約 2,473,888 件
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/219.html
2013年5月16日 2013年6月14日:「フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号)」よりページ分割 フランスのミステリ賞受賞作の邦訳の一覧。ただし一部の賞については、受賞作全体のリストも示しています。 各賞の受賞作はフランスで刊行されたミステリ事典『Dictionnaire des littératures policières』(初版2003年、通称メスプレード事典)の第2版(2007年)で確認し、邦訳状況は国会図書館の蔵書検索等で確認しました。 翻訳ミステリー大賞シンジケートに寄稿した「非英語圏ミステリー賞あ・ら・かると 第3回 フランス編」も合わせてお読みください。 Index フランス推理小説大賞 フランス推理小説大賞を実は受賞していない(!?)作品 ミステリ批評家賞 813協会賞 冒険小説大賞 パリ警視庁賞 コニャック・ミステリ大賞&ボーヌ・ミステリ新人賞 コニャック・ロマンノワール大賞&ボーヌ・ロマンノワール大賞 コニャック・ポラール・フェスティヴァル賞 その他 2010年のフランス推理小説大賞翻訳作品部門・ノミネート作 フランス推理小説大賞・ミステリ批評家賞・813協会賞を受賞した非英語圏作品 カナダ・ケベック州のミステリ賞 他言語圏のミステリ賞を受賞したフランス語圏ミステリ フランス推理小説大賞 1956年 ミッシェル・ルブラン 『殺人四重奏』(鈴木豊訳、創元推理文庫、1961年) 1957年 フレデリック・ダール 『甦える旋律』(長島良三訳、文春文庫、1980年) 1958年 フレッド・カサック 『日曜日は埋葬しない』(中込純次訳、ハヤカワ・ミステリ、1961年) 1960年 ユベール・モンテイエ 『かまきり』(斎藤正直訳、ハヤカワ・ミステリ、1964年 / 『世界ミステリ全集』第15巻[早川書房、1973年]収録) 1963年 セバスチアン・ジャプリゾ 『シンデレラの罠』(望月芳郎訳、創元推理文庫、1964年)『シンデレラの罠』(平岡敦訳、創元推理文庫、2012年) 1965年 マルク・ドロリー 『スペインの城』(秘田余四郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1966年) 1966年 ローレンス・オリオール 『やとわれインターン』(荒川比呂志訳、ハヤカワ・ミステリ、1969年) 1968年 ドミニック・ファーブル 『美しい野獣』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、1970年) 1969年 フランシス・リック 『奇妙なピストル』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1976年) 1970年 ポール・アンドレオータ 『ジグザグ』(牧原宏郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1972年) 1971年 ルネ・レウヴァン 『そそっかしい暗殺者』(日影丈吉訳、ハヤカワ・ミステリ、1973年) 1972年 ジルベール・タニュジ 『赤い運河』(谷亀利一訳、ハヤカワ・ミステリ、1973年) 1973年 ジャン=パトリック・マンシェット 『狼が来た、城へ逃げろ』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1973年)『愚者(あほ)が出てくる、城寨(おしろ)が見える』(中条省平訳、光文社古典新訳文庫、2009年) 1974年 A・P・デュシャトー 『五時から七時までの死』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1975年) 1976年 ジャン=フランソワ・コアトムール 『真夜中の汽笛』(長島良三訳、角川文庫、1986年) 1977年 クリストフェール・ディアブル 『雨を逃げる女』(長島良三訳、角川文庫、1988年) 1980年 ドミニック・ルーレ 『寂しすぎるレディ』(長島良三訳、ハヤカワ・ミステリ、1983年) 1985年 ディディエ・デナンクス 『記憶のための殺人』(堀茂樹訳、草思社、1995年) 1987年 ジャック・サドゥール 『太陽の下、三死体』(長島良三訳、新潮文庫、1988年) 1994年 ジャン=ジャック・フィシュテル 『私家版』(榊原晃三訳、東京創元社、1995年 / 創元推理文庫、2000年) 1997年 ブリジット・オベール 『森の死神』(香川由利子訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、1997年) 2001年 ミシェル・クレスピ 『首切り』(山中芳美訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、2002年) ベルギーの出版社が刊行したフランス語作品も授賞対象になる。A・P・デュシャトーはベルギーのフランス語作家で、『五時から七時までの死』はブリュッセルの出版社が刊行し、フランス推理小説大賞を受賞した。 その他の主な受賞者 レオ・マレ(1948年)、ピエール・シニアック(1981年)、ルネ・ベレット(1984年)、トニーノ・ベナキスタ(トニーノ・ブナキスタ)(1992年)、ジルベール・シヌエ(2004年)、ヴィルジニ・ブラック(2004年) +2004年ごろの受賞者をめぐる混乱 2004年ごろの受賞者をめぐる混乱 フランス語作品部門は秋に、翻訳作品部門は春に受賞作が決定していたが、それが2004年ごろから同時に発表されるようになったらしく、2004年前後には「受賞者」「受賞年」「受賞年度」などに混乱が見られる。ジルベール・シヌエとヴィルジニ・ブラックはネット上のリストでは2004年に「同時受賞」とされていることが多いが、ジルベール・シヌエは2003年10月に(2004年度受賞者として)同賞を受賞している(当時の報道記事1、当時の報道記事2)。そしてヴィルジニ・ブラックの受賞はその翌年の2004年10月だと思われる。メスプレード事典ではジルベール・シヌエが「2004」、ヴィルジニ・ブラックが「2005」。ジルベール・シヌエの受賞(2003年10月)までは「年度」表記であり、ヴィルジニ・ブラックの受賞(2004年10月?)からは受賞した「年」で表記されるようになった、ということだと思われる。 +デオン・マイヤーの受賞作をめぐる混乱 デオン・マイヤーの受賞作をめぐる混乱 デオン・マイヤー(デオン・メイヤー)が2003年にどの作品でフランス推理小説大賞(翻訳作品部門)を受賞したかについては、情報に混乱がある。受賞作は作家自身のサイトでは『Dead before Dying』(仏題『Jusqu au Dernier』、アフリカーンス語原題『Feniks』)とされており、同様に記載しているミステリファンサイトもあるが、一方でメスプレード事典では受賞作を『Dead at Daybreak』(仏題『Les Soldats de l aube』、アフリカーンス語原題『Orion』)としており、同様に記述しているサイトも多い。 ただ、ネット上を検索してみたところ、デオン・マイヤーの『Dead before Dying』(仏題『Jusqu au Dernier』)のフランス推理小説大賞受賞を報じる当時のフランス語記事(2003年5月)が見つかったので、メスプレード事典のリストとは矛盾するが、この作品がフランス推理小説大賞を受賞していることは間違いないと思われる。2003年10月の報道でもやはり受賞作は『Dead before Dying』(仏題『Jusqu au Dernier』)である。 なお、デオン・マイヤーの上記2作品を出版しているフランスの出版社のサイトでも、やはり受賞作は『Dead before Dying』(仏題『Jusqu au Dernier』)となっている(リンク)。 フランス推理小説大賞を実は受賞していない(!?)作品 以下の作品は日本で翻訳出版された際に帯や裏表紙の作品紹介、訳者あとがきなどで「フランス推理小説大賞受賞作」とされていたものの、メスプレード事典のフランス推理小説大賞(Grand prix de littérature policière)受賞者・受賞作一覧に載っておらず、受賞が確認できないものである。 ユベール・モンテイエ『帰らざる肉体』(大久保和郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1963年5月)裏表紙に「フランス推理小説大賞に輝く最新傑作!」とあり、『ハヤカワ・ミステリ総解説目録』の解説文にも同じ文言がある。ただ、『帰らざる肉体』の巻末解説には受賞作は『かまきり』だと書いてある。これはこの巻末解説の方が正しく、モンテイエがフランス推理小説大賞を受賞したのは『帰らざる肉体』ではなく『かまきり』である。裏表紙の記述はちょっとしたミスだろう。 『かまきり』(大久保和郎訳、ハヤカワ・ミステリ、1964年6月)の裏表紙には「フランス推理小説大賞に輝く傑作!」とある。これはもちろん正しい。 ルイ・C・トーマ『共犯の女』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、1968年2月)ポケミスで刊行された際に、1966年度のフランス推理小説大賞受賞作とされた。(巻末解説「一九六六年度のフランス推理小説大賞を受賞」[執筆者は「N」]、裏表紙「1966年度フランス推理小説大賞に輝く異色ミステリ!」) ルイ・C・トーマ『死のミストラル』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1976年9月)帯の裏面に「本書は〈クライム・クラブ〉出身の有力作家ルイ・C・トーマの最新作で、1975年度フランス推理小説大賞に輝いた。1966年作『共犯の女』に続く二度目の受賞である」と書かれている。裏表紙には「1975年度フランス推理小説大賞受賞作」、訳者あとがきには「一九七五年、フランス推理小説大賞受賞の新作である」。 『死のミストラル』は1976年のフランス・ミステリ批評家賞受賞作ではある。 モニック・マディエ『バカンスは死の匂い』(長島良三訳、角川書店、1981年) - Monique Madier, "Vacances dans un caveau" (1975)帯前面に「フランス推理小説大賞受賞」、帯の背のところに「推理小説大賞受賞作」と書かれており、訳者あとがきでは「本書は一九七五年度の“推理小説大賞”を受賞している」と書かれている。この「推理小説大賞」が「Grand prix de littérature policière」を指すことはそのあとで示されている。 フランソワ・ジョリ『鮮血の音符』(長島良三訳、角川文庫、1996年) - François Joly, "Notes de sang" (1993)帯(amazonで確認できる)には「フランス推理小説大賞、ロカール賞受賞作品」とあり、訳者あとがきではこの3作目で「フランス推理小説大賞と、偉大な法医学者エドモン・ロカールを記念して創設されたロカール賞を同時に受賞している」とされている。ロカール賞(Prix Edmond Locard)の受賞については未確認。 セルジュ・ブリュソロ『真夜中の犬』(長島良三訳、角川文庫、1998年)訳者あとがきに、「『真夜中の犬』 Le chien de minuit で一九九四年度の冒険小説大賞と、フランス推理小説大賞とを同時に受賞している。つづいて次の年に、マスク叢書から出版した『コナン・ロード、ある怪盗の秘密手帖』 Conan Lord, carnets secrets d un cambrioleur で一九九五年度のフランス推理小説大賞に選ばれている。」とある。『真夜中の犬』は冒険小説大賞の受賞作ではある。セルジュ・ブリュソロは(メスプレード事典を見る限り)フランス推理小説大賞を受賞しておらず、従って『コナン・ロード、ある怪盗の秘密手帖』も受賞作ではない。 またほかに、(日本語の)ネット上でルネ・ベレット『わが体内の殺人者』(ハヤカワ文庫NV、1992年)がフランス推理小説大賞の受賞作だと書かれていることがあるが、ルネ・ベレットがこの賞を受賞したのは未訳の別の作品である。 +ポール・アンドレオータ『ジグザグ』(ハヤカワ・ミステリ、1972年3月)巻末の受賞作一覧の誤り ポール・アンドレオータ『ジグザグ』(ハヤカワ・ミステリ、1972年3月)巻末の受賞作一覧の誤り ポール・アンドレオータ(P・アンドレオータ)『ジグザグ』(ハヤカワ・ミステリ、1972年3月)の巻末にフランス推理小説大賞のフランス語作品部門の受賞作一覧が載っているが、『メスプレード事典』とは2点食い違いがある。『ジグザグ』巻末資料では、 1956年の受賞作がジョゼフ・エイ"Terreur dans la Maison"とされている 1967年の受賞作がルイ・C・トーマ『共犯の女』とされている 『Terreur dans la Maison』は確かに1956年の受賞作だが、フランス語作品部門ではなく翻訳作品部門の受賞作である。作者はアメリカの推理作家のジョゼフ・ヘイズ(またはジョセフ・ヘイズ、Joseph Hayes)。「ジョゼフ・エイ」は「Joseph Hayes」のフランス語読み。『Terreur dans la Maison』の原題は『The Desperate Hours』で、日本では『必死の逃亡者』として1955年に早川書房より刊行されている。 1956年のフランス語作品部門の受賞作は『メスプレード事典』によれば、ミッシェル・ルブラン『殺人四重奏』とGuy Venayreの『Les petites mains de la justice』である。 1967年のフランス語作品部門の受賞作は『メスプレード事典』によれば、ジャン=ピエール・アレムの『Le Crocodile dans l escalier』である。 (それから、『ジグザグ』巻末資料では1964年の受賞作がMichel Carnalの『La Joan Morte』とされているが、正しくは『La Jeune Morte』) ミステリ批評家賞 1973年 フレッド・カサック 『殺人交叉点』(岡田真吉訳、東京創元社 クライム・クラブ第22巻、1959年)『殺人交差点』(荒川浩充訳、創元推理文庫、1979年)『殺人交叉点』(平岡敦訳、創元推理文庫、2000年) 1974年 アルセーヌ・ルパン *注 『ウネルヴィル城館の秘密』(榊原晃三訳、新潮文庫、1974年) 1976年 ルイ・C・トーマ 『死のミストラル』(岡村孝一訳、ハヤカワ・ミステリ、1976年 / ハヤカワ・ミステリ文庫、1982年) 1978年 ミシェル・グリゾリア 『海の警部』(篠原義近訳、ハヤカワ・ミステリ文庫、1982年) 1980年 ジャン・ヴォートラン 『鏡の中のブラッディ・マリー』(高野優訳、草思社、1995年) 1981年 ジャン=フランソワ・コアトムール 『引き裂かれた夜』(長島良三訳、角川文庫、1987年) 1982年 ブリス・ペルマン 『穢れなき殺人者』(荒川浩充訳、創元推理文庫、1984年) 1988年 ダニエル・ペナック 『カービン銃の妖精』(平岡敦訳、白水社、1998年) 1996年 フレッド・ヴァルガス 『死者を起こせ』(藤田真利子訳、創元推理文庫、2002年) 2000年 フレッド・ヴァルガス 『裏返しの男』(田中千春訳、創元推理文庫、2012年) 注:ボアロー=ナルスジャック その他の主な受賞者 アルベール・シモナン(1972年)、A・D・G(1977年)、アラン・ドムーゾン(1979年、2001年)、ルネ・レウヴァン(1983年)、ピエール・マニャン(1985年)、ディディエ・デナンクス(1987年)、トニーノ・ベナキスタ(トニーノ・ブナキスタ)(1992年)、ティエリー・ジョンケ(1994年、1999年) ロベール・ドゥルーズ『世界ミステリー百科』(JICC出版局、1992年10月)の「モーリス・ベルナール・アンドレーブ」の項目で、アンドレーブが1976年に『物事の最良と最悪の面』という作品でミステリ批評家賞を受賞したと書かれているが、メスプレード事典のミステリ批評家賞の項目によれば、アンドレーブはこの賞を受賞していない。 813協会賞 この賞(Trophée 813)は日本ではフランス語をそのまま使って「トロフェ813」と呼ばれたり、あるいは「トロフェ813賞」と呼ばれたり、「トロフェ」を訳して「813杯」とされたり、あるいは「813協会××賞」、「813賞」、「813ミステリ大賞」などとされたりと定訳がない。813協会が主催する賞なので、ここでは分かりやすく813協会賞と呼んでおく。 813協会(Association 813)は、ミッシェル・ルブランやアラン・ドムーゾンが中心になって1979年に設立したフランスの推理小説普及団体。もちろんその名はモーリス・ルブランのルパン物の長編小説『813』から来ている。 813協会とグルノーブル市の主催で1987年10月にグルノーブル・ミステリ祭が開催されている。松本清張はこれに招待されて参加。そのことについて書いた随筆で清張は813協会のことを「フランス推理作家協会」と書いている(松本清張「国際推理作家会議で考えたこと ネオ「本格派」小説を提唱する」『文藝春秋』1988年1月号)。 1984年 長編部門 ディディエ・デナンクス 『未完の巨人人形』(神山朋子訳、草思社、1995年) 1987年 長編部門 ダニエル・ペナック 『カービン銃の妖精』(平岡敦訳、白水社、1998年) 1995年 フランス語長編部門 ジャン=クロード・イゾ 『失われた夜の夜』(高橋啓訳、創元推理文庫、2007年) 1999年 フランス語長編部門 フレッド・ヴァルガス 『裏返しの男』(田中千春訳、創元推理文庫、2012年) 2004年 フランス語長編部門 フレッド・ヴァルガス 『汚れた手』(仮題、創元推理文庫、2014年◆予定) ※1994年より従来の「長編部門」が「フランス語長編部門」と「翻訳長編部門」の2つに分かれた。 +813協会賞 長編部門(1981~1993年)受賞作一覧 813協会賞 長編部門(1981~1993年)受賞作 1981年 マーク・ベイム(Marc Behm) Mortelle randonnée (The Eye of the Beholder, 1980) 『氷の接吻』 1982年 ピエール・マニャン(Pierre Magnan) Les Charbonniers de la mort 1983年 W・R・バーネット(William Riley Burnett) Dark hazard (Dark Hazard, 1933) 1984年 ディディエ・デナンクス(Didier Daeninckx) Le Géant inachevé 『未完の巨人人形』(神山朋子訳、草思社、1995年) 1985年 ティエリー・ジョンケ(Thierry Jonquet) La Bête et la Belle 1986年 デレク・レイモンド(Robin Cook *注) Comment vivent les morts (How the Dead Live, 1986) 1987年 ダニエル・ペナック(Daniel Pennac) La Fée carabine 『カービン銃の妖精』(平岡敦訳、白水社、1998年) 1988年 ジェイムズ・エルロイ(James Ellroy) Le Dahlia noir (The Black Dahlia, 1987) 『ブラック・ダリア』 1989年 W・R・バーネット(William Riley Burnett) Iron Man (Iron Man, 1930) 1990年 トニーノ・ブナキスタ(Tonino Benacquista) Trois carrés rouges sur fond noir 1991年 トニーノ・ブナキスタ(Tonino Benacquista) La Commedia des ratés 1992年 ジャン・ベルナール・プイ(Jean-Bernard Pouy) La Belle de Fontenay 1993年 ティエリー・ジョンケ(Thierry Jonquet) Les Orpailleurs 注:フランスのミステリ関連文献で「Robin Cook」と書いてあったら、それは日本で「ロビン・クック」と呼ばれている人物ではなく、日本で「デレク・レイモンド」と呼ばれている人物を指しているとみて間違いない。 マーク・ベイムは当時パリ在住のアメリカ人作家。作品は英語で執筆。 +813協会賞 フランス語長編部門(1994年~)受賞作一覧 813協会賞 フランス語長編部門(1994年~)受賞作 1994年 モーリス・G・ダンテック(Maurice G. Dantec) La Sirène rouge 1995年 ジャン=クロード・イゾ(Jean-Claude Izzo) Total Khéops 『失われた夜の夜』(高橋啓訳、創元推理文庫、2007年) 1996年 Jean-Jacques Reboux Le Massacre des innocents 1997年 ヤスミナ・カドラ(Yasmina Khadra) Morituri 1998年 ティエリー・ジョンケ(Thierry Jonquet) Moloch 1999年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) L Homme à l envers 『裏返しの男』(田中千春訳、創元推理文庫、2012年) 2000年 ジャン=ユーグ・オペル(Jean-Hugues Oppel) Cartago 2001年 ジョルジュ・J・アルノー(Georges-Jean Arnaud) L Étameur des morts 2002年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) Pars vite et reviens tard 2003年 Pascal Dessaint Mourir n est peut-être pas la pire des choses 2004年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) Sous les vents de Neptune 『汚れた手』(仮題、創元推理文庫、2013年予定) 2005年 Hervé Le Corre L’Homme aux lèvres de saphir 2006年 フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas) Dans les bois éternels 2007年 Dominique Manotti Lorraine connexion 2008年 Caryl Férey Zulu 2009年 Patrick Pécherot Tranchecaille 2010年 Dominique Manotti Bien connu des services de police 2011年 Marin Ledun Les Visages écrasés 2012年 Romain Slocombe Monsieur le Commandant 『Zulu』はフランス推理小説大賞、ミステリ批評家賞も受賞。 主な複数回受賞者:ティエリー・ジョンケは3回(1985年、1993年、1998年)、トニーノ・ベナキスタ(トニーノ・ブナキスタ)は2回(1990年、1991年)受賞。フレッド・ヴァルガスは4回受賞。 +813協会賞 翻訳長編部門(1994年~)受賞作一覧 813協会賞 翻訳長編部門(1994年~)受賞作 1994年 パコ・イグナシオ・タイボ二世(Paco Ignacio Taibo II) Cosa facil (Cosa fácil, 1977) 『三つの迷宮』 1995年 デレク・レイモンド(Robin Cook) Quand se lève le brouillard rouge (Not Till the Red Fog Rises, 1994) 1996年 パトリシア・コーンウェル(Patricia Cornwell) Une mort sans nom (From Potter’s Field, 1995) 『私刑』 1997年 グレゴリー・マクドナルド(Gregory Mcdonald) Rafael, derniers jours (The Brave,1991) 『ブレイブ』 1998年 ジェイムズ・リー・バーク(James Lee Burke) Le Brasier de l ange (Burning Angel, 1995) 『燃える天使』 1999年 ドナルド・E・ウェストレイク(Donald Westlake) Le Couperet (The Ax, 1997) 『斧』 2000年 ドナルド・E・ウェストレイク(Donald Westlake) Smoke (Smoke, 1995) 2001年 ジェイムズ・エルロイ(James Ellroy) American Death Trip (The Cold Six Thousand, 2001) 『アメリカン・デス・トリップ』 2002年 デニス・ルヘイン(Dennis Lehane) Mystic River (Mystic River, 2001) 『ミスティック・リバー』 2003年 ヘニング・マンケル(Henning Mankell) Les Chiens de Riga (Hundarna i Riga, 1992) 『リガの犬たち』 2004年 デニス・ルヘイン(Dennis Lehane) Shutter Island (Shutter Island, 2003) 『シャッター・アイランド』 2005年 ジェイムズ・リー・バーク(James Lee Burke) Purple Cane Road (Purple Cane Road, 2000) 2006年 Giancarlo De Cataldo Romanzo criminale 2007年 アーナルデュル・インドリダソン(Arnaldur Indridason) La Voix 2008年 Valerio Evangelisti Nous ne sommes rien soyons tout ! 2009年 デニス・ルヘイン(Dennis Lehane) Un pays à l aube 『運命の日』 2010年 Craig Johnson Le Camp des morts 2011年 ジェイムズ・リー・バーク(James Lee Burke) La Nuit la plus longue 2012年 スチュアート・ネヴィル(Stuart Neville) Les Fantômes de Belfast 『ベルファストの12人の亡霊』 Giancarlo De Cataldo、Valerio Evangelistiはイタリアの作家 冒険小説大賞 1930年 ピエール・ヴェリー 『絶版殺人事件』(上野三郎訳、『新青年』1937年11月増刊号に掲載) 1931年 スタニスラス=アンドレ・ステーマン 『六死人』(三輪秀彦訳、創元推理文庫、1984年) 1937年 ピエール・ノール 『抵抗の街』(山口年臣訳、ハヤカワ・ミステリ、1965年) 1938年 ピエール・ボアロー 『三つの消失』(松村喜雄訳、ナルスジャック『死者は旅行中』とともに『大密室 幻の探偵小説コレクション』[晶文社、1988年]として刊行) 1948年 トーマ・ナルスジャック 『死者は旅行中』(松村喜雄訳、ボアロー『三つの消失』とともに『大密室 幻の探偵小説コレクション』[晶文社、1988年]として刊行) 1951年 オリヴィエ・セシャンイゴール・B・マスロフスキー 『まだ殺されたことのない君たち』(木々高太郎・槙悠人共訳、東都書房、1962年) 1958年 シャルル・エクスブライヤ 『パコを憶えているか』(小島俊明訳、ハヤカワ・ミステリ、1967年) 1981年 カトリーヌ・アルレー 『理想的な容疑者』(荒川浩充訳、創元推理文庫、1981年) 1988年 ポール・アルテ 『赤い霧』(平岡敦訳、ハヤカワ・ミステリ、2004年) 1994年 セルジュ・ブリュソロ 『真夜中の犬』(長島良三訳、角川文庫、1998年) 2008年 ジャック・ミリエズ 『人類博物館の死体』(香川由利子訳、ハヤカワ文庫NV、2009年) ピエール・ヴェリー『絶版殺人事件』の『新青年』1937年11月増刊号掲載時には、「仏蘭西探偵小説賞獲得!」というあおり文句が付されている。 ロベール・ドゥルーズ『世界ミステリー百科』(JICC出版局、1992年10月)の「カトリーヌ・アルレー」の項目ではカトリーヌ・アルレーの『アラーム!』が1981年度の冒険小説大賞の受賞作だと書かれているが、メスプレード事典の冒険小説大賞の項目によれば、受賞作は『理想的な容疑者』。 パリ警視庁賞 公募新人賞 1949年 フランシス・ディドロ 『月あかりの殺人者』(井上勇訳、ハヤカワ・ミステリ、1961年) 1956年 ノエル・カレフ 『その子を殺すな』(宮崎嶺雄訳、東京創元社『現代推理小説全集』第12巻、1958年 / 創元推理文庫、1961年) 1977年 ジャクマール=セネカル 『グリュン家の犯罪』(飛鳥今日子訳、ハヤカワ・ミステリ、1980年) 1978年 ピエール・マニャン 『アトレイデスの血』(三輪秀彦訳、創元推理文庫、1981年) 1983年 モーリス・ペリッセ 『メリーゴーランドの誘惑』(高野優訳、ハヤカワ・ミステリ、1984年) 1984年 ジャン・ランボレル 『マムシを殺せ』(佐宗鈴夫訳、ハヤカワ・ミステリ、1984年) 1985年 ロジェ・ラブリュス 『罪深き村の犯罪』(高野優訳、ハヤカワ・ミステリ、1991年) 1988年 フランソワ・ラントラード 『バルザック刑事と女捜査官』(高野優訳、ハヤカワ・ミステリ、1989年) 2005年 ジュール・グラッセ 『悪魔のヴァイオリン』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2006年) 2006年 クリステル・モーラン 『ヴェルサイユの影』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2007年) 2007年 フレデリック・モレイ 『第七の女』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2008年) 2008年 P・J・ランベール 『カタコンベの復讐者』(野口雄司訳、ハヤカワ・ミステリ、2009年) その他の主な受賞者 ルイ・C・トーマ(1957年) パリ警視庁賞には「1973年」の受賞作は存在しない。これはメスプレード事典によれば、1973年の受賞作を印刷ミスで「1974年」の受賞作として売り出してしまったためだという。これ以来、パリ警視庁賞の受賞年は翌年表示になっている。2012年11月には「2013年」の受賞作が刊行された。(1988年に刊行が始まった『このミステリーがすごい!』に1990年版が存在しないのと同じことである) 注 フランシス・ディドロ『月あかりの殺人者』(ハヤカワ・ミステリ、1961年)のあとがき(編集部N)では「北警察賞」と訳されている。 コニャック・ミステリ大賞&ボーヌ・ミステリ新人賞 コニャック・ミステリ大賞 Prix du Roman Policier du Festival de Cognac (「コニャック推理小説大賞」、「コニャック・フェスティヴァル大賞」、「コニャック市ミステリ文学賞」などとも訳される) 公募新人賞 1987年 ポール・アルテ 『第四の扉』(平岡敦訳、ハヤカワ・ミステリ、2002年) 1996年 ジャン=フランソワ・ルメール 『恐怖病棟』(長島良三訳、読売新聞社、1997年) 1997年 ジャック・バルダン 『グリシーヌ病院の惨劇』(長島良三訳、読売新聞社、1998年) 1998年 ダニエル・ジュフュレ 『スイス銀行の陰謀』(長島良三訳、中公文庫、2001年) 2001年 ベルトラン・ピュアール 『夜の音楽』(東野純子訳、集英社文庫、2002年) その他の主な受賞者 フレッド・ヴァルガス(1986年)、アンドレア・H・ジャップ(1991年)、ピエール・ルメートル(2006年) 注 「コニャック・ミステリ大賞」(コニャック・ミステリー大賞)と書かれることが多い ベルトラン・ピュアール『夜の音楽』の解説(立川直樹)および著者紹介では「コニャック推理小説大賞」 アンドレア・H・ジャップ『殺人者の放物線』(藤田真利子訳、創元推理文庫、2006年)の訳者あとがきでは「コニャック・フェスティヴァル大賞」 ピエール・ルメートル『死のドレスを花婿に』(吉田恒雄訳、柏書房、2009年)の訳者あとがきおよび著者紹介では「コニャック市ミステリ文学賞」 ロベール・ドゥルーズ『世界ミステリー百科』(JICC出版局、1992年10月)の「ミシェル・グリゾリア」の項目で、グリゾリアの『イギリス女性たちの散歩』(邦訳なし、原題『La Promenade des Anglaises』、1987年)が「コニャック・フェスティバル賞」の受賞作だと書かれているが、メスプレード事典のコニャック・ミステリ大賞の項目によればこの年の受賞作はポール・アルテの『第四の扉』である。『イギリス女性たちの散歩』は『第四の扉』と同時期にマスク叢書で刊行されているので、あるいは同賞の候補作だったりしたのだろうか。(なお、コニャック・ミステリ大賞は新人賞だが、ミシェル・グリゾリアはこれより10年ほど前にデビューしている) フレッド・ヴァルガスが2000年に『裏返しの男』で受賞したコニャック・ロマンノワール大賞は別の賞。こちらは既刊作品を対象とする賞。コニャック・ミステリ大賞と同じく、コニャック・ミステリ映画祭で授与された。 ボーヌ・ミステリ新人賞 公募新人賞。コニャック・ミステリ大賞(~2007年)の後継の賞。今のところ、受賞作の邦訳なし。 毎年4月に出版される。 +ボーヌ・ミステリ新人賞(2009年~)受賞作一覧 ボーヌ・ミステリ新人賞(2009年~)受賞作一覧 2009年 Costantini La Note noire 2010年 Sylvain Blanchot Et on dévora leur coeur 2011年 Do Raze La Mort des rêves 2012年 Olivier Gay Les talons hauts rapprochent les filles du ciel 2013年 Cyrille Legendre Quitte ou double コニャック・ロマンノワール大賞&ボーヌ・ロマンノワール大賞 コニャック・ロマンノワール大賞 フランス語作品部門の受賞作のうち日本語で読めるのは、2000年の受賞作であるフレッド・ヴァルガス『裏返しの男』のみ。 ボーヌ・ロマンノワール大賞 フランス語作品部門の受賞作の邦訳はいまのところない。 +ボーヌ・ロマンノワール大賞 フランス語作品部門(2009年~)受賞作一覧 ボーヌ・ロマンノワール大賞 フランス語作品部門(2009年~)受賞作 2009年 Caryl Ferey Zulu 2010年 Hervé Le Corre Les Coeurs déchiquetés 2011年 Joseph Incardona Lonely Betty 2012年 Marin Ledun Les Visages écrasés 2013年 Michaël Mention Sale temps pour le pays +ボーヌ・ロマンノワール大賞 翻訳作品部門(2009年~)受賞作一覧 ボーヌ・ロマンノワール大賞 翻訳作品部門(2009年~)受賞作 2009年 ジェイムズ・リー・バーク Dernier Tramway pour les Champs-Élysées 2010年 リチャード・プライス Souvenez-vous de moi 『黄金の街』 2011年 Peter Temple Un monde sous surveillance 2012年 スチュアート・ネヴィル Les Fantômes de Belfast 『ベルファストの12人の亡霊』 2013年 ジェイムズ・カルロス・ブレイク Red Grass River コニャック・ポラール・フェスティヴァル賞 コニャック・ミステリ大賞やコニャック・ロマンノワール大賞とは別の賞。 Togetter「東野圭吾『むかし僕が死んだ家』がフランスでコニャック・ミステリ大賞国際部門を受賞! (2年4か月前[2010年10月]に)」で「もう一つのコニャック・ミステリ大賞」として紹介したもの。コニャック・ポラール・フェスティヴァルで授与される賞なので、ここでは仮に「コニャック・ポラール・フェスティヴァル賞」としておく。(「ポラール」はミステリを意味するフランス語) その他 パトリシア・ハイスミス賞 - パスカル・バセ=シェルコ『ベイビー・ブルース』(長島良三訳、新潮文庫、1991年) - 1988年の第1回受賞作。公募新人賞か? (以上の賞のうち、パトリシア・ハイスミス賞と2009年開始のボーヌ・ミステリ新人賞、ボーヌ・ロマンノワール大賞はメスプレード事典に項目がない) 2010年のフランス推理小説大賞翻訳作品部門・ノミネート作 国 作者 仏題 原題 邦題 受賞 米国 William GAY La mort au crépuscule (Le Masque) Twilight 米国 Diana ABU-JABER Origine (Sonatine) Origin 米国 デイヴィッド・フルマー(David FULMER) Jass (Rivages/Thriller) Jass 米国 ジャック・オコネル(Jack O CONNELL) Dans les limbes (Rivages/Thriller) The Resurrectionist 米国 リチャード・プライス(Richard PRICE) Souvenez-vous de moi (Presses de la cité) Lush Life 黄金の街 米国 Craig JOHNSON Le camp des morts (Gallmeister-Noire) Death without Company 米国 Whitney TERRELL Le chasseur solitaire (Rivages/Thriller) The huntsman 英国 トム・ロブ・スミス(Tom Rob SMITH) Kolyma(Belfond noir) The Secret Speech グラーグ57 イタリア ジャンリーコ・カロフィーリオ(Gianrico CAROFIGLIO) Les raisons du doute (Seuil policiers) Ragionevoli dubbi ドイツ フォルカー・クッチャー(Volker KUTSCHER) Le poisson mouillé (Seuil policiers) Der nasse Fisch 濡れた魚 スウェーデン ヨハン・テオリン(Johan THEORIN) L Echo des morts (Albin Michel) Skumtimmen 黄昏に眠る秋 アイスランド Stefan MANI Noir océan (Gallimard-Série noire) Skipid 日本 島田荘司(Soji SHIMADA) Tokyo Zodiac Murders (Rivages/Thriller) 占星術殺人事件 フランス推理小説大賞・ミステリ批評家賞・813協会賞を受賞した非英語圏作品 フランス推理小説大賞 1968年 イタリア ジョルジョ・シェルバネンコ À tous les râteliers Traditori di tutti 裏切者 1970年 ギリシャ アンドニス・サマラキス La Faille Το λάθος きず 1971年 デンマーク アーナス・ボーデルセン Crime sans châtiment Hændeligt uheld 轢き逃げ人生 1979年 ポーランド スタニスワフ・レム Le Rhume Katar 枯草熱(こそうねつ) 1981年 スペイン マヌエル・バスケス・モンタルバン Marquises, si vos rivages Los Mares del sur 楽園を求めた男 1993年 スペイン アルトゥーロ・ペレス=レベルテ Le Tableau du maître flamand La Tabla de Flandes フランドルの呪画(のろいえ) 2003年 南アフリカ共和国 デオン・マイヤー Jusqu au Dernier Feniks 2007年 アイスランド アーナルデュル・インドリダソン La Voix Röddin 2008年 スウェーデン カミラ・レックバリ La Princesse des glaces Isprinsessan 氷姫 2011年 イスラエル イシャイ・サリッド(Yishai Sarid) Le Poète de Gaza Limassol デオン・マイヤー(デオン・メイヤー)はアフリカーンス語で執筆する作家 イシャイ・サリッドはヘブライ語で執筆する作家 ミステリ批評家賞 1988年 ドイツ ホルスト・ボゼツキー Robin des bois est mort Kein Reihenhaus für Robin Hood 1993年 スペイン フランシスコ・ゴンサレス=レデスマ La dame de Cachemire La dama de Cachemira 1999年 イタリア アンドレア・カミッレーリ La Forme de l eau La forma dell acqua 2000年 スウェーデン ヘニング・マンケル Le Guerrier Solitaire Villospår 目くらましの道 2002年 ロシア ボリス・アクーニン Azazel Азазель 堕ちた天使 アザゼル 2004年 南アフリカ共和国 デオン・マイヤー Les soldats de l aube Orion 2006年 アイスランド アーナルデュル・インドリダソン La Cité des jarres Mýrin 湿地 2007年 スペイン フランシスコ・ゴンサレス=レデスマ Cinq femmes et demie Cinco mujeres y media デオン・マイヤー(デオン・メイヤー)はアフリカーンス語で執筆する作家 813協会賞 1994年 メキシコ パコ・イグナシオ・タイボ二世 Cosa facil Cosa fácil 三つの迷宮 2003年 スウェーデン ヘニング・マンケル Les Chiens de Riga Hundarna i Riga リガの犬たち 2006年 イタリア ジャンカルロ・デ・カタルド(Giancarlo De Cataldo) Romanzo criminale Romanzo criminale 2007年 アイスランド アーナルデュル・インドリダソン La Voix Röddin 2008年 イタリア ヴァレリオ・エヴァンジェリスティ(Valerio Evangelisti) Nous ne sommes rien, soyons tout! Noi saremo tutto カナダ・ケベック州のミステリ賞 カナダのケベック州はカナダのなかで唯一、フランス語のみを公用語とする州であり、カナダのほかの地域ともフランスとも違う独自の「フランス語ミステリ」の歴史があるようである。たとえば1940年代から60年代にかけては、「フランス系カナダ人のアルセーヌ・ルパン」こと怪盗紳士ギイ・ヴェルシェール(Guy Verchères)が活躍する小説シリーズが多数書かれていたそうだ。複数の作家が書き継ぐニック・カーターやセクストン・ブレイクの方式で書かれたもののようである。 そんなケベック州では2001年にサン・パコーム推理小説協会(Société du roman policier de Saint-Pacôme)が設立されており、同州でフランス語で出版されたミステリ小説の年間最優秀作に対してサン・パコーム賞(Prix Saint-Pacôme)を授与している。サン・パコーム(聖パコーム)は町の名前である。 この協会はほかに、短編ミステリ公募賞のリヴィエール=ウエル賞も主催している。リヴィエール=ウエルはサン・パコームを流れる川の名前である。 また、2001年創刊のケベック州のミステリ雑誌『アリバイ』(フランス語雑誌)は短編ミステリ公募賞のアリバイ賞(Prix Alibis)を主催している。 ほかに、カナダ推理作家協会賞(アーサー・エリス賞)にもフランス語作品部門がある。 他言語圏のミステリ賞を受賞したフランス語圏ミステリ イギリス 英国推理作家協会(CWA)ゴールド・ダガー賞受賞・候補歴受賞:1968年 - セバスチャン・ジャプリゾ『新車の中の女』(最優秀外国作品賞) 候補:2005年 - フレッド・ヴァルガス『裏返しの男』 英国推理作家協会(CWA)インターナショナル・ダガー賞受賞・候補歴受賞:2006年 - フレッド・ヴァルガス『死者を起こせ』 候補:2006年 - ドミニク・マノッティ(Dominique Manotti) "Dead Horsemeat" 候補:2006年 - ヤスミナ・カドラ "Autumn of the Phantoms" 受賞:2007年 - フレッド・ヴァルガス "Wash This Blood Clean From My Hand" 候補:2007年 - ヤスミナ・カドラ『テロル』 受賞:2008年 - ドミニク・マノッティ(Dominique Manotti) "Lorraine Connection" 候補:2008年 - フレッド・ヴァルガス "This Night s Foul Work" 受賞:2009年 - フレッド・ヴァルガス『青チョークの男』 候補:2010年 - トニーノ・ベナキスタ "Badfellas" 候補:2011年 - ジャン=フランソワ・パロ "The Saint-Florentin Murders" 候補:2011年 - フレッド・ヴァルガス "An Uncertain Place" ※最優秀外国作品賞 - 1964年から1969年まで、イギリスの作品がゴールド・ダガー賞を受賞した際にはそれとは別に最優秀外国作品賞が、イギリス以外の作品が受賞した際には最優秀英国作品賞が選出されていた。 ドイツ ドイツ・ミステリ大賞2001年 1位 - ジャン=クロード・イゾ "Chourmo" 2002年 2位 - ヤスミナ・カドラ "L Automne des chimères" 2004年 1位 - フレッド・ヴァルガス "Pars vite et reviens tard" 2011年 3位 - ドミニク・マノッティ(Dominique Manotti) "Lorraine Connection" 北欧 スウェーデン推理作家アカデミー 最優秀翻訳ミステリ賞1981年 - セバスチアン・ジャプリゾ『殺意の夏』 1983年 - ピエール・マニャン "Le commissaire dans la truffière" 2006年 - フィリップ・クローデル『灰色の魂』 デンマーク推理作家アカデミー パレ・ローゼンクランツ賞(最優秀翻訳ミステリ賞)2011年 - ジャン=クリストフ・グランジェ "Miserere" フィンランド・ミステリ協会 外国推理作家賞2008年 - フレッド・ヴァルガス 関連ページ フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号) 非英語圏ミステリ各種リスト北欧ミステリ邦訳一覧 南欧ミステリ邦訳一覧 ポケミス非英語圏作品一覧 創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧 非英語圏ミステリ2013年の邦訳出版一覧 『ミステリマガジン』洋書案内〈世界篇〉で紹介された本とその邦訳状況 ヨーロッパの推理小説 - ヨーロッパの推理小説に関する日本語文献の一覧 フランス語に翻訳された日本の推理小説/ミステリ
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/181.html
2012年2月2日 韓国のミステリ情報サイト「ハウミステリ」(How Mystery)で実施されたミステリランキングの結果を紹介する。 2011年に韓国で出版されたミステリを対象とするランキングで、韓国国内作品・翻訳作品の両方を含む。 関連記事:韓国のWebサイト「日本ミステリを楽しむ」で実施された2011年日本ミステリランキング (2012年2月17日) 2011年 하우미스터리 선정, 2011년 올해의 추리소설!!! (2012-02-02)対象:2011年に韓国で刊行されたミステリ小説。韓国オリジナル作品と翻訳作品の両方を含む。 投票参加者:63名。それぞれが順位を付けずに3作品を選ぶ。 結果発表:2012年2月2日 順位 得票数 タイトル 作者 国 年 韓国語タイトル 備考 1位 25票 奇想、天を動かす 島田荘司 日本 1989年 기발한 발상, 하늘을 움직이다 2位 19票 死んだギャレ氏 ジョルジュ・シムノン ベルギー 1931年 갈레 씨, 홀로 죽다 邦訳1961年、創元推理文庫、等 19票 ラスト・チャイルド ジョン・ハート アメリカ 2009年 라스트 차일드 邦訳2010年、早川書房 4位 18票 パイは小さな秘密を運ぶ アラン・ブラッドリー カナダ 2009年 파이 바닥의 달콤함 邦訳2009年、創元推理文庫 5位 11票 精神自殺(*仮) ト・ジンギ(都振棋) 韓国 2011年 정신자살 闇の弁護士シリーズ3 6位 8票 フランス白粉の謎 エラリー・クイーン アメリカ 1930年 프랑스 파우더 미스터리 7位 7票 山魔の如き嗤うもの 三津田信三 日本 2008年 산마처럼 비웃는 것 8位 5票 白雪姫には死んでもらう(*仮) ネレ・ノイハウス ドイツ 2010年 백설공주에게 죽음을 9位 4票 弁護側の証人 小泉喜美子 日本 1963年 변호 측 증인 4票 戻り川心中 連城三紀彦 日本 1980年 회귀천 정사 4票 シャーロック・ホームズのライヴァルたち チョン・テウォン編訳 英米 - 셜록 홈스의 라이벌들 19世紀末~20世紀初頭の作品を収録 8位:Nele Neuhaus, Schneewittchen muss sterben +12位以下の作品 - クリックで展開 第12位(得票数3) - 4作品 日本作品小栗虫太郎『黒死館殺人事件』 欧米作品オースチン・フリーマン『赤い拇指紋』 ピーター・ラヴゼイ『最後の刑事』 ドナート・カッリージ(イタリア)『六人目の少女』(韓国語タイトルの直訳は『囁く者』) 第16位(得票数2) - 12作品 日本作品綾辻行人『Another』 貴志祐介『悪の教典』 小林泰三『密室・殺人』 筒井康隆『ロートレック荘事件』 法月綸太郎『怪盗グリフィン、絶体絶命』 馳星周『不夜城』(19禁のためリンク不能) 松本清張『ゼロの焦点』 欧米作品エラリー・クイーン『ローマ帽子の謎』 ジョン・コナリー『死せるものすべてに』 ルース・レンデル『ロウフィールド館の惨劇』 邦訳なし ジェス・ウォルター The Financial Lives of the Poets(韓国語タイトルを直訳すると『詩人たちの孤軍奮闘生活記』) 韓国作品ハン・ドンジン(韓東珍)『血の絆 京城探偵録2』 得票数1 - 29作品 日本作品蒼井上鷹『4ページミステリー』 乙一『銃とチョコレート』 折原一『異人たちの館』 京極夏彦『続 巷説百物語』 倉知淳『星降り山荘の殺人』 辻村深月『ツナグ』 筒井康隆『富豪刑事』 東川篤哉『密室の鍵貸します』 道尾秀介『カササギたちの四季』 夢野久作『少女地獄』 米澤穂信『追想五断章』 欧米作品エラリー・クイーン『オランダ靴の謎』 マイクル・コナリー『ラスト・コヨーテ』 マイクル・コナリー『トランク・ミュージック』 ジョセフィン・テイ『フランチャイズ事件』 イアン・フレミング『007 わたしを愛したスパイ』 ルイーズ・ペニー『スリー・パインズ村の不思議な事件』 ロバート・R・マキャモン『少年時代』 マーガレット・ミラー『狙った獣』 ジョルジュ・シムノン(ベルギー)『港の酒場で』 スティーグ・ラーソン(スウェーデン)《ミレニアムシリーズ》 欧米作品(未邦訳)ジョン・カッツェンバック Hart s War(韓) ダグラス・プレストン リンカーン・チャイルド Still Life with Crows(韓) ルイス・ベイヤード The Black Tower(韓) アンソニー・ホロヴィッツ The House of Silk(韓) Paulus Hochgatterer(オーストリア), Die Süße des Lebens(韓) 『ヒッチコック・ミステリ・マガジン傑作選』 - Alfred Hitchcock s Mystery Magazine Presents Fifty Years of Crime and Suspense の翻訳原典は短編を34編収録。韓国版ではMartin Limón, Pusan Nights とLoren D. Estleman, Saturday Night at the Mikado Massage が収録されていない。 韓国作品チェ・ジェフン『七つの猫の眼』 チョン・ユジョン『7年の夜』 ベスト3は日本の作品、フランス語圏の古典的作品、アメリカの最新の作品が争うという面白いことになった。1位の栄誉に輝いたのは島田荘司『奇想、天を動かす』である。島田荘司作品は台湾や中国では翻訳がかなり進んでいるが、韓国ではまだ8作品が翻訳出版されたのみである。『本格ミステリー・ワールド2012』によれば、近いうちに島田荘司の韓国での初のサイン会が行われる予定だという。今後、韓国でも島田荘司の人気が上がっていくかもしれない。 ジョン・ハート『ラスト・チャイルド』は言わずと知れた、2010年末の日本のミステリランキングを席捲した作品である。『ミステリが読みたい!』で第1位、週刊文春のミステリーベスト10で第1位、『このミステリーがすごい!』で第5位と好成績を収めた。『ラスト・チャイルド』と同じ得票数で第2位につけたジョルジュ・シムノン『死んだギャレ氏』については、寡聞にして日本でどのような評価を受けている作品なのか分からない。韓国ではメグレ初登場から80年を記念して、2011年5月に叢書《メグレシリーズ》の出版が開始された。月2冊刊行で、全75巻が予定されている。 韓国では日本のミステリ小説が年間100タイトルほどのペースで翻訳されている。もっともそれはここ4、5年のことであって、2006年には年間で32タイトルしか翻訳されていなかった。それが2007年には一気に倍以上の72タイトルとなり、2008年には96タイトルと、急激な伸びを見せたのである。かつては日本の最新のミステリ小説の翻訳が多かったが、翻訳数が増えるに従って日本の過去の名作が翻訳されることも多くなった。昨年のランキングでは5位に鮎川哲也『りら荘事件』が入ったが、今年のランキングでは小泉喜美子『弁護側の証人』と連城三紀彦『戻り川心中』がランクインしている。小泉喜美子が翻訳されたことに関しては、日本で2009年に復刊されているというのも大きいだろう。日本の最新作からは、三津田信三『山魔の如き嗤うもの』が第7位にランクインした。 韓国のオリジナル作品では、ト・ジンギ(都振棋)の本格ミステリ小説、闇の弁護士シリーズ第3弾『精神自殺』が第5位にランクインした。ト・ジンギは現役裁判官のミステリ作家で、2010年にデビューして、すでに長編3作品を刊行している。もともとミステリ好きだったが、2009年になってから通勤時間を利用して半年ほどで日本の作品を中心に新たにミステリを100冊以上読破。2009年11月に創作を開始し、2010年6月、短編ミステリ「選択」で『季刊ミステリ』新人賞を受賞してデビューした。愛好する作家に江戸川乱歩、島田荘司、東野圭吾らを挙げている。 第4位にランクインしたカナダのアラン・ブラッドリーは2007年の英国推理作家協会(CWA)デビュー・ダガー賞受賞者。なんと受賞時には70歳だったという(東京創元社公式サイトの紹介記事参照)。第8位にランクインしたドイツのネレ・ノイハウスは2009年にデビューし、早くも「ドイツミステリの女王」と呼ばれている作家(翻訳ミステリー大賞シンジケート記事、酒寄進一「ドイツミステリへの招待状 その2」参照)。ノイハウスの『白雪姫には死んでもらう』は日本では酒寄進一氏の翻訳で刊行される予定。 第6位にエラリー・クイーンの国名シリーズ第2作、『フランス白粉の謎』がランクインした。これは2011年12月に韓国で刊行が始まった叢書《エラリー・クイーン・コレクション》の1冊である。第1シリーズとして国名シリーズ全9作の刊行が予定されており、それ以降も第3シリーズまで順次刊行予定。なお、『フランス白粉の謎』と同時刊行だった『ローマ帽子の謎』はこのランキングでは第16位だった。第9位にランクインした『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』は、オースチン・フリーマンやバロネス・オルツィ、ジャック・フットレルらが創造した“ホームズのライヴァルたち”が活躍する短編に、コナン・ドイルの非ホームズ物5編を併せた計30編を収録のアンソロジー。下に収録作の原題(英題)を示しておく。 +『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』収録作 英題一覧 - クリックで展開 『シャーロック・ホームズのライヴァルたち』収録作 英題一覧 チョン・テウォン(鄭泰原)編訳。30編収録。 19世紀末~20世紀初頭の“ホームズのライヴァルたち”が活躍する作品を収録。 Sir Arthur Conan Doyle / コナン・ドイルThe Story of the Lost Special The Story of the Jew’s Breast-Plate The Story of the Black Doctor The Story of the Man with the Watches Catherine Louisa Pirkis / C・L・パーキスThe Black Bag Left on a Door-step Arthur Morrison / アーサー・モリスンThe Loss of Sammy Crockett The Case of Mr. Foggatt The Case of the Dixon Torpedo The Stanway Cameo Mystery Grant Allen / グラント・アレンThe Episode of the Mexican Seer The Episode of the Diamond Links Baroness Emmuska Orczy / バロネス・オルツィThe York Mystery The Liverpool Mystery The Brighton Mystery The Edinburgh Mystery The Dublin Mystery Arnold Bennett / アーノルド・ベネットThe Fire of London Clifford Ashdown / クリフォード・アッシュダウン (=オースチン・フリーマン)The Silkworms of Florence The Submarine Boat Jacques Heath Futrelle / ジャック・フットレルThe Problem of ‘Dressing Room A.’ The Missing Necklace The Green-Eyed Monster The Phantom Motor Car The Problem of the Motor-Boat Bret Harte / ブレット・ハートThe Stolen Cigar-Case Ernest William Hornung / E・W・ホーナングThe Ides of March Gentlemen And Players Nine Points of the Law The Return Match The Gift of the Emperor 過去の結果 2010年 하우미스터리 선정, 2010년 올해의 추리소설!!! (2011-02-06)対象:2010年に韓国で刊行されたミステリ小説。韓国オリジナル作品と翻訳作品の両方を含む。 投票参加者:46名。それぞれが順位を付けずに3作品を選ぶ。 結果発表:2011年2月6日 順位 得票数 タイトル 作者 国 年 韓国語タイトル 備考 1位 24票 ユダの窓 ジョン・ディクスン・カー アメリカ 1938年 유다의 창 2位 9票 密室殺人ゲーム王手飛車取り 歌野晶午 日本 2007年 밀실살인게임-왕수비차잡기 9票 名探偵の掟 東野圭吾 日本 1996年 명탐정의 규칙 9票 《闇の弁護士シリーズ》(*仮) ト・ジンギ(都振棋) 韓国 2010年 어둠의 변호사 (1)、(2) 闇の弁護士シリーズ1と2 5位 7票 りら荘事件 鮎川哲也 日本 1958年 리라장 사건 7票 首無の如き祟るもの 三津田信三 日本 2007年 잘린머리처럼 불길한 것 7位 6票 赤い右手 ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ アメリカ 1945年 붉은 오른손 邦訳1997年、国書刊行会 8位 5票 極大射程 スティーブン・ハンター アメリカ 1993年 탄착점 邦訳1998年、新潮文庫 9位 4票 そして名探偵は生まれた 歌野晶午 日本 2005年 그리고 명탐정이 태어났다 3編収録 4票 マークスの山 高村薫 日本 1993年 마크스의 산 4票 永遠の仔 天童荒太 日本 1999年 영원의 아이 《闇の弁護士シリーズ》は第1巻『赤い家の殺人』、第2巻『椿姫(ラ・トラヴィアータ)の肖像』が同時刊行だった。投票対象としてシリーズを挙げる人もおり、ここでは得票数が合算されている。 歌野晶午『そして名探偵は生まれた』の韓国版は日本の単行本版(2005年)と同じく「そして名探偵は生まれた」、「生存者、一名」、「館という名の楽園で」の3編を収録。なお、日本で刊行された文庫版(2009年)は「夏の雪、冬のサンバ」が追加されて計4編収録となっている。『生存者、一名』は2000年に、『館という名の楽園で』は2002年に、それぞれ祥伝社の《400円文庫》の1冊として刊行されている。 +12位以下の作品 - クリックで展開 第12位(得票数3) - 2作品 今野敏『果断: 隠蔽捜査2』 キム・ネソン(金来成)『恋文綺譚』 第14位(得票数2) - 10作品 日本作品折原一『冤罪者』 恩田陸『ドミノ』 法月綸太郎『生首に聞いてみろ』 欧米作品ウィリアム・アイリッシュ『黒衣の花嫁』 ドナルド・E・ウェストレイク『ホット・ロック』 ジョン・ディクスン・カー『緑のカプセルの謎』 ジェフリー・ディーヴァー『青い虚空』 タナ・フレンチ『悪意の森』 ニコラス・メイヤー『シャーロック・ホームズ氏の素敵な冒険 ワトスン博士の未発表手記による』 邦訳なし C・J・サンソム Dark Fire(韓) 得票数1 - 24作品 日本作品赤川次郎『三毛猫ホームズの怪談』 有栖川有栖『双頭の悪魔』 池井戸潤『空飛ぶタイヤ』 岡本綺堂『半七捕物帳』(オリジナル編集)収録作:「お文の魂」、「石灯籠」、「津の国屋」、「三河万歳」、「槍突き」、「狐と僧」、「冬の金魚」、「むらさき鯉」、「一つ目小僧」、「かむろ蛇」、「二人女房」 恩田陸『夏の名残りの薔薇』 貴志祐介『狐火の家』 桐野夏生『顔に降りかかる雨』 佐々木譲『廃墟に乞う』 高村薫『李歐』 貫井徳郎『愚行録』 東野圭吾『探偵倶楽部』 東野圭吾『ダイイング・アイ』 宮部みゆき『我らが隣人の犯罪』 横溝正史『女王蜂』 若竹七海『ヴィラ・マグノリアの殺人』 若竹七海『古書店アゼリアの死体』 欧米作品ジョン・ディクスン・カー『不可能犯罪捜査課』 マイクル・コナリー『ナイト・ホークス』 ドロシー・L・セイヤーズ『雲なす証言』 ジェフリー・ディーヴァー『スリーピング・ドール』 ダグラス・プレストン リンカーン・チャイルド『殺人者の陳列棚』 邦訳なし スティーヴン・セイラー Roma Sub Rosa 3 Catilina s Riddle(韓) 韓国作品パク・ウヌ『月と影 1596年イ・スンシン暗殺事件』 ソ・ミエ『待ち遠しい殺人者』 2009年 하우미스터리선정, 2009년 올해의 추리소설! (2010-02-03)対象:2009年に韓国で刊行されたミステリ小説。韓国オリジナル作品と翻訳作品の両方を含む。 投票参加者:36名。それぞれが順位を付けずに3作品を選ぶ。 結果発表:2010年2月3日 順位 得票数 タイトル 作者 国 年 韓国語タイトル 備考 1位 15票 チャイルド44 トム・ロブ・スミス イギリス 2008年 차일드44 邦訳2008年、新潮文庫 2位 9票 シンプル・プラン スコット・スミス アメリカ 1993年 심플 플랜 邦訳1994年、扶桑社ミステリー 3位 8票 生ける屍の死 山口雅也 日本 1989年 살아 있는 시체의 죽음 このミス 89 第8位 4位 6票 京城(けいじょう)探偵録(*仮) ハン・ドンジン(韓東珍) 韓国 2009年 경성탐정록 ホームズ物の(広義の)パスティーシュ 6票 告白 湊かなえ 日本 2008年 고백 6位 5票 魔人(*仮) キム・ネソン(金来成) 韓国 1939年 마인 5票 私が殺した少女 原尞 日本 1989年 내가 죽인 소녀 このミス 89 第1位 8位 4票 曲った蝶番 ジョン・ディクスン・カー アメリカ 1938年 구부러진 경첩 4票 緑は危険 クリスチアナ・ブランド イギリス 1944年 녹색은 위험 10位 3票 松本清張傑作短篇コレクション 上巻 松本清張(宮部みゆき編) 日本 - 마쓰모토 세이초 걸작 단편 컬렉션 (상) 2004年に文春文庫で刊行されたものの翻訳 3票 夜は千の目を持つ ウィリアム・アイリッシュ アメリカ 1945年 밤은 천 개의 눈을 가지고 있다 以前に作った『京城探偵録』の紹介ページ:「1930年代の朝鮮京城を舞台にしたシャーロック・ホームズパスティーシュ『京城探偵録』」 『魔人』の作者のキム・ネソン(金来成)は1935年に日本の探偵雑誌『ぷろふいる』でデビュー。1936年に朝鮮半島に戻ってからは朝鮮語(韓国語)で探偵小説を発表し人気を博した。 宮部みゆき編『松本清張傑作短篇コレクション』上巻の収録作は日本・韓国とも、「或る「小倉日記」伝」、「恐喝者」、「一年半待て」、「地方紙を買う女」、「理外の理」、「削除の復元」、「捜査圏外の条件」、「真贋の森」、「昭和史発掘――二・二六事件」、「追放とレッド・パージ――「日本の黒い霧」より」 +12位以下の作品 - クリックで展開 第12位(得票数2) - 6作品 日本作品今野敏『隠蔽捜査』 島田荘司『斜め屋敷の犯罪』 欧米作品ジョン・ディクスン・カー『カブト虫殺人事件 / ウインター殺人事件』 マイクル・コナリー『ザ・ポエット』 マイクル・コナリー『わが心臓の痛み』 デニス・レヘイン『闇よ、我が手を取りたまえ』 得票数1 - 25作品 日本作品有栖川有栖『46番目の密室』 乾くるみ『イニシエーション・ラブ』 江戸川乱歩『江戸川乱歩全短篇 2』収録作:「湖畔亭事件」、「鬼」、「屋根裏の散歩者」、「何者」、「月と手袋」、「堀越捜査一課長殿」、「陰獣」 大崎梢『配達あかずきん: 成風堂書店事件メモ』 大沢在昌『新宿鮫』 ※1993年にも翻訳されている 奥田英朗『邪魔』 恩田陸『きのうの世界』 木下半太『悪夢の観覧車』 近藤史恵『サクリファイス』 佐々木譲『警官の血』 津原泰水《ルピナス探偵団シリーズ》(当惑、憂愁) 東野圭吾『どちらかが彼女を殺した』 松本清張『黒い画集』(全3巻) 薬丸岳『天使のナイフ』 若竹七海『死んでも治らない: 大道寺圭の事件簿』 欧米作品ジョン・ディクスン・カー『アラビアンナイトの殺人』 ジョン・ディクスン・カー『ビロードの悪魔』 マイケル・コックス『夜の真義を』 マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟』 アントニー・バークリー『第二の銃声』 ローレンス・ブロック『獣たちの墓』 ロス・マクドナルド『ウィーチャリー家の女』 邦訳なし ロバート・リテル Legends(韓) 邦訳なし コナン・ドイル(Leslie S. Klinger 編)『新註釈つきシャーロック・ホームズ全集』第2巻 - The New Annotated Sherlock Holmes(2004年)の翻訳『シャーロック・ホームズの帰還』、『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』、『シャーロック・ホームズの事件簿』を収録 邦訳なし アーナルデュル・インドリダソン(アイスランド) Röddin(韓国語タイトルを直訳すると『声』)
https://w.atwiki.jp/murdermystery/pages/44.html
早押しクイズ!マーダーミステリー! イントロダクション プレイ人数 名 プレイ時間 約-時間 クレジット 制作 むらっち 公演個所・出張GM 公式情報
https://w.atwiki.jp/madofuki/pages/40.html
誰でも編集・追加可能な名言データベース。ご自由に 左上の「編集」をクリックして表示された文字列を入力すれば、編集できます。 「一人の人間を知るのは図書館をめるごとひとつ買い占めるのにひとしい」/「天才たちの値段 美術探偵神永美有」/門井慶喜 「子供に将来何になりたいかって訊いたら、みんな口をそろえて、サッカー選手、宇宙飛行士、消防士って答えるはずだよ。だけど、幸せになりたいなんていう子はいないよ。だってそうだろう、俺たちは何か職につけば幸せになれると思いがちだけど、そんなことはない」/『螺旋』/サンティアーゴ・パハーレス 「文学通ぶって二人の男性が物知り顔して戦わせている議論には心底うんざりさせられた。あれではどちらがより多くものをしっていて、どちからがより多くの本を読み、どちらが無意味な情報をより多く集めているかをきそうコンクールと同じじゃないと考えた」/『螺旋』/サンティアーゴ・パハーレス 「探偵というのは歴史家みたいなもので、過去に取り憑かれている。こと未来に関しては探偵は、間の抜けたことしか言えない」/『ペヴァリー・クラブ』/ピーター・アントニイ 「アル・カポネは、史上最大の酒類密売事業を手がけ、警官や政治家を買収し、誘拐や拷問を働き、シカゴの街なかで白昼堂々と人を殺したあげく、何の罪で刑務所に入れられた? 脱税だ」/『フランキー・マシンの冬』/ドン・ウィンズロウ 「夜は若く、彼も若かったが、夜の空気は甘いのに、彼の気分は苦かった」/『幻の女』/ウィリアム・アイリッシュ 「探偵は、事件が解決すれば再び孤独な部外者になるの。残された者たちの心の傷を癒すのは、残念ながら探偵の役目じゃないわよ」/『隻眼の少女』/麻耶雄嵩 「演奏なんかしなくたって、音楽はもうすでにある。演奏はむしろ音楽を破壊し台無しにする」/『シューマンの指』/奥泉光 「マーリン・ブロードストンが殺されたときいて、世間の人は笑い死にしそうだった」/『くたばれ健康法!』/アラン・グリーン 「『クイ・ボノ』? なにそれ?」「不慮の死に関する限りでは、平たくいえば『もっとも得をしそうなのは誰か』という意味ですよ」/『警官の証言』/ルーパート・ペニー たぶん人間の心には、悲しみの飽和量があるのだろう。ちょうど、コップの水に食塩をとかしていくと、いずれとけなくなる限界が来るように。/『エアーズ家の没落』/サラ・ウォーターズ 「ええ、私は不器量よ、知ってるわよ、スティーブンが結婚した時も、お父様が亡くなった時も、ジョージーが生まれた時も……何におきても、みんないつもおなじことしか言わない。わかってるわよ、当たり前だもの。そういうことがあるたびに辛そうだと思われるのは、だって、私は嫁ぎ遅れの姉娘だもの」/『半身』/サラ・ウォーターズ 「しゃんとしたまえ。われわれ二人共、まだまだ学ぶべきことが多い。今日こうして会ったおかげで二人共ましな人間になるだろう」/『新アラビア夜話』/ロバート・ルイス・スティーヴンスン 「大人を締め出すためなのよ。子供たちは干渉されずに遊べる。大人にはポケモンの世界が理解できないから。いろいろなものがありすぎて、範囲が広すぎて、大人にはわからない。それが狙いなんだわ」/『催眠』/ラーシュ・ケプレル 弓のしなり、弦の張り……そこに蓄えられているのは、ただの力じゃない。あれは時間なんだ。/『さよなら、ジンジャー・エンジェル』/新城カズマ 「しばしば、生者よりも刺激に満ちていると感じるよ。死者は秘密を守ろうとする。わたしはそれを探り出そうとする。これは一種の対話じゃないかね?」/『贖罪の日々』/マイケル・グレゴリオ 「命は神聖なものです」わたしはいった。「怒り、嫉妬、欲深さ、誤った欲望が、不当な行動を正当化し、こころを支配すると、どういう成り行きになるのか予測がつかない。凶器がてもとにあったら、最悪のことが起きる可能性もある」/『贖罪の日々』/マイケル・グレゴリオ 「完璧な変装じゃないですか! 僕はこの格好で、朝からずっと門前払いにいたのですよ。もちろん、誰にも怪しまれませんでした」「朝からだと。よっぽど暇なんだな」「無職ですから!」「威張るな」/『扼殺のロンド』/小島正樹 要するに、これはわたしの小切手なのさ。期限を過ぎているし、借り越しになっているけどね。地獄で現金化するんだな。/『隣の家の少女』/ジャック・ケッチャム 俺は警視庁へ帰ろう。あそこでは殺人者は殺人者として扱われ、A氏に通用することはB氏にも通用するのだ。/『時の娘』/ジョセフィン=テイ 「俺とその男は面識がなかった。知り合いになる機会はあったようだが、俺の方で断った。知り合いになっていたら親しくなっていたかもしれない。ならなかったかもしれない。その男はヘロイン中毒だった。たぶん友達はヘロインだけで十分だっただろう。たいていそうなるものだ。だが、いずれ一緒に歳をとって、このホテルのロビーのソファーで手を握り合うようになる友達どうしじゃなかったとしても、そんなことは関係ない。俺が宿にしているホテルに誰かが入り込んできて、夢の国に遊ぶあの男の頭のうしろを撃ちぬいた。それがたまらないんだ」/『ユダヤ人警官同盟』/マイケル・シェイボン 「差別というのは集団による行為だ。例えばアブナイ例で言うと、仮に、俺がインド人を嫌いだとする。それはただの個人の感情なんだよ。ほら、ウナギが嫌いで食えないとか、英国王室が陰険そうで気に入らないとか、それは個人の好き嫌いの感情だろ。でも、その感情が個人レベルでなくて、個人と個人が結びつき、集団で同意しあうこと、感情の合体、それが差別なんだよ。だから、インド人なんか嫌いだというやつらが、俺に対し仲間意識を持ってコンセンサスを得ようとすること、それが差別だ」/『赤き死の炎馬』/霞流一 「カロリンもアミアスも、二人一緒に、わたしの手の届かないところに行ってしまったのです。結局、二人は死ななかったのです。死んだのはわたしでした」/『五匹の子豚』/アガサ・クリスティー 「そりゃそうだよ。だってマホーはリアルじゃないんだぜ。リアルでマホーやろうとするのは現実的じゃないじゃん。マホーならそんなことは簡単だったワケね」/『ルー=ガルー』/京極夏彦 「教えてもらったら探偵じゃないだろ。つまり考えることが俺に与えられた仕事なのだ。答えを覗き見ては辿り着けない場所がある」/『ディスコ探偵水曜日』/舞城王太郎 警視はとぎれとぎれにいった。「奇跡だ」 「奇跡?」エラリーはばかのように口コミをあんぐり開けた。 「雨が降っている」/『シャム双生児の謎』/エラリー・クイーン 「僕にとって推理小説はあくまで知的な遊びの一つなんだ。小説という形式を使った、読者対名探偵、読者対作者の刺激的な論理の遊び(ゲーム)――それ以上でも以下でもない。」/『十角館の殺人』/綾辻行人 「子供はいつでも 大人にナイフをなげて 血を流すなと言う 愛情は無限に生まれても 傷つけられた心の膿は魂を腐らせ肉体を蝕む 健常な者には刺激にもならぬ言葉が毒の霧になる」/『アンダー ザ ローズ』/船戸明里 世界は、そう、少しでも美しくなければ。/『赤朽葉家の伝説』/桜庭一樹 わたしは万葉の不肖の孫娘なのである。あぁもう。死んでお詫びをしたいところだが、でも生きていたいんです。/『赤朽葉家の伝説』/桜庭一樹 「難儀な時代に、生まれるねぇ」「いつだってそうさ。おばあちゃん。いつだって、それなりサ、難儀な時代だよ」/『赤朽葉家の伝説』/桜庭一樹 「そもそも画期的で独創的な新技術などというものはないんだよ。ひとつの技術が完成するまでにはいくつもの段階を必要としている。ある陣営でモノにしている技術は、経済的な、あるいは熟練度の理由でもない限り他の陣営でも実現できることばかりなんだよ」/『殺竜事件』/上遠野浩平 「だがね、思うに、君をもっとも必要とするのは、むしろ法的証拠が、文句なく、君の犠牲者をさしている場合だろうじゃないか」/『ベンスン殺人事件』/ヴァン・ダイン、井上勇訳 「目に見える事実は、見方によってはどうにでも解釈できてしまうので、事実をもとに推理すると、しばしば判断を誤ることがある」/『黄色い部屋の謎』/ガストン・ルルー 「少女をレイプして殺し、そのあと少年をレイプして殺すというのはどういうタイプの人間だ? 言ってみてくれ。私は民警に二十年近くいるが、そんなやつに出くわしたことは一度もない。聞いたこともない」/『チャイルド44』/T・R・スミス ミステリとの付き合いはSFのそれに劣らず長い。十歳の頃、私は昼寝をしている父親の枕下から、読むことを禁じられていた『ザ・シャドウ』をこっそり持ち出したことを覚えている(私が読んではならないものならばなぜ父はそれを読むのか、私は父に尋ねた。父は英語の勉強だと言った。私は学校で英語を習っているから読まなくていいのだ、というのである。なんと馬鹿げた理屈なのだろうその時私は思った。/『黒後家蜘蛛の会1』/アイザック・アシモフ まだ読んでいない人は幸せである。『薔薇の名前』を読めるのだから。 既に読んでしまった人も幸せである。『薔薇の名前』を読み返せるのだから。/『新装版 ミステリベスト201』/池上貴史 「怒りを捨てるのは無理よ。反射の問題から。ただ、そのやましさを自覚していない怒りは底なし沼のようなもの。何を呑み込んでも満足しない。次第に呑み込むことが自己目的化する――あなたの怒りは何が得られれば鎮まるのかしら」/『天帝のはしたなき果実』/古野まほろ 「警部補もご自分の勘に従う事があるんですか?」 「たまにな」カーマイケルは正直に答えた。「ただし、ルールをひとつ決めているんだ。今みたいに、仕事の手間を増やすような勘だったら従う。時間が節約できたり手抜きができるような勘だったら、無視する。たとえば、手がかりが十六個あって、これ以上出てきそうになかったら、ひとつずつ地道に潰していくだろ。そんなときぱっと勘がひらめけば、何をみおとしていたか気づくこともあるわけだ」/『英雄たちの朝 ファージング I』/ジョー・ウォルトン (茂木健 訳) 「最初から話してもらったほうがよさそうですね」とテレンスがいった。「最初から(アブ・イニシオ)か。卓抜な提案だ」とぺディック教授。/『犬は勘定に入れません-あるいは消えたビクトリア朝花瓶の謎/コニー・ウィリス 「ああ、多分氏ぬ。・・・・・・だけどさ・・・・・・、あいつら、そのとき、何を思うんだろうな? 後悔するのかな? ・・・・・・しないんだろうなぁ、って思う」(中略)「生きてるから暇つぶししているだけでさ・・・・・・生きてるだけなら死んでもいいんだろうな・・・・・・」/『クビシメロマンチスト』/西尾維新 「どこかで声がしたようだった。『もう眠りはないぞ!』と」/『マクベス』第二幕ニ場/ウィリアム・シェークスピア 「あの晩の、犬の不思議な行動に、ご注意なさるといいでしょう」 「犬は全然何もしなかったはずですよ」 「そこが不思議な行動だと申すのです」/.『白銀号事件』/サー・アーサー・コナン・ドイル ーーこれは私の知る限り、最も不思議な事件だ。おそらく世界にもまずめったに例を見ない不可能犯罪であろうと思う。/『占星術殺人事件』/島田荘司 目が覚めると、葉古小吉はゴキブリになっていた。これとよく似た設定の小説があった。(中略)したがって以下に繰り広げられる物語では、葉古小吉がゴキブリのまま、探偵事務所の助手として活躍する。なぜ、と問うてはならない。物語の神様がそう決めたのだから仕方ない/『昆虫探偵 シロコパκ氏の華麗なる推理』/鳥飼否宇 殺虫事件(さつじんじけん)/『昆虫探偵 シロコパκ氏の華麗なる推理』/鳥飼否宇 complicatedとcomplexがおなじとはかぎらない。/『鳥有此譚』/円城塔 ――こういう時代には殺伐とした事件があっても、念入りに計画された犯罪なんてないものだ。/『蝶々殺人事件』/横溝正史 「しかし、新しい支点のもとに事件全体を再構成しよと試みる時、もはや事件の密室性は瑣末な条件になります」/『哲学者の密室/笠井潔 「付け加えるなら、この出来事には多分、偶然が大きく作用していると思いますよ」/『夜の蝉』/北村薫 「犯人は、この二次元の密室のたった一つの死角を利用して、被害者を自分の手で刺し殺したのです」/『吸血の家』/二階堂黎人 「俺は、とっくに死んじまってるんだよ。話はまず、そこから始めなきゃいけない」/『生ける屍の死』/山口雅也 「――つまりあなたは、あらゆる制度の呪縛から解き放たれ、個を貫き、己の居場所を獲得するために、この計画を練り上げた――そう仰るのですね。」/『絡新婦の理』/京極夏彦 「最初から一言、不合理ゆえに我信ず、と言ったほうがわかりやすかった」/『一の悲劇』/法月綸太郎 「身も捨てて、誇りも自尊心も捨てて、真実を、灼熱の太陽を、バリケードの日々を昏倒するまで生きることだ」/『バイバイ、エンジェル』/笠井潔 「ある蜂起で死んだ人間は、それが本人には制度破壊の究極的な体験になるんだから、それで文句ないだろう」/『ユートピアの冒険』/笠井潔 「無条件でお前のことを愛してくれる存在は確かにある。それが世の中のサーキットだよ。今のお前にはまだ理解できないかもしれないが私が言った言葉をよく覚えておけ。いずれ解かるときがくる。少なくともそれまでは生きてみろ」/『クビシメロマンチスト』/西尾維新 「首になるのがそんなに怖い?私なんか、もう何もないのよ。全部なくなってしまった。全部取られてしまったのよ。」/『恋恋蓮歩の演習』/森博嗣 「だけどね、どうしても取られないもの、誰にも渡せないものがあります。それが、人の価値を決めるものです。それだけは、最後まで、死ぬまで、誰のものでもありません。立ち上がりなさい。人の誇りを持ちなさい!」/『恋恋蓮歩の演習』/森博嗣 「人間というのは、本当は、平凡に生きることが一番難しい」/『誰もわたしを愛さない』/樋口有介 「『いかに』の問題を考えているときは、『なぜ』はひとまず棚上げにしておいた方が混乱せずに済みますよ」/『原罪の庭』/篠田真由美 「でも、これが、あらゆる感情の中で、最も知的で、最も人間的なものだよ」「え?何がですか?」「わからない、という感情」/『有限と微小のパン』/森博嗣 「それを忘れないで。言葉だけのことなの。全部そうなんです。言葉で理由をつけて、どんなふうにでも変えてしまえるの。言葉こそが、悪魔であり、神であり、私たちの罪でもある。でも、そこにしか、真理はないのよ」/『人形式モナリザ』/森博嗣 「知らない、ということはつまり、知れば解決することだからね。重要なのは、それでどうした、ということだよ。考えることだ。自分の頭でね」/『QED 東照宮の怨』/高田崇史 「そうですねぇ。僕自身は、この世に『説明のできないこと』という余白を残しておきたいほうなんですが。あらゆることに説明をつけてしまっては息苦しいでしょう」/『遠い約束』/光原百合 「人は誰かのために死んだりはしない。本人はそのつもりかもしれないが、たいていは自分のために死ぬんだ」/『さらば長き眠り』/ 原寮 「だから人間は結局、自分が何を欲しいのか知らないのさ。知らないからとりあえず自分が持っていないものを欲しがる。そういうことなんじゃないのか。」/『猟死の果て』/ 西澤保彦 「綺麗という形容詞は、たぶん、人間の生き方を形容するための言葉だ。服装とかじゃなくてね」/『幻惑の死と使徒』/ 森博嗣 「人間って欲が深いんです、自分が得たものではなく、失ったものを見てしまう。なにかを得ればなにかを失うのは道理だというのにそれが解らない」『製造迷夢』/ 若竹七海 「人の棲むところに理想郷などありませんよ」/『鴉』/ 麻耶雄嵩 「相手の思考を楽観的に期待している状況…、これを、甘えている、というんだ。いいかい、気持ちなんて伝わらない,伝えたいものは、言葉で言いなさい、それがどんなに難しくてもそれ以外に方法はない」/『詩的私的ジャック』/ 森博嗣 「どうして人間は、大きくなったら何かにならなきゃ、ならないんでしょうね?」「別に他のものになる必要はないじゃないか。今のままでいいよ。君は君なんだから」/『ハロー、エンデバー』/ 加納朋子 「あなたには才能があるのです。しかしその才能は、名もなく声もない多くの平凡な人々から、あなた一人が、税金のようにわずかずつ徴収したものなのです。才能とは負債なのですよ。あなたは生き延びて、大衆にこれを返済しなくてはならないのです」/『暗闇坂の人喰いの木』/ 島田荘司 「全ての不可能を消去して、 最後に残ったものが如何に奇妙な事であっても、 それが真実となる」/『シャーロック・ホームズの冒険』/コナン・ドイル 「ああ、そうだわ──喪服を用意しておかないと・・・」/『密やかな喪服』/真保裕一 「だから一時期日本でもてはやされた“社会派”式のリアリズム云々は、もうまっぴらなわけさ。DKのマンションでOLが殺されて、靴底を擦り減らした刑事が、愛人だった上司を捕まえる。――やめてほしいね。」/『十角館の殺人』/綾辻行人 (蘇部健一の『六枚のとんかつ』を評して)「たんなるゴミ」/笠井潔 「現実とは現実とは何か、と考える瞬間にだけ人間の思考に現れる幻想だ。普段はそんなものは存在しない。」/『すべてがFになる』/森博嗣 「九マイルもの道を歩くのは容易じゃない。ましてや雨の中となるとなおさらだ 」/『九マイルは遠すぎる』/ハリイ・ケメルマン 「きちがいじゃが仕方がない」/『獄門島』/横溝正史 「古典にもっと親しむべきだという意見はよく言われるものだが、そんなもの、たまには初代ファミコンで遊べと言われているみたいなものだからな」/『きみとぼくの壊れた世界』/西尾維新 「哀しいかな、基本的に私は長編には向かない探偵だな」/『メルカトルと美袋のための殺人』/麻耶雄嵩 「どうして私が推理などという面倒なことをしなければならないんだ。雑事は使用人に任せておけばいいんだよ」/『貴族探偵』/麻耶雄嵩 「どうだね、クラリス、子羊の悲鳴は止んだかね?」/『羊たちの沈黙』/トマス・ハリス 「杉下君、これから何が起きても驚いてはいけません。いいですね、僕が何を云っても、他の皆さんの前では平静を保つように心がけていてください。判りましたね」/『星降り山荘の殺人』/倉知淳 「……煙草は健康に悪いですよ」「健康が煙草に悪いのだよ」/『クビキリサイクル』/西尾維新 「ああ、なにも入っていない――ただのブラック・コーヒーだ」/『カップの中の毒』/クリスチアナ・ブランド 「憂鬱なことが多い世の中です」/『切り裂きジャック・百年の孤独』/島田荘司 「ぼくにさよならを言うことがどういうことなのか、思い知らせて差し上げるんですよ」/『丸太町ルヴォワール』/円居挽 「ミステリー研の連中が、集まってやるのは何だ? ただの飲み会か? それとも麻雀大会か? 違うだろ?」/『ミステリー・アリーナ』/深水黎一郎 だけど、死のうと考えることは、きっと自由なのだ。 それを考えられることは、人の尊厳の一部。 考えても良い。 考えるべきなのだ。 そして、考えても死なないことに、価値があるのではないか。 結果として、死ななかったことに、価値があるのではないか。/『εに誓って』/森博嗣
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/264.html
2023年11月30日(※作成中) ※未完成です 『ミステリマガジン』2021年9月号 特集:躍進する華文ミステリ 2021年9月号 猫の犠牲 柳荐棉(柳薦棉) 阿井幸作訳 猫的牺牲 第1回華斯比推理小説(賞) 受賞作2022年9月、著者初となる長編ミステリ『純白如雪』(原題)を刊行。未邦訳。阿井幸作さんによるレビュー→「雪に溶ける強烈な殺意『純白如雪』」(翻訳ミステリー大賞シンジケート、2022年10月20日) 2021年9月号 涙を載せた弾丸 鶏丁(孫沁文) 阿井幸作訳 载着眼泪的子弹 2023年9月、第一長編『厳冬之棺』(ハヤカワ・ミステリ文庫)が邦訳刊行された 華文ミステリ招待席 第1回 2021年11月号 紅楼夢曲――仙女の神隠し 張舟 稲村文吾訳 红楼梦曲之仙子神隐 第2回 2022年1月号 臨死体験をした女 時晨 阿井幸作訳 濒死的女人 「中国のエラリイ・クイーン」と呼ばれる。代表作に、数学者の陳爝(ちん しゃく)が探偵役を務めるシリーズ(刊行順に『黒曜館事件』、『鏡獄島事件』、『五行塔事件』(短編集)、『傀儡村事件』、『枉死城事件』)がある。 第3回 2022年3月号 騎士と過ごしたあの夜 呉非 阿井幸作訳 和骑士度过的那一夜 中国大陸作家初の米国EQMM掲載作 第4回 2022年5月号 あなたの人生のマジック 許言 阿井幸作訳 第5回 2022年7月号 倒錯したネメシス 猫特 阿井幸作訳 第6回 2022年9月号 みにくい白鳥の子 水天一色(すいてんいっしき) 阿井幸作訳 第7回 2022年11月号 観覧者と全力疾走男 里卡多 阿井幸作訳 第8回 2023年1月号 罪悪天使――死神殺し 午曄 阿井幸作訳 第9回 2023年3月号 山間の別荘 余索 阿井幸作訳 第10回 2023年5月号 完璧な復讐 暗布焼 阿井幸作訳 第11回 2023年7月号 白沙井 王星 山田俊訳 第12回 2023年9月号 ジュピターの遺言 宇文宙 阿井幸作訳 第13回 2023年11月号 スイカ狂想曲 冷水砼 阿井幸作訳 2024年1月号 掲載なし 2024年3月号 特集「繚乱たる華文ミステリ」(※2024年1月号巻末の次号予告より/2024年1月25日発売予定、2年半ぶりの華文ミステリ特集)
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/183.html
2015年4月26日 角川学園小説大賞「ヤングミステリー&ホラー部門」の歴史を振り返りつつ、北乃坂柾雪『匣庭の偶殺魔』(2001年11月1日刊行)が第5回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞の「受賞作」だと誤って認識されている件について、なぜそのような誤解が起こったのかを探求した記事です。 Index 「ヤングミステリー&ホラー部門」の新設(2000年) 「ヤングミステリー&ホラー部門」創設の意図 意外なところで語られていた〈スニーカー・ミステリ倶楽部〉創設の舞台裏 第5回(2001年) 第6回(2002年) 第7回(2003年) 第8回(2004年) 第9回(2005年) 第10回(2006年) 第11回(2007年)――あるいは「ヤングミステリー&ホラー部門」の消失 『匣庭の偶殺魔』が受賞作だと誤認させる叙述トリック(?) おまけ:「ヤングアダルト小説」「ティーンズノベル」から「ライトノベル」へ 「ヤングミステリー&ホラー部門」の新設(2000年) 角川学園小説大賞は1996年に創設された。第4回までは応募資格を30歳までに限定。第5回からは応募資格をさらに狭めて25歳までとし、新たに「ヤングミステリー&ホラー部門」を設けた。第7回以降、年齢制限はなくなった。最終選考委員を著名な作家らに委任していたスニーカー大賞と異なり、角川学園小説大賞の選考は最終選考まで編集部が行った。 『ザ・スニーカー』2000年8月号、p.115 第5回角川学園小説大賞募集広告より 毎年ますますグレードアップする「角川学園小説大賞」。 今回から新たに“ヤングミステリー部門”を設け、 次世代に読み継がれていくミステリーを広く募集します! キャラクターミステリー、新本格派、 または新ジャンルのミステリーなど、 バラエティーに富んだ作品を待っています。 新世紀を切り拓く貴方の新しい才能を ぜひ作品にぶつけてください!! 同ページより要項の【募集作品】の部分を引用 【募集作品】 ①ヤングミステリー&ホラー部門 新世紀に向けて若く瑞々しい感覚で描くミステリー作品並びにホラー作品を募集します。もちろん本格派も大歓迎です。但し、未発表のものに限ります。 ②自由部門 従来どおりのエンタテインメント作品を募集します。恋愛、ファンタジー、歴史、SFなどジャンルは問いません。現実の自分の言葉で作品を描いてください。但し、未発表のものに限ります。 ※受賞作は原則としてスニーカー文庫及びティーンズルビー文庫で刊行します。 なお、同じ年の11月には「富士見ミステリー文庫」が創刊されている。 「ヤングミステリー&ホラー部門」創設の意図 角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門の創設意図は、創設の4年後、第8回の選評の中で語られている(『ザ・スニーカー』2004年12月号、p.37)。 《自由部門》選評で、「学園小説大賞」の学園、について触れました。つまり本賞は十代、二十代の読者に向けて書かれたエンタテインメント小説――いわゆるライトノベルを募集する小説賞であり、さらにはテーマとして広い意味で学園(=学校)を舞台としたものを求めていると。 そのなかでもあえてSFやファンタジーといった、ライトノベルと相性の良い要素よりも、ミステリーやホラーという、これまでライトノベルではあまり扱われてこなかった要素に果敢に取り組んで書かれた作品を読んでみたい、本にしてみたい。《ヤングミステリー&ホラー部門》はこのような考えのもとに設けられたものです。 なお、このページの末尾で触れるが、角川学園小説大賞の選評で「ライトノベル」という言葉が使われたのはこの第8回(2004年12月号)の選評が最初である。それまでは「ヤングアダルト小説」、「ティーンズノベル」などの言葉が使われていた。「ヤングミステリー&ホラー部門」が創設された2000年当時、すでに「ライトノベル」という言葉が一般に普及していたのであれば、この部門の名称は「ライトミステリー&ホラー部門」等になっていたかもしれない。 意外なところで語られていた〈スニーカー・ミステリ倶楽部〉創設の舞台裏 2015年4月現在、小説『書店ガール』がテレビドラマ化されて話題になっている。その作者である碧野圭氏は元編集者で、『ドラゴンマガジン』編集部に10年、その後、『ザ・スニーカー』編集部に4年いたという。角川学園小説大賞に「ヤングミステリー&ホラー部門」が創設され、またその受賞作を刊行するスニーカー文庫のレーベル内レーベルとして〈スニーカー・ミステリ倶楽部〉が創刊されたのはちょうど碧野氏が『ザ・スニーカー』編集部に配属されたころだった。2015年4月15日に公開されたインタビュー記事でそのころのことが語られている。 WEB本の雑誌 作家の読書道 第159回 碧野圭さん その4「編集者としての日々」 (2015年4月15日公開) 碧野:(略)40代になる頃に、ドラゴンマガジン編集部からザ・スニーカー編集部に移ったら、課長がミステリを立ち上げたいという人だったので、それで読みはじめたんです。岡嶋二人さんの『クラインの壺』を読んで「こんなに面白いミステリが日本にもあるんだ」と思い、その後宮部みゆきさんをほとんど読みました。課長は本社で赤川次郎さんの担当などをやっていた人なので、スニーカーでミステリ文庫を立ち上げようという動きがあって、米澤穂信さんを世に出したりして。 ――え、米澤穂信さんですか。確かに『氷菓』で角川学園小説大賞のヤングミステリ&ホラー部門からデビューされていますけれど、碧野さんも関わっていたんですか。 碧野:編集部選考だったんで、私も選考委員の一人だったんですよ。内緒ですけれど......いえ、書いてもいいですけれど(笑)、米澤さんに嫌な顔されたらどうしよう。まあ、20人くらいで選考したなかの1人でした。そういえば、長谷敏司さんも私が在籍中にスニーカー大賞の金賞でデビューされた方です。こちらは選考委員の先生がいらっしゃるので、私は下読みしかしてませんけど(笑)。ほかにも、乙一さんの『GOTH』や谷川流さんの『涼宮ハルヒの憂鬱」の仕掛けを編集部みんなで考えたり、綾辻行人さんの作家本を作ったり。スニーカーに在籍したのは4年間と短かったけれど、面白いことがたくさんありましたね。 「綾辻行人さんの作家本」というのは、スニーカー・ミステリ倶楽部編『綾辻行人 ミステリ作家徹底解剖』(2002年10月、角川書店)のこと。 第5回(2001年) 第5回(2001年1月31日締切、2001年8月号発表) 応募総数は両部門合わせて152編受賞作奨励賞:北乃坂柾雪『悪夢から悪夢へ』【未刊】 奨励賞:米澤汎信『ありうべきよすが~氷菓~』(米澤穂信『氷菓』、2001年11月刊行) 最終候補作橘悠樹『蒼い月は知っている』(白泉社My文庫で2002年7月刊行) 北越南『六の水無の秘め事』 内川潤一『御茶ノ水少年発明社』 北乃坂柾雪『悪夢から悪夢へ』あらすじ(『ザ・スニーカー』2001年8月号、p.43より) 絶海の孤島、彩蛾島。正親町と奥入瀬の所属する同好会『蝙蝠の会』は、恒例の親睦合宿のため、現在では無人のこの島を訪れる。ところがその初日、夕食を終えて各自部屋に戻った彼らは、枕もとに奇妙な言葉の書かれたカードを発見。その暗号文は連続殺人を予告していた! 第5回の「受賞者のことば」は結果発表と同じ2001年8月号に掲載。受賞作以外の最終候補作については、選評もあらすじも掲載されていない。 北乃坂柾雪の奨励賞受賞作『悪夢から悪夢へ』は未刊行である。北乃坂柾雪『匣庭の偶殺魔』(2001年11月刊行)はネット上のライトノベル賞受賞作品リスト等で奨励賞の「受賞作」だとされており、ネット上の作品評を見てもそう書かれていることが多いが、そうではない。『悪夢から悪夢へ』と『匣庭の偶殺魔』は別の作品である。 北乃坂柾雪『匣庭の偶殺魔』と米澤穂信『氷菓』が刊行されるにあたり、『ザ・スニーカー』2001年12月号(2001年10月末発売)のp.177に両者のコメントが掲載されている。北乃坂柾雪はそこでこう述べている。 さて、今回皆様にお披露目させていただける事と相成りました物語は、受賞作とは別個に書き下ろしているのですが、当然こちらも、いわゆる推理小説と呼ばれる類のものです。誰かが死んで、探偵が出てきて、犯人はお前だ! とやるアレです。 第6回(2002年) 第6回(2002年1月31日締切、2002年10月号発表) 応募総数は両部門合わせて448編受賞作優秀賞:渚辺環生『魔を穿(うが)つレイン』【未刊】 最終候補作野村圭人『天神地祇』 大神緋肝『赤い燈』 渚辺環生『魔を穿つレイン』あらすじ(『ザ・スニーカー』2002年10月号、p.49より) ミステリ研究部のその日の話題は、学校の七不思議についてだった。まさか翌日から、その伝説に見立てられ、次々とメンバーが殺されていくとは……。謎の解明とどんでん返しの連続に目くるめく、ジェットコースターミステリー! 『魔を穿つレイン』は2003年2月1日発売と予告されていたが(『ザ・スニーカー』2002年10月号、p.55)、刊行されなかった。 野村圭人の候補作タイトルは2002年8月号p.184の「選考経過報告」では『天神地祇』、2002年10月号p.48の「結果発表」では『天神地祗』となっている(「氏」の下の「一」があるかないかの違い)。四字熟語として正しいのは前者の天神地祇(てんじんちぎ)である。 第7回(2003年) 第7回(2003年3月30日締切、2003年12月号発表) 応募総数は両部門合わせて528編受賞作なし 最終候補作水口敬文『トリックorとりーと!』 → 2004年11月、『憐(れん) Ren 刻(とき)のナイフと空色のミライ』(第9回スニーカー大賞 奨励賞)でデビュー。 刻永淙『楽園の吊し人』 → 2005年1月、木ノ歌詠(このうた えい)『フォルマント・ブルー カラっぽの僕に、君はうたう。』(第4回富士見ヤングミステリー大賞 佳作)でデビュー。デビューの数年後に瑞智士記(みずち しき)に改名。 内山靖二郎『その手は届かない』 → 2006年7月、『神様のおきにいり』(第2回MF文庫Jライトノベル新人賞 佳作)でデビュー。(それ以前にも共著でTRPG関連の著作あり) 大神ヒキモ『片手の露』 第8回(2004年) 第8回(2004年4月15日締切→5月10日締切、2004年12月号発表) 応募総数は両部門合わせて631編受賞作奨励賞:鈴原まき『キリングドール』【未刊】 最終候補作船曳信人『布人形』 第一次選考通過作南野海『人魚の海』 三矢野晃一『ホット・ドッグ』 高知『殺人の三原色』 鈴原まき『キリングドール』あらすじ(『ザ・スニーカー』2004年12月号、p.35) 「君たちの中に一人僕の玩具が混じっている。さあ誰が偽物でしょー。分かったらナイフで胸を突き刺してね!」――西洋人形があふれる薄気味悪い洋館。集められた面識のない七人に仕掛けられたデスゲーム。七人の中に一人だけ人形と入れ替わっている者がいるという。一体誰が人形なのか!? 見破らなければ誰かが殺される! 閉鎖空間での恐ろしいサバイバルゲームを切り抜け生き残るのは誰か!? 第8回より募集要項で「原則として、いずれの部門でも大賞および優秀賞の作品は小社より刊行されます。」とされており、奨励賞受賞作の刊行は確約されていない。 第9回(2005年) 第9回(2005年5月10日締切、2005年12月号発表) 応募総数は両部門合わせて612編受賞作優秀賞:山田一『青春俳句講座』(水原佐保『青春俳句講座 初桜』、2006年6月刊行) ※文庫ではなく四六版の単行本として刊行 最終候補作古内旭『るりえの帰還』 ℃ク神凶徒『畜殺ユートピアクライシス』 第一次選考通過作子猫昼寝『Sing a Song Suiside』 酒井章成『境界を彷徨う亡霊』 本覚『ヒトキリVS殺人体験』 第10回(2006年) 第10回(2006年5月10日締切、2007年2月号発表) 応募総数は両部門合わせて617編受賞作なし 最終候補作下村敦史『過去からの殺人』 → 2014年8月に『闇に香る嘘』(江戸川乱歩賞)でデビューした「下村敦史」氏と同一人物だと思われる 野上かずや『無血学園のセルシウス No Murder, No War, But Mystery』 第一次選考通過作(?)岸本浩明『探偵遊戯「鱗粉」』 海空風『『俺の』『私の』探偵倶楽部同好会!』 『ザ・スニーカー』2006年12月号の「選考経過報告」(p.39)には、上記の4作がヤングミステリー&ホラー部門の最終候補作として示されているが、2007年2月号(結果発表・選評掲載号)では最終候補作は下村敦史『過去からの殺人』と野上かずや『無血学園のセルシウス No Murder, No War, But Mystery』の2作品とされている(選評もこの2作の分のみ)。 例年では、10月号で「自由部門」と「ヤングミステリー&ホラー部門」の第一次選考通過作が発表されるが、この回は2006年10月号で「自由部門」の第一次選考通過作しか発表されていない。上記4作は2006年12月号で「最終候補作」として示されているが、実際にはヤングミステリー&ホラー部門の「第一次選考通過作」だったのではないかと思われる。 第11回(2007年)――あるいは「ヤングミステリー&ホラー部門」の消失 第11回(2007年5月31日締切)の募集要項を引用する(『ザ・スニーカー』2007年6月号、p.235)。 第11回の角川学園小説大賞は、第10回まで募集していた〈自由部門〉〈ヤングミステリー&ホラー部門〉を統合します。 「学園」をキーワードにした優秀な応募作品であれば、恋愛、ファンタジー、SF、ミステリー、ホラーなどジャンルを問わず、等しく厳正な社内選考を行い、受賞作を決定します。 なお、第11回の最終候補5作品のなかには、2011年に横溝正史ミステリ大賞を受賞した長沢樹『消失グラデーション』がある(選評は『ザ・スニーカー』2008年2月号に掲載)。もしこのときまだ「ヤングミステリー&ホラー部門」が続いていたら、長沢樹は米澤穂信の「後輩」としてライトノベルレーベルからデビューしていたかもしれない。 また、この回の第一次選考通過作に市井豊『転校生は誰がために泣く』という作品がある(『ザ・スニーカー』2007年10月号、p.121)。2008年に短編「聴き屋の芸術学部祭」がミステリーズ!新人賞の佳作に選ばれてデビューしたミステリ作家、市井豊と同一人物だろうか。 『匣庭の偶殺魔』が受賞作だと誤認させる叙述トリック(?) 北乃坂柾雪『匣庭の偶殺魔』(2001年11月刊行)は角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞の「受賞作」ではない。受賞作である北乃坂柾雪『悪夢から悪夢へ』と、北乃坂柾雪のデビュー作である(そして現在までに唯一の作品である)『匣庭の偶殺魔』は別の作品である。 先にも引用したが、『匣庭の偶殺魔』発売直前に『ザ・スニーカー』2001年12月号(2001年10月末発売)p.177に載った北乃坂柾雪のコメントを再度引用しておく。 さて、今回皆様にお披露目させていただける事と相成りました物語は、受賞作とは別個に書き下ろしているのですが、当然こちらも、いわゆる推理小説と呼ばれる類のものです。誰かが死んで、探偵が出てきて、犯人はお前だ! とやるアレです。 このように早々に真相(?)は明かされていたのだが、その後約十余年にわたって、『匣庭の偶殺魔』が受賞作だという誤認は続くことになる。 2001年11月に角川スニーカー文庫で刊行された『匣庭の偶殺魔』を見ると、この作品が角川学園小説大賞奨励賞の「受賞作」であるとは実はどこにも書かれていない。それは各所で徹底されている。 著者略歴『氷菓』 2001年、第五回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞を本作で受賞。 『匣庭の偶殺魔』 1981年生まれ。高校一年生の頃、友人に唆され成り行きで小説を書き始める。現在某理系大学の生物科学科に潜伏中。 Amazonに掲載されている内容紹介『氷菓』 第五回角川学園小説大賞ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞受賞作! 何事にも積極的に関わらない奉太郎が、姉の命令で入部させられた古典部で、部員の少女の叔父が関わった三十三年前に起きた事件の真相に迫る。省エネ少年と好奇心少女が繰り広げる青春ミステリー。 『匣庭の偶殺魔』 大学内で連続する奇妙な殺人。己の影に怯える男。孤島を襲う大虐殺。美しき狂博士、奥入瀬が切り裂く謎のヴェールの向こうには……。第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞の新鋭による、精緻で残酷な本格ミステリー。 ただし、『匣庭の偶殺魔』の裏表紙には「第五回角川学園小説大賞奨励賞受賞」と書かれている。これは、北乃坂柾雪がこの賞を受賞したということを意味しているのだろう。あくまでも、「受賞」であって「受賞作」とは書かれていないことに注意しなければならない。とはいえこの表記については、フェアかアンフェアか意見は分かれるだろう。 おまけ:「ヤングアダルト小説」「ティーンズノベル」から「ライトノベル」へ 角川学園小説大賞の選評では当初、「ライトノベル」という言葉は使用されていない。『ザ・スニーカー』2004年12月号に掲載された第8回の選評に初めて「ライトノベル」という言葉が出てくる。それまでは、「ヤングアダルト文庫」「ヤングアダルト小説」「ティーンズノベル」などの言葉が使用されていた。 第5回選評(2001年8月号、p.41):ヤングアダルト文庫の読者である中学生、高校生、大学生、あるいはいろんな学校に通う若いみんなに、自分の読みたいストーリーを自分ならではの言葉、自分ならではの感覚で語ってほしい、という意図のもと1996年に設立された角川学園小説大賞。 第6回選評(2002年10月号、p.50):本賞は、十代二十代の読者に向けて書かれたエンタテインメント小説の中でも、広い意味で、学園/学校を舞台にしたものを対象としてきました。 第7回選評(2003年12月号、p.148):角川学園小説大賞は十代、二十代の読者に向けて書かれたエンタテインメント小説――いわゆるティーンズノベルを募集する小説賞です。そしてティーンズノベルというジャンルの中でも本賞は、テーマとして広い意味で学園(=学校)を舞台としたものを求めてきました。 第8回選評(2004年12月号、p.36):角川学園小説大賞は十代、二十代の読者を想定して書かれたエンタテインメント小説――いわゆるライトノベルを募集する小説賞です。そしてライトノベルというジャンルの中でも本賞は、広い意味での学園(=学校)をテーマにしたものを求めてきました。 角川学園小説大賞では今でいう「ライトノベル」からやや外れている、と編集部が考えた作品には「特別賞」が与えられていたが、当時の選評では「ライトノベル」という言葉は使われていない。 第5回自由部門 特別賞、滝本竜彦『ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ』に対する選評(2001年8月号、p.41)しかし、内省的な表現が多く見られたためヤングアダルト小説としてはどうかとの意見が多く、特別賞の受賞となりました。 第7回自由部門 特別賞、十文字青『純潔ブルースプリング』に対する選評(2003年12月号、p.148)しかし、ティーンズノベルという枠組みから、やや外れていたことから特別賞ということになりました。 ※このページは2012年2月にほぼ書き上げ、「仕上げをしてから公開しよう」と思ったまま3年間放置していたものです。「直木賞のすべて」の子サイト「文学賞の世界」に「ライトノベル」カテゴリが新設されたのを機に、少々見直しをして公開することにいたしました。
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/19.html
韓国のミステリ雑誌『季刊ミステリ』 目次日本語訳 2010年4月22日 韓国推理作家協会が刊行する、韓国唯一のミステリ専門誌『季刊ミステリ』の目次の(一部の)日本語訳です。 季刊ミステリ?号 (2003年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000082885 季刊ミステリ?号 (2003年冬) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000106903 季刊ミステリ8号 (2005年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000149693 季刊ミステリ9号 (2005年秋) 綾辻行人「館シリーズ」特集 季刊ミステリ10号 (2005年冬) 連続殺人とプロファイリング特集 季刊ミステリ11号 (2006年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000179744 季刊ミステリ12号 (2006年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000191334 季刊ミステリ13号 (2006年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000197803 季刊ミステリ14号 (2006年冬) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000206688 季刊ミステリ15号 (2007年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000220896 季刊ミステリ16号 (2007年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000231029 季刊ミステリ17号 (2007年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000240590 季刊ミステリ18号 (2007年冬) 季刊ミステリ19号 (2008年春) 季刊ミステリ20号 (2008年夏) 特集 日本の推理小説 季刊ミステリ21号 (2008年秋) 特集 推理小説の黄金時代 季刊ミステリ22号 (2008年冬) 特集 2008年推理小説総まとめ 季刊ミステリ23号 (2009年春) 特集 世界のミステリ文学賞 季刊ミステリ24号 (2009年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000366813 季刊ミステリ25号 (2009年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000366818 季刊ミステリ26号 (2009年冬) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000403702 季刊ミステリ27号 (2010年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000403704 季刊ミステリ28号 (2010年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000414250 季刊ミステリ29号 (2010年秋) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000437857 季刊ミステリ30号 (2010年冬) ?? 季刊ミステリ31号 (2011年春) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000454161 季刊ミステリ32号 (2011年夏) http //www.aladin.co.kr/shop/wproduct.aspx?isbn=6000477291 韓国ミステリ紹介 目次へ
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/114.html
2011年2月21日 ※未完成 このページでは、欧米ミステリが伝来する以前の東アジアミステリの源流について紹介している。これらは現在の意味での「ミステリ」と必ずしも同じものではなく、やはり現在のミステリは欧米ミステリ(及びその伝来)に始まると言って差し支えないが、中国や日本、そして韓国などが欧米からミステリを受け入れる時の基層になったものなので、東アジアのミステリ史を語る際にまったく触れないわけにはいかないだろう。 以下はもともと、「中国ミステリ史」を完成させた後に「韓国ミステリ史 前編」の一部として書いたものだが、予想以上に書くことが多くなってしまったためページを独立させた。「中国ミステリ史」と「韓国ミステリ史」両方の第零章にあたる。 目次 第一節 中国の裁判物語とその日本への影響/中国の裁判エピソード集『棠陰比事』(とういんひじ)と日本の「三比事」 第二節 韓国への影響 第三節 読書案内中国 日本 韓国 参考文献 第零章 東アジアミステリの源流 第一節 中国の裁判物語とその日本への影響/中国の裁判エピソード集『棠陰比事』(とういんひじ)と日本の「三比事」 「中国ミステリ史」は、中国ミステリの歴史を欧米探偵小説の受容の時点から紹介したものなのでほとんど触れていないが、韓国を含む東アジアの漢字文化圏のミステリの歴史を語るには、中国の裁判物語(裁判小説、法廷ミステリ)にやはり触れる必要がある。 まず、中国の裁判物語と日本文学との関わりを見ていく。江戸川乱歩によれば、中国の裁判物語のうち、最初に日本で翻訳出版されたのは1649年の『棠陰比事物語』(とういん ひじ ものがたり)である。これは中国の宋の時代(960 - 1279)に成立した裁判エピソード集『棠陰比事』(とういん ひじ)(桂万栄(けい ばんえい)編、1207年)を翻訳したもので、「棠陰」は「裁判所」という意味、「比事」は「事件・案件を比べる」という意味なので、タイトルを分かりやすく和訳すれば『名裁判くらべ』となる。似通った2つの事件を一対として、七十二対、計144のエピソードが収録されていることからこのタイトルがつけられている。収録されているエピソードはすべて実話とされている。 この邦訳は圧倒的な人気を博し、その後日本では、井原西鶴が1689年に『本朝桜陰比事』(ほんちょう おういん ひじ)を刊行。日本初の創作探偵小説とされる黒岩涙香「無惨」の発表のちょうど200年前、有栖川有栖や北村薫のデビューのちょうど300年前のことである。さらにその後、月尋堂(げつじんどう)の『鎌倉比事』(けんそう ひじ)(1708年)、作者不明の『本朝藤陰比事』(ほんちょう とういん ひじ)(1709年)などが出ている。推理小説家・研究家の小酒井不木が推理小説の日本における源流を探求した『犯罪文学研究』では、この「桜陰」、「鎌倉」、「藤陰」(桃陰)を合わせて「三比事」と呼んでいる。 (「棠」(とう)は"梨の木"であり、「棠陰」(とういん)は"梨の木のこかげ"転じて「裁判所」という意味。井原西鶴の『本朝桜陰比事』は、「梨」を日本風の「桜」にしたタイトル) 宋の時代の『棠陰比事』ののち、中国の明の時代(1368 - 1644)には、その流れをくむ「包公案(ほう こうあん)/バオ公案」(別名:龍図公案(りゅうと こうあん))などの裁判物語があり、公案もの、公案小説などと呼ばれる。「公案」は「裁判で扱う事件、案件」という意味である。その後、清の時代(1636 - 1912)の18世紀末には、中国初の長編探偵小説「施公案(し こうあん)/シー公案」が書かれている。また、正確な年代は不明だが、推理作家のロバート・ファン・ヒューリックが自身のミステリ小説の原型として利用したことで知られる「狄公案(てきこうあん)/ディー公案」もこのころに成立している。 バオ公案の包拯(ほうじょう/バオ ジョン、999 - 1062、Wikipedia)や、ディー公案の狄仁傑(てき じんけつ/ディー レンチエ、通称「ディー判事」、630 - 700、Wikipedia)は実在の人物である。シー公案の裁判官役の施仕綸(し しりん/シー シールン)がどういった人物なのかはよく分からない。 中国探偵小説史の時代区分(中国文学者の辛島驍(からしま たけし)氏の座談会での発言をまとめた)第一期 唐末(9世紀) 犯罪を主題にした小説や暗号が出てくる小説などが初めて登場。 第二期 宋の時代 裁判エピソード集『棠陰比事』成立。密室物もある。探偵として奉行所の同心・冉貴(ぜんき)が活躍するものは本格的な探偵小説として通用するという。 第三期 元の時代 劇文学でたくさんの裁判物。包拯(ほう じょう)、王修然(おう しゅうぜん)、張鼎(ちょう てい)のそれぞれを主人公とする三系統がある。包拯は人情に重きを置き、張鼎は知的な捜査を行うという。 第四期 明の時代 『棠陰比事』の流れをくむ公案小説が大量に出てくる。裁判の参考書でもあり、読みものでもある。 第五期 明末(17世紀) 短編の通俗小説が多く書かれ、その中に犯罪小説も見出される。この時期まではすべて短編。 第六期 清朝の中ごろ(18世紀末) 最初の長編探偵小説『施公案』(折り畳み式長編、螺旋階段式長編)や『于公案』(長編)など。1つの事件が解決しないうちに次の事件が起き、エピソードが200回、300回と重ねられていくタイプの長編。 第七期 中華民国になる前後 西洋探偵小説の輸入時代。 (これ以降を付け加えるのならば、第八期=上海探偵小説の時代(中国ミステリ史 第一章)、第九期=反特小説の時代(第二章)、第十期=公安法制小説の時代(第三章)、第十一期=オンライン創作に端を発する多様化の時代(第四章・第五章)とまとめられるだろう) 乱歩によれば、公案小説は本になった時代が新しいため日本への影響は少なく、「日本の裁判物語はほとんどことごとく宋時代の「棠陰比事」の模倣から出発しているといってよい」という。「棠陰比事」の影響下に生まれた「三比事」についてはすでに触れたが、中国の公案小説の影響を受けたものとしては、乱歩は、鎌倉時代の武士・青砥藤綱(あおと ふじつな)を裁判官役とする滝沢馬琴の『青砥藤綱摸稜案』(あおと ふじつな もりょうあん)(1811 - 1812)を挙げている。また、推理作家の北村薫が日本初の本格ミステリだとしている都賀庭鐘(つが ていしょう、1718 - 1794?、Wikipedia)の「白水翁(はくすいおう)が売卜(まいぼく)直言(ちょくげん)奇(き)を示(しめ)す話(こと)」(『古今奇談 英草子』、1749年)は、バオ公案の翻案である。 日本の町奉行・大岡忠相(おおおか ただすけ、通称「大岡越前」、1677 - 1752、Wikipedia)を名裁判官役とする大岡政談や、現在ではあまり有名ではないが大岡政談以前に成立していた板倉政要(板倉勝重と、その子である板倉重宗を裁判官役とする)などは、『棠陰比事』や公案小説の影響下に生まれたものである。 また乱歩は、日本の捕物帳は、「中国の裁判ものと西洋のシャーロック・ホームズをまぜ合わしたものに日本独特の江戸の雰囲気を加味したもの」だとしている。 第二節 韓国への影響 韓国もやはり、中国の裁判物語、特に公案小説の影響を受けている。その影響下に成立した物語は韓国では同じように「公案小説」(공안소설)と呼ばれるか、または「訟事小説」(しょうじ しょうせつ、송사소설)と呼ばれる。 中国のバオ判事やディー判事、日本の大岡忠相に相当する韓国の人物は、パク・ムンス(朴文秀/박문수、1691 - 1756)である。パク・ムンスは暗行御史(あんぎょうおんし/アメンオサ/암행어사)という役職に就いていた実在の人物で、パク・ムンスを主人公にしたファンタジー漫画『新暗行御史』(しん あんぎょうおんし、全17巻)が小学館の漫画雑誌に2001年から2007年まで連載されていたので、名前を聞いたことがある人もいるだろう。彼を主人公とする物語は文献として伝わるものだけでなく、口承伝承としても全国に分布している。実話に基づく場合もフィクションの場合もある。19世紀末ごろには、パク・ムンスが活躍するエピソードを集めた編者未詳の『パク・ムンス伝』(朴文秀伝、박문수전)がまとめられている。韓国ではパク・ムンスの知名度は現在でも非常に高く、21世紀に入ってからもパク・ムンスを主人公にしたテレビドラマが制作されている。 また、1906年に「ファソン新聞(화성신문)」に連載された『神断公案(신단공안)』は裁判の判例集のようなものだが、推理小説の要素をたくさん持っているという。 江戸川乱歩『子不語随筆』(講談社 江戸川乱歩推理文庫63、1988年)に収録の「欧亜二題」(朝鮮の探偵小説)より引用(初出:「読切小説集」1952年11月号(未確認)) 中国の「棠陰比事」の類の影響で書かれたものは丁茶山の「欽々新書」三十巻だと云う。著者の丁茶山若鋪は憲宗丙申年七十五歳で歿した人だが、博学好古の士で、官に登っては兵曹参議の職にもついた大の天主教徒であったために、康津の配所に流されその十九年間を著述に専念し、二百数十巻の書を残した。その一つである「欽々新書」は犯罪とその捜査に関する機知に富んだ多くの判例を集めたものだと云う。 朝鮮の数百種にのぼる野史の類の集大成と見るべきものに「大東野乗」「燃藜記述」「三国遺事」などがあるが、そのうちの「大東野乗」の中に犯罪と捜査に関する実話物語が幾つか含まれている。例えば、「謏聞鎖録」【正しくは「謏聞瑣録」】「青坡劇談」「海東野言」「東閣雑記」「荷潭破寂録」などがそれで、いずれも今から二百乃至四五百年前の事実或いは伝説に属するものである。 探偵小説ではないが、李朝世祖時代に、金時習が著した「金鰲新話」は、中国の「剪灯新話」を模倣した怪奇小説乃至怪談の書で、これが朝鮮の説話文学の嚆矢とされている。 金君は朝鮮文学の専門家の意見も聞いて見たが、右のほかにはこの種の作品はないようだと云う。次に現代の朝鮮探偵小説については、金君は左のように書いている。 「結局一般読者が探偵小説を認識しはじめたのは、欧米からではなく、日本から輸入されたものにあったと思います。それには欧米のものの翻訳と創作とを含みますが、ポー、ルブラン、ドイル、ガボリオなどをはじめ、江戸川乱歩、森下雨村、水谷準、大下宇陀児、横溝正史、小酒井不木等の諸氏の作品が入って来ました。中にもルパン(ルブランではないのです)と、江戸川乱歩(明智小五郎ではないのです)と、ホームズ(ドイルではないのです)が大いに受けました。昔の黒岩涙香を知っていたのは私一人であったかも知れません」。 そのあとに、金君は自分の諸作品について、詳しい報告をしているが、それは別の機会に、探偵雑誌に紹介したいと思っている。 第三節 読書案内 中国 『棠陰比事』桂万栄(けい ばんえい)編、駒田信二訳(岩波文庫、1985年) 『中国ミステリー探訪 ― 千年の事件簿から』井波律子(日本放送出版協会、2003年) 『沙蘭の迷路』ロバート・ファン・ヒューリック、和爾桃子訳(ハヤカワ・ポケット・ミステリ、2009年) 日本の裁判物語の原点とされる中国の裁判"実話"エピソード集『棠陰比事』(1207年)は、最初に日本語訳が出たのは1649年のことだったが、2011年現在も新たな日本語訳が岩波文庫で新刊で手に入る。法廷ショートショート(というと聞こえはいいが、そんなに大層なものではない)七十二対、計144編を収録。 井波律子『中国ミステリー探訪』は、4世紀から20世紀初頭までの中国ミステリを紹介する本。「研究書」のような堅苦しいものではなく、欧米探偵小説伝来以前の中国ミステリ作品のあらすじを軽妙な語り口でたくさん紹介していて読み応えがある。2004年の第4回本格ミステリ大賞で評論・研究部門の候補にもなっている。(2011年現在、品切れ) 『沙蘭の迷路』は、中国文学に造詣が深く日本語も堪能なオランダ人外交官ロバート・ファン・ヒューリックが、中国の『棠陰比事』や公案小説に題材を取って英語で執筆した小説の日本語訳。中国の公案小説「狄公案(てきこうあん)/ディー公案」の主人公である実在の人物・ディー判事を探偵役とするディー判事シリーズの1作目。なおこの作品にはヒューリック自身による中国語訳があるそうで、その語学力には驚かされる。 ほかに、有坂正三氏が以下の3冊を刊行している(未見)。 有坂正三『『半七捕物帳』と中国ミステリー』(文芸社、2005年) 有坂正三『包青天奇案―中国版・大岡越前の物語』(文芸社、2006年) 有坂正三訳『狄仁傑の不思議な事件簿 簡約版・『狄公案』』(文芸社、2007年) 『『半七捕物帳』と中国ミステリー』は、岡本綺堂の半七捕物帳シリーズ(1917年~1937年)への中国ミステリの影響を論じたもの。上で述べたように、半七捕物帳などの日本の捕物帳は、「中国の裁判ものと西洋のシャーロック・ホームズをまぜ合わしたものに日本独特の江戸の雰囲気を加味したもの」(乱歩)と言えるが、この本はその内、中国の裁判ものとの関連を論じたものである。 『包青天奇案』(ほうせいてん きあん)は、中国の公案小説「包公案(ほうこうあん)/バオ公案」のエピソードを紹介する本。『狄仁傑(てきじんけつ)の不思議な事件簿』は、中国の公案小説『狄公案(てきこうあん)/ディー公案』を三分の一程度に縮めて翻訳したもの。『ディー公案』はヒューリックによる英訳は刊行されているが、日本語の完訳は今のところ存在しない。 なおこの3冊については、有坂氏がご自身のブログで内容紹介を書いているので、そちらも見ていただきたい(有坂正三の壺中天内、お知らせ)。有坂氏のブログには、ほかにもミステリに関する興味深い情報が多く掲載されている。 ほかに以下のようなものもある。 浪野徹訳『中国犯科帳』(平河出版社、1989年)、浪野徹訳『中国悪僧物語』(平河出版社、1990年)明代の『廉明公案』、『皇明諸司公案』、『律条公案』、『明鏡公安』から50余話を選び忠実に翻訳したもの。 尾上八郎(尾上柴舟)訳『中国名裁判物語』(修文館、1952年)諸書から39話を選び紹介したもの。 荘司格一『中国の名裁判』(高文堂出版社、1987年)30話あまりを紹介している。 中国ミステリについては、ほかに大阪府立中央図書館が作成した特集ページ「中国ミステリーの世界」も参考になる。 日本 『決定版 対訳西鶴全集 第11巻 本朝櫻陰比事』(明治書院、1993年) (未見) 『日本推理小説の源流『本朝桜陰比事』』(上下巻)杉本好伸(清文堂出版、2009年6月) (未見) 黒岩涙香の「無惨」のちょうど200年前、有栖川有栖や北村薫のデビューのちょうど300年前に刊行された井原西鶴の『本朝桜陰比事』(ほんちょう おういん ひじ)(1689年)は、『決定版 対訳西鶴全集 第11巻 本朝櫻陰比事』で読むことができる。この本には原文と口語訳が収録されている。中国の『棠陰比事』の影響下に生まれた裁判エピソード集(全44編)である。 『日本推理小説の源流『本朝桜陰比事』』は、「西鶴を楽しむ」というシリーズの5巻と6巻。「日本推理小説の源流」という気になるタイトルが付けられているが、このページを作成するまでこのような本が出ていることに気づいていなかった。早急に読みたい。 ほかに、以下のものも参考になる。 小酒井不木『犯罪文学研究』 日本のそれ以外のミステリ 昼夜用心記と世間用心記 世界探偵小説全集のポー以前のもの。 韓国 『朝鮮民譚集(復刻)』孫晋泰(勉誠出版、2009年) (未見) 『朝鮮民譚集』は、朝鮮の口承文芸を集めたもので、1930年に刊行された。勉誠出版から2009年に復刻版が出ている。パク・ムンスに関する説話が2編(この本で5ページ分)収録されている。 参考文献 江戸川乱歩「」『探偵小説の「謎」』 小酒井不木『犯罪文学研究』+インターネット上の資料 中国の探偵小説(座談会) 北村薫「中国公案小説と日本最初の本格ミステリ」(『謎のギャラリー 名作博本館』新潮文庫、2002年)pp.51-76 韓国の公案小説についての資料(ウェブサイト パク・クァンギュ) 江戸川乱歩『子不語随筆』(講談社 江戸川乱歩推理文庫63、1988年)に収録の「欧亜二題」(朝鮮の探偵小説)より引用(初出:「読切小説集」1952年11月号(未確認))
https://w.atwiki.jp/mystery2ch/pages/41.html
2010年11月5日作成 最終更新:2010年11月6日 ミステリー板のスレッド「2chが選ぶこのミステリーがすごい!」より。 対象は奥付表記で2008年11月~2009年10月の期間内に発行された広義のミステリー作品。 6作品以内で順位をつけて投票すること。 1位=10点、2位=9点~6位=5点で集計。 各作品への1行コメント集 国内編/海外編 ※引用したレス内での作品名や著者名の誤表記に関しては、特に断りなく訂正している場合がある。 538 :名無しのオプ:2010/02/16(火) 00 25 24 ID noGSbsBO 2chが選ぶこのミステリーがすごい!2010年版 国内編 国内編(20票) 481,489,491,492,494,496,497,498,509,510 513,515,516,517,518,519,528,529,530,533 535 1 位 82pt 『Another』 綾辻行人 2 位 62pt 『三崎黒鳥館白鳥館連続密室殺人』 倉阪鬼一郎 3 位 60pt 『密室殺人ゲーム 2.0』 歌野晶午 4 位 47pt 『身代わり』 西澤保彦 5 位 31pt 『殺人鬼フジコの衝動』 真梨幸子 6 位 30pt 『花窗玻璃 シャガールの黙示』 深水黎一郎 7 位 27pt 『秋期限定栗きんとん事件』 米澤穂信 8 位 24pt 『ここに死体を捨てないでください!』 東川篤哉 9 位 21pt 『神国崩壊 探偵府と四つの綺譚』 獅子宮敏彦 9 位 21pt 『リバース』 北國浩二 11位 20pt 『午前零時のサンドリヨン』 相沢沙呼 11位 20pt 『電氣人閒の虞』 詠坂雄二 13位 19pt 『仮想儀礼』 篠田節子 14位 17pt 『智天使の不思議』 二階堂黎人 14位 17pt 『粘膜蜥蜴』 飴村行 14位 17pt 『バレエ・メカニック』 津原泰水 14位 17pt 『六つの手掛り』 乾くるみ 18位 15pt 『後悔と真実の色』 貫井徳郎 19位 14pt 『踊るジョーカー 名探偵音野順の事件簿』 北山猛邦 19位 14pt 『鬼の跫音』 道尾秀介 21位 12pt 『密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿』 北山猛邦 22位 11pt 『追想五断章』 米澤穂信 23位 10pt 『ダイナー』 平山夢明 23位 10pt 『チェーン・ポイズン』 本多孝好 539 :名無しのオプ:2010/02/16(火) 00 26 06 ID noGSbsBO 25位 9pt 『鷺と雪』 北村薫 25位 9pt 『少女』 湊かなえ 25位 9pt 『神器 軍艦「橿原」殺人事件』 奥泉光 25位 9pt 『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』 辻村深月 25位 9pt 『ハーモニー』 伊藤計劃 25位 9pt 『花と流れ星』 道尾秀介 31位 8pt 『さよならの次にくる』 似鳥鶏 31位 8pt 『絶望ノート』 歌野晶午 31位 8pt 『鉄の骨』 池井戸潤 31位 8pt 『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信 31位 8pt 『リッターあたりの致死率は―THANATOS』 汀こるもの 36位 7pt 『ダブル・ジョーカー』 柳広司 36位 7pt 『廃墟に乞う』 佐々木譲 36位 7pt 『光』 三浦しをん 36位 7pt 『福家警部補の再訪』 大倉崇裕 36位 7pt 『虫とりのうた』 赤星香一郎 41位 6pt 『1Q84』 村上春樹 41位 6pt 『電波女と青春男』 入間人間 41位 6pt 『逃亡者』 折原一 41位 6pt 『七つ星の首斬人』 藤岡真 41位 6pt 『無理』 奥田英朗 41位 6pt 『森に眠る魚』 角田光代 47位 5pt 『魚舟・獣舟』 上田早夕里 47位 5pt 『IN』 桐野夏生 47位 5pt 『ジョニー・ザ・ラビット』 東山彰良 47位 5pt 『新参者』 東野圭吾 47位 5pt 『不可能犯罪コレクション』 二階堂黎人・編 47位 5pt 『プリズン・トリック』 遠藤武文 540 :名無しのオプ:2010/02/16(火) 00 27 48 ID noGSbsBO 2chが選ぶこのミステリーがすごい!2010年版 海外編 海外編(7票) 471,509,514,527,531,532,537 1 位 28pt 『検死審問ふたたび』 パーシヴァル・ワイルド 2 位 20pt 『荒野のホームズ、西へ行く』 スティーヴ・ホッケンスミス 3 位 17pt 『麗しのオルタンス』 ジャック・ルーボー 3 位 17pt 『災厄の紳士』 D.M.ディヴァイン 3 位 17pt 『幽霊の2/3』 ヘレン・マクロイ 6 位 16pt 『騙し絵』 マルセル・F・ラントーム 7 位 14pt 『ユダヤ警官同盟』 マイケル・シェイボン 8 位 13pt 『解雇手当』 ドゥエイン・スウィアジンスキー 9 位 10pt 『天外消失』早川書房編集部・編 9 位 10pt 『泥棒が1ダース』 ドナルド・E・ウェストレイク 11位 9pt 『犬の力』 ドン・ウィンズロウ 11位 9pt 『世界名探偵倶楽部』 パブロ・デ・サンティス 11位 9pt 『バッド・モンキーズ』 マット・ラフ 11位 9pt 『メアリー・ケイト』 ドゥエイン・スウィアジンスキー 541 :名無しのオプ:2010/02/16(火) 00 28 43 ID noGSbsBO 15位 8pt 『愚者が出てくる、城塞が見える』 ジャン=パトリック・マンシェット 15位 8pt 『虎の首』 ポール・アルテ 15位 8pt 『モーフィー時計の午前零時』 若島正・編 15位 8pt 『ルイザの不穏な休暇』 アンナ・マクリーン 19位 7pt 『ソウル・コレクター』 ジェフリー・ディーヴァー 19位 7pt 『ポジオリ教授の冒険』 T・S・ストリブリング 21位 6pt 『死せる案山子の冒険』 エラリー・クイーン 21位 6pt 『帝都最後の恋』 ミロラド・パヴィチ 21位 6pt 『二壜の調味料』 ロード・ダンセイニ 21位 6pt 『ミレニアム3 眠れる女と狂卓の騎士』 スティーグ・ラーソン 21位 6pt 『迷惑なんだけど?』 カール・ハイアセン 26位 5pt 『コーパスへの道』 デニス・ルヘイン 26位 5pt 『修道女フィデルマの叡智』 ピーター・トレメイン 26位 5pt 『大聖堂 果てしなき世界』 ケン・フォレット 26位 5pt 『白夜に惑う夏』 アン・クリーヴス
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/21.html
韓国推理作家協会編、산다슬発行 2005年12月 ●韓国の連続殺人とプロファイリング 連続殺人犯の犯行過程研究 - 김명진 / 이경준 / 김은경 지존파事件の内容分析と犯罪学的理解 - 신현주 犯罪心理プロファイルの概念と理解 - 염건령 シャーロック・ホームズと犯罪プロファイリング - 최영인 ミステリ漫画 「킬러」(キラー) - 作 잭 리치 、脚色・絵 김종섭 国内短編 「나는 구천을 헤매고 있다」 - 이수광(イ・スグァン、李秀光) 「선행학습」 - 김경수 「뫼비우스의 꿈」(メビウスの夢) - 김연 「나는 왓슨」 - 방재희 海外短編 「먹이」 - 토마스 테셔 科学捜査研究所ダイアリー 오대양 집단 변사 사건 - 최상규 가상인터뷰 에드 맥베인, 말하다 - 한이 刑事コロンボ vs 古畑任三郎 - 서미애 黄金期の巨匠の歴史 ファンタジー ミステリ John Dickson Carr, Fire, Burn! (1957) - 장경현 レビュー 容疑者Xの献身 - 권일영 아이들은 산에 가지 않았다(子供たちは山へ行かなかった) - 김가원 2005年 世界のミステリ文学賞状況 書影(ネット書店 アラジン) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000170025