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ある日の昼時。 縁側で俺がゆっくりしていると、二匹のゆっくりまりさがやってきた。 一匹は俺が飼っているまりさだ。 近くに住んでいる知人の飼っているまりさとぱちゅりーをうらやましく思い、自分もと飼い始めたのだ。 このまりさは水上まりさを育てている人からもらったもので、どうやら帽子に乗ることが下手なのだと言う。 このままでは野性に返すか食べるしかないと言うことだったので俺が貰い受けたのだ。 「おにーさん、ただいま!ゆっくりしすぎてごめんね!」 「あぁ、おかえり。それと、すこしは反省しろ」 「ゆべっ!」 俺のまりさは昼前に帰ってくるはずだったのだが、その時間はすでに過ぎている。 もう一匹いるところを見ると外で食べてきたのだろう。 しかし、約束をやぶった上に反省の色が見えなかったので足で踏みつける。 「ゆぐぐぐうぐぐうぐ!」 「ゆゆっ! ゆ、ゆっくりやめてあげてね!」 「反省したらなー」 踏みつけられて体を凹ませた飼いまりさを野生のまりさが心配そうに見ている。 ここでは何時もの光景だが、このまりさには刺激が強すぎたようだ。 そろそろいいか。 「そらっ」 「ゆ~、ゆっくり!……ごめんなざいいいいいいい!」 「ゆっくりしてね!ゆっくりしてね!」 足をどけると元の形に戻ったまりさはすぐに顔を地面に向けた謝りだした。 その光景も異様だったのか、野生のまりさは飼いまりさにゆっくりしてねとしきりに言い続けている。 俺は冷静に飼いまりさが反省しているかを観察する。どうやらちゃんと反省しているようだ。 「……、まぁいいか。次からは気をつけろよ」 「おにーさんありがとね!」 「よかったね!ゆっくりできるね!」 地面に土の付いた飼いまりさの顔を野生のまりさが払ってあげている。 やがて二匹は仲良く庭で遊び始めた。 しばらく眺めていると二匹は帽子から取り出した木の棒で丸を描き始めた。 「ゆっゆっゆ!」 「そこはちょっととおすぎるよ!」 「まりさはへいきだよ! もしかしてとべないの?」 「そ、そんなことないよ! じゃあまりさはここにかくよ!」 「ゆゆっ!?」 丸を描き終わった二匹は丸の端に向かう。 「まずはまりさがいくよ!」 そう言うは野生のまりさ。 野生のまりさは丸をぴょんぴょんと飛んで移っていく。 「ゆっ! ゆっ! ゆゆゆ!」 「ゆ~……」 離れた丸にもぎりぎり届いたようで、飼いまりさはそれを見て悔しそうな顔をしている。 「つぎはまりさのばんだよ!」 こんどは飼いまりさの番のようだ。 俺はそうやって遊ぶ二匹を横になってみていた。 丸に入っていないと野次を飛ばしてやると二匹は面白いように反応してくれる。 やがてそれにも飽きた俺は一緒に遊び始めた。 「丸を描いてそれを飛べればいいんだよな?」 「そうだよ! おにーさんがかいてみてね!」 「よしきた」 俺は丸を描いて行く。 丸の数は多くはないが距離は遠い。 さらに左右に振って描いたのでゆっくりには飛びにくいだろう。 予想通り二匹は丸を描くたび不安そうな顔をしてくれた。 「ゆゆ……おにーさんちょっととおいよ……」 「うーん、俺にはちょうどいいけどなぁ」 「あんなにとおいととどくわけないよ!」 野生のまりさに飛べるな分けないといわれてしまった。 俺は実際に飛べることを見せてやる。 ゆっくりには遠い距離も人間の歩幅ならちょうどいい。 「どうだ?」 「ゆゆぅ……おにーさんすごいね!」 「さすがまりさのおにーさんだよ!」 野生のまりさは驚きを、飼いまりさはうれしそうな顔を見せる。 その様子に満足した俺は今度はゆっくりでも飛びやすいような距離に丸を付け足してやった。 「これならとべるよ!」 「ゆっくりみててね!」 二匹はぴょんぴょんと飛び跳ねていく。 それからも二匹はさまざまな組み合わせを飛んでいった。 面白いので丸以外の形も描いてやると、二匹は律儀にその形の中に入ろうとしてくれた。 それならばと小さい丸を描くと二匹は爪先立ちのように立てに伸びたまま着地しようとする。 しかし、その状態はきついらしく、やがてぷるぷると震えだして元に戻る。 「はいアウトー」 「「ゆぐぐぐぐ……」」 その後も二匹は小さい丸に挑戦し続けた。 「ゆゆゆ……」 「ゆっくりしてね! ゆっくりしてね!」 「ゆわああああああん!」 「もうすこしだな」 そんなまりさの悲鳴を聞き続けているといつの間にかおやつの時間だ。 今日はミカンである。 ミカンを食べながらまりさ達を見ているとまりさたちもミカンに気づいたようだ。 「まりさも! まりさも!」 「しょうがねぇなぁ」 俺はまりさ達にミカンを投げてやる。 二匹は俺の投げたミカンを上手くキャッチした二匹。 ミカンの皮は剥いていない。わざと剥かなかったのだ。 さてどうやって食べるか。俺は興味深く動きを見守った。 「ゆっくりたべるよ!」 「「!!!?」」 飼いまりさは迷うことなく皮付きミカンを飲み込んだ。 俺は余りにも期待通り過ぎて言葉が出ない。 おそらく野生のまりさも俺と同じ気持ちだろう。 「むーしゃ、むーしゃ……」 そんな俺たちの考えをよそに飼いまりさはミカンを食べ始めた。 本来ならしあわせーと言うはずなのだがその言葉がなかなか出てこない。 俺はじっとまりさの様子を見ていると、やがて飼いまりさは目に涙を浮かべはじめた。 「このみかんあまぐないいいいいいい!」 「そりゃ皮剥いてないしなぁ……」 野生のまりさも予想していた反応とは違ったものだった。 「みかんはおくすりだからにがいにきまってるよ!」 「ゆゆっ!?」 「みかんはのむとげんきになるんだよ!」 「ゆっくりりかいしたよ!」 野生のまりさはミカンを大事そうに帽子の中にしまった。 飼いまりさもまねして帽子の中に食べ残ったミカンを入れて遊び始めた。 それからも庭で遊び続けた二匹はすっかり仲良くなっていた。 「今日会った筈なのにすっかり仲良しだな」 「ゆっ! まりさたちはなかよしだよ!」 「そうだよ! まりさとまりさはともだちだよ!」 二匹はお互いの頬を摺り寄せて俺の返答に答える。 見た目もそっくりな二匹は兄弟のようだった。 「ゆ~、そろそろおうちへかえるよ!」 「ゆゆっ! もうかえっちゃうの!?」 「もうくらくなるからね!」 「じゃあぼうしのこうかんだね!」 「こうかんだよ!」 「帽子の交換?」 今たしかに二匹は交換と言った。 帽子というのは被ってる黒い帽子のことだろう。 水の上に浮いたりいろいろな物が仕舞えたりと便利な帽子だ。 「大事なものじゃなかったのか?」 「だいじなものだからこうかんするよ!」 「ともだちだからだいじなものをこうかんするよ!」 「なるほど」 二匹は帽子をはずして口で咥え、交互に頭に載せてあげている。 「ゆぅ~、ぴったしだよ!」 「まりさのぼうしもとってもゆっくりできるよ!」 「「きょうからあたらしいまりさ!」」 二匹は新しくなった帽子の感触を確かめている。 このままだと野生のまりさが帰ってしまう。 俺は新しい帽子に意識を向けている二匹に気づかれないように後ろから近づいた。 そして、 「ひょいひょいっと」 「ゆっ? まりさのぼうじがあああああああああ!」 「かえしてね! ゆっくりしないでかえしてね!」 「どーしよっかなー」 俺は二匹が力いっぱい飛び跳ねても届かないように帽子を高く持ち上げる。 しかし、本当にそっくりな帽子だな。 「よし、それならじぶんのぼうしがどっちか分かったら返してやるよ」 「「ゆゆっ……」」 「こういうことだ」 そう言って俺は帽子を二匹の前に出す。 すぐに野生のまりさが飛び掛ってきたが軽く交わして腕で叩き落してやった。 「ゆぐぐ……かえしてね!」 「まりさだいじょうぶ?」 「だから、どっちか当てれたら返してやるって」 「そんなのかんたんだよ!まりさのはこっちだよ!」 「まりさのはこっち!」 野生のまりさは右手に、飼いまりさは左手に向かった。 取ったときとそのままにしていたのだから簡単に分かる。 「よし、ルールは分かったな」 「ゆっくりりかいしたよ!」 「はやくかえしてね!」 「よーし」 俺は意気込む二匹を笑って、両腕をゆっくりから隠れるように背中に持っていった。 とたん、まりさ達の顔に焦りが出始める。 「ゆゆっ!」 「それじゃわからないよ!」 「んー。じゃあこれはどっちのだ!」 俺はゆっくりの抗議を無視して一つの帽子を前に出した。 もう一つは隠したままだ。 「ゆゆっ! これはまりさのだよ!」 「ちがうよ! まりさのだよ!」 「ゆぅー……おにーさんもっとよくみせてね!」 「みせてね!」 「いいとも」 俺は出した帽子をまりさの前においてやる。 「どっちか分かったら俺に言いにこい」 「ゆふふ、ゆっくりりかいしたよ!」 「あと勝手に持って行ったらもう一つの方は破って持って逃げたやつは潰すからな」 「ゆぐっ!?」 よほど大事なんだろうが、逃げてもらっては楽しめない。 念を押して俺は縁側に腰掛けた。 二匹は一つの帽子を左右からにらんでいる。 「ゆゆっ、まりさのにおいがするよ!」 「さっきこうかんしたからでしょ!」 「ゆっ、そうだった!」 「ここのきずはまりさのぼうしにあったよ!」 「まりさのぼうしはさっきまでまりさのだったよ!」 「ゆ、ゆゆぅ……」 二匹は変えたばかりの帽子の特徴がどちらのものだったか混乱しているようだった。 持ち上げて被ってみたり、回してみたり。 伸びたり、縮んだり、転がったりして帽子がどちらのものだったか必死に調べている。 ゆっくりに取って飾りはそれほど大事なものらしい。おそらくゆっくりできなくなるのだろう。 俺はニヤニヤと二匹の様子を見て酒を飲んでいた。が、やがて飽きてしまって船を漕ぎ出したしまった…… 「…っゆ。ゆっくりおきてね!」 「うるさいなぁ」 「ゆゆっ! おきたね!」 「これでゆっくりできるよ!」 二匹が顔を揺すって起こそうとしていた。まだ眠いのだがもう外は暗くなり始めていた。 そして二匹に顔に乗られて俺は完全に目を覚ました。 「どうしたんだ?」 「ゆうううう! わすれないでね! わすれないでね!」 「そうだよ! ぼうしかえしてね!」 「あー。わすれてたな」 「「わすれないでねえええええええ!!」」 二匹が俺に体当たりしてくる。 そういや、もう一つの帽子どこにやったっけか。 「ゆ゙あ゙あ゙あああああああ! おぼうしがあああああ!」 「あやまってね! あやまってね!」 帽子は俺が背中に踏んでいた。 道理で逃げなかったわけだ。 謝れとわめく二匹には当然無視で通す。 「それで、わかったのか?」 「もちろん、こっちはあっちのまりさのものだよ!」 「そおだよ! これはまりさのものだよ!」 二匹の結論はこれは野生のまりさのものということだった。 何が決定打になったのか分からないが俺は返答する。 「おめでとう。正解だ!」 「やったね! まりさ!」 「これでかえれるね!」 二匹は飛び上がって体全体で喜びを表現していた。 正解といった帽子。実はすでにどっちがどっちだったか覚えていない。 というか、覚えるつもりがなかったといったところか。 どうせ同じだからばれないと思ったが、まさか本当に気にしないとは。 俺はつぶしてしまった帽子を形だけでも整えてやって俺の飼っているまりさに戻してやる。 「これでもとどおりだね!」 「ゆっくりできるね!」 「そうだn……ゆっくりしてるばあいじゃなかったよ!」 「ゆ?」 「はやくかえらないとくらくなっちゃうよ!」 「それはたいへんだね!」 「あぁ、ちょっとまってくれ」 「ゆゆ?」 「虫食いが酷い野菜があるからそれも持って帰ってくれ。捨てるの面倒だし」 「ゆゆぅ~! とってもおいしそうだよ!」 野生のまりさはスィーに乗って森に帰って行った。 残ったのは俺と飼いまりさのみ。 俺はまりさを膝に乗せてやる。 「とってもゆっくりできるよ!」 「その帽子が自分のじゃなくてもゆっくり出来るんだな」 「ゆゆゅ、なにいってるの? これはまりさのぼうしだよ!」 「でもさっきは適当に答えただけなんだ。ほんとは向こうがお前のだったかもしれない」 「そ、そ、ぞんなあああああああああああ!」 「おお、ゆかい、ゆかい」 まりさは帽子が自分のものじゃないと言われてから震えていた体をさらに激しく震わしだした。 俺はもうどっちかわからない帽子を潰しながらまりさを宥めてやる。 帽子交換はよくて勝手に取り違えるのはダメとはどういうことなんだろうか。 ゆっくりが考えていることは良く分からない。 まぁもし、さっきのまりさと会えば交換できるだろう。 野生のゆっくりは死にやすいからその確率は低いだろうし、実はこの帽子が本物かもしれないが。 ともあれ、しばらくこれで楽しめそうである。 と、思ってたのが甘かった。 「おに゙い゙ざあああああああああん!」 「ど、どおしたんだ!?」 「ゆっくりー!?」 「まりざのおうぢれいむにどられぢゃっだああああああああああ!」 「「…………」」 この反応は予想外だった。 まりさも帽子が帰ってきた嬉しさとお家を取られたまりさをかわいそうと思う気持ちが渦巻いてなんとも言えない顔をしている。 こうして、俺は二匹のまりさを飼うようになった。 今まで書いた作品 ゆっくり水攻め ゆっくりの川流れ 天井のゆっくり ゆっくりまりさの水上生活 ゆっくり訓練 ぶるぶる とりもち 子ゆっくり きめぇまる ゆっくりがんばるよ さらちくび 冬のゆっくり 親れいむのがんばり 子れいむのがんばり しろくろ ちぇんいじめ ほんのちから ゆっくりさせる ゆっくり消しゴム このSSに感想を付ける
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初投稿です。 ゆっくりたちの自然の中での生態を書いてみたくてキーボードを叩きました。 実際に書いてみると、他のSS作者さんたちのうまさに気づかされる一方でした。 読みにくいところが多いと思いますが、読んでいただければうれしく思います。 独自設定多めです。ご注意ください。 『南の島のまりさ』 断崖絶壁に囲まれた島の数少ない海への門戸、 穏やかな岩礁性の海岸に彼らのコロニーはある。 海岸にぽっかりと開いた洞窟、その中にゆっくりたちはまるでアパートのように住んでいた。 洞窟は様々な方向へ分岐し、その幾つは海岸とは反対の小高い岩場につながっている。 荒天時の波もここまで到達することはないため、ゆっくりたちはこの岩場付近のエリアに 集中して居を構えていた。 本来、水、それも塩水はゆっくりの天敵のはずなのだが、ここに棲息しているゆっくりは 通常種より硬化した皮を持ち、通常種よりも濃いしーしーをだすことで塩っ気の多いこの 環境に適応したと考えられている。その代わり、彼らの餡子量は皮が丈夫になった分減って おり、餡子の流出に対しては極めて脆弱である。 「ゆゆ~、それじゃおとうさん、おかあさん、漁に行ってくるよ。」 「海に落っこちないよう気をつけて、ゆっくり行って来てね。」 まだ成体と比べるとひとまわり小さい子まりさが狩りに出かける。 「ゆ!」 掛け声と共に帽子を深く被ると、ぽよんぽよんと勇ましく跳ねながら、潮が引いた海岸へと 降りていく。 「あんなにちっちゃかったおちびちゃんも、すっかりゆっくりしたまりさになって…」 母れいむの顔が、凛々しい我が子の姿に自然とほころむ。 「もういつ独り立ちしても大丈夫だよ。あの子はとてもゆっくりしているよ。」 父まりさもどこか懐かしむような表情でわが子を見送る。 「ゆ!じゃあ、ぱぱは別るーとで狩りに行くよ。」 「ゆっくり行ってきてね!」 ぱぱと呼ばれた親まりさは、先程の子まりさとは反対の方向、林の方へと跳ねていく。 ヤシの実、カラフルな花を咲かせる植物やそれに集う昆虫を採りに行くつもりなのだろう。 「カニさん、ヤドカリさん待っててね、今から海に行くよ!ゆ?ゆっくりしていってね!」 「ゆ、すてきなお帽子のまりさ、ゆっくりしていってね!」 先程の子まりさが別の巣から出てきた若いまりさつむりと挨拶を交わす。 干潮を迎える時間帯を狙って他の巣からもゆっくりたちが海へと降りてきたのだ。 そのほとんどが黒い帽子を被っている。いわずと知れたまりさ種だ。 南国の太陽が厳しく照りつける初夏~秋にかけては帽子や貝殻を持つまりさ種でないと、水 分の蒸発が早く、お外での狩りはゆっくりできないことになってしまう。 そのため、このコロニーではまりさ種との番が多く、必然的にまりさ種のゆん数がれいむ種 やありす種など他のゆっくりを大きく上回っていた。 「ゆゆ!お昼の日向さんはゆっくりできないよ。」 今は盛夏、海岸のサンゴ砂や岩場は太陽に焼かれ、そこを跳ねればあんよが熱くてゆっくり できない。そのため、ここのゆっくりたちは日陰になるルートを探し、海の近くへと降りて いた。 夏の日差しを眩く照り返す明るい色調の海。 そこでは、既に多くのまりさたちがカニやヤドカリを追いかけ、漂着物や岩陰に潜む巻貝を 集めている。中にはあにゃるに巻貝が刺さってしまい、なんとか外そうとしてお尻?をぶん ぶんとふりまわしているまりさもいる。しかし、子まりさは目の前を通り過ぎたヤドカリを 夢中になって追いかけ始めてしまった。 「ゆ!ゆ!待ってね!ヤドカリさん待ってね!ゆっくりまりさに捕まってね!」 それは半分欠けた巻貝を背負ったオカヤドカリだった。 「ゆゆ!これでもう逃げられないよ!」 子まりさはヤドカリに追いつくと、あんよを伸ばしてヤドカリを軽く踏みつけて動きを封じ る。昨日、思いっきり飛び掛って、あにゃるにぶっすり刺さったことが教訓となっていた。 「のろまなのろまなヤドカリさん、あとでゆっくりまりさに食べられてね」 子まりさは舌でヤドカリをつかむとそのまま帽子の中にしまいこんだ。 帽子の中でヤドカリに動かれるのはむーずむーずしてゆっくりできないが、これで逃げられ ることはない。 「ゆんやあああああああ!」 さっき挨拶したまりさつむりがカニに舌をはさまれて転げまわっている。 「ゆひゃああ!びはび~!ひゃべべべ!ばびばん、ひょっふびびばいべ、はばぎべべ!」 海岸での漁において、ハサミの大きい種類のカニやヤドカリは危険である。 いくら通常種より皮が厚いといっても、所詮は饅頭、これまでも油断した個体がカニやヤド カリによって皮を引きちぎられたり、まだ幼いゆっくりが食べられてしまったりする事例が 多発していた。 「ゆゆ!しっかりしてね!今助けてあげるからね!」 子まりさはすかさず、つむりの舌をはさんでいるカニを自分の舌で上手に捕また。 舌でハサミを押さえ込むようにつかんでいるので、これで子まりさの舌がはさまれることは ない。 「ゆ!ゆ!ゆっくり引っ張るよ!カニさんはゆっくりしないでつむりのべろさん離してね!」 子まりさは必死になってカニを引っ張るが、カニはなかなかつむりの舌を離そうとはしない。 まわりにいたゆっくりたちも加わって、子まりさとつむりを引っ張り合う。 「ゆえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!びはび!べほはほぼへひゃふふ!」 舌をカニに挟まれている上、引っ張られているつむりは目を見開き、目と口全開で液体を周 囲に散布しながら泣き叫んでいる。 「ゆーえす!ゆーえす!」 しかし、そんなつむりの窮状に気づくこともなく、ゆっくりたちは子まりさとつむりを引っ 張り続ける。海辺で様々な工夫をして生きている彼らも所詮、中に詰まっているのは餡子な のだ。一度に複数のことに注意を向けることなど、天才でもなければ不可能である。 「ゆえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!ひひへぶっふ!ひひへぶ!」 限界はもう間近だった。 ぶちゅ 結局カニは舌を離さず、まりさつむりの舌はカニが挟んでいた辺りでちぎれてしまった。 「ゆぎゃあああああああああ!ばでぃざのずでぎばべろざんがああああああ!」 舌をちぎられたつむりは転げまわって泣き叫んだ。 その隣でむしゃむしゃとつむりのべろだったものを食べるカニ。 その姿を見て、周りのゆっくりたちは激昂した。 「ゆっくりできないげすなカニさんはせいさいするよ!」 「カニさんは黙って食べられていればいいんだよ!」 「しねっ!しねっ!」 経験少ないゆっくりが、大きく、ハサミも強いカニに手を出したのが悪いのだが、 エサが自分たちに手を挙げたことは許せなかった。 カニはゆっくりたちに寄ってたかって踏まれた。 何匹かゆっくりがカニにあんよをはさまれ、泣き喚いたが、最後にカニは、石を叩きつ けられて死んだ。 「ゆぐっ!ゆふふん、これがまりさたちの本気だよ!ゆぐ…永遠にゆっくりしてね!」 そういきがるまりさは涙目だった。 「ゆゆ?つむりはゆっくり元気出してね。べろさんぺーろぺーろすれば治るよ。」 優しい子まりさは、のびたままだらんとしているつむりの舌をぺーろぺーろとなめて治そ うとする。しかし、失ったものは元には戻りそうになかった。 結局、つむりは洞窟の奥に住み、決して外に出ない「ちていのけんじゃ」ぱちゅりーたち によってヤシの実とアダンの実のジュースを混ぜた液体で治療され、ある程度は舌を取り 戻すことができた。 「しーしーするよ…」 つむりは共用のといれで用を足していた。 この群れは洞窟という限られた空間に密集して生活しているため、食料の備蓄と排泄には 神経を尖らせていた。 ただでさえ、海岸近くに生息するゆっくりは塩分を排出するために濃いしーしーをする。 それが洞窟のあちこちにぶちまかれてはたまったものではない。 そのため、しーしーやうんうんはお外か、ところどころにある細い縦穴にするのが掟だっ た。これを破ったものは、しーしーうんうんで汚した場所を自分でぺーろぺーろしてきれ いにしなければならない。 つむりは巣に戻り、その日は眠れずに枯れ草のベッドに横になっていた。 体が熱っぽいのは舌の傷のせいだけではない。 「…あれは…ひょっとして…ふぁーすとでぃーぷちゅっちゅ…」 翌日 子まりさは再び海岸で漁をしていた。 海面の上を帽子にのって、器用に水上を移動する。 干潮時の波のない時間帯にのみ可能な業だ。 子まりさは干潮時に顔を出している海底の岩やサンゴから、舌やオールにしている木の棒 を器用に使って、付着している二枚貝や隠れている甲殻類などを集めていった。 「これだけあれば妹たちもゆっくりできるよ!」 子まりさが一人前に成長しつつあることに安堵した両親は、昨晩すっきりをして、二匹の 新たな命を宿したのだ。今頃はおかあさんれいむが、巣の中でゆっくりしたおうたを聞か せているころだろう。 子まりさはいくつか保存食になる海藻の破片も拾い集めると、家族の待つ巣へと戻ってい った。 貝類やヤドカリは貝殻を割らないと食べられないが、ゆっくりの貧弱な歯では割ることは できない。そのため、巣の入り口にある高い岩場に登り、そこから地面の岩盤に叩きつけ て貝殻を割るのである。 (この方法で割れないような厚い貝殻を持つエサを採ってくるのは漁の下手な個体である) 今日も夕暮れになり、暑さが和らぐと、狩りから戻ってきたまりさたちが貝やヤドカリを 地面に落とし、割れたところを留守番していた母ゆっくりや赤ゆたちがむーしゃむーしゃ していた。 まず、母ゆっくりが舌で貝殻の破片を取り除き、赤ゆたちがケガしないようにしてやる。 それからみんなで食べるのである。 「さあ、おちびちゃんたちから先にむーしゃむーしゃしようね。」 おかあさんれいむが赤ゆたちに食事を許可すると、口から涎を垂れ流しながらその瞬間を 待っていた赤ゆたちが母の後ろから飛び出してくる。 「ゆ!ゆ!ゆっくちごはんしゃんにちゅるよ!」 「むーしゃむーしゃ!ちあわちぇー!」 そこへ高台の上から貝を落としていた父と子まりさが降りてくる。 「ゆゆーん、おちびちゃんたちとってもゆっくりした食べっぷりだよ!お父さん嬉しくな っちゃうよ!」 「おとうさんとまりさは、ふるーつっ☆をゆっくりさせてからごはんにしてね!」 落としただけでは割れなかった貝や、赤ゆには堅いアダンの実のような果物は、道具の扱 いに長けたまりさが石や棒で軽く潰すことでみんなが食べられるようになるのだ。 このような道具の扱いの巧みさはまりさ種がだんとつであり、みょん種やありす種がそれ に次ぐ。 れいむ種やぱちゅりー種にはできない仕事であり、この群れでまりさ種が多いのは、この ような環境への適応した当然の結果ともいえる。 「おにゃかいっぱいになっちゃっちゃよ!」 「ちあわちぇー!」 「おちびちゃんのごはんが終わったから、おかあさんもむーしゃむーしゃするよ!むー しゃむーしゃ…うめっこれめっちゃうっめ!」 「おにゃかいっぱいになっちゃらうんうんちゅるよ…うーんうーん…うーんうーん…ちゅ っきりー!」 「ゆゆー、じゃあおとうさんたちもごはんにするから、おちびちゃんたちはふるーつっ☆ を食べようね!」 アダンの実はその見た目とは裏腹に、パイナップルのような強烈な甘味はない。 しかし、熟した実にはそれなりの甘さがあり、なによりこの常夏の島では、みずみずしい 果肉と穏やかな甘味は、貴重であった。 「あまあまさんはべちゅばらだよ!」 「あまあまさんぺーろぺーろしゅるよ」 「「ちあわちぇー!!」」 父まりさと子まりさはそんな赤ゆたちの幸せそうな表情に目を細めながら、赤ゆや母れい むが残した食事を平らげていく。その目にはしっかり一家を支えているという充実感があ ふれていた。 そのときふと、父まりさは辺りの空気が湿っていることに気がついた。 もちろん、亜熱帯気候区に位置するこの島の大気は多湿なのだが、いつもよりも重く、湿 った感じだった。 「ゆゆ!これは雨さんの前触れだよ!ぱちゅりーが言っていたよ!」 「ゆ!雨さんはゆっくりできないよ!おちびちゃんたち!ゆっくりしないで巣に戻るよ!」 母れいむは赤ゆとアダンの実を口の中にしまい込むと一目散に洞窟内の巣へ跳ねていく。 父まりさの警告を聞いた他のゆっくりたちも次々とそれに続く。 既に地面にはぽつりぽつりと雨粒の跡が黒く広がり、それが蒸発で消えるよりも早く次の 雨粒が落ちてくるよになった。それから雨が熱帯域特有のスコールになるのに時間はかか らなかった。 バケツをひっくり返したかのような雨が降り注ぎ、その凄まじい雨音がゆっくりたちの声 を掻き消す。 「ぴゃぴゃー!ぴゃぴゃー!ゆっくりかえってきちぇー!」 とある巣では一匹の赤ありすが泣き叫んでいた。その隣では母らしきれいむが心配そうな 表情で洞窟の外の方を眺めている。 帽子のないありす種では昼間に狩りをすることはできない。そのため、日が傾き、日光が 和らいでからでかけたのだろう。しかし、この雨では例え林の中に避難しても安全ではな い。幸運によって、良い雨宿りの場所を見つけていなければ、ものの1、2分でゆっくり は再起不能となり、餡子は洗い流されてしまうだろう。 外では、既にあちこちに大きな水溜りが出現し、岩場の溝は濁流によって洗われていた。 洞窟内も外から流れ込んだ水が川となり、その奥―海側へと続く斜面を滑り落ちていく。 しかし、このような状況下でもゆっくりたちの巣は安全であった。 なぜなら、複雑な地形を呈する洞窟内で、巧みに雨が流れ込まない位置に巣を作っている ためだ。これは多くのゆっくりの犠牲によって得られた知恵である。 かつては、みな好き勝手に巣を設けていたため、スコールの度に永遠にゆっくりしてしま う家族が続出した。ぱちゅりーやその他の頭のよい幹部ゆっくりたちは、そのような危険 な場所を記憶し、雨が流れ込んでも安全な高い位置にのみ巣を作るよう指導してきたのだ。 ゆっくりとは思えない知恵である。体内の餡子量が減少した分、高濃度に凝縮されたので あろうか? いずれにせよ、自分の巣にいる限りは、スコールと言えどもおそるるに足らず!であった。 「ゆー、雨さんはゆっくりできないよ。ゆっくりやんでね!」 「「ゆっくちやんでね!」」 先程の家族は無事に巣に避難し、食後のごーろごーろを楽しんでいた。 2匹の赤ゆ―赤れいむと赤まりさの姉妹は子まりさが拾ってきてくれたオレンジ色のタカ ラガイで遊んでいる。 「ゆっくちきれいな貝さんだよ!これはれいみゅのたからものにしゅるよ!」 「ゆゆ!まりちゃもほしいよ!れいみゅだけじゅるいよ!」 「だめだよ!しゃきにれいみゅのだってしぇんげんちたよ!」 言うが早いか赤れいむはタカラガイを持って巣の奥へと逃げ込もうとする。それを慌てて 追いかける赤まりさ。 「まって!まってね!れいみゅもたからものもゆっくりちてね!」 「れいみゅの!これはれいみゅのたからものだよ!ゆっくちりかいちてにぇ!…ぶひゅ!」 タカラガイを持って跳ね回っていた赤れいむはバランスを崩し、顔面から地面に転んでし まう。 「びゃあああああああ゛!れいみゅのきゃわいいおぎゃおがああああ!」 「ゆゆ!?おちびちゃん大丈夫?ぺーろぺーろしてあげるよ!」 「ゆ゛げええ!れいみゅのたからものぎゃあ!!!」 転んだ拍子に飛んでいったタカラガイは巣の外に転がりだした。 この巣は雨水をよけるため、洞窟内でも高台の上にある。タカラガイは下へ下へと転がっ ていく。 「まっちぇ!たからもにょしゃんまって!」 タカラガイを追いかけて巣を飛び出したのは赤まりさだった。 「ゆ!おちびちゃんあぶないよ!流されちゃうよ!ゆっくりしないで巣の中に…」 父まりさが警告を言い終わらないうちに悲劇は起こった。 「ゆ!」 湿気で濡れた岩肌であんよが滑り、赤まりさは濁流へと放り出されてしまったのである。 「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!おじびじゃあああああん!!」 母れいむと父まりさが絶叫する。しかし、このまりさの餡子は優秀だったのだろう。 赤まりさはとっさの判断で、帽子にあんよを滑り込ませ、水の上に無事着水したのである。 その動きたるやサーカスのようだった。 「ゆゆ!さすがまりさとれいむのおちびちゃんだね!天才的にゆっくりしているよ!」 安堵とともに我が子の才能に惚れ惚れする父まりさ。 だが、赤まりさが着水したのはスコールによってできた濁流の上、赤まりさを乗せた帽子 はあっという間に洞窟の奥に流され、海のほうに消えていった。あの赤まりさはもう家族 と、いや死ぬまで他のゆっくりに会うことはないだろう。 「ゆがーん!どぼじでおじびじゃんいなぐなっでるぼぉー!!!」 「ゆゆー!ばでぃざのきゃわいいいもうちょがあああああ!」 父まりさと子まりさが濁流に負けじと涙を流しながら絶叫する。その横で母れいむも言葉 にならない言葉を発しながら泣き叫んでいた。 子まりさは、妹のまりさとゆっくり狩りに出かけるのを楽しみにしていた。 妹の日頃の言動の中に光るものを見ていたのである。 大きくなったらおねえちゃんと海でゆっくり漁をしようね! 子まりさのその願いが届くことはなかった。 「ゆえええええん!なんじぇ!なんじぇ!まりじゃのきゃわいいいもうちょいなくなっち ゃたのおおお!どぼじでええええ!もうやじゃあう゛んう゛んするよ!じゅっぎりー!!」 子まりさのあにゃるから勢いよく飛び出た真っ黒なうんうんも、赤まりさ同様濁流の中に 一瞬で消え去った。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛れいみゅの、きゃわいいれいみゅのたからものが…」 彼らの声はスコールの音にかき消され、巣の中に響くことはなかった。 翌朝には赤まりさを失った悲しみも癒され、家族は備蓄しておいた肉厚の葉や海藻、昆虫 を朝ごはんにしてむーしゃむーしゃしていた。 「それじゃあまりさたちは狩りにゆっくりいってくるね!」 「ゆ!気をつけてね!ゆっくりいってらっしゃい!」 母れいむに見送られ父まりさと子まりさは巣の外へとでかける。 「きゃわいいきゃわいいれいみゅに、ちゅてきなたからもにょひろってきてね!たくさん でいいよ!」 赤れいむは昨日の一軒に懲りずに欲望丸出しで2匹を見送る。 今日海岸に漁に出るのは父まりさだが、そんな赤れいむのわがままな見送りにも笑顔で答 えた。 「ゆっくりしていってね!」 父まりさと子まりさは水溜りの水をぺーろぺーろしてのどを潤してから、帽子を水溜りで 洗った。 「おぼうしさんゆっくりきれいになってね!」 「ざーぶざーぶ!ゆ!まりさのおぼうしさんすごくゆっくりしているよ!」 海面を移動するのに使った帽子は次第に異臭を放つようになるので、きちんと真水で洗っ て乾かさないとゆっくりできないのだ。今洗っておけば、昼間外で動いているうちに自然 と乾くであろう。その隣ではありすが早朝海岸で集めてきたとかいはな巻貝やプラスチッ クゴミを水瓶にして、きれいな真水を集めている。スコールは数々の悲劇を生んできたが、 彼らが海岸という真水の少ない環境に居を構えて生活できるのは、この頻繁に降り注ぐ雨 と、水をたっぷり蓄えた植物のおかげであった。 今日、子まりさは林の方へ狩りにでかけた。 海沿いに広がるヒルガオなどの海浜植物の草原で花を摘み、大きなガの幼虫を捕らる。 「ゆっくり大きなイモムシさんが採れたよ!」 子まりさは幼虫がついていた葉っぱごと取り、丸めて帽子の中に収納する。 ここは海岸に生息するゆっくりたちにとって、近くて植物の豊富なお気に入りの餌場だ。 しかし、子まりさの目的はここにはない。 海岸を縁取るアダンの小規模な林を抜け、その奥にあるヤシ林へ到達する。 ヤシの実は貴重なあまあまさんであり、全て巣の共有財産として管理されていた。 しかし、実際に狩りでヤシの実をとってきたゆっくりやその家族には、ヤシの実を食べる 際の優先ゆっくり権が 与えられることになっている。 そこでは既に何匹かのゆっくりが落ちたヤシの実を調べていた。 「ゆ?このここなっつさんはゆっくりできないよ!」 「このここなっつさんはゆっくりできるよ!ぺーろぺーろ、し、しあわせー!!」 ゆっくりの力では、ヤシの実を割ることはできない。そこで、既に割れていて、まだ乾燥、 腐敗が進んでいないものを見つけては巣に持ち帰るのである。 中には、ヤシの木に体当たりをして実を落とそうという猛者もいた。 「まりささまの真の力を見せてやるのぜ!ここなっつさんさっさと落ちてくるんだぜ! …うがああああ!!」 と叫んでは、何度も体当たりをヤシの木に繰り出している。ゆっくりとはいえ成体とも言 えばそれなりも重さである。 体当たりの度にヤシの木は揺れるが、それでもなかなか落ちてくる気配はない。 「みんなで総攻撃するんだぜ!」 だぜまりさの呼びかけに応じて周辺にいたまりさたちが一斉に体当たりを仕掛ける。 「ゆあああああ!…ゆ?」 体当たりしたまりさの内一匹が上からヤシの実が落ちてくるのをその視界の端に捉えた。 「ゆゆ!ここなっつさんゆっぶげば!!」 「ゆべ!!」 そして命中した。 落ちてきた三つのヤシの実のうち二つがまりさに命中した。 落下に気づいたまりさは一撃で顔面が崩壊、中枢餡が崩れて瀕死に陥った。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛」 びくんびくんと痙攣しているがまもなく死亡するだろう。 痙攣の度に餡子が吐き出され、つぶれた目からは透明な液体があふれ出ていた。 もう一つは先程のだぜまりさに命中、帽子ごと顔が縦につぶれ、片目が飛び出ている。 「ゆぎゃあああああああ!ばでぃざのぎでいなおがおがあああああ!ぉべべがあああああ! たじゅげでえええええ!」 ヤシの実は一つ2~4kgまで大きくなる。おまけの高所から落下するヤシの実は饅頭にとっ て凶器以外の何者でもなかった。 普段は堅くて歯が立たない上に、ゆん生を終わらすこともある強敵、 しかし、一度開ければ美味しいジュースがゆっくりたちをなごませるココナッツ。 ゆっくりたちにとって、ヤシの実はまさに南洋のツンデレクイーンであった。 「いだいいいいいい!いだいんだぜええええ!」 結局、だぜまりさは仲間たちに巣に運ばれていった。運がよければ回復するかもしれない。 一部始終を遠くから見ていた子まりさは残り一つのヤシの実に近づいた。 落下してきた三つのうち、誰にも命中しなかった一個である。よく見ると下でカニがつぶ れている。 「ゆゆ?うまくひびが入っているよ!巣に持ち帰ればきっとゆっくりできるよ!」 子まりさはつぶれているカニを口の中にしまいこむと、ヤシの実を転がすべく、あんよを 踏ん張った。 「ゆんしょ!ゆんしょ!」 しかし、このヤシの実は重く、前進はあまりにもゆっくりなものにならざるを得ない。 「ゆ!ゆっくりしていってね!あのときのまりさだね!」 「ゆっくりしていってね!」 子まりさに声をかけてきたのは、以前助けたまりさつむりであった。 「ここなっつさんを巣に運ぶんだね!ゆっくり手伝うよ!」 「ゆ?ゆっくりありがとう?」 子まりさは戸惑った。このつむりとその家族にも優先ゆっくり権が与えられた場合、自分 の家族の取り分が減るのではないか? そんな心のうちを見透かしたかのように、つむりが言い放つ。 「優先ゆっくり権はゆっくりいらないよ!まりさはこの前のおんがえしをするよ!」 「ゆ?ゆっくりりかいしたよ!つむりはとってもゆっくりしているよ!」 子まりさはつむりの心のうちに、ふぁーすとでぃーぷちゅっちゅ?で生まれた恋心がある ことなど知る由もなかった。 二匹は並んでゆーえす、ゆーえすと、ヤシの実を巣へとゆっくり転がしていく。 隣で体をこすり合わせながらヤシの実を運ぶうちに、つむりの抑えがたい思いが有頂天に 届くまでに、さほど時間は要しなかった。 アダンの林にたどり着いた辺りで、急につむりは動かなくなった。 「ゆ?どうしたの?つむりはゆっくりしたいの?」 「まりさ、まりさはすごおいゆっくりしているよぉ…」 「ゆゆ?ありがとう、つむりもゆっくりし…」 「だから、まりさはふぁーすとでぃーぷちゅっちゅの責任とってねええ!」 つむりは一気に子まりさにのしかかった。既にそのぺにぺには臨戦態勢に入っている。 「まりさああああああ!まりさ同士すっきりすっきりしよおねえええええん!!愛してる よおおおお!!!」 つむりの行動は性急すぎた、そして説明がまったくもって足らなかった。 「やめてね!一体どうしたの!?わけが分からないよ!ゆっくりできないよ!」 まりさはあんよをうねうねさせて、なんとかつむりから逃げようとする。 「ゆっくりへぶんじょうたいになってね!」 つむりがいよいよ狙いを定めたそのとき… ばつん つむりのいきり立ったぺにぺにが何者かにばっさりと切り落とされた。 「ゆ゛?ゆぎゃあああああああああああああああ゛くぁwせdrftgyふじこlp!!!」 つむりはぺにぺにの断面からぬらぬらした餡子を垂れ流し、目から砂糖水を撒き散らしな がら悶絶して転げまわる。 「ゆげええ!ゆが!ばでぃざのずでぎなべにべにがああああああ!!」 つむりのぺにぺにを切り落としたのは大きなヤシガニであった。 ヤシガニは最大で30kgまで、あるいはそれ以上に成長するとも言われるヤドカリである。 動きはのろいが、そのハサミは強力で、挟まれれば人の指も切断されてしまう。 そのヤシガニは切り落としたつむりのぺにぺにを厳かに食べていた。暴れまわるつむりと は対照的である。 「ゆ゛ゆ゛ゆ゛も゛う゛お゛むごに゛い゛げな゛い゛…ゆ?」 泣きながら前かがみなって、痛々しいぺにぺにの断面をみつめるつむり。 ヤシガニはぺにぺにを食べ終えると、そのハサミでつむりをがっつりとつかみ、ぺにぺに の断面から中をほじくり、ひきちぎるように食べ始めた。 「ぎゃああああああああ゛やべべええ!ばでぃざをたべないでえええええ゛!!!」 ヤシガニはぺにぺにからあんよにかけての部分をごっそりひきちぎると、もしゃもしゃと 食べていく。 「ばでぃざの!ばでぃざの!あんとが!やべべ!たじゅげで!までぃざ!だじゅげで!!」 泣き喚き、先程まで力ずくで思いを遂げようとしたまりさに助けを求めるつむり。 しかし、 「ゆああああああ!!まりさはおいしくないよ!こないでねええええ!」 子まりさはヤシの実を放り出して全力で逃げていた。 「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃ!だじゅげで!だじゅげでえ!ばでぃざぁ!!!」 このヤシガニは3kgほどの個体だが十分に成体であり、頑丈なキチン質の殻で全身を覆った ヤシガニにゆっくり程度が太刀打ちできるわけがないのである。子まりさの行動はつむりに とっては薄情だったかもしれないが、助けようとしたところで、ヤシガニのエサが増えるだ けだった。 「ゆげえ…もっと…ゆっくり…ゆ゛ゆ゛ゆ゛」 もうつむりは餡子を半分以上失っており、まもなく死亡した。 雑食でアダンの実を好むヤシガニにとって、ゆっくりはご馳走だったのだろうか? それからつむりがヤシガニに平らげられてしまうまで、大して時間はかからなかった。 途中まで運んだヤシの実は、後日まりさ父子によって回収され、ゆっくりいただきました。 私は各地に設置したカメラや音声レコーダーの記録のチェックを終え、粗末な避難小屋の簡 易ベッドに身を投げた。 海岸に生息しているゆっくりたちのコロニーはおもしろい。 ぱちゅりー種を中心とした幹部たちの統率のもと、見事な分業と共同生活を実現している。 海岸は豊かな餌場だが、貝類やヤドカリ、カニ、海藻など、堅い殻を割ったり、塩分を抜い たりな単純とはいえ、加工しなければ食べられないエサが多い。それらを積極的に利用でき るのは、みなで知識や技術を共有しているからである。また、真水や一部の果物は私有分の ほかに、共有分として群れで管理している姿も確認できた。ゆっくりがこれほどゆっくりし た小社会を作り上げるとは、そしてそれを他人の報告としてではなく、自分の目で確かめら れたのは大きな感動であった。 しかし、この群れはその長所の中に危険性も内包しているように思われる。 独特、いや歪な社会構造に豊富なエサでフタをしている、というべきだろうか? まりさ種の大きな帽子は確かに、この常夏の島で狩りをする上で大きなアドバンテージであ る。そのせいか、この群れの食料はまりさ種に依存する割合が非常に高い。そして、その依 存にまりさ種がうまく答えているからこそ、群れは幸せでいられるのだ。 そのため、万が一、食料が不足したり、昼間に活動できるまりさ種が激減するようなことが あれば、この群れに大きな変化が生じるのは自明の理のように思われた。 また、その他の疑問も生じた。 この島に捕食種はいないのだろうか? 内陸部の生態はどうなっているのだろう? 越冬する必要のないこの温暖な環境で、彼らは一年をどう過ごしているのだろう? これらの疑問はこのゆっくりたちがわざわざ海岸に進出した謎を解明する手がかりになるの ではないだろうか? まだまだ観察は続けねばならないようだ。そして、その範囲を時空間的に広げる必要がある。 晩秋、今まで海岸付近ばかりを調査していた私は、まだあまり入ったことのない島の内陸部 へと足を向けた。 続きたい 最後まで読んでいただきありがとうございました。 神奈子さまの一信徒として、守矢三柱を出したかったのですが、設定考えているうちに、海 ではまりさがたくましすぎる結果になってしまいました。 挿絵:M1
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第22話「隻眼の転校生」 前話 次話 第21話「永遠の円舞曲」 → 第22話「隻眼の転校生」 → 第23話「終末を呼ぶもの」 作戦目的 出現条件 勝利条件 1.敵の全滅。 最初から 敗北条件 1.味方戦艦の撃墜。 最初から SRポイント獲得条件 3ターン以内に敵を20機以上撃墜してその後にミスラ・グニスを撃墜する。 最初から 備考 味方ユニット チーム 機体 メインパイロット 出現条件 参考 マクロス・クォーター ジェフリー 初期 ネェル・アーガマ オットー ドラゴンズハイヴ F.S. 出撃選択×16 敵ユニット チーム 機体 メインパイロット 出現数 出現条件 Lv HP 最大射程(P) PP/資金/Zチップ アイテム 参考 N H N H N H アルテア軍 ミスラ・グニス カグラ 1 初期 26 51050 7(5) 22/10200/18 - アルテア軍 コモン・グニス アルテア兵 6 24 9250 6(4) 6/3000/6 - コモン・グニス アルテア兵 24 9250 6(4) 6/3000/6 - アルテア軍 ロー・グニス ロー・グニス 12 24 8250 6(2) 5/2600/4 - ロー・グニス ロー・グニス 24 8250 6(2) 5/2600/4 - バジュラ 重機動兵隊バジュラ バジュラ 2 増援1 24 13950 7(3) 10/3700/12 - HP回復(小)EN回復(小) 重機動兵隊バジュラ バジュラ 24 13950 7(3) 10/3700/12 - HP回復(小)EN回復(小) バジュラ 重兵隊バジュラ バジュラ 3 24 8250 7(4) 8/3000/6 - HP回復(小)EN回復(小) 重兵隊バジュラ バジュラ 24 8250 7(4) 8/3000/6 - HP回復(小)EN回復(小) バジュラ 機動兵隊バジュラ バジュラ 6 24 6550 5(3) 6/2200/4 - HP回復(小)EN回復(小) 機動兵隊バジュラ バジュラ 24 6550 5(3) 6/2200/4 - HP回復(小)EN回復(小) 増援出現条件 増援番号 発生条件 参考 増援1 カグラを撃墜 or 4PP 西の陸地一帯 攻略アドバイス 3ターン以内とターン制限が短いのでSRポイントの取得が中々厳しい。2PP時に雑魚にALL武器で反撃可能な位置に味方チームを待機させ、2EP時の反撃でHPを削り、3PPに雑魚を撃墜し、その後カグラを倒そう。ミコノとカグラを戦闘させると、Dトレーダーで150Zのボーナス。 敵増援のバジュラは自軍の気力等が上がっていると思うので特に問題はないはず。高HPの重機動兵隊バジュラにのみ注意しよう。 戦闘前会話 初戦闘 :シンジ カグラ :アマタ、ミコノ バジュラ:アルト
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隻眼の男(第四部) その名の通り隻眼の男。 賞金稼ぎのお姉さんの恋人を殺した過去を持つ。 二丁拳銃を武器にしている。 謎の組織に身体を改造されており、肉弾戦もいけるとか。 第一部登場の誰かさんと被っているが、血縁ではない?
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あまり捻らずfuku1182後のまりさを書いてみた。 ゆっくりまりさが夜道を歩いている。 まりさは、つい少し前まであるゆっくりれいむと愛を育み、一緒に子供を作ろうと約束 していた筈だった。 しかし、どこから歯車は狂ってしまったのか、気づけば飼い主だったお兄さんに寝取ら れてしまった。 唯一の心の安らぎだったれいむに捨てられ、まりさは虚ろな表情で夜道を歩いている。 そんなまりさをゆっくりありすが見つけたのは必然だったのかもしれない。 「まりさ? どうしたのこんなところで? とかいはでももうねるじかんよ!」 「ゆっ!」 怒った様子のありす。しかし内心はまりさに出会えて動揺している。 ゆっくりでも性欲の強いありすは、まりさを見るだけで目が笑い、口が鼠口に形を歪め、 襲いかかりそうになる。まだこのありすは、他のに比べると我慢強いありすだった。 一方、まりさは突然現れたありすに動揺し、自然と後ろへ下がっていく。 ありすがレイプ魔だというのはまりさも知っていた。おにいさんにれいむを寝取られ、 まりさはもうゆっくりと愛し合うつもりはまるでない。 無理矢理でも襲われそうな不安と、交尾への嫌悪感に、自然とまりさの体は震えていた。 「ゆっ……ゆっくりしないよ! すぐにかえるからね!」 「そんなこときいてないわ! とかいはにあせりはきんもつよ!」 じりじりとまりさへ近づいていくありす。距離が狭まるほど、表情が徐々に変わってい く。 ありすからの不気味な圧力に、まりさは色々口に出しながら、離れようとどんどん後ろ へ下がっていく。 まりさの背中が壁についた。 「ゆっ!?」 思わず後ろを見るまりさ。その隙をありすが逃すわけがない。 「ま、ままままままりさぁあぁぁぁああぁあっ!!」 「ゆぅうぅううぅぅううぅっ!」 飛んできたありすを躱そうにも、既に周りは袋小路。 捕らえるために壁へと誘導したありすの作戦勝ちだった。 体を壁に押しつけ、ありすは動けないように固定する。 まりさは身動き1つ取れない。ありすに飛び乗られた時点で、まりさの運命は決定した。 「やめでぇええぇぇえっ!! もういやだよぉおおぉおぉおっ!!」 「かわいいわまりさ!! ハァハァッ! いっしょにすっきりしましょ!!」 「すっきりしたくないぃいいぃいぃっ!!」 まりさの悲鳴が響き渡る。 夜空の星が1つ、流れていった。 ありすがまりさの上から退いたのは、それからすぐだった。 顔はまるですっきりしていない、ただ憎しみだけが目に込められている。 「まるできもちよくないからだね! とかいはのありすもがっかりだわ! あなたなんて まりさじゃないわよ!」 捨て台詞を残し、ありすはそのまま立ち去っていく。性欲がまるで満たされなかった為 か、自慢の都会派な振る舞いはまるで見られない。 まりさは、壁に押し当てられたまま動こうとしない。変形し、穴の空いた体も気にせず、 ただ口から体液を流して倒れている。 目からはもう意志が消えている。 れいむに捨てられ、ありすにも捨てられたまりさ。 ただ漏れた餡子に群がる蟻だけが、まりさを必要としているようだった。 このSSに感想を付ける
https://w.atwiki.jp/yukkuri_gyakutai/pages/185.html
あまり捻らずfuku1182後のまりさを書いてみた。 ゆっくりまりさが夜道を歩いている。 まりさは、つい少し前まであるゆっくりれいむと愛を育み、一緒に子供を作ろうと約束 していた筈だった。 しかし、どこから歯車は狂ってしまったのか、気づけば飼い主だったお兄さんに寝取ら れてしまった。 唯一の心の安らぎだったれいむに捨てられ、まりさは虚ろな表情で夜道を歩いている。 そんなまりさをゆっくりありすが見つけたのは必然だったのかもしれない。 「まりさ? どうしたのこんなところで? とかいはでももうねるじかんよ!」 「ゆっ!」 怒った様子のありす。しかし内心はまりさに出会えて動揺している。 ゆっくりでも性欲の強いありすは、まりさを見るだけで目が笑い、口が鼠口に形を歪め、 襲いかかりそうになる。まだこのありすは、他のに比べると我慢強いありすだった。 一方、まりさは突然現れたありすに動揺し、自然と後ろへ下がっていく。 ありすがレイプ魔だというのはまりさも知っていた。おにいさんにれいむを寝取られ、 まりさはもうゆっくりと愛し合うつもりはまるでない。 無理矢理でも襲われそうな不安と、交尾への嫌悪感に、自然とまりさの体は震えていた。 「ゆっ……ゆっくりしないよ! すぐにかえるからね!」 「そんなこときいてないわ! とかいはにあせりはきんもつよ!」 じりじりとまりさへ近づいていくありす。距離が狭まるほど、表情が徐々に変わってい く。 ありすからの不気味な圧力に、まりさは色々口に出しながら、離れようとどんどん後ろ へ下がっていく。 まりさの背中が壁についた。 「ゆっ!?」 思わず後ろを見るまりさ。その隙をありすが逃すわけがない。 「ま、ままままままりさぁあぁぁぁああぁあっ!!」 「ゆぅうぅううぅぅううぅっ!」 飛んできたありすを躱そうにも、既に周りは袋小路。 捕らえるために壁へと誘導したありすの作戦勝ちだった。 体を壁に押しつけ、ありすは動けないように固定する。 まりさは身動き1つ取れない。ありすに飛び乗られた時点で、まりさの運命は決定した。 「やめでぇええぇぇえっ!! もういやだよぉおおぉおぉおっ!!」 「かわいいわまりさ!! ハァハァッ! いっしょにすっきりしましょ!!」 「すっきりしたくないぃいいぃいぃっ!!」 まりさの悲鳴が響き渡る。 夜空の星が1つ、流れていった。 ありすがまりさの上から退いたのは、それからすぐだった。 顔はまるですっきりしていない、ただ憎しみだけが目に込められている。 「まるできもちよくないからだね! とかいはのありすもがっかりだわ! あなたなんて まりさじゃないわよ!」 捨て台詞を残し、ありすはそのまま立ち去っていく。性欲がまるで満たされなかった為 か、自慢の都会派な振る舞いはまるで見られない。 まりさは、壁に押し当てられたまま動こうとしない。変形し、穴の空いた体も気にせず、 ただ口から体液を流して倒れている。 目からはもう意志が消えている。 れいむに捨てられ、ありすにも捨てられたまりさ。 ただ漏れた餡子に群がる蟻だけが、まりさを必要としているようだった。 このSSに感想を付ける
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あまり捻らずfuku1182後のまりさを書いてみた。 ゆっくりまりさが夜道を歩いている。 まりさは、つい少し前まであるゆっくりれいむと愛を育み、一緒に子供を作ろうと約束 していた筈だった。 しかし、どこから歯車は狂ってしまったのか、気づけば飼い主だったお兄さんに寝取ら れてしまった。 唯一の心の安らぎだったれいむに捨てられ、まりさは虚ろな表情で夜道を歩いている。 そんなまりさをゆっくりありすが見つけたのは必然だったのかもしれない。 「まりさ? どうしたのこんなところで? とかいはでももうねるじかんよ!」 「ゆっ!」 怒った様子のありす。しかし内心はまりさに出会えて動揺している。 ゆっくりでも性欲の強いありすは、まりさを見るだけで目が笑い、口が鼠口に形を歪め、 襲いかかりそうになる。まだこのありすは、他のに比べると我慢強いありすだった。 一方、まりさは突然現れたありすに動揺し、自然と後ろへ下がっていく。 ありすがレイプ魔だというのはまりさも知っていた。おにいさんにれいむを寝取られ、 まりさはもうゆっくりと愛し合うつもりはまるでない。 無理矢理でも襲われそうな不安と、交尾への嫌悪感に、自然とまりさの体は震えていた。 「ゆっ……ゆっくりしないよ! すぐにかえるからね!」 「そんなこときいてないわ! とかいはにあせりはきんもつよ!」 じりじりとまりさへ近づいていくありす。距離が狭まるほど、表情が徐々に変わってい く。 ありすからの不気味な圧力に、まりさは色々口に出しながら、離れようとどんどん後ろ へ下がっていく。 まりさの背中が壁についた。 「ゆっ!?」 思わず後ろを見るまりさ。その隙をありすが逃すわけがない。 「ま、ままままままりさぁあぁぁぁああぁあっ!!」 「ゆぅうぅううぅぅううぅっ!」 飛んできたありすを躱そうにも、既に周りは袋小路。 捕らえるために壁へと誘導したありすの作戦勝ちだった。 体を壁に押しつけ、ありすは動けないように固定する。 まりさは身動き1つ取れない。ありすに飛び乗られた時点で、まりさの運命は決定した。 「やめでぇええぇぇえっ!! もういやだよぉおおぉおぉおっ!!」 「かわいいわまりさ!! ハァハァッ! いっしょにすっきりしましょ!!」 「すっきりしたくないぃいいぃいぃっ!!」 まりさの悲鳴が響き渡る。 夜空の星が1つ、流れていった。 ありすがまりさの上から退いたのは、それからすぐだった。 顔はまるですっきりしていない、ただ憎しみだけが目に込められている。 「まるできもちよくないからだね! とかいはのありすもがっかりだわ! あなたなんて まりさじゃないわよ!」 捨て台詞を残し、ありすはそのまま立ち去っていく。性欲がまるで満たされなかった為 か、自慢の都会派な振る舞いはまるで見られない。 まりさは、壁に押し当てられたまま動こうとしない。変形し、穴の空いた体も気にせず、 ただ口から体液を流して倒れている。 目からはもう意志が消えている。 れいむに捨てられ、ありすにも捨てられたまりさ。 ただ漏れた餡子に群がる蟻だけが、まりさを必要としているようだった。 このSSに感想を付ける
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提供サイト 得する追加ゲーム レビュー 2006/08/01(火) 【名前】隻眼の神子 【ジャンル】戦略型シミュレーションRPG 【サイト名】得する追加ゲーム 【使用機種】W43T 【課金体系】従量315円 【容量】失念(500前後) 【通信機能】なし 【プレイ時間】5~6時間 【評価・点数】★★☆☆☆ 【感想・レビュー】 これと言った長所はなく、無難なシミュレーションゲームと言った感じ。特筆すべきはストーリーの文体。なかなか重厚に作り上げられている上、堅苦しい日本語を使うので読み応えがある。 戦闘より会話シーンのほうが多い気がしたので、戦略型と言うよりテキスト型と言ったほうがいいかもしれない。 難易度は低~中あたりなのでクリア自体は簡単。ただクリア特典があり2周目にほんの少しやりこみ要素があると言える。しかし2周目は結構キツい… BGMは単調で数曲しかなく、グラフィックもまぁまぁといったところ。後半になると作業ゲー化するし会話も寒いし、みんな高評化だけど個人的にこれは楽しめなかった。 2006/02/17(金) 【名前】隻眼の神子 【ジャンル】SRPG 【サイト名】 得する追加ゲーム 【使用機種】W31SA 【課金体系】従量315円 【容量】470K 【通信機能】なし 【プレイ時間】 20時間 【評価・点数】3.5 【感想・レビュー 】 過去のレビュ見てると面白そうだけど数時間程度で終わるのかなと思っていた。 けど実際は結構ボリュームがある。グラフィックは2Dとしては合格点。 「今何をしなくてはならないか」が分かるシステムなので、行き詰ることはない。 ただ「今何をしなくてはならないか」が分かるってことは、作業ゲーにもなってしまうということ。 実際後半は少しダレたかな。 あと、HPが減っていてもレベルアップ時には満タンになる場合が多いけど、このゲームはそのまんま。 結論としたら無難なゲーム。神ゲーではないが、値段とボリュームで考えたら、決して損はしない。 2006/02/09(木) 【使用機種】 W31SAⅡ 【プレイ時間】 10時間 【評価・点数】 ★★★★☆ 【感想・レビュー 】 ターン制のRPG。ストーリー重視の構成で、いたずらにレベル上げに時間を割かれることがありません。 ストーリーはネタばれになるので書きませんが、充分引きこまれる内容です。 ストーリーを極力排除し、 レベル上げ作業中心の「十字軍エレメンタル戦記」(同じ提供サイト)を面白いと感じる人には、 このゲームは向いていないと思います。 逆にRPGには興味はあるけど複雑なシステムは苦手なライトユーザーにはお勧めのアプリです。 レベル上げ作業が苦痛になりだした頃に、次のストーリーに進めるので、バランスがいいと思います。 通勤通学途上、片手間にさくさく進める利便性もあって、自分は楽しめています。 自分は「十字軍エレメンタル戦記」を落として、途中で放り出したので、このアプリが神に思えました。 繰り返しになりますが、レベル上げが苦痛にならないヘビープレーヤーには、 このアプリは物足りないと思います。 2006/01/31(火) 【使用機種】 W21SA 【評価・点数】 4.5 【感想・レビュー 】 ストーリーパートとゲームパートに分かれてて、SRPGにありがちな作業ゲーになってなかったのが良かった。戦闘エフェクトもスキップ出来るので快適だった。 携帯ゲームには珍しく、キャラや設定がしっかりしていて、いつの間にかハマッてた。二周は敵が強くなってたり、外伝があったのも良い。 私的には5点あげても良かったが、夢魔スレでマニアックさが足りないと言う意見もあったので-0.5して4.5点。 良ゲーのレビューするとどうしても社員臭くなってしまう・・・。スマソ。 2006/01/24(火) 【使用機種】W31S 【プレイ時間】二周目の三章 【評価・点数】4.5/5 【感想・レビュー 】 同サイトの中では一番いいアプリだと思う。十字軍~や、3Dダン~(ジャンルは違うが)よりも ストーリー重視のRPGだが、稼ぎ無しだと極悪の難易度(二周目はムリポ)で、クリアターンが早いと経験値がちょこっと貰えるのでそこらへんに頭を使おうと思えば使えなくもない 魔法という魔法はなく、ただの遠距離攻撃だがそれでも面白い。しかし、あぐでもストーリー重視のRPGなんでそこらへんはまあよろしく ちょっと安い新刊マンガだと思えば、十分元はとれる 2006/01/13(金) 【評価・点数】★★★★☆ 【感想・レビュー 】 ご存知夢魔の天蓋チームが作成した、またまたオカルト全開なRPG。 と言ってもメインはテキスト、嫌になるくらいテキスト。最初からついていけないこと間違いなし。 ゲームは戦闘、ストーリー、インターミッションと三つのパートからなる。 基本的な流れは、ストーリーが進む→戦闘イベント→インターミッション(自由に戦闘して訓練など)→ストーリーを進める→繰り返し 戦闘は一般的なSRPG形式で、反撃もある。ただ敵が馬鹿。得ゲーのSRPGはなんでこう敵が馬鹿なんでしょうか。 でもかなり楽しめる。ストーリーが気になるし、全体的にサクサク進む。 【評価・点数】☆☆☆☆ 【感想・レビュー 】 戦闘はスパロボテイスト 戦闘中ダメージを受けたり敵を倒したりでSPが貯まる SPが貯まるとステータスの上昇効果があり、100%で必殺技発動可能になる (必殺技には50%使用する) また、HP回復には1%消費する このゲームの本質は戦闘よりもストーリーにあると言える 最初から結構引き込まれる キャラも結構愛着が沸きやすい とりあえず良作だと私は思う
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【オフレポ】クリスマス@新宿歌舞伎町【隻眼視点】 編集flag = True けっこうなボリューム具合なんで心して読むようにw @待ち合わせ @イルミネーション @ビリヤード @監獄ロック @待ち合わせ 「 さっそくでアレなんですが、 10分程遅れます。。 申し訳ないっす(;д;) 」 初めてサンドラに送ったメール ええ、遅刻魔っぷりを発揮してしまいましたw ダメダメですね。 改札出てみんなの服の色を確認 サンドラが「青」とな 集合場所は東口なのに中央東口から出る適当さ 広場へ着くとすぐに青い服着た男の子が目にはいる メガネ・・・ オサレ学生・・・ どうみても・・・ それでも確信がもてなかったのがその子が一人でいたこと 何度か目もあってるんだがうちが何度かそらしているうちに(スマンw) トコトコとどこえやら行ってしまう・・・あ・・・ その先には仲間らしき人達が3人程! そのうちの二人がカンゴールのニット、見覚えのあるあのハットのかたち!! (・д・)・・・ヤツラマサカ・・・ そして最後この人がプイヌってわけかぁ! 「ぷいにゅ~」思わず言ってしまいましたよリアルで呼んじゃったよw とまぁ皆にも会えてちょっとほっとしたところで東口名物のキャッチをなんとかかわしつつ (すまね!待ってる間何人もきただろうに・・・><) 行き場所とかはっきり決まっていなかったので、イルミネーションを見に行こうと!Uターン! タイムズスクエアへと向かう @イルミネーション なんだかんだ言って現在新宿勤務なくせにまったく案内ができない隻眼(д`イケテナイ かなり適当にだから、近いみちとか全然考えず・・・ まぁそれはいいとして 綺麗だったぜ(∀` 高島屋入り口付近は柱がデコレートしてあって、 その先に入り口的なwアーチっぽいのがあって、(説明へたですまんw) そこをくぐるまでは 「あ、これだけ?」って感じだったけど 角をまがった瞬間こうぶわーってww (ダメだ表現力なさすぎwwここはネムさんのレポを期待ということで) 視界にはいってくるわけですよ 金色の世界が 脳内BGMとかレスピーギなわけですよ(説明ry) パシャ・・・ パシャ・・・ 写メトリマクリング(・∀・)うははw そうだ!写真とれなかったんだけど、足元も雪の結晶の模様が浮かび上がってて うぁわー(・∀・)ってなった! そしていつのまにか他の人達とはぐれたり、待っててくれたりしつつ サザンテラス口の方にもどうやらイルミネーションがあるようなので イテミヨー(・∀・) こっちはこっちで並木が青と白のイルミネーションでデコレートされてて綺麗だったなぁ (∀` なんかもう終始写真ばっかとっててけっこう皆をまたせていたような・・・ なんか隻眼の性質がどんどんバレていく・・・orz さいごに「こっちが入り口だったのね」というプイヌのセリフを聞きながら メインロゴ(って言うのかね・・・)を撮影 そしてプイヌが持ってきてくれたボーリング場の地図を隻眼がガン見しながら 歌舞伎町のアミューズメントいっぱいるぜ的なエリアへと向かう @ビリヤード 一度きているのにもかかわらず案内できなかったこの記憶の劣化具合w ボウリングなのになぜ題名がビリヤードかって? それは隻眼が行きたいとかいいだしやがったからだコノヤロw 適当にいきあたりばったり感はもともとあったので、 サンドラが「ボウリング行きたい」と言ったにもかかわらず 「うちはビリヤード行きたい」と言い出すこの神経w サンドラのが大人ですw「俺はビリヤードでもいいよ」と言ってくれました(∀` つかいざプレイしてみるとやりたいとか言い出したわりには下手なんだ隻眼w まっすぐしか打てないんだよwバンクとかよくわかんねぇんだよw つかプイヌの持ち方がすげーおもしろくて なんか、小さい子がスプーンとかフォーク持つみたいになってて(∀`カァエエ シャメろうとしたけど、アングル気にしてるうちに 撮り損ねちゃたよ(´・ω・`) すごいのが、ネムサンが初心者にも関わらずミラクルショットきめて かっちゃったりなんんかしてんのw クマーはバックスロークしはじめるしw プイヌもプイヌで高度な技をつかいだすしwwジャンプとかw で「あぁ~」とか言う裏声がなんともプイヌだ(∀` 「らめぇ~」をリクエストしようとしたけど他のお客さんもいるので我慢ガマン(∀`; 気づけばビリヤードの写真全然とってないし あ、なんかプイヌがたのんでた飲み物がかわえかったな。 イチゴなんとかw そんなこんなでビリヤードを楽しんでおりますが、 思い出したらまた追記しようかな コメント 名前 コメント すべてのコメントを見る
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【検索用 せきかんのこくはく 登録タグ 2017年 VOCALOID Youtubeミリオン達成曲 v flower しとお せ 曲 曲さ 殿堂入り】 + 目次 目次 曲紹介 歌詞 コメント 作詞:しとお 作曲:しとお 編曲:しとお 唄:flower 曲紹介 「君を守る」 曲名:『隻眼の告白』(せきがんのこくはく) しとお氏のボカロ曲23作目。 「一ツ眼リッパー殺人事件」関連作品。 歌詞 「君を守る 傍にいるよ」 優しく抱き寄せられた日を ずっとずっと忘れないよ 君のぬくもりは僕のもの 誰一人わからない この世でただ独りの苦しみなど 優しさも微笑みも すべては裏の笑い話の種 わからない わからない 君だけがずっと裏切らなかったんだ 怖いんだ 離れたら もう二度とかえらないような気がして 君を守る 傍にいるよ 何度も救われて生きている だから次は 僕の番だ もう二度と離さないように 大丈夫 ずっと見てる 二人寄り添いあう日のため 同じ気持ち 信じてるよ 君だけが僕の世界だよ なにひとつ拒まない この世でただひとつの救いの手に 優しさも 微笑みも 君だけはどこにも穢れはなくて 許せない 許さない 僕だけの君を奪い去るだなんて もう二度と なくさない 僕が必ず守ってみせるから 君の傍に他の誰も いらないことなどわかるでしょ? 僕を拒み 怯えるのは 毒におかされているんだね 大丈夫 やってみせる 二人まどろみ笑うために 他の誰も 映らないように 暗闇の中で誓いあおう ねえどこにもいかないで ずっと僕を見てほしいの ねえ同じ気持ちだよね? 僕 もう独りじゃないよね? 君を守る 傍にいるよ 何度も救われて生きている だから次は 僕の番だ もう二度と離さないように 大丈夫 ずっと見てる 二人寄り添いあう日のため 同じ気持ち 信じてるよ 君だけが僕の世界だよ コメント なんでコメント無いの???????? -- 黒音雨歌 (2019-05-25 19 10 40) コメント -- 名無しさん (2019-05-26 02 30 06) 凄い良い曲なのになぜ……… 義理の姉弟ってどこでもこうなるのかな(ならねぇだろ考えろボケ) -- 名無しさん (2019-05-26 02 31 40) 中毒性があってかっこいいです! -- 名無しさん (2019-06-06 18 49 10) ヤンデレほいほいみたいな曲だなぁ(伝われこの思い)ループで何度も聴いてます! -- 名無しさん (2019-06-06 18 51 23) 病ん -- Ascii (2019-07-14 20 01 26) アキ君好き!頭の中でループしてる、しとおさん神だろ!コメント増えろ~ -- ミーミル (2019-09-11 21 55 54) ヤンデレ? -- KEKKE (2019-09-16 20 56 43) 曲名教えてください -- あかり (2019-11-05 10 59 55) ↑隻眼(せきがん)の告白(こくはく)ですー -- 桜 (2019-11-06 15 41 08) ヤンデレですねわかります……死んでいいですか?(笑)「君を守る」っていうところ最高じゃないですかやだー -- ニート (2019-12-25 19 28 26) いいっすねー -- 百合 (2023-04-06 13 26 20) 好きーこの話全部が神!曲もイラストも最高すぎだろ!しとおさん天才すぎ~ -- おむらいず (2023-06-27 00 06 22) ヤンデレって感じが好き。ここから監禁ルートやろ -- 77四 (2023-12-19 08 28 18) 名前 コメント コメントを書き込む際の注意 コメント欄は匿名で使用できる性質上、荒れやすいので、 以下の条件に該当するようなコメントは削除されることがあります。 コメントする際は、絶対に目を通してください。 暴力的、または卑猥な表現・差別用語(Wiki利用者に著しく不快感を与えるような表現) 特定の個人・団体の宣伝または批判 (曲紹介ページにおいて)歌詞の独自解釈を展開するコメント、いわゆる“解釈コメ” 長すぎるコメント 『歌ってみた』系動画や、歌い手に関する話題 「カラオケで歌えた」「学校で流れた」などの曲に直接関係しない、本来日記に書くようなコメント カラオケ化、カラオケ配信等の話題 同一人物によると判断される連続・大量コメント Wikiの保守管理は有志によって行われています。 Wikiを気持ちよく利用するためにも、上記の注意事項は守って頂くようにお願いします。