約 632,075 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/488.html
すっかり日も暮れ、夜行性の動物たちが活動を始める時間となった幻想郷の森。その中 から、今日もゆっくり達の悲鳴が聞こえてくる。 「……うー! うー!」 「や゛め゛て゛え゛え゛え! ゆ゛っぐりざぜでえ゛え゛え゛え!」 四匹のゆっくり達が、まだ体の生えていないゆっくりれみりゃから逃れようと、必死の 形相で飛び跳ねているのだった。目を覚ましたばかりで空腹のれみりゃは、獲物をいたぶ るような真似はしない。懸命にぴょんぴょん逃げる二匹ずつのゆっくりれいむとゆっくり まりさにあっという間に追いつくと、一気に急降下して最後尾にいたれいむの後頭部にが ぶりと噛み付いた。 「ゆっ、ゆ゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁっ! やめでやめではな゛じでえ゛っ、ゆ゛っぐ りざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛っ!!!」 両目を剥き、涎を飛ばしながら絶叫するゆっくりれいむ。それを聞いた他の三匹は、愚 かにも、もしくは立派なことに、足を止めて後ろを振り返る。三匹の目に映ったのは、満 面の笑みを浮かべながら獲物に牙を突き立てるゆっくりれみりゃと、牙が皮を貫く痛みに 震えるゆっくりれいむの姿だった。 「は、はなしてね!」 「ゆっくりやめてってね!」 「ゆっくりできないよ、ゆっくりさせてね!」 三匹が抗議の声を上げる。本当ならばすぐにでも助けてやりたいが、全員でかかっていっ たところで、単に全滅が早まるだけ。だがそれでも、これまでずっと一緒にゆっくりし てきた仲間は見捨てられない。三匹にできるのは、こうして叫び続けることだけだった。 そんな三匹の苦悩などどこ吹く風、ゆっくりれみりゃは自らの空腹を満たすため、ゆっ くりれいむに噛り付く牙に力をこめた。 「いだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛い゛い゛いぃぃぃぃ!! あああ゛あ゛あ゛ あ゛っ゛!!!」 れいむの皮に突き立った牙が餡子に到達し、その中に潜り込んで容赦なく進んでいく。 れいむの絶叫が夜の森に響く中、れみりゃはそんなものお構い無しに食事を続ける。 「ゆああ゛あ゛っゆっがっあっあっあっあっああ゛あ゛っ゛っ゛っ゛!!!!」 ついに、れいむの体はれみりゃによって噛み千切られた。れみりゃの牙が餡子の中心に 達したとき、れいむの体は飛び跳ねんばかりに大きく痙攣した。その光景に、残された三 匹の声も止まる。六つの眼に映るのは、体の四分の一以上を噛み千切られ痙攣を続ける仲 間の姿と、その四分の一を口一杯にほおばり幸せそうに咀嚼している捕食者だった。 「……ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ、ゆっ……」 体の一部を欠き、白目を剥いて、涙と涎でぐちゃぐちゃになったれいむの口から、体の 痙攣にあわせてそんな泣き声ともつかぬ音が断続的に漏れていた。一方、れみりゃは満足 そうな顔で口の中のものを飲み込むと、残った餌を食べようと再びその口を開き、れいむ へと噛み付いた。れいむの顔の内、口より上の部分がすっぽりと、れみりゃの口の中に納 まった。 「ゆうっあっ、がっ゛っ!!!」 ろくな叫び声を挙げる暇もなく顔を噛み切られると、残ったれいむの体からは力が失わ れ、そのまま動かなくなった。仲間の身に降りかかった惨事に言葉を失っていた三匹のゆ っくりも、その死を目の当たりにして再び声を上げ始めた。ただし、今上げるのは抗議の 声ではなく、仲間の無残な死を嘆く声だ。 「れいむう゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ!」 「どおじでえ゛え゛え゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ!!」 「もっどゆっぐりじだがっだよお゛お゛お゛お゛お゛!!」 三匹の悲痛な叫びが周囲を満たす。しかし、三匹とずっと一緒にゆっくりしてきた仲間 は、その叫びを聞いても、もう何も言ってはくれなかった。それが悲しくて、叫びは更に 高まる。 「……うー!」 場違いに楽しそうな声が上がり、唐突に叫び声が止まる。あまりの出来事に忘れていた。 今自分達は、危険な捕食者の前にいることを。気付かなかった。哀れなれいむを食い散ら かしたれみりゃが、次の獲物に狙いを定めていることに。思い付かなかった。逃げ出すこ となど。 「いっ、いや゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっ!!! ゆっぐりざぜでえ゛え゛え゛え゛え゛ え゛!!!」 ついさっきまで仲間だったものに背を向け、三匹は全力で駆け出した。死にたくない。 もっとゆっくりしていたい。仲間の死に様が更なる恐怖を駆り立て、三匹を追い立てる。 「ゆっ!」 二匹いるゆっくりまりさの内の片方が、木の根に引っかかった。あっと思う間もなく、 そのまま顔から地面に転がる。真っ白になったまりさの頭の中に絶望が襲い掛かるよりも 早く、れみりゃの牙が二匹目の獲物を捉えた。 「……ゆううううう゛う゛う゛う゛っ゛!!!」 まりさの絶叫に、残りの二匹が思わず振り返る。しかし、先程と違って何やらまごつい ている様子だ。このまま逃げる足を止めてしまえば、また同じことの繰り返しになるとい うのが、ゆっくりの頭でも分かっているのだろう。だが、 「だっだずげで!!! だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ……」 助けを求める仲間の声が、二匹を逃がしてはくれなかった。恐怖と友情の板ばさみの中、 喰われ行くまりさを見つめながら、二匹はみんなでゆっくりできた頃のことを思い出して いた。四匹でずっと一緒にゆっくりしてきた。ずっと一緒にゆっくりしていけるのだと思っ ていた。悔しかった。無力な自分たちが惨めでたまらなかった。もう声も出ない。代わり に涙があふれて止まらなかった。 二匹目の餌が動かなくなると、れみりゃは更なる獲物を求めて飛び上がった。そのまま、 何かを諦めてしまって動かなくなった二匹のゆっくりへと飛び掛る。二匹はそれを避けよ うとはしなかった。 「うー! うーぐえっ!?」 と、突然妙な声が上がった。思わず二匹が顔を上げると、そこにはれみりゃではなく、 もっともっと大きな影があった。突然の乱入者に涙も止まる。 そこにいたのは人間だった。片足を、今まさに何かを蹴り上げたかのように上げたまま の、一人の人間だった。二匹がそれを呆然と見上げていると、 「……う゛あ゛あ゛あ゛っ!! いだぁいよお゛お゛お゛お゛お゛!!!」 ちょうど上がったままの人間の脚が向いている方から、こんな泣き声が聞こえてきた。 見れば、れみりゃが地面に転がって泣き叫んでいる。呆然とする二匹には目もくれず、人 間は上がったままだった足を下ろすと、れみりゃへと歩み寄っていった。 「う゛っ? うー! だべぢゃうぞー!!」 目の前にまで近づいた人間に対し、泣きながらも威嚇をするれみりゃ。しかし人間はそ れを完全に無視してれみりゃの前にしゃがみこむと、無言でその脳天に手刀を叩き込んだ。 手刀と地面にはさまれたれみりゃは短い悲鳴を上げると、そのまま気絶した。 動かなくなったれみりゃの羽をつまみあげ、人間は残された二匹のゆっくりの方へと振 り向き、初めて口を開いた。 「……大丈夫か?」 れいむとまりさは床の上で身を寄せ合っていた。二匹とも疲れ切った表情で部屋の隅っ こにうずくまったまま、床の一点を見つめたまま動かない。魂が抜けてしまったかのよう だ。憔悴しきっていたが、先程のショックのせいで眠ることなどできないようだった。 がらり、と戸の開く音がして、二匹は緩慢に顔を上げる。そこにいたのは先程の人間だっ た。その人間が、二匹を食い殺そうとしていたれみりゃを叩きのめし、家に連れ帰ってく れたのだ。 彼は二匹の前にやって来ると、手に持っていた皿を床に置いた。そこにあったのは二つ のおにぎり。 「……ほれ、食え」 ぶっきらぼうにそう言い放ち、皿を差し出した。二匹は人間の顔を見、差し出されたお にぎりを見て、のそりのそりと動き出し、皿の上に乗っかっておにぎりに噛り付いた。 それは具も入っていなければ海苔もまかれていないただの塩おにぎりだったが、人の食 事を初めて口にした二匹にとっては、格別のご馳走だった。最初はぼそぼそと覇気の感じ られない食べ方だったが、一口、また一口とかじりつく度に、二匹に活力が戻ってくるよ うだった。二匹は飲み込むごとに元気を取り戻していった。疲れ切った頭が回り始め、一 度は折れた心も徐々に立ち直っていく。 だからこそ不意に、 ―――いだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛い゛い゛い゛いぃぃぃぃ!! ―――だっだずげで!!! だずげでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛ぇぇぇぇ…… 仲間の断末魔が脳裏をよぎってしまう。 半分ほど食べ終えたあたりで、二匹は唐突におにぎりに噛り付くのを止めた。人心地つ いたせいで、かえって先程の悲劇を思い出してしまうのだった。 二匹は皿の上で震え始め、こらえ切れないというようにぼろぼろと涙をこぼす。四匹は 兄弟ではなかったが、生まれてすぐの頃からずっと一緒にゆっくり過ごしてきた親友だっ た。……だった。過去形の話だ。その内の二匹は、すでに物言わぬ饅頭になってしまった。 れみりゃの牙に噛み千切られ、無残に変わり果てた親友の姿が頭から離れない。死ぬ間際 の叫びが耳に残ったままだ。 「……ゆっ、ゆっ……」 「れいむぅ……まりざあぁぁ……」 いつも通りの元気があれば泣き叫ぶこともできたろうが、今の二匹には親友の死を嘆く ように泣くのが精一杯だった。 そんな二匹の様子を見た人間は、ふらりと立ち上がると部屋を出て行った。程無くして 戻ってきた人間は、箱を一つ抱えていた。そのまま食べかけのおにぎりの前で泣き続ける 二匹の前に、その箱を置く。二匹の注意を引くように、わざと大きな音を立てて。二匹は 突然の音にびくりと震え、顔を上げる。涙でにじんだ視界に映るのは、透明な箱に収まっ たれみりゃだった。 『……ゆ゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っっ!!!』 ガチャガチャン! と、思わず後ずさりした二匹は皿から転げ落ちた。後頭部を床にぶ つけながらも、必死の形相で再び部屋の隅へと逃げていく。 「いやあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! たべないでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「だずげでえ゛え゛え゛! だれかだずけでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛! おがあざああ゛ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛んん!」 親友の死に様で頭が一杯になっていた二匹は、一気に混乱の極みに追い込まれた。今ま でさめざめと泣いていたのが嘘のように泣き叫ぶ。死にたくない。食べられてしまった二 匹のようになりたくない。その思いに囚われた二匹は、目の前に自分たちを助けてくれた 人間がいることも忘れて泣き叫んでいた。しかしながら、いつまで経っても二匹が襲われ ることはない。 「……いやあ゛あ゛あ゛あ゛、ああ、あ?」 そのことに先に気付いたのは、れいむの方だった。襲われないどころか、よく見ればそ もそもれみりゃは動きさえしていなかったし、更によく見れば、どうやら箱の中に閉じ込 められているようだった。 「ゆっ。まりさ、まりさっ」 「……だずげでえ……おがあざぁん……」 「まりさっ!」 親友の喝に、まりさも顔を上げる。そして一足遅れて、現状が認識できたようだった。 二匹はしゃくりあげながら、隅から離れてれみりゃの収まった透明な箱を見つめた。れみ りゃはピクリとも動かない。人間に喰らった手刀によって気絶したままのようだった。 そんなれみりゃを見つめたまま動かない二匹に向けて、人間が口を開いた。 「……お前ら……」 二匹が顔を上げる。人間は二匹の目を交互に見、言った。 「仇を討ちたくないか?」 思いがけない言葉が飛び出てきた。仇を討つ。食べられてしまった親友の仇を、自分た ちが。あのれみりゃに対して、自分たちが。 ……無理だ。 「俺がお前たちを勝たせてやろう」 うなだれる二匹に、人間はそう言い放った。 「やる気があるなら、まず飯を食え」 れみりゃが目を覚ましたとき、目の前には二匹のゆっくりがいた。赤いリボンのゆっく りと黒い帽子のゆっくりが、互いに少し距離を置いて、床の上にいた。それがさっき追い かけていたゆっくりだと気付いた途端、なぜか頭に残っていた鈍痛のことなど綺麗さっぱ り忘れ去り、背中の羽を広げて勢いよく 「うー! たべちゃう゛っ゛!?」 飛び立てなかった。何もないはずの場所で壁にぶつかったれみりゃが感じたのは、痛み よりも混乱であった。そもそも満足に羽根を広げることもできていない。れみりゃはうー うー唸りながら暴れ回る。しかしどれだけ力をこめても事態は好転せず、自分が陥った窮 屈さを実感させられるだけであった。 じたばたもがくれみりゃだったが、突然視界がぐるりと回転した。そのまま床の上に落 ち、転がっていく。これは人間の手によって透明な箱から落とされたから、なのだが、ゆっ くりの中でも一等出来の悪いれみりゃの肉饅脳に分かるはずもない。れみりゃが理解でき たのは、羽を存分に伸ばせるようになったことと、これで目の前のゆっくりを食べられる ということだけだった。 「うー! うー! たぁべちゃぁうぞぉー!!」 自由な身となって宙へと舞い上がったれみりゃは、それはそれは楽しそうに言った。既 に食事は済ませている。今、目の前にいるゆっくりたちは、存分になぶり、いたぶって遊 んでからおやつにしてやろう。 「うー! うー! うー……、う?」 馬鹿の一つ覚えで唸っていた肉饅脳が新たな異変に気付いた。目の前のゆっくりたちが、 自分の威嚇に全く動じていないのだ。普通なら自分の姿を見かけただけで大混乱に陥って 逃げ惑うというのに。これに不満を覚えたれみりゃは、いつもより大きな声で威嚇を始め た。これを怖がらないゆっくりなどいない、と本人は自信満々の威嚇であったが、ゆっく りたちがおびえる様子は微塵もない。それどころかゆっくりにはありえないくらいに険し い面持ちで、こちらを睨み付けているではないか。 「……ううううううっ!!!」 空中から一気に飛び掛る。れみりゃにはゆっくりたちの態度が我慢ならなかった。もう いい、どうせ自分に襲われたら無様に泣き叫んで助けを請うのだから。苛立ちに任せて、 れみりゃは赤いリボンのゆっくりへと襲い掛かった。それでもゆっくりは動かない。逃げ 出すこともせず、自分を更に睨み付けてくる。それがれみりゃの苛立ちを助長した。 繰り返すが、れみりゃの頭は、様々な種類がいるゆっくりたちの中でも一等出来が悪い。 普通の人間であれば、否、普通のゆっくりであってもすぐに気付いたであろう二匹の異 変にも、だから最後まで気付かなかったのだろう。 「うあ゛っ!?」 赤いリボンのゆっくりに気を取られて、もう一匹の存在を忘れていたれみりゃの横っ面 に、そのもう一匹が体当たりをした。黒い帽子のゆっくりはそのまま綺麗に着地し、不意 打ちを喰らったれみりゃは衝撃で床を転がっていく。 自然の世界ではありえない反撃。しかしれみりゃは力ある捕食者であり、相手は所詮、 やわらかい饅頭のゆっくり。森の中を勢いよく飛んでいて木にぶつかったときの方がはる かに痛い。 「……うっ、うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ!!! いだい゛っ゛、いだあ゛あ゛ あ゛あ゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛っっっ!!!」 はずだった。本来ならば。 「ぢ、ぢぐっでじだ! ぢぐっでしたあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! う゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ あ゛あ゛あ゛!!」 れみりゃが泣き叫んでいるのは、黒い帽子のゆっくりに体当たりされたときの衝撃が思 いのほか大きかったから、ではない。 自分の皮に何かが突き刺さる痛みを、それも一箇所ではなく何箇所にも、味わったから だった。 ――ちくっとした。鋭く尖った小枝ににぶつかってしまったかのような痛みが、体当た りされた頬のあちこちを襲ったのである。予想外の痛みにれみりゃはごろごろと床の上を 転げまわった。 そこへ容赦なく追撃が入る。赤いリボンのゆっくりが、痛みにのた打ち回るれみりゃに またも体当たりを敢行した。 「うぶえ゛っ!?」 痛い痛いと泣き叫ぶことさえ忘れ、不細工な悲鳴を上げるれみりゃ。転げまわることを 中断させられたれみりゃは、改めて、自分のおもちゃになるはずだったゆっくりたちを見 る。そして、出来の悪い肉饅脳がようやっと、ゆっくりたちの体の異変に気が付いた。 とげが、生えている。ゆっくりたちの全身に、鋭いとげが何本も。それが体当たりの際 にれみりゃの皮を突き刺していたのだと、肉饅脳がゆっくり理解する。この痛みの原因は あのとげなのだ。 とげの生えたゆっくりなど、れみりゃは見たことがなかった。あれは食べられるのだろ うか。そもそもあれはいつもと同じゆっくりなのか。足りない頭の中をそんな考えがぐる ぐると巡る。しかし、悠長に考えている暇はなかった。ゆっくりたちが再びこちらに体当 たりしようと向かってきたのだ。れみりゃの肉汁に濡れて怪しく輝くとげが、どんどん近 づいてくる。 「う、う゛う゛う゛――――――っ!!!」 すんでのところで、れみりゃは宙へと飛び上がって体当たりを避けることができた。そ うだ、自分には羽がある。とりあえず飛んでいれば、体当たりをされることもないではな いか。それが分かると、さっきまで泣き喚いていたれみりゃも一転、どこか自慢げに部屋 の中を飛び回り始めた。その顔は、自分は決して捕まることはないのだという自信にあふ れていた。 人間の大きな手がれみりゃの体をむんずとつかみ、ゆっくりたちが待ち構える方へと軽 く放り投げた。赤いリボンのゆっくりがタイミングを合わせて、自分の方へと飛んでくる れみりゃに体当たりをかます。とげに貫かれ衝撃に跳ね飛ばされて、れみりゃは再び床の 上に転がった。思い切りぶつかったために、赤いリボンのゆっくりも少々ふらついている。 「ぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛!! めえ゛え゛え゛え゛え゛っ!!!! れ゛み゛ り゛ゃ゛の゛め゛があ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!!!」 とげの一本が運悪く、れみりゃの右目に突き刺さったのだった。片目を潰されたれみりゃ は激痛にのた打ち回る。そこに黒い帽子のゆっくりが飛び掛った。体当たりを仕掛けるの ではない。狙いはれみりゃの背中。転げまわるれみりゃに上手く飛び付くと、その片羽に 思い切り噛み付いたのだ。 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! はなぜ、はなぁぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛っ!!!」 全身全霊を込めて振り払おうとするが、黒い帽子のゆっくりは喰らい付いて離れない。 むしろ暴れ回るせいで、羽に噛み付く歯がより深く食い込んでいく。そして、あっけなく 羽は噛み千切られた。 「い゛だぁい゛い゛い゛い゛い゛い゛!! はねっ、れ゛み゛り゛ゃのはね゛え゛え゛え゛ え゛え゛え゛!!!! がえ゛ぜっがえ゛ぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!! う゛あ゛ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!」 バランスの悪くなった体で泣き叫びながら、れみりゃは自分の羽を取り戻そうと黒い帽 子のゆっくりへと向かっていった。そこへダメージから回復した赤いリボンのゆっくりが 襲い掛かり、残った羽に喰らい付いて全身の力を使って引き千切る。両翼を失ったれみりゃ は、ただの肉饅となって床に転がった。 肉饅が二匹の腹の中に納まるまでに、そう時間は掛からなかった。二匹は満腹感の中で、 勝利の余韻に浸っていた。憎き親友の仇を、自分たちが取った。しかもあのれみりゃを相 手取って。その事実に、二匹はかつてないほどのゆっくり感で満たされていた。 ――そうだ、おにーさんにおれいをいわないと。 ゆっくりにしては割と賢い二匹は、自分たちを助けてくれた人間の方へと向き直った。 人間はちょうど、二匹が食べ残した肉饅の羽を拾い集めているところだった。 『――おにーさん!!!』 自分を呼ぶ声に、人間は二匹の方を振り向いた。 「おにーさん、ありがとう! おかげでふたりのかたきがうてたよ!!」 「もうこれでれみりゃなんかこわくないよ! ありがとう、おにーさん!!」 興奮気味に礼を言う二匹。まあ、人間の手助けがあったとは言え、捕食種を自力で倒す ことができたのを考えれば当然かもしれないが。 二匹の体に突如生えたとげ。それは、画鋲であった。人間はれみりゃへの対抗手段とし て、接着剤で二匹の体に画鋲を貼り付けていったのだ。こうすれば食べられることはない し、その上反撃することだってできる。二匹は人間にそう言われて、全身武装化に踏み切っ たのだった。 そんな二匹を見た人間は、ふらっと部屋から出て行った。どうしたのだろうと思ってい ると、程無く、瓢箪を手に人間が戻ってきた。そのまま二匹の前に座り込んで胡坐をかく。 そして、黙って両手を二匹の前に差し出した。 『……ゆっ?』 差し出された両手は、手のひらを上に向けていた。理解できない様子の二匹に対し、人 間は両の手のひらを招くように動かす。乗れ、ということなのだろうか。 事情はよくわからないが、とにかく二匹は人間の手のひらに乗ることにした。体の画鋲 を手に突き刺してしまわないように慎重に飛び乗る。右手にまりさ、左手にれいむ。人間 は手のひらの上の二匹を自分の肩ぐらいの高さまで持ち上げると、二匹に向かって笑いか けた。これまで無表情だった人間の笑顔を見て、思わず二匹も笑い返す。手の上の二匹は 互いに目配せをすると、タイミングを合わせて 『ゆっくりしていってね!!!!!』 元気一杯、お決まりの挨拶をした。それを見た人間は笑顔をより濃くする。そして、両 手の指で二匹をしっかりとつかんだ。無論、画鋲が刺さらないように気をつけて。 「ゆ、ゆ、ゆっ? おにーさん?」 「ゆゆっ、おにーさん、どうしたの?」 人間は笑顔のまま、ゆっくりと、二匹が乗った両手を揺さぶり始めた。 「おにーさん、やめてね!」 「ゆっくりゆらさないでね!」 突然の揺さぶりにゆっくりと抗議の声を上げるが、人間はそれを完全に無視して、更に 強く揺らし始める。がくがく揺れる視界に翻弄されながらも二匹は抗議を続けるが、一向 に止まる様子はない。 「ゆっ……ゆうう……」 「ゆっ、ゆっ、ゆー……」 揺さぶられる二匹の目が、次第にとろん、とし始める。それを見た人間はさらに揺さぶ りを強めていく。体の奥底から湧き上がる衝動に、二匹は抗うことが出来なかった。 しばらくして、人間は二匹を床の上に置いた。呼吸の荒い二匹。完全に発情しきってい た。二匹は同時に相手の方を向いた。 「ま、まりさぁ! まりざあ゛あ゛あ゛ぁぁぁ!!」 「れっ、れいむう゛う゛う゛うううぅぅぅ!!」 駆け寄る二匹。早く、早く触れ合いたい。一つになりたい。その一身で、最愛の親友の 元へと飛び跳ねていく。 そして、 『い゛っっっっっっっっ!!!!!!』 互いの体に画鋲が深々と突き刺さった。 反射的に距離を取る二匹。突然の痛みに混乱したまま、改めて、相手の体を見る。理解 するのは、どこかの肉饅よりずっと早かった。 『……うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ゛っ゛っ゛っ!!!!!!』 絶望の声が上がる。二匹は距離をとってぶるぶる震えたまま、悲痛な叫びを上げていた。 早く肌をこすり合わせたい。でもできない。体のとげが刺さってしまう。 『お゛に゛い゛ざん゛っ!!!』 二匹の様子を見守りながら瓢箪の酒を傾けていた人間に向かって、二匹は助けを求めた。 「とっで、おにいざんこのとげとげとっでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 「おねがい゛い゛い゛い゛! すっきりできないのお゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 必死の形相で訴えかける二匹。それを見て、人間は酒を一口。 「おにーざぁん、ゆっぐりしないでえ゛え゛え゛え゛!!」 「はやぐこのとげとげとってえ゛え゛え゛え゛!!」 「……いいのか? それがないと、また襲われるぞ」 人間の言葉に、二匹はびくりと体を震わせる。確かに、このとげを取ってしまったら、 またれみりゃに襲われたときに反撃できなくなる。だが、 「まっ、またつけなおせばいいよお゛お゛!」 「またあとでつければいいから、だからこのとげとげとってえ゛え゛え゛え゛!」 「……無理、だな」 『!!』 「簡単には剥がれん。無理に引っ張れば皮ごと剥がれて死ぬぞ」 『!!!!』 人間の言葉は、二匹を絶望のどん底に突き落とすには十分なものだった。二匹は人間を 見て、お互いを見て、がくがくと震えだした。両目からは涙があふれて止まらない。やが て体の震えが最高潮に達し、二匹に我慢の限界が訪れた。 「……うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!! ま゛り゛ざっ!! ま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛ あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!!」 「れ゛い゛む゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!! れ゛ぇい゛ぃむ゛ぅう゛う゛う゛う゛ う゛う゛う゛う゛!!!!」 『い゛だあ゛っっっっっっ!!!!!!』 「あ゛あ゛あ゛あ゛っ!! ずっぎり、ずっぎりじだいよ゛お゛お゛お゛お゛!! れ゛ い゛む゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!!! あ゛づっっっっ!!!!!!」 「ま゛り゛ざあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! ずっぎりできないよ゛お゛お゛お゛ お゛お゛お゛お゛!!!! う゛わ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ !!!! あぁぁい゛だい゛い゛い゛い゛!!!!!!」 二匹はお互いの肌をこすり合わせようとするが、近寄るたびに全身の画鋲が体に刺さり、 思わず飛びのいてしまう。それでも何とか画鋲が刺さらないように触れ合える場所を探そ うとするのだが、どれだけ身をよじってもそんなものは見つけられなかった。二匹は号泣 しながら、近寄っては離れるを繰り返している。 人間はそんな二匹の様子を、肉饅の羽を酒の肴に、楽しそうな笑顔で眺め続けていた。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/348.html
俺はおじさん。名前はまだ無いので、おじさんと呼んでくれて構わない。 お兄さんでもいいよ! さて、例によって例のごとく何処からともなく帰宅する俺。 そして例によって例のごとく自宅に帰ると 「ゆっくりしていってね!!!」 これはゆっくりと言う以下略。 「お前ら何なの?饅頭なの?死ぬの?」 「ここはれいむとまりさのおう以下略 「はあ?何言ってるんだ以下略 テンプレ通りの会話を繰り広げた。びっくりする位ありきたりだ。 とりあえずパターン通りにゆっくり二匹を適当に誑かして、大声を出されても餡子を散らかされても構わない場所に誘導。 「もっとゆっくりできる所に以下略 「さっさとつれて以下略 とりあえず普通の生活ではあまり役に立たないような、材質不明の透明ボックスがあったので放り込んでみる。 「ゆっくりうごけ以下略 今回は環境攻めでいこうかと思うんだ。 ここまでで良い子の皆はこの後の展開が読めただろうけど一応語る事にする。 そうしないと体裁が保てないからね。色々と。 手始めに適当なゆっくり一家を見繕ってホイホイと連れてくる。 「もっと以下略 「ゆっくりつれて以下略 我ながらとてつもない手際の良さだが、別段驚く事ではない。 ちょっと熟練した虐待お兄さんなら三行あれば十分ゆっくり一家を用意できるのだ。 手段は語る必要は無いだろう。そんなものは既に良い子のみんなの頭の中に入ってるはず。 さて、家族を自宅に用意した際に行われる行為はいくつかに分けられるが、今回は共食いコースでいこう。 とりあえず箱入りゆっくりと家族を放置民。餌は当然与えない。 一行で一週間位経った頃様子を見に来る。 例によって例のごとく都合よくも共食いの現場に遭遇できた特派員。 箱入りはいつものように泣き叫んでいた。 「や゛べで以下略 捕食者は当たり前のように母性が消失した飢えた母親。 「うっめ以下略 「お゛があ゛ざん゛や゛め゛以下略 「どお゛じで以下略 「ゆ゛っぐり゛以下略 「い゛や゛だあ゛以下略 「ゆ゛以下略 「以下略 ありきたり過ぎてぞっとする位だ。所詮俺の脳味噌なんてゆっくりに毛が生えた程度なんだから仕方ないね。 いつものように満腹になったゆっくり母にいつもの手法で現実を認識させる。当然発狂。 「ごめ゛ん゛ね゛以下略 箱入りゆっくりに囁く。 「これがお前らの本性なんだぜ。恐ろしいのう。恐ろしいのう」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 目を物凄くひん剥いたあの顔で戦慄く箱入り。 やがて母もいつものように都合よく記憶を改竄し、何事もなかったかのように箱入りに接近。 「ゆっくりこないで以下略 「ひどい!どうして以下略 喧嘩し始めた所で都合よく連れて来ていたゆっくりれみりゃを投下。いつもの風景が展開される。 「ぎゃおー!た以下略 「だずげ以下略 「ごな゛い゛で以下略 当たり前のように母ゆっくり食われる。後はお決まりのコースだ。 透明な箱にひたすら噛り付くゆっくりれみりゃを残してバイナラ。 一行で適当な時間が過ぎたので見に行く。ああ忙しい。大体ここら辺で右手が疲れてくる。 予定通り箱入りはひたすら怯える毎日を送っていた……筈もなく虚ろな表情で虚空を眺めていた。 そりゃどれ位の間か語るどころか考えるのすら面倒くさい位適当な時間恐怖を与え続けてるからな。 ストレスで衰弱しまくっていた。皮は皹切れて、抜け毛も落ちている。 一方ゆっくりゃは泣きながら自分の手を食っていた。再生するもんなあいつ。 「やあ諸君。ゆっくりできてるようで何より」 「ぷっでぃーーーーーーーん以下略 「ゆっ……ゆっ……」 聞き慣れた言葉を吐く二匹。自分の手を食って何とか体力維持とはたまげた永久機関である。 完全に現実の物理法則を無視している。これには学者も苦笑い。 とりあえずぷでぃんPudding煩いので蹴り飛ばす。 「ざ以下略 三回呼んでも飛んでこない誰かを呼ぶ。いつも不思議なのだがこいつらこういう時は必ず「ざぐや゛」だよな。 もう咲夜さんじゃなくて十五夜ざぐや゛(爆乳家政婦)とかいうパチモンでいいよ。 とりあえず略すのすら面倒な悲鳴を聞きながら五体バラして箱入りにエサ。 今度はゆっくりアリスを大量投下。何処に持ってたって?気付いたらポッケに入ってた。 「れ゛っれ゛い゛以下略 既に準備はOK!GONGを鳴らせ!な状態のゆっくりアリスの群れが箱に襲い掛かる。 その数ざっと無量大数!地面の黄色は全て敵である。 そんなレイパーなゆっくりネメシスの中心人物は空腹が癒えて脅威が去ったと思ったらまた怖いのが来たのでパニック。 ぴつたり収まる程度の大きさの箱にあんだけ迫られれば誰でも怖いわ。 いつものようにひたすらビビりまくる箱入りとそんな事には気付かず箱相手に角ニーするゆっくりアリス達。 何も言わずにそっと立ち去る。 一行でとりあえず時間が経ったのでまた見に来る。 欲求不満を抱えたゆっくりアリス達は物凄い事になっている。 箱は白くてカピカピした液体にまみれて中が見えない。どんだけ角ればあんな事になるんだよ。 地面の黄色は全てハードオナニストになり、とにかく地面やら壁やら自分のリボンやら衰弱死した同族やら箱やらで、 飽きる事も無く延々自家発電していた。いや本当こいつらの性欲はどうなってるんだ。 適当なゆっくりを拾って皮を剥ぎ取って箱を確認する。あの顔で干からびてた。 ううむ、擬似的に輪姦された事でショック死でもしたのだろうか。 よくある黒ずんで以下略状態だが、蔓は生えていなかった。死因は想像妊娠……でいいのだろうか。 妊娠が死因なんて何を馬鹿な、とノーマルな人は思うだろうが、我々にとっては日常的な現象なのである。 とまあ適当な具合で今回の虐待は幕を閉じた。 本当にありきたりである。あまりのありきたりっぷりに逆に驚いてショック死した良い子も何人かいるかもしれない。 殺人容疑で逮捕される前にゆっくりアリスを何だかよく分からん手段で一秒で消し去り、 テキストエディタを閉じて逃亡しようと思う。早くしないと現実に追い付かれてしまう。 ああやっぱり脳内妄想はいいなぁ。どんなにいつも通りの展開でも俺だけは楽しめる無料のエンターテイメントだ。 Predetermined harmony is NEVER END 作:ミコスリ=ハン
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1868.html
『孤独のゆっくり』 ※パロディネタを多く含みます ※劇中人物の独り言が多いのは仕様です 今にも泣き出しそうな曇天の空の下、一人繁華街を往くスーツ姿の男。 個人経営の輸入雑貨店を営む彼は、名を吉祥寺吾郎といった。 今日も今日とて顧客先を周り、得意先にヴェネチアグラスを納品したところだ。 一仕事終えた吾郎は、背広を肩にかけて煙草に火をつけた。 「……さて、今日は何を食おうか」 時間は既に15時を回ろうとしている。 予想外に仕事が長引き、吾郎はすっかり昼食をとるタイミングを逸してしまっていた。 「うーん、こんな時間に一人で牛丼ってのも間抜けだしな……」 駅前の大通りを歩きながら、吾郎は周囲の店に目を配る。 牛丼、カレー、ラーメン、パスタ、ハンバーガー……色とりどりの軒先が並んでいる。 けれど、どうにも吾郎の中でピンとくるものがない。 そうして、決めあぐねているうちに、吾郎は駅前の繁華街の端にまで来てしまう。 「しまった、アーケードはここで終わりなのか」 顎に手をやり、顔を渋める吾郎。 いま来た道をまた戻ると思うと、何となく気が重かった。 「まてよ……そういえば、このあたりにはアノ店があったよな」 吾郎は、数年前この街を訪れた時のことを思い返して、顔を少年のように輝かせた。 「うん、そうだ。こういう時は、"れみりゃ屋の肉まん"で決まりだ」 "れみりゃ屋" それは文字通り、れみりゃが子れみりゃを調理して出す、肉まん専門店だ。 駅の中心からは少し離れているが、その味はコンビニで売っているものの比ではない。 吾郎は、かつて一度だけ食べたその味を反芻して、口の中を涎であふれさせた。 「いかん、想像したらよだれが止まらん」 一刻も早く、あのジューシーな肉餡を頬ばりたい。 その思いだけで、吾郎は足早に道路を進んでいく。 15分後、吾郎は目的の場所へ到着した。 だが。 「あれ?」 そこに、肉まん屋は無かった。 親れみりゃが店頭で泣き笑いを浮かべて実演販売をしていた店は、 不況のあおりで既に閉店して久しく、代わりにどこにでもあるコンビニがテナントとして入っていた。 「ガーンだな……俺の胃袋は完全に"れみりゃ屋の肉まん"になっていたのに」 意気消沈する吾郎。 仕方なく、適当な店を探しながらあたりをつろつくが、中々店は見つからない。 さらに吾郎に追い打ちをかけるように、ポツポツと雨が降り出してきた。 「うわー、ついに降り始めちゃったぞ」 背広を傘代わりにして、小走りで雨宿りできる場所を探す吾郎。 すると、少し先に甘味屋らしい店が見えた。 時刻は間もなく夕方を迎えようとしている。 あの店で何かつまんで夕飯で仕切り直すのも良いかもしれないと、吾郎は考えた。 「ええーい、どこでもいい! ここにはいっちまえ!」 意を決して、吾郎はその店の暖簾をくぐる。 すると、予想外の声が吾郎を出迎えた。 「いらっしゃいだどぉー♪」 「うー、いらっしゃい」 「え?」 こぢんまりとした和風の店内にいたのは、 胴体有りのゆっくりれみりゃと、同じく胴体有りのゆっくりフランだった。 2匹はそろいのエプロンをしており、 れみりゃはカウンターの中に、フランはホールにお盆を持って立っている。 他に店員は見あたらない。この店は、この2匹のゆっくりがやっている店だった。 「ほぉ、ゆっくりがやっている甘味屋なのか」 普段ならば、ゆっくりが店をやっていること自体に疑問を感じるところだが、 今の吾郎は腹が空きすぎていてそれどころではなかった。 「ふーん、なかなかいい感じの店じゃないか」 カウンターの席に座って店内を見渡す吾郎。 内装はしかっりしていて、とてもゆっくりが用意したのものとは思えなかった。 カウンター内のキッチンにしても、れみりゃが料理しやすいよう特注のサイズになっている。 おそらく、この店のオーナー……ゆっくりに店をやらせると企画した人間がそろえたものなのだろうと、吾郎は合点をつけた。 「おや?」 壁にかかったメニューを眺めていると、吾郎はふと数枚の写真が飾られていることに気づいた。 そこには、何やら大勢のれみりゃと一人のメイドに祝福されている、1匹のれみりゃが写っていた。 「あ~ぅあぅ~♪ れみりゃのことがきになるのねぇ~ん♪」 吾郎が写真を眺めていると、カウンターのれみりゃがパタパタ飛んできて、 下膨れスマイルをぬぼぉーっと近づけてきた。 「あれは?」 「うっうー♪ なんとれみりゃは、おーわんぐらんぷりでゆうしょうしたんだっどぉー♪」 吾郎の横で、れみりゃはえっへんと胸を張る。 人間の目で区別は難しいが、目の前のれみりゃこそ、写真で祝福を受けているそれであった。 「おーわん?」 「おぜうさまわんぐらんぷりにきまってるんだどぉー♪ れみりゃってばおぜうさまこうほにえらばれちゃったんだどぉー♪」 幸せそうに微笑むれみりゃは、こぼれ落ちそうな大きな頬と下膨れを両手で押さえた。 それかられみりゃは、幸福感を体現するように、"うぁ☆うぁ☆"リズムを刻み始めた。 このままでは埒があかないと思った吾郎は、話題を切り替えることにする。 吾郎は、とにかく早く何かを胃に詰め込みたかった。 「なにかオススメは?」 「うぁ? うちはなんでも"あまあま☆でりしゃすぅ"なんだっどぉーぅ♪」 自慢げに答えて、れみりゃはカウンターの中へ戻っていく。 そして、箱の中から子ぶりの"ゆっくりれいむ"を取り出すと、それに竹串を突き通した。 「うっう~♪ すぴあ☆ざ☆ぐんぐにるぅ~♪」 それを数回繰り返して、大ぶりな串団子を作るれみりゃ。 れみりゃはそれを火のたかれた網の上に置き、ハケで黒いタレを塗っていく。 ゆっくりれいむの餡と、黒いタレが焦げて、店内に凄まじく甘い匂いが立ちこめた。 「れみりゃのつぐっだおまんじゅーおいしぃどぉ♪ たれがぷっでぃ~ん☆のおあじなんだどぉー♪」 楽しそうなれみりゃを余所に、吾郎は壁にかかったメニューに目を通す。 そこには、吾郎の心を引きつけるメニューが数点だけだが存在した。 れみりゃの焼いている団子を無視して、吾郎はそのメニューを読み上げる。 「えと……じゃあ、この煮込み肉まんを一つ」 煮込み肉まん。 いったいどんな料理なのかは吾郎にもわからなかったが、これも一つの縁だと思った。 けれど、れみりゃはその注文を聞いた数秒後、ゆっくり吾郎の期待を裏切るのだった。 「う~♪ ごめんごめんだどぉー♪ それらいげつからなんだどぉー♪」 「むむ……」 ならメニューにのせるなと、心中で毒づく吾郎。 「……うーん、いかんなどうにもタイミングがズレている」 それならばと、第二希望を口にする吾郎。 「それじゃあ、この煮込みあんまんを……」 が、またしてもれみりゃは下膨れスマイルを左右に傾けた。 「う~? ごめんねぇ~ん♪ それもらいげつからなんだどぉー♪」 れみりゃは申し訳ないとでも思ったのか、カウンターの上に登り、 そこで"のうさつ☆だんす"を踊りだした。 「おこっちゃいや~んだどぉ♪ おわびにれみりゃのしぇくしぃーなおしりみせてあげるどぉー♪」 れみりゃは吾郎に向かって尻を突き出し、それを左右にプリプリ振り出した。 その動作が、ただでさえ空腹でイラついていた吾郎に、さらなる油をそそいでしまう。 「!!」 次の瞬間。 吾郎は、椅子から立ち上がり、れみりゃの片腕にアームロックを決めていた。 「うっうぁぁーー!? いっだいどぉーーー!!」 ガッチリ極まった腕に激痛が走り、れみりゃは悲痛な叫びを上げる。 大の男が手加減無しで極めたアームロックに、れみりゃの肉まんボディーは悲鳴をあげた。 「ざぐやぁーーだじゅげでぇぇーーー!! れみりゃのきゃわいいおででがぁーーー!!」 れみりゃの叫びなどお構いなしに、吾郎は腕に力を入れる。 すると、吾郎のすぐ横までフランがやってきて、吾郎を静止した。 「うー、それいじょういけない……」 フランの静止に、ハッと我に返る吾郎。 が、時は既に遅く。 れみりゃの片腕は吾郎の腕力に耐えきれず、引きちぎれてしまう。 「ぶっでぃ~~っん!!」 肉汁があたりに飛散する中、 れみりゃは絶叫し、あまりの痛みにカウンターの上で号泣しながらのたうちまわった。 「いかんな……ついやってしまった……」 自らが握る、れみりゃの片腕に目をやりつつ、溜息をつく吾郎。 引きちぎってしまったれみりゃの腕はまだ温かく、切断面からはジューシィーな肉餡とホカホカの湯気が覗く。 「……ごくり」 湯気にのって、肉まんの匂いが吾郎の臭覚を刺激する。 吾郎は、我慢できずに、自らが握っている肉まんを口へと運んだ。 「ん! これはうまい! いかにも肉まんって感じの肉まんだ!」 「あああ~~っ、でびりゃのぉ~~~! でびりゃのぉおででがぁ~~~!!」 咀嚼を繰り返し、予想以上の美味に感嘆する吾郎。 その傍らでれみりゃが必死の叫びをあげていたが、今の吾郎にそれが届くことはない。 「そうそう! こういうのでいいんだよ!」 むしゃむしゃと肉まんにかぶりついていく吾郎。 そんな吾郎の服の端を、くぃくぃとフランが引っ張った。 「おかんじょう……ごひゃくえん」 「ん、そうか……支払いがまだだったな」 勝手に食べてしまっては客としてマナーが悪い。 吾郎はフランの言い値に従い、500円を手渡した。 それを受け取り、満足そうに頷くフラン。 一方、れみりゃはホカホカ湯気をたてる肩口をおさえながら立ちあがり、吾郎に食ってかかった。 「べんしょーだっどぉー! でびりゃにぶっでぃんよごずんだっどぉーー!!」 うるいさいなと、吾郎は感じた。 吾郎は食事を堪能しているのを邪魔されるのが我慢できないタチだった。 吾郎は肉まんを食べるのをいったん止めて、フランに頼んで残りを包んでもらうことにする。 そして、肉汁を口から飛ばすれみりゃと向かい合った。 「がえぜぇー! ぞれでびりゃのだどぉー! おぜうざまごうほのだいじなおがらだは、じんるいのたからなんだっどぉー!!」 吾郎は喚き散らすれみりゃの体を持ち上げ、それを店の床へ叩きつける。 れみりゃはわんわん泣いて痛がり、這ったまま頭を抱えてがたがたと震えだした。 「やべでぇー!! もうぶただいでぇーー!!!」 痛みで起きあがることができず、れみりゃは這いつくばりながら抗議の声をあげた。 「どうじで、でびりゃをいじめるんどぉー!? でびりゃはごーまかんのあるじだどぉー! えらいんだどぉーかわいいんだっどぉー!」 四肢をどたばた振り回して、れみりゃはだだをこねはじめる。 こうなってしまうと、なかなか収集はつきそうにない。吾郎は、怒りを通り越して疲れを感じた。 「ぶっでぃんぐれぇー! ぶっでぃーーん!! じゃなぎゃうっだえでやるどぉーー!!」 「うるさい……」 「ぶっひぃ~~~ん!?」 殴り飛ばされ、店の端へ転がっていく、れみりゃ。 れみりゃを制したのは、吾郎ではなくフランの拳だった。 「ぶぁぁーー! ふらんじゃーん! なんでだどぉーー!?」 「おねぇさま、しょせんおじょうさま……でもおきゃくさま、かみさま」 「うあぁぁーー! ふらんじゃんひどいどぉーー!!」 やれやれと、吾郎はため息をついた。 もうここにいても仕方ないなと思い、吾郎は包んで貰った肉まんを片手に店を出ることにする。 「俺はこの店には場違いだったみたいだな……」 * * * 雨はあがり、空には夕日が浮かんでいる。 吾郎は公園のベンチに座り、自販機で買ったチェリオを片手に"れみりゃの片腕の残り"を頬張っていた。 「うん、このわざとらしい肉まん味!」 吾郎の視界の先では、子供達が元気に遊んでいる。 どうやら、羽をもいだ胴体無しれみりゃをボール代わりにして、バスケットボールをしているようだ。 "うううう~~~~っ" "うぁぁぁーー! まんまぁーーー!" "さくやぁーー! たすけてぇーーー!" そんな子供達の元気な様子を目におさめつつ、 吾郎は少年時代の郷愁をスパイスにして、肉まんを堪能するのだった……。 「……肉まんの味って男の子って感じだよな」 おしまい。 ただいま書きかけのネタの在庫整理中だったりします。 『孤独のグルメ』はネタ抜きで面白いマンガだと思うんですけどねー。 by ティガれみりゃの人
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1045.html
とある一室。 ここに、天然のゆっくり霊夢が数匹、連れてこられた。 「おじさん、ここでゆっくりできるの?」 「もちろん! ちょっとここで待っていてくれるかな」 「「うん! ゆっくり待ってるよ!!!」」 男が出て行って、ゆっくり達は改めて部屋を見回した。 いろいろな器具が並んだ小部屋、好奇心旺盛なゆっくり達は、嬉しそうにはしゃいている。 「なんだろうねー」 「これでゆっくりするのかな?」 その時、白衣を着た男が数人、部屋の中に入ってきた。 ゆっくり加工場の職員だ。 「へんなかっこう」 「おじさん達もゆっくりできるひと?」 「いっしょにゆっくりしようよ!」 ものものしい雰囲気の職員達に対して、ゆっくり達はお決まりの文句を言う。 「ゆっくりしていってね!!!」 そう言って近寄ってきた、一匹のゆっくり魔理沙の言葉を無視するように、いきなり捕まえる職員。 そして、ゆっくり達が先ほどから眺めていた装置、ちょうどゆっくり一匹分のスペースが空いている場所に押し込める。 それと同時に、さっきの男が職員二人に拘束されながら、部屋に戻ってきた。 「ゆっくり達、ここはこいつらに乗っ取られてしまったんだ。早く逃げてくれ」 その言葉を合図にして、他の職員達もゆっくりを捕まえていく。 知能の低いゆっくりは、瞬時に何が起こったのか、理解できなかったようだ。 「やめて! ゆっくりしようよ!」 「おじさんも、いっしょににげようよ」 「やめでよ゛ー ゆ゛っぐりじだいよ゛」 「おじざんをだずげであげでー」 さまざまな、怒号が飛びあう中、ものの数分でゆっくり達を捕獲し終える。 そして、ゆっくり全員の視線が集まったところで、一匹のゆっくりが入った機械のスイッチを入れる。 「ゆ? ゆ゛ー!」 瞬間。 幾重もの刃が飛び出し、一分と経たないうちに、餡子と生地の混ざった物体に変化する。 「うわー!」 「はなしてね。はなしてね!」 「おうちかえる!帰らせてー」 その騒がしさを振り払うように、声を張り上げ、男は職員たちに取引を持ちかける。 その装置は、スイッチを入れても殆ど上手く起動しない。 だから、一回スイッチを入れて起動しなかったら、ゆっくりは開放して欲しい。 というもの。 職員はそれに応じた。 ついでに、ゆっくりに目隠しをさせて欲しいとも頼んだ。 これも、直ぐに了承された。 「大丈夫だよ、この機械は殆ど起動しないから」 「おじさん、ありがとう」 「ありがとう」 短い会話をして、直ぐに目隠しをされたゆっくり達。 すでに、最初の一人は機械に入れられたようだ。 「ゆ゛ー!!!」 起動してしまったらしい、ものすごい絶叫が室内に響いた。 「次」 「いだいっ! いだーい!!」 「次」 「おうじがえるー!!!」 「次」 …… 「次、お前で最後だ」 ゆっ、ゆっくり入れてね」 勢いよく入れられた、ゆっくり。 間髪いれずスイッチが入れられる。 しん 「ゆっ?」 助かったのだろうか。 気が付くと、機械から出されて、目隠しも外された。 隣で、あの男が手を振っている。 「おじさん、これでゆっくりできるよ」 と、言おうとしたが言えなかった。 男が、いきなり、ナイフで頭の上を切り取ったからだ。 それだけではなく、ヘラで中の餡子を取っていく。 「いだいー! ゆ゛っぐりざぜでー」 暫く叫び、やはり最後のゆっくりも息絶えた。 残った体は、ゆっくりれみりゃのえさになるのだろう。 場所は変わってアリスとパチェリー。 「これが、虎印の羊羹。すごく濃厚でおいしいわ」 「本当ね、これ、天然モノのゆっくりしか使わないんでしょ?」 羊羹同封のチラシには。 この羊羹は、恐怖心で餡が良く練りこまれるゆっくりの特性を生かし、 極限まで恐怖させ、一瞬安心させる、という手間を加えることで、手を加えずに羊羹化した餡を使用しています。 ホラービデオを強制的に見せた後、同様の方法で作った繁殖物のゆっくりよりストレスが少ない分、より濃厚な味を お楽しみいただけます。 と、記載されていた。
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/52.html
ここはげんそうきょうのちいさなむら そこには野菜や牛たちを育てて生活するのうかりんが住んでいます 朝は日課の文文。新聞を広げて世界情勢をチェックする 「また放火だか~こわいっぺな~」 「あら!またてゐさん行方不明だか・・・こわいっぺな~」 いつものように新聞に愚痴っていると聞きなれた声がしてきた 「うー!うー!」 ゆっくりれみりあである。時折農作業を手伝ってくれるナイスゆっくり 「おー!来ただか!まあゆっくりしていくっぺ!!!」 「うーーー!!」 今日は種まきの日。れみりゃが手伝ってくれないとのうかりん困っちゃう 「さあ、やるだか!」 小一時間ゆっくりしたあと種まきがはじまった のうかりんが畑を耕し、れみりゃが種を蒔く。二人ともがんばる が、れみりゃは飽きっぽい そこに間髪をいれずのうかりんの絶妙トークが冴える 「ふー・・・楽しくなる掛け声きめるっぺ。」 「うー?」 「やっぱりあれしかねえっぺ。ふやじょうれっど!!!」 「うーあどう?」 「ふやじょうれっど!!!」 「うーあどうえっど!!!」 れみりゃはえらく気にいったのかそれは連発! 「うーあどうえっど!!!うーーあどうえっど!!!」 その日ゆっくり村で謎の大爆発が発生。ゆっくり村が壊滅寸前まで追い込まれたという ゆっくり村は今日も平和です 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/494.html
このゆっくりれてぃは完全に俺設定全開です 人里から遠く離れた山の中、この中にあるゆっくり達の群れがある 基本群れを組むのは被捕食種のみだ 捕食種が徒党を組んでいる場合はそれは家族か大規模なえさ場を発見したときぐらいである そしておそらく唯一であろう被捕食種と同じ群れで生活をする捕食種がある それがゆっくりれてぃだ ゆっくりれてぃ 発見数が少ないため未だに詳しいことは分かっていない おそらく人目を避けて山奥とかに生息するからだろうといわれている ただ、成長すれば巨大まりさとかドスまりさとかを超える大きさになりおそらく全ゆっくり一であるということ また餡子容量の多さからか知能もゆっくりとしては高めであることがあげられる 加工場では生産するゆっくり餡子の保管、熟成用に数体のれてぃを飼っている 常に餡子を抜き飢餓状態にしておくので目の前のゆっくりを素早く捕食する その勢いからゆゆこ以上のブラックホールというあだ名まで付いているが野生の彼女は本来はとても心優しい存在だ まあ、そんな存在じゃないと被捕食種と同じ群れに入ることなんてできないだろうが この群れは30匹前後のれいむ種とまりさ種、そしてれてぃが一匹で構成されている むろん、れいむ達もれてぃが捕食種であることは当然知っている 「ゆゆっ!れてぃ、きょうもゆっくりしていってね!!」 「きょうもくろまく~」 だが、空腹時以外はとてもおとなしい、頭の上で子れいむがきゃっきゃと遊ぶのをほほえましそうに眺めている れてぃが被捕食種と群れを組める理由の一つは他のれみりゃやふらんに比べて雑食性が強いことがあげられる 常にゆっくりを食べなくてもれいむたちと同じえさで満足できるのだ 体が大きい分当然餌の消費量は多いがれてぃがいればそれ以上の餌を確保できることが多い 「ゆゆっ!きょうもゆっくりかりにいくよ!!」 「れてぃ、きょうもたのむんだぜ!!」 「くろまくらしくくちのなかにはいってね~」 そう、れてぃはゆっくり達をその大きな口の中に入れて運ぶのだ ちなみに間違って食べてしまうことはない、れてぃは同じ群れのゆっくりは家族のように思っている また大きい分移動速度も速いため遠くまで移動でき、餌不足に悩まされにくい さらに周囲の群れのゆっくりもれてぃが捕食してしまうためさらに餌が不足しにくいという完璧さだ 「ゆゆっ!!きょうはここでえさをとるよ!!れてぃ、ゆっくりおろしてね!!」 「くろまく~」 れてぃが舌をのばし、その上をゆっくり達が這い出てくる それはまさにゆっくりキャリアー、作者の趣味にあわせればゆっくり空母だ れてぃも餌を捕りに行く 「ゆっ、このきのみはとってもくろまく~」 れいむやまりさには手も足も出ないような高さの木の実だって舌をのばすだけで簡単に取れる 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!!」 見るとすぐ足もとでゆっくりれいむの一家が花を食べていた もう動物型出産ができそうな大きさのお母さんれいむが一匹 蔦が生えたら死んでしまいそうだが子供は何とか作れそうな大きさの子れいむが三匹だ 見たところれてぃには気がついていないようだ れてぃはゆっくりから見ると山のようにでかいため警戒心の薄いゆっくりは知らず知らずのうちにれてぃの足元まで来ることが多い 本来なら群れのれてぃ以外のれてぃには近づかないのだがいつのまにか近づいてくることが多いのだ そういえばさいきんゆっくりたべてなかったな そんなことを考えたれてぃ、今日のおやつはこれにしよう 「くろまく~」 全ゆっくり最長の舌を器用に使い四匹のゆっくりを平らげた 「ゆゆっ!?!?」 「まっくらでなにもみえないよ!!」 「おかあさぁーん!!」 「ゆゆっ!おかあさんはここにいるよ!ゆっくりしんぱいしないでぐぼあ゛ぁぁ!!」 「おか゛あ゛さ゛ん゛がぁぁぁ!!」 うん、ゆっくりはおいしい、いつもこんなもの食べてたら甘すぎてふとましくなっちゃうけどたまにはいいか あまったゆっくりは群れの皆のおやつにしよう れてぃはのこった子れいむたちをゆっくり潰しながら合流場所に向かっていった 「ゆゆっ!れてぃ、ここだよ!!ゆっくりきてね!!」 「ゆっくりくろまく~」 「ゆゆっ、れてぃ、はにあんこがついてるぜ?まさかまたゆっくりをたべたんだぜ?」 「くろまく~」 「ゆゆっ、あとでれいむたちに分けてくれるの!?ゆっくりできるれてぃはずっとむれでゆっくりしていってね!!」 れてぃの群れにいるゆっくりはれてぃのゆっくり食いを当然のことと受け止めている もちろん群れの仲間を食べることは許されない だがれてぃの食事を分けてもらうことには共食いとはまた違うカテゴリに含まれるらしい れてぃの数は少ないがれてぃと同じ群れに入りたがるゆっくりは多い 大量の餌が確保できるうえにれてぃが他の捕食種から守ってくれるからだ 全ゆっくり最高の表皮を持つれてぃはふらんの攻撃でもダメージを与えることは難しい 逆にれみりゃやふらん程度はぺろりと食べてしまう まさにれてぃはゆっくりの保護者とも守護神ともいえる存在だ だが、それが長く続くかどうかは分からない もし、不作が続いて周囲の森の食料が少なくなったら さらに他の群れのゆっくりまでいなくなったら そして群れのリーダーが餌のある場所まで群れの引っ越しを行うことができなければ この群れのゆっくりはすべてれてぃの腹の中に入ることになるのだ 続く どうも、セインと申します 自分の脳内のゆっくりれてぃ像を描いてみました これが一般的な設定に… とは言いませんが、これを見た人たちがさらに詳しいれてぃのいろいろな設定を作ってくれればうれしいです ゆっくりれてぃの生活 8月2日 0040 セイン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2537.html
ゆっくりいじめ系1119 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!1 ゆっくりいじめ系1128 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!2 ゆっくりいじめ系1131 悲しき聖帝ゆっくり! お前は愛につかれている!!3 ゆっくりいじめ系1156 お兄さんとドスれいむ ゆっくりいじめ系1168 鬼意屋敷殺人事件 ゆっくりいじめ系1191 どすの加工所 ゆっくりいじめ系1205 幻想樹の迷宮 ゆっくりいじめ系1206 幻想樹の迷宮Ⅱ ゆっくりいじめ系1245 徹夜でゆっくりしようぜ! ゆっくりいじめ系1266 徹夜でゆっくりしようぜ!2 ゆっくりいじめ系1281 地震 ゆっくりいじめ系1302 ゆーうーかい ゆっくりいじめ系1344 ゆーうーかい 解決編 ゆっくりいじめ系1345 ゆーうーかい番外編 ~ゆっくりプレイス~ ゆっくりいじめ系1362 ゆっくりパニック ゆっくりいじめ系1417 ゆっくりプレイスを求めて ゆっくりいじめ系1436 水上レース ゆっくりいじめ系1464 貴方にあったゆっくり ゆっくりいじめ系1503 雪だるま ゆっくりいじめ系1549 デモ活動 ゆっくりいじめ系1550 めーりん達のその後 ゆっくりいじめ系1586 プレゼント ゆっくりいじめ系1616 ドスの話 ゆっくりいじめ系1658 ゆっくり掘ってね!!! ゆっくりいじめ系1694 赤ちゃんれみりゃ ゆっくりいじめ系1776 ふらんちゃんウフフ ゆっくりいじめ系1801 虐待スキーなみんなへ ゆっくりいじめ系1822 片羽のれみりゃ ゆっくりいじめ系1859 帰省 ゆっくりいじめ系1901 哀しみを背負ったれいむ ゆっくりいじめ系1982 片羽のれみりゃ2 ゆっくりいじめ系1998 ゆっくり売ります ゆっくりいじめ系2040 うー競争 ゆっくりいじめ系2056 よくわかるグレムリン ゆっくりいじめ系2133 制限 ゆっくりいじめ系2221 立てこもってみた。 ゆっくりいじめ系2243 北斗と南 ゆっくりいじめ系2283 ゆっくりバスターvsうー!うー! ゆっくりいじめ系2452 ドスは死亡フラグ ゆっくりいじめ系2510 ツバメと雨 ゆっくりいじめ系2743 餡黒七ゆンギャック ゆっくりいじめ系2746 ゆっくりしていってね!!! ゆっくりいじめ小ネタ226 最近の日常 ゆっくりいじめ小ネタ275 まりサンタ ゆっくりいじめ小ネタ285 白いれいむ ゆっくりいじめ小ネタ317 エアバッグ ゆっくりいじめ小ネタ330 ゆっくり海外デビュー ゆっくりいじめ小ネタ338 チョコでも食ってろれいむ ゆっくりいじめ小ネタ342 ラッピング ゆっくりいじめ小ネタ398 キノコと馬とチルノと裏と ゆっくりいじめ小ネタ410 ペットショップを眺めてたらお持ち帰りされちゃった!テヘ ゆっくりいじめ小ネタ419 厚みのないゆっくり ゆっくりいじめ小ネタ426 ゆっくりしてください ゆっくりいじめ小ネタ440 見えない ゆっくりいじめ小ネタ490 奇跡 ゆっくりいじめ小ネタ499 おうち大改造 ゆっくりいじめ小ネタ507 嘘つき! ゆっくりいじめ小ネタ510 修羅の国虐共巨希無ゆっくりいじめ小ネタ521 おお、かゆいかゆい滅他無 ゆっくりいじめ小ネタ581 にとりとれみりゃとうつほ虐滅希ゆ ゆっくりいじめ小ネタ600 冷たい箱虐無 ゆっくりれみりゃ系いじめ62 れみりゃをむーしゃむしゃー ゆっくりれみりゃ系いじめ63 帽子のないれみりゃ ゆっくりれみりゃ系いじめ64 サンタクロース
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1831.html
注:弱肉強食の世界です。か弱い生き物(笑)が食われるシーンを見たくない方は注意されたし… 人里からそこそこ近い森の中、1匹のれみりゃ(胴付き)が自慢のおうち『こーまかん』から出てきた。 時間は夕方6時半。基本夜行性のれみりゃはこれからが活動の時間だ。 「うぁ~!うっう~♪おぜうさまがおめざめだっどぉ~!!」 れみりゃは精いっぱい背伸びし、さっそく体を解すダンスを始めた。 森のど真ん中で好き勝手やっても平気なのは捕食種である者の特権だ。 だがいつもなら30分にもわたって続けるダンスを今日はわずか5分で止めた。 何故だか知らないが頭が重かったからだ。れみりゃは不思議がった。 「う~?なんだかあたまがおもいどぉ~…。」 れみりゃが自分の頭を触って確認してみると、妙に下顎が膨らんでいることに気が付いた。 そう、れみりゃは子を宿していたのだ。れみりゃはそのことに気付くとバンザイして喜んだ。 「う~☆うう~う~!れみりゃはえれがんとなおぜうさまだどぉ~♪」 れみりゃは通常のゆっくりとは違い2匹で子をつくらない。 十分な栄養を摂取し生活に余裕ができたと体が判断すると自動的に子を宿す。 植物型と動物型があるのは同じだが、このれみりゃは動物型のようだ。 胴付きのくせに胴無しと同じ場所から出産するというから不思議である。 「う~!あかちゃんのためにいっぱいたべるどぉ~♪うっうっうぁうぁ☆」 胴付きの強みは妊娠中でも行動できる点である。 胴無しの場合産まれるまで動かず待つしかないが、 胴付きにその心配は無い。顎が膨れるだけなので支障は無いのだ。 「ぷっでぃんをさがすどぉ~♪う~う~うぁうぁ~♪」 れみりゃは早速そのたぷたぷの体を引きずり森を徘徊した。 こんな馬鹿そうな奴でも立派な捕食種、本能が獲物の居場所を知らせてくれた。 「ここがあやしいどぉ~!ぽ~い♪」 蓋らしき物体を華麗に放り投げて中を覗くと、いた。ゆっくりの家族が…。 成体れいむと成体まりさ、そして子れいむが4匹に子まりさが7匹もいた。 「れれれれ…れみりゃだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「どぼじでここにいるのぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!?」 「うー!おぜうさまはじょーひんにのこさずたべるんだどぉ♪」 後はれみりゃの食事タイムだ。被害者にとっては単なる虐殺ショーだが…。 「ゆ!ちびちゃん!れいむのおくちにはいってね!!!」 「きょわいよ~!!」 「ゆ~んゆ~ん!!」 「ぷく~!!まりさがかぞくをまもるよ!!」 逃げるのは不可能と察した家族は徹底抗戦の構えを見せた。 だが妊娠中とは言えれみりゃはれみりゃ、力の差は歴然だった。 「うるさいどぉ♪ぽ~い!」 「ゆぁぁぁぁぁ!!まりさのぼうしがぁぁぁぁぁ!!」 素早くまりさの帽子を外に放り投げ、まりさを帽子の方に注目させた。 その隙に隙だらけのまりさの後頭部にエルボーをかました。 「ごはんはだまってるんだどぉ!!」 「ゆべぎゃっ!!?」 「ま…まりさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「つぎはそっちのばんだどぉ~♪れ☆み☆りゃ☆うー!!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!?」 れみりゃの右ストレートを顔面に食らったれいむは吹き飛び、子ゆを口から出してしまった。 人間から見ればトロトロのへなちょこパンチだが、れいむたちにとっては重い一撃だった。 「やっぱりちいさいのからじっくりたべるどぉ~♪」 「いやぢゃぁぁぁぁぁぁ!!!おがぁぢゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」 「うるさいあまあまだどぉ♪せいぜいくるしんでもらうどぉ~♪」 れみりゃは苦しめれば味が美味しくなることを知っていたのでわざと苦しめて遊んだ。 逃げ惑う子ゆを握り潰して餡子を啜り、親の前でぐちゃぐちゃに噛み千切った。 そして絶望して狂った親ゆを引き裂き、顔を突っ込んで中身を食い荒らした…。 「が…ぴぃ…たしゅけ…!!」 「ん~?まだいっぴきのこってたどぉ!しょくごのでざーとだどぉ~☆」 「やぢゃっやぢゃぁぁぁ!じにだぐないっじにだぐないぃぃぃぃ!!! だじゅげでっだじゅげでよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「あんしんするどぉ♪ひとくちでたべてやるどぉ♪おぜうさまはやさしいんだどぉ~♪」 「やぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぴぎゃ…!!!」 20分後…食事を終え餡子に塗れたれみりゃが笑顔で出てきた。 「う~♪おなかいっぱいだどぉ♪あかちゃんもまんぞくしたどぉ?」 顎を擦るとわずかだが反応しピクリと動いた。 れみりゃは嬉しくなって食後のダンスを踊り、地面に体を擦り付けて餡子を落とし巣に戻った。 残酷に思えるかも知れないが、れみりゃはただ食事をしただけである。 弱肉強食の世界は厳しいのだ。 そんなこんなで数日後、いよいよ誕生の時を迎えた。 れみりゃは巣の中で前のめりになり、顎をクッションの葉っぱに近づけ唸っていた。 「うぁ~!うぁぁぁぁ~!!うばれるどぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 メリメリと産道が開き、少しずつ赤れみりゃの姿が見えてきた。 そして・・・ ぽっすん! 間の抜けた音と共に、産道から勢いよく赤れみりゃが発射された。 葉っぱに上手く着地し、赤れみりゃは元気な産声を上げた。 「んぁぁぁぁ~!」 その直後再び産道から2匹目の赤れみりゃが発射された。 ぽっすん! 「んん~…。んあんあ♪」 「う~…。う~…。と…とってもかわいいあかちゃんだどぉ~…♪」 2匹の赤れみりゃは親れみりゃを見ると首を傾げた。 「うぅ~?みゃんみゃ~?」 「そうだどぉ~!れみりゃがあかちゃんのママだっどぉ~♪」 「うぅぅ~!みゃんみゃ~!うぅーうぅー♪」 2匹は小さい両手をパタパタ動かし生まれた喜びを全身で表現した。 生まれたての赤れみりゃは胴付きであってもまだほとんど歩けない。 初めのうちは歩かずに、背中の小さい羽で浮遊していることが多いのだ。 成長するに従い足腰がしっかりしていき、代わりに羽は退化して飛べなくなるという仕組みだ。 「う~!ママは『CHA☆RI☆S☆MA』なおぜうさまだどぉ♪ だからもうごはんをよういしてあるどぉ~♪」 れみりゃが用意していた食事はそこらから毟り取った花であった。 れみりゃだって毎日ゆっくりを食べている訳では無い。 ライオンが毎日獲物を捕まえられないのと同じ道理である。 花には蜜が含まれていたので、れみりゃはそれを口に入れ蜜だけ吸い出し、 赤れみりゃに口移しで与えた。 「う~♪あまあまだどぉ~☆おいしいどぉ~♪」 「ちゅうちゅう…とっちぇもおいちいどぉ♪」 「みゃんみゃ~♪だいしゅきだどぉ~♪」 2匹は早速親れみりゃに甘え出した。すりすりし家族の絆を確かめ合ったのだ。 赤れみりゃの大きさはまさに手の平サイズだ。 れみりゃはこの赤ちゃんたちを立派なおぜうさまに育てようと誓ったのだった…。 それからと言うものの、れみりゃは普段のだらけ切った生活から抜け出し我が子を教育した。 れみりゃが教えることの代表はやはり狩りの仕方だが、まだ2匹は赤ちゃんだ。 最初に教えるのはおぜうさまとしての嗜みであるダンスの仕方だ。 「う~!うあう~♪うっう~うぁっうぁっ♪」 「みゃんみゃ~じょーじゅだどぉ~♪」 「うぁっうぁっう!?こりょんじゃったどぉ~!!いぢゃいどぉ~!!」 「う~!?けがしたらだめだどぉ!ママがぺ~ろぺ~ろするどぉ♪」 「う~♪くしゅぐっちゃいどぉ~!」 初めは上手く出来なかったダンスも少しずつ上達していった。 れみりゃは我が子の天才っぷりに感激し、いつもより余計に踊った。 誕生から1週間が経ち、赤れみりゃは少し大きくなっていた。 そろそろ狩りを教える頃だ。れみりゃは自分の赤ちゃん時代を思い出してそう直感した。 夜の8時、赤れみりゃが眠そうに目を擦りながら起きた。 「う~!きょうはりっぱなおぜうさまになるためのくんれんをするどぉ!」 「んぁ~…?おにゃかしゅいたどぉ…。」 「きょうはみんなでごはんをかれいにてにいれるんだどぉ~♪」 「うぁ~♪おもしりょしょうだどぉ~♪」 れみりゃたちは元気良く『こーまかん』から飛び出し、 ストレッチ代わりのダンスを踊り森を散策した。 れみりゃは赤れみりゃを飽きさせないようにしっかり準備をしていた。 今回の狩りで赤ちゃんに自信を付けてもらうのだ。 れみりゃは予め見つけておいた獲物の巣に真っ直ぐ進み、 あるトンネルに辿り着いた。 「う~!いいどぉ?たべものをみつけたら『ぎゃお~!たべちゃうぞ~!』って言うんだどぉ☆」 「わきゃっちゃどぉ~!」 「わきゅわきゅしゅるどぉ♪」 捕食種の血…じゃなくて肉まんが騒ぐのか、赤れみりゃはやる気満々だ。 れみりゃはトンネルにずかずかと入り込み、周りを見渡した。 このトンネルは親を亡くし孤児になった赤ゆを育てているぱちゅりーがいる。 人間で言えば孤児院のようなものである。れみりゃはそこに目を付けた。 いくられみりゃが普通のゆっくりより強いとは言え、 赤ちゃんにいきなり成体をぶつける訳にはいかない。 だからここを選んだ。赤れみりゃだけでも狩りが行えるように…。 「うぁ~!たべちゃうぞ~~~~~~~!!!!」 「ちゃべちゃうじょぉ~!!」 「ちゃべちゃうじょぉ~!!」 大声で叫び、自分たちの存在をあえてアピールするれみりゃたち。 狩りをする上で必要無いように思えるが、実は意味がある。 相手を怯えさせて味を良くするためである。 「れれれ…れみりゃぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「むきゅ~~!!?どぼじでみつかっちゃのぉぉぉぉぉ!!!?」 「ばっかだどぉ♪みつけてくれっていってるようなもんだどぉ~!!」 中にはいるわいるわ、赤ゆのバーゲンセールである。 れみりゃは子供たちを守ろうと盾になったぱちゅりーにタックルをかまし、 叩き潰して中身を啜った。わずか10秒の早業である。 ここからが本番だ。 頼りのぱちゅりーを失い固まった赤ゆたちを尻目に、 れみりゃは入口に戻りどっかりと座った。 無論獲物が逃げないようにするためである。 「う~!あかちゃんたち~、そいつらはみ~んなあまあまだどぉ♪ おなかいっぱいたべるんだどぉ~☆」 その一声がスーパー捕食タイムの幕開けの合図だった。 赤れいむや赤まりさ、赤ありすに赤ぱちゅりー…。 全員たちまちパニックになり逃げ惑った。 だが逃げ場など存在しない。 赤れみりゃはよちよちと歩き、疲れて動けなくなった赤ゆを捕まえていった…。 「ゆぴゃぁぁぁぁ!こにゃいでぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「いやぢゃいやぢゃぁぁぁ!!!じにだぐにゃいぃぃぃぃぃ!!!」 「みゃみゃぁぁぁぁ!!ちょかいはなありしゅをたしゅけてぇぇぇぇぇ!!!」 「わぎゃりゃにゃいよぉぉぉぉぉぉ!!」 「どうじでまりしゃがこんにゃめにあわにゃきゃいけにゃいのぉぉぉ!!!」 「おうぢがえるぅぅぅぅぅ…どぼじででらりぇにゃいのぉぉぉぉぉ!!!?」 「う~!いりぐちはふさいだどぉ♪ぜんいんのこらずごはんだどぉ♪」 「みゃんみゃぁ~♪ちゅかみゃえたどぉ~!!」 「はにゃじでぇぇぇぇぇぇ!!いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」 「さすがママのあかちゃんだどぉ♪えらいどぉ~!」 「がぶがぶちゅーちゅー!おいちいどぉ♪」 「も…ちょ…ゆっきゅち…。」 「もうやぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」 「だれがだじゅげでぇぇぇぇぇぇ!!!!」 「うりゅしゃいあみゃあみゃだどぉ!しゅこしだまりゅどぉ!!」 ただ食べるのに飽きた2匹の赤れみりゃは赤ゆで遊び始めた。 壁に擦りつけて柔らかい皮を擦り下ろしたり…。 「しゅ~りしゅ~り♪しあわしぇだどぉ~?」 「いぢゃぢゃぢゃぁぁぁぁぁ!!!!やべっぴぃぃぃぃぃぃぃ!!!!」 何度も両手で殴打して泣き叫ぶ赤ゆを見てにっこり笑ったり…。 「う~!う~!!う~~~~!!!」 「やべっゆぎゃっぴぎぃっ!!!!」 「ぼきょぼきょでおもしりょいどぉ♪」 「おがぁぢゃん…!おがぁぢゃぁぁぁぁぁぁぁん!!!だじゅげでよぉぉぉぉぉ!!!」 「うりゅしゃいどぉ!あみゃあみゃのぶんじゃいで…れ☆み☆りゃ☆うぅー!!」 グシャァッ!! グチャグチャ…ジュージュー…ガブッジュルリ…! そこらに落ちていた木の棒を突き刺したり…。 「う~♪おもしりょいどぉ!どんどんしゃしゃりゅどぉ!!」 「いぢゃいっゆぎゃっぴっ!!ぼうやべっちょかいはじゃにゃ…ぐべ…!」 「う~?うごきゃにゃくなったどぉ?」 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛…。」 「ちゅまりゃにゃいどぉ!ぽ~い♪」 赤ちぇんの尻尾を掴んでブンブン振り回したり…。 「う~!う~!ぐりゅぐりゅ~♪」 「わぎゃりゃにゃいよぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 ブチッ!! 「わぎゃりゃにゃぁぁぁぁぁ…ぐぱぺっ!!!?」 「きれちゃったどぉ…。もぐもぐ…。おいちいどぉ~♪」 赤ぱちゅりーの口に指を突っ込んだり…。 「ぎゅ~りぎゅ~り♪」 「むぎゅぅぅぅぅぅっうげげげげげげぇぇぇぇ…!!!」 「きゃおいりょがわりゅいどぉ♪たのちいどぉ♪」 ズボッ!!! 「お゙ぼお゙お゙ぶゔっ…エレエレエレエレ…!!」 「う~♪げりょげりょきちゃにゃいどぉ!ぽ~い♪」 「むぎゅぅぅぅぅぅぅっびゅげっ!!」 手に付いたクリームを舐めて赤れみりゃはニコニコだ。 「だじでっきょきょきゃらだじでぇぇぇぇぇぇ!!!」 「だめだどぉ♪あまあまはださないどぉ~☆」 「まじゃじにだぐにゃいよぉぉぉぉぉ!!! れーみゅは…れーみゅはおいちいもにょをむ~ちゃむ~ちゃじぢゃいよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! きりぇいなはなしゃんももっちょみちゃいよぉぉぉぉぉぉぉ!!!! どぼじでこんにゃひぢょいことしゅるのぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!???」 すると泣き叫ぶれいむをれみりゃは優しく抱え上げた。 「う~…。あかちゃんはあまあまでもかわいいどぉ…。かわいそうだどぉ…。」 「ゆぅぅっ!!?じゃぁ…じゃぁれーみゅをたしゅけ…!!」 次の瞬間両手で思いっきり強く握り締めた…!! 圧迫された赤れいむの色が押し出された茶色に染まっていく…。 「たべちゃいたいほどかわいいどぉ♪れみりゃもおなかすいたからたべてあげるどぉ~♪」 「やべでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!」 ガブッ 「ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛ゆ゛っ゛…!!!」 ちゅーちゅーちゅー… 「…………。」 「やっぱりくるしめてからたべるとかくべつだどぉ♪にぱぁ~☆」 その後1時間にも渡りれみりゃたちは無抵抗の赤ゆたちを狩った。 赤れみりゃも獲物を追ううちに少しずつちゃんと歩けるようになっていた。 よちよちと実にノロい歩みだが、ゆっくりの中ではかなり速い部類だ。 そもそも被食種など一頭身の饅頭に過ぎないのだから、 手足があるれみりゃにスピードで敵う訳が無い。 成体のちぇん種なら逃げ切れるかもしれないが、ここには赤ゆしかいないのだ。 赤れみりゃたちの狩りを見ながら、れみりゃは満足そうに近づいてきたあまあまを食べた。 「う~!おにゃかいっぴゃいだどぉ~♪」 「もーちゃべりゃれにゃいどぉ♪」 「う~!ママもだどぉ~!たくさんいたからたすかったどぉ~!」 しかし洞窟にはまだかすかに生き残っている赤ゆがいた。 赤れいむと赤まりさが1匹ずつだ。 れみりゃたちが満腹そうに腹をさすっている姿を見て、 自分たちは助かったんだと淡い期待と希望を見出した。 だが…。 「う~♪のこりはおもちかえりだどぉ~!」 「ゆひぃ!やべでねっ!はにゃじでぇぇぇぇぇぇ!!!」 「みゃんみゃぁ~?どうしゅるんだどぉ?」 「あかちゃんたちのかりのれんしゅうあいてだどぉ♪ こいつらはさいこうにめいよあるあまあまだどぉ~!!」 「いやぢゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 2匹はれみりゃの両手に取り押さえられお持ち帰りされた。 この2匹を使って可愛い赤ちゃんの狩りの練習をするのだ。 「う~♪あかちゃん~♪このあまあまをつかまえるんだどぉ~♪」 巣の中で入口を塞ぎ、れみりゃはそっと手に持っていた2匹を放した。 このれみりゃたちが住んでいる『こーまかん』は腐った木の下の空洞に存在し、 広さは中々のものだった。ここなら十分練習ができるだろう。 「うーうー!まちぇまちぇだどぉ~♪」 「ゆぁぁぁぁぁぁ!!!こにゃいでっやぁぁぁぁぁぁ!!!!」 「どうじででぎゅちないのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「まちゅんだどぉ~!うぁ~うっう~!!」 たった2分で赤れいむと赤まりさは捕まった。 赤れみりゃにしては上々のタイムだ。 れみりゃは我が子の成長っぷりに顔がさらに緩んだ。 …この森にはれみりゃにとっての天敵は存在しない。 野犬や狼などはれみりゃにとってふらんに次ぐ天敵だが、 ここにはそれがいない。 この森ではれみりゃが頂点であった。 だから夜通しダンスと称して馬鹿騒ぎしても襲われることは無い。 初めての狩りから2週間ほど経ち、赤れみりゃは立派な子れみりゃになっていた。 れみりゃは他のれみりゃに我が子の自慢話をしては、おぜうさまらしさをアピールした。 子れみりゃも自分でちゃんと獲物を狩れるようになった。 わずかに漏れる寝息を探り、寝ているところを襲撃し恐怖を植え付けてから食べる…。 ゆっくりは繁殖能力がすごいのでいくら食ってもマイナスにはならないのだ。 れみりゃは我が子のおぜうさまっぷりを見てまた喜びのダンスを踊った。 「う~♪まんま~、とうとうしっぽのあまあまをつかまえたどぉ~!」 「わぎゃりゃにゃいぃぃぃぃぃぃ!!!」 「すごいどぉ!そのあまあまはすばしっこいからなかなかてにはいらないんだどぉ!」 「まんま~!れみりゃもとったどぉ~♪」 「ちびちゃんたちすごいどぉ~♪やっぱりママのこだどぉ~☆」 子れみりゃは夕方まだ活動しているゆっくりも捕まえられるようになった。 もう狩りに至っては一人前だ。外敵に怯える必要が無い分早く成長したのだ。 れみりゃは幸せだった。もうすぐ巣立ちの時が来る。 それは寂しかったがれみりゃの自慢の子供たちだ。 きっと自分を超えるおぜうさまになってくれるだろう…そう思った。 …だがれみりゃは重要なことを教え忘れていた…。 「うぁ~?みかけないごはんだどぉ?あまあまだどぉ?」 「まんま~にぷれぜんとするどぉ~♪ ある日2匹の子れみりゃは大好きな母のため、大きな獲物を捕まえようと計画していた。 あと1か月前後で巣立ちの時期だ。子れみりゃはお別れパーティーがしたかったのだ。 れみりゃにとってここには敵がいない。故に全てが自分たちの食べ物だと思っていた。 子れみりゃたちはいつものように手を広げて獲物に近づき騒ぎ立てた。 だが相手は…。 「何だよ五月蝿いなぁ…。あっち行け!!しっし!!」 そう、人間であった。 この森には極稀に人間がやって来る。 普段は昼頃やって来るためれみりゃたちはその存在に気付かない。 だがこの人間は夕方にやって来ていたのだ。 夕飯に使う山菜が足りなくなり、仕方なく夕方に森に来たのだ。 「うぅ~!あまあまだどぉ?わからないけどたべられるんだどぉ♪」 「五月蝿いって言ってるだろ!?オレはお前らに興味は無いんだよ!」 「うう~!ぶれいなやつだどぉ!なまいきだどぉ~!!」 運が悪かったのは、ここに親がいなかったこと。 親のれみりゃが一緒にいたなら、 『こんなぶれいなやつほっとくどぉ~』などと言い、 少なくともれみりゃに関心の無いこの人間からは離れられた。 だが子れみりゃの近くに今親はいない。 驚かしたいがためにこっそりここまで来たからである。 子れみりゃは自分たちが最強だと信じて疑わなかった。 何故なら敵に遭ったことが無いからだ。 この人間も自分たちのために存在するご飯だと本気で思っていた…。 「れみりゃはかんだいだどぉ~♪まずそうだけどたべてやるどぉ~♪」 「しつこい奴だな…。今山菜探してるんだから目の前から消えてくれ、邪魔だ!」 「う~!なまいきすぎるどぉ!もうゆるさないどぉ~!!!」 ガブリッ!!! 「いっ!!!!?こ…このヤロ…!!!」 「う~!?かたくてまずいどぉ~!」 「ほんとだどぉ!まずまずだどぉ~!!ぺっぺだどぉ!!」 このお兄さんは虐待派では無い普通のお兄さんだが、 いい加減怒りが顔に出てきていた…。 噛まれた所はかすかに青くなっていた。 捕食種であるれみりゃの噛む力は意外と強いのである。 「…もうオレが不味いって分かっただろう…!?さっさと消え…。」 「うー!くそなまいきなやつだどぉ!」 「れみりゃたちがやっつけるどぉ~!!」 子れみりゃは事もあろうにお兄さんにタックルをし始めた。 生意気な変な奴を倒してお母さんに褒めてもらおうと思ったのだ。 子れみりゃは狩りの練習を思い出し、ばんばん攻撃してきた。 だがお兄さんはかなり心の器が大きい人だった。 この期に及んでも手を出そうとはせず、子れみりゃに話しかけた。 「全く効かないんだけど…!これ以上やったらさすがに怒るぞ…? いいか?オレたちの姿を見ている人はいないんだ…。 オレがこの場でお前らをどうしようと誰も気にしないんだ…。 分かるだろう?分かったらさっさといなくなって…。」 「う~!!つべこべうるさいどぉ~!!」 「おぜうさまにむかってくちのききかたがなってないどぉ~!!!」 2匹は協力して同時にタックルを仕掛けてきた。 もう帰ってくれると思ったお兄さんは油断してのけ反り、 その場にドサッと倒れてしまった。 オマケに背中に背負っていた籠から集めた山菜がぼろぼろこぼれてしまった。 「う~?ぱくっ…まずいどぉ!ぽ~い♪」 「こんなまずいくさはぽ~い♪」 子れみりゃは散らばった山菜をあちこちにまき散らしてしまった。 「……!!!」 「う~?そのかおはなんだどぉ~?とことんなまいきなやつどぉ~♪」 「うぁ~♪まずいしよわいし、すくいようのないやつだどぉ~♪」 「あきたからべつのごはんをさがすどぉ♪こいつはまずまずでぽ~いなんだどぉ♪」 プッチン!! 決してプリンの音では無い。お兄さんがキレてしまった音だ…。 「…お前らは本当に馬鹿な奴らだ…。オレは最後のチャンスを与えてやったんだぞ…!!」 「う~?まずまずがなんかいってるどぉ~♪まけいぬだどぉ♪」 「まんま~にみせたらきっとおなじことをいうどぉ♪でかぶつはきえろだどぉ~♪」 子れみりゃたちは悪意があって言ってる訳では無い。 ただ率直に述べているだけだ。お兄さんがキレたことも知らずに…。 「弱肉強食!!!!」 ドゴォッ!!!! 「ゆびゃげばっ!!!!?」 「う…?」 一瞬の出来事だった。 1匹の子れみりゃの腹部にお兄さんのメガトンパンチが炸裂したのだ。 もう1匹は何が起こったか分からず目をパチクリさせている…。 食らった方はその場にドサッと倒れ、初めての激痛に顔を歪ませ号泣した。 よく見ると子れみりゃの腹部から肉まんが少し漏れていた。 れみりゃの体は意外と脆いのだ。 「う…うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」 「ぎゅぼぐへぇぇ…う…うぅぅぅぅぅぅ…。いだい…どぉ…。」 「まだオレの怒りは収まらないぜ!この肉まん野郎覚悟しやがれぇぇぇぇ!!!」 「うぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ごっぢぐるなどぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「口は災いのもとぉぉぉぉ!!!!」 ガキィィィンッ!!!! 「うごばげぁっ!!!!」 もう1匹の子れみりゃにお兄さんの鋭い蹴りが炸裂した。 蹴られた子れみりゃはそのまま吹っ飛び木に激突した。 「うぁっうぁっうぁっうぁっうぁっうぁ…っ!!!」 「うぅぅぅぅぅっ!?おぜうさまがぁ…どぉじでぇぇぇ!!?」 子れみりゃは信じられなかった。 れみりゃはこの世界で最強のはずだ。 どうしてこんな不味い変な奴にやられなければならないのか? この世の全ては自分たちれみりゃのために存在するはずなのに…。 無論それらは子れみりゃの妄想だ。 今まで強い天敵などに遭ったことが無いのだからそう思うのも無理は無い。 親が教えるべきは人間の存在であった。 最もあのれみりゃが人間のことを知っていたかすら分からないが…。 「けっ!よっぽど甘やかされたんだろうな…!上には上がいるんだよ!!」 「うぁっうぁっうぁっうぁっうぁ…っ!!!!」 「だじゅげでまんまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!ざぐやぁぁぁぁぁ!!!!」 「…弱肉強食、お前らだって今まで沢山ゆっくりを食ってきただろ? 今度はお前らが食われる側になった…それだけの話だ。」 お兄さんは蹴りを受け痙攣してる子れみりゃを持ち上げた。 上半身と下半身がかろうじて繋がっている状態だ。 いくら再生能力が高くても子れみりゃじゃもう長くないだろう。 「悪いのはお前たちだ。そこで己の非力さを噛み締めるんだな…。」 お兄さんは下半身を引き千切り口に運んだ。 ホカホカでとても美味しい。 「うぁっうぁっうぁっうぁっうぁ…。」 「いもうとのえれがんとなからだがぁぁぁぁぁ!!?」 「じゃあな。オレは山菜を集めて帰るよ…。」 「だずげ…で…!」 「…ああぁっ!!?」 「だずげで…くだしゃい…っ!!いもうとが…しんじゃうぅぅぅっ!!!」 お兄さんは怒りを込めてこう言い放った! 「お前らはそうやって命乞いしたゆっくりをどれだけ殺してきたんだっ!!! よってオレはお前らを助けない!!山菜捨てられたしなっ!!!」 お兄さんは子れみりゃの声を遮りさっさと行ってしまった。 「ちきしょう…。何でオレの方が悪い奴みたいになってんだよ…!!」 「うぁっうぁっ…うぁっうぁっ…うぁぁ…う…………。」 「うぁぁぁぁぁぁぁ!!!!まんまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」 上半身だけになった子れみりゃは失肉汁多量で冷たくなってしまった…。 パンチを受けた方の子れみりゃも痛みから満足に動けずその場で悶えていた…。 この時子れみりゃは初めて恐怖を覚えたという…。 しばらくして痛みが減ってきた子れみりゃはお母さんに助けを求めるため出発した。 「まんまぁ…。いたいどぉ…。くるしいどぉ…。たすけてほしいどぉ…。」 だがその時… 「ゆっくりしね…!ゆっくりしね…!!」 「う…うぁ~…?だれだどぉ…?」 この森に天敵はいない…はずだった。 だが生態系とは常に変化しているものだ。 ふらん種がここに来たのは、ただ単に獲物が沢山いるからである。 前の森で食べ物が減ってきたので移住してきたのだ。 天敵の存在など記憶から抹消していたれみりゃはあっという間に弱者に転落した。 だがこの子れみりゃは自分たちは決して無敵では無いということをさっき知った。 だが知るのが遅すぎた。 「ゆっくりしね…!!」 「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁまんまぁぁぁぁぁぁぁっごべらっ!!!」 その頃…ふらんたちは腹を満たすためれみりゃを襲いまくっていた…。 2匹の親だったあのれみりゃも呑気に寝てる間に腹を食い破られゆん生を閉じた。 他のれみりゃもふらんにケンカを売り、ことごとく狩られていった…。 それからわずか1週間後、森かられみりゃたちの姿はほとんど消えた…。 今度はふらんがれみりゃを狩る番だ。 抵抗する術を知らないれみりゃはふらんの前では食料同然だった…。 「最近森のれみりゃ見なくなったなぁ。」 「ふらんが増えたんだってさ。他のゆっくりは壊滅寸前だって。」 「これ以上ふらんが増えたら森の恵みが危ないかもな…。」 「そろそろゆ狩りを実行した方がいいんじゃないか?」 ふらんの天下も間も無く終わるだろう…。 この世は弱肉強食… そしてゆっくりはどう足掻いても人間の上には立てないのであった…。 過去作 2517 ちぇんマー投げ 2526 ゆンペルダウン 2550 痙攣鬼異惨の日曜日 2560 分からないだらけのゆん生 2570 馬鹿とゆっくりは使いよう 2585 ゆっくり飼育書 2600 食ゆ鬼意山の罠 2619 少年と秘密の箱庭 2627 生死の要因 2634 軍人鬼異惨の試練 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/33.html
ゆっくりという種族が幻想郷に突如蔓延して、どのくらい経っただろうか。 畑を荒らす害獣として駆除されたり、加工所というところでお菓子にされたりするくらいには、既に浸透していると思う。 中には俺のように、ペットして飼うものも少なからず存在していた。 「今帰ったぞ~」 「ゆっ!」 仕事が終わり、帰宅して扉を空けると、部屋の真ん中に鎮座していた生首が声を上げて駆け寄ってきた。 赤いリボンが特徴的な、ゆっくり種の中でも一番数が多いとされるゆっくり霊夢だ。 博麗の巫女によく似た顔で(と言うと、霊夢さんは怒るかもしれないが)、性格は基本的に温和で純粋無垢。 それ故にトラブルを起こすことも多々あるのだが……まぁ、その話はもうちょっと後で。 「ゆっくりしていってね!」 仕事で疲れてる俺に対する労いの言葉――ではなく、単にこいつらの口癖なのだが、兎にも角にも癒される。 可愛いなぁ、くそ。 俺の友人たちはよくこいつを買って食べているが、正直薄目に見れば人の顔そのものであるこいつらによく噛み付けるものだ。 しかも食う時に痛々しい叫び声上げるんだぜ? 悲痛すぎて言葉が出ない。 友人曰く、「お前もその内分かるようになる」らしいんだが……そういう日が来ないことを願う。 「待ってな、今晩飯作るから」 「ゆっくり待ってるね!」 ぴょんぴょん飛び跳ねて晩飯を心待ちにしていることをアピールするゆっくり霊夢。 うぅん、ぷりちー。 気持ち悪がる人もいるが、俺にとっては可愛いペットだ。 晩飯を食べ終わると、読書タイムとなる。 最近友人になったパチュリーさんから借りた本を読みながら、まったりとした時間を過ごす。 ゆっくり霊夢は何をするでもなくぼーっと、たまにぴょんぴょん部屋を飛び跳ねて、「ゆっくりしてるね!」と言っていた。 ゆっくりの声には癒し効果でもあるのか、意識を阻害されることなく読書に集中出来る。 やがて切りのいいところで本を片付け、ゆっくり霊夢と遊ぶことにした。 「ほら、取って来い!」 「ゆ! ゆ!」 フリスビーを家の壁に穴を開けない程度に軽く投げ、ゆっくり霊夢に取って来させる。 ゆっくり種はその口癖と名前から勘違いされがちだが、飛び跳ねたり、野原を駆け回ったりと意外とアクティブな存在だ。 だから運動不足にならないよう、こうして遊んであげる必要がある。 俺が仕事に行ってる間に外に出してもいいんだが、もし野生のゆっくりアリスやゆっくりれみりゃと遭遇したときのことを考えると……駄目だ、放し飼いは認められない。 「取ってきたよ!」 口にフリスビーを加えたゆっくり霊夢が戻ってくる。 「おう、偉い偉い」 ゆっくり霊夢の頭を撫でてやると、ゆっくり霊夢は嬉しそうな顔をした。 その顔を見ていると、こっちの頬まで緩んでくる。 ……それと同時に、ある感覚が心の内より現れた。 「っ……」 「?」 不思議そうにこっちを見つめるゆっくり霊夢になんでもない、と首を振り、もう一度フリスビーを投げる。 せっせと追いかけるゆっくり霊夢を見つめながら、湧き上がる感情に戸惑いを覚える。 ――ゆっくり霊夢をいじめたい。 別に虐待をしたいわけではない。可愛いペットにそんな真似をしたくはない。 しかし、こう、なんというか……ううん、説明出来ない。 「ゆっくり取ってきたよ!」 再び戻って来るゆっくり霊夢。 俺は心のもやもやを打ち払うようにゆっくり霊夢の頭を撫で、そして振動させた。 「ゆっ!?」 小刻みにバイブレーション。 最初は驚いて逃げようとしたゆっくり霊夢の顔が、少しずつ赤らんでくる。 「ゆゆゆ、ゆー!! ゆー!!!」 甲高い声。時間の経過と共に、ゆっくり霊夢はどんどん発情していく。 荒んだ心を癒してくれる礼として、こうしてゆっくり霊夢に快感を与えてあげることは毎日の日課だった。 「……」 だが、今日の俺はなんとなく、手を止めてしまった。 中途半端なところで快感をストップされたゆっくり霊夢は慌てたように俺の手に擦り寄って、 「ゆ、ゆっくりして! もっとゆっくりしていって!」 潤んだ瞳で俺を見上げるゆっくり霊夢。 その視線を浴びて、 「……!」 何故か身体がゾクゾクする。 もっと見たい。 もっとこの目で見つめられたい。 「ゆー!!! ゆー!!! ゆー!!!」 だが、それと同時に可哀想だという感情も浮かび上がってくる。 俺は手をもう一度律動させ、ゆっくり霊夢を絶頂へと導いてやった。 未知の感覚に戸惑いながら、一週間が経過した。 臨時教師として慧音さんの手伝いをした俺は彼女と彼女の友人である妹紅さんと一緒にまったりとお茶を飲みながら歓談し、上機嫌だった。 「おーう、今帰ったぞー!」 扉を開ける。 ――瞬間、先程までの高揚した気分が嘘のように蒸発した。 俺はゆっくり霊夢に、家の中はどこをうろついてもいいから絶対に机の上には乗るなと言い聞かせてあった。 机の上には俺の大事なものがたくさん置いてある。 ゆっくり霊夢はそのことを理解したかどうかは知らないが、厳しく言っておいたので飼い始めてから三ヶ月、ずっと机の上に乗ることはなかった。 だが。 帰宅した俺を待ち受けていたのは机の上に鎮座してゆっくりと眠っているゆっくり霊夢の姿だった。 「……」 俺は机に近寄って、その惨状を目撃した。 綺麗に整頓されていた机の上は見事に荒らされ、物体のほとんどが破壊されていた。 アリスさんがくれた人形も、 妖夢ちゃんが作ってくれた剣神像も、 てゐから珍しく受け取った四葉のクローバーも、 幽香さんから頂戴した花も、 にとりさんと協力して発明したトランシーバーの試作機も、 みんなみんな、見るも無残に破壊され尽くされていた。 「……」 俺はどろどろとした心のまま、ゆっくり霊夢を起こした。 「ゆ……?」 とろんとした目を開け、俺が目の前に立っているのを認識するや否や、 「ゆっくりお帰りなさい!」 いつもの挨拶。 だが、俺の心はいつものように癒されはしない。 「なぁ、ゆっくり霊夢」 「どうしたの?」 「お前、なんで、机の上に乗ってるんだ……?」 「……ゆ!?」 俺の怒りのオーラを感じ取り、ようやく約束を思い出したのか、ゆっくり霊夢は慌てたように頭を下げた。 「ご、ご、ごめんなさいだよ!」 「謝るのは後でいい、理由を説明しろ」 「あのね、蝶々がね……」 ゆっくり霊夢が言うことには昼頃、窓の隙間から現れた蝶々を捕まえようと四苦八苦し、ようやく机の上で捕まえて食べ、そのまま眠ってしまったらしい。 あまりにも夢中で、俺との約束など「うっかり」忘れてしまっていたようだった。 うっかり。 それだけの理由で、俺の大切なものは破壊され、二度と元には戻らない。 俺はゆっくり霊夢を叩こうと腕を振り上げ、 「ゆーっ!!!」 目を閉じ、ぶるぶると震える姿を見て、静かに下ろした。 とんでもないことをしたとはいえ、三ヶ月間ずっと一緒に暮らしてきたペットだ。 暴力を振るうことは、俺には出来ない。 溜息をつき、ゆっくり霊夢を持ち上げ、そっと床に降ろした。 「ゆ……?」 「晩御飯にしようか」 ぱぁ、とゆっくり霊夢の顔が明るくなった。 「ゆっくり用意してね!」 先程の殊勝さが嘘のように、ぴょんぴょん飛び跳ねて喜びを露にする。 「ふぅ……」 甘いな。 まったく甘い。 俺は、許してやるなんて一言も言ってない。 その日から、俺は帰りにある場所へ寄るようになった。 必然的に帰りは遅くなり、ゆっくり霊夢と遊ぶ時間はなくなる。 更に意識して朝飯と晩飯の量を減らしたので、ゆっくり霊夢は少しずつ文句を言うようになった。 「早く帰ってきてね!」 「たくさん遊んでね!」 「もっと食べたい!」 だが、俺はその声を悉く無視した。 少し胸は痛んだが、それでもこいつにはやったことの重大さを分からせてやらねばならない。 でないと、俺の怒りが収まらない。 俺のただならぬ様子を見かねた鈴仙さんから貰った精神鎮静剤を飲みながら、俺は準備が整うのを待った。 そして――三日後。 全ての準備は整ったのだった。 ゆっくり霊夢はまどろみの中にいた。 最近は自分の主人があまりゆっくりしてくれなくなり、寂しい思いをしていた。 だが昨日の夜、寝る前に彼は言ってくれたのだ。 「ここのところ、遊んでやれなくてすまなかったな」 「一週間の休暇を取ってきたから、ずっとゆっくり過ごそう」 「ご飯も今まで少なかったけど、豪華にするぞ」 「さ、今日は一緒の布団で寝ようか」 感激したゆっくり霊夢は、わくわくした気持ちのまま眠りに付いた。 一週間も、優しい主人とゆっくり出来る! だから、早く起きないと。 ゆっくり霊夢は寝返りを打とうとして――打てない。 「……?」 身体が動かない。 自分は今だ夢の中にいるのだろうか? なんだか息苦しい…… ゆっくり霊夢は静かに目を開いた。 「……!?」 そして映った光景に飛び上が――ることが出来ず、身体を震わせた。 自分の身体は、四角い箱の中に閉じ込められていた。 『んん゛っん゛ん゛ん゛ん゛……んん゛!?』 ゆっくりしていってね! 種族反射的にそう言おうとして、言えなかった。 自分の口に猿轡が噛まされており、更にその上からガムテープを貼られている。 周りは暗い。しかし自分の視点の場所だけ小さく四角い穴が開けられており、そこから外の様子が映し出されている。 そこには―― 「すぅ……すぅ……」 「ゆ……ゆっく……」 布団で眠っている、見慣れた主人と、ゆっくり霊夢の姿があった。 『ゆ!? ゆゆゆ!!?」』 混乱して喚くゆっくり霊夢、突然の事態に理解が追いつかない。 何故自分はこんなところにいる? 主人と一緒に眠っているゆっくり霊夢は何者だ? 「うぅん……」 と、その時。 主人が眠りから目を覚まし、起き上がった。 目をこすり、横で一緒に眠っていたゆっくり霊夢を見て―― ――惚れ惚れするような太陽の笑顔で、 「ほら、起きろゆっくり霊夢、いい朝だぞ」 『ちがうよ! そいつは偽者だよ!!!』 叫びたい。 しかし、その声は届かない。 やがて偽者のゆっくり霊夢が目を開き、開口一番、 「ゆっくりしていってね!」 「おう、ゆっくり朝飯にするか。昨日の約束通り豪華にいくぞ」 「ゆっくり作ってね!」 『待って! 気付いて!!!』 ゆっくり霊夢は泣きながら、自分と偽者が入れ替わっていることに気付いてくれと願う。 だが無情にも、主人はふんふんと鼻息を歌いながら台所に向かっていった。 『あ゛あ゛っあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っ!!!』 絶望が心を支配する。 だが、気付いていないのはゆっくり霊夢のほうだった。 これはまだ、始まりにすぎないのだと。 (見ているか、ゆっくり霊夢?) 俺は料理を作りながら、心の中でほくそ笑んだ。 一緒にいたのが偽者だということくらい、先刻承知している。 何故なら二人のゆっくり霊夢を入れ替えたのも、本物のゆっくり霊夢を閉じ込めたのも、全部俺だからだ。 (それがお前への制裁だ。ゆっくり楽しんでくれ) ぞくぞくするような背徳感を感じながら、意識して本物のゆっくり霊夢が閉じ込められている箱を見ないように努める。 ゆっくり霊夢は現在、透明の四角い箱に入れられ、更にその四方と天井をダンボールの壁で一枚一枚覆っている。 そんな面倒なことしなくてもそのままダンボールを被せればいいじゃないか、と思う奴もいるかもしれないが、まぁこれにはちゃんとした理由がある。 その理由は後ほど語るとして、偽者のほうを説明しておこう。 こっちのゆっくり霊夢は三日前、ゆっくり加工所に行って手に入れたゆっくりだ。 所員に事情を説明し、余っている預かり部屋を利用して仲良くなった。 こいつには一週間、俺の家で一緒に暮らせると伝えてある。 何か変なことを言い出さないかだけ少し心配だったが、流石ゆっくり、あまり深くは考えない性質のようだ。 俺は今から、この偽者ゆっくり霊夢を最大限にもてなす。 そしてその様子を、本物のゆっくり霊夢に見せ付けるのだ。 本来なら自分が得られたはずの待遇が、突然現れた自分の偽者に奪われる。 しかもその様子をまざまざと見せ付けられ、自分は食べることも、遊ぶことも許されない。 お仕置きとして、これ以上のものはそうそうないだろう。 さぁ、ゆっくり霊夢。 お前がどれだけのことをしでかしたのか、分かってくれよ? 『う゛わ゛あ゛あああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛』 ゆっくり霊夢は絶望の淵にいた。 どれだけ暴れても、どれだけ祈っても、自分の置かれている状況はこれっぽっちも変化しない。 朝食は豪華な豚カツだった。自分は何も食べていない。 昼飯までの間、二人はゆっくり過ごしていた。自分はきつい箱の中で息苦しかった。 昼飯は二人でどこかに出かけていた。孤独感が自分を押し潰すようだった。 夕食まで、二人はずっと遊んでいた。自分はただ身体が痒いのを我慢しているだけだった。 夕食は今まで食べてきた中で一番美味しかったお寿司だった。でも、やはり自分は食べられなかった。 そして、 「ゆー……ゆゆゆゆゆ……」 偽者のゆっくり霊夢は現在、主人の手によって振動を与えられていた。 「どうだ? ゆっくりしてるか?」 「ゆ……ゆっくりぃ……してるよぉ……♪」 『ゆっくりしてない!!! れいむは全然ゆっくりしてないよぉ!!!』 ゆっくり霊夢は快感を与えられている偽者の姿を滝の涙を流して見ていた。 滂沱のごとく流れ出る溢れ出る涙。何故、自分がこんな仕打ちを受けないといけないのか? ゆっくり霊夢の頭の中に、既に約束を破ったことは残っていない。 「んほおおおおおおおおおお!」 偽者ゆっくり霊夢が絶頂を迎えた嬌声を聞きながら、本物ゆっくり霊夢はこれがいつまで続くのだろうと考えていた。 それから太陽が昇り、また沈み、そして再び昇った三日目の朝。 空腹で朦朧とした意識を抱えながら、ゆっくり霊夢をうっすらと目を開いた。 映る光景は変わらず、静かに眠る主人と、そして主人の腕を枕に眠る偽者。 ようやく暴れたり叫んだりして体力を消費することが愚かだと気付いたゆっくり霊夢は、呆とした意識のまま、事態が変わることを待っていた。 がさ……がさ…… (……?) ふと気付く。壁の右側から何か音がする。 一体何だろうか? 確かめようにも、壁があって何も見えない。 やがて偽者ゆっくり霊夢が起き出し、ぴょんぴょん飛び跳ねて主人を起こす。 「ゆっくり起きてね!」 「む……もう朝か……」 ふわぁ、と欠伸をする主人。まだ眠り足りないようだった。 「ゆっくりご飯作ってね!」 「おう……だけどその前に」 「ゆ?」 「待ってる間暇だろ? いい遊び道具があるんだ」 そう言って。 主人はゆっくりと、自分の方向へ近寄ってきた。 『!!!』 これは千載一遇のチャンスかもしれない。 ゆっくり霊夢はありったけの力で出来る限り身体を震わせ、自分がここにいることをアピールする。 『れいむはここだよ! ゆっくり探してね!』 やがて映るのは主人の足のドアップ。そして、頭上から声。 「えーと、これだこれだ」 得心したような声。 同時に、ゆっくり霊夢の右側の闇が、突如として払われた。 『……!?』 どうやら、右側の壁が取っ払られたらしい。 もしかしたら脱出の糸口になるかもと、ゆっくり霊夢は明るくなった右側を、 見た。 「――――――ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!?」 声にならない悲鳴。 閉じ込められたときよりも大きい、今までで一番の驚愕。 「ほら、蛙さんの人形だぞ」「ゆっくり楽しむね!」という主人たちの声も聞こえない。 何故なら。 そこにいたのは。 『うー♪』 『だずけ゛て゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!』 自分と同じく箱詰めにされ、自分と同じゆっくり霊夢を食べている途中の、ゆっくりれみりゃの姿だった。 (気付いたかな……) 俺は朝食の準備に取り掛かりながら、昨夜のことを思い出していた。 ゆっくり霊夢の起床・睡眠時間は、永淋さんに頼んで作ってもらった気体状睡眠薬で周到に設定してある。 それをゆっくり霊夢の死角から呼吸用に空けておいた穴に流し込んで、眠気を調節するのだ。 だからゆっくり霊夢が起きる前に俺は起床し、加工所で買ったゆっくりれみりゃを入れた透明の箱を隣にセット。 同じく加工所で購入したゆっくり霊夢を中に入れ、準備は万端というわけだ。 箱の大きさはゆっくり霊夢に使った二倍、ちゃんと食べられるスペースはある。 ちなみに都合上ゆっくりれみりゃの口は防げないので、こちらの箱は少し値段の張る防音処理だ。 更にその上に右側――いや、ゆっくりれみりゃから見れば左側か、そこだけ空けた箱を被せてある。 偽者のゆっくり霊夢がゆっくりれみりゃに気付いて怯えたりしたら計画が台無しだからな。 そして全てを終えた俺は先程まで眠っていたフリをしていたわけだ。 自分の天敵がすぐ傍にいる恐怖。更にそいつは自分と同じ顔のゆっくりを目の前で食べているのだ。それも、毎日。 それがどれだけの恐怖か、俺には分からない。 俺の都合上、ゆっくりれみりゃは一日一匹のゆっくり霊夢しか食べられないので、かりかりして目の前のゆっくり霊夢をどうにかして食べようと躍起になるだろう。 それが更に、ゆっくり霊夢を襲う辛苦となる。 ゆっくり霊夢はどうするだろうか。 怯えてぶるぶる震えるだろうか。 我を忘れて泣き叫ぶだろうか。 それを想像するだけで、俺は――たまらない高揚感を得る。 あれから何日経過しただろうか。 ゆっくり霊夢には、もう時間の感覚が存在していなかった。 毎日毎日、自分が過ごすはずだった幸福の日々を目の前で見せ付けられる苦痛。 自分を食べようと、いらいらした様子で飛び回っているゆっくりれみりゃの恐怖。 それが何も口にしていない空腹と身動きが取れないことの不快感とごちゃ混ぜになり、混沌と化していた。 『ゆっくり……したい……』 考えることはもはやそれだけ。 些事を考える余裕など、今のゆっくり霊夢にあるはずもなかった。 「美味しかったなぁ、ゆっくり霊夢!」 「ゆっくり美味しかったね!」 ゆっくり霊夢が食べたことのない、ブ厚いステーキを食べ終わって、主人と偽者ゆっくり霊夢は満足した様子だった。 ステーキ。幾度となく食べたいと主人に言い、その度にあしらわれて食べる機会のなかったステーキ。 本来なら自分が食べていたはずの、ステーキ。 ゆっくり霊夢の中に偽者への憎悪が込み上げ、だがすぐに虚脱感に襲われ萎んでしまう。 もう、何をする気にもなれなかった。 右側には未だにゆっくりれみりゃが自分を食べようと、ぱたぱた飛び回っている。 壁がある限り襲ってこないとは分かっていても、本能的な恐怖は拭い去れない。 もう、ゆっくり霊夢の精神はボロボロだった。 「さて、遊ぶか」 「ゆっくり遊んでいってね!」 「そうだ、今日は面白い玩具があるぞ」 「本当!?」 「おう。ちょっと目隠しするぞ、楽しみにしておけ」 「ゆっくりわくわくするね!」 食事の片付けが終わった主人は、偽者ゆっくり霊夢に目を布で縛っていた。 そして、本物ゆっくり霊夢の方向に歩み寄る。 『……!』 主人が自分の方に近付くのは、どれだけ久しいことか。 ゆっくり霊夢の中に、淡い希望が芽生えた。 もう身体を震わせる体力は残っていない。 ただ、主人が自分を見つけてくれることを祈るだけだ。 「えーと、何処だったかな……」 しかし、主人は期待も空しく、ゆっくり霊夢の死角へと移動してしまった。 希望が潰える。しかし、落胆する体力すらない。 自分の左側からがそごそという音。 結構時間がかかっている。 「お、あったぞ!」 ようやく主人が喜びの声を上げた。 と、同時。 いつかのときと同じく、ゆっくり霊夢の左側の壁が取っ払わらわれた。 反射的に、視線がそちらへ泳ぐ。 そして。 また、いた。 『れ、れれ゛い゛むぅぅぅぅ゛ぅ゛ぅ゛う゛ううぅ゛ぅ゛!!!』 『ゆ゛! ゆ、ゆゆゆゆ゛っく゛り゛し゛て゛ぇぇ゛ぇ゛ぇ゛!!!』 発情し、顔は真っ赤にして目を血走らせたゆっくりアリスと。 そのアリスに襲われ、世にも恐ろしい顔で絶叫を上げる同種のゆっくり霊夢の姿があった。 『…………!!!』 世にも恐ろしい光景に、悲鳴を上げることも出来ず、咄嗟に目を逸らすゆっくり霊夢。 だが逸らした先には、 『うー!!!』 空腹で般若の表情をしたゆっくりれみりゃが、自分を食べようと壁をかりかり引っ掻いている。 『……!! …………!!!』 まさに前門の虎、後門の狼。 ゆっくり霊夢はただ、この状況をなんとかしてくれと願いしかない。 やがてゆっくりアリスが交尾を終えると、ゆっくり霊夢は黒く朽ち果てるのと同時に蔦を伸ばし、子供を生む。 ゆっくりれみりゃの箱より更に四倍は大きい箱の中で、小さな赤ちゃんゆっくり霊夢がぽんぽんと生まれた。 『ゆっくりしていってね!』 『ゆっくりしていってね!』 『れ、れいむ……れ゛い゛む゛ぅぅぅ゛ぅ゛ぅ゛!!!』 だが、その瞬間。 発情が収まらないゆっくりアリスが、なんと赤ちゃんゆっくり霊夢に襲い掛かった。 『ゆ゛!? ゆ゛ゆ゛っ!?』 赤ちゃんゆっくり霊夢は突然の出来事に暴れるが、成人したゆっくりアリスに力で適うはずもなく。 他の赤ちゃんゆっくり霊夢たちは、怯えて隅に固まる。 そして交尾は終わるが、赤ちゃんゆっくりは黒ずんだだけで、子供を生むことはなかった。 ゆっくりアリスはその様子はじっと見つめた後、 ぎらり、とその視線を他の赤ちゃんゆっくりたちに移した。 その顔は、未だ発情したまま留まっており。 始まる、地獄絵図。 ゆっくり霊夢が覚えているのは、ここまでだった。 ついにゆっくり霊夢は意識を失い、失神してしまった。 冷たい、空気。 ゆっくり霊夢が目を開くと、そこは今まで暮らしていた部屋の中だった。 「……ゆっく!?」 吃驚して声を上げる。 声が、出る。 ゆっくり霊夢はもう猿轡をしておらず、狭い箱の中にも閉じ込められていなかった。 何が起こっているのか。 周囲を見渡すが、左右にゆっくりれみりゃやゆっくりアリスの姿は見当たらない。 あるのは、激しい空腹感だけ。 「ゆ、ゆっくりー!!!」 とにかく、理由は分からないが助かったことだけは分かり、ゆっくり霊夢は歓喜の声を上げた。 と、そこに、 「おう、起きたか?」 台所で朝食の支度をしていた主人が、ゆっくり霊夢の方を振り向いた。 「ゆっ……」 その顔を見た瞬間、今までの監禁生活で押さえ込んでいた様々な感情が溢れ出し。 ゆっくり霊夢は号泣しながら、主人の足元に飛びついた。 「う゛わ゛あ゛あああ゛あ゛あ゛あ゛ぁぁぁ゛ん゛!!!」 「おいおい、どうしたんだよ?」 主人は優しくゆっくり霊夢の身体を抱きかかえ、その涙を拭ってやる。 「ゆ、ゆ゛っく゛りて゛きる″! ゆっくりできるよぉぉぉ!!!」 「あぁん、お前何言ってるんだ……?」 わけが分からん、といった具合に主人は首を捻った。 だがその顔が笑いを堪えていることに、果たしてゆっくり霊夢は気付いているのだろうか? 「まぁいいや、朝食にするぞ」 「ゆ! 朝ごはん!?」 とにかくお腹が空いていた。寿司、ステーキ、自分が食べられなかった数々の豪華な食事を思い出し、思わず涎がこぼれそうになる。 激しい期待を込めて、調理中の料理を覗き込むゆっくり霊夢。 「……ゆ?」 だが、そこにあったのは、人参、椎茸などの普通の野菜ばかり。 しかもその量はかなり少なく、この空腹を満足させられる代物だとは到底思えなかった。 「も、もっといっぱい欲しいよ!」 「あー、悪い。今まで一週間贅沢したツケでな。今日から一ヶ月くらいこれで我慢してくれ」 「ゆっくり!?」 嘘だ、とばかりにゆっくり霊夢は絶叫を上げた。 「やだ! 食べたい!! れいむもステーキとかゆっくり食べたい!!!」 「お前、あんだけ食べてまだ足りないのか? 少しは限度ってもんがあるだろ」 「食べてない! れいむは食べてないよ!!」 「嘘をつくなよ!」 主人の厳しい叱責。びくりとゆっくり霊夢の身体が震える。 主人にとって、あの偽者が本物だったのだ。 あまりの理不尽に、ゆっくり霊夢は涙を流して訴える。 「違うの! 今までのれいむは偽者だったんだよ!! だかられいむは食べてないの!!!」 「いい加減にしろ!」 主人はがっしりとゆっくり霊夢の頬を掴み、言い聞かせるように耳元に囁いた。 「これ以上文句を言うなら、『ゆっくり出来ないようにする』ぞ」 「――!!!」 ゆっくり、できないように、する。 その一言は、ゆっくり霊夢のトラウマを蘇らせた。 「う゛わ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 絶叫。涙の奔流が止め処なく溢れ出る。 「ごめ゛ん“な゛ざいぃ゛、ごめ゛ん゛な゛さ゛い゛ぃ゛ぃぃ!!! わがまま言わないからゆ゛る゛し゛て゛ぇ゛ぇぇぇ!!!」 「ごめ゛ん“な゛ざいぃ゛、ごめ゛ん゛な゛さ゛い゛ぃ゛ぃぃ!!! わがまま言わないからゆ゛る゛し゛て゛ぇ゛ぇぇぇ!!!」 その言葉を聞いた瞬間、俺は今までの人生で味わったことのない幸福感に包まれていた。 涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにしながら、謝罪の言葉を口にするゆっくり霊夢。 その哀れな表情が……この上なく、俺の快感となる。 「じゃあ、文句は言わないな?」 「うん……」 「よーし、いい子だ。早苗さんから貰った野菜だぞ、ゆっくり味わって食べろよ?」 「ゆっくり食べるよ……」 消沈した様子のゆっくり霊夢。 それを見て、愛しさが込み上げてきた。 「ああもぅ、可愛いなぁお前は!」 ゆっくり霊夢を抱きしめて頬ずりする。 やっぱりこいつは最高のペットだ! 酷いことしたと思うって? でもそれって俺の愛なんだ! 愛ならしょうがないよね!!
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/2166.html
※これはれみりゃとゆっくりできるおちびちゃんの直後の話です。 設定もそちらに準じています。 これを読む前に、まずそちらをお読みいただきたいと思っております。 大丈夫なら、そのまま下へお進みください れみりゃの育児奮闘記 「…ふぅ」 「う~…う~…」 …別に変なことをしている訳じゃないぞ。 俺とれみりゃは散らかった部屋の掃除をしているだけだ。 家に帰ってきたばかりで動きたくはないが、片付けなければ足の踏み場もなかったくらいだから仕方がない。 その犯人(?)は今はぐっすりと眠っている。 「…う~…まんまぁ~…さくやぁ~…むにゅむにゅ…」 清々しいくらいに気持ちよさそうな寝顔だな。 人がこっちでお前の後片付けに苦労しているってのに。 ま、生まれてまだ2日目だから仕方ないのだろうがな…。 「う~…おにいさ~ん…これどこにおけばいいのぉ~?」 「ああ、それは…ここに置いておいてくれ」 「う~…」 れみりゃもさすがに疲れているのだろう。 先程から動作の一つ一つがいつも以上に危なっかしい。 床が非常に乱雑になっているということもあって、何度も転んでしまったり。 それでも泣き言一つ言わない辺り、親として責任を感じているのかもしれない。 それはともかく、片付け終わらない事にはとてもゆっくり出来そうもない。 疲弊した体に鞭を打ち、俺は再び体を動かし始めた。 「終わったな…」 「おわったぞぉ…」 何とか部屋を片付け終わった俺とれみりゃ。 といっても、爽快感というものは俺にもれみりゃにもなく、残ったのは疲労感だけだった。。 それはともかく腹が減ったな。 「れみりゃ、今日はミルクプリンを…って、おい。どうした?」 俺はれみりゃの姿を見て驚いた。 れみりゃが涙を流していたからだ。 「うっ…うっ…ぐすっ…」 しかもいつもとは違うすすり泣き。 これには俺も動揺してしまった。 れみりゃが泣く時はいつも大声を上げて泣くからだ。 「おにいざ~ん…」 れみりゃが泣きながら俺の名前を呼ぶ。 何故泣いているのだろうか。 俺がちびりゃを怒るとでも思っているのだろうか。 注意しなければいけないとは思うが、それは出来る限りれみりゃに任せるつもりだった。 俺は四六時中一緒にいる訳でもない。 それに、れみりゃが親なのだから。 そこまで考えたところで、れみりゃの鼻声が再び俺の耳にまで届いた。 「でみぃ…ばんばぁにぃ…なでづど…がなぁ…」 鼻声だったせいで聞き取りづらかったが、れみりゃが何を言いたいのかは理解できた。 れみりゃは自信をなくしているのだ。 自分が本当に親になれるのかを。 …俺も親になったことなどない。 実際のところは親というものは俺にもよくわからない。 だが、部屋の中の物をぽいぽい投げていたちびりゃを注意していた時のれみりゃの姿はまさに親と呼べるものではなかったのだろうか。 …泣いていたけど。 まあとにかく、このままじゃ話しにくいことこの上ない。 「れみりゃ、ちょっと来い」 「ぐすっ…ぐすっ…う~…」 俺は床に胡坐で座り、れみりゃを呼ぶ。 れみりゃは涙を流しながらもゆっくりと俺の方へ歩いてくる。 そして、れみりゃが俺の至近距離まで寄ってきた時、俺の両腕がれみりゃの体を捉えた。 簡単に言えば、れみりゃを抱きしめたのだ。 「れみりゃ、泣け。泣いてすっきりゆっくりしよう」 れみりゃを俺の方へ引き寄せる。 れみりゃの顔は俺の胸へとすっぽり収まった。 俺はれみりゃの背中を摩りながられみりゃに出来るだけ優しく話しかける。 れみりゃが安心できるように。 「う…ううっ…うああっ…」 れみりゃの涙の勢いが強くなる。 ダムが崩壊するかのように。 「うああああああああああああああああああっ!!!!!!!!」 れみりゃはついに大声を挙げて泣き出した。 俺は泣いているれみりゃの背中を摩る。 何だか知らんが、ガキの頃は母親にこうされれば安心できたんだよな…。 俺はれみりゃが泣きやむまでずっと背中を摩っていた。 小一時間経った頃 「ぐすっ…ぐすっ…おにいざ~ん…」 涙の勢いは多少弱くなってきた。 少し落ち着いてきたのか、れみりゃが不安げに話しかけてくる。 何も不安になることなんてないんだけどな。 俺はれみりゃの背中をぽんぽんと軽く叩く。 「なんだ、れみりゃ」 れみりゃが顔を俺の胸から放し、俺の顔を見上げる。 その顔は、まだ涙は止まっていないが、先程よりは大分マシにはなったな。 「う~…れみぃ…まんまぁにぃ…なれるのかなぁ…」 「…れみりゃの考える…まんまぁってのはどんなもんだ?」 『まんまぁ』って言葉は想像以上に言いにくい。 主に羞恥心的な意味で。 だが、今は四の五の言っていられない。 「…よくわからないぞぉ…でもぉ…れみぃはぁ…まんまぁになれないんじゃないかなぁ…って…」 …というか、冷静に考えればこれは俺にもかなり責任あるよな…。 れみりゃにちびりゃの教育をぶん投げてしまったのだから。 親だから大丈夫だろう、とれみりゃに甘えてしまった。 これからは俺ももっと積極的にちびりゃに話しかけていかなければ。 かつてれみりゃにそうしたように。 「れみりゃ、最初は誰だって上手くは行かないんだ」 「でもでもぉ…れみぃは…」 「それにお前一人で背負う必要はないから。俺も一緒にやるから」 真っ先にれみりゃにぶん投げた奴が何を言っているのかと言われるかもしれないが…。 すまん。 マジで反省してる。 「ごめんな、れみりゃ」 「う~…どうしてぇ…おにいさんがあやまるのぉ…?」 れみりゃには俺が何故謝るのか分からないようだ。 では、わかるように説明しないとな。 「俺もお前に甘えていた。ちびりゃのことをお前に全部任せてしまった。ごめんな」 「う~!!れみぃがぁ…まんまぁだからぁ…れみぃががんばらなきゃいけなかったのぉ…」 いつの間にか、親の自覚というものがこんなにもあったんだな、と感心する。 しかし、ここでれみりゃにぶん投げてしまってはダメだろう。 「れみりゃ…俺はお前もちびりゃも家族だと思っている」 「う~…れみぃ、おにいさんがなにいいたいのかわからないぞぉ~?」 「家族なら…助け合っていかなきゃいけないんじゃないか?」 ゲロ以下の臭いがしそうなセリフを吐いたことでなんだか恥ずかしくなってきた。 しかしここで恥ずかしがっても仕方ない。 それに大の大人が恥ずかしがるのはキモすぎる。 ええい、ままよ! 「…れみりゃは俺のことを家族だと思ってくれていなかったのか?」 「そ、そんなことないぞぉ!で、でもぉ…おちびちゃんのことはぁ…まんまぁのれみぃがやらなきゃいけないぞぉ…」 俺の意地悪な質問にれみりゃは慌てる。 思っていたより頑固だな。 親の自覚というものがそうさせるのか。 うーん…じゃあ言い方を変えるか。 「れみりゃ、俺にも手伝わせてくれ。あくまで親はお前だ。お前がちびりゃのことで困っていたらちびりゃではなくお前を助ける。これじゃダメか?」 元よりれみりゃに主体としてやってもらわねばならない。 言い方を変えただけの話だ。 「う、う~…わかったぞぉ………ごめんなさい…おにいさん…」 「ん?」 まさか謝られるとは思っていなかった。 むしろこっちが謝る方だと思っていたし。 「おへやのものをぽぉ~いしちゃったことと…あと…れみぃがまんまぁとしてうまくやれなくて…おにいさんをゆっくりさせられなかったぞぉ…ごめんなさい…」 ああ、そうか。 れみりゃが俺の協力を拒んだのは、親の自覚もあるだろうが、俺に迷惑かけたくないというのもあった訳だ。 れみりゃが気を使えるようになったのは嬉しいが…何だか悲しくもある。 水臭い話だ。 「れみりゃ、俺達は家族だ。俺がお前に甘えてしまったように、お前も俺に甘えて良いんだ。親になったからって何もかも急に出来る訳じゃないんだ」 「う~…」 れみりゃは親というものに強い憧れを抱いていたのだろう。 親なら一人でも子供をしっかり育ててあげられる、と。 しかし、現実はそう上手くはいかなかった。 その理想と現実の差がれみりゃを苦しめ、自信を奪っていったのだろう。 れみりゃは俺の言葉に難しい顔をしてしまう。 何やら考えることがあるのだろう。 しかし…恐らくれみりゃも晩飯は食べてはいないだろう。 そんな状態で考えても良い考えが浮かぶとは思えなかった。 「よし!れみりゃ、とりあえず飯にしよう!」 「う~?」 「ぷっでぃん食べよう!ぷっでぃん!」 「う、う~♪ぷっでぃ~ん♪」 れみりゃは『ぷっでぃん』という言葉を聞いて笑顔になる。 うん、相変わらず可愛い笑顔だ。 やっぱりれみりゃには笑顔でいてほしい。 そうじゃなきゃ俺がゆっくり出来ない。 「う~♪ぷっでぃ~ん♪」 「そうだ、ぷっでぃんだ、ぷっでぃん」 そんなことを話しながら、俺達は飯を食うべく立ち上がった。 「あれ?」 俺は冷蔵庫の中を見て、プリンの数に違和感を感じた。 れみりゃの3食の食事+3時のおやつは基本的に1食プリン1個だ。 (ちなみに、プリンはカスタードプリン以外にも色々な種類は置いてある) ちびりゃがどれだけ食べるか分からなかった為、暫定的にれみりゃと同じプリン1個ということをれみりゃには指示しておいた。 だから、今日の朝の状態より朝・昼・おやつの分でプリンは6個減っていなければならない。 (ちなみに、ちびりゃは俺が家を出る頃はまだ寝ていたし、れみりゃはちびりゃと一緒に食べると言っていた) だが、今の冷蔵庫の中のプリンの数を見る限り、どう見てもその半分の3個しか減っていなかった。 プリンの数は毎日数えているからな。 すぐにわかる。 「おい、れみりゃ…お前、ちゃんとプリン食べたのか?」 俺が質問をすると、れみりゃは下を向きながら手をもじもじさせ始めた。 この反応をするという事は…こいつ食ってないな? 俺は思わず溜息をついてしまう。 「れみりゃ、ちゃんと食べなきゃダメだろう。親になったからってそんなことする必要はないんだぞ?」 「ちゃんとたべたのぉっ!!」 「でもなぁ…プリン減ってないじゃないか」 れみりゃは必死に主張するが、プリンの数は明らかに3個しか減っていない。 れみりゃは「う~…」と唸っていたが、やがて観念したかのようにぼそぼそと話し始めた。 「おちびちゃんがぁ…たべきれなくてぇ…れみぃがそのおのこしを…」 呆れた。 きちんと食えば良いのに。 いや、出産をしたばかりだから体も多少弱っているはず。 だから食わなければいけないはずなのに。 俺はれみりゃの頭をこつんと叩く。 「うぁっ!」 れみりゃは帽子の上から手で頭を抑える。 その目は軽く涙目になっている。 かなり軽く叩いたつもりだったが…それでも痛かったか。 というか痛くなきゃ意味ないしな。 「…いっだいぞぉ…」 「お前は出産したばかりで体が弱ってる。医者にも出産後を一番気を付けるように言われたんだから、遠慮せずに食え。ちびりゃのお残しと合わせて2個食べていいから」 「う~…わかったぞぉ…」 何だかな。 れみりゃの成長は実感できるのだが、一歩引いている様にも感じるな。 「ミルクプリンにするか?さっき買ってきたばかりだけど、お前これ好きだっただろ」 本当は賞味期限が古い順番から食わなきゃいけないのだが、たまには良いだろう。 「う~♪しろいぷっでぃ~ん♪しろしろぉ~♪ほわほわぁ~♪」 俺はれみりゃに自然体でいてほしいんだがなあ。 それは俺の我儘なのだろうか。 「しろしろぉ~♪あまあまぁ~♪うまうまぁ~♪」 れみりゃがよだれかけを付けてミルクプリンを食べて満面の笑顔を浮かべているところで思い出したことがある。 俺、ちびりゃの分のよだれかけ買ってないじゃん…。 れみりゃのよだれかけを付けようとしても、サイズはまるで違うし。 先程までは気付かなかったが、改めてちびりゃの服を見ると、微かに黄色く汚れていた。 これは間違いなくカスタードプリンの残骸だろう。 恐らくれみりゃが食べさせたおかげで汚れは少なくはなったのだろうが、それでも全く汚さない、というのは無理だっただろうな。 …ダメダメじゃん、俺。 軽く自己嫌悪になる。 明日は土曜日だ。 ちびりゃのよだれかけとか代えの服とか色々買いに行かなきゃな。 「ごちそうさまでしたぁ~♪」 れみりゃが満面の笑顔でごちそうさまをする。 そして後片付けをしに台所へ消えていくその後ろ姿を、俺は見つめながら考えていた。 あの笑顔を守れるようにしなきゃな、と…。 「で、だ…」 「う?」 「『ぽいぽいボール』は使わなかったのか?」 後片付けから戻ってきたれみりゃに俺は質問をする。 目の前にいるれみりゃも、来た当初は部屋の中の物を『ぽぉ~い』としてしまった経験がある。 俺は最初、『ぽぉ~い』を禁止させようとした。 しかし、なかなか収まらなかった。 そもそも、医者に言わせれば『ぽぉ~い』を禁止すること自体が危険らしい。 『ぽぉ~い』というものは胴付れみりゃ種にとって癖のようなもので、それを禁止するという事はストレスの増加につながるからだ。 そこで必要になったのが『ぽいぽいボール』だ。 玩具メーカーが考えた商品で、胴付れみりゃ種用に作られた物だ。 れみりゃ種の不器用な肉まんハンドでも持ちやすい大きさで、材質はぬいぐるみに近い。 あの柔らかさなら、窓ガラスや家具に当たっても傷が付かないだろうな。 『ぽぉ~い』の対象をこのボールだけにしてしまえば、れみりゃもストレスが溜まらず、部屋の中も汚れず、まさに一石二鳥の結果が導き出された。 いや、中にはこれを使って人間と胴付れみりゃがキャッチボール等をして遊ぶこともあるらしいから一石三鳥かな。 …確かに、ちびりゃ用の『ぽいぽいボール』も買っていなかったが、あれってそれぞれに必要なんだろうか。 一応、さっき部屋の中の物と一緒に転がっていたので全く使っていないという事はないとは思うのだが。 それらを考えた結果が、先程の質問だ。 「う~…『ぽいぽいぼーる』だけをぽぉ~いしてっておちびちゃんにいったんだけど…」 れみりゃはまた泣きそうな顔になった。 先程の光景を思い出しているのだろう。 「おちびちゃん…『ぽいぽいぼーる』だけならゆっくりできないって…おへやのなかのものを…ぐすっ…」 れみりゃの言葉に混じって鼻水をすする音が聞こえる。 ああ、そうか。 『ぽいぽいボール』だけなら満足できなかったってことか。 正直言ってそれは思いつかなかった。 目の前にいるれみりゃの場合は 「れみりゃ、ぽぉーいしたくなったら、この『ぽいぽいボール』だけをぽぉーいしなさい。そうすれば部屋の中も汚れずに済むから」 「う~…これはぽぉ~いしてもいいのぉ?」 「これだけならな」 「う~♪ぽぉ~~~~い♪だっぞぉ♪」 と、このような会話だけで『ぽいぽいボール』以外はぽぉーいしなくなったようで、部屋の中が突然汚れることはそれ以来なくなった。 だから『ぽいぽいボール』一つあればすぐにそれ以外の物は『ぽぉ~い』しなくなると思っていた。 「う~ん…そうだな…」 俺はちびりゃへの注意を考える。 いや、やはり俺からちびりゃに注意することは出来るだけ避けたい。 親はれみりゃなのだから。 俺ではない。 もし俺が下手に親代わりとなって中途半端に口を出すと、それは親子関係に響くことにもなるだろう。 俺のやることは、あくまでれみりゃの手伝いに過ぎない。 自分の場合を思い出す。 自分の場合は、こういう時に親になんて言われてきたかを。 う~ん…。 そうだ!! 「れみりゃ、良いこと思いついた」 「う?なぁ~にぃ?」 「今度ちびりゃが『ぽいぽいボール』以外をぽぉーいしそうになったらこう言うんだ。それをぽぉーいするとお化けが来て食べられちゃうぞ~って」 子供には結構有効なんだよな、これ。 場合によっては、大人になっても習慣付けられてしまうこともあるとか。 まあそれは人間の場合だが、恐らくゆっくりにも通じるだろうと思っていた。 「お、おばけ…だっぞぉ?」 現に、目の前のれみりゃが怯えている。 自身も色々な物を『ぽぉ~い』した経験があるからだろうが。 「ああ、お化けといっても本当に来る訳じゃない。だけど子供はそう言われれば恐くなって辞めるようになるはずだ。一度で聞かなくても、何度でも言ってみろ」 「う、う~…。わかった…ぞぉ…」 何だか歯切れが悪い返事だな。 れみりゃ自身どこか納得できない部分でもあったのだろうか。 なら違う案も考えてみるべきだろうか…と考えていたその時。 「まんまぁ~♪れみぃおなかすいたどぉ~♪」 俺とれみりゃの耳に平和そうな甘えた様な声が聞こえてきた。 「おちびちゃ~ん♪まんまぁだっぞぉ♪」 満面の笑顔でちびりゃの元へよたよた走っていくれみりゃ。 先程まであんなに悩んでいたというのに、やっぱり子供は可愛いんだろうな。 「う~♪まんまぁ~♪れみぃぷっでぃんたべたいどぉ~♪」 ちびりゃは駆け寄ってきたれみりゃに抱きつく。 こちらも満面の笑顔だ。 「う~♪う~♪まんまぁがぁ♪ぷっでぃんもってくるぞぉ~♪ゆっくりまっててねぇ~ん♪おちびちゃ~ん♪」 「う~♪う~♪ゆっくりまってるどぉ~♪」 そう言って、れみりゃはちびりゃの体を離し、プリンの入っている冷蔵庫までよたよた走っていく。 「う~♪ぷっでぃ~ん♪ぷっでぃ~ん♪」 ちびりゃが『ぷっでぃん』という言葉を連呼する。 そこまでプリンが気に入ったんだな。 ところで、れみりゃ種って何故プリンをぷっでぃんと呼ぶのだろうか。 愛称か? と、そんなどうでもいいことを考えているうちにプリンとスプーンを持ったれみりゃがちびりゃの元へ戻ってきた。 「おちびちゃ~ん♪ゆっくりおまたせだっぞぉ♪まんまぁとぷっでぃんのとうじょうだっぞぉ♪」 「う~♪まんまぁ~♪ぷっでぃ~ん♪」 喜び合う2匹の親子。 微笑ましい光景だよな。 「あ~ん♪だっぞぉ♪」 「う~♪あ~ん♪だどぉ♪」 れみりゃがスプーンでプリンを掬い、それをちびりゃの口へ運んでいく。 そのうち、ちびりゃにもスプーンの使い方を教えねばなるまい。 今はまだ産まれたばかりだから仕方ないが、いつかは親からも自立しなければいけないのだから。 「う~♪ごちそうさまだっどぉ♪」 「う!?もういいのぉ?ぷっでぃんまだあるぞぉ!?」 「まんまぁにあげるどぉ♪れみぃはいいこだからぁ♪まんまぁにぷれぜんとだっどぉ♪」 何回か食べさせているうちに、ちびりゃは満腹になったようだ。 まあ、無理矢理食わせても仕方ないよな。 こっちで調整してやらねばいかん。 「れみりゃ、そのプリンはとりあえず置いておいていいぞ、ちびりゃの優しさに感謝しような」 「う…う~…わかったぞぉ…おちびちゃ~ん♪ありがとうだっぞぉ♪なぁ~でなぁ~で♪」 「う~♪きもちいいどぉ~♪まんまぁ~♪」 俺の声にれみりゃは安心してプリンをテーブルの上に置き、れみりゃはちびりゃの頭を手で撫で始める。 微笑ましい光景が横で繰り広げられている中、俺は余ったプリンを回収する。 ちびりゃが食べる量がどんなものか知らなければいけないからだ。 …大体ちびりゃが食べたのは半分ちょっとくらいか。 今度からは量を調整して出さなければいけないだろう。 後でれみりゃにもそれを教えなければ。 と、そんなことを考えていると 「ぽぉ~い♪だっどぉ♪」 「う~!おちびちゃ~ん!ぽぉ~いしちゃだめだっぞぉ!!」 そんな声が聞こえてきた。 俺は2匹の方を振り返る。 そこには床に転がったスプーンがあった。 恐らく、そのスプーンを『ぽぉ~い』したのだろう。 だが、俺はまだスプーンを拾わない。 ここでスプーンを拾ってしまえば、ちびりゃは勘違いしてしまうだろう。 自分が『ぽぉ~い』しても、俺が片付けてくれるだろう、と。 「おちびちゃん!!この『ぽいぽいぼーる』いがいはぽぉ~いしちゃだめだっぞぉ!!」 「う~!!れみぃはもっとぽぉ~いしたいどぉ!!ゆっくりできないどぉ!!」 禁止されればやりたくなるというものなのか。 それは人間でもゆっくりでも同じなんだな。 「う~!!おちびちゃん!!」 れみりゃが気合の入った声を出す。 俺から言わせれば可愛いだけなんだが、それでも怒っているように見せているつもりなのだろう。 「う?まんまぁ~…?」 ちびりゃはそんな親の姿に怯える。 初めて聞く気合の入った声だからだろうか。 「『ぽいぽいぼーる』いがいをぽぉ~いするわるいこはぁ…もけーれがきてぎゃお~!!たべちゃうぞぉ~!!ってなるぞぉ!!」 両手を頭上に上げながら叫ぶれみりゃの声だけが部屋の中に響く。 『もけーれ』って何だ? れみりゃのアレンジだとは思うが…。 「もけーれこわいどぉ~!!!!!!」 ちびりゃが大声で泣き始めた。 おお、やはり効果はあったようだな。 自分の考えに自画自賛してしまう俺。 「まんまぁももけーれこわいぞぉ~~~!!!!!」 れみりゃも大声で泣きだす…って、オイ。 いや、言い出しっぺのお前まで何故泣くんだよ。 お前は何がしたかったんだよ。 「「うぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!もけーれこわぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!!」」 お互いを抱きしめ合いながら大声で泣くれみりゃとちびりゃ。 俺は『もけーれ』って何なんだろう、と思いながらその光景を呆然と見ていることしかできなかった。 どうしてこうなった…? …あ、スプーン拾わなきゃ。 後書き このシリーズは書きやすいですね。 皆さんの需要があるかどうかはわかりませんが。 そろそろれみりゃ以外も書いてみたい…とも思っているのですがね。 希望を言えば守矢か永遠亭辺りを。 冬企画は最初は冒険記で行こうと思っていたのですが、こっちになりそうな気もしてきました。 ちなみにまだ書き始めてもいないです。 ああ…… 癒されます。 気負うことなく、ゆっくりなが~く続けていただきたい。 -- syu (2011-01-11 22 06 01) すてきだ。 -- 名無しさん (2011-01-12 10 21 37) れみりゃはどうしてこう、子供っぽい仕草が似合ってしまうのか -- 名無しさん (2012-06-27 09 38 59) もけーれってなんだ? -- 名無しさん (2013-02-02 13 37 06) もけーれもわからないとは… モケーレ・ムベンベだろ?(マジレス -- 名無しさん (2013-11-27 03 29 33) 名前 コメント