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律「……と、こんな台風の日に、校舎に取り残された生徒を その鉈を持った少女の怨霊が次々と惨殺していったっていう話だ」 澪「ミミミミエナイキコキコエキコキココ」ブクブク 梓「だ、大丈夫ですか、澪先輩! 律先輩! なんて話するんですか!」 律「いやぁ、台風で帰れなくなった美少女6人。時刻は午後6時。 こんなシチュエーションを生かすためのレクリエーションというか、あはは」 紬「わたし、こんな風に台風で学校に友達と取り残されるのが夢だったの」 和「なんでそんなピンポイントな夢なのよ。でもそうね、たしかにワクワクするわね」 唯「あ、憂からメールだ」 澪「憂ちゃんは雨風酷くなる前に無事帰れたみたいだな」 律「お! 澪ふっか ゴス 痛い!」 唯「あと1時間くらいで弱くなるらしいよ、台風」 律「よし、ならば1時間にわたるとっときの長編怪談を ゴス 痛い!」 唯「あ、そうだ和ちゃん。今日おうちにひとりでしょ? 憂の料理食べてってよ」 和「そうね、お邪魔じゃなかったら、久しぶりにおよばれされようかしら。 ところでなんでうちの事情知ってるのよ」 紬「デ、デザートは!? 憂ちゃんなの!? 唯ちゃんなの!? そそそれとも、の☆ど☆か?」 梓「わけわかりません、落ち着いてください紬先輩……ってあれ?」 フッ 澪「ひいぃぃミエナイキコエナ……あれホントに見えないぞ? バンザーイ」ブクブク 律「澪! 錯乱しながら気絶するな!」 和「停電、ね。風で電線が切れたのかしら?」 律「……なんだか嫌な予感が」 梓「しますね」 律「おおおい梓! 私か? 私のせいなのか?」 梓「律先輩があんな話するから、こんな推し量ったかのような事になっちゃったんですよ」 紬「和ちゃん。こう部屋が暗くなると、なんだか変な気分にならない?」ハァハァ 和「なりません。落ち着きなさい」 律「これ、絶対出るよなぁ……鉈少女……いや、自分で言っておいてなんだけどさ」 梓「と、とにかく、この部室から出ないようにしましょう。停電なんてきっとすぐ終わりますよ」 律「梓、それフラグじゃないよな?」 梓「! あわわ」 唯「あれ?」 律梓 ビクッ 唯「今どこかで悲鳴が」 律「な、なーに言ってんだよ唯! こんな風強いんだから、悲鳴なんて聞こえるわけないって!」 梓「そ、そうですよ! 風、そう! 風の音ですよ!」 澪「う、うーん、何?」 梓「澪先輩、パニクって部室から飛び出さないでください。 もう私一人で帰るとか言い出さないでください。 それが出来なければおとなしく気絶したままでいてください」 澪「……」ブクブク 和「あ、そうだ」 律梓 ビクッ 和「生徒会室に鞄置きっぱなしだったわ。ちょっと取ってくるね」 律梓「おおぉうい!」 和「な、なによ」 律「和! 聞いてただろ!? さっきの怪談!」 梓「それにこの台風! 停電!」 和「まぁ確かに状況は似てるけれど、でも律。あれ作り話なんでしょ?」 律「さっきまではそうだったけど、なんだか変なスイッチ押しちゃったかもしれないでしょ!?」 和「なによそれ」 梓「せ、せめて明かりがついてからにしてください」 和「大丈夫よ梓ちゃん。すぐ戻ってくるから」 律「ああぁぁぁぁもおうぅぅぅ」 和「非常灯もついてるだろうし、同じ校舎内でしょ。目つぶってたっていけるわ」 梓「あぁぁ和先輩はこれ以上しゃべらない方がいいです」 紬「和ちゃん。おいしい紅茶煎れておくから早く戻ってきてね」 梓「紬先輩も黙ってください!」 和「ありがと。じゃあ私生徒会室行くね」 唯「いってら~」 和「あ、そうそう唯」 唯「なぁに、和ちゃん?」 和「憂の手料理、楽しみだわ」 梓(はい死んだー。和先輩死んだー) … 和(停電だったからかしら? なかなか鞄が見つからなかったわね) 和(少し遅れちゃったわ。早く戻らないと) 和「あれ?」 和「廊下の奥に、誰かいる……」 … 律「……」 梓「……」 紬「……和ちゃん、おそいね」 唯「……」 澪「ブクブクそうだなブクブク」 律「なぁ、梓……」 梓「……なんですか」 律「やっぱり、わたしのせいなのかな?」 梓「今となってはどうしてこうなったかなんて、わかりませんよ」 律「それでも、和の死亡フラグをひとつでもへし折っていれば!」 梓「あんなへし折る隙もなく立て続けるなんて予想外ですよ……。 ……せめて、私がもっと強く引き留めていれば……」グス 唯「大丈夫だよ」 律梓紬澪「!」 唯「和ちゃんは、大丈夫」 紬「唯ちゃん……」 律「……そうだな。今は和の無事を」 梓「祈りましょう!」 ガチャ 律梓紬澪 ビクッ 和「ただい……なにこの空気。停電だからって気分も暗くなっちゃ駄目でしょ」ケラケラ 唯「お帰り和ちゃん!」 和「ただいま、唯。遅くなってごめんね。なぜか鞄が見つけにくかったのよ。 そろそろ風も弱くなってきたし、帰れそうね。憂の料理が楽しみだわ」 律「おい! 和!」 梓「なんで生きてるんですか!?」 和「なにふたりとも。私が生きてたら悪いの?」 梓「す、すみません……でも」チラ 律「だって、なぁ……」チラ 紬「和ちゃん。廊下も暗かったでしょう? 大丈夫だった?」 和「非常灯あったし大丈夫だったわ。あ、そうそう」 和「途中で何か持ってる子に会ったけれど、あの子も帰れなくなった生徒かしら」 律「! なぁ和。その持ってるって、鉈、とかじゃないよな」 和「そういえば鉈にも見えたわね。でも急いでいたからスルーしちゃった。悪いことしたかしら」 梓(死亡フラグも) 律(スルーした……だと?) 唯「ふたりとも和ちゃんを甘くみちゃだめだよ」 唯「和ちゃんのスルー力はホントすごいんだよ~」 和「ふふふ。おかしなこと言うのね、唯」 唯「和ちゃんってば、今までもいろんなおつきあいフラグをスルーしてきたんだよ。 これからもきっとスルーし続けて一生独身だよ~」 和「ふふふ。オカシナコト言うのね、唯」ギリギリギリ 唯「い、痛いよ和ちゃん!」 澪「おしまい!」 戻る ※立て逃げ・乗っ取り
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目指せ1000点パーフェクト ポイントゲットの場所(初期点数300点)※ポイントの場所はストーリーの流れに沿っています ミニゲーム1-ラーメン大食い(最高50点) 事務所 受付台から牛肉(+10点) 中央付近にあるランプ(+1点) ランプ左上にある配電ボックス(+1点) 本棚の柵行き止まりの床付近(+1点) タワーの置物を調べる(+20点) 机の引き出しを調べる(+20点) →望月(+20点) →望月の著書(+20点) →タワーの置物(+20点) 笹塚から大王イカの黒作り(+10点) 市街地 ミニゲーム2-笹塚を尾行せよ(最高80点・ミス1回につき-10点) 窓を調べる ドアの郵便受けを調べる バスルームを調べる 男の死体→ポケットを調べる(+20点) 女の死体を調べる →違うと思うけど ドアを調べる→鍵を使う ※鑑識官を調べると-50点 靴箱の上段の靴(+1点) 台所の鍋(+1点) 冷蔵庫から忘れられた容器(+10点) →少なかった(+20点) →別の場所で死んだ(+20点) →他殺(+20点) →外から閉める(+20点) →ポケットを選択(+20点) ファミレス 柱の看板(+1点) 入り口前のメニュー表から鬼太麺(+10点) 入り口前の看板(+1点) 入り口横の黒い張り紙(+1点) ホール 世界の丸ごとバイキング(+10点) 左端の照明一番手前(+1点) 壁の一番左の絵(+1点) ドリンクバーの看板横にあるメニュー表?(+1点) 手前にある予備椅子の左側の椅子(+1点) 壁の中央の絵から白米バイキング(+10点) 通路 非常口の非常灯(+1点) 青い柵に入っているダンボール(+1点) 壁の白い札(+1点) 手前のダンボールから藁人形焼き(+10点) 厨房 冷蔵庫の中の髪の毛(+20点) 台の下にある大きい鍋(+20点) 台の上の野菜(+1点) 白い機械の横にあるボール(+1点) ガス台の鍋(+1点) まな板手前のボール(+1点) ※ゴキブリをタッチすると-50点 市街地 道路標識(+1点) 叶絵からビデオテープ(+20点) ファミレス 石垣から監視ビデオ(+20点) 事務所 映像1つ目 →店長の髪を指摘(+20点) →厨房を担当していた(+20点) →1人だったから(+20点) →髪の毛(+20点) →死体(+20点) 犯人はお前だ! →冷蔵庫を指摘(+20点) →髪の毛(+20点) →郵便受けを指摘(+20点) →釣り糸(+20点) ミニゲームのコツ 弥子のラーメン早食い:DSを置いて、親指の爪で軽くこするようにするといい。 ただし、上のゲージを下げたいときには手を止めてから(ボタンに触らない状態で) フーフーしたほうが下がるのが早い。 笹塚尾行ゲーム:笹塚追跡はAボタンをそれなりに高速連打してれば大丈夫。 障害物は当たらないようになってるので気にしなくていい。。
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シャオ: 皇神(スメラギ)がかつて利用していた施設の調査をお願いしたいんだ どうやらエデンに攻撃されて、施設そのものが電脳化しているらしい GV: 施設そのものが電脳化? シャオ: 施設本来の外観や内装が視認出来なくなって、構造もおかしくなっているんだとか 危険も謎も多いけれど、お願い出来るかな? GV: 判った。調査してくるよ 電脳(サイバー) 現実と仮想、真実と虚構 どこにも属さないここは電脳世界 電脳支配者の狂(バグ)った規則(プロトコル)に従うのみ ―[STRIKE]― シャオ: 敵の能力に侵食された空間だ…何が起こるか判らない いつも以上に慎重にね GV: 了解 (ループ穴) シャオ: この反応…? その穴、落ちても大丈夫みたい どうも、穴と天井が繋がってるみたいだね GV: 施設そのものがバグってるって感じだね (ループ通路) シャオ: この通路も左右で繋がってるみたい 繋がってる先に敵が待ち受けてるかもしれない…気をつけて (通路を降りてループ穴地帯手前) テセオ: ガンヴォルトキターーーーー!! どもどもテセオさんでーすw あ、通信割り込んでサーセンww GV: …施設をこんな風にしたのはお前か テセオ: そうですケドw わざわざ乗り込んでくるとかヒマ人乙ww シアン: なんかイラっとする敵だね… テセオ: んじゃ、テセオさんの庭でせいぜいあがいてくださいwwwつってww (ニセシアン) シアン: わたしのニセモノ!? テセオ: 相手がトラウマに感じる姿が見える仕様なんですケドwそれww ねえ今どんな気持ち? どんな気持ち? つってwww シアン: ホントに感じ悪い… (2箇所目のループ穴地帯) 床がなくなっている…… 穴は天井と繋がっているから飛び込んで進むしかないようだ (プラズマリフター) シャオ: そこにあるリフトは雷撃鱗に反応して移動するよ ロックオンすることで移動速度が上がるから上手く活用してみて (リフトのある縦穴) ここはもともと皇神(スメラギ)のデータ施設──多くの臨床データが眠る場所 忌まわしきデータは敵の第七波動(セブンス)によって0と1に分解され、 この電脳空間を作り出している… (霆龍玉) スキル「霆龍玉」を会得! なんだ…? この懐かしい感覚はいったい…? ボクの中で新しい力が覚醒(めざ)める── (棘地帯を抜けた辺り) テセオ: 「わたしの歌があなたのツバサになる」 つwwっwwてwww シアン: こ…こいつー! GV: …大丈夫、惑わされないよ (ゲートモノリス) GV: ゲートモノリスだ。破壊して先に進もう (後半、赤い足場が初めて出る所) この足場…雷撃鱗に反応して消滅するようだ シャオ: GV、雷撃鱗の使いどころには気をつけて (非常灯) ここは非常灯があるだけか… テセオ: もしかしてレアアイテムでもあると思った? テラゲーム脳ww シアン: むー、どこまでも人の神経を逆なでして…! (青い足場が初めて出てくる所) GV: 今度は雷撃鱗で出現するタイプの足場を確認… シャオ: 足場を確保するには、雷撃鱗を張り続けなければいけないってことだね GV: 「オーバーヒートには気をつけて」かな? シャオ: もう、先に言わないでよ (4番目のリトライマーカー過ぎの縦穴) テセオ: そーいやガンヴォルトさんてば、今、無能力者の女の家にいるらしいッスね? あ、そう身構えないでも大丈夫っスよ?別に危害加えようとか思ってないんでー ただ探(ググ)ってたら出てきたみたいな? もしかして、その女に養ってもらってるとかww ヒモヴォルト乙ww テロリストよりホストのが向いてるーつってwww シャオ: GV、耳を貸しちゃダメだよ GV: 判ってるよ (ザコラッシュ) GV: トラップの作動を確認…各個撃破して突破するよ シャオ: 中央の穴は落ちても大丈夫だから 落ち着いて対応しよう? GV: 了解 (ラッシュ過ぎて5番目のマーカー後) 向こうはオウカの存在を知っていた… 危害を加えないとは言っていたが、信頼出来るはずもない… もし彼女に何があったら、ボクは…… シアン: GV、今はミッション中だよ。余計なことは考えないで (棘と二色床地帯を抜けて6番目のマーカー手前) シャオ: GV、こっちは──オウカはボクが守る。だから、今はミッションに集中して GV: ありがとう、シャオ シアン: む… (電脳空間をちょっと進んだ所) テセオ: あ、そだ。聞かせて欲しいんですケド アシモフとかって人www 育ての親?みたいな人だったそうですケドー アンタが殺したってマジ?ガチ情報っスか?ww シャオ: GV、挑発に乗っちゃダメだよ GV: 判っているよ シアン: もー! あいつの舌に雷撃流して、一生喋れないようにしてやろう! …発想が怖いよ…シアン (棘床を通り過ぎてニセシアンゾーン) シアン: わたしの姿をこんな風に利用するのも許せないけど GVに真顔で打ち払われるのもなんか傷つくな… GV: ボクにどうしろって言うの…? (ゲートモノリス) テセオ: ちょww最後のゲートモノリスまで来てるんですケドww テセオさん出動wwつってwww シアン: 感じる…! あいつはきっとこの奥だよ (テセオさん出動) テセオ: わざわざこんなところまで乙乙なんですケドww GV: 分断したシアンの魂…返してもらおうか テセオ: ミラーピースのことっスか? 電子の謡精(オワコンアイドル)の追っかけも大変スねww つか、返せっていわれて返すワケないんですケドww テセオさんから力ずくで奪い取ってみろ、的な? (テセオさん変身) テセオ: STT(スーパーテセオさんタイム)このあとすぐ!つってwww ―[STRIKE]― テセオ: さっき皇神(スメラギ)の人体実験の映像を動画サイトにうpしたんですケドー 再生数の伸びがハンパないww コメも爆盛り激アツww 皇神(スメラギ)氏ね弾幕が出来るほどっスよww 職人乙www GV: 悪趣味な…けど、それがどうした テセオ: 説明しないと判らないとかーww マジ低ww脳ww つまり、ガチクズな皇神(スメラギ)を攻撃してるテセオさんは英雄(ヒーロー)で、 そのジャマをしてるアンタは、世界の敵ってコトなんですケドw あ、ちなみに今バトってるトコも、エデン公式チャンネルで生放送中なんでヨロww ガンヴォルトの公開処刑に“世界”は大熱狂してるんですケドwww GV: 世界? そんなものは一部の意見を拡大解釈しているだけだ テセオ: その一意見が世界を変えることもあるんスよ? てか、今の時代ネットは世界の全て!見なよこのコメの嵐… 世界が、みんなが、アンタの死を望んでいるんですケドwww GV: 虚言に踊らされる傀儡(くぐつ)が、世界を語るんじゃない…! 迸れ! 蒼き雷霆よ(アームドブルー)!! 虚言に染まる電脳を打ち砕け! (テセオさん撃破) シャオ: お疲れ様、GV GV: 念のため、ここのメインサーバを破壊してから帰還する これ以上、誰にも利用されないためにも ―[CLEAR]―
https://w.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/517.html
「どうなってるの?」 いまいち状況が掴めないまま、非常灯以外の電灯が点いていない病院の中を、 懐中電灯片手に歩く不死鳥。 (真っ暗な病院って怖いよねー) そう思いつつも1つの病室に入る。 そこは個室だった。 「個室…余計に怖いよー」 そう思いながら、壁にあったスイッチを押す。 明かるい光が急に目に入り、凄く眩しい感覚のあと、視界がもとに戻っていく。 そのまま部屋の大部分を占めるベッドにごろりと横になる不死鳥。 (…どうしたらいいんだろう。武器はいいけど…) そう考え、不死鳥は近くの台に置いたFN ハイパワーを見つめる。 それは、病室の電灯の元で黒々と光っていた。 ―― 手に持っているネイルハンマーを握りしめ直し、用心しながら病院の入り口を開け中に入る。 (真理なら丁度いいんだけど…他の誰かなら…どうしよう) 心の中で考えながらも、光が見えた病室を目指すために階段を探す矢島透。 (何があっても、真理だけは死なせない…!) 心の中で、そう決めスタートした場所からたまたま見えた病院に向かう途中。 「…光?」 一つの病室から光が微かに漏れているのが見えたのだ。 これは誰かいるに違いないと思い、早足で病院の入り口まで向かった。 「階段とエレベーター…どっちでもいいか。」 そう思い、階段を駆け上がって一気に病室があるであろう2階へ。 少し乱れた呼吸を整え、辺りを見回すと…あった。 用心しつつ、足音を立てないようにそっと病室を覗き込むと、男が1人ベッドに寝ていた。 「そこにいるのは誰?こっちにどうぞ」 その男がむくりと起き上がり、透に向かって話しかける。 「あ…いや…僕はゲームには…」 あたふたとその一言をなんとか絞り出す… 「すいません。誰かいると思って覗いていたんです」 謝る透。 「別にいいよ!気にしてないし!気にしないで!」 それを気さくに返す不死鳥。 どうやら、このコンビは上手くいきそうだ… 【一日目/深夜/E-7:E7病院:2F病室】 【不死鳥@板対抗BR】 [状態]:健康 [装備]:FN ハイパワー@現実 [所持品]:支給品一式、不明支給武器 [思考・行動]: 1:どうしようかな 【矢島透@かまいたちの夜】 [状態]:健康 [装備]:ネイルハンマー@SIRENシリーズ [所持品]:支給品一式、不明支給武器 [思考・行動]: 基本:何が何でも真理を守る。人殺しはしたくない。 1:やさしそうな人でよかった… Back 羽ばたけ不死鳥 時系列順で読む Next 妖刀の恐怖1st Back 羽ばたけ不死鳥 投下順で読む Next 妖刀の恐怖1st GAME START 不死鳥 Next Yellow_Cake(危険物) GAME START 矢島透 Next Yellow_Cake(危険物)
https://w.atwiki.jp/vocaloidss/pages/188.html
まだ汗もひかぬ私の髪にそっと触れ、彼は私の声を評してこう述べた。 まるで子猫が唸るようだ、と。 彼にとって、私はそのとおり、子猫のような存在だったのだろう。 何もかも光に溶けるようなステージの上、 音の洪水にあらがうように声を張り上げる、 そんな私を、彼は雨の中から救い上げたように感じているのかも知れない。 暗い観客席の果てから腕を伸ばして。 掌の大きな人だった。 私が、彼の煙草の匂いが染み付いたジャケットに頭を埋めると、その掌で 後ろ頭をすっぽりと包んでくれた。 その温もりが全てだと思う夜も確かにあった。 首筋、肩、頬、 汗で滑る肌をなぞり、彼は呟いた。 「君、まだ歌うの辞めないんだね」 「来てたの?」 バンドのメンバーはもう先に帰っていた。 演奏が終わった後に、一人残ってぼんやりとするのが私の癖だった。 人気のない裏口の隅、非常灯の緑の光がリノリウムの床を染めあげ、 耳にはドラムの低音が絶えず響く。 彼は親指で私の頬をそっとなぜた。 「あんな、苦しそうな歌い方するから、俺が困るんだよ」 どうして、と唇が震えかけたが、なんとなくそのまま口を閉じてしまった。 目元までかかる前髪を摘むその指先が、視界に大きく写り、 それから先のことは覚えていない。 今思えば、彼は私の歌が嫌いだったのかも知れない。 雨に煙る紫陽花の、紙細工のような色彩が、窓ガラスを透けて私の肌に映っていく。 あか、あお、入り交り、とても花とは言えない色彩で。 雨粒の伝うのを白い指先で辿る。 「何みてるの」 煙草の匂い、堅い胸板が私の肩に合わさる。 背後に弱く熱の固まりを感じる。 「居たの?」 窓ガラスを伝う私の指先を大きな掌で包み込むと、 彼は私の手首を裏返し、そこに映る赤をじっと見つめた。 私は庭から目を離さないでいた。 「紫陽花か」 彼が私の手首を撫でている。 優しいその動きはそのままに、声は重く暗い。 「赤色、青色、綺麗に混ざって不思議」 私はそう呟きながら、後ろを振り返って、彼を仰ぎみた。 その横顔は、実に静かだった。 「紫陽花は綺麗だけど、枯れた後が難だね。茶色の汚いのが青々とした葉に ぶらさがって、その対比が気持ち悪くてたまらない」 貴方は赤と青、どちらが好きなの。 そう彼に尋ねようとした、 その矢先に彼が私の手首の紅い痣を親指でぐっと押した。 「君は、青が足りないね」 一つの儀式のように思えたから、それも彼の愛情なのだ、と思っていた。 あるいは、あか、あお、真逆のものなのか。 今思えば、彼と私は良く似ていたのかも知れない。 風に巻かれて暴れているような音符の中、 彼が嫌いなこの声で、私はまたステージの上、唸るように歌う。 光が溢れるステージからは、暗闇に沈む客席は夜の海のようで、 彼がこの場に居るのかさえ分からない。 それでも声を張り上げる。 消えそうになる度に新しく傷つける、彼が残した赤と青はキャミソールの下、 紫陽花、今頃消えているだろうか。 彼にこの歌は届くだろうか。
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12月9日(金)ミーティングログ 記入:髄 前半:展覧会リサーチ 後半:今後のMTGについて 高山登 退任記念展「枕木―白い闇×黒い闇」のリサーチ 浅香ver 搬入時の感想 枕木の60~70キロ、足に落とすと潰れるレベルの重量、薬品の匂いを身体的に感じた。 展覧会を観て 搬入時に使った労力、時間が一気に感じ取れてしまった。 彫刻科の学生の「何も作っていないのに何処を観れば良いのか?」と言うセリフを聞き、「そのモノでない知覚」について考察する事となった。 まずは、背景、時代的関連性についてリサーチした。 本来はレールを安定させ固定する為の枕木を不安定に構築していくことにショックを受けた。 満州鉄道の手記を読んだものの、作品と有機的につながる感じがしなかった。 それよりも満州鉄道の写真と展覧会の図録を見比べた時、近代化に対する生贄の意味合いが伝わってきた。 枕木=枕木を運んだ人々のミイラ 枕木が実際に使われている写真を見て初めて枕木の意味を知ることが出来た。 萩原ver 宮城県美術館での展示の紹介 無骨と言うイメージが強かったが、鉄のベットピアノと組み合わされている事で耽美な感じがした。非常灯すらも作品の中に取り込まれていた。展示室から廊下まで枕木が展示されていた。 登米市の展示の紹介 自然の中にスパイラル状の枕木が展示されていた。 人柱についての考察 神話などでは無い近代の人柱とは? タコ部屋労働(戦前1870~1946)の北海道、道路、鉄道建設 定紋トンネル(1914年開通):「人柱」の遺体が発見される トンネル、炭鉱の場合、火災発生時に火を止める為、人が入っているにも関わらず注水して鎮火させることがあったが、災害を防ぐための人柱という意味合いがあった。また、過酷な労働で死んだ人たちを埋葬する事すらなく、壁に埋めていってしまった。 田中泯のパフォーマンスを観て 輪廻、解放されない、重し、「舞踏とは命がけで突っ立つ死体(土方巽)」永遠の中間地点を感じた。 解放されない苦しみを感じた展覧会だった。 議論 近代の美術は造形的だが、リチャードセラ等の造形処理をしないで連想させる動きが出た。 宮城県美に比べてさらに作らない方向に行ったのは3.11を経て、破壊などのイメージが現実になってしまった。その為、空間的に迫ってこないが地に着く感覚を覚える作品になり、その分考える必要を感じる。 枕木の使われ方を知ない世代は満州鉄道まで遡るが、昔は線路が身近だったので枕木を見るとその事を思い出せる。 もの派は多摩美の人たちが中心になって起こしたので、一緒にされるがちであるが違う。時代的には新表現主義へと移行して行く 関東大震災で在日朝鮮人の方々が死んでいった隅田川を見つめている高山先生の目が印象的だった。その静かな空間に作者の身体感覚を感じた。 作家が身近な存在だった為、作品の背景を知りつつ、個人が感じた事を話し合う事が出来る密度の濃い時間となりました。 今後のゼミに関するmtg 12月22日 上野図書館MTG 17 30~ 各自、今年を閉める一言、一文字と、5分程やりたかった事、やれなかった事を話す。 その後、駅馬車にて打ち上げ
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「これ絶対ヤバいパターンだよ……あのときみたいにまた鬼ごっこだよ……」 非常灯の明かりの下で水晶と一緒についていた紙を読んだ少年、桜井悠は、無人のシアターで膝を抱えていた。 そう、鬼達が子を捕まえておくためのショッピングモール、その出口から一番遠いアミューズメントフロアにあるシアターにである。 そもそも元来の予定されていた鬼ごっこは悠達三人を確実に絶望させ確実に殺し切るために用意されたものだ。それを大規模・大人数・複雑化させコンセプトの段階から大幅に変更したたものがこの鬼ごっこである。 というわけで、主催者の鬼によって嫌がらせのような――というか100%の嫌がらせで初期地点を最も不利な場所にさせられていた。はっきり言って鬼役へのチュートリアル用の的である。そのことに本人が気づくはずもないがそれはそれとしてマッハで絶望していた。前回は十六人の子供達がいたのに今回はまさかの一人だからだ。 「何なんだよこのクソゲー……だいたい親ってなんだよなんで死ぬんだよどんな原理だよ……ていうかなんで僕なんだよ……お腹痛い……」 しかも、悠は足が遅い。というか運動が苦手だ。ゲーマーで機械には強いが、そういった人間が鬼ごっこで主人公になれないことは悠自身一番わかっている。水晶という鬼に対抗できるアイテムは嬉しいが、本音としては鬼の位置がわかるタブレットでもあった方が百倍嬉しかった。 そして何より、悠の勘が状況が最悪であると言っていた。小動物が姿の見えない捕食者を鋭敏に察知するように、悠も迫る『死』を敏感に感じ取る事ができる。それが悠が異変に気づいたにも関わらずひたすらに息を潜めていた理由であった。もし仮にすぐ出ていれば殺人鬼に刃物やら鈍器やら銃器やらなんだかよくわからない禍々しいアイテムで命を落としていたであろう。それを避け得ることができるあたり悠は間違いなくこの鬼ごっこに耐え得る能力を持っているのだが、そんなことは本人にとってなんの慰めにもならなかった。 「……もしかして僕以外も。葵はトイレだったよね。」 幸か不幸か、一緒に映画を見る予定だった宮原葵はここにはいない。自分だけ巻き込まれたのか二人がバラバラに巻き込まれたのか、判断のしようがない――否。 (!イケる!今なら、多分!) 悠の勘が感じ取る脅威が、下がった。 行くか行くまいか、ここが正念場。 【F-05/00時10分】 【桜井悠@絶望鬼ごっこ】 [役]:子 [状態]:健康 [装備]:『水晶』 [道具]:若干のお小遣いなど [思考・行動] 基本方針:死にたくない。 1:鬼に警戒。 2:幼なじみが巻き込まれていたら合流したい。 ※その他 自分の役・各役の人数・各役の勝利条件・会場の地図・制限時間は全て未把握。 人物解説……当企画のパロディ元である『絶望鬼ごっこ』シリーズのキャラで小学六年生。二巻の『くらやみの地獄ショッピングモール』からの参戦。ゲーマーで機械に強いが運動はダメダメ。ただし自分や周囲に迫る命の危機に関しては鋭い勘を発揮し回避する。この企画では今現在二人目のリピーターである。なお男だ。
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レッドの耳には、ガタゴトと揺れる車両の音と、トンネルを通過するときに特有の空気の圧搾音が響いていた。 ふと、隣に立つセピアを見る。 いったいなにが面白いのか、セピアは窓にぴったり頬をよせ、窓の外の景色── コンクリートの壁や、そこに張り巡らされたケーブル類やパイプが後方に流れていくのを飽きもせずに眺めている。 ──今回レッドとセピアに言い渡された任務は、貨物の護衛だった。 エグリゴリのダミー企業が運営する地下鉄経路を使い、『ある荷物』を『ある場所』まで運ぶ。 正規の線路とダイヤグラムの隙間を縫い、特別車両がニューヨークの地下を通って都市外へと無事に運び出されるまで、 二人は襲撃者に備えて車両に同乗しなければならない──そういう任務だった。 その貨物の内容や、それが送り届けられる最終目的地をレッドは知らされていない。 (ブラックの野郎……相変わらずの秘密主義だな) と苦々しく思うが──実のところ、その程度のことにはすでに慣れっこになっていた。 どれだけ任務の内容に不満があったところで、レッドにはそれを拝命する以外の選択肢は存在しないのだ。 そう──それはちょうど、キース・セピアという少女を命令によって連れて歩いているのと同じように。 「──なあに?」 視線に気付いたセピアが、小首を傾げてレッドの瞳を覗き込む。 その仕草には屈託というものがまるでなく、数日前に彼女が見せた、虚無の塊のような表情は欠片も残っていない。 「なんでもねーよ。よくもまあそんなに熱心にトンネルなんぞ眺めていられるなって思ってただけだ」 セピアのことであれこれ考えるのはやめよう。 あの夜、レッドはそう結論付けた。 レッドを振り回しては様々な感情を臆面もなく押し付けてくるセピア。 かと思えば、それとは打って変わって不気味なほどの無表情でこちらを見つめるセピア。 いったい『どっち』なのか──どちらが本物のセピアなのか、レッドには分からなかった。 また、分かるはずもなかった。当のセピアが、そうしたことに関してなにも語ろうとしないのだから。 ならば、レッドはその疑問を切り捨てるしかない。 セピアが本当はどういった存在なのかも、彼女がうなされ続ける悪夢のことも、 すべては自分と関係のないことだと割り切り、ただ与えられた任務を──セピアの監督者としての役割を全うする。 所詮、セピアも命令だから自分の側にいるだけなのだ。 外部から押し付けられた、形ばかりの関係性のことで、ぐだぐだ思い悩むのは馬鹿げている。 ──それが、一晩中苛々しながらセピアの寝顔を眺めた末に辿り着いた、たったひとつの事柄だった。 四両編制の特別列車の最後尾、じっと窓の外に視線を這わせていたセピアが、 「……ねえ、レッド。ちょっと」 「なんだ、白兎でも見つけたか?」 皮肉っぽい調子で肩をそびやかすレッドを手招きする。 「なに言ってるの。いいから見てよ」 面倒臭さそうにしながらも、セピアと顔を並べて窓に視線を向けたレッド。その眉が、む、とひそめられた。 つい先程ちらりと見たのと同じ、矢を飛ばすような勢いで後方へと流れていく殺風景がそこにあった。 だが―― 「速度が……落ちている?」 レッドの視界を過ぎるトンネルの壁が、さっきよりも、そして徐々に明確な輪郭を見せるようになっていた。 それはつまり列車とトンネルの相対速度が減じているということで――、 「……なんでこんな所でブレーキかけてんだ?」 「さあ。わたしに聞かれても」 扉の横に据え付けられた端末を取り上げ、運転室のある先頭車輌へ通信――応答無し。 「――――?」 不安げにレッドの横顔を覗き込むセピアを半ば無視して、それぞれ警備兵が詰めているはずの第二車輌、第三車輌を呼び出す――応答無し。 はっとなったレッドは、慌てて車輌の連結部に駆け寄り、扉の小窓から第三車輌の内部を覗く。 次の瞬間には、大声で叫んでいた。 「セピア! 『モックタートル』の識閾を上げろ! 侵入者だ!」 四角に切り取られた視野に映るのは――夥しい量の血の海、壁に床にと倒れ込むメイド・バイ・エグリゴリのサイボーグ兵士たち。 彼らが既に絶命しているのは明らかだった。 各々が驚愕の表情にかたどられた死相を呈しており、それぞれ眉間、鳩尾、喉など―― 場所は様々ながらも、正中線上の人体急所に寸分違わず短刀のようなものが叩き込まれていた。 離れた距離から死体を見るレッドの目にも、彼らが――恐るべき技量を持つ『誰か』によって―― 反撃の暇すら与えられず、ただの一撃で死に至らしめられたことが分かる。 「セピア!」 振り返ってセピアを――彼女のARMS『モックタートル』による侵入者の探知を催促するも、 「わか、分かんない――どこにいるか、分からないの!」 その言葉の意味に、レッドは戦慄した。 直前に減速されていたとはいえ、走行中の列車に飛び乗り――いや、そもそも減速させるなんらかの手段を講じ―― 車内にひしめく十数名の強化サイボーグを無音で瞬殺し――その一連の行為を『モックタートル』に感づかれることなく遂行したばかりか、 今まさに警戒状態にあるセピアに居場所を掴ませないとは―― およそ人間のなしえる所業とは思えなかった。 こうしているあいだにも、列車はどんどん慣性エネルギーを使い果たしてスピードを落としてゆく。 完全に停止する前になんとかしなければならない。この都市の地下深くで襲撃を受けたことを考えると、 待ち伏せされたことは当然のこととして――更なる戦力が待機してるものと思わなければならないだろう。 「くそ――」 レッドは荒々しくセピアの肘をつかみ、背後にそびえる貨物庫の扉まで引き寄せる。 「開けろ。中のブツを持って逃げるぞ」 「……すごい重いものだったらどうするの?」 「開ける前からそんな心配してんじゃねーよ。いいから開けろ」 「でも、わたしパスコード知らない」 「オレだって知らねーよ! あんたの『モックタートル』でこじ開けろって言ってんだよ!」 ブラックの秘密主義の弊害をここで云々しても始まらない。 今は、自分たちに出来る最大限で、この状況を切り抜けなければならない。 「――でも、いいの?」 「いいも悪いもあるか! 死にたくなかったらさっさとしろ!」 つい怒鳴り付けてしまうが、それでもセピアは素直に扉の前に立ち、 「――あ!」 「今度はなんだ!?」 「上よ! ――屋根に『誰か』がいる!」 反射的に見上げたレッドの瞳に、黒っぽい影が車内に躍り込もうとしているのが見えた。 いやに甲高い破裂音を響かせ、四両編制の特別列車が内部から破裂した。 それは炎も熱も煙もなく、ただ風船が割れたような、派手ではあるが大した威力の無い――そういう破壊だった。 それでも列車全体を吹き飛ばす程度のものではあり、飛び散った構造物がさらに派手な音を立ててトンネル内を乱舞する。 膨張する空気が逃げ場を求めて暴れ回り、コンクリート壁に亀裂を走らせる。 やがて爆圧がトンネルを伝って遠くへ伸びてゆき、周囲の状況が平静を取り戻し―― もうもうと立ち込める粉塵が晴れたころ、か細い非常灯のオレンジ光の下で一つの人影がふらりと立ち上がった。 その人影は軽い仕草で肩の塵を払い、「ふむ」と一息吐いて辺りを睥睨する。 「しかし――ずいぶんと派手にやったものだな?」 その気軽な口調に応える者はいない、 「私の侵入を避けられず、貨物の保護も間に合わないと悟るや、即座に自ら列車を破壊するとは――」 一人芝居でもしているように、そしてどこか面白がっているように首を振り、 「その、我が身を顧みぬ思い切りの良さと潔さは驚嘆に値するね。 まさに烈火の如き心の持ち主だ――だが半面、とても危うくもある。 ……それが君のやり方なのかね? キース・レッドくん」 そこでやっと、彼の声に応える者があった。 瓦礫の山と化した列車の下から、鉄板を跳ね飛ばして姿を現す二人――、 闘争心に充ちた凶悪な目つきで彼を睨み据える少年と、 場違いなまでにおどおどとした態度でその背後に隠れる少女――、 キース・レッドとキース・セピアだった。 レッドは内心で舌打ちしながら、前方十数メートルに立つ男を見た。 瓦礫に隠れて息を潜めていれば隙も生まれるかも知れないと期待していたのだが、さすがにそう都合よくはいかないらしい。 地上の陽光からは隔絶され僅かな非常灯だけが頼りとあっては、 相手の姿を正確に捉えることができず、それがなんとも苛立たしかった。 (それに、この距離――) レッドたちと相手の間に横たわる空間は、先手を取って攻勢に移るには遠すぎて、 逃走に転じるには近すぎる――そんな絶妙な位置関係を形成していた。 このまま慎重に相手の出方を窺うしか手はなさそうだったが、むしろそれが向こうの狙いなのかも知れない。 周囲を分厚いコンクリートに阻まれ、目の前の男に選択肢を削がれ――得体の知れない閉塞感がそっとレッドの喉元に忍び寄る。 その嫌な感じを振り払うように、小声でセピアに呼び掛ける。 「――セピア。周りを探れ。あと何人いる?」 攻撃にも逃走にも移らないのは、情報が不足しているから―― 決して、あの男に戦況判断を操作されているからじゃない、そう自分に言い聞かせながら。 「何人って……なにも感じない」 「するとなにか、ヤツみたいに気配を完璧に消せるような手練ればかりが潜んでるってことか? ……くそ、嫌になるな」 自棄気味に毒づくレッドの袖を引き、微かに首を振るセピア。 「ううん……そうじゃなくて。さっきは電車も動いてたし、あの人のことだって『どこにいるか』が分からなかっただけで、 『いる』ってことは『モックタートル』でもなんとか分かったの。だけど」 セピアの視線がちらりと前を向く。 「こんな静かなところなら間違えっこない。あの人だけ。他には誰もいないわ。 音響、熱分布、電磁波、生体波動、全部試した」 セピアの肌に移植された情報制御用ARMS『モックタートル』――その探査能力を信じるなら、その通りなのだろう。 だが、それなら、これはいったいどういうことだろうか? 確かに少人数で大多数を攻撃できるのが待ち伏せという戦術の利点だが、それにしてもたった一人というのは――? (ええい、ごちゃごちゃ考えても仕方ねえ!) 敵が一人というなら話は早い。挟撃のリスクを心配することなく戦えるのだから、 「あの野郎を叩き斬ればいいんだろ!?」 腕に眠る『グリフォン』を発動させ、足を踏み出した瞬間、 「待って!」 なにかが風を切る鋭い音、なにかが地面に突き刺さる鈍い音。 セピアが飛びついてレッドを引き止めるのと、ちょうどレッドが足を置こうとしていた場所に板状の鉄塊がいきなり出現するのが同時だった。 その『なにか』が飛来した方向を見る――いや、見るまでもなかった。 暗がりにたった独りで立つ『そいつ』が今しがた『なにか』を投擲したばかりなのだと、差し延べられた腕が如実に語っていた。 「『兵は拙速を尊ぶ』と言うが……勇み足は良くないな、キース・レッドくん」 『そいつ』の穏やかだが容赦のない声を耳にしながら、レッドは危うく自分の脚を貫通するところだったものを見る。 最初に短刀だと思った『それ』は、柄も鍔もない裸の刀身の――日本映画でしか見たことのないような武具――クナイだった。 驚きと違和感による混乱で言葉もないレッドへ向かい、『そいつ』一歩進み出し、非常灯の真下に身を晒す。 レッドは知る、他に誰も襲撃者がいないのは、『そいつ』一人で十分であるという静かな自信と冷静な判断によるものだと。 極限まで機能性を追求した黒装束、またそれを纏うに相応しく機能的に引き絞られた肉体―― その場の空気にあっという間に溶け込んでしまいそうでありながら、確かに『ここにいる』という巨大な存在感を併せ持つ『そいつ』。 それはさながら、狩人の中の狩人、或いは―― それが虚勢に過ぎないと知りながら、それでもレッドはふざけた軽口を叩かずにはいられなかった。 「……てめー、どこのニンジャスターだ? ハリウッドに帰れ」 「いや……私はただの単身赴任中のサラリーマンさ。趣味で忍術を少々、ね」 ――或いはさながら、静かな狼のように。
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「うー遅刻遅刻」 今、駅を目指して全力疾走している俺は北高に通うごく普通の男の子。 しいて違うところをあげるとすれば宇宙人や未来人や超能力者などが変に近寄ってくるって事カナー。 名前はキョン。本名を言っても誰も覚えちゃくれない。 そんなわけで、いつもの待ち合わせ場所である北口駅にある公園にやってきたのだ。 「遅い!遅刻!罰金!」 ウホっ!いいツンデレ…… なんて思うわけはない。 さて、今日は土曜日。 SOS団としての本来の活動である市内探索は中止だが、いつものメンバーはすでに勢揃いしている。 事の起因は金曜日。 いつものように文芸部室でダラダラと時間をつぶしている時に、『謎のチケット』が余っていると、古泉は言い始めやがった。 「それ凄く見たかったのよ!さすがは古泉君ね」とハルヒ。 「では皆さんで一緒に見に行きましょう」と古泉。 何故か余っているチケットはSOS団メンバー5人分。 まったくもって都合が良すぎるね。どうせ、機関が一枚からんでいるのだろう。 いつもなら、たとえ機関プレゼンツのイベントだとしても、ハルヒに振り回されるという状況以外、なんだかんだと言いながらも俺は色々と楽しんでいる事は認めよう。 たまには古泉に感謝する事もある。しかし、今回は激しく嫌な予感がするのだ。 何しろこの貰った『謎のチケット』の演目がまったく持って不明であったのだ。 『謎のチケット』には、時間と場所、そしてタイトルらしき、【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】などと書かれているのだが、全大脳皮質の記憶を探ってみても、ネットでありとあらゆる検索エンジンを駆使しても、映画なのかミュージカルなのか演劇なのか、はたまた、新人デュオアーティストのコンサートなのかもサッパリわからない。 「あたし凄く見たかった」というくらいなので、ハルヒに聞けばわかるだろうと安易に構え、いつものように俺の奢りで入ったいつもの喫茶店で、俺はカフェオレを飲みながら、何となくハルヒに聞いてみた。 「ところでハルヒ。今日の【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】なんだけどな――」 「そうなのよキョン!あたしが今日の日をどれだけ楽しみにしてたかわかる? 【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】よ!あたし、昨日の夜は興奮して眠れなかったわ!」 なとど、子供みたいに目を輝かせながら口角泡を飛ばしながら俺に言ってくる。 「僕もですよ、涼宮さん。何しろ子供の頃の夢でしたからね」 と古泉がしみじみという。 「【ハ・ルヒマン】が凄くイイんですよね。あーどきどきしちゃいます」 と朝比奈さんも言う。 「……私も興味がある」 と長門まで言う。 みんなのセリフを総合的に判断すると、謎の【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】とは、昔からみんなに人気があり【ハ・ルヒマン】が凄くイイ何かと言うことか? この時点で、新人デュオアーティストの可能性は消えた。 そして、もう一つ、機関陰謀による、俺を騙す為のどっきり大作戦という筋も消えた。 古泉や長門はともかく、例の文化祭の映画撮影カメラマンからいわせれば、朝比奈さんが【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】をワクワクしているのがとても演技とは思えなかったからだ。 しかし、一番こういう事に疎いはずの長門までが興味があるというのだから、もの凄く有名なのだろう。 なんとなく、ストレートに「【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】ってなに?」なんて聞くに聞けなくなっちまったぜ。 とりあえず、ここは妥当に【ハ・ルヒマン】が何者なのか、それとなく探りを入れてみるべきなのか? 「な、なあ、無知でスマンが【ハ・ルヒマン】て何処の出身だっけか?」 「「「「――――!!!!」」」」 一気に空気が死んだ。俺は質問を間違ったのか!? 「え、ひょっとしてキョンくん、【ハ・ルヒマン】を知らないんですか?」 朝比奈さんが不安そうな目で俺を見る。 「え、あ、いや、最近【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】を知ったからな」 「ああ、なるほど。そういう事でしたか。 あなたともあろう人が【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】を知らないなんて事はないでしょうからね。 安心しました。 僕や涼宮さんは昔からのディープなファンですから【ハ・ルヒマン】の事を知っていて当然ですが……」 と、マニアックな趣味を熱弁するオタクのようなことを言い始める古泉。 「私は以前、涼宮さんが【ハ・ルヒマン】を部室で見せてくれたので知って居るんですよ」 と朝比奈さん。 「あんた【ハ・ルヒマン】を知らないなんてSOS団員の恥さらしね。 即刻、あんたなんかクビにしたいところだけど、そういう事情なら仕方がないわ。 今回だけは勘弁してあげる」 などと、ハルヒが息巻いてやがる。 だからいったい何なんだ?【ハ・ルヒマン】てのはよ!! 知らなければ凄くやばいことなのか?俺は内心ものすごく焦りながら、隣に座る長門に小声で聞いてみる。 「なあ……長門は【ハ・ルヒマン】の事を知っているのか?」 「…………」 長門はモーニングセットのサンドイッチを頬張りながら、いつもの無言の肯定を俺に送る。 結局、俺だけなのか?【ハ・ルヒマン】を知らないのは?! 「そうだ!キョンのために【ハ・ルヒマン】を見せてあげるわ。 【ハ・ルヒマン】を知らなかったら【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】を見る価値は百分の一に下がってしまうと言っても過言ではないわね! みくるちゃん!キョンに見せてあげなさい!」 「え!ここでですかぁ?ちょっと恥ずかしいかな。あたし下手ですし」 「ごちゃごちゃ言わない!みくるちゃん!あんたなら出来るわ!」 朝比奈さんは力強く頷き、靴と靴下を脱ぎ捨て、まるで初めて朝礼台の上に上がって挨拶する小学生のように、おずおずとテレながら喫茶店の長いすの上に立ち上がった。 「さあ!みくるちゃん!いつでもいいわよ!」 ハルヒがそう言うと、朝比奈さんは両手を上げて怪しい踊りを始める。 だが俺にはどう見ても、3日間酒を呑み続けそのあげくに交差点のまん中で立ちつくし、やり場のない怒りをぶつけるように阿波踊りをするリストラにあった中年オヤジの動作にしか見えなかった。 「凄いわ!みくるちゃん!こんな【ハ・ルヒマン】は初めて見たわ! あたしも、うかうかしてられないわね! ハルヒという名前は【ハ・ルヒマン】から取ったって言うくらい、生まれた時から【ハ・ルヒマニスト】として運命づけられているのよ! このあたしが【ハ・ルヒマン】で負けるわけにはいかないわ!」 ハルヒはそう言うと、サンダルを脱ぎ捨て椅子の上に立ち上がると、腰痛を患う更年期の おばさんが3日間不眠で丘サーフォンをしているような踊りを始める。 【ハ・ルヒマニスト】ってなんだ? 「ハルヒ」という名前は【ハ・ルヒマン】から取ったってどういうギャグだ? ああ……俺はいったいどうリアクションを取ればいいんだ? ツッコミどころが多すぎるし、どうツッコミを入れれば良いのかもわからない。 「頼むから公衆の面前で恥ずかしい真似はやめろ」といつも通りつっこむべきか? 「さすがはハルヒと朝比奈さんだ」と言うべきなのか? 「【ハ・ルヒマン】て凄く楽しそうだ、俺もやってみるか」と言うべきなのか? しかし、この喫茶店にいる他の客は、こんなに恥ずかしい光景を見て、何故無反応なんだ? こんな事は日常茶飯事であまりめずらしくない光景と言うことなのか?! 「どう!キョン!あたしたちのおかげで、あんたのスポンジ状になった脳みそでも 【ハ・ルヒマン】が理解出来たでしょ?」 ハルヒは息を切らせて踊り続けながら俺にそう言う。 「あ、ああ。何となくわかったような気がする。……たぶん」 俺がそう言うと、朝比奈さんは 「えへへ。下手な【ハ・ルヒマン】でしたけどキョンくんが見たいって言うなら、 いつでもハルヒマすよ。いつもお世話になってますから」 と、踊りながらいつもの照れ笑いを見せた。 二人きりの部室で朝比奈さんの【ハ・ルヒマン】見れるなら死んでもいいと一瞬思ったが、この謎踊りを見ていると俺の情熱がいきなりしぼんでしまう。 だからいったい何なんだよう。【ハ・ルヒマン】ってのは!? 俺はいったいいままでに何回疑問符を使ったらすむのだ?!もう勘弁してくれ! 「そろそろ時間です。さあ皆さん参りましょうか?」 古泉がそう言うと、ハルヒは椅子から元気良く飛び降り、サンダルを手を使わずに履くと「オッサキにっ!」っと言いながらさっさと出て行く。 長門と、古泉がそれに続く。 朝比奈さんは、靴下に妙に色っぽく足を通し、スニーカに足を入れトントンとつま先をついて靴を履いた。 その光景をほのぼのと見届けてから、俺は5人分の会計を済ませ、かつて無い不安と懸念を感じながら喫茶店の外に出たのだった。 さて、その後。 俺たちは少し歩いて近くの市立文化ホールへと到着する。 その周りでは、先ほどの【ハ・ルヒマン】をハルヒマってる人々でごった返していた。 文化ホールには【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】の垂れ幕が下がっている。 このまま、なんだか判らないモノを見せられるのは凄く癪だ。 もう少し状況を整理して、その正体を突き止めてやるとしよう。 【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】とは、謎の踊り【ハ・ルヒマン】を知らなければ、それを見る価値が下がってしまうと言う、昔から大人気の謎のモノ。 ただ最近のファンは【ハ・ルヒマン】を知らない人もいる。 いまの情報を分析すると、だいたいこんな所か? あと、この場所に到着して気が付いたのだが、【ハ・ルヒマン】をハルヒマって居る人は全て女性だった。 さっきの喫茶店で「楽しそうだな。俺もハルヒマってみよう」なんて言わなくて良かった。 おそらくそんな一言を言えば再び空気が硬化するか、変態扱いされていた気がする。 ハルヒなら「あんた、SOS団の恥さらしね!即刻死刑よ!」なんて言いかねない。 どうやら【ハ・ルヒマン】についても、俺は迂闊なことは言えなくなっちまったようだ。 さて、俺たちは文化ホール内に入り大ホール手前のロビーで5人は開始時間を待つことになった。 ロビーには【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】のグッズなどが売られ、ハルヒと古泉はそのグッズ売り場に群がる人々を押しのけるようにして、目当てのモノを購入している。 朝比奈さんはそんなハルヒ達を眺め、長門は【超力爆走!ロミオ&ジュリエット】と 書かれている、分厚いハードカバーの本を読んでいる。 それは続編か何かか? 俺は待ち時間をつぶす間に、俺は一つの仮説を立てた。 【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】とは、有名な舞台の演目で、それに登場する女優が【ハ・ルヒマン】を踊るのであろう。 最近の【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】ではその踊りが省略されているため、最近のファンは知らない人がいる。 ま、そんなところだろうさ。 仮説が出来上がると、今までの危機感はウソのように晴れた。 俺は、ロビーにある深めのソファーに腰掛け、これで俺もゆっくり【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】を見ることが出来そうだなと思い、安堵の息を漏らした。 「キョン!なにボーッとしてるのよ! もうすぐ【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】が、はじまるわ!いそいで大ホールに入るわよ!」 気が付けばみんなは、大ホール入り口でチケットをもぎってもらっていた。 俺もあわてて、みんなの後を追う。 大ホールにはいると舞台にはなにもなく、緞帳が垂れ下がっているだけだった。 やはり俺の読みは当たっていたようだ。 ま、ロミオとジュリエットを現代風にアレンジした程度のモノだろうさと、そのとき俺は安易に考えていた。 客席はほぼ満員で、【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】の人気の高さが伺える。 左隣に座るハルヒは「まだはじまらないの!イライラするわね!」とか言っているし、右隣に座る長門はめずらしく本を読んでいなかった。 ただ、その表情は、今までに見たことのない期待に満ちあふれているようにも見えた。 その長門の隣の古泉はどうでもいいが、さらにその隣の朝比奈さんは「ふえぇぇ」とか「ほぇぇ」とか言っている。 この人なりにどきどきしているのか?俺も何故かだんだん緊張してきたぜ。 「間もなく開演します」とのアナウンスが流れ、ホール内は次第に薄暗くなる。 いや、薄暗くなるどころか、非常灯を残して全て照明は落とされてしまったようだ。 そして、数十秒が経過し唐突に、その非常灯すら全て消えてしまった。 何かがおかしい?非常灯まで消えると言うことは映画だとしても有り得ない。 停電だとしても非常灯は全て別電源を持っているはずだ。 これは明らかに異常事態だ! 「おい!古泉!長門!」 俺が声を掛けた瞬間だった。あたり中から上がる怒号と悲鳴。 「大丈夫か!ハルヒ!朝比奈さん!」 俺のその声は何とも形容しがたい轟音にかき消された。 まずい!パニックになると負けだ! 暗闇と轟音の恐怖に耐えながら冷静に頭を働かせるようと、俺はこの轟音に負けないように有らん限りの大声で吠える。 朝比奈さんは隣にいる古泉が何とかしてくれる。長門はおそらく一人でも大丈夫だ。 ならば俺は―― 「ハルヒ!!!!!」 俺は再び体の底から沸き上がるモノを込めて叫ぶ。 そして、暗闇の中を隣に居るであろうハルヒの腕がある場所あたりを闇雲に掴んだ。 よく知った温もりと、力を入れれば簡単に壊れてしまいそうな指の細さ。 あの閉鎖空間で、嵐の孤島で、幾度と無く掴んだ手。 間違いなくハルヒの手だ。 そして手を掴んだその瞬間、轟音は突如として止み、ホール内の照明が一斉に点灯した。 俺は、ハルヒの右手を掴んだまま立ち上がっていた。 辺りを見回すと、 長門は、いままでに俺が見たことのない表情で俺を見ていた。 朝比奈さんは、その愛らしい両手で口をふさぎ、大きな目がさらに大きくなっていた。 古泉も、微笑の仮面を脱ぎ捨て驚愕していた。 3人だけではない、俺たちの周りの観客は全て俺とハルヒを、まるで時間が止まったかのように、様々な表情で黙ったまま凝視している。 そしてハルヒは、プレアデス星団を中に閉じこめたような、そのきらびやかな瞳で俺をまっすぐ見ている。 そこからは驚愕と恐れ、不安、そんな感情が入り乱れたような感情が読み取れた。 ――――俺はとんでも無いことをやっちまったのか?―――― 静寂があたりを包む。 このフィールドにサイレンスの魔法が掛けられたのではないかと思われるほどの静けさ。 最初に口を開いたのは、ハルヒだった。 「キョン……あんた……」 そう言いながら、ハルヒはうつむいた。心なしか肩が震えている。 「ハルヒ俺はいったい……」 やばい、まじでハルヒを怒らせたか?! 俺は、ハルヒの右ストレートが炸裂するのを覚悟し思わず身構えてしまう。 だが、それよりももっと恐ろしいことが、そのとき起こった。 ――もっと恐ろしいこと それはハルヒが俺の胸に飛び込んで抱きついてきやがったのだ。 「な?!ハルヒ!?」 「キョン!キョン!キョン!……あんた本当に最高だわ!」 そして、あたりを包む歓声と拍手。 「ブラボー!」「GJ!」「感動した!」「すげーぜあんた!」とか、そう言う声も 聞こえてくる。 「驚きましたよ!【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】を知ったのは最近だという あなたがまさかこんな偉業を達成するなんて!」 古泉は拍手をしながらいつもの0円スマイルをを振りまいている。 これって偉業なのか? 「ふえええぇぇぇぇ。私感動しちゃいましたああぁぁぁ」 ボロボロと泣き続ける朝比奈さん。 いや、そんな感動するようなことは俺なにもしてないんですけど…… 「私はいま、宇宙の奇跡を目の当たりにした。 情報統合思念体も貴重なデーター収集に満足している。私という個体もとても喜びを感じている」 長門はまじめに無表情でそう言った。 宇宙の奇跡って、思念体も満足っていったい何だ! ……頭が痛い……もう勘弁してくれ……。 ふと見ると、俺の胸に抱かれているハルヒが、目に涙を一杯ためて俺を見上げていた。 初めて見るハルヒのそんな笑顔。さすが意地っ張りの俺も、状況を忘れてくらっと来たね。 思わず、抱きしめている腕に力がこもる。 「キョン……やっぱりあんたは、ただの人間じゃなかったわ。 こんな凄い人だったなんて……。あたしの目に間違いはなかったわ! あなたを選んで本当に良かった」 ハルヒは、そう言うとゆっくり目を閉じた。 ――なるほどそう言うことか―― 俺は、もっと強くハルヒを抱きしめると、ゆっくりと唇近づける。 ――これはあいつの創造した世界なんだな―― 二人の距離がゼロになり、この世界が消失した…… ………… ……… … はずだったのだが…… そうは問屋が卸さなかった。 俺としては、その問屋を三枚におろしてやりたいくらいなんだが、どうやらハルヒがそれを許さなかったようだ。 つまり世界は元には戻らなかった。いや、元から俺がいた世界がこうだったのだろうか? 結論から言うと、俺たちは超有名な【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】となったのだ。 世界中から、いやこの世界中というのは地球中という意味ではなく、この全時空中からの取材や講演の申し出が殺到し、俺たち二人は毎日忙しく暮らすようになった。 ハルヒは超一流の【ハ・ルヒマニスト】として認められたことで、毎日が満足そうだ。 朝比奈さんと長門、古泉は俺たちのマネージャーとして暮らしている。 本当にこれでいいのか? ま、ハルヒのことだ。 いまのこの状況にすぐに飽きてまたもとの生活を望みそうな気がする。 そうしたら、また以前の生活に戻るだろう。 それまで、しばらくは【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】として暮らしてやるさ。 ところで、【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】【ハ・ルヒマン】とは、いったいなんだったのか、教えろだと? 残念だが、世界的に有名な【全力疾走!ロミオ&ジュリエット】の俺にもわからん。 適当に想像しておいてくれ。 おしまい。
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電脳(サイバー) 現実と仮想、真実と虚構 どこにも属さないここは電脳世界 電脳支配者の狂(バグ)った規則(プロトコル)に従うのみ 目標施設「データ施設」 エデンの襲撃により、皇神の管理するデータ施設が電脳空間と化した。 敵はデータを実体化させる“ワールドハック”の能力者・テセオ。 これ以上、皇神のデータをエデンに渡すわけにはいかない。GVはシアンと共に電脳の迷宮へ身を投じる。 データ施設 GV編のG7ステージその3。 このステージのみの様々な特殊ルールをいっぺんに脳内処理しないといけない厄介なステージ。 発売前の体験会ではGV編の体験ステージとして登場し、かなりの高難易度で話題を呼んだ。 だが慣れると最も簡単なステージとなる。高得点も非常に取りやすい。アキュラ編ではクードス10000越えも狙えるポテンシャルを秘めている。 +入手可能な素材 ☆☆☆マイクロBh縮退炉 ★耐高熱ホウオウ鉱 98型ナノチップ ☆試作新型基盤 ☆☆高性能NcGbX ガーネット ☆クオーザイト ☆☆エレクトラム 天然ブラン細胞 ☆高分子BL238 ☆☆アクチノブラン結晶 +GVクエスト EGO データ施設を12分以内にクリアせよ 98型ナノチップx5 夢見る力 データ施設を8分以内にクリアせよ マイクロBh縮退炉x1 トランスミッター データ施設をランクB以上でクリアせよ 試作新型基盤x3 サドンリィ データ施設をランクA以上でクリアせよ 高性能NcGbXx3 グリッド・ワン データ施設をランクS以上でクリアせよ 耐高熱ホウオウ鉱 速やかな突破 データ施設のサイレン部屋で、上下が繋がっている穴に一度も落下せずにクリアせよ ガーネットx3 アンチワープ 上下が繋がっている穴に落下する回数が3回以内になるようにデータ施設をクリアせよ クオーザイトx5 夢幻星霜の摂理 データ設備を勲章5つすべて入手してクリアせよ 98型ナノチップx10 明日のリアル データ施設を3回クリアせよ マイクロBh縮退炉x2 GV編攻略前半 後半1 ザコラッシュ 後半2 ボス 勲章 リザルト規定タイム アキュラ編(SP4)攻略前半 後半1 ザコラッシュ 後半2 ボス 勲章 リザルト規定タイム GV編 攻略 上下にスクロールがない場所では、下の穴に落ちると天井から出てくるようになっている。 逆に言えば、このステージではフォッ!?になる穴は一つも存在しない。全ての穴が落ちても大丈夫なもの。 同様に、左右にスクロールがない場所では、片方からもう片方へ抜けられるようになっている。スーパーマリオブラザーズ3のワールド7と同じ。 前半 ニセシアンに接触すると体力を吸い取られる。クードスも奪われるため、接触してしまったら何とか振り切ろう。 雷撃鱗を当てることで短時間ながら無力化することもできる。スキルをぶつけると完全に消滅する。 プラズマリフターは雷撃鱗を当てると移動する。ロックオンすると遠隔操作ができ、さらに移動速度が上昇する。 上下に動くプラズマリフターが初登場する地帯で、2つ目の上下プラズマリフターの下に隠し小部屋が存在し、そこでノーマルスキル「霆龍玉(ていりゅうぎょく)」を獲得できる。 後半1 赤い床は雷撃鱗を張っていると消えてしまう。床の下にトゲがある場所ではうっかり落ちないように注意。 青い床は雷撃鱗を張っている間のみ出現する。EPの残量に注意するのはもちろんだが、青い床の上でダブルを狙う際はダートの打ち込み方に注意。 なお青い床の上でスキルを使用すると、スキル終了時に床を抜けてしまう。ジャンプしてからスキルを発動するか、あるいはスキルジャンプで切り抜けよう。 天井裏(ゲーム脳のところ)には非常灯が3本設置されているだけで何の意味もなさそうだが、 1本だけ色が違う非常灯のところで20秒静止しているとシークレット+666がもらえる。 かなりうれしいシークレットだが取得に時間がかかるため、獲得したら急いで攻略に戻らないと★5に間に合わなくなる。 ザコラッシュ 右にショット砲台 左にショット砲台 右にショット砲台 左にショット砲台 左右にショット砲台×2 左右にショット砲台×2 ザコ部屋は大変いやらしい作りだが、シャオの言う通り中央の穴は落ちても大丈夫。 但し高クードス狙いなら天井から出てくる際にザコの弾に当たらないように注意。 ヴォルティックチェーン・(Switch版のみ)ライトニングスフィアを発動することで、スキルフィニッシュとアメイジング8が合わせて+1140もらえる。 後半2 5枚目の勲章がある場所(アシモフとかいう人の場所)では、初期装備の状態でも勲章を取りつつ向こう岸まで渡り切ることが可能。 不安なら向こう岸まで渡り切ってから戻ってきて勲章を取ろう。 ボス テセオさん 勲章 前半 ニセシアンが初めて出てくる穴が有るエリアの右上のアイテムボックス 1つ目の勲章の先、上下に穴が空いているエリアの途中、2段になっている床の下 プラズマリフターとトゲ地帯を少し進んだ箇所、左側にトゲが向いている箇所が有る所の近く 2つ目のリトライマーカーの先、上下のトゲとプラズマリフターがあるエリアの右上の小部屋 後半 ゲートモノリスの前、下トゲ、ニセシアン、雷撃鱗を張っている間だけ歩ける水色床のあるエリア、少し高い場所の水色床の上 リザルト スコア711139でランクS確認 スコア770151でランクS+確認 規定タイム ★★★★★ 7分30秒以内 スコア1.5倍 アキュラ編(SP4) アキュラ編ではGVの能力を利用する仕掛けの多くが作動しない。 攻略 上下にスクロールがない場所では、下の穴に落ちると天井から出てくるようになっている。 逆に言えば、このステージではフォッ!?になる穴は一つも存在しない。全ての穴が落ちても大丈夫なもの。 同様に、左右にスクロールがない場所では、片方からもう片方へ抜けられるようになっている。スーパーマリオブラザーズ3のワールド7と同じ。 上下がつながった穴に急降下で落ちると、上から出てくる際に急降下が解除される。 前半 ニセシアンが登場しない。 その代わりにテセオさん戦で登場する十文字爆弾とカーススクリプトが数多く登場する。すべてクードス稼ぎに利用できる。 十文字爆弾は爆発までのカウントダウンがかなり遅くなっている。道中はこいつにロックオンしながら進んでいく。 カーススクリプトは放置しておくとアキュラくんのHPをどんどん吸い取っていく。ソッコーで倒すこと。 プラズマリフターはただの足場であり、何をやっても動かない。それどころか存在しないが多い。 トゲ地帯はブリッツダッシュと十文字爆弾へのロックオンで切り抜けること。 前半最後のカーススクリプトにロックオンすると、天井のトゲに頭をぶつけてしまう。 下のトンネルをブリッツダッシュで潜り抜けてから、反対側からロックオンすると安全に倒せる。 後半1 赤い床・青い床は全くの無意味。見えている床がそのまま乗れる床である。 +ガードカウンター 後半1つ目のリトライマーカー直後、GV編ではテセオさんがオウカさんに言及する場所。ガードカウンターEXが狙える。爆弾ロボにロックオンしてショットでHPを減らした後、爆弾ロボの左上で待機。爆弾を投げてきたらすかさずアバランチソードを発動し、同時に左上方向斜めブリッツダッシュで回転砲台に接近し、こちらもアバランチソードで倒す。タイミングが良ければAERIAL EX×2とガードカウンター・ガードカウンターEXがすべて獲得できる。 ザコラッシュ 右にショット砲台 左にショット砲台 右にショット砲台 左にショット砲台 左右にショット砲台×2 左右にショット砲台×2 ザコをアバランチソードで処理する場合、次に出てくるザコにも攻撃がヒットしHPが減ってしまうことがある。 HPの調節を間違えてAerialEXを逃すことがないように注意。心配なら代わりにスパークステラーでとどめを刺そう。 後半2 最後の最後のみニセシアンが大量発生している。スパークステラーで完全に消滅させられる。 ここからは通常のザコ敵は一切登場しないので、着地してウェポンゲージを回復してから、スパークステラーを張りながら一気に駆け抜けよう。 +ガードカウンター 後半3つ目のリトライマーカー後、GV編ではシアンが妬く場所。爆弾ロボにアバランチソード。 ニセシアン地帯直前。こちらも爆弾ロボにアバランチソード。 ボス テセオさん 勲章 前半 カーススクリプトが出てくる穴が有るエリアの右上のアイテムボックス 1つ目の勲章の先、上下に穴が空いているエリアの途中、2段になっている床の下 トゲ地帯を少し進んだ箇所、左側にトゲが向いている箇所が有る所の近く 2つ目のリトライマーカーの先、上下のトゲとプラズマリフターがあるエリアの右上の小部屋 後半 ゲートモノリスの前、下トゲ、水色床のあるエリア、少し高い場所の水色床の上。ボックスをロックオンしてから、ホバリング中にボックスに重なった状態でショット2発を撃てば回収できる。 リザルト スコア796663でランクS確認 スコア801444でランクS+確認 規定タイム ★★★★★ 7分30秒以内 スコア1.5倍