約 1,984,691 件
https://w.atwiki.jp/aniwotawiki/pages/14563.html
登録日:2011/03/23 Wed 03 01 04 更新日:2024/05/03 Fri 14 25 32NEW! 所要時間:約 2 分で読めます ▽タグ一覧 GGXX アクセル アバ ギルティギア スレイヤー スレイヤー問わず語り ドラマCD パラケルス ロボカイ スレイヤー問わず語りとは、GGXXシリーズのドラマCDである。 アクセル編、ロボカイ編、アバ編の3作品が出ている。 スレイヤーが自宅を訪れた友人に昔話を話すという形でストーリーは展開される。 アクセル編 【あらすじ】 スレイヤーが5年に1度訪れることにしているニューデリーの酒場に赴いた時、突然ワルシャワからタイムスリップしてきたアクセルに出会う。 スレイヤーとアクセルの友情を深く描いたストーリーであり、アクセルのタイムスリップ体質をうまく生かした作品である。また、ダンディズムに富んだスレイヤーを見ることができる。 ロボカイ編 【あらすじ】 禁断の古文書「子供の科学 夏休みの実験」に書かれた3種の神器、亜鉛・銅・ミカンを求めるロボカイ。3種のうち2種を手に入れ残るミカンを求める旅先、ロボカイは量産型ロボカイに出会う。 ロボカイと量産型との掛け合いを中心に描かれており、ラストは感動的。スレイヤーはむしろ空気。それとカイは空気を読め。 因みに声優や作中の台詞から、このロボカイはMk-2であると思われる。 アバ編 スレイヤーが戦場を渡り歩いていると、巨大な斧を持った1人の兵士と出会う。しかしその兵士は手に持った意思を持つ斧「フラメント・ナーゲル」に操られていた。フラメント・ナーゲルを下したのちスレイヤーは戦場を後にする。 長い時がたち、スレイヤーが町中へ繰り出すと、ホムンクルスのアバとアバに夫「パラケルス」と呼ばれるフラメント・ナーゲルと出会うのであった。 アバとパラケルスの漫才は見ていて微笑ましい。また、この話はAC+のストーリーの前日談であり顔見知りなのはそのため。 追記・修正お願いします。 △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 親父ぃ…… -- 名無しさん (2020-06-10 19 13 42) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/nothing/pages/42.html
一見、中空に浮いた中世の城を模したエントランスでも、周囲は厳重にセキュリティに守られ、不審者は自動攻撃レーザーが排除する。レセプションにはそうそうたる顔ぶれが集まると来ては市側も神経を尖らせないわけには行かない。 足元のガラスの階段の下に街のネオンが透けて見える。母をエスコートしてホールへの階段を上るイザークが、イブニングドレス姿のエザリアに手を差し伸べる。意識して化粧した母の容貌は息子の贔屓目を抜きにしても素晴らしく美しいもので。 ばかばかしい。 会う人ごとに美しいと賛辞され、更に自分がその母にそっくりだと言われるのだ。稀なブルーの色合いとラインの美しさが勝負のイブニングドレスとは正反対の、前時代的なフォーマルを身に纏っていると言うのに。イザークはその身を銀の刺繍地のスーツで包み、スタンドカラーに白のレースタイ、パールのカフスを加え、髪を後で括った全身白銀の出で立ちであった。 華やかなホールに集う参加者も皆、似たり寄ったりの格好で談笑の花があちこちで咲いている。 「相変わらず、お美しい」 手のひらを寄せて口付ける男性にエザリアも気後れせず応対する。 「ご子息もご立派になられた」 「まだまだ不精者で、今日もようやく引っ張り出してきましたのよ」 日々、評議会で手腕を振るう施政者としての母の顔。 「エザリア女史をここまでてこずらせるとは、それはまた頼もしい」 はっきり言ってイザークはこういった、腹を探り合うような会話が好きではない。探るような視線で自分を値踏みする。官僚にしても経済人にしても、どれだけの利益をもたらすか、ただ将来を見据えて自分と言葉を交わすのだ。 だから、条約締結に携わった外務次官と言えども会話が続かない。夫婦同伴で会場の男女の数はかけ離れて女性が少ないわけではないのだが、評議員とあってエザリアには多くの来場者が一言挨拶を述べに来る。そのたびに似たり寄ったりの応対を迫られたイザークがそろそろこの場を離れたいと思ったとき、エザリアが見つけた相手に自ら出向いた。 「会えるのを楽しみにしていたわ、レノア!」 「まあ、エザリア」 母の駆け寄る相手に挨拶をしようとして、イザークは目を瞠った。母の前に立つ女性、それがあまりにアスランにそっくりだったからだ。柔らかい笑みと女性らしさを除けは、髪も瞳も顔立ちさえ、生き写しだった。美しい朱桜色のドレスを誉める事すら忘れていた。 「イザーク。何を見惚れているの、挨拶なさい。こちら、プラント会長のレノア・ザラ。うちの息子が失礼をしたわ」 やはり、うわさは本当なのだな。 パーティの華となっている二人の女性を遠めに見て、イザークは目立たぬように壁の花となっていた。レノア・ザラと名乗る女性は後ろに重役やボディガードを従える、あのプラントのトップなのだと言う。温和な雰囲気からはとてもそうは見えないとイザークは思う。 ペットロボットの最高級ブランド、プラント。本物そっくりの芸術品を世に送り出す、不世出の技術を誇る会社は、その裏では最大のテロ支援企業とも言われている。ペットロボ会社がテロ活動を支援して、社会不安を煽っていては企業活動に反することになるが、プラントは純粋にペットロボだけを作っているわけではない。グループ企業の末端にある関連会社ザフトが扱っているのは、その高い技術力を応用した兵器であった。 それにあの顔。 奴の得たいの知れない武器はプラント製の武器と言うことか? いつも素手で天使を屠っているように見えるが、本当に素手で天使を倒しているとは思っていない。何かカラクリがあるのだと睨んでいたが・・・。自然と険しい顔つきになるイザークに話し掛ける兵の女性はここにはおらず、イザークはレノアを観察する。母のように表情に幅があるわけではないが、優雅な大人の女性である。 「ご母堂を放っておいていいのかね」 しかし、臆せず話かける男がいた。怪しい事この上ない、金髪長髪の仮面をつけた男だった。 一切の暖かさを排除して初対面の男を睨みつける。 「失礼だが、貴殿は?」 「これは失礼。私はラウ・ル・クルーゼ。これでもプラント重役会の末席に名を連ねていてね」 手にシャンパングラスを持つ姿は、確かに堂に入っていて、ただの参加者ではない。今回のレセプションの参加者は一通りチェックしたつもりのイザークは内心舌打ちする。 この男、ノーマークだったな。 年齢不詳の、どちらかと言えば若い部類に入る男がにこやかに談笑する二人に視線を向ける。 「女二人が集えば、かしましい、とね。君の話題で持ちきりだよ」 「私の?」 できればお近づきになりたくないタイプだが、相手がプラントの重役では無下にあしらう事もできない。 「二人とも年頃の息子を持つ身だから、話題が尽きないのだろうね」 イザークの方から会話を存続させるなど全く珍しいことで、先ほどまで思考の中心だった懸案事項が飛び出して思わず聞き返していた。 「ご子息がおられるのか」 「めったに人前に出ないがね。君と同じくらいの年齢だと思うが・・・」 さぞや似ているのだろうと、問いだそうとしてイザークはクルーゼの背後を移動するボーイが目に入った。黒いスーツにどことなく着せられている感があるが、そう、夜の街の狭間で幾度となく顔を合わせた第7機動隊の稼ぎ頭。 なぜ、こいつがここにいるっ! 僅かな表情の揺れだけで驚きを納めると、浮き足立った感情がさっと引いていく。 「母が呼んでいるようです。失礼」 どこがそんな風に見えるのかという突っ込みはおいて置いて、イザークは強引に会話を打ち切った。人込みの中に銀のスーツ姿を滑らせてエザリアとレノアの輪に向かう。 「セブンスフォースか」 クルーゼの呟きを聞きとめる間もなく、イザークは会場に散らばる天使達を捕らえていた。給仕のボーイや、警備関係者として数人が紛れ込んでいる。 迂闊だったな。対テロ条約など、あいつらにとっては邪魔でしかないだろう。 何を掴んでいる? 「噂をすれば、だわ。イザ―――」 エザリアの言葉は最後まで叶わなかった。 シャンデリアが2回ちらついて、ホールの通風孔から白い煙が降りてくる。 「母上っ!」 明かりが戻ったそこは、逃げ惑う参加者と、会場出入り口を封鎖する警備関係者だった。そこここで小競り合いの怒声が起きるのを、母の傍らに立つイザークは聞く。目の前のプラント最高責任者の女性はいたって落ち着いており、同じように重役やガードマン達に囲まれている。 「テロ・・・でしょうか」 「そのような事を軽軽しく口にしないで」 評議員本人の前で、条約締結のレセプション会場がテロに遭うなど、例え真実でも口には出せない事柄だった。重役の一人がこぼした一言を咎めるようにレノアが制し、申し訳ないと言った表情をエザリアに送る。 「条約締結直後から早速標的とはな、先が思いやられる」 「そのための条約でしょ」 白い煙がホールの床を這うはじめてようやく、避難誘導が開始された。主催者である都市の外交部責任者がマイクで会場の空調設備の不具合をつたて、兼ねてより予定時間も差し迫っていた事とあわせて本日のレセプション終了を告げる。 4つの会場出口から人数をカウントされながらフロアーを後にする最中も、イザークは天使達の動向に気を配っていた。 ストライクは反対の中二階の出口。 しかし、警備はどうなっているのだ。このような事・・・あってはならぬことなのに。 母を差し置いてイザークが何かを言うことはできないとは言え、市政府の面子を潰すような出来事に危機管理責任者を問い詰めたい心境であった。サイレンや館内放送など一切ない、静かな避難活動であった。 それほどこの条約が気に食わないと・・・? 確かに面白くはないだろう、だが、参加者の中にはスレイヤーに好意的な人物がいないわけではない。ましてプラントトップもいる。第一、ギルドに纏められているとはいえ、スレイヤーは皆大規模な団体行動など適さない。 ぞろぞろとエレベータホールに人が集い順番を待つ。よくできた騎士像が紳士淑女を出迎えるはずのエレベータホールも、今は芋を洗う人でいっぱいであった。誘導にしたがって階を変え、エントランス前のホールに出る。途中、スレイヤーにやられた天使のエンジェルコアが瀟洒な通路に漂っていた。 「一斉に退去したのでは、主要なエントランスは大混雑だろうに」 「母上、そのための控えフロアなのでは」 街のアイスクリーム屋に並ぶのではないから、参加者はそれぞれのエアリムジンが到着するまで控えのフロアに通される。 そして、事態を説明する人間の最後尾にイザークはストライクを見つけるのだった。 その少し前、イザーク達とは別のグループの避難を任されたセブンスフォースは、中二階の出入り口からエントランスへと参加者を誘導していた。キラも第7機動隊のベストを着て、参加者を散らばらせないように最後尾を歩く。隊列を乱す参加者に離れないようにと言ってわき道にそれないようにして、横の通路の先に目を留める。並び立つ騎士のレプリカを照らす明かり。 ・・・あれって。 ベルベットの絨毯からぽぉっと浮かび出てくるものがあった。淡くゆらゆらと漂う光は、紛れもなくエンジェルコア。そう認識した途端、キラは『はぐれないように』と言ったそばから、通路の先に駆け出す。 思ったとおり、それはエンジェルコアで、こんなに間近で接するのは久しぶりだった。 マリューさんの話が本当なら、僕はこれを運べるはず。 しかし、一度も運び方なんて教えてもらっていない事に呆然として、そうしてキラが実行したのは、ただ両手で包み込む事。 手のひらに感じる微かな温かみ。指から漏れる弱弱しい光。 「やったっ」 ただ掴めただけなのに、一仕事終えたような達成感。キラは肩の力を抜いて、通路を戻ろうとすれば、後に立っているマリュー。 「やっぱり・・・キラ君ならできると思っていたわ。自然とエンジェルコアの扱いも分かるのね。卵を包み込むようにって」 嬉しそうな笑みにキラは複雑な気持ちになる。自分で思いついたわけではないのだ。ただ、あの時、彼がこうやって小ビンを両手で包んでいたから。それを自分は思い出しただけ。 「これ、どうしますか。このままってわけにも」 「少し穢れているけど大丈夫。これに入れてちょうだい」 そう言ってマリューが懐から取り出したのは、小さな透明な入れ物。確かに卵のような形をしたカプセルで、軽くひねると二つに割れた。砂を落とすようにコアをその中にすべり落とす。透明だと思ったガラスの容器が虹色に光って、蓋をすると微かに光がスパークする。 ずっと綺麗なスパークを見たことがあるキラは、その光が消えそうだと寂しげに思った。 「それは貴方が持っていて。今度こそ大丈夫だから」 遅れて通路に戻った時、そこにナタルを見つけてその理由を知った。 ローエングリンが撃たれるのだ。 「まだ参加者の誘導が終わっていないグループがあるらしいから、そっちへ回ってくれる?」 マリューの指示どおりキラは下の階へと向かう。ぞろぞろと歩く参加者達は、やはり街の有力者や経済人で、普段のキラからは想像もつかないセレブな人たちである。知り合いなどいるはずもなく、一生着ないと思われる服装に目が行った。 うちの母さんじゃさまにならないよな。って言うか僕もあんなスーツ着ろって言われても困るし。そしてキラの視線は派手ではないが刺繍細工が施されたスーツに目が止まる。 ああいうのならちょっといいかもね。格好よくて。 なんて言うの、中世? 男のくせに髪の毛縛ったりしてさ、すごい銀髪だ。 宝石みたいな真っ青な目・・・そこまで認めて、キラは息を呑む。 向こうは最初からキラが見ていたことに気が付いていたのか、こちらを見ていた。見事なサファイアブルーに見覚えがないはずがなかった。服装チェックなどしている軽い気持ちは吹き飛んでしまう。 イザーク。 傍にいるのは母親だろうか。外見がそっくりだった。夜の都会で垣間見るスレイヤーの彼とは雰囲気がまるで違う。違うのに、やけにしっくり来る出で立ちに、不意に怒りが込み上げてくる。 「スレイヤーのくせに・・・」 キラの呟きが聞こえたのか、そうでないのか、相手が目を細める。群集がいなければこんなチャンスなどないのに、アグニを手にしてないことをこれほど悔やんだ事はなかった。 にらみ合って数分もしないうちに、エントランスの混雑が収拾したと報告に来た警備の人間から連絡は入る。キラは仕方なく、手分けして情況を説明する。この異常事態にテロじゃないのかと詰め寄る参加者もいたが、ここは努めてそうではないと言った。微かに銃声が聞こえる中で、キラの子供っぽい顔つきでどこまで信用されたのかは疑問だった。 「こちらから。気を付けてください」 SPに囲まれた女性を誘導する。朱桜色のイブニングドレスの女性は黒いショールで珍しく首まですっぽり覆っていた。耳を飾るエメラルドが瞳と同じ色で・・・。 ―――えっ!? あまりに似すぎていて。護衛が暗にどけと手で合図するのにも関わらず前に立ち尽くす。 「ありがとう」 護衛に守られるように顔を見せて優雅に微笑む女性が、キラの目の前を通り過ぎていく。直ぐにSPに覆われて後姿さえ見ることができなかった。 「あれがプラントの総帥。驚いたね。まさかあんなに美しい女性とはな、うちの氷の女王と張るな」 フラガが誰と対比しているのかそれとなく分かってしまい、彼を探した。この騒ぎの中でも独特の空間を作っているそこに、氷の女王ことエザリア評議員と、その血縁であるであろう彼がいる。あたりを見回せば、先ほど見送ったばかりのプラントの一団の傍にいて、エザリア評議員と例の女性が話している。そこに銀髪の彼が加わる。 すぐにエントランスに向かうはずが、その一団は動きを止めて後続の参加者に道を譲るではないか。 「順番なんですから、早くしてください」 慌てて駆け寄るキラの横を通り過ぎる彼が一言。 「今出て行くなど、自殺行為だ」 非難するように進めるキラを遮って、イザークがキラの腕を掴んで止める。見下ろされる青い瞳には特に何も感情が浮かんでいないように見えて。キラは慌てて振りほどいた。 「どういう意味ですか」 周囲の視線が痛い。一介の警察関係者のキラと目立つ容貌のイザークでは迫力が違う。それでも、ここでの主導権はセブンスフォースにある。じきに発射されるローエングリンのことを考えても彼らはすぐにこのビルを立ち去るべきだ。 「外ではテロリストの襲撃が起こっているのだろう。安全確保が先じゃないのか」 「違いますよ。ビルの空調設備の不調です」 レセプション一つ満足に開催できない街の警察機構の実態を露にできない。外にテロリストが集っている今は一斉に葬るチャンスでもあり、時間がない。 「それにしては仰々しい対応だな」 これ以上何を言えって言うんだ。視線は逸らさずに、でもキラは助け舟を求めていた。そこに飛び込んでくる別の参加者の暢気な声。 「もう行ってもいいですかな」 「ええ、どうぞ。お気をつけて」 マードックとマリューの咄嗟の機転で事態が動き始めた。 キラのインカムにカウントダウン開始が届く。 『ローエングリンスタンバイ』 『本部より現場各員へ。照射開始後は速やかに手順どおり作業を開始する事』 イザークと向かい合ったまま、情況は刻一刻と変化する。 『こいつら全員やっちゃった方が早いんじゃねーの。悪魔も人間も一緒なもんだろ』 『ウザーイ』 妙に若々しい声に、キラは一瞬眉を潜めた。 『こらっ、お前達、勝手な事をするな』 ナタルの声と共にブチッと回線が切り替わる音がして、またカウントダウンが届く。マリューやフラガを見ると、同じように首をかしげている。この見知らぬ声の犯人を知っているわけではなさそうだった。 視線を感じて顔を上げれば、エントランスに向かうイザークが怪訝な表情を見せている。女性を送るちょっとした仕草さえ洗練されているさまに悔しさを感じる。 我慢。我慢。それも後少しなんだから。 それでも消えない悔しさの原因をキラは自分で分かっていたから、それ以上彼を追わなかった。空の両手を握り締めて唇を噛む。他の参加者達をエントランスまで送る間も意識して視界に入れないようにしていた。 間もなくローエングリンの照射が始まる。 そうすれば彼は死ぬ。 ああ、早くエアカーでもリムジンでもなんでもいいから早く乗り込んでくれ。 だが、キラの願いも虚しく、人で溢れ返るエントランスは下からの爆風で吹き飛んでいた。 倒れた人々。ひび割れてなくなったガラス階段と跡形もないアプローチ。 「情況確認早く!」 マリューの叫び声と、フラガの怒鳴り声と。後は参加者の叫び声、怒声、逃げ惑う群集で、あたりはパニックになった。 「ナタルっ!?」 カウントがゼロになり、インカムにローエングリン照射を告げる天使の声が響く。吹き飛んで夜の都会が筒抜けになったエントランスからは、本当に細かい霧雨が降る摩天楼が見えていた。 上空を滑空する天使達が見える。このビルに降り立つ天使もいるだろう。キラはインカムから流れる情報を便りにビル内を探し回る。逃げ送れた参加者がいるならさっさと逃がして、自分はストライクとアグニを取りに持ち場に戻らなければならないのだ。 通路で何人かの参加者とすれ違う。会う人ごとに早く逃げるように催促して、もう一つのエントランスである中二階に向かう。 「キラ・・・?!」 思いもかけない人物に鉢合わせした。茜色の髪を揺らして不安そうな顔をする彼女を支えるのは、カレッジの同級生のサイ。必死な表情の彼女はフレイだった。 「どうして、二人ともこんな所に」 「俺達はフレイの親父さんを迎えに。そしたらこの惨事でさ。それよりお前こそ、何やってんだよ。警備のバイトなのか?」 言える訳がない。セブンスフォースの一員だって。 「お父様? どこお父様」 「あっ、フレイ! そっちは危ないよっ」 フラフラとテラスに向かってうろつくフレイ。関係者を見つけたのか、小走りで向かう。慌ててサイとキラが追うが追いつけず、彼女は霧雨の中を立ち尽くしている。テラスにあるのは動かない一山。動き回っている人影は警察関係者で、雨に濡れないように遺体にシートをかけていたのだった。 「フレイ見るな!」 「いやあぁぁぁぁ」 叫び声と涙が夜空に響き、自分の影に浸食されるフレイ。サイが慌てて支えて、壁にもたれ掛けるか、背中の影がどんどん小さくなる。 びくびくと体がはね、通常の状態ではない事が見て取れた。軽いショック症状だけではない異常事態が彼女に起きている。 「とにかく中へ運んでっ!」 異様な重さのフレイを運ぶ事は叶わず、テラスの壁に持たせかける。雨がかからないだけましだった。 「キラっ、お前その格好。・・・・・・なんで」 サイの視線がキラの着ているベストに注がれ、キラから言わずともバイトの真相がばれたことを知った。駄目押しとばかりに、フレイを支えようと駆け寄るキラの懐から転がり落ちる、光る入れ物。それが何か分からないサイとフレイではなかった。 光を失ったフレイの瞳から涙がただ溢れる。 「ごめん」 「キラは天使は守るくせに・・・・・・パパは・・・守ってくれなかったのね」 「ごめん」 焦点を無くした目で、夜の都会に向けて呟くフレイ。彼女を抱きしめるサイ。 「どうして・・・どうしてパパが死ななきゃならないの。あんなに一生懸命・・・」 謝る事しか思いつかなかった。 こんなことになるなんて思わなかった。 自分の判断が元で誰か親しい人が死ぬなんて。 僕があの時、もっと慎重にしていればフレイのお父さんは死ななかったかも知れない。 「そのままだとその女も死ぬぞ」 重く沈んだ雰囲気に一石を投じた声に、キラとサイが振り向いた。テラスをうかがうように立っているイザークだった。幸いにして二人とも面識があったから慌てて取り乱すような事はなかった。 「どう言う意味・・・」 「その女は堕ちかけている。もうほとんど堕ちているがな。悪魔となった人間が今、外にいて大丈夫なのか?」 イザークの言葉にキラははっとなった。 ローエングリン照射は相変わらず続いて、フレイがビクンビクンと震えるのは父親を無くしたショックからじゃないとしたら。何より、小さなエンジェルコアが産み出す影が異様にフレイのだけ小さい訳が、本当に彼の言うとおりだとしたら。 「動かすのは無理だろう。堕ちたら通常の数倍の重力が掛かる」 「堕ちるって? キラどういうことだ」 キラとイザークには馴染みのある言葉でも、サイにそれを現実の事として捕らえることは無理だった。まして、自分の彼女が悪魔になりつつあるのだと。 「サイ、それは・・・」 「あれっ、こんな所に悪魔見っけ」 霧雨に煙るテラスの向こうに突如下りてきた天使。三体がテラスのフレイを見下ろし、その嫌な雰囲気にサイが彼女を抱きしめる。キラは立ち上がり、見上げた。 「なんか死にそうじゃん?」 「彼女は悪魔なんかじゃありません」 面白そうに見る天使達はそれぞれに個性を持っていて、キラはナタルの通信に割り込んできた声だと気が付いた。とすれば大天使以上の天使。 「まっ、俺はいいけど。お前、奥の奴と何を話してたんだよ」 「そいつスレイヤーだろ。さっさとやっちまおうぜ」 背後で舌打ちが聞こえる。僅かな空気のゆれと共に気配が遠くなる。追うようにして、3体の天使がテラスから奥へと滑空する。フレイには手を出さずに暗がりに消えた天使と、消えたエンジェルスレイヤー。静かになった夜の霧雨が降るテラスに残された3人。 「サイ・・・」 「助かるのか? フレイは・・・もう駄目なのか?」 キラはフレイを抱きしめるサイの前でただ頭を垂れるほか無かった。キラには答えるべき回答を何一つ持っていなかった。何より、人間が魔に堕ちる現場というものをはじめて見たのだ。 3天使も加わり、ビル内を疾走するイザーク。 「逃げるなら下じゃないの、イザーク?」 それなのにイザークは閉まる上に向かうエレベータに飛び乗っていた。ちょうど下に向かうエレベータのドアも開いていたというのに。手だけ突っ込んで扉を閉めてから、わざわざ上に向かう事を選択する。 ガラス張りのエレベータからは霧雨の降る摩天楼にネオンがぼんやりと輝いている。いつもよりもずっと明るい夜。 「もしかして、あの子こと気になってるとか?」 「うるさいっディアッカ! 貴様も考えろ。奴らの新兵器はなんだと思う?」 ボタンの前、外からも中からも直撃を受けない位置に持たれて腕を組む。 「やっぱり~」 影から姿を見せる悪魔にギリッとキツイ瞳を向ける。 「やっぱ、空じゃない? 有効射程はそうだなあ、半径1キロくらい」 電子音ではない鐘の音が到着を告げて、外をうかがった後廊下に飛び出る。そのフロアに天使はおらず、急に冷えた空気と湿った風がなだれ込む。降りたばかりのエレベータのガラスが砕かれて、下からいきなり姿を現す天使達。風を切る羽音が迫る。 「随分と凶暴な天使じゃないのっ」 口笛を吹くディアッカがイザークの影に沈み、すぐさま、横を衝撃波が走る。絨毯がめくれ、壁に掛かったライトがはじけ飛ぶ。破壊された装飾品が縦横無尽に飛んでくる。いくらイザークが悪魔と契約して超人的な力を得ていると言っても、元は人間である。当たれば痛いし、刺されれば血も出る。 「エンジェルスレイヤー顔負けだ」 壁に穴を穿つ光線を避けた拍子に髪を掠めて、束ねていたリボンが焼ききれた。暗がりに銀糸が舞う。 エレベータホール前で騎士像が持っていた武器をひっ捕まえる。脇につるした銃の感触を冷たく感じる。水分を含んで広がる髪をなびかせて、屋上へと続く非常階段を上る。勿論、非常シャッターを下ろすことは忘れない。 辿り着いた屋上階の施錠を銃で打ち抜いて、肩から体当たりする。強風に雨が混じる冷気が吹き上げる、そこは屋上。視界に入る赤い非常灯と、頭上を飛び回る天使達。 上空を見渡そうと一歩を踏み出した。 「やばい。やばい、イザーク出るなっ!!」 「何っ」 悪寒。と言うより火傷のような神経に直接響く痛覚に、イザークも足を止めて戻る。空気に含まれている何かが、いや、屋内で作用しないなら目に見えない光線か何か。切羽詰ったディアッカの声と自分の状態に正体を悟る。 これかっ! 屋外でのみ作用する対悪魔兵器。霧雨を降らす上空を仰いで天使達を追う。 銃を構えるイザークが空の一点を狙う。水の粒子に反射して浮かび上がる燐光の外輪。その中心。 「ディアッカっ! アレを狙うぞ」 「無理無理。届かねえって」 言い争ううちにも近づく破壊音。 どれくらい持つ。10秒・・・いや5秒で沸騰死だろう。 「イザーク! それでか? 無理だって」 「迷っている暇はない。ハンドガンで駄目ならこれだ」 騎士像からかっぱらってきた武器。レプリカに違いないが、この土壇場で使えるような代物ではないのは百も承知。それでも、イザークは弦を引っ張って弓なり具合を確かめた。置物が持っていた装飾の施されたアーチェリーを構える。 もう直ぐそこまで羽音が聞こえ、大気が揺れる。 「ディアッカ、分かっているな!」 「まじかよっ」 外輪の中心を狙うイザーク。腕に力をこめて、矢を引くが、身体は急に押し出された。追いついた三天使が爆風共に屋外に投げ打つ。 蒸発する自らの影。うわあ゙ぁぁ―――!! 「こ・・・の・・・腰抜けがあっ」 体が宙を舞い、苦痛に顔をゆがめてもなお、イザークは矢を引いた。身体をひねり、暗雲垂れ込める夜空の一点を定める。大気の湿度と風、初速と移動ベクトル、矢に掛かる重力。そんなことなど計算せずに、夜空に放たれる1本の矢。ディアッカの魔力を受けて輝き、銀紫の尾を引いて伸びる。 上空で聞こえる爆発音、雨雲を白く覆う煙のベール。 ドサリと落ちて、勢いのまま屋上のコンクリートの上をすべる身体に先ほどまでの灼熱感はない。直ぐに弓を投げ捨てて、銃を構える。起き上がろうとして激痛のまま膝を折った。 くそっ。目が。全身の感覚が麻痺しているのか。 霞む視界に見えるのは自分を追ってきた3天使。見えなくても囲まれたくらいは気配でわかった。 「滅殺ッ!」 感覚のない手で銃を上げて引き金を引く。天使の肩を貫いて銃弾が雨空に消え、天使が振り上げる腕の先には今時珍しい剣。呆然と振り下ろされるのを見る。ネオンに鈍く光る刀身と、自分の目の前で鉄柵で防がれる光景を。上空のエアバイクから打ち込まれた鉄柵が天使と自分を分かち、武装した集団が逆に天使を取り囲んでいた。 最後にエアビーグルから降りてくる男をイザークは知っていた。今日のレセプション会場で知り合った男、クルーゼと言ったか。 「間に合ってよかった。君の母上に頼まれたのだよ」 如何にしてイザークを活躍させるかが今回のテーマだったのですが、あんまり・・・。なぜ。難しいですイザーク。この現実派ヤロウ。あまり無茶な奇天烈なことできないし。まじめだし、義理堅いし。マザコンだし。イザークが活躍できるシチュエーション求む!
https://w.atwiki.jp/dandy4018/pages/296.html
被 起き攻め
https://w.atwiki.jp/magicman/pages/45110.html
クリスタル・スレイヤー SR 水文明 (7) 進化クリーチャー:リキッド・ピープル 7000 ■進化-自分のリキッド・ピープル1体の上に置く。 ■W・ブレイカー ■このクリーチャーが攻撃する時、カードを1枚引く。その後、相手の「ブロッカー」を持つクリーチャーを1体、持ち主の手札に戻してもよい。 作者:カイン フレーバーテキスト 彼に狙われた者は、生きて帰れない。 評価 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/magamorg/pages/4804.html
魔弾ドラゴン・スレイヤー 闇文明 R コスト 9 呪文 [KM]-相手のクリーチャーを1体破壊する。それがドラゴンであれば、そのドラゴンよりコストが低い相手のクリーチャーを1体破壊する。 ■ナイト・マジック-この呪文を唱えるとき、バトルゾーンにナイトがいれば、この呪文の[KM]能力をもう1回使ってもよい。 (F)龍が砕け散るときのエネルギーを、無駄なく再利用する。 作者:セレナーデ とりあえずドラゴンを破壊しなくてもナイト・マジックで2体破壊できるのでそのままでも優秀。 ドラゴンが2体いれば最大4体破壊の強力な呪文に。 コストの重さがネック。 評価
https://w.atwiki.jp/lucs/pages/602.html
《スピリット・スレイヤー》 装備魔法 装備モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。 装備モンスターが相手モンスターを攻撃する場合、 相手モンスターの攻撃力は500ポイントダウンする。
https://w.atwiki.jp/f_go/pages/752.html
│ステータス│入手方法|詳細情報|性能|性能比較│その他│コメント│ プリンス・オブ・スレイヤー No.171 礼装名 プリンス・オブ・スレイヤー 初期 最大 Rare 3 LV 1 60 Cost 5 HP 160 800 タイプ イベント期間限定 ATK 100 500 自身に毎ターンスター獲得状態を付与 1個 2個 &〔竜〕特攻状態を付与 8% 10% 詳細情報 イラストレーター 鈴木次郎 キャラクター詳細 「キミはボクのドラゴン。ウィンク一つでイチコロさ ★」 オルレアンから飛び出した最強アイドルユニット『ドラ バス』こと、 ドラゴン・バスターズがついにデビュー! もうワイバーンも怖くない、だってドラバスが護ってく れるから! ※弓属性のレディは入場をお断りしております。 入手方法 聖晶石召喚 カルデアボーイズコレクション2016ピックアップ召喚 「カルデアボーイズコレクション2016」期間限定概念礼装プレゼントキャンペーン 性能 ★3の毎ターンスター獲得&〔竜〕特攻状態付与礼装。 敵エネミーであるドラゴンはライダークラスがほとんどなので、アサシンクラスに装備させれば、より高いダメージが見込めるようになる。 + 〔竜〕特性持ち一覧 Class Rare Name 剣 5 アルトリア・ペンドラゴン モードレッド アーサー・ペンドラゴン〔プロトタイプ〕 シグルド 伊吹童子 4 アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕 アルトリア・ペンドラゴン〔リリィ〕 ジークフリート エリザベート・バートリー〔ブレイブ〕 弓 5 アルトリア・ペンドラゴン 槍 5 アルトリア・ペンドラゴン ヴリトラ 妖精騎士ランスロット 4 エリザベート・バートリー アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕 清姫 謎のアルターエゴ・Λ 騎 5 アルトリア・ペンドラゴン〔オルタ〕 4 アルトリア・ペンドラゴン〔サンタオルタ〕 モードレッド エリザベート・バートリー〔シンデレラ〕 術 4 エリザベート・バートリー〔ハロウィン〕 ジーク 酒呑童子 殺 5 謎のヒロインX 酒呑童子 狂 5 謎のヒロインX〔オルタ〕 4 鬼女紅葉 3 清姫 裁 5 アルトリア・ペンドラゴン 降 4 謎のヒロインXX 謎のアイドルX〔オルタ〕 詐 5 オベロン エネミー ワイバーン、ドラゴン、女神ロンゴミニアド、ウシュムガル、ムシュフシュ、クリチャーチ、スルト、鬼王朱裸、マハーナーガ、妖精騎士ランスロット 効果比較 + 特攻礼装 No. Rare Name Cost 初期HP 初期ATK MAXHP MAXATK 効果対象 上昇値 最大解放 備考 094 3 モータード・キュイラッシェ 5 0 200 0 1000 〔ライダー〕特攻 8% [10%] 090 3 魔力計 5 0 200 0 1000 〔キャスター〕特攻 8% [10%] 263 5 起源弾 12 0 500 0 2000 35% [40%] 無敵貫通 813 5 アトラスの嬰児 12 400 250 1600 1000 〔バーサーカー〕特攻 35% [40%] 防御無視 171 3 プリンス・オブ・スレイヤー 5 160 100 800 500 〔竜〕特攻 8% [10%] 毎ターンスター獲得1個[2個] 183 4 死の芸術 9 0 400 0 1500 〔人型〕特攻 25% [30%] 214 4 恋談火焔行 9 0 400 0 1500 〔男性〕特攻 25% [30%] 弱体付与成功率12%[15%] 428 5 フォンダン・オ・ショコラ 12 0 500 0 2000 〔神性〕特攻 25% [30%] 開始時NP 30%[50%] 167 5 ヴァーサス 12 400 250 1600 1000 〔神性〕特攻(3T) 80% [100%] 〔神性〕防御(3T) 1282 3 ホラー・コンシェルジュ 5 0 200 0 1000 〔死霊〕特攻 15% [20%] 1498 5 花と舞う妓 12 400 250 1600 1000 〔魔性〕特攻 25% [30%] 開始時NP 30%[50%] 1280 5 ハニー・レイク 12 0 500 0 2000 〔やけど〕特攻 35% [40%] 無敵貫通 コメント 弓属性のレディってオリオン? -- 2016-03-11 01 23 26 オルレアンで出てくるの考えたらアタランテじゃね? オリオンは一応男鯖だし -- 2016-03-11 01 30 38 オリオンならすまないさんが特攻+弱点を取られるが、特に接点はないしなぁ -- 2016-03-11 01 33 10 つまり…弓の男ならいいのか(困惑) -- 2016-03-11 01 35 23 ドラゴンとワイバーンの事やろ。あれ女属性らしいし。 -- 2016-03-11 06 00 28 弓ドラゴンがイベントで出たことあるしな -- 2016-03-11 11 03 59 これ倍率は星3相応だし実用性は無いよね。 -- 2016-03-11 19 46 10 竜相手にコストが困った時に使えないかと一瞬考えたけど、これ使うなら凸龍脈使った方がマシやな。 -- 2016-03-11 21 34 09 限凸できれば毎ターンスター2個は悪くないとはおもう、2030年とかと組み合わせるの前提でだけど -- 2016-03-16 00 35 46 名前 すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/yugio/pages/9733.html
フォトン・スレイヤー(アニメ) 効果モンスター 星5/光属性/戦士族/攻2100/守1000 このカードは通常召喚できない。 自分フィールド上にモンスターエクシーズが存在する場合、 このカードは手札から表側守備表示で特殊召喚できる。 エクシーズモンスター補助 フォトン 上級モンスター 光属性 戦士族 同名カード フォトン・スレイヤー
https://w.atwiki.jp/5010/pages/258.html
BACK 693 :名無しさん:2008/04/14(月) 20 54 19 ID xzeeAVp.0 ずっと待たれててスレイヤー側が事故る要素なし。あっちがマッパハンチしたくなる状況ってなんかない?? 694 :名無しさん:2008/04/14(月) 21 10 39 ID MB2jOcnEO チャージ 737 :名無しさん:2008/04/23(水) 02 32 36 ID lm6EqeaY0 無敵ジャンプ止めないとこっちのF式抜けられ放題だから、最初のほうは空ダP連打でジャンプ抑えたり 6K匂わせたガンダッシュでバクステ狩りしたりで、まず向こうのバクステを封印させてからF式いってたんだが。 702 :名無しさん:2008/04/15(火) 22 33 10 ID oFrlKztY0 髭の対空は立ちP、2S、6P、6HS、ビッパー、無敵空投げ。 髭の牽制は立ちK、(2K、2HS、足、これらは牽制というのは微妙だが。)6HS、Kマッパ、Dステ。 知っておきたいこと(間合いによる) 聖2Sは髭立ちK、2HS、6HSに負け、2K、、6P、足、Kマッパに勝てる。 遠Sは6P、足(距離による)、Dステ(空振り確認パイル)に負け、立ちK、2HS、6HSに勝てる。 足は2HS、立ちK(これは両方空振り)に負け、2K、6HS、Kマッパに勝てる。 足に対してDステは状況によるので割愛 近づく前に最低でも2LVにはしておきたい。遠距離から6HS、Kマッパを積極的に仕掛ける相手にはさっさとGB。 こちらにTG25%以上あるならDステにファフを合わせる。 じっくり待つ髭の対策 相手の立ちK読んで飛び込んでも余裕で2S対空が間に合うので覚えておくこと。 2Sを2段Jで空かしたり立ちK読みの低ダJHS JDもありだけどリスクリターンを考えると少し微妙ではある。 勿論アリかナシかといえばありなんだが。 自分から刺し込みに行く場合は足、2S、遠S、RI2の使い分けと飛び込み。 刺し込みに成功しダウンを奪えた場合は位置と自分のTGとCGを確認。 TG25%以上CG2以上(140%以上推奨)で端ならF式。端以外は空かし投げや当て投げ等でさっさと端へ。 もしくは低ダJHSと着地足からBHB2AC青コンで。 起き攻めのネタは割愛 被起き攻め 6Kは中段且つ詐欺(こちらの起き上がり必殺技対策)にもなってるので注意。 6Kはリバサバクステ 投げ。バーストあるなら強気SV。 オススメSVポイントは立ちKガード後。バーストなければFDはって気合いで読み勝つ。 読み合い自体相当辛いと思うけどTGとCGをコントロールしつつ起き攻めループ出来たら勝てるので頑張る。 703 :名無しさん:2008/04/16(水) 10 05 16 ID 9cymKvYIO 髭にF式は機能しにくいからまずはリバサバクステJの対処からじゃね? 704 :名無しさん:2008/04/16(水) 11 32 08 ID 6nmdsumc0 髭の最大無敵付加Fは6FなんでJに限らず無敵を生かせる行動が限られてくる。 主に、少し甘めの詐欺重ねに対する無敵付加吸血(詐欺重ねを無敵で空かし着地に吸血する)と、低ダ読みの空投げの二つ。 吸血は低ダJPかJHSしたらいいし毎回リバサバクステJなんてしてたら、 それはJKや空投げ、GB、SVのどれかで落として下さいって言ってるようなもの。 なのでF式の詐欺重ねが甘くない限り大抵通る。ソルのHSVVやロボの2LV昇竜を詐欺る位の勢いで重ねたらおk。 そもそもリバサバクステ自体猶予1Fな訳だし毎回出来てたら、カイのチャージ重ねやソルのGF青、イノの♪重ね起き攻めが全く意味がなくなり使い手が涙目になるしね。 しかもリバサバクステしようと思ったら立たないといけない訳でしょ? つまりそれは猶予1Fが失敗したらF式じゃなく通常の起き攻めの下段持続重ねが通るってこと。 ちなみにリバサ無敵付加DOTは入力がすげえ難しいからまず来ないと思っていいかな。 705 :名無しさん:2008/04/16(水) 12 35 15 ID 9cymKvYIO そうじゃないんだ。 無敵付加行動が強すぎて以前リバサ無敵付加しかしない髭がいて起き攻めにJSをガードさせるのに苦労したんだ。 だからF式行く前に 794の言うような潰しを意識させないと駄目なんじゃない?と言いたかった。 706 :名無しさん:2008/04/16(水) 14 12 45 ID 6nmdsumc0 個人的には意識させる順番は逆かな。 F式いく→F式鬱陶しいからリバサバクステで回避しよう→じゃあそれを潰すために低ダJPorJHSしよう Jしない場合はこの流れかな。Jしてたら落とせばおk。 F式じゃない通常の2P重ねとかだとGBっていうリバサ無視の起き攻めがあるから安易にバクステできないし。 707 :名無しさん:2008/04/18(金) 04 41 12 ID 6Z63x1Zc0 どうせ誰もリバサバクステなんて安定しないから下段重ねるよ派 717 :名無しさん:2008/04/20(日) 20 03 28 ID .eBzhpGM0 それだと普通に屈ガ安定になるからF式仕掛けられる時は素直に行くべきと思う。 711 :sage:2008/04/19(土) 23 38 41 ID Xbal2fRk0 髭対策 被起き攻め補足 言うまでもないかもしれないがリバサバクステの他に 3タイラン ファフ ファジーガード ガードから一瞬おいてスラバで威嚇(スラバはガード段を変えたりするとなおよい) GB青(端に追いつめられ、且つ一発逆転がどうしても必要な状況の時) レバー後ろ投げ(リスクは高いが) とかも まあ一応使えなくはない 意外なことに 2サベ が有効な場面も髭側の動きによっては存在する 715 :down:2008/04/20(日) 02 51 37 ID OjiXOz3UO リバサタイランと投げはほぼ全部の選択肢に負けるからやめろ っていうかガードしろ せめて投げ漏れHSをGBでキャンセルするか投げ仕込みFDしてCHしにくくしれ 717 :名無しさん:2008/04/20(日) 20 03 28 ID .eBzhpGM0 被起き攻めはリバサバクステだけでいい。6Kなんて中段且つガードさせて5F有利でしかも無補正、 まず「付き合わない」というのを相手に意識させてからが勝負。 その後にガンガードや他の選択肢がやっと生きてくる。 それとどんな状況でも投げ暴れはやめた方がいい。リスクが高すぎる。 投げ暴れしていい状況は髭の前ステ投げを前ステ見てから投げ返せる人のみ。 722 :名無しさん:2008/04/21(月) 01 48 30 ID UJ3SiV0s0 6Kは普通に読んでた、つか6K見えなくは無いような。この辺の「意識」は少し新鮮。 投げの選択肢は暴れと言うよりは ほぼ確定する状況でのみ使ってる。 今時ほとんど居ないかもしれないがSダンディステップで起き攻めしてくる相手とか。 手の重ねのタイミングがズレてれば意外にいろんな技の出かかりとか掴めたりする。 投げ入力の際 同時押しするボタンとレバーに少し工夫すればちょっとは使えるよ? まあ、対上級者には使える場面があまりないのは言えてる。 725 :名無しさん:2008/04/21(月) 03 10 38 ID krNhuDRg0 中段は見えるに越した事はないけど注意する所はそこじゃなくて 「ガードさせて有利でヒット時は無補正でコンボにいける」ってとこ。 今回の髭使いは6Kをまるで空気の様に振ってくる。6K 6K 6Kとか6K 立K 6Kとかザラ。 感覚的にはジャムやカイの6HS、テスタの6K 前エグゼ固めに付き合わされてる感じ。 Dステ関連は基本的に直イッツレイトを重ねてくるので(直イッツレイトはガードさせて4F有利、立ちくらいで8F有利) 若干ずれてようがお構いなしの場合がほとんど。 DステS起き攻めはDステで裏に回った時(FB)パイルや攻め継続で端に押し込める時位しか使われない。 729 :名無しさん:2008/04/22(火) 01 56 29 ID iui7U7WU0 被起き攻め時のDステには、リターンがそこそこで発生がLv1より速い3タイランが生きてきますよ ま、この場合 発生はあんま関係ないか BACK
https://w.atwiki.jp/nothing/pages/40.html
キラが考案した張り込み作戦は半分成功、半分失敗に終わった。アルテミスに現れるはずのギルド幹部を押さえる事ができなかったからだ。だから半分成功と言っても、結果から見れば失敗とも言えた。キラやフラガのチームがバー・ガモフで捕らえた中にはエンジェルスレイヤーはいなかったのだ。勿論、ギルドにつながりのある人物もいなかった。 しかし、キラにとってはもっと重要なものが手に入ったのでこの作戦は大成功だったのだ。キラが手の中のペットロボットを大収穫だと喜ぶ隣で、天使達が不思議そうな顔をする。 「その旧式のペットロボが? 鳥型ってのは珍しいけど・・・」 「マリューさん、例の件、お願いしますね」 このペットロボットはね、アスランの小鳥なんだよ。 一人浮かれているキラを他所に、唯一、彼らの手柄と呼べる人物が今、キラの眼前の部屋で取調べを受けている少年であった。既にセブンスフォース内でも有名なイザークとチームを組んでいるニコル・アマルフィー。帽子をデスクの上に置いて、大人しくマリューとフラガの前に座っている。取調べが一段落ついたのか、二人が部屋を出てくる。 「いやーまいったよ。なかなかどうして、頭が切れる少年だ」 「お疲れ様です」 「キラ君もね」 様子を見守っていたキラが声を掛けると、調書を入力するマリューがため息を付く。フラガは既にあの少年に感心しているのか、取調べを終えてしまったかのような感じだ。 「ニコル・アマルフィー、南27番街ブリッツストリート在住。両親兄弟はなし。友達とバー・ガモフで待ち合わせしていたら警察の突入に遭遇した。確かにデータ上はその通りなのよ、改ざんしてるのでしょうけど」 と、また、はあ~とため息を付く。このままではすぐにでも釈放しなければならなく、彼らはなんとしてもそれを阻止するために拘留できるだけの理由を探しているのだ。 「こうなったら本部に照会するしかないでしょ」 「気が進まないわね」 マリューとフラガが二人で納得して部屋を出て行ってしまったので、キラはもう一度、取調室にちょこんと座っている少年を見た。ガモフでやりあったイザークの仲間だと言うことだけで最初は敵視していたが、実際に落ち着いてみると普通の少年に見える。向こうにキラの姿は見えないはずなのに、顔を上げてにっこり微笑まれるものだからキラは慌てて部屋を飛び出した。 すぐにあの少年が拘置所に移されるのを見て、キラはマリューとフラガを探した。どうして拘留できるのかを尋ねるために、二人の部屋を覗く。顔を見合わせて何かを確認しあう大天使。 「彼は本当は都市の外の人間だよ」 「でも証拠はないって」 「地上にはなくても、本部にはあるんだ」 「本部・・・ってどこか聞いてもいいですか? ここではないんですよね」 マリューのあきらめたような表情をしたから、それが本当は無闇に言えない事柄なのだと分かる。 「私達は天宮から地上に派遣された天使よ。地上を統括する本部が天宮にあるの」 「そこには全てを記録したものがあるんだ」 家に帰る途中、キラは聞かされた話を反芻する。全てを記録しつづけるラジエル・ライブラリには真実が記録されている。地上のあらゆるデータが電子化されて改ざんが可能になっても天宮のラジエルに照会すれば、その真偽を確認できる。ただ、その情報の持つ影響が計り知れないため、天使たちにも容易にアクセスできない禁断のライブラリで、位に応じた情報しか引き出せない。大天使であるマリュやフラガではレベル8が(これは下から2番目だという)やっとらしい。 『天宮のお偉い天使が管理しているからな』 『私達が閲覧できるのは、地上の情報だけよ』 それなら・・・と口を開きかけたら、あっさりと先手を打たれた。 『アスランの情報か? 無理だな』 名前だけでは検索できないのだという。ニコルの件も『ニコル』と『アマルフィー』の二つのキーワードで情報を引き出すことができたらしい。この時代、容姿は簡単に変えられるので有効なキーワードにはならない。 玄関でキーコードを打ち込んで、ようやく帰宅する。珍しく遅くまで起きていた母がキラの抱えているものに目を止める。 「ペットロボット? 小鳥? キラ、それどうしたの」 キラは鳥かごを持っていた。止まり木にのっているのは、言うまでもなくあの碧のペットロボット。 「えっ、ああ、拾ったんだよ」 「拾ったって・・・じゃあ持ち主が探しているかも知れないわね」 「うん。明日にでも警察に届けるつもり」 警察と言っても第7機動隊だけどね。このペットロボットで持ち主をおびき出すんだからさ。 キラは笑顔で答えて自室に引き上げた。身体は疲れているはずなのに、これからのことを思うと興奮してなかなか寝付けなかった。 翌日、キラはカレッジに鳥かごを持っていった。自分の物ではないのだが、なぜか見せびらかしたかったのだ。 「うわ、めっずらしい。鳥型のペットロボって俺はじめてみた」 「昔発売されて・・・今、全然見ないもんな」 サイとトールはさすがに工学を専攻しているだけあって、さっそくその仕組みやスペックの話をはじめている。フレイやミリアリアの感想は一葉に可愛いで、鳥かごの外から指で頭を小突く。 「おっ、これメーカー刻印があるぜ。どれどれ・・・げっ、プラント!?」 改めて全員の注目を集めるペットロボット。首のリングに5対の視線が集まる。やや薄れて読みにくいが確かにプラントとある。突如、『珍しい』『可愛い』以外の価値を与えられて、キラの鳥カゴと5人の間に微妙な距離感を生んでしまった。 「プラントの新型のプードル見たか? 本物そっくりのやつ」 トールが思い出したように話題を振る。僕達一般人にはとんと縁のないプラント製のペットロボット。芸術品と呼び声が高く、事実値段もかなりはる。街の裕福層に属するフレイやサイでさえ、おいそれとは手がない最高級ブランドである。 「で、キラ、これどうしたの?」 「拾ったから。僕今日2限までだし、午後から警察に届けようと思って持ってきたんだ」 剣呑な表情も、ほら、こう言えば皆安心する。誰だって、僕のうちがこんな高価なペットロボットを買えるなんて思ってない。 「そっか、そうだよね。残念、キラのなら構って遊べたのに」 「飼い主は探しているんでしょうね」 そうだといいんだけどね。キラはその時、はにかむような嫌な笑い方をしていた。 一方、ニコルに助けると豪語したイザークはと言うと、いつもと同じように大学へ出かけるべくマンションを後にしていた。 なぜ、あいつが釈放されない。拘留だと? ニコルのデータは完璧のはずだ。市政庁の端末からニコルのデータをインプットしたのだ、ただ、正規の手続きを経なかっただけで。それが、不法滞在で拘留されているというのが、イザークが昨夜一晩で関係者から得た情報だった。 朝の陽射しの中では影に潜むディアッカも話し相手にならない。誰に相談しようとも、結局は、あといくら積んで裏から手を廻してもらうか、しか思いつかない。しかし、相手が第7機動隊では勝手が違う。イザークに天使の知り合いはいないのだ。 朝食を取ろうと、行きつけのホテルのカフェラウンジに上がる。中心部の外れに位置するアストリアホテルからはセブンスフォースが居を構えるビルがよく見渡せた。地上38階のフロアーから籐のイスに腰掛け、水色の空を映すそのビルを見つめる。 あのどこかにニコルがいる。 周囲より頭一つ高いそのビルへは、例え悪魔の力を借りても飛び移れそうな建物はない。幹線空路はどれも隣接しておらず、そのビルへ行くための直線ルートもない。おそらく、周囲に仕掛けられたセンサーや監視機器で簡単には近寄れまい。ただの高層ビルに見えてその実、天使の存在を知る者にとっては、この街で最も厳重な警戒設備に守られた建物。 やっかいだ。だが、どうやってニコルを解放する? 冷めてしまった紅茶を下げてもらい、席を立つ。今日はゼミのレビューに出席する予定にしていたが、どうにもそんな気にはならなかった。エアバスにも乗らず、エアタクも拾わず、イザークは整備された歩道を歩いた。朝の光が徐々に温かみを帯びて、ビルの谷間を照らす。オフィス街のせいか、すれ違う人もスーツ姿や作業着が多い。 その中にあって、黒いコート姿を前方に見つけた。ビジネスマンに混じって違和感を感じさせる原因は、彼が手ぶらだったことだ。膝まである黒のロングコート。中途半端な長さの紺色の髪。そこまで認識して、それが自分の知っている人物だと気づく。 アスランか―――? だが、ここで名前を呼ぶわけにも行かず、少しばかり歩くスピードを上げてシグナルで追いついた。横に並べばさすがに相手にも気づいたのだろう。わずかにこちらを向いて、また歩き出した。イザークがわざわざ追いついたと言うのに彼は、それに気づきながらも無言だった。 「何か言うことはないのかっ!」 エアヴィーグルのエンジン音と都会の喧声だけが、歩道を渡りきる間流れるのみ。今までこの都会で出会おうとも他人でしかなった二人が、並んで歩道を歩く。確かに昼間に会うのは初めてだったかも知れない。 「貴様、どこへ行く? 俺は大学に行く途中だが、野暮用があってな」 聞かれもしないのに自分の事を話す。野暮用とはニコルのことであり、イザークはアスランならどうするだろうかと聞いてみたくなった。 「落し物を取りに」 しかし、意外にもアスランはイザークの質問に答えるから、思わず聞き返していた。 「何っ?」 「遺失物の広告が官報に出ていた」 昨日の現場にアスランが居合わせたことを知っている。遺失物というからにはおそらく、あの奴のペットロボットが向こうの手にあるのだろう。 「馬鹿か貴様!? 罠に決まっているだろう」 「でも、せっかく来いと言っているのだから、この際正面から行くさ」 こいつは馬鹿なのか、それともそれだけ自信があるのか。この真昼間に奴らの居城に乗り込む気でいるのか? だが、それがこいつの出した解決法だというのなら。誰かに何とかしてもらおうと言う発想が急に隅に追いやられていく。まるで、そんなことを考え出した事事態が恥じだとでも言うように。 「俺も行く」 「は?」 彼が足を止め、自分を見つめていた。まともにコイツの顔を見たかもしれない。足早に歩く人ばかりの歩道に男二人が立ち止まる。 「だから、一緒に行ってやると言っているんだ。貴様だけでは心配だからな。俺も奴らに預けているものがある」 「もの・・・?」 「仲間だ」 「イザーク。君は意外といい奴なんだな」 そんなハズはないとイザークは目の前の現象を否定した。本当に僅かだが、コイツが笑っているように見えたなんて有り得ない。 ポンっと肩を叩かれて、アスランが歩き出す。並んで見ると自分より僅かに低い位置の横顔に驚き、日の下で見る彼は夜とはまた違ってただの好青年に見える。彼に叩かれた肩からほんわりとした暖かさが広がる。それでいてキャンディを口の中に放り込んだ時の一瞬の冷たさがあった。 「では行くか」 「何?」 太陽が天頂に上るにはまだ少し時間がある。夕方を待つのなら半日寝てもおつりが来る。契約した悪魔の力を借りるなら、夜まで待たなければならない。 「拾得物窓口が空いている時間は9時から5時までなんだ」 「アホかぁ、貴様っ!」 歩き出した背中にイザークの叫び声は当たって砕けた。そしてそのままビル風に乗って一気に上空に消える。昼の大都会をイザークとアスランが天使の居城に向かう。 「昼は俺達だって普通の人間と同じなんだぞ」 「ああ、対悪魔障壁なら昼は作動しないんじゃないか?」 影の中にひそむ悪魔も夜にならないと実体化できない。もしかしたら、とは思う。 「そういう問題じゃないっ。素性がばれるだろうがっ」 「大声で言うことでもないと思うが」 すれ違う人が振り返っている事にアスランが眉をひそめるが、注目を集めている本当の原因には二人とも思い至らなかったらしい。 特に一般人を締め出していると言うわけではなく、第7機動部隊の本部ビルも公的機関であれば最低限受け付けのあるフロアくらいは市民に解放されている。ドラマの撮影で使われた事もあり興味本位で訪れる市民や、そこで働く警察官で1階は結構な人込みだった。イザークとアスランもそんな市民に混じって足を踏み入れた。夜であれば空間歪曲で転送されてしまうビルも昼間はそこまで意地悪ではなかった。 「拾得物窓口は何階ですか?」 警戒して一通り内部を確認するイザークの耳に入る連れの声に、彼の銀髪がばっと舞い上がる。行動を怪しまれないようにできるだけ冷静に後に立つと、受け付けにあるパンフレットを取る。 「はい。確認しますのでしばらくお待ちください」 笑顔で答える受付嬢にアスランが律儀に待っている間に、パンフをペらぺらめくるイザークはあることに気づく。 拾得物受け取り窓口なんてないぞ。 「おい」 アスランの肩を掴む。 「なっ、何するんだ」 「すまんな。もう見つかった」 ヴィジホンに向かい合っていた受付嬢が慌てて、何か言おうとしているのを無視してイザークはアスランを引っ張っていく。目立たないようにしようというイザークの心がけはこの時点でかなりパーになっていたのだが、未だ小声で話すあたり全くそのことに気づいていない。 『拾得物窓口なんてものはこの建物にない。あれは絶対、通報されたぞ』 『そうか』 突き出されたパンフレットを見て、考え込むアスラン。どうするつもりだと視線を送ったら、壁際に儲けられたヴィジホンスペースに向かう。 『よせ。足がつくだろうが』 しかし、意に関せずとばかりにヴィジホンを画面を押し、パネルを操作する。 なっ。 目の前でアスランはIDカードを挿入せずに、操作画面を呼び出した。それもイザークが公衆のヴィジホンでは見たことのない画面である。勝って知ったる滑らかさで、指をパネル上に滑らせるうちに、画面には建物の図面らしき物が引っ張り出されていた。 『多分32階か・・・鑑識中だと35階・・・・・・』 何が起こったかは分かる。だが、今はそれを問いただしている余裕はなかった。一人納得して終了操作をするアスランが振り向いたイザークに言う。 『拘置所は24階だから』 どういうわけか、このビルの電子機器は無効化されているらしいと分かったのは、探知機付きのゲートを難なくすり抜けた時だ。 アスランが壁の標識を見て目的地を暢気に確かめているのも、この状態に気づいているからだ。もし、意図的にやっているのだとしたら。イザークは『よし、こっちだな』と軽く呟くライバルを見る。 エレベータに乗ろうとするアスランを慌てて押し留めて、階段を探す。さすがにそこまで冒険する気にはなれなかったし、それはアスランも不承とは言え納得したようだった。何十階も階段を上るのは正直辟易するが、青年二人が黙々と階段を上る。所々、階段は切れてフロアを横切る時も極力、内部の人間に見つからないように隠密行動を取る。 お陰で24階に到着した時にはかなりの時間が経っていた。アスランが更に上を目指して分かれる時、イザークは覚悟を決めた。例を言うべきかどうか迷ったが、それはうまくニコルを連れて脱出できた時に言おうと決めた。 まあいい。利用させてもらうさ。 セキュリティが無効化されて、記録に残る事もないだろうことを祈って。イザークは懐から銃を取り出してセイフティを解除した。その後、ニコルのいる拘置室の前でイザークは解除されていないロックの前に撃沈するのだった。 やってやるさ。くそっ。 キラのヴィジホンに短いメッセージが入ってきたのはお昼を食堂で食べている時だった。 ―――持ち主現る――― 「キラ、もう行くのか?」 ほとんど食べ終わっていたキラが席を立つのを見て、トールが尋ねる。 「うん。もうすぐ食堂混んで来るしさ」 そんな会話を交わす時間さえ勿体無いと、気だけが急いて畢竟、動作が乱暴になる。友人達の疑問の眼差しを背中に食堂から出たキラは走り出していた。 セブンスフォースのビルに着いた時、既に32階から35階は襲撃を受けた後だった。急いでマリューとフラガに連絡を取ると、現在は36階から上に移動中だという。 「気をつけて、館内の設備が異常なの。どこにも異常は見つからないのだけど、作動しないのよ」 近くの端末に駆け寄って、コンディションをチェックすれば確かにマリューの言うとおり異常はない。それでも、どこにも彼が来訪した記録が残っていない。監視ビジョンにも、エントランスにも。 どういう手を使ったのか知らないけど、やるね。乗り込んでくるだけのことはある。 キラは鳥カゴを片手に36階へと急いだ。階段を駆け上り、上がった息を整えながらフロアの気配を探る。一階、また一階と上に上がっていく。窓から外を見れば、もうすっかり日が落ちている。夜が来ていた。 それからどれだけビル内をうろついただろう。バタバタと行き交う内勤の天使達に遭遇する。一体の天使を締め上げて、落し物の、ペットロボットのあり場所を聞いている姿。道端で道を聞くのと大して変わらない口調。 そして、天使が知らないと答えると彼は相変わらず、何でもないことのように天使を消す。奪ったエンジェルコアが無機質な通路の天井に消え、キラには彼が微かにため息をついたかに見えた。彼は相変わらずきれいな顔をしていて、手にした鳥カゴに眼を止める。 「探し物はこれ?」 キラはゆっくりと手に下げた鳥カゴを上げた。バランスを崩してぴょこぴょこと止まり木を行ったり来たりする鳥型のペットロボがいる。 「返して貰う」 アスランが何事もないように、近づいてくるから、僕じゃなくて、鳥カゴばかり見ているから後に引っ込める。白い壁と青いライトの長い通路に影が形をとって移動するようにアスランがキラに近づく。 「取りに来いとは言ったけど、ちゃんと返すとは言ってないんだけど」 例え表情に何も変化がなくても、機嫌悪くした? 「これ本当によくできてるよね。僕にちょうだい。だめ?」 や、別にこのペットロボットが欲しいわけじゃない。それはアスランにも分かっているよね、罠だと分かってのこのここんな所まで来るくらいだから分かってないかな? 「一体、どうしたいんだ」 「どうって・・・」 僕は街をエンジェルスレイヤーの手から守りたい、マリューさん達天使を悪魔から守りたい。アスランはスレイヤーだから、天使を消すからその前に僕が。僕が? 答えに詰まるキラの持つアグニの銃口が僅かに下がり、アスランが動く。ほとんど反射的にキラは狙いを修正して、トリガーを引いていた。しかし、一直線に伸びる青い光線は彼のコートの裾を焼いて、目の前が真っ黒になる。腕にひどい衝撃を感じたのはその直ぐで、僕を見下ろす翠の瞳が横をすり抜ける。 ガモフに続いてこれで二度目。キラはスレイヤーを仕留めそこなった、いや、まだだ。左手にした鳥カゴを放って、落としたアグニを足で救い上げる。アグニの動きに合わせて身体を反転させる。軽くステップを踏んで距離を取るアスランに再び銃口を向け、引き金を引く。 引き出されたアスランの腕から、鋭い何かが飛ばされたのか、金属が焼ける臭いがした。後でガシャンと鳥カゴが落ちる音も、目の前の情景に目を奪われていて気が付かなかった。確実に身体を貫くはずだった青い光がアスランの手のひらの前で拡散している。 「うそだろ、おい」 フラガの呟きのとおり、信じられないことが起きている。 トリガーにかける指の感覚がない。飛び散る青い光はどれ一つとして彼の身体に届かない。 「トリィ」 びくりとして、キラは引き金にかけた指を戻してしまっていた。それがペットロボットの鳴き声だと気づいた時には、アスランは踵を返して走り出していた。 「トリィ、来い」 ペットロボットを呼ぶ声に、我に返ってキラは追いかける。フラガも後の天使達も、慌てて後に続く。キラがパトロール用のエアパトやエアバイクが格納してあるフロアの上部通路に出た時、彼は3階分の高さをもつそのフロアの床に着地した所だった。フロアの天井からあのペット鳥が舞い降りる。 と、また鳴り響く警報。 ズオンと足元が揺れる。立て続けに振動が起こり、明かりがバチバチとショートして一瞬消える。直ぐに復旧したがサイレンがけたたましく鳴り、拘置所があるフロアで脱走者ありと告げる。アスランと一緒に来たあの銀髪のスレイヤーが仲間を連れ出したに違いない。 イザークって人。ガモフで僕を足払いした。だけど、今は。 「ムウさん行って下さい。ここは僕が!」 「分かった。だが、キラ。深追いはするなよ! あいつは謎の多い奴なんだからな」 「ムウさんこそ、イザーク達を逃さないようにして下さい!」 そこで僕たちは左右に分かれた。ムウさんは右に、僕は左に。この先にはエレベータと非常階段。乱れ飛ぶ光線を避けて非常階段に消える背中。 ビル内の図面を思い出して、先回りをしてゆく手を塞ぐ。そのたびに彼は幻像を残して天使たちの攻撃をかわす。立ちはだかる天使達が一体、また一体と消えていく。 館内に響き渡る警報がいつまでたっても止まない。インカムを通じて聞こえるフラガ達の動向が芳しくないのも追い討ちをかける。決して最短距離を選んでいるわけではないのに、一向に追いつけない。 「マリューさん!」 「キラ君! 闇雲に追いかけるだけでは駄目だわっ」 マリューが合流して隊を分散させて包囲戦を開始する。セキュリティは作動していなくても、天使達の数に物を言わせて目視で情報を集める。 「連絡を密に! 暗号伝聞はケース17を使用」 このビルは外からは普通の高層ビルに見えて、実は窓がない。夜、あたかも窓から漏れる明かりのように都会に浮かぶ明かりはカモフラージュされたライトアップに過ぎない。内部から外に出るには数少ない出入り口を通るしかないのである。外部からの侵入を防ぐための仕組みが、侵入者を逃さないために功を奏している。 『工作隊、29階に到着しました』 「エレベータ、非常階段、通風ダクト、全て閉鎖よ」 少しずつ選択を減らし追い詰める。上の階にも下の階にも天使を配置する。 「突入! 相手はスレイヤーよ。十分に注意して」 「キラ君、姿が見えたら狙って。死角から狙えるようにもっていくわ」 正面から狙って防がれた事が伝わっているのか、アスランを撃つ作戦をマリューが考えていた。29階フロアは完全に封鎖、上下の階には捕獲専門の天使達が固めて、キラは動けなくなったアスランに迫った。しかし、沸き起こる振動に慌てて壁に手をついて身体を支えるとあたりは埃で充満していた。 「何があったのっ!」 現場に駆けつけた二人が見たのは、豪快に穴のあいた床と、囲むように気を失って散らばる天使達であった。 「28階! 情況を報告してちょうだいっ!」 息を潜め、包囲し追い詰めたと思っても、後一歩のところで逃げられる。少しずつ階を下り、いつしか拘置所のあった24階。蹴破られたドア、割れたガラス。そして、消えゆく天使達に、指揮を執るマリューが焦りを露にする。 「これも彼らの作戦なのっ!?」 部隊を分散させた結果、各個撃破の機会を与えたようなものだったからだ。フラガが対しているイザークとニコルが同じように天使を倒して館内を逃走している。彼らもまた、今まで捕らえようとして叶わなかった名うてのエンジェルスレイヤーなのだ、被害が少ないわけがない。 「指揮系統が分散されてっ、このままでは」 天使達の本拠地には天使が余るほどいるのに、ここまでの勝手を許している。キラもさすがに舌打ちする。 追いつけないっ。 考え込むマリューが隊をまとめようと、前進にブレーキをかけるが、散らばった天使達には直ぐには伝わらない。北通路を東進するマリューとキラ達の部隊が、ばらばらと南通路からのスロープを降りる一団を見つける。 「前に出るなっ!」 キラの怒鳴り声も間に合わない。キラはこちらを向いて飛びず去るアスランが、黒いコートをマントのように広げる死神のように見えた。容赦なく屠った天使達の残骸が、エンジェルフレアを放ち、彼の通った後には意図しない光の道標ができていた。 キラは唇を噛み締めて、光を頼りに彼の背中を追う。 シールドされた窓にペイントされた非常脱出口。火災などの非常時の外への出口。キラはその表示を見てアスランの意図を理解する。窓を破ってビルの外に出る気なのだ。確かにビル内にいては彼に逃げ場はなく、どこかに足を隠しているのだとしたら。 ここまで来て逃げられる? 呆然としたキラの目に窓の向こうの街が映る。 アスラン、分かってる? 腕でガードしながら彼は頭から窓を突き破った。キラは確信をもってこの結末を予想する。外壁の踊り場で一回転して膝をついた彼を待っていたのは。 ―――朝 アスランがその身を照らす朝日に手を翳し、一緒に飛んでいたトリィは日付の変わった都市に飛び出していく。アグニを手にしたキラは振り返るアスランに微笑む。土壇場に来て形勢が一気に逆転した。背後には非常脱出口へとなだれ込んでくる天使達。これだけの天使を相手に空中を逃げきれたとしても、ストライクのスタンバイは既にできている。どこまでもキラは彼を追えるだろう。 「タイムリミットだね。どうする、アスラン?」 無風。微動だにしない彼が何を考えているのか、逆光になったキラからは伺えない。ただ、あの翠の瞳だけが浮かび上がる。 「もう朝だよ」 彼が目を僅かに伏せて、朝日に浮かび上がる身体が宙に浮く。 「うそっ!!」 キラは慌てて駆け寄った。身を乗り出して地面を覗き込む。ただの人間がこの高さから落ちればひとたまりもない。何か仕掛けがあろうと見渡すが、何も現れない。夜が空け、朝日が差し込む今は最も悪魔の力が弱まる時のはず。彼が悪魔の力を借りる事はできない。だから、このまま落ちたら。 黒いコートがバタバタとはためいて小さくなる。本当は音なんて聞こえないけど。朝日の矢に射抜かれて黒いコートが煤のように舞う。届くわけないのに手を伸ばしていた。 朝日に落とされた彼の影がビルの側面を猛烈な速さで下に向かう。その二つの黒影が合わさって、キラと天使達が見下ろす中、アスランが自らの影の中に飛び込んだ。 えっ、それってありなの? キラはアスランが消えた遠い地面を凝視して動けない。訪れるだろう惨劇は影も形もなく、血の後も服の切れ端すら見当たらない。横に立って同じように下を見下ろしていたマリューが独り言のように呟いたけれども、ほとんどキラの耳には入っていなかった。 「まさか、彼はもう・・・」 姿を現した太陽が都市の輪郭を描いていき、一日の始まりを告げる息吹が夜の開けた街を駆け巡る。地上には申し訳なさそうに手を振るフラガと天使達数体がエントランスから出てきていた。どうやらあちらの攻防も決着がついたようだった。 今回のバックミュージックはBlackMagesのThe Decisive Battleで。描かれてはいないですが、イザークとニコルの脱出はこの曲をバックに派手に出て行ったということでお願いします。もう少し、イザークとアスランが絡めばよかったなあと反省。ここまでの対戦成績。キラ1-2、イザーク1-2、アスラン3-0です。次からはもう少し三つ巴で行こう。またちょっち修正入るかもなあ。現在、承の中盤って所ですがそんな感じしてます?してます?えっ、してない?だよなあ、やっぱ。