約 106,068 件
https://w.atwiki.jp/battleroyale/pages/746.html
287.猛る力[3日目] それは大切な、大切な約束だった。 なんであの人がそんなことを望んだかはよく分からない。 守ればどうなるのかもよく分からない。 理由なんてどうでもよかった。 あの人との約束だから守りたかっただけで。 破るなんて想像もできない、神聖な誓いともいえるものだった。 だから―― ◇◇◇◇ 「クァグマイアー!」 先手を取ったのは♀Wizだった。 目標空間に充満した水分が地面をぬかるみに変え、空中にいるパピヨンの羽をも重くする。 「あーもーうっとーしーっ」 パピヨンは大きく羽ばたき、上空へ逃げた。 一瞬遅れて彼女のいた場所にファイアウォールが立ち、熱気にあぶられる。だが辛うじて炎は届かない。 「なにすんのよー!」 「何って…あえて言うなら教育的指導、かしら」 魔法が届かないと見た♀Wizは皮肉めいた答えを返す。 間合いに引き込むための挑発。しかしパピヨンもさすがに前の遭遇で懲りたのか、簡単に乗るようすはない。 母譲りの魔力によって得た圧倒的スピードを生かして、魔法の射程外ぎりぎりを飛び回りながらタイミングを計る。 こうなると♀Wizとしても油断できなかった。 前の遭遇ではあっさり撃退したが、それはウォール系魔法やクァグマイアを駆使して動きを制することができたからだ。 その手の設置魔法はうまく使えば複数の敵を同時に捕らえることもできる半面、目標をロックオンしないため高速で動き回る相手は捕らえにくい。 かといって適当にばら撒いたのでは、精神力の浪費となる上に自分の逃げ足まで封じかねない。 詠唱が遅めな分を身の軽さでカバーしている彼女としては、そんな自殺行為は避けたかった。 確実に捉えられる一瞬を逃すまいと、♀Wizは油断なくパピヨンを追い始めた。 一方♀Wizに這いよろうとする寄生虫には♂プリと♀アコが立ちはだかった。 唯一まともにパピヨンと戦える♀Wizがあっちに集中できるよう、なんとしても押しとどめなくてはいけない。 だがそのとき、一歩退いて全体を見ていた悪ケミが声を上げた。 「ね、ちょっと。こっちも動いたわよ!」 それまで身じろぎもしなかった♂スパノビがゆっくりと巨体を起こす。 すぐ近くに居た♀マジは一瞬迷った。 ♂スパノビが敵の可能性はかなり減ったが、目の前で立ち上がられてみると圧迫感がすごいし、捕まったら手も足も出ないのは経験済みだ。 とりあえず蟲への攻撃を中断して身を守る呪文を唱える。 「ファイアウォール!」 「え?そっち?」 火柱の上げる轟音に♀アコが振り向いた。 しかし♂プリは舌打ちをしつつも正面の蟲から視線を外さない。 「そっちぁ任せたっ」 一声怒鳴って突進。 先手必勝。躊躇していたらそこから戦線が崩壊しかねない。 他の脅威に何かのケリが付くまでこの蟲は1人で抑える。 そんな彼の決意をあざ笑う声が降り落ちた。 「あ~あ、結局いっちばんマズそ~な奴か~」 「♂プリさん、上!」 一瞬で振り切られた♀Wizが距離を詰めつつ警告する。 促されるまでもなく♂プリは頭上から押し寄せる殺気を感じていた。 同時にギチギチと牙を鳴らしながら地を這う蟲が足元へ殺到する。 「こなくそっ」 振り下ろされる触角をマイトスタッフで受け止めつつサイドステップ。脚を狙う蟲には勘で見当をつけて蹴りを放つ。 当たりそこねの鈍い感触。 牙に挟まれることはなんとか防いだが、角度が悪い。 バランスを崩してたたらを踏む。その足に突っ込んできた蟲の脚が絡まった。 ひとたまりもなく転倒する。 「やべっ」 絶体絶命。 跳ね起きた目の前に真紅の鞭が、背後からギチギチという不気味な音が迫る。 両方は避けられない。パピヨンの攻撃は食らう覚悟で前へ―― 「アイスウォール!」 ギンッ 逃げようとする鼻先に白い壁がそそり立った。 避けようもなく顔から激突する。だが紅い鞭は壁の向こう側で弾かれた。 「邪魔しないでよおばさんっ」 必殺の一撃を妨害した相手をパピヨンは振り返った。 「あら。おばさんには大人の都合があるから、そういうわけにも行かないのよ」 「あーっ!何かムカつくーっ!」 まさに大人の余裕を浮かべてみせる♀Wizにパピヨンは顔を真っ赤にして怒る。が、その直後 「アイスウォール」 「あ、あぶなっ!?」 連続して立てられた氷の壁に閉じ込められかけ、慌てて上空へ逃れた。 一方♂プリはぶつけた鼻をさすりながら背後を振り返る。 パピヨンの攻撃は♀Wizが止めてくれたが、後ろからも寄生虫が迫っていたはずだ。 そっちが当たらなかったのはなぜか。 「おめえ…」 振り返った彼はうめいた。 腕を伸ばせば届くような距離で、三本の牙がガチガチと噛み合わされていた。 ただその切っ先は近付いてこようとしない。 いや、むしろわずかずつではあるが離れていっている。 そして、その原因が蟲の向こうにいた。 「♂スパノビ…だっけか」 寄生虫の尾にしがみつき、握った短剣をつき立てて。 両の腕に力を込め絞り上げる。 「あんた、味方してくれるの?」 ♀アコが不思議そうに問う。 どちらの問いにも♂スパノビは無言。 助けるとか、味方するとか、そんなことではなく。 ただ、敵を、壊す。 淫徒プリはぼすの仲間だったから。 探して、やっと見つけた2人目の仲間だったから。 なかまをさがすんだよ それは大切な約束。 破っちゃいけない約束を邪魔した奴は、 淫徒プリを殺した蟲は、敵。 敵は、壊す。 ♂スパノビは力の限り蟲を締め上げた。 「おいやべえぞ、一旦離れろっ」 その間に態勢を立て直した♂プリが♂スパノビへ怒鳴る。 ウンゴリアントに似たその蟲には厳密な前後がない。 尾に当たる位置にも複眼と牙がある。 そこにしがみついたままでは反撃を防ぐすべがない。 だけど♂スパノビには関係なかった。 ただそいつを壊すために、刃をねじ込み、締め上げ続ける。 蟲は形容しがたい声を上げ、体を振り回した。 ドチュッ 湿った音を立て、牙が彼の腹にめり込む。 それでも♂スパノビの力は弱まることはなく、むしろ強まった。 腹に突き立てられた牙が、彼自身の力でさらにズブズブと深く埋まってゆく。 他の牙にも挟まれ、引き裂かれた傷口から血が激しく噴き出した。 「おいっ、やめろって!死ぬぞっ」 無茶する彼を♂プリが引き剥がそうとする。 だが生存本能を捨てたように攻撃し続ける♂スパノビは♂プリを振り払った。 「くそっ!…こうなりゃヤケだっ、さっさとやっちまうぞ!」 「おっけっ」 ♂スパノビが手遅れになる前に蟲を倒そうと、♂プリと♀アコが殴りかかる。 ♀マジも長い詠唱を始め、蟲の周囲に魔法円が浮かび上がった。 「あーっ、あたしのトモダチいじめるなっ!」 集中攻撃を受けようとする寄生虫の様子を見て、蝶の羽を持つ娘は非難の声を上げた。 急降下を掛けようとするが、すかさず魔法が飛んできて元の高さへ追い返される。 牽制にソウルストライクを放った♀Wizが首を振った。 「勝手すぎる言い分じゃないかしら」 「なにがよー!あんたたちだってトモダチ以外どーでもいーのは一緒じゃなーい」 あっかんべー、と舌を突き出して見せながらもパピヨンは高度を下げない。 否、下げられない。 魔法の撃ち合いで勝てるとは思いにくい。 かといって接近戦を挑んでもクァグマイアに捕まってあっさり避けられる。 スピードで振り回せることは分かったが、他の連中と固まっている状態ではそれも生かせない。 相性が悪すぎる。 唯一のアドバンテージである魔法の届かない高度を維持したまま、彼女は『トモダチ』を取り戻す手を必死で探した。 「…あれ?」 その目が地上を忍び寄る黒くて小さな影を捉えた。 どうやら♀Wizはこちらに気を取られていて気付いてないらしい。 (チャンス、かも?) パピヨンは口の端に小さく笑みを浮かべた。 ♀WIZ 現在地:E-6 所持品:クローキングマフラー 未挿sロザリオ ウィザードスタッフ DCカタール +7THグラディウス 多目の食料 容 姿:WIZデフォの銀髪 備 考:LV99のAGIWIZ GMに復讐 ♂シーフと同行 年の事は聞かないでね? 状 態:容態安定 ただし全身に傷跡が残る HP/SP中回復 ♂スパノビ 現在地:E-6 所持品:スティレット ガード ほお紅 装飾用ひまわり 古いカード帖 食料二食 スキル:速度増加 ヒール ニューマ ルアフ 解毒 外 見:巨漢 超強面だが頭が悪い 備 考:BOT症状発現? ♀BSの最期の命令に従っている 寄生虫を殺す 状 態:腹部に裂傷 ♂プリースト 現在地:E-6 所持品:修道女のヴェール(マヤパープルc挿し) でっかいゼロピ 食料二食 マイトスタッフ 外見:逆毛(修道女のヴェール装備のため見えない) 怖い顔 備考:殴りプリ 状態:HPSP共に微回復 ♀アコライト&子犬 現在地:E-6 容 姿:らぐ何コードcsf 4j0n8042 所持品:集中ポーション2個 子デザ&ペットフードいっぱい 食料二食 スキル:ヒール・速度増加・ブレッシング 備 考:殴りアコ(Int1)・方向オンチ 首輪と地図と禁止区域の関係を知る 状 態:多少の傷 SP微回復 ♀マジ 現在位置:E-6 所持品:真理の目隠し とんがり帽子 食料二食 容 姿:褐色の髪(ボブっぽいショート) 備 考:ボクっ子。スタイルにコンプレックス有り。氷雷マジ。異端学派。 首輪と地図と禁止区域の関係を知る ♀ケミに敵意 状 態:足に軽い捻挫、普通に歩くのは問題無し 悪ケミ 現在地:E-6 所持品:グラディウス バフォ帽 サングラス 黄ハーブティ 馬牌×1 食料二食 容 姿:ケミデフォ、目の色は赤 備 考:サバイバル・危険物に特化した頭脳、スティールを使えるシーフを探す、子バフォに脱出を誓う、首輪と地図と禁止区域の関係を知る したぼく:グラサンモンク 参考スレッド:悪ケミハウスで4箱目 デビルチ 現在地:D-6→E-6 所持品:+10スティックキャンディ トライデント(デビルチ用) 備 考:悪魔 状 態:瀕死 パピヨン 現在地:E-6 備 考:ミストレスの魔力を一部継承 ミストレスの持つ虫達を統べるカリスマ継承 ノーマルより強い スピードも速い 寄生虫 現在地:E-6 外 見:ウンゴリアントの亜種 備 考:淫徒プリから孵る パピヨンに忠誠 状 態:ストームガスト一発直撃。 残り13名+4匹 戻る 目次 進む
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/3481.html
二日目[ゲツヨウビ] うぅ・・・きつい。鉛の靴を履いているみたいだ・・・・・・。 あと、どんぐらいだ・・・? 普段の俺なら、とっくに頂上へと登りつめているであろうエネルギーを消費したにも関わらず、寝不足で弱りきった今の俺では坂の中腹辺りに辿り着くのが精一杯だった。 心の中では、俺はかなりのスピードで前進しているのだが、この無駄に長い坂道は、そんな俺をあざ笑うかのように、現実というものを教えてくれる。 昨日はあまり眠れなかった。いや、全くと言ってもいいだろう。 あの後、いろいろ考えることがあったからな。 結局、俺の心の中の議会が出した結論はこれだ。 無駄な心配をせず長門の帰りを待つこと。 口に出してみれば、すごく簡単なことだし、俺は別に何もするわけではないので、こんな結論、別に必要はないのだが、俺がこの考えに辿り着くまでには、かなりの時間を要した。 あんな顔見せられたらな、こっちも心配するっつうの。 カラフルな空間にぽつんと立つ長門の悲しげな表情が、俺の脳裏でフラッシュバックされる。 家に帰り着いて、ベッドの中にもぐりこんでも、この映像が頭の中でリピートされた。 それだけ、衝撃が大きかったってわけだ、あの表情はな。 俺は、ポケットの中に入れてある、赤く光る玉を見た。 まあ、信じると決めたなら、ずっと信じ続けるさ。 もし、何かあったら、長門のためなら、たとえ火の中、水の中でも・・・・・・ 「よ、キョン。」 寝不足のあまり暴走を始めた俺の思考をストップさせたのは、アホ谷口だ。 「アホって・・・お、元気ねぇじゃねえか。何かあった・・・あ、なるほどな。」 といって谷口はバカみたいにニヤニヤし始めた。 何がなるほどだ。お前は俺の心の中でも読めるのか? 「どうせ、涼宮がらみのことで悩んでるんだろ?バレバレだっつうの。いや、お前もバカだねぇ、せっかくすぐ近くに、学園のアイドル朝比奈さんと、俺様的美的ランクAマイナーの長門有希がいるっていうのに。」 朝比奈さんの彼氏にでもなろうもんなら、俺の学園生活は常に危機にさらされたものになるだろうし、長門でも、隠れファンに付け狙われそうだ。 無論、ハルヒなんて論外だ。あんな奴の彼氏になったら、体がいくつあっても足りん。 まあ、退屈はしないだろうがな。 谷口、羨ましいなら代わってやるぞ。 「はん、あんな奴の尻にひかれるくらいだったら、別の女を捜すね。今、俺が目を付けているのは・・・・・・」 と、今、注目の下級生ランキングたるものを発表し出した谷口を眼中から消し去り、俺は目の前の坂との勝負に集中することにした。 あと4分の1くらいか・・・・・・? 教室に入ると、俺の後ろの席で、ハルヒが大量の紙を机に上に広げて、何やら考えているようだった。 「あ、キョン。有希の体調はどう?今日は、学校に来てるの?」 俺を見るやいなや、すぐにハルヒはこう尋ねてきた。 「ああ、あの後家に送ったが、それほどでもなかったみたいだぞ。今日も、おそらく学校に来ているはずだ。」 「そう。後で、見に行ってみようかしら・・・・・・って、それよりキョン!?原稿は考えてきたんでしょうね!?」 すっかり、忘れていた。 「何言ってんの、全く!!SOS団で出来てないのはもうあんただけなんだからね!みくるちゃんも古泉くんも昨日の内に仕上げたし、有希だって・・・あ、そうか、有希は書き直したいって言ってたんだっけ・・・・・・。ねぇ、キョン、どう思う?正直、もう締め切りも近いし、出来れば、このままの原稿で行きたいんだけど・・・・・・。」 と、ハルヒは机に広げてあった長門の原稿を見て、思案顔になった。 俺は、あの長門が、小説を書きたがっているのを、薄々感じていたので、 「あいつ本人が、そう言ってるんだから、やらしてやってもいいんじゃないか?もし、間に合わなかったら、今ある原稿を使えばいいだろうし。」 と、助け舟を出した。 「それも、そうね。有希が、自分から、ああ言い出すのも、珍しいし・・・・・・。じゃあ後は、アホ谷口ね・・・。今日という今日は、絶対に逃さないんだから!」 俺にも、ハルヒにも、アホ呼ばわりされる谷口に若干同情したところで、担任の岡部が教室に入ってきて、朝のホームルームが始まった・・・・・・。 キーンコーンカーンコーン 授業の終わりのチャイムがなった。 次は、昼休みだ。 昼食は何にしよう? 今朝、若干緊張しながら辿り着いたこの学校には、驚くべきことがいくつかあった。 まず、1番に驚いたことが、涼宮ハルヒと古泉一樹が、この学校に登校していることだ。 朝、教室に向かう途中、廊下で北高のブレザーを着た古泉一樹と出くわした時は、本当にびっくりした。 「おや、長門さん、おはようございます。」 そう言って優雅に礼をした彼を私は凝視していたのだろう。 「・・・どうしました?僕の顔が何か?」 「・・・・・・別に。」 そう言って、私はその場から逃げるように立ち去った。 その後、わざわざ教室にまで出向いて具合を尋ねてきた涼宮ハルヒを見たときも、同じ反応だったのは、言うまでもないだろう。 他にも、この学校には、2年9組といった特進クラスがあることや、どこのクラスにも朝倉涼子が存在していないなど、私の世界とはいろいろと違う点があるが、他の事は、大体同じだった。 学食で昼食を済ませた後、私はとりあえず文芸部室、いや、この世界ではよく分からない場所へと化している部屋へと向かうべく、階段を上っていた。すると、 「WAWAWA~ルルル~♪」 と、変な鼻歌を歌いながら、1人の男が階段を下ってきた。 彼のことは、少し知っている。 確か、谷口といっただろうか。廊下で何回かすれ違ったことがある。 「WA~WAWAWAWA~・・・ん?」 と、不意に彼がこちらを向いた。 私は、一応知っている人なので、軽く会釈をすると、 「・・・・・・?」 と、ハトが豆鉄砲を食らったような顔を一瞬見せたが、次の瞬間、 「うわ、わわわわWAWAWA!!」 と足を踏み外したのか、階段を転がり落ちていった。 私は、その様子があまりにも滑稽だったので、思わずくすりと笑ってしまった。 すると、彼は、ひっくり返ったまま、 「・・・・・・!?」 と、さらに驚いた顔になった。 私は、何となくだが、身の危険を感じ、その場を足早に立ち去った・・・・・・。 「は~い。どうぞ。」 放課後の部室棟。我らSOS団の部室のドアをノックすると、中から天使のような声が聞こえてきた 「あ、キョン君。すぐにお茶、入れますね。」 部屋の中には、もはや貫禄があるメイドとなった朝比奈さんと、部屋の隅で読書をするロボットと化した長門がいた。いや、ロボットではないな。現に、俺が入ったとき、少しビクッとしたからな。 やっぱり、まだ昨日のこと気にしてるのか? あれから、まともに話していないからな。 まぁ、こいつとまともな会話が成立すること自体が珍しいのだが。 とりあえず、話しかけてみるか・・・。 「よお、昨日はどうだ?よく眠れたか?」 うわぁぁ!何、話してんだ、俺! これじゃあ、まるで、自分の家に泊まりに着た、姪を心配する親戚の叔父さんじゃねえか! こんな調子だから、こいつがこんなに・・・・・・ 「そこそこ。」 あれ、普通に会話出来てるぞ? もう、昨日のことは気にしてないのか? まぁ、元の調子に戻ったんなら、それでいい。 「原稿書きたいんだったら、そこのパソコン使えよ。ここには、1人1台あるからな。」 と、俺は話を継続させたつもりだったが、思わぬ墓穴を掘った。 え?何いってるんですか?そんなこと当たり前でしょ? と言いたげな表情で、こちらを見ているのは朝比奈さんだ。 しまった。悪いが、存在を忘れていた。 いや、忘れていたわけじゃない。 こんなにもかわいらしいメイドを忘れるような奴が居たら、即打ち首だ。 つ、つまり、俺は、長門との会話に集中していたわけで・・・・・・。 「お、お前、コンピ研のパソコンで原稿書くんじゃないぞ。ここには、1人1台あるからな。これ以上、コンピ研に迷惑をかけるなよ。」 ・・・もはや、何を言ってるのかすら分からない。 俺は、朝比奈さんと長門の2人のきょとんとした視線を受け、そろそろ部屋から飛び出そうと考えた時、 「お待たせ!!どう、進んでる?」 と、竜巻のように入ってきたのは、ハルヒと・・・・・・谷口? そう、ハルヒは右手に、アホ毛がさらに増えた谷口を捕まえていた。 「キョン!何とかしてくれよ!こいつ、俺を下駄箱まで追いかけてきたんだぜ!俺は、こんな雑誌に載せるような小説なんて書けっこないって言ってるのによ~。」 「何いってんの!あんた、去年も書いたじゃない!去年出来たことが、今年出来ないなんて、ありえないわ!さあ、今日は出来上がるまで、この部屋から出さないからね!」 「はあ!?マジかよ~?勘弁してくれよ~」 と、哀れみに満ちた声を出す谷口だったが、何故か俺はちぃ~とも哀れに思わなかった。 こいつは、おそらく、去年書いた、恐ろしく面白くない日常エッセイがトラウマになっているようだが、それは俺も同じだ。 俺と同じ苦労を味わえ。 それが、友達ってモンだろ? こうして、無理やり谷口を加えた俺達は、機関誌発行に向け、ラストスパートをかけることになった。 あ~あ、マジで何を書こう・・・・・・? ~Different World s Inhabitants YUKI~ゲツヨウビ(その二)~へ続く~
https://w.atwiki.jp/trio/pages/249.html
いつも通り寝たはずだった。 だが、目覚めたのは眠ってから二時間後のこと。 ドミニオンが新たな港へ入った。 新たな指令を貰うために。 一応は、未だに最新鋭の戦艦。そして三機の規格外MSと強奪したザフト製MS、 そしてこれまた規格外なパイロットを六人も載せているのだから。 明日からはまた違う場所へと向かわねばならない。 (もう慣れたわよ) 自分に言い聞かせ、何だかよく分からない胸の騒ぎを治めようとする。 だが、それは焦る自分をあざ笑うかのように大きくなった。 彼女、フレイ・アルスターは上着を羽織り、隣で眠るステラ・ルーシェを起こさぬよう扉を開けた。 「お」 「あ」 思わず声が出る。そこにいたのはオルガ・サブナックだった。 「・・・アンタ、ここで何してるの?」 大慌てで髪を括る。上着のポケットの中にゴムを入れておいて正解だった、と心から思いオルガを見た。 「別に。散歩だ。なんだ? お前も眠れないクチか?」 「へえ、アンタでもそういうことがあるんだ」 特に他意はなかったが、オルガは呆れたような笑いを浮かべながら言い返す。 「強化兵でも人間だからな」 「そういうことだ」 また、声。二人揃ってそちらを向く。 「スティング・・・」 「よ、お二人さん。眠れないのか?」 「まあね」 「まあな」 その言葉のやり取りに、オルガがクックッと笑った。 「何がおかしいのよ。それにアンタ達、女性宿舎の側まで来て・・・」 「生憎、今回は女性宿舎じゃねえんだよ」 「あ」 そうだった。 今回立ち寄った連合の基地では一泊しかしないから大急ぎでMSとドミニオンの修理を行った。 それで夜遅くまで付き合わされたから仕方なしに私たちは近くの宿舎に入ったのだ。 「一番文句を言ってたのはフレイだろ?」 「もう忘れたのかよ」 不覚だった。いつもなら意地でも違う場所で眠るのに、何故か今回は妥協していた。 だから、完全に忘れていた。こいつらもいたんだ。 「あー、御免。忘れてた」 「だろうな」 「で、今起きてきたのか?」 「うん。何か眠れなくて。明日からの移動も戦闘区域じゃないし。寝ないでいいかなって」 「また艦長に怒られるぜ」 「アンタ達もでしょ?」 「そりゃそうだ」 スティングも笑顔を浮かべる。そして私もつられて笑ってしまった。 「あーあ、何だか目が覚めちまった」 今まで黙っていたオルガが振り向き、ぼやいた。 そんなことを言うが、少なくともそれは私たちのせいじゃ無い。 アンタも何かあったから、眠れなかったんでしょう・・・とそこまで考えて思い至った。 (俺達には何も無ェからな) そんなことを言っていた。そんなコイツが眠れないって言うのだ。 (失う痛みってのは必要無いらしい) 目の前のスティングもそんなことを言っていた。 きっと、また私には分からない苦悩があるから眠れないのだろう。何より自分とはまったく違う境遇なのだ。 他人同士という時点で分かり合えないのかも知れない。でも、歩み寄ることは出来るはず。それを私はまた・・・ ああホント、私ってここまで考えないとココまでたどり着けないのかぁ。 ちょっと自己嫌悪。でも、そんな所で落ち込んでちゃコイツらのオペレーターなんて勤めてられない。 「そうだ。今からちょっと外に出ない? 気分転換にさ」 「おいおい・・・今からか?」 「そうよ。どうせ眠れないなら動いてた方がいいわよ。ね、オルガもそう思うでしょ?」 私がそう言うとオルガはコチラに顔を向けてニヤリと笑い、ポケットから鍵を出した。 「同感だな」 ドルン、と音がすると、ちゃんと整備されていたのだろう、軍用のジープが目覚めた。 運転席にはオルガ。そして後ろにはフレイとスティングが乗り込んでいた。 「さあ、行くぜ。てめぇら、ちゃんと着込んできたな?」 「大丈夫よ」 「寒いからな」 スティングの言うとおり、息が軽く白む程の寒さ。 だが、オルガはそんなことは気にはしていなかった。 「行くぜッ!」 ギアを1から2へ。そして一気に3へ。 真っ暗な基地の車道を切り裂いて、車は暴れ馬のように走り出す。 「おいおいオルガ!」 「速過ぎよッ!?」 「気にすんなよッ! オラオラッ!」 あらかじめ言っておいたのか門兵は既に端の方で傍観者を決め込んでいた。 そして彼らの視線のど真ん中を突っ走り、三人は基地の外へと走り出す。 「どこに行きたい?」 「フレイが決めろよ」 二人がいつもの調子で話しかけてくる。 そしてフレイも、いつもの調子で応えた。 「海に行きたい」 「オーケィッ! テメェラ、ちゃんとつかまってろよ!」 海は近い。もとより港のそばの基地なのだから当たり前だが。 私たちは海岸線の道路で車を止めていた。 「ほれ」 「ありがと」 スティングの買ってきてくれたコーヒーを受け取る。 安物のコーヒー、でも今はとても美味しく感じた。 「で、何で海なんだよ?」 「それは俺も聞きたいな」 コーヒーをもう少し飲もうかとした時にオルガが話しかけ、スティングがそれに続いた。 タイミングが相変わらず悪い。 「コーヒー飲んでるんだから少し待って。もう少しタイミングを考えないと痛い目に遭うわよ? 例えば、ミーティアに切られそうになったり、変なMAに乗せられたり」 「そりゃ勘弁願いたいな」 「しゃーねえ、少し待ってやるよ」 そして少しの間三人で海を見る。 よくよく考えると、この三人が揃うことは珍しい。いつもならまだ四人いる。 いつも通り元気なクロトとアウルを止めたり、暴走するステラやシャニを抑えるのに私たちは手一杯だったから。 だから、この三人はかなり珍しい。 ふぅ、と一息つく。やっぱり、何だかコーヒーが美味しい。 「もういいわよ?」 「じゃあ改めて、何で海にしたんだ?」 スティングの改めた問いにオルガも聞きたそうな顔をしている。 「やっぱり、海が一番キレイだからって思ったからよ」 「「は?」」 「私がね、ちゃんと海を見た時って結構変な時なのよ。何か荒れててさ、どうしようもないことに躍起になってたの。 若かったのよね、まだ。自分の中で思いついた幼稚な、その時の私の中では最高の、方法にすがりついて」 自分のことをこんなに喋る私は珍しいのだろう。二人はじっと私を見ていた。 「で、気付けば宇宙でアンタ達に拾われたの。だから、ちゃんと静かに海を見た事なんて無かったのよ。 勿体ないじゃない、せっかくこんないい物が目の前にあるのに、ちゃんと見ないなんて」 「・・・・」 「難しいな、女心は」 「女心なんて関係ないわよ。アンタ達だってそう思う時があるわよ」 私はそこで立ち上がると、空を見た。 こんな戦争ばかりの時代なのに、空は皮肉なくらい澄み渡っている。 「大丈夫よ。ナチュラルでもコーディネーターでも、そして強化兵でも。綺麗な物を見たいと思う時はあるでしょ? それが今回たまたま私だったって事。簡単な話じゃない」 「そうだな」 オルガも立ち上がる。 「俺も綺麗な物ってヤツを見てみたいね」 「例えば戦場とかか?」 「もっと綺麗なヤツだよ。少なくとも・・・」 オルガが小さく呟く。 私には聞こえた。 (戦いは御免だ) 少し、涙が出そうになったのを必死で止める。 「俺もそう思うぜ。オルガ」 スティングがニヤリと笑いながら頷く。 「もう、御免だよ」 「そうだな。ただ、俺達にはそれをどうこうできる力がある」 「で、それを使いこなせる。だから・・・」 (戦うのさ) スティングのつぶやき。 ふと垣間見る二人の本言がひどく重かった。 彼らにとっては普段の会話なのかもしれない。 やっぱり私には背負いきれないのだろうか、やっぱり私では力が足りないのだろうか・・・? でも、でも・・・ 「・・・フレイ、どうしたんだ?」 気付けば涙が溢れていた。 同情じゃない。哀れみでもない。ただ、友人を思う涙だった。少なくとも私にはそうとしか考えられなかった。 「ゴメン・・・」 言葉には出来なかった。何だか小さなプライドと思いやりが邪魔をして。 ただひたすらに言葉は胸を渦巻いていた。 (アンタ達の力になりたい・・・) 「さてと・・・そろそろ行くか?」 「おいおい・・・フレイが・・・」 「いいのよ、スティング。ゴメンね、変な気遣いさせちゃって。今日の私ちょっと変みたい」 「・・・行けるか?」 スティングは立ち上がり私をのぞき込む。 だが、それよりも早くオルガの手が私の手を取った。 それは、ひどく暖かかった。 「お前が何も背負い込むことはねーよ。俺達も自分の事は自分でやる。自分の尻ぬぐいを他人に請うほど子供じゃねえだろ」 「な、何言って・・・」 「なるほどね。分かった分かった」 スティングの手が残った私の左手を取った。 「もっと肩の力抜いていこうぜ。俺達も、フレイも」 「・・・・何よ二人とも」 「付き合い長ェからな。お前の考えてることぐらい分かる」 「ホントにヤバくなった時は、期待してるぜ?」 「・・・・じゃあ、私も守ってよ? 私も貴方達を守るから・・・」 「あったりまえじゃねーか」 「姫を守るのは騎士の仕事だしな?」 二人は顔をお互いの顔を見るとニヤリと笑い、そして私の方を見た。 きっとひどい顔だったろう。化粧もしてないし、涙でくしゃくしゃだ。 でも、私は笑った。 「さて、次はどこ行くか」 「お姫様に決めて貰いましょう」 車に乗り込む。 「・・・アイスが食べたい!」 「おいおい、今冬だぜ?」 「それでも食べたいの!」 「はっ、本領発揮だな。オルガ、行けるか?」 「オッサンが昼間言ってた所ならあるだろ。仕事もせずに飯食いに行きやがったからな」 「ならそこに行こ!」 「頼むぜ」 「任せろ、オラオラッ!」 ギアは1から2へ。そしてあっという間に3へ。 さっきと変わらない。そしてさっきと同じポジション。さっきと同じ寒さ。 でも一つだけ違う。 「風が気持ちいいー!」 「オルガ! もっと飛ばせよ!」 「ハッ! 任せな!」 そして4へ。 不器用で器用な私たちを乗せて車は走る。 分かっているようで分からない私たちを乗せて走る。 風を切り裂いて。 真っ暗な世界を切り裂いて。 私たちは走る。 いつか来る、静かな世界を目指して。
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/18990.html
きみがわらうそら【登録タグ KAITO お茶漬P き 曲 神威がくぽ 鏡音レン 霜月旬】 作詞:霜月旬 作曲:お茶漬P 編曲:お茶漬P、連投P(アコースティック版) 唄:鏡音レン、KAITO、神威がくぽ 曲紹介 コラボやりたいね、と言ってからあっというまに話が進んでものすごく楽しんで作る事が出来ました。 聞いてくれた人が笑顔になってくれるいいなと思います。 調教は連投P氏が鏡音レンを、霜月旬氏がKAITOを、お茶漬P氏が神威がくぽ をそれぞれ担当している。 アコースティック版はKAITOがしっとり優しく歌い上げる。 歌詞 (動画より転載) 手を繋いだ 君が笑う 空 今日はね なんだか 哀しい顔してるね 鳥が逃げたの? カゴの中嫌だったかな 空が広すぎて まだ見つからないの? 君の涙ぽつり 海に落ちて 空も泣いた ほらね 君が泣くと 君が泣くと 僕はどうしたらいいの? 君が笑う 君が笑う 僕はもう嬉しくてね 手を引くから歩こう そうだね あの子も 独りじゃさびしかったね 仲間探して 旅に出てみたのかな? 空が広すぎて うまく探せないの? だけど君の靴がとんと跳ねて ドアが開く ほらね 君が笑う 君が笑う 僕はただそれでいいよ 空に消えた鳥の行方 神様の言うとおりに 探しに行こう 今すぐ 空が広すぎて まだ見つからないね だけど指を強くからめてれば 次のドアさ 行こう 地図も船も羅針盤も 目印も無いけれど 会えるはずさ 光る空と 水平線の境目 ほら 見える? 雲が途切れ 君が笑う それはもう眩しくて 君の笑顔 君のぜんぶ これからもずっと 好きだよ 手をつないで歩こう コメント 追加乙!コレ好き!! -- 名無しさん (2011-11-06 22 55 01) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/bluesky-dreamer/pages/41.html
[3] 3学期末、英語のクラス発表。美玖は、3学期の中間テストが散々な結果だったので、またA2に落ちる事は目に見えていた。だから、発表の紙を見て、自分の名前の横に小さくA2と書かれているのを見ても、何も悲しくなかった。 素直に、努力が足りなかったのだと美玖は思った。中3になったら、もっと頑張ればいい――。元々楽観的な美玖は、さして気にも止めなかった。 一方、莉奈はというと、3学期で名誉挽回とばかりに頑張ったらしく、A1へ上がった。美玖はそれを見て、心から良かったな、と思った。だからそれを、素直に口に出した。 「莉奈良かったね~。私、クラス落ちちゃったけどぉ……。」 莉奈は、嬉しそうに顔を輝かせている。その表情を見て、美玖も何だか嬉しくなった。 「えへへ~。凄いでしょ~。」 その言葉を聞いた途端、美玖は体中に電撃が走るのを感じた。今、目の前にいて笑う莉奈が憎い。――何故?さっきまで私は全然クラスが落ちた事を気にしてなんかいなかったのに……。 理由は、何となく分かっていた。2学期末、美玖は決して莉奈に自慢しなかった。なのに、莉奈は美玖をあざ笑った。実際には嘲ってなどいないのかもしれない。しかし、美玖には、莉奈は美玖を馬鹿にしているとしか思えなかった。 普段、怒りを感じることのない美玖が、覚醒した。
https://w.atwiki.jp/goronka/pages/2535.html
【作品名】笑う太陽 【ジャンル】歌 (feat.中納良恵 From EGO-WRAPPIN') 【先鋒】子猫 【次鋒】タクシーに乗込もうとした人 【中堅】タクシー 【副将】太陽 【大将】時 【名前】子猫 【属性】子猫 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】子猫並み 【長所】迷い子猫がじゃれあう 【名前】タクシーに乗込もうとした人 【属性】常人 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】常人並み 【長所】Taxi 手を挙げ 乗り込む 【名前】タクシー 【属性】タクシー 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】乗用車並み 【長所】Taxi 手を挙げ 乗り込む 【名前】太陽 【属性】太陽 【大きさ】【攻撃力】 【防御力】【素早さ】太陽 【特殊能力】笑える 【長所】ごらん 赤く燃える 太陽が笑うの 【名前】時 【属性】時 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】時間並み 【特殊能力】いたずらや落書きができる 【短所】再び同じ 景色は見れないのかしら 参戦 vol.110 321 vol.110 322 :格無しさん:2013/02/27(水) 10 12 17.69 ID +eHvDEw9 321 【素早さ】太陽 は移動不可能と解釈すればいいとして 【大きさ】【攻撃力】【防御力】【素早さ】時間並み これは詳細不明すぎる 323 :格無しさん:2013/02/27(水) 16 29 36.16 ID CqR4ZmoO ゲッターロボサーガの連中が通ってるんだから問題ないだろ 向こうと同じように、実体なし移動力なしにすればいい 463 :格無しさん:2013/03/14(木) 19 28 45.84 ID fYQqvJhU 笑う太陽考察 タクシーは子供でも利用可能らしいので常人のままで考察 先鋒の負け・次鋒の分け・中堅の勝ち・以降分けが続くのでこの場合は略 △SUMMER Remix feat.あるま戦 1勝1敗3分 △朝のリレー戦 1勝1敗3分 △IevanPolkka戦 1勝1敗3分 ○にんげんっていいな 2勝3分 先鋒のもぐらは目が悪いみたいなので子猫が有利 △あこがれの郵便馬車 1勝1敗3分 △ジョジョ~その血の運命~ 1勝1敗3分 △おもいでのアルバム 1勝1敗3分 ×ギャシュリークラムのちびっ子たち 1勝2敗2分 次鋒が性別で不利 ○なんかのさなぎ 3勝2分 先鋒・次鋒があまりにも弱いので2勝 ○アゲハ蝶 2勝1敗2分 次鋒が大人で不利なものの先鋒が虫なので勝ち越し。 ○シンデレラなんかになりたくない 2勝3分 先鋒がネズミなので勝ち。 ×メリッサ 2敗3分 先鋒人間次鋒人間大の鳥中堅物理無効で負け越し。 ×どっこいおむすび君 1勝2敗2分 次鋒が性別分不利。 ○トミノの地獄 2勝1敗2分 次鋒が突撃負け喰らうものの先鋒が小鳥なので勝ち越し。 ×五匹のこぶたとチャールストン 1勝2敗2分 次鋒が相手子供以上らしいので不利 △少年仮面ライダー隊の歌 1勝1敗3分 中型鳥レベルだと子猫の大きさにより判断が難しいので分け。 ×1/2 次鋒は男子なので負け まあこれ以上は厳しいだろう。この結果 メリッサ>笑う太陽>シンデレラなんかになりたくない=アゲハ蝶 それとSUMMER Remix feat.あるまはろいつまとにんげんっていいなの3すくみだな にんげんっていいな=IevanPolkka=SUMMER Remix feat.あるま
https://w.atwiki.jp/jingai/pages/146.html
【作品名】WizardryⅣ ワードナの逆襲 【ジャンル】RPG 【名前】笑うヤカン 【属性】ヤカン 【大きさ】ヤカン並み 【攻撃力】刃物を持っているようには見えないが斬りつけて攻撃できる 通常の威力は冒険者の振るう短剣並みだが、 毒・麻痺・石化の追加効果がある 元々石像の敵もなぜか石化して行動不能に陥る 4~5mの相手にまで有効 時折出すクリティカルヒットは自分の数倍タフな相手も一撃で斬り殺す 魔法で透明になった敵にも命中率は下がるものの攻撃を当てられる モリト:20mぐらいの爆発魔法 9回まで使用可能 マカニト:50mぐらいの範囲を汚染された空気で包み、吸い込んだ者は即死する 人間・動物・人外に有効 9回まで使用可能 【防御力】ティルトウェイト(50mぐらいの核爆発魔法)を何発食らおうと無傷 炎や冷気に対しても同等の防御 真空にさらされても窒息しない ガス系の攻撃が効かない 毒・睡眠・呪い・生気吸収・石化・即死無効 【素早さ】数万匹の羽虫を斬撃や打撃であっという間に全滅させる冒険者以上の反応速度 上記冒険者がティルトウェイトを発動する前に攻撃範囲外まで走って逃げ切る移動速度 【特殊能力】カティノ:20mぐらいの範囲内の敵を眠らせる魔法 人間・動物・人外・幽霊に有効 9回まで使用可能 ソピック:個人用透明化魔法 【長所】莫大な知識ゆえ理解されずに疎まれ、そんな人間を笑って生きる憎い奴 【短所】最上位の魔法は使えない 【備考】昆虫の反応速度は0.02秒(Si新書「身近なムシのびっくり新常識100」P68より) 【戦法】ソピックをかけた状態で参戦 1スレ目 354 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/16(水) 16 04 44 ID evy2P819 笑うヤカン考察 ○○○ラムフォリンクス~ニウヒウメン 石化勝ち ××ティアマト、お~でぃ~お~ 石化ブレスの有効範囲より大きいので石化できない? 噛まれて負け ○はぐれメタル 石化勝ち ×サイコブレイン ブレスをバリアで防がれ精神攻撃負け ×サソリガドラス 大きさ負け ティアマト>笑うヤカン>ニウヒウメン 427 :名無しさん@お腹いっぱい。:2009/12/26(土) 09 54 26 ID ayA2dMN8 笑うヤカン再考 ○○○ティアマト~はぐれメタル クリティカルヒット勝ち ○鷲男 魔法に巻き込んで勝ち ○○○○サイコブレイン~28号 クリティカルヒット勝ち ○○チャンプ、里吉 石化勝ち △デストール 倒せない倒されない ○○カンデオン、ヤマタノオロチ クリティカルヒット勝ち △グノン 倒せない当たらない △ラリー 当てられない倒されない △スカイドン 倒せない当たらない ×ダゴン 死なないが発狂はする ×デスピサロ 輝く息負け ラリー=グノン=笑うヤカン>ヤマタノオロチ
https://w.atwiki.jp/ashley_project/pages/49.html
ごまあざらし 比較的昔からアシュリーと関わりがあり、今でも絡むことが多い稀有な女配。AJAFCに第1回、第2回共に参加している。ほぼ毎日遅くまで配信で練習を重ねた彼女のたゆまぬ努力により第2回に優勝を果たしている。しかし、あまりにも強いので第3回は呼ばれないかもしれないことを彼女はまだ知らない 追記)第3回Beast cupにアシュリーおみそなめことチームを組んで出場する。ほぼ全てのアシュリー主催の大会に出場し頭数を揃える時に真っ先に名前が上がる「都合のいい女」として扱われている
https://w.atwiki.jp/beauty111/pages/33.html
先天性と後天性とがあり、色調は黒、青、赤、茶に分かれますが、一般的にメラニン色素異常などによりできた部分をいいます。 現在では皮膚移植やレーザー治療によって改善することができます。
https://w.atwiki.jp/dangerousss4/pages/173.html
第一回戦SS・寺院その2 第一回戦【古代】寺院SS「今日、僕は初めて――」 目を閉じると、まぶたの裏に鏡子の顔が浮かび上がる。 悲しい顔で、私を見下ろすあの女。 セックスは共に楽しむものだと、あいつは言った。 あなたのセックスは悲しい、とあいつは言った。 理解のできない言葉だ。 セックスは力だ。支配する力だ。優劣は必ず発生し、共存することなど出来はしない。 希望崎学園でも『虎の尻穴』でも、私はそうやって生きてきた。 鏡子、貴様がそれでもセックスを愛だなどと言うのなら…… ……私は、それを否定しよう。私の人生が、間違っていないと証明するために ああ、細やかな振動が私を刺激する。 私の戦いが、始まるのだ。 ―――ジジジジジジジ………… 腕時計のアラームが鳴り止むのと同時に、天樹ソラは閉じていた目を開く。 先ほどまで彼は自宅にいたはずだ。しかし今、眼前には長い長い石段が広がっていた。 どこまで続いているのだろうか、月明かりの下では見上げても階段の先を見通すことはできない。 遠く、遥か頭上で鐘の音が響く。どうやらこの階段の先に寺院が有るらしい。 ソラは右手首の腕時計にチラリと目をやる。そこに文字盤は存在せず、代わりに二つの人名と一つの地名が表示されている。 『【古代】寺院 猟奇温泉ナマ子vs天樹ソラ』 この先に、対戦相手が居る。 ソラは一度深呼吸をし、階段を登り始めた。 ――― 一歩づつ、奇襲と罠に気を配りつつ階段を登りながら、ソラは対戦相手のプロフィールを思い出す。 猟奇温泉ナマ子、17歳、ビッチ養成機関『虎の尻穴』出身、現在希望崎学園2年生。特筆すべき経歴、ビッチ選手権ベスト4、準決勝にて鏡子に敗退。 何らかの性的な魔人能力をもっており、願いも性に関するものと推測される。 『N』に渡された資料に記載されていたのはそれぐらいだ。 17歳、ソラと同い年だ。だが、プロフィールを見ただけでも分かる。彼女の歩んできた人生はソラとは全くの別物だ。 どんな願いを持っているのだろうか、どんな思いで戦いに身を投じているのだろうか。 ……できれば戦わずに、怪我を負わせずに終わらせたい 湧き上がるそんな想いを打ち消す。 こんな自分勝手な想いよりも、叶えなければならない願いがソラにはある。 ならば、戦い、勝つ。なすべきはそれだけなのだ。ソラは自分にそう言い聞かせる。 そんなことを考えながら石段を登っていると、足元に影が差した。 誰か来たのか。 いつでも外せるように右手の手袋に手をかけながら階段を見上げると、影の根本には禿頭の若者が立っていた。 袈裟、というのだろうか、仏僧のような服を着た若者はソラの視線を受けて一礼をする。 「天樹ソラ殿、でございましょうか?」 名前を呼ばれ、ソラは警戒を強める。 この世界にソラの名前を知るものが居るとすれば、それは対戦相手である猟奇温泉ナマ子に他ならない。 ならば、あの僧侶は猟奇温泉ナマ子と何らかのつながりがあると見て間違いがない。 手袋を外そうと指をかけたソラに対し、僧侶は手の平を向けてとどめる。 「待ってくだされ、私はナマ子殿より伝言を預かって参り申した」 伝言、と言われてソラは手袋から指を離す。 一体何なんだろうか、対戦相手と話すべきことなど、あるのだろうか。 「『この戦いについて話がしたい、本堂まで来てくれ』。だそうです。案内しますゆえ、ついてきてはもらえませぬか?」 話がしたい。 罠の可能性は高い、とソラは思う。 何らかのトラップを張って待ち構えている。あるいは対峙しないと使えない能力である。など、様々な可能性は考えられる。 乗れば、不利を被るだろうとソラは思う。 ……だが一方で、それらを警戒する余裕はソラにはないことも事実である。 ソラの能力は手で触れたものにしか効果がなく、他の攻撃手段にも乏しい。 持久戦となれば不利になるのはソラの側だ。 相手が罠を張っていようと、踏み込まなければソラに勝ち目はない。 受けざるを得ない。 「わかりました。案内してください」 頷くソラを見て、僧侶は一瞬安堵の表情を浮かべる。 「それでは、どうぞこちらへ」 先導する僧侶の後を追いながら、ソラの頭にふと疑念がよぎる。 確かに敵に接近できなければ勝ち目が無いのは事実だ。 だが、本当にそれだけの理由で承諾したのだろうか? 話があると言われた時、戦わずに済む可能性を考えなかっただろうか。 傷つけることも、傷つけられることもしないで済むと思わなかっただろうか。 ぎり、と奥歯を噛みしめ思考を振り払おうとする。 そんなことを考えてはいけない。 ヒナを思い出せ。 笑っていたヒナの顔を、照れていたヒナの顔を 最後に見たヒナの背中を、思い出せ。 勝ち抜かなければならないのだ。余計なことを考える余裕はない。 覚悟を決めなければならないのだ。なのに、こんなこと…… 「……ナマ子殿は、こちらでお待ちです」 僧侶の声がソラの思考をさえぎる。気がつけば、いつの間にか本堂までやってきていたらしい。 装飾の施された扉は閉ざされている。中からは何の音も聞こえてこない。 僧侶が手をかけると、扉は重々しい音を立てながら開いていく。 「ソラ殿……その……申し訳ない……」 吐き出された僧侶の謝罪は、軋む扉の音に吸い込まれソラの耳へは届かなかった。 本堂の中には異様な光景が広がっていた。 ソラたちの学校の体育館ほどはあろうかという本堂の中、まるで道を作るように数十人の僧侶たちが二列に並んで座っていた。 そしてその道の先、本尊であろう曼荼羅の前で少女があぐらをかいている。 禿頭で袈裟の僧侶達に囲まれた、ただ一人袖のないワンピースを纏った長髪の美少女。 場違いであるはずなのに、自分こそがこの場の主であるとばかりに不遜な笑みをたたえた少女にとって、ミスマッチさえも背徳的な美しさを醸し出すスパイスなのだろう。 ソラが写真で見たのと同じ顔の、だが、写真よりもはるかに美しく見える少女。 猟奇温泉ナマ子、その人に間違いがなかった。 「貴様が、天樹ソラか?」 曼荼羅の前に座したまま、少女は口を開いた。 「ええ……猟奇温泉ナマ子さん、ですよね。話がある、と聞きましたが」 「ああ、そうだ。この戦いの勝敗について話をしたい」 戦いの勝敗。 予想していた……いや、期待していた話題ではある。 「それは、どういう……」 「まあまて、そんなところに立ったままでは話しづらいだろう?こちらへ来い」 少女はソラに向けて手を招く。だが、ソラは進まない。 このまま進めば僧侶に囲まれる形になる。 もし彼らが敵に回ったなら、対処しきれない可能性が高い。 ためらうソラをみて、少女はぽん、と手を叩く。 「なるほど。確かにその警戒は最もだ」 そう言ってナマ子が手招きすると、僧侶たちはおずおず立ち上がる。 二列に並び道を作っていた僧侶は、全員がナマ子の左右に控える形となった。 「退出させろ、とまでは言わないでくれ。何分か弱い女だからな。二人っきり、ではさすがに不安なんだ」 この状況でも、例えば僧侶たちを壁として使われた場合のソラの不利は否めない。 だが、ナマ子もこれ以上引く気はなさそうだ。 押し問答をしても始まらない。あくまでも会話に支障がない程度まで、ソラはナマ子との間の距離を詰める。 そんなソラに対し、警戒心が強いな、とナマ子は苦笑を向け、話を始めた。 「貴様が知っているかは知らないかは分からないが、私はあまり戦闘向きの魔人ではない。戦っても無為に傷を負うだけの結果になる可能性が高い。それで勝てるのならいいが……負ければ、生き残れても負傷したままこの世界に残ることになる。場合によってはそのほうが死ぬより辛いかもな」 話の内容は後ろ向きだが、朗々と語るその姿に敗北への懸念は感じられない。 奇襲をしかけてこないということは、まだ射程内ではないのか? それとも本当に、この場で話し合いで勝利を決めるつもりなのだろうか…… 「私にも願いはある、が……そこまで強いものではない。命のほうが大事だ。だから、貴様の願い次第では勝ちを譲ってもいいと思っているんだよ。天樹ソラ」 勝ちを、譲る。 あるわけがないと思っていた。 だが、あってほしい、とも思っていた。 本当だろうか、この距離からは表情が読めない。 無意識のうちに、ソラは少しだけナマ子に近づく。 「本当ですか?」 「ああ、もちろん。くだらない願いであれば譲りたくはないが……強い願いを持っている奴は、その分必死になる。死に物狂いの相手にボロボロにされて負けて、こんな世界で治療も受けられず死ぬ、なんてぞっとしないからな」 ナマ子の表情は笑顔、真意は読めない。 もう一歩、ソラはナマ子に近づく。 「さあ、聞かせろ、天樹ソラ。貴様はどんな願いでこの戦いに挑んでいるんだ?」 「僕は………」 答えていいのだろうか、信じていいのだろうか。 不安はある。だが、戦わずに――血を流さず、流させず戦いが終われば、どんなに素晴らしいだろうか。 もはやソラには一縷の望みを振り払うことは出来なかった。 「僕は……戦闘空間に取り残された幼馴染を助けたいんです。ヒナを一人にしたくない、ヒナに伝えてないことがまだたくさんある――ヒナと一緒に居たい。それが、僕の願いです」 ナマ子がわずかに眉を潜める。ソラはそれに気づかない。 張り付いたように動かないナマ子の笑顔、その違和感にソラは気づかない。 「ほぉ……そいつは、恋人か?」 「え、いや、ち、違います!」 「ああ、まだそういうのじゃない、と。なるほど、わかった」 慌てて否定するソラを横目に、ナマ子は納得が言ったかのような表情で二、三度頷き。 「やめだ」 吐き捨てるように言い放った。 「ああ、やめだ。やめだ。逃げさせないためにはもう少し引き込みたかったが、もうやめだ。貴様の吐き出す言葉は聞くに耐えない」 ナマ子はゆらり、と立ち上がる。張り付いた笑顔は離れ、浮かぶのは侮蔑と嘲笑。 「あの子のため?一緒に居たい?なんだそれは、愛とでも言うつもりか?」 ナマ子の両脇に控えていた僧侶たちに動揺が広がる。 「全くもって馬鹿馬鹿しい。くだらない」 ナマ子を中心として、おぞましい気配が立ち上る。 ざわめく僧侶たちの中から一人が立ち上がる。ソラを案内した若い僧侶だ。 「ナマ子殿!話が違います!従えば我らは巻き込まないと……!」 「黙れ」 声を荒らげ詰め寄ってくる彼の口に、ナマ子は右手指を挿し入れた。 ぐるり、と首を回し、ナマ子は僧侶を見つめる。 怯え、不安、そして瞳に残る僅かな力。それら全てがナマ子をいらだたせる。 「なあ、お前らの開祖はそう言ったのか?マーラを前に『自分は一生懸命努力しています。どんな命令でも従います。だからどうか私を誘惑しないでください』 そう懇願したのか?」 指は彼の口の中を艶めかしく撫で回す。 わずかに身を震わせながら耐える彼をあざ笑うように、ナマ子は厳かに宣言する。 「『プレローマ』」 静謐に満たされていた本堂の空気が、淫靡な邪気に塗り変わる。 不穏な気配を感じ距離を取ろうとしたソラの表皮を、奇妙な快感と射精感がなでる。 これ以上は危ない、そう感じ踏みとどまったソラの視線の先では、ナマ子が若い僧侶の口に指を突っ込んだまま僧侶を引っ張った。 中国拳法のようなゆったりした動き、バランスをくずされた僧侶は倒れる。 ダメージがあるようには見えない、ゆったりとした動き。 だというのに、僧侶は倒れたまま痙攣し、立ち上がってこない。 「誘惑に乱されぬための修行?何かを成し遂げるための意志?誰かへの愛?」 僧侶たちの、そしてソラの顔を見回し、ナマ子は高らかにあざ笑う。 「そんなもので、『プレローマ』の支配から逃れられるというなら、見せてみろ」 さもなければ、蹂躙するぞ―― 彼女の宣言と同期して、僧侶たちにパニックが広がった。 怯えるもの、慌てるもの、反応は様々だ。 逃げようと走りだした僧侶が、膝から力を失い倒れた。 うずくまって震えていた僧侶が、ひときわ大きく痙攣した後動かなくなった。 誰も彼も、身動き一つとると、そのまま力を失い動かなくなる。 あっという間に本堂には栗の花のような精液の臭いが満ちていく。 本尊の曼荼羅には僧侶が出したものであろう精子が付着し、真っ白に染め上げられていた。 悲鳴と白濁にまみれた本堂の中、立ちすくむソラに向かって、ナマ子はゆっくりと、一歩一歩近寄ってくる。 ソラは動けない。 手袋をしたままの右手に向けてゆっくりと左手を動かすだけでも、射精感に体が支配されそうになるのだ。 下手に動けば、僧侶たちと同じ運命をたどるに違いない。 「天樹ソラ。貴様、童貞だな?」 「……っ」 「やはりな。ああ、気にするな」 艶かしい足遣いで、ナマ子は正面からソラに近寄ってくる。 「殺しはしない。私はビッチだ……人殺しでは、ない」 吐息が掛かりそうな至近距離。ジリジリと左手を動かす。右手首に触れ、指を動かす。 もぞもぞと動いているソラの左手を、ナマ子は強引に掴み引き寄せる。 手袋の縁にかかっていた指が抜かれる。 下手に左手を掴む手を振り払おうとすれば、ナマ子の能力を受けて僧侶たちと同じ末路を辿るだろう。 だが、片手では右手の手袋を外すことは出来ない。 「幼馴染を救いたいと言ったな?ヒナ、だったか、その女と一緒に居たい、と」 「だったら……それが何だ」 ナマ子が再び笑顔を見せる。最初に話していた時とは違う、感情がむき出しの嘲笑。 「その気持ち、何回目の射精まで持つかな?」 美しい少女であったはずだ。 だが、ソラは眼前に居る少女はからおぞましさしか感じることが出来なくなっていた。 「ば、馬鹿にするな!」 「威勢がいいことだ」 精一杯の虚勢を受け流し、ソラの体にナマ子の指が触れる。 初めは肩から、ヌラリ、と軟体生物のように動きながら、下半身へと這って行く。 「喜べよ童貞。抜いてやる」 ナマ子の手が局部に触れる。 全身を走る衝撃に、ソラはなすすべもなく倒れた。 倒れ伏すソラを見下ろしながら、ナマ子は手に付着した精液を舐めとった。 気に食わない男だった、とナマ子は思う。 本来ならばもう少し油断させてから制圧する予定だった。 だが、救いたいだの一緒に居たいだの、虫唾の走る言葉を叫ぶこの男に耐え切れず予定より早く『プレローマ』を発動することとなってしまった。 『プレローマ』の射程は半径20m、相手の能力によっては逃げられてしまう可能性もあった。 そういった意味では運が良かったのだろう。 だが……この男の言葉は気に食わない。 愛など無い、絆などない。人と人との関係など、所詮は欲望に基づく奪い合いだ。 『虎の尻穴』でも、希望崎学園でも、ナマ子はそうして生きてきた。 支配し、奪う。弱者は搾取されるために存在し、対等な関係など実力が拮抗するが故の妥協に過ぎない。 この男の言葉も、所詮は無自覚な征服欲にすぎないのだ。 『あなたのセックスは悲しい……』 鏡子に告げられた言葉が脳裏をよぎり、ナマ子は思わず歯ぎしりをする。 あの女の言葉を否定するために、あの女をビッチではなくただの人殺しに貶めるために、私は誰も殺さずに勝ち抜かねばならない。 不快な記憶を振り払い、ナマ子はソラを見下ろす。 この男はこのまま場外にでも捨てればいい。 さすがに女一人で運ぶのは難しいだろうが、適当な僧侶をたたき起こして運ばせればいいだろう。 そこで、違和感を覚えた。 ソラの右手に腕時計がついていない。 落としたのだろうか。だが、周囲を見回してもそれらしきものは見当たらない。 (……時計だけを回収した?なんのために……こいつは囮で、他に時計所有者が居るのか?) ナマ子が僧侶を脅してソラを招いたように、ソラもまた僧侶を使ってナマ子の出方をうかがった、という可能性も否定はできない。 だが、本堂内に隠れられるような場所はない。 外から狙おうに射線は通っていない。まず奇襲は不可能だ。ならば、様子見か? 湧きだした疑念は収まらない。しかし、この男が本当に『時計』所有者ならば無視するわけにも行かない。 結論として、奇襲の危険性も薄いことから、ナマ子はソラが時計を所持していないか検分してから囮か否かの判断を下すこととした。 愛撫でソラの上着を破く、時計は隠されていない。 ならば下着の中を、と手をかけたところで、足首を何者かに掴まれた。 まさかと、驚愕と共に目を足元に目をやると、最初に射精させてやった若い僧侶が這いつくばりながらナマ子の足首を掴んでいた。 「ソラ殿……申し訳ない……我々が……騙されたせいで……」 弱々しく綺麗事を呻く僧侶の姿に苛立ちを覚え、足で股間を踏みつける。 痙攣、そしてまた動かなくなる。 腹立たしくなるほどに弱い。 不満があるのなら力を得るべきだ。その力がないのなら素直に蹂躙され支配されるべきなのだ。そこの僧侶も、天樹ソラらしきこの男も。 男の体に残る衣服は右手の手袋のみ。 しかし、薄い手袋はどう考えても中に手以外のものが入っているようには見えない。 やはりこの男は囮だったのだろうか?そう思いながらナマ子はソラの手袋を外す。 手袋の中には、半透明の右手しか入っておらず…… 右手の中に突然腕時計が現れた。ソラはその時計を、右手のスナップで放り投げた。 思わずナマ子は腕時計の行方を目で追う、追ってしまう。 ガリッ、ソラの口元から、何かを噛み潰すような音がした。 ぐったりとしていたソラの眼と口から血液があふれ、体が跳ねるように動く。 素早い、格闘魔人の如き速度で右手をナマ子に向けて突き出す。 激しく素早い動き。それはプレローマに蝕まれ、すぐに力を失い慣性のみで倒れこむように動く形となる。 確かに虚はつかれた、初速の分だけ速度は保っているが、だが、まだ、遅い。 格闘術を収めた魔人であるナマ子にはギリギリ回避することができるタイミングと速度。 ゆるやかに身を引けば、紙一重で回避できる。あとはもう一度イカセてやれば立ち上がることはできまい。 そのまま相手の股間に手をのばそうとして―――――足を引かれ体勢を崩す。 「寺の中で……これ、以上、の……狼藉、は…」 若い僧侶が、もう一度足を掴んでいた。 虫の息だ。少し力を入れればすぐに振り払える程度の弱々しさだ。 だが、回避と両立は出来ない。 足を抑えられる、半透明の右手が顔に迫る。 「負け犬が!くだらない真似を!」 僧侶の手を振り払う。あっけなく手は足から離れる。所詮、弱者の意志などこの程度のもの。 だが、ソラの右手はもう目の前に。 指先が眼球に触れる。この程度のことで、と思った瞬間激痛とともに視界が失われる。 妙にゆるやかな時間間隔の中、自分の顔面がどんどん削り取られていくのを感じる。 ナマ子にはソラの能力の詳細がわからない。だが、触れられること自体が致命的であったことだけは理解できた。 苦痛がナマ子を苛む。敗北の実感が背筋を這い上がる。 そしてその中で、ナマ子は一片の満足を得る。 天樹ソラの掌。優しさの欠片もない、傷つけるだけの掌。 理解などとは程遠い、自分を排除するためだけに体を撫でる手の感触。 結局のところ、こいつらだって私と同じなのだ。 口では愛だの意志だの叫ぼうと、相手を排除することでしか目的を達成できないのだ。 ――そうだ、これが力だ。これこそが、勝者の持つべき力だ。 鏡子の優しい愛撫とは違う。鏡子の柔らかな愛撫とは違う。 これが私の知っているセックスだ。これが私の知っている力だ。 正しいのは私で、間違っているのは鏡子。 そうだ、それでいいんだ。この敗北は受けいれられる。 受け入れられる、はずなのに。 何故、最期に鏡子の悲しそうな涙を思い出してしまうのだろう。 私は、わたしは、わ た し は 愛 な ん か――― そうして、ナマ子の意識は消え去っていった。 ―――そうして、僕は勝利した。 足腰はガクガクと震えている。 ただでさえ消耗している時にスズハラGXで無理やり動かした反動だ。動くはずはない。 猟奇温泉ナマ子の体は動かない。賭けに勝ったのは僕だった。 彼女は僕を殺さないと言っていた。ならば、勝利する方法は限られてくる。 その隙を、狙う。あの状況で僕が思いつけた勝ち筋はそれだけだった。 騙し討ちを成功させるために、こっそりと左手で『時計』を外して手袋の中に滑りこませ、『廃墟』側に隠した。 深い考えがあったわけではない。 あったはずのものが消える。無かったはずのものが出てくる。 それで少しでも注意を反らせれば、勝利の目が出てくる。それだけを考えて闇雲に取った行動だった。 目論見は成功した。その結果、僕は彼女を殺した。 僕は彼女のことを何も知らない。 どんな願いを持っていたのか、 どんなふうに生きてきたのか、 なぜ人を殺さないのか、 なぜ……あんな辛そうな顔で僕や僧侶達を否定したのか。 今となっては、どれも知る由もない。 自分が誰かを踏みにじった実感から、喉から悲鳴がもれそうになる。 敵だから、闘わないと戻れないから、先に仕掛けてきたのはあいつだ。 だから僕は悪くない。 こみ上がってくる言葉を、僕は必死で飲み込む。 誰かを殺したことを言い訳しちゃいけない。 この行為に慣れてしまえば、きっと僕はヒナの前に立てなくなってしまう。 だから、これだけは忘れてはいけない。 今日、僕は初めて、人を殺した。 第一回戦【古代】寺院SS「今日、僕は初めて、人を殺した」終了 このページのトップに戻る|トップページに戻る