約 310,944 件
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/3228.html
『隻眼のまりさ 第八話』 18KB 戦闘 群れ ゆっくりって可愛くかけば可愛いのだよなぁ…。 初めましての方は初めまして 他の作品を見てくださった方はありがとうございます。 投稿者の九郎です。 タイトルどおり前作の続編です。 ――――――――――――――――――――――――――――― ~第七話~ ドスの思い!その存在が生み出すものは… ――――同日、深夜―――― 自分の知識をもって皆のために働こうと そう決心したぱちゅりーにはもう迷いがなかった。 たとえ嫌われようとも自分の理論武装は完璧だ。 何を言われても言い返せる自信がある。 そう考えたぱちゅりーは隻眼のまりさとドスを呼び ここで話の決着をつけようと思った。 それに自分も含めて三匹をとも お互いを大事に思っているのだ。 話をして、わだかまりをなくせば この一件は収束に向かうであろうと そういう思いもあった。 「まりさ、とりあえずドスにも同じ話をしてあげて」 「うん…」 「……………」 だからぱちゅりーは、自分の口からではなく 隻眼のまりさに自分で言わせようとしたのだ。 「ドスは、きめぇ丸って知ってるかな?」 隻眼のまりさは言いにくそうに切り出した。 この二匹は自分より付き合いが長い。 何よりチームを組んでいたもの同士だ。 悪い言い方をすればその裏切り行為とも言える 考えを持っていたことに後ろめたさもあるのだろう。 だがそれも、直接思いを伝えれば理解し合えるはずだ。 その行動は違っても、その思いは同じなのだから。 少し長くなりそうなので、次にどうするかなどを 考えていた矢先 「ゆんやあああああああああああ!!! れみりゃがああああああああああああ!!!」 「!!!」 れみりゃだって、とぱちゅりーは思った。 なんて悪いタイミングで出てくるのだろう。 だが実際今のところはれみりゃの対応が先だろう。 「まりさ!ドス!」 「う、うん!!」 「いくよ!!」 やはり一番切り替えの早かったのは自分だ。 まあでも重い話をしていたのだからそいう言い方は酷かなどという どうでもいい思考をしながらぱちゅりーはドスの帽子に乗った。 「ドス!ドス!前見て!!」 「う、うん!!」 「何よ…これ…」 まさしく自分が危惧していた状況。 例の取引がすんだ直後の出来事。 タイミングから考えてこのれみりゃ達は 人為的に放たれたものと疑いようがない。 二年前のあのときでさえデタラメな数だと思っていたのに 見える範囲でもあの時のざっと倍近く捕食種がいるかもしれない。 「………!!ドス!ドススパークを!!」 「わ、わかったよ!!」 考えるのは後だ。 とにかく今は最低でも自分は冷静でいなければならない。 ドスはもうほとんど自分の指示があるまで動かない、というくらいに 自分の指示につき従っている。 逆に言えば自分が崩れたらこの集落は一気に 崩壊するおそれがあるという危惧もしなければならなくなっていた。 「ドス!かまわないわ!薙ぎ払って!!」 「ドス!一旦洞窟の中に下がって!!」 「ドス!!いいわ!!その位置から仰角10!真っ直ぐ発射!」 ぱちゅりーに言わせればれみりゃに限らず 一般的なゆっくりは動きが単純で至極読みやすい。 特に応用力のなさと行動前の発言がそれに拍車をかけていた。 『目の前にあるものに対してしか反応しない』 これは位置取りにさえ気を使えば全く同じ行動しかしないということ。 『何かをする際、ゆっくり~するよ!と言う』 こちらは実際に自分から何をするか教えてくれるので 指示さえ追いつけば簡単に対応が出来る。 ぱちゅりーの頭には同じような文章が多く並んでいる。 これは敵に限らず味方にも言えるので 指示を出す際にもうまく誘導してやれば こちらの意図を伝えなくても思い通りに動かすことが出来る。 頭の回転が或いは人間より早いぱちゅりーにとっては チェスや将棋をしているのと変わらない。 敵も味方もまさに盤上の駒だ。 「いいわ!!第一次攻撃は成功!!まりさ達は前進して! 私が合図するか危ないと思ったら左右の木の枝の中に避難して! 決して自分たちだけで戦おうとしないでね!!」 隻眼のまりさに指示を出してからしまった、と思う。 あの力を今この場で使ってしまったら ドスだけでなく集落の皆全員に見せることになってしまう。 そう思ってからまあいい、と思い直す。 隻眼のまりさは自らの責任で行動を起こしたのだ。 それに、あれは強力な力だ。 集落が受け入れれば戦力になる。 万が一受け入れられなくとも自分にはもう 理論武装もあるしドスの後ろ盾もある。 なんだ、自分はこんな単純なことに悩んでいたのかと可笑しくなった。 冷静に考えれば当然のことだ。 隻眼のまりさ自体がどうこうではなく 起こった事態に対して必要な対応をしていくだけのことだ。 自分は少々感情で考えすぎていた。 …が、どういうわけか隻眼のまりさは例の攻撃を使わないでいた。 少しはまりさも考えて行動しているのか、とぱちゅりーは感心。 まりさ三匹がれみりゃを倒した。 次にかかってくるふらんに対して回避運動をとっている。 練習どおりの型が出ている。 これなら心配ないなと、地上の戦闘を見ながらぱちゅりーは 既に次の考えに入っていた。 敵を散らして、集まってきたところをドススパークで粉砕。 これを繰り返せば大した危険もなく殲滅は可能。 だがその使用回数には制限がある。 とりあえず次を撃たせたら洞窟の中に引っ込もう。 地上のまりさ達の援護もあればさほど難しくはないはず。 れみりゃはなんだかんだと言っても夜間しか行動しない。 朝まで持ちこたえれば戦術的勝利は収められる。 「ドス!発射準備!!私の言うタイミングに合わせて!」 「ゆっくり分かったよ!!」 まりさ達が周囲のれみりゃに気付かれ包囲され始めたのを確認。 ドスにドススパークの発射体勢をとらせる。 「ドス!!カウントダウン!!3、2、1!!…発射!!」 「発射あああああああああああああ!!!!」 発射直前まりさ三匹はぱちゅりーから見て左に避けた。 上からではドススパークの光が激しくて見えないが きちんと回避できていることだろう。 「ドス!キノコは後いくつあるの!?」 「あと二つしかないよ!!」 あと二発か。 三発ならどうしようかと考えたが 二発分しかキノコが残っていないのであれば 隻眼のまりさ達を再突撃させるのは危険だ。 そう判断したぱちゅりーは後退の指示を出す。 「じゃあすぐに後退!!篭城戦に入るわ!! ドスはすぐに奥へ!!だけど外を見ながら後ずさるのよ!! まりさ達は私の部屋に入って!!」 「ゆっくり分かったよ!!」 ドスがずりずりと後退を始める。 あとは洞窟の中で最低限の迎撃をしながら朝を待てばいい。 ドスはなりが大きいためれみりゃ達の目に付いてしまい 集中攻撃を浴びる危険があるのだが 洞窟に入ってしまえば一、二匹程度が散発的に襲ってくるだけだ。 連携して同時に洞窟の中に突入されれば危険だが 捕食種は通常種よりも優れているという心の余裕からか 連携は勿論のこと戦闘中に他の個体の話を聞くことすらない。 仮に彼らがただ漠然と加工所で生きてきただけである連中ならばなおさらだ。 「まりさ!?」 「何処行くの!?ドスの洞窟の中が安全だよ!?」 隻眼のまりさだけが急に外へ飛び出していった。 まさか、自分の指示に従わない気なのか。 「ゆっくり追うよ!!」 「駄目!!言ったでしょう!?勝手に行動しないで!! ついていったら死ぬわよ!!」 そう考えて先ほどの答えをすぐに打ち消した。 そうだ、隻眼のまりさは単独で戦う練習をしていたのだ。 ならばあえて一匹にさせてみるのも手かもしれない。 このまま外で戦ってくれれば洞窟に入ってくる敵の数も減るだろうし なにより自分達にかまうことなく例の技を使うことが出来るはずだ。 「ぱちゅりー!!どうしてそんなこと言うの!?」 「まりさを助けに行かないと!!」 まりさとドスが的外れなことを言う。 むしろ助けが必要なのはこっちかもしれない。 ドスの大きさに対して護衛が二匹では心もとないし なにより地上戦の指揮を一番うまく執れるのが隻眼のまりさだ。 「あなたたちはもう忘れたの!? 助けることよりも、生き残ることを考えなさい!!」 自分には理論武装がある。 何よりこの状況は利用できるし 仲間が離脱した時の対処法に関しても既に伝えてある。 勝手な行動をした者は自らの力のみで責任を取る。 他者に迷惑をかけた場合はそれも含めてだ。 それに全員が予定外の行動をとればその一匹だけでなく チーム全体に危険が迫る。 「ドスは、村長なんだよ!?皆を守るドスなんだよ!?」 ドスの言葉に苛立ちを覚える。 今はそんなことを言っている場合ではないだろう。 何より、目の前のことにとらわれて何の考えもない行動は 危険であるということを理解していないのか。 「駄目!私にも状況がつかめていないのよ!」 この状況。まりさが一匹いないし 人間達の動向もわからない。 ただ、もしかしたら集落のゆっくりの増加に対する 対策のために捕食種を送り込んだという可能性もある。 本当に集落を壊滅させるつもりなら人間が直々に駆除に来るはずだ。 ならば、集落の肥大化という問題を これにかこつけて解決してしまってもいい。 「れみりゃが何匹いるか!まりさが何処へ行くのか!」 なによりれみりゃがどれくらいいるか 分かったものではない。 隻眼のまりさもこれからどうするかはっきり分かっているわけではない。 ただもしこのまま死んだら問題は自動的に解消されるかもしれない。 それもまたよし、とぱちゅりーは考える。 「この状況で動けば悪い方向にしか行かないわ!」 ただ漠然と戦ったら命を落とすだけだ。 二年前のドスも半死半生だったのだ。 この戦いに出て行けば危険であるだけ。 「自分のことだけ考えて!でないと全滅するわ!」 所詮はゆっくりの身だ。 自分を守ることすら怪しいのに 他者を戦闘中に守りながらなどというのは不可能だ。 「戦えるものだけでも生き残らないと!」 自分達が崩れてしまえば集落に戦えるものがいなくなる。 自分達が残っている限り集落は壊滅しない。 自分達が集落にとっての最後の砦なのだ。 「じゃあぱちゅりーは、ぱちゅりーが生き残ればそれでいいの?」 状況に全くそぐわないドスの冷たい声が聞こえた。 「何を言っているのドス!早く下がらないと危険よ!」 ぱちゅりーは相変わらず早口でまくし立てる。 先ほどの第三射でれみりゃが散っている間に引っ込まないと危険だ。 今は議論している暇などない。 「ぱちゅりー答えて。 ぱちゅりーの作戦は何をするためのものなの? 集落を守るために戦うためなんだよね?」 「今はそんなこと言っている場合じゃ」 「駄目。答えて。 答えてくれないとドスは下がれない」 何を言っているんだ。 死にたいのか。 これは戦いだ。 生か死しかない。 「ぱちゅりーの作戦は生き残るためのものよ! 死にたくなかったら早く下がりなさい!」 ぱちゅりーは焦っていた。 まさか、こんな状況でドスが自分に対して疑念を抱くなんて。 ぱちゅりーの存在意義は物事を考え物事を効率よく進めることだ。 だがそれは考えを実践する者がいるから成り立つのだ。 自分自身に出来ることは少ない。 だからこそ言葉を尽くさなければならなかった。 自分だけがいかに正しいことを考えていたとしても それを信じてついてきてくれる者達がいるからこそ意味を成す。 ドスの考えが及んでいないというのは 頭が悪いというわけではなかった。 ぱちゅりーの頭の回転が早すぎるのだ。 生かすところは生かし、捨てるところは捨てる。 普通に考えれば当たり前のことなのだが それが村長としてドスが決心した内容と食い違ってしまったのだ。 そして今は、この食い違いを議論して解決に導いていくだけの 言葉も時間もない。 ドスの帽子のつばに乗っているぱちゅりーには ドスの表情も考えも全くうかがい知れなかった。 せめて、もう少し早くこの疑問にぶつかっていれば。 せめて、もう少し遅くこの疑問にぶつかっていれば。 袋小路に入り込んだ思考は、そんな意味のないことを考えた。 そして、その疑問に答えられるものなど誰もいなかった。 ――――同日、同時刻―――― 「ドス!危ない!!」 「むきゅっ!!」 「うわあ!!」 危なかった。 出たとたんドスの鼻先にれみりゃが向かっていったので 思い切りジャンプして止めた。 これだけ高く跳べるならもうドスの帽子に自力で乗れるほどかもしれない。 「………!!ドス!ドススパークを!!」 ぱちゅりーの声がする。 隻眼のまりさの位置からではぱちゅりーの姿は見えない。 だが以前上から見ることであたり一体を 全て見渡すことが出来るのだ、と言っていた。 地上から見えない部分を上から見ているため 指示が出せるのだ、と。 自分も、あそこまで跳べるようになれば 指示を出す立場になることが出来るのだろうか。 「……っ!!!」 ドススパークが木々をなぎ倒す。 やっぱりすごい。 自分が使ったあの技の威力もすごかったが 流石にこれほどのことは出来ない。 が、もう自分はかつてのリーダーを、今ここにいるドスを 目指しているわけではないと自覚できているので特別な感慨はない。 ドススパークは撃てなくても 同じことが出来る何かを掴めばいいだけのこと。 そう思った。 「いいわ!!第一次攻撃は成功!!まりさ達は前進して! 私が合図するか危ないと思ったら左右の木の枝の中に避難して! 決して自分たちだけで戦おうとしないでね!!」 「分かったよ!」 「突撃するよ!!」 いつの間にかいた二匹のまりさを連れて 隻眼のまりさは飛び出していく。 もうれみりゃなど全く怖くなかった。 遅いし弱いしとどめも刺せる。 二匹のまりさが足手まといになるとすら考える。 「行くよ!!『あろーふぉーめーしょん』!!」 「「ゆっくり理解したよ!!」」 『ゆっくり理解した』という台詞に怖気を感じた。 何を言っているんだこいつらは。 だったら勝手にゆっくりしてれみりゃに討たれていろ。 自分についてこれるのはリーダーと同じように ついてこようとしている者だけだ。 帽子を少し傾けて木の棒を取り出す。 しかしこれはもう棒というよりは破片などという表現のほうが正しい。 口にくわえてみると鋭い先端が数センチでる程度だ。 まりさはそれを口の横のほうへ移動させる。 正面に突き出して突き刺すのではなく 横に構えて斬るための装備だ。 「あまあまがあったんだどー!」 こちらを目で捉えたれみりゃが嬉しそうな顔で向かってくる。 間抜けめ。 今すぐその表情、潰してやる。 「ふっ!!!」 手を伸ばしてきたれみりゃの左頬にカウンター。 同時にくわえた木の棒で目元に浅く斬り込む。 深く刺さってしまったのなら手放すことも視野に入れる必要があるが 手ごたえはゆるい。 隻眼のまりさはそのまま反動でれみりゃから離れた。 「うー!?いぎゃああああああああああ!!! でびでゃのおべべがああああああああああ!!」 ざまあみろ。 自分があの時どれだけの痛みを味わったか思い知ったか。 「とどめだよ!!」 「ゆっくり死ね!!」 「うー!?いだいいいい!!やべろおおおおおおお!!!」 そのまま顔を押さえてバターンと仰向けに転んだれみりゃに 二匹のまりさが襲い掛かった。 どちらにしてもそう簡単に戦闘復帰できる状態ではなかったが とどめを刺しておくにこした事はないか。 「立ち止まらないで!着いて来て!!」 「分かってるよ!!」 死んではいないが明らかに致命打を食らわせたれみりゃから なかなか離れようとしなかったまりさ二匹を叱咤する。 やはり完全に動かなくなるまで攻撃しないと不安なのだろうか。 それでも自分が走り出すと斜め後方から 二匹のまりさが何とかついてきた。 「右に避けるよ!」 「「ゆっくり理解したよ!」」 「よぐもおおおおおおおおおお!! じねえええええええええええええ!!!」 隻眼のまりさ一匹なら正面から迎え撃つことも出来ただろうが 厄介なのは突き出された『ればていん』とふらんが呼んでいる 木の枝を危惧して回避の指示を出した。 カウンターをとっても後方二匹のどちらかに ふらんの攻撃が当たるのはよろしくない。 胴付きふらんが向かってくる。 ふらんはれみりゃより強いと噂されていたが実際どうなのだろう。 「うー!?どこいったー!?」 「後ろを取ったよ!!回れ、右!!」 「「回れ、右!!」」 正面しか見ていないふらは目の前の目標が消えたことで そのまま前の方をキョロキョロと見回している。 そして方向転換の指示。 だが隻眼のまりさの中ではだんだんと二匹が足手まといだという 想いが強まってきていた。 はっきり言ってこの二匹は遅い。 せっかく修行で得た自分のスピードという特性が 殺されてしまっているのではないかと思い始めていたのだ。 「一点集中!!」 「「一点集中するよ!!」」 まず最初に無防備なふらんの後頭部に体当たりを当てる。 そのままうつぶせに倒れてしまったふらんに集中攻撃。 「ゆっくり死ね!!」 「とどめだよ!!」 「ゆぐびぃ!!」 ふらん撃破。 以前なら一匹倒すたびに嬉しさがあったものだが 今の隻眼のまりさには何の感慨も沸かなかった。 ただ冷静に次にとるべき行動を考える。 「よぐもおおおおおお!!!」 「おがーじゃんがあああああああ!!!」 「ばりざなんがゆっぐりじないでじねえええええええええ!!!」 頃合だ、とまりさは思う。 この数は流石の自分でも手に余る。 これだけの敵を全て避けきるのは大変だろう。 「――――!!??」 その時、自分の中に何かが宿るのを感じた。 そして隻眼のまりさの見えない左目に何かが映った。 それは、無数の『何か』。 それを遊びのように避ける自分。 何か、同じようで違う場面を自分は目にしたことがある。 それが何かは全く分からない。 だが、隻眼のまりさは間違いなく何かの『既視感』を感じた。 一瞬の思考だった。 「ドスのところに戻るよ!!」 「「ゆっくり理解したよ!!」」 すぐに思い直しドスのところへ引き上げるように指示をする。 このような状況、通常のゆっくりなら恐怖のあまり逃げ出していただろう。 だが、なまじ訓練や実戦をこなしてきていた二匹のまりさは 逆に指示があるまで逃げ出さないようになっていた。 故に逃げろ、と言わなければ逃げないのだ。 ドスのところまでは20m程度。 人間のスケールサイズに合わせて言うなら100m以上だ。 急がなければ戻れなくなる。 「ドス!発射準備!!私の言うタイミングに合わせて!」 「ゆっくり分かったよ!!」 ある程度近づいたところでぱちゅりーがドスに発射体勢をとらせた。 今度は間違いなく足元も含めて狙ってくる。 そう判断したまりさは徐々に右へとずれていく。 あまり横に大きく回避したらついてきているれみりゃ達を ドススパークの射線軸上から外してしまうことになる。 「まりさ!!れみりゃが来るよ!!」 「急いで!!頑張って走るんだよ!!」 「頑張ってるよ!!」 「ドス!!カウントダウン!!3、2、1!!」 カウントが始まると同時にさっと横に避けた。 それにならって後ろの二匹が回避行動をとる。 「発射!!」 「発射あああああああああああああ!!!!」 ドススパークが発射された。 そしてその瞬間、例の『既視感』がまたきた。 この技、何か感じるものがある。 いや、ドススパークは二年前リーダーがドスになったときから見ていた。 しかし、それとはまた違う何かを感じていたのだ。 「ドス!キノコは後いくつあるの!?」 「あと二つしかないよ!!」 「じゃあすぐに後退!!篭城戦に入るわ!! ドスはすぐに奥へ!!だけど外を見ながら後ずさるのよ!! まりさ達は私の部屋に入って!!」 「ゆっくり分かったよ!!」 そこで隻眼のまりさは『え?』と思った。 何で?まりさはまだ戦えるよ? 集落のゆっくり達はどうするの? ドススパークもあと二発残ってるんでしょう? こんな弱い奴らから逃げるの? なんで? なんで? 隻眼のまりさだけはそこで固まった。 そして、先ほどのフラッシュバックをもう一度思い浮かべた。 思考も停止していたので先ほどとは違い余裕を持って思い出せた。 あれは何だ? 赤や青の何かがたくさん飛んでくる感じ。 それを何の危機感もなく遊びのように避ける自分。 分からない。分からないけど。 自分はそれを知っている。 そんなまりさの思考に誰も気がつくことなく 洞窟へ下がっていっていた。 隻眼のまりさの頭の中で様々な物が渦巻いていた。 あれは何だ?分からない?でも知っている? 誰が?何故?いつ?何処で?どうして? それもまた一瞬の思考。 その一瞬の間に様々なものが駆け巡った。 以前から、あの時違和感が形になってからずっと考えていた。 ゆっくりって何だ? ゆっくりすることはいいことなのか? ゆっくりすることって何だ? 次の瞬間、隻眼のまりさは洞窟の外に飛び出していた。 「まりさ!?」 「何処行くの!?ドスの洞――――」 後ろから何かが聞こえた。 だが聞こえただけで理解してはいなかった。 恐らく、この戦いの中で何かを見出すことが出来る。 そういうある種の確信が隻眼のまりさの中にあった。 危険だって?無謀だって?悪いことだって? かまわない。 コイン一個じゃ命も買えやしない。 この辺は死臭で一杯だ。 狂うのには慣れている。 構わないさ。 こんなにも高揚したのは、初めてなんだから―――― 続く 次回予告 すれ違った思いはそれぞれの願いの元に動き始める。 もう何も譲れないから。 もう何も、失いたくないから。 次回 隻眼のまりさ ~第九話~ それぞれの孤独な戦い!そして時は動き出す… 乞うご期待! あとがき 結局こういう展開になってしまうのはご愛嬌。 やっぱり私は場面場面を切り抜いて書くより 物語を作ってそれに沿った中でキャラクターを動かす方がいいようです。 結末は既に決まっているのですが なかなか整合性をとるのが大変な気がします。 言い訳がましいですね。すみません。 今後も頑張っていきたいと思いますのでどうぞよろしくお願いします。 最後に、この作品を読んでくださった全ての方に無上の感謝を。 私がここに投稿させて頂いた作品一覧 anko3052 ゆっくり駆除業者のお仕事風景 以降そのシリーズ anko3061 隻眼のまりさ プロローグ 以降そのシリーズ anko3127 ゆっくり加工業者のお仕事風景
https://w.atwiki.jp/slowlove/pages/1329.html
「すいません、入校したいのですが・・・」 「むきゅ!それじゃあこのしょるいさんになまえなどをかきこんでね!」 ある自動車学校。ここは教官や受付がなぜかゆっくりで構成されている自動車学校である。 この男、山口に書類を渡したのは受付のぱちゅりー。 「やまぐち けんさんね!ゆっくりまっててね!」 山口の下の名前はなぜか「県」だ。親の出身地と苗字が山口だったからという理由でつけられたとか。 母親は「市」といい旧姓は下関。父親は「号」。ふざけてるとしか思えない名前である。 「やまぐちさんゆっくりおまたせ!おーとましゃとまにゅあるしゃのどちらにするの?」 「じゃあ、オートマで。」 「ゆっくりりかいしたわ!」 比較的スムーズに手続きが進んでいった。しばらくして、ぱちゅりーから県を呼ぶ声が。 「これががくせいしょうさんよ!なくしたらさいはっこうはできるけどできるだけなくさないでね!あとこれがきょうかしょさんよ!」 「ありがとうございます。」 学生証には、名前、生年月日、専攻車種、顔写真などが記載されていた。よく見ると上に矢印と読み取り部らしきものがある。これを通して入る部屋があるのだろう。 そして教科書は1冊。やや薄いがこれで十分なのだろう。 「それで、今日俺はどうすれば・・・」 「きょうはこっちでてきせいけんさをうけてもらうわ!」 「て、適性検査?」 ちなみに県はそれほど自動車に詳しくはない。ただ単に、子供のころから持ち続けてきた、「自家用の大型バスを買って運転する」という夢を実現するために来たのだ。 とりあえず普通免許を取得し、それから大型免許を取得するのだろう。 「あくまでもさんこうにするだけだからふかくきにしちゃだめよ!」 「はぁ、わかりました・・・」 県は複雑な心境で適性検査が行われる部屋へと入っていった。 「あら、ここでとかいはになりたいにんげんさんね?」 中に入るとありすが待機していた。恐らく検査方法などの説明で呼ばれてるのだろう。 「それじゃあいまからてきせいけんさをうけてもらうわ!あくまでうんてんにむいてるかどうかのしんだんをするだけだから、りらっくすしてもんだいをとくのよ!」 「わかりました。」 こうして、適性検査が始まった。 まずは記憶力の測定らしい。タッチパネルにゆっくりが何種類も表示されており、目の前のモニターに映った順番にタッチするということだ。 なるほど、独自性に飛んでいる。 「ちぇんみょんれいむ、ちぇんみょんれいむっと。」 県は記憶力がいいほうだったので序盤は楽にこなしていたが、段々覚えるべきゆっくりの数や表示されるゆっくりが増えてくるので、それだけ難しくなっている。 はじめはれいむやまりさといった通常種だけだが、段々捕食種や希少種などが表示されるようにもなる。 「ぱちぇありすありすれみりゃゆうかさなえれいむちぇん・・・覚えられねぇ。えーっと、ぱちぇありすありすれいむ・・・あ、違ったか。」 しかも表示の仕方はまるでフラッシュ暗算。普通の人はあまり多くは解けないだろう。 県は平均よりもやや上の数値となった。 「おつかれさま!つぎはだいしょうはんべつてすとよ!」 「代償判別テスト?」 どんなテストだ、それは。 「がめんにでるけいさんしきさんのこたえがおおきいほうをすぐにえらぶのよ!」 「あ、なるほど。」 「しょうすうてんいかはきりすて、さんかいまちがえたらしゅうりょうよ!」 画面に表示させる計算式は段々長くなっていく。勿論徐々に苦しくなってくるわけであって、 「132+13×64と14×60+148・・・どっちだ、左か・・・くそ、間違えた!」 こうなる。結果は平均程度だった。まあまずまずの結果だろう。 「視力検査なのに双眼鏡みたいな機械も検査表も使わないんですね?」 「とかいはなここではべつのきかいでりょうほうのおめめさんをいちどにはかれるのよ!」 果たしてそれは大丈夫なのだろうか。片目ずつ測るのが基本だろう。 「な、何だこれ!?」 モニターが二つ用意されており、それぞれに方向キー(スーパーファミコン仕様)が付いている。いつものCの向きをこれで押せばいい。 だが、これは軽く人間いじめか。両方一度に出てくる上正解するまで徐々に拡大されていき、答えたらまた別の向きで拡大してくる。 決してここにアクションゲームをしにきたわけではないのだが、県には真っ先にそんな光景が浮かんだ。 「酷いっすね、これ・・・」 「とかいはなうちくらいよね、こんなそくていのしかたは。」 全くだ。 視力はいいほうのはずなのにやや低めの数値が出てしまった。 「ぼうしにのってるまりさがばらんすをくずしてるわ!まるたさんをうごかしてまりさをさいごまでおとさないようにするのよ!」 バランス能力測定テストらしい。 見ると、画面には10本の丸太と逆さまの帽子に乗ったまりさがいた。 「まりさをゆっくりあんていさせてね!」 要はこのまりさを倒さずに落とさずに守り抜けば良いのか。 大体わかったところでテストスタートだ。 「ゆぎゃぁぁぁぁ!おにいさんなにやってるの!ゆっくりしすぎだよ!」 板を動かすスティック(Nintendo64仕様)を倒し間違えて、まりさが早々に落下してしまった。まりさはかんかんだ。 チャンスは後2回しか残っていない。次こそは慎重に・・・ 「おにいさん!まりさがまるたさんからおちてもだめだってありすがいってたでしょ!」 「ほら!ゆっくりしすぎたせいでさんかいぜんぶおわっちゃったよ!」 散々だった。 安定させても丸太が崩れていくことを忘れまりさが落下し、丸太を意識しすぎるとスティックの操作がおろそかになりまりさが落下。 平均以下の数値を叩き出してしまった。 反応速度テストは好成績を叩き出した。 県は以前陸上選手として活躍していた。そのころに鍛えた瞬発力が物を言わせた。 表示されてる赤信号が青信号に変わってからボタンを押すまでの時間を測定する試験だったようだが、県は0.1秒を下回る数字を叩き出した。 ちなみにこれも3回だ。 「くるまさんをうんてんするのにもんだいはないけど、かんじょうにさゆうされやすいからうんてんするときはつねにへいじょうしんよ!」 「はぁ、そうですか・・・」 微妙な結果だ。ありすも「けっかがばらついてるわね・・・」と頭を捻っていた。 とりあえず「めんきょをとるしかくはないわ!」なんて言われずによかった、そう思いつつ県は受付へと戻った。 「がっかこうしゅうにかい、じっちきょうしゅういっかいがかりめんきょをしゅとくするまでるーぷするわ!」 ぱちぇが言うにはこれからはこういう流れらしい。 わかり易いのかわかり難いのかいまいちはっきりしない。 「それじゃあいっしゅうかんにいっかいこうしゅうがあるからゆっくりここにくるのよ!らいしゅうはがっかよ!」 「わかりました。ありがとうございました。」 一日世話になったぱちぇに礼をして県は帰っていった。 適性検査はPS版の「免許をとろう」のものをアレンジ。 今後の講習は携帯版を参考にしていくつもりです。 こんな適性検査があるんですか~。PSゲームの中 でのこととは言え、ここまでいろんな検査があるとは 知りませんでした。 次も楽しみにしています♪ -- 名無しさん (2009-06-14 22 35 14) 自分が行った所だけかも知れないけど、教習所とは運転を教わりに行く場所では無く、慣れに行く場所でした。……運転がド下手な自分にはただの地獄だった……。ペーパードライバーになろうと決意したのはその時です。 -- 名無しさん (2009-06-14 23 22 34) 実地教習… 教官は膝の上ですねわかりますw -- 名無しさん (2009-06-23 10 25 53) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/melty_cmv/pages/281.html
【MBAACC】フルムーン赤主秋葉 基本コンボムービー CC YouTube https //www.youtube.com/watch?v=lBfMrJ7NOYs nico http //www.nicovideo.jp/watch/sm16791333 フルムーン赤主秋葉 コンボムービー「Hesitation Snow」 CC YouTube http //www.youtube.com/watch?v=oT0aNzFF3OU (xW7YeVt6C6k) nico http //www.nicovideo.jp/watch/sm17499000 【MBAACC】ゲストコンボムービー CC YouTube http //www.youtube.com/watch?v=tdbPAKC-6RY nico http //www.nicovideo.jp/watch/sm18410927 ゆきちさん達の合同ムビです。 【MBAACC】赫訳・誘凪解説動画【F赤主】 CC YouTube http //www.youtube.com/watch?v=2N5RHC2Metc nico http //www.nicovideo.jp/watch/sm18737023 【MBAACC】F赤主秋葉 2ndコンボムービー「last fortune」 CC nico http //www.nicovideo.jp/watch/sm19076908 F赤主秋葉 3rdコンボムービー「sister s noise」 CC imageプラグインエラー ご指定のURLはサポートしていません。png, jpg, gif などの画像URLを指定してください。 YouTube https //www.youtube.com/watch?v=yTstqNKvMfA nico http //www.nicovideo.jp/watch/sm21402563
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4217.html
前編より 「美味しいね!すっごくゆっくり出来るよ!」 「ゆっくり!ゆっくり!」 「オイオイ…何だよこりゃあ…」 場面は変わり村の畑の中。 仲良く農作物を齧る3匹のゆっくりの前に男が立ち尽くしていた。 男は人の言葉を解するこの生物の事を他所の村人から聞いてはいたものの 見るのは初めてな事もあって、どうしたものかと頭を抱えていた。 「「む~しゃ!む~しゃ!しあわせ~♪」」 そうとも知らずに食事を続けるゆっくり達。 いい加減止めない事には始まらないと考えた男は 三匹のゆっくり達の近くにしゃがみ込んでまず食事を止めさせた。 「オイ、お前等な」 「ゆ?人間さん?」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 それを聞いて『話に聞いた通りだ』と眉を顰める男。 ゆっくりー中身は餡子だが、基本的に草食で畑に姿を見せる事もあり、 何かに遭遇すると大きな声で『ゆっくりしていってね!』と叫ぶこの生き物。 どうして森の餌にならないでここに来れたのか、実に不思議だ。 だが、その辺の説明は賢い人が上手い事見つけ出せば良い。 俺の仕事は野菜を育てる事とそれを守る事なのだからな。 男は困った様な表情で 人の言葉を解すると言うゆっくりに説明する事にした。 これはお前等の食っていいものではないと。 「どうしたのオジさん!ゆっくりしていってね!」 「あのなぁお前等、これは…」  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「やっぱ死んでるんじゃねーかな?」 「いいや、息してるよ」 「ゆぅ…ゆぅ…」 場面は変わり、4匹のゆっくり達がいるのはある小さな廃屋の中。 元々は誰かの倉庫だった様だが、少年達が産まれた頃から誰も使っておらず 今では少年達の秘密基地として活用されている。 廃屋とは言え綺麗好きな少年達の手によって掃除が行き届いている為 中は綺麗なものである。 ぱちゅりー達は秘密基地に行く途中の この少年達に見つかって気絶し、連れて来られたのだった。 「ゆっくりって何食うんだろ?」 「そんなの知るワケないだろ… りんごでも食わせ…オイ、起きたぞ!」 「………?」 横たわっているぱちゅりーは気絶から目覚めた時、 何か暖かいものの上に自分の体があるのを背中に感じた。 何だかゆっくり出来るもの、いつかの母の頬の様な暖かいもの。 ふと視線を動かすと他の3匹も寝ているのが見えた。 柔らかい毛布の上でゆーゆーと寝息を立てて寝ている。 「急に動かなくなったから死んだかと思ったな」 「っていうか今でも動いてない」 その視線が少し上を向いた時、ぱちゅりーは恐怖に凍りついた。 見下ろしているのは数人の人間。 自分達を殺そうとした人間達よりもかなり小型だが、同じ姿をした生き物。 ぱちゅりーは余りの恐怖から声も出なくなった。 「…………!!」 「何で動かないんだろ?つまんねぇな」 「やっぱコレ、怪我だったんだろうな」 そう言ってぱちゅりーを持ち上げてひっくり返す少年。 凍りついたまま動けないぱちゅりー。 ぱちゅりーの底部には包帯が巻いてあった。 顔まで覆わない様にと、下膨れの部分に不器用に何重にも巻いてあるそれは ぱちゅりー達を持ち運ぶ際に一人の少年がぱちゅりーの怪我を見つけ、 治療のつもりで巻いたものだった。 「○○、もういい加減暗くなるから帰ろうぜ おれ薪割り手伝わなきゃいけねーんだ」 「おお」 「コイツ等どうするの?」 「……放っておくか、持って帰るわけにもいかないし」 そう言って二人の少年達はぱちゅりー達を一瞥すると 鞄を肩にかけると廃屋から出て行き、民家の方へと夕暮れの道を歩いて行った。 「…………」 ぱちゅりーは最後まで口を開く事が出来ず 震えながら少年達の背中を見送る事しか出来なかった。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ぱちゅりーが少年達に出会った次の日。 4匹のゆっくり達はまだ廃屋の中に居た。 廃屋の扉は開かれていた。 昨日の少年達がゆっくりが出て行ける様にと開けておいたからだ。 しかし4匹が出て行かなかったのは、ぱちゅりーがまだ動けないからだった。 「ゆっくり食べていってね!」 「早く良くなってね!」 「むきゅ…れいむ、ありがとう…ごめんね」 動けないぱちゅりーにご飯を用意する3匹。 ぱちゅりーは巻かれた包帯のせいで 今までの様にまりさの帽子の上に乗せられても、直ぐに滑り落ちてしまう。 それが包帯のせいだと中々気付けない4匹は、 やはりぱちゅりーを見捨てられず、人間の巣の中で過ごす事を余儀なくされた。 「…!? オイ!○○!昨日のゆっくりまだいるぞ」 その日の夕方近くになってから、また昨日の少年達は姿を現した。 少年達が驚いたのは、この4匹のゆっくりが きっと一晩の内に何処かに行ってしまうだろうと考えていたからだ。 (当然の事ながら少年がぱちゅりーに包帯を巻いたのは 不器用ながら善意からのものだった、 少年はそのせいでゆっくりが廃屋から出られなくなるとは想像していなかったのだ) 「「「「……………」」」」 そんな事も知らない4匹にとっては絶体絶命の状態。 何しろ違う個体とは言え、 自分達の群れを滅ぼそうとしたのと同じ生物が5人も集まったのだ。 当然4匹は恐怖で震える筈であった。 だが、ぱちゅりーは昨日の件から今まで何も考えずに過ごして来たわけではない。 人間達が昨日、何故自分達に対して何もしなかったのか。 それを考えていたのだ。 一晩掛けて考えたその結果、 ぱちゅりーは『何も喋らなかったから人間は自分達に危害を加えなかった』 そう解釈するに至った。 思い返してみればあの日、群れが滅ぼされた日に人間に向かって 色々話しかけてから急に人間は暴れ始めたのだ。 食い扶持を減らされた事もあったのだろうが もしかしたら人間は自分達ゆっくりの喋り方が嫌いなのかもしれない、と。 ぱちゅりーは他の3匹のゆっくりにも 人間が来たら決して口を開かない様にと釘を刺しておいた。 口を結んで少年達を見上げる4匹のゆっくりの前で 話に聞いているゆっくりとは随分違うな、と首を傾げる少年達。 実際の所、これは身動きの取れなくなるという窮地に立たされたぱちゅりー達が、 殆ど自分を安心させる為に考え出した無茶苦茶な作戦であった。 「やっぱ紫のだけじゃなくて他のも喋んないね…」 「おかしいよな…ゆっくりって喋るんじゃないのかよ?」 「「「「…………………」」」」 だが、この的外れな思い込みこそが 後にぱちゅりー達を救う事になる。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「帰れ!この饅頭もどき!!」 「「「ゆわーーー!!!」」」 男がゆっくりに農耕について説明してから20分後、 そこには畑から放り出されて宙を舞うゆっくりの姿があった。 比較的我慢強いところのあるこの男も ゆっくりに農耕を概念を説明する事を諦めたのだ。 べたべたっ、と音を立てて土の上に落ちるゆっくり達。 「ゆっぐり”でぎないぃぃいぃ!!」 「ゆ”ぐうぅうぅ!! オジさんもゆっくり出来ない人なんだね!大っ嫌いだよ!」 「帰れ帰れ!二度と来るな!バカ饅頭!」 「ゆん!ありす!まりさ!もう行こ!」 そう吐き捨ててプンプンと山の方へと跳ねて行く三匹のゆっくり達。 全くゆっくりしていない。 結果的にこの様な形になってしまったが、 短い時間の中で男は畑のものは自分達が育てた物だと言う事を ゆっくりに懸命に教え込もうとした。 種を野菜の赤ちゃんと例え、 土の中で太陽の光と、自分達の与える水と栄養を食べて成長する事も。 そして自分が母親代わりとなって何ヶ月も世話をする事で ようやくこの様な姿になって、自分達の食べ物になってくれるのだと。 そこまで育てた自分達にこそ食べる権利があり、 だからこそゆっくり達はこれを食べてはならないと。 『オジさんは赤ちゃんを食べるの?』 『そんな事よりゆっくりしていってね!』 『このご飯は勝手に生えてくるんだよ!!』 『おじさん!嘘はゆっくり出来ないよ!』 『む~しゃ!む~しゃ!しあわ』 ゆっくりに野菜の事を教える事は、実に難しい。 だがあんな目に遭わせてやったんだからもう来ないだろう。 去って行くゆっくり達を青筋を浮かべて見送りながら、男はそう願った。 「おぉーい!!○○!今のゆっくりだろ!?」 そこに男の友人が訪ねて来た。 それは男と同じく畑を耕す者。 「おお○○3日ぶり、聞いてくれよ 初めてゆっくりを見たんだが キャベツ齧られたんで今追い出したところなんだ」 「途中から遠くで見てたよ 災難だったな、お前も」 「でも、痛い目に遭わせてやったんだから もう来ないだろ……『お前も』?」 「…あのゆっくり達、今お前がやったみたいに 一昨日俺が痛めつけてやった奴等と同じなんだ…」 「え?」 「一昨日は俺のところに来たんだよ あいつら、そんなに頭は良くないんだってさ …○○サンなんてとうとう畑で見つけ次第殺すようになったぞ」  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 結果から言うとぱちゅりーの立てた作戦は成功した。 少年達は喋らないぱちゅりー達に対して暴力を持って干渉する事は当然無く、 それどころか少年達がオヤツにと家から持って来た煎餅やキュウリまで与えてくれた。 それに対して、4匹のゆっくりは警戒心から中々口をつけなかったが 少年の中の一人が自分の分の煎餅に口をつけると 4匹は安心して目の前でいい匂いを放つ煎餅に口をつけ始めた。 (細かく砕かれた煎餅はカケラも残さず美味しく食べたが 過去のトラウマから、野菜であるキュウリだけは決して手をつけなかった) 少年達は自分達で塩を付けながらキュウリを食べると、 廃屋の中でドタバタとチャンバラ遊びを二時間程してから また昨日の様に、扉を閉めずに家へと帰っていった。 初めは内心恐怖でどうにかなりそうだったぱちゅりーも、 ありすも、れいむもまりさも勝ち誇った顔つきで確信していた。 自分達が喋らなければ人間はゆっくりしてると。 何故なら少年達が無口な自分達に対して危害を加えない事に加えて 少年達の中の一人が連れて来ていた、4匹のゆっくりと同じ様に口を利かない子犬が 少年達に大切そうに扱われているのを見たのだ。 それを見た4匹のゆっくりは最早、間違いない、 喋らなければ自分達は怖い人間達ともゆっくり出来る、そう確信した。 だが、少年の中の一人が帰り際に言ったこの台詞。 「じゃーなゆっくり!ゆっくりしてけよ!」 「「「「ゆっくりしていってね!!」」」」 4匹はそれを言った瞬間死を覚悟した。 しかし『やっぱそれだけは言うんだな』と笑って廃屋から出て行く少年達を見て ぱちゅりー達は『ゆっくりしていってねだけは言っても大丈夫』と認識した。 この廃屋に少年達以外の、 あの日ぱちゅりー達の群れを滅ぼした人間と 同じサイズの人間が来るのはこの次の日の事だった。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「どうじでごんな”ごどずるのぉおぉぉお!!?」 場面は移り、いつかゆっくりを放り投げた男の畑の中。 男の目の前には頬を蹴られて泣くゆっくりありすとゆっくりまりさ。 そしてそれぞれの口から吐き出されたキャベツのカケラ。 この二匹のゆっくり、かつて男に放り投げられたゆっくり達と同個体である。 その顔を真っ赤に染めて男は次の様に言った。 「お前等!二度とここに来るなと言っただろうが!」 「どぼじでえぇえぇ!? ばでぃざもあでぃずもゆっぐりじだがっただけなのにいいぃぃ!!」 「…………」 それを聞いた男は少し頭を冷ました様で、泣きわめく2匹のゆっくりに対して また1から、野菜は自分の育てたものでゆっくりのご飯では無い事を、 そしてここに来るのはお互いの為に良くないと説明しようとした。 「…いいかお前等、この前も言った事だがな ここにある野菜…いや、ご飯は俺が作ったものでな」 「…ゆ!まりさぁ!こっちだよ!」 「まりさ!こっちに来て加勢して頂戴!」 話を聞けと怒ろうとした瞬間、男は 二匹の視線の先に随分大きなゆっくりまりさが跳ねているのを見た。 そのゆっくりまりさは二匹の声に気付くと 怒った様にこちらに向かって急いで跳ねて来た。 それを見て畑の主である男は嫌な予感しかしなかった。 大きなゆっくりまりさが2匹の元に辿り着くと 男をまるで敵の様に睨んでから叫ぶ様に言った。 「ゆ”!人間さんがまたご飯を独り占めしてるんだね! いい加減ゆっくりさせてね! ご飯を守るよみんな!」 「「「えいえいゆー!!」」」 そう言って男を囲んで攻撃して来る3匹に増えたゆっくり。 2匹の体当たりは大した事は無いが、 大きなゆっくりまりさの体当たりは当ったところが少し痛むくらいの衝撃がある。 「オイお前等!やめろ!!」 急な展開に驚き、ゆっくり達から少し距離を取った男は 後ずさりながらなんとか冷静さを取り戻し、 こちらに向かって跳ねて来るゆっくり達を見ながら 前々から考えていた事を頭の中で纏めようとしていた。 「ゆっくり!ゆっくり!」 「…………」 そうする事は悪い事なのだろうか? 目の前のゆっくりを殺す事は悪い事なのだろうか? 山に住むゆっくりは人間と違って山の中のルールに従う野生動物と同じだ。 俺が稀に殺す機会のあるその野生動物と目の前のゆっくりを区別している理由は何だろう? 同じ言葉を使う?それは何の意味があるだろうか? 数瞬の内に生まれた疑問に対して、男は ゆっくりまりさからのふくらぎへの噛み付きの痛みの御陰で 強引ながらも答えを出せた。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 男の視線の先にあるのは広がった餡子やカスタードに段々と集っていく、蟻の行列。 そして痙攣する大きなゆっくりまりさ。 激情にかられてやってしまったと少し嫌な気分になったが それも大したものでは無かった。 「ゆ”っ……ゆ”っ……ゆ”っ」 「………………」 痙攣している大きなゆっくりまりさはまだ生きている。 いっそのこと楽になって貰おうかと男は思ったが、 かつて他所の村から来た男に聞いた話を思い出して止めた。 『近くの山の中のどっかに群れがあるんだよ どこかって?見つけるのは簡単だ 捕まえた一匹を群れまで道案内させりゃいいんだからな』 その言葉を思い出してから男は一つ後悔した。 それは小さな方のゆっくりを殺さずに残しておけば良かったと言う事。 コイツでは大き過ぎて持ち運びに苦労する。 そんな事を考えていた男がふと、廃屋のある方向に目を向けると このゆっくりよりも小さそうなゆっくりが廃屋の周りで跳ねているのが見えた。 縛る事で動けなくなるのかどうかは疑問だったが、 男は縄を用いてボロボロのゆっくりまりさを縛って倉庫に置くと ゆっくりと廃屋の方向へと歩いていった。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「ゆっくり!ゆっくり!」 「ゆっくりしていってね!」 廃屋の前の野原で追いかけっこをして遊ぶゆっくりありすとゆっくりれいむ。 口を開かないというのもゆっくり出来ないと感じる4匹のゆっくりは 許された只一つの言葉『ゆっくりしていってね』だけは喋る様になっていた。 それは不思議な感覚だった。 まるでそれが元々の自分達の言語だったかの様に、 最近ではその言葉だけで4匹の間では大体の意思疎通が出来る様になっていたのだ。 「ゆっ?」 「「ゆゆ?」」 二匹はその体に影がかかった事に気付き、その視線を上げた。 その先に居たものは知らない人間。 それも成体の人間、先程の男である。 「「ゆ”ゆ”ーーーー!!」」 「あっ!おい、待て!」 ゆっくりれいむとゆっくりありすは今度は恐怖から 男が驚く程の叫び声を上げると廃屋の玄関へと跳ねていった。 4匹のゆっくり達が今まで少年達に対して、それ程怖がらずに相手出来ていたのは かつて群れを滅ぼした人間よりもずっと小さかったから。 そういう所もあったのだ。 あの群れの崩壊の日から、久しぶりに成体の人間を見た2匹は 男から何かゆっくり出来ないモノを敏感に感じ取り、 ぱちゅりーとまりさが昼寝している廃屋の中へと、 そして少年達のいる廃屋の中へと入っていく。 それを追って男も廃屋に入っていった。 「……? こんなトコで何やってんだお前…」 「ちゃ…チャンバラごっこ… 父ちゃんこそ何やってんの?」 「「………………」」 「ゆっ…ゆっ…」 父親に秘密基地とチャンバラごっこを見られた少年と ゆっくりを追って子供達の秘密基地に入って来た、その父親との気まずい空気の中 ゆっくりれいむとゆっくりありすの泣き声だけが静かに響いていた。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 「コイツ等はそんなのと絶対そんなのと違うって 野菜も食わないし、それに人間の言葉だって喋んないじゃん」 「つってもなぁ…」 「ほら見て、野菜食べない 最初からこうだったんだって、そうだろ皆!」 差し出されたキュウリから逃げる様に顔を背けるゆっくりれいむ。 そして少年の言葉に頷く周りの少年達。 この時、既に4匹のゆっくりは少年達の秘密基地のマスコット的存在となっており、 少年達は自分達の秘密基地であるこの廃屋に住み着いた (と言ってもぱちゅりーが動けないだけだが)4匹のゆっくり達と 『秘密を共有している』という意識から仲間意識を持つ様になっていた。 男がこのゆっくりを捕らえようとしていると知ったその息子は 4匹のゆっくりを守る様に父親を説得し始めたのだ。 「ホントだ…ゆっくりってのも色々あるのかね?」 「でしょ?」 先程のゆっくりだったら迷わずキュウリを口に含んだ事だろう。 それに廃屋の玄関で会った時から今に至るまで 4匹のゆっくり達は怯えた視線を男に送るばかりで何も喋らない。 目の前でゆっくりはまるで先程のものとは別生物の様だ。 そう思った男は 何もこんなにゆっくりを保護しようとしている息子から 無理にゆっくりを捕らえる事も無いと考え、 先程の2匹のゆっくりに向かってごめんなと謝ると 今度は唯一他のゆっくりと姿の異なるぱちゅりーが気になって目を向けた。 「………」 「ゆっくりしていってね…?」 無言でこちらを見つめる男に怯えながら 取り敢えずの挨拶を済ませたぱちゅりーは、 返事をしない男に対する恐怖でまたその身を強張らせた。 「何だよアレ?包帯? お前等、あんなのをゆっくりに巻いてたら動けなくなるんじゃねぇの?」 「あぁ、それは怪我してたみたいで… でももう治ってるかも ちょっと解いてみようぜ」 少年の手がぱちゅりーを素早く持ち上げて包帯を解き始めた。 何重にも巻かれた包帯が床に落ちてとぐろを巻いていく。 「む…きゅ?」 「怪我、もう治ってるみたいだな」 そう言って少年はぱちゅりーを床に置いた。 数日ぶりに露になったぱちゅりーの口から下の体。 包帯から解放されたぱちゅりーは開放感と共に、 その裂けかけていた底部が既に治っている事を実感した。 「ゆ…ゆ…」 「ん?」 「ゆっくりしていってね!」 久しぶりに言った本心からの『ゆっくりしていってね』 この少年がぱちゅりーの怪我を治したわけでは無かったが、ぱちゅりーは 目の前の少年がいつからか自分を縛る様になった鎖を解いてくれた様な気がしたのだ。 その喜びからぱちゅりーは少年に言いたくなったのだった。 ありがとうという意味の『ゆっくりしていってね』を。 その意味を理解したのか、していないのだろうが 少年は頭を掻くと父親に耳を引っ張られながら 畑仕事を手伝いの為に廃屋から連れ出された。 そしてその後ろを子犬がトコトコと付いていった。 この日を境にぱちゅりー達は少年達にだけは信頼を置く様になり、 夕方に来る彼らに対して『ゆっくりしていってね』と歓迎する事さえする様になった。 結局4匹のゆっくりは、ぱちゅりーの底部が治る事で いつか見つけたゆっくりプレイスに戻れる事も出来る様になったが それはせずに廃屋の中で暮らす様になった。 廃屋に来る人間はゆっくりしてるし、この廃屋も雨風も通さず、 ご飯も周りにあり、4匹全員で住める立派なゆっくりプレイスだと分かったからだ。 4匹は少年達以外の、成体の人間に対しても、 いくつかの事件を通じて段々と心を開く様になっていくが、それは別の話である。  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ それから数日後の山の中。 村の男達は数人で山道を歩いており、 その中の一人が縄で縛られた大きなゆっくりまりさの縄を掴んで乱暴に揺すっていた。 「ゆぎいいぃいぃぃ!!だずげで!! ゆるじでえぇえぇ!!」 「うるさいな全く… ホレ、次はどっちだ?」 「ごご!ごごの広場に皆がいる”よ”!!」 「おぉ、アレか? 本当だ居た居た オイ皆!こっちだこっち!」 「ゆ?皆!人間さんが来たよ! ゆっくり挨拶してね!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 「…………」 男達は冷めた目つきで挨拶をするゆっくり達を見渡した。 ぱちゅ達の抜けた時点ではまだ20数匹は居た群れの ゆっくり達の数は既に10匹ちょっとまで減っていた。 『狩り』に行った際に段々と始末されていったからだ。 「オイ、お前等全員これを見ろ」 そう言った男が手の中で暴れるゆっくりまりさを 集まっているゆっくり達に向かって放り投げる。 「「「ゆ…?」」」 ズザーッと音を立てて着陸する大きなゆっくりまりさ。 実はこのゆっくりまりさ、この群れのリーダー的存在だった個体だ。 「「「まりざああぁあぁ!!?」」」 「「どうじでええええぇえぇえぇ!!?」」 ゆっくり達の悲鳴に眉を顰めた男は 今度は背負った籠から齧られたキャベツを取り出す。 かつてゆっくりに齧られたキャベツだ。 「ゆ!人間さん!それをれいむにゆっくり頂戴ね! そうしたらおじさんの事ゆっくり許してあげるよ!」 そのキャベツを見てポンポン跳ねて男に近づいて来るゆっくり達。 そのゆっくり達に教え込むように男は説得を始めた。 「…いいか、そこのゆっくりまりさはこの野菜を食べたからこうなった これから俺等人間の元に来てこの野菜を食べる奴は」 「ゆぴ」 男の説得が終わるまで待たずに 一人の男が集まって来たゆっくりを一匹踏み潰した。 説明を始めようとしていた男は驚いた風も無く ゆっくりを踏みつぶした男に顔を向けた。 「ゆ”ゆ”!?」 「もういいだろそんなマネは とっとと終わらせて戻ろうぜ」 「れいむぅぅぅうぅぅうぅ!!?」 「この前2匹も殺しておいてなんだが 丁寧に長い時間かけて恐怖を絡めながら教えれば きっといつかは聞く様になると思うんだがね…」 「どぼじでごんなごとずるのぉぉおおぉおおぉお!!?」 「来る前に決めていた事だろ? …それにそんな時間掛けても俺等には何の得も無い」 「ゆっぐりでぎない人間はゆっぐりしねえぇぇえ!!」 「全部踏みつぶせば解決する事なんだからな」 この群れのゆっくり達にとって、それは気付きようも無い事だった。 人の言葉を理解出来なければゆっくりまりさは 人間に群れの場所や情報を教える事も無かった事に。 人と同じ言葉を話さなければ人を怒らせる事も無かった事も。 この日群れは壊滅し、以来この村は 畑を荒らす他のゆっくりの群れに対しても 他所の村がそうする様に群れ単位で責任を取らせるようになった。 ゆぎゃああぁあぁぁあぁ!!! 「ゆっくりー! ゆっくりしていってね?」 『れいむ、今何か聞こえなかった?』 「ゆっくり!ゆっくりしていってね!」 『分かんないよ!ゆっくりしていってね!』 その頃4匹のゆっくりは廃屋の中で、どこまでもゆっくりしていた。 いつしか4匹の喋る言葉は『ゆっくりしていってね』の中の10文字だけとなり、 それだけで会話をする様になっていた。 不思議な事に、かつて使っていた言葉を使って話す事はもう出来なくなってしまったが、 そんなものはもう4匹のゆっくりにとってどうでも良い事だった。 日が昇ってからゆっくりと廃屋の外に出て、 その辺りに生えている雑草をついばみ、たまに『お煎餅』を貰う。 たまにあの少年やおじさん達がくれる『お煎餅』は凄くゆっくり出来る。 お腹が膨れたら4匹揃って横になってお昼寝をする。 そしてお昼過ぎに起きては皆で遊んで、 夕方になったら廃屋の中で少年達と遊んで、帰っていくのを見送ってから また巣で食べる為のご飯を口の中や帽子の中に詰めて廃屋の中へ持ち帰るのだ。 どこまでも争いの無い平和な廃屋の中。 4匹のゆっくりは皆、幸せ一杯に暮らし、 どんな時でもゆっくり出来るようになった。 ー完ー ーーーーーーーーーーー後書きーーーーーーーーーーーーーー 前作がゆっくりボールマンさんの作品と余りに被ってて恥ずかしかった… ボールマンさんすいませんでした。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1968.html
続々ゆっくり研究 20KB 虐待-普通 制裁 愛で 観察 考証 差別・格差 妊娠 飼いゆ 野良ゆ 姉妹物 透明な箱 独自設定 続々ゆっくっり~ *いやぁ~ちょっと趣向を変えてみたが不評でした。 *今回は一作目と同じ設定に独自のニュアンスを絡め、話が単調にならないように展開を多めに入れてみました。 *厳しい意見はとってもためになり次回作の意欲に繋がるので大変感謝です。 *でも、あんまり怒られると凹む乱筆乱文の作文野郎ですが生暖かい目で見てやってください。 *そんではどうぞ~♪ 十一目 本日は他のゆっくり研究員達数名と朝からディスカッションをしていた。私の研究成果の中途報告をしたところ様々な意見が出た。 ・研究の手法としては概ね問題は無いが、ゆっくりを追い詰める姿勢に問題がある。ゆっくりへの虐待はゆっくり研究では不可欠だが 少し感情移入が多く無いか?それに伴って研究視野が狭まってきてはいないか。 少々耳が痛い質問であったが反省すべき点に気づかされたので大変感謝した。 ・研究するには個体数が少なすぎではないか?蔓を採取した親ゆっくりごと捕獲したら良かったのではないか? これに対しては私が考える研究計画から大きく外れるのでそれに関してはコメントを控えると伝えた。 ・ゆっくり研究をするのなら是非一度食してみるべき。 可でもなく非でもないが苦笑いで応対した。 最後にこれからの私の研究のマイルストーンに少しだけ触れた。 ・現在の個体の中でブリーディングを成功させ、野良ゆっくりが野性の中でどれだけの種類の個体と交配を重ね、その遺伝子を 継ぐ遺伝子餡を保有してるかを検証する。 ・最終的にはクラスAを常時1~2匹、クラスBを常時3~4匹、クラスCを常時10匹前後、クラスDを10匹以上保有すること。 ・そして最後にクラスSSとなる一般放し飼いの個体に金バッジ認定以上の上位教育を施し知能の限界を試す 私はディスカッションで得た意見等を参考に新たな研究姿勢を模索しつつ夕方近くに研究室に赴いた。 クラスCの水槽を覗きこんでみると長女のれいむと次女のまりさがボーっとクラスCの水槽を見下ろしてた。その一方、三女のぱちゅりは 水槽の角で蹲っていた。 三女のぱちゅりにどうした?と尋ねたら、なんでもないと一言言うだけなので例の監視カメラの録画記録を確認してみた。 餌の事でかなり虐げられたようだ。 もう一度三女のぱちゅりに、他の二匹に餌の事で苛められたのか?と聞いたら、いきなり口からクリームを吐き出した。確かどこかの 論文で「ぱちゅり種は過度のストレスによって体内の内容物を吐き出して弱ってしまう。」と、書いてあったのを思い出した。 ちょうど良い機会なので三女のぱちゅりを隔離するべくクラスBにランクアップさせることにした。 クラスBの水槽に移動した三女のぱちゅりは、激しく動揺してさらにクリームを吐いた。私は焦りながら三女のぱちゅりを説得した。 ・ここにはおしおきのために入れたのではない。・優れた個体だから入れた イマイチ「優れた」という意味が伝わらなかったようだが、まぁ良しとして私は簡単に水槽の説明をした。そして新しい設備の 二倍に薄めたオレンジジュースが滴下される皿の事も。 とりあえず薄めたオレンジジュースを舐めさせてみたところ非常に喜んでいる。しきりに感謝の言葉を投げかけてくるので早速 クッキーを与えた。ちゃんとクッキーの前で制止して私の言葉を待っているので焦らさずあっさりと食べることを許可した。 折角の餌を残すほど嫌がってたクッキーをガツガツと食べながら、美味しいとか感謝の言葉とかを投げかけながら笑顔で食べている。 これは人間である私に媚へつらって言っているのか?もしくは本当にそう思って言っているのかは暫く様子を見て見極めねばならない。 そして最後の一欠けらに差し掛かったところで残りの餌を保存したいと願い出た。クラスCで見たボトルキャップに詰められた餌は 三女のぱちゅりの仕業だったのかとわかった。 私が快諾すると三女のぱちゅりは水槽に転がしておいたアイテムの中からまたボトルキャップを選び出してそこに残りの一欠けらを 入れ巣の中の奥にしまいこんだ。 指先で戯れてやってると食後の便意をもよおしたらしく排泄用の穴から便を下に落とした。落ちた便はまっすぐ下のクラスDの水槽に 落ちた。クラスDの水槽でぐったりしている四女のちびれいむと五女のありすはそれを餌だと思い、力なくその便に近づき食べようと したが、臭い臭いと言ってそれが便である事実に愕然としていた。三女のぱちゅりは排泄用の穴から悲しそうに下を覗き込んでいた。 次にクラスCの水槽に移ると相変わらず節操無く餌の要求を繰り返しているが、さすがにいつもよりは元気が無い。とりあえず クッキーを二枚置いて焦らしてみる。次女のまりさは固く強張りながら良し!の号令を待っている。長女のれいむは唸るような表情で 号令を待っているのでさらに焦らした。 1~2分焦らしたところで良し!と号令をかけた。二匹ともクッキーに飛びついてを必死に喰らっている、既に味の事なんか二の次で、 瞬く間に餌を喰らい尽くした二匹は、しつこく遊んでくれとねだってきたので遊んでやっていると。不意にこう質問してきた。 なぜ三女のぱちゅりは、あんなところに居るのだ?さっきからぱちゅりが舐めているあれは一体なんだ?と聞いてくるので二匹に こう説明した、三女のぱちゅりは言うことをちゃんと聞いて良い子にしているから。すると自分達もちゃんとゆっくりしていると 反論してきた。 個体達がしきりに使う「ゆっくり」の意味が少しだけわかったような気がした。次にあの舐めているものはなんだ?と言う問いに 実際に一滴づつ口の中に垂らしてやって理解させた。 飛び上がるほど喜んでさらに寄越せと騒ぐので菜箸の先で弾き転がしてから、お前達はまだまだダメだ!という旨を伝えた。 二匹は黙ってうらやましそうに自分達が居るクラスCの水槽の上の段にあるクラスBの水槽でで快適に過ごしてる三女のぱちゅりを じっと眺めていた。 最後にクラスDの水槽に移り観察していたら、ぐったりする四女のちびれいむと五女のありすがやってきて餌の催促を力なくする。 餌ならさっき落ちてきたアレがあるだろと言ったら、あれは食べ物じゃない!と猛烈に抗議してきたが、私はその抗議を遮り、 餌はアレだ!と冷静に伝えて続けて放たれる戯言を一切無視した。 二匹の前日の傷口をよく観察すると餡の流出こそは止まっていたが、皮の再生は思いのほか進んでいない。五女のありすに至っては 次女のまりさに噛まれた歯型の通り丸く皮が切り取られ、その切り取られた丸い皮は一部だけ体の皮と繋がって、まさに皮一枚で プラプラとぶら下がってた。 過酷な環境の元では再生能力も格段に下がると思われる。 十二日目 本日は少し遅めの午前10時に研究所に赴いた。 まずは手始めにクラスBの水槽に歩みを進め三女のぱちゅりの様子を観察。起床時間だったのかちょうど巣穴から出てきて 例の挨拶から始まった。挨拶を交わしてやると非常に喜んで跳ねて回った。本日も例のクッキーを与えたが相変わらず何の不満も 言わずニコニコしながら感謝の言葉を絶やさず食べ、昨日と同じく私の許可を貰ってクッキーの一欠けらを咥えて巣穴の奥に 消えていった。 巣穴の奥を覗き込んでみると、寝床にハンドタオル、食料庫にペットボトルの蓋、使い道は謎だが金属製の光った栓抜き、使い切った ボタン電池、どこかのメダルなどが綺麗に並べられていた。 滴下されたオレンジジュースを随時舐めずに溜めて置いたらしく受け皿いっぱいになったオレンジジュースを食後のデザートと 言わんばかりに一気に飲んで満面の笑みだ。 だが、少し気がかりなのは、笑みの向かう先は下のクラスCの水槽に居る二匹の兄弟に向けられていたことだ。 次はクラスCの水槽に近づき観察してみると、長女のれいむと次女のまりさは既に起きておりその視線はクラスBの水槽でであった。 二匹はなぜあっちのクラスBの水槽に行けないのか?みんな一緒に居ないと楽しく出来ないなどと訴えてくるがダメなものはダメと 言い聞かせた。二匹はいつも通りにガツガツとクッキーを噛み砕き水分も取らずに咳き込みながら食事を済ませた。 しばし長女のれいむと次女のまりさと指先で戯れていたが、しきりに次女のまりさがみんなと一緒に居たいと訴えてきた。 クラスDの水槽に居る二匹の傷の治りが遅いのは隔離してることが原因なのかもしれないと思った。 早速クラスDの水槽を覗きこんだ。四女のちびれいむと五女のまりさはお互いもたれ掛かるようにして虚ろな目で空を見ている。 二匹の傷口の具合は相変わらずだ。体内の餡の水分が減ったのか、餡自体が減ったのかは定かではないが少しやつれているようだ。 三女のぱちゅりが落とした便には口を付けていないらしく落ちてきた状態のままだった。 監視カメラの録画記録をチェックしてみるとそこにはなんとも笑ってしまう現実が写っていた。 お互い先に眠った方の傷口から餡を相手に舐め取られていたのだ。舐め取られた方はそれに気付いて相手を叱責している。 そんなことをお互い交互に繰り返しているものだから体内の餡は二匹とも減っていたのだ。 一見仲良さそうに見えた光景だが本当は至近距離で相手が眠るのを待っていただけだったのだ。 なんとも間抜けな事実を知って疲れたので本日は別室にて少し遊ぶことにした 水槽は無防備に蓋もされず置いてあったが中の野良れいむはしっかりと足を焼かれていたので脱走することも出来ずに水槽の中で 長細くなって横たわっていた。肛門付近には多量の便がありそれから身を遠ざけるための措置らしい。 眠ってるのか起きているのか解らないので顔面をライターで軽く炙ってみると絶叫を上げてビタンビタンと身をくねらせた。 なんで酷いことするの?とか便が臭くてゆっくりできないとか母親の所に帰してとか口やかましく言うので焼いた足の部分を カッターナイフで何度も執拗にに切り付けライターで炙った。もはや奇声のような声を上げてキューっと身を縮めて痛みと戦っている。 涙声でなんでこんな酷いことするの?と言うのでニッコリと笑ってから焦げて硬くなった足の部分を握り潰してやった。 余りにも強烈な痛みに絶叫も出ず喉の奥から餡を吐き出して痙攣し始めた。 この程度で死なれてもつまらないので普通濃度のオレンジジュースを注射器で100mlほど注入して水槽に蓋と重石を載せた。 そうだ今度空気や食塩水を注射器で注入してみようとアレコレ考えながら本日の活動を終えた。 十三日目 本日は午後から研究室に赴いた。 早速餌のクッキー片手にクラスBの水槽を覗きこんだ。三女のぱちゅりは寝床の巣穴にはおらずクラスCの水槽が見下ろせる壁に へばりついて下のクラスCの水槽を覗きこんでいた。どうしたのだ?と問いかけると、下の水槽が大変だというのでチラっと 目をやると長女のれいむの額から蔓が伸びてるではないか!私は良しの号令はいいからとクッキーを水槽に放り込んでクラスBの 水槽に移動した。 クラスBの水槽では長女のれいむとそれに寄り添うように次女のまりさが傍に居た。私を見た二匹は、赤ちゃんができたと喜んでおり 次女のまりさは嬉しそうにピョンピョンと跳ねて私に報告してきた。長女のれいむは私のあかちゃん、私の赤ちゃんと終始笑顔である。 さっそく餌のクッキーを広場に置き、良し!と号令をかけたら長女のれいむはクッキーを見るや否やこれじゃ足りないと怒鳴ってきた。 赤ちゃんが出来たのだからもっと美味しい餌を寄越せだの、量が足りないから二倍持って来いだのかなり酷く増長していた。 咄嗟に次女のまりさが自分の分もあげるのでとなだめているが長女のれいむの生意気な発言は次から次と連発して出てくる。 私は長女のれいむを鷲づかみで持ち上げ蔓を観察した。一番先頭の個体は今にも生まれ落ちそうなくらい成長してた。 先頭から種類を確認すると、れいむ種が続けて二つ、続けてまりさ種が二つ、最後にぱちゅり種が一つの合計5個体が生っている。 観察の間、延々と罵倒してきたので私はそのまま長女れいむをクラスDの水槽の真上に持ってきた。あまりわがままを言うとここだぞ! と脅したが長女れいむはさらに罵倒してきた。 私は黙って先頭の個体を毟った。 長女のれいむは悲しみの断末魔の叫びを上げ返してと叫び続けた。私は一旦、長女のれいむをクラスCの水槽に戻し、掌の上で 母を捜して泣いている生まれたばかりの個体を水槽のガラス越しに長女のれいむに見せた。 長女のれいむは泣き叫びながら返せと喚く。私は泣きながらガラス越しの母に助けを叫んでいる個体を手のひらの上で 真っ二つにカッターナイフで切り分けた。 長女のれいむは気が狂ったように叫びを上げた。まだ騒ぐのなら残りの赤ちゃんもやるぞ!と脅したらボロボロと涙を流して 口をつぐんだ。 私は手のひらで二つに切り分けられた個体をクラスDの水槽に放り込み。 それを食ったら戻してやるぞと四女のちびれいむと五女のありすに言った。一部始終見ていた二匹は目の前に置かれた真っ二つの 新しい兄弟を眺めながら硬直していた。 ほら食べたらみんなの所に帰れるぞ!と食うことを薦めた。二匹は空腹で視線が定まらない目で真っ二つになった兄弟を見つめ、 おもむろに食べ始めた。 すると二匹は凄く美味しいと貪るように食べて喜んでいるではないか。私は二匹に装飾品を返してやってクラスCの水槽に戻した。 長女のれいむは赤ちゃんを食べた二匹を叱責すると思いきや、どんよりと疲れた顔で巣穴の中に消えていった。次女のまりさは 長女のれいむの罵倒を詫びて、その事を許してやってくれと哀願してきた。発情を迎え、性別がオスに固定された次女のまりさは もう次女とは呼べなくなったようだ。 元次女のまりさは長女のれいむが食べなかったクッキーを渡してくると言ってクッキーを咥えて長女のれいむの後を追った。 長女のれいむは個室の奥でポケットティッシュで作った寝床を柔らかく盛りまとめて、その上に蔓が来るように座り込み 元次女のまりさにクッキーを食べさせろと口やかましく命令していた。 私は早速別室にて水飴処理の準備と小細工の準備をした。まず人間用の睡眠薬をすり潰して水に溶き、水溶液を作った。 それを角砂糖に染み込ませ、特製の角砂糖を作った。次に水飴を注射器に入れ、痛み止めのオレンジジュースを用意した。 深夜になってから私はそっと研究室に戻り全員眠ってるのを確認してから長女のれいむをそっと巣から掴み出した。 掴み出された長女のれいむは、どうしたの?離して!と騒ぎ出しそうになったので、お前は妊婦なんだから特別な餌を与えようと 誤魔化して机の上のタオルの上に移動した。 そこで先程作った睡眠薬が染み込んだ角砂糖を一つ食べさせた。凄く美味いとガツガツと一気に食ってしまった。もっと寄越せと 言いたそうであったが先刻の事があったので、おいしかったよと言ってきた。 長女のれいむに睡眠薬が効きだすまで、赤ちゃんを眺めてて良いか?と下手に出てお願いしたら、偉そうに少しならいいよと了承 してきた。真っ二つにされた個体の次の個体は既に生れ落ちそうな状態だったのでヤバイヤバイと焦ったが睡眠薬が効いたらしく 長女のれいむはやっと眠った。 角砂糖を与えたせいか成長が目に見えて早くなった。さっそく一匹目が生れ落ちた。予想通り落ちた瞬間から例の挨拶をしてきたの だが、それに答えると後々面倒になりそうなので無視を決め込んでたら泣き出した。 うるさいのでクルリと後ろ向きにして何が起きた?と動揺する個体の背後からブスリと注射器の針を刺した。いきなりの激痛に 白目を剥いて硬直してるので面白い。 水飴の注入を終えて針を抜くと火がついたように泣き出したので傷口にオレンジジュースを塗ってやる。前に読んだ論文の実験風景の ようにすぐに痛みが消えたらしく少しの間混乱してたがすぐに忘れてその辺を飛び回るのでティッシュを敷いたタッパーに入れた。 そのようなことを繰り返して全員水飴処理を終わらせ長女のれいむの方を見ると既に蔓は抜け落ちていた。 私は眠る長女のれいむを巣穴に戻し、あたかも今抜けたように目の前に蔓を置いた。それから生まれた子供達を巣穴に放り込み 眠る長女のれいむを揺り動かして起こそうとしたが一向に起きない。仕方が無いので額に針を突き刺してやったらギャーと叫んで やっと起きた。 ほら、赤ちゃんがもう生まれているぞ!と言ったら、怪訝そうな顔でまだ生まれないはずなのにと不思議そうにしてたが、自分の 子供達を見たらそんな考えも吹き飛んだらしく、大喜びで自分が母だと言って蔓を食べさせていた。 子供達はやっと母親を認識したらしく頬を摺り寄せて甘えている。そうこうしてたら父親のまりさが起きだして感動しながら自分が 父だと説明して子供達と挨拶を何度も繰り返していた。 本日は夜も遅いのでこの辺にして惰眠を貪ることにした。 十四日目 本日は新しい研究対象が出来たことなので朝から研究室に赴く。 まずはクラスBの水槽に向かい三女のぱちゅりの様子を見た。既に起床していたらしく、小皿に溜まったオレンジジュースを舐めていた。 この水槽に移動してからは毎日機嫌もよく、うるさい位に挨拶をして甘えてくる。指先を甘噛みさせたり、頬を撫でて可愛がってると 長女であり今は母親のれいむの子供達の一人が自分と同じだ。一人だけ両親と同じ姿じゃないので苛められてる。と寂しそうに 打ち明けてきた。 私は餌のクッキーを与えてから、下に行って子供達を見たいか?と尋ねると行きたいと猛烈に頼み込むので、餌が食い終わるのを 待って、下のクラスCの水槽に一時的に下ろしてやった。 三女のぱちゅりが巣の前に向かうと巣の前で中に入れてもらえない四女のちびれいむと五女のありすが居た。 なんでも子供達を食べた二匹を意地でも近づけさせないように長女のれいむが巣の奥で威嚇している。 あんまり兄弟に冷たくしてると子供達を全部取り上げるぞ!と脅したら、しびしぶ巣穴から出てきた。 私は母親のれいむに一枚、子供達に一枚、父親のまりさに一枚、四女のちびれいむに一枚、五女のありすに一枚と餌のクッキーを 与えた。父親のまりさは子供達に餌を食べる時のルールを教え子供たちは以外に素直に従った。当の母親である長女のれいむは 相変わらず餌の前で険しい表情で号令を待っている。 私は号令を焦らして子供たちの様子を伺ったがみんな父親のまりさのように黙って餌の前で並んでいた。そしてやっと良し!の号令を 出した。父親のまりさと子供たち以外はガツガツとみっともなく餌に噛り付いた。 食事を終えた全員は早速排便をもよおして排泄用の穴から排泄し始めた。そこでも父親のまりさは排泄のルールをしっかりと 子供たちに教え込んで排便の手助けをしていた。 発情期を終えすっかり真面目になった父親のまりさを見て、ここでやっと性格の固定が済んで自分の役割に目覚めるのだなと確信をした。 食事と排便を済ませた母親のれいむと父親のまりさ達は仲良く子供達と戯れ、子供達も両親に甘えている。発情を終え真の性格が 固定された長女のれいむは餌が足りないから父親のまりさに追加の餌を私から貰って来いと口汚く罵っている。 かなり我がままな性格に固定されたようだ。 父親のまりさは私に非常に気を使いながら餌の追加を頼んできたがダメと一言言って話を終えた。その結果を長女のれいむに報告 するや否や長女のれいむは酷く父親のまりさを罵り追い詰めていた。 落ち込んでいる父親のまりさを元気付けようと泣きながら頬擦りして例の挨拶を繰り返してるのは一番最後に生まれた、ぱちゅり種の 個体のだった。 母親の方で生まれた子供たちみんなで頬を摺り寄せる遊びみたいなのが流行って、ぱちゅり種の個体も乗り遅れてはならないと言わん ばかりに、てんてんっと跳ねて母親のれいむの傍に擦り寄った。 二~三度、頬擦りしたあたりでその子は他の子に弾き出された。母親のれいむはそれを見ても何の関心も示さない。それどころか 泣きじゃくるその子に泣いてばかりでうるさいと怒鳴りつける始末だ。私は一体どういうことなんだ?と責めたら、その子は父親にも 似てない母親である自分にも似てないダメな子。と決め付けそっぽを向いている。 私は、この母親になったれいむは頃合を見計らってさっさと隔離しないと研究の邪魔だと悟った。 そんな、ぱちゅり種の子を優しく呼んで可愛がるのは同種である三女のぱちゅりである。自分が姉だよと優しく頬を摺り寄せ 目に涙を浮かべながら可愛がっている。 その光景を見ていた母親のれいむはあんなの自分の子じゃないと二人に向かって罵声を放ってきた。子供の前だからと自制してたが いい加減その生意気な口調を直せと母親のれいむを掴み上げ子供たちに見えないよう背を向けて力いっぱい指で数十発弾いてやった。 ようやく涙目になりながら、もうしないと言ったので水槽に戻してやった。子供たちは不安そうに母親に擦り寄り、どうしたの? と心配して腫れてる部分を小さな舌で舐めている。 私は三女のぱちゅりをクラスBの水槽に戻す際、のけ者にされていた、ぱちゅり種の個体もクラスBの水槽に移した。父親のまりさが 何故?と聞いてきたが、ここで苛められるよりマシだろと言ったら素直に納得していた。 クラスBの水槽に来たぱちゅり種の個体は最初母親が居ないと激しく動揺して水槽の中を探し回っていたが三女のぱちゅりがちゃんと 下の水槽に居るよと教えて少し落ち着いた。 三女のぱちゅりがクラスBの水槽の設備を優しく説明して最後に滴下されるオレンジジュースを舐めさせた。喜んで舐めるぱちぇり種の 個体、子ぱちゅりを眺めて微笑んでいた。 十五日目 本日は昼過ぎに研究室に赴いた。 私は資料の整理をしてからゆっくりとクラスBの水槽に近づき三女のぱちゅりと母親のれいむのぱちゅり種の個体、子ぱちゅりの様子を 見た。二匹は既に起きてて、水槽に転がしておいたパチンコの玉で遊んでる子ぱちゅりとそれを優しく微笑みながら眺める三女の ぱちゅりが居た。 相変わらずの例の挨拶を投げかけてきたので挨拶を返し、三女のぱちゅりに昨夜はどうだった?と聞いたら少しだけ夜泣きは したものの問題無かったと返答があった。 餌のクッキー一枚と1/5のクッキーを並べて置いて、一枚の方に三女のぱちゅり、子ぱちゅりはこっちと1/5の方に並ばせた。 子ぱちゅりは何の文句も言わずにニコニコと1/5のクッキーの傍でちゃんと号令を待っていた。 相変わらずこの種の行動には感嘆させられる。たいして焦らしもせず良し!と号令をかけてクッキーを食べる子ぱちゅりを確認してから クラスCの水槽に移った。 水槽の前に移ったとたんに昨日あれだけ制裁した母親のれいむが早く餌を寄越せと口汚く罵っている。父親のまりさは一生懸命それを 制止していたがどうにもならない様子だ。しかも子供達まで幼い口調で早く餌を寄越せと言い出している。私は黙って水槽の広場前に 母親のれいむに一枚、父親のまりさに一枚、子供達に一枚、四女のちびれいむに一枚、五女のありすに一枚と並べて号令を焦らした。 すると母親のれいむがもう待ってられないと食べ始めてしまった。父親のまりさはあっと声を上げたが時すでに遅しで子供たちまで 母親の真似をして食べ始めてしまった。父親のまりさはしきりに謝罪をして母親れいむと子供達を許してやってくださいと哀願してきた。 四女のちびれいむも五女のありすまでも、どこで覚えたのか解らないが身を器用に折り曲げ頭を下げて自分達は餌抜きでいいから許して やってくださいと訴えている。 私はここで感情的にならずならず黙って水槽を離れた。 そしてその夜深夜、私は静かに研究室に向かった。 私はクラスCの水槽の巣穴の奥に眠る母親のれいむの口を手で塞ぎ、静かに巣穴から取り出した。 巣穴から取り出した母親のれいむを別室に連れて行き、お前はあの水槽よりこっちの水槽の方がお似合いだ!と例の水槽に放り込んだ。 その中で大量の便と共に倒れている自分の姉にあたる姉のれいむを見て、汚い臭いを連発していた。 姉のれいむは少し考えてから罵倒してくる同じれいむ種が自分の妹だとわかった。自分が実の姉だよと妹であり現在母親のれいむに 訴えたが、そんな臭くて汚いのは姉なんかじゃない!子供達はどうした?ここは何処だ!と罵詈雑言の応酬を浴びせてきた。 そんなに汚くて臭いのが嫌なら今からいっぱい餌をやるのでそれを食って排便をしてさらに汚くなれ!と伝えて、私はその水槽に 大量のクッキーを投入して元通りに蓋と重石を水槽に乗せた。 二匹は不意に与えられた大量の餌を後先考えずに貪り食べ続けてた。 つづく・・・ トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 観察系は結構好き。 投稿SSだから誤字脱字は気にしないけど、 三女ぱちゅりーと子ぱちゅりーは、叔母と姪の関係じゃない? 元次女まりさと四女れいむと五女ありすは調教が成功してきたw -- 2018-01-05 15 15 23 こういう研究の経過も面白いなぁ -- 2010-11-21 21 15 07 楽しいなぁ -- 2010-06-18 02 34 01
https://w.atwiki.jp/ankoss/pages/2466.html
『プレイス・ブレイク 前編』 19KB いじめ 不運 差別・格差 仲違い 日常模様 自然界 人間なし 創作亜種 独自設定 うんしー ドロドロな群れの争いはゆっくりできます 「プレイス・ブレイク」 前編 羽付きあき ・三本構成です ・幾つかの独自設定を使っていますご注意を ・ドロドロな派閥争いがメインですご注意を X月X日、とある山岳へゆっくりの「観察」に訪れた私は一体のゆっくりまりさを保護した。 私が見つけた頃にはかなり衰弱していたらしく、寒天の右目は喪失し、飾りである帽子も何かに「噛み千切られた」様にボロボロになっている。 砂糖細工の髪も何かに引っ張られて引き抜かれた様に一部が抜け落ちていた。 そして小麦粉の体の背部には多数の切り傷や刺し傷の数々・・・ 当初私はこのまりさがドスの群れの「おきて」を破ったことによる追放を受けたのではないかと推測した。 この山岳には「くいーんありす」が率いるありすを中心とした群れと、「ドスまりさ」が率いるれいむ、まりさを中心としたゆっくりの群れの二つがいたからだ。 大きくすり鉢状になった場所があり、そこに二つの「ドス」は共存していた。(その形状のため、すり鉢状の"ゆっくりプレイス"から出るには、段差が大きすぎる為ドスに運んでもらうしか方法が無い) 通常のゆっくりでは容易に出られない「ゆっくりプレイス」ドスまりさとくいーんありすが選んだ格好の場所なのだろうが、それはドスまりさとくいーんありすがいる事によってのみ成り立つのである。 秋から冬にかけての間か、それ以前かもしれない。(まりさの証言から秋の初め~中頃と推測される) ドスまりさとくいーんありすが越冬用の食料をため込むため、すり鉢状のゆっくりプレイスの外へ出たきり帰ってこなくなった。 すり鉢状のゆっくりプレイス内でも、ありす種とまりさ、れいむ種を合わせて有に400体を超えるゆっくり達の台所事情すらも賄えるほどの草や木の実、水場等がある。 だが、それも限りがあるし、貯蓄に回すには心細い。 その為、毎年ドスまりさとくいーんありすがゆっくりプレイスの外に出て食料を調達するのが通例となっていた。(後の調査によると、ドスまりさとくいーんありすは、ゆっくりにとっては薬にあたるあまあま・・・いわゆる"ハチミツ"をとるために、断崖絶壁に近づいた所、そろって落下したのではないかという結果が出ている。いずれにしろ、発見時には尖った岩に小麦粉の体をぶつけて大量の餡子ないしカスタードクリームを飛び散らせて突っ伏したまま潰れていた。即死と思われる。) 問題が残されたゆっくり達だ。 まりさの証言によると、そのゆっくりプレイスの中で凄惨なまでの争いが起きたと言う。 まりさの追憶と、それに伴う私の推測も合わせて、まりさが私の所に来るまでに何があったのかを紐解いていこうと思う。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・・・ドスまりさとクイーンありすがいなくなって三日後、留守を預かっている「もりのけんじゃ」であるぱちゅりーがその異変に気付く。 「むきゅ・・・どすとくいーん・・・おそいわ・・・まさか・・・」 ぱちゅりーの胸中には嫌な予感がよぎっていた。通例とはいえ、三日も開ける事はなかった。 ドスとクイーンは、いくつかの食料を洞窟の「ちょぞうこ」に入れてゆっくりプレイスの外を出たり入ったりを繰り返しているのだ。 そのスパンは約半日。つまり半日を超えて戻る事はまずありえないと考えていいだろう。 「ちょぞうこ」に入っている食料は、せいぜい50体分程度のゆっくりが越冬できる量だ。350体近く分も不足している。 「もりのけんじゃ」であるぱちゅりーは、もしドスとクイーンに万が一の事態があった場合、群れの統率役を継承すると言う取り決めがなされていた。 しかしドス種ですら二体で分けてようやく統率できる程の巨大なゆっくりの群れを、ぱちゅりーのみが統率するなど不可能に等しい行為である。 ぱちゅりーは悩みに悩んだ末、ある一つの決断を下した。 それは「群れの細分化」である。 決断と言うよりは確実にそうなると見こしての一種の「予測」であろう。 ドスまりさの率いた群れのゆっくり達はぱちゅりーをリーダーにする事に異議はないのだろうが、クイーンありすの群れが率いたありす達の意見は違う。 当然ありす種からリーダーに立候補するゆっくりがいるだろう。 すり鉢状の「ゆっくりプレイス」の中にある限られた食料をいかに貯蓄に回すか、それを考えなければならない時にリーダー決めで無駄な時間を過ごしている訳にはいかない。 ・・・このぱちゅりーの決断が悲劇の始まりであると言う事を知っているゆっくりはいなかった。 ・・・・・・ ・・・ 「むきゅ!みんな!きいてちょうだい!」 ゆっくりプレイスの中央・・・大きく開けた場所にある岩の台の上に乗ったぱちゅりーが、集まったゆっくり達に声を上げた。 「どすとくいーんがもどってこないわ!きっとなにかあったのよ!」 それを聞いた途端にゆっくり達から声が上がった。 「れいむたちのえっとうようのごはんさんはどうなっちゃうの!」 「どすがしんぱいだよ!さがしにいってね!」 「そうだぜ!どすやくいーんをさがしにいくんだぜ!」 「くいーんやどすをみすてるなんてとかいはじゃないわ!」 ・・・大方予想はついた。しかしぱちゅりーは知っている。このすり鉢状のゆっくりプレイスから出られる術はもうない。と 「むきゅ!おちつくのよ!みんな!そこでぱちぇからていあんがあるわ!むれをいくつかにわけるのよ!」 「「「ゆゆ!?」」」 あれやこれやとぱちゅりーをそっちのけで議論をしていたゆっくり達が一斉にぱちゅりーの方へと向いた。 ぱちゅりーは間髪いれずに捲し立てる。 「いまはかぎられたごはんさんをいかにせつやくしてえっとうをするかということにあるわ!りーだーはくいーんのむれとどすのむれでべつべつにきめて、まずはえっとうにそなえるのよ!まずはぱちぇについてごはんさんをちょぞうこにためてえっとうにそなえたいというゆっくりはぱちぇのところにきて!」 「ゆゆ!れいむはついていくよ!」 「まりさもだぜ!」 「でもどすが・・・」 「なにいってるの!どすがいなくなったときにりーだーになるのはぱちゅりーってどすがきめてたんだよ!」 「ゆ!そうだぜ!いまはとにかくえっとうをどうするかをかんがえるんだぜ!」 ぱちゅりーに答えてついて来たゆっくりは約150体。その殆どがこのすり鉢状の「ゆっくりプレイス」に移る前からドスに従っていた古参のゆっくり達である。 ・・・残りの50体はどうか? 「でもやっぱりれいむはどすがしんぱいだよ!どすをさがしにいくよ!」 「れいむも!」 「まりさもだよ!」 「そうだよ!どすがいなかったらえっとうようのごはんさんのたくわえなんてできるわけがないよ!」 「まだふゆまでじかんがあるんだぜ!まりさたちはどすとくいーんをさがしにいくんだぜ!」 一体のれいむの呼びかけにより、ドスとクイーンを探しに行くと言ってきかないゆっくり達。 「ありすもだわ!」 「くいーんがいないなんてとかいはじゃないわ!」 「ありすたちもれいむについていくわ!」 そしてありす側から100体・・・つまりクイーンの群れの約半分が「れいむ派」に合流した。 ぱちゅりーにはある程度の算段があった。 少々予想より多いが、150体程度に「絞られた」 あと越冬用の食料は百体分だけで良い。 そう、ぱちゅりーは自分の意図に反する「ドスまりさ派」に属していたゆっくり達の一部を切り離したのである。 そしていわずもがな、クイーンありす派のありす達・・・ありす種全てもである ぱちゅりーが従っていたドスまりさは「ゆっくり達をゆっくりさせる」為に動いていた。 それは勿論ゆっくり達も承知だったが、ドスまりさは、自身がいなくなった時の事や、「狩り」で不在の間に群れを統率するためにぱちゅりーを置いた。 逆にクイーンありす達は、元々クイーンありすが「おおきくてとかいは」と言う理由で付き従っているにすぎない。 クイーンありすはクイーンになって日が浅かったためか、自身が全てのありす達を「とかいは」に日々を過ごさせる為にワンマンで頑張り続けていたのだ。 もしクイーンが居なくなった時は、ドスまりさの群れに合流する。そう言う取り決めではあった。 これはクイーンとドス、そしてぱちゅりーだけが知る事である。いわば「密約」だ。 ぱちゅりーはこの密約を反故にした。多少自身で「狩り」をする能力があるとはいえ、所詮はありす種。何の実にもならない「とかいはな何とか」と言ったゴミを量産されてもぱちゅりーとしては困るのだ。 また、ドスにおんぶに抱っこの一部の「ドスまりさ派」も越冬には必要ない。 ぱちゅりー・・・つまりドスまりさの意思に付き従うゆっくりだけで越冬をしようと言うのがぱちゅりーの考えであった。 独裁を考えている訳ではない。多少余裕が出れば切り捨てたゆっくり達の一部も収容しようとは考えている。 ・・・こうして「ぱちゅりー派」はドスまりさのいたゆっくりプレイス北側にある大きな洞窟と、その中にある「ちょぞうこ」と五十体分の食料を増やすために行動を開始した。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ ドスまりさとクイーンありす捜索の為に離れた「れいむ派」 ドスまりさの意思を継いで越冬の為の準備を開始した「ぱちゅりー派」 残された百体のありすは一体どうなったのか? 「ありすたちはどうすればいいの・・・?」 「ゆゆ・・・えっとうようのごはんさんもたくわえなきゃいけないわ・・・」 「でもくいーんもしんぱいよ・・・」 ・・・この時点ではまだ何も決まっていない。 問題点を一つに絞らなければならないのにありす達は「くいーんとどすをさがす」「えっとうようのしょくりょうのちょうたつ」「りーだーぎめ」を出来ないでいた。 「みんな!きいてほしいの!」 悩みを抱えるありす達の群れの中で、一体のありすが声を上げた。 「いまはとにかくりーだーをきめるべきだとおもうわ!ありすからていあんがあるの!まずくいーんのおちびちゃんをひとまずりーだーにたてて、だいひょうのありすたちでほうしんをきめましょう!」 「ゆゆ!?くいーんのおちびちゃんを!?」 「で、でもくいーんのおちびちゃんはまだちいさいわ!りーだーになってもなにもきめられないとおもうわ!」 ・・・当然ありす達から疑問点と戸惑いの声が上がる。 声を上げたありすは最初に言った事をありす達に説明するために矢継ぎ早に話を始めた。 「だからありすたちがくいーんのおちびちゃんをささえるのよ!ありすたちできめたことをくいーんのおちびちゃんをとおしてそれをいけんとするのよ!」 「ゆゆ!それはとかいはなあいでぃあだわ!」 「くいーんのおちびちゃんをささえるのはとかいはだわ!」 ・・・こうして建てられた骨組みは、どんどんと肉づけされて行く。 まず百体のありす達から代表で3体のありすが選ばれた。 最初に提案を唱えた「はなかざりありす」とクイーンありすの次に美ゆっくりでとかいはな「とかいはありす」そしてクイーンありすの群れに最初に加わった「おけしょうありす」である。 この三体の話し合いの結果、ひとまずの目標は「越冬用の食料の調達」そして「クイーンとドスの捜索」だ。 後者に関しては、貴重なゆっくりを裂く訳にもいかないため、「はなかざりありす」の提案である「れいむ派」への支援と言う形で取り決まった。 クイーンありすの子ゆっくりは、まだ赤ゆっくりより一回り大きいと言うサイズである。これはクイーンありすがドス化する直前に生まれた子ありすであり、クイーンありすは群れのありす達と平等に「とかいはなあい」を注いでいた。 ひとまず団結と方針の決定に成功した「ありす派」はクイーンありすの元いた「南側の林」周辺を拠点に、「れいむ派」の支援と食料の調達を開始した。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ゆ!ゆ!まりさがんばるよ!」 「ゆ!ゆ!れいむもがんばるよ!」 「ありすもがんばるわ!ゆ!ゆ!」 ほんの少し平たい形の木の枝を口にくわえて、「ゆっくりプレイス外郭部」の絶壁を、スコップの様に木の枝を使って必死に掘るゆっくり達。 「れいむ派」の代表であるれいむは、「おうちづくり」を参考としたゆっくりプレイスの壁を掘り抜いて外に出ると言う方法を考案した。 ・・・普通に考えれば下から上へと掘り進むため非常に困難である。崩れるのを防ぐために、緩やかな角度で徐々に斜め上に行くように掘らなければならない。 現在の角度から行くと、ゆっくりプレイスの外側へ出る為に掘り進まなければならない距離は約1000m れいむ派が総動員して掘ると、時速2cm程・・・(バスケットボールサイズよりやや大きめの穴を掘らなければならないためより遅くなる) 気が遠くなるような数値だ。 木の枝のスコップを一回地面に突き刺して取れる土の量は数十グラム程度。それを紐のついた葉っぱを使った「トロッコ」に載せて土を運ぶ。 「ゆ!ゆ!」 「おも・・・い・・わ・・・!ゆ!ゆ!」 「ゆひ!ゆひ!」 土はトンネルを掘っている少し離れた場所の外郭部の壁に運ばれた。 「ゆゆ!みんな!つちさんはここにあつめてね!とんねるさんをほったつちさんをここにあつめて"かいだん"をつくるよ!」 「れいむ派」のリーダーであるれいむが指示を出す。 並行して掻き出した土を土盛りすることにより「階段」を作ると言う試みもしている。 実はれいむにとってはこちらが本命であった。 「壁」の高さは4m程。2mサイズのドスまりさやクイーンありすが全力でようやく飛び越えられらる高さである。 だが1000mも掘り進むより、僅か4mの壁に階段を作る方が遥かに容易であった。 「れいむ!」 「ゆゆ!?ありす!どうしたの!」 「れいむたちのためによびのすこっぷさんやとろっこさんをもってきたわ!ごはんさんもあるからうけとってほしいの!」 「ゆゆ!ありすゆっくりありがとうね!」 早速「ありす派」からの支援物資が届く。 食料調達は現在は秋の為困らない。しかしれいむ派を悩ませていた問題は「掘削道具」の不足である。 例えば、木の枝は出来るだけ丈夫な物を選ばなければ固い土を掘る時にすぐ折れてしまう。実際、れいむ派の所有している木の枝スコップの半分以上が破損してしまっていた。 「とろっこ」も「すこっぷ」も制作に時間がかかるのだ。出来るだけ人手を裂いて生産はしているが、追いつくはずがなかった。 ありす派はその問題を補うべく、ありす派の半分を道具の製作の為に裂き、量産体制を整えてれいむ派の支援の為に赴いたのである。 「ありすたちはここまでのことしかできないわ・・・でもできるだけれいむたちをたすけるわ!」 「ゆっくりありがとうね!」 掘削は続く。だが、その間を縫って「ぱちゅりー派」が突出し始めていた。 ・・・・・・・・・ ・・・・・・ ・・・ 「むきゅ!みんな!いそぐのよ!」 「ゆっくりわかったよ!」 「ゆ!ゆ!」 ぱちゅりー派のリーダーとなったぱちゅりーは群れの子ゆっくり達までもを総動員して食料の調達にあたっていた。 「きのみさんややわらかいはなさんやくささん!きのこさんをゆうせんしてとるのよ!」 「ゆっくちわかっちゃよ!」 「ゆゆ!まりしゃがんばりゅよ!」 「れいみゅもがんばりゅよ!」 子ゆっくり達の群れの中に、まりさはいた。 当時はまだハンドボール程のサイズだったまりさは、何故こう言った事態になったのか、なぜぱちゅりーが焦っているのかを理解するには幼すぎた。 ただ周りの子ゆっくりに負けたくない・・・そういった「ゲーム」の様な感覚で狩りにいそしんでいたと後に回想している。 ぱちゅりー派のゆっくり達は、ありす派の拠点である南側の林にまで足を運んで食料の調達に精を出している。 栄養価の高い食料は、たくさんあると言っても限りがある。それらを出し抜いて全て取ってしまおうと言うぱちゅりーの考えであった。 唯一食料調達でライバル関係になると思われた「ありす派」も、その半分をれいむ派の支援に回して、50体ほどでしか「狩り」が出来ていない。 しかも、クイーンありすを中心にして狩りをおこなっていたため、「とかいはなたべもの」しか知らないのだ。 つまりぱちゅりーが狙っている草花や木の実、木の樹液が固まった物やキノコなどを主な食糧としているため、それらを取ってまわられると不都合が生じる。 それらは越冬のための保存がきく食料になりうる(虫等を重要視していないのは冬の直前までいるし、ありす種は食べ物としてそもそも認知していないからである) 南側の林は特に念入りに採取の対象となった。 ぱちゅりーの考えでは、食料調達に困れば、ありす派は確実にぱちゅりー派に支援を求める。その際に僅かな食糧をダシに越冬用のバリケードや「べっどさん」等を作らせようと言う腹だ。 「おうち」の整備に関してはありす種が一番得意としているため、それを利用しようと考えている。 その為に布石として、南側の林にある食料は念入りに調達された。 育ち切ってない小さな物もその対象である。とにかく全ての食料はぱちゅりー派によって採取されてしまった。 「ぱちゅりー・・・」 「むきゅ?どうしたの?」 「ありすたちはれいむたちをてつだってるよ!まりさたちもどすやくいーんをさがすれいむたちをたすけたほうがいいとおもうよ!」 「むきゃきゃ!しんぱいいらないわ!えっとうをじゅうようししていないれいむたちがあんなことをつづけられるのはふゆさんにはいってちょっとたったくらいまでよ!」 「ゆゆ?どういうこと?」 「れいむたちはえっとうにかくじつにしっぱいするわ!そのときははるになるのをまってぱちぇたちがそれをひきつげばいいのよ!それまでほっときましょう!」 「ゆゆぅ・・・わかったよ」 「あとまりさにおねがいがあるわ!」 「ゆ?」 「ありすたちがかわいそうだからそこにあるのとおなじくささんだけはのこしてるの。でもありすたちはそれをごはんさんだとしらないわ!しょくりょうちょうたつをしてる"とかいはありす"におしえてあげるのよ!」 「ゆゆ!ゆっくりわかったよ!」 日が沈む頃には南側の林には殆ど食料らしき食料は無くなっていた。 たった一日でありす派達は、重要な食糧調達地を失った訳である。 ・・・そしてぱちゅりー派が残した「プレゼント」はそれだけではなかった。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「どぼじでどがいばなごばんざんがないのおおおおおおおおお!?」 「ゆ・・・!ゆ・・・!あ、あさまではあったのに・・・どうして・・・?どぼじでええええええ!?」 「はなさんがないわああああ!ありすたちがそだてたはなさんがああああああ!」 「ぎのござんもなぐなっでるわあああああああ!」 「ごんなのどがいばじゃないいいいいいいい!」 南側の林でありす達の叫びが響いた。 朝までは余るほどあった木の実や花等が綺麗さっぱり無くなっていたのだ。 それまで派閥に分かれる前まで共有の狩り場だった場所で狩りをしていたありす達は面喰った。 拠点近くの食糧地は最後に取っておこうと言う考えだったからだ。 「きっとぱちゅりーたちのしわざよ!」 「ゆるせないわ!」 「しかえしにいきましょう!」 いきり立つありす達の一部に対して、食料調達を任されていた「とかいはありす」が必死に宥める。 「ま、まつのよ!いまここでさわぎをおおきくしてもむだなじかんをすごすだけだわ!みんなおちつくのよ!」 「でもごはんさんがないわ!」 「そういえばぱちゅりーたちはごはんさんをいっぱいもってるわ!」 「それをうばいましょう!」 全く言う事を聞かないありす達に「とかいはありす」はある提案を始めた。 「このくささんはちょっとおいしくないけどたべられるのよ!これはいっぱいあるからきょうはひとまずこれをあつめてたべましょう!」 「ゆ!でも!」 「いまおこったところでなんにもならないのよ!まだあきもはじまったばかりだからはなさんやきのこさんはまたなるわ!」 「ゆゆぅ・・・」 「とにかくきょうはこれをたべましょう!」 ・・・何とか収める事に成功した「とかいはありす」。 渋々と「とかいはありす」の下についていたありすが言われた草を集め始め、食べ始めた。 「む~しゃむ~しゃ・・・あんまりとかいはじゃないわ・・・」 「でもないよりましね・・・む~しゃむ~しゃ・・・」 「とかいはありす」も草を食べるが、量は少ない。皆に申し訳ないと言う念からだろうか、今となっては定かではない。 その日は渋々と戻った食料調達隊であるが、悲劇はその夜おとずれた。 ・・・・・・ ・・・ 「ゆぐぅぅううう!」 「うんうんがどばらないわああああああ!」 「ずっぎりぃぃぃ!ゆぎぃぃ!ぐるじいわぁぁ!」 「ゆぐっ!ゆぐっ!ゆげぇぇぇええ!げぇえええええ!」 「みんなどぼじだのおおおおおおおおおおお!?」 「とかいはありす」がフラフラと調子が悪そうに小麦粉の皮を動かしながら叫んだ。 驚くのも無理はない。突然「草」を食べたありす達がカスタードクリームを吐き出し、草混じりのカスタードクリームの液状のゆるいうんうんをまき散らしながらもがき苦しんでいるからだ。 草を食べたのは「とかいはありす」と共に食料を調達していたありす達。その数は約30。(ありす派は百体のありすをそれぞれ三つに分けているため) 少しでも食料を節約するために、共有する狩り場で取った食料は、「とかいはありす派」以外に与え、貯蔵に回したため、他のありす達は何とか無事だ。 だが、草を食べたありす達は全く持って無事ではなかった。 クイーンありすが木の枝や葉っぱを使って組み上げた自身の「べっど」の中は、あっという間に吐瀉物と汚物にまみれ、苦しみのた打ち回りながら汚していく。 「げぇえええええ!ゆげぇぇぇえええ!ぐるじっ!ぐるじぃわおぼっ・・・!げぇええええええ!」 「ゆぎっ!ゆひっ!ゆひっ・・・!ゆ”・・・!ゆ”・・・!」 やがて30体のありすの殆どが寒天の白目をむいて痙攣を始めた。 カスタードクリームを出しつくしたためだ。 致死量を超えた吐餡のさらに限界を超え、痙攣しながらもなお口からカスタードクリームを吐き出し続けてあるありすは動かぬ饅頭となり果てた。 痙攣して突っ伏したあるありすは、蛇口を捻った水道の様にあにゃるからうんうんをだらだらと流しながら動かなくなっていった。 「みんなぁぁああ!どぼじでえええええええ!ごんなのどがいばじゃないいいいいいいいいいい!」 「とかいはありす」の声が辺りに響き渡る。 必死に「ぺーろぺーろ」等で看病していた他のありすや、大きな「べっど」に飛び散ったうんうんやゲロを掻き出していたありす達が茫然としてそれを見つめている。 ・・・こうしてありす派は、その三分の一を失う事となった。 クイーンありすが編んだ「巣」の片隅には、ゆっくりにとっては遅行性の毒草がポツンと積み上げられている。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ・「れいむ派」→ゆっくりプレイス脱出を図る一派。ありす種、れいむ種、まりさ種で構成される。ゆっくりプレイスの西側にある森が拠点。数は150体 ・「ぱちゅりー派」→ぱちゅりーを頭目として越冬を目標とする一派、ぱちゅりー種を除いて全てがれいむ種とまりさ種。ゆっくりプレイスの北側にある洞窟が拠点。数は150体 ・「ありす派」→残ったありす達がクイーンありすの子ありすをリーダーに据えて団結した一派。約30体づつを三つの派閥にわかれる。ゆっくりプレイスの南側にある林とその端にあるクイーンありすが編んだ巨大な巣が拠点。数は現在約70体
https://w.atwiki.jp/livetube/pages/1227.html
あなたは - 人目の雀士であり現在-人のかちゅファンがみています。 基本情報 特徴 実況作品 配信中の名言 配信中にあった神プレイ・珍プレイ 口癖 FAQ 配信環境 コメント 基本情報 名前 かちゅ ジャンル 麻雀 ゲーム 性別 男 血液型 AB 年齢 25 人種 日本人 居住地 東京 webカメラ なし マイク あり 配信URL http //livetube.cc/%E3%81%8B%E3%81%A1%E3%82%85 特徴 たまにマイクオフになる 声がかっこいい すごい優しい B’zが好き アクションゲーの絶妙な下手さが定評を得ている ロックマンのアイコンが卑怯 ロックマンのアイコンを使っているが、ただ好きなだけなようで大して上手くはない 本来は麻雀配信者にカテゴライズされるはずなのだが最近はリスナーにアクションゲー配信者と認識されてる模様 天鳳鳳凰民 2009/11/28に8段へ昇段 2009/11/29に秋刀魚も7段昇段 実況作品 天鳳 テトリスオンライン ロックマン1~5 ロックマンX1~3 マリオ1 マリオ2 マリオ3 マリオUSA 星のカービィスーパーDX スーパーボンバーマン スト2 ドカポン 桃鉄 ごえもん1~2 風来のシレン アスカ 1999ChristmasEve 消火栓 氷雨 隣人 死にいたる病 同人かまいたち フラッシュゲーム SIREN SIREN2 配信中の名言 配信中にあった神プレイ・珍プレイ 口癖 この鉄雑魚がー!!!(アクションゲームプレイ時、ボスクラスの敵に勝利した時どんなに苦戦しても高確率で発声する) ゆうしょおおおおおお できるっ! 上手いっ! ドラいっぱーーい FAQ 配信環境 CPU Memory HDD VGA Sound コメント このページに対する意見や感想などをどうぞ。 編集ありがとう(*´ェ`*) -- かちゅ (2009-11-19 02 24 31) (*´ω`*) -- すいぼつ (2009-11-29 05 28 24) 名前 コメント 今日: - 昨日: - 合計: - cc
https://w.atwiki.jp/jukai_bao/pages/20.html
現在はUIが変更されており、スクショと違う部分もあります。 (以下2019/9/9のじゅりさんのツイート)元ツイート 🌱タオバオアプリ使い方虎の巻🌱 くっそ適当にまとめたから気が向いたら見て 試しにアプリ入れたけどわかんねぇ〜〜〜て人向け このページけっこう色々機能詰まってる とりあえず見て おわり
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/5167.html
ゆっくりとは謎の多い食べ物だ、跳ねて這い食べて飲んで繁殖してそして死ぬ。 食べ物がそれだけ多くの事をする不思議は、研究者の地道で熱心な研究や、偶然の発見によって少しずつ解明されていった。 しかし分からない事がある、何故ゆっくりはあれだけ脆弱なのにどの時代にも大量にいて、そして一種たりとも絶滅しないかだ。 ゆっくりの種類は多い、それだけ多いのにゆっくりの種類は増える事はあっても減ることは一切ないのだ。 そしてにんっしんっ!による繁殖以外ではゆっくりは何処からともなく現れる事が多い。 街にも山にも森にもゆっくりは存在し、どんな小さな島にも一匹や二匹はゆっくりが暮らしている。 巷ではゆっくりとは何処にでもいる、"そういう食べ物"だとされているが、この問題には一つの答えがある。 ゆっくりが何処にでも大量にいてそして一種たりとも絶えない理由、それは無限に続く並行世界をゆっくりが無意識に旅をしているからなんだよ!! えっ、頭おかしいんじゃないだって?このSSの中じゃそうなんだよ!ゆっくりわかってね! ゆっくりは容易に次元の壁を超越できるんだよ! とりあえず一つの例を見てみよう、ここは1169番目の並行世界だ。 一匹のゆっくりぱちゅりーがいる、生後378日体重は800グラムの絵に描いたような一般的なぱちゅりーだ。 「むきゅ~、ここらへんはゆっくりがいないのね」 予断だがぱちゅりーは一日前、69番目の並行世界から1169番目の並行世界にやって来たばかりだ。 そもそも69番目の並行世界で成体となったぱちゅりーは自分の群れから出て、新しい群れを探しに森を彷徨っていた。 ゆっくりのそれも病弱なぱちゅりー種だ、家族と涙の別れを済ました後、100メートル程進んで休むの2回だけ繰り返し。 群れから少し離れた場所にちょうどいい木の洞を見つけて眠ったのだった。 その時ぱちゅりーは新しい群れをゆっくり探すよ!と思いながら眠りについたため。 ぱちゅりーの寝た木の洞に酷似した木の洞がある1169番目の並行世界に、寝ている間にワープしたのだ。 そもそもこうしたゆっくりが意識していない、異世界へのワープ能力がなければこれほどゆっくりは増えなかっただろう。 ゆっくりは繁殖能力だけでなく、こうして異世界に渡る能力で生息範囲を広げているのだ。 もしもゲスの多い地域で純粋無垢なゆっくりや、単純な言葉しか喋らない超初期型ゆっくりを見つけたならば、それは別の世界からやって来たゆっくりかもしれない。 とは言っても、森から街のゆっくりプレイスに降りるまでは、それなりの運があればぱちゅりー種でも十分に可能だ。 勿論ゆっくりの中には野を超え山を越え時には海も越え、長い距離を旅する猛者もいる。 しかし大抵のどうやってここまで来たのかあやふやな記憶しかないゆっくりは、異世界へのワープで全く別の世界からやって来るのだ。 「むきゅきゅ!みたことないおはなさん!きゅ~♪ゆっくりおいしいわ!」 「むきゅ~……でもひとりはさびしいわ」 花を食べてご満悦なぱちゅりーだが、ゆっくりは寂しがり屋だ。 一匹で落ち込むぱちゅりー……。 「ゆゆっ!ゆっくりしていってね!」 「むきゅ!ゆっくりしていってね」 しかし、しょんぼりしたぱちゅりーに声をかけるゆっくりがいたまりさだ! 下膨れた顔のどこにでもいるまりさだが、ゆっくりの感性から言えばなかなかゆっくりしているイケメンなのだ。 「むきゅ~……ぱちゅりーよ、ゆっくりしていってね」 「ゆっくりしていってね!ゆゆ~すてきなゆっくりプレイスだね!」 「きのうからすみはじめたの……まりさもゆっくりしていってね」 「ゆっ!まりさもここでゆっくりすることにきめたよ!よろしくね!ぱちゅりー!」 「むきゅ~、ぱちゅでいいわ///」 都合良すぎである、寂しいぱちゅりーがイケメンまりさと知り合い、一緒に住むことになった。 これにもゆっくり特有の並行世界を移動する能力が深くかかわって来る。 ぱちゅりーは花を食べている時に寂しいと思い、他のゆっくりを求めた。 そのゆっくりを求める感情は393番目の並行世界に届いた。 そして新しいゆっくりプレイスを目指し、住み慣れた森から出て行こうとするまりさがその感情を受信したのだ。 新しいゆっくりプレイスを求めるまりさ、友達を求めるぱりゅりーの思いが重なって、まりさはぱちゅりーのいる世界に呼びこまれたのだ。 ぱちゅりーとまりさが暮らす森には、事あるごとにゆっくりが増えていった。 何処からかやって来たれいむ、らんしゃまを探すちぇん、子供を連れてやって来たありす。 多くのゆっくりが森にやって来て、森が気に入り住み着く者も、しばらく足を休めてゆっくりしてから旅立つ者もいた。 そうしたゆっくり達の半分は異世界からやって来たゆっくりだった。 さて一月が過ぎ、まりさとぱちゅりーしかいなかった森は随分にぎやかになった。 成体のゆっくりが17匹、子ゆと赤ゆが6匹が一つの森で暮らしている、新しいゆっくりの群れが出来たのだ。 そしてこの23匹のゆっくりが住む群れに、新しいゆっくりが加わろうとしていた。 「ゆ~ふ……ゆ~ふ……ゆ~ん」 「がんばるのぜ!がんばるのぜ!れいむ!」 「あかちゃんゆっくりうまれてきてね!」 群れのれいむの一匹がにんっしんっ!をしたのだ。 一生懸命なれいむを夫のまりさと子れいむが励ます。 まりさの帽子は既にいつ赤ゆが生まれてもいいように、れいむのすぐ前に置かれている。 そしてここ数分間力んでいたれいむの顔が緩む、いよいよ出産の時間だ。 「ゆゆっ、ゆっ……!」 ぽん!と軽い音を立ててれいむのお腹から赤れいむが飛び出した。 「ゆっくりしていっちぇね!」 「ゆっ、ゆー!すてきなあかちゃんゆっくりしていくのぜ!!」 「れいむのいもうとゆっくりしていってね!」 「あかちゃんゆっくりしていってね!」 「みんなゆっくりしていっちぇね!」 巣の外で心配そうにしていた群れのゆっくり達が、中から聞こえるゆっくりした声に歓声を上げる。 「ゆゆ~!ゆっくりうまれたね!」 「ゆっくりよかったね!」 「きょうはおいわいだよ~わかるよ~」 騒ぐゆっくり達の前に、生まれたばかりの赤ゆが親まりさの帽子に乗って出てくる。 その後ろには赤ゆを生んだばかりの親れいむと子れいむがついてくる。 「ゆっくりうまれてよかったね!」 「とってもゆっくりしたこだよ!」 「れいむ!いもうとができてゆっくりだね!」 新しい赤ゆが生まれて群れ全体が喜びに包まれる。 どのゆっくりも幸せそうなゆっくりした表情をしている。 特に喜んでいるのは69番目の並行世界からやって来たぱちゅりーだ。 「ゆっくりしたこがうまれてとってもよかったわ!」 「おさ、ありがとう!れいむはゆっくりしあわせ~だよ!」 ぱちゅりーは他のゆっくりよりいくらか知恵があり、一番最初に森に住み始めたゆっくりだったので自然と群れの長となっていた。 そしてその傍らにはぱちゅりーが最初にあったイケメンまりさがいる、二匹は同じ巣で暮らしていた。 「むきゅきゅ♪かわいいあかちゃんゆっくりしていってね」 「ゆゆ~ん、ゆっくりしゅるよ!」 「とってもゆっくりしてるねぱちゅりー」 「きっとおさとまりさのあかちゃんもゆっくりしてるのぜ!」 「むきゅきゅ!そ、そんな、むきゅ~///」 「ゆっくりてれるよ///」 親まりさに赤ちゃんの事を言われてボンッ!と顔を真っ赤にするぱちゅりーとまりさ。 二匹は一緒に住み始めて一週間が過ぎていたが、いまだに寝る前のほっぺにチューとすりすりしかしていない。 ぱちゅりーもまりさも奥手で、二匹をこの手の話題でからかうのは親まりさの何よりの娯楽だった。 「ゆゆー!またおさをからかってゆっくりしてないよ!ぷく~!」 「してにゃいよ!ぷくく~!」 「ゆがーん!れいむもあかちゃんもひどいのぜ~!」 また群れのみんなが笑う、外敵もおらずゆっくりとしたこの森では、強い敵対の意思を表すぷく~でさえ、冗談の一つになっていた。 毎日ゆっくりして森の草や木の実花に虫を食べ、みんなで集まって仲良く遊ぶ、理想的なゆっくりプレイスがそこにはあった。 この森に来て、住み着かずに出て行ったゆっくり達も、元からこの世界にいたゆっくりも別の並行世界からやって来たゆっくりも、 とても素敵なゆっくりプレイスだと感心していた。 ぱちゅりーのゆっくりプレイスには元からこの並行世界にいたゆっくりも、別の世界から来たゆっくりもいたがみんなが仲良くゆっくりできていた。 この幸せなゆっくりプレイスにはこれからたくさんのゆっくりがやって来るのかもしれない。 可愛いちぇんを探すらんや、新しい巣を探すまりさとありすのカップル、もしかしたら優しくて賢いドスまりさだって来たかもしれない。 並行世界からやって来るものが常に恵みをもたらすとは限らないのだ……。 89398番目の並行世界のある森にゆっくりの一家がいた。 親ゆが一匹、その子ゆが二匹、つい先日生まれた赤ゆが三匹、そして従者のようにつき従うゆっくりが一匹。 「うー……おなかへったどぉ~」 「まんまぁ、あまあまたべたいどぉ~」 「ゆっくりできてないどぉ~」 「おじょうさま、やはりふきんのゆっくりはあらかたかりつくしてもういませんわ」 「う~、ざんねんだどぉ~、このこーまかんともそろそろおわかれだどぉ~」 ゆっくりを食べるゆっくりとして有名なれみりゃ種と、れみりゃ種に仕える事を至上の喜びとする希少種ゆっくりさくやだ。 れみりゃの一家がこうまかんと呼んでいる大きな巣穴。 ここは元々はこの森に大小12あった群れの長が集まり、餌の事や群れの事を相談する会議場だった場所だ。 ほんの一月前にはこの巣穴にはいろいろなゆっくりがいた。 勇気のあるまりさ、都会から持ち帰ったまどうしょ(スーパーの半額チラシ)を持っているぱちゅりー。 一番大きな群れの長だったれいむと、彼女の後継になるはずだった小さなまりさ、他にもいろいろな種類のゆっくりの群れ長達。 勇気のあるまりさは大きな巣穴に柔らかい綿入れを持ちこみ、ゆっくり達の椅子にした。 いつも薬草を集めているぱちゅりーからは薬草の香りが漂い、自然と巣穴にそれが残っていた。 そしてこの大きな巣穴を提供したのはれいむで、彼女の子ゆ達は常に巣穴を奇麗にしていた。 そんな大きな巣穴は主を変えて様変わりしていた。 群れ長達に大切に使われていた綿入れは遊び道具と化し、所々に噛み傷が出来て綿が飛び出ていた。 かつて巣穴を満たしていた薬草の香りとゆっくりのゆっくりした声は、餡子の甘い匂いとどこからか聞こえる少数の生き残りが発するうめき声となっていた。 そして何より、巣穴の中には切り裂かれ噛みちぎられたゆっくりの皮やおかざり、飛び散った餡子がそのままにされていた。 森にあるゆっくりの巣は半分くらいが、この大きな巣穴と同じような惨状を呈していた。 なぜなら大小合わせて12の群れ、452匹のゆっくりが暮らしていたこの森は一月前に5組のれみりゃの家族に襲われていたからだ。 元からこの世界にいたれみりゃの家族が2組、あとは自分の暮らす森のゆっくりが減り、新天地を求めていた3組が並行世界を移動して森にやって来た。 森のゆっくりは食われて食われて食われた、れいむもまりさも関係ない、れみりゃに捕まり裂かれ噛まれ真っ暗な口の中に押し込まれて死んでいった。 そして逃げのびたゆっくりの中には並行世界への移動で命を長らえたゆっくりは皆無だった。 ゆっくりは容易に並行世界へ移動することは出来るが、その事に気づいていない、そして気づけたとしても並行世界への移動はコントロールできない。 何よりれみりゃの"餌を求める"感情がれみりゃをこの並行世界に引きずり込んだのだ、れみりゃの近くにいる以上ゆっくりはその影響を受けてしまう。 万が一れみりゃに捕まり噛みつかれそうになったれいむが並行世界に移動したとしても、そこはれみりゃの巣であったり、あるいはふらんの巣であったりするだろう。 五組のれみりゃとその忠実にして優秀な従者であるさくやに、12の群れがどう立ち向かい敗れ、そして殺されていったかは悲惨の一語であったとだけ言っておこう。 さてそうして五組のれみりゃは森の中でゆっくりを見つけて食べ遊び、ゆっくりした時間を楽しんだが、何事にも終わりはある。 一組のれみりゃ家族がもっと素敵なこうまかんを探しに行くと去っていき、食糧となるゆっくりが少なくなった森から3組のれみりゃ家族が出て行った。 大きな巣穴で暮らしているれみりゃはこの森に最後に残ったれみりゃの家族だった。 「うっう~♪れみぃのおちびちゃんたちあたらしいこうまかんをさがしにいくどぉ~♪」 「う~まぁま!ひろいこうまかんでゆっくりしたいどぉ~!」 「うっう~!」 「う~……さくやぁたすけてどぉ~♪」 「かしこまりましたおじょうさま」 れみりゃは美味しいプディンが詰まった、しんのれでぃに仕えるに相応しい教養と知性を持つ小さな従者に全幅の信頼を置いていた。 さくやはどうやってこしらえたのか、大きな巣穴に秘密の食糧庫を掘っていた。 中には底部を切り裂かれた数匹の子ゆっくりがぷるぷると震えている、さっきから聞こえていたうめき声はこの子ゆ達が発するものだった。 さくやがれみりゃ達の面倒を見る合間を縫ってゆっくりを狩り、親れみりゃと子れみりゃが狩りに言っている間に連れ込んでいたのだ。 なお赤れみりゃには自身のぷでぃんに睡眠薬を混ぜたものを少量呑ませ、眠らせていた。 「ちっちゃいおじょうさまがた、おいしいあまあまがございますわ、これをたべてげんきをつけてからたびにでましょう」 「やめてね!こないでね!ゆっくりやめてよ!」 「う~♪さくやがいうならしかたないどぉ~♪」 「たしゅけてぇ!れいむをたしゅけてー!!」 「ゆふふ……おそらをとんでるみた~い」 「おねえちゃんしっかりしてね!おねえちゃん!おねえちゃん!」 「しかたないどぉ~♪」 「まぁま♪あまあまいっしょにたべるどぉ~☆」 「たべるどぉ~♪さくやありがとぉ~だどぉ~♪さすがれみりゃのさくやだどぉ~♪」 「ありがとうございます」 「やべでぇえええ!!たべないでぇええ!!!」 主であるれみりゃの賛辞に、言葉少なく応じるさくやの表情は恍惚として緩みきっている。 れみりゃの10の喜びはさくやにとって1000の喜び、れみりゃの10悲しみはさくやにとって1000の悲しみなのだ。 れみりゃが幸せであれば、子ゆの悲鳴はオーケストラの奏でる旋律に、顔にかかる餡子は神聖な何かに思えるのだった。 子ゆと赤ゆがお腹いっぱいになり、親れみりゃはさくやを抱きしめて大きな巣穴から這い出て空を飛んだ。 ふわふわとゆっくり漂うような飛び方で、お月さまの出ている方に向かって飛んでいく。 「うっう~♪まんまるおつきさまきれいだどぉ~☆」 「きれいなおつきさまゆっくりだどぉ~♪」 「うっう~♪ゆっくりだどぉ~♪」 れみりゃ達は賑やかに空を飛んでいく、さくやはれみりゃの手の中で真っ白に燃え尽きていた、れみりゃの抱擁はさくやにはあまりに刺激が強すぎた。 そしてれみりゃ達はその日のうちに森を抜け川を越え、お日様がそろそろ登って来る時間になったため地面を降りた。 そしてしばらく当たりを探索し長い事使われていない様子のゆっくりの巣穴を見つけ、そこで夕方までゆっくり眠る事にした。 そして眠るっているれみりゃ一家の、たくさんのゆっくりを食べられる森に行きたいという願望は並行世界の壁を突き破った。 そして89398番目の並行世界から、どの世界に行けばれみりゃの願いが叶うかが選ばれる。 普通な世界、まだ恐竜のいる世界、れいむが多い世界、まりさが多い世界いろいろな世界があった。 その無限大の並行世界の中から一つの世界が選ばれた、1169番目の並行世界だ。 れみりゃの願いは次元の壁を超えてそこに根付き、れみりゃ達家族をその世界に引きずり込んだ、勿論さくやも一緒に。 「ううう~♪……おっきいこーまかんだどぉ~☆~……むにゃむにゃ……」 「うっ~、さくやぷでぃん……おっきいぷでぃん~、う~……」 「ゆゆ……おじょうさま……それはぐんぐにるではなくきのぼうですわ……ぅ……」 れみりゃとさくやは次元の壁を越えた事には気付かず、2時間ほどゆっくりと眠りを貪った。 そして最初に目覚めた親れみりゃはゆっくりと伸びをし、人間ならば鼻のあるあたりをぴくぴく動かし、ゆっくりの臭いを探った。 近くに少なく見積もっても20はあまあまがいる、でぃなーの時間だ。 「うっう~☆れみぃのちびちゃんおきるど、あまあまでぃなーがちかくにあるどぉ~♪」 「うっ!あまあまがあるどぉ?たべにいくどぉ♪」 「いくどぉ~♪」 れみりゃは高い再生力を維持するため、必要とする栄養の量も他のゆっくりよりも多いのだ。 特に赤れみりゃや子れみりゃは常に腹ペコで小さな体に似合わず、際限なく食べる事ができる。 子れみりゃや赤れみりゃも、20匹も食べればしばらくはゆっくりできるだろう。 親れみりゃはさくやを抱え子供たちを連れて、ゆっくりの臭いをたどりながらのんびりとでぃなーの場に向かうのであった。
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4455.html
※いじめの対象はありすメイン他おまけ程度です ※肉体的虐待より精神的虐待を目指しました ※俺設定を含みます ※その他あれこれとあるかもしれません 幻想郷のとある人里、その近くにある里山にゆっくり達の声が響いた。 「ゆっ!にんげんさんがいるよ!」 「ゆぅ~。れいむのおかあさんはにんげんさんはゆっくりできないっていってたよ」 「むきゅ!れいむのいうとおりだわ。ぱちゅりーもおかあさんからそうきいたもの」 「れいむ、ぱちゅりー、おちついて!かんたんにとりみだすなんてとかいはじゃないわ!」 まりさが発見した人間にれいむとぱちゅりーが怯え、ありすがそれを宥めている。 四匹は成体に成り立てのまだ若いゆっくりだが、親の躾が良かったのか人間の恐ろしさを十分に理解していた。 普段は里山のこの辺りにゆっくりが出没することはない。人里に比較的近く、人間が山菜などの山の恵みを採りに来る ここはこの山の奥の方に住むゆっくり達にとってはゆっくり出来ない場所だからだ。 ゆっくりは成体になると育った巣と親元を離れて一人暮らしを始める巣立ちを行う。 この四匹は徐々に近づいてくる巣立ちの日に備えて、 仲良し四匹組で自分の巣を作る新天地の下見をしているうちに張り切って進みすぎていたのだった。 「ん?ここいらへんでゆっくりを見るなんて珍しいな」 人間の男の方もゆっくりに気付いたようだ。 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 まりさが意を決して人間に声を掛ける。本当なら一目散に逃げ出したかった。 しかし、もしゆっくりより遥かに強いという人間が襲いかかってきたら、まず犠牲になるのは運動の苦手なぱちゅりーだろう。 友達を見捨てるようなことは出来ない。いや、仮に出来たとしても絶対にやっちゃいけない。 「ああ、ゆっくりしていってね」 返ってきたのは四匹にとっては予想外の返事だった。 緊張状態にあった四匹の体が男の一言で弛緩する。特に、いざという時は自分が男に立ち向かってその隙にみんなを逃がそうと、 内心で死をも覚悟していたまりさは安堵のため息を吐いた。 「ゆ、ゆふぅぅ~」 そんな風になにやら固まったり弛緩したりしている四匹を不思議そうに見ながら、男が質問する。 「お前達、何でこんなところにいるんだ?」 「れいむたちは、もうすぐすだちをするんだよ!」 「むきゅ!むれでしごとをするいちにんまえのゆっくりになるの!」 「だから、いちにんまえにふさわしい、とかいはなおうちをさがしてここまできたのよ!」 挨拶を返してくれたことで、この人間は言われていた程ゆっくりできない訳ではないらしいと判断した三匹が次々に質問に答える。 「へー、そりゃおめでとう。でもこの辺は人間のテリトリーだから巣を作るには危ないぞ。 それにここからだと群れが遠いから、仕事とやらもちゃんとできなくなっちゃうぞ」 男のその言葉に、まりさが慌てて反応する。 「ゆゆ!しごとができないのはだめだよ!いちにんまえになれなくなっちゃうよ! いちにんまえになれないとけっこんもすっきりーもできないよ! まりさは、けっこんしてあかちゃんをつくって、おかあさんみたいなりっぱなゆっくりになりたいよ!」 どうやらこの四匹がいる群れでは、成体となって巣立ちをし、群れのために仕事をすることでようやく一人前と認められるようだ。 そして、一人前としての義務を果たすことでようやく結婚や出産の権利が認められるらしい。 義務と権利の相関。ゆっくりの群れにしては随分立派なことだと思いながら更に男は尋ねた。 「仕事ってのはどんなことをするんだ?」 「まりさはかりをして、ゆっくりできるごはんさんをあつめるよ!」 「れいむはほぼさんになるよ!おかあさんのいないこどもたちのめんどうをみて、ゆっくりさせてあげるんだよ!」 「ぱちゅりーはじむのしごとをするの。ごはんのりょうやおうちやこづくりのもんだいをかいけつするのよ」 「ありすは、とかいはなこーでぃねーたーになるわ!おうちやひろばをかざって、とかいはなえんしゅつをするの!」 なるほど、男は納得して頷いた。どうやら四匹ともそれぞれの特長を生かした仕事に就くようだ。 食料集めは絶対必須の仕事だ。食べなければ何もできない。 保母さんも分かる。もろい生き物であるゆっくりの子育ての過程ではどうしても親を失った子が多く出るだろう。 その世話をして一匹でも多く一人前にすることは群れの繁栄に繋がる。 事務も群れのためになる仕事だろう。食料を集めたら集めただけ食べてしまって、ちょっとした怪我や雨ですぐ飢えるといった事態を避けるため備蓄の指示をだす。 また、家造りや子作りは特に越冬時に問題になりやすいため、事前に入念な準備と指導が必要だろう。 いや、しかし、コーディネーターというのは何だろうか?家や広場を飾ると言っていたがそんなことが必要なことなのだろうか? 生活に余裕を持てる強い生き物、例えば人間や妖怪が余暇を利用してそういった楽しみを追求するのは分かる。 しかし、ゆっくりは弱い生き物だ。そう、無い知恵を振り絞り、必死に頑張って働いても他の生物にあっさりとその命を踏みにじられるほどに弱い。 そんな生き物に必要なのはまずは生きるために働くことではないだろうか? 男はその疑問を四匹にぶつけてみた。 「まりさとれいむとぱちゅりーの仕事は分かった。でもありすのコーディネーターは本当に必要な仕事のか?」 「ゆ?」 「ゆぅ~?」 「むきゅきゅ?」 「どぼじでぞんなごどいうのぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!どっでも゛どがいはなじごどでしょおぉぉぉぉぉぉ!!!」 ありすを除く三匹の疑問の声とありすの絶叫が里山に木霊した。男はありすを無視して平然としたまま続ける。 「だって、そうじゃないか。なあ、まりさ。ありすは飾り付けをするよりご飯集めをした方が いっぱいご飯が集められて良いと思わないか?」 「ゆ?ゆぅ~、でも……」 「飾り付けは生きるために絶対必要って訳じゃないんだろ?なら、ありすには狩りに参加してもらって 美味しいものをいっぱい集めてもらう方が食べるものがたくさんになってゆっくりできるじゃないか?」 「ま、まりさにはわからないよ……」 「れいむはどうだ?ありすは飾り付けをするより、たくさんのこどもを育てて一人前にする方が群れに貢献できると思わないか?」 「ゆゆっ!」 「ぱちゅりーは?運動が苦手なぱちゅりーはありすが手伝ってくれれば、より効率的に働けるんじゃないか?」 「むきゅう……」 男が三人に声を掛けるのを聞きながら、ありすは焦っていた。まさか自分の仕事をこんなところで人間に完全否定されるなんて思ってもいなかった。 今の今まで都会派な自信に満ち溢れていた心が急速に萎えていく。もしも、群れで自分の仕事が認められなければ、仲良し組で自分だけ子供のままということになる。 嫌だ。絶対に嫌だ。 子供の頃からずっと一緒で仲良しだったみんなが一人前になるのを尻目に一人だけ子供のままでいる。 やがては結婚し、子供を作り、立派な親になるみんなに置いていかれて一人だけ結婚もすっきりもできないままでいる。 そんなの全然都会派じゃない。田舎者だ。とびきりの田舎者だ。 「ぞんなのい゛や゛だあ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!ゆ゛っぐり゛でぎな゛い゛ぃ゛ぃ゛ぃ゛!!!」 「ありす、おちついてね!ゆっくりしてね!」 「むきゅ!とりみだしちゃだめよ、ありす!そんなのとかいはじゃないわ!」 「どがいはじゃないのはい゛や゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛!!!」 れいむとぱちゅりーが何とかありすを落ち着けようとしている。その様子を横目にまりさは男に食って掛かった。 「おにいさんやめてね!ありすをいじめないでね!」 「別に虐めてるつもりはないんだけどなあ。ただ本当のことを言っただけであって」 男には反省の色は全く無い。いや、男はそもそも間違ったことを言ったとも思っていない。 普段ゆっくりと触れ合う機会の殆どない男には、ありすの都会派へのこだわりとそれを自分が踏みにじったことなど分かるはずがなかった。 「なにがぼんどうのごどだあ!ゆ゛っぐり゛でぎないじじい゛はゆ゛っぐり゛ぜずにじねぇ!!」 先ほどの男の言葉を聞き咎めたありすがとうとう暴発した。 れいむ、ぱちゅりー、まりさを置き去りにして男の足に向かって体当たりを繰り返す。 「おいおい、なんて事するんだ。せっかく群れのためになるよう忠告してやったのに。まったくありすは悪いゆっくりだな」 男のその言葉に、まりさは自身のあんこが急激に冷えていくのを感じた。代わりに忘れていた人間への恐れが急激に浮上してくる。 ありすの気持ちは分かるが人間を怒らせるのだけはまずい。 ふと横を見る。するとれいむとぱちゅりーは既に恐怖にぶるぶると震えていた。とても動けそうな状態ではない。 自分がやらなければならない。ありすを落ち着かせ、人間さんに謝って、みんなを連れて一刻も早くここを立ち去らなければならない。 「お、おにいさん!ゆっくりごめんなさい!ありすもわるぎがあるわけじゃないんです!」 「ジジイ呼ばわりした挙げ句に体当たりまでしといて悪気はないって言われてもなあ」 「ゆ、ゆぅ……。ありす、そんなことしちゃだめだよ!ゆっくりできなくなるよ!」 男とまりさの会話の間も体当たりを続けていたありすをまりさが制止する。 「ゆっくりまっててね、まりさ!もうちょっとでこのじじいをたおせるわ!」 しかし、ありすは従わなかった。いや、むしろ攻撃が効いていると確信して勢いを強めている。 あまりの怒りに人間への恐怖も親の教えもあんこの遙か彼方へ飛んで行ってしまったようだ。 「にんげんざんをだおぜるわけないでしょおおおお!!おねがいだがらやべてよおおお!!」 「う~ん、もういいや。最初は礼儀正しいゆっくり達かと思ったけどやっぱり害獣なんだな。 放っとくと里に迷惑を掛けるかもしれないしお仕置きしとくか!」 男の口から死刑宣告にも等しい言葉が発せられた。 恐怖のあまり硬直していたれいむとぱちゅりーがその言葉に弾かれたように動き出した。二匹揃ってゆっくり式の土下座を繰り返す。 「おねがいだがらびゅるじでぐだざいぃぃぃ!あやばりばずがらあ゛ぁ゛ぁ゛!」 「むきゅう!むきゅきゅう、むきゅう!」 懸命に命乞いをする二匹、ぱちゅりーに至っては余りの必死さに言語を失っている程だ。 しかし男はそんなゆっくり達の懇願を全く意に介さない。 「い~や、ダメだ。お前達はクズだ。害獣だ。一匹残らずお仕置きする」 そう言うと、男はゆっくりからすると信じがたい程の速さでいまだに体当たりを続けるありすとそれを止めようとするまりさから それぞれカチューシャと帽子を奪い、それでも土下座を繰り返すれいむとぱちゅりーからも飾りを取り上げた。 そのままの勢いで宣言する。 「お前達はまだ悪いことをしたわけじゃないから命だけは助けてやる。だが、ゆっくりにとって一番大事だという飾りは破壊させてもらう」 そして間髪入れずに全ての飾りを力尽くで引きちぎり、たたき割った。 「「「「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」」」」 四匹の悲鳴が里山に響き渡る。飾りのないゆっくりは仲間はおろか親姉妹からさえ排斥される。 これでもう四匹がゆっきりできる可能性は一切無くなったと言っても過言ではない。 「じゃあな!ゆっくりども!これに懲りたら少しは良いゆっくりになれよ!」 そして男は、悲鳴を上げた体勢のまま茫然自失の四匹を置いて意気揚々と里山を下っていった。 その顔には自分が悪いことをしたという罪悪感など微塵も感じられない。 逆に、里を害獣から守ったという達成感とその害獣にさえ更生の道を与えてやったという満足感に輝いていた。 おまけ どうしてこんなことになったんだろう。 男が去ってから数十分、ようやく思考を取り戻したまりさは自問自答した 大切な大切なお帽子さんを失ってしまった。 もうすぐ一人前になれるはずだったのに。お母さんや妹たちから祝福されて巣立ち、立派に仕事をこなし、 そしてやがてはれいむにプロポーズするはずだったのに。 全ては失われてしまった。 お母さんも妹たちも群れでの立場もれいむとの幸福な生活も生まれてくるはずだった子供達も、全て。 ほんのついさっきまで輝くような未来があったはずなのに。 今や残された未来は、飾りのない、ゆっくりできない日陰者ゆっくりとしてのくすんだ未来だけ。 どうしてこんなことになったんだろう。 「……ありすのせいだよ」 まりさと同じように沈痛な面持ちで何事かを考え込んでいたれいむがぽつりと言った。 そうか、ありすのせいだったのか。 「ありすがおかあさんたちのことばをわすれて、にんげんさんにさからったからこうなったんだよ……」 風の音に紛れてしまいそうなくらい小さな声だったその言葉は、しかし、今の四匹にはどんな音よりも大きく聞こえた。 そうだ、自分は必死で止めようとしたのにありすは……。 「むきゅ。それにありすはむれのためにならないしごとをしようとしてたわ。さいしょからゆっくりできないゆっくりだったのよ」 ぱちゅりーが更に付け加えた。 そうだよ、今考えればお兄さんが言ってたことが正しいじゃないか。 「ま、まって!ありすはそんなつもりじゃ「ばりずのぜいだよおおおおおおおおおおお!!!」 反論しようとしたありすの言葉を遮ってれいむが叫んだ。あんこの奥底から絞り出したような怨嗟に満ちた叫びだった。 「むきゅう。ありすにはしつぼうしたわ」 ぱちゅりーもありすを見限ろうとしている。 ありすは二匹の責めに耐えられなくなりまりさを見た。大好きなまりさ。とっても都会派で、格好良くて可愛いまりさ。 一人前になって、自分に自信が持てたその時には、ずっといっしょにゆっくりしようとプロポーズするつもりだったまりさ。 まりさならきっとありすを助けてくれる。 「……ま、まりさ」 まりさは何も言わなかった。ただその目だけが、怒り・憎しみ・絶望といった様々な負の感情が混じり合い爛々と輝いている。 まりさは何も言わなかった。何も言わないまま、ありすに渾身の体当たりを仕掛けた。 「ゆげぇっ!」 ありすは予想外の展開にまともな抵抗も出来ずにふっとんだ。全身に痛みが走る。 そして制裁はそれで終わらなかった。まりさと、感情を爆発させたれいむがありすに突っ込んでいく。 「……」 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「ごみくずありすはしにさない!しんでぱちゅりーたちにおわびしなさい」 無言で襲いかかるまりさの攻撃と怨嗟の言葉と共に襲いかかるれいむの攻撃。ぱちゅりーの罵声。 ありすは身も心も既に虫の息だ 「も、もっとゆっく――ゆべぇっ」 とうとうありすはお決まりのセリフすら言えずに息絶えた。 三匹はそれでも決して攻撃を止めようとしない。 攻撃を止めれば現実と向き合わなければならなくなる。これから死ぬまで全くゆっくり出来ないであろうという現実と。 それが何より恐ろしかった。先にあっさりと死んだありすはまだ幸せなのかもしれない。 これから先、この三匹に決して幸福は訪れない。 このSSに感想をつける