約 632,322 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1612.html
ある日、咲夜の飼っているゆっくりゃがにんっしんした。 彼女達は体があり、女性器に相当するものもついているのに他のゆっくり同様に下あごから出産する。 そのため、どこかにMade in Chinaと書かれていそうな、お嬢様のバッタものみたいな下膨れ顔は普段の2倍近くにまで膨張している。 その姿が何となく鬱陶しかったので咲夜は能力を使って胎内の空間を拡大してあげることにした。 「うぅ?おかおがいだぐないんだど~?」 「胎内の空間を拡張してあげたのよ。これなら苦しくないでしょう?」 「れみりゃのあかちゃんはどうなったんだど~?」 「大丈夫よ、ちゃんと中にいるわ。広くなって赤ちゃんも快適なはずよ」 「さくやー、ありがとーだどー!」 そう言って勢い良く抱きついてくるれみりゃ。咲夜はそれを受け止めると彼女を抱きしめ、頭をなでてあげた。 「ん~、もう1ヶ月も経つのにまだ生まれないのね?」 「う~、あかちゃんゆっくりしすぎなんだど~!」 「まあ、それだけれみりゃの中が生活しやすいんでしょ」 「れみりゃはえれがんとなおぜうさまだから、なかもえれがんとなんだど~♪」 今までの経験から言えば半月以上前には産まれていてもおかしくないのだが、この子の赤ちゃんは一向に生まれる気配を見せない。 それに空間拡張の影響で顔の膨張もないので、中の赤ちゃんの様子を類推することも出来ないのでなんとも心配だ。 とはいえ、あまり気にしても仕方がない。 咲夜はこまごまと考えるのを止めて、食事のゆっくりやおやつのプリンを与えたり、ダンスに付き合ったり、いつも通りにれみりゃに接することにした。 「あがぢゃんまだうまれないどーっ!」 「本当・・・もう半年も経っているのに。遅すぎるわね」 「あがぢゃんになにがあっだのがもぢれないどーっ!!」 「そうね、流石に心配ね。すぐにでも医者に見てもらいましょう」 と言うわけで、咲夜とれみりゃは永遠亭にやって来た。 ここの女医である八意永琳と咲夜は以前ひと悶着あったこともあり色々と微妙な関係にある。 が、彼女の医師としての腕は信頼しているし、仕事上の付き合いであれば私情をさしはさむようなことはしないだろう。 「・・・一つ訊いて良いかしら?」 診察を始めるなり、永琳は頭を抱え、呆れたような苦笑いを浮かべてそう呟いた。 「何でしょうか?」 「なんで胎内がこんなにだだっ広いのかしら?」 「広げたからですわ」 素直に答えると彼女はなんとも言い難い表情で咲夜を凝視し、それから軽くため息をつく。 「あのね、勝手に栄養が供給されて、暖かくて、安全な産道が広さまで確保したら外に出る必要がなくなるでしょう?」 「・・・そういわれればそうですわね」 「それに、親の力でひり出そうにも産道がこんなに大きいんじゃ赤ちゃんを上手く押し出せないでしょう・・・」 どうやら、赤ちゃんが全然出てこなかったのは空間を拡張させたのが原因らしい。 永琳の話を聞いた咲夜はその場ですぐに空間拡張を解除する。 「うぅ?うぶぁ!?お、おがおが・・・いばぶぼぉ・・・!?」 それと同時に赤ちゃんに内部から圧迫され始めたれみりゃの顔が急速に膨張していく。 「ぶぼぁ・・・あぼぼ・・・うぎゃ、ぁあ・・・」 苦しそうな声を上げるれみりゃの下膨れ顔を普段の3倍近くにも達している。 肉まんの内側からみりみりと皮が破れる音がする。 「ぼぁっ・・・ぶぎゅぅ・・・」 その音が少しずつ大きくなるにしたがって、れみりゃは白目を剥き、泡を吹きだす。 「ぶぶぉ・・・げぇう・・・いだ、い・・・」 れみりゃの顔はさらに膨張を続け4倍近くに達したところで彼女は口から中身の具を吐き出した。 「ぶぼぼぼぼぼぼ・・・・!?」 そして、嘔吐の直後、れみりゃの首が膨張しすぎた顔の重みに耐え切れなくなり、もげた。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・うー?」 一瞬、その痛みのせいなのかはわからないが正気に戻ったれみりゃは、いつも通りの緊張感のない表情で、間抜けなそれでいて場違いな鳴き声を発する。 きっと、その瞬間がれみりゃに訪れた最後の平穏だったに違いない。 「っぎゃ・・・・!?!?」 再び白目を剥いたれみりゃ口から腕が飛び出した。 恐らく、赤ちゃんれみりゃの腕だろう。口から生えているようにも見えるそれはばたばたと無軌道に暴れまわってはれみりゃの口を徐々に引き裂く。 続いて先ほどまで首として胴体とつながっていた場所から脚が飛び出し、続いて後頭部をぶち破ってもう一方の足も外へと飛び出した。 「・・・ぅ・・・ぁ・・・っ・・・!?」 しかし、こんな有様になってなおも親れみりゃは事切れていなかった。 中から生えた腕によってその機能を完全に封じられた口から嗚咽交じりの声が漏れている。 「ぎゃお~!」 みりみりと親れみりゃの眉間部分をこじ開けた赤ちゃんは半年遅れの産声を上げる。 「・・・ぁ・・・ゃ・・・ん」 その様子を見届けた?親れみりゃは何かよくわからない言葉を残して、意識を手放した。 「あら?出産したら安心しちゃったのね」 「きっと出産疲れですわ。でも、この状態のままでも大丈夫かしら?」 「まあ、このまま放っておいても大丈夫でしょ。この方が可愛いし」 「そうですわね、この方が可愛いですもの」 2人は生首から手足を生やし、顔を生首から覗かせる何処かジャミラっぽいシルエットの赤ちゃんのかわいらしい姿を見て、すっかり和んでいた。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2354.html
「う゛あ゛!!」 れみりゃの腕がもげ、部屋の隅へと転がっていった。 ……やれやれだ。 れみ☆りゃ☆ぎゅー☆ 私は後輩の虐待を見守っている。 後輩は最近この道に目覚めたばかりで、まだ直情的にれみりゃを攻撃することしか考えていない。 ”先輩!俺、ゆ虐に目覚めました!!”というから、先輩としてれみりゃを特別に譲ってやったというのに。 というか村の連中が集まる中でそんな不用意な言葉を吐きやがって。ごまかすのに苦労した。 「はあっ……はあっ……」 「おぜうさまになんてことずるんだどぅぅぅぅ!!!ゆるさないどぅぅぅぅ!!!」 「まだ……!言うかっ……!」 「あぶっ!!ぎゃおー!!」 おお、正中線への連打。若いねー。まるでかつての私を見ているようだ。 「喰らえっ!!!死ねっ!!!」 「ぶあ゛ーーーーー!!!」 しかし、それは効率的ではない。 れみりゃは、私のお気に入りのゆっくり種族だ。だから私は後輩がそんなふうに粗野な虐待をするのが 少しだけ気に食わなかった。 一切助言などをしない、という自分の中の規律を放棄し、 私は、れみりゃにさらなる攻撃を加えようとする後輩の肩を掴んで止めた。 「先輩?」 「ちょっと見ててくれるかな」 れみりゃは腕を押さえて部屋の隅に居る。後輩にぼこぼこに殴られたが、まだ気概は失っていない。 「いまにみてるどぅ!!しゃくやぁがおまえらみだいなふけいものをせいばいしてくれるどぅ~!! あやまるんならいまのうちだっどぅーーー!!!」 れみりゃは無視。後輩に講釈を垂れる。 「れみりゃ種は比較的自尊心が高く、肉体的にも頑強だ。 怒りに任せて叩き潰すのも悪くないが、すぐに再生するし、暴れるのでこちらも消耗する。 最初はこのように」 私はれみりゃの翼を手で掴んだ。 「れみりゃのえれがんとなつばさをはなすどぅぅぅぅ!!!!」 二枚の翼をより合わせる。引きちぎるのではない。 「あ゛う゛~!!あ゛ぎゅ゛ぎゅ゛ぎゅ゛ぎゅ゛~~!!」 私は翼同士を結わえる。二度固結びに締め、決してもとに戻ることのないようにする。 「すると、再生されることもなく、継続して痛みを与えられる」 れみりゃはその不恰好な腕を後ろに回して縛りを解こうとするが、腕が短いのでできはしない。 「う゛ぁ゛~!!きりきりしていち゛ゃ゛い゛どぅぅぅぅ!!!もどにもどずんだっどぅぅぅ!!!」 「これでもう、先方の与太話を真面目に聞く必要はない。 後は、この生き物が”さくや”とやらに助けを求めるより、屈服するほうが得策と知るまで放置すれば良い。 れみりゃへの必至形だね」 「な、なるほど……」 「ちなみにここでこの場を離れてはいけない。 ”ゆっくりは何でも都合よく解釈する”。 我々が逃げたなどと思い込むようだと、いつまでたっても彼女は自分の立場を思い知ることができない」 私は壁にもたれかかり、水中花でも眺めるような穏やかな気持ちで、悪戦苦闘するれみりゃを眺める。 後輩もおずおずとそれに倣った。 「どれ゛な゛い゛どぅぅぅぅ!!!!!」 「ああ、いい眺めだ」 どれほどの時間がたったろうか。 「おねがいだどぅぅぅぅ!!!でびびゃのぷりちーなつばざがぱたぱたでぎなぐなっぢゃうぅぅぅ!!!」 ついにれみりゃが折れた。後輩が指示を仰ぐようにこちらを見る。 「……ぱたぱたできないから、何だい?」 「ぎゅーじたのとっで!!!!ぎゅーっどじたのもどにもどじてほじいんだどぅぅぅぅ!!!!」 背中に回って見ると、翼の結び目はかなり強固になっている。できもしないのに解こうとして暴れるからだ。 私は後輩に向き直る。 「このまま放っておくと、翼の根本がねじれてうまく飛べなくなってしまうんだろうね。 しかしまあ、どうってことはないよ。飛べないれみりゃというのも、また一興だ」 「おねがいだどぅぅぅぅ!!!!なんでもずるどぅぅぅぅ!!!! とぐべつにれみりゃのだんすみせてもい゛い゛どぅ!!ごーまかんにもしょうたいするどぅぅぅ!!!」 私は知らん顔をする。 「後輩くん。お腹が空いたから、ご飯でも食べて来ようか」 「は、はい」 「おでがいでずぅぅぅ!!!ぼでがいでずから、れびりゃのつばざなおじてぇぇぇぇぇ!!!! ぱたぱたでぎなぐなっちゃうどぅぅぅぅ!!!」 「……ぱたぱたできなくなると、どうなの?」 「ぱたぱたでぎないと、おぜうさまらじくないどぅ?」 「他には?」 「ゆっくりぃをだべるとき、ぱたぱたできないとかけあししなぎゃならないどぅ!」 「他には?」 「うー☆するときにかっごわるいどぅ!」 「他には?」 「れみりゃのままやおちびちゃんに、そんけー☆されなくなっぢゃうどぅ! ……うう!!!ぞんなのいやだどぅぅぅぅぅ!!!!」 始めはなんともなかったれみりゃだが、最後には泣き出してしまった。 「なるほど…自分がどうなるか、自発的に想像させたわけですか」 私は頷いた。 さらにもう一度復唱してやる。 「れみりゃは、翼が使えないからお嬢様らしくないし、ゆっくりを捕るときも走らなきゃならない。 れみりゃうーをするときにも格好が付かないから、ほかの仲間から尊敬して貰えないんだね」 「そうだどぅぅ!! ……う!?そうだけどちがうどぅぅぅ!! おにいざんがぎゅーじたのなおじてぐれるからだいじょぶだっどぅぅぅ!!!!!」 勝手に私がれみりゃの懇願を聞き入れることになっている。 「直すとは一言も言ってないよ?」 「おねがいでずううううう!!!でびぢゃのぱだぱだなおじてーーーー!!!!!」 やはり、ゆっくりと会話を楽しむのであれば、このようにこちらが絶対有利な状況が望ましい。 そうでなくては、苛々するばかりで面白くもなんともないからだ。 誰が九官鳥とまともな議論を試みる? 「じゃあ、この後は後輩くんに一切任せようかな。もともと君の稽古(?)だったわけだしね」 「はいっ」 「後輩くんの好きなようにやって下さい」 * * * * 庭へ出た。私と後輩は離れて向き合う。 「今からこれを投げますので、こっちへ投げ返して貰えますか」 「わかった」 後輩はれみりゃを抱き上げる。 「う~?たかいたかぁいだっどぅ~☆ だけどれみりゃはこどもじゃないからぁ~、」 ぶん。 「うわあああああああ!!!!!」 驚愕した表情でこちらへ飛んでくるれみりゃ。凄く気持ち悪い。顔とか。 「うわっと」 いけない、つい避けてしまった。 れみりゃは顔面で着地すると、ずざざぁと地面を滑っていく。 「いいいいぢゃいどぅぅぅ!!!!れびりゃのぷりてぃなおかおがぁぁぁぁ!!!!」 私はそれを拾い上げ、後輩へと投げ返す。 「そーれ」 「うぁ?」 高く投げ上げたれみりゃは、ゆるやかな軌道を描いて飛ぶ。 普段のように飛ぶつもりか、手を前へ突き出している。 「うー☆」 ぽーん。 「うう!?……ぱたぱたでぎないどぅぅぅ!!?? うぁ!うぁ!うぅぅぅぅぅ!!!!!!」 必死に翼を動かそうとするが甲斐なく、手を前に突き出した姿勢のまま高度を落とし、腹でぼよんと着地する。 「おぶううぅぅぅ!!!おなかがぁぁぁ!!!!」 次は後輩もゆるやかな軌道で投げてきたので、今度は受け止めてやる。 「うあ~!!うあ~!!! ぱたぱたでぎないどぅぅぅぅ!!!!!!!」 投げる。 「うーでぎないいいい!!!!」 投げる。 「ぱたぱたじたいぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」 みずから飛行できない”物”としてひたすら投げられる。 「こあいどぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」 「いやー、いい運動したねぇ」 いい汗かいて、すっきりー!した私達だった。 このれみりゃの最終的な処遇も、後輩に一任することにした。 それを伝えると、後輩はこんなことを聞いてくる。 「先輩は、れみりゃの生息域をご存知ですか」 「ああ」 「やはり、森に返してやりたいと思います」 「それがいいだろうね」 私達は翌日一日かけて、深い森の奥を目指した。 * * * * 森を進む。 「うあ☆ここはれみりゃ~のこーまかんだっどぅ~☆ れみりゃのまんまぁも、れみりゃのおちびちゃんもいるどぅ~☆ はやくあいたいどぅ♪」 依然翼を結ばれていることも忘れてご機嫌だ。 「このあたりでいいと思うよ」 私が後輩に声をかけ、私達は歩みを止めた。 「れみ☆りゃ☆うーーー!!!」 れみりゃの叫びに、木々が揺れる。 「他のれみりゃが出てくる。私達は隠れよう」 「みゃんみゃ?」 「おちびちゃん!!!!あいたかったどぅぅぅぅ!!!!!!」 なんと、出てきたのは小さなれみりゃ――それも、あのれみりゃの子供らしい。 飛んで近づこうとし、失敗してぼてんと転ぶ。 「あ゛……う゛……」 「みゃんみゃぁ? みゃみゃのつばさ、なんだかおかしいどぅ♪えれがんとじゃないっどぅぅぅぅ?」 飛んで近づいてきた子れみりゃは、親れみりゃの異状に気づく。 「こ…これは……」 慌てて隠そうとするが、もう遅い。 だが、子れみりゃは拒絶することはしなかった。 「なんでもいいどぅ!!みゃんみゃ、もういなくなったりしないでほしいどぅ☆」 「おちびぢゃんんんんん!!!!!!!」 私達は物陰から出た。 「おーい!!れみりゃー!!」 「あ゛う゛!!」 「にんげんだっどぅ!!ずがたかいどぅ!!ひれふすがいいどぅ!! みゃんみゃはつよいんだっどぅ~☆にんげんなんかいちころだっどぅ~!!」 「あ゛、あ゛、あ゛……」 余裕の表情の子れみりゃと、恐怖に震える親れみりゃ。 「おちびちゃんは、ままの華麗なぱたぱた☆見たいよな?」 「みゃみゃのぱたぱた、みたいっどぅ~☆」 後輩の誘導で、親の異常をあっさり忘れる子れみりゃ。 「う゛う゛う゛う゛う゛……!!!!」 「じゃあ、ちびちゃんのお手本になるようぱたぱたしてやらないとな。 先輩、ここにいて下さいね」 距離を取る後輩。昨日の”れみりゃ投げ”の間合いだ。 「先輩、どうぞ!!」 「い、いやだどぅ!!おちびちゃんのまえでそれだけはやめてほしいどぅぅぅぅぅ!!!!」 「知らないよ」 私は、親れみりゃの頭を引っ掴んだ。 ぽーん。 「うっうー☆」 空中を飛ぶ感覚に、思わず手を前に突き出し飛行姿勢を取るれみりゃ。 ぼてっ。胴体着陸。 「いぢゃいどぅぅぅぅ!!!!ぱたぱたでぎないどぅぅぅぅ!!!!!」 「みゃんみゃーーー!!??」 地面の上でじたばたと暴れまわるれみりゃ。おお、みじめみじめ。 「先輩、行きますよー」 「おうさ」 いままでよりも、さらにやさしく。ふんわりと投げ上げられるれみりゃ。 「うー☆こんどこそとんでるどぅ~……」 失速、落下、うーの姿勢のまま胴体着陸。 「あ゛う゛~!!」 じれた子れみりゃが、親れみりゃの側をぶんぶん飛び回る。 「みゃんみゃぁ~!!ちがうどぅ!!こうだっどぅーー!!! ぱたぱたしてぇ~、うー!だっどぉー♪ れみ☆りゃ☆うー☆」 「ぞんなのわがっでるどぅ!!わがっでるどにぃぃぃぃ!!!!!」 「よーし、もう一丁」 「こんどごそ!うー☆……いぢゃぁぃぃぃ!!!」 「みゃんみゃーいもむしみたいだどぅ☆おもしろいどぅ♪」 「れみりゃいもむしじゃないどぅぅぅぅ!!!!」 「そーれ」 ぽーん。 「うー☆……でぎないぃぃぃ!! もうゆるじてぇぇぇ!!!!おでがい!!ぎゅーしたのなおじでぐだざいどぅぅぅーーーー!!! でびびゃよりあなだざまのほうがずっとずっとえらいんでずぅぅぅぅ!!! だがら、どうかおじひをぉぉぉぉ!!!!」 「……先輩」 後輩が地面を転がるれみりゃから視線を外し、こちらを見た。 「もう、許してやりませんか」 「…………」 私は後輩の視線を受け止め、熟慮の末言葉を返す。 「……そうだな、もう満足だ」 「先輩に伝わってくれてくれて良かったです」 それを聞きつけ、れみりゃが足元にすがり付いてきた。 「ばりがとうございまず!!!このごおんはいっじょうわずれまぜんんんん!!!!」 後輩はれみりゃを見下ろし、言葉を接ぐ。 「うっそー☆ ……なんで本気にするの?馬鹿なの?死ぬの?」 「許すわけないだろ、今までの展開的に考えて……」 それにしても今のフリはなかなか良かったぞ、後輩よ。 「うぁぁ、うぁぁぁ……ううううう……」 「にんげん!!みゃんみゃをこまらせるんじゃないっどぅぅぅ!!! いじわるするわるいにんげんはれみりゃがたーべちゃーうどぅー♪」 「それで、こいつはどうする?」 私の腰の辺りの高さを浮遊する子れみりゃを手で払いのける。 「もちろん!!決まってますよ!! 今度は僕がやるので、ちゃんと出来てるかどうか見ていてもらえますか?」 「わかった」 「う~?れみりゃのつばさにさわりたいんだどぅ? みぶんちがいのれみりゃのうつくしさにめろめろになるなんて、しょうがないにんげんだっどぅ♪ でもきょうはとくべつに……いだいっ!!!ぎゅーするのやめるんだどぅぅぅぅぅ!!!!」 「なんかノって来た!せっかくだから、この辺のれみりゃ全部ぎゅーしてくか!!」 「いいっすね、先輩!!」 「いだいどぅぅぅぅ!!!!でびびゃのつばさがぱたぱたでぎなぐなっでるどぅぅぅぅぅ!!!! みゃんみゃー!!!じゃくやぁぁぁ!!!!だずけてぇぇぇぇぇぇ!!!!!」 「おぢびじゃんんんんんん!!!!!!」 おしまい。 書いた人:ゆっくり用品店”ゆ虐の友”従業員 □ ■ □ ■ ゆっへっへ!すれでにんげんがいってたとおり、これからはなのらせてもらうことにしたのぜ! ゆっくりよろしくね!! 従業員でした。 今までに書いたSSです。よかったら読んでくださいね 豚小屋とぷっでぃーん 豚小屋とぷっでぃーん2 エターナル冷やし饅頭 れみりゃ拘束虐待 無尽庭園 ゆっくりできない夜 ゆっくりぴこぴこ 何かがいる ぽんぽんいたいよ!ゆっくりできないよ! 踊り師とれみりゃ 小ネタ-瓶ゆっくり ゆっくりゆうぎ ゆっくりだんじょん りぇいみゅのりぇみょんに! このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1618.html
でびりゃまん (その1) ============================ ≪はじめに≫ デビルマン→でびりゃまん ……ええ、強引なのは承知していますとも。 れみりゃの昨今の捕食者ブレイクっぷりに、思わず書いてしまいました。 少しでも楽しんでいただければ幸いです。 ============================ 月明かりが照らす森に、"ゆっくりしていってね"という声がこだまする。 本来、夜は捕食種達の時間であり、他のゆっくり達は巣で眠るのが普通だった。 だが、ここ最近は少しばかり様子が違う。 夜にもかかわらず、れいむ種やまりさ種といった、 本来寝ているはずのゆっくり達が、のうのうと出歩いていた。 それには理由があった。 "捕食種れみりゃの弱体化"である。 本来、れみりゃは捕食者であり、ゆっくり達の食物連鎖の中では上位に立つ存在のはずだった。 だが、近頃はゆっくり達も学習を重ね、れみりゃからの逃げ方・いなし方を熟知しだしていた。 そして、中には逃げるだけでなく、戦い方を覚え始めるゆっくりさえいた。 集団で戦えばじゅうぶん勝機があることを、ゆっくり達は学んだのだ。 もちろん危険は伴うが、もし勝つことができれば、れみりゃは"いつでも好きなだけ食べられる肉まん"となる。 もはや、ゆっくり達にとってれみりゃは、絶対的な脅威でも捕食者でも何でもない。 単に少しだけ大きくて強い、取るのが大変なエサ……くらいの相手として認識しだしていた。 また、れみりゃ種の天敵である"ゆっくりフラン"や、 れみりゃ種単体では歯が立たない"ドスまりさ"が増えていることも、 れみりゃ達の肩身をせまくしていた。 れみりゃの捕食種としてのカリスマは、完全にブレイクしたといっても過言ではなかった。 しかし、当然それに納得できないもの達がいた。 ことの当事者・れみりゃ達だ。 「うー! なっとぐいかないどぉー!」 「そうだどぉー! だんここうぎするどぉー!」 満月の下、森の奥深くに広がる、円形の広場。 そこに、そろいもそろったり、50匹以上のれみりゃ達が大集合していた。 ゆっくりの中でも一際学習能力が低く、 甘えん坊でワガママで泣き虫なれみりゃ種ではあったが、 近頃の居心地の悪さは、さすがに認識しだしていた。 だからこそ、近隣から遠方に至るまで、こうして多くのれみりゃ達が一同に会し、 "第1回☆れみりゃサミット"を開くことになったのだ。 「うーっ! そこでぇー、れみりゃは良いことをかんがえたどぉー!」 切り株の上、他のれみりゃ達より高い位置に立ったれみりゃが、他のれみりゃに呼びかける。 「これをみるどぉー!」 「「「うーー?」」」 壇上のれみりゃが、一冊の古ぼけたノートを取り出し、両手で天高く掲げた。 そのノートの表紙には"よげんのしょ"と平仮名で書かれていた。 「これはぁー! よげんのしょだどぉー!」 「「「うーー?」」」 首をひねる50匹近いれみりゃ達。 「ここにはぁー! これから、れみりゃ達がゆっくりするための方法がかいてあるんだどぉー!」 「「「うーーー♪」」」 壇上のれみりゃの言葉を聞いて、他のれみりゃ達の顔がいっせいに輝く。 信憑性や方法は二の次、とりあえず"ゆっくりできる"という魅力に負け、 あっさり"よげんのしょ"の存在を信じこむ、れみりゃ達。 壇上のれみりゃも自分の主張が認められて、嬉しそうにニコニコしている。 余談だが、このれみりゃ、元は飼いゆっくりであったため、簡単な平仮名くらいは何とか読めるらしい。 「よぉーし! さっそくじっこうに移すどぉーー!」 「「「うーー♪」」」 意気揚々。 壇上のれみりゃが"よげんのしょ"を持ってドタドタ走り出す。 それに続いて、50匹のれみりゃ達もまた、両手を上げて「うー♪」と叫びながら走っていく。 深夜の森で繰り広げられるそれは、さながら百鬼夜行……ならぬ、れみりゃ夜行であった。 * * * 「「「う~う~うぁぁ~! う~う~うぁぁ~!」」」 40匹近いれみりゃ種が輪になって、うぁうぁステップを踏みながら行進をしている。 だが、その「うぁうぁ」はいつもの気色円満ではなく、どこか怪しい響きを伴っていた。 そのれみりゃ達の輪の中央。 そこには平たい岩があり、その上には妊娠して、いつもの倍近く顔を下膨れさせたれみりゃがいた。 「うーうー♪ れみりゃはがんばってげんきな赤ちゃんうむどぉ♪ きっとかぁいい良い子どぉ♪」 嬉しそうな妊娠れみりゃ。 「う~~~♪ れみりゃとフランの赤ちゃ~ん、ゆっぐりうまれでねぇ~~~ん♪」 そう、このれみりゃを妊娠させたのは、 本来れみりゃ種の天敵であるはずのゆっくりフランだった。 しかも、自然な妊娠ではない。 "よげんのしょ"に従い、れみりゃ種達が人為的に行った交配だった。 あのサミットの晩、れみりゃ種達は、親フランが出払っていて留守の巣を狙い、 眠っている子供のフランを誘拐してきた。 そして、自分達の中でもひときわ太って栄養状態が良いれみりゃを選び、 さらってきた子供のフランと"すっきりぃ~♪"させたのだ。 子供とはいえ、フランをおとなしくさせ、 その上で"すっきり"させ、しかる後に処分するのは大変だった。 その間に10匹以上のれみりゃが負傷し、そのうち半分は既にこの世にいない。 だが、苦労のかいあって、れみりゃ達の計画は成功した。 "すっきり"させられたれみりゃは妊娠し、今まさに出産の瞬間を迎えようとしていた。 「「「う~う~うぁぁ~! う~う~うぁぁ~!」」」 呪文のように"うぁうぁ"踊りを続けるれみりゃ達。 その時、妊娠れみりゃの体が、ビクンと跳ねた。 「うぁぁぁうぁぁぁっっ! うまれるぅぅぅ! うまれちゃうどぉぉぉーーーっ!」 妊娠れみりゃが叫び出す。 「いだいぃぃぃっっ! いっだいどぉぉっ! ざぐやぁぁぁぁぁーーーっ!!」 痛みのあまり仰向けに倒れ、平らな岩の上をゴロゴロ転がりまわる。 そして、次の瞬間。 「ぷっぎゃぁぁぁぁ!」 妊娠れみりゃの顔が破裂し、 飛び散る肉餡の中から、新たな命が生まれ出た。 それは、ピンク色ではなく、紫色のおべべに身を包んだれみりゃだった。 「う、うー…?」 生まれたがかりのれみりゃは、きょろきょろと周囲を見回す。 「まんまぁー?」 あたりに母親の姿は見えない。 が、その代わりに、たくさんのれみりゃ達が自分を囲んで微笑んでいるのに気付いた。 「うーーれみりゃがいっぱいだどぉ♪ みんないっしょにゆっくりするどぉ♪」 周囲の40匹のれみりゃ達に向かって微笑む、赤ちゃんれみりゃ。 その言葉を聞いたれみりゃ達は、自分達の計画が成功したことを知り、歓喜の叫びをあげた。 「「「うーーーーっ♪」」」 れみりゃの中の一匹が、"よげんのしょ"を掲げる。 「すべてはこの"よげんのしょ"どおりだどぉー!」 「うんめいの子がうまれたんだどぉー!」 「この"よげんのしょ"どおりにすれば、れみりゃたちはむてきだどぉー!」 「いじわるなフランもにんげんも、もうこわくないどぉー!」 40匹ものれみりゃが、赤ちゃんゆっくりに向けていっせいに声をかける。 「「「はっぴぃばーすでぇーだどぉ♪ でびりゃまーん♪」」」 * * * 「「「うあああーっ! うあああああーーーっ!!」」」 「ゆっくり死ね!」 薄暮の森。 3匹のれみりゃが、1匹のゆっくりフランに追われていた。 あまりにも違う飛行能力と運動性。 れみりゃ達はあっという間にフランに追いつかれてしまう。 「「「こあいどぉぉ!」」」 恐怖で号泣する、れみりゃ達。 「ゆっくり死ね♪」 フランは、楽しそうに、れみりゃ達の羽を一枚ずつもいでいく。 「「「うんぎゃぁぁぁ!!」」」 叫びながら、地面に落下する3匹のれみりゃ。 フランは華麗に着地し、1歩また1歩と動けない3匹へ近づいていく。 3匹のれみりゃは、互いの顔を一瞥しあった後、 精一杯の叫び声をあげた。 「「「だしゅげでぇーーっ! でびりゃまぁーーん♪」」」 「う?」 不思議がるフラン。 すると、どこからともなく、れみりゃ種のものと思わしき歌が聞こえてきた。 「うぁうぁものの~名を~う~けて~♪ ぷでぃんを食べてぇ~たた~かう~れみりゃ~♪」 「?」 周囲を見回すフラン。 フランは、ある一点で視線を止める。 10メートルほど離れた木の枝の上に、紫色のおべべを来たれみりゃが立っていた。 「でびぃぃぃーーーーーりゃ!」 ぎゃおー!と両手をバンザイするように上げて、れみりゃが叫ぶ。 その姿を見て、羽をもがれた3匹のれみりゃは、やんややんやの喝采を送った。 「かぁ~~~っこいいどぉ~~~! さっすが、れみりゃ達の"きゅーせーしゅ"だどぉ♪」 おもしろくないのはフランの方。 "なんかつまんない。さっさところそう"そう思うや否や、 木の上のれみりゃへ向けて、飛翔する。 一方、木の上のれみりゃは、 フランが離陸するのを見てから、楽しそうに声をあげる。 「でびりゃうぃーーんぐ♪」 他のれみりゃ種に比べて、少しだけ大きい羽を動かして、 そのれみりゃは急上昇する。その速度は、胴体無しのれみりゃや、うーぱっくに匹敵した。 「うっ!?」 胴体付きのれみりゃ種らしからぬ動きに虚をつかれるフラン。 木の幹にぶつかりそうになり、あわててブレーキをかける。 「のうさつ☆ひっぷあたっくだどぉ♪」 その隙を見計らって、れみりゃが今度は急降下。 ブレーキをかけた直後で反応が遅れたフランの顔へ、ヒップアタックをする。 「うっ!」 不快そうに声を漏らすフラン。 対して、れみりゃはニヤ~と口の端を上げる。 「でびりゃびぃーーむ! ……だどぉ♪」 ばぶぉぉぉぉっ!! れみりゃの体内にたまって濃縮されたガスが、ジェット気流となって尻から放射される。 「うわぁぁぁっ!」 零距離で放屁をかがせられ、苦しみ出すフラン。 地上へ落下し、しばらくのたうちまわった後、ピクピクと痙攣しだしてやがて気を失ってしまう。 放屁して「いやぁ~ん♪」と頬を赤く染めたれみりゃは、 フランが動かなくなったのを確認してから地上へ下りると、 両手でフランを抱えあげて、3匹のれみりゃ達のところへ歩いていく。 「う~♪ れみりゃは、せいぎのみかた・でびりゃまんだどぉ♪ とぉーーっても強いんだどぉ♪」 ドサっと地面にフランを落とす、紫色のおべべのれみりゃ……もとい自称・でびりゃまん。 「「「さっすがだどぉー♪」」」 でびりゃまんの勇姿に、感嘆する3匹のれみりゃ。 その後、でびりゃまんと3匹のれみりゃは、気を失ったフランを仲良く食べた。 初めて食べた天敵の味は、実に甘くて美味しかった。 しかし、その甘味をかみしめながら、羽をもがれたれみりゃ達は、あることを思い出す。 そして、悲しそうに悔しそうに、目に涙をためながら口を開く。 「……う~~~、でびりゃまぁ~~~ん、れみりゃたちを助けてほしいんだどぉ」 「うー?」 「れみりゃ達をいじめるヤツがいるんだどぉー! あいつやっつけて欲しいんだどぉー!」 聞けば、この3匹のれみりゃ達は、 "そいつ"から逃げてきたところを、フランに見つかってしまったらしい。 「う~~♪ まっかせとけだどぉ♪」 胸を張る、でびりゃまん。 "こんなに可愛いれみりゃ達をいじめる悪い奴、そんな奴は正義の味方でびりゃまんがおしおきしてやる!" でびりゃまんは、やる気満々になって、飛び上がる。 ……が、すぐに下りてきて、 「う~、うっかりさんだどぉ♪」と苦笑して、3匹のれみりゃに話しかける。 「それでぇ~、れみりゃ達をいじめる悪いやつはどこのどいつだどぉ?」 3匹のれみりゃは、そろって同じ方向を指差した。 「うー! あそこにいるヤツだどぉ!」 その場所を確認したでびりゃまんは、今度こそとフワリと舞い上がる。 「わかったどぉ♪ それじゃでびりゃまんが悪をたいじしてくるどぉ♪」 「「「よろしくおねがいしますどぉ!」」」 頭を下げる3匹のれみりゃ。 「でびりゃ☆うぃ~~~んぐ」 叫び声は勇ましく、 されどスピードはあくまでゆっくり。 でびりゃまんは、羽をパタパタと動かし、うーっぱくと同じ程度の速度で飛んでいく。 その目指す先には、紅い色が特徴的な、大きなお屋敷が建っていた……。 幻想郷に住む人間、そして妖怪達は、 畏怖を込めてその場所をこう呼ぶ。 紅魔館、と。 次 ======================== ≪あとがき≫ むーしゃむーしゃしてやった。 れみりゃならだれでもよかった。 いまはゆっくり反省している。 ……すみません、(たぶん)まだ続きます。 by ティガれみりゃの人 ======================== このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau9/pages/1098.html
~ゆっくりれみりゃの生涯『希少種への進化編』~ 前書き 私の中ではゆっくりれみりゃ希少種(体付き)はノーマルゆっくりれみりゃから進化するという設定です。 独自のゆっくりに対する解釈が含まれております。 このような設定に拒否反応を示す方はこのままUターンする事をオススメします。 今までゆっくりの名前は「ゆっくり霊夢」のように「ゆっくり+漢字」で表記していましたが、近作からひらがなで 「れいむ」と表記する事にしました。(1番最初のみ「ゆっくり+名前」で表記します。) 本編 三日月が輝く夜、魔法の森の上空を1匹の丸い物体が飛んでいる。 「うーうー♪」 この丸い物体こそ捕食種、ゆっくりれみりゃである。 れみりゃは夜行性であり、今宵も獲物を探して通常種達が寝静まった森の上空を飛び回っている。 「う~?・・・・・うー!」 れみりゃは通常種とは違い夜目がきくため、暗闇の中でも的確に行動することが出来る。 何かを見つけたれみりゃは目標物へ向かって急降下を始め、森の中へ消えていった。 「ゆぅ~、ゆぅ~・・・もうたべられないよ・・・むにゃむにゃ。」 「ゆぅ~、ゆぅ~・・・れいむぅ~ずっといっしょにゆっくり・・・むにゃむにゃ。」 とある木の洞の中では成体に近いゆっくりれいむとゆっくりまりさが仲良く眠っている。 ガサガサガサ 2匹はみょんな音に気づく事なく、ゆぅゆぅと寝息を立てて気持ちよさそうに眠っている。 「・・・ゆ゛ぁ゛!・・・。」 れいむが一瞬悲鳴を上げるが、熟睡しているまりさは気づく事はなかった。 「・・・ま・さ・・・だずげ・・・。」 途切れ途切れに聞こえるれいむの声にまりさはようやく目を覚ました。 「ゆぅ・・・どうしたの~れいむ?ゆっくりできな・・・ゆ゛!」 まりさの目には中身を失ったせいで皮が弛(たる)み、恐怖に怯えながら痙攣するれいむの姿が映っていた。 そして、れいむの体には1匹の丸い物体が噛み付き餡子を吸っていた。 「れ、れみりゃ!どおじでごんなどごにいるのお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」 何故れみりゃが巣穴の中にいるのか理解できないまりさは恐怖に怯え悲鳴を上げている。 まりさが怯えている間にれいむは餡子をすべて吸われデスマスクと化していた。 そしてれみりゃが次の獲物に選んだのは当然・・・。 「がおー!たべちゃうぞ~♪ 」 恐怖で体が動かないまりさにれみりゃは容赦なく牙を食い込ませる。 「いやあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!いだいよお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!ずわないでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!」 「う~♪ あまあま~♪ 」 「・・・もっ・ゆ・くり・たか・・・。」 まりさは必死に抵抗しようとするが捕食種に敵うはずもなく、あっという間にデスマスクと化してしまった。 「うー♪ うー♪ 」 2匹の餡子を吸い尽くしたれみりゃは新たな獲物を求めて夜の森へ消えていった。 満月の夜、今宵もれみりゃは獲物を探し飛び回っている。 「うーうー♪ ・・・う~?」 体に何か違和感を感じたれみりゃは頭の上に?マークを浮かべるがすぐにその違和感は消え、何事もなかったかの様 に狩りを再開した。 「うー!」 獲物を見つけたれみりゃは目標物に向かって急降下を始め、森の中へ消えていった。 れみりゃは小川の近くの木の根元に降り立った。 木の根元には不自然に小石、木の枝、木の葉が積み重ねられ、いかにもここに何かありますよと言わんばかりである。 言うまでもなくゆっくりの巣穴であり、当のゆっくり達は完璧な偽装だと思っている。 三日月の晩にれみりゃの食料となった2匹のゆっくりも、巣穴の偽装が下手であったため食べられてしまったのだ。 「う~♪ あまあまう~♪ 」 れみりゃは口を器用に使い、偽装(笑)素材を次々にどかしていく。 あっという間に偽装素材はどかされ巣穴がぽっかり口をあけ、音を立てない様にれみりゃは慎重に巣穴の中へ入って いく。 巣穴の中では成体の母役のれいむと父役のまりさが1匹ずつ、その子供のプチれいむ、まりさが5匹ずつ、計12匹 の一般的なゆっくり一家が気持ちよさそうに眠っている。 「ゆぅ~、ゆぅ~・・・おちびちゃんゆっくりしようね・・・むにゃむにゃ。」 「ゆぅ~、ゆぅ~・・・ぱちゅりーはかわいいね・・・れいむとはおおちがいだよ・・・むにゃむにゃ。」 「「「「「ゅぅ~、ゅぅ~・・・まりしゃ~だいしゅき・・・むにゃ~。」」」」」 「「「「「ゅぅ~、ゅぅ~・・・ぐずゅなれいみゅはゆっくりちにぇ・・・むにゃ~。」」」」」 まりさがゲスであり、子供もその餡子を受け継いでいると寝言を聞けばすぐにわかる。 外でれみりゃが巣穴の入り口の偽装素材をどかしている音に気づくゆっくりは1匹もいないのであった。 巣穴への進入に成功したれみりゃは獲物の多さに ♪ マークを浮かべて笑顔で笑っている。 「ゆぅ~、ゆぅ~・・・まりさはれみりゃよりつよ゛!・・・。」 れみりゃが最初の獲物に選んだのはまりさであった。 押さえつけられ大声を出せないまりさはどんどん餡子を吸われていく。 「ど・してま・さ・こん・めに・うのおぉ・・・・・。」 「ゆぅ・・・うるさいよ~まりさ~ゆっくりできないよ~。」 まりさのうめき声にれいむはようやく気づき、寝ぼけながらまりさの方へ目を向けた。 れいむの目線の先には・・・。 「う~♪ あまあま~♪ 」 笑顔のれみりゃと餡子を吸い尽くされデスマスクと化したまりさの姿があった。 「ま、ま、まりざあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!ゆっくりじずぎだよお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!」」 れいむの悲鳴が巣穴に木霊した。 「「「「「ゅぅ~?どうちたのおか~しゃん?」」」」」 「「「「「ゅぅ~?うるしゃいやちゅはゆっくりちね!」」」」」 れいむの悲鳴でプチ達はようやく目を覚ましたが、事の重大さに気づいているものは1匹もいなかった。 「ぷんぷん、おかあしゃんうるちゃいよ!ゆっくりでぇきにゃいよ!」 1匹のプチまりさはれみりゃに気付かずに大声を上げたれいむに文句を言っているが・・・。 「がおー♪ たべちゃうぞ~♪ 」 「ゆ゛ぇ゛!」 プチまりさはれみりゃに背後から噛み付かれ体の半分を失い、短い断末魔を上げてあの世へ旅立った。 プチまりさの悲鳴を聞き、プチ達はようやく自分たちが非常に危険な状態に置かれている事に気が付いた。 「おちびちゃん!いそいでおかあさんのおくちのなかにはいってね!」 「「「「「ぴぎゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !こわいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」」」」」 「「「「まりしゃはおいちくないよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !れいみゅがおいちいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」」」」 プチ達は恐怖に怯え、泣き叫びながられいむの口の中へ次々に飛び込んでいく。 プチゆっくりは皮が柔らかく、餡子も水水しく非常に美味である。 故に捕食種にとってプチゆっくりは最高のご馳走なのだ。 「う~♪ あまあまあま~♪ 」 プチまりさが食べられるのをれいむはただ見ている事しかできなかった。 それでもれいむはプチ達を守るため、体を膨らまし必死にれみりゃを威嚇している。 しかし、通常種の威嚇など捕食種にとって何の障害にもならない。 プチまりさを食べ終えたれみりゃはついに体をれいむの方へ向け・・・。 「う~♪ あまあまもっと~♪ 」 れいむは恐怖から一歩も動くことができなかった。 れみりゃはれいむの頬に齧(かぶ)り付き、餡子を吸わずに皮を食い破り中心に向かって掘り進むように食べていっ た。 れいむはプチ達を怖がらせないように必死に痛みに耐え、悲鳴一つもらすことはなかった。 「いちゃいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」 「はやくまりしゃをたちゅけりょお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」 突如口に隠したはずのプチ達の悲鳴が巣穴に木霊した。 「おひびしゃん!?(おちびちゃん!?)」 れいむはなぜ口に隠したはずのプチ達の悲鳴が巣に木霊するのかまだ理解できていなかった。 「う~♪ う~♪ 」 「おねえちゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ん!」 「れいみゅをたべちぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」 次々と聞こえてくるプチ達の悲鳴を聞き、れいむはようやく理解した。 なぜ口の中にいるプチ達の悲鳴が聞こえるのか、理由は簡単である。 れみりゃは食い破ったれいむの頬から中のプチ達を食べていたのだ。 「あ゛っ!あ゛っ!あ゛っ!・・・れいむの、でいぶのあがぢゃんがあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」 その貧弱な餡子脳でようやく理解したれいむは恐怖と絶望のどん底に突き落とされた。 「おかあしゃあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ん!」 「もっどゆっくりちたいよお ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」 「おねがい、たちゅけてぇ ぇ ぇ ぇ ぇ ぇ !」 「まりしゃのからだがあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !」 「れぇいみゅのからだがあ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !」 「う~いっぱいあまあま~♪ 」 ついにプチ達の悲鳴が聞こえなくなった。 「・・・れいむの・・・かわいい・・・あかちゃんが・・・。」 貧弱な餡子脳でも(悲鳴が聞こえなくなる)=(プチ達の全滅)と理解できるようであった。 悲しみに打ちひしがれているれいむにれみりゃは容赦はしない。 「もっとあまあま~♪ 」 れみりゃはれいむの頬に大きく開いた穴からどんどん餡子を吸っていく。 本来成体の餡子はパサパサで甘みが少なく、あまりおいしいものではない。 しかし、恐怖と悲しみによりれいむの餡子の甘みは最高潮に達していた。 そう、れみりゃは通常種が恐怖で餡子の甘みが増す事を本能的に知っているのだ。 そのため、わざわざ口の中へ避難させたプチ達を先に食べ、れいむに恐怖と絶望を与えたのだ。 相方とプチ達を全て失い抜け殻のようになったれいむは、抵抗することもなく頬が欠けたデスマスクと化した。 「う~♪ う~♪ う~♪ 」 れみりゃの満足度は頂点に達していた。 その時である・・・。 「う~?・・・・・う゛っ!う゛っ!う、う゛、う゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 突如れみりゃの体に激痛が走り出し、その痛みは時間がたつにつれてどんどん増していく。 れみりゃは激痛に耐えられず、先ほど一網打尽にした一家の巣穴の中でのたうちまわっている。 そして激痛がさらに増すにつれ、れみりゃの意識はゆっくりと闇の中へ消えていった。 3日後、れみりゃは目を覚ました。 「う~、のどがかわいたどぉ~。う~!?」 れみりゃは今までにない感覚を体に感じながらも、すさまじい喉の渇きを潤すため這うようにして巣穴から出る。 巣穴は小川の近くに作られていたため、れみりゃはすぐ水にありつく事ができた。 小川に落ちないように注意しながら口を水面に付け、物凄い勢いで水を飲んでいく。 「う~♪ おいしかったどぉ~♪ 」 れみりゃが歓喜の声を上げた時、月にかかっていた雲が流れ森に月明かりが差し込んだ。 そして、小川にれみりゃの姿を映し出した。 そこには頭からは体が、その体からは手と足がきちんと生えているゆっくりの姿が映っていた。 「う~?だれだどぉ~?」 水面に映った姿が自分だと理解できれいないれみりゃは頭に?マークを浮かべている。 しかし、手足を動かすと水面に映ったゆっくりも同じ様に動くのを見て頭の上の?マークは消え・・・。 「う~♪ れみりゃにからだがついたんだどぉ~♪ れみりゃはぱわ~あっぷしたんだどぉ~♪ 」 ようやく水面に映った姿が自分であると理解したれみりゃは希少種特有のダンスを踊りくるくる回っている。 5分ほど経つとれみりゃはダンスをぴたっとやめた。 「う~、おなかがすいたんだどぉ~。」 背中の羽をパタパタ羽ばたかせ獲物を求め夜の森へ消えていった。 森の上空をれみりゃはのろのろと飛んでいる。 手足が生えることで体が重くなるせいかれみりゃは進化すると飛行速度が落ちてしまう。 「うー!おなかぺこぺこだどぉ~!」 当の本ゆっくりはそんな事など気にもせずに獲物を探している。 しばらく飛んでいるとれみりゃはその場でホバリングし、ある一点をじーっと見つめている。 「う~♪ たべものみつけたんだどぉ~♪ 」 目標物に向かってのろのろと降下し、ゆっくりと森の中へ消えていった。 れみりゃが木々間の少し開けた場所に降り立った。 その真ん中には少しだけ土が盛り上がり、落ち葉でうまく偽装してある巣があった。 ただ、うまく偽装できているものの、まだ葉が大量に落ちる時期ではないためいかにも不自然であった。 「う~♪ あまあまのすをみつけたどぉ~♪ 」 れみりゃは手を使い簡単に偽装素材をどかし、数秒のうちに巣穴がぽっかり口をあけた。 ゆっくりはその貧弱さ、その大きさとは裏腹に無駄に広い空間を好む習性を持っている傾向にある。 この巣穴のゆっくりも例外ではなく、少々きついものの巣の入り口はれみりゃの体がある程度入る広さである。 「う~♪ でなーのじかんだどぉ~♪ 」 れみりゃは上半身を巣穴に突っ込んだ。 巣穴の中では成体ではないが、独り立ちしているれいむとまりさが寄り添って気持ちよさそうに眠っていた。 「ゆぅ~・・・おおきくなったらいっぱいこどもを・・・むにゃむにゃ~・・・。」 「ゆぅ~・・・たくさんのこどもとゆっくり・・・むにゃむにゃ~・・・。」 寝言から2匹はとても仲が良く、将来はつがいになるであろう事がうかがえる。 そんな幸せな未来絵図の夢を見ている2匹に無慈悲にも魔の手が襲い掛かろうとしていた。 れみりゃの目前には2匹のゆっくりが笑顔で眠っていた。 食べやすく味も手ごろな大きさのゆっくりを見てれみりゃはニコニコし、♪ マークを浮かべている。 「がお~♪ たべちゃうんだどぉ~♪ 」 「「ゆべし!」」 れみりゃは2匹を掴むと自分の体ごと2匹を巣の外へ引きずり出した。 「いただくんだどぉ~☆」 寝ぼけたまりさの意識がはっきりした瞬間、まりさの目にはれみりゃの大きく開かれた口と鋭い(ゆっくり比)牙が 映っていた。 それがまりさの見た最後の光景であった。 「いやあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!」 まりさの断末魔が森に木霊した。 まりさの悲鳴を聞き、れいむの意識はようやくはっきりとした。 しかし時出に遅し、れみりゃはデスマスクと化したまりさをぽいっと捨てると、逃げようとしたれいむを掴みあげた。 「もっどゆっぐりじだよお゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛ぉ゛!だずけでえ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛ぇ゛!」 「あまあまいただくんだどぉ~☆」 れいむの必死な命乞いなどれみりゃに届くはずもなく、れいむは餡子を吸われどんどんしぼんでいく。 「・・・・もっと・・・ゆっくり・・・したかった・・・。」 死ぬ間際にゆっくりらしい言葉を残し、れいむはデスマスクと化した。 「おいしかったんだ・・・。」 トントントン 突如れみりゃの肩を何者かが叩いた。 「う~!いったいだれだ・・・。」 「ゆっくりしね!」 ボスッ! 後ろへ振り向いたれみりゃの顔には拳がめり込んでいた。 拳が離され、現れたれみりゃの目には大粒の涙が浮かんでいた。 「うぁ~!いたいんだどぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !・・・・・?・・・・・う、う、うあぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !」 始めは大泣きしていたれみりゃであったが、危害を与えた主の姿を見て急に怯えだした。 れみりゃと同様に体を持ったゆっくり、ただその威圧感と狂気に満ちた目はれみりゃとは別格であった。 そう、このゆっくりこそ最強の捕食種ゆっくりふらん希少種である。 れみりゃ同様に満月の夜に激痛が走った後意識を失い、今宵体付きに進化し目覚めたばかりである。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 その場でたじろいでいたれみりゃにふらんは容赦なく攻撃を繰り出す。 れみりゃは恐怖に怯え、ふらんの攻撃を一方的に受けることしかできなかった。 「うあぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ !やめるんだどぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」 れみりゃが地面に倒れたところでふらんの攻撃がやんだ。 安堵したのも束の間、ふらんはれみりゃの体に足を乗せ、動けない状態にした後両手でれみりゃの顔を思いっきり引 っ張った。 「いだい!いだいどぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !ちぎれぢゃうんだどぉ ぉ ぉ ぉ ぉ ぉ !」 「ゆっくりしね!」 ブチッ! れみりゃの頭と体が分離した。 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 悲鳴を上げ、大粒の涙を流しているもののれみりゃは死んではいなかった。 れみりゃ、ふらんの両希少種にとってメインは頭であり、体を失ったところで死ぬことはない。 しかし、羽は体についているためまったく身動きが取れなくなってしまう。 ふらんはれみりゃを抱え夜の森の奥へ消えていった。 れみりゃとふらんのいた場所にはジューシーな肉まんの匂いが漂っていた。 森の深部、ここは通常種はおろか人間も滅多に足を踏み入れない場所である。 人間の関与がないという事もあり、深部には巨木が立ち並んでいる。 ふらんはある巨木の一角に降り立った。 その巨木には多数の洞が存在し、ふらんは何かを探すように巨木の周りを歩いていく。 そして目的の場所に着いたふらんは木の幹を軽く叩いた。 コンコンコン 「「「ぢゃおーん!」」」 しばらくすると近くにあった洞からプチゆっくりめーりん3匹が顔を出した。 一瞬プチめーりん達は硬直したものの、すぐに恐れる事無くふらんの足にじゃれつきはじめた。 プチめーりん達がじゃれついていると洞から成体のめーりんが現れた。 このめーりんには右目が無く、距離感がつかめないせいかふらふらしている。 「うー、ごはん、とってきた。」 ふらんは手に持っていた頭だけになったれみりゃをめーりんに差し出した。 「じゃおーん♪ 」 「「「ぢゃお~ん♪ 」」」 めーりん達は協力して巣穴にれみりゃを運び、ふらんは笑顔でめーりん達の様子を見守っている。 「うあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 しばらくすると洞の中からはれみりゃの悲鳴が聞こえてきた。 めーりん達がれみりゃを食べ始めたのだ。 れみりゃは再生力が強く、全て食べてしまわなければ再び元の丸い肉まんに戻る。 れみりゃは再生力が落ちるまでの間、その生涯をめーりん達の食糧として過ごすのであった。 ※補足 Q:なぜふらんがめーりんに食糧をとってくるのですか? A:それは片目を失っためーりんがふらんの育ての親だからです。 ちょっとしたお話「ふらんとめーりん」 ふらん種の子育てはめーりん種が行うことがあり、このふらんもめーりんによって育てられました。 めーりん種は皮が厚く、力の強いふらん種が殴ったり引っ掻いたりしても傷つくことはありません。 しかしめーりん種は他の通常種から虐められやすく、滅多に反撃しないという特徴を持っています。 めーりんにまだ両目があった頃、つがいとなるめーりんがおり2匹の間に子供ができました。 しかし、蔓が生え身動きがとれないお母さんめーりんを通常種達は容赦なく虐め、その際木の枝が右目に刺さってし まいました。 お父さんめーりんは必死にお母さんめーりんを守ろうとしましたが、大勢の通常種に囲まれそのまま川に落とされて しまいました。 夜も近くなり、通常種達はめーりんを虐めるのをやめ各々巣に戻って行きました。 蔓に実った子供達の多くは未成熟のまま蔓から切り離され死んでしまいました。 それでも3匹のプチめーりんは無事この世に生を受けることができました。 その夜、ふらんがめーりんに会いに来た際、昼間の虐めについてふらんは知りました。 翌日、再びめーりんを虐めに来た通常種達はふらんにより、この世に生を受けたことを後悔する程ひどい方法で痛め つけられ、絶望の表情を浮かべあの世へ旅立ちました。 めーりんは片目を失っているため、子育てをするのは非常に難しいとふらんにはわかりました。 そこでふらんはめーりん一家を食糧が少なく、通常種が滅多に近寄らない深部に住まわせ、自分がめーりん一家の食 糧を探してくるという選択をしました。 その後すぐに満月を迎え希少種へ進化し、れみりゃを食糧として巣に持ち帰りました。 プチめーりん達が一瞬硬直したのはふらんに体が付いていてびっくりしたからです。 めーりん種は頭が良いため、目の前にいるふらんが優しいふらんだとすぐに気付きました。 ふらん持ち帰った再生肉まんのおかげで3匹のプチめーりんは無事成体になることができました。 おしまい(SSが普通に書けそうなお話ですね^^;) End 作成者:ロウ 後書き 最後まで読んでくださった方々にまずはお礼を申し上げます。 ゆっくり達の生涯シリーズ第11弾『ゆっくりれみりゃの生涯「希少種への進化編」』はいかがだったでしょうか? 当初はふらんに八つ裂きにされて終わりの予定だったのですが、食物連鎖的なSSも悪くないと思いふらんに登場し てもらいました。 SSを書いてて思った事・・・。 ノーマルれみりゃ → 「うーうー」かわいいですよね。 希少種れみりゃ → 「れみりゃはぱわ~あっぷしたんだどぉ~♪」自分で書いておきながらここで思わずモニタ ーを殴りたくなりました。 希少種になると無性に腹が立つのはなぜ!? ついに念願のペンタブをゲット!ゆっくりと絵の練習もしてます。 時間が無く余り練習できない上、画力絶望的なのでお見せできるのはまだまだ先になりそうですorz wikiへ前作『ゆっくりレティの生涯』の感想をくれた方、ありがとうございます。 感想をいただけると私の様な者のSSでも読んでいただけていると実感でき、今後の励みになります。 私は後書きが長く、設定をちょくちょく書きたがります。 この事に関して不快に感じる方がいるかもしれませんが、初期の頃からのスタイルを変える事は考えておりません。 新しく使った設定についてはなるべくおまけなどにまわし、読まなくてもいいようにしてあります。 基本的に自分の書きたいものを書きます。 どうかご了承下さい。 次回のSSはゆっくり達の巣穴や冬篭りをテーマにしたものでも書こうかなぁと思っています。 (あくまで予定なので変わる可能性はあるよ^^;) おまけ(という名のゆっくりの考察報告書3) ※注意 考察という名のもとに私の中での設定を書きまくっています。 wikiにある設定集や独自の解釈が多く含まれます。 書きたい内容のための設定、及び自分の中でのゆっくりの設定をきちんと統一し確認するという目的も担っています。 既に本編は終わっており、所詮はおまけです。 上記の事を受け入れられる方のみ↓へお進み下さい。 ○○年○○月○○日 2ちゃんねる ゆっくり虐待スレ 虐待お兄さん 様 2ちゃんねる ゆっくり虐待スレ ロウ ゆっくりれみりゃの考察(報告) 今まで多くの謎だったノーマルれみりゃとれみりゃ希少種の関係についてこの度、一定の研究報告が上がったのでま とめ報告書を作製いたしました。 1.進化について 満月の夜にのみれみりゃの進化が確認されています。 体に激痛が走り、あまりの痛みにそのまま意識を失い約3日後、体がきちんと付いた状態で目を覚まします。 (体の生える過程は各自ご想像下さい) 稀に体が大きくなったせいで巣穴から出られなくなり、そのまま餓死する個体もみられます。 しかし、満月の夜に全てのれみりゃが進化するというわけではなく、他にも進化に必要な条件があると考えられます。 他の条件については様々な説が存在します。 (1)体内時計説 れみりゃの体内には、本ゆっくりにも気付かない時間を司る部位が存在し、ある一定期間生きたれみりゃは満月の夜 に進化する。 (2)捕食カウント説 多くのれみりゃは通常種を捕食した後進化を迎えるため、体内に本ゆっくりにも気付かない食べた通常種の数をカウ ントする部位が存在し、一定数の通常種を捕食したれみりゃが満月の夜に進化する。 (3)誕生時に既に進化の有無が決まっている説 生まれた時点で進化するかどうか決まっており、進化するものは見た目は変わらないものの体内の一部に進化に関わ る部位が存在し、一定期間後進化する。 2.進化後の能力について 似た進化をするれみりゃとふらんを対比しながら報告します。 (1)飛行速度 れみ・・・進化前の3分の2~半分まで落ちてしまう。 ふら・・・進化前以上のスピードを出す事ができ、中には2倍近くのスピードで飛行するという報告もある。 (2)捕食能力 れみ・・・全体的に動作が鈍くなっているものの、手足が使えるという事は生物にとってこの上ないアドバンテージ であり、力も強くなっている事から捕食能力は少し上昇したと言える。 ふら・・・手足を器用に使い力もかなり向上し、進化前とは比べ物にならないほど捕食能力は上昇する。 (3)知能 れみ・・・お世辞にも賢くなったとは言えない。余分な言動が増え、メリットとなる事はほとんど無い。 ふら・・・非常に賢く、躾さえすれば人間の言う事をすぐに理解する事も可能である。 通常種のように人間の言葉もある程度扱えるようになる。 (4)総合 れみ・・・プラスマイナス0?いや、むしろ退化!? ふら・・・全ての面において能力は上昇、まさに最凶の捕食種である。 3.今後の方針 多くの職人様によりさまざまなゆっくりの研究(虐め、虐待)が行われる事に期待しております。 おまけの後書き 以上のおまけがれみりゃについて私が考えている設定です。 これらの設定を基に今回のSSを書かせていただきました。 あくまで私の考えている設定であるため、他の職人様に押し付けようなどという気は毛頭ありません。 冒頭部分は加工場の人の「ゆっくりいじめ系260 ほほえみの村(永琳の報告書)」の書き方の一部を参考にさせてい ただいております。 最後に、これは私の中の設定です。 他の職人様の設定を批判するつもりはまったくありません。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/1301.html
ゆっくりいじめ系203 魅惑の透明なケース 「うー☆うー☆」 れみりゃは赤ちゃんを一匹連れ、気味の悪い踊りを披露していました。 可愛い自分と可愛い赤ちゃんがいるのですかられみりゃはとてもご機嫌です。 「うー☆」 「うっうー☆れみりゃのあかぢゃんだどぅー」 誰にするともなく赤ちゃんを自慢しています。 「うー☆にぱぁ☆」 れみりゃは自分と赤ちゃんがいればどんなに怖い人も自分たちの可愛さに餌をくれると思っているのです。 思い上がり甚だしい豚の考えですね。 そこに一人の青年が通りかかります。 「うー、れみりゃとあかぢゃんにぷっでぃ~んもってきてー」 「はやぐもってごいー♪」 不気味でもたもたと生理的に嫌悪すら感じる踊りを加えてれみりゃはわめきます。 そんなれみりゃ達をみた一見おとなしそうな青年は、途端に顔を歪ませます。 実は彼、ゆっくりゃを見ると虐めて殺してしまう少々アレな人なのです。 「きごえてないのかーれみりゃがめいれいじでるんだどぅー」 「めいれいだどぅー」 彼はれみりゃ達を両脇に抱えてその場を去ります。 「うーはなせー、れみりゃのみわくのぼでぃにさわるなー」 「はなせー」 その間彼は無言です、れみりゃと語る舌をも持たないのでしょう。 そして少し経つと、青年の家に到着したようです。 「れみりゃのやしきにしてあげるどぉー」 「でもおかあさん、ごごはすこしちいさいどぉー」 「そうだどぉ、じゃあ、べっそうにするどぅー」 「きゃっきゃ」 れみりゃたちは気持ちの悪い声でそう言ってますが、青年はガン無視です。 あ、でも青筋が経ってます。 青年はお約束の魅惑の透明なケースを出すと、親れみりゃをそこに詰めました。 「ぴぎゃ! ちがのぼるどぉ、だぜぇ!」 「おがあざんだせぇ!」 確かにれみりゃの踊りはダサいですが、多分出せと言っているだけです。 しかし青年はガン無視です、本当にれみりゃが嫌いなのでしょう。 そして青年は何の前触れもなくいきなり子れみりゃの両腕をもぎ取りました。 もぎたて子れみりゃの腕はホカホカと湯気を放ち、とても美味しそうです。 「っぎゃぁぁぁ!? なに゛するどぉ!?」 「れみりゃのあかぢゃんがぁ!?」 そのついでに親れみりゃの両足をもぎました。 「ぐぅっぎゃぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!?」 青年はその悲鳴に目もくれず、子れみりゃを魅惑のケースの中に投げ入れました。 そしてれみりゃの口に竹筒を刺すと、部屋の隅にこんもりとしていた土で埋めていきます。 ざっくざっくと言う音がしばらく部屋に響きます。 やがて、ケースの中は土で満ち、呼吸用の竹筒だけが土から出ていました。 その竹筒からはひゅーぼーひーびょーと豚の鳴き声のような無様が音がしていました。 一仕事終えた青年は初めて見せる笑顔で自分を褒めていました。 しかし、土で埋めるんなら別に透明のケースを出す必要はなかったんじゃないでしょうか? 床には残った親れみりゃの足と子れみりゃの腕がぴくぴくと蠢いています、気持ち悪いです。 次に青年は透明じゃないケースを開け、そこからゆっくりまりさを取り出しました。 「っ!? っ!」 口はホチキスでつながれ、喋ることすらできなそうなまりさはきっと餓死専用まりさなのでしょう。 そして青年はおもむろにさっきの両腕両足をまりさに取り付け始めました。 器用にまりさの顔に手と足をつける青年。 なるほど、まりさにれみりゃの両腕両足をつけたら動かせるかの実験なんですね? しかし青年は両手両足を取り付けると『?』を浮かべてしまいます。 …まさか、青年はただ単にまりさでれみりゃの再現をしたかっただけなのでしょうか。 そうすると体が足りません。 ……青年も気がついてれみりゃ達の居る方向を見ます。 さっき埋めましたよね。 青年はため息をつくとそのまま出て行ってしまいました。 まりさの付けられた腕と足は動く気配はありません。 付けたのなんて動かせるはずはないのでしょうか、それともこのまりさが半死なのがいけないのでしょうか。 しかし、顔から両手両足が生えたまりさは筆舌に絶えないほどにキモいです。 しかもれみりゃの落書きのような手と大根のような足ですからそれはもう… 竹筒からは今もひゅーひょー聞こえていました。 次の日、青年が部屋に入ってくると、まりさは死んでいました、餓死です。 もっと両手両足を定着させれば動かせることも夢ではなかったでしょうに、残念です。 青年は虫が湧いたら大変だとばかりにまりさを捨てに行きました。 それから三日ほどして戻ってきた青年はれみりゃを掘り起こします。 気が変わったのでしょうか? 掘り起こすなら前の時点で掘り起こせばいいのにと思いますが… 「うぅー、おながずいたー」 子れみりゃが出てきました、両腕はまだ再生していないようです。 あぁ、なるほど、土で圧迫されていたせいで再生できなくなってしまったようです。 綺麗に断面も出来てますし、もう再生することもない…のでしょうか。 とりあえず青年はそう思ったようで、子れみりゃは逃がしてあげることにしたようです。 子れみりゃの髪を掴み、外に投げ出しました。 両腕もなく、空腹の子どものゆっくりゃがいつまで生きられるか、そんなことは知りません。 青年は満足したように部屋から出て行きました。 そして親れみりゃのことを思い出した一週間後にはその肉まんはすでにこの世のものではありませんでした。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/293.html
十六夜咲夜は見た。 紅魔館の門前にばら撒かれた四肢と、ダルマになったゆっくりれみりゃを。ゆっくりれみりゃだったものを。 それは頭が潰されていた。 顔の皮は原型を保っていたが、後頭部のあたり、頭の後ろ半分が二目と見られないことになっていて、中身を放射状にブチ撒けていた。 それは十六夜咲夜が可愛がっていたゆっくりれみりゃの成れの果てだった。 なぜ、野良のゆっくりれみりゃと自分が可愛がっているものの区別ができるのか、以前質問した妖精メイドはただ一言「愛」との返答を受けていた。 余談だが、その妖精メイドは紅魔館が誇るメイド長が狂ってしまったと思い、それ以降どこか優しげなまなざしでメイド長を眺めるようになったという。 死体の放置された門前では、いつものように門番が眠りについており、寝息を感じさせず微動だにしないその姿はまるで寝大仏を想起させる。 咲夜は瞬時に下手人を察していた。 「起きなさい、この寝門番」 「んぅむ」 臥龍が目を覚ます。 「あ、おかえりなさい」 紅美鈴が起き上がり言う。大きなあくび。どれだけ寝れば気が済むのだろう? その空色の瞳が自分に焦点があうのを確かめると、咲夜は冷厳と口を開いた。 「これはなに?」 「ああ、侵入者です」 「……侵入者?」 「いや、侵入しようとした肉まんが正しいですね。ごみが目障りでしたか?」 「そう。ところで貴方、私がゆっくりれみりゃを飼っていることを知っていたわね?」 「はぁ、それがなにか?」 美鈴の返答に、咲夜はびきりと何かが鳴った気がした。 「この子は私が飼っていたゆっくりれみりゃだって言ってるのよ」 「はぁ、そうだったんですか。それはまたご愁傷様です」 その返答にまた何かが鳴った。 「わかっていないようね、どうして貴方は私のペットを勝手に処分したのかを聞いているの!」 「はぁ、私は門番ですから。紅魔館の領土を不必要に侵すものは排除しますよ」 「それが私のペットだって貴方なら分かるでしょう?」 いらいらしながら咲夜は問いかけた。しかし美鈴はそんないらつきなど何処吹く風、いつものように飄々としている。 「関係ありません」 「なん……ですって……」 「『侵入しようとした』、『攻撃の意思を見せた』。この二つで十分排除する理由になります」 どうやら咲夜の留守中に館を抜け出し、帰って来たところを美鈴に咎められて反抗したというところだろう。 咲夜はその経緯を察して、かつ反論の余地が無いことを悟った。 「……」 「それに肉まんにスペルカードルールは適用されません。そのペットが人間だったら死なないで済んでいたでしょう」 「……そうね」 「ペットは首輪をつけておくものですよ」 咲夜は暗に、所有物には名前を書いておけ、と言われた気がした。 たしかに、そのゆっくりれみりゃが咲夜の飼っているものだと確定する判断材料がないのだから、美鈴ならば見分けられるはずというのは単に甘えだ。 個体識別が出来たか否かは問題にならない、美鈴は職務を全うしただけだ。文句をつけられるいわれは無い。 言ってしまえば低級な妖怪や毛玉が侵入を企てるのと同程度のものだ。 ここで美鈴を叱責するのは簡単だが、それは私憤によるもの。 咲夜はそれを分かっている。伊達や酔狂で「完全で瀟洒なメイド」などと名乗ってはいないのだ。 次の日、いつのまに調達したのか、新しいゆっくりれみりゃには首輪がつけられていた。 しかし咲夜が目を離すと、そのゆっくりれみりゃは妖精メイドたちに虐められた。 今までも妖精メイドたちにゆっくりれみりゃが虐められることはあったが、首輪をつけてからのそれは熾烈を極めた。 以前は野良と見分けがつかないから、ただ単に紅魔館から追い出そうという意味で攻撃を加えていたのだろうが、首輪がついてからは明らかな悪意が存在していた。 首輪がついたことによって、咲夜の所有物だということがはっきりし、それの言うことを極力聞かなければならなくなったことが原因だろう。 基本的に妖精メイドは自分達のことで手一杯だ。館の管理は全てメイド長たる咲夜が一任している。 それでも数多くの妖精メイドが滞在しているのは、質より量という信念があるからだ。 しかし、そんな烏合の衆と言える妖精メイドたちにも、紅魔館を住み処としている矜持があった。 主たるレミリアに達成困難なわがままな命令を受けても成し遂げようという意思が生まれるが、相手が似ても似つかぬ不細工な肉まんでは苛立ちしか生まない。 始末の悪いことに、ゆっくりれみりゃは「さくやにいいつけてやるぅ」と虎の威を借る狐を気どる。 これで苛立たないのは、当のメイド長か、広大無辺な心の持ち主だけだろう。 紅魔館でも、いや、幻想郷でももっとも心が広い妖怪かもしれない紅美鈴でさえ、体よく葬ったのだから。 それゆえに、咲夜の目の届かないところでゆっくりれみりゃは妖精メイドたちに袋叩きにあったり、弾幕をひっかけられたりしていた。 咲夜も数多くいる妖精メイドの全てを罰するわけにはいかないので、ゆっくりれみりゃに自室からの外出を禁じるが、もとより話が通じるのであればそんなことにはなっていない。 三日もしないうちに、そのゆっくりれみりゃは首輪だけでなく、鋼鉄の檻に入れられることになってしまった。 咲夜は最初、犬のように杭を打ち込んで、鎖を首輪に繋げようと考えたのだが、部屋を壊す必要はないと考え直し、美鈴に檻を作らせたのだった。 「美鈴、なかなかいい腕してるわね」 「う゛ー!だじで!だじで~!」 がしゃがしゃと鉄格子を握り締めて揺らすが、当然のことながらびくともしない。それは何処に出しても恥ずかしくない出来だった。 「さて、これで虐められることも無いし、仕事に専念できるわね」 「う゛あ゛ーっがじがじ。まじゅいー!ぽいしてっ!いらないの!ぽいするの~~!!」 鉄格子にかじりついて、いかにも不味そうな顔をするゆっくりれみりゃを見て、微笑む咲夜。 どこから出したのかぺろぺろキャンディーがその手に握られていた。 咲夜の手の中のものを見て、喜びに輝くゆっくりれみりゃ。すでに気を取られていて檻のことなど少しも頭に無い。 「うー!それれみりゃの!ちょーだい!れみりゃのきゃんでーちょーだい!」 「それを食べておとなしくなさい」 咲夜は言われるままにそれをゆっくりれみりゃに渡す。 「うー、ぺろぺろ。おいちい♪うーうーうあうあ♪」 上機嫌になったそれを見届けて、咲夜は部屋を出た。妖精メイドは勝手に咲夜の部屋には入らないし、自分から外にでることもできない。 これでペット事情は安泰だろう。 昼。 紅魔館の主は夢の中、図書館の主は読書に耽り、門番は門前にて鍛錬の真っ最中。 メイド長はというと、仕事がありすぎて食事を取る暇もないくらいだった。いや厳密には時間をとめて食事はできるのだが、ペットに餌をやれない状況なのだ。 そこで、咲夜は丁度良いところに通りかかった妖精メイドに餌やりを頼むことにした。 よもやメイド長の部屋でまでペット虐めはしないだろうという判断だった。 「おながずいだー!!ごはんぅ~~!うー!うー!ざぐや゛~~っ!!」 咲夜から配膳をまかされた妖精メイドは、咲夜の部屋に入るなりそんな声を聞いた。 見れば檻の中でゆっくりれみりゃが、まるで駄々をこねる幼児のように、地面に寝っ転がりながら暴れていた。 すると、食事の匂いを嗅ぎつけたのか、ぴたりと泣き止み起き上がり、妖精メイドに向かって威嚇するように手を広げ 「ぎゃぉー!たべちゃうぞ~~!!」 と、こうだ。 妖精メイドは軽く嘆息すると、お盆を床に置いて蓋を取る。 皿には小さなハンバーグやパンが少しずつ、あとはデザートというゆっくりには上等すぎるのではないか?と思えるほどの食事が用意されていた。 特にデザートのババロアなどは、妖精メイドが思わず生唾を飲み込むほど美味しそうな匂いを発していた。 甘いもの好きなゆっくりれみりゃが、それを嗅いで黙っていられるはずも無く、妖精メイドに催促する。 「ぅぁ~♪たべさせて!ぷっでぃんぐはやくたべさせて~~!!」 「…………」 「う~?ぷでいぃんんん♪はやくれみりゃのぷでぃんたべさせてーーー!!」 「こんな美味しそうなババロアをこんなナマモノに食べさせるなんて、食べ物への冒涜だわ!」 妖精メイドはそう言うと、スプーンでババロアをすくって自分の口に入れた。 「うあーーー!れみりゃのぷっでぃん、たべちゃだめ~~!!」 「~~~ッッ!っはぁ!!……っおいっしぃ~~~♪」 まさに至福!というような蕩ける表情で妖精メイドは言った。 「あんたいっつもこんなん食べてんの!?」 血相を変えた妖精メイドがゆっくりれみりゃに詰め寄る。その手にはババロアの皿が乗っている。 「うーうー!れみりゃのぷっでぃん!!ぷっでぃぃいぃいいぃぃんんぅぅうぐ!!!!」 泣きながら、鉄格子の間から腕を伸ばしてお皿を取ろうとしているゆっくりれみりゃ。妖精メイドの話をまるで聞いていない。 「ちょっと!人の話を聞きなさいよ!!」 「ぷっでぃいいぃいい~~~~ん!それれみりゃのぷっでぃいいぃいぃいいんなの!!」 「うっさいわね!」 「ぶめぎゃっ!?」 妖精メイドの平手打ち。鉄格子があるので、水平にではなく垂直に。 まるでアッパーカットのようなすくい上げるような平手打ち。 どてーんと転ぶゆっくりれみりゃを無視して、餌の皿へ向き直る妖精メイド。 「もしかして他のもこんなに美味しいのかしら!?」 その行動は好奇心と言う名の食欲に支配されていた。 起き上がったゆっくりれみりゃはへの字口をして涙を溜めた目で、自分のご飯を次々と食べていく妖精メイドを見た。 「うわー!れみりゃのごはーーん!れみりゃのごーーーはーーーんーーー!!うーうーーーー!!!」 がしゃがしゃと鉄格子を揺らすが重い檻はびくともしない。 「うーうー!……っばーか!ばーか!!しゃくやにいいつけてやるぅ!!しぃからぁれちゃぁうぞぉ~♪」 それを無視して、餌とは言いがたい食事を食べていく妖精メイド。無視はしているが、ゆっくりれみりゃに見えるように食べていた。 フォークの先にはソースが滴ったハンバーグが美味しそうな匂いと湯気を立てている。 それをゆっくりとゆっくりれみりゃに近づけていく。 「うあ~~~ん♪」 鉄格子がめり込むほどに顔を押し付けて、大口を開けて少しでも早くご飯に近づこうとするゆっくりれみりゃ。 「ぱくり♪」 「あ゛っーーー!」 だがあと一歩というところで、妖精メイドは手を戻し、自分の口に肉片を入れた。 「あ゛ーー!!あ゛ーーー!!!はんばーぐ~~~!はんばぁぐぅううぅううぅ!!うあーうあ~~!!!」 「はっ、ば~~~か」 鼻で嘲笑う妖精メイド。 「! がぁおーーー!たーべちゃうぞーー!!ぎゃぁお~っ!た~べちゃ~~うぞ~~~!!! 」 「うっさい、おまえ」 妖精メイドは瞬時に弾丸を発射した。右膝を撃ち抜かれ、肉片をばら撒きながら転倒するゆっくりれみりゃ。 「うぎゃーーーっ!れ、れみりゃのおーごんのあしがッ~~~!!!うあうあーーっ!!」 足を押さえながらごろごろとのた打ち回るゆっくりれみりゃ。 「いだいよーーー!ざぐやーーー!!じゅあぐゆあぁぁああ!!わるいひどがいじめるぅ~~~っっ!!!」 妖精メイドはそんなゆっくりれみりゃの頭を踏ん付けてぐりぐりと踏みにじる。 「びゅぉっ!ぶぉえぇ~~~っ!!っぐうぐぅ!」 「かわいそうだから、ご飯を食べさせてあげます。いい子だからお口をあ~んして下さいね?」 足を顔からのけると、べそをかきながらも立ち上がるゆっくりれみりゃ。足はぐりぐりされている間に修復していた。すげえ! 「れみ☆りゃ★う~☆」 ご飯を食べさせてもらえることがそんなに嬉しいのか、ゆっくりれみりゃは三拍子で揺れていた。 「はい、あ~~~ん」 「あ~~~~っもがぁっ!?」 満面の笑みで口を開くと、そこには団子のようなものが突っ込まれた。 それは妖精メイドが食い散らかした、ゆっくりれみりゃの餌の残りを全て丸めたものだった。 肉とパンとババロアの混じった味。 到底言い表せない味が、ゆっくりれみりゃの口内を思うさま蹂躙する。 しかもその団子はゆっくりれみりゃの口よりも大きく、自力で吐き出すことができない。 息が詰まるゆっくりれみりゃ。 「ふー!ふーー!っふぐ!ひゅーー!ひゅこ~~~~~!!」 「早く飲み込んでください」 これはいけないと見た妖精メイドが、頭を押さえつけて口に手を突っ込んで、むりやり団子になったそれを押し込む。 「うぎゅうぎゅ!んぎゅん~~~っ!!っぷはぁ~~~~~~!」 「はい、よくできました。これでお食事は終了ですよ」 妖精メイドは、にっこりと微笑むとお盆を持って部屋から出て行った。 「おっげぇえぇえぇぇ~~~っ!!ざぐや゛!ざぐや゛どこぉ?ざぐや゛ーー!!はやぐぎでぇ!ざぐや゛~~~!!!」 後には激しく咳き込み、咲夜の名前を泣き叫ぶゆっくりれみりゃだけが残された。 夜。 天空は漆黒に染め上がり、輝く星々が今にも落ちてきそうだ。 ゆっくりれみりゃは照明のない暗い部屋の中、ただ一匹で冷たい檻の中から月を見上げていた。 昼にご飯を無理やり押し込められてからずうっと泣き叫んでいたが、だれも来なかった。 そう、誰も。唯一自分の味方であるはずの咲夜でさえもやってこなかったのだ。 それがゆっくりれみりゃの心を冷たくする。 夕方に一度、咲夜が戻ってきたのだが、またすぐに出て行ってしまった。 実を言えば、その時に時間を止めて睡眠を取っていたのだが、悲しいかな、ゆっくりれみりゃは『止まった時の世界』に入門できない。 「うー、しゃくやぁ~」 今頃咲夜はレミリアに付き従って何かをしているだろう。散歩をしているかもしれない。何らかの異変を解決に出ているかもしれない。 しかしそれはゆっくりれみりゃにはまったく関係のない話なのだ。 しんと静まる部屋。 窓を叩く風の音。ほうほうと聞こえてくる梟の声。木々のざわめき。時折廊下から聞こえてくるこつこつとした足音。 その全てがゆっくりれみりゃを刺激する。 檻に入れられる前であれば、館内を好き勝手に歩きまわっていた。 それが今では閉じ込められて自由に外を散歩も出来ない。 「う~」 ご飯もそうだ。以前ならば歩き回っているときに、そこら辺にいる妖精メイドに命令すれば何かしら持ってきた。 もちろんその代価として虐めにあっていたのだが、ゆっくりれみりゃは覚えていない。 肉体が勝手に修復するから、ちょっとやそっとの痛みの記憶では霞のように消え去ってしまう。 「うー!だじでっ!だじでっ!!ざぐやぁあぁぁ~!ぶわぁぁぁ~~~っ!!」 火がついたように泣き出し、鉄格子をがしゃがしゃと揺らすゆっくりれみりゃ。しかし癇癪を起こしても誰も何もしてくれない。 「きゃーう!おそとー!おそといぎだいぃ~~~っ!!むきぃ~!」 全力で鉄格子を壊しにかかるゆっくりれみりゃ。激しく前後に揺すられた身体は、今までにない執念を感じさせる。 しかし、美鈴が先代のペットを葬り去った罰として作らされた鋼鉄の檻は、その程度でどうにかなるほど柔ではなかった。 鉄格子の間隔も絶妙で、腕や足は通るが頭と胴体は絶対に通れない程度に開いていた。 無理に鉄格子から抜け出そうとしても、確実に挟まってにっちもさっちもいかない状況になるのがオチだろう。 こん。 音がした。 気のせいかと思った。 再び身体を揺らすも、また音がしては気にならないわけがない。ゆっくりれみりゃは部屋中を見回す。 だが、部屋に変化はない。今までと何処も変わらない。 「うっう~~~。じゃぐやぁあぁ~~~」 何かおっかないものがいるかもしれないと思ったのか、とたんに怯え、震えながら涙を流して助けを呼ぶゆっくりれみりゃ。 モチーフになったであろう夜の王を自称する吸血鬼が、その夜闇を恐れる様子を見たら一体どんな反応を示すだろうか。 情けないと言い放ち捨て置くか、目障りだと打ち殺すか。 それを見るのも一興だが、今は関係ない。 こん。 また、音がした。 びくりと跳ねるゆっくりれみりゃ。 「うー……こわぃこわぃ~。ざぎゅやぁ~~ひっくひっく。うぅ~」 ゆっくりれみりゃは部屋中を嘗めるように見回す。どこかさっきまでと違うところはないか、細心の注意を払って見ていく。 あった。窓だ。 窓に何か丸い影が張り付いていた。 月は雲に隠れているのか、それが何かまではよく分からない。 それが体当たりをして音が鳴っていたのだろう。 こん。 やはり体当たりだ。ゆっくりれみりゃは枯れ尾花だと理解した怖がりのように、すぐにいつもの調子を取り戻した。 「ぎゃぁお~!たべちゃうぞ~~♪」 だが、窓の向こうのものには届かない。届いたとしても恐れさせることは出来なかっただろう。 雲が流れるにつれ、月の冷たい金色の光が注がれていく。 それはゆっくりれみりゃだった。 ただし、胴体のない、ゆっくりれみりゃだった。 そのゆっくりれみりゃは、同族の気配を感じて飛んできた。 しかし、月明かりに照らされた同族は、重たい体が生えて空を満足に飛ぶことも出来ない、『尻尾もち』だった。 人間たちは、手足と胴で構成されているから胴体という呼称を用いるが、ゆっくりれみりゃ同士では、それは『尻尾もち』と呼ばれて嫌われている。 飛ぶことを忘れ、地べたを這いずることを選んだという認識なのだ。 この尻尾もちがそうでないゆっくりれみりゃに遭遇すると、一方的に攻撃され、喰われることも無く虐殺されてしまう。 檻に囚われていることを認識したゆっくりれみりゃは、つまらないものを見るような目になり、そのまま飛び去っていってしまった。 自分達が忌み嫌う尻尾もちが、それよりも劣る存在に堕したということを野性の勘で察したのだろう。 しかし、檻の中のゆっくりれみりゃにはそんなことはわからない。 ここ数時間で久しぶりに出会った遊び相手が飛び去ってしまったのだ。自由に空を飛んで。 そんなものを見せられたら、 「わ゛ーーー!まっでぇ!もどっでぎでぇ~~~っ!!れみりゃもづれでっでぇええぇぇぇ~~おぞどいぎだいぃいいぃい」 とこうなる。 だがすでに窓には何もいない。 再び静まり返る部屋にゆっくりれみりゃのすすり泣く声だけが響いていた。 続く。 起承転結の承まで。 後編は近日公開予定!? 著:Hey!胡乱 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/327.html
注意! これは、fuku0986.txt と fuku1029.txt の続きです。 いつの間に目を覚ましていたのか、美鈴はこちらに近づいてくるものを感じた。 四つあるそれはゆっくり魔理沙の群れだった。 目を引くのは一番後ろの巨大な影。 群れの長、巨大ゆっくり魔理沙だった。その大きさは檻よりも高く、2mになんなんとする。 巨大ゆっくり魔理沙の前にいるのは3匹の子供達。 大きいのはゆっくりれみりゃの頭と同じほど、それから、メロン大、蜜柑大と順繰りに、カルガモの親子のように並んでいる。 先頭のゆっくり魔理沙が檻を見つける。 「ゆ?」 その中にゆっくりれみりゃが入っていることが見えないのか、物怖じせずに近づいてくる。 しかし、夜が目を暗ませたとはいえ、間近にまでくればすぐさま表情を恐怖に歪める。 その群れは、以前ゆっくりれみりゃに襲われ、群れの数を半分にされたのだ。 「う~?」 ゆっくりれみりゃはそれに近づこうとするが、鉄格子に阻まれる。触れたい。だが近づけない。 それが食欲からくるものか、胸に渦巻く茫漠とした感情からきたものかは分からない。 「う~~、う゛ぇ~~~」 手を伸ばしても届かない。そのもどかしさが涙を流させる。 そんなゆっくりれみりゃの様子を怪訝な表情で見据える群れ。 どうやらこの強暴なゆっくりはこちらに来られないらしいぞ? それに思い至ったゆっくり魔理沙は、安心してゆっくりれみりゃを観察する。 群れの姉妹も緊張を解いて、ゆっくりしている。 巨大ゆっくり魔理沙は、穏やかな表情だ。恐怖はあるが、それ以上に襲われないという確信があった。 それに捕食種の前でゆっくりするという、どこか倒錯的な行為に、禁忌を犯したことによる快感を感じてしまっている。 「ゆっくりしていってね!」 「う~!」 「ゆっくりしていってね!!」 「う~~!」 「ゆっくりしていってね~~ん!!!」 「う~~~!」 ゆっくりれみりゃの目の前で、群れで触れ合ってゆっくりしているゆっくり魔理沙たち。 ゆっくり魔理沙たちは横目でちらちらとゆっくりれみりゃのほうを見て、自分達がゆっくりすることでゆっくりれみりゃがどう反応するかを楽しんでいる。 押し合い圧し合いしたり、おっかけっこをしたり、にらめっこをしたりする。 そのたびにゆっくりれみりゃはうなり、鉄格子をがしゃがしゃと揺らし、表情を変える。 その面白さをもっと見るために、徐々に檻に近づいていく。 「がぁおぉ~~!たべちゃうぞーーー!!!」 ゆっくりれみりゃは吼えるが、 「たべちゃうぞーーー!!!だってさ」 「おお、こわいこわい」 と、まるで相手にされていない。捕食種の威厳が地に落ちた瞬間であった。 「きゃおーー!たべちゃうぞ~~~♪」 さらには蜜柑ほどの小さなゆっくり魔理沙がそれの真似をする。 愉快だと思ったのか子ゆっくりたちはそれに唱和し、哄笑が響く。 親である巨大ゆっくり魔理沙はそれを微笑ましそうに見守っていた。 「ぎゃあぁぉぉおおおお!たぁべちゃうぞぉおおぉぉおおおお!!!!」 鉄格子を掴み、さらにがしゃがしゃと揺らす。真っ赤になって涙ぐんでおり、とても切羽詰まっている。 「あ~、こいつ、ゆっくりないてるよ~!」 「おお、こわいこわい。ぷぷっ。ゆっくりしてね!」 「う~~!こぁいこぁい!きゃっきゃっ♪ゆっくりぃ」 「ゔあ~~~!」 おちょくるようにゆっくりれみりゃの目の前を飛び跳ね回る3匹のゆっくり魔理沙。 怒り心頭のゆっくりれみりゃは鉄格子の間から手を伸ばしてめちゃくちゃに振り回す。 幸か不幸か、それがメロン大のゆっくり魔理沙に当たった。 「ぶぎゃっ!!」 頬が裂け、中身が飛び散り甘い臭いがあたりを漂う。 突然の惨劇に、世界が凍りついた。 ただ痙攣するゆっくり魔理沙1匹だけが動いていた。 「おねーーーちゃーーーーん!」 「あ~~~!まりさーーー!」 「もっと、ゆっくりじだっ~ひくっ」 それは辞世の句を言い切ることなく死んだ。 腐っても捕食種。 その膂力は被捕食種とは比較にもならない。僅かにかすっただけでも、衝撃で身動きがとれなくなるほどの明確な力の差。 捕食者たちは、被捕食者たちよりも単純に強いから、捕食者たりえる。 彼らは油断をするべきではなかったのだ。 「ぎゃおーー!たぁべちゃうぞーーー♪うあうあ☆あうあう★あ~~~」 それで溜飲が下がったのか、殺した喜びに踊るゆっくりれみりゃ。 かぷり。 機嫌よく踊るゆっくりれみりゃの足に蜜柑大のゆっくり魔理沙がかじりついていた。 「ゆぅ!ゆぅ!」 「うっう~~♪くしゅぐった~~い☆」 やすやすとそれを掴み取り、目の前で観察する。 「ゆっくりちね!ゆっくりちね!」 鬼のような形相で叫ぶゆっくり魔理沙。 「これおいち~?」 美鈴に問いかけるゆっくりれみりゃ。 「味見してみれば?」 「う~!」 それは名案だ!とばかりにぱくりとやった。 「ゆっぎゃぶっ!!」 顔面を縦に食いちぎられ、動かなくなる。 「う~、まっじゅい!ぺっぺ!ぽいするのっぽいぽい!!」 咲夜の用意する餌を味わったゆっくりれみりゃは野性へは帰れない。 舌が無駄に肥えて満足できなくなり、餓死するからだ。 ある意味麻薬の依存症に近いといえる。 咀嚼したゆっくり魔理沙の半分と、手に持っていた残り半分を檻の外に吐き捨て、投げつける。 ゆっくり魔理沙たちの眼前に末っ子の変わり果てた姿が叩きつけられた。 「どぉぢでぞんなごどずるのぉおぉ~~~っ!!!」 「あやまってよね!!ゆるさないけどっ!」 口々に跳ねて文句を言う二匹のゆっくり魔理沙たち。 しかしゆっくりれみりゃはそれをまるで意に介さない。 「他のを味見してみれば?プリンがあるかもよ」 美鈴の魔性の囁き。 効果は抜群、ゆっくりれみりゃの目がぎらぎらと輝きだした。 「う~!ぷっでぃ~~~ん♪」 がしぃっ!っと手近にいた、自分の頭と同じくらいの大きさのゆっくり魔理沙を抱え、早速中に引き込もうとする。 「ゆっ!やめてね!ゆっくりはなしてね!!おろして!ゆぎゅ!」 しかし、鉄格子の間隔はゆっくりれみりゃの頭よりも小さい。当然、引っかかる。 「う~?どおしてこっちこないの?うーーー」 理由を理解できないゆっくりれみりゃは、苛立ち紛れに力の限り引っ張る。 「むぎゅ~~~ん!やべでぇうっ!むりーーー!ゆっくりはみでちゃう~~~!」 「ま゛り゛ざの゛ごども゛ぉ!や゛め゛であ゛げでぇえ~~~!!」 っぽん!とでも聞こえそうな感じで、見事ゆっくり魔理沙は地獄へと入った。 勢いあまってすってんころりんと転ぶゆっくりれみりゃ。 ゆっくり魔理沙はそのときに放り出されたが、しかしそこは檻の中。 「そこはゆっくりできないよ!ゆっくりしないででてきてね!」 巨大ゆっくり魔理沙の悲痛な叫び。すでに2匹も我が子を目前で喪った。その子だけはっ!という願いがこもっている。 しかしここは悪魔の館。神はいない。 「あ~~~んむ」 両手で抱えられてかぶりつかれる。ぶるぶると震えている。 「う~、これぷっでぃんじゃない!いらない!っぽい!!」 外に投げ捨てようとするが、鉄格子に弾かれかえってきた。 それが気に入らなかったのか、拾っては投げ捨て、跳ね返ってきたのを拾って、また投げた。 ぼよんぼよんと鉄格子にあたる音と、食いつかれた箇所から餡子が漏れて地べたに降り注ぐ音がする。 「ゆ゛ぅ!ゆべっ!!ぼぶっ!もう!やっべ!!だべっ!!だべって!!」 「う~!ぽい!ぽい!ぽい!う~!なずぇもどってくるんでぃすか!?」 渾身の一投。 饅頭が潰れたような音がして、ゆっくり魔理沙は死んだ。 「う~、すっきり~♪」 「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」 絶叫。 巨大ゆっくり魔理沙の、子を喪った母の、身を引き裂くような叫び。 「まりさのがわいいごどもをゆっぐりがえじでね!」 檻に突撃する巨大ゆっくり魔理沙。 ぼむんぼむんと音がする。だが鋼鉄の檻はびくともしない。ただ揺れて鉄格子がいい音をさせているだけだ。 「うわ゙ーー!うあ゙ーーー!!ざぐやーーー!ざぐやぁぁあ~~~!!ごあいのがいでゅ~~~~!!!」 とはいえ、巨大な物体が自分めがけて飛んできているのを理解したのか、ゆっくりれみりゃは怯えていた。 檻の中に閉じ込められていなければ、危険な敵でもないのだが、これでは回り込むことも出来やしない。 このまま檻と共に潰されてしまうのでは!?とゆっくりれみりゃは感じていた。 「ぎゃおーーー!!れみりゃだぞぉ~~!!がおーーーーー!!きゃおぅ~~~~!!あ゛~」 威嚇は通じない。打つ手はなくなった。 巨大ゆっくり魔理沙は檻の上に乗り上げ、それを潰さんと飛び跳ねている。 怒れる母の力か、檻は徐々に地面にめり込んでいく。 当然ゆっくり魔理沙の体も無事には済むまいが、まったくと言っていいほどに意に介していない。 憎き仇を屠れるのなら、その身が劫火に焼かれても構わないという気迫がそこにはあった。 「これが鬼になった母の愛、か」 子を喪った女はたやすく鬼になる。美鈴はまさにそれを目撃したのだ。 ゆっくり魔理沙の体はすでに綻びが生じており、餡子がはみ出していない箇所など見当たらない。 眼からは餡子が流れ出しており、まさに血涙と言える様相だ。 体はゆがみ、皮膚はたわむ。じきに命の灯火が燃え尽きるに違いない。 しかし、ここは悪魔の館。神はいないが、悪魔はいる。 匂いに惹かれたのか、こうもりのような影が現れだした。 ゆっくりれみりゃだ。群れだ。6匹もいる。 それらがなおも跳ねるゆっくり魔理沙に群がり、食いちぎっていった。 「うー!うー!」 「あ゛っ!がえ゛ぜっ!あ゛っ!ま゛り゛ざの゛あ゛っごどもがえ゛ぜ!!あ゛っ!がえ゛ぜぇえ゛っ!!」 「うー!うー!」 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!じゃま゛じな゛い゛でっ!!じゃま゛ずる゛な゛っ!!ゆ゛っぐり゛ぢね゛っ!!」 復讐を邪魔されて憤るが、すでに身動きはとれない。 食いでのある餌を、がつがつと遠慮なくむさぼるゆっくりれみりゃの群れ。 やがて、檻の上には大きな帽子と6匹のゆっくりれみりゃだけが残った。 檻の中のゆっくりれみりゃは揺れがなくなったので安心したのか、飛んでいるゆっくりれみりゃに手を広げている。 「ぎゃおーー♪れ・み・りゃ~~~♪」 その声が、腹ごなしに思い思いに空を飛んでいたゆっくりれみりゃの耳朶を叩いた。 忌むべき「尻尾もち」の声だ。 6匹のゆっくりれみりゃの眼が赤光を放つ。 それは、被捕食種のゆっくりであれば金縛りにあう、吸血鬼の持つ猫眼の呪縛のようなもの。 檻の中のゆっくりれみりゃは、その輝きに剣呑なものを感じた。 「うーーー!!」 一匹が、檻のゆっくりれみりゃ目掛けて突進する。 しかし鉄格子にはじかれる。 驚いたのは檻の中のゆっくりれみりゃだ。仲間だと思い声をかけたのに、返されたのは敵意に染まった攻撃だったのだから。 一匹目にならい、つぎつぎと突進するゆっくりれみりゃ。 鉄格子にあたり、地面に滑り落ちるも、すぐさま飛び立ちまた襲い掛かる。 がしぃん。がしぃん。がしぃん。 6匹は鬼気迫る形相で檻の住人をにらみつけていた。 「ぎゃ、ぎゃおーーー!たべちゃうぞーーー!!」 怯んだゆっくりれみりゃは腰が引けつつも威嚇する。それがいけなかった。 その瞬間すべり、足が鉄格子からはみ出してしまった。すぐに起き上がればよかったのだが、 「うー、いたいいたい」 と、暢気に痛がっている。 その投げ出された両足に、獲物を目掛けて突撃する隼のような勢いで、2匹のゆっくりれみりゃが襲い掛かった。 「うあーーーー!!」 脛にかじりつかれて叫ぶ。 2匹を追い払おうと手を伸ばすが、今度はその両手に別の2匹が群がってしまった。 「うあー!!うあーーー!!」 泣き叫ぶゆっくりれみりゃ。 しかし噛み付いてる4匹はそのまま羽ばたき、檻から引きずり出そうとしている。 四肢を持ち上げられるゆっくりれみりゃは、当然のことながら、両手両足の間にある鉄格子にぶつかり、体がめり込んでいく。 「む゛ーーー!む゛ぅ~~~っ!!」 美鈴はそれを楽しそうに見ている。みりめりという音が聞こえた。 「あ゛っーーー!」 四肢が根元から千切れた。両腕は肩口から醜い断面を見せているし、両足も同様に付け根からとれている。 だるまになったゆっくりれみりゃは、檻の底に落ちた。 「ぶぎゅぇっ!」 見ると、正中線にそって鉄格子の跡がついている。 四肢を咥えた4匹は飛び上がり、それらを放り投げた。 4つの手足が地面にたどり着くまでに、6匹がむらがり、それを無残にも無数の肉片に変えた。 「う゛わ゛~~!れ゛み゛り゛ゃの゛!れ゛み゛り゛ゃの゛ぉお゛、お゛、お゛、お゛~~~!!」 芋虫のような状態でそれを目撃したゆっくりれみりゃが叫ぶ。 昼食の際、腕や足を粉砕されたときは、自意識過剰な修辞を用いていたのだが、さすがに衝撃が強すぎたのか、上手い例えが見つからないようだ。 もぞもぞともがくが、付け根から切断されて満足に動けるわけもなく、気持ち悪い蠢動を続けている。 「うごけないーーー!だっこーー!れみりゃだっごぉ~~!!」 「ゆっくりしね!」 「い゛ぎぃっ!」 見れば鉄格子にべったりと張り付いた6匹のゆっくりれみりゃが、血走った眼で凝視していた。 「ゆっくりしね!!ゆっくりしね!!!ゆっくりしねぇっ!!!!!」 それぞれが口々に叫んでいく。間断なく叩きつけられる、死を命じる唱和。 耳を塞ごうにも腕がない。逃げようにも足がない。唯一の救いは檻の中にいることだ。 そうでなければ、ダルマのゆっくりれみりゃはすでに四肢と同じ末路を辿っていた。 ゆっくりれみりゃの足りないおつむでも、それは容易に想像できた。 「ゆっくりしねっ!ゆっくりしねっ!ゆっくりしねっ!ゆっくりしねっ!」 「あ゛~~~!やべでっ!!やべろぉ!!れみりゃ、うーーーッ!!!」 「ゆっくりしねっ!ゆっくりしねっ!ゆっくりしねっ!ゆっくりしねっ!」 「れみりゃ、うーッ!れみりゃ、うーーッ!れみりゃ、うーーーッ!」 何も出来ない状態で仰向けになり、頭を思い切りぶん回して叫び続けるゆっくりれみりゃ。 死ね!という言葉を聴かないように叫んでいるが、数の差がありすぎて意味がなかった。 聞きたくないのに聞こえる。耳を塞ぎたいのに腕はない。逃げたいのに足はない。 咲夜に助けを乞う余裕もなかった。 「ゆっくりしね!!!」 「うーーー!」 涙と鼻水と嫌な汗で水溜りができている。いや、下半身のあたりまで及んでいることからお小水も出ているのだろう。 助けは来た。神の助けではない。紅い髪の悪鬼の助けだ。 「はーい、そこまでー」 「うあー!うあー!!」 首をめぐらせて檻の外を見ると、美鈴が6匹を捕まえていた。 12枚の羽を摘んでいて、そこからぶら下がっている。 さらに彼女は羽を毟って口にした。 「んー、なかなか」 「うあー!うあー!」 仲間が喰われたのを見て、とたんに泣き出す5匹。 凄い勢いで、次々と美鈴の胃の中におさめられていく。 健啖ぶりを見せ付けた美鈴は、腕を伸ばし、ダルマゆっくりれみりゃの頭を外に近づける。 「あんたも夕飯があれだけってのは腹が減るでしょ」 「もぐぁっ」 千切った肉まんを無理やり口に入れた。そのまま飲み込むまで口を塞ぐ。 「むーむー!」 泣きながら咀嚼し、飲み下す。 「はい、どんどんっ♪はい、どんどんっ♪」 飲み込むと見るや、次々と食べさせられる同族の肉。 ゆっくりれみりゃはただそれを食べることしか出来なかった。 夜。 咲夜の部屋に戻されたゆっくりれみりゃは、檻の中で独りさめざめと泣いていた。 四肢はすでに戻っている。だが痛みにこらえられないと言うように声をあげて泣いていた。 いつものように泣き叫んでいるのではない。 鼻をすすり、嗚咽が漏れるのを抑えるような、そんな心の真ん中から次々と何かが染み出してくるような泣き方だ。 咲夜はいない。 レミリアに付き従っている。 暗い部屋で独り泣くゆっくりれみりゃ。外のざわめきを恐れ、檻の真ん中で縮こまり、頭を抱えてぷるぷると震えていた。 助けを呼ぼうともしていない。夜は助けを求めても意味がないと悟ったのだろうか。 ただゆっくりれみりゃの泣き啜る声が、咲夜の部屋に染み入るように消えていった。 次の日から、ゆっくりれみりゃの地獄の日々が始まったと言えよう。 咲夜と触れ合えるのは朝の少しの間だけ。 これは檻に入れられる前からも同様だったのだが、そんなことはゆっくりれみりゃには関係なかった。 咲夜が自分に構ってくれなくなっているとしか思えなかった。 さらに昼にはあの妖精メイドが餌を持ってくる。 どこかおかしい彼女は、慇懃に勤めを果たすが、ほんの些細な粗相も許さず、即座に激昂し乱暴を働いた。 それが嫉妬から来るものだとはゆっくりれみりゃには理解できないことだった。 殴られ、千切られ、潰された。 日を重ねるに連れて、粗相をせずに食事を済ませるようになっていったが、そうなると今度は箸にも引っかからない様な些細な事で激昂した。 そのことを咲夜に言いつけても、よほどの信用を得ているのか、罰せられたことは一度もなかった。 たまに外に連れ出されても、檻から自由になることはなく、また美鈴は常に眠っているので退屈なことこの上ない。 それに毎回ゆっくりれみりゃが飛んできては、檻の中を見るなり激しく攻撃を加えてくるのだ。 ゆっくりれみりゃにはそれが何故なのか理解などできなかった。 ただ怖くてつまらない思いしかしなかった。 やがて、ゆっくりれみりゃは昼食を必要ないと言ったり、外に出たくないなどと言い始める。 外出はともかく、咲夜が自分のペットが衰弱するのを好むはずもなく、昼の餌やりが変更されることはなかった。 咲夜の部屋で、咲夜を求めるも、怖い妖精がやってくるのをただただ待ち続け、移り変わる空をただただ見上げるだけの日々。 閉塞した日常が蝕み、変化を求める。 だが、ゆっくりれみりゃは外に出たくない。けれど、外に出たい。 そんな矛盾した思考が綯い交ぜになっていた。 ある日、昼に時間の出来た咲夜が餌をやりに部屋へ戻った。 ゆっくりれみりゃは、どうせいつもの怖い妖精メイドだろうと、倦んだ表情で扉を向く。 その瞳は銀髪のメイドの姿を認めたが、その表情はうかないままだ。 「餌よ、食べなさい」 「う~、いたぁきます」 「あら、随分とお行儀がいいのね」 きちんと両手を合わせて皿に向かって言っている。妖精メイドによる教育の賜物だった。 檻の前に置かれた皿の前に座り、手を伸ばす。 まず掴んだのはバターロールだ。それをもたもたと千切っては口に入れ、また千切っては口に入れた。 その様子に驚いた咲夜はじっと見つめていた。 「おいしい?」 「うー……おいちい。……ごっちょぅさま」 バターロールを食べ終えると、静かにそう言った。 皿の上には他にもマッシュポテトやベーコン、さらにはデザートのチョコレートムースがあったが、それには目もくれずにじっとしていた。 「もういいの?」 「う~、おなかいっぱい。う~、ごちょうさま」 咲夜はその精彩を欠いた様子が気になり、掌を額に当てた。しかし、とくに異常な発熱があるわけではなかった。 そもそも、ゆっくりが病気になった際に、治癒のために体温を高める機能があるのかどうかも知らなかった。 「そう。今日は天気もいいからお外に出してあげましょうか?」 「いぁない。う~」 即答だった。 「あら、どうして?以前はあんなにお外に出してって言ってたじゃあないの」 「う~、いぁない。おそといぁない」 「ぽかぽかしてて暖かいわよ」 「うあ~~!いぁないの!おそとなんかいぁないっ!!ぽいするの!ぽいっ!!!う゛あ゛~~~!!!!」 激発するゆっくりれみりゃ。 咲夜は、そのむずがる様子をただじっと見つめていた。癇癪を起こすのは、ゆっくりれみりゃ特有のものだからだ。 ただ泣きじゃくるゆっくりれみりゃの濡れた頬をそっと撫でて、ぺろぺろキャンディーを檻の中に置いて部屋を出て行った。 「うぁ~~~ん!おそとなんてぽいするのっ!!ぽい!」 次の日、月が皓々と冴えわたる夜、美鈴は館の見回りをしていた。 外壁を伝って一周するだけでも30分はかかる作業。警戒は怠らずに月と星と流れる雲を眺めて歩いていた。 そのまま咲夜の部屋のあたりを通りかかると、くぐもった声が聞こえた。 「?」 耳を澄まし、気配を探る。行き倒れた人間かもしれない。そう思いつつ浮かび上がると、それは咲夜の部屋から聞こえてくるようだ。 窓から覗き込むと、檻の中でゆっくりれみりゃがうずくまって震えていた。 美鈴は、昼に妖精メイドがゆっくりれみりゃをいびっていることを知っていたから、どうせまただろうと思った。 夜中に忍び込むとはなかなかに肝が据わっている。とも思った。 しかし部屋のどこにも妖精メイドは見当たらない。 「ま、いいか」 所詮ゆっくりれみりゃだ。美鈴は地に足をつけ、見回りを続行した。 月の光気を浴びる美鈴の頭に、ゆっくりれみりゃのことはすでになかった。 事件は夜明けに起こった。 いつものように自室に戻った咲夜が見たものは、目玉を抉り取られて震えているゆっくりれみりゃだったのだ。 眼が再生するそばから抉っていったのか、檻の中にはいくつもの眼球が点々と転がっていた。 それらには生々しく肉片や野菜の欠片が付着していた。 慌ててゆっくりれみりゃを抱き起こすと、その顔は目元がぐしゃぐしゃになっていた。 くりくりとしたお目目があった場所は、もはやそれが顔だとは思えないほどに崩れていた。 再生が阻害され、皮がおかしな風に癒着したのだろう、皮膚を摘んで捻り上げたかのように歪んでふさがっていた。 ぐちゃぐちゃにかき回されたような傷痕はとても痛ましい。 ゆっくりれみりゃが二度と光を見ることはないだろう。 「う、う~。……うー」 「ゆっくりゃ!聞こえる?ゆっくりゃ?」 「ざ、ざぐやぁ~」 「言いなさい、誰がこんなことをしたの?」 「う゛、う゛~。おそといぁない!おそとぽい!!ぽいぽい!!ぎゃおーーー」 咲夜は奔走した。 かつて美鈴が惨殺した時とは場合が違う。事は咲夜の部屋で起こったのだ。 夕方に仮眠と着替えに戻ったときはいつもどおりだったから、それは夜中に行われたに違いない。 しかも夜はレミリアが覚醒している。 レミリア狙いの者が万が一にも侵入したとて、咲夜の部屋の檻の中のものを害する理由がない。 内部の、妖精メイドか?そう思った。 一向に有力な情報が集まらない中、決め手となったのは美鈴の証言だった。 「あー、そういえば深夜にゆっくりゃがうなってたのを聞いた気がしますねぇ」 その時、部屋には誰もいなかったという。 さらに言えば美鈴の警戒網は美鈴を中心に球状に広がっていて、外部だけでなく紅魔館の内部をも察知しているのだ。 夕暮れから夜明けまで、咲夜の部屋に入ったものはいないらしい。 「つまり」 「ゆっくりゃが自分でやったんでしょうねぇ」 「なにかストレスでも溜まってたのかしら?」 「ゆっくりの精神構造なんて、知ったことじゃないですよ」 「まぁ、たしかにね」 「本人に聞いてみたらどうです?」 「そうね。あなたも来なさい」 「ほえ?」 部屋に戻ると、あいかわらずゆっくりれみりゃは檻の真ん中に鎮座していた。 扉を開く音に驚いたのか、びくりと震える。 「う~、だれ?」 「私よ」 「さくや」 美鈴は何も言わない。咲夜だけだと思わせたほうがいいとの判断だ。 「聞きたいことがあるの」 「う~……」 「どうして目を抉ったの?」 「う~、う~~、う~~~」 うなり始める。すると、目のあった場所、今は只の歪んだ窪みになっているところから涙を流し始めた。 それにつれてだんだんと震え始める。見れば体中が湿っている。汗だ。 「う゛あ゛~~!おそとごぁい!!おぞどごぁいのぉ~~~!」 両手で頭を抱えて、左右に振れながら泣き叫ぶ。 「れみりゃ・う゛~~~!れみりゃ・う゛~~~!」 何かを恐れるように両手を振り乱す。 「あ゛~~~っ、れみりゃきぢゃいや~~~!!れみりゃごないでぇえぇ~~~!!ぎゃう~~~!」 その脳裏には、きっと自分を喰い殺さんとするいくつものゆっくりれみりゃの姿が映っていたのだろう。 どてどてとよろめきながら逃げるように檻の中を動く。 「落ち着きなさい。ここは外じゃないわ。ここに怖いものはないの」 咲夜が優しく告げる。 「おぞどごわいっ!おぞどでだいっ!!ごわいぃ!!でだいぃのぉお!!うぎゃぁぅ~~~!」 「?」 怖いのに出たい?それとも、出たいのに怖い? 「おぞどなんかいぁない!ぽいっ!!なくなっちゃえぇ!!ぽっぽい!!」 「なぐなんないっ!!ぽいしてっ!!ぽい゛すりゅのっ!!な゛ん゛でぽい゛じでぐん゛な゛い゛ん゛の゛ぉ!?」 「なぐぢでっ!おぞどなぐぢでぇっ!!!」 恐怖に塗れたゆっくりれみりゃの叫び。 「やめなさいっ!ゆっくりゃ!!」 咲夜の制止。 二人は、まさに目元を掻き毟って抉っているゆっくりれみりゃの姿を見た。 「ぎゃう~~~!ぎゃうおおおおおおおおお!!」 しかしゆっくりれみりゃは止まらない。指先はひしゃげ、そして顔面は新たな傷痕を刻み付けつつある。 「美鈴!」 返事をする暇も惜しいのか、美鈴はすぐさまゆっくりれみりゃの額に人差し指を当てて失神させた。 糸が切れたように崩れ落ちるゆっくりれみりゃを、優しく受け止め寝かせる。 ゆっくりれみりゃが美鈴に優しくされたのは、これがはじめてであった。 「結局、外に出たいけど、怖いから外に出たくないって言う葛藤みたいなのがあったんでしょうかねぇ?」 「さぁ、ゆっくりの考えはわからないわ」 「ペットでしょうに」 「ゆっくりはゆっくりよ。まぁ、私の部屋に窓が無ければ、ああはならなかったんでしょうね」 「見えているから欲しくなる、欲しくならないためにはそれが見えなければいい」 外の世界は何をしたってなくならないのだから。 「で、本当にいいんですか?」 「ええ。やって頂戴」 咲夜と美鈴は、ゆっくりれみりゃを連れて紅魔館の門前にいる。 もちろん、ゆっくりれみりゃは檻から出されていたが、まだ気を失っている。 美鈴は横たわるゆっくりれみりゃの、痛ましい傷痕を覆い隠すように掌を当てる。 そこから発せられる優しい波動。 ゆっくりれみりゃは死んだ。 「咲夜さんは、また、別のを飼うんですか?」 「ええ、可愛らしいもの」 趣味がわりぃ。 美鈴はそう思ったが、おくびにも出さない。 咲夜が亡骸に触れるように屈み、その指で、もう動かないほっぺをつつく。 わたしのペットはよいれみりゃ。 目はぷっくりと色白で、開いた口もと愛らしい。わたしのペットはよいれみりゃ。 わたしのペットはよいれみりゃ。 歌を唄えばねんねして、独りでおいても泣きません。わたしのペットはよいれみりゃ。 紅い館の前で咲夜の歌が悲しげに朗々と流れていった。 終わり。 これにて終了です。 長さに見合う面白さがあるか? と問われれば首を捻るしかありませんが、お楽しみいただけたのならば幸いです。 著:Hey!胡乱 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/1369.html
ゆっくりいじめ系203 魅惑の透明なケース 「うー☆うー☆」 れみりゃは赤ちゃんを一匹連れ、気味の悪い踊りを披露していました。 可愛い自分と可愛い赤ちゃんがいるのですかられみりゃはとてもご機嫌です。 「うー☆」 「うっうー☆れみりゃのあかぢゃんだどぅー」 誰にするともなく赤ちゃんを自慢しています。 「うー☆にぱぁ☆」 れみりゃは自分と赤ちゃんがいればどんなに怖い人も自分たちの可愛さに餌をくれると思っているのです。 思い上がり甚だしい豚の考えですね。 そこに一人の青年が通りかかります。 「うー、れみりゃとあかぢゃんにぷっでぃ~んもってきてー」 「はやぐもってごいー♪」 不気味でもたもたと生理的に嫌悪すら感じる踊りを加えてれみりゃはわめきます。 そんなれみりゃ達をみた一見おとなしそうな青年は、途端に顔を歪ませます。 実は彼、ゆっくりゃを見ると虐めて殺してしまう少々アレな人なのです。 「きごえてないのかーれみりゃがめいれいじでるんだどぅー」 「めいれいだどぅー」 彼はれみりゃ達を両脇に抱えてその場を去ります。 「うーはなせー、れみりゃのみわくのぼでぃにさわるなー」 「はなせー」 その間彼は無言です、れみりゃと語る舌をも持たないのでしょう。 そして少し経つと、青年の家に到着したようです。 「れみりゃのやしきにしてあげるどぉー」 「でもおかあさん、ごごはすこしちいさいどぉー」 「そうだどぉ、じゃあ、べっそうにするどぅー」 「きゃっきゃ」 れみりゃたちは気持ちの悪い声でそう言ってますが、青年はガン無視です。 あ、でも青筋が経ってます。 青年はお約束の魅惑の透明なケースを出すと、親れみりゃをそこに詰めました。 「ぴぎゃ! ちがのぼるどぉ、だぜぇ!」 「おがあざんだせぇ!」 確かにれみりゃの踊りはダサいですが、多分出せと言っているだけです。 しかし青年はガン無視です、本当にれみりゃが嫌いなのでしょう。 そして青年は何の前触れもなくいきなり子れみりゃの両腕をもぎ取りました。 もぎたて子れみりゃの腕はホカホカと湯気を放ち、とても美味しそうです。 「っぎゃぁぁぁ!? なに゛するどぉ!?」 「れみりゃのあかぢゃんがぁ!?」 そのついでに親れみりゃの両足をもぎました。 「ぐぅっぎゃぁぁぁ゛ぁ゛ぁ゛!?」 青年はその悲鳴に目もくれず、子れみりゃを魅惑のケースの中に投げ入れました。 そしてれみりゃの口に竹筒を刺すと、部屋の隅にこんもりとしていた土で埋めていきます。 ざっくざっくと言う音がしばらく部屋に響きます。 やがて、ケースの中は土で満ち、呼吸用の竹筒だけが土から出ていました。 その竹筒からはひゅーぼーひーびょーと豚の鳴き声のような無様が音がしていました。 一仕事終えた青年は初めて見せる笑顔で自分を褒めていました。 しかし、土で埋めるんなら別に透明のケースを出す必要はなかったんじゃないでしょうか? 床には残った親れみりゃの足と子れみりゃの腕がぴくぴくと蠢いています、気持ち悪いです。 次に青年は透明じゃないケースを開け、そこからゆっくりまりさを取り出しました。 「っ!? っ!」 口はホチキスでつながれ、喋ることすらできなそうなまりさはきっと餓死専用まりさなのでしょう。 そして青年はおもむろにさっきの両腕両足をまりさに取り付け始めました。 器用にまりさの顔に手と足をつける青年。 なるほど、まりさにれみりゃの両腕両足をつけたら動かせるかの実験なんですね? しかし青年は両手両足を取り付けると『?』を浮かべてしまいます。 …まさか、青年はただ単にまりさでれみりゃの再現をしたかっただけなのでしょうか。 そうすると体が足りません。 ……青年も気がついてれみりゃ達の居る方向を見ます。 さっき埋めましたよね。 青年はため息をつくとそのまま出て行ってしまいました。 まりさの付けられた腕と足は動く気配はありません。 付けたのなんて動かせるはずはないのでしょうか、それともこのまりさが半死なのがいけないのでしょうか。 しかし、顔から両手両足が生えたまりさは筆舌に絶えないほどにキモいです。 しかもれみりゃの落書きのような手と大根のような足ですからそれはもう… 竹筒からは今もひゅーひょー聞こえていました。 次の日、青年が部屋に入ってくると、まりさは死んでいました、餓死です。 もっと両手両足を定着させれば動かせることも夢ではなかったでしょうに、残念です。 青年は虫が湧いたら大変だとばかりにまりさを捨てに行きました。 それから三日ほどして戻ってきた青年はれみりゃを掘り起こします。 気が変わったのでしょうか? 掘り起こすなら前の時点で掘り起こせばいいのにと思いますが… 「うぅー、おながずいたー」 子れみりゃが出てきました、両腕はまだ再生していないようです。 あぁ、なるほど、土で圧迫されていたせいで再生できなくなってしまったようです。 綺麗に断面も出来てますし、もう再生することもない…のでしょうか。 とりあえず青年はそう思ったようで、子れみりゃは逃がしてあげることにしたようです。 子れみりゃの髪を掴み、外に投げ出しました。 両腕もなく、空腹の子どものゆっくりゃがいつまで生きられるか、そんなことは知りません。 青年は満足したように部屋から出て行きました。 そして親れみりゃのことを思い出した一週間後にはその肉まんはすでにこの世のものではありませんでした。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/295.html
注意! これは、fuku0986.txt わたしのペットはよいれみりゃ 前編の続きです。 朝。 レミリア・スカーレットが棺桶に籠り眠りにつくと、咲夜は自室に戻ってきた。着替えるためだ。 紅魔館の職務を一手に担っている彼女は、それでも身嗜みに気を使う。 毎日朝、昼、晩と仕事服を着替えているのだ。 パーフェクトメイドが汗の臭いを撒き散らして窓拭きをしてはいけない。 洗濯物入れに汚れた服をいれ、エプロンドレスを着替え、ホワイトブリムを頭につける。 同じデザインの服が並んでいるクローゼットを閉じ、姿見の前で服装に乱れが無いかを入念に確かめる。 いつものフレンチメイドスタイルは、型にはめたように、ぴしりと咲夜にきまっていた。 部屋を出る前に檻を覗くと、ゆっくりれみりゃが安らかな寝息を立てていた。 優しげな微笑みで、咲夜はゆっくりれみりゃの頬をぶにぶにと突っつく。 その様子には、どこまでも愛玩動物に対するものではあったが、確かな慈愛が見てとれた。 「う、う~」 「朝よ、起きなさい」 「う~~、むにゃむにゃ♪うあ~!さくやっ!さくやぁ!!」 飛び起きるゆっくりれみりゃ。1日ぶりの咲夜に喜びをこれでもかとあらわにする。 「そんなに呼ばなくても聞こえてるわよ。どうしたの?」 檻の中から両腕を伸ばすゆっくりれみりゃに、赤ん坊をあやす様に手をやって安心させる咲夜。 ゆっくりれみりゃは伸ばされた咲夜の手、その白く綺麗な指を二度と離すまいと両手でしっかりと握り締めていた。 「さぐやぁっ!いっしょにいて!ずっといて!」 「駄目よ」 即座に返ってくるにべも無い返答。 「あー!あーー!どうじでぇっ!れみりゃさびじいよぉ~~」 「私には仕事があるの、貴方だけにかまっていられる暇なんか無いの」 「う~~う~~~う~~~~」 「それじゃぁ朝ごはんね」 またも、何処から取り出したのかぺろぺろキャンディーが出された。 それを渡そうとするが、 「うー!いらない!れみりゃのゆーこときかないさくりゃなんていりゃない!ぽいするもんっ!ぽいぽい!!」 と、手を振って弾き飛ばした。 それが絨毯に触れる前に受け止める咲夜。 「そう」 とだけ言い、キャンディーを油紙に包み、檻の前に置いた。 そこは、ゆっくりれみりゃが身体ごと腕を最大限に伸ばしても、取れるか取れないかという程よい位置だ。 「じゃぁ、私は仕事にいくわね。ご飯を食べたくなったらそこに置いてあるから」 立ち上がり、しゃなりと扉へ向かう。 「まっでぇえぇぇ~~!おいでがないでぇ!れみりゃもづれでっでぇ!おぞどでだいぃ~~!!」 無視。 「おぞど~!!れみりゃのゆぅこときかないと、たべちゃうぞぉ~~~!ぎゃおーー!がぁおぉ~~~!!」 泣き叫びながら鉄格子を揺らすゆっくりれみりゃへの返答は、扉の閉まる乾いた音だった。 「あ゛~~~~~~~~っ!!!」 昼。 餌やりを頼まれた妖精メイドは、檻の中から必死に手を伸ばしてキャンディーを取ろうとしているゆっくりれみりゃの姿を見た。 前日とは違う妖精メイドは訝しげにその様子を見守る。 必死の形相でうずくまり、顔を鉄格子に押し付け、そこから限界まで伸ばされた腕がぷるぷると震えているのはどこか滑稽だ。 喜劇めいた何かを感じる妖精メイドの脳裏に、それは何かの仕込みなのか?という疑問が浮かぶ。 「何やってるの?」 「うあ゛ー!それとって!れみりゃのきゃんでー!!よこせ!!」 空腹で気が立っているのか、いつもの余裕がない。 命じられた妖精メイドは嫌な顔ひとつせずにそれを拾い、丁寧に包み紙をとってからゆっくりれみりゃに渡してやった。 「どうぞ」 「うあーい!ぺろぺろ、おいち~い♪」 幸せそうな顔でキャンディーを嘗めるゆっくりれみりゃ。 「昼食がありますけど、どうしますか?」 「う?たべるぅ~♪」 メニューは、苺のサンドイッチとツナのレタス包み、デザートにはパンプキンパイだ。 やはりゆっくりには度の過ぎる餌だった。 しかしこの妖精メイドは人(妖精?)が出来ているのか、そんな食事を目にしても表情を揺らさなかった。 「どれが食べたいですか?」 「う~~~~~、それ!」 サンドイッチを指差した。 「どうぞ、召し上がれ」 「う~、あむあむ」 妖精メイドはサンドイッチを手ずから食べさせた。馬に人参をやるような感じだろうか? しかし、一口二口と食べると、なぜかゆっくりれみりゃは顔をしかめた。 「ゔあ゙~!ずっぱい!!それいらないっ!!ぽいすりゅっ!!」 甘酸っぱい苺が混じっていたのか、激しくいやいやをするゆっくりれみりゃ。 妖精メイドの手から落ちるサンドイッチ。 運良く絨毯には落ちずに、お盆に落下した。 ゆっくりれみりゃは、口直しとばかりにキャンディーを嘗めようとする。 しかし、妖精メイドがその手を掴み取り、捻り上げた。 「う~!はなせぇっ!!きゃんでー、ぺろぺろするのぉ~。う~~~」 引っ張られた腕を必死に引っ張り返すが、びくともしない。 「どうして……」 「うー!うー!!はなせっ!きゃんでー!きゃんで~!!れみりゃのきゃんで~~~!」 「どうしておまえみたいなのに……」 妖精メイドは微塵も力を込めているようには見えないが、ゆっくりれみりゃのでっぷりとした腕は万力に締め付けられたように歪んでいく。 すでにキャンディーは手に無く、サンドイッチの上に落ちていた。 ゆっくりれみりゃは、とうとう痛みに耐えられなくなったのか、顔を真っ赤にして涙を流してうなっている。 自由な左手で鉄格子を掴み、離れようと体ごと引っ張るが、妖精メイドは身じろぎもしない。 さらに掴む力が強まっていく。それにつれて泣き声も大きくなる。 「うわぁぁああ!はなぜぇっ!!」 「どうして!咲夜さまはお前みたいなブタなんかにっ、そのご寵愛を与えているのッ!?首輪までしてもらって!!!」 「れみりゃはぶたじゃないぃ~~!きゃぅ~~!?」 「うるさいっ!なんでお前ばっかりィ!!お前なんか!お前なんかぁっ!!」 「うぎゃ~~!!はなじでぇっ!!れみりゃのごっどはんどがちぎれぢゃうぅ~~っ!!」 ゆっくりれみりゃの右腕は、その言葉と同時にウィンナーのようにぽっきりと折れた。 皮一枚で繋がっていたが、それも後ろに倒れたせいで千切れてしまっていた。 「あ゙~~~~!れみりゃのごっどはんどがぁあ゙あ゙ぁ~~~~っ!!!」 痛みに転がるゆっくりれみりゃは見た。 恍惚とした妖精メイドが、千切れた自分の右腕の指先を口に含み、べろべろと嘗め回しているのを。 さらに空いた手をスカートに忍ばせ、何かを弄り回している。妖精メイドの頬が染まり、息が荒くなる。 「ああっ!咲夜さまぁ。咲夜さまはこの手に自らのしなやかな手を絡めさせたりしたのでしょうか?」 「ゔ~~!れみりゃはたべものじゃないぃいいぃ~~~っ!!」 「誰がお前などを食べるものかッ!!」 「ひぃっ」 指を嘗めしゃぶっていたときの艶めいた表情から一転、憤怒の形相で雷鳴のような怒号。 「ゔ、ゔ~~!おまえ、しゃくやにいいづげでやるぅ~~!!しかられちゃうんだぞぉ~!いいきみだっ!だどぉ~~♪」 「…………」 「うっう~うあうあ~♪あゔっ!」 妖精メイドは無言で、千切れた右腕を、踊るゆっくりれみりゃの顔面めがけて投げつけた。 「ぶわー!ぶわ~~~!!しゃくやぁあああ!しゃくやぁあぁぁ~~~!」 泣きながら檻の中に返ってきた右腕を拾い、くっつける。そのまま震えていると元に戻った。 「おまえがれみりゃにひどいことしたっで、さくやにいっでやる!あやまったっておっそいんだぞぉ~♪」 「……そう」 妖精メイドの抑えられた声。その変化を、ゆっくりれみりゃは怯えているからだと判断した。 昨日の妖精メイドもひどい事をしたが、咲夜の名前を出したら最後にはご飯をよこした。 だから、そこで調子に乗るゆっくりれみりゃ。 「でもぉ、あんまいものをもっできだらぁ、ゆるしてあ・げ・るゅぅ~☆れみりゃはこころがひっろいんだどぉ~♪」 「ふぅ、何が欲しいの?」 「ん~~~?ぷっでぃん!にっぱ~」 「お昼ご飯を食べ終わったら、いくらでも持ってきて上げます」 先ほどまでの嵐が嘘のように静まっている。 同僚の妖精メイドであれば、この静けさに恐れをなすが、ゆっくりれみりゃはわからない。 ただ、自分の言うことを聞くようになったとしか思わない。 「い~らない!それよりぷっでぃんいっぱいもってきて!おなかいっぱいたべるぅ~♪」 「駄目です。これを食べないと咲夜さまに言いつけますよ?」 自分の常套句を聞かされても、う~?と首をひねることしかしない。 「さくやはれみりゃのみかただもん♪おまえのゆーことなんかきかないもんっ♪」 「馬鹿な肉まん。咲夜さまがお前の言うことを聞くだなんて、本当に思っているの?」 「う」 朝、ずっと一緒にいて欲しいという自分の嘆願を無視した咲夜が、ゆっくりれみりゃの脳裏をよぎる。 この妖精メイドにその不安を見透かされたような気がした。 「うゔ~~、きぐもんっ!じゃくやはれみりゃのゆーごどぢゃんどぎぐもんっ!!」 「他の妖精メイドたちは恐れているけど、私には通用しない!誰よりも咲夜さまを敬愛している私にだけはっ!!」 「うあ~!いいづけでやる゛!!ぜっだい、いいづげでや゛る゛ぅ~~!」 「うるさいっ!咲夜さまはお前の言うことなど聞かない!!聞くわけがないんだっ!!!」 その言葉がゆっくりれみりゃの心を刺す。 妖精メイドはゆっくりれみりゃの顔を、中身がはみ出そうなほど力強く掴んだ。 「う゛ぎゅぅ~~っ!」 そのまま無理やり口をあけて、ぐいぐいと食べ物を詰め込んでいく。 「咲夜さまはね?私に、餌やりを頼むわねって仰ったのっ!その信頼をっ裏切るわけにはいかないのよッ!!」 「あがぁ~~~!あがぁあがぁぁぁぁ~~ッ!!」 「ほらっ!ちゃんと食べなさい!!これも!これも!これも全部!!」 「ぎゃはっ!げはっ!んがぐぐッ!!」 サンドイッチはもちろん、レタス包みも満足に噛むことすら許されず、そのまま喉奥に突っ込まれていく。 さらには、落としたキャンディーも棒ごと突っ込まれた。 「ああ、この咲夜さま手製のデザートだけは私が食べてあげます。あなたにはもったいなさ過ぎる」 苦しみのたうち回るゆっくりれみりゃの前で、幸せそうにパンプキンパイをむさぼる妖精メイド。 ゆっくりれみりゃは嗚咽をあげながら、ただ震えていた。 夕方。 ただぼけっと、窓から流れていく雲と、色が移り変わる空を見上げているゆっくりれみりゃ。 黒から白、さらに青を経て茜色に染まる空は、自分がいなくとも世界は巡ると見せつけられているようで、ゆっくりれみりゃは心がへし折れそうだった。 前日と同じように、いくら泣き叫んでも咲夜は来てくれなかった。 それが「諦める」ことに抵抗する力を弱くしていく。 扉が開かれる。 さっと振り返るゆっくりれみりゃ。その目元は赤々としており、ややふやけている。 咲夜だ。 翳りのある顔が、とたんに明るくなる。しかし、再び暗いものになった。恐れていると言っていい。 昼の妖精メイドが続いて入ってきたからだ。 泣き出し、妖精メイドを指差しながら、 「さぐやぁ!ざぐやぁあ!わるいのがいるぅ!!そいつをめってしで!!」 と一生懸命にうったえる。 普段であれば、虐められたことなどとうに忘れているのだが、檻に閉じ込められてからは何もすることが無い。 凪のような平坦な日々だから、ほんの少しの出来事が嵐のように感じられ、記憶に残りやすくなっていた。 ゆっくりれみりゃの脳裏には、腕を千切られ、殴られ、無理やり口に突っ込まれたことが鮮明に映る。 その中でも、もっともその心を抉り取った信じがたい一言は思い出したくもないほどだった。きっとそれは忘れることは出来ないだろう。 だから、泣いた。だから、咲夜に罰を訴えた。 「どうかしたんですか?」 二人の背後から、もう一人現れる。美鈴だ。 「ゆっくりゃが泣き出しただけよ。あなた、なにかしたの?」 咲夜が傍らに控える妖精メイドに問いかける。それに対して妖精メイドは 「餌やりの際に、多少我が侭を言ったので、乱暴に扱ってしまったかもしれません。お怒りであれば、謹んで罰を受けましょう」 何故か頬が桜色に染まっている。 「……餌は食べさせたの?」 「はい。しっかりと」 「ならいいわ。明日からも頼むわね」 「! はい♪」 「ゔ~~!ゔ~~~~!!だめぇっ!めっでぢで!!めっでずるのぉっ!!!」 咲夜が言うことを聞かない。それを恐れているのか、がしゃがしゃとやる。 咲夜は屈み、そんなゆっくりれみりゃと目を合わせ、にっこりと微笑む。 「う?れみ☆りゃ★う~☆にっぱ~~~」 「わがまま言わないの」 額にでこぴん。 「うぎゃっ」 ゆっくりれみりゃは、何をされたのかわからず目を白黒させておろおろしていた。 「明日から、昼はずっとこの妖精メイドが餌を持ってくるのだから、態度を改めなさい。誰も嫌がるところを立候補してくれたのよ」 「!?」 「よろしくお願いしますね♪」 「う、うあ゙っ!うわ゙ぁあ゙ぁあ゙~~ん!い゙や゙ぁあ゙ぁ~っ!!」 「あなたは戻っていいわよ」 「はい。失礼します」 顔合わせが終わったので、妖精メイドは退室する。 「美鈴」 「何をすればいいんです?」 「ゆっくりゃが外に出たいってうるさいから、連れてってやって」 「え~っと、じゃぁ檻から出してくださいよ。一休さんじゃないんですから」 しかし咲夜は檻を開けるそぶりを見せず、 「このままでいいわよ」 などと、しれっと言う。 「おそと!だして!ここからだして!!」 歓喜に沸くゆっくりれみりゃ。 「えっと……檻ごと持って行けと?」 「軽いもんでしょ?」 「100kgくらいはあるんですけど」 「この部屋に入れたときも軽く持ってたじゃないの」 「くぅ~~」 「だいたい、この館でそんな重いものを持てるのは、お嬢様方とあなたくらいなんだから、力仕事が回ってくるのは当然でしょう」 「まぁ、そうなんですけどね」 渋々と檻を持ち上げる。しかし、まるで重さを感じさせない所作は流石というべきだろうか。 「ぶぎゃっ」 ゆっくりれみりゃがバランスを崩し、鉄格子に顔面をぶつける。 「うわっ!なんで!!だじでっ!!ざぐやぁ!!だざないど、だべぢゃうぞーーー!!!」 二人はそれを意に介さず、そのまま咲夜の部屋を出て、玄関ホールへ向かう。 「で、どこらへんに置けばいいんです?」 「適当に、あなたの目の届く場所でいいわ」 「ぎゃおーーーっ!!!だぜええええ!!れみりゃをごごがらだぢでぇえええ!!」 「はぁ。檻から出さなくても?」 「目を離さないように言っても無駄でしょう?」 「あはは」 ジト目で見つめる咲夜に、笑ってごまかす美鈴。 「お嬢様もそろそろお目覚めになる頃だし、よろしく頼むわね」 「はい」 「じゃぁ、私はお嬢様のお食事の用意をするから。ゆっくりゃには何か適当に与えて頂戴、あなたの夕食はあとで妖精メイドに持っていかせるわね」 玄関ホールで咲夜は消える。時間を止めて移動したのだろう、今頃は調理場で食材の腑分けをしているのかもしれない。 美鈴はそのまま門前に出た。100kgを抱えているとは思えない、いつもどおりの足運びで定位置にやってくる。 美鈴はいつもこの場所で寝大仏よろしく横臥しているのだ。 ゆっくりれみりゃが周りに咲夜がいないことに騒ぎ出す。 「さぐやはぁ?ざぐやぁ~~!」 「咲夜さんはお嬢様の朝食を作りに行ったわよ」 「う?う~~!おっじょさま!れみりゃ、おっじょさまぁ~♪ご・は・ん~~☆」 お嬢様、というのが自分のことだと思ったのか、さっきまで泣き叫んでいたのが嘘のように嬉しそうな顔をする。 ゆっくりれみりゃのその様子が、その言葉が、美鈴の逆鱗に触れた。 いや、むしろ美鈴の逆鱗というより、紅魔館の従者全ての逆鱗と言ってもいいだろう。 その言葉を咲夜の前で言っていたら、一瞬後にはナイフまみれになっているに違いない。 檻を放り投げる美鈴。 どう投げたのか、それは複雑な回転をしている。 檻の中でまるでお手玉のように跳ね回ったゆっくりれみりゃ。 痛ましい悲鳴が断続的に聞こえたが、それを気にするものはここにはいない。 重厚な音を響かせて角から地面に刺さった檻を、蹴り転がしてきちんと地面に置く。 「うぎゃっ、うげぇっ!」 すでにゆっくりれみりゃはぼろぼろだ。体中がすりむけているし、身に着けているものも所々が切れている。 涙や鼻水は流しているし、回転で酔ったのか、口から何かを吐いてもいる。 恨めしい目つきで美鈴を見上げている。 その生意気な小汚い顔を目掛けて美鈴の蹴りが飛ぶ。 「ひぎゅっ!」 重い音が響き、鉄格子が折れ曲がった。それが目の前まで迫り、怯えすくむゆっくりれみりゃ。 「お前のどこがお嬢様だ!ふざけた事を言っていると湖に叩き落すぞ!?」 それを真っ向から見下ろす美鈴の目が危険な光を帯びている。殺す光だ。瞳が、まるで爬虫類のようなものに変貌している。 力の無い人間がそれを見たら、凍りついたようになり、死を受け入れるに違いない。 常に傲岸なゆっくりれみりゃも、まるでオコリが起こった様に震えている。 しかし美鈴はぎりぎりで踏みとどまっていた。 先代のペットを難癖つけて処分してから日があまり経っていないし、連続してペットが惨殺されたらさすがの咲夜も可哀想だと思ったのだ。 「そこらへんは気を使わないと……」 いろいろな意味で気を使い、怒気を鎮めていく美鈴。火山のような熱気が薄まっていく。 折れ曲がった鉄格子をまっすぐに直すと、 「ほら、お外だよ。そこでゆっくりしてなさいな」 とだけ言って、いつもの姿勢で眠りだした。 美鈴が夢の中で楽しんでいる頃、ゆっくりれみりゃもひさしぶりのお外を楽しんでいた。 あいかわらず檻からは出られないが、咲夜の部屋では感じられないさまざまなものを、肌で感じていたのだ。 そよぐ風、木々のざわめき、大地の匂い、草いきれ、小鳥たちの囀り。 流れ往く雲、色を変えていく空などは咲夜の部屋からでも見ることが出来たが、ひさしぶりに外で感じるそれらは、ゆっくりれみりゃの心に迫るものをもたらした。 「う~う~♪うあうあ~~♪」 久しぶりに満たされた気がする。 ゆっくりれみりゃは思った、あの部屋で感じた寂寥はもうない。 この体をくすぐる風が心地よい。ゆっくりれみりゃは久しぶりに感じる自然を満喫していた。 やがて日も沈み、門番メイドたちが、篝火を灯し始めていく。 虫達の合唱が聞こえてくるころ、ゆっくりれみりゃは再び焦がれていた。 ひとつ環境が改善されると、もっと良くして欲しい、もっともっと良くして欲しいと、際限なく膨らむ。 ゆっくりはその傾向が異常なほど強い。 今朝、咲夜に置いていかれて、窓から見上げる空だけで満足するしかないと思っていたところを、外に出された。 一度諦めかけていたところに希望を見せられたのだ。 膨れ上がるものを止める術なんぞはもともと持ち合わせていない。 ここに置かれてから今まで、何度もそばで寝ている美鈴に、「そとにだして」とお願いした。 だが美鈴は聞こえた様子もなく、そのまま寝こけていた。 たまに通りかかる妖精メイドに言ってみても、こちらを見て笑うだけで、通り過ぎていってしまう。 伝家の宝刀を抜き放っても意味はなかった。 膨れ上がった「外に出られる」という想いががまた萎むのに、さして時間はかからなかった。 完全に夜闇が世界を包み込む頃には、そんな願いは再び冷え切っていた。 それにつれて、「もしかして」という想いが強くなった。 すぐそこにあるのに触れられない。目の前にあるのに届かない。 夜空に瞬く数多の星々を見上げ、両手で掴み取る動作をする。だが開いた手を見てもそこには何も無い。 そんな空虚な感覚がゆっくりれみりゃを支配する。 たしかに外に出られはした。だが、真に外に出られることは、もう死ぬまでないのではないだろうか? 朽ちて動かなくなるまで、この堅く冷たい檻に閉じ込められ続けるのではないだろうか? 自分の言うことを聞かない咲夜。自分にひどい事をする妖精メイド。自分を閉じ込める咲夜。自分を独り置いていく咲夜。 今までゆっくりれみりゃはこんなことを考えたりはしなかった。 だが、ここ数日の平坦な日々が記憶を留めさせ、それを消し去る術を持たないゆっくりれみりゃはそれを思い出し続ける。 漠然と、これからもこんな事が続くのだろうか?と思い始めてくる。 何かの芽生え。ほんの小さな、まだ芽ともいえないような芽生え。 それがなんなのか、どのような色彩の花を咲かせるのかは誰にも、ゆっくりれみりゃ自身ですら分からなかった。 それがいつ咲くのかも。 続く。 起承転結の転かな。 自分が納得できる展開にしようとしたら、無駄に長くなってしまった。 後編は近日公開予定!? 著:Hey!胡乱 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/2057.html
ゆっくりいじめ系808 ティガれみりゃ制捕 ゆっくりいじめ系817 ティガれみりゃ2虐環捕 ゆっくりいじめ系821 ティガれみりゃ3制家捕 ゆっくりいじめ系842 ティガれみりゃ4虐 ゆっくりいじめ系1038 たっぷりしていってね!_01 ゆっくりいじめ系1039 たっぷりしていってね!_02 ゆっくりいじめ系1465 こぜうさまとさくや ゆっくりいじめ系1546 ご家庭で出来る☆れーばてぃん ゆっくりいじめ系1603 奇跡を信じて ゆっくりいじめ系1686 適者生存 ゆっくりいじめ系1714 アイドルのオシゴト ゆっくりいじめ系1799 おはなしの国 ゆっくりいじめ系1860 ゆーふぉー旅行の悲劇 ゆっくりいじめ系1909 孤独のゆっくり ゆっくりいじめ系2113 べじたりあん ゆっくりいじめ系2208 お目覚めはゆっくりと ゆっくりいじめ系2266 誰にでもは出来ない仕事 ゆっくりいじめ系2353 通りすがりの人間だ ゆっくりいじめ系2440 いいつけてやる! ゆっくりいじめ系2644 どろっ☆わーずぅ ゆっくりいじめ系2764 しまわないで!虐巨強希ゆ幻 ゆっくりれみりゃ系いじめ44 にくまんだどぉ♪ ゆっくりれみりゃ系いじめ45 幻想郷味巡り・にくまん編 ゆっくりれみりゃ系いじめ47 でびりゃまん (その1) ゆっくりれみりゃ系いじめ48 ゆっくりゃタイフーン ゆっくりれみりゃ系いじめ54 かりしゅま対決 ゆっくりれみりゃ系いじめ55 うーせんおじさん ゆっくりれみりゃ系いじめ57 ぶーぶー!ってやつかわいい ゆっくりれみりゃ系いじめ60 ブログの女王 ゆっくりフラン×ゆっくりれみりゃ系4 スクうーター ゆっくりいじめ小ネタ206 れみりゃはともだち