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このバトルロワイアルが始まってもうそろそろ18時間が経とうとしていた。 参加者達の叫びは天に響き、その血は大地を染め上げていく。 この地で出会った同志がいれば、必然的に別れもある。 その別れに立ち会った時に残された者が何を思うのかは当事者にしか理解できぬ心境である。 悲しみに暮れるのもいいだろう。 事実を否定するのも取り得る選択肢の一つだろう。 恨みや憎しみを心に抱くのも、それもまた人の業であろう。 だが、それで残された者が行き着く果てにどうなるのかまでは想像に難くない。 なによりここにいる者はロワという戦場で鍛えられた書き手という戦士である。 自ら、あるいは他の書き手によってキャラに別れを体験させてきた。 その果てに狂い、嘆き、怒り、恨み、喜び、さらなる凶行に走らせたキャラは数知れず。 そしてその結末も見届けてきた。 だからだろうか。 書き手は悲しみに暮れて足を止めるより、その死を乗り越えて先に進む事の尊さを誰よりも理解しているのではなかろうか。 キャラにも仲間の死を乗り越えて強い心で以って反逆の意を示す者もいる。 死を淡々と受け容れる者、激情の果てに受け容れる者、そのスタンスは様々であるが、共通している事が一つある。 それは仲間の死を無駄にしない事。 あるいは綺麗事と言われるかもしれないだろう。 だが……いくら嘆いたところで、いくら否定したところで、死者は生き返らない。 それが事実。それが真理。 だからといって、悲しみに浸る事が悪いという事では決してない。 どこかの書き手も言っていた。 ――いつまでも悲しんでいてもなにも生まれん。ならば今は悲しみを一時胸にしまい、明るく笑って前を見るべきではないのか? それもまた一つの真理―――― ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ H-6の海岸沿い。 そこに佇む三つの影。 速筆魔王LX、蘇った現代の熱血怪人、ギャグ将軍の三人である。 彼らの目の前には波飛沫が今なおかかり続けている二人の死体。 いや死体ならついさっきも発見した。 もっともミイラ化していた上に首輪が取られていたので生前の面影はほとんど残っていなかった。 辛うじてデイバッグが三つ残っていたのは僥倖だった。 一つ目――起のもの――には基本支給品しか入っていなかった。 二つ目――康一君のもの――にはそれに加えてアニロワ1stで活躍した技術手袋が入っていた。 そして三つ目――暮れなずむ内面描写のもの――には脱出フラグと成り得るノートパソコンが入っていた。 そしてこれで考察が大いに進むと期待に胸膨らましていた一行が見つけたのが海岸に打ち上げられた二人の死体。 一人はスクライドに出てくるストレイト・クーガーのサングラスを掛けた男性。 それだけならまだかっこいい兄ちゃんにも見えたのだが、サングラスの下の素顔は攻殻機動隊のトグサのものだった。 サングラスを取ったら、ナイスなおじさまという感じである。 クーガーとトグサ。おぼろげにフリクリ署長かと1st書き手でもある魔王は推測した。 そしてもう一人はまんまHELLSINGのセラス・ヴィクトリア。 こちらのほうは将軍が知っていた。 新生クライシス帝国の一員である焦ったドラえもん。 永遠のうっかり侍と共に温泉に向かった彼女がなぜこのような場所でその命を散らしたのか。 もしかして温泉で何かしらのアクシデントでも起こったのだろうか。 それは彼らには推測しかねるものだった。 一つわかる事はこの二人もさっきの三人同様にもう動く事がないという事。 「速筆魔王に熱血怪人よ。余はこれより急ぎ温泉に向かおうと思うのだが、付き合ってくれるか?」 「ええ構いませんよ」 「正義の味方である仮面ライダーとして目の前の事態を放っておくなんてできませんよ」 魔王と怪人にそれを拒む理由などなかった。 「異論は認めんかったがのう」 もとより二人に選択肢は存在しなかった。 とりあえず形見分けという事で男性のほうのデイバッグは持って行く事にした。 中には基本支給品の他にジャッカルが入っていた。 そして念のために装備品の有無を確かめてみると、意外なものを発見した。 それはiPodであった。 アップル社製の携帯型デジタル音楽プレイヤー、様々な機能が付いている便利アイテムである。 だが残念ながら度重なる戦闘と海に落ちた衝撃で全く使い物にならなくなっていた。 首輪も同様に電撃と衝撃で解析などできない状態になっていた。 「せっかくいいアイテムを見つけても、壊れているんじゃねえ」 iPodを見つけた怪人も落胆を隠せなかった。 だが魔王にはなにやら考えがあるようだった。 「たぶんそれ直せますよ」 「速筆魔王よ、それは真か?」 「ええ、将軍。さっき見つけた技術手袋を使えば、直せると思いますよ。 まあ、時間が若干かかりそうなんで、温泉に着いてからってことで」 本当なら埋葬なり何なりするべきなのだろうが、今は時間が限られている。 仕方なく波のかからない所まで運んでおいて、冥福を祈っておいた。 そして彼らは一路温泉へと向かう。 もう誰もいないとは知らずに…… ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ それは惨劇と表現するのが適切だろうか。 まず見かけたのは黒焦げの死体と首輪。 次に地面に赤のアートを描いた少女の死体。 さらに進むと首から上がない死体、そして身体を真っ二つにされた永遠のうっかり侍の死体。 まさにここはバトルロワイアルの縮図ともいえる場所だった。 「生存者は……0だねえ、この様子だと」 「ああ、これをやった奴はかなりイカレてるな。 普通にしたんじゃ、こうも無残な死体になる事はないだろう」 魔王と怪人はその惨劇に各々感想を述べた。 一方の将軍はというと、一人惨劇を見つめ物思いに耽っている。 その胸中にあるのは憤慨か、悲嘆か、あるいは…… 「……コーヒーで一服でもするか」 そう言って将軍は一瞬でコーヒーセットをセットし終えると、コーヒーブレイクを発動させた。 その背中はどことなく哀愁が漂っているような気がするが、気のせいだろう。 「そっとしておこうか」 「クライシス帝国のメンバーが次々と死んでいるからな。 さすがの将軍も休息が必要か」 「将軍。僕達はこの辺りを調べていますね」 「あまり遅くならぬようにな」 二人はコーヒーブレイクを満喫する将軍に断りを入れつつ、温泉と旅館を探り始めた。 「……下手な気を回しおって」 将軍の言葉はコーヒーを啜る音に紛れていった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 結果、彼らは大量のアイテムを手に入れる形となった。 まずは首輪。 とりあえず使える首輪は四つ、サンプルとしては十分な数であった。 次に支給品。 斬鉄剣、核鉄「バルキリースカート」、焦ったドラえもんのデイバッグが瓦礫の下から見つかった。 これ以外に他に道具が落ちていないところを見ると、おそらくこれ以外のものは襲撃者が持っていったのだろう。 運悪く瓦礫の下までは目が届かなかったというところだろう。 「バルスカか。これは俺がもらうぞ、武装錬金『朝から晩までドキッ!ドキッ!』ってなんじゃこれーーーー」 「おお、それはドラえもんの支給品で発動の度に若本ボイスが発せられる優れものであるぞ」 「ちょっと待て! それじゃあ俺の声と一緒じゃねえか。ややこしいだろ」 「いいではないか。やはり新生クライシス帝国の次期主力兵器に相応しい。 さっそく量産化の手筈を整えねば」 「勘弁してくれ……」 焦ドラ同様に若本ボイスのバルスカの鬱陶しさに僻遠しかけている熱血怪人。 それを大いに歓迎しているギャグ将軍。 そして速筆魔王はというと―― 「ちょっと失礼……えーと、ここをこうしてああして……これでいいかな。 熱血君、起動させてみて」 「ああいいけど? 武装錬金!……ん!? 武装錬金! おお、バルスカがまともになった!」 なんと魔王が少し弄っただけであの煩かった若本ボイスが嘘のように静かになった。 種明かしをすれば、技術手袋のおかげだ。 もともと改造が為されていた代物だけに、弄る時間は少しで済んだ。 ただし突貫だったため不意の拍子に声が出る可能性も無きにしも非ずという状態だ。 「して魔王よ、首輪のほうはどうであった?」 「それはこれから。サンプルも四つあるし、何とかなると思うよ」 「では頼んだぞ。こちらはノートパソコンを調べておくぞ。 熱血怪人、おぬしも手伝え」 「はいはい」 残された者がとる道。 それは明日へと続く道。 【夕方】【G-9・旅館】 【チームBADAN+新生クライシス帝国(仮称)】 【速筆魔王LX@アニロワ2nd】 【状態】健康 【装備】虎竹刀with千年パズル、斬鉄剣@ルパン三世、技術手袋@アニロワ1st 【道具】支給品一式×3、みWiki@らき☆すた?、首輪×4(素晴らしきフラグビルド、地味子、◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍)、 iPod(故障中)、 【思考・行動】 1:首輪を解析して、自分の解読が正しいのか確かめたい。 2:iPodを直して中身を確認する。 3:このハゲ、ひょっとして……? 4:『白猫』って誰? 5:対主催陣を探し、ゲームに乗った強敵を撃破していく。 6:でも別に何エンドでもおっけー♪ ※主催者陣営に裏切り者がいるのでは、と考えています。 【蘇った現代の熱血怪人@漫画ロワ】 【装備】:バヨネット×2、核鉄「バルキリースカート」 【所持品】:支給品一式×3、ジャッカル(5/6) 【状態】:疲労(小) 【思考・行動】 基本:打倒、主催! 1:俺は正義の味方! 2:仮面ライダー書き手の『ライダー魂』を蘇らせる。 3:やっかいなおっさんを仲間にしてしまったorz 4:『白猫』って誰だ?! 5:どこかで鬱展開にもって行きたい……って既に鬱!? ※核鉄「バルキリースカート」は修理されて普通の核鉄になりました。しかし不意に若本ボイスが出るかもしれません。 【ギャグ将軍@ライダーロワ】 【状態】:健康 【装備】:杖@ライダーロワ、王者のマント@FFDQロワ 【道具】:支給品一式×2、コーヒーセット一式@スパロワ、コーカサスブレス&ゼクター@ライダーロワ、 ジャーク将軍のマント@ライダーロワ、ノートパソコン 銀河ヒッチハイクガイド、咎人の剣「神を斬獲せし者」@AAAロワ、ドラゴン殺し@アニロワ1st、他にまだあるかも 【思考】: 基本:新生クライシス帝国の結成。 1:ノートパソコンを解析してくれよう! 2:速筆魔王が首輪を解析した後に『白猫』を探し出してくれよう! 3:Chain-情の計画に協力。 4:ついでに飲み友達を集める。 5:コーカサスゼクターの資格者を探し、コーヒーを飲む。 6:紅茶を飲むかどうかは保留。 7:対主催の仲間を集める(首輪解除スキルを持つ者を優先) ※容姿はジャーク将軍@仮面ライダーBLACK/ジャークミドラに似た、ギャーグミドラに変身できます。 ※制限がライダーロワ基準だと思い込んでいます。 ※シルベストリから、漫画ロワの知識を若干得ました。 ※今はChain-情に協力的ですが、ちょっとしたことで心変わりする可能性があります。 ※特殊能力:「書き手界の良心」に目覚めました。 本気の一喝を放つことにより、悪ノリし過ぎている者に自重を強いることができます。 ただし、ギャグ将軍の性格上、あまり多用されることはありません。 真剣な人生相談に乗ることも可能。なお、発動中はピンク色がかかった女言葉になります。 ※背中に謎のチャックを確認。ギャグ将軍曰く、開けると「大変なこと」になるそうです。詳細は不明です。 ※固有結界「コーヒーブレイク」 優雅なリネン一式の備わったテーブルと人数分の椅子を造り出し、皆でコーヒーを飲んで和みます。 それ以上の効果は確かめられていません。 コーヒーセット自体が発動させている可能性があります。 【備考】 ※H-6にある死体の状況は次の通りです。 起@スパロワ……ミイラ状態。ユーゼスセット(仮面とマントだけ)装備。上半身裸。首輪なし。 康一君@漫画ロワ……ミイラ状態。吉良のネクタイとパピ☆ヨンのビギニ装備。スタンドは消滅。上半身裸。首輪なし。 暮れなずむ内面描写@アニロワ2nd……ミイラ状態。上半身裸。首輪なし。 フリクリ署長@アニロワ1st……サングラス(クーガー仕様)装備。核鉄「ピーキーガリバー」はアルター化の影響で消滅。 ちなみにサングラスの下の素顔はトグサ@攻殻機動隊でした。首輪は黒焦げ。 焦ったドラえもん@漫画ロワ……手に画鋲を握っています。朝比奈みくるのメイド服装備。首輪は黒焦げ。 ※将軍一行が見た死体は底上中の残月→地味子→◆wKs3a28q6Q、永遠のうっかり侍です。 残月の首輪は黒焦げのため採取しませんでした。 次のSSにこの【備考】を乗せる必要はありません。 235 意思×支給品=影丸 投下順に読む 237 White Trick 234 今・手の中にある・雑学が・脳を・閃かせる 時系列順に読む 237 White Trick 234 今・手の中にある・雑学が・脳を・閃かせる 速筆魔王LX 247 不思議の国の魔王様 234 今・手の中にある・雑学が・脳を・閃かせる 蘇った現代の熱血怪人 247 不思議の国の魔王様 234 今・手の中にある・雑学が・脳を・閃かせる ギャグ将軍 247 不思議の国の魔王様
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畏敬されし者 依頼主 :リヌバリ(アバラシア雲海 X6-Y14) 受注条件:レベルアジャスト50~ 概要 :ナッキ島のリヌバリは、どうも慌てているようだ。 リヌバリ 「大変、大変! Nikuqさん! この「オク・グンド・ナッキ」の存在が、 「冷酷なるブンド」にバレてしまいました! しかも、しかも、ブンドの長老ホヌバヌがやって来て、 「大らかなズンド」に、私たちグンドを差し出せと迫ったのです! そうしなければ、グンドともどもズンドまでも、 すべて攻め滅ぼすと脅してきたのですよ! これから、これから、長老さまとの寄合があるので、 Nikuqさんにも、参加してもらいたいわ。 私は兄と向かうので、「ソヌバヌ」さまのもとへ向かってください。」 群雲のリヌバヌ 「ついに、ついに、「冷酷なるブンド」に見つかったか。 俺は妹と向かうから、「ソヌバヌ」さまのもとへ向かってくれ。」 ソヌバヌと話す サヌバヌ 「やはり、やはり、「冷酷なるブンド」に見つかってしまった。 寄合を始めるので、ソヌバヌさまにご挨拶を。」 リヌバリ 「長老さま・・・・・・。 私たちグンドのせいで、このような事態になってしまい、 本当に、本当に、申し訳ありません。」 ソヌバヌ 「あんずるな、あんずるな、我らズンドも、 「冷酷なるブンド」と向き合うべき時がきたのかもしれん。 今こそ、ズンドとグンドが力を合わせて戦うしかなかろう。」 サヌバヌ 「恐れながら、恐れながら、長老さま。 我らズンドの村民は皆、ブンドの戦力には勝ち目がないと、 毛玉のように一丸となって戦うことに反対しております。」 ソヌバヌ 「むう・・・・・・。 長老とて、村民の意見を無視するわけにはいかん。 困った、困った、まるで霧の中に迷い込んだかのようだ。」 群雲のリヌバヌ 「・・・・・・やはり、やはり、それがズンドの本性か。 さっさと我々グンドを差し出すがいい、「臆病なるズンド」よ!」 サヌバヌ 「ぬぬぬ! また言うかぁ! 取り消すだぁよ、取り消すだぁよ!!」 群雲のリヌバヌ 「勝てぬからといって、戦わないのは臆病ではないか! 我々グンドは、再び支配されるくらいなら、 雷雨の如く最後まで戦って、名誉ある死を選ぶっ!!」 リヌバリ 「でも、でも、確かに戦力じゃ勝ち目はないわ・・・・・・。 だから、私たちグンドと「大らかなズンド」が、 ともに「太陽の舞」を踊り、ブンドを退ければいいのよ!」 群雲のリヌバヌ 「しかし、しかし、 かつての我々の村「オク・グンド」が攻め込まれたとき、 「太陽の舞」で対抗したが、ブンドには効かなかった。」 リヌバリ 「あの時は、私たちの中にブンドを支持する者がいて、 部族の連帯と力強さを示せなかったからよ。 私たちが一体になれば、きっと成功するはず!」 サヌバヌ 「・・・・・・いいや、いいや、それは無理というもの。 長らく争いを避けてきた我らズンドには恐怖心があって、 「冷酷なるブンド」の前で、堂々と踊ることはできないだぁよ。 我らズンドが畏れ敬う者の「太陽の舞」でも見れば、 乾いた大地が雨水を吸うように、勇気も湧くとは思うが・・・・・・。」 リヌバリ 「ズンド族が畏れ敬う者・・・・・・。」 ソヌバヌ 「おるではないか、目の前に・・・・・・。 我ら皆が、畏れ敬う雲神さまを鎮めたヒトの勇者こそ、 まさしく、まさしく、我らが畏れ敬う者ではないか?」 リヌバリ 「そうだわ、そうだわ! Nikuqさんの踊りをみたら勇気が湧いて、 恐怖を克服することができた! Nikuqさん! ズンド族の前で「太陽の舞」を踊っていただけませんか! 大丈夫、大丈夫、私が振り付けを教えますから。 でも、「太陽の舞」を覚えるには、必要な儀礼があります。 詳しく説明するので、「オク・ズンド」の入口まで来てください!」 群雲のリヌバヌ 「・・・・・・やれやれ、やれやれ、我が妹の独擅場だ。 折れた大木のように長老として形無しだが、 ここは、妹に任せるとしよう・・・・・・。」 ソヌバヌ 「豪猛なるヒトの勇者が踊る「太陽の舞」・・・・・・。 それは、それは、春の訪れよりも楽しみですな。」 サヌバヌ 「やれやれ、やれやれ、 長老さまと村民の間に入る身は、つらいだぁよ。」 オク・ズンドの入口のリヌバリと合流 リヌバリ 「それでは、それでは、儀礼の説明をしますね。 ここアバラシア雲海には「始まりの岩」と呼ばれる、 偉大なるバヌバヌ族の始祖を象った、ふたつの岩が存在します。 そのふたつの岩、それぞれの上で「踊る」ことで、 始祖に自らの魂を示し、「太陽の舞」を踊ることの許しを得る・・・・・・ それが、「太陽の舞」の修得に必要とされる通過儀礼なのです。 さあ、さあ、まずは目の前にある、 始祖なる母を象った「始まりの岩」の上に乗ってください。 そして、思い切り「踊る」のです!」 岩の印の上で「踊る」をする (「踊る」以外のエモートの場合) 岩の印の上でエモート「踊る」をして、 バヌバヌ族の始祖に冒険者の魂を示そう。 (踊る) 「始まりの岩」の上で思い切り「踊る」ことで、 バヌバヌ族の始祖に冒険者の魂を示した! オク・ズンドのリヌバリに報告 リヌバリ 「さすが、さすが、狂い咲いた花のように情熱的な踊りでした。 次は始祖なる父を象った、もうひとつの「始まりの岩」がある、 「ブンド・オク・ベンド」へ向かいましょう。」 ブンド・オク・ベンド前のリヌバリと合流 リヌバリ 「次は、あの始祖なる父を象った「始まりの岩」の上に乗って、 思い切り、思い切り、踊ってきてください。 遠いけれど、私はここでちゃんと見届けていますよ。」 岩の印の上で「踊る」をする (「踊る」以外のエモートの場合) 岩の印の上でエモート「踊る」をして、 バヌバヌ族の始祖に冒険者の魂を示そう。 (踊る) 「始まりの岩」の上で思い切り「踊る」ことで、 バヌバヌ族の始祖に冒険者の魂を示した! ブンド・オク・ベンド前のリヌバリに報告 リヌバリ 「すばらしい、すばらしい! これで貴方の魂が、偉大なる始祖たちに示されました! 快晴の青空のように、すがすがしい気分でしょう? フフフ、まだ、実感はないかもしれませんね。 それでは、それでは、「オク・ズンド」に戻りましょう。」 オク・ズンドのリヌバリと話す リヌバリ 「通過儀礼を終えた今、「太陽の舞」を踊ることを許されました。 私が振り付けを教えますから、 皆の前で披露して、恐怖を克服させてあげましょう!」 ズンド族の若者 「なんて、なんて、力強い! まるで、すべてを蹴散らす竜巻のような猛々しさだ・・・・・・!!」 ズンド族の若者 「ありがたや、ありがたや! これが、雲神さまを鎮めたヒトの勇者の「太陽の舞」か!!」 ズンド族の若者 「ぬおおおおおっ! 心が、心が、奮い立ってきたぞっ!!」 ズンド族の若者 「やろう、やろう! 我らも、踊ってやろうじゃないか!!」 ソヌバヌ 「天晴れ、天晴れ、素晴らしい舞でした! 迷いの雲は吹き飛び、すっかりと晴れ上がったようだ。 皆の衆、我らズンドはグンドとともに「太陽の舞」を踊り、 「冷酷なるブンド」を退けようぞ!」 リヌバリ 「やったわ、やったわ! きっと、これでブンドを退けることができます!」 「オク・グンド・ナッキ」にて先祖を鮮やかに称えるため、 「グンド族のトーテム」が建てられました! (オク・ズンド) ゴナバヌ 「これは、これは、ヒトの舞手ではないか。 吾輩、村の防衛のため太陽の舞の指導中なのだが・・・・・・ いったい、いったい、何用であろうか。」 (何を聞く?) (あなたのことを教えてほしい) ゴナバヌ 「よくぞ、よくぞ、聞いてくれた。 我こそは、ズンド随一の舞手なのだよ。 こうして修練を積むことこそ、立派な舞を会得する秘訣! 浮島に光届ける太陽のような頭の動き・・・・・・ 水の恵み届ける雨雲のような手の振り・・・・・・。 どうだ、どうだ、見事であろう! お主の、お主の、舞には敵わぬが、 我らはこの舞で、冷酷なるブンドから村を守るのだ!」 (ここはどんなところだ?) ゴナバヌ 「ここは、ここは、「オク・ズンド」! バヌバヌ語で「ズンド族の村」を意味する! つまりは、ズンドの民が暮らす村ということ、理解できるか? ズンドの民は、みな大らかだ。 我ら、我ら、冷酷なるブンドとは違って平穏を愛しておる。 なかでも、なかでも、長老のソヌバヌ様は、 横たわる雲のように大らかなお方。 いつでも、歓迎してくださるだろう。」
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ネオ・ジオングスーツ始め多くの起動兵器が深海棲艦により整備を受けながら眠る、東京ビッグサイトの地下格納庫。 そこには影薄キャラ特有のステルス能力で今まさに破壊工作を行わんとする三人の潜入者がいた。 セルベリア捕縛に向かった小町・あかりとは別行動を取っていた影薄三人組である。 「倉庫から爆弾を見つけてきたっす」 「罠の類もチェックしてみましたが、あの辺りの道を通っていけば問題なさそうです」 「ありがとよ二人とも、よし始めるか」 日之影たちは狂信者の新兵器破壊に必要な爆薬の用意や、工作活動前の下調べをしていた。 いかな存在感が薄い、忍者よりも忍んでいる連中とはいえ、油断は禁物。 食人海豹ぼのぼのにはステルスを見切られたこともあり、破壊には慎重を要した。 準備を終えた三人組は爆弾を抱えて警報などの罠を踏まないようにネオ・ジオングに接近していく。 (気づかれてないっすよね) (ここで整備を行ってる奴ら、生気を感じないゾンビみたいで気持ち悪ぃな) (まるで見てくれは生き物みたいなのに機械のようです) 黙々と作業を続ける謎の異形たちに影薄たちは小声で感想をこぼす。 都庁にも魔物という異形がいたが、こちらはまるで幽霊であり魔物と比べても異質であった。 影薄たちはまだ知らない、彼女たちはかつて艦むすと言われた人造巫女たちの慣れの果てであることを。 狂信者を束ねる神のために作られた赤い巨大鎧に影薄たちが肉薄する。 (近づくとやっぱでけえな……100Mはあるぜ) (こんな大きいものを複数しまい込める場所を、二日足らずでビッグサイトの地下に作りこめちゃう狂信者のメカニズムも脅威っす) (さあ、登ろうとましょう。装甲部分はともかく、内側からなら小さな爆薬でも有効なハズ) 三人がネオ・ジオングのあまりの大きさに驚きながらも、いざ登ろうとする。 だが、いざ登ろうとした瞬間。 「ッ!?」 「日之影さん!」 日之影は背後から気配を感じ、咄嗟に振り替えるとそこにはゴーグルとイヤホンをかけ、大きな篭手を三人に向けて振りかぶっていた少女型深海棲艦――集積地棲姫がいた。 明らかに整備のための行動ではなく、攻撃の準備。 迷っていれば自分も黒子もモモ死ぬ。 そう感じた日之影は彼女がこちらを攻撃する前に、先に拳で彼女の腹部を貫いた。 ドラゴンハートで格段に強化された拳は直撃ならば深海棲艦を一撃で葬れるクラスだ。 『ケンゾウシタ…シンヘイキ…ハ……ヤラセハ……シナイ………ッ!』 血なのかオイルみたいなのかよくわからない液体を腹の風穴から流しながら、集積地棲姫は格納庫の床に倒れ伏した。 そんな哀れな彼女の轟沈に感想を挟む暇もなく、周囲から砲口を向けられていることに気づく。 いつの間にやら影薄たちは格納庫中の深海棲艦に包囲されていることに気づいた。 「ひ、日之影さん……」 「これはまずいかもしれません」 「ああ……こいつらの対応があまりにも早すぎる。 どう考えてもこのゾンビもどきたちは俺たち影薄が『見えている』 ひょっとすると罠に嵌ったのは俺たちかもしれねえ……」 深海棲艦がどうやって影が薄いステルス存在を見抜いたのかは、日之影たちにはわからない。 ただわかるのは、彼女らの視線が当てずっぽうではなく真っ直ぐに影薄たちを捉えていること。 いつぞやの海豹のようにちゃんと見えていたということである。 「散開ッ!!」 深海棲艦の誰かが発砲するよりも早く日之影は他の2人に指示を出し、三者は格納庫の中でバラバラになって逃げだした。 この指示は的確であり、直ぐに深海棲艦による集中砲火が襲い掛かった。 ドラゴンハートとデモニカスーツのおかげで身体能力が上がっていたことも幸いにして、三人とも負傷せずに済んだのだ。 日之影は拳で、黒子は銃で、モモは刀と雀力で迎撃し、イロハ級程度の深海棲艦を倒していく。 「やばいっす、まさか潜入に気づかれてしまうなんて……敵がどんどん来てしまうっす!」 「僕たちだけじゃなく他の場所にいる小野塚さんや赤座さんも危ない!」 「仕方がねえ、こうなりゃスピード勝負だ。 俺と黒子がけん制するからモモはよじ登って爆弾でこの赤デカいのをぶっ壊せ!」 「そうは……させないデスよ!!」 「チッ!」 強引にでもネオ・ジオング破壊を進めようとする影薄たちに、処刑鎌の連撃、飛翔する回転鋸、大きな槍がそれぞれに襲い掛かる。 日之影は槍を白羽取りし、黒子は散弾で鋸を迎撃、モモは防ぎきれなかったが雀力を防御に回すことでダメージを最小限に減らした。 デモニカスーツはところどころ避けてエロい感じになったが。 「モモ!」 「だ、大丈夫、また裸に逆戻りしそうな悪寒がするっすけど……」 「騒ぎを聞いて駆けつけてみれば」 「やはり侵入者がいたデス。まっちゃんが言った通りだったデス!」 「ビッグサイトはやらせへんで!」 「クソッ、厄介な連中がきやがった」 格納庫に馳せ参じたネームド狂信者は、狂信者のエースであるシンフォギア装者である切歌。 切歌と同じくシンフォギアの使い手となったレジーナ。 そして巨人への変身能力を得た「元」お笑い芸人・松本である。 強者である日之影だからこそ、三人の強さは周囲の深海棲艦の比ではないと。 「良いかい、切歌? 深海棲艦たちは影の薄い彼らを捉えられるように事前にセンサーを改造しておいた。 彼女たちが攻撃した先に敵がいる。そこを狙って攻撃するんだ」 「ありがとうデス、サーフ博士」 「なんや? 兄ちゃんは戦わへんのか?」 「……クラウザーさんを想う気持ちは確かだけど、科学者だけに戦闘は専門外なんだ。 僕は後ろに下がらせてもらうよ……君たちの武運を祈る」 「ええ! 任せて!」 切歌たちの後ろには黒髪Ⅿ字の研究者サーフもいた。 どうやら彼は戦闘はろくにできない代わりに深海棲艦に影薄が見えるように改造したらしい。 そそくさと物陰に隠れてしまった。 「博士……ということは技術者か!」 ちょうどいい、あいつを捕まえればディーやセルベリアを捕まえるまでもなく、黄泉レ〇プマシンをなんとかできるかもしれねえ!」 「何をぶつくさと、ネオ・ジオングとサーフ博士はやらせないデス!」 「お嬢ちゃん! 邪魔をすんじゃねえ!」 「何発撃ちこんでも無駄やで、生贄は殺害や」 (銃弾が効かない……!) 「アンタたちなんかにクラウザーさん復活阻止をやらせるもんですかあ!」 「私たちだって……負けられない理由があるっす!」 サーフを捕まえようとする日之影を止めるように切歌のイガリマが襲い、日之影は拳で押収する。 松本は黒子を狙い、黒子は銃で撃つが、ドーピングコンソメスープで得た鋼のボディと巨人化能力者特有の再生能力でビクともせずに吶喊する。 一方でレジーナはモモと相対し、ツインテール状のパーツに括り付けた鋸と斬鉄剣をつばぜりあう。 そして周辺からは絶えず放たれる深海棲艦の射撃。 ものの五分足らずでビッグサイトの格納庫に暴力という嵐が吹き荒れた。 少し離れた物陰に隠れながらサーフは戦闘の様子を伺う。 (これは正直まずいな……) その表情はこの殺し合いが始まってから初めてと言えるぐらい、渋い顔をしていた。 彼はカオスちゃんねるのサーバーと繋がっている違法改造のスマホで掲示板及び、各参加者のナノマシンから得た殺し合い全体の情報を見ていた。 サーフは殺し合いを表向きの主催であるベイダーたちにやらざるえないよう誘導した元凶である、インターネットや隠蔽工作を通じて殺し合いを裏から操っていた黒幕と言っても過言ではない。 だがそんな黒幕や支えてきた掲示板にも、全能でないが故の限界や穴はある。 彼はついさっきまでギムレー急襲のためディー専用兵器の製作を急がねばならず、その間は掲示板を見ることができなかったのだ。 彼が掲示板を見てない間に情勢は対主催だけでなく、彼にとっても悪化していた。 まず、一つが貴重なテラカオスの内一人が死亡し、残る一人や貴重な野球チームも魔女によって今まさに風前の灯火ということだ。 主催陣営がテラカオス化したなのはを黒き獣へのカウンターとして投入し、敗死させてしまった。 敗死までは予測できたが問題はツバサの方だ。 ツバサの近くで霧切が魔女化し、ツバサが魔女の力によって弱体化。 イチリュウチームも魔女の結界に閉じ込められてしまったのである。 自分が神になるための礎であるテラカオスはもちろん、イチリュウチームの全滅も予言が完遂できないため、サーフにとっても面白くない。 せめてなのはが黒き獣に勝っていれば……または霧切が魔女化しなければ、どちらか片方だけなら許容できたが、不運が最悪のタイミングで一片に来てしまったのである。 この未来がわかっていたなら人質であるユーノを主催より先に拉致するか、霧切をツバサに合わせないように計らっていた。 次に都庁に送りこまれた狂信者たちの戦況。 掲示板やナノマシンなどの情報を統合すると、ドリスコルたちはそれなり追い込んだが敗北したらしい。 全滅してないはずの現地の狂信者からの情報が途絶えているのでなんともいえないが、少なくともルルーシュが提案した人質作戦は無意味であったようだ。 一部偽物が混じっていたとはいえ非情にも人質にした魔物ごと攻撃したとある。 ここで問題なのは送り込んだ天龍がやられたということだ。 オシリスの天空竜のスキルを受けついだ天龍が一撃でやられるとは思わなかった。 あらゆるスキルを無効化するが故に、超性能を誇るグレートゼオライマーと組めば、余程の戦下手でもない限り負ける可能性は低い。 となると、オシリスのスキル無効化能力をさらに無効化する切り札が都庁にはあったということか? (まさか……竜殺剣? もしくはそれに類するものを都庁が手に入れたということか?) サーフの脳裏に思い浮かんだのが、計画実行前に警告に来た真竜をなます切りにした竜殺剣ドリス。 だがドリスは狂信者からの信頼を勝ち取るためにセルベリアに献上した。 他の剣は存在しないハズだが、なんにせよチートドラゴンさえ葬れる何かが都庁同盟軍にあるのは確かだ。 (さらに現地に向かった深海棲艦たちからの応答は途絶えてる。 大半は死んだからわかるが、生き残ってる深海棲艦……特に戦況の監視係を任せていた867号から応答がないのがおかしい。 いったい都庁で何が起きているんだ? 遠巻きの情報しかない掲示板だけじゃ足りないぞ) 天龍とともに送り込んだ深海棲艦からも来るべき報告がこない。 天龍と共に全滅しているならまだわかるが、一部が生き残ってるから尚更送ってこないのが不可解なのだ。 この際、戦の勝ち負けよりも、何が起こってるのかわからないから怖いのだ。 (都庁でいったい何が起こってるんだ? 新たなに深海棲艦を送り込んで調査させるべきか……何か嫌な予感がする) サーフはまだ知らない。 送り込んだ深海棲艦の一人が都庁の力と使徒の歌で浄化され、艦むすとなり、黒幕の名前をバラしたと。 そして何より問題なのは、目の前でも起こってる出来事。 小町たち、影薄組の襲来である。 (ナノマシンの信号からこいつらだけ都庁を離れて真っ直ぐこっちに向かってきていたから潜入してくるだろうと予期はしていたさ……ただ) ディーにこそ伝えてないが影薄たちがビッグサイトに向かっていることをサーフは読んでいた。 だからセルベリアの防衛計画に便乗する形で潜入してくるだろう地下には信者以外は通れないゲートを作り、念の為にネームド狂信者も用意された。 深海棲艦にもナノマシンからの信号を読み取ることで見えない影薄組の位置がわかるようにもした。 一見、穴のない作戦に思われたが…… (まさか、奴らの中にクラウザーの信者がいたのか……普通にゲートを突破されてしまってた。 そしてサイコマンンンンンンッーーー! 何が完璧超人・始祖だよ! クソの役にも立ちゃしない、殺されるにしても30分程度は持たせろよ!) 直衛のサイコマンは暗殺であっさり轟沈。 ゲートもモモがクラウザー信者だったためにくぐり抜けられてしまった。 せめてサーフがネオ・ジオング作りに着手してなかったり、サイコマンが時間を稼げば、何らかの対応は取れたが後の祭りである。 影薄組にはビッグサイトの深部に入られ、格納庫では日之影たちが切歌と、屋上では小町がセルベリアと戦っている。 こうして彼がサーバーを覗いてない僅かな間に不運が重なり、黒幕でも看過できない問題が一片に重なってしまったのである。 (僕がすべてを手に入れるためのゲーム『カオスロワ』で勝つにはここからどうしたら良い? 貴重なテラカオスも野球チームも保護したい。都庁で起こってる事象を調べたい。 入り込んだ影薄組もなんとかしないといけない!) 涼しい顔を装いつつも、額には冷や汗を流す。 なんとか平静になるようこらえているが、もはや掲示板をいじるだけではどうにもならない事態になっている気がするのだ。 (まずは目の前のことからだ。 いっそ、必要機材と最低限の戦力だけ持ち出してビッグサイトから逃げるか?) サーフとしてはネオ・ジオングスーツが破壊されてDMC狂信者が敗れても構わない。 ビッグサイトは狂信者を装えば安全地帯だったが、影薄組に侵入された以上、これからも安全である保証はない。 ネオ・ジオングのサイコ・フェードは強力無比で「計画にいらない存在」を駆逐する分だけ楽になるが、破壊されても計画自体に大きな支障は出ない。 狂信者の存在意義もこの男にとっては殺し合いの促進と落ち着いて殺し合いを管理できる安地、ついでに邪魔な奴らを一掃する手段程度の価値しかない。 もちろんクラウザーへの敬意など皆無だ。 (しかし、自爆を嫌がっていたセルベリアはまだしもディーがヤケを起こして黄泉レ〇プマシンを爆破させる危険もある。 影薄どもも黄泉レ〇プマシンが上層部が全滅すると自動で自爆する機能を知らずに二人とも殺して僕もろとも自滅させてしまう可能性もある……そうなると計画は水の泡だ。 やはり逃げずにネオ・ジオングは守るべきか) マシンが爆発すれば貯められたエネルギーが一気に暴発させて関東中の参加者を皆殺しにする。 ビッグサイトにいる自分は支給品などで逃れたとしても、テラカオスやイチリュウチーム、下手をすると九州ロボやフォレスト・セルのような器まで全滅したら、自分ごと世界は大災害に飲まれてゲームオーバーである。 サーフは知らないが、影薄組は上層部を全滅させたら自爆してしまうことを知っているのでディーかセルベリアのどちらかは残すだろう。 だが依然としてディーは勝てない戦いなら無理心中を選ぶ考えの持ち主なので、兵器を守らなくてはならない。 切歌・松本のようなエース級狂信者は数えるほどしかおらず、ネオ・ジオングという切り札を失えば、狂信者は今度こそ勝機を失ってしまうだろう。 とはいえ戦闘に加担すれば魔女に襲われているテラカオスと野球チームを失ってしまうかもしれない。 狂信者を見捨てて逃げるか、それても狂信者の助けとなるか、サーフはジレンマに陥っていた。 「……あなた、ひょっとしてマナさんが言っていたレジーナさんじゃないっすか!」 「あなた……マナのことを知ってるの!? 会ったことがあるの!?」 レジーナと争っていたモモは、ここで相手がかつて共に戦い亡くなったマナの探し人だと知り、刀を構えつつも声をかけた。 レジーナもマナのことを知りたいがために鋸を構える程度にとどめた。 「マナさんは……共に戦う仲間のプリキュアだった。 けども狂信者のラージャンに殺されてしまってっす!」 「え……嘘よ!」 マナを殺したのは自分を仲間として引き込んだ狂信者そのもの。 その事実にレジーナは衝撃を受ける。 本当だとすれば狂信者のマッチポンプもいいところだからだ。 「レジーナ、敵の話に乗せられちゃダメデス!」 「そうやそうや!」 切歌たちは、モモの出鱈目(ラージャンがマナを直接殺したことは知らないため)を信じるな、と言うがレジーナの、耳には届いていない。 一方のモモは続けて切歌や松本にも口を出した。 「あなたたちもクラウザーさんを真に信望してるならよく聞いてください! このバカげた殺し合いは、それを開く原因となった大災害をたった一人の……竜殺剣を持った悪魔によって招かれた! そいつが間接的にクラウザーさんを殺したも同然なんですよ!!」 (なんだと!?) 「これは……大災害を瀕死の状態で生き延びた竜の神様が、自分の消滅をも厭わずに告げた真実っすよ!」 モモの出した言葉に狂信者はもちろん、隠れていた黒幕さえも震撼させた。 大災害を竜殺剣を持った悪魔の情報……それはニルヴァーナの生き残りが全滅した現状では自分しか知らないはずだ。 徹底した情報隠蔽も行ったハズなのに、いったいどこから漏れたのか。 サーフはそれを知るとために耳が離せなかった。 【二日目・23時00分/東京都 ビッグサイト格納庫】 【日之影空洞@めだかボックス】 【状態】健康、首輪解除、ドラゴンハートによる超強化、蒼耐性(小)、テラカオス化耐性(完全) 【装備】己の拳、デモニカスーツ@真・女神転生SJ 【道具】支給品一式 【思考】基本:大災害の阻止、多くの命を助けるために尽力する 0:ネオ・ジオングを破壊する、そのために格納庫にいる狂信者連中を倒す 1:クラウザーへの蘇生手段を破壊して狂信者を瓦解させる 2:小町や仲間を全力で守る 3:潜入作戦が終わり次第、都庁に戻る 4:めだかに変わって世界を救わなきゃならないのが先代生徒会長の辛いとこだな 5:俺たちのステルス能力が通じない? なぜ? ※予言やテラカオスの真実を知りました 【東横桃子@咲-Saki-】 【状態】ダメージ(小)、首輪解除、ドラゴンハートによる超強化、蒼耐性(小)、テラカオス化耐性(完全) 【装備】猟銃@現実、斬鉄剣@ルパン三世、デモニカスーツ@真・女神転生SJ(ところどころ裂けた) 【道具】支給品一式、スマホ、謎の物質考察メモ、筆記用具、爆薬 【思考】基本:大災害の阻止、多くの命を助けるために尽力する 0:狂信者と対話をする 1:クラウザーさんへの蘇生手段を破壊して狂信者を瓦解させる 2:狂信者の暴走はクラウザーさん信者である私が絶対止める! 3:潜入作戦が終わり次第、都庁に戻る 4:……多少落ち着いたっすけど、拳王連合軍だけは絶対に報いを受けてもらうっす ※予言やテラカオスの真実を知りました 【黒子テツヤ@黒子のバスケ】 【状態】健康、首輪解除、超冷静、ドラゴンハートによる超強化、蒼耐性(小)、テラカオス化耐性(完全) 【装備】ウィンチェスターM1912、デモニカスーツ@真・女神転生SJ 【道具】死出の羽衣@幽々白書 【思考】基本:大災害の阻止、多くの命を助けるために尽力する 0:ネオ・ジオングを破壊する、そのために格納庫にいる狂信者連中を倒す 1:クラウザーへの蘇生手段を破壊して狂信者を瓦解させる 2:仲間を全力支援、パス回しが僕の役目 3:潜入作戦が終わり次第、都庁に戻る 4:平和な世界でみんなとバスケがしたいですね ※予言やテラカオスの真実を知りました 【暁切歌@戦姫絶唱シンフォギアG】 【状態】決意、首輪解除、イグナイトフォーム 【装備】シンフォギア「イガリマ」、イグナイトモジュール@戦姫絶唱シンフォギアGX 【道具】支給品一式、クロエの首輪 【思考】基本:SATSUGAI、自分の生きた証として絶対にクラウザーさんを蘇らせる。 0:侵入した小町の仲間をSATUGAIする 1:みんなの希望であるクラウザーさんは必ず蘇らせる! 2:風鳴翼については大いに失望 3:同じ狂信者仲間としてレジーナを大事にしたい 4:フィーネになってしまう自分の危険性を考慮し、クラウザーさんが蘇り次第、自分の命を断つ 5:ゼロを警戒し、可能なら正体を探る 6:サイコマンへの疑念 7:提督は見つけ次第SATUGAI 8:え? あの影薄い人が言っていたことって確かサイコバッシャーが……! ※自分が新しいフィーネになると思い込んでいるのは勘違いです よって、自分がフィーネになると勘違いしている時期からの参戦です ※セルベリア・草加との情報交換により、この殺し合いがテラカオスを生み出すためのものであり、カオスロワちゃんねるの危険も知りました。救済の予言の意味はわかっていません。 【レジーナ@ドキドキプリキュア!】 【状態】ショック、首輪解除 変身中 【装備】ミラクルドラゴングレイブ、電子星獣ドル、シンフォギア「シュルシャガナ」 【道具】支給品一式、ギラン円盤 【思考】 基本:クラウザーさんの復活 0:ステルスモモからマナのことについて聞く 1:クラウザーさんの為にすべての人や魔物をSATSUGAIする 2:切歌に友情を感じている 3:ゼロを警戒し、可能なら正体を探る ついでにサイコマンも警戒 4:提督は絶対に許さない 5:狂信者がマナを殺した……? ※月読調のギアの装者になりました ※セルベリア・草加との情報交換により、この殺し合いがテラカオスを生み出すためのものであり、カオスロワちゃんねるの危険も知りました。救済の予言の意味はわかっていません 【松本人志@現実】 【状態】ダメージ(小/回復中)、DCS状態+大日本人化、首輪解除 【装備】浜田雅功人形 【道具】支給品一式、メトロン星人人形、グラコスの槍 【思考】基本:浜田の蘇生 0:小町たちを殺し、蘇生装置を守る 1:狂信者のフリをしつつ、浜田蘇生の機を伺う 2:残り三つの組織が壊滅する寸前にビッグサイトの内部に侵入し、蘇生方法を奪って浜田を蘇らせる 3:浜田を生き返せないようなら一人でも多くの参加者をあの世に送る 4:? 何言ってるんやコイツ? ※巨人の脊髄液@進撃の巨人を取り込んだことで大日本人に変身できるようになりました DCSの効果などで原作の大日本人よりは遥かに強いです ※深雪によりビッグサイトの中にある黄泉レ○プマシンの位置を把握しました ※浜田の魂が消滅したことに気づいていません 【サーフ・シェフィールド@アバタールチューナー2】 【状態】健康、瑞鶴の提督、支給品扱いで首輪なし、全マントラ網羅 マスタキャンセラ・オートソーマ常備(万能以外無効、戦闘終了or逃亡成功時全回復) 【装備】違法改造スマホ、四次元ポケット@ドラえもん(ディパック代わり) 【道具】カオスロワちゃんねるのサーバー、カピラリア七光線銃、結婚指輪 深海棲艦イロハ級×190、深海棲艦鬼・姫級×9 【思考】 基本:蒼の源泉の力を手に入れる 0:物陰に隠れ、ステルスモモの話を伺う 1:今は狂信者のフリをしてディーに従うが、旗色が悪くなったらビッグサイトから逃げる 2:瑞鶴を操り、拳王連合軍に野球の試合を早急にさせる 3:真実を知った者は消す、そして殺し合いを加速させるものを助長させる 4:年増女(セルベリア)とシスコン仮面(ルルーシュ)は特に警戒 5:狙われると面倒なのでギリギリまで正体は隠す、必要のない戦闘は避ける 6:死んだ祐一郎の才能に嫉妬。ロックマンと翔鶴は必ず使い潰す 7:都庁に向かった深海棲艦たちはいったい何をしてるんだ?! 8:可能であればイチローチームとテラカオス・ディ―ヴァ(ツバサ)を助けに行きたい ※カオスロワちゃんねるの管理人です ※古代ミヤザキの末裔であり、蒼や蒼の源泉・テラカオスなどについて全て知っています ナノマシンに仕込まれたプログラムにより完成したテラカオスならば乗っ取ることも可能 予言の中にある『歌』も所持 ※悪魔化ウィルスによりリアルヴァルナへと変身可能 サイヤ人の肉を食べたことで全スキルを網羅し、戦闘力が大幅増加しました ※まだ榛名によって都庁の軍勢に自分の正体が告発されたことを知りません ※ナノマシンからの信号を通じて深海棲艦は影薄組のステルス性を無視して攻撃できます また、深海棲艦が攻撃した場所を辿ることによって切歌たちも攻撃ができます
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autolink EV/S12-025 カード名:託された未来 カテゴリ:クライマックス 色:黄 トリガー:1・風 【永】あなたのキャラすべてに、パワーを+1000し、ソウルを+1。 (風:このカードがトリガーした時、あなたは相手のキャラを1枚選び、手札に戻してよい) 理由はないわ。 その運命があなただったってだけ レアリティ CC illust. ・関連カード カード名 レベル/コスト スペック 色 未来を託すミサト 2/1 7500/1/1 黄
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再収益化のために削除した動画(2021/09/15) 2021/08/27 病院の治療で暴れるようになってきた子猫。 2021/08/25 病院の治療に最後まで抵抗し続ける子猫。 2021/08/24 子猫の状態が良くならないので病院で検査してもらうと。。 2021/08/21 元気が無くなってしまった猫達に薬飲ませたら大変だった。。 2021/07/21 カゴをよじ登って何かを訴えてくるようになってきた子猫。 2021/07/19 ミルクに興奮して足の動きがとんでもないことになってしまう子猫。 2021/07/18 初めて子猫をカゴから出して家の中を歩かせてみると。。 2021/07/17 子猫の事を自分の子供だと思い始めてきているワンコ。 2021/07/16 チュールが美味しすぎてこうなってしまう子猫。 2021/07/15 瀕死の状態から奇跡的に回復した子猫。 2021/07/14 元気をなくしてしまった子猫がついに!! 2021/07/14 元気がなくなってしまった子猫に全力を尽くした結果。。 2021/07/13 元気がなくなってしまった子猫の様子。 2021/07/13 子猫の様子が急変してしまったので急いで病院へ連れて行った結果。。 2021/07/12 子猫が ひとりぼっちで野原にいた理由が衝撃的だった。。 2021/07/11 抱っこされると少しだけこうなってしまう子猫。 2021/07/11 全身シラミだらけだった子猫を初めてシャンプーしてみると。。 2021/07/10 保護した子猫をお世話しようとしたら色々と要求が激しすぎた。。 2021/07/09 野原に助けを求める子猫がいたので救出した結果。。 2020/07/30 子猫できなこもちを作ろうとしたら逆ギレされた。。 2020/07/29 激おこ子猫に家プレゼントしてみると。。 2020/07/29 激おこ子猫を病院に連れて行って再度検査してもらった結果。。 2020/07/28 激おこ子猫に急接近し出したワンコ。 2020/07/27 カゴから脱出して遊びを覚え始めた激おこ子猫。 2020/07/27 子猫の前でアレをしたら激おこになりました。 2020/07/26 保護した激おこ子猫をカゴから出してみると。。 2020/07/25 ワンコと半ギレ子猫が対面した次の瞬間。。 2020/07/25 言うことを聞かない子猫を粉まみれにしてみた。 2020/07/24 野原でボロボロだった子猫の様子。 2020/07/23 野原にボロボロになって動けない子猫がいたので救出した結果。。
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ジャック・アトラス:研磨されし魂 攻略 合計40枚+15枚 上級06枚 バイス・ドラゴン×3 茫漠の死者×3 下級16枚 クロック・リゾネーター×3 ダーク・リゾネーター×3 チェーン・リゾネーター×3 バトルフェーダー(D) パワー・ブレイカー×2 ピラミッド・タートル×3 馬頭鬼 魔法07枚 共鳴破 コール・リゾネーター×3 サイクロン×2 死者蘇生(D) 罠11枚 強化蘇生×3 激流葬 スカーレッド・カーペット スクリーン・オブ・レッド×2 聖なるバリア-ミラーフォース-(D) 奈落の落とし穴×2 リビングデッドの呼び声(D) エクストラ15枚 エクスプロード・ウィング・ドラゴン×2 クリムゾン・ブレーダー×2 スカーレッド・ノヴァ・ドラゴン×2 デーモン・カオス・キング×3 天刑王 ブラック・ハイランダー 天狼王 ブルー・セイリオス×2 レッド・デーモンズ・ドラゴン×3
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遺されたもの ◆VvWRRU0SzU タービンが猛回転し、伸ばした左腕が天井を砕き抉る。 ほどなくして、騎士凰牙は薄暗い地下通路から青空の下へとその身を晒す。 ソシエは傍らのロジャーに目をやった。浅い呼吸を繰り返す彼は、しばらく起きそうにもない。 ロジャーは気絶する前に南西に向かえと言っていた。 久々に思う存分機械人形を動かせると幾分高揚しつつ、現在位置を確認するためぐるりと辺りを見回したソシエの視界に巨大な影が飛び込んできた。 先頃交戦した、無敵戦艦ダイ。その残骸が―― そういえばロジャーからこの機体の説明を聞いた――無理やり聞きだした――とき、補給を行う際は通常の補給ポイントではなく専用の電池を用いるということだった。 ロジャーが携帯していた巨大な電池は四本。現在のエネルギー残量からして補給を行っておくのは妥当ではある。 が、手持ちの電池を消費すればそれだけ継続して動ける時間は短くなる。 ここはロジャーが一時身を寄せていて、予備の電池を置いてあるという話のダイに立ち寄っておくべきだとソシエは判断した。 近寄って見上げてみれば、酷い有様だった。 二匹の怪獣の上に要塞が設置されたその巨体も、今は艦橋部分は切り刻まれ、主砲は半ばから砕け落ちている。 最も目を引く怪獣も、右の方は頭自体が消し飛んでおり、左の頭は原形こそ保っているものの傷だらけだ。 八本ある足も二本が欠落し、他にも至るところで損傷が見て取れる。 素人目にももはやこの戦艦は死んでいるのだと知れた。 おそらくは、動かしていたパイロット――艦長もまた。 「ごめんなさい……と言うのも今さらよね。私達が来なければ、こうはならなかったんだし」 半日というほど前でもない戦闘を思い出し、沈む気持ちを頬を張ることで叱咤する。 今は後悔している時間ではない。騎士凰牙もダイの巨体によじ登らせ、格納庫があると思われる位置を探す。 タービンが唸りをあげて、隔壁を粉砕。ダイの内部に通じる穴が空いた。 だだっ広い格納庫へと足を踏み入れ、周囲を探索する。やがて騎士凰牙が携帯するものと同型の電池を発見した。 片腕に手間取りつつも、滞りなく補給は完了した。だが―― 「これだけ大きな戦艦だったら、一つくらい私が乗れそうな機械人形だってあるわよね。いいえ、あるに違いないわ」 どうにも人の機体に間借りするだけでは座りが悪いソシエは、自分の乗機を求めて更に格納庫内を探索する。 ホワイトドールとは言わないまでもせめて普通に戦える機械人形なら何でもいいと思っていたソシエだったが、見つけた物は機械「人形」ではなかった。 「……こんなものしかないの?」 整然と並ぶ小型の戦闘機。10や20ではきかないだろう、おそらく100機以上はある。 だが、逆に言えばそれだけしかない。期待していた強力な機械人形は影も形もなく。 騎士凰牙から降りて手近な戦闘機へと乗り込んでみた。 首輪は操縦の仕方を送ってこない。怪訝に思いつつ、しかし慣れた手つきで計器を確認していく。 以前乗りまわしていたレシプロ機とは多少勝手が違うものの、所詮は同じ戦闘機だ。なんとなくだが、操縦できるだろうという確信が持てた。 機首からよくわからない光線が出るらしい。武装はそれだけだった。 「って、ちょっと! ミサイルとかビーム砲とかはないの!? どうやって戦えってのよ!」 苛立ち紛れにコンソールを蹴り付けた。これではたとえ操縦できたとしても何の戦力にもならない。 戦闘機を降りて騎士凰牙へと戻る。これなら借りものとはいえこちらのほうがマシだ、と思っていれば。 「お帰り、お嬢さん。何か宝物でも見つかったかい?」 コクピットではロジャー・スミスが組んだ腕に顎を置き待っていた。 「あら、もう起きたの? もうちょっと休んでても良かったのに」 「私もそうしたかったのだが、運転手が手荒い運転をしてくれたようでね。あちこち頭をぶつけてしまって、ろくに夢を見れなかったよ」 起きたロジャーはもう騎士凰牙の操縦権を譲るつもりはないとばかり、シートから腰を上げず。 ソシエは渋々ながらその隣りへと腰を下ろした。 「それで、ここはどこかね? 見た限り何らかの施設のようだが」 「ダイっていう戦艦の中よ。あなたも知ってるでしょう」 ここに来た経緯を説明する。手持ちの電池を無駄に使わなかったことは、この慇懃な男もさすがに礼を述べてきた。 気を良くしたソシエは先程見つけた戦闘機のことも自慢げに口に出してしまった。操縦できそうだが、武装が貧弱すぎて使えない。そんな愚痴までこぼして。 戦闘機をこき下ろすあまり、その一瞬ロジャーの目が細められたことは気付かないソシエだった。 「その戦闘機を調べてみよう、ソシエ嬢。何かに使えるかもしれん」 というロジャーの言葉、二人で戦闘機をあれこれと調べる。 だが先程乗ってみた以上のことはわからずお手上げとばかりロジャーに声をかけようとして、彼が戦闘機そのものではなくそれに対応するコンソールをいじっているのが見えた。 どうやらまだ動力は生きているようで、何やら次々に移り変わる画面を見てうむ、むう、これは、などと独り言を漏らしているロジャー。、 「ちょっと、どうしたのよ。何か見つけたの?」 「ああ……いや、見つけたというかな。これらの戦闘機は、手動で動かすこともできるが基本的には無人機のようだ」 「無人機っていうと、人が乗らなくても勝手に動くってこと?」 「ああ。本来そういう設計なのかは知らないが、ことこのゲームに置いてこれだけの機数を有人で運用するのは現実的に不可能だ。 ユリカ嬢がこれらを使わなかったのは、細かな目標の指定ができなかったからだろう。 誰それを攻撃しろとは命令できても、臨機応変に変化するこの戦場ではそれだけでは使えん。説得する相手を撃ってしまえば何の意味もない。 ブリッジにもっと人員がいれば対応も不可能ではなかっただろうが、彼女は一人でこの戦艦を動かしていたようだからな」 「ふーん……で、結局何かに使えそうなの?」 「いや、どうやらこれらを無人で制御できるのはこの艦を中心とする1エリアのみのようだ。移動不能となった現状、1エリアしか稼動できん戦闘機に戦力は期待できんな」 「なんだ、期待して損した気分だわ。じゃあさっさとここから出ましょ」 「いや、それは早計だ。戦闘には使えないが、エリアの探索という点ではこれ以上手っ取り早いものもない。 このエリアにに人がいるかどうか、確かめてからでも遅くはないだろう」 言いつつ、コンソールを操作するロジャー。やがて戦闘機は一機、また一機と動き出し、解放されたハッチから飛び出していく。 ものの10分ほどで、戦闘機がひしめき合っていた格納庫は閑散とし、広く感じるようになった。 その中に一機。ソシエが調べていた戦闘機のみが飛び立つことなく取り残されていた。 「ねえ、ロジャー。どうして一機だけ残したの?」 「いい質問だ、ソシエ嬢。あれは君が乗るために残したのだよ」 「……ハァっ!? ちょっと、嫌よ! 戦えないって散々説明したじゃない!」 「だが私は戦闘機の操縦などというメモリーは持っていない。首輪が反応しなかったということは、操縦の仕方のわからない私が乗るのは不可能だということだ。 ならば、戦闘が不可能とはいえ少なくとも操縦はできる君が乗るのが筋だろう?」 「私が乗ったって、役に立たないどころか逆に危ないじゃない。いっしょにこの機械人形に載ってる方が安全よ」 「安全という意味ではその通りだが、役に立たないということはないな。理由はあれだよ」 と、騎士凰牙が抱える電池を指し示すロジャー。 「騎士凰牙はこの電池でしか補給を行えない。しかし一度に持ち運べるのはどうやっても四本が限界だ。 そこで君の出番となる。このダイにある残り四本の電池を、君に運んでもらいたいのだ」 「私に荷物持ちをやれって言うの?」 「役割分担だと思ってくれたまえ。私としても戦闘を行うのは本意ではないが、止む無くそうせざるを得なくなったとき君が同乗していては全力を出せないのだ」 「むう……」 「すまないがここは譲れんよ。レディに戦わせるなど、紳士として恥ずべきことだ」 さっきはともかく、ロジャーはソシエを積極的に戦わせるつもりはないと言いたいようだ。 ロランみたいなことを言う、と少し不満に思ったものの。我を通して足を引っ張ってしまうのはソシエとてお断りだ。 「……わかったわ。でも、この先新しい機械人形を見つけたらそれには私が乗る。私にだって、生きて帰るために戦う権利はあるでしょう」 「やれやれ……ああ、今はそれでいいさ。とりあえずは……おっと、戦闘機達がいろいろ見つけたようだ。君も見たまえ」 ため息をついたロジャーが、こちらを手招きする。彼の覗きこむ端末には、発進した戦闘機が観測した映像が映し出されていた。 目を引いたのは、白い機械人形と緑の機械人形。 片方はソシエの知っている、そしてもう片方はロジャーの知る機体だった。 「武蔵……」 白い方、ホワイトドールによく似た機体――RX-78ガンダム。仲間が、武蔵が乗っていた機体。 「…………」 緑の方、龍を模した腕を持つ機体――アルトロンガンダム。かつてロジャー達を襲った少年、交渉に失敗した相手。 二機は奇しくも同じような傷跡が穿たれている。胴体中央、コクピットを撃ち抜かれている――そこに至る過程は違えども。 武蔵はテニアに、仲間と信じていた少女に背中から撃たれた。 キラは何か事情があるのかもと言った。先の交渉でもソシエは口を挟まなかった。 しかし、こうして武蔵の最期を見ると、やはり忸怩たるものがソシエの胸中を満たす。 名も知らぬ少年は、ロジャーとの戦闘中に飛び込んできたガイによって倒された。 そのことでガイを責めるのは筋違いだろう。彼はロジャー達を助けようとしたのであり、あの場でより危険だったのは明らかにあの少年だったのだから。 結局は説得に失敗した己の不手際だと、深く悔恨を噛み締めるロジャー。 しばし二人を静寂が包み込む。自分を責めている風のロジャーを見、ソシエがなんとか空気を変えようと端末を覗き込む。 そこにはもうさして目を引くものはなかったが、それでも一つ。話の種になりそうなものを見つけた。 「ねえ、ロジャー。これって凰牙の腕じゃないの?」 ソシエが示したのは、緑の機械人形の残骸からほど近いところに落ちている黒い腕。 紛れもなく、ロジャー自身が少年に叩き落とされた騎士凰牙の左腕だった。 「……あのとき切り落とされたものか。戦闘の余波で破壊されたと思っていたが、そうではなかったか」 「ねえ、これを回収してくっつけましょうよ! そしたら凰牙はもっと強くなるでしょう?」 「ふむ――いや、回収するのはいいが、現時点で補修するのは止めた方がいいな」 「どうしてよ? さっきだって両腕があれば、逃げずに勝てたかもしれないでしょう?」 「いくつか問題があるからだ。 まず一つ、私には修復作業を行うメモリーはない。 乗りなれたビッグオーならともかく、昨日今日初めて乗った機体を手探りで修理することは困難だ。それは君とて同じだろう? 二つ、そんな時間はない。よしんば修理できるとしても、相当の時間がかかるだろう。我々がまず優先すべきはナデシコとの合流だ。 戦力の充実と引き換えに時間を浪費するのは得策ではない」 「むー……じゃあ置いてくの? もったいないわよ。それにここの設備を使わなきゃこの先いつ直せるかわかんないでしょう」 「そうは言っていない。三つめの理由だが、我々にはJアークがあるだろう。 あの艦の設備はここに負けてはいない。腕を持って行きさえすれば、向こうでも修理は可能だということだ。 キラ君にも手伝ってもらえるし、トモロのサポートがあった方が効率的だ。 以上の理由で、ここでの修理は先送りにする。反論は?」 「はいはい、わかりました! じゃあ、電池と一緒にあれも私が運べばいいのね」 「理解が早くて助かるよ、ソシエ嬢。我々も息が合ってきたのではないかね?」 「お断りよ! カラスみたいなカッコの人と気が合うなんてごめんだわ」 「……君には一度、じっくりと私の美学のなんたるかを教授せねばならんようだな」 □ 正午まであと数十分という時間、B-1地点。 騎士凰牙と、ハイパーデンドー電池4本に騎士凰牙の左腕を取り付けた恐竜ジェット機は、地図北西に位置する市街地へとやってきた。 だがそこには期待していたナデシコの船影はなく。 しかし代わりというものでもないが、一つ。見つけた物もあった。 勝利者の名を冠する、蒼き流星――ガナドゥール、その敗れ果てた姿を。 初めにロジャーが呼びかけたものの反応はなく、接近してみればその理由はすぐにわかった。 おそらくはこの機体のパイロット。地面に横たえられ、胸の上で手を組まれている。 彼自身の服なのか、青いジャケットが顔に掛けられていた。 ソシエを待たせ、まずロジャーが確認する。予想通り、そこにあるべき顔はなく、首輪も抜き取られていた。 順当に考えるなら、彼――でいいだろう、おそらく――を殺した者が首輪も奪って行った、だが。 しかしそれだとこの弔うような遺体の説明はつかない。 だとするなら、彼は何らかの要因で死亡したが殺害者にはそのまま放置され、新たにやってきた第三者が首輪を取り、こうして安置したということだろうか? いずれにせよ、今は答えは出ない。首を振り立ち上がると、ソシエが呟いた。 「ねえ、ロジャー。その人にお墓を作ってあげましょうよ。こんな淋しいところに一人ぼっちじゃ可哀想だわ」 「そんな時間は……いや、そうだな。彼が何者であるとて、死後も責めることなど誰にも出来はしない。せめて、静かに眠らせてやろう――」 騎士凰牙を使えば人一人分の穴を掘るのは容易いことだった。 顔のない青年を、穿たれた穴へと安置する。 「私の名はロジャー・スミス。君の名を知ることができないのが残念ではあるが――どうか、安らかに眠りたまえ」 「私はソシエ・ハイム。ごめんね、あなたの機械人形、使わせてもらうわ。あの化け物、私達が絶対に退治して見せるから」 埋葬を終え、ソシエがガナドゥールに乗り込んだ。 機体を見つけたら自分が乗ると言っていたソシエのこと。止めようもなかったが、その顔に浮かぶ哀悼の念を見てその必要もないかと自戒する。 彼女はただ守られるだけの存在ではない。突き付けられた理不尽に怒り、自分の力で前に進もうとする――紛れもない戦士だ。 軽く見ていたのは自分の方だったらしい。苦笑とともに、尚更死なせるわけにはいかんなと決意する。 ともかくもガナドゥールだ。頭部は全壊し、全身あらっゆるところに損傷が見られる。 「ソシエ嬢、機体の調子はどうかね? 外から見た限り、戦闘行為は厳しいように思えるが」 「うーん……動かせはするけど、戦うことは難しいわ。反応が鈍いし、出力も上がらない。 どうも色んな部品が抜き取られているみたい。誰だか知らないけど、まったく迷惑な話ね!」 ぎこちなく立ち上がるガナドゥール。騎士凰牙とガナドゥールはほぼ同サイズで、目線はほぼ対等の位置にある。 「そうか。ではこれまで通り、交渉は私に任せてもらおう」 「そこは『戦闘は任せてもらおう』、じゃないの? それにね、たとえこの機械人形自身が戦えなくても、援護くらいはできるわ。 テニアの機体みたいな、勝手に飛び回る武器が付いているのよ。私だってやってみせるわ」 「む。しかしだな、ソシエ嬢。援護くらいとは言っても、その状態では無謀だ」 「ロジャー。最初から無茶だ無謀だなんて言っていたら、それこそ何もできないわ。 私は何もしないで後悔するくらいなら、まずやってみてそれから後悔する方を選ぶ。だって、その方が少しでも前に進んでいる気がするでしょう?」 朗らかに笑うソシエ、参ったとばかりに両手を掲げるロジャー。 ひたむきに前を向いて歩ける。これが大人と子どもの違いなのか、と柄にもないことを考えて。 「では、ナデシコの捜索に移ろう。と言っても、あの目立つ艦がそうそう見つからんということも考えられないが」 言って、市街地を歩き始める二機の巨人。 母なる星を救うべく奔走し、流星のように散っていった戦士の墓を後にした。 しかし、数十分の捜索にも関わらずナデシコは見つからなかった。 「入れ違いになった……か? ふむ、まずいことになったな」 「どうするの? とりあえず二つの市街地を回っていなかったんだから、一旦キラのところに戻る?」 「そう……だな。接触できたのがナデシコの別動隊と、許しがたいチンピラのみというのは甚だ遺憾ではあるが……」 騎士凰牙の欠けた左腕、そしてガナドゥール。Jアークで修理すれば、どちらもより万全な状態へと持っていけるだろう。 現在の位置からキラのいるE-3に向かうとすれば、途中立ち寄れる市街地はE-1かD-3のどちらか一方。 ナデシコがどこに行ったのかは分からないが、可能性としてはやはり市街地が大きい。 ではどちらを経由するかだが―― 「ねえ、私が――」 「別行動は却下だ。君の機体は今まともに戦える状態ではないということを忘れるな」 ソシエが提案する前に、先回りして潰す。 手分けすれば確かに両方を回れるが、もし彼女が敵に遭遇した場合応戦どころか撤退すら危うい。 分散ができないとなれば、どちらかを選ばなければならないのだが、その判断の基準がない。 移動距離はどちらも同じくらいだ。どちらを選ぼうが、ナデシコがいないのなら結果的にE-3に到達する時間は同程度だろう。 どちらを選ぶか――迷うロジャー。常の彼なら即断するところだが、ここに来てからの度重なる失態はその自信を揺らがせるものであった。 モニター越しに遥か彼方を睨み据えるも、一向に判断は下せなかった。 そして、遠くビルの上からそんな彼と彼女を見つめる猪と、蛇。その視線にも、気付かないまま―― 【ロジャー・スミス 搭乗機体:騎士凰牙(GEAR戦士電童) パイロット状態:肋骨数か所骨折、全身に打撲多数 機体状態:左腕喪失、右の角喪失、右足にダメージ(タービン回転不可能) 側面モニターにヒビ、EN100% 現在位置:B-1 市街地 第一行動方針:さて、どうするか…… 第二行動方針:出来るだけ多くの人を次の放送までにE-3に集める 第三行動方針:首輪解除に対して動き始める 第四行動方針:ノイ・レジセイアの情報を集める 最終行動方針:依頼の遂行(ネゴシエイトに値しない相手は拳で解決、でも出来る限りは平和的に交渉) 備考1:ワイヤーフック内臓の腕時計型通信機所持 備考2:ギアコマンダー(黒)と(青)を所持 備考3:凰牙は通常の補給ポイントではEN回復不可能。EN回復はヴァルハラのハイパーデンドーデンチでのみ可能 備考4:ハイパーデンドー電池4本(補給2回分)携帯】 【ソシエ・ハイム 搭乗機体:ガナドゥール パイロット状況:右足を骨折 機体状態:頭部全壊、全体に多大な損傷 駆動系に障害 機体出力の低下 現在位置:B-1 市街地 第一行動方針:どうすんのよ、ロジャー 第二行動方針:ブタ? 第三行動方針:出来るだけ多くの人を次の放送までにE-3に集める 第四行動方針:この機械人形を修理したい 最終行動方針:主催者を倒す 備考1:右足は応急手当済み 備考2:ギアコマンダー(白)を所持 備考3:ハイパーデンドー電池4本(補給2回分)、騎士凰牙の左腕を携帯 】 ※備考(無敵戦艦ダイ周辺) ・首輪(リリーナ)は艦橋の瓦礫に紛れています 【二日目11 40】 BACK NEXT Lonely Soldier Boys &girls 投下順 膨れ上がる悪夢 仮面の奥で静かに嗤う 時系列順 天使再臨 BACK NEXT 交錯線 ロジャー 怒れる瞳 交錯線 ソシエ 怒れる瞳
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▼ ―――初めて乗るバイクはとても大きかった。 ▼ 双葉千帆は小説家を夢見るフツーの女の子だ。 親の愛情をたっぷり受け、のびのびと育ち、温かな家庭で生きる女の子。 家に帰っても母親がいないというのは年頃の女の子に少しだけ辛い事実であるが、父は優しく、時に過保護すぎるほどだった。 そんな家で育ったから千帆は夜遊びなんてめったにしなかったし、バイクに乗るなんてことはもってのほかであった。 彼女にとってバイクとは学校にいる悪い先輩のオモチャ道具、あるいは住宅街でやたら騒音をたてる耳障りなものでしかなかった。 「……お前、運転できるか?」 折りたたまれた最後の支給品を開けば、そこから飛び出て来たのは一台のバイク。 なにが入っているか確認していたとはいえ千帆が想像していた以上にそのバイクは大きかった。 目を丸くする千帆にプロシュートが尋ねる。千帆は黙って首を振った。自転車なら載れますけど、彼女はそう申し訳なさそうに返事をした。 プロシュートはそうか、とだけ言うと何でもないといった感じでバイクに近づき、シートやハンドルを優しく撫でた。 えらく手慣れている感じがした。普段からバイクに乗り慣れているのだろうか。 千帆が見守る中、プロシュートはサッと脚をあげ座席に跨り、メーターをチェック。 ガソリンの量を確認し、ハンドルの感触を手に馴染ませる。なんら異常のない、むしろ手入れが行き届いている良いバイクだった。 手首を返すようにグリップを捻り、バイクのスタンドを蹴りあげる。途端に機械の体に命が宿ったようだった。 腹のそこまで響く様な低音が辺りを包む。ドドド……と唸るバイクはまるで大きな獣のようだ。手懐けられた元気いっぱいの鉄の生き物。 そしてそれに跨るシックなスーツをまとったプロシュート。 凄く『絵になる』風景だな。千帆は状況も忘れ、一人そう思った。 まるで古いハリウッド映画の一コマの様な、そんなことを連想させるワンシーンだった。 「なにしてるんだ、おいていくぞ」 千帆の思考を破ったのはそんな言葉だった。目をパチクリとさせながら見れば、プロシュートが座席の後ろ側を指さしている。 千帆は最初プロシュートが何を言っているのかわからなかった。おいてく、って何が? いまいち状況が飲み込めていない千帆の状況を察し、男が深々と息を吐く。 「お前が持ってた支給品なんだからお前がのらないんでどうするんだ」 だから乗るって……どこに―――? ▼ 「しっかりつかまっておけよ」 改めてみる男の背中は大きかった。千帆は振り落とされないようにその体にしがみつく。 親でも兄妹でも恋人でもない男の人に抱きつくのは初めてのことで千帆は最初、それを躊躇った。 腕越しに伝わる男の体の温もり、スーツ越しでもハッキリとわかるほど鍛え抜かれた肉体。心臓が早鐘を打つ。 お願いだから振り返らないでほしい。誰にいうわけでもなく千帆はそう願った。今の自分は間違いなく赤い顔をしているだろうから。 一台のバイクが街をゆく。ゆるいカーブに千帆は振り落とされないよう、少しだけ腕に込める力を強くした。 プロシュートが気を使ってくれたのだろうか。あるいは乗車中に襲撃されることを考慮したのかもしれない。 バイクはそれほどスピードを出さないで、滑るように道路を進んでいった。音は微かにしか出ず、振動もほとんど感じられない丁寧な運転だった。 最初は緊張に身を固くしていた千帆も、その内運転を楽しむまでになっていた。 頬を撫でる風が心地よい。風景があっとういまに前から後ろへ流れていく。とても新鮮だった。 バイクに乗るってこんな感じなんだと思った。そんな驚きと興奮が彼女の中で湧き上がっていた。 二人の旅は順調に進んでいく。千帆とプロシュートは一度地図の端まで参加者を探しに南下し、ついで禁止エリアの境目を確認する。 そこにはなにもなく、目印も標識も一切なかった。何も変わりない街並みが、ずっと先まで続いている。 それはとっても非現実的な光景だった。日本のただの住宅街なのに、そこには生活の臭いと言うものを感じさせない、居心地の悪い無機質感が漂っていた。 折り返し、今度は病院を左手に北上していく。東から地図に記されている拠点をしらみつぶしに周っていった。 レストラン・トラサルディー、東方家、虹村家、靴のムカデ家、広瀬家、川尻家、岸辺露伴の家……。 そうして幾つものカーブを曲がり、無数の十字路を通り過ぎ、何度か左に右に曲がったころ……。 順調に進んでいたバイクがスピードを落とし始め、遂には完全に止まる。 それはこの旅で一度もなかったことで、突然の停止に千帆は何事かとプロシュートの背中を見つめた。 ひょっとしたら誰か他の参加者を見つけたのかもしれない。それとも何か人がいたと思える痕跡を見つけたのかも。 何も言わないプロシュートの後ろから首を伸ばして道路の先を見る。すると一人の男が立っているのが視界に写った。 どうやら向こうもこちらに気づいたようで、ゆっくりとこちらに近づいてくる。 近づいてくるにつれ、その男の容貌がはっきりとしてきた。ヒゲ面で腰のベルトにナイフを刺した風変りな男だ。 抜き身のまま剥き出しの刃物が怪しく光る。見るからに『危ないヤツ』というを雰囲気を醸し出している。 アウトロー丸出しの、西部劇に出ても違和感なく馴染めそうな浮世離れした男だ。 自然と千帆の腕に力がこもる。プロシュートは何も言わなかった。だが千帆の腕を無理にひきはがすようなこともしなかった。 それが彼女を少しだけ冷静にさせた。 バイクにまたがる二人に近づく男。お互いに顔がわかるぐらいまで近づいたころ、ようやくその男が口を開いた。 思ったよりハッキリとした口調でしゃべるなと千帆は思った。もっとぼそぼそとくぐもった声でしゃべるかと思っていた。 「エシディシという男を知らないか。民族衣装の様な恰好をして、がっちりとした体つきの二メートル近い大男だ。 鼻にピアスを、両耳に大きなイヤリングをしていて頭にはターバンの様なものも巻いていた。 一度見たら忘れらない様な、強烈なインパクトの男だ」 「……しらねェな、そんなヤツは」 「そうか」 沈黙が辺りを漂った。会話はそれでおしまいのようで、ヒゲ面の男は要は済んだという顔で踵を返し、元来た道を戻り始める。 プロシュートはそんな男を何も言わず、ただ見つめていた。とても険しい顔をしていた。 千帆が話しかけられないほどにプロシュートは鋭い目つきで、その男が見えなくなるまでずっとその後ろ姿を睨んでいた。 男が角を曲がり、ようやくその影も見えなくなる。初めてプロシュートが緊張を解いた。 短い間だったはずなのにずしっりとした疲労感を感じさせる、緊迫した時間だった。 千帆も止めていた息を吐くと、張りつめていた神経を解く。実を言うと千帆はあの男が怖かった。 ギラギラとした眼、亡霊のように力なく揺れる身体。気味が悪かった。エシディシと言う男との間によっぽど何かがあったのだろう。 その底知れない執念というのか、怨念と言うのか。きっとそれは千帆が初めて体験した『生の殺意』だったのかもしれない。 混じり気なしの、ただただ“殺したい”という気持ちが凝縮された感情。 思い出すだけでゾッとした。千帆はそっと鳥肌が立った腕を撫でる。改めて自分がとんでもない場所にいるんだ、と実感する。 早人や露伴先生、プロシュートのような人ばかりでない。あんな恐ろしい男が沢山いるかもしれないのだ。 再び動き出したバイクはさっきより遅くなったように思えた。 滑るように進んでいたその機体はノロノロと住宅街を進む。千帆は少し躊躇ったが口を開いた。 ずっと黙ったままのプロシュートに尋ねる。背中越しにその表情はうかがえない。 二人を包む風に負けないよう、大きめの声で言った。 「あれだけでよかったんですか?」 「あれだけって言うのはどういうことだ」 「だからあれだけですよ。何も聞かなかったじゃないですか。 向こうはエシディシって人のことを聞いたのに何も聞かなかったし、今思えばあの男の人の名前もわからないじゃないですか。 さっき言ってましたよね、仲間と情報が欲しいって」 「……そうだな」 「そうだな、って……」 「千帆、アイツの眼見たか?」 プロシュートがスピードを緩めるとT字路を左に折れた。 こうやって会話を交わしながら、運転しながらでも、プロシュートが辺りをしきりに警戒していることがわかる。 見ることは見ましたけど。千帆は自信なさげにそう返す。だけど見たからなんだというんだ。 千帆は軍人でもないし、心理学者でもないのだ。正直言ってあまりいい印象を持たなかった、としか言いようがない。詳しく聞かれたところでなにも言える自信はない。 プロシュートも彼女の言わんとすることがわかったのか、問い詰めるようなことはしなかった。ただ少し間を開けた後、彼はこう言った。 「病院で話したよな。“最終的には『持っている』人間が生き残る。力の優劣とは、また別の次元の問題だ”って。」 「はい」 「直感でいい、お前から見てアイツはどう思った? あの男は『持ってる』ヤツか? それとも『持ってない』ヤツか? 千帆の眼にはどう映った?」 「…………」 すぐに答えることはできなかった。難しい問いかけだ。 千帆はもう一度さっきの男のことを思い出す。今度は曖昧な記憶を掘り起こすのでなく、しっかりと男の容姿から話し方まで、全部くっきりとイメージする。 話しながらどんなふうに身振りをしていたか。プロシュートを見る時どんな眼をしていたか。千帆を見た時、どういう顔をしていたか。 身長はどれぐらいだ? 癖は何かなかったか? 薄暗い雰囲気をしていた。ならどうしてそう思ったのか。どこがそう思えたのか。 プロシュートは千帆の返事をじっと待っていた。急かすようにするわけでもなく、その間もバイクの運転とあたりの警戒に神経を注いでいる。 やがて長い直線が終わるころになってようやく千帆の中で答えがまとまった。 ハッキリとした声で千帆は言う。まちがってるとか、正解は何だと聞かれてたらこうは答えられなかっただろう。 でもプロシュートが聞いたのはどう映ったか、だ。だから自分の思ったことなら、千帆は自信を持っていうことができる。 「『持ってない』ヤツ、だと思います」 「……なんでそう思った?」 「難しいんですけど、あの人から“死んでも生き残ってやる”って気持ちが伝わってきませんでした。 変な表現なんですけど……というか矛盾してるし、きっと小説でこんな言葉使っちゃいけないんですけど……私にはそう見えたんです。 凄い気持ちがこもってる人だとは思ったし、それが伝わってきたのは確かです。怖かったぐらいです。 でもだからこそ、一度それが壊れたら……脆いんじゃないかなって」 「なるほど」 「エシディシ、って人を探してるみたいで……きっとその人を……殺したがってるみたいなんですけど……。 なんというか、殺したらそれで満足しちゃいそうな気がしました。生き残れって言われてるはずなんですけど、殺したらそれで満足だ、みたいな……。 悲壮な覚悟って言えばいいんですか。特攻隊というか、思いつめてるというか……」 「俺もだいたい同じことを考えてた。俺から見ればアイツは『持ってるものを放り捨てれるヤツ』だと思った。 目的のためなら簡単に飛び移れるやつだ。何かを犠牲にして次のステージに写って、そっからまた次へ……って具合でな。 こうやって言うのは簡単だが、それをするのはなかなか難しい。それにそれがいつだってそれがいい事かと言えばそうでもない」 持ってるものを放り捨てるヤツ。千帆はその言葉を聞いて顔をしかめた。 あまり好きそうになれないタイプだ。繋がりとか積み重ねというものを大切にする千帆にとってはそういう人はなかなか信用できる人ではない。 勿論何かを成し遂げるには何かを犠牲にしなければいけない。小説を書くときに睡眠時間を削ったり、友達の誘いを断ったり。 でもそういうのも普段の積み重ねのうえでの取捨選択だ。100から0に、イエスかノー。切り捨てや立ち切りというものはそう簡単にできるものではない。 逆説的に言えば、それができるほどあの人は強い人でもあるのかもしれないけど。千帆はそう思った。 プロシュートの話は続いた。 「俺が銃の構えを教えた時、何て言った?」 「えっと……引き金を引くことに意識を集中させるんじゃなくて、引き金を『絞る』」 「それ以外は?」 「6発あるからだなんて考えるんじゃなくて、一発で仕留めろ」 プロシュートが大きく頷いたのが筋肉の振動で伝わってきた。 声のトーンが少し変わった。もしかしたらうっすら笑っているのかもしれない。 「そうだ。なら聞くけど一発でも仕留められそうにもない時、お前だったらどうする? 今しかきっとチャンスはない。ここで撃てば確実仕留められるはずだ……ッ! でもどうしてだか、相手に銃弾が当たる気がしない。コイツを討つイメージが頭に浮かばない。 そう思った時、お前はどうする?」 「…………」 「……俺がお前の立場なら答えは決まってる。『逃げる』、ただそれだけのことだ。 そしてもう一度待つ。次こそは見逃さない、今度こそ絶対に一発で仕留めてやるってな」 「逃げていいんですか?」 「勿論逃げちゃいけない時もあるし、逃げられない状況もある。けど逃げが間違いだっていうのは『間違い』だ。 逃げだって選択肢の一つだ。それに時には撃つ時よりも、戦う時よりもよっぽど勇気が必要な『逃げどき』だってある。 忘れるな、逃げることだって立派な選択肢なんだ。進む方向が違うだけで逃げだって前進してる。 イノシシみたいになにがなんでも突っ込めばいいってもんじゃねーんだ。まぁ、その選択が一番難しいってのはあるけどな」 難しい話だ。一発で仕留めなければいけない覚悟が必要なのに、二発目以降も準備しておかなければならない。 歌を歌いながら小説を書けと言われてるのも同然だ。そんなことが自分にできるのだろうか。まだ銃の構えだっておぼろげなのに。 千帆の不安が伝わったのか、プロシュートは更にスピードを緩めながら口を開く。 その口調は確かに柔らかなものになっていた。 「俺が言いたいのはな、さっきの言ったことと矛盾してるみたいだが、一発外したら、はい、そこでお終いなんてことはないってことだ。 そりゃ相手を前に外したら誰だってヤバいって思う。衝撃を受けるのは当然だ。俺だってきっと動揺する。 けど大切なのはそこで敗北感に打ちひしがれないことだ。まだ相手は生きてるし、自分も生きてる。 もしかしたら相手が俺を撃ちぬくことのほうが早いかもしれない。けどもしかしたら相手も慌てていて、俺の二発目が間に合うかもしれない。 俺が逃げ伸びて、次の時にうまく弾丸をぶち込めれるかもしれない。一瞬硬直して、逃げようとしたら背中を撃たれるかもしれない」 「…………」 「つまりだな、千帆、生きることを最優先しろ。生きてればリベンジできる。生きてる限り、銃弾を込めなおすこともできる。 けど死んだらおしまいだ。死んでもやってやるなんて覚悟は『死んだ後』にでも考えておけ。それか『どうあがいても間にあわない』って時にでもとっておけ。 死を賭してでもって覚悟はけっこー諸刃のもんなんだ。少なくとも俺はそう思う」 「…………」 千帆は何も言えなかった。ただ何も言わないのは失礼な感じがして、黙って大きく頷いた。 背中越しでも頷いたことがわかるように少しだけ大袈裟に。プロシュートがどう思ったかはわからない。でも千帆はその言葉に素直にうなずけない自分がいることを自覚した。 自覚したから頷くだけで返事をしなかったのだ。バイクは何事もなく進んでいった。辺りには人影一つ見当たらなかった。 ―――生きること、か。 それは時にものすごく残酷な刃物になる。 悲しみを背負って歩き続けなければいけないことは辛いことだ。それが努力ではどうにでもならないものであればなおさらだ。 だが千帆に逃げる気などさらさらない。死のうだなんて絶対思わないし、さっきプロシュートに言った言葉に偽りはない。 ―――『私、小説を書くんです。元の世界に戻って。絶対に』 絶対に……。絶対に……! 彼女は言い聞かせるように心の中でその言葉を繰り返した。 ああ、そうだとも。生き残ってやる。例えそれが呪われた運命だとしても、それを選んだのは千帆だ。千帆自身だ。 千帆は自分が『何かに巻き込まれた』とは思ってない。千帆がここにいるのはそうする必要があったからだ。 千帆がここにいるのは、千帆である必要があったから。千帆にしかできないこと、千帆が成し遂げるべき何かがあるからだ。 プロシュートが一瞬だけ視線をサイドミラーに移した時、後ろの少女と眼があった。 さっきあった男と正反対の意志が彼女の瞳には宿っていた。誇り高き、強いものの眼だ。プロシュートは彼女のそんなところが気に入った。 再び口を開いた時、プロシュートの口調は元の淡々としたものに戻っていた。 バイクのスピードを落とし、次の角も右に曲がる。まるでそこにある『なにか』がわかっていたかのような感じで、彼はバイクの速度を緩める。 二人の視線の先に一人の男が映っていた。さっきのような怪しい気配剥き出しの男ではなかったが、こちらを警戒しているのが一目でわかる。 身長は平均よりやや高いぐらい。腕や肩のあたりががっちりしていて、それに比べると足や腰はほっそりしている。 バイクの音を聞きつけていたのか、びっくりした様子もなく、鋭い目つきでこちらを睨んでいる。 片方の腕を伸ばし、突きつける様に指さしている。見た感じ武器を持っているようには思えなかったが油断はできない。スタンド能力を持っているのか知れない。 プロシュートはそんな彼の手前、三十メートルほどでバイクを止めると振り向くことなく千帆に言った。 「千帆、お前が説得してみろ」 「え?!」 「さっきのヤツは見るからにヤバいヤツだったから俺が対処した。今度のヤツはまだマシに見える。 いつまでも俺におんぶにだっこってわけにはいかねーだろ。それに俺はお前の眼を信用してる。お前のツキも信用してる」 「そんなこと言われても……」 いいからやってみろって。そう背中を押され、千帆は最後にはやるしかないと覚悟決め、バイクを降りた。 プロシュートが隣に立ってくれていることが彼女を勇気づけた。真正面に立つ青年がそれほど怪しい目つきでないのも彼女を奮い立たせてくれる。 唇を一舐めすると、心臓に手をやりながら口を開いた。なんだか喋ってるのが自分じゃないみたいだ。 千帆は相手に聞こえる様、大きな声ではっきりと話した。 「私は双葉千帆と言います。ある人を探していて、その人のことについて知っているならお話がしたいです。 私は誰も殺したくありませんし、貴方も誰も殺さないというのなら一緒に力を合わせたいと思います。 どうでしょうか、私と協力してくれませんか?」 訪れた沈黙が居心地を悪くする。ジャケットに入れた拳銃がひやりとしていて、その感触がなんだか胃をムカムカさせた。 馬鹿正直に話しすぎだろうか。千帆は少しだけ後悔した。でも彼女は自分の勘を信じていた。 眼の前の青年は決して平和ボケしたような甘ちゃんではないが、誠意をもって話せば話は通じる相手だろうと。 ピンと来たのだ。この人は私と同じだと。私と同じように誰か探している様な気がする。それも堪らなく会いたいと思えるような、大切な人を探してる。 「彼女の後ろに立ってるアンタ……。アンタはスタンド使いか?」 返事は冷たく、固かった。 視線を千帆からゆっくりと外し、プロシュートを睨みながら青年が口を開いた。 プロシュートは唇を捻っただけで何も言わなかった。肯定も否定もしない。初対面でこの反応はいい印象を与えないだろう。 隣に立つ千帆は少しだけ心配だった。自分に説得するようやらせておいて、それはないんじゃないのと思った。 長い沈黙の後、ジョニィが口を開いた。依然指先はこちらを向いている。その鋭い眼光も一向に衰えていない。 「話をするなら……一人ずつにしたい。僕はあなたたちを悪いヤツではないと思ってる。 だけど、まだ完全に信頼することはできない。騙し打ちをする気なんじゃないかって、そう疑う気持ちだってある。 だから話をするならどちらか一人ずつだ。ここじゃないどこかで、一人ずつ話をしたい」 千帆が振り向けばプロシュートは我関せずと言った顔であらぬ方向を向いていた。 話をするかどうかも、全部任されたということだろうか。初めての交渉なのにいきなり投げっぱなしとは信頼されているのか、試されているのか。 少しの間考えてみた。ずっしりとした拳銃の重みが彼女の決断をより一層重大ものにすると訴えている。 そうだ、間違えたら死ぬのだ。眼の前の青年を測り違えたら殺されるのだ。そう簡単にできるものではない。 それでも……再び千帆が動いた時、彼女の中で迷いはなかった。 ジョニィに見える様、彼女は力強く頷いた。その目に一点の躊躇いも持たず、千帆はジョニィ・ジョースターとの対峙を選択した。 ▼ ティッツァーノからもらったタバコを病院に置いてきたのは間違いだったかもしれない。 千帆とジョニィ・ジョースターがひっ込んだ民家の前で座り込み、プロシュートは一人思う。 こんなのんびりとした時間がこうもはやく来るとは流石に予想外だ。病院を一歩出ればそこは戦争で、戦い尽くしの未来だと勝手に思っていた。 スーツについたほこりを叩き、さっきまで乗っていたバイクにもう一度またがる。 千帆の予想に反し、プロシュートはそれほどバイクに乗り慣れているわけではない。どちらかと言えば車のほうが普段からよく使うし、車のほうが好きだ。 座席は柔らかいし、オーディオもいい。風にバタバタ煽られることもなければ、不格好なヘルメットをつける必要もない。 ただどうしてか、プロシュートは昔から何事も飲み込みがよく、バイクだってそのうちの一つでしかなかった。 実際さっきの運転中も見た目以上に神経をすり減らしていたのだ。千帆にそれを悟らせなかったところは流石と言うべきか。 わかっていたことではあるが、キツイ道中になりそうだ。プロシュートは身体を馴染ませるようしばらくの間、バイクに跨り考えにふけっていた。 プロシュートの思考を破ったのは道路の先から聞こえてきた足音だった。 住宅に跳ね返り聞こえてきた靴の音。それほど先を急ぐような音ではなかった。一歩一歩、確実に進んでいくような足取り。 バイクにもたれ何が来るだろうと曲がり角を睨んでいれば、一人の男が現れた。 ナルシソ・アナスイだ。そこに現れたのは愛に生きる一人の男。 プロシュートを最初見た時、彼は露骨に警戒心をあらわにした。だが見敵必殺とばかりに襲いかかってこないことがわかると、少しだけ警戒心を緩めた。 そのまま少しずつプロシュートへと近づいてくる。一歩、そしてまた一歩。その歩き方が少し不自然で、プロシュートはアナスイが怪我を負っていることに気がついた。 見れば服装も汚れ、所々血が付いているの見える。プロシュートはアナスイにばれないよう、後ろのベルトに刺した拳銃に手を伸ばす。 グリップの冷たさが彼の思考をクリアにした。怪我を追っているとはいえ油断はできない。なにかあれば容赦なく、撃ち抜く。 「……ここを誰か通っていかなかったか?」 アナスイが言った。 「人を探してるんだ。男と女の二人組。アンタは見てないか?」 ▼ タロットカード、十三枚目。それは死神。 意味は終末、破滅、決着、死の予兆。しかしひっくり返して逆位置にすれば……その意味は再スタート、新展開、上昇、挫折から立ち直る。 リンゴォ・ロードアゲイン。双葉千帆、プロシュート。ジョニィ・ジョースター。そして、ナルシソ・アナスイ。 死神に取りつかれ、死神に魅了された五人ははたして死神に呑みこまれずにいられるのか? to be continue...... 【D-7 南西部 民家/1日目 午前】 【プロシュート】 [スタンド] 『グレイトフル・デッド』 [時間軸] ネアポリス駅に張り込んでいた時 [状態] 全身ダメージ(中)、全身疲労(中) [装備] ベレッタM92(15/15、予備弾薬 30/60) [道具] 基本支給品(水×3)、双眼鏡、応急処置セット、簡易治療器具 [思考・状況] 基本行動方針 ターゲットの殺害と元の世界への帰還。 0.目の前の男に対処。 1.暗殺チームを始め、仲間を増やす。 2.この世界について、少しでも情報が欲しい。 3.双葉千帆がついて来るのはかまわないが助ける気はない。 【ナルシソ・アナスイ】 [スタンド] 『ダイバー・ダウン』 [時間軸] SO17巻 空条承太郎に徐倫との結婚の許しを乞う直前 [状態] 全身ダメージ(極大)、 体力消耗(中)、精神消耗(中) [装備] なし [道具] 基本支給品、ランダム支給品1~2(確認済) [思考・状況] 基本行動方針:空条徐倫の意志を継ぎ、空条承太郎を止める。 0.徐倫…… 1.情報を集める。 【備考】 ※放送で徐倫以降の名と禁止エリアを聞き逃しました。つまり放送の大部分を聞き逃しました。 【双葉千帆】 [スタンド]:なし [時間軸] 大神照彦を包丁で刺す直前 [状態] 疲労(小) [装備] 万年筆、スミスアンドウエスンM19・357マグナム(6/6)、予備弾薬(18/24) [道具] 基本支給品、露伴の手紙、救急用医療品 [思考・状況] 基本的思考:ノンフィクションではなく、小説を書く。 0.ジョニィ・ジョースターと情報交換。 1.プロシュートと共に行動する。 2.川尻しのぶに会い、早人の最期を伝える。 3.琢馬兄さんに会いたい。けれど、もしも会えたときどうすればいいのかわからない。 4.露伴の分まで、小説が書きたい。 [備考] ※千帆の最後の支給品は 岸辺露伴のバイク@四部・ハイウェイスター戦 でした。 【ジョニィ・ジョースター】 [スタンド] 『牙-タスク-』Act1 [時間軸] SBR24巻 ネアポリス行きの船に乗船後 [状態] 疲労(中) [装備] なし [道具] 基本支給品×2、リボルバー拳銃(6/6 予備弾薬残り18発) [思考・状況] 基本行動方針:ジャイロに会いたい。 0.双葉千帆と情報交換。信用はまだできない。 1.ジャイロを探す。 2.第三回放送を目安にマンハッタン・トリニティ教会に出向く [備考] ※サンドマンをディエゴと同じく『D4C』によって異次元から連れてこられた存在だと考えています。 【D-7 南西部/1日目 午前】 【リンゴォ・ロードアゲイン】 [時間軸] JC8巻、ジャイロが小屋に乗り込んできて、お互い『後に引けなくなった』直後 [スタンド] 『マンダム』(現在使用不可能) [状態] 右腕筋肉切断、幼少期の病状発症、絶望 [装備] DIOの投げナイフ1本 [道具] 基本支給品、不明支給品1(確認済)、DIOの投げナイフ×5(内折れているもの二本) [思考・状況] 基本行動方針:??? 1.それでも、決着をつけるために、エシディシ(アバッキオ)と果し合いをする。 [備考] ※名簿を破り捨てました。眼もほとんど通していません。 ※幼少期の病状は適当な感じで、以降の書き手さんにお任せします。 投下順で読む 前へ 戻る 次へ 時系列順で読む 前へ 戻る 次へ キャラを追って読む 前話 登場キャラクター 次話 120 Dream On プロシュート 147 夢見る子供でいつづけれたら 110 石作りの海を越えて行け ナルシソ・アナスイ 147 夢見る子供でいつづけれたら 118 彼の名は名も無きインディアン ジョニィ・ジョースター 147 夢見る子供でいつづけれたら 119 ああ、ロストマン、気付いたろう リンゴォ・ロードアゲイン 143 本当の気持ちと向き合えますか? 120 Dream On 双葉千帆 147 夢見る子供でいつづけれたら
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ここでぐちろうぜ fuck -- (名無しさん) 2009-06-25 00 01 06 死ねえええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ -- (名無しさん) 2009-06-25 11 58 49 ちんぽ -- (名無しさん) 2009-06-27 19 50 22 規制されたよビチ糞野郎があああああああああああああああああ -- (名無しさん) 2009-08-08 11 15 18 VIP落ちたままだな -- (名無しさん) 2009-08-16 18 34 01 うんこ -- (名無しさん) 2010-06-15 15 14 30 胸熱 -- (名無しさん) 2010-06-30 01 47 57 死ね -- (名無しさん) 2010-07-29 18 50 43 うぜえええ -- (名無しさん) 2010-08-04 00 47 12 規制あああああああああ -- (名無しさん) 2010-09-09 00 33 55 名前 コメント すべてのコメントを見る