約 632,149 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/202.html
里から少し離れた平原に、ゆっくり達の一大集落があった。 この平原では、天敵となる鳥獣が余りいない上に、餌となる草花、虫達が数多くいたためである。 今日も、仲の良い、ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙が仲良く虫を捕まえたりしながら遊んでいた。 「むーしゃ、むーしゃ幸せー」 蝶を口に入れると幸せそうな顔で咀嚼するゆっくり魔理沙。 魔理沙も小さな花を口に入れると山高帽を揺らしながら味わう。 「今日もゆっくりだねー、魔理沙」 そういうと自分の身長程の高さまで跳ね上がるゆっくり霊夢。 「おー、ゆっくりだね」 ゆっくり魔理沙も楽しそうに跳ねる。 微笑ましい光景だった。 他の場所では加工所職員に追われたり、駆除される危険を冒してまで食料を口にしているのに対して ここのゆっくりたちは食料や外敵の心配をすることなく、ゆっくりと過ごしていた。 「ゆー、ゆー」 小さなゆっくり霊夢が五匹、二頭の下へ駆け寄ってきた。 「おねーちゃん、あそぼー」 そういうと小ゆっくりはゆっくり霊夢に頬ずりする。 最近生まれた妹達だ。 「うん、ゆっくりしようね」 そしてゆっくり姉妹とゆっくり魔理沙が仲良く遊びだした。 「ゆーーー」 まだ幼いゆっくり霊夢がコロコロと転がっていく。 「ゆっ!!」 すかさずゆっくり魔理沙が受け止めた。 「魔理沙おねーちゃんありがとう」 嬉しそうに跳ねる小ゆっくり。 この集落には恐らく500頭前後のゆっくり達が生息しているが、ゆっくり種を超えたコミュニティとなっていた。 ゆっくりれみりゃ等の肉食種が何故か生息していないことも幸いしているのだろう。 「むきゅー」 「わかるよー」 途中からゆっくりパチュリーやゆっくりちぇん達も混じりだした。 本当にここはゆっくりの楽園である。 ふと、ゆっくり魔理沙が空を眺めると、なにやら見慣れないゆっくりがひらひらと飛んでいた。 饅頭のようなシルエットは他と一緒なのだが、丸い帽子とひらひらと棚引くながい飾り。 空を飛んでいるので、一瞬ゆっくりフランかと思って体を硬直させたが、すぐにフランではないことに気づいた。 翼もないのにフワフワと飛んでいた。 「ねー、あれなんだろー」 その言葉に仲間達の視線が空を飛ぶゆっくりに集まる。 「なんだろー」 「きれいだねー」 ゆっくり達の言う通り、空をひらひらと飛ぶゆっくりの姿は美しかった。 そのゆっくりは飾りを風になびかせながら、ふわりと平原に降り立った。 「ゆっくりしていってね」 「むきゅー」 「ちーんぽ」 口々に歓迎の言葉をそのゆっくりに浴びせる。 ここのゆっくり達は環境に恵まれているため新しくきたゆっくりを基本的に受け入れる。 しかし、そのゆっくりはそれらの言葉を気に留めることなく、静かに口を開いた。 「ここは危ないです。すぐここを捨てて逃げるのです」 地上に降り立ったゆっくりは、珍種中の珍種、ゆっくり衣玖であった。 その特徴的な飾りをつけた帽子を被るゆっくり衣玖は、どこかからゆっくり達に起こる災害を知り、地上のゆっくりたちにそれを知らせるのである。 あくまで、ゆっくり衣玖が発する警告はゆっくり達のためである。 しかし、ゆっくり達はゆっくり衣玖の言葉の意味がわからずに、呆然としている。 それはそうだろう。 折角楽園に住んでいるのに、そこを捨ててどこかに行けなどと受け入れられるはずがない。 「ここは霊夢達のゆっくりポイントだよ」 そう主張するゆっくり。 「むきゅー、むきゅー」 「わからないよ、わからないよー」 口々に文句を言うゆっくり達。 それでもゆっくり衣玖は 「ここを離れるのです。大変なことが起こるのです」 と要領の得ない事を繰り返すのみである。 しばらくの間、ゆっくり霊夢達とゆっくり衣玖の間で押し問答が続く。 そして、一頭のゆっくり魔理沙が大声で言った。 「そいつは、魔理沙達のゆっくりポイントを横取りする気だー」 その言葉に他のゆっくり達も呼応する。 「そうだー、そうだー」 ゆっくり達が気色ばんでくる。 「ゆっくりできないなら帰ってね」 「ちーんぽ!!ちーんぽ」 いつの間にか20頭程のゆっくり達がゆっくり衣玖を取り囲んでいる。 「ここは危険なので、およよっ!!」 一頭のゆっくり魔理沙がゆっくり衣玖に体当たりをした。 突然体当たりを食らったゆっくり衣玖がはじき出される。 「およよーー」 コロコロ転がっていったゆっくり衣玖に 「ゆっくりしんでね」 ゆっくり霊夢が体当たりする。 「ゆっくりしんでね」 「ちーんぽ」 ゆっくり衣玖を輪になって弾きあう。 はじかるれるたびにゆっくり衣玖は 「おっおっおよよー」 と悲鳴を上げるのである。 ゆっくりリンチがある程度続き、綺麗だった帽子と飾りが泥まみれ、ゆっくり衣玖もあざだらけになった。 突然、頭に桃をつけたゆっくり天子がゆっくり衣玖に圧し掛かった。 「およー」 ゆっくり天子の重みにゆっくり衣玖が悲痛な声をあげる。 「この天人属性の私を怒らせるとは……どうなるかわかってるのか」 ゆっくり天子が威圧する。 「いいぞーやっちゃえー」 「ゆっくりできない、ゆっくりはしんでね」 野次を飛ばす他のゆっくり達。 もう、ゆっくり衣玖は涙目だった。 「お前は苦しむ、そうだ、このま……うっあ!!」 突然、晴れていたはずなのに、雷がゆっくり天子に落ちる。 野次を飛ばしていたゆっくり達も混乱し、空を見たり、キョロキョロとしたりと俄に混乱しだした。 少し黒こげたゆっくり天子がうめき声をあげる。 「お前らにこの天人属性の痛みがわか、うぼぉ!!」 再び雷鳴。 人間ならば致命傷を追うことはないが、ゆっくり達には致命傷である。 ゆっくり天子が黒焦げになる。 もう、声を上げなかった。 「いやぁぁっぁ」 その様子にゆっくり達の悲鳴が上がった。 「とらぼるた!!」 ゆっくり衣玖が叫ぶとゆっくりみょんの塊に雷鳴が落ちた。 「ちんぼーーーーーー」 炸裂する稲妻にゆっくりみょんたちがはじけ飛ぶ。 ある者はその場で感電死し、ある者は宙高く弾け飛んだ後に地面に叩きつけられる。 「いやぁぁぁあ、ゆっぐりじだいよぉーー」 逃げ惑うゆっくり達。 それを他所にゆっくり衣玖は笑顔を作る。 「灸を据えねばならないのです」 そういうと大きく息を吸った。 ちりぢりになって逃げるゆっくり達。 「ゆっくりふぃーばーしていってね」 ゆっくり衣玖の叫びと共に辺りに雷鳴が轟く。 凄まじい轟音と共に吹っ飛ぶゆっくり達。 「ゆっーーーー」 「ゆっぐりぃ、ゆ」 「むぎゅ」 辺りに広がる香ばしい香り。 声を出す間もなく吹っ飛ばされるゆっくり達。 「ゆっくりふぃーばーしていってね」 ゆっくり衣玖の号令と共に地獄絵図はその悲惨さを増していく。 「ゆー、ゆー」 騒ぎを聞きつけた母ゆっくり達も雷が広がっているために近づくことが出来ず、ただ子供達が吹き飛ばされていくのを見ているのみである。 そのときである、雷鳴轟く平原へ一頭のゆっくり霊夢が突進していった。 「ゆっくり助けるね」 奇跡的にその母ゆっくり霊夢は雷を避け動けなくなっている我子の元へとたどり着いた。 「おがぁあざぁあああん、ごわかったよー」 涙で顔中濡らしながら母に駆け寄るゆっくり霊夢。 「ゆっ」 それを受け止める母。 周りを見回すと本当に凄惨な状況になっていた。 黒こげでピクリとも動かないゆっくりパチュリー。 雷鳴の直撃を回避したものの、電流にやられ、痙攣しているゆっくりちぇん。 惨状に目を背け我子を口に加え、撤退しようとしたそのとき 「とらぼるたーーーー」 ゆっくり衣玖の叫び声がしたと思うとピンポイントで狙いを定められた稲妻が親子を直撃した。 「ゆーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」 断末魔の声をあげる母ゆっくり霊夢。 てっぺんから弾ける母ゆっくり霊夢。 「いやぁぁぁぁぁぁぁぁあl」 小ゆっくりも流れてきた電流で絶命した。 あとに残るは煙を上げる焼き饅頭。 永遠とも思える時間続いたそれは突然終わった。 「ふぅ、わかりましたか。大きな災害が来るのです。早く逃げるのです」 満足げな顔をすると気が済んだのかゆっくり衣玖はひらひらと飾りを棚引かせて雲に吸い込まれていった。 後に残ったのはまだ燻っている草達と、甘ったるい香りを発する、黒こげとなった無数のゆっくりだった物たち。 母子ともども黒焦げにされたゆっくり、もう動かない友を揺さぶるゆっくり、正に地獄絵図だった。 五日後 まだ、平原のあちらこちらに焦げ後は残っているものの、ゆっくり達はその逞しい繁殖力からすでにその個体数を回復させていた。 再び、広がるゆっくりの楽園。 仲の良い、ゆっくり霊夢の大家族が遊んでいる。 跳ねたり、転がったり、虫を捕まえたりと楽しそうだった。 そのとき、幼いゆっくりが見慣れない虫を見つけた。 それはバッタのようようであった。 舌を伸ばし口に入れる。 「むーしゃ、むーしゃ」 幸せそうな顔で咀嚼した。 「ひどいなこりゃ」 慧音は里から少し離れた平原でため息をついた。 平原、いや平原だった場所。 イナゴの大発生により、その場所は草一本残っていなかった。 なんとか里は慧音たち里人が一丸となり、被害を最小限に納めたが、幻想郷内でこのように壊滅的な打撃を受けたところは少なくない。 「まぁ、ゆっくり達も全滅したみたいだし、よしとするか」 500頭も居たゆっくり達はイナゴの大発生により全滅していた。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4569.html
(前編より) 「う゛~う゛~!?」 唯一無事な子れみりゃは羽根をパタパタさせて子れみりゃにとっての全力で逃げ る。 親れみりゃが子れみりゃを潰した時点で唯一無事な子れみりゃは一目散に逃げ出 した。 姉や妹は助からない。 そう判断した子れみりゃは森の中を飛んで行く。 後ろを振り返りもしない。 『いやだどー! れみりゃはこうまかんのおぜうさまなんだどー! こんなところでしぬようなきゅうけつきではないんだどー!!』 ただただ子れみりゃは死にたくなかった。 れみりゃ達はこうまかんのおぜうさまだ。 こんな所で死んでいい存在ではない。 だから動けない親を見た時迷いなく逃げた。 ここにいては危険だ。と判断し、梟が親れみりゃに気を取られている隙に逃げ出 した。 家族を見捨てた後ろめたさはない。 むしろ“おぜうさまのためにしねたのはみにあまるこうえいだ”としか思ってい なかった。 ゲスゆっくり特有の自分本位。 窮地に立たされた子れみりゃがそれに目覚めたのだ。 「うー、れみりゃはみんなのぶんまでゆっくりするんだどー!」 逃げ切ったと安心した子れみりゃはゆっくりと地面に座り休む。 襲われた場所からずっと飛びっ放しだったのだが疲れて当然だ。 しかもそれが今日の初めての狩りまで巣から出た事のなかったのだから尚更だ。 「う゛ー」 逃げ切って安堵するが、今まで夢中で逃げていたから気付かなかった孤独に苛ま れはじめる。 「うー、さみしいんだど~。 さくやーはやくくるんだどー!」 家族を見捨てた子れみりゃが頼れるのは“さくや”だけだった。 さくやに頼めば大丈夫。 そんな根拠も何もない考えで子れみりゃは楽観していた。 初めて巣から出たばかりの子れみりゃは狩りの仕方もわからない。 『さくやにたのめばだいじょうぶだどー。 そうでなくともれみりゃのかりすまをもってすればじゅうしゃになりたがってみ んなあまあまをくれるだどぉー』と自信過剰な考えを持っていた。 その上今の子れみりゃには自分のいる場所すらわからないのだ。 巣に戻る事等出来はしない。 だが自信過剰で無意味にプライドの高いれみりゃ種にはそれに気づけもしなかっ た。 「さくやーおそいんだどー! じゅうしゃしっかくだどー!」 今まで一度も姿を見せた事のないさくやに対して怒り出す子れみりゃ。 『きたらおきゅうをすえてやるんだどー!!』 現れる事のない従者に対して怒りを募らせる子れみりゃ。 しかしいくら待ってもさくやは来ない。当たり前だ。 「もうさくやなんてしらないんだどー!! くびにしてやるんだどー!」 長い間(子れみりゃ換算での話で実際は一分しか経過していない)待たされた子 れみりゃは遂に痺れを切らした。 「れみりゃはつよくてこうきだからひとりでもいきていけるんだどー!!」 絶望的な状況なのに子れみりゃは楽観している。 満足に狩りもしてないのに自分は出来ると信じて疑っていない。 それは先程の食されたれいむ達が原因だった。 身動きも出来ずに放置されていたゆっくりれいむとまりさが梟による罠だと未だ にこの子れみりゃは気付いていない。 だから、あのれいむ達を見つけたのは自身の実力だと子れみりゃは信じていた。 そのため、初めての狩りでにんっしんゆっくりなんて大物を見つけた自分は天才 だと思い込んでしまったのだ。 この子れみりゃは自身が梟の標的に自分達を選ばせた原因であったが子れみりゃ がそれに気付く事はなかった。 「う~う~」 身体を休めていたら段々と眠くなってきた。 まだ休み始めて二分程度なのにもう眠り始めたのだ。 雨風をしのぐものもない森の中で無防備に眠り続ける子れみりゃ。 全くの考えなし。外の危険を知らない温室育ちだからこそ出来る芸当だ。 今のれみりゃなら通常種でも倒せそうだ。 もっとも、この子れみりゃは自身が招いた死神から逃げ切ってなどいなかったの だが。 「う゛ッ!!!?」 子れみりゃの身体が突然何かにぶつかり吹き飛ぶ。 目が覚めた眼前にはあの子れみりゃの家族を殺した元凶の鳥がいた。 二つの丸い双眸がこちらを見ている。 首がありえない方向に動く梟の頭と無垢そうな瞳に子れみりゃは恐怖を感じた。 「く、くくくるなだどー!! れみりゃはしにたくないんだどー!!」 目を見開き、歯をガチガチと震わせながら逃げようとする。 だが逃げられる訳無い。 鈍重な子れみりゃが敏捷な梟から逃げられる筈がない。 梟は瞬く間に子れみりゃを脚で掴んだ。 「やだやだいやだどー!! れみりゃはこうまかんのおぜうさまなんだどー!! れみりゃにてをだしたらさくやがだまってないんだどー!!」 恐怖から逃げようとするが羽根以外上手く動かせない子れみりゃでは梟から逃れ らない。 梟はそのまま他のれみりゃと同じように羽根を毟る。 「うぎゃああああああ!!?」 激痛に子れみりゃは叫び声を上げる。 どうしてこんなめに? 子れみりゃはずっとそう思い続けていた。 自分はこうまかんのおぜうさまだ。 “えれがんとなひびがまっているはずなのだ”と、ずっと信じていた。 初めての狩りで外に出た時は嬉しかった。 初めてあまあまを見つけた時は嬉しかった。美味しかった。 これから色々な美味しいものを食べられる、カリスマをもって従者を率いて栄華 を極めて幸せな生活を送る。そんな未来が来ると信じきっていた。 だが、それはもう叶わない。 元から叶う訳が無いが。 「やだやだざくやだずげでー!! れみりゃまだぷっでぃんたべてないんだどー!! かりすま☆だんすもおどってないんだどー!! おどなになっでえれがんどなあかじゃんづぐりたいんだどー!!」 泣き叫び、必死に欲求を垂れ流す子れみりゃ。 命乞いにもなりはしない。 梟は無言で羽根を毟った後、皮を破く程度に嘴で啄んだり、脚の爪で引っ掻く。 「いだい…いだいんだど…だずげで…ざくや……」 どうしてれみりゃがこんなめに…? れみりゃはこうまかんのおぜうさまだ。 つよいんだ。えらいんだ。 なのにだれもたすけてくれない。 おかしい。こんなのまちがってるんだど…。 どこにいるんだどざくや…。 皮が破け、肉汁をしたらせながら子れみりゃは逃げようとする。 無論逃げられる筈もなく、梟は子れみりゃを掴んだまま飛び立った。 親れみりゃがいる場所へと。 「な…んで…こないんだど…」 突如現れた来訪者、胴有りのゆっくりふらん達に親れみりゃは戦慄する。 「ふふふふらんだどー!!」 「うー、しね!」 うるさいとばかりにふらんは親れみりゃを殴る。 「いだいどー!!たすけでざくやー!!」 「ゆっくりしね!しね!」 そのままマウントポジションのまま殴打を続ける。 その横で別のふらんが親れみりゃの腹を蹴る。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「ざぎゅや~ぶげ!」 こういう時はれみりゃ種の高い再生力が災いする。 普通のゆっくりなら殴打されている内に死ぬがれみりゃは高い再生力のせいで致 命傷にならない。 このまま暫くは親れみりゃはふらんにリンチされ続けるだろう。 そして残りの二体は百舌鳥のはやにえのようになった一番下の子れみりゃに襲い 掛かった。 「う゛…う゛ぁ…」 もはやまともに声も出すことも出来ないまでに一番下の子れみりゃは衰弱してい た。 梟に襲われた子れみりゃの中で唯一無事な羽根をパタパタさせて何とか脱出しよ うとしたが無駄骨に終わった。 朦朧とした意識の中、中身が肉汁以外漏れていない為高い再生力で未だに死ぬこ とが出来ないのだ。 『まんまぁ…ざくや…だれがだず…げで…』 もはや目も機能しなくなり真っ白な景色にしか見えない。 もう痛覚以外に子れみりゃの五感は機能しなくなっていた。 それはつまり今残る外界との繋がりは枝に貫かれた痛みのみだ。 今も激痛が走る。だが慣れてしまっていた。 そんな中、 「う゛ぎゃ!!?」 貫かれたのとは別の、強烈な激痛が走る。 何が起きたかわからない。 ただ耐え難い痛みが走っただけだ。 その痛みがもはや機能しなくなった五感を一時的に回復させた。消える前に大き く燃え上がる蝋燭の火のように。 子れみりゃの眼前には見た事もない胴有りのゆっくりがいた。 どこと無く母親に似た外見に子れみりゃは救いを感じた。 『きっとまんまのおともだちなんだど~♪ かわいいれみりゃをたすけにきてくれたんだど~♪』 初めて狩りに巣から出た子れみりゃはゆっくりふらんを知らなかったのだ。 そこに現れたのが天使ではなく死神である事に…。 「…う゛~…だすげ「ゆっくりしねぇ!!」」 子れみりゃがふらんに助けを求めようとしたその時、ふらんは拳を握り、子れみ りゃを殴った。 『ぶげぇ!?』 助けに来てくれたと思い込んでいた子れみりゃにはショックだった。 それと同時に子れみりゃが最初に起こった痛みとも合致した。 子れみりゃを攻撃したのはふらんだったのだ。それを子れみりゃは理解した。 子れみりゃが勝手に勘違いしただけだが下手な希望が絶望を倍増させたのだ。 「ゆっくりしねぇ!!」 「ゆっくりしねぇ!!」 『やべっ…で…』 五感が回復しても来るのは容赦無いゆっくりふらん二匹の殴打。 もはや摩耗した精神では絶叫を上げられもしない。 『どう…じで…』 何で自分がこんな目に…? 思い浮かぶのは他の姉妹が同じように浮かべた疑問…。 『ざぐやぁ…だずげでぇ…』 そして同じように行う絶対に成就しない助けを求める嘆願。 『…う?』 突然ふらんの攻撃が止む。 助かった…? 木に固定された子れみりゃは前方にいたふらんが突如消えたために一瞬そう期待 してしまった。 だが違う。 「「ゆっくりしね!!」」 姿を消したふらんの声が響くと子れみりゃの両側から引っ張られる激痛が走った 。 『いだいいだいいだいどー!!! れみりゃざげぢゃううううう!!!』 子れみりゃに突き刺さって枝の部分からゆっくりと亀裂が走っていく。 今日初めて外に出た子れみりゃには殺意と攻撃とは無縁だった。 故に痛みとも無縁だった。 怪我としても姉妹とじゃれあってする些細なものだけだった。 かつてはそれだけでも泣き叫び、親れみりゃに慰めてもらった。 今それを遥かに凌駕する激痛が子れみりゃの身を包む。 『いだいいぎゃああああああああああああッ!!!』 「しねぇ!」 亀裂が入り、子れみりゃの顔面に縦一本の線が入ったように見える。 子れみりゃの意識が朦朧としてくる。 痛みすら和らいできたその時感じたのは安心ではなく今まで感じたことのない明 確な身近に迫った死への恐怖だった。 『しぬ…れみりゃがしぬ…?』 痛みが薄れた事で朧げにも考える余裕が戻ったのが子れみりゃとっては不幸だっ た。 自身の最期を否応なしに突き付けられたのだから。 最期まで痛みに狂えていたら恐怖を感じる暇もなく逝けたかもしれなかったのに …。 子れみりゃの脳裏に浮かぶのはかつて見た姉の残骸。 まるで母から出されたでぃなーを食い散らかした後のようだった。 それは親れみりゃが捕まえてきたゆっくり達だったが、自分達がそんな風になる なんて考えもしなかった。 自らが最強という自負がそのような思考へと至らせなかったのだ。 自分達が狩っても狩られる事なんてないと思い上がっていた。 だが身近に迫る死に子れみりゃは自らの立場を痛感する羽目になった。 『やだど~! あんなふうになりだぐないど~!!』 最後の力を振り絞って死の恐怖から逃れようとする。 といっても身をよじるだけだが。 だがそれが逆に自らの亀裂の拡大を早める事になった。 たちどころに広がり、亀裂は口に至る。 「あぎゃぐびゃぇええええええッ!!!?」 消える寸前に強く燃え上がる蝋燭の火のように最後の力を振り絞り何を言ってる んだかよくわからない奇声を上げる。 白目を向いた目はもはや生物としての機能を放棄したようにも見える。 『いだいじにだぐないいだいじにたくないいだいじにだぐないいだいじにだぐな いいだいじにだぐないいだいじにだぐないいいいいいいいいッ!!!』 「ざぐゅびゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!」 断末魔なのか誰かを呼ぼうとしたのかよくわからない絶叫を上げて子れみりゃは 真っ二つに裂けたのだった。 「うー、しね!」 ふらんは子れみりゃを裂いただけでは飽き足らず真っ二つに裂けた子れみりゃの 残骸を木に叩きつけて遊びだした。 「しね!しね!」 もう一匹もそれに倣う。 これはいつもふらん達がよく行う遊びに過ぎない。 れみりゃ達が他のゆっくりを喰らうのと同じようにふらん達のれみりゃ遊びはい つもの事…こんな日々がずっと続くと疑い無く思っていた。 だがこの時ふらんは一刻も早くここから脱出すべきだったのだ。 れみりゃ達にとっての死神はふらんにとっても同じだったのだから…。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 梟が戻ってみるとれみりゃが胴ありのゆっくりふらんに虐められていた。 四体いるが珍しく群れるタイプなのか親子なのかそれとも四体に分裂したものな のか梟にはわからないがどうでもいい。 邪魔なら排除するだけだ。 はやにえとなっていた子れみりゃも真っ二つにされて既に死んでいた。 梟はそれを見て怒りを覚えた。折角の獲物を台なしにされたのだ。 意外と親に依存する傾向だったれみりゃが単身逃げ出すという我が身可愛さの行 動するという考えが至らなかった梟は不本意ながらも獲物から一時離れた。 見つけたものは逃さないと決めていたから。 すぐに戻ってきたし、例え餌を奪われていてもそれは自分のミスだと思っていた 。 残っていれば種類によって新たな獲物にすればいい。 だがこのふらん達は獲物を玩具にした。 それは自身が策を巡らし、作り上げた“作品”を汚されたのだ。 その上ふらんの中身はあんまんだ。 梟の好む肉類ではないため餌にしにくい。 それが梟の怒りは頂点に達しさせた。 自分の食事を台なしにしたのはよりにもよって食えもしない愚図だった…。 親れみりゃはまだ生きているが殴打の末に顔は見る影もなくなっていた。 梟は一旦地面にもう満足に動けない子れみりゃを置いてまずは親れみりゃを殴打 しているふらんの始末に取り掛かった。 無益な殺生はこの梟は好まなかった。 だがこれは食事を台なしにした愚図だと判断した梟の殺す為の行動は速かった。 親れみりゃを殴打していた一匹のふらんを瞬く間にのしかかる。 「ゆっぐりじぎゃあッ!!!?」 のしかかると同時に梟はふらんの頭と身体を引きちぎる。 そして嘴でくわえていた頭を放り投げる。 そのまま口をパクパクさせていたふらんの頭は木にぶつかり、あんまんの飛沫に なった。 「うー、ゆっくりしねぇッ!!!」 ふらんが梟に殴り掛かる。 だが梟はそれを嘲笑うかのように跳躍して拳を回避し、ふらんの顔面に着地した 。 「ゆっぐりじね!ゆっぐびゃあ!?」 中身があんまんであるふらんの頭は梟の勢いと重量に耐え切れず潰れた。 十秒もかからず四体の内二体が死亡した。 流石に状況を判断した既に死亡している子れみりゃの残骸を虐めていたふらん二 匹もやばいと理解して梟に対して攻撃を開始した。 ゆっくりの中では高い身体能力を持つふらんには退却という手段は思い付かなか ったのだ。 しかしいくら強くても所詮ゆっくり。 長い年月を生き、妖怪紛いにまでなりかけた梟に勝てる訳がなかった。 襲い掛かってくるふらんを掴み上げ、かつて子れみりゃにやったように枝に突き 刺す。 「ぎゃああああああああ!!!?」 初めての激痛にふらんはみっともない叫び声を上げる。 枝は深く突き刺さっておりふらんの手では抜けない。 「う゛ー、じね!じね!」 ふらんがジタバタと暴れるが抜ける気配はない。 もうこいつは終わりだ。 長い枝の根本深くに胴体が突き刺さったのだ。 放っておけば中身を出し続けて死亡する。 食べるならまだしもただ邪魔をした相手、なおかつ餌としてはあまり上等ではな いのだからこれ以上手だしする気もない。 それよりも優先するのは最後の一匹だ。 「う゛ー!じね!じね!」 最後のふらんが襲い掛かるがいちいち相手するのが面倒になってきた。 梟は鼻歌でも歌うかのような感じでふらんの羽根を毟る。 「う゛~、じねえ!!」 羽根を毟られた痛みを感じながらもふらんは暴れる。 だが梟はそんな抵抗を嘲笑うかのように空高くふらんを脚に掴み飛ぶ。 そして、 「ゆっぐりじねぇ!ゆっぐぢじね!じね!」 泣き喚くふらんを放した。 そのまま羽根を失ったふらんは自由落下していく。 見慣れた空の景色が今まさに自分に牙を向けようとしている。 「う゛ー!う゛ー!」 事態を理解し、パタパタと手足を振り回していつものように飛ぼうとする。 だが羽根が無いためどうしようもない。 あんな羽根じゃそもそも飛べる訳がない。 ふらんが飛べるのは羽根ではなく飛べるというのに思い込みだ。 だから本来は羽根が無くても飛べるのに思い込みの激しいゆっくりは羽根が無い から飛べないという結論になってしまった。 「う゛ー!?」 野生のふらんには見られない大粒の涙を流して手足を振り足掻くが意味はない。 「う゛ああああああああああッ!!!?」 そうしてふらんは地面に墜落し、自らの身体を四散させたのだった。 「ゆっ…じ…ねぇ…」 もはや原形も保てずあんまんである中身を飛び散らせ、左目から上が欠損してい る。 どう考えても助からない。 むしろ今生きている方がおかしい。 ゆっくりという単純な構造のせいで痛みのみが長続きしてなかなか死ねないのだ 。 確かにふらんは強い。 ただしゆっくりにしては…だ。 逃げるという手段を用いないふらんはこうして必要以上の敵意をぶつけて返り討 ちに遭う為数が少ないのだ。 そしてその光景をふらんより弱い親れみりゃは見せ付けられた。 れみりゃが万全な状態でも勝てないふらんを一分もかからず殺戮してみせた梟に 対してどうしようもない絶望を感じたのだった。 「じね…ぇ…」 ふらんの虚ろな目が親れみりゃを見つめている。 「う゛…」 それに親れみりゃが恐怖する。 ふらんの目は何を見ているのか親れみりゃにはわからない。 先程まで捕食する筈だった存在に対して助けを求めようとしているのかそれとも 未だに襲おうとしているのか親れみりゃにはわからなかった。 「ゆっぐじじべぇ…!」 力無く呻き声を漏らしていたふらんの頭が踏み潰される。 「う゛ッ!!?」 ふらんの頭が完全に潰される光景を親れみりゃは見せ付けられる。 「ホー」 そして親れみりゃは見る。 ふらん達を殺し、自分の家族を殺戮した抗いようのない怪物に…。 あの暗闇の中に光る月のように丸い二つの双眸を…。 「う゛ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!?」 そのあまりの恐怖に親れみりゃは肉汁のしーしーを漏らしながら発狂したかのよ うに絶叫し、その意識を手放した。 「う゛…だ……ざ…!」 気絶していた親れみりゃの耳に何か声がする。 『うるさいど~。 おぜいさまのしぇすたをじゃまするなんてふとどきせんばんだど~』 意識が戻り始めた親れみりゃは聞こえる声に不満を抱きながらも眠ろうとする。 「やだ…かえ……おう…!!」 聞こえてくる声はどんどん大きくなる。 何だか聞き覚えがあるがそんな事より親れみりゃは寝たかった。 野性に生きるものにあるまじき行動だ。 『さわがしいんだど~! さくやはなにをやってるんだど~!!』 居もしない従者に対して不満を持つ。 「まんまぁ~!だずげでー!!」 『う゛!?』 今度の叫びはしっかり聞こえた。 しかもそれは絶対に間違えるはずのない我が子の声だった。 さっきまで完全に忘却の彼方だった可愛い我が子の悲鳴に寝ている場合じゃない とようやく判断したのだ。 『おちびちゃんいまたすけるど~ッ!!』 親れみりゃはこうして目を覚ました。 「だずげ…!」 親れみりゃが目を覚ましたその先には子れみりゃがいた。 だがそれは凄惨な状態だった。 羽根はボロボロ、帽子は何とかあるのがわかる程度の有様で、皮は剥げて剥き出 しになった左目の眼球が今にもこぼれ落ちそうだ。 そんな状態の中必死で子れみりゃは逃げている。 羽根を失い飛べなくなった身体で必死に跳びはね…いや頃がって逃げている。 「う゛…れみ…は…おぜ…なんだ…ど…」 必死の形相で逃げる子れみりゃは自分の立場が未だに理解できないのだろう。 そんな子れみりゃを追う毛が生え揃った小鳥達。 「ぶぎゃ!…やめ…」 ボロボロの子れみりゃに小鳥がのしかかり啄んでいく。 だが不慣れなせいか暴れ回る子れみりゃを押さえ付けられず子れみりゃは逃げ出 す。 その時爪で引っ掛かれたのか横に長い一本の線のような傷痕が出来ていた。 そこから溢れ出す大量の肉汁。 「やめるんだどーッ!!!」 思わず親れみりゃは叫んだ。 小鳥達に襲い掛かろうとする。 「う゛、う゛う゛ー!?」 しかし微塵も動けない。 どうしても動けない。 親れみりゃが手足を動かそうとしても羽根をパタパタさせようとして何も起こら ない。 「う゛ー!どうぢでうごがないんだどー!?」 目の前にいるおちびちゃんを助けなくてはいけない。 どうして動かないのかそれがわからない。 だがその要因にようやく親れみりゃは気付いた。 目の前に手足の残骸と衣服の切れ端が転がっているからだ。 それを親れみりゃは理解した。 それは間違いなく自分の身体なのだから。 「うぎゃあああああああああああああああああッ!!!?」 親れみりゃの頭に過去の痛みがフラッシュバックされる。 親れみりゃが意識を失ったのは二回。 一度目は梟に対する恐怖で。 二回目は巣に連れてかれた後、首から下をひきちぎられたからだ。 あまりにも機械的に首から下を分離させられた親れみりゃはその激痛で意識を失 ってしまった。 それから目覚めてさっきまで忘れていただけの話だ。 親れみりゃの胴体を取り除いたのはれみりゃの放屁が厄介だからだ。 今子れみりゃを襲っているのはあの梟の子供達だ。 そしてここは巣の中。 木の中に作られた出入口一つだけの巣では臭い放屁を放たれたら最悪子供達が死 んでしまう。 屁で死ぬなんて笑い話にしもならない。 だから胴体から下をとったのであった。 「や…やじゃ…」 あまりにも残酷な現実に親れみりゃは思考を放棄していた。 親れみりゃは僅かな時間で子供をほぼ全て失い、そして今や自分はただの肉団子 に等しい。 昨日までの幸せな日々が嘘のようだ。 そして、今目の前にいる最後の我が子の命も潰えようとしていた。 「いぎゃああああああああああッ!!?」 れみりゃの目がえぐり出される。 皮は剥げ、もはや子れみりゃは肉の塊に等しかった。 「う゛…う゛…う゛…」 もはやまともに声も出すことも出来ずに子れみりゃは痙攣していた。 目玉は梟のお気に召さなかったのだろう瞼を喰われただけだった。 だがその瞳が真っ直ぐに親れみりゃに向けられていた。 『どうじでだずげでぐれながったの?』 空虚な瞳はそう物語っていた。 それは親れみりゃにとっては筆舌にしがたい恐怖となった。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!」 この瞬間親れみりゃの心は折れた。 最後の子供が逃げた報いかのようにじわじわと恐怖を味わいながら死んでいくの も気付かずありとあらゆるものに親れみりゃは恐怖した。 そしてその心の折れた眼に映るのは梟の丸い双眸…。 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!?」 梟の嘴に舌を抜き取られ喋れなくなるまで親れみりゃは叫び続けた。 必死に目の前の現実から逃れようとする為に…。 しかしもう親れみりゃに逃げる事は出来ない。再生の続く限り親れみりゃは梟達 の保存食として生きていくのだ。 そこにもう家族と共に生きる幸せな日々は何処にもない…。 これから先親れみりゃ…いや既に子を亡くしたただのれみりゃが何時死ぬかはわ からない。 だが確実なのはこれから先れみりゃにとって幸せな未来は何一つ無いという事だった…。 月明かりが森を照らす夜。 梟は木の上にいた。 その下には泣き叫ぶゆっくりれいむとゆっくりまりさの家族。 「たしゅけておきゃあああしゃあああんッ!!」 「やめておちびちゃんをたべないでええええ!!」 「うー♪うー♪」 「やべてね、たべるなられいむにしてね!!」 「どぼぢでぞんなごどいぶのおおおおおおおおおッ!!?」 今日もまた、餌がかかったようだ。 梟は羽根を広げ、獲物へ向かい飛び立ったのだった…。 あとがき ただ梟無双がしたかった。 結構長くなってしまった上に後半のグダグダ感が否めない。 誰か助けて…。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/853.html
かわいいゆっくりゲットだぜ!!3-中(脱出) 前作かわいいゆっくりゲットだぜ!!3-上の続き ゆっくりれみりあ(れみりゃ)の捕食種設定ありです。俺設定もありです ひどいあつかいのゆっくりと性格の悪いゆっくりや悪魔のような性格(?)のゆっくりがいます ゆっくりの出番は少ないです。私(主人公)の出番が多いです ゆっくりに対する暴力シーンと捕食シーンと戦闘シーンがあります。 店員さんの話は、他の方の作品・ゆっくりを飼うときに気をつけることを基にしています。パクリに見えたらすみません ゆっくりの値段は、ペットショップでゴールデンハムスター680円なので卸値を200円の俺設定です 個人的には、子供のれいむ・まりさ・みょん・ありす・1000~2500円、ちぇん5000円、ぱちぇ2万円、胴無しのれみりゃ2万円、 ふらん2万5千円、胴体付きなどの希少種時価が俺設定です。 (しつけ済みは2・3倍…犬のしつけが訓練所に3ヶ月預けて15万円だったので) しつけ前の赤ん坊や成体や飾りなし傷つきも1000円以下ぐらいかと考えています それでもよければどうぞよんでください では、駄文開始です。 「…じぇんじぇんわきゃらにゃいよー…」 やっと落ち着いてくれたのだろうか我が家のちぇんが騒ぎ疲れてらんのひざの上で眠っている 話は約1時間ほど前にさかのぼる 「じぇんじぇんわきゃらにゃいよー!! じぇんじぇんわきゃらにゃいよー!!」 「…お、お、おちつくてんこ!」 「むきゅー、おちついてちょうだい。ちぇん!」 「こぁ、ゆっくりおちついてください!」 「じぇんじぇんわきゃらにゃいにょー!! れみりゃはゆっくりできにゃいんだよー!! おいだしてよりゃんしゃま!!」 「てんこ…ごしゅじんがかいたいというからむりだ。てんこ…」 「むきゅ! れみぃはゆっくりできるわたしたちのじまんのこどもよ! こわくないわ!!」 「じぇんじぇんわきゃらにゃいよー!! れみりゃはちぇんのおきゃーしゃんちゃちをころしたんだよ!! ゆっくりできないよ!!」 「それはほかのれみりゃであってれみぃとちがうわ!!」 「れみりゃはぜんぶおなじだよ!! ゆっくりできるれみりゃなんきゃいないんだよ!! おいだしゃなきゃいけにゃいんだよ!!」 はあ、このれみりゃを拾ったのは間違いだったのだろうか。 家にれみりゃをつれて帰ると普段のんびりしているちぇんが混乱して大騒ぎを始めたのだ。 私は大切なことを忘れていた。 ちぇんは家族をれみりゃに食べられて1人になったときにらんに拾われたのだ。 ちぇんにしてみれば、親のかたきであるれみりゃが来れば大騒ぎをするのも当然だ。 小さい時のことだから覚えていないのかもしれないと思っていたが… しっかり覚えていたのか。れみりゃは処分をしなければまずいのかもしれない… 問題のれみりゃ本人はというと、育ての親に会えたうれしさとちぇんに責められる悲しみが混ざって混乱が全身を支配してしまい、 結局その場でだだっ子のように四肢をジタバタさせることしかできなかった。 その顔は、涙と鼻水らしきものでぐしゃぐしゃになっている。 「どぉーじでだどぉー! うぁーーん! さくやぁー! さくやぁーどこぉーー!? うっぐ、ひっぐ……どぉーじてだどぉー……れみぃ、わるいこじゃないんだどぉー……おまんじゅうはもうたべないんだどぉ!! まんまぁー!! れみぃは、いいこにするからまんまぁーたちといっしょにいたいんだどぉ!!」 「…!! わっきゃるよぉーー!! やぱっりれみりゃはゆっくりをたべんちゃうんだよ!! ゆっくりできないいんだよ!!」 この状況を打破するにはどうすればいいのだろうか私に答えを思いつかないでいた。 とりあえず、2匹を一緒の部屋にいてはいけない。 そう考えて、別々の部屋に分けて現在に至るという状況だ。 ちぇんとれみりゃは育ての親にあやされて泣きつかれたのか眠っている。 私はたたみの上に大の字に倒れ、2匹の育ての親の様子をみた。 ちぇんやれみりゃほどでではないが、2匹もどうすればいいか迷ってしまっているようだ。 「私の知り合いにゆっくりをペットとして扱っている店がある。そこにれみりゃを譲ろうと思うのだが?」 「てんこ! らんはそれがいちばんいいとおもうてんこ!」 「むきゅー…それじゃ、れみぃがかわいそうよ…」 「そこに君とこぁも引き取ってもらえるか、相談しようと思うんだ?」 「むきゅー…」 「君達、家族全員だったら仲良く暮らせるのではないかい?」 その言葉にぱちぇは悩むように、むきゅ、むきゅ、と独り言をはじめた 私の考えている方法は、もうひとつあった。 ぱちぇを追い出した問題のゆっくり達がいなくなったのだから巣に戻ればいいのではと考えてもいる あれ、何かを思い出しそうだ …問題のゆっくり…赤ゆっくり…大工の小屋…頼まれごと…わすれていた!!! しまった。取ってきてくれと頼まれた大工の道具箱を持ってくるの忘れていた。 それに小屋の鍵も開けっ放しだ。 赤ゆっくり達も本棚に閉じ込めたままだ。 あそこまで歩いて1時間半はかかる…仕方ないからあれを使うかな 「すまない。急用を思い出した。少し出かけるから二人は対策を考えておいてくれ」 れみりゃを念のために犬のゲージに入れて外から鍵を閉めると私は家の裏にある物置に向かった。 外の世界では折りたたみ自転車と呼ばれているものをだすと背中に野菜などを入れるかごを背負って、 林の中の小屋に向かって走り出した。 道の悪い土の道路とはいえ約30分ぐらいで小屋についた。 私は中に入ると急いで大工の箱を探し始めた。 畳の下の引き出しをあけてみると隠したのだろうか子ゆっくりの死体が何匹か落ちていた 大工箱は無事なようなので別の引き出しに入っていた、布で拭いておいた。 他に生きているゆっくりがいないかを探しながら死体は外に掘ってある穴に埋めていった 隠れていそうな場所を探し終えたので穴を埋めた。 本棚に閉じ込めたゆっくりたちはスヤスヤと眠っていたのでかごに起きないように入れていった。 大工箱とかごを自転車にくくりつけると私は人間の里に向かって自転車を押し始めた。 大工の若者に大工箱を渡して知り合いのゆっくり屋にいくつもりだ。 自転車を押しながら家に残してきたゆっくりたちのことを考えていた。 ちぇんとれみりゃのどちらか手放すならば、やはりれみりゃだよな。 ちぇんと住み始めてから3週間だが仕事をの疲れをどれだけ彼女に癒してもらったことだろうか ねずみのおもちゃに、じゃれつかして遊んでみた事 悩み事を相談して「にゅん、にゅん、わきゃるにょ!」といってもらった事 一緒に歌を歌って楽しんだ事 えーりん!えーりん!を一緒にした事 寝ている姿を見たり、膝に乗せるだけでだけ心が癒された事 睡眠をとるだけだった私の家が楽しくなったのはちぇんとらんのおかげだ。 ぱちぇには申し訳ないがれみりゃは手放すことにすると決心をした。 人間の里につくと夜になる直前だった。 大工の若者には、大工箱を渡して小屋に壊れた穴から動物が入って暴れたようだったので、 本棚を動かして穴を隠した事と散らかっているから明日にでも掃除にいったらどうかと伝えた。 餡子のシミに関しては、動物の糞とだけ伝えてごまかしておいた 珍しいのか自転車についていろいろ聞かれたが森の近くの店で購入したと伝えておいた。 お礼だと野菜を分けてくれたので後にとりに来ると頭を下げた。 大工の若者の家を出ると『ゆっくり屋』と書かれている店に入っていった 「いらっしゃいませ。本日はどのようなご用件でしょうか?」 「ゆっくりを引き取ってもらいたいのですが?」 「種類は何でしょうか?」 「このかごの中を見ていただければわかると思います」 そういうと私はかごの中からプチトマトからからトマトぐらいのゆっくり達が数十匹を取り出していった れいむ種、まりさ種、みょん種、ありす種などのゆっくりだ。 「普通種が中心ですからまとめて1万円ぐらいでどうでしょうか?」 「いや、ただで結構です」 「いいえ、こちらも商売ですからお金は受け取ってください」 「でしたらゆっくりの相談をしたいのですがよろしいでしょうか?」 「構いませんが、どういった内容でしょうか?」 私は彼に経緯を相談した。 先週、この店を出た後にぱちゅりーとこぁの家族をひろった事 今日、75センチぐらいの胴体付きれみりゃをひろった事 もともと飼っていたちぇんと喧嘩してしまった事 理由はちぇんの家族がれみりゃに襲われて亡くなってしまった事 店員はうんうんとうなずきながら私の話を聞いてくれた。 「多頭飼いをする場合は、なるべく相性がいい種族同士で組み合わせてやる事が重要ですよ」 「どういうことですか?」 「元になった英雄同士の相性が影響します。例えば、らんや、ちぇん、或いはまりさとれいむ、 などの組み合わせは相性がよく、非常に『ゆっくりできる』組み合わせなのです」 「なるほど」 「逆に捕食種と通常種は一緒の環境で飼育する事は、お互いの為にならないので止めておくべきです。 要は『ゆっくりできない』為に飼い主にもゆっくり同士にもストレスが蓄積するからです」 「猫と犬、猫とハムスター、の組み合わせという事ですか?」 「その通りです。表面上は仲がよくても内心では『いつ、襲われるのか』『いつ、襲ってしまうか』と考えてしまうのです」 「ぱちゅりー種とれみりゃ種が住んでいたのはどうしてですか?」 「それは元になった英雄が一緒に住んでいるからではないでしょうか?」 「そうですか…話は変わりますがれみりゃ種の胴体付きを引き取っていただけないでしょうか?」 「胴体付きですから1万円でどうでしょうか? らんもつけてくれれば10万で」 この人はお金でものを考えなければとてもいい人なのにな… ペットショップもそうだし仕事だから仕方ないか 「代金は結構なので…今度の給料日にでもゆっくりハウスを買うのでその時にでもまけてください」 「わかりました。では、れみりゃを連れてきて頂けるのを楽しみにしていますよ」 諮問等をし続けても仕方ないので赤ゆっくりの代金はもらうことにした。 私は赤ゆっくりの代金1万円を受け取るとかごを背負って大工の若者の家によっていった。 野菜を入れようとした時にまりさ種の赤ゆっくりが残っているのでどうしたものかと悩んでいると大工の若者が譲って欲しいというのであげた。 れみりゃのことをどうやって切り出せばいいのかと思いながら家に帰ると大騒ぎが起きていた。 てんこ! ちぇんいなくなったてんこ。 とか。 ちぇん、おいしごはんですよ~でてきてくださいー。 とか。 むきゅ! ゆっくりしないででてくるのよ! とか言っている声を聞こえてきた。 おい待てよ!ちぇんがいなくなったってどういうことだよ!! 俺は急いで家の中にはいるとゆっくり達に事情を説明させた。 一方、その頃のちぇん 「…じぇんじぇんわきゃらにゃいよー…」 最近幻想卿で見られるようになった生きたまんじゅう、ソフトボールぐらいぼいゆっくりが里のハズレをとぼとぼと歩いている。 緑色の帽子とネコミミと茶色の髪の毛と2本の尻尾が生えたゆっくり、ゆっくりちぇんだ。 彼女は自分の親を殺した捕食種のゆっくり、ゆっくりれみりあ(れみりゃ)と暮らすのが嫌で家を飛び出してきたのだ。 だが、彼女に頼る相手もおらず本能のままにさ迷う様に歩いていた。 気がつくと彼女は、川のほとりの土手を歩いていた。 そこには木を十字に立てられている彼女の家族が眠っている場所があるのだ。 「…じぇんじぇんわきゃらにゃいよー…りゃんしゃま…おにいさん…ぱちぇ…おきゃーしゃん」 彼女には本当にわからなかったのだ。 ちぇんは昔を思い出していた。 この土手には、少しだけ土が盛り上がり、落ち葉でうまく偽装してある巣があった。 そこでの自分を大切に育ててくれた両親、可愛がってくれた姉、ゆっくりと幸せに暮らしていた日々 そんな冬のある日だった。 どこかで飼われていたのか野生なのかわからないがあいつが来たのだ。 そのれみりゃは、冬の冬眠時期だというのにエサを探していた。 川の土手におかしな点を見つけた。少しだけ土が盛り上がり、落ち葉でうまく偽装してある巣があった。 ただ、うまく偽装できているものの、冬の時期に葉が大量に落ちているのは不自然であった。 近くにも似たような状態の巣があったが特におかしな点がなかったので気付かなかった れみりゃは手を使い簡単に偽装素材をどかし、数秒のうちに巣穴がぽっかり口をあけた。 「う~♪ あまあまのすをみつけたどぉ~♪ 」 巣の入り口から中を見渡すと眠ったままのゆっくりが3匹もいた 「う~♪ でなーのじかんだどぉ~♪ 」 れみりゃの目前には3匹のゆっくりが笑顔で眠っていた。 食べやすく味も手ごろな大きさのゆっくりを見てれみりゃはニコニコと、えがおを浮かべている。 れみりゃは上半身を巣穴に突っ込んだ。人間のようなふくよかな手それに捕まって母親は巣の中ら取り出されてしまった。 「がお~♪ たべちゃうんだどぉ~♪ 」 「…いたいんだよー…たべないんでほしんだよ!!」 「う~♪ あまあま~☆ ちょこあじなんだどぉ~☆」 「わがらないよー! もっどゆっぐりじだよお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!だずけでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!」 母ちぇんの悲鳴を聞き、家族の意識はようやくはっきりとした。 「わかるよー!! れみりゃがきたんだよ!! ちぇんがおとりになるからこどもはにげるんだよ!!」 「わきゃらにゃいよ! おとーしゃんはどうなるの!!」 「もっと あまあまいただくんだどぉ~☆」 そんな中でもちぇんは枯葉の下でぶるぶる震えていた。 それが幸いしてれみりゃに気付かれなかったのは幸運だったのだろうか その間にも、父親、姉の悲鳴と断末魔が聞こえてくる。 「わがらないよー!・・・ゆっくり・・・したかったん・・・だよ。」 死ぬ間際にゆっくりすることを望みながら、姉ちぇんは死んでいった。 「おいしかったんだ・・・。」 トントン と肩をたたかれる感触にれみりゃは後を不機嫌そうに後ろを向いた時 「う~!いったいだれだ・・・。」 「ゆっくりできない。れみりゃはゆっくりしね! てんこ!」 ボスッ! 後ろへ振り向いたれみりゃの顔には先の尖った木の棒が突き抜けていた。 「うっぐ、ひっぐ!うぁ~!いたいんだどぉ ぉ !」 始めは大泣きしていたれみりゃであったが、危害を与えた主の姿を見てれみりゃは余裕の笑いをした 相手は、胴体付きとはいえまんじゅうだ。自分が負けるはずがないのだ。 その相手、ゆっくりらんも同じことを考えていた。 素早い胴体無しならともかく胴体つきで木が貫通した状況ならば自分にでも勝算は充分にあるはずだと。 「てんこ! てんこ!」 余裕の笑みをうかべていたたれみりゃにらんは容赦なく攻撃を繰り出す。 顔に突き刺さった棒に集中して攻撃するだけでれみりゃに激痛が走り続けた。 「うあぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !やめるんだどぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」 れみりゃは痛みに怯え、らんの攻撃を一方的に受けることしかできなかった。 「うっぐ、ひっぐ! おぼえているんだどぉー!!」 そういうとれみりゃは川のほうにパタパタと飛んで逃げていった。 らんは後は追いかけずにゆっくりの巣の中に顔を突っ込むと 「ゆっくりしていってね!! だれかいないかてんこ!」 「「ゆっくりしていってね!!」」 「ゆっきゅりしていっちぇねぇ!! 穴の中から1匹、自分の後ろから2匹のゆっくりの声が聞こえた。 うしろにはれいむ種とまりさ種のゆっくり、中からはチョコレートまん程度のゆっくりちぇんがでてきた。 「りゃんしゃまーー!! おとーしゃんちゃちわ!?」 「てんこ…」 「「…」」 大人のゆっくり3匹はどう説明すればいいのか困っていた。意を決してれいむがはなしかけた。 「ゆっくりりかいしてね! ちぇんのかぞくはてんごくにいったんだよ!」 「じぇんじぇんわきゃらにゃいよー! ちぇんはおきゃーしゃんちゃちといたいんだよ!」 「よくきくてんこ! ちぇんがしあわにせないならないと、ちぇんのかぞくはしあわせになれないてんこ!」 「…わきゃたにょ! りゃんしゃま、ちぇんぎゃんびゃっちぇいきるよ!」 「てんこ、らんはもりのなかにあるゆっくりぷれいすをめざしているてんこ!」 「にゅん、にゅん、わきゃるにょ! ちぇんもいっしょにいきゅよ!」 二人は家族の死体を埋めると特に見える森の中にあるというゆっくりプレイスを求めて旅に出たのだ。 途中にゆっくりできる場所(犬小屋)を見つけたのでそこで休むことにした。 そして、今の飼い主のお兄さんに拾われたのだ。 れみりゃさえ来なければ自分が家を出ることもなかった…家族を失うこともなかったのに… 何で自分がこんな目にあうのだろうかとちぇんは悩んでいた。 その様子をみている影が月に映し出されているのをちぇんはしらなかった 下かわいいゆっくりゲットだぜ!!3-下へ続く 【あとがき】 作者名無しです。 文章がまとまらず書くのが遅くて困っています 次もかわいいゆっくりゲットだぜ!! 書いたもの かわいいゆっくりゲットだぜ!! 1・2・3 外伝1 監禁した上で売るって・・・。何という鬼畜 -- 菜 (2009-02-27 06 37 04) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1040.html
畑 ある日、俺が畑に出てみると、そこには一匹のゆっくりがいた。 「ゆっくりしていってね!!!」 近づいててみると、それはゆっくり霊夢の親子だった。 「うめぇ!これめっちゃうめえ!」 「おいしいね、ゆっくりたべようね!」 呆然としていた男、その男に気付いたのか子供霊夢が話しかける。 「おじさん! ここはれいむたちがさきにみつけたんだよ! おじさんはちがうところでたべものをさがしてね!」 「うめぇ!まじうめぇ」 「こっちもうめぇ」 「……」 「おじさんまだいたの。ゆっくいしないんだったら、ほかのところにいってね」 おそらくは母親霊夢、に体当たりを食らわされる、おかげで服は土だらけだ。 腰も強く打ってしまったので、ゆっくり達の楽しそうな笑い声を聞きながら、その場を後にした。 別の方が書いた続き 家 俺が、農作業から帰ってくると、そこには三匹のゆっくりがいた。 「おいじさんもゆっくりしにきたの?」 とゆっくり霊夢。 「ここはゆっくりたちのいえだよ!!!」 とゆっくり魔理沙。 「むきゅー!」 とゆっくりパチェリー。 「ここは俺の家なんだけど……」 「ちがうよ! ここはれいむたちがさきにみつけたんだよ!!!」 「そうだよ! ここはまりさたちのいえだよ!!!」 「むきゅー! ぱちぇりーたちでゆっくりするんだよ!!!」 「いやぁ、ここはもともとおれの……」 「ゆっくりできないんだったらでていってね!!!」 ゆっくり霊夢からタックルを食らわせられる。 「おじさん。かってにひとのいえをとっちゃだめだよ!!!」 こんどはゆっくり魔理沙からだ。 「むきゅ~! うそつききらい!!!」 最後にゆっくりパチェリーからの一撃。 農作業に疲れて帰ってきた俺は、反撃する体力もなく、その日は家の中から聞こえるゆっくり達の声を聞きながら、外で一晩過ごした。 別の方が書いた続き 屋台 今日は街まで屋台を出してきた。 売るのは、自慢の佃煮だ。 「いいにおい! おじさんこれなぁに?」 「なぁに?」 見ると家族なのだろうか、少し大きい霊夢が小さい霊夢を連れてこちらを覗いていた。 「お嬢ちゃんたちは姉妹かい?」 「うん! きょうはれいむたちがあかちゃんをつれてきたの! おじさんそれなぁに?」 なるほど、良く見るとようやく外を出歩けるようになったらしい、初めて見る光景に釘付けのようだ。 「これは佃煮だよ。ちょっと食べてみるかい?」 少量を皿に載せて、話していた霊夢に差し出す。 警戒するでもなく、いきなり食べ始める。 「ゆっ! おいしい! おじさんこれおいしいよ!!!」 随分喜んでいるゆっくり霊夢、くるっと後ろを向いて。 「みんな! これおいしいよ! おじさんがたべていいっていったから、みんなでゆっくりたべよう!!!」 「ほんと!!! いただきまーす」 「れいむのせなかにのってね! だいのうえまでのせてあげるよ!」 「ゆっくりのるよ」 「いいにおいー」 あっという間に、台の上に上がりこんでくるゆっくり姉妹。 「うめぇ!! めっちゃうめえぇ!!!」 「おいしいよ! はじめてたべたよ!」 「あかちゃんたちゆっくりたべてね!!!」 「「「ゆっくりたべるよ!!!」」」 みるみる丹精込めて作った佃煮が無くなっていく。 全て食べ終わるのに、5分もかからなかった。 「おいしかったね!!!」 「またたべたいね!!」 「ひがくれてきたから、早く帰ろうね!」 「「おうちでゆっくりしようね!!!」」 そのまま、こちらを振り向かないでゆっくり姉妹は帰っていった。 山菜 俺が山で山菜を取っていると、ゆっくり魔理沙とゆっくり霊夢が近づいてきた。 「おじさんなにとってるの?」 「あぁ、これはさんs「あぁ、これおいしいたべものだ!!!」」 言うが早いか、俺の籠に迫り来る二匹、なす術もなく倒される俺。 「うめぇ、めちゃうめぇ」 「これ、なかなかとれにんだよね! おじさんまりさたちのためにとってくれてありがとう」 朝から苦労して取っていた山菜をどんどん食べられる。 こっちも苦労した身なので、唖然と居て座ったまま動けなかった。 「はぁ、おいしかった!!! おじさんありがとう! おかげでゆっくりできたよ!!!」 「また、まりさたちにごちそうしてね」 ゆっくりゆっくりと言いながら、二匹は山の中に消えていった。 家宝 久しぶりに家でのんびりしていると、庭にゆっくりがやってきた。 「ゆっくりしていってね!!!」 なんてことはない、よくいるゆっくり魔理沙だ。 「いらしゃい、ゆっくりしていってね」 「うん! ゆっくりするよ!!!」 ゆっくりできる人と思われたのか、ズカズカ家の中に入り込んでくるゆっくり魔理沙。 「すごい! ゆっくりできるよ!!!」 そういって棚に向かって跳ねていくゆっくり魔理沙。 棚に載っている花瓶やガラス細工をなぎ倒し、代わりに自分が棚に乗って行く。 「ゆ♪ ゆ♪」 ひとしきり飽きたのか、今度は台所の方に向かっていく。 「ゆ! おいしそうなのがいーぱい!!!」 手当たり次第に、粗食するゆっくり魔理沙。 その度に、米はぶちまけられ、野菜はバラバラに食べられ、肉や魚もかじられる。 おまけに涎まみれだ。 最初に、家宝の壷を破壊されてしまって放心状態だった俺は、その様子を見守る事しか出来なかった。 「おじさん! ゆっくりできたよ! またあそびにくるね!!!」 本当に遊びに来るのだろうか、事務的に片づけをしていた俺はそんな事を考えていた。 翌日、友達と称する二匹を連れて、本当に遊びに来た三匹を見て、あぁ本当に来たなぁとしか思わなかった。 牛肉 今日は奮発して高い牛肉を買ってきた。 これからなににして食べようかアレコレ考えながら家路を急ぐ。 「ゆっくりしていってね!!!」 道から突然ゆっくり霊夢が飛び出してきた。 驚いて尻餅をつく形になる。 「ゆ! おじさん、そのふくろからいいにおいがするよ!」 「あぁ、これはさっきかってきた牛肉の匂いだよ」 「ゆっ! おにく! れいむもたべたいたべたい。おじさんいっしょにゆっくりたべよう!!!」 転んだ拍子に袋を放していたのがいけなかった。 既に、袋の中に顔を突っ込んでいるゆっくり霊夢。 こちらは、腰を打って立ち上がれない。 「ゆっ! これうめぇ!めっちゃうめぇ!」 一緒に、という言葉を忘れ一心不乱にむしゃぶりつくゆっくり霊夢。 「うん。ごっくん! おじさんありがとう! またいっしょにゆっくりしようね!!!」 喰い散らかした時の粕だけ残して、ご機嫌にゆっくりは去っていった。 れみりゃ 今日は紅魔館の近くで果物を取っていた。 実りに実った果実が数多く実っている。 俺は興奮して、手当たり次第に籠に入れていく。 「う~! た~べちゃうぞ~!!!」 ゆっくりれみりゃだ。 紅魔館の中で大切に育てられているらしいそれが、何故ここに居るのかは分からなかったが、下手に泣かせてあのメイド長にナイフを刺されるのはごめんだ。 「う~♪ うまいうまい♪」 れみりゃはそんな事お構いなしだ、男の籠から果実を取り出し勝手に食べている。 「う~! まず!」 自分が不味いと思ったのは捨てる、踏みつける。 「う~! ぐ~るぐる♪」 おなかが膨れたれみりゃは、持っていた日傘をたたんで、籠の中かき回し始めた。 久しぶりに沢山取れた果実がグチャグチャになっていく、手を出さないのはれみりゃが怖いからではない、メイド長が怖いのだ。 「う~!うっう~!!」 さんざんかき回した後、大威張りでれみりゃはその場所を後にした。 後には、ぐちゃぐちゃになった果実と、使い物にならなくなった籠だけが残された。 捕獲 ある日、俺が一身蜂起してなんとかゆっくりを捕まえた。 といっても、家でゆっくりしようと、言って連れて帰っているだけだが。 さぁて、連れて帰ったらどうしてあげようか。 「う~!」 「ゆっくりしね!」 その声に後ろを向くと、ゆっくりれみりゃとゆっくりフランが後ろから迫っていた。 その勢いにびっくりして思わずゆっくりを抱いていた手を離す。 「ゆゅ? ゆ゛ーーー!!」 一瞬で空中高く運び去られるゆっくり霊夢。 「ゆっぐりじたいよ。たがいよ! ごわいよ! おじざんだずげでよ!」 「う~!」 「ゆっくりしね!」 互いに両頬から食べていく二匹、あっという間に食べつくしてしまった。 「うっう~♪ あうあう♪」 「ゆっくりしね♪」 遥か高空で行われた二匹の食事。 折角手に入れたゆっくりを数分で食べ終わった二匹は、新たな獲物を探して飛び立っていった。 ゆレミ&フラ 俺が露天で竹細工を売っていると、紅魔館でご寵愛を受けているゆっくりれみりゃとゆっくりフランがやってきた。 二人ともよたよたと日傘を差している。 先程、屋敷のメイド長が一緒だったところをみると、また一緒についてきて、メイド長が買い物をしている間自由行動をしているらしい。 「うっう~! た~べちゃうぞ~♪」 今日はきぐるみを着ているれみりゃがそういいながら、俺の竹細工を蹴散らしていく。 「う~ゆっくりしね♪」 それを真似して、ゆっくりふらんも同じ事をしだした。 俺は黙っているしかない、以前注意して泣かせた店主が、すぐさま駆けつけたメイド長に連れ去られて以来戻ってきていないからだ。 「う~♪ がぁお~♪」 「うっう~♪」 笑顔で全て壊しつくした二匹は、同じく買い物を済ませたメイド長に駆け寄っていった。 メイド長が買っておいたペロペロキャンディーを両手で掴んで、ご機嫌なまま二匹は帰っていった。 ピクニック 今日は一人でピクニックだ。 数時間かけて森を散策し、ちょっと開けた所でいざ昼食を、と思っていた時。 「ゆっ、「「ゆっくりしていってね」」」 珍しい、ゆっくりシャンハイとホーライを連れたゆっくりアリスに会った。 「今日は、ゆっくりしているよ」 そういってゆっくり達に笑顔を送る。 「ゆゆっ! そう。 ゆっくりできてよかったね」 「ヨッカタァネ」 「ヨカータネ」 返事を返してくれたようだ、この種類も他のゆっくり同様、人間に友好的な種類らしい。 「おじさん、ありすとゆっくりしてくれる?」 「うん、いいよゆっくりしよう」 今日はピクニック、のんびりしようと思ってここまで来たのだ。 「アリィス、ヨカッタネ」 「ヨカターネ」 「君も一緒にお昼食べる?」 「っ! おひる! ……うん。ありすもいっしょにたべてあげる!」 「そうかい、」 じゃあどうぞ、言おうとして差し出した弁当箱が地面に落ちる。 同時に飛び散る中身。 「これはいらないよ! ありすがおひるのじゅんびするから! おきゃくさんにしょくじをだされちゃ、とかいはとしてはじだもの! おじさんはゆっくりまってていいよ」 三匹で直ぐに駆け出す、程なくして戻ってきた三匹のゆっくりは。 大きな虫と、落ちてぐちゃぐちゃになった果実と、よく分からない葉っぱを運んできた。 それからのピクニックは、なにをしようにも、アリスが空回りして、心を休めることが出来なかった。
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/530.html
前 ※※「ぱちぇ」と「ぱちゅ」で表記揺れがありますが、こういうものだと思ってください。 ゆっくりパークの春夏秋冬 part 8 後編 午前六時。戸の隙間から光が差すだけの薄暗い室内に、母れいむの声が響く。 「ゆっくりしていってね!!!」 すると、部屋のあちこちでもぞもぞと丸い影が動き出す。 「むきゅ、ゆっくりしていってね!」 れいむの隣では、ぱちゅりーの親子が。 「こほん、ゆっくりしていってね!!!」 本棚の最下段では、新参のありす一家が。 「ゆっくりするよー!!!」「ゆっくりするぞ!!!」 台所の椅子の上では、ちぇんとらんの夫婦が。 「うっう゛~ん……よくねたんだぞぉ……」 戸棚の上のカゴでは、れみりゃの親子が。 「ゆっくりしていってね!!!」ちていっちぇね!」 「「「ちーんぽ!!!」」」 コタツの中からは若いれいむとまりさを始め、子供づれの家族がぞろぞろと現れた。 俺は起き出して雨戸を開けた。差し込む柔らかな日差しが、大勢のゆっくりたちを照らした。 「よう」 「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 居候どもが、朗らかに答えた。 あの事故から二週間。 涙に暮れていたゆっくりたちも、もともと立ち直りの早い連中だけあって、すでに元気を取り戻している。 住みかを失った四十数匹全員が、今では俺の小屋で仲良く暮らしていた。 それぞれ割り当てられたねぐらから出てくると、にぎやかに遊び始める。 そこらじゅうにぽよぽよころころと饅頭が転がって、足の踏み場もなくなる。 「ゆっくりしていってね!!!」 「れいむもゆっくりしていってね!!!」 「ゆゆ、れいむはゆっくりしているよ!!!」 「ちぇんもだよー!!! げんきになったよー!!!」 「すりすりしたいよ! すりすりしようね!!!」 「ゆっ、すーりすーり!!!」 「「すーりすーり!!!」」 「ゆふふっ、まりさはきもちいいね!」 「れいむもゆっくりしてるよ!」 「もっとすりすりしようね!!!」 「「「「すーりすーり!!!」」」 「ゆ、きょうはまりさはおすもうをするよ!!! ゆっくりあつまってね!!!」 「おちゅもう! おちゅもう!」 「ゆっこい! ゆっこい!」 「やめなちゃいよ、ありちゅたちがおちゃ会をちゅるのよ!」 「そうよ、ゆっくりおちゃ会をするのがしゅくじょのたしなみよ! さんかするひとは?」 「ちーんぽ!!!」 「とかいでぎじゃないわぁぁ!!!」 「むっぎゅう、みんなしずかにしでぇ、ご本がよめないわ!!! けほんけほん」 「おかあさま、しっかりしてね! ゆっくりやすんでね!」 「ゆぐぐぐ、みんなさわぎすぎだよ! もっとゆっくりじでね! ゆっぐり! ゆっぐりじでねぇぇぇ!!!」 「「「れいむがいちばんうるざいよ!!!!!」」」 にぎやかすぎる。 まあ根に持たない連中なので、ケンカになっても、分けてやればすぐ忘れる。 着替えて顔を洗うと、俺は裏の物置へ向かう。枕ぐらいある丈夫な紙袋が置いてある。 そこからザクザクと中身をすくい取って、洗面器で持ってくる。 「ゆっ!」 「ゆゆっ?」 「まま、ごはんだよ……!」 「ゆっぐいたべたいじょー!」 「おなかちゅいた!」 「しーっ、ゆっくりまつのよ!」 気配に気づいたゆっくりたちが、そわそわとこちらに目を注ぐ中、ありったけの皿を床に並べて、食事を盛ってやった。 献立は圧扁大豆とメーズフレークだ。といってもなんのことかわからないだろう。 心配無用、俺もわからない。袋の横に書いてある文字をそのまま読んだだけだ。 これらは農家から分けてもらった飼料なのだ。その正体は乾燥させた大豆とトウモロコシである。 それを盛り付け終えると、よだれを垂らして集まってきたゆっくりたちに、家族ごとに配ってやった。 「ほいよ朝ごはん。いいかー? みんなちゃんと集まったか? じゃあ、いただきます!」 「「「ゆっくりいただくね!」」」 四十数匹が、ワッと皿に群がって、いっせいに食い始めた。 「むーしゃ、むーしゃ!」 「ぽーり、ぽーり!」 「おまめ、おまめ!」 「かりかり、おいしいかりかりだよ!」 「うっめ、めっちゃうっめ、ふっぐはっぐもっさもっさ」 「ゆっゆっ ゆっゆっゆっゆっ」 「「「しあわせー!」」」 俺も試しにかじったことがあるが、これらは要するに味の薄い枝豆とコーンフレークである。 栄養はあるし、そこそこ食えるが、極上の美味というわけではない。 それでもゆっくりたちはにこにこと笑顔を見合わせて食べている。 ま、好きな家族と食事ができれば、なんだってうまいわな。 身の危険はないし、巣穴よりよほど暖かい。 部屋中に満ちていた、ぽりぽり、サクサクという音が一段落するまで、十分もかからなかった。洗面器一杯分の雑穀が消えたということだ。 「ぽんぽんいっぱいだよー!」 「ゆっくりおいしかったよ!」 まるまると膨らんだ小さなボールたちが、あっちでもころん、こっちでもころんと転がる。 そこへ母親や相方がぺろぺろすりすり。食後の一服といったところだ。 なんともこう、見てる側まで、ひじょうにゆっくりしてしまう光景だ。 それを眺めながら、俺はようやく自分の食事に取り掛かった。 もちろん米と味噌のきちんとした献立だ。いくらなんでもこいつらと同じ物を食いはしない。 「ぽーりぽーり、おしんこ、と……」 うつってやがる。何かと同居すると、そうなるよな。 俺が一人でぶつくさ言いながら食べていると、横からぽむぽむと叩かれた。 「ん?」 見れば、ゆっくりれいむだ。リボンの端に黄色い洗濯バサミをつけている。 これは前からいる母れいむである。れいむ種はメチャクチャ増えてどれが誰だかわからなくなったので、目印をつけることにした。 「どうした、ママれいむ」 「ゆう、れいむはお兄さんとゆっくりおはなしがあるよ」 「メシ時だ。終わってからな」 「れいむもそのほうがいいよ。ふたりでゆっくりはなしたいよ」 「ん?」 妙なセリフに思わずれいむを見直した。れいむはゆっくり集団のほうを気にしているようだ。 メシを食べ終わると、俺はれいむを抱えて流しに行き、窓際に乗せた。皿を洗いながら言う。 「ここなら大丈夫だぞ」 「ありがとうだよ! それで、れいむはおもったんだけど」 「なんだ」 「このままだと、食べものがゆっくりたりないよ」 ツルッ、と手が滑った。皿が流しにガシャンと落ちる。れいむがビョッと跳ねる。 「ゆゆっ!? 気をつけてね! びっくりしたよ!」 「すまん。おまえ、子供はいいのか? まりさのでっかいのに潰されてしまわんか」 「こども? こどもは……だいじょうぶだよ、ぱちゅりーがみているよ!」 「そうか。それはよかったな。ぱちゅりーはお前には過ぎた嫁さんだ。大事にしろよ」 「もちろんだよ! ゆっくりなかよくしているよ!」 俺は皿洗いに専念する。れいむは首をかしげている。 「ゆーっと、ゆーっと……ゆ、そうだよ! 食べもののはなしだよ!」 チッ、思い出しやがった。こいつ饅頭のくせになかなか手ごわいな。 「れいむはだいじなことにきづいたよ。このままみんなで食べていくと、あのおいしいおまめがなくなっちゃうよ」 「そんなことがなんでわかる」 「わかるよ! だってれいむはふゆごもりをしたことがあるもの。 かぞくのかずと、食べもののりょうがあってないと、なんだかゆっくりできないきがして、ちゃんとわかるんだよ!」 「ふーむ」 生返事をしながら、俺は考える。 ゆっくりは大きな数が数えられないから油断していた。しかし、そういう本能は、あって当然だな。 「おにいさんがわかってないといけないから、ゆっくりおしえてあげたよ!」 「そうかそうか、すまんな」 俺はまたも生返事。ゆゆぅ、とれいむが顔を曇らせる。 「おにいさん、ちゃんとはなしをきいてね! これはだいじなことなんだよ! たべものがたりないと、みんなゆっくりできなくなるよ!」 「わかったから静かにしろ。その点は大丈夫だから」 「だいじょうぶってどういうことなの? ゆっくりおしえてね!」 「持ってきてやるから。人里でな」 「ゆ! あたらしいごはんをかってきてくれるの?」 「買う? ああ、狩るか。まあそんなとこだ。おまえらは心配せんでよろしい」 「ゆうう、それならよかったよ。れいむたちもだけど、おにいさんのほうがさきにたべものがなくなりそうだったからね!」 「なに? おまえ、なんで俺の食料の残りを知ってる?」 「おにいさんのしょくりょうこをゆっくりのぞいたよ!」 「覗くなよおめーは」 れいむの額に、デコピンする。ゆきゃっ、と目を閉じたれいむが、怒って叫んだ。 「みただけだよ! たべてないよ! ゆっくりあやまってね!」 「はいはい、ごめん」 答えて皿の水を切りつつ、俺は感心していた。 俺の食料まで心配するとは、ずいぶん気が利くようになったもんだ。 前は「ゆっくりした人」呼ばわりしていたのにな。 皿洗いを終えると、俺は手を拭いてれいむを再び抱き上げた。そして上から聞く。 「ときに、れいむよ」 「ゆ、なあに?」 「おまえ、もういいのか」 「なんのはなし?」 「いや、つまり……娘のことだが」 きめぇ丸に嫁に行ったれいむの上の娘は、死んでしまった。 ちなみに、下の娘は、旦那のまりさと一緒に救助されて、今向こうで楽しそうに「おぼうしとりかえっこ」をしている。 「ゆう」 れいむは心持ち、前かがみになった。 「れいむのことは、今でもかなしいよ……」 「だろうな、いや、すまん」 「でも、すぎたことをくよくよしてもしかたないよ! くよくよしてると、ゆっくりはゆっくりできなくなるよ!」 「微妙にトートロジーな気もするが、まあそうだろうな」 「みんなでゆっくりして、あったかくなったらまたお墓まいりにいくね!」 「それがよかろう」 俺がうなずいていると、ずりずりとぱちゅりーがやってきて見上げた。 「れいむ、おにいさんとなんのおはなし?」 「ゆ、さくばんぱちゅりーにもはなしたことだよ!」 「きゅう……たべもののおはなしね」 俺がれいむを抱いたままベッドに腰を下ろした。ぱちゅりーがむきゅっと隣へ登ってくる。 「それはなんとかなりそうなのかしら?」 「ゆ、だいじょうぶだってきいたよ!」 「そう、それはよかったわ」 ぱちゅりーが俺を見つめる。いかん、こいつ勘がいいから気付くかもしれん。 俺は話を逸らすことにした。 「そうそう、おまえらに聞きたかったんだが」 「むきゅ?」 「きめぇ丸の居所はわかるか。あれきり姿を見せないが」 「ゆぅ?」「むきゅ?」 二匹は顔を見合わせる。 「ぱちゅりーしってる?」 「きゅ、ぱちぇはあんまりそとにでなかったから……」 「れいむもしらないよ……」 「仮にも娘の旦那だ。奴もここに住まわせてやりたい。しかし、そもそもあいつは無事なのか?」 そのとき、母ぱちゅの帽子の縁から、もぞもぞと何かが出てきた。 「きゅっ、きめぇまるのおはなしね?」 「おお、子ぱちゅはそこか」 ちびっこい紫団子は、嬉しそうにうなずいた。 「ぱちぇはきめぇまるがだいすきよ! きめぇまるはぱちぇをつれて、おそらをとんでくれたもの!」 「そうかそうか、よかったな」 俺が適当に返事をしていると、母れいむが言った。 「みんなにゆっくりきいてみるよ!」 「お? ああ、うん、やってみろ」 俺がうなずくと、きめぇ丸はゆっくりたちのほうへ向いた。 「みんな、ゆっくりきいてね! きめぇまるのいばしょを、だれかしらない?」 ざわざわとゆっくりたちが顔を見合わせる。すると、意外な奴が手を上げた。 「れみりゃがしってるぞぅ!」 戸棚の上の母みりゃだ。周りを見回して、自分だけだと気付くと得意げに踊りだす。 「うっう゛~、ぷりっでぃーな~ おぜうさまは~ なんで~も~ ごぞんじっ!」 「おまえ、なんだそれは」 フラダンスとランバダとええじゃないかを足して二・五で割ったような奇怪な踊り……とでも言えばわかっていただけるだろうか。 いや、そんなことはどうでもいい。 「きめぇ丸の居場所を知ってるのか? どこだ?」 「うー、ごーまかんのほうへスーッていって、ぱらそるすぎがみえたら、ぐるってまがって、けーきいわまでいくんだぞう」 「それ、空からの道順か」 「あったりまえだぞぅ!」 こいつが勝手に名づけたらしいパラソル杉やケーキ岩など糞くらえだが、とにかく道筋はちゃんと覚えているようだ。 「じゃ、ちょっと案内してくれ。行ってみたい」 「ぷっでぃん、くれるぞぉ?」 「Sサイズ一つだな」 「ばけつのぷっでぃんがいいぞぉ!」 この肉まんめ、一度やったら味を占めやがった。いかん、あんな贅沢をそうそう許せるか。 「小さいプリン一つに飴三つだ。いやならやらん」 「うう゛う……わかった、それでてうちにするぞぉ」 「よし、決まりだ。さっそく……」 出かけよう、と言いかけた時、誰かが叫んだ。 「まって!」 ぱちゅりーだ。俺に向かって伸び上がり、小声で言う。 「よしたほうがいいとおもうわ」 「なんでだ」 「きめぇまるは、おにいさんのことがにがてだとおもうの」 「知ってる、苦手っつーかはっきり嫌われたよ」 「そうでしょう、だから、おにいさんがいっても、きめぇまるはでてこないとおもうわ」 「じゃあどうすりゃいいんだ。ほっとけって?」 「ぱちぇが行ってみるわ」 「おまえが?」 俺が驚くと、ぱちゅりーと、頭上の子ぱちぇが、むきゅん、とうなずいた。 「なくなったれいむは、れいむのこだけど、ぱちぇのこでもあるんですもの。おなはしをききにいっても、おかしなことはないわ」 「ぱちぇも、おねーちゃんのことをききたいわ!」 「おまえら……」 俺は二匹を見て、勘案した。 確かに、こいつらの言うとおりだ。俺よりこいつらが行くほうが、きめぇ丸も話しやすいだろう。 それに、俺としては、勘のいいぱちゅりーをこの場から遠ざけてもおきたい。 「よし、お前たちに頼もう。だが気をつけろよ」 「むきゅ、まかせてちょうだい!」 俺はれみりゃに上等のショール(だとだまくらかしたバスタオル)を着せてから、マフラーでぐるぐる巻きにしたぱちゅ親子を渡して、送り出した。 「さて、と」 よく晴れた空を、パタパタと遠ざかっていくれみりゃを見送ると、俺も防寒着を着て、裏からリヤカーを引っ張り出した。 天気がいいので外で遊ぼうと出てきたゆっくりたちが、周りを取り囲む。 「ゆ、おにーさん、どこへいくの?」 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりまりさたちとあそぶんだぜ!!!」 「済まんがちょっとお出かけだ」 「「「ゆうう~!?」」」 俺は手荷物を確かめながら、不満そうなゆっくりたちに言った。 「里へ出てくる。届け物や買い物がいろいろと溜まってるんでな……。 夜までには戻る。おまえたちも早めに中へ入れ。 誰か人間や妖怪でも来たら、ここの地主は巫女だって言ってやれ。 まずケツまくって逃げ出すから」 「ゆぅ……」 「ゆっくりわかったよ!!!」 「じゃあな」 「「「ゆっくりいってきてね!!!」」」 饅頭の見送りを背に、俺はリヤカーを引いて歩き出した。 丘を下り、まずは博麗神社に向かう。人里は神社のさらに先、深い森の中の向こうだ。 ギシギシと車を引きながら、俺は先行きを考えて、重いため息をつく。 れいむもぱちゅりーも、まったく勘がいい。 うちにはもう、ゆっくりの食べ物がないのだ。 用意してあったのは二十五キロの袋が四つ。暮れにれみりゃたちが同居し始めた時に買ったものだ。 その後、れいむとぱちゅりーたちが加わったが、春まで十分持つと思っていた。 しかし、いきなり頭数が四倍に増えたとなると、話は別だ。 連中は一食で洗面器一杯、三キロ近いメシを食う。 朝夕二食にさせているとはいえ、この二週間でどれだけ消費したか、ちょっと計算していただきたい。 まったく、動物は軽い気持ちで飼うもんじゃない。 だからといって、放り出すわけにもいかん。 「頭下げる程度で、なんとかなるかなあ……」 里には知り合いの農家がいて、安く飼料をわけてもらえる。 だが、小売をやっているわけではない。五十キロも百キロも横から持っていくのは気が咎める。 そもそも金がない。自分の分でさえかつかつだ。 人間のお野菜が、ゆっくり並みにありがたく思えるほどだ。肉など長いこと見ていない。 「……まあ、いざとなりゃ、まだ手はあるか」 このリヤカーをかたに金を借りるとか、柴でも刈ってきて手間賃をもらうとか。 ……ほんと、いくらにもならんが。 「ええい」 俺は頭を振って、雑念を追い払った。考えてもしょうがない。できることをやるだけだ。 頭上を見たが、空は澄み切って、雲ひとつない。空気はシンと穏やかに静まり返っている。 天気のよさがせめてもの救いだ、と思った。 神社の石段下を通り過ぎ、俺は里へ向かった。 * * * * * 同じころ、冬空をぱたぱたと飛ぶ小さな影があった。 ぱちゅりー親子を抱いたゆっくりれみりゃ。男の小屋を出て、きめぇ丸を探しに行くところである。 小高いところにある一本杉を見て旋回し、三十分ほど行くと、森の中から大きく突き出す、船の舳先のような岩が見えてきた。 れみりゃが歓声を上げる。 「あれがけーきいわだぞぉ! あそこにきめぇまるがよくいるんだぞぉ!」 「むきゅ! さすがはれみりゃね、もりのことをよくしっているわ!」 「うっふ~ん、それほどでもあるんだぞぉ」 くねくねと身をひねって照れるれみりゃの腕に、軽くすりすりをして、ぱちゅりーはねぎらった。 それからふと、自分の境遇に思いを馳せた。 考えてみれば、なんておかしな半年だったんだろう。 人間に捕まっていじめられたのが、夏の前だ。痛くてひどいことをされて、死ぬかと思った。 苦労してそこから逃げ出した後に、今度は世にも珍しい、ゆっくりだけのゆっくりプレイスにたどりついた。 出会ったれいむとの恋愛、結婚、出産(子供たちを産んだのはぱちゅりーだ)。 ゆっくりの守り神、ドスまりさとの突然の遭遇もあった。 そういえば、ドスはいまでも自分たちを監視しているんだろうか。 そして極めつけにおかしなのは、男と、天敵ゆっくりれみりゃとの同居。 年中ゆっくりしているのが信条のゆっくりとしては、破格に忙しい半年だったと言えるだろう。 (それもこれも、あのおにいさんのおかげだわ!) ぱちゅりーは灰色の生クリーム脳でむきゅむきゅと考える。 (あのおうちはどうやら、もうすぐたべものがなくなるみたいだわ! それなのにしんぱいさせまいとしているんだわ!) 男の見抜いたとおりだった。 やはりぱちゅりーは食料の欠乏に気付いていたのだ。 (もらってばかりでわるいわ。おにいさんにもゆっくりしてほしいわ……) ぱちゅりーが考えている間にもれみりゃは降下していき、やがて大岩の上に降り立った。 「きめぇまる、でてくるんだぞぉー!」 れみりゃが叫び、踊りだした。ぱちゅりーはポムッと岩の上に降り立ち、きょろきょろと辺りを見回す。 すると、岩の端から空に向かって生えている、ひょろっとした松の木の枝に、丸いものが乗っていることに気付いた。 「きめぇまる! きめぇまるなのね? れいむのつまのぱちゅりーよ、ゆっくりおりてきてね!」 枝の上の玉が、くるっとこちらを向いた。確かにきめぇ丸だ。だが、降りて来る様子はない。 かまわず、ぱちゅりーは続けた。 「きめぇまる、ここではさむいでしょう。ぱちぇたちのおうちにいらっしゃい! あそこはとってもゆっくりできるところよ!」 食い扶持が増えてしまうが、それは今考えることではない。ぱちゅりーは懸命に訴える。 「れいむのおかあさんのれいむも、きめぇまるをしんぱいしていたわ! それにおにいさんもよ!」 すると、それを聞いた途端、きめぇ丸がバサリと飛び上がった。矢のように降りてきて、ぱちゅりーのすぐ前に着地する。 「おお、ぎぜんきぜん」 「きゅっ? なんですって?」 きめぇ丸は嘲笑するように、頭をヒュンヒュンと振った。 ぱちゅりーは吐き気を催すが、懸命に耐える。 「むっぷ……き、きめぇまる、そんなことをいうものじゃないわ! おにいさんはぎぜんしゃじゃないわ!」 「しょせん……にんげんにんげん」 きめぇ丸が動きを止める。その斜に構えた虚無的な姿に、単なるポーズ以上のものを、ぱちゅりーは読み取る。 きめぇ丸は泣いていた。 あの死んだれいむとの間には、他のゆっくりのうかがい知れないつながりがあったのだろう。 それはぱちゅりーにさえ、想像するのが難しい。 ましてや、人間のあの男にわかってもらえるわけがない――。 黙りこんだきめぇ丸の心がひしひしと感じられて、ぱちゅりーも言葉に詰まった。 視界の端に、少し離れたところでぴよぴよと汗を飛ばしながら見つめているれみりゃの姿が映る。 こちらの険しい雰囲気を察して、入り込めないのでいるのだろう。かえってありがたい。 だが、れみりゃが邪魔をしようがしまいが、どのみちきめぇ丸の心を溶かすのは難しそうな雲行きだった。 ぱちゅりーは懸命に話の糸口を求める。 「むきゅ……ならせめて、たべものだけでももっていくといいわ。いまはおにいさんはいないから、きてもはちあわせはしないわ」 「おお、ふようふよう」 彼女にしてはゆっくりと首を振った後で、きめぇ丸は冷ややかなまなざしを向けた。 「うえからめせん、うえからめせん。からから」 「うえからめせん、ですって」 この一言に、ぱちゅりーはカッと頭が熱くなった。 「むっきゅう、きめぇまるはなにもわかってないわ! おにいさんがえらぶってほどこしをするつもりだとおもっているのね!」 「おお、そのとおりそのとお――」 「とんでもないおもいちがいだわ! おにいさんはじぶんのたべものだってまんぞくにとれないのに、ゆっくりにわけてくれているのよ! おにいさんはゆっくりのなかまなのよ! それもわからずばかにするなんて、きめぇまるはさいていだわ! さいていにゆっくりしてないわ! きっとしんだれいむにばかにされるわ!」 「ゆ……ゆっくり?」 「そうよ! きめぇまるはやっぱりゆっくりしてないゆっくりなのよ! ばかよ! おもにかおがきめぇのよ!」 「おお……おおおお」 勢いに任せて喚きたててから、ぱちゅりーはぜえぜえと息が切れ、そこで我に返った。 きめぇ丸が後ろへ転びそうなほどそり返り、ギリギリと歯を噛み締めてにらんでいる。 怒らせてしまったか――と、ぱちゅりーは血の気が引いた。きめぇ丸が本気で怒ったら、自分など一瞬で生ゴミにされる。 だが、それはぱちゅりーの見誤りだった。きめぇ丸は悔しそうな表情のまま、顔を伏せたのだ。 「おお……ゆっくり、してない……」 どうやらその一言が、きめぇ丸に大きな痛みを与えたようだ。カラス天狗のゆっくりは、うつむいてぶるぶると震えてしまう。 そのとき、ぱちゅりーの頭の上から、何か小さなものがポトッと岩の上に飛び降りた。 ころころん、と転がってから、きめぇ丸の頬に当たって止まる。 「きめぇまる、ゆっくりしていってね!」 「ぱちゅりー……」 自分から出て行った子ぱちゅを見て、母は思わず呼び戻そうとした。 だが、思いとどまった。 「おお……? ぱちゅりー?」 「きゅっ! おぼえててくれたのね!」 きめぇ丸は目を動かしてジロリと見ただけだが、それでも子ぱちゅは嬉しげにぴょんぴょんと跳ねる。 そして、きめぇ丸の耳のそばでひそひそとささやいた。 「きめぇまるは、れいむおねえちゃんのことが、とってもすきだったんだよね! あのひ、ほんとうにいっしょうけんめいとんでいたものね! それなのに、おねえちゃんがしんじゃって、かわいそうだったね!」 そう言うと、子ぱちぇは目を閉じて、何度も優しく頬ずりした。 「すーりすーり、すーりすーり。……よくがんばったね、きめぇまる!」 「ぱちゅりー……」 母ぱちゅりーは、言葉を失った。 ゆっくりの一番の親愛の表現である、すりすり。 それを自分は、この子がやるまで思いつきもしなかった。 きめぇ丸がほしがっていたのは、言葉や食べ物よりも先に、それだったのかもしれないのに……。 ゆっくりしていないのは、自分のほうだったかもしれない。 「すーりすーり、すーり!」 繰り返し頬ずりを続ける子ぱちゅりーを、母も、きめぇ丸も、黙って見つめていた。 だが、やがて母ぱちゅりーが口を開いた。 「ぱちゅりー、ゆっくりいらっしゃい」 「むきゅ? ぱちぇはもっとすりすりしたいわ!」 「もうじゅうぶんよ。きめぇまるにはちゃんとつたわったとおもうわ。ね、きめぇまる?」 きめぇ丸はジト目の冷たい表情のまま、何も言わない。 正直にいって、ぱちゅりーもそれほどの確信はなかった。 しかし、じきにきめぇ丸はゆっくりと背を向けてから、言った。 「おお……かんしゃかんしゃ」 「きゅっ! よろこんでもらえて、うれしいわ!」 子ぱちゅりーが小さく飛び上がって喜んだ。 きめぇ丸のひとことを聞いたとき、母ぱちゅりーはここへ来た目的が達せられたことを悟った。 これ以上ここにいるのは、かえってよくないことも。 「さあ、ゆっくりかえるわ。ぱちゅ、いらっしゃい。れみりゃ、おねがいね!」 「きゅう? ぱちぇはもっと、きめぇまると……」 「いいから、ね」 未練たらたらの子ぱちゅを頭の上につまみあげて、ぱちゅりーはれみりゃの腕に体を預けた。 「ゆっくりいってちょうだいね!」 飛び上がったれみりゃの腕の中で、最後に一度、ぱちゅりーは振り返る。 きめぇ丸が飛び上がり、どこかよそへ向かったのが見えた。 だが、彼女が逃げ去ったのではないことを、ぱちゅりーは知っていた。 続く おお…おお… -- 名無しさん (2009-04-08 20 05 16) おお、かんどうかんどう -- 名無しさん (2010-05-17 14 55 14) くたばりやすいゆっくりが、死んだつがい程度のことでこうもくよくよするのは腑に落ちんが、 丈夫な種であるきめぇ丸だからかな? -- 名無しさん (2011-07-24 21 01 44) 今更ですが、「「「ちーんぽ!!!」」」と言っているのは誰のゆっくりですか? -- 名無しさん (2012-03-30 12 45 28) みょんことゆっくり妖夢です -- 名無しさん (2012-04-01 22 30 50) 「みんなにゆっくり聞いてみるよ!」と言った後に「きめぇまるはゆっくりたちの方を向いた」とあるのはれいむのことと受け取っていいんでしょうか -- 名無しさん (2013-06-15 15 45 29) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3814.html
☆虐待成分薄いです ある日、一人で町を歩いていたれみりゃは、とってもゆっくりした男の子に出会いました。 「とっても、えれ☆がんとなにんげんさんなんだどぉー。どうしたんだどぉー」 「学友に頼んで、都会を一度見てみたいと頼んだのですが、はぐれてしまって」 それに全身から漂う上品なオーラ。 紅魔館のおぜうさまであるれみりゃも、舌を巻くほどだ。自分の飼い主もそれなりに エレガントだったが、レベルが違う。たとえるならば、王子様だ。 実はこのれみりゃは数日分のエサ代を与えられて、飼い主から捨てられたのだ。 「こーまかんのかり☆すま、れみりゃがいっしょにさがしてあげるどぉ~」 「はい、よろしくお願いします……」 「おにいさんはなんて、なまえなんだどぉ~」 「僕の名前は長いので。短く「誠くん」とお呼び下さい」 どれだけ長いのか? れみりゃの頭には『すかーれっと』だの、『まーがとろいど』だのが思い浮かんだ。 「そーなのかだどぉ……じゃあおにいさんはれみりゃについてくるんだどぉ~」 そう言うとれみりゃと男の子は歩き出しました。 「ところで、おにいさんのおうちはどこだどぉ?」 「このすぐ近くに、東京の中心にあって、結構大きいのですよ」 「すごいどぉ~、こーまかんのちかくにおうちがあるなんて、」 「あの……、さきほどから気になっていたのですが、「こうまかん」とは何でしょうか?」 「こーまかんをしらないど? とーってもえれがんとなところなんだど、れみ☆りゃがあんない してあげるどぉ~!」 「おねがいします」 「じゃあ、れっつ☆ご~だどぉ~」 そう言って、れみりゃが案内したのはメイド喫茶だった。 飼い主の趣味でよく連れて来られたのだ。れみりゃにはメイドが『さくや』に見えるので、 来ては”う~う~♪、さくやがいっぱいだどぉ~”と喜んでいた。 「お帰りなさいませ、おぜうさま!」 「クリームソーダみっつ~、れみりゃがふたつでおにいさんにひとつ~」 そう言うと、れみりゃとおにいさんは窓際のテーブルに腰掛けた。 「ところでおにいさん? どうしてこっちにこようとおもったんだど?」 ストローに口をつけてクリームソーダを一気に飲み干す。あっという間に1杯目のグラスが空になった。 「おにいさんみたいな、えれ☆がんとな、おう☆じ☆さまならいつでもこれるんだどぉ~、けらいをつれて~」 椅子の上に立ち上がって、のう☆さつだんすを踊る。おにいさんはどう反応すればいいのか、困惑気味だ。 よく踊る癖と飼い主のことを”けらい”と呼ぶ、この傲慢さがれみりゃが捨てられた理由だろう。 「僕は、いつもお稽古事なのですよ、その上いつも皆さんに見張られておりますから……」 「ひどいどぉ~」 王子さまが幸せとは限らない、確かにれみりゃの飼い主は金持ちではないがそこそこ幸せだった。 自由というのはそれほど重要なのか、そうれみりゃは2杯目を空にしつつそう思った。 「わかったどぉ~、ようやくおゆるしがでたのかど?」 「いえ、学友に頼んで、勝手に抜け出してきたのです」 「あぶないどぉ~、おとうさまやおかあさまがしんぱいするど! おにいさんのけらいも!」 「大丈夫です。お祖父様も学生のころよく抜け出したと聞いておりますから」 「うんうん、わかったど。だから、きょうはお☆ぜう☆さまといっしょにたのしむんだど!」 「ええ」 その後二人はゆっくりショップに寄ったり、ケーキ屋に寄ったりした。 れみりゃは、遠い星からやってきたような何も知らない男の子の保護者気取りで、何でもおごってあげた。 気づけば、飼い主から貰ったエサ代は遊興費に消えていたが、楽しかったので気にしていない。 しかしどういうことだろう? さっきから気になったが町や店でたくさんの人の視線を感じた。 「きょうは、とってもたのしかったどぉ~」 「ええ、外の世界にはこんな楽しいことがあるのですね」 ファンファンファン 「うるさいど~、あのしろくろであかいぴかぴかのくるまはゆっくりできないど~……」 そういえば視線のことだけではない。 さっきから、れみりゃの周囲に黒い服を着た『おまわりさん』が配置されているような…… 「な、なにがあったんだどぉ~。お☆ぜう☆さまはこわいどぉ~」 そう言って近くにいたおまわりさんに、れみりゃが近づいた。 おまわりさんが、れみりゃの顔を確認した瞬間―― 「いたぞ! こいつだ!」 「お、おうじさまになんてものいいだどぉ~! れみりゃはこうまかんのおぜ――」 「誘拐犯を発見した! ただちに応援を求む!」 「ゆうーがいはんってなんだどぉおおおおおおお! れみりゃはおぜうざまだどおおおおおおお! ざぁぁああああぐやああああああああああああ!」 すると一緒に楽しんだおにいさんが近くにいたおまわりさんに連れて行かれ、 何やら「お怪我はありませんか?」などとしきりに声をかけられている。 同時にれみりゃは数人のおまわりさんに囲まれて、逃げようと抵抗を試みたが、警棒で滅多打ちにされた。 服はボロボロになるまで打ちのめされ、肉まんの汁で汚れた。 顔は二倍ほどにはれ上がり、歯は硬質プラスチックの棒で全部へし折られた。 手足は動けないように、本来曲がらない方に折られ、さらに手錠をかけられた。 一週間後、とある大学生の部屋での話だ。 「全くゆっくりの考えることは分からんな。よりによって、あの方を誘拐するとは……」 「この国にも王様がいたんだ、俺は知らなかったよ」 「そもそも、饅頭ごときが『やんごとなき方々』に近づくことなど、言語道断だぜ」 「そういえば最近は、右翼団体が都会の野良ゆっくりを襲撃しているんだって?」 「ああ、おかげで町が住みやすくなったがな。自販機で飲み物買うたびに、よこせと言われないだけで どれだけ楽になったことか」 「同意するよ」 後の世の人はこれを「秋れみ事件と呼ぶ」 終わり 誠くんは架空の『やんごとなきお方』です。。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/592.html
※たぶん実験系的な何か ※髄所に実験としておかしいところがある ※あとがきが長い ① 実験内容 狭い水槽の中にいるのは4匹のゆっくり。 1匹は成体のゆっくりれいむ。 他に成体がいないところを見ると彼女がこの巣の主らしい。 残りの3匹は全員赤ゆっくりだった。 1匹はゆっくりまりさで、もう1匹はゆっくりれいむで、最後の1匹はゆっくりありす。 「おちびちゃん、ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」 この巣の主のかつてのつがいはゆっくりまりさ。 つまり、最後の1匹のゆっくりありすはれいむの本当の子どもではない。 れいむと仲の良い人間が彼女にありすを預けただけである。 「れーみゅ、ゆっくちー!」 「ゆゆっ!ゆっくちちてりゅよ!」 「ゆゆーっ!まりしゃもゆっくちちちゃいよー!」 しかし、3匹の赤ゆっくりの関係は非常に良好でこの家族にこれと言った問題はない。 彼女達は知る由もないことだが、同じ環境の水槽が5つ用意されていた。 いずれも大きさも、家族構成も、かつてのつがいも殆ど同じ。 ただひとつ違う要素があるとすれば、母親であるれいむの育った環境だけだ。 どの水槽もゆっくりの力では脱出できないようになっており、人間から与えられる餌が彼女たちの命綱。 その事はありす種の養育を素直に引き受けている点から、彼女たちもとりあえず理解しているはずだ。 ここまでは用意したゆっくりについて説明してきたが、ここからは実験内容について説明して行きたい。 実験はいたって簡単で、現在定期的に与えている食料をある日から大幅に減らし、その後彼女たちがどのような行動に出るかを観察する。 この実験の目的は幼少期の環境の親ゆっくりへの影響を調べることで、彼女達の性質を評価する際には3つの基準を用いる。 ひとつは合理性。これはより健康な個体に食料を優先して与えるなど、種を残すことを優先した行動を取るとこれが高いと判断する。 二つ目は従順さ。人間から預かったありすをどれだけ優先するかがこれを測る目安になると考えられる。 最後に利己的さ。これは自分の分の食料をどれだけ確保するかや、ありすへの扱いなどがこれを測る要因になるだろう。 ② 実験開始 1つ目の水槽のれいむは過酷な環境で弱い姉妹が次々死んでゆく中で生き延びた個体。 よって、彼女の気質は比較的厳しい自然環境の中で育ったゆっくりに近いものだと考えられる。 ゆゆっ!おにーさん、これじゃぜんぜんたりないよ!」 「「しょーだよ!ゆっくちできないよ!」」 「ときゃいはじゃないわ!」 「仕方ないんだ。しばらくこの量になるけど、我慢してくれ」 そう言ってれいむ達の言葉には殆ど耳を傾けず、さっさと水槽から離れた。 残されたれいむ達はすぐに抗議するのを諦め、少量の餌を皆で分け合いながら食べた。 内訳はれいむは若干多く、赤ゆっくり達はほぼ等量といったところ。 「むーしゃむーしゃ、しあわせ~!」 「でも・・・じぇんじぇんたりにゃいよ・・・」 「ゆぅ、ゆっくちできにゃいよぉ・・・」 かつて酷い飢えや恐ろしい外敵の恐怖に怯えながら生きてきたれいむは下手に動かず、余計な消耗を避けている。 が、食べ盛り赤ゆっくり3匹にとって突然の食糧難は相当辛いらしく、口々に不満を漏らしていた。 にもかかわらず、空腹感を忘れるために遊ぼうとするので、れいむはしぶしぶ動いて彼女達を叱りつける。 「おちびちゃんたち!こういうときはゆっくりするのがいちばんだよ!」 「「ゆぅ・・・でもぉ、ぽんぽんがゆっくちできにゃいよ!」」 「それでもゆっくりするんだよ!つぎのごはんさんまでゆっくりがまんしようね!」 母親の言葉をゆっくり理解した3匹は渋々その日は大人しくして過ごす事にした。 そんな彼女達に「おしゃべりはしてもいいよ!」と告げると、れいむはすやすやと寝息を立て始めた。 しかし、実はその日の食事があの1回でお終いだとはこの時のれいむが知る由もなかった。 翌日、早くもごく少量の餌しか貰えなかった彼女達の食料の配分に変化が現れ始める。 今日は母れいむの食料が赤ゆっくり1匹とほぼ等量になっており、一方で赤ゆっくり内の食事の量に明らかな差が見られた。 母れいむにとってその量は明らかない少ないが、意外と上に強い成体ゆっくりなら1ヶ月以上は間違いなく生きられるだろう。 れいむとまりさは母れいむより多いくらいの食料を受け取っていたが、ありすは母れいむよりも若干少ない。 「「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」」 「ゆぅ・・・みゃみゃ、ありしゅだけすくないわ・・・」 「ありすはれいむのこどもじゃないんだよ!おにーさんにおねがいしてね!」 れいむが人間から食料を貰うようになったのはありすを預けられるずっと前のこと。 つまり、彼女にとってありすを育てることはお世話になっている人間からの頼みを断れなかったに過ぎないのだ。 よって食糧難、それも人間がもたらしたものとなれば我が子を優先してしまうのはまあ、仕方のないこと。 「とってもゆっくちできちゃよ!」 「まりしゃはれーみゅとしゅーりしゅーりちてあしょぶよ!」 「ゆぅ・・・ぽんぽん、ときゃいはじゃないわ・・・」 結果、ありすと彼女以外の赤ゆっくりの様子にも明らかな差異が出始めた。 まりさとれいむは実験開始前ほど出ないにしてもそれなりに活発に水槽の中で遊びまわっている。 一方、ありすは先日母れいむに言われたとおりにただ何もせずにじっとしているだけだった。 「れーみゅ、しゅーりしゅーり!」 「まりしゃ、とってもゆっくちちてりゅね!」 2匹が楽しそうにはしゃいでいる傍らで・・・。 そんな日々が続く中で、ありすの食料は更に減らされ、やがて一切の食料が与えられなくなった。 それに比例するようにれいむとまりさは成長できるほどではないが、活発に動けるほど食料を得る。 「もっちょ・・・ゆっくちちたかっちゃわ・・・」 「ゆぅ!?おかーしゃん、ありしゅが!ありしゅがー!?」 「ゆっくちー!ゆっくちちてね、ありしゅー!」 やがて、空腹に耐え切れなくなったありすはずっとゆっくりしてしまった。 翌日以降、れいむ達に与えられる食料は再び大幅に減ることになった。 その量は恐らく昨日までの半分程度。 「おかーしゃん、おなきゃしゅいたよぉー!」 「れーみゅ、ゆっくちちたいよー」 「ゆっくりがまんしてね、おちびちゃん!」 何とか我が子を諌めようとするれいむ。 ありすがいた時のように誰かの食料を減らすと必ず家族の誰かが苦しむことになる。 その状況において、れいむはこれと言った手を打つことも出来ず、涙ながらに空腹を訴える赤ゆっくり達を慰めるばかりだった。 しかし、その翌朝に事件が起きた。 「ゆぅううう!もうがまんできにゃいよ!」 「ゆゆっ!まりしゃ、やめちぇね!れーみゅのごはんだよ、やめちぇね!」 「ゆゆっ!おちびちゃん、ゆっくりやめてあげてね!」 一度「誰かの食料が減れば自分がゆっくり出来る」ことを理解した赤まりさが赤れいむの食料に口をつけた。 その場は何とか母れいむは2匹が喧嘩しないように仲裁したことで収まったが、これが彼女達の食料配分を変えるきっかけとなった。 「ゆぅ・・・?おかーしゃん、れーみゅのごはんがしゅくないよ?」 「それがれいむのぶんだよ!ゆっくりがまんしてね!」 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」 この母れいむは過酷な環境を生き抜いてきた個体である。 それゆえ、少しでも多くの食料を得た健康な、なおかつ食料を勝ち取る強さを持ったまりさを優先した。 こうなってしまえば空きっ腹を抱えたれいむとまりさの力は徐々に、しかし確実に開いてゆく。 「やめちぇね、やめちぇね!れーみゅのごはんとりゃないでね!?」 「れーみゅはゆっくちだまっちぇね!」 「ゆぴゅ!?いぢゃい、いぢゃいよおおおおおおお!?」 加えて、開いた力の差を用いて少ない食料までも奪われてしまう始末。 こうして、十分な食料を得たまりさはただ一匹水槽の中でゆっくりを我が物にした。 れいむが力尽き、更に食料を減らされてしまうその日まで。 2つ目の水槽のれいむは良好な環境の中で姉妹が1匹も欠けることなく成長した個体。 これは飼いゆっくり以上に安穏とした環境だと言え、現実にはあまり存在し得ない個性だろう 「ゆゆっ!なんだかごはんさんがすくないよ!?」 「おにーしゃん、まりしゃもっちょほちいよ!」 「これじゃゆっくちできにゃいよ!」 この水槽の4匹も同様に餌の少なさに不満を漏らした。 こちらでも先ほどと同様にしばらくこの量のままであることを告げると、すぐに水槽から離れる。 それでも4匹は人間の消えて行ったほうに向かって延々と文句を垂れていた。 「れいむ、ゆっくりおこるよ!」 「れーみゅ、ゆっくちちちゃいよ!」 「こりぇじゃゆっくちできにゃいよ!」 などなど、自分勝手な主張を繰り返しながら無駄なエネルギーを消費している。 母れいむの育った環境が恵まれていたばかりに、我慢するとかそういった意識が低いのかもしれない。 やがて、自分達の要求が通らないことを悟った4匹はようやく少量の餌を分け合い、食事を始めた。 ちなみに分配の内訳は子ども達が平等なのは先ほどのれいむと同様だが、母れいむの分がかなり多くなっている。 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」 「でも、じぇんじぇんたりにゃいよ!」 「しょーよ!こんにゃのときゃいはぢゃにゃいわ!」 そして、あっという間に食事を終えた4匹はまた不満を口にする。 体力の温存だとか、そういった考えは保護者であるれいむすらも持ち合わせていないようだ。 温存の必要が微塵もない環境で育ったのだから当然と言えば当然だが。 「ゆぅ、おなかすいたよ・・・」 「「「ゆっくちー」」」 そうして無駄な消耗によって更に強い空腹感を覚えた4匹は歌を歌い始めた。 しかし、歌というのは消費カロリーを表示するカラオケなんてものがある程度には疲れるものである。 結果、これまた当然のように空腹感が強くなった。 その後、ようやく寝ようという結論に至ったれいむ達だったが、空腹感のせいで眠れないと騒いで更に悪循環に陥る。 次の食事までの辛抱となんとか眠りに就いたが、今までなら三食あったはずの食事が一向に来ない事に腹を立て、また騒ぎ出した。 その後のことはもはや言うまでもないだろう。 「ゆぅ・・・みゃみゃ、ありしゅのごはんしゃんしゅくにゃいよ?」 「ありすはれいむのこどもじゃないからしかたないんだよ!ゆっくりりかいしてね!」 「「むーちゃむーちゃちあわちぇー・・・だけど、たりにゃいよ!」」 翌日、先の水槽と同様に自分の子どもではないありすの食料が真っ先に削られた。 ただし、その食料の行き着く先の大半は子ども達ではなく、れいむのどこにあるのかも良くわからないお腹の中。 ここから先の事態は大体最初の水槽と同じで、そのままありすが衰弱、ずっとゆっくりしてしまう。 「ゆゆっ!またごはんさんがへったよ!?」 「「ゆえーん、おなかしゅいちゃよー」」 が、そこからの対応はずいぶんと異なっていた。 食料をまた減らされたことを把握したれいむは、何故かれいむを贔屓し始めたのだ。 もっとも、自分が一番多くの食料を確保したままではあるが。 「ゆぅうぅぅぅ!どうちて!どうちて、まりしゃはちょっとなの!?」 「まりさはそれでがまんしてね!ゆっくりりかいしてね?」 「やぢゃ、やぢゃあああ!もうがみゃんできないよ!」 そう言って赤まりさは赤れいむの食料を奪い取ろうと彼女に体当たりを仕掛けた。 突然の攻撃に身構えることの出来なかった赤れいむはころんと引っくり返り、その体勢のまま泣きじゃくる。 そんな彼女にわき目も振らず、まりさは赤れいむの食料に口をつけようとした、瞬間・・・ 「ゆーっ!おしょらをとんで、ゆっぴぃ!?」 「れいむにひどいことするこはおしおきだよ!」 母れいむに髪を咥えられて高々と持ち上げられ、硬い水槽の床へと叩きつけられた。 その後もれいむに何かしようとするたびにお仕置きを受けたまりさは心身ともに衰弱し、数日でありすの後を追った。 3つ目の水槽のれいむは産まれたときから1匹で孤独に震えながら大きくなった個体。 ゆっくりにとって生まれた直後からの孤独というのは珍しいものではなく、野生でもありがちなことだ。 が、彼女の反応は先の2匹とは最初から大きく異なっていた。 「さあ、おちびちゃんたち。ゆっくりたべてね!」 「ゆぅ、でみょ・・・みゃみゃのごはんしゃんが・・・ありしゅ、おにーしゃんに・・・!」 「いいんだよ!おにーさんにわがままいわないでね!れいむのぶんをたべてね!」 この母れいむは人間に不満を訴えることをさせず、なおかつ自分の食料を分け与えるという選択をした。 その上、自分は満足に食べられなかったにも関わらず、子ども達を見守る表情はどこか満足げ。 面白い行動ではあるが、このままでは飢えに強い成体と、それなりに満足している子どもがだらだらと生き延びる展開にしかならない。 実験としてあまり好ましいことではないが、更に餌の量を減らしてみることにした。 「ゆぅ・・・またへっちぇるよ・・・」 「しかたないよ。おちびちゃんたち、ゆっくりたべてね!」 「ゆぅ・・・おかーしゃん・・・」 少しの間、赤ゆっくり達は母の分まで食べることを渋っていたが、結局3匹で全部平らげた。 しかし、それでも一応の満足すらも得ることは出来なかった。 また、それでも餌を与えれくれる相手に不満をこぼすこともせず、徐々に衰弱してゆく我が子の姿を見せ付けられるという状況に陥る。 この状況を打開する方法は1匹か2匹を切り捨てて、他の赤ゆっくりに多くの食料を与えることだけ。 「ゆぅ・・・こうなったら、おたべなさいをするよ・・・」 あまり賢くないゆっくりとは言え、流石にこの状況の不味さも、唯一の打開策も彼女は理解していた。 それでも、彼女は誰かを見捨てようとはせず、自らの身すらも我が子達に与えようと考える。 流石に「お食べなさい」をやられると実験に支障が出ると判断したので一言「お前が死んだら全員殺処分するよ」とだけ伝えておいた。 4つ目の水槽のれいむは厳しいブリーダーのしつけによって従順に振舞うように訓練された個体。 かと言って人間の役に立てるほどの能力があるわけでもなく、典型的な飼いゆっくりといったところだ。 「ゆゆっ!おかーしゃん、どうちてありしゅだけたくしゃんなの?」 「しょーだよ、じゅるいよ!」 「ありすはにんげんさんのこどもだからだよ!ゆっくりりかいしてね!」 人間のペットとして、いや奴隷として育てられてきた成果だろうか、彼女は自分の子ども達よりも人間に預かったありすを優先した。 当然、彼女の娘であるれいむとまりさは不満いっぱい。母親に向かってほほを膨らませて怒りをあらわにする。 が、母れいむにとって人間に従順であることはゆっくりの存在意義ですらあるらしく、彼女たちの言葉には一切耳を貸そうとしない。 「どうちて!ありしゅはおかーしゃんのこどみょじゃないんだよ!?」 「しょーだよ!おかーしゃんのこどみょはれーみゅたちだよ!」 「みゃみゃ・・・ありしゅ、こんなにたくしゃんいらにゃいわ」 2匹に剣幕に圧倒されたありすは自分の分を2匹に分け与えるように提案する。 しかし、れいむはありすの提案を拒否すると、自分の子ども達を舌でぴしゃりと打ち据えた。 どうやらわがままに対するお仕置きにつもりらしい。 「ゆえーん、どうぢて!どうぢぢぇぇ!?」 「おちびちゃんたちがわがままをいうからだよ!ゆっくりりかいしてね!」 「でみょ、でみょぉ・・・ゆぴぃっ!?」 その後、2匹が抗議するのを諦め、ようやく食事を取り始めた。 もっとも、ありす以外は全く空腹がしのげず、ありすも精神的に全然ゆっくり出来ない有様だったが。 「ゆゆっ!ありしゅはこっちこにゃいでね!」 「ゆえーん、どうぢぢぇしょんなこというにょおおお!?」 「しょーだよ!ありしゅなんてきりゃいだよ!?」 「そんなこというゆっくりできないこはおしおきだよ!」 先日の出来事がきっかけとなってれいむ・まりさとありすの関係は急速に悪化していた。 食べ盛りの赤ゆっくりにとって食べ物の恨みはそれほどまでに恐ろしいものなのだ。 「だっちぇ、だっぢぇっ!?」 「ゆっぐ・・・れーみゅ、おなかしゅいたよぉー」 「かんけいないよ!ありすはおともだちでしょ!おともだちにひどいことするこはゆっくりできないよ!」 こんなやり取りが繰り返されるのは実はこれで4度目。 険悪になった関係を何とか修復しようとありすが近づくたびにれいむとまりさは彼女を拒絶した。 そのたびに母れいむに叱られる2匹だったが、困ったことに拒絶しなくても結果は同じなのだ。 「ゆっぐぢりがいぢだよ・・・でみょ、れーみゅ・・・ぽんぽんがゆっくぢできにゃいかりゃ・・・あそべだいよぉ・・・」 「まりしゃもだよ・・・」 「ゆゆっ!ありしゅ、みんなとゆっくちあしょびたいよ・・・!」 と、そんなやり取りの後に母れいむが「ありすとあそんであげなさい」と彼女たちを叱りつけてくる。 もちろん、すきっ腹を抱えて一緒に遊んだからといってその日の食料の配分が増えるわけでもない。 結果、れいむとまりさは3日ほどでまとも動けないほどに衰弱し・・・ 「ありすとあそばないこはおしおきだよ!」 「「ゆぐっ・・・もっぢょ、ゆっきゅちちたかったよ・・・」」 ありすと遊ばないことを咎められ、母れいむのお仕置きによって短いゆん生を終えた。 5つ目の水槽のれいむはありすにレイプされて出来た個体で母れいむに忌み嫌われ、虐待(もっと正確に言えばネグレクト)されながら育った。 これも野生のゆっくりとしては決して珍しいパターンではなく、中には特定種を無条件に排除する群れすらあると言われている。 ただし、このれいむは母親以前にレイプされた先祖は少なく、本能的に敵意を覚えるほどにありす種を嫌ってはいない。 「ゆゆっ!?みゃみゃー、ありしゅのごはんだけしゅくないわ?」 「ありすはそれだけだよ!ゆっくりがまんしてね!」 「「おきゃーしゃん、そんなのかわいしょーだよー!」」 とはいえ、過去の自分の苦労の多くがありす種に起因している以上、やはり彼女を軽んじてしまうようだ。 たとえ人間から預かった相手であろうと・・・いや、人間から預かったありすだからこそということかもしれない。 その考え方は最初の水槽のれいむと同じだが、初日から早々食料を減らす辺りには多少なりとも悪意が感じられる。 ちなみに、自分の取り分はかなり多く、その影響で多めに食料を貰っているれいむとまりさも少量にとどまっていた。 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」 「むーちゃむーちゃ、ちあわちぇー!」 「でみょ、じぇんじぇんたりにゃいよ」 「おちびちゃんたち、ゆっくりがまんしてね!」 こんな調子で、大体最初の2つの水槽と同じようにありすが真っ先に力尽きた。 そして、翌日以降。さらに食料を減らされたれいむは・・・ 「おかーしゃん、れーみゅおなきゃしゅいたよぉー・・・」 「まりしゃもむーちゃむーちゃちたいよぉー・・・」 「むーしゃむーしゃ、しあわせー!」 れいむは親としての責務を放棄した。 虐待を受けて育った者が我が子に虐待をする、あるいは育児放棄するというのは人間も含む多くの動物に見られること。 どうやら、それはゆっくりにとっても例外ではなかったらしい。 もっとも、食料が不足するまでは普通に育てていただけ、幾分かましな方かもしれないが。 ③ 実験結果 最初の水槽で唯一生き残ったのはまりさだった。 れいむと赤まりさだけになった後、れいむは自分の食料をすべてまりさに譲っていた。 今わの際に、自分より彼女を優先した理由をれいむに訊いたところ・・・ 「だーりんがいないからだよ」 とだけ答えると、そのままずっとゆっくりしてしまった。 どうやら、次の世代に子を残すという生物としての本分を最優先したらしい。 そして、自分のつがいが健在ならば自分達とそのつがいが生き延びて子を宿す道を選んだ可能性もある。 このれいむは人間に対する従順さはきわめて低かったものの、決して利己的ではなかった。 きわめて合理的に生物として、親として最善の選択をしたと言えるだろう。 もっとも、彼女のような親に育てられたゆっくりはまりさのように他者を出し抜こうとする、いわゆるゲスになる傾向がありそうだが。 2つ目の水槽の唯一の生存者は母れいむで、赤ゆっくりは結局全滅してしまった。 苦労知らずで育ったために自制心が育まれなかったのだと考えられる。 ちなみに、赤まりさより赤れいむを優先した理由を問いただしたところ・・・ 「れいむにそっくりのおちびちゃんがゆっくりできないのはゆっくりできないよ!」 との回答を得ることが出来た。 子どもの能力ではなく、自分に容姿が似ていること、そういった子どもがゆっくり出来ないのを見ているとなんとなくゆっくり出来ない。 そう言った理由で彼女は赤れいむを優先したらしい。もっとも、その赤れいむも最後には見捨てられることになったのだが。 このれいむは人間に対する従順さも、合理性も低く、きわめて利己的な性質を持っていたといえる。 3つ目の水槽の唯一の生存者は母れいむだった。 ただし、彼女もまた長期間にわたる絶食生活ですでに虫の息。 結局、彼女は誰を見捨てることも出来ず、子ども達は仲良く衰弱していった。 このれいむの合理性が低いのは言うまでもなく、同時に従順でもなく、利他的とも言い難い。 長い間ひとりで暮らしていたためか、仲間に恨まれることを嫌って非情な選択が出来なかったのだから。 4つ目の水槽の唯一の生存者は赤ありす。 しかし、れいむが姉妹のように育った赤れいむ達を殺す瞬間を目撃した彼女がゆっくり出来たはずもない。 挙句の果てに親代わりのれいむまで自分に食料のすべてを分け与えて餓死してしまったのだ。 この先、彼女はどのような思いを抱えてえ生きていくことになるのかは想像に難くない。 人間に都合のいいように育てられたれいむは従順だが、利己的でないのに合理性もないあまりにも歪な存在だった。 最後の水槽の生存者は言うまでもなく母れいむで、食料を独り占めしたことであの状況下で平然とゆっくりしていた。 しかし、真っ先にありすを見捨てたのが我が子を優先した結果なのか、ありす種憎しでのことなのかが分からない。 少なくともさほど従順ではなく、非常に利己的であることは間違いないだろうが。 ありす種以外の個体にこのれいむの母親をレイプさせるべきだったかもしれない。 ---あとがき--- 1つずつゆっくり視点で丁寧に書いていったほうが良かったな、これ それはさておき、今日で初投下からちょうど1年なのぜ・・・ ---Wiki収録時には省いてください--- と言うことで、他の作者の方に倣って玉男名義での投下作品一覧 ゆっくりいじめ系322 ゆっくりボール 阿求×ゆっくり系8 ゆっくりボール2 ゆっくりいじめ系353 ゆっくりボール3_1~3 ゆっくりいじめ系375 ゆっくりボール4 ゆっくりれみりゃ系いじめ31 ぷっでぃ~ん天国 ゆっくりいじめ系401 びりゃーど その他 ゆっちぇす ゆっくりいじめ系412 必殺コンボ? ゆっくりれみりゃ系いじめ36 ゆっくりぼーる5 ゆっくりいじめ系436 ゆっくりみだら1 ゆっくりいじめ系438 ゆっくりみだら2 ゆっくりいじめ系442 ゆっくりみだら3 ゆっくりいじめ系448 ディスコミュニケーション ゆっくりいじめ系458 ゆっくりみだら4 ゆっくりいじめ系484 鬼意さんVSドス 1~3_2 ゆっくりいじめ系500 ゆっくりみだら5 ゆっくりいじめ系513 ゆさくや1 ゆっくりいじめ系525 ゆさくや2_1 ゆっくりいじめ系526 ゆさくや2_2 ゆっくりいじめ系529 ゆっくりみだら6 ゆっくりいじめ系559 ゆさくや3 ゆっくりいじめ系573 ゆさくや3.5 ゆっくりいじめ系582 淡々とゆっくりを尾行してみた1・2 ゆっくりいじめ系597 虐待おばば ゆっくりいじめ系602 淡々とゆっくりを尾行してみた3 ゆっくりいじめ系607 ゆっくりみだら7 ゆっくりいじめ系620 ゆさくや4 ゆっくりれみりゃ系いじめ42 ゆっくりみだら8 ゆっくりれみりゃ系いじめ43 ゆっくりみだら9 ゆっくりいじめ系650 虐待おばば2 ゆっくりいじめ系665 ゆっくり研究 ゆっくりいじめ系684 鬼意裁き ゆっくりいじめ系697 野生のゆっくり ゆっくりいじめ系749 現代ゆっくり ゆっくりいじめ系753 殺されたお兄さん ゆっくりいじめ系760 とうぎじょう ゆっくりいじめ系782 非ゆっくり過敏症 ゆっくりいじめ系814 ゆー園地 ゆっくりいじめ系818 すっきりしたくないありす その他 M ゆっくりいじめ系850 ゆっくり研究2 ゆっくりいじめ系865 二択1・2 ゆっくりいじめ系890 技巧派まりさの誕生_1~2 ゆっくりいじめ系893 虐待おばば3 ゆっくりいじめ系916 ゆー郭 ゆっくりいじめ系921 ゆー郭2 その他 ゆっくりボール乙 ゆっくりれみりゃ系いじめ51 ゆっくりゃへのおしおき ゆっくりいじめ系964 ミニマムゆっくり ゆっくりパチュリー系いじめ3 ぱちゅりー ゆっくりいじめ系993 バレンタインデイ ゆっくりいじめ系995 普通のゆっくり虐め ゆっくりいじめ系1007 見守るドスまりさ ゆっくりすいか系いじめ1 ゆっくりすいか ゆっくりいじめ系1139 やねのうえのゆっくり ゆっくりいじめ系1107 ゆくぶつかん ゆっくりいじめ小ネタ172 ほしれいむ ゆっくりいじめ系1193 れいむをまもるもの ゆっくりいじめ系1199 ゆっくりできた日々1 ゆっくりいじめ系1209 ことばのろう ゆっくりいじめ系1218 ゆっくり ゆっくりいじめ系1231 こんにゃゆっくちいりゅかな? ゆっくりいじめ系1240 でーしーえす ゆっくりいじめ系1274 虐兄とドス ゆっくりいじめ系1280 ゆっくりのがっこう ゆっくりいじめ系1291 ありす ゆっくりいじめ系1301 ゆっくりできた日々2 ゆっくりいじめ系1307 ゆーろ ゆっくりいじめ系1342 お食事会 ゆっくりいじめ系1347 まりさのおうち ゆっくりいじめ系1378 かみいじめ ゆっくりいじめ系1409 ルールある虐待_01~03 ゆっくりいじめ系1453 ゲスまりさ調教_01~02 ゆっくりいじめ小ネタ216 うんうん ゆっくりいじめ系1472 うんうん2 ゆっくりいじめ系1484 ゆっくりを退化させよう ゆっくりいじめ系1502 初物お兄さん ゆっくりいじめ系1530 髪の毛で綱引き ゆっくりいじめ系1571 ゆっくり問答 ゆっくりいじめ系1595 ねじこんでみた ゆっくりいじめ小ネタ234 しゃぶれいむ ゆっくりいじめ系1645 れいコン ゆっくりいじめ系1652 ふぐぅ! ゆっくりいじめ系1659 おうち宣言を最大限尊重してあげた ゆっくりいじめ系1902 カッパの住処 ゆっくりいじめ系1906 ぱんちゅりー ゆっくりいじめ系1967 ゆんどら 1・2 ゆっくりいじめ系1974 ゆっくり人間(クロスオーバー作) ゆっくりいじめ系1995 ゆっくりいじめ系2002 新物質 ゆっくりいじめ系2016 げっぺるどんがァーッ! その他 ゆっくりスレ その他 実録!虐待SSの作り方 ゆっくりいじめ系2033 ゆっくり学部虐待科 ゆっくりいじめ系2045 馬鹿なの?寝るの? ゆっくりいじめ系2057 あるレイパーの更正 ゆっくりいじめ系2076 飽きた ゆっくりいじめ系2088 力 ゆっくりいじめ系2124 お帽子 ゆっくりいじめ系2126 せつゆん ゆっくりいじめ系2142 ドスモス ゆっくりいじめ系2164 巨大ゆっくりの饗宴(前中後編) ゆっくりいじめ系2170 ゆれんたいん ゆっくりいじめ系2174 新たなる?ゆっくり ゆっくりいじめ小ネタ340 矢ゆっくり ゆっくりいじめ小ネタ341 ゆっくりになったお兄さん ゆっくりいじめ小ネタ351 敬いお兄さん ゆっくりいじめ小ネタ369 ゆっかりクッキング ゆっくりいじめ小ネタ391 ゲスに情けなど不要! ゆっくりいじめ系2198 とあるHumyonの憂鬱 ゆっくりいじめ系2254 100スレ記念1 ~6 ゆっくりいじめ小ネタ405 ふえちゃうぞ! ゆっくりいじめ小ネタ409 うんうんイーター ゆっくりいじめ小ネタ416 めだま ゆっくりいじめ系2349 やさぐれいむ ゆっくりいじめ小ネタ425 うんうんする理由 ゆっくりいじめ系2377 まりさのあい(前後編 ゆっくりいじめ小ネタ428 奇跡の声 ゆっくりいじめ系2406 レイパーの動機 ゆっくりいじめ小ネタ441 虐待おばば4 ゆっくりいじめ小ネタ450 赤ゆの底力 ゆっくりいじめ系2465 どのゆっくりがこのみ? ゆっくりいじめ系2488 あおりぼん ゆっくりいじめ系2493 やさぐれいむ2 ゆっくりいじめ系2509 魔剣ゆギャリア ゆっくりいじめ小ネタ470 えたーなるばーじん ゆっくりいじめ系2523 目が見えない少女 ゆっくりいじめ系2586 まりさと子るーみあ ゆっくりいじめ系2597 飼いゆっくり ゆっくりいじめ系2602 うんうんと4匹 ゆっくりいじめ小ネタ484 コネタ集? ゆっくりいじめ小ネタ489 ゲス家族 ゆっくりいじめ小ネタ492 21かもしれない ゆっくりいじめ系2682 365匹を虐殺してみた1~5 ゆっくりいじめ系2695 副工場長れいむに勝手にパラレル ゆっくりいじめ小ネタ502 ゆっくりしていってね! ゆっくりいじめ系2719 ある愛護団体のお仕事 ゆっくりいじめ小ネタ519 ゆ虐1発ネタ?集 ゆっくりいじめ小ネタ520 コード ゆっくりいじめ小ネタ524 ドス・・・ ゆっくりいじめ系2836 ありす虐待エンドレスシリーズ ゆっくりいじめ小ネタ554 ゆっくりカスタムキット ゆっくりいじめ系2906 ゆっくりが生き残れる理由 ゆっくりいじめ小ネタ557 平凡な虐待 ゆっくりいじめ系2915 ○んぶーぶ○ーど Y ゆっくりいじめ系2918 駄作!! ゆっくりいじめ系2936 死神のいたずら 何この数?馬鹿なの?死ぬの? byゆっくりボールマン このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/495.html
※作中に登場するれみりゃは全て豆れみりゃです。 れみりゃには屋敷がある。 それはそれは立派な屋敷である。 カーペットはふっかふか。壁はとても頑丈。おちびちゃん10人が寝られる雄大な寝室。 常にあまあまを欠かさない立派な食糧庫。そしてなんと豪華三階建て! こんな恵まれたれみりゃは世界で、自分とおちびちゃんたちだけ! れみりゃは信じて疑わない。だってこんなに楽しいんだから! 昨日もうーうー、今日もうーうー、そして明日もみんなでうーうー! いつでも素敵なこうまかん! では、れみりゃの優雅でかりすまでしんぐるまざーな一日をさっとごらんあれ。 朝、れみりゃは瀟洒な声をきいて目を覚ます。 「おぜうさまー!おきてくださいー!おぜうさまー!」 「むにゅむにゅ・・・あと5じかんなんだどー・・・」 「おぜうさまー!にどねってれべるじゃねぇぞ!!!」 「!!!おっ、おきるんだどー!?」 れみりゃは瀟洒な声を聞いて、目を覚ます。 れみりゃの寝室は2階。3階は子供達の寝室や遊び場でいっぱいだし、1階は食料庫や食堂などで十分に使われているからです。 2階であることに別に不満はない。2階には【だんすほーる】があるため、おちびちゃんたちの世話が終わった後、 ひっそりとひとりでエレガントでかりすまなだんすを踊ることが出来るからです。 (きょうもおねんねするまえに、いっぱいいっぱいおどっちゃうんだどぉ~♪) さくやのたすけを借りて、おべべをきる。れみりゃは胴つきのゆっくりなのに、とても不器用。 ボタンをつけることが出来ない。だから、しゃがんでさくやにやってもらう。さくやは胴無しのゆっくりなのに、とても器用。 だから、おべべをすいすい着れちゃう。さぁ、『せれう゛りぃてぃ』な朝食のために、もう少し頑張りましょう。 階段をゆっくり下りたら、ババァーーーンと豪華な食堂だ! かりすまなれみりゃ達はいつもここで、でりしゃすぅな食事を営んでいる。 ほっぺが堕ちるあまあまのために、もうひと頑張り。扉をあけると、そこには立派なお庭さんが。 お庭さんのちょうど中心に不思議な井戸がある。あまあまじゅーすの井戸だ。 さくやが見つけたものだが、胴無しであるさくやには使用できないため、れみりゃが使います。 まず、玄関に置いてあるれみりゃの身長の半分くらいの大きな樽(上部が開いたまま)の乗ったすぃーをれみりゃが操作します。 すぃーを井戸に横付けしたら、井戸を動かしてあまあまじゅーすを樽の中に汲み上げる。 れみりゃは井戸のポンプを押す作業に疲れ「もうつかれたんだどー、やめるんだどー」 と何度も断念してしまうが、その度にさくやに 「おぜうさま!おぜうさまのおこさまのれみりゃさまがおきてしまいますよ!」 言われて、なんとか無事あまあまじゅーすを手に入れます。 すぃーを操って、あまあまじゅーすを食堂の中心におく。 次にあまあま(れいむやまりさ)やかりかりさん、ぷでぃんなどがある食糧庫から朝のメニューをさくやと協力してテーブルに乗っけます。 あぁ・・・、なんてかりすまでりしゃすぅなでぃなーなんだろうと、感心するれみりゃ。 「おぜうさま、おちびさまたちをおこしてきますね」 「うっ、うーっ!りょうかいだどー!!!」 さくやは三階へ上り、れみりゃのおちびちゃん達を起こします。 れみりゃと同じく、子供達も寝起きがよろしくないですねぇ。 うーうーうーうー唸ったり、寝言をぎゃーぎゃー叫んだり、挙句に屁をこき、やりたい放題。 でも、一匹がさくやに付いたあまあまのにおいを嗅ぎつけて、 「ぷっでぃ~ん!れみりゃのだいしゅきなぷっでぃ~ん!」 などといい始めると、次々と食欲に負けたれみりゃたちがぱっちりと目を覚まします。 全員おきたところで、さくやが瀟洒な合図を出してみんなで揃って食堂に。仲良くみんなで朝ごはん。 食堂に着いたら、即、席に座る。もうあまあまは調理されてテーブルに置かれている。「ゆ゛・・・ゆ゛・・・」と息のよさそうな音がする。 「みんないるのかだどー?」 「みゃんみゃー!れみぃたちはいるどー!」×10 こうまかんの一階にステレオボイスがこだまする。みんなにこにこ。しあわせーって感じですね。 「じゃぁみんなでかりすまなでぃなーにするんだどー!」 「うー!」×10 朝ごはんだからブレックファーストなんだけどね。れみりゃは朝でも昼でも深夜でも食事のことをでぃなーと言います。 食事という行為そのものを指して、でぃなーと言っているのかもしれません。 おのおの自分達のペースであまあまを頬張っていく。飴細工の髪の毛を毟ったり、でろりと飛び出ている舌をギリギリと引っ張って遊んだり、 両目を抉って、頬いっぱいにおめめを詰め込んだり。捕食種の本能の赴くままに、瀕死のあまあまたちを蹂躙し、貪っていきます。 「う゛っ!!!」ジタバタジタバタ 一匹の子れみりゃがまりさのおぼうしをのどに詰まらせたようである。苦しそうにもがいております。顔色も心なしか青ざめて見えます。 「おちびちゃん、あまあまじゅーすをのむんだど~!!」 れみりゃは即座に子れみりゃを、食堂の真ん中で堂々としている樽に近づける。 さくやがどこからともなく現れて、子れみりゃにながーいストローを渡す。 「ちゅーちゅーするんだどー!!!」 子れみりゃは急いでストローを樽のなかに突っ込む。 「う゛、う゛ー!!ちゅーる、ちゅーる・・・あまあまでりしゃすなんだど~!!!」 どうやら事なきを得たようである。母れみりゃ、さくや、姉妹達もほっとしています。 「おちびちゃんきおつけるんだど~!あまあまはよくかんでたべないとかりすまがなくなっちゃうんだどー!」 「わかったんだどー!これからはきおつけるんだど~!みゃみゃ、さくや、ありがとうなんだどー!」 「いえいえ、しょうしゃですから」 食べるのが遅い子も、逆にさっさと食べて姉妹とおしゃべりをしている子も、 あまあまを食べた後はみんな例外なくおべべが汚い。餡子や饅頭皮が飛び散って、顔もあんよもどっろどろ。 だから、あまあま食べた後にはみんなで揃ってお風呂へGO! お風呂は一階の玄関の近く。お庭で遊んだ後やでぃなーを食べた後にすぐに利用できるためなのです。 ぞろぞろとお風呂へと連なって進む子れみりゃたち。脱衣所ではもたくそもたくそと服を脱ごうと努力している。 姉妹に手伝ってもらったり、さくやにやってもらったりしてなんとかおべべを脱いだ子れみりゃ達は 姉妹全員で入っても大丈夫なビックなお風呂の中にさぁダイブ!!けどあんまり深くないからちょっと頭をぶつけたり・・・。 はしゃぎすぎるのも良くないね!気をつけよう。お風呂に入る前には体を洗うべきなんだけど、れみりゃたちにはそんな風習は ありません。その代わりとして、今お風呂のなかにはスポンジがぷかぷかと浮いています。 一匹の子れみりゃがスポンジを取り、隣にいたれみりゃにこう言います。 「ごーしごーしするんだど~!!!ごーしーごーし!!」 れみりゃの体をスポンジでこすり始めました。最初は背中、次は肩、そしてつぎはお腹と次々とれみりゃをきれいにしていきます。 それを見ていたほかの姉妹達も、 「れみぃもごーしごーしするんだど~!」と言って体のこすりっこをはじめました。さくやと母れみりゃはそれを微笑ましく眺めています。 「うー・・・おまたさんなんだかきもちいいんだど~・・・」 「うー!!!もっとやってあげるんだどー!!!ごーしごーし!!!」 おや、なにやらおかしなことを始めた子達がいるようです。これは早い春の訪れでしょうか? 擦られているほうのれみりゃは顔が上気し始めていて、こすっているれみりゃの方もなんだかはぁはぁと荒い息遣いをしています。 これを見ていた母れみりゃ。すかさず彼女らの元へ舞い上がって・・・ 「なにやってるんだどー!!!そんなかりすまじゃないことはやめるんだどー!!!めっめなんだどー!!!」 烈火のごとく叱りました。れみりゃ種のアイデンティティであるかりすまを利用した効果的な叱り方です。 「う゛ー!がりずまじゃないどやなんだどー!!!」 「ごべんなざいなんだどー!」 子れみりゃ達も反省したようです。 「さすが、おぜうさま!かりすまなしかりかたですわ!」 お風呂が終わってみんなさっぱり。さくやにおべべを着るのを手伝ってもらった後は、三階に行ってみんなで わいわい楽しく遊びます。ボールを蹴飛ばし追いかけて遊ぶれみりゃもいれば、ごろごろと寝そべって転がっているれみりゃもいる。 おにごっこをしているれみりゃもいれば、積み木に興じているれみりゃもいます。 「かくれんぼするかりすま、このゆびとまるんだどー!」 一匹の子れみりゃが一本指を高々とあげ、いくさんのポーズをする。暇そうにしていた子れみりゃ5匹が集まってきました。 「じゃあ3かいさんだけでかくれるんだどー!」 「りょうかいだどー」×5 「じゃあかぞえるんだどー。いーち、にー、さーん、たくさんだどー!」 さすがゆっくり。3より大きい数は数えられません。 しかし、そんなわずかな時間しか与えられていないにもかかわらず、子れみりゃたちは隠れていました。 きょろきょろとする子れみりゃ。かりすまなセンサーを全開にして姉妹を探します。 すると、おもちゃ箱の隣で、しゃがみガードをしている姉妹がいるではありませんか。 かりすまオーラをフルに発散して、 「れみりゃ、みつけたどー!」といいます。 見つけられた子れみりゃは子れみりゃで「れみぃのかりすまがあふれてたからみつかっちゃったんだどー」なんて言ってます。 最初の発見で調子をつかんだのか、ベットの中、積み木の山の中、母れみりゃのスカートの中と次々と姉妹を見つけていきました。 「うー。いまみつけたのはいち、に、さん、たくさん!みんないるんだどー!!!」 本当はあと一匹見つけないと行けないのですが、れみりゃが数を数えられない以上かくれんぼはここでお開きです。 最後の一匹はどこに行ったのでしょう?それはわかりません。でもこうまかんではよくあることなので気にしないで結構です。 「おなかがすいたんだどー。でぃなーにするんだどー!」 「「「「うー」」」」 食堂では既にお昼ご飯が配られていました。朝のあまあまとは打って変わって、かりかりさんがお昼のでぃなー。 れみりゃはあまあまが大好きで、一般的にはそれほどゆっくりフードなどを好みません。そのれみりゃが何故? さくやと母れみりゃの方針により、かりすまでせくしーなれでいになるために健康的なゆっくりフードのかりかりさんを食べることにしたのです。 子れみりゃたちからしてみれば毎回あまあまを食べたいと思うでしょうが、かりすまなれでいになりたいので、ぐっと我慢して食べます。 でもやっぱりかりかりさんだけだど味気ないので、あまあまじゅーすを朝の倍以上飲んでいきます。 かりかりさんを食べてもおべべやお顔はあまり汚れないのでお風呂には入りません。一度くつろいだら、母れみりゃが子れみりゃたちに声をかけて、 「おちびちゃんたち、だんすのおじかんなんだどー!2かいにあつまるんだどー!」ダンスパーティーの準備をします。 一方でさくやは「おゆはん、おゆはん」と本当のディナーの準備のためにとても忙しそうです。 2階のダンスホールに子れみりゃたちを集めた母れみりゃ。子れみりゃ達を3つのグループに分けます。 一つはシンバルやカスタネットを使ってダンスのBGMを奏でる『おんがくたい』 一つはだどだど言葉でダンスに合わせてみんなでおうたを合唱する『せいかたい』 最後は音楽やおうたにあわせて自らの思うかりすまを体で表現する『だんすたい』 もちろんだんすたいがいちばんの人気だけど、割り振りは母れみりゃの手に委ねられているので、自分がやりたい所に行けるかは分からないのです。 おそらく何匹かそういった子れみりゃはいるのでしょう。しかし、彼女らはそれを口に出しません。 いつかまんまに選ばれて、まんまに認められて自分のやりたいことをやろうと固い決意を秘めているのです。 各々が持ち場に着いたら、さぁ、楽しいダンスの時間です! おんがくたいがシンバルとカスタネットでリズムを刻みます。当然のようにタイミングはバラバラなのですが、れみりゃたちは気が付きません。 音楽がある程度の時間流れたらせいかたいは、かりすまな歌詞を歌いだします。 当たり前のようにメロディーと歌があっていませんが、れみりゃたちは気が付きません。自分達ではベストな歌い出しだと思っているのでしょう。 歌が最初のサビに差し掛かったら、だんすたいは踊りだします。おしりをフリフリ、おててをフリフリ、ついでにあたまもフーリフリ! 誰一人周りとあわせようとせず、誰一人として音楽を聴いちゃいませんが、れみりゃ達は一切気にしておりません。 みんなの汗が飛び散る頃にダンスパーティーはやっと終わりました。ずっと見ていた母れみりゃは 「そこのおちびちゃん、きょうはたまたまだんすをやってもらったけど、なかなかうまかったからあしたもやってみるんだどー」 「まんまほんとなのかなんだどー?!れみぃはとってもうれしいんだどー!!」 など、それぞれの動きっぷりを評価して、みんなに伝えていきました。で、なんやかんややっていると、もう夕方です。 れみりゃたちは動き疲れてへとへとなのではやくでぃなーが食べたいのです。できればとってもあまあまなでぃなーが。 そんな希望を知ってかしらずか、瀟洒なメイドは最高のおゆはんを用意しました。 食堂に行ってみると、なんとそこにあったのは、正真正銘のぷっでぃん。れみりゃの誰もがあこがれる最高の料理ぷっでぃん。 それがなんとれみりゃ達全員分用意されているではありませんか。これはもはや狂喜乱舞するほかありません。 先ほどのダンスの疲れも忘れて踊りだす子れみりゃもいます。しかし大半のれみりゃは即座に席に座って、でぃなーのぷっでぃんを 両手で貪り食い漁ります。顔面にカラメルをベトベトと絡ませ、おべべに溶けるようなぷっでぃんのカケラを染み込ませ、 おぜうさまのぷらいどなんて一ミクロンもありはしねぇと言わんばかりにぷっでぃんを貪ります。 「あまあまでりしゃすぅ~!」 「ほめてつかわすんだど~さくやぁ~!」 「うーうー!うまうまなんだどー!」 「こぜうさまがたがよろこんでいただけてなによりですわ」 「う゛ーれみぃはもっとだべたいんだどー!!!」 「おちびちゃんもうないんだどー。またあしたたべられるからがまんするんだどー」 「う゛ーそんなこといったらあまあまもかりかりさんもぽーいっするどー!!」 「そういうこというおちびちゃんはもけーれにたべられちゃうんだどー!!!」 「もけーれごわいどー!!!」 やっぱりおべべと体がドロドロに汚れたれみりゃ達は、お風呂に入ります。 朝一度怒られた子れみりゃ達は再びペアになってこすりあいをしておりますが、いまのところ怪しい動きはありません。反省したのでしょうか?? 相変わらずさくやにお手伝いしてもらっておべべを着るれみりゃ。れみりゃたちが入浴しているわずかな時間にお洗濯を終えるさくや。 実はとっても瀟洒でかっこいいゆっくりなんです。 お風呂が終わったら、3階の寝室でおねんねです。母れみりゃの子守唄を聞いてみんな静かに眠ります。 天使みたいな寝顔です。本当によく眠りますね。子れみりゃが寝るのを見届けたら母れみりゃも2階の寝室で眠ります。 ベットに入って考えるのは、突然いなくなった父れみりゃのことばかり。相思相愛、周りに祝福されながらの夫婦生活。 訳もなくいきなり父れみりゃがいなくなるはずがない。そう信じていました。確信は持てないが、いつもあまあまやぷっでぃんを 食糧庫に用意しているのは父れみりゃである。その思いだけが父れみりゃと母れみりゃをつなぐ最後の糸でした。 皆が寝静まったことを確認した瀟洒なメイド長。そっと食堂からお外に出ます。 「みなさまおやすみなさい。ではゆっくりしていってくださいね・・・クスッ」 母れみりゃは夢を見ていた。夕日を背に父れみりゃと追いかけっこをしている夢だ。 つかまえてーといわんばかりに駆け回る母れみりゃ。もっと追いかけっこを楽しみたいのでゆっくり走る父れみりゃ。 アツアツで実に幸せそうな夢である。しかし、夢の中で少しでも早く父れみりゃが母れみりゃに追いついていれば、 現実はもう少し違ったものになっていたかもしれない。 今現在庭先はアッツアツに燃えているのだから。れみりゃたちは誰一人として気づいていないが、メラメラとお庭は激しく燃えている。 今日はいろいろな出来事があったため、なかなか眠れない子れみりゃが数多くいた。お風呂で怒られた2匹もそうである。 彼女達はあの時の感触が忘れられず、今もこすりあっこをしているのだ。それもスポンジを使わずに素手で。 「うー・・・きもちいいんだどー・・・」 「れみぃもなんだどー・・・」ムクッ 「れみりゃ、ぺにぺにがたってるんだどー!!!」 「ほんとだどー!れみぃおっきしてるんだどー!!」 2匹は顔を見合わせ、アツく見つめあう。 「れみぃはすっきりーしたいんだど・・・」 「でもすっきりーはかりすまじゃないってまんまがいってたんだどー・・・」 「れみぃはもうがまんできないんだどー・・・ぼうそうきかんしゃとーますなんだどー・・・」 「れみぃもなんだどー・・・。も、もうだめなんだどー!!!」ガバッ 子れみりゃたちはお風呂の中で絡み合う。初めてのすっきりーは姉妹同士でお風呂場とかなかなかレベルが高いことをやってくれる。 あまりにもエロ漫画にありそうなシチュエーションにもしれみりゃでなかったなら興奮せざる終えない。 将来が楽しみなものだ。ぺにぺにを姉妹のまむまむに挿入し、一心不乱に腰を振る。この瞬間において世界は2匹だけであった。 腰と腰を打ち付けあう音が、水のはねる音で打ち消される。ピストンのスピードをドンドン速めていき、訳も分からないうちに絶頂を迎える。 「「す・・・、すっきりぃぃぃぃぃぃーーー!!!!!!」」 子種を放った直後、被弾した方の子れみりゃのお腹が少し膨らむ。にんっしんだ。新たな命の誕生である。 初めて精を思いっきり放った余韻を感じながら、わが子の誕生を喜ぶ子れみりゃ達。お互いのことを抱きしめ合おうとしたそのとき、 振り上げた両の手がぼとりと崩れ落ちた。あまりにも非現実的な出来事に2匹は現実を受け入れられないで静止している。 「「う・・・・?」」 「「れみぃのおででがぁぁぁぁ!!!!どぼじでなんだどぉぉぉぉ!!!」」 胴付きゆっくりは胴無しゆっくりに比べてはるかに水に強い。 このれみりゃ達のように2、30分くらい入浴するぐらいではビクともしないのである。では、なぜこのような事態がおきたのか? 答えは明確。先ほどの火事である。すっきりーっに夢中だった子れみりゃ達は気が付いていなかったが、今現在、庭で起きた火事は、 こうまかんにも移っており、現在風呂場は絶賛燃焼中なのである。もちろんお風呂のお湯も例外ではなく、 今現在の水温は既に80℃近くに達している。いくら水に強い胴つきであろうと、厚い饅頭皮を持とうと、ゆっくりに この温度の熱湯に耐えられる性能などはありはしない。ぐつぐつと美味しそうに煮込まれるだけである。 「うぎゃぁぁぁぁぁ!!!おででがぁぁぁあんよがぁぁぁ!!!」 「せなかさんれみぃにくっつくんだどぉぉぉぉぉ!!じゃないとぐんぐにるずるんだどぉぉぉぉ!!!!」 あっという間にぼろぼろと崩れ落ちていく子れみりゃ達。さっきのしあわせそうな姿はいずこへか。 「れみりゃぁぁぁ!!!れみぃをたすけるんだどぉぉぉぉ!!!」 「なにをいってるんだどぉぉぉ!!!れみぃのことをたすけなきゃいけないにきまってるんだどぉぉぉ!!!」 れみぃれみぃうるさいが、れみぃとは自分の事を指す。要するにとりあえず自分だけが助かればいいといっているのだろうか? 「れみぃはかりすまなんだどぉぉ!!!れみぃをたすけるのはとうぜんなんだどぉぉぉ!!!」 「れみぃはおぜうさまなんだどぉぉ!!れみぃがまずたすかるんだどぉぉ!!!おまえはしんでればいいんだどぉぉ!!!」 「う゛ぅぅぅぅぅ!!!!おばえがじねぇぇぇぇぇ!!!!」 「う゛ぁぁぁぁぁ!!!!おばえごぞじねぇぇぇぇ!!!!」 「じねぇぇ!!」「じねぇぇ!!!」「う゛ぅぅじねぇぇぇ!!!」「どっどどじねぇぇぇぇ!!!!ぶざいぐがぁぁぁ!!!」 「「う゛わ゛ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!じねぇぇぇ!!!!!!!」」 姿かたちの通り醜く罵りあう2匹。だが、体の半分が崩れ、死へのカウントダウンが始まりだすと、弱気になり、 信じるものへの救済を願い始めた。 「ま゛んま゛ぁぁぁぁぁぁだずげでぇぇぇぇ!!!!!!いだいよ゛ぉぉぉぉ!!!!!」 「ざぐやぁぁぁぁぁだずげろぉぉぉぉ!!!じゅうじゃはおぜうざばをだずげるんだどぉぉぉ!!!」 ゾンビのような姿で死に物狂いで助けを請う子れみりゃ達。しかしここは夜のお風呂場。近づくものなどいやしない。 欲におぼれた結果がこれだよ!!! 「う゛・・・う゛・・・う゛あ゛う゛あ゛ぁぁぁ・・・。」 「・・・・・・」 もう一匹は既に事切れたようである。赤ちゃんを身ごもったほうはまだかろうじて息があるようだ。 赤ちゃんれみりゃがいたはずの腹であった部分をぼーっとながめ、 「れみぃのあがぢゃん・・・かりずまぶりでぃーなあがじゃん・・・」 恨めしそうに一言残してグチャグチャに崩れ、正真正銘の肉団子となっていった。 お風呂は燃え上がり、美味しそうな肉汁の香りがするだけである。 2匹のれみりゃが息絶えるほんの少し前。1匹の子れみりゃがこっそりと食糧庫の中に入っていた。 夕食でごねたれみりゃだ。ぷっでぃんがよほど食べたかったのだろうか、我慢できずに食糧を漁っていた。 普段は鍵のかかっているはずの食糧庫だが、この日に限って開いていた。これ幸いとあまあまを貪ったり、かりかりさんをぽーいして遊ぶ子れみりゃ。 「まずいかりかりさんは、ぽーいなんだどぉ~♪」 「あまあまはおとなしくれみぃにたべられるんだどぉ!こうえいにおもうんだどー!」 鬼のいぬ間に何とやらということわざのごとく、やりたい放題の子れみりゃである。 ところで、母れみりゃとさくやは、なぜこの食糧庫を立ち入り禁止にしたのだろうか。これには2つ訳がある。 一つはこの子れみりゃのようにおちびちゃんたちが節操なくでぃなーをするのを防ぐため。 このような行為は決してかりすまといえる行為ではないし、豚みたいな体系に近づく第一歩だからである。 もう一つは・・・ 「うー!かりかりさんじゃますぎるんだどぉ!みんなまとめてぽーいっするんだどぉ!!!」 一家全員が何日かけてもなかなか減らせないほど多量にある食糧は食糧庫内でも非常に大きなスペースを要しており、 かつ絶妙なバランスで保管されているため、お遊びでやってきた子れみりゃたちに荒らされて、食糧の雪崩がおきるを防ぐためである。 巻き上げられたかりかりさんが、最後の均衡を打ち破り、食糧の山は見事に崩れていく。かりかりさんの波に埋もれて初めて、 子れみりゃは自分のやったことに気が付きます。 「う゛わぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 ただ、かりかりさんはそこまで重いものではないので、子れみりゃにダメージはない。かりかりさんによって奪われた光を、 上へ上へとかりかりさんの海を泳いでいくことでなんとか視界を取り戻すれみりゃ。 パタパタと部屋を飛び回り、出た結論は・・・ 「でぐちがみあたらないんだどー!」 部屋中を埋め尽くすかりかりさんのせいでドアの位置をすっかり見失ってしまったれみりゃ。 これはどうしたものかと、頭を抱えてかりすまブレインを精一杯動かす。 うーうーうんうんと唸るれみりゃ。精一杯すぎてどうやら周りのことが見えていないようだ。 そんな中、かりかりさんの海の底から、地鳴りの様な鳴き声がきこえる。 「あじゅぃよぉぉぉ!!!れいみゅじにぢゃくな゛いぃぃぃぃぃ!!!!!!」 「あんよざんうごいでぇぇぇぇぇ!!!まりちゃやけちゃうのじぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「どぎゃいば!!!どぎゃいば!!!!」 「むっきゅうぅぅぅぅぅぅぅ!!やげるぅぅぅぅぅ!!!!」 これは・・・あんよ焼きされて食糧庫に安置されているあまあま達の悲鳴である。 どうやら床にはもう火の手が回っているようだ。 不気味な声をきき、ようやっと辺りを見回した子れみりゃ。 「どぼじてかべさんがやけてるんだどぉぉぉぉ!!!!!!!」 そこには、右も左も前も後もついでに天井も見事に焼けている食糧庫があった。 どこかに隠れる場所はないか?れみりゃは必死に探す。そこでたどり着いた結論は一つ、かりかりさんのなかに隠れるというものであった。 そうと決まればさっさと避難。れみりゃはかりかりさんにダイブしようする。が、 パァーーーーン!!!ドゴォ!!!「う゛ぼぉぇぇぇぇぇ!!!」かりかりさんの猛スピードのタックルによって、ダイブを拒否された。 かりかりさんの原材料が何なのかはわからない。ただ、熱を加えるとポップコーンのように弾ける素材を使っていたのは確かだ。 突然のかりかりさんの逆襲に目を白黒させて驚くれみりゃ。打ち上げられた衝撃で天井に頭がぶつかりお帽子が燃えた。 鎮火させようと、かりかりさんの海に再び向かうも、またかりかりさんに迎撃される子れみりゃ。 れみりゃの体力が続く限り、この喜劇は続くだろう。もっとも、おべべは既に全焼し、体中真っ赤な痣だらけなので、朽ち果てるのはそう遠くない。 火の勢いは止まらない。1階を燃やしつくし、2階まで焼き焦がし始めた。 ダンスホールには、懸命に練習を重ねている三匹の子れみりゃがいる。 一匹はたどたどしい手つきでシンバルを叩いている。どことなく不安げに練習しているが、表情は真剣そのものだ。 また一匹は弱弱しい歌声を必死に大きくしようと努力している。努力しているが、歌声ははっきりとは聞こえてこない。 もう一匹は何度も尻餅をつきながらダンスをうーうー踊っている。全体的にどんくさい印象が拭えないでいるが。 3匹は今ダンスパーティーで自分達の望むポジションにいない。母れみりゃに認められるため、夜な夜なこっそり抜け出しては特訓を重ねているのであった。 いつかは母に認められて、いつかは姉妹に認められて、ダンスパーティーの主役を飾るんだと信じて疑わないのである。 シンバルを握るれみりゃの手に何か赤いものが落ちてきた。しばらくは演奏に夢中であったが、その物体が、その火の粉がれみりゃに熱を届けてから、 3匹だけのダンスパーティーは劇的に生まれ変わった。 火の粉が付いたシンバルのれみりゃは咄嗟にシンバルを離そうしたが、一向に離れる様子がない。火の粉の熱で、手の皮とシンバルがくっついてしまったようだ。 「う゛わ゛ぁぁぁぁぁ!!!!」と叫びながら、シンバルを手から離そうと、バンバンバンバン激しくシンバルを叩くれみりゃ。 先ほどの演奏とはうってかわって心地よいリズムである。もっとも本ゆんは気づく様子がないが。 姉妹の異様な演奏に、思わず歌うのをやめた子れみりゃ。辺りを見回すとそこは既に火の海であった。 信じられないほど馬鹿なれみりゃ種でもこの状況がいかに危機的であるかは把握したようだ。 「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛」 あの弱弱しい声で歌っていたれみりゃが、聞いたもの全ての注目を集めるようなシャウトを放っていた。 もし、これを昼間にやっていたとしたら、れみりゃは注目の的であっただろう。今現在は半狂乱なので自分が何をしているのかよく分かっていないが。 一緒にダンスパーティーのとっくんっ!をしていた姉妹がいきなり発狂しだしておろおろし始める、ダンスのれみりゃ。 ふらふらと壁に寄りかかろうとするが、壁は熱く既に燃え盛っていたので、お帽子やおててに火をつける結果となった。 一心不乱に火を消そうとしたれみりゃの取った行動は、なんとブレイクダンス!火のついた箇所を床にこすり付けるために咄嗟に出た思いがけない行動だった。 でかい頭を床につけてぐるぐると回ったり、片手で倒立してみたり。普通のれみりゃの身体能力では考えられないことをやってのけた。 心を揺さぶる激しいビート。皆の注目を一挙に集める衝撃のシャウト。そして、魂が燃え上がるようなアツいブレイクダンス。 真夜中のファイアダンスパーティーは間違いなく彼女達が主役であった。 命の灯火が消えるまで、彼女達はその演目をやめないだろう。 1階や2階から聞こえる悲鳴でようやく目を覚ます母れみりゃ。窓から外を見てみると見事にお庭が赤く燃えている。 窓を開けて逃げようとするもなぜか窓は開かない。窓と格闘しているうち、子供達の安否が気になり、 鬼のような形相で3階に向かう。 「おちびちゃぁぁぁぁぁん!!!だいじょうぶだどぉぉぉぉ?!?!?!」 「「「まんまぁぁぁぁ!!!!」」」 なにやら数が少ないようだが、いち、に、さん、で自分をあわせたらたくさん!よし全員いるという形で納得した。 寝室には既に火の手が回っている。そして窓は何故か開かない。となるととる行動は・・・ 「おちびちゃん!ゆうぎしつににげるんだどー!!!」 「「「わかったんだどー」」」 こうまかんの最奥部にある遊戯室。あそこなら広いし、ゆっくりできるに違いない。れみりゃ達はそう信じて疑わなかった。 寝室を飛び出て、遊戯室へと向かうれみりゃ達。廊下は既に燃え上がっている。火に触れないように必死に走る。 一匹のれみりゃが、廊下に落ちていた積み木につまづいてしまう。頭から地面へダイブしたためビービーうるさくないている。 子供の異常を感じ取った母れみりゃは、転んだ子れみりゃの元へ寄っていくが、それを遮るかのように、天井が崩れ落ちて、 子れみりゃは一瞬で業火に包まれた。 「あづぃどぉぉぉっぉぉぉ!!!!!!!!!!!」 慟哭が響き渡る。ゴウゴウと子れみりゃは激しく燃える。 「ま゛ん゛ま゛ぁぁぁぁぁだずげでぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」 「お゛ぢびぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!」 愛するわが子の名を呼ぶものの、恐怖のあまり一歩も動くことが出来ない。 「あ゛づい゛どぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」 「お゛ぢびぢゃぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!」 「だじゅげでぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!」 「お゛ぢびぢゃぁぁぁぁぁぁん!!!!!!!!!」 結局母れみりゃは子れみりゃが炭になっても動こうとしなかった。 「う゛・・う゛ー!!!」 気を取り直して、遊戯室へなんとかたどり着いたれみりゃたち。 しかし、遊戯室もまた、火の海と化していた。 呆然とする母れみりゃ。あっという間に炎に囲まれていく。さっきの子れみりゃの無残な死を目の当たりにしたせいか、恐怖はピークに達していた。 「ぼうぼうさんこわいどぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 そこには、強き母の姿もなければ、立派なかりすまの姿もなかった。あるのは無様にしーしーを撒き散らす、惨めな豚饅頭があるのみだった。 「ぐるなぁぁぁぁ!!!ぐるなぁぁぁぁ!!!」 だがしかし、惨めな姿を晒してでも生きようとするれみりゃの姿にゆっくりの女神が微笑んだのだろうか? スプリンクラーのごとく撒き散らしたしーしーが、母れみりゃを覆っていた炎を見事消し去ったのである。 その一部始終を見ていた子れみりゃ達から歓声が沸きあがる。 「まんましゅごいんだどー!!!」 「かりすまかっこいいんだどー!!!」 「それほどでもあるんだど~♪」 先ほどの悲劇でお通夜モードだったれみりゃたちも母れみりゃの活躍で一気に元気を取り戻す。 「うっうー!れみぃもまんまみたいにかりすまなしょうかをするんだどー!!!」 「うっうー!おちびちゃんもがんばるんだどー!!!」 小さなドロワースを脱ぎ、燃え盛る炎にしーしー穴を向ける1匹の子れみりゃ。 「3、2、1・・・はっしゃだどー!!!」プッシャァァァァ!!!! ダムが決壊したかの如く勢い良く放たれる子れみりゃのしーしー。 「うっうー!!れみぃのしーしーはなにもかもをけしさるさいきょうのしーしーなんだどぉ~!」 炎なんか怖くない。火事なんてもうへっちゃらだと思っているれみりゃ一家。しかし、たかが小水で危機が去るのであれば、人類は火事なんて恐れない。 「うっうー!!!」グシャァ・・・ 下半身丸出しの子れみりゃに向かって、天井が落ちてきた。下品な振る舞いをしたれみりゃに天罰が下ったみたいだ。 ちょうど下半身だけ瓦礫に埋まっている。調子に乗って下半身丸出しになったことが仇となり、守るもののない柔肌を炎と瓦礫が蹂躙した。 「うぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」 「おちびちゃぁぁぁん!!!がんばってでてくるんだどぉぉぉ!!!」 「ま゛ん゛ま゛ぁぁぁぁぁぁだずけでぇぇぇぇぇ!!!!!!!!」 子れみりゃの声にハッと我に返るれみりゃ。そうだ、わが子を助けなければ。 燃え盛る炎への恐怖になんとか打ち勝ち、子れみりゃの手を握る。まずは瓦礫から抜け出さないと・・・ 「まんまがここからだしてあげるんだどー!!!もうすこしのしんぼうだどー!!!」 「ま゛ん゛ま゛ぁぁぁぁ!!!ま゛ん゛ま゛ぁぁぁぁ!!!」 両手をしっかりと握り、全身の力を使い子れみりゃを引き上げる。 「んぎぎぎっぃぃぃぃ!!!!!」 「い゛だい゛どぉぉぉ!!!!ま゛んま゛ぁぁぢぎれるんだどぉぉぉぉ!!!!」ミチッ 「んぎぎぅぅぅぅぉぉ!!!!!」 「ざげるんだどぉぉぉぉ!!!ま゛っでぇぇぇぇぇ!!!!!」プチプチ 「う゛ぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」ビリビリビリビリビリ!!! 「だっどおぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!」ブンッッ!!! 危険を顧みず、我が子のために命がけで頑張る立派な母親。母れみりゃは、子れみりゃを瓦礫の中から取り出せたことで、完全に自信を取り戻していた。 自分はかりすまだから。自分はえれがんとだから。そんな自分のおちびちゃんは救われてとうっぜんっだと・・・。 しかし、掲げあげた子れみりゃの姿をまじまじと見つめた時、残酷な現実に直面する。 「う゛・・・ま゛ん゛ま゛・・・。れ゛み゛ぃのあ゛ん゛よ゛どう゛な゛っでる゛ん゛だどぉぉぉぉ・・・。い゛だい゛どぉぉぉ・・・」 助け出した子れみりゃの下半身が存在しなかった。華麗なダンスを踊るはずの腰の部分からは多量の肉餡がこぼれだしている。 目の焦点もあっていない。おべべはボロボロ。髪の毛はぐじゃぐじゃで、所々溶けて異臭を放っている。瀕死だ。おそらく助からない。 ありえない。 「ま゛ん゛ま゛・・・。い゛だい゛どぉぉぉ・・・」 うそだ。だっておちびちゃんはれみぃの子。こんな目に遭うはずがない。 「ぐる゛じい゛んだどぉぉぉぉ・・・・」 かりすまでえれがんとな最強の捕食種の子。こんなに惨めなはずがない。 「だずげでぇぇぇぇ・・・・」 幻だ。かりすまを惑わす恥知らずな幻はこの手で葬り去ってしまおうか。 嫌な幻は・・・ 「ぜーーーーーーーんぶ、ぽーいっするどぉ♪」ブンッ 「う゛ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!」 真っ赤に燃える炎から命からがら助かったと思ったら、親愛なる母の手によって再び業火の中に放りこまれるれみりゃ。 体力のほとんど残っていない、その身体ではもはやわが身を守る術もなく、あっという間に焼けていった。 「うー。いいことしたどー!」 よい事をした。そう思っているのは錯乱している母れみりゃただ一人である。 「う゛あぁぁぁぁぁぁ!!!ま゛ん゛ま゛がこごろ゛じじだどぉぉぉぉ!!!」 「う゛!?おちびちゃんちがうんだどー!!!あれはまぼろしなんだどぉー!」 違う、自分は悪くない。そう言いたげなれみりゃは、子れみりゃを説得しようと近づいていく。 わが子を手にかけておいて、幻と言い張る母れみりゃに対して、子れみりゃは疑いを超えて恐怖を抱いていた。 廊下では、救助に向かうこともなくただ、命が消える瞬間を眺めていただけであった。 遊戯室では、助ける振りをして、下半身を引きちぎっただけではなく、燃え盛る炎の中に我が子を意気揚々と投げていた。 今、母親は肉汁だらけの手をかざして、自分の元へ近づいてきている。そうした一連の行動を踏まえ、子れみりゃの出した結論は・・・ 「ぐるなぁぁぁぁぁ!!!!!!!ごろざれるぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」 「うー!?おちびちゃんおちつくんだどぉぉぉ!!!まんまはそんなことしないんだどー!!!」 「ぐるなぁぁぁぁぁ!!!!!!!お゛に゛ぃぃぃ!!!あ゛ぐま゛ぁぁぁぁ!!!!!!」 捕まったら殺される。子れみりゃは燃え上がる遊戯室のなかを全力で駆け回った。慌てて母れみりゃはそれを追う。 成体れみりゃと子れみりゃでは体格が全くといっていいほど異なる。普通であれば、程なくして母れみりゃが子れみりゃを捕まえるはずであった。 しかし、炎の中の鬼ごっこはなかなか終わらない。子れみりゃは己の限界まで気力を振り絞って、母れみりゃから逃げていた。 「おちびちゃん、まつんだどー!!!こんなところではしったらあぶないんだどー!!!」 「ごろざれるんだどぉぉぉ!!!ぐる゛な゛ぁぁぁぁぁ!!!よ゛る゛な゛ぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 熱いのも気にせず必死で逃げる子れみりゃ。母れみりゃは後を追うので精一杯である。 そうこうしている間にもこうまかんは燃える。もうすぐ崩れ始めるだろう。ほら、子れみりゃの上に天井が落下してくる。 「う・・・?う゛ぁぁぁぁぁぁ!!!!」グォォォ 「おちびぢゃぁぁぁん!!!!!!」ダッ 母れみりゃは無我夢中だった。もう、これ以上おちびちゃんを傷つけたくない。 かりすまでも、えれがんとでもなくてもいいから、おちびちゃんを守りたい。自然と体が動いた。 ドンガラガッシャァァン 子れみりゃを覆う形で母れみりゃが落下してきた天井の瓦礫を浴びた。おべべは燃え上がり、瓦礫の衝撃で中枢餡の近くを損傷した。 言語を司る部分を傷つけたようで、ろくに喋ることもできなくなった母れみりゃ。それでも我が子を守れたと安堵していた。しかし・・・、 ドスッ 瓦礫の破片が、母れみりゃの眼球に刺さる。いや、瓦礫の破片を母れみりゃに突き立てた・・・子れみりゃが。 「こごろ゛じがぁぁぁぁぁじぬ゛んだどぉぉぉぉ!!!!」 眼球を傷つけられたことで、張り詰めていた緊張が、我が子に傷つけられたことで、信じてきた絆が、脆く虚しく崩れていく・・・。 「お・・・・ぢ・・・・・・・じゃ・・・・」ガクッ こうして、我が子を火の手から守るようにして、母れみりゃは死んでいった。しかしその死に顔は決して晴れたものではない・・・。 母れみりゃの死体の脇から何とか這いずり出る子れみりゃ。その顔は親殺しをしたにしては実に満足そうである。 「こごろしのくそばばあはせいっさいっしたんだどー!つぎは、めざわりなひさんをせいっさいっするんだどー!」 同属殺しを行ったことで元々尊大であった子れみりゃの自尊心はますます肥大していった。体だけでなく彼女達は心も肥やす。 「れみぃのえれがんとなしーしーでせいっさいっしてやるんだどー!」 お得意の尻振りダンスをしながら、ドロワースを脱いでいくれみりゃ。 ドロワースをそこら辺にぽーいっ!して、しーしーの構えを取った瞬間、地面が軽くなるのを感じた。 子れみりゃは飛ぶことが出来る。しかし、こうまかんの天井はそこまで高くないので、飛ぶという習慣は存在していない。 だから、久しぶりであった。つい、言ってしまった。いつも自分達が食べているあまあまのように。能天気に、死を直視するのを避けるために。 火災によって、床が抜け落ちた。3階の床は、2階のダンスホールで踊っている3匹を押し潰した。 それでも勢いが止まらず、2階の床は抜け落ちて、1階の食糧庫で、必死に飛んでいる満身創痍の子れみりゃを叩き潰した。 浮遊感に気をとられ、一切飛ぼうとしなかった、遊戯室にいたれみりゃは、 「おそらをとんでいるみたいなんだどー!!!」 といいながら、目を輝かせ、空中を回転しながらしーしーを撒き散らして、3階から1階までのひもなしバンジーを楽しんでいた。 一階の瓦礫の山の上には、肉饅頭の汚らしい肉汁がボタボタと滴っている。 もう間もなく、こうまかんは全て崩れ落ちるだろう。 幸せなれみりゃ一家の思い出も全て灰へと消えてしまった・・・。 <おまけ> 「どうだい?なかなか見ものだっただろう?」 「うーん・・・。確かに豆れみりゃじゃないとこういうのは見れないっすね」 「そうだね。普通のれみりゃで三階建てのお家なんて余程なことがないとつくらないだろうからね。」 「へー。でも、透明な箱にシルバ○アファミリーがくっついた商品なんてあるんすね」 「いや、これはペットショップの商品じゃなくて、立派な実験キットなんだよ。だって大学のごみステーションから拝借したものだし・・・」 「あら、こんなんが実験器具なんすねー。まぁ人間の手を介さずに生活できるように作られてるっぽいから納得はできるっす。 ところで、この豆さくやはどうしたんすか?」 「ゆっくり学科の備品さ。教授に許可さえ貰ったら借りられる。豆さくやなんて珍しいゆっくりを自由に貸し出してくれるなんて、他の学科じゃありえないぞ」 「さくやはきしょうしゅらしいです。きしょうしゅってしょうしゃなひびきです!」 「他の学科はゆっくりの貸し出しなんてしてないっす。あと父れみりゃと、かくれんぼの時にいなくなった子れみりゃはどこに行ったんっすか?」 「あー・・・。父れみりゃは、俺がこのキットに豆れみりゃ一家を入れている最中に、とある捕食種のおねえさんに食べられました。」 「それって・・・」 「で、子れみりゃの方は、俺の胸ポケットのなかに。ほれ。綿とかで包んでやるとこいつらって結構長い間寝ていられるんだ。」 「わぁ、さっきまでの醜い争いをしていた奴等と家族とは思えないほど健やかな寝顔っすね」 「はは・・・。かくれんぼでズルして外にでようとしたやつだけが生き残るなんて皮肉な話だね・・・。」 「ふふふ・・・。二人とも。暇だったら鍋の準備をして欲しいわ。うふふふ。」 「あ、れてぃさん。この豆れみりゃかわいいと思わないっすか?ほらほら!?」 「あら、その子ちょっと貸してくれないかしら」 「いいですよ。はい。」 ヒョイ、パクッ・・・ムシャムシャ 「ちょっと塩味が足りないわ。ふふふ」 「・・・」 「・・・」 「「さすが捕食種」」 <あとがき> 前作で頂いた感想※のなかに館モノというネタがあったのでパク・・・インスパイアさせて頂きました。 見ていないようで実は見ているのです。面白そうなネタがあったら使います。 本文のほうはいかがだったでしょうか? 完成しての感想なのですが、豆れみりゃという題材を十分に生かすのは結構難しいなぁと感じています。 普通のれみりゃで出来ることはやらないし、基本種の豆ゆっくりで出来ることでも物足りない。といった感じでしょうか? あと自分の作品の中では珍しく地の分を多用しております。正直独白のほうが書きやすかったです。 長めのSSが続いているので、次は短編を書きたいところです。 というか、ゆくドナルド3が泣きたいくらい進まない。れてぃさんが動いてくれない。 4月上旬中にもう1つくらいSSをあげられたらいいなぁって思ってます。 最後に読んでくださってありがとうございました。 以上、ゆっくりとの楽しい学生生活を描くドナルドあきでした。 過去作 ふたば系ゆっくりいじめ 948 ゆくドナルド ふたば系ゆっくりいじめ 1045 ゆくドナルド2 ふたば系ゆっくりいじめ 1182 れいむと・・・
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/3800.html
※オリジナル生物あり ※脳内設定の垂れ流し ※筆者は植物の専門家ではありません ※生物学的に間違ってても気にしない ==生命の神秘 環境に適応する植物== ==「食ゆ植物」== ようこそ、生き物の神秘の世界へ。 さてさて、幻想郷にもかつて『人食い花』つまりは食人植物が各地に生育していたものです。 女性の姿に似た花を咲かせ男性を誘っては食べてしまうものや、 根っこで器用に歩き、自分から獲物を見つけるもの、 幻惑効果のある花粉を使う、根っこを足に絡め地面に引きずり込む、 ありとあらゆる方法で人を食べては増えていきました。 しかし、人は学習する生き物です。 それらの危険な植物は見つけ次第即焼却されたり 生育区域を立ち入り禁止にしたりして対策を施し、 食人植物の数は見る見るうちに減ってしまいました。 魔法の森には今でもそれらが何らかの方法で生きながらえていると言われていますが ふつうの森や林で見かけることはもうありません。 しかし、環境の変化にうまく対応し進化して繁栄している種もあります。 人間を獲物にすることを諦め、代わりに別の生物を獲物にした植物です。 その生物は何か? ゆっくりです。 生首饅頭ゆっくりは生物の進化からそれた謎の生物です。 しかし、ゆっくりは今や野生生物の一つとして、野山に森に平原に、様々なところに生息しています。 このゆっくりを食する『ゆっくり食い植物』、縮めて食ゆ植物が何種類か確認されています。 それらの食ゆ植物を捕食の事例を含めて説明していきましょう。 ~ケース1~ 「ゆ~ゆ~ゆっきゅり~」 森の中を一匹の赤ちゃんゆっくりがのんきに歌を歌いながら跳ねています。 黒いとんがり帽子からまりさ種とわかります。 おそらく親の言いつけを守らず、家から出てきてしまったのでしょう。 「ゆ!いいにおいがすりゅよ!」 辺りから漂ってきた甘い香りに、赤まりさは目を輝かせました。 前に親がとってきた蜂蜜の臭いに似ていたので、またあの甘くおいしいものにありつけると思ったのでしょう。 「こっちかりゃにおいがするにぇ!」 臭いをたどり甘いものを探す赤まりさ。 頭の中はあまあまのことでいっぱいです。 「あみゃあみゃ!あみゃあみゃ!」 行った先には甘い汁が細い水たまりを作っていました。 下を地面に押しつけながら甘い汁をたどります。 「ぺーりょぺーりょしあわしぇー!」 赤まりさは幸せでした。 姉妹が多いせいで分け前が少なく、たまに食べられる甘いものもあまり多く食べることができなかったので独り占めできることが嬉しいのです。 まりさは家を出てよかったと思いました。 親は「そとにはあぶないものがいっぱいあるんだよ!」 と言って巣から外に出してくれなかったが、 実際に出てみると危ないものなど全く無く、むしろおいしいあまあまをいっぱい食べれる素晴らしいところだとわかったからです。 そう、この時までは。 赤まりさはなめるのに夢中で気づいていませんでした。 いつの間にか自分が緑色の筒のようなものの中に入ってしまっていることを。 パコン 「ゆ?」 ググ~ッ 「ゆゆゆー!?」 いきなり筒の入り口が閉じ、入り口が持ち上がる形で徐々に縦に傾いていきました。 そして完全に縦になり、外から見たらUのような形にたった頃に、赤まりさは出られないことに気づきました。 「ゆっ!ゆっ!どうしちぇ!?どうしちぇでりゃれにゃいにょおおおお!!!?」 遙か上にある入り口に向かってジャンプしますが届くことはありません。 赤まりさは緑色の縦穴から出られなくなりました、が 「ぺーりょぺーりょしあわちぇー!」 足下の甘い汁をなめているうちに忘れてしまいました。 しかし、だんだん汁から甘さが感じられなくなり むしろ舌にピリピリとした痛みが伝わってきました。 「ぴりぴりすりゅよ!ゆっきゅりできにゃいよ!」 はじめはのんきにブー垂れていましたが、徐々にそんな余裕もなくなってきました。 「いちゃい!あちがいちゃいよー!」 足というか底部が痛くなってきました。 赤まりさは知らなかったのですが、このときすでに甘い汁はゆっくりの皮を溶かす消化液になっていたのです。 「ああああああああ!!!!まりじゃのあじぎゃあああああ!!!!」 少しずつ溶かされなくなっていく足から来る激痛に悲鳴を上げる赤まりさ。 「ぴぎいいいいいぃぃぃ!!ぴぎいいいいいぃぃぃ!」 足が完全に溶かされ、内蔵である餡子に消化液が染み込み激痛が走ります。 「おきゃーじゃんおきゃーじゃんたしゅけじぇえええ!!!」 親を呼びますが来るはずありません。 余談ですがこの赤まりさは他の姉妹が昼寝をしいるうえ、親が狩りをして居ないときにこっそり出てきたので 赤まりさが家を出たことは誰も知らず、 帰ってきた親は「すこしおうちがひろくなった」くらいの違和感しか感じていませんでした。 「ゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っゆ゛っ!」 体の半分以上が溶け痙攣モードに入った赤まりさ。 もう助かることはないでしょう。 このまま溶かされ、新しいゆっくりをおびき出す甘い汁となるのです。 この植物は「ユトリソウ」(学名 マンジュウウツボカズラ)と呼ばれる、 この世で最初に見つかった食ゆ植物です。 甘い蜜でウツボのような花の中にゆっくりを誘い込み、 捕らえた後で花の中で消化液を分泌し、ゆっくりを溶かし栄養分として吸収することで成長します。 そして溶かしたゆっくりの一部を外に排出することで、新たなゆっくりをおびき寄せるのです。 消化液は人間には無害で、 香りの良さと、ゆっくりを撃退できるという特徴から、 ゆっくりを飼っていない一般家庭の庭先や農家の田畑の入り口に等に栽培されているのをよく見ることができます。 また、その名前からゆとりのある生活を送れるようにと願いを込めて 就職祝いや入学祝いなどにこのユトリソウを送る風習のある地域もあります。 成体ゆっくりの大きさに合わせているためにウツボ状の花が少し大きいのがネックですが、 慣れれば気にならない程度の大きさな上、手をかけずにゆっくりを撃退できるのでいろんなところで大変重宝されています。 ~ケース2~ 「ああああああ!でいぶのあんごずわないでええええ!!」 「うっうー☆うまうまー!」 「うーうー!」 「うーうー!」 一匹の成体れいむが三匹のれみりゃ一家に餡子を吸われています。 この一家、子供が成長してきたので狩りの練習にと成体に近い二匹を連れてきたようです。 親の胴付きれみりゃが一匹、子の胴無しが二匹です。 このれいむは運悪く親れみりゃのお手本に使われたのでしょう。 「ぽーいだどぉー」 完全に抜け殻となったれいむの死骸を放り捨てた親れみりゃ。 「うっうー☆うあうあ!」 お得意ののうさつだんすを決めポーズまできれいに決めた親れみりゃは、今度は子供の実践用にと次の獲物を探しました。 「みーつけたどぉー!」 逆さまになっているゆっくりを見つけた親れみりゃは子供に位置を教えます。 「あそこーにひっくりーかえったあまあまがあるどー!おぜーうさまのこどもならかんたんにできるどぉー!」 「うー!」 「うーうー!」 ここで見つけたのがふつうのゆっくりならば、 子れみりゃがゆっくりを捕まえることができて、これから大人になるにかけて必要な狩りの良い練習になったでしょう。 しかしこのれみりゃ達が見つけたひっくり返った見た目こそはゆっくりはゆっくりれいむの形をしてはいますが表情はまるで凍り付いたように無表情な上、 ゆっくりのものとは思えない緑色の肌をしていました。 しかし見た目だけで判断するれみりゃの餡子脳は、そんなことは気にしません。 「うーうー!」 親がやったときと同じようにスピードをつけてゆっくりに飛びつく子れみりゃ。 しかしふれたと思った瞬間、ゆっくりの顔が真ん中からXの字に四つにガバッと割れ、そのまま子れみりゃは割れ目の中に飲み込まれてしまいました。 「ぅーぅー・・・」 そしてそのまま声もしなくなってしまいました。 「うー?れみりゃのあかちゃんきえたどぉー?」 「うー?」 しかし獲物のゆっくりの顔が割れてから子れみりゃが飲み込まれるまではかなり早く、 胴体視力の優れていないれみりゃたちにはまるで子れみりゃがパッと一瞬で消えてしまったように見えました。 「うー!」 自分の番が来たと思った残った子れみりゃは、先ほどの光景から速く近づくと失敗すると思い、ゆっくりと獲物に近づくことにしました。 親れみりゃは子供がどこに行ったのか突き止めるため、 ゆっくりとゆっくりに近づく子れみりゃを凝視しています。 くぱぁ 「う?」 バクン 「う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛-----!!?」 「う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛でびり゛ゃの゛あ゛がぢゃんがあ゛あ゛あ゛あ゛!!」 今度はしっかりと親れみりゃも子れみりゃが飲み込まれる瞬間を視認することができました。 そして子供があのゆっくりに食べられたことも理解しました。 「でびり゛ゃの゛あ゛がぢゃんがえ゛ぜ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 親れみりゃは怒り狂い子供を二匹とも食べたゆっくりに飛びかかりました、が バクンッ 「む゛ぐーむ゛ぐー!!?」 頭を食いつかれてしまいました。 外に出たぶら下がった胴がはなせとばかりにじたばたともがきますが 食いついた緑色のゆっくりは親れみりゃの頭をはなしません。 そして・・・ プチッ という軽いな音とともに胴がボトリと落ち、しばらく震えた後、動かなくなりました。 後には残された胴と、緑色のゆっくりのようなものだけが残っていました。 みなさんはもうおわかりでしょうが、 この緑色のゆっくりはゆっくりではありません。 このゆっくりのようなものは実は 「ユックリカブリ」(学名 マンジュウモドキカブリ)という食ゆ植物の花なのです。 この食ゆ植物はゆっくりのような見た目の花を咲かせ、花に近づくゆっくりを捕食種被捕食種関係なく強い顎のついた器官を利用し飲み込んだあと、 地下に埋まっている根の様な太い器官にため込み、圧力で飲み込んだゆっくりをつぶして中身を栄養にすることで成長します。 花の部分はれいむ形の他にまりさ形やありす形など、 様々なゆっくりの形をなすといわれています。 また、めーりん形はゲスなゆっくりがよく餌食になるため、 「ゲスガブリ」とも呼ばれております。 ただ、飲み込む際の一連の動作が不気味なうえ、深い土に植えないと育たないので観賞用としては向いていませんが 根のような太い器官(正式名称 消化管)はゆっくりの中身がペースト状の液体でため込まれており、 中身が大変美味なため野菜の一つとして栽培している農家もあるといいます。 いかがでしたでしょうか? 食ゆ植物はここで紹介した以外にもまだ多くの種類があります。 進化という生物史の重要な部分を垣間見ることのできる食ゆ植物は、 まるで生命の神秘を教えてくれるようです。 それでは、 また機会があれば、不思議がいっぱいの食ゆ植物の世界へとあなたを案内しましょう。 シーユーアゲイン。 ==生命の神秘 環境に適応する植物== ==「食ゆ植物」== 制作 GHK(幻想郷放送協会) ー終ー ~あとがき~ 一日一本三日で五本。 アサシンの人です。 今回は長い間抱えていた食ゆ植物ネタを書いてみました。 ちなみに自分は物理選択です。 なんか教育ビデオのような感じで進めてみましたがいかがでいたか? 小学校の頃とか理科の時間によくNHK教育の番組を見せられていましたがみなさんはどうでしたか? ああいうことが中学からできないのは惜しいと思います。 高校に至っては実験すらしないなんて(つA`)クソー というか俺って人が直接手を下す虐待書いたことないな。 スゲェ! 〔執筆履歴〕 「ゆっくり兵」 「ゆっくり焼き串」 「アサシンゆっくり2 お兄さん虐め編」 「ゆっくり護身術」 「ゆっくりになった男1」 「ゆっくりになった男2」 「ドスのいる村」 byアサシンの人
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/232.html
すっかり日も暮れ、夜行性の動物たちが活動を始める時間となった幻想郷の森。その中 から、今日もゆっくり達の悲鳴が聞こえてくる。 「……うー! うー!」 「や゛め゛て゛え゛え゛え! ゆ゛っぐりざぜでえ゛え゛え゛え!」 四匹のゆっくり達が、まだ体の生えていないゆっくりれみりゃから逃れようと、必死の 形相で飛び跳ねているのだった。目を覚ましたばかりで空腹のれみりゃは、獲物をいたぶ るような真似はしない。懸命にぴょんぴょん逃げる二匹ずつのゆっくりれいむとゆっくり まりさにあっという間に追いつくと、一気に急降下して最後尾にいたれいむの後頭部にが ぶりと噛み付いた。 「ゆっ、ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁっ! やめでやめではな゛じでえ゛っ、ゆ゛っぐ りざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛っ!!!」 両目を剥き、涎を飛ばしながら絶叫するゆっくりれいむ。それを聞いた他の三匹は、愚 かにも、もしくは立派なことに、足を止めて後ろを振り返る。三匹の目に映ったのは、満 面の笑みを浮かべながら獲物に牙を突き立てるゆっくりれみりゃと、牙が皮を貫く痛みに 震えるゆっくりれいむの姿だった。 「は、はなしてね!」 「ゆっくりやめてってね!」 「ゆっくりできないよ、ゆっくりさせてね!」 三匹が抗議の声を上げる。本当ならばすぐにでも助けてやりたいが、全員でかかっていっ たところで、単に全滅が早まるだけ。だがそれでも、これまでずっと一緒にゆっくりし てきた仲間は見捨てられない。三匹にできるのは、こうして叫び続けることだけだった。 そんな三匹の苦悩などどこ吹く風、ゆっくりれみりゃは自らの空腹を満たすため、ゆっ くりれいむに噛り付く牙に力をこめた。 「いだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛い゛い゛いぃぃぃぃ!! あああ゛あ゛あ゛ あ゛っ゛!!!」 れいむの皮に突き立った牙が餡子に到達し、その中に潜り込んで容赦なく進んでいく。 れいむの絶叫が夜の森に響く中、れみりゃはそんなものお構い無しに食事を続ける。 「ゆああ゛あ゛っゆっがっあっあっあっあっああ゛あ゛っ゛っ゛っ゛!!!!」 ついに、れいむの体はれみりゃによって噛み千切られた。れみりゃの牙が餡子の中心に 達したとき、れいむの体は飛び跳ねんばかりに大きく痙攣した。その光景に、残された三 匹の声も止まる。六つの眼に映るのは、体の四分の一以上を噛み千切られ痙攣を続ける仲 間の姿と、その四分の一を口一杯にほおばり幸せそうに咀嚼している捕食者だった。 「……ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 体の一部を欠き、白目を剥いて、涙と涎でぐちゃぐちゃになったれいむの口から、体の 痙攣にあわせてそんな泣き声ともつかぬ音が断続的に漏れていた。一方、れみりゃは満足 そうな顔で口の中のものを飲み込むと、残った餌を食べようと再びその口を開き、れいむ へと噛み付いた。れいむの顔の内、口より上の部分がすっぽりと、れみりゃの口の中に納 まった。 「ゆうっあっ、がっ゛っ!!!」 ろくな叫び声を挙げる暇もなく顔を噛み切られると、残ったれいむの体からは力が失わ れ、そのまま動かなくなった。仲間の身に降りかかった惨事に言葉を失っていた三匹のゆ っくりも、その死を目の当たりにして再び声を上げ始めた。ただし、今上げるのは抗議の 声ではなく、仲間の無残な死を嘆く声だ。 「れいむう゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ!」 「どおじでえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ!!」 「もっどゆっぐりじだがっだよお゛お゛お゛お゛お゛!!」 三匹の悲痛な叫びが周囲を満たす。しかし、三匹とずっと一緒にゆっくりしてきた仲間 は、その叫びを聞いても、もう何も言ってはくれなかった。それが悲しくて、叫びは更に 高まる。 「……うー!」 場違いに楽しそうな声が上がり、唐突に叫び声が止まる。あまりの出来事に忘れていた。 今自分達は、危険な捕食者の前にいることを。気付かなかった。哀れなれいむを食い散ら かしたれみりゃが、次の獲物に狙いを定めていることに。思い付かなかった。逃げ出すこ となど。 「いっ、いや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!! ゆっぐりざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛ え゛!!!」 ついさっきまで仲間だったものに背を向け、三匹は全力で駆け出した。死にたくない。 もっとゆっくりしていたい。仲間の死に様が更なる恐怖を駆り立て、三匹を追い立てる。 「ゆっ!」 二匹いるゆっくりまりさの内の片方が、木の根に引っかかった。あっと思う間もなく、 そのまま顔から地面に転がる。真っ白になったまりさの頭の中に絶望が襲い掛かるよりも 早く、れみりゃの牙が二匹目の獲物を捉えた。 「……ゆううううう゛う゛う゛う゛っ゛!!!」 まりさの絶叫に、残りの二匹が思わず振り返る。しかし、先程と違って何やらまごつい ている様子だ。このまま逃げる足を止めてしまえば、また同じことの繰り返しになるとい うのが、ゆっくりの頭でも分かっているのだろう。だが、 「だっだずげで!!! だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ……」 助けを求める仲間の声が、二匹を逃がしてはくれなかった。恐怖と友情の板ばさみの中、 喰われ行くまりさを見つめながら、二匹はみんなでゆっくりできた頃のことを思い出して いた。四匹でずっと一緒にゆっくりしてきた。ずっと一緒にゆっくりしていけるのだと思っ ていた。悔しかった。無力な自分たちが惨めでたまらなかった。もう声も出ない。代わり に涙があふれて止まらなかった。 二匹目の餌が動かなくなると、れみりゃは更なる獲物を求めて飛び上がった。そのまま、 何かを諦めてしまって動かなくなった二匹のゆっくりへと飛び掛る。二匹はそれを避けよ うとはしなかった。 「うー! うーぐえっ!?」 と、突然妙な声が上がった。思わず二匹が顔を上げると、そこにはれみりゃではなく、 もっともっと大きな影があった。突然の乱入者に涙も止まる。 そこにいたのは人間だった。片足を、今まさに何かを蹴り上げたかのように上げたまま の、一人の人間だった。二匹がそれを呆然と見上げていると、 「……う゛あ゛あ゛あ゛っ!! いだぁいよお゛お゛お゛お゛お゛!!!」 ちょうど上がったままの人間の脚が向いている方から、こんな泣き声が聞こえてきた。 見れば、れみりゃが地面に転がって泣き叫んでいる。呆然とする二匹には目もくれず、人 間は上がったままだった足を下ろすと、れみりゃへと歩み寄っていった。 「う゛っ? うー! だべぢゃうぞー!!」 目の前にまで近づいた人間に対し、泣きながらも威嚇をするれみりゃ。しかし人間はそ れを完全に無視してれみりゃの前にしゃがみこむと、無言でその脳天に手刀を叩き込んだ。 手刀と地面にはさまれたれみりゃは短い悲鳴を上げると、そのまま気絶した。 動かなくなったれみりゃの羽をつまみあげ、人間は残された二匹のゆっくりの方へと振 り向き、初めて口を開いた。 「……大丈夫か?」 れいむとまりさは床の上で身を寄せ合っていた。二匹とも疲れ切った表情で部屋の隅っ こにうずくまったまま、床の一点を見つめたまま動かない。魂が抜けてしまったかのよう だ。憔悴しきっていたが、先程のショックのせいで眠ることなどできないようだった。 がらり、と戸の開く音がして、二匹は緩慢に顔を上げる。そこにいたのは先程の人間だっ た。その人間が、二匹を食い殺そうとしていたれみりゃを叩きのめし、家に連れ帰ってく れたのだ。 彼は二匹の前にやって来ると、手に持っていた皿を床に置いた。そこにあったのは二つ のおにぎり。 「……ほれ、食え」 ぶっきらぼうにそう言い放ち、皿を差し出した。二匹は人間の顔を見、差し出されたお にぎりを見て、のそりのそりと動き出し、皿の上に乗っかっておにぎりに噛り付いた。 それは具も入っていなければ海苔もまかれていないただの塩おにぎりだったが、人の食 事を初めて口にした二匹にとっては、格別のご馳走だった。最初はぼそぼそと覇気の感じ られない食べ方だったが、一口、また一口とかじりつく度に、二匹に活力が戻ってくるよ うだった。二匹は飲み込むごとに元気を取り戻していった。疲れ切った頭が回り始め、一 度は折れた心も徐々に立ち直っていく。 だからこそ不意に、 ―――いだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛い゛い゛いぃぃぃぃ!! ―――だっだずげで!!! だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ…… 仲間の断末魔が脳裏をよぎってしまう。 半分ほど食べ終えたあたりで、二匹は唐突におにぎりに噛り付くのを止めた。人心地つ いたせいで、かえって先程の悲劇を思い出してしまうのだった。 二匹は皿の上で震え始め、こらえ切れないというようにぼろぼろと涙をこぼす。四匹は 兄弟ではなかったが、生まれてすぐの頃からずっと一緒にゆっくり過ごしてきた親友だっ た。……だった。過去形の話だ。その内の二匹は、すでに物言わぬ饅頭になってしまった。 れみりゃの牙に噛み千切られ、無残に変わり果てた親友の姿が頭から離れない。死ぬ間際 の叫びが耳に残ったままだ。 「……ゆっ、ゆっ……」 「れいむぅ……まりざあぁぁ……」 いつも通りの元気があれば泣き叫ぶこともできたろうが、今の二匹には親友の死を嘆く ように泣くのが精一杯だった。 そんな二匹の様子を見た人間は、ふらりと立ち上がると部屋を出て行った。程無くして 戻ってきた人間は、箱を一つ抱えていた。そのまま食べかけのおにぎりの前で泣き続ける 二匹の前に、その箱を置く。二匹の注意を引くように、わざと大きな音を立てて。二匹は 突然の音にびくりと震え、顔を上げる。涙でにじんだ視界に映るのは、透明な箱に収まっ たれみりゃだった。 『……ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っっ!!!』 ガチャガチャン! と、思わず後ずさりした二匹は皿から転げ落ちた。後頭部を床にぶ つけながらも、必死の形相で再び部屋の隅へと逃げていく。 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! たべないでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「だずげでえ゛え゛え゛! だれかだずけでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛! おがあざああ゛ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛んん!」 親友の死に様で頭が一杯になっていた二匹は、一気に混乱の極みに追い込まれた。今ま でさめざめと泣いていたのが嘘のように泣き叫ぶ。死にたくない。食べられてしまった二 匹のようになりたくない。その思いに囚われた二匹は、目の前に自分たちを助けてくれた 人間がいることも忘れて泣き叫んでいた。しかしながら、いつまで経っても二匹が襲われ ることはない。 「……いやあ゛あ゛あ゛あ゛、ああ、あ?」 そのことに先に気付いたのは、れいむの方だった。襲われないどころか、よく見ればそ もそもれみりゃは動きさえしていなかったし、更によく見れば、どうやら箱の中に閉じ込 められているようだった。 「ゆっ。まりさ、まりさっ」 「……だずげでえ……おがあざぁん……」 「まりさっ!」 親友の喝に、まりさも顔を上げる。そして一足遅れて、現状が認識できたようだった。 二匹はしゃくりあげながら、隅から離れてれみりゃの収まった透明な箱を見つめた。れみ りゃはピクリとも動かない。人間に喰らった手刀によって気絶したままのようだった。 そんなれみりゃを見つめたまま動かない二匹に向けて、人間が口を開いた。 「……お前ら……」 二匹が顔を上げる。人間は二匹の目を交互に見、言った。 「仇を討ちたくないか?」 思いがけない言葉が飛び出てきた。仇を討つ。食べられてしまった親友の仇を、自分た ちが。あのれみりゃに対して、自分たちが。 ……無理だ。 「俺がお前たちを勝たせてやろう」 うなだれる二匹に、人間はそう言い放った。 「やる気があるなら、まず飯を食え」 れみりゃが目を覚ましたとき、目の前には二匹のゆっくりがいた。赤いリボンのゆっく りと黒い帽子のゆっくりが、互いに少し距離を置いて、床の上にいた。それがさっき追い かけていたゆっくりだと気付いた途端、なぜか頭に残っていた鈍痛のことなど綺麗さっぱ り忘れ去り、背中の羽を広げて勢いよく 「うー! たべちゃう゛っ゛!?」 飛び立てなかった。何もないはずの場所で壁にぶつかったれみりゃが感じたのは、痛み よりも混乱であった。そもそも満足に羽根を広げることもできていない。れみりゃはうー うー唸りながら暴れ回る。しかしどれだけ力をこめても事態は好転せず、自分が陥った窮 屈さを実感させられるだけであった。 じたばたもがくれみりゃだったが、突然視界がぐるりと回転した。そのまま床の上に落 ち、転がっていく。これは人間の手によって透明な箱から落とされたから、なのだが、ゆっ くりの中でも一等出来の悪いれみりゃの肉饅脳に分かるはずもない。れみりゃが理解でき たのは、羽を存分に伸ばせるようになったことと、これで目の前のゆっくりを食べられる ということだけだった。 「うー! うー! たぁべちゃぁうぞぉー!!」 自由な身となって宙へと舞い上がったれみりゃは、それはそれは楽しそうに言った。既 に食事は済ませている。今、目の前にいるゆっくりたちは、存分になぶり、いたぶって遊 んでからおやつにしてやろう。 「うー! うー! うー……、う?」 馬鹿の一つ覚えで唸っていた肉饅脳が新たな異変に気付いた。目の前のゆっくりたちが、 自分の威嚇に全く動じていないのだ。普通なら自分の姿を見かけただけで大混乱に陥って 逃げ惑うというのに。これに不満を覚えたれみりゃは、いつもより大きな声で威嚇を始め た。これを怖がらないゆっくりなどいない、と本人は自信満々の威嚇であったが、ゆっく りたちがおびえる様子は微塵もない。それどころかゆっくりにはありえないくらいに険し い面持ちで、こちらを睨み付けているではないか。 「……ううううううっ!!!」 空中から一気に飛び掛る。れみりゃにはゆっくりたちの態度が我慢ならなかった。もう いい、どうせ自分に襲われたら無様に泣き叫んで助けを請うのだから。苛立ちに任せて、 れみりゃは赤いリボンのゆっくりへと襲い掛かった。それでもゆっくりは動かない。逃げ 出すこともせず、自分を更に睨み付けてくる。それがれみりゃの苛立ちを助長した。 繰り返すが、れみりゃの頭は、様々な種類がいるゆっくりたちの中でも一等出来が悪い。 普通の人間であれば、否、普通のゆっくりであってもすぐに気付いたであろう二匹の異 変にも、だから最後まで気付かなかったのだろう。 「うあ゛っ!?」 赤いリボンのゆっくりに気を取られて、もう一匹の存在を忘れていたれみりゃの横っ面 に、そのもう一匹が体当たりをした。黒い帽子のゆっくりはそのまま綺麗に着地し、不意 打ちを喰らったれみりゃは衝撃で床を転がっていく。 自然の世界ではありえない反撃。しかしれみりゃは力ある捕食者であり、相手は所詮、 やわらかい饅頭のゆっくり。森の中を勢いよく飛んでいて木にぶつかったときの方がはる かに痛い。 「……うっ、うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ!!! いだい゛っ゛、いだあ゛あ゛ あ゛あ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛っっっ!!!」 はずだった。本来ならば。 「ぢ、ぢぐっでじだ! ぢぐっでしたあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ あ゛あ゛あ゛!!」 れみりゃが泣き叫んでいるのは、黒い帽子のゆっくりに体当たりされたときの衝撃が思 いのほか大きかったから、ではない。 自分の皮に何かが突き刺さる痛みを、それも一箇所ではなく何箇所にも、味わったから だった。 ――ちくっとした。鋭く尖った小枝ににぶつかってしまったかのような痛みが、体当た りされた頬のあちこちを襲ったのである。予想外の痛みにれみりゃはごろごろと床の上を 転げまわった。 そこへ容赦なく追撃が入る。赤いリボンのゆっくりが、痛みにのた打ち回るれみりゃに またも体当たりを敢行した。 「うぶえ゛っ!?」 痛い痛いと泣き叫ぶことさえ忘れ、不細工な悲鳴を上げるれみりゃ。転げまわることを 中断させられたれみりゃは、改めて、自分のおもちゃになるはずだったゆっくりたちを見 る。そして、出来の悪い肉饅脳がようやっと、ゆっくりたちの体の異変に気が付いた。 とげが、生えている。ゆっくりたちの全身に、鋭いとげが何本も。それが体当たりの際 にれみりゃの皮を突き刺していたのだと、肉饅脳がゆっくり理解する。この痛みの原因は あのとげなのだ。 とげの生えたゆっくりなど、れみりゃは見たことがなかった。あれは食べられるのだろ うか。そもそもあれはいつもと同じゆっくりなのか。足りない頭の中をそんな考えがぐる ぐると巡る。しかし、悠長に考えている暇はなかった。ゆっくりたちが再びこちらに体当 たりしようと向かってきたのだ。れみりゃの肉汁に濡れて怪しく輝くとげが、どんどん近 づいてくる。 「う、う゛う゛う゛――――――っ!!!」 すんでのところで、れみりゃは宙へと飛び上がって体当たりを避けることができた。そ うだ、自分には羽がある。とりあえず飛んでいれば、体当たりをされることもないではな いか。それが分かると、さっきまで泣き喚いていたれみりゃも一転、どこか自慢げに部屋 の中を飛び回り始めた。その顔は、自分は決して捕まることはないのだという自信にあふ れていた。 人間の大きな手がれみりゃの体をむんずとつかみ、ゆっくりたちが待ち構える方へと軽 く放り投げた。赤いリボンのゆっくりがタイミングを合わせて、自分の方へと飛んでくる れみりゃに体当たりをかます。とげに貫かれ衝撃に跳ね飛ばされて、れみりゃは再び床の 上に転がった。思い切りぶつかったために、赤いリボンのゆっくりも少々ふらついている。 「ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!! めえ゛え゛え゛え゛え゛っ!!!! れ゛み゛ り゛ゃ゛の゛め゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 とげの一本が運悪く、れみりゃの右目に突き刺さったのだった。片目を潰されたれみりゃ は激痛にのた打ち回る。そこに黒い帽子のゆっくりが飛び掛った。体当たりを仕掛けるの ではない。狙いはれみりゃの背中。転げまわるれみりゃに上手く飛び付くと、その片羽に 思い切り噛み付いたのだ。 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! はなぜ、はなぁぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛っ!!!」 全身全霊を込めて振り払おうとするが、黒い帽子のゆっくりは喰らい付いて離れない。 むしろ暴れ回るせいで、羽に噛み付く歯がより深く食い込んでいく。そして、あっけなく 羽は噛み千切られた。 「い゛だぁい゛い゛い゛い゛い゛い゛!! はねっ、れ゛み゛り゛ゃのはね゛え゛え゛え゛ え゛え゛え゛!!!! がえ゛ぜっがえ゛ぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!! う゛あ゛ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 バランスの悪くなった体で泣き叫びながら、れみりゃは自分の羽を取り戻そうと黒い帽 子のゆっくりへと向かっていった。そこへダメージから回復した赤いリボンのゆっくりが 襲い掛かり、残った羽に喰らい付いて全身の力を使って引き千切る。両翼を失ったれみりゃ は、ただの肉饅となって床に転がった。 肉饅が二匹の腹の中に納まるまでに、そう時間は掛からなかった。二匹は満腹感の中で、 勝利の余韻に浸っていた。憎き親友の仇を、自分たちが取った。しかもあのれみりゃを相 手取って。その事実に、二匹はかつてないほどのゆっくり感で満たされていた。 ――そうだ、おにーさんにおれいをいわないと。 ゆっくりにしては割と賢い二匹は、自分たちを助けてくれた人間の方へと向き直った。 人間はちょうど、二匹が食べ残した肉饅の羽を拾い集めているところだった。 『――おにーさん!!!』 自分を呼ぶ声に、人間は二匹の方を振り向いた。 「おにーさん、ありがとう! おかげでふたりのかたきがうてたよ!!」 「もうこれでれみりゃなんかこわくないよ! ありがとう、おにーさん!!」 興奮気味に礼を言う二匹。まあ、人間の手助けがあったとは言え、捕食種を自力で倒す ことができたのを考えれば当然かもしれないが。 二匹の体に突如生えたとげ。それは、画鋲であった。人間はれみりゃへの対抗手段とし て、接着剤で二匹の体に画鋲を貼り付けていったのだ。こうすれば食べられることはない し、その上反撃することだってできる。二匹は人間にそう言われて、全身武装化に踏み切っ たのだった。 そんな二匹を見た人間は、ふらっと部屋から出て行った。どうしたのだろうと思ってい ると、程無く、瓢箪を手に人間が戻ってきた。そのまま二匹の前に座り込んで胡坐をかく。 そして、黙って両手を二匹の前に差し出した。 『……ゆっ?』 差し出された両手は、手のひらを上に向けていた。理解できない様子の二匹に対し、人 間は両の手のひらを招くように動かす。乗れ、ということなのだろうか。 事情はよくわからないが、とにかく二匹は人間の手のひらに乗ることにした。体の画鋲 を手に突き刺してしまわないように慎重に飛び乗る。右手にまりさ、左手にれいむ。人間 は手のひらの上の二匹を自分の肩ぐらいの高さまで持ち上げると、二匹に向かって笑いか けた。これまで無表情だった人間の笑顔を見て、思わず二匹も笑い返す。手の上の二匹は 互いに目配せをすると、タイミングを合わせて 『ゆっくりしていってね!!!!!』 元気一杯、お決まりの挨拶をした。それを見た人間は笑顔をより濃くする。そして、両 手の指で二匹をしっかりとつかんだ。無論、画鋲が刺さらないように気をつけて。 「ゆ、ゆ、ゆっ? おにーさん?」 「ゆゆっ、おにーさん、どうしたの?」 人間は笑顔のまま、ゆっくりと、二匹が乗った両手を揺さぶり始めた。 「おにーさん、やめてね!」 「ゆっくりゆらさないでね!」 突然の揺さぶりにゆっくりと抗議の声を上げるが、人間はそれを完全に無視して、更に 強く揺らし始める。がくがく揺れる視界に翻弄されながらも二匹は抗議を続けるが、一向 に止まる様子はない。 「ゆっ……ゆうう……」 「ゆっ、ゆっ、ゆー……」 揺さぶられる二匹の目が、次第にとろん、とし始める。それを見た人間はさらに揺さぶ りを強めていく。体の奥底から湧き上がる衝動に、二匹は抗うことが出来なかった。 しばらくして、人間は二匹を床の上に置いた。呼吸の荒い二匹。完全に発情しきってい た。二匹は同時に相手の方を向いた。 「ま、まりさぁ! まりざあ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!」 「れっ、れいむう゛う゛う゛うううぅぅぅ!!」 駆け寄る二匹。早く、早く触れ合いたい。一つになりたい。その一身で、最愛の親友の 元へと飛び跳ねていく。 そして、 『い゛っっっっっっっっ!!!!!!』 互いの体に画鋲が深々と突き刺さった。 反射的に距離を取る二匹。突然の痛みに混乱したまま、改めて、相手の体を見る。理解 するのは、どこかの肉饅よりずっと早かった。 『……うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛っ゛っ゛っ!!!!!!』 絶望の声が上がる。二匹は距離をとってぶるぶる震えたまま、悲痛な叫びを上げていた。 早く肌をこすり合わせたい。でもできない。体のとげが刺さってしまう。 『お゛に゛い゛ざん゛っ!!!』 二匹の様子を見守りながら瓢箪の酒を傾けていた人間に向かって、二匹は助けを求めた。 「とっで、おにいざんこのとげとげとっでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 「おねがい゛い゛い゛い゛! すっきりできないのお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 必死の形相で訴えかける二匹。それを見て、人間は酒を一口。 「おにーざぁん、ゆっぐりしないでえ゛え゛え゛え゛!!」 「はやぐこのとげとげとってえ゛え゛え゛え゛!!」 「……いいのか? それがないと、また襲われるぞ」 人間の言葉に、二匹はびくりと体を震わせる。確かに、このとげを取ってしまったら、 またれみりゃに襲われたときに反撃できなくなる。だが、 「まっ、またつけなおせばいいよお゛お゛!」 「またあとでつければいいから、だからこのとげとげとってえ゛え゛え゛え゛!」 「……無理、だな」 『!!』 「簡単には剥がれん。無理に引っ張れば皮ごと剥がれて死ぬぞ」 『!!!!』 人間の言葉は、二匹を絶望のどん底に突き落とすには十分なものだった。二匹は人間を 見て、お互いを見て、がくがくと震えだした。両目からは涙があふれて止まらない。やが て体の震えが最高潮に達し、二匹に我慢の限界が訪れた。 「……うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!! ま゛り゛ざっ!! ま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」 「れ゛い゛む゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!! れ゛ぇい゛ぃむ゛ぅう゛う゛う゛う゛ う゛う゛う゛う゛!!!!」 『い゛だあ゛っっっっっっ!!!!!!』 「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! ずっぎり、ずっぎりじだいよ゛お゛お゛お゛お゛!! れ゛ い゛む゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!! あ゛づっっっっ!!!!!!」 「ま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! ずっぎりできないよ゛お゛お゛お゛ お゛お゛お゛お゛!!!! う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ !!!! あぁぁい゛だい゛い゛い゛い゛!!!!!!」 二匹はお互いの肌をこすり合わせようとするが、近寄るたびに全身の画鋲が体に刺さり、 思わず飛びのいてしまう。それでも何とか画鋲が刺さらないように触れ合える場所を探そ うとするのだが、どれだけ身をよじってもそんなものは見つけられなかった。二匹は号泣 しながら、近寄っては離れるを繰り返している。 人間はそんな二匹の様子を、肉饅の羽を酒の肴に、楽しそうな笑顔で眺め続けていた。 このSSに感想を付ける