約 106,068 件
https://w.atwiki.jp/bizinbiyou/pages/83.html
店名 イメージア あざみ野店 電話番号 045-904-4408 店舗住所 神奈川県横浜市青葉区あざみ野2-7-11 店舗までのアクセス 東急田園都市線あざみ野駅徒歩3分 営業時間のご案内 8:30~22:00(パーマ・カラー最終受付20:00、カット・トリートメント最終受付21:00) 定休日 年中無休(年始を除く) 取り扱いクレジットカード 不可 カット価格 2800円 スタイリスト数 18人 席数 16席 備考 15席以上の大型サロン/駐車場あり/夜19時以降も受付OK/年中無休/朝10時前でも受付OK/最寄り駅から徒歩3分以内にある/男性スタッフが多い/女性スタッフが多い/お子さま同伴可 ▼あざみ野・溝の口・たまプラーザのその他の美容院 b・Hair Dressers 溝ノ口店 Neolive anie 溝ノ口店 Neolive11 溝ノ口駅前店 MerryLand 宮崎台店 gecca C-LOOP UNITED gross Alaine hair design Neolive3 溝ノ口店 insence たまプラーザ gita たまプラーザ店 QUATRO 溝の口店 Lampara League bis あざみ野店 shu.ha.ri.. League 宮崎台店 Hair&make Oggi たまプラーザ SHIDO Hair&make Oggi 溝の口 ピュアモード イメージア たまプラーザ店 QUATRO たまプラーザ店 az JOY美容室 宮前平店 Sora melange-CLAIRE hairstudio ルジャルダン あざみ野店 ヘアブティック BOZ-1 溝の口店 ヘアメイク アンリ Diaz Of HAIR 鷺沼店 Ash たまプラーザ店 ROSINANTE Anagram Of HAIR 宮崎台店 Ash 鷺沼店
https://w.atwiki.jp/mtgflavortext/pages/9204.html
ブラッシュワグをあざ笑った ――狩人の言い回しで「思いがけず死んだ」 Laughed at the brushwagg ――Hunters expression meaning "died unexpectedly" イコリア:巨獣の棲処 【M TG Wiki】 名前
https://w.atwiki.jp/future-diary/pages/123.html
出演 1st・天野雪輝、2nd・我妻由乃、9th・雨流みねね、5th・豊穣礼佑、6th・春日野椿、13th 秋瀬或、日野日向、野々坂まお、高坂王子、天野礼亜、霧崎あざみ、寓話探偵、トイレの花子さん (みねねルートを選択し、探索モードで最後まで生徒名簿を調べなかった場合) 3rd・火山高夫
https://w.atwiki.jp/sakots/pages/316.html
【鏡音リン】 あざみ野のララバイ (オリジナル) 【Act.2】 曲名:あざみ野のララバイ 作詞:サ骨 作曲:サ骨 編曲:サ骨 唄:鏡音リン 歌詞: 春はあの花 秋には枯れて思い出残して 夜も明るいあざみ野の駅に立ち尽くす すすり泣く雨 乾くあたしの涙のかわりに 眠っておくれ 傷だらけのあたしの胸で そう子守歌を歌いながら 癒されるのはあたし 地下鉄も終わるころ どこへ向かえば ああ まだ寒さも残る五月に あざみ野の唄 聴かせてあげるから まだふたりで壁にもたれて あざみ野の唄 恨み節のララバイ 泣くのはあなた あたしの心はもう無いから それでも眠れ 傷だらけのあたしの胸で そう 遊びですらなかったって 気づかされた春の日 駅舎からの灯りが 暖かなままに もう独りで咲く花のように あざみ野の唄 咽ぶ鳥のように もう誰かの胸の中にいた あざみ野の唄 祭りのあとのララバイ まだ寒さも残る五月に あざみ野の唄 聴かせてあげるから まだふたりで壁にもたれて あざみ野の唄 恨み節のララバイ
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/59298.html
【検索用 きみはわらう 登録タグ 2013年 UTAU き 抹和 曲 曲か 枡久とうか 神々廻海瑠 鼎唄シノ】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:抹和 作曲:神々廻海瑠 編曲:神々廻海瑠 唄:鼎唄シノ・枡久とうか 曲紹介 曲名:『君は笑う。』(きみはわらう。) 歌詞 君は笑う。 誰のために? 自分のために。 どうして? 生きるために。 笑わなきゃ死ぬの? そうゆうわけじゃない。 生きてるの? 死んでいる。 どうゆうこと? 存在は生きる。 自分は死んだ? そうゆうこと。 君って誰? これを見た人。 もう1人いるね? そうだね。 誰? わかるでしょ。 そうゆうことね? 君は笑う。 コメント 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。
https://w.atwiki.jp/storytellermirror/pages/1086.html
探偵・青ひげ part67-145~148 145 :探偵・青ひげ:2014/05/12(月) 00 14 59.81 ID Iu+wXI0e0 RPGツクールVX・ACE ニコニコエディションで作られ ニコニコ自作ゲームフェス2に応募されたゲーム、 『探偵・青ひげ』行きます。 ひげをはやしているものの青いわけではないのに、 なぜか青ひげと呼ばれている『探偵・青ひげ』。 彼の元に一人の老人がやってきた。 「やっとあなたを見つける事ができました。お願いです、孫の敵を取ってください!」 「死んだお孫さんの敵ですか…お孫さんは何歳でしたか?」 「まだ0歳にもなってません。孫は娘の体内で流産したんです。 流産させたのは娘とつきあっていたあの男、雅彦に違いない! あいつは娘が妊娠したと知り、出産に反対してたのにしばらく後に出産に賛成した。 そしてその翌月に流産したんです。 病院で調べてもらいましたが、薬物などの反応は無く、孫を殺した方法が分からない。 確かに、体内の胎児を殺しても法律上は殺人にはならない。 でも、それでも、これは『殺し』なんだ。分かってくれるだろう?」 「とりあえず、娘さんや雅彦という男について教えて下さい」 「娘さんと雅彦は何処で知り合ったんですか?」 「救命講習です。娘は優しかったから、何かの際に人を助けられるようにと…」 「そこで他に誰と知り合ったか分かりますか?」 「そこで、雅彦の友達とも知り合ったと言ってました」 「雅彦についての情報を教えてください」 「あいつは女癖が悪いので有名だったようだ。一流大学の工学部卒らしい」 「なるほど、大体わかりました」 「それで、調査は何週間かかるかね?」 「2~3日で十分です」 「そんなにすぐに分かるのかね!?」 「今の話で、容疑者がお孫さんを殺した方法は大体分かりました。 それを確認するために2~3日かかります」 依頼者の老人が帰ったあと、青ひげは早速調査を開始する。 まずは雅彦の友達から話を聞く事にした。彼の働く食堂に助手と二人で行く青ひげ。 「いらっしゃいませ、何にしましょうか?」 「ビールと定食を。ところで、雅彦の友達って君かい?彼の紹介で来たんだ」 「ええ、そうですよ」 「雅彦も連れてきたかったんだが、最近金が無いから外食できないって言ってたな。 何にどれくらい使ったんだろうな?何か言ってなかったか?」 「最近、20万円使ったと言ってましたね。何に使ったかは知りませんけど」 そんな話をした後、雅彦の友達は注文を伝えるべく厨房に入っていった。 「青ひげ先生、彼からどんな話を聞くんですか?」 「いや、もう聞きたい事は聞いた。酒飲んで食事したら帰るぞ」 「あれだけでいいんですか!?」 その後2人は食事を終え、食堂を後にした。 146 :探偵・青ひげ:2014/05/12(月) 00 16 14.86 ID Iu+wXI0e0 次に、青ひげと助手は知り合いの病院に行く。受付で老婆が出迎えてくれた。 「青ひげ、相変わらずの商売をしているようだね」 「今日は聞きたい事がある。何の痕跡も残さず薬物で流産させる事は本当に不可能なのか?」 「そうだね…病院で堕胎させる時は強制的に陣痛を誘発させる薬を使うんだが、 そんな事をするんだ、副作用が強く、調べれば何らかの痕跡が見つかるのが当然だ。 薬物で流産させて何の痕跡も残さないなんて、不可能だね」 「そうか分かった、ありがとう」 事務所へ戻り考えをまとめる青ひげと助手。 「先生、これからどうするんですか?」 「もう調べる事は全部だ、真相が分かった」 「真相ですか?本当に雅彦が犯人なんですか? 依頼者が、孫が死んだ悲しみを雅彦にぶつけてるだけでは?」 「何言ってるんだ、これまでの情報で雅彦が犯人なのは分かるだろう」 「どうしてですか?」 「まったく、お前は何年俺の助手をしてるんだ。自分で考えろ、じゃないと成長しないぞ」 「ヒントを下さいよー」 「そうだな。ヒント1、雅彦と依頼者の娘は救命講習で知り合った。 ヒント2、薬物を使っての痕跡を残さない堕胎は不可能。 そしてヒント3、雅彦は最近20万円の金を使っている」 「うーん…」 そこへ、青ひげの部下の調査員が入ってきた。 「雅彦の家からコレを発見しました」 「やはり持っていたか。コレは簡単に捨てられる物ではないからな」 「それと、雅彦はロシアの会社に引き抜かれ、明日にはロシアへ行くようです」 「ならば今日中に雅彦を問い詰めなければな」 そういうと青ひげと助手は、雅彦の家から発見されたものを持ち、雅彦の家へ向かった。 「あなたが先ほど電話をくれた探偵・青ひげですか。 青ひげという名前は、昔に若い女を連れ込んで虐殺したというあの青ひげが由来なんですか? だとしたら、一風変わった脅しだなあ」 と、軽口を叩く雅彦。 「俺がここを尋ねた理由は分かるか?」 「知らないと言いたいところですが、想像はつきますよ。彼女が流産した事でしょう? でも、俺だって悲しいんだ!」 「しらばっくれるなよ、犯人がお前なのは分かっているんだ」 「俺が犯人だって?一応話を聞くよ。だが、話が的外れだったらすぐに話を打ち切るからな。 俺も明日からロシアに行くから忙しいんだ」 こうして、青ひげと雅彦の対決が始まった。 147 :探偵・青ひげ:2014/05/12(月) 00 16 48.60 ID Iu+wXI0e0 「お前は彼女と救命講習で知り合ったそうだな。 その救命講習で得た知識を使って彼女の胎内の子供を殺したんだろう!」 「救命講習の知識なんかでどうやって胎内の子供を殺すんだ? 心臓マッサージの要領で胎内の子供を圧迫して殺したとでも言う気か? いいか、胎内の子供はな、羊水という水に守られているんだ。 人の力で強く押された位では流産しないよ」 「そうではない。お前は、AEDを使って電気を流し流産させたんだ! 水は電流を通す、羊水で守られていても関係ない」 「あのなあ、AEDというのは心電図で心臓が動いているのを確認しないと 電流が流れないようになっているんだぞ。胎内の子供を殺すのには使えないんだよ」 「普通のAEDならそうだろう。だが、改造されたAEDなら話は別だ。 お前は一流大学の工学部卒、そのように改造できたはずだ。 そんな方法は思いつきもしなかったとは言わせないぞ!」 「そんな事をした証拠はあるのかよ!」 そう言われた青ひげは、先ほど調査員から受け取ったモノ、 つまり雅彦が作った改造AEDを荷物から取り出す。 「これが証拠だ」 「それは!お前、なぜそれを!」 「ゴミとして捨ててあったのを拾ったんだよ」 「そんなわけないだろう!」 「俺が盗んだという証拠があるのか?」 「くっ…いや、でも、その改造AEDが俺の物だという証拠があるのかよ? さっきは犯人呼ばわりされてついつい改造AEDが俺の物みたいに言ったけど、 本当はそれは俺の物じゃないぞ!」 「お前の友達から、最近20万円を使ったと聞いたぞ。 そしてAEDの値段も一個約20万円。一致してるじゃないか。 教えてもらおう、20万円の使い道を」 「いや、その、覚えてないんだ。 そ、そうだ、カードで20万円を支払ったんだ。 気軽に支払ったから、何を買ったかなんて覚えてないんだ」 「そうか!カードの支払いは記録が残り、調べれば買った物がわかるな」 それを聞き、雅彦はしらばっくれるのを諦めた。 多分、本当にカードで支払ったのだろう。だが雅彦は言う。 「探偵。お前、一つ間違っているよ。俺は殺したのは子供じゃない。胎児だ。 既に生まれた子供を殺したなら、そりゃ重罪に処される。 数年、十数年と刑務所行きだろうよ。 だが、胎児は殺した所でせいぜい執行猶予だ! ちょっと怒られて、ちょっと謝れば済むんだよ!」 そう言い捨てるのを聞いた青ひげは、 助手に「帰るぞ」と一言言うと雅彦の部屋を出て行く。 背後から雅彦が「満足か探偵、俺に執行猶予をつけられてよ!」 と、あざ笑うのを聞きながら… 148 :探偵・青ひげ:2014/05/12(月) 00 18 02.26 ID Iu+wXI0e0 しばらくの後、雅彦は、ロシアへ行くために行った空港にある店か ロシアに行く前に最後に行きつけの店に行ったのかは分からないが、 結構大きな外食店で一人で食事をしていた。 「まさか探偵にバレちまうなんてな。しかし、訴えられた所で所詮は執行猶予。 それすらも、一旦ロシアに行ってしまえば無かった事にできる!」 と、余裕かましてる所に、青ひげと助手がやってくる。 「探偵、お前…?」 「雅彦、なんで俺が青ひげと呼ばれてるか分かるか? 昔に若い女を連れ込んで虐殺したというあの青ひげ、それが由来なんだよ」 そう言うと同時に、青ひげの背後から数人の屈強な男が来て雅彦を取り囲む。 「俺は以前から思ってたんだ。『探偵』と『復讐屋』、 このふたつを兼業したら儲からないかってな」 そう言うと、青ひげは背後の男に拷問器具を取り出させ、 それを使って雅彦を、凄まじい苦痛を与えながら傷つけていく。 血まみれになりながら、やめてくれと懇願する雅彦に、青ひげは言う。 「何を言っているんだ。お前は人を殺したんだ。 だから、お前も殺されて、初めて互角なんだよ」 そして再び拷問を始める青ひげ。 「助けを呼んでも人は来ないぞ。 人払いは完璧だ、俺達はプロの復讐屋だからな。 …分かったか?なぜ俺が青ひげと呼ばれるのか」 END 以上です。調査や推理の要所で二択問題に答えるという簡単なゲームですが、 そういったものでも気兼ねなく応募できるというのが ニコニコ自作ゲームフェスの良い所なのでしょう。
https://w.atwiki.jp/opedmiroor/pages/2651.html
※ ここまでのあらすじは高速戦隊ターボレンジャーの第49話をご覧ください。 ターボレンジャーがヤミクモボーマを倒した直後から、地震はより一段と激しさを増していた。 ズルテン「立っていられないってんだ!」 瘴気の噴出はなお止まらず、ついには地面が爆発し始める。 駆け付けた力たちの前で、地面から暴魔特有の邪悪な気が噴き出し、暴魔百族の紋章となる。 さらに激しく爆発していく地面。 ズルテン「おぉ…… 割れる、割れるっ!! 大封印が割れていくぜってんだ~~っ!!」 壮絶な爆発──やがて、炎の中から竜人型の暴魔獣が大復活を遂げる。 俊介「出たぁ!」 洋平「とうとう間に合わなかったのか……」 ズルテン「にゅふふふふふっ、108匹暴魔獣大軍団の、お出ましだ~い!」 しかし、残り107体の暴魔獣が出てくる気配は一向にない。 ズルテン「……あれ? どうしたってんだ!? 108匹の暴魔獣はどうしたって~の!?」 暴魔獣「ここは大封印ではない!」 ズルテン「なんだと!?」 暴魔獣「俺は暴魔獣・フーインボーマ!!」 ズルテン「何!? 封印破りの名人として知られている、あのフーインボーマ!?」 フーインボーマ「大封印は、この俺が破る!」 力「黙れ、フーインボーマ!! 大封印は絶対に開かせん!!」 その時、暗雲とともに暴魔城が飛来する。 暴魔城は力たちに光線を浴びせて攻撃したあと、ズルテンとフーインボーマを回収して飛び去った。 暴魔城・大帝の間── ネオラゴーン「フーインボーマ、もはや大封印も破れる寸前。あとはお前の封印破りの儀式を行うだけだ」 フーインボーマ「ははぁっ」 フーインボーマが首を垂れる。 ネオラゴーン「そして、その最後の儀式に必要なものは…… 生贄だ! 大封印の暴魔どもは、生贄を求めておる!」 巨大な水晶玉を手に取り、フーインボーマに差し出すネオラゴーン。 ネオラゴーン「この『封印球』に、生贄の命を吸い取らせて送り込んでやるのだ。そうすれば暴魔獣どもは、自ら大封印を破って出てくるであろう」 フーインボーマ「して、その生贄とは?」 ネオラゴーン「『人でもなく、暴魔でもない者』……!!」 恐るべき大封印 力たちは川べりでキリカと合流していた。 川の水で濡らしたタオルで、力の汗をぬぐうキリカ。 力「……キリカ」 微笑むキリカ。 キリカが心を開いたことに、力たちも安堵する。 力がキメンボーマの形見のペンダントを取り出し、キリカに握らせる。 力「これは君のものだ。大切にするんだぞ」 うなずくキリカ。 そこにヤミマルが現れる。 力「ヤミマル!」 何も言わず、剣を振りかざして迫るヤミマル。 キリカ「やめて、ヤミマル!」 キリカがそれを制する。 ヤミマル「離せ! 俺は…… 俺は、ターボレンジャーを倒し、ネオラゴーンを倒し、人と暴魔、2つの世界の王となるんだ!!」 キリカを突き飛ばすヤミマル。 キリカ「どうすれば…… その心から憎しみを捨ててくれるの……?」 涙を流すキリカを見て、ヤミマルがさらにいら立ちを強めていく。 ヤミマル「黙れ…… 裏切り者!!」 ついにヤミマルがキリカに手を挙げた。 頬を張り飛ばされ、崩れ落ちるキリカ。 力「なんて奴だ!」 改めて力たちと戦おうとするヤミマル。 その姿をズルテンがあざ笑う。 ズルテン「ヤミマル、キリカ!」 ヤミマル「ズルテン!」 すかさずズルテンがフーインボーマに指示を送る。 フーインボーマの杖から放たれた光線が鎖となって流れ暴魔2人に巻き付き、動きを封じた。 フーインボーマ「フーインボーマの鎖に封印された者は、二度と逃れることはできん!」 キリカ「どうしようというの?」 ズルテン「大封印を開くための生贄にしようってんだ」 ヤミマル「なんだと!?」 力「何ぃ!?」 はるな「生贄だなんて……」 ヤミマルとキリカを助けようとする力たちの前にドラグラスが飛来。 ネオラゴーンの下僕となって久しいドラグラスは、かつての主人2人を捕まえて飛び去る。 力「許さんぞ、ズルテン!! 行くぞっ!!」 大地、洋平、俊介、はるな「おう!!」 5人「ターボレンジャー!!」 力たちがターボレンジャーに変身する。 フーインボーマ「大封印開きの、邪魔をされてたまるものか!」 直後、フーインボーマの鎖で封印される5人。 フーインボーマ「『鎖封印』は誰にも解けぬ!」 ズルテン「ターボレンジャー、長い付き合いだったな! これでお別れかと思うと……」 泣きまねをするズルテン。 ズルテン「……うれしくて、涙が出てくるぜってんだ! やっちまえってんだ~!!」 ウーラー兵たちが骨ピッケルを投げつける。なすすべのないターボレンジャー── しばらくして、暴魔百族の封印破りの儀式が始まった。 ヤミマルとキリカは磔にかけられ、たいまつを持ったウーラー兵たちがその周りで踊っている。 ズルテンを睨みつける2人。 ズルテン「ヒッヒッ、おとなしく生贄になれってんだ!」 フーインボーマの指示で、ウーラー兵たちが十字架に火をつける。 フーインボーマ「貴様らが燃え尽き、その命がこの玉に吸い取られた時、大封印が開くのだ!」 炎にまかれ、苦しむ流れ暴魔2人。 フーインボーマ「焼き尽くせ! 流れ暴魔の命を吸い取れ!!」 ふいに、キリカがヤミマルに向き直る。 キリカ「ヤミマル、なぜ私たちが生贄にされたかわかる?」 ヤミマル「この期に及んで、何が言いたいんだ!」 キリカ「これだけは知ってほしい…… 流れ暴魔は、この世で一番美しい存在だからなのよ!」 ヤミマル「まだうぬぼれる余裕があるのか!」 キリカ「違う! それは心のことよ…… 私たちは、人と暴魔の垣根を越えて愛し合った人たちの心を受け継いでる。それこそが、この世で一番尊く、一番美しいものなの!」 ヤミマル「たわけ! 俺たちを支えていたのは憎しみの心。これがあったからこそ、2万年を生き抜き、不死身のパワーを勝ち取ったのではないか!」 かたくなに己を曲げないヤミマルに、哀れみの目を向けるキリカ。 ヤミマル「俺は何度もこんな目に遭ってきたのだ…… 負けるものか!!」 キリカ「……あなたって人は……」 フーインボーマの祈りとともに炎は激しさを増し、封印球が流れ暴魔の命を吸って邪悪な青白い光を発する。 そして力たちは、変身が解けてもまだ縛(いまし)めから逃れられずにいた。 芋虫のように地を這いながら進む5人。 力「キリカたちを…… キリカたちを死なせるわけにはいかないんだ……!!」 ヤミマルとキリカの命が、どんどん封印球に吸い取られていく。 そこに縛められたままの力たちが現れた。 力「待てっ!!」 キリカ「力……」 フーインボーマ「ぬぅ~、まだ生きていたとは。飛んで火に入る夏の虫とは、お前たちのことだ!」 力「なんだとっ!?」 フーインボーマ「今度こそ地獄へ送ってやる!」 フーインボーマの杖から光線が放たれる。 力が崖から飛び降り、ウーラー兵たちを踏みつけながら十字架の前に立った。 フーインボーマ「おぉっ!?」 そしてフーインボーマめがけて封印球を蹴りつける。 封印球はフーインボーマの胸に直撃して爆発し、さらにフーインボーマの杖が砕け散った。 フーインボーマ「し、しまったぁ!」 力たちが縛めから解放される。 十字架から降りる流れ暴魔2人。 ズルテン「あぁ~っ、なんてことを!!」 フーインボーマ「おのれ、ターボレンジャー!!」 力「たとえこの身を封印されたとしても、正義に燃える心までは封印できないんだ!! 行くぞぉっ!!」 大地、洋平、俊介、はるな「おう!!」 5人「ターボレンジャー!!」 5人が再び変身を遂げる。 レッドターボ「高速戦隊!」 ターボレンジャー「ターボレンジャー!!」 ズルテン「やっちまえってんだ!!」 フーインボーマが口から破壊光線を吐く。 爆発の勢いを利用してジャンプし、流れるようなコンビネーション攻撃を決めていく5人。 レッドターボ「GTクラ──ッシュ!!」 ブラック、ブルー、イエロー、ピンクの作ったやぐらを潜り抜けながら、レッドがフーインボーマを斬りつける。 虫の息のフーインボーマ。 レッドターボ「行くぞ! Vターボバズーカ!!」 ターボビルダーからVターボバズーカが転送され、5人がそれをキャッチ。 続いて転送されてきたVターボエンジンがバズーカに合体する。 レッドターボ「Vターボエンジン・オン!!」 唸りを上げるVターボエンジン。 Vターボバズーカにエネルギーが満ちていく。 ブラック、ブルー、イエロー、ピンク「レディ!!」 レッドターボ「マックス!!」 レッドがフーインボーマに照準を合わせる。 レッドターボ「GO!!」 バズーカから撃ち出された黄金のエネルギー波がフーインボーマに炸裂! フーインボーマ「ぐぉああ──っっ!!」 フーインボーマがあおむけに倒れながら爆発・消滅する。 5人「ビクトリー!!」 ズルテン「この~!」 ズルテンがほら貝状の武器を吹き鳴らし、暴魔再生巨大化光線を照射。 フーインボーマが巨大な姿となって蘇生される。 レッドターボ「ラガーファイター、発進!!」 ターボビルダーの上部ハッチが開き、ラガーファイターが出撃。 ラガーファイターに乗り込もうとするレッドの足をヤミマルがつかむ。 レッドターボ「……っ! ヤミマル!」 ヤミマル「俺との勝負…… ついちゃいないぜ……」 キリカ「……ヤミマル……」 一方、残りの4人はレッドの身を案じつつも巨大フーインボーマと戦うことを優先し、レッドの席にブラックが座る。 ブラックターボ「行くぞ! 変形シフト・ターボラガー!!」 すぐさまラガーファイターが4つのブロックに分かれ、ターボラガーへと再合体・変形してゆく。 ブラック、ブルー、イエロー、ピンク「セットアップ! ターボラガー!!」 ターボラガーが巨大フーインボーマの前に舞い降りた。 ブラックターボ「バトルボール、キックオフ!!」 ラグビーボール型爆弾・バトルボールを取り出し、巨大フーインボーマめがけて蹴りつけるターボラガー。 レッドとヤミマルは、互いに睨み合ったまま一歩も動かない。 キリカ「やめてーっ!! ヤミマル、やめてーっ!!」 必死に呼びかけるキリカ。 キリカ「ヤミマル…… 私たちは、この世にたった2人しかいない、流れ暴魔なのよ!?」 ヤミマル「……俺が負けるというのか?」 キリカが静かにうなずく。 激高し、レッドに斬りかかるヤミマル。 レッドターボ「……どうしてもやらねばならぬのかっ!!」 向かってきたヤミマルの剣を真剣白刃取りで受け止め、殴り飛ばすレッド。 GTソードとヤミマルの剣がぶつかり合う傍らで、ターボラガーと巨大フーインボーマの戦いも繰り広げられている。 GTソードがヤミマルの鎧を切り裂く。 一方、ターボラガーは巨大フーインボーマの鎖封印で身動きを封じられる。 レッドターボ「ああっ、ターボラガー!」 ヤミマル「もらったぜ、レッド!!」 レッドが気を取られた隙に唐竹割りを決めるヤミマル。 レッドはバランスを崩しながらも、とっさにヤミマルの足を払ってもろともに崖から落ちてゆく。 斜面を転がる2人。 暴魔城では、何かを感じ取ったのか、ドラグラスがしきりに唸っている──。 レッド「ヤミマル……」 満身創痍のヤミマル。手を差し伸べようとするレッドに、ドラグラスが光線を浴びせる。 爆炎に包まれるレッド。 ヤミマル「あっ、ドラグラス! 来てくれたのか!」 ドラグラスが返事を返す。 ヤミマル「やはりお前は流れ暴魔の守護神…… 俺を忘れてはいなかったんだな!」 ネオラゴーン「裏切りおったな、ドラグラス!」 縛められたターボラガーに一方的に攻撃を加える巨大フーインボーマ。 そこへドラグラスが突っ込んでくる。 すかさず巨大フーインボーマが杖から光線を発射。直撃を受けて、ドラグラスの体が燃え上がる。 ヤミマル「あっ……!」 火の鳥と化したドラグラスはそのまま巨大フーインボーマに突撃。 巨大フーインボーマは最後の力を振り絞って地面に杖を突き立てた後、倒れこんで大爆発した。 ヤミマル「あぁ……! ドラグラス──っっ!!」 巨大フーインボーマの残した杖が、地面に潜って消えていく。 杖は、大封印の奥に眠る108匹の暴魔獣の下へ届いていた。 ヤミマル「ドラグラスが…… ドラグラスがぁ……!!」 レッドターボ「ドラグラスさえも助けようとしたその命…… なぜ大切にしないんだ!」 ヤミマル「ほざくな!! ……最後の勝負だっ!!」 改めて相対する両者。 永遠にも思えた静寂をヤミマルの怒りの叫びが破り、レッドも裂帛の気合で応じる。 互いに激しく剣をぶつけ合い、ヤミマルが剣から光線を放てば、レッドもターボレーザーで応戦。 そして飛び上がり、すれ違いざまに一撃を叩き込む。 キリカ「ヤミマル!」 再び静止して睨み合うレッドとヤミマルに、ようやくキリカが追いつく。 2人は微動だにしない。 キリカ「……あっ!」 ヤミマルが血を吐き、手から剣を落として膝をつく。 レッドターボ「ヤミマル……!」 ヤミマル「なぜ…… なぜとどめを刺さなかった!」 レッドターボ「……キリカを悲しませたくない!」 ヤミマル「何ぃ……!?」 ヤミマルがキリカを、キリカがレッドを見る。 レッドターボ「キリカも、俺も…… お前を信じているんだ! この世で一番大切なものは何か、必ずわかってくれると!」 キリカ(ありがとう…… レッド……) しかし、ヤミマルはそんな2人をあざ笑って拒絶する。 ヤミマル「バカな奴…… 後悔するぞ…… 必ず後悔するぞ!!」 ヤミマルは最後の技「ヤミマル闇隠れ」を使い、苦しみながら姿を消した。 レッドターボ「あっ、ヤミマル!」 キリカ「ヤミマルぅっ!! なんてことを…… 闇隠れまで使うなんて…… ヤミマル──っ!!」 キリカの涙声が戦場にむなしく響く── その頃、ターボビルダー基地は異様な地震に襲われていた。 計器が乱れ、停電が起きる。 シーロン「大変です! 博士、大封印が…… 大封印が破れようとしています!!」 太宰博士「大封印が、ターボビルダーの下にあったとは……!」 シーロン「フーインボーマが、最後に自分の命を捧げて、封印を弱めたに違いありません!」 ついに、大封印が破れ始めた。しかもそれは、ターボビルダーの下にあった!果たしてターボレンジャーは、地球を守れるのか?そして、自らの命を削る「ヤミマル闇隠れの術」に全てを賭ける、ヤミマルの運命は!?最後の、戦いの時が迫る──!! つづく ※ この続きは本家エンディングドットコムをご覧ください。
https://w.atwiki.jp/mtgflavortext/pages/10461.html
彼女の刃が、貴族の男の影を切り裂いた。彼はあざ笑ったが、そのまま倒れて死んだ。 Her blades slashed across the noble s shadow. He scoffed, then fell over dead. 未来予知 時のらせんリマスター 【M TG Wiki】 名前
https://w.atwiki.jp/yuina/pages/267.html
―17― 「……シア……さん……?」 「……リスティ……か……」 闇に落ちていた二人の意識が戻る。 わずかに身体に残る痛みを感じつつも、閉ざされていた瞼を開き……徐々に鮮明さを取り戻していく視界に最初に映ったのは、見慣れた聖女と吟遊詩人の姿だった。 「大丈夫ですか? ……ティールの力が、思っていたより大きくて……」 リスティとシアの二人は、『ラリラル』の術で直ぐにでも治癒しきれる範囲だと思っていたが…… 彼女の技の衝撃は身体の内部にまで響き、外見上のダメージ以上に、奥底に刻まれたダメージの治癒に想定外の時間がかかってしまっていた。 「ガアアアア!!」 しかし、その直後に四人の元に跳びかかる、大戦斧を振りかざすベルセルクの姿。 前線で戦うティールや、ヴァイ達で捌ききれなかった一人だろう。 「くっ……」 倒れたままの体勢からでは間に合わないかもしれないが――それでも、何も行動せずに死を待つのは問題外。 ディンは手元に置かれていた天羽々斬を握り、目の前の『敵』に向けて一撃を加えようと身体を起こそうとした…… ――その直後 「グランスピネル!!」 「!?」 大地から付き出された”神の矛”に貫かれるベルセルク。 そして、その後方から現れる、白き鎧を纏う女性騎士―― 「――クローディア!!」 「目を覚ましたようですわね。 ……申し訳ありません、件のクレセントの尋問に手間取ってしまい、援軍が遅れました」 「……では、私達の受けた依頼は……」 「……『精霊王のたまご』を実際に洞窟から持ち帰ったのは自分達では無く、入手した少女から強奪しようとした、という証言を得られました。 その時点でこの依頼は虚偽を交えたものとなり、無効となりますわ」 ……ただ、取り急ぎその証言を得るために『司法取引』という形で、クレセント当人の減刑が取られたという事実は、クローディアの中では少々悔やまれる結果となっていた。 しかし、そこまで言えば二人が責任を感じてしまう恐れもあり、またそれを言う理由も無い。 そう考え、エミリアの問いには、ただ微笑みを浮かべて答えるだけ。 「だったら、もうあのおっさんに味方する必要も無い。 ……エミィ!」 「うむ! シア、リスティ、クローディア、感謝するぞ」 会話の間も治癒を続けていた二人に、礼の言葉をかけるエミリア。 同時に、この時点で受けたダメージはほぼ完治し、精神的にも身体的にもほぼ万全の状態に戻っている。 ……今は、これ以上話こんでいる余裕も無い。 ディン達は一度頷き合うと、それぞれの武器を構え、戦闘体制に入る。 「―我が命に従い現れ出でよ冬の精 汝が司りしは大いなる四季の欠片―」 「ユキ、私達も――」 その様子を目にして、シアは一度咳払いをし呼吸を整えると、荷物の中から白銀色に光を反射するハープを取り出し奏で始めた。 同時に、シアの言葉にコクコクと反応したユキも、荷物の中から青銀色のフルートを取り出し、スッと口をつける。 『―古より謳われし勇なる者 民の称えに答える如く 力を奮い我らを導く―』 シアのハープと、ユキのフルート。 そしてその二つの音に重なるそれは、『英雄の歌』と称されるバードの聖術詩歌。 その調べが戦場を包みこんだその瞬間から、ティール達の勢いに更に拍車がかかる。 「―其の力を以って我等に害なす愚者に裁きを――ダイヤモンドスコール!!」 丁度その時、エミリアの呪文詠唱が完成し、彼女の背後から直径にして50cmはあろうかという無数の氷塊が、嵐のように降り注ぐ。 「D(ディヴァイン)・フレアブレイド!!」 エミリアの呪文は巧みに操られ、他の仲間達にもうまく当たらないように調整され……ディンはその中をかいくぐるかのように立ち回り、燃え盛る神の一閃を周囲の敵に叩きこむ。 「ディン、エミィ……」 その様が目に入り、ティールはすこし表情を綻ばせる。 ―それは安堵。 そして、湧き出る勇気。 「……いっけええええ!! ブレイブクロス!!!」 高まる魂の力を込めて、放たれるのは十字を描くように重ねられたブレイブソード。 その一撃は、彼女の前方に布陣するほとんどの敵を吹き飛ばしていた。 「よしっ、このまま――…… えっ!!?」 その勢いに乗り、敵軍の最奥で待つ男の下へと駆け出そうとしたその時、男が先程とは逆の腕を突き出した状態で、何かの呪文を詠唱している姿が目に入った。 ……その指先にはまた別の指輪がはめられ、それは緑、紫、黒、青……と、規則正しく4色の輝きを放っている。 同時に、その点滅に呼応するかのように、ティール達の足元に巨大な魔法陣が現れる。 「――彼方なる月の加護を以って、かの者共に見えざる束縛を与えん!!」 ―陣を仕掛けられてた……!?― 相手が魔術師であること、そして、ここが敵に案内された場所である事……それだけ考えれば、何らかの罠が仕掛けられている事、そしてたったそれだけの失念が、一度は有利となった戦場に大いなる危機をもたらすことも明白だった。 「くそっ! 何とか止めて……」 一瞬遅れて、ヴァイもその行動に気がついたのか、それまで相手をしていた目の前の兵士の下を離れ、男の下へと駆けだそうとする。 「ジオグラヴィティ!!」 ……が、それは一瞬間に合わず、ヴァイの身体が魔法陣より外に出るその直前に、男の術式は完成していた。 足元の魔法陣が強く光り輝き、その次の瞬間―― 「くっ!?」 魔法陣の上にいた全員が、敵味方を問わず地面に張り付くように吸い寄せられる。 「……重力魔法……『月』の力じゃと……!?」 時に、世の理すらも捻じ曲げる力を持つという月の力――それは、万物を大地に縛り付ける重力という力すらも操る魔法。 だが、それは『星』や『太陽』と同じくして、並の人間が習得できるような能力ではなく、今では伝説に謳われる者達のみが受け継ぐ、特殊な力とされている。 ……しかし、いま自分達を地面に押し付けているこの力は、紛れも無く重力を操る『月』の力。 それほどの力の使い手が相手ならば、最初から自分達の勝ち目は薄いものだったということになる――が 「…この気配は……”エメトの……欠片”……?」 「何!?」 突如としてシアの口から出される、ある鉱石の名。 ”エメト”と呼ばれるゴーレムの身体の一部である鉱石で、それは特定の属性魔法の効果を増大させる、マジックアイテムでもあった。 ……かつて、ディンとエミリア、そしてティールが探し当てた”エメト・ルミナス”もまた、光の魔法触媒としての力を持ち、シアはその石の触媒としての効果の鑑定を行った事がある。 当時の感覚がまだ残っていると言うならば、彼女ほど”欠片”を選別する力を持つ人間はいないだろう。 「ほう、なるほど……かの光の欠片を見つけ出したのは、確か君達だったな」 「……まさか、『月』の元となる力の欠片を……4つ全て……?」 『月』は嵐と轟雷から派生する『天』、そして『闇』と『海』の力を統合する事で生み出される力とされている。 それらの力を持つエメトを見つけ出し、それぞれの欠片を集めてきたとなれば……魔法陣の力を借りれば、確かにこの程度の重力魔法は発動できるのかもしれない。 「御名答。 この指輪は、複数の欠片を統合し、安定して『特』クラスの力を扱えるようにした、我が研究の成果だ」 「ふん、ぺらぺらと…口の軽いヤツじゃな……」 と強がってみるものの、重力に負けて全員身体がほとんど動かない。 ただ、陣の内にいる敵兵も全て魔法に巻きこまれ、地面に押し付けられているのは幸いなのだろうか。 「そんなことはどうでもいい。 ……ククッ、最初からこの手を使えばよかったのかもしれないな」 「…何!?」 男は怪しく笑うと、悠々とした表情で魔法陣の内側に足を踏み込んでいた。 術者だからだろうか、男は重力に囚われることなく、スタスタとシアの隣……イリスの元へと歩いていく。 「……ぁう……」 見上げる位置に男が来る事で、脅えた表情に涙目を見せるイリス。 だが、男はそれに反応する様子も無く、ひょいと首根っこを掴むように持ち上げると、そのまま魔法陣の外まで抜け出して行く。 「ママ!!」 「イリス!! ……くっ……このっ……」 離れていくイリスの姿を目で追うも、身体が持ち上がらない。 「無駄だよ、いくら君の力が強かろうと、その重圧からは逃れられまい」 そんなティールの姿を、必死に暴れるイリスを吊るし上げたままあざ笑うかのような目で振り返る男。 それはティールの怒りをなおも煽り、彼女を包みこむブレイブハートの炎も、それに比例して強く、大きく膨らんでいく。 その勢いは留まることなく、彼女が今までに見せたこともない……彼女自身も、過去、たったの一度……『龍』と対峙した時にしか使っていない力。 「…何!?」 ついには、立ち昇る炎と共にわずかにその身体が持ち上がる。 「……待ちなさい…………その子は……私が守るって、決めたんだから……」 それでも重圧の力は強いのか、一歩足を進めるにも相当な時間をかけざるを得ないようで…… その間にあっけに取られて足を止めていた男が、始めて危機感に満ちた顔を見せ、急ぎ足に退却を始める。 「…………魂に、焼き刻め!!!!」 魔法陣の端まで来た所で、ティールは大きくそのハルバードを振るい……空間そのものが包みこまれているような錯覚するさえ覚える勢いの炎が、その先に集まっていく。 「――っ!! ティール、やめろ!!!」 直後、その技……いや、今の彼女の”状態そのもの”に危険を感じたヴァイが大きく叫ぶ。 だが、すでにそんな声など耳にはいってはおらず、ハルバードの切っ先に収束する炎は、さも龍のような姿をとり、解き放たれるその瞬間を待っている。 「ハウリングブレイズ!!!!!」 「ぐっ…!!?」 雄叫びのような声と共に、打ち出される灼熱の劫火。 暴れ狂うように駆け回るそれは、周囲にある木々を薙ぎ倒し、全てを焼き尽くす勢いで広がっていく。 「……くっ………はぁ………あぁ……」 だが、全く制御の利いていないその炎は、あろうことか全く関係のない方向へと向かい、男にはかすりもせずに、その一帯の木という木を焼き尽くしただけで消え去っていた。 ……いや、あのまま男を巻き混んでいれば、イリスもそのまま飲み込まれていただろう。 そう考えることだけが、不幸中の幸いだったのかもしれない。 「……ぅっ……」 「ティールさん!!?」 「言わんこっちゃない……クソ!!」 最後に彼女が見せた力は、あまりにも強力すぎた。 制御可能域を超えた炎は、彼女自身の身体をも焼き、その身の奥底から深いダメージを残す。 一度は全てを凌駕するまでに広がった炎が、またたくまに消滅し……ティールは、再びその場に崩れ落ちていた。 <<前へ 次へ>>
https://w.atwiki.jp/dangerousss4/pages/173.html
第一回戦SS・寺院その2 第一回戦【古代】寺院SS「今日、僕は初めて――」 目を閉じると、まぶたの裏に鏡子の顔が浮かび上がる。 悲しい顔で、私を見下ろすあの女。 セックスは共に楽しむものだと、あいつは言った。 あなたのセックスは悲しい、とあいつは言った。 理解のできない言葉だ。 セックスは力だ。支配する力だ。優劣は必ず発生し、共存することなど出来はしない。 希望崎学園でも『虎の尻穴』でも、私はそうやって生きてきた。 鏡子、貴様がそれでもセックスを愛だなどと言うのなら…… ……私は、それを否定しよう。私の人生が、間違っていないと証明するために ああ、細やかな振動が私を刺激する。 私の戦いが、始まるのだ。 ―――ジジジジジジジ………… 腕時計のアラームが鳴り止むのと同時に、天樹ソラは閉じていた目を開く。 先ほどまで彼は自宅にいたはずだ。しかし今、眼前には長い長い石段が広がっていた。 どこまで続いているのだろうか、月明かりの下では見上げても階段の先を見通すことはできない。 遠く、遥か頭上で鐘の音が響く。どうやらこの階段の先に寺院が有るらしい。 ソラは右手首の腕時計にチラリと目をやる。そこに文字盤は存在せず、代わりに二つの人名と一つの地名が表示されている。 『【古代】寺院 猟奇温泉ナマ子vs天樹ソラ』 この先に、対戦相手が居る。 ソラは一度深呼吸をし、階段を登り始めた。 ――― 一歩づつ、奇襲と罠に気を配りつつ階段を登りながら、ソラは対戦相手のプロフィールを思い出す。 猟奇温泉ナマ子、17歳、ビッチ養成機関『虎の尻穴』出身、現在希望崎学園2年生。特筆すべき経歴、ビッチ選手権ベスト4、準決勝にて鏡子に敗退。 何らかの性的な魔人能力をもっており、願いも性に関するものと推測される。 『N』に渡された資料に記載されていたのはそれぐらいだ。 17歳、ソラと同い年だ。だが、プロフィールを見ただけでも分かる。彼女の歩んできた人生はソラとは全くの別物だ。 どんな願いを持っているのだろうか、どんな思いで戦いに身を投じているのだろうか。 ……できれば戦わずに、怪我を負わせずに終わらせたい 湧き上がるそんな想いを打ち消す。 こんな自分勝手な想いよりも、叶えなければならない願いがソラにはある。 ならば、戦い、勝つ。なすべきはそれだけなのだ。ソラは自分にそう言い聞かせる。 そんなことを考えながら石段を登っていると、足元に影が差した。 誰か来たのか。 いつでも外せるように右手の手袋に手をかけながら階段を見上げると、影の根本には禿頭の若者が立っていた。 袈裟、というのだろうか、仏僧のような服を着た若者はソラの視線を受けて一礼をする。 「天樹ソラ殿、でございましょうか?」 名前を呼ばれ、ソラは警戒を強める。 この世界にソラの名前を知るものが居るとすれば、それは対戦相手である猟奇温泉ナマ子に他ならない。 ならば、あの僧侶は猟奇温泉ナマ子と何らかのつながりがあると見て間違いがない。 手袋を外そうと指をかけたソラに対し、僧侶は手の平を向けてとどめる。 「待ってくだされ、私はナマ子殿より伝言を預かって参り申した」 伝言、と言われてソラは手袋から指を離す。 一体何なんだろうか、対戦相手と話すべきことなど、あるのだろうか。 「『この戦いについて話がしたい、本堂まで来てくれ』。だそうです。案内しますゆえ、ついてきてはもらえませぬか?」 話がしたい。 罠の可能性は高い、とソラは思う。 何らかのトラップを張って待ち構えている。あるいは対峙しないと使えない能力である。など、様々な可能性は考えられる。 乗れば、不利を被るだろうとソラは思う。 ……だが一方で、それらを警戒する余裕はソラにはないことも事実である。 ソラの能力は手で触れたものにしか効果がなく、他の攻撃手段にも乏しい。 持久戦となれば不利になるのはソラの側だ。 相手が罠を張っていようと、踏み込まなければソラに勝ち目はない。 受けざるを得ない。 「わかりました。案内してください」 頷くソラを見て、僧侶は一瞬安堵の表情を浮かべる。 「それでは、どうぞこちらへ」 先導する僧侶の後を追いながら、ソラの頭にふと疑念がよぎる。 確かに敵に接近できなければ勝ち目が無いのは事実だ。 だが、本当にそれだけの理由で承諾したのだろうか? 話があると言われた時、戦わずに済む可能性を考えなかっただろうか。 傷つけることも、傷つけられることもしないで済むと思わなかっただろうか。 ぎり、と奥歯を噛みしめ思考を振り払おうとする。 そんなことを考えてはいけない。 ヒナを思い出せ。 笑っていたヒナの顔を、照れていたヒナの顔を 最後に見たヒナの背中を、思い出せ。 勝ち抜かなければならないのだ。余計なことを考える余裕はない。 覚悟を決めなければならないのだ。なのに、こんなこと…… 「……ナマ子殿は、こちらでお待ちです」 僧侶の声がソラの思考をさえぎる。気がつけば、いつの間にか本堂までやってきていたらしい。 装飾の施された扉は閉ざされている。中からは何の音も聞こえてこない。 僧侶が手をかけると、扉は重々しい音を立てながら開いていく。 「ソラ殿……その……申し訳ない……」 吐き出された僧侶の謝罪は、軋む扉の音に吸い込まれソラの耳へは届かなかった。 本堂の中には異様な光景が広がっていた。 ソラたちの学校の体育館ほどはあろうかという本堂の中、まるで道を作るように数十人の僧侶たちが二列に並んで座っていた。 そしてその道の先、本尊であろう曼荼羅の前で少女があぐらをかいている。 禿頭で袈裟の僧侶達に囲まれた、ただ一人袖のないワンピースを纏った長髪の美少女。 場違いであるはずなのに、自分こそがこの場の主であるとばかりに不遜な笑みをたたえた少女にとって、ミスマッチさえも背徳的な美しさを醸し出すスパイスなのだろう。 ソラが写真で見たのと同じ顔の、だが、写真よりもはるかに美しく見える少女。 猟奇温泉ナマ子、その人に間違いがなかった。 「貴様が、天樹ソラか?」 曼荼羅の前に座したまま、少女は口を開いた。 「ええ……猟奇温泉ナマ子さん、ですよね。話がある、と聞きましたが」 「ああ、そうだ。この戦いの勝敗について話をしたい」 戦いの勝敗。 予想していた……いや、期待していた話題ではある。 「それは、どういう……」 「まあまて、そんなところに立ったままでは話しづらいだろう?こちらへ来い」 少女はソラに向けて手を招く。だが、ソラは進まない。 このまま進めば僧侶に囲まれる形になる。 もし彼らが敵に回ったなら、対処しきれない可能性が高い。 ためらうソラをみて、少女はぽん、と手を叩く。 「なるほど。確かにその警戒は最もだ」 そう言ってナマ子が手招きすると、僧侶たちはおずおず立ち上がる。 二列に並び道を作っていた僧侶は、全員がナマ子の左右に控える形となった。 「退出させろ、とまでは言わないでくれ。何分か弱い女だからな。二人っきり、ではさすがに不安なんだ」 この状況でも、例えば僧侶たちを壁として使われた場合のソラの不利は否めない。 だが、ナマ子もこれ以上引く気はなさそうだ。 押し問答をしても始まらない。あくまでも会話に支障がない程度まで、ソラはナマ子との間の距離を詰める。 そんなソラに対し、警戒心が強いな、とナマ子は苦笑を向け、話を始めた。 「貴様が知っているかは知らないかは分からないが、私はあまり戦闘向きの魔人ではない。戦っても無為に傷を負うだけの結果になる可能性が高い。それで勝てるのならいいが……負ければ、生き残れても負傷したままこの世界に残ることになる。場合によってはそのほうが死ぬより辛いかもな」 話の内容は後ろ向きだが、朗々と語るその姿に敗北への懸念は感じられない。 奇襲をしかけてこないということは、まだ射程内ではないのか? それとも本当に、この場で話し合いで勝利を決めるつもりなのだろうか…… 「私にも願いはある、が……そこまで強いものではない。命のほうが大事だ。だから、貴様の願い次第では勝ちを譲ってもいいと思っているんだよ。天樹ソラ」 勝ちを、譲る。 あるわけがないと思っていた。 だが、あってほしい、とも思っていた。 本当だろうか、この距離からは表情が読めない。 無意識のうちに、ソラは少しだけナマ子に近づく。 「本当ですか?」 「ああ、もちろん。くだらない願いであれば譲りたくはないが……強い願いを持っている奴は、その分必死になる。死に物狂いの相手にボロボロにされて負けて、こんな世界で治療も受けられず死ぬ、なんてぞっとしないからな」 ナマ子の表情は笑顔、真意は読めない。 もう一歩、ソラはナマ子に近づく。 「さあ、聞かせろ、天樹ソラ。貴様はどんな願いでこの戦いに挑んでいるんだ?」 「僕は………」 答えていいのだろうか、信じていいのだろうか。 不安はある。だが、戦わずに――血を流さず、流させず戦いが終われば、どんなに素晴らしいだろうか。 もはやソラには一縷の望みを振り払うことは出来なかった。 「僕は……戦闘空間に取り残された幼馴染を助けたいんです。ヒナを一人にしたくない、ヒナに伝えてないことがまだたくさんある――ヒナと一緒に居たい。それが、僕の願いです」 ナマ子がわずかに眉を潜める。ソラはそれに気づかない。 張り付いたように動かないナマ子の笑顔、その違和感にソラは気づかない。 「ほぉ……そいつは、恋人か?」 「え、いや、ち、違います!」 「ああ、まだそういうのじゃない、と。なるほど、わかった」 慌てて否定するソラを横目に、ナマ子は納得が言ったかのような表情で二、三度頷き。 「やめだ」 吐き捨てるように言い放った。 「ああ、やめだ。やめだ。逃げさせないためにはもう少し引き込みたかったが、もうやめだ。貴様の吐き出す言葉は聞くに耐えない」 ナマ子はゆらり、と立ち上がる。張り付いた笑顔は離れ、浮かぶのは侮蔑と嘲笑。 「あの子のため?一緒に居たい?なんだそれは、愛とでも言うつもりか?」 ナマ子の両脇に控えていた僧侶たちに動揺が広がる。 「全くもって馬鹿馬鹿しい。くだらない」 ナマ子を中心として、おぞましい気配が立ち上る。 ざわめく僧侶たちの中から一人が立ち上がる。ソラを案内した若い僧侶だ。 「ナマ子殿!話が違います!従えば我らは巻き込まないと……!」 「黙れ」 声を荒らげ詰め寄ってくる彼の口に、ナマ子は右手指を挿し入れた。 ぐるり、と首を回し、ナマ子は僧侶を見つめる。 怯え、不安、そして瞳に残る僅かな力。それら全てがナマ子をいらだたせる。 「なあ、お前らの開祖はそう言ったのか?マーラを前に『自分は一生懸命努力しています。どんな命令でも従います。だからどうか私を誘惑しないでください』 そう懇願したのか?」 指は彼の口の中を艶めかしく撫で回す。 わずかに身を震わせながら耐える彼をあざ笑うように、ナマ子は厳かに宣言する。 「『プレローマ』」 静謐に満たされていた本堂の空気が、淫靡な邪気に塗り変わる。 不穏な気配を感じ距離を取ろうとしたソラの表皮を、奇妙な快感と射精感がなでる。 これ以上は危ない、そう感じ踏みとどまったソラの視線の先では、ナマ子が若い僧侶の口に指を突っ込んだまま僧侶を引っ張った。 中国拳法のようなゆったりした動き、バランスをくずされた僧侶は倒れる。 ダメージがあるようには見えない、ゆったりとした動き。 だというのに、僧侶は倒れたまま痙攣し、立ち上がってこない。 「誘惑に乱されぬための修行?何かを成し遂げるための意志?誰かへの愛?」 僧侶たちの、そしてソラの顔を見回し、ナマ子は高らかにあざ笑う。 「そんなもので、『プレローマ』の支配から逃れられるというなら、見せてみろ」 さもなければ、蹂躙するぞ―― 彼女の宣言と同期して、僧侶たちにパニックが広がった。 怯えるもの、慌てるもの、反応は様々だ。 逃げようと走りだした僧侶が、膝から力を失い倒れた。 うずくまって震えていた僧侶が、ひときわ大きく痙攣した後動かなくなった。 誰も彼も、身動き一つとると、そのまま力を失い動かなくなる。 あっという間に本堂には栗の花のような精液の臭いが満ちていく。 本尊の曼荼羅には僧侶が出したものであろう精子が付着し、真っ白に染め上げられていた。 悲鳴と白濁にまみれた本堂の中、立ちすくむソラに向かって、ナマ子はゆっくりと、一歩一歩近寄ってくる。 ソラは動けない。 手袋をしたままの右手に向けてゆっくりと左手を動かすだけでも、射精感に体が支配されそうになるのだ。 下手に動けば、僧侶たちと同じ運命をたどるに違いない。 「天樹ソラ。貴様、童貞だな?」 「……っ」 「やはりな。ああ、気にするな」 艶かしい足遣いで、ナマ子は正面からソラに近寄ってくる。 「殺しはしない。私はビッチだ……人殺しでは、ない」 吐息が掛かりそうな至近距離。ジリジリと左手を動かす。右手首に触れ、指を動かす。 もぞもぞと動いているソラの左手を、ナマ子は強引に掴み引き寄せる。 手袋の縁にかかっていた指が抜かれる。 下手に左手を掴む手を振り払おうとすれば、ナマ子の能力を受けて僧侶たちと同じ末路を辿るだろう。 だが、片手では右手の手袋を外すことは出来ない。 「幼馴染を救いたいと言ったな?ヒナ、だったか、その女と一緒に居たい、と」 「だったら……それが何だ」 ナマ子が再び笑顔を見せる。最初に話していた時とは違う、感情がむき出しの嘲笑。 「その気持ち、何回目の射精まで持つかな?」 美しい少女であったはずだ。 だが、ソラは眼前に居る少女はからおぞましさしか感じることが出来なくなっていた。 「ば、馬鹿にするな!」 「威勢がいいことだ」 精一杯の虚勢を受け流し、ソラの体にナマ子の指が触れる。 初めは肩から、ヌラリ、と軟体生物のように動きながら、下半身へと這って行く。 「喜べよ童貞。抜いてやる」 ナマ子の手が局部に触れる。 全身を走る衝撃に、ソラはなすすべもなく倒れた。 倒れ伏すソラを見下ろしながら、ナマ子は手に付着した精液を舐めとった。 気に食わない男だった、とナマ子は思う。 本来ならばもう少し油断させてから制圧する予定だった。 だが、救いたいだの一緒に居たいだの、虫唾の走る言葉を叫ぶこの男に耐え切れず予定より早く『プレローマ』を発動することとなってしまった。 『プレローマ』の射程は半径20m、相手の能力によっては逃げられてしまう可能性もあった。 そういった意味では運が良かったのだろう。 だが……この男の言葉は気に食わない。 愛など無い、絆などない。人と人との関係など、所詮は欲望に基づく奪い合いだ。 『虎の尻穴』でも、希望崎学園でも、ナマ子はそうして生きてきた。 支配し、奪う。弱者は搾取されるために存在し、対等な関係など実力が拮抗するが故の妥協に過ぎない。 この男の言葉も、所詮は無自覚な征服欲にすぎないのだ。 『あなたのセックスは悲しい……』 鏡子に告げられた言葉が脳裏をよぎり、ナマ子は思わず歯ぎしりをする。 あの女の言葉を否定するために、あの女をビッチではなくただの人殺しに貶めるために、私は誰も殺さずに勝ち抜かねばならない。 不快な記憶を振り払い、ナマ子はソラを見下ろす。 この男はこのまま場外にでも捨てればいい。 さすがに女一人で運ぶのは難しいだろうが、適当な僧侶をたたき起こして運ばせればいいだろう。 そこで、違和感を覚えた。 ソラの右手に腕時計がついていない。 落としたのだろうか。だが、周囲を見回してもそれらしきものは見当たらない。 (……時計だけを回収した?なんのために……こいつは囮で、他に時計所有者が居るのか?) ナマ子が僧侶を脅してソラを招いたように、ソラもまた僧侶を使ってナマ子の出方をうかがった、という可能性も否定はできない。 だが、本堂内に隠れられるような場所はない。 外から狙おうに射線は通っていない。まず奇襲は不可能だ。ならば、様子見か? 湧きだした疑念は収まらない。しかし、この男が本当に『時計』所有者ならば無視するわけにも行かない。 結論として、奇襲の危険性も薄いことから、ナマ子はソラが時計を所持していないか検分してから囮か否かの判断を下すこととした。 愛撫でソラの上着を破く、時計は隠されていない。 ならば下着の中を、と手をかけたところで、足首を何者かに掴まれた。 まさかと、驚愕と共に目を足元に目をやると、最初に射精させてやった若い僧侶が這いつくばりながらナマ子の足首を掴んでいた。 「ソラ殿……申し訳ない……我々が……騙されたせいで……」 弱々しく綺麗事を呻く僧侶の姿に苛立ちを覚え、足で股間を踏みつける。 痙攣、そしてまた動かなくなる。 腹立たしくなるほどに弱い。 不満があるのなら力を得るべきだ。その力がないのなら素直に蹂躙され支配されるべきなのだ。そこの僧侶も、天樹ソラらしきこの男も。 男の体に残る衣服は右手の手袋のみ。 しかし、薄い手袋はどう考えても中に手以外のものが入っているようには見えない。 やはりこの男は囮だったのだろうか?そう思いながらナマ子はソラの手袋を外す。 手袋の中には、半透明の右手しか入っておらず…… 右手の中に突然腕時計が現れた。ソラはその時計を、右手のスナップで放り投げた。 思わずナマ子は腕時計の行方を目で追う、追ってしまう。 ガリッ、ソラの口元から、何かを噛み潰すような音がした。 ぐったりとしていたソラの眼と口から血液があふれ、体が跳ねるように動く。 素早い、格闘魔人の如き速度で右手をナマ子に向けて突き出す。 激しく素早い動き。それはプレローマに蝕まれ、すぐに力を失い慣性のみで倒れこむように動く形となる。 確かに虚はつかれた、初速の分だけ速度は保っているが、だが、まだ、遅い。 格闘術を収めた魔人であるナマ子にはギリギリ回避することができるタイミングと速度。 ゆるやかに身を引けば、紙一重で回避できる。あとはもう一度イカセてやれば立ち上がることはできまい。 そのまま相手の股間に手をのばそうとして―――――足を引かれ体勢を崩す。 「寺の中で……これ、以上、の……狼藉、は…」 若い僧侶が、もう一度足を掴んでいた。 虫の息だ。少し力を入れればすぐに振り払える程度の弱々しさだ。 だが、回避と両立は出来ない。 足を抑えられる、半透明の右手が顔に迫る。 「負け犬が!くだらない真似を!」 僧侶の手を振り払う。あっけなく手は足から離れる。所詮、弱者の意志などこの程度のもの。 だが、ソラの右手はもう目の前に。 指先が眼球に触れる。この程度のことで、と思った瞬間激痛とともに視界が失われる。 妙にゆるやかな時間間隔の中、自分の顔面がどんどん削り取られていくのを感じる。 ナマ子にはソラの能力の詳細がわからない。だが、触れられること自体が致命的であったことだけは理解できた。 苦痛がナマ子を苛む。敗北の実感が背筋を這い上がる。 そしてその中で、ナマ子は一片の満足を得る。 天樹ソラの掌。優しさの欠片もない、傷つけるだけの掌。 理解などとは程遠い、自分を排除するためだけに体を撫でる手の感触。 結局のところ、こいつらだって私と同じなのだ。 口では愛だの意志だの叫ぼうと、相手を排除することでしか目的を達成できないのだ。 ――そうだ、これが力だ。これこそが、勝者の持つべき力だ。 鏡子の優しい愛撫とは違う。鏡子の柔らかな愛撫とは違う。 これが私の知っているセックスだ。これが私の知っている力だ。 正しいのは私で、間違っているのは鏡子。 そうだ、それでいいんだ。この敗北は受けいれられる。 受け入れられる、はずなのに。 何故、最期に鏡子の悲しそうな涙を思い出してしまうのだろう。 私は、わたしは、わ た し は 愛 な ん か――― そうして、ナマ子の意識は消え去っていった。 ―――そうして、僕は勝利した。 足腰はガクガクと震えている。 ただでさえ消耗している時にスズハラGXで無理やり動かした反動だ。動くはずはない。 猟奇温泉ナマ子の体は動かない。賭けに勝ったのは僕だった。 彼女は僕を殺さないと言っていた。ならば、勝利する方法は限られてくる。 その隙を、狙う。あの状況で僕が思いつけた勝ち筋はそれだけだった。 騙し討ちを成功させるために、こっそりと左手で『時計』を外して手袋の中に滑りこませ、『廃墟』側に隠した。 深い考えがあったわけではない。 あったはずのものが消える。無かったはずのものが出てくる。 それで少しでも注意を反らせれば、勝利の目が出てくる。それだけを考えて闇雲に取った行動だった。 目論見は成功した。その結果、僕は彼女を殺した。 僕は彼女のことを何も知らない。 どんな願いを持っていたのか、 どんなふうに生きてきたのか、 なぜ人を殺さないのか、 なぜ……あんな辛そうな顔で僕や僧侶達を否定したのか。 今となっては、どれも知る由もない。 自分が誰かを踏みにじった実感から、喉から悲鳴がもれそうになる。 敵だから、闘わないと戻れないから、先に仕掛けてきたのはあいつだ。 だから僕は悪くない。 こみ上がってくる言葉を、僕は必死で飲み込む。 誰かを殺したことを言い訳しちゃいけない。 この行為に慣れてしまえば、きっと僕はヒナの前に立てなくなってしまう。 だから、これだけは忘れてはいけない。 今日、僕は初めて、人を殺した。 第一回戦【古代】寺院SS「今日、僕は初めて、人を殺した」終了 このページのトップに戻る|トップページに戻る