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名称:カチューシャ[メイド] アイテム種類 装飾(頭) レア度 C+ 必要ステータス 心0/技0/体0 詳細 金属製のメイドのカチューシャ(現代製)。 ★
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紅魔館メイド隊 No.0015 紅魔館メイド隊 サポートカード 配置:スペル 呪力2 [戦闘フェイズ]常時 自分のリーダーの属性に『紅魔館』が含まれている場合、このサポートが配置された、使用条件に『(自分のリーダー)』が含まれているスペルは「攻撃+1」を得る。 イラスト:わき(Wakky) 考察 攻撃を上げるサポート。 ビートダウンを狙う限りは腐らないシンプルな効果である。 但しレミリア・美鈴はサーヴァントフライヤーや紅砲、連環撃があるため優先度が極めて低い。 パチュリーにも小悪魔・ファイブシーズンがあるため敬遠されがち。 そして、2:2デッキではチームワークが優先される。 一番相性が良いのは火力の低い咲夜…と言いたいところなのだが、登場当初は兎も角として、現在はタイムパラドックスを使うとこのカードごとスペルが自壊してしまう。 配置するタイミングやスペルに気を使わなければならない点で噛み合わない部分が出てきてしまっている。 当然ながらデッキアウト狙いの場合も出番はない。 フランドールはリーダー能力でも火力が上がるので微妙と思われがちだが、自身の体力の低さから攻めあぐねると敗着となりやすいため、妨害サポートを避けつつ一発の火力を上げる選択肢も悪くない。 配置する余裕がないならリーダー能力で捨てれば良い点でも融通が利きやすい。 秘弾「そして誰もいなくなるか?」や禁忌「カゴメカゴメ」に配置出来ない点だけ注意すれば良く、裏目の出にくさならこちらが勝る。 リーダースペルしか強化出来ず、タッチ要員のスペルを強化して小刻みに殴る戦法は使えないので注意が必要。
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ムーノ家の武装メイド。カリナの従者。エリーナの後輩。 何故か誰も名前を呼ばない不遇な子で(*1)、web版17章でも「新人ちゃん」のままである。 小器用なタイプ(*2)。 書籍版20巻で、本名がリエーナと判明。エリーナとややこしいので、新人ちゃんと呼ばれ続けている。 web版では、サトゥーがムーノ男爵領で命を助けた少女という設定がある(*3)。 web版17-2でサトゥーがトトナと呼んでいる (2019-06-27 22 39 14) 書籍も確認しましたが、やはり別人と思われます。作者のミスの可能性が高いので、作者に質問してみました。返答をまちます (2019-11-12 16 43 40) 人物
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2005年07月24日(日) 23時07分-月組 翌朝、リオは真っ先に目を覚ました。外を見ることが出来ないので本当に朝なのかは分からないのだが、リオの中ではぐっすり眠った後起きる時間は朝であると決まっている。その証拠にメイズもビスもすぐ近くで寝息を立てている。 とりあえず二人を起こそうとリオはまずビスのほうに近づいていった。いつものように飛びついて起こそうとすると 「……メイズぅー」 ビスの口からなんだか腑抜けた声が聞こえてきた。顔のほうもだらしなく緩んでいる。状況を大体理解したリオはゆっくりとビスから離れていった。 二人はいつもリオよりも遅くまで起きていて、そのくせリオよりも起床するのが早い。だったら今日はゆっくりと寝てもらうのがいいんじゃないかとリオは思ったのだ。誰だっていっぱい寝たほうがいいに決まっている、少なくともリオの中ではそうである。 だが起こさないとなると、これから二人が起きるまでどうしようかという問題がリオに降りかかってきた。このままでは退屈だ。とりあえずいくつか考えてみる。 解決法その1 自分も寝る ――却下。特に眠くもないし、もう一度眠るのはなんだかもったいない気がする。 解決法その2 周りを観察する ――外は見えないし、部屋の中には何一つ無い。ビスの部屋にだってベッドぐらいあるのに、この部屋にはそれすらも無い。ビスの部屋よりも物が無い部屋なんて絶対に無いと信じていたリオはちょっとだけショックを受けたが、だからといって面白くもなんとも無いのに変わりはない。よって却下。 解決法その3 旅での出来事を思い出してみる ――これは良さそうな感じだ。記憶力には自信があるのだ。 最初に思い浮かんだのは喋る白馬――訂正、喋って空を飛んでさらに強い白馬だった。フラ――正確にはフラスクエアーだったと思う――と名乗った馬はリオたちのピンチを助けてくれた。しかもあっという間に。ひょっとしたらビスよりも強いのかもしれない。そういえば自分のことをハグレリュウとかいっていた気がするが、どうして馬なのに竜なのだろう。それともそういう名前の馬なのだろうか。 考えても仕方が無いので次。タントリスという楽士さんと空港のクロウの女の人。この二人もリオたちを助けてくれた。楽士さんの曲はとっても素敵だったし、クロウの女の人はメイズとは違った意味でとってもきれいな人だった。 他には……黒い服の人たち。リオたちを捕まえようとしていたようだったが、どうしてだろう。何か悪いことをしてしまったのだろうか。もしそうなら謝らなければ。謝れば許してくれるかも知れないし。でもフードの三人組はすごく怖かったし、謝っても許してくれなさそうだった。出来ればあの三人組にだけは二度と会いたくない。 まだまだいろいろなことがあった。エル・ドレイクでは光を放つ柱を見たし、今こうして羽の生えた大きなクジラのお腹の中にいる。変な霧のせいで道に迷ったりもした。メイズが前に世界というのは広くて不思議なことがたくさんあると言っていた。そのときは半信半疑だったが、いまならその通りだと肯ける。そういえば途中で食べたタコとか言う妖精は今まで食べたことが無い味でとってもおいしかったが、同じくらい、いや、もっとおいしいものも世界にはたくさんあるのだろうか。そして、それはどんな味なのだろうか。 ぐぅ、とリオのお腹がかわいらしい音を立てた。昨日は大変だったからいつもよりもお腹がすいているのかもしれない。二人もきっとお腹がすいているはずだ。 リオは再びビスのもとへと向かう。二人を起こして食事をするために。お腹がすいているよりもお腹いっぱいのほうが言いに決まっている。少なくともリオの中では。 18 皆既日食 いろいろあったが、なんとか3つの異大陸のひとつ「迷い剣」に着いた。 そして今、目の前に広がるのは――――― 「ささ、好きなだけ食べるよろし。全部ワタシのおごりあるよ。」 というかリオはもう既にわき目も振らず必死に三界の珍味を口に詰め込んでいる。テーブルにずらりと並んでいるのは、ふかひれ入り特選春巻きに大海老のチリソース、ショウロンポウにたらば蟹の蛎油炒め。その他多数。いずれも「迷い剣」の名物料理として知られるメニューばかりだ。 いったいなぜこの少女に贅を尽くした歓待を受けているのか。それを説明するためには、記憶を少しさかのぼらなくてはならない。 「やっと着いたねー」 長旅に疲れたリオがやたらと感慨ぶかそうに歓声をあげる。 「ここが迷い剣の首都リビングテイルなのね・・・」 つぶやいてメイズは周囲を見渡す。 銀帽子の首都エル・ドレイクも華やかだったが、その意味ではリブングテイルも負けてはいない。道の両脇には店舗、露店を問わずあらゆる店が居を構え、まるで祭りさながらの情景だ。あたりを見渡せば人、人、人。だれもが忙しそうに、そしてまた楽しそうに道を歩んでいく。 そんなとき、 「なにするか!ここはワタシの店あるよ!お前らなんかに渡さないね!!」 立派な建物の前に仁王立ちした少女が、大柄な男たちに取り囲まれていた。 ◆藤枝(19) 「よぉよぉ、嬢ちゃん。こっちも仕事なんだ。渡さないではいそうですかと引き下がるわけにはいかねぇのよ」 言って男の一人が店の前に会った壺を蹴り飛ばして壁に当てる。ガシャーンと派手な音を立て、濁った水が壁にぶちまけられた。 「!・・・」 少女がクッと唇を噛み締める。 「嬢ちゃん、俺たちぁ別にこんな店なんざどーだっていいんだ。わかるな? 先祖代々の土地だか店だかは知らんが、え? そいつを売っ払っちまったのは誰だか、忘れたとは言わせねぇ」 「金は返したあるよ! なのにまだ足りないとはどういう了見か!」 少女は大男を睨みつけたまま、一歩も譲らない。リーダーらしき大男が、わざとらしくため息をつきながら、ぶるぶると頭を振った。 「嬢ちゃん、あんたの親父さんが借りた金にはな、利子、ってもんが付くんだ。わかるか? 優しい俺らはな、その利子の分をこの土地でチャラにしてやろうって思ってんだぜ? ありがたい話じゃねぇか、なぁ!?」 ずかずかと少女に歩み寄り、ドンと肩を突き飛ばす。少女はよろめいて戸口にぶつかり、それでもまだ男らを睨んでいた。 「嬢ちゃん、あんたが首を縦に振りゃあそれで万事解決なんだよ。こちとらあんまり手荒い仕事はしたくないんでねぇ」 少女は少し迷っていたが、意を決してこう叫んだ。 「・・・金ならあるね! それ持って帰るよろし!」 「うるせぇ!」 男は少女の肩を掴むと、乱暴に投げ飛ばした。 「さっきからこっちが黙って聞いてりゃよぉ、調子に乗ってんじゃねぇか? ああ!?」 野次馬の中心に、屈強な男らが肩や指を鳴らして集まって来る。 「おう、テメーら構うこたねぇ、やっちまいな!!」 「な、やめるあるよ!!」 まさしく絶体絶命の大ピンチだった。 と、その時。 「あぁっと、スミマセンねぇ」 少女と大男との間に、これまた頑強な獣人が割り込んだ。正確に言うと、突き飛ばされた少女を庇うように立っている金髪の少女リオの前に、このファングの青年ビスが進み出たのだ。 「あんだテメーは」 ギロリ、と男がビスを睨みつける。だが彼は愛想笑いを浮かべたまま、 「子供相手に大の大人数人がかり、ってのはどうもいただけなくって・・・ハハ」 と頭を掻く。それに続いて、メイズの声がした。 「それに、先程からお話を伺っていましたが、利子は返すとおっしゃっているではありませんか?」 「そんなもんただの言い訳――」 「違うね! 払えるある!!」 少女が男の言葉を遮った。チッと男が舌打ちする。 「返せるわけねぇんだよ、こんな額はよ!」 言って、懐から一枚の契約書を出した。鬼の首をとったように胸を張る男の耳に、「あら?」またメイズの声が飛び込んでくる。 「ですが、借りたお金に対して利子が高すぎませんか?」 「いいんだよ!」 男がイライラして大声を上げる。それにつられるように、子分の一人が言葉を続ける。 「そーそー、こんな額払えねぇって土地を巻き上げるための高利なんだからよぉ!」 すかさず、リーダーの男の鉄建が炸裂した。だがそれを聞き逃す者などいるはずもなく。 驚いて目を丸くしてから、少女は睨みつける目に力を込めた。 「騙してたあるね!?」 「これを証拠に役所に提出すれば、決着はつくでしょうね」 いつの間に奪い取ったのか、メイズの手には契約書が握られていた。 「むぐ、うぐぅ・・・」 男は苦虫を噛み潰したような顔を真っ赤にしていたが、 「だったら力づくでわからせてやる!」 言うが早いか、男らが少女とメイズに向かって突進した。野次馬が悲鳴を上げ、このあと起こるであろう惨事に身を固くした。 だが。 「大丈夫かいメイズ? リオも」 彼女達の前に盾のように立ちはだかっているビスの前で、男は動かなくなっていた。 相変わらず笑顔のまま、ビスが最初に突撃した男の腹に拳をめり込ませていたのだ。 「まぁ、そっちがその気なら、正当防衛ってことで」 「そうね」 「ビス、やっちゃえ!」 「やっちまうかー?」 リオの声援にハッハッハと軽く笑いながら、ビスは男を突き帰した。ドサッという音を立て、男が地面に倒れる。それに怖気づいたように、残りの子分がじりっと下がった。 ビスはそれを見届けてから、表情を一変させて、叫んだ。 「これ以上怪我したくなかったら、とっとと消えやがれ!」 普段はへらへらしているビスだが、伊達に猟師として生計を立てていたわけではない。時として凶暴極まりない動物と戦ってきた彼の一喝は、獣のみならず人間を怯えさせるには十分すぎる威力を持っていた。 男らは「畜生、覚えてやがれ!」というお決まりの捨て台詞を残しながら、一目散に走り去っていった。 「ホント、助かたある」 それから野次馬の誰かが呼んだ役人が来て、事情を説明して、法外な利子を払う必要は無いだとか今後のことだとかをいろいろ相談した後、ようやく彼らは解放されたのだった。 「けど、レイリンすごいね」 レイリン、というのはこの店の少女のことだ。リオは口の中に、小麦粉で作った皮に肉を包んだ餃子とかいう料理を頬張りながら言う。 「レイリン、このお店のマスターなんでしょ?」 「ますたぁ? 店主のことあるか? だとしたら、そうあるよ」 ドン、と菜っ葉の肉包みをテーブルに乗せながら、レイリンは笑った。 「店やるのとても大変、でもやりがいある仕事ね」 リオとビスは一心不乱に、炒飯と呼ばれる米を炒めた料理や、これもまた米を煮込んだ熱々のお粥と格闘していた。 「ちょっと、ビスもリオも食べすぎよ」 烏龍茶と呼ばれる茶色い飲み物に口をつけながら、メイズがあきれたように注意する。その前に、シュウマイだの饅頭だのが入った蒸篭(セイロ)がやってくる。 「気にするなあるよ、これワタシにできる精一杯の感謝ある」 メイズは食べられる分を小皿に取って慎ましく食べていたが、レイリンに言われるまでもなく、ビスとリオはすでに大食い大会の様相を呈していた。 「ささ、遠慮せずにどんどん食べるよろし」 レイリンが言い終わる前に、「おかわり!」とリオの皿が差し出される。 「もぉ、お腹壊すわよ!」 「いいもん、明日の分も食べるから」 ぷりぷりの海老を炒めた料理をよそってもらって、リオは満面の笑顔で再び料理に取り掛かる。 「ホントにもう・・・」 「俺もおかわり!」 「・・・はぁ」 「え? メイズ、俺の心配は・・・」 「あなたの胃腸は鋼鉄並みだから」 ガックリ、と肩を落としながら、ビスは器のスープを飲み干した。 「おいひい! れいひん、すごひへ、こんなおりょうりへきふはんへ!」 「リオ、食べるか喋るか、どっちかにしなさい」 「それにしてもいい食べっぷりあるね! 料理人レイリンの血が騒ぐあるよ!」 よぉし、と気合一発レイリンは立ち上がると、高らかにこう宣言した。 「食材が尽きるかはたまた食べきれずに降参するか、勝負ね!」 「えぇ? ちょっとレイリンさん」 「とめないでほしいある! これは料理人としての誇りとお客さんの意地との戦いよ!」 言うが早いか、レイリンの姿が厨房に消える。ジュワァア、という音が響き、「お待たせよ!」と、両手に皿を乗せてレイリンが再び部屋に飛び込んできた。 「まってました!」 「わぁ、おいしそぉ!!」 そこからは、まさしく戦いだった。 ビスとリオは、見た目にも美しい細工が施された大皿料理に箸をつけ、様々な具が入ったスープやラーメンを飲みながら、揚げたての団子にほかほかの蒸し物を冷ましながら口にして、海産物をふんだんに使った炒め物やピリ辛の肉味噌で豆腐やナスをあえた料理に汗をかき、特産物の米料理を口に詰めた。 皿が空になるや否やレイリンがそれを厨房へ持って行き、別の皿に新しい料理を山盛りにして持って来る。 それを何十回と繰り返し、もうそろそろ二人とも限界だろうとメイズが思うと、彼らはサッパリしたお茶で喉を潤し、顔をしかめるほど強烈な味の果物を平らげ、デザートに出てきた杏仁豆腐や餡団子に舌鼓を打っていた。 「ごちそーさま!」 「ふぃ~、食った食った」 明らかにお腹がぽっこり出るほどに料理を食べた二人に、レイリンは大笑いしながら言った。 「アイヤー、すごいあるね! まさか全部食べれる思わなかたよ!!」 食後の細工茶を飲みながら、メイズはため息をついた。彼らの底無しの食欲は、いったいどこから来るのだろうか、と。 それから、少しレイリンと話をした。 話の流れから、いくらお礼とはいえお金はいいのかという話になり、レイリンがこう言った。 「お金平気よ。利子払わずに済んだ分、今日の食材よりずっとずっといっぱいね」 「でも――」 「そう思うくれるなら、今日はウチに泊まるよろし。安くするあるよ」 「うわぁ、レイリン商売上手~」 「ますたぁ、あるからな」 無論、メイズ達一行は喜んで提案を受け入れた。日も暮れていたし、何よりもビスもリオももうほとんど動けない状態だったので。 「・・・なるほど、リオさんたち、旅してるあるか」 「うん!」 ぐったりしているビスとは対照的に、リオは嬉々としてお茶を飲んでいた。夜におねしょなんてならなければいいけど、というメイズの心配をよそに、お喋りに花を咲かせている。 「えっとね、竜を探してるの!」 「リュウあるか!?」 レイリンがびっくりしたように言う。ちらり、と見やった視線の先に、キラキラした鱗が飾られていた。 「? どうしたの?」 「ふぅむ・・・リュウあるか・・・」 「これが、そうなの?」 メイズが鱗を示すと、レイリンは硬い顔つきでこっくりとうなずいた。 「・・・リュウ、見たいあるか?」 しばらく彼女は黙っていたが、そう切り出した。 「うん、見てみたい! ね、メイズ!」 「え、えぇ・・・」 レイリンは、「そうあるか・・・」と呟くと、腕組みをしてしばらく考えていたが、気を決してこう言った。 「絶対、誰にも言わないあるか?」 「うん」 「何を、ですか?」 無邪気に即答するリオを抑えて、メイズが尋ねた。 「ワタシの家、裕福違うね。でも、母様の病気の薬、欲しいね。だから父様、高利貸し金借りたよ。でもお金返さなきゃいけないある。だから、お店以外にもお金儲けしてるある」 ぽつぽつ、とレイリンが口を開いた。うんうん、とリオがうなずく。 「それで、これ出番よ」 レイリンは例の鱗を示すと、こう言った。 「役所持ってくと、この鱗買ってくれるあるね。割といいお値段、だからお金返せたね」 「政府が・・・?」 レイリンがうなずく。 「何でか知らないあるよ。けど、みんなリュウの鱗、狙てるあるね」 それからもう一度、レイリンはまっすぐな瞳でリオを見た。 「ワタシ、リュウたくさんいる場所知ってるあるね。でも、誰かに知られたら困るある」 「うん」 リオも真面目な顔つきでうなずき返す。 「誰にも言わない、約束するか?」 「うん、約束する」 ニッコリと、レイリンの顔が和らいだ。 「わかたよ。ワタシ、リュウの居場所教えるよ。その代わり、リオさんたちは鱗見付けたら私に教えて欲しいある」 「そのつもりです」 メイズがそう言い切った。 「私達は、竜を見たいだけですから」 「うん、そうそう!」 「謝々。取引成立ね」 レイリンはとても嬉しそうな顔で、リオの手を取ってぶんぶんと振った。 「じゃ、明日の朝早くに出掛けるあるね。大丈夫、きっと『地這竜』会えるよ」 「ちはいりゅう?」 「みんなそう呼んでるあるよ。見たらきっとびっくりするあるね」 「楽しみある」 「リオ、言葉遣いがうつってるわよ」 わあ、という風にリオは口に手を当てると、笑った。 「うつちゃたある」 「アイヤー、重症ね」 笑い声は夜を暖かく包み、明日へと続く。 リュウに会えるかもしれない――喜びと不安の入り混じった思いを胸に、三人は眠りについた。 果たしてその『地這竜』が、己をここまで突き動かした原因なのか、それはまだ、わからなかった。 ◆穂永(20) 不規則なエンジン音をたてながらも、航空機はなんとか迷い剣へ辿り着こうとしていた。大陸の姿がはっきり見えてくる。土の鼓動が伝わってくるのを、アーダは感じた。 「そういえば」と楽師が話し掛ける。「『迷い剣』にも、竜はいたな」 アーダは振り向いて、怪訝な顔つきを見せる。 「地這竜」と楽師が言う。 「悪いけど、現地での呼び名じゃなくて、共通語で言ってくんないかな?」 「スケイルド・ワーム」 アーダは大げさに肩をすくめる。 「あー、あれか。あんなもんを見て、どうしようってんだい」 風が吹く。楽師は帽子を抑える。 「あんなもんと言うが……あれも希少種だぞ」 「希少種ね、そうなったのは、つい最近なんだけどねえ」 一際強い風が吹いて、がたんと飛行機が揺れる。 「ダクスは、食ったことがあると言っていたな」 「あたしもあるよ。まあ、別に美味いってほどのもんじゃない。結構硬いしね。保存が利いて栄養価の高い、携帯向きの肉さ」 「あなたの時代には、雑穀と同じ価格で買えたそうだな」 「人を年寄りみたいに言うんじゃないよ。あれの肉や鱗の薬用効果については、そのころから指摘されていたしね。――雲の中に入るよ、気をつけな」 言葉が終わらないうちに、飛行機は灰色の雲の中に入った。楽師にはアーダの背中すらはっきり見えない。だがアーダには、雲の広がりも、その先に何があるかも見えていた。 「大陸間条約で売買が禁止されたのは、四年前だったか」 「ああ、でも逆効果だったね。禁止されれば価値は上がる、その辺のことを、役人どもは分かっちゃいないのさ」 「確かに、貿易商の間では、今でも密かに高値で取引されていると聞くが」 遠雷が聞こえた。 「心配しなくても、かなり遠いよ。――あの鱗ね、『迷い剣』の政府が横流ししてるって噂もあるよ」 「……まさか」 「さて、真偽は知らない。……『銀帽子』でも、鱗や肉はけっこう見かけるよ。裏通りの店じゃなく、公認の薬局とかで、堂々と売ってるのをね」 「禁止以前に仕入れたものかもしれない」 「そうかもしれないし、そうじゃないかもね。ただ楽師さん、あんたが思ってる以上に、世界ってやつは腐ってるのさ。その腐った部分が、目に触れにくいだけでね」 「しかし……政府が関わってるとなれば」 「うん、あの子たち、もしあのワームに関わると面倒な目に遭うかもね」 飛行機は雲を抜けた。奇岩の聳え立つ大陸『迷い剣』の姿が大きく迫っていた。 「さあ、『迷い剣』は近いよ。料金だけは、何があっても徴収しないとね!」 さて一方、メイズ一行は朝早くにレイリンのもとを発ち、『地這竜』が出ると教えてもらった場所へ向かっていた。首都からさして遠くないその場所は、びっしりと苔におおわれた岩が複雑に入り組み、あちこちに緑色の泉が湧いている、奇観の高原であった。 「そろそろ、見えてもいいはずだけど」とメイズがつぶやいた。 リオがふいと、足を止める。ビスが「どうした?」と声をかけ、その目線の先を追う。リオが見ていたのは苔におおわれていない、つるつるした灰色の岩で、小指ほどの大きさの緑色の虫がそこを這い登っていた。ところが岩には取っ掛かりがないため、虫はすぐにずり落ちてしまう。虫の姿はグロテスクだが、その動きはなんともなしに滑稽だ。 メイズも近寄ってきて、虫を見た。虫はなんとか、岩の上に這い上がったところだった。メイズは虫をつまんでみる。虫は身をよじって逃げようとする。 一見したところ、昆虫の幼虫のような形だが、緑色の鱗にびっしりと覆われている様は、爬虫類のようでもある。頭には――といっても、ここではしっぽの反対側、というくらいの意味だが――眼や触角の類は一切なく、ただ大きく丸い口があるばかりだ。口の端には小さな牙が二本生えている。 「珍しい虫だな」とビスが言う。 右手で虫をつまみ、左手を顎にやって、メイズは言う。「これ、スケイルド・ワームじゃないかな」 「私にも見せて~」とリオ。メイズは虫をリオに渡してやる。 「スケイルド・ワームっていうとアレか、食うと寿命が三十年延びるとかいう」 「うん、前にエル・ドレイクの怪しいお店で食べたことがあるわ」 「それ軽く違法じゃないか?」 「そうね、バレたら服役」 眺めるのに飽きたのか、リオは虫をメイズに返す。 「スケイルド・ワームは育つと大鰐ほども大きくなるらしいけど、これはまだ幼生みたいね。――もういいの、リオ?」 リオがうなずくと、メイズはその虫を、自分の口の中に放り込んでしまった。 「おいおい、生で食べて大丈夫なのか?」 「スケイルド・ワームは踊り食いが一番美味しいそうよ。身体の構造が単純で頑強だから、寄生虫もつかないし。――うん、あんまり美味しくないわね」 「美味くないのか」 「薬みたいなものだから」 雲はほとんど出ていないのに暗くなった。リオはふと振り向いて、硬直した。 「そうそう、スケイルド・ワームって親子の情が強くて、子供が殺されると親は地の果てまでも追ってくるとか聞くわね。まあ、こんな頭の悪そうな虫が、そういう行動をするわけないから、ただの伝説でしょうけど」 「あー、そうだろうなあ」 太くて長い影が、後ろの岩から三人の頭上に伸びていることに、メイズとビスは気づかない。 21(バーネット) 「リオ? どうしたの、変な顔して。あ、もしかしてあなたも食べてみたかったの?」 「だったらもう少し探してみようぜ。俺も食ってみたいし」 「そうね。メイリンの話によればそれなりの数はいるようだし、一、二匹ぐらいなんとかなるんじゃないかしら」 的外れな会話を続ける二人の後ろでそれは鎌首をもたげ、そして―― ギシャァァァァァァァァァァァァァァァッ!! 突然の轟音に二人は心の中で『もしかして……』と思いながらゆっくりと首を後ろに――音の発信源と思われる方向に向ける。そこには緑色の鱗に覆われた巨大な影が――つまるところ先ほどのスケイルド・ワームを数十倍の大きさにした生き物が聳え立っていた。 「えーと、もしかしなくてもお父さん……?」 「案外、お母さんかもね……」 二人の言葉など完全に無視して雄か雌かの判別などまったく付かない――ひょっとするとその区分すらないかもしれないその生き物はあるかどうかすら怪しい発声器官を全力で震わせ、再び咆哮した。 料亭兼宿屋「海雲亭」は本日もまあそこそこは盛況だった。 それほど大きいとは言い難い店ではあるが、昼時にもなれば店の大きさなどとは無関係に何人かの客が店の中に現れる。そこいらの大きな店と比べれば明らかに少ない人数ではあるが、店主であるレイリン一人で捌くには少々苦しいものがある。が、泣き言を言ってもどうにかなるわけもなく。よって彼女は今日もせっせと料理に励むのである。 額の汗を拭きながら出来上がった料理を皿に盛り付ける。実のところレイリンは忙しいのは嫌いではない。両親から学んだ料理の腕には若輩ながらそれなりに自信を持っているし、それにレイリン自身も料理をするのが好きだからだ。それに、『忙しい』イコール『儲かっている』なのだ。商売人としてこれ以上のことはない。 盛り付けを終えた皿を手に厨房を出る。厨房でも聞こえていた騒音がさらに大きくなる。注文したのは入り口付近に座るクロウの男だったはずだ。リビングテイルでは獣人をあまり見かけないため覚えやすかったのだ。ひょっとしたらその男もあの三人組同様旅人なのかもしれない。確認のために軽く周囲を見渡す。見知った顔もいればそうでないのもいるが、どちらかというと見知った顔のほうが多いようである。高利貸しとのごたごたで以前と比べ幾分か客足が遠のいてしまったが、それでも常連の客は贔屓にしてくれている。レイリンにとって――いや海雲亭の店主にとって本当にありがたいことだった。 注文した客を見つけそちらへ行こうとしたとき、突如、店の扉がやけに大きな音を立てて開かれた。――乱暴な客ある、と思ったことはおくびにも出さずレイリンはいつも通りの営業スマイルを浮かべて対応する。 「いらっしゃいま――」 「レイリンというのは君かな?」 とっておきの笑顔を思いっきり無視して入ってきたのは二人の男だった。両者とも濃い緑を基調としたまったく同じデザインの服を着ている。問いかけられたレイリンだけでなく周囲の客たちまでもがそちらへと目線を向けていた。騒がしかった店内が静まり返る。彼らの着ている服と、それの持つ意味を知らないものは迷い剣の住人には存在しない。 「確かにレイリンは私ね。それで何の用あるか」 「そうか」 平静を装って答えたレイリンに対して、男たちの片方が懐から何かの紙を取り出し突きつけ、言葉を発した。 「君には現在、密漁の疑いが出ている。おとなしく我々に付いてきてもらおう」 ――そのころ。 「ふっ。これくらい俺とメイズのコンビにかかればちょろいもんさ」 「わー!。二人ともかっこいい!」 「ふふ。そうだろそうだろー」 「あのねえ……」 ガッツポーズをするビス、ほめるリオ、そして呆れるメイズの前に巨大なスケイルド・ワームが横たわっている。少し前まではぴくぴくと痙攣していたが、それももう止まっているようだ。確かに大きかったがもともと大型動物を襲うことなどない生き物である。まあ、要するに動きが鈍かったのだ。 「ビス、あなた何もしてないでしょう。下手に近づけなかったし、矢も全然効かなかったじゃないの。結局止めを刺したのは私だったし」 「何を言ってるんだい、メイズ。俺が囮になって注意を引き、メイズが魔法で仕留める。完璧なコンビネーションじゃないか」 「……最初に『俺が仕留める』とか言ってたのはどこの誰だったかしら」 そう言いながらメイズは自分の手を見た。特に外傷はないのだが、先ほどから少しピリピリするような気がする。おそらく最後に放った特大の電撃のせいなのだろう。あれだけ強力な魔法を使ったのはいつ以来だろうか。でかいとはいえ所詮虫ではあったが、その単純さゆえの耐久力はたいしたものだった。 「ところでメイズ。こいつどうしようか」 そう言ってビスがスケイルド・ワーム(巨大)を指差して尋ねる。電撃で仕留めたせいか――というか炎や氷が効かなかったのだが――外見はやけにきれいなままで息絶えている。まあ、鱗の幾つかは焼け焦げてはいるようだが。 「そうね……。鱗は剥がして持って帰りましょう。レイリンへのお礼になるかもしれないし、薬にもなるって噂も聞くわ。肉は……一応、持てるだけは持って帰りましょう」 「じゃ、持てない分はここで食べてもいいよな?」 「ええ」 「リオも食べるー!」 「よーし。それじゃまずは鱗を剥がすぞー!」 「おー!」 解体作業に入る二人を尻目にメイズは近くの岩に背を預ける。魔法を使いすぎたのか、体が少し重く感じた。持ち帰った肉はレイリンに干し肉にでもしてもらおう。味はいまいちだが、栄養源としては問題ないだろう。そんなことを考えながらメイズの意識は次第に闇の中へと引き込まれていった。 首都リビングテイルで何が起こっているかなど知る由もなく。 22(日食) 「ただいまー!」 「リオ、まだ町の入り口よ・・・」 リビングテイルに帰ってきた頃になると、もうすっかり日は暮れていた。 リオは元気いっぱいのようだが、メイズは正直疲れてしまった。はやくレイリンの店に帰ってご飯を食べてお風呂に入ってさっさと寝たいというのが本音である。 夜になっても依然として活気を保つ首都リビングテイルの人ごみは、正直疲れた身にはこたえるのだ。 「ねえねえおとーさん、シシカバブだって!おいしいの?」 「まだ食べるのかよ!やめとけほんとに」 ぶーっとふてくされるリオ。この子は明らかに自分の体積以上のものを食べてるんじゃないかというのは気のせいだろうか 「一種の魔法でも使ってるのかしらね・・・」 「ん?どうしたんだメイズ。疲れてるんならこの俺のたくましい上腕二等筋で支えてやろうか?」 「なんでもないわ。って微妙な支え方ねそれも」 ビスの両手はふさがっている。解体した地這竜の鱗や肉の入った袋を持っているからだ。 「はっはっは。遠慮なんかいらないぞメイズ。俺たちの仲じゃないか」 「・・・あれ、なんなのかしら」 ビスの発言を軽くスルーして、メイズは異常に気づく。 なぜか町全体がピリピリしていて、道行く人の大半が小声でしゃべっているのだ。 「・・・特別高等捜査官が・・・・」 「・・・・・・まだ子供だって話だぜ・・・」 「しっ声が大きい!」 耳をすましてみると、やたらと物騒な単語が聞こえてくる。 「・・・なにがあったのかしら」 「心配するな。何があってもメイズは俺が守ってやるからな!」 ビスが意味も無く自慢の筋肉を強調する。もう無視することにしよう。 「あれ?レイリンのお店にまた人だかりができてるよ?」 「何かあったんですか?」 料亭兼宿屋「海雲亭」のまわりに群がる野次馬のひとり―ただし昼間も見かけた常連らしき人物―に問いかける。店が封鎖されていて中にも入れない以上、まずは事情を聞かないと対処のしようがない。 「ああ、嬢ちゃんたちか。いや、その、あんたたちが出かけたあとにね、」 「また借金取りがきたのか!」 ビスが吠える。興奮する親子を手で制して 「それから?」 「特高がこの店に来たんだよ。どうもレイリンちゃんに密猟の疑いがかかってるらしくてね」 「特高?」 「特別高等捜査官の略。重犯罪を専門に扱う連中さ。・・・噂によると、連中に捕まった奴はもう二度と戻ってこれないらしい」 「そんな!ヒドイよ!レイリンがなにしたっていうのさ!?」 「しっ声が大きい―いや、密猟はこの国じゃ大罪なんだ。でも借金もあったし、あの子も魔がさしたんじゃないかな」 そう言って男は深いため息をついた。 「そんな・・・レイリンがそんなことするわけないもん!」 「レイリンは、いったい何を密猟したんですか?」 「地這竜だよ。まったく、これまでほとんど規制されてなかったのに、なんであの役人連中はいきなり血相変えてきやがったのかね」 ◆藤枝(23) 首都リビングテイルの警察所、その取調室の奥の奥の、さらに奥まった地下にて。 「こぉらぁ~ッ!! もぉ!! 出すある!! ワタシが何をした言うあるか!?」 平たく言えば、そこは罪人を逗留する地下牢に近いものなのだが、そこにレイリンは入れられていた。 「そうねそうね! 嬢ちゃん、いいコト言うあるな! もっと言ってやるよろし!」 「・・・落ち着くよ、ど~せこっからじゃ何も聞こえないよ」 一緒にそこに入っていた人々も――どこをどう見ても、レイリンと同じく普通の町人のようにしか見えないのだが――口々にそう喋っていた。 と、ある者がこう呟いた。 「・・・あの、皆サン、少しよろしいアルか?」 何だ何だ、と騒ぎがその男性に集まった。ガヤガヤと少しうるさい中、しかしその男性はニッコリと笑ってこう続けた。 「もしや皆サンは・・・“密猟”の罪で、ここに連れて来られた違うか?」 途端に、人々の顔に驚きと恐怖の表情が浮かんだ。ギョッとしたように、お互いに口を硬く閉ざして男から距離をとる。 「・・・だとしたら、どうあるか?」 肯定はしないで、レイリンは果敢にも男にそう返した。明らかに一般人らしき人々は、レイリンと男のやり取りをはらはらしながら見守っている。男はもう一度、口を開いた。 「隠しても無駄アルよ。ワタクシ、全部知ってるアルね」 水を打ったように、シィンと牢屋が静まり返った。 不気味だ。 そんな恐ろしいことをするような人には見えない彼らは、挙動不審に辺りをきょろきょろと見回している。 だが、男は笑顔の中に真面目そうな筋を見せつつ、こう言い切った。 「警戒する、わかるアル。しかし、今はワタクシのコト、信じてほしいヨ」 「それ、どういう意味あるか?」 「ワタクシ、言ったハズよ。『全部』知ってると。皆サン、何故ここにいるか、その理由チャンと知ってるアルね。そう――」 男は少し深呼吸をしてから、厳しい顔付きになってこう告げた。 「――皆サン、『ワン・ギン』議員、知ってるハズよ」 何人かが頷く。それを確認してから、男は寂しそうにこう続けた。 「知らない人はもっとかわいそうアルね。覚えといてほしいヨ、『ワン・ギン』・・・皆サンを騙した、ヒドイ男」 「それ・・・どういうコトか?」 名前しか聞いたことがないような男で、会ったことすらないワン・ギンとやらに騙されるという意味を図りかねて、レイリンが皆を代表してそう尋ねた。男は言う。 「――皆サン、役所でこういう話、聞いたはずヨ。『合法的にお金稼ぐ方法、ある』と。血這竜の鱗や牙、爪なんかを見付けて、役所の『ある窓口』に持って来れば、換金する、と」 皆の表情から、それは聞いたということを確認すると、男はより一層つらそうに言葉を続けた。 「・・・血這竜の血や肉、高級ね。他の国に高く売れるヨ。もちろん、鱗や牙、爪なんかも、そこそこいい値つく。けど皆サン、血這竜、殺したアルか?」 「・・・そんなの無理ある。凶暴すぎて、手に負えないあるよ」 「そりゃそうだわ。なぁ?」 「確かに・・・怖くて近付いたことすらないね・・・」 「そうね、殺されてしまうよ!」 ようやく、口々にそう言葉が飛び交う。 「・・・そこネ」 男がそう呟くと、それが合図のようにまた静寂が戻った。 「――そう、血這竜、トテモ貴重。けど、肉を取るには殺さねばならないネ・・・とはいえ、強くて普通には無理ヨ。だから・・・専門家雇うアル」 ええ!?、とお互いに顔を見合わせる人々を笑顔で制しながら、彼は続けた。 「違う違う。ここにいる人はみんな普通の人。ただ単に、“密猟”が発覚した場合の・・・身代わりにされただけの人ヨ」 「身代わり・・・あるか!?」 「・・・そう。だから言った、ワン・ギンは・・・ヒドイ奴、と」 どよめく人々を笑顔でたしなめながら、彼は立ち上がった。 「皆サン・・・信じてほしいアル、ワタクシのこと。ここから出て、あの男・・・ワン・ギンの目論見、叩き潰し、皆サンの無実を証明するためにも・・・どうか、お願いアル」 深々と頭を下げる彼に、「やめな、兄ちゃん」と声がかかった。 「悪いのはワン・ギンある。兄ちゃんが頭を下げる筋合いは無いね。なぁ?」 「そうよそうよ!」 「そうと決まれば脱出――出来ないあるな。それができないから、困ってるよ」 勢いづいた人々だったが、そこに思い当たって、皆、思案顔になった。 そこへ、もう一度彼が声をかける。 「方法なら・・・あるネ」 賑やかな屋台が連なる大通りで、男が一人、はした金を手に店のおっちゃんと交渉を続けていた。 「だからぁ、もう少し安くしてくださいよぉ、この色男♪」 「兄ちゃん・・・兄ちゃんの辞書に、『諦める』ってぇ言葉は無いあるか?」 「ええ、ありませんとも!」 はぁ~、と溜息をつく店のおっちゃんに、まだまだ青年は食い下がった。その光景に、周囲には野次馬ばかりだ。「値切り大歓迎」の札を指差しながら、旅人風の青年と、ほとんどオマケをしたことの無い頑固なおっちゃんのどちらに軍配が上がるかを、面白そうに眺めている。 「7個で50! それ以上まかならんね!」 「これとこれ、2種類8個で53!」 そんな様子を、リビングテイルに着いたばかりの楽師タントリスとアーダが、これまた見物客に混じって見ていた。 「はぁ~、やるじゃないのさ、あの兄ちゃん。懐かしいねぇ・・・あたしもよくやったもんさ」 アーダに値切られた方はたまったものではなかったろうと思いながら、タントリスはその青年を眺め続けていた。 当然、彼は元々こういった事柄に興味は無い。しかし、何故だろうか――あの青年から目を離せない、妙な気配を感じ取ったのだ。 そしてその青年は、どこにでもいそうな軽快な旅人そのものといった感じで、楽しげにおっちゃんに最後の揺さぶりをかけていた。 「リビングテイルといえば、この『マン』! しかもここは隠れた名店中の名店! かの通にはたまらない『海雲亭』も捨て難いが、『マン』だけで言えばこちらの方がうまいと評判!! そんな、ねぇ、皆様! 食べたいのが人情って奴だよねぇ? しかも、安く!!」 「いや、これ以上はこっちが損するね。うちはもともと安いからね! この値段は譲れないあるな」 「そう来るかぁ・・・ならば3種類9個で60!!」 息の詰まるような暫くの間。そして―― 「負けたよ、兄ちゃん。もってけドロボー!」 おっちゃんがバン、と『肉まん』『桃まん』『辛まん』を袋詰めにして青年に渡した。 「はい、60! 商談成立!!」 ドッと周囲が沸いた。いいぞ兄ちゃん!、の掛け声と拍手、そして指笛が甲高く鳴る。 「いやぁ、どうもどうも」 爽やかに笑いながら去っていく青年を見送ろうとして――ふと、タントリスは目があった。ふわっと笑われて、それから彼は人ごみの中に消え去って行った。 「ふ、まだまだツメが甘いわね。あたしならもう少し安く・・・じゃなかった! そう、ひたってる場合じゃない!! 船代!! ・・・と、どうしたんだい? タントリス。ボーっとして」 「あ、いや・・・」 ――どこかで、会ったことがあるような気配がしたのだが――気のせいか。 「何でもない。しかし、迷い剣は広いぞ。どうやって捜すつもりだ?」 「そりゃああんた・・・カンよ! 何よその顔は。あのね、あたしのカンは昔っから中るのよ!?」 「・・・」 周囲を念のためもう一度だけ見渡してみる。もうあの青年はどこにもいない。 気のせいならばいい――タントリスは、「さあ、捜すわよ!」と鼻息も荒く歩き始めたアーダの後を追った。 青年は――アックスは――戦利品の『まん』を頬張りながら、雑踏から少し離れた通りに入った。裏道は薄暗く、喧騒が遠くに聞こえるだけでまるで別の場所のように静かだった。 と、そこに連絡が入る。 「ふぁい、もひもひ? はれ?」 「――ア・ッ・ク・ス・ゥ~!?」 イライラした女の声が、彼の耳にだけ響いた。 「はあ、はくひぇは。はんほひょう?」 「何やってんのよこの馬鹿! どうせあんたのことだから早速名物でも口にして上機嫌ってとこかしら!?」 「ひんほ!」 ビンゴ、とアックスは一人でポーズをとった。それから、これ以上相手を怒らせると後が怖いので、もったいないが、慌てて齧りかけの肉まんを飲み下した。 「じゃあ改めて。ラクセラ、何の用?」 「何の用、じゃないわよ! あの女は見つかったのかって聞いてんのよ!!」 言ってなかったよ、というセリフは自分の中で消化する。 「ほぼ、って答えじゃぁ、満足してもらえないかな~?」 「はぁ? どぉいう意味よ、アックス!」 「だぁからぁ~、先輩を呼び捨てにしちゃダメっぽくない?」 「うっせぇ!!」 本格的にラクセラがキレそうだと悟ったアックスは、咳払いをしてから話し始める。 「ラクセラちゃ~ん、美人が台無しだよ? ・・・つまりねぇ、もう『ワン・シャング』が手を打ったみたい・ってこと」 「あ~、あのワン・ギンとかいうエロ親父の息子の正義馬鹿ね?」 「そそ」 そして、今までにシャングから入った連絡をざっと彼女に説明する。 要約すると、彼の父が罪の無い一般人を密猟者に仕立て上げようとしており、そのリストの中に偶然、つい先日この迷い剣にやってきた『例の女』――メイズのことだ――と懇意になった少女がおり、その彼女をうまく利用して、誘い出そうとしているということだ。 「・・・で? 今はどの段階?」 「あー、そのレイリンちゃんを自宅に匿って――当然、他の人もいるけど――その証言を元に、父親を弾劾して議員辞めさせるってさ」 「誰がそんな政治的な事情を知りたがってんのよ! 察しなさいよね!!」 「えー、とりあえずレイリンちゃんが捕まった、ってのは周知の事実だから、ひょっとしたら助けに来るんじゃない?」 何その不確定要素、と呟いてラクセラはむっとしていた。そこに、面白いことを告げてやる。 「それよりも・・・あの楽師と空賊が来てる、っていうのはどうよ?」 「・・・まさか。奴らは銀帽子に――」 「それが本当なんだよなぁ~。たった今、すぐそこにいたんだからさ」 何でその場で始末しないのよ、という怒声は飛んでは来ない。今は日の高い、昼間だからだ。 「・・・それじゃ、もうあたしの役目は無いじゃない。馬鹿みたい」 「そう気を落とさない。ともかく、奴らがリビングテイルにいるのは確実・・・今夜あたり仕掛ける」 「獲物はどっちかに絞りなさいよね。早目が望ましいけれど、まだ時間はある・・・見失わなきゃいいのよ。それに、また怪我でもされたら大変だしね」 「心配してくれてんの? 珍しぃ」 「馬~鹿! 駒が減ると労力が増えんのよ! あのクソ馬も逃げやがったし――」 「――『エックス』も、だろ」 一瞬、凍りついたように静まり返る。ややあって、ラクセラが、 「そう・・・そうよ」 呟いた。 「・・・『ゼロ』も、そろそろ裏切りに報復すべきだ。だが・・・かつての親友をまだ、信じてるんだろうなぁ・・・甘いなぁ、あの人は」 「理想の違い・・・それとも方法かしら? ・・・理解しかねるわね。世界を秩序立てるために、多少の犠牲はつきものよ。そうでしょ」 「まあ、だろうなぁ。そうじゃないとここにはいないわけで」 “死装束”などという呼び名が付けられたとしても、それは自身の理念とは全く関係が無いのだ。そんなものは、姿無き彼らを恐れた人々が勝手につけた名に過ぎないのだから。 「それに、『多少』か・・・いいこと言うね、ラクセラ」 光る宮の月、そしてその首都ルリシェイダ。あれも『多少』の犠牲のうちに過ぎない。 “秩序”のための。 「まぁ、そぉいうワケで・・・こっちはこのアックスとシャング、それとサイに任せてもらうよ」 「そうね。こっちもいろいろと忙しくて・・・仮面の方がね。暫くは銀帽子に足止めよ・・・っはぁ、あんたみたいに旅人ならいいんだけどね」 「売れっ子の歌姫も楽じゃないね~?」 “存在しないもの”――それらが世界に関わるために被る仮面。面倒ではあるが、それが無ければ光の中に身を晒すことは出来ない。 しかし、この世界を統括していると思い込んでいる連中が、この世界の秩序を守っているのがこの“存在しないもの”だと知ったら――思わず、笑いがこぼれた。 「・・・何がおかしいのよ」 「いや、こっちの妄想。じゃ、また次回」 「・・・吉報以外は要らないわよ」 ふいに、聞こえてきた時と同じように響きがやんだ。 溜息を一つ。 ――世界のためとはいえ、休日返上も楽じゃない。 アックスは冷めかけて硬くなりかけている桃まんを手に取ると、口の中に入れた。この分では、楽しみにしていた「海雲亭」での食事は期待出来そうにも無い――もっとも、そこのオーナーが捕まってしまった以上、そんな機会はすでに皆無ではあるのだが。 ◆穂永(24) 「皆さん、ここから入るある」 連れてこられたのは、官僚や財閥の邸宅が立ち並ぶ高級住宅街の外れのほう。一際大きく目立つ建物の裏手だった。男が地面をぱんと蹴れば、バネ仕掛けの扉が跳ね上がる。 「えらいところ連れてきたね」 レイリンが思わずつぶやく。脱獄囚たちは今、彼らを捕らえた張本人・ワン・ギン議員邸宅の裏手にいるのだ。 「自分の家にかくまわれてるなんて、アイツだって夢にも思わないあるよ」 脱獄してきた一人がそう言って男を褒める。 「それだけじゃないね」男は言う。「今、アイツのところに客来てる。好都合ね」 脂ぎった顔に冷や汗をたらし、揉み手をしながら、ワン・ギン議員は客たちを眺めた。一人は銀帽子の副相サフィアで、真っ白な毛並みのクロウである。家の富と名声に後押しされ若くしてて副相の座についたとはいえ、本人はいたって清廉な官僚であり、銀帽子では「ホワイト・プリンセス」と呼ばれて人気がある。彼女の護衛についているのはあの金毛のガウルで、かなり長身のサフィアを小柄に見せている。一人は赤鎖群島の盟主セラ・ナズ・ウィワで、迷い剣から西では見ることも珍しい鱗類シー種の獣人である。すでに中年だが、艶っぽい面立ちはなお男どもの心を惑わすに足るものがある。こちらは酸いも甘いも嘗め尽くした熟練の外交官で、ワン・ギンにとっては最も油断ならぬ相手であった。護衛は連れていないが、秘書であり甥でもあるサイ・フェロ・ウィワを同行していた。光沢ある青の鱗が目立つ、たくましい青年である。 四人に囲まれると、ワン・ギンはまるで巨人の国に迷い込んだような気がして、さすがに落ち着かなかった。 「用向きは」とサフィアが口火を切る。「すでにお伝えした通りですが」 一区切りおいて、サフィアは続ける。 「スケイルド・ワームの取引がなおも公然と行われているのは、貿易相たるあなたの責任であると我々は考えます。この上取締りを行わないならば、我々はあなた方を大陸間連合の法廷へお招きすることも予定しています」 「もう一つ、付け加えなければならんことがある」とセラがあとを継ぐ。「私らの島で、最近、スケイルド・ワームの心臓を密輸していた組織を捕えた。彼らはどこの出身やった思います? 迷い剣なんやで」 スケイルド・ワームの心臓には他の部位と違い、麻薬成分が含まれている。これの取引は肉や鱗などの取引とは比較にならぬ重罪である。 「いやいや、はやはや」とワン・ギンは愛想笑いを浮かべながら、二人の詰問に応じた。「なにせ地這竜、もといスケイルド・ワームは高価な薬の原料になりますからなあ。わが国の国民は貧乏でして、はい、あなた方の国に比べれば、はい、貧乏なんでございますよ。はい、貧すれば鈍すで、高値で取引されてると知ると、はい、モラルもリスクもあったもんじゃございませんで」 「それでは答えになっていません!」とサフィアが立ち上がりかけたが、セラが彼女の手を引いて、抑えた。ワン・ギンは続けた。 「もちろんですね、我々が手を打たなかったわけじゃないです、はい。密猟者どもの検挙には全力をあげておりまして、はい、今日も二十人からの密猟者を摘発したところでございますよ」 「そんなら」とサイが進み出た。「その人らと会わせてもらえんやろか。そ、今日捕まえたって密猟者のことや。ホントにモラルもリスクもない連中かどうか、確かめさせてもらいましょ」 ワン・ギンは首を振った。 「そんな、皆様方のお目にかけるわけには参りません。眼の毒ですから、はい」 ところが「もう連れてきてるあるよ」とドアの向こうから大声が聞こえた。続いて使用人たちと争う声が聞こえ、そして――。 言うまでもないことだが、これはワン・シャングが今日の会談の前に、サイ・フェロ・ウィワとしめしあわせてやったことである。しかし、彼らの本当の目当てはまだ来ていない。 そのころ本当の目当てたちは、誰もいなくなった海雲亭でぐったりと倒れていた。 倒れた理由はこうだ。 「ともかく、今日眠るところを探さないと」とまともなことを言い出したビスに、メイズは「ここに泊まればいいのよ」と答えた。 ビスが目を丸くすると、メイズは言った。 「今からじゃどこの宿屋も閉まってるし、なにより今日の分の宿代は払っちゃったもの、泊まらせてもらえないなんて法はないわ。ふん、どうせあの捜査官連中も、夜になれば帰っちゃうでしょ。で、裏口から忍び込んで寝ちゃえばおっけー」 「レイリンのことはどうするの?」とリオ。「助けないわけにはいかないよね?」 「うん、そうね。でも」とメイズ。「無考えに牢屋に突撃するわけにはいかないじゃない。まずはちゃんと作戦を立てないと。それに」と言っておいて、ビスの腹部に視線を送る。 「なるほど、腹が減っては戦はできぬか」とビス。「よし、まずはこのお土産でも食って、夜になってから動こう」 今になって思えば、メイズはワームの幼生を丸ごと――心臓ごと――食べたので、少しおかしくなっていたのだろう。持ち帰ったワームを調理するときも、心臓ごと茹でたので、ほかの部位や付け合せの野菜にまで麻薬成分が移ったのだ。で。 三人はつぶれて、眠ってしまったのである。 リオの影が薄い気がしたので。まあ、中身は空に等しいですが (バ) すいません短すぎでした・・・(日食) 『地這竜』が捜し求めている竜だとは限らない、というかハズレっぽいですな。 変な中国語はお約束と言うことで。(藤枝) 地這竜をめぐる裏の世界に巻き込まれ――るわけではない形でピンチになった主人公たちなのでありました。またゲテモノ食いな話でごめんなさい。穂永。 今度こそ裏の世界の陰謀に巻き込まれてます。はたしてどんな思惑が存在しているのか。えっ? バトル? ……なんですかそれは?(バーネット) 22話のナイスおじさんには名前がありません。どなたか気が向いたらつけてあげてください。死亡フラグ的なヤツでもいいから(日食) お懐かしのメンツとニューフェイス登場。で、結局『死装束』って何?(R) 展開を思いつかないからって、新キャラと麻薬で誤魔化すのは人間としてどうかと思ったりする。穂永。
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前へ 千聖とえりかちゃんの追跡をひとまず中断した私と舞ちゃんは、のんびり買い物デートを楽しんでいた。横浜は大人っぽい洋服屋さんやアクセサリーショップが多いから、中学生じゃ少し背伸びする感じになってしまう。 結局ウインドーショッピングが中心になってしまったけれど、通りの奥のほうにあったキャラクターショップで、お揃いのメモ帳を買うことにした。 「可愛いねー、これ」 「うん、レッスンの時に使おう・・・あ」 舞ちゃんはふと顔を上げると、私の顔の斜め後ろに視線をロックオンしたまま、固まってしまった。 「ん?」 視線をそのまま辿る。そこには、千聖の好きなクマちゃんのキャラクターの特設コーナーがあった。学校の鞄にも大ぶりのマスコットをつけていて、かなりのお気に入りだったと思う。 「舞ちゃん?」 「・・・・あれ、あげたらちー喜ぶかな・・・」 ひとりごとのようにつぶやきながら見ているのは、大きなぬいぐるみ(1まんごせんえんだと!!!)だった。」 「舞、千聖の笑った顔が好きなんだけど、いじめて泣かせたり、変なことして自分の気持ちを押し付けて困らせたり、そんなんばっか。あんま詳しく言えないけど、相当ひどいことした。償うってわけじゃないけど、誠意を見せたいなぁなんて」 「んー、でもさ。」 舞ちゃんの気持ちはわかるけど、ここは1個年上で千聖を見守っている者として意見させてもらうことにした。 「きっと、あんなに大きいぬいぐるみもらったら、千聖困っちゃうと思うけどな。」 「そっか・・・じゃあなんか小物とか」 「うーん。だけど、それは果たして本当に、千聖の望んでいることなのかなぁ~?確かに、ゲキハロの頃だっけ?千聖と舞ちゃん、ケンカして変な感じになっちゃってたけど・・・もうそれは終わったんでしょ? 別に千聖は、舞ちゃんに対して気まずいとか怒ってるってことはもうないと思うんだ。むしろ、千聖のために何かしたいっていうなら、そのことをいつまでもひきずってないで、フツーを心がけるとか?そういうことのほうがいいんじゃないかなぁなんて。ケッケッケ」 「フツー・・・」 舞ちゃんは少し考え込むように黙った後、「わかった」と笑顔で答えてくれた。 「えへへ。メモ帳、買おう。」 言葉数は少なくても、舞ちゃんは豊かな表情で、私の言葉を受け取ってくれたことを表してくれる。まったく、可愛いな。ケッケッケ 「次、どこ行く?」 「んーとね・・・・・・・・・・愛理。」 お揃いの紙袋を手に、私の顔を見てご機嫌スマイル・・・だった舞ちゃんは、いきなりシリアスな顔になった。声も、1オクターブ低くなってるような気がしなくもない。 「愛理。」 「は、はぁ」 「こっち。」 舞ちゃんは超真顔で、いきなり私の手を掴んだまま走り出した。 「ちょ、ちょまって、舞ちゃん!何、何事!」 お気に入りのちょっと甲の高いミュールが脱げそうになって、私はとっさに踏ん張った。つんのめった舞ちゃんが、敵を見るような目で私を睨みつける。 「どうしたんだよぅ」 「・・・センサー」 「え?」 「ち しゃ と セ ン サ ー が 反 応 し た の」 「ええっ!そ、それは正確なの?」 「千聖は舞のなんだから、絶対あってるから」 そんな非科学的な・・・と言いたいところだけど、舞ちゃんの千聖センサーとやらは、その名前だけでかなりの説得力がある。 「落ち着いてってばー」 「絶対あってるよ!とにかく、その道をっ」 アハハッ ウフフッ その時、押し問答を続ける私達の耳に、聞きなれた二種類の笑い声が飛び込んできた。 メインストリートから一歩横道に逸れた細い路地から、本日散々追い掛け回したカップルが、中むつまじく手を繋いで登場する。 「ま・・・舞・・・」 「ち・・・ちしゃとおおおおおおお」 「きゃああ!?」 私が静止するより早く、舞ちゃんは低姿勢ダッシュで2人の懐に突っ込んでいった。そのまま、カエルみたいにピョーンと見事なジャンプを披露して、千聖に覆いかぶさる。 「ジャンピングだっこ・・・」 小学生だった頃、千聖がえりかちゃんを見つけるとはしゃいで飛びついていたそれを、舞ちゃんは今、千聖にやろうとしているらしい。 だけど、自分より背が低い千聖にそんな無謀な技は通用しないわけで・・・ 案の定、舞ちゃんを受け止め切れなかった千聖は、舞ちゃんの勢いに押されるように、背中から地面に押し倒されてしまった。こ、こんな往来でなんて事を! 「ま、舞さ・・・痛っ・・・」 千聖は目を白黒させて戸惑っている。一方で、舞ちゃんはママとはぐれていた迷子みたいに、千聖の胸に顔を埋めたまま離れようとしない。えりかちゃんと千聖へのヤキモチが爆発して、甘えんぼう状態になってしまったらしい。 「え、えー・・・ちょっと、どうしよう・・・えー・・・」 どうしてこうなったのかわからない感じのえりかちゃんは、オロオロして私に助けを求めるような顔をした。・・・うーん、私、あんまり仕切りキャラじゃないんだけどな。どういうわけか、今日はそんな役割が多い気がする。 「舞ちゃん、千聖。とりあえず、ご飯でも行きませんか?」 「ごはん・・・」 舞ちゃんは至近距離で千聖を見つめている。ここからじゃちょっと表情は見えないけれど、「一緒に行っていい?」と伺いを立ててるみたいだ。 「ね?えりかちゃん、ご飯ご一緒してもいい?」 「う、うん・・ウチはいいけど」 「よ、よーし!じゃあみんなで中華街に出発だー!」 あぁ、こういうの、苦手なんだってば・・・。場違いな私の仕切り声(?)が、人気の少なくなってきたショッピング街に響いた。 数十分後。 「愛理、これ、美味しいわね。」 「ねー。」 「・・・・」 「・・・・・」 私の横には千聖。千聖の前には舞ちゃん。舞ちゃんの横にはえりかちゃん。 私達は今、中華街で美味しい料理に舌鼓を打っている。中華大好きな千聖はご機嫌で、私も出来たて点心を堪能して幸せ・・・なんだけど、向かいの席はまるでお通夜状態だ。 「愛理、このスープチャーハンを頼みたいわ。あと、エビチリを頼んでなかった。」 「あー、じゃあついでにこのフカヒレギョーザも頼んでくれる?」 「ええ。この大根もちというのは?どんな料理なのかしら?」 千聖は本当に屈託なく、オーダー式のバイキングを堪能している。舞ちゃんは、千聖がバンバン頼む料理をつつく程度。えりかちゃんにいたっては、手もつけていない。青ざめた顔で、千聖と舞ちゃんを交互に見比べている。 まるで、浮気現場に踏み込まれたオクサマのお相手みたいだ(でも、千聖は別にどっちとも付き合ってるわけじゃないんだっけ。) 「おいしい?千聖」 「ええ。とても。舞さんもえりかさんも、あまりお箸がすすんでいないようですけど・・」 「千聖が美味しいなら、それだけで舞もおなかいっぱいなの。」 「ひゅー。ケッケッケ」 恋愛初心者な私でも、今のはなかなか気の利いたセリフと思うのに、千聖は「あら、ウフフ」なんて言って軽く流してしまった。舞ちゃん、なかなか報われない! 「・・・ウチ、あんまりおなか減ってないんだよ。気にしないで。」 一方、えりかちゃんは少しソワソワしている。時計を見たり、ケータイを開いたり。もしかして、ホテルのチェックインの時間が迫っているのかもしれない。 多分、2人にとってのメインイベント(・・・)はホテルで過ごす時間だと思うから、その辺は抜かりなくやりたいに違いない。 「千聖。次、料理来たら、もうデザート行かない?」 「あら?私もう少し・・」 「まあまあ、腹八分目っていうじゃないかぁ(これからいっぱい汗かくんでしょ、とかいってw)ケッケッケ」 「・・・そうだよ、ちーまた大福になるよ」 どういう気まぐれか、舞ちゃんも説得に参戦してくれたから、千聖はその後デザートを5種類頼んでオーダーをストップしてくれた。 えりかちゃんが少しほっとした顔になったのは気のせいかな・・・?次は、舞ちゃんを刺激せずに2人と別れる方法を考えないと。 「・・・舞、観覧車乗りたい。4人で」 だけど、そんな私の思案を打ち砕くかのごとく、舞ちゃんは妙に通る声でそう言った。 「乗りたい。」 大事なことだから2回・・・というわけでもないだろうけど、舞ちゃんは千聖の目を見て繰り返す。 千聖はどっちでもよさそうな感じで、判断を任せるようにえりかちゃんに視線を送っている。 「あ、あのー、舞ちゃん。それなら、私と2人で・・・」 「・・・いいよ。」 えりかちゃんは私達3人に順繰りに視線を向けると、ニッと笑った。 「ここからだと結構歩くけど、食後の運動がてらってことで、いい?愛理も」 「・・・うん、いいよー」 そんなわけで、お店を出た私達は、みなとみらいの方へ向かって歩き出した。 「そっち、右ねー。信号は渡らなくていいから。」 えりかちゃんは先行くちさまいコンビに、手でメガホンを作って道を指示する。 キャッキャとはしゃいでいる2人を見る表情は、さっきとは違って落ち着いていた。 「ごめんね、邪魔して」 何となく罪悪感を感じて、私はえりかちゃんを上目遣いで伺った。 「ホテル、間に合うの?」 「愛理・・」 えりかちゃんは驚いたように目を丸くした後、いたずらっぽくニヤッと細めた。 「実は、さっきそれが気になって、食事に集中できなかったの。ウチ心配性だからさー、一個気になるともうだめで。 かなりいいホテル取ったから、キャンセルはありえないし。でも、ホテルは観覧車のすぐ近くだし、余裕で間に合いそう。こんなことなら、バイキング楽しめばよかった!」 「体力もつの?大丈夫?」 「まあ、愛理お嬢様ったら、なんてはしたないことを!」 大げさにのけぞった後、えりかちゃんは耳に顔を近づけてきた。 「じつは、すごくムラムラしてる。やばいかも」 「ええっ!」 「というわけで、観覧車の後の舞ちゃんのことはよろしくね。」 ションナ!ムセキニンナ!私は抗議の意味も含めて、ちょっと唇を尖らせた。 「・・・えりかちゃん、舞ちゃんがお泊り中止してって言ったらどうする?」 「しないよ。譲る気ないから。」 「ムラムラしてるから?」 「違うよ。いろいろ考えたけど、やっぱり、今後も千聖を譲る気がないって意味。」 「・・・・そっか。」 ハッキリとそういい切るえりかちゃんはちょっとかっこよくて、これはちょっと敵わないな、何て密かに思ってしまった。 次へ TOP
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電車のドアが開くと同時に猛ダッシュで階段を駆け上がり、PASMOを叩き付けて改札を飛び出した。 なっきぃから涙声の電話をもらってから約30分で、私はレッスンスタジオの最寄り駅に到着した。 …なっきぃ、何があったの。 今日はなっきぃと栞菜がちょっと言い争いになった。 私は揉め事や喧嘩が苦手だから、いつもみたいにすぐに割って入った。 なっきぃが引き下がってくれてその場は収まったけど、もしかしたら私の強引な仲介が泣くほど辛かったのかもしれない。 あるいは栞菜と鉢合わせになって第2ラウンドが…そっちか!栞菜か! 「開けるよ、なっきぃ!栞菜!」唯一電気が点けっ放しだったロッカールームに直行して、ドアを開ける。 「…………あれ?」 なっきぃはいたけど、栞菜はいなかった。 栞菜はいなかったけど、ちっさーと舞がいた。 「みぃだん…」目を真っ赤にしたなっきぃがしがみついてきた。 一体これはどういう状況なんだろう。 ドアに近いベンチでなっきぃが顔を覆っていて、一番奥のロッカーの前でちっさーがぼんやりと空を見つめていて、そのちっさーの肩に指を食い込ませながら舞が何かを呟いている。 「どどどうしたの、なっきぃ。栞菜は?」 「…?栞菜?いないけど」 「そっか。」 だとしたら、なっきぃは一体何で泣いてるんだろう。 いや、なっきーだけじゃなくて、あの二人も。 「何があったか聞いてもいい?」 「いいけど、うまく答えられないと思う。」 「そっか。」 とりあえずなっきぃは落ち着いたみたいなので、私はちっさーと舞のほうに向かった。 「大丈夫?二人とも。」 「舞、美さん」 ちっさーは相変わらず、夢でも見てるような顔でこっちを見た。 「やだ!舞美ちゃんに話しかけないでよ!」 突然、舞が起き上がってちっさーを突き飛ばした。 「ちょっと!舞!」 お嬢様化したちっさーのことが気に入らないのは知っていたけど、こんなことを許すわけにはいかない。 「もうやだよ、舞美ちゃん・・・舞どうしたらいいのかわかんないよ」 「舞・・・・」 舞も泣きながら私の腰にすがり付いてきた。 右になっきぃ、左に舞。 ちっさーは相変わらず表情のない顔で私たちを眺めていた。 「あの、さ、とりあえず今日は帰ろう?タクシー呼んで四人で帰ろうよ。もうけっこう遅い時間だし。また今週中にレッスンあるから、そのとき話そうよ。うん。今日は落ち着いたほうがいい。」 「・・・そだね。」 力なく立ち上がったなっきぃが、荷物をまとめ始めた。 「・・・・舞美さん。私、父が迎えに来てくれるので。早貴さんと舞さんとご一緒にお帰りになって。」 「でもちっさー」 「舞さんって呼ばないでよぉ・・・・!バカ!」 ずっと黙っていたちっさーがやっと喋ってくれたけれど、何か言うたびに舞が過剰反応してしまって、あまり会話にならない。 こんなに情緒不安定な舞を見たのは初めてだった。 「大丈夫です。私のことはお気になさらないで。」 「ほら気にするなって言ってる。もう帰ろう。」 ど、どうしよう。こんなことになるとは思ってなかった。 いくら鈍い私でも、今ちっさーと舞を一緒にしておくわけにいかないのはわかった。 舞もちっさーも、私の決断を待つように黙り込んだ。 「千聖。お父さんはいつ来るの?」 沈黙を破って、なっきぃがちっさーに話しかけた。 「きりがないから、私たちは三人でタクシー乗って帰るよ。でも、千聖のお父さんが来るまでは待つ。それでいいよね、みぃたん。」 「あ・・・うん、うん!それがいいよ!なっきぃの言うとおり。ちっさー、パパは今どのへんかな?」 すると急に、ちっさーの顔がこわばった。 「え、どうしたの?パパ遅くなりそうなの?」 ちっさーは何も答えない。 「・・・千聖。本当はお父さん、来ないんじゃないの。」 「え」 なっきぃが聞くとほぼ同時に、ちっさーは私たちの横をすり抜けるようにして、ロッカー室を飛び出していった。 「ちっさー!」 「嫌!二人とも行かないで!舞と一緒に帰るんでしょう!?」 必死にしがみつく舞の手を離すことはどうしてもできなかった。 リーダーなら・・・・こんな時どうするべき?私じゃなくて、佐紀だったらどうしてる?先輩達なら・・・ 「私、追いかけてくる。」 私がもたついてる間に、なっきぃが走り出した。 再び泣き出した舞の頭を撫でながら、私は今までの人生最大ともいえる挫折感をじわじわと味わっていた。 私、ちっさーを見捨てちゃったことになるの? 本当にこれで良かったの? キュートは問題のないグループだと言われていた。 でもそれは、皆がお互いを温かく守りあっていたから。 私の力なんかじゃ絶対にない。 むしろ、こういうときに決断もできないような私がリーダーだなんて。 「ご、ごめん。見失っちゃった。どうしよう・・・・。」 しばらくしてなっきぃが戻ってきた。 必死で追いかけたんだろう、呼吸がすごく乱れている。 「ありがとうなっきぃ。じゃあ、まずちっさーのパパとママに連絡してみよう。」 携帯を開いてアドレスを確認していると、いきなり画面が着信通知画面に変わった。 「ちっさーだ!」 急いで電話に出た。 「もしもし、ちっさー戻っておいで!」 “舞美さん・・・・・私、ごめんなさい。大丈夫ですから。一人でも平気です。” 「何言ってんの。ダメだよ。一緒に帰らないならちっさーの家に連絡するよ。」 “両親には、今連絡を取りました。私のことなんかより、舞さ・・・・・ま、舞ちゃん・・・をお願いします。” それだけ言うと、ちっさーは電話を切ってしまった。 「ねぇ、舞。ちっさーが舞のこと、舞ちゃんって言ったよ。良かったね。」 「・・・・その人に言われても嬉しくない。」そっか。難しいね。 「みぃたん。そしたら、本当に千聖が連絡とってるのか確認とって、OKだったら私たちもここ出よう。もう本当に時間やばいから。」 あぁ、なっきぃは冷静だ。順序を考えて行動している。 それに比べて私は何て。 「連絡取れた。千聖から迎えにきてほしいって電話あったって。」 「そか。じゃあ、私達も出よう。」 三人とも無言で、ビルの出口を目指す。 突然呼び出されて、突然の事態に対応できず、しまいには助けを呼んだひとに助けられてしまった。 私、バカじゃなかろうか。 タクシーは既に入口に止まっていた。これもなっきぃが手配してくれたのかもしれない。 凹んだ気持ちのまま乗り込むと、疲れ切っていた舞が寄りかかってきて、そのまま寝込んでしまった。 本当はこんなになる前に、私が気づいてあげるべきだったのに。つくづく鈍感な自分が嫌になった。 「みぃたん。」 「ん?」 「来てくれて、ありがとう。みぃたんがキュートのリーダーで良かった。」 キュフフと照れたように笑うと、なっきぃも寝る姿勢に入った。 単純な私はこんな一言だけで十分浮上できるみたいだ。 結局、何があったのかはわからなかった。でも話すべき時が来たら、いつかは教えてくれるだろう。 こんなリーダーでも、頼ってくれる人がいるんだ。もっともっと頑張っていかないと。 ・・・ちゃんと、舞とも話をしないとね。 両肩に二人分のぬくもりを感じながら、私はちっさーへのメールを打ち始めた。 *************** どこをどう走ったのかもうわからない。 レッスン着に室内履きのまま、私はにぎやかな街の中を一人で彷徨った。 いつの間にか大粒の雨が降り出して、体中を打ち付けられた。 もう涙は出なかった。 頭がぼんやりして、何か考えようとしても何も思いつかない。 私のせいで、私が存在することで、大切な人が傷ついてしまう。 もうあの場所にはいられない。濡れて帰るにはちょうどいい気分だった。 狭い路地を何度か曲がった辺りで、私はバッグの中で携帯が振動していることに気づいた。 「あぁ・・・・」 早貴さんや舞美さんから、たくさんの着信。メール。 こんな私をまだ心配してくれるなんて、本当に優しい。 画面をスクロールしていくと、早貴さんの前に、もう一通メールが届いていた。 「栞菜。」 たわいもない、雑談のメールだった。 それが何故か今は心にしみてくる。 栞菜に会いたい。 もう何も考えられないぐらいに疲れ果ててていたけれど、私は力を振り絞って返信を打った。 《栞菜にお話ししたいことがあるの》 戻る TOP 次へ コメントルーム 今日 - 昨日 - 合計 -
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PREV:メイドさんにお客様 中編 NEXT:一流メイドのたしなみ 前編 ストーリー だよねー!やっぱ、この人って定めたら他は見えなくなっちゃうよねー キョウカ はい、お一人に尽くす、それが正しいあり方だと思っています メイド チロル …ん? あれ、【プレイヤー】だなに、散歩? キョウカ ごきげんよう【プレイヤー】さん メイド チロル あれ、その顔…なになに、私達の関係…気になっちゃう? キョウカ ちょっとした…いい関係ですよ メイド チロル ねー キョウカ JJの件で、ちょっと話す機会が増えてねそれで…気が合っちゃって キョウカ どちらも一人の人に仕える身…そのせいか、もーわかるーって話が多くって キョウカ はい、こういう話ができる方が他にはおりませんでしたので、 メイド チロル とても新鮮な気分でお話をさせていただいています メイド チロル フフッ、まぁ、【プレイヤー】にはわからない話かな キョウカ 誰かに尽くす喜び… キョウカ 喜んで頂ける事が嬉しい… メイド チロル そう!一途な女心がゆえの―― キョウカ …男性でも、別にやられている方はいるかと思いますが メイド チロル ………確かに、差別は良くないかごめんごめん、ともかく、いいものなの キョウカ はい、素晴らしい事です メイド チロル 尽くして尽くして、そして認めてもらって… キョウカ お褒めいただければまさに恐悦… メイド チロル そして、最後はあの方の極太の腕に抱かれて…はぁはぁわかるよね、チロルさん!? キョウカ あ、いえ、最後のは別に… メイド チロル …………ん?あ、表現がストレート過ぎた? キョウカ えーっと…ちょっ、ちょぅ…あ、寵愛!これだよね! キョウカ そういうのは、あまり望みではないので メイド チロル …えっと…じゃ、チロルさんは何のため…あっ!わかった!! キョウカ プラティカルなやつね! キョウカ それは、どういう… メイド チロル あ、違う!今、言ってて違うってわかった!…えーっと… キョウカ プロトタイプ…あ、プラネット! キョウカ 惑星だ!!絶対違う!! キョウカ ちょっと待って、もう喉まで来てる…あとちょっと… キョウカ えっと…… キョウカ …………………… メイド チロル …【プレイヤー】さんデュエルでもしましょうか時間の無駄はいけませんし メイド チロル 時間を有効活用するのができる人間かどうかを決めるんですよ メイド チロル えーっと、なんだったかなぁ… キョウカ 勝利時 …今のは…ちょっと悔いが残るデュエルでしたね…勝ちが見えていたのに メイド チロル あ、わかった!!プラトニック!! キョウカ ね、チロルさん、プラトニックでしょ!?そういう関係なんでしょ!? キョウカ いいえ? メイド チロル ………………………… キョウカ …じゃ、え? 何で、チロルさんはその人に仕えているわけ…? キョウカ メイドですから メイド チロル メイドは一人の主に仕え、尽くすもの メイド チロル もちろん、契約を切られれば他に移ったりもしますが… メイド チロル それじゃ…単なる…仕事って、こと…?それで尽くす喜びが…? キョウカ ありますよメイドですから メイド チロル 頭とか、よしよししてもらえないのに…? キョウカ されたら逆に困ります… メイド チロル ……………………… キョウカ …どうやら、チロルさんと私の蜜月の関係もここまでだね キョウカ 私達は一瞬すれ違うだけの二つの流れ星…二度と交わる事はなさそうね キョウカ …何を言っているんです? メイド チロル …全てをわかりあえる同志に出会えたような気がして楽しかったわ、チロルさん キョウカ さよなら キョウカ …何だか、勝手に見初められて勝手に突き放された感じがします… メイド チロル 敗北時 お粗末です メイド チロル ……あー!もう、すぐそこまできてるのに!絶対わかってるのになーもー! キョウカ …【プレイヤー】さんどうです、もう一度? メイド チロル PREV:メイドさんにお客様 中編 NEXT:一流メイドのたしなみ 前編
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装備可能ジョブ 駆出 僧侶 神官 パラ 吟遊 部位 種類 コスト 売却値 最大Lv スキルと効果 進化 武器 メイス 11 12000 40 [奥義] ホワイトアウト:味方全員の回避と冷耐性1段階上昇 白天魔のメイス [特殊通常攻撃] 攻撃成功時、MPを少し回復する 基礎能力 HP - MP - 物攻 - 俊敏 - 魔攻 - 回避 - 回魔 - 命中 - 物防 - 会心 - 魔防 - 属性 なし 基礎能力(LvMAX) HP - MP - 物攻 30 俊敏 7 魔攻 - 回避 - 回魔 78 命中 - 物防 - 会心 - 魔防 - 属性 なし ルーン生成 生成結果 確率 闘争のルーンⅣ 33% 詩吟のルーンⅣ 50% 神気のルーンⅣ 17% セット装備 セット効果 なし 障害耐性 毒 0.0% 妨害 0.0% 混乱 0.0% 麻痺 0.0% 暗闇 0.0% 睡眠 0.0% 幻惑 0.0% 封印 0.0% 石化 0.0% 即死 0.0% 属性耐性 物理 0.0% 魔法 0.0% 火 0.0% 冷 0.0% 水 0.0% 雷 0.0% 土 0.0% 光 0.0% 風 0.0% 闇 0.0%
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職業 概要 職業特技 特技補足 耐性など その他 攻撃回数 基礎スペック 魔法領域適性 技能適性 雑感 概要 あなたは主に仕えて日々の雑務を行い、侵入者があれば迎撃し一命下れば敵地を 強襲する頼れる従者です。様々な武器を小器用に扱い探索などの技能もやや高 く、いくつかの便利な小技を習得します。さらに魔法職ほどではないものの魔法 も1領域行使可能な万能型職業です。ただしメイド(執事)たるもの常にメイド服 (スーツ)を着用しなければなりません。優秀な防具の確保には苦労することで しょう。レベルアップのとき主から褒美を受け取ります。しかし主の機嫌が悪い と理不尽な罰を受けることがあります。 職業特技 各数値はLv50・関連能力が40時のもの Lv 技名 消費 関連 威力 (魅力50時) 詳細 3 照明 8(MP) 知能 損傷 2d5+2 現在いる部屋を明るく照らす。 6 施錠 6(MP) 器用 指定した扉を固く施錠する。施錠された扉は開錠できないが、叩き壊したり魔法で開けることはできる。 8 アウトドアクッキング 10(HP) 知能 食べられるものを調達して携帯食料に仕上げる。 12 応急手当 12(MP) 賢さ 回復 25 持ち歩いている針、糸、香草などを使って傷や毒や朦朧を治療し、わずかにHPを回復する。 24 従者の眼力 20(MP) 知能 様々な来客で鍛えられた眼力により、視界内の敵を一瞬で調査する。 30 帰還 50(HP) 腕力 ダンジョンの奥深くから手段を問わず帰投する。 40 ティータイム 1(MP) 魅力 後述 リラックスしてMPを回復する。お茶菓子として菓子を消費する。 特技補足 ティータイム 対象となる菓子はクッキー、焼き芋、ミラクルフルーツ、団子、桃の実、索道まんじゅうの6種類。 MPの回復量は内部数値である菓子のpvalが基準となっており、一定ではない。 比較的出やすい回復量については以下の通り。 クッキー 30 団子 150 索道まんじゅう 200 ミラクルフルーツ、桃の実 300 焼き芋 全回復 一度使用すると一定時間が経過しない(14分後?)と使用できない。また床上のアイテムも使用できるが、その場合回復量は1固定となる。 耐性など 器用維持(25) 耐久維持(25) 恐怖耐性(40) その他 胴防具に執事はスーツ、メイドはメイド服しか装備できない カオスパトロン・ゾムの変異を受けない レベルアップ時、主から報酬あるいは懲罰を受ける 報酬及び懲罰の詳細について レベルアップと同時に0~100の乱数が生成され、それに応じて内容が決定される。 カオスパトロンのものとは異なり、特定のレベルにおける確率の偏りといった要素はない。 乱数 メッセージ 内容 0~4 主の熱烈な激励が書かれている。力がみなぎる! 全能力値が上昇。(増強の薬と同一の効果) 5~13 ピンチのあなたを主が励ましてくれた! 現在のHPが最大HPの50%以下、もしくは現在のレベルが最大レベルを下回っているならば、HP5000回復。経験値復活および全ての状態異常を治療。 主の大音声が響き渡った! そうでない場合で、なおかつ視界内にモンスターが5体以上いるならば、ダメージレベル*6の視界内攻撃および恐怖。そうでない場合で、なおかつ周囲にモンスターが10体以上いるならば周辺抹殺。 主からの温かな心遣いを受け取った。 そうでない場合で、なおかつレベルが50以下ならば経験値増加。(経験の薬と同一の効果)種族が妖怪人形の場合は高級なアイテムを1~3つ入手。 主からのお祝いを受け取った。 レベルが50ならばアーティファクト生成の巻物を入手。 14~22 主から褒賞の言葉を受け取った。さらなる力が湧いた。 ランダムに一つの能力値が上昇。 23~30 臨時ボーナスが出た! 所持金増加。支給額はレベル*レベル*100$。 31~35 主はあなたの奉仕に深く満足している。褒美の品が送られてきた。 高級なアイテムを1つ(レベルが25以上の場合は1~3つ)入手。(獲得の巻物と同一の効果) 36~42 新しい制服が送られてきた! 上質以上(レベルが25以上の場合は高品質以上)のメイド服/スーツを1つ入手。 43~47 新しい本が送られてきた! レベルに応じて1~3冊目の対応する領域の魔法書のいずれか一冊を入手。 48~55 主はあなたの働きに満足している。物資が同封されている。 霧雨魔法店で取り扱っている、アイテムが入った箱を1つ入手。(赤い箱(耐火の薬)~黒い箱(啓蒙の薬)までのいずれか1つ) 56~61 もっとエレガントな装いをしろと叱責された! 一定確率でクローク、頭、腕、足装備のいずれかが消滅。重い装備、未鑑定の装備、呪われた装備、反感の付いた装備であれば確率が高くなり、逆にアーティファクトである場合は確率が低くなる。また、魅力が上昇するか魅力維持がある装備が選択された場合は必ず破壊を免れる。 日頃の献身の褒美に高価な装飾品を賜った! 確率が通らなかった場合は代わりに指輪かアミュレットを1つ入手。(対毒、対地獄、耐カオス、耐劣化、肉体強化、スピード、追加攻撃、加護の指輪、魅力、耐性、対破邪、賢者、テレパシーのアミュレットのいずれか) 62~66 封書から紫の煙が噴き出しあなたを包んだ・・ ランダムな突然変異を1つ獲得。 67~69 主が誰かに宛てたらしい恋文が誤配されてきた。 何も起こらない。 70~72 酔っ払っているとしか思えない筆跡で前衛的なポエムが書かれている。 何も起こらない。 73~75 封書を開けたら水が噴き出した! 半径10、ダメージ1の水地形変化の球。敵対的なピラニアを召喚。(ピラニア・トラップと同一の効果) 76~80 封書を開けたら大爆発した! 半径4、ダメージレベル*4の分解の球。 81~86 覚えのない調度品損壊の叱責を受けた。給料から差っ引かれた・・ 所持金減少。減少額は所持金の10~50%。 87~91 そしてそのままあなたの額に刺さった。 7d7のダメージと朦朧。 92~99 主は相当機嫌が悪いらしい・・ 太古の怨念、強力なモンスター召喚、1/2の確率で武器呪縛、全能力値の恒久的な低下のいずれかが発生。 100 死ぬがよい。 レベル*4のダメージ、各能力値の減少(それぞれ1/3で恒久的減少化)、強力なモンスター召喚、太古の怨念、1/2の確率で武器、防具呪縛がすべて発生。 古い城での報酬はメイド ★狂犬ロベルタのメイド服 執事 ★死神ウォルターのスーツ 攻撃回数 num wgt mul 5 60 4 基礎スペック 腕力 知能 賢さ 器用 耐久 魅力 解除 魔道 魔防 隠密 探索 知覚 打撃 射撃 HD MP 経験 スコア ペ維 0 1 1 1 1 1 40,12 30,12 36,12 3,0 25,3 40,12 63,22 50,13 3 C +25% 85% 50 魔法領域適性 一領域習得 全領域D 技能適性 格闘 盾 騎乗 二刀 投擲 C B E B B 短剣 長剣 刀 鈍器 棒 斧 槍 長柄 弓 機械弓 銃 B B B B B B B B D D D 雑感 本家の混沌の戦士にあたる、成長にある程度のランダム性を抱える近接寄りデュアル職。 魔法への適性だけで見た立ち位置としては、探検家と教師の丁度中間にあたる。 上で挙げた2クラスと比べると接近戦での強さが一歩抜きん出ており、一般デュアルの中では守護者と並ぶ高さ。 近接武器適性がオールBなので、あらゆる武器で高技能時のボーナスを受けられる。 盾・二刀流適性もBであり、状況に応じて手に持つ装備を切り替えていくことができる。 一方で職業のイメージに反して(?)、銃を始めとする飛び道具の扱いは苦手。 なお投擲適性はBなため、強力な投擲物が手に入った場合は遠距離から戦うこともできる。 魔法適性はDと、メイジ並みの腕前だった混沌の戦士と比べてだいぶ低下してしまったが、それでも一部の領域では強力な攻撃魔法を使うことができる。 選択する領域としては探検家の方でも述べられている四領域の他、水脈収束と森林生成が使えるようになる自然もおすすめ。 二重耐性、鑑定、テレパシーあたりをつまみ食いできる死霊もアリと言えばアリ。 血の呪いはなんとも扱いづらい代物だが、強敵、特にサーペント相手に殴り合いを挑むよりは間違いなくローリスク。 自前の特技はフレーバー的なイメージがやや強いが、ライトエリアと帰還が使えるのは便利。 ただし混沌の戦士最大のネックであった、レベルアップの報酬に起因した不安定さはそのまま。 能力上昇や高級品獲得は引ければ美味しいが、逆にクエストマップでモンスター召喚を引いたり、強力な装備を武器呪縛でガラクタにされたりすると悲惨。 一応種族変容やステータスシャッフルといった致命的なものこそオミットされているとはいえ辛いものがあるので、 クエスト中のレベルアップは避ける、レベルアップの直前に武器を外す等、可能な限りのリスク回避はしておきたい。 そしてそれ以上に、上で挙げたスペックの高さを覆して余りあるのが、胴枠のキツすぎる装備制限。 レベルアップの報酬で解決できる可能性はあるが、それでも不安定極まりないのは否めない。おそらく殆どの場合、古い城の報酬が最終装備となるだろう。 必然的に他部位や自前の耐性で補っていく必要があるため、種族選びは慎重に。 強敵と戦うとかして消耗している時にレベルアップすると最悪の場合、なにもできずに死ぬことになるおそれがある。できればレベルアップする時にはある程度、万全な状態でレベルアップしたい。 - 名無しさん (2021-08-16 00 08 38) 選択領域次第では二重耐性や壁抜けも使えるので、その場合は混沌の戦士に比べてレベルアップ時の事故死を予防しやすいと言える - 名無しさん (2024-04-17 22 25 28) 名前
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87 名前: NPCさん 04/04/04 00 09 ID ??? ブレイド・オブ・アルカナをやっていたときのこと。 漏れのキャラは他の香具師らのより圧倒的に経験点が少なかった。 敵のボスは強いキャラに対応して作られていたため、漏れのキャラは戦闘系だったにもかかわらず、 全く攻撃を当てられなかった。 そこで漏れは『絶対攻撃』という、絶対命中する追加攻撃を繰り出せる必殺技を使おうとした。 (これは自分にも他人に持つかえる) するとあるプレイヤーが、それを自分(のPC)のために使えという。 自分のPCのほうが漏れのPCよりはるかに多いダメージを与える事が出来るからだ。 しかし漏れはそのシナリオでそこまで特に活躍してなかったし、 自分は他人をサポートするようなキャラじゃないので、といって自分に使った。 戦闘は無事終了しセッションも終わっての反省会、 もれは「お前のわがままのせいで戦闘が長引いて犠牲者がでたらどうするんだ」 「喪前のあっても無くても大差が無いダメージより、漏れの攻撃のはるかに有効だ」 「『漏れはこういうキャラだから』などというのは許されない』 という風に非難された。 これはやっぱり漏れがこまったちゃんなの? 88 名前: 浅倉たけすぃ 04/04/04 00 14 ID 6oAYJGzN そもそもブレカナって奇跡を使う際にPL同士で相談しちゃならんってルールなかったか? 2ndになってから変わったのか? っつうかなんだその弾劾裁判は 90 名前: NPCさん 04/04/04 00 14 ID ??? やや。 最初にプレイグループ間での空気というか方向性の確認を怠ってないか? 経験点に差のあるキャラを投入するのならそこらへんの確認は必須だろう。 91 名前: NPCさん 04/04/04 00 15 ID ??? 味方パーティーと敵との戦力比にもよるな。 味方が圧倒的に不利なら、貴殿の行動はつまらん我侭と判断される。 戦力比が同程度なら、まだ許容範囲だと思われる。 圧倒的に有利なら、みとめないほうが問題あり(カツカツの戦術マニア?)。 97 名前: 87 04/04/04 00 22 ID ??? 88 >そもそもブレカナって奇跡を使う際にPL同士で相談しちゃならんってルールなかったか? 奇跡を使う時に限らず、戦闘時に相談してはいけない、というルールはあります。 しかし、漏れの鳥取では厳守されていません。 90 >経験点に差のあるキャラを投入するのならそこらへんの確認は必須だろう。 漏れは他のプレイヤーよりプレイ回数が少なく低い経験点のPCを使わざるを得なかったのです。 91 最終的に誰も死なずに終わりましたが、その時点では戦況がどちらに有利かは判りませんでした。 また、戦闘が長引くと(死亡とは別に)キャラロストがありえるので・・・ スレ12 スレ12