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高校野球敗退で、甲子園の砂を持ち帰るノリで京太郎を持ち帰る豊音さん 01、大会終了後に岩手に戻る電車内にて 塞「やっぱり個人戦の壁も厚かったわね」 胡桃「豊音も頑張ったけど、あんなに魔物が潜んでるんじゃ…」 豊音「頑張って追っかけたんだけど、追いつけなかったよ」 エイスリン「コワカッタ(二匹の∠が生えた怪獣とそれより小型の怪獣達が暴れてる絵)」 白望「ダルい、早く岩手に戻ろう」 豊音「えへへ、有名選手のサインいっぱい貰えてよかったー」 塞「ところで豊音、そんな大きいバッグどうしたの?」 胡桃「私が3人分は入りそうだよね、中身なに?」 豊音「お土産ってとこかな、部室で開けるね」 02、宮守麻雀部部室にて 豊音「よいしょっと、ちょっぴり重かったかな」 塞「豊音が重いって言うことは、けっこうな重さの品なのかな」 胡桃「なんだろう、お菓子なら其処まで重くないよね」 エイスリン「ミンナデヤマワケ!!(金塊の絵)」 白望「ダルいけど中身気になる」 豊音「それじゃご開帳ー」 バッグの中には猿轡され縛り上げられ気絶中の京太郎が!!w 03、宮守麻雀部部室・凍りついた空気の中 塞「」 胡桃「」 白望「」 エイスリン「」 豊音「えへへ、どう?」 塞「」 胡桃「」 白望「」 エイスリン「」 豊音「高校野球で敗戦すると甲子園の砂を持ち帰って記念にするの、TVで見てて」 豊音「つい全国大会出場記念に、都会のイケメン攫って来ちゃったよー」 塞「ついって」 胡桃「ちょっとヤバいじゃないこれ」 白望「ダルいってレベルじゃねえ」 エイスリン「ミンナデヤマワケ!!(モザイクにより見せられません)」 04、宮守麻雀部部室・そして時は動き出す 京太郎「…?、!?。むー!?、むー!!」 豊音「あ、気がついた?」 塞「マズ、とりあえず猿轡解いて」 胡桃「落ち着いて、なんにもしないから静かに」 エイスリン「アバレンナ、アバレンナヨ(先ほどとは違うモザイクのかかった絵)」 白望「ダルいけど、とりあえず鍵閉めて…」 京太郎「ゴホゴホ、あれ?皆さん宮守麻雀部の方々ですよね、いったい何が」 豊音「わ、私たち有名人になってる」 胡桃「別の意味でも有名になりそうだけどね」 塞「とにかくごめんなさい、いろいろ説明させてもらえないかな」 少女説明中……… 京太郎「そうですか、悪気が有ったわけではないようなので構いませんが…」 豊音「ごめんなさい、つい浮かれてとんでもないことしちゃって」 豊音・塞・胡桃・白望・エイスリン「すみませんでした」 京太郎「いえ、もう大丈夫です。ただ豊音さんには申し訳ないんですが」 豊音「!?、はい、私が悪いので私だけ罪を償いますからみんなには…」 京太郎「いえソッチじゃなくて、残念ながら長野出身で『都会のイケメン』じゃないんです」
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俺が奇想天外な奴らがいる世界に来て数日が経った。相変わらず俺は愉快な仲間達がいる世界にいるが、こちらの世界は俺の世界とほぼ一緒なので、たいした問題もなく生活できている。自分でも驚いているが、適応能力が高いらしいな。 日が経つにつれ、SOS団のメンバーの癖がわかってきたので報告しよう。 涼宮は、おもしろいことが大好きで、本気で宇宙人、未来人、超能力者を探しているらしい。正直な感想。おそろしいくらいの変人だ!変人ってのは、良いことだ。みんな一緒だと面白くない。個性ってのはやっぱ必要だと思うぞ。しかし、だ。こいつは度が過ぎている。やりたいなら1人でやれよ。俺達を巻き込むなっての。 朝比奈さんは癒し系で、メイド服を着たりして俺を和ませてくれる。誰しもが憧れの存在になるだろう。ただ涼宮におもちゃにされているのがかわいそうでならない。 古泉は理屈っぽいが、人当たりが良く、良すぎて涼宮の無茶に反抗するってことは全くない。暴君に仕える軍師ってタイプだろう。 長門は相変わらず無表情で本を読むだけ。全くつかめない。宇宙人ってのは、みんな無愛想なのだろうか?達観しすぎて、感情ってのを置いて進化したのかもな。 キョンはあだ名こそ変わっているが、全くもってまともな常識人だ。唯一、俺がまともに話せる奴で、だらだらと毎日を過ごしたいと願うところなんか、俺と一緒。ただ、ひねくれたところがあるのが、たまに傷だろう。 さて、人物評価はこのくらいにしておこう。今は放課後。SOS団のアジトである文芸部の部室で、いつもどおり退屈な時間を過ごしていた。部室の中にいるのは、俺とキョン、古泉、長門、朝比奈さんだけで、我らが団長は遅刻している。 キョン曰く 「どうせまた疲れるやっかい事を、どっかから拾ってくるんだろうよ」 と疲れた様子で言っていた。俺もキョンと同じで、日々平穏を祈る体質である。何事もなく1日が過ぎていき、後に平和だったなと思い返すのが、俺にとって一番幸せなことなのだ。 だが、そうもいかなかった。お騒がせ団長は、他の団員の誰でもない、俺に迷惑をかける事件を引っ張ってやってきたのだ。 涼宮が勢いよく部室のドアを開けたかと思うと 「聞いて聞いて、おもしろい話を聞いちゃった!」 叫びながら部室に入ってきた。 キョンが、「げっ」という顔をして、一瞬、古泉の顔が引きしまった。一体、何なんだ? 「実はね、学校近くにある洋館に、お化けがでるらしいのよ。最近特に頻繁に出ていて、みんな怖がっているらしいわ。これってお化けと遊ぶチャンスじゃない!?」 びっくりするくらいの笑顔で、銀河が目の中に入っているのではないかと思えるような輝きを放ちつつ涼宮がとんでもないことを言ったかと思うと、 「それなら僕も聞きました、最近噂になっているみたいですね」 古泉が余計な相づちをうちやがった。 次へ 目次
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1.プロローグ 2月上旬のある日のこと。 それは、SOS団団員にして文芸部長兼コンピ研部長たる長門有希の唐突な宣言から始まった。 「あなたがたに勝負を申し込みたい」 唖然とする俺たちに対して、長門は淡々と説明した。 長門を含むコンピ研 vs 長門を除くSOS団(名誉顧問を加えてもよいとのことだった)。勝負は、去年やった宇宙戦闘ゲーム The Day of Sagittarius 3 を大幅に改良した The Day of Sagittarius 4 で行なわれる。 賭けるものも指定してきた。 コンピ研側が勝った場合には指定する日に一日限定でSOS団団長権限を長門に委譲、SOS団側が勝った場合にはデスクトップパソコンを一台進呈する、とのことだった。 堂々たる果たし状であり、こうまで言われて、ハルヒが応じないはずもない。 「相手が有希だからって、容赦しないわよ!」 「望むところ」 長門もやる気満々のようだ。 こいつもすっかり人間らしくなって結構なことだが、よりによってハルヒに喧嘩をふっかけることはないと思うのだが……。 そうはいっても二人ともやる気満々では、もはや止めようもなく、一週間後に勝負が行なわれることは規定事項となった。 その後一週間、長門を除き名誉顧問を加えたSOS団の面々は、放課後にゲームの練習にいそしんだ。 朝比奈さんも鶴屋さんも受験の真っ只中というのに、まことに申し訳ない。 俺が謝ると、 「気にしない、気にしない。たまの息抜きにはちょうどいいさっ!」 鶴屋さんは笑ってそうおっしゃってくださった。 本当に心の広いお方だ。 で、勝負を賭ける The Day of Sagittarius 4 だが、前作との変更点がいくつかあった。 完全3D化された三次元空間での戦闘。索敵艇の設定は廃止され、マップ全体が最初から見える状態。前回のコンピ研側のインチキであるワープはなし。 パラメータ100を攻撃、スピード、防御に振り分ける設定はそのままだが、ゲームの途中でも任意にパラメータ配分を変更可能。前回長門がコンピ研を苦しめた分艦隊モードも健在だ。艦隊は双方5個ずつで、全滅するか総旗艦を撃破された方が負け。 取扱説明書には他にもいろいろと書いてあったが、主なところはこんなもんだろう。 そして、一週間はあっという間に過ぎ去った。 2.決戦 勝負の日の放課後。 戦いの舞台は、整えられていた。 コンピ研帝国連合艦隊は、総旗艦を有する「ユキ総統閣下艦隊」を筆頭に、「総統閣下の下僕A艦隊」、「総統閣下の下僕B艦隊」、「総統閣下の下僕C艦隊」、「総統閣下の下僕D艦隊」。ネーミングセンスについては、とやかくいうまい。 対するSOS帝国連合艦隊は、総旗艦を有する「ハルヒ皇帝陛下艦隊」を筆頭に、「名誉顧問閣下艦隊」、「古泉くん艦隊」、「みくるちゃん艦隊」、「雑用係艦隊」。なんか俺の扱いが前回よりも悪いような気がするんだが、気のせいか? 戦闘意欲満々のハルヒの横顔を眺めている俺の耳に、開戦のファンファーレが鳴り響いた。 さて、どうなることやら……。 コンピ研部室……。 「各艦隊、制御キーを総旗艦に委譲せよ」 長門有希は開戦と同時にそう命じた。 「「「「了解!」」」」 4人の下僕たちは、すぐさま命令に従った。 長門有希は、制御キーの委譲を確認すると、猛烈な勢いでキーボードを叩き始めた。 彼女は、たった一人で5個艦隊を操ろうとしていた。 文芸部室……。 開戦と同時に、敵艦隊は連携のとれた積極的な機動で、SOS帝国連合艦隊を翻弄した。 「敵は、こちらを分散させて各個撃退する作戦のようですね」 古泉が敵の動きをそう分析した。 「この動きは人間技じゃねぇぞ」 「長門さんが全艦隊を一人で制御しているのかもしれません」 「そんなことが可能なのか?」 「ええ、取説にも書いてありました。各艦隊が制御キーを総旗艦に委譲すれば、総旗艦から全艦隊の直接制御が可能となります。前回の分艦隊モードの拡大版といったところですか」 「長門なら、それぐらいはやりそうだな」 画面を見ると、敵の思惑どおりというべきか、SOS帝国連合艦隊は、各艦隊がバラバラに分散しつつあった。 コンピ研部室……。 長門有希は、敵艦隊を意図通りに分散させたことを確認すると、キーパンチのペースを緩めずに、淡々と命令を下した。 「制御キーを各艦隊に返還した。各艦隊は、各個、対面する敵艦隊を殲滅せよ」 「「「「了解!」」」」 文芸部室……。 戦況を簡単に述べれば、広大な宇宙空間の5箇所において、それぞれ一対一の殴り合いが行なわれているといったところだった。それぞれの戦場の間には距離があって、相互支援ができるような状態にはない。 俺の雑用係艦隊は、目前の敵D艦隊を相手にするのが手一杯で、他に手が回らない。 「手ごわいですね」 古泉はいつものスマイルを浮かべたままそんなことをつぶやいていた。 善戦はしているようだが、敵B艦隊を相手にじりじりと残艦を減らしている。 「はわわわ……」 朝比奈さんは、残艦が急激に減っていく様子にただおろおろとするばかり。 「有希っこは容赦ないね。燃えてくるさっ!」 鶴屋さんは、敵A艦隊を相手に大立ち回りを演じている。 この人は、何をやらせてもすごい人だな。 「さすが有希ね! 正々堂々と勝負よ!」 ハルヒ皇帝陛下艦隊の状況を画面で確認する。 ユキ総統閣下艦隊は分艦隊モードで20個に分裂し、ハルヒ皇帝陛下艦隊を袋叩きにしていた。 そして、長門の総旗艦がハルヒの総旗艦めがけてぐんぐんと距離を縮めていた。 長門は、総旗艦同士の一騎打ちで一気に片をつけてしまう気だ。 ビーム砲の射程に入ってしまったら、ハルヒの総旗艦は、長門の精密な射撃であっという間に撃破されてしまうだろう。 俺は、雑用係艦隊のパラメータ配分を変更した。攻撃0、スピード100、防御0。 そして、旗艦を先頭に、ハルヒ皇帝陛下艦隊とユキ総統閣下艦隊が戦う戦場へと、猛突進を開始した。 今から思えば、なぜそんなことをしようと考えたのか、よく分からない。 コンピ研部室……。 「D艦隊、敵雑用係艦隊の動きを阻止せよ」 「駄目です! 振り切られました! 追いつけません!」 D艦隊は、敵雑用係艦隊を半分まで減らしたところで、完全に振り切られた。 敵雑用係艦隊のスピードは100。D艦隊のスピードを今から100に上げたところで、永久に追いつけない。 それが、あなたの気持ちか……。 長門有希は、心の中でそうつぶやきつつ、自艦隊のパラメータを変更した。攻撃10、スピード70、防御20。 敵総旗艦を撃破する前にやられてしまっては元も子もないので、それがギリギリの数字だった。 果たして、間に合うか? 文芸部室……。 間に合えぇー! 俺の心の叫びは、どうやら天に通じたようだ。 敵総旗艦がハルヒの総旗艦を射程に収める直前に、敵総旗艦に俺の雑用係艦隊旗艦が突っ込んだ。 盛大に衝突する。 これじゃ、まるで昔の神風特攻だな。 「ハルヒ、俺に構うな! 撃て!」 「えっ!? でも……」 こんなときに限って躊躇するなよ。らしくもない。 結局攻撃したのは、いつの間にかこの戦場に到達した古泉の艦隊だった。 俺の旗艦が突き刺さったまま身動きがとれない敵総旗艦は、ビーム砲を雨あられと浴びせられ、撃破された。 You! Win! そう表示されて、画面がブラックアウトした。 俺は古泉の方を向き、 「おまえ、いつの間に」 「あなたの動きを見て、すぐに意図を察しましてね。速度優先にパラメータを変更して、馳せ参じたというわけです」 古泉は、何かいいたげなニヤケ顔でそう答えた。 そのニヤケ顔はなんかむかつくからやめろ。 コンピ研部室……。 「このたびの敗戦の責任はすべて指揮官である私にある。よって、献上するパソコンの費用は私が出す」 長門有希は、淡々とそう宣言した。 「そんな! 何も部長ばかりが悪いわけじゃありません! 俺たちがもっとしっかりしていれば……」 副部長の言葉を、彼女はさえぎった。 「いい。あなたたちには、私のわがままに付き合わせてしまった。申し訳ない」 彼女はそういい残すと、部室を去っていった。 その後姿があまりにも寂しそうで、誰も声をかけることができなかった。 3.エピローグ あれから数日後、俺と古泉は、部室でオセロ対戦をしていた。 女子団員三人は、先に帰った。長門の部屋で明日の準備をするそうだ。 明日は、2月14日。 今年は、どこの山をほじくり返すことになるのやら。あるいは、マリアナ海溝にでも潜らされるハメになるのかもしれん。 「ところで、先日のゲーム対戦、あなたの最後のあの行動ですが。どうして、あんなことをしようと思ったんです?」 古泉が唐突にそんなことを聞いてきた。 「ゲームに負けてハルヒの機嫌が悪くなったら、いろいろと都合が悪いだろうが。おまえだって、例の灰色空間に行かずにすんだんだから、感謝の言葉ぐらいほしいところだな」 「ええ、その点については感謝しておりますよ。でも、理由はそれだけですか?」 「何がいいたい?」 「あのような事態がゲームではなく現実の世界で起きた場合でも、あなたは同じような行動をとったのではないかと思ったものでね」 「おいおい、勘弁してくれよ。あれはゲームだったからだ。現実では絶対やらんぞ。俺だって命は惜しいぜ」 「まあ、そういうことにしておきましょうか。それにしても、長門さんは一日団長になって何をしたかったんでしょうね?」 「さぁな。いつも団長様の理不尽な命令に従わされてばかりだから、たまには命令してみたくなったんじゃないのか?」 一方、三人娘は、長門有希の部屋でチョコレート作りに励んでいた。 「ねぇ、有希」 「なに?」 「有希さ、一日団長になって何がしたかったの?」 長門有希は、長い沈黙のあと、ぽつりともらした。 「…………団員その一」 涼宮ハルヒは思わず顔をあげて、長門有希を見る。 「……彼と明日一日をともにすごしたかった」 涼宮ハルヒは、唖然としたまま固まった。 朝比奈みくるも、目を見開いて驚いている。 「私は負けた。だから、その願いはもうかなわない」 「で、でも! そんなチャンスなんて何回だってあるわよ! 有希はいい子なんだし、あいつだって!」 涼宮ハルヒは内心の動揺を隠すようにそう叫んだ。 「あなたも、そろそろ正直になるべき」 長門有希はあくまで淡々と、核心を突くセリフを吐いた。 「……」 「大丈夫。あのゲーム対戦での彼の最後の行動。あれは、紛れもなく、彼のあなたへの気持ちそのもの」 「有希……」 「女子団員三人が共同して男子団員二人にチョコレートを贈呈するのは、今年を最後とすべき。来年は、あなたが彼にあげればいい」 翌日、男子団員二人がどれだけ苦労して、チョコレートを探し当てたかという詳細については省略する。 一連のイベントが終わったあと、長門有希は、北高の部室棟にいた。 文芸部室の前を通り過ぎ、コンピ研部室に入る。 手にしていた大量の手作りチョコをテーブルの上においた。 部員たちの視線が集中する。 そして、ぽつりと一言。 「あげる」 しばし唖然としていた部員たちは、ハッと気が付くと、全員が一斉に最敬礼し、学校中に響き渡らんばかりの大声で叫んだ。 「ありがとうございます!!!」 昨年までバレンタインデーなど無縁であった男子部員たちは、感涙にむせび泣きながら、チョコレートを味わった。
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BACK INDEX NEXT 338 :早明浦観測会 ◆ghfcFjWOoc :2008/09/11(木) 08 07 58 ID JzM54zxf 「部室にいる先輩っていつもアンニュイな顔してますよね」 部室で明日提出の宿題をやってると唐突に後輩がそんな事を言ってきた。 「俺はいつもこんなんだと思うが?」 「えー前に見掛けた先輩はサブミッションかけられても元気にタップしてましたよ」 見てやがったか、こいつ。 ……まあ、ここや寮にいるとテンションが下がるのも事実か。 「部室で一人でいるとな、将来について色々な事を考えちまうんだ」 背筋を伸ばして軽く深呼吸。 「経済は未だ低迷しているし犯罪は凶悪化と低年齢化の一途を辿ってる。 自分達の代表たる政治家も汚職や対立政党の批判ばかり。 朝、テレビを見ても暗くなるニュースばっかなんだよ。 俺自身も将来の夢とかなくてな」 こんな事を他人に話しても仕方ないと思うが、誰かに聞いてもらいたくなる事もある。 愚痴に付き合わされて申し訳ないと後輩の方に顔を向けると、 「えーと……」 頬に指を当て首をかしげていた。 もしかして聞いてなかったのか? という疑念が頭に浮かぶが、すぐにそれはないと打ち消す。 こういう事をぞんざいにする奴ではない。 後輩は勢いよく机を叩いていつもの朗らかな笑顔を見せる。 「部活をやって嫌な事を忘れちゃいましょうよ!」 こいつは将来への不安とかまったくなさそうだな。 それとも、変な気を使わせたか。 「……ああ、そうだな」 名前からしていかがわしく活動も不明瞭な部活だがこいつと一緒にいるのは割と楽しい。 宿題は捷護にでも見せてもらえばいい。 「やるか、部活」 「はい! 来れない部長の為にも」 奮い立とうとしていた気力が一瞬で萎えた。 宿題でもやるか。 「? どうしたんですか」 「いや、なんつーか、俺の「やるか、部活」で終わらせとけば綺麗に終わったんじゃないかってな」 「はあ。そうなんですか?」 「少なくとも俺のテンションが下がる事はなかった」 「ははあ~ん。先輩って部長が来ないから寂しいんですね? だから部長の名前が出たら・・・・・・」 「それはない」 全身に悪寒が走る。 何故自分の周囲の人間は誤解するのか。 御上は頭を抱えたい気分だった。 あいつと男女の関係になる訳ないだろ。 もしかして自分を陥れようとする秘密結社の陰謀ではないのか? 「ついでに言うと、あいつ、学校には来てるぞ。補習があるから部室には顔出さないだろうが」 なので明日か明後日には部活に出てくるだろう。 つまり今から覚悟をしておく必要がある。 その事を告げると後輩はひゃっほーい、と破顔する。 「じゃあ一週間の成果を見せましょう!」 「ん、ああ・・・・・・ああ」 こうして、彼等の日常はゆっくりと過ぎていくのだった。 340 :早明浦観測会 ◆ghfcFjWOoc :2008/09/11(木) 08 11 01 ID JzM54zxf 以上です トリ変更しました ちなみに、最初書いた時は本当に「やるか、部活」で終わってたり BACK INDEX NEXT
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316 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2009/06/07(日) 17 33 18 ID 3v3OhTRl 「レッツプレーイ♪」 「お、なんか唯ご機嫌だな」 「え、うん♪やっと金曜日が終わったしね」 ムギは少し遅れるらしいから私と唯は先に部室に向かっている ついでに、と澪を迎えに一つ下の階に行ったけど澪はもう行ってるみたいだった 和がいたので、体育館使用届を"きちんと"渡しておいた 「そういやそうだったな。よし、日曜どっかに行くか!」 「ホント?さんせー♪」 意気揚々と唯は握り拳を上に掲げた 「そういやりっちゃんてさ、カッコイイからドラムやったんだよね?」 「ん、…あー、そうだよ」 あの時のきらきらした唯の瞳が脳裏を過ぎった 「じゃあ私の入部理由も全然普通だよね!」 「………そうだな」 いや、音楽そのものを文字通り軽視しちゃってた部分はどうかと思うぞ。言わないけど。 「指もそろそろ硬くなってきたしね」 差し出してきた指先をちょっと摘むと、確かに硬かった 唯、こんなに練習してたんだな 「ホントだ。いやぁ、ずっと触ってるみたいだな」 「うんっ。家でもずっとジャンジャンやってるよー」 「ほー、んじゃ今度のライブも楽しみだな。梓も入ったし」 Vサインを作って私に向けて来る 「もちっ♪りっちゃんこそ、私の足引っ張らないでよね?」 「おっ、よく言ったな。音楽2年目のお嬢ちゃんが~」 声色を変えて、唯に襲い掛かる 「やーっ、誰か助ケテー!」 唯も臨機応変に、さしずめ時代劇の拉致られるヒロインの真似をして駆け足で部室に行く 「ほれほれー。もっと逃げてみんかい」 私もそれを追いかけて部室に向かった 「お父様ー!助けて下さいマセー!」 バンッ!と唯が蝶番を壊さんとする勢いで扉を開ける 開けた直後に、私は唯に背後から抱きついた 「ほーれ、捕まえたぞー」 既に部室にいた"お父様"はこっちを振り向いて、硬直した 「…………」 「おとー……さま?」 絶句してると横で唯がぽつん、と目を点にして言う 「だ、誰がお父さんだっ!」 硬直を解いて、ちゃんと突っ込んだ"お父様"こと澪が気になった 耳がもう1対増えてた。しかも獣耳 「なんでネコミミつけてるのー?」 唯が澪に寄って、目をきらきらさせてる 澪はたじたじと後ずさってテーブルまで行って止まってしまった 「ちょ、ちょっとした好奇心だ!」 「みーおーちゃーん かーわいー!」 唯はぴょん、と跳ねて澪の顔の位置まで自分の顔を合わせて頬擦りする 私は、シャッターを切るだけ、だった 「なっ、あ、律!」 「ご馳走様でした♪」 その日、澪は私に口を聞いてくれなかった。メールで謝ったけど 出典 【けいおん!】田井中律は泳ぎうめぇ17【ドラム】 このSSの感想をどうぞ 名前 コメント すべてのコメントを見る
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活動内容 毎日毎日誰かが部室で何かしらをやっており、 「あいつら部室に住んでんじゃね?」と他サークルからお褒めの言葉をいただいております。 がっこうぐらしだ!やったー! ゲーム、読書、カード対戦、お昼寝、好きなことを好きな時に。 わたしのルールは、わたしが決める! これがSF研のよさの1つです。 何かを広めて、みんなで楽しむのもまたよし。みんな染まりやすいったらありゃしない。 定期的な活動としては 読書会(SFにまつわる課題図書を読み、みんなで意見交換)←でも最近はやってないなぁ 月報発行(好きなことを書くといいよ) 他には学園祭での立体制作、合宿などがあります。 1年間 4月 新歓コンパ ドキドキしながら新入生を待ってます 5月 春合宿 新入生がSF研の真の姿を見るところ 6月 お返しコンパ 1年生から先輩へ~まごころを君に~ 7月 そろそろ単位を諦める人が生まれる 8月 そろそろ新入生も慣れてくる頃かな? 9月 九S機構夏季合宿 みんな大好き夏合宿。大分大学さんと合同です 10月 秋合宿 怒涛の合宿ラッシュ。一体どれだけ合宿が好きなのかと 11月 学祭(現在は10月です) 巨大模型展示。1年生が頑張ります 12月 クリスマス会 昔はやってたらしい(やりたいなら企画してもOK) 1月 あけましておめでとうございます。 2月 九S機構冬季合宿 大分大学さんと合同合宿。いつもお世話になります 3月 追い出しコンパ 先輩、追い出されてください! 興味をもってくれたあなたは 部室に遊びに来てくだされば、みんながオロオロしながらも心をこめておもてなしいたします。 最近リニューアルされたキャンパス・伊都にて活動します。教室はサークル棟の310です。 その他何かわからないことがあれば、お気軽にメールを下さい qsfcomm★gmail.com (★を@に変えて下さい)
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ハルヒ「さあ、みくるちゃん。新しい衣装よ脱ぎ脱ぎしましょうね~♪」 みくる「ヒッ!い、嫌です~~~」 ハルヒ「うるさいわねー、ほらさっさとしなさいよ」 キョン「おいハルヒいい加減にしろ。朝比奈さんが困ってるだろ」 ハルヒ「何キョン、団長である私に反抗するわけ?」 キョン「そんなこと言ってないだろ。大体だな…」 ハルヒ「うるさいっ!SOS団は私のものなのよ! あんたたちは黙って私の言うこと聞いてればいいのよ!」 パンッ!! キョン「………」 私は何をされた?叩かれたキョンに。何で?何で私がキョンに叩かれるわけ? 許せない…! ハルヒ「何すんのよっ!痛いじゃない! 団員が団長を叩くなんてただで済むと思ってるの!」 キョン「うるさい!」 ハルヒ(ビクッ) キョン「いつもいつもわがまま言いやがっていい加減にしろ! 俺たちはお前のおもちゃじゃないんだぞ!!」 ハルヒ「な、何よ!そんなにアタシが気に入らなければ出て行きなさいよ! SOS団を除名してあげるわ。ねえ、みんな…」 古泉君、みくるちゃん、有希なんでみんな私を責めるような目で私を見るの? 悪いのはキョンじゃない。私は悪くないわよ。 キョン「そうかよ。わかったよ出て行ってやるよ。これで、せいせいするだろ」 ハルヒ「え、ええ。あんたみたいに使えない奴がいなくなってせいせいするわ」 キョン「…………」 そう言うと、キョンは無言で出ていった。 古泉「それじゃあ、僕も…」 ハルヒ「古泉君!?なんで、あんたまで…」 古泉「僕も人を物扱いする人の下にいるのは不愉快ですから」 それじゃあっと言い残し古泉君も出て行った。 みくる「涼宮さん…」 ハルヒ「みくるちゃん…あなたも?」 みくる「…ごめんなさい」 ただ一言だけ謝罪の言葉を残しみくるちゃんも逃げるように部室から出て行った パタンッ 有希が本を閉じてゆっくりとこちらに向かってくる。 ハルヒ「ゆ、有希…あなたは辞めたりなんかしないわよね?」 有希「この結果を招いたのはあなた自身。あなたが望んだからこうなった」 そうして有希も出て行こうとしたが、ふと思い出したように足を止めた。 有希「この部室はあなたに譲渡する。好きに使ってかまわない」 そして、もう言うこともないとばかりに出て行った。 部室に一人私は取り残された。 この結果を私が望んだ?そんなことなんて望んでいない。 じゃあ、なんでこんなことになった? (キョン「俺たちはお前のおもちゃじゃないんだぞ!!」) ああ、そうか。私が間違えたんだ。だから、また一人になっちゃったんだ…。 気付くと私の両目からぽろぽろと大粒の涙がこぼれていた。 ハルヒ「グスッ、グスッ…。ごめんなさい私が悪かったわ。謝るから、もう酷いことしないから…… 私を一人にしないでっ!!」 しかし、開け放たれた部室でハルヒの慟哭を聞くものは一人もいなかった。
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「先日の閉鎖空間で、大変興味深い現象が観察されました」 「ほう、どうしたんだ一体」 「一度に2体の神人が出現し、しばらくは周囲を破壊していたのですが…」 古泉はそこで言葉を切り、うつむいた。 「その後、その2体で生殖行為類似の行動に出たのです」 「神人にも性別があるのか」 俺は軽く驚いた。 「いえ、少なくとも外部から観察した限りでは性器のような器官はないようですが」 「ハルヒが欲求不満になっているということなのか」 「…わかりません。わかったとして、それをあなたに伝えることがどんなことを意味するか、 あなたもおわかりですよね?」 あまり考えたくはないがな… その日は一日、なんだか意識してしまってハルヒの顔を正面から見られなかった。 「なによ」 「いや、なんでもない」 「…あっそ」 こんな調子で、ハルヒが…その、なんだ。俺を求めているとは到底思えないのだが。 まったく女心というのはよく分からない。それは俺だって健康な男なんだし、性欲がないと 言えば嘘になる。しかし俺にだって選択権はあってもいいじゃないか。第三者に決められた 相手と恋愛するのはしゃくだ。それは相手にとっても失礼になるようにも思う。 …いや、これらすべてがハルヒを避けたいがための理屈なのかもしれないし、逆にハルヒを 好いていることの照れ隠しなのかもしれない。女心だけでなく自分の心もよく分からない… あまり深く考えすぎていつの間にか朝比奈さんの胸を揉んでいたことに、俺は気づいて いなかった。 「キョ、キョンくん…あ、だめぇ」 「ちょっとキョン? なにやってんの!」 柔らかく温かな朝比奈さんの乳房は、しかし何の解答も示してくれなかった。 結局、疲れすぎて朝比奈さんの胸がボールに見えた、という理屈でどうにかその日はしのいだ。 まあハルヒは納得しなかったので頬に2、3発張り手を食らったのだが…朝比奈さんは顔を真っ赤に していたが、特に泣いてしまったりということはなかったので安心した。帰り際に 「あんなこと、涼宮さんの前じゃダメですよ、ね?」 と耳打ちされたのにどきっとしたことは、絶対にハルヒにばれちゃまずいよな… 古泉もあきれていたようだが、 「あなたにも恋愛の自由はある、というのが僕の考えです。しかし今回の件はさすがにもう少し 考えていただかないと」 と、いつもよりは多少真剣な面持ちで言われただけだった。 長門は終始無言だった。ハルヒがどんな反応をするか、それだけが観測できればいいのだろうか。 次の日、ハルヒはちょっと不機嫌だった。やっぱり昨日のことが尾を引いていると見るべきだろう。 俺はハルヒを刺激しないように、昼休みになるとすぐ弁当を持って部室へ向かった。 「長門だけか」 案の定昼休みの文芸部室には読書する長門しかいなかった。こいつ、昼飯はいつ食べてるんだろう… 気を遣う相手でもないので、自分でお茶を淹れて弁当にする。長門にもお茶を淹れてやる。 しばらく無言で弁当を食べていたが、ちらりと長門を見やると目があった。 「どうした、一口食べるか?」 煮物のしいたけを持ち上げてみたが、長門は首を横に振る。 「何か、言いたいことでもあるのか」 「あなたは自分の気持ちがわからないで困っている。そのために大きな間違いを犯しかねない。 行動する前にはよく考慮すべき」 「昨日のことか」 「あなたの性欲の増大が単なる好意や好奇心を恋愛感情と誤解させるレベルにまで達している。 あなたは朝比奈みくるに好意を寄せているが、それは恋愛感情ではないことを認識すべき」 そう言われると確かにそうかも知れない。朝比奈さんは素敵なかわいい先輩で、何者にも代え難い 存在だとは思うが、彼女と一緒にいて楽しいのは長門や古泉、そしてハルヒも一緒であることが 前提になっているような気もする。 「それは否定しないとしても、じゃあ俺は誰のことを好きなんだ? お前か、長門」 冗談のつもりで切り返す。しかし長門は意外な反応を見せた。…顔が赤くなってるぞ。 「…それは…」 俺ははしを置いて席を立ち、長門に近づく。 「お前は俺のことをどう思っているんだ」 「…嫌いではない。でも…」 自分でも大胆な言動に出ていると思う。長門を好きだという気持ちよりも、むしろ長門の反応を 見たくて言っていることが自分でもわかった。これは恋愛感情ではない。 「や、やめて」 長門の正面から手を回し、パイプ椅子の背を両側からつかむ。長門を抱きかかえるような格好に なるわけだ。至近距離で長門を見つめる…ちょっと胸がどきどきしているのがわかる。あくまで 均一な、エラーの一切ない白いきめの細かい肌。びっくりしたように見開いた澄んだ瞳を縁取る 長い、だけど自然なまつげ。頬の赤さが整った顔立ちに映えている。 「かわいいな、長門…」 俺はなんだかよくわからないまま、我慢できなくなって長門に口づけした。長門は口は閉じている ものの、目をつぶって無抵抗のままだ。少し荒くなった鼻息が俺の頬をくすぐる。 「ちょっとあんたたち、何やってるのよ!」 大きな足音と共に突然ドアを開けて飛び込んできたのは…ハルヒだった。俺は弾かれたように 長門から離れ、軽く口をぬぐった。 「べ、別に…長門のほっぺたについていたごはんつぶをとってやってただけだ」 我ながら非常に苦しい言い訳だ。 「…口で?」 ハルヒが疑惑の目で俺たちをにらむ。 「彼の言うことは真実」 長門が助け船を出してくれる。ハルヒはまだ納得がいっていないようだったが、キスしているところを 直接見られたわけではなかったらしく、長門が否定するならこれ以上追及できないと諦めたようだった。 「はん、最近のエロキョンを見てれば、勘ぐりたくもなるわよ。昼休みに逃げるように出て行ったかと 思えば部室で有希と二人っきりなんだから…」 何とかごまかせた。ほっと胸をなで下ろす。 「いや、昨日は混乱のあまりひどいことをしてしまったから、いたたまれなくて」 「そんなこと、あたしじゃなくてみくるちゃんに遠慮しなさいよ」 確かにそうだ。なぜ俺はハルヒを避けたんだろう… 「とにかく、そろそろ昼休みも終わるし、教室に戻りましょ」 ハルヒに促されて俺と長門は部室をあとにした。教室に入るとき、ふと後ろを振り返ると長門が自分の 教室の前でずっとこちらを見ているのと目があった。長門はハルヒを見ていたのだろうか、それとも… 「最近、神人の性行為の回数が増加しています」 古泉が多少苦々しげな顔で漏らす。 「そして、神人の性行為と涼宮さんの欲求不満が相関関係にあることもわかってきました」 やはりそうか… あれ以来、俺は部室で朝比奈さんや長門と情事に耽るようになっていた。とは言っても絶対に ハルヒに見つかってはいけないから、キスをしたり体に触ったりということばかりなのだが。 それでもハルヒは察知しているのだろう。そして…欲求不満を募らせている…? 「では、バイトがあるのでこれで失礼します」 すっかりやつれきった古泉は、俺の方を一にらみして帰って行った。長門も本を閉じて席を立つ。 今日はハルヒが早々に帰ったので、部活はこれでお開きだ。 「じゃあ、着替えるから先に帰ってて」 朝比奈さんが笑顔で言う。 「待ってますよ」 朝比奈さんがうなずいたのを確認して、俺は部室の外でしばらく待った。 「キョンくん、もういいですよ」 部室に入ると、制服に着替えた朝比奈さんがちょっとはにかみながら立っていた。俺は彼女の 肩を抱き寄せ、腰に手を回した。 「…キョンくん」 しばらくお互いの体温を交換し合うと、朝比奈さんが言った。 「キョンくん、私のこと、好きじゃないでしょ」 「…そんなこと、ないですよ」 顔を見ずに答える。 「でも、長門さんとも…」 「今は、何も言わないでください」 「私も、こんなことをしていて許されるとは思っていません。長門さんに対しても、涼宮さんに 対しても…でも、キョンくんと一緒にいると安心するんです」 「俺も、そうです。朝比奈さんと一緒だと落ち着きます。だから、もう少しだけこうさせて ください」 俺は朝比奈さんを抱く手に力を入れた。朝比奈さんも応えるように俺の背中に手を回す。 これで、いいんだろうか… 俺は安心だけを追い求めて、それからも長門や朝比奈さんとの逢瀬を止めることはなかった。 あるときは昼休み、あるときは放課後の部室で…しかし部室の外では二人きりで会うということは しなかったし、キスや抱擁以上の行為に及ぶこともなかった。俺は、迷っているんだと思う。 何をかって? もちろん、涼宮ハルヒのことだ。ハルヒは最近常に不機嫌で、あまり部活にも 来ない。教室で話す回数もめっきり減った。しかし休み時間には何となく彼女のことを目で追って しまうのだ。長門や朝比奈さんと会っているときも、ハルヒが脳裏をよぎるのだ… しかし、現在の状況を壊すだけの勇気は俺にはなかった。もしかすると俺はハルヒのことが 好きなのかも知れない。ハルヒも…そうかもしれない。かもしれない、かもしれない… それよりも決して俺を拒絶しない長門や朝比奈さんと、甘い、温かい一時を共有する方がずっと 楽で、心地いいじゃないか。 古泉がまったく部室に顔を出さなくなって一月ほどたった。最後に会ったとき、彼は機関でも 悲観論が大勢を占めるようになったとか言っていたが、もうこの世の終わりが近いのかもしれない。 だがそんなことは俺の知ったことではない。俺は世界を破滅させる神に背を向け続けるのだ。 BAD END
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G 【投稿日 2006/03/09】 カテゴリー-現視研の日常 「あ、前も言いましたけど自前っすよ、自前」 衝撃コスプレから半年、またしてもクッチー独りコスプレ大会を目撃してしまった。 夏休み明けのげんしけん部室は、気まずい空気に包まれていた。 しかしあえて空気を読まないクッチーは、むしろ大野にコスプレ語りをしている。 「やー、学祭のコスプレ大会?楽しみでアリマス!」 「私、新宿のショップで買っているんですが、大野会長は田中先輩の手作りで良いですよね」 「ワタクシも下、田中さんに直接頼んでみたいものですにゃ~。ははは」 「着たいもの優先で、どんな系統のが似合うかは二の次なんですが!」 大野は辟易してしまい、返事は返せないがスルーも仕切れずダメージを受けている。 コスプレにポリシーが有るので、やってることの相違には言いたいことは多々ある が、コスプレすること自体は否定できない。学祭でどうクッチーを封じたものか…。 何といったら良いものやら。 「あうぅ……(汗)」 荻上に助けを求める視線を送ってみるが、荻上は冷や汗をかきながら ノートに鉛筆を走らせている。 あえて大野と朽木の方を見ないようにしている。 『う、恨みますよ、荻上さん―――!!』 『無理無理、無理です!!』 心の声はクッチー以外には丸聞こえだが、残念ながらこの場には3人しか居ない。 「荻上さん―――わ、わたし帰りますね!ちょっと用事が!」 現視研でまったり過ごす時間のはずだが、大急ぎで帰っていく大野だった。 残された荻上は、何やら漫画教則本を読みながらノートに向かっている。 朽木は話しかけるネタが何も出てこず手詰まりだ。 『ゲームの選択コマンドが表示されないバグでしょうか!?(汗)』 「…………。」 「お、オギちんは帰らないんですか?」 「…今日は、笹原さんが研修明けで部室に来るって事なので待ってますよ。」 「………あ、そうなんですかァ。なるほど――――」 『そ、それってもう付き合ってるって事ですか?私、情報に乗り遅れですか?疎外感ですか?』 「ワタクシ、ちょっとはばかりに…。」 『居るのも野暮というか、お邪魔かにゃ~。その場に居るのも気まずいですし』 トイレへの逃避行。とりあえずの、逃げの一手を打ってみる朽木だった。 が、鞄を持って出ている。これは帰っているんじゃないのか? 独りきりになった荻上は、慣れたものだという様子で過ごしている。 『朽木先輩と二人きりなんて、さすがにまだキツイしなぁ……』 教則本のページをめくる。 『笹原さん、泊まりで研修だったから会うの久しぶりだなぁ』 そして鉛筆がちびている事に気付き、鉛筆削りを持ってゴミ箱へ移動。 くるくると回すと、ガリガリという音が部室に響く。 『んー、照れくさいというか……どんな顔して会うべか』 ちょっと赤面してくるうちにも、鉛筆は削り終わった。 席に戻ると、何やら新しい構図表現に挑戦し始めた。 笹原のこともすぐに頭から消えて、部室で独りの時間を過ごす。 いつのまにか少し部室が暗くなった気がした。 荻上は立ち上がって、壁のスイッチを押して部屋の照明を灯すと、 何かの気配を感じた。 上の方で何か動いたような……でもただのシミですよね? 天井に楕円形の黒いもの。 『ああ、なんだゴキブリか。霊とかじゃなくて良かった。。。』 荻上は、そのまま席に戻りかける。 「―――!!」 じゃなくって!!奴が居たのだ。 ぐるっと振り返って、見るもおぞましい奴を確認する。 立派に黒く、しっかりと触覚が揺れている。 『う、動いてる、すぐ頭上で!?○△×※□……』 自分が動くとゴキブリも動く気がして、固まってしまう荻上。 その目はぐるぐると渦を巻く。 1分、あるいは5分も静止していただろうか。 荻上の頭の中では会議が開かれて、議論が継続中だった。 A『荷物をまとめて部室から逃げるのよ』 B『荷物をまとめるなんて悠長なことは言ってられない!即刻退避!』 A『笹原さんに電話をして呼ぶのは?』 C『久しぶりで「ゴキブリ退治に至急来て」ってロマンチックさの欠片もない…萎えるわぁ』 B『それより奴を殺さないと、明日から安心して部室が使えないではないか!』 A『じゃあ、スプレー買って来るか、叩く物を作るの?』 B『馬鹿!叩いたら中身が……中身が出るじゃない!それにスプレーは油で本とか汚れるし』 C『私はアイツに、丸めた雑誌ぐらいまで近づけないですよ』 A『……どうしたもんだべか?』 B『攻撃方法を考えるんだ!長いホウキで窓から追い出すんだ!』 「可決!」 小さくつぶやくと、荻上は天井のゴキブリから目を逸らさず、 慎重に窓を開け、隅に立ててあるホウキに手を伸ばす。 ホウキを動かすと、ゴキブリもあらぬ方向へ移動し始める。 「ああっ!」 棚の後ろに逃げられては元も子もない。 「えいっ、えいっ!」 必死でホウキを振るう荻上の勢いにやられたのか、ホウキの毛にゴキブリが絡まる。 いや、しがみついている感じだ。 『今しか無いっ!!』 獣の槍を手にした少年のような鋭い眼差しでホウキを操る荻上。 ホウキの先を窓から出すと、ブンブンと振るう。 ぽろりっ。 「やた、やったっ!」 ゴキブリは見事、落ちていった。 晴れやかな笑顔で溜息をつく荻上だったが。 『なっ、ナニぃぃぃ!!』 天井と、部室の扉に2体のエネミー発見。 「ヒィ…………」 荻上の目に涙の粒が浮かぶ。 しかし涙目のまま、ホウキで特攻を敢行してしまう。 結果は当然、目標ロスト……。 『う、動いたら殺られる!?』 ホウキをを両手で胸に抱えたまま、立ち尽くす荻上だった。 ガチャ。 「ちはー」 ドアの陰から顔を覗かせたのはシャツにネクタイ、スラックス姿の笹原だった。 「さ、笹原さぁ~~~ん………」 首をぎぎぎと入り口に向ける、青い顔の荻上が見えた。 「……?あれ?どうしたの?」 苦笑しつつ普通に部室に入ってくる笹原だったが 「駄目です!今……今、アレが居ます!黒い悪魔が―――!!」 ホウキを抱えたまま、笹原の傍に駆け寄る荻上。 「黒い悪魔?うーん、ひょっとしてゴキブリ出たの(苦笑)?」 上着と鞄を机の上に置くと、笹原は腕組みをした。 「はい……1匹はホウキで出したんですけど、さらに2匹出て……消えました」 「あ、上に……!」 机の上に有った先月のエロゲ誌を丸めると右手に構える笹原。 「だっ駄目ですよ!中身が出るじゃないですかっ!」 「えーーー(苦笑)それじゃどうするの?」 「さっきはホウキで窓から出しました」 「じゃあホウキ貸して(苦笑)」 手を伸ばす笹原。荻上の手の上を握ってしまう。 「あっ」 少し赤くなる二人。荻上は視線を逸らして照れている。 ベタベタバカップルへの道は遠い。 気を取り直してホウキを構える笹原。 「無残殺虫ホイホさんでも有ればなぁ」 などとマイナーな殺虫メカのネタを呟く。 もっとも、春にクッチーがコスプレしていたのも、そのライバル であるコンバッツさんなのだが。 とりあえず、天井に居るターゲットに向かってホウキを伸ばす笹原と 不安げに両手を胸の前に組み、それを見守る荻上。 その時、不意にゴキブリが飛んだ! 荻上の方に向かって一直線――――。 「きゃーーーーーーーっ!!!」 「荻上さんッッ!」 普段はそう声も高くないが、叫び声は甲高い荻上の悲鳴が サークル棟にこだまする。 荻上が目を覚ますと、床の上で笹原に抱き抱えられていた。 『うわーーー大胆……でねくて!』 「あ、あの、笹原さん?」 「…だ、大丈夫?窓から落ちそうだったから」 「ありがとうございます。アレは、奴はどうなりました?」 「うん、窓から飛んで出て行ったのが見えたよ」 「ホントですか?……よかった」 「やー、でもあと1ぴ――――」 ガチャり。 「大丈夫でありますか!?」 何故か近くに居たらしき朽木が、部室に入ってきた。 「――――やや!?こっ、これは失礼しました……」 「「ちがーーーう!!」」 笹原と荻上はハモって否定すると、大急ぎで立ち上がる。 「ゴキブリが出てね、荻上さんに向かって飛んだから」 笹原はやや必死に説明をしかける。 その説明に耳を傾けつつ、あごに手を構えてポーズを作り、朽木がゆっくりと歩む。 「そうでありマスカ」 ペキッ。 「「「ぺきっ??」」」 3人が朽木の足元に目をやると、靴の端から見える、黒い触角と脚。 顔をあわせて固まる3人だった。 後日、ゴキブリの巣は発見された。 田中が去年の夏にクワガタを買おうとした飼育ケースが ロッカーの上の奥に有り、中のものは時間の経過で ゴキブリの巣に変換されていた。 「やー、自然の驚異だねぇ……」 田中にしては珍しい失敗だ。誤魔化して笑うしかない。 「あれ以来、ワタクシの二つ名が『一撃殺虫』とか言われますし 荻上さんが何か前より距離を置くんですよ……」 流石に落ち込む朽木。 「すみません!けど、アレを思い出してしまって!」 テーブルの向こうで荻上が叫ぶ。 「お詫びに、学祭用に衣装を朽木君にも1着作るよ」 「それじゃあ無残殺虫ホイホさんのメイドVer.で―――」 「懲りてないのかよ!!」 笹原、斑目、大野のツッコミを受けて、してやったりの朽木だった。
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1 2 2010/7/11 元ネタ・参考:マリオRPG http //yutori7.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1278807890/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る ペーパーじゃないマリオのRPG新作出してくんねぇかなぁ〜 ペーパーも嫌いじゃ無いけどやっぱこっちが好きだわ -- (名無しさん) 2021-07-20 18 44 49 元ネタ知らなくても支離滅裂さと書き方の可愛さに楽しめた。 -- (名無しさん) 2015-11-17 23 05 29 クッソワロタ -- (名無しさん) 2012-06-15 20 18 03 懐かしい上に、いちいちかわいいな・・・ -- (千葉の男) 2011-12-25 12 35 37 しかし元ネタわからんと意味不明だろうな… -- (名無しさん) 2011-12-24 00 50 32 元ネタ分かる人はクスリとせずにいられないはずだ -- (名無しさん) 2011-12-23 00 36 12 懐かしすぎてなんか染みるな… ジーノかっこいいよジーノ -- (名無しさん) 2011-12-20 21 37 48 律「」ピカーッ 唯「輝けりっちゃん!!」 ふういんはしかたなくとけた 仕方なくかよw -- (名無しさん) 2011-12-20 04 39 35 マリオRPG -- (名無しさん) 2011-12-19 23 24 31 これ元ネタゲーム系っぽいけど、何? -- (名無しさん) 2011-12-19 23 21 13