約 454,635 件
https://w.atwiki.jp/henroy/pages/155.html
答えが、まったくわからない(後編) ◆LuuKRM2PEg 戦場からそこまで距離が離れていなかったおかげか、町に到着するのにそこまでの時間はかからない。市街地の何処を目的地にしているかなんて考えてないし、怪人から少しでも離れる為に走るしかなかった。 この腕の中で眠り続けている左翔太郎はまだ目覚めないが、考えてみればその方が都合はいい。もしもこんな時に彼が起きたりしたら、それはそれで面倒だ。 ただ、ユーノの事をどう伝えればいいか。新たなる悩みが生まれた杏子の前に、突如としてフェイトが回り込んできた。 「杏子」 「何だよ、フェイト!?」 「私はユーノを連れてくるから、あなたは先に行って」 「はぁ!?」 フェイトの言葉は、先程のユーノのように信じられる内容ではなかった。 「あんた、何考えてるんだよ!?」 「やっぱり、これからの事を考えると三人よりも四人の方がいいかもしれないから……それに杏子だって、くたばったりしたら許さないって言ってたでしょ」 「あれは……咄嗟に出た言葉って言うか……とにかく、今更戻ったところでどうなるんだ!」 「大丈夫、逃げたりしないから心配しないで」 「そういう問題じゃねえ! フェイトは母親の為に殺し合いに乗ったんじゃなかったのかよ! ここでお前が死んだりしたら、あんたの母親はどうなるんだ!?」 「……ごめんなさい。でも、やっぱりユーノがいた方が杏子も私も助かるかもしれないから」 「てめぇ……何だよそれ、答えになってねえだろ! ユーノみたいに正義の味方を気取って死ぬつもりか!?」 「そうじゃない! そういう訳じゃないよ……私でも、よくわからない……!」 「じゃあ、何で……!?」 「……とにかく、私は行くから。ありがとう、杏子」 悲しげな表情を浮かべるフェイトは、納得のいく答えを返さないまま背を向ける。それに怒りを覚えて杏子は怒鳴ろうとするが、フェイトは一瞬で空の彼方へと飛び去ってしまった。 杏子は止めようと思ったが、そのスピードによって少女の姿はすぐに見えなくなってしまう。例え翔太郎を放置して追おうとしても追いつけるわけがないし、何よりそんな事をしては今度こそ怪人に殺されるだけだ。 「何だよ、どいつもこいつも……ああいいよ! それなら勝手にしろ!」 そう叫びながら、杏子はフェイトから背を向けて再び走り出す。どうせフェイトを追ったとしても何にもならないし、わざわざ殺されるリスクを犯す気はないからだ。 生きる為ならそれが正しいのはわかってるし、今はこの選択を取るしかない。だけど、どういう訳か怪人から逃げ出した時から心の中に変なモヤモヤが溜まっていく。自分から選んだ判断なのに、まるでスッキリしなかった。 (何で、何であたしは……この兄ちゃんを切り捨てないんだ? 何で、あいつらはあたしに『ありがとう』なんて言ったんだ? 何で、あたしの気持ちは晴れないんだ? 優勝するって決めたんだろ? なのに、何で……!?) その答えを杏子は渇望するが、当然の事ながら得られない。 どうしてみんな、そこまでして誰かの為に動こうとするのか? 他人の都合を考えないで何かをあげようとしても、その分の不幸が広がってしまうだけなのに。 何一つの疑問も晴れないまま、杏子は力任せに走り続けていた。今の彼女は何処を目指しているかなんて全く考えていない。ただ、佐倉杏子は答えが知りたかった。 どうして、フェイト・テスタロッサとユーノ・スクライアの二人を見捨てる事で、こんなに胸が苦しくなってしまうのかを。 ◆ (やっぱり、駄目だ……どう考えても逃げられない。みんな、ごめん……) 二人にはああ言ったけど、正直な話この状況を一人だけで打破する方法なんてまるで思いつかなかった。フェイトのようなスピードはないし、Wや杏子のように強力な攻撃技を持っていない。あくまでもバインドや治癒のような補助魔法がメインだから、前衛に立つべきではなかった。 ユーノ・スクライアはそれを強く理解している。四人でも勝てなかったのに、たった一人で立ち向かってもただ殺される未来しかない。しかしそれでも、ここで自分が囮にならなければみんなを守る事なんて出来なかった。 こんな意味の分からない殺し合いを打ち破ってみんなを守ってくれるであろう翔太郎達こそが、生きなければいけない。彼らならばなのは達の力になってくれると信じているから。 「オオオオオオォォォォッ!」 そして、ユーノの前で怪人は咆吼と共に三重の拘束を打ち破った。化け物じみた怪力を前にユーノは戦慄するが、今更怖がっていても仕方がない。 「その小さな身体で、たった一人俺に立ち向かうとは……見事だ」 称賛するような言葉だが、誰かを傷つけるような相手から言われても全く嬉しくなかった。それどころか、嫌悪感すら湧き上がる。 しかしユーノはそれを振り払って、今は一秒でも多く時間稼ぎをしなければならないと自分に言い聞かせた。三人の姿はもう見えなくなっているが、少しでも遠ざけなければならない。 心の中で意気込むユーノの前で怪人は拳を振り上げながら、獲物を猛獣の如く凄まじき勢いで突貫してきた。それを前にユーノは生存本能が一気に働いたのか、反射的に腕を前に突き出していく。 「ラウンド……シールドッ!」 そして、残り少ない魔力を搾り取りながら息も絶え絶えに詠唱した。彼の目前に眩い輝きを放つバリアが展開されて、怪人の拳と激突する。 轟音と共に腕が強く痺れるが、まだラウンドシールドは破られていない。だが、怪人はそれをお構いなしに反対側の拳をぶつけてくる。元々防御力に一番優れた魔法だが、相手の怪力はそれだけでは防げない程に凄まじかった。 案の定、怪人の拳はユーノのラウンドシールドを硝子のように甲高い音を鳴らしながら、あっさりと砕く。しかしそれで勢いが止まるわけが無く、そのまま一瞬でユーノの右腕全てを容赦なく潰していった。 「――ッ!」 灼熱で地肌を直接炙られるような激痛と共に大量の血が流れ出し、ユーノは声にならない悲鳴をあげる。並のグロンギすらも一撃で殺せてもおかしくない拳は、ただの人間でしかも少年である彼には耐えられる攻撃ではない。 そのままユーノから流れ出る血飛沫は地面に容赦なく散らばり、体温を奪い取っていく。一瞬で地面に倒れるが、それでも彼は意識を保っていた。 例え少年であっても魔導師として数多もの戦いを乗り越えてきた結果、強い精神力を得られるようになっている。尤も、皮肉にもそれが彼を余計に苦しめる事になっているのだが、既に痛みの感覚すら無くなっていた。 (ごめん、みんなを悲しませるような事になっちゃって……でも、お願いだからどうか生きて。僕は、みんなを信じているから) 自分はもうすぐ死ぬ。極寒の地に放り込まれたかのように寒気が全身を蹂躙する中、ユーノはそう思うようになった。 しかし彼の胸中を満たしているのは死への恐怖ではなく、残された仲間達の事。もしも自分が死んだ事を知ったら、みんな悲しむだろうか。フェイトも、杏子も、翔太郎も、そしてなのはも。 (フェイト、お願いだからどうかみんなの力になって……君なら出来るはずだから) この地で最初に再会したかけがえのない友人の一人であるフェイトは、翠屋の事を知らないと言っただけでなく、バリアジャケットの形状やカードリッジシステムの搭載されていないバルディッシュを持っているなど、不審な点がいくつもあった。 もしかしたら主催者によって記憶操作をされている。または偽者なのではないかと戦いの最中で疑ってしまう。現に戦闘スタイルなど、自分の知るフェイトのそれとは全く違っていた。 だけど、自分が囮になると知った時の表情は、決して真似や演技なんかで出来る訳がない。それに彼女は戦いの最中で、怪人の攻撃から自分を庇っている。その時の姿は、自分がよく知るフェイト・テスタロッサ・ハラオウンと同じ。 だから、何か理由があるはずだった。本当なら直接聞いて、フェイトに何かがあったのなら一緒に解決したかったが、もう叶いそうにない。ユーノに出来るのはフェイトの無事を祈り、元に戻ってくれるのを信じるしかなかった。 無念を感じる一方で意識がどんどん薄くなっていき、視界がどんどん闇に覆われていく。それでも何とかして抗おうとユーノは全身に力を込めた……その時だった。 「はああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」 闇の中より少女の叫び声が発せられ、金属同士が衝突するような甲高い音が響く。ユーノがそれを察した瞬間、身体が一気に浮かび上がるのを感じた。 天国からのお迎えが来たのか? 誰かに抱えられる感触によって一瞬だけそう思うも、薄れゆく視界の中でぼんやりと映る少女の姿を見て、即座に否定する。 「フェ、フェイト……?」 そこには、つい先程この身を犠牲にさせる覚悟で逃がしたフェイトがいた。心配そうな表情で見つめてくる彼女は夢や幻かと思ったが、ツインテールから放たれる金色の輝きは異様なまでに現実味を放っている。 つまり、ここにいるフェイトは偽者なんかではない。正真正銘、本物のフェイト・テスタロッサだった。 ◆ 愛する母の為ならどんなに苦しい事でもやってみせるし、この手がどれだけ汚れようとも躊躇う訳にはいかない。その為なら利用できるものは何だって利用するし、どれだけの犠牲が出ようが止まっていられなかった。 それはわかっていたはずなのに、フェイト・テスタロッサはその心にいつだって痛みを感じている。誰かを騙している度に後ろめたさを感じていて、時には涙も流していた。 そして今も、自分達を助ける為にその身を犠牲にしたユーノを抱えて怪人の元から離れながら、フェイトは声を荒げている。 「ユーノ……しっかりして、ユーノ!」 自分よりも少し大きな身体を揺する度に、腕を無くした右肩から流れ出る血の勢いは激しくなっていた。ユーノの身体は時間と共にどんどん冷たくなっていくが、回復魔法を会得していないフェイトにはどうする事も出来ない。 ユーノの運命は、ただ死を待つだけ。優勝を目指すならば、杏子の言うようにそんな相手など早く切り捨てなければいけないのに、今のフェイトにはそれが出来なかった。 「フェ、イト……なんで……?」 「どうして! ねえ、どうして!? どうしてユーノは私達を逃がす為に、そこまでしてくれたの!?」 「どうしてって……決まってるじゃないか」 青白くなった唇から発せられる息は震えているが、それでもユーノはにっこりと笑っている。 「君は、僕を助けてくれたからだよ……」 「えっ!?」 「君はあいつの攻撃から、僕を庇ってくれた……それも一度だけじゃなく、何度も……だから僕は君を信じる事が出来た」 一言紡がれる度に、フェイトは心が締め付けられていくような感覚に襲われた。 確かに怪人の攻撃からユーノを助けたが、その真相はあくまでも今後の戦力を失いたくなかっただけ。しかしユーノはそれだけで、自分を信頼していた。 しかし自分はその好意を冷酷に裏切ろうとしている。それによってどんな罵りでも受ける覚悟を決めていたはずなのに、心が痛んだ。 「……たった、それだけで?」 「ごめん、君に何があったのかをわかってあげられないだけじゃなくて、わざわざこんな危険な所に戻らせて……だから、一刻も早く……逃げ、て」 「それよりもユーノは……このままじゃ、ユーノは……!」 「ありが、とう……心配して、くれて……やっぱり、君を信じて……本当に、よかった……!」 最後にそう言い残して、ユーノ・スクライアの瞳は完全に閉じてしまう。その顔に、心の底から安堵したような笑顔を保ったまま。 「ユーノ……? ユーノ、ユーノ、ユーノッ!?」 フェイトはひたすら呼びかけるが、ユーノがその声に答える事は無い。何故なら、彼の命はもう燃え尽きてしまったのだから。 ユーノの死を前にして、フェイトの瞳から涙がポロポロと零れ落ちていく。そのまま泣き喚きそうになったが、直後に彼女の耳は足音を捉えた。思わず振り向いた先では、あの怪人が凄まじい威圧感と殺気を放ちながら、近づいてくるのが見える。 「見つけたぞ……」 「まだ、あなたがいたんだったね……」 怪人から感じられるオーラが肌に突き刺さるが、それに怯まずフェイトは涙を拭ってバルディッシュを構えた。 「ごめんなさい、ユーノ……私はあなた達の事を騙してた。母さんの為に、この殺し合いに乗った……でも、今だけはあなたの願いを叶える為に……杏子と翔太郎さんの二人を守る為に戦うよ。償いになんて、なるわけないけど」 無意識の内にフェイトはそう呟くようになる。 プレシアの為、殺し合いに乗る気持ちは変えるつもりはない。やっぱり、何があっても母の笑顔を取り戻す為に戦わなければならないのだから。だけど、今だけはユーノの為に戦いたいと思っている。 勝ち目なんてあるわけないのは、フェイト自身理解している。これからやろうとしている戦いは無謀の言葉で収まるものではない。そもそもどうして逃げずにこんな事をしていて、ユーノの死に涙を流したのかは彼女自身わかっていない。 それでも、どういう訳か迷いや躊躇いはなかった。それにどうせ今から逃げ出そうとしても、あの怪人ならば動く前に仕留めることだって簡単に出来るはず。ならば、勝つ以外に道はない。 (母さん、リニス、アルフ、杏子、翔太郎さん、ユーノ……みんな、お願いだから力を貸して!) この世界に連れてこられる前に大切と願っていた人達と、殺し合いの中で出会った仲間達の顔を思い浮かべながらフェイトは疾走する。相手も相当戦って消耗しているだろうから、もしかしたら勝機があるかもしれないと信じて。 結局の所、彼女もユーノと同類だった。いくら非常に徹すると決めていても、その心の奥底には優しさが残っている。だからこそ、誰かの為に戦うことが出来た。 それに、本来の未来に生きる彼女は贖罪として多くの命を助けている。無論、ここにいるフェイトにそれを知る由などないが。 彼女は全ての力を振り絞ってバルディッシュを横薙ぎに振るって、魔法で輝く刃を怪人の傷口にぶつけていく。だが、結末はあまりにも無常で、金属音が空しく響くだけだったが、それでもフェイトは諦めずに必死にバルディッシュを押し込もうとした。 「見事だったぞ、リントの戦士」 そんな中、聞こえてきた怪人の言葉。 次の瞬間には怪人の拳はフェイトの腹部をあっさりと貫いていた。しかしすぐさま引き抜かれた事で、今度は噴水のように鮮血が飛び散っていく。彼女はスピードを特化しているが、その分杏子に比べて防御力は落ちている。 そのまま力無く倒れていくフェイトは、この光景にデジャブを覚えていた。数時間前、フォトンランサーファランクスシフトを放つ為の時間稼ぎとして杏子は自分自身を囮にしている。あの時の彼女は、こんな痛みを感じていたのかとフェイトはぼんやりと考えた。 しかしそれももう関係ない。何故なら、すぐにユーノの後を追うのだから。 (……ごめんなさい) 思わずフェイトは心の中で謝罪したが、それが誰に向けられた物なのかはわからない。 最愛の母プレシア・テスタロッサなのか、色々な事を教えてくれたリニスやアルフなのか、こんな自分を信じて力を貸してくれた佐倉杏子や左翔太郎なのか、最後の願いを裏切ったユーノ・スクライアなのか。 それとも、特定の誰かではなく全員に向けられたのか。その答えを知っているのは、フェイト・テスタロッサただ一人だけだった。 ◆ 未だに炎が燃え上がっている【I―7】エリアで繰り広げられた激闘の勝者となった怪人、ゴ・ガドル・バは無言で佇んでいた。 彼は決してこの勝利に酔いしれていない。最初の戦いで自分を打ち破った少女の一人を倒したが、それに浮かれていてはあのズ・ゴオマ・グと何も変わらなかった。何よりも自身の雪辱を与えたもう一人の少女、佐倉杏子はまだ生きている。 戦いの最中に逃げ出すようなゴオマと同じ軟弱者だが、それでも倒すべき相手である事に変わりはない。また現れたならば、今度こそこの手で打ち破れば良いだけだ。 「この俺を前に一歩も退かなかったとは……誇りに思うが良い、リントの戦士達よ」 そしてガドルは、たった今倒した少年と少女に目を向ける。 その身体はあまりにも小さかったが、放たれる気迫は一流の戦士と呼んでも過言ではなかった。恐らく、並のグロンギであれば歯が立たなかったかもしれない。故にガドルはそんな二人を称えた。 辺りに散らばった全ての支給品を回収して、最後にフェイトという少女の相棒だったバルディッシュに目を向ける。しかし次の瞬間、刀身はピキピキと音を鳴らしながら亀裂を走らせていき、そのまま欠片となって崩れ落ちていった。恐らく、主人と同じ世界に旅立ったのだろうとガドルは考える。 (ゲゲルはまだまだ続くな……) しかしいつまでも敗者にばかり拘るわけにもいかない。もうこの世界にいない以上、次なる強者を捜すしかなかった。 杏子達はこの先にある街に逃げている。そこならば、あの二人以外にも新たなる強者がいるかもしれない。もしかしたら、あのン・ダグバ・ゼバすらも訪れている可能性だってあった。 それならば、いつまでもこんな場所にいるわけにはいかないと思って、破壊のカリスマの名を背負うゴ・ガドル・バは歩き続ける。自身が最強のグロンギとして、君臨する為にも。 【1日目/早朝】 【I-7 草原】 【ゴ・ガドル・バ@仮面ライダークウガ】 [状態]:疲労(中)、全身にダメージ(大)(回復中) [装備]:なし [道具]:基本支給品一式×2、ガドルのランダム支給品1~3(本人確認済み、グリーフシードはない) 、フェイトのランダム支給品1~3、ユーノのランダム支給品1~2個 、イングラムM10@現実?、火炎杖@らんま1/2 [思考] 基本:ダグバを倒し殺し合いに優勝する 0:市街地に向かい、強者を探す。 1:クウガ(五代)と再び戦い、雪辱を果たす。 2:強者との戦いで自分の力を高める。 ※死亡後からの参戦です ※フォトンランサーファランクスシフトにより大量の電撃を受けた事で身体がある程度強化されています。 ※フォトンランサーファランクスシフトをもう一度受けたので、身体に何らかの変化が起こっている可能性があります。(実際にどうなっているかは、後続の書き手さんにお任せします) 【備考】 ※バルディッシュ@魔法少女リリカルなのはシリーズは破壊されました。 ◆ ようやく昇り始めた朝日によって名も知らぬ街に光が照らされ、それに伴って電灯の輝きが消えていく。朝になれば見滝原のように人通りが盛んになるのかもしれないが、それにしては生活の気配が一切感じられず、ゴーストタウンのようだった。 しかし佐倉杏子にとってそんな異質さなど、まるでどうでもよかった。少しでも遠くに行きたいと思いながら無茶苦茶に走っていたので、ここがどのエリアなのか全くわからない。今更地図を確認した所で、具体的な場所がわかるとも思えなかった。 彼女は地べたに座って、体を休めていた。いくら魔法少女として凄まじい体力を誇っていたとしても、戦いの直後にデイバッグ二つと男一人を抱えながら全力疾走したのでは、流石に疲れてしまう。 とにかく今は体を休めて今後の事を考えたかったが……どうするべきなのかまるで考えが纏まらない。 「ちくしょう……何で、何であいつらは……!」 頭の中に溜まるモヤモヤを晴らすために拳を地面に叩き付けるが、無意味な痛みを感じるだけで何も解決しなかった。 あれから大分時間が経ったのに、フェイト・テスタロッサもユーノ・スクライアも一向に現れる気配がない。それが意味するのは、あの怪人に二人が殺されてしまった。 合流場所を決めてないから二人が姿を見せていないと一瞬だけ考えたが、それはあまりにも楽観的な解釈だった。 「何でだよ、何でなんだよ……何で、何で、何で!?」 杏子は感情任せに叫び続けるが、空しく木霊するだけだった。 「何で……何であんたらは勝手に死ぬんだよ!? そんなの、あたしが許さないって言ったよな!? 何でなんだよ!? 何で、あんたらが死んで……あたしなんかが生きてるんだよ!? 教えろよ!」 その問いに対する答えを何よりも見つけたかったが、当然の事ながら疑問は晴れずに葛藤が続く。 好き勝手にやって優勝を目指し、その為ならば何でも利用するつもりだった。だが実際はフェイトとユーノを見捨てた事でこんなにも苦しくなり、今が絶好のチャンスであるにも関わらずして左翔太郎の命を奪えない。 フェイトとユーノが殺されたのは、勝てるわけがないのに特攻した彼らの責任だ。そんな馬鹿な奴らの事はとっとと忘れて先に進まなければならないのに、忘れることができない。 それに、命を捨てて自分達を逃がしてくれた彼らを侮辱する事が杏子にはできなかった。 (みんな、誰かの為に戦ったんだよな……フェイトもユーノもこの兄ちゃんも。でも、それに引き替えあたしは何だ? あたしは、あたしだけの為にしか戦ってないよな……?) 詳しいことは知らないが、フェイトは母親の為に殺し合いに乗った。翔太郎とユーノは、この殺し合いに巻き込まれたみんなを救う為に戦っている。手段こそは正反対だが、三人とも誰かの為に一生懸命戦っていたのは同じだった。 でも自分は彼らと違って、自分の為だけにしかこの力を使っていない。昔は彼らのように意気込んでいたが、今はこの有様だ。 (もしかしたら、あたしもあの胡散臭いおっさんと同じ……いやそれ以下なのかも。ハハッ、笑えねえな……まあこれも自業自得なのかな) どうして今更こんな事を考えてしまうようになったのかもわからないし、本当は何がしたいのかもまるでわからない。 全身から全ての力を失ってしまったかのように、脱力感に支配された杏子はただぼんやりと考えるしかできなかった。 ただ今は休むしかない。左翔太郎も目覚めないし誰の気配も感じられない以上、佐倉杏子にはこうしているしかなかった。 【1日目/早朝】 【H-8 市街地】 【左翔太郎@仮面ライダーW】 [状態]:疲労(中)、ダメージ(中)、気絶中 [装備]:ダブルドライバー@仮面ライダーW (腰に装着中) [道具]:支給品一式、ガイアメモリ(ジョーカー、メタル、トリガー)、ランダム支給品1~3個(本人確認済み) [思考] 基本:殺し合いを止め、フィリップを救出する 0:…………(気絶中)。 1:この怪人(ガドル)を倒す。 2:まずはこの三人を守りながら、市街地に向かう 3:仲間を集める 4:出来るなら杏子を救いたい [備考] ※参戦時期はTV本編終了後です ※他世界の情報についてある程度知りました。 (何をどの程度知ったかは後続の書き手さんに任せます) ※魔法少女についての情報を知りました。 【佐倉杏子@魔法少女まどか☆マギカ】 [状態]:疲労(大)、ダメージ(中)、ソウルジェムの濁り(中)、脱力感、自分自身に対する強い疑問、ユーノとフェイトを見捨てた事に対して複雑な感情 [装備]:ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ [道具]:基本支給品一式 [思考] 基本:???????????? 0:???????????? 1:自分の感情と行動が理解できない。 2:翔太郎に対して……? [備考] ※魔法少女まどか☆マギカ6話終了後からの参戦です。 ※首輪は首にではなくソウルジェムに巻かれています。 ※魔法少女の身体の特性により、少なくともこの負傷で死に至ることはありません。 ※ユーノ・スクライアのフィジカルヒールによって身体に開いた穴が塞がれました。(ただし、それによってソウルジェムの濁りは治っていません) ※左翔太郎、フェイト・テスタロッサ、ユーノ・スクライアの姿を、かつての自分自身と被らせています。 【フェイト・テスタロッサ@魔法少女リリカルなのは 死亡確認】 【ユーノ・スクライア@魔法少女リリカルなのは 死亡確認】 【残り52人】 時系列順で読む Back 答えが、まったくわからない(前編)Next 血染めのライダーパンチ 投下順で読む Back 答えが、まったくわからない(前編)Next 血染めのライダーパンチ Back 答えが、まったくわからない(前編) 左翔太郎 Next 優しさを思い出して Back 答えが、まったくわからない(前編) ユーノ・スクライア GAME OVER Back 答えが、まったくわからない(前編) 佐倉杏子 Next 優しさを思い出して Back 答えが、まったくわからない(前編) フェイト・テスタロッサ GAME OVER Back 答えが、まったくわからない(前編) ゴ・ガドル・バ Next Gの咆哮/破壊の呼び声
https://w.atwiki.jp/mugenshoko/pages/277.html
もういっそ、ポッドで眠るギンガとスバルをユーノが拾えば良いんじゃない? 名前はクイントさんが拾ったとき(命名ギンガ/スバル)と奇跡的に一致したってことで。 ぎんが「おにーちゃん、おにーちゃん、ほらほらどりるぅー!」 ユーノ「こら、だめだろドリルしちゃ。おにいちゃんは調べものしてるんだから」 ぎんが「だって、おにーちゃん受け止めてくれるからすきなんだもん」 すばる「…………わたしも……しんどーけん…………」 ユーノ「しかたないなあ。じゃあ二人ともいっぺんにね」 ぎんが「わーい!! どりるあーむ!」 すばる「しんどーはさいー」 ユーノ「ラウンドシールド ×2」 司書A「あーすっごい和むわ」 司書B「あれさ、両方ともBランク攻撃らしいよ」 司書A「マジで!? オレDランクっすよ?」 司書B「オレE。サランラップ並だな。司書長マジすげー」 司書A「あれで読書と検索並列って、どんだけだよ」 ???「フッ、さすがユノユノだな。私は元気な義妹なら大歓迎だぞ?」 30スレ ギンガ・ナカジマ スバル・ナカジマ ユーノ・スクライア 小ネタ 電波
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6639.html
前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ 色とりどりのドレス、煌びやかな飾り付け、かぐわしい香りの花、舌をとろかす料理。 ニューカッスル城のホールにはパーティに必要なものが全て揃っていた。 それなのにルイズはそこに華やかさよりも寂しさを感じていた。 「私と一曲躍っていただけませんか」 壁の花となっていたルイズの前にワルドが跪き、ダンスを求める。 「はい、ワルド様。お受けいたします」 受けはしたものの、それは貴族としての礼儀よりも、ワルドの慕う心よりも、体の芯に寒さを感じるような寂しさを紛らわすためだったかも知れない。 ホールの真ん中に出ると楽団が曲をダンスのためにものに変える。 ルイズはワルドの手を取ると習い覚えたステップを踏んだ。 ──ああ、そうか。 そうやってワルドにリードを任せているとルイズはだんだんと寂しさの理由がわかってきた。 ──寂しい、はずよね。 ここでパーティを楽しんでいる人の多くは、明日戦いに出る。 わずか数百で万を超えるレコン・キスタの軍と戦うのだ。 そして、いなくなってしまう。生きては帰れない。 そう思うと、このホールに居る人が突然少なくなったように思えた。 「うまくなったね。ルイズ」 寂しさに怯えるルイズはワルドのの手を握る手に力を込めた。 闇の中には光を灯す金の三角形がある。 それはフェイトの持つインテリジェンスデバイス、バルディッシュのもう一つの形である。 バルディッシュより放たれる光は、やがてその上に像を結びつつあった。 四角い像の中に、文字や図形を描き出すそれが何かを知るものは本来ハルケギニアにはいない。 だが、当然と言うべきかその持ち主のフェイトはそれが空間モニターと呼ばれる様々な情報を表示するためのものだと知っているし、その情報を加工も術すら身につけている。 フェイトの手が空間モニターの上を動き、そこに表示された文字列を組み替え、新たな数字に変えていく。 時にバルディッシュ自身もフェイトの指示に従い新たにプログラムを作っていく。 それを繰り返すうち、空間モニターに表示されていた歪な図形は形を整え、ぎこちなかった動きも滑らかさを獲得していった。 ごそり、と音がする。 フェイトは手のひらを閉じ、その中にバルディッシュを隠した。 「ん、ん……ん」 何か予感でもあったのだろうか。 まだ星と月が空にある時間だというのにキュルケは目を覚ました。 横にあるタバサを寝かせたベッドの上をを見る。 そこでタバサは上半身を起こし、いつもと同じ眼鏡をかけた目でキュルケを見ていた。 「元気になった?」 キュルケの友人は言葉を返すことなく、ただ頷くだけで答える。 「そう」 キュルケにはそれで口数の少ないこの少女が体力をわずかでも取り戻したことを理解した。 「ねえ、タバサ。もう、トリステインに帰る?」 タバサは沈黙でキュルケに先を促す。 「そりゃ、ルイズのことは心配よ。私も絶対に助けるつもりでいたわ。でもね、あなたが倒れてしまうなんて考えてなかったのよ。そんなに無理はしなくていいのよ」 「やめない」 それはタバサがこの夜に初めて口にした言葉だった。 「ルイズを助けに行く。私なら平気」 その短い言葉の中にキュルケは決心を感じた。それだけのつきあいはしてきたつもりだ。 「そう……なら」 キュルケはタバサの肩に手を当てベッドに身を横たえさせ、毛布を肩まで引き上げた。 「朝まで寝ましょう。そうでないとまた倒れちゃうわよ」 それだけ言うとキュルケも自分の布団の中に潜り込み、目を閉じてしまう。 そのまま目を閉じるタバサも体に残っていた疲れですぐに眠りに落ちていった。 ギーシュもまた夜中に目を覚ましていた。 正確には眠れないでいた。 レコン・キスタから逃れるためにした曲芸飛行のおかげで目が冴えてしまってしかたがない。 目を閉じると体が浮いてぐるぐる回るような気分になってしまうのだ。 どうやっても眠れないとギーシュはしょうがないと少し散歩をすることにした。 ──まるであの時みたいだ。 ユーノは初めてルイズと出会った時のことを思いだしていた。 窓から射し込んでくる二つの月も、フェレットに変身したまま寝かされている藁を詰めた箱もあの時と同じように思えた。 だが箱の前にいるのはルイズではない。 金髪のとがった耳を持つ少女が淡く光る指輪を手にして静かに祈っていた。 「君は……だれ?」 「きゃっ!」 少女は小さく悲鳴を上げる。 思わず息をのんだ少女は、目を丸くしてユーノをしげしげと見つめた。 「話せる……の?」 「うん。話せるよ。君は誰?ここはどこ?」 少女はすぐに落ち着きを取り戻し、ユーノの質問に答えた。 「私はティファニア。ここはアルビオンのウェストウッド村よ」 「アルビオン?そうだ、ルイズを追わないと!」 ユーノは箱を飛び出し床に降りる。 「あ、待って」 ティファニアがユーノを止めようとすると、フェレットの体は光に包まれその姿を剣を背負った人間の少年の姿に変えた。 「え?ええっ!」 驚くティファニアの前で少年は立ち上がろうとするが、すぐに膝を崩してしまう。 床にうずくまったユーノは体のあちこちから感じる痛みで自分の傷がまだ癒えてないことを思いだした。 「だめよ。まだ治ってないもの」 「でもルイズを助けに行かないと!」 焦りをあらわにするユーノにティファニアはわがままな弟を諭す姉のように顔を近づけた。 「この指輪であなたを治していたの。だから、もうちょっと待って」 「その指輪で?」 「ええ」 ティファニアが指輪をそっと撫でると光が再び灯る。 その光がユーノを照らすと、痛みがすっと消えていった。 「あ……。ありがとう」 「いいのよ。今度は背中ね」 ティファニアの温かい手が背中に当たる。 すると、ろくに力が入らなかった背中にもすぐに力が戻って来た。 「あなたの名前も教えて欲しいな」 「うん。僕はね──」 その時、扉がが音もなく開いた。 誰かが開いたというわけではない。そよいだ風の手がわずかに悪戯をしただけだ。 だからそれを止めようとする者は誰もいなかったし、そこにいた誰もがごく自然に動く扉を見ていた。 扉のすぐ外に呆然とギーシュが立っていた。 顔を引きつらせたギーシュの足は震えている。 そんな足なのに、ギーシュは 「ひぃっ」 と怯えた声を出して逃げだそうとした。 「どうしよう」 怯えたのはティファニアも同じだった。 「見られちゃった」 すっかり慌ててしまったのだろう。 ティファニアは立ち上がったもののおろおろして足踏みをするばかりだ。 「待って!」 慌てたのはユーノも一緒だった。 もしティファニアが先に「見られちゃった」と言わなかったらそれはユーノが口にしていた言葉だ。 「チェーン・バインド」 だから、ユーノは魔法でギーシュをその場に縛り付ける。 「き、き、き、きみは!」 「あのね、ギーシュさん。落ち着いて」 と言ってみたが、ギーシュは全く落ち着く様子がない。 光の鎖に縛られて床に座り込んだままティファニアを見上げて奥歯をかちかちと鳴らしていた。 「君はユーノ?なんで……こんな所に?まさか……だったら……」 「落ち着いてよ。ギーシュさん。僕の話を聞いて。みんなにばれちゃうから」 「だが、だが、エルフが、エルフと……何をしているんだ?まさか……君もエルフ?エルフが何を?」 青ざめているのであろうギーシュの顔は青い月に照らされていっそう青く見える。 同時に月の光と夜の闇はギーシュの恐怖を煽っていた。 「ごめんなさい」 呟くように謝るティファニアの目は沈んでいた。 そして、手には小さな杖が握られていた。 「怖がらせてしまって……すぐに怖くないようにするから」 ナウシド・イサ・エイワーズ ティファニアの口から歌が漏れる ハガラズ・ユル・ペオグ だが、それは歌ではない。 ニード・イス・アルジーズ ギーシュに怯えを一時、忘れさせるような美しい調べを持つそれは呪文だ ベルカナ・マン・ラグー ティファニアが杖を振り下ろす。 すると、ギーシュは首をかくんと落とし、すぐに虚ろな目で首を起こした。 「あれ?僕は何を?」 ティファニアがユーノを見て頷く。 その意味するところを理解したユーノは魔法で作った光の鎖を消した。 「ギーシュさん。寝室はあちらですよ」 「そうだったね。これは失礼した」 ふらふらと、それでも怯えていた時よりはずっとしっかりした足取りでギーシュは自分にあてがわれた小屋の方に歩いていった。 「なにをしたの?」 「ギーシュさんの記憶を奪ったの」 「記憶……」 「私とあなたをここで見た記憶よ。それから、私がエルフだって記憶。エルフは嫌われているから」 そう言うティファニアはどこか悲しげだった。 「僕はいいの?」 「あ……でも、あなたは私を怖がらなかったから。でも、どうして?」 「どうしてって、怖くなかったから」 ユーノもエルフのことは知らないわけではない。 魔法学院で読んだ資料の中にはエルフに関して書かれていた物も多い。 いずれの本もエルフの恐ろしさについて書かれており、中には悪魔とすら書いていた物もあった。 だがユーノはその記述を鵜呑みにはしなかった。 というのも敵対している種族を悪魔として記述するというのは決して珍しいことではなく、ユーノは考古学的な資料でそのような物を読む機会も多かったからだ。 「それに怪我を治してくれたし」 「そっか、そうよね」 月明かりだけではティファニアの顔はよく見えなかったが、彼女の目にあった陰りが少しだけ晴れていた。 「そうだ、あなたのことも秘密でいいのよね。ギーシュさんの記憶から消しちゃったんだけど」 「うん。ありがとう。誰にも知られたくないんだ」 「よかった。だったら、続きね。ちゃんと治さないと」 再び指輪の光が強くなる。 ティファニアはユーノの体の傷の一つ一つを指輪を嵌めた手さわっていく。 「私、あなたの名前聞いてなかった」 「僕の名前はユーノ・スクライアって言うんだ」 「いい名前ね」 その手はまるで春のお日様のように温かくて、ユーノは次第にうつらうつらと眠気を覚えていった。 だからティファニアのつぶやきには気付かなかった。 「ユーノくん。韻竜みたいに言葉を話すフェレット、か」 前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/2960.html
時空管理局本局。 その医療ブロックへと向かう廊下を一人の少年が必死になって走っていた。 擦れ違う人々が驚いた様子で少年を振り返るが、本人は全く気が付いていないようだ。 少年の名前はユーノ・スクライア。 幼くして無限書庫の司書長に就任した新鋭である。 だが今の彼を包んでいるのは、才気溢れる溌剌さではなく、深い負の感情を内包したどこまでも暗い雰囲気である。 “任務中になのはが攻撃を受けた。重体だ” そう淡々と連絡を寄越してきたのは、出会ってから2年の付き合いになるクロノ・ハラオウンである。 最初、ユーノは自分の耳がおかしくなったのかと思った。 今回なのは達が任務に向かった場所は、自分が調査した上で何の害も無いだろうという判断を下した遺跡だった筈なのだ。 まかり間違っても攻撃を受けるような場所ではない。 しかし、通信画面に映っているクロノの顔はどこまでも無表情であり、友人のそんな態度を見せられては、今耳にした言葉が事実であると認めざるを得なかった。 (僕のせいだ!僕がなのはに魔法を教えてしまったから!僕がなのはと出会ってしまったから!) 後悔で息苦しくなりそうになりながら走った。 体中の力が抜け落ちそうになるのを何とか抑えながら走った。 胃の中に氷の塊があるように錯覚しながら走った。 目の前が涙で霞みながら走った。 頭がガンガンと痛んだがお構いなしに走った。 そして辿り着いた。 集中治療室の前。 そこに集まった知人達―――高町家、ハラオウン家、八神家の面々―――は、暗く沈んだ表情を浮かべていた。 恐らく自分も似た様なものだろう。 「ユーノ・・・」 こちらに気付いたフェイトが声を掛けてくる。 返事をしようとするが、ここまで全力疾走してきたので上手く答えられない。 呼吸を整えようとするが、動揺しているせいか逆に咳き込んでしまった。 「なっ、なのは・・・っは?」 ようやく出せた問いに、しかしながら答える者は誰も居なかった。 唯、“使用中”のランプが点灯した扉を見遣るだけである。 それを見た瞬間足が言うことをきかなくなり、床に座り込んでしまった。 立っていられるような状態でもなかったのだが。 「おい、ユーノ。そんな所に蹲ってないでこっちにきたらどうだ?」 「クロノ・・・」 そう言われ、のろのろと立ち上がりクロノの傍へ歩いていくと、力なく尋ねた。 「何があったんだ?あの遺跡にそこまで危険はなかった筈だ」 「・・・見たこともない質量兵器の襲撃を受けた」 「質量兵器?でもあの遺跡は・・・」 「分かってる。外部からの介入の線が高い。忙しいと思うが、事後調査に付き合ってもらうぞ」 「ああ、勿論さ」 「それと、自分を責めるな」 「・・・」 「今回の事は、誰が悪いわけでもないんだ。抱える必要の無い責任は、お前を苦しめるだけだぞ」 「それは・・・」 ユーノが反論しようとした時だった。 待合室の扉が開けられ、3つの影が差す。 1つはリンディのもの、そしてもう2つは・・・。 「レイヴン、シャドー・・・」 今まで項垂れていたヴィータがその姿を見て呟く。 しかし名前を呼ばれた当人は返事をすることなく、愕然とした表情を浮かべてユーノを凝視している。 視線に気付いたユーノは、居心地悪そうに問いかけた。 「あの・・・何か?」 「・・・いや、何でもない」 レイヴンはそう答えると、悄然とした様子のヴィータに向き直った。 「彼女の容態は?」 「分かんねえ。手術が始まってから結構経つんだけどよ、まだ終わらねえんだ」 「そうか」 「お前こそ、もういいのか?重要参考人だろ?」 「尋問は8割方終わったそうだ。ここに来たのは・・・手当てした身としては気になるからな。まあ、監視付きだが」 肩を竦めてリンディを示すレイヴン。 と、その時だった。 手術室の電灯が消え、手術を行っていた医師がドアを開けて出てくる。 その医師とは、唯一この場に姿を見せていなかったシャマルであった。 「手術は成功です。なのはさんは一命を取り止めました。しかし、現状での魔法の使用及び、自力での歩行は困難であると言わざるを得ません。リハビリを行っても、治るかどうか・・・」 重々しく告げられた内容に凍りつく一同。 そんな痛いほどの沈黙を破ったのは、ユーノだった。 「僕の・・・僕のせいだ。僕がなのはに魔法を教えてしまったから・・・」 そういって崩れ落ちるユーノ。 目から止めどなく涙が零れるが、それを拭えるほどの気力は今のユーノにはなかった。 そんなユーノをクロノは叱咤する。 「よせ、ユーノ。そんな事を言うもんじゃない。それに誰に責任があるかといえば、それは彼女の不調に気付かなかった僕だ」 「でも、なのはは僕と出会わなければ、こんな怪我をすることはなかった。僕と出会わなければ、普通に笑って暮らせていた筈なんだ・・・」 「いい加減にしろ、ユーノ。なのはがいたお陰で、フェイトとはやては、今こうやって生きていられる。その結果まで否定する気か?」 それを聞いたユーノは黙り込んだが、納得した様子は見られなかった。 クロノもこれ以上言うことはないのか、口をつぐんだままだ。 こうしてなのはが生還したことを喜ぶこともなく、待合室は再び重苦しい雰囲気に包まれ始めていた。 「ユーノとかいったか?あいつは誰なんだ?」 今までのやり取りを横目で見ていたレイヴンは、ヴィータに小声で話しかけた。 なのはが生きている事を聞いてホッとしていたのか、それとも後遺症の事にショックを受けていたのか、ヴィータはすぐには答えられなかった。 「おい、ヴィータ?」 「ん?ああ、すまねえ。何だ?」 「だから、あのユーノって男。何者なんだ?」 「ユーノか。あいつは、なのはの魔法に出会うきっかけになった奴さ。いい奴だよ。 そういや、なのはの魔法の先生もやってたな。攻撃はからきしだけど防御は硬いの一言につきるぜ。 まあ、責任感じるのは分かるけど、今回のは・・・」 「待て。今、何て言った?」 「?なのはの魔法の先生だったって・・・」 「違う、その後だ」 「防御が硬いってとこか?それが一体どうしたってんだ?」 「あいつは今、何歳だ?」 「?確かなのはとタメだから11歳の筈・・・」 「11歳・・・」 それを聞いたレイヴンは深刻な表情を浮かべた。 ヴィータは、目の前の男が始めて見せる真剣な表情を訝しげに見つめた。 この男はなのはが、怪我したときもこれ程深刻な表情を浮かべていただろうか? 「最後に一つ。あいつは孤児なんじゃないか?」 「あ、ああ。そうだけどよ。ユーノに何かあんのか?聞きたいことがあんなら、本人に直接・・・」 「・・・いや、こっちの問題だ。気にしないでくれ」 そう言うとレイヴンは待合室の隅に移動すると腕を組んで何か、考え事を始めたのだった。 Another View (Raven) 一目みた瞬間から、まさかとは思っていた。 あまりにも似通っていたのだ。 見た目だけではない、雰囲気もだ。 だが、それだけなら、唯の思い過ごしだと切り捨てることも出来た。 しかし、先程ヴィータから聞いた情報が確かなら、偶然で片付ける事は出来ない。 硬い防御力、11歳、孤児、そしてユーノという名前。 これらの要素を鑑みるに、ほぼ間違いないだろう。 第一、自分自身の直感が告げているではないか。 (間違いなくあいつは、11年前に行方不明になった、バンとフィーネの息子 ユーノ・フライハイトだ) Another View End
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/351.html
「え!?」 「な…何が起こったんだ!?」 『殺して…。』 「え?」 突然聞こえた謎の声に皆は一瞬硬直した。 『おねがい…殺して…私を…殺して…。』 「こ…この声は…。」 その声はデビルの物では無い。紛れも無くなのはの声だった。 『おねがい…殺して…私を殺して…これ以上誰かに…操られて…皆を 傷付けるなんて…嫌だから…だから…いっその事…私を…殺して…。』 なのはは完全にデビルに支配されたワケでは無かった。 そして体をデビル化されながらも顔だけは本来の物に戻ったなのはが それまで全周囲に展開していた鉄壁の防御魔法を解除し、一歩一歩近寄って来た。 『おねがい…殺して…。今の私じゃ…この位の抵抗しか出来ないから…いっその事…おねがい…。』 「なのは…君は…。」 ユーノが呆然としていたのも束の間、再びなのはの体の支配権がデビルの手に戻ってしまう。 『そんな事出来るかよバーカ!! つかそんなのオレがさせねぇよ!! 生かさず殺さずってなぁ! コイツの体は老いて使い物にならなくなるまで 使い潰してやるぜグヒャヒャヒャヒャ!!』 デビルなのはは再びデビルレイジングハートの先端をユーノと合体クロミーに向けようとする… が…向けられない。それどころか逆にデビルなのは自身の顔面に向けていたのである。 『な!? 何故だ!? 体が言う事を聞かん!!』 『殺して…私の意識が残ってる内に…殺して…おねがい…。』 その時、なのはの目から大量の涙が流れていた。デビルなのはの中にかすかに残る なのは自身の意識がこれ以上皆を傷付ける事を拒んでいたのである。 自身の死を選択する程にまで… 『グヒャヒャヒャヒャヒャ!! そんな事出来るワケねぇだろうが!! 特にそこの小僧!! お前はこの女が好きなんだろう!? そうなんだろう!?』 「う…。」 『図星だな!? そうだよなぁ!! 好きな女を殺す事なんて出来ねぇよなぁ!? 逆にそんな事出来たらどっちが悪魔か分かんねぇよなぁ!? グヒャヒャヒャヒャ!!』 顔面にデビルレイジングハートを向けられながらもデビルなのはは大笑いしだした。 『やっぱ好きな女は殺すより抱くに限るよなぁ!! 小僧!! 貴様もそう思うだろ!? グヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!! どうした!? オレの言う通り何も出来ないだろ!?』 デビルなのはの笑いは続く。どうせ殺す事など出来るワケが無いと考えていたからである。が… 「このイタチ野郎には出来なくてもオイラなら出来るぜ!」 合体クロミーが前に出てガトリング砲を構えた。ユーノと違って人を躊躇無く撃てる タイプであるからこその計らいなのだろうが…しかし… 「いや…僕がやる…。」 「イタチ野郎!?」 『い!?』 ユーノの口から出た意外な言葉にその場にいた誰もが驚いた。 『じょ…冗談だよなぁ!? だってお前…コイツ好きなんだろ!? と言う以前にお前…人殺せる様なタマじゃねぇだろ!?』 これは流石にデビルなのはも焦る。しかし、ユーノは臆する事無く言った。 「なのはを魔法の道に進む原因を作ったのはこの僕だ…。もしあそこで僕がなのはと 出会わなかったら…もしかするなら今回の様に悪魔に乗り移られる事は無かったと思う…。 だからこそ…ここは僕の手でやらないとダメなんだ…。恭也さんや士郎さんには申し訳無いけど… なのは…君は僕が一思いに殺してあげるから…。」 『じょ…冗談だろ!? と言うかお前なんかがどうやって殺すってんだよ!?』 すると合体クロミーがガトリング砲をユーノに渡した。 「コレを使え。お前がコイツとどういう関係なのかは知らんが… お前の心意気と言う奴は分かった。だからこそだ…。」 「ありがとう…。」 ユーノは合体クロミーから借りたガトリング砲を右手に装着してデビルなのはに向けた。 『お…オイオイ…冗談だよな…冗談だよな…ちょっと…。』 デビルなのはは焦り、逃げようとするがなのは自身の意識が妨害しているのか動けない。 『やめろやめろやめろやめろ!! そんな事したらコイツが死ぬぞぉ!?』 「そう…だから僕がなのはを殺す為にこれを向けている…。」 『やめろって!! お前の好きな女なんだろ!? 殺すなんて冗談だよな!?』 デビルなのはの全身から大量の汗が流れ出る。今の状態では防御魔法による防御さえも出来ない。 ガトリング砲が発射されれば忽ち弾丸を受けて死亡は必至。そしてデビルには 流石に死者を蘇らせる様な力は無い。もう絶対絶命であった。 『冗談だろ冗談だろ冗談だろ!? どうせただのハッタリだろ!?』 「大丈夫だよなのは…君だけを死なせたりはしない…。これで君を殺したら… 僕も直ぐに後を追うから…。」 『グヒィ!?』 ユーノは目に涙を浮かばせながらニッコリと微笑む。ユーノは本当になのはを殺し、 また自身も直ぐに死ぬつもりだった。これにはデビルなのはも青ざめる。 そしてユーノがゆっくりガトリング砲の引き金を引こうとした。 『グギャァァァァ!! 殺さないでぇぇぇぇぇ!!』 「あ!?」 この恐怖に耐え切れなかったのか、デビルはなのはの体から出て行ってしまった。 デビルから解放された事により、忽ちなのはの体が元の人間の物に戻って行く。 「なのは!」 全身の力が抜けた様に倒れこむなのはを慌ててユーノが駆け寄り抱き上げる。 「アハハ…ユーノ君…今まで迷惑かけて…ゴメン…。」 「僕こそゴメン! 悪魔に憑かれていたとは言え君を殺そうとして…。」 「それは別に良いの。でも…さっきのユーノ君の平手打ちは痛かったよ…。」 デビルから解放されたなのははユーノ共々に笑みが浮かんでいたが、 まだまだこれでめでたしめでたしとは行かない。何故ならデビルはまだ健在なのだ。 そしてなのはの体から出て行ったデビルが次に憑依した先はデビルがミッドチルダから こちらへ来る際に使用したアースラであり、再びデビルアースラとなったのである。 前へ 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/mugenshoko/pages/263.html
* 4l06yxUr 其処は無限書庫。人と本が忙しなく動き回る場所。 されど今は、人は司書長呼ばれるもののみ。本は暴虐の限りを尽くし、触れるものを浸食する異形のものばかり あらゆる光が断絶し、淀んだ闇が深みを増す。昏く滲み、白く濁る。瞳の世界が現を越え、幽に還る 全ての色彩表現から拒絶された闇の奥底から、ヒトの形をした影が浮かび上がる。 影が色づき、妖艶なる女主人を形作る 「久しぶり、と言うべきかな。ユーノ・スクライア君?」 異常なほど邪気が欠如した微笑みと共に、来訪者は声を発した 「少なくとも、僕にとっては久しぶりですよ。先生」 その場所の主は、突然の出現にまるで動じず、 そんな必要性など何処にもないというように穏やかな調子で、来訪者と同じ笑みを浮かべた 「そうか、それは良かった。なら君はやはり、先日の君とは違うらしい」 そう女はおかしそうに嘲笑った。待ち侘びた人と会えたことを喜ぶように 「今度はどんな僕と遊んでいたんです?先生を見るに、それなりではあったようですが」 影であった女と向き合い、楽しそうにユーノは話しかける 「自分に興味のない君がそんなことを言うなんて、ボクに気を使ってくれたのかな? それは嬉しいな、ならボクはその祝福を甘んじて受けよう」 女は酷く愉しそうに声を上げる。その愉悦を心おきなく堪能した後、語りを再開する 「その君は、如何なる人間にも興味を持たずただ理への反逆を続けていた。 いかな干渉を受けても決して変わることのないまま、彼の世界は閉じた。と、まあそんなものだよ」 目の前にいる“君"の反応を楽しみに、女は話を詠った 「そいつは、終わりを見れたのかな?だとしたら祝ってあげなきゃ」 いつかの自身を思いながら、ユーノは呟く 「そう、彼は祝福に値した。なにせ不変で在ったのだから、ヒトとしてはとうに終焉を迎えていたのさ」 まるで沈むものと昇るものがすれ違うように、上下逆さに目を合わせる。女が、ユーノを試すように 「先生こそ変わりませんね。昔僕といた時と寸分違わぬ姿のままだ」 やはりユーノは動じず、なおも女の瞳の深淵を見通すかのように、目を細めた 「いかにもボクは変わらないさ。 永劫に続く螺旋の時のどの刹那においてもボクはボクだ。神というのも退屈なものだよ。 ……で、も。君は変わったね。 まさか、見も知らぬ他人の為に動く君を見られる日が来るなんて思わなかったよ」 さも意外そうに語る女の言葉に、買いかぶりすぎだとユーノは軽く笑う 「僕は、所詮人間ですから。………こんな僕は、つまらないですか?」 穏やかな表情を外し、寂しそうな瞳を見せ、ユーノは尋ねた。 それを聞いて、女は嗤う 「まさか!とんでもない!ボクはむしろ、今の君の方が大好きだよ。何も怯えること無く進むと良い。 ボクは永劫変わらず君の味方であり続ける―――君のための邪神、なのだから」 女は輪郭を闇に溶かし、ヒトの形を崩し、紅く輝く目だけを残し、紡ぐ 「じゃあ、またね。君がボクの下に還ってくるのを楽しみに待ってるよ?“ユーノ"」 そうして女の気配は消え、無限書庫に光が戻る。 「いっちゃった、か。やれやれ、寂しいね」 手に残ったものを見て、ユーノは気付く 「そういえば、もうバレンタインだったっけか……」 現在。二月十四日、零時零分一秒のこと ブラック・メイドからの贈り物、終 28スレ SS オリキャラ? クトゥルフ系 ナイアルラトホテップ ユーノ・スクライア
https://w.atwiki.jp/mugenshoko/pages/110.html
「管理局で再会するユーノとスバル」 作者:ID lpqfKy2S 本局の廊下を歩くスバルとなのは。 機動六課として出向し、人脈関係の経験も積ませようかとなのははスバルを連れてきたのだった。 と、廊下の向こうから歩いてくるのは、見覚えのある金髪尻尾頭。 なのはは顔を綻ばせながらも手を上げ、その彼に声をかける。 「ユーノ君! 久しぶりっ」 「あれ? やあなのは。今日は本局に用事なの?」 「そう。ユーノ君は休憩―――これから?」 「そんなとこ。っと、そっちは?」 なのはの後ろでこちらをジッと見上げていたショートカットの女の子を目に留める。 すると、ああ、となのははスバルを前に出して、 「紹介するね。この子はスバル・ナカジマって言って、六課のフォワード―――」 「……ユー兄?」 上司の言葉を遮るようにして、しかし呆然とつぶやくスバル。 その言葉と己への呼称を聞いて、驚いたようにユーノは目を見開く。 「……ユー、兄って……スバル? ってスバルか! スバル・ナカジマ!?」 「そーだよ! 久しぶりだよユー兄! 元気!?」 「え、ええ? な、何。二人とも知り合いなの?」 嬉しそうに両手を合わせる2人に目を白黒させるなのは。 何でこの二人が知り合いなのかと。 久の再開の喜びを一時置いて、そんな彼女に向き直ると、ユーノは苦笑しながら語り出す。 「いや、9年くらい前のことなんだけどさ。―――ゲンヤさんとクイントさんに連れ去られたのが、最初だったよねぇ」 しみじみとそう前置きして。 懐かしそうに、当時の雪の日のことを、語り始めた。 12スレ SS スバル ユーノ
https://w.atwiki.jp/sinsougou/pages/1285.html
1 <高町なのは(無印)> 光属性・魔法使い族/効果 レベル4 ATK/1800 DEF/2000 [1]「ディバインバスター」このカードによる攻撃は無効化できない。 [2]「スターライトブレイカー」1度だけ相手フィールドのモンスター全てを破壊する。この時、自分フィールド全てのモンスターは攻撃、効果の発動はできない。 [3]「全力全開」このカード召喚後、プレイヤーのLPが1000減少するごとにATKが1000ずつ上昇する。 <高町なのは(A‘s)> 光属性・魔法使い族/効果 レベル6 ATK/2400 DEF/2600 [1]「エクセリオンバスター」このカードによる攻撃は無効化できない。また、戦闘によって破壊されたモンスターはゲームから除外される。 [2]「スターライトブレイカーex」1度だけ相手フィールドのカード全てを破壊する。この時、自分フィールド全てのモンスターは攻撃、効果の発動はできない。 [3]「全力全壊」プレイヤーの支払ったLPの数値分、ATKが上昇する。 <高町なのは(StS、アグレッサーモード)> 光属性・魔法使い族/効果 レベル7 ATK/2600 DEF/2900 [1]「ディバインバスター」このカードによる攻撃は無効化できない。さらに、戦闘によってモンスターを破壊した時400ポイントの追加ダメージを与える。 [2]「アクセルフィン」1ターンに1度、このカードを対象にした罠・魔法カードを無効化できる。 [3]「真・全力全開」このカード召喚後、プレイヤーのLPが減少するごとにATKが500ずつ上昇する。 <高町なのは(StS、エクシードモード)> 光属性・魔法使い族/効果 レベル8 ATK/3000 DEF/3000 このカードは<高町なのは(StS、アグレッサーモード)>をリリースした場合のみ召喚できる。 [1]「エクセリオンバスター」このカードによる攻撃は無効化できない。さらに、戦闘によってモンスターを破壊した時600ポイントの追加ダメージを与える。また、破壊されたモンスターはゲームから除外される。 [2]「スターライトブレイカーex-fb」1度だけ相手フィールドのカード全てを破壊し、その枚数×600ポイントのダメージを与える。この時、自分フィールド全てのモンスターは攻撃、効果の発動はできない。 [3]「滅・全力全壊」3ターンの間プレイヤーの支払ったLP×2の数値分、ATKが上昇する。 <覇壊神NANOHA・SUN> 冥属性・神族/儀式 レベル12 ATK/5000 DEF/5000 このカードは儀式魔法<第8話再現>の効果でしか召喚できない。 [1]「ブレイクシュート」LPを2000支払うことで、プレイヤーターンのダメージ計算終了時までATKを3倍にできる。 [2]「痛いの、我慢できるよね」相手フィールドにモンスターが1体しか存在しない場合、そのモンスターを強制的にゲームから除外する。 [3]「少し、頭冷やそっか…」手札を3枚墓地へ送ることで発動。モンスター1体を破壊し、そのレベル×1000のダメージを与える。なお、この効果はモンスター効果・魔法カードで無効化できない。 <ティアナ・ランスター(本編)> 地属性・魔法使い族/効果 レベル3 ATK/1300 DEF/1300 [1]「フェイクシルエット」1ターンに1度、このカードを対象にした戦闘・モンスター効果・罠・魔法カードのいずれかを無効化できる。 [2]「ヴァリアブルシュート」戦闘によってモンスターを破壊した時、相手の手札またはリバースカードを1枚墓地へ送る。 [3]「クロスシフト」自分フィールドに<スバル・ナカジマ(ノーマル)>が存在する場合、2体のATKを合計してバトルが行える。この時、他の効果は使用できない。 <スバル・ナカジマ(ノーマル)> 風属性・魔法使い族/効果 レベル4 ATK/1700 DEF/1600 このカードの種族は機械族としても扱う。 [1]「ウイングロード」相手フィールドに攻撃表示モンスターが存在しない場合、このカードはダイレクトアタックできる。 [2]「ディバインバスター」自分フィールドのカード1枚を墓地に送ることで、ダメージ計算終了時までATKが1000上昇する。 [3]「クロスシフト」自分フィールドに<ティアナ・ランスター(本編)>が存在する場合、2体のATKを合計してバトルが行える。この時、他の効果は使用できない。 <スバル・ナカジマ(戦闘機人モード)> 風属性・魔法使い族/効果 レベル7 ATK/2500 DEF/2400 このカードの種族は機械族としても扱う。 このカードは<スバル・ナカジマ(ノーマル)>をリリースした場合のみ召喚できる。 [1]「振動破砕」このカードが機械族と戦闘を行う場合、ダメージ計算終了時までATKが2倍になる。 [2]「ウイングロード」相手フィールドに攻撃表示モンスターが存在しない場合、このカードはダイレクトアタックできる。 [3]「ディバインバスターA・C・S」自分フィールドのカード1枚を墓地に送ることで、このカードにより発生する貫通ダメージを2倍にできる。 <シン・アスカ(種死、ノーマル)> 炎属性・コーディネーター族/効果 レベル3 ATK/1200 DEF/1200 [1]「強運」このカードはモンスター効果・罠・魔法カードでは破壊されない。 [2]「負けん気」このカードよりレベルの高いモンスターと戦闘する際、ダメージ計算終了時までATKが1000上昇する。 [3]「パルマ」このカードがフィールドに存在する場合、全ての女性キャラは守備表示に固定される。 <シン・アスカ(種死、SEED)> 闇属性・コーディネーター族/効果 レベル7 ATK/2400 DEF/2400 このカードは<シン・アスカ(種死、ノーマル)>をリリースした場合のみ召喚できる。 [1]「俺が討つんだ、今日ここで!」このカードよりレベルの高いモンスターと戦闘する際、ダメージ計算終了時までATKが2倍になる。 [2]「明日はやってくるさ…」このカードが破壊された時、墓地からコーディネーター族以外でレベル3以下のモンスターを特殊召喚できる。 [3]「生パルマ」このカードがフィールドに存在する場合、全ての女性キャラは守備表示に固定され、その守備力が0になる。 2 なのは父「今日みんなに集まってもらったのは他でもない。ついに“ヤツ”が動くようだ」 なのは兄「ヤツが…!?」 シン「どうやら先に痺れを切らしたのはあっちみたいだな」 フェイト「だな♪」 父「みんなに手を貸してもらうのも気が引けるが…」 兄「何言ってるんだ。俺達は家族も同然! 死ぬ時は一緒だ」 父「すまん…」 父退出 フェイト「ところでシン」 シン「なんだ?」 フェイト「“ヤツ”って誰?」 シン「知らなかったのかよ!?」 ユーノ(人型)「ごめん、なのは、待った?」 なのは「ううん。今来たトコだよ」 ユーノ「いや~、電車が混んでてさ」 父「ざけんなよ…なのはは1時間も前からお前を待ってたんだぞ。なのはの無駄にした1時間、貴様の残りの人生で償ってもらおうか…! 第一、電車は混んでても遅れるわけないだろうが!」 シン「って待てーい! “ヤツ”って何? 娘の彼氏!?」 兄「彼氏じゃない! お兄ちゃんはあんなフサフサしたやつを彼氏とは認めない! 俺達だって色々考えたさ。そして気付いたのさ…消すしかない、ってな」 シン「うるせーよ! 俺はアンタがギャルゲの主役だなんて認めねぇよっ!」 フェイト「私も私も♪」 父「むっ。ターゲットが動くようだ。行くぞ!」 兄「サーイエッサー!」 シン「あ、おいこら! フェイトも止めてくr」 便乗「フェイト? 私は便乗13」 シン「――」 便乗「ここで便乗しないわけにはいかない! というわけで行ってくるね」 シン「くっそ…あの3人ならマジで殺りかねん。俺も行くしかないじゃないか!」 なのは「あはは♪ 楽しーねユーノ君!」 ユーノ「回し過ぎだよぉぉおぉぉお!」 父「くっそー、あんなに楽しそうにしやがって…! 俺にだってあんな笑顔は見せたことがなんだぞ!」 シン「単に嫌われてるじゃ…」 フェイト「うんうん♪」 シン「まぁ、躍起になるでけ仕方ないさ。ああいう女は優しげな男に弱いって相場が決まってる。そんで痛い思いして大人になるんだよ」 兄「妙に貫禄あるな…。いやでもダメだ! なのはに『18歳以上w』な展開は早すぎる! 大体、『リリなの』の同人誌は凌辱系ばっかだ! あいつだって体から触手が出てくるに違いない!」 父「その通りだ! それになのはは俺に「お父さんのお嫁さんになるー」って言ってたんだ!」 兄「いいや! 俺に「お兄ちゃんと結婚するー」って言ってた!」 父「そんなものは一過性だ!」 兄「ふざけるな! そっちこそ…」 なのは「ユーノ君、アレに乗ろうよ」 ユーノ「ぅえ!? アレってトラウマになる人続出のジェットコースター『頭、冷やそっか…』じゃん!?」 なのは「うん♪」 ユーノ「ムリムリ! ティアナが「ゴメンナサイ×∞」に陥ったらしいし! 乗りたいなら1人で乗ってよ」 なのは「えー、楽しいよ。一緒に乗ろうよ♪」 ユーノ「ムリだって…」 兄「(ゴチャゴチャ行ってないでサッサと乗れ。さもないと俺が貴様の体に消えない痛みを刻みこむ)」 なのは「? どうしたの?」 ユーノ「よーし乗ろう! サッサと乗ろう!」 なのは「わーい♪」 父「本当にこれで良かったのか?」 シン「ああ。あの人は他人を痛めつけることに関してはゲーム史上屈指だからな」 フェイト「モニター越しに色々想像しちゃうよね」 ユーノ「目をつぶって素数を数えてればこれぐらい…」 兄「(漏らせ…)」 ユーノ「へ?」 兄「(帰ってくるまでに漏らせ…)」 ユーノ「―――っ」 なのは「ユーノ君、顔青いよ?」 ユーノ「ヘーキさっ!」 ジェットコースター発進 シン「ん?」 兄「ぅわああああああああああああああっ!」 シン「ちょべひりゃっ!? アンタ何飛んできてんだよ!?」 兄「ガード降ろすの忘れてたー!」 シン「アホかっ! いててて! 髪を掴むなー!」 兄「死ぬ! 放したら死んじゃうぅーーっ!」 到着 なのは「あー楽しかった♪ ユーノ君は…」 ユーノ「…ヤバイよ…マジヤバイって……」 なのは「?」 ユーノ「…漏らしちゃった…」 シン「よし。これで引かない奴はいない。すまない、ユーノとかいう奴。でも殺されるよりはマシだろ」 ユーノ「…」 なのは「なーんだ、ユーノ君もか♪」 ユーノ「え? 「も」って…」 なのは「///」 シン「おいぃぃぃ! アンタの娘どうなってんだぁぁ!」 父「なのははああ見えてピュアなんだよ!」 シン「関係ないだろがぁぁぁ!」 兄「うっぷ…俺も出そう…」 シン「アンタのは逆流だろう…。ったく、おーいフェイト、いつまで座って…」 フェイト「…びぃ~んじょ~ぅ…」 シン「…まさか…」 父「我が娘ながら恐ろしい…よもやちびっても引かないとは…」 兄「自分もだからじゃないか?」 シン「いや…アンタの娘はちびっちゃいない」 兄「どういうことだ?」 シン「男は着替えたけど、アンタの娘はそのままだ」 フェイト(便乗T)「するとなのはは私と違って本当は漏らしてない、彼に合わせたってこと?」 シン「ああ」 兄「なのは…そこまで奴を…」 父「いいや、パパは認めない! 認めんぞー!」 フェイト「あっ、2人が観覧車に!」 父「なにぃ!?」 兄「くっ、CHUするつもりだな…! 観覧車はCHUするために作られた物だ!」 父「やらせはせん…やらせはせんぞぉー!」 フェイト「ぞー♪」 シン「ちょっ…行っちまった…。ったく」 シン(愛…か) ―「へー、赤服? すごーい」― ―「シン君ってカッコイイよね☆」― ―「実は私、シンのこと…」― シン(愛なんて…) ―「ちょっと強いからって調子乗りすぎだよねー」― ―「やっぱアスランさんっていいよね。大人ってカンジ」― ―「え、シン? またアスランさんと揉めたんでしょ。本当、ガキよねー」― シン(幻想だと思ってたんだけどな) ユーノ(淫獣T)「いや、でもあの時ホント終わったーって思ったよ。引くでしょ普通?」 なのは「私は気にしないよ。だって、ユーノ君のこと…」 ユーノ「なのは…」 兄「させるかぁ!」 ユーノ「うわっ!? な、ヘリコプター?」 兄「我ら殺し屋同盟! ユーノ・スクライヤ…お命、頂戴!!」 ユーノ「えええーー!?」 ??「待てぃっ!」 父「むっ? 何奴!」 フェイト「あ、シン。シンも便乗したいの?」 シン「シン? 俺はさすらいの何でも屋、鈴村13」 兄「なんだと?」 シン「人の恋路を邪魔する奴は…俺が薙ぎ払う!!」ビーム発射 「「「うわぁぁぁーーーーっ!」」」 シン「じゃあな。せいぜい幸せになりな」 なのは「…かっこいい」 ユーノ「え?」 なのは「もうこんな尿漏れ野郎とは別れるよ! 私と付き合って下さい!」 シ・ユ「「えええーー!?」 シン(愛なんて…
https://w.atwiki.jp/mugenshoko/pages/215.html
渾名はユノユノ、シグシグ 作者:z9cEI3aa さて――と、爽快な声でシグナムがユーノに声をかけた。 「今日のところはこの辺りで止めておくか?」 お前にやる気があればまだ、と言いかけたところで、大の字、うつ伏せ、虫の息という 酷いにも程がある有様のユーノが抗議の声を――弱々しく――あげた。 「ぼくが、ま、ったく、同じ、こと、言ってから、何分、経ちましたか」 ふむ、と在らぬ方向を眇めてからシグナムは言った。 「2,30分といったところか?」 「僕は限界を超えて2,30分も戦わされたんですね……」 もはや怒る気力の無いユーノに対し、シグナムは愉快そうに、というか実際に愉快極まる声で答えた。 「なにが限界だ。余裕で突破したじゃないか、立派なものだぞ。 流石はヴィータとやり合って、無事に済んだだけはあるな。いや、大したものだ、素晴らしい」 ユーノは、ヴィータとの戦闘を今更に思う。 ――たった一回でも、ボコボコに負けておけば良かったか。 シグナムがユーノと模擬戦を行なうようになったのはつい最近の事である。 元々、ユーノの結界魔導士との技量は評価していた。 彼はあの鉄槌の騎士と一対一で無事に済む、だけでなく、様々な魔法も同時に機能させていたのだ。 掛値なしに、卓越した戦闘技術をいえよう。 となれば、バトルマニア――つまりは戦闘偏執狂――たるシグナムが興味を持たぬわけもなく、その為に。 いま正に、気鋭の学徒、若き才能の塊が、悲運の芸術家の如く、夭逝しかけているのであった。 「……返事はありますからね」 「うむ、知っている。ただの屍ではない、なぁ」 今もなお、シグナムは、くっくっと楽しそうに笑っていた。 全くもう、とボヤきながらユーノは立ち上がった。 「僕だって忙しい身なんです。付き合うのはいいですよ? 僕だって、まぁ楽しいし。 けどもう少しは、運動の範疇に収まる程度にして下さいよ。業務に支障をきたす訳には行かないですし」 シグナムは眉を八の字に、唇をへの字にして答えた。 「子供らしくない物言いだなぁ。抹香臭いぞ」 「……子供扱いしないでくださいよ」 「君は子供だ」 シグナムはいつもより遥かに真剣な表情で言った。 「主はやてにしても、テスタロッサも高町も――子供だ。 子供は大人を困らせたり、面倒を見てもらったり、甘えたりするものだ。違うか?」 「それは……そうです」 「まぁ、大人より確りしてるし、面倒をみたりするし、そこら辺は立派だが……甘え下手なのはなぁ」 「問題ありますかね」 「自分が甘え方を知らないのに相手を甘えさせられるか? というか高町を」 それが言いたかっただけじゃないのか――と言う前にシグナムに言われた。 「それは置いといて、だ。私は君より遥かに大人だ。長生きだしな。だからな、 せめて私の前では子供らしくしていると良い。私も存分に子供扱いするからな」 ユーノは少し呆れて、でも嬉しそうに言った。 「ありがとうございます、シグナムさん」 「うむ――そうだ、子供扱いするに当たってだ、ユーノ、君は幼い時分に渾名はなかったか?」 「あだ名、ですか? あー、そういえば、友達が何故かユノユノと言ってましたね」 「ユノユノ?」 「ユノユノ」 それまで訓練場は長閑で、静寂な空気に包まれていた。それを切り裂いたのはシグナムの笑い声だった。 「アハハハハハハ! ユノユノか、それはいいな! 実に子供っぽいな」 「な、そこまで笑う事じゃないでしょう!」 「ユノユノか、気に入った。これからはそう呼ばせてもらうぞ。ハハハハハ!」 そんなに笑う事じゃないでしょう辞めてくださいよシグナムさんあーもういいです解りましたよ。 「僕もシグナムさんのこと、シグシグって呼びますからね!」 それを聞いてシグナムは――更に愉快そうに笑った。 子供っぽくない少年の、子供らしい一面に触れて本当に――楽しかったからだ。 少年が男性として扱われるのは、もう少し先の事である。 16スレ SS シグナム ユノシグ ユーノ ユーノ・スクライア
https://w.atwiki.jp/mugenshoko/pages/148.html
せんせーと夜食のラーメン 作者:◆pxoVQARIYU 氏 「で、何で僕は外に連れ出されて屋台でラーメン食べてるんだろう・・・」 「それはですね、私が食べてみたかったからです!」 「ははは、なるほど・・・」 「あーっ!せんせー笑ったひどーい」 今は緊急の依頼もないので、無限書庫職員(一般司書)は労務管理の規定により 既に皆帰宅していたが、管理局総務部に特別協定書を提出しているユーノにはそんなの関係なかった。 今日も時刻は夜中を回り、夜食を取ろうと書庫を出たところで最近魔法を教えるようになったスバルに捕まり、 局内のホットミール自販機で済ませるつもりだったのに外に連れ出され、最近出店したらしい屋台にたどり着いた。 「しかしミッドチルダにラーメンの屋台が出来てるとは思わなかったよ。よくこんなの知ってたね」 「はい。なのはさんや八神部隊長が懐かしいって話してたんです。それで私も食べてみたくなったんですよー」 「へぇ。確かに僕もラーメンを食べるは数年ぶりかな」 「せんせーも食べたことあるんですか?」 「うん。まだ地球に居た頃に何度かね」 喋りながら食べているのにも関わらず、スバルのペースはユーノに比べて早い。 食事をハイペースで摂るのは胃に悪い行為ではあるが、ここに来るまでに少し遠出を してきていることもあるため、ユーノもスバルに合わせてペースを上げることにした。 「スバルって確かパートナーの娘がいたよね?彼女とは来なかったの?」 「ティアのことですか?」 「うん」 「私も最初はティアを誘ったんですけど、ティアってば今日お出かけから帰ってくるなり ベッドに倒れこんで『あたし疲れてるからパスー。ユーノ先生と行ってきなさいよ』って言って寝ちゃったんです」 「それで僕がスバルのお相手って訳か」 そういうやりとりを交わしながらもユーノの丼の中身はなくなりつつあり、スバルの丼は空になった。 そういえばティアってばベッドに倒れる前にしきりに腰叩いてたなーという言葉がスバルの口から 漏れたのが聞こえたが、聞かなかったことにしたほうが平和だと判断したユーノは黙っていた。 「あ、そうだせんせー。おかわりしてもいいですか?」 「ん?別に構わないよ。ラーメン気に入った?」 「はいっ!」 「そっかぁ。じゃあ僕ももう少し食べようかな。 すいません、ご主人。麺のおかわりお願いします。」 「あ、おじさーん!私は麺とスープとネギと、後あの白くて柔らかくて 中に渦巻きみたいなのがあるやつ、おかわりおかわりぃ~!」 「・・・最初からもう一杯下さいって言えばいいのに」 「あっ、そうでした」 思わず苦笑いするユーノに、照れ笑いで応えるスバル。 でもまぁたまにはこんな夜食もいいな、と心もお腹も暖かくなったような気がしたユーノであった。 「ねぇスバル」 「はい、なんでしょうかなのはさん」 廊下を歩いていたスバルだったが、後ろから上司であるなのはに 呼び止められたので立ち止まってから声のするほうへ振り返った。 しかし振り返った先のなのはの表情は、いつぞやティアナを撃ち墜とした時のそれだ。 予想外の展開に戦慄したスバルは思わず一歩後ずさる。 「ユーノ君から聞いたんだけど・・・昨日ユーノ君と一緒にご飯食べに行ったんだって? ねぇ・・・スバル・ナカジマ二等陸士、事情を説明して貰おうか?」 「い、今少しお時間とかを頂ければ・・・」 「スバル・・・弁解は罪悪と知ったほうがいいよ?」 なのはが一歩進むと、スバルは一歩下がる。 ここは天下の往来、管理局建物内の廊下なので他に通る人間もいるのだが 危険な空気を察した他の局員はそんな二人に近寄ろうとはしなかった。 「とりあえず訓練室に行こうか?でも話はこれで終わったと思わないでね? 向こうでたっぷりお話させてもらうから」 「えぇぇ~~~~!?」 スバルはなのはに引き摺られ、消えて行ったとか。 15スレ SS スバル スバル・ナカジマ ユノスバ ユーノ ユーノ・スクライア 高町なのは