。 (この老人はまだ何かを隠してる。) その瞬間、アガレスは突然空へ上昇し、なのはたちの元を離れる。 しまった、ユーノがそう考えた時にはすでに遅く、かなりの距離まで離れられてしまう。 「アガレスさん!待って!」 なのははそう叫ぶが、もちろんアガレスは止まらない。 だが、最後にアガレスの念話が聞こえる。 〈それじゃぁの、なのはお嬢ちゃんにイタチのユーノ坊や。そのやさしい心を大事にな。〉 そしてアガレスの姿は完全に見えなくなった。 「どうしよう、ユーノ君…。」 なのはは困った顔でユーノに問いかける。 「…どうしようもないよ。完全に逃げられちゃったし、それにこれは聞きそびれた事だけど実はアガレスさんから魔力反応が無かったんだ。」 その言葉に、なのはは驚く。 「え?何で?アガレスさんは魔法使いだって……。」 なのはのその言葉にユーノは首を横に振る。 「多分、魔力を隠していたんだと思う。もしかしたらアースラの方でも反応はしていないかもしれない。」 ユーノのその言葉になのはは言葉を失う。 「なのは、思い出してみて彼は僕らが来た時から居たと言ったんだ。彼はあぐらをかいて宙に浮いていた。 僕らが来てからわざわざ宙に浮き始めたわけはないし、はじめから浮いていたなら少しでも魔力反応があるはずだ。」 そういわれてなのはは気づく。 「あ、そうか最初にきた時、私たち気づかなかったんだよね。」 そう言ってアガレスに驚かされた事を思い出す。 「…とりあえず、今は考えても仕方がないし公園の調査を始めよう。」 ユーノは、なのはに当初の目的を促す。 「うん、わかったよ。」 そう言ってなのはは公園内に入って行こうとするが……。 その瞬間、何者かが公園から出てくる。 いや、出てくるという表現は間違っていた。 公園から出ようとして立ち入り禁止のテープに引っかかって倒れたからだ。 「だっ、大丈夫ですか!?」 ユーノが止めるまもなくなのはは、その倒れた人影に慌てて駆け寄り、そして驚く。 「ユーノ君!どうしよう、この人ひどい怪我だよ!!」 なのはの言う通り男の怪我はひどかった。だが、救急車を呼ぶわけにも行かなかった。 それは男の持ち物のせいであった。 男はその背に大剣を背負っており、さらには着ている服に隠れているが腰の左右に拳銃のようなものまであったからだ。 「…アースラに連絡しよう。恐らくだけどこの人は時空遭難者だと思う。確認された時空震で飛ばされてきたんだよ。」 ユーノは、そう分析する。そしてそれは間違ってはいなかった。 こうして男は、アースラへと保護されることとなる。 そして、男がなのはに介抱される様子を遠くから見ているものが居る。アガレスである。 「ふむ、スパーダの息子め。やはりこの世界におったか。 やれやれ、怪我もひどいようじゃし、なのはお嬢ちゃんにまかせて出直すかの。」 そう言って、アガレスはこの世界から去っていった。 男が目を覚ましたのは、なのはに救助されてから三日後のことである。 アースラの廊下を歩いているリンディに、 「リンディ提督。」 そう言って、困った表情のクロノと真剣な表情のエイミィが近づいてくる。 「あら、二人ともどうしたの?」 リンディは微笑みながら二人を迎える。 「はい、三日前に保護された男に関することでちょっと。」 「私もです。彼の持ち物等についての調査報告があがってきたので。」 「わかったわ。なら艦長室へ来てちょうだい。そこで聞くわ。」 そう言って、三人は艦長室へ移動する。 「それじゃ、クロノ執務官の報告から聞かせてもらえるかしら?」 リンディは、デスクにつきながらそう言った。 「はい、実は彼が目を覚ましたと報告があったので事情を聞こうとしたのですが…。」 クロノはそこで言いよどんでしまう。 「?、何か問題でもあったの?」 リンディは、歯切れの悪いクロノに違和感を覚える。 「はい、どうも彼は記憶障害を起こしているみたいなんです。」 「記憶障害?それはまたややこしいことになっているわね。」 それを聞いてため息をつきながらリンディは率直な意見を口にする。 「ええ、自分自身の名前すら覚えてないみたいで取調べどころじゃなくって……。」 そう言って困った表情で両手を上げ、降参のポーズをする。 そこへ待ってましたと言わんばかりにエイミィが喋り始める。 「彼の名前くらいなら何とかなるかもしれませんよ。」 「あら、本当?」 その報告はクロノにとってありがたかった。 正直、名前すらわからないのでは今後のコミュニケーションにも関わるからだ。 「はい、彼の所持品の拳銃に名前と思われるものが刻印されていたんです。」 「そうか、これで少しは思い出せるといいが…。で、彼の名前はなんていうんだ?」 クロノは、エイミィにそう催促する。 「うん、銃に刻印されていたのは『-BY .45 ART WARKS FOR TONY REDGRAVE-』 つまり彼の名前は『トニー・レッドグレイブ』ってことになるわね。」 エイミィは右人差し指を立てながらそう言った。 だが、そのエイミィの説明にクロノは違和感を覚え、そしてすぐ答えにいたる。 「ちょっと待ってくれエイミィ。もしかして『WARKS』の部分は『WORKS』の間違いじゃないのか?」 「うん、多分ね。でも銃の刻印はこのスペルで間違ってないからたぶん刻印ミスだと思う。」 クロノの指摘にエイミィは冷静に返す。 「で?エイミィ他にわかった事は?」 そのやり取りを中断させ、リンディは報告の続きを促す。 「あっ、はい、あと銃についてわかったことは銃の名前が『Ebony(エボニー)』と『Ivory(アイボリー)』と言う事、 この銃が双子の銃であるという事、そして、刻印の通り『45口径の芸術品』であるという事です。」 その報告を聞きクロノが疑問を率直に言う。 「双子の銃?45口径の芸術品?どういう事だ、ただの銃だろ?」 その言葉に対して、エイミィは少し困った口調でこう返した。 「え~と、それがこの銃を調べた人間がかなりのガンマニアみたいで結構ディープな所まで調べたみたいなの。 で、その報告の内容なんだけど『詳しく』聞く?」 まるで、後悔するわよ。と言わんばかりに詳しくの部分を強調して告げる。 だが、その二人のやり取りを見ていたリンディが口を挟む。 「二人とも、今は私に報告しているんでしょう?仕事は最後まできっちりやりなさい。」 「「しっ、失礼しました!リンディ提督!」」 二人は、息ぴったりにリンディに敬礼をする。 「ふう、仲が良いのはいいけど公私の区別はしっかりね?で、エイミィ報告の続きなんだけど…。」 リンディの言葉にクロノは文句を言いたそうにしているがそれを無視してエイミィに報告を促す。 「はい、で、あの、どうします?」 どうしますとはもちろん『詳しく』説明するかどうかだろう。 「かいつまんでお願い。少し気になるのよ。彼が持っていた銃は明らかに大型拳銃…。 例え成人男性でも扱いは難しいわ。でも彼はそれを二挺持っていた。それにあなたが言っていた『45口径の芸術品』の意味もね。」 リンディは真剣な表情でそう言った。 「わかりました。まず、ベースになった銃はコルト・ガバメントと思われます。でも、大きさはまったく別物ですし、 パーツの全てが丁寧に改修され材質も吟味された物に変更されているそうです。もう、主だった外見以外は別物らしいです。 そして『双子の銃』の意味ですけど、あの拳銃はまったく同じデザインの様でも実はそれぞれが役割を持たされているんです。 右手で構えるように作られた物は速射性能が重視されていて、デッドウェイトを限りなくゼロに近づけてあり、 左手で構えるように作られた物は精密射撃用の調整が施されていて、右手用の銃を補佐する役割を持たされているようです。 この銃の調査をした人間が言うには、これを作ったガンスミスは、まさしく『45口径の芸術家』と呼ぶに相応しい人物だ、との事です。」 エイミィのその報告を聞いていたリンディとクロノの顔は驚きの表情を作っていた。 それはそうだ、エイミィの報告を聞く限り男が所持していた拳銃は二挺同時に構えるものだ、と言うのだから。 そしてクロノはその驚きをすぐに口にした。 「ちょっと待て、エイミィ!それじゃ、彼は45口径の大型拳銃を片手で使えるということか?」 「わからない、もしかしたら片方ずつかもしれないけどたぶんクロノ君の予想で当たってると思う。」 エイミィは少し困った表情でそう返した。 「大型拳銃を二挺、両手で扱う…か。だとしたらとんでもないわね。 ところでエイミィ、彼の持ち物はもう一つあったわよね。かなりの魔力を秘めた大剣が…。」 リンディは真剣な表情でエイミィに話しかける。 その言葉を受け、エイミィも真剣な表情になる。 「はい、むしろ銃よりそちらの方が本命なんです。 で、リンディ提督にお聞きしたいんですけど提督は知っていますか?魔剣士スパーダの伝説を…。」 リンディとクロノははその言葉に驚きを隠せなかった。 魔剣士スパーダ…、はるか昔、ミッドチルダを救った英雄として今もごく一部の人間に語られる存在である。 「スパーダ伝説…。時空管理局が出来る大昔のミッドチルダに突如現れ、 その当時、世界を荒らしていた邪悪を滅ぼし去って行った…。大体、そんな内容だったわね。」 リンディは、なぜ伝説でしか出てこない魔剣士スパーダの名前がここで出てくるのか考えながら答える。 「はい、実は彼の持つ大剣がスパーダ伝説に出てくるものと形状がほぼ一致しているんです。」 その言葉にクロノは声を荒げる。 「それじゃあ、彼は伝説に語られる魔剣士スパーダその人だとでも言うのか?」 「クロノ君、落ち着いて。それはまずありえないから。魔剣士スパーダの伝説はいつの時代のものわからないけど いくらなんでも生きてるはず無いと思う。それに彼の名前は、トニー・レッドグレイブよ。」 エイミィはそう言ってクロノをたしなめる。 リンディはその様子を眺めながらしばらく考えた後、デスクから立ち上がりこういった。 「記憶障害の彼に聞いてどこまでわかるかわからないけど、直接聞いてみるしかないみたいね。 名前を教えてあげれば彼も何か思い出すかもしれないし、とにかく彼に会ってみましょう。」 こうしてリンディ達は、男の名が『トニー・レッドグレイブ』だ、と思い込んだまま会う事になる。 確かに『彼』の名前に違い無かった。だがその名は、かつて捨てた名前。 そう、『彼』の少年時代の終わりに…、双子の銃『Ebony Ivory』を手に入れた時に捨てられた名であった。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/1064.html
琥珀色の黄金水に白い泡。 つまりはビールなのだが、ビールの入ったグラスを高らかに掲げるとやたらと陽気な声。 「乾杯!!」 言うや否や一気に呷る。 続いて二杯目のビールを溢れんばかりにグラスに注ぎながら我らが兄貴、ヴァイスはご機嫌であった。 どれくらいご機嫌なわけかというと、「歌でも歌い出したい気分だ、んんっふ~ん♪」 まぁこんな感じ。 ウサギもかくもやという瞳をジトッと半目にしながらシンはご機嫌な兄貴を冷たく見つめていた。 「いや~たまには男だけで飲むってのもいいやねぇ~」 「あのヴァイスさん…」 意を決したのか、そろりと声をかけるが、ヴァイスは何処吹く風といった感じだ。 「おう、シン遠慮せずぐいぐい行けよ。奢りだ」 「いや、だからヴァイスさん……」 尚も言い募ろうというシンを他所に、ヴァイスはおつまみを物色しつつ早くも二杯目を空ける。 「お、何だよチータラが無いじゃんよ~カマンベールチーズしか無いって」 「オッサン!!」 おつまみのチョイスに文句を言い始めたヴァイスにシンがキレた。 「オッサンじゃな~い!!何だよシン。飲め飲め!!」 「飲めじゃねぇよ……俺未成年だっつーの」 「細かい奴だな~」 「細かくない!!百歩譲って俺は良いとしてもエリオまで呼ぶとはどういう了見だよ」 視線をヴァイスが移してみれば、手元のグラスを困ったように見つめる赤毛の少年の姿がある。 「ビールは苦手か?ワインにするか?」 「だからそういう問題じゃねぇ!!」 「何だよ……」 「飲み会をするのは勝手だけどさ、何で俺とエリオが入ってるんだよ」 飲み会のメンバーを見ればシンの疑問も最もであった。 エリオとシン、そして普段は中々接する機会の無い無限書庫の司書、ユーノの姿があった。 ユーノはただただ苦笑してグラスをちびりちびりと舐めるようにしている。 「飲むんなら普通に同僚とかで良いだろ?」 憮然としたシンに対して、ヴァイスはチッチッチと人差し指を振る。 その指をへし折ってやろうかこの野郎、そうシンが静かなる殺気を高めると、三杯目を空けたヴァイスがにやりといやらしい笑みを浮かべる。 そしてエリオをビシリと指差す。 指されたエリオはキョトンとしている。 「素直系ショタっ子!」 「は?」 何を言っているのかわからないという顔のシンを他所に、ヴァイスは次いでユーノを指差す。 「中性的美形!!」 「は?」 そして、最後にシンを指差す。 「ツンデレ美少年!!!」 「は?」 ヴァイスは立ち上がると、酒瓶を手に堂々とした様子で叫ぶ。 「どうせ飲むなら、お兄さん綺麗どころと飲みたい!!」 「死ね!!」 間髪いれずに叫ぶシン。 叫ばれたのはある意味とても真理であった。 しかし、悲しいかな、シンには理解出来なかった。 「見ろ!!この隙の無いメンツ!!合コンしたってここまでのクォリティーは期待出来まい」 「アンタの頭の中は隙だらけだな……」 ヴァイスの手には名酒『美少年』。 その酒瓶で頭をかち割ってやろうかとシンは思った。 きっとからんと良い音を立てるであろう。 ユーノは苦笑しつつワインを口にしている。 同じ男かと、シンは自分を棚に挙げながら内心呟く。 エリオは観念したようにぺろぺろと子犬の如く酒に手を出す。 頭痛を覚えながらヴァイスをもう一度見つめると、兄貴は元気にサムズアップ。 「何ご満悦って顔してるんですか……」 「バッカ、オメェ汗臭い野郎共と飲まず、かといって後腐れのある女でもなく、それでいて目の保養になってるんだ。もうサムズアップしかねぇだろ」 「散々人を合コンに誘ってるのって誰でしたっけ…?」 「色々後が面倒なんだよ!!具体的に言えばブッキングしてだなぁ…」 「もう良いです」 「事の最中に『来ちゃった♪』なんつーてもう…」 「もう良いっつてんだろうがよ!!」 「『来ちゃった♪』ならまだ良いけどよ、『来ないの♪』とか言われた日にゃあ、お前…」 「最低だ……性病移されて真実の愛とかお寒い事を言いながら肉欲に溺れつつ不治の病とかそれ何てケータイ小説?みたいな感じで死んでしまえ」 「ワンブレスで言い切った!!ツンデレだなぁ少年~~で、シンちゃんはいつ頃お兄さんにデレてくれるのかにゃ?」 「未来永劫ありません……つかデレって何ですか!」 「まぁまぁ、シン君」 シャム猫の如くツンケンしているシンと、それを楽しそうに受け止めるヴァイスの二人に待ったを掛けたのは第三者のように傍観していたユーノであった。 「ユーノ先生……」 「折角男だけでこうして騒ぐ機会をヴァイスが設けてくれたんだから、お言葉に甘えようよ」 「先生まで……」 「さっすがユーノ。わかってる♪伊達にスキンケアは怠ってないなぁ」 「オッサンは黙ってろ!!」 「酷い!!シンちゃん酷い!!パパそんな子に育てた覚えは無いぞ!!」 「既に出来てるのかよ!!酔っ払い!!!」 苦笑するユーノの前で、シンとヴァイスのじゃれ合いが再開された。 ◇ 「う~~……もう無理ですぅ~」 シンはゆっくりとした動きで赤い髪を撫でる。 チクチクとした手触りが自分の髪質とは異なり、それが面白くて撫でる手を休めない。 シンに撫でられているのは早々に酔いつぶれたエリオ。 顔を赤くし、自身の膝枕で潰れてしまっているエリオを眺めながら、シンは疲れた視線を向こう側で転がっているモノに向けた。 「ごぁぁ~~んごぉ~~」 空いた酒瓶を抱えながら、高鼾をかいて眠っているヴァイスを見ると、シンは深々と溜息を吐く。 ユーノはそれを見てクスクスと笑う。 憮然としたシンの視線を受けても、尚、楽しげにユーノは微笑む。 「ヴァイスさん……飲むだけ飲んで潰れちゃったよ……ったく……」 「はははは……でも少しは気が晴れたんじゃない?」 「え?」 思いも寄らぬ言葉に、シンはギョッとさせる。 ユーノは微笑みを絶やさずに、何杯目かになるワインを空ける。 その目元は微かに赤い。 「何か物思いに君は耽る事が多いみたいだね。今も」 「そんな事……」 「シン君。ここにはなのはもフェイトも、誰もいないよ?」 不意に向けられた真っ直ぐな視線に、シンは言葉に一瞬詰まる。 幾ばくかの逡巡の後、観念したようにシンは視線を膝の上のエリオに向けながらぽつりと零す。 「正直……こうやって楽しく騒いでると……不安になる事があるんです……」 「不安?」 「俺はここにいても良いんでしょうか?」 その声に、縋るような色が押し止められている事に、ユーノはシンという少年の強さを感じた。 けれども、見え隠れする程に弱っている、それもまた事実だと思いながら、シンの言葉の続きを待つ。 「俺は他所の世界から来た異邦人で………そんな俺がここに居続けて、皆と仲良くなって……」 「場違いだって……思うのかい?」 こくりとシンは頷く。 紅の瞳が寂しげに揺らめく。 喉を潤すように、ユーノは残り僅かなワインを流し込む。 「君は……昔のフェイトみたいな目をしてるね」 「……隊長ですか……?」 「うん。ここに居ても本当にいいのか、常に自問自答しているみたいな……そういう目をするね」 「でも……俺は隊長と違います……」 「さっき言ってた異邦人っていう話かい?」 「…………俺は他所の世界から来た……ホントの余所者だ……それが皆と深く関わっても……」 「なのははね」 「え?」 「なのはは魔法なんて関わりの無い子だったんだ……僕がミッドチルダからやって来るまでは。 僕もなのはにとっては異邦人だよ。フェイトにとっては自分の世界を壊してくれたなのはは異邦人以外の何者でもない。 みんなそれぞれがそれぞれにとっては異邦人なんだ」 「それは……それは屁理屈ですよ……」 「いいんじゃないかな、屁理屈で」 「いいって……そんな……」 「誰も幸せにしないような理屈なんていらないと思うよ。少なくとも、君は幸せじゃないみたいだ」 「幸せ……わかりません……」 「じゃあ、聞くけど、なのは達……スバルやティアナが悲しい顔をしているのを見てシン君は幸せなのかな?」 その言葉に弾かれたようにシンは顔を上げると、勢い良く首を振る。 正直なその反応に、ユーノは笑みを浮かべる。 真っ直ぐな紅の瞳は一見苛烈なようで、その実優しい。 それが伝わってきただけで、ユーノはシンを好ましいと思った。 「じゃあ、やっぱり誰も幸せにしてくれない理屈だ。僕が見た限り、君が落ち込んでて幸せになるような人は六課にはいない」 「そう……なんでしょうか…?」 「そんなんです」 きっぱりと言い放たれた言葉に、シンは呆気に取られる。 ユーノはワインを空いたグラスに注ぐと、一口、ゆっくりと含む。 「じゃあ、屁理屈でも皆が幸せになれる方が良いよ。皆が皆異邦人なんだ。君だけじゃない。君は一人じゃない。それに………」 「う~ん……むにゃ……シンさん…ハメ技は酷いですよ~~」 シンの膝に頭を乗せたエリオが寝言を呟く。 エリオの寝言は、シンとユーノの間に生まれた沈黙にするりと入り込んだ。 ぷっ、とユーノが噴き出す。 戯れに、赤いエリオの髪を撫でると、ユーノはエリオに向けていた視線をシンに移す。 「少なくとも、この場に居る三人は君に居て欲しいって思ってるよ」 その言葉に、シンはただただ無言でゆるりと膝の上のエリオの横顔に視線を移した。 穏やかなその寝顔に、自然と笑みが零れる。 「ありがとう……ございます……」 ◇ ユーノは毛布を持ってくると、兄弟犬のように身を寄せ合って眠っているシンとエリオに優しくかけてやる。 その穏やかな寝顔に、つられて笑みが零れる。 「もう狸寝入りは良いよ、ヴァイス」 そうっと、シン達を起してしまわぬように囁かれた声に反応して、むくりと起き上がる人影。 ヴァイスは、苦笑を零すと、プルタブを開けていない缶ビールを手繰り寄せると、勢い良く流し込む。 「バレバレか?」 「大丈夫、シンは気付いてないよ」 二人が穏やかに寝入ってしまっているのを確認すると、ヴァイスはユーノの隣りに腰掛ける。 ヴァイスは黙ってユーノのグラスにビールを注ぐ。 「やっぱりユーノ先生に任せて良かったぜ」 「普段からおちょくるのを止めればいいのに……そうすればこんな役人任せにしなくても良かったんじゃないの?」 ヴァイスは首を振ると、普段は中々触れないシンの猫の毛のような髪を撫でる。 その感触が気持ち良く、何度も撫でるヴァイスの瞳は穏やかで柔らかい。 其処には、バカなことを言ってシンに冷たい目で見られていた姿は無い。 「いんや、やっぱりユーノが適任だったぜ」 「面倒見が良いんだね」 「そんな事は無いけどよ、まぁただこのツンデレボーヤが随分と思いつめてたみたいだからな」 「僕にはアレだけ六課の子達に好かれていて自分がここに居ていいのか不安に思えるこの子が少し不思議だけどね」 「コイツはまぁ、ガキのクセに随分と無くしちまったモノがあるみたいだからな。誰かがハッキリ居ても良いって言ってやらなきゃ信じられないんだろ……」 「………そっか……それは好きとは少し違うから……そうなのかもね………」 シンの鴉の濡れ羽色の髪を指先に絡めながらヴァイスはビールをあおる。 「しかしまぁ………ティアナ達もまだまだだねぇ」 「何がさ?」 「惚れた男の不安一つ摘み取ってやれねぇようじゃあ、まだまだ女の経験値足らねぇな」 「ふふふふ、仕方ないよ。彼女達も彼女達で大変なんだよ」 「ま、まだまだお嬢ちゃん達には可愛い弟達はやれないな」 「そうだね」 二人は顔を見合わせると小さく笑う。 シンは普段の険が取れた穏やかな子供のような寝顔をしていた。 ツンつん×デレでれ 13話へ進む 一覧へ