約 2,040,280 件
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/3451.html
バイオ戦士DAN インクリーザーとの闘い 【ばいおせんしだん いんくりーざーとのたたかい】 ジャンル アクション 対応機種 ファミリーコンピュータ 発売元 ジャレコ 開発元 アトラス 発売日 1987年9月22日 定価 4,900円(税別) 配信 プロジェクトEGG 2010年8月24日/500円(税別) 判定 良作 バカゲー ポイント 世界観ぶち壊しの各種演出♂押忍♂アクションゲームとしての出来は良い 概要 ストーリー 特徴・評価点 アクション、ゲーム性 BGM 毒々しいグラフィック 賛否両論点(バカな点など) ギャグ調の演出 問題点 総評 余談 移植 概要 まだ下請け制作が中心であったアトラスが開発し、ジャレコが販売したアクションゲーム。 ストーリー 西暦1999年。人類は地球外生命体「インクリーザー」による侵略を受けていた。 人類は決死の抗戦を続けるものの、インクリーザーの恐るべき増殖力の前に徐々に押されていった。 そして長い時が流れた西暦2081年。絶滅寸前にまで追い詰められた人類は、一縷の望みをかけた最終作戦を実行に移す。 それは「選ばれた戦士にあらんかぎりの強化を施した後、インクリーザーが来訪した1999年にタイムワープで送り込み、彼らの母体である『ゴッドインクリーザー』を倒して未来を変える」というもの。 そして選ばれた青年「ダン」は、人類の最後の希望を背負いつつ、インクリーザーが侵略を始めたばかりの過去へ時間の旅に出たのである…。 特徴・評価点 アクション、ゲーム性 左右十字キーで移動、Aボタンでジャンプ、Bボタンで攻撃というオーソドックスなダンジョン探索型アクションゲーム。 『リンクの冒険』の神殿ステージに似た構成のスクロールフロアを探索し、最奥部のボス「マザーインクリーザー」を撃破するとクリア。次のステージに移る。全6ステージ(最終ステージはボス戦のみ)。 難易度は易しすぎず難しすぎずのバランスに調整されており、アクション初心者でも何度か練習すればクリアできるようになっている。 攻撃は序盤は通常攻撃のヒートナイフだけと心許ないが、様々な特徴の特殊武器を次第に入手・パワーアップして使用できるようになる。特殊武器を活用すれば攻略難度を抑えることができる。 ちなみに特殊武器の使用にはEN(通貨も兼ねる)が必要。主にザコ敵を倒して入手する。 ゲーム途中に開いている穴からはNPC住民等とコンタクトを取ることができ、隠し通路やエリア探索に大切な情報、武器強化や宿屋などステージ探索要素を含んでいる。 「マザーバイタリティ」システム。画面右上には「M.V(Mother Vitality)の略」という数字が常に表示されていて、時間経過で徐々に増えていく。これはそのステージのボスの体力を表しており、さらにM.Vが上限の999に達するとDANがミスとなってしまう。 つまり、M.Vはボスの体力と制限時間を兼ねており、ステージ探索やパワーアップを極力無視してボスが弱いうちに速攻撃破するか、ボスが強くなってもいいから探索を優先してキャラ強化に努めるか、状況を見た判断が必要となる。 BGM 本作のBGMを手がけているのは、後にFC・SFC時代の女神転生シリーズの作曲で有名となる増子司氏。随所にその流れるようなメロディラインの特徴が見られる。 なお、本作のファンからは特に1面・3面・4面の人気が高い。 毒々しいグラフィック インクリーザーに侵され変貌してしまった、毒々しいステージや敵、内臓を思わせるグラフィックはファミコンながら良く描かれており雰囲気が出ている。 ステージの主要なザコ敵は、出現時から時間の経過によってノプリス期→ゾエア期→マーズ期→メガロ期の順に外見も含めて進化していく。 また、ボスはザコ敵の完全体としてデザインされており、撃破時には上記とは逆順に退化しながら消滅するという凝った演出となっている。 賛否両論点(バカな点など) ギャグ調の演出 前述の通り本作のストーリーや世界観はハードSFになっているのだが、それをブチ壊すような演出・ギャグが多すぎるため、せっかくの斬新なアクション性よりもバカゲー要素の方がプレイヤーの記憶に残る結果となってしまった。 インクリーザーに侵略され絶望的な状況下にあるにも拘らず、全く危機感の無い(逞しい)住民達。 体力回復方法がホテルでの宿泊なのだが、そこの受付がキャバレー風のお姉ちゃん。更に、泊まると和室で浴衣に着替えて団扇を持って涼むDANのキャラ絵(風鈴のSE付き)。未発売となった海外版では普通のホテルの部屋に変更されているが、そういう問題ではないと思う。 家に入るなり、家主(ミュータントっぽい見た目)に押し相撲を挑まれる。こいつが何者なのかは一切語られない(インクリーザーではないようだが)。 背景には「♂ 押忍 ♂」の看板。「押す」と「オス」にかけたダジャレなのは言うまでもない。そして後ろで流れる陽気なBGM、増子司氏製作。勝てば大量のENが貰えるのでありがたいのだが…。 武器屋では、6代目桂文枝似の店主が、威勢よく関西弁で武器を売り込んでくる。店の外は毒々しい修羅場のようなステージが広がっているにも拘らずとにかく明るい。そして後ろで流れる浪花節のBGM。 武器を強化する店では、ゼンジー北京のような似非中国喋りをする男が店主を務め、中国4000年の秘術で武器を強化する。 仙人風の人物に話しかけると「わしはひとりでもせんにんじゃ」とか言ってくる。 4面では先に進むために変身しなければならないシーンがあるが、変身する(変身を解除する)ための店もキャバレー風のお姉ちゃんの行う只のメイクだったり。 また、この時代に主人公の秘密が隠されているPCが存在し、調べることでDANに秘められた能力が明らかになる。前述したが、DANは2081年の未来からやって来た戦士である。 ステージクリア後のデモで様々な生物(例 芋虫)に変化するDAN。 本来はステージ間の箸休め的なギャグ演出にすぎないのだが、上記のバカ要素が現実に存在している為、まさか本当に次ステージではその姿で始まるのでは、と少し不安になったりする。実際には元の姿になって始まるが。 問題点 DANの操作性はそんなに良くない ジャンプ移動して攻撃するアクションは、『魔界村』式の「ジャンプと移動がセット、ジャンプ中に移動・方向変更不可」。垂直ジャンプして落下中に目の前の台に乗るなんて事は出来ないし、ジャンプ移動距離も固定なので1マス等の短い足場では移動距離と落下地点のマス目を計算しつつ飛ぶ必要がある。攻撃も一度に1回しか出せず、連射はできない。 攻撃は上方向への攻撃手段がスマートボムしか無く、縦方向の敵を倒しにくい。 周囲を回転するローリングショットは、複数の弾ではなく1つの弾が回る仕様なので、意外とスキが生じやすい。パワーアップすると回転の円形が拡大するため、さらに危険。 また、攻撃を受けた時のノックバックがかなり大きく、反動で足場から落とされたりすることが多い。 一部の厄介な敵の対処 これも『魔界村』のカラスに似た、サインカーブを描きつつ画面端から突っ込んでくる敵が無限に出現し、この位置がかなり嫌らしい。ゲーム中最初から最後まで一番ストレス溜まるのは実はこいつだったり。 回復手段が乏し過ぎる ライフの回復は宿屋かごく一部に隠されている回復アイテムのみ。しかし、前者は1ヶ所につき1回しか利用できず、アイテムは絶対数が少ないうえに回復量はたったの4メモリ。しかも1度しか出現しない。全く足りない。 ボリューム 全6ステージで1ステージも大して長くないため、クリアしてみると割と短かったなという感想になる。エンディングの終わり方もかなりあっさり。 総評 独特な魅力のあるゲームシステム・適度な歯ごたえのあるアクションや良質なBGMといった点でゲームとしての完成度は高い。 しかし世界観ぶち壊しのバカ要素が目立ちすぎた為にそこばかり取り上げられ、結果として本作を未プレイのゲーマーからクソゲー扱いされることが多い不遇の作品である。 余談 書籍『美食倶楽部バカゲー専科』では、名前が似ていてバカゲー同士だからといって「冒険男爵ドンの知り合いか?」とからかったり、パッケージイラストを描いた「爬沼庵」(*1)を「あんなデタラメなゲームにカッコイイ絵を描いてくれた」と嫌味な形で労ったりしていた。ちなみに本文では肝心のDANのゲーム性についての説明が皆無で、用語集という形でちょこっと取り上げられただけだった。 後にスピードワゴンと杏野はるなが出演している『超クソゲー』というDVDにおいてもクソゲーとして取り上げられているが、批判点は的を射ておらず、やはりクソゲーと呼ぶには無理がある作品である。そもそもこのDVD自体あまり評判が良くないのだが…。 CSで放送された『新・伝説のクソゲー大決戦』でも取り上げられた。主にバカゲー要素にツッコミを入れており、上記バカな点に書かれていることはだいたい取り上げられていた。グラフィックはいいとほめられていた。なお、この番組も評価はイマイチである。 テレビ番組『ゲームセンターCX』内のコーナー「有野の挑戦」でも、何度となく候補に挙げられては消えていくを繰り返した末テーマに抜擢された。その際のキャッチコピーは【二軍の四番】。菅プロデューサーは「昔巨人にいた大森みたいな」と喩え、有野課長は「あかん、大森駅しか出てこうへん」と返した。 概要にもある通り本作はアトラス開発・ジャレコ販売のゲームであるが、2017年にシティコネクション(*2)の吉川延宏社長が本作発売30週年を記念して行われたニコニコ生放送で語った所によると、「本作と女神転生の2本を持ち込み企画としてアトラスから提案されたが、当時のジャレコは女神転生には目もくれずにバイオ戦士DANだけを採用した」(*3)とのこと。ジャレコに相手にされなかった女神転生はその後ナムコから発売されることとなり、後にアトラスの自社販売となる。その後の両作品の明暗については言うまでもない。 移植 プロジェクトEGG版 2010年8月24日より配信開始。 Nintendo Switchジャレコレ版 2024年9月26日より配信開始。シティコネクションが展開するジャレコのゲームを復刻するプロジェクト「ジャレコレ ファミコン編」の第3弾。 巻き戻し機能やクイックセーブ ロード、字幕ガイドなどのジャレコレ共通機能のほか、セレクトボタンでポーズをかけた際にマップを表示する「エリアマップ」、所持している武器を武器選択画面を介さずにL/Rボタンで瞬時に切り替えられる「武器切り替えショートカット」、パワーアップした武器にアイコンを表示させる「武器パワーアップアイコン」、現在ステージの敵キャラクターの名前、姿、特徴などを表示する「エネミーデータ」といった特別機能を搭載、そのほかタイトル画面の「エクストラ」の項目より、当時の開発資料を閲覧する事も可能である。 特別機能の中には、BGMのメロディ、ベースライン、ノイズを視覚化して鍵盤型のインターフェースに表示させる、その名もDAN奏なるちょっと変わったものも存在している。
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/767.html
ブランド DigitalCute ジャンル 負けたら凌辱!絆で戦う魔法少女カードバトル メディア DVD-ROM 原画 水上凛香、こうぐちもと、刑。 シナリオ 澤柾機 発売日 2019/01/25 価格 6,800円(税別) 選評 【2019】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 避難所 4本目 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58331/1577663406/ 76: 崩壊天使アストレイア 選評者 :2020/01/05(日) 18 09 16 ID L8So1yFg 崩壊天使アストレイア ブランド:Digital Cute 定価:¥6,800 (税込¥7,480) 発売日:2019/01/25 メディア:DVD-ROM ジャンル:負けたら凌辱!絆で戦う魔法少女カードバトル 原画: 水上凛香、こうぐちもと、刑。 シナリオ:沢柾機 〇ストーリー 『死喰(しくい)』 その存在を知った日から、俺たち兄妹の生活は一変した。 特別幸福だったわけではないけれど、 それでも平凡に平和な日常を送っていたはずだった。 あの日の晩も、好物のハンバーグの材料を買って、 妹のひーなと二人で、のんびり帰り道を歩いていたはずだ。 うちの玄関先にうずくまる、異様なシルエットが見えてくるまでは―― タコのようなその生物は、唐突に膨れ上がって、 俺たち兄妹を圧倒的な力で吹き飛ばした。 俺はパニックになる中、ひーなを必死に抱きかかえながら、 『死ぬ』ということだけははっきりと理解できた。 「それ以上はやめておきなさい!」 そのとき、ヒーローもののお約束のように、誰かの声が聞こえた。 でも現れたのは頼れる謎のヒーローではなく、クラスメートの愛原希で、 これじゃあ犠牲が増えるだけだと、俺は愛原を庇うように前に立って―― 「本当に手伝ってくれるの? よし、その気持ちでオッケー! 動かないでいて!」 「えっ、おおおおお!!??」 俺の体が溶けて、どこかに吸い込まれていく感覚―― 「(何だコレ!? 結局俺は死んじゃうのか!?)」 そして気がつくと、俺は愛原と合体して、タコの化け物を撃退していた。 「っしゃあああっ! 星乙女アストレイアは! 勝つ!」 ガッツポーズを取る、魔女っこアニメのような衣装になっている合体愛原。 平凡だった日常が、終わった瞬間だった。 〇問題点 一番の問題点として大量のアップデート対応である。 本作品はバトルシステムを売りに発売されたということもあり期待していたユーザーを大きく裏切る結果となった。 まず、基本的な流れを説明する前にイベントドローについて説明しなければならない。 イベントドローとは、複数のカードの中にイベントスター・死喰・行動無しの三種類のカードを神経衰弱のように選んで発動する。 このドローでイベントスターを引けないとキーストーリー等のクエストであれ発生しないという致命的な欠点がある。 このドローは一日の朝昼晩の三回のフェイズとイベントアイコンの際に毎回引くことになり、プレイヤーが行うことはひたすら直前セーブして失敗したらクイックロードする行為を延々と続ける。 このドローでは一度使用したスターは失敗しても一つ失われ、キークエストを見られないと物語の分岐に大きく影響を及ぼすため見過ごすことも難しい。 このクイックドロー地獄を行ったとしてもイベントアイコン等の重要性が分かりにくかったり、テンポがかなり遅いということもありアップデートで改善されていったがランダムで選ぶことを放棄してイベントドローを自由に選べるようになった。 しかも、イベントドローに星が非常に少ないときが多くて1/6や1/8となることも非常に多い。 イベントドロー +... マップ +... また、カードバトルゲームにも関わらずHPは一日共有の仕様でイベントスターで回復できる点もあり、ドロー出来ない場面での不利な点は改善されていなかった。 章ラストのイベント発生時にボスを早く倒すように促されたりするが、イベントが発生していたりしているときにボスを倒してしまうとその章のキーイベントを見損ねてしまうというポップアップ詐欺が起きることもある。 ゲームバランスもおかしく、簡潔にまとめると『土地ゾーンに土地を置くと勝手にマナを全消費される割に相手は速さ次第で3~4つ平気で土地を同時におけてマナ1消費で1ドローできるMTG』である。 自分もタイムラグを使用してマナ発生カードを2つ同時に置くことも可能だが、相手の効率の良さには敵わずラストに近づくにつれて非常に困難な難易度となっている。 メーカーもこれは流石にマズイと思ったのか、難易度やバランス調整を行っていたのだがボスの討伐分岐である死喰凍結薬を使用して勝利するか通常勝利するかを見ないといけない為、ひたすら条件に合わせてバトルすることが苦痛となる。 中でも、主人公の親友を専用薬で助けるバトルはバトル中に作成してフィールドの自陣のモンスター数のダイレクトダメージを与える専用カードでトドメを刺さなければいけないのだが、相手のテンポが異常で多少の戦力ではフィールドが焼け野原になって連打されてしまう。 かといって、強いカードを出すと逆に親友のHPをオート攻撃で仕留めてしまうことになりタイミングが非常にシビア。 条件勝利が多く、同じバトルを延々と何度もやらされてしまうことでクレームが出たのかとうとうバトルが売りであったにもかかわらずバトルを条件込みで全スキップできる機能を実装。 アップデート対応を繰り返した結果、本作品の売りを全て無かったことにするという末路へと至ったのである。 また、ラスボス以外の個別ルートはほぼ中途半端に終わりバッドエンドのようになっていたり、イベントの発生タイミングがバラバラで時系列無視や設定の説明が既に行われたような振る舞いの進行に頭を悩ませる問題もある。 説明を飛ばす部分が多くていかにも後で重要のように語られたアイテム等もスルーの中、食事などに関しては画像をわざわざ用意してある食レポ性能は前作から引き継がれているのであろう。 いつもの食レポ① +... いつもの食レポ② +... いつもの食レポ③ +... 設定面もだいぶ雑でヒロインの変身能力は父親に改造(吸血虫の卵の埋め込み)されたからという説明だったが主人公と合体できるのは主人公の体質があるからというだけで詳細はあまり語らず、耐性があるから理由でだいたい済まされてしまう。 センタイアースなどの特殊部隊の説明やほかのヒロインの背景、その他の装備周りの説明しました感がありながらハテナマークを浮かべることが非常に多いことこの上ない。 Hシーンの導入もエロキュート店長の彩香からのアプローチからはともかく、ヒロインの父親のAIによる集団催眠空間でのHシーンが多くだいたい父親AIの催眠で解決できるのではなストーリー展開も若干見られる。 主人公の足...... +... 〇んぽ増殖催眠 +... CGも多少構図がおかしいものもあるが比較的Hシーン面は許されるものがある。 しかし、バトルがとにかくつまらない。 基本はアタッカーとディフェンダーと魔法、カウント魔法の中で基本はアタッカーとディフェンダーを駆使して進めていくのだが、先ほど相手の効率の良さにシステム的に勝てない部分があり出したら他のカードを呼んでくるものを多数入れて数の暴力で殴り倒す以外だと非常に困難を強いられる。 そもそも相手は可能な限りほぼ同時に出すことができるため、タイムラグが無くコスト周りの速さで勝てる見込みはほぼ無いに等しい。 なので、基本の戦略は『イベントスターでHPをカンストさせて場に出たら増殖するカードで殴る』である。 コストも専用カードを引けなければ使えないため、高コストはほぼ確実に使えないため存在が空気となり自由度は一切ない。 設置型も10秒待ちという無駄な時間が存在することが多く、場が6つまでしか出せないため存在意義が皆無なのである。 〇まとめ 作品の売りの否定で凡作にも落ち着けない理由の大部分が売りであったバトルへの若干の期待であったところを理解して次回作を作っていただきたい。 なにより、アップデートによる放棄はメーカーから見捨てられたように感じるものがあるためただのクソゲーで終わらせていた方が幸せだったのかもしれないとプレイしていて感じたものである。 最初は本作品はプレイできない訳ではなくなっているという点でスルーをしようとも思ったが、根本的にぶん投げてクソでなくなるならこの世のクソゲーは存在しなくなるのではないかと思い、結局アウトであった。
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/98.html
概要 タイトル げきたま! ~青陵学園演劇部~ ジャンル スピーディー&ドラマチック学園ラブコメADV 発売日 2010/7/23 ブランド CASSIOPEIA 価格 9240円(税抜き8800円) 要点 ヒロインについての宣伝詐欺パッケージでは5人だが、1人はサブキャラとの恋愛、1人は主人公の女装姿(本編登場なし) 立ち絵が雑すぎ システムの不備、緩慢な挙動 どこに力が入っているのか分からないシナリオ 選評 124 名前:名無しさん@初回限定[sage] 投稿日:2010/09/03(金) 17 36 07 ID PgJQAFod0 げきたま! 「存在しないヒロイン」「サブキャラと結ばれるヒロイン」 パッケージに存在する紫色の髪のヒロインはゲーム中には登場しない 実はこれは主人公の女装姿であるのだが、公式サイトの4コマ漫画に出てきただけである それをゲームにあたかも出てくるようにパッケージに描くのはおかしいのではないだろうか? また、蘭子ルートはおまけシナリオとして存在するが、主人公とではなくサブキャラ(三郎)と結ばれる パッケージにはあたかも蘭子が攻略可であるように見えるが…あくまでおまけだと捉えればいいのだろうが 「雑な絵」「かみ合わない表情」 イベントCGはまだしも、立ち絵の雑な仕上げは糾弾されるレベルであろう 特にキャラの輪郭に該当する線がギザギザしてるというか、消しゴムで消したような感じになっている 特にキャラの顔が拡大されるとその違和感は顕著なものになってくる 他、立ち絵には全く動きがないのに、テキストボックス横の表情だけはしきりに変化する そのため、立ち絵は笑っているのに、テキストボックス横の表情は泣いていたり怒っていたりすることも多々あり 「自慢できないシステム周り」 このブランドが自信を持って宣伝したシステムだが・・・そこが一番の問題点。とにかく動作が緩慢。この一言に尽きる マウスでのクリックへの応答の遅さはかなりのもの その上、場面が移るときにいちいちフェードアウトを多用したりするため、そこでまた時間がかかる 極めつけは、オートスキップが出来ないということ。キーボードのボタンを押しっぱなしにしないとスキップしない マウス1クリックで自動でスキップできるのが当たり前の時代にあってこの設定は・・・ また、たとえスキップをしても、スキップ速度が最速設定でもカクカクとゆっくりスキップする このゲームのアイキャッチには、期間限定のキャンペーンに申し込む際に必要な文字が出てくるのだが、 それを飛ばせない様に意図的にやっているのだろうか・・・? 反応 +... 選評乙。システム周りという意味じゃ自動起動メニューに インストール・アンインストール・諸注意があるのに「ゲームを起動する」がないのが印象的だったなw 個人的にはシナリオもカスだったと思うけどね そんなにテキスト量多く無いし、前触れもなくいきなり主人公のことが好きだと言い始めたりとか 殺陣に夢中になりすぎて、他の描写をまるっきりスルーしてシナリオ書いてると思ってしまった だけど、その糞システムのせいでプレイに凄く時間を使った気分になるから不思議 まぁここは新ブランドだし、1作目は緩めに見てあげてもいいかなぁとは思う 体験版しかやってないけど 力を入れてるその殺陣の描写も、動きが見えず文と声だけでは、 「うん、リキ入ってるねぇ!」とは思うけど、空回りって感じでしたね。 でも、元から期待してる人いないし、インパクトも小さいかな。 ぱっと見では大したことなさそうだけど実際プレイするとじわじわとキツくなってきそうだなぁ……。 システム周りはプレイ中の快適度にかなり影響するのによほど酷くない限りあまり話題に上らんよな。 しかし宣伝詐欺ホント増えたな……別にパケは攻略ヒロイン3人だけでもいいだろうに。 とりあえず載せておきました。クドわふたーの選評はかなり叩かれてたのでやめました。 -- miyumiyu (2010-09-06 16 59 55) 蘭子さん攻略できないのかよ・・・やらなくてよかったな。 -- 名無しさん (2010-09-06 17 16 42) クドわふたーも載せてます -- miyumiyu (2010-09-06 18 17 31) 立ち絵+テキスト横の表情か。立ち絵に表情つけてなけりゃよかったのに。新ブランド期待でちょっと買いたくなった -- 名無しさん (2010-09-07 14 27 14) OPで出しておきながら本編で一度も出番無い女装主人公って・・・ -- 名無しさん (2010-10-16 18 31 45) 工作別で「げっちゅ屋の4コマのキャラなんてパッケに載せるんじゃねぇ」と話してると、「情弱乙。お前の情報収集力が甘いだけ」と謎の擁護も入るのも痛かった -- 名無しさん (2010-11-07 15 33 00) ごく普通のADVで演出に力入ってるわけでもないのに、あの重さはいったいなんなんだろうな。 -- 名無しさん (2010-12-18 18 21 56) うちのパソコン、i7で組んでたけど普通に重かった… -- 名無しさん (2010-12-28 15 57 03) そういえばこんなクソゲーあったな…影が薄いがカスシナリオに激重システム、手抜きCG、ヒロイン詐欺と正統派クソゲーだった -- 名無しさん (2012-05-19 13 45 34) タグ 2010年の作品
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/831.html
2021年総評案2 大賞 Cuteness is justice 【2021】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1643644901/ 122: 総評2 ◆vq7OBokoT2 :2022/05/01(日) 20 41 50 HOST M106073135224.v4.enabler.ne.jp https //writening.net/page?jA86nE 少し早いですが、第5版を公開しました。 可能な限り頂いたご意見について検討して、作成しております。 変更点 冒頭 「今年はどんな魔物が~」の下りを削除。 冥契 紹介終盤を変更。四大悲劇『オセロー』をオマージュし、悲劇的な今後の展開を暗示。 幻想カジノ 麻雀用語を修正。 下戸勇者 「ドラゴンクエストシリーズを元ネタとする」に表記修正。 他のネタを使用している件は、その後の「統一性が皆無」の一言で十分かと。 Cuteness 「エンパイアエルフ王国」の箇所の表現修正。 ふゆくる 「阿鼻叫喚に至らしめた」に変更。 終盤 「来年はどんな魔物が~」の下りを四大悲劇『マクベス』の一節に変更。 その他、一部表現を整理。 ここまでシェイクスピアを引用しなくてもいい気はしますが、冥契を悲劇の序章としたときに『オセロー』の引用を思いつきました。 そこから『マクベス』だけ仲間はずれにするのももったいないので、使えそうなところに差し込んだ形です。 また、下戸勇者の紹介分割をDQ3のバラモス・ゾーマに寄せるというご意見ですが、 どちらかというと下戸勇者を大賞にする総評で、Cutenessをバラモスに見立てて書くなら採用したいご意見な気がします。 下戸勇者は再登場ですので、同一作品でバラモス・ゾーマへの置き換えは厳しい気がしています。 引き続き、忌憚の無いご意見を頂けますと助かります。 《以下外部リンクより転載》 2020年、あらゆる界隈を巻き込んだ不況と混乱の中で催されたクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は前代未聞の病に見舞われた。 不快な主人公、地雷ヒロインにご都合主義展開とクソのストロングスタイルを備えながら、テキストにキラキラルビの細菌を蔓延させ、 未知のパンデミックを引き起こした『LOVE・デスティネーション』がKOTYe2020を制したのである。 発足してから13年経過してもなお新たなクソ要素が発見される事態に対し、2021年に臨む歴戦の猛者たちは胸を高鳴らせていた。 KOTYeの冒険者達が乗り込むキャラベル船は、新たなる香辛料を求めて航海を続けるのである。 3月下旬、2021年のKOTYeはまさかの来訪者に慌ただしく動き始めた。 桜の開花がパンデミックで傷ついたこの国に春の到来を告げる頃、春告鳥としてウグイスカグラの『冥契のルペルカリア』がKOTYe開幕の知らせを伝えてきたのである。 上質なシナリオで固定ファンを掴んでいる同ブランドだが、届いた選評は実態とあまりに乖離した宣伝文句に踊らされた、哀れな白鳥の叫びであった。 青春譚、恋愛譚、幻想奇譚の3本柱をコンセプトに据えているが、前2つは形骸化され、実際は虚構世界で展開される陰々滅々としたエピソードが続く。 各登場人物の長く重苦しいモノローグにより陰鬱さを極め、選評者をして「一個も明るい話が無い!」と言わしめた。 これを「ブランドの作風」と言えば聞こえは良いが、単に「ご新規さんお断り」とも取れる為、擁護派からも一定の支持を受けてしまう。 かくしてKOTYeに飛来した『冥契』だったが、このような予想外の良作ブランドが到来する例は本年の特徴である。 仮に「世間」である程度評価されていたとしても、たった一つの「裏切り」により、人の愛憎はオセロの如くひっくり返る。 『冥契』の演じた悲劇は本年を彩る前奏曲として、檜舞台に上がる役者達を暗示していたのである。 ウグイスカグラの衝撃的な来訪に続く事となったのは、同月に発売されたCalciteの『女勇者と幻想カジノ~求む亜人巨乳美女ギャンブラー~』である。 何を隠そう、Calciteはかつての大賞作『SEX戦争』を輩出した名門スワンアイの流れを汲むブランドである。 定番ジャンルとして異世界物の抜きゲーを続けてきた同ブランドだが、ついに4作目でダウトとなった。 ご都合主義展開や活かしきれないキャラ設定とクソゲーのお約束を押さえた本作だが、最大の問題は流用によるCG数の水増しである。 全60枚のCGの内、触手や背景の入れ替え、左右反転で作られたと思わしきものは26~7枚と半数近くを占める。 ED絵まで立ち絵改変で誤魔化す為、シナリオだけでなくCGまで投げっぱなしであり、これだけでフルプライス失格の赤牌といえるが、それ以外の配牌も悪い。 異世界ギャンブルものとしての掘り下げが不十分で、登場するイカサマも「カードに傷を付ける」など、小学生の悪戯レベルである。 オーラスにはゲーム内ミニゲームのブラックジャックでブラックジャック(役)が存在しないというチョンボまで発見される。 スキップ可能とはいえ、製作陣が如何に付け焼刃のギャンブル知識で本作を手掛けたかの証左と言えよう。 これに立ち絵増殖やらエロシーンで突然シーン回想の挙動やらのバグのドラも合わさりクソの役満となった。 安牌の異世界物を掴んだと思ったら、まさかの直撃で箱点になり、スレ住人には失笑が溢れることとなった。 GWに自粛を強いられた世間を尻目に、「失笑なら任せろ」と言わんばかりに登場したのが、4月末に発売したばかりのevollの『とっても明るい!お嬢様の満喫☆夢のどすけべ生活』である。 前年に、「風が吹けばストッキングが消える」でお馴染み『絶品バーガー』を送り込んだ新鋭が新たな方向性を携えて馳せ参じた。 「とっても明るい!」と題した本作だが、シナリオは「バスジャックで誘拐したら、レイプ願望のあるお嬢様に逆脅迫され仕方なく凌辱」という複雑怪奇なものである。 バカゲー狙いと思われるが、ぶれたコンセプトは凌辱ものとしてもバカゲーとしても満足することは無い。 主人公が凌辱に向いておらず、行為に入る前に挿入される鼻血や童貞臭いモノローグの演出がプレイヤーをいらだたせる。 それに続くのは、ピロートーク代わりの辛辣なH品評会制度であり、「主人公に感情移入出来ないのにダメ出しされる」という新手の言葉責めをしてくる。 一方のギャグはというと、「メイドが牛乳ととろろを入れ替えた」「言葉のダメージで9999のダメージが飛び出るのが見えた」など、バカゲーを馬鹿にするようなネタには乾いた笑いすら出ない。 全体的に何をしたかったのかが伝わらず、珍走団の如きライターの迷走っぷりには甚だ迷惑である。 前作『絶品バーガー』を下回る料理を出された美食家をして「エロゲから離れた方がライターの為」と評せしめ、スレ住人は大いに舌鼓を打つのであった。 6月に入ると前年にエントリー作を出したSUKARADOGから『家出ギャルを拾ったので育ててみた』が梅雨らしい陰湿極まるシステムで突き出される事となった。 ゲームを一回閉じると起動しなくなり、再インストールを要求と初っ端からイラつかせる本作だが、まだ掴みに過ぎない。 最大の問題はマウス左クリック以外の操作が出来ない事であり、息子をイカせる前に人差し指がイカれるという事態を引き起こす。 シナリオも設定を活かしきれない微妙さだが、ヒロインのイメチェンをCG差分とせず、41枚の内半分が被りという手抜きには、「お前は抜くんかい」と購入者が激怒しても仕方がない。 かくして「抜く為の利便性が低すぎて、エロゲに数えたくない」と断罪された本作は同ブランド2年連続のエントリーを飾ったのであった。 『家出ギャル』の放った湿気を吹き飛ばすべく、正統派クソゲー御一行様がお祭り男の座を争い立て続けに着弾。 夏真っ盛りを迎えようとするKOTYeの戦場は、足元ぬかるむ泥まみれ、もといクソまみれの地獄絵図と化したのである。 その急先鋒として、5月に発売されたpanacheの『ぱられるAKIBA学園』が自らのアイデンティティーを脱ぎ捨て参上した。 度重なる延期の果てに当初の予定から丸一年遅れで発売されたその姿は、初志貫徹とは言えない事が容易に窺い知れる内容であった。 本作のあらすじは異世界でヒロインの勇者一行とともに魔王を倒し、オタク文化を広めながら世界を復興するという意外と骨太なものである。 復興描写の都合上、筋の通った世界設定が求められるはずだが、本作は世界観を安定させる前にヒロインのキャラが安定しない。 共通ルートを終えると4人中3人がまるで別人に変貌し、プレイヤーの方がパラレルワールドに送られたかのような錯覚を味わう事となる。 委員長属性の勇者はネガティブモブに、吟遊詩人エルフは騒音お姉さんに、頭脳派魔導士は破壊行為中毒にと純然たる宣伝詐欺であるが、 変貌しない聖女も元からイカれている為、結果として全員属性地雷と化す。 世界観についてもそもそも教育・文化そのものが無い為、オタク文化の布教以前に国家体制作りからやる事が満載であり、踏む段階が多すぎて製作者が転落事故を引き起こしている。 貴族たちの腐敗など、無駄にリアルで気分を害する設定を挟んだと思えば、識字率が低い設定を踏み倒し遊戯王カードを普通に読むモブと、真面目に読むのがバカバカしいだけである。 おおよそシナリオには期待できない拙さだが、エロについても覚束ない。 個別ルートなのに大半が3Pとアブノーマルなシチュが多い癖、巨乳ヒロインでもパイズリはゼロと「何をもってこの配分にしたのか」と小一時間問い詰めたい。 製作者の都合に振り回され、プレイヤーまで振り回した本作は、「ファンタジー」「異世界」といった本年の流行かつ鬼門の象徴として、KOTYeのコレクションに収められたのである。 8月になると、キャラメルBOXいちご味の『下戸勇者~下戸は飲まねど酒池肉林!~』が夏の熱気を冷ますべく、絶対零度の呪文を携え戦場に現れた。 本作はドラゴンクエストシリーズを元ネタとしたパロディ抜きゲーだが、笑いを催すどころか、輝く息の如き寒いネタが所狭しと敷き詰められている。 始まりの町「アリアハン」をもじった「アリエヘン」はまだマシな方で、戦闘テキストや選択肢ループのパロディは脈絡もなくただ差し込まれ、笑い所として成立していない。 「チャラリーンハナカラニューギュー」といった呪文や、どこかで見た事のある名前枠長文化ネタなど、もはや元ネタの統一性も時事性も皆無であり、読み進める程苦痛にしかならない。 かつての強豪『銃騎士』の再来の如き寒さに対し、選評者から作中のセリフをもじり「アナキラシタクネーショック」と命名されてしまう。 システム周りも、未読一択で声が重なりまくるスキップやカーソルを合わせないと表示されないコンフィグと、実績のあるブランド系列とは思えない代物である。 あまりの醜態に「語る気が失せる」とやや手短に報告された本作だったが、一部のスレ住人からはわかりやすいダダスベリゲーとして注目を集める事となった。 だがしかし、単に「語る気が失せる」では済まされないその正体を後に知った住人たちは戦慄する事になる。 勇者のドスベリ納涼宴会芸も終わり、夏の終わりが近づく9月、「俺たちの百物語はこれからだ」と妖怪が襲い掛かってきた。 8月発売、ももいろPocketの『ぶっかけ陰陽師絵巻 ~Hなお祓いいたします~』の慟哭である。 同ブランドはスワンアイの正統後継者として2019年の『カスタムcute』、2020年の『姫武将』に続き3年連続の参戦となった。 本作は陰陽師の主人公が巷に蔓延るHな呪いを精液で解除する和風ファンタジー抜きゲーだが、素材を活かすどころか、そもそも素材が間違っている。 妖怪が跋扈する古風な世界観に場違いな現代風衣装のヒロインや同ブランドの前作『姫武将』から流用したドットの粗い背景と、のっけから躓いて立ち上がる事は無い。 肝心のCGについても、親戚のCalcite『幻想カジノ』から「CGを流用して水増し」を伝授されており、フルプライスにもかかわらず実質1jksを下回る。 テキストも陳腐なモノローグにより実用性は骨抜きにされ、「腹にぶっかける」を選んだのに、腹を写さないCGを無理くり誤魔化そうとする所業にはタイトル詐欺も甚だしい。 本筋は主人公の妖怪呪い考察が大半を占め、ヒロインとのイチャイチャも端折ったまま、ボスとの戦闘といった山場も立ち絵流用の戦闘CGの前には興ざめである。 この時点で壮絶な出来だが、そこはやはりスワン系、システム周りにも救済は無い。 かつての同門ブランドの大賞作、みるきーぽこの『孕らぽこ』に倣い、ノーヒントのぶっかけ三択を間違えるとルートが消えたり、途中で終わる嫌がらせ仕様を搭載している。 これにセーブ&ロードで対処しようとすると、前作同様の5~6秒の暗転が首を絞めてくる有様である。 そんな惨たらしい出来に飽き足らず、10月末には本作のDL版が某所の10本1万円セールに登場し、前代未聞の売り逃げを完遂させてしまう。 わずか2か月で税込9,680円の本作が実質1,000円と9割近い値下げとなり、発売日に購入したユーザーに哀悼の意を表したい。 一方で、白昼堂々の逃走劇に対し「もともと1,000円で売る事を想定して作ったのでは?」と邪推の声も上がってしまう。 こうしてCG流用、愚昧なエロ描写、無味乾燥なシナリオ、悪辣なルート周りに価格暴落と悪の陰険五行説を提唱したももいろPocketは 同ブランド3度目の正直にして同系ブランド3代目の大賞というクソ大河の完成に向け名乗りを上げたのである。 妖怪の跳梁跋扈によりどんよりした雰囲気の中、秋深まる10月末には大河ドラマの主役の座を取り返すべく、まさかの真打が登場した。 歴史もので評価の高いインレから『源平繚乱絵巻 -GIKEI-』が一ノ谷の戦いさながらの崖下りで奇襲を仕掛けて来たのである。 本作は現代の主人公が過去にタイムリープして、源義経として源平争乱の時代を戦い抜くというあらすじである。 プレイ時間30時間超、2回のループを挟んで実質一本道の本作は、純粋に歴史ものを期待した層を憤死させる杜撰な展開が問題である。 本筋では度重なるタイムリープで過去の歴史改変の影響が現代に現れる描写を展開する一方、 最終盤にはそんな設定をかなぐり捨ててパラレルワールドと開き直り、ボスの悪霊と少年漫画さながらのドッカンバトルに挑む。 そこに至るまでも、日常シーンで義妹ヒロインの蘊蓄がテンポを損ない、「日本最古の温泉」やら「ギリシャ悲劇」やら、源平合戦どころか日本史にすら無関係な豆知識自慢が展開される。 「太陽以外で最も明るい星」で金星をシカトする間違いも見受けられ、いかがでしたかブログを斜め読みする程度の信憑性には首をかしげざるを得ない。 せめてエロに救いを求めても、魅力的な女体化武将達にエロシーンは存在せず、現代から一緒に来たヒロイン二人で計5回と諸行無常を感じさせる。 勇壮な歴史絵巻たる中盤まで懐疑的にみられてしまう顛末に「神は細部に宿る」という言葉の重さを噛み締めるのであった。 『GIKEI』の非業の最期を見届けたスレ住人が対峙したのは、5月の発表当初より夏の怪物……むしろラスボスとして危険視されていた大作であった。 8月発売Vanille Macaronの『Cuteness is justice』がタイトルに合わぬ禍々しい姿でこの混乱に畳みかけてきたのである。 ファンタジー世界を舞台にしたやりこみ育成SLGと銘打った本作だが、ブランド処女作にしていきなり三部作構想、HPだけで分かる低品質、それでいてほぼフルプライスと 悪臭を通り越して腐乱臭を漂わせており、かねてより追跡対象となっていた。 かつて圧倒的な画力で頂点に立った『ママ2』になぞらえて、「見えている地雷」と称された実態を紐解こう。 本作のストーリーは亡国の皇女リンを調教師の主人公が拾い、Hを含めた調教育成を施して、亡国の再興を目指すという壮大なもののはずだが、 冒頭から「エンパイアエルフ王国」「ドワーフ王国」と安っぽい固有名称には噴飯せざるを得ない。 ジャンルとしては『プリンセスメーカー』に連なる昔ながらのコマンド式育成シミュレーションだが、SLGパートでは能力の増減に関するヒントが見当たらない。 ちょっとした能力の不足で即BADENDに直行する難易度に対し、マニュアルやパッケージにヒントは出ておらず、攻略には情報サイトBugBugの記事が必読となっている。 基本ノーヒントの理不尽さに加えて、本旨のやりこみを困難にする古臭いシステムがプレイヤーを苦しめる。 セーブは行動選択画面しか出来ない上に10個しか作れず、地道に8種類のエンディングを開拓していくトライ&エラーありきのゲーム性を根本から過酷なものとしている。 ゲームテンポも劣悪で、コマンドの度に切れるスキップ、場面切り替えで頻出する読み込みロードの嵐と、ストレステストの如き賦役が待ち受けている。 これを補うエロはというと、そもそもCGのクオリティが商業水準に到達していない。 キャラ毎に絵柄が安定せず、同人レベルとされた塗りが「見えている地雷」とされた所以だが、射精断面の白濁液に黄色い粒が混じるグロ画像が発見されるとスレを恐怖のどん底に陥れた。 添えられるテキストも「、」(読点)の位置がぐちゃぐちゃで読みづらく、形容詞の対象や主語が行方不明になる稚拙なものである。 何とか理解したとしても3クリックで射精するものや、普段弱気な主人公が急にハイテンションセクハラおやじに豹変するものなど、失笑をかっさらう出来である。 ほとんどのシーンで20~30クリック以下で終了する為、実用性には全く期待出来ない惨状だが、例によって調教コマンドのエロシーンは省略出来ず、1周クリアするまで100回超の苦役の一部と化す。 絶え間ない地獄の果てに登場するラスボスは一枚絵のモブトカゲであり、三部作の一作目とはいえ、苦役の代価の盛り上がりの無さに辟易するだけである。 理不尽かつやりこみに不便なシステム、商業失格のCG、我流点整を欠くテキストと税込8,580円の体裁をなしておらず、ラスボス級の圧倒的な戦闘力はスレを論争に巻き込んだ。 「2,000円の同人としてなら許せる」「いや、1,000円でもやりたくない」「熱意を感じる分余計にきつい」「Win98の時代に出ていたなら……」 程度の問題ではあるが、否否両論入り乱れた本作は本年のKOTYeのセンターとして、最後まで引き合いに出され続ける地位に君臨したのである。 ラスボス襲来に沸き立つスレだったが、そこに流行りの異世界エルフが魔弓ならぬ魔球を投じてきた。 North Boxの『エルフのお嫁さん ~ハーレム婚推奨~』がスクランブル登板してきたのである。 異世界ものに学園ものを合わせヒロインはエルフと、抜きゲーとしては置きに行った作品に見えるが、絵以外の褒め所が無い。 シナリオは食事とセックスを往復し、舞台装置の学園のせいで異世界設定が死ぬという共食いが発生している。 一方でエロシーンはお祭り風のBGMが自家発電を牽制し、タイトルの「ハーレム」要素も4回の3Pと4人フェラ一回ではただの見せ球に過ぎない。 その癖持ち球自体が少なく、終盤の展開が各ルートで重複し、プレイ内容もワンパターンな配球に終始している。 こうして宣伝された大半の属性が死に絶え、多様な購入者のストライクゾーンを避ける魔球と化した本作に対し、スレ住人は見送り四球を選ぶのであった。 エルフによる魔球を見送り、塁に出た先に待ち受けていたのは天使と悪魔の凸凹バッテリーであった。 QUINCE SOFTの『ごほうしアクマとオシオキてんし』の降臨である。 1月の発売直後もテンポを損なう読み込みロードの多さから話題となった本作だが、11月に未知の問題が発覚しKOTYeに召される事となった。 大筋としては天使と悪魔2人が旅館を手伝い、過疎化にあえぐ離島を盛り上げる町興しものだが、そんな触れ込みも悪魔の戯言に過ぎない。 島のPR動画撮影からあっという間に観光客増と、ご都合主義極まりない展開であれよあれよという間に島は盛り上がってしまう。 エロの導入も強引で、仕事中に突然大浴場でおっぱじめ、何をしに来たのかを忘れる展開は「欲情しにってか!」とのツッコミとともに嘲笑の的となった。 そんな僅少な描写力に対して、膨大なのはフレームレートである。 本作はまるでベンチマークテストの如く、システムが許容する最大負荷をかけてフレームレートを暴走させる。 高スペックGPUではゲームの軽さで負荷が上がりきらないものの、密かに無駄な電力を消費するこの仕様は昨今叫ばれるSDGsの対極を行くものであり、 選評者をして新タイトル「こっそりグラボにオシオキべんち」としてクソの禁書目録に収められることとなった。 悪魔によるPCの強制労働を目の当たりにした衝撃も冷めやらぬ中、12月にやって来たのはやる気のない風俗嬢であった。 11月末に発売されたばかりのCalciteの「ニート娘を更生させよ!性技があれば生きていける」が同ブランド2連勤を果たすこととなったのである。 本作のシナリオはニート更生員の主人公が社会不適合者のヒロイン達を更生させて就職を目指すというものだが、 税込7,480円のミドルプライスながら、メーカー推奨1.5GBに対し、ゲーム容量が302MBしかない。 『ママ2』の悪夢を思い出すような数値だが、そのダイエット法はとにかくセリフをケチる事である。 売りとされたヒロインを更生する展開は1周+各ヒロイン個別1回で終了し、途中の交流描写をカット。 CG40枚、シーン数36と体裁だけはまともだが、モノローグが水増しされたエロシーンではなかなか声が聞こえない。 「しゃべれよ!ちゃんと喘げよ!イクの早すぎるよ!」の三重苦には右手も職務放棄してしまうだろう。 おまけにBugBug記事以外で未告知の風俗堕展開も強引展開の末のやっつけ仕事であり、難病の闘病資金の為に風俗勤務という倫理観の破綻した展開には開いた口が塞がらない。 システムも完成度が低く、説明書通りに右クリックが動作しない、クイックロードでタイトルに戻る、シーン回想の範囲設定ミスなど、大小さまざまな不手際が脇を固める。 風俗堕ちの末、ヒロインが出演したAVの男優名がなぜか「Man」と、厚顔無恥な出来に「ニートに働かせる前に、お前が働け」と製作陣に物申したいところである。 一方で前作がスワン系の新奥義「CGを流用して水増し」を咎められた為、反省したのか。 本作は卑怯な真似に頼らない正統派のクソゲーとしてKOTYe2021の社員名簿に名を連ねる事となった。 12月も末に差し掛かり年の瀬の足音が聞こえる頃、まさかのブランドから年内最後の選評が投下された。 シルキーズプラスの「ふゆから、くるる。」が同系ブランドで初めてKOTYeの門を叩いたのである。 本作はすみっこソフトより引き継いだSFミステリ、四季シリーズの最終作だが、最終盤の解決パートを除き問題が山積している。 全体の1/3を占める導入パートでは、理路整然さの欠片もないヒロインが主人公の話も聞かずに明後日の方向に脱線しまくる。 メインの推理パートでも読者が推理する為に必要な情報が開示されず、事情聴取でさえミスリードさせる会話劇には、十戒を唱えたノックスも草葉の陰で激怒するだろう。 これに加えてエロシーンでは、百合をPRしたにもかかわらずふたなりを混入させ、属性を持たない選評者を阿鼻叫喚に至らしめた。 独特な作風でファンからは好評を得た本作だが、本編の常識にとらわれない世界観をエロにまで持ち込む姿勢にスレ住人も感嘆するのであった。 2022年を迎え、例年通り1月の予備期間に突入した。めぼしい有力作をあらかた平らげたスレ住人たちは大賞談議に花を咲かせていたが、そこに早馬が届き、事態は風雲急を告げる事となる。 CIRCUSの『D.C.4 Plus Harmony ~ダ・カーポ4~ プラスハーモニー』の非道な行いが告発されたのである。 曲芸商法と言われる悪徳な作品展開を続けてきた同ブランドの末端がついにKOTYeの捜査網にかかったのであった。 本作は全年齢版『D.C.4』の18禁移植作だが、罪状はシンプルに「手抜き移植」である。 18禁化の都合上、CVの変更を余儀なくされた本作だが、本編シナリオの一言一句を一切変えずに解き放たれ、ファン層に刺さる毒矢と化した。 加えて、本編終了後の追加要素であるエロにも埋伏の毒が仕込まれている。 メイン・サブ合わせて8人のヒロインに各4枚のエロCGだが、その大半を流用して2回使うという誰得仕様を搭載したのである。 死の商人たるCIRCUSの売り方に辟易する者もいたが、同時に「曲芸にしては良くやっている」と罪深い擁護まで飛び出し、スレはヒートアップする事となった。 そして最終日の1月31日。選評締め切りまでわずかのところで、立て続けに3本の選評が襲来し、KOTYe史上稀に見る電撃戦が展開されたのである。 その先鋒を務めるのはPrincess Sugarの『プリンセス☆シスターズ!~四姉妹は全員あなたの許嫁~』である。 外国のお姫様四姉妹とのイチャラブをお題目に据えた本作だったが、萌えゲーを期待させておいて、その実態は虚無シナリオの抜きゲーである事からKOTYeの舞踏会に連れ出された。 ヒロインは一人を除いて自ら股を開く尻軽であり、それに発情するだけの竿と化した主人公には「空気」以外の印象を持つことは無い。 イチャイチャ要素のはずの日常描写もひたすら虚無で、「記憶喪失がフライパンで治る」などの寒いネタではお茶も濁せない。 美麗CGにより抜きゲーとしては佳作に成り得るものの、エロ以外で未読スキップを推奨された本作は、文字通り最終日の動乱の姫始めとして役割を果たす事になった。 そんなビッチ姫の窮地を救うべく、何やら見覚えのある勇者が戦場に現れた。 キャラメルBOXいちご味の『下戸勇者~下戸は飲まねど酒池肉林!~』が最終日の動乱を制圧すべく再臨したのである。 8月に肝試し要らずの極寒スベリ芸で「語る気が失せる」と評された本作だが、ただのスベリゲーに留まらない圧倒的破壊力を備えている事が詳らかになった。 DQパロとしては、原作ヒロインのビ〇〇カやベ〇〇カを「バ行で始まり、カで終わる」と小馬鹿にする無神経な茶番が発見された。 寒いネタもエロまで侵食し、「会心の一撃」と叫びながらピストンするなど、抜けず笑えずの二兎を追うものと化してしまっている。 凌辱メインの抜きゲーである本作だが、ネタの侵食以外にもエロに多くの問題を抱え、パルプンテ並みの不安定さを誇る。 CG70枚、シーン数33の見かけに反してその半数以上がハリボテであり、 各エピソード冒頭のチラ見せH、需要不明な主人公の女体化逆レイプ、和姦用とはいえオホ声を台無しにするゆったりBGMと、実用性無しに枠だけ埋めるシーンが入り乱れる。 凌辱で悪役然たる主人公も和姦中に「はぐれ狩り」もといDQあるあるを語りだし、抜き所をバシルーラしてしまう。 一方で世界観描写は過剰に凝っており、貨幣経済の実情まで長々説明してくるが、クリアまで15時間弱の苦行を増長させるだけである。 いくら終盤でそれらの設定を回収しようとも、そこに至るまでの失態の数々の前には、力の入れ所が間違っていると言わざるを得ない。 止めとばかりに確認ダイアログから簡単に背景をブラックアウト出来る立ち絵鑑賞用バグも発見され、ようやく全容解明となった。 寒いギャグとおざなりなエロという二刀流で地獄の帝王の如き本作はDQシリーズの魔王にならい、最後に進化の秘法によって真の姿を現したのである。 魔王の踏み荒らした大地を砂漠に変えるべく、最終日のトリを務めたのはDESSERT Softの『彼女(ヒロイン)は友達ですか?恋人ですか?それともトメフレですか?Second』である。 2019年エントリーのシリーズ前作が甘酸っぱいヒロインとのイチャイチャ同棲から急転直下のハーレム性奴隷bot化で顰蹙を買ったのに対し、 本作は評価されていた日常イチャイチャ描写を大幅削減し、改悪したハーレムエロを増量した罪で再び御用となった。 イチャイチャが薄い分、性奴隷化してもショックは少ないとも取れるが、前作比およそ半減のプレイ時間で、売りのネタ要素すら削減されてしまっては擁護のしようもない。 本作で登場する「露骨にハーレム結成に向けて立ち回る妹」は前作の「策士妹」と悪い意味で対照的な存在であり、同ブランドを三年連続のKOTYeハーレムに導く原動力となった事を付け加えておく。 以上、全エントリー作品16本が出そろったところで、本年の大賞および次点を発表する。 次点は、 『ぶっかけ陰陽師絵巻~Hなお祓いいたします~』 『下戸勇者~酒は飲まねど酒池肉林!~』 そして大賞は、 『Cuteness is justice』 とする。 本年のクソゲーを俯瞰してみると前年の傾向の先鋭化が顕著であると見て取れる。 すなわち手抜きに基づく「価格不相応」の品質と事前情報と実態の乖離による「裏切り」の二大要素であり、多くの作品を貶める事になった。 前者については、パンデミック不況によってエロゲ業界全体の製作サイドが予算不足に陥っていた事は想像に難くない。 一方で後者については非常に解釈が難しく、「自分が理想を抱きすぎたのかもしれない」と選評執筆をためらう者が続出する事となった。 書くべきか、書かざるべきか…… 苦悶に苛まれた選評者達はスレで悩みを吐露し、その度に住人たちが慰めたのである。 「KOTYeはネタスレであり、選評はあくまで『個人の意見』である」と。 本年程KOTYeの原理原則が確認される事はかつて無かったかもしれない。 炎上騒動やクソゲーへの注目など、SNSを含めた一人一人の行動が作品に影響を与えやすい世の中となり、ある意味で選評のハードルが上がってしまったが故の事態と言えよう。 結果として『冥契』、『GIKEI』、『ふゆくる』、『DC4PH』のように世間からある程度評価されている作品も選評が寄せられたが、 いずれもクソの誹りを免れない「裏切り」を抱えており、全体としては凡作以上としても選評執筆に至った心境を咎める事は誰も出来ないのである。 例によって次点以上には、このようなためらいを伴って選評が届いた作品たちとは一線を画す魔物が据えられる事となった。 TPOをわきまえない寒いネタとおざなりエロで需要不明の権化となった『下戸勇者』 スワン系の後継者として、飽くなき手抜きで無価値に近づこうとする『ぶっかけ陰陽師』。 ヒントの無い理不尽難度、不便UIに低質なCGと価格不相応の極致たる『Cuteness』。 価格不相応、ユーザーへの裏切りとクソの二大要素を携えるいずれ劣らぬ強者揃いだが、僅差で『Cuteness』が大賞たりえたのは、 ひとえに最も「悲劇的な存在」だったからである。 ではゲーム制作における本当の意味での「悲劇」とは、いったい何であろうか。 シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を始め、古来より悲劇が人を惹きつけるのは、様々な思いに生きる登場人物達に観客が十二分に共感する事で、後に待ち受ける皮肉な結末に涙するからである。 同様に『Cuteness』も製作陣が思い描いた理想は痛いほど伝わり、多くの共感を集める事になったが、天と地よりも理想からかけ離れた実態がスレ住人たちに憐憫の感情を抱かせることとなった。 壮大なファンタジーの序章を謳いながら、安っぽい固有名称、モブの様なラスボスにただただ呆れ、 やりこみSLGとしては、ゲームテンポの悪さやセーブ枠の少なさに辛酸を舐め、 調教シーンでは、塗りの足らないCGと不自由な日本語に対して右手はマウスから離れない。 本来、熱意が伝わる事自体は評価されるべきであり、多少の粗があっても擁護したくなるゲームも存在するが、『Cuteness』の場合は熱意の分だけ現実の冷酷さを強調する事にしかならなかった。 BugBug記事において「やりこみSLGの楽しさを伝えたい」と製作者が熱弁しているが、プレイして伝わるのはジャンル特有の難易度と作業感であり、 ことごとく低いクオリティも相まって、むしろ同ジャンルに嫌悪感を抱かせる結果には落涙を禁じ得ないのである。 過去にも「手抜き」に基づく価格不相応を非難された作品はいくつも存在するが、手抜きを感じさせない「理想の片鱗」と裏腹な「実力不足」にこそ、『Cuteness』の悲劇性は極まってしまっている。 これに対して、『下戸勇者』はどんなにネタが不快でも、曲がりなりにも冒険ファンタジーとしては成立している。 安定せずとも一部凌辱エロに活路も見出せる為、全く救いが無いとは言えない。 スワン系の正統後継者である『ぶっかけ陰陽師』も同系としてはやや小粒と言える。 売り逃げの問題こそあれ、手抜き中心のクソ要素では大賞としては力不足感が否めないだろう。 『Cuteness』のゲーム性の絶対的な酷さは歴代の魔王達と比較しても遜色無いが、伝わる情熱で心情的評価を持ち上げる事が出来たのは特徴的である。 安価であれば挑戦したいという声も上がり、「間違いなくクソなのに応援はしたい」という矛盾した感情を持たせたが、それでも満場一致で大賞に選出され「懐の深さ」を見せつける事となった。 本作を手掛けた夢追い人の挑戦はエロゲの裾野を広げる可能性を感じさせ、理想を求めて戦う姿勢の重要性を説き、それだけではままならない過酷な現実を示すカタストロフとして語り継ぐにふさわしい。 熱意だけではプロ失格という当たり前の厳しさを教えてくれた『Cuteness』に対し、クソを評するアマチュアの端くれとしてKOTYe2021大賞の栄誉を贈りたい。 かくして、KOTYeの新たな王者が誕生したが、我々の冒険は終わらない。 未だ「クソゲーとは何か」の真理探究の途上であり、逆風吹きすさぶエロゲ業界も含め、険しき道のりがこれからも待ち受けているだろう。 それでも……たとえどんな悲しい終局が待ち受けていようとも、明日に踏み出す一歩を止めるわけにはいかないのである。 悲哀なる王『Cuteness』と同じく、ただひたすら嵐の中を彷徨い続けるKOTYeの物語もまだ終わっていないのだから。 「どんなに長くとも、明けない夜はない」 好事家たちの冒険は続く。悲劇ではない、誰もが笑いあえる大団円のエンドロールを追い求めて。 最後に、恋愛悲劇を代表する傑作『ロミオとジュリエット』の台詞を拝借し、慈しむべき大賞作の『Cuteness』に対し、現世の悔恨と来世への期待を示す事でKOTYe2021の幕を閉じよう。 「ああ『Cuteness』よ、どうしてあなたは『クソゲー』なの」
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/832.html
2021年総評案2 大賞 Cuteness is justice 【2021】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 総評審議所 https //jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/game/58649/1643644901/ 130: 総評2 ◆vq7OBokoT2 :2022/05/21(土) 10 01 12 HOST M106073135224.v4.enabler.ne.jp https //writening.net/page?7MHhMz 総評第6版公開いたします。 変更点 語尾の調整(ややくどい感じがするので) 「事となる」→「ことになる」表記に変更及び削減 「である」→他の表現に言い換えするなどして少し削減。 作品紹介一部表現を修正(指摘を受けた箇所を含む) ルペカリ、ぱら学、下戸勇者前半、ぶっかけ陰陽師、ごほうしアクマ、プリシス等。 まとめと締めの言葉 BugBug記事の一文及び前後を変更。締めの言葉前の一文を簡略化。 《以下外部リンクより転載》 2020年、あらゆる界隈を巻き込んだ不況と混乱の中で催されたクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は前代未聞の病に見舞われた。 不快な主人公、地雷ヒロインにご都合主義展開とクソのストロングスタイルを備えながら、テキストにキラキラルビの細菌を蔓延させ、 未知のパンデミックを引き起こした『LOVE・デスティネーション』がKOTYe2020を制した。 発足してから13年経過してもなお新たなクソ要素が発見される事態に対し、2021年に臨む歴戦の猛者たちは胸を高鳴らせていた。 KOTYeの冒険者達が乗り込むキャラベル船は、新たなる香辛料を求めて航海を続けるのである。 3月下旬、2021年のKOTYeはまさかの来訪者に慌ただしく動き始めた。 桜の開花がパンデミックで傷ついたこの国に春の到来を告げる頃、春告鳥としてウグイスカグラの『冥契のルペルカリア』がKOTYe開演の知らせを伝えてきたのである。 上質なシナリオで固定ファンを掴んでいる同ブランドだが、届いた選評は実態とあまりに乖離した宣伝文句に踊らされた、哀れな白鳥の叫びであった。 青春譚、恋愛譚、幻想奇譚の3本柱をコンセプトに据えているが、前2つは形骸化され、実際は虚構世界で展開される陰々滅々としたエピソードが続く。 各登場人物の長く重苦しいモノローグにより陰鬱さを極め、選評者をして「一個も明るい話が無い!」と言わしめた。 これを「ブランドの作風」と言えば聞こえは良いが、単に「ご新規さんお断り」とも取れる為、擁護派からも一定の支持を受けてしまう。 かくしてKOTYeに飛来した『冥契』だったが、このような予想外の良作ブランドが到来する例は本年の特徴である。 仮に「世間」である程度評価されていたとしても、たった一つの「裏切り」により、人の愛憎はオセロの如くひっくり返る。 『冥契』の演じた悲劇は本年のプロローグとして、後に檜舞台に上がる役者達を暗示していた。 ウグイスカグラの衝撃的な来訪に続いたのは、同月に発売されたCalciteの『女勇者と幻想カジノ~求む亜人巨乳美女ギャンブラー~』である。 何を隠そう、Calciteはかつての大賞作『SEX戦争』を輩出した名門スワンアイの流れを汲むブランド。 定番ジャンルとして異世界物の抜きゲーを続けてきた同ブランドだが、ついに4作目でダウトとなった。 ご都合主義展開や活かしきれないキャラ設定とクソゲーのお約束を押さえた本作だが、最大の問題は流用によるCG数の水増しである。 全60枚のCGの内、触手や背景の入れ替え、左右反転で作られたと思わしきものは26~7枚と半数近くを占める。 ED絵まで立ち絵改変で誤魔化す為、シナリオだけでなくCGまで投げっぱなしであり、これだけでフルプライス失格の赤牌といえるが、それ以外の配牌も悪い。 ギャンブルものとしての掘り下げが不十分で、登場するイカサマも「カードに傷を付ける」など、小学生の悪戯レベルである。 オーラスにはゲーム内ミニゲームのブラックジャックでブラックジャック(役)が存在しないというチョンボまで発見される。 スキップ可能とはいえ、製作陣が如何に付け焼刃のギャンブル知識で本作を手掛けたかの証左と言えよう。 これに立ち絵増殖やらエロシーンで突然シーン回想の挙動やらのバグのドラも合わさりクソの数え役満となった。 安牌の異世界物を掴んだと思ったら、まさかの直撃で箱点になり、スレには失笑が溢れることとなった。 GWに自粛を強いられた世間を尻目に、「失笑なら任せろ」と言わんばかりに登場したのが、4月末に発売したばかりのevoLLの『とっても明るい!お嬢様の満喫☆夢のどすけべ生活』である。 前年に、「風が吹けばストッキングが消える」でお馴染み『絶品バーガー』を送り込んだ新鋭が新たな方向性を携えて馳せ参じた。 「とっても明るい!」と題した本作だが、シナリオは「バスジャックで誘拐したら、レイプ願望のあるお嬢様に逆脅迫され仕方なく凌辱」という複雑怪奇なもの。 バカゲー狙いと思われるが、ぶれたコンセプトは凌辱ものとしてもバカゲーとしても満足することは無い。 主人公が凌辱に向いておらず、行為に入る前に挿入される鼻血や童貞臭いモノローグの演出がプレイヤーをいらだたせる。 それに続くのは、ピロートーク代わりの辛辣なH品評会制度であり、「主人公に感情移入出来ないのにダメ出しされる」という新手の言葉責めをしてくる。 一方のギャグはというと、「メイドが牛乳ととろろを入れ替えた」「言葉のダメージで9999のダメージが飛び出るのが見えた」など、バカゲーを馬鹿にするようなネタには乾いた笑いすら出ない。 全体的に何をしたかったのかが伝わらず、珍走団の如きライターの迷走っぷりには甚だ迷惑である。 前作『絶品バーガー』を下回る料理を出された美食家をして「エロゲから離れた方がライターの為」と評せしめ、スレ住人は大いに舌鼓を打つのであった。 6月に入ると前年にエントリー作を出したSUKARADOGから『家出ギャルを拾ったので育ててみた』が梅雨らしい陰湿極まるシステムで突き出されることになった。 ゲームを一回閉じると起動しなくなり、再インストールを要求と初っ端からイラつかせる本作だが、これはまだ掴みに過ぎない。 最大の問題はマウス左クリック以外の操作が出来ないことであり、息子をイカせる前に人差し指がイカれるという事態を引き起こす。 シナリオも設定を活かしきれない微妙さだが、ヒロインのイメチェンをCG差分とせず、41枚の内半分が被りという手抜きには、「お前は抜くんかい」と購入者が激怒しても仕方がない。 かくして「抜く為の利便性が低すぎて、エロゲに数えたくない」と断罪された本作は同ブランド2年連続のエントリーを飾ったのであった。 『家出ギャル』の放った湿気を吹き飛ばすべく、正統派クソゲー御一行様がお祭り男の座を争い立て続けに着弾。 夏真っ盛りを迎えようとするKOTYeの戦場は、足元ぬかるむ泥まみれ、もといクソまみれの地獄絵図と化したのである。 その急先鋒として、5月に発売されたpanacheの『ぱられるAKIBA学園』が自らのアイデンティティーを脱ぎ捨て参上した。 度重なる延期の果てに当初の予定から丸一年遅れで発売されたその姿は、初志貫徹とは言えないのが容易に窺い知れる内容であった。 本作のあらすじは異世界でヒロインの勇者一行とともに魔王を倒し、オタク文化を広めながら世界を復興するという意外と骨太なものである。 復興描写の都合上、筋の通った世界設定が求められるはずだが、本作は世界観を安定させる前にヒロインのキャラが安定しない。 共通ルートを終えると4人中3人がまるで別人に変貌し、プレイヤーの方がパラレルワールドに送られたかのような錯覚を味わうことになる。 委員長属性の勇者はネガティブモブに、吟遊詩人エルフは騒音お姉さんに、頭脳派魔導士は破壊行為中毒にと純然たる宣伝詐欺だが、 唯一変貌しない聖女に至っては徹頭徹尾イカれている為、結果として全員属性地雷と化す。 世界観についても、教育・文化そのものが無い為、オタク文化の布教以前に国家体制作りからやることが満載であり、踏む段階が多すぎて製作者が転落事故を引き起こしている。 貴族たちの腐敗など、無駄にリアルで気分を害する設定を挟んだと思えば、識字率が低い設定を踏み倒し遊戯王カードを普通に読むモブと、真面目に読むのがバカバカしいだけである。 およそシナリオには期待できない拙さだが、エロについても覚束ない。 個別ルートでも大半が3Pとアブノーマルなシチュが多い癖、巨乳ヒロインでもパイズリはゼロと「何をもってこの配分にしたのか」と小一時間問い詰めたい。 製作者の都合に振り回され、プレイヤーまで振り回した本作は、「ファンタジー」「異世界」といった本年の流行かつ鬼門の象徴として、KOTYeのコレクションに収められた。 8月になると、キャラメルBOXいちご味の『下戸勇者~酒は飲まねど酒池肉林!~』が夏の熱気を冷ますべく、絶対零度の呪文を携え戦場に現れた。 本作はドラゴンクエストシリーズを元ネタとしたパロディ抜きゲーだが、笑いを催すどころか、輝く息の如き寒いネタが所狭しと敷き詰められている。 始まりの町「アリアハン」をもじった「アリエヘン」はまだマシで、戦闘テキストや選択肢ループのパロディは脈絡もなくただ差し込まれ、笑い所として成立していない。 「チャラリーンハナカラニューギュー」といった呪文や、いつかの大賞作を彷彿とさせる名前枠長文化ネタなど、もはや元ネタの統一性も時事性も皆無であり、読み進める程苦痛にしかならない。 かつての強豪『銃騎士』の再来の如き寒さに対し、選評者から作中のセリフをもじり「アナキラシタクネーショック」と評され、草も生えないその醜態を知らしめた。 システム周りも、未読一択で声が重なりまくるスキップやカーソルを合わせないと表示されないコンフィグと、実績のあるブランド系列とは思えない代物である。 あまりの寒さに「語る気が失せる」とやや手短に報告された本作だったが、一部のスレ住人からはわかりやすいダダスベリゲーとして注目の的となった。 だがしかし、単に「語る気が失せる」では済まされないその正体を後に知った住人たちは戦慄することになる。 勇者のドスベリ納涼宴会芸も終わり、夏の終わりが近づく9月、「俺たちの百物語はこれからだ」と妖怪が襲い掛かってきた。 8月発売、ももいろPocketの『ぶっかけ陰陽師絵巻 ~Hなお祓いいたします~』の慟哭である。 同ブランドはスワンアイの正統後継者として2019年の『カスタムcute』、2020年の『姫武将』に続き3年連続の参戦となった。 本作は陰陽師の主人公が巷に蔓延るHな呪いを精液で解除する和風ファンタジー抜きゲーだが、素材を活かすどころか、そもそも素材が間違っている。 平安風な世界観に場違い極まりない現代風私服のヒロインや同ブランドの前作『姫武将』から流用したドットの粗い背景と、のっけから躓いて立ち上がることは無い。 肝心のCGについても、親戚のCalcite『幻想カジノ』から「CGを流用して水増し」を伝授されており、フルプライスにもかかわらず実質1jksを下回る。 テキストも陳腐なモノローグにより実用性は骨抜きにされ、「腹にぶっかける」を選んだのに、腹を写さないCGを無理くり誤魔化そうとする所業にはタイトル詐欺も甚だしい。 本筋は主人公の妖怪呪い考察が大半を占め、ヒロインとのイチャイチャも端折ったまま、ボスとの戦闘といった山場も立ち絵流用の戦闘CGの前には興ざめである。 この時点で壮絶な出来だが、そこはやはりスワン系、システム周りにも救済は無い。 かつての同門ブランドの大賞作、みるきーぽこの『孕らぽこ』に倣い、ノーヒントのぶっかけ三択を間違えるとルートが消えたり、途中で終わる嫌がらせ仕様を搭載している。 これにセーブ&ロードで対処しようとすると、前作同様の5~6秒の暗転が首を絞めてくる有様である。 そんな惨たらしい出来に飽き足らず、10月末には本作のDL版が某所の10本1万円セールに登場し、前代未聞の売り逃げを完遂させてしまう。 わずか2か月で税込9,680円の本作が実質1,000円と9割近い値下げとなり、発売日に購入したユーザーに哀悼の意を表したい。 一方で、白昼堂々の逃走劇に対し「もともと1,000円で売るのを想定して作ったのでは?」と邪推の声も上がってしまう。 こうしてCG流用、愚昧なエロ描写、無味乾燥なシナリオ、悪辣なルート周りに価格暴落と悪の陰険五行説を提唱したももいろPocketは 同ブランド3度目の正直にして同系ブランド3代目の大賞というクソ大河の完成に向け名乗りを上げたのである。 妖怪の跳梁跋扈によりどんよりした雰囲気の中、秋深まる10月末には大河ドラマの主役の座を取り返すべく、まさかの真打が登場した。 歴史もので評価の高いインレから『源平繚乱絵巻 -GIKEI-』が一ノ谷の戦いさながらの崖下りで奇襲を仕掛けて来たのである。 本作は現代の主人公が過去にタイムリープして、源義経として源平争乱の時代を戦い抜くというあらすじである。 プレイ時間30時間超、2回のループを挟んで実質一本道の本作は、純粋に歴史ものを期待した層を憤死させる杜撰な展開が問題である。 本筋では度重なるタイムリープで過去の歴史改変の影響が現代に現れる描写を展開する一方、 最終盤にはそんな設定をかなぐり捨ててパラレルワールドと開き直り、ボスの悪霊と少年漫画さながらのドッカンバトルに挑む。 そこに至るまでも、日常シーンで義妹ヒロインの蘊蓄がテンポを損ない、「日本最古の温泉」やら「ギリシャ悲劇」やら、源平合戦どころか日本史にすら無関係な豆知識自慢が展開される。 「太陽以外で最も明るい星」で金星をシカトする間違いも見受けられ、いかがでしたかブログを斜め読みする程度の信憑性には首をかしげざるを得ない。 せめてエロに救いを求めても、魅力的な女体化武将達にエロシーンは存在せず、現代から一緒に来たヒロイン二人で計5回と諸行無常を感じさせる。 勇壮な歴史絵巻たる中盤まで懐疑的にみられてしまう顛末に「神は細部に宿る」という言葉の重さを噛み締めるのであった。 『GIKEI』の非業の最期を見届けたスレ住人が対峙したのは、5月の発表当初より夏の怪物……むしろラスボスとして危険視されていた大作であった。 8月発売Vanille Macaronの『Cuteness is justice』がタイトルに合わぬ禍々しい姿でこの混乱に畳みかけてきたのである。 ファンタジー世界を舞台にしたやりこみ育成SLGと銘打った本作だが、ブランド処女作にしていきなり三部作構想、HPだけで分かる低品質、それでいてほぼフルプライスと 悪臭を通り越して腐乱臭を漂わせており、かねてより追跡対象となっていた。 かつて圧倒的な画力で頂点に立った『ママ2』になぞらえて、「見えている地雷」と称された実態を紐解こう。 本作のストーリーは亡国の皇女リンを調教師の主人公が拾い、Hを含めた調教育成を施して、亡国の再興を目指すという壮大なもののはずだが、 冒頭から「エンパイアエルフ王国」「ドワーフ王国」と安っぽい固有名称には噴飯せざるを得ない。 ジャンルとしては『プリンセスメーカー』に連なる昔ながらのコマンド式育成シミュレーションだが、SLGパートでは能力の増減に関するヒントが見当たらない。 ちょっとした能力の不足で即BADENDに直行する難易度に対し、マニュアルやパッケージにヒントは出ておらず、攻略には情報サイトBugBugの記事が必読となっている。 基本ノーヒントの理不尽さに加えて、本旨のやりこみを困難にする古臭いシステムがプレイヤーを苦しめる。 セーブは行動選択画面しか出来ない上に10個しか作れず、地道に8種類のエンディングを開拓していくトライ&エラーありきのゲーム性を根本から過酷なものとしている。 ゲームテンポも劣悪で、コマンドの度に切れるスキップ、場面切り替えで頻出する読み込みロードの嵐と、ストレステストの如き賦役が待ち受けている。 これを補うエロはというと、そもそもCGのクオリティが商業水準に到達していない。 キャラ毎に絵柄が安定せず、同人レベルとされた塗りが「見えている地雷」とされた所以だが、射精断面の白濁液に黄色い粒が混じるグロ画像が発見されるとスレを恐怖のどん底に陥れた。 添えられるテキストも「、」(読点)の位置がぐちゃぐちゃで読みづらく、形容詞の対象や主語が行方不明になる稚拙なものである。 何とか理解したとしても3クリックで射精するものや、普段弱気な主人公が急にハイテンションセクハラおやじに豹変するものなど、失笑をかっさらう出来である。 ほとんどのシーンで20~30クリック以下で終了する為、実用性には全く期待出来ない惨状だが、例によって調教コマンドのエロシーンは省略出来ず、1周クリアするまで100回超の苦役の一部と化す。 絶え間ない地獄の果てに登場するラスボスは一枚絵のモブトカゲであり、三部作の一作目とはいえ、苦役の代価の盛り上がりの無さに辟易するだけである。 理不尽かつやりこみに不便なシステム、商業失格のCG、我流点整を欠くテキストと税込8,580円の体裁をなしておらず、ラスボス級の圧倒的な戦闘力はスレを論争に巻き込んだ。 「2,000円の同人としてなら許せる」「いや、1,000円でもやりたくない」「熱意を感じる分余計にきつい」「Win98の時代に出ていたなら……」 程度の問題ではあるが、否否両論入り乱れた本作は本年のKOTYeのセンターとして、最後まで引き合いに出され続ける地位に君臨したのである。 ラスボス襲来に沸き立つスレだったが、そこに流行りの異世界エルフが魔弓ならぬ魔球を投じてきた。 North Boxの『エルフのお嫁さん ~ハーレム婚推奨~』がスクランブル登板してきたのである。 異世界ものに学園ものを合わせヒロインはエルフと、抜きゲーとしては置きに行った作品に見えるが、絵以外の褒め所が無い。 シナリオは食事とセックスを往復し、舞台装置の学園のせいで異世界設定が死ぬという共食いが発生している。 一方でエロシーンはお祭り風のBGMが自家発電を牽制し、タイトルの「ハーレム」要素も4回の3Pと4人フェラ一回ではただの見せ球に過ぎない。 その癖持ち球自体が少なく、終盤の展開が各ルートで重複し、プレイ内容もワンパターンな配球に終始している。 こうして宣伝された大半の属性が死に絶え、多様な購入者のストライクゾーンを避ける魔球と化した本作に対し、スレ住人は見送り四球を選ぶのであった。 エルフによる魔球を見送り、塁に出た先に待ち受けていたのは天使と悪魔の凸凹バッテリーであった。 QUINCE SOFTの『ごほうしアクマとオシオキてんし』の降臨である。 1月の発売直後もテンポを損なう読み込みロードの多さから話題となった本作だが、11月に未知の問題が発覚しKOTYeに召されることになった。 大筋としては天使と悪魔2人が旅館を手伝い、過疎化にあえぐ離島を盛り上げる町興しものだが、そんな触れ込みも悪魔の戯言に過ぎない。 採用2週間でいきなりリピート客増、それに続くご都合主義丸出しなPR動画撮影など、ろくな苦労も葛藤も無しに島は盛り上がってしまう。 エロの導入も強引で、仕事中に突然大浴場でおっぱじめ、何をしに来たのかを忘れる展開は「欲情しにってか!」とのツッコミとともに嘲笑の的となった。 そんな僅少な描写力に対して、膨大なのはフレームレートである。 本作はまるでベンチマークテストの如く、システムが許容する最大負荷をかけてフレームレートを暴走させる。 高スペックGPUではゲームの軽さで負荷が上がりきらないものの、密かに無駄な電力を消費するこの仕様は昨今叫ばれるSDGsの対極を行くものであり、 選評者をして新タイトル「こっそりグラボにオシオキべんち」としてクソの禁書目録に収められたのであった。 悪魔によるPCの強制労働を目の当たりにした衝撃も冷めやらぬ中、12月にやって来たのはやる気のない風俗嬢であった。 11月末に発売されたばかりのCalciteの「ニート娘を更生させよ!~性技があれば生きていける~」が同ブランド2連勤を果たすことになったのである。 本作のシナリオはニート更生員の主人公が社会不適合者のヒロイン達を更生させて就職を目指すというものだが、 税込7,480円のミドルプライスながら、メーカー推奨1.5GBに対し、ゲーム容量が302MBしかない。 『ママ2』の悪夢を思い出すような数値だが、そのダイエット法はとにかくセリフをケチること。 売りとされたヒロインを更生させる展開は1周+各ヒロイン個別1回で終了し、途中の交流描写をカット。 CG40枚、シーン数36と体裁だけはまともだが、モノローグが水増しされたエロシーンではなかなか声が聞こえない。 「しゃべれよ!ちゃんと喘げよ!イクの早すぎるよ!」の三重苦には右手も職務放棄してしまうだろう。 おまけにBugBug記事以外で未告知の風俗堕展開も強引展開の末のやっつけ仕事であり、難病の闘病資金の為に風俗勤務という倫理観の破綻した展開には開いた口が塞がらない。 システムも完成度が低く、説明書通りに右クリックが動作しない、クイックロードでタイトルに戻る、シーン回想の範囲設定ミスなど、大小さまざまな不手際が脇を固める。 風俗堕ちの末、ヒロインが出演したAVの男優名がなぜか「Man」と、厚顔無恥な出来に「ニートに働かせる前に、お前が働け」と製作陣に物申したいところである。 一方で前作がスワン系の新奥義「CGを流用して水増し」を咎められた為、反省したのか。 本作は卑怯な真似に頼らない正統派のクソゲーとしてKOTYe2021の社員名簿に名を連ねることになった。 12月も末に差し掛かり年の瀬の足音が聞こえる頃、まさかのブランドから年内最後の選評が投下された。 シルキーズプラスの「ふゆから、くるる。」が同系ブランドで初めてKOTYeの門を叩いたのである。 本作はすみっこソフトより引き継いだSFミステリー、四季シリーズの最終作だが、最終盤の解決パートを除き問題が山積している。 全体の1/3を占める導入パートでは、理路整然さの欠片もないヒロインが主人公の話も聞かずに明後日の方向に脱線しまくる。 メインの推理パートでも読者が推理する為に必要な情報が開示されず、事情聴取でさえミスリードさせる会話劇には、十戒を唱えたノックスも草葉の陰で激怒するだろう。 これに加えてエロシーンでは、百合をPRしたにもかかわらずふたなりを混入させ、属性を持たない選評者を阿鼻叫喚に至らしめた。 独特な作風でファンからは好評を得た本作だが、本編の常識にとらわれない世界観をエロにまで持ち込む姿勢にスレ住人も感嘆するのであった。 2022年を迎え、例年通り1月の予備期間に突入した。めぼしい有力作をあらかた平らげたスレ住人たちは大賞談議に花を咲かせていたが、そこに早馬が届き、事態は風雲急を告げることになる。 CIRCUSの『D.C.4 Plus Harmony ~ダ・カーポ4~ プラスハーモニー』の非道な行いが告発されたのである。 曲芸商法と言われる悪徳な作品展開を続けてきた同ブランドの末端がついにKOTYeの捜査網にかかったのであった。 本作は全年齢版『D.C.4』の18禁移植作だが、罪状はシンプルに「手抜き移植」である。 18禁化の都合上、CVの変更を余儀なくされた本作だが、本編シナリオの一言一句を一切変えずに解き放たれ、ファン層に刺さる毒矢と化した。 加えて、本編終了後の追加要素であるエロにも埋伏の毒が仕込まれている。 メイン・サブ合わせて8人のヒロインに各4枚のエロCGだが、その大半を流用して2回使うという誰得仕様を搭載したのである。 死の商人たるCIRCUSの売り方に辟易する者もいたが、同時に「曲芸にしては良くやっている」と罪深い擁護まで飛び出し、スレはヒートアップするのであった。 曲芸の出廷により、にわかに盛り上がり始めた予備期間も残るは1月31日のみ。 選評締め切りまであとわずかになって、立て続けに3本の選評が襲来し、KOTYe史上稀に見る電撃戦が展開された。 その先鋒を務めるのはPrincess Sugarの『プリンセス☆シスターズ!~四姉妹は全員あなたの許嫁~』である。 外国のお姫様四姉妹とのイチャラブをお題目に据えた本作だったが、萌えゲーを期待させておいて、その実態は虚無シナリオの抜きゲーであることからKOTYeの舞踏会に連れ出された。 ヒロインは一人を除いて自ら股を開く尻軽であり、それに発情するだけの竿と化した主人公には「空気」以外の印象を持つことは無い。 イチャイチャ要素のはずの日常描写もひたすら虚無で、「記憶喪失がフライパンで治る」などの愚鈍なネタではお茶も濁せない。 美麗CGにより抜きゲーとしては佳作に成り得るものの、エロ以外で未読スキップを推奨された本作は、文字通り最終日の動乱の姫始めとして役割を果たすことになった。 そんなビッチ姫の窮地を救うべく、何やら見覚えのある勇者が戦場に現れた。 キャラメルBOXいちご味の『下戸勇者~酒は飲まねど酒池肉林!~』が最終日の動乱を制圧すべく再臨したのである。 8月に肝試し要らずの極寒スベリ芸で「語る気が失せる」と評された本作だが、ただのスベリゲーに留まらない圧倒的破壊力を備えた正体が詳らかになった。 DQパロとしては、原作ヒロインのビ〇〇カやベ〇〇カを「バ行で始まり、カで終わる」と小馬鹿にする無神経な茶番が発見された。 寒いネタもエロまで侵食し、「会心の一撃」と叫びながらピストンするなど、抜けず笑えずの二兎を追うものと化してしまっている。 凌辱メインの抜きゲーである本作だが、ネタの侵食以外にもエロに多くの問題を抱え、パルプンテ並みの不安定さを誇る。 CG70枚、シーン数33の見かけに反してその半数以上がハリボテであり、 各エピソード冒頭のチラ見せH、需要不明な主人公の女体化逆レイプ、和姦用とはいえオホ声を台無しにするゆったりBGMと、実用性無しに枠だけ埋めるシーンが入り乱れる。 凌辱で悪役然たる主人公も和姦中に「はぐれ狩り」もといDQあるあるを語りだし、抜き所をバシルーラしてしまう。 一方で世界観描写は過剰に凝っており、貨幣経済の実情まで長々説明してくるが、クリアまで15時間弱の苦行を増長させるだけである。 いくら終盤でそれらの設定を回収しようとも、そこに至るまでの失態の数々の前には、力の入れ所が間違っていると言わざるを得ない。 止めとばかりに確認ダイアログから簡単に背景をブラックアウト出来る立ち絵鑑賞用バグも発見され、ようやく全容解明となった。 寒いギャグとおざなりなエロという二刀流で地獄の帝王の如き本作はDQシリーズの魔王にならい、最後に進化の秘法によって真の姿を現したのである。 魔王の踏み荒らした大地を砂漠に変えるべく、本年のトリを務めたのはDESSERT Softの『彼女は友達ですか?恋人ですか?それともトメフレですか? Second』である。 2019年エントリーのシリーズ前作が甘酸っぱいヒロインとのイチャイチャ同棲から急転直下のハーレム性奴隷bot化で顰蹙を買ったのに対し、 本作は評価されていた日常イチャイチャ描写を大幅削減し、改悪したハーレムエロを増量した罪で再び御用となった。 イチャイチャが薄い分、性奴隷化してもショックは少ないとも取れるが、前作比およそ半減のプレイ時間で、売りのネタ要素すら削減されてしまっては擁護のしようもない。 本作で登場する「露骨にハーレム結成に向けて立ち回る妹」は前作の「策士妹」と悪い意味で対照的な存在であり、同ブランドを三年連続のKOTYeハーレムに導く原動力となったことを付け加えておく。 以上、全エントリー作品16本が出そろったところで、本年の大賞および次点を発表する。 次点は、 『ぶっかけ陰陽師絵巻~Hなお祓いいたします~』 『下戸勇者~酒は飲まねど酒池肉林!~』 そして大賞は、 『Cuteness is justice』 とする。 本年のクソゲーを俯瞰してみると前年の傾向の先鋭化が顕著であると見て取れる。 すなわち手抜きに基づく「価格不相応」の品質と事前情報と実態の乖離による「裏切り」の二大要素であり、多くの作品を貶めることになった。 前者については、パンデミック不況によってエロゲ業界全体の製作サイドが予算不足に陥っていたのは想像に難くない。 一方で後者については非常に解釈が難しく、「自分が理想を抱きすぎたのかもしれない」と選評執筆をためらう者が続出した。 書くべきか、書かざるべきか…… 苦悶に苛まれた選評者達はスレで悩みを吐露し、その度に住人たちが慰めたのである。 「KOTYeはネタスレであり、選評はあくまで『個人の意見』である」と。 本年程KOTYeの原理原則が確認されることはかつて無かったかもしれない。 炎上騒動やクソゲーへの注目など、SNSを含めた一人一人の行動が作品に影響を与えやすい世の中となり、ある意味で選評のハードルが上がってしまったが故の事態と言えよう。 結果として『冥契』、『GIKEI』、『ふゆくる』、『DC4PH』のように世間からある程度評価されている作品も選評が寄せられたが、 いずれもクソの誹りを免れない「裏切り」を抱えており、全体としては凡作以上としても選評執筆に至った心境を咎めることは誰も出来ないのである。 例によって次点以上には、このようなためらいを伴って選評が届いた作品たちとは一線を画す魔物が据えられた。 TPOをわきまえない寒いネタとおざなりエロで需要不明の権化となった『下戸勇者』。 スワン系の後継者として、飽くなき手抜きで無価値に近づこうとする『ぶっかけ陰陽師』。 ヒントの無い理不尽難度、不便UIに低質なCGと価格不相応の極致たる『Cuteness』。 価格不相応、ユーザーへの裏切りとクソの二大要素を携えるいずれ劣らぬ強者揃いだが、僅差で『Cuteness』が大賞たりえたのは、 ひとえに最も「悲劇的な存在」だったからである。 ではゲーム制作における本当の意味での「悲劇」とは、いったい何であろうか。 シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を始め、古来より悲劇が人を惹きつけるのは、様々な思いに生きる登場人物達に観客が十二分に共感することで、後に待ち受ける皮肉な結末に涙するからである。 同様に『Cuteness』も製作陣が思い描いた理想は痛いほど伝わり、多くの共感を集めたが、天と地よりも理想からかけ離れた実態がスレ住人たちに憐憫の感情を抱かせることとなった。 壮大なファンタジーの序章を謳いながら、安っぽい固有名称、モブの様なラスボスにただただ呆れ、 やりこみSLGとしては、ゲームテンポの悪さやセーブ枠の少なさに辛酸を舐め、 調教シーンでは、塗りの足らないCGと不自由な日本語に対して右手はマウスから離れない。 本来、熱意が伝わること自体は評価されるべきであり、多少の粗があっても擁護したくなるゲームも存在するが、『Cuteness』の場合は熱意の分だけ現実の冷酷さが強調されるだけであった。 BugBug記事において「やりこみSLGの楽しさを伝えたい」と製作者が熱弁しているが、熱意よりも先に目に付くのはジャンル特有の難易度と作業感であり、 ことごとく低いクオリティも相まって、むしろ同ジャンルに嫌悪感を抱かせる結果には落涙を禁じ得ないのである。 振り返ると、手抜きに基づく価格不相応を非難された作品は数多存在するが、手抜きを感じさせない「理想の片鱗」と裏腹な「実力不足」にこそ、『Cuteness』の悲劇性は極まってしまっている。 これに対して、『下戸勇者』は需要不明とはいえ、寒いネタさえ我慢できれば、冒険ファンタジーとして成立している。 安定せずとも一部凌辱エロに活路も見出せる為、全く救いが無いとは言えない。 スワン系の正統後継者である『ぶっかけ陰陽師』も同系としてはやや小粒と言える。 売り逃げの問題こそあれ、手抜き中心のクソ要素では大賞としては力不足感が否めないだろう。 『Cuteness』のゲーム性の絶対的な酷さは歴代の魔王達と比較しても遜色無いが、伝わる情熱でスレ住人たちの心情的評価を持ち上げることが出来たのは特徴的である。 安価であれば挑戦したいという声も上がり、「間違いなくクソなのに応援はしたい」という矛盾した感情を持たせたが、それでも満場一致で大賞に選出され「懐の深さ」を見せつけた。 本作を手掛けた夢追い人の挑戦はエロゲの裾野を広げる可能性を感じさせ、理想を求めて戦う姿勢の重要性を説き、それだけではままならない過酷な現実を示すカタストロフとして語り継ぐにふさわしい。 熱意だけではプロ失格という当たり前の厳しさを教えてくれた『Cuteness』に対し、クソを評するアマチュアの端くれとしてKOTYe2021大賞の栄誉を贈りたい。 かくして、KOTYeの新たな王者が誕生したが、我々の冒険は終わらない。 未だ「クソゲーとは何か」の真理探究の途上であり、逆風吹きすさぶエロゲ業界も含め、険しき道のりがこれからも待ち受けているだろう。 それでも……たとえどんな悲しい終局が待ち受けていようとも、明日に踏み出す一歩を止めるわけにはいかない。 悲哀なる王『Cuteness』と同じく、ただひたすら嵐の中を彷徨い続けるKOTYeの物語もまだ終わっていないのだから。 「どんなに長くとも、明けない夜はない」 好事家たちの冒険は続く。悲劇ではない、誰もが笑いあえる大団円のエンドロールを追い求めて。 最後に慈しむべき大賞作へ、現世で叶わぬ愛の言葉を叫び、KOTYe2021の幕切れとする。 「ああ『Cuteness』よ、どうしてあなたは『クソゲー』なの」
https://w.atwiki.jp/porepole/pages/62.html
建築資源の中には建築に使える資材が多くある事を証明する 宰相府の資源 建築 資源の中には建築に使える資材が多くある事を証明する L:資源の中には建築に使える資材が多くある{ t:基礎的な変換数=資産という膨大で雑多な何かからアイテム作成に必要な材料まで変換する必要がある。この数は変換した結果の資産1万tあたりの%に類似する数である。 t:アイドレスの資源=側面:主にアイドレス1の時に戦闘用に採掘された資源であり、I=Dの運用などに使われてきた。 t:資源は戦闘用に採掘されたものである=側面:戦闘に必要な材料が多く含まれている。 t:戦争においては、大勢の兵士や装備を移動する=側面:プレハブの施設や、要塞などの建築物を必要とする。 t:資源は戦闘に必要な材料が多く含まれている&戦争はプレハブの施設や、要塞などの建築物を必要とする=資源には建築材料が多く含まれている。 t:戦争においては、各種装備、乗り物他、鉄を大量に使う=側面:資源にも鉄が多く含まれている。 t:戦争はプレハブの施設や、要塞などの建築物を必要とする=側面:資源にもコンクリートが多く含まれている。 t:資源にはコンクリートが多く含まれている=側面:コンクリートの材料である砂利からガラスの元となる材料も多く含まれている。 t:資源=側面:一般的な住宅建築に必要な、鉄、コンクリ、ガラスを多く含んでいる。 } 宰相府の資源 L:宰相府の資源{ t:宰相府は西国であり スイートホームカンパニーは宰相府経営である=側面:コンクリ、ガラスの材料である砂については、資源中に多く含まれている。 t:宰相府は西国であり スイートホームカンパニーは宰相府経営である=側面:宰相府から資源を買った場合、砂については、資源中に多く含まれている。 }
https://w.atwiki.jp/sare/pages/274.html
https://w.atwiki.jp/baragakuen-highschool/pages/553.html
https://w.atwiki.jp/presentmaterial/pages/14.html
魔法より落とされた知識を解明して生まれた魔法の一端。 魔法の後継者、奇跡の紛い物とされる。 根底は自然界の存在を具現する力。 発現させるのではなく、再現。 意思を事象に適用し、変化を生じさせる行為。 魔術の基礎理論は理解。 1、鍵を開けるには、まずは鍵の仕組みを理解しなければならない。 2、次に鍵を開ける為にはどうすればいいか、という方法を考える。 3、必要なものを集める。 4、組み立てる。 5、実行する。 というプロセスを踏む事で初めて行使できる権限を持つ。 これを1セットとし、ライブラリを作る事でその行使を早めることができる。 巨大な図書館で調べたい一項目を無名の本書郡の中から見つけ出す作業と同格。 魔術のレパートリーと、汎用が少ない理由がこれに当たる。 その再現方法や、思考イメージの投影で見た目が変わる。 属性が付与されるのはこの再現の仕方、思考建設の仕方が違った場合の為。 火が出るのは、その再現者が炎を用いた思考建設をした結果。 基本的に恒久は無く、限定や、その瞬間、停滞も魔力残で消えてしまう。
https://w.atwiki.jp/kotye/pages/676.html
2015年総評案4 大賞 戦極姫6 ~天下覚醒、新月の煌き~ 2014年のクソゲーオブザイヤーinエロゲー板(KOTYe)は、暗黒面に堕ちた者共の武闘会となった。 泥沼の激闘に終止符を打ったのは、どんな対象にも最大限に威力を発揮するメギドの火矢。 『チーズ』こと『新世黙示録 ―Death March―』がすべての敵と一部のスレ住人を屠り去り、血塗られた勝利を手にしたのである。 破壊に続くのは創造か、それともさらなる破壊か。 未だ暗雲立ち込める死の大地を踏みしめ、探求の旅は続いてゆく。 ハルマゲドンの後に残った焼け野原で新たな芽吹きが始まったのは、早春のことである。 一番乗りを果たした『エロ本を捨ててから兄の様子がおかしい』は、妹陵辱ゲーというコンセプトからの脱線が問題視された。 特に妹の友人ルートでは顕著であり、人間関係のコペルニクス的転回が連発される。 まず友人が主人公による妹の盗撮を暴こうとするも、盗撮される興奮に目覚めた妹が自らそれを阻止。 性格が豹変した妹から逆に脅迫される友人を主人公が守る純愛路線に移行したかと思えば、今度は妹と友人が百合関係になり、最終的には妹が主人公と友人を結びつけてハッピー(?)エンドとなる。 人体の骨格とパースが狂っているグラフィックも併せれば、様子がおかしいのが兄だけではないことは明白であった。 同時期には、 心理戦ゲーム「人狼」をモチーフにしていながら、敵側が勝利よりも性欲を優先するため主人公側のワンサイドゲームとなる『影狼 -kageroh-』や、 陳腐なバカ抜きゲーとして「滑り倒すボボボーボ・ボーボボ」扱いされるも、肉汁したたるショコラケーキの画像でなんとかオチが付いた『毎日がハーレムすぎて王子は姫を決められないっ!』などが相次いで萌芽した。 こうしていくつかの選評とともに迎えた桜の季節に、ようやく温まってきた空気を凍りつかせる事件が起きる。 『戦極姫6 ~天下覚醒、新月の煌き~』による突然の侵攻が始まったのである。 戦極姫シリーズは1作目がKOTYe2008で次点入りし、翌年には修羅の国からの黒船として据置と携帯の両部門を制覇したが、その後は徐々に針路を変更。 陽の当たる場所へと旅立っていったはずだった。 しかし、ある男の手によって舵は切り返され、暗黒大陸へと舞い戻ってしまう。 そう、本作最大の問題点は、W主人公の片割れとして新登場した「榊 月冴(さかき つかさ)」の存在そのものなのである。 基本スペックは非常に高く、猛将を圧倒する武力と軍師並の知力を誇り、料理の腕も超一流で文化人としての教養まで兼ね備えたチート野郎。 しまいには空を飛んで敵の大軍団をかわし、もうひとりの主人公との直接対決に完勝する。 その際のモノローグ「だが俺の身体は空を飛んでそのまま織田家の本陣へと向かう。」は一部で大流行し、様々な状況からそのまま織田家の本陣へと向かう者が続出した。 ただ、飛翔はともかく完璧超人設定自体はありふれており、それだけで非難するには当たらない。 しかし人間性はまさしく下衆の極みで、実は元レイプ常習犯なのである。 一応、ある少女との出会いをきっかけに改心したという設定もあるが、作中ではその少女の存在もろとも有名無実化している。 力づくで襲うことだけはやめたものの、基本的にやり捨て前提で近づいて実行に移し、時には騙してでも処女を奪って悪びれないのでは、無体なことに変わりはない。 そしてこの態度は、実質全員が月冴専用のサブヒロイン勢だけでなく、メインヒロインに対してすら貫き通される。 W主人公を謳っていながら9割以上のヒロインを1人で食い散らかし、責任も取らずに去っていくのである。 そしてヒロイン達は皆、そんな男に餌付けされてあっさり尻尾を振るようになる始末。 前作までは身持ちが固かったとヒロインとて例外ではなく、同じ展開が数十回使いまわされた末に「媚薬飯」と称されるに至った。 やり逃げされても、不思議な魅力があるという理由で怒るどころか雁首揃えて崇拝するようになる様子には、たちの悪いカルトのような嫌悪感すら漂う。 下衆いチャラ男や頭と股の緩いビッチは主な購買層が拒否反応を示す典型であり、それをメインに置いた時点で失敗は約束されていたといえよう。 さらなる問題は、キャラクターを引き継ぐシリーズものでそれをやってしまったことである。 いわば最低系オリ主の公式化であり、ファンであるほど反動によって精神的ダメージは増していく。 なにせ公式シナリオで、愛着のある旧来の主人公は噛ませ犬にされ、思い入れの深いヒロインがやり捨てられて喜ぶ白痴と化してしまうのである。 もはやNTRといっても過言ではない。 シリーズ自体を蹂躙するかのような所業には、当然のように非難が集中。 その結果、追加ディスクの告知には月冴追放が明示され、公式によって事実上の黒歴史に認定される事態となった。 また、SLGパートは仕様変更によりバランスが崩壊。 野戦において隊長武将の能力が極端に重視されるようになり、数十倍の兵力差を独力で覆せる戦極無双になり果てている。 かくして、旧知の仲でも油断すれば寝首をかかれる戦国の理にスレは震撼するのであった。 帰還を果たしたレジェンドに対抗すべく、5月に入ると元王者達が相次いで立ち上がった。 まずは、系列ブランドが『部室』で名を馳せて以来の常連となったpotageからの刺客、『超・秘湯めぐり』が参戦。 相も変わらぬ抜群の「負安定感」を見せつけた。 それもそのはず、本作はシナリオ・エロ・UI・BGMのすべてが淡々と手抜きされている。 『部室』で化石呼ばわりされたUIは未だに現役であり、5曲ほどしか無いBGMはすべてフリー素材。 ストーリーは薄いを通り越して無いに等しく、何の前触れもなく盛り始めるか、突然ヤ○ザが乗り込んできて犯されるかしてそのまま終了する。 そのエロシーンもワンパターンかつ極薄で1回30クリック前後。 こうした文章量不足を過剰なパロネタだけで補おうとしているものの、単発ネタを思い付いた順に片っ端から入れているだけであり寒々しい。 そんな悪あがきもむなしく、最終的なボリュームはコンプまで約2時間とコンパクトに収まった。 これで価格は安定のフルプライス。 全体が低品質でまとまっており、タイトルに反して一切の温もりを感じさせない仕上がりであった。 負けじと3年半の沈黙を破ったのは、2009年の初参戦以降に発売した作品のエントリー率100%を誇る愛されブランド、本家アーベルソフトウェアであった。 『不条理世界の探偵令嬢 ~秘密のティータイムは花園で~』が着弾し、王座奪還の狼煙が上がったのである。 本作を端的に表現するならば、「稚拙」という言葉がふさわしい。 作品を構成する主要な要素、推理・バトル・エロのことごとくに技巧が欠けているのである。 探偵ものとしては、手がかりを集めて推理するという基本からして相当怪しい。 手がかり集めは、女性を快楽で堕として口を割らせる力技に頼りきり。 しかも得られるのがどうでもいい情報ばかりとあっては、エロをねじ込むための手段にしかなっていない。 そして情報も物証も足りないまま、やっつけ消去法で言いがかり同然に犯人を導き出そうとするのだが、披露する前に毎回犯人が自滅してくれるため問題にはならずに済む。 無論、それが探偵ものとして問題なのは言うまでもないが。 グラフィックも心もとない。 台詞の横に表示される顔グラには差分がなく、主人公は常に覇気のない無表情。 格闘シーンの一枚絵には躍動感の欠片もなく、「無気力キック」などと揶揄された。 毒沼色のレモネード程度はもはやご愛嬌であろう。 絵だけでなく文章による表現力や音による演出力も不足している。 よって、それらを組み合わせて様々な場面を作ろうとしても、せいぜい脱力系ギャグにしかならないのである。 しかし言い換えれば、至る所にネタが潜んでいるということである わずか5時間で打ち切りとなる短さでありながら、「今の俺なら、手負いの女なんて瞬殺ですよ」などの迷言や面白画像が少しずつ発掘されていき、長らくスレ住人達のティータイムのお供を務め上げることになった。 このどさくさに紛れて『繋がらない携帯電話 -ただいま他の男とめちゃめちゃセックス中-』が間隙を突く。 寝取られをテーマにしながら妄想か睡姦オンリーで寝取られ感が無く、間男筆頭候補が実は主人公狙いのゲイという誰得変化球を投げつけたのである。 その直後、3強対決の余波が次なる事件の呼び水となった。 それこそが、5月29日に発売された作品群による集団決起。 レジェンド達の競演によってスレに渦巻いた戦雲が、観測史上最大級の大嵐を呼び寄せたのである。 初めに、発売日当日のエントリーで『猫撫ディストーション 恋愛事象のデッドエンド』が先駆けた。 その早さの理由は、極端なボリューム不足である。 フルコンプまではオートで約1時間。 ボイスを飛ばせばその半分にも満たない時間で読み終わる。 CG数はまさかの5枚で、その大半が公式サイトで確認可能。 挙句、エロはまさかの本番無し。 もはや薄い本より薄く、選評者をして「回想機能は無いが回想する必要も無いので問題無い」と言わしめた。 また、本作はクラウドファンディングで資金を調達して発売に至ったという経緯がある。 結果を見る限り、修羅の国との取り合わせはやはり「混ぜるな危険」であったといえよう。 これではサポーター達も報われまい。 彼らの名前が流れるスタッフロールはさながら墓碑であり、銘の一部に誤植があるという事実が、最後まで誠実という言葉の意味を問いかける。 カス同然の現象に価値をこさえる試みは、文字通りデッドエンドとなってしまった。 次いで、深夜のテンションで暴走しながら『裏技スペクトラム』が登場。 満載された安直なパロディや使い古されたネタが原因で、大規模なスリップ事故を引き起こす。 Hシーンまでもが巻き込まれ、漫才セクロスの様相を呈する惨事となった。 「君よ、活目せよ――これがエロゲーの極北だ!!!」との公式キャッチコピーは、こうした寒さを的確に表現しているといえよう。 シナリオの路面凍結に比べれば、赤い色をした「黒いメイド服」という矛盾などは瑣末な問題である。 最終的に本作は、「このテンションと内容に君はついて来れるか!?」の煽り文句を残して孤独に走り去っていった。 さらに、タイトルとキャラデザに某アニメへのオマージュが満ち満ちている『中二病な彼女の恋愛方程式(ラブイクエイション)』も降臨。 シナリオやグラフィックは概ね及第点に届いており、唯一にして最大の欠点はバグである。 細かいものだと、一部の設定変更の未反映、既読やCG解放のフラグ管理ミス、文章と音声の齟齬などが挙げられるが、これらは前座にすぎない。 致命的なのは頻発するエラー落ちと、それに連鎖して時折発生するセーブデータの消失である。 その威力は凄まじく、最後に正常終了した後に保存したデータはすべて消滅するため、こまめなセーブだけでは対策にならない。 セーブするごとに、いったん終了させるかデータをバックアップしなければ安心できないのである。 後日ギガパッチによる修正が可能となるも、例によってセーブデータに互換性は無し。 こうしてセーブデータが闇の炎に抱かれて消える様子は、思い出すだけでも身震いするような惨劇であった。 続いて『恋魂』が外法を用いて乱入した。 独自の厨二風用語がてんこ盛りの設定には妙な力がこもっているが、それを活かせていないどころか把握しきれていない。 おまけに主人公は、アウトローぶる俺カッケーと思い込んでいるDQNそのもの。 結果、ストーリーは矛盾を散りばめたオラオラ進行となり、力尽きたように打ち切り気味のラストを迎える。 しかも個別ルートのうち2つは、初期状態だと入ることすらできない。 これはバグではなく、もはや恒例となりつつある意図的な未完成ルート隠しであった。 パッチを当ててコンプした後、初期状態に戻してからCGモードに入れば確認できる。 相当数のCGが選んでも表示されず、未収録のSD画像を選ぶと表示されるのはダミー。 さらに、未収録CGを含むHシーンを回想しようとすれば、「黒背景に文字だけのHシーン」という始祖の伝説が今に蘇る。 つまり、初期状態ではデータが入っていない事実が浮き彫りになるのである。 主人公だけでなく、納期を守る手法までアウトローという憎らしい演出であった。 未完成品販売と聞いて呼ばれた気がしたのか、尻を叩かれながら『妄想コンプリート!』がここで到着する。 あの『雛遺書』を生んだEX-ITの流れをくむ新ブランドの処女作であり、発売前から『毛根』の略称を与えられ注目を集めていた。 そして、何かが起こりそうな予感は誰も予想できない形で現実となる。 一向に進まない制作状況に業を煮やした流通に介入され、進捗状況を定期的に晒されてしまったのである。 こうして発売前にもかかわらず盛大に話題をさらった後、当初の予定から半年遅れで発売。 大方の予想通り完成度は低く、明らかに時間切れで無理矢理区切りをつけたハリボテであった。 プレイ時間は共通ルートが約2時間で個別は実質1時間ずつという短さ。 ストーリー展開は疾走感に溢れており、立ち上げた部活動は数日以内にスピード解散。 ほかにも使い切れない設定や伏線を次々とパージしつつ、ストーリー開始から1週間で一気にエロまで駆け抜ける。 これによりヒロインの過半数が極度のチョロイン化。 残る妹と幼なじみには、それぞれ長年の想いが成就するも「実は主人公の精神は別人に変わってました」と後に明かされる罠が用意されており、全ヒロインに対して隙がない。 シナリオ以外も、文章と音声の不整合や一択肢を筆頭に突貫工事の残滓が至る所に残っていたり、縮尺がおかしくヒロインがフィギュアサイズにしか見えない一枚絵があったりと全体的に杜撰である。 欠落部分を妄想で補ってコンプリートすることも難しい完成度であった。 このほかにミドルプライス以下の3作品も続々と集結。 最後に、頭と口が悪いM女達をヒロインに据えてタイトル詐欺となった『女の子はドSな変態でできている』が加わったところで、ようやく嵐は収束した。 同日発売作品の最多エントリー数は、昨年記録した6本を大きく上回る9本を記録したのであった。 こうして怒涛の勢いを見せた上半期が終了。 過去最速のペースで押し寄せてくる選評にスレ住人達は脅威を感じていたが、ここで潮目が変わった。 寄せた波は引いてゆき、新たな挑戦者が現れなくなったのである。 それから2ヶ月。 閉塞感を打開すべく、ついに降臨したメシアこそが『淫らな魔法使いと救性主』であった。 本作は、調教SLGと銘打たれながら、調教ものの要点をまるで押さえていない。 導入からして例外ではなく、ヒロインは失った魔力を取り戻したいがため、その唯一の手段である調教を渋々ながらも受け入れる。 しかし、そもそも調教とは対象が自分に従うように躾けることであり、最初から従っていては調教らしさなど生じようもない。 終盤の調教シーンだけはかろうじて体裁を保っているものの、日常シーンにダークやシリアスな雰囲気は皆無。 ついにはイチャラブを経て逆に主人公が絞られるまでに至り、調教ものとしては破綻してしまう。 また、調教の道具や資金を集めるためのクエストと称し、同じ内容のテキストを繰り返しスキップするだけの余計な要素も搭載。 極めつけは、そのクエストを回想モードに登録しておいて調教シーンは登録しないという暴挙である。 調教したいと望むプレイヤーに対しておあずけ系お仕置きとは、あまりに高度すぎるプレイであった。 さらに時は流れて秋口、スレにひと粒の実りがもたらされた。 CGが醸し出す違和感が目を引く『人妻公然恥辱電車 ~携帯一つでお触り即ハメし放題他人の妻を粘着種付け寝取り』である。 とりわけ目立つのは、帯がまるでのし紙のような浴衣姿。 さらに、とあるHシーンの背景は平面的すぎて「絵画」と呼ばれたが、それもそのはず、通常の背景CGの一部を拡大して流用しているのである。 その背景CGも「食品売り場」で検索すれば最上段に表示される画像のトレスという二段構え。 あまりの惨状を見かねた有志が手を加えると違和感は見事に消え、元絵の拙さがより明確になってしまうのであった。 こうして小さい秋を分けあって糊口を凌ぐスレ住人達であったが、冬を前にして選評は完全に途絶えてしまう。 しかし厳しい寒さの中でも発掘・解体作業は続いており、それは年明けにようやく実を結んだ。 1月上旬には、1+1が1前後しかならない狂ったバランスの合体システムが物議を醸したSRPG『剣聖機アルファライド』がエントリー。 そして締め切り間際。 まずは、デスゲームものとは名ばかりで毎回ゲームマスターの温情に救われる『Closed GAME』が滑り込みを果たす。 それに続いて、ふたつの影が満を持してその姿を現した。 理解するのが困難なため遅い参戦になったのが、『ANOTHER POSSIBILITY』である。 本作はバカ抜きゲーと思われるが、推測の域を出ない。 あまりにもおバカな話が頭の悪い文章で綴られており、狙って作られたのか、それとも結果としてバカゲーに見えるだけなのかが判然としないのである。 全編を通してほとんど会話のみで進行し、わずかな地の文は日本語として間違いだらけ。 仰々しい形容や比喩の乱用がわかりにくさに拍車をかけ、正しく理解するには読解力を越えて解読力を要求される。 ただし名文に見えなくもない箇所もあり、「心の底から積乱雲級の親近感が込み上げて、気持ちを真夏の清涼感に満ち溢れた青空に変える」や「あまりの運命的な嬉しさに、僕の腰も踊り狂ってしまう。」といった表現は一部スレ住人の心を掴んだ。 また、話の流れは突拍子もなく、初対面のヒロインが授業中の教室でオ○ニーを見せつけ始めたり、主人公は何の葛藤もなくノリノリで近親ヒロイン達に手を出す。 できればバカ抜きゲーにはよくある展開として水に流したいが、肝心のエロがまともではないためそれも難しい。 そのHシーンでも、やはり文章の質が問題となる。 とりわけ存在感を示すのが「う゛ッ!」という台詞。 発射の合図として使われるだけでは済まず、1行で4回も5回も連呼したりヒロインに伝染したりと非常にしつこく、クスリでもやっているのかと疑うほどトんでいく。 それでいて、末尾の変更や別の台詞への混入などの絶妙なアレンジがプレイヤーに慣れを許さず、エロへの集中を著しく妨げるのである。 低質な文章でも、とことん突き詰めれば別の可能性が開けることを示した怪作であった。 選評受付最終日にようやくその全貌が明らかになったのは、老舗からの刺客『Love and Peace』である。 メインとなるRPG風パートは、戦術性が無くバランスも悪いため単純作業でしかない。 まず、戦闘システムがあまりにもシンプルすぎる。 キャラクターの数は多いが、取る行動は敵味方全員がバカの一つ覚え。 例えるなら、「たたかう」だけを繰り返す戦士と「ホ○ミ」を延々と唱え続ける僧侶しかいない。 根幹がここまで単純だと、属性相性や距離といった要素を加えたところで焼け石に水である。 戦闘中はフルオートで、戦闘に関してプレイヤーにできることは、事前のメンバー編成と優先攻撃対象の指定のみ。 しかし、キャラクターの性能差が激しく敵も強いため選り好みする余裕はなく、厄介な回復役を真っ先に狙う以外の選択肢もない。 状況に応じて最善手を模索する要素が徹底排除され、もはや火力と耐久力の単純比較でしかなくなっている。 よって、すべての戦闘は少しでも戦力の高い側が必ず勝つ出来レース。 相手によっては、最初の数ターンで勝敗が見ているのに消化試合がだらだら続き、回復偏重の敵を削りきれず引き分けになることも多い。 稀ではあるが、最悪の場合は攻撃と回復がループして戦闘が終わらなくなり、ゲーム自体を強制終了させてやり直すしかなくなってしまう。 しかし、クリアするにはこの戦闘をひたすら繰り返す以外に道はない。 フロアマップにびっしりと敷き詰められたマスの大部分が戦闘マス。 目的地が不明瞭な上にマップ同士の繋がりもわかりにくく、一歩一歩戦闘をこなしながら右往左往する羽目になる。 しかも、Hシーンはこのパートでひとつずつ集めなければならない。 ヒロインの大半は敵として登場し、シーンを回収するには、倒し、捕獲し、育て、進化させるという手順を踏む必要がある。 ポ○モン図鑑を埋める作業に近いが、敵出現のランダム性や最初の三択で選ばなかったヒロインは以降登場しない仕様も重なり、コンプへの道のりは長い。 また、ストーリーは難解な上に鬱エンドしかなく、真エンドを探し求めるデスマーチが徒労に終わる悲劇を招いた。 ただしグラフィックは充実しており、CG数は差分抜きで実に271枚、シーン数は94と標準を何倍も上回る量を誇る。質も問題なく、最大の長所といえよう。 しかし「エロさえ良ければすべて良し」が通用するのはシステムやシナリオが妨げになっていないときだけであり、回収に労力を要する分だけ価値を減じてしまっていることも否めない。 総じて、何をもって「Love and Peace」なのか理解に苦しむ内容であった。 以上をもって2015年の主要なエントリー作品の紹介を終了し、大賞及び次点の発表に移る。 次点は、 『不条理世界の探偵令嬢 ~秘密のティータイムは花園で~』 『猫撫ディストーション 恋愛事象のデッドエンド』 『ANOTHER POSSIBILITY』 『Love and Peace』 そして栄えある大賞は、 『戦極姫6 ~天下覚醒、新月の煌き~』 とする。 2015年の大賞争いは、隙の無い絶対強者が現れず混戦模様となった。 最多勢力は粗製濫造された量産型クソゲーである。 品質向上に要する様々な力が足りなかったがために、本来の完成形とは程遠い。 ただそれだけの粗悪品という枠をいかに打ち破るかが、さらなる低みへと至る鍵となる。 次点に選出された作品は、いずれも完成度の低さを殊の外追求することでそれを成した。 コンセプトが成立しないほどの技巧不足。 エロゲー未満に陥りかねないほどのボリューム不足。 物笑いの種になるほどの文章力不足 SLGが単純作業と化すほどの戦略性不足。 中でも『Love and Peace』は、初報の段階では「見返りがなく終わりも見えない単純作業の繰り返し」という拷問そのものの印象すら持たれていた。 しかし、後の検証によってそれが薄れる。 最難関とされていたレアCGは確率ではなく一定数連勝すれば確実に回収できることがわかり、フルコンプまで十数時間という具体的なゴールも示されたことで、実態以上に肥大化していたイメージが払拭されたのである。 何かが足りないことを主力にすれば、簡素ゆえに酷さが誰にでもわかりやすい反面、クソゲーとしての限界もまた伝わりやすいことを象徴する出来事といえよう。 対して『戦極姫6』は、SLG部分については戦略性不足で済むが、シナリオに「根本からズレた完成度の高さ」を有している点で他の候補と一線を画していた。 基部となる新主人公の人物像の時点で、女好きの好漢にするつもりがただの下衆でしかない決定的な齟齬が既に生じている。 にもかかわらず、そのまま王道ハーレムものの枠に落とし込まれた結果、下衆男が好漢として崇め奉られるというおぞましい矛盾に満ちたシナリオが、ものの見事に完成してしまった。 従来通りの王道を望んだユーザーにとっては、感情移入できないどころか見たくもない惨劇となり、ヒロインが簡単に股を開きすぎて鬼畜ものとしても成り立っていない。 そもそもエロゲーにおいては、事前に明確なコンセプトを掲げ、それに合致した内容を保証するのが暗黙のルールとされている。 それに抵触する要素を密かに仕込む不意打ちは禁忌であるにもかかわらず、よりによってシナリオの大黒柱である主人公が全面的にこれを侵した。 ただ足りないのとは違い、最初からズレており、コンセプトと相反し、エロゲーの不文律をも踏みにじる形で、伸び伸びと最後まで仕上がっている。 その在り方は、「クソエロゲーとは?」という永遠の命題に対し、現時点で出せる答えのひとつを体現し得たといえよう。 よって『戦極姫6 ~天下覚醒、新月の煌き~』に2015年KOTYeの大賞を授与し、修羅の国の禁忌に真っ向から挑んだ猪武者への手向けとする。 2015年は、エントリー数と強度の両面において、近年の勢いにやや陰りが見える年となった。 市場規模が年々減少を続けていることも一因であろう。 エロゲーが減り、ユーザーが減れば、KOTYeの屋台骨たる選評も減っていく。 どんな有力候補でも、選評が届かなければ舞台に上がることさえできない。 ゆえに選評者たちは、クソゲーに傷つき涙したとき、自らの見解を伝えるための戦いに身を投じる。 プレイを通して得た実感は、又聞きしてわかった気になっているのとは比較にならない価値を持つと知っているからである。 独力ではどうにもできない怒りや哀しみをもたらすクソゲーでさえ、同志と共感し合えば楽しみと喜びへと昇華できると信じ、彼らは今日も先駆となって修羅道をゆく。 暗闇に差す僅かな光を求め、後に続く者たちの活路を切り開くために。 最後に、戦極姫シリーズの主題歌を借用してスレ住人一同の願いを伝え、KOTYe2015を締めくくる。 「ただ爆破され散るのなら いつかきっとスレに選評を届けて そのクソゲーをどこまででも伝えるように 生命の音を鳴らし続けて」