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魔法少女なのは☆マギカ クロス元:魔法少女まどか☆マギカ 最終更新 11/06/08 第1話 子供の頃、夢に見てた 第2話 古の魔法のように 第3話 君はまだ夢見る記憶 第4話 君が望むモノは何? 第5話a 光を呼び覚ます 第5話b 願い TOPページへ
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ある管理地域においてロストロギア「インターネサイン」が稼動、そして事態を憂慮した時空管理局はクロノ・ハウライオン、 ユーノ・スクライアの2名の魔道士を派遣するも、稼動の半年後に突如起きた企業連合組織「アライアンス」、ジャック・O率いる レイヴン集団「バーテックス」との戦争に巻き込まれ負傷(外傷こそはないものの実は・・・)、その代役に高町なのは、フェイト・ハウライオン の両名を派遣することになる、そして「アライアンス」と「バーテックス」の戦争が双方の主力であるレイヴンの大半が死亡、ほぼ終結に向かい、 そしてジャック・Oの真意を知らずに彼女達はインターネサインが存在するサークシティー地下へと潜入する。 「何で人類の危機なのに戦争が起きるのかな?」 任務を聞きそう呟くなのは、嘆くも任務は任務と割り切りサークシティーに潜入し、ダクトを伝って地下に降りたとうとしていた、 途中でエイミィから通信が入る。 「気をつけて!ダクトの出口先で戦闘が起きている・・・この反応は、アーマードコアと全く不明の高エネルギー反応。」 アーマードコア、この世界における最強と呼ばれる人型兵器、それを駆る傭兵の事を人々は畏怖と敬意をこめて「レイヴン」と呼ぶ、 だがレイヴンもインターネサイン起動と共に大挙して現れた特攻兵器により大部分が死に、そしてアライアンスとバーテックスの戦争で常に 最前線において戦い続け次々と死んでいった。そしてダクトを飛びぬけ出口に到達した時・・・その戦いは終わりを告げようとしていた、 両者の相打ちとなっていた、ACと思われる青い機動兵器は、全く異質の機動兵器、機体はそのACと同じ色であるが形は全く違い、印象に残るのは 両腕の巨大と言ってもいい青いブレードである。そのブレードはACを貫いており、一方のACも左腕に装着されたレーザーブレードを突き刺していた、 そしてACのコア部分が開くとパイロットと思しき男が落ちる、なのははそれを慌てて受け止める。男の体は機動兵器との戦闘で深く傷つき、 もう息絶えようとしていた。 「だ、大丈夫ですか?」 「うう・・・子供?・・・何故子供がこんな所に?」 絶え絶えな声ながらもなのは達を見た男は問う。 「私たちはインターネサインの破壊にきました・・・。」 「・・・インター・・・ネサインはもうじき破壊・・・される・・・あいつが・・・あいつがやって・・・くれる・・・本当のドミナン・・・こぼぉ。」 「!!!!!」 男は息絶えた、その男の名前はエヴァンジェ、あるレイヴンと戦い自分の敗北を認め、大破したオラクルを駆り、 パルヴァライザーと相打ちになった、だが彼女達はそのようなことを知る由も無い。 だが彼女達は男の目を閉じ、素直に黙祷をささげた、悲しそうな顔をするなのはの肩に手をかけフェイトは 「いこう、なのは。」 と促す、が突然機能停止したパルヴァライザーが動きだした、なのは達を敵と認めたのかレーザー攻撃を行う、 それを回避して二人は得意の魔法を撃つ 「ディバインバスター!」 「サンダーブレイド!ファイア!」 二人の攻撃を受け、オラクルとの戦いの損傷の為か、パルヴァライザーは呆気なく炎に包まれ爆発する (しかし彼女達がやった事が後にとんでもないことを引き起こすのだが。) そして何もない空間を進む二人だがエイミィから通信が入る 「インターネサイン、機能停止された?」 インターネサインの中枢に何者かが侵入し破壊したということだ、確認の為に中枢に入る二人、そこで眼にしたのは 恐らく破壊されたと思われるインターネサインの中枢と二機のAC・・・1機は紫色の機体に二丁の銃らしき武装を持っているAC、 もう一機は銀と紺色で左手には先ほどのACが装備されていたブレードと同じ者が装備され、右手には機体サイズには不釣合いな巨大な銃を装備している。 「・・・そうか、ジャックも大老も・・・、エヴァンジェも恐らく・・・。」 「残るはお前と私の二人だけか・・・。」 「そうだな・・・。」 「なら残るは。」 紫のACの右手から加速された弾が撃ち出される。 「ッッッ!!ジナイーダ何をする!」 「私達の存在意義・・・それを何を意味するのか!姉・・アグラーヤ、ジノーヴィー、 エヴァンジェを倒したお前を倒し、最強となることでわかる気がする。」 「クッ!なら、いくぞ!」 二人にとってその戦いは止めれるものではなった、双方とも腕は拮抗しており、 最小の回避で攻撃をかわし、未来位置を瞬時に把握し反撃を行う・・・そして・・・ 銀と紺が起死回生を図ったブレード攻撃が紫のACをなぎ払った、地に膝を着く紫のAC 「・・・私はただひたすらに強くあろうとした、そこに私が生きる理由があったから・・・やっと追い続けたものに手が届いた気がする・・・『レイヴン』・・・その称号は・・・お前にこそ相応しい・・・。」 爆発する紫のAC、ただ見ている事しか出来ない二人に声がかかる。 「・・・君たちの御覧の通り、インターネサインは破壊した・・・『時空管理局』の魔法使いさん。」 銀と紺のACのコックピットから出てきた男はなのは達を見据える、警戒するなのは達だがそれを察知しているのか 「別に君たちに危害を加えるわけじゃない、安心しろ。」 となのは達に微笑む・・・ そして1時間後 なのは達はレイヴンに連れられて、彼の家にお邪魔することになっていた、何でも転移装置が故障したとか何とかで彼の家で時間を潰すことになった。 「子供の口に合うかわからんが、ほれ。」 男、リャノンと名乗るレイヴンがなのは達に紅茶を渡す、それを受け取るとなのはは問う 「どうして私たちのことを知っているんですか?」 「ああ、ジャックから話を聞いたんだ、以前企業が発掘した古代兵器が管理局の魔法使いに潰されたって・・・それに・・・聞いて見たいんだ、君達が戦う理由が、年端もいかない小さな君たちがどうして戦うのか?」 リャノンは真顔でなのは達に問う 単発総合目次へ その他系目次へ TOPページへ
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魔法少女リリカルなのはBR Stage01 ファイナルゲーム ◆19OIuwPQTE /01「決死の一手」 少し遠くで激しい戦闘音が聞こえる。 確認するまでもなく、なのはとキングが戦っているのだ。 それに引き摺られるように、仮初めの世界が鳴動する。 その振動でヴィヴィオの首筋に当てられた真紅のレイピアが僅かにぶれ、出来 た傷から血が一筋溢れる。 ユーノは思わず駆け寄りそうになるが、辛うじて自身を押し留める。 「どうした、応えられないのか?」 「………………ッ!」 そんなユーノの様子などお構いなしに、金居は答えを要求する。 ユーノは拳を握り、歯を食いしばる。 そして搾り出すように、ゆっくりと答えた。 「…………僕たちはこの【E-5】にあると思われる、“参加者を望んだ場所に転 移させる魔法陣”を使って脱出を考えていた」 その話し方から、ユーノが時間を稼ごうとしている事を、金居には容易に推測 できた。 だが金居は、ユーノが喋っている間は待ってやってもいいと判断した。 「もちろん、その魔法陣がまだ残っているとは限らないし、あったとしても脱 出に使えるかどうかは判断がつかない。 それにもし脱出できたとしても、僕たちは首輪から解放されてずいぶん経っ ている。 当然、危険な罠だって用意されているはずだ」 その理由は、絶対的優位から来る余裕。 もとよりヴィヴィオを捕らえている限り、脱出に関する利は金居にある。 「それでも、僕達にはこれしか方法がなかった。 たとえどんなに部の悪い賭けだろうと、どんなにリスクが大きかろうと関係 ない。 僕たちは絶対に諦めない、最後まで足掻き続ける。そう誓ったからね」 それに自分はアンデット。何が起こったところで、容易に死ぬ存在ではない。 故に金居は、僅かでも情報があればいいと、ユーノを止めることをしなかった のだ。 「だから僕たちはここに来たんだ。 このエリアの何処かにある魔法陣を見付け出して脱出をするか、それが出来 なくても何かの助けになればいい、そう願って調査・解析するためにね」 そしてそこまで聴いて金居は、少しだけ襲撃を早まったか、と思った。 金居(ついでにキング)は一度、八神はやてと共に魔法陣による転移を経験し ている。 つまりその場所も、その有用性も知っているという事だ。 だが自分たちは魔導師ではない。 つまり魔法陣を起動させることは出来ないということだ。 だがあと少し襲撃を遅らせていれば、ユーノ達を誘導し、魔法陣を起動させた ところで、シルバーケープを使って紛れ込むなり、無理矢理便乗する事も出来 たかもしれない。 そうすれば、たとえ転移に失敗しようが、転移した先に罠があろうが関係ない。 もし失敗しても、その時はその時。予定通りに行動すればいい。 それに自分たちはアンデッド。 たとえどんな罠があろうが、この会場から出てしまえば決して死なないからだ。 だが、それほど深く考えることでもない。 何故ならここには、二人も魔導師がいる。 なのはの方はキングが殺すだろうから使えないが、魔法陣を起動させるだけな ら一人だけでも十分すぎる。 従わなかった時は、殺せばいいだけだ。 金居はユーノの話を、そう結論づけた。 「それで話は終わりか?」 「残念ながらね……」 「そうか。 ならばついて来い、お前たちには魔法陣を起動してもらう。魔法陣の場所も 知っている」 「――――――ッ!」 「もっとも、何かの隙に反旗を翻されても困るのでな。可能であるのならば、 いつでも起動可能なようにしてもらう。 無論、拒否すれば殺す」 「わかった」 金居はそう言うと、ヴィヴィオに刃を当てたまま、魔法陣のある場所へと歩き 出した。 その時金居は、妙に物分かりの良いユーノに僅かな疑念を抱いたが、どうでも いいことと捨ておいた。 それが、ユーノの決死の策の、微かな失敗と気づかずに。 /02「エースオブエース その手の魔法」 地面に膝を付き、肩で大きく息をする。 対する相手は、傷一つなく、息も乱れた様子がない。 自らを最強と自負する敵――キングは、その言葉通りに圧倒的な力を持ってい た。 最強となるのに、複雑な技や入念な策などいらない。 すべてを砕く剣と、すべてを防ぐ盾があればいい。 キングの所有する最強とは、つまりそういう類のものだった。 その剣は、まともに受ければなのはのシールド魔法であっても容易に砕いた。 その盾は、なのはの砲撃魔法を防ぎきり、キングの死角からの攻撃にも対応し た。 かと言って、より強力な砲撃を行おうと足を止めれば、念動力でレイジングハ ートを奪おうとしてくる。 剣技自体はそれほどでもなく、遠距離攻撃にも乏しいのが救いといえば救いだ が、それでもその攻撃は苛烈だ。 防御し続ければ、容易に魔力を削られるので、回避するしかない。 それでも何度か攻撃は通っていた。 なのはが見つけた、キングの盾のただ一つの隙。キングが剣を振るって攻撃す る瞬間の、その剣筋のライン。 いかなる理由からか、そこにだけは、盾によるオートガードが発生していなか った。 なのははその僅かな隙に、幾度もシューターによる攻撃を行った。 だがその効果は薄く、ダメージを受けた端から再生していく。 今でこそ直接的な傷はないが、バリアジャケットはすでにボロボロだ。 このままでは、いつか決定的なダメージを受けてしまうだろう。 『大丈夫ですか、マスター』 「大丈夫、とは言いえないかな」 むしろ最悪と言ってもいい。 こちらの攻撃は殆ど効かず、あちらは一撃当てればそれだけで優位になる。 そうなる前に、どうにか効果的な一撃を当てなければならない。 「やっぱり、あれしかないかな」 『現状ではそれしかないでしょう』 「剣を交わしてその隙に砲撃を撃つか」 『盾の張れない零距離から、やはり砲撃を撃つ、ですね』 だがそれは、どちらもキングの剣を避けきることが前提となる。 なのはのバスターはその性質上、どうしても撃つ時に足を止めなければならな い。 もし砲撃を躱されたり、逃げる時間を稼げるだけの効果がなければ、その瞬間 にキングの剣がなのはを捉え、殺されるだろう。 だが、躊躇している余裕もない。 魔力には限りがあるし、倒すべき敵もまだいる。 さらには残された時間もあと僅かしかない。 なのはは少しでも可能性を上げるために、“最後の切札”の使用を決意する。 立ち上がってレイジングハートを構え、キングを睨みつける。 応じるように、キングも一歩ずつ踏み出してきた。 そしてここまで頑張ったなのはに、彼なりの賞賛を送った。 「さすが最強のエースって呼ばれるだけの事はあるね。まさかここまで粘るな んて。 けど、本当の最強は君じゃない、この僕だ。 だからさあ、早く死んじゃってよ」 その言葉になのはは、キングが優勝するために戦っているのではないことを知 った。 キングは、ただなのはが最強と呼ばれているのが気に入らないだけなのだと悟 った。 そして感じたのは落胆と、激しい怒り。 そんな事のために二人を殺したのかという、憎悪にも似た感情だった。 だからその間違いを正すように、自らの考え、あるいは感情を口にした。 「…………くだらないよ、そんな事」 「ん? なにか言った?」 「くだらないって言ったの。 誰が強いとか弱いとか、どっちが最強だとか。 私にはどうでもいい事でしかない」 「……なんだって?」 それは、キングにとっては信じられない言葉だった。 思わず自身の耳を疑い、なのはへと訊き返す。 「それは、一体どういう意味なのかな」 「言葉通りの意味だよ。 私は別に、自分が最強だなんて思ってないし、最強になりたい訳でもない。 私はただ、誰にも悲しい思いをしてほしくなかった。 私の知りうる限りの世界では、みんなに笑顔でいて欲しかった。 だからせめて、自分の手の届くところに居る人たちだけは助けようって、一 生懸命に頑張っていたの。 そうしたらいつの間にか、最強のエースオブエースだなんて呼ばれてただけ」 もともと「高町なのは」という少女は、どこにでもいるような、人より少し優 しいだけの女の子でしかなかった。 彼女が魔法を手にした理由ですら、偶然彼女に魔法の素質があり、偶然ユーノと出会い、そして必然的に彼女は、自分に出来ることをしようとしたに過ぎな い。 「私はね、みんなが笑顔でいてくれるのなら、強くなんかなくていい。 みんなが幸せでいられるのなら、世界で一番弱くたってかまわない」 「……………………」 それはつまるところ、この戦いにおけるキングの理由の全否定。 もしキングが「僕が最強でいいよね」と言えば、なのはは「うん、いいよ」と 返すだけの、無意味な独り相撲でしかなかった。 だが、なのはにとって、この戦いの理由は違った。 「この手の魔法は、悲しみと涙を撃ち抜く力。 泣いている人たちが、笑顔になれる場所まで導く翼。 だから、笑いながら平気で人を傷付けるあなたなんかには、 絶対に負けないッ!!」 なのははただ、キングが許せないだけ。 キングかこれまでにしてきた非道に怒り、 これからもするであろう凶行を阻止しようとしているだけだった。 「…………もういい。君、つまらない」 「ッ…………!」 キングはその事実を理解すると同時、心の内に在った熱が冷めていくのを感じ た。 後に残ったのは、怒りにも似た嫌悪感。 どうしてこんなヤツが、最強の称号を持っているのかという、拒絶にも似た感 情だった。 キングが気だるげに足を踏み出す。 そこには先ほどまでの、“遊び”に対する気の緩みはない。 普段キングは、その圧倒的優位な状況から、相手をなぶる様に戦う。 そのキングが、今度は自分から動く。そこに如何なる差異が生じるのか。 それを見極めるため、なのはは限界まで集中力を高めていく。 「こんなつまらない戦いなんか、早く終わらせよう」 「レイジングハート! ブラスターシステム、リミット1、リリース!!」 『Blaster set.』 “最後の切り札”の一枚目を切り、不屈のエースオブエースは、最後の死闘へ と赴いた。 /03「反撃の時」 「ここだ」 周囲には粉砕されたコンクリや亀裂の走ったアスファルト。目の前には『魔力 を込めれば対象者の望んだ場所にワープできます』と書かれた看板。 金居が案内したそこに、目標とした転送用の魔法陣があった。 「さあ、とっとと起動可能にしろ」 「……わかりました」 だが、その感慨にふける間もなく、金居が魔法陣の起動を急かす。 ユーノは言われたとおりに魔法陣に魔力を流し込み、同時に“解析”を掛ける。 そして魔法陣の緑色の光がある程度強まった頃、ユーノが口を開いた。 「駄目ですね、この魔法陣はある程度魔力を注ぎ込めば自動で起動するタイプ で、待機状態にする事は出来ません」 「そうか」 その事に金居は僅かに落胆するが、もともと魔法陣を待機状態にするのは保険 であり、出来なかったところで、さしたる問題は無かった。 「なら―――」 「ああそうだ、一つ言い忘れてた事がありました」 ないと思うが、そのまま魔法陣を使われて逃げられても面倒だと、ユーノに魔 法陣から離れるように言おうとして、その直前でユーノに口を挟まれる。 その事に僅かに苛つきながらも、その言い忘れた事とやらを聞く事にする。 その理由は先ほどと変わらない。 つまりは“余裕”からだ。 「何だ、言ってみろ」 「はい、わかりました。 これは直接的には、脱出とあまり関係がありませんけど、それでも言ってお きます」 だがその口ぶりから、金居はユーノへの警戒を僅かに強める。 ユーノは魔法陣へ手を当て、金居に背を向けたままだ。 「このデスゲームにおいて僕たちは、首輪と言う制限か掛けられていました。 と言うより、首輪があったからこそ、このデスゲームが成立したと言っても 過言ではありません。 ですがこの首輪は、ある時期を境に、容易に外せるようになってしまいまし た」 それは今この会場に生き残っている人間なら、誰でも知っている事だ。 それをなぜ今さら語るのか。 「その時期とはおそらく、第四回放送。 向こうに何か事情があったのなら、前回と同様代理に任せればよかったはず です。 それなのに、何故か十分遅れでプレシアが放送したあの時からでしょう。 僕たちは、あの時点でプレシアがこのデスゲームから去った可能性があると 考えました」 「そんな事は俺も気付いている。それがどうしたと言うんだ」 「それは即ち、このデスゲームの破綻を意味しています。 その理由は、一度放送の代理を行った人物です。 彼女たちはナンバーズと呼ばれ、様々な能力を有しています。 おそらく十分遅れの放送を行ったのも、変身能力を持つ彼女の姉妹でしょう」 「だからそれが何だと言うんだ。 無駄口を叩くだけならば今すぐにでも殺すぞ!」 ユーノの回りくどい言葉に、金居は段々と苛立ちを募らせていった。 だがそれさえも、ユーノの決死の策の一つだった。 「問題は彼女たちの背後、創造主とも言える人物です。 名前はジェイル・スカリエッティ。 研究者でもある彼の目的はおそらく、このデスゲームに使われた技術でしょ う。 そしてプレシアを退場させた時点でスカリエッティの目的の前提条件はク リア。 後は早々に離脱するだけ、長居をする必要なんて何処にもない。 証拠となるモノを処分して、さっさと退散すれば良いだけです」 そこまで聞いて、金居にもユーノの言いたいことが予想できるようになった。 そしてそれと同時に、内心に僅かな疑念と不安、強い焦燥が湧きあがり始める。 「目的を達成した時点で、彼にとって僕たちの結末はどうでもいいでしょう。 そして、ここが人工的に作られた世界であるのなら、その破棄は容易です。 この世界を構成するにあたって核となるモノを、停止か破壊すればいい。 そうすればこの世界は自動的に崩壊し、後には何も残らない」 世界全体が鳴動している。 心なしかそれは、先ほどよりも大きく聞こえた。 「……お前は、何が言いたい」 「タイムリミットですよ、このデスゲームの。 僕たちが考えたゲーム終了のリミットは約一時間。 次の放送までです。そして―――」 否。それは気のせいではない。 確実に、そして着実に大きくなっていく。 そしてユーノは、己が策の成就を宣言した。 「そのリミットは、もうすぐだ」 瞬間。 一際大きな振動が、仮初の世界を揺らした。 その振動によって金居は、僅かに体勢を崩す。 それと同時、ユーノが光と共に消えた。 「転移か!」 そう判断した金居は、ようやくユーノの策に気付いた。 彼はずっとこの機会を待っていたのだ。 そして自分は、ユーノの策にまんまと乗せられたのだと気付いた。 次にどこに逃げたのか、何故ヴィヴィオを平気で見捨てたのか。 そう考え、再び訪れた振動に足を取られる。 その直後だった。 「ケリュケイオン!」 『Set up.』 背後から逃げたはずのユーノの声がした。 思わず振り返り、同時に抱え込んだヴィヴィオの体が光る。 その光に一瞬眼が眩んだ。 瞬間、警戒の薄かった真正面から身体を断ち切られた。 「グウッ!?」 『Plasma Smasher.』 「――――――ッ!!」 痛みに耐えながら、即座にその方向へとレイピアを振るうが、ゼロ距離から放 たれた砲撃魔法によって吹き飛ばされる。 大したダメージはない。即座に体勢を立て直し、襲撃者を睨みつける。 そこには黒い戦斧を構え、自分のデイバックとシルバーケープを抱えたユーノ。 隣には何故か服装の変わったヴィヴィオがいた。 「ッ!! 逃がすか!!」 金居は即座に赤いレイピアで斬りかかる。 だがアンデッドに変身していない金居では、その行動は僅かに遅かった。 ユーノはシルバーケープを着こみ、ヴィヴィオを抱えると、 『Sonic Move.』 その音だけを残して消え去った。 遅れてレイピアが空を切る。 金居は振り抜いた姿勢のまま動かない。 この結末の理由。 それはこの事態を予想していた者と、そうでない者の、心構えの差だった。 「くそぉ!!! 次は殺すッ!!」 近くの瓦礫へと、力の限りレイピアを叩きつける。 行き先は簡単に予想が付く。 金居はアンデッドへと変身し、彼らが向かうであろう場所まで駆けだした。 「ここまでくれば、とりあえずは大丈夫か」 バルディッシュによる高速移動を解除し、岩陰に隠れる。 その際、シルバーケープによる光学迷彩も一緒に解除する。 「ヴィヴィオ、怪我は大丈夫?」 「大丈夫。でも私よりユーノさんの方が」 「僕だって大丈夫だよ。こんな傷、スバルや天道さんの受けた痛みに比べれば、 どうって事ない」 そう言うユーノの肩口は、明らかに血で滲んでいた。 これは不意打ちを行った際に受けた傷だった。 先の不意打ちにおいて、重要な役割を担ったモノが三つあった。 それは「念話」と「バリアジャケット」、そして「会場の崩壊」だ。 本来リンカーコアを持たない者に、念話もバリアジャケットの装着は行えない。 だが、ヴィヴィオには疑似リンカーコアが残っていたおかげで、一応だがそれ らの行使が可能だった。 更にユーノは、魔法陣を調べた際にそれを通じて会場の状態を“解析”し、崩 壊が起こり始めるおおよその残り時間を割り出したのだ。 結界魔導師であり、スクライアの一族として幾つもの遺跡を発掘した事のある 彼にとって、それは容易な事だった。 そして念話によって彼らは、金居に知られる事なく奇襲を計画する事に成功し たのだ。 後は会話によって金居の注意をヴィヴィオから外し、 転移によってユーノが逃げたと金居が誤解したところを不意打ちし、 バリアジャケットを装着する際の一瞬の光を目くらましに利用したのだ。 「ヴィヴィオ。僕はソニックムーブでの移動に専念するから、君は金居のデイ バックから使える物がないが探してくれ。 可能な限り揺らさないようにするけど、一応ヴィヴィオも気をつけて」 「うん、わかった。ヴィヴィオ、頑張る」 「ありがとう、ヴィヴィオ。 バルディッシュ、頼んだ」 『Yes, sir. Sonic Move.』 目的地はなのはの元だ。 キングと金居が組んでた以上、なのはを一人にしておくのは危険だと判断した からだ。 もし金居がなのはの元へ向かった場合、あの強敵相手に二対一となってしまう。 それでは流石のなのはでも勝ち目が薄い。 だから、たとえ戦力にはならなくても、足止めくらいにはなってみせる。 心の内で、ユーノはそう決意した。 ヴィヴィオを所謂お姫様抱っこで抱え、再びバルディッシュによる高速移動を 再開する。 その直前、ユーノは抑えきれない感情を呟いた。 「なのは、無事でいてくれ」 Back Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) 時系列順で読む Next 魔法少女リリカルなのはBR Stage02 心の力を極めし者 Back Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) 投下順で読む Back Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) 高町なのは(StS) Back Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) ユーノ・スクライア Back Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) ヴィヴィオ Back Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) キング Back Round ZERO~AMBITION SECRET(後編) 金居
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【L change the world after story】 血塗れの包丁 シャマルに支給。 Lがミッドチルダに来てから、初めて捜査協力した事件で使われた凶器。 犯人の女性が浮気をしていた恋人を刺した時のもので血が刀身全体に付着している。 菓子セット アグモンに支給。 Lが考え事をする時に重宝する菓子のセット。甘いものが大量にある。 【ウルトラマンメビウス×魔法少女リリカルなのは】 修行僧衣 武蔵坊弁慶に支給。 第14話においてウルトラマンレオことおゝとりゲンが着ていた墨染めの衣。 ナイトブレス シェルビー・M・ペンウッドに支給。 ウルトラマンヒカリに変身するための青いブレスレット。ブレスレット本体にはナイトブレードが収納されている。 ナイトブレードをナイトブレスに装填することでウルトラマンヒカリに変身することが可能。 ウルトラマンメビウスのメビウスブレスと合体することで、ウルトラマンメビウスはメビウスブレイブへとパワーアップすることが出来る。
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魔法少女リリカルなのは ULTRA SEVEN story クロス元:平成ウルトラセブンシリーズ 最終更新:08/08/15 第一話 潜む陰 第二話 ランナウェイ 第三話 招かざる異邦人 TOPページへ このページの先頭へ
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ホテル・アグスタ襲撃事件、後にそう呼ばれる事となる今回の事件は、一夜にしてミッドチルダ全土を震撼させた。 事の発端はオークション会場でもあるこのホテルにガジェットが襲撃、更にその後に現れた魔導師の手によってアグスタは崩壊、 警備に当たっていた管理局員のうち、六課前線メンバーは奇跡的にアグスタの瓦礫の中から救出されたのだが、 本局の局員は被害を被り、死傷者・行方不明者合わせて数十名という未曾有の大惨事となった。 そして今回の警備責任者で六課の部隊長でもある八神はやては、数日後に開かれる六課の是非を問う審議会を控えていた。 リリカルプロファイル 第十七話 手札 事件から数日後、此処六課の訓練所にはヴィータとなのは、そしてティアナの姿があった。 だがその中にスバルの姿は無く、なのははスバルの事をティアナに問いかける。 「ティアナ、今日もスバルは……」 「……はい」 襲撃事件から三日後、目を覚ましたスバルは部屋に引きこもり、食事も睡眠すら取らずにいた。 そんなスバルの様子を心配したティアナはスバルに優しく話しかけるが、 スバルは暫く一人にして欲しいと一言呟くと、じっと一点を見据え指にはカシェルから貰った指輪がはめられていた。 ティアナは、…今スバルには一人の時間が必要なのだろう…と考え、スバルの言葉に応じ部屋を出て別の部屋で寝泊まりする事となった。 しかし訓練所や何処かへ行く際には必ず、スバルに声を掛け毎日食事を届けているのだが、未だスバルの傷は癒えぬまま現在に至っているのである。 そして今日も訓練所に来ないスバルに対し、ティアナは落ち込む表情を見せながら俯き口を開く。 「スバルはもう……駄目かもしれません………」 「ティアナ……」 ティアナは思わず悲観的な言葉を口にする。 …スバルはきっとカシェルの死を受け入れる事が出来ないでいる、そして今ある現実から逃げている… スバルの様子を改めて思い返し、そう考えるティアナ。 するとなのはは、瞳を閉じゆっくりと息を吐く、そして瞳を開くとティアナに語りかけるように言葉を口にする。 「ダメだよ…ティアナがそんな事言っちゃ」 その言葉にティアナは顔を上げると、なのはの瞳は怒りとも哀しみとも取れる色を宿していた。 そしてなのははティアナの肩に手を当て話を続ける。 「ティアナはスバルの友達なんだよ?」 「なのはさん……」 「それに…スバルの傷を癒せるのはティアナだけなんだから」 なのはのその言葉は、ティアナの過去を知っているからこその発言であった。 “大切な者を失う痛み”それを知っているティアナだからこそ、スバルの力になれるハズだとなのはは語る。 その言葉にティアナは俯き目を閉じる、…今まで自分はスバルが現実から逃げていると思っていた。 だがそれは違っていた、自分もまたスバルから逃げていたのだ…と。 ティアナは何かを決意したかのように頷き顔を上げる、するとその表情には迷いが無く決意に満ちていた表情を表していた。 「なのはさん!私スバルの所に行ってきます!」 「うん分かった、いってらっしゃいティアナ」 なのはの了承を得たティアナは、早速スバルがいる部屋へと向かい、その後ろ姿を見届けるなのは達。 辺りが沈黙に包まれる中、今まで黙っていたヴィータの口が開く。 「んで、どうすんだよ今日の訓練は」 「そうだね……今日は一日中ヴィータちゃんと模擬戦…かな」 「ゲッ!マジかよ!」 そう言ってヴィータの顔を見るなのは、その顔は笑みを浮かべていたが、 その目はまるで獲物を見つけ狙いを定めたかの様に細く鋭く光っており、ヴィータは思わず青ざめる。 あの敗戦後、なのは達は知らず知らずの内に己の力を過信していたと考え、それぞれ鍛錬を始めていた。 幸い此処六課には鍛錬に相応しい人物が集まっている。 そしてスターズはスバルがいない分、午前中は二人でティアナが動けなくなるまで鍛え上げ、 午後はヴィータとなのはが模擬戦を行う形を取っていた。 しかし今回はティアナがスバルの元へ向かった為、朝からなのはと一日中模擬戦へと変わったのである。 ヴィータは明日は筋肉痛は確実だなと考えつつグラーフアイゼンを起動させ構えるのであった。 一方ティアナはスバルがいる部屋の扉の前にいた。 ティアナは深く深呼吸をすると、覚悟を決めスバルが居る部屋へと入る。 部屋の中は暗くカーテンも閉め切っており、部屋の中心にはスバルが座り込んでいた。 スバルの目は虚ろで隈が出来ており一睡もしていない様子で、後ろには朝ティアナが持ってきた弁当が手つかずに置いてあった。 スバルは通常勤務なら四・五日寝なくても平気なのだが、今のスバルは 苦悩や悲観や憎悪、そしてカシェルへの想いが頭を駆け巡り、精神的に疲弊している状態なのである。 そんな目を背けたくなる様子のスバルだが、ティアナは真横へと近づき両膝を付く形で隣に座る。 そして辺りは沈黙に支配され、一分すら悠久の時の長さにすら感じる部屋の中でスバルの口がゆっくりと開き始めた。 「……ティア」 「…うん」 「私ね…カシェルの事、好き……だったんだと思う…」 そう言うとスバルはカシェルとの思い出を話し出す。 最初はただの男友達だった…しかしカシェルは優しく、色々と手を貸してくれた。 一緒に訓練や学習をしたり、自主練に付き合ってくれたり、宿題に付き合ったり…それに食事を奢ってくれた事もしばしばあった。 そしてそれらが積み重なっていくうちに、自分に兄が出来たような感覚を覚えたと。 自分には二つ上の姉がいる、それ故にカシェルに姉の面影を重ねていたのかも知れない…その事をカシェルに話してみると、 微笑みを浮かべ、スバルの頭を撫でながらカシェルもまた自分の事を妹のように思っていると答えたと。 そう嬉しそうな雰囲気で思い返しているスバルにティアナは問いかけた。 「今でもカシェルを兄として?」 「……………分かんない」 今スバルの胸の内に広がるカシェルへの想いは兄としてなのか、男としてなのか…今はもう判断出来ない。 だがどちらにせよ、カシェルといた時間は、何よりも充実していたとスバルは微笑みを浮かべながら語るが、すぐに笑みが消え暗い表情に変わる。 カシェルの励ましもあり六課に編入したスバルは強くなる為に努力し、またいつかカシェルと会える事を楽しみにしていた、だがその願いは無惨にも打ち砕かれた。 カシェルは見るも無惨な姿となってスバルの前に敵として現れた。 その時自分はカシェルに対し何も出来なかった、カシェルを救い出すことも、カシェルを苦しみから解放させる事も… そして今、カシェルの為に何が出来るのか自分は悩み続けていると囁くように語った。 「ねぇ…ティア……」 「うん?……」 「私…カシェルに何をしてあげればいいんだろう」 スバルの言葉にティアナは瞳を閉じ考え込む、そして五年前の自分を思い出していた。 …あの時、兄を無くした自分は涙が枯れるまで泣いた。 犯人を恨み復讐を誓おうともしたが、犯人は自首し更に自殺した為それすら適わなかった。 そして兄の為に自分が出来る事…それは兄の夢を引き継ぐ事、その決意は“大切な者を失った痛み”を和らげ今に至っている。 そしてスバルは五年前の自分と同じ状況にいる、しかしスバルと自分では大きな違いが一つ在る。 それは敵討ちの相手がいる事だ、だが心優しいカシェルが復讐など望んでいるハズがない。 ならばスバルがカシェルに出来る事は一つしかない、そう考えるとスバルの肩に手を当て優しく答えた。 「……それは勿論、カシェルの為に泣いてあげる事よ」 スバルが泣いて悲しんであげる事でカシェルが生きていた“証”になるとティアナは語る。 その言葉にスバルはティアナの顔を見上げる、ティアナは優しい笑みでスバルを見つめていた。 スバルはティアナのその表情にカシェルの陰を見ると、今まで胸の内に溜めていた様々な感情が込み上げていく。 そしてティアナの肩を掴み顔を胸に埋めると、込み上げた感情が声となり涙となってティアナの胸の中で解き放たれた。 「っ!…カ…シェル……うっ…うぁぁああああああああ!!!」 スバルは泣いた…泣き叫んた…声が枯れる程に…涙が枯れる程に… そして…その感情を優しく包み込むようにスバルを抱き締めるティアナ。 「強くなろう…スバル……」 ティアナの言葉に頷きつつ涙を流し続けるスバル、それを全身で受け止めるティアナであった。 それから数日後、八神はやて率いる六課の是非を問う審議会が此処本局にある審議室にて行われる事となった。 部屋は広く、はやてを中心に左の席にはクロノ提督、レジアス中将、カリム少将と並び、右側の席には伝説の三提督の姿があった。 そして審議席にあたる後方の位置には複数のモニターが設置されており、管理局の一佐から三佐までの顔を表示されていた。 だがその中にはやてが師匠と呼ぶゲンヤの姿は見受けられなかった。 そしてはやての正面には巨大なモニターが設置されており、更に上には左から順に青・赤・黄色の最高評議会のエンブレムが映し出されたモニターが設置されていた。 そして巨大モニターの隣には竜を模した杖を携える老将の姿があった。 ガノッサ提督、かつて伝説の三提督と共に一時代を築き、生涯現役を今も貫き通す、自称神を屠る者と呼ばれる人物である。 今回はガノッサが審議の中心となって指揮を取るようである。 …そして開始時間になり審議会が開幕された。 「これより六課の是非を問う審議を執り行う」 まず今回のアグスタ襲撃によって被った被害は本局の局員数十名、ホテル・アグスタの崩壊、そして歴史的価値のあるロストロギアの破損・消失などが上げられた。 そして今回はやては六課…いや管理局の切り札とも言える能力リミッターを解除を承認した。 しかし結果は上記の通り、その被害結果により、はやての指揮官能力へと審議は移る。 するとモニターの審議者達が今回の結果に対して次々に述べ始めていた。 「…所詮二佐とはいえ小娘、部隊長としての技量など知れたものだったのでは?」 「いくらレアスキルを持っていてもな…些か特別扱いし過ぎたのではないだろうか」 「そうかもしれんな…それに彼女は闇の書事件の当事者であるしな」 するとクロノはモニターの審議者の最後の言葉に対し、手を挙げ異議を唱える。 「待ってくれ!今回の審議の内容ははやての指揮官能力の是非についてだ!闇の書の事件は関係ないハズだぞ!!」 クロノの言葉に一同はざわめくと、ガノッサは静粛を促し更に話を続ける。 今回において能力リミッター解除は結果的に有力ではなかった。 つまり貴重な切り札を無駄に切ったと言うところにある。 それは指揮官としてどうなのかはやてに問いかけると、はやてはこう答えた。 「確かにあの場で切り札を切るんはどうかと思いました、せやけどあの時あの犯人、 レザードをこのままにしとくんはミッド…ひいては次元世界全てに被害が被ると思うたからです」 はやての力強い発言に頷くクロノとカリムに対し、ガノッサはエンブレムが映し出されているモニター、最高評議会に問いかけると赤いモニターが反応する。 「如何しましょう?最高評議会の皆様……」 「……古代遺物管理部第六課の解散を要求する」 「何故ですか!」 最高評議会の決定に今度はカリムが申し立てる。 六課は設立して数ヶ月のうちにロストロギアであるレリックの回収や、リニア事件から姿を現した不死者の解析など、様々な功績を立てたと。 今回の失態一つで今すぐ解散を促すのは如何なものかとカリムは主張する。 するとカリムの主張に黄のモニターが応え始める。 「確かに古代遺物管理部第六課は設立されて日が浅いうちに様々な功績を立てた。 だが…今回の失態はそれらの功績を積み上げても手に余るのだよ」 故にこの様な判断を下したと語り、その判断に不服はないかとガノッサは問いかけると、はやては口を開く。 「…確かに今回の失態は大きいと思います、せやけど六課のみんなは頑張って仕事をしております! それにこれからの事を考えれば六課の存在は必要なるん思います! せやからお願いです!今回の失態、私の首一つで片付けてもらえませんか?」 「……状況を飲み込めて居ない様だな八神二佐、事態は貴様の首一つで収まる状態では無いのだ」 はやての申し出に対し今度は青いモニターが話し始める。 今回の六課の失態で、民衆は魔法に対し大きな不信感を抱きつつある。 管理局は魔法に対し質量兵器とは異なり比較的クリーンで安全な手段だと謳っていた。 しかし今回の事件によって魔法による破壊工作及び殺人行為が可能だという事が、露呈し広まってしまったと。 その情報は管理局の意向に反した情報、しかも一夜にして全土に知れ渡ってしまった。 その発端を作ったのが六課であり、あの男レザードの所業であると。 レザードはアグスタを魔法によって崩壊させ、更に失踪事件を引き起こし失踪者を用いて不死者を製造した人物でもある。 そんな人物がミッドチルダに潜伏している、次は何処を狙われるか…誰が狙われるか…民衆は不安で仕方がない。 そしてそれらを払拭する為にも、今回の事件を招いた六課の解散は否めないと語る。 「元々古代遺物管理部第六課は実験的に設立した部隊、そして…このような失態を生んだ部隊に最早存在価値など無い」 最高評議会は吐き捨てるように事実を叩きつけると、はやては何も言えず萎縮する。 そんなはやての姿を後目に、ガノッサは最高評議会の意向を受け六課解散を宣言した。 次にはやてに対するの処分の審議を始めようとすると、レジアス中将が割り込むように挙手する。 「何かな?レジアス中将…」 「八神二佐の処分、それは儂に任せて貰えんか」 思わぬ人物の提案にガノッサは顎に手を当て考え込む。 …あのレジアスが自ら動くとは、だがあの男ならば甘えなど無く処分を言い渡すだろう… それに今のはやては本局にとっては“害”に過ぎない、それ故に地上本部が引き取ってくれるのであれば願ってもない事かも知れない。 その旨を最高評議会に話してみると満場一致で了承し、八神はやての処分はレジアス中将に一任する事となり審議会は閉幕した。 「では八神二佐、ついて来たまえ」 レジアスはそう言うと席を立ち、はやてはレジアスの言われるがまま、ついて行く事となった。 それを苦虫を噛み締めるような表情で見つめるクロノ達であった。 …審議会を終えたクロノは自分の船、クラウディアへと戻りブリッジへ続く通路を歩いていた。 そしてブリッジへと辿り着くと、金髪の青年がクロノを出迎える。 彼の名はロウファ、本局の一等空尉でクロノの補佐を務めている。 クロノは席に座ると深くため息を吐く、その様子にロウファは質問を投げかけた。 「お疲れさまです艦長、審議会はどうでしたか?」 「…どうもこうもないな、あれではただの吊し上げだ」 今回の審議の結果に頬に手を当てふてくされた様子で話すクロノ。 今回の審議会はまるで六課の失態を期に解散させようとする雰囲気に満ちていた。 そして結果的に六課は解散を余儀なくされ、はやては本局から追い出される形で地上本部に出向になったと。 一通り説明を終えたクロノであったが、未だその顔は不機嫌なままであった。 其処へお茶を持った那々美一等陸士が姿を現す。 「艦長、お茶を用意いたしました」 「あぁ、すまない那々美」 クロノは手を伸ばしお盆からお茶を持つとゆっくりと啜る。 するとクロノの口の中に甘ったるく濃厚なミルクの味が広がり、思わず喉を詰まらせる。 何故ならその味はかつて母が飲んでいたお茶の味をしていたからだ。 その味にクロノは那々美に問いかける。 「なっ那々美、このお茶は一体?!」 「この前送られて来たんです、緑茶ラテと言うそうです」 送られてきた緑茶ラテの量はダンボール一箱分、送り主はリンディ・ハラオウン、クロノの実の母親である。 そして同封された手紙にはこう記されていた、【疲れた時には甘い物をとって疲れを癒してね】と。 クロノは思わず頭を押さえる、何故ならばクロノは甘い物は苦手であるからだ。 更に量はダンボール一箱分、確かに疲れている時には甘い物は有効だ。 だがそれにしたって量が半端ではない、寧ろ糖尿病に掛かってしまうレベルだ。 クラウディアにはクラウディアで新たな問題が発生したとクロノは頭を抱え左右に振ると、オペレーターである夢瑠一等陸士が暗号通信を受信したとクロノに伝える。 「誰からの通信だ?」 「え~っと、ガノッサ提督からみたい……です!」 クロノの指示のもと夢瑠は暗号を解析、通達された内容は指定された場所と日時に信頼できる部下を一人引き連れて来るようにという事であった。 その内容にクロノは腕を組み考え込む、あのガノッサ提督からの通達ではそうそう無碍には出来ない。 クロノは半ば諦めに近い形で内容を受託、早速クラウディアは指定された場所へと進路を取り始める。 その中、ロウファはクロノに問いかけた。 「それで現場には誰と?」 「そうだな…ジェイクと、だな」 「成る程、あの人なら安心ですね」 クロノの放った名に納得するロウファ、ジェイクリーナス一等陸尉、数々の実績と経験を兼ね備え、教官資格も取得している人物である。 そしてクロノ率いるクラウディアチームは一路ガノッサが指示したポイントへ向かうのであった。 場所は変わり此処はゆりかご内のレザードの施設、中ではレザードが入手した操呪兵設計図面を基にゴーレムを作成していた。 その中何かに気が付いたレザードが声をかける。 「覗き見とは感心しませんね、セイン……」 そう言うと床からセインが飛び出すように出て来た。 レザードはセインを横目に頭を横に振る、どうやら訓練から逃げ出してきた様子だ。 「またサボったのですか?仕方がない人ですね」 「だって私偵察型だよ?戦闘型と一緒に訓練したらコッチが持たないよ」 「やれやれ…そう言えば、黄金の鶏はどうしています?」 「コッコの事?今日はウェンディが面倒を見ているよ」 コッコとは黄金の鶏のあだ名らしく、コッコの面倒はナンバーズが一日交代で面倒見ていると。 そう言うとセインはレザードが作成しているモノに目を向ける その姿は頭部が小さくモノアイで、上半身は巨大で腕は太く、下半身には足の代わりに浮遊体のような球体が二つ付いた姿をしていた。 「…博士、これは一体何です?」 「これですか?ゴーレムですよ」 「あぁ、例の設計図の」 セインの言葉に頷くレザード、しかし設計図通りに造るのは面白くないと考えガジェットの技術やアレンジを加えていると話す。 ゴーレムの動力源は人造魔導師の技術を応用しリンカーコアを起用、 表面の装甲は軽くて強固なミスリル銀、内部材質は弾力と耐久力を持つダマスクス、そして頭部・腕の外装甲は特別にレザードのデバイスと同様オリハルコンで造られていると。 そしてリンカーコアを搭載させている事で、ある程度の魔法を使用する事が出来る。 そして今の完成度は80%と自慢げに語った。 「へぇ~、それでコレって名前あるの?」 セインの言葉に考え込むレザード、確かに名前が無けれは色々と不便である。 そしてどんな名前にするか考えていると、かつて自分が造ったホムンクルスの名を思い出し、思わず苦笑する。 「どうしたの?博士」 「いえ何でもありませんよ………名前ですが、ベリオンと言います」 「ベリオンかぁ」 そう言ってベリオンを見つめるセイン、すると入り口からウェンディの呼ぶ声が響く。 「あぁ!!こんなとこに居たんッスかセイン姉!トーレ姉がカンカンッスよ!」 ウェンディに窘められたセインはレザードに別れの挨拶を交わし足早に去っていく。 レザードはまるで台風にでも遭ったかのような印象を受けていた。 一方、審議会を終えた二人はハイヤーで地上本部へと向かっていた。 車内はレジアスとはやてが乗っており、カーテンは締め切られて、外の様子が全くわからない造りをしていた。 暫く車内は沈黙に包まれているとレジアスがはやてに問い掛ける。 「八神二佐、突然ではあるが、君はホワイトナイトという株用語を知っているかね?」 突然の質問に困惑するはやてだが、レジアスの質問に答える。 ホワイトナイトとは株用語の一つで、買収される企業にとって友好的な第三者の事を指すと。 はやては話し終えると今度はクラウンジュエルの事を聞いてくる。 クラウンジュエルとは、買収する企業において資産価値、収益力、事業力などが最も魅力的な部門を指すと答えた。 はやては一通り説明を終えるが、疑問を感じていた。 何故株用語を聞いてきたのか、まさか自分に株でもやれとでも言うのだろうか? そう考えているとハイヤーが止まり扉が開く、はやてはハイヤーから降りると此処はかつての機動隊の隊舎で、入り口にはゲンヤが出迎えていた。 はやては困惑していると、レジアスとゲンヤが付いてくるようにはやてに指示、三人は隊舎の中へと赴いた。 隊舎の中は綺麗に掃除されており、とても八年前の建物とは思えない作りをしていた。 三人は通路を道なりに歩いていると、ドアへと辿り着く。 そしてドアを開くとその光景にはやては唖然とする、ドアの先に広がる光景とは六課のロングアーチとよく似た施設が広がっていたからだ。 はやてが唖然としている中、レジアスがはやての処分を言い渡す。 その内容とは、此処機動隊の隊舎を基に新たな部隊の部隊長を任せると。 だがその任はまるで、もう一度六課を設立しろと言っている印象をはやては受けていた。 そしてはやては深々とお辞儀をし、大声で感謝の弁を述べる。 「有り難う御座います!こんな私に―――」 「八神二佐、何か勘違いしているようだな」 レジアスの言葉に頭を上げ首を傾げるはやて、レジアスの主張はこうである。 今回の事件で一番の問題点は六課の失態ではなくあのレザードという存在であると。 奴の存在によってミッドチルダの安全神話は崩壊した。 奴をこのまま野放しにすればミッドの地上は危うい、そこで今回の失態により株価が落ちたはやてに目を付けたという。 だが、はやてに現状に存在している部隊を渡すのはもったいないと考え、この様な処置を与えたと語った。 「機動隊は我が地上本部の汚点とも言える存在、つまり…本局の汚点と言える貴様に地上本部の汚点を与える、此ほどの相応しい処分は無いと思われるがな」 そう言って悪意に満ちた笑みを浮かべるレジアス、更に機動隊の隊舎を与えるという事は、最前線で戦ってもらう事の意味も含めているという。 何故ならレザードという前代未聞の犯罪者に、地上本部の局員を全面に押し出せば此方の戦力はがた落ちとなる。 それを防ぐ為の部隊でもあるとレジアスは付け加えた。 だがはやてはその言葉の裏に潜む意味を理解すると同時に、レジアスが車内で問い掛けた質問を意味を理解する。 レジアスは六課の存在を本局のクラウンジュエルとして見立てていた。 そして地上本部と言うホワイトナイトによって六課を回収する為この様な処置を行ったのであろう。 だが六課の再建は管理局…いやレジアスの株を下げ痛烈な非難を浴びる事になる。 しかしレジアスはそれを覚悟でこの様な処置に至ったと…するとはやての目に涙が浮かび上がっていた。 だがはやては涙ぐむ目を左腕で拭い敬礼を行う。 「八神はやて二等陸佐、謹んで処分をお受けいたします」 その返事を聞いたレジアスははやてに背を向けると、まずゲンヤが出て行き、レジアスがドアの前まで向かうと立ち止まり大きな声で独り言を喋り出す。 「しかし…今の時期に新たな部隊に戦力を渡してくれる者など居るだろうか? まぁ、いざとなったら最近解散した六課とやらの人材でもかき集めるがいいだろうな 何も知らぬ素人より役に立つかも知れんしな」 そう言うと後にするレジアス、その場にははやてが一人ぽつんと立っていた。 だがはやての顔は徐々に笑みを浮かべ始め、まるで子供が新しい玩具を手に入れた時のような表情を現していた。 「ヨッシャァァ!!やったるでぇぇ!!」 気合いとともに叫ぶはやて、六課はまだ終わってはいない、此処からまた六課を作り直す!…そう意気込むはやてであった。 その意気込みをドアの向こうで聞いていたレジアスとゲンヤ。 そしてゲンヤは通路を歩き出すと目だけをレジアスに向け呆れた口調で話す。 「相変わらず…大きな独り言だな」 「フンッ………」 ゲンヤの言葉に一言で答えるレジアス、そして二人は今度こそ、その場を去っていったのであった。 一方クロノはガノッサが指定したポイントに辿り着く。 そこは研究施設のようでクロノとジェイクリーナスは通路を進んでいくと突き当たりのドアに辿り着く。 其処には先に到着していたガノッサが佇んでいた。 ガノッサの隣には青髪の女性がおり、ガノッサの秘書を務めているようである。 ガノッサはクロノの姿を確認するとドアを開け中へと入る。 そしてクロノも後に続き中に入ると、部屋の中にはバリアジャケットや騎士甲冑を着込んだ男女十名が整列していた。 その姿にクロノはガノッサに問いかけてみると、ガノッサは秘書にモニターを起動させるように指示、 起動させたモニターには最高評議会のエンブレムが映し出されると、クロノの問い掛けにモニターが答えた。 ―――“人型デバイス”エインフェリアであると――― 前へ 目次へ 次へ
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機獣新世紀リリカルなのはスラッシュゼロ クロス元:ゾイド新世紀スラッシュゼロ 最終更新日10/6/14 第一話「白き獅子」 コメントはこちらに コメントログ 今日このページは - 回ストライクレーザークローをしました 昨日このページは - 回荷電粒子砲を撃ちました 現在までにこのページは - 回ウィーゼルユニットフルバーストを撃ちました
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「スバル、ティアナ!それにナノハ!」 「ジャン……」 ゲキレッドに呼ばれた3人は、立ち上がり、声を揃えてレッドに視線を送る。 「お前達も、やるぞ!一緒に!」 「一緒に……?」 「でもジャン、魔力と激気は……」 「そんなの関係無い!!」 「……ッ!?」 ティアナの言葉を遮るゲキレッド。スバルも、ティアナ同様驚いている様子だ。 「魔法も激気も関係無い!俺達なら、できる!感じろ、体の奥から漲る力を!」 「体の奥から……漲る力……」 レッドに続き、呟くスバル。 「そうか!僕達の技を合体させれば……!」 「……魔法とゲキ技の融合……」 ジャンの口ぶりから、言わんとする事を理解したゲキブルーが一歩前へ出る。そしてティアナがそれを復唱。 「スバル達の魔法と、私達の獣拳を……うん!やれるよ、私達なら!!」 「ラン…………そうだね、やろっか!大技!!」 ゲキブルーに並ぶゲキイエロー。スバルも力強く頷いた。 ゲキレッドの言葉に、何か……体の奥から沸き上がる何かを感じる一同。 「凄い……これが、激獣拳……」 「なのはさん?」 「スバル、ティア……」 なのはも立ち上がり、レイジングハートを構え、ゲキレッドの横に並ぶ。その表情は、自信に満ち溢れていた。 「見せ付けよう……私達の、全力全開を!!」 「「はい!」」 スバル達も嬉しそうに答え、なのはの横に並ぶ。これなら本当に出来るかもしれない。 「参ったぜ……本当に力が沸き上がってくるみたいだ……!」 「押忍ッ!そうと決まれば、やろうぜ皆!」 「ゴウさん……ケンさん……!」 微笑むティアナ。ゲキバイオレットとゲキチョッパーも拳を握り締め、並んだ4人の横に駆け寄る。 「そうだよね……私達の力を合わせれば……」 「倒せない物なんて無い!見せてやろう、激気と魔力の合一を!」 「ラン……レツ……!」 ゲキイエロー・ゲキブルーも皆の後に続く。立ち上がった二人に、スバルも笑顔になる。 「行くぜ、皆……ギュオンギュオンだッ!!」 「うん……やれるよ、ジャン!」 気合いを入れるゲキレッド。凄まじい気迫だ。そんなゲキレッドを見て、なのはは力強く言った。 ゲキレンジャー5人と、なのは・ティアナ・スバルの計8人が肩を並べる。壮観だ。 「「「はぁぁああああああああああああッ!!!」」」 スーパーゲキレンジャーの三人の背中から、激しい過激気が噴射される。バイオレットやチョッパーの体からも、紫激気・激気が吹き出しているのが解る。 「凄い……私達の魔力が……!」 「皆の激気と、混ざり合ってる!」 それに当てられ、なのは達3人の魔力も急激に上昇する! 感覚的には、全身から、激しい魔力が噴き上がるような感覚だ。体の奥から沸き上がる魔力に、3人の気迫もレッドゾーンに突入する。 「「「スーパーゲキバズーカ!!!」」」 スーパーゲキレンジャーは、ゲキバズーカを構え、激気を込め始める。 「一撃……必殺!ディバインバスター!」 スバルは、左右のマッハキャリバーから蒼い、魔力でできた翼を展開させ、右腕を振りかぶる! これがスバルの全力全開……ギアエクセリオンだ。 「クロスファイアシュート!」 ティアナは二丁拳銃であるクロスミラージュを構える。同時に無数の橙色をしたスフィアが現れる。 ゲキバズーカを構え、スーパー激激砲の構えに入るスーパーゲキレンジャー。その左右で、スバルとティアもそれぞれの技の体勢に入る。 「私達も行くよ、ディバインバスター!」 『Yes,My Master.Divine buster ,Extension.』 レイジングハートエクセリオンを構えたなのはは、ディバインバスターの発射体制に入る。 「行くぜ、厳厳拳!!」 ゴングチェンジャーに紫激気を集中し、厳厳拳の構えを取るゲキバイオレット。 「押忍ッ!サイブレードフィンガー!!」 激気研鑽により、右手に構えたサイブレードフィンガーに激気を集中させるゲキチョッパー。 ディバインバスターを発射しようとするなのはの左右で、二人がそれぞれのポーズを取る。 後はこの激気を撃ち出すだけだ。 「激気!!」 大きな声で叫ぶゲキレンジャーの5人。 「魔力!!」 続いて、スターズの3人が叫ぶ。 「「「合一!!!」」」 ラストは8人、声を揃えて、それぞれの技を発射した! 凄まじい激気を込めて発射されたスーパーゲキバズーカ。 それに、スバルが発したディバインバスターと、ティアナが放ったクロスファイアシュートが螺旋を描いて交わる。 一方で、レイジングハートから発射された桜色の魔力。 その閃光に、ゲキチョッパーが放った紫の光弾と、サイブレードフィンガーにより発射された無数の弾丸が螺旋を描いて交わる。 二つの巨大な閃光と化した激気・魔力合一は、目標目掛けて真っ直ぐに飛んでゆく。 これが最強の力……激気と魔力の合一! ケン「押忍ッ!という訳で、今回はゲキ技と魔法の合体技を投下してみたッス!」 ゴウ「まさかいきなりこんなクライマックスシーンとは……参ったぜ」 スバル「まぁまぁ、こんなのでも話のネタ程度にはなるんじゃない?」 ゴウ「ま、そうなりゃいいけどな!」 単発総合目次へ その他系目次へ TOPページへ
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タカタカタ、タカタカター♪ 家族の帰りを心配するはやての為に、コンビニに行くついでに探してくると慣れない優しさで 外出した黒龍。 だが、その途中怪しい気配を放つ結界を見つけた。シグナム達の気配を感じ取りその結界に 突入するがその途中妖しい集団が襲ってくる。一瞬で打ち倒しビルに駆け上がった瞬間彼の目に 武器を突きつけられたシャマルの姿が在った。 そのシャマルの窮地に、自らの心を抑えきれなくなった黒龍は拳を振るいクロノを吹き飛ばす。 そしてクロノに向かい、龍の怒号の如き怒りの宣告をする黒龍であった。 戦いの場に黒き龍が舞い戻った瞬間であった。 情に目覚めし黒き龍第3話「聖衣装着、復活の暗黒聖闘士」 「こ……黒龍?」 呆然と、黒龍に向かって私は呟いた。 ありえない場所で、ありえない事が起きている。 管理局の執務官に後ろを捕らえられた私を救ったのは、ここに居てはいけないはずの黒竜。 彼は一体何をしたの? 魔力を持たない彼が、誰にも気づかれる事無くこの場に居るなんて不可能なのに。 その思いが表情に出たのだろうか、黒龍が振り向いた。 「シャマル、今は何も聞かない。その前にやらなければいけない事があるからな」 そう言うと彼は、何も無い空間に視線を合わせた。 何時の間にか拳が横にかざされている。そして、凄まじい音と共に何かが弾き飛ばされて壁に激突した。 「こそこそと隠れてる羽虫が。気配を隠そうとするのなら、完全に闇と同化するぐらいしてみせろ」 激突音がする方を見ると、そこには仮面をつけた男が壁にめり込んでいた。 私が……、サポートを得意とする私が全く気がつかなかった相手を見つけ出すなんて、本当に黒龍に魔力は無いのだろうか。 私が心の中で考えてる間に、仮面の男は早々と転移していく。私達が抜け出せない結界内で転移するほどの相手に 有無を言わさない一撃、黒龍は一体どういう存在なの? 「シャマル避けろ!」 更なる思考の淵に沈もうとする私に、黒龍が警告を告げる。 慌てて横に飛ぶと、立っていた場所を通りすぎる砲撃魔法。 危なかった、全くの無防備状態であのクラスの砲撃に当たっていたらそれでアウトだった。 危うく回避した私の前に、守るように立つ黒龍。振り向きもせず、私に言葉をかける。 「シャマル……、確かアイスは抹茶が好みだったな」 そうそう、私はあの抹茶の渋味が良いのよねって、この緊迫した雰囲気の中突然言われてしまい思わず乗りかけて しまう。 「アイスを買いに行くという名目で出て来たのでな、一応確認という事だ」 そう言った瞬間私は気づかないうちに黒龍に抱きかかえられ、隣のビルの屋上に移動していた。 「シャマル、この小僧は私が相手をしよう、下がっていてくれ」 「無茶言わないの、空を飛ぶ相手にどう戦うの? さっきみたいに行かないわよ」 そうだ、黒龍は肉体的には凄いのかもしれないが魔法は全く使えない。上空から遠距離攻撃されれば それだけで終わってしまうのだ。 だが、そんな私の不安を吹き飛ばすように黒龍は優しく微笑んだのだ。 「何、私にはシャマル達のような魔力はないが、それを補う物がある」 そう言うと、先ほどの執務官の方を向き戦意を張り巡らせ告げるのであった。 「小僧、お前は知るだろう。人に知られずに存在した伝説の存在を」 同時刻、八神家 「はぁ~、黒龍はもうすぐ帰ってくると思うけど……一人はいややなぁ」 はやては一人になってしまったリビングで頬杖をつきながら帰りを待っていた。 「うぅ、アカン少し冷えてしまったわ、トイレ、トイレ」 体が冷えたのか、トイレに向かおうと黒竜の部屋を通りすぎようとしたとき、扉の隙間から漏れる黒い光。 「なんや? ひょっとして泥棒なんか」 心配になったはやてが、意を決して扉を開け覗きこんだ瞬間黒い閃光がはやての目を眩ませた。 「ちょ、ちょう何が起こったんや!」 驚いたはやてが眩しさから立ち直り、目にしたのは触っても開ける所がなかった黒龍の箱が開かれていたのと 粉々になっている窓ガラスであった。 「あ、……ちょい漏れてもうた」 どうやら、刺激が少々強かったらしい。 結界内に満ちる強烈な何か、その何かを感じ取り戦っていたシグナム達も一斉に黒龍が立っているビルに目を向ける そこには一切の星が無い、闇空を塗り固めたような光沢が無い漆黒の竜のオブジェが浮んでいた。 黒龍はコートを脱ぎ捨てると、驚いているシャマルに投げ渡す。 慌てて受け取るシャマルに苦笑いすると、真面目な表情に戻り告げた。 「直ぐに片がつく、少しの間持っていてくれ」 意を決し、黒龍は天に届けとばかりに叫ぶ。 「聖衣(クロス)よ!」 黒龍が叫ぶと同時に、無数のパーツに分解し変形展開され聖衣は黒龍に降り注ぐ。 レフトニー! ライトニー! 動きを重視するように、両膝のみをガードする膝当て。 バックル! 模様と彫刻が施されたバックル。 レフトアーム! ライトアーム! 台座が縮小し盾となり装着された左腕と、シンプルな手甲の左右非対称の両腕。 チェスト! ブレスト! ショルダー! 重厚な厚みを感じさせる両肩と、それに飾られる龍の腕。 ヘッドギア! 首が二つに分かれバンドが伸び、分かれた首が耳当てに変化する。 次々と装着されていくのを誰も彼もが、ただ黙ってみている事しか出来なかった。 一つ、一つ装着されていく度に、高まる何かに心が恐れを抱いたのだ。 「此処にドラゴンの暗黒聖衣(ブラッククロス)装着完了」 漆黒の長髪が、体から発せられる小宇宙(コスモ)によってうねり荒れ狂う。 「時間がない、さっさと片付けさせてもらおうか」 構えを取ると、クロノに向かって不敵に微笑み、そして黒龍はクロノに突撃した。 次の瞬間、周りの人間が見たものは間合いを零にした黒龍の拳とクロノが張ったシールドが火花を散らす 光景であった。 「ほう、この程度のスピードには対応できるか、先ほどの集団とは少しは違うようだな」 「お前か、武装隊を倒したというのか!」 余裕の表情で僅かばかりの賛辞を告げる黒龍と違い、クロノは搾り出すような声で答える。 (早い、フェイト以上の速度で動いてくるなんて反則も良い所だ) 次の対応を考えるために、シールドをバーストさせる用意をしていたクロノの考えを読んだかのように黒龍は反動を利用して 屋上に着地する。 この行動に、一つの疑問を感じたクロノは念話を使いアースラと連絡を取る。 (エイミィ、あの男から魔力は感じられたか?) その問いに、エイミィは信じられないという風に声を震わせながら答えた。 (……冗談じゃないから真面目に聞いてね、一切の魔力を感じないのよあの動きにもあの鎧にも) この返事に、疑問は確信に変わる。 (どうやら向こうは魔力を持たないか、もしくは著しく低く空を飛べないようだ。どんなに早くてもそれならやり方なんて幾らでもある!) 急上昇し、間合いを広げるクロノ、そして屋上にいる黒龍に向かって己の最大の攻撃を叩きつけた。 「いくぞ! スティンガーブレイド・エクスキューションシフト!!」 無数の光り輝く剣が、黒竜に唸りを上げ豪雨の如く降り注ぐ。 「黒龍!」 シャマルの悲痛な叫びが上がるなか、シグナム達も動こうとするがそれはなのは達によって阻まれていた。 その衝撃による粉塵が舞う中、クロノは構えを解かなかった。 (あの男のスピードならある程度は回避されたはず、だがかなりのダメージは確実に与えたはずだ) 煙の向こうにいるはずの黒龍の姿を捕らえんと、目を凝らし意識を集中する。 (煙が晴れて向こうの姿が見えた瞬間、ブレイズキャノンで王手だ) しかし、クロノの予想は大いに外れる事になる、なぜならば 「威力は高いが、悲しいかな遅すぎる」 黒龍は既に、クロノの遥か頭上に跳躍していたのだ! 「バカな、あの一瞬に頭上に移動だなんて」 驚愕するクロノに対し、黒龍は空気を蹴り急速落下の勢いのまま踵を振り下ろした。 「おまえ達の常識で、聖闘士(セイント)を測かろうとするのが間違っているのだ!」 重い一撃がクロノを打ち据える、凄まじい衝撃がBJを貫いて脳を勢い良くゆらす。 勢い良く揺らされた為に、意識を失いかけ地面に落下しかけるがあわやという瞬間に辛うじて意識を取り戻し 急制動かける、そして踵落としの勢いのままこちらを追撃する黒龍に反撃のスティンガースナイプを打ち放ち自 らもS2Uを構え急上昇を開始した。 「オォオオオオオ!」 らしくない雄たけびをあげ全速力で突撃するクロノ、それに対し黒龍は、左手の盾でスティンガースナイプを打ち払うと 人を指差すような奇妙な構えを取って迎え撃つ。 (くそ、魔力を感じないからって甘く見すぎた、遠距離がダメなら近づいて直接魔法を叩き込む!) 唸りを上げて黒龍の指とクロノのS2Uが激突する、クロノはこの瞬間に己の全てを篭めたブレイクインパルスを 発動させた。 空中で静止する両者、周りが固唾を飲み決着を見守るそして…… 黒龍の指とぶつかり合っていたS2Uが、澄んだ音を発て砕け散り全身から血を噴出しながらクロノは崩れ落ちた。 地面に顔面から落下するクロノ、ビクビクと体が痙攣し、地面には血溜まりを作り上げる。 その状況に、悲鳴を上げ近づこうとするなのは達であったが、それを止めるかのように着地した黒龍がクロノの 頭に足を添える。その行動に動きを止めるなのは達、動きが止ったことを確認すると黒龍はこの場にいる全員に聞こえる ように残酷な言葉を放つ。 「この結界を解いてもらおうか、解かないというのならばこの小僧の頭を砕く」 それを証明するかのように、冷たい眼差しをクロノに向け黒龍は足に僅かに力を篭めた。 [[戻る 情に目覚めし黒き龍2話]] [[目次へ 情に目覚めし黒き龍氏]] [[次へ 情に目覚めし黒き龍4話]]