約 572,170 件
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/11796.html
おにごっこ【登録タグ お おにごっこP 初音ミク 曲】 作詞:おにごっこP 作曲:おにごっこP 編曲:おにごっこP 唄:初音ミク 曲紹介 二年前に作った曲を修正しました(作者コメントより) ふんわりと温かみがあり、つい小さい頃に戻りたくなる歌。 歌詞 風がそよぐ 赤い空模様 木々の色も 染まっているよ いつもの空き地 君を見つけて 頑張って声をかけてみたよ 鬼を決めるじゃんけんぽん 負けた私 1 2 3 数を数え 振り返り 追いかけた 君を捕まえたい 届けたいこの想い 星が瞬くその前に 君を照らしてたいんだ 君を捕まえたい 届けたいこの気持ち まだ小さな星だけど 君を照らしてたいんだ 楽しみだった 打ち上げ花火 風邪をひいて見に行けなかった 次の日 君は お見舞いに来て 「元気出せよ」 無邪気に笑った 「小さいけれど代わりだ」 一緒に見つめた線香花火 その時からずっと好きだった 君に捕まりたい 気づいてよ この想い 陽が沈むそれまでは 君の笑顔を見てたい 君に捕まりたい 気付いてよ この気持ち 雨が降っても負けないよ 君の笑顔を見せて 川の流れのように 過ぎ去る楽しいひととき ばいばい手を振り言ってきた「また明日」 君の声が遠い 届かない指先が 君が帰るその前に 君に伝えたいんだ 君を捕まえたい 届けたいこの想い 星が瞬くその前に 君を照らしてたいんだ 君を捕まえたい 会えなくなる前に 遠い記憶が霞んでく 二人だけの鬼ごっこ コメント テンプレートが使われていなかったので、修正しておきました。 -- 名無しさん (2011-01-16 23 41 04) すみません、ページこのページを作った者ですが、なにしろ初めてなのでよくわからなかったのです。修正有難う御座います。 -- 名無しさん (2011-02-04 23 42 56) むっちゃ良い曲 -- aik (2012-07-21 12 05 24) 良い曲だなー。 -- 名無しさん (2013-03-20 19 31 30) いい曲だなぁ。皆におすすめしたい曲だな。 -- 黒桜(´・ω・) (2013-05-27 16 04 26) とても良曲だと思います。私、この歌、大好きです!! -- 沙羅・クロス (2013-08-08 09 09 51) ( ⌒,_ゝ⌒)ノノ"☆パチパチパチパチ -- 懐かしさのある素敵な歌です (2013-08-18 14 25 43) いい曲ですが、CDを作成したり、ユーチューブに投稿されてないですね? おにごっこPさん、他の曲は作らないんですか? -- しゅんちー (2013-12-27 19 55 27) 最近ハマりました!!この曲大好きです! -- ロゼ (2015-07-09 20 18 43) この曲大好きです!神曲... -- のぞみ (2015-11-15 09 57 28) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4751.html
二日目 生殖の実験が成功すればもう少しゆっくりが必要になる。 と言うわけでゆっくりを捕まえに行った。 別に親のゆっくりはれいむとまりさはいらないな、考えていた アリス種がほしいなと思う。 本によると(簡単!!⑨でもできるゆっくり飼育!!) アリス種は中身がカスタードクリームで出来ており、レイパーらしく性欲を 制限できれば飼育しやすいらしい。 生殖でまた昨日のようなことをするのは面倒なので種を見つけたいのだ。 てな訳で山を歩くこと数十分・・・・。 まさかの「ゆっくりコロニー」を発見してしまった。 いるわいるわの騒ぎで色々な種類のゆっくりがいた。 分かるのは れいむ種 まりさ種 アリス種 パチュリー種 などだった。 とりあえす俺はゆっくり達の前に立った。 「「「「ゆ・?おしさんだぁれ!! ゆっくりのゆっくりスペースにはいらないでね!!」」」」 早速なお出迎えをされたが俺はプロだ。これぐらいでは怯まない。 「お兄さんは皆に甘いものを持ってきたんだよ?いらないの?」 「いるよ!!ゆっくりおいていってね!!」 「これだからいなかものはばかね!!とかいはじゃないわ!!いるじゃない!!」 「むぎゅー!!ほしいわよ!!」 「くれるんだzw!!」 最後のまりさが意味不明だが・・・・まぁいい計画どうり・・(ニヤリ)・・。 正直れいむとまりさはいらない。 「それじゃ小さい子からあげるから種類ごとにならんでねー。」 「「「「ゆ・ゆ・y・う・ゆゆ・」」」」 馬鹿だなと思いながらこいつらは並んでゆく。 んでもってそいつらをてきとうに本当に適当に片っ端から捕まえてゆく。 種類も無作為にケースに放り込む。後で選別しよう。 親たちは 「ああああああぁっぁぁわだじのごぉかぇせえぇぇl!!」 「ぶぎゅーーーーーー!!」 「がえぜぇぇぇl!!」 という内容のこと言いながらまとわりつくが こどもゆっくりを大体捕まえ終えてから相手をしてやろうと考え無視。 だが多少事故で踏みつけてしまっているようだがどうでもいい。 あっという間に殆どの子ゆっくりが俺のケースの中に入っていった。 さてどうしてやろうかな。 「はいはーいおれにちゅーもく!!」 俺は遠足の引率みたいに叫んだ。 と言っても叫ぶ意味は無く俺に全てのゆっくりが纏わりついている。 「この子達が殺されたくなかったらはい!一列に横にならべ!!」 と言ってもどうせ一体か2体は抵抗する。俺はそいつ等を容赦なく撃ち殺した。 ぱぱばすん。 「・・・・まだ抵抗するのか?」 「うるじゃーい!!!ゆっくりじなぁ・・・。」 ばばぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱぱばす。 高速弾+フルメタル弾なのですぱすぱゆっくりを通り抜ける。 一見当たっていないように見えるがしっかり当たっている。 当たったゆっくりが穴の多さの所為でよく奥が見える。 がそれも一瞬で破裂した。 飛び掛ってきた大量の親ゆっくりを全て餡と皮にする。2秒とかからない。 それを見て他のゆっくり共はおとなしくなったが 1家族分しかいらないので小さいゆっくりを放した。 親が死んだゆっくり達は意味がわからないのだろう・・。 死骸にその身を擦り付ける。非常にいじらしいがいらないので、撃ち殺す。 「「おかぁじゃぁぁん!!ゆっぐじじぁじぜゃ!!」」 「ろっくんろーる・・・。」 どかどかどか どんどん足で踏み潰していく。 木や岩に投げつける。 磔にされた子ゆっくり共は少しの間餡で張り付いているがすぐ でちゃり と落ちていく。 森の中が穴だらけと餡祭りになってる。 後赤いリボンと帽子も撒き散らされている そして撃たれずに残った哀れなゆっくり家族達を家につれて帰った。 これが始めての大量捕獲だった。 (続) あとがき あいからわずの乱文すみません 銃刀法違反とかは突っ込まない方向で・・・・。 このSSに感想をつける
https://w.atwiki.jp/dora-eroparo/pages/344.html
二本の柱の間にビニールシートを貼ってその間に貼った「壁がみトイレ」を使わせる事も含め、 紆余曲折を経てのシャワー休憩タイムが終わり、偽ネギは改めてクラスの面々を六列に整列させた。 「それではこれより、皆さんには神聖なる騎馬戦乙女大戦をやっていただきます」 「は?」 明日菜が言い、他の面々も困惑する。 「あー、この競技はですねー、この日本の偉大なる伝統行事です。これをクリアーしない事には、 クラス全員連帯責任で留年どころか初等部一年生からやり直しなのはもちろんですねー、 これは、学園をお守りする世界樹様に捧げる大変に意義深い行事ですので、 これを僕の言う通りきちんとやらない事には、子々孫々に至るまでとんでもない厄災が降り掛かる。 皆さんがこの競技をやり遂げた時、無病息災商売繁盛安産祈願その他諸々、 ハッピーにしてハッピーな一年が待っていると言うひじょーに大切な競技ですので 僕の言う通り真っ剣に頑張って一生懸命力の限りやっちゃってくださーい」 「はーい♪」 元気のいい返事に、にんまり笑って偽ネギが「うそつ機」を外す。 「では、神聖なる乙女装束とメモを一人ずつお渡ししますのでよろしくです」 * * * “…壮観♪” 騎馬戦体勢で揃った面々を前に、偽ネギはにんまりとする。 一班、先鋒・鳴滝風香、次鋒・鳴滝史伽、副将・綾瀬夕映、大将・エヴァンジェリンAKマクダウェル 二班、以下順番同じで古菲、春日美空、佐々木まき絵、明石裕奈 三班、長谷川千雨、柿崎美砂、釘宮円、椎名桜子 四班、近衛木乃香、桜咲刹那、宮崎のどか、神楽坂明日菜 五班、葉加瀬聡美、絡繰茶々丸、早乙女ハルナ、朝倉和美 六班、ザジ・レイニーデイ、四葉五月、村上夏美、那波千鶴 七班、龍宮真名、長瀬楓、雪広あやか、大河内アキラ 「えー、ルールは既にお渡ししたメモで説明した通りです。 先鋒の人から順番に上に乗って下さい。 上の人が胸当てと腰巻きを取られたら負け、下に下りて次の人と交代して下さい」 そこまで言って、 偽ネギは「きょうじき」で目の前の生徒たちを静止同然の状態としてから「ソノウソホント」を装着する。 「まー、エッチな所を見られれば見られる程心の中では大喜びで 脱げば脱ぐ程性的な意味でコーフンして 性的な意味で体が火照ってたまらなくなるニホンゴで言う隠れ露出狂だと言うのが この3‐Aの麗しきお嬢様方の特徴ですから心配はないとは思いますが」 そこまで言って、偽ネギは「きょうじき」で生徒の時間をグラウンドの時間進行に合わせてから、 「ソノウソホント」と「うそつ機」を交換する。 「何せこれは神様に捧げる乙女のお祭りですから、ぜーんぶ脱いじゃっても全然オッケーな訳なんですが」 偽ネギは、言葉を切って「うそつ機」を外した。 「競技としては、大将が負けたチームはそこで終了ですのでその場で待機です。 先鋒と次鋒と副将の人が横一列に並んで大の字に手足を広げて手を繋いで、 大将の人はその中から二人を選んでその肩の上に立って大の字に手足を広げて待機していて下さい。 分かりましたか?」 「はーい♪」 「基本は最後まで残ったチームが優勝と言う事になりますけど、 時間制限が過ぎたら全チーム失格で無気力試合=サボリ認定になりますのでご注意くださーい。 大事な大事な伝統行事ですので、正々堂々ぷるんぷるんに元気に頑張った人には 世界樹様からあつーいご利益がありますです。 で、俗世の事を言いますと、成績優秀チームには豪華賞品も用意してありまーす」 偽ネギの言葉に、クラスの面々がわっと沸き上がる。 「はい、それでは位置についてー…スタートですっ!」 偽ネギのピストルと共に、「ムードもりあげ楽団」の勇壮なBGMに乗って ぷるんぷるんな騎馬戦が堂々開幕した。 “…えーと、先鋒戦のミドコは…おっ、ちうたんぷるんキタwww” 「おわっ!」 「とったーっ!」 風香の不意打ちを受け、千雨の胸に巻かれていた一本の白いタオルがしゅるりと引っ張り取られる。 「ひゃんっ!」 「お嬢様っ!」 「もーっ、風香ちゃんっ、待てー♪」 腰に巻いたパレオを取られた木乃香がロックオン指令を掛けるが、ざっと立ちふさがるチームがあった。 「やんっ、もーっ」 「悪いな」 ふっと笑みを浮かべ、タオルを掲げた真名がすれ違って行く。 「こーたいやこーたい」 「はい、お嬢様」 ぱっと初々しい白い胸を腕で抱いていた木乃香がすとんと地面に下りた。 “…このかタンのかわいーお尻ぃ♪” 「あーん、やられたぁ!」 その声の出所では、歳を考えると十分な柿崎美砂の白い胸が、包みを失ってぷるーんと弾けていた。 “…あーちうたんもう落馬でしたかー、ミサミ○おっぱいもおいしーですよー♪” * * * 壮絶な乱戦も、何れ劣らぬと言う事なのか大方が終盤の様相を呈していた。 今、ほとんど同時に大将戦に突入しているのが、 明石裕奈、椎名桜子、神楽坂明日菜、朝倉和美、那波千鶴、大河内アキラ。 ほとんど同時に大将戦に突入したと言う事で、この面々の格好は馬に昇った直後のもの。 例のシャワー後の着替え筒の中で身に着けた、 胸に縛り付けた一本の白いタオルと、白いタオルを縫いつけた白いパレオと言う姿。 何れも結びは正面に向けた蝶結び、それも、最初の下結び無しで輪っかだけを結んだもの。 そんな格好の美少女達が、今正に、修羅へと足を踏み入れていた。 “…お、おお…” 「………」 「あー、今んトコのんびりお茶でもしてて下さい。超監督特別顧問補佐も立派な参加ですから」 薄いピンクのナース服で偽ネギの横にぽつんとたたずむ和泉亜子に、偽ネギが「うそつ機」を装着して言った。 “…まー、こいつにあの格好させる訳いかねーからなー…” 絶妙のタイミングで懐に入りくぐり抜けた桜子の手で、 引き抜かれた裕奈のタオルからその健康的な中身がぷるんと弾け出す。 「このおっ!」 「おわっ、ちょっ!」 そこは裕奈、懐に入ったボールを簡単に逃がす事なく、支える千雨の足並みの乱れも手伝って、 しゅぱっと抜き取ってぷるーんと自信ありの柔らかボールを弾き出した。 「ほにゃらばいくよーっ!」 「わっ!」 “…こ…これは、たまらん…” 桜子がサッと突き出した手は、どんぴしゃり、裕奈のパレオのタオルを掴んでいた。 「あー、亜子さん、早速ですが大切なお仕事です」 偽ネギの指示通り、亜子は、偽ネギの前にひざまずくと 元々が太陽がそのまま素通りしそうな極薄超ミニスカナース服の前を開き、 控え目な膨らみをチラチラさせながら偽ネギのハーフパンツとトランクスの足の穴に手を突っ込む。 “…いやいや、比べるのが間違ってるだけでその初々しい真っ白おっぱいピンクのピーチク なかなかのモンすよぺろぺろもおじょーずですしw…” 偽ネギに見下ろされてナースキャップとキャップの両脇ににょっきり屹立するネコミミを振り振りして、 あえて立て膝姿でハーフパンツから引っ張り出した熱いものを口から出し入れしている亜子を前に、 偽ネギはくっと顎を反らし、堪える。 “…まだ、堪えるんだ…肝心の…” 「おっしゃー!」 「あらあら♪」 「はにゃっ?」 千鶴の胸タオルを掲げた和美がたっぷりたっぷんと余韻も引かぬ内に遠ざかり、 シュタタッとすれ違った明日菜の手がその和美の胸タオルを掲げたため そのタオルの下からも柔らかくぷるんと弾け出す。 「ひゃっ?もうっ!」 その横を風の様に抜けられたかと思うと、明日菜はぷるーんと瑞々しく弾け出す敗北に闘志を燃やす。 その決定的瞬間をバッチリ目に焼き付けた偽ネギの肩がビクビクっと震えた。 「あー、そのままー、ごっくんしたらぺろぺろお口洗浄いっちゃってくださーい」 「はひネギへんへい…もごもご…」 真下でふるふる震えるナースキャップとネコミミが実に微笑ましい。 「とったりぃーっ!」 「あーんっ、負け負けっ!」 遠ざかる双子の声とすーっと通り過ぎる風の感触に結果を痛感した明日菜がさっぱりと言い、 偽ネギの見守る前で四班の面々が見事な待機フォーメーションを見せる。 地面に大きく広げた両足を踏みしめてしっかと手を握った木乃香と刹那の両肩に足を乗せ、 バッと両腕を広げて、一見頼りない足場に堂々大の字に立ち上がり何もかも見せつける。 青空をバックに、十分膨らんだ胸は既にピンと尖った乳首を頂きにきゅっと上を向き、 こちらはつるんとお子ちゃま風の肌色の下腹も、 むっちり逞しい健康美脚と共にくっきりと鮮やかな果肉を覗かせて開かれる。 そんな、堂々たる明日菜を真正面から目の当たりにした偽ネギの肩がビクビクっと震えた。 「あー、度々ですいませんがー、 そのままー、ごっくんしたらぺろぺろお口洗浄いっちゃってくださーい」 「はひネギへんへい…もごもご…」 * * * 「えー、戦いの余韻を残したままと言うのが仕来りと言う奴でしてねぇー、 そーゆー訳で、表彰式でーっすっ。 はーい、第一位、強者揃いの皆さんが死闘を展開する横で、 見事にちょこまかと勝利が転がり込んだ一班の皆さん。どうぞー」 胸と腰にタオルとパレオを巻いた一班の面々が、ぞろぞろとお立ち台に昇り、偽ネギの表彰を受ける。 「はーい、表彰状と副賞の超包子商品券とトマトジュース詰め合わせでーす」 「わーい♪(×2)」 「ありがとうです」 「いえいえ…別に見たかねーしボソッ…」 「ん?何か言ったかぼーや」 「い、いえいえ、何でもないス…」 引きつった笑みを浮かべながら、偽ネギはお立ち台を下りた。 「それでは、第二位、第七班の皆さんと個人MVPの那波千鶴さんには、僕から皆さんに相応しい、 とぉーってもビィィーッグな商品がありますのでー」 丸で捕獲された宇宙人さながらに、五人に囲まれながらプレハブ小屋に向かう偽ネギ。 「あーあー、他の皆さんはー、露出狂の血が騒ぎまくって火照った体は自分で鎮めていて構いませんよー。 あー、お友達にお願いしても全然オッケーですよー♪」 そう言ったその偽ネギの表情には悲壮なものすら浮かんでいたが、 偽ネギたるもの、本能に逆らう事は出来なかった。 「あらあらあらあらららららららららおほほほほほほほほほ……………」 「んっ、む、んんん、んんんんん、んんんんんむむむむむむっ……………」 「にににににいいいいいいににににににいいいいいにににんににににんににに……………」 「はっ、はああっ、ですっ、はおっ、はおおおっ、すわぁ、はおぉはぉおぉぉーーーーーーーーー……………」 「あおっ、あおおおっ、いいっ、いいいっ、いいいぐいぐいぐいいいいいぃぃぃぃぃ……………」 ツヤツヤテカテカ輝いてプレハブ小屋を出る五人の麗しき美少女に囲まれ、 半ばミイラ化した偽ネギがふらりとグラウンドの土に一歩踏み出した時には、 グラウンドでは一部は折り重なりながら艶めかしい天国の様な死屍累々が広がっていた。 「…ふにゃー…せっちゃあん…」 「…このちゃあん…」 おさらい 一班(優勝)、先鋒・鳴滝風香、次鋒・鳴滝史伽、副将・綾瀬夕映、大将・エヴァンジェリンAKマクダウェル 二班、以下順番同じで古菲、春日美空、佐々木まき絵、明石裕奈 三班、長谷川千雨、柿崎美砂、釘宮円、椎名桜子 四班、近衛木乃香、桜咲刹那、宮崎のどか、神楽坂明日菜 五班、葉加瀬聡美、絡繰茶々丸、早乙女ハルナ、朝倉和美 六班、ザジ・レイニーデイ、四葉五月、村上夏美、那波千鶴(個人MVP) 七班(準優勝)、龍宮真名、長瀬楓、雪広あやか、大河内アキラ * * * 「それではー、すんばらしい戦いの余韻覚めやらぬ内に、青春に向かって走りましょーっ」 「おーっ♪」 “…や…やっぱバカだこいつらwww” 偽ネギが懸命に尻をつねる脇で、「ムードもりあげ楽団」の演奏は今正に最高潮を迎えている。 「では、MVPの那波さんに先導お願いしまーす」 「分かりました、ネギ先生」 偽ネギの言葉に、千鶴がにっこり微笑み偽ネギから地図を受け取る。 「いちおー表に出ますんで、目印にこの髪留めつけておいてくださーい」 そう言って、偽ネギは、 「人よけジャイロ」無効バッジを「メカメーカー」で改造した髪留めを全員に回した。 「レッツ・ゴーッ!!」 「オーッ!!!」 「ムードもりあげ楽団」熱血青春特選をバックに、 犯罪以外の何物でもない一団がグラウンドから飛び出して行った。 * * * 「○時×分から×時×分までの間、麻帆良学園3‐Aの生徒を撮影したカメラの写真、画像、映像データは、 何れも偶発的なマシントラブルにより、他人の目に触れる事なく、 その撮影されたものは再現不能となったのであった」 リムジーンの後部座席で、「あらかじめ日記」をパタンと閉じた偽ネギはニヤッと笑みを浮かべる。 リムジーンの運転席と助手席には、「分身ハンマー」で叩き出された偽ネギの分身が一人ずつ。 運転席では「運転手」の「能力カセット」を装着した偽ネギ分身Aがその機能を最大限に発揮。 助手席では、3‐Aの担任も生徒も分身も全員が装着している無効バッジに対応した「人よけジャイロ」を 3‐A教室が留置所に移転して偽ネギがクビにならない様に黙々と調整している。 そして、ゆったりした足下には、 ザ・体育教師超監督特別顧問補佐としてランニングを免れ、眼鏡っ娘と化した和泉亜子の姿が。 なぜ眼鏡っ娘なのかと言えば、もちろん、 ミニスカネコミミピンク眼鏡っ娘青髪アルビノナースは萌えるからである。 そもそも、ダミー経由で入手したこのリムジーン自体が、 全車に「かたづけラッカー」を掛けられているので「ウルトラミキサー」で「かたづけラッカー」 仕様虫眼鏡と合成した眼鏡を掛けていないとどうにもならない。 では、何でまたそんな物騒な車に乗っているのかと言えば、 「そりゃーあんた、よけーなものに邪魔されたくないじゃあーりませんか、 車の壁なんぞと一緒にあれを見ろと?」 亜子や分身達と共に「創世日記」バージョン「石ころぼうし」(「石ころぼうし」使用者同士の感知が可能) を被った偽ネギは、ゆったりと高級シートに背中を預け、明らかにご都合主義な解説の台詞を口にする。 “…や…やっぱたっぷんたっぷんからぷるぷるふるふるwwwふさふさからちろちろー♪ やっぱせつアスでしょー、ちょーっと屈むとピンクのがそのままちろちろーぐにぐにー♪ そんでもってぷるんぷるんしながら真っ赤ではぁはぁがたまらんですタイwwwww” 「ウルトラストップウォッチ」で時間を止めた偽ネギは、 一度車を出てすたすたと裕奈に近づくと、跳ねる程に揺れたまま停止している裕奈の右の胸の膨らみに そっと自分の手首を添え、その指先に摘んだパールローターを先端に結ぶ乳首にそっと触れさせる。 その状態で自分の右手に「つづきをヨロシク」を噴射し 「つづきをヨロシク」とローターを「かたづけラッカー」で消去する。 左の胸でも同じ事を行った偽ネギは、今度は裕奈のお臍の下辺りにそっと自分の右の手首を添え、 更にその下の辺りに摘んだローターをそっと触れさせた状態で 自分の右手に「つづきをヨロシク」を噴射し、 「つづきをヨロシク」とローターを「かたづけラッカー」で消去する。 同じ事を全校生徒に行ってから、偽ネギは時間停止を解除する。 偽ネギがリモコンを操作し微妙な刺激を発動させると、 既に「ソノウソホント」でエロエロ露出狂化した身への最高のステージを与えられている一同への効果は、 すぐに目に見えるものとして現れた。 開かれた窓から、平均的に、つまり例外もあるけど平均的に、 年齢の割には見事な発育のバディをぷるんぷるんさせながら真っ赤な頬ではぁはぁと喘いでいる、 どう見ても犯罪者集団以外の何物でもない美少女の一団の表情は他の解釈は不可能。 現に、分身Aが熟練のハンドルとアクセルで ぴたっとそんな美少女達の横に付けているリムジーンの窓を開けて、 その艶めかしい走行を眺めている偽ネギの目には、ピチピチ上下する幾人もの健康的な太股に、 確かに汗にしては、と言う液体がつーっと伝っているのが捉えられている。 偽ネギのハーフパンツとトランクスは既にシートの上に畳まれ、 そんな偽ネギの足下で、ナース服の前を開いた亜子が顔を埋めていた偽ネギの股間からちょっと離れ、 顎を反らしてごくんと喉を鳴らしていた。 「はっ、はあっ、あああんっ」 「にゃっ?はにゃ、あんっ」 「はれっ、あんっ、ああっ…」 “…さすがの体力バカのバカレッドさんも息が上がって来ましたかぁー? このかさんぽーっとお上品に、でも素直な感情表現で。 刹那さんアキラさんの我慢して我慢してちょびっとだけのかわいー声、 ゆーなさん朝倉さんがまた一段とぷるんぷるんとぉ、 上下するたんびにぶるぶるに触るのがたまんねーっていい声出してんぜぇー。 色っぺぇー、たっぷんたっぷんー、犬がどーした犬がよぉ、那波様一生付いていきまーっすっ… …いちおー言っといてやんよ、夏美可愛いよ夏美…” 偽ネギのハーフパンツとトランクスは既にシートの上に畳まれ、 分身Aが熟練のハンドルとアクセルでぴたっとリムジーンを横に付けている 麗しき生徒達を窓を開けて眺めている。 そんな偽ネギの足下で、ナース服の前を開いた亜子が顔を埋めていた偽ネギの股間からちょっと離れ、 顎を反らしてごくんと喉を鳴らしていた。 偽ネギが、不格好なまでに大きめのリモコンを操作して、 思い付くままに窓の外で振動しているローターの出力を上げ下げする。 このリモコンは、「設計機」と「メカメーカー」で高性能コンピューターその他を原料に製造したもので、 リモコンはあくまで端末、本体はトランクの中に、 それでも未来の科学の粋を集めたコンパクトさで収納されていた。 「はっ、あんっ、んっ」 「くうううんっ」 旨そうな上に体力ありそう、と、偽ネギのリモコンさばきが若干調子に乗っていた 神楽坂明日菜と明石裕奈が垂涎の膨らみをたっぷんと揺らし、 可愛らしいうめき声と共に足をもつれさせ、「階級ワッペン」の強制力で辛うじて前進を続ける。 「あんっ、あっ、ああんっ、あああんっ! いっ、いいっ、うちっ、うちいっはああああんんんんっ!!!…」 そんな偽ネギの掛けているリムジーンのシートでは、 ミニスカをずらしてその太股で偽ネギの腰を挟み込み ずりゅっと十分に濡れそぼった女の中に偽ネギの男を呑み込んでいた亜子がギシギシと腰を上下させていた。 ナース服の開いた前からぷるぷると可愛らしいくらいの胸を震わせ喘いでいた亜子は 程なく引っ掛かってるくらいのナース服に隠れた背をピンと反らし、ガクガクとその身を大きく震わせて 唇から一筋ヨダレを垂らしてぐいっと顎を反らす。 その頃、亜子に挿入腰振りを命じていた偽ネギはと言えば、 車など来る筈の無い信号待ちの那波千鶴朝倉和美のぶるんぶるん足踏みを、 そうやって摺り合わせるピチピチ太股の付け根から僅かに覗くよじれてるところまでとっくりと眺めていた。 「んんんっ…」 リモコン出力を上げられたアキラがやっぱり足踏みぷるんぷるんしながら眉根を寄せ、 その前方で、千鶴と和美がハッハッ息をしながらムチムチたっぷんたっぷん信号を待っている。 「む、むおおっ…」 “…やっぱ、たまんねってこれ…” 「ふーっ…」 その素晴らしい光景に自制を捨てた偽ネギが亜子の中にその証を解き放ち、 ちょうど、ガックリと脱力した亜子の華奢な体を抱き留めた。 「…んー…ネギ君…んー…」 * * * そこは慈悲深い偽ネギの事、ご近所を一回りしてゴールに辿り着いた可愛い教え子達には、 偽ネギからの素晴らしいプレゼントが待っていた。 ゴールと共にリモコンMAXの洗礼を受けた美少女達は、次々とスポンジを巻いた柱に体ごと激突し、 地面から湯気を立てながら恍惚として腰を抜かすその表情は、何れもこの上無く満ち足りた幸せに溢れていた。 次話へ進む 小説保管庫へ戻る
https://w.atwiki.jp/wiki7_riverdamjp/pages/38.html
■トップページ ■基礎セクターくん ・通信販売関連 ・人材派遣・就職支援 ・紙・パルプ関連 ・プラント関連 ・広告関連 ・商社 □土木・建設 ・ゼネコン ・土壌汚染・地質調査 □食料品 ・飲料関連 ・砂糖関連 ・食品加工 □医薬品 ・製薬関連 ・ジェネリック薬品関連 ・健康関連 ・調剤薬局関連 ・医療支援 ・バイオベンチャー関連 ・福祉医療・介護関連 □ガラス・土石 ・セメント関連 □金属 ・鉄鋼関連 □非鉄金属 ・電線株 □製造業 ・ハイテク関連 ・半導体関連 ・デジタルカメラ □輸送用機器 ・自動車関連 ・自動車部品関連 ・カー用品・中古車関連 □証券・商品先物 ・証券関連 ・ネット専業証券 ・外為・商品先物関連 □銀行 ・メガバンク ・地銀 □その他金融 ・保険関連 ・消費者金融関連 ・リース関連 □不動産 ・住宅販売関連 ・不動産 ・不動産流動化関連 □陸海空運輸 ・鉄道・バス・タクシー関連 ・海運関連 ・港湾・運送関連 ・空運関連 ・航空機関連 □電気・ガス ・電力関連 ・ガス関連 □情報・通信 ・ネットポータルサイト ネット専門サイト関連 ・通信関連 ・放送関連 □消費関連 ・衣料品関連 ・コンビニ関連 ・スーパー ・百貨店関連 ・ホームセンター ・家具・インテリア関連 ・ラーメンチェーン関連 □サービス ・学習塾・教育関連 □娯楽・レジャー ・レジャー関連 ・パチンコ・パチスロ遊戯機関連 ゲーム関連 ・芸能関連 □グループ関連 ・トヨタグループ関連 ・NECグループ ・日立製作所グループ ・ソフトバンクグループ ・三菱グループ ・GMOグループ □投資法人
https://w.atwiki.jp/futabayukkuriss/pages/1083.html
恐怖! ゆっくり怪人 25KB 虐待 パロディ 理不尽 舞台・現代より少し過去 「ただいまー」 セーラー服を着た少女が家に帰ってきた。 「たっだいまー!」 返事が無いので、大きくもう一度言った。 鍵が開いていたので、誰かしらいるはずなのはわかっていた。 「おにいちゃん、おかあさーん」 この時間に父親が帰って来ている可能性は低い。だから、兄か母だろうと思っていた。 「寝てんのー?」 いつまでも返事が無いのに、少し苛立った。 台所に行くと、一人の人間が冷蔵庫を開けて中を覗き込んでいた。 体格と着ている服でわかる。兄だ。 「もー、おにいちゃん、いるんじゃーん」 実は全く返事が無いのに少し不安になっていた少女は、ほっとしながらもなじるように 言った。 「むーしゃむーしゃ」 背中を向けたまま、兄は何かを食べているようだ。 「ちょっと、返事ぐらいしなよ」 そんなにお腹が減っているのかとおかしくなった少女は苦笑しながら言う。 「……?」 そこで、気付いた。 兄の頭に、赤いリボンがついていることに。 なんだか理解するのに時間がかかった。 「なにそれ?」 女装? そっちの趣味でもあったのか。 いやいや、冗談好きの兄のこと、またなにかふざけて馬鹿なことをしているに違いない。 「ねえ、何やってんのよー」 「ゆっ!」 兄が、振り向いた。 しかし、それは兄ではなかった。 「ゆっくりしていってね!」 「……は?」 それは、黒髪で赤いリボンをつけたゆっくり。れいむ種に分類されるそれだった。 「ゆっくりしていってね!」 「は? は? え?」 ゆっくりのことはもちろん知っている。 戸締りを忘れたりすると家に入り込んで荒らしたり、誰もいなかったからここは自分た ちの家だと思い込んだりする迷惑な不思議生物だ。 しかし、そのゆっくりれいむの下についている体は紛れもなく人間のものであり、着て いる服は間違いなく兄のものだ。 肩幅だって背の高さだって、兄と同じだ。 「お、おにいちゃんは? おにいちゃんは?」 しかしとにかく、これは兄ではない。こんな顔がゆっくりれいむなものが兄なわけはな い。 「ゆゆぅ、この体の人のことだね」 れいむは、へらっと笑った。凄く、嫌な感じのする笑みだ。 「それなられいむがむーしゃむーしゃしちゃったよ! 体はれいむが貰っちゃったよ! ゆっくりりかいしてね!」 と、ゲラゲラ笑いながられいむが手に持っていたものを少女に突きつける。 ああ、そうか。 このれいむが乗っかっている体は、やはり兄のものだったのだ。 そして、れいむが手に持ってかじっていたものが兄の――。 「きゃあああああああああああああああ!」 張り裂けんばかりの悲鳴。 「おお、うるさいうるさい」 馬鹿にしたように笑うれいむ。 「ああああああああああああ! っっっ!!」 脳をまるごと攪拌されたような衝撃で、頭の中から思考がふっ飛ぶ。 逃げた。 少女は、とにかくその場から逃げた。 家を出て、恐怖に震えながら左右を見る。 「ゆゆーん、ゆっくりしていってね! にげないでね!」 後ろから声が近付いてくる。 いつもはただのうざい生き物としか思わず、邪魔なのを何度か蹴飛ばしたこともある少 女だが、あれは違う。あれはゆっくりだけど、違う。人間の体を乗っ取って頭を食べるゆ っくりなど、ゆっくりではない。 少女は、右に走った。少女はそちらから帰ってきた。お隣のおじさんも帰ってきたとこ ろで挨拶をした。今、おじさんは家にいるはず。 「おじさん!」 叫ぶと同時にドアを開ける。 目に飛び込んできたのは、驚愕に両目を一杯に見開いた形相のおじさんの顔。 そして、そこから流れたもので出来た赤い水溜り。 「ゆっくりしていってね!」 耳に入ってきたのは、いまや恐怖そのものと言える声。 今さっき挨拶したおじさんが着ていた服だった。 頭が、黒い山高帽をかぶったゆっくりまりさになっている以外は、今さっき挨拶したお じさんのままだった。 「い゛ゃああああああああ! なんな゛のぉぉぉぉぉ!」 すぐに家から出る。 「ゆっくりしていってね!」 しかし、既に兄の体を乗っ取ったれいむがやってきていた。 「や゛あああああああ!」 方向転換をしようとして足をもつれさせて倒れる少女。 「ゆゆーん!」 腰が抜けて立ち上がれぬまま震える少女の耳に、また別のゆっくりらしき声が聞こえた。 「ゆっゆっゆっ! お前も体を乗っ取ってやるよ!」 それはゆっくりれいむだったが、体から下に見覚えが無かった。というよりも、普通の 服装ではなかった。なにやら鎧のようなものをつけているのだ。 「ゆっゆっ! この村はすぐに我らゲスショッパーのものだよ!」 その鎧を着たれいむはゲラゲラと笑った。それに兄の体のれいむとおじさんの体のまり さも和して笑う。 ゲラゲラゲラゲラ 少女は、絶望していた。 自分もああなる。 自分も体を乗っ取られてしまうのだ、と。 「待てぇーゐ!」 しかし、そこに一人の男が現れた。 男は、現れるなり、まりさに飛び蹴りをかましてふっ飛ばした。 「ゲスショッパーめ! おまえたちの思い通りにはさせんぞ!」 「ゆゆーん! おまえは大本営タケシ、もう嗅ぎつけてきたんだね! ゆっくりしてない よ!」 鎧れいむが忌々しげにその男を指差して言った。 「ゆーっ! ひとまずゆっくりしないで退けー!」 「ゆゆーん!」 「ゆゆーん!」 鎧れいむが命令して身を翻すと、れいむとまりさもそれに倣った。 「待て! 逃がさんぞ!」 男――大本営タケシはそれを追おうとするが、うずくまって泣きじゃくる少女を見て少 し迷った風だった。 「アニキ!」 そこへ、車に乗った男が現れた。 「力也! その子を頼む!」 「わかった。まかせてくれ!」 力也――大本営タケシをアニキと慕い、ともにゲスショッパーと戦う頼りになる仲間だ。 村外れにある神社の境内に逃げてきた鎧れいむたち。 「待てぇーゐ! とうッ!」 だが、大本営タケシに追いつかれてしまった。 「ゆゆん! ここまで来ればこっちのものだよ! かかれーっ!」 鎧れいむが言うと、そこかしこからゲスショッパーの戦闘員が現れた。なんといつもと は違い、みんなゆっくりれいむやまりさを模した仮面を被っている。 「とうッ! とうッ!」 大本営タケシは襲い掛かる戦闘員たちを殴り蹴り投げ飛ばした。 「「ゆゆーん!」」 だが、戦闘員を倒したと思ったところへ、例の人間の体を乗っ取ったれいむとまりさが 襲い掛かってくる。 「ぐわっ!」 大本営タケシは、れいむとまりさの連携攻撃を喰らって地面を転がった。 「ライダー……へんっしんっ! とうッ!」 覆面ライダー、大本営タケシは改造人間である! 彼を改造したショッパー(現在はゲスダムと統合してゲスショッパー)は世界制服を狙 う悪の秘密結社であるッ! 人間の自由のため、ライダーはゲスショッパーと戦うのだッ! 「ゆっくりしね! 覆面ライダー、大本営タケシめ!」 へんっしんっ、した後の覆面ライダーはまるで覆面を被ったような頭だが、無論それが 正真正銘の頭部である。ぱっと見、銀行強盗だがその体には、熱い正義の血が流れている のだッ! 「来いっ、怪人め!」 覆面ライダーは鎧れいむ――ゲスショッパーのゆっくり怪人と対峙して恐れる色も無く 言い放った。 「ゆゆーん!」 まりさが襲い掛かってくるが、へんっしんっして覆面ライダーとなった今や敵ではない。 「ライダーサミング!」 いきなりの大技が炸裂した。 ライダーの右手の親指がまりさの左目にずぶりと突き刺さった。 「ゆっぎゃあああああ!」 悲鳴を上げるまりさだが、改造されてゲスショッパーの手下となり罪の無い人を危めた ゲスに情けは無用だ。 「ゆっくりしね!」 れいむがまりさを助けんと襲ってくる。 「ライダーサミング投げ!」 だが、目に突っ込んだ指を動かして思うようにまりさを操って不安定な体勢にさせたラ イダーは、そこから投げを打ち、まんまとまりさをれいむに激突させることに成功した。 覆面ライダー二十六の殺人技の一つ、ライダーサミングとそこからの派生技、ライダー サミング投げである。良い子は真似するんじゃないぞ! 大本営タケシが番組の終わりに 爽やかにお願いしても真似する良い子が続出して多少社会問題化したものの、そのまま行 った。昔はおおらかだったんだよッ! 「ゆゆーん! 永遠にゆっくりさせてやる!」 とうとう、一人になったゆっくり怪人が自らライダーに立ち向かってきた。 「ゆゆーん! ゆゆーん!」 ゆっくり怪人が叫ぶと、鎧の胸の部分が開き、なんとそこから小さなちびゆっくりが飛 び出してきた。 「ぬぬっ! くそっ!」 たくさんのちびゆっくりに絶えず体当たりをされ、さすがのライダーが苦戦する。 「とうッ! とうッ!」 「ゆびぃ!」 「ゆべっ!」 パンチやキックで潰しまくる。 「それっ、あまあまだ!」 潰したちびゆっくりの中身を投げると、それへ群がるちびゆっくりたち。 「今だ! ライダーボルケイノ!」 二十六の殺人技の一つライダーボルケイノが炸裂した。 手の先から炎を噴き出す技で、最初の撮影の際に大本営タケシを演じる弘岡正さんが手 を火傷しながら文字通り熱演したことで有名だッ! 「「「あぢゅいぃぃぃぃぃぃ!」」」 ちびゆっくりたちはあっという間に炎に包まれて絶命する。 「ゆゆーん! よくもかわいいおちびちゃんたちを! ゆっくりしね!」 ゆっくり怪人が怒りをあらわに襲い掛かってくる。 「ライダー関節キィーック!」 だが、ライダーはすかさず身を沈め、走ってくるゆっくり怪人の右膝に正面から蹴りを 打ち込む。 「ゆっぎゃああああああ!」 いい声で鳴いて、ゆっくり怪人が転がって苦しむ。 これもライダー二十六の殺人技の一つ、ライダー関節キックである。全く可動しない方 向へ膝を蹴り抜くことで一生もののダメージを負わせる恐ろしい技だ。良い子は(中略) 昔はおおらかだったんだよッ! 「とうッ! とうッ! とうッ!」 倒れたゆっくり怪人をライダーが蹴りまくる。もう敵は完全に満身創痍で、テレビの前 のちびっ子たちも「よしやれ、殺せ!」と熱い声援を送っている時間帯だ。 だが、相手は狡賢いゲスショッパーの怪人である。 「ゆっくりやべでね! ゆっくりやべでええええ! ゆっくりごめんなさい! ゆっくり ごめんなさい!」 ゆっくり怪人は、ひたすら謝り出した。 そうなると、心優しいライダーは攻撃の手を止めてしまう。 「れ、れいむは、山でみんなとしあわせーに暮らしてたんでずぅぅぅ、でも、でもある日 人間さんがみんなを! それで、人間ざんにふぐしゅうできるっで言うがら、改造手術を 受げだんでずぅぅぅ、ゆるじでぐだざいぃぃぃぃ、れいぶじにだくないでずぅぅぅ!」 必死に、ゆっくり怪人が許しを乞う。 「もう、ゲスショッパーになんか騙されるんじゃないぞ」 ライダーが構えを解いた。 「ゆゆーん!」 待ってましたとばかりに、ゆっくり怪人が地を這うような低空タックルでライダーの足 を絡め取り、まんまと引きずり倒して上に乗った。 「こんな見え見えの泣き落としに引っかかるなんて馬鹿なの? 死ぬの?」 「くっ、だましたな!」 「だまされる方が馬鹿なんだよ! ゆっくりりかいしてね! そしてゆっくり死んでね!」 ゆっくり怪人が拳を振り落とそうとしたその瞬間――。 「ゆっ!」 大きな石が凄い速さで飛んできてゆっくり怪人の顔面に激突した。 「とうッ!」 その隙にライダーはブリッジで跳ね上げて脱出に成功した。 「ゆゆゆっ! ゆっくりじゃましないでね!」 「おまえは!」 石の飛んできた方向にいたのは、一人の男だった。 ストッキングを頭にかぶっているためにどんな顔をしているのかはわからない。 「ふん、甘ちゃんめ、そんな見え透いた手に引っかかるとはな!」 ストッキングマン! 彼もまた、ゲスショッパーに改造された改造人間であるッ! ストッキングをかぶって いるように見える頭も、ライダーと同じくそういう頭なのだ。 これまたライダーと同じく、悪の洗脳手術を受ける前に脱出に成功したストッキングマ ンだが、ゲスショッパーと敵対しているものの、ライダーが弟を殺したと誤解しているた めに、ライダーのことも倒さんと一人で戦い続ける孤独な男ッ! だが、洗脳手術こそ受けなかったものの、その前の手術の段階で記憶を失い、弟がいた ということは覚えていても、どんな顔をしていたか、どんなふうに過ごしたかなどは覚え ていない。それでも彼は、たった一人の肉親の記憶にすがり、それを殺したライダーに復 讐を誓うッ! その殺されたと思っている弟こそが大本営タケシその人である。 二人は、お互いを生き別れた兄と弟であることをまだ知らないッ! 「ふん、助けるのは一回だけだぜ。そんな奴にやられるなよ。お前を殺すのはおれなんだ からな!」 言い捨てて、ストッキングマンは去っていった。孤独な背中は何を思うのか!? 「ふん、どうやら奴に助けてもらったようだな」 ライダーは穏やかな声で言った。自分を仇と付け狙うストッキングマンだが、どうして も敵と思えぬ暖かさを感じていたのだった。 「ゆ、ゆゆーっ!」 隙ありと、ゆっくり怪人が飛び掛ってくるが、ライダーは華麗にそれをかわすと右手を 掴んで関節を極めて自由を奪いつつ飛び膝蹴りを叩き込んだ。 「とうッ! とうッ! とうッ!」 倒れたゆっくり怪人に馬乗りになって殴る。 それを嫌がって後ろを向いたゆっくり怪人の首を締め上げる。 「ゆ……ゆ……ゆ……」 「ライダー絞殺刑!」 二十六の殺人技の一つががっちりと決まり、ゆっくり怪人の首が跳ね飛んだ。 こうして、一つの村を恐怖に陥れたゲスショッパーのゆっくり作戦は覆面ライダーの活 躍によって失敗に終わったのです。 みなさんも、ゆっくりを見つけたら注意してください。 ……もしかしたら、それはゲスショッパーの怪人かもしれないのですから。 覆面ライダー第二十八話「恐怖! ゆっくり怪人」は、なかなかの反響を巻き起こした。 後半は覆面ライダーが怪人とシャレにならない危険技で殺陣を繰り広げるいつもの展開 だったのだが、前半のホラー風に仕立てた部分が評価されたのだ。 人間にとって、本来恐れるに足りぬ存在が人間を脅かし恐怖のどん底に突き落とすとい うアイデア自体は珍しいものではなかった。蟻などを使ってホラー映画に使われた手法だ。 だが、それをゆっくりにやらせたのはこの話が初であり、後に作られた放射能を受けて変 異したゆっくりが人間の体を乗っ取って人間との全面戦争になるホラーアクション映画「 Take it Easy!」の監督はこれに影響を受けたことを認めている。 そして、この話が大きな影響を与えたものがもう一つあった。 「ゆっゆっ!」 「ゆっくりあそぼうね!」 「こーろこーろするよ!」 「れいみゅもこーろこーろすりゅよ!」 「おねえしゃん、みちぇみちぇ、まりしゃのーびのーびできりゅよ!」 れいむとまりさのゆっくり姉妹四匹が楽しそうに遊んでいる。 「ゆゆーん、ゆっくりしてるね」 「おねえさんたちはおねえさんらしくなってきたね」 それをゆっくりした笑顔で眺める親れいむと親まりさ。 午後の一時、たっぷりとおひるごはんをむーしゃむーしゃした後に、暖かい陽射しに照 らされてのこのゆっくり団欒風景である。 だが、そこへ―― 「おい! ゆっくりがいたぞー!」 歓喜に満ちた声がした。 「よし、やるぞー」 「へっへっへっ」 嬉しそうに言いながら現れたのは、歳は十歳かそこいらと思われる三人の少年だった。 「ゆゆっ!? に、にんげんさんたちは、ゆっくりできるひと?」 「ゆっくりできるなられいむたちとあそんでいってね」 「まりしゃといっちょにのーびのーびすりゅ?」 「れいみゅのおうちゃをききちゃい?」 善良な部類に属する姉妹ゆっくりたちは、ゆっくりと言った。 それに返事をせずに、少年たち左腕をぐるりと回し、その直後に右腕を斜め上に突き上 げた。 「「「ゆゆゆっ!?」」」 少年たちは笑顔であり、なんだかとてもゆっくりしているようだと思った姉妹たちは嬉 しくなった。 「「「ライダー……へんっしんっ!」」」 だが、それはこのゆっくり一家を地獄へ突き落とす前に行われる儀式であった。 「とうッ!」 「ゆ゛っ!」 おねえさんれいむが、蹴り飛ばされた。 「とうッ!」 「ゆわあ、おしょらを、ゆべ!」 おねえさんまりさが、持ち上げてから叩き落された。 「とうッ!」 「「ゆぴっ!」」 いもうとれいむとまりさが、二匹まとめて踏みつけられた。 「な、なにずるのぉぉぉぉぉ!」 「や、やべでね! ゆっぐりでぎないよ!」 両親は当然驚き戸惑い怒って食って掛かる。 「来い! ゆっくり怪人め!」 「ライダーが相手だ!」 「ゲスショッパーめ!」 だが少年たちは取り合わずに、一方的な敵意を向けてくる。 既におわかりであろう。 もう一つの影響を与えたものとは、子供たちがやる覆面ライダーごっこであった。 ライダーごっこの際には、誰がライダーをやるか、誰が怪人をやらされるか、で揉めが ちであった。 だが、ライダーがゆっくり怪人と戦う勇姿を見てのち、全国のちびっ子たちは、怪人役 にまったくもって適しまくった存在がいることに気付いたのだ。 既に述べた通り、覆面ライダーの必殺技にはなかなか危険なものが多く、幾度かPTA から「怪人の脊椎へ対しての攻撃が執拗すぎる」「既に瀕死状態の怪人にトドメを刺さな いで足関節を極めに行く必然性が無い」などなどとクレームをつけられている。 中にはやっちまう子供もいたが、ほとんどは大本営タケシの「良い子は真似するなよ」 という言葉を守っていてライダーごっこをやる際も、二十六の殺人技のほぼ全てを封印せ ざるを得なかった。 しかし、ゆっくり相手にならなにをしてもいい。むろん人間でいうと頭部しか存在しな いゆっくりに仕掛けられる技は限られていたが、殺しても構わないというのは大きかった。 「とうッ! ライダーサミング!」 少年の親指が、ずぶり、と親れいむの右目に突き入れられた。 「ライダーサミング投げ!」 そのまま腕を振って投げ飛ばす。 「ゆっぎゃああああああ!」 「やべてね、ゆっぐりやべてね!」 親れいむは右目をえぐられたのと地面への落下のダメージに泣き叫び、親まりさは必死 に懇願した。 「「ゆっくりこわいよぉぉぉ」」 「「たちゅけちぇぇぇ」」 その親まりさの後ろに子供たちが隠れる。 「ま、まりざおごるよ! 強いんだよ!」 ぷくぅーっと膨らんで精一杯の威嚇。 ひょい、と抱え上げられてしまう。 それでもぷくぅーっとしたままの親まりさを少年は投げ上げた。 空中にあってもぷくぅーっとしていた親まりさ。 「ライダーキィィィーック!」 投げ上げた少年が走ってとび蹴りを喰らわせる。 「ゆびゃあああ」 ぽーんと飛んで行った先には、右目を失った番のれいむがいた。 ぼてっ、と落ちて呻くまりさに、れいむが心配そうに近付いて行く。 「ば、ばりざぁぁぁ、ゆっぐりじでぇぇぇ」 「ゆ゛ああああ、いだいぃぃぃぃ」 「ぺーろぺーろ、いたがらないでね、ぺーろぺーろ」 「ゆぅぅ、れいむ、ありがとう」 あまり多くのことを同時に考えられぬ餡子脳ゆえにまりさは自らを苛む痛みに、れいむ は愛するまりさをぺーろぺーろして癒すことに意識を持ってかれてしまっていた。 だから、子供たちのことを思い出したのは、子供たちの悲鳴によってだった。 「ゆっぴゃあ! あぢゅぃぃぃぃぃ!」 「ライダーボルケイノ!」 少年の一人がライターで、子ゆっくりの髪の毛や帽子に火をつけていた。 「「ゆ゛ぴぴぴぴ!」」 四匹の姉妹たちが転げ回って火を消そうとする。 だが、あっという間に髪の毛は燃えていってしまう。 「「たじゅげでええええええ!」」 「おちびちゃん、いまたすけるよ!」 「まっててね!」 親れいむと親まりさがぽよんぽよんと跳ねていく。 「ライダーキィーック!」 しかし、あと少しというところで蹴り飛ばされてしまった。 「や、やめでね、じゃまじないでね!」 「お、おちびだぢがじんじゃうよ! たずげにいがせで!」 少年たちの足に怯えながら叫んだが、完全に無視された。 その間にも、子供たちの髪の毛は燃え尽きて、炎は体に移っていた。 「ゆ、ゆっぐりごべんなざい!」 親れいむが、ぐにっ、と体を曲げた。 「わるいごどじたならあやばります! おちびぢゃんをだすげでぐだざい!」 親れいむは、必死に懇願する。 「ゆるじでぐだざい! ばりさだぢ、あやばりますがら!」 それを見て、親まりさもそれに倣う。とにかくもう全く理由はわからないが、ひたすら 謝って子供が死ぬのだけはなんとか回避したかった。 「うーん、まあ、わかればいいんだ」 少年の一人が言うのに、二匹は目を輝かせる。やった。なんだかわからないが、どうや ら人間さんが許してくれそうだ。子供たちも助かる。 「おい待て! それは奴らの手だぞ!」 「そうだぞ、そうやって油断させて襲い掛かってくるぞ!」 だが、他の二人の少年がそう言った。 「おっと! そうだったな、あぶないあぶない!」 少年はにやりと笑って言った。 その間にも子供たちは炎に蹂躙され、体の小さい赤ゆっくり二匹は既に暴れることもで きなくなっていた。 「な、なんのごと! まりざだぢ、あやばったよ!」 「ゆるじでぐださい! おちびぢゃんをだずげでぐだざいぃぃぃぃ!」 両親ゆっくりはなおも懇願する。 少年の一人が謝罪を聞き入れたように振舞ったところから全てが、覆面ライダーの話で ゆっくり怪人が謝ってライダーを油断させたシーンを再現したごっこ遊びの一部であるこ とを知らぬままにひたすら謝った。 「もっど……ゆっぐり……じだ……が……た」 そして、その声が聞こえてきてしまった。 見れば、四匹の子供は既に一匹残らず焦げ饅頭になって焼け死んでいた。 「「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」」 「よーし、トドメだ」 悲しみに絶叫したれいむとまりさに、少年たちが近付いてきた。 「ゆっくりしね!」 「ゆっくりやっちゃえ!」 「ゆゆっ! みんながんばっちぇ!」 「がんばりぇ! がんばりぇ!」 何匹ものゆっくりたちが集まっていた。 「えぅ……えぅ……やめで、もうやだぁぁぁ」 その真ん中に、まだ小学生になったばかりと言った年頃の女の子がうずくまっている。 「ゆっくりしね!」 成体サイズの大人ゆっくりたちが四方八方から体当たりをしている。 小さな女の子と言ってもゆっくりの体当たりごときならばそこまで痛くはないし、走れ ば逃げられるだろうに、その子はじっと耐えているだけだ。 「がんばりぇぇぇ!」 小さな子ゆっくりや赤ゆっくりは、それを周りから囃して応援している。 今、ここにいるゆっくりたちは、いずれも子供たちの覆面ライダーごっこによって肉親 や仲間を失っていた。 彼らは一致団結し、遂に人間に対して自らの生存と尊厳と復讐を賭けた一大闘争に打っ て出る覚悟を定めていた。 「おおきなにんげんには勝てないよ、ちいさなやつを狙うんだよ!」 リーダー格のまりさが少しは餡子脳を回転させて提案した。 そんなわけで、小さな人間を探していたゆっくりたちは、この少女を見つけて一斉に襲 い掛かったというわけである。 そして、作戦はまんまと当たった。 少女はろくな反撃もできずにいた。 「やめて、からだをのっとらないで!」 と、泣きながら叫ぶので、みんなで口を揃えて、 「「ゆゆん! からだをのっとるよ!」」 と言ってやったら、ますます泣きじゃくって悲鳴を上げた。 この少女は元々気が弱く、生物を痛めつけたりすることができない上に、兄と一緒に見 ていた覆面ライダーのせいで、ゆっくりをなにやら恐ろしいものであると認識してしまっ ていた。 「「「ゆっくりしね!」」」 殺意と体をぶつけてくるゆっくりたちがひたすら恐ろしかった。きっと自分も首を切ら れて体を乗っ取られてしまうのだと怯えていた。 だが―― 「「「待てぇーゐ!」」」 そこへ、三人の少年がやってきた。 先ほど、ゆっくり一家でライダーごっこをしていた少年たちである。 彼らは、まだまだ遊び足りなかったのでゆっくりを探していたところ、小さな女の子が ゆっくりに囲まれて攻撃されているのを見つけたのである。 「おい、助けるぞ!」 「ああ!」 「ゆっくりどもめ!」 そう言って走り出した時、少年たちの中で正義の心が燃え上がった。 これは、ごっこじゃない。 悪いゆっくりに、女の子がやられている。まさに、覆面ライダーと同じシチュエーショ ンだ。 「「「とうッ!!!」」」 少年たち、いや、小さなライダーたちは、目を、たぶん正義の光で輝かせながら突進し た。 子供と言っても完全にやる気ならば、一人でもゆっくり十匹程度は敵ではないのである。 勝利の予感にひたっていたゆっくりたちは、悲しいぐらいにあっさりと蹴散らされた。 気持ちが逸った少年たちは全く手加減や容赦をしないために、次々にゆっくりは餡祭り に上げられていった。 「ゆぴ!」 「いぢゃ!」 「やめぢぇ!」 小さな子供たちも、正義の鉄槌を逃れることはできなかった。ことごとく踏み潰されて 死んだ。 ゆっくりたちを皆殺しにした少年たちは、女の子が泣き止むのを待って家に送り届けて から解散した。 翌日、学校で早速その話を吹聴した。 少年たちの口ぶりは、おれたちはごっこ遊びじゃなくて、本当にライダーのように悪を 倒したのだと言わんばかりの幼い正義感の昂揚に満ちていた。 他の少年たちは、それを羨んだ。 「よし、おれたちも悪いゆっくりをやっつけようぜ!」 という声が上がるのにそんなに時間はかからなかった。 そこで、悪いゆっくりとよいゆっくりをどうやって見分けるのか、とかそういうこまけ えこたぁいいんだよ、が子供というものである。 三人の少年たちが実見したことだけで、もうゆっくりは悪いものなのだ。お話の中のゆ っくり怪人と同じような悪い連中なのだ、ということになっていた。 とある広場は、ゆっくりプレイスになっていた。 相当な資産家の私有地ではあるが、もう何年もほったらかしにされている。そこへ野良 ゆっくりたちが住み着いた。 近所に愛護派の人間が数人住んでいたために、色々と面倒を見てもらっていた。 大半の住民は別にゆっくりを好いても嫌ってもおらず、花壇を荒らしたり家を乗っ取ろ うとしない限りは何もされなかった。 その日、広場のゆっくりたちが集まっていた。 「「「ゆっゆっゆ~っ♪」」」 おうた自慢のれいむたちが何匹も声を揃えて合唱している。 それは今日、晴れて結ばれたまりさとありすの番を祝福する歌であった。 ゆっくりたちがわざわざ結婚式を行っているのは、愛護派の人間に、人間はそういうも のをすると教えられてのことだ。 「ゆっくりおめでとう!」 「しあわせーになってね!」 「はやくおちびちゃんを見せてゆっくりさせてね!」 「ありすおねーしゃん、きれーだにぇ!」 「ゆぅ、れいみゅもあんにゃふうにけっこんしちゃいよ!」 みなの祝福を浴びながら、黒い布を体に巻いたまりさと白い布を巻いたありすはゆっく りと微笑む。 ちなみに、タキシードとウエディングドレスのつもりである。 誰もが、狩りが得意で勇敢なまりさと優しくとかいはなありすのカップルの幸福を疑っ ていなかった。 で、既に賢明なる読者諸君もあまり賢明でない読者諸君も、この幸せ一杯のゆっくり結 婚式がどのような末路を辿るかお察しのことであろうが…… 「うおおおおー! ゆっくりがいたぞー!」 ドタドタと十五人もの少年たちが広場にやってきた。 「ゆゆ?」 「な、なんなの?」 「ゆ、ゆっくりしていってね?」 「け、けっこんしきをみにきたの?」 戸惑うゆっくりたちを尻目に、少年たちはポーズをとって叫んだ。 「「「ライダー……へんっしんっ!!!」」」 とうッ! とかけ声を上げて、ゆっくりたちを手当たり次第にいたぶり始める。 「「「ゆ゛んやぁぁぁぁ! なにずるのぉぉぉぉぉ!」」」 「せまるぅ、ショッパ~♪」 「ゆ、ゆべええええ」 「地獄の封印だぁ~♪」 「や、やべぢぇぇぇ、ごろじゃにゃいでぇぇぇ!」 「我らをねらう黒い影ぇ♪」 「おちびちゃんだけは、おちびちゃんだけはだずげでえええ!」 「世界の平和をまぁもるためぇ♪」 「ちゅ、ちゅぶれるぅぅぅ、ゆぶ!」 「ゴー、ゴー、レッツ、ゴー♪」 「ゆっぐりやべでね! ゆっぐりでぎないよぉぉぉ!」 「くりぬけ目玉ぁ♪」 「ゆっぎゃあああああ!」 「ライダー、サミング♪」 「みえにゃいよ、れいみゅのおめめ、みえにゃいよぉ、いぢゃいよぉぉぉ」 「ライダー、ボルケイノ♪」 「ありずのうぇでぃんぐどれすに火がぁぁぁ! あ、あづいいいいいい、まりざぁ、たず げでええええ!」 「「「覆面ライダー、覆面ライダー、ライダー、ライダー♪」」」 「ありずぅ……もっど、ありずど……ゆっぐり、した……がっ……た……」 小さなライダーたちは、嵐のように去っていった。 「はい、みなさん、それでは本日の目玉と参りましょう」 とある部屋に招じ入れられた男たちは、そこにいたものを見ると目を輝かせる。 「ゆゆっ? ここはれいむたちのゆっくりプレイスだよ!」 「ゆっくりできるならゆっくりしていってもいいよ!」 「おじしゃんたちはゆっきゅちできりゅひと?」 無数のゆっくりたちだ。 「えー、今日は是非とも心の底から童心に帰って楽しみましょう!」 司会者らしい男が言った。 「でも、昔みたいにゆっくりを投げて飛び蹴りとかは気をつけてやりましょう。私らもう 若くないんですから」 そう付け加えると笑い声が上がる。そこにいる男たちは確かに中年ばかりで若い者は一 人もいなかった。 「それでは……」 一度、声を切ってから司会者は言った。 「出たな! ゆっくり怪人め!」 そう、それはかつて子供の頃に覆面ライダーごっこでゆっくりをなぶり殺して遊んでい るうちに、ゆっくり虐待に目覚めてしまった人間の集まりだった。 同じ年頃の同志に、目覚めたきっかけがライダーごっこだったという人間が多いために 一度その人間だけで集まろうという話が持ち上がったのだ。 いい歳した男たちは、まるで少年のような無垢な笑顔で微笑んでいた。 それを見て、ゆっくりできる人間さんのようだと思ったゆっくりたちもゆっくりと微笑 む。 大きくなったかつての少年たちは、あの頃のように笑顔のまま、左腕をぐるりと回して から右腕を斜め上に突き上げた。 みんなでやれば怖くない、みんなでやれば恥かしくない。 「「「ライダー……へんっしんっ!!!」」」 終わり おれがすげえジジィになった時、いきなりゆっくり虐待を思い出して再びハマったりす るんだろうか。 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 340 ゆっくりほいくえん ふたば系ゆっくりいじめ 396 つむりとおねえさん ふたば系ゆっくりいじめ 444 ドスハンター ふたば系ゆっくりいじめ 479 やさしいまち トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 飼いゆっくり殺してないーーーーーー -- 2018-05-14 23 21 17 女の子助けた少年達かっこいい! ゆっくりが結婚式とかキモイと思ったら案の定潰されてすっきりー! -- 2013-04-15 11 02 43 近所に住んでた愛護派の人間達は、このクソガキどもを注意しなかったのか -- 2012-09-19 21 01 48 攻撃が執拗すぎるの所に吹いた。 -- 2011-09-15 17 09 40 ゼロノスは寝技じゃないプロレスだ -- 2010-12-23 12 02 21 これめっちゃ面白れえwww最高にゆっくり出来ましたw >PTAから「怪人の脊椎へ対しての攻撃が執拗すぎる」 これには俺も大笑いしたww初めてPTAの指摘に納得だよw なんか最後ノスタルジィで良い話みたいになってるしww -- 2010-11-27 20 10 54 電車の中で大笑いしたw -- 2010-09-16 11 59 33 「怪人の脊椎へ対しての攻撃が執拗すぎる」にセンスが光る -- 2010-08-24 02 00 17 ↓ゼロノスが居るじゃないか -- 2010-07-22 21 27 53 寝技が得意なライダーが一人くらいいてもいいと思うんだ -- 2010-07-19 09 34 02
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/412.html
何処とも知れない場所にある、誰からの干渉も受ける事が無い建物。 その建物の中は時間の流れすら外とは違っており、いつから建っているのか、誰が建てたのか、 どのような目的で建てられたのかすら不明であった。ただ、建物の中には何百人もの人間が住んでいた形跡だけがある。 生きるのに必要な物は全て建物の中にあった。水も電気もガスも通っており、食料は新鮮な物がいくらでも貯蔵庫にあった。 服は利用者にぴったりの物がクローゼットに用意されており、ベッドメイキングもいつの間にか整っている。 街からそう離れていない場所に建っているにも関わらず誰も近寄らないこの怪しい建物を、 たまたま迷い込んだ男は大変気に入った。彼の欲望を満たすには、この建物はぴったりだった。 建物の近くには広場があり、いつでもあらゆる種類のゆっくりを見つける事が出来た。 その点こそが彼がそれなりに幸福だった生活を捨ててまでこの建物に移住した決定的な理由だった。 早速ナタは最初の『恋人』―――眠っているゆっくりれいむを捕まえてきて建物内に連れ込んだ。 「ゆ!!ここはどこ!!?みんなどこにいったの!!?」 れいむが目を覚ましたのは、建物の中の一室だった。 「やあ、おはようれいむ。ここは僕の家だよ。ゆっくりしていってくれ」 「わかったよ!!!ありがとうおにいさん!!!ゆっくりしていくからね!!!」 「どういたしまして。それじゃあ早速ゆっくりしようか」 「ゆっ?」 体を傾げるれいむにゆっくりと歩み寄り、その体を抱え上げて部屋にあるベッドまで連れて行く。 「ゆ!!ふかふかだよ!!!ゆっくりできるね!!!」 「ああ、そうだねれいむ。可愛いよ……」 そう言うと男は突然れいむにキスをした。 「んむっ!んむむむむむむ……!!」 れいむは突然の事に目を白黒させ、体全体を揺すって抵抗している。 だが、仔犬にも劣る運動能力のれいむがどんなに暴れても男の行為を止める事は到底適わない。 「んむーっ!!んむーっ!!っぷは!!いきなりなにするの!!ゆっくりやめてね!!!」 「ふふふ……そうやって抵抗して見せるのも可愛いよれいむ。もっと抵抗して鳴いて見せてくれ」 一分ほどで口を離し、れいむの耳元(?)でそう囁くと、今度はれいむの体全体をゆっくりを手で丹念に撫で回していく。 「ゆーっ!!きもちわるいよ!!ゆっくりはなしてね!!!」 「もう離さないよれいむ。ここは君と僕が愛を語らう部屋なんだからさぁ」 「やめてよおおおおお!!!もうやだおうちかえる!!!おにいさんとはゆっくりできないよ!!!」 「何て可愛く鳴くんだれいむ。ここを触るとどう鳴くのかな?」 恍惚とした表情でそう言うと、男はれいむの口よりやや下辺りを揉み始めた。 「ああ、柔らかい……れいむ、君のここは柔らかくて弾力があって最高の揉み心地だよ」 「そんなこといってもゆるしてあげないよ!!!きもちわるいからはやくはなしてね!!!」 「まあそう言わずに」 「さっさとはなし……んむ!!んーっ!んーっ!!」 顎を揉みながら再びれいむに口付ける。今度は口内に舌を差し込み、舐め回している。 「んむむむむむー!!ん゛ー!ん゛ー!!」 れいむは男の舌を押し出そうと抵抗するが、男の舌はその動きに合わせて絡みつき、口内を蹂躙していく。 5分ほど口内の戦いが続いた頃、れいむの抵抗が弱くなり、目が空ろになって小さく痙攣し始めて漸く男は口を離す。 「もう体力が持たないか……仕方ない、本当はもっとゆっくりしたかったけど、今日はこの位でやめておくよ」 「ゆっ……ゆっ……」 「聞こえてないのかな?まあいいや。食事はそこに置いておくから。ゆっくりしていってね!」 それだけ言って男はさっさと部屋を後にする。残されたれいむは一時間ほどで調子を取り戻し、床に置かれた食事を食べた。 「やあれいむ。ゆっくりしてるかい?」 翌朝男がれいむの部屋に入ると、れいむは部屋の隅から男を睨んでいた。 「ゆっ……ゆっくりできないよ!!おにいさんとはゆっくりできないよ!!はやくここからだしてね!!!」 「そうかそうか。まあその内出してあげるよ。じゃあ朝食の前にゆっくりしようか」 「ゆっ!!やめてはなして!!ゆっくりさせてよ!!!」 「させてやるとも。そんなに急かすなんて可愛い奴め」 そう言って男はれいむの口を塞ぐ。今度は初っ端から舌を差し込み、撫で回している。 「んむむむー!!んー!んんー!!むー!!」 前日の事を覚えているのか、より激しく抵抗するれいむ。 男の舌を噛み切ろうとしているが、顎の力が弱く歯も無いれいむに噛まれた所で、男にとっては何とも無いようだ。 いや、むしろ気持ち良さそうに目を細めている。そうしたねっとりとしたキスの後で、男は言う。 「ふぅっ……二日目でもう積極的になるなんて、れいむは本当に可愛いなぁ」 「ちがうもん!!おにいさんなんてきらいだもん!!ゆっくりはなしてね!!!」 「またまたそんな事言って。そら、今度はここだ」 そう言ってれいむを仰向けにし、自分は寝そべってれいむの体の底を舐め始める。 「ゆふぅ!!?や、やめておにいさん!!ゆっくりやめてね!!!きもちわるいよ!!!」 「れいむの底とても美味しいなりぃ」 そう言いながらレロレロと夢中でれいむの底を舐めほぐす。唾液で底がふやけてきたのを確認すると、 「じゃあそろそろ指行ってみようか」 「ゆぐぐぐ!!?やめてえええ!!はなしてえええ!!!」」 唾液でほぐれた底を指が数往復して、ゆっくりと指を差し込んだ。 しっかりと濡れて弾力が増しているおかげで皮が破れる事も無く、体内に向かってズブズブと沈んでいく。 その感触を指で楽しみながら、少しずつ体内に指を埋め込んでいく。 「ほら、分かるかいれいむ?人差し指が根元まで埋まったよ」 「い゛だい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!ぬ゛い゛でぐだざい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「ああ分かったよ。ゆっくりと抜くからね」 言葉通りにゆっくりと指を引き抜き始める。指が動く度に 「ゆ゛っ!!!い゛ぎっ!!!ぐっ!!!」 と激しく吼えるがお構い無しだ。そして中ほどまで指を抜いたかと思うと、穴周辺を舐めながらまた差し込む。 「ゆ゛ぎぎぎぎい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!ぬ゛い゛で!!ぬ゛い゛でえ゛え゛え゛え゛え゛!!!!」 「そう焦るなよ。力抜かないと余計に痛い……ん、もう危ないか」 そう呟くと、男は一気に指を引き抜いた。それまでの丁寧な気遣いのようなものは微塵も見られない手つきだ。 「っっっっっ!!!!ゆ゛ぎぇ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!!!」 白目を剥いて絶叫すると、そのままコロリと転がって動かなくなる。 完全に意識を失っており、時々ビクリと痙攣して声を漏らす。 「じゃあ、朝食は昨日と同じように置いておくからね。また明日。ゆっくり休んでね!」 失神したれいむをそのままにして部屋を出る男。その人差し指には赤みの強い餡子がべっとりと付着していた。 「おっはようさんれいむ!ゆっくりしてるか~い!?」 妙にテンション高めな男が部屋に入ると、れいむはぼんやりとした目でのろのろと男の方を向く。 前日の食事は半分以上残っていた。 「駄目じゃないかれいむ、ちゃんと食べないと。好き嫌いするとゆっくりできないぞ?」 「……れいむ、おうち、かえりたいよ……おうちにかえしてよ……」 「あはは、何言ってるんだいれいむ。ここが君のお家だろ?冗談が下手なんだなぁれいむは」 「ちがうよ……ここは、ゆっくりできないよ……おうちじゃないよ……」 「ああそうか。僕が来るのが遅かったからそんな意地悪を言うんだね?ごめんよれいむ。今日からは夜も来るよ」 「ちが……ちがうよ……」 呟くれいむの言葉を無視して、男はれいむを抱きかかえる。 「とりあえずご飯を食べないと。ほら、食べさせてあげるから」 「やめて!ちゅーはいやだ!ちゅーはいやだよお!!はなして!!」 「ああ何だ。思ったより元気じゃないか。これならちゃんと食べればまたゆっくりできるね」 安心した男は皿に盛られているエサを口に含み、よく咀嚼してれいむの口に流し込む。 「う゛ぶっ!!……ぶぶぶぶぶぶぶっ!!!」 「んっ……ふっふいはへへいっへへ」 嫌がるれいむの口に強引に食べ物を入れ、舌で押し込んで無理矢理飲み込ませる。 それを数回繰り返して皿を空にした。 「げほっ!!ごっほっ!!おええええええええっほ!!」 「はいれいむ、ご馳走様は?」 「ぉえっ!えっ!……はぁっはぁっ……」 「こらこら。ご馳走様を言わないと駄目じゃないかれいむ?」 男が射抜くような目でれいむを見つめると、怯えたように 「ご……ごちそう……さまで…した」 「はいよく言えました。ああ本当にれいむ可愛いよれいむ!今日もゆっくりしようね!!」 そう叫んでれいむを抱きしめ、ベッドにダイブする。 「い、いやだ……いやだよおおおおおおおお!!!もういたいのやだ!!気持ちわるいのやだああああああああ!!!」 「大丈夫大丈夫。気持ち悪くなんかないって」 「あああああああああ!!!やめてください!!!はなしてくださいいいいいいいいいいいいい!!!」 「そんなに怖がらなくても平気だよ。いつもみたいに優しくするからさ」 「やめてええええええええええええ!!ゆっくりさせてくださいいいいいいいいいいいい!!!」 「うーん、これはちょっとおしおきしないと駄目かもなぁ」 泣き叫んで抵抗するれいむを押さえ込み、口を口で塞ぎつつ体の底を指で擦る。その動きは前日よりも大分激しい。 「ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!!!」 充血した目を見開いて泣き叫ぶれいむ。その叫び声は男の口の中に消えていったが、涙はベッドを激しく濡らした。 暫くすると、体の底からじっとりとした体液が滲み出てきた。男はそれを確認すると、口を離して 「ほられいむ。気持ち悪くなんてなかっただろ?」 「ひっぐ……うっぐ……!ゆ゛っぐり゛……でぎな゛い゛よ゛お゛……!!」 「ああごめんごめん。待っててな今ゆっくりさせてあげるから」 そう言って、指を体の底に沈める。前日よりも幾分スムーズに沈み込んだ。 「ほら分かるかれいむ?中まで湿ってるよ。昨日よりもっとゆっくりできてるだろ?」 「やだやだやだああああああああ!!!い゛だい゛!!ぬ゛い゛でえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「そんな事無いだろう。まあいいか。その内正直になるだろう」 一人で納得して指を抜き差しする。前日のような赤っぽい餡子の代わりに、粘性の高い液体が指に付着している。 「ほられいむれいむ。交尾してる訳でもないのにこんなになったぞ。やっぱりゆっくりできてるじゃないか」 「でぎでな゛い゛……じぇん゛じぇん゛ゆ゛っぐり゛でぎでな゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」 「そうかい?ああそうか。これじゃ物足りないのか。よし分かった。それじゃこいつを使えば……」 男は一旦れいむから離れ、下穿きを降ろした。 れいむは始めて見たそれに対して普通のゆっくりの様に好奇心を示さずに、ただ震え上がった。 「はいそれじゃいくよ。力抜いた方がゆっくりできるよ」 「やべでえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!ゆるじでぐださい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「そーれっ」 「…………………………………………………………………………………………………………っっっっっっ!!!!」 掛け声と共に底に開いている穴に一気にそれを沈めた。 れいむは全身を仰け反らせて硬直させ、声も出せずに完全に白目を剥いて涎と涙を垂れ流している。 「っはあ……れいむって見た目通り小さくて柔らかで弾力があるんだな。それに温かい。最高だよれいむ」 「…………ぎゅっ…………がっ…………ごぉぉっ………………ぶっぐ………………!!」 男は声にならない呻き声を上げるれいむを見て満足そうな笑みを浮かべる。そして 「それじゃそろそろ動くよ。ゆっ、くりっ、してっ、いって、ねっ!」 「ぎゅっ!!がっ!!ゆ゛っ!!ばっ!!びょっ!!おごっ!!」 独特の掛け声を上げながらリズムよく腰を前後させる。れいむは半ば意識が失せた状態で声を上げ続けた。 「ゆっ、くり、くりくり、くりっくりっと。そろそろ出るよー。そーれケフィア」 そう言った直後、れいむの体が激しく痙攣し出す。声も出さずに凄まじい勢いで痙攣し続ける。 やがて目や口や底に開いた穴からどぷどぷと餡子が漏れ出る。 「おっほ!自分から動くなんてやっぱり積極的だなれいむ!ゆっくりしてくれて嬉しいよ!そらおかわり!」 振動に刺激され更にケフィアを放出する。痙攣はその激しさを増し、餡子が漏れ出る勢いも増大している。 一分ほど経過すると、びちゃびちゃと零れ落ちていた餡子は収まり、ぺらぺらの皮になったれいむと男だけが残った。 零れ落ちた餡子からは湯気が立ち上っている。 「あーあ。ゆっくりし過ぎて壊れちゃったか。後で補充しておこう。っとその前に飯にしよう」 シーツで適当に体を拭き、汚れもそのままに服を着てさっさと部屋を出る。 掃除などしなくとも、次にこの部屋に入る頃には綺麗に片付いているので何も問題は無い。 ふと耳を澄ますと、どこかの部屋でゆっくりが大声で泣き叫びドアを叩く音が聞こえる。 男はニヤリと笑い早く食って行ってあげないと、と呟いて早足に食堂へ向かった。 数十匹のゆっくり達以外に、この館の中に住む者は居ない。誰も彼らの邪魔をしない。 ここは彼とゆっくり達の閉ざされた楽園。理想の箱庭。至高のゆっくりハウスなのだ。 ENDING No.1 -NORMAL END- 作:ミコスリ=ハン このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/gundamfamily/pages/2250.html
316 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/05/11(月) 00 55 50 ID ??? 303 勇太くんか。確かにガロードと兄弟で通じるなw ここのガロードも幼い頃は警察ごっこをしていたんだろうか? ガロード「ホールド・アップ!」 シュウト「ガンダムフォースだ!」 セレーネ「あらあら、何やら楽しそうね」 シロー「ちょ、ちょっと待て! それは俺の警察手帳だろ!?」 317 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/05/11(月) 01 33 51 ID ??? ガロードは高木刑事といい何か警察ネタに縁があるのかね ジュドーとセットになると別の意味で縁がありそうだし 318 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/05/11(月) 01 36 04 ID ??? ガロード達が小学校低学年の頃ってまだシロー兄さんも学生だったはずじゃ シュウトも日本語が怪しいくらいの年齢 319 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/05/11(月) 01 55 00 ID ??? 318 316はシュウトのごっこ遊びに付き合ってんのさきっと 320 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/05/11(月) 05 34 10 ID ??? 319 犯人役はキャプテン(めっちゃ台詞が棒読み)と、意外とノリのいいヒイロw アルはアレックス役の刹那相手にザクごっこを… 325 名前:通常の名無しさんの3倍 :2009/05/11(月) 14 40 58 ID ??? 320 ヒイロ「近づくな。近づくと、人質もろとも自爆する」 ハロ「ハロヒトジチ!ハロヒトジチ!」 キャプテン「我々の逃走用のMAを用意を要求する」 死神「あンた、背中が煤けてるわ……」
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/4145.html
※最初で最後のゆっくり虐待に挑戦中です。 ※どくそ長いです。(十回超の予定) ※うんうん、まむまむ描写あり。 ※標的は全員ゲスです。 ※虐待レベルはベリーハードを目指します。 ※以上をご了承頂ける方のみどうぞ。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― 『永遠のゆっくり』6 一週間が経った。 「ゆっぐ……えぐっ……うぐ……ひっぐ……」 マジックミラーの側で食事をするゆっくり共。 まりさ共は近寄る気力もなく床にへたり込み、 それでも目をそらすことはできずに泣きじゃくっている。 ずっと他のゆっくり共を見下してきたこのまりさ共。 悔しさはひとしおだろう。 「向こうに行きたいか?」 緩慢な動作で俺のほうを向くまりさ達。 言葉の意味を飲み込むのに時間がかかったようだ。 「行きたいか?」 「いぎだい!!いぎだいでずううううう!!」 顔中を涙でぐしょぐしょにして、まりさ共は声をあげた。 「いがぜでぐだざいいいいいいいい!!」 「行かせてやる」 「ありがどうございばず!!ありがどうございばずうううう!!」 泣きじゃくりながら礼を言い続ける四匹を、籠につめこんでカートに乗せる。 外側の廊下を通り、向こう側の扉に入った。 食事をしていたゆっくり共の視線が、一斉にこちらに集まる。 四匹のまりさ共を床に下ろすと、 目を血走らせて物も言わずに這いずりだした。 必死になって向かうその先は、やはり食事だ。 「あまあま!!あまあま!!ゆうううう!!」 「おなかすいたおなかすいたおなかすいたおなかすいた」 およそ一週間ぶりに食べられる、それだけがまりさ共を突き動かす。 あとは俺が手を下すまでもなかった。 積み上げられた食事にいましも喰らいつこうというその時、 まりさ共は体当たりを受けて突き転がされた。 「ゆびぃいい!?」 「ひとごろしゆっくりはこっちにこないでね!!」 「おぼうしさんのないゆっくりはゆっくりできないよ!!」 あらかじめ、このまりさ共はゲスだと言い聞かせてあったこと、 そして帽子がなかったことが致命的だった。 帽子のないゆっくりは、同族にいじめ殺されることは日常茶飯事である。 「ごはん………ごはんわけてくださいぃぃ………」 「おでがいじばず……おでがいじばずううう…… もうずっどだべでだいんでずうううううう………」 「しらないよ!おまえたちはゆっくりあっちいってね!!」 「きたないゆっくりだね!!」 あちこちから体当たりを受け、右に左に転がされるまりさ共。 数で負けていることに加え、ずっと食事をしていないために体力の差は歴然だった。 四匹のまりさは、十数匹のゆっくり共にリンチを受けていた。 「殺すなよ」 「ゆっくりわかったよ!!」 俺が言ってやると、ゆっくり共が返事をよこしてきた。 人間との上下関係は躾けてある。 「どうか……どうか……」 「なんでぼじばず……なんでぼじばずうう……」 「だったらゆっくりかえってね!!」 「くさいからちかよらないでね!!ごみくず!!」 さんざんに打ちすえられた後、 四匹のまりさ共は爪弾きにされて転がった。 食事を囲むようにして輪を作り、ゆっくり共は食事に戻った。 「あ………あ………あいぃぃぃ……」 「お……な…か…すい…た……」 それでもまりさ共はナメクジのように這いずり、 食べ物のところへ行こうとする。 何度弾き飛ばされても、まりさ共はやめなかった。 「ころさないでやってれば、ずうずうしいゆっくりだね!!」 一匹のゆっくりれいむが業を煮やし、 一枚のチョコレートを部屋の隅に放り投げた。 「きたないゆっくりはあれでもたべてね!!」 「ああああああああ!!!」 礼を言う余裕もなく、まりさ共はそちらの方へ這いずっていった。 しかし、四匹のまりさに対してチョコレートは一枚。 果たして争いが始まった。 互いに髪を引っ張り合い、邪魔をするまりさ共。 引っ張り、噛み、踏みつけ、醜い争いが繰り広げられる。 ゆっくり共はにやにやと侮蔑の視線を向けていた。 さんざんに打ち合ったあげく、体格差で親まりさが先にチョコレートに辿り着いた。 「ゆふううう……ゆっくりいただきますだよううう……!」 その瞬間、後ろから急激にお下げを引っ張られ、親まりさは引き戻されて転がった。 「ゆううう!?」 周囲を見回すが、ゆっくり共はにやにや薄笑いを浮かべているだけである。 当然、引きよせたのはゆっくり共だが、しらばくれていた。 空腹に耐えられず、再びチョコレートに向かう親まりさ。 何度も何度も、食べる直前に引き戻された。 泣きながら、舌を目一杯突き出しながら、 這いずっては戻され、這いずっては戻される。 「ゆぅうううううううううう!!!」 泣きじゃくり、ゆっくり共を睨む親まりさだが、 にやにや笑いを返されるばかり。 万に一つの可能性に賭けて、数十回目の接近を試みる。 そして、引きもどされる。 「がんばれ、ごみくず!!」 「がんばれ、ごみくず!!」 「ぎゃんばりぇ、ごみくじゅ!!」 一枚のチョコレートを目指して、 今、四匹のまりさはゆっくり共のエールの中、ナメクジのように這いずっている。 這いずっては引き戻され、這いずっては引き戻され。 「ゆわぁああああああ!!!」 一匹の子まりさが、這いずりながら大声で泣き喚いた。 それを聞き、ゆっくり共は心底楽しそうにゲラゲラ笑う。 「おかーしゃん、もっとたべたいー!」 一匹の赤ゆっくりが言うと、その親が答えた。 「ゆゆ?もうあまあまなくなっちゃったよ! しょうがないからあれをたべてね!!」 「ゆっくりわかったよ!!」 赤ゆっくりがぴこぴこと跳ね、 まりさ達とは反対側からチョコレートに向かっていく。 ゆっくり共が囃し立てはじめた。 「はやくたべないと、おちびちゃんにたべられちゃうよ~?」 「あまあまはあれしかのこってないよ!ゆっくりがんばってね!!」 「ゆぅううううううう!!?」 必死にペースアップを試みるまりさ共。 赤ゆっくりはわざとふざけて、ころころ転がりながら向っていった。 「ちゃ~べちゃうよ~♪ちゃ~べちゃうよ~♪」 「おでがいでずううう!!だべざぜでええええ!!」 喚く親まりさが、また引き戻された。 「ゆぅううぐうううううう!!うぐううううう!!」 泣き喚きながら這いずり続けるまりさ共の前で、 ついに赤ゆっくりがチョコレートにかぶりついた。 「ゆうううううう!!だべだいでええええ!!」 「む~ちゃ、む~ちゃ………ちちちちちあわちぇー!! こにょちょこれーちょ、ときゅべちゅおいちいいぃぃ~~~♪」 「あああああああがああああああ!!!」 後ろから髪を引っ張られて近づけないまま、 最後のチョコレートが赤ゆっくりの小さな口でゆっくりと食べられていくのを、 まりさ共はじっくりと見せつけられた。 壮絶な苛めである。 かつて威張り散らしていたまりさ共は、 今や屈辱と絶望に苛まれ、床に伏して泣きじゃくっている。 ゆっくりに苛めさせるやり方は、まずは上々の成果をあげられそうだ。 「さて、そのまりさ共は今日からここに住む」 俺は言った。 「ゆゆ!こんなきたないゆっくりいやだよ!!」 「とかいはなゆっくりぷれいすは、いなかものにはもったいないわ!!」 ゆっくり共からブーイングが上がる。 「そいつらはお前らの好きにしていい」 「ゆっ?」 俺の言葉に、ゆっくり共の反応が変わる。 「絶対に殺すな。それさえ守れば、何をやってもいい」 「ゆゆっ!!」 たちまち目を輝かせ、顔を見合わせるゆっくり共。 すでに嗜虐の快感を覚え、やみつきになっているようだ。 「れいむたちはごみくずといっしょにくらすよ!!」 「たっぷりあそんであげるからかんしゃしてね!!」 まりさ共を取り囲み、ゆっくり共は歓迎の挨拶を浴びせた。 まりさ共は周囲を見回しながら、媚びた笑みを浮かべた。 ここにいさえすれば、食べるチャンスがある。 媚びへつらえば、あまあまを分けてもらえるかもしれない。 そんな期待が表情に表れていた。 ゆっくり共の仕打ちは想像以上だった。 その日から、毎日まりさ共は虐げられ続けた。 部屋の中のどの遊具よりも、ゆっくり共にとってまりさ共は楽しい玩具だった。 日がな一日、ゆっくり共はまりさ共にかかりっきりになって遊んだ。 執拗に体当たりをしてはあちこちに転がす。 トランポリンのように上に乗って飛び跳ねる。 髪を掴んで壁に叩きつける。 舌を噛んで引きずりまわす。 「あがあああああ!!ああああぁぁぁ!!うぐぅあああああーーー!!」 舌を噛まれながら、まりさ共は悲鳴をしぼり出す。 新しい遊びを思い付くたびに、 ゆっくり共はどれだけ大きな悲鳴を上げさせられるかを競った。 はずみで殺してしまいそうになることもしばしばだったが、 その度に俺や世話係が中断させ、まりさ共を治療した。 当然、どれだけ懇願しても食事は与えられない。 体を拘束されながら、あるいは突き飛ばされながら、 わざと目の前で行われる食事を、まりさ共は涎を垂らして食い入るように見つめ続けた。 「ゆびぃいいいい!!あばあば!!あばあばぐだざいいいい!! びどぐぢだげ!!びどづだげ!!びどがげらだげええええ!!」 まりさ共の懇願を聞きながら、ゆっくり共は実に楽しげに笑い合うのだった。 「しょんにゃにおなきゃしゅいちゃ?」 ここに移されて三日が経ったころ、 涎を飛び散らして泣き咽ぶ親まりさに、一匹の赤れいむが問いかけた。 「ばいいいいい!!ずぎまじだ!!べごべごでずうううう!!」 自分よりずっと小さな赤ゆっくりに対し、慈悲を乞う親まりさ。 「じゃあたべちゃちぇてあげりゅ!!」 「あああああ!!あじがどうございばずうううう!!」 そう言うと、赤れいむはあにゃるを突き出し、いきみ始めた。 「ゆ………」 親まりさの表情がこわばり、みるみるうちに青ざめてゆく。 はたして、赤れいむはたっぷりとうんうんをひり出した。 「ゆっきゅりたべちぇいっちぇね!!」 素晴らしいとばかりに、ゆっくり共が声を合わせた。 「よかったね!!ゆっくりたべていってね!!」 「ゆああぁ………ゆああぁ……」 泣きはらした目を見開きながら、親まりさはいやいやと首を振った。 「ゆゆっ!せっかくめぐんでもらったのになんでたべないの!?」 「すききらいをいうなんておもいあがったごみくずだね!!」 「だめですぅぅ……ゆぅぅぅ………たべられませぇぇん……!」 人間から見ればただの餡子だが、 あにゃるから排出されたうんうんは、ゆっくりにとっては明確に排泄物である。 排泄物は汚く臭いものであるという認識は、ゆっくりも人間と同じようだ。 「ゆっぐ……ゆっぐ……ゆっぐり、でぎだいいぃぃ……」 「それをたべれば、もっとあまあまをあげるよ!!」 自分たちの食事のほうを向いてみせながら、ゆっくり共が宣言する。 「ゆぐうううう……!!ゆぅぐぅううううう……!!!」 涙をだらだらと流し、がたがた震えながら、親まりさは舌を伸ばした。 ゆっくりにとってひどい悪臭を放つ排泄物にのろのろと舌を近づける。 舌がわずかに触れ、弾かれるように引っ込んだ。 「はやくたべないと、あまあまがなくなっちゃうよ!!」 「ゆひぃぃぃぃ………!ゆひぃぃぃぃ…………!」 ぜえぜえと息をつきながら再び舌を伸ばす。 ほんの少しすくい上げ、口に入れたとたんに激しくせき込んだ。 「ゆごっ!!ごぼっ!!げぇ!ゆげぇええええ!!」 げらげら笑うゆっくり達に、親まりさは死にそうな表情で許しを求めた。 「だべでずぅ!!ゆるじでぐだざいいいい!! うんうんだんでだべられだいいいいいいい!!」 「たべたくないならいいよ!! そのかわり、いっしょうあまあまはあげないよ!!ゆっくりりかいしてね!!」 「うううううううううううううううーーーーーーーーっ!!!」 絶叫を上げると、親まりさは食い入るようにうんうんを口に運びはじめた。 激しくせき込み、幾度となく吐き出しながら、必死に飲み込もうとする。 隣ではひり出した当の赤れいむが、きゃっきゃと飛び跳ねていた。 「おいちい?おいちい?りぇいみゅのうんうんおいちい?」 「ゆぐぅぅぅぅ………!!」 「ちあわちぇ~ちないの?まじゅいの? りぇいみゅがめぎゅんであげちゃごはんまじゅいの?」 「おいじい!おいじいでずううう!! む~じゃ!む~じゃ!!じ、じ、じあわじぇええええぇぇ」 嘲笑の中、ついに親まりさは食べ終えた。 吐き戻しそうになるのを必死にこらえ、ゆっくり共に願う。 「ぐだざいぃぃ……だべばじだぁぁ…… あばあば…ぐだざいぃぃ……!!」 「いいよ!!たっぷりあげるね!!」 ぱぁっと表情が明るくなった親まりさの前で、 ゆっくり共は並んであにゃるを突き出した。 その時の親まりさの表情には、さすがに少々溜飲が下がった。 この部屋のゆっくり共に便所の概念はなく、 これまでは好きなときに好きなところで垂れ流していた。 今、このゆっくり共は、自主的に便所を定めていた。 「ゆっきゅりうんうんしゅるよ!!」 「しーしーしゅるよ!!」 「あうがあああああ!!いびああああああああ!!!」 食事が終わり、うんうんをする時間。 四匹のまりさ共が、それぞれ押さえつけられ、口を上向きに開けられていた。 その口には、ひり出されたうんうんが大量に積み重なっている。 成体ゆっくりはあにゃるを突き出し、 赤ゆっくりは顔によじ登り、その口の中にうんうんやしーしーを注ぎ込んだ。 悪臭と嫌悪感に絶叫しつづけるまりさ共。 その声量は、それまでの苛めとは段違いだった。 それを聞きながら、まだまだ痛めつける余地があるなと俺は意思を固めた。 さらに二週間が経った。 一切食事を与えられず、連日排泄物を食わされ、傷めつけられ続けたまりさ共。 うんうんでも多少は栄養になるらしく、体力的にはそれなりに回復しているようだ。 その体力は、全て泣き声を上げることに費やされていると言ってよかった。 「ゆひぃ……ゆひぃ……ゆううぅ……」 ゆっくり共が食事をしているその背後で、 まりさ共は排泄物まみれになりながら、部屋の隅で泣きじゃくっていた。 髪は乱れ放題、あちこちに痣ができている。 ぶるぶると身を震わせ、まりさ共の涙は止まる気配がない。 この食事が終われば、また排泄物を食わされるのだ。 その瞳は絶望に染まっていた。 頃合いと見て、俺は声をかけてやった。 「戻りたいか?」 「ゆっ?」 まりさ共が俺を見上げる。 その眼差しは萎縮した、卑屈なものだ。 「前の部屋に戻りたいかと聞いている」 「ゆぐうぅぅぅぅ………」 まりさ共がまた泣きじゃくり始めた。 毎日暴行を受け、排泄物を食べさせられる毎日。 考えるまでもなく、こいつらにとってここは地獄だろう。 これが人間だったらと思うとぞっとする。 しかし、ここには食糧があった。 たとえ排泄物ではあっても。 前いた隣の部屋に戻されたら、またなにも食べられない。 ただそれだけが、こいつらを迷わせる要因だろう。 俺は助け船を出してやった。 「飯はやる。食わせてやる」 「ゆゆっ!!ほんとう!!?」 「ああ本当だ。毎日、たっぷりと食わせてやる。 お腹がはち切れるぐらいたっぷりとな」 「ゆゆぅ~……!!やっどゆっぐりでぎるよぉぉぉぉぉ!!!」 「来るか?」 「いぐ!!いぐ!!いぎまずううううう!!」 「ここを出るなら、二度とここには戻れないぞ。 もう二度と、ここに来るチャンスは来ない。それでもいいのか?」 「こんなくずどものいるへやにはにどとこないよ!! はやくつれていってね!!」 まりさの罵声を聞きつけ、ゆっくり共がいっせいにこちらを向く。 「ゆっ!!ごみがなにかいった!?」 「うんうんぐいのごみくず!!もういっぺんいってみてね!!」 今にも飛びかかりそうなゆっくり共を、俺が制した。 「ゆっ!?おにいさん!!じゃましないでね!!」 「今日でこいつらはここを出る。今後は手出し無用だ」 「ゆぎぎぎぎぎ!!」 歯噛みするゆっくり共。 まりさ共はすっかり勝ち誇り、鬱憤を晴らすべく罵りだす。 「くず!くず!!ごみくず!!ごみくずはそっちなんだぜ!!」 「まりささまはあっちでゆっくりするんだぜ!! ごみくずはごみくずどうし、うんうんでもひっかけあってるんだぜ!!」 「あたまにのせてるそれ、ぜんっぜんゆっくりできてなかったんだぜ!! うんうんでもあたまにのせたほうがずっとゆっくりできるんだぜぇ!!」 「ばぁ~か!!ばぁ~か!!」 俺がカートに乗せて部屋を出るまで、 まりさ共はカートの上からゆっくり共を見下ろして嘲り続けていた。 再び元の部屋。 一面のマジックミラーは透過状態になっており、 隣のゆっくりプレイスとは互いにまる見えになっている。 「ゆっ!!おにいさん、ごはんください!!」 「おなかぺこぺこなんだぜ!!はやくもってきてね!!」 すぐに騒ぎ出すまりさ共。 俺はすぐに、部屋に用意してあったものを指し示した。 「それがお前らのごはんだ。全部食べろよ」 それには青いビニールがかかっており、中は見えなかったが、 部屋の真ん中でこんもりと盛り上がり、ボリュームを伺わせた。 「ゆうぅぅぅぅ~~~!!ゆっくりいただきますなんだぜぇぇ!!」 目をむいて涎を垂れ流し、まりさ共はそれに飛びつくとビニールをはぎ取った。 「ゆ」 まりさ共が固まった。 そこにあるのは糞だった。 床に置かれた低いコンテナの中に、 人糞、馬糞、牛糞、犬猫の糞、その他あらゆる動物の糞が混じっていた。 赤いもの黄色いもの黒いもの、白いの青いの緑色、固形下痢便赤痢便、 あらゆる生き物のあらゆる状態の糞が入り混じり、すさまじい臭いを放っている。 あちこちで蠢いているのは蛆虫や寄生虫のたぐいか。 たまらず俺はマスクを取り出して口にはめた。 それでも臭いが鼻を打ち、頭痛さえしてくる。 吐き気と闘いながら、それでも俺は見届けなければならない。 この臭気を自ら体験していないと、こいつらの苦痛が実感できない。 まりさ共がゆっくりと俺の方を向き、 がたがたがたと震えながら歯を噛み鳴らした。 「お、お、お、お、お、おに、おにいざ」 「毎日たっぷりと食わせてやる。俺はそう約束した」 「だだだだだだだめだめだめだめ」 もはや文章になっていない拒否を口にするまりさ共の頭部を掴み、持ち上げる。 「ゆびぃぃいいいいいいい!!!ゆびぃいいいいいいいいいーーーっ!!!」 恐怖そのものの表情を顔に浮かべ、まりさ共が泣き喚いた。 「おでがいじばず!!おでがいじばず!!おでがいじばずうううううう!! ぼがのごどならなんでもやりばず!!なんでも!!ごろじでもいいでずううう!! ごれだげはやべで!!!ごれだげはおでがいじばずううううう!!! ばりざが!!ばりざが!!ばりざがああああああああ!!!」 しばらく懇願を聞いた後、全てそのコンテナの中に放り込んだ。 「ゆびいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいーーーーーーーっ」 糞の海の中に身を浸したまりさ共は、 あまりの悪臭刺激臭に、全身を縦長にぴんと硬直させて目玉をぐるぐる回した。 歯茎をむいて歯を食いしばるも、歯と歯の間から糞が入り込んできて絶叫する。 「ゆごがっばあああぁぁーーーーーーーおおおぉぉげおおおーーーっ」 糞にまみれてのたうちまわるまりさ共。 目といわず口といわずあにゃるといわず穴の中に入り込み、 全身にまとわりつく糞の悪臭に狂ったように叫び続ける。 人間だったらたちどころに発狂まちがいなしだが、 そういう機能のないこいつらは苦しみ続けることになる。 ただ、苦痛を終わらせる方法はあった。それに注意しなければならない。 「ゆごげ!!ぼぇ!!ゆぼぇげげえええええっ!!!」 やはり、嫌悪感ですぐに餡子を吐き出し始めた。 餡子を吐き出し続け、その量が致死量を超えると、ゆっくりは死ぬ。 言ってみればこれが発狂の代わりだろう。 当然、そんな生ぬるい安らかな最期を迎えさせてやる気はない。 すでに俺は、全身を覆う作業着に身を包んであった。 餡子を吐き出したやつから、俺は手早く回収して手近の台の上に置く。 全員が吐き出しているので急がなければならない。 「ゆげぇ!!げっげっげっげっごえぇ!!!ぼげぇぇぇぇえがびゅっ!!?」 大口を開いてえずく子まりさの顎を殴りつけ、強引に閉じると、 強力なガムテープで一旦口を閉じた。 「んぐ、んぎゅっ、んぐむぅううーーぅ」 ばたばたと暴れ回る子まりさを放置し、 他の子まりさ二匹と親まりさも、同じようにして口を閉じる。 親まりさの口は大きいからやや手間取った。 台の上に転がしたまましばらく放置し、落ち着くのを待つ。 吐き気にびくんびくんと跳ね回るまりさ共。 その口内では、吐き出しては飲み込むのを繰り返しているのだろう。 まだほとんど口に入れていないうちから、なかなか苦しんでくれる。 数分してから、ようやく四匹とも荒い息をするだけになった。 吐き気がおさまったようなので、ガムテープを剥がす。 涙に濡れた眼をこちらに向けながら、まりさ共は力なく慈悲を求めてきた。 「ゆぐ、ゆ、ゆ、ゆるじで、ゆるじで……ゆるじでぐだざぃぃ……」 「だべらべばぜぇぇん………」 「おでがい……おでがいでじゅうう……」 一匹の子まりさを手に取り、持ち上げる。 「ゆぐじで!!ゆぐじで!!ばりざなにもわるいごどじでなぎぃいいい」 「口を開けろ」 「ゆぐっ」 身を震わせて口を閉じ、いやいや首を振る子まりさ。 その顔面を拳で殴りつける。 十五回ほど殴ったところで、子まりさの口が開いた。 「ゆべぇ……ゆべぇ……ぇぇぇぇ……ゆっぐ、ひぐぅ……」 大口を開いたまま泣き声を上げる子まりさ。 俺は、その口を天井から吊り下げられたフックに掛けた。 「ゆごぎぇえっ!!?」 鉤爪型の大きなフックは、 子まりさの上顎を貫通し、目と目の間を貫いて先端を露出させた。 「ゆぎょ!!ごぎょ!!えあ、えああああいいいいぎぃああああっ」 上顎を支点に天井から吊るされたまま、 激痛でぶるんぶるんと跳ね回る子まりさ。 続いて残るまりさ共も、同じように上顎をフックに掛けて吊るす。 こちらに向かって大口を上げたまま縦にだらんと伸び、 空中で身をよじり続ける肌色の奇怪なオブジェが四つ並んだ。 「えぎょおお!!あい!!ぃいいいいあいいいいぎゅううぐううーっ!!!」 次に、新しい道具を持ってくる。 それは鉄製の輪で、輪を丁度ふさぐ大きさの円盤がつながっている。 輪は、成体サイズの子まりさの口をぎりぎりの限界まで広げられる大きさだ。 もちろん親まりさの輪はさらに大きく、同じく限界まで広げられる。 吊るされたままの子まりさの口をこじ開け、 鉄の輪を強引に口にねじ込んだ。 「ゆげぅ、ご、ごっ、おぉおおおおおごごごごごごごごおおお、あああがががが」 子まりさの口が目一杯広げられ、口内を晒した。 ここまで伸びるものか、顔とほぼ同じぐらいの大きさにまでこじ開けられている。 上顎を支点に吊り下げているので適度に傾き、 開かれた口が斜め上方を向いた状態になっていた。 試しに、輪に繋がっている円盤を動かして輪にはめる。 丁度うまい具合に隙間なく輪にはまり、金具で止められた。 こうすることで口に蓋ができるようになっている。 こうして、まりさ共は蓋つきの容器となった。 ぎりぎりまで大口をこじ開けられる痛み、 上顎から眉間にかけてフックで貫通される激痛。 言葉を発することもできず、まりさ共はしきりに呻きながら涙を流して耐えるしかない。 準備は整った。 俺は大きな柄杓を手にした。 柄杓は大きく、両手を使ってバケツ一杯近くの量をすくえるようになっている。 その道具を見て、まりさ共の目が見開かれた。 がたがたがたがたと震えが大きくなる。 すでによほどの激痛だと思うが、明らかにそれ以上の恐怖を感じているようだ。 「食事の時間だ」 「ゆぐぅうううううううーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」 山と積まれた糞便をたっぷりと掬う。 それを、斜め上に向けて開かれた親まりさの口にゆっくりと近づけた。 「あう!!ゆぁう!!おぁあああああおおおおああああーーーーーー」 一杯に見開かれた目から涙をぼたぼたぼたと流し、 口内に運ばれてゆく糞便を凝視する親まりさ。 この世の苦痛をすべて身に受けたかのような表情だ。 だが、実際には、こいつらが受ける苦痛はまだまだ序盤にすぎない。 ついに口内に糞便が流し込まれた。 「ゆぎょおおがぁばああああああ!!!!」 口いっぱいに糞便を詰められ、すぐに吐き戻そうとする親まりさ。 俺はすぐに、口にはめられた輪の蓋を閉じた。 金具で強固に留められた蓋は、ゆっくりの舌ごときではびくともしない。 親まりさの瞳がぐるんと裏返り、一杯に開かれた目は白目になった。 しばらくの間びぐんびぐんと跳ね回り、やがてびくびくと小刻みな痙攣に変わる。 全身からじっとりとした体液が染み出しているが、 糞便や吐瀉物は密閉されて漏れず、消化されるまで親まりさの体内に居座り続ける。 頬張られたそれは、一体どんな味なのだろうか。 恐らく、もはや味とすら呼べない刺激、苦痛だろう。 マスクごしに嗅いでいるだけでも、俺のこめかみがずきずきと痛んでいる。 俺自身も相当辛いこの作業だが、次にかからなければならない。 これは俺自身への罰でもあるのだ。 ともに畜生道へ落ちよう。 俺の視線を受けた次の子まりさが、 言葉を発することができないまま、体全身を蠢かせて慈悲を乞い始めた。 「うまいか?」 声をかけてやるも反応はない。 四匹のまりさ共は、口に蓋をされたまま、 涙と涎と小便と大便をだらだらと垂れ流したままこちらを見ながら震えている。 気絶はできないのだから、その餡子脳は絶え間なく苦痛を受けているはずだ。 嘔吐を示す体の曲げ方を見る頻度は少なくなった。 最初は白目を剥いて口内に吐瀉物を溜めるばかりだったが、 やがて諦めたのだろう、一刻も早く消化して苦痛を終わらせようとしはじめた。 「焦らなくてもいいぞ。まだまだおかわりはたっぷりあるからな。 ゆっくり食事を楽しんでくれ」 そう言って糞便の山を指し示してやる。 まりさ共の目が絶望に歪み、ぎゅっと引き絞られて涙をさらに絞り出した。 なぜこんな目に遭っているのだろう。 なぜいつまでたっても終わらないのだろう。 まりさ共の中で、そんな疑問が渦巻いていることだろう。 しかし、これさえまだまだ序の口にすぎない。 すでに普通のゆっくりなら全身の餡子を吐きつくしているだろうが、 こいつらの罪は、ゆっくりが死ぬ程度の罰では軽すぎる。 ゆっくりの限界を超えて極限まで苦しみ、 極限に到達したなら、さらにその先まで苦しんでもらわなければならない。 マジックミラーで隔てられた隣の部屋のゆっくり共が、 飛び跳ねながらまりさ共を嘲り笑っていた。 続く
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/588.html
「厳しいゆっくり」 そのゆっくり一家の様子は、普通とは何かが違っていた。 一家を率いるのはバレーボールサイズのゆっくりまりさ。そこは何もおかしくない。 ついていくのはゆっくりまりさとゆっくりれいむ。数は大体半々ぐらい。そこもおかしくない。 普通とは何が違うのか…その違いは、話しかけてみて始めて分かった。 「ゆっくりしていってね!!」 ゆっくりの本能を深く揺さぶる、僕の一声。 普通なら、この言葉に反応しないわけがなかった。ところが… 「……ゆっ!」「…ゆ!」 子供たちは皆、少し声を漏らしただけ。 何か言いたげな顔はしているが、『ゆっくりしていってね!!』という元気な返事は返ってこなかった。 「おにーさん!!まりさたちはほかのばしょでゆっくりするからね!! なにもようがないなら、まりさたちはもうゆっくりいくよ!!」 先頭に立っている母まりさが、僕に向かって言ってくる。 こいつからも元気な返事はない。おかしいな…こいつら病気なのか? 試しに、もうちょっと揺さぶってみるか。 「まりさ、どこに行くのか知らないが、お兄さんはもっとゆっくり出来る場所を知ってるよ」 「ゆ!?そうなの!?ゆっくりちゅれていってね!!」「れいむもゆっくりしたいよ!!」 もう我慢できない、と言わんばかりに子ゆっくりたちが口を開いた。 そうそう、それが普通の反応である。だが、母まりさは普通ではなかった。 「ゆ!!そんなこというとゆっくりできないよ!!」 「ゆ゛!!」「びゃっ!!」 何も悪いことをしていないのに、母まりさに突き飛ばされた子ゆっくりたち。 転がるほどの勢いも、皮が破れるほどの破壊力もない、ただ痛いだけの攻撃だった。 子供たちは涙目で何かを無言で訴えてくるが、僕にも母まりさにも…何も伝わらない。 「おにーさん!!わるいけどまりさたちはゆっくりいそいでるからね!!じゃましないでね!!」 そう言い放つと、母まりさはとっとと先へ進んでいってしまった。 子供たちだけが、僕を名残惜しそうに見上げていたが… 「…ゆっくりしすぎだよ!!」 母の一言で、子供たちは飛び上がるようにして母の後を追いかけていった。 あの母まりさ、どう考えても普通じゃない。 『ゆっくりしていってね!!』『もっとゆっくり出来る場所がある』という二つの言葉。 ゆっくりの本能を最も刺激するはずの言葉に、母まりさは釣られなかった。 突然変異なのか、それとも病気なのか… 「こいつは面白そうだな…」 どちらにしても、この面白そうなネタを放っておくわけにはいかない。 僕は先ほどの一家をゆっくり追いかけることにした。 一家の巣はすぐに見つかった。木の根元に、精妙にカムフラージュされた大きな穴だ。 決して大きな穴ではないが、母まりさ+数匹の子ゆっくりなら十分な広さだろう。 僕は静かに巣穴に近づいて、隙間から中を覗いてみた。 「にんげんにはなしかけられても、しゃべっちゃだめっていったよね!!」 「ゆびゃああああぁぁl!!」 「みんな、おかーさんとのやくそくやぶってしゃべっちゃったよね!!」 「ぎゅべぇおおおおお!!」 「やくそくをやぶったわるいこはゆっくりできないよ!!おしおきだよ!!」 「あぎゅあああぁっぁ!!!」 合計5匹の子ゆっくりが一列に並んでいる。 よく見れば子ゆっくりというより、赤ちゃんゆっくりぐらいの大きさだ。 母まりさは、何か言葉を発するごとに子ゆっくりに一匹ずつ体当たりを食らわせる。 その勢いは母まりさの怒りに比例して強くなり…最後に体当たりされた子れいむは、壁にぶつかると口から 餡子を大量に吐き出してしまった。 ゆっくりにとって、命の源である餡子を吐き出すことは一大事だ。 処置を怠れば、死に至ることだってある。それは子ゆっくりもよく知っていた。 「うぶっ!!ゆべえええぇっぇぇえ゛え゛え゛ぇぇぇあ゛あ゛あ゛ぃ!!!!」 「ゆゆ!!おかーさん!!れいむが!!れいむがゆっきゅりできなくなっちゃうよ!!」 「ゆっくりたしゅけてあげてね!!ゆっくりなおしてあげてね!!」 周りの子ゆっくりたちが、必死に母親に助けを求める。 だが、母まりさは鼻で笑いつつこう言い返した。 「ふん!やくそくをまもれないバカなこは、ずっとそうしてゆっくりしてればいいよ!! みんなもやくそくやぶるとこうなっちゃうからね!!ゆっくりりかいしてね!!」 自分の仕事を成し遂げたと思っているのか、母まりさの顔は満足げだ。 それに対して、子ゆっくりたちの表情は完全に沈んでしまっている。 「子供を虐めるなんて…酷い母親だなぁ」 僕はくすくすと笑いながら、そのまま様子を観察し続けた。 母が食料を取りに出かけた後、しばらくして先ほど餡子を吐いた子れいむが目を覚ました。 「ゆ…ゆううぅぅ……!」 「ゆ!ゆっくりおきてね!!」「ゆっくりしていってね!!」 周りで見守っていた子ゆっくりたちが喜びの声を上げる。 気絶していた子れいむは特に外傷はないらしく、次第に元気を取り戻してゆっくりし始めた。 僕は母まりさがいなくなった今しかないと思い、巣穴に首を突っ込んだ。 「やあ!ゆっくりしていってね!!」 「ゆ?ゆっくりしていってね!!」 今度は5匹の子ゆっくり全員が応えてくれた。 やっぱり、普通じゃなかったのはあの母まりさに原因がありそうだ。 「さっきのおにーさん!!どうしたの!?」 「ここはれいむたちのおうちだよ!!ここでゆっくりすると、おかーしゃんにおこられちゃうよ!!」 怒られるというのは…たぶん“やくそく”のことだろう。 先ほどの様子からしてこの子ゆっくりたちは、母まりさと幾つか約束を交わしているらしい。 それらを破ると、先ほどのように罰を受ける…命に関わりかねない罰を。 つくづく理不尽な母親である。自分の都合を押し付けて、破ったら虐待だなんて。 「大丈夫だよ。すぐに出て行くからね。それより、皆に美味しい食べ物を持ってきたよ」 「ゆ!?たべもの!!ほちいよ!!ゆっくりちょうだい!!」「ちょうだいちょうだい!!」 クッキーを放り込んでやると、5匹の子ゆっくりは一斉に群がって貪り始めた。 母との約束という重圧を忘れた5匹は、本能に忠実な普通のゆっくりだった。 「ゆはっ!!うっめ!!めっちゃうっめ!!」「むーしゃむーしゃ!!しあわせー♪」 「じゃあお兄さんはもう行くからね。みんなはゆっくりしていってね!!」 って、食べ物に夢中だからたぶん聞こえてないな。 僕は食事を邪魔しないよう、追加のクッキーを数十枚放り込んで、静かにその場から立ち去った。 後ろからは、クッキーを貪り食う子ゆっくりの下品な声が聞こえてくる。 母まりさが帰ってくる頃に戻ってきて、“あれ”を実行することにしよう。 帰ってきた母まりさは、巣の中の様子に驚愕した。 一面を埋め尽くす見慣れぬ食べ物。それを美味しそうに食べている5匹の子供たち。 「ゆ!おかーしゃんおかえりなさい!!」「みんなでゆっくりしようね!!」 口の周りに食べかすをつけた子供たちが、出迎えの挨拶をする。 だが、母まりさはそれに応えない。 「これはだれからもらったの!?ゆっくりせつめいしてね!!」 母まりさの疑問は当然のものだった。子供たちが自力で食料を集められるわけがない。 しかも、5匹が食べきれないほどの量だ。母まりさだって、これだけの量を集めるのには2週間はかかる。 つまり当然の結論…『この食べ物は、誰かからもらった』 「ゆ……と、ともだちのまりさにもらったんだよ!!」「そ、そうだよ!!」 「うそをつかないでね!!にんげんからもらったにきまってるよ!!」 「ゆ゛!?」 母が真相を口にした瞬間、子供たちは固まってしまった。 “恐怖”…生まれたときから植えつけられてきた感情、たった一つに縛り付けられて。 約束を破ったことが母にバレた…その次に待っているのは、無慈悲な“罰”であることを知っているから。 横一列に、背を壁に向けて並べられた子供たち。 自分達のこれからを想像して、がたがたと震えている。 されることはいつもと同じ。だが、未だにその痛みに慣れることが出来ない。 「やくそくをやぶったらゆっくりできないよ!!」 「ゆぎゃああ゛あ゛ぁぁ!!」 「やくそくやぶるこは、おかーさんのこどもじゃないよ!!」 「ごみんあじゃあぁぁぁい゛い゛!!」 「にんげんとはゆっくりできないよ!!ゆっくりおぼえてね!!」 「もうゆるじでええぇぇぇぇえ゛!!」 「にんげんはわるいものだよ!!ぜったいゆっくりしちゃだめだよ!!」 「うがやおああおおおおぉおぉぉ!!」 壁と母まりさの身体で挟み撃ちにされる度に、悲痛な叫びを上げる子ゆっくりたち。 何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も、何度も何度も。 繰り返し繰り返し、母まりさは5匹の子ゆっくりに順番に体当たりする。 『人間とはゆっくりできない』『人間と一緒にゆっくりしたら二度とゆっくりできなくなる』 全ては理解してもらうため。このことを理解して、覚えてもらうためだ。 自分は母に人間の危険性を教えてもらっても、すぐに忘れてしまった。 そして人間についていったばっかりに、友達を皆食べられてしまった…そんな自分の二の舞にならないように。 子供たちには忘れて欲しくない。ずっと覚えていて欲しい。だってそうしないとゆっくりできないのだから。 「がまんしてね!!がまんしてゆっくりできるこになってね!!」 「げりょうあおあおあおあおああああああ!!!」 母まりさは、何度も何度も、子ゆっくりたちに伝わることを願って…体当たりを続けた。 昼になって、例の巣に戻ってきて見ると…巣の中では再び虐待が行われていた。 母まりさが子ゆっくりに体当たりするたびに、張り裂けんばかりの悲鳴が僕の耳を突く。 「うぎゃあ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁぁぁぁぁ!!!」 「ぎゅええええべべべべええ!!!」 「あばばばばあああああぁぁぁぁあ!!」 何故だか分からないが、母まりさは相当怒っているらしい。 母まりさの言葉は乱れすぎていて何と言っているか聞き取れないが…かなりノリノリである。 待てど暮らせど、虐待の嵐はなかなか止まない…痺れを切らした僕は、釣り針を握るとそっと巣の中に手を 突っ込んだ。 「……よし」 虐待に夢中になっている母まりさは、自分の帽子に釣り針が刺さったことに気づいていない。 子ゆっくりたちも、すっかり怯えきってしまって周りの様子など目に入っていなかった。 僕は、糸を思いっきり引っ張った。それに従って、母まりさの帽子が脱げて瞬く間に巣の外へ飛んでいく。 「ゆ!!まりさのぼうし!!ゆっくりまってね!!」 即座に異変に気づいた母まりさは、帽子を追って巣の外へ。 終わりなき虐待から開放された子ゆっくりたちも、安堵の表情を浮かべながら恐る恐るついてくる。 「おにーさん!!それはまりさのぼうしだよ!!ゆっくりかえしてね!!」 糸にぶら下がった帽子をぶらぶら振り回す僕。 まりさは必死にジャンプしてそれを口で咥え取ろうとするが、ぎりぎり届かない高さに調節しているので、 どんなに頑張っても…帽子まで後一歩、というところで勢いを失ってしまう。 「ゆぎゅうううぅぅぅ!!ゆっぐりがえじでね゛!!がえざないどゆっぐりざぜであげないよ゛!!」 「あっそう、じゃあ返してあげるよ、ほーれほーれ♪」 上から目線で物を言う母まりさを、僕は満面の笑みでおちょくる。 ぶんぶん振り回される帽子を目で追いながら、あんぐりと口を開けて狙いを済まして… 命と同じくらい大事な帽子を奪い返そうと、必死にピョンピョン跳ね続けている。 「うぎゅうううぅぅぅ!!!いじわるしないでね゛!!ゆっくりがえじでね!!」 ふと、巣の入り口近くにいる子ゆっくりたちに視線を移す。 さっきからじっとこっちを見ているが…母を応援する声は聞こえてこない。 普通の一家なら、『おかーさんがんばってねぇ!!』とか、『おにーさんとはゆっくりできないよ!』の 一言ぐらいあるものだが… つまり、そういうこと。子ゆっくりたちにとって、母まりさは“そういう”存在なのだ。 「お母さんまりさにひとつ提案だよ。子供の帽子かリボンを持ってきたら、この帽子と交換してあげる」 「ゆ!?」 果たして口車に乗って、子供の髪飾りの強奪に乗り出すかどうか… 僕にとっては一種の賭けだったのだが…どうやら僕の勝ちだったようだ。 母まりさは目の色を変えて、巣の入り口に集まっている子ゆっくりたちに襲い掛かった。 「ゆっくりにげないでね!!おかーさんにぼうしとりぼんをちょうだいね!!」 「おがーざんごっじごないでえ゛え゛ぇぇぇ!!!」 「ぞんなごどずるおがーじゃんどはゆっぐりでぎない゛い゛い゛い゛ぃぃぃ!!!」 子ゆっくりにとっても、帽子やリボンは大事なものだ。簡単に取られるわけがない。 母まりさに捕まらぬよう、子ゆっくりたちは蜘蛛の子を散らすように逃げ出した。 「ゆっくりつかまってね!!にげるこはゆっくりできなくなっちゃうよ!!」 「やだあああぁぁぁぁ!!!づがまるどゆっぐりでぎないよ゛!!」 「おがーざんやめでね゛!!ゆっぐりごっぢにごないでね゛!!」 母と子には体格差があると言っても、命と等価のモノがかかっているこの状況では、子供たちはなかな捕まらない。 実のところ、先ほどのクッキーにはゆっくりの運動能力をちょっとだけ強化する薬物が入っていたのだが… 母まりさも、当の子ゆっくりたちもそのことにはまったく気づいていない。 「おがーざんにぼうしどりぼんちょうだい!!そうすればみんなでゆっぐりでぎるよ゛!!」 なかなか追いつかないので、目に涙を浮かべながら子供を説得しようとする。 しかし、そんな言葉で釣られるほど子ゆっくりは愚かではなかった。 「おがーざんうそづいでるよ!!うそづくおがーじゃんどはゆっぐりでぎないよ゛!!」 「ゆっぐりついてこないでね゛!!ゆっくりどっかいってね゛!!」 「ゆぐぐぐぐぐ…どうじでぞんなごどいうの゛!!ゆっぐりでぎなぐなっでもしらないよ゛!!」 まだまだ子ゆっくりたちには追いつきそうにない母まりさ。 僕は母まりさにもっと必死になってもらうために、ライターで母まりさの帽子に火をつけた。 ボオォッ!! 何の素材で出来ているのかわからないが、本当によく燃える。 「ゆぎゃああああーーー!!!まりさのぼうしもやざないでえ゛え゛え゛ぇぇぇ!!!」 子ゆっくりを追いかけるのを止めて、燃え上がる自分の帽子目掛けて飛びついてくる母まりさ。 だが、僕がうまく糸を動かして帽子をひょいっと遠ざけたので、母まりさはそのまま地面に激突した。 「ゆぶっ!!やめでね゛!!まりざのぼうじもやざないで!!はやぐひをげしでよお゛お゛お゛ぉぉぉ!!!」 「まぁまぁ焦るなって。結構綺麗に燃えてるじゃないか」 地面に顔から落ちて身悶えている隙に、母まりさの髪を釘に結び付けて地面に打ちつけた。 これで母まりさは、ほとんど身動きが取れなくなった。 「ひをげしで!!うぶゅ!!いだい゛!!いだいよ゛!!がみがひっばられでるううぅぅぅぅ!!!」 帽子を燃やされている悔しさと、髪を引っ張られる痛みで…母まりさの顔は涙でボロボロになる。 痛みにのたうち回ろうとすればさらに痛みが襲うので、下手に動けない状況だ。 それでも母まりさは、何度も何度も助けを求める叫び声をあげた。 「まりさをだずげでぇ!!ごのままじゃゆっぐりでぎなぐなる゛!!」 「おねがいだがら!!ごっがらはなぢでえええぇぇえ!!!あだまがいだいいいいぃぃぃい!!!」 「ぼうじ!!まりざのぼうし!!もやざないでよ゛ぅ!!」 「……らんぼうするおかーしゃんは、ずっとそこでゆっくりしてればいいよ!!」 突然、一匹の子れいむが震えながら力いっぱい言い放った。 するとそれに続いて、次々と子ゆっくりたちが母まりさに罵詈雑言を浴びせる。 痛めつけられる母まりさの姿を見て、子ゆっくりたちの心境に変化が生じたのだろう。 母まりさが動けないことに気づいた、というのもあるだろうが。 「そうだそうだ!!おかーしゃんのぼうしなんか、ゆっくりもえちゃえばいいよ!!」 「おかーさんはずっとそこでゆっくりしててね!!こっちにこないでね!!」 「ばかなおかーさんはゆっくりしねばいいよ!!」 「いや゛ああぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!ひどいごどいわないでえ゛え゛え゛ええぇぇぇぇえぇえぇ!!!!」 次々に打ち明けられる子ゆっくりたちの本音が、母まりさの心を深く抉る。 今まで母まりさに虐待され続けてきた子ゆっくりの鬱憤が……ここで爆発した。 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「らんぼうもののおかーさんはゆっくりしね!!」 「れいむたちにいたいことしたよね!!だからおかーさんにもいたいことしゅるよ!!」 身動きの取れない母まりさを取り囲んだ5匹は、怒りを爆発させながら集団リンチを始めた。 つい数分前まで母の虐待に怯えていた子ゆっくり…僕がちょっと手伝ってやっただけで、立場は逆転した。 「いだっ!!いだいよ゛!!ゆっぐりやめでね゛!!やめだらゆっぐりさせてあげるよ゛!!」 「うるさいよ゛!!おかーさんのいうごとなんか、もうきかないよ゛!!」 「おかーさんのせいでいままでゆっくりできなかったよ!!ゆっくりしんでいってね!!」 一体どれだけの間、母まりさに虐待されてきたのだろうか…その間に溜めてきたストレスは相当のものらしい。 容赦ない体当たりが、母まりさの身体を深く傷つけていく。 ところどころ餡子が漏れ出し、さらに傷は広がって痛みを誘発させる。 「あぎゃああああああっぁぁぁあぁ!!やめでやめでやめでやめでやめでやめでやめで!!!! じぬ゛ぅ!!じんじゃう゛!!ごのままじゃじんじゃう゛!!おねがいだがらやめでよおおおおぉぉぉ!!」 母まりさの悲鳴を完全に無視し、リンチを続ける子ゆっくりたち。 僕はそんな子ゆっくりたちに優しく話しかけた。 「そろそろ疲れてこない?お母さんの帽子が燃えてるのを見ながら、ゆっくり休憩しなよ」 「ゆ!そうだね!!ゆっくりつかれてきたよ!!」 「ゆっくりやすもうね!!みんなでゆっくりしようね!!」 「おにーさんあたまいいね!!おかーさんとはおおちがいだよ!!」 そんなことを言いながら、母まりさから離れていく。 取り残された母まりさの姿は…それはもう酷いものだった。 「ゆぶ……どぼぢで…?……まりざはっ…みんなのだめにっ…!!」 目玉は片方が抉られ、口は不細工に引き裂かれ、頬も深く噛み千切られている。 まだ生きているが…このまま餡子を漏らし続ければ、命が尽きるのは時間の問題だ。 「ゆー!きれいだね!!」「ほのおってきれい!!」「ゆっきゅりー!!」 「もえろもえろー♪」「ゆっくりもえろー♪」 炎をあげて燃える母まりさの帽子。それを見つめる子ゆっくりたちの目は輝いている。 やっと母まりさの圧制から解放される。明日からは自由にゆっくり出来る。 掴み取った明るい未来を見据えた…そんな目だ。 僕は糸を木の枝に固定して子ゆっくりたちから離れると、そっと母まりさに近づいた。 「やぁ、気分はどうだい」 「うぎゅ…だじゅげで……ゆっぐりでぎな…いよ…!!」 「でも、子供たちは今までゆっくり出来てなかったんだよ。お母さんである君が虐めていたせいでね」 「うぞだよ!……まりじゃは!…まりじゃは……みんな゛のっ…ために゛…!」 まだ悪あがきを続けている。うねうねと動く母まりさの頬の皮が気持ち悪い。 「みんなのために……ねぇ」 僕はため息をつきながら振り向いて、子ゆっくりたちに声をかけた。 子供たちは糸にぶら下がった帽子が燃えているのを、まだ楽しそうに見物している。 「なぁみんな!!このお母さんどうする?助けてあげる?」 「ゆ?そんなのほっといていいよ!!それよりおにーさんもこっちでゆっくりしようね!!」 「おかーしゃんなんかそのまましねばいいよ!!ゆっくりしんでね!!」 との返答を貰い、そのまま視線を母まりさに戻す。 「…だとさ」 僕は母まりさに向けてニコリと微笑んだ。 母まりさは、僕にとって最高の表情をしたまま…最期の叫び声をあげた。 「ゆ゛っ……ゆぎゃああああぁあぁぁぁぁぁぁぁあがえんrぎなえりおいりあがあrがにrg!!!!」 声にならない叫びをあげたが最後、母まりさは動かなくなった。 子供たちにはずっとゆっくりしてもらいたい。だからこそ、厳しく接してきた。 だが、子供たちには伝わっていなかった。それどころか家族を崩壊させる一因になってしまった。 どうしてこんなことになってしまったのか、自分は間違っていたのだろうか。 母まりさは考える。考える。考える。でもわからない。餡子が足りないからわからない。 子供たちに伝わらなかった想い。伝わらなかった願い。 一生懸命伝えたつもりだった。でも、伝わらなかった。伝えたかったのに、伝わらなかった。 そしてこれからも、その想いと願いは、伝えることはできない… 傍らで笑いあう子供たちの声が、遠くに聞こえる。 母まりさは、ゆっくりと後悔しながら…さいごのいのちを吐き出した。 あとがき この話、本当にかわいそうなのは誰だろう? 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutau2/pages/2484.html
前編から ―夜。 作戦はほぼ同時に開始された。 我が家へ帰るのに正門から入らない存在はいないでしょう? 「お姉様、はじめよ?」 「レミィ、こっちは問題ないわ。」 「はい、私も大丈夫です!」 …一呼吸おいて。 「…私たちの家を返してもらうわよ!」 「うん!」「ええ。」「はい!」 魔力を集中させ、具現化する。赤き槍。 ―神槍「スピア・ザ・グングニル」 宣言されたそれを門に向かって力任せにブン投げた。 ―数分前、紅魔館の門にて。 「屋敷はみんなで守りましょうね。」 今日も異常なし。毎日が平和で嬉しい限りだ。 門番の部下も増えて嬉しいし、これからもお嬢様や咲夜さんのために頑張ろう! 「「「「じゃおーん!!」」」」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ!!」」」」 私の声にこたえてくれる部下達。 人数も沢山になり、門番のローテーションも前よりはきつくなくなった。 「私は一旦中に戻るけれど、何かあったら直ぐに呼んでね。」 実はこの時間が一番楽しみ。咲夜さんと一緒にゆっくりできるから。 美味しいお菓子に、飲み物。報告という名のおしゃべり。これが楽しみだから門番を頑張れる。 「「「「門番長!わかったよ!ゆっくりやすんできてね!!」」」」 部下の声を背中に鼻歌交じりで休憩室に向かった私。 ―現刻、門前。 大げさなほどに砂煙を巻き上げる着弾地点。 ソレが今回の会戦の狼煙となった。 門前に出来た巨大なクレーター。 「ただいま。何、ボッとしてるのかしら?」 館から急いで出てきた馴染みの顔に声をかける私。 緑の帽子に赤い髪。らしくなく目を吊り上げ、怒りをあらわにし 「…侵入者!ここは通さない!!」 おかえりなさいませ。を忘れた門番。 「お姉様、私に任せて?」 答える代わりに頭を撫でた。 「やったぁ!…美鈴、今日はイッパイ遊べるね!」 紅の大剣を具現化させ、美鈴に突っ込むフラン。 怯まずに迎え撃つ美鈴。 「…レミィ、急ぎましょう。」 言葉通り、ここは任せて館に入らせてもらうわよ。 「待て!!館に入ることは私が許さない!!」 フランを退けたら考えてあげる。…本気出さないと死ぬわよ?美鈴。 館に無事侵入出来たが、その惨状は目を覆いたくなるものだった。 饅頭が我が家を我が物顔で闊歩し、文字通り好き勝手にゆっくりしていた。 「おねえさんたち!私たちのお家にようこそ!!」 赤いリボン、霊夢を模したのであろうそれが声を出した。 その声に反応したのか、屋敷のいたるところから姿を見せる饅頭共。 100は居るであろうその蠢く床が一斉に声を上げる。 「「「「ゆっくりしていってね!!!」」」」」 煩わしい事この上ない。…駆逐はパチェと小悪魔に任せ、私は私の部屋に向かう事にした。 … ……。 珍しく怖い顔をしている美鈴が、お姉様達を目でおって無念そうに吐き捨てた。 「くっ!中に進入されてしまった!!」 …あんなに必死になっちゃって…。…嬉しいな。いつもここで、こうやって私達の為に働いてくれてるんだ。 「…悪いが、貴女を倒して侵入者を追わせてもらう!」 鋭い眼光が私を射す。こうやって侵入者を牽制、威嚇してるんだ。 …うん、大歓迎だよ。今日は、夜が明けるまでいっぱい遊ぼうね、美鈴! 「門番長!わたしたちもかせいするよ!!」 「お空の上からなにか投げたのはおねえさんだね!!」 「「「仲間のかたきをとらせてね!!!」」」 不意に背後から声がした。お饅頭の癖に喋るへんてこな存在。門のすぐ脇にあった何十もの穴からゾロゾロと転がり出てきた。 「ほかの詰め所のみんなもゆっくり出てきてね!!しんにゅうしゃがきたよ!!」 「ふぁらんくすだよ!みんなゆっくりしないで陣をくんでね!!」 口に木の棒を咥え、数十匹がもたもたと密集陣形を組んでいた。 “それやったのお姉様だよ。”言葉に出すのは止めておいた。無視して空中へ浮かんだ。 「美鈴!お空で戦お?」 二人きりで遊びたいから。 「何で私の名前を…?」 不思議そうにする門番。 「いいから早く~。私が侵入者役で美鈴が門番役で決まりね!」 今日の遊びはこれで決まり。 「役も何も…。まあ、とにかく貴女を倒して残りの侵入者を追わせて貰います!」 “門番長、ゆっくりがんばってね!”“みんなでおうえんするよ!!” …気楽だね饅頭共。美鈴はね、こんなのを守る為に此処にいるんじゃないんだから! … ……。 「…リトル、それじゃあよろしく頼むわね。」 ホールに居たゆっくりの群れを一掃なされたパチュリー様は既にこの場にはおらず、念話でそう仰りました。 「はい!…でも、思ったよりイッパイ居ましたね。」 同意してくださったようで、そうね、とだけ答えてくださった後に念話は切れました。 これを後でお掃除するのはやっぱり私なんですよね。 それはいいとしまして、先ほどの一掃劇は本当にお見事でした。パチュリー様の魔法は本当に凄いです。 … 「パチェ、任せた。」 ホールに居たそれらを見て、怒り気味のレミリア様が仰いました。 「…面倒ね。」 対してパチュリー様は“任せた”と言われる前には既にスペル詠唱を始めていまして…。 本当にお二人は仲がよろしいのですね。二人の関係っていつ頃からなのでしょうか? こういう状況なら、パチュリー様が選択されるのはきっとあのスペルかな。…そうしたら私が出来る事って何だろう? 「はい、皆さん!甘いお菓子をお持ちしましたよ。」 “はい、どうぞ。”掛け声と共に轟く饅頭の群れの真ん中にクッキーを投げる私。 私に出来る事はきっとコレを足止めし、パチュリー様の御負担を少しでも軽減することなのだと思います。 …後でこっそり食べようとポケットに忍ばせておいたものがこんな形で役に立つなんて。 多分、この行動、無駄じゃないですよねパチュリー様?ちらりとそのお顔に目を向ける。 「「「「「ゆ!?」」」」」 「これはまりさのまえにおちてきたからまりさのだよ!!」 「ずるいよ!!みんなでわけようね!!!」 中心に向かって群れが固まる。 「…リトル、いい判断よ。」 間違いじゃなかったらしい。パチュリー様の負担を少しだけ減らせたようです。 パチュリー様の指先より放たれたソレはチラチラと淡く光りながら、ふわふわと中心の泥棒さんを模したお饅頭の前で静止しました。 「ゆ!!これなんだかゆっくりしてるね!!」 ふわふわキラキラのソレは、確かに私の目から見ても綺麗でした。それが内包する物が何であるかを知っている身ですらそう思えるのですから、お饅頭さんの反応は仕方が無いものだったのかもしれません。 レミリア様はその様子を見て、満足されて奥へ向かわれました。 パチュリー様は饅頭の群れに背を向け、レミリア様を目で追われていました。 私は、パチュリー様が放たれたソレに一つだけの弾を放ち、群れを観察しました。 「ゆ~♪ふわふわのキラキラさんと、お菓子さんがまりさによってきてくれてしあわせだよ!!」 パチン!と、私の魔力とパチュリー様の放ったソレがぶつかりました。 「ゆゆゆ!?ふわふわさんが消えちゃったよ!!」 はじけた後に残ったのは、薄っすらと白く見える気体だけでした。 ―金&水符「マーキュリポイズン」 1発だけ放たれたそれは、弾幕と呼べるものではないですが、足を止め言い争いをしている多数を亡き者にするには充分すぎました。 「ゆ!い、ぎ…でぎな!ぐるじぃぃぃ…!!!」 魔力精製された水銀毒が、お饅頭さんを蝕んでいるのが解ります。 気体を吸い込んだ固体は、白目をむき、先程食べたお菓子を自身の内容物と共に吐き出し、誰にでもなく助けを求めています。 「ゆ!なに?まりさ?どうしたの!?」 気体は徐々に徐々に広がりつつありまして、中心から離れないと、きっとこのお饅頭さんみたいになっちゃいます。 「ま、まりざぁぁ!!ゆっぐりしてよぉ!!ゆっぐり…?ゆ゛!ゆ゛……ゆべぇ…」 傍に寄ろうとした白赤饅頭も機能停止したようです。口を模した部分から内容物を吐き散らす様子を見て、この後の掃除の段取りを考える私。 …われに返った時には結界にとらわれてお饅頭さんの殆どが水銀中毒になり、絶命した後でした。 ボーッと考え事をしてしまうのが私の悪い癖だとパチュリー様によく注意されます。 「…リトル、図書室は任せたわ。私は館全体にこのタイプの結界を張ってくるわ。」 はい、咲夜さんと美鈴さんを救出したら、これで一網打尽にするのですね。このお饅頭たちは水銀毒が効果があるかどうかの見極めも完了されましたし。 …密室に気体毒を放って害物を駆除する製品って作ったら売れそうですね。 またも無駄なことを考えていたら、パチュリー様は既におらず、ホールのお饅頭が“可視できる”気体毒から逃れようと結界に顔をへばり付かせて逃れようと努力していました。 「もうやだぁぁ!ゆっくりでぎないよぉぉ!!おうぢがえるぅぅぅ!!!」 ゆっくりを亡き者にするために放たれた毒は、文字通りゆっくりと結界の中の空気に溶けていき、透明の空間をほんの僅かだけ白くさせながら少しずつ少しずつその領域を広めていきました。 「ここがあなた方のお家と御聞きしましたが?」 スマイルで御聞きしてみました。確かにそう仰られましたから。 「本当はれいむ゛のおうぢはもりのながなんでずぅぅ!だからかえらぜでぇぇ!」 涙や涎や汗で顔をグシャグシャにし、ホールを汚しながら私に向かい言葉を放ってきました。 体液を外に分泌させながら懇願してきて、きっと必死なのでしょう。ちょっとだけ可哀想に 「あ!白いふわふわさんがすぐ傍まできていますよ!」 思えません。館に許可無く侵入してきたものはすべて排除します。無断侵入者の排除失敗は過去から今にかけて、人間二人だけです。 「い゛や゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁああ゛ああぁ゛あ゛!!!ふわふわざん!!もっどゆっぐりしていっでよぉぉぉ!!!」 徐々に迫ってくる気体と私を交互に見て、お饅頭さんは叫びました。 「おねえざん!だすげでぇぇ!!ここからだじでぇぇぇ!!」 私は頷き、結界を手で押すふりをしながら笑顔で答えました。 「私も入れないみたいなので、そこでゆっくりしていってくださいね。」 「やだぁぁぁ!!ここでゆっぐりしだらゆっぐりしじゃうううう!!!」 よく解らない返答に私も困ってしまいます。 「息を止めてみたらどうでしょうか?頑張ればきっとふわふわさんも諦めて下さいますよ!」 笑顔で提案する私、ハッとした表情で私を見るお饅頭さん。 「ありがどうおねえざん!!」 言うや否や、息を止めるために大きく息を吸い込んでいました。長時間の無呼吸に備えるつもりなのでしょう。 やがて結界内に完全に充満したようで、私と話をしていた固体以外は全て動かなくなっていました。 目を閉じ、口も横一文字にする目の前の個体。 本当に私の言葉を信用しているのでしょうか?無生物が諦めるなどと本気で考えているのでしょうか? では、そろそろ図書室に向かいましょう。 「…ゆっくりしていってくださいね。」 明るくはっきりと、優しく囁いてあげました。 「ゆっくりしていって…!?あ゛ァぁぁ゛!おくちひらいじゃっだらゆっぐりでぎな…ゆ゛ゆ゛ゆ゛…ゆげぇ…。」 どうしてかこの言葉を聞くと個体差はあるものの返事を返してくれます。 目をパッチリ開き、高らかに宣言されるはずであったゆっくり発言は、音源の機能停止により最後まで言い切れなかったようです。 最後の一匹が中身を吐き出し絶命しましたので、一礼をした後に図書室に向かいました。 … ……。 「お帰りくださいまし。お嬢様は誰ともお会いしたくないと」 「嫌よ。」 仕える相手をすりかえられた従者の言葉が付き向けられたナイフよりも突き刺さる。 「では、無理にでもお帰りねがいますわ。」 向けられる殺意。空気の中から現れる無数のナイフ。 小さく舌打ちをした後、すべてを回避して見せた。天井に、床に、壁に突き刺さる銀。 回避しながらその様子を見て確信した。正気に戻せると。 (…この期に及んで弾幕で勝負を仕掛けてくるなんて。律儀なのか洗脳が不完全なのか。) 咲夜の能力を用いれば、並みの相手を殺すことなど造作でもない。 時を止め、銀の刃を、敵対者の心の臓に突き立てればいいだけなのだから。 「…咲夜、お前の運命は私の掌のなかだというのに。」 今回は私が目を覚まさせてあげる。まったく…、主人の手を煩わせるなんて、従者失格よ? …。 ……。 「ねえ美鈴。」 背後から、 「もう御仕舞?」 右手側から、 「今回も美鈴の負けだね!」 正面、 「敗者には、」 左方から、 「「「「罰ゲーム♪」」」」 四方からする悪魔の声。 「う…くっ…。」 地面に落下した私は全身を支配する痛みに顔をしかめた。痛みと疲労で声が出ない。 服もボロボロ、五体満足で生きている自分が不思議である。だが、それもここまでであろう。 「ねえ、美鈴?大丈夫?」 とどめを刺されるものと考えていたのにもかかわらず、可愛らしい顔、心配そうな瞳で私に問いかける悪魔。 (…なぜそんな顔で私をみるのですか?情けなど…) 言葉に出ない。出せない。完敗を喫した自分。…過去にもこんな事があった気がする。ダメージを受けずにすんでいたはずの頭部が痛む。 私が無事なのを確認すると、悪魔は胸を撫で下ろし私の部下達の方を向いた。 「じゃあ、美鈴が守っていたものぜーんぶ壊しちゃうからね。そしたら罰ゲームだね!」 ニコニコと私に向かって言い放った。遊びの延長のように。ダメ、守らなくては…。 私は門番、お嬢様とふら…様をお守りする…?ふら…? …頭が痛い。大事な事なのに思い出せない。大事な事のはずなのに…。 「門番長がやられたよ!ゆっくりにげるよ!!」 敵わぬと見るや、逃亡の算段をはじめる饅頭達。 「敵前逃亡は死罪(クビ)だってお姉様が言ってたよ?」 気が付けば目の前には門番長をやっつけた存在。 「それに、美鈴があんなに頑張ったのに逃げちゃうなんて…。ちょっと許せない。」 “だからみんな壊しちゃうよ。” 更に紅くなる目。その手を目の前に突き出し 「“ギュッ”てしてあげる。」 その手を、力強く握り締めた。 並んで逃げる饅頭の群れ後方のゆっくり達は 「ゆ!?よくわからないけど逃げるよ!」 「おいかけてこないんだねー!わからないどにげるよー!」 「はやく、うーぱ…」 弾けとんだ。パチンと乾いた音を立てて砕け散った。 「“ギュッ”てすると、お前達は壊れちゃうんだよ?」 悪魔は笑っていた。笑いながら何度もその可愛らしい手を開いては握った。 戦慄した饅頭の群れ。所々から乾いた音、水風船が割れた時の音。 目の前の仲間が消し飛ぶ。中身すら残らない。そこに何かあったことは弾けとんだ時の音のみが語る。 確かにいた。瞬きすらしていないのに、次の瞬間にはなくなっていた。 あの悪魔の言うとおり、手を閉じられると仲間が消えていく。 「どぼじで!?どぼじでごんなことす“パチン”」 何かを叫ぼうとした個体。爆ぜて消えた。 「ん?それはね、」 何を叫ぼうとしたのか、察した悪魔は手を止めて答えた。 「コインいっこ。…ゲームオーバーだからだよ。」 あくまでも遊びという姿勢の悪魔。侵入者から殲滅者へその役をかえた悪魔。笑い声が月の下に響き渡る。 跳ねながら逃げる。次々に数を減らしていく仲間。次は自分なのかもしれない恐怖は鞭となり、跳ねる力を搾り出してくれた。 「うー!うー!」 輸送隊のうーぱっく(羽つき箱ゆっくり)が見えた。あそこまで跳ねろ!逃げる。逃げてゆっくりする為に今は急げ! 「みんな早くのってね!うーぱっくはりりくじゅんびいそいでね!」 一番乗りでうーぱっくに飛び乗ったまりさ種は叫んだ。 100は居たであろう部隊も既に10となった今の有様。まりさは一跳ね毎に消えていく仲間を見守ることしか出来なかった。その後ろには歪な羽の悪魔。 怖いが仲間を見捨てるわけにはいかない。ギリギリまで離陸はさせない覚悟を決めるまりさ種。 5、4、3…。3匹だけだがうーぱっくに乗り込めた。今が潮時。 「もういいよ!とんでにげようね!」 「うー!!」 号令が出された。うーぱっくはその持てる力を使いこの空域から離脱しようと心に決めた。 「どぼじでぇぇ!!ふくたいぢょう!!まだれいむたちがのってないでしょぉぉぉ!!ゆっくりしていってよぉ“パチン”」 乗り遅れた饅頭たちは等しく砕けちった。 その様子を見届けた悪魔は私の方へ向き直り 「ね、美鈴。“ギュッ”てしてもいい?」 おねだりする様な顔で死刑宣告を言い渡しました。彼女が手を閉じればどうなるのか、見せ付けられた直後に。 未だに痛む頭。なのに、何故、何故私は 「…はい。」 この悪魔の言葉を拒否できないのだろう? …怖い。消えてしまったらどうなるのだろう…。何も残らないのかな…。お嬢様、咲夜さん…、ゴメンナサイ。 目を瞑り、その時が来るのを待つ私。 “ギュッ” 鼻腔をくすぐる甘い香り、小さな何かが私に抱きついて…。 「ねえ…。美鈴、まだ私の事思い出せないの?」 目の前のあく…、目の前の女の子は目に涙を浮かべ私を見つめていた。 …フラン様…。どうしてそんなお顔をされるのですか?私こまってしま…。あ! 「フラン、さま…?」 恐る恐るその名前を口にした。 「・・・!?めーりん!」 ああ・・・フラン様、泣かないでください。私、本当に何を…。 ―Spell Broken― →ゆっくり『ゆっくり思考改竄』 頭の中で“パリィン”と何かが割れるような音がし、痛みが走った。 「フラン様、申し訳ありませんでした…。」 先ほどまでの記憶が後悔を呼ぶ。何たる無礼をしてしまったのかと。 「じゃあ、めーりんには罰ゲーム。お姉様が戻ってくるまで抱っこして?」 ニコリと笑い、私に要求するフラン様。 「じゃあ、これで」 両の手をグリグリと合わせ、何かを潰すような動作をされるフラン様。 「?どうかされたのですか?」 疑問を口に出すと 「仕上げ。これで美鈴の負けだから罰の抱っこを断ることは出来ないよ。」 元から断る気なんかないですよ? 「はい、フラン様。では、今何が起きているのかお話してくださいね?」 うん!、そういって私に再度抱きつくフラン様。 私の幸せは、紅魔館に住まう方々の幸せを守る事。それと真逆の事をした償いは必ずいたします。 「うー!うー!」 「おってがきてないよ!にげきれたよ!」 「やったよ!これでゆっくりできるよ!!」 「おうちにかえってゆっくりし」 饅頭たちの周りの大気だけが突然重く重く収縮し、グシャリと音がして、空から何かの固まりがボチャンと音を立て湖に波紋を作った。爆ぜた中身、魚は喜んでそれらを口にした。大部分は水に溶け、消えうせた。 … ……。 「いい加減になさい、咲夜。」 息を荒げながらもなおも力を行使しナイフを投げるのをやめない咲夜。 それを難なく回避し、余裕そうに言葉を紡ぐ私。 「はぁ…!はぁ…!私が、お嬢様を守る…!この身が動かなくなる時まで!」 …嬉しさとイラつきが同時に去来する。 素直に嬉しい。こんなにも思われている事が。 そして許せない。私とすり替わった何者かが。 「貴女が…!どうやっても…!…回避できない攻撃を、思いついたわ!」 クロックアップする咲夜の世界。強力すぎる能力は生命を蝕む。 …よくない。こんな事で咲夜の生命を燃やさせたくない。ならば 「…やって御覧なさい。」 空気が重くなる。文字通りに。咲夜の時間調律が始まる前触れ。 突如空気の中から現れる銀刃の囲い。私の周囲全てを覆い尽くして此方にへと押し寄せる。 (ルール違反じゃないのかしら?弾幕的な意味で。) 冗談じゃないわ、回避できないわよ。こんなの。 … 押し寄せる刃が侵入者の肩に胸に、腕に太腿に突き刺さった。 「…ぐ、ふっ…!?」 彼女自身の体液で濡れた床に彼女が膝を付き、此方に手を伸ばす。 「…さく、や…いたい…。」 言葉を発して倒れた。腕は天に伸ばしたままで、目は虚空を見つめて、呼吸はしていないようだ。 「…!?勝った、の?」 正直言って、この技が回避されたら討つ術は無かった。 「…あ、れ?」 侵入者の最後が脳裏に焼きついて離れない。 (さく、や…いたい…) 何故、涙が?侵入者など過去に何度も葬って来たはずなのに…! どうして…?胸が苦しい…!頭が…! 気になって、彼女の顔を見る。生気は既に失せており、動き出す気配はない。 何も間違ってはいない、はず。自分はお嬢様をお守りして…。 “ガチャリ” 背後から音がした。 「さくや?しんにゅーしゃはやっつけた?」 私の主、だ。 「…あちらです。」 どうしても其方に目をやれない。どうしてなの? 「うー!こーまかんにしんにゅうしたらこうなるんだよ!!」 嬉しそうな声で侵入者の亡骸を蹴る我が主。 …蹴る? (さく、や…いたい…) 「…蹴 る な !!!」 叫んでいた。 「うー!さくやーごべんなざいぃぃ!!」 返される返答。…何故かしっくりこない。私が叱られるべきなのに。 亡骸から離れてトテトテと私の方に歩み寄る。血の滴った床をパシャパシャと音を立てながら。 頭が痛む…。痛くて仕方が無くて、膝を付く私。ベチョリと膝を覆う感覚。血。 何故か、床を汚したそれを指で救い上げて (『十六夜咲夜』なんてどうかしら?) 赤いそれを見つめる私。 「さくやー!おなかすいたー!!プリンー!!!」 (異端の子。いくらお前が人間に災いをもたらすとされている吸血鬼や悪魔を狩っても、人間は誰もお前を受け入れない。感謝しない。恐怖、畏怖する。) 何かがぼやけてきて…。 「さくやー!!さくやーー!!きいてるの!!れみぃはプリンがほしいのぉ!!」 (だけれど私は違う。…私の物になりなさい。名前の無い銀髪の狩人。) 「はい…お嬢様…。」 白昼夢?でも、この感覚は… 「はやぐじでー!!れみぃおなかペコペコだどー!!」 (…私の血を舐めなさい。) 止まらない…。どうかしている。頭に響く、懐かしい声。絶対に逆らうことの出来ない声。 指先に付いたそれを躊躇無く舐めとった。 「懐かしかった?」 …血溜りから声がした。 「うあー!うあー!!しんにゅうしゃがいきてたどぉぉ!!!!」 はい、生きていましたね。…お嬢様。 「咲夜、代えの服を用意なさい。ボロボロじゃない。」 「さくやー!はやくやっつけるんだどぉ!!」 ―パリィン 私は、答えました。簡潔に一言 「はい。お嬢様。」 と。 「ん。今は白い服って気分だったの。流石ね咲夜。」 お褒めの言葉、至極恐縮です。 「…?なにしてるんだど?」 お嬢様に、代えの服を用意させていただいたのですよ。 「見ての通りです。」 しれっと答えました。お嬢様の着付けの最中に声をかけないでくださいまし。 「なにしてるんだどぉぉ!!れみぃはこーまかんのあるじなんだ!!めいれいはぜったいなんだよ!!」 プンスカと擬音を立てながら抗議するそれ。 紅魔館の主が貴女?何をいっているのかしら? 「咲夜。それ口を塞いで縛って頂戴。一応、ね。…あ、殺しちゃダメよ。」 かしこまりました。…コロシテハダメナノデスネ。 「さくや?な、なにするんだど!?」 時は止めない。歩み寄る一歩毎に後悔を刻み込ませてやりたいから。 「しんにゅうしゃはあっちだど!?はやぐ!!」 はい。侵入者は 「私にお嬢様を傷つけさせてまだ言うか!!」 あなたでしょう。殺してはいけない枷が殺意を濃厚にする。 「こわいどぉ!ざくやー!だずげでぇ!」 煩わしい声。…聞きたくない。 その緩んだ頬に平手打ちをした。していた。手が勝手に。 パン! 「黙りなさい。」 「いあぁぁ!!いだい!!!」 パン! 「黙りなさい。」 「!やべでぇ」 パン! 「黙りなさい。」 「わかりまじだぁぁ!!」 パン! 「黙りなさい。」 「!?・・・!?」 黙ったソレの目の前にナイフを突きつけると、ビクリと反応した。 「口を開きなさい。」 頭を掴み、目を逸らさせない。 コクコクと頷き、口を開くソレ。 ナイフを口内に侵入させると流石にそれも 「ひゃべで!!なにずるのぉ!!」 恐ろしいのか声を上げた。 空いている手がないので頭を掴みあげている手の力を強める。 「黙りなさい。」 それは敵わないと悟ったのか震えて泣き出した。 泣き出して泣き出して、頬をぬらすそれを見て私は 「この舌がいけないの。」 ソレの舌を根元から切り捨てた。ボトリと音を立て、床に落ちるそれ。 「いはぃぃぃ!!へみぃのひははー!!」 頭を掴むのを緩めてやると、ソレは必死に落ちた舌を拾い上げようとしていたので 「目障りですので動かないでくださいまし。」 その落ちたものを踏み潰した。 「へみぃのへれがんとなひははー!!」 卒倒、気絶した。手間が省けて助かる。 縛り上げたソレを運んでお嬢様と外に出ると、美鈴とフラン様がなにやらお話をしていた。 「「あ!」」 二人同時に私とお嬢様に気がついて手を振っていた。 「お姉様!美鈴はもう大丈夫だよ!無事だよ!!」 「ええ。咲夜も無事よ。」 どさりと二人の目の前に、自称主を投げ落とした。 「…ふーん、コイツが私達の館で好き勝手してた奴の首謀者なんだ。…どうするの?壊していい?」 フラン様の目が真っ赤になる。美鈴がなだめてお嬢様の采配を待つように言い聞かせている。 どうするの、お姉様? 如何しますか、お嬢様? どうしましょう、レミリア様? 三人、三対の目がお嬢様を向く。 「…あー、紫、聞こえてるわよね?こっちは制圧終えたわよ!」 空に向かい叫ぶお嬢様。…あの妖怪が動く規模なの?今回の事件は? 空中にスキマが割れたのを確認し、お嬢様を見た後、私と美鈴でソレをスキマに投げ入れた。 …。 ……。 「…むきゅ。」 「…むぅ。」 二人は不機嫌だった。それはそうかもしれない。 「だって、咲夜も美鈴も無事に救い出せたから、つい勢いで。」 答えるのは私。Seizaさせられるのは、私を含め四人。 「…リトル。私すごーく頑張って館全体に結界を張ったわよ。」 「ご苦労様です、パチュリー様。私は図書室以外にも、屋敷内の全ての部屋を見て回って掃除していました。」 「ご苦労様、リトル。でも、私達を待たずに制圧報告って酷いわね。」 「はい、酷いです。でも、良しとしましょう、パチュリー様。あの言葉は待っていてくれたですから。」 Seizaを解く様に言われ立ち上がる私達。 パチュリーと小悪魔、私とフランが横一列に並び、二人に言った。 「「「「二人ともおかえりなさい!」」」」 美鈴も咲夜もその場で崩れて答えた。 「ただいまもどりました、お嬢様、妹様、パチュリー様、小悪魔。」 「ただいま帰りました、レミリア様、フラン様、パチュリー様、小悪魔さん。」 「さ、“家族”揃って紫の所に報告に戻るわよ。」 その言葉に呼応するかのように六人が横一列で通れる大きさの隙間が開いた。 “家族”その単語に反応したのはスキマだけじゃなくて 「お嬢様。」 咲夜。忠実な咲夜。感情の起伏があまり無かった筈の咲夜。 「…嬉しい!」 こら、紫の所いくこの時に“ギュッ”って抱きついたら! ―マヨイガ 「…ご苦労様。それと、そういうのは異変が終わってからにしてほしいわ。」 異変が終わったら私も霊夢にしてもらうもん?…ソレは許さないけれど謝るわ。咲夜が急に、ね。 「あー!お姉様ズルイ!私も混ぜて!」 フラン、異変解決まだだって紫が! 「わ、私も嬉しかったです…!レミリアお嬢様!私も!」 美鈴、まともな子だと思っていたのに…。 「そ こ ま で よ !」 パチェの声で全員はなれる。どういうわけか、パチェのこの言葉を聞くと今行っている行為をやめなくてはいけない気分になる。 「…まあ、神社は直ぐに制圧の声が聞こえてくるでしょう。だから…」 続く言葉は理解できる。…もう一仕事してやりましょうか。 「ふん。永遠亭の増援、引き受けてやるわよ。…行くわよ、フラン!」 「うん!お姉様!」 咲夜と美鈴もそれに続こうとするが私の答えは 「…気持ちだけで充分よ。貴女達は休んでいなさい。」 パチェが代弁し 「リトル、貴女もよ。この二人の看病、任せたから。」 更に続ける。 不服ながらもそれを受け入れる三人。 「「「いってきます。」」」 「「「いってらっしゃいませ!」」」 … …… 異変は巫女救出成功により急速に収まった。永遠亭は大分苦戦したようだが、何とか制圧できた。 人間は疲労により衰弱しているものもいたが、死者はでなかった。永遠亭にはしばらく患者で溢れそうだが。 妖怪も未だ衰弱の激しい者もそうでない者も主の計らいにより、マヨイガに搬送され療養している。一つ屋根の下で過ごし、妖怪達も前よりも絆が深まった者や新たに親交が増えた者も居る。 「お姉様、おみそスープって美味しいね!」「フラン、納豆もかなりイケるわよ。試してみなさい。」 咲夜も九尾と親交が生まれたらしく、よくレシピ交換をしているようだ。我が家の料理のレパートリーが増える事はいい事なので特に口出しすることもあるまい。 「リトルちゃんって凄いな。あんなにあるパチュリーさんの御本の管理しているんだね。」「大ちゃんさんみたいに瞬間移動できたら便利だと思います。あ、今度、お屋敷にご招待しますね。」 どういう訳か、この二人は直ぐに仲良くなっていた。遠くでパチュリーがチルノに絵本を読んであげている図を見守る二人は和みながらお茶をすすっていた。 …その後、大妖精が小悪魔の紹介で紅魔館で短期のメイドのバイトを始めた。 ともかく、楽園の転覆は防がれた。奇跡的に物的被害のみで。 … ……。 めがさめた。じぶんはいったいどこにいるのだ? このまえはひまわりばたけでいじめられるゆめをみた。 ひどいゆめだったよ。はやくゆめからさめないとゆっくりできないね。 「ゆっくりしていってね!!」 おきまりのことばでめざめると、くうふくかんもいっしょになってめざめた。 みたこともないばしょ。あまい香りがへやをしはいしているこのばしょはひじょうにゆっくりできそうだ。 キョロキョロとまわりをさがすとこんがりきつね色のぱんみたいなのががおさらのうえにおいてあった。 すぐにそばによりそれを口のなかにしまいこんだ。 「むーしゃ、むーしゃ…。!!し、しあわせー!!!!」 それはいままでに食べたどのたべものよりもゆっくりできた。 たまねぎやにんじんがお肉とともにそとはカリカリなのになかがふわふわのおいしいものに入っていた。 「お目覚めですね。はじめまして。」 背後からの声に反応し、振り返るとそこには赤い髪をした女性がニコニコとした表情で立っていた。 「はじめまして!おねえさんはゆっくりできるひと!?」 表情から察するにゆっくりできることは間違いないその女性はコクンと頷く。 「ふふ…。それにしても、美味しそうに食べてくださいましたね。作った私としてもうれしいです。」 黒を基調とした服に、白のエプロン。その端を持って喜ぶ彼女を見て食べた自分も楽しい気分になってきた。 「お姉さん!おりょうりじょうずなんだね!ゆっくりできるよ!」 この“ゆっくり”をプレゼントしてくれたお姉さんには感謝の気持ちを伝えなければゆっくりの名が廃るというもの。 「本当ですか、嬉しいな♪…あの、よかったらもっと召し上がられますか?」 断る必要は無い。いまはお腹がすいているし、こんなご馳走はめったに食べられないから。 「ゆ!?本当にいいの!?いっぱいたべるよ!!」 答えると、お姉さんから羊皮紙とペンが出された。 「では、こちらにお名前をお願いできますか?…私、ドジだからお名前聞いても忘れちゃいそうで。」 恥ずかしそうに、舌をちょっとだけだして赤くなるお姉さん。 「ゆ?まりさはまりさだよ!」 口にペンをくわえ、器用に書きながら己が名前を紹介するまりさ。 「わたくしは、小悪魔と申します。まりさ様、契約書は預からせていただきますね。」 そこにはこうあった。 “出された料理は残さず食べます。” 簡単さ。こんなに美味しい料理なんだから。 三十分もすると、お腹も膨れてきた。多分、今日だけで1ヶ月分はゆっくりできる物を食べたであろう。 「ゆふぅ、もうお腹いっぱいだよ!こあくまお姉さん、ごちそうさ」 優しい小悪魔お姉さんに伝えると 「…契約は履行されませんでした。」 表情は無くなり、目が真っ赤になる小悪魔。恐るべき殺気を感じたまりさは直ぐに撤回した。 「…ごちそうさんばっかりでまだまだいけそうだよ…!」 ごちそうさまを言えるのは何時なのか、 「あっ!私ったら早とちりしちゃった♪直ぐにお替りお持ちしますね。」 笑顔が戻った小悪魔しか知らない。 黒白は目を白黒させながら小悪魔の運んでくるご馳走を平らげていったが、 「…うぷ…、ところ、で、このおりょうりの、お名前なんていうの?」 ふと、気になった。 「えーと、ですね」 いそいそとポケットからメモ帳をとりだし、笑顔で続ける小悪魔。 「初めに召し上がられたのが“紅魔館の主を偽った物”の姿揚げです。私、頑張りました。」 ゆ? 「その次は“ホールにて水銀中毒死した物”の混ぜ込みパンになります。アンチマジックで毒抜きはしっかりしてありますよ。」 何それ? 「その次は私のお友達作の“餡山”です。文字通り餡子の山、盛り合わせです。」 うん、甘かったよ?でも、それって 「で、これから召し上がって頂くのが“図書室にて本を汚していた物”の姿造りになります。」 もしかして? 「さあ、召し上がれ。」 銀の蓋が皿を覆っていた。“召し上がれ”その言葉と共にそれが消えうせて中身が見えた。 「…ゆ!?…お、おねえさん、これって…」 もしかして、 「はい。お察しの通りです。“ゆっくり”召し上がってくださいね。」 プレゼントされたのは“ゆっくり”だった。文字通り。二つの意味で。多分、いや確実に今まで食べたものも。 「ゆげぇぇぇ!!!みんなごべんねええええぇぇえぇえ!!!」 どんな目にあったか解らないが、このゆっくりは絶望しきった顔で虚空を見つめて鎮座していた。 「私の主を模したのでしょうか、コレは。」 コレと呼んだものを見つめ、小悪魔の表情は笑顔ではなくなっていた。 「ごれ、ばぢゅりぃだよぉぉ!!!なんでこ」 言葉を言い終える前に、いきなりテーブルの上にあったフォークでそれを、ゆぱちゅりーを滅多刺しにし始める小悪魔。 無表情の横顔、機械的に何度も何度も何度も何度も突き刺す動作。 ソレを乗せていた皿が割れても止めない。異常極まりないその行動に、まりさは恐怖した。そして思った。 “夢に出てきた緑髪の妖精さんと同じ目をしている”と。 「これは何ですか?」 いやだ、質問しないでくれ。ゆっくりさせてくれ。 「コレは何ですか?」 その目はやめてくれ。頬が痛んだ気がした。緑髪の女の子。思い切り蹴られた図がフラッシュバックする。 「じらない゛!そんなのじらないよぉぉぉ!」 割れた皿の破片が食い込み、フォークで刺された部分から中身をもらすソレ。あまりにも悲惨なかつての仲間の姿を見て思わず声に出してしまった。 「ぱぢゅりぃぃぃ!!おねえさん!どぼじで!どぼじでごんなごとするのぉぉ!!!!!!」 不意に頬が痛んだ。恐る恐る目をやると、先ほどぱちゅりーを滅多刺しにしたそれが自分の頬から生えていた。 生えたそれをみて夢の一部分を思い出した。無邪気な水色の子を笑顔で誘導する緑髪の妖精。まりさの頬に“盲人の死杖”を突き刺せと。 突き刺された部分が毒され痺れ、“まりさ、首から上だけだから刎ねられないよ”ってよく解らない事を思いながら意識を失ったんだっけ。 「パチュリー様は美しくて知的で、誰よりも本を愛されていて…。そのお名前すら麗しくて…。」 痛いのに叫べない。叫んではいけない。 目の前の存在が急にトリップしだして、ここに自分がいることが見えていないようで。このまま黙っていれば自分に注意が向かないかもしれないから。 様子を伺おうと目を其方に向けた。…目があってしまった。 「いやぁぁぁぁぁ!!!いだいぃぃぃ!!!!!!!」 真っ赤な目で此方を見下ろしたまま言葉を投げかけていた。口元は歪みきっていて優しさなど何処にも感じない。冷たくて火傷しそうなそんな目で。 「その名を呼ぶな。あなた如きが。その名を冠するな。まんじゅう如きが。」 口を開いた。ああ、おねえさんは自分で言ってたっけ。 「あくま!!おねえさんはあぐまだよ!!!」 その通りですけれど?優しい造り笑顔に戻ったそれは、まりさの頬に突き刺したフォークをえぐりこんだあと、力任せに引き抜いた。 そして 「契約の履行は確実にお願いしますね。」 かつての仲間をまりさの口の中に押し込んだ。 吐き出せ、仲間を食べたらゆっくり出来ないから。 「むーしゃ、むーしゃ、ごっくん!しあわどぼじでぇぇぇ!!!」 契約の強制力は饅頭の柔らかな意志を用意に粉砕し、履行させた。 「はい、いい食べっぷりでした。以上で朝御飯はおしまいです。」 ペコリとお辞儀をする小悪魔。 「ゆ゛っ…ごちそうさまぁぁぁ!!」 やっと開放される食卓。お皿を片付け、部屋から去る小悪魔。 「ゆぇぇぇん!!ばじゅりぃぃ!!びんなぁぁ!!ごべんねぇぇぇえ!!!」 残されたのはまりさだけ。磨り減った気力を回復させる為、ゆっくりしよう。 仲間だったとはいえ、それは確かに美味しかった。ゆっくり出来たから。 気力が回復したら、ココから逃げよう。ゆっくりプレイスを探してひっそりとゆっくりしよう。きっとほかのゆっくりにも再会できるよきっと。 コンコン。 「お昼ごはんをお持ちしました。」 笑顔の小悪魔は契約の羊皮紙をまりさの面前に突きつけた。 出された料理は全て食べなくてはいけない。 契約が切れるのはいつなのか。それは小悪魔にしかわからない。 変異種ゆまりさの意識はここで遠のいた。 変異種に与えられた最後の役割は、今回の異変に関わった者全てからの制裁。 ここで受けた傷は治され、明日、変異種まりさは永遠亭に搬送される予定。前よりちょっとだけ仲良くなった不死鳥と不死姫がお礼をしたいのだと言っている。殺されはしない。永遠亭には最高のお医者様がいるから。 そしてその後は別の場所に。 おしまい。 あとがき 前作読んでいませんと意味不すぎますね。 ごべんなざい。 フランちゃんの気がふれていません。どちらかというと私の気がふれています。 ごべんなざい。 ゆっくり以外の部分で甘みを出そうと努力をした結果がこれだよ。 ごべんなざいぃぃ! ゆっくりさせてください。お休みさんください。仕事さんは少し待っててね!! 関係無い事になりますが、幽香はお姉ちゃん属性maxだと思います。 以上、緑の日と昭和の日の区別の付かなかったY・Yでした。 このSSに感想をつける