約 2,473,845 件
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/241.html
2014年8月27日 フランスで2008年に刊行された『Le guide des 100 polars incontournables』(必読ミステリ100作ガイド)(仏amazon)で選ばれている100作品の一覧。選者はフランスのミステリ編集者でありミステリの翻訳や創作も手掛けるエレーヌ・アマルリック(Hélène Amalric)。100冊一覧の情報源は「こちら」。 なお同じ出版社からは映画100選、SF小説100選、文学100選、バンド・デシネ100選などさまざまな「100選」本が出ている。 先日アンケートを実施した「フランスミステリベスト100」のようなものがフランスにもないかと探していたところ、このリストが見つかった。多数の読者からアンケートをとったものではなく1人の編集者が選んだものなので、フランスのミステリ読者の好みをどれぐらい反映しているのかは分からないが、意外な作品が採られていたりして面白い。 このように個人で100作品を選んだものとして、日本では杉江松恋氏の『読み出したら止まらない! 海外ミステリー マストリード100』(日経文芸文庫、2013年10月)がある。 この100作リストを日本の『東西ミステリーベスト100』や、以下のリストと比べてみるのも面白いかもしれない。 英国推理作家協会(CWA)によるベスト100(1990年)(「海外ミステリ総合データベース ミスダス」の「CWAが選んだミステリベスト100」で見られる) アメリカ探偵作家クラブ(MWA)によるベスト100(1995年)(「海外ミステリ総合データベース ミスダス」の「アメリカ探偵作家クラブが選んだミステリBEST100」で見られる) ドイツ語圏のミステリファンによるベスト100(1990年) ポーランドのミステリ評論家が選んだ最重要ミステリ100(2007年) 追記:吉野仁氏が2008年にこのリストの冒頭4分の1ほどを紹介されていました(ページを作成したあとに気づきました)。 「巧言令色 吉野仁」>「犯罪小説 トピックス(個人的関心版 2008)」 Index 必読ミステリ100選(エレーヌ・アマルリック選) フランス語圏の16作品 非英仏語圏の10作品南欧(5作品) 北欧(3作品) その他(2作品) 必読ミステリ100選(エレーヌ・アマルリック選) 100作品中、日本語で読めるのは84作品、邦訳がないのは16作品。(邦訳のない作品には背景色をつけた) 100作品中、英語圏の作品が74作品、フランス語圏の作品が16作品、それ以外が10作品。 国 作者 タイトル 仏題 年 米 エドガー・アラン・ポー モルグ街の殺人 Double assassinat dans la rue Morgue 1841 フランス エミール・ガボリオ ルルージュ事件 L affaire Lerouge 1863 ロシア フョードル・ドストエフスキー 罪と罰 Crime et châtiment 1865 英 ウィルキー・コリンズ 月長石 La pierre de lune 1868 英 チャールズ・ディケンズ エドウィン・ドルードの謎 Le mystère d Edwin Drood 1870 英 コナン・ドイル 緋色の研究 Une étude en rouge 1887 フランス ガストン・ルルー 黄色い部屋の謎 Le mystère de la chambre jaune 1908 フランス モーリス・ルブラン 奇巌城 L aiguille creuse 1909 英 G・K・チェスタトン ブラウン神父の童心 La clairvoyance du père Brown 1910 英 ジョン・バカン 三十九階段 Les trente-neuf marches 1911 フランス スーヴェストル&アラン ファントマ Fantômas 1911 英 ベロック・ローンズ 下宿人 Un étrange locataire 1913 英 サックス・ローマー 悪魔博士(別題:魔人博士) *1 Le diabolique Fu-Manchu 1916 英 ドロシー・L・セイヤーズ 誰の死体? Lord Peter et l inconnu 1923 アイルランド リアム・オフラハティー 密告者(別題:男の敵) *2 Le mouchard 1925 英 アガサ・クリスティー アクロイド殺し Le meurtre de Roger Ackroyd 1926 英 サマセット・モーム アシェンデン Mr Ashenden, agent secret 1928 米 ダシール・ハメット 赤い収穫(別題:血の収穫) La moisson rouge 1929 ベルギー ジョルジュ・シムノン 男の首 La tête d un homme 1931 英 フランシス・アイルズ レディに捧げる殺人物語 Préméditation 1931 米 ジェイムズ・M・ケイン 郵便配達は二度ベルを鳴らす Le facteur sonne toujours deux fois 1934 フランス ピエール・ヴェリー ‐ Les disparus de Saint-Agil 1935 英 グレアム・グリーン 拳銃売ります Tueur à gages 1936 米 ホレス・マッコイ 原題 No Pockets in a Shroud Un linceul n a pas de poches 1937 米 ジョン・ディクスン・カー 火刑法廷 La chambre ardente 1937 英 ダフネ・デュ・モーリア レベッカ Rebecca 1938 米 ジョナサン・ラティマー 赤き死の香り Gardénia rouge 1939 米 / 英 レイモンド・チャンドラー 大いなる眠り Le grand sommeil 1939 英 エリック・アンブラー ディミトリオスの棺 Le masque de Dimitrios 1939 ベルギー S・A・ステーマン 殺人者は21番地に住む L assassin habite au 21 1939 英 ジェイムズ・ハドリー・チェイス ミス・ブランディッシの蘭 Pas d orchidées pour miss Blandish 1939 米 ヴェラ・キャスパリ ローラ殺人事件 Laura 1942 フランス レオ・マレ ‐ 120, rue de la Gare 1943 米 ウィリアム・アイリッシュ 暁の死線 L heure blafarde 1944 米 ジョエル・タウンズリー・ロジャーズ 赤い右手 La sinistre main droite / Jeu de massacre / La main perdue 1945 英 ロイ・ヴィカーズ 迷宮課事件簿 Service des affaires classées 1947 米 ドロシー・B・ヒューズ 孤独な場所で Tuer ma solitude 1947 米 ミッキー・スピレイン 裁くのは俺だ J aurai ta peau 1947 米 E・S・ガードナー 怪しい花婿 Le bigame innocent 1949 米 W・R・バーネット アスファルトジャングル Quand la ville dort 1949 米 パトリシア・ハイスミス 見知らぬ乗客 L inconnu du Nord-Express 1950 米 ドナルド・E・ウェストレイク 我輩はカモである Le pigeon récalcitrant 1952 米 デイヴィッド・グディス 原題 The Moon in the Gutter *3 La lune dans le caniveau 1953 米 エド・マクベイン 通り魔 Le sonneur 1956 米 メイヤ・レヴィン 原題 Compulsion *4 Crime 1956 米 チェスター・ハイムズ イマベルへの愛 La reine des pommes 1957 フランス ボアロー&ナルスジャック 死者の中から(別題:めまい) D entre les morts / Sueurs froides 1958 英 ジョン・ル・カレ 寒い国から帰ってきたスパイ L espion qui venait du froid 1963 オランダ ロバート・ファン・ヒューリック 雷鳴の夜 Le monastère hanté 1963 米 エラリー・クイーン 第八の日 Et le huitième jour 1964 米 ジム・トンプスン ポップ1280 1275 âmes *5 1964 米 トルーマン・カポーティ 冷血 De sang-froid 1965 フランス セバスチアン・ジャプリゾ 新車の中の女 La dame dans l auto avec des lunettes et un fusil 1966 イタリア ジョルジョ・シェルバネンコ 裏切者 A tous les râteliers 1966 スウェーデン シューヴァル&ヴァールー バルコニーの男 L homme au balcon 1967 米 ジョゼフ・ハンセン 闇に消える Le poids du monde 1970 イタリア フルッテロ&ルチェンティーニ 日曜日の女 La femme du dimanche 1972 スペイン マヌエル・バスケス・モンタルバン 原題 Yo maté a Kennedy J ai tué Kennedy 1972 米 トニー・ヒラーマン 死者の舞踏場 Là où dansent les morts 1973 米 ジャック・ヴァンス 原題 Bad Ronald Méchant garçon 1973 米 ハーバート・リーバーマン 死者の都会(まち) Nécropolis 1976 英 ルース・レンデル ロウフィールド館の惨劇 L analphabète 1977 英 ウィリアム・マッキルヴァニー 夜を深く葬れ Laidlaw 1977 フランス エルヴェ・ジャウアン(Hervé Jaouen) *6 ‐ La mariée rouge 1979 イタリア ウンベルト・エーコ 薔薇の名前 Le nom de la rose 1980 英 エリス・ピーターズ 修道士の頭巾 Le capuchon du moine 1980 米 マーク・ベイム 氷の接吻 Mortelle randonnée 1980 米 エルモア・レナード 野獣の街 La loi de la cité 1980 米 ジョゼフ・ウォンボー ハリウッドの殺人 Le crépuscule des flics 1981 フランス ジャン=パトリック・マンシェット 眠りなき狙撃者 La position du tireur couché 1981 米 ロバート・デイリー 原題 Prince of the City *7 Le prince de New York 1978 米 サラ・パレツキー サマータイム・ブルース Chronique d une mort assurée 1982 米 ローレンス・ブロック 八百万の死にざま Huit millions de façons de mourir 1982 英 デレク・レイモンド 原題 He died with his eyes open On ne meurt que deux fois / Il est mort les yeux ouverts 1982 米 ジェイムズ・クラムリー ダンシング・ベア La danse de l ours 1983 オランダ ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク 原題 Het Werkbezoek / The Maine Massacre Le massacre du Maine 1984 米 アンドリュー・ヴァクス フラッド Flood 1985 フランス ディディエ・デナンクス ‐ Métropolice 1985 英 P・D・ジェイムズ 死の味 Un certain goût pour la mort 1986 米 ダニエル・ウッドレル 白昼の抗争 Sous la lumière cruelle 1986 米 ジェイムズ・エルロイ ブラック・ダリア Le dahlia noir 1987 英 アン・ペリー 原題 Cardington Crescent Meurtres à Cardington Crescent 1987 米 トマス・ハリス 羊たちの沈黙 Le silence des agneaux 1988 英 フィリップ・カー 偽りの街 L été de cristal 1989 スペイン アルトゥーロ・ペレス・レベルテ フランドルの呪画(のろいえ) Le tableau du maître flamand 1990 米 エリザベス・ジョージ 名門校 殺人のルール Cérémonies barbares 1990 フランス ユーグ・パガン(Hugues Pagan) *8 ‐ L étage des morts 1990 英 ヘレン・ザハーヴィ ダーティ・ウィークエンド Dirty week-end 1991 デンマーク ペーター・ホゥ スミラの雪の感覚 Smilla et l amour de la neige 1992 米 ケイレブ・カー エイリアニスト 精神科医 L aliéniste 1994 米 パトリシア・コーンウェル 死体農場 La séquence des corps 1995 英 ヴァル・マクダーミド 殺しの儀式 Le chant des sirènes 1995 米 マイクル・コナリー ザ・ポエット Le poète 1996 英 イアン・ペアズ 原題 An Instance of the Fingerpost *9 Le cercle de la croix 1998 フランス フレッド・ヴァルガス 裏返しの男 L homme à l envers 1999 南アフリカ レニー・エアース 夜の闇を待ちながら Un fleuve de ténèbres 1999 フランス アンドレア・H・ジャップ ‐ Le silence des survivants 2000 米 ダン・ブラウン ダ・ヴィンチ・コード Da Vinci code 2002 米 デニス・ルヘイン シャッター・アイランド Shutter island 2003 スウェーデン スティーグ・ラーソン ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 Les hommes qui n aimaient pas les femmes - Millenium 2005 *1:サックス・ローマー『悪魔博士』(魔人博士) … 原題『The Return of Dr Fu-Manchu』(英)または『The Devil Doctor』(米)。怪人フー・マンチュー・シリーズの第2作。シリーズ第1作はポケミスで2004年に『怪人フー・マンチュー』のタイトルで刊行されている。 *2:リアム・オフラハティー(Liam O’Flaherty)『密告者』(男の敵) … 1934年にライアム・オフラアテイー『密告者』(春陽堂)、1953年にリーアム・オーフラハティー『男の敵』(世界文学社)として刊行。前者は2008年に、ゆまに書房《昭和初期世界名作翻訳全集》の第195巻として復刻版が出ている。 *3:デイヴィッド・グディス『The Moon in the Gutter』 … 著者名表記は「デイヴィッド・グーディス」とされることが多かったが、近年『ミステリマガジン』では「デイヴィッド・グディス」と表記されているためそれに従った。未邦訳長編『The Moon in the Gutter』は1983年にフランスで映画化されており(監督:ジャン=ジャック・ベネックス)、日本でも『溝の中の月』のタイトルで公開された。DVD化もされている。 *4:メイヤ・レヴィン(Meyer Levin) … マイア・レヴィン、メイヤー・レビン、メイヤー・レヴィンとも表記。未邦訳長編『Compulsion』は1959年にアメリカで映画化されており(監督:リチャード・フライシャー)、日本では『強迫/ロープ殺人事件』(または『動機なき殺人』)としてテレビ放送された。 *5:ジム・トンプスン『ポップ1280』 … 原題は『Pop. 1280』。このフランス語版が『1275 âmes』となっていることの不思議についてはストラングル・成田氏のサイト「密室系」にまとめがあるが、結局理由は明らかにはなっていないようである(「ポップ1275」の謎)。 *6:エルヴェ・ジャウアン(Hervé Jaouen) … エルヴェ・ジャウエンとも表記。邦訳刊行されているのは絵本『おばあちゃんの記憶』のみ(「エルヴェ・ジャウエン」表記)。山田礼雄氏のフランスミステリ研究サイト「Noir」に詳しい紹介がある(エルヴェ・ジャウアン)。 *7:ロバート・デイリー『Prince of the City』 … 1981年にアメリカで映画化されており(監督:シドニー・ルメット)、日本でも『プリンス・オブ・シティ』のタイトルで公開された。 *8:ユーグ・パガン(Hugues Pagan) … 邦訳は1作もない。山田礼雄氏のフランスミステリ研究サイト「Noir」に詳しい紹介がある(ユーグ・パガン)。 *9:ブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」で日暮雅通氏が言及している。「月替わり翻訳者エッセイ」の2012年3月、「今何訳してる? 第3回 3人の巨匠たちと」(2012-03-19)。 フランス語圏の16作品 上記の100作品のリストからフランス語圏の作品を抜き出したもの。16作中、日本語で読めるのは10作。 フランスの編集者が英米他の傑作に並ぶものとして自国(+ベルギーのフランス語地域)のどの作品を挙げているかは興味深い。 右端は先日の「フランスミステリベスト100」での順位。 国 作者 タイトル 仏題 年 フランス エミール・ガボリオ ルルージュ事件 L affaire Lerouge 1863 28位 フランス ガストン・ルルー 黄色い部屋の謎 Le mystère de la chambre jaune 1908 3位 フランス モーリス・ルブラン 奇巌城 L aiguille creuse 1909 16位 フランス スーヴェストル&アラン ファントマ Fantômas 1911 投票0 ベルギー ジョルジュ・シムノン 男の首 La tête d un homme 1931 57位 フランス ピエール・ヴェリー ‐ Les disparus de Saint-Agil 1935 ‐ ベルギー S・A・ステーマン 殺人者は21番地に住む L assassin habite au 21 1939 17位 フランス レオ・マレ ‐ 120, rue de la Gare 1943 ‐ フランス ボアロー&ナルスジャック 死者の中から(別題:めまい) D entre les morts / Sueurs froides 1958 47位 フランス セバスチアン・ジャプリゾ 新車の中の女 La dame dans l auto avec des lunettes et un fusil 1966 41位 フランス エルヴェ・ジャウアン(Hervé Jaouen) ‐ La mariée rouge 1979 ‐ フランス ジャン=パトリック・マンシェット 眠りなき狙撃者 La position du tireur couché 1981 75位 フランス ディディエ・デナンクス ‐ Métropolice 1985 ‐ フランス ユーグ・パガン(Hugues Pagan) ‐ L étage des morts 1990 ‐ フランス フレッド・ヴァルガス 裏返しの男 L homme à l envers 1999 173位 フランス アンドレア・H・ジャップ ‐ Le silence des survivants 2000 ‐ 邦訳されている10作のうち、「フランスミステリベスト100」で票が入らなかったのはスーヴェストル&アラン『ファントマ』(佐々木善郎訳、ハヤカワ文庫NV、1976年 等)のみ。スーヴェストル&アラン『ファントマの逆襲』(伊東守男訳、ハヤカワ文庫NV、1978年5月)には1票の投票があった。 選出作が邦訳されていないのは6人(ピエール・ヴェリー、レオ・マレ、エルヴェ・ジャウアン、ディディエ・デナンクス、ユーグ・パガン、アンドレア・H・ジャップ)。うち、エルヴェ・ジャウアンは絵本が1冊訳されているだけであり(『おばあちゃんの記憶』)、ユーグ・パガンは邦訳は1作もない。ほかの4人は別のミステリ作品の邦訳がある。 非英仏語圏の10作品 100作品のリストから非英仏語圏の作品を抜き出したもの。 南欧(5作品) 国 作者 タイトル 仏題 年 イタリア ジョルジョ・シェルバネンコ 裏切者 A tous les râteliers 1966 イタリア フルッテロ&ルチェンティーニ 日曜日の女 La femme du dimanche 1972 イタリア ウンベルト・エーコ 薔薇の名前 Le nom de la rose 1980 スペイン マヌエル・バスケス・モンタルバン 原題 Yo maté a Kennedy J ai tué Kennedy 1972 スペイン アルトゥーロ・ペレス・レベルテ フランドルの呪画(のろいえ) Le tableau du maître flamand 1990 ジョルジョ・シェルバネンコ『裏切者』は1968年のフランス推理小説大賞受賞作(翻訳作品部門)。 フルッテロ&ルチェンティーニの『日曜日の女』は「ドイツ語圏のミステリファンによるミステリ・ベスト100(1990年)」でも34位と高い評価を受けていた。邦訳もあるが、読んだ人の感想を見たことがない。(私自身も未読) マヌエル・バスケス・モンタルバンの『Yo maté a Kennedy』(俺がケネディーを殺した)は私立探偵ペペ・カルバイヨの初登場作品。ただしこの作品ではまだ主人公ではなかった。 北欧(3作品) 国 作者 タイトル 仏題 年 スウェーデン シューヴァル&ヴァールー バルコニーの男 L homme au balcon 1967 スウェーデン スティーグ・ラーソン ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 Les hommes qui n aimaient pas les femmes - Millenium 2005 デンマーク ペーター・ホゥ スミラの雪の感覚 Smilla et l amour de la neige 1992 日本のミステリランキングではシューヴァル&ヴァールーの作品ではマルティン・ベック・シリーズ第4作『笑う警官』が高順位につけるが、ここでは第3作『バルコニーの男』が選出されている。なお、「ドイツ語圏のミステリファンによるミステリ・ベスト100(1990年)」では第10作(最終作)の『テロリスト』が最も順位が高かった。 ペーター・ホゥの『スミラの雪の感覚』は先日の「英テレグラフ紙編集部が選んだミステリ・オールタイムベスト20」(2014年5月5日)にも選ばれていた。世界的に評価が高い作品。 その他(2作品) 国 作者 タイトル 仏題 年 オランダ ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンク 原題 Het Werkbezoek / The Maine Massacre Le massacre du Maine 1984 ロシア フョードル・ドストエフスキー 罪と罰 Crime et châtiment 1865 ヤンウィレム・ヴァン・デ・ウェテリンクは各作品をオランダ語と英語の両方で執筆・発表している。ここで選ばれている『Het Werkbezoek / The Maine Massacre』はフライプストラ&デ・ヒールのシリーズの第7作。日本では第4作まで翻訳されている。 ドストエフスキーの『罪と罰』が入っているのは目を引くが、この作品はアメリカ探偵作家クラブ(MWA)によるベスト100(1995年)でも24位にランクインしている(「海外ミステリ総合データベース ミスダス」>「アメリカ探偵作家クラブが選んだミステリBEST100」)。 以下の2人は英語で執筆する(した)作家。 国 作者 タイトル 仏題 年 オランダ ロバート・ファン・ヒューリック 雷鳴の夜 Le monastère hanté 1963 南アフリカ レニー・エアース 夜の闇を待ちながら Un fleuve de ténèbres 1999 関連ページ フランスミステリベスト100 フランス・ミステリ必読30冊(『ミステリマガジン』2003年7月号) フランスのミステリ賞 - 受賞作の邦訳一覧 ポーランドのミステリ評論家が選んだ最重要ミステリ100 ドイツ語圏のミステリファンが選ぶミステリ・オールタイムベスト119(1990年) ドイツ語圏のミステリファンが選ぶドイツ語圏ミステリベスト100(2002年) 非英語圏ミステリ各種リスト
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/20.html
韓国推理作家協会編・発行 2005年8月 ●綾辻行人「館シリーズ」(관 시리즈)解釈 「館シリーズ」の二重構造とメタテキスト的技法 - 장경헌(チャン・キョンホン) 綾辻行人と「新本格」初期の風景 - 권일영(クォン・イリョン) 連続殺人犯罪の心理学的過程 II - 염건령(ヨム・コンリョン) ミステリ漫画 포도주 한 병 / 보든 딜 지음, 각색.그림 김종섭 推理小説外の風景 - 윤영천(ユン・ヨンチョン) 短編ミステリ 「포말」 - 현정 「다크 템플러」 - 김상윤 「악어의 눈물」 - 황미영 「자매의 전설」 - 하유상 科学捜査研究所ダイアリー 老婆R殺害事件 - 최상규 仮想インタビュー 스티븐 킹, 말하다 - 한이 海外ミステリ 사라진 기억 The Blind Spot - 배리 퍼론 그녀들의 쇼핑 - 筒井康隆 レビュー 퍼트리샤 콘웰의 케이 스카페타 시리즈 - 노블하우스 편집부 교고쿠 나츠히코의 우부메의 여름 - 손안의책 편집부 대통령은 어떻게 추리소설을 구상했을까 - 정태원 칼의 노래 , 이순신 열품 유감 - 박형상 콘웰 울리치의 Phantom Lady - 오리온 書影(ネット書店 アラジン) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000158804
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/242.html
2014年8月28日 ポーランドで2007年に刊行された『Krwawa setka. 100 najważniejszych powieści kryminalnych』(ブラッディー・ハンドレッド: 最重要ミステリ100選)(ポーランド語版Wikipedia)で選ばれている100作品の一覧。選者はポーランドのミステリ研究家・評論家であるヴォイチェフ・ブルシュタ(Wojciech Burszta, 1957- , ポーランド語版Wikipedia)と、ミステリ研究家でミステリの創作も手掛けるマリウシュ・チュバイ(Mariusz Czubaj, 1969- , ポーランド語版Wikipedia)の2人。100冊一覧の情報源は「こちら」。 6つのカテゴリに分けて選出されているが、書籍の現物をもっているわけでもなく、またポーランド語が読めるわけでもないので、どのような区分けなのか正確には分からない。「(4)Najgorsi z najlepszych」は「ワースト・オブ・ザ・ベスト」という意味のようだが、「作家自体はお勧めだがこの作品はあまり勧めない」というような意味合いで取り上げられているのだろうか? ポーランド語版Wikipediaのこの書籍の記事では、似たような試みとして英国推理作家協会(CWA)のベスト100、アメリカ探偵作家クラブ(MWA)のベスト100と並んで、日本の『東西ミステリーベスト100』にも言及があって驚く。 英国推理作家協会(CWA)によるベスト100(1990年)(「海外ミステリ総合データベース ミスダス」の「CWAが選んだミステリベスト100」で見られる) アメリカ探偵作家クラブ(MWA)によるベスト100(1995年)(「海外ミステリ総合データベース ミスダス」の「アメリカ探偵作家クラブが選んだミステリBEST100」で見られる) ドイツ語圏のミステリファンによるベスト100(1990年) フランスのミステリ編集者が選んだ必読ミステリ100(2008年) Index 最重要ミステリ100選(ヴォイチェフ・ブルシュタ、マリウシュ・チュバイ選) 非英語圏の25作品東欧(3作品) 北欧(7作品) 南欧(6作品) フランス語圏(4作品) ドイツ語圏(2作品) その他(3作品) 最重要ミステリ100選(ヴォイチェフ・ブルシュタ、マリウシュ・チュバイ選) 100作品中、日本語で読めるのは82作品、邦訳がないのは18作品。(邦訳のない作品には背景色[茶色]をつけた) 100作品中、英語圏の作品が75作品、ポーランドの作品が2作品、それ以外が23作品。 (1)ジャンル確立の父たちと1人の母 (Ojcowie założyciele i jedna matka) 1 米 エドガー・アラン・ポー 群衆の人 Człowiek tłumu 2 英 チャールズ・ディケンズ エドウィン・ドルードの謎 Tajemnica Edwina Drooda 3 英 コナン・ドイル オレンジの種五つ Pięć pestek pomarańczy 4 英 G・K・チェスタトン ブラウン神父シリーズ Przygody księdza Browna 5 英 アガサ・クリスティー 書斎の死体 Noc w bibliotece (2)アスファルト・ジャングル (Asfaltowa dżungla) 6 米 ダシール・ハメット マルタの鷹 Sokół maltański 7 米 ジェイムズ・M・ケイン 郵便配達は二度ベルを鳴らす Listonosz zawsze dzwoni dwa razy 8 米 コーネル・ウールリッチ 黒衣の花嫁 Panna młoda w żałobie 9 米 E・S・ガードナー 殴られたブロンド Sprawa blondynki z podbitym okiem 10 米 / 英 レイモンド・チャンドラー 長いお別れ Długie pożegnanie 11 米 レックス・スタウト 原題 Plot It Yourself / Murder in Style Układanka 12 米 ロス・マクドナルド ブルー・ハンマー Błękitny młoteczek 13 米 ジェイムズ・リー・バーク ブラック・チェリー・ブルース Wiśniowy blues 14 米 ウォルター・モズリイ ブルー・ドレスの女 Śmierć w błękitnej sukience 15 米 ジェイムズ・エルロイ ホワイト・ジャズ Biała gorączka 16 米 ケイレブ・カー エイリアニスト 精神科医 Alienista 17 フランス ジャン=クロード・イゾ 失われた夜の夜 Total Cheops 18 米 デニス・ルヘイン 闇よ、我が手を取りたまえ Ciemności, weź mnie za rękę (3)メインストリーム (Głowny nurt) 19 英 イアン・フレミング 007 カジノ・ロワイヤル Casino Royale 20 ベルギー ジョルジュ・シムノン メグレと首無し死体 Maigret i trup bez głowy 21 ポーランド ジョー・アレックス ‐ Śmierć mówi w moim imieniu 22 米 パトリシア・ハイスミス ふくろうの叫び Krzyk sowy 23 米 ハリイ・ケメルマン 金曜日ラビは寝坊した W piątek rabin zaspał 24 フランス セバスチアン・ジャプリゾ シンデレラの罠 Kopciuszek w potrzasku 25 スウェーデン シューヴァル&ヴァールー 笑う警官 Śmiejący się policjant 26 英 フレデリック・フォーサイス ジャッカルの日 Dzień Szakala 27 米 ウィリアム・ゴールドマン マラソン・マン Maratończyk 28 米 ドロシー・ユーナック 捜査線 Śledztwo 29 英 ケン・フォレット 針の眼 Igła 30 米 トマス・ハリス レッド・ドラゴン Czerwony smok 31 米 スコット・トゥロー 推定無罪 Uznany za niewinnego 32 米 スティーヴン・キング ミザリー Misery 33 スペイン マヌエル・バスケス・モンタルバン 原題 Delantero centro fue asesinado al atardecer Środkowy napastnik zginie o zmierzchu 34 イスラエル シュラミット・ラピッド 原題 מקומון Gazeta lokalna 35 米 パトリシア・コーンウェル 検屍官 Post mortem 36 デンマーク ペーター・ホゥ スミラの雪の感覚 Smilla w labiryntach śniegu 37 英 フィリップ・カー 殺人探求 Traktat morderczo – filozoficzny 38 スウェーデン シャスティン・エークマン 白い沈黙 Czarna Woda 39 米 フィリップ・マーゴリン 黒い薔薇 Nie zapomnisz mnie 40 英 P・D・ジェイムズ 原罪 Grzech pierworodny 41 英 ルース・レンデル シミソラ Simisola 42 英 ミネット・ウォルターズ 鉄の枷 Wędzidło sekutnicy 43 米 マイクル・コナリー ラスト・コヨーテ Ostatni kojot 44 米 ジェフリー・ディーヴァー 静寂の叫び Panieński grób 45 英 ヴァル・マクダーミド 殺しの儀式 Syreni śpiew 46 英 キャロライン・グレアム 原題 Faithful unto Death Wierna do śmierci 47 米 ダナ・レオン 原題 Acqua Alta / Death in High Water Acqua alta 48 米 ネルソン・デミル プラムアイランド Śliwkowa Wyspa 49 ノルウェー ジョー・ネスボ ザ・バット 神話の殺人 Człowiek – nietoperz 50 日本 桐野夏生 OUT Ostateczne wyjście 51 フランス ジャン=クリストフ・グランジェ クリムゾン・リバー Purpurowe rzeki 52 ロシア ボリス・アクーニン 原題 Статский советник Radca stanu 53 イタリア アンドレア・カミッレーリ 原題 Gli arancini di Montalbano Pomarańczki komisarza Montalbano 54 スペイン アリシア・ヒメネス=バルトレット 原題 Mensajeros de la oscuridad Wysłańcy ciemności 55 米 トニイ・ヒラーマン 原題 Hunting Badger Polowanie na Borsuka 56 スウェーデン ホーカン・ネッセル 原題 Carambole Karambol 57 英 ロバート・ウィルスン リスボンの小さな死 Śmierć w Lizbonie 58 スウェーデン カーリン・アルヴテーゲン 喪失 Zaginiona 59 英 アレグザンダー・マコール・スミス キリンの涙 ミス・ラモツエの事件簿2 Mma Ramotswe i łzy żyrafy 60 米 ジョン・グリシャム 裏稼業 Bractwo 61 英 モー・ヘイダー 死を啼く鳥 Ptasznik 62 英 ピーター・ロビンスン エミリーの不在 W mogile ciemnej 63 英 ジョン・ル・カレ ナイロビの蜂 Wierny ogrodnik 64 米 T・ジェファーソン・パーカー サイレント・ジョー Cichy Joe 65 英 イアン・ランキン 甦る男 Odrodzeni 66 米 スティーヴン・L・カーター オーシャン・パークの帝王 Władca Ocean Park 67 米 テス・ジェリッツェン 外科医 Chirurg 68 米 フェイ・ケラーマン 原題 Stone Kiss Zabójczy pocałunek 69 英 ジョン・バーデット 原題 Bangkok 8 Bankok 8 70 ポーランド マレク・クライェフスキ ‐ Koniec świata w Breslau 71 米 カリン・スローター 原題 A Faint Cold Fear Zimny strach 72 米 ジョゼフ・フィンダー 侵入社員 Paranoja 73 英 ニッキ・フレンチ 生還 Kraina życia 74 米 ジョナサン・ケラーマン 原題 Rage Wściekłość (4) Najgorsi z najlepszych 75 米 ロバート・ラドラム 暗殺者 Tożsamość Bourne a 76 米 トム・クランシー レッド・オクトーバーを追え Polowanie na „Czerwony Październik” 77 米 ジェイムズ・パタースン 血と薔薇 Fiołki są niebieskie 78 米 ダン・ブラウン ダ・ヴィンチ・コード Kod Leonarda da Vinci (5)ミステリ‐非ミステリ (Kryminały-niekryminały) 79 英 ジョゼフ・コンラッド 密偵 Tajny agent 80 スイス フリードリヒ・デュレンマット 故障 Kraksa. Historia jeszcze możliwa 81 チェコ ラジスラフ・フクス 火葬人 Palacz zwłok 82 イタリア ウンベルト・エーコ 薔薇の名前 Imię róży 83 米 ポール・オースター ガラスの街 Szklane miasto 84 ドイツ エルンスト・ユンガー 原題 Eine gefährliche Begegnung Niebezpieczne spotkanie 85 米 ブレット・イーストン・エリス アメリカン・サイコ American Psycho 86 米 フランク・ミラー シン・シティ Miasto Grzechu Ten żółty drań 87 スペイン ホセ・カルロス・ソモサ イデアの洞窟 Jaskinia filozofów 88 スペイン エドゥアルド・メンドサ 原題 La aventura del tocador de señoras Przygoda fryzjera damskiego 89 米 マイケル・グルーバー 夜の回帰線 Zwrotnik nocy 90 英 マーク・ハッドン 夜中に犬に起こった奇妙な事件 Dziwny przypadek psa nocną porą (6)ベスト10 (Złota dziesiątka) 91 英 コナン・ドイル 空き家の冒険 Pusty dom 92 英 アガサ・クリスティー アクロイド殺し Zabójstwo Rogera Ackroyda 93 米 / 英 レイモンド・チャンドラー 大いなる眠り Głęboki sen 94 米 パトリシア・ハイスミス 見知らぬ乗客 Znajomi z pociągu 95 英 ジョン・ル・カレ 寒い国から帰ってきたスパイ Uciec z zimna 96 米 マーティン・クルーズ・スミス ゴーリキー・パーク Park Gorkiego 97 スウェーデン ヘニング・マンケル 殺人者の顔 Morderca bez twarzy 98 米 マイクル・コナリー ザ・ポエット Poeta 99 米 ハーラン・コーベン 唇を閉ざせ Nie mów nikomu 100 英 イアン・ランキン 滝 Kaskady 非英語圏の25作品 上記の100作品のリストから非英語圏の作品を抜き出したもの。25作中、日本語で読めるのは15作。 東欧(3作品) 21 ポーランド ジョー・アレックス ‐ Śmierć mówi w moim imieniu 70 ポーランド マレク・クライェフスキ ‐ Koniec świata w Breslau 81 チェコ ラジスラフ・フクス 火葬人 Palacz zwłok 自国(ポーランド)からは2作家2作品が選ばれている。どちらの作家も、邦訳は1作もない。 ジョー・アレックス(Joe Alex)は本名マチェイ・スウォムチンスキー(Maciej Słomczyński, 1922-1998, 日本語版Wikipedia)。主に1950年代末から1960年代にかけての時期に、作者名と同名のジョー・アレックスを探偵役とするイギリスが舞台の探偵小説シリーズを発表した。1991年に発表された作品も含め、ジョー・アレックスを主人公とする探偵小説シリーズは全8作。このリストで選出されているのはジョー・アレックス・シリーズの1作で1960年の作品。マレック・カミンスキ「ポーランドのミステリー事情 現実と虚構の交錯」(吉崎由紀子訳、『ジャーロ』5号[2001年秋号])にはこの作家について以下のようにある。 コミュニズム政権下で最も人気の高かったポーランド人作家は、マチェイ・スウォムチンスキーである。「ジョー・アレックス」というペンネームで、探偵小説を数多く刊行した。外国人風の名前と、イギリスで大量に発表されていた犯罪小説の手法を取り入れた作風によって、ポーランドで一躍名を馳せる。彼の作品はワルシャワ条約機構加盟国の多くで翻訳・出版され、映画やテレビの原作となった作品も数多い。【中略】ジョー・アレックスは、しばしばアガサ・クリスティのパターンを取り入れた。さまざまな憶測、誤認が飛び交う捜査の末、意外な展開で犯人が明らかになる。 マレク・クライェフスキ(Marek Krajewski、1966- , ポーランド語版Wikipedia)はポーランド西部の都市ヴロツワフ生まれの作家。現代ポーランドを代表するミステリ作家である。ドイツ領になっていた1930年代のヴロツワフ(ドイツ語ではブレスラウ)を舞台にした警察小説シリーズなどで知られる。このシリーズは英訳もある。このシリーズは最近、ポーランドでドラマ化の計画が進んでいるらしい(ドラマ化についての英文ニュース / 2014年7月)。このリストで選出されているのはシリーズ第2作で、英訳題は『The End of the World in Breslau』。 チェコから選出された『火葬人』は2012年12月に松籟社《東欧の想像力》の第9巻として邦訳が出ている(阿部賢一訳)。その訳者あとがきと著者紹介によれば、ラジスラフ・フクスは「巧みな心理描写とグロテスクな細部の描出を特徴とする、怪奇小説とも、心理小説とも評される作品を数多く発表」した作家。探偵小説の愛読者であり、「探偵物や犯罪物、あるいはホラーといったジャンルは、思慮深く、そして趣味よく手が加えられていれば、文学的な価値を低くするものではない」と回想録で述べているという。『火葬人』では凡庸な人間が殺人者に変わっていく様が描かれている。 北欧(7作品) 25 スウェーデン シューヴァル&ヴァールー 笑う警官 Śmiejący się policjant 38 スウェーデン シャスティン・エークマン 白い沈黙 Czarna Woda 56 スウェーデン ホーカン・ネッセル 原題 Carambole Karambol 58 スウェーデン カーリン・アルヴテーゲン 喪失 Zaginiona 97 スウェーデン ヘニング・マンケル 殺人者の顔 Morderca bez twarzy 36 デンマーク ペーター・ホゥ スミラの雪の感覚 Smilla w labiryntach śniegu 49 ノルウェー ジョー・ネスボ ザ・バット 神話の殺人 Człowiek – nietoperz 北欧からは7作家7作品が選ばれた。ホーカン・ネッセルの選出作はフェテーレン刑事部長シリーズの第7作。日本では第2作の『終止符(ピリオド)』のみ訳されている。 南欧(6作品) 33 スペイン マヌエル・バスケス・モンタルバン 原題 Delantero centro fue asesinado al atardecer Środkowy napastnik zginie o zmierzchu 54 スペイン アリシア・ヒメネス=バルトレット 原題 Mensajeros de la oscuridad Wysłańcy ciemności 87 スペイン ホセ・カルロス・ソモサ イデアの洞窟 Jaskinia filozofów 88 スペイン エドゥアルド・メンドサ 原題 La aventura del tocador de señoras Przygoda fryzjera damskiego 53 イタリア アンドレア・カミッレーリ 原題 Gli arancini di Montalbano Pomarańczki komisarza Montalbano 82 イタリア ウンベルト・エーコ 薔薇の名前 Imię róży 6作中、日本語で読めるのは2作だけである。日本で南欧ミステリの邦訳が遅れていることが分かる。もっとも、この6人の中でまったく邦訳がないのはスペインのアリシア・ヒメネス=バルトレットだけである。スペインのエドゥアルド・メンドサは邦訳はあるが、ミステリは邦訳されていない。 マヌエル・バスケス・モンタルバンの選出作は私立探偵ペペ・カルバイヨ・シリーズの1作。タイトルは訳すと『センターフォワードは夕暮れ時に殺された』となる(井上知氏のご教示による)。1991年にはドイツ・ミステリ大賞(翻訳作品部門)の第2位になっている。日本ではシリーズ初期の長編3作品が翻訳されている。 アリシア・ヒメネス=バルトレット(アリシア・ヒメーネス・バルトレット)(Alicia Giménez Bartlett, 1951- , スペイン語版Wikipedia)は邦訳は1作もないが、イタリアで2008年にレイモンド・チャンドラー賞(国内外の優秀なミステリ作家に贈られる)を受賞するなど、国境を越えて評価されているミステリ作家である。このリストで選出されている作品は、1996年から刊行されている女刑事ペトラ・デリカード・シリーズの第3作(1999)。 エドゥアルド・メンドサの選出作は2001年の作品で、「名もなき探偵」シリーズ第3作。柳原孝敦氏がブログ「翻訳ミステリー大賞シンジケート」に連載したエッセイ「黒、ただ一面の黒」の「第1回 なんだかおかしな黒:エドゥアルド・メンドサ」(2013/04/01)で、このシリーズの第4作(2012)が紹介されている。 アンドレア・カミッレーリの選出作は20編収録の短編集(1999年)。収録作のうちの1編が「ふたりのモンタルバーノ」のタイトルで邦訳されている(大條成昭訳、『ミステリマガジン』2001年2月号)。 フランス語圏(4作品) 17 フランス ジャン=クロード・イゾ 失われた夜の夜 Total Cheops 20 ベルギー ジョルジュ・シムノン メグレと首無し死体 Maigret i trup bez głowy 24 フランス セバスチアン・ジャプリゾ シンデレラの罠 Kopciuszek w potrzasku 51 フランス ジャン=クリストフ・グランジェ クリムゾン・リバー Purpurowe rzeki ドイツ語圏(2作品) 80 スイス フリードリヒ・デュレンマット 故障 Kraksa. Historia jeszcze możliwa 84 ドイツ エルンスト・ユンガー 原題 Eine gefährliche Begegnung Niebezpieczne spotkanie フリードリヒ・デュレンマット「故障」は『失脚/巫女の死 デュレンマット傑作選』(増本浩子訳、光文社古典新訳文庫、2012年)に収録。 エルンスト・ユンガーは文学方面で知られる作家だが、選出作の『Eine gefährliche Begegnung』(ドイツ語版Wikipedia)はミステリであるらしい。 その他(3作品) 34 イスラエル シュラミット・ラピッド 原題 מקומון Gazeta lokalna 50 日本 桐野夏生 OUT Ostateczne wyjście 52 ロシア ボリス・アクーニン 原題 Статский советник Radca stanu シュラミット・ラピッドは邦訳に『「地の塩」殺人事件 女記者リジー・バドゥヒ』(母袋夏生訳、マガジンハウス、1997年9月)がある。ここで選ばれている作品は1996年のドイツ・ミステリ大賞(翻訳作品部門)で第2位になった作品。 桐野夏生の『OUT』は英訳版が2004年にアメリカ探偵作家クラブ(MWA)のエドガー賞最優秀長編賞にノミネートされたということもあり、世界でもっとも有名な日本ミステリとなっている。私の知る限りで、『OUT』は以下の24の言語に翻訳されている:英語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、ドイツ語、オランダ語、アイスランド語、ノルウェー語、スウェーデン語、デンマーク語、ロシア語、ポーランド語、チェコ語、スロベニア語、クロアチア語、ギリシャ語、ハンガリー語、ヘブライ語、中国語、韓国語、タイ語、インドネシア語、トルコ語。なお、ポーランド語になっている日本の現代ミステリ作家は桐野夏生ぐらいしかない(『OUT』のほか、『グロテスク』、『リアルワールド』、そしてミステリではないが『東京島』が訳されている ※タイトルをクリックするとポーランド語版の表紙画像が見られます)。2012年に同じくエドガー賞最優秀長編賞にノミネートされた東野圭吾の『容疑者Xの献身』は知る限りで16の言語に翻訳されており、近隣国(ドイツ、チェコ、ハンガリー)でも翻訳出版されているが、ポーランド語には訳されていない。 ボリス・アクーニンの選出作はファンドーリンの捜査ファイル・シリーズ。日本では初期の3作品が翻訳されている。 関連ページ ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 フランスミステリベスト100(2014年) フランスのミステリ編集者が選んだ必読ミステリ100(2008年) ドイツ語圏のミステリファンが選ぶミステリ・オールタイムベスト119(1990年) ドイツ語圏のミステリファンが選ぶドイツ語圏ミステリベスト100(2002年) 非英語圏ミステリ各種リスト
https://w.atwiki.jp/mystery2ch/pages/39.html
2010年11月5日作成 最終更新:2010年11月6日 ミステリー板のスレッド「2chが選ぶこのミステリーがすごい!」より。 対象作品は奥付表記で2006年11月~2007年10月の期限内に発行された広義のミステリー作品。 6作品以内で順位をつけて投票すること。 1位=10点、2位=9点~6位=5点で集計。 各作品への1行コメント集 国内編/海外編 ※引用したレス内での作品名や著者名の誤表記に関しては、特に断りなく訂正している場合がある。 215 :奇跡島の集計人 ◆HAGEkUFLrE :2008/01/21(月) 03 46 06 ID sLzyUeQ2 おまたせしました。2chが選ぶこのミステリーがすごい!2008年版 集計結果発表です。 このようになりました。 国内編【24票】 1位 三津田信三「首無の如き祟るもの」200P 2位 米澤穂信「インシテミル」100P 3位 歌野晶午「密室殺人ゲーム王手飛車取り」86P 4位 有栖川有栖「女王国の城 」59P 5位 冲方丁「マルドゥック・ヴェロシティ」56P 6位 近藤史恵「サクリファイス」55P 7位 島田荘司「リベルタスの寓話」42P 8位 桜庭一樹「赤朽葉家の伝説」38P 9位 今野敏「果断-隠蔽捜査2-」37P 9位 柄刀一「密室キングダム」37P 11位 石崎幸二「首鳴き鬼の島」35P 12位 佐々木譲「警官の血」23P 12位 石持浅海「心臓と左手」23P 14位 北山猛邦「少年検閲官」20P 14位 道尾秀介「ソロモンの犬」20P 14位 深水黎一郎「ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ !」20P 17位 古野まほろ「天帝の愛でたまう孤島」16P 18位 伊藤計劃「虐殺器官」15P 18位 西澤保彦「収穫祭」15P 20位 石持浅海「Rのつく月には気をつけよう」14P 216 :奇跡島の集計人 ◆HAGEkUFLrE :2008/01/21(月) 03 50 39 ID sLzyUeQ2 11P 関田涙「晩餐は檻の中で」 山口芳宏「雲上都市の大冒険」 9P 北川歩実「長く冷たい眠り」 山沢晴雄「離れた家」 8P 伊坂幸太郎「フィッシュストーリー」 7P 霧舎巧「新本格もどき」 桜庭一樹「私の男」 6P 海堂尊「ブラックペアン1988」 貫井徳郎「夜想」 5P 乾ルカ「夏光」 歌野晶午「ハッピーエンドにさよならを 桐野夏生「メタボラ」 古野まほろ「天帝のつかわせる御矢」 道尾秀介「片眼の猿」 山口雅也「ステーションの奥の奥 米澤穂信「遠まわりする雛」 217 :奇跡島の集計人 ◆HAGEkUFLrE :2008/01/21(月) 03 53 13 ID sLzyUeQ2 【海外編】10票 1位 アン・クリーヴス「大鴉の啼く冬」34P 2位 セオドア ロスコー「死の相続」28P 3位 ヘニング・マンケル「目くらましの道」23P 4位 ポール・アルテ「狂人の部屋}22P 5位 ウィリアム・ブリテン「ジョン・ディクスン・カーを読んだ男」18P 5位 ヘンリー・ウェイド「議会に死体」18P 5位 スーザン・ギルラス「蛇は嗤う」18P 8位 マージェリー・アリンガム「クロエへの挽歌」16P 9位 D・M・ディヴィアン「悪魔はすぐそこに」15P 9位 グラディス・ミッチェル「ウォンドルズ・パーヴァの謎」15P 218 :奇跡島の集計人 ◆HAGEkUFLrE :2008/01/21(月) 03 54 49 ID sLzyUeQ2 12P ジョゼフ・ウォンボー「ハリウッド警察25時」 10P ポール・ドハティー「赤き死の訪れ」 ピーター・トレイメン「幼き子らよ、我がもとへ」 ブライアン・フリーマン「インモラル」 コーマック・マッカーシー「血と暴力の国」 9P ロバート・シェイ&ロバート・A・ウィルスン「イルミナティ」 ロバート・トゥーイ 「物しか書けなかった物書き」 ロバート・ファン・ヒューリック「東方の黄金」 8P マイケル・イネス「アリントン邸の怪事件」 シーバリー・クイン「グランダンの怪奇事件簿」 マシュー・パール「ポー・シャドウ」 ウィリアム・ランデイ 「ボストン・シャドウ」 ジャック・リッチー「ダイヤルAを回せ」 219 :奇跡島の集計人 ◆HAGEkUFLrE :2008/01/21(月) 03 56 49 ID sLzyUeQ2 7P マイケル・イネス「証拠は語る」 クリストファー・ブッシュ「失われた時間」 P・D・ジェイムズ「灯台」 マルコス・M・ビジャトーロ「殺人図像学」 レジナルド・ヒル「異人館」 ジャネット・ターナー・ホスピタル「暗号名サラマンダー」 エドワード・D・ホック「サム・ホーソンの事件簿Ⅴ」 クレイグ・ラッセル「血まみれの鷲」 6P エドガー・ウォーレス「正義の四人/ロンドン大包囲網」 ミネット・ウォルターズ「病める狐」 トマス・H・クック「石のささやき」 5P サラ・ウォーターズ「夜愁」 ジェス ウォルター「市民ヴィンス」 ジャック カーリイ「デス・コレクターズ」 セバスチャン・フィツェック「治療島」 クリストファー・プリースト「双生児」 ジョン・ロード 「ハーレー街の死」
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/217.html
2013年4月17日 最終更新:2014年1月14日 非英語圏ミステリ2014年の邦訳出版一覧(2014年6月11日作成) Index 刊行順一覧 国別一覧 予定 刊行順一覧 ※タイトルからのリンク先は、それぞれの出版社サイトの書籍紹介ページ 既刊 1月4日 スウェーデン スウェーデン語 カーリン・アルヴテーゲン 『満開の栗の木』 小学館文庫 柳沢由実子訳 1月10日 イタリア イタリア語 ドナート・カッリージ 『六人目の少女』 ハヤカワ・ミステリ 清水由貴子訳 1月11日 フィンランド フィンランド語 レーナ・レヘトライネン 『雪の女』 創元推理文庫 古市真由美訳 2月21日 オーストリア ドイツ語 アンドレアス・グルーバー 『夏を殺す少女』 創元推理文庫 酒寄進一訳 3月21日 スウェーデン スウェーデン語 モンス・カッレントフト 『冬の生贄』【上下巻】 創元推理文庫 久山葉子訳 4月10日 スウェーデン スウェーデン語 ヨハン・テオリン 『赤く微笑む春』 ハヤカワ・ミステリ 三角和代訳 4月11日 ドイツ ドイツ語 フェルディナント・フォン・シーラッハ 『コリーニ事件』 東京創元社 酒寄進一訳 4月19日 スウェーデン スウェーデン語 カミラ・レックバリ 『踊る骸(むくろ) エリカ&パトリック事件簿』 集英社文庫 富山クラーソン陽子訳 4月20日 オーストリア ドイツ語 バルドゥイン・グロラー 『探偵ダゴベルトの功績と冒険』 創元推理文庫 垂野創一郎訳 4月下旬 韓国 韓国語 キム・オンス(金彦洙) 『設計者』 クオン オ・スンヨン訳 4月30日 韓国 韓国語 キム・タククワン(金琸桓) *注1 『愛より残酷 ロシアン珈琲』 かんよう出版 中野宣子訳 5月10日 デンマーク デンマーク語 ユッシ・エーズラ・オールスン 『特捜部Q―カルテ番号64―』 ハヤカワ・ミステリ 吉田薫訳 5月24日 フランス フランス語 フランク・ティリエ 『GATACA』【上下巻】 ハヤカワ文庫NV 平岡敦訳 5月30日 ドイツ ドイツ語 ネレ・ノイハウス 『白雪姫には死んでもらう』 創元推理文庫 酒寄進一訳 6月11日 スウェーデン スウェーデン語 カーリン・イェルハルドセン 『お菓子の家』 創元推理文庫 木村由利子訳 6月21日 ドイツ ドイツ語 ヴォルフラム・フライシュハウアー 『消滅した国の刑事』 創元推理文庫 北川和代訳 6月21日 南アフリカ アフリカーンス語 デオン・メイヤー *注2 『追跡者たち』【上下巻】 ハヤカワ・ミステリ文庫 真崎義博、友廣純訳 7月10日 フランス フランス語 ガストン・ルルー 【新訳】『オペラ座の怪人』 光文社古典新訳文庫 平岡敦訳 7月11日 アイスランド アイスランド語 アーナルデュル・インドリダソン 『緑衣の女』 東京創元社 柳沢由実子訳 7月12日 デンマーク デンマーク語 レナ・コバブール*注3、アニタ・フリース 『スーツケースの中の少年』 講談社文庫 土屋京子訳 7月27日 フランス フランス語 モーリス・ルブラン 【新訳】『リュパン、最後の恋』 創元推理文庫 高野優監訳、池畑奈央子訳 8月7日 フランス フランス語 アラン・ロブ=グリエ 【新訳】『消しゴム』 光文社古典新訳文庫 中条省平訳 8月21日 ドイツ ドイツ語 フォルカー・クッチャー 『死者の声なき声』【上下巻】 創元推理文庫 酒寄進一訳 9月11日 フィンランド フィンランド語 レーナ・レヘトライネン 『氷の娘』 創元推理文庫 古市真由美訳 9月25日 スウェーデン スウェーデン語 マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー 【新訳】『刑事マルティン・ベック 笑う警官』 *注4 角川文庫 柳沢由実子訳 10月10日 デンマーク 英語 *注5 クリスチャン・モルク 『狼の王子』 ハヤカワ・ミステリ 堀川志野舞訳 10月11日 スウェーデン スウェーデン語 モンス・カッレントフト 『天使の死んだ夏』【上下巻】 創元推理文庫 久山葉子訳 10月16日 ノルウェー ノルウェー語 ジョー・ネスボ 『ヘッドハンターズ』 講談社文庫 北澤和彦訳 10月18日 ノルウェー ノルウェー語 ジョー・ネスボ 『スノーマン』【上下巻】 集英社文庫 戸田裕之訳 10月18日 スペイン カタルーニャ語? *注6 エステバン・マルティン、アンドレウ・カランサ 『ガウディの鍵』 集英社文庫 木村裕美訳 10月25日 スウェーデン スウェーデン語 アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム 『三秒間の死角』【上下巻】 角川文庫 ヘレンハルメ美穂訳 10月30日 ドイツ ドイツ語 イザベル・アベディ 『日記は囁く』 東京創元社 酒寄進一訳 11月2日 オーストリア ドイツ語 レーナ・アヴァンツィーニ 『インスブルック葬送曲』 *注7 扶桑社ミステリー 小津薫訳 11月8日 スウェーデン スウェーデン語 ヴィヴェカ・ステン 『静かな水のなかで』 ハヤカワ・ミステリ文庫 三谷武司訳 11月15日 スウェーデン スウェーデン語 イェンス・ラピドゥス 『イージーマネー』【上下巻】 講談社文庫 土屋晃、小林さゆり訳 11月20日 アイスランド アイスランド語 ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン 『フラテイの暗号』 創元推理文庫 北川和代訳 11月25日 ドイツ ドイツ語 マックス・ベントー 『羽男』 角川文庫 猪股和夫訳 11月28日 スウェーデン スウェーデン語 リザ・マークルンド *注8 『ノーベルの遺志』【上下巻】 創元推理文庫 久山葉子訳 12月6日 スウェーデン スウェーデン語 ラーシュ・ケプレル 『交霊』【上下巻】 ハヤカワ・ミステリ文庫 岩澤雅利、羽根由訳 12月20日? ドイツ ドイツ語 セバスティアン・クナウアー 『バッハ 死のカンタータ』 大成出版社 藤田伊織、帯純子訳 注1:インターネット上では「キム・タククワン」という表記で代用されることが多いようだが、書籍現物を見ると、表記は「キム・タㇰクヮン」(名前の2文字目と4文字目が小さい「ク」、小さい「ワ」)。早川書房から歴史小説『ファン・ジニ』(全2巻、ハヤカワ文庫NV、2007年)が出ている「キム・タクファン」と同一人物。『ロシアン珈琲』は、朝鮮初のバリスタを題材にしたミステリー映画といううたい文句の『GABI / ガビ-国境の愛-』の原作小説。著者のキム・タククワン(キム・タクファン、キム・タックァン)は映画『朝鮮名探偵』の原作者でもある。 注2:「デオン・マイヤー」というカタカナ表記で2012年に武田ランダムハウスジャパンから『流血のサファリ』が出ている。 注3:カタカナ表記が全然違うが、早川書房からファンタジー小説『秘密が見える目の少女』、『ディナの秘密の首かざり』が刊行されているリーネ・コーバベルと同一人物。 注4:『笑う警官』は刑事マルティン・ベック・シリーズの第4作。今後は第1作から順に第10作まで新訳刊行予定。 注5:クリスチャン・モルクはデンマーク出身。20代でアメリカに渡った。母語はデンマーク語だが、『狼の王子』は英語で執筆したものである。デンマーク語版も出版されているが、これはモルク自身が英語からデンマーク語に翻訳したもの。(当ページは「非英語圏ミステリ」の一覧だが、この作品も一応リストに入れておく) 注6:2007年にバルセロナでスペイン語版『La clave Gaudí』とカタルーニャ語版『La clau Gaudí』が刊行されている。アンドレウ・カランサはカタルーニャ語で書く作家、エステバン・マルティンもカタルーニャ語圏出身の人物なので、おそらく元はカタルーニャ語で書かれたものだと思うが、確証はない。 注7:2012年のフリードリヒ・グラウザー賞(ドイツ語圏推理作家協会賞)の新人賞受賞作。『ミステリマガジン』2013年3月号の洋書案内《世界篇》で『インスブルックでの死』というタイトルで紹介されている(レビュアー:小津薫氏)。 注8:リザ・マークルンド … 2002年に邦訳された『爆殺魔(ザ・ボンバー)』 (柳沢由実子訳、講談社文庫)の著者名カタカナ表記は「リサ・マークルンド」。 短編アンドレアス・グルーバー - 「ゴーストライター」、「メスメリズムの実験」(『ミステリーズ!』57号、2013年2月、酒寄進一訳) バルドゥイン・グロラー - 探偵ダゴベルト・シリーズ「六百の鍵穴がある小箱」(『ミステリーズ!』58号、2013年4月、垂野創一郎訳)この短編は創元推理文庫版『探偵ダゴベルトの功績と冒険』には収録されず。 関連書籍(原語は英語)ジェイムズ・トンプソン『極夜 カーモス』(集英社文庫、2013年2月) フィンランド在住のアメリカ人ミステリ作家がフィンランドを舞台にして書いたミステリ。作者は1998年からフィンランドで暮らし、現地の女性と結婚し、フィンランド語を流暢に話すという。 デイヴィッド・ヒューソン『キリング』全4巻(ハヤカワ・ミステリ文庫、2013年1月~4月)デンマークの大ヒットミステリドラマをイギリスのミステリ作家デイヴィッド・ヒューソンが小説化したもの。(この作家は「デヴィッド・ヒューソン」という表記で邦訳書あり) 文庫化等3月8日 スウェーデン ヨハン・テオリン『黄昏に眠る秋』(ハヤカワ・ミステリ文庫) 4月10日 デンマーク ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q―キジ殺し―』(ハヤカワ・ミステリ文庫) 5月24日 フランス モーリス・ルブラン『ルパン、最後の恋』(ハヤカワ・ミステリ文庫) 9月3日 フランス トニーノ・ブナキスタ『マラヴィータ』(松永りえ訳、文春文庫) ※2006年1月文春文庫刊の『隣りのマフィア』の改題版。11月に『マラヴィータ』というタイトルで映画が公開されるのに合わせたもの。 10月 フランス ポール・アルテ『第四の扉』(ハヤカワ・ミステリ) ※新装版。ハヤカワ・ミステリ創刊60周年を記念したリニューアル刊行。 12月6日 デンマーク ユッシ・エーズラ・オールスン『特捜部Q―Pからのメッセージ―』(ハヤカワ・ミステリ文庫、上下巻) 予告されたものの未刊の作品未刊スウェーデン:ヘニング・マンケル『イタリア製の靴』 Italienska skor (2006) ドイツ:ライナー・レフラー(Rainer Löffler)『血塗られた夏』 Blutsommer (2012) フランス:フレッド・ヴァルガス『汚れた手』、田中千春訳(警察署長アダムスベルグ・シリーズ) Sous les vents de Neptune (2004) フランス:エルヴェ・コメール(Hervé Commère)『水の波紋』(Les ronds dans l eau) マルセイユ推理小説賞受賞作 2014年に刊行スウェーデン:Alexander Söderberg 『Den andalusiske vännen』(2012) →アレクサンデル・セーデルベリ『アンダルシアの友』ハヤカワ・ミステリ、2014年1月 ドイツ:シャルロッテ・リンク『沈黙の終焉』 Am Ende des Schweigens (2003) →『沈黙の果て』創元推理文庫、2014年9月◆予定 国別一覧 スウェーデン 1月4日 スウェーデン スウェーデン語 カーリン・アルヴテーゲン 『満開の栗の木』 小学館文庫 柳沢由実子訳 3月21日 スウェーデン スウェーデン語 モンス・カッレントフト 『冬の生贄』【上下巻】 創元推理文庫 久山葉子訳 4月10日 スウェーデン スウェーデン語 ヨハン・テオリン 『赤く微笑む春』 ハヤカワ・ミステリ 三角和代訳 4月19日 スウェーデン スウェーデン語 カミラ・レックバリ 『踊る骸(むくろ) エリカ&パトリック事件簿』 集英社文庫 富山クラーソン陽子訳 6月11日 スウェーデン スウェーデン語 カーリン・イェルハルドセン 『お菓子の家』 創元推理文庫 木村由利子訳 9月25日 スウェーデン スウェーデン語 マイ・シューヴァル&ペール・ヴァールー 【新訳】『刑事マルティン・ベック 笑う警官』 *注4 角川文庫 柳沢由実子訳 10月11日 スウェーデン スウェーデン語 モンス・カッレントフト 『天使の死んだ夏』【上下巻】 創元推理文庫 久山葉子訳 10月25日 スウェーデン スウェーデン語 アンデシュ・ルースルンド、ベリエ・ヘルストレム 『三秒間の死角』【上下巻】 角川文庫 ヘレンハルメ美穂訳 11月8日 スウェーデン スウェーデン語 ヴィヴェカ・ステン 『静かな水のなかで』 ハヤカワ・ミステリ文庫 三谷武司訳 11月15日 スウェーデン スウェーデン語 イェンス・ラピドゥス 『イージーマネー』【上下巻】 講談社文庫 土屋晃、小林さゆり訳 11月28日 スウェーデン スウェーデン語 リザ・マークルンド *注8 『ノーベルの遺志』【上下巻】 創元推理文庫 久山葉子訳 12月6日 スウェーデン スウェーデン語 ラーシュ・ケプレル 『交霊』【上下巻】 ハヤカワ・ミステリ文庫 岩澤雅利、羽根由訳 デンマーク 5月10日 デンマーク デンマーク語 ユッシ・エーズラ・オールスン 『特捜部Q―カルテ番号64―』 ハヤカワ・ミステリ 吉田薫訳 7月12日 デンマーク デンマーク語 レナ・コバブール*注3、アニタ・フリース 『スーツケースの中の少年』 講談社文庫 土屋京子訳 10月10日 デンマーク 英語 *注5 クリスチャン・モルク 『狼の王子』 ハヤカワ・ミステリ 堀川志野舞訳 ノルウェー 10月16日 ノルウェー ノルウェー語 ジョー・ネスボ 『ヘッドハンターズ』 講談社文庫 北澤和彦訳 10月18日 ノルウェー ノルウェー語 ジョー・ネスボ 『スノーマン』【上下巻】 集英社文庫 戸田裕之訳 アイスランド 7月11日 アイスランド アイスランド語 アーナルデュル・インドリダソン 『緑衣の女』 東京創元社 柳沢由実子訳 11月20日 アイスランド アイスランド語 ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン 『フラテイの暗号』 創元推理文庫 北川和代訳 フィンランド 1月11日 フィンランド フィンランド語 レーナ・レヘトライネン 『雪の女』 創元推理文庫 古市真由美訳 9月11日 フィンランド フィンランド語 レーナ・レヘトライネン 『氷の娘』 創元推理文庫 古市真由美訳 ドイツ語圏 2月21日 オーストリア ドイツ語 アンドレアス・グルーバー 『夏を殺す少女』 創元推理文庫 酒寄進一訳 4月11日 ドイツ ドイツ語 フェルディナント・フォン・シーラッハ 『コリーニ事件』 東京創元社 酒寄進一訳 4月20日 オーストリア ドイツ語 バルドゥイン・グロラー 『探偵ダゴベルトの功績と冒険』 創元推理文庫 垂野創一郎訳 5月30日 ドイツ ドイツ語 ネレ・ノイハウス 『白雪姫には死んでもらう』 創元推理文庫 酒寄進一訳 6月21日 ドイツ ドイツ語 ヴォルフラム・フライシュハウアー 『消滅した国の刑事』 創元推理文庫 北川和代訳 8月21日 ドイツ ドイツ語 フォルカー・クッチャー 『死者の声なき声』【上下巻】 創元推理文庫 酒寄進一訳 10月30日 ドイツ ドイツ語 イザベル・アベディ 『日記は囁く』 東京創元社 酒寄進一訳 11月2日 オーストリア ドイツ語 レーナ・アヴァンツィーニ 『インスブルック葬送曲』 *注7 扶桑社ミステリー 小津薫訳 11月25日 ドイツ ドイツ語 マックス・ベントー 『羽男』 角川文庫 猪股和夫訳 12月20日? ドイツ ドイツ語 セバスティアン・クナウアー 『バッハ 死のカンタータ』 大成出版社 藤田伊織、帯純子訳 フランス 5月24日 フランス フランス語 フランク・ティリエ 『GATACA』【上下巻】 ハヤカワ文庫NV 平岡敦訳 7月10日 フランス フランス語 ガストン・ルルー 【新訳】『オペラ座の怪人』 光文社古典新訳文庫 平岡敦訳 7月27日 フランス フランス語 モーリス・ルブラン 【新訳】『リュパン、最後の恋』 創元推理文庫 高野優監訳、池畑奈央子訳 8月7日 フランス フランス語 アラン・ロブ=グリエ 【新訳】『消しゴム』 光文社古典新訳文庫 中条省平訳 イタリア 1月10日 イタリア イタリア語 ドナート・カッリージ 『六人目の少女』 ハヤカワ・ミステリ 清水由貴子訳 スペイン 10月18日 スペイン カタルーニャ語? *注6 エステバン・マルティン、アンドレウ・カランサ 『ガウディの鍵』 集英社文庫 木村裕美訳 南アフリカ共和国 6月21日 南アフリカ アフリカーンス語 デオン・メイヤー *注2 『追跡者たち』【上下巻】 ハヤカワ・ミステリ文庫 真崎義博、友廣純訳 韓国 4月下旬 韓国 韓国語 キム・オンス(金彦洙) 『設計者』 クオン オ・スンヨン訳 4月30日 韓国 韓国語 キム・タククワン(金琸桓) *注1 『愛より残酷 ロシアン珈琲』 かんよう出版 中野宣子訳 予定 東京創元社北欧スウェーデン:ヘニング・マンケル『イタリア製の靴』 Italienska skor (2006) 【11月】アイスランド:ヴィクトル・アルナル・インゴウルフソン(Viktor Arnar Ingólfsson)『フラテイの暗号』 Flateyjargáta (2002) 【10月】スウェーデン:モンス・カッレントフト(Mons Kallentoft)『灼熱の夏に死す』(仮)、久山葉子訳 Sommardöden (2008) → 『天使の死んだ夏』10月刊行 【既刊】スウェーデン:カーリン・イェルハルドセン(Carin Gerhardsen)『お菓子の家』、木村由利子訳 Pepparkakshuset (2008) 【既刊】アイスランド:アーナルデュル・インドリダソン『緑衣の女』、柳沢由実子訳 Grafarþögn (2001) - 2005年、英国推理作家協会(CWA)ゴールド・ダガー賞 【既刊】フィンランド:レーナ・レヘトライネン『氷の娘』 Kuolemanspiraali (1997) ドイツライナー・レフラー(Rainer Löffler)『血塗られた夏』 Blutsommer (2012) シャルロッテ・リンク『沈黙の終焉』 Am Ende des Schweigens (2003) 【既刊】ヴォルフラム・フライシュハウアー『消滅した国の刑事』、北川和代訳 Torso (2011) 【既刊】フォルカー・クッチャー『物言わぬ死者』(仮)、酒寄進一訳 Der stumme Tod (2009) → 『死者の声なき声』8月刊行 フランスフレッド・ヴァルガス『汚れた手』、田中千春訳(警察署長アダムスベルグ・シリーズ) Sous les vents de Neptune (2004) 早川書房北欧スウェーデン:Alexander Söderberg 『Den andalusiske vännen』(2012) 【12月】スウェーデン:ラーシュ・ケプレル Eldvittnet (2011) 【10月】デンマーク/米国:クリスチャン・モルク Christian Moerk(Christian Mørk) 『狼の王子』(Darling Jim)(2007) 堀川志野舞訳デンマーク出身の作家。作品は英語で執筆し、それを自らデンマーク語にも訳しているらしい。『Darling Jim』は2007年にデンマークで出版、その後英語圏でも出版。 その他【既刊】南アフリカ共和国:デオン・メイヤー『追跡者たち』、真崎義博訳 英題 Trackers、アフリカーンス語原題 Spoor (2010) 武田ランダムハウスジャパンから出た『流血のサファリ』では著者名表記は「デオン・マイヤー」 集英社フランス:エルヴェ・コメール(Hervé Commère)『水の波紋』(Les ronds dans l eau) マルセイユ推理小説賞受賞作 【10月】スペイン:エステバン・マルティン(Esteban Martin)、アンドレウ・カランサ(Andreu Carranza)『ガウディの鍵』(La Clave Gaudí)、木村裕美訳、10月刊行 光文社【既刊】フランス:《新訳》アラン・ロブ=グリエ『消しゴム』、中条省平訳(光文社古典新訳文庫) 夏ごろ英国推理作家協会(CWA)ゴールド・ダガー賞ノミネート作?(参照:大城譲司「前衛からエンターテイメントヘ アラン・ロブ=グリエをミステリとして読む。」ブックジャパン、2008年12月5日) 角川書店『ブラックアウト』(角川文庫、2012年7月)が邦訳されたオーストリアのマルク・エルスべルグの新作が翻訳される?(『このミステリーがすごい! 2013年版』「我が社の隠し玉」) 扶桑社【11月】「オーストリアのクラシック音楽ミステリー」(翻訳ミステリー大賞シンジケート「出版社対抗ビブリオバトル・レポートと各社の隠し玉公開!」2013年4月19日)→レーナ・アヴァンツィーニ『インスブルック葬送曲』2013年11月2日発売予定 情報源 東京創元社 「【新年特別企画】2013年 東京創元社 翻訳ミステリラインナップのご案内」(2013年1月1日) 翻訳ミステリー大賞シンジケート「出版社対抗ビブリオバトル・レポートと各社の隠し玉公開!」(2013年4月19日) 『このミステリーがすごい! 2013年版』の「我が社の隠し玉」 関連ページ 非英語圏ミステリ2014年の邦訳出版一覧 ポケミス非英語圏作品一覧 創元推理文庫海外ミステリ非英語圏作品一覧 年間ミステリランキング 非英語圏作品一覧 『ミステリマガジン』洋書案内〈世界篇〉で紹介された本とその邦訳状況 ヨーロッパの推理小説 - ヨーロッパの推理小説に関する日本語文献の一覧
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/14.html
韓国推理作家協会編・発行 2008年3月 インタビュー 최혁곤、김유철 特集1 韓国推理作家協会アンケート調査 - 編集部 犯罪オムニバス(The Omnibus of Crime) - ドロシー・L・セイヤーズ/정태원 訳 フランスミステリ小史 - 박광규 推理短編 「집행」 - 이승영(イ・スンヨン、李勝寧) 「미치광이지만 도리가 없군」 - 이대환 「어머니의 모든 것」 - 곽지연 「피해자들」 - 신재형 「창작기계2」 - 김호진 季刊ミステリ新人賞 「동성로」 - 김주동 受賞の言葉、選評 海外短編 標的の顔(The Face in the Target) - G.K.チェスタートン/박광규 訳 3월 14일에 생긴 일(The Ides of March)?? - E. W. Hornung/유경철 訳 特集2 切り裂きジャックの模倣者 - 황세연(ファン・セヨン、黄世鳶) マリー・ロジェの謎 研究 - 小酒井不木/김운성 訳 ミステリ短編漫画 「외로운 도시」 - 김종섭 連載長編 地球の南側で始まった好奇心(第4回) - 이상우(イ・サンウ、李祥雨) 더러운 도시(汚れた都市)(第4回) - 김성종(キム・ソンジョン、金聖鐘) 海外ミステリニュース 新刊案内 書影(ネット書店 アラジン) http //www.aladdin.co.kr/shop/wproduct.aspx?ISBN=6000262487
https://w.atwiki.jp/narou_lightnovel/pages/78.html
ミステリー 事件の謎を主題として扱う作品。 ミステリーの好きな作家 「作家 テーマミステリー」をタグに含むページは1つもありません。 ミステリーに該当する作品 「作品 テーマミステリー」をタグに含むページは1つもありません。 ジャンル テーマ テーマミステリー
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/39498.html
登録日:2018/05/15 Tue 00 25 33 更新日:2024/09/21 Sat 13 42 13NEW! 所要時間:約 15 分で読めます ▽タグ一覧 アリバイ オカルト サスペンス ジャンル トリック ミステリー 刑事 刑事ドラマ 創作 密室 小説 怪盗 探偵 探偵小説 推理小説 推理漫画 日常の謎 殺人事件 読者への挑戦状 ミステリーとは、フィクションのジャンルの一つ。 「作中で何かしらの謎が提示され、それを解き明かす」という形式の作品。 一般的には「推理小説」のことを指すが、一般名詞としては「神秘」「不思議」「秘密」などの意味もある単語でもある。 その複数の意味の中で、秘密=謎を追求する推理小説のことを特にミステリーと呼んでいるのであり、推理小説以外を指すこともある。 だからいきなりUMAや宇宙人が出てきたりしても「こんなのミステリーじゃない!」って叫ぶと恥ずかしいぞ! 例えば少女漫画誌『ミステリー』は90年代前半頃までは心霊ものが中心であったし、 学研のオカルト雑誌『ムー』は今も昔も「ミステリーマガジン」を標榜している。 あと小説とは言ったが、当然小説以外の媒体・ジャンルでのミステリー作品の展開も当然ありうる。 なお、「ミステリー」「ミステリ」「ミステリィ」のどれを用いるかは作家によって異なる。 どうでもよく見えるが、上記の通り広い意味の中から「推理」に絞る意図もあってこだわる人にはすごく大事な要素らしい。どれを使うか迷ったら無難なのは「その作者の表現に合わせる」というところか。 この記事では一番一般的だろう「ミステリー」を中心に用いる。 概要 元祖はエドガー・アラン・ポーの「モルグ街の殺人」。 その後、コナン・ドイルの「シャーロック・ホームズシリーズ」で「ミステリー」というジャンルの雛形が出来上がり、以降爆発的に普及していくことになる。 主に殺人事件をはじめとする事件が発生し、それを探偵役が情報を集めていくことで推理を行い、犯人を暴き出す、というのが定番のスタイル。 ミステリーをどのように楽しむか? 別にフィクションの楽しみ方なんて人それぞれで構わないのだが、ミステリーに関して言えば大体2系統に分類されるのではないだろうか。 探偵になり切り、作中で起きた事件を真剣に考える人 事件を「作者からの挑戦状」と受け取り、解答編に進む前に自分の頭で事件の真相にたどり着くことを目的にしている人。 このタイプでも読み進めるのを止めてまでは考えない人もいれば、自分なりの解答が出せるまで先に読み進めない人まで様々。 極端な人では「答えを出せなければ負け」と考え、絶対に解答編を読まないなんて人も存在する。 あくまでフィクションとして楽しみ、真剣には謎解きに挑まない人 物語を物語として読み進み、事件の真相を自分の頭で考えないタイプの人。 「奇想天外なトリック」や「事件の裏側の心理描写」などが好きなミステリーファンであり、「自分の頭で事件について考える」ということはあまりしない。 また解答編の前に全ての手がかりが開示される(=読者が真相を推理できる)ことを必ずしも求めない傾向にある。 この2系統の違いとしては、ネタバレに対するスタンスが挙げられる。 前者のタイプの人は、「ネタバレ絶対お断り。自分の頭で考えないと意味がない」と言うのに対し、 後者は「どうしてこの結末に至ったのかの過程を見るのが楽しい」など、比較的ネタバレに寛容である。 このタイプの極端な例として、聖☆おにいさんのイエスは、「ミステリーを最後から読む」という衝撃的な読書スタイルでブッダを絶句させている(父さん(全知全能の方)がこの世の終末をガンガンネタバレ(預言)してくるのでネタバレに寛容になったとのこと)。 ただし、人からではなく物語でそれを知りたい・物語を十全に楽しめなくなるなど、後者でもネタバレを嫌う人は多いので一様なものとして考えないこと。 そもそも所かまわずネタバレをまき散らす行為自体褒められたものではないので、 相手がネタバレを許容できる人だとハッキリしない限りは下手に事件の真相を語ることは控えた方がいいだろう。 ちなみにどちらにも属さない変わり種の例として、例えば『魔人探偵脳噛ネウロ』の主人公桂木弥子は、 読み切り版のみ「ミステリーの解答編だけ読んで事件を解決した気になる」という変な趣味を持っていた。 ミステリーとサスペンスの違い どちらも類似したジャンルであるためしばしば混同されるし、明確に使い分けるのも難しい。 一応、大まかな違いとしては以下のようなものになる。 ミステリー 「作中で明示された謎を作中人物が解き明かす」ことに骨子が置かれ、それを中心に肉付けがされた作品。 あくまで肝は事件そのものであり、登場人物はそれを彩るサブの存在。 サスペンス 「事件をいかに解決するか」よりも「事件を前にして不安と恐怖に晒される人間心理」を描くことがメインの作品。 多くは、読者・視聴者に最初から事件の真相や犯人は明示されており、登場人物がいかに真相にたどり着こうとするかを楽しむ作品である。 ネタバレを食らったミステリーはこちらに移行する場合が多い。 なお、「探偵小説」と「推理小説」は元々は全く同じものだった。 だが、「偵」の字が常用漢字から外されてしまい「探偵小説」という単語が使いにくくなってしまったので、 それを解決するために作られて広まったのが「推理小説」という呼称である。 昔の探偵小説は非常に幅広い概念を内包しており、推理がメインではないSF・ファンタジー・怪奇ものが「探偵小説」と呼ばれることもしばしばあった。 先に名前の出た『魔人探偵脳噛ネウロ』を例に挙げれば、同作は「探偵が大活躍する探偵もの」ではあるが、「推理・ミステリーを主軸とする探偵ものではない」とされている。 ミステリー用語 トリック 犯行そのもの、あるいは犯行を行ったことを隠蔽するための計略。推理創作の肝。 これを解かねば始まらない。「トリックだ!」と叫べばいいのはミスター・サタンだけです 死んだはずの元部下が生きていたのも「残念だったな、トリックだよ」 アリバイ(alibi) 「不在証明」という意味であり、ラテン語のalius ibi(他の場所に)に由来する。 犯行当時、その人物が犯行現場に存在していなかった、という証明。 これを直接証明することは難しいため、「同一人物が同時に2箇所に存在することはできない」という原理を利用して、 「その時刻に犯行現場以外の場所に存在していた」という形で示すことになるのが基本。 そして「アリバイがある」人には現場にいなかったのだからその犯行はできないと証明される。 逆に狡猾な犯人ならば自分にアリバイがあるように誤魔化すはずなので、それをいかに崩すか、ということが探偵役の仕事になる。 「やたらしっかりとアリバイが証明できる人間は怪しい」はミステリーのお約束。 普通の人間に都合よく出来たアリバイがあることは珍しいうえ、そんなに詳細に自分の行動を覚えていない。 人が殺されるのは夜間が多いし、夜間はあまり出歩かず一人か、あって家族と一緒ぐらいのことが殆どなので猶更である。 また容疑者ほぼ全員にアリバイがないのに対して、一人だけ完璧なアリバイがあると逆に怪しまれることも(これはメタ、劇中両方である)。 なので、容疑者全員にアリバイが成立する状況でトリックを実行する、メタな面なら後述の倒叙ミステリーにするなど工夫も必要。 見立て殺人 殺害現場を特定のシチュエーションに見立てるという猟奇的犯行。 例えば地元に伝わっている伝説に見立てて殺す、というのはよくあるパターン。 アガサ・クリスティーよろしく童謡や童話に見立てるのもポピュラーである。 本当に狂った犯人が何の意味もなく見立て殺人を行う、というのは稀で、 大抵は「理解できる相手にだけ向けたメッセージ(脅迫)」だったり、「使用したトリックや思いがけず生じたミスを誤魔化すための工作」であることが多い。 密室 閉ざされた事件現場。 いかにして犯人はこの不可解な状況を作り上げたか?という問いかけ。 現代物では「むっ、これは密室殺人!」「警部、オートロックだから当たり前です」なんてギャグもありがち。 ダイイングメッセージ 殺人事件の被害者が死の間際に残したメッセージ。血で書かれていた場合は血文字と言う事もある。 犯人の名前、もしくは犯人に繋がる何かを記している場合が多い。 ミステリーでは、後から現場に戻ってきた犯人に隠滅されないためなどの理由で、少し捻った暗号のような形で残されている事が多いが、 あまりに難しくしすぎると読者から「死の間際の人間がそんな複雑なメッセージ思いつくか」と突っ込まれることがある。 そのため、少し捻ったり凝ったダイイングメッセージを登場させる場合は、それ相応の死に方にさせている場合が多い。 ……その分、エグイ死に方も少なくないが(即死ではないが、確実に死ぬであろう状況である場合が多いため)。 ワトソン役 探偵の助手役であり、読者の代弁者でもある。「シャーロック・ホームズ」シリーズでホームズの助手役を務めたワトソンが由来。 常識的な目線から不可能犯罪のシチュエーションを観察し、「こういう謎がある」ことを読者に示すのが役割。 奇抜な発想で解決に至る探偵役と読者の橋渡しをする重要なポジションだが、意外と登場しないミステリーも多い。 キャラの種類としては割と幅広く、「探偵を目立たせるための無能な引き立て役」といったコメディリリーフから、「探偵と同等の頭脳を持つ切れ者」というような優秀な相棒まで様々。また、「探偵の苦手な分野や疎い面を上手くカバーする良きサポーター」といった感じの役割も比較的多い。 近年は頭脳派の探偵役に代わりワトソン役がアクション面を受け持つこともままある。 安楽椅子探偵 アームチェアディテクティブ。 現場に出向かず、(安楽椅子に座りながら)聞いた情報だけで事件を解決してしまう探偵。 普段から安楽椅子探偵タイプの者や要所要所で安楽椅子探偵状態で推理する者もいれば、 後述する名探偵コナンの工藤新一のように「(コナンとして)本人は現場にいるが、(新一としては)作中人物的には安楽椅子探偵」という変則的なパターンもある。 ミスリード 「誤導」、すなわち正解ではない解答。犯人が用意したものか、作者が用意したものかに大別できる。 上手く読者がミスリードに引っかかってくれたら、作者からすると万々歳である。 逆に巻が分かれている作品で後者を読者に「後付け」などと思われたらミスリードとしては失敗である。 ミッシングリンク 本来ならば繋がりがあるように見えない一連の犯行に実は存在する「失われた繋がり」。 一見無差別犯罪だが、ミッシングリンクに気付くことで犯人の動機がわかる構造になっている。 例を挙げると『金田一少年の事件簿』などは、実は今回の事件の被害者は過去に起きたある事件の関係者だった!ということが大半である。 フーダニット 「Who done it?」。「誰がそれをやったか?」 ミステリーの推理としては最も基本的な解答。ミステリー初心者なら、まずこれを当てられれば上等だろう。 ただし、複数犯だったりすると、組み合わせを考えなければならなくなるので、難易度は激増する。その最たる例が 被害者と探偵以外のほぼ全ての登場人物が共犯 という某古典の名作だろう(ネタバレ防止のため作品名は伏せる)。 ハウダニット 「How done it?」。「どうやってそれをやったか?」 これを当てられればミステリー読者としては一級品。 誰でもできる様なトリックだと真似されると危ない、かと言ってピタゴラスイッチ並みに複雑なトリックだと「できるかこんなもん!」と突っ込まれるのが悩みどころ。 ホワイダニット 「Why done it?」。「なぜそれをやったか?」 犯行を犯した動機であり、最も当てるのが難しい要素と言える。 というより、解答編でようやく動機にまつわる裏事情が語られることが多く、そのような場合出題編では情報不足で推理不可能である。 一応ヒントが出ていることは多いものの、これが分かる=犯人やその足取りが分かることが多いため、やはり実質推理不可能なことが多い。 あんまり狂った動機であるとそこだけ突っ込まれる事が多い。 クローズドサークル 外部から孤立し、内部からの脱出も外からの侵入も不可能な環境。 「嵐の孤島」と「雪の山荘」が二大クローズドサークル。 「警察などの科学的捜査を遮断し、名探偵の活躍の場を作る」 「科学捜査では一発でバレる大味なトリックも使用可能」 「殺人犯と一緒に孤立させることで恐怖感を煽る」 「逃走できないため、同じ舞台での連続犯行に違和感がない」 「情報を限定させることで正しく推理出来るようにする」 「余計な登場人物を乱入させない」 などの効果がある。 特に最後が重要で、閉じた環境……要は登場人物が限定されていれば良い。そうでなければ外部犯も考慮して推理しないとならなくなる。 もちろん例外も多いが、こうしなければ提供する情報に穴が多くなるため、 いくらでも推理出来てしまう事態に陥ったり、『それが許されるなら何でも有りじゃないか』ってことになりやすい。 ミステリーのお約束「クルーザーが出てきたら爆破されるものと思え」「橋が出てきたら落ちるものと思え」。 21世紀現代を舞台とした作品だと電話線を切ったところで携帯電話であっさり警察に電話されたり、 ヘリコプターやらなんやらですぐに救助が来れたり、といった現実的な理由でクローズドサークルを作るのが困難となっているため、そういった手段すら封じる結構捻ったものが多くなっている。 叙述トリック 別名「信頼できない語り手」。 本来物語の地の文というものは、神の視点の三人称であろうと作中人物視点の一人称であろうと基本的に嘘は無く真実を伝えているはずだが、その基本ルールを逆手に取ったもの。 「嘘はついていないが、真実も伝えていない」 「重要な事実に対し読者の誤認を誘う文章構成になっている(もしくは語り手自身が誤認しており正しい認識を読者に伝えられていない)」 といったギミックで読者を騙す。 ある意味では発想一本勝負であり、短編・単発長編向き。 また嫌いな人はとことん嫌いな存在でもあり、読者どころか作家の間でも賛否両論。 例えば後述のヴァン・ダインの二十則では第2則(*1)で叙述トリックが否定されている。 倒叙ミステリー 最初から犯人がわかっており、いかに探偵が犯人の完全犯罪を切り崩していくか、に焦点があてられたもの。 『刑事コロンボ』及び、コロンボに影響を受けた『古畑任三郎』が有名。「倒叙ミステリー」という言葉を知らなかったために「コロンボ方式」「古畑方式」と呼んでた人も多いのでは? 古典 ミステリーの中でも古い分類の作品。 どこまでを古典と呼ぶかはハッキリしていないが、とりあえずシャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロが古典に入るのは異論はないだろう。 これからミステリーを書こうと思っているなら、「古典の名作」と呼ばれる作品ぐらいは目を通した方がいい。 意図的でなくても古典と被るトリックを使ってしまったら「お前古典すら読んでないのかよ」と非難されても仕方ない。 逆に古典的なトリックを上手く近代の舞台に落とし込めれば読者の称賛を浴びるであろう(この際、トリックは古典的である事を明かしておくといい)。 本格 ミステリーの原点。近代までは境界のはっきりしていなかったSFや怪奇小説などの隣接ジャンルからはっきりと独立した、 作中で提示された情報だけで読者にも解けるが、簡単には解けないトリックを売りにしたジャンル。 後述の社会派やハードボイルドに押されて一度衰退した後に奇抜なトリックで原点回帰を目指した「新本格」というジャンルも。 社会派推理小説 犯人・トリック解明をしつつも、「犯人の動機」・「事件の背景」・「作品のリアリティ」等を主眼に置いたもので、ホワイダニットに重点を置いた作品とも言える。 この単語を定着させたとされる松本清張や、ファンタジー・ホラー等も手掛ける宮部みゆき、『探偵ガリレオ』シリーズ等の東野圭吾が第一人者とされている。 警察もの 刑事を主人公としたミステリー作品。少し範囲を狭めて「刑事もの」とも。 探偵とは違い、自然な形で主人公を事件に関わらせる事が出来るのが特徴。作風によっては、警察内部の闇や社会問題に触れられる事もある。 鑑識、法医学研究員、検視官が主人公となる場合もあり、同じ警察官でも階級によって事件への関与の仕方が大きく違ってくる。 法廷もの 弁護士や検察官を主人公とした作品。裁判官?前者二つに比べるとかなり少ない。 裁判や司法体制などがテーマになりやすく、弁護士主人公なら検察官、検察官主人公なら弁護士がライバルとして立ちはだかる事もある。 弁護士が主人公の場合は、刑事事件の冤罪で捕まった被告人の弁護を引き受け、無罪を立証しつつ事件の真相と真犯人を暴くというスタイルが多い。 本当に罪を犯していてほぼ有罪確定の人を弁護する展開はそれと比べると少な目。 ハードボイルド ミステリーの一ジャンルだが、思索型の探偵ではなく行動派・肉体派の探偵が活躍するタイプ。 複雑なトリックを解き明かすよりも、探偵役のアクションや生き様などが重視されている。 多くの作品は「暴力・セックス・ドラッグ」が登場する退廃的な作風なのが特徴。 日常の謎 殺人や誘拐など重大な犯罪ではなく、実際にありそうな身近で起きる謎を解く過程を描く。人を殺さなくても話を進展出来るためライトノベル・ライト文芸と相性が良い。 氷の凶器 使ってはいけないお約束トリックの一つ。 「なぜ凶器が見つからなかったか?」→「氷で凶器を作ったから溶けてしまったんだよ!」はあまりに使い古され過ぎていて読者からの受けは芳しくない。 ミスリードとしてはともかく、どうしても解決編として使うなら、何かしら一ひねりは欲しい。 同様のものに「ワイヤートリックによる密室」「双子の入れ替わり」などが挙げられる。 別に禁じ手というわけではないが、やはり使うなら何かしらの工夫はいるだろう。 ちなみに、リアルでは氷の凶器を用意して犯行に及んだ場合、犯行の計画性と隠蔽目的が重大であると判断され、普通の凶器を使った場合よりも遥かに罪が重くなる可能性が高いらしい。 ピタゴラスイッチ こちらも使ってはいけないお約束トリックの一つ。 物理学・化学・機械工学の知識を用いた巧妙なカラクリよるトリックの事。『本陣殺人事件』が代表的。 その殆どが机上の空論であり、無駄に手が込んでいるうえに回りくどかったりするのでミステリー読者からの受けは良くない。 尤も模倣犯を生み出さないようにあえてこうしているという意図がある。 こちらも禁じ手ではないが、上記の氷の凶器以上に工夫がいる…というより作風の段階から合うか合わないかが決まってることも。 利き手・利き腕 例えば右利きの人で「え?コップは左手で持つけど」「腕時計は右手につけているけど」と思っていたとしても、 ミステリーでは多くの場面で様々な要素から利き手・利き腕を確定する場面が出てくる。 現実は現実として、推理の材料としてありがたく受け入れておこう。 ノックスの十戒とヴァン・ダインの二十則 ミステリーの「お約束」をわかりやすくまとめたもの。 極端な話 「犯人が終盤から登場した中国人であり、未知の秘薬を使い換気口から死体を密室に送り込むことが可能だった…という真相を探偵が突如超能力を使って明らかにした」 なんてオチはダメというもの。 別に遵守しなければならないということはないが、 今の時代でも参考になる要素があるので、ミステリーを書こうと思っているなら一度読んでみるのもいいだろう。 チャンドラーの九命題 上二つほど知名度がない(作家としての知名度はともかく)が、同様に「お約束」を並べてみたもの。 ハードボイルドの人だけあって「暴力的冒険談」を認めているなど比較的緩めだが、本格的でないというわけではない。 なお、原文では十二命題あるという説もある。 読者への挑戦状 特にロジックを重視する作品で挿入されることが多いもの。 多くは「解明に必要な必要な情報は全て出揃った」という作家からのお知らせであり、解いてみてみろ!という挑発でもある。 ぜひ自分の推理力を試してみてはいかが? トンデモトリックの隠れ蓑だったり、読者への挑戦状内に罠を入れていることも稀によくあるので注意。 パズル・ストーリー 実際あり得るかどうかは二の次にして、謎解きを重点に置いた推理問題。 日本では「ウミガメのスープ」が代表的。 アンチ・ミステリー 分類上はミステリーのはずなのだが分類不能のジャンル。 狭義では日本三大奇書こと『ドグラ・マグラ』『黒死館殺人事件』『虚無への供物』の三作品のこと。 四冊目として『匣の中の失楽』が上がることもある。五冊目の候補が語られることもあるが、ほぼ確定していない。 バカミス 理解不能な動機、壮大過ぎるトリック、現実を逸脱した世界観、斜め上の犯人像、超展開のプロットなどなど、真相で笑うしかない要素を含む作品。 ゲームにおける「バカゲー」と同じで、意図的にネタに走って書いたのもあれば、作者は大真面目に書いたのに発想がぶっ飛び過ぎてバカミスになるものもある。 人によってはトンデモ・クソミス・壁本・地雷となるジャンル。 それでもそのバカさを追い続ける読者もいるのである。 イヤミス 嫌なミステリー。簡単に言えば後味の悪い、胸糞の悪い作品。 いじめ・離別・家庭崩壊など、真面目に生きてきたはずの人間がドロドロとした不幸に巻き込まれていくパターンが典型的。 普通の本格ミステリーだけでなく、日常の謎やサスペンスで見かけることも多い。 湊かなえの『告白』を代表として女性作家が得意とする傾向にあるが、もちろん絶対ではない。 SFミステリー(特殊設定) SFであり、ミステリーというジャンル。 近年においては80年代から活動の西澤保彦に始まり、90年代~00年代のファンタジー・SF系ライトノベルやいわゆるファウスト系ミステリの薫陶を受けた世代が書き手になったことで数多くの作品が出ており、ファンタジーものと併せて「特殊設定」というジャンル分けが普及している。 SFならではのガジェットを用いることが可能なのが特徴だが、流石に「何でもアリ」だとミステリーとして成立しないので、「このガジェットには何ができて何ができないのか」を詳細に決めておく必要がある。 ……ぶっちゃけミステリー一本のために、世界観から練り直す必要があるので、書く難易度も読む難易度もかなり高い。それだけに、全てが上手くかみ合えば傑作になり得るが。 中には、 タイムテレビで未来から自分の行動を監視されていることを前提に、いかに正当防衛に見せかけて殺すか腐心する 倒叙物なんて変わり種も。 有名なミステリー作家 海外編 エドガー・アラン・ポー ご存じミステリーの元祖。 どちらかというと、怪奇小説家と言った方が作風としては近いかもしれない。 詩や評論のジャンルでの功績も多い文学上の巨人の一人。 モルグ街の殺人 その他オーギュスト・デュパンシリーズ 黒猫 早すぎた埋葬 コナン・ドイル 世界一有名な名探偵の生みの親。イギリスのスコットランド出身で医者でもあった。 探偵小説という形式を確立した偉大な作家だが、実はオカルトに傾倒していた意外な一面も…… シャーロック・ホームズシリーズ モーリス・ルブラン 探偵と対を為すかのような大犯罪者「アルセーヌ・ルパン」を生み出したことで知られるフランスの代表的古典作家。 ルパンが犯罪を解決するパターンの小説も何作か発表している。 アルセーヌ・ルパンシリーズ バロネス・オルツィ 安楽椅子探偵や女性警官の主人公の元祖を生んだ女流作家。歴史ロマン「紅はこべ」でも知られる。 ハンガリー出身のイギリス人で本名が超長い。 隅の老人シリーズ レディ・モリーシリーズ アガサ・クリスティ 「見立て殺人」「ミッシングリンク」「叙述トリック」など様々なトリックを活用したイギリスの女流作家。 他にも軽めの冒険・スパイミステリやミステリー戯曲、別名義での女性向け小説等も手掛けており、考古学者との再婚後には古代エジプト小説を描いた。 なんとリアルに失踪騒動を起こした事でも有名だが(ドイルら先輩作家もコメントを寄せたそうな)、本人はその事件について「一時的な記憶喪失だった」とのみ語り、詳細について生涯説明することはなかった。 エルキュール・ポアロシリーズABC殺人事件 ミス・マープルシリーズ そして誰もいなくなった エラリー・クイーン 自身と同じ名を冠した探偵を活躍させる「エラリー・クイーンシリーズ」が有名なアメリカの作家。 ちなみに従兄弟二人組の連名。「バーナビー・ロス」と名乗ってることもある。他の作家に名義貸しすることも。 執拗なロジックや読者への挑戦状が特徴とされるが、攻めた作品も結構ある。 その作風から、ミステリーにつきものの問題が「後期クイーン的問題」と呼ばれて議論されている。 これは主に「(読者には「手がかりが出揃ったことを告げる『読者への挑戦状』を信じる」という手段があるが)作中の探偵は、未知の情報や偽の手がかりや隠れた黒幕が一切存在しないことをどうやって確信・証明すればいいのか」というもの。 エラリー・クイーンシリーズ ドルリー・レーンシリーズ F・W・クロフツ 地味な捜査を延々続ける作風が特徴のイギリス作家。 地味とはいえ倒叙もの、アリバイ崩し、密室崩しなど中身は本格的。 フレンチ警部シリーズ G・K・チェスタトン 捻った逆説やトリックを駆使したミステリーを残したイギリスの作家。 代表探偵のブラウン神父は世界三大名探偵に数えられることも。 保守系批評家としても知られ、創作にも民族主義的な思想が強いのでやや人を選ぶ。 ブラウン神父シリーズ ジョン・ディクスン・カー/カーター・ディクスン 怪奇仕立ての作品や密室を始めとしたトリック系作品が特徴のアメリカの作家。でも舞台はヨーロッパ多め。 くだらないトリックも多いことは内緒。 歴史ミステリーも得意。 アンリ・バンコランシリーズ ヘンリ・メリヴェール卿シリーズ ギデオン・フェル博士シリーズ アントニー・バークリー 多重解決ものや探偵の誤謬、犯罪者心理小説など定型を崩しつつの作品を得意としたイギリス作家。 「フランシス・アイルズ」名義では倒叙ものを書いている。 ロジャー・シェリンガムシリーズ アンブローズ・チタウィックシリーズ S・S・ヴァン・ダイン 美術評論の休職中に暇つぶしにミステリー書いたら成功しちゃったアメリカ作家。 二十則のような厳格な批評精神や無駄知識が増える衒学趣味が特徴。 作品の半分くらいが微妙扱いなのは内緒。 ファイロ・ヴァンスシリーズ レイモンド・チャンドラー 文学性すら感じられる巧妙な文体とイメージを持つハードボイルドの代表者。 ミステリー以外でも村上春樹なんかに好かれている。 フィリップ・マーロウシリーズ ダシール・ハメット 本物の元探偵にして、その経験をミステリーの中に叩きこんだハードボイルドの代表者。 某掲示板のミステリー板における「名無しのオプ」の元ネタ。 コンチネンタル・オプシリーズ サム・スペードシーズ ロス・マクドナルド 上二人とまとめてハードボイルド元祖御三家とか言われてる作家。9割がたの話は家庭問題。 ハードボイルド系では珍しく、意外性にも優れる。 リュウ・アーチャーシリーズ アイザック・アシモフ SF作家として知られるアシモフだが、意外なほど本格ミステリーも書いている。 安楽椅子探偵の代表格「給仕ヘンリー」が活躍する「黒後家蜘蛛の会」が有名。 またロボットが登場する作品でもミステリー染みたものも。 イライジャ・ベイリとRダニールシリーズ 日本編 江戸川乱歩 エドガー・アラン・ポーから取ったペンネームで知られる日本の探偵小説作家代表。 どちらかというと、冒険小説と言った方が雰囲気としては近い。 怪人二十面相シリーズ 横溝正史 閉ざされた古い集落を舞台にした本格的な見立て殺人シリーズで知られる。 金田一耕助シリーズ犬神家の一族 獄門島 八つ墓村 人形佐七捕物帳シリーズ 高木彬光 戦後日本の本格推理小説の第一人者。歴史、法廷、経済ミステリーと幅広いジャンルにも手を出した。 神津恭介シリーズ 松本清張 日本の社会派推理の原点にして頂点。 ただ、トリック系本格派についても十分な造詣を備えていたという。 点と線 砂の器 鮎川哲也 多様で精密なアリバイ崩しや密室を得意とした戦後本格推理の代表者。 鬼貫警部シリーズ 星影龍三シリーズ 西村京太郎 時刻表トリックの旗手。読者が実際に試したくなるのがお約束。 初期は社会派や海洋系トリックなんかも書いていた。 十津川警部シリーズ 左文字進シリーズ 山村美紗 京都ネタや伝統文化ネタが豊富な女性作家。 西村京太郎とは仲良し(意味深)だった。…いや西村と出会った時既に娘紅葉はいたし、離婚もしなかったから単なる友人関係だったんだろう。多分。 キャサリンシリーズ 赤い霊柩車シリーズ 森村誠一 社畜→ビジネス書作家という経歴の後にミステリーに入った人。 山岳・歴史・会社・警察などが主な舞台になっている。 棟居刑事シリーズ人間の証明 牛尾刑事シリーズ 島田荘司 社会派推理作品全盛だった昭和後期に本格推理小説を再興したと言われる作家(社会問題ものも多いが)。綾辻行人デビュー時の後援者でもある。 超変人脳科学者探偵(元占い師) 過去が重すぎる世話焼き系ワトソン役がメインな御手洗潔シリーズで知られる。 御手洗潔シリーズ 吉敷竹史シリーズ 赤川次郎 ライトで軽妙な語り口で非常に読みやすい文体なのが特徴。 一方でガチホラーや社会問題を批判するようなサスペンスも多く手掛け、天使少女と犬悪魔や吸血鬼父娘、霊感持ちバスガイドといったファンタジー寄りな主人公のシリーズをも描くプレラノベ世代。 猫が探偵役という(喋らない探偵という意味で)変わり種、三毛猫ホームズシリーズが特に有名。 三毛猫ホームズシリーズ 三姉妹探偵シリーズ 大貫警部シリーズ 天使と悪魔シリーズ 竹本健治 上述の『匣の中の失楽』で鮮烈なデビューを飾った作家。 アンチ・ミステリーだけでなく、作者とその周辺の人物が実名で作中に登場するメタ・ミステリーも得意とするほか、SFやラノベ寄りの作品も多い。アンドロイドのドジっ娘美少女メイドが探偵をやったり、異常にキャラが濃い芸者5人組が事件に巻き込まれたり。 というか作者本人が「本当は漫画家になりたかった」とぶっちゃけている。 匣の中の失楽 牧場智久シリーズ ウロボロスシリーズ キララシリーズ 綾辻行人 常識を覆すような大胆極まりない叙述トリックとホラー描写、奇想天外な「館」トリックが有名な作家。 彼を売り出すためのキャッチフレーズから、「新本格ミステリ」という作家カテゴリーが生まれたという。 館シリーズ Another 伊園家の崩壊 森博嗣 「理系ミステリ」。精緻で余計なものを排除した芸術的なトリック。 『百年シリーズ』や映画化された『スカイ・クロラ』等SFミステリーも多い。 『封印再度』のトリックは、一見ありえないように見えて、実は実現可能なことが読者の手で実証された。 S MシリーズすべてがFになる 冷たい密室と博士たち Vシリーズ 京極夏彦 「文系ミステリ」。人間の業に迫る不可解な事件を「憑き物落とし」が祓っていく。 ちなみに宮部みゆき・ハードボイルド作家の大沢在昌とは同じ事務所。 京極堂シリーズ魍魎の匣 狂骨の夢 宮部みゆき 社会派ミステリーでデビューした後、ファンタジーや時代劇も書く様になった女流作家。捕物帳にも現代的ミステリー要素を取り入れている。 密室とかは使わないが、叙述トリックは使う。あと犬や財布の一人称で話を綴ったり、社会派作品にがっつりファンタジーが絡んで来たりしたこともある。 模倣犯 杉村三郎シリーズ 東野圭吾 トリックに重点を置いた作品・メタミステリー・社会派ミステリー・人情派と何でも手掛ける人。 どちらかというと単発作品がトリッキーになりがちで、ガジェットにSF要素を入れることもある。 浪速少年探偵団シリーズ 加賀恭一郎シリーズ 探偵ガリレオシリーズ はやみねかおる 「赤い夢」をキーワードとするジュブナイルミステリー作家。 楽しく読める作品が多いのだが、珠に挿入されるガチ要素にぞくっとしたり。 名探偵夢水清志郎シリーズ 松原秀行 はやみねかおると双璧を成す青い鳥文庫のミステリー作家。 いつも心に好奇心(ミステリー)!というコラボ作品も出版されたりした。 パソコン通信探偵団事件ノートシリーズ(俗にパスワードシリーズとも) 西尾維新 初期はミステリー作家枠としてデビューしたはずだが、最近はラノベ作家として認知されている気がする。 デビュー作『戯言』シリーズは最初はミステリーだったはずだが、いつの間にか「新青春エンタ」という別ジャンルになっていた。 奇抜な作風で有名だが、書こうと思えば「難民探偵」とかの本当に普通のミステリーも書ける模様。なお本当に普通のミステリーすぎてそっちはあまり話題にならない。 戯言シリーズクビキリサイクル 忘却探偵シリーズ 久住四季 主にライトノベルでミステリを書く異色の作家(とはいえ最新作は一般だったが)。 魔術だの超能力だのが存在する世界での推理が最大の特徴で、犯人が完璧な変装魔術(通常の手段では看破できない)を行使したり、 探偵が嘘を見抜く能力(「あなたは犯人ですか?」と聞いて回るだけで事件解決)を持っていたりする。 もちろん、そう簡単に話は進まないのだが、一味違った推理を楽しめる。 トリックスターズシリーズ ミステリクロノシリーズ 鷲見ヶ原うぐいすの論証 小森健太朗 最近は自分でも相撲の人とか名乗ったりしているが、本来得意とするのは歴史(世界史)ミステリーや内輪向けメタ・ミステリーだったりする。 翻訳やミステリー・アニヲタ系評論の仕事も多い。 コミケ殺人事件 ローウェル城の密室 大相撲殺人事件 我孫子武丸 要するにかまいたちの夜のライター。もちろん小説も多い。 小説・ゲーム以外でも漫画原作やクイズ番組監修などやけに手広く仕事しており、最近では関智一主演舞台の脚本 小説化も手掛けた。 速水三兄妹シリーズフィギュア・フォー 人形シリーズ 殺戮に至る病 円居挽 講談社BOX出身の喧嘩商売とわたモテの人ミステリ作家。 デビュー作の『丸太町ルヴォワール』など法廷ものを得意とする。 Fate/GrandOrderのミステリーイベントのシナリオライターであることでも有名。 ルヴォワールシリーズ 虚月館殺人事件・惑う鳴鳳荘の考察 漫画編 さとうふみや 天樹征丸 金成陽三郎 「ミステリー漫画」のブームを生み出した、「コナン」と並ぶ死神漫画界の名探偵金田一一の生みの親たち。 「金田一少年」は「コナン」よりも内容が少し大人向けで、作風は横溝正史の本家金田一(ジッチャン)寄り。 金田一少年の事件簿シリーズ 探偵学園Q 青山剛昌 「金田一少年」に続いてのこの作品で、「ミステリー漫画」は定着することになった。 もはやミステリー云々を越えて一種の国民的漫画と化している。 「真似する人が現れないように」との考えにより、理論上は可能(各種トリックはあらあじめ実験して可能かどうか確認している場合がほとんど)でも実際にやるのは困難なトリックが多め。 名探偵コナンシリーズ 加藤元浩 知名度では先に挙げた二作に劣るが、根強いファンのいるミステリー漫画家。最近は小説も出している。 数学や博物学などの知識に通じた探偵役と、殺人だけでなく様々な形態の「謎」を取り扱うのが特徴。 Q.E.D.のドラマ化以外メディアミックスがない為に知名度は低めだが、下記2作で合わせて100冊を超えており、巻を跨ぐことがほぼない為扱った事件の数はかなり多い。 (Q.E.D.は1冊で2話、C.M.B.は1冊に4話が基本。) Q.E.D. 証明終了 C.M.B. 森羅博物館の事件目録 樹林伸 いわゆるキバヤシ。ぶっちゃけ「金田一少年」の天樹征丸の中の人。 他の漫画家とも組んでミステリーやミステリー以外の漫画を色んな名義で無数に書いている。 漫画以外では、たとえば「金田一少年」のノベライズはすべて自身で手がけている サイコメトラーEiji(作画 朝基まさし) BLOODY MONDAY(作画 恵広史) 探偵犬シャードック(作画 佐藤友生) リモート(作画 こしばてつや) MMR マガジンミステリー調査班(作画 石垣ゆうき) 城平京 れっきとした推理作家でもあるのだが、アニヲタ的にスパイラルなどの漫画原作者としてこちらの方に。 そのスパイラルはバトル展開に転がったことが話題に挙げられるが、 すでに上記推理漫画達によって王道が確立されていたために一味違ったものにしたいという氏の意向による既定路線であったそうである。 あと小説版スパイラルは原作漫画もミステリも知らない人にもおすすめできる傑作。 名探偵に薔薇を(小説) 虚構推理(小説、漫画) スパイラル~推理の絆~ 小説 スパイラル〜推理の絆〜鋼鉄番長の密室 スパイラル・アライヴ ヴァンパイア十字界 絶園のテンペスト 天賀井さんは案外ふつう 雨の日も神様と相撲を 追記・修正の謎は解けた! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] ピタゴラ装置をフル活用したトリックはミステリーなんかじゃない -- 名無しさん (2018-05-15 00 34 36) 今FGOでやってるイベント、もろに叙述トリック使いまくってて面白い。 -- 名無しさん (2018-05-15 01 50 07) ↑叙述トリック……? もしかして、あの登場人物たちのセリフは、実際は事件のついて書かれた何等かの文書のもので、そこに改ざんの余地があると……!? と、ということは犯人は……!? そういえば、マスターが眠っても、向こう側の彼も眠るとは限らないよね?(汗 -- 名無しさん (2018-05-15 08 52 57) 「ミステリ」と伸ばし棒を付けない表記をする人に出会ったら注意しよう。あるいは諦めよう。 -- 名無しさん (2018-05-15 09 54 10) 別にいいじゃない。鍵くらい。 -- 名無しさん (2018-05-15 10 20 23) TVのグースバンプスはタイトルの最初にミステリーとつくので親戚の子供が「ホラーと同じ意味」だと思っていた。 -- 名無しさん (2018-05-15 10 22 15) ↑6ピタゴラ暗号棒はコナン君で使われていたけどな。 -- 名無しさん (2018-05-15 10 23 41) れ、冷凍イカ…… -- 名無しさん (2018-05-15 12 27 46) 叙述トリック系は「読者が勝手に騙されるだけ」のタイプと「作中の登場人物を騙すための仕掛けに読者も引っかかる」タイプに分かれる気がする -- 名無しさん (2018-05-16 18 38 06) 清涼院流水先生はまあミステリー作家じゃねぇから載らんわな -- 名無しさん (2018-05-16 20 12 17) 氷のトリックで思い出したのは33分探偵だった・・・ -- 名無しさん (2018-05-16 22 30 37) 本格ミステリはぜひ有栖川有栖さんを読んでほしい -- 名無しさん (2018-05-22 13 39 38) 叙述トリックの一番難しい所は「間違いなく発音すること」かも知れない。じょじゅちゅとりっく。 -- 名無しさん (2018-07-23 16 58 47) 材料が揃ってんなら氷だろうがピタゴラスイッチだろうが別に構わんけどなあ…そもそも本陣殺人事件は名作です(唐突な半ギレ) -- 名無しさん (2018-08-27 07 39 28) うみねこの中で竜騎士氏が言ってた、『本格ミステリーとは、徹底的に算数的なパズルゲーム』と言っておられたな。名言だ。 -- 名無しさん (2018-08-28 07 28 48) 新本格が一人しか書いてないのは納得いかない。有栖川有栖ぐらいは書いてほしい -- 名無しさん (2018-08-28 14 31 29) ↑メフィスト系も我孫子も小森も新本格だと思うが…でもアリス書くのはいいんじゃね -- 名無しさん (2018-09-01 16 44 01) 円居はルヴォワールも逆転裁判も純法廷ものとは言わない気がするけどなあ -- 名無しさん (2019-07-10 04 44 22) ミステリの楽しみ方、謎解き優先で止めたりはしないけど、読み進めながらトリック考えたりはするんだが、この場合は後者になるのかな? もちろんトリックも考える都合上、ネタバレは絶対嫌なタイプ。 -- 名無しさん (2020-06-24 14 09 09) 名探偵浅見光彦を産んだ内田康夫先生を追記して良いかな -- 名無しさん (2020-12-16 21 06 14) ↑いいね -- 名無しさん (2020-12-16 21 28 11) まあ、映像化とかは難しいわなって作品も多いのよな……そう言う意味じゃ十角館をよく漫画化しようと思ったなと -- 名無しさん (2021-06-04 02 17 26) アリバイとは別にこいつには犯行は不可能だ! というやつあるよね。ベタなのだと女やヨボヨボ老人にはこの力業は無理、この人は高所恐怖症だから犯行は無理というやつ。犯人がトリックを使って不可能を可能にしたり、最有力容疑者と疑われてた人の疑いを晴らしたりする -- 名無しさん (2021-08-25 18 36 26) 漫画の探偵入れてもOKならアメコミのバットマンも入れて良いかも。エピソードによっては探偵役を務めているし制作者も探偵を意識してキャラ作ったらしいし -- 名無しさん (2022-08-02 17 42 06) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ixion/pages/40.html
ミステリー (mystery) は、 神秘的、謎、不可思議なこと。 ミステリ、ミステリイとも言う。 文学などフィクションのジャンルで「ミステリー」と言えば、 推理小説等のミステリーを用いた創作物を指すことが多い。 ミステリーとは小説、漫画、テレビドラマ、ゲーム等の創作物におけるジャンルの一つ。 何らかの犯罪の発生(法律上は犯罪と定義されないケースも含む)に起因する物語を言う。 完全犯罪が成立して終結する場合と、 その解決に向けての捜査活動および推理がなされて犯人が逮捕されたり 真相が明らかにされる場合がある。 後者において特に事件解決に貢献する推理を主に行う個人がいる場合、 主人公にする場合もある。 このような個人は一般に探偵と(職業が探偵でなくても)呼ばれる。 こうしたことから推理もの、探偵ものと呼ばれることもある。 歴史的には、ミステリーというジャンルの起源は小説にある。 その詳細は推理小説を参照のこと。 推理小説の舞台化やテレビドラマ化等から始まり、 今は幅広いメディアにおいてミステリーというジャンルの作品が存在する。 なお、 一般にはミステリとミステリーは同義語で使うが、 厳密に使い分けられている場合もあるので注意が必要である。 辞書によっては推理小説と同義に扱う場合もあるが、 原語のmysteryが小説以外も含めて指す語でもあり、 メディアの多様化によって現代では小説に限定されずに用いる用法が行われている。
https://w.atwiki.jp/asianmystery/pages/244.html
2014年9月3日 ※作成中 Index 台湾 中国(1)戦前の作品(20世紀) (2)戦後の作品(20世紀) (3)21世紀の作品 香港 チベット 韓国(1)戦前デビューの作家 (2)1970年代デビューの作家 (3)それ以降の作家 台湾 藍霄(ランシャウ)『錯誤配置』(玉田誠訳、講談社 アジア本格リーグ1、2009年9月) 寵物先生(ミスターペッツ)『虚擬街頭漂流記(きょぎがいとうひょうりゅうき)』(玉田誠訳、文藝春秋、2010年4月) - 第1回(2009年)島田荘司推理小説賞受賞作 「彷徨えるマーク・ガッソン」(玉田誠訳、『ジャーロ』41号、光文社、2011年3月) 余心樂(よ しんらく)「生死線上」(『有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー』(角川文庫、2001年8月) 凌徹(リンチェウ)「幽霊交叉点」( 『ミステリーズ!』Vol.29、東京創元社、2008年6月) 林斯諺(りん しげん)「バドミントンコートの亡霊」(稲村文吾訳、Kindleダイレクト・パブリッシング、2014年10月)(※電子書籍のみ Amazonリンク)(合本版もあり / 詳細は「こちら」) 寵物先生(ミスターペッツ)「犯罪の赤い糸」(稲村文吾訳、Kindleダイレクト・パブリッシング、2014年10月)(※電子書籍のみ Amazonリンク)(合本版もあり / 詳細は「こちら」) 中国 (1)戦前の作品(20世紀) 呂侠(ろきょう)「白玉環」(はくぎょくくゎん)(訳者記載なし、『新青年』1930年夏季増刊号[11巻11号]、pp.100-113) ※著者名「武進呂侠」 「絶命血書」(チュエ ミン シェー シュ)(阿羅本洋訳、『新青年』1935年夏期増刊号[16巻10号]、pp.161-169) 張慶霖(ちょう けいりん)「無名飛盗」(ウー ミン フェイ タオ)(訳者記載なし、『新青年』1931年新春増刊号[12巻3号]、pp.278-290 / 当サイトで2011年12月15日公開) 幸福斎(こうふくさい)「賭場母女」(トゥ チャン ムー ヌー)(呂久餘七訳、『新青年』1933年夏季増刊号[14巻10号]、pp.125-138) 上記4短編のタイトルのルビは『新青年』で振られているものである。 (2)戦後の作品(20世紀) 艾国文(がい こくぶん)、黄偉英(こう いえい)「人民公社殺人事件」(『サンデー毎日』1981年6月14日号~7月19日号、全6回) 莫言『酒国(しゅこく) 特捜検事丁鈎児(ジャック)の冒険』 (藤井省三訳、岩波書店、1996年10月) 張平(ジャンピン)『凶犯』 (荒岡啓子訳、新風舎文庫、2004年8月) 『十面埋伏(じゅうめんまいふく)』(上下巻)(荒岡啓子訳、新風舎、2005年11月) (3)21世紀の作品 水天一色(すいてんいっしき、1981年- )『蝶の夢 乱神館記』(大澤理子訳、講談社 アジア本格リーグ4、2009年11月) 海岩『玉観音(ぎょくかんのん)』(池澤滋子訳、実業之日本社、2011年10月) 21世紀の短編 畀愚(ビイユ、1970- )「謀殺」(新吉楽図[シンジルト]訳、光文社『ジャーロ』7号、2002年春号) 原題「谋杀」、『上海文学』(上海文学雑誌社)2001年7月号(通巻285号)掲載 蘇徳(1981- )「エマーソンの夜」(桑島道夫訳、東アジア文学フォーラム日本委員会編『イリーナの帽子 中国現代文学選集』、トランスビュー、2010年11月) 原題「威马逊之夜」 以上の2作は基本的には「文学」の範疇の作品。 下記の3作家は本格ミステリ作家。 馬天(ばてん / マーティエン) ※過去の筆名は服部平次(フーブー・ピンツー)「日本鎧の謎」(クイーン贋作集『エラリー・クイーンの災難』飯城勇三編、論創社、2012年5月) 御手洗熊猫(みたらい ぱんだ)「人体博物館殺人事件」(稲村文吾訳、Kindleダイレクト・パブリッシング、2014年10月)(※電子書籍のみ Amazonリンク)(合本版もあり / 詳細は「こちら」) 水天一色(すいてんいっしき)「おれみたいな奴が」(稲村文吾訳、Kindleダイレクト・パブリッシング、2014年10月)(※電子書籍のみ Amazonリンク)(合本版もあり / 詳細は「こちら」) 香港 陳浩基(サイモン・チェン)『世界を売った男』(玉田誠訳、文藝春秋、2012年6月) チベット ジャムヤン・ノルブ『シャーロック・ホームズの失われた冒険』 インド生まれのチベット人作家による英語作品。 韓国 (1)戦前デビューの作家 金来成(キム・ネソン、1909-1957) 韓国推理小説の父。「韓国の江戸川乱歩」などと例えられたりもする。「霧魔」(拙訳、当サイトで2011年9月28日公開) 「深夜の恐怖」(拙訳、当サイトで2012年3月10日公開) … アーサー・コナン・ドイル「まだらの紐」の翻案作品 『金来成探偵小説選』(論創社 論創ミステリ叢書 第76巻、2014年6月)1. 短編「楕円形の鏡」(初出:『ぷろふいる』1935年3月号 / 『新作探偵小説選集』ぷろふいる社、1936年10月 収録) 2. 短編「探偵小説家の殺人」(初出:『ぷろふいる』1935年12月号 / 『幻影城』第5号[1975年6月号]再録) 3. 長編『思想の薔薇』(祖田律男訳) 4. 掌編「綺譚・恋文往来」(初出:『モダン日本』1935年9月号 / 当サイトで2011年9月16日公開) 5. 短編「恋文綺譚」(祖田律男訳)1、2、4は金来成が日本語で書いた作品。3は金来成が日本語で書いた作品だが、日本語原稿が見つかっていないため、本人による韓国語訳版からの「再翻訳」で収録されている。5は4を元に短編化したもの。 ほかに金来成が日本語で書いた評論・随筆類「作者の言葉」、「書けるか!」、「探偵小説の本質的要件」、「鐘路の吊鐘」、および韓国語で書いた随筆の翻訳「探偵小説二十年史 第三回」(祖田律男訳)を収録。 『魔人』(祖田律男訳、論創社 論創海外ミステリ 第127巻、2014年7月) 『金来成探偵小説選』に随筆「探偵小説二十年史」(全3回で中断)の第3回しか翻訳収録されていないのは、刊行時点で第3回しか確認できていなかったからである。その後、韓国の研究者から第1回の複写を入手することができた。第2回はまだ研究者の間でも見つかっていない。 (2)1970年代デビューの作家 金聖鍾(キム・ソンジョン、1941- ) 韓国推理小説の中興の祖。「韓国の松本清張」などと例えられたりもする。「帰ってきた死者」(金容権[キム・ヨングォン]訳、光文社『ジャーロ』4号、2001年夏号) 「失踪」(『コリアン・ミステリ 韓国推理小説傑作選』バベル・プレス、2002年5月) 「鎌」(李建志[り・けんじ]訳、『早稲田文学』2002年5月号、27巻3号) 『ソウル 逃亡の果てに』(祖田律男訳、新風舎文庫、2005年4月) 『最後の証人』【上下巻】(祖田律男訳、論創社、2009年2月) 『最後の証人』が代表作。2014年にはフランスでフランス語訳版も刊行された。 (3)それ以降の作家 キム・ヨンハ(金英夏、1968- ) 英訳が出ている数少ない韓国作家の1人。キム・ヨンハ『光の帝国』(宋美沙[ソン・ミサ]訳、二見書房、2008年12月) 金英夏(キム・ヨンハ)『阿娘(アラン)はなぜ』(森本由紀子訳、白帝社、2008年12月) イ・ジョンミョンイ・ジョンミョン『風の絵師』(2分冊) (米津篤八訳、早川書房、2009年5-6月) イ・ジョンミョン『景福宮(キョンボックン)の秘密コード』【上下巻】(裵淵弘[ベ・ヨンホン]訳、河出書房新社、2011年9月) 朴商延(パク・サンヨン)『JSA 共同警備区域』 (金重明(キム・ジュンミョン)訳、文春文庫、2001年5月) ※映画の原作小説(映画のノベライズ本ではない) 李垠(イ・ウン)『美術館の鼠』 (きむふな訳、講談社 アジア本格リーグ3、2009年11月) イ・イナ『永遠なる帝国』 (武田康二訳、文芸社、2011年12月) 孔枝泳(コン・ジヨン)『トガニ 幼き瞳の告発』(蓮池薫訳、新潮社、2012年5月) キム・オンス『設計者』(オ・スンヨン訳、クオン、2013年4月) 短編のみ翻訳されている作家 白恷(ペク・ヒュ、1960- )「精神病を引き起こす脱毛剤」(韓国推理作家協会訳、『ミステリマガジン』2000年10月号) ※著者名のルビは「ベク・ヒュ」となっている 李源斗(イ・ウォンドゥ、1938- )「妻を守るために」(韓国推理作家協会訳、『ミステリマガジン』2000年10月号) ※著者名のルビは「イ・ウォンズ」となっている 金且愛(キム・チャエ)「わな」(鄭泰原[チョン・テウォン]訳、光文社『ジャーロ』4号、2001年夏号) ソル・インヒョ(1975- )「そして誰もいなくなった」(米津篤八訳、『ハヤカワミステリマガジン』2009年1月号) ソン・シウ(1979- )「親友」(米津篤八訳、『ハヤカワミステリマガジン』2012年2月号) … 季刊ミステリ新人賞受賞作(『季刊ミステリ』2008年冬号掲載) 関連ページ 北欧ミステリ邦訳一覧 南欧ミステリ邦訳一覧 ドイツ語圏ミステリ邦訳一覧 オランダ語圏ミステリ邦訳一覧 ロシア・中東欧ミステリ邦訳一覧 中南米ミステリ邦訳一覧 東南・南アジアミステリ邦訳一覧 中東ミステリ邦訳一覧 アフリカミステリ邦訳一覧 非英語圏ミステリ各種リスト