約 1,324,996 件
https://w.atwiki.jp/yurina0106/pages/2185.html
タグ 感動 曲名さ DAM/JOYにて配信中 歌 美郷あき 作詞 ゆうまお 作曲 津上潤也 作品 D.C.II P.S.~ダ・カーポII~プラスシチュエーションED PS2用ゲーム D.C.II P.S.~ダ・カーポII~プラスシチュエーション ボーカルアルバム
https://w.atwiki.jp/moenajimi/pages/29.html
あらすじ 萌留高校、校門。見張りに立っていた兵士は、航空機が近づいてくるような物音に顔を上げた。 ――そして、その表情が引きつる。飛んできたのは、何人もの、三杉せたな。 校庭に降り立った量産型せたなたちのもとに、集まってくる兵士たち。浴びせかけられる弾丸の嵐を、しかし量産型たちはものともせず、兵士たちをなぎ倒していく。 そんな突然の事態に浮き足立つ兵士たちは、裏門に近づくいくつかの影に気付かなかった。 不意打ちで殴り倒される見張りの兵士。佇むのは2つの影。 「行くよ、大樹」「うん」桜と大樹は頷き合い、走り出す―― 病院は崩壊を始めていた。兵士やスタッフが撤退を開始する中、アランは苛立ったようにメイを探している。 札幌祭にも、落外悠介にも逃げられた。そして三杉せたなによって基地は崩壊、夕張めろんのデータも失われようとしている―― 祭を逃がしたのは誰だ? メイに決まっている。やはり失敗だったのだ。あまりにもメイは近づきすぎた―― そんな中、アランに無線が入る。「何ですか、この状況で!」と叫び返したアランは、しかし次の言葉に目を見開いた。 「――三杉久遠が、こちらに?」 膝を抱えていたみさきは、不意に近づいてきた気配に顔を上げた。 兵士の一人が、何事が声をあげる。それに応えるようにして、隣の久遠が立ち上がった。 「三杉さん……?」立ち上がろうとしたみさきを、しかし久遠は制する。 「大丈夫よ……ちょっと行ってくるわね」そう笑って、三杉久遠は兵士に連れられて外へ出た。 待っていたのは、白衣の研究者然とした男たち。彼らの前に立ち、久遠は顔を引き締める。 ――それは捕らえられていた者の顔ではない。 「夕張めろんの移送は完了しています」男の声に、「そう」と短く答え、そして久遠は言う。 「夏に降る雪なんて、そんなことはあってはいけなかったのよ」 それは、全てに対する決別のように。 「ミッドサマー計画、開始。――三杉せたなを破壊します」 揺れと、降り注ぐ破片の中、祭は地下への階段を駆け下りていた。 暗闇に包まれた階段を、よろめきながらもひたすら地下へ、地下へ。 そして辿り着いた先に――その部屋があった。 無数のモニターと謎の機器。そして、モニターに映るのは……カプセル。 「……!」だが、そのカプセルの中に、めろんはもう、いない。 誰もいなかった。そこにはもう、誰も――いや。 「……マツリ」声。祭は振り向く。そこに、メイがいた。 息と足音を殺し、校舎の中を走る桜と大樹。手には、兵士から奪ったサブマシンガンが握られている。 量産型せたなたちの陽動によって、校舎内の警備は手薄になっていた。問題は、みさきがどこに囚われているか。 「二手に分かれよう」階段の前で桜が言い、大樹もそれに頷いた。大樹は上へ、桜は一階を。 兵士たちの流れを見ながら、一階の廊下を走る桜。――と、不意に近づく足音に、慌てて近くの教室に隠れる。 窓からそっと覗くと、それは白衣を着た研究者らしき集団だった。その先頭に立つ人物に、桜は小さく息を飲む。 「……三杉、久遠」せたなの母が、ここにいる。その事実に、桜は微かに戦慄を覚えた。 しかし、今はとにかくみさきの救出だ。教室を出、再び桜は走りだそうとして、 ――背後に迫った気配に気付く。 「!」振り向いた桜の目が、驚愕に見開かれる―― 教室の隅で座り込んでいたみさきは、外がにわかに騒がしくなっていることに気付いた。 しかし何が起こっているのか、確かめる気力はなかった。みさきは力なく顔を伏せる。 「……ゆうちゃん」この状況が何なのかも解らず。今自分がどうすべきなのかも解らず。 ふと思い出すのは、幼い頃の光景。 それはキャンプに出かけたときのこと。悠介と大樹と、3人で探検に出て――迷子になった。 深い森の中で、2人とはぐれてしまい、ひとりぼっちで泣いていた自分。 ――だけど、そこに聞こえたのは、自分の名前を呼ぶ声で。 そして――泣いていた自分を、見つけてくれたのは、 大樹は必死で走っていた。背後に聞こえるのは兵士の足音。 素人の自分に、結局隠密行動なんて無理だったのだ。追ってくる暴力の気配。手にしたサブマシンガンは重く、しかし無力。 ――だけど。だけど、戦うんだ! 闇雲に背後へ弾丸をばらまいて、そして大樹は叫ぶ。――彼女の名前を。 「みさきっ!」 みさきは顔を上げた。――呼んでる。あの時のように、自分を探してくれる声がある! 立ち上がる。走り出す。教室を飛び出し、無人の廊下を走り――そして。 「大樹ぃっ!」 階段を駆け上がってきた大樹に、みさきは飛びついた。 「みさきっ――」 尻餅をつくようにして、みさきを受け止める大樹。 「大樹、大樹……」「良かった、みさき、無事で……」 すがりつくみさきを慰めるように頭を撫でて――しかし、階下からの足音に、大樹は顔を引き締める。 「……とにかく、今は逃げるわよっ」大樹の言葉に、みさきは目を見開いて、それから頷く。 そして、2人は走り出そうとするが――そこには。 「!」兵士達が、既にその進路も、退路までも塞いでいた。 「くっ――」呻き、みさきをかばうように抱きしめる大樹。退路は無い。やっとみさきのところに辿り着いたのに―― 兵士たちの手にしたサブマシンガンが2人に向けられる。2人はぎゅっと目を閉じて、 次の瞬間、炸裂したのは銃声ではなく、閃光。 そして――雄叫び。 閉じていた目を見開いた、大樹とみさきが目にしたのは。 閃光に目を眩ませた兵士たちをなぎ倒して、こちらに走ってくる、少年の、姿。 「みさき、大樹ぃっ!」 ――その姿は、2人の思い出に重なる。迷子の森の中で、自分たちを捜して声を張り上げた少年の姿―― 「ゆうちゃんっ――」 「悠介っ!」 落外悠介が、そこにいた。 「マツリは、ユースケのこと、スキ?」 静寂に満ちたその部屋で、メイは不意にそんなことを言った。 「っ――べ、別に、ゆうのことは、好きとか、そういうんじゃなくて」 不意を打たれて、赤面しながら答える祭に、メイは薄く笑う。 「ワタシは……スキだったヨ。ユースケのこと……ずっとスキだった。だかラ……守りたかったんダヨ」 俯く、メイ。その言葉に、祭は沈黙する。 「ユースケに嫌われてモ……恨まれてモ……ワタシがユースケを守るっテ、そう信じテ……ケド」 顔を上げたメイの顔に張りついたのは、どうしようもない、諦念と自嘲の笑み。 「ワタシは結局……ピエロだったんだネ。馬鹿みたいだヨ。勝手にミンナを傷つけて……こんなコトになっテ」 涙が、一筋、その頬を伝う。そして、メイは。 ――手にした拳銃を、こめかみに押し当てた。 「メイ!」 祭の叫びに、メイは笑う。それは、悲しすぎる笑顔。 「サヨナラ、マツリ。サヨナラ、ミンナ。……サヨナラ、――ユースケ」 引き金に指がかかり、 祭はメイに向かって駆け出し、 ――そして。 轟音と共に、萌留総合病院の建物は、完全に崩壊した。 騒然とする学校の建物から走り去る、一台の幌付きトラック。その荷台に、4つの人影があった。 「ゆうちゃん……ゆうちゃんっ」悠介の胸にすがりついて、泣きじゃくるみさき。 「ったく、今までどこ行ってたのよ、あんたはっ」悪態をつきながらも、顔をほころばせた大樹。 「――悪いな、2人とも。でも……間に合って良かった」悠介は笑って、2人の頭を撫でる。 頬を染めるみさきと、「止めなさいよ、恥ずかしいからっ」と逃げる大樹。それはまるで平穏な光景。 「……ゆうくん」そして、不意に桜が厳しい声で言い、悠介は顔を上げた。 「戻ったら……長いお話、聞いてくれる?」――その言葉に、悠介はただ、頷く。 そう、それは長い話になるだろう。だけど、それを知らなければいけないのだ。 戦うために。そして――全てを取り戻すために。 夕暮れになろうとしていく街並みを、トラックは静かに走っていく……。 スタッフ 脚本:堺田有伸 絵コンテ:福井富之助 演出:仁志晃 作画監督:高岸洋司 次回予告 次回、「終わる世界」 ストーリー トップページ
https://w.atwiki.jp/galgerowa/pages/461.html
守りたいもの/さよならの囁き(Ⅱ)(前編)◆guAWf4RW62 ひゅうひゅうと風が吹いていた。 鮮やかな夕日が、眼下に広がる孤島を赤く照らし上げている。 真っ赤に染まった孤島の姿はまるで、多くの人間が流した血に塗れているかのようであった。 「――――っ」 大剣を携え、幾重にも連なる雲の真下で飛翔しているのは、アセリア・ブルースピリットと呼ばれる妖精である。 圧倒的な加速力を生み出す純白の翼と、只の人間では及びもつかぬ凄まじい身体能力。 第四位の永遠神剣『求め』と契約し、オーラフォトンの力すらも手に入れたアセリアは、生存している参加者中で間違いなく最強の存在。 しかしその最強の妖精の表情が、今は悲痛に大きく歪んでいた。 「お願いだミズホ……どうか持ち堪えてくれ……!」 呟くアセリアの腕の中には、血塗れになった宮小路瑞穂の姿。 瑞穂の口から放たれる吐息は、今にも消え入りそうな程に弱々しい。 アセリアも必死に永遠神剣の力を引き出して、瑞穂の状態が悪化しないようにしているが、それだけでは足りない。 一刻も早く、適切な治療を施す必要があった。 その為、当初アセリアは病院に向かおうとしていたのだが、現在は電波塔の上空辺りを飛翔している。 この島にくるまで戦う事しか知らなかったアセリアは、治療に関する知識など全く持ち合わせていない。 自分だけで病院に向かったとしても、瑞穂に対して何の処置も出来ないだろう。 アセリアは遅ればせながらその事実に気付き、電波塔の周辺へと舞い戻って、瑞穂を治療し得るであろう仲間達の姿を探していた。 「早く……早くコトミ達を見つけないと……」 満身創痍の肉体を酷使し、残り少ないマナを総動員して、全速力で電波塔の周辺を探索する。 後に控えているであろう主催陣営との対決を考えれば、出来るだけ力は温存しておくべきだが、そのような理屈など知った事では無い。 今のアセリアにあるのは、瑞穂を救いたいという想いだけである。 しかしそんなアセリアの想いも空しく、一ノ瀬ことみや古手梨花の姿は一向に見付かる気配が無かった。 「上空から見える位置には居ない――でも、森の中になら……っ」 上空から見渡してみた限り人の姿は見受けられなかったが、未だ森の中は確認していない。 アセリアは高度を落として、生い茂る木々の間を縫うように突き進む。 視界の端に映ったアヴ・カムゥの残骸など気にも留めず、意識を捜索に集中させる。 「コトミ、リカ! 居るなら返事をしてくれ!」 高速で飛び回りながら、可能な限り大声で叫んだ。 焦燥に染まったその声は、静まり返った森の中に大きく響き渡る。 だが何度声を発しても、返って来るのは周囲に吹き荒れる風の音だけであった。 (……落ち着いて考えろ。コトミ達は何処に居る……!?) ともすれば溢れ出しかねない感情の奔流を抑え込んで、アセリアは懸命に思案を巡らせる。 これだけ叫んでも返事が無い以上、ことみ達が森の中に居る可能性は低いと云わざるを得ない。 他の場所を当たってみるべきだろう。 「未だ調べていないのは……あの搭だけ」 小さく呟いてから、アセリアは前方に聳え立つ巨大な塔を眺め見た。 電波塔――首輪の操作という役目を課された、此度の殺人遊戯に於ける最重要施設。 元々はあの搭を破壊するのが、アセリア達一行の目的だった。 最大の脅威であったアブ・カムゥを打倒した以上、ことみや梨花が舞い戻ってきて、電波塔を破壊しようとしていても可笑しくは無い。 一縷の望みに懸けて、アセリアは電波塔の前に降り立った。 「フ――――!」 ウイング・ハイロゥを仕舞い込んでから、半ば体当たりするような形で、搭の扉を強引に押し開ける。 開け放たれた扉の向こう側には、巨大な通路が広がっていた。 幅は優に五メートル以上あり、奥行きは数十メートル、壁面は無骨なコンクリートで覆い尽くされている。 通路の所々には金属製のコンテナが配置されており、その影に敵が潜んでいる危険性もあるだろう。 本来ならば、慎重を期して進むべき場面。 しかし今は、ほんの一秒一時すらも惜しい。 「……敵が居たとしても、倒せば良いだけ!」 敵の領域である通路を、アセリアは何の躊躇も無く駆け抜けてゆく。 その速度は、疾風と見紛わん程に凄まじい。 通路に面する扉を一つずつ押し開けて、中に人が居ないか確認する。 見張りの敵兵等は潜んでいないようであったが、仲間達の姿もまた見当たらない。 そのまま突き進んでゆくと、やがて正面に曲がり角が見えた。 (誰か……待ち構えている) 神経を研ぎ澄ませると、角の向こう側に何者かが潜んでいる気配を感じ取れた。 これだけ派手に足音を立てて動き回っているのだから、こちらの存在は察知されている筈。 そう判断したアセリアは、両足に残された筋力を総動員して、角の方向へと思い切り跳ねた。 相手に攻撃の照準を絞らせぬよう、通路の壁面を蹴り飛ばす事でジグザグに跳躍する。 「――――てやあああああっ!!」 甲高い雄叫びと共に、蒼の妖精は己が大剣を勢い良く振り下ろす。 疲弊し切った身体から放たれるソレは、全快時とは比べるべくもない駄剣だが、それでも並の相手なら十分に切り伏せ得る一撃。 しかし『求め』の刃先が標的を捉える寸前、アセリアの腕がピタリと停止した。 「……リカッ!?」 「……アセリアッ!? それに瑞穂!?」 アセリアの蒼い瞳に映るは、捜し求めていた仲間――古手梨花。 梨花の両腕には、ミニウージーがしっかりと握り締められている。 恐らくは、敵が中に侵入して来たのだと勘違いして、迎撃しようとしていたのだろう。 梨花はミニウージーの銃口を下ろすと、血に塗れた瑞穂の方へと視線を移した。 「ちょっと、一体何があったのよ!? ボロボロじゃない!」 「……説明している時間は無い。今は早く……ミズホを、助けて欲しい」 アセリアの片腕に抱き抱えられている瑞穂は、今も苦しげに胸を上下させている。 その顔色は、徐々に青白く変色しつつあった。 直ぐにでも適切な治療を施さねば、手遅れになってしまうかも知れないだろう。 「分かったわ、瑞穂の手当てを優先しましょう。アセリア、まずは瑞穂を横に寝かせて頂戴」 「……ん!」 梨花は指示を送りながら、冷静に瑞穂の様子を観察した。 瑞穂の身体の至る所には、打撲跡や擦り傷が見受けられるが、致命傷と呼べる程の物は無い。 深い傷といえば精々、左腕上腕部に刻み込まれた傷くらいだ。 傷の深さだけを見れば、命には別状の無い状態。 しかし、負傷箇所が極めて不味い。 人体の構造上、左腕上腕部は心臓から程近い位置にある。 そのような箇所を深く傷付けられた場合、必然的に大量の出血を許してしまう。 つまり今の瑞穂は、出血多量が原因で生命の危機に晒されているのだ。 「リカ……どうだ? ミズホは……助かりそうなのか?」 「……集中したいから、少し黙ってて」 アセリアが不安げに問い掛けて来たが、丁寧に対応している余裕など無い。 質問をぴしゃりと跳ね付けてから、過去の記憶を呼び起こす。 梨花は雛見沢症候群の女王感染者として、長い間入江診療所に通い続けてきた。 そういった関係上、診療所の所長――入江が他の患者を治療する場面も、梨花は幾度と無く目撃している。 専門的な知識までは持ち合わせていないが、簡単な応急処置を行う程度なら、見よう見まねで出来る筈だ。 (……帰ったら、入江に礼を云わなくちゃね) 梨花は鞄の中に手を伸ばして、百貨店で見つけた物――治療用具一式を取り出した。 まずは左腕上腕部の傷口に、消毒ガーゼを強く押し当てた。 続けて左腕を心臓よりも高い位置に持ち上げる事で、出血の勢いを押し留める。 最後に包帯で、左肩口の辺りを強く縛り止めた。 「終わった……のか?」 「ええ、きっとこれで大丈夫な筈よ」 決して手際が良いとは云えないものの、何とか応急処置は完了した。 それは確かに効果があったようで、あれ程激しかった瑞穂の出血が、今はピタリと止んでいる。 アセリアがオーラフォトンで治療を行っている事もあり、瑞穂の顔に少しずつ血色が戻ってゆく。 まだまだ油断は出来ないが、一先ず峠は越えたと考えて間違い無いだろう。 「ミズホ……良かった……」 アセリアは瑞穂の手を取って、しっかりと握り締めた。 手の平から感じられる暖かさは、今も瑞穂が生きているという証に他ならない。 最悪の事態を避けられたと分かり、アセリアは安堵に表情を緩めた。 しかし此処は平和な病室等では無く、敵の重要施設であるという現実を失念してはいけない。 アセリア達が成さねばならない事は、それこそ山のように残っている。 「さて、何があったか説明して貰おうかしら」 「……ん、分かった」 そうして、アセリアは梨花と情報交換を開始した。 ◇ ◇ ◇ ◇ 「つまりあの巨大なロボットを破壊したのは、貴女なのね? 貴女は神剣に操られて、瑞穂ごとロボットを攻撃してしまったと――そういう事なのね?」 「……うん。私が……ミズホを傷付けた」 梨花が問い掛けると、アセリアは力無く頷いた。 今のアセリアの心は、深く重い罪悪感に囚われている。 「アセリア……貴女は一生懸命、瑞穂を守ろうとした。その結果は悲しい物になったけれど、きっと瑞穂は許してくれる。 『仲間を守りたい』という貴女の想いは、ちゃんと伝わっている筈よ」 「うん……ミズホは優しいから……それは分かっている。でも……だからこそ、私は心が痛い」 瑞穂とアセリアがこの島で培った信頼関係は、何が起ころうとも決して崩れはしない。 瑞穂が意識を取り戻したとしても、罵倒の言葉を浴びせられる事は無いと断言出来る。 しかし、だからこそアセリアは形容し難い程の痛みを感じていた。 自身の身など顧みずに、『求め』の力を引き出して、只ひたすらに瑞穂の治療を続ける。 残り僅かなマナで行われる治療は、相当に効果が落ちてしまっているが、何もしないよりは随分とマシだろう。 「……アレを壊すのは、暫く無理ね」 梨花はそう呟いてから、前方に立ち塞がる扉を眺め見た。 他の部屋には重要そうな機械が置いていなかった以上、この扉の向こう側に、電波塔の機能を司る設備があるのは間違いない。 その設備さえ破壊すれば、電波塔は只の鉄屑と化す筈。 しかし扉は見るからに頑丈そうな金属で構成されており、しっかりと施錠もしてある。 中に入るには破壊するしかないが、銃弾程度では到底不可能だし、疲弊し切ったアセリアにも破壊する事は難しい。 (なら一旦外に出て、ことみを探すべきかしら? ……ううん駄目ね、なるべく早く電波塔を破壊しないと) 一瞬頭に浮かんだ考えを、直ぐに打ち消した。 次々に不覚を取った鷹野達が、このまま黙っているとは考え難い。 勝負とは、後手に回れば回る程不利になる物。 鷹野達が次の手を打つよりも早く、電波塔を無力化しておきたい所。 とは云え、瑞穂の治療を後回しにするという選択肢は論外だ。 まずは瑞穂の容態がもう少し回復するのを待って、それからアセリアに休憩を取らせるべきだろう。 多少なりとも休憩を取った後のアセリアならば、造作も無く扉を破壊出来る筈だった。 結論を下した梨花は、アセリアにも応急処置を行うべく、治療の準備をし始めた。 ◇ ◇ ◇ ◇ 場所は移り変わり、電波塔の周辺に広がる草原。 激戦の傷跡が深く刻み込まれた地に、赤色の車が停車していた。 「――はん、アレさえ壊せばこの糞ったれゲームも終わりって訳かい」 逸早く車から降りた大空寺あゆは、酷く皮肉気な笑みを浮かべた。 車の助手席には白鐘沙羅の姿が、そして後部座席には両腕を後ろ手に縛られた、一ノ瀬ことみの姿がある。 ――あゆはことみをロープで拘束した後、直ぐ様話を聞きだそうとした。 しかしことみが最初に話したのは、電波塔によって首輪が管理されている為、今すぐ破壊しにいくべきだという内容の物だった。 それは本来ならば、眉唾物の話。 殺人遊戯の生命線とも云える最重要施設を、参加者が攻撃可能な場所に設置するなど考えられない。 ましてやその情報源が、殺人鬼である一ノ瀬ことみなのだから、信じろと云う方が無茶だろう。 だが塔に関する情報は、あゆ達も幾つか耳にしている。 蟹沢きぬの情報によれば、参加者達は暗示を掛けられていた所為で、少し前まで電波塔の存在を認識出来なかったらしい。 そして主催者側の人間だと思われる男も、『電波塔を放棄する事にした』と云っていた。 あの電波塔が何か重大な機能を担っているのは、ほぼ間違いない。 今回に限っては、ことみの話を信じるに足る材料が十分過ぎる程揃っていた。 そこであゆと沙羅は、ことみへの尋問よりも、電波塔の破壊を優先する事にしたのだ。 山道であった為車での移動は難航したが、何とか無事電波塔まで辿り着けた。 「……沙羅、準備は良いかい?」 「うん、バッチシよ。ちゃんと信管もセットあるし、何時でもいけるわ」 答える沙羅の両腕には、サッカーボール大の爆弾が抱き抱えられている。 その威力は、天才少女・二見瑛理子のお墨付きだ。 電波塔という巨大な施設を無力化するのに、これ以上適した武器は無いだろう。 敵が待ち伏せしている可能性も考慮すれば、内部よりも外部から破壊する方が良い筈だった。 沙羅は車から降り立つと、生い茂る草々を踏み締めながら、電波塔の外壁傍まで歩いていった。 爆弾を地面に設置してから、祈るように目を閉じる。 「瑛理子――力を貸して。鷹野達に、飛びっきりのカウンターパンチを食らしてやって……!!」 強い想いを篭めた言葉と共に、沙羅は爆弾を起動させた。 続けて全速力でその場を離脱し、あゆやことみと共に、自分達が乗ってきた車の背後へと身を隠す。 そのまま暫く待ってみたものの、爆発が起きる様子は無い。 もしかしたら失敗作だったのでは、という不安も沸き上がったが、それは杞憂に終わった。 爆弾の外装が急激に膨らみ、そして破裂する。 「「「……………………ッ!!!」」」 轟く爆音、視界を覆い尽くす閃光。 余りの衝撃に大地すらも振動し、凄まじい爆風が容赦無く吹き荒れる。 コンクリートや金属片等、電波塔を構成していた様々な物体の破片が、雨のように降り注いでいた。 もし沙羅達が車の背後に身を隠していなかったら、残骸の幾つかが身体に突き刺さっていたかも知れないだろう。 「塔は……どうなったの!?」 爆風が収まるのを待ってから、沙羅は車から身を乗り出した。 するとボロボロの風体を晒している塔の姿が、瞳に映った。 元が巨大な施設だった事もあり、何とか原型を留めてはいるものの、アレでは最早修理不可能の筈。 「瑛理子……やっぱりアンタ凄いよ。アンタは……天才よ」 失敗作など、とんでもない勘違いだった。 瑛理子が準備してくれた爆弾は、恐るべき威力を発揮したのだ。 瑛理子の遺した切り札は、悪魔の枷を完全に打ち破ってくれたのだ。 沙羅は瑛理子が遺したもう一つの道具――小さな人形を、慈しむ様に抱き締めた。 しかし何時までも、感慨に耽っている訳にも行かない。 首輪の機能を無効化させたとは云え、未だ全てが解決した訳ではないのだ。 「それじゃ、そろそろ行こっか」 目的を果たした沙羅達は、直ぐに場所を移そうとする。 初めに沙羅が車に乗り込んで、エンジンを起動させた。 次にあゆとことみが車のドアを空けて、後部座席に乗り込もうとする。 しかしそこであゆは、唐突に動きを止めた。 未だロープで拘束したままのことみを、値踏みするように眺め見る。 (……本当にコイツは悪人なのか?) あゆの中に渦巻いているのは、『もしかしたら、一ノ瀬ことみは殺人鬼なんかじゃ無いのでは?』という想いである。 殺し合いに乗っている人間ならば、首輪を無力化させる方法など考えたりはしないだろう。 そんな事をするよりも、優勝する為の方法を考えた方が遥かに有益だ。 にも関わらず、ことみは電波塔の機能を解明していたし、その破壊を推奨だってしていた。 「なあ一ノ瀬、もう一度聞いてやる。時雨を殺したのは、お前なのか?」 「……何度聞かれたって答えは同じ。亜沙さんは私の大事な仲間だった。 そんな人を、殺したりする訳ないの」 問い掛けてみると、全く迷いの無い答えが返って来た。 告げることみの表情には、動揺している様子など微塵も無い。 冷静に観察してみると、とても嘘を吐いているようには思えない。 やはり、自分が間違っていたのでは――あゆの中に根付いていた猜疑心と憎悪が、徐々に薄れてゆく。 だが、全てが丸く収まるかと思われたその瞬間。 パアン、という乾いた音がした。 「――――なっ!?」 あゆ達の近くに生い茂っていった雑草が、鳴り響いた銃声と共に弾け飛ぶ。 唐突に飛来した弾丸が、束の間の平穏を切り裂いていた。 ◇ ◇ ◇ ◇ 電波塔が爆破された時、アセリア達はまだ塔内に留まっていた。 アセリアが残された力の全てを振り絞って、オーラフォトン・バリア――強力な防壁を展開する魔法――で仲間達を守ったものの、一歩間違えれば死んでいた。 今のアセリア達にとって、外から攻撃してきた人間は冷酷無比な襲撃者に他ならない。 だからこそ梨花は、即座に反撃を行ったのだ。 「くっ……やっぱりこの距離じゃ当たらないわね」 梨花はベレッタM92Fを握り締めながら、苛立たしげに吐き捨てた。 塔の外壁が破壊されたお陰で、視線こそ通ってはいるが、いかんせん距離が遠過ぎる。 どうしてものか――梨花が結論を出すよりも早く、横からアセリアの声が聞こえて来た。 「あれは……コトミ? サラ……それに、ダイクウジアユッ…………!」 「え――――?」 云われて梨花は、襲撃者達の姿を注視した。 一見した所、相手の人数は三人。 栗色の髪の少女――外見的特徴から察するに、白鐘沙羅。 そして車の直ぐ傍に金髪の少女、大空寺あゆと、ロープで拘束されたことみの姿があった。 「ちょっと、どういう事!? 何でことみが捕まってるのよ!?」 「分からない……。だけど、ダイクウジアユは……危険な人間だ。 このままじゃ、コトミが危ない……!」 アセリアからすれば、そう判断するのが一番自然だった。 予告無しの爆撃攻撃に、ロープで拘束された仲間の姿。 アセリアとことみは一度、あゆに襲撃された経験だってあるのだ。 何故ことみが捕まっているのか、どうして沙羅があゆと同行しているのかは不明だが、危険な状況である事は間違い無い。 「確か沙羅って云う人は、貴女の知り合いだったわよね? だったら交渉の余地くらいあるかも知れない。 まずは話し合ってみましょう」 「……ん!」 すぐさま対応策を決めた梨花達は、二人同時に塔を飛び出した。 塔は何時倒壊するか分からない状態なので、満身創痍の瑞穂を残してゆく訳にはいかない。 アセリアは草原の一角に瑞穂を横たわらせてから、静かに呟いた。 「ミズホ……暫く此処で待っていて。必ず……コトミを助けて、戻るから」 生命の危機は脱したものの、瑞穂は未だ気絶したままである。 出来ればずっと傍に付いてあげたい所だが、今は緊急事態。 先ずはことみを救出するのが先決だろう。 蒼の妖精は視線を上げて、己が役目を果たす為に歩き出した。 「――アセリアッ!?」 「――アセリアさんっ!」 アセリアの姿に気付いた沙羅とことみが、同時に驚きの声を上げる。 それに構わずアセリアは歩き続け、沙羅達から二十メートル程離れた所で足を止めた。 ひゅうひゅうと、冷え切った風が草原の中に吹き荒れる。 降り注ぐ夕日が、アセリアの顔を朱色に照らし上げていた。 「サラ……どういうつもりだ。どうして……こんな事をする」 「こんな事って――、私達は只、電波塔を破壊しようと……」 「――ふざけないで! 下手したら私達、死んでいたのよ!?」 弁解しようとした沙羅の言葉は、梨花の声によって遮られた。 梨花は怒りの表情を浮かべたまま、ロープに縛られていることみを指差す。 「私の仲間をそんな風にロープで縛って! 何よ、人質にするつもりなの? 貴女と大空寺あゆは、殺し合いに乗ってるって云うの?」 「……違う! 私達は殺し合うつもりなんて無い!」 「だったら、ことみを放しなさい! 今すぐによ!」 云われて沙羅は一瞬迷ったが、直ぐにことみの縛めを解いた。 今下手に逆らっては、取り返しの付かない事態になりかねないからだ。 自由になったことみは、負傷している足を引き摺りながらも、アセリアの元へと駆け寄っていった。 「アセリアさん、梨花ちゃん!」 「コトミ……もう大丈夫。私の後ろに……隠れて」 アセリアはそう云って、ことみを後ろへと下がらせた。 アセリアの両腕には、今も『求め』がしっかりと握り締められている。 囚われの身であったことみは解放された しかしアセリア達もあゆ達も、臨戦態勢を解いたりはしない。 両者共に、既に一度ずつ互いを攻撃してしまっているのだ。 そのような状況で、安易に相手を信用したり出来る筈も無い。 アセリアと古手梨花。 大空寺あゆと白鐘沙羅。 両者は各々の得物を手に、緊張した面持ちで睨み合う。 だが唐突にあゆが口元を吊り上げて、心底可笑しそうに哂い始めた。 「く――、くくッ……アハハハハハハハハハっ!! そうか……そういう事か…………!!」 狂ったような笑い声が、静寂に包まれた黄昏の草原を打つ。 一人で納得したように哂い続けるあゆの姿は、本人以外の誰にとっても理解不能な物だ。 訝しげな視線を送る沙羅に対して、あゆが語り掛ける。 「分からないのかい、沙羅。私達はまた、一ノ瀬に騙されたんだよ」 「……どういう事?」 「あの糞虫にとって電波塔を壊す事なんて、どうでも良かったのさ。只――私達とアセリア達を、潰し合わせようとしただけだ」 「なッ…………」 絶句する沙羅を他所に、あゆは言葉を続けてゆく。 「考えたもんだねえ、一ノ瀬。生き残りが少なくなってきたから、そろそろ仲間を切り捨てようって腹か。 塔の中にアセリア達が居るって事も、最初から分かっていたんだろ? 分かった上で敢えて、塔を爆破させようとしたんだろ?」 語るあゆは、憎悪に染まり切った目でことみを睨み付けている。 今まで集めた情報によれば、自分達と同様、アセリア達も殺し合いには乗っていない筈。 しかし自分達は、塔の中に居るアセリア達を問答無用で攻撃してしまった。 生じてしまった亀裂を修復するのは、並大抵の事では不可能だろう。 対主催を志す者同士が潰し合えば、一番得するのは誰か――そんなモノ、殺し合いに乗っている人間に決まっている。 余りにも出来すぎた、作為的に準備されたとしか思えぬ状況。 一度消えかけた疑心暗鬼の炎は、以前を遥かに上回る勢いで燃え上がっていた。 「ちょっと待つの! 私にはそんなつもり、これっぽちも無かったの!」 「はっ、この期に及んで言い逃れとはね。流石に売女なだけあって、面の皮が厚いさね。 その調子だとアレか、男相手なら股でも開いて懐柔してんのかい?」 ことみが懸命に無実を訴えるが、あゆは全く取り合おうとしない。 必死の弁明は寧ろ、あゆの憎悪に拍車を掛けるだけだった。 「首輪の機能を無効化しようとしてたのも、全ては私達を欺く為だった訳だ。 いやいや、ホント大した役者だよ」 「……幾らなんでも、それは一方的に決め付け過ぎなんじゃないの?」 「沙羅――お前、未だ寝惚けてるんだな。なら良い事を教えてやろうか?」 ことみを殺人鬼と断ずる材料は十分に揃っているが、未だ沙羅は確信を持てていない様子。 だから、あゆは口にする――今まで伝えていなかった『事実』を。 「お前の元の世界の知り合い――確か、恋太郎といったか。ソイツを殺したのはな、そこの糞虫さ」 「え…………」 「聞こえなかったんなら、もう一度云ってやる。双葉恋太郎を惨殺したのは、一ノ瀬ことみだ」 念を押すようにあゆが云うと、沙羅の顔から表情が消えた。 最愛の人間を奪った怨敵が目の前に居るという情報は、確かに沙羅へと伝わった。 「どう? これでもまだ、そこの糞虫を信頼する余地が残されてるって云うのかい?」 投げ掛けられた問い掛け。 沙羅は静かに俯いて、暫しの間沈黙を守っている。 そのまま待つ事、十数秒。 やがて沙羅は、幽鬼の如くゆっくりと顔を上げた。 「……す」 その声は小さ過ぎて、誰にも聞き取る事が出来なかった。 しかし聞き取るまでも無く、この場に居る全員が沙羅の意思を理解出来ただろう。 何しろ沙羅の表情は、般若の如き形相に変わっていたのだから。 「殺す……殺してやる!! よくも恋太郎を…………ッ!!!」 「違う! 私は恋太郎さんを殺してなんか……」 「五月蝿い! アンタだけは、絶対に許さないんだからッッ!!!」 ことみの弁明は、最後まで聞く必要すら無いと云わんばかりに跳ね付けられた。 今の沙羅の心は、激しく燃え盛る憎悪で埋め尽くされている。 交渉など不可能だ。 「お前達、話は聞いてただろ? 一ノ瀬ことみは極悪非道な殺人鬼さ。 今から一ノ瀬を殺すから、ソコ退けや。邪魔するって云うんなら、生命の保証は出来ないよ」 「冗談じゃないわね。ことみが殺し合いに乗っているなんて、そんなの有り得ない。 私は貴女達なんかよりも、ことみを信じるわ」 「……何を云われようとも、私は……コトミを守る。お前が敵だと云うのなら……倒すだけ」 話は終わりだと云わんばかりに、あゆが刺々しい声で通告したが、梨花もアセリアも退こうとしない。 殺気に満ちた視線と視線が、火花を散らすかのように激しく鬩ぎ合う。 「そうかい……。なら――」 あゆの手に握り締められたS W M10が、すっと持ち上げられる。 応じるようにして、アセリア達も各々の得物を構えた。 「――死ねや、糞虫共!!」 甲高い銃声を轟かせながら、あゆのS W M10が火花を吹く。 放たれた銃弾は一直線に、アセリアの胸部目掛けて飛んで行った。 アセリアは恐るべき動体視力で銃弾の軌道を見抜き、『求め』の刀身を盾にして受け止めると、そのまま前方へと疾駆した。 今アセリアは疲労困憊の状態だが、それでも素人の銃撃程度なら問題にならない。 次々に襲い掛かるあゆの銃撃を着実に防ぎながら、確実に間合いを詰めてゆく。 だが突如アセリアは背中に薄ら寒いものを感じ、咄嗟の判断で後方へと跳躍した。 次の瞬間、それまでアセリアが居た空間を、猛り狂う銃弾の群れが切り裂いてゆく。 「アセリア――私達の邪魔をするつもりなら、アンタも倒す!!」 「サラッ……」 沙羅はアセリアの着地を待たずして、立て続けにワルサー P99のトリガーを引き絞る。 熟練した銃の使い手である沙羅が、狙いを外す事は有り得ない。 放たれた銃弾は一つの例外も無く、アセリアの胴体部に向かって飛んで行った。 本来のアセリアならば、ウイング・ハイロウゥを展開して回避する場面。 しかし今のアセリアには、そのようなマナなど残されては居ない。 宙に浮いたまま、必死に身を捩って逃れるのが精一杯だった。 「くあっ…………!」 何とか銃弾の回避には成功したものの、アセリアは着地に失敗して転倒してしまう。 それは沙羅にとって絶好の好機であり、アセリアにとっては絶体絶命の危機。 沙羅はほんの一秒足らずの動作で、倒れ伏すアセリアへと照準を定める。 だが沙羅は視界の端にあるモノを認めると、直ぐに射撃動作を中断して、傍にあった瓦礫の山――電波塔の残骸――へと身を隠した。 連続して鳴り響いた銃声と共に、瓦礫の一部が弾け飛ぶ。 「――――ッ、まさか今のを躱されるなんて……」 銃撃を行った梨花は、沙羅の卓越した危機回避能力に舌打ちしながらも、ミニウージーを鞄へと仕舞い込んだ。 短機関銃であるミニウージーは強力無比な火器だが、何回も使用してしまえば直ぐに銃弾が切れてしまうからだ。 幸い瑞穂の鞄を持ってきたお陰で、ミニウージー以外にも武器は沢山ある。 梨花は鞄からベレッタM92Fを取り出すと、沙羅が隠れている瓦礫の山に向かって銃撃を開始した。 「6、7、8…………」 沙羅は一目で梨花の銃が何であるかを見抜き、相手の弾切れまで耐え凌ぐ作戦に出た。 反撃など一切行わずに、敵が消費した弾数を数えながら、瓦礫の影で息を潜め続ける。 焦る事は無い。 敵の銃弾さえ切れてしまえば、一気に攻め込む好機が生まれる筈なのだ。 「14……15――今ッ!!」 敵の弾切れと同時に、勢い良く瓦礫の山を飛び出す沙羅。 そんな彼女の目に映ったのは、コロコロと転がってくる空き缶のような物体だった。 次の瞬間、沙羅の視界が眩い閃光で覆い尽くされる。 「しま……っ、くああああああああ!!」 物体が閃光弾であると気付いた沙羅は、半ば反射的に目を閉じたものの、その程度では防ぎ切れない。 炸裂した閃光段は、沙羅の視力を一時的に奪い去っていた。 「半ば賭けだったけど――どうやら、決まってくれたみたいね」 梨花はそう呟きながら、両目を覆っていた手を外した。 こちらの弾切れと同時に敵が攻め込んでくると踏んで、梨花は予め閃光弾を投擲していたのだ。 低い身体能力しか持たぬ梨花と、高度な射撃の技能を持つ沙羅。 正面から戦えば、何百回やろうとも沙羅が勝つに決まっている。 しかし、梨花とて自身の非力さくらい自覚している。 実力で劣っているのならば、正面から戦わなければ良い。 心理戦という一点に限っては、梨花の方が一枚上手だった。 「これでチェックメイト――暫くの間、大人しくして貰おうかしら」 梨花は敵の戦闘能力を奪い去るべく、銃口を沙羅の左足へ向けた。 沙羅は未だ視力が回復していない為に、碌な回避行動を取れない。 一対一の対決なら、これで勝負は決まっていただろう。 だが今は複数人による乱戦の最中であり、常に周囲へと気を配る必要がある。 あれだけ派手な攻撃を行ってしまえば、他の者に狙われぬ筈が無いのだ。 梨花は突如左肩に鈍い痛みを感じ取り、ベレッタM92Fを取り落とした。 「あぐっ…………!?」 「――アホ面晒して、一人で勝った気になるなや」 梨花の左肩に銃弾を掠らせたのは、疑心暗鬼に囚われし金色夜叉――大空寺あゆだ。 直撃こそ免れたものの、銃弾は梨花の左肩に浅くない損傷を与えていた。 間髪置かずに、あゆはS W M10で追い討ちを行おうとする。 だが沙羅に仲間が居るのと同様、梨花にも仲間が居る。 何者かが近付いて来る気配を察知したあゆは、首を横へと向けた。 「たああああああああっ!」 「アセ、リアッ……!!」 吹き荒れる蒼の疾風。 あゆの両足に狙いを絞って、アセリアの大剣が横凪ぎに振るわれる。 しかしあゆにとっては幸いな事に、満身創痍のアセリアが放つ剣戟は、常人でも反応可能な速度にまで落ちている。 あゆは済んでの所で真上に跳躍して、迫る一撃をやり過ごした。 凌ぐ事に成功してしまえば、危険な状況も一転して自らの好機となる。 この距離ならば照準を定めるまでもなく、銃弾は必ず敵に命中する。 あゆは地面に降り立つと同時に、S W M10の引き金を絞った。 だが至近距離からの銃撃でも、アセリアを打倒するには至らない。 「こんなモノ……当たらない!」 アセリアは身体を横に傾けて、迫り来る銃弾を薄皮一枚で回避する。 あゆの放った銃弾は、空しく宙を切り裂いてゆくに留まった。 今のアセリアは疲弊し切っており、普段の一割も力を出せていない。 それでも人間離れした動体視力と、卓越した戦闘センスだけは健在だった。 「化け物がっ……!」 悪態を吐きながら、あゆが一旦距離を取るべく下がってゆく。 一方アセリアは追撃しようとせずに、別の方角に向けて走り出した。 あゆとアセリアが戦っている間、他の人間が何もしていなかった訳では無い。 アセリアの向かった方角には、沙羅とことみの姿がある。 沙羅は梨花の銃撃を掻い潜り、ことみに襲い掛かろうとしている所だった。 「当たって……ッ」 「馬鹿ねえ、そんな物が通用するとでも思ってんの!?」 ことみは車の影に隠れながら、周囲に落ちていた瓦礫の欠片を投擲するが、そのような抵抗無意味。 沙羅は難無く身を躱しながら、瞬く間に距離を縮めてゆく。 足を負傷していることみは、障害物に身を隠す以外、銃撃から逃れる術を持っていない。 捕虜になった際に荷物も奪われてしまった為、武器を用いて反撃するのも不可能だ。 このまま距離が縮まり切ってしまえば、数秒と保たずに殺されてしまうだろう。 そんな状況を覆したのは、満身創痍の身体で駆け付けたアセリアだった。 「てやああああああっ!!」 「――――ッ!?」 重厚な轟音に続いて、土煙が巻き起こる。 沙羅の進路を防ぐような位置に、アセリアが『求め』を振り下ろしていた。 アセリアは真っ直ぐに沙羅の瞳を見据えながら、極力冷静な口調で語り掛けた。 「……落ち着け。コトミは、人殺しなんか……していない。サラは……アユに、騙されているだけだ」 「――そんなの、信じない! 信じられるもんかああっ!!」 感情が昂ぶっている沙羅は、アセリアの言葉に耳を貸そうともしない。 最愛の人を殺した怨敵が眼前に居る以上、やるべき事など一つ。 立ち塞がる障害を排除すべく、少女はワルサー P99片手に蒼の妖精へと挑み掛かる。 三度、咆哮を上げる銃口。 「サラ……ッ」 アセリアは表情を歪めながらも、容赦無く降り注ぐ銃弾の連撃を正確に見切ってゆく。 一発目と二発目の銃弾はサイドステップで躱し、三度目の銃弾は上体を屈める事でやり過ごした。 そのまま足を前に進めつつも、再度説得を試みる。 「もう、止める……! 憎しみに身を任せるなんて……こんなの、サラらしくない……!!」 「五月蝿い! アンタはねえ、私と恋太郎の絆の深さを知らないから、そんな事が云えるのよ!!」 「ッ――――」 説得が不可能だと判断したアセリアは、止む無く攻撃態勢へと移行する。 話して止めれないのなら、殺しはしないまでも一時的に無力化させるしか無い。 アセリアは沙羅のワルサー P99に狙いを絞って、『求め』を斜め上方に振り上げた。 しかし今のアセリアの剣戟は、一般人のあゆですら反応出来る程に衰えてしまっている。 そんなモノ、探偵助手を勤めし少女に通用する筈が無い。 「ふん――遅いわよ!」 沙羅はワルサー P99の銃身を持ち上げて、アセリアの攻撃を空転させる。 続けて、がら空きとなったアセリアの胸部に向けて、ワルサー P99の銃口を向けた。 そんな沙羅の動作に反応して、上体を横に傾けて回避しようとするアセリア。 しかし沙羅も、並大抵の攻撃ではアセリアを打倒し得ぬ事くらい理解している。 沙羅は右手でワルサー P99を撃ち放ちつつも、左手でポケットからS W M36を取り出した。 「…………ッ!?」 「――貰ったああああああああ!!!」 二丁撃ち。 精度が落ち、腕に負担も掛かるのが難点だが、近距離戦に限って云えば正しく必殺の攻撃。 上体を傾けた状態のアセリアに対して、S W M36の銃口が向けられる。 この状況からアセリアが逃れるには、一体どうすれば良いのか。 全身全霊の力で飛び退くか――否、今の体勢からでは間に合わない。 再度攻撃して銃を破壊するか――否、これも間に合う筈が無い。 紛れも無い絶対絶命の窮地。 されどアセリアは、今に匹敵する死地を何度も潜り抜けて来た。 蒼の妖精は秒に満たぬ時間で、最善の選択肢を見つけ出す。 「ク――――!!」 「なっ…………!?」 銃声が鳴り響くのとほぼ同時に、重厚な金属音が木霊した。 銃弾を防いだのは、アセリアの左腕を覆っている頑強な鎧。 アセリアは咄嗟の判断で、左の籠手を盾としたのだ。 しかし流石に衝撃までは殺し切れず、アセリアの左手に重い鈍痛が襲い掛かる。 一方、沙羅も無茶な射撃を行った所為で、両腕に痺れるような痛みを覚えていた。 二人は無理に接近戦を続けようとせず、各々の方向へと飛び退いてゆく。 正しく刹那の攻防いうべき衝突は、どちらの側にも軍配があがる事無く、仕切り直しとなった。 「――ッハァ……、フ、ハァ―――」 懸命に呼吸を整えるアセリアは、心中穏やかでは無い。 嘗て沙羅とは共に行動した事があったものの、これ程の実力を持っている事は知らなかった。 疲弊し切った今の自分では、そして相手を殺さずに止めようという甘い考えでは、恐らく厳しい戦いを強いられるだろう。 しかし、それでもやるしかないのだ。 妙な言い掛かりをつけてくるあゆはともかく、沙羅が善人であるのは間違いない筈。 ことみを見捨てるといった選択肢は有り得ないし、怒りに支配されているだけの沙羅も殺せない。 アセリアはそう結論付けると、沙羅を殺さずに無力化するべく駆け出した。 205 さくら、さくら。空に舞い散るのは…… 投下順に読む 206 守りたいもの/さよならの囁き(Ⅱ)(後編) 205 さくら、さくら。空に舞い散るのは…… 時系列順に読む 206 守りたいもの/さよならの囁き(Ⅱ)(後編) 204 そして、「 」 宮小路瑞穂 206 守りたいもの/さよならの囁き(Ⅱ)(後編) 204 そして、「 」 アセリア 206 守りたいもの/さよならの囁き(Ⅱ)(後編) 204 そして、「 」 一ノ瀬ことみ 206 守りたいもの/さよならの囁き(Ⅱ)(後編) 204 そして、「 」 古手梨花 206 守りたいもの/さよならの囁き(Ⅱ)(後編) 204 そして、「 」 大空寺あゆ 206 守りたいもの/さよならの囁き(Ⅱ)(後編) 204 そして、「 」 白鐘沙羅 206 守りたいもの/さよならの囁き(Ⅱ)(後編)
https://w.atwiki.jp/hit_hageme/pages/29.html
【任務概要】 麻薬王の抹殺 施設の爆破 飛行機による脱出 敵の数が百に届くステージ。 広い所で正体が発覚すれば生き延びるすべはない。 もっとも警戒すべきは見張り台の兵士である。 ランボープレイに自信がある人は敵を全滅させてさえすれば簡単にクリアできる。 攻略の流れは 標的殺害→爆弾の回収→麻薬精製所爆破→プロペラ機で脱出 もっとも危険を伴うのが標的の潜んでいる中央ハウス。 このステージ攻略にもっとも重要なのは敵の警戒LVの把握である。 変装した状態でも接近すれば警告を受けるエリアは以下の通りであるが、数回に渡り警告を無視して接近しない限り撃たれる事はない。 中央ハウス(内部の一部の敵は無警戒) 監視塔に上る 麻薬精製所(内部の敵は無警戒) 【潜入】 前ステージから服装の引継ぎがあるので、元々敵兵の服装であったならそのままで開始されるため、警戒エリアに入らない限りばれる事はない。開始地点は基地入り口の裏手なので、フェンスぞいに移動して南側から基地に潜入しよう。 正面は警備の数こそいれど、なんの通行検査もないため突っ切ってしまっても敵は反応しない。 【装備調達】 開始地点目の前に防弾ベストとナイフがある。 MAPを見ればわかるが、基地の南に補給物資がありAK103が2丁と弾薬が置いてあるので主武器がAK47しかないなら回収に向かおう。又、MAP上の前ステージと前々ステージの位置にマーキングがあるが、橋を渡ろうにも警備が2名いるだけで閉鎖されており、崖沿いに移動しても流木が道を塞いでいる為に向かう事はできない。 基地内の各テント内には銃・弾薬・防弾ベストがあるが、所持しているのを見られると発砲を受けるため回収は付近に兵士がいないのを確認してから。 麻薬精製所手前のテントには防弾ベストとベレッタM92Fサイレンサーがあり、中央ハウスで役に立つので回収しよう。 基地入り口の左の監視塔にはR93の弾薬がある。監視塔に登ると兵士に警告を受けるが、スニークで近づいてばれないようにすれば回収できる。 基地内最西の真ん中の監視塔にはR93と弾薬がある。 【中央ハウス潜入と殲滅】 ハウス周りの警備兵に近づくと「息が臭い」「どけボケカス」等暴言をあびせてくる。散々言いたい放題言った挙句に突然銃撃してくる、要約すると「ここは立ち入り禁止区位置だから出て行け」と言いたいようです。 稀に警告後に離れても遠距離からしつこく「息が臭い」と言い続け、挙句の果てに発砲してくるというバグもあるので絶対に近づいてはならない。 そんな狂人の相手をしなくても普通に南西のドアから入れます。 『ここからはハウス内の警備の殲滅方法』 南西から進入すると正面に敵兵が背中を向けているのでスニークで〆ます。かなり近くにもう一人いますが異常を察知して周りを見渡すだけで発覚はしませんので落ち着いたら〆ます。ついでに進入した扉の横に部屋があって敵兵が一人いますので〆ます。 北側の小部屋には2名の警備がいて彼らに近づくと警告を受けてしまいますので部屋には入らないようにしましょう。廊下側から大扉を開けると先ほど〆た死体に一人が気がついて寄ってくるので近づいて〆るかM92Fサイレンサーでヘッドショット。もう一人は警告を受けてる間に後ろにでも回って〆てしまいましょう。 東側のキッチンには背を向けてる奴がいますが、窓際で監視塔二つから丸見えなため〆ずに離れてヘッドショット。そしてキッチンから中央ホールへの扉を開けると背を向けている奴がいますが、これも上に他の兵がいるため〆ると発覚しますので扉を開けたら一歩さがってヘッドショットすると上の奴がよってくるので戻るときに背中でも見せたら〆。最後に南東の部屋を〆て1F制圧。 2Fは警告を受ける事もないし各兵がバラバラのため労せず殲滅できますが、北西にいる兵士は感度が高くて南西の部屋制圧の時に音をだせば向かってきます。南西制圧はスニークで声を出させず〆ましょう。 2F南東の部屋で3Fにいけますが意味はありません。 【標的殺害】 狙撃 狙撃がもっとも楽。ステージ開始地点からヘッドショットでまったく発覚せず仕留められる。R93がないなら【装備調達】を参照。 野外から銃撃 標的の部屋のそばにある監視塔の上から中央ハウスを銃撃しまくってると窓から応戦してくる。当然周りの兵から袋叩きにあうのでランボープレイ専用。相手はM60なだけに分が悪い。発砲しようと構えた所でダメージを与えると攻撃してこないので楽に倒せる。しかし、発砲を許すと命中率が高いため最悪の場合1回の掃射で即死する。 中央ハウス内から部屋に突入 ホール2Fで標的の部屋をあけると会話が発生。机をまたいでM60を乱射しだすがこのモーションの間に接近してナイフで首を切ればあっさり倒せてしまうのでM60と撃ち合うよりは遥かに安全。机をまたぐモーションが終わらないうちは無敵なため空振りして殺されないようにだけ気をつければ楽勝である。 撃ち合いを楽しみたければ覗き込みで戦うしかない。近距離戦を余儀なくされるために、身をさらしたまま戦えばあっさり即死する。乱射のモーションをとったら撃つようにすれば安全に倒せるが、銃声がするため警備がよってくるので突然後ろから撃たれる事が多い。中央ハウス正面扉の2名と1F~2Fの敵は確実に銃声を聞きつけるので予め始末しよう。 【麻薬精製所爆破】 基地内の北西に位置するフェンスに囲まれた一帯である。 正面のゲートから勝手に入ってもまったく攻撃を受けないため堂々としていよう。 東側の階段は警告してくる警備が三名いるうえに監視塔二つから丸見えで扉二つ経由しないと内部に入れないため利用しないほうがいい。 西側の坂にも警告してくる兵はいるものの、爆破目標が正面に見えるのでダッシュで爆弾を設置して戻れば警告1~2回で済むのでよほど手際悪くない限り撃たれない。 初プレイの人は正面の木箱の山に爆弾設置アクション可能な場所を確認してから突っ込もう。爆弾は持っていてもまったく警戒されないので問題ない。 銃撃戦を余儀なくされた場合、東側の場合は西側から、西側の場合は東側から敵兵が音を聞きつけて2名走ってくる。 戦闘が確定しているならば付近の監視塔の敵を殲滅してから東側から潜入するのが好ましい。西側は遮蔽物がないうえにだだっ広いので銃撃戦は危険。 ちなみにバグで爆破スイッチを押すとHITMANが強制終了する事がある。 【プロペラ機で脱出】 中央ハウスの東側に格納庫がある。 警告してくる警備がいるが無視して乗り込めばクリア。 お疲れ様でした。
https://w.atwiki.jp/asigami/pages/2527.html
曲名 アーティスト フォルダ 難易度 BPM NOTES/FREEZE(SHOCK) さよならトリップ ~夏陽 EDM edition~ 東雲夏陽(from ここなつ) A 激12 135 313/19 STREAM VOLTAGE AIR FREEZE CHAOS 58 44 18 69 28 踊譜面(9) / 激譜面(12) 譜面 http //livedoor.blogimg.jp/yanmar195/imgs/5/f/5fbb7826.png クリア難易度投票 スコア難易度投票 動画 https //www.youtube.com/watch?v=H7riV722OA8 (1P x1.0 2P x2.0, NOTE, handclap) https //www.youtube.com/watch?v=KqG0sfXIF_o (x4.0, NOTE) 解説 コメント コメント(感想など) 最新の10件を表示しています。コメント過去ログ 縦連以外の要素がほとんど詰まっている良譜面。FAは微妙に中級者には遅いBPMもあって配置難。これより難しい11は多々あるが本家ドルミールの方や指のリズムを知っているとスキップに少し混乱する程度で、そちらから来た人はやや注意か。 - 2016-04-18 14 21 00 良曲良譜面、テンポも遅くノーツも少ないのでクリア的には多少グダってもどうにかなるが足運びをきちんと考えた上で踏めるようになって欲しい。スコアは若干のリズム難に加えてノーツの少なさがあり非常にシビア。鳥の許容はグレ5~6程度。 (2022-08-20 12 20 20)
https://w.atwiki.jp/gcmatome/pages/6234.html
FRAGILE ~さよなら月の廃墟~ 【ふらじーる さよならつきのはいきょ】 ジャンル 廃墟探索RPG 対応機種 Wii 発売元 バンダイナムコゲームス 開発元 ナムコ&トライクレッシェンド 発売日 2009年1月22日 定価 6,800円(税別) レーティング CERO A(全年齢対象) 周辺機器 要ヌンチャク(*1) 判定 なし ポイント 人類最後のボーイ・ミーツ・ガールゲームシステムは荒削り 概要 ストーリー システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 『7 ~モールモースの騎兵隊~』、『ヴィーナス&ブレイブス』に携わったナムコのスタッフと、『トラスティベル』を世に出したトライクレッシェンドの共同開発作品。 FRAGILEは「壊れやすい」という意味の英語。海外版のタイトルは『FRAGILE DREAM』となっている。 本作はフルボイスなのだが、EU版はコンフィグでボイスを英語と日本語の2種類から選べる。 「月の廃墟」とあるが舞台は地球の日本である。 公式サイトの美しくも儚げなBGM、珍しい純日本風の廃墟を舞台にしたゲームということも相まって、『ICO』、『大神』に次ぐ雰囲気のあるゲームとして前評判は高かった。 ストーリー いまからほんの少しだけ先の未来――人類は滅び地球は、廃墟と、青い幽霊たちの星になっていた。主を失った世界は、緩慢に、しかし確実に赤茶けて酸化していった。そしてすべてが、静かに緑の中にうずもれようとしていた。生き延びたほんの一握りの人々は、仲間を探し、朽ち果てた世界をさまよい旅を続けていた。自分の声だけが空しくこだまする世界で。それでも、かすかに感じる、誰かの気配を追いかけて。 (公式HPより) システム 懐中電灯 本作は薄暗い廃墟を探索するために懐中電灯を使用する。Wiiリモコンにより懐中電灯で照らしたい方向を示す必要がある。 主人公は懐中電灯を向けた方向が正面になるように回転するため、戦闘中も懐中電灯の向きに注意を払う必要がある。 魔法のない第三者視点のARPGである。 幽霊や思念といった敵と物理で殴りあうアクションゲーム。 経験値が貯まると主人公のHPと攻撃力が上る。 見下ろし型ではないため、主人公に隠れて敵キャラが見えないことも多々ある。 本拠地と呼べる場所がない ゲームの開始地点には次ステージ以降は戻れない。 ゲームの進行には支障がないが、ストーリーを把握するにはちゃんと資料室の本を調べておく必要がある。 基本的に「焚き火」というセーブポイントを渡り歩く。 焚き火で休んでいるとランダムでアイテム屋が移動販売に来る。 敵のドロップアイテムは拾った直後は「謎のアイテム」となり、「焚き火」中に鑑定することとなる。 カバンのアイテムと手持ちスロットのアイテムの入れ替えは「焚き火」中でしか行えない。壊れた武器を捨てることすら「焚き火」中でしか行えない。 評価点 臨場感のある廃墟探索 幾度もロケを繰り返したというだけあって、各廃墟はリアリティが突き詰められている。地下商店街やホテルは特に評価が高い。 廃墟探索中はBGMはなく、マップの地点によって靴音の響き方までこだわったという努力は本物である。 丹念な背景の描き込み ゲーム発売前に廃墟の落書きを公募するキャンペーンが有ったが、それ以外にオフィシャルの落書きも多数あり、廃墟を彩っている。凝ったデザインの小物も多数、効果的に転がっており、廃墟感を増している。 物悲しいサイドストーリー 主人公は「おじいさん」から貰った「青い宝石」の効果によりアイテムの残留思念を読み取れる。この能力を使って、アイテムに秘められたサイドストーリーを読める。 特に「クロシェット」のサイドストーリーは複数で物語が完成する為、相応の苦労を有するが最後の展開は必聴の価値あり。 本編は主人公の回想という形をとっており、要所要所で現在の主人公のセリフが挟まれるのだが、現在の主人公の最後のセリフは特にやるせない。 落書きにもメッセージが込められたものがある。 後半に手に入るアイテムで、さらに隠された落書きメッセージが読めるようになる。 (ただし、そのアイテムの説明文の通りプレイヤーにある程度の覚悟が必要である。) 神風動画によるOPアニメーション 『ブレス オブ ファイアV』、『ロックマンX8』に携わった神風動画がOPアニメを担当。ゲーム本編ではなかなかお目にかかれない屋外の廃墟や昼間の光景が見られ、後述の主題歌も相まって高評価。 BGM 主題歌 タイトルBGMであり、公式サイトでも流れている「すべての人へ」は特に評価が高く、予約特典のCDにも収録された(後に全曲入りサウンドトラックも発売)。 また『ゲド戦記』などで知られる手嶌葵氏による主題歌はOP・EDともに評価が高い。 賛否両論点 ストーリー 後述の通り、最初から考えてなかったり回収されなかった伏線がある。特に主人公についてはかなり謎が多い。(度々話される過去話、遊園地での他キャラとの会話シーン等本当に「匂わせる」程度) 一方で世界観上での事件や現象については終盤辺りで伏線が回収がされており、レンやシンについてはコミック等で補間がされている。 尚コミック版については時系列の関係上主人公以外のキャラの存在自体がネタバレの為クリア前に読むことはお勧めしない。 パートナーの存在や行く先々で思念体が現れる展開が孤独感を薄れさせているとの指摘もある。 野生動物の扱いの差 犬やカラスなどが雑魚敵として登場する一方で、レンがセトを「 猫が甘えているから悪い人じゃない 」と判断する場面がある。野生動物への攻撃が求められるコンセプトでありながら猫だけが贔屓される設定に違和感や不快感を覚える人も。 終盤に世界の真相に迫る超展開がある。オカルトチックな世界観ではあるが、わずかな登場人物だけでストーリーが展開するためプレイヤーによってはおいてけぼりを食うことも。 ホラー要素 鏡面台から不意に出現するわらわらとうごめく無数の手。奇声を発しながら辺りを駆けずり回る下半身だけの女の霊…といった具合にホラー要素を含む敵が存在する。 公式HPには敵キャラを紹介する項目はなく、純粋に廃墟を目当てにしていたプレイヤーは面食らった。 + ネタバレを含むため注意 ゲームの終盤に廃病棟を訪れることになるが、見た目が完全にホラーゲームのノリ。 壁一面「死にたくない」の文字で埋め尽くされた部屋も存在する。 + ネタバレを含むため注意 オカルトさを好む人は『バイオハザード』終盤のような肩透かしを食うかもしれない。 序盤の「青い石」の力で幽霊や思念が見えるようになったという説明などを通じて、本作がオカルトものであるかのようにミスリードしているフシはある。 一応文明自体は昭和時代を連想させる一方で「P.F.」の存在、そして科学力が異常に発達している等、勘の鋭い人は本作の世界及び事の元凶がどういったものなのかある程度気付けるようにはなっている。 説明書、雑誌等でも紹介されていた「シン」は終盤でやっと登場する。 シンは世界を崩壊に追いやったにもかかわらず、 サイの説得であっさり改心する 。つまり世界の崩壊は シンの独り相撲が原因 であり、肩透かし感が強い。 シンについてはコミック版を見る前と後とで印象が大分変わると思われる。 + コミック版のネタバレを含む コミック版にてシンが事を起こした原因の詳細が判明するが 割とえげつない 為人によっては嫌悪感を催すかもしれない。絵柄自体は終始ほんわかしているものの、 この時のシーンだけ異様な雰囲気で描かれている。 エンディング + ネタバレ レンとの別れが示唆されている。苦労した末に会えたキャラクターでありながらわずかなやり取りのみを残して別れが示唆されるので報われない印象もある。 また、主人公が「ヒロインの名前を初めて知る」というシーンがあるのだが、そのヒロインの名前は 説明書どころか公式サイトにも堂々と載っている 。(故に当ページでも構わず『レン』と表記している。)そのためプレイヤー視点では「最後の最後で今更な情報を教えられる」というなんとも微妙なシーンとなってしまい、演出が台無しに…。道中、ヒロインの名前がわからなくて困ることもないので、ここは伏せておくべきだったのではないだろうか? 手荷物の所持数制限 アイテムがブロック状になっており、9マスの手持ちスロットに組み込んで持ち歩くシステムになっている。パズル要素を取り入れたものだが、後述の武器が壊れるシステムと合わせアイテムの入れ替えが面倒との意見もある。 ゲーム中にかばんを拡張するアイテムが手に入るが、後半はアイテムも大きくなるため持ち運べる数が増えた気がしない。 ダムステージの水増しぶり ステージの中でも最大級の規模を誇るが、内部では 暗く代わり映えのしない通路を延々移動させられる羽目になる 。リアルと言えばリアルなのだが… 調圧水槽ではホーミング弾で主人公を執拗に狙ってくる敵が大量に出現し、回避しにくいうえ処理落ちを発生させる。 小物のデザインの使い回し ポスターや自販機、看板などの小物には使い回しが目立つ。 戦闘がある 発売前には既に問題視されていたシステムであり一応世界観上でちゃんとした理由はあるにはあるものの、その懸念を晴らせたとは言い難い。 アクションゲームとしてはさほど難易度は高くないものの、回避行動もなく物理で殴るだけの単純なシステムのため単調になりがち。 無駄にカッコいいモーションで棒系武器を振り回し(しかもボタンを押すタイミングでモーションが変わる徹底ぶり) チャージ攻撃可能な武器で力を溜めると 主人公が光る …などゲーム的な演出が少々ある。 武器は大抵オモチャかそこらで拾えるものだが、カテゴリ毎の最強武器は一転して「らしい」ものとなることが更に拍車を掛けている。 これらの要素を気にするかしないかで評価は変わってくるだろう。 発売前の店頭体験会で戦闘が単調だと指摘されたため、製品版ではボタン連打にならないよう改善を試みられたが、結果的に、武器を振るモーションとボタンを押すタイミングが合わなくなってしまい、かえってタイミングがとりづらくなってしまった。 戦闘に敗北すれば当然ゲームオーバーになるが、セーブポイントである『たき火』が多数設置されているなどの配慮はしてある。 問題点 ボリューム不足 普通にプレイしても10時間程度でクリアできてしまう。 やりこみ要素が少ない。 今世紀のゲームとしては珍しく クリア特典が存在しない 。当然、引き継ぎや2周目と言った要素もない。 アイテムをコンプリートしても何も起こらない 。そのため、純粋な意味での収集以外のやり込み甲斐がない。 野良猫に餌を与えるとマップにアイコンがつくという要素があるが、根気よく全て埋めてもやはり特に意味は無い。 煩雑な諸システム 戦闘システムの不自由さ 上述の通り、カメラワークとリモコン操作が一体のため、視点の切り替えが煩わしい。 リモコンのポインタを適度に画面外へ出したほうが、誤動作を防げてかえって操作しやすいという本末転倒な事態も。 ロックオンシステムがない。 ボウガンを使うときは懐中電灯を持てないため、暗い場所では使いにくい。 雑魚が厄介 マップのある地点を通過した時に規定数の雑魚敵が同時に発生するシステムなのだが、主人公を囲むように出現するため背後を突かれやすい。 雑魚の攻撃力が高いため、囲まれた場合は一方的に殴られて死ぬことも。 雑魚はセーブポイント(たき火)へ行くと再湧きする。 このため、せっかくの廃墟探索ゲームなのに、雑魚を倒した後でゆっくり廃墟を見て回るという事が出来ないことにも批判が多い。 武器が壊れる ランダムで武器が壊れる。運が悪いと雑魚1匹倒しただけで壊れることも。タイトルの「FRAGILE(壊れやすい)」とは武器のことだったのか…? 武器が壊れた場合、手持ちスロットに予備の武器を入れておかないと他の武器に持ち替えられない。しかし、手持ちスロットの制限が厳しいため、予備の武器を常備するとアイテムが拾えなくなるというジレンマがある。 壊れた武器は自分でいちいち捨てないといけない。装備中の武器は捨てられない仕様なので、いちいち装備変更しなくてはならないのも二度手間である。 フラッシュライトという武器に至っては一度も使わずに壊れることも。またこの武器は貯め時間が異様に長いのも使いづらい。 アイテム屋の登場がランダム アイテム屋は3回に1回の頻度でしか現れず、任意のタイミングでアイテムが買えない。さらに登場時のムービーはスキップ出来ないため逆に休みたいだけのときに現れる煩わしさもある。 ミニゲームの難易度が高い。 特にクロウとの追いかけっこは判定が厳しく、クリアするのにかなり骨が折れる。 前述の通り、本作のアイテムは拾った直後は「謎のアイテム」となっており、焚き火で鑑定する必要がある。 これは作中で「暗くて正体が分からないから、焚き火で照らす必要がある」と説明されているのだが、あろうことか日中の屋外や、電灯で隅々まで照らされた室内ですら「謎のアイテム」としての入手になる。当然これらも焚き火で鑑定すると正体が判明……と、豪快な矛盾を起こしている。 そもそも懐中電灯で照らしても分からず、焚き火なら分かるという時点で少々無理がある設定である。ゲームの都合としても「安全な場所じゃないと落ち着いてアイテムを観察できない」など、もう少し良い言い訳はあったのではないだろうか? 総評 本筋のストーリーは王道のボーイ・ミーツ・ガールなのだが、サイドストーリーは概ね鬱展開である。 必然性の薄い戦闘要素と不自由なシステムが足を引っ張っているのが悔やまれるものの、 惜しみない描き込みで表現される廃墟の臨場感はその欠点を補って余りある魅力があり、雰囲気ゲーを求める人にとっては十二分に楽しめる余地はあるだろう。 余談 ヒロインの服装の露出度が高く、さらに「はいてない」疑惑もある。 主人公がしゃがむとヒロインもしゃがみ込んでしまい服の中身を見させないようになっている。 ゲーム中で語られなかった幾つかの事柄について、その部分の設定は最初から考えられていないことが後の開発者へのインタビューから判明し、ファンを失望させた。 電撃マ王とのコラボレーション企画としてコミックが連載された。内容は本作の後日談であり、セトとレンの関係を補完するものとなっている。 開発者ブログやメルマガは発売されるまで頻繁に更新されていたが、発売されてからは段階的に滞るようになり、前者にいたっては約一年半後に何のアナウンスもなくリンク切れとなった。 取り扱い説明書に記載されているクロスワードの答えを公式HPに入力するとかなりはっちゃけた裏PVを観ることができる。 ラスボスの動機が発売時期の近かった某国民的RPGと被っていたため局所的に話題となった(発売日は本作のほうが先)。
https://w.atwiki.jp/hyakukami/pages/1711.html
こちらmobage最終イベント「通常エリアの神様を進化させよう!」から表記されるようになった神様のさよなら台詞集です。 mobageの神様がわからないためテンプレをそのまま表記していますので、修正お願いします。 通常エリア ヴァルキリー(初期)お前との出会いのことを、まだ覚えているぞ。すべての神の解放は、お前との出会いから始まったのだな……旅を終えた後は、ゆっくり休むといい。 (第一進化) (第二進化) (最終進化)お前との出会いのことを、まだ覚えているぞ。すべての神の解放は、お前との出会いから始まったのだな……旅を終えた後は、ゆっくり休むといい。 マーニマーニをここまで育ててくれて、ありがとうございます~。マーニがヴァルキリー様みたいに立派になれたら、あなた様のことをみんなにお話しするのです~。 アポロン(初期)僕との冒険、楽しかった?僕はもちろん楽しかったよ、ありがとう! (第一進化) (第二進化)僕との冒険、楽しかった?僕はもちろん楽しかったよ、ありがとう! (最終進化) アルテミス(初期)出会った頃に比べてずいぶん頼もしくなったね!……あ、やっぱ今の無し。君がもっと頼れる存在になってもらえるように、ね! (第一進化) (第二進化)出会った頃に比べてずいぶん頼もしくなったね!……あ、やっぱ今の無し。君がもっと頼れる存在になってもらえるように、ね! (最終進化) ジークフリート(初期)背中を預けられる存在に出会えたことを、嬉しく思う。たとえ肉体が離れようとも、魂はお前のそばにある。 (第一進化) (第二進化) (最終進化)背中を預けられる存在に出会えたことを、嬉しく思う。たとえ肉体が離れようとも、魂はお前のそばにある。 トト(初期)あなたのこと、たくさんメモしました。形に残った思い出があれば……私、寂しくありません! (第一進化) (第二進化)あなたのこと、たくさんメモしました。形に残った思い出があれば……私、寂しくありません! (最終進化) バステト(初期)離れ離れになっても、お前のヒザはオイラのものニャ!また旅に出ることになっても、そのことは忘れちゃいけないニャ! (第一進化) (第二進化) (最終進化)離れ離れになっても、お前のヒザはオイラのものニャ!また旅に出ることになっても、そのことは忘れちゃいけないニャ! アヌビス(初期)あなたのミイラを作れなくて残念だわ。……ウフフ、冗談よ。そんな顔を見られなくなるなんて、本当に残念ね。 (第一進化) (第二進化)あなたのミイラを作れなくて残念だわ。……ウフフ、冗談よ。そんな顔を見られなくなるなんて、本当に残念ね。 (最終進化) ヤマトタケル(初期)キミのおかげでボクの居る世界はさらに美しくなった!しかしキミの美の探究はこの世界にはとどまらない……ボクもそれを止めるほど無粋ではないよ。(初期) (第一進化) (第二進化) (最終進化)キミのおかげでボクの居る世界はさらに美しくなった!しかしキミの美の探究はこの世界にはとどまらない……ボクもそれを止めるほど無粋ではないよ。 コノハナサクヤヒメ(初期)私からの餞別として、アナタのために舞ってあげる。だから、そんなに悲しそうな顔をしてはダメ。 (第一進化) (第二進化)私からの餞別として、アナタのために舞ってあげる。だから、そんなに悲しそうな顔をしてはダメ。 (最終進化) スサノオノミコト(初期)毎日の精進を怠るなよ。もしまた俺たちが封印されたときには、またお前が俺たちを解放するんだからな。 (第一進化) (第二進化)毎日の精進を怠るなよ。もしまた俺たちが封印されたときには、またお前が俺たちを解放するんだからな。 (最終進化) クリシュナ(初期)お世話になったお礼に、もう一度、僕の笛の音を君に捧げるよ。……僕も、君との別れは辛い。 (第一進化) (第二進化)お世話になったお礼に、もう一度、僕の笛の音を君に捧げるよ。……僕も、君との別れは辛い。 (最終進化) インドラ(初期)なんだかすっきりしねえお別れだよなあ。よし、憂さ晴らしに一緒に魔神でも倒しに行くか!(初期) (第一進化) (第二進化)なんだかすっきりしねえお別れだよなあ。よし、憂さ晴らしに一緒に魔神でも倒しに行くか! (最終進化) ガネーシャ(初期)神様の解放、お疲れ様!やっと旅が終わって、少し休めるんだね。……また旅に出るときは、私も連れていって欲しいなあ……。 (第一進化) (第二進化) (最終進化)神様の解放、お疲れ様!やっと旅が終わって、少し休めるんだね。……また旅に出るときは、私も連れていって欲しいなあ……。 フレイ・フレイア(初期)言ったでしょ?神ってね、時にはとても残酷なのよ……って。私たちも今、そう感じているわ。だから、ごめんなさい。そして、今までありがとう。 (第一進化) (第二進化) (最終進化) トール(初期)お主たちには世話になったな。オーディンはあんな性格じゃから、ワシが神々を代表して例を言おう。ありがとう。 (第一進化)お主たちには世話になったな。オーディンはあんな性格じゃから、ワシが神々を代表して例を言おう。ありがとう。 (第二進化) (最終進化) オーディン(初期)お別れパーティはやらんのか?お主が悲しまないように、とっておきのダンスを練習したんじゃがのう……仕方ない、次の再会までとっておくかのう! (第一進化)お別れパーティはやらんのか?お主が悲しまないように、とっておきのダンスを練習したんじゃがのう……仕方ない、次の再会までとっておくかのう! (第二進化) (最終進化) クーフーリン(初期)たくさんの魔神を討伐したお前の凄さは、俺が認める。もしもまた、何かつらいことがあったときは、俺との冒険の日々を思い出して乗り越えろよ。 (第一進化) (第二進化) (最終進化) モリガン(初期)お別れするのは……寂しい。でも、あなたを困らせたくないから……あなたのぬいぐるみを作ろうと思うの。 (第一進化) (第二進化) (最終進化) スカサハ(初期)アタシが胸を貸してやるよ。だから、その……そんなに寂しそうな顔するなよ。こういう雰囲気、苦手なんだよなあ……。 (第一進化) (第二進化) (最終進化) 太公望(初期)君のおかげでみんなは解放されたし、魔神の数も減ったみたいだね。僕もこれで安心して昼寝ができるよ……ふぁ~あ。 (第一進化) (第二進化) (最終進化) ナタク(初期)お前は不思議な武人だった。その……できることなら、これからもお前のそばに……いや、すまん、忘れてくれ。 (第一進化) (第二進化) (最終進化) フッキ(初期)日々の努力がお前を育ててくれたことを、忘れるなよ。ここでの冒険だけがお前のすべてではないのだからな。 (第一進化) (第二進化) (最終進化) ギルガメッシュ(初期)湿っぽい話は帝王には似合わん。達者でな。それから……こんな俺だが、付き合ってもらえたことを感謝しているぞ。 (第一進化) (第二進化) (最終進化) イシュタル(初期)あんたからの貢物がもうもらえなくなるのは、寂しいねえ。あんたにステーキやワインをいっぱいお返ししたかったんだけど、それも無理みたいで残念さ。 (第一進化) (第二進化) (最終進化) ヤム(初期)神々解放の旅、お疲れ様でした。最後に少しバビロニアを歩いてみませんか?海も空もとても澄んでいて、きっと思い出に残りますよ。 (第一進化) (第二進化) (最終進化) ラケシス(初期)あ、あんたとお別れになったって別にラケはさびしくないけど、あんたはさびしいんでしょ?じゃあ一緒にいてあげる!感謝しなさいよね! (第一進化) (第二進化) (最終進化) クロートー(初期/第一)もう少ししたら、ここを離れちゃうって聞いたよ、寂しいなあ。でも、アナタの運命の糸は私がずっと見守ってるから、安心してね! (第二進化) (最終進化) アトロポス(初期)君とももうじきお別れか……最後に、ボクたちに何かできることはないかな?ボクたちを解放してくれて、感謝してるよ。 (第一進化) (第二進化) (最終進化) ケツァルコアトルせっかくボクたちと仲良くなれてきたのに、もうお別れなんて……ヘビくんも悲しんでるよっ!またどこかで会えたらいいね! ウェウェコヨトルアンタとももうじきお別れかあ。……なあ、最後に一曲だけ、踊ってくれねえかな。 テスカトリポカおまえ、旅に出るのカ?次に会える日が楽しみだナ! ハヌマーンアンタ、まるで流れ星みたいな人ッスね。でも、アンタが向かう先にはいつもしあわせがある気がするッス。達者で暮らすッスよ。 シーターアタシたちを解放するだけでも結構大変だったと思うのに、もう行っちゃうの?砂ばっかりだけど、最後に少しは観光していきなよ。 ラーマオトナの世界ってさ……表面的なことだけじゃわかんなかったりするよな。あんたがここを去るのだって、そういう理由なんだろ?なら、仕方ないよな。 モンチュアンタともう会えないかと思うと……なにかしら、この気持ち!アタシをこんな気持ちにさせるなんて、まったく罪な子猫ちゃんね! ハピさすがの僕も、君との思い出までは洗い流したくないな。ナイルの民を代表して、もう一度言うよ……今までありがとう。 ハトホル思い通りにいかないことってあるよね……そのつらさ、アタシにもわかるよ。アタシの胸で泣く? ネーレウスワシのように旅に出たくても出られない者もおる。新たな出会いのための旅立ちととらえれば、別れもまた良し……ほっほ、ちょっと説教臭くなってしまったかの? アムピトリーテーう~ん、もう少しあなたにはここに居て欲しいし、海を荒らしちゃおうかしら……うふふ、冗談よ。でも、そんなに急いでいかないでね? トリトン最後にオレのこと解放してくれて、ありがとよ。オマエは終わりを知りながらも、最後の力で神を解放したんだ。神話の英雄みたいじゃないか? キムンカムイキミがここを去る日まで、冬眠は我慢するよー。さて、今日は何をするのかな?がんばるよー。 アペフチカムイさあさあ、今日はババの家におあがり。旅立つオマエさんのために、精のつく鍋をこしらえたんだからね。 コタンコロカムイよく戦い抜いたな。そなたほどの英雄は、我々の世界でもそうはいないだろう。ここでの戦いが、今後のそなたのためになることを、祈る。 イベントエリア アマテラスお主からのいちご大福、おいしかったぞ。お主が去るのは寂しいが、避けられぬ別れならば、最後は笑顔がいいのう……お主のこと、絶対に忘れぬぞ。 イザナギ・イザナミ素直に悲しみを表現できるアマテラスが少しうらやましいわね。みんな、アナタが居なくなって悲しくないわけがないのに。 アテナ(初期) (第一進化) (第二進化)お別れが近いと聞いたのだけれど、本当なの?私に黙って行ってしまったりはしないでね……。 ペルセウスアテナも僕も、君がいなくなるということを聞いてとても悲しいよ。もし君が封印されたときには、必ず僕たちが助けに行く。だから、忘れないで欲しいな。 オイフェ(初期) (第一進化)本当に、とんだハロウィンだったわね……嫌な思い出かもしれないけど、アナタの記憶に残れるなら、幸せよ、私。 (第二進化) (最終進化)本当に、とんだハロウィンだったわね……嫌な思い出かもしれないけど、アナタの記憶に残れるなら、幸せよ、私。 マナナン・マクリル一応神扱いはされてるけど、納得いかないことって結構多いんだよなあ。お前が行っちゃうことも、そのうちの一つなんだぜ? 北斗星君・南斗星君(初期)世話になったのう……これからも、年寄りはいたわってやっとくれよ。 (第一進化)南斗は結局このままだけれど…解放してくれたこと、感謝してるわ。ありがとう、元気でね。 (第二進化)君との付き合い、長かった気もするし、あっという間だった気もするなあ。君は若返ったりできないんだから、これからの時間も大切にね。 (第三進化) (第四進化) (最終進化) ツクヨミ(初期) (第一進化)僕と過ごした時間は本当にわずかだけれど、忘れないで欲しいな。君と出会うにあたって、僕も僕なりの準備があったんだよ? (第二進化) (最終進化) ウケモチノカミせっかく解放してもらえたのに、あまりたいしたおもてなしもできなくてごめんなさいね。そこまで準備が回らなくて……本当に、ごめんなさい。 ムンム(初期)お、お疲れ様でした……こ、こんな私ですが、解放してくれてありがとうございます。気の利いたことが言えなくて、すいません……。 (第一進化) (第二進化)私を解放してくれただけでなく、ここまで自信をつけさせてくれて、ありがとうございます。アナタも新しい一歩、がんばってください。 (最終進化) 弁財天(初期)アンタが招待してくれた人は、今何をしているのかしら?最後くらい、みんなでお酒でも飲みたいわねえ……。 (第一進化)アンタが招待してくれた人は、今何をしているのかしら?最後くらい、みんなでお酒でも飲みたいわねえ……。 (第二進化) (最終進化) イリス(初期) (第一進化) (第二進化) (最終進化) アグニ(初期)もうじき、お前との冒険も終わりなんだよナ。……いまさら言うのもなんだけど、お前には感謝してるヨ。 (第一進化) (第二進化)もうじき、お前との冒険も終わりなんだよな。……いまさら言うのもなんだけど、お前には感謝してるぜ。 (最終進化) イツパパロトル(初期/第一)そなたがこれから向かうのは、我々の知らぬ世界だと聞いた。それでは、送ってやることもできんな……残念だ。 (第二進化) (最終進化) マアト(初期)……。(悲しげに目を伏せている) (第一進化) (第二進化)あ、あの……今までお世話になりました!これからは何と戦うのでしょう?ここから応援しています! (最終進化) ロキ(神)(初期)ハハハハ!終わりの始まりだなっ!悲しんでるのはお前だけじゃないみたいだし、安心して悲しめよ!俺が見ててやるからさあ! (第一進化) (第二/最終)ハハハハ!終わりの始まりだなっ!悲しんでるのはお前だけじゃないみたいだし、安心して悲しめよ!俺が見ててやるからさあ! ガチャ フォルトゥナ今までありがとう!キミの運命はアタシがしっかり見守ってるけど……これからも、手抜きはダメだからね! イシス(初期)新しい旅に出るとうかがいましたわ。離れていても、わたくしたちはあなたをずっと見守っていますよ。 (第一進化) (最終進化) ネフティス(初期)急に旅に出るなんて、あなたは本当にミステリアスなのね。じゃあそれまでの間、少しでもあなたと一緒に……ね? (第一進化) (最終進化) シヴァ破壊神である我を解放しておきながら、別れを恐れているのか?むしろ、楽しんで見せよ。 パールヴァティーあなたと離れるのはみんな悲しいわよ。でも、悲しみの表現方法は人それぞれだから……私はイタズラで表現しようかしら? 西王母素直に事実を受け止めてしまう自分が、ときどき悲しくなるわね。でも、それは感情が無いということではないのよ?……何はともあれ、お疲れ様。 東王父饅頭、食うか?……なんだよ、俺くらい、いつもどおりでもいいだろ。 アレス戦が無いのはいいことだが、日々の努力なくして恒久的な平和は望めない。そのことを忘れるなよ。 フローラもうちょっと待てたら、私が一番大好きな春のギリシャ平原を案内できるのに……残念だなあ。春の花を見たら、私を思い出してね♪ アプスあなたも水と同じで、「澱む」ことをよしとしないんですね。凛と清らかに、流れてください。お疲れ様でした。 ティアマトやり残したことはもうない?イロイロ考えてることもあると思うけど、今できることは、今、やっちゃいましょ。 ソールお疲れ様でした!あなたとの冒険を、いつか絵本にしたいです!題名?……「ソールの冒険」はどうです? アメノウズメキミの新たな門出を祝って、お祝いの踊りを踊ってあげるよ!あ、それとも、今までの感謝を込めた踊りのほうがいい?もちろん両方でもいいよ! サルタヒコ……去るのか。……お前は強くなったな。 毘沙門天(初期) (第一進化) (最終進化) ソールお疲れ様でした!あなたとの冒険を、いつか絵本にしたいです!題名?……「ソールの冒険」はどうです? ゼピュロスアンタが行くのは、どっちの方角なんだ?……東とか西だったら、俺にもなんかしてやれることありそうだからさ。 ボレアスここを去った後はどこに行くのかしら?南にいくなら追い風を吹かせてあげるし、北に行くなら風を止めてあげるわよ。 ナルキッソスなるほど、キミはさらなる美の追求のために旅に出るんだね?大丈夫、キミの放つ光は、何万光年離れていようとボクにはわかるさ! バギーラタ(初期)ここを去って再び旅に出るのだろう?ならば本を持っていくといい 。本は場所や時間を問わず楽しめるからな。 (第一進化) (最終進化) ガンガー(初期)君が去るのは悲しい……と言ったら、君はどう思う?……ハハ、冗談だよ、ちょっと君を困らせたくてね。 (第一進化) (最終進化) コノハナチルヒメ桜には散ってしまうからこその美しさがあるというけれど、出会いと別れもそれと同じようなものなのかしら。ありがとう、さようなら。 ウィツィロポチトリ また、どこかで会えるでしょうか?そのときには私の成長した姿を見せられるよう、がんばります。あなたも、お元気で。 コヨルシャウキお別れ、寂しいです。でも私、泣きません。あなたの旅立ち、笑顔で見送りたいです。 カーラネミ(初期/最終)そうか……旅に出てしまうのか……そうか……最後に壺ちゃんの中に入りたいのか。さあ、入るがいい。入れ。 (第一進化) ゲレグ(初期) (第一/最終)なあ、一緒に飯でも食わないか?最後にいろいろ話が聞いてみたくなったんだ、お前の国のことを。 セクメト(初期)オマエ、今度はどこに行くんだ?アタシもレウもいけないようなところに行くと聞いたぞ。少し寂しくなるな! (第一進化) (最終進化) ヘイムダル(初期) (第一進化) (最終進化)ふーん、もういっちゃうのか。残念だな、せっかく打ち解けてきたと思ったのに。なんにしろ、お疲れ様。 シギュン(初期) (第一進化)アタシも外に連れてけー!ここ、雪ばっかりでつまんないんだよねえ。……ダメ? (最終進化) 情報提供 たまにまとめて更新します。 アトロポス(初期)「君とももうじきお別れか……最後に、ボクたちに何かできることはないかな?ボクたちを解放してくれて、感謝してるよ。 」 -- (名無しさん) 2012-12-24 13 14 45 北斗星君・南斗星君 (第三段階)君との付き合い、長かった気もするし、あっという間だった気もするなあ。君は若返ったりできないんだから、これからの時間も大切にね。 -- (名無しさん) 2012-12-24 13 40 15 ゼピュロス(初期)「アンタが行くのは、どっちの方角なんだ?……東とか西だったら、俺にもなんかしてやれることありそうだからさ。」 -- (名無しさん) 2012-12-24 13 43 12 フッキ 「日々の努力がお前を育ててくれたことを、忘れるなよ。ここでの冒険だけがお前のすべてではないのだからな。」 -- (名無しさん) 2012-12-25 15 49 28 フォルトゥナ「今までありがとう!キミの運命はアタシがしっかり見守ってるけど……これからも、手抜きはダメだからね! 」 -- (名無しさん) 2012-12-25 15 50 36 ティアマト 「やり残したことはもうない?イロイロ考えてることもあると思うけど、今できることは、今、やっちゃいましょ。 」 -- (名無しさん) 2012-12-25 16 15 11 シーター 「アタシたちを解放するだけでも結構大変だったと思うのに、もう行っちゃうの?砂ばっかりだけど、最後に少しは観光していきなよ。」 -- (名無しさん) 2012-12-25 22 52 27 トリトン 「最後にオレのこと解放してくれて、ありがとよ。オマエは終わりを知りながらも、最後の力で神を解放したんだ。神話の英雄みたいじゃないか? 」 -- (名無しさん) 2012-12-25 22 55 50 コヨルシャウキ「 また、どこかで会えるでしょうか?そのときには私の成長した姿を見せられるよう、がんばります。あなたも、お元気で。 」 -- (名無しさん) 2012-12-26 02 32 46 ↑ウィツロポチトリの間違いです -- (名無しさん) 2012-12-26 02 36 02 コヨルシャウキ「お別れ、寂しいです。でも私、泣きません。あなたの旅立ち、笑顔で見送りたいです。」 -- (名無しさん) 2012-12-26 02 37 35 ゼピュロス「ここを去った後はどこに行くのかしら?南にいくなら追い風を吹かせてあげるし、北に行くなら風を止めてあげるわよ。」 -- (名無しさん) 2012-12-26 02 47 32 ソール 「お疲れ様でした!あなたとの冒険を、いつか絵本にしたいです!題名?……「ソールの冒険」はどうです? 」 -- (名無しさん) 2012-12-27 15 33 00 ハピ 「さすがの僕も、君との思い出までは洗い流したくないな。ナイルの民を代表して、もう一度言うよ……今までありがとう。」 -- (名無しさん) 2012-12-28 02 36 14 セクメト「オマエ、今度はどこに行くんだ?アタシもレウもいけないようなところに行くと聞いたぞ。少し寂しくなるな! 」 -- (名無しさん) 2012-12-29 17 08 11 ハヌマーン「アンタ、まるで流れ星みたいな人ッスね。でも、アンタが向かう先にはいつもしあわせがある気がするッス。達者で暮らすッスよ。」 -- (名無しさん) 2012-12-29 17 25 05 ラーマ「オトナの世界ってさ……表面的なことだけじゃわかんなかったりするよな。あんたがここを去るのだって、そういう理由なんだろ?なら、仕方ないよな。」 -- (名無しさん) 2012-12-30 13 40 30 コノハナチルヒメ「桜には散ってしまうからこその美しさがあるというけれど、出会いと別れもそれと同じようなものなのかしら。ありがとう、さようなら。」 -- (名無しさん) 2013-01-01 17 06 58 セクメト「オマエ、今度はどこに行くんだ?アタシもレウもいけないようなところに行くと聞いたぞ。少し寂しくなるな!」 -- (名無しさん) 2013-01-14 01 47 54 ガンガー「君が去るのは悲しい……と言ったら、君はどう思う?……ハハ、冗談だよ、ちょっと君を困らせたくてね。」 -- (名無しさん) 2013-01-14 16 35 12 名前 コメント すべてのコメントを見る ▲
https://w.atwiki.jp/cwcwiki/pages/764.html
スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園 スーパーダンガンロンパ2 さよなら絶望学園ID+ゲーム名モノクマメダル999枚 全プレゼント99個所持 獲得スキル全開 経験値n倍 歩数n倍 X押し移動で歩数1歩が100歩 会話時にプレゼントあげても個数減らない ウサミのご褒美で希望のカケラ減らない ペットにプレゼントあげても個数減らない 学級裁判時間停止 起動以外の精神集中減らない+即回復 EXTRA関連 EXTRA関係メダル減らない(自販機以外) 自販機で物購入してもメダル減らない ペット残り歩数0 ペット希望度 ペット絶望度 希望のカケラMAX ミラクルモノミ装備全部 ミラクルモノミHP減らない ミラクルモノミ時間減らない ミラクルモノミ疲れない ミラクルモノミ %変動で100% ミラクルモノミ ウサミ変身後%減らない だんがんアイランド用コード らーぶらーぶ度MAX L+Rで清潔度MAX おでかけチケット 消耗品 加工品 素材 ID+ゲーム名 _S NPJH-50631 _G SUPER DANGANRONPA 2 -Sayonara Zetsubougakuen- モノクマメダル999枚 _C0 MEDAL 999 _L 0x104EF0B2 0x000003E7 全プレゼント99個所持 _C0 PRESENT ALL 99 _L 0x804ED22C 0x008C0001 _L 0x00000063 0x00000000 獲得スキル全開 _C0 SKILL ALL _L 0x204ED2E0 0xFFFFFFFF _L 0x004ED2E4 0x0000001F 経験値n倍 _C0 Exp n Bai _L 0x20106074 0x0E200400 _L 0x20001000 0x8CE68188 _L 0x20001004 0x03E00008 _L 0x20001008 0x00052xx0 xx=84(2倍)、88(4倍)、8C(8倍)、90(16倍)、94(32倍)、98(64倍)、9C(128倍)、A0(256倍) 歩数n倍 _C0 Hosuu n Bai _L 0x20106210 0x246300xx _L 0x20173f3c 0x24c600xx xx=01(標準)、0A(10倍)、14(20倍) X押し移動で歩数1歩が100歩 _L 0x20106210 0x24630001 _L 0x20173F3C 0x24C60001 _L 0xD0000001 0x10004000 _L 0x20106210 0x24630064 _L 0x20173F3C 0x24C60064 会話時にプレゼントあげても個数減らない _L 0x200CF578 0x24420000 ウサミのご褒美で希望のカケラ減らない _L 0x2017C394 0x00000000 ペットにプレゼントあげても個数減らない _L 0x20172488 0x24420000 _L 0x20172DC0 0x24420000 学級裁判時間停止 _L 0x200E137C 0x00000000 _L 0x2011D3A8 0x00000000 _L 0x20133E5C 0x00000000 _L 0x2013C1CC 0x00000000 _L 0x20146850 0x00000000 _L 0x20152694 0x00000000 _L 0x20154808 0x00000000 _L 0x2015F0EC 0x00000000 _L 0x2017EAB8 0x00000000 起動以外の精神集中減らない+即回復 _L 0x2011D930 0x00000000 _L 0x2011DC08 0x00000000 _L 0x20134460 0x00000000 _L 0x201344DC 0x00000000 _L 0x20155098 0x00000000 _L 0x20155238 0x00000000 _L 0x2015F264 0x00000000 EXTRA関連 _C0 Event Gallery ALL _L 0x804EEE14 0x00E90001 _L 0x00000003 0x00000000 _C0 Movie Gallery ALL _L 0x804EEF72 0x002E0001 _L 0x00000003 0x00000000 _L 0x004EEF96 0x00000003 _C0 Art Work Gallery ALL _L 0x804EEFA4 0x003E0001 _L 0x00000003 0x00000000 _C0 Sound Gallery ALL _L 0x804EF012 0x003E0001 _L 0x00000003 0x00000000 _C0 Usami Flower ALL _L 0x804EF080 0x00320001 _L 0x00000003 0x00000000 クリア後使用推奨! 犯人がバレバレな上に重要なトリックのタネまで載ってある EXTRA関係メダル減らない(自販機以外) _L 0x200EB724 0x00000000 _L 0x20187394 0x00000000 _L 0x20188730 0x00000000 _L 0x20189C44 0x00000000 _L 0x2018BE2C 0x00000000 自販機で物購入してもメダル減らない _L 0x201A36EC 0x00000000 ペット残り歩数0 _L 0x104EE568 0x000007D0 ペット希望度 _L 0x004EE572 0x0000000A ペット絶望度 _L 0x004EE573 0x00000000 希望のカケラMAX _C0 Kakera Max _L 0x804ED2F3 0x000F0001 _L 0x00000006 0x00000000 ミラクルモノミ装備全部 _C0 Miracle Monomi Equip ALL _L 0x804EF105 0x003C0001 _L 0x00000001 0x00000000 _L 0x004EF104 0x00000005 ミラクルモノミHP減らない _C0 Miracle Monomi HP _L 0x201A7DB0 0x00000000 ミラクルモノミ時間減らない _C0 Miracle Monomi Time _L 0x201ADD3C 0x24420000 ミラクルモノミ疲れない _C0 Miracle Monomi Tsukare _L 0x201A9124 0x24630000 ミラクルモノミ %変動で100% _C0 Miracle Monomi 100% _L 0x201AEE50 0x00000000 ミラクルモノミ ウサミ変身後%減らない _C0 Miracle Monomi Usami _L 0x201A9114 0x00000000 _L 0x201ADD68 0x00000000 だんがんアイランド用コード らーぶらーぶ度MAX _C0 Love Max _L 0x804EE7BD 0x000F0001 _L 0x00000064 0x00000000 L+Rで清潔度MAX _C0 LR Seiketudo Max _L 0xD0000000 0x10000300 _L 0x004EE813 0x00000064 おでかけチケット _L 0x004EE810 0x00000063 消耗品 _L 0x804EE780 0x000C0001 _L 0x00000063 0x00000000 加工品 _L 0x804EE78F 0x000D0001 _L 0x00000063 0x00000000 素材 _L 0x804EE71C 0x00390001 _L 0x00000063 0x00000000
https://w.atwiki.jp/rpgrowa/pages/373.html
さよならファイアーエムブレム ◆iDqvc5TpTI 「カエル、イスラ、無事か!?」 がらりと、石細工の土台の破片を押しのけ、ストレイボウが立ち上がる。 とっさに自分も含めた三人にプロテクトを張り直し衝撃を凌いだ彼は、土煙の舞う世界で必死に目を凝らす。 彼らの命を奪おうとしていた理想という名の黄昏の姿は、大空のどこにもなかった。 ラグナロック・デュランダルを両断したジャスティーンも既に消えていた。 今のストレイボウ達にはあの強大な力を具現化できるのは、精々三分といったとこなのだろう。 あれ程の力を振るえたことに、慢心し、力に溺れぬよう、まだまだ強い心を持たねばと自らを戒める。 だが今はカエルとイスラだ。 自分が無事である以上、二人も無事なはずだが、カエルは身体的に、イスラは精神的にかなりの傷を負っていた。 よもや烈火の剣に魂を変質させられたり、さっきの爆発で死の淵を彷徨っていたりはしないか。 気が気ではなかったストレイボウは、自分以外が立てた物音に、探し人によるものかと、警戒を忘れ無防備に振り向いてしまった。 胸部へと衝撃が感じた次の瞬間、身体が宙を舞うのを知覚する。 自分達同様爆発を耐えたゴーストロードに殴られたのだと把握した時には、ストレイボウは誰かに受け止められていた。 すっかりと乾燥してしまってはいるが、人ならざるぶよりとした感触を間違えるはずはない。 「カエル!?」 「お前のほうこそ無事か、ストレイボウ。全く、ヒヤヒヤさせる。斧で攻撃されていたら死んでいたぞ」 「す、すまない。心配させた」 言われた通りだった。 もしもアルマーズやラグナロクで斬りつけられていたらと思うとぞっとする。 しかし、カエルにケアルをかけてもらいながら見やった亡将の姿に、ストレイボウは自分が何故殺されなかったのかを理解した。 「ジャ、ファル……。ニ、ノ……」 亡将の左手には何もなかった。 手にしていたはずの剣も、はめていたはずの指輪も、炭化して砕け散っていた。 暴走召喚による反動と、ラグナロックが打ち破られたことによる反動が、二重に襲いかかった結果だった。 召喚の依代にしていた神剣と魔力の供給源だった指輪は、内外から襲い来る過負荷に耐え切れず自壊してしまったのだ。 自らの判断ミスで、再び護るべきものを喪ってしまった亡霊は、零してしまったものを掴もうとするかのように、闇雲に手を伸ばしていたのだ。 ストレイボウが吹き飛んだのは、攻撃とも言えぬその一撃にたまたま触れてしまったからに過ぎなかった。 その腕さえも、本来のものではない肉体に酷使され、剣と指輪の過剰な魔力に晒され、もう限界だったのだろう。 ヘクトル達が見つめる中、伸ばしたままの姿で、炭化し、砕け散った。 「ウ、ァ、ァ、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!! 我ハ、我ハ、我ハ我ハワレハワレハワレハッ!!!」 何も掴めぬ手、空っぽの理想郷に絶叫しつつも、護国の鬼は立ち止まれなかった。 それでも、それでもと、もはやありもせぬ理想郷を護ろうと、傷だらけの身体を引きずり、狂笑を浮かべ、罅割れた斧を掲げ直す。 でもどうしてだろうか。 二人には、亡将が泣いているようにしか思えなかった。 その涙を受け止めてやるのは彼らではない。 ニノを送り、ジャファルを送った以上、ストレイボウとカエルの役目は終わった。 「哀れだな……。俺もああ見えていたとは、つくづく笑えない話だ。……だから終わらせてやれっ、適格者!」 「――言われるまでもないよ。言っただろ、あの人の理想郷は僕が終わらせるって」 ああ、だから、此処から先は、イスラとヘクトルの戦いだ。 ストレイボウ達との間に割り込み、イスラはゴーストロードと対峙する。 カスタムコマンド“ブランチザップ”の力を一部とはいえ引き出せるようになった今、イスラは銃剣双方において倍の力を引き出せるようになっていた。 一方的に押さえ込まれることはなくなっただろう。 ラグナロクを砕いたことで、亡将の強化の度合いも低下している。 そのはずなのに。 「――ぐふっ、がっ、くあああああっ!」 押し負ける。 ただの一合で打ち合った魔界の剣が跳ね飛ばされる。 剣を通じるあまりもの衝撃に、握ったままでいることができなかった。 もし剣を手にしたままなら間違いなく、右腕ごと引きちぎられていたであろう、そう思わせるほどに亡将の一撃は重かった。 剣を拾うことを諦め、イスラは大きく飛び退きながら、ドーリーショットの引き金を引く。 「我ガ名ハ、アルマーズ……我ガ名ハ、ヘクトル……我コソハ、オスティアッ!!」 イスラにかかる重圧は弱まるどころかより強くなっていた。 託された数多の遺志を守れなかったからこそ、“それ”だけは護ってみせると。 我こそが国であり、我こそが理想郷。 どれだけ沢山のものを犠牲にしようとも、我が身ある限り、終わりはしない、終われない。 「奪ワセナイ……。奪ワセナイゾ、セッツ、ァー……。 コレカラダ、コレカラナンダ……。 アイツハ、ストレイボウハ、罪ヲ悔イテ償オウトシテイル」 銃弾も意味を成さない。 ゴーストロードの足は止められず、徐々に、徐々に、距離を詰められる。 どれだけ一人でフォースを込めて撃ち込もうとも、ヘクトルは王だ。 人の意思など疾うの昔より全部背負って生きて来た。 全部、全部、抱えて、此処に、此処にいる。 死んだ者も、“今を生きている者も”、一緒に、彼の胸の中にいる。 「アイツハ、イスラハ、オスティアデナラ笑エルノカナト言ッテクレタ」 託されたものは奪われた。 ならばせめて、せめて、せめて―― 「アイツラノ、アイツラノ“未来”ダケハ、誰ニモ絶対奪ワセナイッ!!!」 ああ、そっか。そうなんだ。 亡将が呼んでくれた自分の名前に息を呑み、今更のようにイスラは気付いた。 憤怒のまま、ヘクトルは変わっていたなかった。 彼はまだ、セッツァーとの戦いの中にいるのだ。 狂気に呑まれ、死を迎え屍と成り果て、誰と戦っているのかさえ分からないままに、尚、理想郷の民達を護ろうとしているのだ。 今ヘクトルがいるラインが最終防衛ラインであり、それ以上は南へ行かせまいと立ちはだかっているのだ。 楽園は伐剣王がなしてくれる。ならばこの身は一振りの剣として、国を――王と国民を護るのだ。 「なんだよ、なんだよ、それは。あはは、あはははは、くそ、くそ、く、う、うぅ」 駄目だ、駄目だ、駄目だ、駄目だ。 感情がまとまらない、ごちゃ混ぜだ。 フォースが、定まらない。 この激情を込めるにはロックオンプラスじゃ足りない。 ちんけな弾丸程度、フォースを込めた瞬間に爆発してしまいそうになる。 相応しい技があるとするなら、あの道化師を射抜いた超電磁砲しかありあえない。 だって、だってさ。 今の僕は、ヘクトルが僕のことを思ってくれていることが笑いたいくらい嬉しくて、泣きたいくらいに悲しくて。 それでいて、その二つの感情を置いてけぼりにしちゃうくらいに、破裂してしまいそうなほどに。 この上なく、腹立たしいのだ。 オルドレイクに殺された時に、数百倍、数千倍、比べるのも馬鹿らしいくらいに怒っているんだ。 理想郷? 皆が共にあれる場所? うるさいよ! なんだそれ、何だそれ、何だそれは! 「いつまでも、そんなものにしがみついているんだよ、ヘクトル!」 憧れていたさ。今でも憧れている。 最後まであなたが見た夢を一緒に見させて欲しかった、その願いはこの先ずっと変わらないと断言できる。 でも、違う、そうじゃないだろ!? それは、それは、それは―― 「貴方の望みじゃない。僕達の望みだ! 貴方に願いを託した僕達にとっての理想郷だ!」 それはあくまでも、どこまで行っても、イスラ達の理想郷にしか過ぎない。 泣きそうになるのを堪え、かつて憧れていた場所を、自らの手で払いのける。 「貴方の理想郷は、あなたが本当に笑える場所は、そこじゃないだろ!?」 イスラ達がどれだけ願った地であろうとも、ヘクトルが願った地には足り得ない。 そのことを、イスラは誰よりも、ヘクトルの親友であるエリウッド以上に、この地にて思い知らされていた。 激情を装填されたドーリーショットが超過駆動する。 ブーストショット。 限界を超えた必中必殺のはずの一撃は、だが、ドーリーショットの銃口の真ん前まで踏み込んでいたゴーストロードに切り払われる。 無理の代償にアルマーズの刀身の半分が消し飛んでいく。 それでも、残る半分で、フォースを込め尽くしたイスラを両断するのは容易い。 「貴方が本当に居たい場所は、ここなんかじゃないはずだ! 分かれよ、分かってくれよ!」 そんなことは、どうでもいい。 僕を両断しようとしているアルマーズなんてお呼びじゃない。 僕が話があるのは、僕が、言葉をかわしたいのは、あなたなんだよ、ヘクトル。 そしてあなたが、言葉をかわしていたかったのは、“彼女”なんだ。 「貴方が呼びたいのは、貴方が泣き続けながらも口にしたいのは、そんな奴らの名前じゃない。 僕なんかの名前じゃない。後にも先にもたった一人、たった一人の名前なんだ!」 それを忘れてしまったというのなら。 それから目を逸らし続けるというのなら。 いいさ、僕が教えてやる。思い出させてやる。 あなたの居場所を、あなたが本当に共にありたかった人のことを。 「フロリィィィイイイイイナアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァーーーーーーーーーーーーーーーっっっっっ!!!」 イスラは、少女のことを知らない。 でも、ヘクトルが、どれだけ少女を愛していたのかは、心が張り裂けそうなほどに知っている。 忘れはしない、忘れられるものか。 凍りついていたイスラの魂を震わせたあの咆哮を。 喪失へのありのままの感情をぶつけてきたこの声を。 それを、今のイスラの始まりとして刻まれた叫びを、そのままに再生した。 ストレイボウ達が見守る中、天雷の斧がイスラの眼前で停止する。 「そうだよ、あいつだとか、あいつらだとかじゃないッ! 貴方が愛し、貴方を愛してくれた人はたった一人だろ! いるんだろ、そこに! みんなが共にいるっていうなら、彼女も、フロリーナも、貴方の中にいるんだろ!」 剣も指輪も、少女はヘクトルに残すことなく散った。 彼女の遺品は何一つヘクトルの手に渡ることはなかった。 だからあるのは想い出だけだ。 ヘクトルの、心を、身体を、魂を、端から端まで満たしている想い出だけだ。 形なき故に、もう喪うこともないはずの想い出だけだ。 「僕は奪う、そいつを奪う! いいのかよ、このままだと貴方と共にある彼女も、僕が終わらせる! 僕達をみんな殺したとしても、ジョウイの礎にされるだけだ! 大好きな人の最後を他人に奪われて、貴方は平気でいられるのかよ!?」 それを、奪うとイスラは言う。 イスラは少女が泣き虫だったことを知らない。 カエルは少女が天馬の騎士だったことを知らない。 ストレイボウは少女がヘクトルと愛し合っていたを知らない。 イスラも、カエルも、ストレイボウも、誰一人として少女のことを全く知らない。 だからこそ、彼女を送っていいのは、彼女を弔うことができるのは。 もう、この地には、一人だけなのだ。 何も知らないイスラ達ではなく、誰よりも少女を知り、少女を愛した男だけなのだ。 「彼女が望んだ終わりを与えられるのは、彼女と、彼女が愛した貴方だけだろ!」 だったら! 「来いよ、アルマアアアッズ! お前はアルマーズで、お前はヘクトルなんだろ!?」 五指を広げて、右手を伸ばす。 泣き方を教えてもらったあの時に、イスラによって刻まれた傷がまだ残る、ヘクトルの右掌へと。 「来いよ、来てくれよ、ヘクトオオオオッル! 貴方の手で、貴方の愛した人に死を返してやってくれエエエぇぇェェェッ!!!!」 それが終わり、王としてではなくただ一人の人間としてのヘクトルが選んだ終わり。 固く握られていたはずのヘクトルの右手から力が抜け、天雷の斧“ヘクトル”はイスラの右手に収まっていた。 王としてのヘクトルの未練からか、戦を求めるアルマーズの狂気ゆえか、神将器を喪っても尚イスラの頭部を握り潰そうとした亡将へと、イスラは斧を叩きつける。 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっ!!!!!」 果たしてその咆哮は、イスラ自身のものだったのか、彼に乗り移ったヘクトルのものだったのかは分からない。 けれど、叩きつけた衝撃でアルマーズが砕け、両断されることもなく力を喪ったヘクトルの遺体は、どこか憑き物が落ちたかのように安らいでいるかに見えて。 「……あ」 崩れ落ちる身体の動きにつられて、イスラの頭を滑り落ちていくヘクトルの手は、なんだ、やりゃあできるじゃねえかと、撫でてくているみたいで。 「ぅ、あ、く、う、あ、おおおおお!」 イスラは、その手が滑り落ちる前に、自らも膝をつき、両の手でヘクトルの掌を包み込んだ。 大きな掌。愛されていたことを教えてくれた、傷だらけの掌。 その掌に泣き止んだ彼は、今にも泣きそうな彼は、泣くことを堪えている彼は。 連れて行ってほしいとか、殺してくださいだとか、そんなことよりも、もっともっと先に、言わなければならなかった言葉を、必死で口にしようとする。 姉には言えなかった言葉。アティにも言えなかった言葉。 誰よりも、誰かに言いたかったその言葉を、口にしようとして、必死に舌を動かして、 「ヘクトル、ヘクトル、ヘクト、ル、あ、あ、あああああああああああああああああああああああああああああああ!」 言葉にできなくて、嗚咽ばかり漏らしてしまって、そんな彼をヘクトルは何も言わずにずっと待っていてくれていて。 イスラは、あるがままに感じるままに、心に浮かんだただ一つの感情を、遅すぎた言葉を、ようやっとヘクトルへと伝えた。 ありがとう、そして、さようなら、ヘクトル。 【C-7とD-7の境界(C-7側) 二日目 昼】 【カエル@クロノ・トリガー】 [状態]:書き込みによる精神ダメージ(中)右手欠損『覚悟の証』である刺傷 瀕死 疲労(極大)胸に小穴、勇気(真) [装備]:天空の剣(二段開放)@DQ4+WA2 覆面@もとのマント [道具]:基本支給品一式 [思考] 基本:燃え尽きた自分を本当の意味で終わらせる 1:闇の勇者、悪くはないな 2:友の願いは守りたい [参戦時期]:クロノ復活直後(グランドリオン未解放) [備考] ※ロードブレイザーの完全消失及び、紅の暴君を失ったことでこれ以上の精神ダメージはなくなりました。 ただし、受けた損傷は変わらず存在します。その分の回復もできません。(最大HP90%減相当) ※天空の剣(二段開放)は、天空の剣本来の能力に加え、クリティカル率が50%アップしています。 【イスラ・レヴィノス@サモンナイト3】 [状態]:ダメージ(大)、疲労(極)、心眼、勇猛果敢:領域支配を無効化 [装備]:魔界の剣@DQ4、ドーリーショット@アークザラッドⅡ、サモナイト石“勇気の紋章”@サモンナイト3+WA2 [道具]:基本支給品×2、 [思考] 基本:―― 1:―― [参戦時期]:16話死亡直後(病魔の呪いから解かれている) [備考] ※高原、クロノ、マッシュ、ユーリル、ヘクトル、ブラッドの仲間と要注意人物を把握済み。 ※フォース・ロックオンプラス、ブーストアタックが使用可能です。 ※サモナイト石“勇気の紋章”のおかげでカスタムコマンド“ブランチザップ”が限定的に使用可能です。 通常攻撃の全体攻撃化か、通常攻撃の威力を1.5倍に押し上げられますが、本来の形である全体に1.5倍攻撃はまだ扱えません。 また、本来ミーディアムにあるステータス補正STR20%SOR10%RES30%アップもありません。 【ストレイボウ@LIVE A LIVE】 [状態]:ダメージ(中)、疲労(極)、心労(中)勇気(大)ルッカの知識・技術を継承 [装備]:フォルブレイズ@FE烈火の剣、“勇者”と“英雄”バッジ@クロノ・トリガー+クロノ・トリガーDS [道具]:基本支給品一式×2 [思考] 基本:魔王オディオを倒してオルステッドを救い、ガルディア王国を護る。 1:約束と勇気を胸に抱き、急ぎ仲間達の援護に向かう 2:ジョウイ、お前は必ず止めてみせる…! 参戦時期:最終編 ※アキラ以外の最終編参加キャラも顔は知っています(名前は知りません) ※記憶石によってルッカの知識・技術を得ました。 ただしちょこ=アクラのケースと異なり完全な別人の記憶なので整理に時間がかかり、完全復元は至難です。 また知識はあくまで情報であり、付随する思考・感情は残っていません。 フォルブレイズの補助を重ねることで【ファイア】【ファイガ】【フレア】【プロテクト】は使用可能です。 ※“勇者”と“英雄”バッジ:装備中、消費MP2分の1になります。 ※首輪に使われている封印の魔剣@サモナイ3の中に 源罪の種子@サモサイ3 により 集められた 闇黒の支配者@アーク2 の力の残滓が封じられています 闇黒の支配者本体が封じられているわけではないので、精神干渉してきたり、実体化したりはしません 基本、首輪の火力を上げるギミックと思っていただければ大丈夫です ※首輪を構成する魔剣の破片と感応石の間にネットワーク(=共界線)が形成されていることを確認しました。 闇黒の支配者の残滓や原罪によって汚染されたか、そもそも最初から汚染しているかは不明。 憎悪の精神などが感応石に集められ、感応石から遥か地下へ伸びる共界線に送信されているようです。 ※天雷の亡将@???の所持していた、アルマーズ@FE烈火の剣、ラグナロク@FF6、賢者の指輪@FE烈火の剣、勇者の左腕は消滅しました。 ヘクトルの死骸は遺っています。 ※アナスタシアの二撃により、石細工の土台が破壊され、他の戦場間に隆起が生じており、他の戦場への移動は困難です。 ※ジャスティーンVSラグナロックの余波や影響が様々な形で現れているかも知れません。お任せします 【ジャスティーン@WA2】 ジェイイーグル、ジェイライガー、ジェイマンモーの三体からなる勇気の貴種守護獣。 “勇者”の剣と“勇者”バッジを依り代に、“英雄”ブラッド直伝のフォースにより召喚された。 イスラ達は勇気を取り戻したばかりの為、今はまだ、一人ひとりが3分の1ずつ呼び出すので精一杯である。 召喚の鍵となる“勇者”と“英雄バッジ”、天空の剣二段開放、勇気の紋章の恩恵が、 本来のグランドリオン+勇者バッジ及び、勇気のミーディアムに比べて、半分以下なのもそのせいである。 合体も三分しか保たないが、誰がどのパーツを呼び出すのかは固定されていない。 時系列順で読む BACK△145-1 さよならファイアーエムブレムNEXT▼146 一万メートルの景色 投下順で読む BACK△145-1 さよならファイアーエムブレムNEXT▼146 一万メートルの景色 145-1 さよならファイアーエムブレム ストレイボウ 149-1 魔王様、ちょっと働いて! イスラ カエル ▲
https://w.atwiki.jp/nishiparo/pages/73.html
9 その少女はこの学園においては、ある意味で、とても目立つ存在だった。 生徒達は皆何かしらの個性、それはもちろん子荻ちゃんや姫ちゃんみたいな、物語に関与できるだけの飛び抜けたものではないが。 「な、なによ」 家鴨の群れに白鳥がいれば一目でわかるし、どんなにじゃれつく姿が同じ様に愛らしくても、猫と虎の子ではまるで違う生き物である。 澄百合学園。 「ど、どうしてわたしをそんな、じ、じっと見てんのよ」 この学園の生徒は、程度の差こそあれ、全員が全員、白鳥であり虎だ。 そのまだ未完成な美しさと強さで、一般人、特に男が、気軽に近寄るのを思わず躊躇ってしまう存在。……なんだけど。 「はっ!? ひょ、ひょっとしてっ!!」 「ひょっとしない」 今風の茶髪少女に皆まで言わせず、ぼくは即座に否定する。 赤い縁の眼鏡の奥、くりくりっとした瞳が、その言葉にむっとしていた。感情がすぐに顔に出るのも、今風の女子高生の特徴だろう。 要するに少女は家鴨や猫だった。 まぁ、これはこれで可愛いんだけどね。 お昼休み。 食堂は例によっていっぱいだったが、今日のぼくは昼飯の心配をする必要はなかった。 朝アパートを出るときに、一人と二人が互いを牽制しながら渡してくれた、こんなに食べられないよ、というくらいデカい弁当包み。 それを手に廊下をてふてふと歩いていたらば、オナカを撫でながら歩いていた少女、古槍頭巾ちゃんと出くわした。 なんつぅかいつもいつも、頭巾ちゃんを見るそのたびに、ぼくは思ってしまう。 「普通」 「普通って言うなっ!!」 ほらね。つっこみまで普通だ。 しかしこの異常が売りの学園では 《普通》 この属性を持つ者は極めて特殊であり稀有だろう。 だから彼女がオナカを撫でている理由は、お昼休みにトボトボと、喧騒から逃げるようにしている理由はおそらく――否、ズバリ。 「ダイエット」 「ズバリ当てるなっ!!」 なんだかこの娘の行動のことごとくが、手に取るようにぼくには読めてしまった。 自慢にはならないけど。 なにせ頭巾ちゃんはぼくに月並みにつっこみながらも、視線は風呂敷包みにピントを合わせて微動だにしない。 「食べる?」 包みをちょいっと上げると、頭巾ちゃんの視線もそれに釣られて動く。 風呂敷をゆらゆらとさせると、それにシンクロして、頭巾ちゃんの茶髪もゆらゆらと揺れている。……ちょっと面白い。 「ダイエットしなきゃって、女の子は必ず言うけど無理は良くないよ。頭巾ちゃんなんかは、もう少し食べた方がいいくらいだ」 ぼくは右に左にと風呂敷を振りながら訊いてみた。 「余計なお世話」 人が親切で言ってやってるというのに、餌を貰う雛鳥のように首を振りながらも、頭巾ちゃんは素直にはなれない若者みたいだ。 まあいいけどさ。 これでもかというくらい普通な存在の頭巾ちゃん。どうせこの後は月並みな展開になるに決まっている。 “グウゥゥウウ~~~~” 「はぅ!?」 頭巾ちゃんは刹那で顔を真っ赤にさせると、ぱっと、慌ててまだ鳴り止まないオナカを押さえた。 ほらね。 このタイミングでオナカを鳴らせるなんて、昭和のコメディじゃあるまいし、ぼくにはとても恥ずかしくて出来ない。 普通恐るべし。 「ぶっちゃけると助けてほしいんだ。一人で食べきれる量じゃないけど、心が篭もってるからね。こっそり捨てるのは些か忍びない」 「う、うぅうっ」 おおっ。なんかすごい視線で睨まれてるぞ。 やはり普通に、月並みに、頭巾ちゃんは乙女として、オナカの音をぼくに聴かれたのが恥ずかしいらしかった。 いや、そりゃそうだろうけどさ。 でもそうやってぼくに恥を晒したおかげで、どうも頭巾ちゃんは開き直ったらしい。 「お、お祖父ちゃんが言ってたわ」 「うん?」 「最近の若者は贅沢すぎるって。もっともっとお百姓さんに感謝しなきゃいけないって。……わたしも、わたしもそう思う」 「うん」 「手伝うわ《いーちゃん》。仕方ないけど、本当は全然まったくこれっぽちも食べたくないけど、どうしてもって言うなら食べてあげる」 「……うん」 予想通りの答えが得られた。だけど釈然としないのは何故だろう? 「それじゃどこで食べようか《いーちゃん》。出遅れてるんだし、早くしないといいとこ取られちゃう」 「…………」 あんなに抵抗してたのが嘘みたいだ。 しかし切り替えが早いのが今風の若者。その早さをぼくもたまには見習うことにしようか。 崩子ちゃんとこの間一緒に食べたベンチにでも行くかな、などとと考えていたら、くいっと、後ろから服の袖を引っ張られた。 振り向くとそこには、女の子が眼鏡の奥の瞳で、じっとぼくを見上げている。 「…………どうしてここに…………いたりするのかな?」 二人で風呂敷包みを大事そうに持ちながら、ぼくを狂おしいほど慕う姉妹は、左右線対称のシンメトリーで澄百合学園に存在していた。 「ぼくた…………わたしたち、《いーちゃん》さんがデザートを忘れたので届けに来ました」 「ぼくた…………わたしたち、《いーちゃん》さんがデザートを忘れたので届けに来ました」 もちろん知っている顔である。 この二人の正確な年齢はわからないが、まだ高校の制服を着てても、なんら可笑しくないだろう年齢なのは間違いないはずだ。 澄百合学園の制服がとても良く似合っている。 「もう一着手に入ったんだね。深空ちゃん、高海ちゃん」 澪標姉妹。 どちらかといえば頭巾ちゃんより、深空ちゃんと高海ちゃん、二人のほうがこの澄百合学園には相応しい生徒かもしれない。 「わっ!? 双子だ。わたしはじめて生で見た」 そしてあまり相応しくない、っていうか似合わない頭巾ちゃんは、深空ちゃんと高海ちゃん、そっくりの二人を見て素直に驚いている。 本当に普通。 「デザートってそれなの? その大きさその丸み、わたしには西瓜としか思えないんだけど?」 だがそんな頭巾ちゃんの、極めて普通の指摘でぼくは気づかされる。 風呂敷に包まれている豪勢な重箱といい、デザートだとわざわざ持って来た西瓜といい、二、三人で食べるならちょうどいい量だ。 もしかして確信犯? ぼくが疑いの目を向けると、二人は露骨に顔を背けて、ふいっと明後日の方向を見る。 崩子ちゃんならともかく、この二人に腹芸なんて無理な話だ。 と。 「でもわたし西瓜大好きなんだよね。よしっ!! はいはい、は~~い!!」 これはこの間来たときに味を占めた、お気に入りの抱きまくらの計画だろうな、と考えていたら、頭巾ちゃんがさっと手を上げた。 「《いーちゃん》、西瓜はわたしに任しちゃってよ。西瓜だったらわたし、いくらでもイケちゃう人だからさ」 言いつつ頭巾ちゃんは上げた勢いそのままで、分担まで勝手に決めて、深空ちゃんと高海ちゃんの持ってる西瓜の包みに手を伸ばす。 だが。 “スカッ” 「あっ!?」 二人にあっさりと避けられた。 「あんたに食べさせる為に持って来たんじゃない」 「あんたに食べさせる為に持って来たんじゃない」 「うっ!?」 じろりと二人に睨まれて、頭巾ちゃんの腰が思わず引ける。 そりゃそうだ。 ぼくも四年前は夜の京都御苑で、やはり同じ様に睨まれてえらい目に合っている。 頭巾ちゃんのいまの気持ちは、背中が痛いくらいによくわかった。 しかしそういった自分の心の弱さを、二人が同性でもあるし、中々認めることの出来ない年頃なんだろう。 「い、いいじゃん。《いーちゃん》はどうせお弁当だけでお腹一杯になっちゃうんだし」 「…………」 多分そうなるとは思うけど、なんか言い方が引っかかるなぁ。 頭巾ちゃん、もうちょっとでいいから、目上の人に対する言葉遣いを覚えよう。いや、これは戯言ではなく。 「そんなことはない。《いーちゃん》さんはこのぐらい一人でペロリだ」 「そんなことはない。《いーちゃん》さんはこのぐらい一人でペロリだ」 ……ん? 待て。待て待て。みんなで食べるんじゃないの? そんな量を一人でペロリって、どっかのどこかの《人喰い》じゃあるまいし。 そんなことを思っていたら。 「ん? んん? あれれ? おにーさんなにしてんだよ? 昼飯まだならさ、理澄の財布から金パクってきたし一緒しねえ?」 ややこしいのがまた来やがった。 結局その日の昼御飯を《戯言遣い》は、ぎゃはは、と大声で笑う《人喰い》含めた五人で、妙に緊張した雰囲気で食べましたとさ。 めでたし。 10 十二月。 さすがにいくら盆地の京都であっても、冬という季節を感じずにはいられない。 ぼくの目の前で温かい湯気と、ぐつぐつ音を立てている鍋は、掛け値なしに美味そうだった。 また人間は決して味覚だけではなく、視覚でも食を楽しむ生き物だが、そちらでも文句の付けようがない。 ぎりぎり京都と呼べる郊外。 人里離れた山の中。 窓の外の景色は雪が積もっていて一面の銀世界。 ここまで来るクルマの中では、なんでぼくが参加せねばならないんだろうか? そんなことを真剣に考えたりしていたが。 「悪くはないかな」 少なくとも塔アパートで、答案用紙にひたすらバツ印を付けるという虚しい作業よりは、精神が何百何千倍も癒されるだろう。 姫ちゃんは五教科赤点という偉業を、まるで予定調和のように、またしても鮮やかに達成していた。 補習確定。 これでぼくは学園が冬休みだというのに、放課後も結構勉強をみてやったというのに、ほぼ毎日姫ちゃんと顔を合わすことになる。 別に姫ちゃんといる時間は嫌いではないのだが。 しかし、それはそれ。 恩を仇で返された感は否めない。 ぼくはハラハラと舞い堕ちる雪を見ながら、姫ちゃんが例え知恵熱を出しても、涙を呑んで勉強漬けにすることを決意した。 「覚悟しておけよ、一姫」 「なにを一人でぶつぶつ言ってるさ《いーちゃん》、まだあんたは呆けるには早すぎるさ」 景色を見ながら補習計画を練っていたぼくは、話しかけられて窓の外から室内に、蓮っ葉な口調がよく似合う彼女に視線を移す。 「…………」 「ん? どうしたさ? 若いんだからもっと食べるさ」 彼女と知り合ったのは四年前。 そのときのことは、あのときの騒動は、他の階段を含めて、ぼくには珍しくいまでもはっきりと覚えている。 「…………」 「本当にどうしたさ? 人の顔をじっと見たりして?」 でも記憶している四年前の彼女と、いまこうしてしゃべっている彼女が重なるまで、もう少しだけ時間が掛かりそうだ。 右下るれろ。 そりゃあ当たり前だし、本人にそんなつもりは、まったくこれっぽっちもなく不名誉だろうが、トレードマークの包帯はどこにもない。 非常に女性に対して失礼かもしれないが、なんだかとても違和感がある。 「そうだぜ、いーたん。ちゃんと喰わねぇと大きくなれねぇぞ。好き嫌いせずになんでも喰っとけよ」 「それ。きみにだけは言われたくないんだけど、ぜろりん」 年齢はぼくとそう違わないはずだから、もちろんいまさら成長期がやって来るはずもなく、身長はその辺の女の子より小さい。 右顔面には灰色の刺青が彩られ、右耳に三連ピアス、左耳には携帯ストラップを2つ付けている。 零崎人識。 こちらは気持ち悪いくらい変わらず、昨日別れたみたいにあのときのままだ。 ぼくの隣りで魚の切り身から、チマチマと小骨を丁寧に、殺して解して並べて揃えて晒している。……おまえこそカルシウムを取れ。 「喉に引っかかったりしたら痛ってえじゃん」 きみの生き様の方が余程痛い。 と、言いたいところだが、じゃおまえの生き様は痛々しいだな、切り替えされるのはわかってるので沈黙を選択。 この四年でぼくも随分と大人になったもんだ。 「本日はこのような辺鄙なところまで、わざわざご足労戴いてありがとうございます。《いーちゃん》さん」 いつの間にか真後ろには、真面目で上品そうな、図書館で詩集でも読んでいそうなイメージの女性が、にっこりと微笑んで立っていた。 「そんなの全然構いませんよ。こっちこそ社員でもなんでもないの呼んでもらっちゃって」 さっきからずっと彼女は、当然のように《最悪》の隣りに陣取っておきながら、忙しなくあっちこっち動き回っている。 社長というよりは王様のように、まるでなにもしない人の代わりに、客の接待から鍋の具材の追加までと、一人落ち着かなかった。 でもそういうのがなんだか性に合うのか、嬉々としてやってるようにも見える。 肩書きは《空間製作者》ということになってるが、意外にメイドさんでもイケるかもしれない。 一里塚木の実。 この変わり者集団の処理係にして、潤滑に、我侭に動く為のバイパス役。 本質的にはともかくとして、この集団の実質的なリーダーが彼女であることに、半畳を挟む者はいないだろう。 「その上なんか妙なオマケまで付いて来ちゃってすいません」 鍋に箸を伸ばそうとしていたオマケの視線が、鋭く痛いくらい頬に突き刺さるが、それは全身全霊でぼくは無視した。 この殺人鬼、ちょっと会わなかった間に、益々持って胃袋キャラが板に付いてきてやがる。 「いえいえそんな、正直助かってるんですよ、忘年会みたいなイベントは、やはりある程度は人数が多い方がいいですから」 つまりそんな理由でぼくはここにいるわけだ。 ここに。西東診療所に。 有限会社《十三階段》の忘年会に。 元々集団行動の出来なさそうな人達ばかりだが、忘年会の出席者は、ぼくと零崎を除いてしまうと四人しかいない。 確かにそれだけの人数では、ちょっとばかし淋しいだろう。 「まぁ連絡自体が取れない方もいますし、 木賀峰助教授は朽葉さんの反抗期を予測出来なかったらしくて、いまてんてこ舞いですしね」 「反抗期ですか?」 すげぇ周期で来たな反抗期。そりゃ予測できないだろう。 「…………」 ってか朽葉ちゃん八百歳じゃ~~ん。 木賀峰助教授より遥かに年上じゃ~~ん。 「朽葉さん、万引きをしてしまったらしくて、警察に迎えに行ってますが。木賀峰助教授、体当たりでぶつかってみるそうです」 「……頑張ってください、としか言えませんね」 「ええ」 あまり他人が深入りしない方がいいだろう。少し覗いてみたい気もするが、とてもデリケートな二人だけの問題だ。 そんなわけでそれはそれでいい。 とりあえずいまは、ここにいる残りの二人だ。 チラリッと窺うと、哀川さんにも匹敵する存在感の、ぼくの対面に座っている男は黙々と杯を重ねている。 狐の面を外しているので表情はわかるのだが、詰まらないのか愉しんでいるのかは、相変わらずぼくにはよくわからなかった。 「…………」 とりあえずこの人はややこしいので後回し。もう一人の男に目を向ける。 「……重症みたいですね」 「いつもはさすがに、あそこまでひどくはないんですけどね。今日は《いーちゃん》さん、あなたがいますから過敏になってるんです」 冷たくなってるだろう白菜を、彼はひたすらじーっと見ていた。 口だけがもごもごと小さく動いてる。 ぼくには一般人の領域を逸脱した聴覚はないので、なにを呟いてるのか聴こえないが、彼がどんな言葉を紡いでいるかはわかっていた。 いまにして思えば、《正義の味方》ってのはちょっと言いすぎだったかな。 時宮時刻。 そのひどく憐れな姿を見ても、自業自得だ、そんな風にしか思えないぼくは、やはりまだどこか壊れてるんだろうか。 「お肉とか食べます?」 「ひっ!!」 お皿を取ろうと手を伸ばしたら、時刻さんはびくっと身体を震わせて、カサカサと、素早く動いて、ぼくの視界から消えてしまう。 やっぱり四年前はやり過ぎた気がした。 「そっとしといてあげてください。絵本さんも、あまり刺激しない方がいいと言ってましたし」 時刻さんにとって、きっとぼくは、劇薬以上の刺激物なんだろう。 「うん? そう言えば絵本さんはどうしたんです?」 彼女が来ているのは間違いない。 なんせここまでは彼女の運転するクルマで、ぼくも零崎も来たんだから。 ガタガタ震えてる《人間失格》は、ここに来るまでの車内で、中々のいい暇潰しになった。降りた瞬間殺されかけたけど。 ちなみに彼女は復社はしてはいない。 だがるれろさんとの付き合いは続いてるみたいだ。 「二階で看病です」 「看病? 誰のですか?」 「奇野さんのです。風邪をこじらせてしまって。《いーちゃん》さんも気を付けてくださいね」 「…………」 奇野頼知。 呪い名序列三位、感染血統奇野師団の一人。通り名は《病毒遣い》……なんだけど。 キノラッチ。あんたなにしてんだよ。 「弘法も筆の誤りと言いますか、猿も木からと言いますか……。でも同情とは違う感情が湧き出すのは、どうしても否めないところです」 頬に手を当てて小首を傾げた木の実さんは、やれやれ、といった顔をしていた。 可愛い。 だけどこの人の場合は、そんな仕草も演出でやってそうで、とにかく油断ならない。 いまは四年前のように戦闘状態ではないけれど、木の実さんを見ていると色んな意味で、なんだかざわざわする。 それはぼくの、というより《戯言遣い》としての、四年前とまるっきり変わらない感想だった。 「ではごゆるりと、愉しんでくださいね」 しかし木の実さんは、やはり四年前のようにぼくの警戒を見抜いても、にこやかに屈託なく微笑む。 そして礼儀正しく丁寧にぼくにお辞儀をしてから、小走りに、甲斐甲斐しく、空の徳利を受け取りにいった。 ……ちょっと羨ましい。 「ふん。少しばかりぬるめで頼むぞ」 偉そうだ。根拠なしに相変わらず偉そうだ。この人はきっと死んでも偉そうだろう。現に一回死んでるのに偉そうだし。 「さて、《俺の敵》。人心地ついたし、話しをしようか。」 ぼくと狐面の男は再会してから、軽く挨拶をしたぐらいで、まだ会話らしい会話はなにもしてない。 前に理澄ちゃんと三人で卓を囲んだときは、食事中にくっちゃべるなと怒られたが、どうやら忘年会ではいいらしかった。 自分が会話の輪に加わりはしないが、忘年会は一年間ともに苦労した者同士が、親睦を深める場であって、食事は二の次だかららしい。 「…………」 あんたは苦労をかけただろう。 言いたいがそれは、ぐっと黙っておくのが、客としての、社会人としての礼儀というものだ。 「それじゃ、いまは、なにをしてるんですか?」 「『なにをしてるんですか?』。ふん。そりゃ忘年会に決まってるだろ? これでも俺は柄じゃねえが社長だぜ」 言って不敵に笑った。 「…………」 ぼくが言うのもなんではあるが、言い方が回りくどい。わかってるだろうに。そんな意味じゃないのは。 「どうして会社なんて、柄にもないものを起ち上げたんですか? おかげで一人の少女の人生が、派手に狂いそうになりましたよ」 「萩原子荻。俺は欲しくて欲しくて堪らねぇんだよ」 「…………」 なんかここだけを聞いてると、ちょいとばかりやばいセリフだ。 同じ年頃の娘達と比べれば、随分と大人っぽく見える子荻ちゃんだが、そしてこちらも年齢よりかなり若く見える狐さんではあるが、 知らない人が聞いたらば、いくらなんでもロリィの謗りを免れるのは難しいだろう。 まぁ狐さんはあんまり女性には興味ないみたいだけど。 この人の興味は、世界の終わり、物語の終わり、《ディングエピローグ》それだけにしかない。 「萩原子荻。あの娘の代わりを見つけるのは、ちょいとばかり難しいんでな。やっとこさ繋がったこの縁は、俺は絶対に逃がさねぇ」 そう言った狐さんの瞳は、間違いなく愉しそうで、爛々と輝き狂気じみていた。 怖い。 ぼくを恐怖する《想操術師》のように、ぼくはどんなに成長しても一生、《人類最悪の遊び人》の恐怖を拭い去れないだろう。 西東天。 だがぼくは哀川さんとそっくりのその顔を、正面から逸らさず見て、内心すげぇびびってたけどはっきり言ってやった。 「……そうはいかない」 そして少し早いが心の中で来年の抱負を一つ。 及ばずながらもこのしがない《戯言遣い》は、可愛い生徒を、お気にの女の子を、最悪の変態の魔手からなんとしてでも守ってみせる。 決めたよ。ぼくは来年も正義の味方になってやる。 と。 こんな感じで渋く、後から思い出したら赤面もので、話をオトしたかったぼくだが、やはりそうはいかないみたいだった。 「うっ、うぐっ、うぅううっ……」 小さな声。でも気づいて欲しいと訴えかけるような声。 そしてメチャメチャ嫌過ぎるが、四年前から聴き慣れてる涙声に、ぼくはゆっくりと入り口を見る。 目が合った。 「……えぐっ……うふぅう……」 「…………」 逸らしたいのを我慢する。 端正な顔を涙でくちゃくちゃにして、彼女はぼくと、ほぼ空になっている鍋を、行ったり来たり交互に見ていた。 「……ど、どど、どうして?……どうしてそんなことが出来るの?………だっ……て……ううっ……な、鍋なんだよ?………鍋って……… 鍋って、み、みんなで、みんなでつつくもんじゃないの?………うぐっ……みんなの中に……わ、私は入ってないの?………うぅぅう、 ふ……ふふ……え、えへへ……そ、そうだよ…ね?……ご、ごめんなさい………私なんかが、私なんかが数に入ってるわけない……よね? わ、私なんか余り物で雑炊食べれば十分よね?……うふふ……ぐふっ……雑炊もお、美味しいんだよ……いっくん……え、えへへ」 絵本園樹。 彼女とこの四年間というもの、最も親しかったのはこのぼくだろう。 まぁそうは言っても比べられるのが、後は精々が意外に気が合う元同僚の、るれろさんくらいしかいないわけなのだが。 ぼくは精神科医じゃないが断言できる。 白衣の下の水着のカットが、何故か年々際どくなっていく彼女も、間違いなく一生こんな感じだ。 絵本さんを外界から守るATフィールドは、さらに一層強固になって、いまもなおこうして健在である。 「零崎、後ででいいからきみ、責任持ってフレンチクルーラー買ってこいよ」 鶏肉にかぶりついていた零崎が顔を上げた。 骨には犬が見たらがっかりするくらいに綺麗に身がない。 「ええっ、なんでだよ? 外は雪がガンガンに降ってんだぜ。ミスドなんてこっからどれくらいかかんだよ?」 「ほとんど一人で喰ってんだから当然だろ? あんまり駄々をこねるな。買って来ないと帰りは助手席に座らせるぞ」 「……ひでぇ」 「フレンチクルーラー百個な」 あの京都御苑での《ドクター》との約束が、まさかこんな形で果たせるとは思いもよらなかった。 窓の外を見ると雪が、さっきよりも激しい勢いで振っている。 クルマでは事故りに出かけるようなもので、どちらにしても零崎以外は、とてもではないが麓までいけそうもない。 そしてその白い光景に魅入られながら、ぼくはなんとなく、この色が大好きな青色と、どこにいるのやらの赤色のことを考えていた。 11 まあ、初めからわかってたけど、さ。 とはいえ新年早々、気持ちが滅入ってくるのは、致し方ないだろう。 努力というのは例え実を結ばなくとも、それだけで認めてもいいと思うし、もしかしたらその姿は、美しいのかもしれないけど。 「…………」 ある意味ではぼくの手にするこの、採点し終えたばかりの答案用紙も、そんな感じではあるのだけれど。 「どうですぅ師匠? 姫ちゃん頑張ったでしょ?」 柑橘系の匂いがする。 赤ペンを置いたぼくに気づいて、人ん家の蜜柑を遠慮なしにパクパクと、暢気にバラエティ番組など見ながら食べていた姫ちゃんが、 一応は口元を抑えながら、でもモカモカと頬を動かしつつ、期待に瞳を輝かせて振り向いた。 コタツに入って蜜柑を食べながらテレビを見るのは、正しい日本人の正しい正月の過ごし方だから、まあそれは別段どうでもいい。 「…………」 訊きたいのはどうしてそんなに、一体全体いかなる根拠があって、季節外れの向日葵みたいな笑顔を向けてくるのかということだ。 「どんなもんですですぅ? 師匠に特訓してもらった成果、ちゃんと出てますですか?」 うん。 ちゃんと出てはいる。答案用紙からは努力した後は確かに窺える。 駄々をそれこそ毎日毎日、一時間おきにこねまくってくれたが、それでも姫ちゃんは、塔アパートの空き部屋に勝手に住み込んでまで、 冬休みの校外補習を皆勤賞で出てくれた。 「…………」 だがいまこの《戯言遣い》が、教師として姫ちゃんに伝えるべきは、答案用紙に記入された点数、その残酷な結果のみなのだろう。 「完全に間違っているという点に目を瞑れば、姫ちゃんの答案用紙は概ね正解だけだよ」 「ふぅん?」 ぼくも大概丸くなったもんだ。 昔のぼくであれば点数を告げた後で、甘えるな、と容赦なしの追い討ちを掛けてるだろう。本当に丸くなったもんだ。 などと感慨にふけながら、姫ちゃんに貰った腕時計を見る。 「それじゃ今日は終わりにしようか。……そろそろ時間みたいだし、みいこさんを呼びに行こう」 時間はちょうど八時を回ったところだ。 みいこさんだけでなく、崩子ちゃんも萌太くんも、行く準備はもう出来てるだろう。 「初王手ですか?」 「それは初詣と言いたいんだろうけど、残念ながらどっちも違うよ。巡回……みいこさん風に言うと、市中見回りに行くんだ」 そしてもちろんだが、市中見回り、その言い出しっぺもみいこさんだ。 一時ほどではないにしても、このアパートは建て替える前からずっと、様々な問題をこれでもかとばかりに次々と起こしている。 知り合いの女刑事さんのところで、大体は止めてもらっていたりはするのだが、一般人の近隣住民の方々にはいつも迷惑を掛け通しだ。 これで印象が少しでも良くなるなら、安いものだろう。 荒唐丸さんと奈波の二人は、正月だというのに仕事で不参加だが、残りの面子は、久々に帰って来た萌太くん含めて全員参加である。 ちなみに姫ちゃんには、今日のことは誰も伝えてない。 いや、ぼくが伝えるはずだったんだけどね。さっきまでそりゃもう、キレイさっぱり忘れてた。 「どうする? 姫ちゃんも来る?」 「そりゃもちろん行きますですよ」 類は友を呼ぶと言うべきか、姫ちゃんはこの短い期間ですっかりと、昔から住んでいたように、塔アパートの全住民と馴染んでいる。 参加するのは当然だと言わんばかりだった。 ぼくもそう思ったからこそ、姫ちゃんが来るのが当たり前だと感じたからこそ、伝えるのを忘れてた――ということにしといてほしい。 「戯言だけどね」 何年経とうが定評のある、ぼくの記憶力の悪さは、やはり今年も健在みたいだった。 「……でもさ、そりゃないだろ?」 右目だけにかろうじて名残を残す――元青色サヴァン。 直視できないほど眩く、そして悲しいばかりの、忘れない能力を失って久しい玖渚にさえ、病院に行こうと心配されたほどである。 真顔で言われたときには、さすがにちょっとヘコんだ。 あいつとはイヴから会ってないが、どうせまだ《チーム》の連中が居るんだろうから、とても城咲のマンションに行く気にはならない。 「特に兎吊木のやつがなぁ」 話しかけられたわけでもなく、意味深に微笑みかけられただけだが、それだけで、聖なる夜がとてつもなく穢された気分になった。 もうあの男の存在自体が猥褻物である。 ちぃくんはいまも服役中だから、直接会ったことはなく、その人と為りをぼくは知らない。 だから無責任に言えるのかもしれないが、刑務所なんぞを住処とするのは、あのロリコンの変態にこそ相応しいと思う。 などと。 心底からどうでもいいことを考えていたら、みいこさんの部屋の前に着いていた。 「…………」 「どうしたですか師匠?」 「……いや、別になんでもないよ」 新年早々から決して無限ではなく有限な時間を、ひどく詰まらないことに使ってしまった気がする。 細菌野郎め。 ぼくは偏頭痛でもあるように、ふるふると頭を軽く振って、チャンネルを無理から変えると、みいこさんの部屋のドアをノックした。 「応、しばし待て」 “カチャッ” そう言ったのにドアはすぐに開いた。 「…………」 「ん? どうした、いの字?」 予想通りと言えば予想通りだが、それでも多分おそらく、ぼくの顔は複雑なものになってたんだろう。 みいこさんが、市中見回り、なんて名詞を使ったときから、何となくは思っていたのだが、やはりこの人は直球ストレートの人間だ。 今日もサムライみたいなポニーテールに甚平姿だが、その甚平は鮮やかな水色と白の、ど派手なだんだら模様である。 背中に記されているだろう文字は、敢えてわざわざ見るまでもあるまい。 「……キンノーでも斬りに行くんですか?」 「うん。それはわたしとしては望むところではあるんだが、いの字、残念ながらこの時代の京都に、悪逆非道のキンノーはいないぞ?」 「…………」 みいこさんはあまり冗談などは言わない人だ。 腰に差してあるものが気にはなったが、ぼくはなにも見なかったことにする。 「崩と萌は下で待ってるそうだ。早く行ってやるとしよう」 鍵をかけたとき見たみいこさんの背中には、やはり去需を許さない《誠》の一文字が記されていた。士道不覚悟は切腹なんだろうか? 訊いてみたい気もするが、表情一つ変えずに、みいこさんは頷きそうだから怖い。 触らぬ神に祟りなしで、それから無言で下まで行くと―― 玄関脇に二人。右に一人、左に一人。 まるで待ち伏せでもしているように、アパートの入り口に、二人が立っていた。 一人は垂れ目の少年。 脚が長く胴は細い、均整のとれた、いかにも敏捷そうな体型。黒い前髪を垂らしていて、両手をポケットに入れ、煙草を咥えている。 お正月だから帰って来ているが、彼は四年前にアパートを出て、現在は東京で一人暮らしだ。 仕事はホストをしているらしいのだが、それは本性さえ出さなければ、萌太くんには天職と言えるだろう。 彼が夜王と呼ばれる日も、そう遠くはないはずだ。 そしてもう一人はおかっぱの少女。 真っ白い肌にまるで血のように赤い唇。 酷く冷めた、軽蔑でもしているかのような冷たい視線で、こちらを、睨みつけている。 「萌太くん――崩子ちゃん」 二人の名を呼びつつ、ぼくは以前にも、こんな感じで対峙したことがあるような、そんなありもしないはずの既視感に襲われた。 ジャメヴュってやつなのか? なぜか妙に腹が疼いたりするが。 「崩子ちゃん?」 「…………」 そしてどういうわけだかぼくに、少女から浴びせられるプレッシャーは、重苦しい沈黙で持って容赦なくのしかかってくる。 「こうしてこのアパートを見上げたのは、まだ数えるほどですけど、どちらがいいとはいいませんが、前の方が味がありましたかね?」 萌太くんは空気を察したのか、それはわからないが、場を和ませるような美声で言った。 「どうだろうね? 建て替える前もかなりイカしてたけど、これはこれで住んでみると、中々に悪くはない。そうだよね崩子ちゃん?」 我ながら情けない。 ご機嫌伺いがありありのチキンの声だった。 「……どうでしょう」 でも崩子ちゃんの声は態度と変わらず、ひんやりとした冷気を纏ったままである。 おかしいなぁ。ぼくは気に障ることを何かしたんだろうか? しかしそんな記憶は、まぁ、ぼくの記憶など当てにはならないが、まったく全然これっぽっちもありはしない。 第一ここ最近は、クリスマスは玖渚&《チーム》の連中とつるんだり、暮れは突然お呼ばれして、狐さんとこの忘年会に出席したり、 年末から年始はといえば、姫ちゃんの補習に掛かりきりだったりと、ほとんど崩子ちゃんと過ごす時間などなかったのだ。 「…………」 そう。何か気に障ることを仕様にも、これでは何も、ぼくには出来るわけがないのである。やれやれ。ほんと年頃の女の子は難しい。 「あのさ姫ちゃん。姫ちゃんは何で崩子ちゃんが怒ってるか、わかったりする?」 小声で隣りにいる弟子に聞いてみる。 「……きっと師匠にデリカシーがないからですよ。ここで姫ちゃんに訊いたりしたら、能登の三つ編み、アブラカタブラです」 なんだそりゃ? いつも通りに言葉を間違えてるんだろうが、姫ちゃんの意見を聞いて、ぼくは増々、崩子ちゃんが何を怒ってるのかわからなくなった。 弟子は言葉を間違ったが、師匠であるぼくは、人選を間違えてしまったかもしれない。 帰って来たらお年玉でもあげるとしよう。そうすると姫ちゃんにも、あげないわけにはいかないが、二人分くらいならお金も大丈夫だ。 ちなみに高海ちゃんと深空ちゃんは、渋々ではあるものの、ぼくに言われて澪標の実家に帰省中。 親孝行がまだ出来る環境があるのならば、出来るうちにやっておいた方が、それはやはりいいに決まってる。 彼女達の実家の稼業。 あちら側の世界の孝行というものが、一体どういうものか、ぼくは言ったときは、もちろんあまり深くは考えてはいなかったが。 「気合入ってたもんなぁ二人とも。帰るときは僧伽梨着てたし」 早まったかもしれない。 だが今年年賀状が出せない人がいても、そんなことは一切合切、ぼくの知ったことではない。 知りたいことではない。 だから、二人がこのアパートに戻ってきても、ぼくに孝行の内容は伝えないでほしい。……どうかお願いします。 と。 「いの字、どのあたりまで行こうか?」 ぼくが慣れた自責の念に囚われていたら、後ろから、心がざわついていたのに、それだけで落ち着きを取り戻し、安心させてくれる声が かけられた。 朴訥な無表情。 このお姉さんをよく知りもしない人が見たならば、とてもじゃないが気づきはしないだろう。気づいたらその人はちょっとおかしい。 浅野みいこは燃えていた。 市中見回りがそんなに嬉しいのかなぁ? けれど喜びを抑えきれない(これでかなりマックスに近いくらい喜んでる)みいこさんを見ると、それだけでこちらも嬉しい。 思わず舞い上がってしまった。 素面じゃこんなセリフ、とてもじゃないが言えやしない。ぼくは、精一杯格好つけて、彼女に応える。 「あなたと共に、行けるところまで」 完全確実に舞い上がっていた。何の戯言も出てこないくらいに、それはもう究極絶無で舞い上がっていた。 「…………」 「…………」 「…………」 崩子ちゃんは腕を組み、姫ちゃんは黒い手袋を填め、萌太くんは屈託なく笑い、みいこさんは……いつもと変わらない。 あれ? と思ったら、ぼくからついっと目を反らした。でも照れているかどうかは微妙なところだ。 うっすらと、本当にわからないくらい、微かにうっすらと、頬が赤く染まって見えるのは、あまりにも自惚れが過ぎるだろうか。 お年玉を貰った気分。 色々な角度から色々な意味の視線が、ドスドスと、音を立てて身体に突き刺さるのを感じる。 しかしこの人は、ぼく以上に思わせぶりな人だ。たまらなくぼくを奮い立たせてくれる。あなた以外のサムライは考えられない。 「…………」 まぁそれはそれそれとして、結局何だかんだで出発は、それから三十分後だった。 『さよなら戯言先生』04へ 戻る