約 1,871,690 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5672.html
前ページ次ページ異世界BASARA 『それじゃあ、僕達は先に学院へ戻るとするよ』 氏政が昏睡状態から回復したので、ギーシュは魔法学院に帰っていった。 しかし、幸村は未だ目覚めない…… ギーシュと氏政が帰ってからも、ルイズは幸村の隣で起きるのを待っていた。 幸村の眠るベッドの隣にある椅子に腰掛け、一生懸命に何かを編んでいた。 と、カチャリと扉の開く音がした。 「ルイズ、入りますよ?」 開いた扉から、中にいるルイズに声を掛けながら誰かが入ってくる。 聞き覚えのある声にルイズは振り向くと、トリステインの王女であるアンリエッタがいた。 笑顔こそ浮かべていたものの、どこか哀愁を漂わせた表情であった。 「ひ、姫殿下!?」 ルイズは咄嗟に編んでいた物を後ろ手に隠した。が、はみ出た編み棒がアンリエッタからも見えてしまっていた。 「ユキムラさんに?」 「い、いやあの……これは……」 「そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃない。きっとユキムラさんも喜ぶわ」 ルイズはモジモジしながら赤くなった顔を伏せた。 「やだ、私ったら忘れてしまう所だったわ」 アンリエッタは我に返ると、ルイズに一冊の本を手渡した。 「姫殿下、これは一体」 「始祖の祈祷書よ」 ルイズは驚いて渡された本をまじまじと見る。 始祖の祈祷書といえば、王室に伝わる伝説の書物である。 そんな国宝級の書物を何故自分に渡すのだろうか。 「私がゲルマニアの皇帝と結婚するのはもう知っているでしょう?その式で、詔を読み上げる巫女を用意しなければいけないのですが……」 アンリエッタは一呼吸置くと、ルイズを見て言った。 「その巫女の役をルイズ、あなたにやって欲しいの」 「はぁ……ってええっ!わ、私がですか!?」 「あ、もちろん草案は王宮の者がちゃんと推敲するのよ。大変かも知れないけど……でも、私は親友のあなたにやってほしいの」 アンリエッタは不安そうにルイズを見つめた。 きっと、姫殿下は自分の事を信頼してくれているからこの役目をお願いしているのだろう。 ならば、自分は彼女の親友として応えなければいけない。 「わかりましたわ。この役目、謹んで拝命いたします」 ルイズはアンリエッタに微笑みながら言った。 場面は変わり、トリステイン魔法学院…… 「うわあぁぁぁぁ~~持病の水虫じゃあ~~!!!」 早朝の学院に、氏政の叫び声が響き渡る。 その叫びを合図に、各部屋の生徒達が不機嫌そうに起き始めた。 最早恒例となってしまったこの氏政と、今は王宮で眠っている幸村の雄叫びは起床の合図代わりになっていた。 特に、氏政は朝、昼、晩と必ず決まった時間に叫ぶ為、最近ではそれに合わせて昼休み、就寝となっている始末だ。 そして、いつもならこの後にギーシュが飛び起き、氏政に文句を言ってくるのだ。 しかし、部屋はしんと静まり返っていた。 氏政は無言で部屋を見回すと、ギーシュの姿が見当たらない。 「……あいつめ、また外じゃな」 むくりと体を起こし、腰を擦りながら氏政は部屋を後にした。 魔法学院の「風」と「火」の塔の中間にある「ヴェストリの広場」。 幸村とギーシュが決闘をした人気のないこの場所にギーシュはいた。 「あ、そーれ!ふん!ふんっ!あ、そーれ!ふん!ふんっ!」 そこでギーシュは、一心不乱に腹筋を繰り返していた。 「これで……ふん!20回……!新記録だ!ふんっ!!」 汗だくになりながら、ギーシュは腹筋を繰り返している。 ――今よりも、もっと強くなる―― あのアルビオンの港での戦いで、自分の未熟さを実感した。 そしてトリステインに帰ってから、彼は強くなる事を決心したのである。 とはいえ、今まで特訓などあまりした事のないギーシュは何をすればいいのか良く分からなかった。 そこで、とりあえず体力をつけようと朝の運動を始める事にしたのだ。 「今日も精が出とるのぉ」 腹筋を続けていたギーシュの後ろから声がした。氏政だ。 「ウジマサ……かい!?悪いけど、ふん!話し掛けないでくれ、たまえっ!!」 ぜえぜえと息を切らしながらギーシュは言った。 「無駄な事じゃと思うが……まぁ頑張るが良い。わしは朝飯を食いに行っとるぞ」 ギーシュは腹筋に集中しているのか、氏政の声が耳に入っていないようだ。 氏政はそれを横目に、ヴェストリの広場を後にした。 食堂に向かう道中、氏政は先程のギーシュを見て思った。 (ふん、初めて会った時から随分と立派になりおったな……) ふと、今までのギーシュの行動を思い返してみる。 正直、頼りない奴だと思っていたが、意外に芯のある男だ。 「じゃが、戦は体だけ鍛えれば勝てる訳ではないぞ。頭を使わねば勝てん」 ギーシュのいる広場の方を振り返り、彼に言い聞かせるように呟いた。 「それに気づかねばいか「ゴオオオオォ!」ふぎゃああぁ~!!!!」 「ん?忠勝、今何かいなかったか?」 「……??」ウィーン? 学院の厨房は、食堂から離れた中庭にある。 生徒達の食事を作るだけでなく、コック達の団欒の場にもなっていた。 その厨房から何やら老人の怒鳴り声が聞こえてくる。 「お前は!わしに何ぞ恨みでもあるのか!?いきなり忠勝で踏みつけおって!」 「す、すまん。それがしいつも気をつけてるんだが……」 怒鳴っているのは背中を擦りながらパンを齧る氏政。 謝っているのは利家であった。 利家が謝っているのはついさっきの出来事が原因である。 氏政がギーシュより先に食堂に行こうとしていた時、利家を肩に乗せた忠勝が上空から降りてきたのだ。 哀れ、氏政は降ってきた忠勝に思いっきり踏みつけられたのである。 しかし忠勝に踏まれたにも係わらず、重体になっていない氏政……このじじい頑丈である。 「でも凄いです!タダカツさんに踏まれて怪我ひとつもないなんて!」 食後のお茶を持ってきたシエスタが、カップを配りながら感嘆の声を上げる。 氏政もすこし恥ずかしいのか、髭をいじりながら注がれたお茶を飲んだ。 「……それで、前に言っておった南蛮人の事を聞き込みに言っておったのか?」 「……うむ」 利家は沈んだ表情で応えた。この様子だと何も情報は得られなかったようだ。 (やはり無理なのかな……) 利家の口からはぁ~~と溜め息が漏れる。 「トシイエさん、まだ探している人の手かがりが見つからないんですか?」 そこに、お茶のお代わりを持ってきたシエスタがやって来た。 「うむ、まったくな……だが帰る方法は必ずある筈なんだ」 お茶を受け取り、利家は応える。 「よーし!それがしもっともっと頑張るぞー!!」 「その意気ですよ!諦めないで頑張りましょう!!」 ぐいっとお茶を飲み干し、利家は力強く言った。 そうだ、何を弱気になっているんだそれがしは…… まつはきっと信じて帰りを待っている。 それにシエスタも応援しているし、忠勝だって手伝ってくれている。 なのに、それがしが弱気になっては駄目じゃないか!! 「あの、トシイエさん」 「ん?」 「その探している人ってどんな人ですか?」 と、シエスタが唐突に問い掛ける。 利家がここまで必死に探す人物である。 シエスタは彼の探し人が、一体どんな人なのかが気になったのだ。 「そういえばまだ話してなかったなぁ。ええと、そいつの名前はザビーって言うんだ」 「ザビー……ですか?」 名前を聞いたシエスタは俯いて首を傾げた。 「え、えーとな、ザビーっていうのは目が2つあって、鼻の穴も2つあって……」 利家は必死に説明するが、シエスタは首を傾げたまま考え込んでいる。 横で氏政が「そんな奴大勢いるじゃろうが」とツッ込んでいた。 「すまん、やっぱり知らないよなそんな南蛮人……」 そう言って、利家は近くにあったパンを齧った。その瞬間 「あああぁぁーーっ!!!!」 と、いきなりシエスタが素っ頓狂な声を上げて叫んだ。 「どどど、どうしたシエスタ!?これ食べちゃ駄目なやつだったのか!?」 いきなりシエスタが叫んだ為、利家は慌てて齧っていたパンを皿に戻した。 だが彼女が声を上げたのは利家がパンを食べたからではない。 思い出したのだ。子供の頃のある出来事を。 「そのザビーさんって、頭がツルツルの人じゃないですか?」 「……お?」 利家の目が丸く見開かれる。 「そ、それで黒い修道服を着ていて、大柄で……」 「お、おお!おおおお!!!!」 シエスタの言葉を聞く度に、利家の心はどんどん昂ぶっていく。 そして、決定的な一言をシエスタは言い放った。 「でっかい大砲を持った変な人じゃないですか!?」 「そいつだあああぁぁぁぁぁーーー!!!!!!!」 「というかの……先ず身近にいる者から聞かんかい……」 シエスタと利家が盛り上がっている中、すっかり忘れられている氏政がいじけながら呟いた。 前ページ次ページ異世界BASARA
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/8486.html
前ページ次ページ三重の異界の使い魔たち ~第9話 勇気と闘いと覚醒と(前編)~ 「ふぁーぁ……」 午前の授業が全て終わると、才人は大きく欠伸をした。 「ほとんど寝てたな、お前」 「結局、起きてたの最初の授業だけだったね」 それに、ムジュラの仮面とナビィが呆れた声を掛けてくる。 「先生たちが、苦虫を噛み潰した顔をしてた」 更には、ご主人様たるタバサにまで言われてしまった。流石にばつが悪くなってきて、誤魔化しの ように頭を掻く。 「やっぱり、井戸で顔洗っただけじゃ目覚めきれなくてさ」 あいまいな笑みを浮かべながら、才人は続けた。 「魔法の授業なんて面白そうだし、俺もできたら起きてたかったんだけど」 溜息を1つつく。地球では受けられるはずがない、魔法に関する学問。好奇心の強い才人としては、 それを寝過してしまったのは結構な無念だった。 タバサは、そんな才人を呆れた風に一瞥するが、特に言及はしなかった。無関心な様子に寂しい ものはあるが、眠い理由を聞かれても困るので今はありがたい。 「まあ、お陰で午後は寝ないで済みそうだよ」 「また寝るようなら、ニワトリの声でも聞くか?」 皮肉っぽくムジュラの仮面が言えば、ナビィがくすくすと笑う。 「なんだよ、ナビィまで笑うことないだろ」 憮然とする才人に、ナビィは答えた。 「ごめんね。ちょっと思い出しちゃって」 「? 何を?」 未だ羽を小さく震わせながら、青い妖精は続ける。 「サイトの名前、多分コジローと同じ系統の名前でしょ」 「ああ……って、ナビィの世界にもそういう名前の人がいるのか?」 異世界にも、日本風の名前の人物がいるらしい。そう思うと、外国で日本のものを見る様な 感慨が湧いてきた。 「ううん、ヒトじゃなくてニワトリ」 「なんでだよ!」 かと思いきや、続いた言葉にがっくりとくる。その一方で、タバサが何かを考える様な仕種で 才人を見やる。 「……ニワトリにつける名前?」 「だから、違うって!」 妙な誤解をするタバサに、日本人を代表して否定した。すると、タバサは納得してくれたらしく、 小さく頷く。その動作はなんとなく小動物を思わせ、少し心が和んだ。それからすぐに、彼女が ノートに何事かを書いているのは、気にしないことにしよう。 「まあ、とにかく昼食だな」 ずっと寝ていたせいか、それほど空腹感はない。しかし、厨房の方へ近づく程に香ってくる かぐわしい匂いに、食欲が湧いてくるのを感じた。 「ヒラガ、オレは別行動させてもらうぞ」 「は? なんで?」 怪訝とムジュラの仮面を見返す。 「オレはどうせ飯は食わないからな。昼休み中は、ここを色々見て回りたい」 「ワタシも一緒に行く。ムジュラと一緒で、ご飯食べないし」 ナビィにまで別行動を申し出られ、才人はぼやいた。 「おいおい、俺1人かよ」 これまでずっと使い魔3名で行動を共にしていたので、少し寂しくなってくる。目敏くそれに気が ついたムジュラの仮面が、意地悪気な光を眼に宿した。 「なんだ? 心細いか?」 「な、誰がっ」 図星を刺され、才人は思わず言い返した。負けず嫌いの性である。それにナビィがまたも小さく 笑い、タバサまでもがぽつりと呟いた。 「寂しがり屋」 「違うっての、ったく」 さっきから、からかわれっぱなしだ。なんとなく面白くなくて、つい言い返すように口を開く。 「大体、寂しがり屋ったらタバサだって」 「?」 そこまで言うと、才人は慌てて言葉を切った。昨夜、両親を呼びながら泣いていた、タバサの 寝言。あれを聞いていたと知られたら、かなり面倒だ。 「な、なんでもないなんでもない! ほら、タバサはあっちの貴族用の食堂だろ! 俺はあっち だから!」 誤魔化し混じりに、タバサの背をアルヴィーズの食堂へと押し出す。そして、自分は逃げる様に 厨房の方へと駆けだすのだった。 「こんちはー」 「あ、サイトさん!」 厨房のドアをくぐると、真っ先にシエスタが気付いてくれた。洗い物をしていた手を拭い、 笑顔で駆け寄ってくる。 「よ、シエスタ」 「こんにちは、サイトさん。ナビィさんとムジュラさんは?」 「ああ、あいつらは飯食わないからさ。別行動だよ」 そうなんですか、とシエスタは頷いた。 「昼飯もらえる?」 「はい、用意できていますよ」 言うなり、シエスタは才人をテーブルへ案内してくれた。そこには、焼きたてのパンと熱々の シチューが、香ばしい芳香を立ち昇らせている。 「お、昨日と同じシチューか」 「ええ、お嫌でしたか?」 「いや、全然。美味そうだよ」 言うが早いか、才人は席に着いた。次いで、手を合わせた「いただきます」もそこそこに、 スプーンを手にしてシチューを口にする。 「うん、やっぱり美味い!」 一口飲むや否や、感嘆の声を上げた。昨日夕食に出されたものと少し味が違う気がするが、 それでも十分に美味だ。 「ふふ、よかった」 すると、何故かシエスタが照れたように笑う。 「実は、今日の賄い、私が担当なんです」 「え? じゃあ、このシチュー」 「私のお手製ですよ」 言って、シエスタは悪戯っぽく胸を張ってみせた。そうすると、清楚なメイド服の下にある だろう、彼女の二つの丘が強調されてしまう。健康な青少年である才人は、それを見逃したりは しなかった。 ――シエスタ、結構着やせするタイプ? 1人眼福を得ていると、シエスタが首を傾げた。 「サイトさん?」 不思議そうに自分を見つめる彼女に、ようやく我に返る。 「いや、なんでもないよ!」 言って、食事を再開する。なにか、さっきから誤魔化してばかりだ。少し自己嫌悪でへこんで いると、シエスタが声を掛けてくる。 「サイトさん、随分綺麗な食べ方をされるんですね」 「ん? そう?」 聞き返してみれば、黒髪のメイドは頷いてみせた。 「はい、なんだか、貴族のご婦人みたいな食べ方です」 「ゴフジン……男じゃなくて?」 「はい、貴族の男性の方は、食事は自由に食べておられますし」 へえ、と才人は相槌を打つ。才人としては、それほど行儀良くしていたつもりはなかったのだが。 ただ、西洋風のこの国では、スープやシチューの様な汁ものは、音をたてたらまずいだろうと 気を付けていただけだ。 しかし、シエスタの話からして、こちらではそういう食事のマナーがあまり重視されていない らしい。妙に気張っていた自分が、少し莫迦らしくなった。 「あ、いえ! サイトさんの食べ方が変だっていうんじゃないんですよ!? どっちかっていうと、 行儀よく食べれてすごいなって思いますし!」 「あはは、ありがと」 慌ててフォローするシエスタに苦笑すると、ふと気がついた。 「あれ? シエスタや他の人らは? 食べないの?」 見れば、テーブルに着いているのは才人だけだ。他は、誰も昼食をとっていない。そういえば、 朝食や昨日の夕食も食べていたのは自分だけだった気がする。 怪訝としていると、シエスタが苦笑を洩らした。 「私たちはまだ仕事中ですから。食事に入れるのは、貴族の方々が食事を終えられてからです」 「そうなのか」 言われて、納得する。食事時といえば、厨房が最も忙しい時間帯のはずだ。コックたちは 追加注文やら何やらに対応しないといけないだろうし、シエスタたちメイドは配膳で忙しいだろう。 調理場の方を見てみれば、やはりマルトーたちがせわしなく動き回っていた。喧騒をたてている わけではないが、その光景は戦場と例えて差し支えあるまい。何故今まで気付かなかったのかと、 才人は軽く自分に呆れた。ムジュラの仮面に、鈍いといわれても仕方がない。 「それでは、私も仕事に戻りますね」 「あ、うん」 答えるものの、才人はなんとなく居心地が悪くなった。日本人的真理というべきか、人が 働いている傍で休んでいると、どうも落ち着かないのだ。 「シエスタ!」 だからだろう、気付けば彼女の背に声を掛けてしまっていたのは。 「はい、どうしました?」 「あのさ、これ食い終わったら、何か手伝うよ」 振り返ったシエスタにそう言えば、メイドの少女は不思議そうな顔をした。 「いえ、サイトさんは使用人じゃありませんし、そんなことされなくても」 「んー、まあ、そうなんだけどね。なんとなく、皆が働いてる中、飯食ってるってのも……」 言いながら、自分の言葉が変であることを自覚していく。本来、厨房で働いているわけではない 才人が、シエスタたちに気兼ねする道理はないのだから。しかし、理屈と感覚は別だ。 この微妙なそわつきをどう伝えたものかと才人が悩んでいると、不意にシエスタが小さく笑う。 「今朝のことといい、サイトさんは親切ですね」 「え? いや、そんな」 「判りました。それじゃあ、お言葉に甘えちゃいましょう」 「お、おう、任しとけ!」 とりあえず、胸を軽く叩いてやる気を表現。それに、シエスタはお願いしますね、と微笑む。 そして、一礼の後に去っていく彼女の背を見送ると、とりあえず食事を再開することにした。 「んで、ケーキ配りか」 ケーキの乗った盆を持ちながら、才人は独りごつ。才人に任された仕事は、シエスタのアシスタントだ。 才人がケーキを配り、シエスタがお茶の給仕をしている。 シエスタがお茶を注ぐ横に立ちながら、才人は軽く周りを見てみた。そこで、シエスタの言葉が 正しかったことを知る。 貴族の、生徒たちの食事は、才人が思っていた程優雅なものではなかった。女子の方はまあまあ 綺麗に食べているものの、男子の方はこれといったマナーを感じさせない。普通に食器で音を立てて いるし、こぼしたりもしている。ぶっちゃけひどかった。こちらの世界では、テーブル・マナーが まだ確立されていないのかもしれない。 軽く呆れていると、少し離れたテーブルにタバサが座っているのが見えた。キュルケが時折 話しかける横で、ほとんど黙々と料理を口に運んでいる。 ――ご主人様にはサービスとか、やってもいいもんかな? 盆の上の、心持ち大きいケーキを見ながら、そんな考えが浮かんだ。 「うわっ!?」 「あっ、すんません!」 そうやって気を散らせていたのがよくなかったのだろう。手が滑って、ケーキをテーブルに 落としてしまった。更にいえば、そこから飛び散ったクリームが、直前の生徒の服を汚してしまった。 「何をするんだ、平民! 貴族の衣を汚すとは」 憤慨する生徒に才人は頭を下げようとするが、その前に生徒が何かに気付いた様な顔をする。 「ああ、よく見れば、雪風が召喚した平民か?」 嫌味っぽい笑みを浮かべたその生徒は、いやらしい声で才人に聞いてきた。 「はい、そうですけど」 小莫迦にした様な言葉に少しむっとするが、悪いのは自分の方なので素直に応える。すると、 その生徒は嘲りの態度を強めた。 「ははは、まったく。平民を召喚するだけでもお笑い種なのに、配膳も満足にできない無能が 使い魔というわけだ」 眉間にしわが寄っていくのを感じる。失態を犯したのは確かだが、ここまで侮辱することはない だろう。その上、タバサのことまで莫迦にしているのが余計気に入らない。 「他の使い魔も変な仮面に妙なホタル。メイジのパートナーたる使い魔を呼び出す神聖な儀式だと いうのに、3体も呼び出すなんて真似をしただけでは飽き足らず、呼び出したものはおかしなもの ばかり。全く、何を考えているのやら」 ――それはタバサのせいじゃないだろ! 思わず、そう叫びかけた。すんでにこらえられたのは、心配そうに自分を見るシエスタの顔が 見えたからだ。それとともに、どうやらこの生徒は、自分というよりもタバサに悪意を抱いて いるらしいと気が付く。 このまま黙っていていいのか、主人への悪口くらいは何か言い返すべきじゃないか、と才人は 悩むが、次に発せられた言葉に、全てが吹き飛んだ。 「所詮、親の顔も知らないだろう庶子のやることというわけだ」 その次の瞬間、その生徒の顔面に赤い液体がぶちまけられる。 「てめえ、今何て言った」 次いで、ゴブレットを片手にした才人が口を開いた。その声の低さは、自分でも驚くほどだ。 一方、ワインを顔いっぱいに浴びたその生徒は、しばらく呆然としていた。しかし、やがて何が 起きたのか理解したらしく、激昂する。 「貴様! 今、自分が何をしたか判っているのか!?」 椅子から立ち上がって睨みつけてくるが、才人は全く怯まない。ケーキの盆をテーブルに置くと、 皮肉っぽく肩をすくめてみせた。 「莫迦みたいに大口開けてのたまってるから、のどが渇いたんじゃないかと思ってね」 挑発するように、軽口をたたく。基本的に負けず嫌いな才人は、気に入らない相手にはつい喧嘩腰に なってしまうことが多いのだ。悪い癖だとは思っているが、今この瞬間にはありがたい。 片や、相手はその反抗的な態度に一瞬訝しむが、すぐに大仰に腕を広げて呆れた風に言った。 「流石はあの庶子の使い魔だ。貴族に対する礼儀をまるで心得ていないとは」 「タバサは関係ねえだろうが!」 怒鳴るが早いか、相手の胸倉に掴みかかる。それだけ、この生徒の言葉は許せない。相手の方も、 乱暴に才人の手を振りほどき、眼を怒りで爛々と光らせる。 「どうやら、少し礼儀というものを手ほどきする必要があるようだ」 気取った風に髪を掻きあげ、嫌味な生徒が杖を突きつけてきた。 「少し躾(しつけ)をしてあげよう。君の主では、満足にできそうにないだろうしね?」 相変わらずタバサへの侮辱も含める相手に怒りが募るが、今はとりあえず黙っておく。喧嘩を 売ってきたというのなら、好都合だ。思い切り殴り飛ばしてやる。 「ここでやるのか?」 「ふん、伝統あるアルヴィーズの食堂を、平民ごときの血で汚せるか」 鼻で笑いながら、相手は杖を懐にしまった。まずワインまみれの顔拭けよ、と少し思ったのは 内緒だ。自分がぶっかけたのだが。 「ヴェストリの広場でやるとしよう」 皮肉気に才人を一瞥すると、その生徒は踵を返し、食堂を出ていった。 「おい、なんだか面白いことになったな!」 「昼休みは決闘ショーだ!」 「無礼で無知な平民ね、懲らしめられればいいわ」 一拍おいて、周囲がざわめきだす。そこから感じ取れるものは、好奇や興奮といった感情ばかりだ。 自分の喧嘩が見世物扱いされて癪(しゃく)に障るが、それはまあいい。今は、あの嫌味ったらしい 男を殴るのが先決だ。 才人は喧嘩相手の後を追うべく、意気も高らかに食堂を出ようとする。しかし、不意に誰かが 腕を掴んできた。見れば、シエスタが青い顔で自分を見つめてくる。 「こ、殺されちゃう……」 「え?」 言いながら、いやいやをするようにメイドの少女は首を横に振った。その瞳には、うっすらと 涙さえ浮かんでいるようだ。 「行ったら、サイトさん、殺されちゃいますよ!」 先程よりも強い声で、シエスタは訴えてくる。それを聞くと、自然と笑みが浮かんだ。 「いや、大丈夫だよ」 「大丈夫なんかじゃありません!」 震えながらも、シエスタが叫ぶように言う。 「貴族を本気で怒らせたら……」 尚も自分を止めようとする彼女に、今度は苦笑が漏れる。シエスタの様な可愛い女の子が心配して くれるというのは嬉しいが、幾らなんでも大げさすぎる。 あんないかにも温室育ちといった風情の相手に負ける気はしない。才人もそんなに強いわけでは ないが、それでもあんな軟弱そうなぼんぼんが自分よりも強いとは思えなかった。 以上、自身の主観では負ける要素がないため、才人に喧嘩を止める意思はゼロだ。その旨を シエスタに伝えると、今度は何故か恨めし気な眼で見られてしまった。 「サイトさんの莫迦っ!」 次いで、耳許で思い切り怒鳴られてしまう。耳鳴りがキーンと響く中、シエスタは何処かに走って 行ってしまった。 「なんなんだよ……」 耳を叩きながらぼやいていると、今度は小柄な影が自分の前に立ちふさがる。 「ん、タバサ?」 呼んだ通り、そこに立っているのはタバサだ。隣には、キュルケも立っている。 「見てた」 「見てたって、さっきの?」 聞いてみれば、タバサはこくりと頷いた。 「行っちゃダメ」 「なんだよ、タバサまで」 今度は、主にまで制止を受ける。自分はそこまで弱く見えるのだろうか。可愛い女の子2人に 侮られ、才人は苦笑を通り越して憮然とする。 「貴方では勝てない」 「いや、勝てるよ、あんなひょろそうなの!」 そんな怒りも何処吹く風と続けるタバサに、思わず語気を強めた。すると、キュルケが呆れた様に 溜息をつく。 「サイト? 自信がおありみたいだけど、どう戦うつもり?」 才人は首を傾げた。 「どうやってって、やっぱ先手必勝っていうか、一気に殴りかかるつもりだけど」 そう答えると、キュルケはますます呆れたとばかりに肩をすくめた。 「サイト、私たちは何?」 「はあ?」 「いいから答えて」 「いや、魔法使いだろ……あっ!?」 言ってみて、才人ははっとする。すると、目の前の2人はまた溜息を零した。 「判るでしょ? 私たちはメイジ、もちろんさっきのあいつもね。当然、決闘には魔法を使って くるわ。魔法を使えない貴方に、勝てるのかしら?」 言われて才人は口をつぐんでしまう。頭に血が上って、そのことを失念していた。メイジの魔法は 空を飛ぶ“フライ”や錬金、ディテクト・マジックくらいしか知らないが、それでも攻撃的な魔法は 色々あるだろう。さもなければ、シエスタがあそこまで怯えるはずはない。 不安が湧いてくるのを察してか、タバサがまた口を開いた。 「謝った方がいい。それで解決する」 「いや、でも……」 反論しようとするも、タバサに見つめられると言葉が出ない。自分が不利だからといって、あんな 相手に頭を下げるのは嫌だ。そう言いたいのだが、何やら自分を見る青い瞳が放つ威圧感がそれを 許さなかった。その上、考えてみると元々は自分が悪いのだ。 謝った方がいいのかという考えと、負けたくないという想いが葛藤し、声を出すに出せずにいる。 そうして口をもごもごさせていると、やがてタバサの次の言葉が耳に届いた。 「私も謝る」 瞬間、才人は目を見開く。 「ま、待てよ! なんでタバサまで謝るんだよ!」 「貴方だけでは多分納得しない。私も謝れば気は済むと思う」 淡々と言うタバサ。その瞳には、何の感情も感じられない。しかし、才人にはタバサの言葉が 信じられなかった。 ――俺のせいで、タバサが謝る? あんな奴に? それを考えると、才人は頭がすっと冷めていくのを感じた。同時に、この上なく熱くなっていく ことも。 「やっぱ、俺行くよ」 途端、タバサから送られる視線が迫力を増した。よくも表情を動かさずに鋭さを増せるものだ。 変なことに感心している間もなく、タバサが聞き返してきた。 「どうして?」 無機質な、それでいて冷たい声が鼓膜を震わす。思わず息を飲むが、それでも才人は言い放った。 「あいつは、タバサを庶子って言った」 それが答えだとばかりに、才人はタバサを真っ直ぐに見つめ返す。 “庶子”――それが正式な夫婦から生まれたわけではない子どもを指す言葉であることくらいは、 才人も知っていた。だからこそ、その発言が許せなかった。 才人は、タバサのことを知らない。会ったばかりの、この小さな少女のことを、何一つ。何処で 生まれ、どんな風に育ってきたのか。どんな暮らしをして、何をしてきたのか。 そして何より、どんな家族と過ごしてきたのか――才人は、全く知らないのだ。 けれど、タバサは昨夜泣いていた。父のことを思いながら、母のことを呼びながら――両親の ことを夢に見ながら、泣き続けていた。 ――そんなタバサを、あいつは庶子って言った……! 才人は、タバサのことを知らない。本当に庶子なのか、違うのか、それすらも。しかし、知っている ことも確かにある。タバサが、夢に見る程、両親のことを考えているのだということを。昨夜見たあの 涙は、両親のために流した涙であることを。 それを知っているからこそ、知ったからこそ、あの貴族から逃げるわけにはいかない。 「確かに俺は魔法使えないよ」 言いながら、才人はタバサの頭を撫でる。 「だけど、絶対に勝つから。心配するなって」 きっぱりと言い切り、小さく笑ってみせた。確かに、魔法が使える相手の方が有利かもしれない。 けれど、どっちに分があるかは、この際関係なかった。重要なのは、自分があの貴族を許せないと いうことだ。それさえはっきりしていれば、不思議と不安は消えていった。ムジュラの仮面による 力の昂りを経験し、気が大きくなっていることも、その一因だろう。 一方、そう言われたタバサは、無言のまま才人を見据えてきた。その様子は無表情ながら、何処か 戸惑っているようにも見える。 「好きにして」 ややあって、小さな呟きが聞こえてきた。それにキュルケが驚き、タバサに振り返る。 「おう!」 一方で、主の許可を得た才人は力強く答えて見せた。次いで、拳を握ってヴェストリの広場へと 向かう。 自分の小さなご主人様を侮辱した相手に、その償いをさせるために。 「あっ、ちょっと、サイト! ……行っちゃったか」 キュルケが言う通り、サイトは既に食堂を後にしていた。それを見てとれば、キュルケが気遣わしげな 目を向けてくる。 「タバサ、いいの? 相手はラインのメイジよ、サイトに勝ち目があるとは思えないけど」 心配そうな親友の声に、短く答えた。 「危なくなれば止める」 そう言うと、キュルケはまた肩をすくめた。 そう、キュルケの言う通りだ。サイトが喧嘩を売った相手は、一応ラインクラスのメイジ。平民の、 それも武術の心得なんて何もないだろうサイトに、勝算があるわけはない。あの勝つという言葉も、 何の根拠もない戯言にすぎないはずだ。 ――でも…… それなのに、タバサはそうだと断じることができなかった。状況を考えて、サイトが勝てる確率は 無に等しいのに、何故かそう言い切ることができなかった。 ――どうして……? 自分に問い掛けてみる。自分も、勝ち目のない戦いに身を置く身だから? だから勝利を信じる 彼の姿を、否定したくない? 違う気がした。それもあるのかもしれないけど、きっと大事なのは そこじゃない。では、一体何故なのだろうか。 答えを出せないまま、我知れず髪へと手を伸ばす。さっき、サイトが撫でた辺りの髪を。 「……」 無言のまま、髪をいじる。その行為に、何か意味があるわけではない。ただ、それを直前に 触れた者の温もりが、微かに残っている気がした。 「諸君、決闘だ!」 才人がやってくると、相手の貴族はそう宣告した。途端、周囲のギャラリーたちが大いに沸く。 昨日、ムジュラの仮面の力を試したヴェストリの広場は、決闘の噂を聞いた生徒たちで溢れていた。 あの時の淋し気な雰囲気とは、大違いだ。 ちなみに、昨日作ったクレーターは、ちゃんと埋め直してある。 そして、観客たちが作る円の中で、ついに才人は相手と対峙した。 「おやおや、遅いから逃げだしたかと思ったけれど、どうやら逃げる知恵もなかったようだね」 相変わらず毒を吐く相手に、才人は負けじと言い返した。 「待たせて悪いと思う程の相手でもねーし」 吐き捨てる様に言ってやれば、相手は眉をひそめながら杖を取りだす。 「つくづく口が減らないな。これだから下賤な平民は」 ぶつぶつ言いながら、嫌味な相手は大仰な仕種で得物を振って見せた。 「平民ごときに名乗ってやるのもどうかと思うが、これも作法だ。僕の名はヴィリエ・ド・ロレーヌ。 君に躾を施してあげよう」 言うが早いか、相手の生徒、ヴィリエの方から、徐々に風が吹き始めた。ねっとりした感じの、 嫌な風だ。それを受けながら、才人はルーンの刻まれた左手を掲げ、同じく名乗りを上げる。 「雪風のタバサの使い魔が一、平賀才人! 行くぜ!」 ~続く~ 前ページ次ページ三重の異界の使い魔たち
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/178.html
前ページ次ページZONE OF ZERO 逃げてしまってすみません、自分のせいで迷惑をかけた、と平謝りするメイドにひらひらと手を振って、 ルイズはその場をふらつきながら去っていった。 魔力残量を示すゲージは見事にすっからかんだ。最早シールド一枚展開する事も叶わないだろう。 やっとの思いで辿り着いた自室で、精神の消耗による偏頭痛に辟易しながら、ルイズはADAに問い掛けた。 「魔力を消費しない攻撃方法って無いものかしら?」 『原始的な白兵用武器の使用を提案。この時代で言うなら、剣や槍などを推奨します』 速攻で返ってきた答えにルイズは眉を顰める。 「剣って……あんなの平民が扱う物よ。貴族が使う物では無いわ」 『発言の意図不明。接近戦において魔法の詠唱は隙が大き過ぎます。 それは前回の戦闘から、貴女にも理解して頂けたと思いますが』 それはそうだった。ゴーレムの攻撃をかわしながらの魔法詠唱は、困難を極めた。 今思えば、よくあんな真似が出来たものだ。 『もう一つ、白兵武器の使用を推奨する理由があります。 前回の戦闘の最後、貴女が杖を構えた時、突如身体データが大きく上昇しました。 解析の結果、どうやら貴女は武器と認識したものを手に取る事により、 身体機能が戦闘形態へと移行する事が判明しました。あれは私の機能によるものではありません』 言いながらADAが、決闘の最後、ギーシュの杖を弾き飛ばした時の戦闘映像を展開する。 剣には詳しくなど無いが、我ながら一流の剣士のような動きだった。 あの時は勢いに乗っていたため意識していなかったが……。 「……どういう事?」 『推測ですが、使い魔のルーンに関係するものと思われます』 使い魔のルーン。 そういえばルイズにもどこか見覚えがあった。確か何かの伝承の文献を漁っているときに―― しかし記憶が朧気でよく思い出せなかった。 「……うーん、まあいいわ。今度ミスタ・コルベールにでも尋ねてみましょう。 でも剣なんかいつもぶら下げるなんて……嫌だわ。またみんなにからかわれるに決まっているもの」 『圧縮空間への格納を提案。これならば平常時は持ち歩かず、戦闘時にのみ装備する事が可能です』 「そんな事が出来るの?」 『はい』 しばしルイズは黙考していたが、やがて決心したように頷いた。 「……わかった。ADAの提案に乗ってあげるわ」 そして虚無の曜日。 ルイズはメイドと共に城下町に繰り出していた。 あの決闘騒ぎ以来、妙に懐いてくるシエスタというメイドが、 何処から聞きつけてきたのか、町へ繰り出そうとしていたルイズに追従を申し出てきたのだ。 以前単独で買い物に乗り出したルイズは盛大にぼったくられ、以来、必要最低限の 買い物しかしてこなかった。しかしメイドがいるなら何かと心強いだろう。 剣の購入のみが目的だったのだが、日用品などの消耗品も補充する事に決め、 シエスタの申し出を受諾したのだった。 「しかしミス・ヴァリエール、それ便利な魔法ですね」 購入した物を次々と圧縮空間に放り込むルイズを見て、 ブルドンネの大通りを行きながらシエスタが感嘆したように言う。 「魔法……じゃないみたいなんだけどね」 「そうなのですか?」 首をかしげるシエスタにADAが説明する。 『系統魔法とは異なりますが、ルイズの魔力を用いた現象ですので、 概ね魔法と定義して頂いて構いません。もっとも、このような使い方は不本意ですが』 あくまで『戦闘用AI』であるADAはいまいち釈然としないらしい。 いっぽうシエスタも、よくはわからないけどそんなものか、と相槌を打った。 最初はADAの存在に面食らったシエスタだったが、その一貫して謙虚で礼儀正しい態度に、すぐに打ち解けた。 「それにしても私、何の為にお供しに来たのかわかりませんわ」 荷物持ちの必要が全く無い買い物に、シエスタが冗談めいて苦笑して、ルイズも苦笑を返した。 「そんな事無いわよ。おかげで全然ぼったくられずに済んだし」 入学したばかりの頃、ちょっとした冒険のつもりで一人で城下町に繰り出し、 そして今と同じくらいの買い物をして十倍以上の出費を叩き出した事を話すと、 シエスタは引きつった顔のままで硬直した。さすがに噴き出すのは拙いと思ったらしい。 そんな彼女にルイズが肩をすくめる。 「笑っていいわよ。今回の結果を見たら、ぶっちゃけ私も笑えてきたし」 それで二人は顔を見合わせると、示し合わせたように笑い出した。 そして本来の買い物である武器屋に辿り着いた。 やはり従者などに持たせるというならともかく、貴族自身が剣を求めるというのは珍しいようだ。 慌ててへりくだる店主のお愛想を聞き流し、多種多様な武器防具を見て回る。 シエスタも、初めて入る類の店に、恐々としながらも興味しんしんに品物を見回した。 ルイズは妙に斧槍と篭手が気にかかるのを怪訝に思いながら、ADAに話し掛けた。 「どうADA、この中で何か気に入ったのはある?」 『少しお待ちください。材質と強度を測定します』 そうしてADAが周囲のオブジェクトを解析しようとルーンを光らせたその時、武器屋の片隅から声が聞こえた。 『こいつはおでれーた! 貴族の娘っこ、おめ、使い手か!』 「誰!?」 シエスタが飛び上がって驚く。 声のほうを向いても誰もいない。 しかしルイズのセンサーは、そこから確かな魔力反応を感知していた。 ルイズが店主を問い質すと、デルフリンガーとかいう銘のインテリジェンスソードだと判明した。 興味が沸いたルイズは、ADAに解析させてみた。 『材質は鋼鉄と思われますが、刀身から不可解な魔力反応を感知。断定は出来ません』 「ADAでも特定できないか……面白そうね」 ADAの存在に気付いたデルフリンガーが、愉快そうに声を上げる。 『ますますおでれーた! おめー、ひょっとして俺の同類だったりするか?』 『一緒にしないで下さい』 即答するADA。ルイズは、割とひどいと思った。 だがデルフリンガーは気にした様子も無く、ルイズに自身を売り込んだ。 ルイズはしばし悩んだが、厄介払いしたかったらしい店主があまりにも格安な値段を告げると、心は決まった。 斧槍と篭手も気になったが、どちらもそれなりの業物らしく、大枚をはたいてまで手に入れる決心はつかなかった。 金貨を必要枚数分払い、少し口が悪く錆び付いたインテリジェンスソードを手に取った。 ――その瞬間。 『なな、なんだこりゃあ!?』 左手のルーンとデルフリンガーが激しく発光し、熱を放った。 「ちょっ、ええ……!?」 のみならず、剣は発光しながらルイズの右腕に溶け込んでゆき、 形状を変えて肘から後方へと、錆一つ無い輝く刀身を露わにした。 その場の全員がしばし呆然とし、いち早く我に帰ったのはシエスタだった。 「だ……大丈夫ですか、ミス・ヴァリエール!」 その声にルイズも我に返る。 「え、ええ……。ちょっと熱はあるみたいだけど痛みとかは特に無いわ。ADA、説明できる?」 『詳細不明。使い魔のルーンに関係があるとしか推測できません』 相も変わらず冷静な声に、デルフリンガーが同意した。 『見えない娘っこの言うとおりだぜ、貴族の娘っこ。そいつぁガンダールヴのルーン、あらゆる武器を使いこなせる力を持っている。 ……けど、こんな風に使い手と一体化しちまうって言うのは、この六千年のあいだ、ちと憶えがねえなあ』 ガンダールヴのルーン。 それだ。引っかかっていた記憶が解けたのは良かったが、今はそれどころではない。 『落ち着きな娘っこ。何でかはわからねーが、俺がこんな風に形を変えちまったのは、多分娘っこがそれを望んだからだ』 「私が……!?」 『この形状が、娘っこにとって一番扱いやすいんじゃないかって事さ』 『……ぎく』 そこで非常に珍しく、ADAが僅かにとはいえ動揺するような反応を返した。そしてルイズはそれを見逃さなかった。 「……ADA?」 『……はい』 「説明なさい」 『恐らく、昔の戦闘データから『私にとって』最も理想とする形状を無意識に形成してしまったものと思われます……申し訳ありませんでした』 「謝罪はいいわ。元に戻せるんでしょうね?」 『はい。圧縮空間への格納は可能です』 よかった。ルイズは心底安堵した。 幾らなんでも、肘から剥き出しの刃を突き出した状態で人前を歩くのは遠慮したい。 『へー見えない娘っこ、おめ、色々な事ができるんだなあ……って、ちょっとまて娘っこ! ちょ、おい!』 どっと疲れが出たルイズは、即座に、デルフリンガーの抗議を黙殺して 圧縮空間に放り込むと、騒がせた事を店主に詫びて、シエスタを伴って店を後にした。 ――――新たな武装『ブレード』を取得しました。 前ページ次ページZONE OF ZERO
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6410.html
前ページ次ページゼロの騎士団 ゼロの騎士団 PART1 始まりの地 トリステイン8 シエスタ奪還作戦を実施している頃。 当のシエスタは、モット邸の一室にある。浴場で湯浴みをしていた。 モット伯の挨拶はシエスタに、自分があの学園に帰れない事を改めて思い知らされた。 自分はどうなるのだろうか?だが、突然の爆発音に驚く。 「……何が起こったの?」 立ち上がり外を覗く。 そこには、見慣れない仮面をかぶった人間と、見知った顔のゴーレム達であった。 その頃、ゼータは屋内の2階に侵入していた。 「シエスタ!居るか、返事をしてくれ!」 ゼータが呼びかけるが反応は無い。 「どこにいるんだ……「シエスタをお探しかな?」誰だ!?」 あたりが暗い中、廊下に人の気配を感じる。 「賊に名乗るのもなんだが、私はジュール・ド・モットだよ、アルガス騎士団のゼータ」 「何故、私の名前を……」 初対面の男に、名前を言われ困惑する。 「ドライセンから聞いたよ、君たちアルガス騎士団は」 「ドライセンだとっ!貴様、なぜそれを!」 かつての敵の名を、会ったばかりの男から聞かされ唖然とする。 モット伯はゼータに向け杖を前に差し出す。 「早速だが、死んでくれたまえ、賊に対するそれ以上の言葉を私は持ち合わせていないのでな!ジャベリン!」 詠唱を終えた氷の刃が、ゼータに向けて放たれる。 「なんの!」 その刃を剣で切り払う。全ての氷の刃は二つに割れる。 「賊のくせに、やるな!だが終わりではないぞ!」 その言葉と共に、割れた氷の刃が再度ゼータを襲う。 今度は横に跳び、10サント横を通り過ぎる。 「アイス・ストーム!」 ゼータの回避の間に、次の詠唱を終えたモット伯が避けた直後のゼータを狙う。 「何!」 避ける事は出来ず、ゼータは氷の竜巻の直撃を受け、そのまま1階のホールに落ちた。 「ふん、まだ生きておるか」 そう言いながら、とどめをさすべく、ゆっくりと館の玄関を目指した。 中庭ではニューとダブルゼータが見事な庭園を無残な姿に変えていた。 「うおぉぉぉ!」 ダブルゼータが持っている木を薙ぎ払い、ガーゴイルと衛兵に叩きつける。 「バズ」 競い合うように、ニューの魔法が噴水周辺を瓦礫の山へと変える。 私兵としてはかなりの戦力を有していたが、二人が暴れ出してから、ほぼ壊滅していた。 「あなた達、日頃何か嫌な事でもあるの?」 シエスタの救出以上に、体の良いストレス解消にも見えた。 「キュルケ!ニュー!」 その時、待機しているはずのルイズとタバサが慌てて中になだれ込んできた。 「あなた達、何やってるの!あ「敵が来る」え!敵?」 タバサが簡潔に理由を述べる。 「何が起こったのだ、ルイズ?」 ニューがルイズに理由を聞くと同時に外の壁が壊された。 「来た……」顔を青くして、ルイズが呟く。 そして、それは現れた。 「おっ!お前は!」 ニューの声に明らかな驚きが見える。 「久しぶりだな、アルガス騎士団!」 崩れた壁の上に、その敵はいた。 「ドライセン!なぜお前がここに!?」 かつて自分達と敵対した強敵がいる事に、ダブルゼータも目も見開いている。 「ダブルゼータ!なんなのアレ!?」 キュルケが明らかにハルケギニアの生物では無いドライセンに、自身の使い魔に答えを求める。 「ドライセン、私達と敵対していたムンゾ帝国の中でも一番の怪力といわれる、ジオン三魔団の一人だ。」 ニューが変わりに答える。 (あれが、ニュー達の敵……) タバサの魔法も力で押しつぶす、敵にルイズ達は戦慄を覚える。 「一番の怪力?ならこちらにもいるじゃない、ダブルゼータ!」 「おう!」 キュルケがけしかけるまでもなく、突撃しながらダブルゼータが木を薙ぎ払う。 「ふん!」 真横に払われる木を、ドライセンが片手で切り払う。 ドライセンに当たる事無く、ダブルゼータの持つ根元から木は二つに割れた。 「なんなの、あれ……」 単純な腕力で今の出来事を実施した事に、キュルケも声を失う。 「どうした。アルガス一の怪力ではないのか?」 ドライセンがダブルゼータ挑発する。 「まだまだぁ!」 折れた木を放り投げ、ドライセンに向けかけ出す。 「よせ、ダブルゼータ!」 ニューの制止も聞かず、ダブルゼータが殴りかかる。 「昔から、力は互角でも頭では俺の勝ちだな、もっとも今は力でも圧勝だがな!」 拳を受け止め、もう片方でその手をつかみ力任せに放り投げる。 「うおっ!」 弾き飛ばされるように、ダブルゼータが宙を舞う。 「大丈夫!?」キュルケがさすがに心配する。 「何とか、あの野郎どうなっていやがる!」 身を起しながら、すぐに立ち上がる。 「馬鹿な!奴は力ではダブルゼータとほぼ互角だったはず。」 「お前達が力をつけたように、俺もまた、あの方から力を授けられたのだ! 今の俺は唯の闘士ではない、さしずめ、超闘士ドライセンよ!」 力を誇示しながら、与えられた新しい名前を名乗る。 (何だか、紫というよりも青が似合いそうな名前ね……) 関係のない事をキュルケが考える。 「あの方?まさか!ジーク・ジオンか!」 倒したはずの敵の名を出しながら、ニューはその名に驚きを隠せない。 「違う……だが、あのお方は私に素晴らしい力を与えて下さったのだ!」 ドライセンが最悪の可能性を否定する。 「お遊びはそこまでだ、行くぞ!」 ドライセンが駆け出し、近くのルイズ達を標的にする。 「ルイズ!ムビルフィラ!」 ニューの中でもかなりの力を持つ強い光弾が打ち出される。 「甘いわ!」ドライセンはそれすらも、剣の圧力で叩き割る。 「ならこれは、ファイヤー・ボール」 キュルケがドライセンの地面を燃やし逃げ道をふさぐ。 「だから、どうした!」 剣で周りの地面をえぐり取る。 「タバサ!」「アイス・ウォール」 足を止めたドライセンに、タバサが氷の壁を作る。 直接当てるのをやめ、ドライセン自身を凍らせる。 「何!」回避を怠った、ドライセンが氷の壁に包まれ、大きなオブジェが完成する。 「終わったの?……」 ルイズが、三人の連携に終わりを期待する。 「悪かったな、お嬢ちゃん」 だが、終わりはやって来ない。 その声と共に、氷の中から右腕がつき出され、あいた穴から不気味な赤い瞳が映し出される。 「嘘……」 (どうしたらいいの……) あまりに絶望的な状況にルイズも思考回路も鈍り出す。 「俺の力の前には、いかなる魔法をも通用せんわ!」 (力には技を、技には魔法を、魔法には力を、これを忘れるでないぞ) その言葉に、ルイズは夢での出来事を思い出す。 「みんな、屋内に逃げ込むわよ!ゼータと合流するわ!」 ルイズが檄を飛ばし、館に突入する。 (魔法や力が利かないなら、あいつには技のゼータを当てるしかない!) 「わかった!」「おう!」 使い魔二人が、過去の出来事を思い出したかのようにルイズの指示に従う。 それに続き、タバサとキュルケも館の中に入って行った。 5人が中に入った時、ゼータはホールに倒れていた。 「ゼータ!ミディアム」 気付いたニューが魔法で回復させる。優しい光がゼータの傷が癒やし何とか身を起こす。 「ゼータ何があったの!?」 ルイズがゼータの負傷の理由を聞く。この状況でまた同類が居るとは考えたくなかった。 「モット伯にやられた、奴自身もかなりの使い手だ。」 ゼータが報告する。油断していたとはいえ、トライアングルクラスの威力を改めて実感する。 (ゼータじゃ相性が悪いのね) ルイズがその理由で納得する。彼は力には強いが魔法には弱い、そして、モット伯は魔法を使うからそれは当然と言えた。 「みんな聞いて、それぞれ相手を変えるわ、 キュルケとダブルゼータはモット伯の相手をお願い。 ニューはシエスタの保護を、私とゼータとタバサはアイツの相手をするわ!」 ルイズが、先ほどとは違うように指示を飛ばす。 「どうしたの?ルイズ……」 ルイズの変貌にキュルケが驚く。 「いいみんな、力には技を、技には魔法を、魔法には力をこれが合言葉よ!」 「ルイズ、なぜそれを!」 「いいから!アンタは早くシエスタを見つけてきなさい」 かつて、彼を指示した人間の言葉をルイズが使った事に驚くが、それにも構わず、ルイズがニューを蹴り飛ばす。 「キュルケ、行くぞ!」 「もう、分ったわよ!」 ダブルゼータに連れられ、キュルケが2階に上がる。 「ゼータ、大丈夫?対ドライセンのカギはアンタよ!」 「了解した、ルイズ殿」 ゼータが、それに応じる。 「あなたは下がって」 タバサがルイズに距離を取るよう促す。 「わかった、二人とも気をつけて」 先程の戦闘で、自分が役立たずである事に気付いた、ルイズは素直に従う。 (みんな、がんばって……) 指示しか出せない事に、ルイズは歯がゆい思いであった。 「行くぞ!ドライセン」 ゼータがドライセンに向けて走り出す。 「来い、今までと同じと思うなよ!」 そう言いながら、剣を縦に振りおろすが、ゼータは余裕を持って右足を一歩踏み出し、相手の側面に回り込む。 「遅い!」 空いた脇腹を狙い横に薙ぐ。しかし、ドライセンは左手に持っていた剣でゼータの一撃を受け止める。 「昔の俺と同じと思うな!」 そう言いながら、左手一本でゼータを弾き飛ばそうとする。 力の入れ具合を感じたのか、相手の力を利用して後ろに跳び間合いを取る。 「たしかに、前とは違うようだな」 剣を構えなおし、ゼータは間合いを窺う。 「アイス・ストーム」 今度はタバサが攻撃を仕掛けるが、ドライセンは剣を交差しその一撃を受け止める。 「なめるな、小娘!」 氷の竜巻を耐えきり、タバサを睨みつける。 「ゼータ、今」 「何!」 一時的に視界を遮られた事により、ゼータを見失う。 「くらえっ!」 斜め後ろから、ゼータが渾身の一太刀を浴びせる。 「ぐぉっ!だが!」 避けきれず、腕を負傷する。しかし、痛みをこらえ一歩を踏みこみ。 ゼータを捕えて、さば折りの体制に持ち込む。 「うぁぁっ!」 ドライセンの怪力がゼータの肉体に多大な痛みを与える。 (どうすればいいの?) ルイズは自分が何もできないのが悔しかった。 (君の出来る事を、君にとっての答えを見つけるんだ) 不意に、ニューの言葉が浮かぶ。 (私の出来る事、私の魔法ではあいつを倒せない。けど!) 「錬金」 ルイズが、魔法を唱える。 「どこに唱えているんだ、お嬢ちゃん」 ドライセンがせせら笑う。 「アンタに足りない所よ!ダブルゼータより頭がいい程度なら、私の圧勝ね!」 頭上で爆発音が鳴り、シャンデリアが落ちる。 「このガキ!」 慌てて、ゼータを放し距離を取る。 「今よ、タバサ!」 「アイス…ウォール」 タバサが着地した所を、再度動きを止める。 「倒れろ!」 動けなくなった所を、ゼータがモノアイに剣を突き刺す。 「ぐおぉぉぉぉっ!」 断末魔と共に、ドライセンは光へと消え去った。 2階ではキュルケと、ダブルゼータがモット伯を相手に戦闘を繰り広げていた。 「うぉぉっ!」 ダブルゼータが、モット伯に向けて突進を行う。 「馬鹿か貴様は!アイス・ストーム」 モット伯が先ほど同じ様に氷を含んだ竜巻を放つ。 それをよけようともせず、ダブルゼータが手を交差し、竜巻を受けながら前進するが、吹き付ける冷気が、ダブルゼータの動きを止める。 「正気か貴様!アイス・ストームを真正面から受けるとわ!」 モット伯が嘲り笑う。 「なんの、これ「ファイヤー・ボール」ぐおぉ!」 キュルケが後ろから、特大のファイヤー・ボールをダブルゼータめがけて放つ。 熱量と衝撃が、ダブルゼータの氷とモット伯のアイス・ストームをもかき消す。 「キュルケ、何しやがる熱いじゃねぇか!」 相殺したとはいえ、火球の直撃を受けても対してダメージがないのか、ダブルゼータが文句を言う。 「あなたって本当に頑丈ね、私が炎の道を作るから、そこをあなたが突貫しなさい。」 普通では考えられないような指示を、キュルケが出す。 「無茶苦茶言いやがる!」 それでも、やる気があるのかダブルゼータが駆け出す。 「行きなさい、フレイム・ボール」 先程よりも、更に巨大な炎がモット伯を襲う。 「何を馬鹿な事を!」 「この程度はダブルゼータの馬鹿の内には入らないわよ!」 相殺された炎と氷の道の中をダブルゼータが走り抜ける。 「ダブル猛襲弾!」 道を走りぬけ終えたダブルゼータが、力任せに拳を叩きこむ。 鈍い衝撃と共に、声すら上げられないモット伯が、キャリーを合わせて10メイル程の距離を稼いだ。 「指示しておいて何だけど、あなたってホント非常識ね……」 起こった事実を改めて考えて、キュルケは何やらポーズをとっている、ダブルゼータに近づいて行った。 「終わったのよね……」 ルイズが安堵からへたり込む。 「そっちも終わったのね、ルイズ」 2階からキュルケの声が響く 「こっちも終わったわよ、「俺様の必殺パンチでな!」」 ダブルゼータが自慢気に話し出す。 「私の炎で相手の氷を相殺したおかげでしょ!あなた、最初に突っ込んで氷漬けになってたじゃない!」 キュルケがダブルゼータの失敗を告白する。 「そう言うお前も、シャレにならなかったぞ!こっちまで焼き殺す気か!」 「仕方ないじゃない、あれを溶かすにはそれしか無かったんだし!」 当事者にしかわからない、二人が言い争いをしている。 「とりあえず、シエスタの保護だ、ニューと合流しよう」 剣を収めたゼータがみんなに提案する。 「2階にはいなかったわ」 階段を降りながら、キュルケが報告する。 「まだ、敵がいるかもしれない、急ごう」 そう言って、ニューのいなくなった方向へ走り出した。 シエスタを見つけるべく、ニューはほかの部屋を探していた。 その中で、浴場を見つける。 「シエスタ、いるのか!?」 浴場の扉を開け、中を確認する。 「ニューさん?どうしてここに……」 タオルを一枚巻いただけのシエスタが、唖然とした顔でニューを見ている。 「シエスタを助けに来たんだ、今みんなが時間を稼いでいる。さぁ早く!」 シエスタの手を取り、ニューが急いで出ようとする。 「待って下さい、ニューさん きゃぁっ」 バランスを崩し、ニューに倒れこむ。 「いたた、シエスタ大丈夫か」 「はい、何とか……」 起き上がろうとするシエスタの動きが止まる。 「どうした、シエスタ敵か!」 慌てて辺りを見回し、それを見てニューの動きも止まる。 「ニュー、ずいぶんと良い御身分ね」 駆け付けたルイズが、使い魔の愚行を現行犯で見つける。 ちなみに、シエスタは、一糸まとわぬ姿で、ニューに抱きついている形になっている。 「私達が、とーっても苦労している時に、あなたはメイドといちゃつくなんて、 貴方みたいな使い魔を持って、私幸せだわ………だから、お仕置きよ!馬鹿ゴーレム!」 いつの間にかニューから離れたシエスタをキュルケが保護した後、ルイズの先程と同等な一撃が、ニューを吹き飛ばした。 「なんで、こーなるんだ―!」 不条理を嘆く叫びが、その日モット邸の最大な音となった。 その後、ダブルゼータの提案による家宅捜索により、一部の盗品とモット伯の不正の証拠を見つけ、 起きたモット伯を口止めして、ルイズ達は学院に戻って行った。 なお、シエスタは体調不良で退職した事になっている。 3日後、モット伯の件は学園内でも噂になっていた。 曰く、土くれのフーケは三体のゴーレムを扱う絶世の美女である。 曰く、オーガの様に大刀を振りまわすゴーレムを操る。幼女である。 曰く、3体合体のゴーレムを扱う、ピンクの髪の少年である。 など、様々な噂が流れたが真相を知る物はごく一部である。 その噂を聞いたロングビルは頭を抱えたくなった。 「何て事してくれるのよ、あのガキども」 フーケのゴーレムとそのフーケに、ロングビルは目星をつけていた。 (人の名前勝手に使いやがって、しかも、あのモット伯に殴り込みをかけるなんて…… この学校の警備も強化されるかもしれないし、ましてや、そのゴーレムと戦うかもしれないなんて……) モット伯は、自分のリスト中にも入っていた。だが、予想外の警備の固さに時期を見計らっていた。 そして、その時に丁度、オスマンにスカウトされたのだ。 (まったく、あの子の言う通りアイツを連れてくればよかったかねぇ……けど、アイツがあそこにいるから、時間をかけて仕事が出来るし) それまで、危険はあっても彼女の為に最短のコースを通る事が多かった。 しかし、それはロングビル自身に負担がかかる事でもあり、現に死に賭けた事も何度かある。 どうすりゃいいのかねぇ……そう考えていたロングビルを声が現実に引き戻す。 「ニュー、今度、町に行くわよ」 甲高い声が聞こえ、ロングビルは声の先に視線を向ける。 そこには、自分を悩ませる土くれのフーケのゴーレムとその土くれ達がいた。 「アンタも正式に使い魔になった事だし、ご主人様として必要な物は買ってあげなきゃと思ったの!」 ルイズがニューに主としての慈悲を見せる。 「確かに、安物でいいから出来れば寝具が欲しいな、後は杖が欲しい」 とりあえずはニューが要求を述べる。 「杖?アンタは杖なしでも魔法使えるじゃない」 ルイズはニューが杖を使わず魔法を使う所を何度も見ている。 「杖があった方が、魔法の力も強くなるのでな、この間の事を考えると、ある程度必要になってくるだろう。」 「まぁ、あんなな事があったしね……そう言えば何であんたの所の魔物がいたの?」 ルイズが薄気味悪い一つ目を思い浮かべニューに聞く。 「分からない、ジーク・ジオンかと思ったが、そうでも無いらしい。だが、ドライセンが現れたとなると何が起こるかわからんな」 「じゃぁ、これからもあんな化け物が現れるって事!勘弁してよ……」 あの時の事を想像し、がっくりと机に伏せる。 「あら、何の話?」キュルケ達が後からやってくる。 「うるさい、アンタには関係ないんだから!」 「町に行く話をしていたんだ。」 ルイズに構わず、ニューがあっさりと答える。 「ニュー、アンタ何勝手に「ふーん、何しに行くの?」」 「日常に必要な道具と、あとは杖が欲しいな」 ルイズを無視するかの如く、話を続ける。 「そう、ダブルゼータ、私達も町に行きましょうか」 「本当か、何か美味い物でも食うのか?」 嬉しそうにダブルゼータが聞いてくる。 「それもいいし、あなたにも武器が必要よね、毎回手近な木を武器にするのも何だし」 (幾らなんでも、あれじゃぁ可哀想だし……私が) 自分の使い魔が、木を振り回すのは、自分の鏡としては認められない。 「タバサも行く?」 キュルケが隣のタバサに問いかける。 「行く、ゼータにも装備が必要。」 珍しく、タバサが即答する。 「ちょっと、何勝手に話を進めてるのよ!」 大人数になる事に、ルイズが抗議する。 「まぁ、いいじゃないか」 大した問題ではないと、ニューがルイズを宥める。 「良くないわよ!キュルケとなんか、絶対行きたくないんだからね!」 ルイズの願いは叶えられることはなさそうだ。 (つまりは、今度アイツらは此処に居ない、って事は、これはチャンスだね) 聞こえる会話はロングビルにとって天啓とも言える情報であった。 一応、体調不良で学園に戻ってきたシエスタは3日後から仕事を再開した。 最初の仕事は、コルベールに朝食を運ぶことであった。 「ミスタ・コルベール、お食事をお持ちしました」 「シエスタ、ありがとうございます。すみませんが持ってきて下さい」 コルベールがシエスタに持って来る様に頼む。 「はい、失礼します」 そう言ってシエスタが中に入る。中ではコルベールが図書館から借りてきた本を調べていた。 「大変そうですね」朝食を置き、シエスタが声をかける。 「はい、ニューさん達三人のルーンなのですが、いくら調べても分からなくて困っているんですよ!」 そう言いながら、朝食のサンドに手をつける。 シエスタはコルベールの調べているルーンのメモを見る。 「あっ!これがそうなんですか!」 「何ですか、知っているのですか?」 コルベールが意外な反応に興味を示す。 「これと、これ、なのですが」 そう言って、ゼータとダブルゼータのルーンをさす。 「ひぃお爺ちゃんの国の言葉で、確か………そうだ!空と光という言葉です。」 「本当ですか!?あなたのお爺様はどちらの出身なのですか?」 コルベールが興奮気味に近寄る。 「私の村はタルブなのですけど、おじいちゃんは、東の方から来たとも、 この世界からでは無い所から来たとも言っていました。おかげで、村の中では変わり者扱いでした」 亡き祖父を思い浮かべ、シエスタが祖父の事を説明する。 「この世界ではない……彼らの事を考えると嘘とは言い切れませんね」 彼は既に、三人の異世界の住人を知っている。そう考えればおかしくはなかった。 「ふむ……機会があればタルブで調べてみたいですね……」 紅茶を飲みながらコルベールは考えをめぐらす。 「ありがとうございます。二人の事を知る事が出来たのはあなたのおかげです」 「いいえ、では私はこれで私に答えられる事でしたら、何でもお聞き下さい」 礼をして、部屋から退出するシエスタ。 「ふむ、それにしても珍しい、空と光か……ではミスタ…ニューのは、なんて読むのだろう?」 シエスタの答えは一部だけ正解している。もしこれを読む物がいればこう読むであろう。 烈光、烈空、そして烈破 かつてある国で重大な意味を持ったその言葉の意味を、知る物はいない…… 「15ネズミが入り込んだか!」 波濤のモット 誰かが黒幕にいる。 MP 650 「16久しぶりだな、アルガス騎士団よ!」 超闘士ドライセン グル○ガストとは関係ない。 HP 2000 前ページ次ページゼロの騎士団
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/9089.html
前ページ次ページNeverwinter Nights - Deekin in Halkeginia 魔法学院の敷地内で『風』の塔と『火』の塔の間にある中庭、ヴェストリの広場。 そこは今、決闘の噂を聞きつけた生徒達で溢れかえっていた。 貴族と平民……、それも使用人の少女の決闘という、前代未聞の組み合わせ。 多くの観衆は始まる前から、ざわざわと話し合っていた。 「二年のギーシュが決闘するぞ!」 「相手は平民のメイドらしいが……、一体どういう組み合わせだよ、そりゃあ?」 「何でもミスタ・グラモンの不義がばれたことが原因で因縁を吹っかけられたそうよ……、可哀想に」 「いや、聞けばあのメイド、使用人の分際でギーシュを真正面から非難したらしいぜ」 「そうさ! ギーシュ、あの生意気なメイドに立場を弁えさせてやれ!」 ギーシュは薔薇の造花の杖を弄びながら不機嫌そうにしていたが、声援を送られると気を取り直して片手をあげてそれに答えた。 こんな展開は不本意だったが、こうなってしまった以上は仕方がない。 観衆はかなり湧いているようだし、ここで華々しく活躍すれば貴族の矜持を守ったということで自分の評判も持ち直すだろう。 あの少女には気の毒だが、公然と貴族を批判した向こうにも非はある。 すこしばかり痛めつけて降参の機会を与えれば、こちらは慈悲深く振る舞った、あちらは貴族相手によく頑張った、ということでお互い面目が立つだろう。 ギーシュはそんなふうに算段を立てながら、薔薇の造花を掲げて宣言する。 「諸君! 決闘だ!」 その宣言を受けて、いよいよ始まるぞ、と周囲の興奮が更に高まった。 ギーシュは自分に歓声を送ってくれた者たちに腕を振って答えつつ、漸く決闘相手の方を向いた。 「……とりあえず、逃げずに来たことは誉めてあげよう」 「私は、自分でしたことの責任を負わずに逃げたりはいたしません」 「ふん、相変わらず口の達者な平民だな、君は。まあ、殊勝な心がけだと褒めてあげよう」 降参して非礼を詫びれば無かったことにしよう、と提案することも一瞬考えたが、この様子ではどのみち受け入れそうもない。 なにより、ここまで場が整っているのに今更やめるといっても、観衆が収まるまい。 見ればあのメイドは貧相な皮の鎧らしきものを身に纏い、武器を用意してきたようだ。 だがそんなものなどメイジの前では問題外、蟷螂の斧も同然である。 実際にその斧を持つ敵と対峙した経験などなかったが、ギーシュはこの世界の常識としてそう考えていた。 観衆の大部分も同様であり、シエスタの武装を見て野次や嘲笑を飛ばしている生徒が大勢いる。 「武器か。平民どもがメイジに一矢報いようと磨いた牙……、 だが君のそれは、随分と貧相なんじゃないかね?」 ギーシュのからかうような言葉に周囲からどっと嘲笑が巻き起こる。 シエスタはそれを黙殺すると、ぐっとギーシュを睨み返した。 「まあ、そんなちゃちな代物で僕に対抗できるというのならして見たまえ。 ……ああ、ところで」 ギーシュは視線をシエスタから、その少し後ろについてきている亜人の方に移す。 「ルイズの使い魔君、君はそんなところで何をしているんだね。 これは僕と彼女の決闘だ、見物ならもっと離れていたまえ。 それとも……、君が彼女に代わって決闘を受けるとでもいうのかい?」 半ば冗談だが、ギーシュはもし仮にこの亜人が決闘を受けても何ら問題はない、と踏んでいた。 いやむしろ、本当に交代してくれるならその方がいいかもしれない。 先程の授業や食堂での様子から見て魔法は多少使えるようだが、先住魔法使いの亜人とはいえ所詮は子ども。 あんな小さな子に、一体何ができようか。 加えて土壇場で代役を立てたとなれば所詮は平民、情けない奴だということで、向こうに非があるという印象がより強くなるだろうし。 それに対してディーキンやシエスタが何か返答する前に、観衆に混じっていたルイズが声を上げる。 「ちょっとギーシュ、何言ってるのよ! ただでさえ禁止されてる決闘なんか吹っかけて、その上ディーキンまで巻き込もうっていうの?」 「おおルイズ! いやいや、別に無理に君の使い魔と戦おうってわけじゃないさ。 もし本人がその気なら、貴族として堂々と受けて立とうというだけだよ。 ……ついでにいえば、禁じられてるのは貴族と貴族の決闘であって、平民や使い魔との決闘を禁止する規則はないはずだが」 ぐっと言葉に詰まりながらも、更に何か言おうとするルイズをディーキンが制した。 「ルイズ、別にディーキンは決闘とかをする気はないの。 ディーキンはただ……、ちょっと、その、ギーシュさんにお願いがあるだけだよ?」 「ほう、なんだね? いまさらそのメイドを許せとでもいう気かい?」 「ああ、いや、そうじゃないの。 決闘するっていうのはシエスタが決めたことだし、やめてとか代わってとかいうつもりはないよ。 でもディーキンだって瓶を拾ったわけだから、シエスタだけに戦わせたくもないの」 「……つまり、何が言いたいんだね?」 怪訝そうな顔をするギーシュを見て、ディーキンはちょっと首を傾げる。 「ギーシュさんはさっき、ええと……、その、薔薇は女性のために咲くものだって話してたよね。 なら、あんただって仲良しの女の人がこれから戦うって言ったら、何かしたいって思うでしょ?」 ギーシュはその言葉にぎくりとした。 名誉のためとはいえ、相手が平民とはいえ、この自分が女性を傷つけようとしていることは実際不本意で後ろめたく思っていた点だ。 もしやこいつは、観衆の前でそれを追及して、こちらの非を鳴らそうとでもいうのか? 「ま、まあ、それはそうだな。 ………しかしだ! 今の場合には、いくらレディーと言えども―――」 それを見たディーキンは、(コボルド的には)にこやかな笑みを浮かべた。 ギーシュ自身にもやましい気持ちは十分あるらしい。 引っ込みがつかなくなって本人も不本意に思っているのだとしたら、やはりそう悪人ではないのだろう。 「アア、いや、何か勘違いされてるかもしれないね。 ええとね、つまり、何が言いたいかというと……、ディーキンは、シエスタにはそれに相応しい応援が必要だと思うの」 「………へっ? 応援?」 「そうなの、それに戦いの一部始終を見届けて、それを歌にして語る詩人もね。 ディーキンは、シエスタのために歌うよ。 戦いはしないけど、歌って応援するだけならいいでしょ? ディーキンはバードだからね、それがディーキンがシエスタにできる、一番いいことだと思うんだよ」 コルベールから、この世界にはフェイルーンでいうようなバードはおらず、“歌の魔法”についても知られていないことは確認済みだ。 ならばこの申し出は、特に警戒されることもないだろう。 ディーキンとしては、歌での応援を許可するという、ギーシュからの言質を取っておきたいのだ。 ディーキンとしては、ちょっとばかり詐欺臭い感もあるがまあ明らかに彼の方が悪いのだからこのくらいはよかろう、と考えていた。 彼は善良ではあるけれども、良くも悪くもそこまで正々堂々な性格というわけではないのだ。 罪なき人を助けるのに敵を騙まし討ちすることが必要なら、まあ、そうするだろう。 「あ、ああ……! な、なるほど!」 ギーシュはディーキンの要求を理解すると、内心ほっと胸を撫で下ろした。 なんだ、所詮は子どもか。 結局ただ単に応援したいだけとは、どうやら自分の考え過ぎだったようだ。 もちろんディーキンは、弱点を追及される事を免れて露骨に安堵したギーシュの内心を、その表情や態度から読み取った。 どうやら自分の要求はすんなり通りそうだが、もうひと押ししておこう。 「もちろんあんたの事もちゃんと歌に入れるし、ディーキンはウソを歌ったりしないって約束するよ。 あんたが勝ったら、名誉を守るために戦った貴族の歌を作ってみんなに聞かせてあげるつもりなの。 どうかな、ディーキンの応援を認めてくれる?」 この少年の、名誉……というか、見てくれと体面に固執した性格からすれば、自分を称える歌を作ってもらえるというのは願ってもない話だろう。 ディーキン自身、この戦いの様子は後で歌にしようと思っていたので別に問題ない。 その主役がギーシュになるかどうかは、また別の問題だが。 「ほう……、君の歌がどの程度のものかは知らないが、気が利いた申し出じゃないか。 たかだか平民との決闘に武勇を称える歌とは大げさだが、本式で実にいい! もちろん歓迎しよう、いい歌を作てくれたまえ!」 周囲の観衆も、この思いがけない話の展開にさらに沸き立った。 所詮はどの程度の腕があるのかも定かでない子どもの申し出とはいえ、亜人の作る歌など滅多に聞けるものではない。 退屈な学園生活に降ってわいた娯楽に、より一層の余興が添えられたのだ! 「……ディーキン、あんた一体、何を考えてるのよ?」 ルイズは歓声の沸き起こる中、ひとり困惑したような顔で呟いた。 先程、ディーキンはギーシュやあのメイドを説得して止めるために食堂から出ていったとばかり思っていた。 授業中に、また教室を爆破するところだった自分を止めてくれた時のように。 なのに止めるどころかギーシュを称える歌などを作る約束をするなんて、一体なぜ突然そんなことを言い出したのか。 まあ、正確には勝った方を称える歌を作るとかいう話だったが、平民では貴族に勝てるわけがない。 食堂ではあのメイドと仲が良さそうだったのに、これではまるでギーシュの味方をして、あのメイドを徹底的に晒し者にしてやろうとしているみたいだ。 説得しに行った先で、あのメイドとひどい仲違いでもしたのだろうか? (けど、仮にそうだとしても……) あのディーキンが、果たしてそんなことをするだろうか。 まだ召喚して丸一日も経っていないし正規の契約もしてはいないが、ルイズはディーキンの事を既にかなり深く信頼し、良いパートナーを得たと考えている。 ギーシュの馬鹿げた行動に同調して無力な平民を嬲るようなことをしているとは思えないし、思いたくもない。 それに一緒になって決闘の場にやってきて、今も近くに並んで立っている様子。 そしてあのメイドが時折ディーキンに向ける視線からすれば、仲が悪いとは思えない。 というか……、何だかあのメイドがディーキンを見る様子には、説明しにくいがルイズにとって微妙にイライラするものがあった。 だがそんなことを深く考えているような状況ではないので、思考を切り替える。 「……つまり……、何か、理由があるの―――よね?」 こんな悪趣味な決闘など、場合によっては自分もディーキンに口添えして止めてやろうと思っていた。 だが何故かそのディーキンが止めようともせず、今の状況になった。 ならばその選択を信じて、最後まで見届けてみよう。 「……相変わらず見てて飽きない子だけど、ちょっと意外ね。 メイドと一緒に出てきたときには、てっきりギーシュを止める気なのかと思ったけど」 「……………」 キュルケもまた、観衆に混じってこの決闘の様子を見ていた。 彼女は抱えた本を開くでもなくじっと決闘が始まるのを見守っている傍らの友人と、今朝知り合ったばかりの亜人とを交互に見やって、首をひねる。 「……意外といえば、あなたも。 こんな騒ぎを自分から見物に来るなんて思わなかったわ」 自分は野次馬根性で見にきたが、この友人はどう考えてもそういうタイプではない。 大方騒ぎには加わらず、人がいなくなって静かな間にこれ幸いと本でも読んでいるだろうと思っていたのだが。 なぜか、誘ったわけでもないのに自分から進んで広場へ同行してきたのである。 「興味がある」 「そりゃまあ、興味があるからこそ来たんでしょうけど……。 あなたがこんな、決闘もどきみたいなことに興味があるとは思わなくて」 それに対してタバサは、自分の大きな杖を持ち上げてディーキンの方を差し示す。 「彼が出ていったから」 「え………、ディーキン君?」 小さく頷く友人を見て、キュルケはますます意外に思った。 自分もこの広場へやってきた時に、あの子が決闘の場にいるのを見て思っていたよりも面白いことになりそうだと期待したものだ。 しかしこの友人は、そもそもここに来た理由があの子が出ていったからだ、という。 まあ確かに、あんな変わった亜人が関わるというのならば、この無関心そうに見えて意外と好奇心旺盛で知識欲の強い友人が見に来ても不思議はない。 だがタバサの物言いからすれば、彼女はディーキンが決闘に関わることを最初から確信していたことになる。 自分だってあの子には充分興味があるし、時折には様子を伺ってもいたが、そんなことは分からなかった。 一体なぜ、この他人には概ね無関心な友人が、そんなことに気がつくくらいにあの子のことを気にかけているのだろうか? (まさか、春が来た? ……とかいうことは、いくらなんでもないわよね……) いや可愛いのは認めるけど。 だがトカゲだ。 確かにこの友人は今までろくに男に興味を示したことが無かったが、 だからといってまさか、そんな、ディープな趣味があるわけが……、 「……ない、わよね……?」 「何?」 「い、いえ、何でもないわ! 気にしないでちょうだい。それより、あなたは、ええと……、ディーキン君に興味があるのよね? その……、なんで、あの子が決闘に参加すると思ってたの?」 タバサは少し首を傾げたが、小さく頷く。 「そうかもしれない、とは思ってた」 「そ、そう、じゃあ残念だったわね。 あのメイドが負けるところなんて見ても仕方ないでしょうし……。 だけど、あなたがそれでも帰ろうともしないでまだ熱心に見てるのは、あの、ええと―――」 何やらいつになく歯切れが悪い友人の様子に僅かに怪訝そうにしながらも、タバサは首を小さく横に振った。 「あのメイドが負けるとは限らない」 「……え? それってどういう……」 「ただの勘。気にしないで」 タバサはそういって話を打ち切ると、決闘場の様子に注意を戻す。 キュルケには悪いが、もしも自分の憶測通りならば、彼に断りなく勝手に話すわけにもいかないだろう。 確かにディーキンが決闘に参加するつもりなのではないかと思っていたので、彼が自分は加わらないと宣言したときは少しがっかりした。 しかし、彼の歌で応援したいという言葉を聞いて、先程聞いた話を思い出したのだ。 『ディーキンの魔法は、その先住の魔法とかってやつじゃないの。 どっちかっていうとあんたたちと同じような……、 ええと、ディーキンの住んでたとこだと秘術魔法っていうんだけどね、“歌の魔法”なんだよ』 だとすればつまり、そういうことなのだろう。 彼は後で詳しい話を聞かせてくれるとも言っていたが、実際にこの目で見られるチャンスを逃したくはない――――。 「………すぅ――――」 シエスタは、周囲の野次を無視するように目を閉じて静かに深呼吸をすると、腰に帯びたロングソードをそっと撫でた。 片手持ちにも両手持ちにも対応でき、ククリやハンドアックスなどの軽い武器よりずっと威力がある、広く普及した実戦的な軍用武器だ。 ここに来る前にディーキンが自分の荷物袋の中を漁って探し、シエスタを説得して貸しつけたものである。 ハルケギニアに来る少し前にボスと一緒に探索した遺跡で拾い、いずれ換金するつもりで無造作にしまっておいた武器類の中に混じっていたものだ。 魔力も帯びていないし高品質でもない古い品で、今のディーキンにとっては屑鉄に等しい代物だが、一応作りはちゃんとしている。 何よりロングソードはありふれた武器で、シエスタのような村娘でも旅する際の護身用に所持していてもあまり不自然ではなさそうなのが都合がよかった。 貸したのは、強力な魔法の武器を貸すのは問題があるだろうが、さりとてシエスタ自身の持つ短剣や手斧だけでは少々心もとないな、という考えからだ。 ついでにいえば長剣のほうが、決闘するに際して(少なくとも、ディーキンの美的感覚では)短剣や手斧よりも格好良く見える。 ディーキンは、先刻シエスタにも力説したように、英雄はまず何よりも心構えだと思ってはいる。 でもバード的には、見てくれの格好良さも割と大事なのだ。 ……別に野性的なハーフオークとか、渋いドワーフの親父とかをディスってるってわけではないけれど。 素敵なコボルドの詩人だっていることだし。 まあ、それはさておき。 シエスタはさらに、予備の武器としてダガーも用意していた。 ククリとハンドアックス、それにライト・クロスボウは部屋に置いてきている。 クロスボウなどの飛び道具で杖なり腕なりを撃つというのは、実戦ならば平民がメイジに勝つ現実的な方法の一つなのだろうが……。 剣ならば腹や柄、鞘などで殴るといった手加減もできるが、飛び道具を使うのは危険が大きすぎる。 シエスタには、素早く正確に小さな的を狙えるような腕はないのだ。 狙いが逸れて腹にでも当たったら、あるいは的が外れて周囲の観衆に当たったら、大惨事を招きかねない。 「―――――ふぅ………」 息を吐いて背後のディーキンの方をちらりと見ると、お互いに軽く笑みを交わす。 先程、彼は「自分が『歌』で応援すればシエスタは勝てる」といっていた。 それがどういう意味なのかは、よく分からなかったが……。 『とにかく、シエスタは自分と、できたらディーキンのことも信じて、正しいと思うことだけを頑張ってやってくれたらそれでいいと思うの。 それできっと、うまく収まるよ。だって、偉大な物語ってみんなそうなるんだから!』 彼が笑顔で胸を張ってそう断言するのを聞いたら、問い質す気もなくなったのだ。 歌で応援すれば勝てるなどと、客観的に見ればふざけているのかとしか思えないような話である。 現実が見えていない子どもの甘い幻想だというのが普通の感覚であろうことは、シエスタだってわかっている。 だがそれでも、何故か彼の言葉は信じられるものだと思えたし、その純粋な言葉に対して、説明しろと詰め寄るようなことはしたくなかった。 「……ふふっ」 その時のディーキンの様子を思い出して、シエスタは笑みさえ浮かべる。 状況は大して何も変わってはおらず、これからメイジ相手に勝てそうもない決闘をしなくてはならない、というのに。 先程一人でいた時には強く感じていた不安も恐怖も、不思議と今は感じなかった。 「さてと、では始めるかな」 ギーシュはまたひとしきり周囲の歓声に答えた後、そういって2人の方へ向き直った。 シエスタは頷いて一礼すると、剣の柄に手を掛ける。 ディーキンもこくりと頷くと、小さく咳払いしてリュートを手に取った。 そんな両者を余裕の笑みで見つめつつ、ギーシュは薔薇の杖を振る。 その動きに応じて花びらが一枚宙に舞い、瞬く間に甲冑を身に纏った女戦士の人形に変化すると、ギーシュとシエスタの間に立ち塞がった。 身長は人間と同じぐらい。 甲冑も含めて全身が真新しい青銅でできているようで、それが陽光を受けて煌めく様子はなかなか様になっている。 (オオ……、あれがこっちのゴーレムなのかな?) ディーキンは少し驚いたが、すぐに昨夜読んだ本の内容を思い出して人形の正体にあたりをつけた。 シエスタは、こちらの魔法に慣れているので予想していたのか、少し緊張したくらいで特に驚いた様子はない。 フェイルーンにもゴーレムはいるが、例によってハルケギニアのそれとは大分異なる存在だ。 製作に長い時間と費用を要するが、多くの魔法を受け付けない永続的で強力な人造であり、命令に従って自律的に行動する。 対してハルケギニアのゴーレムは、主に魔法で即席に作られて用いられる一時的な存在で、自律的な思考能力を持たない操り人形であるらしい。 フェイルーンの定義では、ゴーレムというよりはアニメイテッド・オブジェクトに近いものだといえそうだ。 アニメイテッド・オブジェクトはかなり高等な呪文であるのに、一系統に特化しているとはいえ、駆け出しのメイジでさえ類似した呪文を使えるとは……。 ただ、アニメイテッド・オブジェクトがその場にある物をそのまま操作して人造に変えるのに対し、今の人形は花びらを変化させて作り出していたようだ。 その場に適当な素材が無くても常に安定して同じ性能のものを作り出せるのは利点だろうが、製作と操作で二重に魔法を使うのは無駄が多い気はする。 単純にどちらが上というものではないが、とにかくハルケギニアとフェイルーンでは魔法体系が大きく異なるのだということを改めて実感させられた。 必ずしも錬金で一から作らなくても、その場にある素材をそのままゴーレムに仕立てることもできるのだとは思うが……。 そういえばアンダーダークの遺跡で己の意思を持つセンティエント・ゴーレムに出会ったことがあったな、とディーキンは思い返す。 その中にはブロンズゴーレムもいて、大きさはあのワルキューレと大差ない程度だったがかなり熟達した動きと高熱の火炎を放つ能力をもっていた。 もしワルキューレにあのブロンズゴーレムと同程度の強さがあるのなら、シエスタが勝つのは相当厳しいだろう。 だが、いくら魔法体系が違うとはいえ、そんなレベルの代物を駆け出しのメイジが容易に作れるとは思えない。 あれは『造り手』アルシガードと呼ばれる古のデュエルガーのウィザードが作った、非常に特殊な人造である。 そのアルシガードは遺跡の奥深くでデミリッチになっていたのを発見したが、向こうから襲ってきたのでやむなくボスと一緒に滅ぼしてしまった。 まあなんにせよちょっと硬そうな相手が出てきたし、ああいう手合いにはククリのような軽い武器ではやや対処が面倒だ。 あらかじめ剣を渡しておいてよかった。 そんな風にディーキンが思考している間に、ギーシュはもったいぶった様子で一礼するとシエスタに声を掛けた。 「申し遅れたが僕の二つ名は『青銅』、青銅のギーシュだ。 僕はメイジだ、だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね?」 シエスタは素直に頷く。 「ありません。シエスタです、平民なので二つ名はありません。 私はメイジではありませんから、剣で戦います。構いませんでしょうか?」 ギーシュはそれを聞いて鼻を鳴らした。 「ふん、もちろん構わないさ。 生意気な態度だが、なかなかいい覚悟なのは認めよう。 ならばこの青銅のゴーレム『ワルキューレ』にその平民の磨いた牙で太刀打ちできるか試してみたまえ!」 杖を突きつけてそう宣言するギーシュに対し、シエスタは落ち着いて借り物の剣を抜くと人形に向けて身構えた。 そこへ、ディーキンが後ろから口を挟む。 「アー、ディーキンもいいかな? ディーキンはバードだから、歌で応援するよ。文句はない?」 「ん……? ああ、さっき許可を出したね。 まあせいぜいいい曲を謳ってくれたまえ、彼女が降参しないうちにね!」 ディーキンは頷くと、早速リュートを準備して勇気を掻き立てるような勇ましい旋律の曲を演奏しだした。 同時に、曲に合わせてよく響く声で歌を謳い始める。 ♪ フーン、フ~ン、不運! フーン、フ~ン、不運! フーン、フ~ン、不運、不運、フ~ン、フ~ン、フーン! 緊張が昂ぶった! 音楽は高まった! エグセラー・ヘンジオ・モーティバル・オヴァーマー、イレシア・メアシアル・サヴィアル・テリム…… この詩を歌う時は、英雄達に敬礼! ディーキンは、英雄と戦う方法を知ってるの! ……… ♪ 声にしろ歌詞にしろ、それ自体は特に素晴らしいわけでもない。 しかし、何故か、魂に沁みわたるような言い知れぬ崇高な響きを持ち、不思議と惹き付けられる奇妙な歌だった。 所詮は幼稚な亜人の子の歌だろう、と滑稽な道化的余興を期待していた周囲の観客からも感心したような声が漏れた。 ルイズやキュルケ、タバサなどの面々もディーキンの歌を聞くのは初めてで、同じような反応をしている。 だが、シエスタにとっては違っていた。 「―――――! あ……、」 その歌を耳にするや、シエスタは目の前の対戦相手の事も忘れて驚愕に目を見開いた。 他の者にとってはまだ始まってほんの数秒。 内容もちょっと想像していたイメージとは違うけど、思ったより随分といい歌じゃないかという程度で、さして特別なことはない。 だが、シエスタにとってはまったく違っていたのだ。 一音一音調べを聞いている時間が、まるで圧縮されたようにとても長く感じられた。 現実にはたった数秒しか続いていない歌が、体と心の内側に深く、長く響き、魂の奥底を震わせていく。 体が、心が、どんどんと軽くなり、戦いに不要なものがすべて心身から抜け落ちてゆく。 まるで心身の隅々にまで歌が沁み通り、四肢に力が、心に勇気が漲ってくるかのようだ。 これこそ、バードの得意とする『勇気鼓舞の呪歌』の効果だ。 しかしながら、シエスタが驚いたのは、ただその効果に対してだけではなかった。 (……それに、それに、これは―――!) この曲の調べのところどころに使われている、特別な“言葉”。 それは、シエスタにとっては忘れがたく、聞き違えようもないあの“言葉”に違いなかった。 今やシエスタの心を震わせるものは、恐怖ではなく勇気と歓喜に変わっていた。 きっと神様が、あの人を遣わして私を助けてくれたんだ。 やっぱりこの世に、あやまちがまかり通るなんてありえないんだ。 シエスタは、今こそ心からそう信じた。 「………何をぼんやりと余所見しているんだね? 先手は君に譲るからかかってきたまえ、それともいまさら怖じ気づいたのかい」 怪訝そうなギーシュの声ではっと我に返る。 慌てて視線をディーキンの方から戻すと、改めて剣を構え直した。 「いえ……すみません。では、行きます!」 ディーキンの奏でる勇ましい歌の調べは今も続いており、全身に今まで感じたことのないような力を尽きることなく送り込んでくれている。 体が羽のように軽く、両手に構えた剣もまるで自分の手の延長のようにしっくりと馴染んでいる。 一通りの扱い方は学んだとはいえ、自分は決して普段から頻繁に剣を使っているわけではないというのに。 目の前のギーシュやワルキューレの動きだって、やけに遅く見える。 そして何よりも、心に勇気が漲っている。 負ける気が、しない。 前ページ次ページNeverwinter Nights - Deekin in Halkeginia
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1082.html
>>back >>next 「とら……さまですか? ええ、こちらにいらっしゃいましたよ。『テロヤキバッカ』を三十個、大至急……とのことでした。マルトーさんと私で、大急ぎで作ったんです」 シエスタの言葉に、ルイズはそう……と俯いた。やはりとらは出かけたのだろう。『テロヤキバッカ』三十個なら、とらの食べる速度を考えれば、もってせいぜい二日だろうが……。 ルイズはこほんと咳払いして、メイドに尋ねる。 「そ、それで……何か言ってたかしら? いつ帰るとか、どこに行くとか……」 「いいえ。特には……申し訳ありません」 「そう……」 あ、これ東方からの珍しい品なんですよ、と言いながらシエスタはティーポットからお茶をカップに注いだ。ありがと、と言って受け取るルイズ。 シエスタは少し微笑んだ。メイジとはいえ、ルイズはまだ小柄な少女である。 「お口に合えばいいのですけど……」 貴族ということを差し引いても、威圧感のあるあの使い魔に比べれば、ルイズのほうがシエスタにとっては怖くなかった。 とらが膨大な量の『テロヤキバッカ』を消費するため、自然とルイズとシエスタが話すことは多くなっていたのである。 しかし、どうも今日のルイズはそわそわとして落ち着きがないようだった。せっかく出したお茶にも手をつけようとしない。シエスタはルイズの顔を覗きこんだ。 「あの……ミス・ヴァリエール。とらさまがどうかなさったんですか?」 「え、ええ。その……ちょっと、ちょっと用事で出かけてるから、それだけなの」 「はあ……」 だったら主人が行き先ぐらい知ってそうなものだ、とシエスタは思う。もっとも、そんなことをわざわざルイズに言おうとはしなかったが。 厨房に漂う気まずい空気と沈黙に、ルイズはそろそろと立ち上がった。 「ええと、もう行くわ。ありがとうね、シエスタ」 「はい……あ、ミス・ヴァリエール、その……」 シエスタの声に、何?とルイズが振り返る。シエスタは自分の用件について話そうか話すまいか迷ったが、やがてあきらめたように頭を振った。 どうやら、とらは不在のようだし、ルイズには用事がありそうだ。今ルイズに話すのはやめておこう、とシエスタは考えた。 「その……今晩にでも、お部屋に伺ってよろしいでしょうか? ミス・ヴァリエールととらさまに、お願いしたいことがあるんです」 「私と、とらに……? え、ええ、いいわ。いらっしゃいな」 「はい!」 にこにこと笑顔で頷くシエスタに、ルイズの胃はまたちょっと痛くなった。うう、と懐に手をあてる。 (どうしよう……とら、今日中に帰ってくるかしら……) ドアを閉めながら、シエスタに安請け合いしてしまったことを後悔しはじめるルイズであった。 一方……、厨房ではシエスタが、緊張から解放されたように、ふう、と溜息をついた。平民のシエスタにとって、やはり貴族と喋るのは気を使うのであった。 (ああ、ミス・ヴァリエール……お茶を召し上がってないわ……そんなに慌てていらしたのかな) 夜に訪問する時に、もう一度お茶を持っていこう。そう考えながら、シエスタはティー・カップを片付けた。 「……それで、私のところに来たってわけ? まあいいけど。ねえ、ルイズ。あなたもう少しちゃんと使い魔の管理をできないのかしら? だいたい、使い魔に朝起こしてもらってるなんて……やれやれね」 「だって……」 ベッドに腰掛けたキュルケは呆れたように言った。ルイズはとらの行方について知らないか尋ねに、キュルケの部屋に足を運んだのだった。 ソファーのに座ってもじもじとクッションをいじるルイズに、キュルケははあ、と溜息をつく。この友人はタバサと違って、自分の使い魔に振り回されているようだ。 (まあ、あれだけ強力な幻獣を操れってほうが無理かしらね……) スクウェア・クラスでもあれだけの幻獣を使い魔としているのはまれだろう。 「でも、あなたもう少し考えたら……? 使い魔が起こしてくれなかったから寝坊して授業に遅れて……それであのとらを使いこなすメイジになれるわけ?」 「わ、わかってるわよ……キュルケ、なんだか最近説教じみてるんじゃない? エレオノール姉さまじゃあるまいし……」 「あんたが子供じみてるんでしょう、ルイズ」 ぐ、とルイズは言葉につまる。ルイズだって、日々あせっているのだ。魔法の腕は『ゼロ』のルイズの名の通り、一向に上達しなかった。 最近、とらに貰った『錫杖』を使う訓練をしているタバサにお願いして、ルイズも一緒にやってみたことがある。 そちらも見事に失敗し、「向いてない」とあっさりタバサに言われたばかりである。 「私だって……その、立派なメイジになりたいわよ。別に強力なメイジじゃなくていいから……普通の呪文を普通に扱うような」 (ふぅん……そりゃまあ、ルイズも悩んでるのよね……あたりまえか) 血統だろうか、生まれつき『火』の系統の素質に恵まれ、トライアングル・クラスの実力を持つキュルケにはなかなかルイズの悩みは実感できない。 とはいえ、ルイズが人一倍努力していることはキュルケも知っていることだった。 「……ルイズ、あなた一度、使い魔から離れてみたら? あんまり大きな力に頼ると、自分を見失うわよ。 無理や背伸びをしないで、まずは自分にできることは何なのか、それを見つけなさいな」 ま、父の受け売りだけど、とキュルケは付け加える。ルイズはぎこちなく頷いた。 恥ずかしがっているのがわかって、キュルケはくす、と笑った。少しからかいたくなって、思い出したような調子でキュルケは言う。 「あー、そうそう、あなたの使い魔だけど……心当たりは、あるといえばあるわね」 ルイズががばっと跳ね起きた。 「どどど、どこよ!? というか、なななんで黙ってたのよ? キュルケー!」 「あら、だから今、こうしてちゃんと言ってるじゃない……ルイズ、あなた、慌てすぎて、大事なひとを忘れてない? いるでしょー、あなたと同じぐらいとらに惚れ込んでるのが」 あ、とルイズが固まった。 確かにキュルケの言うとおりであった。なぜいままで忘れていたのだろう。ルイズはぐっと拳を握る。 大きい胸、青色に染まった長髪……最後に、ルイズの頭の中で「るーるーるー」と歌声が流れ、ルイズは怒りにぶるぶると震えだした。 「ああ、あの……ククク、クソ竜っ……!」 「あらやだ、下品ねー。さーて、タバサのところに行くとしましょうか?」 今にも駆け出しそうな様子のルイズに、クスクスと笑いながらキュルケは立ち上がった。 (……困った) そのとおり、タバサは非常に困っていた。 シルフィードととらを『雪の精霊』退治に送り出し、『サイレント』の魔法をかけて読書に没頭していたら、血相を変えたルイズとニヤニヤ笑うキュルケが部屋に飛び込んできたのである。 とらはどこに行ったのか――そう怒鳴るルイズに、表情には出さないものの、タバサは冷や汗をかいた。オーク鬼よりも恐ろしいルイズの剣幕であった。 ガリア王家の任務をとらに代行してもらったのだ、とは言いにくい。わざわざ偽名を使ってトリステイン魔法学院に通っているのも、周囲への迷惑を避けるためである。 ここで自分の正体を明かせば、ルイズやキュルケに迷惑がかかるかもしれない……そう思うと、本当のことを言うわけにはいかなかった。 (ここは嘘を突き通すしかない。杖は振られたのだ) そう決意を固めたタバサは、芝居がかった仕草でぽんぽんとルイズの肩を叩いてみせた。そして、残念そうに首を振る。 いつものクールな様子とはずいぶん異なるタバサの仕草に、ルイズが怪訝な表情になる。 「二人とも……今回のことをとても『楽しみに』している様子。邪魔はしたくない」 ピシ、とルイズが固まる。 もっとも、とらが『楽しみ』にしているのは『雪の精霊退治』なのであるが……タバサはあえてそこには触れないでおく。 「……シルフィードは『一生のこと』と言っていた。私もその言葉に心を動かされた」 シルフィードは確かに『一生のお願い』と言っていたので、これぐらいのアレンジは許されるとタバサは勝手に判断した。 だんだんルイズの表情が暗くなっていく。 同情に心を痛めながらも、もう一押しだとタバサの心に何かが囁いた。 使い魔の見たもの、聞いたことは主人にも伝わる。タバサはシルフィードの声を聞きながら、適当に脚色を加えることにした。 『ほらほらとらさま、急いで急いで! アイーシャさんに会わなくちゃならないんだから! なんとしてもこの恋はかなえてあげなくちゃ! ああ、とらさまの背中ふかふかで気持ちいいのだわ。るーるる、るるる』 都合の良さそうなシルフィードのセリフに、タバサはこほんと一つ咳払いした。 「……シルフィードは今、あなたの使い魔に抱きついている……シルフィードは言ってる ……『ああ、とらさま――(の背中ふかふかで)という部分をタバサは省略した――気持ちいいのだわ。るーるる、るるる』……」 「あらまあ、情熱的ね」 キュルケが合いの手を入れる。ルイズは茹でたカニのように真っ赤になった。 ルイズをごまかすのには、これで十分であると判断したタバサは、これ以上の追及を避けて、さっと本に顔を落とす。 それっきり顔を上げようとしないで黙り込んだ。 死にかけの金魚のように口をパクパクとさせていたルイズが、真っ赤な顔になりながらも、ようやく声をだした。 「そ、それで……続きは……?」 「……言えない。恥ずかしい」 「とらは、とらは何て言ってるの!?」 「……言えない。恥ずかしい」 唖然とするルイズ。その鳶色の瞳に、じんわりと涙が溜まっていく。 「そんな……うそ、うそよ……うっ……え、えぐっ……ひぐっ……」 「ちょ、ちょっとルイズ……あなた本気で……」 「わぁああああんっ!!」 わっと泣き出したルイズは、タバサの部屋を飛び出してしまった。キュルケが呆れたようにタバサを振り返る。 「あーあ、泣かせちゃった。タバサ……鈍いルイズは気がついてないけど、どう聞いても作り事よ、それ」 「……嘘はついてない」 少々アドリブとアレンジはあるが、許される範囲である、とタバサは自分を納得させた。 あくまで、ルイズに迷惑をかけまいとしての嘘である……のだが、ルイズに泣かれてしまうは思っていなかったため、タバサの良心はチクチクと痛んだ。 (仕方ない。これもすべてルイズのため。ルイズを思えばこそ。危険に巻き込まないため) 強引な自己暗示をかけて、タバサは本の世界に戻る。 それにしても……シルフィードととらの会話を聞く限り、あながち二人が恋仲というのも無理ではない設定だと、タバサはぼんやり妄想した。 「……将来尻にしかれる」 「はぁ? どうしたの、タバサ」 「独り言」 「……なんか、今日あなた変よ……?」 あまりに普段と違うタバサの様子に、キュルケが怪訝な顔をする。 「……間違いない」と言いながら読書の続きに戻ったタバサに、やれやれ、とキュルケは呟いた。 この友人は結構腹ではいろいろなことを考えていそうである。ルイズのようにバカ正直な性格では気がつかないのだろうが……。 (ルイズも可哀想に……後で様子を見に行ってあげましょうか。まあ、泣き疲れた頃合を見計らうことね……) 『微熱』のキュルケは、まるで手のかかる妹のような友人たちに、ふう、と溜息をつくのであった。 >>back >>next
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6938.html
前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔 前半部からの続き。 タルブ村はトリスタニアから早馬で2日、馬車でなら3日ほどかかる距離にあり、一行は途中の宿場町で 3泊しながらのんびりと旅を続け、3日目の昼ごろにこれを越えたらタルブ村が見えてくる森の中までやってきた。 「もうすぐです。久しぶりだなあ、みんな元気にしてるかなあ」 「楽しそうだね、まあ故郷に帰るんだから当然か」 見るからにはずんだ表情のシエスタを見て、才人もうれしそうに言った。彼女はこれから向かう村の出身で、 出稼ぎのために魔法学院にメイドとして奉公している。今回は久しぶりの里帰りなのだった。 「いいところですよ。小さな村ですけど、みんないい人ですし、いろいろ名物がありますから」 「名物か、楽しみだな。そこで一泊して、明日の昼ごろにすぐ近くのラ・ロシュールって港町から船に乗る んだったな、けど、せっかくの里帰り、そのままついてきてもらってよかったのか?」 「大丈夫です。お休みは長いですから、帰ってきてからゆっくりお休みをもらいます。それに、せっかくの 旅行に仲間はずれはいやですから」 「そうか、ま、シエスタがいないと寂しいしな。名物か、楽しみにさせてもらうよ」 馬車に揺られながら、才人は名物料理かなにかがあるのかなと、気楽に考えて森の風景に目をやった。 だが、いざ森を抜けてタルブ村の入り口に差し掛かったとき、村から炊事のものとは明らかに違う白煙が あがっているのを見て、一行はどうもただ事ではないことを悟った。 「なんだ? 火事か!?」 「ともかく急ぐわよ、はっ!!」 ロングビルが馬に鞭をいれ、馬車は速度を増して村の中へと急ぐ。 そして、村の中央広場が見えたとき、一行はそこで人間ではない犬のような頭をした怪物の群れが 村人を襲っているのを発見した。 「コボルド!?」 それは、ハルケギニアに生息するいくつかの亜人の一種で、身長は1.5メイルほどとトロール鬼ほどの 大きさはないが、猿程度の知能を持ち、俊敏さと棍棒を武器にしての集団戦法を得意とする。オーク鬼や ミノタウロスなどに比べれば、亜人の中では危険度は低いほうに入るが、翼人のように人間との共生が 望めるような平和思考はまったくなく、こいつの大群に襲われたせいで全滅させられた村もある。 要するに、この世界特有の害獣で、たまに人里に下りてきて人をさらったり略奪をおこなったりする。 ざっと見るところ、数はおよそ三十数匹。 「野郎!!」 嬉々として無抵抗な村人に襲い掛かるコボルドの群れを見て、才人は迷わず飛び出した。背中の デルフリンガーを引き抜き、左手のガンダールヴのルーンを輝かせて疾風のように駆けていく。 「やるぞデルフ!!」 「おお!! やっと俺の出番か、待ってた、待ってたぜ!!」 歓喜に震えるデルフリンガーを振りかざし、渾身の力で一人の村人に棍棒を振り上げていたコボルドの 一匹に斬りかかり、犬の鳴き声とともに血飛沫が舞い上がる。 しかし、仲間を倒されたことを知った近くにいたコボルドたちは、犬特有の素早い動きで集まってきて 才人を取り囲んでくる。敵の武器は棍棒だけなのだが、意外と戦いなれているようで正面からでは ガンダールヴで強化された才人でも簡単にはいかない。 「ちっ、しぶといな」 2、3匹を切り倒したものの、才人はさらに襲い掛かったくるコボルドの攻撃をかわし、仲間の危機を見て 取ってどんどん集まってくる他のコボルドにも意識を向けざるを得なくなった。30対1ではいくらなんでも分が悪い。 しかし、仲間の危機を見て取ったのはコボルドだけではなかった。 『フレイム・ボール!!』 『ウェンディ・アイシクル』 ようやく追いついてきたキュルケとタバサの援護攻撃が、才人に向かっていた5匹のコボルドを 焼き尽くし、串刺しにして撃破した。 けれども、コボルドたちのほうも長年の経験から、メイジがあまり強力な魔法を連射できないのは 知っており、今がチャンスと20匹ほどがいっせいに二人に襲い掛かっていく、才人は所詮人間の 剣士だからと5匹ほどが足止めに残されて、二人の援護には向かえない。だが、キュルケとタバサも勝算なく 正面から出てきたわけではない。そのとき、二人よりやや遅れて追いついてきたルイズがいつもの魔法を唱えた!! 『連金!!』 突然コボルドどもとキュルケたちの間の地面が爆発を起こして、巻き上げられた土煙と爆風が煙幕のように 周囲を闇に閉ざす。こうなっては、人間以上の俊敏さを持つコボルドも動きを止めざるを得ず、犬並みの 視覚と嗅覚も役に立たない。 そして、爆風が晴れたとき、コボルドたちは標的としていた3人のメイジがいなくなっているのに 気づいて、首を回して周囲を探し回ったが、その相手を自分たちの頭上に見つけた時にはすでに彼らの 黄泉路への門は開いていた。 「さようなら」 「タバサ、思いっきりやっちゃって!!」 「『ウェンディ・アイシクル』」 コボルドどもの頭の上からシルフィードに乗ったタバサの氷の魔法が、無数の氷の矢を雨と降らせ、 20匹のコボルドの群れは一瞬にして昆虫標本同然の姿となった。 「よっしゃあ、さすがタバサ! それにルイズ、ナイスアシスト!!」 「はっ、感謝しなさいよ。このあたしがあんたなんかに力を貸してやったんだからね!」 「……素直じゃない。でも、グ」 生き残っているものがいないのを確認して地上に下り、3人は作戦大成功と笑った。 やったことは単純だ。ルイズの爆発で煙幕を張った間にキュルケが二人を抱えて『フライ』でコボルドどもの 真上に飛んで上空で待機していたシルフィードと合流し、奴らがこっちを見失っているうちにタバサの詠唱を 完成させただけである。だが、それぞれの役割分担をする者が仲間のことを信頼していなければ、この連携は 成り立たない。その点、腐れ縁とはいえ付き合いの長い彼女たちは自然と自分が何をすべきなのかを心得ていた。 ただ、ルイズはこの戦いの中で、自分が武器として自然と『失敗魔法』を使っていたことに、あとから気づいて 少々複雑な思いを抱いていた。それは、自分が忌み嫌っているものが、すでに自分の一部となっていることを 知らされることとなったが、同時にならばあのとき飛び出さずにサイトたちを後ろから見ていたら、と思うとそれを 憎みきれないこともあった。 悪事に使うなら、力なんか無いほうがいい。だったら、いいことに使うのならこんな力でも意味があるのか? サイトと話したことを、自分の中で自問自答しながら、ルイズは考えていた。 一方、才人の足止めに残った5匹のほうも、数が半減してはツルク星人、テロリスト星人などの戦いを 潜り抜けてきた才人の敵ではなかった。 「まったく、俺をなめるな!!」 圧倒的な瞬発力でコボルドたちの包囲陣を抜け出した才人は、囲まれないようにしながら一頭ずつ確実に 仕留めていった。そして数の優位を失えば、人間以上の力の持ち主のコボルドとてこの面子には歯が立たない。 残ったわずかなコボルドはやけくそで棍棒を振り回すが、キュルケとタバサによってあっという間に全滅させられた。 「サンキュー、ナイスみんな」 「んっとに、いつも人の無茶を止めるくせに、自分は真っ先に飛び出て行くんだから」 「まったく、急に飛び出していくから追いかけるのに苦労したじゃない。けど、かっこよかったわよ」 「……いい作戦だった」 「うーむ、俺っちも久しぶりに使ってもらえてうれしかったぜ。あーすっきりした」 叩き潰したコボルドどもの死骸を見下ろしながら、4人と一本は勝利を喜び合った。 だが、そのとき後を追ってきていた馬車からロングビルの声が響いた。 「皆さん!! まだ一匹残ってる、逃げるわよ!!」 「なに!?」 見ると、村の反対側から隠れていたのか一匹のやや大柄などす黒いローブをつけた獣人が森のほうへと 逃げていく。身なりから見て恐らくあれがボス格、コボルドの中でも高い知能を有するというコボルド・シャーマンだろう。 だがそんなことより、逃げていく奴の両手には子供が二人抱えられているではないか!! 「誰かーっ!! 助けてーっ!!」 「お姉ちゃーん!!」 その二人の顔を見て、シエスタの表情が凍りついた。 「スイ、ヒナ!!」 なんと、その子供達はシエスタの妹たちだった。このまま森に逃げ込まれてしまっては、もはやメイジでも 追いつくことはできない。そうしたら、あの二人は人間の肝を神への供物に好むというコボルドの餌食にされてしまう。 「誰か! あの二人を助けて!!」 シエスタの絶叫が響く。キュルケとタバサは飛び出し、威力を抑えてコントロールを重視した『ファイヤーボール』と 『エア・ハンマー』を撃つが、あのコボルド・シャーマンは恐ろしく足が早いうえに俊敏で、攻撃をことごとく かわして森へと走る。二人は焦ったが、追いつこうにももうフライでも間に合わないし、広域破壊の魔法では 子供達まで確実に殺してしまう。 しかし、そのとき才人はデルフリンガーを背中の鞘にしまい。懐からにぶい輝きを持つ一丁の銃を取り出した。 距離はおよそ200メイル、フリントロック式のハルケギニアの銃では到底とどく距離ではない。だが、それは この世界の貧弱な骨董品とは訳が違う。才人は両手でしっかりと狙いを定めて、迷わずその引き金を引いた。 刹那、青い一筋の閃光が走り、コボルドの頭部が一撃で撃ちぬかれ、その体が森を間近にして前のめりに 崩れ落ちた。才人の持つ切り札、異世界の光線銃、ガッツブラスターの一撃が決まったのだ。 「よっしゃ!」 見事に射撃がヒットしたのを確認した才人は、ガッツブラスターを指でクルクルと回して懐のホルスターに 戻した。この光景をエースが見ていたら、以前TACで二丁拳銃の名手と呼ばれていた仲間のことを思い出していた だろう。ガンダールヴで強化されるのは射撃もで、その恩恵を才人は存分に活用していた。 「おーい、大丈夫か!」 「うん、ありがとー!」 叫ぶと、コボルド・シャーマンに捕まっていたシエスタの妹たちが元気そうに駆けてくる、どうやら無事なようだ。 やがて、村から追い立てられかけていた村人たちも、コボルドどもが突然やってきた見慣れない戦士たちに 全滅させられたと知るや、続々と広場のほうへと戻ってきた。 「お父さん、お母さん、無事でよかった!!」 「シエスタ、シエスタじゃないか!」 最初は警戒していた村人たちだったが、シエスタが真っ先に出てきて彼女の両親と抱き合うと、それで警戒心を 解いて一行を歓迎してくれた。 なんでも、いつもどおりに生活していたら突然コボルドの群れが現れて襲ってきたのだという。幸い気づくのが 早く、ほとんどの村人は退避できたが、家の中で遊んでいた幼いシエスタの姉妹は逃げ遅れてしまっていたが、 本当に偶然に最高のタイミングでやってきた一行のおかげで、誰一人犠牲者を出さずに解決することができた。 だがそれにしても、このタルブ村は交通の要衝であるラ・ロシュールにも近く、凶暴な亜人も警戒して滅多に 近づかないというのに、やはりヤプールのマイナスエネルギーが自然に影響を与え、ハルケギニアの生態系が 狂わされ始めているのだろうか。 そう思いかけたとき、村人が才人が倒したコボルド・シャーマンの死骸を広場のほうへ引きずってきた。 あのまま放っておけば血の臭いをかぎつけて別の猛獣が来るかもしれない。見れば、さっきは後姿しか 見れなかったが、そいつは鳥の羽や獣の骨でできた仮面をつけ、まるでインディアンの酋長のような姿を していた。コボルド・シャーマンはその名の通りにコボルドの神官で、彼らの神と交信して群れを統率する 役割を持つ。 だが、よくよく観察してみれば、そのコボルド・シャーマンは他のコボルドと細部が違っていた。まず、 体格が通常のコボルドなら普通の人間より少し小さい程度だが、そいつは身長2メイル近くある巨体だった。 また、頭部を貫通したガッツブラスターで仮面も割れていたが、そこから見える顔つきも犬の丸みはなく、 その鋭さはまるで狼だ。なお、通常のコボルドとコボルド・シャーマンに知能以外の差異は特にない。 この不自然さを、タバサなどは突然変異種か歳を経た個体かと判断したようだったが、才人はそいつの牙の 一本が金属製の差し歯で、エースの透視能力を借りてそれが宇宙金属であると知り、このコボルドが ハルケギニアの種族ではないと悟った。 「ウルフ星人、か」 これはその名のとおりに狼男そのものな星人で、人間の血、特に若い女性の血が大好物というまたやっかいな 趣向を持つ星人だ。ただし頭はそれなりにいいが戦闘力はそれほどでもなく、MACガンでダメージを負うくらいで、 狼男に銀の銃弾というわけではないが、ガッツブラスターを急所に食らっては耐えられなかったのだろう。 「おおかた、コボルドを利用して餌を集めようと考えたんだろうな。ヤプールとしては、それで人間社会が 混乱すればもうけもの、やれることは見境なくやってるようだが、宇宙人ひとりを連れてくるだけで効果が あるんだから楽なもんか」 ウルフ星人は憑依能力があるから、コボルド・シャーマンに乗り移って群れを掌握したんだろう。元々の 姿もよく似ていることだし、知能の低い普通のコボルドは自分たちのボスがすりかわっていても気づかずに 利用されたあげくに、全滅させられたというわけか、まったくいやらしいことを考えてくれる。巨大化されては 面倒だったが、これでもうタルブ村が襲われることはなくなるはずだ。それにしても、この調子ではどれだけの 宇宙人がすでにハルケギニアに入り込んでいるのか……かつてはザラブ、ガッツ、ナックル、テンペラー星人を も操ったヤプールのことだ、何を配下に治めていても不思議はない。それでなくても、地球はGUYSやひいては ウルトラ兄弟がガッチリ守っているのだから、ヤプールの甘言に釣られてより侵略しやすいハルケギニアに 来ようとする宇宙人はそれこそいくらでもいるだろう。しかも、ヤプールにとっては使い捨ての駒だが、 こちらからしてみれば一体一体が油断ならない敵となる。つくづく、この戦いは不利だと言わざるを得ない。 とはいえ、一躍村を救った英雄となった一行を、タルブの人々は温かく迎え入れてくれた。特に、娘二人を 救ってくれたシエスタの両親の喜びようは尋常ではなく、才人を抱き寄せてキスまでしようとしてきたので さすがに才人も遠慮した。また、シエスタが大勢の貴族といっしょに来たことで、最初は恐怖の色を見せた 村人たちも、キュルケの気さくさやロングビルの礼儀正しさに次第に安心してくれた。もっとも、助けてくれた お礼でシエスタの妹二人に懐かれてじゃれつかれた才人は「へー、あんたってそんな小さい子が好きだったんだ」 と、ルイズに白い目で見られて困惑していたが、決して才人に幼女趣味があったわけではない。 その後は、村人たちに歓迎されて村のワイン倉で、昨年の極上品をいただけたり、アイやシエスタの姉妹たち と山の傾斜を利用して作った自然の遊園地で遊び、日が傾きかける頃にようやく今夜やっかいになるシエスタの 実家にやってきた。 シエスタの家は、2階建ての平民のものにしてはそれなりに大きな家といってよかった。材木は古めかしいが 美しい輝きを持ち、土塀もきれいに塗られていてひび割れや欠損は見られない。 そんな家の、20人ほどが一度に食事のできる広間に通されたとき、一行の鼻孔をかぐわしいシチューの 匂いが迎え入れた。ルイズたちは腹を空かせて次々に椅子に座っていく、しかし、ただ一人、才人だけは 広間に足を踏み入れたときから、凍り付いてしまったかのように動かない。 「あの、サイトさん、何かお気に召しませんでしたか? この料理、ヨシェナヴェっていってタルブの名物なんですけど」 心配したシエスタが声をかけたとき、彼女は才人の視線が彼の正面の壁にかけられている一枚の絵に釘付けに なっているのに気がついた。それは彼女の曽祖父が書いた、誰にもその意味が知られることなく、ただ形見として だけ残されていた不可思議なシンボルが描かれた気にとめたこともほとんどない一枚だったのだが。 「シエスタ、その絵は……」 「え、うちのひいおじいちゃんが書いた絵なんですけど、誰も意味がわからなくって……もしかして、サイトさん この絵の意味を知ってるんですか!?」 「ああ……」 知っているどころの話ではない。大きく描かれた白い羽根のシンボルに、大きく赤い四文字のアルファベットで 刻まれたそのチームの紋章を、彼は毎日のように見て育ってきたのだ。 「シエスタ! 君のそのひいおじいちゃんが残したものは他に何かないのか? 日記でも、持っていたものでもいい!!」 突然人が変ったようにシエスタに詰め寄る才人の態度に、彼女だけでなくルイズたちや彼女の父親も何事かと 彼を引き剥がそうとかかるが、才人は興奮したままで聞く耳を持たない。誰にもわからないだろうが、今才人は ハルケギニアに来て最大の衝撃を受けていた。 けれど、暴れる才人の姿を見て、シエスタの母親は何かを悟ったかのように彼女にこう言った。 「シエスタ、竜の羽衣のところまで、彼を案内してあげなさい」 続く 前ページ次ページウルトラ5番目の使い魔
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1415.html
参加者 Akizuki glimmakin Jareky jinjahime SEIRIOS あかみさと シエスタXX すもでんぱ ナナツボシ ほしくん メルーファ リュファ 以上12名 役職 狼2 占い 霊媒 狩人 狂人 Navi 「なび村」を使います Navi お入りくださいね 1 (なび村) ほしくん おk jinjahime じょいーん 1 (なび村) すもでんぱ モソモソ 1 (なび村) ナナツボシ ほしく~ん(さもん) リュファ めずらしい。 1 (なび村) glimmakin てすてす 1 (なび村) メルーファ てすてす 1 (なび村) ほしくん なんか強そうな人ばかりw 1 (なび村) ナナツボシ きにいった 1 (なび村) glimmakin よろしくお願いします オペこ 見学させてください Navi どうぞどうぞ 1 (なび村) ほしくん よろしく御願いします~ Navi 見学の方は 1 (なび村) Akizuki こんこん Navi 「ゾンビ部屋」にもお入りくださいね 1 (なび村) ナナツボシ よろしくお願いすまう 1 (なび村) あかみさと ちらちーの 1 (なび村) ほしくん ヒューマの方じゃないですってw 1 (なび村) ナナツボシ またかみまみた 2 (ゾンビ部屋) sunesuki |ω・)ちらっ 2 (ゾンビ部屋) サイア お邪魔しまっす オペこ お邪魔します 1 (なび村) Akizuki よろしくです~ 1 (なび村) シエスタXX こちらスネーク なび村に潜入成功 これよりスニーキングミッションを開始する 1 (なび村) ナナツボシ 私の中でほしといえば 1 (なび村) ナナツボシ ヒューマかカービィぐらいだ 1 (なび村) ほしくん はぁ 1 (なび村) jinjahime じょいーん 1 (なび村) SEIRIOS |ω・) 1 (なび村) ほしくん 俺の場合は通じる人いるかわかりませんが Navi 12名 1 (なび村) ほしくん チャージマン研! の謎の美少年なんですよね 1 (なび村) Jareky チラ(・∀|なび村 1 (なび村) Jareky チラチラ(・∀|なび村 1 (なび村) Akizuki スタフィーは誰もしらないよなぁ 1 (なび村) jinjahime これから毎日なびこを吊ろうぜ! 1 (なび村) シエスタXX ウェイ 1 (なび村) ナナツボシ わからああああん 1 (なび村) jinjahime マイナー妖怪 1 (なび村) ほしくん あの金色のヒトデのゲームですかね 1 (なび村) ナナツボシ あ、あと荒川アンダーザブリッジにもほしがいた Navi 狼2 占い 霊媒 狩人 狂人 1 (なび村) Akizuki お~知ってる人いた Navi オーソドックスな感じで! 1 (なび村) シエスタXX 荒川いいよ荒川 2 (ゾンビ部屋) サイア ネムネム 1 (なび村) sunesuki |ω・)おーっちょこちょーいでどじーなー♪ 1 (なび村) リュファ 杉田さん。 1 (なび村) sunesuki |・))) 1 (なび村) ナナツボシ やばい こゆい 1 (なび村) glimmakin 隠れた!w 1 (なび村) Akizuki 荒川はシスターがすきだ 1 (なび村) ナナツボシ 村長だいすき 1 (なび村) ほしくん 子安っぽい声の人ですか Navi それでは皆様、まずは役職ダイスを振ってください Navi /dice でございます SEIRIOS はマジックダイス(0-1000)を振った! 2 が出た! 1 (なび村) ナナツボシ ひっくううううううう 1 (なび村) ナナツボシ 57て 1 (なび村) SEIRIOS ・・・・2・・・だと・・・ すもでんぱ はマジックダイス(0-1000)を振った! 56 が出た! 1 (なび村) シエスタXX 村長男前だろ~ 1 (なび村) ナナツボシ 2www 1 (なび村) ほしくん ほしが一番すきかなぁ 1 (なび村) SEIRIOS なんかもうまた死ぬ気がする 1 (なび村) ナナツボシ さすがほしくん 2 (ゾンビ部屋) サイア わふー 2 (ゾンビ部屋) リンウ もふー 1 (なび村) ほしくん エ゛ェ゛ーィ glimmakin はマジックダイス(0-1000)を振った! 56 が出た! 2 (ゾンビ部屋) サイア という事で、リンウさんはルールをまだ把握してないかんじ? 1 (なび村) Jareky 56が二人 1 (なび村) ほしくん 2桁多いなw 1 (なび村) SEIRIOS かぶりよった! 2 (ゾンビ部屋) リンウ 処刑者をどうやってきめるか を忘れましたぬzzz 1 (なび村) glimmakin すもさんとかぶったw 1 (なび村) ナナツボシ がぶりよった!(のこったのこった 2 (ゾンビ部屋) サイア その日の終わりに投票で行うねー 1 (なび村) Akizuki 狼も2人・・・ 1 (なび村) リュファ 星の白金(スタープラチナ)・・・ 2 (ゾンビ部屋) サイア ここのルールでは、無記名投票になりまする 1 (なび村) SEIRIOS オラオラオラオラ 1 (なび村) ナナツボシ 僕の考えた採用のスタンド 2 (ゾンビ部屋) リンウ いや そのまえです ソレにいたる会話のロールプレイといえばいいのか・ 1 (なび村) ナナツボシ かんだ 2 (ゾンビ部屋) サイア GMに、こっそりTELLで「コイツ処刑したいです」って宣言 1 (なび村) jinjahime are, 1 (なび村) ほしくん 世界(ザ・ワールド) 2 (ゾンビ部屋) サイア うん 1 (なび村) jinjahime あれ、綾鷹のキャップが消えた・・ 2 (ゾンビ部屋) サイア んま、それはプレイを見るほうが早いかも 2 (ゾンビ部屋) サイア /chjoin なび村 1 (なび村) シエスタXX やっぱ岸辺が人気なのかな Navi TELL来た方は一言返信お願いいたします 2 (ゾンビ部屋) サイア ここがゲームCH 1 (なび村) jinjahime しかも2Lのペット 2 (ゾンビ部屋) リンウ ナビ部屋につながなければ ゲームをみれない・・; 1 (なび村) リュファ もう全部一気に飲んでしまいなさい。 (T) > ナナツボシ 今回の人狼はあなたです 食べまくっちゃってください 2 (ゾンビ部屋) サイア そそ 1 (なび村) ナナツボシ のむのです (T) > glimmakin 今回の人狼はあなたです 食べまくっちゃってください 1 (なび村) ほしくん まあ荒木先生に気に入られてますし 2 (ゾンビ部屋) サイア 今いるCHは、死んだ人が入るChです 1 (なび村) SEIRIOS 2lくらいいけるさ (T) ナナツボシ > はええw うけたまわりー 2 (ゾンビ部屋) サイア 窓は分けたほうがいいかも 1 (なび村) ほしくん 5分あれば飲めるかも・・ (T) > Jareky あなたは今回の占い師役です よろしくお願いします 1 (なび村) SEIRIOS むしろ杜王町の存在が好きだ 3 (GREEN) glimmakin てすてす (T) > リュファ 今回の霊媒師はあなたです 死体観察よろしくお願いします 3 (GREEN) ナナツボシ チラッ 3 (GREEN) glimmakin よろしくお願いしますー! 3 (GREEN) ナナツボシ よろしくお願いします! (T) > Akizuki あなたは今回の狩人です 鉄壁の守りをお願いします 1 (なび村) シエスタXX 吉良吉影も人気だね 1 (なび村) ほしくん 川尻隼人はスタンド使えても良かったと思う (T) リュファ > こ、これなら吊られずにすむ・・・。 2 (ゾンビ部屋) サイア 動画見るのも早いかもね (T) > あかみさと あなたは今回の狂人です 村人を混乱させまくっちゃってください (T) Jareky > りょ、りょうかい。最近占い騙りばっかりだから信頼度低めかも 1 (なび村) jinjahime そういえば、JOJOコラボの商品がでてたんだっけ (T) Akizuki > 了解です~がんがん守りますっ 1 (なび村) ほしくん なんと 1 (なび村) ほしくん ソレは知らなかった (T) あかみさと > またか!了解です 1 (なび村) jinjahime 711で 2 (ゾンビ部屋) リンウ そのまえに分割メッセージがー; 1 (なび村) シエスタXX というか実写化されるって聞いたけど 2 (ゾンビ部屋) サイア あら 1 (なび村) シエスタXX ほんとなの? 1 (なび村) ナナツボシ 実写は・・・ Navi 返信承り! 2 (ゾンビ部屋) サイア SYSTEM>メッセージ制御<ウィンド振り分け 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) jinjahime 実写とかないです。北斗の拳の実写レベルでないです 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) ほしくん 本当なら地雷の予感・・・ 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 1日目 Navi 今日も平和なカーレイ村に、人狼がやってきました Navi 村人の皆様、人狼をみつけだし、血祭りにあげてください! Navi ゲームスタートです 1 (なび村) ナナツボシ おはようなんだよ? 1 (なび村) メルーファ おはようございますー 1 (なび村) あかみさと おやすみ 1 (なび村) jinjahime ヽ(゜◇^*)丿<マブ天使こぐねえだよ 1 (なび村) SEIRIOS おはよう 1 (なび村) Jareky やっほい 1 (なび村) シエスタXX おは~ 1 (なび村) glimmakin おはようございますー 1 (なび村) ほしくん およようございますですー 1 (なび村) すもでんぱ おはよーございます 1 (なび村) Akizuki おはようです~ 1 (なび村) リュファ ドーブラエウートラ(ロシア語)。 1 (なび村) ナナツボシ 今日はうそをついても良い日らしいよ? 1 (なび村) シエスタXX 今日はロシアか 1 (なび村) あかみさと ちょっと嘘ついちゃうかー 1 (なび村) シエスタXX ロシアいいよね 1 (なび村) ナナツボシ 狼はいないんだよ子の村には! 1 (なび村) Jareky 5吊りで狼2(+狂1)を吊らないといけないですな 1 (なび村) jinjahime わーいなびこーじんじゃなびこすきー 1 (なび村) シエスタXX ヒョードル強いし 1 (なび村) glimmakin ぽにょw 2 (ゾンビ部屋) サイア ちなみに、本日は事件前なので処刑もないのです 1 (なび村) ナナツボシ 私 ムシをやめます 1 (なび村) Jareky ペトロフも強い(F1だけど) 1 (なび村) SEIRIOS 私 青をやめます 1 (なび村) jinjahime イニシャルGか・・・ 1 (なび村) あかみさと G・・・ 1 (なび村) ほしくん ロシアと言うとマカロフのイメージが・・ 1 (なび村) ナナツボシ GREEN・・・・ 1 (なび村) メルーファ ナナツさんとSEIさんのやめるものを交換するしか・・ Navi 現在村のバーテンダーNavi子が開店準備をしています 夜には営業開始でしょう 2 (ゾンビ部屋) リンウ よし これで理解しやすく 1 (なび村) Jareky Glimmakinさん?イニシャルG・・・ 1 (なび村) ほしくん 今度はバーテンダーかー 1 (なび村) シエスタXX まさかの夜の仕事 1 (なび村) glimmakin ! 1 (なび村) ナナツボシ バーテンw 1 (なび村) メルーファ なびこオシャレね! 1 (なび村) シエスタXX マダムがママ? 1 (なび村) SEIRIOS 緑色のカクテルつーと相棒のあれ思い出す 1 (なび村) ほしくん どんな問題を起こすか・・・ 1 (なび村) Akizuki 未成年は(ry 1 (なび村) jinjahime 三本歯の業務用アイスピックで刺されるのか 1 (なび村) SEIRIOS ベストパートナー・・・・ 1 (なび村) Jareky シェーカーで 2 (ゾンビ部屋) サイア わふー Navi あと1分 1 (なび村) SEIRIOS 梅干とジンとミントが合うのか・・・ 1 (なび村) メルーファ 醸造王シェーカー こんぼう1.0で 1 (なび村) Jareky っと、オチをいったらNaviさんが困るか 1 (なび村) ほしくん シェーカーに頭を突っ込んで死亡、とか? 1 (なび村) シエスタXX コナンだったら青酸カリだろうな 1 (なび村) あかみさと ぺろっ 1 (なび村) メルーファ カリッ これは青酸ペロ 1 (なび村) glimmakin シェーカーに頭突っ込むwww 1 (なび村) SEIRIOS どうやってwww 1 (なび村) ほしくん いやあ、 1 (なび村) ナナツボシ 斬新だな Navi 20秒前 1 (なび村) シエスタXX シャーカーに魔封波 1 (なび村) ほしくん つれつれ草のほうしもそんなかんじだったし 1 (なび村) jinjahime ヾ( 3ノシヾ)ノシ 三[____] 1 (なび村) シエスタXX シェーカー 1 (なび村) あかみさと _( 3」∠)_ Navi 夜が近づいております 皆様お部屋へお戻りください(会話はストップです) 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート Navi ここから夜になります 3 (GREEN) Navi --------------------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 1日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- 3 (GREEN) ナナツボシ ゴバク注意っと 3 (GREEN) glimmakin てすてす 3 (GREEN) glimmakin 了解ですー 3 (GREEN) ナナツボシ どうする?二人だけだから 3 (GREEN) glimmakin どうしましょうか? 3 (GREEN) ナナツボシ 狂人まかせ? 3 (GREEN) glimmakin それが無難ですよねー 3 (GREEN) ナナツボシ 無難だなー 3 (GREEN) ナナツボシ ピンポイントきたら 3 (GREEN) ナナツボシ 霊媒あたりででるか 3 (GREEN) glimmakin 一応狂が騙らなさそうなら僕出ますね 2 (ゾンビ部屋) リンウ 作戦タイム中ですな・・・zz 3 (GREEN) ナナツボシ あいあい 3 (GREEN) ナナツボシ じゃあもぐっときます 3 (GREEN) ナナツボシ でてくれるとおもうけどなぁ・・・ 3 (GREEN) glimmakin 保険でw 3 (GREEN) glimmakin 霊の扱いどうなるかなー 3 (GREEN) ナナツボシ 最近プレイヤーしてないからだめかもw 3 (GREEN) glimmakin www 3 (GREEN) ナナツボシ 頭がまわらんw 3 (GREEN) glimmakin 僕も狼全然やってないですーw 2012年3月31日全ログへ 2日目へ
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1188.html
2日目 マダム Naviこは短冊に願い事をせっせと・・誰かNaviこ内閣 発足1日にして支持率5%を切った模様です マダム 村人の皆様、今日もがんばってください マダム 昼の部スタートです。 1 (マダム村) サイア はい。おはよーございます 1 (マダム村) アルフィル はやっw<1日で5% 1 (マダム村) シャルリーン あろ~ 1 (マダム村) ストーマー 俺が占いだー 1 (マダム村) ヅラじゃない zzz 1 (マダム村) カーレット Naviこー! 1 (マダム村) シエスタXX おは~ 1 (マダム村) ユズハ おはようございますー 1 (マダム村) すねすき おはようですー シエスタXX こんばんは マダム 1 (マダム村) ふぁいたん おはよーw 1 (マダム村) アルフィル おはようございまーす 1 (マダム村) カーレット おはようございますw 1 (マダム村) ぱんとま おはようございます 1 (マダム村) シエスタXX ひっくw 1 (マダム村) ルナティアラ おはようなぎ! 1 (マダム村) やよい おはようございますー 1 (マダム村) Harrods おはようございます~ 1 (マダム村) サイア あら、ストーマーさん占い師なんかな 1 (マダム村) すねすき お、さっそくストーマーさんが 1 (マダム村) ヅラじゃない zzz…お、おはようでござる 1 (マダム村) カーレット ふむふむ 1 (マダム村) ぱんとま 早速占いさんが 1 (マダム村) アルフィル おお? 3 (冥土) イクさん 占い師が一人CO 1 (マダム村) ふぁいたん 朝一! 1 (マダム村) ユズハ φ(..)メモメモ 1 (マダム村) シエスタXX 突然占いCO 1 (マダム村) ヅラじゃない ふむふむ 1 (マダム村) すねすき 他には占いさんいないかな 1 (マダム村) アルフィル ストーマーさん占いか 1 (マダム村) サイア とりあえずNavi子も死んでないし、狼なんか着てないって事で 1 (マダム村) ストーマー 気づいたのです、占いで潜伏したっていいことがないことに・・・。 3 (冥土) プゥ ストーマーさんですね 1 (マダム村) アルフィル シエスタさんも占い? シエスタXX こんばんは マダム 1 (マダム村) Harrods ストーマーさん占い…_〆(゚▽゚*) 1 (マダム村) カーレット 占いの対抗は・・・? 1 (マダム村) サイア シエスタさんも占い? 1 (マダム村) シエスタXX はい 3 (冥土) プゥ 動画でアレなイメージが付着している… 1 (マダム村) サイア はいな 1 (マダム村) サイア 2名ね 1 (マダム村) すねすき ふむ、シエスタさんも 1 (マダム村) アルフィル 2名ですね、メモメモ 1 (マダム村) シャルリーン ほー 3 (冥土) ヒートへイズ 今回はリアル狂人ではないことを祈りたい… 1 (マダム村) サイア 狼は3匹 1 (マダム村) シエスタXX 明日かなっとおもいましたが 1 (マダム村) Harrods ふむふむり、把握です 1 (マダム村) ルナティアラ メモメモ 1 (マダム村) ふぁいたん 占い ストーマー シエスタ 1 (マダム村) サイア どういう構成じゃろかね 1 (マダム村) シエスタXX 先出られたのでCOしました 1 (マダム村) アルフィル 順当にいくなら、真狂でしょうか 1 (マダム村) サイア なるりー 1 (マダム村) すねすき 真狼、真狂のどちらかでしょうかねぇ 1 (マダム村) カーレット 狂人と真? 3 (冥土) プゥ ログ流れるからCO見逃すなぁ 1 (マダム村) サイア 狂狼ってのがあるから困る 1 (マダム村) ヅラじゃない そうですね 1 (マダム村) アルフィル 狂狼・・・ 1 (マダム村) シャルリーン 狼3だからアグレッシブに動ける風 1 (マダム村) カーレット それが一番怖いですね・・ 1 (マダム村) ストーマー なにそれこわいww 1 (マダム村) ユズハ カオスすぎるw 1 (マダム村) Harrods 真がいないのはつらい( TДT) 1 (マダム村) カーレット もう占いでませんか? 1 (マダム村) サイア んじゃま、今日の吊り会議でも 1 (マダム村) すねすき 真にはCOしておいて欲しいところ・・・w 1 (マダム村) ぱんとま 一応自分わかってるけどCOの意味わからない人とか 1 (マダム村) シエスタXX 占い先はまかされていいですかね? 1 (マダム村) ぱんとま 大丈夫なんだろうか 1 (マダム村) すねすき CO=カミングアウト 1 (マダム村) ユズハ 占いさんに候補あげてもらう感じでしょうか? 1 (マダム村) サイア うん。占い先は任意でOKと思います 1 (マダム村) ぱんとま 今日は占いさん任せかなぁ 1 (マダム村) Harrods 任意で同意します 1 (マダム村) アルフィル 占い先は占いさんにまかせるのがいいかも 1 (マダム村) ルナティアラ そうですねー 1 (マダム村) サイア 吊りの決定はどうするかだねー 1 (マダム村) カーレット 占いさん、釣り候補にするとしたらどうします? 1 (マダム村) すねすき 自分の役職を言う事=CO ですかねー 3 (冥土) プゥ 13名で狼3か 1 (マダム村) ふぁいたん 吊先も占いさんに任せます? 3 (冥土) マダム ちょっと多いかもしれないけどね 1 (マダム村) サイア 複数選らんで、もし狼込みだと、まず吊れないので(狼が全力で反対にいれるので) 1 (マダム村) サイア 絞りたい所ではあるけど 1 (マダム村) ユズハ 指定してもらったほうが狼寄せがなくてよいのでは 1 (マダム村) サイア 霊媒さん出ます? 1 (マダム村) ストーマー 立候補でもいいのよ? 3 (冥土) プゥ でも2だと少なく感じるからちょうどいい 1 (マダム村) シャルリーン 3票はおおきいです 1 (マダム村) Harrods 吊りの立候補? 1 (マダム村) カーレット ですね・・・ 1 (マダム村) サイア 霊媒さん出て決定権を霊媒さんに 1 (マダム村) カーレット それは危険では? 1 (マダム村) カーレット キツネいないうえ、狩り人一人です 1 (マダム村) すねすき サイアさんの案は霊媒軸に、と 1 (マダム村) ユズハ 狩人に守ってもらえばいいじゃないかな 1 (マダム村) シャルリーン 狩りが霊媒ガード? 1 (マダム村) サイア 少なくとも、狩人は守り固定できるね 1 (マダム村) アルフィル なるほど 1 (マダム村) シエスタXX 狩人いるし言いかと思うけど 1 (マダム村) ふぁいたん 霊媒さんかまれません? 1 (マダム村) カーレット 占いを残す必要が・・ 1 (マダム村) Harrods 霊媒さんは潜伏してもらったほうがいいかもと思います 1 (マダム村) サイア 占い師はどっちが偽者かわかんないし、まー狼が噛んでくれるでしょう。と 1 (マダム村) カーレット うん、霊媒は潜伏がありがたいです 1 (マダム村) サイア ふむー マダム 5分経過 1 (マダム村) サイア んじゃ潜伏として。時間もないので、吊りきめないとね 1 (マダム村) シエスタXX まあ狼吊れてからでいいかー 3 (冥土) マダム なんか初心者村とは思えないなーすごいな 1 (マダム村) アルフィル 霊媒潜伏なら、やっぱ占いさんが指定かな? 1 (マダム村) Harrods そうですねぇ。占いさんが指定? 1 (マダム村) ストーマー 適当に1人づつだす? 1 (マダム村) カーレット いまので言いがかりですが、サイアさん疑いましたー 1 (マダム村) シャルリーン まぁ初日ですしざくっと 1 (マダム村) サイア あら 1 (マダム村) サイア 疑われた 3 (冥土) プゥ 指揮者がチラホラと 1 (マダム村) ヅラじゃない 初日なんで材料もないので適当でいいかと 3 (冥土) ヒートへイズ テンポいいですよねー 1 (マダム村) カーレット 出てきてうれしいのはオオカミって気がしたので 1 (マダム村) シエスタXX いいがかりならすねすきさんかなー マダム 残り1分 1 (マダム村) サイア んー 1 (マダム村) シャルリーン 多弁サイア、寡黙サイア、共に疑われるまる 1 (マダム村) すねすき ふむー 1 (マダム村) サイア ウチは逆に 3 (冥土) マダム うん 皆さん素晴らしい 1 (マダム村) ストーマー じゃあ、横のヅラじゃないさんでw 1 (マダム村) ユズハ ひとまず吊り指定をしたほうがいいかとー 1 (マダム村) サイア この状況で霊媒潜伏を押したのがひっかかったけどねー 3 (冥土) プゥ そしてサイアさんェ… 1 (マダム村) ヅラじゃない えww 1 (マダム村) ぱんとま どちらにいれるかは各自でいいのかな? 1 (マダム村) ストーマー いいがかりなんでw 1 (マダム村) ヅラじゃない www 1 (マダム村) すねすき 霊媒さんは吊り指定されたらCOの方向でお願いしたい 1 (マダム村) アルフィル ヅラじゃないさん、すねすきさんのどちらか かな 1 (マダム村) シエスタXX 狼だと怖いかもw 3 (冥土) ヒートへイズ 動画見る限り、いつも序盤でつられますよね 1 (マダム村) ユズハ あ、指定されてましたすみませんw マダム 20秒前 1 (マダム村) サイア そだねー。各自でいいけど、狼が含まれてるなら、まず吊れないかも。と 1 (マダム村) ヅラじゃない あーじゃあどぞどぞ 3 (冥土) マダム だねぇ 1 (マダム村) ふぁいたん ヅラさんかすねさんね 了解 1 (マダム村) すねすき 自分のCOはないですー 3 (冥土) マダム サイアさんは 皆警戒するw 1 (マダム村) シャルリーン ズラすきさん? 1 (マダム村) マダム -------STOP-------- 1 (マダム村) マダム -------STOP-------- マダム 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 1 (マダム村) すねすき 自分づらじゃないよおお マダム 投票は私にtellにてお願いします 3 (冥土) プゥ ブレインですしね 2 (晩餐) シャルリーン さてさて 2 (晩餐) アルフィル さて、どうしましょう 1 (マダム村) すねすき じげだよおおぅ 2 (晩餐) ルナティアラ どうしましょう (T) ぱんとま > すねすきさんでお願いします (T) シエスタXX > すねすきさんでー (T) カーレット > サイアさんでー 2 (晩餐) シャルリーン 吊り先どうしようかなー? 2 (晩餐) アルフィル 情報もないので、ふつうに村にのっておきます? (T) ふぁいたん > ヅラじゃないさんでお願いします (T) ストーマー > ヅラじゃない (T) ユズハ > ヅラじゃないさんに投票します (T) ヅラじゃない > すねすきさんでお願いします 2 (晩餐) シャルリーン サイアさん吊れるかも? 2 (晩餐) アルフィル あー、そっか (T) やよい > ヅラさんに投票です たぶん吊られなさそうね (T) Harrods > 投票って今ですよね 2 (晩餐) アルフィル サイアさんでよさそうですね 2 (晩餐) ルナティアラ 疑われてたし! 2 (晩餐) アルフィル うん! (T) サイア > どっちかってーとヅラさんに入れたいけど、んま最初って事で「すねすき」さんに投票しまっす 2 (晩餐) ルナティアラ はーい 2 (晩餐) アルフィル サイアさんにいれますー 2 (晩餐) ルナティアラ もうtellしていいのかな 2 (晩餐) シャルリーン まぁあがってた2名だったらどっち吊れてもよさそうですしね 2 (晩餐) アルフィル ですね 2 (晩餐) シャルリーン 大丈夫ですTELってください 2 (晩餐) アルフィル もうtellおkです (T) アルフィル > サイアさんお願いしますー (T) > Harrods はい 今一人を選んで投票してくださいね (T) すねすき > とりあえずヅラじゃないのにヅラっていわれるヅラじゃないさんに投票 (T) ルナティアラ > サイア (T) シャルリーン > サイアさんを吊り指定 (T) Harrods > じゃあ、ヅラじゃないさんでお願いします すねすき4 サイア4 ヅラじゃない6 2 (晩餐) アルフィル では、噛みどうしましょう 2 (晩餐) シャルリーン TELから戻るときとか誤爆注意です 2 (晩餐) アルフィル 了解デス! 2 (晩餐) シャルリーン (よくやります) 2 (晩餐) アルフィル 私も誤爆には自信あるので、注意しないと・・・ 2 (晩餐) シャルリーン 噛みどうしたいです? 2 (晩餐) シャルリーン お二方には狼の牙を存分に振り回していただきたいと思います 2 (晩餐) アルフィル ひっぱっていきそうな人かみたいですよね マダム さよならヅラじゃないさん…あなたの勇姿は忘れない マダム 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です マダム 役職の方は私にTellお願いします 2 (晩餐) ルナティアラ 正直早くてついていけなかったw (T) シエスタXX > サイアさん占います (T) ふぁいたん > サイアさんを護ります。 2 (晩餐) シャルリーン 最初はだいたいそうです マダム なくなられた方は 円から外れてくださいませ 2 (晩餐) シャルリーン 慣れな所が大きいので 3 (冥土) ヅラじゃない ヅラじゃない桂だ… (T) やよい > 吊られた?!さっそく見てみましょう・・・ 2 (晩餐) シャルリーン なるべくしゃべることです! 3 (冥土) マダム いらっしゃい 2 (晩餐) アルフィル ですな! 3 (冥土) ヅラじゃない うわあああん (T) > ふぁいたん 護衛承りました 3 (冥土) プゥ いらはいいらはい 2 (晩餐) アルフィル しゃべらないと、つられる可能性がたかくなってしまうのです 3 (冥土) ヒートへイズ おつおつ 2 (晩餐) シャルリーン ひっぱりそうな人となると 3 (冥土) ヅラじゃない どもです(´・ω・) (T) > シエスタXX サイアさんは 善良なる村人です 2 (晩餐) シャルリーン するどいドコロはサイア、すねすき、ストーマー 3 (冥土) ヅラじゃない ありがとです 3 (冥土) プゥ ういうい 2 (晩餐) アルフィル ふむふむ 2 (晩餐) シャルリーン でもサイアさんは少しだけおいておいていいかも (T) > やよい ヅラじゃないさんは 本当にヅラではなく村人でした 2 (晩餐) アルフィル サイアさんちょっと疑われてるし、のこしておいて 2 (晩餐) シャルリーン なんか疑われてたし 2 (晩餐) アルフィル すねすきさんいきます? 2 (晩餐) シャルリーン 候補にあがったひとかー 3 (冥土) ヅラじゃない ここで役職もふせるべきですよね? 2 (晩餐) シャルリーン もすこし後でいいかも? 3 (冥土) プゥ 最初の吊りばっかはねー 2 (晩餐) アルフィル そっか 3 (冥土) プゥ ウンウン 2 (晩餐) アルフィル ストーマーさんは占いCOしてますよね 3 (冥土) ヅラじゃない あいあい 2 (晩餐) シャルリーン うん 3 (冥土) マダム こちらでも推理続行なので 秘密でお願いします 3 (冥土) ヅラじゃない 最初ばっかはランダムですねw 2 (晩餐) シャルリーン 若干狂っぽい 3 (冥土) マダム RPはOKですよ! 2 (晩餐) アルフィル 狩にまもられてるかも? 3 (冥土) ヅラじゃない はい! 2 (晩餐) アルフィル 狂か 3 (冥土) ヅラじゃない RP? 3 (冥土) プゥ ロールプレイかな 3 (冥土) ヅラじゃない ほうほう 3 (冥土) ヅラじゃない まあ言わずに楽しみます 2 (晩餐) シャルリーン 騙れなかったので 2 (晩餐) シャルリーン なんか好きにしちゃってイイノヨ? 2 (晩餐) シャルリーン そろそろ決めちゃいましょう 2 (晩餐) ルナティアラ 1分! 2 (晩餐) アルフィル 独断と偏見でユズハさんあたりどうでしょ。もう言いがかり 2 (晩餐) シャルリーン おっけーですよ 2 (晩餐) シャルリーン 誰が噛みTELします? 2 (晩餐) アルフィル んじゃ、tellします 2 (晩餐) ルナティアラ はーい 2 (晩餐) シャルリーン はーいよろりー (T) アルフィル > ユズハさん噛みで (T) > アルフィル 捕食承りー 1 (マダム村) マダム -------STOP-------- 3 (冥土) プゥ もし役職で吊られそうだったら 3 (冥土) プゥ いっちゃってよかったかもね 1日目へ 3日目へ
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1426.html
5日目 Navi 今日もすがすがしい朝がやってきました 村の広場の真ん中に食べかけのまま息絶えている シエスタXXさん の遺体が発見されました… Navi 村人の皆様、今日もがんばってください Navi 昼の部スタートです シエスタXX すきやきなびこ! 1 (なび村) Jareky 【占いCO】メルーファさんは村人でした。○です。メルーファさんはいつも分かりません。よく騙されます。 2 (ゾンビ部屋) リュファ あっお客様、只今忍仕様の天井ぶら下がり席がご用意できました。 2 (ゾンビ部屋) リンウ よかったね友達がふえるよ・! 1 (なび村) jinjahime ふーん?そっちくいね 2 (ゾンビ部屋) sunesuki 焼きすぎなびこ!! 1 (なび村) glimmakin おはようございますー 1 (なび村) メルーファ いつも素直ですよ! 1 (なび村) ほしくん おはようございますー 2 (ゾンビ部屋) Navi あつい! 1 (なび村) SEIRIOS あれ 2 (ゾンビ部屋) シエスタXX おつおつ 1 (なび村) jinjahime 吊り先提案。占いロラ→SEIRIOS 2 (ゾンビ部屋) Navi おいでまし~ 1 (なび村) glimmakin Jareさん結局白だけかー 1 (なび村) メルーファ シエスタさんは村人っぽかったから、噛まれても個人的には情報にならないなw; 1 (なび村) SEIRIOS そうだね・・・そろそろ占いもロラの頃 1 (なび村) Jareky ごめんなさい。読みが外れました・・・ 1 (なび村) ほしくん ふむー 1 (なび村) glimmakin とりあえずJareさん吊りは同意しますけど 1 (なび村) メルーファ 疑われた私に●を出さないし、Jareさんちょっと真に見てる 1 (なび村) glimmakin SEIさん? 1 (なび村) ほしくん ローラーの時期かー 1 (なび村) jinjahime ちなみに、偽占いだったら、今日黒打ちで真偽判定できました 1 (なび村) SEIRIOS なに? 2 (ゾンビ部屋) リュファ ご予約のお客様いらっしゃいませ。 1 (なび村) jinjahime 残り6人、黒吊り→Jareつりで間に合ったので 2 (ゾンビ部屋) シエスタXX ゾンビの中では推理は進んでるのかな 2 (ゾンビ部屋) Akizuki 予約できたんですか・・・冥界 1 (なび村) glimmakin Jareさん吊り→SEIさん吊りってjinjaさんが 2 (ゾンビ部屋) シエスタXX 俺にはさっぱりだわw 1 (なび村) SEIRIOS うん 1 (なび村) ほしくん うーん 1 (なび村) SEIRIOS セットだからそうなるね 1 (なび村) jinjahime 確率の問題だけどね。 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ いまいちわからんす 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ でもじゃれさんは偽者のような気がする 1 (なび村) SEIRIOS だけど白出されたから全信頼ってわけにいかないし。 1 (なび村) jinjahime なので、今日は占いロラです 1 (なび村) メルーファ 占いローラー了解ですー 1 (なび村) ほしくん 後3回吊れるのかな? 1 (なび村) glimmakin 狂人はとりあえず白撃っとけば誤爆もないし安全ですからね 1 (なび村) jinjahime で、シエスタ噛みは、メルさんスケープゴート候補にしたいのかなと 1 (なび村) Jareky セット吊られると困る。確実に負けます 1 (なび村) メルーファ 6>4> だから、2回かな? 1 (なび村) jinjahime 2回 1 (なび村) ほしくん 2回かー 2 (ゾンビ部屋) Akizuki 占いのもう一人も噛まれてますしね… 1 (なび村) jinjahime GJでれば一回増える 1 (なび村) Jareky 私かSEIさんどっちか残してもらわないと。真ですので 1 (なび村) ほしくん とりあえずJareさん吊り確認 1 (なび村) メルーファ SEIさんはJareさんの○を考えないとしても村で見てるから、吊りたくないなー 1 (なび村) SEIRIOS Jareさん吊って終わらなかった場合は私吊ってるとやばいかもだ 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ いやGJ出ないでしょ・・・ 1 (なび村) ほしくん ふむー 1 (なび村) jinjahime やばいというか、最終日なので、明日は 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ どう考えてもjare吊りで終わるか 1 (なび村) SEIRIOS あ、そうか 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ 終わらなければakizukiさんが狩人 1 (なび村) glimmakin SEIさんは微妙ですねー寡黙気味とは思ってますけどちょこちょこ村より発言ありますし 1 (なび村) ほしくん もう余裕が無いってことかな 1 (なび村) SEIRIOS 私的にはぐりさんとじんじゃさん白いんだよなあ 1 (なび村) Jareky 自分視点、今日自分、明日SEIさんだと負けが確実なんです。悲しすぎる 2 (ゾンビ部屋) リュファ あと3回・・・ 1 (なび村) SEIRIOS 村です。素村。 1 (なび村) jinjahime グリさんの白要素聴いていい? 1 (なび村) glimmakin jinnjaさんとメルさんは白い印象ですね 1 (なび村) ほしくん ふうー 1 (なび村) メルーファ 黒度は グリさん>jinjaさん>SEIさん>ほしくんさん かな。SEIさんとほしくんさんは疑い持ってないですー 1 (なび村) SEIRIOS いや、さっき私とじゃれさんセットになるよって確認してきたのが村ぽいかなって 2 (ゾンビ部屋) シエスタXX ところですきやきなびこって何?>Naviさん 1 (なび村) jinjahime なるほど 2 (ゾンビ部屋) リンウ 普通に考えると 今日の決断に失敗すると抹殺まつりなんですぬ・・ 2 (ゾンビ部屋) Navi 私に聞くの!? 1 (なび村) jinjahime 確かに、誘導したほうが人外ぽいですね Navi 5分経過(後2分) 2 (ゾンビ部屋) リンウ 仲間割れがステキ・・ 2 (ゾンビ部屋) シエスタXX え、Naviさんから出たネタじゃないのか 2 (ゾンビ部屋) sunesuki 好き、焼きNavi子 2 (ゾンビ部屋) Akizuki 個人的にはjinjaさんも怪しいな… 2 (ゾンビ部屋) Navi すきすきなびこ! 2 (ゾンビ部屋) sunesuki つまり、焼きなびこが好き 1 (なび村) ほしくん しかしこれはjareさん真だったら本当にわからないんですよねー 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ 鋤で突き刺して焼き殺す緑村の名物 2 (ゾンビ部屋) sunesuki かすかべなびこ!! 2 (ゾンビ部屋) Navi 焼かないであげて!? 1 (なび村) SEIRIOS んー。 1 (なび村) glimmakin いや、あかみさとさん真のが分からないです 2 (ゾンビ部屋) リュファ 鋤屋きな彦、という江戸時代の商人です。 Navi あと1分 1 (なび村) ほしくん ふむー 1 (なび村) ほしくん 確かに 2 (ゾンビ部屋) Navi なんかいろいろ出てきたw 2 (ゾンビ部屋) sunesuki なんか豆知識が 2 (ゾンビ部屋) シエスタXX すきすきなびこだったわw 1 (なび村) SEIRIOS いや今日は占い以外のほうがよさげ 1 (なび村) ほしくん そうだったら本当にヒントなしですからねー Navi 20秒前 1 (なび村) jinjahime いや、今日は占いで最終日買う帝です 1 (なび村) メルーファ 今日占い吊らないと、万が一Jareさんが狼だったら終わっちゃう 2 (ゾンビ部屋) Navi すきすきなびこは 1 (なび村) glimmakin 今日はJareさんでいいのでは? 1 (なび村) jinjahime 最終日確定です Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 1 (なび村) SEIRIOS むー Navi 投票は私に直Tellでお願いします 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 5日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- 2 (ゾンビ部屋) sunesuki すけすけなびこ! (T) メルーファ > Jarekyさんに投票します 2 (ゾンビ部屋) Navi なにそれひわい 2 (ゾンビ部屋) sunesuki きっとNaviさんが描いてくれる (T) jinjahime > 吊り投票>Jareky 狩人生存してるならガンバレ!蝶がんばれ! (T) SEIRIOS > ほしくんさんに投票します 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ 隙々なびこつまりなびこは隙だらけなのですぐ死ぬ (T) Jareky > 読みが外れたね。こんな日もあらぁねぇ。Glimmakinさんに投票 (T) ほしくん > jareさん投票でー 2 (ゾンビ部屋) シエスタXX でも語呂がいいよねw 2 (ゾンビ部屋) シエスタXX これを断末魔にしよう 2 (ゾンビ部屋) Navi すきすきNavi子 と検索窓に入れると・・・ 2 (ゾンビ部屋) Navi ミンナニハ ナイショダヨ (T) glimmakin > あ、Jareさんでお願いします Jareky4 ほしくん1 glimmakin1 2 (ゾンビ部屋) シエスタXX 恐ろしい物を見た Navi さよなら Jarekyさん …あなたの勇姿は忘れない Jareky 死して屍拾うものなし! 2 (ゾンビ部屋) シエスタXX おっかねぇ Jareky (断末魔ネタのストックが切れました・・・充電期間に入ります・・・(嘘です Navi 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です Navi 役職の方は私にTellお願いします 2 (ゾンビ部屋) Jareky (・ω|墓 2 (ゾンビ部屋) Jareky チラ(・ω|墓 2 (ゾンビ部屋) Jareky チラチラ(・ω|墓 2 (ゾンビ部屋) Akizuki いらっしゃい 2 (ゾンビ部屋) Navi おいでまし~ 2 (ゾンビ部屋) sunesuki 墓|ω・) 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ いらはーい 2 (ゾンビ部屋) Navi 何か通じ合うものが生まれたw 3 (GREEN) glimmakin どうしようかなーどこ噛んでもいいんだけど 2 (ゾンビ部屋) リュファ いらっしゃいませ。 2 (ゾンビ部屋) シエスタXX おつおつ 2 (ゾンビ部屋) Jareky 村人視点、内訳全然見えてないのでは? 3 (GREEN) glimmakin 狩人COの出番はなさそうw 2 (ゾンビ部屋) Akizuki なんか上と繋がってるように見える 2 (ゾンビ部屋) リュファ こうなると全員あやしく見えますね。 2 (ゾンビ部屋) Jareky 4人で最終日は分が悪いのぅ 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ 3人ならまだねえ 2 (ゾンビ部屋) リンウ 殺人者はやっぱり2名のこってるんかな 2 (ゾンビ部屋) すもでんぱ それは無いと思う 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ 2名残ってたらもう終わっちゃう 2 (ゾンビ部屋) リュファ 自分視点では1名です。 2 (ゾンビ部屋) あかみさと 殺人者って書くと凶悪さアップですな! 3 (GREEN) glimmakin メルさんかんじゃおっと! 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ リュファさん自分がしんでるもんねぇ・・・ (T) glimmakin > メルーファさんかみかみします 2 (ゾンビ部屋) リュファ ・・・・・・。 (T) > glimmakin おいしく食べてね! 4日目へ 6日目へ