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※半分ギャグとノリです。 やぁ、僕は虐待お兄さん。 『ゆっくりを虐待する程度の能力』を持つただの妖怪さ。 今日僕はまだゆっくりが発見されていないという幻想郷の端の方に来ている。 ついこの間ゆっくりが発見されたという話を聞いたので、ゆっくりがいると聞いては虐待しないわけにはいかない、とここまで来たのさ。 さて、話によるとこの辺りにいるはずだが……。 キョロキョロと周りを見回すがゆっくりが居る、または居た形跡が見当たらない。 もう少し奥かと思って更に歩を進めようとした時だった。 「ふっ、まさか本当にのこのことやってくるとはな」 「お、お前は……っ! ゆっくりんピースの愛でお兄さん!」 側の木の陰から一人の青年が現れた。 彼は愛でお兄さん。 『ゆっくりを愛でる程度の能力』を持つ、ゆっくりんピースに所属する妖怪だ。 「くっ、まさかこれは罠!?」 「そうだ。君たち虐待お兄さんがいてはゆっくりがゆっくりできない。ここで消えてもらう!」 互いに戦闘態勢に入る。 僕はゆっくりを虐待するため、ここで死ぬわけにはいかない。 睨みあい対峙する僕と愛でお兄さん。 その間に 「「ゆっくりしていってね!!!」」 二匹のゆっくりが乱入してきた。ゆっくりれいむとゆっくりまりさだ。 「ひゃっはぁ!! 虐待だぁぁ!!!」 その姿を認識した瞬間私は全力で弾幕を発射させた。 僕も妖怪の端くれ。弾幕も出せるんだ。 「ゆゆっ? なにこの光っ────ゆぶぅ!?」 弾幕に巻き込まれるゆっくり。 無数の弾丸が当たり餡子を吐き出し、切れた皮からは餡子がもれ出る。 だが死なない。 弾幕は殺傷目的ではない上に、虐待お兄さんによる対ゆっくり用の弾幕だ。 苦しませることを目的にしている。 「くっ! よくもゆっくりを!!」 愛でお兄さんがそんな僕を止めようと弾幕を発射してきた。 僕はそれをなんとか回避する。 もちろん、僕と愛でお兄さんの間にいるゆっくりは避けられない。 「いだい゛ぃぃぃぃ!! なに゛ごれぇぇぇぇ!!」 「どぼぢでごんなごどずるのぉぉぉぉ!!」 ゆーん、と滂沱の涙を流すゆっくり。 だが足を止めてしまっている。もちろん弾幕は直撃だ。 「「ゆぶっ! ゆげっ! ゆぼぉ!」」 面白いぐらいにヒットする弾幕。 普通の弾幕ごっこなら既に残機はゼロだろう。 それを見て僕の加虐心は更に増長し、 「ひゃっはぁ!! 虐待『ゆっくりさせるか』」 スペルカードまで使わせた。 「「ゆっぐり゛ぃぃぃぃl!?」」 無数の弾幕の奔流に目を見張るゆっくり。 そんな無力なゆっくり達を弾幕が飲み込む。 「いだいよ゛ぉぉぉ!! おうぢがえるぅぅぅぅ!!」 「まりざだぢなにもわるいごどじでないよぉぉぉ!!」 弾幕によって皮はところどころ破れ装飾品もズタボロになってゆっくり達が逃走を図る。 が、 「貴様っ! よくもゆっくりを! 喰らえ! 溺愛『ゆっくりとの蜜月』!」 愛でお兄さんが僕に放った弾幕に巻き込まれた。 「いやだぁぁぁぁ!! ゆっぐりじだいぃぃぃ!!」 「ゆ゛ぅぅぅぅぅぅん!!!」 その後、日が暮れるまで弾幕ごっこは続き、間にいたゆっくりをそれぞれが持ち帰ることで停戦協定が締結。 僕と愛でお兄さん双方が特になる結果になった。 めでたしめでたし。 ───────── 完全に勢いだけです。申し訳ありません。 スレでの流れから湧き出たものです。 作者が他に書いたもの ゆっくり合戦、ゆッカー、ゆっくり求聞史紀、ゆっくり腹話術(前)(後)、ゆっくりの飼い方 私の場合 このSSに感想を付ける
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ごっしー 携帯画像 都道府県 北海道 肩書き 五稜郭公園非公式キャラクター twitter https //twitter.com/Gosshi326 Facebook https //www.facebook.com/hakodategosshi?ref=ts fref=ts 解説 稜郭に住む鯉の妖怪。五稜郭はかつて戦場と化して多くの戦死者を出した。そんな無念の魂が五稜郭公園の堀を泳いでいる鯉に入って鯉の妖怪ごっしーが生まれた。 攻略難易度 ★★★中。函館市五稜郭周辺内のイベントにて。 名刺の有無 ? 狙い目イベント イベント情報
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「へいへい、来週の日曜日ね。分かった、準備しとくから」 と言って俺は電話を切った。さて…準備準備っと…。 ゴソゴソ… よし、道具は揃った。久々だから体がなまってるけど大丈夫かな。ちょっと外出るか。 ブンッブンッブンッ ん…まてよ。アレをああしたら…。そうか、そういうの良いな。うん。いいかもしれない。 『ゆっくり練習』 軽トラを走らせて十分後に森へ着いた。荷台には加工所特性の透明な箱が2つある。結構大きめだ。後はこの籠を背負ってっと…。 あ、自己紹介が遅れたね。ハジメマシテ。虐待お兄ちゃんです。ペコリ。何をしているかって?ちょいと今からゆっくり親子を集めるところさ。 親ゆっくりと子ゆっくり。赤ゆっくりはパスだ。この森に最近ゆっくりが住み着いたんでちょいと探せばすぐ集まるはずなんだが…。 「ゆっくりしていってね」 「お、ゆっくりゆっくり。君は奥さんとか子供はいるのかい?」 「れいむは1人だよ。でもこんd「じゃあ用はない」ゆべええええ。ふまないでええええええええ」 どうやら独身れいむだったようだ。独身には用は無いので踏み潰しといた。なかなか見つからないので叫んでみる。 「ゆっくりしていってねー!」 するとあちこちから 「「「「ゆっくりしていってね」」」」 いるじゃんいっぱい。 「お兄さんはゆっくりできる人?」 「ゆゆっ。お兄さん、おかし持ってないのかだぜ。まりさに渡すんだぜ」 早速これか。しかしそんなことは言わずにチョコレートを見せてやる。 「ゆゆ!それはチョコレートだね。はやくれいむにちょーだい」 「とかいはなありすにもちょーだいね」 結構食いついてきた。6匹ほどか。サイズは子ゆっくりといったところだ。 「まあ待て。これはね、ゆっくりとした親子にあげるために持ってきたんだよ」 「ゆゆ!まりさがいちばんゆっくりしているよ」 「とかいはなありすがいちばんにきまってるじゃない」 自分が一番ゆっくりしていると騒ぎ出した。 「今言ったでしょ。ゆっくりした親子にあげるって。君たちは子ゆっくりだね。お母さんは?妹とかいるの?」 「れいむのおかあさんはとってもゆっくりしてるよ。」 「まりさのいもうとはとってもゆっくりしたゆっくりなんだぜ」 「ありすのおかあさんはとってもとかいはなのよ」 どうやらこいつら全員親と妹がいるようだ。これはちょうどいい。 「じゃあお兄さんはここで待ってるからお母さんと妹を呼んできなさい」 「「「「「「ゆっくり呼んでくるね!!!」」」」」」 数十分後ゆっくり親子が隊列を組んでやってきた。 集まった集まった。親ゆっくりが20。ということは10組か。子供は……かなりいるな。100いくかな。赤ゆっくりまでいるわ。 「どう?おにいさん。れいむたちすごくゆっくりしてるでしょ」 ゆっくりしてるってどう意味だよと言いたいところだがさっさと済ませたいんで合わしとこう 「おお。みんなゆっくりしているね。じゃあみんなにチョコレートをあげよう。しかしここまで数が多いとここじゃ食べづらいね。 広いところに行こう。そこで食べるといい」 「「「「「ゆっくりりかいしたよ」」」」」 「じゃあついてきて」 軽トラを止めていた所までゆっくり達を移動させた。全部集まったのを確認してチョコレートをばら撒く。 「「「「むーしゃむーしゃ…しあわせえー!!」」」」 「「「おいしいよ、このあまあまとってもゆっくりしてるよ」」」 「おいちいよ。まりしゃちあわちぇえ」 「うっめ。これめっちゃうめ」 がっついてるがっついてる。もうちょっと綺麗に食べろよ。 さて…このチョコレートはただのチョコレートではない。実は睡眠薬を混ぜてある。 「なんだかねむくなってきたよ…ゆっくりねるy…zzzzzz」 「ゆぴーゆぴー」 「「「「「「ゆーゆーゆーzzzzz」」」」」」 全員寝てしまった。だらしなく涎垂らしてて気持ち悪いなあ…。だが今のうちにゆっくりを捕獲しとかないと。 1つの箱には親ゆっくりを入れる。20体となると大きめの箱でもぎゅうぎゅう詰めだ。結構無理矢理押し込んで蓋をしたが起きやしない。 もう1つの箱には子ゆっくりを。こちらはなんとか箱に収まった。赤ゆっくりは籠に入れとくか。数分後には全てのゆっくりが箱と籠の中だ。 「大漁大漁。さっさと帰って練習練習」 数十分後 場所は変わって俺の家の空き地だ。俺は準備を進めていた。親ゆっくりは家にあった箱を総動員して分配しておいた。親ゆっくりの入った箱はこっちに配置。 ここなら見やすいだろう。子ゆっくりの入った箱はこっちだ。ちなみに赤ゆっくりの入った籠は家の中だ。あれはいつか使わせてもらおう。 あとはこの鉄棒を土に刺してっと……これじゃちょっと不安だな。金槌で打って……。よし完成。これなら大丈夫。さてゆっくりはというと 「「「「「ゆぴーゆぴー」」」」」 「「「もうたべられないよー」」」 おうおう「しあわせー」そうな寝顔しちゃってさあ。ふふふ。では始めるか。 「さっさと起きな!!!!この饅頭共!!!」 「さっきからうるせえんだよ!!餓鬼が!!!!」 思いっきり箱を蹴飛ばした。蹴った衝撃で箱がひっくり返ったが傷は無い。流石加工所特製だ。 「ゆああああああ!!!!」 「なに?なにがおこったの??」 「ゆっぐりできなああああい」 「おねえええちゃあああんん。こわいよおおおお」 ゆっくり達が目を覚ました。全員が起きたのを確認してからこう言った。 「やあ。お目覚めかい。箱の中はどうかな?」 「ゆ…ここはどこ?」 「おかあさんは?おかあさんどこお?」 「ぜまいいいいい。れいぶつぶれるうう」 「まりざぢょっとそこどいてえ」 「れいむのいもうとがいないよ。どこいっだのおおお」 「ありすのとかいはなあかちゃんがいなあ"あ"い」 最初は訳が分からずおろおろしてたが自分が置かれている状況を知り色めき始めた。 「なんでれいむはこのなかにいるの?」 「せまいよぐるじいよお」 「ゆ!おにいさんがこのはこのなかにいれたんだね。ゆっくりだしてね!」 「ばかなじじいははやくここからだすんだぜ。あとおわびとしておかしをよこすんだぜ」 「おかあさんこんなじじいやっつけちゃえ」 「とかいはなありすにごはんもってきてね」 「はこからゆっくりだしてね。じじいははやくしんでね」 「ゆっくりできないじじいはしね」 威勢がいいねえ。これならやりがいがありそうだ。 「まずは君でいこう」 箱から取り出したのは子れいむだ。 「ゆゆっ。おそらをとんでるみたい」 「まりさもはやくだせええ!!」 「れいむのおぢびちゃんゆっくり逃げるんだよ!」 鉄棒の上に子れいむを乗せた。 「ゆ!あんよがいたいよ!!ゆっくりおろしてね」 どうやら鉄棒が底面に食い込んでいるようだ。 「じゃあそこから飛び降りてみれば?」 「ゆっくりおr…ゆあああああ!!!!こわいよおおお!!!!!」 子ゆっくりなら落ちても死にやしないだろうがゆっくりからすれば相当高いところなんだろう。落ちる心配は無いな。じゃ、やるか。 バットを持ち思いっきりスイィングした。 ブンッ!!!!!! パァァァーーーンン!!!! ……… …… べちっ!!!! 「ゆ?」 「おちびちゃんが消えたよ」 ゆっくり達は何が起こったのかわからない。 「あれを見てみろよ」 俺は塀を指差した。そこには子ゆっくりがへばり付いていた。目と口からは餡子が垂れている。ありゃ死んだな。 「ゆあ"あ"あ"あ"あ"あ"ぁ"ぁ"ぁ"!!!!!」 「どぼしてぞんなごどずるのおおおお!!!!!」 「もういやだあああ。おうちかえるうううう!!!」 「おねえぢゃああああああん!!!!!!」 ゆっくり達が騒ぎ出した。俺は塀に付いている饅頭を剥がしそれを子れいむの親ゆっくりらしきが入ってる箱に投げ入れた。 「ゆびゃ"ぁ"ぁ"!!! 」 「でいぶのおぢびぢゃんがああああああああ!!!!!」 「ゆ"っぐりじでね!ゆっぐり"い"い"い"!!!!!」 ビンゴ。こいつの親はこの箱で正解。親れいむがしきりに呼びかけてるが饅頭は答えない。 そう、これは野球のティーバッティングをボールをゆっくりに代えたものだ。子ゆっくりくらいが丁度いい大きさなので子ゆっくりを集めていたわけさ。 来週は試合だ。対戦相手はメンバー全員が愛でお兄さんのチーム…我らが虐待お兄さんズにとって特に負けるわけにいかない相手だ。 どーせ愛でチームはいつもの如く飼いゆっくりをベンチに勢揃いさせて応援させるんだろうな。不愉快極まりない。 「ゆっぐりごごがらだせええええええ」 「ゆっぐりできないじじいはじねえええええ」 「こわいよおおお。おがあざんだすげでえええ」 「いやだああああああ」 どうせ応援するならこんな風に声を上げてほしいものだ。 「じゃ、次いくよ」 今度は子まりさを箱から取り出した。 「いやだああ!!はなじでええ!!!ばりざじにだくなあ"あ"あ"いい!!!」 「でいぶのごどもをはなじでええええ!!!」 ほっとけほっとけ。さてと、帽子邪魔だな。ひょいっと。 「いやあああああ!!!!おぼうじざんどらないでえええええ!!!!ゆっぐりできなああいいい!!!!あんよもいだいよおお!!!」 鉄棒に子まりさを乗せたところでふといいことを思いついた。俺は脱がせた帽子を子まりさの頭に被せた。 「ゆぅーまりしゃのおぼうちさんもどってきたんだね。ゆっくりできるよおお」 自分がどーいう状況におかれてるのか忘れてるよ。さてと上手くいくかな。 ブン!!!!!!! ぴちっ!!!!!!! べちっ…… 「ゆ"…ゆ"…い…いだいよおおおおお」 子まりさは数十cm前に転がっていた。打ち損じでは無い…といいたい。 「ゆ"…ゆ"…ゆ"……ぼういやだああ…おうぢがえりだああいいい」 まだ打てそうなので子まりさを拾い上げ鉄棒に乗せる。 「いだいのいやだよお…おかーしゃんたすけてえ…」 親ゆっくりは口をパクパクしていた。 「ま…まりざ…あたまが…あたまが…」 「ゆ"…ゆ"…」 「えれえれえれ…」 「いやあああ…」 「どうしたの?みんな??」 子まりさは状況が分かっていない。 「お前自分の頭がどうなってるのか分からないのか?」 「ゆ…ぼっぼうしさんがないよお…。っ!!!ああああ!!!まりさのあたまがないよおおお!!!!!」 帽子だけをすっ飛ばそうとスイィングしたのだが頭頂部を掠ったみたいだ。上手くいかないもんだな。 「ちょっと味見させてよ」 子まりさの餡子を手ですくって舐めてみた。おお、これは甘い。 「ゆ…ゆ…ばりざのながみたべないでえええええ。かぎまぜないでえええええ」 「ばりざあ…」 「でいぶのおぢびぢゃんよりでいぶのぼうがおいじいよおおお。だがらばりざをだべないでええ」 練習再開するか。子まりさの頭部を見たところ切り口が上を向いている。 「あれえ…アッパースイングになってるなあ…修正しとこ。あ、まりさちゃん。今度は大丈夫だからねえ」 「だいじょうぶじゃなああいい!!!!」 アッパースイィングって力がない人には向いてないんだってさ。ダウンスイィングするつもりでバットを振ると丁度良い角度でボールを打てるんだって。 ブン!!!!! 「ゆ"…ゆ"がヴぁあ"あ"!!!!!!」 ナイスバッティング。塀に当たるどころか打った瞬間に弾けたよ。汚いはなb(ry 「あああ…」 「おにいざあああんごべんなざあああいいいい!!!ばりざあやばるがらごごがらだじでええ!!!」 「ごんなのどがいはじゃなああああいいいい!!」 「でいぶはどうなっでもいいがらおぢびぢゃんはにがじであげでええ!!」 いい声だ。こんな風に応援されちゃうと力がみなぎってくるぜ。今度は外角球のバッティングの確認だ。外角球は流し打つというのが俺の中のセオリー。 「ごっぢにごないでね!!…いやだああ!!」 今度は子れいむか。ひっくり返して乗せてみよう。 「あんごがあだまにだまるううう…ゆっぐりでぎなあいい」 そうなのかよ…まあいいや。それはまた今度虐待ネタに使わせてもらうわ。鉄棒からちょっと離れてから打つ。上手く流せればいいのだが。 ブン!!!!! 「ゆぎゃあああ!!!!」 ああ…ファールだなこりゃ。 「ゆ"ぐっ"……ゆ"…あ"… 」 子れいむというと体が4分の1程削れている。そうか、バットの先っぽで掠ったんだな。ちょっと修正しとこう。 一応子れいむは生きてるな。ピクピクと動いてるが直死ぬだろう。ほっとこう。実はこういったのが一番痛いんだろうねえ。 ブン!!!!! 「ゆげえ"え"え"!!!!」 カキーン!!!! カキーン!!!! ブン!!!!! 「ゆがヴぁああ!!!!」 カキーン!!!! カキーン!!!! パリーン!!!! 「やべえ俺んちのガラス割っちまった」 気を取り直して… ブン!!!! 「ぼうやだばヴぁあ!!!!」 ブン!!!!! 「ぐべえ"え"え"!!!!」 時たま硬球でも打ってたのだが誤って俺んちのガラス割っちまった。硬球だと高く上がるわ。ここでやるのはゆっくりだけでいい。あまり高く飛ばないし。 ああそうだ。俺は一応投手だったんだ。ピッチングも練習しとこう。ピッチングもこれで練習できるよな。 手頃な大きさのは…あ、これがいい。俺が取り出したのはありすだ。形もいい具合に丸っこい。ちょっと軽いけど。 「やべでね!!あでぃずはどがいはなのよ!!!!おねがいだがらゆるじでええ」 俺は思い切り振りかぶって…投げた。 ヒュン!!!! 「……ゆっ? ゆ"びぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"!!!!」 バチーンッ!!!!!!! 子ありすは塀に思いっきりキスをしていた。衝撃的なふぁーすとちゅっちゅだこと。どさっ…と子ありすは落ちていった。 俺は子ありすの様子を見に行った。ちょんちょんと指で突付いたが反応が無い。 「これは…見事なデスマスクだな」 子ありすは顔面からぶつかったせいで歯が全て粉砕しており目も両方とも潰れてどろっとした液体が垂れていた。 「ありずのどがいはなごどもがあああああ!!!!」 こいつの親だな。喚いてうるさいので子ありすを顔面から親ありすが入ってる箱に擦りつけた。 「ゆげええええええ!!」 「ごんなのどがいはじゃなあああいいいい!!!!」 「げれげれげれえええ」 こいつはいい。さあいっぱい投げるぞお。 ヒュン!!!! 「ゆぶヴぇええええ!!!!」 ヒュン!!!! 「がばヴぁあああ!!!!」 ヒュン!!!! 「ぶべえええ!!!」 ヒュン!!!! 「ゆがばヴぁあああ!!!」 箱の子ゆっくりも半分くらい使ったかな。 「ゆっぐりやべでええええええええ」 「ごわいよおおおおお」 「そうかそうか、ピッチングよりもバッティングの方を練習したほうがいいんだね」 バットに持ち替えて箱から取り出した子まりさを思いっきりかっ飛ばす。 「ゆぎゃああああああああああ!!!!!!」 「ばりざのごどもがああああああ」 「ごわいよおおおおお」 「おがああざんんだずげでええええええ」 「ぼうやべでよおおおおおお」 「えーもうバッティング終わり?分かったよピッチングだね」 「ぞんなごどいっでなああいいいい!!!!」 その後俺は子ゆっくりが尽きるまで練習に勤しんだ。 「どぼじでぞんなごどずるのおお!!!!!」 「いやぁーー!!!!!!おぢびじゃんがああ!!!!」 「ばりざあああああああああああ!!!!!」 「ぼうゆるじでえ"え"え"え"え"え"え"!!!!」 「じにだぐなああいいいい!!ゆっぐりいいいいい!!」 「ゆがあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!!!」 「ごんなのどがいはじゃなあ"あ"あ"あ"い!!!」 親ゆっくり達の歓声は夕方まで続いた。途中から応援のし過ぎのせいか泡や餡子を吹いたり白目を向いて気絶してしまった奴もいた。 全部の子ゆっくりを打ち終える頃には親ゆっくりはうんともすんとも言わなくなっていた。 「一汗かいたら小腹がすいたな。こーいうときは甘いものだよねえ」 ひょいっ パク 「ゆ…ゆ…ゆ"ゆ"…ゆがあ"あ"あ"あ"あ"!!!お"に"い"ざあ"あ"あ"ん、でいぶはだべものじゃないよおお!!!!!」 「美味いぞ。甘くて。」 「やべでえええええ!!!ぼっど…ゆっぐり"じd…」 「ごっそうさん」 次の週。ゆっくり愛でお兄さんチームとの試合は完勝だった。俺は大活躍で4打数3安打3打点。投げては7回3安打無失点。完璧だ。 しかもファールした球が愛でチームのベンチで応援していたありすに直撃しそのまま昇天するというラッキーもあった。 これに懲りたら次からは箱の中に入れとくんだな。 我がチームのベンチにもあの親ゆっくりたちがいた。箱の中で俺の活躍を見てくれただろう。白目向いちゃってそんなに俺の活躍に痺れちゃったのかな。 「凄いなあ。どんな練習積んできたんだよ。あ、このまりさ食っていいか」 「このれいむうめえな。先食ってるぜ」 「どうぞ。そのために持ってきたんだから。んで実はね…」 と俺は箱から「ゆ"っ…ゆ"っ」と小刻みに震えるれいむを取り出しそれをかじりながら1週間前の話をした。 「それはいいな。俺も今度からやってみるよ」 「やべえ想像したらゾクゾクしてきた」 「ゴム付けて打ったら戻ってくるから半永久的に使えるんじゃね?」 「馬鹿、その前に破裂してるだろ。でもそれいいかも。ゴム使って…ヨーヨーとかな」 野球の練習になるわストレス発散にもなるわ虐待にも使える。1球ごとに大歓声が上がるからテンションもあがる。 そして運動をし終えたら親ゆっくりを食べればいいのだ。我が子を目の前で失い中の餡子は運動後の甘味として丁度いい味になる。 バットが餡子まみれになるが拭けばいいだけ。というか野球やる人はちゃんと道具の手入れしてる?むしろ餡子まみれになるくらい汚れたら手入れするだろ。 こんな素晴らしい練習方法を野球好きな虐待お兄さん達が注目しないはずがない。 後日俺が朝散歩してたら公園や野球場で子ゆっくりの死骸を大量に発見した。無残にも原形をとどめていない。早速お兄さん達が練習に使ってるようだな。 「ゆ"…ゆ"…」 あれ?生き残ってるのがいるのか?微かな泣き声がするほうに行ってみると子ゆっくりが金網に挟まっていた。 挟まっていたというより押し付けられていたといったほうがいいか。足元は餡子と皮でいっぱいだった。金網に向けて打ったんだな。 …… まてよ…金網か…お!これは面白い虐待方法を思いついたぞ。今度は赤ゆっくりが必要だな。 俺は野球場を後にした。 おわり by虐待お兄ちゃん
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女性C:堀江由衣 ※以下ネタばれを含みます 女性C:堀江由衣 汎用台詞 サムライスキル トリックスタースキル デストロイヤースキル サイキックスキル ハッカースキル コメント欄 汎用台詞 上へ キャラクター登録時 「なんだかワクワクするね!」 勝利時 「勝って兜の緒を締めよ。ね?」「なんだか調子がいいみたい」「うん、おしまい」 退却時 「いい判断だね!」 対ドラゴン戦 「ちゃんと反省するんだよ」「これは誇れる結果だね」 対帝竜戦 「なんとかなったみたいだね」「退いてしまってはダメだから」 イベント勝利時 「こんな事しちゃあ、だーめ!」(首都高戦)「あなたは何を思ったの…?」(人竜戦)「さあ帰ろう、みんなのところへ!」(真竜戦)「その強さには驚いちゃうな」(人類戦士戦) レベルアップ時 「備えあれば憂いなし、だね!」「毎回こうだといいんだけれど」 パーティー加入 「分かったよ」 室内 「こんにちは!」(通常)「嬉しいなあ!」(喜)「やるせないね…」(悲)「え、ええっ!?」(ゼロ=ブルー打倒直後) 料理 「ドンと任せて!」→「うーん…よし、完璧!」 スカイラウンジ 「優しく……してね」 サムライスキル 上へ 通常攻撃 「はっ!」「やっ!」 エグゾースト 「でぃゃぁぁぁっ!」 旋風巻き 「ひと振りっ!」 金翅鳥王旋風 「大きくいくよ!」 袈裟斬り 「どうかな!?」 力閂オロシ 「私が出るね!」→「反省しなさい!」 トンボ斬り 「斬り崩して!」 影無し 「失礼するね」 収刀の紡ぎ 「此処はこの型!」 崩し払い 「私が出るね!」→「まずはこれで!」 モミジ討ち 「私が出るね!」→「じわじわ攻めるよ!」 フブキ討ち 「私が出るね!」→「静かにしてるのッ!」 不動居 「もっと…もっとだよ!」 風林重ね 「ついていくね!」→「これが決まれば!」 十六手詰め 「私が出るね!」→「とびきりの一撃!」 抜刀の紡ぎ 「こっちを試すね!」 修羅の貫付け 「油断大敵!」 刃下のリアクト 「乗り越えてみせる」 練気手当 「もう、痛いなあ」 赤化の呼気 「力がみなぎる…!」 黒鋼の呼気 「倒れてられないよ!」 丹田法の訓 「一緒に頑張ろう」 乱れ散々桜 「けじめをつけよう…」「やっ!」「キミが負けるか、私が勝つかっ!」「でぃゃぁぁぁっ!」「てぇぇぃっ!」「あっ…どっちも一緒かぁ♪」 トリックスタースキル 上へ 通常攻撃(短剣) 「そこっ!」「行くよっ!」 通常攻撃(銃) 「せいっ!」「たあっ!」 エグゾースト 「はぁぁっ!」 タランテラ 「動かないでね!」 スコルピオ 「痛いの行くよ!」 ヴァンパイア 「ごっくん!」 フルムーンヴァンプ 「いいかな?」→「ごちそうさま!」 ベノムアンプリフ 「いいかな?」→「苦しいよね?」 アサシンアイズ 「弱点はそこかな?」 ベノムフェティシュ 「終わってないよ!」 ラッシュショット 「いいかな?」→「避けちゃダメェッ!」 エイミングショット 「いいかな?」→「照準良し!」 ダンシングバレット 「はぁぁぁぁっ!」→「改めなさい!」 ジャンプショット 「はぁぁぁぁっ!」→「降参しなよ!」 ハイディング 「奇襲をかけるね」 ブッシュトラップ 「いいかな?」→「突然ゴメンね!」 チーターマン 「効率良くね」 アサシンズリアクト 「まだまだいくよ!」 エスケイプスタンス 「早く逃げないと!」 トリックハンド 「難しくないよ」 サクリファイス 「後はしっかりね…」 狂咲きバッドヘヴン 「抜かりないよ」「特製の銃弾なんだから!」「いい感じ!」「どうぞお大事に♪」 デストロイヤースキル 上へ 通常攻撃 「ふっ!」「たぁっ!」 エグゾースト 「おぉぉぉっ!」 正拳突き 「おぉぉぉっ!」→「外さない!」 デストロイチャージ 「覚悟はいいかな!?」 ジャブ 「こっちから!」 ダブルフック 「じゃあ、行くよ!」→「軸がブレたね!」 スピネイジブロウ 「おぉぉぉっ!」→「守りが甘い!」 釣瓶マッハ 「ふっ!」「ふっ!」「更生させます!」 クインテッタ 「じゃあ、行くよ!」→「えーい!」 ドリルクロウラー 「じゃあ、行くよ!」→「中まで届け!」 迎撃スタンス 「かかっておいでよ!」 迎撃スタンス・重式 「教えてあげるね!」 オトシ前上等! 「お返しの分!」 牙折る也 「ヤンチャだなあ」 爪砕く也 「わたしを倒す?」 吹裂く也 「そう来るなら!」 凶転ず也 「ここは我慢!」 怒りの重爆 「おぉぉぉっ!」→「お説教だよ!」 デストロイリアクト 「今ならいけそう…」 先制デストロイ 「遠慮しないよ!」 瀕死のド根性 「窮鼠は怖いよ!」 パリングシールド 「怯えちゃ駄目!」 スカイハイメテオ 「無茶苦茶だなぁ…」「そーれぇ!」「っっ!」「おぉぉぉっ!」「星を砕く前に、止めてね!」「倒す!」 サイキックスキル 上へ 通常攻撃 「えいっ!」「とうっ!」 エグゾースト 「ぬぅぅっ!」 フレイム 「紅蓮の力!」 イフリートベーン 「ぬぅぅっ!」「逆巻け猛火!」 ヒートボディ 「忠告しとくね!」 フリーズ 「紺碧の力!」 アイシクルエデン 「ぬぅぅっ!」「荒ぶれ、氷嵐!」 ゼロ℃ボディ 「お好きにどうぞ!」 エレキ 「お仕置きです!」 ボルトアヴェンジ 「ぬぅぅっ!」「暴れちゃダメだよ!」 プラズマジェイル 「捕まえた!」 デコイミラー 「お願いするね」 半径50mの支配者 「おまけの一撃っ!」 マイクロバースト 「弾けて」「責め苦だよ!」 マナフローター 「節約しないとね!」 コンセントレート 「次までには…」 キュア 「傷が酷いね…」 リカヴァ 「弾けて」「じっとしていて」 リザレクション 「弾けて」「もう大丈夫だよ」 デッドマンズリアクト 「勝手はさせないよ」 魔力の湧水 「ちょっと待って」「ひと息入れよ」 オートリカヴァ 「弾けて」「応急手当だよ」 黒のインヴェイジョン 「己の悪行…」「しっかり悔い改めなさい!」「…やった!」「因果応報ってこと!」 ハッカースキル 上へ 通常攻撃 「ふっ!」「それっ!」 エグゾースト 「ふぅぅっ!」 アタックゲイン 「強くなれるおまじない!」 ディフェンスゲイン 「少しだけ我慢して」 リジェネレーター 「もっと力を抜かないと」 119ナノマシン 「ふぅぅ」「君はガンバリ屋さんだね」 Bデータイレイザー 「痛いの痛いのとんでいけ」 ファイアブレイク 「無理なく行こうよ」 アイスブレイク 「無茶はダメだよ」 Aスキルコーラー 「軽快に行こう」 ハッキングワン 「そこの君!」 ハッキングゼム 「はぁ~い、みなさ~ん」 マッドストライフ.x 「どっちの味方!?」 スケイプゴート.x 「吸い取っちゃうよ」 ロストパワー.x 「もっと抑えて」 バッドインバリッド 「有利にするよ」 スリープオール 「ふぅぅ」「しばらく寝ててね」 カースオール 「ふぅぅ」「怒られたいの?」 ハッキングリアクト 「ふぅぅ」「なにかやろうか?」 リアクターチアー 「全力で支援するよ!」 クイックハック 「気を付け!」 サバゲーナレッジ 「ふぅぅ」「傷を甘く見ちゃダメ」 禁断の秘技 「よぉーし」「たまには楽しまなくっちゃね!」「おみごと!」「これからが本番だよ」 コメント欄 スカイラウンジ 優しく……してね。 -- 名無しさん (2011-12-11 12 05 41) サイキッカー マナフロータ:節約しないとね! 奥義:お前の悪行…しっかり悔い改めなさい!…やった! -- 名無しさん (2011-12-12 01 13 26) ヒートボディ 忠告しとくね! -- 名無しさん (2011-12-12 01 15 11) エレキ おしおきしちゃうぞ -- 名無しさん (2011-12-12 01 15 52) デストロイヤー奥義「無茶苦茶だなぁ」→「星を砕く前に、止めてね!」→「倒す!」 -- 名無しさん (2011-12-12 18 17 07) ハッカー 119ナノマシン:君はガンバリ屋さんだね Aスキルコーラー:もっと軽快に行こう! リアクターチアー:全力で支援するよ! サバゲーナレッジ:傷を甘く見ちゃダメ -- 名無しさん (2011-12-17 12 29 53) Bデータイレイザー:痛いの痛いの飛んでいけ~ スケイプゴートx:吸い取っちゃうぞ! ハッキングワン:そこの君! -- 名無しさん (2011-12-17 12 38 35) リアクターチアーは「ふぅぅ」「全力で~」だったかも?リジェネは「もっと力を呼ばないと」って聞こえるけど自信なし -- 名無しさん (2011-12-17 14 40 09) 奥義ボイスとか微妙に足りない気がするなーハッカーとサイキック奥義は4回声入るはずだし、デストも端折ってるよね -- 名無しさん (2011-12-18 00 35 40) サイキックの奥義の足りなかった部分を追加 -- 名無しさん (2011-12-20 09 32 08) ハッカーの奥義の不足分も追加しました。最後の聞き逃してたorz -- 名無しさん (2011-12-21 19 40 55) デストの奥義も付け足しといた -- 名無しさん (2012-01-24 23 36 06) デストのボイス、これで全部だと思います -- 名無しさん (2012-01-29 18 32 34) サイキック埋め。コンセントレートだけ何度聞いてもわからない… -- 名無しさん (2012-02-16 04 32 18) エレキ修正、コンセントレート付け足しました。完成? -- 名無しさん (2013-02-22 20 22 49) 名前 コメント a
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川原の一家 34KB 虐待 理不尽 野良ゆ 長いです。誤字脱字はご容赦ください。 朝からゴロゴロしていた。 ヒマだ。 特に用事はない。 録画しておいたテレビ番組はあらかた観てしまったし、積んであった本も崩してしまった。 楽しみにしているゲームの発売日はまだ先だ。 とはいえ、せっかくの休み。このまま狭いアパートの一室で、ヒマを持て余すのはもったいないよな。 俺は体を起こし、だらけきった心身に気合いを入れるためにつぶやいた。 「うし! んじゃ、ここは一発」 ゆっくりでもブッ殺しに行こうかな。 「探そうとすると、なかなか見つからないんだよなあ」 ポケットの中の菓子──ゆっくりどもにくれてやるエサ──を手で弄びながら、俺はつぶやいた。 普段はウザいくらいに目にするってのにさ。 だいたいゆっくりに限らず、探し物ってのは必要な時にどうしてこう……。 まあ言ってみてもはじまらない。とりあえず、ブラブラと町を歩ってみよう。 「川原か……」 この広い道路の向こう、土手を下りたところには、町の中心を流れる川。 ざっと見渡すと、川原に人の影はないみたいだ。 夏には子ども達でごったがえしていたけど、まあ肌寒いこの季節、わざわざ水辺で遊びたがる物好きもいないだろうけどね。 そんなことを考えながら視線を流すと、草の影にポツポツと、丸いモノが二つ三つ動いているのが見えた。 「お? いたいた。いましたよ~」 俺のかわいい暇つぶしアイテム! 待ってろよ、おめーら。今すぐそっちに行ってやっかんな! はやる気持ちをおさえながら、左右から来る車をやりすごして──この辺は車が多い──道路を渡り、俺はいそいそと川原へ下りていった。 近くに寄って確認すると、ひのふの──全部で五匹いた。 サッカーボール大のまりさとれいむが一匹ずつ。さっき見えたのはこいつらだ。 そしてその子どもと思われるテニスボール大のまりさが一匹に、れいむが二匹。 揃いも揃って、間抜けヅラでチョコマカしていやがる。 ──お、こっちに気づいた。 興味深そうに俺を見つめている。 大きい二匹は少し表情を固くしたようだが、俺が間髪入れずに 「ゆっくりしていってね!」 と挨拶したら、 「ゆっくりしていってね!」 と表情を和らげて──バカヅラさげて──挨拶しかえしてきた。 ここでさらに、 「君たち、あまあま食べる?」 なんて菓子を見せてやれば、もうイチコロだ。 「ゆゆっ! あまあまさんだよ!」 「ゆっくりたべるよ!」 「むーちゃむーちゃ!」 「ち、ちあわちぇ~!」 警戒心はどこへやら。みんな仲良くがっつきはじめた。 な? ほんとチョロいわ。 「おにいさんはゆっくりできるにんげんさんだね!」 「おにいしゃん、ゆっくちしちぇいっちぇね!」 「はいはい、ゆっくりしていってね」 適当に流す。 「君たちは家族なのかな?」 「ゆっ! そうだよ! おちびちゃんたちは、まりさとれいむのじまんのおちびちゃんたちだよ!」 「ゆっくち! ゆっくち!」 頭の中に「ゆっくり一家皆殺し」というフレーズが浮かんだ。生唾ごっくん。 「そうなんだ~。今日は家族揃ってお散歩かな?」 「ゆっ! きょうはまりさのまりさに、ぷーかぷーかのれんしゅうをさせるんだよ!」 「れいむのまりさは、すごくじょうずにおみずにうかぶんだよ!」 「ゆふ~ん」 褒められて照れる親まりさ。 えーと、要するに今日は「子まりさに水に浮かぶ練習をさせにきた」ってことだな。 「ゆふふ~。まりしゃ、すてきなおぼうちしゃんでぷーかぷーかしゅるんだよ!」 自慢げに、俺に帽子を見せてくる子まりさ。 「おねえちゃんいいな~」 「れいみゅもぷーかぷーかしてみちゃい~」 「れいむたちは、まりさが羨ましいんだね」 俺がそう言うと、一匹の子れいむが嬉しそうに、 「ゆっ! でも、れいみゅはおしょらをとべるよ!」 その場でぴょんぴょん飛び跳ねはじめた。 はは。かーわいいの。すり潰しちゃいたいくらい。 そういうことなら──。 俺はおもむろに右手でその子れいむを持ち上げ、手の平に乗せる。 「ゆゆーっ! れいみゅ、おしょらをとんでりゅよー!」 「ゆわあ、おねえちゃんしゅごーい!」 「まりしゃもおしょらをとんでみちゃいよ!」 俺は右手首を軽く上下させ、手の平の子れいむをポヨンポヨンと弾ませる。 「ゆっ! ゆっ! もっちょやっちぇえ~」 おうおう、楽しそうだねえ。 「ゆ~ん。おちびちゃん、とってもゆっくりしてるよ~」 親どもも幸せそうで何よりだ。 ──さて、それでは。 子れいむを持った右手に力を込める。 「ゆ? おにいしゃん、ちょっといちゃいよ?」 その手を大きく振りかぶり、 「ゆわーい!」 子れいむを斜め前方に思いきりブン投げた。 「おしょらを──」 飛んでいるみたい! の声は最後まで聞くことができなかったが、子れいむは見事にお空を飛んで──川に落ちた。 俺がいきなり体を大きく動かしたことに驚いたんだろう。一家はしばらくポカンとしていたが、俺の右手に子れいむがいないことに気づくと、親れいむはゆっくりと、それでいて少し焦ったように問いかけてきた。 「ゆ? おにいさん、おちびちゃんはどこにいっちゃったの?」 ンだよ、ちゃんと見てなかったのか? おまえの子どもの、最初で最後の華麗な飛行っぷりを! 仕方ないので、優しい俺は川を指さし、 「あそこで、今まさに永遠にゆっくりするところだよ」 と答えてやる。 指の先では、水に浮かんだ赤いリボンがバシャバシャと飛沫を上げていたが──やがて動かなくなった。 ちっ。仰向けになってるから死に顔が見えねーじゃんよ。 「れいぶのおちびじゃんがあああああああ!!」 「おちびじゃんがしんじゃったああああああ!!」 「おねえじゃああああああん!!」 「まりしゃのかばいいいもうちょがああああああ!!」 家族は見事な四重奏を披露してくれた。 ん~、なかなかの音色ですなあ。 ま、ゆっくりの悲鳴なんて、素人さんにはただ喧しいだけの雑音に聞こえるんだろうが、慣れるとこれが病みつきになるのよ。 「お、おにいさん! なんでこんなことするの!」 「そうだよ! おにいさんはゆっくりしたにんげんさんじゃなかったの!?」 「ゆえええええん!!」 一家が俺を非難する。 「いや、俺はゆっくりした人間さんだよ? みんなにあまあまあげたでしょ?」 「ゆゆ……?」 「でしょ?」 はは、こいつらの頭の上にハテナマークが見えるようだ。 「ゆっくりできない人間」だと感づいてはいるんだろうね。 でも、あまあまをもらった記憶も強く残っている。 結果、餡子脳は激しく葛藤することになるが、でも餡子脳なので、こうなるとなかなか結論を出すことはできない。 「この人間ヤバい! 逃げないと超ヤバい!」と確信するころには──まあ大抵死んでるわな。 ああ、愛すべき餡子脳! しょんぼりとうなだれる一家。 俺を見る目つきも変わってきたようだ。 しょうがねえな。また菓子をくれてやるよ。ざばざば~、っと。 ホレ、とっとと食え。 「ゆ、あまあまさん……」 「むーしゃむーしゃ……」 「……」 さすがに「しあわせ~」な気分にはなれないか。 おちびちゃん死んじゃったもんね。プッ! 「……なあ、おまえら、さ」 俺はつとめて優しく話しかける。 「子れいむはアレでアレしちゃったけどさ、これからはあいつの代わりにゆっくりしてやることが、残された『家族の務め』ってやつじゃないのかなあ」 「ゆう……」 「ほらほら、そんなゆっくりしてない顔してたら、死んだれいむに笑われちゃうぜ~い?」 わはは。我ながら、また随分くっさいセリフだなあ。 それでもこいつらの心には響くものがあったようだ。全員の目と眉毛がキリッとなった。 うわ、見ろよこのムカつくツラ! 「ゆっ! そうだね! これからはおちびちゃんのぶんまでゆっくりするよ!」 「まりさ! おちびちゃんたち! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくち! ゆっくち!」 「ゆっくち~!」 連中、再び「むーしゃむーしゃ」とやらかしはじめた。今回は「しあわせ~」付きだ。 おおむね完全復活と言えるだろう。 菓子と陳腐な励ましでコレですよ。 君らの人生──いや、ゆん生か?──ずいぶんと安いんだね。 まあいいや。 「ところで、まりさ。……いや、食い散らかしてないで聞いてよ」 「むーしゃ、むーしゃ……ゆ? なに、おにいさん?」 俺は親まりさに問いかける。 「まりさは、お帽子に乗って水に浮くことができるんだよな?」 「ゆ! まりさのとくぎだよ!」 ゆっへん! と、得意げに体を反らせる親まりさ。 そのどてっ腹に風穴あけてえ……。 そんな気持ちをグッとこらえ、さらに問いかける。 「で、子どものまりさは練習中なんだよな?」 「そうだよ! きょうはおちびちゃんのれんしゅうに──」 「じゃあさじゃあさ、こっちのれいむは?」 「ゆっ!?」 親まりさはおろか、親と子、二匹のれいむも驚いてこちらを見つめ返してきた。 その目はこう言っている──なにいってるの? 「この子には、水に浮く練習させてみたのか?」 「おにいさん? れいむはぷーかぷーかできないんだよ? ゆっくりりかいしてね!」 あっ、このクソれいむ! 蔑んだ目で俺を見やがった!? 饅頭のくせに~! くきい~! 「……いや、親が、他のれいむ達ができないからって、この子ができないとは限らないだろ?」 トンビがタカを産むなんて言うし──と、言おうとしてやめた。どうせ理解できないだろうし、なによりトンビにもタカにも失礼だ。 代わりにおべっかを使う。 「だってほら、こんなにゆっくりしたいい子なんだぜ。才能に満ち溢れていそうじゃないか?」 「ゆっ?」 「我が子の才能の芽を摘み取っちゃうのは、『ゆっくりした』親とはいえないんじゃないかなあ?」 さすがにこの物言いは無理があるよね、と思ったその瞬間、両親の目と眉毛がキリッとなった。 だから、そのツラすっげえムカつくんだよ! 「ゆっ! おにいさんのいうとおりだね!」 「おちびちゃん! きょうからおとうさんといっしょにぷーかぷーかするよ!」 「ゆっ? ゆゆっ?」 言われた子は目を丸くしている。そりゃそうだよね。 何の根拠もなく、いきなり親から「おまえならできる!」なんて言われたら、人間だって、他ならぬ俺だって戸惑うっつー話だ。 とにかく両親を丸め込むことはできた。 「ふぁいとだよおちびちゃん!」「ちゃれんじせいしんだよ! ふろんてぃあすぴりっとだよ!」などと子れいむを励ます二匹を尻目に、俺は子まりさの小さな帽子を奪い取った。 ぬ、帽子の中に、小生意気にも木の枝──オール代わりだ──が入ってやがる。 「まりしゃのおぼうち! ゆっくちかえちてえええ!?」 「ごめんね、まりさ。少しだけお姉ちゃんに──あれ、妹だっけ? 貸してあげてね」 「……ゆゆう。ゆっくちかちてあげるよ……」 渋々了承してくれた。うは、ちょっと涙目になってら。 「ゆゆっ! れいみゅはやりゅよ! れいみゅは、できりゅゆっくちだよ」 「がんばっておちびちゃん!」 両親の洗脳が効いたらしい。子れいむもすっかりやる気だ。 さすが小さいだけはある。親に輪をかけて単純な脳味噌してるぜ。 ともあれ、こいつらの気が変わらないうちにとっとと済ませるか。俺は子まりさの帽子を川に浮かべた。 「それじゃ、れいむ! さっそくトライしてみようかな~?」 「まかちぇて! おにいしゃん!」 ふんふんと鼻息の聞こえてきそうな──鼻はないけど──れいむをつまみ上げ、川に浮いた帽子に、ちょこんと乗せてやった。 世にも珍しい、水上れいむの登場だ! ──珍しいったって、俺は何匹も見てきたんだけどね。 俺が生み出して、そのすべてを俺が葬ってきたのさ。 そんな輝かしいキャリアはともかく、目の前の水上れいむだ。 「ゆっ! ゆっ! れいみゅ、ぷーかぷーかしゅるよ!」 気持ちよさそうにプカプカと水の上を漂う。 なんと自信に満ち溢れた顔つきだろうか。少しその自信をわけてほしいね。 「ゆわーい! れいみゅ、おみずにうかんでるよ!」 「おちびちゃん、かっこいいよ!」 「……ゆう、まりしゃのおぼうちしゃん」 だが岸から離れるにつれ、その顔がだんだん曇ってきた。 川の真ん中付近に流れついた頃には、 「こわいよおおおお! ゆんやああああああ!!」 あらあら、泣き出しちゃったよ。 基本的なことを何も教してもらえず、いきなり水の上に放り出されたんだ。 パニックになっても無理はないな。 「たしゅけてええええ!! れいみゅ、もうぷーかぷーかしちゃくないよおおおお!」 帽子の上で体をジタバタさせている我が子を見て、両親はオロオロしている。 自信を持って送り出したのは、あなたたちでーす。 「たしゅけ……ゆびぃっ! おみずしゃんがああああ!!」 水飛沫が少し体にかかったらしい。 狭い帽子の上であんなに暴れたらなあ。 これには両親も大慌てだ。大声を張り上げた。 「おちびちゃんゆっくり! ゆっくりしてね!」 「きのえださんを、ゆっくりおくちにくわえてね!」 「ゆ、 ゆっくちりきゃいしちゃよ!」 親まりさからのアドバイスを受け、木の枝を口にくわえる子れいむ。 「つぎは、ざーぶざーぶだよ! ざーぶざーぶ!」 「ゆっ! れいみゅ、ざーぶざー──!」 あ。 「きのえだしゃんがあああああ!」 うははは! オール落としちまいやんの! 口に加えたまま騒いだら、そりゃ落とすわ。 「きのえだざんおとしちゃだめでしょおおおおお!?」 親まりさも大騒ぎ。 少なからずおまえのせいだ。何あの抽象的なアドバイス。 「ごわいよおおおおお! だれかれいみゅをたしゅけてねえええええ!!」 揉み上げを忙しなく上下させながら、水上の孤独な子れいむが泣き叫ぶ。 ピコピコ。 ……ん? 「れいみゅ、まだちにたくないよおおおお!!」 ピコピコピコ。 ……んん? 「まりさああ!! おちびちゃんをたすけてあげてえええ!!」 「ゆっ! おちびちゃん! いまおとうさんがたすけてあげるからね! ゆっくりまっててね!」 「ゆわあああん! おとうしゃん! ゆっくちはやくたすけてねえええ!!」 ピコピコピコピコ。 ……あ、駄目だ。こりゃ我慢できないわ。 俺は足元の石を拾い上げ、川の中ほど──子れいむめがけて投げつけた。 「ゆびいっ!」 惜しい! 石は帽子をかすめ、水の中へ。 では第二球── 「おおおおにいさん、なにやってるのおおおおお!?」 親れいむが文句たれてきた。 うっせえなあ。 川に駆け出そうとしていた親まりさも、信じられないようなものを見る目で俺を見ている。 「いやね、あの『ピコピコ』ってのが死ぬほどウザくて──じゃなくて。波を立てて、れいむをこっち側に流そうと思ってさ」 適当ブッこきながら狙いを定め、改めて第二球──投げました! 石はまっすぐに子れいむに向かって── 「ゆ゛っ!」 「おっ、ストライーク! ナイスコントロール!」 あははは! 見た今の? 顔面のど真ん中にブチ当たってやんの! 最後ちょっと寄り目になってたぜ、あいつ! いやあ、我ながら素晴らしい投球だったね。 え? 子れいむ? もちろん引っくり返って、そのまま水中にぽちゃんだよ。 哀れ子れいむ、文字通り泡と消えました。 「れいぶのかわいいおちびぢゃんがあああああ!!」 「まりしゃのすてきなおぼうち……かわいいいもうちょがああああ!!」 ありゃ、咄嗟に本音が出ちゃった。 まりしゃちゃんは、帽子──今は川をドンブラコッコしてる──の方がショックだったんだね? 声が一つ足りないなあと思って川べりを見ると、親まりさが無言でこちらを向いていた。 我が子を救出に向かおうと、今まさに帽子を川に浮かべたところだったらしい。 その目はカッと見開かれ、全身をプルプルさせながら呆然と俺を見ている。 だらしなく開けられた口からは、声にならない声がでているようだ。 アテレコするなら、さしずめ「どぼじでこんなことするのおおおおおおお!?」ってトコかな。 水に浮かんだ親まりさの帽子を拾い上げた。 それをそっと持ち主にかぶせてやり、俺は静かに、 「なあ、まりさ」 と言いながら、その口に菓子をねじ込む。 「どぼじでこんな──ゆっ?」 「確か、お飾りのないゆっくりは、ゆっくりできないんだよな?」 こんな時になにを、という顔をしながら、まりさは、 「むーしゃむーしゃ……あたりまえだよ! おかざりのないゆっくりは、『せいさい』されてもおかしくないよ!」 強くキッパリと、そう言った。 てことは、だ。 「あれれ~? あそこのゆっくり、お飾りがないなあ~」 俺は子まりさをビシッと指さす。 「そんなことよりおにいさん──ゆっ! おちびちゃん!?」 「ゆゆっ! おちびちゃんのすてきなおぼうしが!」 両親は慌てに慌てるが、当の子まりさは、 「ゆゆ~ん……」 遠くに流されてしまった帽子を、涙を浮かべながら眺めていた。 俺は両親を掴んで、子まりさの所に連れてくる。 どんよりした顔を付き合わせる三匹。 「……まりしゃのおぼうちしゃん、ゆっくちかえちてええええ!!」 子まりさは両親の顔を見ると、ワンワン泣きはじめた。 「ゆええええええん! すてきなおぼうししゃん! かえちてよおおおおおお!!」 うわあ、これはいい泣き声。ぞくぞくしてきた。 「おちびちゃん、ゆっくり! ゆっくりしてね!」 「ゆゆっ、おとうさんとおかあさんが、すーりすーりしてあげるよ! すーりすーり!」 普段なら気持ちよく、そしてゆっくりできる両親揃っての最高の「すーりすーり」なんだろうが、帽子を無くした悲しみまでは癒せないらしい。 ゆっくりにとってのお飾りってのは、それほどまでに大事で、かけがえのないものなんだな……。 それはわかるんだけど、みなさん。 つい今しがた川に沈んだ子れいむのことも、少しは思い出してあげてください。 ここで俺が駄目押し。 「ねえねえ、おちびちゃん。君のお父さんがさ、『お飾りのないゆっくりは制裁するよ!』だってさ」 子まりさの目から、涙がドバッとあふれた。 「ゆんやああああああ! 『せいさい』ちないでええええ! ゆっくちできないよおおおお!!」 「ゆっ! ちがうよおちびちゃん! おとうさんは──」 「ゆわあああああん!! 『せいさい』こわいいいいいいい!!」 仰向けになってジタバタジタバタと、子まりさは全身で恐怖と悲しみを表現している。 あらあら、しーしーまで漏らしちゃってまあ。 「お、おかあさんのおうたをきいてゆっくりしてね! ゆっくりのひ~。まったりのひ~」 「ゆびゃああああああん!! ゆっぐぢしたいよおおおおおおお!!」 うまいんだか何だかわからない、お母さんの歌も効果なし。 転がったり飛び跳ねたりしながら、ギャンギャン泣き叫んでいる。 「ゆゆゆゆっくりしていってね~。ゆゆゆのゆ~」 それでも歌い続ける親れいむは、今にも泣きだしそうだ。 もうほとんど涙声。 そんな切羽詰まった歌じゃ、誰もゆっくりできないだろうね。 「まりしゃのすてきなおぼうちしゃああああああん!! 『せいさい』はいやぢゃよおおおおおおお!!」 俺に言わせりゃ、この子まりさの泣き声の方がよほどゆっくりできるよ。 ──ん? そういえば、親まりさが黙りこくっちゃったな。 どうしたんだろうと親まりさを見ると、奴は静かにうつむいていた。 その表情は帽子に隠れて見えない。 泣くの? 泣くの? と期待していたら、親まりさは突然、勢いよく顔を上げた。 あ、また例の表情してるよ! ムカつく! 「おちびちゃん! ゆっくりしていってねっ!」 「ゆびゃああああ──ゆっ!? ゆっくちしちぇいっちぇね!」 父の自信に溢れる──こいつらはこれも「ゆっくりしてる」って形容するんだろう──ご挨拶に、子まりさはピタリと泣き止む。 「よくきいてね! おぼうしのなくなっちゃったおちびちゃんは、たしかにほかのゆっくりにいじめられるかもしれないよ!」 「ゆええ……」 あ、また涙がポロリと。 「おぼうしやおりぼんは、すごくたいせつなものだよ! でもね」 「ゆ?」 親まりさは優しく、ゆっくりと微笑み、 「きめたよ! おちびちゃんは、ずっとずっと、おとうさんとおかあさんがせきにんをもってゆっくりさせてあげるよ!」 「ゆゆっ!」 子まりさの大きな目が、さらに大きく見開かれる。 「おぼうしがあるかないかなんてかんけいないよ! おちびちゃんはかわいいかわいい、まりさとれいむのゆっくりしたおちびちゃんだよ! それを『ゆっくりしてない』なんていうゆっくりがいたら、そのゆっくりはおとうさんが『せいさい』してあげるよ!」 ゆっへん! と胸を張り、 「だからあんしんしてね、おちびちゃんっ!」 迷いのない真っ直ぐな瞳で、子まりさを見つめた。 「ゆゆゆうっ! ……ゆんやああああ! おとおしゃあああああん!! おかあしゃあああああん!!」 子まりさ大泣き。 さっきのような恐怖からの涙ではない。うれし涙だ。 しーしー──これも今度はうれしーしーだ──が足元に小さな水たまりを作る。 大丈夫かこいつ? 自分のしーしーで溶けちゃうんじゃないか? 「ゆゆ~ん。なかなくていいんだよ、おちびちゃん~!」 「よかったねおちびちゃんっ! よかったねっ!」 目尻を光らせながら、両親も優しく微笑んでいる。 いやいやいや。 これは素晴らしい家族愛ですなあ。 いわゆる「愛で派」なら、もらい泣き必死だね、こりゃ。 聞きようによっては、「だらしないおまえをパパとママが養ってあげるからね」という、両親によるニート公認宣言だけどな。 おお、うらやましいうらやましい。 頃合いかな。 俺は泣き笑いを続ける子まりさの背後にまわり、 「ゆっくち! ゆっくち! ゆっくちしちぇ──ゆぎょっ!?」 その後頭部を思いっきり、爪先で踏み潰してやった。 上からの強い圧力に負けた子まりさの体内の餡子が、皮膚を突き破り外に溢れ出る。 後頭部ってことは、要するに体半分を潰されたわけだが、 「い、いぢゃっ……いぢゃいよおおお!! ゆぎゃあああああああん!!」 それでも生きてるのが、こいつらのすごいところだ。 「おにいざああああああん!! なにじでるのおおおおおお!?」 「れいぶのおぢびじゃんが、はんぶんになっぢゃっだあああああああ!!」 脈絡のない俺の行動とその結果に、パニクる両親。 いや、だってさ。 「さっき、『お飾りのないゆっくりは制裁』っていってたじゃん。それを手伝ってやろうとね」 俺は悪びれなく言った。 「そのおはなしはもうおわったでしょおおおおおおお!? おちびじゃんは、まりさたちがゆっくりさせてあげるんだよおおおおお!?」 「ばかなの? しぬの?」 おめーらにバカとか言われたくないですう~。 「ああそうなんだ~。ごめんごめ~ん。でもさ。こんなかわいそうな体になっちゃったおちびちゃんだけど、それでもゆっくりさせてあげられる?」 どうなの? ん? ん? 我ながら底意地の悪いこの質問に、間髪入れずに親れいむが答えた。 「あたりまえだよ! どんなすがたになっても、おちびちゃんはかわいいおちびちゃんだよ!」 さすがはれいむ種。ゆっくりの中でも特に母性が強いとされているだけはある──その認識、近頃ちょっと怪しいけど。 「そうだよ! おちびちゃん、ぺーろぺーろしてあげるからね! ぺーろぺーろだよ!」 「おかあさんもぺーろぺーろするよ!」 揃ってぺーろぺーろしはじめるが、 「いぢゃいいいいいい!! いぢゃいよおおおおおおお!!」 痛みは引かないらしい。 そりゃそうだろ。かえって苦痛なんじゃないの? 「ひぎゃああああああ!! いぢゃいっ!! いぢゃぢゃぢゃっ!! いぢゃいいぢゃいいいいいいいいい!!」 しかしこいつ、ほんといい声で泣くなあ。 「おがあぢゃあああああん!! もういやぢゃああああああ!! おうぢがえるうううう!!」 「ぺーろぺーろ! ぺーろぺーろ!」 おうおう。この必死な姿、ニヤニヤが止まらない。 興奮しながら俺は右足を上げる。 「優しいお父さんとお母さんなんだね。じゃあこんな姿になっちゃったらどうかなあ」 言ってから、両親を避けるように右足を振り下ろした。 「ぺーろ──ゆっ! ゆっ!? ゆがあああっ!」 「れいぶのおぢびじゃんが、またはんぶんになっぢゃっだあああああああ!!」 俺の右足の下では、子れいむの顔の左側が潰れている。 ならば残された右側は無事かといえば、もちろんそんなことはない。 巻き込まれた髪や皮膚、餡子が交じりあってグチャグチャだ。 「あ、あんこじゃん……まりしゃの、なががら……でて、いがない、でえ……」 こんな状態で、それでもまだ生きてるってんだからすげえな! まあ、俺の踏みつぶしテクもすごいんだけどね。 ギリギリ殺さず、ギリギリ生かしておく。この域に達するまで、どれだけのゆっくりを犠牲にしてきたか! 思い出すぜ。そういえばあの時は……。 「だがらおにいざん!! なにじでるのおおおおおおお!?」 あ、いかんいかん。 自分の腕に酔いしれちまったぜ。 「いやその、お兄さんは……だからその……アレだよ」 咄嗟に言い訳がでてこない。 俺もまだまだ未熟だ。 「で、でもさ。こんな体になっても、おちびちゃんをゆっくりさせてあげられるんだろ?」 「ゆっ! もちろんだよ! ねえ、まりさ!?」 親れいむは自信たっぷりに答えるが、親まりさは、 「ゆ? ゆ、ゆ~ん……」 煮えきらない表情で、傷ついた我が子をぺーぺーろしてる。 「まりさどうしたの!? おちびちゃんをゆっくり──」 「まあ待てよ、れいむ」 親れいむを遮って言った。 「まりさはわかってるんだよな?」 「ゆっ!」 親まりさの体がビクンと跳ねた。 そうだ。こいつはわかっている──子まりさは、もうダメだ。 「ゆ゛っ……いぢゃ……よ……おと……しゃ……」 まともに言葉を発することもできず、ただ体をビクビクと痙攣させている──瞳もすでに濁りかけている──我が子を見て、 「ゆう……。おにいさん。おちびちゃんをゆっくりさせてあげてほしいよ……」 親まりさは、ゆっくりとそう言った。 さすがに自分の手にかけるのは無理ということか。 「いいんだな、まりさ」 親まりさから顔を背けながら、俺は言った。 痛々しい父親を正視できないわけではない。 このニヤケヅラを見られるわけにはいかないんだっつーの。 「おねがいするよ、おにいさん……」 良かった。気づかれてないや。ウププププ。 「なるべくいたくしないであげてね……」 「ゆっ? なにいってるの、まりさ?」 わかっていないらしい親れいむに、心優しい俺が説明してやる。 「いいかい、れいむ。このおちびちゃんは、きっともう助からない。だから苦しまないよう、ゆっくりさせてやるんだ」 芝居がかったタメを作る。 「──永遠に、さ」 「なんでぞんなごどいうの! まりざああああああああ!?」 俺のカッコいいセリフに被り気味に、れいむが叫ぶ。 「ゆう……。れいむ、ゆっくりきいてね。おちびちゃんはもう……」 「そうだ。よく見てみろ、れいむ」 俺は子まりさを指でつつく。つんつくつん。 「ゆ゛っ、ゆ゛っ、ゆ゛っ」 あ、やべえ。そろそろ限界? こりゃのんびりしてらんないぞ。 「おぢびじゃああああん!! おかあさんがぺーろぺーろしてあげるからねえええ!!」 「れいむ。傷を癒してやるというおまえのその行動も、親の選択として一つの正解だ」 れいむ種はその母性の強さ故に、我が子を殺すことなんて考えられないんだろう。 そんなもんクソ食らえのゲスなれいむも、最近は珍しくもないけどね。 俺は続ける。 「でもな。この場合、まりさの考えの方がおちびちゃんのためだと思うぜ? だから──」 「あんこさん! あんこさん! ゆっくりしないでおちびちゃんのなかにもどってねええええ!!」 れいむの絶叫を聞きながら、俺は子まりさに残された前部右半分を思いきり踏み潰す。 「…………」 断末魔の声を上げることすらできず、子まりさは永遠にゆっくりした。 「ゆぎゃっ! ゆぎゃああああああ!! おぢびぢゃああああああん!?」 ふう。 ああ良かったー! 勝手におっ死ぬ前に、きっちりとどめさせたよー! 右足をぐーりぐーり──うーむ、この感触! 「すっきりー!」とでも叫びたい気分だ。 「ごべんね……おぢびぢゃんごべんね……。だめなおとうさんでごべんねえ……。ゆっぐ、ゆっぐ……」 あ、親まりさが泣いてる。 前の二匹と違って、目の前には子どもの死骸がある。 切り替えの早さには定評のある餡子脳とはいえ、さすがに堪えるんだろうな。 「ゆっぐ、ゆっぐ……」 まあでも、そんなに責任を感じるなよ。 お前らは確かにダメでバカで愚か極まりないが、何を隠そう、今回の悲劇は全面的にこの俺が原因だ。 また菓子をくれてやるから、元気出せよ、な! ほら、親れいむもこっちに──あれ? さっきまで大騒ぎしていた親れいむだが、今は俯いて体を小さく震わせている。 「………」 あ。 これはもしかして。 「ゆっぐ、ゆっぐ……。ゆっすん。……れいむう、これからはおちびちゃんたちのぶんもゆっくりしてあげようね……」 「……おちびちゃんを」 「ゆっ? なに、れいむ?」 もしかして、もしかして? 「おちびちゃんをころしたまりさは、ゆっくりしねえええええええ!!」 お母さんがキレちゃったー! 強すぎる母性は時として母を凶行に駆り立てる。 叫び声を上げながら、一直線に夫である親まりさに突撃した。 「ゆゆっ、れいむ! なにするの? やめてね! やめてね!」 「ゆっくりしねえええええ!!!!」 何度も体当たりを食らわせる。おお、ナイスタックル。 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「ゆべしっ! いたいよ! いたいよ! れ、れいぶううううう!!」 「ゆっくりしね!ゆっくりしね!」 「ゆががっ! ゆぐぐっ! ごべんね。ごべんねえ、れいぶう……」 かわいい子どもの変わり果てた姿を目の当たりにしては、泣こうが謝ろうが、母の憤怒の炎は消えはしない。 その怒りをぶつける相手が愛しい夫であっても、だ。 親れいむは親まりさを組み敷き、 「ゆっくりしね! ゆっくりしね!」 「おちびぢゃんたち……れいぶ……ごべんね……。まりさをゆるじでね……!」 何度も何度も飛び跳ね、踏み続ける。 親まりさにはされるがままで、抵抗の意思は無いらしい。 餡子脳に──たとえ意識の外に追いやってしまったとはいえ──こびり付いた子ども達の死に様に、もうなにもかもを諦めてしまっているのかもしれない。 ──ちっ。しょうがねえなあ。 「ゆっくりしねええええええ!!」 「まあまあ、落ちつけよ、れいむ」 「ゆっ! まりさがおわったらつぎはおにいさんのばんだよ!! ゆっくりかくごしてね!!」 ありゃま、俺も制裁されちゃうの? まあ当たり前っちゃ当たり前か──何たって、おちびちゃん殺しの実行犯だし。 「そんなこと言うなよ~。とりあえずさ、あまあまでも食べて──」 「うるざいよおおおおお!?」 おお、おっかねえツラしてんなあ! 男ってやつは、どうもこういうツラに弱いんだ。 人間だとかゆっくりだとかは、この際関係ない。 怒った母ちゃんには決して逆らうな──きっとそういう情報が、男を形づくる遺伝子に組み込まれてるんだろうね。 いや、マジでマジで。 そんなことはともかく、こりゃ、なだめるのは無理っぽいや。 仕方ない。れいむお母さんには、この辺でご退場願いましょう。 「れいむ、れいむ」 「ゆあ!? うるざいっで──」 「ゆっくり死ね!」 れいむの横っつらに、トゥキックをブチ込んでやった。 「ゆぎょびゅっ!」 宙を舞って、ぽよよん、と地面に激突するれいむ。 俺はまりさの方をちらりと見下ろす。 「ゆう……。れいぶ…? れいぶううう!?」 よし。 ダメージで動けはしないものの、妻の身を案じる余裕はあるみたいだな。チミ、なかなかタフなのね。 「ゆふーっ! ゆふーっ!」 顔を上げると、鬼気迫る表情に磨きをかけ、親れいむが起きあがっているのが見えた。 髪の毛も逆立たんばかりに全身から怒気を発している。 すげえな。 ドスクラスならいざしらず、普通のゆっくりとは思えない迫力だぜ。 おちびちゃんたちを殺されたのが、そんなにも悔しかったんだね。プププッ! 「わがったよ……。先におにいざんがら『せいざい』しであげるよお!! おぢびぢゃんのかたぎいいいいい!!」 突っ込んできた! と言っても、所詮はゆっくりの突撃。 俺は楽々空中で撃墜する──いわゆるボレーシュートの格好だ。 「ゆぎゃっ!」 カウンターを受け、突っ込んできた勢いそのまま、地面に向かって吹っ飛ぶれいむ。 よし、ここで追撃! 俺は軽やかなステップで親れいむに近づき、 「ゆっくり死ね! ゆっくり死ね!」 親れいむを蹴りまくる。 もちろん、十分に手加減したキックだ。 簡単に死なれてもつまらないしね。 キック! キック! キック! 「ゆぐっ! ゆぐっ! ……ごろずっ! ごろずううう!!」 キック! キック! キック! 「ごろ……じゅっ! ゆばっ! ゆぼっ!」 手加減していても、親れいむにはかなりのダメージだ。 「ゆぎゃおおおおおおおおうっ! ぎゅぎょおおおおおおおお!!」 まん丸だった体は不格好に歪み、肌色の表面が黒ずんできた。 歯は何本も折れ、口や、ところどころ破れた皮膚からは餡子が漏れている。 「ゆぎゃっ! ゆぎゃああっ!!」 お、あにゃるからも餡子が出てきたぞ。 それでもキック! 「ゆがあんっ! ……もういやじゃああ!! やめでっ! やめでえええええ!!」 お? 「ゆええええええん! れいぶ、もうおうぢがえるうう!!」 折れた! 日の光よりも優しく暖かく、海よりも深い母の愛を、怒りを、プライドをへし折ってやったぜ! 「いぢゃいよ、いじゃいよおおお!! どぼじでこんなごどするのおおおおおお!?」 半分塞がった目から滝のような涙を流す親れいむを見下ろすと、自然と口元が緩む。 くう~、この征服感! たまんねえ~! 「おにいさん! やべてあげてね!! やべてあげてね!! れいむがいたがってるよ!!」 ……旦那が何か言ってるぜ。 ったく。いい気分に水を指すなよなあ。 八つ当たりで親れいむを蹴ってやる。 「ゆびゃあ!! いだいっ! もうやめでよおおおおおおお!!」 さっきよりずっと手加減したのにこの痛がりよう。 「ゆんやあああああ!! もういやじゃよおおおおお!! ゆっぐりさせでよおおおお!!」 もう完全に屈したな。 次は、と。 俺は仰向けになった親れいむに覆い被さるように、膝立ちになる。 「もうやべでよおおおおお!! れいぶなにもわるいごどしてないでしょおおおお!?」 右拳を固く握りしめ、親れいむに打ち下ろす。 「ゆぼっ!!」 間髪入れず、今度は左拳。 「ゆぼぼっ!!」 右と左、両の拳を次々と親れいむの全身へ。 「ゆぎゅぎゅ……やめでっ! ぎゅぶっ! もうやべでっ!」 ゆっくりの柔らかい体は、実に殴り心地がよい。 「ゆぶっ! おべべっ! がぎゃっ! でいぶのきれいなおべべがあっ!」 右目が弾けた。 潰れた目玉が眼窩からどろりとこぼれ、俺の拳を汚す。 この感触もたまらないね。 「ごべんなざい! ごべんなざいいいいいい! まりざたぢがわるいごどじだならあやばりばずがら!」 満足に動かせないであろう体を地面にこすりつけ、何を思ったのか親まりさが謝ってきた。 いやいやいや。謝る必要なんか全然無いよ。 むしろ俺が謝りたいくらいだ。 楽しませてもらってゴメンね~! 「いだっ! いいいっ! いだいっ! じょおお!!」 「まりざがあやばりばずがらっ! もうでいぶをいじめないでぐだざいっ!! でいぶがしんじゃいばずっ!!」 こんなに元気な声を上げられるなら──こいつも君も──まだ大丈夫だよ。 親まりさの見当違いな謝罪は、俺のテンションを上げただけだった。 思わず、 「はははははは!」 声を上げて笑ってしまう。 「ゆぎゃっ! ぼうっ! やべでっ!」 「おにいざん! やべでぐだざいっ!!」 ああ楽しい。 拳が伝える感触が、次第に鈍いものへと変わってきた。 かなり手加減しているとはいえ、もともと規格外の脆さを誇るゆっくりだ。さすがに限界なのだろう。 俺も調子に乗って、やり過ぎちゃったし。テヘ! 「ゆべ……ゆべ……ゆべ……」 「ゆゆ、れいぶう……。ゆっぐりじで、ゆっぐりじでいっでね……」 二匹とも元気がなくなってきたな……。 俺はさっきより強めに親れいむを殴る。 「ぎいっ! いだい……いだい、よお……」 「さあ、れいむ! 泣け! 叫べ! そしてえッ──」 親れいむの体をむんずと掴み上げ、小脇に抱えて土手の坂を駆け上がる。 俺に抱えられながら、 「おそら……んで……みたい」 死にかけてるくせにお約束のセリフを言ってくれる親れいむ。律儀だ。 「れいぶっ!? れいぶをつれでいがないでえっ!!」 おっと、せっかくだからお前にも来てもらうか。 俺は坂の途中でユーターン。親まりさに駆け寄る。 かわいい奥さんの最期くらい、ちゃんと目に焼きつけておきたいだろう? 慈悲深い俺がそう思いながら片手で親まりさを持ち上げると、 「ゆゆっ!? まりさ、おそらをとんでいるみたい!」 これまた約束のセリフ。 ほんと律儀だねえ。 「ゆう。おにいさん、まりさたちをゆるしてくれるの……?」 律儀というか、ただのバカか。わかってたけど。 「もうおうちにかえして──」 「さ、着いたよ。まりさ」 坂を登り切り、目の前の広い車道を見渡す。 ありゃ、来た時より交通量減っちゃってるじゃん。 車こないかなあ、っと。 親まりさを地面に下ろしてやる。二匹抱えてると、ちょっと腕が痛いや。 「おにいさん、れいむもおろしてあげてね! すーりすーりしてあげたいよ!」 「おっと、まりさ。道路に出たら危ないよ」 けなげな親まりさ──自分だって動くこともままならないくせに──を制し、俺は親れいむを抱えたまま道路脇に身を屈める。 「ゆゆっ! れいむ! もうだいじょうぶだからね! おにいさんはゆるしてくれたからね!」 「……ゆ、ばり……ざあ」 俺が中腰になったせいで近づくことができた愛しい妻に、夫が話しかけた。 表情も明るくなっている。 親れいむの方は──もう表情もクソもないっつーの。 まあ、これが最期だ。しっかりお別れを済ましておきたまえよ。 「れいむ! はやくおうちにかえってゆっくりしようね!」 二匹の会話──親まりさの独り言──を聞きながら、俺は車道に目をやり、車の行き来を眺める。 そして、親れいむを両手で持ち、胸の前に構えた。 タイミングが大事だ……。 まだよまだよ……。 「れいむ! まりさがいっぱいたべものとってくるからね! すきなだけむーしゃむーしゃしていいからね!」 ……よし! 俺はさっきの続きを叫ぶ。 そしてえッ── 「ゆっくり死ね!」 親れいむを、車道の上に転がした。 「……いぶ、こー……ろ、こー……」 「ゆゆ!? しゃどうさんはあぶないよ、れいむ!!」 やべっ! ボコりすぎて丸とも四角とも言えない体になってるせいで、いまいち転がりが悪い! もうちょっと! もうちょっと先まで! 俺の願いも空しく、中途半端な場所で止まってしまう親れいむ。 「ゆっくりもどってえええええ!! こーろこーろはゆっくりできないいいいいい!!」 いやあああ! もっとこーろこーろしてえええええ!! ……ええい、時間がない。俺はそそくさと車道に飛び出し、 「えいや」 絶好の位置まで親れいむを蹴飛ばした。 急いで道路脇まで戻って身を潜める。こそこそ、っと。 「おにいざんなにじでるのおおおおおおおお!?」 へいへい、そのセリフは今日何度目だっけね? 親れいむから目を離さずにそんなことを考えた時。 俺たちの目の前を、1台の軽自動車が駆け抜けた。 ぐちゃ、っという音が聞こえたのは俺の錯覚だろうか。 親まりさは目を見開いている。 その視線の先には──真っ黒い華が咲いていた。 ……なんつって。早い話が、ぺしゃんこになった親れいむですよ。 うっし、なかなかの芸術作品! 80点は堅い! 絵的にはダンプとかロードローラーの方がビシッと決まるんだけど、そんなもんはそうそう走ってないしね。 今日はこれで良しとしよう。ふう。 お、遠くに甲高いクラクションが聞こえる。 はは、ありゃさっきの軽だ。 さしずめ「汚えもん踏んじまったぜ! けっ!」ってとこかな。 さあて、まりさちゃん? かわいい奥さんが最期に残したあの前衛アート、どう? どう? 「…………」 親まりさは、車道の黒い染みを凝視したまま固まっていた。 「なあなあ、まりさってば」 「…………」 呼びかけても指でつついても、完全にノーリアクションだ。 「まりさちゃんってばあ。なあ、あまあま食べる?」 その時、親まりさが俺に顔を向けた。 おお、完全に目が据わっている。 これはくるか? さっきの親れいむのように、キレて突っかかってくるか? くるなら来い! 殴り足りないと思っていた所だぜ! そんな俺のやる気は、 「……ゆっくりのひ~、まったりのひ~」 親まりさの口から発せられる、調子っぱずれな歌声でそがれてしまった。 「ゆゆゆのゆ~、ゆっくりゆっくり~、ゆゆゆのゆ~」 あらあらまあまあ。 心身ともに打ちのめされて、頭の中がお花畑に逃避しちゃったよ。 「かわいいかわいいおちびちゃん~、ゆゆゆゆゆ~」 こいつらのちっぽけな餡子脳は、状況を処理しきれなくなるとすぐに飛んでしまう。 死ぬほどの恐怖を味わった時なんかは特にそうだ。 例えば、さんざん甘やかされて育った飼いゆっくりなんかが、捨てられて一時間もしない内にパーになっちまうことも、決して珍しくはないのだ。 こんな風になったゆっくりを、俺は今まで何度も見てきた。 それにしても── 「ちっ。つまんねえの」 俺は吐き捨てた。興ざめだ。 「ゆっくりぷれいすで~、す~やす~や~」 親まりさは下手くそな──いや、ひょっとしたら上手いのかもしれない──歌を続ける。 そのうち俺に背を向け、フラフラとした足取りでどこかに歩き始めた。 「みんなでゆっくり~していって~ね~」 ああなっちまったらもう長くはないな。 俺が手を下すまでもねえぜ。 じゃあな、優しかったお父さんまりさ。今日は楽しませてもらったぜ。 俺はフッと笑い、家路に── ──なーんて言うと思ったあ? 遊んだ後の後片付けはキッチリと。子どもの頃、そう教わりました! 振り返った俺は親まりさに向かってダッシュ。そのまま親まりさを蹴る。 「げっ!」 ほどよい距離にぽよーんと転がる親まりさ。 それを追いかけて、また蹴る。 「ぎょっ!」 延々とこれの繰り返し──要するにサッカーのドリブルだ。 親れいむに派手にやられて所々へこんでいるので、思った方向に転がらない時もあるけど、まあこれはこれで楽しい。 さあて、今度こそ帰ろうかな。 足元の歪なボールを強めに蹴る。 「ちょっと、あれ~見な~」 我ながら音程をはずした、でも決してゆっくりほど下手ではないメロディを口ずさみながら、俺は今度こそ家路についた。 (了) 挿絵 by車田あき 以前書いたもの…… ふたば系ゆっくりいじめ 525 犬 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る ここはまさにその「感想を垂れ流す」ところじゃあないの? それはともかく、お兄さんがキモいの一言に尽きるSSでしたね -- 2013-06-23 23 11 59 ↓6 お前、特徴的な文体だからすぐわかるぞ。 色んなSSできもい感想垂れ流してる粗大ごみめ。 -- 2012-06-14 08 36 32 どうでもいいけど他人巻き込むなよ -- 2011-10-01 21 04 15 このお兄さんはあえて善良を虐待するタイプかな -- 2011-09-28 20 01 16 やっぱり車道にゴミ出すのはなあ…… 他人を巻き込まずにやってほしかった -- 2011-05-10 00 38 16 めちゃくちゃ面白かったですwww -- 2011-02-27 23 02 30 テンプレ イズ ベスト -- 2011-01-21 22 32 27 す、すっきりー!!とてもゆっくりできました! 私も子まりさの泣き声を聴きたくなりましたw ↓↓↓↓↓↓はあ?虐待も特に変わったことをしてないだと? テンプレ イズ ザ モスト ビューテフル!って言葉を知らんのか! テンプレとは偉大なる先人が残した英知の結晶なんだよ! 例えば足焼きだって初出では変わった虐待の一つだったが あまりにも優れていた為にみんなが使い、テンプレに組み込まれたんだよ! 飼いゆが野良ゆと勝手に番になって捨てられる展開だってそう! 野良ゆが勝手に人間の家に忍び込んでお家宣言する展開もそう! みんな優れていたからテンプレになったんだよ! 他のSSと違う事をすればいいってもんじゃないんだよ! 逆に優れたテンプレを上手に使いこなしたSSの方が面白いんだよ!! -- 2010-12-17 05 34 46 道路にゴミ捨てんなよ。ゴミはゴミ箱になー 中々読めたけど、ちょっとだらだらが続いたねー -- 2010-10-14 18 35 08 >最後ちょっと寄り目になってたぜ、あいつ! うわあ俺も見てえぇぇぇ -- 2010-09-01 13 01 01 車道にでかいゴミを捨てるのはマジやめてくれ -- 2010-08-29 00 01 25 車がスリップしたらどうすんのよ -- 2010-08-21 11 22 12 このキモいお兄さん、オレのツボにはまったw -- 2010-07-26 00 20 59 長いくせにストーリー性が無くて、ダラダラ感で読後に疲れるだけだ。 虐待も特に変わったことをしてないし。正直…つまらない。 -- 2010-07-01 23 44 45 よかったー お兄さんまりさを見捨てると思っちゃったよw やっぱり最後まで面倒みないとね! -- 2010-04-18 22 37 18 お兄さんがきもい -- 2010-03-09 18 32 46
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『ちょっと、きめぇ丸! 私の真くんを食べたでしょ!?』 「俺たちもう少し、離れて付き合おうよ」 真くん――伊藤真が私の目の前でそう告げた。 「あ?」 思わず放った声が上がり調子だったから、ケンカを売っているように聞こえただろう。 このときは、ごまかすようにただニコニコとしていたと思う。 「俺は、琴葉のことをすっげぇ大切な友達だと思ってるから。それに、琴葉は頭が良 いし、俺も羨ましいくらい可愛いから……きっと……俺よりいい男が……できるよ」 「そ、そんなの気にしないでくれたまへ……うひひひひぃ……」 私の言葉を聞くと安心したように、真くんは私に背を向け、彼の家へと歩き出し た。いつもは彼の背中が見えなくなるまで見つめているのだが、今日ばかりは彼の背中を 直視できず、すぐに踵を返して自分の家に向かう。 真くんの一番は私であるから、彼が本心で私と離れたいはずがないのだ。 転がって行く道で、少しイカれただけさ。 深い痛みはとれないけどそんな哀しい目をしないで。 そう自分に言い聞かせた。 私は家に帰ってきて、お母さんにただいまとだけ言って2階の私の部屋に上がる。 パソコン用のリクライニングチェアに腰を下ろしてしばし、くるくると回った。 真くんとは中学1年生の時に出会った。きっかけはホームルーム後の放課だった。話 し声や席を移動する音でごった返す教室の中で、当時内向的な女の子だった私は誰にも 話しかけることができずに、ぼーっと下を向いていた。 時々顔を上げて、周りのグループからあぶれた独りぼっちの子と一緒になろうと画策し たが、クラスの皆は仲が無駄に良く、入れそうなグループなどなかった。このまま3年間、 友達も出来ずに終わるのかと思われたその時だ。 隣からの熱い視線に気づいて振り向いてみると、そこには真くんがいた。丸くて大き な黒い瞳と視線がぶつかった。 「あ、あの……何か用かな?」 落ち着いている振りをしていたが、初めて自分からアクションを起こせた喜びで上ずっ ていた。 「いや、なんで他の子と話しかけないのかなって」 開口一番そんなことを言ってきた。もっとも痛いところを突かれて、詰まりながらも返 事の言葉を紡いでいく。 「それは……、アレアレ。タイミングを外して話しかけ難くなったんだ」 「あぁ、分かる分かる。クラスが決まるときは、何が何でも友達作らなくちゃならない、 って雰囲気になるよな……俺もだ」 そんな他愛のない会話が私と真くんの馴れ初めだった。初めて親友になれると思っ たし、実際そのとおりになった。 ――少しでも彼にふさわしい女の子になりたい。 そう志して、お母さんを拝み倒し、眼鏡に別れを告げてコンタクトレンズを作ってもら った。ろくに手入れもしなかった髪を美容院に通ってカットしてもらった。 中学2年生の2学期、真くんが目指す高校には少々偏差値が足りないことに気づき、勉 強を始めた。その甲斐あってか、3年生になるころには真くんと同レベルの成績をたた き出した。 優等生と呼ばれるようになり、さらに見た目が少なからず改善されたことで、見てくれ に引きつけられた男子からの告白があったが、全部断った。 うわべの言葉では丁重にお断りしたように見せているが、内心は『君たちなんてメ じゃないんだ。時間の無駄だからゆっくりしてないでどっか行ってね! 半径1光年の彼 方でいいよ!』と思っていた。 そして真くんと同じ高校に合格した。受験番号が見つかって、喜んで抱きしめてくれ た感触は今でも忘れない。 1年半の苦しいときを越えて、ようやく真くんとスクールライフが送れると思ったの に…… 『俺たちもう少し、離れて付き合おう』 なのになんで? 『俺よりいい男ができるよ』 真くんの言葉を反すうする。そんなことを言ったけど、君以外の男と一緒にいるなん て考えられない! ……さて冷静になって現状を整理すれば、私と真くんを物理的に分かつ最も大きい 要素は高校のクラスが別々なことだ。 しかし、クラスが別れただけで疎遠になるというのは考えにくい。第一、隣のクラスだ し、足を運ぶくらいは簡単だろう。 もしかしたら高校で彼女無し連中――とは言え、私と真くんは付き合っているわけ ではない――のクラスメートに、冷やかされたりするのだろうか。 なら、学校では離れて過ごすけど、放課後から――と思って真くんの家に向かった。 とても会いたい気分だ。 突然会いに行って驚くだろうか、せめてアポくらい取ったほうが良かっただろうか? などと考えながら真くんの家に向かって歩いていった。 彼の家の玄関に2つの影を見つけた。一方は真くんだと分かるが、もう一方は……。 玄関の前で影が1つに重なり、数秒後に離れた。 真くんは相手の腰に手を回して家の中に招き入れた。 「今日は泊まっていくか? 飯くらい作るよ。親はいないから……」 お前は誰だ? どこかで見かけた気がする。 私と同じ高校の制服を着ていた。下膨れの顔に、130センチちょっとの背丈、スリム なボディライン――思い出した、真くんと同じクラスにいるきめぇ丸だった。 なぜゆっくりが私と同じ高校にいるのか? それは4年前のゆ籍特別法制定にさかの ぼらなければいけない。まあ早い話が、高知能でプラチナバッジクラス以上の教養があり、 体のあるゆっくりには住民票ならぬゆ民票を与えようという法律が制定されたのだ。それ により、能力に応じて学習も受けられる――というわけだ。 なんであんなゆっくりの同類が真くんとキスなんかするんだ? 私は目の前に突きつけられた事実を拒むように、早足で帰った。ベッドに飛び込み、 布団を頭から被り、布団の中で思い切り泣いた。 「私は真くんに全てを捧げたのに……、きれいになったし、頭も良くなった……。そ れなのにあんな下膨れゆっくりの同類が釣り合うはずがないよ!」 ――生まれてきたのを後悔するくらいの苦痛を与えてからきめぇ丸、君を殺す。 私はその夜中ずっと泣き、叫び続けた。 昨日のきめぇ丸とのアレは何かの見間違いだろう、と思うようになった。昨夜泣き喚い たおかげで、すっきりした。 着替え終わると、いつものように彼へのお弁当を作るため、キッチンに向かった。彼に 疑念を抱いた詫びに好きなものを詰めてあげよう。ソーセージ、ハンバーグ、玉子焼き、 シーザーサラダ。 それらを弁当箱に詰め込んだ。『ああ、琴葉最高茶尾。きめぇ丸なんて目じゃないね、 一瞬でもあんなのに誘惑されて、恥ずかしいよ』なんて言ってくれないかな? 「琴葉、そろそろ学校に行く時間じゃないの?」 そんなことを妄想していると、お母さんの言葉で我に返る。時計を見れば8時だ、そろ そろ家を出なくてはいけない。 「マジで?」 「本気も本気の大本気(おおマジ)よ」 やれやれ、とため息をついてエプロンをたたんだ。 真くんの弁当を鞄に詰め込んだ。ベルトを肩にかけて家の外に飛び出した。 「おはよう」 私は真くんの家の呼び鈴を鳴らす。いつものように真くんが出てきた。 「いつもありがとな」 にこっ、と魅力的な笑顔を返してくれた。彼の笑顔を見るたびに、私は元気が出るんだ。そう思ったが――。 「明日から弁当作らなくていいから」 いきなりのリストラ宣言だ。 「あ?」 昨日と同じように上がり調子に声を放ってしまった。 「なんで?」 抑揚のない声で聞く私に、真くんは少し詰まるように言った。 「それが、さ。クラスの女子が……交代で昼飯の弁当作ってくれるって言うんだ」 うわっ。私は腹に強烈なパンチを食らったような感覚を覚えた。衝撃が脳まで響く強 烈な一撃だ。 そんな私を気にする様子もなく、真くんは言葉を続けた。 「そうすれば、琴葉だって自分の弁当作れるし、わざわざ迎えに来たり、買い弁しなく て済――」 私は言葉を遮るように力なく答えた。 「ああ、そう。ありがとう……」 君のためなら早起きくらい簡単なんだよ? 迎えに行く道は最高に楽しみなんだ。しか し、『俺たちもう少し、離れて付き合おう』と言われた手前、そんなことを言ったら余計 に離れるだろう。ここが苦しいところだ。 そんなことを思いながら、フラフラとした足取りで通学路の残りを歩いて行った。 4時限目の数学の授業が終わった。今日は進路相談の日だから、4時限目で終了だ。ゆっ くりと昼ごはんを食べることが出来る。いつもは待ち合わせの屋上に行って昼食を摂るの だけど、昨日言われたことを思い返すと、今日会える可能性は低い。 しかし、一縷の望みをかけて屋上に上って、今か今かと期待に胸を膨らませてサンドイ ッチを食べていた。 現実は甘くなく、真くんどころか1人も来なかった。諦めて、階下も下りたところで 真くんとバッタリ出会った。 「琴葉」 手には私のお弁当箱を持っている。 「今日、外で食べたんだぁ……屋上には来なかったね」 「あぁ、用事があって」 「何か感想はある?」 「え、うん。美味かったよ。俺の好きなものばかりで。どれも上出来だった」 「それだけなのかい?」 「ん?」 首をかしげる真くんにそれ以上何も言う気が起きなかった。 「……いい……何でもない」 私は軽くなったお弁当箱を手に取ると、とぼとぼと肩を落としてクラスに向かった。 途中でトイレに寄って便座に腰かけると、深いため息をつく。 「最後のお弁当なのにそれはないだろ」 凄い反応を期待していた私は、あまりの薄さにがっかりしていた。 『見た? 今日の伊藤くん』 トイレの外で女子2人が立ち話をしているようだ。 『きめぇ丸さんとご飯食べてたよ』 『マジで? 伊藤くんって桂さんと付き合ってたのでは?』 『ガセって話よ。中学校3年間ベッタリだったらしいけど』 『マジで? なら誘えば良かったな……。きめぇ丸如きと中庭でお弁当食べてたんだろう?』 『うんそうそう。あ、お弁当と言えば、さっき伊藤くん平気な顔してお弁当箱返してたけ ど、あの中身は中庭のゴミ箱に捨ててたわよ』 『マジで? それってすっげぇ幻滅したぞ』 『私もガセだって信じたいわ。それできめぇ丸さんの作ってきたお弁当を美味しそうに食 べてたの、言っとくけど、真実も真実、大真実(おおマジ)だから』 『マジで? 最低だな』 それだけ言って2人は教室に帰って行ったようだ。 「ウソだ」 拳を握ってドアを叩く。 「真くんがそんなことするわけがないよ」 思わず弁当箱を投げ捨てた。ふたが外れて、空っぽになった容器が床に転がる。おかし い、何かが、おかしい。なんで空っぽなんだ? 本来あるべき仕切りや爪楊枝は? 食った? それこそNOだ、もっと現実を見よう。 もしかして―― 私は『中庭』『ゴミ箱』という2人の会話に出てきた単語だけを頼りに、中庭に下り て行った。 幸い人はいなくて、最悪ゴミあさりしても目撃されることはない。 そして私が作ったお弁当に群がるゆっくり一家を見つけた。 「それを返せ。でなければ潰すよ?」 私は声を低くしてゆっくり一家の大黒柱らしきまりさに警告した。 「ゆ! これはまりさたちがさきに――」 とりあえず、まりさに交渉の余地はなかった。私はまりさの髪を掴んで、鯉のいる池 に投げ込んだ。 「あばばばばあばばばばば! おびゅじゅだとゆっぐりでぎ――」 まりさの叫びは鯉の暴れる水しぶきでかき消された。池に棲む鯉は落ちたゆっくりを食 べることで有名な鯉だ、あっという間にまりさを食い尽くした。 続いてつがいのれいむの方を見た。私と目が合って、即座に危険だと判断したようだ。 「おちびちゃん! はやくそれをおねえさんにかえしなさい!」 れいむが赤ちゃんたちが食べているソーセージを引っ張った。しかし、赤ちゃんたちも 負けじと引っ張り返す。 「やぢゃあああ! こりぇはれいみゅがみちゅけちゃのおおおお!」 「れいみゅたちの”じゅーちー”をうびゃうおきゃーしゃんとはゆっくちできないいい い!」 私は赤ちゃんごとソーセージを持ち上げた。 「うわあ、れいみゅおしょらをとんでりゅみちゃい!」 そんなのんきなことを言っていたので、手で払い落とした。プチトマトほどの赤ちゃん が1メートルと数十センチ落ちて、タイルの床にへばりつく。 「あがぢゃんゆっぐりじでえええええええ!」 落ちた赤ちゃんに近寄るれいむ、その行動とは裏腹に子どもは皆死んでいた。いや、地 面に打ちつけられながらも、1匹だけ落ち葉がクッションとなり、運悪く即死出来なかっ た赤ちゃんがいた。 「まだあれが生きてる……」 私が指差すより早く、虫の息の赤ちゃんに近づく。 「おちびちゃん!」 「みゃみゃ……しゃむいよ……くりゅちいよ……」 か細い声で何度も声を詰まらせながら、母親に助けを求める。 その間に私は地面に触れていないソーセージを2本拾った。ようやくソーセージが3本 揃った。 「汚れてたら食べられないよね、きれいにしなくちゃ」 そう言って、私は目に見えるゴミを取り払って、汚れたソーセージ(いやらしい意味 ではない)を口元に持っていく。ピチャピチャと湿った音を立てて、私は真くんの ソーセージ(決していやらしい意味ではない)をきれいにする。 私の行動が食べているように見えたのか、赤ちゃんが私にソーセージをよこせと言 った。 「れいみゅの……”じゅーちー”……もっちぇかにゃいでええ……」 「おねえさん! それをおちびちゃんにわ、わ、わげでぐだざいぃぃ!」 「ダメ、これは真くんのだよ」 3本目のソーセージをきれいにして、弁当箱に詰める。 「……みゃみゃ……しゃいごに、あの”じゅーちー”な……ぼうしゃんを……ぺーろ、 ぺーろだきぇ、でみょしちゃかっ……だょ……」 最後の赤ちゃんはれいむにそれだけ言って事切れた。 「ざーんねんでした」 そう言って私はれいむに背を向けて立ち去った。 「あがぢゃんおべんじじでええええ!」 というれいむの叫びをBGMに。 「……琴葉、まだいたんだ。一緒に帰るか?」 私に真くんが話しかける。 「今日は委員会で遅くなったから、真くんを待ってたんだ。それより、今、お腹減って ない?」 「まあな、恥ずかしながら」 私はラップで包んでに大事にしまっておいた、”さっきのソーセージ”を差し出す。 「残りで悪いけど、真くんお肉好きでしょ?」 「あぁ、好きだ」 「あげるよ、もったいないから食べて」 楊枝に刺した2本のウインナーを真くんに差し出す。 私は、残った1本のウインナーを口に頬張る。 「ありがとう、もらうよ。折角だしな」 真くんが”さっきのソーセージ”を口に含んだ。きっと美味しいと思ってくれるよ。 さて泥棒猫には制裁を加えなくてはならない。 私はきめぇ丸の家まで自転車をこいでいった。 郵便配達員を装って呼び鈴を押す。ノコノコ出てきたところをスタンガンを押し付けて 気絶させた。目撃者がいないことを確認すると、近くの廃ビルにきめぇ丸を運んだ。 「ここは……?」 床に転がして数分後に気がついたきめぇ丸。しかし、荒れたビルの内部で目覚めたことにうろたえているようだ。 「ここがどこかはどうでもいい」 私はきめぇ丸に顔を近づけた。 「キモくてうぜぇきめぇ丸、私が誰か知ってるかい?」 誘拐した犯人が私だと分かって安心したのか、フッと鼻――無いけど!――で笑って 頭を斜めに傾けて口を開いた。 「知っていますよ、隣のクラスの桂琴葉さんでしょう。伊藤くんから聞いています」 「それなら、話は早い。真くんと別れろ」 私は餡子脳ゆっくりと同類であるきめぇ丸に分かりやすいように、簡潔に用件を伝えた。 「無理です。私と伊藤くんは付き合っているのですから」 高速で顔を左右に振って否定の意志を伝えてきた。『別れろ』『はい』と言ってことが 進むとは考えていなかったし、実力行使は最終手段に決めていたが、ここまで挑発的に断ってくるとは思いもしなかった。 「良ければ、彼の胸にあるホクロの形を教えましょうか?」 そう言ってきめぇ丸は服の襟を引っ張り、首筋に残る色っぽい痣を見せ付けてきた。そ れは真くんと肉体関係を結んだと、暗に言っているのだ。彼の初めてを奪いやがって……。 「伊藤くんと私は種族を超えた強い絆で結ばれているのです。数年間一緒にいただけの安 っぽい仲で満足するあなたとは違うんです」 「君がたぶらかしたんだろうが!」 私は近くにあったコンクリート片をつかんで、きめぇ丸に投げつけた。きめぇ丸はそれをさっとかわす、哀れなコンクリート片が後方の地面に叩きつけられて砕けた。 「おぉ、怖い怖い」 きめぇ丸がなおさら侮蔑の表情を浮かべて、私を見下してきた。怖いだって? 「そんなことを言わないで。私はここを1人で帰らなくちゃいけないから、もっと怖い よ」 私は右ポケットからバタフライナイフを抜いて、きめぇ丸の首に突きつけた。きめぇ丸 の表情から一瞬で余裕が無くなった。きめぇ丸が顔をこわばらせて、手に握られているナ イフを見つめている。 「ちょっときめぇ丸! 私の真くんを食べたでしょ!」 私はそう叫んだ。 「饅頭と同類のクセに」 私の声にきめぇ丸が瞳孔を広げた。 きめぇ丸の横っ面に握った拳を打ち込んだ。歯の折れる感触がして、きめぇ丸の口からきめ ぇ丸口から黄金色に澄み切った液体が流れる。 手についた分を舐めてみると、トリガラスープの味がした。へぇ、きめぇ丸の中身ってこうなってたんだ……。 きめぇ丸は私の目を見た。いつもの人を見下すような目だ。 「種族を超えた強い絆だって? 笑わせないでよ、公園で菓子の奪い合いをするような饅 頭もどきのクセして、一丁前に人間様のマネして恋が出来るなんて思うなよ!」 倒れたきめぇ丸の脇腹を蹴り飛ばす。 つま先がきめぇ丸の体に食い込むたび、低い肉を打つ音が鳴り、四肢がビクッと震える。 「ぐっ……」 私に背を向けて、頭を手で庇い、体を丸めて蹴りを防御しようとする。 そんなことをしてもムダだ。 私は足を振り上げて、きめぇ丸の頭を上から踏みつけた。 きめぇ丸の歯が折れる鈍い音を聞いた。口から鶏がらスープが流れ出て、黄金色の池を作った。 集団リンチ死した死体の様に、手足を投げ出して床に転がっているきめぇ丸を、私は 見下ろした。勝ち誇るように腕を組んだ。 十数回蹴ったところで気分がスッキリして、これ以上蹴ることはあるまいと思った。 「ああ、スッキリした。別に殺したっていいんだけど、今回だけ初回サービスで生かして おいてあげる、以降私の慈悲に感謝して、残りのゆん生を送ってね。でも約束だ、二度 と真くんに近づかないでね。また、一緒に帰ったりデートしているところを見かけたら、 今度はその首を圧し折って、引きちぎって、焼却炉に叩き込むから」 そういい残して、私は入り口へと引き返そうとした。 鞄を背負ったときに何かブツブツ言っていたので、そこで動きを止めた。 「なぁ~にか言いたいことでもあるのかな?」 振り向いた私の目には、床にうつ伏せに転がったまま、前歯を折って口から体液を流し ているきめぇ丸の姿が映った。 震える声できめぇ丸ははっきりと言ってきた。 「……あなたの言うことは絶対に聞きません……わたしはにんげんじゃないけど……ゆっ くりでもありませ――」 「どんなに人間みたいに見えても、所詮きめぇ丸はゆっくりなんだよ。たまたま進化の過 程で人間っぽく変わっただけで」 私はきめぇ丸が言い終わるより早く、ローファーのつま先できめぇ丸の顔を蹴り上げた。 折れた歯と体液を撒き散らして、きめぇ丸が仰向けに転がった。飛び散ったスープはビ ルの天井にまで達した。 「違います……」 きめぇ丸は顔を涙でぬらして、苦しそうに答えた。泣きたいのは私の方だというのに。 「だったら、どうして私に殴られっぱなしなの? 人間なら私を殺してでも、ねんがんの 真くんを奪ってみなよ!」 そう叫びながら、きめぇ丸の手のひらに踵を乗せて、体重をかける。私は40キロ後半の 体重だがローファーの靴底で踏まれるのは、かなり痛いだろう。きめぇ丸の顔が苦痛に歪 んでいる。 「出来ないだろう? だって、ゆっくりに戸籍を与えられる資格の1つに『人間に危害を 加えない』ことが条件だもんね! あははははははははははははは!」 きめぇ丸の手から足を離す。きめぇ丸が無事な左手で右手を優しくさすった、白い手に青黒いアザの後がにじんでいる。 「だからさ……どれだけ私に殴られても、どれだけ私に蹴られても、一切反撃できな いんだよね。せいぜい頑張って耐えてください、フフン……」 ポケットから取り出した伊達眼鏡をかけて、某チンパン元総理のように笑ってやった。 眼鏡を投げ捨て、倒れたきめぇ丸の上に再び跨った。きめぇ丸の襟首を掴んで顔を近づける。 「じゃあ、復唱してもらおうか? 『私、きめぇ丸はゆっくりです』って」 「違います……わたしは……」 「もしもーし、誰かいますかー!?」 きめぇ丸が言うことを聞かないので、きめぇ丸の頭を、職員室のドアをノックするように拳 骨で殴った。 「いい? 私はとっても気が長いんだ、よほどのことじゃないと怒らない。おうち宣言 したもう一度だけ言ってあげるよ『私、きめぇ丸はゆっくりです』ってね……」 私はそう言って立ち上がると、拳を握って脇腹や肋骨下を何度も打った。自分で言う のもなんだけど、頭まで響く重いパンチを受けた私の胴あたりは青痣ができていた。 「この痕を私のお母さんやお父さん見せて、『きめぇ丸文にやられた』なんて言ったら どうなると思う? そしたら殺処分だよ?」 痛々しい痣を見せ付けて、私はそう言った。途端にきめぇ丸の顔に絶望色とでも言え ばいいのか、青白くなった。 その顔を見て、私は責めの手を休めた。そして子どもをあやすように穏やかな口調で 尋ねる。 「3度めの正直だよ?」 「……私、きめぇ丸は……ゆっくり……です……」 詰まりながらも、きめぇ丸が復唱した。私は口元がにやけるのを抑え切れなかった、 きっと、口角が吊り上がっていたことだろう。 「あと『人家に侵入し、おうち宣言する野良と同類です』と付け加える。それを――20回ね」 「……私、きめぇ丸はゆっくりです……人家に侵入し……おうち宣言する野良と同類です……」 きめぇ丸は言われたとおりに復唱した。 「はい、よくできました。やれば出来る子なんだね」 私は数回拍手して、目標の達成を褒めてやった。しかし、きめぇ丸と真くんを繋げるも のをこの世から排除しなくてはならない。そのことに気づいた私は、ほっとしているきめ ぇ丸に腕を突き出して尋ねた。 「ところで、真くんから貰った物はあるかな?」 私はきめぇ丸の服の中に手を突っ込んでまさぐり、財布を取り出した。きめぇ丸と真くんは 図書館でデートしたと関係筋から聞いた。話が正しければ、その利用カードがあるはずだ。 財布の中のカード類を全部取り出して、3万円ばかり入っている財布をきめぇ丸の顔に 投げつけた。保険証、キャッシュカード、診察券、そういった物の中からお目当てのもの を見つけ出した。 まるで宝物を見つけた子どもの様に驚いた演技をして、きめぇ丸に見せ付ける。 「市営図書館の利用カードかぁ……」 「……返して……」 そこには『きめぇ丸文』と達筆なボールペン字で書かれている。この筆跡は真くんの ものだった。 「なぁんだ……、こんな紙切れ1枚かぁ……。君への愛情もタカが知れてるね」 私はそのカードを指の間に挟んで、身を翻して、手を振ってそのまま立ち去ろうとし た。 すると、私の足をきめぇ丸が掴んだ。か細い声できめぇ丸が懇願するように言ってき た。 「財布の中身を全部……差し上げますから……それだけは……」 私はバタフライナイフを取り出して、ラメパック加工されているそれを4つに切り分 けた。 「ああ、返すよ。ちゃんと捨てといてね」 それだけ言って、切り裂いたカードを肩越し放り投げた。これでミッションコンプリー トだ。 私はカードの残骸を眺めているきめぇ丸に背を向けて、ビルから出て行った。こんな ところに女の子が1人でいたら危ないよね。 これに懲りて、きめぇ丸が真くんに近づかないことを祈りたい。 待っててね、真くん。君はこのきめぇ饅頭と離れて心にぽっかりと穴が空く気持ちにな るだろうね。だけど安心して、私がその穴を優しく埋めてあげるから…… こうして、私の人生におけるきめぇ丸の役目は終わった。以後、”二度と登場しない”だからその後の顛末を報告しておく。 きめぇ丸が廃ビルの5階から投身自殺した。真下に落ちたきめぇ丸の体を中心に黄色い 花が咲き、二度と動くことはなかった。 きめぇ丸は自殺と判断され、ゆっくり用の火葬場でその身を残すことなく、地上から消 え去った。 真くんとの関係はその後も良好だ。 きめぇ丸が自殺してから、1週間くらいしてバツが悪そうに『冷たくして悪かった』と 言ってくれたのは嬉しかった。 終わり このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! ◆SS感想掲示板 10作品未満作者用感想スレへ ※書き込む時はSSのタイトルを書いて下さい。 コレをコピーしてから飛びましょう→『ふたば系ゆっくりいじめ 1317 ちょっときめぇ丸! 私の真くんを食べたでしょ!?』 トップページに戻る
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※俺設定注意 ゆっくりいじめ小ネタ189 新製品 ゆっくりいじめ小ネタ453 新製品 その2 の設定を使わせていただいています。 暇で暇でしょうがないのでゆっくりを魔改造したいと思う。 いつぞや俺が買ってきた、ゆっくりのスペア用パーツ「おめめ」。 こいつで百々目鬼ゆっくりを作成したいと考えている。 用意するものは、例の「おめめ」20個(これは別に何個でも良い)、そこら辺で捕まえてきたゆっくり。 前回はれいむが頑張ってくれたので今回はまりさの出番にした。 「ゆゆっ!おじさん、ゆっくりしていってn」 誰がおじさんだこの大福が。 即効で麻酔用アルコールを突き刺し、眠らせる。 起こしていてもいいのだが、そうなると作業がめんどくさい。 まずはまりさの帽子を取る。 この帽子は特に利用価値は無いので捨てるなりなんなりしても構わない。 俺は後で実験に使用したいのでとっておく。 次に、髪の毛。 必要ならば全部剃ってしまおう。 確かゆっくりは髪の毛の有無よりも飾りで判別するはずだから・・・問題ないな。全て剃る。 まりさの髪を適当に坊主刈りにしてから、丁寧にかみそりで剃っていく。 あっという間にハゲ饅頭の出来上がりだ。 本饅は幸せそうに眠っているが、今起こしたら泣くわ喚くわでさぞ大変だろう。 今回の趣旨に逸れるので眠らせたままにしておく。 さて、ここからが本番だ。 どこでもいいからハゲまりさの皮に切れ込みを入れる。 「ゆうう・・・・・・ぅん・・・・・・」 ハゲまりさが唸っているが無視。 この程度では麻酔は切れない。 切れ込みを入れたらその中にスプーンを差し込み、ある程度餡子を取り除く。 ちょうど目を入れる眼窩をイメージすると良い。そんな感じにくりぬいていこう。 最後に適当な「おめめ」を切り口の中に押し込む。 オレンジジュースをかけても良いが、うっかりすると切り口が塞がってしまうので今回はパスだ。 自然治癒を待とう。 そんな調子でどんどん「おめめ」の移植を続けていく。 両目の間とか、後頭部とか、両頬とか、とにかく沢山だ。 結構「おめめ」は色のバリエーションが多いので楽しんで着けていける。 「おめめ」を使い切ったら完成だ。 ハゲまりさ・・・いや、百目まりさはその名の通り、ありとあらゆる場所に瞼らしきものがついている。 目玉が入ったことでその部分が目の機能を始めたのだ。何故か睫毛も生え始めている。 底部以外にびっしりと目がついたゆっくり。正直キモイ。 百目まりさが起きるまで時間を潰す。 とりあえず本でも読むか。 「ゆ・・・・・・ゆぅ・・・・・・」 お、丁度いいタイミングで目が覚めたようだ。 本を投げ捨て、まりさの傍に近寄る。 ゆっくりと、開かれていく沢山の瞼。 怖ぇ。 「ゆっくりしていってね!!!」 テンプレのごとき挨拶。まぁそれはどうでもいい。 百目まりさの顔を構成するのは口意外に、目と目と目と目と目と目と・・・・・・とにかく目だらけだ。 ここで取り出したるは先程取り外しておいたまりさのお帽子。 「ゆっ!!まりさのおぼうし!!かえしてね!!」 複数の目玉が一斉に帽子を見つめる。 試しに帽子を振る。つられて動く大量の視線。 自分で作っておきながらなんだが、もし夜とかに出会ったら卒倒する自信がある。 百目まりさがこちらに向かって跳ねてきた。 怖っ。 思わず百目まりさの後ろに回りこむ。 「ゆゆっ!!?まりさうしろがみえるよ!?なんで!?」 あ、そうだった。 こいつの後頭部にもびっしり目玉を移植したんだっけ。 ていうか今の今まで後ろ見えることに気付かなかったのかよ。 後ろどころか全方位見えるはずだぞ。 これ以上勝手に近寄られても怖いのでさっさと帽子を返すことにする。 百目まりさにむかって帽子を軽く投げる。地面へと落ちる帽子。 ぴょんぴょん跳ねて帽子を回収する百目まりさ。 「ゆっくり!!まりさのおぼうしさん、もどってきたよ!!!」 喜色満面とでもいうべきか。 にっこりと笑顔を作る百目まりさ。 ただ、全部の目が笑っているのでキモい事この上ない。 覚悟を決めてそっと近寄り、百目まりさを持ち上げる。 途端、複数の視線がこっちを向く。怖い。 「ゆぅ~おそらをとんでるみたい!!!」 能天気な百目まりさは放っておいて、じっくりと観察しよう。 うん、やはり全ての目はちゃんと機能しているな。 赤、青、黄、緑、黒。いろんな色の目玉がそれぞれ独立してギョロギョロ動いている。キモい。 どうせなので同じゆっくりにも見せてくるか。 百目まりさを抱え、適当に道を歩く。 こうしていればゆっくりに出会えるだろう。 「ゆっくり!!」 「ゆっくりしていってね!!」 「むきゅ!!」 もう出てきた。 れいむ、ありす、ぱちゅりーの三匹。 早速百目まりさを降ろしてみよう。どんな反応をするのやら。 「ゆっくりしていってね!!!」 「ゆ?・・・ゆっくりしていってね!!!」 「ゆっくりして・・・・・いってね?」 「むきゅ?・・・・・・まりさ?」 あれ、案外普通に挨拶してる。 もっとパニックを起こすものかと思ってたんだが。 飾りさえあれば何でもいいのかこいつら。 「まりさ、なんだかゆっくりできてないよ?」 「ゆぅ・・・・・・まりさがとかいはじゃないわ・・・・・」 「むきゅん・・・・・・なにかへんよ、まりさ・・・・・・」 「ゆっ!?まりさはゆっくりしてるよ!!へんなこといわないでね!!!」 流石に変だとは思うらしく、3匹は百目まりさに対して引き気味だ。 ゆっくりできないと言われ、怒る百目まりさ。いやお前、自分の姿自覚しろよ。 と、ここでネタばらし。百目まりさのお帽子を取り上げる。 「ゆっ、おじさん!まりさのおぼうしとら―――」 「「「ゆぎゃあああああああああ!!!ばげものおおおおおおおおおおお!!!!!」」」 百目まりさの声を遮るように、3匹の叫びが当たりに響く。 帽子取っただけでこれかよ。いい加減な審美眼してるなこいつら。 「ゆっ!?ばけもの!!?どこ!?どこにいるの!!?」 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!ごっぢぎだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「お゛も゛に゛め゛がぎも゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」 「むぎゅっ・・・・・・え゛れ゛え゛れ゛え゛れ゛・・・・・・」 化け物と聞いて3匹に近寄ろうとする百目まりさ。 そしてそんな百目まりさから逃げ出そうとするれいむとありす。 ぱちゅりーは白目剥きながら痙攣してクリーム吐いてる。こりゃ死んだな。 「ゆあああ!!おいてかないでね!!おいてかないでね!!」 「ぐっ、ぐるなああああぁぁぁぁ!!!!」 「ごわっ、ごわいいいいいいいいいい!!!!!」 「・・・・・・・・・・・・」 置いてかれまいと必死に2匹についていこうとする百目まりさ。 さらに逃げる2匹。鬼ごっこの始まりだった。 とりあえずぱちゅりーは黒ずみ始めた。誰にも気にかけてもらえてない。 「まってよおおおぉぉぉ・・・・・・れいむぅぅ・・・・・・ありすぅ・・・・・・」 「いやあああああぁぁぁ・・・・・・ごないでぇぇ・・・・・・」 「とがいはじゃ・・・・・・な゛いわぁ・・・・・・・」 そのまま草むらへと消えていく3匹。 特に止める必要も無かったのでそのまま見送ることにした。 しかし本当に誰もぱちゅりーの事に気付いてない。哀れな奴。 さて、百目まりさも居なくなってしまったし家に帰るか。 きっとあいつのことだ。何とか上手く生きていけるに違いない。 そういえば帽子を持ったままだったが、置いていったのだし要らないんだろう。 俺は百目まりさの帽子をびりびりに破いてから意気揚々と家路についた。 非常にどうでもいいことだがそれから数日の間、この町に妖怪が出るという噂がまことしやかに流れた。 なんでもその妖怪は全身に目が付いた生首だとか。 どう聞いても百目まりさの事です本当にありがとうございました。 おわり ――――― 書き溜めです。 そういえば書いてないなと思い適当に仕上げた。 構想3秒、執筆期間30分、推敲0秒。適当は良くないね。 このSSに感想をつける
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ごっこ遊び 作詞/マルミユ ラララ楽しいごっこ遊び お父さんはウサギ お母さんはネズミ ラララご飯の時間も好きなだけ おかずは石ころ デザートは花びら ラララ面白いごっこ遊び 机は切株 イスは丸太 ラララ大人の世界の生き映し おうちは砂場 おにわは公園 ラララ長い長いごっこ遊び 時間は無限 仲間はみんな ラララ知らない人も一緒にどうぞ 舞台は世界 仲間はみんな ラララ終わらないごっこ遊び 毎日は虚構 毎晩は幻 ラララいつまでもごっこ遊び 人間は人形 人形はわたしの 人形はわたしのものよ わたしの わたしの 誰にも知られたくない ラララひとりきりのごっこ遊び ラララみんな巻き込めごっこ遊び
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「ついに、ついに完成したぞ!」 薄暗い部屋の中、にとりが声を上げる。 「河童の技術力に夢美とちゆりの科学力。 永琳の薬学に理香子の魔力。 更には里香の設計も加わったこの逸品!!!」 カッ、とスポットライトがテーブルに当てられる。 「その名も、メガゆっくり!!!」 そこには何の変哲も無いゆっくりまりさの姿があった。 「…で、これのどこがめがとかぎがとか大層な名前のゆっくりなのよ」 その光景を見てあきれ返るのはここを嗅ぎつけてきた博麗の巫女。 「それはもう大変だったのよ、いくつもの異なったものを統合するなんて本来無理だもの」 「動力の確保だって問題だったし」 「そこは素敵な力が色々な奇跡を起こすほどに素敵にまとまったのよ」 「どんな方向からでも解明できないゆっくりの餡子がもたらした結果なのかもしれないぜ」 「外側の感触はゆっくりのままに、内部は頑丈さと機能満載で作成したのです」 「更には博麗大結界をネットワークにした位置特定機能も防水機能も完備してるんだよ」 「…危ない連中が集まったからどんな異変かと思ったら単なる暴走だったのね、やってられないわ」 さっさとその場を後にした赤白を尻目に、6人の識者(?)達は早速テストプレイを始めるのだった・・・ ここは人里から少し離れた平地。 辺りには草木はあまり生えていないのだが、これは夢美が事前にる~ことに草むしりをさせていたためである。 土壌は豊かであり、何かを育てるにはもってこいの場所だ。 ここに花を愛するゆっくり達を集め、その中にメガゆっくりも加える。 こうしてしまうと位置を特定しない限りはただのゆっくりにしかみえない。 「さて、皆に集まってもらったのは、ここでみんなにお花を育てて欲しいのよ」 集めたゆっくり達に説明を始める6人。 かくしてゆっくりゆうかを筆頭に花を愛でるゆっくり達とめがゆっくりの花畑作りが始まった。 ゆっくりめーりん、ゆっくりちるの、ゆっくりれいむ・・・ 群となるには少ないが家族となるには多いその数で、種を蒔き、水をやり、雑草を取り除く。 時々近くに通りがかるゆっくりは何をしているか聞くが、説明すると 「ゆゆ?おはなさんはかってにはえてくるんだよ?そんなこともしらないの?ばかなの?」 とゲラゲラ笑ってろくに取り合わない。 それでも花を愛でるゆっくり達は一生懸命水をやったり悪い虫を食べたり雑草を抜いたりして花を育てた。 集団に仲間意識がしっかりと根付いたころ、ついに花が咲きそうことに喜んだ矢先の事だった。 次の朝、花を愛でるゆっくり達の花壇は荒らされていた。 「むーしゃ、むーしゃ、しあわせー♪」 とてもいい笑顔を浮かべて花を食べるのは前まで花を愛でるゆっくり達をゲラゲラ笑っていたゆっくり達である。 「おはなさんがこんなにたくさんはえててよかったね!」 「とってもおいしかったね!またつぎのときにはいっぱいはえてるね!」 折角一生懸命育てて、あと少しでゆっくりした花を咲かせられると信じていたゆっくり達は愕然とした。 しっかり説明したのに取り合わず、いざあと少しという所で全ての頑張りをかっさらっていったゆっくり達。 去っていったそのものたちに怒りを覚えたのは言うまでも無いだろう。 「あらら、これは酷いわね・・・」 そこに現れたのは皆をここに連れてきた6人―幻想郷の識者(?)達であった。 「後一歩だったのに・・・残念だったわね」 「素敵なお花が見られなくて残念だわ」 花を愛でるゆっくり達は自分達の悲しみを分かってくれるこの6人に涙した。 「また、次は荒らされないように育てればいいのよ」 理香子がそう言い、その場のゆっくり達はそうだね、とお互いに頷きあった。 ・・・メガゆっくりであるまりさを除いて。 「まりさはみんなのがんばりをむだにするゆっくりがゆるせないよ、おはなをたべるゆっくりをこらしめたいよ」 勿論それはこの場に残っている誰もが思っていること。 しかし花壇や畑などを襲うゆっくりは数が多く、今回ここで花を蹂躙した数のゆっくりでさえこの場にいるゆっくりでは太刀打ちできないだろう。 それでもメガゆっくりまりさは諦め切れない。 その中には既に優しい心と戦う勇気が灯っていたのである。 「・・・そうだね、まりさ。悪いゆっくりを懲らしめたい?貴方なら悪いゆっくりをきっと懲らしめる事が出来るよ」 「ほんと!?」 にとりが優しく声を掛けるとメガまりさは目を輝かせる。 既にやる気満々のようだ。 「みんな、これからまりさは悪いゆっくりを懲らしめるために頑張る事を決めたわ。あなたたちはまりさが戻ってきた時に立派な花が咲いているようにここを守りなさい」 永琳の呼びかけにそれぞれがしっかりと頷いた。 「私達も時々ここに来てお手伝いしてもいいですか?」 「もちろんだよ!おねーさんたちもいっしょにはなをさかせようね!」 里香の申し出に元気を出して答えるゆうか。 「まりさ、かえってきたときにゆっくりしたおはながさいているようにしてるからね」 「うん、まりさはぜったいかえってくるよ。だかられいむ、まっていてね」 一方ではメガゆっくりまりさの旅立ちに別れを惜しむれいむ。 こうして、メガゆっくりは悪いゆっくりを倒すために立ち上がったのだ。 翌日、メガゆっくりの封印していた各種機能を開放させた後に簡単なレクチャーを行う。 「いいか?これからまりさはスーパーファイティンブゆっくり、その名もメガゆっくりとして悪いゆっくりと戦うんだぜ」 「まりさはすーぱーふぁいてぃんぐゆっくりのめがゆっくりなまりさなんだぜ!」 名前は・・・多分夢美が決めたのだろう、棒読み調でちゆりが名前を教える。 「私たちは貴方をここから手助けするわ」 「でもまりさはここからとおくにはなれるぜ、てだすけできるの?」 「貴方が何処にいるか分かるようにしたのです!」 「ゆっ、それならだいじょうぶだぜ!ゆっくりりかいしたぜ!」 記憶管理機能には問題はないようである。 次は武装チェック。 「後、貴方にいくつか力をあげたわ。まずはあの的に向かって口を空けなさい」 「ゆっくりあけるぜ!」 「次は息を思いっきり吐くようなイメージをしてみて」 「ゆっ!」 バスンッ メガゆっくりが見ていた的に穴が開く。 「これが貴方の力、メガバスターよ」 よく弾幕に使われる動きの早い米弾をメガまりさの意識通りに撃ち出せる機構。 メガゆっくりを作る際、2番目に苦労したものである。 「これで悪いゆっくりを懲らしめられるぜ!」 強い力を得た(元々着けていた機能であるが本人はそう思っている)メガゆっくりは熱い心を胸に抱き出撃していった。 「ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!!!」 早速一匹の野良れいむを見つけたメガまりさ。 「れいむにきくけど、れいむはおはなさんはすき?」 「もちろんすきだよ!!」 「おはなさんはゆっくりできるよね」 「ゆっ、おはなさんはとってもゆっくりできるよ!」 「とてもきれいで、みているとゆっくりできるよね!」 「ゆ、なにいってるの?おはなさんはたべものだよ?ばかなの?」 ―なんだ、おはながすきって、たべるほうがすきなんだ。 「れいむはわるいゆっくりだったんだね」 「ゆゆ?れいむはいいゆ―ゆぶっ!?」 メガバスターがれいむを直撃する。 そこには餡子の花が咲いた。 一瞬罪悪感のようなものが沸いたが― 「みんなをまもるためだぜ」 そう呟いて森の奥に進むのだった。 メガゆっくりが入った森のとある群は大騒ぎになった。 花を食べたゆっくりが爆発し、また花は食べ物だと答えたゆっくりもまた同じようになっていたからである。 「とてもつよいまりさがおそってくるよ!!!」 それが分かっただけで群は天地がひっくり返ったような状況に陥り、この群のリーダーである大れいむですら収集がつかなくなってしまった。 そして遂にその強いまりさ―メガゆっくりが、その姿を確認できるまでに迫っていたのである。 「ゆゆゆ、みんなでそのゆっくりにとつげきすればきっとつぶれるよ!!!」 「わ、わかったよ!!!」 「ゆけ、わがけんぞくたちー!!!」 真っ白になった頭でやっとこさ口に出せた命令を受け、群の面々が一塊のように突撃していった。 普通のゆっくりであれば押しつぶされて終わりである。 しかしメガゆっくりは連続してメガバスターを放ち、その塊の前方を怯ませる。 「ゆゆ、とつげきす―ゆぎゅ!?」 「ゆっくりおさないd―ゆぎゃん!?」 あれよあれよと押しつぶされ自滅する塊。 残ったゆっくりも打ち抜かれ、遂には大れいむのみが残った。 「よぐもみんなをごろじだなぁぁぁぁぁ!!!」 「・・・みんなはゆっくりできなかったんだぜ、だからしんだんだぜ」 「ぞんなごどないぃぃぃぃぃ!!!むでのびんなはゆっぐりじでだぁぁぁぁぁ!!!」 「はなをめでるこころもないくせにゆっくりできるとはおろかだぜ」 「おはなさんなんがどおでもいいぃぃぃぃぃ!!!おばえをごろずぅぅぅぅぅ!!!」 真っ直ぐ突進してくる大れいむ。 メガゆっくりはメガバスターを打ち出して当てるが、それでも大れいむの前進は止まらない。 「ずがまえだぁぁぁぁぁ!!!」 「ゆ!?ぐ!?」 がっちりとメガゆっくりを口に加えた大れいむ。 そのまま後ろに2回、ジャンプしてメガゆっくりを地面に叩きつける。 そして大きく跳躍すると― 「ぢねぇぇぇぇぇぇ!!!」 「ゆがぁ!?」 そのまま地面に叩きつけられ、メガまりさは8方向に光の弾を散らしながら砕けた。 「みんな、ゆっくりできないまりさはたおしたよ・・・てんごくでゆっくりまっててね・・・」 傷だらけになりながらも勝利を噛み締めた大れいむ。 「いまのがれいむのわざだったんだね」 おかしい。 大れいむは自分が聞いた声を疑った。 なぜならそれは、さっきまで戦っていた、しかも自分が殺したはずのメガゆっくりの声だったからだ。 そして振り向いた時、今度は自分の目を疑った。 砕け散ったはずのメガゆっくりの姿があったのだからだ。 「まりさのざんきは108まであるぜ!!!」 そう言うや否や、メガゆっくりは大れいむの一部を食いちぎり、飲み込と。 「げっとだぜ!」 帽子の色が赤になる。 ラーニング、他のゆっくりの特技を自分のものにする力。 これは実現させるのに一番手間が掛かった機能である。 「でいぶのおべべがぁぁぁぁぁぁ!!!!」 さっきまで勝ったと思っていた、いや、間違いなく勝っていたのに。 ありえない。ありえない。 れいむの脳内がぐにゃぁ~となる中、メガゆっくりは口に大れいむを加える。 「おかえしだぜ!」 先ほど大れいむが自身に行ったように、二回叩きつけられ、大きく空中を舞う。 「ひぎゃぁぁぁぁぁ!!!!!」 恐怖に顔を引き攣らせる大れいむ。 そして。 「はいぱーぼっ!!!」 「ん゛ん゛ん゛ー!!!」 断末魔の声を上げ、大れいむは完全にその命を絶たれた。 これで分かった事がある。 「ゆっくりできない群とリーダーをたおさないと、みんなのために」 メガゆっくりの目はこれだけの返り餡を浴びてもなお、強く光り輝いていた。 戦いはまだ、始まったばかりだ。 かんぱーい!!! その頃、あの識者(?)6人は祝杯を挙げていた。 「バスターにラーニング、残機システムもちゃんと稼動したわね」 「一回ティウった時はどうなるかと思ったぜ」 システム班の夢美とちゆりは未成年のためジュースで乾杯しつつ。 「ゆっくりできる仲間と花を守る、という目標もしっかり覚えさせる事が出来たし」 「全部の性能がちゃんと発揮されていてよかったです!」 魔力班の理香子と設計班の里香は先に料理に手を付けながら。 「後は博士ポジションらしく素敵に指示を出せばいいんだね」 「私としては薬による色彩変化が不安だったけれどね、ちゃんと変わってよかったわ」 組立班のにとりと薬学班の永琳はお酒を片手に微笑みながら。 今回の成功を喜んでいた。 そう、これは数々の突飛した力を持つ暇な面々が起こした壮大なごっこあそびである。 最近ちょっとだけ幻想郷に入ったソフトをリアルに真似してみた、"MEGAMAN"ごっこというなの。 「しかし、メガゆっくりはどうやって復活したんだ?」 「内部が生きていれば周囲の餡子と皮を再利用して元の姿にもどるです」 「エコね」 「お花畑はどうする?」 「ちゃんとやることはやってあげましょ、花を愛でるゆっくりは貴重ですし」 「ま、何にせよこの素敵な出会いと実験の成功を祝いましょ」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー あとがき 所謂”岩男”のパロです。 まぁ、幻想郷の面々ならこれ位できるのではないかな、と。 当方の面々はどちらかというと悪巧みが好きそうで機械とかに秀でてそうな方々を選びました。 今まで書いたもの 博麗神社にて。 炎のゆっくり ゆっくりを育てたら。 ありす育ての名まりさ 長生きドスの群 このSSに感想を付ける
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数十キロはあった糞便を片付けるのに、丸一日かかった。 たった一日というと思ったより短いようだが、 まりさ共が口内の糞便を飲み込むたびに、 俺や使用人がひっきりなしに詰め替え、それがおよそ二十時間以上だ。 「かひゅうーーーーーーー………あひゅううーーーーーー……」 輪を取り外され、まりさ共は憔悴しきって、 吊り下げられた全身を波打たせている。 「うまかったか?」 俺が聞くと、しばらく開ききった口をもごもごさせてから、 上顎支点で吊り下げられたままで返答が帰ってきた。 「ゆっぐ……ゆっぐり……でぎだいぃぃぃ……」 「……ゆっぐじ……じだい……じだいぃぃぃ」 「おろじで……おろじでぇぇ……」 「口に合わなかったか?それは悪かった。 もっとゆっくりできるごはんを持ってきたよ」 そう言うと、俺はカートを新しく運んできた。 カートの上には、再び青いビニールで覆われた皿。 大きな皿をいくつか台の上に、まりさ共によく見える位置に置いてやる。 まりさ共の目は怯えていたが、いくぶんかの期待の色が見え隠れしていた。 もしかしたらこの人間は勘違いをしてあんなものを持ってきただけで、 今度はちゃんとゆっくりできるごはんを持ってきたのかもしれない。 そんなところだろうか。 「ゆっくり……ゆっくり……」 震える声で呟くまりさ共の前で、次の食事を公開してやる。 「ゆあああぁぁぁーーーーーーーーーーっ!!!」 悲鳴が上がった。 ひどい腐臭の中で、俺は解説してやった。 「かき集めるのが大変だったよ。いまは夏場だからごらんのとおりだが、 まあお前たちゆっくりなら大丈夫だろう」 犬や猫、鳥や狼、町や森の中で拾ってきたあらゆる獣の死体が皿の上に乗っている。 どれもこれもひどい腐臭を放ち、体中に蛆が蠢いていた。 猫の眼窩や犬の裂けた腹部、穴という穴は蛆だらけだ。 蛆のほかにムカデやミミズ、なんだかよくわからない虫たかっており、 その上では大量の蠅がぶんぶんと飛び回っている。。 手近な猫の死体を長い菜箸でつまみ上げてやると、 腐りきって緑色に変色した肉はぐずぐずになってたやすく崩れ、黄色い膿が長い糸を引いた。 緑に紫に黄色に赤、一度死んだ肉は本当にカラフルになるものだ。 「ぐざい!!ぐじゃいいいいいい!!!やべでえええええ!!」 「おでがいいいいいいいぢがづげだいでえええええええええ!!!」 「急いで噛みつぶさないと、ウジやムカデがお前らを食うかもな」 「いいいいいいいやああああだああああああああああーーーーーっ!!!」 脅してやったおかげで、白目を向いて痙攣しながらも、 口腔内に放り込まれたまりさ共は今度は必至に咀嚼していた。 柄杓の表面にこびりついた蛆がまりさ共の表皮を這いまわり、目の中に一匹二匹侵入する。 嫌悪に身をよじらせながら、それでもまりさ共は泣きながら食事を続けた。 虫に関しては、もともと毛虫やら蝶々を食うゆっくりだから問題ないだろう。 顎の動きから嚥下を確認する度に、輪の蓋を開けて次の腐肉を注ぎ込む。 そのたびごとに、まりさ共は泣きながらあらん限りの声をあげて慈悲を求めた。 「ゆおおおおおおごおおおおごごごごごおおおおおああああああーーーーーーーーー」 まりさ共の努力で、腐肉は一日かからずに片付いた。 次はまともな食品を食べさせてやることにする。 その日俺が運んできたカートの上には、大きなボールがいくつも載せられていた。 そのいずれも、粉やらどろりとした液体やら練りものでなみなみと満たされ、 緑や黄色もあったが、それら内容物はおおむね赤かった。 まりさ共はきょとんとそれを見ている。 どうも味が想像できないようだ。 俺は親まりさの口に再び輪をはめた。 「ゆごっ!!おごっ、わっかさんはゆっぐじでぎだいぃいいごっ!!」 ばたばたと抵抗しながら、なすすべなく輪をはめられて大口をあける親まりさ。 「味見してみるか?」 俺は手近なボールから赤い粉を指ですくうと、 親まりさの口内に刷り込んでやった。 「!!??」 びぐん、と親まりさが空中で跳ねた。 「ゆぼびょがぎょぼばごぎゃがばああぁぁあーーーーーーーー!!!」 すさまじい絶叫をあげ、すぐにも吐き戻そうとするが、 俺がすぐに蓋を閉めたので、あわやというところで餡子は口内で止まった。 それでも親まりさの痙攣は止まらない。 いつまでたっても止まない親の悶絶を見て、子まりさ共が恐怖に震えている。 「トウガラシだよ」 俺は教えてやった。 甘味そのものたる饅頭でできているゆっくりにとって、辛味は毒である。 正確には辛味そのものが毒性を持つわけではなく、 あまりの苦痛に餡子を吐き出してしまい、 それが致死量を超えることが少なくない、ということだ。 50cm級のボリュームを持つ親まりさが、 ただひとすくいのトウガラシでなお暴れ続けている。 白目を向いた眼窩から涙が吹き出し続け、 すでに枯れ果てていると思われたしーしーとうんうんが、 すごい勢いであにゃるとまむまむから放出されていた。 本来ならとっくに絶命しているだろう。 しかし、死なせることは俺がしない。 食わせたはしからすぐに蓋をしてやるので、 たっぷりと味わってもらうことができる。 念のため、あにゃるとまむまむもガムテープで塞いでやることにしよう。 こうして、ゆっくりがいまだかつて味わったことのない世界に、 このまりさ共が、ゆっくり史上初の一歩を踏み出すことになるわけだ。 さぞ誇らしいことだろう。 親まりさがトウガラシを消化して動きが収まるまでに、 たっぷり十分はかかった。 「かひゅうーーー……ほひゅうーーーー……」 白目を向いたまま、親まりさは放心した体で呻いている。 「ちょっと味見しただけでこんなにゆっくりしてくれるんだな。 たっぷりあるから、ゆっくり味わっていってくれ」 そう言ってやり、トウガラシの粉を柄杓でたっぷり掬った。 親まりさの口に近づけるが、親まりさはまだ白目を向いたまま揺れている。 俺の声も耳に入っていないようだ。 構わず、口いっぱいにトウガラシを頬張らせて蓋をした。 親まりさが爆発した。 もちろん比喩的表現だが、まさにそれは爆発だった。 吊り下げられた状態で、よくもこれほど動けるものだ。 そう感心してしまうほど、電流に打たれたように跳ね回っていた。 ビビビビビビビビビビビビビビビビビ。 下膨れの顎が、上下左右にぶんぶんとシェイクしている。 まるで釣りあげられた直後の魚、いやそれ以上だ。 「ゆぁああああああ……ゆわぁああああああ………」 子まりさ共が絶望のシンフォニーを奏でている。 次は自分たちだ、それは痛いほど理解できているようだ。 命乞いをする気力もなく、ただ泣くことしかできない。 それでも、輪をはめられる段になると本能的に騒ぎはじめた。 「やべで!!ゆっぐりやべで!!やべでぇええええ!!まりざだげはぁああ!!」 「ゆっぐりじだいいいいいいい!!ゆっぐりざぜでぇええええええええ!!!」 「いやぁあああああいやぁあああああごろじでええええーーーーーっ」 三匹の子まりさ共には、また違うものを味わってもらった。 カラシを詰め込まれた子まりさは、やはりおこりのように痙攣している。 トウガラシとあまり変わらない。 わさびを詰め込まれた子まりさは、これも痙攣しているのだが、 カラシとはやや違うようだ。 半分白目を剥いて、下顎というか腹を前方に限界まで折り曲げて、 ぐにゅりと折りたたまれた状態で硬直しながら痙攣している。 わさびの辛さは鼻にくる。 想像するに、この量では「ツーン」というような生易しいものではなく、 脳天を錐で突きとおされているような感覚ではなかろうか。 最後の子まりさは、コショウを詰め込んだ。 すさまじい勢いでせき込んでいるが、 鼻がないので、口をふさげば何も出てこない。 膨れてはしぼむのをすごい速さで繰り返し、まるで早鐘を打つ心臓のようだ。 四匹ならんだゆっくりが痙攣しつづける様は壮観だった。 どれもが人間でもできないようなすさまじい速さで痙攣し、 微塵もゆっくりしていない。 見やると、隣のゆっくり共が反対側の壁にぴったり身を寄せて震えていた。 ゆっくりできないものを極端に恐れるゆっくりにとって、 高速で動くものは恐怖の対象である。 まして、同族であるまりさがすさまじい速さで痙攣するこの光景は、 こいつらにとってあまりに恐ろしいのだろう。 こちらに背を向けて壁にしがみつき、恐怖に泣き叫んでいる。 俺はスイッチを操作し、向こう側のマジックミラーを鏡に戻して、 向こうからは見えないようにした。 さて、この辛味を片付けるにはどれだけかかるか。 結論から言うと、まりさ共の反応は、やること自体はそう変わらなかった。 どれもすさまじい勢いで痙攣してばたばた暴れるというものだが、 その痙攣の度合が、きれいに辛味に比例するようだ。 より辛いものを食わせるたびに、痙攣の間隔が速くなり、ぶれる大きさは増大していった。 辛味は、スコヴィル値と呼ばれる数値で計測することが可能である。 トウガラシの辛味は、およそ三万~四万といったところだ。 スコヴィル値三十五万のハバネロを食わせたときは、 バイブレーターのように震えていた。 ビビビビビビから、ビィィィィィィーーーーーー………という感じだ。 下腹部はもはやぶれてよく見えない。 最終的には、世界一辛いトウガラシと言われる、 スコヴィル値百万のジョロキアを食わせた。 この時は驚いた、その痙攣はもはや擬音に変換できるレベルを超えている。 体のぶれは早すぎて、ぱっと見ではまったく動いていないように見えるほどになり、 ぶれる下腹部の軌道がそのまま輪郭となって、 頭部分だけがにょきりと突きでた扁平な饅頭のように見えた。 はたから見ていても異常な光景だが、 こいつら自身の感じている苦痛たるやどれほどのものだろうか。 つくづく、ゆっくりの不可解さと頑丈さを思い知った。 他の生き物の筋肉では、どれだけの刺激を与えてもここまで動けるものではないだろう。 ゆっくりという名前に反して、この生き物はすさまじい潜在能力を秘めているようだ。 辛味を食わせはじめてから最後のジョロキアを片付けるまでにかかった時間は、二週間だった。 そもそも、この激痛では「食う」という思考さえ発する余裕がないだろう。 意思とは無関係に喉から勝手に吸収されるのを待つ、という緩慢な食事だった。 ともあれ少々不安はあったが、餡子さえ吐かなければ、 どれだけ辛いものを食べても死なないことは証明された。 人間だって死にそうなものだが、これも意外なゆっくりの耐久性といったところか。 辛味を食わせるのにだいぶ時間がかかったが、次はすぐに終わるだろう。 発狂のできない悲しさでいまだ意識を保っているまりさ共に、俺は聞いてやった。 「かき氷って好きだったよな、お前ら」 コンビニで買ってくるかき氷が、このまりさ共は好物だった。 夏場などは他のれいむやありすから奪い取って貪っていたものだ。 かき氷と聞いて、まりさ共の目が輝いた。 「すきぃ!!かきごおりだいすきなんだぜぇええ!!ゆっくりできるうううううううう!!!」 「さんざん辛いものを食わせたからな、次は冷たいものをと思って今日はそれを持ってきた。たっぷりな」 「やったのぜええええええええ!!!やっとゆっくりできるんだぜええええええええ!!!」 「おにいさんはやっとわかったのぜええええええ!!?えらいんだぜえええええええ!!!」 「ゆっくり!!ゆっくりできるううううううう!!!ゆっくりいいいいいーーーーー!!!」 言葉遣いが少しばかり戻ってきたようだ。元気でいいことだ。 狂喜する親まりさの口に、再び輪を嵌める。 「ゆっ!!?やめるんだぜ!!わっかさんなくてもまりさはたべるんだぜぇおごっ!!」 あれだけ辛味を食べていても、中の様子は一見変わっている様子はなかった。 あれでもすべて餡子に変換しているらしい。ゆっくりコンポストが人気なのもうなずける。 四匹並んで大口をあけるまりさ共の前で、俺は道具を取り出した。 まず、ペンチを持ち出して親まりさの歯を挟む。 強度はともかくとして、 直径50cmにもなるまりさの歯は相当でかく、直径2~3cmはあるようだった。 「ゆゆぅぅううぐぅぅぅう!!?」 自分がされることを察知したらしい親まりさがじたばたともがき始めた。 俺はペンチをゆっくりと傾け、歯をねじっていった。 「ゆごっ、ぼっごっごごごごごっごおおおおおおおおお!!!」 一回転したところで、歯はたやすく根本から抜けた。 親まりさは大粒の涙をぼろぼろ流して呻いている。 「ゆあああああいいいいいいいいいい………えううううううううぐううううううう」 手早く次の歯にペンチを伸ばした。 ここでの初日にさんざん蹴りつけたせいで、すでに多くの歯が折れていたが、 半分折れているようなのも含めるとまだ十本はあった。 それらを綺麗に、全部こじり取る。 健康な歯を、引っこ抜かれるならまだしもねじられて抜かれる痛みは相当なようだ。 ねじられていく歯が歯茎を押し潰し、破壊していく。 「ごごぉおおおおお!!どおおおおおおお!!!あうぐううううううううーーーーーーっ!!!」 すべてを抜いた後は、まりさの大口の中に白いものはなくなった。 餡子とはいっても、歯茎を構成する部分は比較的固く、骨格に近い働きをしているようだ。 歯があった跡は、すべてぐずぐずの穴の列になり、 ピンク色の歯茎に、露出した黒い餡子がU字型に並んでいる。 子まりさ共を見やると、全員がすでに大粒の涙を流していた。 「やべでえええええええゆるじでええええええーーーーーーーーーっ」 「いりまぜん!!がぎごおりいりばぜええええええん!!!ぢょうじのっでばじだああああああああ!!!」 「ばざんぬがないでええええええええごばんだべられだいいいいいいいいい」 「歯がなければまともに喋ることもできないからな。必要になったらまた挿してやるよ」 子まりさ共にも輪っかをはめて口を開けさせ、歯をすべてこじり抜く。 ひとまずこれで目的は達成できるが、さらに念を入れる。 工業用の電気ドリルを持ち出すと、再び親まりさから処置を施す。 直径1センチ程度の細いドリルを、歯の抜けたぐずぐずの跡に突き入れた。 「がびゃあっ!!!?」 びぐんと跳ねるまりさを押さえつけながらスイッチを入れ、 回転するドリルをゆっくりと歯茎の奥まで突き込む。 「ががががががががががががががががががががあああぁ!!!!!!」 どれぐらい入れるか少し悩んだが、5センチぐらい突っ込み、 突っ込んでは内部でねじり回して神経を引っ掻いた。 本気で引っ掻くとたやすく歯茎ごと崩れてしまうので慎重に行う。 「ばいいいいいいいぐうううううういいいいいいいおおおおおごごごごごばばばばばだあああだああああああああががががががあああああああーーーーーーーーーっ」 すさまじい声量の悲鳴が部屋に充満する。 「ゆううううううううう!!!あゆううううううううううう!!うううううううううーーーーーーーっ!!!!」 子まりさ共も自分がされる前からひっきりなしに悲鳴をあげている。 研究者によれば、外見と同じくゆっくりの体のはたらきは人間と酷似しており、 歯茎の中にも、神経と同じ作用をする餡子が詰まっているらしい。 一見崩れた餡子の塊にしか見えないが、 ぐしゃぐしゃの歯茎の中で、神経となる餡子がむき出しになって外気に晒されるわけだ。 俺も昔歯医者の世話になったことがあるが、その苦痛は俺の体験の万倍にもなるだろう。 「あがああああああああごおおおおおおおおおおーーーーーーー」 すべての歯の神経をかき回されむき出しにされたまりさ共は、 俺がドリルを抜いたあとも叫び続けていた。 神経が外気に触れるだけでもすさまじい苦痛を呼び込むようだ。 「じゃあ、食事にしようか」 俺の言葉にもまりさ共は反応せず、忙しく叫び続けている。 仕方がないので勝手にやらせてもらうことにした。 連絡して、スチロールの箱を大量に運び込んでもらう。 スチロールの箱の中に、ドライアイスで冷凍保存された袋詰めのかき氷が大量に詰められていた。 それらをかたっぱしから大きなボールに開けると、 ボールをそのまま親まりさの前に持っていく。 親まりさは歯茎の痛みに暴れまわっていたが、 視界の端で俺のやっていることを捉え、さらに涙の量を増やした。 もはやスプリンクラーのように涙が飛び散っている。 溢れるほど口いっぱいに氷をつめこみ、急いで蓋をする。 白目を向いていた親まりさの目がいっぱいに見開かれた。 氷の冷気が、歯茎の神経を通って餡子の髄まで貫いたようだ。 ぐるぐると瞳を回転させ、親まりさはすさまじい勢いで暴れまわった。 振り子のように前後に顎をぶんぶん振っている。 全員にかき氷を食わせて観察する。 しばらくの間まりさ共は暴れていたが、やがて意外な反応を見せはじめた。 目をぎゅっと閉じて体を縦にめいっぱい伸ばしている。 どうやら、せめて上顎の歯茎に氷を当てないようにしたいらしい。 限界まで大口を開けさせたうえで満杯に氷を詰め込んだのだから、 そんな事をしても顎はそれ以上開きも閉じもしないのだが、 縦長に体を伸ばしているまりさはそれなりに珍しい見ものだった。 もっとも、今後はもっともっと珍しい状態を見せてもらうのだが。 氷は数時間で片付いた。 食べるというより飲み込むだけなのでさすがに早い。 その日のうちに、俺は次の食事を出した。 「それじゃ、後は野菜をやろう」 まりさ共の目が開き、恐怖8、媚びが2程度の感情を湛えた。 「安心しろ。腐ってない、新鮮な野菜だ」 ここまでされても期待を捨てられないのが餡子脳たるゆえんだ。 それゆえにタフなゆっくりを、完全な絶望と後悔に染めるには骨が折れそうだ。 もっとも、絶望を味わわせる試みはまだ始まってもいない。 じっくり腰を据えてかかろう。 最後に俺が持ってきたのはサボテンだった。 口いっぱいにサボテンを詰め込まれ、 ぐじゅぐじゅに潰された歯茎を含めた口中を針で刺し貫かれながらまりさ共は苦痛に身をよじる。 これを食わせるにあたって、まりさ共をフックから取り外し床に置いてやった。 苦痛にのたうちまわるほどに、まりさ共の口内のサボテンは床に押されてますます針を深く突き立てる。 一応は有機物なのだからいつかは消化されるだろうが、 サボテンの固い表皮が餡子に変換されるにはまた相当かかるだろう。 しばらくは、これらのものをローテーションさせながら不眠不休で食べてもらうことになる。 回復力の強いゆっくりだから、歯茎はすぐに回復する。 そのたびに電気ドリルで神経をむき出しにすることで、 食事による苦痛は数倍になるだろう。 歯がなく咀嚼できないため、頼りは体液による消化のみだ。時間もかかる。 まりさ共については、ひとまず今のところはこんなものか。 まりさ共と並行して、れいむ共とありす共にも処置を行っていた。 初日、れいむ種の四匹は、 目覚める前にそれぞれ個室に入れた。 およそ1~2m程度の、ピンク色の不透明な箱だ。 親れいむが目覚めると、周囲は狭いピンク色の空間だった。 「ゆゆっ!?」 状況がつかめず、うろたえて周囲を見渡す親れいむ。 見慣れない場所。家族の姿も見えない。 「ゆっ!くそどれいはかわいいれいむをさっさとここからだしてね!!」 れいむは叫んだが、それに対する返答はなく、 代わりに挨拶が返ってきた。 「ゆっくりしていってね!!」 背中から聞こえてきた声に振り向くと、そこには知らないまりさがいた。 自分とほぼ同サイズのそのまりさの姿に、れいむは息をのんだ。 絹のようにさらさらで輝くばかりの光沢をもつ金髪、 ビロードのようなてかりを放つ黒い帽子、 ふっくらもちもちの、極上の血色もとい餡色を帯びた肌。 今まで見てきたゆっくりなど問題にならないほどの極上の美まりさだった。 「ゆっ!ゆっくりしていってねぇぇ!!」 息も荒く、れいむは言い放った。 「まりさのいえにいらっしゃい!ゆっくりおともだちになろうね!!」 美まりさが返してくる。 そのころころした美しい声に、親れいむはまためろめろになるのだった。 家族たちが不安ではあったが、 甘やかされきった彼女には、心配ごとはすべて奴隷が片付けるものであったから、 外に向かって命令すればすぐに会えると思い、 今は目の前のまりさとゆっくりすることに集中することにした。 やや緊張しながらも、他愛のない話を交わす。 美まりさは性格もよく、いろんなことを知っていて、話していて楽しかった。 すっきりしたい、という欲望が頭をもたげるのにそう時間はかからなかった。 夫のまりさに対する操が一瞬頭をよぎったが、 妾を堂々と連れてくるあのまりさに対し、あてつけでこちらも存分にすっきりしてやろうと思った。 どういうきっかけを作ってすっきりしようか逡巡しているうちに、 ピンク色の室内に、なにやら香が漂ってきた。 無味無臭のその香りに気づかぬまま、れいむとまりさはそれを嗅ぎ、 嗅いでいるうちに表皮がほんのりと湿り気を帯びてきた。 「ゆふぅ……ゆふぅ……まっ、まりさぁぁ……」 催淫剤の香だった。 発情に頬を紅潮させ、れいむは辛抱たまらずまりさにすり寄った。 まりさも抵抗せず、れいむのすりすりにリズムを合わせてうごめきだした。 しばらく摩擦で気分を盛り上げたあと、 美まりさはれいむに向かって、いきり立ったぺにぺにを見せつけた。 「ゆふぅぅ~……すっきりしたいよ……!」 「ま、まりさにならいいよ……!」 れいむはまむまむを突き出し、迎え入れる姿勢を取った。 美まりさ共には躾を施してあった。 すっきりは、ぺにぺにを相手のまむまむに刺すやり方でなければいけない。 全身を擦り合わせる方法ではすっきりできない。 そのように刷り込んであった。 擦り合わせる交尾では、植物型にんっしんっとなり、 ぺにまむ型では、胎生型にんっしんっとなる。 胎生型の出産をしたゆっくりは、 植物型による出産よりも、子供への愛情が強い傾向にある。 個体数が少ないことと、出産時の苦労からくるものとされている。 この特性を、今回は活用することにする。 たちまちのうちにすっきりを終え、れいむは胎生型にんっしんっを果たした。 早くもぷっくり膨らんだ顎を見下ろし、ゆふゆふ満足げな声を漏らしている。 そうしていると、今度は白いガスが吹き込まれてきた。 これには強力な睡眠剤、そして成長促進剤が含まれている。 親れいむの意識はすぐに落ちていった。 以上の手順は、三匹の子れいむ共にもそれぞれ全く同じように施されていた。 翌日、四匹のれいむ共はひとつの部屋に集められていた。 四匹とも、部屋の中心に供えられたおよそ2m四方の大きなガラス箱の中だ。 子を体内に宿したゆっくりれいむ共は 親子四匹とも、もとから下膨れの輪郭が下方向にたっぷりと膨らみ、 目と口が上方にめいっぱい偏った洋梨のような無様な姿になっている。 成長促進剤によって出産を早められたれいむ共は、 四匹とも今日が出産予定日だ。 ゆっくり達が出産に集中できるよう、この部屋に人間はいないが、 備え付けのカメラで出産の様子は別室から逐一確認できるようになっている。 俺は今、監視室でそれを見届けていた。 「ゆっ!!」 「ゆゆ!れいむどうしたの?」 「う……う……うばれるうう!!」 一匹が産気づいたようだ。 一匹の子れいむの顎の下に小さな穴が空き、外側に盛り上がりながらひくついている。 顔を真っ赤にしていきむ子れいむを、他のれいむ共が応援する。 「ゆううぅぅ!!ゆううぅぅ!!」 「ゆっくりうまれていってね!!ゆっくりがんばってね!!」 ゆっくりの出産は激痛を伴う。 生涯最大級の痛みは、痛みに弱いゆっくりにとってこの上ない苦しみだが、 ひとえに赤ゆっくりへの愛情のため、この時ばかりは文句ひとつ言わずに堪える。 「うばれるうう!!ゆっぐり!ゆっぐうううううう!!」 「がんばってね!!がんばってね!!おおきくいきをすってはいてね!!」 「おねえちゃんがんばって!!ゆっくりしたあかちゃんをみせてね!!」 「がんばづうう!!でいぶがんばづううう!!ゆっぐりいいいい!!」 「ゆっゆっゆー!!ゆっゆっゆー!!」 歯茎をむき出して全力でいきむれいむ。 腹の火山のような盛り上がりはますます大きくなり、 中心部の穴、産道が少しずつ広がっていった。 「ゆゆっ!!あかちゃんのおかおがみえてきたよ!!」 「いだいいいい!!あがぢゃん!あがぢゃあああああん!!」 「おちついていきんでね!!だいじょうぶだからね!!」 産み方を指示しているのは親れいむだ。 「かわいいあかちゃんだよ!!がんばってね!!」 「ゆぐっ、ゆぐっ、ゆぐぐぐぐぐぐぐぐうううう」 涙を流し、歯を食いしばりながらいきんだ末に、 れいむはついに赤ゆっくりを生みだした。 ぽん、と勢いよく飛び出して床に着地したれいむ種の赤ゆっくりは、 ぎこちない動きで母親に向きなおると、笑顔で叫んだ。 「ゆっきゅちちていっちぇね!!」 それを見届け、れいむ達の視線が産んだれいむに向けられる。 赤ゆっくりの生まれてはじめての挨拶。 出産の苦痛があとを引く中で、産んだれいむはそれでも満面の笑みを浮かべて叫んだ。 「ゆっくりしていってねええ!!」 「おきゃあしゃん!!ゆっきゅりしちぇいっちぇね!! ゆっきゅりしちぇいっちぇね!!」 飛び跳ねながら母親のもとに駆け寄る赤ゆっくり。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「とってもゆっくりしたあかちゃんだよお!!」 「れいむがんばったね!!えらかったねええ!!」 周りのれいむ達も口々に祝福の言葉を贈る。 幸福感に満ちた表情ですりすりをするできたての親子を眺めながら、 一様にたるんだ笑みを浮かべていた。 「ゆぐっ!!」 程なくして、別の子れいむがうめき声をあげた。 こちらも産気づいたようだ。 「ゆゆっ!!こっちのれいむもうまれるよ!!」 「がんばってね!!がんばってね!!」 数時間後、四匹の子れいむは全員が出産を終え、 箱の中では合計九匹の赤ゆっくりが動きまわっていた。 一度に数匹生んだれいむもいたため、この数になった。 赤ゆっくりの内訳は、れいむ種が六匹、まりさ種が三匹だ。 胎生型にんっしんっのため、どれも赤ゆっくりとしては大きめのみかんサイズだ。 「おちびちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっちぇね!!」 「ゆっきゅちちちぇいっちぇね!!」 「とってもゆっくりしたおちびちゃんたちだね!!」 「れいむのあかちゃんたちとってもかわいいよおお!!」 れいむ共は飽きることなく「ゆっくりしていってね!!」を繰り返し、 それぞれ自分の産んだ赤ゆっくりを側に置いて頬ずりをしている。 「さあ、おちびちゃんたち!おかあさんとすーりすーりしようね!」 「ゆっ!おきゃあしゃんとしゅーりしゅーりしゅるよ!」 「しゅーり♪しゅーり♪」 「すーり♪すーり♪」 「あかちゃんたちかわいいねええ!」 「ゆっくりしてるよおお、ほっぺたもちもちねええ!」 「ゆっくりできるおうたをうたおうね! ゆ~、ゆ~ゆ~、ゆゆゆ~~♪」 幸福に満ちたゆっくりの群れ。 俺は立ち上がり、部屋に向かった。 「おにーしゃんはゆっきゅりできりゅひちょ?」 部屋の中に入ってきた俺に向かって、赤れいむの一匹が話しかけてきた。 俺は答えない。 「ゆゆっ!!ごみくずがやってきたよ!!」 「なにかってにみてるのおお!?」 「ごみくずにはれいむたちのゆっくりしたあかちゃんをみるけんりなんてないんだよお!! なにかんちがいしてるの?ばかなの!?あまあまをおいてさっさとでていってね!!」 不思議がる赤ゆっくり達に向かって、親れいむ共は教えた。 「あれはごみくずだよ!おにいさんなんてよばなくていいからね!!」 「やくにたたないくせにからだだけおおきいばかなんだよ!」 「みんな、あんなふうになっちゃだめだよ!!」 「わきゃっちゃよ、りぇいみゅはあんにゃふうににゃらにゃいよ!」 「ごみくじゅ!ごみくじゅ!」 「きゃわいいりぇいむをみにゃいでね!ごみくじゅ!!」 親に気に入られたいがために、赤ゆっくり共は俺に罵声を浴びせてきた。 「ゆゆっ、おちびちゃんたちはとってもものわかりがいいね!!」 「もっといってあげてね!!」 「くそどれいはなにしてるの?ばかなの? こんなかわいいあかちゃん、ごみくずにはもったいないよ!ゆっくりりかいしてね!!」 「こえだけならきかせてあげてもいいよ!うしろをむいててね!!」 しばらくの間好きに言わせたあと、俺は始めることにした。 箱の中に手を突っ込み、赤ゆっくりを一匹手に取る。 「ゆゆっ?おしょりゃをちょんでりゅみちゃい~♪」 赤ゆっくりを箱の外に運び出し、床に置いたところで、 呆然として見ていた親れいむ共が弾かれたように喚き始めた。 「なにやってるのおおおおおお!?」 「ごみくずうううう!!おちびちゃんにさわるなああああああ!!」 「かえせえええええええ!!れいむのおちびちゃんかえせえええええ!!」 構わず、二匹目を運び出しにかかる。 箱の中に突っ込まれた俺の手に向かって、 殺意に満ちたれいむ共の体当たりや噛みつきが襲ってきた。 まるで痛くもない。 俺はわざとゆっくり、一匹ずつ大仰に運び出していった。 「ゆがああああああ!!かえせええええええ!!」 「きたないてでおちびちゃんにさわるなあああ!!」 「ばか!?ばか!?ばかなのおおおお!?ほんもののばかなのねええ!? ばかはばかなりにみのほどをわきまえてねええええ!!」 何匹か運び出したところで、箱の隅に固まっている二匹のれいむが見えた。 角のほうにぴったりと身を寄せ、顔をぱんぱんに膨らませて俺を睨んでいる。 ほとんど運び出し、赤ゆっくりが目につかなくなったところで、 俺はわざととぼけてみせた。 「赤ゆっくりはこれで全部かな?」 「かえせえええええ!!!」 「まだ残っていたような気がするがな?」 箱の中を見回してみせると、隅のれいむ共がますます膨らんだ。 そちらに視線を止める。 他のれいむ共が口々に叫んだ。 「あかちゃんたちはごみくずがぜんぶはこびだしたよ!!」 「そんなところみてももういないよ!!ごみくずはばかだね!!」 「ゆっくりあきらめておちびちゃんをかえしてね!!」 「いないのか?」 「いないよ!!ゆっくりあきらめてしんでね!!」 「ここをまだ見てないぞ?」 「そんなところみなくていいよおおお!!いないよおお!!」 「そうか、いないのか。残念だな」 「ゆ!わかったらさっさとかえしてね!!ばーか!!」 「でも念のためだしな。一応見てみようか」 隅のほうに手を伸ばす。 ゆっくり共が絶叫しはじめた。 「いないよ!いないよおおお!!みなくていいいい!!」 「ばかなのおおお?しぬのおおお!?」 「ぷっくうううううううう!!!!」 膨らむれいむを転がすと、ぶるぶる震えている赤ゆっくりが三匹見えた。 面倒なので全部一度に持ち出す。 「ゆああああああああ!!やめろごみくずううう!!!」 九匹の赤ゆっくりは、 今や全てが箱の外で、透明な壁ごしに親ゆっくり共を見つめている。 「おきゃあしゃん、きょきょあけちぇね?」 「しゅーりしゅーりしちゃいよ?」 「かべさんゆっくりどいてね!」 親の元に駆け寄ろうとするが、ガラスの壁に遮られて進めない。 体当たりをしても跳ね返され、ついには泣きだした。 「ゆわああぁぁん!!かべさんどうしていじわるするのおぉぉ!!」 「しゅーりしゅーりしちゃいいいぃぃぃ!!」 「おきゃあしゃあああん!!あけちぇよおぉぉ!!」 親れいむ達も同じように泣き喚いている。 「おちびちゃんん!おちびちゃあああんんん!!」 「かえせごみくずうううう!!なにしてるうううう!!」 「なにだまってるのおおおお!?ふざけるなああ!!」 しばらく観察したあとで、俺は爪楊枝を取りだした。 赤ゆっくり相手に、たいした道具もいらない。 壁にへばりついている赤ゆっくり達に、爪楊枝の先端をつきつける。 「ゆぎゃっ!?」 「いぢゃいぃ!?」 ちくちくと肌を突かれ、生まれて初めての痛みに声をあげる赤ゆっくり。 「やめちぇ!やめちぇぇ!!」 「いぢゃいい!!おきゃあしゃああんん!!」 「なにしてるのおおおおお!!?やめろおおおお!!」 親れいむ共が喚き、箱の外壁に体当たりをするが、 部屋の床にしっかりと固定された箱は揺らぎもしない。 「おきゃあしゃああああん!!」 「ゆえええぇぇん!!」 爪楊枝から逃れようとちりぢりに逃げようとする赤ゆっくり共。 しかし、その鼻先に爪楊枝を突きつけ、追い返す。 元から移動速度の遅いゆっくりの幼児のこと、悲しいほどに遅く、 九匹もいるとはいえ、座ったままで充分に全員を操作できた。 今や赤ゆっくりは互いに身をよせあって一か所に固まり、 四方から迫りくる爪楊枝に、ただ泣き喚き、母に助けを求めている。 「たしゅけちぇええ!!たしゅけちぇえええ!!!」 「ゆびゃっ!!」「いぢゃあっ!!」 「もういやぁぁぁぁ!!」 「おきゃあしゃああああんなんでえええええ!?」 「おちびちゃん!!おちびちゃああああん!!!」 固まってぶるぶる震える赤ゆっくり共。 俺はそこで道具を持ち変え、バーナーを手にした。 一匹の赤まりさを手にとり、底面を上に持つ。 「ゆっ?はなちてにぇ!はなちてにぇ!!」 もぞもぞと抗う赤まりさの底面を炎が焼き焦がす。 「ゆぴいいいいいいいいいいいいいい!!!??」 笛吹きヤカンのような悲鳴が響き渡る。 「おちびちゃんんん!!」 「やめなさいいいい!!いたがってるでしょおおおおおお!?」 「くそじじいいいいいいますぐはなせええええええええ!!!」 低出力のバーナーで、ゆっくりと丹念に赤まりさの足は焼かれてゆく。 「びびびびびいいいいああああああぢゅいいいいいいいいいいぎぎぎぎぎぎぃいあぢゅああああおぢゃあしゃあああああああーーーーっああーーーーーーーっづづづづづづづうううううぐうううういやぢゃああああああぐぎいいいいいいいーーーーーー」 泡を吹き、悶え、痙攣する赤ゆっくりの底面は、 やがて真っ黒に焼け焦げた。 恐らくは中の餡子まで焦げ付いているだろうが、ともかく生きている。 それを床に置くと、泣く元気もなくぐったりとうなだれた。 「ゆわああぁぁ……あんよがあぁぁ……」 「おぢびぢゃんのがわいいあんよがあああ……」 俺に悪態をつくことさえ忘れ、 赤ゆっくり以上に涙を流し、壁面にへばりついて親れいむ共は嘆いている。 赤まりさの足がもはや用をなさないことは誰の目にも明らかだった。 固まっている残りの赤ゆっくり共は、あまりのことに硬直して、 ただ事のなりゆきを凝視していた。 次は赤れいむを手にとる。 「いやぢゃあああああああ!!!」 何をされるかを理解した赤れいむは、ここを先途と絶叫する。 「だじゅげぢぇええええおぎゃあじゃああああん!! でいぶあんよやぎゃれぢゃぎゅにゃいいいいいいいいいいい!!!」 「ごみぐずううううううううううう!!!」 「いばずぐばなぜええええええぐぞじじいいい!!」 「頭に来るな」 俺は答えてやった。 「ゴミクズだの糞奴隷だの、さんざんに言ってくれるな。 俺はすごく気分が悪い。頭に来てる」 「じるがああああ!!ごみぐずごみぐずごみぐずううう!!」 「だまれだまれだまれえええ!!じじいはざっざどがえじでじねえええ!!」 「頭に来るから、こいつも焼く」 そこで親れいむ共の様子が変わった。 罵倒を中止して黙り込み、赤れいむに近づけられるバーナーを見つめている 懇切丁寧に解説してやった甲斐があり、今の状況がようやく把握できたようだ。 「おにいさん!!やめてね!ゆっくりやめてね!!」 「ごめんなさい!!ごみくずっていってごめんなさい!!ね!!」 「もうやめてあげるからね!!おにいさんもやめてね!!」 「ゆばがぎゃああああああああああああ!!!」 「なんでえええええええええええ!!?」 赤れいむの底面が丹念に焼かれる間、親れいむ共は懇願し続けた。 「やめてくだざい!!やめでえええええええ」 「おでがいじばず!!おでがいじばず!!」 「おにいざあああああんもうばがにじまぜえええええええん!!」 「ゆっくりざぜであげてええええええええええ!!!」 「でいぶをやいでぐだざいいい!!おぢびぢゃんはだずげでえええ!!」 一人が身代わりを申し出たのを皮切りに、 親れいむ共全員が競うようにして自らを差し出した。 「でいぶをやいでえええ!!おでがいでずううううう!!」 「でいぶはどうなっでもいいでずううううううう!! おぢびぢゃんは!!おぢびぢゃんだげはああああああああ」 「どっでもゆっぐりじだあがぢゃんなんでずうううううう!! でいぶになら!!でいぶにならなにをじでもいいでずがら!!あがぢゃんだずげでええええ!!!」 ゆっくりの中でも、れいむ種は特別母性が強い。 自分の子供を溺愛することにかけては他の種とは比べものにならず、 今やっているように、拷問の身代りになることさえ厭わない。 やはり思ったとおりだ。 れいむ種にとって最大の苦痛は、子供を傷めつけられることなのだ。 方針は決まった。 続く