約 106,067 件
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/814.html
ここは迷いの竹林と呼ばれる場所。竹の間を涼しげな風が吹き抜けていく。 その土の上で、子ゆっくりの集団が和やかに遊んでいた。 髪の色は様々だが、みな頭の先に二本の兎耳がついている。 これは主に竹林を棲家とする珍種、「ゆっくりうさぎ」の特徴である。 追いかけあったり、じゃれあったり。他種のゆっくりと何ら変わらない、微笑ましい光景だ。 だが、子ゆっくりの一匹が突然苦しみだした。 「ゆう゛う゛う゛……おなかがいたいいよお……!」 まわりの子ゆっくりが気付き、騒ぎ出す。辺りに親ゆっくりの姿は無く、子どもたちは混乱するばかりだ。 そのうち、苦しんでいた子ゆっくりが 「ゆぐぐ……もっとゆっくりしたかった……」 と呻くと、ぐたりと顔を地面に伏せ、動かなくなった。 「ゆ、ゆぅ……?」 「ゆっくりできる? だいじょうぶ?」 他の子ゆっくりたちは一瞬きょとんとして、それから何が起きたかをゆっくり理解した。 「あ、あ、ああああ!!」 「『てい』が! 『てい』がしんじゃったああ゛あ゛あ゛ぁ!!」 「おぎでっ! おぎでよ『でい゛』い゛い゛い゛っっ!!」 「ゆっぐ! ゆっぐべっ!!」 子ゆっくりたちは仲間の突然の、しかも苦悶の後の死にパニックに陥った。 ショックのあまりにひきつけを起こし、白目をむいて餡子を吐く者すらいる。 この地面に倒れているゆっくりうさぎは、軽くカールした黒髪からへにょりと丸みのある白い耳を生やしている。 そのゆっくりの通称は「ゆっくりてい」。 (※モデルとなった妖怪と区別するため、業界では普通このゆっくりを「てい」、妖怪兎の方を「てゐ」と表記している。以降の文章はこれに従う。) (ゆっゆっゆっ……まただまされてる。みんなおおまぬけだねーっ!) ていは地面に伏せたままの顔をにやりと歪めて笑った。 本当は体を揺すって大笑いしたかったが、じっと我慢して演技を続ける。 これはゆっくりていの十八番、「死んだ振り」である。 ゆっくりていは非常にずる賢く、いつも色々ないたずらを他のゆっくり達に仕掛けては あざ笑う厄介な性質を持つ(いわばイタズラによるすっきり!を好む)。 だが、外見は非常に可愛らしいためゆっくりの間で人気があり、また大抵のゆっくりの餡子脳は、 いたずらされた事を根に持つ前に忘れてしまうため、ゆっくり社会で生存を許されているのだ。 特に幼い子ゆっくりや赤ゆっくり達の場合、餡子脳の体積がまだまだ少ないため、同じイタズラに何度でもひっかかり、 その度にていは快感に酔いしれた。いつも可愛らしく振舞いながら、ていは心の中で仲間をバカにしきっていた。 今、自分の周りで大騒ぎしている仲間の様子を音だけでうかがい、ていはもう少し長く楽しもうと決めた。 死んだはずの自分がいきなり起き上がり「ゆっくりしていってね!」と叫んだら、みんなどんな顔をするだろう! 嘘だったと宣言し、騙された事をバカにしてやるのだ。胸をわくわくさせながら、ていはもうしばらく死んだ振りを続けようと考えていた。 そこに想定外の客が現れた。 「ゆゆっ! おねえさんだあれ?」 「にんげん! にんげんはこわいっておかあさんがいってたよ!」 「きょわいよお゛ぉ!」 竹の間から現れた人物の姿に、子ゆっくりたちはもはや半狂乱におちいった。 しかしその人物は子どもたちの前にしゃがみこむと、優しく微笑んだ。 「ふふ、私はゆっくりをいじめたりなんかしないよ。それに、私は人間じゃなくて月の兎。ほら、みんなと同じでしょ」 そう言って頭から生えた長い兎耳を指差した。それから丸い尻尾も見せるため、短いスカートをまくり上げ……てはくれなかった。 「おねえさんもゆっくりうさぎなんだね! ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくち! ゆっくち!」 子どもたちは彼女の兎耳を見て、同類と認めたようだった。あっさりと警戒を解き、恒例の挨拶を発した。 「う、うん、まあ私はゆっくりじゃないんだけどね……ところであなた達、どうして泣いてたの?」 小さな餡子脳達は彼女に言われてさっきまでの事を思い出した。再び泣き、わめき出す。 「ていが、ていがしんじゃったのおおぉぉ!」 「おなかいたいっていってから、うごかなくなっちゃったの……」 「ゆ゛う゛う゛ぅ……」「ゆ゛っ! ゆ゛う゛え゛え゛え゛ぇん!」「でえ゛ぇい゛い゛い゛!!」 彼女が視線を上げると、黒髪のゆっくりうさぎが竹葉の積もった地面に倒れ伏しているのが目に入った。 「可哀想に……食あたりか何かかな。まだ小さいのに」 ゆっくりていは伏したまま、ニヤニヤ笑いがこらえられなかった。いきなりの人間の登場には驚き、さすがに怯えた。 だがどうやらその人間も、ていが本当に死んだと思っているらしい! いたずら自慢のていでも、人間を騙したのは初めてだった。 (ゆふふ! にんげんってばかだね! ゆっくりよりもあたまわるいよ) 「じゃあ、せめてお墓を作ってあげましょうか」 「ゆっ? おねえさん、ほんと?」 「そっちの方で筍掘りをしてたら、あなた達の泣き声が聞こえてきたの。ちょうど筍を抜いた穴があるから、そこに埋めてあげましょう」 「ゆ゛っ、ゆ゛う゛う゛ぅ……」 「「お゛ね゛え゛さ゛ん゛あ゛り゛がと゛お゛お゛ー!」」 子ゆっくり達は彼女の親切な提案に感極まり、涙やその他の液体をじょぼじょぼ流しながら頭を下げた。 (ゆっひゃっひゃ! お、おはかだって! ぜんぜんきづいてないよ! ばかなの? しぬのー!?) ていはイタズラの成果に得意絶頂だった。もっともっと、愚か者達が騙されるのを見たかった。 「こんな物しかないけど……一応、清潔だから」 兎のお姉さんはそう言うと、ポケットから純白のハンカチを取り出して広げた。 ていの遺体をそっとつまみ上げると、手早く、はみ出さないようにハンカチで巻いていく。 棺などあるはずも無いが、丸裸で土に埋めるには忍びないと思ったのだ。 せめてもの白装束を、隙間から虫など侵入しないようしっかりと、何重にも巻いていった。 子ゆっくりの小さな体にはハンカチの大きさでも充分だった。そうやって巻き終えると、ほどけないように自分のヘアピンで端を止めた。 (ゆふうん……いいにおい……) ハンカチからは兎の彼女の移り香が漂う。ゆっくりていが今まで嗅いだこともない良い匂いだった。 うっとりしている間に、ていの体はハンカチで完全にくるまれた。そうして、ていは自分の体が動かせなくなっていることに気がついた。 (ゆっ? う、うごけないよ!?) 必死で体を捻ろうとしても、体に巻きついた布にはまったく余裕がなく、ぴくりとも動けない。 もちろん子ゆっくりの力では布を破ることなど不可能だった。 「……! ……ー!!!」 口の周りもぴっちりと布で巻かれていて、喋ることもできない。 ていの、他のゆっくりよりほんの少しだけ回転がいい餡子脳は、自分がどういう状況に置かれているかを、ここに至って完全に、ゆっくり理解した。 「!!!--!!? !!」 さっき以上に、餡子が漏れ出しそうなほど力を込めて体を動かす。だがやはり身じろぎすらできない。餡子も漏れない。 焦りがとてつもない恐怖に変わり、嫌な汗がにじみ出た。 だが、吸水性の良い上質な木綿のハンカチが内側で全て吸い取り、表まで染み出ることはなかった。 いや、よく目を凝らせば、遺体の両目にあたる部分がうっすらと湿っているのに気が付いたかもしれない。 兎のお姉さんは穴の底に落ち葉を敷き詰めると、その上に遺体を横たえた。 一時、竹林の奥に消えた子ゆっくり達が彼女の元に戻ってきた。 それぞれが口に咥えているのは、きれいな花や、故ゆっくりが好きだった草の実、布団がわりの大きな木の葉などである。 それらを穴の中に落としていく。ゆっくり達はみな必死に涙をこらえていたが、 彼女がスコップで土をかぶせるともう耐え切れず、声を上げてすすり泣いた。そうして自分達も穴の中に土を放り込んでいった。 あらかた穴を埋めると彼女はスコップの腹を使い、盛り上がった土をバン、バン、と叩き締めた。 「どお゛じでそんな゛ことするのお゛お゛お゛!!」 「や゛め゛て゛え゛え゛え゛え゛!!」 驚いたゆっくり達が泣き叫ぶが、彼女が悲しげな顔で説明すると、納得して静まった。 「ごめんね……。でも、こうやってしっかり土を固めておかないと、虫さんや鼠さんが来て、掘り返しちゃうの。それじゃこの子もゆっくりできないから……」 ていは目をつぶっていた。死んだ振りからそのまま顔面も固定されたので、開けることができなかった。 それでもまぶたを通して、見上げた空の光が感じられた。上の方から、仲間達の泣き声が聞こえる。 体の上に湿り気を帯びた何かがかぶせられた。それが、次々と落ちてくる。それと一緒に、視界がだんだん暗くなっていった。 息が苦しい。仲間の声も小さくなっていく。 静かになった。動くものもない。光は完全に失われた。 それから猛烈な衝撃がやってきた。一定の間隔で、上方から、殴りつけるように巨大な圧力が数十回加えられた。 「さよなら、てい……」 「やすらかに、ゆっくりしていってね」 ゆっくり達は別れの挨拶を済ませ、改めて兎のお姉さんに礼を言うと、家族の待つ巣へと帰っていった。 兎の彼女も、しんみりとした気持ちになって、筍掘りを切り上げ不死の主と仲間のいる家に帰ることにした。 迷いの竹林と呼ばれる場所に、小さな小さな墓がある。墓標はない。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/azum/pages/64.html
智は震えていた。顔は蒼ざめ、脂汗を流している。 この日、智は上の空であった。教室に入っても、そんな調子が続く。 やがて朝の予鈴が鳴り響き、授業が始まる。しかし、そんなものは智の頭に入らない。 あの晩、智は山の中にいた。近所にある山。さびれた住宅地の最奥に裾野を広げている山。 むしろ、山の裾野にまで住宅地が食い込んでいるといった方が良いだろう。そんなどこにでもあるような、 名も無い山の奥深く。智は息を殺してそれを見つめていた。 穴を掘っている。顔ははっきりとは見えない。フードをかぶったやや細めの人物が、穴を掘っている。 ザッ、ザッ、というスコップの音が、闇の中、木霊するように響いた。 (一体、何をやっているんだ?) 智は訝しがった。だが、これだけは分かる。決して、自分が隠れていることを知られてはならないと。 智の危険を知らせる本能がそう告げていた。その人物が、何やら陰から引きずり出した。黒い、大きなビニール袋のようだ。 なにか重たいものが入っているらしい。力任せに引っ張ると、地面に投げ出した。その瞬間、みた。袋から勢いよくはみ出したものを。 ――すなわち、脳みそを垂れ流した人間の頭部を。 「うわっ!」 ――しまった、と思ったときには既に遅い。フードを被った人物が、はじけたように振り向いた。 スコップを手に猛まじい速さで智に向かってくる。殺気がこめられた、あの凄まじい目。 あの目がすぐ目の前にまで…。 「うわあああぁぁぁぁぁ!!!!!」 教室の生徒が一斉に振り向いてくる。気がつくと、智は自分の席に突っ立っていた。 ようやく我に返る。自分は教室で授業を受けていたのだと。教室にしらけた空気が流れた。 「す、すいません。寝ぼけてましたぁ!」 慌てて席につく。クスクスと、どこかから女子のあざ笑う声が聞こえてくる。さすがに、今回は智もばつが悪い。 「まったく、智は能天気でいいわね」 女教師のいやみに、ドッと哄笑が巻き起こる。智は俯いて聞いていた。 「気を取り直して…。えーと、あれ、今日、ちよちゃんどうしたの。分からないだって?じゃ、次は…」 (はぁ、今日は散々だったな) トボトボと帰路についた。夕日の中、智は一人で歩いていた。 (あっ、そういえば。帰りに寄るところがあるんだっけ) ふと思い出して、ポケットの中に手を突っ込む。 「あれ…、ない?」 必死になってまさぐりはじめる。ポケットを裏返したり、上着を脱いでひっくり返してみたりするが、一向にみつからない。 (無い! 生徒手帳が無い!!) 智の顔から次第に血の気がぬけていく。 確かに昨日、ポケットに財布と一緒に入れてあったはずなのだ。それがないということは――。 「まさか、落とした…?」 ――あの場所に。 間違いない。あのとき、逃げるうちに落としたのだ。生徒手帳には智の住所氏名と写真とが記載されている。 もし、あいつが拾っていたら―― 気がつくとあたりはすっかりと暗くなっていた。ぞっとする。いつのまにこんなに日が暮れたのだろう。 黄昏はとうに追い払われて、闇がすぐそこまで忍び寄っていた。恐怖の始まりが…。 誰かの足音がした。自分を追って。まっしぐらに自分を目指してくる足音が 「ひ、ひぃ!」 智は走り出した。 (助けて! 誰か助けて!) 恐慌をきたし、涙・鼻水を垂れながして、ひたすら走りに走った。いつもの無鉄砲で気の強い彼女の面影は無い。ただ、走った。 ――しかし、足音は追いかけてくる。どこまでも、智を追って。 いつまで走り回っていただろう。もう、3時間は走っているようにも思われるし、まだ30分そこそこしか経っていないような気もする。 わずかな街灯が照らす闇の中、走り回り、逃げ惑ううちに、方向感覚も、時間感覚も失われてきた。自分が誰なのかさえ薄らいでくる。 ただ、恐怖だけが後ろから追ってきた。その恐怖が、ひしひしと伝わってくる恐怖が、しだいしだい距離を縮めるたびに、 自分の内なる感情が突き抜けていくのを感じた。智は、ほとんど笑いながら走っていた。 「きえエエエエエエエエエエエエ!」 闇夜の中、ぼんやりと明かりが見える。――交番だ。あそこに駆け込めば助かる! しかし、智は通り過ぎた。ある感情に歪んだ顔で。 (あたしは、警察にはいけない。助けを求めることはできない。だって――) その感情とは――、 (あたしは、ちよちゃんを殺したんだから!) 即ち――――狂気。 あの晩、智は死体を埋めに来たのだ。自分が殺したちよの死体を。ほんの些細な事故だった。 ガードレール上の、段差になっているところ。下は十数メートルほどのコンクリートの断崖だった。 いつものように、高いところが苦手なちよを脅かしてやろうと、かるく押しただけだった。 それが洒落にも冗談にもならないことに気づいたのは、下で砕けて脳を散乱させたちよの頭をみたときだった。 しかし、智は少しも絶望しなかった。 かえって、どうしようもないくらいの愉悦がこみ上げてくるのを感じた。 憎んでいたのだ。私は、ちよのことを。そのことに気づき、智は胸がすっとするように感じた。 頭が良く、天才で、大金持ちで、家庭にも恵まれ、 友人にも親しまれ、謙虚なそぶりで、ひとなつっこく、 誰からも好かれ、将来を約束された、あの糞餓鬼。あの糞餓鬼を ブチ殺してやりたい、 虐め殺したい、なぶり殺してやりたい、犯り殺したい、殴り殺したい、蹴り殺したい、刺し殺したい、突き殺したい、 撃ち殺したい、轢き殺したい、 焼き殺したい、絞め殺したい、斬り殺したい、バラバラに殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、 殺したい、殺したい、殺したい、 殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、 殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、 殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい、殺したい! 密かに心のそこから渇望し続けていたのだ。そのことを知り、腹のそこから笑いがこみ上げてきた。 愉快で愉快でどうしようもなかった。 「ひゃはあぁははっはあっはあははははああっはああ!」 智は絶頂のかなたにいた。恐怖が彼女の殻を壊し、狂喜の生々しいエネルギーを解放させていた。 いつもは小出しに、 日常の暴走した振る舞いという装いで発散させていた狂気を。 目の前に石ころが転がっていたらしい。彼女は派手に転んだ。 腕や顔をすりむき、血が噴き出す。しかし、そんなことは意に介さない。 「ひっひっひっ、ひひひひ」 うずくまり、しばらく痙攣したように笑っていた。意識は次第に沈静化してくる。いや、鈍化といった方がよいだろう。 あのとき、本当ならすぐに警察に駆け込むべきだったのだ。だが、それには、あの山であんな時間に自分が何をしていたか 説明しなければならない。 そんなことをすれば、ちよを殺したことまでばれてしまうのは目に見えていた。それで、一人で 怯えていなければならなかった。彼女は今、恐怖から解放されつつあった。――狂気によって。 「――滝野さん。そんなとこで何してるの」 ぼんやりと、智は振り向いた。 「黒沢せんせい?」 黒沢みなもが立っていた。微笑みながら。 「どうしたのよ、いったい。ああ、手だって擦りむいてるわ。顔だって。こっちいらっしゃい」 ぼんやりと、言われたままにみなもに近づく。みなもが智を抱きとめるようにして手を伸ばす。 手にはハンカチが―― 瞬間、智は喉にあついものが走るような衝撃をうけた。次の瞬間には視界が赤一色に染まった。 みなもはナイフを隠し持っていた。智の喉は真一文字にぱっくりと裂かれていた。 「だめよ、覗き見なんかしちゃ。」 まるでやんちゃな男子生徒を叱るような口調でいう。例の微笑みを浮かべながら。 「あ…ぁ……」 智は口をぱくぱくとさせて何かいおうとしていたが、声にならない。喉から噴水のように血を噴き出しながら、 ただ、ヒューヒューと風を切る音がするだけだった。 「滝野さんが悪いのよ。本当だったらあなたは殺さずにすんだのに。よりによって、あんなところをみられるなんて。 彼ね、とってもいい人だったのよ。だけど浮気性だったの。それで、つい殺しちゃったのね。でも大丈夫よ。 ゆかりもたまに嫌な相手を殺してるから。私たち、協力しあってアリバイ工作は完璧なのよ。それで今度、二人で 木村を殺そうって話になってね。あなたのお陰で良い予行演習になったわ。――あら、もう死んじったの。」 みなもは智が聞いていないことを知ると、智の死体をまるで粗大ゴミでも扱うかのように黒いビニール袋に詰め込んだ。 その晩、例の山には新しい穴が掘られた。三つ目の穴が。 そこからズボッと智が現れる。 「あー酷い眼にあった…クビ痛いよ~」 泣きながら×形の絆創膏が貼られてるクビをさする。 右隣の穴からも頭にタコ焼きタンコブを作ったちよがはい出てきた。 「もう、ともちゃんはひどいです!」 身体から土をこぼしながら、ぷくーっと頬を膨らませる。 「たまたま持ってた豆腐を脳ミソと勘違いして埋めるなんて、しばらくは許しませんからね!」 なんやかんやで無事でした。 そして逆隣りの穴からも若い男がズボリと 「あー、あんなとんでも無い女だったとは…早く警察に通報しないと。あとしばらく女遊びは控えよう」 懐から携帯を取り出していた。 こうして、ゆかりちゃんとにゃもは逮捕されちゃいましたとさ。 終わり
https://w.atwiki.jp/u-sk/pages/20.html
コートの襟を立ててもなお、冷たい風が俺の首を締めてくる。 吐く息は白く、電灯の光に縁取られては消えていく。 冷たい雨は止まなかった。 虫の羽音に似た不快な音を立てて明滅するネオン管の輝きに我に返ると、水たまりに自分の哀れな姿を見た。 極彩色の光に浮かぶずぶ濡れコートの姿はさながら、誘蛾灯に誘われた蛾の様に情けなく思えた。 幸い貯金は残っていた。 今後数ヶ月の間命をつなぎ止められる程度にはだが。 手首まで流れてきた雨の雫が昨日つけたばかりのためらい傷に沁みた、その痛みで再度我を取り戻した。 深く眠れない日々が続く。 下手に目を閉ざせばあの朝を思い出す。 あれから一年。 未だに立ち直れない俺をあいつは笑うだろうか。 それとも。 「あら、とうとう傘まで差さなくなったのね」 あざ笑うでもなく、憐れむでもなく、ただ率直な感想のような垢抜けた声が耳に飛び込んできた。 「座れば? 今日はお客もこないし」 ふと辺りを見渡せば、俺は見慣れた飲み屋にいた。 彼女の言う通り、他の客の姿は見えない。 「こないだはメガネ忘れてたじゃない、眼、悪いのに」 彼女は俺の濡れたコートをポールハンガーに掛けながらそう言った。 そういえば、彼女の名前はなんと言ったろうか。 「冷えるわよ、一杯だけサービス」 椅子に座って黙っていると、彼女がスコッチの瓶と小さなグラスを持ってきた。 「……まだ、立ち直れないのね」 グラスに酒を注ぎながら、彼女はそう言った。 その言葉に初めて、憐れみが籠もった。 「忘れようともできないんだ。眠ろうとすると思い出す」 「……ユーゴ、誰だってそんなもんよ、あたしだって、母さん死んだ時はそうだった」 「いつかは忘れられるかな」 「……忘れはしないわ、慣れてはくるけど」 彼女は視線をグラスに落としたまま、そう微笑んだ。 あいつとの出会いは、この店の帰りだった。 最初は真似事のつもりでピアノを弾き始めたが、しばらくするうちに様になってきたのか、マスターが小遣いをくれるようになった。 それから調子に乗って小遣いを稼ぐようになり、下手なりに曲を書いてみたりして、それなりに楽しい日々が続いていた。 そんなある日、ちょうど今日みたいな冷たい雨が降りしきる夜だった。 店にひとり、見慣れない少年がフラフラと入り込んで来た。 身なりからして、貧民か孤児かのどちらかであったのは明白だった。 最近はそんな子供も増えてきて、物乞いやそれを装う強盗も多い。 相手にしないのが一番だったが、その少年はそれとは何か違った雰囲気を持っていた。 衰弱した少年に最初に気づいて話しかけたのは俺だった。 彼はか細い小さな声で、何度も謝りながらこう言った。 ただ、ピアノが聴きたかったんだと。 ふと気づけば自分のアパートの入り口に立っていた。 いつ店を出たのだろう、それすらも思い出せない。 鍵を開け、そのまま脱衣場に向かう。 びしょびしょの服をまとめて洗濯機に放り込み、全裸姿になる。 シャワーを浴びた後はそのままの姿でベッドに横たわった。 今、この寂しさを紛らわせてくれるのは、酒でも、薬でも、ましてや他人でもなく、この羽毛布団の冷たさだった。 最初はひやりと、だが段々と自分の体温で暖まっていく感覚。 これだけは嘘をつかない。 本物の体温だ。 ふわふわの布団はあいつのお気に入りだった。 いつもこうして両腕に抱き、大腿に絡めて眠っていた。 その姿が愛らしくて、いつも眠るまで眺めていた。 ただ、ピアノが聴きたかったと、彼は言った。 その言葉を聞いていたたまれない気持ちになった俺は、そのまま彼を部屋に連れ込んだ。 料理に自信は無かったが、適当に作ったスープを彼は美味いと言ってくれた。 数日間は寝たきりだった彼も、食べ物さえしっかり採ればみるみる内に回復した。 とうとうたまらなくなり、手を出してしまった晩も、彼は最初は戸惑ったものの、優しく受け入れてくれた。 男を抱いたのは、何もそれが初めてじゃない。 だが、彼のような何も知らない子供も抱いたのは生まれて初めてだった。 さらに言うなら、男に恋したのも、彼が最初で最後だった訳だが。 柔らかな肌の質感。 快楽に歪むあどけない表情。 俺は夢中だった。 それこそ、只でさえ感心事の少ない俺の心を、唯一繋ぎ留めてくれるかのように…… 俺の体温で温まった羽毛布団の柔らかな質感は、なぜかあいつを思い起こさせる。 俺は布団を抱き締めると、すべらかなシーツが俺の裸体に絡みついてくる。 まだあいつの匂いが染み付いているような気がして、それが愛おしく、切なく俺の中に駆け巡っていく。 気づいた時には、俺のモノは堅く隆起していた。 我ながら、生物としての本能が馬鹿馬鹿しく思えた。 心ではこんなにも傷ついているのに。 大腿で布団を締め付け、腰をゆっくりとこすりつけていく。 あいつは俺が行為に浸ると、少し荒っぽくなるところが雄々しくて好きだと言った。 一方で俺は、そんな俺の荒ぶる気持ちを優しく受け入れてくれるあいつの気丈さを愛していた。 何度あいつを思い出しては自慰に耽り、その度に自己を嫌悪したことか。 愚かしい。 虚しい。 いくら思い続けたところで、あいつはもう、還ってはこない。 ……ゴトリ。 突然の物音に、俺は自慰を中断した。 アパートの金属のドアに、何かがぶつかる音。 時計を見れば、既に夜中の三時を過ぎていた。 こんな時間に、何が? すっかりと萎えてしまった俺は、そのままの姿で玄関に向かった。 覗き窓の先に人影はない。 酔っ払いでも通ったのだろうか。 俺は確認の為に、ドアを開いた。 ドサッ。 最初は何が倒れてきたのか理解できなかった。 それは確かに人のかたちをしていて、ぐっしょりと濡れたボロボロの布切れに包まれていたせいで、それが痩せた子供であることを理解するのに数秒必要だった。 紛れもない貧民の子だ。 「……大丈夫か?」 突然のことでその声を出すのにもまた時間が必要だった。 「……」 抱きかかえた子供は虚ろな目をしていて、呼吸はしていたが危険な状態なのは目に見えていた。 「……」 俺はひとまず、その少年を部屋に引きずり込んだ。 ボロボロの衣服を脱がし、バスタオルで体を包む。 俺は戸惑っていた。 この少年には、あいつの面影がある。 いや、そんな筈はない……気のせいだろうか? 「……い」 「何?」 「……むい」 あまりか細い声だったが、俺には寒いと確かに聞き取れた。 俺は少年の軽すぎる体を持ち上げると、バスルームに急いだ。 この子は、助からないだろう。 不思議と俺は冷静だった。 ならばせめて安らかに送ってやろうと、俺はバスタブに横たえた少年の体に暖かなシャワーを浴びせてやった。 「……暖かいか?」 俺の問いに少年は答えなかったが、少しだけ安堵の表情を浮かべているように思えた。 だが、やはり少年は、そのまま呼吸を止めてしまったのだった。 この部屋で、また幼い命が消えてしまった。 この冬の時代、仕方がないこととは言え、見ず知らずの子供の命が失われてしまうと言うのは悲しい事だ。 俺は少年の遺体をベッドに横たえると、その体に布団を掛けてやった。 明日、知り合いの牧師に連絡を取って、この子を引き取って貰わないといけない。 だが、見れば見るほど、彼は何故だかあいつに似ているような気がしてならなかった。 無論、そんな筈は無いのだ。 俺はあいつの埋葬を見ているし、まさかあいつが墓から出てきたとも思わない。 部屋で死んだ貧民の子供、という共通点があいつを思い出させるのだろうか? 俺は遺体の顔を覗き込んだ。 ……やはり、似ている。 同じではないが、似ていると感じる。 頬に手を這わすと、まだ少し暖かい。 だがその妙な弾力は、生きている者とはまるで違う、あたかもゴム人形のような 違和感があった。 彼も、寂しかったのだろうか。 そう思うと、いたたまれない気持ちになった。 徐々に冷たくなっていく彼の体が寂しかった。 痩せた体は、出会ったばかりのあいつを思い起こさせる。 冷えた体を抱き寄せると、その手足は力なく俺の体にもつれてくる。 そっと唇に口づけると、柔らかくも力ないその唇は簡単に俺の舌の侵入を許してしまう。 やはりどこか、あいつに似ている。 そう思えば思うほど、俺の中で何かが狂っていった。 大腿を彼の股の間に滑り込ませ、背中に腕を回し、唇に舌をねじ込む。 しだいに俺の体が熱を帯び、同時に冷えていた彼の体も暖かさを取り戻していく。 力ない四肢が快楽に沈むあいつを思い出させると、俺のモノは再び力強く脈打ち始めた。 俺は唇を離すと、銀色に糸を引く唾液を掬い取り、濡れた指を彼の臀部へと伸ばした。 当然、彼は抵抗ひとつせずに俺の指を飲み込んでいく。 どうして嫌な顔ひとつしないのだろう。 俺は十分に彼の菊門を濡らすと、いきり立つモノを無理やりねじ込んだ。 否、無理やりと言う程の抵抗すらなく、俺のモノは柔らかな肉の感触に包まれた。 その後俺は随分と乱暴に腰を振ったが、彼は安らかな顔のまま声も上げなかった。 どうして何も言わないのだろう。 痛いはずだ。 気持ちいいはずだ。 なのになぜ顔色ひとつ変えないのだろう。 俺は、悔しかった。 もっと声が聞きたい。 もっと俺を求めて欲しい。 俺はこんなにもお前が愛おしくて、こんなにもお前に飢えているのに。 なのにお前は上の空で、涼しい顔のまま動かないだなんて。 俺は締まりのない彼の内部を乱暴に突き回し、終いには彼の細い首まで締めてみたが、彼は何も言わなかった。 そう。 彼が死んでいるという事実を思いだしたのは、彼の体内に大量の精液をぶちまけた直後のことだったのだ。 to be continued...
https://w.atwiki.jp/ohayousex/pages/360.html
青空だ。青空が見えたんだ。 綺麗だった。こんなにも、夏の空は綺麗だった。 大きな雲が沢山浮いていた。 まるで地上の僕達をあざ笑うかのように、雲は横切っていた。 俺は何をしているのだろう。 俺は犬じゃない 俺は昆虫じゃない。 俺は何だろう。 俺は人だろう? 俺は…………人なのか? こんなにも哀れで惨めな存在が、人なのか? 人なのk 突如として俺の顔面に飛来した黒い靴。 「やぁ。出発だよ。私の奴隷」 「………嫌だ…昼は出たくない………」 「あれ?…やっぱり…奴隷にはなれなかったんだ。お前が私の呪文を汚らしい小便で汚したから」 あれから、俺は土をかぶって寝た。 おかげで小便の臭いは撮れたが、体全身から虫のような臭いがする。 やはり、俺は人間ではないのか。 「早く出ろよ」 「ゴブァ!!!」 顔面を蹴られる。嫌だ!俺の決心は硬い。もうこの決心を歪める事は何者にも不可能なのd 「早く」 「ゲッ!」 「早く」 「ぐべら!!!」 「早く」 「つあrちう4wryhr!!!!!!」 「早k「行きます!!!!!!!どこへでもなんなりと!!!!!!」 俺の決心は折れた…… …………… ……… … 「うう……外怖いよぉ……」 「風呂で洗っても、汚らしいのは外見だけでなく中身もらしいね。傍にいるだけで空間がねじ曲がるようだ」 「…………」 お前だって変態だろ…あんな格好で!外に出るなんて変態以外の何者でもない!クソッ、俺の顔だけでなく精神を侮辱しやがって 許せねぇ…この女、許すまじ…絶対いつかレイプしてや… 「お姉ちゃァん!こんなキモいのよりぼき達と遊ばんなぁいー?」 「!?」 そこにいたのは唇やら耳やらナニやら、あらゆる部位にピアスを付けた金髪サングラスのヤンキー…あああ!!! だから外には出たくなかったんだ!!! 「五秒以内に私の視界から消えろ汚物。さもなくば殺す」 ……!? 俺は思わず隣を二度見した。今の発言は紛れもなく彼女…和鳩さんから出た言葉だったからだ!間違えた、和鳩から出た言葉だった。 「あああ!?!?!?それ俺に言ったんかい!?!?おいクソアマ!!!なんとか言ってm「死ね」 和鳩を掴もうとした男の手がストーーーーーーーンと地面に落ちる。 「…………?…………?」 男は一瞬理解できない、と言った顔をしていたが、叙々にその顔が恐れに染まっていき… 「ギャアッ!!!!「うるせえ」…アッ!?」 発狂したように叫ぶ!!と思いきや。今度はスッパリ切れた手と同じように……首が吹っ飛んだ!! 恐怖に染まった顔のまま、男の表情はストップし、地面に落ちた! まただ、また斬撃は見えない…彼女は腕一本動かしていない。一体どんなトリックを… ざわ……ざわ…… 早業…この壊し屋の一番息子とされる俺の目も止まらぬ…いや待て、そこじゃない。 そこじゃないッ!!!!!!!!! 騒ぎ出したのだ。通行人が! 「うわー首飛んでるよ」「あちゃー嫌なもん見ちゃったなー」「きゃあああ!!」 割と見慣れた顔で見ている通行人が6名、恐怖に騒ぎ立てる通行人が1名…なんて街だ。 だが腐っても街。公の場。警察を呼ばれでもしたら厄介きわまりないッ!!!!!!!!! どうやって対処すればいいんだ!?この状況!! 「おい奴隷。何してる?逃げるよ」 「あはい」 …………… ……… … 「(もうまっぴらだ……ラノベ的終始女とイチャイチャ的展開もないし……)」ボソボソ 「どうしたの?」 真顔で俺に聞いてくる和鳩。蚊の羽音より小さな声だったのに…… 「……………あの、それより目的地はどこなのでしょうか?」 「ここだけど」「…?」 そこにあったのは『廃墟』。 『廃墟』。 はいきょ。 大事なことなので三回言いました。 「廃墟に何か用でも」 「言ったよね。私殺し屋だから。見習いだけど……」 「あ、廃墟に人でもいるの?」 「さぁ。取り敢えず、この廃墟に住んでる何かを殺せば報酬が弾むらしい」 「………不安だなぁ……」 「その何かってのが詳しく教えてくれなかったもんだから、いざという時のために盾を用意したんだよ」 盾なんかどこにもないじゃない…と一瞬疑問を感じたが、 彼女の微笑を見てなんとなく納得した俺は早くも全力で帰宅したくなってきた… 「……なんかいるなぁ」 「え?……ハッ!!!!!!!!!」 ギュウウン!!!と凄まじい勢いで俺の頬を掠めたのは触手!!!!少し頭を逸らすのが遅れたら……間違いなくお陀仏だった! 「ォォ…獲物ォ…ォ…」 そこにいたのは……背中から音速半で伸びる触手を生やした、謎の大男だった! なんて厄介そうな敵なんだ…… 「えも「獲物はお前だけど」 だが直後首が吹っ飛んだ。大男は動かなくなった……… 身構えた俺は、華麗に踵を返した。 「なーんだ、驚かせやがってクソが」 「まだだよ、首が生えてきた」 「!?」 振り返るとそこには! 「フハハハ馬鹿めェ!!俺は首が吹っ飛んだだけでは死なぬわ!!!!」 「キェェェェェェアァァァァァァシャァベッタァァァァァァァ!!」 男の首…それも先程の首の男とは別人のものが生えていた! 「俺はな…自らの首を切り落とすことで新たに命を得ることが出来る能力者なのさ!!」 「なんで急に自分の能力を喋りだしたんだコイツ!?」 「…そうか。だったら丁度良い実験動物になりそうだ」 ニヤァと不気味に笑う和鳩に俺は嫌な予感がする。 和鳩は無言で俺に近づく。 ちょっと待て、何をする気だ? おいやめろ。何故俺の一張羅に手を掛ける。 「センスの悪い服だなぁ」 黙れ!!!!と言おうした次の瞬間!!!!!!! 俺の一張羅は上から下へ…見事に裂かれた!!!! 「キャアアアアア!!!痴女ッー!!」「黙れ」「はい」 「一体何の真似だ!?」 大男の顔が若干赤くなっているのは気のせいだろう。 だが悪夢はまだ始まったばかりだった!!!!! 次の瞬間、彼女の服は突如として破れさり、同時に全身にヘブライお経文字を書き終えていたのだ!!!! 「キャアアアアア!!!マジで痴jップ」 次の瞬間俺は後頭部を思い切り回し蹴られ、大男へ向かって吹き飛ぶ。 そして……和鳩は叫んだ!!! 「共鳴しろ…私のヘブライお経文字!!!!」 彼女は発光した!! 同時に俺も発光した!!! 先程家から出る前に、彼女に懇願して洗いながしたはずのヘブライお経文字がッッッ 浮き出るッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!! 「さて、昨日は見れなかったけど…見せてよ。あなたの変態を」 呟くように彼女は言った…………そして───── ───── 一 日 ぶ り か 。 こ の 感 覚 「貴様ら揃いも揃ってこのシリアスな戦闘シーンに脱ぎだすとは一体何事だ!?」 大男が喚くが、最早俺の耳には入っていなかった。 「絶頂……絶頂が精神を支配している…………ウオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!!!! 露出装着ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ」 「!!!?」 ─ 露 出 戦 士 シ グ レ 、 爆 ッッッッッッッッッッ 誕 ッッッッッッッッッッ ─ 突如としてッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ 我が体に装着された赤きアーマーッッッッッッッッッッ それはまっこと素晴らしきアーマーッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ 全ての攻撃を受け切る、心理の鎧ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ そしてこの露出アーマー最大にして最強の特徴があるッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ それはッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ 股間部のみッッッッッッッッッッ露出している事ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ 「我こそが真理……その名もニート也」 「最高……最高だよ死紅くん。学生の時から、お前には注目してたんだ。やっと……さらけ出したんだね」 満面の笑みで俺を迎える和鳩……俺は何故だか感動した。 「あぁ……やっとさらけ出したよ、ありがとう和鳩ッッ!!!」 次の瞬間、和鳩に俺は股間部を蹴られた。「さん付けね」「ッは、はい…ッ……!!!」 「許せねぇ……俺を無視しやがってクズ共め!!!!皆殺しにしたあと、その醜態を世間様に魅せつけてやるぜェェ!!!!」 大男のわめきが、今度こそ俺の耳に届いた。 背中から生える触手で攻撃する大男。 しかしそれは無為なことだったのだ…… 何故なら、次の瞬間大男は、その体ごとこの世から消滅していたのだから……… … ……… …………… 帰り道を俺達は並んで歩いていた。 鎧だけで斧や剣と言ったお約束の武器がないなとは、思ってたけどまさか股間が武器だったとはな… 俺は消し炭になった大男を思い出しながら思っていた。 それにしてもこのアーマー。 「肌に癒着して取れないぃいいいいいいいいいい!!!!アーマーがァアアアアアアアア!!!!!!!」 取り敢えず股間部を、その辺で売っていた褌をつけることでなんとか隠したが、ギリギリすぎる!!!! しかし叫ぶ俺を完璧スルーかつ無表情の和鳩。 許せねぇ…この女!!!!そ、そうだ!!!!今なら……今の俺の力なこの女をレイプできるかも知れない!!! ここはどうやら怒ったニートの恐ろしさを教えてやる必要があるようだな!!! 「へへへ……なぁよりば「そういえばお前、今日はどっちで寝たい?犬小屋だけじゃ寂しいだろうから、特別に玄関で寝ることを許すよ」 俺は1m吹っ飛んでいた。やたら顔面がヒリヒリする。殴られたのだ。 俺はその場で地面に両手をついて、土下座しながら答えた。 「玄関でよろしくお願いいたします」 そして、俺は帰り道、指名手配にされていた。 何度も何度も、警察に発砲された。 そして弾避けとして、和鳩さんに文字通り『盾』にされたのだった。 俺は本当に人だろうか。 ~未完~
https://w.atwiki.jp/seriale/pages/2049.html
■笑う飯■ トーグ=ジュイ …… 魔界の処刑人 きゅう太 …… 問い正す断首剣(QUES-CUTER)。魂を斬る魔剣 まず、常識と言うものを捨て去るといい。 例えばニンジンは赤みの強い橙色だが、それが水色や桃色だったらどう感じるだろう。 多くの場合は「キモい」だろう。 現実にそれを眼にしたトーグ=ジュイの場合はまさにそうだった。 例えばタマネギが根を蠢かせて足元に擦り寄ってきた場合、どう感じるだろう。 多くの場合は「ウゼぇ」だろう。 現実にそれを眼にししたトーグ=ジュイの場合はまさにそうだった。 おかしな色の、蠢く野菜の群れを眼にした時、人はどう感じるだろう。 多くの場合は「ヤベぇ」だろう。 「しかし我が主は嬉々としてそれらを口に運ぶのです――」 「運ばねぇよ!?」 かご一杯の怪しい野菜を手にして一人語りを始めた従者に、トーグ=ジュイは ツッコんだ。想像力の乏しいものでも、かさかさと蠢く蟲の串焼きを口に運ぶ時、 つい「急に動き出したらどうしよう」と思ってしまうものである。 わかってても、無理。 無・理。 そういう事は、往々にしてあるものである。 凡そ常識というモノの通用しない「魔の世界」――魔界に住んでなお、トーグ=ジュイ は飽くまで人間だった。 「ロゥリーズ派に帰順すれば食の不自由の無い機械の身体を手に入れられるのですが……」 「それだったら銀河鉄道に乗るわ!」 メーテルと一緒に旅に出られるとは限らないが。 「ですが、ジョバンニさんはお呼びしました」 「宮沢賢治じゃねぇか!」 自分の膝にも届かない矮躯の従者――きゅう太のどっきり発言に、もはやお笑い芸人の ツッコミと化したトーグ=ジュイは脊髄反射でツッコんだ。 これでも魔界では処刑人である。芸人ではない。 だから――きゅう太はツッコミをスルーして話を続けた。 「何処がだからなんだコレ!?」 「それでは登場していただきましょう」 よいせ、と怪しい物体満載の籠を置くと、きゅう太はぽんと手を叩いた。 「水属性弓使い――ジョバンニ=ベンリさんの登場です」 「宮沢賢治ですらねぇ!?」 空間が、ぐねりと歪んだ。 青い髪を逆立て、軽装鎧に身を包んだメガネの優男。 弓使い――ジョバンニ=ベンリその人である。 「何処まで常識捨て去れば良いんだよ己れは!?」 至極もっともである。 だがここは魔の世界――魔界。 「――ん? ポータルの先って事は――ここが依頼の場所か」 「そうです。シリーズで言うなら「RPG外伝」、「求む! グルメの冒険者」という――」 「なんですんなり受け入れてんの!?」 物理法則を無視して現れた弓使いと従者にツッコむしかない処刑人であった。 至極、人として真っ当である。 「ですが、ここは魔の世界――」 「てめぇそれで何処まで押し切んだよ!?」 「じゃんじゃん行きますよ」 「行くなよ!」 問答する主従を脇に置いて。 「――で、これ食っても良いのか?」 歌うじゃがいもを摘みながら、弓使いが言う。 冒険者としては多分、真っ当である。 己れは処刑人でよかった――と、ちょっとだけトーグ=ジュイは思った。 「では続いて――エントリーナンバー二番」 「やっぱり行くのかよ」 そう、ここは魔の世界――魔界。 ツッコまない方が良いのではないかとそろそろ思い始めていた処刑人だが――。 「ちゃんと野菜も食べやさい!」 空間の歪みから現れたオールバックの現代人が現れたその時。 「シリーズがどうとか関係ねぇじゃねぇか!」 迅雷の速さの手刀で己の従者にツッコんだ。 布袋に包まれたその頭部の中心を正確に裂くような縦の一撃。 手応え的には、ぐにょん、としていた。 当然のように従者は口上を続ける。 「此方は聖護院学園の国語教師をしております。外崎剛悟先生です」 「平然と続けるてめぇの事が、己れは少々怖くなってきたよ……」 青褪める処刑人の横で、国語教師が顎に手を遣りながら呟く。 「それで――きゅう太くん、バーベキューをやると聞いて出向いてきたんだが」 「なにそれ知り合いなのてめぇら!?」 眼を見開く処刑人を、従者は袋の切れ目から醒めた目線で見上げた。 「そういえば我が主は「さいしゅうがくれき」が「ちゅうがっこう」でしたね。聖護院 学園は由緒ある中高一貫教育。「どろっぷあうと」組の我が主が知る由もありませんね」 「そういう問題じゃねぇだろ……っていうか、お前たまにキツいよな」 けたけた笑うピーマンを手に取りながら、国語教師が呟いた。 「栄養学の修士に教員免許――今では保父か。いや、教え子が成長した姿を見れるのは 教師の役得だね」 「お前の過去に何があったんだよ、きゅう太!?」 「さあ――私は一本の魔剣ですから」 そう、ここは魔の世界――魔界。 「続きまして、エントリーナンバー――」 「助けてくれッ! ネムレスッ!」 そろそろ心が折れそうな処刑人であった。 「話の腰を折って悪いんだが、これ食っても良いのか?」 冒険者だけが食欲に溢れていた。 多くの者が来た。多くの者が語った。 キシオムバーグ将軍とエージェント・ニードルのお料理教室。ダンチェッカー博士の 魔界植物の進化仮説。秘密組織NEXT幹部、柳秋一の演説。ダニエル=P=シュレイ バー博士の「脳科学から見る「だからこの野菜は食べても大丈夫」!」。東国騎士団長 ジュバ=リマインダスの「とりあえずコレは食える」。アルジャーノン=ブラックウッド の「よくわかんないのが世の中だからスルーしろ」。ライスマンの「農業しよう!」―― 残ったものは、極彩色の野菜たちの切り身。 残った結論は「サラダ、これ、最強」。 「おかしい――何かがおかしい」 斬られてもけたけた笑うタマネギを見つめて処刑人 トーグ=ジュイは呟く。 「目に見えるものだけが現実ではないのだよ――東郷=呪井」 ちょっとかっこいい事言ってやった感満載の魔剣きゅう太。 「――ってか、てめぇ剣だろ、本体。別に綺麗なツラした女でも良くね?」 「いやいや、私はこれでも魔剣ですから。この身は確かに鞘のようなモノですが、刀身に 合う事が鞘としての絶対条件。魔剣QUES-CUTERは「魂を斬る魔剣」ですから、魂の残滓を 持ち得る、強固な生きた肉によって包まなければその切れ味を留める事はできません」 「はあ」 最終学歴が中学校なので、処刑人には判る様で判らなかった。 「しかし、ウリズス派の研究する魔術を使えば、我が主の要求を叶える事も出来ますが」 「魔界なんでもアリだな」 箸で蠢く野菜の切れ端を摘みながら、ふと処刑人が零す。 「でも、人間の形になるような奴を斬れなかったってのぁ、シャクだな」 「そうですか」 がらがらと、唸るようにきゅう太――魔剣QUES-CUTERが声を発する。 膝丈の矮躯が、霧となって広がる。 見上げるような巨躯――見下ろすような単眼。 不意に本性を現した従者が、ずいとトーグに寄ってくる。 「さあ、箸を付けたからには完食して頂きます」 はい、あーん。 鋭い鉤爪の先にぶら下がる、うねうね動く野菜を見て、処刑人は思う。 俺、帰ってムショにでも行った方が良いんじゃねぇかなぁあ――。 挿絵的な。
https://w.atwiki.jp/nanohass/pages/1295.html
魔法少女リリカルBASARAStS ~その地に降り立つは戦国の鉄の城~ 第十三話「第六天魔王VS究極戦国最強」 「ヴィヴィオ…ヴィヴィオ…!」 「こないで…!」 「!」 忠勝がチンクと戦っている間、こちらの戦いも決着がついていた。 スターライトブレイカーを撃ったことにより部屋の中には大きなクレーターができていた。真ん中に倒れているのは少女の姿へと戻ったヴィヴィオ。 「う…く…一人で…立てるよ…強くなるって……約束したから…。」 よろめきながら、それでも確かに立ち、なのはの元へと歩むヴィヴィオ。なのはの頭にはヴィヴィオとの思い出が廻る。 その光景になのはの目には涙が溜り、溢れる。なのははヴィヴィオに駆け寄り、もう離すまいと必死の想いで抱きしめた。 突然サイレンが鳴り出すと同時に駆けつけたはやて。ゆりかご内に響くアナウンス。 『聖王陛下、反応ロスト システムダウン。全ての魔力リンクをキャンセルします。』 「うっ!?」 部屋全体が桃色に染まり、なのはの足元に浮いていた羽をはじめ、魔力はすべて消された。 「どうするなのはちゃん!?徒歩で脱出するのは…!」 「くっ…どうしよう…。」 その瞬間、壁が爆発して中から白銀の巨人、本多忠勝が現れた。肩には結局ほおっておけず、連れてきた傷だらけのチンクが乗っている。 他の戦闘機人は他の管理局員が捕まえたらしい。手を伸ばしてこちらに来るように指示をする忠勝。 近づくと身をかがめ背中を指差す。乗れ、ということらしい。 「そうか!忠勝さんなら…いける!!」 そういえば忠勝は全身質量兵器。だとしたら魔力を使わないで一気に脱出できる。 なのはとはやては忠勝の肩に捕まる。全員乗せたと確認すると忠勝は機動形態を発動。 槍を前に突き出して鉄の鎧を纏っていたときとは比べ物にならない速度でゆりかごの中を駆け抜ける。 「!!」 肩に捕まっている全員に風圧がかかる。生身で受けているからそれはものすごいものであった。 しかしこの速度でやらなければ自分達もゆりかごの墜落に巻き込まれてしまう。壁が見えるが忠勝は速度を緩めない。 チンクがナイフを投げてランブルデトネイターを発動。爆発が起こる。 「伏せろ!!」 チンクがそう叫ぶと皆頭を伏せ、なるべく瓦礫に当たらないように身を掲げる。 ついに壁に激突。それでも忠勝は止まることはなく、ロケットを最大出力で点火。ランブルデトネイターの爆発でもろくなっていた壁を突き抜けていく。 刹那、視界に光が差した。目を開けると果てしない青空。雲ひとつない晴天。脱出は成功したのだ。ある程度離れてからゆっくりと地面に降りていく忠勝。 着地すると皆を降ろした。目の前にはスバル達フォワード陣や蒼い騎士甲冑に炎の翼という容姿になっているシグナム。瓦礫に腰掛けている元親と秀吉。 大怪我を途中で負いながらもなんとか意識を取り戻しているヴィータ。スバルとの戦いでベットに担架の上で寝ているギンガ。何より驚いたのは幸村や政宗の存在。 忠勝はどことなく安心したようで歩み出した。 直後に響く銃声。 気付くと自分の左肩の装甲が完全に壊れている。後ろを向くと辺りを己の邪気で染めながら歩み寄る魔王、織田信長。 「うつけが……貴様等の罪、万死に値する。」 皆が構えるが信長は両手を広げ、邪気を飛ばす。その邪気に纏われた瞬間次々と倒れていく。 これは確か、信長だからこそできる業。 死ニ至ル病。 この技を発動させている最中に信長の邪気を吸うと体にかなりの重力が襲い、胸がひどく締め付けられるような苦痛が襲う。 あたかも相手を病に罹っている状態にさせることから先ほどのような名がついた。 技を防ぐ方法は以外にも簡単。邪気を吸わなければいいのだ。だが皆吸ってしまっている。 つまり動けるのは機械だから呼吸を必要としない本多忠勝、ただ一人。 槍を振り下ろすが刀で軽くあしらわれ、顔面にショットガンの弾丸を受ける。左目の光が消える。見えなくなったという証拠だ。 ボコボコになった顔面の左半分。だがまだ右目がある。見えないわけじゃない。再び向くとショットガンをリロードもなしに五発連続で胴体に放つ。 胴体から流れ出るオイル。これは人間にとっての血液。 「戦国最強…片腹痛し。滅せよ。」 マントを翻し、忠勝に当てる。マントのはずなのに鋼鉄で殴られたような衝撃が襲う。 忠勝はまた立ち上がる。 (何百回…いや、何万回倒されても…負けない!!) 目は赤く光り、まだ自分に戦意はあるということを示している。 信長はその戦意をあざ笑うかの如く、マントを翻してそこから何本もの針を生み出して忠勝に容赦なく突き刺していく。 そして忠勝は槍を地面に刺す。いきなりの衝撃に浮く信長の体。紋章から飛び出す漢字の描かれた円陣。 少し浮き、大の字に。円陣に描かれた漢字が一文字ずつ光り出す。 本多忠勝、バサラ技発動。 天空から降り注ぐ何本もの蒼白い光の柱は信長を襲い、鎧を砕いていく。 数秒、その光景が続き、終わった。動きを止めた忠勝。 しかし信長はまだ、立ち上がる。目は黒みを帯びた赤に染まり邪気は増す。 「うつけがぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 刀を逆手に持ってマントと刀の連続攻撃を繰出していく。攻撃がひどく重く、速い。信長もバサラ技を発動したようだ。 吹き飛んでもまだ接近してマントを何度も翻し、装甲を砕いていく。 最後に邪気をショットガンにこめて放つと忠勝の胸を貫通。忠勝は膝を突いて首をガクン、と下ろす。皆が自分の名前を呼ぶ。だが暗くなっていく視界。 まだ、相手を倒していない。もしここで倒れたら後ろにいる皆はどうなるのだ。倒れるべきではないのに、薄れていく意識。 「立ってぇぇぇ!!!」 頭と耳に響く幼い少女、ヴィヴィオの声。ふと見ると体には虹色のオーラが浮かんでいる。 「今戦えるのは…忠勝さん!貴方だけなんや!」 「戦って…そして…勝って!!」 「私達の魔力を貴方に…!!」 「貴方は、わたし達の居場所を!」 「大切な人たちを!!」 「命をかけて守ってくれた!!」 「だから今度は私達が貴方のために命をかける番です!!」 続いて流れてくるのは自分を想う皆の声と、力と。自分は機械のはずなのに、胸が熱くなる。ボロボロになったはずなのに、まだ立てる。 そうだ、自分はまだ立てる。戦える。皆がいるから。 ブーストを最大出力。信長はショットガンを撃ち、忠勝の装甲を撃ち抜き、傷つけているが止まらない。むしろ速度は速まっていく。 「ぐぬぉっ!?」 「!!!」 信長の首を掴んで上空へと舞い上がる。まだ飛んでいるゆりかごへと突っ込んでいく。 何個もの床や天井をぶち抜いていく忠勝。まだ残っていた動力炉だったクリスタルの残骸に信長を叩きつける。 忠勝はまだ使ってなかった赤色の宝石を取り出して具現化を始める。現れたのは予想通りなのはのレイジングハートに似た杖。 だとしたら使い方は同じなはず。先端に神経を集中。溜まったのはプラズマではなく自分の周りに浮かぶ虹色の魔力。それでもいい。忠勝は溜まった特大の魔力を放つ。 体を揺るがすほどの衝撃。反動で今までぶち抜いてきた床を通り過ぎて外に投げ出される。自分の放った魔力はゆりかごを見事貫通していた。 しかし、信長は生きている。鎧は打ち砕けて直撃したはずなのになんという生命力だ。 「ぶるぅおあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!」 向けた銃口からはおびただしい量の赤い邪気。邪気は自分の身を包み、地面に衝突。 ぽっかりと空いたクレーター。だか忠勝は立ち上がる。間接はガタガタ、でもまだ、戦える。槍を再び構えて、祈る。 (力だ…。この魔王を打ち破る程の力だ!!) 槍に自分の纏っていた虹色の魔力を全て流し込む。槍のドリルの部分が魔力で巨大化。まだだ、これだけじゃ足りない。 その時だった。桃色、金色、白色、それだけじゃない。さまざまな色の魔力や気が忠勝の槍に集まっていく。 (ありがとう…。) 槍はいつの間にか自分の身の丈を超えるほど巨大になっていた。信長が落下してくる方向に巨大な槍を向ける。魔力で巨大になった先端が回転。魔力が螺旋状に形を変えた。 ブーストを再び点火。それだけじゃない。背中に鳳凰の如く美しく、雄雄しき翼が舞う。 名付けて、戦国最強本多忠勝、究極形態。 放ってくる邪気を切り裂いて忠勝は飛ぶ。魔王を貫き、戦いを終わらせるために。 「いっけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」 皆の雄叫びが響く。その声を背に受け、目が赤く光り輝いた。 溢れんばかりの邪気で突撃が遮られる。だが、今の自分達の想いに貫けないものはない。 空かないはずの忠勝の口が開き、咆哮にもよく似た鋼を唸らせる音が響く。次第に邪気に穴が開く。 「ウゴアァァァァァァァァァァァァァ…!!」 「ぶるあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁ…!!」 響く究極戦国最強の咆哮、響く第六天魔王の絶叫。音を立てて邪気は割れる。眩い光が魔王を滅するべく身を包む。 皆の想いを乗せた巨大な槍は信長どころか、聖王のゆりかごまでをも巻き込み、爆発。 爆発は広がることはなく一点に集中。一本の光の柱となって天を突く。空に落下してくる魔王の姿は、ない。 静寂。勝利したのにその場の支配していたのは静寂だった。忠勝は心配そうに見つめる皆のほうへ向き、拳を天に掲げる。 直後、割れんばかりの歓声が響き渡る。体が思うように動かないが自分はちゃんと、生き残った。 戻る 目次へ 次へ
https://w.atwiki.jp/kolia/pages/1037.html
【関連】テキサス親父に語ってもらおうにもご協力ください。 有益サイト世界の新聞は何を言っているか? ~世界の新聞社一覧~ 日本のマスゴミが腐っているなら、海外からの報道でマスゴミどもに引導を渡してやりましょう。 まずは、「テフロン首相」と報じたシンガポール最大の新聞社、ストレーツ・タイムズに 日本が異常な理由を教えてあげましょう。 どうやら反日勢力によるマスコミ支配の現状を知らないようです。 ストレーツ・タイムズ 公式サイト⇒http //www.straitstimes.com/ メールの送り先⇒http //www.straitstimes.com/About+Us/WriteToUs.html 鳩山氏は「テフロン首相」 シンガポール紙 (2009.11.25 産経新聞) 今月中旬、シンガポールで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議では、鳩山由紀夫首相の一挙手一投足に注目が集まったといっても過言ではない。2回行った講演の模様はテレビでも詳しく紹介され、建国以来の一党支配が続くシンガポールは、政権が代わると何が起きるのかを見極めようとしているようにさえみえる。 そんななか、地元紙ストレーツ・タイムズ(23日付)は「鳩山テフロン首相」との見出しで鳩山政権の“謎”を取り上げていた。鍋などに施すテフロン加工にたとえ、「何があっても傷つかない」といった意味だ。 沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題ではあいまいな答えを繰り返し、政治献金問題でも「恵まれた家庭に育ったものだから」と言い放ちながら、支持率が5割を超える。記事では「(同様に)裕福な家に生まれた麻生太郎前首相が同じことを言ったら、政治的に葬られただろう」という安倍晋三元首相のコメントを載せ、失言も痛手とならない鳩山首相に驚いているようだ。 確かにシンガポールでの講演を聴いても、首相の発言は妙な丁寧語や謙譲表現は目立つが意味は不明瞭(めいりょう)だ。かつて「言語明瞭、意味不明瞭」といわれた竹下登元首相の話は時々、禅問答のように思えたが、後で意味の深さに気づかされることが多かった。鳩山首相の発言も、実は深い考えに基づいており、いずれ真意がわかるときが来ると期待しているのだが。(宮野弘之) 麻生首相はメディアの攻撃の犠牲者となった 2009年2月20日 ストレーツ・タイムズ(シンガポール紙) Kwan Weng Kin http //www.themalaysianinsider.com/index.php/opinion/breaking-views/136-breaking-views/18804-aso-falls-victim-to-media-attacks--kwan-weng-kin 日本の総理大臣、麻生太郎氏は、漢字を正しく読めない、ただのマンガ愛好家なのだろうか。それとも英語を話すことができ、経済の知識がある数少ない政治家の一人なのだろうか。もし、多くの日本人が、麻生氏についての知識をすべてテレビから得ているとしたら、自分たちの総理大臣をかなり低く評価していることだろう。 麻生首相は明らかに、4つある日本の民放TVネットワークの犠牲になっている。これらの民放は政治の話題を、何か別な形態の番組と区別せずに扱っているように見える。つまりテーマが面白おかしくなければならないような種類の番組と、そうではない番組ということである。日本にある唯一の公共放送であるNHKは注目すべき例外である。NHKの政治ニュースはいつも、時には退屈なほど注意深く客観的に報じられる。 しかし、4つの民放にとっては、麻生首相のマンガ依存症を攻撃することから始まり、5つ星ホテルの会員制バーで息抜きをする日課をあざ笑うことまで、すべてが格好の攻撃対象である。このようなレポートは、単調になりがちな政治ニュースを盛り上げるために添え物として時々報じられる分には、多分それほどの害はない。しかし、一人の政治家を過小評価することを目論んで、一日中際限なく、早朝5時半から深夜かなり遅くまで終わることなくこのようなレポートをニュースショーで取り上げたとしたら、政治家は破滅させられる。 人気のあるニュースショーの司会者たちが、報道のプロではないという点も注目される。ニュースショーである「報道ステーション」の司会者である古舘伊知郎氏はプロレスの実況アナとしてキャリアを積んできた。彼は今日の政治の話題に関して論じる際、頻繁に無知を露呈する。また、3時間にわたる朝のニュースショーの司会である、みのもんた氏は、一週間に22時間15分もテレビ番組の司会(多くは生放送である)をしており、そのギネス記録を保持している。だが、そのほとんどはバラエティ番組だ。 みの氏や、似たような他局の司会者たちは、自分たちも嫌味な論評や思い付きの批判をするし、スタジオのゲストがそうするように仕向けることにも忙しいのだ。しかし、意見のバランスという観点からは、司会者もしくはゲストの誰かがショーの中で同時に、麻生氏を支持する立場の用意されたコメントを、うやうやしくもサッサと片付けるというのが普通だろう。しかしそうではなく、すべての民放ネットワークを通じてテレビのスクリーンから見えるのは、首相に対して同時に行われる集中攻撃だ。 日本経済を救うための麻生首相の景気刺激策も歪曲して報道され、今まで、表面的な少しのことしかしていないように見せている。 麻生首相がまとめた政策は、A4サイズの用紙1枚に列挙できないくらいに数が多く、時間の限られた多くのテレビ番組の中では詳細を議論することさえもできない。そこで、民放ネットワークはそれらの中から、たったひとつの政策に焦点を合わせた。全ての国民に合計2兆円を現金で給付するという、議論を招く法案である。 民放は野党の意見に立って、概して、これは来るべき総選挙に勝利するための選挙対策のバラマキとして立案されたものであると説明してきている。民放はまた、給付金は所得税の還付に到底及ばないと言っているが、それは何百万人もの低所得者、年金生活者はそのような税金を払ってはいないという事実を都合よく無視している。そのような層にとっては、一人当たり1万2千円の給付金はまさに天の恵みであるのだが。 また最近は、麻生首相にとって具合の悪いニュースが伝えられた直後に、民放ネットワークが急いで世論調査を行うという、憂慮すべき傾向がある。 最近の調査対象には、小泉純一郎元首相が先週、麻生首相への非難を公言した郵政民営化に関すること、および今週、中川昭一財務大臣の国際記者会見での見苦しいふるまいが含まれている。このような状況下では、調査対象となった人々は悪いニュースばかりを思い出しやすいため、麻生首相の人気が上がることはほとんど期待できない。下がるばかりだ。 民放ネットワークに秘密の協定などなく、すべての偏向報道が純粋に視聴率アップを目論むテレビ制作者の身勝手な行為の結果だと考えるのは、もちろん純朴に過ぎる。実際のところ、民放キー局は日刊の全国紙を持つメディア会社が所有している。その政治的な視点は右から左まで実にさまざまである。つまり、民放ネットワークの政治的視点は、それぞれのオーナーや編集者の政治的なイデオロギーを反映している。 時には、小泉政権の時のように、民放ネットワークはニュースショーですべての批判を実質的に禁止することによって、首相のための応援団になることもできるだろう。 だが麻生政権に関しては、民放ネットワークは「疑わしきは罰せず」の原理を首相には与えるつもりはなく、あらゆる機会を使って首相批判を続ける反麻生の野党と手を携えているように見える。ここのところ放送されている反麻生のうねりの陰には、政治的野心を持つメディアの権力者と、舞台裏で糸を引く勢力が存在すると信じる理由があるのだ。 しかし、政治家を風刺する時でさえ、日本のニュースネットワークは礼儀正しいレベルを保つことができる。隣接する台湾や韓国の勝手なメディアではそうではない。そこでは事態はより乱暴になるだろう。たとえば、台湾で人気がある「パーティ」という政治風刺テレビ番組では、台湾の馬英九総統はその生真面目で清廉なイメージのために手加減して扱われるが、失脚した陳水扁元総統のこととなると、笑わせるために遠慮なく言い囃される。 日本では、麻生首相に関して偏向報道を行うメディアに対して、多くのブロガーが非難の声を上げている。彼らは、メディアが野党の弱点に対して沈黙を守っている一方で、首相が力量を示す点については軽んじていると述べている。昨年12月の産経新聞の記事で、アメリカ人エコノミストのリチャード・クー氏が、国家の経済における問題を理解し、その政策が外国の指導者によって研究されている数少ない日本の総理大臣であるとして麻生首相を支持していた。野村総研に勤めるクー氏は、従って、日本のメディアが漢字を読み違えるような些細な欠点に関して麻生首相を抹殺しようとしているのは「全くの狂気」 であると言う。 厳しさが増す状況だが、麻生首相にとって明るい兆しになりそうなニュースもある。昨日発表された調査では、今年の総選挙に向けて、麻生首相は自民党のほとんどの党支部の支持を取り付けたということだ。朝日新聞の調査によれば、47の自民党県連のうち30は麻生首相の支持を表明している。いくつかは嫌々ながらの支持であると報じられてはいるが。2001年に世論の支持を失った森喜朗元首相を失脚させるのに、地方組織がその手段となったことを思い起こすことには意味があるだろう。
https://w.atwiki.jp/tousounokeitou/pages/378.html
『聖天子暗殺!?宇都宮釣天井』-4 作者・ティアラロイド 1381 那須塩原鎮台・自衛隊駐屯地*** ここは栃木県とT県の県境近く、対幻獣・ガストレアの最前線にある防衛の本拠地である。 自衛隊及び学徒兵部隊が整列し、閲兵を受け、のち分列行進してその威容を示す。 行進する部隊より敬礼を受けた聖天子は、用意された原稿のスピーチを読み終えると、 壇上より降りて隊員たちの前に近づこうと歩み寄る。 侍従「お待ちください聖天子様、どちらへ!?」 聖天子「隊員たちと直接言葉を交わします」 侍従「それはなりません。一兵卒の軽輩などに 軽々しく御身をお近づけになられましては…」 聖天子「留め立て無用です」 侍従「ハハッ…」 聖天子は整列する青森第四中隊の前に立った。 聖天子「貴官の姓名と階級は?」 咲良「ハッ! 青森第108警護師団第4中隊々長、 石田咲良千翼長であります! この度は 聖天子様の行幸を賜り光栄です」 聖天子「青森第四中隊の活躍は私の耳にも 届いています。今後も皆さんの善戦を祈ります」 亜美「ありがとうございます!」 続いて聖天子は、第105山岳師団の前に立った。 源「聖天子様、俺はこんな口のきき方しか できねえけどよ、それでも直に話しかけても 構わないのか?」 聖天子「構いません」 源「安心しな。北関東に巣食う幻獣とガストレアは、 全部俺たちがまとめて駆逐してやるよ!」 聖天子「期待します」 隊員たちとの対談を終えた聖天子に 県知事が恐れながらと話しかける。 知事「恐れながら聖天子様に申し上げます。 わが県選出の城之内議員より、新たな造営した 宇都宮城御休息所にて、聖天子様の日頃のご労苦を お慰みしたいと申し出ております」 聖天子「…御休息所? そのようなものの 建設は必要ないと事前に通達していたはずです!」 知事「お言葉にはございますが、造営費用は全て 地元有志の篤志家が全額負担し、国費公費には 一切手をつけてはおりません」 聖天子「………」 知事「もしここで聖天子様のお成りのないまま 御休息所を取り壊すこととなりますと、かえって 費用がかさみます」 聖天子「わかりました。参りましょう…」 1382 二荒山神社*** 宇都宮市馬場町にある二荒山神社。 その歴史は古く、起源は約1,600年前。宇都宮の始祖・豊城入彦命をまつっている。 この神社が下野「一の宮」と呼ばれていたことから、宇都宮の地名がついた、との説もある。 社宝は鉄の狛犬と兜で、どちらも国の重要美術品に認定されている。 静弦太郎と霧島五郎の二人は、ここの参道で朱音と待ち合わせていた。 五郎「おそいなあ、朱音ちゃん…」 弦太郎「五郎、てめえ俺に隠れて餃子食ったな?」 五郎「あれっ、バレた…?」 弦太郎「バカッ、お前の口がニンニク臭いんだよ!」 そこへようやく朱音が姿を現した。 朱音「弦太郎さん、五郎さん、遅れてごめんなさい!」 弦太郎「遅かったじゃねえか! 今までどこ行ってたんだ!?」 五郎「どうしたのその顔は? 体中どこもかしこも痣だらけじゃない!?」 朱音「…ああ、これは、ちょっと転んじゃって…(汗。 それよりもこれが宇都宮城の御休息所の図面です!」 朱音は、懐から取り出した折り畳まれた大きな紙を広げる。 それを目にした弦太郎は愕然とした。 弦太郎「やはりな…。思ったとおりだぜ!」 五郎「おい弦の字、どういうことなんだ。 俺にも説明してくれよ」 弦太郎「図面のここのところをよく見ろ。 休息の間に釣天井の仕掛けがしてある。 間違いねえ!」 五郎「釣天井!?」 弦太郎「奴ら、これで聖天子様を ぺしゃんこに押しつぶそうって魂胆だ!」 五郎「どうするんだ弦太郎!?」 弦太郎「もう時間がねえ! 急ぐぜ五郎!!」 宇都宮城・城門前*** 宇都宮城へと急行した静弦太郎と霧島五郎は、 城門前で藤森典子と合流した。 典子「静君、霧島君、血相変えてどうしたの!?」 弦太郎「んなこたぁどうでもいい!! それよりも聖天子様はどうした!?」 典子「もうお城の中に入られたわよ」 弦太郎「しまった!!」 1383 宇都宮城・御休息所*** 宇都宮城に到着し、御休息の間へと入る聖天子。 しかし廊下を進む間に、随員の護衛隊から巧妙に 切り離されていることには誰も気づいてはいなかった。 せいあ「護衛隊はどうしました?」 係官「あちらの別室にて御休息を…」 せいあ「別室で…? いえ、一緒の方がよろしいでしょう。 すぐに呼んで来てください」 聖天子に随行していた尾上せいあ一佐が、 すぐに護衛隊も側近くまで呼び寄せるよう要請するが、 突然、御休息の間の全ての襖が厳重に締め切られる。 せいあ「これは何事です!?」 係官「恐れながら聖天子様をお慰めせんがため、 城之内議員が拙き能をご覧に入れようとの趣向にございます」 せいあ「………」 城之内輝貞といえば、民自党県連の会長でもあり、 これまでに数度も重要閣僚の座を経験してきた大物代議士である。 やがて能の面をつけ、衣装に身を包んだ城之内が現れ、 薙刀を片手に振り回しながら豪快に能を舞い始めた。 まるで今にも聖天子を薙刀で切り刻まんとする勢いである。 せいあ「おやめなさい! 城之内議員、無礼でありましょう!」 能面の男「………」 聖天子「城之内議員、金剛流ですか? なかなか上達されましたね。さあ、もうよいのです。 あの戸を開けてくれませんか?」 能面の男「いや、開けるわけにはいかん。 そのまま永劫の闇の中においで願う!」 聖天子「なんと…!」 能面の男は面を取り衣装を脱ぎ棄てる。 現れたのは頭にターバンを巻き、僧兵風ともアラビア風ともつかない 衣装を身にまとった男だった。同時に周囲の係官の男たちも 服を脱ぎ捨て同様の姿へと早変わりする。 聖天子「何者です?」 幻の月光「我が名は幻の月光! 騒いだとてもはや袋の鼠! 聖天子殿、我ら独立幻野党革命の同志一同、お命頂戴仕る!」 聖天子「なにゆえに?」 幻の月光「その胸に聞けい!」 せいあ「貴様、本物の城之内議員はどうした!?」 幻の月光「今頃、議員事務所の奥で冷たい骸になっておるわ!」 その瞬間、聖天子たちのいる区画の四方に敷居の壁が降りて来て、 聖天子たちは完全に閉じ込められた。そして天井がじわじわと落下してくる。 侍従「これはいったい!?…(*1))ガクガクブルブル」 せいあ「聖天子様、御身に危険が迫っております!」 聖天子「うろたえてはなりません!」 1384 仕掛けの外では、幻の月光たちが釣天井が床までしっかり落下する瞬間を 待ち侘びていた。釣天井落下のからくりが作動する音が静まるのを 確認し、落下した釣天井を上げて四方の戸を全て解放する。 幻の月光「これで聖天子もぺしゃんこか。哀れなものよ。 フハハハハ!!!」 企ての成功を確信して高笑いを上げる幻の月光。 しかし、部屋の中には聖天子の死体どころか、 人っ子一人の姿すらなかったのである。 幻の月光「…こ、これはどうしたことだ!?」 幻の葉月「月光、これを見ろ!」 幻の葉月が、片隅の床にいつの間にか 人一人が通れそうな大きさの穴が開けられていた。 予想外の事態に驚く幻の月光。 幻の月光「いつの間にこんな穴が!?」 ???「ハハハハハ!!!」 誰かの高笑いが周囲一面に響いた。 たじろぐ独立幻野党の群れをあざ笑うかのように颯爽と現れた、 カウボーイハットにウエスタンスタイルのあの男―― ――国家警備機構の密使、我らが静弦太郎だ! 幻の月光「おのれ静弦太郎!!」 弦太郎「久しぶりだなあ、幻の月光! 聖天子様もお供の随員たちも全員無事だ!」 幻の月光「うぬぬ~!!」 弦太郎「今一度てめえら独立幻野党こと幻兵団を まとめて地獄に送り返してやるぜ!!」 幻の月光「え~い、かかれーっ!!」 幻の月光の号令で、独立幻野党の団員たちが一斉に襲い掛かるが、 弦太郎はアイアンベルトで片っ端から薙ぎ払っていく。 幻の葉月「鋼鉄の同志、カプリゴンよ! 現れ出でるのだあ~!!」 幻の葉月はドクロ型コントローラーを空高く掲げ、 怪獣ロボットを呼び出す。 カプリゴン「ギャオオ~ッ!!」 弦太郎の指示で待機していた五郎は、 怪獣ロボットの出現を確認する。 五郎「現れやがったな! ――アイアンショック!!」 変身ポーズと掛け声を取った霧島五郎は、 水をエネルギー源とする身長45メートルの戦闘用サイボーグ、 アイアンキングへと変身するのだ! 1385 ○聖天子→駐屯地で自衛隊員や学徒兵部隊を観閲後、宇都宮城で釣天井の罠に嵌る。 ○尾上せいあ→聖天子に随行し、共に宇都宮城で釣天井の罠に嵌る。 ○石田咲良→観閲式で、聖天子と直に言葉を交わす。 ○横山亜美→観閲式で、聖天子と直に言葉を交わす。 ○源健司→観閲式で、聖天子と直に言葉を交わす。 ○静弦太郎→間一髪で聖天子を釣天井の罠から救い、独立幻野党一味と交戦。 ○霧島五郎/アイアンキング→アイアンキングに変身し、現れた怪獣ロボット・カプリゴンと交戦。 ○藤森典子→宇都宮城の城門前で、静弦太郎たちと再度合流。 ●幻の月光→聖天子暗殺に失敗し、静弦太郎と交戦。 ●幻の葉月→怪獣ロボット・カプリゴンを起動させる。 ●カプリゴン→幻の葉月に呼び出され、宇都宮市街で暴れまわる。 △千坂朱音→宇都宮城御休息所の図面を、静弦太郎たちに届ける。 【今回の新規登場】 ●マラソン怪獣カプリゴン(アイアンキング) 幻の葉月に操られる、つぶらな目をした造形をしたロボット怪獣。 ひたすら走り続け、目の前にある障害物を踏みつける。 鼻から槍のような針を出し、角にはミサイルを積んでいる。
https://w.atwiki.jp/fadv/pages/538.html
笑う山崎 笑う山崎 長編ハ-ド・サスペンス (ノン・ポシェット は 5-1) 笑う山崎 (ノン・ノベル 572) 笑う山崎 題名:笑う山崎 作者:花村萬月 発行:祥伝社 1994.3.6 初版 価格:\1,500(本体\1,456) 連作短編集……と言うけれど、 結果的には長編小説だな、 これは。最初の一作『笑う山崎』50枚のみを書いたつもりの作者が、編集さんに言われて続編を連作形式で書いて行ったらしい……とあとがきに書いてある。作者にとっては最初の一作だけで十分、あとは付け足しだって言うけれど、ぼくみたいな読者は、ストーリーのない短編はお手上げだから、連作になってよかった (^^;) しかも途中からはもう完全に続き物で、一作一作が短編だなんてとても思えないよお。その上、作者の折り紙が付いてないのだけど一作目より面白くなってしまうところが、「娯楽に堕した」のかもしれない。それならば、ぼくは娯楽に堕して欲しいのだ。 これは山崎と言う凄腕のやくざの話であり、今までのように擬似家族に甘く、敵には容赦ないバイオレンスを揮う男。常に組織に疎外感を抱きながら、組織の実質上の頂点に立つ変わり者の、やくざの話である。 バイオレンス描写はこれまでのどの作品よりもどぎつく、人によっては吐き気を催すほどであると思う。そう言うところを読んでいると作者の混じりっけなしのサディズムに嫌悪感を感じてしまうぼくなのであるが、それだけに身内への、無償のやさしさが効いて来ちゃうんである。 身内にすごくやさしく外の人間に法外に厳しく殺意を抱くような男……というのは妙にいびつな精神を思わせるのだが、そういう常に萬月が向き合って来た主人公をこの小説は、いつになく深く分析し主人公に語らせている。この辺りはストーリーとは関係なく萬月ワールド解説書みたいに読むと面白かったりする。 いびつな精神は幼児性につながり、母性への異常なほどの欲求が生死の狭間にゆがみ葛藤する……と一行で書いちゃうとこんなことなのだろうが、 そうした世界(←日本だけど)への全反発的なトーンをいつになく感じさせるのは、やくざという反世界的な組織からすべてを見ているからだと思う。 何しろ作者は一歩進んで右翼組織の資料など集めて、この先の話を構想に入れているらしいから、それなりに反世界的なものと個人の歪みが大々的に衝突する作品がいつの日にか登場してくれるのかもしれない。 こうした作品世界はぼくはまぎれもなく『凶手』に通じると思う。作品の抑制度などはヴァクスの方が遥かに上回っていると思うが、作者の根底にある書く欲求とこれを満たす素材は驚くほど似通っていると思う。作者が男であり母性への飽くなき欲求と力とを兼ね備えている場合にはこうした「底」が距離を超えて響き合ってしまうものなのかもしれない。 (1994.06.24)
https://w.atwiki.jp/hmiku/pages/21680.html
ぶるーたわー【登録タグ kk2 ふ 曲 歌愛ユキ】 作詞:kk2 作曲:kk2 編曲:kk2 唄:歌愛ユキ 曲紹介 kk2氏 の22作目。 本作が、初のユキオリジナル曲となる。 石田衣良先生の小説「ブルータワー」をイメージして曲を作ってみました。(作者コメ転載) イラストを 仮眠氏 が、動画を piro氏 が手掛ける。ギターは 107氏 が演奏。 歌詞 遠くまで来てしまったような世界 荒廃した大地にそびえ立つ夢は 人々の希望で堕ちてゆくのかな 高く高く望む声 民の声を今あざ笑って そこには夢も希望さえも無いのに だけど だけど それでもきっと 何か何かが見つかるはずさ 生きたいんだよ 胸に落とした涙 今を生きてく それだけだと分かってても まだ夢見て 描いていた幼いころの未来みたい 浮かび上がるホログラフィ 無限のメモリー 腕に秘めて 僕らを救うんだ 高く高く望む声 民の声を今あざ笑って そこには夢も希望さえも無いのに だけど だけど それでもきっと 何か何かが見つかるはずさ 生きたいんだよ 胸に落とした涙 今を生きてく それだけだと分かってても まだ夢見て 青い青い塔の向こう 僕がきっと救ってみせる 冷たい夜に君と誓った約束 ただねただね笑いたくて 君が幸せでいれるなら 僕には何も要らないって願うんだ 空を越えてく 僕にならね出来るって そう信じて コメント カッコいいしキレイな声ですね -- そら (2012-05-17 22 38 09) 珍しいユキちゃんのロック。ピアノもギターもカッコいい。PVも面白い。 -- 竜奇 (2012-05-19 07 29 38) 大好き! -- 名無しさん (2012-06-06 21 09 55) 大好きです!もっと評価されるべきです(^O^)! -- 名無しさん (2012-06-28 20 24 46) 名前 コメント