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黒服Y 25 Y零「……退屈ー」 三尾「それなら仕事をすればいいのです」 Y零「退屈を感じているのであって暇を持て余してるのとは違うんだよぅ……ん、何持ってんの?」 三尾「バレンタインのチョコです。この間【魔弾】さんに迷惑かけてしまったのでそのお詫びも兼ねて、です」 Y零「おー偉いねー、でもあんな事した訳だしそれで足りるかな~、一緒に自分をラッピングしてプレゼントぐらいしないと割に合わないんじゃないかな~」 ↑事態を作った元凶 三尾「えぅ……そんなことまでしなきゃダメですか……」 Y零「もぅ冗談だってば。いってらっしゃい、早く戻っておいでね」 三尾「【魔弾】さ~ん、いますか~?」 「誰だあの可愛い子」「奴に何であんな知り合いが!」 Y「ああ、君はこの前の」 三尾「はい、これどうぞ。この間は迷惑かけちゃってごめんなさい、そのお詫びですっ」 同僚「迷惑って何かしたんですか?」 Y「ははは……迷惑って言うか何て言うか……」 三尾「あぅ……や、やっぱり身体にリボン巻いて「私をプレゼントです」ってやらないとダメですか……?」 同僚「落ち着きなさい、そんなことしては駄目ですよ。それは間違った方法ですよ」 三尾「やっぱり違ってたんですね! ……あれ? 【魔弾】さんはどこに?」 同僚「寂しい男共に別室へ連行されました」 「てめぇあんな可愛い子に何しやがった」 Y「待ってくれ、僕は無実だ、何もしていない」 「しらを切るつもりか」 * Y「濡れ衣を着せられるとこだった」 同僚「証拠は後で作っておきますから」 Y「えっ」 三尾「?」 三尾「それでは失礼しますね。あの人も「今後とも(退屈な時は)よろしく」って言ってました」 Y「え~……あぁ……こちらこそよろしく」 「さて取り調べの続きだ」 Y「ちょっと待て、何で有罪確定されてるんだ」 同僚「証拠写真もここにあります」 Y「どうみても合成じゃないか、って仕事早いよ同僚」 上司「楽しそうだなおまえら、早く持ち場戻れよ」 前ページ 連載 - 黒服Y 次ページ
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黒服Y 19 今日はクリスマスイヴ だと言うのに学校町の空では三つ巴の天界大戦争が繰り広げられていた 内一つの勢力の姿ががとてもいい眺めなのが唯一の救いか そんなことを考えながら黒スーツの男は、同僚の女性に対してぼやく Y「で、何で僕らまで出なきゃならないのさ。天使の軍団がいたらそれで十分でしょ」 戦力的にも、能力的にも、見た目的にも、それでいいと思うんだけれど、と めんどくさそうに言う男に対して溜め息混じりに女性は答える 同僚「天使達には細かい仕事は向いていないと思いますし、私達のすることは後始末等が主で駆除はついでです」 ちなみに女性の方は男が怠けないように見張るのも仕事の内に入っていたりする 女性は斜め前を歩く男を見ながら、数日前の事を思い出し溜め息をついた ―――数日前――― 同僚「はぁ……Yの少女姿、可愛かったなぁ」 上司「なら自己責任で女体化ガスでも何でも持って来て使えばいい。許可はしないが止めもせん、責任も取らん」 同僚「え? やっていいんですか?」 上司「……あいつな、少女化してる時の方が仕事量少し増えてんだよ。普通は体力的に言って減るもんだろう」 同僚「それはつまり……」 上司「普段どんだけ手抜いてるかが分かるな。奴の仕事量に問題は無いんだ、さっきも言ったように自己責任で勝手にしろ」 ―――回想終了――― 同僚(何も無ければ、Yを無理矢理女体化させてサンタにしようと思っていたのですが……無理ですね) Y「どうしたの? 難しい顔して」 何も知らずに男は女性の心配をしている 同僚「いえ、何も。クリスマスくらい静かに過ごしたいな、と思っただけです」 話をしているうちに備品を置いてある部屋についた 駆除する対象は空にいるので女性は射程の長いスナイパーライフルを取り出して来た その他に必要と思われるものも集めていく しばらくして男の方はショットガンを持って来たようだ 同僚「遅いです、早く行きますよ」 Y「空の対処はついでなんでしょ? そんなに要るの?」 同僚「そんなに多くないですし、それに必要になったら困るでしょう? ほら、か弱い女性に荷物抱えさせる気ですか? 半分持って下さい」 半分と言いつつ、半分よりも明らかに多い量を渡す女性 Y「(か弱い…?)なんと理不尽な……」 文句を言いながらもそれに逆らえない黒スーツの男 この二人を一緒にさせた上司の判断は正しかったようだ おわる 続かない たぶん 前ページ次ページ連載 - 黒服Y
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黒服Y 21 スコープに空を舞うサンタを捉える 引き金にかける指にそっと力を入れる スナイパーライフルから銃弾が放たれるが 同僚「やはり当たりませんね」 命中率は芳しくない もともと狙撃は得意でもないし スナイパーライフルを空に向けて撃ったってなかなか当たらないだろう Y「うりゃ」 隣を見るとYが変な掛け声とともに発砲したとこだった 銃口の先をたどって見るとどうやら当たったようだ そして見たことを後悔した 同僚「…あの筋肉の塊は撃ち墜としてもいいんですか? 一応組織の戦力ですが……」 Yがこちらを振り向いて答える Y「逆に聞こう。天使の舞う空、えせサンタが飛ぶ空、アレが犇めく空、1番見たくないのは?」 同僚「……すいません、駆除の続きをどうぞ……」 視線の先では「兄貴」と呼ばれるものが墜ちていく しかも、尻を押さえながら 考えちゃ駄目! 何故あんな格好で落ちて行くのかなんて考えないで! 止まって私の想像力! 思考を止めるために片付けに専念しましょう、そうしましょう 撃っても当たらないのだから撃つだけ無駄ですしね Yなら都市伝説の能力を使って当てることが出来…… 確か以前Yから聞いた都市伝説の能力はオートポインター(カッコ悪いから止めろとは言っておいた)だった 照準がやたら正確になるだけだよ、と彼自身も言っていた そして彼が今構えているのは二連式の猟銃で、装填している弾丸は一粒弾のはず 狙いが正確なだけであんなに遠くの筋肉塊のアレを撃つなんて芸当が出来るのか そもそも射程圏外ではないのか Yの能力が、都市伝説の能力が、明らかに強くなっている? 普段の態度も仕事も相変わらずで、特に変わったことはなかったけれども Y「さ、もう行こうか、同僚。後はあの可愛い天使達が何とかするだろうし」 考えている途中にYの声が割り込んだ 何故可愛いを強調するのだ 同僚「えぇ、そうですね」 何かあったのだろうか それを私には話してはくれないのか それとも話せないような理由があるのか 何かあったという確証があるわけじゃなく、ただの杞憂かもしれない 問いただしても曖昧な事ばかり言って、否定も肯定もせず、あなたはごまかすのでしょうが Y「やっぱり荷物要らなかったでしょ?」 同僚「そうでしたね」 自分達のいた痕跡などを消してYの後を追いかける 前を行くその背中はいつもどおり、少し頼りない感じがした 前ページ次ページ連載 - 黒服Y
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黒服の謎の男が、上官のセールに対しての悪態、違反行為等を行った事から始まる。 違反行為等を行った黒服の謎の男にセールは怒りを買い、処罰としてセールと闘う事になる。 二人はほぼ互角の戦いをしており、結局引き分けとなり終わっている。 2人は力を尽き倒れ、病室へと運ばれた。 本来なら、並の人間だと死んでいるはずなのだが、死なずに済んでいる。 対ゴブリン軍第20部隊の隊長が倒れた事により、代理として副隊長だった水素が隊長を勤める事になる。 そして、隊長が倒れている時に限って神奈川県小田原市にゴブリンが現れてしまう。
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黒服Y 27 「む~……」 部屋の中に小さなつむじ風が起きていた 少女はそれを見つめて、時折触れたりして唸っていた 3つの尻尾ように結われた髪がつむじ風に吹かれてなびく 「おいコラ、室内でつむじ風起こすんじゃない」 「あ、ごめんなさい」 部屋に戻ってきたY-No.0の注意を受け、少女は腕を一振りしつむじ風を消した 「何してたのさ?」 「ちょっと風を感じる力の確認を」 「なんで?」 こめかみに指を当てつつ答える少女 「えーとですね~、何か最近、風が変なときがあるんです 何て言うか、明らかに自然の風じゃないんです。こう、体を撫で回していくような感じで あ、それと、突風もなんか多い気がします。でも、物が吹き飛んだりとかはしないんですよ」 顎に手を当て考えるようにして言葉を続ける 「そういうとき、たまに、風に都市伝説の気配を感じるんですけど……気のせいかと思うくらい微かなんで追跡は出来ないんです もしかしたら力が鈍ってるのかなと思って……」 少女の報告を受け、しばらくY-No.0は目を閉じ思案していたが 「ん~、鎌鼬の風を扱う君が言うんなら……たぶん事実なんだろうねぇ。関わらないで正解だね」 「どうしてですか?」 「ん、君が感知出来ないって事は瞬速移動とか隠蔽か何かしてるんだろ。かなり出来る奴だ、君じゃ敵わないさ んで、体を撫で回すような風とか言ったが……それがほんとならソイツは変態の類だ。 奴らは話が通じない、死んでも懲りない、そのうえ、何かしら突出した能力がある」 「むぅ、それは大変ですね」 「どうしても気になるなら体の周りに風を張って置けばいい。積極的に関わると損するだけだ」 それだけ言ってしまうとY-No.0はソファに座り漫画を読み出した ……仕事はしないのですか そう思いつつY-No.0の横顔を見つめがら思案する少女 (むむ……人の話をあまり聞かない……突出した結界の能力……来世でもきっとこのままな気がするです……つまり?) そこまで少女が考えたとき、Y-No.0がちらと横目で少女を見た。慌てて視線をそらす少女 ごまかすようにY-No.0に背を向け部屋から出ようとするが 「っちょっと買物に行ってきにゃっ!?」 後ろから両肩をがっちりと捕まえられてしまった 少女の耳元に息を吹きかけるようにして囁きかけるY-No.0 「私の顔を見て何を考え込んでたのかなぁ?」 「なな何も変なこと考えてないですよ!?」 Y-No.0は少女の耳に近づけていた口を下へ移動させる そして少女の首筋をぺろりと嘗めた 「ひぃっ!?」 「これは嘘をついてる味だ」 「そそんなのでっ、分かるわけないじゃないですかっ!?」 「過程はともかく結果的に嘘が分かればいいのさ。さて、何を考えていたか正直に話して貰おうかなあ」 「ゃ、ほら、昨日出来なかった仕事、とかありますから、やらな……」 い、にゃーーーーーーー!? 悲鳴が響くも防音されている部屋の外には届かなかった おわり 前ページ次ページ連載 - 黒服Y
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黒服Y 24 組織内にある休憩所のうち、あまり人が立ち寄らない場所、そこに黒服Yが寄るとソファで黒服の少女が寝ていた 顔は、肩まで伸ばした黒髪で隠れて見えない。髪がところどころ寝癖のように外側に跳ねている 座った状態で腕を組んで、その上に豊かな胸を乗せていた。胸を抱えているようにも見える 「こんなとこで寝てると、風邪ひくよ?」 「……んぅ?」 とりあえず起こして見ると眠そうな目でこちらをじっと見てくる 「……医務室は向こうよ」 「え?」 寝ぼけてるのだろうか。視線もこちらを向いていない 「……? あ~……違った、何でもなかった」 少女はやっと目が覚めたらしい。両腕を真上に突き出し、胸を強調するかのように上体を反らして背伸びをしている。 顔を見ると高校生くらいに見える。目は眠そうに半分くらい閉じているが、これで普通なのかもしれない 「それで、何の用だい? 夜這い?」 「まだ昼だし。いや、特に用はなかったけど」 「ほほう、用も無いのにこの私の眠りを妨げるとはいい度胸だなぁおい」 「ほら、こんなとこで寝てると風邪ひくかもよ? 寝るならもっと普通のとこで寝たほうが」 「馬鹿め、普通のとこで寝てたら起こされてしまうだろう。私には1日12時間以上の睡眠が必要なんだ」 ……なんというダメ人間 「よし、殺す」 「人の心を読まないでよ」 「そのくらい顔見たら分かるわ、ボケ。……まだ昼過ぎか。まぁいい、とりあえず隣に座れ、酷い目に逢いたくなければ」 もともと休憩するつもりだったから座らない理由はないので、腰を下ろしたが 「…………」 何か気まずいんだけど…… 「ところで【魔弾】よ」 「あれ? 何で僕の契約してるやつ知ってるの?」 「ふふふ、実は私は死神の目を寿命半分と交換していて、顔見るだけで相手の事が分かるのだよ」 「へぇ、すごいね」 「……」 「……?」 「冗談なんだから突っ込めよ」 「冗談かどうか判断つきにくいよ」 「……まぁそれは置いといて、だ。…………その、後ろの、背負ってる女は、なぁに?」 少女の指差す先は、Yの背後、何もいない空間 「え、と。見えるんだ? 強い霊感か、子供じゃないとほとんど見えないと思うけど……」 「んなこた知らんよ。最初見た時はすぐ消えたから勘違いかと思ったけど、今も居るし。病人でも運んでるのかと思ったわ」 寝起きのセリフは勘違いで言ったらしい 「あ~それで。いつも出てるわけじゃ無いんだけどね。たまに見えた人が居ても普通に背負ってるようにしか見えないだろうし」 「座ってるのに人を背負ってたらどう考えてもおかしいだろ」 「違いない。ま、でも大人で見える人なんてほとんどいないだろうし……ん?」 「どした?」 「いや、子供にしか見えないのに、見えるってことは……つまり精神的に子dぐふっ!!」 「覚えておくがいい、口は災いの元だと」 突き刺さるボディブロウ。重すぎるだろう、その華奢な身体的に考えて 「まったくもぅ、いまいち話が進まないじゃないか。めんどくさい、ちょっと失礼するよ」 そう言って正面に立った少女が顔を近づけてきた 上体を逸らして距離をとろうとすると両手で顔を固定された 鼻が触れそうになる距離まで顔を近づけてくる。 少女の目はまっすぐこちらの目を覗き込んでくる さっきまでの眠そうな瞳ではなく、大きく見開いていて、黒い真円の瞳がよく見えた ガラス細工のようにきれいで、吸い込まれそうなほど黒くて深くて 視線を、逸らすことが、できない しばらくの間見つめ合って少女はようやく顔を離した 呼吸するのも忘れるくらい魅入ってしまっていたらしい 「……はっ、はぁ、いったい、何を……?」 「んん、暗示の一種に私の能力を使っただけだよ。ちょっと君の中を覗かせて貰ったの。目は心の窓っていうでしょ? その後ろの女、明らかに都市伝説の類でしょ。けれど資料じゃ【魔弾】としか契約してないはずの君の中から気配がする気がしてね 君が話逸らしてなかなか先に進まないから、悪いけど勝手に覗かせてもらった。目が疲れるんだよ、これすると」 説明しながらまた隣にストンと座る少女、自分も話を逸らした事は棚にあげている 「たぶん、君が組織の黒服になったとき何らかの不手際があったんでしょう、精神体の欠片がくっついてるみたい。 まぁ見た感じ危険でもなさそうだし、むしろ君を守ったりしてるみたいだから特に問題はないと思う ただ、癒着してるっていうのかな、だから多少の影響はあると思うんだけど」 「特に問題ないからそれは気にしないでいいよ」 「ところで途中で言った僕の資料って……?」 「資料は資料だよ。君の上位ナンバーなんだから持っててもおかしくないでしょう? もっと言うと Y-No.0 なんだけど。ぐーたらで子供っぽくて悪かったね」 少女は優しいお姉さん的な笑みを浮かべている。目は笑ってないが 「へ、え……すごい偉い、上司だったのか、ふ~ん…… おっと、もう仕事場に戻らなきゃいけない時間だすいませんこれで失礼します」 あれ? 足が動かない……何かの荊のようなものが巻き付いてる 「まあまあ落ち着けよ、勤勉なのはけっこうだが、生き急ぐな若者よ。も少しなんだ、付き合えよ」 ―――――― 「Y-No.ってね、なんて言うか全体的に覇気が無いって言うのかね。まわりへの興味関心が薄いんだよ、時には自分の命にさえも。君はむしろ自分の命を優先してるみたいだけど」 そろそろ戻らないといろいろまずいんで帰らせてほしいんだけど ―――――― 「んん、そういえばこないだの……何だっけ、マッドガッサーだったっけ? それで被害にあって女体化した黒服がいたそうだね そうそう、この写真の娘なんだけど、可愛いよねぇ? ぜひ、"実物"を、見てみたいねえ」 Y-No.0が懐から取り出したのは一枚の写真、それにはゴスロリな服を着た少女が写っていた なぜ、同僚に撮られた写真が、ここにある 写真をひらひらとさせながら少女は嗤っている 「な……何で、それを君が……?」 「くふふ、私にかかればこの程度造作もないさ。君の同僚の女性も都市伝説の能力でこれを隠していたようだが、私の方が上だったようだな。 なかなか優秀な、隠す事に特化した能力で隠してあって、手に入れるのが面倒だったよ」 「か、返してもらう!」 写真を掴みとろうとするが、少女は写真を遠ざけて躱す。花の間を舞う蝶のように写真は動き、手をすり抜けてゆく ソファに並んで座ったまま一枚の写真を取り合う、奇妙な光景 しかし、腰を浮かし手を伸ばして、もう少しで取れそうだというとき、少女の足払いをくらった バランスを崩され少女の方に身体が倒れる とっさに手をついて少女を下敷きにすることは避けたが 目の前にソファに押し倒された少女の顔があるわけで 目が合うと、視線を伏し目がちに横に逸らされた 「いやん、いきなり押し倒すなんて……大胆」 「や……えっと、その、ごめん……っ!?」 退こうとすると、写真を掴む為に伸ばした手を捕まれて引っ張られた。 身体が引き倒され距離が零になる。 ムニュン 少女が耳元に甘い声で囁く 「くふふ……ねぇ、この状態で誰かが来たら、どう見える?」 入口に目を向けるとツインテールの少女が立っていて、手に持っていたポーチをとり落としたとこだった 「……な、No.0様……何を、している、ですか……?」 まずい、確実に誤解される。説明をしなけ 「……ぐすん、もうお嫁に行けない」 空気が凍った No.0という少女は目に(眠気による)涙を浮かべながら、事態をややこしくする一言を放った 「貴様…… No.0様から離れろ!!」 ツインテールはそう叫ぶと手刀を振り下ろした 鋭い殺気の塊がこちらに"飛んでくる" 慌ててソファから転がって遠ざかる 「うぉあっっ!?」「むぎゃっ!」 どいた直後、ソファの背もたれは切り裂かれ、中身を散らした ソファから転げ落ちた少女は奇妙な声をあげたがそれどころじゃない ツインテールは少女を護るように仁王立ちしている 「貴様……よくも……!」 「待て、落ち着け、僕は何もしていない」 「戯れ言を!」「誤解だって!」 ツインテールは腕を横に薙いだ 姿勢を低く横に飛んで躱した 背後の観葉植物が綺麗な断面を晒した 「やめてー私の為に争わないでー」 棒読みの台詞を吐きながら、入口から外に出ていく事態の元凶、Y-No.0。 「シチュエーションとしては【姫を護るドジっ娘聖騎士と通りすがりの不運の騎士】みたいな、殺しちゃだめだぞ、うん 【魔弾】の、子供っぽいとか言った罰だと思って、がんばれ。たまには本気を出してみろよ、そんなんじゃいつか死ぬぞー ……んん、よし、これでしばらくだいじょぶだろ。さて、も少し寝るか。力を(遊びに)使ったから眠い」 もしかして部下の足止めの為に嵌められたのか? そうこうしてるうちにY-No.0はどこかへ消え、ツインテールは周りが見えてない様子で、大技を繰り出しそうな気配 「まずい、この殺気は死ねる。止めなくては」 素早く拳銃を抜き、ツインテールの額を狙って発砲した それに気付いたツインテールは、なんと腕を交差させて銃撃を防いだ 漆黒の銃弾は、着弾と同時に爆ぜ、ツインテールの腕は弾かれたが傷は見当たらない。 「くっ、実弾ではないようですね。……なるほどそれがあなたの、持ち主の望む結果を生み出す悪魔の銃弾ですか。実体の無い弾、力の塊を撃ち出す能力…… 防御時の当たった感触から推測するに貫通力を弱く、着弾時に爆ぜることによって気絶を狙う弾のようですが…… あの人だけじゃなく私をも気絶させて弄ぶつもりか! 外道!」 「だからそれは誤解だって言ってるでしょ!??」 「問答無用! 吹き飛べ!」 ツインテールは右手の手刀を後ろに大きく引き、ねじりながら前へ突き出した 螺旋状の刃が放たれる 横へと飛び込んで避けた 壁を見るとドリル状にえぐれていた。これ当たったら即死じゃない? 「うふ、安心して下さい。斬れたら血止めの薬を優しく塗ってさしあげます、殺すまではしませんよ」 うわぁ……安心出来ない ……魔弾の出力上げないと危ないかな ―――――― ――――【都合により戦闘シーンは省略します orz】 ―― 「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい【魔弾】さんごめんなさいごめんなさいすいませんすいませんすいませんあの人のせいでごめんなさいごめんなさいごめんなさい」 「あの、ほら、特に(死ぬような)怪我もなかったし、ね、怒ってないからさ」 ツインテールが床にごつごつと頭を打ち付けて謝っている ツインテールかと思ってたら後頭部にもう一本あった。……トリプルテール? まぁいいや、ツインテールの話によるとどうやら、Y-No.0の能力で同じ景色の異空間の中で暴れていたらしい 異空間と夢の性質を持つ空間で催眠効果があって、ツインテールはそれの影響を受けやすく、勘違いで熱血(?)属性が上がっていたらしい 異空間の中では都市伝説の力も制限されていて、殺すまでの力は発揮出来ないそうな 「仮に【魔弾】さんがあの人に襲い掛かったとしてどうにか出来るとは思いませんが、あの人があんな風にしてるとこなんて初めて見たんですごめんなさい」 No.0 は少し子供っぽいとこがあり、相手がキレない程度にからかったり、興味が湧くと首を突っ込んだりよくするようで 僕の事を気に入ってからかっていたんじゃないか、だそうで。 異空間は端の方から泡が弾けるように解けていき、元の景色に戻りはじめている 「うぅ…すいません……。ぐす、それではあの人を、探さないといけないので失礼します……ぐす」 涙目でそう言うと、よろよろと立ち上がり出ていった さて異空間は全て消えてもとの景色に戻ったが 最初に切り裂かれたソファの表面には傷がついている。来たときは無かったような気がする 「休憩しに来たのに……疲れた……」 終われ 前ページ次ページ連載 - 黒服Y
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黒服Y 26 「ただいま戻りましたー」 髪をトリプルテールにした少女が部屋へと入ってきた 部屋が暗い 電気をつけ、手に持っている紙袋を机の上に置いた 「む? No.0様、寝ちゃダメですー、眠くなるなら夜更かししないで下さいー」 ソファで仰向けに寝ている部屋の主、Y-No.0の体をゆさゆさと揺らす。一部が余計に大きく揺れている Y-No.0は薄目を開けた。そして体を揺らしている手をいきなり掴みとった 「…………何を連れてきた?」 「? 何の事ですか?」 不思議そうに首を傾げ答えるトリプルテール Y-No.0はそれを意識を集中させながら見つめている 「誰かと会った?」 「特に変な人には会ってないと思うです」 「…………、ちょっと椅子に座って」 トリプルテールは頷き、椅子に腰を下ろした Y-No.0は椅子の正面に立つと周りに結界を展開した 透明感のある薄紅色のもやが二人を覆う 「……もう少し濃度を上げとくか」 結界の力の密度があがる。大きさも一回り大きくなった 「私の、目を見て」 「はい」 Y-No.0はトリプルテールの頬に手を添え、顔を近づけていく トリプルテールは正面に立つ少女の瞳を真っすぐに見つめている 熱を測るように額をくっつけ、瞳の中を覗き込む トリプルテールの目は既に焦点を失い、Y-No.0の瞳を映しこんでいる 「……」 夢を媒介にして心を覗き見る 意識を目の内側へ、その奥へと移していく (……相変わらず綺麗だな) 素直でまじめな性格を表すように整っていて白くて綺麗で (だからこそ、私の能力もよく効くのだけど) (……ここじゃない。もっと奥へ……) (……見つけた) 雪原の上に岩でも置いたように、明らかな異物があった 嫌な気配はそこから漂っている (これは……蛹、いや、卵のような?) 卵の中には良くないモノがいる ねっとりと絡み付くような黒い感情が、ぐるぐると渦巻いている これの中身が出てくれば、心は濁り腐ってしまう 孵化する様子はないが、ほって置いてよいモノではない (こんなモノで私だけのキャンバスを汚さないでほしい) 卵を結界で包み込み叩き潰した 砕かれた殻も中身も塵となって消えた 歪な気配はもうしない . 「ふぅ」 くっつけていた顔を離して息をつく 周りに張っていた結界を解いた トリプルテールの目に光が戻り、Y-No.0を見上げる 「……どうでした?」 「んん、もうだいじょぶ、心配ないよ」 「……あぅ……すみません」 俯いた顔を顎に手を添えて上げさせる 猫にするように顎の下をくすぐる 「気をつけてね~、君はそういうの弱いんだから」 「……はい。あの、くすぐったいです」 Y-No.0は、くふふ、と笑うと手を止め、ソファに寝転んだ そのまま寝息をたて始めた 「あっ! だから寝ちゃダメですって! 起きて下さい!」 「君に力使ったから眠いんだよ」 「えぅ、私のせいですか…? ぅ~ごめんなさいぃ~、でも起きて下さい~。夜更かしするから眠いんですー」 ゆっさゆっさと揺すられるが起きようとしないY-No.0 揺する手を捕まれ、ソファに引っ張りこまれるトリプルテール 「さぁさぁ君もつかれたろ? くふ、一緒に寝ようじゃないか」 「午後は予定が入ってたはずです、寝たら、間に合わなく、なります」 暴れる少女を両腕でがっちり捕まえるY-No.0 結界も重ねているので暴れたくらいで抜け出せるはずもない 「時間までに起きれば何も問題は……ない……さ……」 「うぅー……起きた事無いから言ってるのに……」 トリプルテールの少女は抜け出すことを諦めた 終わり 前ページ次ページ連載 - 黒服Y
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黒服Y 29 雑草の生えてない乾いた地面が広がっている そこに1メートル程の太さの、ギリシャの神殿にあるような白い石柱だけが並んでいる 並んでいるといっても建物のように規則的に並んでいるのではなく、子供が積木遊びで適当に並べたような感じである そこを黒いメイド服を着た少女が駆け抜けて行く 普段は付けている白いエプロンを今は外しているため、遠目にはワンピースドレスにも見える そしてメイド服の少女を追うように、石柱の上を赤い影が跳んでいく 「ハッハー!!」 赤い影の掛け声と共に3本の草刈鎌がメイド目掛け投擲される メイドは石柱の影に身を翻し、鎌を躱した しかし躱されることを読んでいたのか、メイドが避けた先にも鎌が飛んで来ていた メイドは迫る草刈鎌に向けて、腕を振って鎌鼬を飛ばし相殺した それと同時にメイドは背後で微かな足音を聞いた 振り向き様に音のした場所へ鎌鼬を飛ばすもそこには誰もいない とっさに、メイドが頭を守るように両腕を交差させた 赤い影が高く飛び上がって斬りつけてきた刃物とメイドが腕に纏う鎌鼬がぶつかり、ギィンと甲高い音がなる 赤い影はそのままメイドを飛び越え着地し、両手に3本ずつの鎌を出現させ、回転しながら遠心力にまかせて投げ付けた メイドは鎌鼬を飛ばして旋風を起こし4本の鎌の軌道を逸らした 残りの2本は腕に纏う鎌鼬で叩き落とした 動きを止め向かい合う2人 赤い影の正体は赤いコートを着た女だった 肩まで伸びた髪は毛先が外に広がっていて、そして、口は耳元まで裂けていた 口裂け女が踏み出そうと足に力を入れた時 「は~い時間切れ~、げーむおーばー」 呑気な声が響いた その声を聞き、2人とも力を抜き能力を解いた メイドの周囲に吹いていた風は止み、口裂け女の裂けていた口は普通の口の大きさに戻った メイドが息を整えていると口裂け女が話しかけてきた 「もっと体力つけた方がいんじゃねえの?」 「あのですね……身体強化系の能力の、訓練に付き合う身にもなって欲しいんですが」 「それでもしっかりこっちの動きに反応してくるんだからすげえよな。さすが切り裂きメイドだ」 腕を組んで頷く口裂け女に、呼吸を整えおわったメイドは言い返す 「変な名前付けないで欲しいです。それに、生成する刃物にもっと力を集中させてと言」 「あんたのその3本の尻尾のような可愛い髪が気になって集中出来ない」 「そんなんだから鎌も包丁も全部砕けちゃ」 「あんまり切れ味上がると、あんたの綺麗な腕に傷が付いちゃうだろ?」 「だ、か、ら! 斬れ味って言うのはこういうのを言うんです、"クレイジーチェーンソー"!」 メイドの叫びとともに腕の先に1メートル程の長さの風の刃が形成され、ヒュィィンと風の鳴る音がする それを口裂け女に対して胴を薙ぐように、大振りで思いっきり斬りつけた 口裂け女は背後の石柱に軽やかに飛び上がり避けた しかし石柱はメイドに斬られた事によって斜めに傾き倒れていく 倒れて砕け、ただの瓦礫になるかと思われた石柱は途中で薄い紅の靄になって消えた 「おいおい、いきなり危ないじゃないか。……おっと、そういや用事があるんだった。訓練ありがとな、じゃまたな!」 口裂け女は石柱の上を跳びながら帰って行った 「……もう」 メイドはため息を吐き、先ほどの呑気な声の主のもとへ歩いていった この場所に似合わないテーブルとイスに座っていた少女、Y-No.0はメイドに尋ねた 「なー、今日もう一人来るんじゃなかったっけ?」 「そのはずですけど……確認して見ますね」 メイドは携帯電話を取り出し電話をかけた しばらく話した後、Y-No.0と話した 「なんか急に仕事が入っちゃって来られないそうです」 「なんだ来れないのか」 「どうしましょう」 「適当な奴呼ぶか。この結界使い捨てだけどこのまま消すのもったいないし」 「誰をです?」 「暇そうな奴を適当に……」 そう言ってY-No.0は電話をかけだした 終わる 続かなん 前ページ連載 - 黒服Y
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天地から引き続き黒服から情報を引き出すように指示され、C-No.840は再び尋問を行っていた部屋に戻ってきた。 捕縛した黒服に近づいて、先ほど情報を聞き出す時に折った指を蝦蟇の油で治療し、目を覚ましていた黒服の猿轡を外す。 「貴方以外に生存している、A-No.666の実験に関わっていた黒服の事ですが―」 「ま、まだ終わらないのか…!?」 「貴方が全部話すまで、終わる訳無いじゃないですか ……知っていますか?くすぐりというのは、拷問に用いられていた事もあるんですよ」 無表情で、両手をわきわきさせるC-No.840。 ……直後、部屋の中に笑い声が響き渡ったのだが…部屋自体に防音処理がされていたため、その声が廊下に響く事はなかった。 体力をごっそり消耗して、ゼェゼェハァハァ言いながら椅子から転がり落ちている黒服を横目に、黒服に触れた時に読み取った情報と聞き出した黒服のナンバーを照らし合わせる。 A-No.666の下で違法な人体実験に加担していた黒服の内、その半分は現場となった廃棄された製薬会社に集まっていたため、天地や穏健派の黒服より先に到着していた無所属の契約者とその契約都市伝説と「首塚」に所属している者達によって倒されている。 現在生存しているのは、二十人程。 ……彼らさえ処理すれば、A-No.666の実験に関わっていた強硬派、過激派の黒服は全滅する。 彼らの情報をC-No.572と天地に報告する為、C-No.840は再び部屋を出た。 続く…?