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「足売り婆さん」 やあ、久しぶり。娯楽遊だよ☆俺ってさ、部活系の話にしか出てないよね。一応契約者なのに。そうそう、最近この辺で都市伝説 を見たって情報が有るんだ。これって俺の出番だよね☆ 遊「この辺で出るって聞いたんだけどなぁ」 そんなことを言いながら歩いていると、お婆さんの声が聞こえた 「足は要らんかえー足は要らんかえー」 この声、この台詞。間違いなく『足売り婆さん』。足は要らんかと聞いてきて、要ると答えれば足を無理矢理付けられ、要らないと答えれば 足をとられる、と言うものである。 遊「足売り婆さんか。…いくよ、サーカス☆団!」 遊はそう言ってポケットからテントを取り出した。そしてそこから… 「団長~呼びました~?」玉乗りをしながらジャグリングするピエロが 「アンタ達、団長がお呼びよ!」「「ガウ!!」」熊やライオンを従える猛獣使いが 「団長」「あたし達に」「「お任せ下さい!!」」空中ブランコを華麗に操る男女が 「……がんばります」綱渡りをする男が、飛び出してきた。 遊「よし、今回のターゲットはそこにいる『足売り婆さん』だよ☆」 足婆「足は要らんのかえ?」 ピエ「そこにいるやつですね~」 猛獣「生憎、足なら間に合ってるわ」 足婆「要らんのなら…寄越せ!!!」 猛獣使いのその言葉に反応し、足売り婆さんが飛び掛ってくる。しかし、 ピエ「危ないですよ~婆さん」 その攻撃はピエロの大玉で阻まれてしまう 足婆「な……」 空中「僕たちの」「絆を」「「見せてあげる」」「よ!」「わ!」 空中ブランコの男女が足売り婆さんを高く飛ばす。 綱渡「……!」 綱渡りの男が棒で足売り婆を突き上げる 猛獣「レオ、あの火の輪を潜りなさい!」「ガルル!!」 猛獣使いに命令されたライオンが火の輪に飛び込む。…足売り婆を巻き込みながら 足婆「ぐ…熱い…焼けるぅ……!!」 当然、足売り婆の体は燃え上がる。 遊「よし。ここまですればもう動けないよね。さ、〈勧誘〉してやって☆」 ピエ「了解しました~」 遊がそう指示すると、ピエロたちは足売り婆を紐で結んだ。そしてピエロたちは目の前に不思議な穴 のようなものをつくり…そこに足売り婆を放り込んだ 遊「さ、これでお前も僕のサーカス団の仲間入りさ☆『サーカスは人拐い』…これが俺の契約した都市伝説だよ☆」 ピエロたちが放り込んだのは異空間にあるサーカスの楽屋。そこに入れられれば強制的にサーカス団の一員となるのだ。 遊「ふぁーあ。お前たち、もう戻っていいよ☆」 「「「「「では、お言葉に甘えて」」」」」「「ガウッ!」」 こうして娯楽遊の都市伝説退治が終わるのでした 続く
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黒服Hと呪われた歌の契約者 25 (サムディ男爵の華麗なる(?)日々より 雪が降る中、月を見上げる 雪が降ろうが振るまいが、いつもと変わらぬ月の光 はらはら、はらはら 静かに、静かに、雪は降り続けている 明日になれば、積っているのだろうか? 雪が積もれば、世界は白く染め上げられる まるで、浄化でもされたように 「……柄でもないな」 何を考えているのやら その黒服は、頭を掻いた …まったく、ここ数年、そんな事は考えないようにしていたのだが 「…か~~~~っらからからからからからからからからからから!!!黄昏ているであるなぁ?友よ」 「ゲデか」 何時の間にか、黒服の背後に出現していたヤクザ紳士…ゲデ 黒服の様子を見て、からからと笑う 「何を考えていたであるか?」 「別に。ただ、マッドガッサーの力でもっと綺麗なねーちゃんが増えないかな、と」 マッドガッサー、もっとやれ 心から、そう思う それもまた、本音だ 「からからから!!なんとも友らしい考えであるよ!因みに、我輩ついさっき、そのマッドガッサーと遭遇してきたである」 「へぇ?それで、どうだったんだ?」 「「薔薇十字団」に誘ったら、さらっと断られたであるよ」 「………だろうな」 向こうにはマリ・ヴェリテのベートがいるのだ フランスで長きに渡って暴れたあいつのことだ、「薔薇十字団」に討伐された事も一度や二度じゃないだろう そんな奴が、「薔薇十字団」を信用するとは思えない 「話に聞いたとおり、なんとも仲間思いであるようだよ、連中は」 「信じあえる仲間同士で集まって、ってか。おめでたくて羨ましい限りだ」 マッドガッサーもマリ・ヴェリテも、かつては人を殺していた存在 …いや、マリ・ヴェリテは、今だって人を殺していることだろう ……そんな奴らが、信じあえる仲間を手に入れた、だ? なんともおめでたくて……羨ましいではないか 「いっそ、あいつらの思うような世界にでも変わっちまえば、おめでたくて平和なのかもなぁ」 「マッドガッサーのハーレム世界、であるか?そのおこぼれがもらえるなら我輩もちょっと興味津々であるなぁ」 「ちょっとじゃねぇだろ?かなり、だろ?」 そんな事を言い合い、笑い合う 互いに、これも本音なのだ 嘘偽りの考えを口にしている訳ではない …ただ、口にしない事が在るだけだ 「…………友よ」 「うん?」 …不意に ゲデが、黒服に、こんな言葉を投げかける 「友は、まだ世界が憎いであるか?都市伝説という存在を生み出す、この世界が」 「……お前にゃあ、どう見える?」 そう言って、笑ってやる ゲデは、しばし黒服を見つめ……笑った 「わからないであるなぁ?友は、隠し事がベリィ上手いであるよ」 「わからないなら、わからないままでいてくれや」 俺だって、わかりゃしない いや、わかろうとしていないのだから かつて、世界を憎んだ 都市伝説という存在を生み出す、世界そのものを 都市伝説さえなければ、自分はこうならなかったのだから 自らも、都市伝説と成り果てて …結局、自分はあんな事をしでかした 世界を憎んだところで、どうにもならないとわかっている、わかりきっている しかし、憎しみはどうにもならず しかし、憎んでもどうしようもなく だから、それについて考える事はやめた ……やめたはず、だったのだ だが、雪が降って、白く染まっていく街を見て、勘が得てしまう いっそ、世界が全て壊れて、まっさらで、真っ白な状態に戻るなら その時は…もう、都市伝説なんて存在が生まれなければいい その世界に、もう一度生まれる事が出来るなら……俺は、今度こそ…… (……いや) そんな事、考えても意味がない 無駄な考えだ それでも、考えてしまうと言う事はやはり…自分は、どこかおかしいままなのだ 「ゲデ。俺が馬鹿な事やらかそうとした時は、頼んだぞ?」 「……っからからから、了解しているであるよ、それは、友との約束である…友の担当契約者の事も、全て任せたであるよ!」 「後半却下。あの二人だけはてめぇにゃ任せねぇ」 「からからからからからからから!!ちょっぴり酷いであるよっ!?」 雪振る中、二人で笑う 肩に積もった雪を払いもせずに …いっそ、まっさらに浄化されるべきは俺なのだと 思考の奥深く、自分でも気づかず、そう考えた fin 前ページ次ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
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光彦「よぅ正義、[明美(アケミ)]。元気にしていたか。」 駅から出ると、懐かしい声が聞こえる。そう、正義の父親、[黄昏光彦(ミツヒコ)]である。 正義「あ、お父さん!」 半年と軽く言うが、それも結構長い時間。正義は嬉しそうに父親に駆け寄った。 しかしいつかのように抱きつくでなく、ただ話しかけるだけ。そう、正義はもう中学生なのだ。もう子どもではない、という事らしい。 正義「お兄ちゃんとはどうだった?」 光彦「あぁ、飯は上手だったな。少なくとも、明美以上だな。」 明美「えぇ、ミツ、それは酷いんじゃない?」 大王「(いつまでこの会話は続くんだ?)」 少々長かった団欒も、ふいに正義の母の言葉で止まる。 明美「そろそろ家に行きましょうよ。足が疲れちゃった。」 光彦「まったく、親子の再会をじゃまするとは。」 明美「なによ。それなら私も裂邪と感動の再会をさせてよ。『ママぁー!』『裂邪ぁー!』って。」 正義「えー、お兄ちゃんはそんなんじゃないよ。」 約2名の笑いが起こったところで3人を、いや、【恐怖の大王】を含めて4人を乗せた車は走り出した。 大王「(思えば、俺が世界征服に乗り出せないのは、この両親の所為でもあるな。子ども思いで、明るくて。おかげで少年もこの始末か。)」 正義「そういえば、なんでお兄ちゃんは来なかったの?」 光彦「また散歩と言って出て行ったよ。よほど正義に会うのが恥ずかしいんだろうな。」 明美「いや、きっとこの綺麗な私に会うのが」 光彦「そういえば正義、学校はどうだったんだ?」 正義「楽しかったよ!あ、そういえば修学旅行のお土産まだだったね。あとで渡すよ。」 明美「もう、マサヨシまで無視?お母さん寂しいんですけどぉ。」 ―――なんだかんだで、これから正義が住む事になる家に着いた。 光彦「よし、じゃあ荷物を家に入れるか。」 正義「ねぇ、お兄ちゃん探しに行ってもいい?」 光彦「ん?別にいいが、なんでだ?」 正義「だってお土産、一緒に渡したいから。じゃあ行ってきまーす。」 明美「いってらっしゃーい。気をつけるのよ。」 光彦「(まぁ、大丈夫だろうな。)」 外へ出て少し経った頃に、大王が正義に話しかけてくる。 大王「少年。あんなやつに、プレゼントを渡すのか?」 正義「・・・別にいいじゃん。『罪を憎んで人を憎まず』って言うしさ。」 大王「煮込む煮込まないは分かったが、アメと鞭は大事だと思うぞ。俺なら良い事をしてから、だと思うが。」 正義「『悪い子だからあげない』って言っても逆に悪くなる方が多いよ。それより、『少年』って呼ぶのはもう止めてよ。」 大王「あぁ分かったよ、『少年』。」 正義「だから!もうボクは中学生だよ!子どもじゃないんだよ。」 大王「そう言っているうちは子どもだ。そうだな、俺が大人になったと認めた時に『少年』と呼ぶのを止めてやる。」 正義「うぅ、うん、分かった。でもどうやったら認めるんだよ?」 大王「無論、『幹部になったら』だ。」 正義「やっぱり大王には認めてもらわなくていい。まだ世界征服狙ってたのか。」 大王「(まったく、いつまで経っても少年は『少年』のままだな。)そういえば、何故『大王』なんだ?」 正義「え?大王は大王じゃん。」 大王「友やコインは『くん・ちゃん』付けだろ。なら俺は『大王様』、少なくとも『大王さん』じゃないのか?」 正義「えぇ、じゃあ大王が世界征服を諦めたら“バッサァァァ・・・”考えてあげても・・・。」 突如、目の前に謎の生物が現れた。都市伝説である事はすぐに分かる。 しかしゴミ袋かと思っていたら赤く光る目があり、蛾のような羽があり、さらに脚がある、というリアクションに困る姿をしているのだ。 いったい何の都市伝説なんだ?考えている暇もなく奴は急降下して攻撃をしようとしてくる。 ?都市伝説「・・・、喰、う。」 大王「・・・、戦うのみだな。」 正義「そうみたいだね。大王、いくよ!」 その言葉に反応し、大王が上空に黒雲を広げる。 大王「さて、何で行く?」 正義「んと、『槍の日』で行こう。あれなら避けられないはず。」 大王「なるほど、では行くか!」 黒雲にスパークが走り、大量の槍が降ってくる。まさに『槍の日』。しかしあの都市伝説は槍をするすると避けていく。 大王「これを避けるとは、なかなかだな。」 正義「でも、これならどう!?」 正義はおもむろに降ってくる槍の1つを手に取り、敵へと投げつける。 正義「(上に気を取られている隙に横から来る、下手に避ければ上の攻撃に当たる。これを避けられるか?)」 正義の作戦さえも、あの都市伝説は軽く避けてしまう。遂に雲の外に出てしまった。 大王「くっ!想像より速いようだな。もっと量が多ければ避けられんだろうが、修行不足か。」 不意に向こう側、おそらく槍を投げた方向から、悲鳴のような叫びが聞こえる。 大王「ん?さっきの槍が通行人にでも当たったか?」 裂邪「正義ィ!お前か!?こんな所で槍投げんな!」 その声は、どう聞いても正義の兄、裂邪の声だった。その声に正義が反応するが、 ?都市伝説「あ゛、さっきの・・・。」 正義「あ、お兄ちゃんいたのッ、って増えてるゥ?!」 声の方を向くと、裂邪の後に都市伝説と思わしきものがシェイドの他に3体ほどいた。 正確には火の玉、謎の小動物、あと正義が反応している事から、おそらくあの小学校高学年ほどの少女も都市伝説だろうか。 裂邪「無視すんな!まぁいい、そこの【モスマン】もろとも―――」 ?小動物「なぁ主、あのおっさんは誰バク?」 大王「(まさか更に契約したというのか?それともあの少女も契約者なのか?って)『おっさん』?!」 シェイド「アイツカ?【恐怖の大王】ダ。」 ?都市伝説×3「えッ!?【恐怖の大王】ッ?!」 大王の正体を知ると突然、あの3体が慌てふためきだした。何故かは黄昏兄弟とシェイド、大王も分からなかった。 大王「ん?俺はそんなに有名なのか?」 正義「コインちゃんも知ってたからね。最近生まれた都市伝説は知っている、とかかな。」 シェイド「落チ着ケ。契約者ニ恵マレズ、今デハタダノ『おっさん』ダ。」 大王「だから何故『おっさん』なんだ!?」 相手にされないのでつまらなくなったのか、急にあの【モスマン】という都市伝説が裂邪に向けて目からビームを放つ。 裂邪「あっつぅ!」 正義「お兄ちゃん!」 大王「目からビーム、か。少々厄介だな。」 モスマン「・・・、腹、減った・・・。」 裂邪「チックショウ、モスラかよ!シェイド![バク]![ウィル]!」 その命令に反応し、シェイドは長い爪のような姿に変形して裂邪の右手に付き、[バク]と呼ばれる小動物は熊ぐらい大きさのキメラのような姿に変身し、 [ウィル]と呼ばれる火の玉は急に増え、1列に連なり鞭のようになって左手に付いた。 正義「かっこいい・・・。」 大王「言うと思った。いいから戦うぞ!」 正義「分かった。大王、変身だ!」 大王「無茶を言うな!行くぞ。」 そう言うと、黒雲から剣が2本降ってくる。大王は普通に手に取り、正義は手にとってから、すぐに【モスマン】に向かって行った。 正義「てりゃあぁぁ!」 【モスマン】はゆっくりと、上へ飛翔していった。「あ。」という声は既に遅く、“ゴンッ”という鈍い音が鳴る。 向こう側からやってきた裂邪に正義がぶつかって、尻餅をついた。正義は涙目になりながら打ったところを撫でていた。 裂邪「ッつったぁ~!正義!どこ見てやがる!?」 正義「もう!策もなしに突っ込んできて!」 裂邪「バカか!俺はお前と違って大人なんだ!何の考えもなしに敵に突っ込むかバーカ!どうせお前はこの1年間なんの成長もしていないんだろ!? 俺がいなくなった後も都市伝説に説教かまして、彼女とイチャイチャしてたんだろ?!」 正義「成長したよ!もうボクは中学生だよ!?それに説教は大事な事だし、ボクには彼女なんていないし!」 大王「・・・、やっぱり、子どもだよな。特に兄の方が。」ボソッ 空腹で苛立っているのか、【モスマン】は空中からビームを乱射する。 正義と大王は修行のおかげもあって、難なく回避する。裂邪は、ふとみるとバリアで守られているようである。 大王「“チッ”便利な都市伝説だな。誰の能力だ?」 正義「あの女の子だよ。シャボン玉みたいにバリアを張ってた。」 大王「あいつも契約者か。シェイドと火の玉のを武器、そして盾付きとは豪勢だな。」 正義「ほんとだよ、いざって時に手に負えなくなりそう。でもあの子は都市伝説みたいだよ。」 大王「そうか、では4体と契約か?飲み込まれてても知らんぞ。」 裂邪はウィルを鞭のように扱うが、攻撃は一向に【モスマン】には命中しない。 こちらも策を練るが、あいにく大王は飛び道具を降らす事はできず、雷は外れた時のこちらへの被害が不安、なかなか良い手が出ない。 裂邪「―――そうだ、おいおっさん!雨降らせ!」 大王「またおっさんだと!?それが人に物を頼む態度か!」 正義「(お兄ちゃんの事だから、やはり何か手が?ここはおとなしく聞いておこうか。)大王、ここは。」 大王「・・・、仕方がないか。」 大王は上空に、太陽も隠れるほど黒雲を広げ、大量の雨を降らせる。 大王「これでお望みの量か?!」 裂邪「ウヒヒヒヒ、よくやった!ウィル!『百物語』!」 裂邪の命令に反応し、ウィルが何十体にも増え、周りに散らばり、まるで蝋燭の灯火の様になる。 ふと、少女が歌を歌いだす。おそらく『さっちゃん』であろう、おそらくそのはずだ。 ウィル「「うおぉぉぉーん!バナナ半分なんて可哀想で~い!」」 周りから鳴り響く叫びと共にウィルの炎の色が青くなる。 大王「まさか、『さっちゃん』を聞いて泣いているのではないだろうな?」 正義「あれ、寒くなってきた?あ、霧!?」 気がつくと、周りにだんだんと霧が立ち込めてきた。おそらくこれが裂邪の作戦なのであろう。 正義「この霧で視界を悪くして、隙を突く、かな?」 大王「なるほど、完敗だ。あの火の玉のに周りを冷やす能力があったのか。能力をよく理解している。」 しかし正義は霧の中を注意深く見回し、【モスマン】を探す。 正義「でも・・・、あそこか。緑色の光も見える。たぶん火の玉のやつだね。」 大王「おい、まさか横取りする気か?それは良くないんじゃないのか?」 正義「悪いけど、『同じ事』を、そう何度も繰り返させない。」 ゆっくりと放った、その言葉の重みは、誰よりも大王が知っていた。あえて黙認し、正義を【モスマン】のところへ向かわせた。 正義は駆け足で【モスマン】のところへ向かう。その姿がだいぶ見えた時、その影に跳びかかる。 正義「てぇえりゃあぁぁー!」ブン! ベシィッ! その剣を、正義は力強く、【モスマン】の頭に叩きつけた。峰打ちとでも言おうか。そのまま【モスマン】を霧の外へと弾き飛ばした。 【モスマン】は軽く気を失っているようだったが、ゆっくり起こし、そのまま説教が始まるのであった。 正義「―――だから人を食べるなんて絶対にダメ!だからといっていくら空腹でも他人の物を奪うのもダメだよ。 困っている人を助けたりしてそのお礼として食べ物を貰うんだよ。分かった?―――。」 大王「(このご時世にお礼に食事を与えてくれる、心優しい人間などいるのだろうか?)」 なにか悔しそうにしている裂邪を余所に説教は終わり、【モスマン】はフラフラと空へと戻っていった。 正義「これからは人のためにがんばるんだぞぉー!」 モスマン「分かっ、た・・・。」 正義は手を振り終えると、すぐに兄の方を向く。無論『あの悲劇』を繰り返さないためである。 あの時目を離したから、犠牲者が出た。だから次は絶対に目を離さない。それが正義の『誓い』である。 大王は、正義の気持ちや考え、今かすかに目に溜まった涙の訳は、長く共にいるためだいたい分かる。 だからこそ、その次の行動に驚かざるを得なかった。正義が、裂邪に抱きついたのである。 正義「お兄ちゃん、久しぶりぃ!」ガスッ 裂邪「“ゴキッ”おごぉ!あ・・・ばら・・・ぼね?つ・・・っか・・・足・・・痛・・・」 正義「お兄ちゃん、寂しかった?また一緒に暮らせるからね!」 シェイド「平和ダナ。」 大王「・・・?あぁ。」 大王は何故こんな事をしたか分からなかった。攻撃をするために飛びかかったのだとさえ思った。『兄だから』という理由もすぐに出たが、 なにかそれでは片付かない違和感がある。大王の疑問の回答は帰ってくる事はなく、正義は質問を投げかける。 正義「ところで、やっぱりその女の子達と契約したの?」 裂邪「・・・まぁな、『夢幻泡影四天王』、俺の世界征服のための俺の仲間だ。」 正義「まだそんな事言ってたの!?お父さんと一緒だったのに世界征服を諦めてないなんて!」 裂邪「悪いか!すぐに諦められる夢なんて見ねぇよ!俺は一生諦めない!人の夢は終わらねぇ!」 正義「最後の言葉どっかで聞いたよ?!」 やはり口喧嘩が始まった。しかし『いつも通り』ではなく、若干正義の歯切れが悪い。なにか・・・。 大王「もういいだろ、兄を見つけたんだから。親も心配するぞ?」 正義「あ、そうか。お兄ちゃん、もう帰るよ。」 裂邪「シェイド、『シャドーダイブ』で[ミナワ]達を先に俺の部屋に。」 裂邪の命令により、シェイドの能力で自分の契約している都市伝説は影の中へと溶けるように入っていった。 大王「どういう事だ?お前は帰らないのか?」 裂邪「お前らが迎えに来たんだから、俺が部屋に帰ったら不自然だろ?それに親父達にミナワ達を見られる訳にはいかんし。」 大王「ん?契約者以外でも見えるタイプなのか?」 裂邪は数分硬直し、驚いたように言葉を放つ。 裂邪「見えないやつもいるのか!?」 正義「え?う、うん。例えば幽霊系は、基本的に契約者か都市伝説の被害者にしか見えないらしいよ。」 大王「俺も見えない、はずだ。」 裂邪は何故か黙りこくっていた。考え事でもしているのだろうか。 正義「ほら、もう帰るよぉ?」 こうして、3人はゆっくりと家へ帰るのであった。 光彦「おぅ、帰ってきたか。」 正義「ただいまぁー!」ガラガラ 明美「おかえりぃ、裂邪、マサヨシ。」 裂邪「あ、母さん久しぶり。」 少々雑談があった後、正義が父親と裂邪にいつかのお土産を渡す。 正義「そしてこれが、修学旅行のお土産。水族館で買ったんだ。はい。」 そう言って、ガラスの中に白い線で作った水中生物が入っている置物を出した。父親にはイルカが、兄にはクラゲが入っているものを渡す。 光彦「ん、面白いな。何なんだこれは?」 裂邪「あら綺麗!・・・ありがとう。」 正義「ふふん。」ニコッ 光彦「ところで食い物はどこだ?クッキーとか無いのか?」 明美「もう、今いいところなのに。腐ると危ないからって買ってません。」 光彦「うっ、すまんすまん。ちょっと分からんかった。」 明美「裂邪が『ありがとう』って言ったのよ。信じられる?」ボソボソ 光彦「本当か?まいった、聞き逃したなぁ。」ボソボソ 家族が団らんしている部屋の外では、大王が考え事をしていた。何故少年とその兄の会話が変だと思えるのか?何かが違う。 本当に些細な違いだが、まるで少年らしくなく感じる。 ふと、もう1つある事に気付く。こんな事を考えているようでは世界征服なんてしていられないと。 どうやら少年の甘さがうつったようだ。ゆっくり甘さを忘れていかなければならないな。 ―――世界征服への道は遠い。 第2話「初仕事」―完― 次回予告4コマ――― ☆資料をまとめ☆ ???「『若者の骨粗しょう症に迫る』『キスをすると骨がもろくなる?』『牛乳のススメ』・・・。」 ???「おそらくこの事件によって沸いてきた記事だろうが・・・。本当にこの事件はその程度のものなのか?」 ???「何人もの人間が同じ事にあっているんだぞ。いったいどういう事なんだ?」 ―――教えてくれ 都市伝説よ――― ●謎の人物現る?!真相は、webで!(コラ では第3話に続きます。 前ページ次ページ連載 - 舞い降りた大王
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上田明也の綺想曲3~まだまだmadgas~ 学校町の南区の商店街へ用があって買い物に行った日のことだ。 町は珍しく雪に包まれていてそれはそれは幻想的な風景が広がっていた。 俺は人気のないビルの隙間の路地裏から真っ白になった町を唯々眺めていた。 どんな日常でも白く染めればそれは立派な非日常たり得るのだろうか? 「マスター。も、もう帰りませんか?」 俺の隣で寒さに打ち震えているこいつの名前はメル。 ハーメルンの笛吹きという都市伝説なのだがいかんせんへたれである。 「もうすこしこの雪を見詰めていたいんだ……。」 雪なんて久しぶりだ。 もう少し見とれていたって良いじゃないか。 「い、いや雪見るだけなら家で良いじゃないですか!」 「そうだな、雪を見るだけなら家で良いよ。」 町では最近マッドガッサーなる都市伝説が女体化ガスをばらまくと騒ぎになっているようだった。 しかしこの騒ぎすら学校町の人間は日常にしてしまう。 日常が非日常を飲み込んだのか非日常が日常を侵しているのか、それを判断する神経すら摩耗してきたみたいだ。 俺がそんな事を考えながら白く染まる町を眺めていた時だ。 ブシュウ!! 真後ろからピンク色のガスを吹きかけられる。 「マスター、来ました!」 「よし、ビンゴだ!」 吹きかけられると同時に、俺はその方向へ走った。 「マッドガッサー、ゲットだぜ!!」 ドスン! 「うわ?何しやがる!」 なにっていうか思いっきり体当たりである。 いかんせん女性の身体になっている為に威力がイマイチだ。 だがマッドガッサーには直撃。 思わず体勢を崩したようだ、完全に予想外の反応だったのだろう。 「今だ、メル!!」 「了解です!!」 透き通った笛の音色が町に届く。 どこからかともなく数人の子供がやって来てあっという間にマッドガッサーを押さえつけた。 「なんだ?うわ、やめろ!離しやがれ!!」 幾ら都市伝説と言っても数人がかりで押さえつけられては敵うまい。 マッドガッサーは地面に倒れている。 「くっくっくっ………、作戦通り捕まってくれたな。 ―――――マッドガッサー。」 ピシ、と指を差してポーズを決めてみる。 パチィン! ポーズを決めるとお気に入りだったシャツのボタンが外れた。 丁度見下ろす格好だったのでマッドガッサーに谷間をみせつける格好になってしまった。 「やたら胸でかいなおい!ていうかお前ら何者だ?」 ガスはどうやら連射出来ないらしい。 マッドガッサーは俺の胸にツッコミをいれたあとも騒いでいる。 そして下調べ通りガスの殺傷能力は0。 狙い通り生け捕ることが出来たか……。 「俺たちはハーメルンの笛吹き……、しがない都市伝説と契約者だよ。」 正直笑いが止まらない。 これでショタッ子もロリっ子に出来る! 捕まえたら男の娘で涙する必要が無くなるのだ! ヒャッハー! 「チッ……、俺を嵌めたな?」 「そうだよ。ビルの隙間の路地裏であれば外からガスは簡単に届かない。 よって俺の近くまで来て貰う必要がある。 さらに人気がないとは言え一歩外を出れば近くは商店街だ。 操る物には事欠かない。 勿論俺にも逃げ場はないがガスを喰らう覚悟さえ前もってしておけば、 まあぶっちゃけ女の身体になる覚悟さえしておけば、 お前の攻撃も二つしかないこの場所への出入り口のどちらにお前が居るかを教えてくれる材料になる。 更に言えば俺の契約する都市伝説も特性上、性別はどちらでもないしな。」 「一々、考えていやがる……。」 マッドガッサーは忌々しげに呟いた。 名前:ハーメルンの笛吹き[] 投稿日:2009/11/04(水) 21 05 23 「とにかくお前は俺に捕まった。そこで提案だ。マッドガッサー。」 長い髪が五月蠅かったので用意したゴムで後ろにまとめる。 ポニーテール……というのだろうか? とにかく髪を整えながら俺は聞いた。 奴が聞くかどうかなぞ関係無い。 「俺が連れてきたショタをロリに変えることは可能か?」 「はっ、他人の言うことなんか聞く気は無いz………、可能だ。」 「じゃあ利害は一致する筈だ。 俺は常々ロリと思って捕まえた女の子がショタで残念な思いをしていたのだ。 あの忌々しいバベルの塔を取り払う能力が有るのならば……、俺たちは手を組めると思うのだが? 誘拐に最適な能力と女体化能力は相性が良いはずだぜ……?」 「ふぅん……、だがやはり断るね。 あんたは仲間を欲してなど居ないからな。」 「効率は良いだろう。」 「仲間を効率を上げる為の道具としてしか見なさないお前とは協力できないね。」 「お前とは……ってことはだ。」 轟 空を裂いて上から巨大な何かが落ちてくる。 「なんだ、仲間でもいるのかい?」 ドォン! そう言った直後に空中から巨大な物が降ってくる音がした。 「ひゃぁははははははぁあアアぁ!!!実戦慣れしているなあ!」 轟音を立てて俺の背後に降ってきたのは、ヴェールに覆われてはっきり解らないが獣の毛に覆われた狼のような男だった。 着地した地点のコンクリートがひび割れて破片が宙に舞っている。 見た目も登場の仕方も明らかに近距離パワータイプ。 「――――――やはり仲間!」 「マスター!指示を!」 メルが悲鳴を上げたかのように叫ぶ。 「無駄無駄ァ!解っているだろうがそこの女ァ!」 巨躯の狼男は吠えるように告げる。 「テメェの能力は見たところ操作系、 近接戦闘に不向きなのは操作系の宿命だ! この狭い路地で この俺と しかも女体化した体力で俺とかち合っちまったのが運の尽きだ! 策士策に溺れたんだよ!割と名が知れているようだが大人しく死んでおけ、笛吹き!」 まずい……。 この狼男、肉体面だけでなく頭脳面もかなりだ。 確実に状況を分析、しかも俺たちが不利であることがばれている。 メルはマッドガッサーを押さえつけている子供達に指示を加えるので手一杯だ。 「お前の仲間はまだ俺の手にあるが?」 「馬鹿野郎、そいつに致命傷を与える前にお前の首ぐらい簡単に飛ばせるよ!」 事実、そうだろう。 そもそも都市伝説のマッドガッサーに確実に止めを刺すには蜻蛉切りを使うしかないのだ。 追い詰められた? 追い詰められたのか? いや、違う。 次の瞬間、狼男は俺の前に居た。 振り上げられる爪、世界は妙に遅く回る。 今まで生きてきた中での様々な記憶が脳裏には浮かんでは消えて浮かんでは消えていく。 ギリギリ、生と死の狭間のギリギリの瞬間。 体中の細胞が熱く泡立つような興奮。 世界の遅さと反比例するかのように俺の頭は速く回っていた。 思い出すのはにやけた碧眼金髪の男。 貴人サンジェルマン。 そうだ、奴はこう言っていた。 「操作系は嵌れば最強でしょうが近距離の直接戦闘では弱い。 正直言って弱すぎます。 そこで一つ禁じ手を教えておきましょう。 そもそも都市伝説との契約とは都市伝説と繋がると言うことです。 気づいていると思いますがハーメルンの笛吹きは男性の契約者との契約で始めて、 “ハーメルンの笛吹き男”になります。 つまりあなたはもうすでに彼女に半分は取り込まれているんですよ。 完全に取り込まれれば貴方が自我を失うだけの筈なんですけどね。 でもそこまで取り込まれておいて自我を完全に保っている人間も珍しい物です。 さて、禁じ手の方を教えましょうか……。」 メルとのつながりを強く、強く思い出す。 期間はまだ短いが様々な修羅場をくぐり抜けてきた。 そうだ、俺とメルはすでに二つで一つ。 ならば…… ―――――ヒュ 風切り音の後にズシンと首に対して伝わる衝撃。 身体が宙に舞っているのが良く解る。 その瞬間、狼男と目が合った。 にやりと笑って自分の首を指さして見せた。 「こいつ、自分から都市伝説に近くなった!?」 狼男が一瞬だけ動揺を見せる。 その隙を突いてメルに指示を出した。 「今だ、メル。マッドガッサーを解放しろ!お前の出番だ!」 「アレですね、了解しました。」 子供達の拘束を解除しマッドガッサーを解き放つ。 地面に強かに打ち付けられた為に身体は強く痛むが構いやしない。 笛を取り出して一瞬だけ息を送り込む。 ピィ! 一瞬だけ響く音。 ギリギリギリ…… 骨が、筋肉が、身体の様々な機関が悲鳴をあげる音。 それを立てているのは他ならぬ…… 「はぁあ!」 ハーメルンの笛吹き、メルだった。 彼女の拳は彼女の数倍以上の大きさを持つ狼男を捉えている。 バキィ! 骨の折れるような嫌な音を立てて狼男が路地から殴り飛ばされる。 しかしその間にマッドガッサーは逃げ出し始める。 「マスター、追いますか?」 「追う振りだけしてすぐに逃げるぞ!」 俺はマッドガッサーに向けて威嚇射撃を何発か行うとメルと一緒にすぐにその場所を離れた。 そう、禁じ手は都市伝説との同化なんかじゃない。 本当の禁じ手は……。 一方その頃 「チッ……、味方を操ることまで出来たのか。」 マリ・ヴェリテはビルに食い込んだままぼやいていた。 「おい!マリ、大丈夫か?」 マッドガッサーが遠くから走ってくる。 「おお、大丈夫だったが……。奴らは?」 「銃をぶっ放しながら追ってくるぜ!丁度、今逃げてきたところだ! 目的は達成したしもう逃げようぜ。」 「チッ……、あいつらまだ動けるのか?しかも銃、一旦引くか……。」 マッドガッサーとマリ・ヴェリテもまた、その場を急いで離れたのであった。 * 「本当の禁じ手は私の操作だったんですか?」 町を離れる車の中でメルは俺に尋ねていた。 「うん……、まあそういうことだ。」 漫画やアニメでも敵を操作する系のキャラの奥の手である。 「じゃああのまま二人を倒せたんじゃないですか?」 「それは無理だ。 俺の都市伝説への同化もお前を操作するのもどちらも身体に負担をかけすぎる。」 「そんなことないですよ、ホラホラ!」 メルは俺の目の前でシャドウボクシングをし始める。 し始めるが開始二十秒で顔が青くなっていく。 「あの……、腕が……。」 「うん、折れてるよ。人間だったら折れるじゃ済まなかったはずなんだけどね。 一週間は静かにしていろよ?」 今回使った奥の手は二つ。 俺の都市伝説への同化 ハーメルンの笛吹きでハーメルンの笛吹きを操作 前者は俺の耐久力を高められるし後者は一瞬だけとはいえメルを近距離直接戦闘に特化させられる。 しかし当然代償は大きい。 都市伝説に近づけば俺が飲み込まれかねないし、 メルを無理矢理動かせば彼女の身体が壊れる。 無駄に巨大になってしまった胸を持て余しつつ俺達は郊外の自宅に帰るのであった。 「ところで女になってしまったんだけどお前は男の子になる必要は無いからな?」 「は?」 「いや一度女同士というのも試してみたくて……。」 「何を言い出すんですかこの色欲魔人は!!」 メルは折れた腕で俺をチョップして悶絶するのであった。 【上田明也の綺想曲3~まだまだmadgas~ fin】 前ページ次ページ連載 - ハーメルンの笛吹き
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モデルケース 登場人物 『口裂け女』編 石田ナオコ :主人公 山口百恵信者 ビビり 『口裂け女』編にて主役終了 百々(どど)藤枝 :頭悪い 背面懸垂100回やって彼氏にどん引かれる 考えてないようで考えてない 暗記は得意 櫛間(くしま)篤子 :メガネ 至高のライダーはスーパー1 姉の影響で特撮やロボに嵌る 愛車はスズキのバンデット400V 口裂け女 :口裂け女A 噂、犯人 何の変哲もないごく普通の口裂け女。特に強くない。 坂本光輝 :口裂け女B ストーカー 次(※編集者 注:モデルケース③)で出張る 最近死にかけた 運が悪い 睦城(むつき)伊織 :先生 筋肉 女みたいな名前→いじめ→名前コンプレックス→男らしくなるため筋トレ→そして筋肉へ テスタロッサ :テスタロッサはテスタロッサでも事故車 麦野アブラカダブラ :運転席の女 絶賛人探し中 男の痛みがわかる女 ドレス :昔のあだ名はジュリアナ嬢 石田母 :最速めざパ草サンダーの厳選中 桑村伊斗子(故人) :契約者 土海のおばさん :ババァ 『ターボババア』編 櫛間篤子 :愛車の修理費に泣いた 最近『怪奇大作戦』のLDを入手した 何それこわい 麦野アブラカダブラ :今はアブラカダブラの呪文とは契約していない 自己中心的 いろんな意味で 海外の都市伝説を研究する集まりの元一員 眼鏡フェチ 坂本光輝 :キレる十代 若気の至り 高川高3組皆殺し事件の犯人 ふくらはぎフェチ ジュリアナ女 :長生き 元学校町在住 飲み込まれた女 M 上野小竹 :保守主義は敵 主役だが活躍少なめ かるくM ターボババア :生意気 上野利雄 :ヅラ 走り屋 :社会のごみ 吉田(ヨシタ) :彼女が契約者 今井 :契約者 かけ橋未来堂:学校町でひっそりと営まれている会社。都市伝説によって技術開発をしている。 ページ最上部へ
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「あの、此処が何処か確認してもらって良いですか? 私の勘があの町はヤバいって言ってるんですけどぉ」 「うん? オイオイ、学校町かよ。面倒な所に来ちまったな」 学校町のすぐ手前の道で、《女の勘》の契約者、菅野紗江良と《残留思念》の黒服S.No-560が乗ったバイクが停止した。 《ドリブルババア》から逃げ出した2人は、紗江良の能力によってトラブルに巻き込まれない様に、『組織本部』へと向かっていたのだが。 交通規制等によって、ルートが狭められて日本で最も都市伝説関係の事件が多い此処にやって来てしまったのだ。 それも、よりにもよって《悪魔の囁き》などが暗躍しているこの時期に、だ。 「如何、しましょうか? 噂通りならあの町で都市伝説関係者がトラブルに巻き込まれる可能性は、かなり高そうですしぃ」 現在の状況を詳しく知らずとも、組織内での学校町の簡単な噂ぐらいは、紗江良もSから聞かされている。そのため、彼女は少々不安そうだ。 だが来た道を戻るとすれば、それは、大幅な回り道となってしまう。 話し合った末に、結局、2人はこのまま進む事を決め、学校町の中へと入って行った。 「お前の勘で行きゃあ、そうそう面倒な事には成らないだろう」 「むぅ、信頼してくれるのは嬉しいですけど。色恋沙汰以外だと、精度が落ちますよぉ」 「そうそう、長居する訳じゃあないんだ。気楽にいこうぜ」 そんな事を喋りつつ、女性はエンジンを掛けて、バイクを走らせた。 本人達は、学校町をすぐに抜け出す気でいるようだ。だが、それが叶うかどうかは、誰にも分りはしない。 「ふあ!? 何か、不吉な事を言われた気がぁ!」 「ど~した?」 「いえ。何でも無いですぅ」 走行中に行き成り声を上げた紗江良をいぶかしむSだが、本人が何でも無い様に言うので気にしない様にした。 しばらくの間、何事も無く2人は町の中を進んでいた。 だが、このまま無事にこの町を抜け出せるほど、この世界は都合よく出来てはいなかった。 突然、ブレーキを掛けられ、Sは紗江良の背中に、顔をぶつけてしまう。 しかし、それに文句を言うつもりは無い。何故ならば、この急ブレーキの理由を感付いているからだ。 パッと見で、停止する理由が見当たらないこの現状で、彼女がブレーキを掛けるとなればそれは一つしか無いだろう。 彼女の勘が、何かを察知したのだ。それなりに、コンビを組んでいるのだそれ位は分る。 そう思い。ぶつけた鼻を擦りながら、Sは紗江良にたずねる。 「イテテテ。で、何を感じたんだ?」 「……都市伝説や契約者です。それも、あちこちから気配がしますよぉ」 「この時間の上に、この土地だからな。気にする程か?」 すでに薄暗くなっており、都市伝説が異常に集まる、学校町という場所である事からSが言う。 しかし、次いで出されたこの言葉に、警戒を強める。 「ただの気配ならそうですけど。ほとんどが、特に契約者が友好的な物じゃ無いんです。悪意に溢れて居るって言うかぁ」 そして、その中の1つの単語に何か、引っかかる物を覚えた。 「悪意、悪意ね。そう言えば、あの時飲まされたのは……」 「たしか、《悪魔の囁き》の除去薬でしたねぇ」 あの、人々が死に絶えて居た街の処理をしに来た『組織』の黒服に、そう説明されて渡された薬。 《七人みさき》の報告をした際に、渡されたら飲むよう言われ。 自分の報告の際に、詳しく説明すると告げられたソレ。 「関係あると思うか?」 「うぅん。私の能力の専門分野じゃ無いから、絶対とは言えませんけど。あると思いますよぉ」 「そうか……」 何かを考え込むように、黙り込むS。 しばらくの間、考え込んだ末に携帯を取り出し。 「取り合えず。この町の現状くらいは、知っておかないとな。関わる、関わらないは別としても」 そう、紗江良に説明しながら、Sは誰かに連絡をし始めた。 「あぁ、……か? 俺だ、S.No-560だ。ちょいと、教えてほしい事があるんだが――」 続く
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さて、自分達の部屋はどこだったか? ユグドラシル内で、うっかりと迷子になってしまった裂邪とミナワ …部屋番号、ちゃんと覚えておくべきだったか どうしようか、彷徨いながら歩いていて ……ふと 視界に、小さな女の子の姿を、見つけた おかっぱ頭に白いブラウス、真っ赤な吊りスカート姿の、少女 世界樹内の通路に添えつけられたベンチに腰掛け……とろん、とした眼差しで、半分眠りかけているようだ うとうと、うつらうつらしているその様子は……どこか、幻想的でも、あって 思わず、裂邪とミナワは、その姿に引き寄せられた うとうと うつらうつら… ……こっけん 「「あ」」 あ そのまんま、横に倒れた ぱちり その衝撃で、目を覚ましたのだろうか? 可愛らしい瞳が見開かれ、裂邪とミナワを視界に納める そして 「………みぃ?」 ………鳴いた そのまま、にぱ~、と笑みを浮かべてくる まるで、天使のような、笑顔 ロリコンの裂邪でなくとも、ついつい、見とれてしまうというものだ 「…都市伝説の、気配?」 「みー??」 ふと ミナワが、それに気付いた 少女から感じる、都市伝説の、気配 都市伝説契約者ではなく、都市伝説、そのものの… 「み?おねーちゃんは都市伝説で、おにーちゃんはけーやくしゃ?」 少女も、ミナワが都市伝説である事を そして、裂邪が、契約者である事を、見抜いたようだ …COA内に、そして、ユグドラシル内にいる、都市伝説 すなわち…恐らくは、COA事件解決に動いているものの一人なのだろう そう、あたりをつけた裂邪 この少女と、接触を取ってみることにした ミナワの手を引き、少女に近づく 「はじめまして、えぇと…」 「私は、花子さんなの」 ぴ!と元気に少女は名乗ってきた なるほど、「トイレの花子さん」か 確かに、そのようなイメージの服装をしている 裂邪とミナワも、花子さんに名前を名乗った …その間、花子さんの視線が、ミナワに集中していたのは気のせいだろう、多分 ちょっと羨ましそうに見えたのも気のせいだろう、多分きっと 「裂邪おにーちゃんとミナワおねーちゃんは、ここに引っ張り込まれたの?それとも、自分達から入ったの?」 「俺達は、自分達の意志で、だな」 「み!なら、けーやくしゃと一緒なの」 けーやくしゃ どうやら、花子さんには契約者がいるようだ しかし、その姿が…見えない 「花子さんの契約者さんは、どこにいるんですか?」 「けーやくしゃは、今、ここの「組織」の人達と、難しいお話をしてるの。だから、花子さんはここで待ってるの」 「…難しい話?」 「そうなの。無力な一般人を預けるのだから、本当に信頼できるかどうか見極めなくちゃいけない、って、けーやくしゃは言ってたの」 ちょっぴり難しい事を、花子さんはさらりと言い切った ……確かに、花子さんの言う通りだろう 恐らく、その契約者は、事件の被害者を保護して、ここにたどり着いたのだ それを預けるからには、絶対の信頼がある相手でなければなるまい 「ここに、悪い人達が来て暴れないか、とか、色んな事をチェックしなくちゃいけないの。特に…」 「……ここを管理している者が。他者の命をどのように見ているか…………少なくとも、他者の命を物のようにしか扱わない奴や…………他人を平気で実験材料にするような奴がいるならば。任せたくはない」 聞こえて来たのは、高校生くらいの少年の、声 見れば、前髪で目元がよく見えない少年が、近づいてきていた っぱ、と 花子さんが、満面の笑みを浮かべる 「けーやくしゃ、お話、終わったの?」 「……あぁ、待たせて、すまない」 花子さんの言葉に、その少年は答える ……何故、だろうか その少年を、見た瞬間 ぞくり、悪寒を感じたのは? 「…?」 少年が、裂邪とミナワを見た……の、だろう 目元は見えないが、顔を向けてきた事で、それを感じ取る 「けーやくしゃ、このおにーちゃん達も、事件を解決するために動いてるんだって」 「……そうか」 花子さんの言葉に、少年の反応は………薄い 興味を持っていないような 関わる事を、避けているような……そんな、気配 事実、少年は花子さんの手を引いて、さっさと立ち去ろうとしているようだった だが 「…?お知り合い、ですか?」 ふと 虚空を見て、誰かと会話したように…見えた それは、現実世界と、ボイスチャットで会話でもしているような、様子で 『裂邪、ミナワ?聴こえるか?』 「え?」 「へ?…翼のにーちゃん?」 『あぁ、良かった、そっちにも繋がったか』 そして 現実世界からのボイスチャットの声が、裂邪とミナワにも、届いた 『龍一、この二人は、信用しても大丈夫だ』 「………わかりました、翼さん」 翼の言葉に、龍一が頷く くるり、裂邪達に向き直った 「………はじめまして。獄門寺家 若頭 獄門寺 龍一………契約している花子さんと共に、今回、事件の解決に、動かせてもらっている」 小さく頭を下げ、そう名乗った龍一 頭を上げた、瞬間……その長い前髪の間から、高校生にしては鋭すぎる眼光が、見えて その、目に 裂邪は一瞬………何か、不吉にも似た、重苦しい気配を覚えたのだった to be … ? 前ページ次ページ連載 - 花子さんと契約した男の話
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三面鏡の少女 33 冬休みも明けたある日の事 いつも通り騒がしい教室の隅の席で、静かに本を読んでる三面鏡の少女 中学から付き合いがある友人は学校内に何人かいるが、高校に入ってから積極的に友達を作ってはいない 都市伝説同士は引かれ合う 事実、それまで全く縁の無かった都市伝説事件が、自らが契約者となってからはそれなりの頻度で起こるようになったからだ 彼女自身が巻き込まれた場合は、黒服Hが裏で立ち回り知らぬ間に解決している事も多いのだが 深くもなくかといって疎遠という程でもない、友人という間柄が目も手も届かなく一番危険だと思うようになっていた だから彼女は、都市伝説に関わりの無い友人を作りたがらないのだ そんな事を知ってか知らずか、彼女の担当である黒服Hは彼女を都市伝説契約者に積極的に関わらせようとしなかった 元より何かに長けた能力があるわけではないので、無闇に関わらせても危険があるだけなので当然の判断ではあるのだが 「逢瀬、ちょっといいか?」 「ふぇ!? ご、ごごご獄門寺くん!?」 少女はその声に聞き覚えがあった あらかさまに動揺し、机に膝をぶつけ本を落としそれを拾おうとして椅子から転げ落ちそうになる 「いや、そういう反応をされても困るんだが」 「あ、あはは、そうだよね? うん、き、気を付ける」 「それより、ちょっといいか? 話したい事があるんだが」 「あ、うん。何かな」 「正月の時の件なんだが」 少女はごしゃんと音を立てて、椅子ごと転がった 「大丈夫か?」 「あ、あはは、うん、大丈夫大丈夫」 打ち付けた額を赤くしながら、転げた椅子を起こし立ち上がる少女 「教室で話すのも難な内容だし、ちょっと場所を変えていいか?」 「うん、できればあたしもそうして貰った方が助かるかも」 じんわりと頬を赤らめ、声を抑えて周囲の様子を窺いながらこくこくと頷き 二人は休み時間の喧騒の中、教室を出て行った 二人の気配が遠ざかっていったのを確認して、それまで無関心を装っていた5~6の男子連中がざざっと一箇所に集まってくる 「おい、獄門寺って委員長と仲良くなかったっけ?」 「妹も可愛いんだよなあいつ」 「小学生ぐらいの子とよく一緒にいるのを見掛けるぞ」 「中学生の子じゃなくてか?」 「それが妹だろ?」 「小鳥遊とも最近親しげだな」 「それでいて逢瀬にも手を出すつもりか」 「しかも何か満更でもなさそうなあのリアクションは何だ」 「あんな逢瀬、初めて見たぞ俺」 「……ちょっと待て。小鳥遊って確か男だろあいつ」 「バカだなお前、あんな可愛い子が女の子のはずないだろ」 「それもそうか」 「待て、お前ら色々と待て。ツッコんでいいところかそこは」 「ああ、かなりツッコミたいな」 「むしろツッコまれてもいいな」 「よしお前ら心の病院行ってこい。脳の病院でもいいぞ」 「そうだぞ、男はもっと筋肉質であるべきだ。そういえばこないだ公園で実に良い男と出会ってだな」 「お前も病院行ってこい」 ――― 「あの、お正月の時の話って……えーと、アレ自体は色々と誤解があると思うんだけど」 「いや、趣味は人それぞれだしそれは問題じゃないんだが」 「問題だよ!? 誤解されっ放しなの!? あの時も目一杯説明したよね!?」 「あの時は特殊なプレイ中だったわけじゃないって言い訳が中心で、事情は説明されてなかったからな」 「いや、その……えーと……」 「あの時は気のせいか、あの黒服のせいだと思ってたんだが」 ひょこりと獄門寺の陰から顔を出す、小さな女の子――花子さん 「みー、やっぱり蛇さんなのですよ。『トイレから出てくる下水蛇』に似てるのです」 「にゃ? その子って……たまに教室に入ってきてたりしたけど」 「花子さんに気が付いてるって事は、都市伝説絡みだと確定か」 困ったような、呆れたようなそんな口調 「花子さんって……獄門寺くん、もしかして都市伝説とか詳しい?」 「そう聞いてくるという事は、都市伝説について説明はいらないな。俺は……詳しいというか、この花子さんと契約してる」 「けーやくしゃなのです」 にぱーと笑う花子さんに、思わず微笑み返しをする少女 「それはともかくとしてだ。正月に一体何があったんだ? もしかしてあの時の黒服のせいか」 「うーん、話せば長くなりそうなんだけど……」 ちらりと視線を腕時計に落とす少女に、つられて獄門寺も時計を見る 「休み時間終わりそう」 「それじゃ続きは放課後だな。用事とかはあるか?」 「ううん、別にこれといっては無いけど……獄門寺くんはいいの?」 「構わない。周りにある面倒事は、ややこしい事になる前に解決しておきたい性分なんだ」 「ん、わかった。でも経緯はめんどくさいけど、そんな大事じゃないからね?」 暗に心配しないでと言っているとすぐに理解し、とりあえず頷いて返しておく 「それじゃ、教室戻ろっか。花子さん、またねー」 笑顔で手を振る少女と、嬉しそうに手を振り返す花子さん 「……大人しい奴だと思ってたけど、結構テンション高い方なんだな、逢瀬」 「そ、そんなにテンション高いかな!? 騒がしかったらごめんね!?」 「普段が普段だから、まあ少し驚いたな」 「うう、誤解が解ければこんなノリにならなくて済むのにー」 前ページ次ページ連載 - 三面鏡の少女
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学校街内、とある廃ビルの一室にて 黒い影が、ひそひそと話し合っていた 「…A-No.666め、ドジを踏みやがって…」 「どうする?私達まで処分されるかもしれないぞ」 彼らは、「組織」の黒服 強行派、もしくは過激派に所属する者達 彼らが口にした、A-No.666の、非人道的実験に関わっていた者達 …その数、20程 自分達が、一箇所に集まる事は危険だとわかっている それでも、何故、彼らは集まっていたか? ……それは、まだ、A-No.666の企みが判明し…彼が殺された「直後」と呼んで良い時期だったからだ たとえ、自分達がA-No.666の実験に賛同し関わっていたとしても、「組織」が彼らに処分を下す判断が降りるまでには、まだ時間がかかる 穏健派が動いているからには、なおさらだ 穏健派は、その考え方故、非情な判断には時間がかかる事が多いのだから 「とにかく、姿を隠すべきだ」 「サイコメトリー系や思考探知系能力者が尋問を行えば、我々の行いもすぐに知られる」 「「組織」から離れる事も考えた方がいいだろう。いっそ、「アメリカ政府の陰謀論」にでも移って…」 そうやって、今後を話し合っていた黒服達 ふと…一人が、壁の向こう側を、見た 透視能力保持者であったその黒服が、壁の向こうに見たもの それは、外の風景に混じって……こちらに向かって飛んでくる、天使 それも、若い外見の、可愛らしい、ミニスカ天使達で その、天使達が、可愛らしい外見に似合わぬ、ゴツく、物々しい重火器を持っていた、姿で… 直後 彼らのいた部屋は、重火器の一石攻撃を受けて、爆砕した 「…やったか?」 モンスの天使達が、一斉攻撃を仕掛けている様子を、天地はやや離れたところから確認していた 天地の契約しているモンスの天使は、重火器で武装した天使達を召喚するというもの 天地自身は、まったく強化されない よって、戦闘スタイルは、目標からやや離れたところで天使達を召喚 そこから移動させ、攻撃させるというものだ 今、天地の指示を受けたモンスの天使達は、無邪気に、A-No.666の実験に協力していた黒服達が集まっていた廃ビルを攻撃し続けている …上の許可? そんなもの、知るか 自分の派手な攻撃能力では、都市伝説の存在を隠しきれない? 知るか どうせ、自分は始末屋だ 「組織」の始末屋 どうせ、相手は「組織」の意図に反する行為を行っていたのだ 始末しても構うまい どうやら、少しは上の立場らしい女黒服が、責任は自分が取ると言っていたが、それはあまり気にしていない 自分は、勝手にやるだけだ 天使達の一斉攻撃が終わった 片がついたか、と天地が顔をあげると …天使達が攻撃していた、その廃ビルから 黒い影が飛び出したのが…見えた それは、天地のいる方向に向かって、まっすぐに飛んでくる 廃ビルに向けて飛ばした天使を呼び戻しても、間に合わない 素早く、目前に新たな天使を召喚する 召喚されたモンスの天使は、天地の指示を待つことなく、主を護るべく、迫る危険に対して、ロケットランチャーを発射した それは、迫ってきていた黒い影に命中 しかし、その直前に、その背中に乗っていた数名の黒服が飛び降り、地面に着地してくる 「…4人…いや、5人残ったのか」 ロケットランチャーを受けた影は、衝撃に飛ばされたはしたものの、ダメージなし すぐ傍の電柱の天辺に止まり、天地を見下ろしてくる あの20人の、それぞれの都市伝説を思い出す あの攻撃の中、生き残れそうな者の名前をあげていく 目の前に居るのは、そいつらに違いない 「くそ…っ!門条 天地!何故、お前が我々に攻撃する!?」 「わかってるだろ?」 しらばくれさせなどするものか こちらを睨んでくる黒服を、天地は鋭く睨み返す 「「組織」の在り方に反する行為を行ったお前達を、始末する」 「っちぃ……!」 廃ビルへ向かわせていた天使達が、戻ってきた スカートの中を覗かれる事など一切気にする様子なく、上空から、生き残った黒服達相手に攻撃を仕掛けていく べちゃ!!と 銃撃を受け、一体の黒服の体が、ゲル状になって崩れた スライムに飲まれたそれは、ぐじゅぐじゅと不気味に蠢きながら、天地に向かってくる 他の三体と、電信柱の上にいた化け物の姿をしたそれも、驚異的な反射神経で、銃撃を回避 それぞれが、天地に攻撃を仕掛けようと迫ってくる 西洋系の顔立ちの黒服の体の表面に、白い鱗が現れ始め…その顔が変化し、服が破け、白い鰐へと変化する 一人の黒服がスーツの内側から缶のコーラを取り出し、一気に飲み干して身体能力を強化させて駆ける 中学生ほどの顔立ちの女黒服の下半身が消え、地面を高速で這い出した 白い鰐、コーク・ロア、てけてけ それぞれに飲み込まれた黒服達が、一斉に天地に攻撃を仕掛けてくる だが 「甘いんだよっ!」 ばらばらと何かをばら撒き、二人の天使に抱えられ、上空に逃れる天地 直後、ばら撒かれたそれ……自らが召喚したモンスの天使から渡されていた手榴弾が、一斉に爆発した 爆炎の中、コーク・ロアが消滅した様子を確認する 「あぎょうさん、さぎょうご」 聴こえてきた、不気味な声 あの黒い化け物が、ビルの壁を這って、迫ってくる モンスの天使がすかさず銃撃するが、当たってもダメージを受けたようには見えない 「あぎょうさん、さぎょうご」 せまるそれに、天地は叫ぶ 「----嘘!!」 あぎょうさん、さぎょうご あ行3、さ行5 う、そ 嘘 あぎょうさんとは、そのような都市伝説 その正体を、見抜かれれば… 「………ぁ」 化け物の姿が、ただの黒服に、戻った 壁を這う力も失われ、その体は地面に落下していき…そこを容赦なく銃撃され、穴だらけにされて べちゃり、地面に落ちた時には…ただの、肉片へと変わっていた 地面に戻ろうとすれば、ボロボロになったてけてけが、一矢報いようと迫ってくる しかし、傷つきスピードの落ちた体は、天使の攻撃を避けきれず、狙い撃ちされていく あぎょうさんと同じように、それはただの肉片へと姿を変えた (あと2体…!) 白い鰐と、スライム …どこへ逃げた!? 辺りを見回した直後、そばにあったマンホールの蓋が、突然、汚水で押し上げられた 白い鰐が汚水を纏って出現し、大口を開けて天地を飲み込もうと襲い掛かる ----っが!と その攻撃を、一人の天使が阻止した その大口に、つっかえ棒のようにライフル銃を差し入れ、口が閉まらないようにする その口内に…ぽい、と 投げ入れられた、爆弾 天地が離れた直後、白い鰐は体内から爆砕され、消滅していく 残り一体 スライムだけだ どろ ぐちゃり ゲル状のそれは、状況不利、と見たのだろう ずるずると、白い鰐が蓋を開けたマンホールから、下水道へと逃げていこうとしている 逃がさない 懐から小さなペットボトルを取り出し、天地は中身をスライムへとぶちまけた 構わず、マンホールへと入っていく天地 次に取り出したのは……ライター まだ少し中身が残っているそのペットボトルを、天地はそのマンホールから下水道へと投げ捨てて そして、しゅぼ、と ライターを点火して……同じく、投げ入れた 素早く、離れる 直後、そのマンホールの下で、小さな爆発音と、何かが燃やされ、もがき苦しむ絶叫が響き渡った 液体の正体は、ガソリン スライムの強靭な生命力は、しかし、炎など、焼いてくる攻撃には、弱いのだ 標的である20人の黒服達が、どんな都市伝説に飲まれた存在だったか、全て把握していた だから、その対処は完璧にしてきた 誰一人、生かして逃がす気などなかったから 「………ふぅ」 これで 全員、始末し終えた …終わりだ 「お疲れ様ですー!」 「デストロイ終了ですー!」 「皆殺ししましたー!」 「…あぁ、お前らも、ご苦労さん」 天地に褒められ、嬉しそうな天使達 とても、先ほどまで殺戮を繰り広げていたようには見えない、無邪気な笑顔 天地は、天使達の姿を消させると、ふらり、夜の町中に消えていった …この直後 天地は、友人たる直希から連絡を受け、「首塚」の本拠地へと移動 天倉姉妹に、今後の事について、話すこととなる to be … ? 前ページ連載 - 黒服Hと呪われた歌の契約者
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ゲームタイトルの説明文 ( ^ω^)普通のトランプゲームだお EDがなさそうなのでサックリ終了 普通にカード買ったらダメなのかお? 制覇達成日時 2008/4/12 PM9:30頃 達成者 識子