約 2,106,967 件
https://w.atwiki.jp/supergirl121/pages/229.html
「更科くんは…ずるい…」 学校からの帰り道、一緒に歩いていた綾門さんに、突然やんわりとなじられた。 「ええっと…急にそう言われても心当たりがないんだけど、どこがずるいのかな?」 僕には全く原因が分からない。 お互いまだまだ慣れなくてギクシャクしているところはあるけれど、一応恋人同士でいられていると思うし、今だって一緒に下校している。 さっきのお昼休みも、屋上で綾門さんが作ってきてくれたお弁当を一緒に食べたし。 それなのに突然ずるいと言われても、本当に心当たりがない。 とにかく、綾門さんが教えてくれないことには始まらない。 僕は並んでゆっくりと歩きながら、綾門さんからの返答を待った。 「…だって更科くんは…私の秘密を知ってる…」 少し俯き加減で、頬を赤く染めながら綾門さんが出してくれた答え。 これは、やっぱりあの事を言ってるのかな。 「秘密って…綾門さんがスーパーガールだっていうこと?」 コクンッと首を縦に振り、綾門さんは僕を見つめてくる。 確かにこれは、世界規模で重要な凄まじい秘密だ。 あの世界中で噂になっているスーパーガールが、普段は一見地味なただの女子高生として日本で生活していて、しかも僕みたいな冴えない彼氏がいるなんてことに、誰も思い当たらないだろう。 ではどうすればいいのだろう? 今から僕が、突然綾門さんがスーパーガールだということを忘れることなんてできないし… 「…だから…私にも更科くんの凄い秘密を知る権利がある…。好きなお弁当のおかずとか、好きな本とか、好きな歌手とか…今後の参考に…」 悩んでいる僕に、綾門さんは顔を赤らめ、こっちが驚くぐらい緊張した面持ちでお願いしてきた。 あれ?それってつまり… 「恋人同士なんだから、僕のこともっと良く知りたい、ってことでいいのかな?」 「………う、うん」 綾門さんは僕の答えを聞いて、恥ずかしそうに微笑んでくれた。 いつもの地味メガネを使用中なのに、それでも隠しきれないぐらい可愛い笑顔だ。 ちなみに最近、一昔前の文学少女風地味装備では綾門さんの魅力が隠しきれなくなり、クラスの男子の中でも綾門さんのことを話す人が増えてきている。 まぁ、元々の驚くような美少女である顔はメガネだけではとても隠しきれるものではない。 さらに無理矢理小さめなブラで抑え込んでいるという胸元はそれでも学校でトップクラスの膨らみをしているし(だからブラをしていないスーパーガール姿だと…なんていうか物凄い。間違いなく3桁超えている…)、 身長が高いこともありスーパーモデルのようなスタイルをしてしまっているのだから仕方がないか。 さて、とりあえずどうしよう? いきなりずるいと言われて喧嘩になるかと思いきや、気が付けば綾門さんが僕のことを好きでいてくれるていることを再確認するやり取りになってしまった。 べつに綾門さんが知りたがっていたことなら教えて問題ないんだけれど…そうか僕の秘密か… 確かにまだ知り会ったばかりだし、僕について知らないことたくさんあるはずだ。 そんなことを考えていると、ふと一つのことに気が付いた。 誰にも教えていない、最近できた自分の秘密。 自分でも、こんな癖というか好みがあったなんて、綾門さんに会うまでは気が付かなかった秘密。 「綾門さん、僕の秘密聞いてくれるかな。その、最近になって好きになったことがあるんだけど…」 「…聞きたい」 僕の声に興味深そうに反応すると、綾門さんはぐっと身体を近づけてきた。 「綾門さんを見て気が付いたんだけど…僕は強い女の子が好きみたいなんだ。この前屋上で鉄のベンチを鉄球にしちゃった綾門さんに、凄くドキドキしたんだ」 綾門さんが学校の屋上で見せてくれた、鉄のベンチを折り紙のように力を込めることなく折り畳んでいくスーパーガールの異常な怪力。 初めは恐怖でドキドキしていたと思ったんだけど、今思い返してみても気分が高揚してしまう。 「だから、綾門さんが一体どれだけ力が強いのかっていうのにも興味があって…ごめんね、こんな変な秘密で…」 僕の話を見下ろしながら黙って聞いてくれている綾門さんの姿に、段々と語尾が声が小さくなってしまった。 やっぱりちょっと変だったよね。急にこんなこと言われて綾門さんもきっと呆れて… っと、僕は後悔しだしていたが、綾門さんは違ったようだ。 「…つまり更科くんは…強ければ強いほど好きになるの?」 「え?…あ、うん、そうなるかな?」 「…よかった。私、世界で一番強いから…きっと更科くんに一番好きになってもらえる…」 僕の言葉が本当にうれしかったのか、心から喜んだような柔らかい笑みを綾門さんは浮かべた。 「世界で一番?」 「うん…スーパーガールより強い人なんて…どこにもいないよ…」 確かに、綾門さんより身体が大きかったりする人はいるかもしれないけど、彼女に勝てる人間はいないだろう。 80万トンを持ち上げられる怪力と、マッハ6000で飛べる飛行能力を持ち、おまけに目からレーザーも出せるし、スーパーブレスで物を凍らすこともできる女の子。 どんな格闘家でも、彼女にかかれば小指一本…いや、息一吹きで倒されてしまうだろう。 「更科くん…秘密を教えてくれてありがとう…」 「あ、うん、僕も喜んでもらえて嬉しかった」 まさか喜んでもらえるとは思っていなかったから、僕としても嬉しいというかほっとしている。 そんな僕に、本当に嬉しそうな綾門さんは、 「…更科くん…教えてくれたお礼したいから…これからつきあってもらえるかな?」 そう言って優しく僕の身体を抱きしめると、ゆっくりと身体を浮かび上がらせた。
https://w.atwiki.jp/supergirl121/pages/54.html
奥様の名前は「恭子」 そしてダンナ様の名前は「ダーリン」 ごく普通の二人は、ごく普通の恋をし、ごく普通の結婚をしました でもただ一つ違っていたのは「奥様はスーパーヒロイン」だったのです・・・ 【朝、玄関にて】 「いってくるね、恭子」 「もうっ。わ・す・れ・も・の」 「ん・・・」 恭子は目を瞑り…ちょっとあごを上げる ちゅ・・・ 軽く唇を合わせ、離れる。 「えぇー」 「な、なんだよ」 「前に言ったでしょ、“いってきます”のキスは5秒以上!」 「あ、あれは恭子が勝手に・・・」 「ん・・・」 「って、聞いてないし!」 「んっ!・・・」 ちゅ・・・ 再び唇を合わせる。 「あ、んっ・・・ん、ちゅ・・・ちゅぷ、ちゅ・・・ちゅぅ~!!!」 「んーー、んっ!?んんん!!!」 恭子に肺の中の空気を一瞬で吸い込まれて、慌てて恭子の背中を叩くダーリン。 「は、はぁ、はぁ、はぁ、し、死ぬかと思った・・・」 「もう・・・だらしないんだから~。ま、いいわ。ね、今日は早く帰ってきてね、ちゅ♪」 ダーリンのほっぺに優しくキスする恭子。 「・・・(///)う、うん、それじゃ、いってきま~す・・・」
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/174.html
モノクマ「オマエラはこの学園で一生共同生活をしてもらいます。」 舞園「いやです!!皆さん、私のそばに集まってください。」 モノクマ「何をする気なのかね?」 舞園「…テレポート!!」 ブゥン モノクマ「何ぃ!!舞園さんが皆と一緒にテレポートするなんて…!」 ブゥン 舞園「さぁ、皆さん脱出しましたよ。」 苗木「すごいね舞園さん。テレポートまで使えるなんて…」 舞園「…エスパーですから…」 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 舞園「…はっ、夢か… …流石に本当のエスパーでもないのにテレポートなんて無理か…」 終わり
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/131.html
今日はクリスマス。 とはいっても私、霧切響子にとってはクリスマス・イブもクリスマスも別に例年と大して変わりは無い。 何時も通りに過ごすだけの一日だ。 …まあ、今年のクリスマス・イブは学園のみんなと過ごしたので、例年に比べれば楽しかったのは認める。 ………苗木君がいなかった事を除けば、だが。 しかしそれは彼も別にわたし達の事を嫌ってとかではなく、ただ単純に家族に「クリスマスぐらい帰って来い」と 言われたからだ。 それならば仕方ないと諦められるし、現に彼は最後までどうするか悩んでくれていた。 しかし根っ子から優しい彼だから・・・家族を蔑ろになど出来るはずもなかっただけの話だ。 そして今日はそれから夜が明けて25日。世間一般の男女の感覚でいえば今日こそが本番といえるのだろう。 実際学園の皆も其々思い思いのクリスマスを過ごす様だ。 例えば葉隠君と桑田君は二人で街に繰り出してナンパして女の子ゲットだぜ!と息巻いていた。 ……普通に考えて今街はカップルの巣窟だと思うのだけれども、彼らは気付いているのだろうか? 舞園さんは自分達のアイドルグループメインのクリスマスコンサートがあると朝早くから出掛けていった。 彼女は自他共に認める超高校級のアイドルだ。こんな日に休ませてくれるほど事務所も甘くはない。 実際昨日パーティーに参加に出来たこと自体が奇跡に近いのだ。 ……まあ、それ故、苗木君が参加していないと聞いた時の彼女の顔には、さすがに同情を禁じえなかったが……; 大和田君と不二咲さんは二人でツーリング(といっても不二咲さんは大和田君の後ろに乗るだけだが)をすると言っていた。 二人はよく普段もそうやって遠出をすることが多い。だがその理由は不二咲さん曰く、 「大和田君・・・女の子に振られるとバイクをかっ飛ばしたくなるんだって・・;けど一人だと事故りそうだから一緒に乗ってくれって・・w あ、けどぼくも大和田君のバイク乗るの好きだから全然いいんだけどね?」 ということらしい。ここまで話だけをきけば只の友情話ですむのだが・・・・如何せん相手は不二咲さんだ。 ……本人等にその気はないのだろうが、そういう風な行動を取っているからそっちの気があるのではと学園の女性達の中で 噂されるのではないだろうか? 実際二人がそんなことをしている場面をみれば傍からには恋人同士にしか見えない・・・大和田君が振られる原因の一つは 不二咲さんとの関係(誤解)の所為もある気がしてならない。 石丸君と十神君は苗木君と一緒で実家に帰っていた。まあ二人とも苗木君とは違ってクリスマスを家族と楽しむ様には見えないが・・・・。 ちなみに腐川さんは十神君を追いかける為、朝早くから出掛けていった。たまに彼女の行動力には感心すら覚える。 ……決して真似したいとは思わないけど。 朝比奈さんと大神さんはクリスマスだというのに二人して強化合宿とやらに出掛けていた。こんな日ですら自らを鍛える事を止めない彼女らこそ 真ののスポーツマン(一人はスポーツの範疇を超えているけど)といえるのだろう。そこまで打ち込めるモノが無い私には羨ましさすら感じる。 江ノ島さんと戦場さんは昨日の深夜からどこかに出掛けていた。理由も聞いたが本人ら(主に発言したのは江ノ島さんだが)曰く、 「今日は私らにとって最高に「壊したい」日だから・・・まあ邪魔者は消えとこうってね・・・・♪」 とよく解からないことを言っていた。 ……何かクリスマスに嫌な思い出でもあったのだろうか? しかし確かに今思えば、昨日パーティーで見た彼女らは楽しんでいるようにも見えたが・・・・・・どこか不思議そうにしているようにも見えていた。 まるで、今感じている感情に何か・・・疑問というか納得できない・・・・そんな顔だったような・・・まあ推測でしかないのだけども。 一番意外なのはセレスさんと山田君のペアだろうか。何故なら二人は「二人っきり」で街に繰り出しているのだから。 まあ本人達は、 「只の荷物運びですわ(ニコ)」 「只の荷物運び役ですな・・・助けて皆さん!たえこ殿が我輩をいじめるのです!?」 「てめえぇぇぇ!その名で私を呼ぶなって言ってんだろうがあ、この腐れラードがあああああああああ!!??////」 「ひぃぃぃぃぃぃ、たえこ殿がご乱心!?ご乱心ですぞぉぉぉ!!????」 といいながら(叫びながら?)、寮を出て行ったが・・・なんだかんだであの二人はいいコンビな気がする。 まあそんな訳で、他の人と違い特に予定の無かった私は、普段の騒がしさが嘘のように静まり返った学園寮で久しぶりの独りを味わっていたのだ。 別に寂しいなどと子供のようなことは言わないし思いもしない。 元々私は独りでいることが嫌いではない。どちらかといえば独りの方が気楽だという人間だ。 しかし、それでも・・・この静かな寮にいる自分を違和感に感じるぐらいには、今の私は学園という「輪」の中にいたのだなと自覚する。 そんな風に思うようになったのは何時からだっただろうか・・・・・少なくともここにくる以前には感じなかったし、入学した当初も「騒がしい場所」ぐらい にしか思わなかった。 ……当時の私は「他人」という存在が信じられなかった。 いや、信じられなかった訳ではない。 ただ「信じる」のが怖かった。信じた時に裏切られるのが怖かったのだ。 今でも「この手」の原因となった事件は忘れられない。その為、当時の私は話しかけてきたクラスメイトにも素っ気無い態度しか取らなかった。 ―最初から「情」を持たなければあんな後悔をしないで済む。そう思っていたからだ。 しかし・・・他のクラスメイトがそんな私から離れる中・・・・ただ一人懲りずに話し掛け続ける人物がいた。 「ねえ霧切さん。今日寮まで一緒に帰らない?」 ……『苗木 誠』。私に初めての「感情」を教えてくれた人。. 【続く】
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/550.html
>霧切さんと公園にやってきた。 「……ていうか、何この世界線」 海原が陽光を照りかえす、常夏の島。 画面の向こうによく見た世界の中に自分がいると思うと、違和感が果てしない。 状況を飲みこめずうろうろとしている僕に、いつものように彼女が呆れたような溜息を吐く。 「ジャバウォック島でしょう。貴方、もう仕事を忘れたのかしら?」 「えと…そういうことじゃないんだけど…」 「……相変わらず、適応力のないヒトね」 「いや、霧切さんが順応しすぎ…」 ジト目の彼女に背を向けて、いつの間にか手に持っていたファイルケースに目を通す。 何を隠そう、僕たちは今―― 「あの事件の事後処理のために、二人でプログラムの不備を見直しに来たんでしょう」 「ああ、うん…そうだっけ」 「……ちょっと。貴方が一人だと大変だと泣きを入れるから、手伝ってあげているのに」 ちなみに代償は高級芋焼酎でした。安くはない、けっして。 「それなのに、当の貴方がそんなに等閑だなんて…誠実さに欠けるんじゃないかしら?」 「う……ゴメンなさい」 「貴方の数少ない長所なのよ、それは。大切にした方がいいと思うけど」 さらりと酷い言葉を吐き捨て、霧切さんはそっぽを向いた。 彼女なりの、もう追求しないという、許してくれた合図だ。 その仕草を、というより霧切さんを、僕は少しも漏らさず目で追っている。 先程から僕が上の空なのは、実のところ、それが原因だったりする。 この電子空間の中で過ごすためには、アバターが必要だ。 そしてそのアバターは、必ずしも現実世界の姿を反映するワケではない。 僕と彼女は、あの日々の、すなわち超高校級の高校生時代の服装に、戻ってしまっているのだ。 「……なによ、ジロジロ見て」 「あ、いや…その、ゴメンなさい」 「あのね…何でもかんでも謝るその癖も、そろそろどうにかならない?」 手厳しさは、今も昔も変わらないのに。 見慣れた黒のスーツではなく、懐かしい濃紫色のジャケット。 少しだけ高く、幼くなった声色。 細いままの肩幅。華奢な肢体。 ……なんかちょっと、古臭い背徳的な感があるのは否めない。 イメクラ? と突っ込んでみたいけれど、多分死亡フラグだ。 「苗木君、背が伸びたんじゃない?」 「……昔はまだ霧切さんとそこまで身長差なかったからね」 自分で言って哀しくなるのに蓋をして、自分の姿にも目をやった。 よく見なれたはずの、自分自身の昔の姿だ。 ブレザーにパーカー、濃い色のジーンズ。いつものスーツよりホッとするというか、だいぶ着心地が良い。 ついでに、目線の高さは全然変わってなかったりする。ホント、哀しくも。 「それで、どうしてジロジロ見ていたのかしら?」 「ど、どうしてって…」 「……まさか、私の懐かしい姿に見惚れていた、だなんて言わないでしょうね」 口元に手を寄せ、クスリと笑う。 彼女が冗談を言う時のクセだ。 けれどその冗談は案外事実だったりするので、彼女の洞察力の鋭さにも改めて惚れ直してみたり。 「は、はは…やっぱバレちゃってるか。霧切さんには敵わないな」 「……え?」 「え?」 「あ、……」 と、笑うのを止めて、まじまじと僕を見る。 突然だったので当惑しながらもその瞳を見返すと、気まずそうに目を逸らされてしまった。 「……」 「……」 あれ、何だ、急に。 「…と、とにかく見回ろうか。といっても、どれくらいのレベルで調査をすればいいのか分からないんだけど」 「…細かいバグのようなものは、後々の調査で本格的に探すらしいわ」 気まずくなった空気を振り払うように、お互いが饒舌になる。 公園から見える遠い海が波を鳴らして、何かを急かしているようだ。 ……とにかく、調査調査。遊び出来ているワケじゃないんだから。 「つまり…目に見えるレベルの大きなバグ、違和感や異変を探せばいい、ということよ」 「気づけるほどの異常は、それほど危険で大きい異常ってことだもんね。じゃ、早速手分けを…」 しようか、と提案した所で、ジト目。 僕の台詞を遮るように、じっとりと睨めつける。 「…その、なんでしょうか」 「……手分け、ね。偉くなったものね、苗木君」 「な、何が?」 「助手たるべき人間が、探偵を放って独りで勝手に調査に臨もうだなんて。貴方、自分の役目を忘れたの?」 …えーと、色々突っ込みどころがあるのは放置だ。 いちいち突っ込んでいたら、いつものように日が暮れてしまうんだから。 「……探偵と手分けして自分も調査に出るタイプの助手って、結構定番だと思うんだけど」 「それは探偵のタイプに依るものでしょう。私は安楽椅子探偵を名乗った覚えはないわ」 ビシ、と、指を突き付ける霧切さん。 彼女がこのポーズをとると、割と他愛のない言葉でも決め台詞に聞こえてしまう、不思議。 「もう一度聞くわ。貴方、自分の役目を忘れたの?」 「え、えーと…」 「…言い方が悪いのかしら。じゃあ、この仕事を請け負うべきなのは誰?」 「そりゃ、諸々の言い出しっぺの僕だけど…」 「正解。なら、私が貴方についてきたのは何故?」 「…僕が、手伝ってくださいって頼んだから」 「そうね。私は『貴方の仕事を手伝いに』来たのであって、『雑用を任されに』来たのではないのよ」 ……あー。物凄く分かりにくいけど、分かった。 霧切さんの言わんとしていることは、つまりこうだ。 「……一緒に調査しよう、ってこと?」 「まあ、諸々の理由を端折って言えば、そういうことになるわ」 「うーん…でもそれだと、霧切さんに手伝ってもらう意味、なくなっちゃうんだよね」 一人でこの島を全部回るのは、中々の骨だ。 集中力も欠いていくだろうし、作業効率は悪い。 二人でやれば、時間は半分、効率は二倍。こういう仕事は人数が多ければ多いほどいい。 けれどもそれは、二人で別々の場所を分担しあう、というのが効率向上の大前提だ。 二人して同じ場所を見回るのなら、一人でやるのと大して変わりない。 だというのに霧切さんは、 「あら、そんなことはないわ」 軽い調子で、そう返した。 「私はともかく、苗木君。貴方一人の観察力で、果たして島の異常にどれくらい気づけるかしら」 「う……そ、そりゃ、霧切さんに比べたら、無いも同然だけど…」 「そうね。理解したかしら?」 つまり、僕は最初から見回り人員にカウントされていない、ということか。 それなら最初から、二人で回りましょう、と。 ……じゃあこれ、今更だけど、僕いらないよね。 「…早速初めましょうか。先ずは手始め、この中央の公園からになるわね」 どことなく楽しそうに声を弾ませ、背を向けてスタスタと歩き回る霧切さん。 僕は少し早足で、その背中を追いかけた。 楽しそうなのは僕を論破したからかな、たぶん。 ごちそうさま、だの、らーぶらーぶ、だの、空から気の抜けるような声が響いた気がした。 まあ、そんなわけで改めて。 >霧切さんと公園にやってきた。 と言っても、あるのは中央の大きな像だけ。 パッと見渡すけれど、他に見るべきところもなさそうだ。異常や違和感もない。 霧切さんは既に、見上げたり触ったりと、像の調査を始めている。 「えーと…どう?」 漠然とした、なんのセンスも感じない、無責任な質問。 いつもの霧切さんにならこれくらい言われるだろうけれど、今は探偵モードのようだ。 「見た目が変、という所以外は、見た感じに異常はないわ」 「そっか…この像に異常がなければ、ここにバグはなさそうだね」 何と言っても、広く見通しの良い空間だ。 異常があればすぐに分かるだろうし。 しかし、なんというか、こんなに心地良い快晴に、潮の匂いが届く公園にいると、どうも任務だという気がしない。 「なんか、昼寝でもしたくなっちゃうね」 「したら怒るわよ、流石に」 返す霧切さんの声も、どこか間延びている。 彼女もこの暖かな日差しに、心癒されているんだろう。 ぐ、と背を伸ばすと、同じタイミングで彼女も欠伸をかみ殺した。 「……ねえ、少しだけベンチで休憩していかない?」 「…やっぱり自覚が足りないようね。手伝って、と言った本人が、こんなに早く休憩を…」 「霧切さん、徹夜明けでしょ」 ぴく、と、眉を動かす。 彼女自身は僕にそれを隠そうとしていた節があるから、何故僕がそれを、と言いたげな目。 「徹夜した日の霧切さん、声が少しだけ高くなるんだよ。あと、喋り方がゆっくりに」 「……昨日、急に別の仕事が入ってしまったのよ。それほど面倒なものでもなかったんだけれど…」 「そういう理由があったなら、無理して手伝ってくれなくても」 「先約はこっちだったのよ。一度した約束を、私の都合で反故にするなんて、できないわ」 そういう、変な意地を張りたがる人だ。 「…それに、少しだけ楽しみにしていたのもあるし」 指を口元に当てて、少し目を伏せる。 言いにくいことや恥ずかしいことを言う時の彼女の仕草だ。 「楽しみ、って…この手伝いを?」 「見方の問題ね」 首を傾げた僕に、さも可笑しそうに霧切さんは、 「ねえ、苗木君。形はともかく、私は『常夏のリゾートに』『貴方と二人で』『貴方に誘われて』やって来たんだけど、この意味が分かるかしら」 そんなことを言ってのけた。 一瞬き。 「えっ、と……あの、それは、」 「……冗談よ」 してやったり、と言わんばかりに目を伏せる。 霧切さんのこの手のからかいは、何度も喰わされてきたけれど。 来ると分かってても顔が赤くなってしまうのは、たぶん、僕の気持ち的な問題です。 「ちょっと生意気だったから、オシオキよ……馬鹿正直の苗木君」 「そういうずるい冗談は止めてって言ってるじゃないか…」 「あら? 冗談じゃなくて本気なら、許してもらえるの?」 「だ、だからそういうんじゃなくて…」 「……『そういうんじゃない』、のね。告白してもいないのに振られちゃったのかしら」 クスクスと、笑いを堪えながら霧切さんがからかうので、今度は僕が目を逸らす番だった。 「…もしかしなくても、霧切さん、僕で遊んでるでしょ」 「あら、今更気が付いたの?」 「はぁ、もう。……少なくとも、そうやって僕で遊んで眠気を紛らわすくらいには、眠いんでしょ」 「……そうね」 認めるまではしぶといけれど、認めてからは素直な女の子だ。 手を引いて促すと、そのまま従って、大人しくベンチにちょこんと座る。 「…苗木君。依りかかるモノが欲しいんだけど」 「あ、えーと…」 なんて言われても、枕になりそうなものなんてないし。 パーカーを脱いで丸めようか、なんて的外れな事を考えて、 「……」 ふと、モノ言いたげな視線を投げかける、霧切さんの隣に、不自然な空きがあるのに気が付く。 こんこん、と、視線に気づいた僕に強調するように、隣の空きを指で叩く。 ああ、なるほど。 言わんとすることを介して、僕は彼女の隣に腰掛けた。 よろしい、と、眠たげな声。 ふわ、と、目の前で揺れる銀色。 「……ちょっと、そっち?」 「何よ、『そっち』って」 「いや、てっきり肩を貸すくらいだと…」 「……横になりたかったのよ。膝枕くらい、許してくれてもいいでしょう」 いや、僕はいいけど、色んな意味でダメだ。 膝、というより太ももにかかるもどかしい重みに、図らずも反応しそうになる。 「……その気になったら、手を出してもいいわよ。草食動物の苗木君」 僕の考えなんてお見通しらしく、もぞもぞと声を響かせて、数秒後には寝息を立てた。 ああもう、ちくしょう、しんらいされてるなあ。 >霧切さんと、もどかしいひとときを過ごした。
https://w.atwiki.jp/dangan_eroparo/pages/63.html
843 名前: 名無しさん@ピンキー [sage] 投稿日: 2011/05/11(水) 11 05 46.72 ID I2CWHNY6 苗木「○○さんクリームは生とカスタードどっちが好き?」 朝比奈「生!絶対生!あ~ん苗木が生がどうとか言うから食べたくなって来ちゃったじゃんか~!」 舞園「 無いなら生で良いからっ!. こんな事が聞きたいんですよね?わかっちゃいますよ。エスパーですから」 さくら「カスタード」 腐川「カスタ. ハッあんたわたしに生が良いって言わせて今夜のオカズにしるつもりでしょう!」 セレス「苗木君が山田君と同じ思考回路だったとはおもいもしませんでしたわ」 ちーたん「どっちかっていうとカスタードが好きだよ!苗木君は生が好きなの?」 霧切「なまが好きよ. あっ. エロスは程々にしておかないと身を滅ぼすわよ」 文才が無いなぁと思う わたしに
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/689.html
「……よし、勝負だ! ……8と9のツーペア」 ボクが些か緊張しながら場に示した手札を見て、セレスさんは微かな笑みを浮かべる。 「うふふ、残念でしたわね。……こちらもツーペア。ただしジャックとクイーンです」 セレスさんの示した『役』は、当然ボクのそれよりも強いものだ。 ……また、負けた。これで15連敗か……。 ボクがため息をつくと同時に、背後で西園寺さんの無邪気な笑い声が上がる。 「あははっ。苗木おにぃったら、また負けたんだー? よわーい!」 傍観者ゆえのお気楽なコメントに、ボクは言い返す気力すら湧いてこない。やれやれ……。 ここは太平洋上に浮かぶリゾート地、ジャバウォック島。 そこに建つホテルの客室で、ボクとセレスさんはトランプゲームに興じていた。 ボクの後ろのベッドの上では、この島で知り合った日本舞踊家の西園寺日寄子さんが寝転がり、 時折適当なヤジを送りつつ勝負を観戦している。 「少し、疲れましたわね。ちょっと休憩にしましょうか。──ところで」 それまで楽しげだったセレスさんの声が、微かに不満の色を帯びる。 「どうして、わざわざ南の島まで来て、こんな状況になっているのですか? 苗木君」 ──それは、仕方のない事だ。だって、朝からずっと激しい雨が降り続いていたんだから。 時計を見れば、針は午後8時を回ろうとしている。 今頃になって、ようやく雨が上がったようだが……これじゃ、島内観光どころじゃない。 ボクらは観光の予定を全てキャンセルして、一日ホテル内に留まるハメになってしまった。 「……天気の事はしょうがないよ。明日また、出掛ければ──」 ボクの言葉を遮って、セレスさんは首を横に振る。 「違いますわ。わたくしが言いたいのは、どうして余計なお荷物が増えたのか、という事ですの……!」 お荷物……? と、疑問に思ったが、彼女の視線を追って合点がいった。 その先には、西園寺さんがいる。セレスさんは予定外の闖入者が気に入らないのだろう。 ──それは──それも、仕方がない事だ。多少の罪悪感を感じながら、ボクは小声で返した。 「西園寺さんのお父さんに頼まれちゃって、断れなかったんだよ。 ……いや、でも人数が多いほうがきっと楽しいし……その……ゴメン」 ホテルに着いて早々、ちょっとしたトラブルに巻き込まれたボクとセレスさんは、 結果、西園寺さんや、彼女のお父さんと知り合った。そして今朝、またも偶然顔を合わせる。 お父さん曰く──娘は気の会う友達になかなか恵まれず、いつも寂しい思いをしています。 自分たちは明日には日本に帰るんですが、ここで知り合ったのも何かの縁。 迷惑でなければ今日一日だけでも、娘と遊んでやって貰えませんか? ──人の良さそうなあのお父さんに懇願されて……ボクにはどうしてもNOと答える事が出来なかった。 背後でセレスさんが、露骨な舌打ちをしていたとしても……。 セレスさんが呆れたように鼻を鳴らすのに続いて、西園寺さんがまたもお気楽な声を上げた。 「ところでさー、セレスおねぇ。おねぇと苗木おにぃは二人で旅行に来たんだよねー? って事は────もしかして付き合っちゃったりしてるのかなー?」 ボクは……突然の言葉に、一瞬顔が熱くなるを感じた。 微妙な事を……あっさり言ってくれるな、この子は……。 セレスさんは──僅かな沈黙の後、平然とした口調で答える。 「付き合う……というのは意味がわかりませんが……彼は、わたくしの“ナイト”ですの。 わたくしに忠誠を誓う者として、常に傍に侍るのは当然の事ですわ」 「ナイトぉ……? それってさー、もしかしてイターい『設定』ってやつー?」 小馬鹿にしたように、クスクスと笑う西園寺さん。黙って聞いてるボクの方が無性に恥ずかしくなってくる。 一方のセレスさんは相変わらず、余裕の表情だ。 「設定ではありませんわ。事実ですもの」 西園寺さんは口を噤み、ボクとセレスさんの顔を見比べて、二度三度と瞬きを繰り返す。 それから小さく「なるほどねー」と呟いて、どこか意地の悪い笑みを浮かべた。 「……ふーん。じゃあ、わたしと同じだね。私にもいるよー。……『日向おにぃ』って“奴隷”がさー」 ど……奴隷!? どういう解釈でそうなるんだ……? ともあれ、話題を変えるチャンスだ。ボクはすかさず口を開く。 「そ、その日向おにぃって、どんな人なの?」 「日向おにぃはねー、わたし狙いのロリペドでー、何のとりえもないド凡夫なんだー」 め、滅茶苦茶言ってる……! 会った事もないその人に、少し同情する。 「だけど……とっても優しくて……一緒にいるとホッとするの。 お父さんとか……そうだね、苗木おにぃにも、ちょっと雰囲気が似てるかも……」 ……話しているうちに『日向おにぃ』の事を思い出したのか、西園寺さんは頬を緩める。 そうか……この子は……。……いつもひねくれた事ばかり言ってるけど、素直にしてると可愛いんだな。 ボクとセレスさんの視線に気づいてか、西園寺さんは頬を赤らめ、慌てて立ち上がった。 「──って、いいじゃん、そんな事はさー! もういい、行くよ!」 「え……どこに?」 「決まってるでしょ、お風呂だよー。苗木おにぃ達も来るでしょ? お、ん、せ、ん……」 まさか南の島まで来て温泉なんて単語を聞くとは思わなかった。 しかしよく考えてみれば、ハワイなんかも火山島で、温泉に入れると聞いた事がある。 現にこのジャバウォック島にも、立派な活火山があるらしい。 「温泉……それは、このホテル内ではありませんわよね? わざわざ出掛けなくても、こちらに立派なお風呂がありますのに……」 セレスさんはいかにも気乗りしない、という口調だ。すかさず西園寺さんが言い返す。 「言っとくけど、ただの温泉じゃないんだからね! わたしの踊りを観て、感激したホテルのオーナーが特別に招待してくれたんだから!」 ──詳しく話を聞いてみると、このホテルの裏山にVIP中のVIPだけが入れる『秘湯』があり、 今夜は西園寺さんだけの為に貸し切りにしてくれているんだとか──。 ……ボクは正直、興味をそそられたのだが、セレスさんは面倒くさそうに横を向いてしまう。 「嫌ですわ、秘湯だなんて。雨上がりの事ですし、きっと足元も悪いでしょう。 それにわたくし……夜8時以降は決して出歩かない主義ですの」 ……そんな主義、初めて聞いたぞ……。 セレスさんの頑な態度に、さすがに西園寺さんも不機嫌になってくる。 「このわたしがせっかく言ってあげてるのに……。いーよ、じゃあセレスおねぇは“フツーのお風呂”に入れば? わたしはその間に、“セレブ御用達の美肌の湯”でツルッツルになってやるもん! それはもう、苗木おにぃみたいな朴念仁でも目が釘付けになるぐらいツルッツルのスベッスベに──」 西園寺さんが言い終わるより早く、セレスさんはすっと立ち上がった。 「では、早速その秘湯とやらに参りましょうか。西園寺さんの、せっかくのお誘いですものね」 にっこり笑って、何事も無かったかのように一人で歩き出してしまう。 ボクと西園寺さんは、呆れる暇もなく──慌ててその後を追った。 西園寺さんがホテルの人に用意してもらったという、お風呂セットの袋を提げて夜道を歩く。 幸い、温泉への道はしっかり舗装されている上に街灯も整備されていて、歩くのは苦にならない。 一本道の緩やかな上り坂が、女性の足でも10分ほどで目的地に連れて行ってくれるそうだ。 「感謝してよねー、わたしのお陰でVIP専用の温泉に入れるんだから」 などと得意げな西園寺さんにほどほどに相槌を打ちつつ、歩き続ける。 満天の星空の下、爽やかな夜風が吹いてきてとても心地いい。 やがて道が開け、その秘湯がある建物が林の中に見えてきた。 舗装路が途切れ、木々の中に現れた広場の中央に、白い建物がぽつんと立っている。 ホテルと同じ真っ白い外壁は真新しくとても綺麗で、高級感さえ漂ってくる。 ……秘湯なんて言うから、何となく粗末な施設を想像していたのだが、思ったより近代的で安心した。 雨上がりの少しぬかるんだ地面に歩を進め、入り口に近づく。 ここで西園寺さんが、懐から金色のカードを取り出した。 「これ、カードキーね。夜中まで開いてるけど、従業員がずっといる訳じゃないんだってさ」 防犯対策にもぬかりはないようだ。西園寺さん、セレスさんに続いて横開きの自動ドアをくぐる。 玄関マットで靴についた泥をぬぐい、ホールの中へ。 ふと目をやると、端の方に真新しい長靴が揃えて置いてあるのが目についた。 「あれ……誰か先に来てるのかな?」 思わず口にしたボクの問いに、女子二人が答える。 「……どう見ても、VIPの履物には見えませんわ。従業員用の作業靴ではありませんか?」 「そうだねー、今の時間は誰もいないはずだもん。こんな所で靴を脱ぐのも訳わかんないしー」 つまり、従業員が片付け忘れた長靴か。納得して正面に目を向ける。 ホールの先ではすぐ、男性と女性で通路が分かれているようだ。 「じゃあ、こっちの青い袋が苗木おにぃの分で、こっちの赤い袋がわたしとセレスおねぇの分ね。 ……わかってると思うけど、日本と違って水着着用だからねー?」 ……ボクはわかっていなかった。言われてみれば、海外ではそういう習慣なんだった。 口には出さず、苦笑しながら頷く。 「それでは苗木君、また後でお会いしましょう」 セレスさんが上品な笑みを浮かべ、小さく手を振る。 ボクも手を上げて応じたところで、突然、西園寺さんが素っ頓狂な声を上げた。 「……アチャッ、いっけなーい!」 彼女は握り拳で自分の額を軽くコツンと叩き、舌まで出してみせる。 ……昔の漫画でよく見た光景だが、実際やると変な感じだ……。 「いきなり、どうしましたの? 車に轢かれた蛙のような声を出して」 西園寺さんは、赤い袋の中身を何気なく覗いてみたようだ。袋の方から顔を上げる。 「セレスおねぇの分の水着はあるけど、わたしの分が入ってない……。 ホテルに忘れちゃったのかなー。戻って取ってくるから、二人は先に入ってて」 ボクらが何か言う前に、西園寺さんは赤い袋をセレスさんに渡して駆け出した。 「わたしが戻ってくるまで、ゆっくり入っててね。先に出ちゃったら嫌だからねー!」 自動ドアの前で振り返った西園寺さんを見送って、ボクとセレスさんは顔を見合わせた。 「……えっと。じゃあ、先に入ってようか」 「そうですわね。お言葉に甘えて」 もう一度さっきと同じやりとりを繰り返し、ボクらは通路の前で一旦、別れた。 通路の先には小部屋があり、ここが男性用の脱衣所になっているようだ。 部屋の奥には個室のシャワーが設置されていたり、清潔なタオルやサンダルなども用意されている。 これらはお客が自由に使っていい、という事だろう。 大きなガラス戸の向こうでは湯煙がもうもうと立っており、温泉気分が高まる。 ボクは早速、水着に着替えて脱いだ服を棚に置き、温泉の方へと向かった。 湯煙に包まれた温泉は、屋外にあった。当然ながら目隠しの為の高い塀が巡らされており、 広々とした浴場が全面、石材を敷き詰めて作られているところは日本の露天風呂に良く似ている。 だが、こちらには洗い場がなかったり……見たところ、湯船は結構な深さがありそうだ。 欧米の感覚では、温泉はお風呂というよりプールに近いものなのだろう。 文化の違いに軽いカルチャーショックを受けつつ、足先からゆっくりと湯に入る。 湯船の中でも、端の方は浅く、腰掛けられるようになっていた。 まずは肩まで湯に浸かり、一人、大きなため息をつく。 ……ふぅ。……やっぱり、温泉ってのはこういうものだよな……。 しばらく目を閉じて身も心もリラックスしていると、どこか近くで「キィ」とドアの開く音がした。 ……誰か、入ってきたみたいだ。ボクらの後で別のお客さんが来たのか……。 構わず目を閉じたままでいたが……ボクのすぐそばで、お湯が大きく波立つ。 「なかなか、いいお湯ですわね」 聞き慣れた声が聞こえ、ボクは驚いて目を開けた。ボクのすぐ隣に座ったのは、セレスさんだ。 ……こ、混浴だったのか……! よく考えれば当然だ。その為の水着着用だろうし、海外では男女混浴が普通らしい。 セレスさんは、いつもの派手なウィッグを外した姿で……いや、そんな事よりも。 彼女の着ている水着にどうしても目がいってしまう。これは、どう見ても──布が少ない! シンプルな黒のビキニでありながら、卑猥な……とまではいかなくても、結構大胆な露出度だ。 おかげで、彼女の真っ白な肌が露になり──いや、詳しく表現するのは止めておこう……。 「……苗木君。そうジロジロ見ては、レディに対して失礼ではありませんか?」 視線に気づいたらしいセレスさんにたしなめられ、ボクは慌てて目を逸らした。 「ご、ごめん……」 「いえ。……まあ、この水着が少々人目を引いてしまうデザインなのは、わかりますが。 どうやら、西園寺さんにハメられたようですわね……」 ……西園寺さんがホテルで見せた、いじめっ子のような意地の悪い表情が目に浮かぶ。 もしかして、あの時すでに? こんなイタズラをするなんて……西園寺さん、ありがt──じゃない、困った子だな……。 「それにしても」 しばらくの沈黙の後、セレスさんが静かに口を開く。 「こうしてゆっくり過ごすのは、何だか久しぶりのような気がしますわ。 その点に関しては、ここに連れて来て下さった西園寺さんに、感謝しなくてはいけませんわね……」 「……そうだね。それを言ったら……ボクは、セレスさんにも感謝しないと。 多分、ボク一人じゃ一生こんな所には来られなかっただろうし……」 言うまでもなく、これは素直な感想だ。 “超高校級の幸運”なんて呼ばれているボクだが、自他共に認める『普通』の高校生でしかない。 “超高校級のギャンブラー”として、世界を飛び回るセレスさんにとっては、そう珍しい体験でも無さそうだが……。 「いいえ、それは違いますわ」 セレスさんは小さく首を横に振る。 「いくら海外を渡り歩き、高級なホテルに宿泊したとしても、わたくし一人では当然の事で、さほど価値がありません。 わたくしが感謝しなくては、と言ったのは……その……あなたとこうして……」 意外な言葉を聞いて、ボクは彼女の方を見ずにはいられなかった。 夜の温泉。照明はさほど強くなく、うっすらとボクらを照らしている。 セレスさんの白い肌は熱を帯びて紅くなり、その中でも頬はさらに上気して見えた。 ボク自身も……温泉の温度以上に、体が熱くなるのを感じる。 自然と彼女と視線が重なり、鼓動が急激に早くなる。そしてボクは────…………湯船から立ち上がった。 「ご、ごめん。ちょっとのぼせてきちゃったみたいだ……。一旦、上がるね」 セレスさんは無言で頷き、目を閉じる。 ……危なかった。本当に、あれ以上は、色んな意味で……。 ボクは頭を振って雑念を振り払い、熱を冷ます為に脱衣所のシャワーを目指した。 男性用の脱衣所で、ぬるめのシャワーを頭から浴びて、ほっと息をつく。 ……少しは、気持ちが落ち着いたようだ。だが、このままここに居続ける訳にもいかない。 気を取り直して浴場に戻ろうと振り返り──ボクは思わず声に出していた。 「あ……れ?」 脱いだ服を入れておいた棚が、空になっている。 何かの間違いだろうと辺りを見回すが、どこにもボクの荷物は見当たらない。 まさか、盗まれたのか──!? 一瞬、ホールの方に向かいかけたが、濡れた体ではそうもいかない。 体を拭くより、まずはセレスさんに異変を知らせるべく、ボクは浴場に足を向けた。 「大変だよ、セレスさん!」 ──セレスさんは、さっきと同じ湯船の端に腰掛けたままの格好でボクの話を聞き、ゆっくりと首を傾げる。 「苗木君の服を……? それは、ショボい……というか、おかしな泥棒ですわね……」 ボクも同感だが、実際に盗まれてしまったのだから仕方がない。 「ともかく、ホテルの方に連絡しましょうか。ホールに内線電話ぐらい置いているでしょうから。 ここはわたくしに任せて、苗木君は待っていて下さい」 セレスさんはそう言って立ち上がり、女性用の脱衣所の方に歩いていった。 ──が……5分と経たず、戻ってきた。 「……やられましたわ。こちらも同様です」 ……!! 予想外の展開に、声も出ない。 どうやら、ボクとセレスさん……一度に、二人分の着替えが盗まれてしまったようだ……。 ここで一旦、切ります。続きは1時間後ぐらいに投下させて下さい 「それで……電話は?」 「残念ながら、ざっと見た限りではホールには見当たりませんでした。 元々設置されていないのか、あるいは、それも犯人が盗んでいったのかも……」 電話まで……だとすると、事件の発覚を遅らせる為だろうか? 犯人は、なかなか周到な人物のようだ。ただ、それにしては盗んだ物が── 「そういえば、セレスさんの方は服以外に何か盗まれたの?」 ボクが着替えと一緒に置いていたのは、ホテルの部屋のキーぐらいのものだ。 十分迷惑だが、今のところは被害はさほどでもない。 セレスさんは、記憶を辿るように目を伏せながら答える。 「わたくしは──そうですわね。部屋のキー、携帯電話、化粧品類を少々。 お財布はホテルに置いてきたので無事ですが、後は……まあ、下着でしょうか」 下着……! それは、そうだ。ボクも着替えと一緒に盗まれているが、セレスさんとはまるで意味が違う。 だいたい男の下着なんて盗んでどうするんだ。女の子のならともかく……いや、世の中には変なマニアが……? ──って、今はそんな事はどうでもいい。今重要なのはこれからどうするか、だ。 「現実的な所では、歩いてホテルに戻って警察を呼んでもらう、でしょうね。 この格好を人目に晒すのは少々抵抗がありますが……背に腹は変えられませんわ」 セレスさんは胸の前で腕を組み、小さくため息をついた。 緊急事態にあって忘れていたが、彼女の無防備な格好を見て再び意識してしまう。──それは、ボクも嫌だ。 だが、セレスさん一人をここに残し、ボクだけホテルに戻るのも何だか心配な気がする。 「もう一つの手は、水着を取りに戻った西園寺さんが来るのを待って、彼女に連絡してもらう……ですわね。 彼女が来るのは、あと何分後でしょうか。5分後? 10分後?」 ……わからない。そんなに時間はかからないだろうけど、ただ待っているというのも落ち着かない。 そうだ、それまで水着姿のセレスさんと二人きりで……ボクは── ダメだ、また熱が上がってきた。こうなれば、やる事は決まっている。 「西園寺さんを待つ間、ボクらで犯人の足取りを追ってみよう。 もしかしたら、だけど……服なんてお金にならないわりにかさばるし、案外近くに捨ててあるかもしれない」 ボクの提案に、セレスさんは大きく頷く。……良かった。捜査に集中していれば、少しは落ち着いて── 「そうですわね。ですが、危険な犯人がまだ近くにいるとも考えられますわ。 苗木君。ナイトとして、しっかりわたくしを守って下さいね?」 そう言って彼女はボクの腕を掴み、ぴったりと寄り添った……。 ──とにかく。煩悩を振り払う意味でも、さっさと捜査に取り掛かる事にする。 脱衣所にはこれといって犯行の痕跡は見られないので、次はホールだ。 一応、犯人の襲撃を警戒して身構えつつ、ホールに入った。 セレスさんと二人で慎重に調べて……わかった事は2つ。 1つ、ホール内に電話機(と、ボクらの荷物)は存在しない。 2つ、ホールの隅に置いてあった長靴が無くなっている。 ……これは──これも、犯人が盗んでいったのだろうか。だからといって手当たり次第、という訳でもなさそうだ。 その証拠に、壁に飾られている絵や高級そうな花瓶などには手をつけていない。 つくづく、おかしな泥棒だな……。とりあえず頭の隅に置いておき、捜査を続ける。 さて、次は── 「……そういえば、犯人はどこから入ってきたのでしょうか?」 セレスさんのふいの質問に、「えっ」と聞き返す。 「こちらの入り口は……西園寺さんが持っていたカードキーを使わなくては入れませんわよね。 VIP専用の施設ですから、不審者が他の場所から楽々侵入できるとは思えません。 という事は、犯人は入り口から堂々と侵入した──カードキーを持っている人物に限られるのではありませんか?」 なるほど、一理ありそうだ。警察が調べれば、それだけでかなり容疑者が絞り込まれるかもしれない。 となれば、次に調べるべきなのは──。ボクらの目は、入り口のドアに吸い寄せられる。 自動ドアが閉まると厄介なのでセレスさんにドアの間に立ってもらい、ボク一人で外に足を踏み出す。 夜ではあるが、施設の照明と道路の街灯が辺りを照らしており、周囲はよく見渡せた。 その中で、まず目につくのは、足跡だ。 向こう側の道路と、こちらの施設の間のぬかるんだ地面に、複数の足跡が散らばっている。 これは──重要な証拠かもしれない。はっとして、すぐ後ろのセレスさんに声をかけた。 「ねえ、これ……この辺りの足跡は、ボクらが来た時の分だよね?」 ボクが指差した辺りには、ほぼ横並びに3人分の足跡が、道路側から温泉に向かってついている。 セレスさんは同じ位置に立ったまま、少し背伸びして頷いた。 「ええ、間違いありませんわ。わたくしのヒール、苗木君のスニーカー、それに西園寺さんの下駄の痕でしょうね」 三者三様、特徴的な形が綺麗に横一列に並んでいるので、わかりやすい。 問題なのは、それらを除いた足跡で── 1つは、温泉から道路に向かう、西園寺さんの物と思われる下駄の跡。 ホテルに水着を取りに戻った時についたのだろう。 そして──正体不明の靴跡が、きっちり一往復分だけ残されている。 それは明らかにボクのスニーカーとは別の靴跡で…… 道路側から温泉に向かう片道分は、他の靴跡とは離れた位置に、 温泉から道路側に向かう片道分は、同じ方向についた西園寺さんの靴跡と重なるように。 ボクらが温泉に来た時には、こんな足跡はついていなかったはずだ……! 「それは、きっと犯人の靴跡ですわね。道路側から温泉に来て、また帰った時の……。 周りに他の足跡がついていない事からすると、すでに目的を達成して逃げてしまったのでしょう」 だとすると、犯人は真っ直ぐ温泉施設に来て、正面のドアからカードキーを使って侵入した。 そして素早くボクらの服を盗んで、また真っ直ぐ道路の方に帰って行ったのか……。 確かに筋は通っている。だけど……ボクはどこか違和感を感じていた。 この足跡──何か変じゃないか? 「道路に出られては、その先は足跡を追えません。後は警察に任せるべきでしょうか……」 そんなセレスさんの声を背中で聞きつつ、しゃがみ込んで道路側に向かう犯人の足跡をよく観察してみる。 靴跡は……一部が同じ方を向いた西園寺さんの足跡に踏まれているものの、とても綺麗だ。 靴底が欠けているとか磨り減っているとかいった特徴は、それ自体にはない。 サイズから、大人の男性用の靴で間違いないだろう。見比べると、ボクの靴跡よりも一回り以上大きい。 だから、犯人は大人の男で……恐らくボクよりも背が高い……──ボクよりも……? それにしては……やけに歩幅が狭いような……。 頭の中に突然ある考えが閃いて、ボクは思わず「あっ!」と叫んでいた。 背後でセレスさんが聞き返す声にも答えずに、『──だとしたら?』という自問自答を繰り返す。 そして……ようやく結論が出た。 「セレスさん、犯人がどこにいるかわかったよ」 しゃがんだ体勢のまま、後ろを向く。 「まあ……! それは──どこですの?」 と──下から水着姿のセレスさんを見上げる格好になってしまい、ボクは慌てて目を逸らして答えた。 「多分……いや、間違いなく──ボクらがさっきまでいた、この温泉施設のどこかだよ……」 ボクの推理を証明する為に、もう一度温泉施設の中を見て回る。 ボクらが一度見た場所以外には、トイレとランドリー(客用のタオルを洗濯する部屋か)があった。 そして犯人は──苦もなく見つかった。ランドリーのタオルの山に埋もれ、すやすやと寝息を立てて…… 「西園寺さん……こんな所に隠れてたのか……」 そう……ホテルに水着を取りに戻ったはずの西園寺さんこそが、犯人だった。 彼女のそばに、盗まれたボクらの荷物が置いてあるのが動かぬ証拠だ。 「全く……隠れるのが好きな子ですわね。能天気な顔をして、よく眠っていますわ……」 何故、ボクが犯人の正体に気づいたのか──それは、不自然な靴跡のせいだ。 “犯行の前にホテルへ戻ったはずの西園寺さんの靴跡が、逃げた犯人の靴跡を踏んでいる” ……そんな馬鹿な事があるわけがない。 確かなのは、西園寺さんは犯行前にホテルへ戻っていない。つまり、彼女はホテルに戻ると嘘をついたのだ。 そしてボクらの荷物以外にも盗まれていた、ホールの長靴。 あの長靴を使って足跡を偽造したから、不自然な靴跡が出来てしまったのに違いない。 ボクは、頭の中で事件の流れを再現する。 まず、水着を忘れたフリをした西園寺さんが、一旦、施設の外に出てボクとセレスさんをやり過ごす。 (恐らく、最初はそれだけのつもりだったのが、自分達の足跡を見ているうちに、偽装工作を思いついたのだろう……) ボクらが脱衣所に入った頃合を見て、ホールに戻った西園寺さんは置いてあった長靴を持って再び外に。 そこから、長靴をスタンプのように使って足跡をつけながら道路まで歩いた。 これでホテルに戻る西園寺さんと、犯行を終えて立ち去る“犯人”……片道で二人分の足跡が出来る。 ただし、この時誤って長靴の跡を自分で踏んでしまう。 道路までたどり着いたら、下駄から長靴に履き替え、今度は下駄を手に持って施設側へ戻った。 これで温泉へ犯行に向かう“犯人”の足跡の完成だ。 最後に、ボクらが温泉に入っている間に脱衣所を回って荷物を盗み、ランドリーに身を隠す。 そして──隠れている間に居眠りしてしまった……。 「ちょっと、いつまで寝ていますの? 早く起きて下さいな。あなたのせいで──」 セレスさんが苛立ちを滲ませた口調で声をかけ、西園寺さんの肩をゆする。 やがて薄く目を開けた西園寺さんは、呑気に大きな欠伸をしてみせた。 「ふぁー…………あー、セレスおねぇだー……。温泉はもういいのぉ?」 この子は……大物だな。体は小さいけど……。 「『もういいのぉ?』、じゃありません……! 全く、タチの悪い悪戯ばかりして…… 今度ばかりは、しっかり反省しないとお仕置きしますわよ」 セレスさんの厳しい口調にも西園寺さんはまるで怯まず、口を尖らせて不満を露にする。 「むー、何でわたしがお仕置きされなきゃいけないの? セレスおねぇの為にやってあげたのにさー」 「セレスさんの為に、って……どういう事?」 不審に思って聞き返すと、彼女は得意げに胸を張った。 「だってさー、セレスおねぇは苗木おにぃともっと仲良くなりたいんでしょ? でも、セレスおねぇは素直じゃないしー、苗木おにぃはどっちつかずのヘタレだしー、 わたしが、二人の仲が進展するように、二人きりで“裸の付き合い”をさせてあげたんじゃん」 は、裸の付き合いって……! 当然、悪戯心もあったんだろうけど……それで、ボクとセレスさんを水着姿のまま温泉に閉じ込めたのか……。 さらに西園寺さんは、にやりと笑って続ける。 「で、手ぐらい握ったの? チューはした? それとも、もっとスゴイ事も……?」 ……!!!! こ、これは……どう答えれば……いや、ボクはもしかして、西園寺さんの言う通りに……── 色々な考えが頭を巡り、混乱を極める。救いを求めてセレスさんの方を見たが…… 彼女も無言のまま、赤い顔でこちらを見ていた。 結局、ボクらは西園寺さんをそれ以上責められず……逆に彼女にからかわれる事になってしまった。 こんな空気で温泉に入りなおす訳にもいかず、服に着替えて帰路につく。 その後、ホテルに帰り着くまで、セレスさんがボクと目も合わせてくれなかったのは、 照れのせいか、あるいは怒り……のせいだろうか? ──この旅行から帰る頃には……ボクの中に……答えが出るといいな……。
https://w.atwiki.jp/freedommemo/pages/23.html
その他EVEシリーズ ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期 その他 EVEシリーズ 一作目の評価は高かったもののオリジナルスタッフが離れてからは総じて低評価になってしまった。 作品が変わる度にシナリオライターも変わってしまっている。 ニューダンガンロンパV3 みんなのコロシアイ新学期 新章突入となったがストーリーの展開が賛否両論となってしまった。 ダンガンロンパと言う事を差し引いても悪趣味過ぎる部分がある。
https://w.atwiki.jp/nsmbe/pages/15.html
Newスーパーマリオブラザーズ改造方法 ①下のサイトからダウンロード 解凍 NSMB Editor ②「NSMBe5.exe」を起動 ③NewスーパーマリオブラザーズのROMをロード ④「Level Editor」から改造したいステージを選択してダブルクリックもしくは「Edit Level」をクリック ⑤改造後「Save Level」をクリックすれば改造完了
https://w.atwiki.jp/dgrpss/pages/39.html
747 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/23(木) 19 59 32 ID jwxzVMiz 【男の戦い】 桑田「やっぱ、おっぱいは巨乳だろ巨乳。江ノ島とか朝日奈みたいにドドーンとよ!」←巨乳派 山田「何も分かってない。今や貧乳は希少価値、貧乳こそステータスですぞ!」←貧乳派 大和田「あん? 男か女か分かんねーようなマナ板に何の価値があんだよ」←巨乳派 葉隠「そのなだらかな胸の神秘を自分だけが知ってるっつーのが良いんだべ」←貧乳派 山田「パソコンしかり携帯ゲーム機しかり、時代は常にコンパクト ハイスペックを求めるのです」 桑田「小型液晶なんかが映画館のスクリーンに勝てるかよ」 大和田「タッパも排気量も夢も! デッカイ方がいいに決まってら」 葉隠「ムムム……苗木っちはどう思うべ?」 山田「もちろん貧乳派でしょうな?」 桑田「いいや巨乳派だよな」 苗木「ちょっと待って! こんな些細なことで喧嘩するなんて馬鹿げてるよ」 大和田「ざけんな!? テメェ、俺達がバカだってのか!」 十神「他に例えようもなくバカだと思うがな」 桑田「リア充は黙ってろよチクショー!」 山田「苗木誠殿はバストサイズが男だけでなく女性にとってもどれほど重要か存知ないのですか!」 葉隠「んだ。ウエストサイズと二分する永遠の問題だべ」 苗木「そんなこと言われても……ふ、普通のサイズが一番じゃないかな」←普乳派 山田「かーっ、そんな主体性のないことでゲームの主人公が務まると思ってますか!」 葉隠「リアルな話、主人公だからニュートラルなんだべな」 大和田「俺はな。どっちつかずってのが大嫌いなんだ。今ここで決めやがれ!」 苗木「そ、そんな無茶苦茶な……胸が大きくても小さくてもどうでもいいじゃないか」 石丸「待ちたまえ。どうでも良いことではないぞ苗木くん!」 桑田「おおっ。珍しくノリが良いじゃねーか。言ってやれ言ってやれ!」 石丸「聞きたまえ。体型の乱れは心の乱れ。健全かつ均整の取れた平均的な胸こそが理想」←普乳派 大和田「巨乳の良さが分からなねぇとは、まだまだお子様のようだな兄弟!」 石丸「ふっ。木を見て山を見ずだな。全身との調和を考えぬとは浅慮だぞ兄弟!」 葉隠「うーん。一理あんかもな。胸だけ見ても駄目ってことだべ?」 桑田「ああん? 何言ってんだボン、キュッ、ボンも巨乳ロリもオールOKに決まってんだろ」 山田「理想の体型でなく貧乳を気にしてる女性だからこそ良いんですハイ」 大和田「荒くれやジャジャ馬にだって魅力があらぁ。バイクと同じさ」 石丸「何ということだ。均整の取れた体型以外にもまた違う魅力があったなんて!」 葉隠「そういうわけで石丸ッちも貧乳の魅力に目覚めるべ!」 桑田「時代は常に巨乳に決まってんだろ!」 748 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/23(木) 20 00 13 ID jwxzVMiz 山田「貧乳とは女性の慎ましさの。いわば日本文化の体現ですぞ!」 葉隠「生きるってのは前に進むってことだよな。未熟な胸は無限の未来へのキップだべ」 大和田「あの大きな胸は健康と発育の証だ。例えるなら理想を越えた証だ!」 桑田「単純にインパクトあんだろ。文字通りスケールがデカイんだよ!」 石丸「慎ましさ…無限の未来…。理想を越えた…スケール…。ああ、僕には選べない!」 苗木「それは違う!」 (AA略) 苗木「選ぶ必要なんてない。いや……これには明確な正解なんて、そもそも存在しないんだ」 石丸「そうか……そうだな。人の良し悪しに明確な答えなどない。ならば僕は僕の道を進むのみ」 山田「チッ、気付かれましたな」 桑田「だけどよ、ゲームやアニメキャラのファンアートって大体巨乳に描かれんだろ」 大和田「世間が巨乳を求めてる証拠じゃねーか」 山田「特徴の無いキャラほどイラストを描き難いですからな」 葉隠「まあ特徴がないのが特徴なキャラは直ぐに埋もれちまうべ」 苗木「それは違うよ。必要なのは魅力あるシナリオとキャラであって体型じゃないんだ」 石丸「うむ。分かる、分かるぞ苗木くん! つまり人間は外見など問題ではない心だということだな!」 大和田「ま、否定はしねーがな」 山田「あのー、それだとここまでの議論を全否定になっちゃうんですけどー」 十神「愚民どもめ……そんなくだらんことでイチイチ騒ぐとはな」 葉隠「あ、十神っち」 桑田「居たの?」 大和田「そういや居たな御曹司。おい、テメェはどの派閥だ?」 石丸「丁度三派二人ずつ分かれている。この議論を多数決とするならば十神の投票で決めまるな」 十神「知らん。俺は女の胸の好みなぞ考えたこともないからな」 山田「ハイ、中二的なムッツリスケベ様1名ご案内~」 桑田「健全な高校生が考えねーわけねーだろ。このアホ!」 葉隠「十神っち。いまさら男同士で気取る必要ないべ」 十神「胸など女の付属品に過ぎん。俺が気に入った女なら、その胸が俺の気に入った胸だということだ」 桑田「つまり……どういうこった?」 大和田「惚れた女の胸が一番だっつーことか」 山田「高二的な模範解答がキタコレ。リア充爆発しろ」 石丸「なるほど。正しく模範的解答じゃないか十神くん」 苗木「でも……やっぱり今までの議論全否定だね」 749 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/23(木) 20 01 12 ID jwxzVMiz 葉隠「仕方ないべ。リアルな話、いくら議論しても触れねーもんは触れねーべ」 山田「人類は遠い宇宙なんかよりディスプレイ中に到達する技術を開発するべきだと思いますね僕ぁ」 桑田「そもそも議論の発端は明日のXmasに何の予定もねーところからだろーが。チクショー」 大和田「大体Xmasなんてガキっぽいイベントは硬派な俺たちには関係ねーしな」 山田「そうです。我々は経済戦略に踊らされているだけの者達とは違うのですぞ」 葉隠「ぶっちゃけバカップル相手の稼ぎ時で遊んでるヒマなんかないべ」 石丸「聖夜を家族と過ごせないのは辛いかもしれないがここは皆で乗り越え……」 大和田「少し黙っててくれ兄弟!」 十神「ふっ、サンタさんからプレゼントが貰えないくらいで荒れるとは哀れな奴らだ」 苗木(それは違うよ。多分) (ガチャ) 不二咲「あ、あの……明日、Xmasパーティーしようと思ってるんだけど……準備、手伝って貰えないかな?」 (シーン……) 大和田「おーっし!!! 力仕事は俺に任せろ。何でも言ってくれ!」 桑田「あ、俺も! 俺も!」 山田「ツリーも電飾バリバリのを一晩でやってくれましょうぞ」 葉隠「たまにはビシッと決めんのも良いベ」 石丸「うむ。困った時は助け合う、それがパーティーというものだな」 苗木「ちょっと待って! Xmasプレゼントどうしよう……」 十神「では俺がブランド物の靴下を人数分用意してやろう。遠慮するな、ちゃんと大きめのサイズにしてやる」 苗木「……」 不二咲「え、えーと。準備がんばろーね」 男子勢「おー!」 【男の戦い<了>】 755 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/23(木) 21 34 20 ID 5Fd9WSEg 749 やっぱ山田先生は俺たちの希望だな!発言の一つ一つが深いぜ。 そして、御w曹w司wwww リスペクトして勝手に追随 桑田「つうかさ、うちのクラスの場合、大きい順に並べるとしたら、どういう順番になんだ?正直かなり気にならね!?」 葉隠「リアルな話、オーガのでかさは他の追随を許さねーって話だべ」 石丸「間違いない!我がクラスで一番胸囲の大きい女性は大神さくら君だ!」 大和田「触りてーとは思わないがな」 山田「その発言、死亡フラグが立ち過ぎて逆に生存フラグになるレベルですぞ」 桑田「そっか、オーガが居たか‥。そ、その次は普通に朝日奈だよな?」 十神「現物を見ればすぐ分かることだ。わざわざ説明するまでもない」 山田「まぁここまではテンプレ通りですな。問題は次の順番からです」 桑田「超高校級の野球選手たる俺の眼によりゃよぅ、舞園は相当良いもってっぜ!いやマジで!」 葉隠「その意見には全力で同意しておくべ。だが、俺の占いによると霧切っちも相当という結果が出てるべ」 大和田「その辺、どうなんだ?苗木」 苗木「なんで僕に!?ぼ、僕に聞かれたってそんなこと分かるわけないじゃないか!」 桑田「嘘つけよ、どもってんじゃねーか!そういうの怪しいって俺知ってんだかんな!」 山田「苗木誠殿があのお二人とただならぬ関係なのは周知の事実なのですぞ!リア充爆発して氏ね!」 石丸「本当かね、苗木君!不純異性交際など許されないぞ!それも、二人の相手に対してだなんて、彼女たちも可愛そうじゃないか!」 葉隠「俺の占いによると、片方は既に苗木の子をその胎内に宿していると出たべ!」 大和田「ああん!?苗木てめぇまさか‥、そこまで腐っていやがったのか!!」 苗木「待ってよ皆!僕があの二人とそんな関係な訳ないじゃないか!」 苗木(まずい。このままじゃ僕はいわれのない罪を着せられてしまう。いったい、どうすれば‥)」 十神「待て。苗木のことを追及する前に、残った奴らの順番をはっきりさせる方が先じゃないか?」 桑田「そりゃ、まぁ、そうだけどよ‥」 山田「ふむふむ、確かに正論ではありますな」 大和田「あ、ああ。そうだな。頭に血が昇って大事なことを忘れてたぜ」 苗木「あ、ありがとう十神君」 十神「ふん、勘違いするな。俺はいつまでもこのくだらない議論に付き合わされたくないだけだ」 石丸「では、議論を再開しようじゃないか。残った女性は、江ノ島君、腐川君、セレス君、不二咲君の4名だな」 桑田「江ノ島はよぅ、一応超高校級のギャルって話だけどよ。正直、アレだよな‥」 山田「明らかに盛ってますな」 葉隠「寄せて上げて、だべな。俺の占いでも江ノ島っちは超高校級の残念という結果が出ているしよ」 大和田「おい、それ以上は言ってやるな。他人の陰口みてーのをネチネチ言うのは男らしくねえ。それに、江ノ島も少なくとも人並みにはあるはずだ」 苗木(影で他人の胸の話をするのは良いのかなぁ?) 756 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/23(木) 21 36 02 ID 5Fd9WSEg 葉隠「んで、腐川っちか。その辺どーなんだ十神っち?」 十神「知るか。あの女のことなど興味はない。むしろ話に出すことすら不愉快だ」 桑田「基本的に肌見せねーからな、あいつ」 山田「朝日奈さんに胸のことで突っかかった前例がありますからなぁ。少なくとも本人は自信を持っていないようです」 大和田「まぁ、分からねぇ奴のことを議論し続けても意味ねぇだろ。次行こうぜ」 桑田「んで、セレスか‥。あいつも滅多に人前で肌出さねーよな」 葉隠「プールの授業も休みがちだかんな‥。この中で一番あいつに詳しそうなのは」 苗木「山田君‥、かな?」 大和田「いつも無駄にちょっかい出して、蹴っ飛ばされたりコキ使われたりしてるからな」 山田「ふふふふ、ではお答えしましょうぞ。ずばり、ヤス‥、いえ、セレス殿は胸が小さいことを気にしておられる!」 桑田「そりゃ、マジの話か!?」 山田「ええ、本当です。何を隠そう私、以前彼女にご褒美、もとい言葉攻めを受けてる最中、苦し紛れに彼女のお胸のことをお誉めしたのですが」 葉隠「その時点で立派なセクハラだべ」 山田「その瞬間、私の顔に普段の威力より3倍ほど強い力の蹴りが僕の頭を容赦なく撃ちぬいたのです。『そのことには触れて欲しくない』僕は、彼女のそんなメッセージを受け取りました」 苗木「胸の話を突然降られたら、女性ならふつう怒ると思うけど」 山田「ええい、うるさいリア充め!安広多恵子殿はちっぱい!本人もそのことを気にしている!これ今日から宇宙の真理ですから!」 葉隠「ていうかちっぱいって何だべ?」 大和田「もうこいつの話は良いだろ。それで、最後に不二咲が残る訳だが」 桑田「なんつうか、こういうの、あー言うんだっけか?『火を見るより明らか』」 葉隠「間違いなく逆の意味でナンバー1だべ」 山田「拙者も彼女のナンバー1っぷりに異論は御座いませぬ!うわぁぅゎょぅι゛ょっょぃ」 苗木「確かに逆に分かりやすいけど」 大和田「‥。まぁ、不二咲はそれで良いだろうな‥。なんつうか、あいつにでかい胸は似合わねぇっていうか‥」 山田「おやぁ、いよいよこちら側の道に目覚めましたかな?大和田紋土殿」 大和田「な、馬鹿!そんな訳ねぇえだろうが、ああ!? やんのかコラ!!誰があんなに胸が小さい奴‥!!」 不二咲「‥‥‥あ、あのお‥」 一同「!?!?」 不二咲「わ、私、みんなを呼びに来たんだけど、その、えっとねぇ‥」 大和田「ち、違うんだ、不二咲。こ、これは」 山田「お、落ち着いてくだされ不二咲千尋殿。どうかこのことは内密に」 不二咲「う、うぅ‥うわぁぁぁぁああああんん!!!」 桑田「しまった!泣かせちまった!しかも逃げられた!」 葉隠「ていうかこれリアルにやばくねーか?もし、不二咲っちが泣いてるとこを誰か他の女性陣が見つけたら‥」 十神「十中八九、理由を追及されるだろうな」 山田「そして僕たちを待ち受ける運命は‥‥死、ですな」 石丸「ふむ、ここは正直に彼女たちに頭を下げる他ないだろうな。大丈夫、皆素直に謝れば許してくれるだろう」 大和田「んな訳ねーだろ!!ま、待て不二咲!謝るから俺の話を聞いてくれ!!」 759 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2010/12/23(木) 22 58 59 ID lcZ9Jga8 女性陣の反応 さくら「胸か……やはり胸筋の大きさは強さの象徴でもあるからな」 朝日奈「こんなの大きくったって泳ぐのに邪魔だし、男子はえっちぃ目で見てくるし、いいことなんか全然ないよ~」 舞園「そうですね、意中の人が大きいのが特別好きじゃないなら、好きになってもらえばいいと思うんです。ふふふ」 霧切「……私と舞園さんを並べた版権絵には悪意を感じるわ」 妹様「アタシはお姉ちゃんと違って盛ってないし。っていうか、大きさじゃなくて美しさっしょ」 むくろ「……双子なのに……同じ大きさの筈なのに……」 セレス「そんな下らない話で盛り上がれるなんて幸せな方たちですわね。……あのクソラードェ……」 腐川「な、何なのよ……またみんなで私を蔑みたいんでしょ……そうに決まってるわ!」 ジェノ「っていうかさー……白夜様に揉んでデカくしてもらえばいんじゃね?」 腐川「!」 千尋「わ、私はどうしたらいいのかな……?」