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はじめものがたり【登録タグ は 山桜P 曲 鏡音リン】 作詞:山桜P 作曲:山桜P 編曲:山桜P 唄:鏡音リン、鏡音レン 曲紹介 僕は僕の道を進む 山桜Pの3作品目。 イラスト:ENDER 歌詞 なんかおかしくなっちゃったわたしの心のぞかないでよ そんなかなしくなるような話で言葉切らさないでくれ なんかおもしろくなっちゃったあなたのことを考えてるの そんな理想論さよならかれはどんどんはなれていく もう演技は飽きたわ さあカラを破って ほらさよならしようぜ もう限界 バイバイ君はもういらない 僕は僕の道を進む どうだいこれが僕らの正規ルートなの? それじゃバイバイ後はもう知らない 君はいなかったのだから なんか残っちゃたな君の爪痕 なんか歪み狂っていくわたしと君の起承転結 どうせ壊れちゃうようなら そうやってまた僕を嗤う あなたのせい バイバイ君はもういらない 僕は僕の道を進む そうかい、これが僕らのアンハッピーエンドなの 何もナイナイ後はもう知らない 君はいなかったのだから なんか残っちゃたな君の爪痕 バイバイ君はもういらない 僕は僕の道を進む どうだいこれが僕らの正規ルートなの? だけど3分いや5秒でもいい 君が振り向いてくれたら なんて思っちゃったな君の背中に バイバイ君はもういらない 僕は僕の道を進む 後悔なんて今更どうしようもないんだから それじゃバイバイあとはもう知らない 君はいなかったのだから やっぱ残っちゃったな君の横顔 コメント 名前 コメント
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化物語 《バカシモノガタリ》 ◆CFbjQX2oDg 闇夜を走る一台の車。 運転するのは、黒を白に変えてしまう腕を持つと言われるスーパー弁護士、北岡秀一だ。 北岡は助手席に座る若い女性に目をやる。女は携帯を常に見ている。 二人でドライブ中に携帯に集中する女性。男性としてはこれほど不名誉なことは無いだろう。だが、この場においては仕方ない。 北岡もまだ詳細を知らないが、みねねの携帯電話には自分の逃走経路の未来が表示されるらしい。 つまり、車での移動先に何かしらの危険がある場合に即対応するための最低限の策である。 では、北岡たち二人は今どこに向かっているか? 車が大通りを外れて路地裏へと入っていく。そして、その中のひとつの煌びやかな建物の地下駐車場へと車を入れる。 心なしか助手席に座る女性の顔が赤い。運転する北岡はいたって普通の顔をしている。 二人が入った建物とは―― ◇ ◆ ◇ シャー シャワーの音が浴室内に反響する。少しの衣擦れの音と共に、その肌を包む衣服が床に落ちていく。 鏡に写った自分の体を見つめる。いくつもの戦火を潜り抜けてきたのだろう、小さな傷が体を彩っている。 普段は衣服に包まれているその白い肌が露になる。続けてすっと下着を脱ぐ。 外気に晒された尻部分は筋肉で引き締まっていて、見るものを魅了する。 浴室に入ってからシャワーを頭から浴び、暖かいお湯がその長髪を濡らしていく。しばらく浴びた後、浴槽にその体を沈める。 考えるのは、この新たなる殺し合いのこと、自身の願いのこと。 そして、この場に召集されていない自分が信頼している男のこと。バシャバシャと両手でお湯を救い上げて顔を洗う。 元々の自分は他者を踏みにじることに抵抗が無かったはずだ。これもあの甘い男に影響されたのか? あんまり長湯に使っていては同行者に悪いと思い、浴槽から立ち上がる。 上気している肌は元々の白さと相まってほんのりと桃色になる。再び同じ下着を着けなければいけないことに若干の嫌悪感を抱きながらも、仕方なしにと再び着る。 再び衣服をその身に纏い、濡れた髪をハンドタオルで拭きながら脱衣所を後にする。 「みねねさん、貴女もシャワーを浴びますか?」 ◇ ◆ ◇ 再びスーツを身に纏い、客室に備え付けられている冷蔵庫で冷やしていた支給品のペットボトルを開けて飲む。 「なんで殺し合いの舞台で悠長に風呂なんて入っているんだよ… 大体ホテル行こうだなんて出会ったばかりの女に普通言うか?」 みねねが頬を赤く染めながらブツクサと文句を言う。 「俺はこれでも凄腕美形敏腕弁護士で通っているわけよ。汗を掻いた状態で動き回るだなんて御免被るよ」 と軽い口調で話す北岡。 みねねには話していない事実がひとつある。それは北岡の体を蝕む病についてだ。 現代医学では不治の病とされており、この病を治し健康な体を手に入れるのが北岡の願いである。 北岡の遠距離からの大技で相手を仕留める戦闘スタイルは彼の性格もあるが、この身体的特徴によるところが大きい。 みねねに同盟相手を申し出たのも、相手が女性だからというだけではない。 戦闘の負担を減らし、少しでも体に負担をかけないため、という裏の理由もあった。 しかし、この事実はみねねには話せない。自らの不調を同盟相手に教える馬鹿がどこにいるだろうか。 いつでも殺してくださいと宣言しているのと同じだ。決して同行者に己の体調のことを悟らせないようにしなければならない。 「それにその“逃亡日記”ってのがあるからといって、夜道にライトを点けて走っていたら狙ってくれって言ってるようなものだろ?」 確かに、とみねねは押し黙る。本来の逃亡日記なら何日も先の逃亡経路がわかる。 だが、今所持しているのはレプリカ。予知精度が格段に落ちているのだ。 北岡は逃亡日記の精度が落ちていることなど知らない。だが、長期の未来を完璧に予知することが出来たらみねねは隠れているだけでいいはずだ。 支給品の手榴弾の数に限りがある以上、開始早々に自分と戦うメリットがまるで無い。 みねねには殺せる時に殺したい理由があった、と推測したのだ。それが短期的な未来予知だと北岡は当たりをつけたからの提案であった。 さてと―― と北岡が話しに区切りをつける。そして牛をモチーフにしたエンブレムのついたカードデッキを口元に当てながら妖しく微笑む。 「それじゃあ、情報交換としましょうか、お嬢さん」 その言葉を境に、年頃の女の子のように赤面しながら慌てていたみねねはもういない。 「キヒッ。まぁそっちが本命だろうと思っていたぜ」 対するみねねも自分の携帯電話を顔の前で揺らしながら“テロリスト”としての不適な笑顔を浮かべる。 ◇ ◆ ◇ 「時空王デウスに未来日記か……」 「ミラーワールドとライダーバトルか……」 互いに元々参加していた殺し合いの概略を教えあった。 一般人が聞いたらどちらも突拍子も無い内容だが、先程の戦闘で互いに実体験しているとなれば理解も早い。 互いにしばらく思案したあとに、みねねが質問したいことがあると口を開き、それに北岡が了承する。 「お前ら仮面ライダーの目的ってのが其々の願いを叶えるため。元々“願い”を秘めているやつが神埼って奴に選ばれる そのライダーってのは“願い”がある奴なら『誰でも』変身することが出来るのか? 例えばお前のそのカードデッキで私が変身したりすることは?」 「残念ながら答えはノーです。カードデッキはモンスターと契約する際に対象者を自動で登録されます。 以前、他人のデッキでライダーに変身した奴は、その契約モンスターに襲われて死にましたよ。 だから、みねねさんが僕のカードデッキを奪ったところで利用価値は無いですよ」 他には何かありますか? と北岡が目を見つめながら微笑んでくる。 チッ、こっちの考えは読まれているか。 あの耐久力のスーツがあれば、こいつと手を組む必要は無い。だが、あの機械牛の化物に襲われるとあっちゃ話は別だ。 「私の方からも同じ質問をします。その未来日記は所有していれば『誰の未来でも』予知できるのですか? 例えば、貴方の逃亡日記を私が持っていれば私の逃亡経路が予知される…とか」 「予知できると思うぞ。そもそも私の未来日記の性質は『所有者の逃走経路を予知する』だからな」 みねねの何気ない返答に北岡の眉が一瞬動いた。 そして議題は今後の行き先についてに変わる。 「私はD-7にある清明院大学に行きたい。わざわざ地図に明記している大学だ。そこそこの規模は期待できる。大学内にある施設で“こいつ”を試してみたい」 先程の戦闘の切り札となった烈火ガス型のBIMを荷物から取り出す。 わかっているのは烈火ガスという名前だけ。どれだけの効果があるのか。名前から察するに焼夷弾の類似品だと思う。 推測通りの代物なら、これを中央市街地で実験的に使用するのはリスクが大きすぎる。 「良いですよ。私としてはせっかく美しい女性からのデートの誘いを断る理由がありませんからね」 再び頬を朱に染めながら、フンと鼻をならすみねね。 スーツに長髪。真顔で自分を口説くその姿に元の世界の刑事、西島を重ねてしまう。 この男を相手にするとどうにも調子が狂う。 とっくの昔に捨て去ったはずの少女時代の自分がひょっこりと顔を出しそうになる。 「と……とにかく、準備が出来たなら出発するぞ。日が昇るころには多くの参加者が中央に集まるはずだ。 今は早めに脱出しておきたい」 北岡がニヤニヤと笑いながら頷く。この男、一体どこまで本気なんだ? チクショウ……どうにかしてペースを握らないと ◇ ◆ ◇ ここで、読んでいて疑問に思った点がいくつかあったと思う。 具体的に挙げると次の二点である。 カードデッキは各ライダー専用の変身武器であり、他者が使用するとモンスターに襲われる点 逃亡日記は“所有者”の逃走経路を予知するものである点 これは彼らが自分の相棒とも呼べる武器に対する認識が誤っているからではない。 テロリストとスーパー弁護士。両者とも職業柄、息を吐くように嘘をつくことに慣れている。 互いに、自分のキーアイテムを狙いあっていることを悟り、真実の情報の中に敢えて嘘の情報を混ぜたのだ。 北岡の狙いはもちろんカードデッキを守るためが最大の理由だ。 ミラーモンスターはデッキの中のカードと契約しており、他者が変身したくらいで契約モンスターに襲われることは無い。 モンスターに襲われるのは契約の証であるデッキが破壊された時だ。 モンスターは人間を襲うもの。これは幼少時代から誰しもが脳裏に刷り込まれてきた事実である。 これによってみねねにカードデッキを奪われることに牽制したのだ。 対するみねねがついた嘘の意図は何だろうか? 誰でも使える……こう聞けばみねね自体に価値は無くなり殺されるのではないか? そういう考えもあるだろう。 だが、もう一度読んで欲しい。 “所有者”の逃走経路を予知すると嘘をついたのだ。 もちろん、真っ赤な嘘である。逃亡日記は“未来にみねねが打ち込むはずの日記”を先取りしているに過ぎない。 仮に北岡がみねねの日記を所有したところで、北岡が日記を打ち込むわけでは無いのだから当然である。 では、この嘘の真の狙いについて考えてみる。 北岡がみねねの日記を奪って逃走したとしよう。彼は日記に従って逃走を続けるだろう。“みねねにとっての最良ルート”でだ。 日記所有者になってからは、未来予知に頼った逃走を続けていたが、元はみねねが自分で考えぬいた最良の逃走経路を記した日記だから追跡は簡単だ。 自分ならどう逃げるかを考えれば良い。 つまり、北岡にこの日記を奪われたところで、安心して油断しきって逃げる北岡を先回りして殺せばいいだけだ。 二人がついた小さな嘘。その綻びが今後の二人の運命をどう変えるのか。 正常な判断をしているつもりでも、既に歯車は狂っているのかもしれない。 この物語の結末は、果たして―― 【D-5/市街地:ホテル内の一室/黎明】 【北岡秀一@仮面ライダー龍騎】 [状態]:疲労(小) 、湯上り [装備]:カードデッキ(ゾルダ) [道具]:基本支給品一式、マスターキー@オリジナル、黒のアタッシュケース [思考・状況] 基本行動方針:優勝して永遠の命を手に入れる 1 D-7、清明院大学でBIMの使用実験をする 2 雨流みねねを利用しつつ優勝を目指す 3 知らないことについて情報が欲しい 4 女性とはあまり戦いたくない [備考] ※参戦時期は劇場版開始前のどこかからです。詳しくは後の書き手にお任せします。 ※未来日記の世界観、雪輝、由乃、来須、マルコ、愛のみねね視点で知っている大体の情報を把握しました。 ※逃亡日記は所有者の逃走経路を予知するものだと勘違いしています。 【雨流みねね@未来日記】 [状態]:疲労(小)、若干の後悔 [装備]:MKⅡ手榴弾[4個]@現実 [道具]:基本支給品一式、逃亡日記@未来日記、BIM(烈火ガス式)[8個]@BTOOOM! [思考・状況] 基本行動方針:優勝して“神”を殺す 1 D-7、清明院大学でBIMの使用実験をする 2 北岡秀一を利用しつつ優勝を目指す 3 他のゲームについて情報が欲しい 4 時間を見つけてBIMを使いこなしたい [備考] ※参戦時期は原作六巻以降のどこかからです。詳しい時期は後の書き手にお任せします ※龍騎の世界観、城戸、秋山、浅倉についての大体の情報を得ました。(霧島については聞いていません) ※カードデッキは他人が使うと死ぬと誤認しています。 [共通備考] ※車はホテルの駐車場にあります。 未来日記 見ない日記 意味ない日記 投下順 さあ歌え。妹讃歌だ。 未来日記 見ない日記 意味ない日記 時系列順 雷帝の調教 爆炎と砲火の中で 北岡秀一 天国とは神のおわすことなり 雨流みねね
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とどかせゆめがーるず【登録タグ CeVIO VOCALOID Vintage と 初音ミク 曲 鏡音リン 音街ウナ】 作詞:Vintage 作曲:Vintage 編曲:Vintage 唄:初音ミク・音街ウナ・鏡音リン・東北きりたん(CeVIO AI) 曲紹介 ネタ曲投稿祭参加曲。 歌詞 (動画説明欄より転載) LOVE CITY わくわくワンデー 321で電話繋げ! 隠してWork エブリデー 123で電車に乗れ! Let’s 飛び込もーよ ラララ 溢れ出すエモーション! Sing 抜け出そーよ 正解な世界 みんな大好き ちゅ! つまんないNight 思い出せば? あの日のあの事! Take 連れ出そーよ 揉まれて染まっちゃって 発信中! 「時には 遠くしか見えなくなっちゃうよな そんな時は 僕たちも見つけて!」 蒼空に輝く星目指すような大紀行だけど笑って Never Mind Write! 「キミ」となら 『ダイスキ』だ!? Go Go! 遠くばかりを見つめてきたけど そっか… 本当の「タイセツ」は ほらね傍に居たの LOVE CITY わくわくワンデー 321で電話繋げ! 隠して Work エブリデー 123で電車に乗れ! コメント 名前 コメント
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. 青春は『無き』にしもあらずだ ■ ジャイロは信長たちを追跡し続けていた。 先ほどの砲撃には驚かされたが、セラスの行動も強ち愚かな行為ではないとジャイロは勘付く。 やはり、相手はどこか善良なサーヴァントであった。 人々を必要以上巻き込まないよう考慮をする上、あの砲撃はやっぱりジャイロの鉄球のみを狙ったもの。 先ほど、もう一発。 車に目掛け鉄球を投げつけたが、それをあの巨大な砲で防がれた。 それでジャイロは確信を抱く。 何より彼も悠長にしていられない。 東京都内にある植物――『黄金長方形』を視認できる場面は、限られたものとなっている。 正確なチャンスは数回程度しかないだろう。 相手も――人気のない場所を狙っているか……決定的な隙を狙ってジャイロを攻撃しようとするのか。 セラスの『影』に警戒しながらヴァルキリーを走らせるジャイロは、鉄球を構えた。 「オラァアッ!!」 黄金回転エネルギーが加わった鉄球が再度、信長達に襲いかかる。 セラスが、砲を携えて高級車の上に飛び乗った。 周囲の人々は、騎手(ジョッキー)と婦警(の恰好をした吸血鬼)の戦闘に目を奪われている。 だが、彼らの戦闘は悠長なものではない。 撮影する暇も与えられないほどのスピードの世界で繰り広げられていた。 ――分かっているぜ……その『砲』……連続して発射することはできねぇ。 だから一発は仕方がない。俺の狙いは……もう一発の鉄球! セラスが砲弾で再び鉄球と相殺をした矢先。 その隙にジャイロが投球したもう一つの鉄球―――…… 独特なカーブを描きながら、それはセラスの左肩に命中したのだった。 肩の筋肉を操作しようと鉄球は更なる回転が加わろうと蠢く。 しかし、ジャイロには予想外の出来事が発生する。 セラスの左腕そのものが――破裂した。 彼女の肉体は存外軟い性質だったのか? 耐久に弱点が? そんなものではない。 左腕そのものが『影』となって分散し――何者かが現れる。 『影』から上半身を形取った男性がセラスの中から姿を見せ、鉄球を影と同化しながら掴む。 「女にこんなモン投げる野郎がいるか! しかも人の女に対して――― こいつは返してやるぜ。そっちが『捨てたモン』だからな!!」 男の投球の体勢は、鉄球に精通するジャイロからすればまるで形になっていない。 だが、それは人外の威力が込められていた! 暴力的なパワーとスピード。 それだけで十分過ぎるほどに……!! 衝撃。 咄嗟の判断で、ジャイロはヴァルキリーを一旦消滅させた。 ジャイロだけが鉄球の攻撃を肉体に受け、その反動でヴァルキリーが転倒するのを阻止する。 ジャイロは道路を転がり、クラクションを鳴らす車を回避しながら、わき道に逸れた。 信長たちを乗せた車は、以前として走行を続けている。 周囲で呆然としていた人々は、ジャイロに近寄ろうとしたが――彼は霊体化した。 人々はあまりの光景に呆然とする他ない。 あの男性は? 巨大な砲を抱えた女性は? 車は一体どこへ…… そんな疑問に答える声はどこにもなかった。 霊体化をしたジャイロの方は、見失った信長たちを思いながらも、状況を確かめる。 やはり……ここでは戦いづらい。承知していたが、逆にあれは……信長のアーチャーも善良であったから済んだ事。 彼女が、刺青男のように常識性も欠片のない戦闘狂なら話は違った。 ―――黄金長方形を視認できる場所……そこへ誘導する手段か…… 「……追って来ませんね」 ジャイロの存在を視認できない為、セラスは霊体化をする。 巨大な砲も『影』も同じく消滅したのだった。 高級車を運転する男性はビクビクした様子であるが、乗車する信長は至って冷静を保つ。 (家政婦の伝達だと、ルーシーが魔力消費で苦しんでいるだけで何もない。 少なくとも向こうが別の奴らに追跡されている可能性は低いな。あのライダーの単独だろう) 何にせよ。 銃火器の購入を目標とする信長は、迷いなくそちらへの道を目指すのだが。 それまで新たな騒動が発生しているとは夢にも思っていないだろう。 ◆ 「………! るーしー!」 今剣の呼びかけに、ルーシーはゆっくりと瞳を開いた。 少し安堵した様子の今剣と、運転していた家政婦が心配そうに覗きこんでいる。 ―――生きている。 無謀に感じられたあの魔力消費をルーシーは……耐えた。 しかしながら、肉体には尋常ではない疲労感が圧し掛かって来る。 何とか言葉を喋れる為、ルーシーは弱々しくも返事をしたのだ。 「大丈夫……少しまだ横になっていたいわ……ここは?」 すると、家政婦が「えっと」と相変わらずのオドオドした様子で受け答えた。 「博物館の地下駐車場、です。信長さんは少し遅れてこちらにいらっしゃると、先ほど連絡を受けました」 「そう………ごめんなさい。心配をかけてしまって」 信長がメールを送ってきたという事は、向こうも無事。 敵サーヴァントを倒したのか。もしくは上手く撒いたか……何にせよ、銃の取引を終えてこちらへ向かっている。 ルーシーは一安心をする。 宝具……もしかして、あの棺が………? きっと博物館の内部で確認すれば分かる。しかし、恐ろしい。 あの棺を……あそこに、もう二度と戻らないばかり思っていたのだから…… 今は、考えないで体を休めなくては。 「きゃあっ!!?」 家政婦が突如として悲鳴を上げた。 何者かが彼女の体を突き飛ばしたのである。誰が? それは――― あの財団職員・アダムだった。司書からの情報を頼りに、この博物館へ至り――地下駐車場の存在に気付いたのだ。 必死ながらアダムは、ルーシーの居る車へ接近しようとしていた。 「ルーシー・スティール! ……もう一度言う。今直ぐ令呪を使用するんだ。SCP-076-2を止めろ!!」 「ハァ………ハァ………!」 二人の間に、今剣が入る。 子供ながら刀を持つ少年に、アダムは違和感を覚えたが――そんな場合ではない。 冷酷にアダムは言った。 「邪魔をするな。少年……彼女はあの刺青のサーヴァントのマスターなのだ」 「しっています」 「刺青のサーヴァントは危険な存在だ。止めねばならない」 「……わかっています」 「ならば君も彼女に説得してくれ! 彼女が令呪を使えば……私は何もしない!!」 「………あなたは『財団』の……」 財団。 そのワードに反応したアダムに対して、今剣は言う。 「どうして……カインとアベルを……あわせてあげなかったんですか?」 「君は―――何を言っているのか、分かっているのか!?」 「かみさまが……ふたりをあわせなかった。だから、あなたたちなら、あわせられた……なのに、どうして」 「子供の君には分からない。まだ理解が難しいだろう。だが、それは危険な行為だ」 そんな事をしたら、どうなるか分かる筈だ。 どんな結末が広がるかも、容易に想像できる。 愚かな末路しかない。意味のない。アベルは人類を憎悪する、殺戮兵器に過ぎない。 人類を脅かす危険因子でしかない。それが真実だ。財団も――そう断言した。 「でも……でも!」 今剣は納得しない。 だけど、一つだけ答えを得た。 那須与一を死なせてしまった。 取り戻しようがない犠牲だ。聖杯戦争がどのように残酷か教えられたのである。 彼の死を無駄にはしない? そうではない。 彼の死を背負っていく? それも違う。 二度と犠牲を出さない? それは無理だ。 ただ。生き残るために………今剣は、生きるしかない。 勇者とか英霊とかヒーローとか。そんな正義の味方になって責任は取らないし、取れない。 前へ、進むだけだ。 「るーしーには、あべるがひつようなんです」 「……!」 「あべるが、きけんなのはわかっています。でも、ひつようなんです!」 殺させはしない……! 今剣が少年とは思えないほどの身のこなしで、大人であるアダムの体を投げ払った。 想定外の能力にアダムも驚愕を隠せない。 同時に、理解した。 もはやルーシーは聖杯を手にする算段なのだと。もう容赦はしない。 今剣は転倒したアダムへ刃を向ける。 「あきらめてください!」 だが、今剣はアダムを――殺さない。 過去を守る刀剣男士である今剣は、過去に生きるアダムも殺してはならないと理解していた。 刀剣男士としての使命。 主との約束。 過去を変えてはならない意味を、ようやく理解した今剣。 与一の死は無かった事にしたい。でも―――無かった事にしては、駄目だ。 彼が死んだからこそ、今の自分が存在するのだ……! アダムは咄嗟に、足を動かした。 与一によって痛められた足を気合いだけで動かし、今剣を蹴り飛ばす。 攻撃を受けた今剣の体は、駐車場のコンクリートの柱にぶつかる。 衝撃で少年の手から短刀が零れ落ちた。 「くっ………」 アダムは起き上がろうとする今剣に、ヤケクソ気味に松葉杖で叩きのめした。 追撃を喰らって倒れる今剣を確認して、アダムは短刀を目にする。 これで――ルーシーを。 そういえば、アダムはもう一人・家政婦がここにいたと周囲を見回すが、彼女はヘナヘナと足が脱力し座り込んでいる。 最悪……今剣も、家政婦も殺す。 しかし、それでいい。それだけの犠牲で『SCP-076-2』を無力化できるのならば! ルーシーは息を絶え絶えになんとか車から脱出する。 走ろうとしても、足は動きにくい。 何としてでも……生きなくては、夫と再会するには乗り越えなくては……! 短刀を手にしようとするアダム。 だが、それを抑え込んだ第三者が現れたのだった。 「な―――!?」 驚くのは無理もない。それは―――サーヴァントであった。 両義肢の―――冷徹な瞳でアダムを抑えるアサシンは、紛れもない。間違いようも無い。 故に、制止する意味が理解できなかったのだ。 アダムは取り乱して叫ぶ。 「SCP-073! 彼女はSCP-076-2のマスターなのだ! 彼女にSCP-076-2を無力化して貰わなければならない! お前は……この状況がどういったものか――理解している筈だ!!」 「………」 『073』………!? 魔力消費の影響で重度の疲労を抱え込んだままのルーシーは、思考を動かす。 確か『SCP-073』は……! どうして……? 何故、あたしを助けてくれるの………!? どういった理由で……違う………そうじゃない? そういう理由では……あたしを利用しようとか…… ………まさか……もしかして……… ルーシーがアサシンと視線を交える。 ハッと彼女は我に帰った。短刀が――今剣の持っていた、刀がそこにはあった…… 自然と荒い呼吸を続けるルーシーは、再度アサシンと目を交わした。 「あ……アサシン……いえ『カイン』……あなた………」 サーヴァントであるアサシンに、アダムは勝ち目はない。 それは承知していた。だからこそ……アダムは決心するのだった。 令呪。 実質、最後に使用できる令呪で――アーチャーを、ひろしをここに呼び寄せる! 「令呪を以て命ずる! アーチャー………」 ルーシーは渾身の力を込めて、這い上がる。 アサシンに注目し、アサシンに――…………カインに押さえられているアダム。 落ちていた短刀『今剣』……それを掴んだルーシーは―――彼を刺した。 聖杯戦争のマスターであるアダムを。 「き……さま…………ルーシー………」 アダムがルーシーに手を差し出しかける、その矢先。 ルーシーは荒く呼吸を続けながら、引き抜いた短刀を咄嗟にアダムへ投げつけた。 それは――吸いこまれるようにアダムの喉笛を突く。 「が………はぁっ………」 「あ―――ああああ」 分かっていた。そのつもりでも、ルーシーは涙が溢れ出てしまう。呻いてしまう。 一連の出来事に呆然としていた家政婦や、起き上がろうとした今剣は言葉を失くしたのだった。 嘆きながら、ルーシーは涙を流し続ける。 アダムは転倒し、弾みで血まみれになった短刀が喉から落ちた。 ―――何て事! やってしまった!! でも、やらなければ……やられていた! そして……彼が助けてくれなければ、全員殺されていた……!! 苦しみもがくアダムを見下ろすカインは、どこか不気味であった。 血が溢れようが、アダムはそんな彼を理解する事が出来ない。 カインは財団の情報を全て把握している。だからこそ……アダムが財団職員であることも、知っている。 「が………いん。……じぶんが……なにを……じで、いるが……わがっで………」 「ええ」 カインの声色は恐ろしいまでに機械的だった。 凍てつくように冷淡な口調のまま、カインは言葉を続ける。 「ですが……私はサーヴァントです。私はマスターに従い、そして私自身の意思で動いています」 「財団を、裏切っで……」 「何度も言います。これは『聖杯戦争』で、私はサーヴァントで――貴方はマスターだった。 この世界には『SCP』も『財団』も、存在しません。私も『SCP-073』ではなく『カイン』なのです」 カインはそう。自らの呪縛を解き放つように、アダムに告げたのだった。 アダムの体はいよいよ動きを止める。 嗚呼。なんてこと……… 最初から、結局は財団に捕らわれたままだったのは。 娘ではなく……私だったというのか…… 私は―――財団としても在れず、父親としても失格だった。 【アダム@SCP Foundation 死亡】 ■ 「ど……どうしよう! どうしようこれ! でもそのぉ、これって、せ……正当防衛よねっ!?」 緊迫する空間で一人話を切り出したのは、聖杯戦争とは無関係の家政婦だった。 今剣は、ようやっと立ち上がり。 そして、ルーシーは荒い呼吸を続けたまま。 存在するサーヴァント――アサシンの『カイン』と対峙している。 アダムの死体を一瞥したカインは、ルーシーと向き合う。 「弟の……マスターですね」 「………う……」 分からない。どうして……!? ルーシーは不安と恐怖を抱え込みながら、カインと向き合う他なかった。 何故? 何故、ルーシーを助けたのだ? もう……彼はもしかしたら……… カインの方は沈黙の後。ルーシーに告げるのだった。 「貴方はきっと、聖杯が欲しい訳ではないのでしょう。弟も同じです。彼は何かに満たされたいのです」 「………カイン……」 「私はここで起きた事。貴方達の事をマスターに伝えなければなりません。 しかし、貴方が『彼』を殺した。その危険性は絶対伝えません……だから、お願いします」 「……」 「弟の事を―――お願いします」 彼の言葉や表情は悲しみに帯びていた。自分では、それは叶えられないから、託すしかない悔しさも込められている。 ルーシーは……押しつぶされそうになる。拒否する。 無言で首を横に振って、彼女は言葉を紡いだ。 「彼は……アベルは、あたしを殺すわ。そうしようと、してる……」 「貴方よりも私を殺すでしょう。弟は、私の存在に気付いています」 その告白は衝撃的だった。 だけど、別にカインは分かり切っていた事でもある。 警視庁の情報収集の際。警察無線で新たな共犯者としてカインの特徴を詳細に述べた情報が入ったと、報告が一つ。 それは……直ぐにアベルの仕業だと理解した。 アベルは気付いている―――カインの存在に、カインを……殺そうと。 「だからこそ、貴方は安心して下さい。私は『その時』が来るまで生き続けるよう努力します。 そして、弟と共にいる『彼ら』は弟が許し、弟が望んだ者です。どうか信じて下さい」 「あ……ああ………カイン……」 涙が溢れるルーシーは、その言葉に……安心してしまった。感謝しかない。 本当に。彼は。 弟の為と、ルーシーの為に生きようとしているのか……! それが償いになるから……?! 正気じゃあない。だけどそれが、ルーシーにとっては希望だった。 カインはアダムの死体を再度眺め、静かに告げる。 「この死体は私が運び出します。早く行かなくては……弟が再び目覚めてしまう前に」 立ち去ろうとするカインを、放心していた今剣は退きとめた。 「―――あ………あ、あやまって……あやまったほうが。い、いいです」 いざ言おうとすれば、呂律が回らない。 何とか今剣が伝えた言葉に、カインは少し驚いた風だったが笑みを浮かべた。 「その時が来れば―――そうするつもりです」 □ 「くそぉ! あいつら、なんて事しやがる……!!」 東京都港区。 ここでキャスター・幽々子と文字通りの死闘を繰り広げているひろしは、必死であった。 幽々子の攻撃から逃れる為に? 幽々子を攻撃する為に? 否――それとは全く違った。 彼女の弾幕、そして『死』を形にした蝶。それらの攻撃に、ひろしは怒りを露わにせずいられない。 夜空に打ちあがったような美しい弾幕であるが、全てがひろしを狙ったものではない。 ひろしが追跡する弾幕を回避するのを予測した攻撃もある。 そういった類は『無差別』なのだ。 蝶に関しても同じだ。 ひろしが「不味い」と感じ取ったそれを回避すれば、近くで呆然としていた人々が巻き込まれ、死に絶えていく。 ブライトも、幽々子も。 巻き込まれてしまったなら仕方ないとしか受け流していない。 ブライトに関して言えば『財団』でそういった犠牲になれてしまったのが強い。 であってもだ。ひろしは許せない。 生贄であれ、無関係な人々を巻き込もうなど……! 「止めろ! 場所を変えて戦え!!」 「別に殺したって構わないと、主催者直々の通達を聞いていなかった訳ないでしょう?」 ひろしは、意を決して弾幕が薄まったのを確認し、両腕を幽々子に定める。 「ロケットパアァアアアアンチッ!」 弾幕の隙間を抜けていくひろしの分離した手首は、幽々子に命中した。 幽々子は、そのまま無様に手首に押され、遠くへ移動させられていくのだが。 彼女はまるで効いた様子がない。 ひろしによって操られた車が背後から襲いかかるが、それにも動じない。 何故なら幽々子は亡霊だから。 物理攻撃に等しいひろしの攻撃は、酷く相性が悪かったのだ。 無論、ひろしも幽々子にダメージが通っていないのは承知していた。 亡霊であることを理解した訳ではないが、幽々子が放つ弾幕は勢いを衰えない。 ひろしが成すべき事は、幽々子を街から離すこと――― 幽々子の攻撃が恐ろしいことを思い知らされ、人々を考慮すらしない態度を見れば、こうせざる負えない。 先ほど放ったロケットパンチは継続中だ。 そのまま幽々子の体を押し続けるのみ! ダメージがあるなら、少しでも効果があるなら良い!! だが、一番に優先するべきは無関係な人々の安全。 「……アダム。ねぇ。まさかとは思うが」 戦闘を繰り広げるサーヴァントたちを傍らに、ブライトは呟く。 『アダム』という名と娘の存在。 ひょっとしたら、何て考えたが……そんな偶然はあるのだろうか? そう疑問を抱いているブライト。 「『自分の娘』を解放したい、なんて願ったんじゃないだろう?」 すると。 どういう訳か、ひろしの猛攻は止んだ。 幽々子を攻撃していた手首もひろしの元へ帰還をし、幽々子は更なる追撃を仕掛けようとしたが。 ひろしの状況は少し妙である。 ブライトの発言に動揺した……訳でもないらしい。 魔術に疎いブライトには分からないが、ひろしの魔力に異変が起きたのは確か。 何より、ひろし自身が混乱していた。 「アダム!?」 念話で語りかけても、返事はない。 当然だった。 アダムは―――死亡した。そして、ひろしへの魔力供給も停止したのだ。 アーチャーであるひろしには『単独行動』がある為、消滅には至らないものの。 マスターを失ったロボットが満足に宝具などを使える状況でなかった。 何故? これは失敗だ。 責任の取りようのない……せめて、どうにかしてでもアダムの娘を助けたい。 無論。 様子見とはいえ単独で博物館に乗り込み、令呪を出し惜しみしたアダムにも責任はある。 ひろしも、念話がない為。アダムは病院で大人しくしているとばかり…… そんな言い訳は無駄であった。 「いや……!」 駄目だ! ひろしは立ち上がる。 アダムの願いを叶えなくては、せめて娘だけでも解放したい! 刺青男やセイバー、眼前にいるキャスターなどに聖杯を渡す訳にはいかない!! ひろしが取った手段。 それは―――逃亡だった。 悔しさばかりこみ上げ、自分自身への憤りを胸に、されど『父親』として、英霊として。 人類を滅ぼそうなど企む連中に聖杯を手にさせてはならない! アダムの娘を必ず救う!! ―――せめて……サーヴァントを失ったマスターがいれば……! 諦めない。 アダムを助けられなかった自分に出来るのは、アダムの願いを達成させる事だ。 ひろしは霊体化をしつつ、意識を集中させていたせいか。 何故、幽々子は追跡をしないのか? 些細な疑問を抱かなかった。 【三日目/夕方/港区】 【アーチャー(ロボひろし)@クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん】 [状態]霊体化、魔力消費(中)、ダメージ(中) 、マスター消失 令呪【見つけ次第、ルーシー・スティールを殺害しろ】 [装備] [道具] [所持金] [思考、状況] 基本行動方針 聖杯でアダムを願いを叶える 1:アダム…… 2:ルーシーを家族のところに帰してやりたいが…… 3:バーサーカー(アベル)やセイバー(ナイブズ)に聖杯は渡さない。 4:サーヴァントを失ったマスターの捜索。 [備考] セイバーのステータスを把握しました。 ダメージは燃料補給した後。魔力で回復できます。 SCP-076-1についての知識を得ました。 ルーシーがバーサーカー(アベル)のマスターであると把握しました。 またルーシーの携帯電話番号を知りました。 財団について最低限ですが知識を得ました。 勇路がマスターであると把握しました。 ブライト主従を確認しました。また危険な主従として認識しております。 □ 幽々子がひろしを追撃しなかった理由、それは―― 「魔力消費……だったかな? 堪えるものだ、これ以上戦われたら堪ったものじゃないね」 そう、魔力だ。 既に魂だけに等しいブライトだったが、魔力は乗っ取った人間の体に依存するものらしい。 これならば、次から次へ。体を乗り替わり続ければ良いだろうが、容易な事ではない。 ブライトも一々それは面倒だと理解していた。 ひろしを取り逃がすのは失態だが、まだ相手の本領が見えない。 彼は幽々子を街から離そうと必死なだけで、本気でやりあっていないのは素人のブライトにも分かった。 「『西行妖』の開花が進めば、魔力供給も必要なくなるけどね」 「成程! 巻き込まれて死んだ人間の魂をもう一度捧げれば、開花は進行しないかな?」 「少しは進む……ってくらいかしら。それに、焦る必要はないと思うわ」 放置したって周囲から『春』を奪うものだ。 一々手間暇かける必要性がない。しかし、幽々子は死に絶えた人々の魂をちゃんと回収し。 そして、それらを捧げるつもりだ。 「それと……あのアーチャーのマスターに心当たりでも?」 「うん? あぁ、名前が似てるけど知り合いとは限らないね」 「もし知り合いだったら?」 「ジャック・ブライトからのクソったれなメッセージを伝えるさ。 聖杯には『息子たちを最高な形で終わらせてくれ』と願うつもりなんだろうな? とね」 【三日目/夕方/港区】 【ジャック・ブライト@SCP-Foundation】 [状態]20代女性の体、魔力消費(中) [令呪]残り2画 [装備]SCP-963-1 [道具]ウィルソン・フィリップスの財布+乗っ取った女性2人の所持品 [所持金]現金15万とクレジットカード+乗っ取った女性2人の所持金 [思考、状況] 基本行動方針:聖杯戦争という概念の抹消。 1:今後の為に『西行妖』の開花を少し早める。 2:アーチャー(ひろし)は危険と判断し、排除したい。 3:少年(勇路)は危うい存在なので、出来れば処理したいが…… 4:織田信長がマスターならば接触する? [備考] キャスターに雑談として財団や主なSCPの話をしました。 織田信長と宴会の席を本日の晩に設けました。 フードのサーヴァント(オウル)と桐敷沙子の主従を把握しました。 バーサーカー(アベル)の宝具が設置されている博物館を把握しました。 バーサーカー(アベル)の事件以外の情報を入手しました。詳細は後の書き手様に任せます。 SCP-073が東京に存在することを把握しました。 勇路がマスターであると把握しました。 安藤がマスターであると把握しました。 アーチャー(ひろし)のステータスを把握しました。またそのマスターを薄々勘付いています。 【キャスター(西行寺幽々子)@東方Project】 [状態]能力上昇中(三分咲き) 、魔力消費(中)、ダメージ(小) [装備]扇子 [道具]先ほどの戦闘で発生した死霊(無数) [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:ブライト博士に付き合う。 0:西行妖に死霊を捧げる。 1:また宴会やりたいわ。 2:どうしてレプリカから死霊が出るのかしら? [備考] ブライト博士に雑談として幻想郷や主な友好関係の話をしました。 死霊20体を西行妖に捧げました。 西行妖は現在三分咲きであり、冬の範囲を半径5km程までのばしています。 ブライト博士の影響か、死を操る程度の能力の行使に抵抗が無くなっています。 SCP-073が東京に存在することを把握しました。 ◆ 「何があった」 幸運だったのだ。 この江東区にある博物館の地下駐車場には監視カメラが設置されていなかった。 だから、警備員もアダムを認識していなかったのである。 そして――信長とセラスも。 唯一、セラスが吸血鬼の嗅覚で『血』が流れた事を感じ取ってしまっただけで……… 家政婦は何がなんだか分からず、呆然としていたが。 ルーシーが混乱と不安など様々な負の感情による涙を流し、今剣が自らの化身である短刀を握りしめる。 三人の中で沈黙を破ったのは、ルーシーだった。 「アダム……わたしを襲ったマスターがここに……だけど、今剣が刀で」 「そ、そうです! あいてに、きずをおわせて……その、えっと、にげられてしまって」 慌てて家政婦が「正当防衛ですって! そうです、はい!!」とフォローを加える。 そんな三人の様子を眺めながら、信長は厳しい視線で睨んでいた。 「そのアダムとやらのサーヴァントは。何故いなかった」 今剣とサーヴァントを知らぬ家政婦は困惑していたが、ルーシーがはっきり返答する。 「分かりません……もしかしたら居なかっただけかもしれない………必死な様子だったから、サーヴァントを失ったのかも」 「――で、あるか」 どこか納得いかない様子の信長。 彼らの元に、博物館内部を様子見しにいったセラスが帰還する。 チグハグした雰囲気で話しにくいセラス。信長の方が先に口を開いた。 「どうだった、バインバイン弓兵」 「名前適当になってません? ……例の『棺』、扉が閉まっていました」 成程。 ルーシーの魔力消費の酷さが理解できた。 そして、アベルはどういう形であれ再びここで目覚める。 信長は「さて」と緊張感を醸す。いよいよ狂気の王と対峙する時が来たのだ。避けては通れぬ道。 「問題は……あのバカ達はここに来るかだが」 うぐぐ、とセラスは唸る。 新たな情報では包帯男と神原駿河の姿が視えぬサーヴァント。 新手の二騎が確認されたのだ。アベルと人喰いのバーサーカーだけでも十分だというのに。 セラスが流石に不満を込めて言う。 「最悪、四人相手しなきゃいけないですよね? 私」 「頑張れ、ちょー頑張れ。相手出来るっつったじゃん」 「なんでこう厄介な部分だけ私に投げつけられるんですかー!」 「……まぁ、そういう訳だ。ルーシー、お前は一先ず休め。動くのも手一杯じゃ困る」 「…………はい」 今剣は自らの無力さを痛感し項垂れ、ルーシーは信長に悟られないの警戒し。 双方沈黙をする。 ただ一人。 巻き込まれてしまった家政婦――オルミーヌは溜息をついた。 (嘘ついちゃったなぁ……) 【三日目/夕方/江東区 博物館】 【ルーシー・スティール@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]魔力消費(極大) [令呪]残り3画 [装備] [道具]携帯電話(電源オフの状態)、バーサーカー(アベル)についての報告書と添付資料 [所持金]少し頼りないくらい [思考・状況] 基本行動方針:生きてスティーブンと再会する。 1:脱出する方法を探す。 2:令呪はむやみに使わない、いざという時まで取っておく。 3:カイン…… [備考] 役割は「東京観光をしに来た外国人」です。 聖杯戦争を把握しました。通達については知りません。 バーサーカー(アベル)に関する情報、またそれらに関連するSCP(アイリス、カイン、SCP-682)の 情報をある程度、入手しました。『財団』がどういう組織かも把握しております。 アーチャー(ひろし)のステータスは把握しておりません。 アダムが財団職員であり、聖杯の収容を目的としていると判断しております。 最悪、自分たちが財団によって処理されると思いこんでいます。 今剣がマスターである事、アーチャー(与一)のステータスを把握しました。 信長には聖杯を手にする為、方針を変えたように宣言しましたが、本人はそのつもりはありません。 信長たちと情報を共有しましたが『神隠し』については把握しておりません。 アサシン(カイン)のステータスと真名を把握しました。 【今剣@刀剣乱舞】 [状態]精神疲労(与一の死の悲しみ)、肉体ダメージ(小) [令呪]残り3画 [装備]短刀「今剣」 [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:元の世界に戻る。 1:ルーシーと共に脱出する。 2:カイン…… 3:なるべく人は殺したくない。 [備考] 聖杯戦争については概ね把握しております。 アーチャー(与一)の真名を把握しました。 通達について把握しております。 役割は「孤児院の子供」でした。行方不明となった為、警察に捜索届けが出されているかもしれません。 ルーシーがバーサーカー(アベル)のマスターであると把握しました。 バーサーカー(アベル)の真名と情報をある程度把握しました。 信長たちと情報を共有しましたが『神隠し』については把握しておりません。 アサシン(カイン)のステータスと真名を把握しました。 【織田信長@ドリフターズ】 [状態]魔力消費(小) [令呪]残り3画 [装備] [道具]資料、購入した銃火器 [所持金]議員の給料。結構ある。 [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を頂くつもりだが……? 1:アベルの出現を待つ。 2:ルーシーは…… [備考] 役割は「国会議員」です。 パソコンスキルを身につけました。しかし、複雑な操作(ハッキング等)は出来ません。 通達を把握しております。また、聖杯戦争の主催者の行動に不信感を抱いております。 ミスターフラッグから、東京でここ二、三日の内に起きている不審死、ガス爆発、 不動高校、神隠し、失踪事件の分布、確認されているサーヴァントなどの写真を得ました。 セラスからセイバー(フラン)とバーサーカー(ヴラド)の容姿の情報を得ました。 神隠しの物語に感染しました。 江東区の博物館にあるバーサーカー(アベル)の宝具を捕捉しました。 江東区の博物館の館長を脅迫もとい交渉した結果、博物館の警備の強化などの権限を得ました。 正午過ぎ頃までの情報を『ミスターフラッグ』から入手しました。 バーサーカー(アベル)の真名と情報をある程度把握しました。 ライダー(ジャイロ)のステータスを把握しました。 【アーチャー(セラス・ヴィクトリア)@HELLSING】 [状態]魔力消費(中)、肉体ダメージ(小) [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:マスター(信長)に従う。セクハラは勘弁して欲しいケド。 1:アベルの出現を待つ。 2:バーサーカー(ヴラド三世)に通じる存在……? [備考] セイバー(フランドール)とバーサーカー(ヴラド三世)の存在を把握しました。 刺青のバーサーカー(アベル)を危険視していますが…… 神隠しの物語に感染しました。 江東区の博物館にあるバーサーカー(アベル)の宝具を捕捉しました。 正午過ぎ頃までの情報を『ミスターフラッグ』から入手しました。 バーサーカー(アベル)の真名と情報をある程度把握しました。 <その他> 信長邸に出入りする家政婦(オルミーヌ)はルーシーがアダムを殺害した事を把握しており、 アサシン(カイン)の存在を確認しております。 ■ 死体を運ぶ。というのは常識的に考え、車など手段が必要となるものだ。 自力で――しかも東京都内を徘徊するのは無謀に近い。 一体どうして目撃されないのかすら怪しいのが普通だろう。 が…… 現在の東京はかなり異常なのだ。 人気もないし、巡回しているパトカーすらない、活気も失われている。 全ては――警視庁の爆発もとい崩壊が原因であった。 江東区からは離れた場所にある警視庁で、キャスター・ヨマと複数のサーヴァントたちによる死闘が繰り広げられていた。 それは終わりを告げたが、現場では混乱状態が続いており、ニュースも注目している最中。 板橋区での火災と、未曾有の警視庁でのテロという事態に。 巡回していた警察はその応援へ向かい、人々も不安のあまり足早に帰宅を余儀なくされた。 もはや、自宅が安全とも言い難い状況だが。 皮肉だがこれはチャンスだった。 アダムの死体を運び出していたカインは少しでも、例の博物館から距離を取ろうと急ぐ。 江東区は河に面した場所が多い。 そこへ死体を投げ込めば問題はないだろう。 「………」 果たしてこれは正義なのか? 例え、ルーシーの為、アベルの為であったとしても……こんなことまでしなくとも。 否。 間違いなどない。 もはやこの世界に『正義』も『悪』もないのだ。 聖杯戦争の舞台というだけで、全ては聖杯戦争の勝者だけが、全てなのだから…… 月夜が雲で陰り、漆黒にしか見えない河の中へ。 一つの死体が沈んでいった。 ◆ 東京都江戸川区。 自宅前に到着した安藤だったが、どこか足取りは重い。 ここに来る途中でも、様々な噂を聞いた……速報で警視庁で事件。爆発事故が起きたと。 もしや、東京の秩序が崩落し…… 最終的にかつて安藤のいた猫田よりも酷い戦場へと変わるのだろうか…… そんな不安を胸に、家へ足を踏み入れると潤也が出迎える。 「兄貴! 遅すぎるだろ! どこ行ってたんだよ!!」 「あ……悪い。連絡するの忘れてたな」 「まーいっか! メシ食わないで正解だったぜ」 そういえば。 潤也がふと尋ねてきた。 「兄貴。來野って人、知ってるか?」 「來野……? えっと……」 どこかで聞いたような……クラスメイトだっただろうか? 安藤の『東京』での記憶は曖昧なもので「いや」と答えるだけにしておいた。 リビングに移動するとテレビでは刺青男関連の緊急特番がされている。 潤也は不満げに「面白いのやってねーんだよなぁ」とぼやいた。 「なんか今日、アンダーソンがお見舞い来てくれてさ。その來野って人も来る予定だったらしいぜ」 外国人のアンダーソンに関しては、安藤も覚えはあった。 しかし、來野なる生徒とはロクに関わりがなかったような……クラスメイトなら。 もしかしたら、アヴェンジャーのマスターが? テレビを横目に眺めると、テロリストの容疑者として松野トド松なる人物が逮捕されたらしい。 ……いや、違う。 あの雰囲気、どう考えたって刺青男とあの人は関係ない…… 安藤は顔をしかめつつ、今度は潤也に尋ねた。 「なぁ……神原って奴知ってるか? 神原駿河」 「あー知ってる! つーか兄貴も会ったじゃん!! 俺達の頭上ジャンプしてたの」 「えっ? あ、そうだっけ………?」 絶対に覚えていそうだが、それは記憶に違和感を覚える前のことだろうか。 聖杯戦争が始まる前は漠然としていて…… それこそ死んでいるように人生を歩んでいるような有様だった。 「神原がどうかしたのか?」 「あぁ、いや。どんな奴か知ってるかなって……」 「ん~~~? 俺も同じクラスだけど話した事はないかな。明るい奴だよ」 「……そうか」 分からないな。 神原がアヴェンジャーのマスターって可能性も……駄目だ。 安藤は何であれ、明日学校へ向かうべきだと決断する。どうやら、來野もそうだが――他の主従が不動高校には居る。 『マスター、今からそちらへ戻ります。それと……報告するべき事があります』 アサシンからの念話に、安藤は少し顔を上げる。 しばしの沈黙をしてから、アサシンに聞いた。 (何か――あったのか?) あの博物館で何かが発生した……どうやらそれだけではないと安藤はどこかで感じ取っていた。 でも、安藤が望んだ事だったとしても。 アサシンの言葉は、どこか晴れやかだったのだ。 【三日目/夕方/江戸川区 安藤家】 【安藤(兄)@魔王 JUVENILE REMIX】 [状態]健康 [令呪]残り3画 [装備]私服 [道具]携帯電話、『王のビレイグ』 [所持金]高校生としては普通+潤也から貰った一万円(貯金の方は別としてあるかもしれない) [思考・状況] 基本行動方針:バーサーカー(アベル)と対決する。聖杯戦争を阻止する? 0:アサシン(カイン)から情報を聞く。 1:考える為に情報を集める。 2:アヴェンジャー(マダラ)とライダー(ジャイロ)からの同盟の話は慎重にする。 3:明日、学校に行く。 [備考] 原作第三巻、犬養と邂逅した後からの参戦。 役割は「不動高校二年生」です。 通達について把握しております。 潤也がマスターであると勘付きましたが、ライダーのマスターであるとは確証しておりません。 今朝のニュースで新宿区の事件とフードを被ったのサーヴァント(オウル)と桐敷沙子の存在を把握しました。 またフードを被ったのサーヴァント(オウル)と桐敷沙子が『人ではない』と考察しています。 バーサーカー(ジェイソン)のステータスを把握しました。 アヴェンジャー(マダラ)のステータスを把握しました。 アヴェンジャー(マダラ)のマスターが不動高校の関係者ではないかと考察しています。 ライダー(ジャイロ)の存在を把握しました。 ブライトとキャスター(幽々子)の主従を把握しました。 また首飾りの女性もマスターであると把握していますが、キャスター(幽々子)のマスターと 同一であるとは把握しておりません。 少年(勇路)がマスターであると把握しました。 SCP-963-1との接触が危険だと把握しました。 現時点で腹話術の使用による副作用はありません。 今後、頻繁に使用する場合、副作用が発生する危険性が高まります。 フードを被ったのサーヴァント(オウル)が喰種であり『隻眼』という特殊な存在だと把握しました。 神原駿河と包帯男(アイザック)、金髪の少女(メアリー)の存在を把握しました。 【安藤潤也@魔王 JUVENILE REMIX】 [状態]魔力消費(小) [令呪]残り3画 [装備]私服 [道具]携帯電話 [所持金]高校生としては普通+競馬で稼いだ分(貯金の方は別としてあるかもしれない) [思考・状況] 基本行動方針:聖杯を得る。その為にはなんでもやる。 0:神原か…… 1:兄を利用する。 2:ある程度、情報を集めてから行動を移す。 3:暇があれば金を稼ぐ。 [備考] 参戦時期は不明。少なくとも自身の能力を把握した後の参戦。 役割は「不動高校一年生」です。 通達について把握しております。 安藤(兄)がマスターであると確信しております。 新宿区で発生した事件とフードを被ったのサーヴァント(オウル)と桐敷沙子の存在を把握しております。 バーサーカー(アベル)に理性があるのではと推測しております。 織田信長をマスターと判断しました。 【三日目/夕方/江東区】 【アサシン(SCP-073/カイン)@SCP Foundation】 [状態]霊体化 [装備] [道具] [所持金] [思考・状況] 基本行動方針:バーサーカー(アベル)に謝罪をする。 0:安藤と合流する。 1:自分は聖杯を手にする資格はない、マスター(安藤)の意思を尊重する。 2:バーサーカー(アベル)と接触する為、ブライトに行動を悟られないようにする。 [備考] 今朝のニュースで新宿区の事件とフードを被ったのサーヴァント(オウル)と桐敷沙子の存在を把握しました。 またフードを被ったのサーヴァント(オウル)と桐敷沙子が『人ではない』と考察しています。 ライダー(ジャイロ)とバーサーカー(ジェイソン)を把握しました。 ブライトとキャスター(幽々子)の主従を把握しました。 しかし、キャスター(幽々子)のマスターがブライトであるとは把握しておりません。 潤也がマスターであると確信しております。 警視庁にて、現時点までの事件の情報を把握しました。 江東区の博物館にある『SCP-076-2』を確認しました。 バーサーカー(アベル)が自分(カイン)の存在を確認したと把握しておりますが、安藤には伝えておりません。 ルーシーがアベルのマスターだと把握しました。また今剣がマスターである事も把握しております。 【三日目/夕方/足立区】 【ライダー(ジャイロ・ツェペリ)@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]魔力消費(中)、肉体ダメージ(小) [装備]鉄球×2 [道具] [所持金]情報を買った為、競馬で稼いだ分の金額も合わせて無くなりました。 [思考・状況] 基本行動方針:マスター(潤也)には従うが…… 1:潤也の意思に不穏を抱いている。 2:どうにも主催者が気に食わない。 [備考] 新宿区で発生した事件とフードを被ったのサーヴァント(オウル)と桐敷沙子の存在を把握しております。 バーサーカー(アベル)に理性があるのではと推測しております。 アサシン(カイン)とバーサーカー(ジェイソン)を把握しました。 アサシン(カイン)の正体に心当たりがありますが確証には至っていません。 信長とアーチャー(セラス)の存在を把握しました。 時系列順 Back 虚物語-ウソモノガタリ- Next 勝利者への資格 投下順 Back 虚物語-ウソモノガタリ- Next 夜は眠れるかい?(前編) ←Back Character name Next→ 027 虚物語-ウソモノガタリ- 今剣 028 夜は眠れるかい?(前編) アダム 死亡 アーチャー(ロボひろし) 032 ボクらの聖杯戦争 織田信長 028 夜は眠れるかい?(前編) アーチャー(セラス・ヴィクトリア) 安藤潤也 030 明日になるまで待って ライダー(ジャイロ・ツェペリ) ジャック・ブライト 031 Crazy Crazy Crazy Town キャスター(西行寺幽々子) 安藤 030 明日になるまで待って アサシン(カイン) ルーシー・スティール 028 夜は眠れるかい?(前編)
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. 青春には『嘘』がつきものだ □ 東京都江東区。 ご存じお馴染みの夏と冬、オタクたちの大戦争・コミックマーケットが開催される『東京国際展示場』がある場所だ。 埋め立てが多くある区であるが。その埋め立ては江戸時代から行われている。 ゴミ埋立地『夢の島』は有名だろう。 その一角。 ひっそりとした隠れ家のような、それでいて内装はアンティーク調。 お洒落な雰囲気で充満している喫茶店『:Re』が存在していた。 経営しているのは若い女性と寡黙な男性。 常連客らしい人間がちらほら居る中、席の一つに少年が座っている。 少し冷えたコーヒーをテーブルの傍らに置いて、彼は携帯の液晶画面と向かっていた。 彼はサイトの観覧やゲームに夢中なのではない。 連絡帳に電話番号を打ち込んでいた。 それは知り合いでもない。赤の他人の電話番号――『先導エミ』の住所と連絡先。 (合っているか?) 『はい、大丈夫です』 少年・安藤は、自らのサーヴァント・アサシンと念話で確認した。 警視庁で入手した情報など、山のように存在する。その山の中から木の葉を探るような真似は、無謀だ。 しかし、木の葉を一瞬にして見分ける力があったとすれば? アサシンはまさにその能力を有していた。 真っ先に彼が着目したのは『先導エミ』なる少女が行方不明という点。 (主催者の関係者が聖杯戦争に参加しているなんて……) 聖杯戦争本選前より彼女は行方を眩ませていた。 怪しすぎる。安藤も不信感を高めるが、いささか奇妙でもある。わざわざ『先導エミ』を参加させる意味とは? 推測するに『先導エミ』は『先導アイチ』の妹に値する人物だろう。 とはいえ。 例えば偽名を使うなど、主催者と無関係に装える手は幾らでもある。 何故、そうしなかった? (訳がありそうだけど……) アヴェンジャーの監視を警戒しつつも『先導エミ』への接触は慎重に行うべきだ。 彼女は中学生。 年上の安藤が彼女に話しかけるだけで、世間体は怪しむに違いない。 そして、彼女がどこへ行ったのかも不明だ。 最悪。アヴェンジャーが『先導エミ』に探りを入れてくれる方がありがたいが…… 『マスター、到着しました。建物は休館になっていますが』 アサシンからの念話を安藤はしっかり聞き入れる。 安藤の自宅はこの区に隣接する江戸川区にあるのだが、訳あって立ち寄る事にしたのだ。 それは、刺青のバーサーカー・アベルの件。 アサシンが警視庁で入手した情報によると――― ここにある博物館で警備員が殺害された。それがアベルが最初に引き起こした事件だという。 恐らく……その博物館に『棺』があるはずだ。アベルの宝具たる存在が…… (……休館か) アサシンが伝えてくれる事実に、安藤は思う。 あんな事件があったからには当然だ。違和感もない。 出入り口には警備員が二人。 『せめて「棺」があるかを確認しに向かいます』 (あぁ) 監視カメラの映像の切り抜きだけではアサシンも確証に至っていなかった。 霊体化すれば、どんな厳重な警備も関係なしだ。問題はない。 安藤は鼻を擦って、少し思い詰める。 (博物館の館長がマスター……なんだろうか) ならば、あの『棺』を設置するのは容易だ。 むしろ――『棺』を何かに隠蔽して設置するのに、博物館の展示品という偽りの名称は恰好なもの。 アサシンは内部に潜入したか定かではないが、安藤に念話で返事する。 『いえ。展示品と設置せずとも、展示品を収容する倉庫などに隠す方が合理的では』 (………それもそうだな。アサシン、中の様子は?) 博物館内部で霊体化しているアサシンは探ってみるが、巡回をしている警備員らしき存在はいない。 ただ、監視カメラは動いている事だろう。 そして。 彼の『棺』を発見する。 紛れもない、アサシン自身の知る物だった。 不気味ながらも神秘的で、そして扉は開かれたままの状態。 酷く安心した。 不謹慎ではあるが、アサシンは一つの安堵を胸に抱いていた。それが事実。 皮肉ながら、扉が開かれた状態というのは刺青のバーサーカーが……アベルがまだ『東京』で生きて存在している事を示す。 価値ある芸術品を観察するかのように、アサシンは『棺』の魔力を感じ取っていた。 『マスター……「棺」は開かれた状態です。しばらく様子を伺ってもよろしいでしょうか』 いや、違う。 きっとアサシンはもう少しだけ『棺』の傍に居たいのだろう。 安藤も、思い詰める。 弟・潤也の事だ。 マスターである彼とはどう向き合って行けば良いのか。 両親を事故で亡くして以来。ずっと弟の隣に立ち、共に歩んで来た。 兄弟だから。 行く先が大体同じ道のりだから。 将来が不透明で、手探りに生きてきて……それで潤也の方は……。漠然とする安藤の携帯端末に、潤也からのメールが届く。 [夕飯はカレーにしたぜ! 早く帰って来ないと、先に食っちまうからな! 兄貴!!] 考え過ぎか。 安藤はメールの内容にほほ笑んでから、念話でアサシンに伝える。 (分かった。何かあったら念話で教えてくれ。俺は先に家に帰るよ) 『ええ、そうした方がいいです』 アサシンも察してくれたらしく、同意の返事をしてくれた。 安藤は、そろそろ喫茶店から出ようと腰を上げかけたところで、常連客らしい人物たちの会話を耳にする。 日常の他愛ない光景だったが、安藤からすれば異質に感じられる。 「テロリストのフード被ってる奴ってバケモンって噂だけど、ぜってーアレだよな」 「まだ言ってるんか。それ」 「だからネットであの『目』を見たんだよ! あの小説に出る『隻眼の喰種』じゃねぇの」 隻眼……? ……喰種ってなんだ? どうにも彼らは『ある小説』に登場する架空の人物と、刺青のテロリスト――アベル――と同行しているフードの男。 双方を重ねているらしい。馬鹿馬鹿しい話しだが、安藤は小骨が喉に詰まった感覚を抱く。 サーヴァントは偉人から物語の英霊、殺人鬼までと幅広い範囲で召喚が可能だ。 その小説に登場するキャラクターが……フードの男の可能性は、ある。 「どちらかと言えば、刺青男が『隻眼の王』であって欲しいな」 「今の腐った世の中ぶっ飛ばしてくれるってか? そりゃ、俺だったら刺青男の方、応援したくなるわ」 ―――『隻眼の王』……… 「あの」 席をはずかけている安藤に、女性店員が声をかけてくる。 「お会計でしょうか?」 「えっと……」 安藤が少し戸惑いつつ、客の会話を耳に傾けたい思いがあったが……意を決して店員に聞いた。 「……小説。あ、あのお客さんが話している小説って、何の……?」 最低限、不自然のないよう尋ねてみたつもりの安藤。 店員の方が、どこか不思議そうにキョトンとした表情を作っていた。 何か怪しまれたのでは、そう安藤が不安を渦巻いている一方。彼女は答える。 「あれは――」 そして、彼のタイトルの名前を聞いた。 □ 世界は残酷だ。 この世界に限った話ではない。非常に嘆かわしいが、人間とは愚かだ。 それが私自身の責任か、私でなくとも元より愚かな生物だったかは分からない。 ただ。 ここにいる全てが、お前を嘲笑し、憎悪し、嫌悪しようとも。 誰も彼もが、お前を見捨てようとも。 私は、私だけは――お前を愛し続けよう。 私の愛しい弟よ。 ■ 東京都足立区。 ここに国会議員・織田信長の自宅が構えてある。 噂のテロリストの対応は政府に命運がかけられていると言っても過言ではない。 しかしながら、信長は本日の国会を欠席すると申し出た。 決して、テロリスト相手に臆病風が吹かれたからではない。無意味だと知っていたからだ。 国会に出席している余裕などない。 人々が夢物語と鼻先で笑うようで笑えない現実――そして戦。 聖杯戦争と向き合わなければいけないのだから。 そして、信長のところへ二人のマスターが現れた。その内一人……今剣はサーヴァントを失っているが…… もう一人の少女のマスター・ルーシーは、信長にとっては無視出来ない。 彼の刺青男。 世間はテロリストだの殺人鬼だのと囃し立てる存在。 聖杯戦争における『バーサーカー』たるサーヴァント。 そのマスターこそが、ルーシー・スティール。 彼女は―――聖杯を求めてなどいなかった。 ただ、夫のところへ。元の世界へ生きて帰りたい。聖杯戦争から脱出をしたい。 聖杯を信長に差し上げるから、同盟を組んで欲しい……と。そういう話を持ちかけられた。 (後に理由は明らかとなるが)信長のアーチャーと今剣が居ない空間―― リビングに値する場所でルーシーと信長は、対話を繰り広げている。 信長の返答は 「駄目だ」 短い返事だった。ルーシーは必死に涙や感情を堪える。 戦国武将たる天下統一を目前まで上り詰めた、最悪サーヴァントとして召喚されても変ではない信長は ハッキリとルーシーに告げた。 「いくら平凡な街並みを装っていても、ここは戦場で、お前は戦争に巻き込まれている。 実際、お前はそう主張して聖杯欲しがってる奴に狙われた。幾ら主張しようが、聖杯を欲しがってる奴らからすれば 邪魔か良いカモとしか映らん。生き残りたい、脱出をしたいなんて甘い考えは止めるんだな」 「分かっています! でも―――わたしと貴方では、あまりに違いすぎるッ!! 戦争の経験なんてない。わたしは無力に等しいです。何も出来ないかもしれない…… 聖杯は欲しくありません……どうしても帰りたい。それだけなんです。決して裏切りません!」 信じて欲しいと、必死に訴えるルーシー。 だが。 信長は呆れた様子で、ルーシーの言葉を制した。 「あのな、ルーシー。よく聞け。お前は―――まだ負けちゃあいない」 「……え?」 「お前にはサーヴァントがいる。刺青のバーサーカー。あいつは強い、ちょー強い。 俺には分かるぞ。奴はまだ本気を出しちゃいない。暇つぶし程度であれだけ殺せるんだ。『勝機』は十分ある」 「……………」 「与一の言う通りだ。お前は令呪を残して正解だ。そいつで奴の援護が出来る。 なぁんだ。これだけ揃ってりゃ、十分戦えるだろ。何、諦めてる。合戦終了できねーじゃん」 「ま……待って! 待って下さいッ!! 私は聖杯が欲しいのではありません!」 「あのにゃー」 大げさな溜息を漏らす信長は、ルーシーに告げる。 「戦争の経験ないお前にも分かりやすい話をしてやる。 戦場で兵士が『如何にして生き残るか』――なんて考えて戦をする訳ねぇだろ? 『如何にして勝利するか』を考える。つまり『勝利』こそが生き残る道だ」 「……」 「生き残るには『勝利』しろ。お前を殺そうとした奴も、殺そうとする奴も。全て倒せ! そうじゃなきゃ『生き残れない』! 聖杯が欲しいかどうかは関係ないんだよ。 聖杯手に入れたら夫婦仲良く末永く爆発したいですとかテキトーに願っとけ!」 勝ちたい。聖杯が欲しい。 ルーシーにはそういった欲望は一つもない。だけど、生きるのには。 自分を攻撃しようとしたアダムのような相手には……そうするしかないのだ。戦うしかない。 勝利し、生き残るために。 ひょっとしたら、ルーシーにそれを伝えた信長自身が『勝利』と『生存』を望んでいるかも分からない。 今剣のアーチャー・那須与一の犠牲を重く受け止めている筈。 だけど……あの刺青男は、アベルは自分を殺す。 だから生き残るなんて事はできない。だけど――信長は良しとはしない。 ルーシーは『嘘』をつく。 「分かりました。……………私は、勝ちます。聖杯戦争を勝ち抜いて、夫の所へ――帰りたいです」 「そんじゃ『同盟成立』だ。最後のシメは俺のおっぱい弓兵と『アベル』の死闘にさせるぞ」 二人が一通りの会話を終えたところ。 部屋の扉をノックし、登場したのは旗を耳の穴などに刺したアーチャー・セラスと 頭に旗を突き刺した今剣である。 彼らは、何かひと段落したらしい満足げな表情を浮かべていた。 「バビューンともどってきましたよー」 「はぁ~……マスター、昼間の報告です。それと秘書さんから伝言を預かって来ました」 「うむ、御苦労。というか――今剣は『付喪神』とやらだから頭に旗を刺しても平気なのか」 「これは、ぼうしにさしているんです! えっへへ~」 「中々セコイな」 セラスと今剣が出向いたのは、信長が雇った『ミスターフラッグ』からの新たな情報を得る為だ。 やはり。 信長の大方の予想通り、刺青男――アベルの情報は一つも無い。 正確には、世間が勝手にアベルの仕業だと騒ぎたてる事件が幾つか確認できるが、証拠はない。 ルーシーが魔力消費を感じていない為、彼はさほど実体化していないのは明白だ。 「あぁ、それと」セラスが思いだしたかのように、ルーシーに幾つかある物を渡す。 栄養ドリンク。ルーシーが体調の悪化に効果があった薬。 バーサーカーのマスターであり、魔力が優れているとは言えないルーシーには必要不可欠なものだ。 バッグへ仕舞いながらルーシーは「ありがとうございます」と礼を言う。 セラスは「いえいえ」と呑気な表情で答えたが、真剣な顔立ちで信長に問うた。 「マスター。これからどうしましょうか」 「まずは情報を整理してからだ。焦るな、パイチャー。昼間は刺青の……じゃなかった 『アベル』の奴が動かない代わりに、他の主従が活発になる頃合いだからな。それと武器の調達だ。 俺もそうだが、ルーシーや今剣もいざって時に打つ手なしの状態だ。そいつを解決させる」 「それって………まさか、ですよね? マスター」 「『ミスターフラッグ』から入手した情報は、他にもある。銃火器の入手ルートだ」 手っ取り早い武器は、どうしても『銃』だ。 けれども、日本で銃を入手するのは困難を極めるうえ、所持は法律で禁止されている。 偽りの『東京』も律儀にそれを習っているが、裏組織的な存在も律儀に配置されていたのだ。 暴力団、暴走族、闇金などなど…… 警察官から拳銃だって強奪は可能だろう。 やっぱりと呆れるセラスを傍らに、信長は武器に関しても慎重であった。 「都内で銃をぶっ放すなんて目立つからな。『さいれんさー』とか言ったか? それが付属についてる奴を買う。 まぁ、サーヴァントには通用しないがマスターには通用する。持つに越したことはない」 「あのっ、ぼくの『刀』はどうなんでしょう?」 今剣が自身そのものである短刀『今剣』について尋ねる。 セラスが視認してから、答えた。 「神秘性はありますので通用はするかと。しかし、幾らなんでもサーヴァントを相手にするような真似は止した方がいいです」 「そうですか……ぼくは『刀』のほうが、あつかいなれていますので。ぶきはいいです」 もはやサーヴァントを失った今剣こそ、ルーシーとは違い。勝利を求められない存在だ。 彼こそ、ただただ糸のような細い生き残る術を手繰り寄せなければ。 何より…… 今剣はまだ『再契約』というチャンスがあった。 マスターを失ったサーヴァントと契約を交わせる可能性を持つ。 とは言え。今剣自身、かつて戦場を共にしただろう那須与一の死を抱え持つ以上。 積極的に『再契約』をする気力が湧かない。 今剣は明るく振舞っている。 先ほどまではアーチャーの……与一の死を悲しんでいた。 那須与一が今剣に対して、単純な主従以上の感情があったに違いない。話もするべきだった。 なのに……もうそれらは叶わない。 もう前へ進むしかない。 与一が今剣とルーシーの二人を生かした理由。それを証明する為に。 彼の死を無駄にするではない。 それが――先ほど織田信長が告げた方針。 信長自身も、ルーシーと今剣も全てを重く受け止めていた。 彼の為に生き残る。否、勝利をする。 その時。 信長が「む」と如何にも嫌嫌そうなオーラを全面に出す。 「不味いな……新手の主従が俺を捕捉してきおった」 我ながら知名度は高いと鼻をくくっていた信長だったが、有名すぎるのは問題だった。 戦国武将と同姓同名なだけで随分と話題が提供されるもの。 聖杯戦争――過去の英霊を召喚する儀式――に参加する者たちは、自然と彼に注目するのだ。 実際、今剣たちが信長に注目した理由がそれである。 セラスが「え!?」と声を張り上げる傍ら、信長は例の秘書からの伝言を全員に見せた。 それは『キャスターのマスター、ウィルソンより』の文言が付け加えられていた。 □ 「本当か!?」 東京都千代田区内にある病院の一室で、アダムが電話相手に驚きの声を漏らした。 相手は、例の図書館司書だ。 彼女の方は至って冷静に、アダムと話をしている。 『はい、ご依頼された棺の居場所……いえ、厳密に言えばそれらしい物体を発見しました。 後日。アダム教授にご確認していただきたいと思い連絡したのですが』 確かにセラスはホームページから『SCP-076-1』のページを削除したが 紙媒体の記録だけは抹消が叶わなかった。 司書は『SCP-076-1』がどういった類の物体かを理解していない。 しかし、ある特徴的な言語が記されていたり、歴史的な価値のあるもの、という具合にアダムが説明したのに従い。 博物館関連の貯蔵一覧を調査したところ『SCP-076-1』らしき物体が設置されている博物館を発見した。 「いや、十分だ。それで、それがある場所は……」 アダムがもう片方の耳で何かを聞き取った。 警察関係者がここへ? 一体何用で……数々運ばれる患者から事情聴取に? 違う。 どうやら聴取をしに来たのは――アダムの件らしい。 アダムの手傷が事件性のあるものだと、病院側が判断したのだろう。 厄介だ……否! そんな事よりも………一刻も早く『SCP-076-2』を無力化しなくては! 最終手段としてアーチャーに自分を運ばせる手段がある。 だが、それは最悪の場合。令呪はあと一回しか使用できない……慎重に進まなければ。 アーチャーの善良さからマスターの殺害に躊躇しかねなかった。 最悪……【敵マスターの殺害をしろ】なる令呪を使用する場面もあるだろう。 ここは自力で抜け出そうとアダムは行動した。 『住所は江東区■■の[編集済み]、[削除済み]博物館です………アダム教授?』 「すまない、ありがとう。お礼に今度……ええと、どうしようかな。君は要望はあったりするかね」 『そうですね。今度、高槻泉先生のサイン会が行われるんです。私は業務で足を運べないものでして…… 私の代わりにサインの方をお願いしてもよろしいでしょうか?』 「あぁ、分かった。それくらいならお安い御用だ」 アレを破壊すれば……それだけで『SCP-076-2』の殺害に一歩繋がる。 いや、何を言っているのだろうか。 破壊するとは財団の理念から背くじゃあないか。だったら……私は聖杯を手にする為に。 そうだ。これも娘の為なのだ…… アダムは移動の補助として病院側から用意された松葉杖を手に、目的地へ足を運んだ。 □ 東京都港区。 一昔前まで東京のシンボルとして象徴させていた『東京タワー』が構えている区域。 企業が多く本社を構えており。青山・赤坂・六本木・台場といった具合でどこかで耳した名の土地がある。 外国人居住者の人口がそこそこある。 故に、聖杯戦争のマスターの一人。カナエがここに住む設定なのだろう。 ここに、足を運んでいたのは女性の体を乗っ取ったジャック・ブライト。 予約した料理亭にいつでも出向けるよう、周辺で暇つぶしをする算段だった。 「ユユコ。あの『木』の具合は分かるかな? この目で確認しないと駄目なら話は別だ」 ブライトが自らのサーヴァント・キャスターこと幽々子に問う。 木―――宝具『西行妖』のことを指し示すのだが、問われた幽々子の方は彼女自身の感覚で探る。 『西行妖』の開花状態が進行するだけで、幽々子の能力は向上していく。 そして開花の進行に必要なのは『春』。 皮肉にも、会場の季節は『春』の為、それらを集めるのは容易だ。 まぁ。設置した場所が場所で、急速な開花は望めない状況ではあるが…… 「三分咲き……ぐらいね。折角だから『魂』を捧げて来ようかしら」 「おや、そういう手段もあるのか」 『西行妖』に人間の魂を与えれば、無論その分だけ満開へ近づけるのだ。 その『西行妖』は港区内に設置されていた。散歩ついでに、幽々子は20ほど引き連れていた魂を与えようと考えている。 サーヴァントに警戒した方がいいだろうが、マスターのブライトは少々特殊だ。 ちょっとやそっとでは死にはしない。 幽々子も、十分承知している事実なので呑気に『西行妖』のところへ向かう。 ブライトとは念話で会話を続ける事にした。 『中々、優柔不断なのね。少し意外よ』 (いやいや。実際、迷う場面じゃないか。何と言うかこう……財団の柵もなく自由奔放にやれるとなったら困ってしまってね) そう。 ブライト『博士』という肩書は『財団』で通用する話だ。 ここには『財団』の手は及ばない。 聖杯を手にしようとしてもいい。 財団職員らしく聖杯を収容してもいい。 聖杯戦争を止めたっていい。 などと想像が楽しいブライトだったが、いざ一択を選べとなったら迷ってしまう。 ただ。 ブライトは一つだけ明確に、目標にしているものがあったのだ。 幽々子に対し、彼は聡明な態度で答えた。その瞬間だけ正真正銘の『博士』らしい振舞いで。 (幽々子も聖杯が具体的にどういったものかは知らない。……それが引っ掛かってね) 『そう? 私は気にしていないけど』 (聖杯戦争の知識などがあるサーヴァントに、聖杯が如何なる産物かを説明されないのは奇妙じゃないか) 『指摘されれば……そうね。実際どんな物体なのかとか、興味がある程度よ』 (『聖杯の正体』をサーヴァントに知られては不味い―――ではないかな?) 『……』 それも予想に過ぎない。確固たる証拠はない。 けれども。ブライトの指摘はどこか鋭さを垣間見させた。 「その辺りは詮索しようがあり過ぎる」とブライトは話題を切り替える。 (私は最終的にこう結論した訳だ。『聖杯戦争を抹消しよう』―――と) 『抹消、ですって?』 (歴史の偉人、物語の英雄。それらを召喚できるには非常に魅力的だ。 そして……戦争。舞台は戦場となって、死が巻き起こった) 『その危険性が理由かしら』 (いいや。勿論、戦争に発展する要因も危険視するべきだが。 私としては『簡単な手段』であらゆる願いを実現可能にする『聖杯』が入手出来る点と。 それを引き起こす『儀式』が危険だと判断した。手順を踏めば、本当の本当に『簡単』じゃないか) 『簡単……まぁ、簡単かしら。いえ、きっと簡単ね』 (サーヴァントだって悪用される。主催者が口を滑らせた『解析』とはサーヴァントを解析し 最悪の場合、ここらにいる『生贄』と同じく複製する算段じゃないかな?) なんであれ。 ジャック・ブライトの行動方針は――『聖杯戦争の抹消』。 聖杯戦争の在り方を根本から否定するのではなく、それが人類にとっては危険だから抹消するのだ。 SCPにおいてオブジェクトの破壊・無力化は目的ではない。 しかし、時には終わらせなくてはならない類もあった。 聖杯戦争の概念は、それに値するとブライトは言う。 (しかし、悲観しないでくれユユコ。聖杯戦争の抹消がここで実現させるなんて、私は期待していないさ) 『聖杯に願えばいいじゃない』 (先導アイチたちは良しとはしないだろう。 私の目的は『聖杯戦争』の情報を財団に伝える事さ。願わくば生きて財団に帰還を果たせればいいけどね) 『貴方なら簡単でしょ? 死んだフリだって出来るのだから』 (人生どうなるか分からないものさ、ユユコ。最悪、死んでしまっても…… どうせなら、格好つけたいじゃないか! ハリウッド映画で主人公の為に犠牲となる仲間的な…… あーうん。私? 私は、ホラ。どう見たって主役っぽくはないだろう?) 幽々子は遂に『西行妖』のところへ到着した。 設置した頃よりも大分花をつけた代わりに、周辺は枯れ果てており。すっかり冬の景色だった。 空模様も雨雲がちらほらあり、雨が降りそうだったが。冬になりつつある気候を考えれば。 雪が降り積もる方が正しい。 魂が『西行妖』に吸収されていく。 幾つかの花が実ったのを視認する幽々子は、何気なく尋ねた。 『やっぱり、貴方―――死にたいの?』 珍しくブライトは黙りこくった。 表情を伺えない状況で、ブライトの心情を察せない幽々子だったが「そう」と呟く。 彼女も何となく理解して来たのかもしれない。 無暗に人間を殺せば、逆恨みで自分が殺されるかもしれない。 生き飽きたから、簡単に死ねる存在が疎ましいのかもしれない。 死にたいから、誰か何かに死を振りまきたいのだろう…… 聖杯戦争に巻き込まれた者の中では『死にたくない』と必死な存在も居る事だろう。 彼らからすれば、冗談ではない願いである。 死を恐れる人喰いが聞いたら、堪ったものではないし。 殺して欲しいなら殺してやる―――なんて本気を抜かす殺人鬼だって居る。 ブライトは、そんな奇妙でイカレた存在を……まだ知らない。 『……それじゃあ。織田信長と同盟を組むって方針でいいのかしら』 (うーん、それは相手の出方次第だね。誰であれ同盟は組みたいところさ。 『満開』に近付かない以上、幽々子も戦闘を満足の状態で出来ないだろう?) まるで先ほどの問いかけが無かったかのように、ブライトはいつもの調子で返事をした。 死にたがり屋の癖して。律儀に人類のためを思って行動する。 どこか狂ったマスターに幽々子は呆れた様子だったが、満更でもない。 (先ほど乗っ取れなかった少年に交渉のチャンスはありそうだ。彼の捜索は続けるべきだと私は思う。 そして、アベルのマスターもだ。アベルを放っておけないよ。第一…… ユユコも見ただろ! あのクソコラグランプリとかいう常軌を逸脱した企画を!! あれが噂に聞く「クールジャパン」という奴さ。我ながら度肝を抜いたね!!) 『大爆笑してたじゃないの、貴方……』 (いやぁ、ジャパニーズは発想力が素晴らしいね! しかし、アベルが目にすれば怒り心頭だ) しかし、この時。 ブライトも幽々子も、ある問題に気付かなかった。 気付くのは――文字通り、しばらくした後の事………そんなブライト博士のところに、ある存在が登場する。 一瞬。 ただの一般人かとブライトは目を疑った。 それは正解だった。ちゃんと観察してみれば、ソレはサーヴァントで……ロボットだった。 「お前、マスターだな」 「ははは! だったらどうする?」 サーヴァントが傍らに居ないのに、ブライトは余裕満面にロボのサーヴァントに嘲笑する。 一方の鋼鉄のロボは、真剣な表情(ロボではあるが)で頼んだ。 「お前のサーヴァントと戦わせてくれ!」 「……うん? それは何故。私を殺そうとすればいいじゃないか」 挑発的な態度をするブライトだったが。 ロボのサーヴァントの方も、一歩も譲らない。 「マスターを殺す必要はねえからだ! 俺としちゃ、アンタも家に帰したい」 「家? あぁ、家ねぇ……家はないんだ。おっと浮浪者の意味ではないよ? もはや家を所有できる立場ではないというか」 ある意味、ジャック・ブライトそのものが『SCP』である為。 このように満足な外出が叶うかは、今後も怪しい話だった。 東京観光を楽しむ、なんて馬鹿げていながらも、ブライト自身割と真剣な方針なのだ。 兎に角、ブライトはロボのサーヴァントに答えた。 「要するに『聖杯』を手にする方針のようだね。実に結構! しかし、私の意向とは真っ向から対立するからには戦わなければ!!」 ブライトは聖杯を欲している訳ではないが、どう行動するべきかは決まっている。 戦い。勝利する事! 即ち――どのような方針であれ、対立する以上。勝利こそが前に進む術なのだ!! 悪役さながら、一々大げさな仕草を加えながら、ブライトは言う。 「非常に残念なのは――君はロボットだから『死』に近付くのが難しい点だよ」 「―――のあっ!?」 背後からサーヴァントを襲いかかる、桜吹雪のような美しき弾幕。 死を以てして、死に近づける。 死を望む者が呼びしキャスターが成す攻撃は、一つの芸術性を魅せていた。 ――――幽曲『リポジトリ・オブ・ヒロカワ』―――― 「上等だ! だったら、こっちも……!!」 父親として、英霊として。 だが、彼は――ロボットは『死』を心良くは断じて感じない。判断しない。 マスターの殺害など……ルーシーだって、カインのマスターもだ。必要のない犠牲を犯したくない。 『死』を打ち消すなど、成せばなる!! 「チクビィ――――ム!!!」 人体の乳首に当たる部分から発射される情けない光線。 だが、その熱意。その能力は、死と弾幕を打ち消すには十分な威力だった。 ロボのサーヴァント・ひろしは意を決して叫ぶ。 「俺は父親としてアダムの為に戦う! アダムと――その娘の為にだっ!!」 「………」 それをジャック・ブライトは冷徹に見降ろしているとは、ひろしは気付かなかった…… □ 「これだ……」 東京都江東区の一角にある本屋。 安藤がそこへ足を運び、手に取った作品とは――『王のビレイグ』。 そこに登場する喰種なる存在。 人喰い……フードの男は、その物語に登場するかは不明だが。 間違いは無い。 安藤も『隻眼』と呼ばれる特殊な瞳を嫌というほど確認していた。 あのフードのサーヴァントは『喰種』。 『隻眼の喰種』というのは特別視される存在らしい。安藤も本を流し読みした程度で、詳細は不明だが…… サーヴァントとして召喚される以上、何らかの脅威を持つ存在だろう。 本を購入した安藤は、江東区に降りた最寄駅に足を運び――自宅である江戸川区を目指す。 電車内でも宣伝パネルで流される映像では刺青男と共犯者・人質に関する情報が流れ。 サラリーマンが読む新聞のどこかには、その話題に関する者が記述されて。 SNSをやっている人々は、新しい共犯者の情報がいると噂していた。 包帯男。 金髪の少女。 それから―――……… (神原……?) 神原駿河。 不動高校一年生の彼女が共犯者だとSNSでは、自宅やどこかで取られた写真などが流出していた。 こんな光景……まるで猫田市で犬養に流される人々そのものだ。 安藤は酷くもどかしさばかりが募る。 安藤も分かる気がした。 『隻眼の王』に現れて欲しいと願う。踏み滲められる『悪』は望む。 『奪われる者』の意思…… 一年生なら、弟の潤也は彼女の事を知っているか? ……自分に話してくれるだろうか。 心のどこかで亀裂を感じる安藤は、不安を覚えた。 チラリとサラリーマンが読み終えた新聞を、頭上の荷物置きに捨て、駅のホームに降りる。 それを確認した安藤は、その新聞を手にし――広げる。 ≪現時点の『刺青男』による被害総額は凡そ[削除済み]円規模とされており、 連日飛行機や宿泊施設のキャンセルが相次いでいる状況が収まらない。 テロによる死亡者は午後三時現在において約1100人、ケガ人は約2100人。 しかし、これは『刺青男』と共犯者と思しきフードの被った男性の犯行と判明している事件の被害であり 東京都内で発生する余罪とされる事件を含めれば、死者は2000人規模に相当すると予測される……≫ ≪本日夕方、国会で行われる緊急会議後。記者会見が予定されており、首相が 『非常事態宣言』を発表するとして注目が集められている。また自衛隊の派遣も本格的に検討され 入国制限の措置と外交関連にも影響は逃れらない。東京都都知事も本日未明に 都内23区の教育機関へ緊急通達をし、最大限の警戒をするよう注意を高めている≫ 「………」 テロ――――とか。戦争とか。そんなの……目にしない平凡な世界だった…… 治安が悪かったかもしれないけど……俺の居た世界って『大したこと』ない場所だった。 楽しいクラスメイトとか、笑顔で挨拶してくれる近所の人とか。 良い人が居た。みんな、悪い人間なんかじゃない。 皆がみんな……日本は平和な国で…………戦場にならないって、どうして…………思って……… 「大丈夫……大丈夫だ………」 安藤の体は震えだした。 怖い。 本当は怖い。 刺青男も、フードの人喰いも、何もかも恐ろしい。 「決めたんだ……やるって決めただろ………今更逃げるな……逃げるなよ………」 必死に言い聞かせる。 そうでもしなければ――不安で殺されそうだった。 ■ ウィルソン。 信長と同じく国会議員の『ウィルソン・フィリップス』だと直ぐに判明する。 日本なのに一体どうして外国人が議員になっているのか、など言う疑問は些細なものだ。 ともかく、ウィルソン・フィリップスは今晩、港区六本木にある料亭で宴会の席を用意したと云う。 ……………が。 セラスが唸った。 「どういう事なんでしょうね。その『ウィルソン・フィリップス』参議院議員……遺体で発見されたって」 そう。 ウィルソン・フィリップスは遺体で発見されていた。 『ミスターフラッグ』の昼間までの事件情報の中に、千代田区にある日比谷公園にて。 ウィルソン・フィリップスの遺体発見。そして、爆弾騒動があったという報告。 警察が身元を調べるまでもない。 彼は参議院議員の一人だ。知る人は知る。 否、政治関連に精通する人物、新聞を読む人間はウィルソンを知っていても可笑しな話ではない。 しかも、奇妙な事に。 ウィルソンが死亡したとされる時刻は、信長の秘書に宴会の誘いをした直後。 彼の死因は心臓麻痺。 外傷や争った痕跡はない為、事件性はないと判断された。 セラスは聞いた。 「マスター、どうしましょう」 「どうもこうも。死んだと分かれば行かんでいいだろ」 信長はアッサリと断言する。 伝言通り、ウィルソンがキャスターのマスターならば他の主従によって倒されただけ。 彼は少なくとも、そう判断している。折角の宴会の席を無駄にしようが、宴会をする時点で時間の無駄だ。 しかしまぁ。信長は悪だくみの笑みを浮かべ、ルーシーに言う。 「やっぱり最高に狂っとるなアベルの奴。案外お人よしなんじゃねーの」 「……きっと『彼ら』は特別だと思います」 「特別、ね」 信長が割と警戒してしなかった美術館を荒らしたとされる包帯のサーヴァント。 予想外な事に、人喰いのサーヴァントと同行する場面がSNSで流出していたのだ。 そこにはアベルの姿は無いが、霊体化しているとすれば何も違和感はない。 そんな彼らと同行している女子高校生。 同じ学校(不動高校)に所属する生徒が流したらしい噂では『神原駿河』と言う。 ルーシーは思う。 彼らは必要があってアベルに生かされていて……アベルと同じよう狂って、イカれているから。それで赦されている。 アベルに限って、親しみの感情で生かす事はありえない。 ……いや、ひょっとしたら。 『あのエージェント』に対する感情のような……敬意があるのだろうか? 理解に苦しむルーシーの隣で、スパッとセラスが話す。 「現状、把握できた主従はこれですね」 ①織田信長&アーチャー(セラス) ②今剣&アーチャー(与一)……サーヴァントは脱落。 ③ルーシー・スティール&バーサーカー(アベル) ④フードを被ったバーサーカー&桐敷沙子 ⑤包帯のサーヴァント&金髪の少女 ⑥神原駿河&???(サーヴァント不明) ⑦先導エミ&???(現在行方不明・サーヴァント不明) ⑧ウィルソン・フィリップス&キャスター(マスターは死亡確認) ⑨アダム&???(クラス不明) ⑩???&斧を持ったサーヴァント(ランドセルランドにて確認/マスター・クラス共に不明) ⑪???&セイバー(与一と交戦した相手、マスターは不明) 他にも様々な事件が発生したが、監視カメラなどの証拠で判明しているのは以上となる。 酷い話。ニュースでは全て刺青男(アベル)の仕業、関連があるなど無駄な濡れ衣を着せる現状だ。 もどかしいが仕方ない。 それと……もう一つ。 神隠しの少女(恐らくアサシン)の存在も把握している信長とセラスだが。 ルーシーと今剣にはある理由で伝えていない。 (様子見って奴だな。噂を知らない奴がアサシンと出くわせばどうなるか。神隠しに合わないかもしれん) 『ですね……例の噂通りなら』 神隠しを知った人間が神隠しに合う。 ならば――神隠しを知らない人間は何も起きない。 単純な話だが、少なくともそれが事実であるかも把握しなければならなかった。 実験的としてルーシーと今剣には『神隠しのアサシン』の主従については話さないと決める。 「そろそろ時間だな」 銃の取引の時間という事だ。 ルーシーと今剣も、まぁ仕方ないが同行させた方がいい。 だが、セラスは何かを感じ取り、全員を制した。 「気配を感じます」 全員が緊張感を抱く。 どうやら、有名人たる信長は――否、それ以上に生粋の敵を作りやすい体質なのかもしれなかった。 ■ 東京都江戸川区。 安藤潤也は自宅でカレーを煮込み終え、テレビのニュースを眺めている。 そこで、彼のサーヴァント・ライダーのジャイロが念話で声をかけた。 『ジュンヤ。こいつは驚いたぜ……マスターらしい奴を一人見つけたが、国会議員だとよ!』 (議員か……) 彼らが捕捉したマスターとは『織田信長』。 戦国武将と同姓同名じゃあないかと、潤也も驚いた。 しかし、聖杯戦争とは無縁の――政治関係に目を向けて居なかった為、潤也は初めて彼の存在を知る。 どうやって『織田信長』をマスターと捕捉したのか? ――買ったのだ。情報を。 正しくは『情報屋が情報を提供した人物についての情報』を買った。 無論、情報屋とは信長が利用している『ミスターフラッグ』である。 何故『ミスターフラッグ』は信長を裏切ったのか? のではない。 そもそも『ミスターフラッグ』を含めた情報屋は誰の味方でもない。 金さえ支払えば、それに応えるのが情報屋なのだ。 『どうしてこう、政治家の連中を敵にする縁があるんだろうなぁ。ま、大統領相手よりかマシか』 (えっ、マジ? 一体どーしたら大統領を敵にすんだよ……) 『色々あってな……それよりジュンヤ、そいつの家に探りに向かうか? 情報屋が俺の存在をノブナガに明かすのも考慮した方がいいかもな………』 (……場所は?) 『足立区だ』 サーヴァントの足ならば、容易な距離の移動だ。 情報屋によれば、信長は一日に三回分けて情報を仕入れるように契約をつけたらしい。 即ち、彼は国会に出席しておらず。大体が自宅にいるとの話だ。 潤也はしばし考えた後「そうしてくれ」とジャイロに伝えた。 兄の帰宅がまだなのを見計らい、潤也はパソコンを起動させた。 今朝、兄が使用していたと思しき観覧履歴を確認すれば、どれもこれも刺青男に関するサイトや書き込み。 ニュースサイトは些細な事件まで目を通している。 兄貴らしいなぁ……と感心しつつ、潤也はある単語を検索した。 [カイン] カインと……アベル。 二人の兄弟。 そして、人類最初の加害者と被害者。 人類最初の殺人。人類最初の嘘………それらを行ったのが『カイン』。 攻撃を跳ね返す……植物を枯らす……他にもジャイロは思うところがあるのだろう。 だからこの名を潤也に尋ねた。 しかし、潤也は概要を眺めながら、沈黙を続けている。 兄貴が召喚したのが……こいつ? でも、もし本当だとして。ライダーは勝ち目があるのか? 最悪……兄貴の方を殺さないと……… 潤也は呟く。 「なぁ、兄貴……もしかしてさ………俺を殺したりしないよな」 分からなかった。 どう考えても――何故『カイン』が『アベル』を殺したのか。 ■ 「――お」 東京都足立区。織田信長の自宅前。 野次馬ではない人物がしかと待ちかまえている。それは安藤潤也のサーヴァント・ライダーのジャイロ。 彼は自宅前に停車している高級車に、彼の織田信長が乗車するのを確認した。 そして、どこかへ向かうらしく走り出す。 ジャイロは走り去る車をしばし眺めてから彼の愛馬――『ヴァルキリー』を召喚する。 東京都内を馬が走り抜けるなど、それだけで話題が尽きないだろう。 ただ、逆に。 ジャイロの存在に気づき、攻撃を仕掛けてくるようなら紛れもない聖杯戦争の主従だ。 何より――ジャイロが様子見で訪れた際。 サーヴァントらしき魔力を確かに感じたのだ。 少なくとも……あの瞬間までは、サーヴァントは実体化をしていた…… 「だったら――こっちから仕掛けてやってもいいぜ」 ジャイロは鉄球を一つ手にし、信長が居る高級車へ接近した。 都内で走り続ける馬とそれに追跡される車―――どう見ても異常な光景だ。 そして、信長も気付いていない訳ない! むしろ、信長はセラスが察知した為、既にジャイロが自宅前に構えている事を把握していたのだ。 その上で高級車に乗車し、ジャイロに『追われている』。 運転手の眼鏡をかけた男性がおどおどしく声を上げる。 「どっ、どうしましょう!? 危険ですから一旦停車して――」 「いーや、走れ! 走り続けろ。信号機で止まるまではな。アーチャー!」 車内で霊体化を解いたセラス。 しかしながら、ここで対化物砲を出現させる訳にはいかない。 吸血鬼である彼女は日光を警戒するべき存在だが、時刻は夕暮れ。何の問題もなかった。 まだ住宅街。 もう少しで街並みが変化する辺りで、信号機が出現する。 皮肉にも、色は『赤』だ。セラスは即座に後部座席の扉を開き『影』を蠢かす。 それも『影』であった為にジャイロも異変への反応が多少遅れてしまう。 ジャイロ本人よりも、馬のヴァルキリーが動物としての本能で緊急停止せざる負えなかった。 『影』は明確な攻撃性が備わっていた。 わずかに振れたことで、ヴァルキリーは影で身動きを封じられた。 ジャイロもただで終わらない。 住宅の庭に植えられた植物から『黄金長方形』を視認し、鉄球を投擲したのだ。 この距離で、確実に命中する。 「……な」 そして。 セラスも同等だった。 車外であれば『ハルコンネン』は取り出せる。化物の洞察力を以てして『影』で『ハルコンネン』を操り。 そして――放つ。 弾丸と鉄球は衝突したが、弾丸が破壊され。鉄球は残ったものの。 一旦、ジャイロの鉄球は彼の手元に戻らざる負えなかった。 「あのサーヴァントッ!?(アーチャーか!?)こんなところで、あんな馬鹿でかい銃火器をぶっ放す奴がいるか!」 信号機の色が変わった途端、車が走り去る。 それから少し遅れ、ヴァルキリーを束縛していた『影』が退いて行った。 追跡は? まだ間に合う筈。恐らくレンジ外からセラスの方が抜けだした為だろう。 「……まさか。狙ったのか? あんな馬鹿みてえな武器で、俺の鉄球を……」 衝突したのは――偶然なのか。 確証がつかめないまま、ジャイロはヴァルキリーに支障がないのを確認し。 再び街を走り抜けた。 大分、距離は離れてしまったが、英霊の持つ馬の方が圧倒的な速度を誇る。 最悪――信長の車と肩を並べるのは簡単だ。 一方の信長は、全てが作戦通りで満足した様子。 車を追跡するジャイロを確認し信長は携帯電話のメールを送信する。 「あ。来ました」 信長のメールを受け取ったのは、信長の自宅に残った若い家政婦だった。 眼鏡をかけたツインテールをした巨乳の家政婦は「よいしょ」と信長邸にある駐車場から車を発進させる。 運転する女性以外に、今剣とルーシーが乗車をしていた。 訳もわからず信長の命令に従っている女性だが、少し顔色の悪いルーシーに対し心配する。 「すみません、私の車なんで乗り心地良くないと思います。 もしかして車酔いしやすいタイプですか? 横になっちゃってていいですよ」 「ええ……ありがとうございます」 「確か~えーと。向かうのは博物館でしたっけ? 何でまたこんな時間に……」 やれやれといった呆れを浮かべる家政婦。 今剣は、優れない顔色のルーシーを心配していた。 「るーしー。ひどくなったら、くすりをわたしますね」 「大丈夫……まだ、大丈夫よ。心配をかけて、ごめんなさい」 簡単な話。 ジャイロとの戦闘に、今剣とルーシーを巻き添えには出来なかった。 今剣はサーヴァントを失い。ルーシーはサーヴァントを呼び寄せて令呪を失う為にはいかない。 何より、巷で噂の刺青のバーサーカーのマスターがルーシーなのだ。 格好な餌でしかない。 だからこそ。信長は自らとセラスを囮に使った。 捕捉された理由は信長自身にある。相手は信長をマスターと認識しているのだ、それを利用する。 相手は抜け殻だと家の監視は止めたも同然。 勿論。 他の主従には警戒しなければならない。ビクビクしながら進まなければ―― 最悪の場合、ルーシーは刺青男を――アベルを呼ぶしかない。 しかし、そのアベルもどうやら動き始めたらしい。 出発する以前に、ルーシーの身に疲労感が蓄積されていった為、魔力消費が原因だと分かる。 それを見た信長は迅速な判断を下す。 ルーシー達は―――博物館へ向かわせる。 ひょっとすれば、アベルが一度死ぬ可能性がある。 もうそろそろサーヴァントとの死闘を予想される以上、これもまた最悪のケースを考え。 博物館で待機しろとのこと。 そして信長はそこでアベルに話をつける、と。 ルーシーは無謀だと言ったが。信長は嗤って答えた。 ――同盟とか。そんなんじゃあない。カインの奴がこの『東京』にいるとか……騙したりすりゃいいってことよ。 それも酷い嘘だ。ルーシーは思う。 アベルはカインを憎まない筈がないのに、彼の子孫たる人間が死に絶えるのを望んでいるのに。 そんな恐ろしい事をやってのける男なのか。織田信長は。 神にも動じない。第六天魔王などという異名を持つ彼の逸話を知らぬルーシーでも。 彼がとんでもない綱渡りに挑戦しようとするのは明白だった。 「う………」 「るーしー! これを……」 久方ぶりの目眩を覚えルーシーは呻く。 今剣が差し出してくれた薬を飲み干してから、念のために栄養ドリンクも口に入れた。 気分は分からない。 吐き気やら目眩やらなんやら……様々な症状が混ざり過ぎて、判断力が薄まっているのをルーシーは感じる。 否。 違う。 今度ばかりは尋常ではない症状が現れた。 理由は――限界に近いほどの魔力消費。そして――宝具の発動。 「う、っぐ………! うう………!!」 「るーしー!?」 急激な魔力消費。もはや生死に関わるレベルだった。 アベルの通常戦闘だけでもルーシーは限界だというのに、それ以上の魔力を要求する宝具への代償! 彼女の苦しみようはタダ事ではない。 運転していた家政婦も、慌てて問うた。 「大丈夫ですか!? 今すぐ病院に―――」 「い……いえ、お願い。博物館へ……博物館に向かって、下さい……わたしは、うっ……!」 「るーしー! 『令呪』をつかったほうがいいです! はやく!!」 令呪で魔力ブーストが使用できる。 それを分かっている。分かってはいるが……駄目だ。やっぱり令呪は使えない! ルーシーは生死の覚悟を決めた。 令呪は……使わない!! 耐える! 耐えるしかないのだ。 生き残るために……! 勝利する為に! 那須与一が残したもの……夫・スティールのこと……その為には――― 「るーしー!!」 「わたし……は……耐えるわ…………だから、止めないで。令呪は……使わない」 「そんな、だめです! あーちゃーが、よいちが……ぼくたちをたすけてくれたんです!! しんじゃ、だめなんです!!!」 涙ながらに訴える今剣に、ルーシーは首を横に振る。 「今剣……お願い………祈って欲しいの……わたしの命が尽きないことを……それだけでいい………」 「るーしー……!」 ルーシーは意識が遠くなるのを感じる。 完全に蚊帳の外な家政婦は「あの……」とおどおどしく声をかけてきた。 今剣は、涙を拭う。 短刀を握りしめながら、今剣は家政婦へ頼む。 「はくぶつかんへむかってください! おねがいします!!」 「えっ、あ……は、はい。わかりました」 今剣の必死な態度に押された家政婦は、再びハンドルを握った。 時系列順 Back クラレッタのスカートを直せ Next 無物語-ナキモノガタリ- 投下順 Back クラレッタのスカートを直せ Next 無物語-ナキモノガタリ- ←Back Character name Next→ 024 世界 止めて 今剣 027 無物語-ナキモノガタリ- 021 桜田門外の変 アダム アーチャー(ロボひろし) 024 世界 止めて 織田信長 アーチャー(セラス・ヴィクトリア) 021 桜田門外の変 安藤潤也 ライダー(ジャイロ・ツェペリ) ジャック・ブライト キャスター(西行寺幽々子) 安藤 アサシン(カイン) 024 世界 止めて ルーシー・スティール
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アヤガタリ異聞 蜃気楼の見せた夢 開催期間:[2023年5月30日(火) 17 00 ~ 6月13日(火) 14 00] イベント概要はこちら イベント情報はベース画面右上のバナーから確認可能 ベリーハードもステージパス使用可 赤い椿交換品の一覧はこちら 青い蝶交換品の一覧はこちら イベントポイントの個人報酬一覧はこちら イベントポイントの個人ランキング報酬一覧はこちら ボーナスステージは「出現時間30分」「ステージパス使用可」「出撃中に期限が過ぎた場合もクリア可能、戦闘データ保持、報酬あり、再出撃は不可」。 ステージ構成 ステージ イージー ノーマル ハード ベリーハード EVP 赤い椿 EVP 赤い椿 EVP 赤い椿 EVP 赤い椿 ボーナス 117 7 225 30 337 45 600 90 エクストラ -- - --- -- --- -- 100 -- エピローグ 48 3 115 13 180 20 300 45 四 75 5 150 20 225 30 400 60 参 75 5 150 20 225 30 400 60 弐 75 5 150 20 225 30 400 60 壱 75 5 150 20 225 30 400 60 プロローグ 48 3 115 13 180 20 300 45 脚注:EVP、赤い椿の入手数は表中の数字からランダムで増加する。(追加報酬として表示される) 青い蝶はボーナスステージのでのドロップ確率が高い。 プロローグ 世界相 Wave1 赤い蛇:赤×5 赤い蛇 単体継続D攻撃B 継続攻撃 スタン攻撃 攻撃される前に全体攻撃で一掃するのが一覧楽 其の壱 世界相 Wave1 サイバー特殊部隊兵:赤×2、多脚戦車:赤×2、フーデッドマン:赤×1 Wave2 サイバー特殊部隊兵:赤×3、設置型ガトリング:赤×2 Wave3 設置型ガトリング:赤×2、パワードスーツ兵:赤×2、ガーディアンロボット:赤×1 其の弐 世界相 Wave1 現象体(人):緑×3、現象体(獣):緑×2 Wave2 現象体(メカ):緑×2、現象体(獣):緑×2、現象体(人):緑×1 Wave3 現象体(メカ):緑×2、現象体(獣):緑×2、浮遊クリスタル:緑×1 其の参 世界相 Wave1 魔狼:青×2、大蛇:青×2、魔獣狩り:青×1 Wave2 魔獣(羽虫):青×2、大蛇:青×2、魔熊:青×1 Wave3 魔獣(羽虫):青×2、魔獣(象):青×3 其の四 世界相 Wave1 ドラゴンパピー:黄×2、海賊:黄×3 Wave2 ガンマン:黄×3、海賊:黄×2 Wave3 ウェアウルフ:黄×2、ミノタウロス:黄×2、魔熊:黄×1 エピローグ 世界相 Wave1 魑魅:青×5 Wave2 魑魅:青×2、混沌の獣:青×1 Wave3 隻眼の陰陽師:青×1 魑魅 見切り 混沌の獣 ? 隻眼の陰陽師 単体攻撃C おそらく今後のエクストラには出ないのでイベント期間中でしか戦えない敵 特にWave3のBGMは特別なものになっている 魑魅は見切りがあるので違う意味で苦戦する VH混沌の獣のCTが溜まっているがめちゃくちゃIN低いので発動する前に倒すのがいい VH隻眼の陰陽師もCTが溜まっており10万近くのダメを受けるがそれぐらい エクストラ 世界相 Wave1 赤い蛇:赤×5 Wave2 赤い蛇:赤×4、いにしえの鬼神:赤×1 赤い蛇 単体継続D攻撃B 継続攻撃 スタン攻撃 いにしえの鬼神 単体攻撃C 全体8連撃 継続攻撃 スタン攻撃 反撃(HP50%以下) エクストラとしては難易度は最近に比べると比較的低い。 敵が赤属性のみなので青属性のキャラで固めれば優位に戦える。 十分に育ったタンクさえいればゲスト無しクリアも狙える W1 敵の赤い蛇は通常攻撃時に継続D攻撃とスタン攻撃を繰り出してくる。 付与率がかなり高く、異常解除が無いと動きを封じられてしまう点には注意。 また、倒すのに手間取っていると単体継続D攻撃Bを撃たれる。 継続Dが厄介なだけでなく威力が6万ほどくらうので、早めに倒してしまうか 遅延スキルなどで止める用意をしておこう。 なおLV105の蛇は相当INが高い W2 いにしえの鬼神はめちゃくちゃINが高くCTが最初から溜まっており、20万食らう単体攻撃Cを放つ ノーデスを狙うなら対象誘導スキルなどでタンクへ誘導するか、 素早いキャラなら先攻も取れなくはないので遅延スキルなどを使って撃たせないようにしよう。 なおノーデスを狙わないなら、あえて撃たせてしまって復活スキルで起こした方が簡単。 また全体8連撃ももっており反射スキルも必要 HP50%以下になると高確率で反撃をしてくるようになる 7万ほど食らうので注意 オススメネームド アーメンガード 中央世界、青属性、状態異常回復、自己回復を備えた優秀タンク リベルタ 中央世界、対象誘導スキルをタンクに使う コトハ 全体8連撃反射と復活役 キリーク 中央世界、青属性、全体攻撃 CT低下ももっている ストライカー 中央世界、青属性、全体攻撃 スキル封印ももっている ボーナス 世界相 VHではランダム、H以下は T=/M= 固定。世界相補正は±0。 Wave1 大蛇:赤×1、大蛇:無×1、大蛇:青×1 Wave2 大蛇:赤×1、大蛇:無×1、大蛇:青×1 Wave3 大蛇:赤×1、大蛇:無×3、大蛇:青×1 赤い椿 アイテム 必要個数 在庫量 アイテム 必要個数 在庫量 ★3Rエクスタル 10 10 ★5Yエクスタル 2000 1 ★3Rエクスタル 20 10 ★5Bエクスタル 2000 1 ★3Bエクスタル 10 10 ★5Rエクスタル 2000 1 ★3Bエクスタル 20 10 ★5Gエクスタル 2000 1 行動P全回復 30 3 ★5Yエクスタル 4000 1 行動P全回復 60 3 ★5Bエクスタル 4000 1 行動P50%回復 15 5 ★5Rエクスタル 4000 1 行動P50%回復 30 5 ★5Gエクスタル 4000 1 常設VSスカウトチケット 50 10 ★5Yエクスタル 8000 2 常設VSスカウトチケット 100 10 ★5Bエクスタル 8000 2 ★5Rエクスタル 8000 2 ★5Gエクスタル 8000 2 HPエンハンサー 800 2 ★5万能ルーツ 500 10 SPエンハンサー 800 2 ★5万能ルーツ 1000 10 ATエンハンサー 800 2 ★5EX斎戒沐浴 1000 1 DFエンハンサー 800 2 ★5EX斎戒沐浴 5000 1 INエンハンサー 800 2 ★5EX斎戒沐浴 10000 1 HPエンハンサー 1600 2 ★5EX斎戒沐浴 15000 1 SPエンハンサー 1600 2 ★3ララサのルーツ x10 30 10 ATエンハンサー 1600 2 ★3ララサのルーツ x100 300 9 DFエンハンサー 1600 2 ★3ララサのルーツ x100 600 10 INエンハンサー 1600 2 ★5Yエクスタル 16000 5 HPエンハンサー 2400 2 ★5Bエクスタル 16000 5 SPエンハンサー 2400 2 ★5Rエクスタル 16000 5 ATエンハンサー 2400 2 ★5Gエクスタル 16000 5 DFエンハンサー 2400 2 HPエンハンサー 4800 3 INエンハンサー 2400 2 SPエンハンサー 4800 3 ★5限界突破 1200 1 ATエンハンサー 4800 3 ★5限界突破 6000 1 DFエンハンサー 4800 3 ★1万能スキル強化 1200 1 INエンハンサー 4800 3 ★1万能スキル強化 6000 1 500pos 10 100 500pos 20 100 500pos 50 5000 500pos 100 9000 500pos 150 9000 500pos 200 9000 500pos 250 9000 500pos 300 9000 コネクト x100 10 100 コネクト x100 20 100 コネクト x100 50 5000 青い蝶 アイテム 必要個数 在庫量 アイテム 必要個数 在庫量 ★3限界突破 10 1 ★5限界突破 200 1 ★4限界突破 20 1 ★5限界突破 400 1 ★5限界突破 100 1 ★5限界突破 800 1 ★1万能ルーツ x10 100 100 ★5限界突破 1600 1 ★5Yエクスタル 80 1 ★5Yエクスタル 160 1 ★5Bエクスタル 80 1 ★5Bエクスタル 160 1 ★5Rエクスタル 80 1 ★5Rエクスタル 160 1 ★5Gエクスタル 80 1 ★5Gエクスタル 160 1 ★3限界突破 20 1 ★5Yエクスタル 320 1 ★3限界突破 40 1 ★5Bエクスタル 320 1 ★3限界突破 80 1 ★5Rエクスタル 320 1 ★3限界突破 160 1 ★5Gエクスタル 320 1 ★4限界突破 40 1 ★5Yエクスタル 640 1 ★4限界突破 80 1 ★5Bエクスタル 640 1 ★4限界突破 160 1 ★5Rエクスタル 640 1 ★4限界突破 320 1 ★5Gエクスタル 640 1 ★5Yエクスタル 1280 1 ★5Bエクスタル 1280 1 ★5Rエクスタル 1280 1 ★5Gエクスタル 1280 1 50,000pos 1 100 イベントポイント個人報酬 累計ポイント 報酬 累計ポイント 報酬 累計ポイント 報酬 100 20シード 22000 ★4Rエクスタル x2 140000 50シード 200 ステージパス x5 24000 ★4Gエクスタル x2 160000 ★1万能ルーツ x30 400 データチップ(画像) x50 26000 ★4万能ルーツ x10 180000 50シード 600 20シード 28000 ★3限界突破 x3 200000 ★1万能ルーツ x50 800 常設VSスカウトチケット 30000 ★2万能ルーツ x50 220000 50シード 1000 ★3Yエクスタル x2 32000 データチップ(BGM) x100 240000 ★4万能ルーツ x50 1200 ★3Bエクスタル x2 34000 ★4万能ルーツ x20 260000 50シード 1400 ★3Rエクスタル x2 36000 1000コネクト 280000 ★5万能ルーツ x50 1600 ★3Gエクスタル x2 38000 20シード 300000 50シード 1800 行動P10回復 x5 40000 ★4限界突破 320000 期間限定VSスカウトチケット x3 2000 データチップ(画像) x50 42000 20シード 340000 50シード 3000 常設VSスカウトチケット 44000 1000コネクト 360000 ★1万能ルーツ x100 4000 20シード 46000 20シード 380000 50シード 5000 ★4EX蜃気楼の見せた夢 48000 常設VSスカウトチケット 400000 ★4万能ルーツ x50 6000 データチップ(画像) x50 50000 ★4EX蜃気楼の見せた夢 420000 100シード 7000 常設VSスカウトチケット 52000 常設VSスカウトチケット 440000 ★5万能ルーツ x10 8000 行動P10回復 x5 54000 ★4万能ルーツ x50 460000 100シード 9000 データチップ(画像) x50 56000 常設VSスカウトチケット 480000 ★5万能ルーツ x10 10000 ステージパス x5 58000 20シード 500000 100シード 11000 20シード 60000 常設VSスカウトチケット 600000 ★5万能ルーツ x10 12000 行動P50%回復 62000 100,000pos 700000 100シード 13000 20シード 64000 常設VSスカウトチケット x3 800000 ★5万能ルーツ x10 14000 ★2万能ルーツ x50 66000 ★5万能ルーツ x10 900000 100シード 15000 データチップ(画像) x50 68000 50シード 1000000 ★5万能ルーツ x10 16000 ★3万能ルーツ x50 70000 行動P全回復 2000000 100シード 17000 1000コネクト 80000 行動P全回復 3000000 ★1万能スキル強化 18000 ★4Yエクスタル x2 90000 1,000コネクト 4000000 100シード 19000 ★4Bエクスタル x2 100000 ★4EX蜃気楼の見せた夢 5000000 300シード 20000 ★4EX蜃気楼の見せた夢 120000 ★1万能ルーツ x20 イベントポイント個人ランキング報酬 1位~10位 期限付きスカウトチケットx21 ☆1万能ルーツx900 ☆1万能スキル強化x3 ☆5万能ルーツx100 ☆3 ララサのルーツx150 11位~20位 期限付きスカウトチケットx14 ☆1万能ルーツx400 ☆1万能スキル強化x2 ☆5万能ルーツx50 ☆3 ララサのルーツx70 21位~50位 期限付きスカウトチケットx7 ☆1万能ルーツx300 ☆1万能スキル強化x2 ☆5万能ルーツx50 ☆3 ララサのルーツx30 51位~100位 期限付きスカウトチケットx3 ☆1万能ルーツx200 ☆1万能スキル強化x1 ☆5万能ルーツx30 ☆3ララサのルーツx15 101位~250位 期限付きスカウトチケットx1 ☆1万能ルーツx100 ☆1万能スキル強化x1 ☆5万能ルーツx10 ☆3 ララサのルーツx5 251位~500位 期限付きスカウトチケットx1 ☆1万能ルーツx50 ☆1万能スキル強化x1 - -
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スタートゥ王国、ハジマリの街にある図書館。 様々な分野の書籍が納められており、入館料を払えば自由に閲覧が可能。 本の貸出も可能だが、その場合は高額の保証料が必要になるので注意。 冒険関連の書籍も多く、冒険者を目指す者や新米冒険者が知識を得ようと通っている姿が見られる。 英雄ランディやアル・ワーコレーといった勇者や英雄の物語も多数置かれているが、現在一番目立つ位置に配置されているのは国王が若き日の冒険を記した自伝だったりする模様。 ちなみに一般解放されているのは1階と2階部分のみであり、それより上層階には重要な資料や文献が保管されていたりするので許可された者しか入れない。 また地下には『書庫迷宮』が隠されており、封印指定がなされた古の魔導書や禁書等の特殊な本が納められているとの噂も…。 関連 スタートゥ王国 ハジマリの街 カイン・セッツォ 館長 目次に戻る
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ライブラリと言う概念 [妄想度★] ライブラリは『死後の世界』や『データ世界』や『夢の世界』や『過去の世界』や『未来の世界』や『パラレルワールド』……など、何か既存の概念に言い換えることはできない。 と言うか、『それらをひっくるめる為の概念』として扱っていると思われる。 参考イベント 『書架ト赤』 『DoD3』 『深淵ヘ続ク監獄』 『時空ノ探究者』 『ドロシー各章』 ライブラリ名称の役割 [妄想度★★] これは『ライブラリ』と言う単語が比喩であると思われる。"創作された話"はもちろん、"ある時間軸としての歴史"や、或いは"選択による別次元、パラレルワールド"のように、我々の言語において『モノガタリ』と表現できるもの全てを内包する為に作り出された概念=『ライブラリ』だと考える。 参考 『現実編 第五章』 ” 「貴方達はココに来たのではないのです。 コノ世界は常に、アナタ達と共にあると同時に全く触れる事ノデキナイ不可触領域トシテ定義された上位概念ノディレクトリであルのですがソの解除鍵に適合する貴方達が……」 ” 『くるみ割り人形 融合編四章』 ” ライブラリは現実を包括する巨大な存在であると同時に、現実世界に含まれるミクロな存在でもある。 ギシアンとライブラリの関係 [妄想度★★★] 世界の特異点を観測し、袋小路になる分岐に干渉するアコールを吸収し、ライブラリと言う概念を介して活動する存在。 モノガタリを収集するが故に悪い方向(?)に拡大解釈して、ライブラリの拡張と収集を促そうとしている。そのひとつの仕組みが世界の融合であり、手段としてのキャラクターズを憑依させ喰わせ合うこと。 参考:グリーフスパイダー
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グッドラック ライラックは、アニメ『アニメガタリズ』の楽曲である。 目次 概要 作家情報 クレジット 試聴動画 収録CD一覧 配信情報 概要 2017年に放送されたTVアニメ『アニメガタリズ』のED主題歌。田中秀和が作曲・編曲を担当した。
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夏だ!祭りだ!!男女タッグだ!!! 解説 「気の向くままに男女タッグトーナメント」の4回目の大会。 今回は16組32人のキャラによる「3ストライク方式」で行われる。 なお、不測の事態にはうp主が頑張るらしい。 ルール 3ストライク方式 ランセレにより対戦相手を決定して戦い、3勝したチームから勝ち抜きとなる。 早く勝ち抜いた8チームにより決勝トーナメントを行う。 予選では可能な限り同タッグの再戦が起きないように配慮される。 なお、勝ち抜いたチームの穴は、今回出場を見送られたタッグが入ることで埋められる。 (穴埋めで入ったタッグは決勝には進まない) 出場選手 + ... 恋の花 前田慶次 百合 小龍飛天 椎拳崇 リン・ベーカー 冒険戦隊 アルフレッド 牧原アリーナ 常勝不敗 空条承太郎 ペトラ・ヨハンナ・ラーゲルクヴィスト 小次郎という名の何か アサシン 真田小次郎 経験値上昇中 ショーン 龍鳳 犬耳剣士 犬夜叉 犬走椛 気高き拳 スマイル ゼニア・ヴァロフ 紅月の夜想曲 アルカード アルクェイド・ブリュンスタッド 主人嬢(軟派) リュウザ・ラングラン アイ 名は技を表す ポチョムキン ブルー・マリー 機人 本多忠勝 美凰 騎士の誇り ブレイド セイバー 寄生主人公 人修羅 藤堂晴香 暗黒剣士 バーンズ セレナ 第4区画の悪魔 クール 小悪魔 関連大会 紅白対抗オールスター大会【年忘れ杯】 気の向くままに男女タッグトーナメント【色モノ杯】 気の向くままに男女タッグトーナメント【新春杯】 気の向くままに男女タッグトーナメント【超時空杯】 コメント 名前 コメント マイリスト 刀ガタリ杯マイリスト