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一般情報 トンちゃん 2期2話から登場。軽音部が部室の備品を購入しに行ったホームセンターで売られていた子ガメで、品種はスッポンモドキ。 部室にあったさわ子の古いギターを売ったお金で1つだけ何か買ってもいい、とさわ子に言われ、唯の提案(と言うよりは勘違い)により梓の後輩の新入部員としてアクアリウム設備付きで購入。梓よりも唯の方がとても気に入っており、唯曰く「鼻にピーナッツを入れたくなる可愛さ」とのこと。 性格は非常に大人しく、賢い面を持つ。つぶらな瞳と大きな鼻の穴がチャームポイントで、軽音部のマスコットキャラクターとして愛されている。 主に梓と紬がエサや掃除などの世話をしており、夏休みの間は梓が家に連れ帰って世話をしている。 検索結果一覧 取得中です。
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1.プロローグ 2月上旬のある日のこと。 それは、SOS団団員にして文芸部長兼コンピ研部長たる長門有希の唐突な宣言から始まった。 「あなたがたに勝負を申し込みたい」 唖然とする俺たちに対して、長門は淡々と説明した。 長門を含むコンピ研 vs 長門を除くSOS団(名誉顧問を加えてもよいとのことだった)。勝負は、去年やった宇宙戦闘ゲーム The Day of Sagittarius 3 を大幅に改良した The Day of Sagittarius 4 で行なわれる。 賭けるものも指定してきた。 コンピ研側が勝った場合には指定する日に一日限定でSOS団団長権限を長門に委譲、SOS団側が勝った場合にはデスクトップパソコンを一台進呈する、とのことだった。 堂々たる果たし状であり、こうまで言われて、ハルヒが応じないはずもない。 「相手が有希だからって、容赦しないわよ!」 「望むところ」 長門もやる気満々のようだ。 こいつもすっかり人間らしくなって結構なことだが、よりによってハルヒに喧嘩をふっかけることはないと思うのだが……。 そうはいっても二人ともやる気満々では、もはや止めようもなく、一週間後に勝負が行なわれることは規定事項となった。 その後一週間、長門を除き名誉顧問を加えたSOS団の面々は、放課後にゲームの練習にいそしんだ。 朝比奈さんも鶴屋さんも受験の真っ只中というのに、まことに申し訳ない。 俺が謝ると、 「気にしない、気にしない。たまの息抜きにはちょうどいいさっ!」 鶴屋さんは笑ってそうおっしゃってくださった。 本当に心の広いお方だ。 で、勝負を賭ける The Day of Sagittarius 4 だが、前作との変更点がいくつかあった。 完全3D化された三次元空間での戦闘。索敵艇の設定は廃止され、マップ全体が最初から見える状態。前回のコンピ研側のインチキであるワープはなし。 パラメータ100を攻撃、スピード、防御に振り分ける設定はそのままだが、ゲームの途中でも任意にパラメータ配分を変更可能。前回長門がコンピ研を苦しめた分艦隊モードも健在だ。艦隊は双方5個ずつで、全滅するか総旗艦を撃破された方が負け。 取扱説明書には他にもいろいろと書いてあったが、主なところはこんなもんだろう。 そして、一週間はあっという間に過ぎ去った。 2.決戦 勝負の日の放課後。 戦いの舞台は、整えられていた。 コンピ研帝国連合艦隊は、総旗艦を有する「ユキ総統閣下艦隊」を筆頭に、「総統閣下の下僕A艦隊」、「総統閣下の下僕B艦隊」、「総統閣下の下僕C艦隊」、「総統閣下の下僕D艦隊」。ネーミングセンスについては、とやかくいうまい。 対するSOS帝国連合艦隊は、総旗艦を有する「ハルヒ皇帝陛下艦隊」を筆頭に、「名誉顧問閣下艦隊」、「古泉くん艦隊」、「みくるちゃん艦隊」、「雑用係艦隊」。なんか俺の扱いが前回よりも悪いような気がするんだが、気のせいか? 戦闘意欲満々のハルヒの横顔を眺めている俺の耳に、開戦のファンファーレが鳴り響いた。 さて、どうなることやら……。 コンピ研部室……。 「各艦隊、制御キーを総旗艦に委譲せよ」 長門有希は開戦と同時にそう命じた。 「「「「了解!」」」」 4人の下僕たちは、すぐさま命令に従った。 長門有希は、制御キーの委譲を確認すると、猛烈な勢いでキーボードを叩き始めた。 彼女は、たった一人で5個艦隊を操ろうとしていた。 文芸部室……。 開戦と同時に、敵艦隊は連携のとれた積極的な機動で、SOS帝国連合艦隊を翻弄した。 「敵は、こちらを分散させて各個撃退する作戦のようですね」 古泉が敵の動きをそう分析した。 「この動きは人間技じゃねぇぞ」 「長門さんが全艦隊を一人で制御しているのかもしれません」 「そんなことが可能なのか?」 「ええ、取説にも書いてありました。各艦隊が制御キーを総旗艦に委譲すれば、総旗艦から全艦隊の直接制御が可能となります。前回の分艦隊モードの拡大版といったところですか」 「長門なら、それぐらいはやりそうだな」 画面を見ると、敵の思惑どおりというべきか、SOS帝国連合艦隊は、各艦隊がバラバラに分散しつつあった。 コンピ研部室……。 長門有希は、敵艦隊を意図通りに分散させたことを確認すると、キーパンチのペースを緩めずに、淡々と命令を下した。 「制御キーを各艦隊に返還した。各艦隊は、各個、対面する敵艦隊を殲滅せよ」 「「「「了解!」」」」 文芸部室……。 戦況を簡単に述べれば、広大な宇宙空間の5箇所において、それぞれ一対一の殴り合いが行なわれているといったところだった。それぞれの戦場の間には距離があって、相互支援ができるような状態にはない。 俺の雑用係艦隊は、目前の敵D艦隊を相手にするのが手一杯で、他に手が回らない。 「手ごわいですね」 古泉はいつものスマイルを浮かべたままそんなことをつぶやいていた。 善戦はしているようだが、敵B艦隊を相手にじりじりと残艦を減らしている。 「はわわわ……」 朝比奈さんは、残艦が急激に減っていく様子にただおろおろとするばかり。 「有希っこは容赦ないね。燃えてくるさっ!」 鶴屋さんは、敵A艦隊を相手に大立ち回りを演じている。 この人は、何をやらせてもすごい人だな。 「さすが有希ね! 正々堂々と勝負よ!」 ハルヒ皇帝陛下艦隊の状況を画面で確認する。 ユキ総統閣下艦隊は分艦隊モードで20個に分裂し、ハルヒ皇帝陛下艦隊を袋叩きにしていた。 そして、長門の総旗艦がハルヒの総旗艦めがけてぐんぐんと距離を縮めていた。 長門は、総旗艦同士の一騎打ちで一気に片をつけてしまう気だ。 ビーム砲の射程に入ってしまったら、ハルヒの総旗艦は、長門の精密な射撃であっという間に撃破されてしまうだろう。 俺は、雑用係艦隊のパラメータ配分を変更した。攻撃0、スピード100、防御0。 そして、旗艦を先頭に、ハルヒ皇帝陛下艦隊とユキ総統閣下艦隊が戦う戦場へと、猛突進を開始した。 今から思えば、なぜそんなことをしようと考えたのか、よく分からない。 コンピ研部室……。 「D艦隊、敵雑用係艦隊の動きを阻止せよ」 「駄目です! 振り切られました! 追いつけません!」 D艦隊は、敵雑用係艦隊を半分まで減らしたところで、完全に振り切られた。 敵雑用係艦隊のスピードは100。D艦隊のスピードを今から100に上げたところで、永久に追いつけない。 それが、あなたの気持ちか……。 長門有希は、心の中でそうつぶやきつつ、自艦隊のパラメータを変更した。攻撃10、スピード70、防御20。 敵総旗艦を撃破する前にやられてしまっては元も子もないので、それがギリギリの数字だった。 果たして、間に合うか? 文芸部室……。 間に合えぇー! 俺の心の叫びは、どうやら天に通じたようだ。 敵総旗艦がハルヒの総旗艦を射程に収める直前に、敵総旗艦に俺の雑用係艦隊旗艦が突っ込んだ。 盛大に衝突する。 これじゃ、まるで昔の神風特攻だな。 「ハルヒ、俺に構うな! 撃て!」 「えっ!? でも……」 こんなときに限って躊躇するなよ。らしくもない。 結局攻撃したのは、いつの間にかこの戦場に到達した古泉の艦隊だった。 俺の旗艦が突き刺さったまま身動きがとれない敵総旗艦は、ビーム砲を雨あられと浴びせられ、撃破された。 You! Win! そう表示されて、画面がブラックアウトした。 俺は古泉の方を向き、 「おまえ、いつの間に」 「あなたの動きを見て、すぐに意図を察しましてね。速度優先にパラメータを変更して、馳せ参じたというわけです」 古泉は、何かいいたげなニヤケ顔でそう答えた。 そのニヤケ顔はなんかむかつくからやめろ。 コンピ研部室……。 「このたびの敗戦の責任はすべて指揮官である私にある。よって、献上するパソコンの費用は私が出す」 長門有希は、淡々とそう宣言した。 「そんな! 何も部長ばかりが悪いわけじゃありません! 俺たちがもっとしっかりしていれば……」 副部長の言葉を、彼女はさえぎった。 「いい。あなたたちには、私のわがままに付き合わせてしまった。申し訳ない」 彼女はそういい残すと、部室を去っていった。 その後姿があまりにも寂しそうで、誰も声をかけることができなかった。 3.エピローグ あれから数日後、俺と古泉は、部室でオセロ対戦をしていた。 女子団員三人は、先に帰った。長門の部屋で明日の準備をするそうだ。 明日は、2月14日。 今年は、どこの山をほじくり返すことになるのやら。あるいは、マリアナ海溝にでも潜らされるハメになるのかもしれん。 「ところで、先日のゲーム対戦、あなたの最後のあの行動ですが。どうして、あんなことをしようと思ったんです?」 古泉が唐突にそんなことを聞いてきた。 「ゲームに負けてハルヒの機嫌が悪くなったら、いろいろと都合が悪いだろうが。おまえだって、例の灰色空間に行かずにすんだんだから、感謝の言葉ぐらいほしいところだな」 「ええ、その点については感謝しておりますよ。でも、理由はそれだけですか?」 「何がいいたい?」 「あのような事態がゲームではなく現実の世界で起きた場合でも、あなたは同じような行動をとったのではないかと思ったものでね」 「おいおい、勘弁してくれよ。あれはゲームだったからだ。現実では絶対やらんぞ。俺だって命は惜しいぜ」 「まあ、そういうことにしておきましょうか。それにしても、長門さんは一日団長になって何をしたかったんでしょうね?」 「さぁな。いつも団長様の理不尽な命令に従わされてばかりだから、たまには命令してみたくなったんじゃないのか?」 一方、三人娘は、長門有希の部屋でチョコレート作りに励んでいた。 「ねぇ、有希」 「なに?」 「有希さ、一日団長になって何がしたかったの?」 長門有希は、長い沈黙のあと、ぽつりともらした。 「…………団員その一」 涼宮ハルヒは思わず顔をあげて、長門有希を見る。 「……彼と明日一日をともにすごしたかった」 涼宮ハルヒは、唖然としたまま固まった。 朝比奈みくるも、目を見開いて驚いている。 「私は負けた。だから、その願いはもうかなわない」 「で、でも! そんなチャンスなんて何回だってあるわよ! 有希はいい子なんだし、あいつだって!」 涼宮ハルヒは内心の動揺を隠すようにそう叫んだ。 「あなたも、そろそろ正直になるべき」 長門有希はあくまで淡々と、核心を突くセリフを吐いた。 「……」 「大丈夫。あのゲーム対戦での彼の最後の行動。あれは、紛れもなく、彼のあなたへの気持ちそのもの」 「有希……」 「女子団員三人が共同して男子団員二人にチョコレートを贈呈するのは、今年を最後とすべき。来年は、あなたが彼にあげればいい」 翌日、男子団員二人がどれだけ苦労して、チョコレートを探し当てたかという詳細については省略する。 一連のイベントが終わったあと、長門有希は、北高の部室棟にいた。 文芸部室の前を通り過ぎ、コンピ研部室に入る。 手にしていた大量の手作りチョコをテーブルの上においた。 部員たちの視線が集中する。 そして、ぽつりと一言。 「あげる」 しばし唖然としていた部員たちは、ハッと気が付くと、全員が一斉に最敬礼し、学校中に響き渡らんばかりの大声で叫んだ。 「ありがとうございます!!!」 昨年までバレンタインデーなど無縁であった男子部員たちは、感涙にむせび泣きながら、チョコレートを味わった。
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将棋部では随時新入部員を募集しています!新たに入部を希望される方は、以下の方法で連絡を下さい。 ①Twitterアカウントに対してリプライまたはDMを送る。 ②新入生勧誘冊子に掲載されているメールアドレスか携帯番号に連絡を送る。 ③直接部室にお越しになる(常に開室しているとは限りませんのでお勧めはいたしません)。 その上で一度部室でお会いして部活動の簡単な説明(活動目的、入部後のスケジュール、部費について等)をさせて頂いて、活動の趣旨をご理解して下さった方に入部していただこうと思います。 私どもの将棋部には初心者も多いですし、0Bには県代表クラスの高段者もおります。将棋に興味があるならどのような棋力の方でも大歓迎です!1人でも多くの方の入部をお待ちしております。
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自由にコメントをどうぞ。 ご意見、要望などもここで受け付けます。 が、管理人多忙の為ご期待に添えられるかどうかはわかりません。 ワイルドショウスーシーの牌譜あったんで貼っときますhttp //tenhou.net/0/?log=2009041208gm-0061-0000-3df38fec tw=0 ts=4 -- 固定リスナー (2009-05-18 16 54 33) こっちはダイスーシーhttp //tenhou.net/0/?log=2009050804gm-0089-0000-b32a775d tw=3 ts=3 -- 固定リスナー (2009-05-18 17 00 07) 固定リスナーさん ありがとうございます!!さっそく追加させていただきますね。 -- 量産型 (2009-05-18 19 39 09) 三号目スーアンですhttp //tenhou.net/0/?log=2009061805gm-0061-0000-d508bd26 tw=3 ts=9 -- 固定リスナー (2009-06-19 23 52 24) 固定リスナーさん ありがとうございます!最近長時間の視聴が出来ないので助かります。 -- 量産型 (2009-06-20 05 46 43) お疲れ様です。役満リンクお願いします。http //www.youtube.com/watch?v=VSV7oJ5cKbw 一応こちらも貼っときます。http //tenhou.net/0/?log=2009071902gm-0061-0000-b44b15b3 tw=1 ts=1 -- 部室 (2009-07-19 18 24 33) 部室さん 動画編集お疲れ様です、作業が遅れて申し訳ありません。牌譜の方もありがとうございました。 -- 量産型 (2009-07-21 00 55 27) 役満リンクお願いします。http //www.youtube.com/watch?v=ZwUnP0RNges -- 部室 (2009-08-28 09 38 33) 久々に覗いたけど雰囲気全然違っててがっかりした -- 名無しさん (2009-09-25 12 21 03) 名前 コメント
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1 澪梓 2010/11/02 http //yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1288691096/ 戻る 名前 コメント すべてのコメントを見る これは澪ちゃんじゃなくて澪さんだわ -- (名無しさん) 2014-11-16 19 23 41 澪、ちょっと詰めが甘かったねw でも、澪が梓にリップ塗るシーン、なんか感応的というか、絵を想像すると非常に美しいというか。 非常に萌えですな。 -- (名無しさん) 2013-04-30 22 05 27 食わず嫌いだったということか。 初めて呼んだが、澪のカッコよさが際立つ名品だな。 ムギの「斉藤ォーッ!!!!!!しくじったわね!!!」が最高ォー -- (名無しさん) 2012-11-28 20 59 58 ムギwwww やっぱり澪梓は原作寄りだからいいな -- (スミーレ) 2012-11-28 00 35 14 これは惚れますわ -- (名無しさん) 2012-10-07 03 42 39 これはいい -- (名無しさん) 2012-06-11 00 28 53 斎藤「これが試合に負けて勝負に勝つということですぞ、お嬢様。」 -- (名無しさん) 2012-05-15 21 57 49 イケメン澪ちゃん プリティーあずにゃん -- (名無しさん) 2012-05-15 00 05 36 ムギ、荒ぶり過ぎwww -- (あずキャット) 2012-04-29 10 59 12 何度見てもいい -- (名無しさん) 2012-04-28 18 36 30
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このページはこちらに移転しました 猫の惑星 作詞/カリバネム ※惑星をホシと読むのは人類最大の発明です 春に追われて死にたい あの子は部室で交尾中 変な名前のエナジー 浮かべた真昼の朝霞台 不思議重ねて八年 僕の頭の夜光虫 甘い香りで捕まる ベルギーワッフル中毒者 誰も知らない 恋の終わる惑星 さよなら三角 また来て四角い愛情 鈴を鳴らす 君を追いかけて 前よりも強く鳴く 秘密暴いた夕焼け 切り札見せなよ麻酔銃 君と犯した過ち 最後のひとつが落っこちた 僕も知らない 恋の終わる惑星 邪悪な魂 探した儚い純情 涙枯らす 君を追いかけて 弓なりの道を行く 誰も知らない 恋の終わる惑星 さよなら三角 また来て四角い愛情 鈴を鳴らす 君を追いかけて 前よりも強く鳴く 鈴を鳴らす 君を追いかけて 前よりも強く鳴く 春に追われて死にたい あの子は部室で交尾中
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放課後。 俺は部室へ向かった。 もちろん、昼休みに泉達に来るように言っといてある。もっとも、俺が呼ぼうが、呼ばまいが、彼女達は勝手にやってくるのだが。 朝比奈さんは委員会で少し遅れるそうなので、俺はノックもせずに部室のドアを開けた。 部室には11月にも関わらず、暑苦しく感じるスマイルを浴びせる古泉と、いつもの様に本を読んでいる長門がいた。 「お前ら2人だけか」 「何かご不満でしょうか?」 「いや、むしろお前らが2人揃ってないと身の危険を感じる。ハルヒが何かやらかしてる証拠だからな」 「それはごもっともです。安心して下さい。涼宮さんは今のところ、かなり落ち着いています。泉さん達が加入したことでSOS団は盛り上がっていますからね」 「盛り上がっている」といっても古泉のゲーム相手が増えたこと(主につかさ)と読書家が増えたこととパソコンの使い道が増えたことぐらいじゃねえか。 「良いんですよ。涼宮さんはそれで満足しているんです。入学したての頃に比べると、実に平和的、現実的ではないですか」 「まあ、それはそうだが…」 俺が危惧しているのはいわゆる「嵐の前の静けさ」ってやつなんだが、それは杞憂なのだろうか。 「杞憂とまではいきませんが、可能性がないとは言えません。ですが、あなたが例え無意識下であっても、それを考えていれば最悪の事態は避けられます」 そうだといいんだがな…。 なかなかハルヒは来ない。 俺が古泉と、咲かせたくもない花を咲かせてしばらくすると泉がやってきた。 「ほっほ~い。お待たせ~。あれ?キョンキョンとながもんとイッキーだけかい?ハルにゃんとみくるちゃんは?」 「おう、泉。かがみ達は?」 「もう少ししたら来るよ~。黒井先生の手伝いがあるんだって」 「そうか。見ての通り、団長様はまだお見えになってないぜ。あいつのことだから、また何処かで至らないことでもしてるんだろうよ」 「むぅ~。だったらかがみ達と来れば良かったかなぁ…。仕方がない。イッキー、オセロでもしない?」 「僕でよければ」 「よっしゃ。キョンキョンとやると必ず負けるからねぇ。あたしが楽しめないよ」 「お前、勝てる勝負じゃねえとやらないのか」 「違うよ~。ギリギリの接戦とかならまだしも、キョンキョンは一方的じゃないかぁ。この前もあたしが四隅取ったのにキョンキョンが勝つし…」 「あれはお前のやり方が悪いじゃねえか」 「いいや。あれはキョンキョンが悪魔だった瞬間だよ。さ、イッキーやろう!」「分かりました。では泉さん、お手柔らかにお願いします」 「こっちこそ負けないからね!」 やれやれ。 俺もすることがないので、2人の対戦をしばし見ることにした。 部室は平和だった。 「うーす」 「来たよ~」 「遅れてすみませんでした」 しばらくして柊姉妹と高良さんが来た。 古泉と泉の泉オセロ対決は三回戦を迎え、泉が全勝していた。 「よっ、結構遅かったな」 「仕方ないのよ。黒井先生がなかなか離さなくてさ…。」 「お姉ちゃん、先生と話盛り上がってたよねぇ」 「ち、違うわよ。あれは先生が…」 「そういえば、涼宮さんはどうされました?」 不意に高良さんが話を切った。 「まだ来てないんだ。あいつは気まぐれなところもあるからな…しばらくすれば来ると思うが…」 「そうですか」 「全く…人を呼びつけておいて、本人がいないなんて…とんだ団長様よね」 かがみが呆れて溜息をつく。 ちょうど、その時。 コンコン。ガチャ。 「あ…皆さん、お揃いですかぁ?」 ついに来たというべきか、この部室のェンジェール、朝比奈さんが可愛らしくドアを開けた。 「ハルヒだけいないがな」 「ハルヒだけいないわよ」 ……俺とかがみの言葉がハモった。 「…………」 空気が止まった。 「あ、そ、そうなんですかぁ。良かったぁ。私、遅れてしまったかと思ってたんです」 朝比奈さんが、この妙に気まずい空気を取り払おうとしてたが、焼け石に水だ。 「そんなに照れなくてもいいではないか、かがみんよ」 「う!うるさいわね!別に照れてないわよ!」 「無理なさるなよ。ほっほっほ」 どこの長老だ、お前は。 「でも人と言ったことが被るのって、何か恥ずかしいよね」 「そうですね、特に男女関で起こった場合は気まずくなったりしますね」 「別に狙ったわけでもないのにね」 「かがみんは狙ってたんじゃな~いの?」 「バッ…!そんなわけないじゃない!」 かがみの顔がさらに赤くなる。 全く、確かに気恥ずかしいが、それぐらいのことで赤くなるなよな。 部室内の空気が程良くほぐれた頃、けたたましくドアが開いた。 「みんな~来てる?」 我らが団長様、ハルヒだった。 いや、なんて平和なんだろう。平穏だったのだろう。この時までは確実に平和だったのだ。 しかし、泉達も交えた市内探索。 これがこの平和をぶち壊す鉄槌になるとは、俺はもちろん、古泉も、長門も、当然の如く、ハルヒも知らなかった。 作品の感想はこちらへどうぞ
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「先日の閉鎖空間で、大変興味深い現象が観察されました」 「ほう、どうしたんだ一体」 「一度に2体の神人が出現し、しばらくは周囲を破壊していたのですが…」 古泉はそこで言葉を切り、うつむいた。 「その後、その2体で生殖行為類似の行動に出たのです」 「神人にも性別があるのか」 俺は軽く驚いた。 「いえ、少なくとも外部から観察した限りでは性器のような器官はないようですが」 「ハルヒが欲求不満になっているということなのか」 「…わかりません。わかったとして、それをあなたに伝えることがどんなことを意味するか、 あなたもおわかりですよね?」 あまり考えたくはないがな… その日は一日、なんだか意識してしまってハルヒの顔を正面から見られなかった。 「なによ」 「いや、なんでもない」 「…あっそ」 こんな調子で、ハルヒが…その、なんだ。俺を求めているとは到底思えないのだが。 まったく女心というのはよく分からない。それは俺だって健康な男なんだし、性欲がないと 言えば嘘になる。しかし俺にだって選択権はあってもいいじゃないか。第三者に決められた 相手と恋愛するのはしゃくだ。それは相手にとっても失礼になるようにも思う。 …いや、これらすべてがハルヒを避けたいがための理屈なのかもしれないし、逆にハルヒを 好いていることの照れ隠しなのかもしれない。女心だけでなく自分の心もよく分からない… あまり深く考えすぎていつの間にか朝比奈さんの胸を揉んでいたことに、俺は気づいて いなかった。 「キョ、キョンくん…あ、だめぇ」 「ちょっとキョン? なにやってんの!」 柔らかく温かな朝比奈さんの乳房は、しかし何の解答も示してくれなかった。 結局、疲れすぎて朝比奈さんの胸がボールに見えた、という理屈でどうにかその日はしのいだ。 まあハルヒは納得しなかったので頬に2、3発張り手を食らったのだが…朝比奈さんは顔を真っ赤に していたが、特に泣いてしまったりということはなかったので安心した。帰り際に 「あんなこと、涼宮さんの前じゃダメですよ、ね?」 と耳打ちされたのにどきっとしたことは、絶対にハルヒにばれちゃまずいよな… 古泉もあきれていたようだが、 「あなたにも恋愛の自由はある、というのが僕の考えです。しかし今回の件はさすがにもう少し 考えていただかないと」 と、いつもよりは多少真剣な面持ちで言われただけだった。 長門は終始無言だった。ハルヒがどんな反応をするか、それだけが観測できればいいのだろうか。 次の日、ハルヒはちょっと不機嫌だった。やっぱり昨日のことが尾を引いていると見るべきだろう。 俺はハルヒを刺激しないように、昼休みになるとすぐ弁当を持って部室へ向かった。 「長門だけか」 案の定昼休みの文芸部室には読書する長門しかいなかった。こいつ、昼飯はいつ食べてるんだろう… 気を遣う相手でもないので、自分でお茶を淹れて弁当にする。長門にもお茶を淹れてやる。 しばらく無言で弁当を食べていたが、ちらりと長門を見やると目があった。 「どうした、一口食べるか?」 煮物のしいたけを持ち上げてみたが、長門は首を横に振る。 「何か、言いたいことでもあるのか」 「あなたは自分の気持ちがわからないで困っている。そのために大きな間違いを犯しかねない。 行動する前にはよく考慮すべき」 「昨日のことか」 「あなたの性欲の増大が単なる好意や好奇心を恋愛感情と誤解させるレベルにまで達している。 あなたは朝比奈みくるに好意を寄せているが、それは恋愛感情ではないことを認識すべき」 そう言われると確かにそうかも知れない。朝比奈さんは素敵なかわいい先輩で、何者にも代え難い 存在だとは思うが、彼女と一緒にいて楽しいのは長門や古泉、そしてハルヒも一緒であることが 前提になっているような気もする。 「それは否定しないとしても、じゃあ俺は誰のことを好きなんだ? お前か、長門」 冗談のつもりで切り返す。しかし長門は意外な反応を見せた。…顔が赤くなってるぞ。 「…それは…」 俺ははしを置いて席を立ち、長門に近づく。 「お前は俺のことをどう思っているんだ」 「…嫌いではない。でも…」 自分でも大胆な言動に出ていると思う。長門を好きだという気持ちよりも、むしろ長門の反応を 見たくて言っていることが自分でもわかった。これは恋愛感情ではない。 「や、やめて」 長門の正面から手を回し、パイプ椅子の背を両側からつかむ。長門を抱きかかえるような格好に なるわけだ。至近距離で長門を見つめる…ちょっと胸がどきどきしているのがわかる。あくまで 均一な、エラーの一切ない白いきめの細かい肌。びっくりしたように見開いた澄んだ瞳を縁取る 長い、だけど自然なまつげ。頬の赤さが整った顔立ちに映えている。 「かわいいな、長門…」 俺はなんだかよくわからないまま、我慢できなくなって長門に口づけした。長門は口は閉じている ものの、目をつぶって無抵抗のままだ。少し荒くなった鼻息が俺の頬をくすぐる。 「ちょっとあんたたち、何やってるのよ!」 大きな足音と共に突然ドアを開けて飛び込んできたのは…ハルヒだった。俺は弾かれたように 長門から離れ、軽く口をぬぐった。 「べ、別に…長門のほっぺたについていたごはんつぶをとってやってただけだ」 我ながら非常に苦しい言い訳だ。 「…口で?」 ハルヒが疑惑の目で俺たちをにらむ。 「彼の言うことは真実」 長門が助け船を出してくれる。ハルヒはまだ納得がいっていないようだったが、キスしているところを 直接見られたわけではなかったらしく、長門が否定するならこれ以上追及できないと諦めたようだった。 「はん、最近のエロキョンを見てれば、勘ぐりたくもなるわよ。昼休みに逃げるように出て行ったかと 思えば部室で有希と二人っきりなんだから…」 何とかごまかせた。ほっと胸をなで下ろす。 「いや、昨日は混乱のあまりひどいことをしてしまったから、いたたまれなくて」 「そんなこと、あたしじゃなくてみくるちゃんに遠慮しなさいよ」 確かにそうだ。なぜ俺はハルヒを避けたんだろう… 「とにかく、そろそろ昼休みも終わるし、教室に戻りましょ」 ハルヒに促されて俺と長門は部室をあとにした。教室に入るとき、ふと後ろを振り返ると長門が自分の 教室の前でずっとこちらを見ているのと目があった。長門はハルヒを見ていたのだろうか、それとも… 「最近、神人の性行為の回数が増加しています」 古泉が多少苦々しげな顔で漏らす。 「そして、神人の性行為と涼宮さんの欲求不満が相関関係にあることもわかってきました」 やはりそうか… あれ以来、俺は部室で朝比奈さんや長門と情事に耽るようになっていた。とは言っても絶対に ハルヒに見つかってはいけないから、キスをしたり体に触ったりということばかりなのだが。 それでもハルヒは察知しているのだろう。そして…欲求不満を募らせている…? 「では、バイトがあるのでこれで失礼します」 すっかりやつれきった古泉は、俺の方を一にらみして帰って行った。長門も本を閉じて席を立つ。 今日はハルヒが早々に帰ったので、部活はこれでお開きだ。 「じゃあ、着替えるから先に帰ってて」 朝比奈さんが笑顔で言う。 「待ってますよ」 朝比奈さんがうなずいたのを確認して、俺は部室の外でしばらく待った。 「キョンくん、もういいですよ」 部室に入ると、制服に着替えた朝比奈さんがちょっとはにかみながら立っていた。俺は彼女の 肩を抱き寄せ、腰に手を回した。 「…キョンくん」 しばらくお互いの体温を交換し合うと、朝比奈さんが言った。 「キョンくん、私のこと、好きじゃないでしょ」 「…そんなこと、ないですよ」 顔を見ずに答える。 「でも、長門さんとも…」 「今は、何も言わないでください」 「私も、こんなことをしていて許されるとは思っていません。長門さんに対しても、涼宮さんに 対しても…でも、キョンくんと一緒にいると安心するんです」 「俺も、そうです。朝比奈さんと一緒だと落ち着きます。だから、もう少しだけこうさせて ください」 俺は朝比奈さんを抱く手に力を入れた。朝比奈さんも応えるように俺の背中に手を回す。 これで、いいんだろうか… 俺は安心だけを追い求めて、それからも長門や朝比奈さんとの逢瀬を止めることはなかった。 あるときは昼休み、あるときは放課後の部室で…しかし部室の外では二人きりで会うということは しなかったし、キスや抱擁以上の行為に及ぶこともなかった。俺は、迷っているんだと思う。 何をかって? もちろん、涼宮ハルヒのことだ。ハルヒは最近常に不機嫌で、あまり部活にも 来ない。教室で話す回数もめっきり減った。しかし休み時間には何となく彼女のことを目で追って しまうのだ。長門や朝比奈さんと会っているときも、ハルヒが脳裏をよぎるのだ… しかし、現在の状況を壊すだけの勇気は俺にはなかった。もしかすると俺はハルヒのことが 好きなのかも知れない。ハルヒも…そうかもしれない。かもしれない、かもしれない… それよりも決して俺を拒絶しない長門や朝比奈さんと、甘い、温かい一時を共有する方がずっと 楽で、心地いいじゃないか。 古泉がまったく部室に顔を出さなくなって一月ほどたった。最後に会ったとき、彼は機関でも 悲観論が大勢を占めるようになったとか言っていたが、もうこの世の終わりが近いのかもしれない。 だがそんなことは俺の知ったことではない。俺は世界を破滅させる神に背を向け続けるのだ。 BAD END
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G 【投稿日 2006/03/09】 カテゴリー-現視研の日常 「あ、前も言いましたけど自前っすよ、自前」 衝撃コスプレから半年、またしてもクッチー独りコスプレ大会を目撃してしまった。 夏休み明けのげんしけん部室は、気まずい空気に包まれていた。 しかしあえて空気を読まないクッチーは、むしろ大野にコスプレ語りをしている。 「やー、学祭のコスプレ大会?楽しみでアリマス!」 「私、新宿のショップで買っているんですが、大野会長は田中先輩の手作りで良いですよね」 「ワタクシも下、田中さんに直接頼んでみたいものですにゃ~。ははは」 「着たいもの優先で、どんな系統のが似合うかは二の次なんですが!」 大野は辟易してしまい、返事は返せないがスルーも仕切れずダメージを受けている。 コスプレにポリシーが有るので、やってることの相違には言いたいことは多々ある が、コスプレすること自体は否定できない。学祭でどうクッチーを封じたものか…。 何といったら良いものやら。 「あうぅ……(汗)」 荻上に助けを求める視線を送ってみるが、荻上は冷や汗をかきながら ノートに鉛筆を走らせている。 あえて大野と朽木の方を見ないようにしている。 『う、恨みますよ、荻上さん―――!!』 『無理無理、無理です!!』 心の声はクッチー以外には丸聞こえだが、残念ながらこの場には3人しか居ない。 「荻上さん―――わ、わたし帰りますね!ちょっと用事が!」 現視研でまったり過ごす時間のはずだが、大急ぎで帰っていく大野だった。 残された荻上は、何やら漫画教則本を読みながらノートに向かっている。 朽木は話しかけるネタが何も出てこず手詰まりだ。 『ゲームの選択コマンドが表示されないバグでしょうか!?(汗)』 「…………。」 「お、オギちんは帰らないんですか?」 「…今日は、笹原さんが研修明けで部室に来るって事なので待ってますよ。」 「………あ、そうなんですかァ。なるほど――――」 『そ、それってもう付き合ってるって事ですか?私、情報に乗り遅れですか?疎外感ですか?』 「ワタクシ、ちょっとはばかりに…。」 『居るのも野暮というか、お邪魔かにゃ~。その場に居るのも気まずいですし』 トイレへの逃避行。とりあえずの、逃げの一手を打ってみる朽木だった。 が、鞄を持って出ている。これは帰っているんじゃないのか? 独りきりになった荻上は、慣れたものだという様子で過ごしている。 『朽木先輩と二人きりなんて、さすがにまだキツイしなぁ……』 教則本のページをめくる。 『笹原さん、泊まりで研修だったから会うの久しぶりだなぁ』 そして鉛筆がちびている事に気付き、鉛筆削りを持ってゴミ箱へ移動。 くるくると回すと、ガリガリという音が部室に響く。 『んー、照れくさいというか……どんな顔して会うべか』 ちょっと赤面してくるうちにも、鉛筆は削り終わった。 席に戻ると、何やら新しい構図表現に挑戦し始めた。 笹原のこともすぐに頭から消えて、部室で独りの時間を過ごす。 いつのまにか少し部室が暗くなった気がした。 荻上は立ち上がって、壁のスイッチを押して部屋の照明を灯すと、 何かの気配を感じた。 上の方で何か動いたような……でもただのシミですよね? 天井に楕円形の黒いもの。 『ああ、なんだゴキブリか。霊とかじゃなくて良かった。。。』 荻上は、そのまま席に戻りかける。 「―――!!」 じゃなくって!!奴が居たのだ。 ぐるっと振り返って、見るもおぞましい奴を確認する。 立派に黒く、しっかりと触覚が揺れている。 『う、動いてる、すぐ頭上で!?○△×※□……』 自分が動くとゴキブリも動く気がして、固まってしまう荻上。 その目はぐるぐると渦を巻く。 1分、あるいは5分も静止していただろうか。 荻上の頭の中では会議が開かれて、議論が継続中だった。 A『荷物をまとめて部室から逃げるのよ』 B『荷物をまとめるなんて悠長なことは言ってられない!即刻退避!』 A『笹原さんに電話をして呼ぶのは?』 C『久しぶりで「ゴキブリ退治に至急来て」ってロマンチックさの欠片もない…萎えるわぁ』 B『それより奴を殺さないと、明日から安心して部室が使えないではないか!』 A『じゃあ、スプレー買って来るか、叩く物を作るの?』 B『馬鹿!叩いたら中身が……中身が出るじゃない!それにスプレーは油で本とか汚れるし』 C『私はアイツに、丸めた雑誌ぐらいまで近づけないですよ』 A『……どうしたもんだべか?』 B『攻撃方法を考えるんだ!長いホウキで窓から追い出すんだ!』 「可決!」 小さくつぶやくと、荻上は天井のゴキブリから目を逸らさず、 慎重に窓を開け、隅に立ててあるホウキに手を伸ばす。 ホウキを動かすと、ゴキブリもあらぬ方向へ移動し始める。 「ああっ!」 棚の後ろに逃げられては元も子もない。 「えいっ、えいっ!」 必死でホウキを振るう荻上の勢いにやられたのか、ホウキの毛にゴキブリが絡まる。 いや、しがみついている感じだ。 『今しか無いっ!!』 獣の槍を手にした少年のような鋭い眼差しでホウキを操る荻上。 ホウキの先を窓から出すと、ブンブンと振るう。 ぽろりっ。 「やた、やったっ!」 ゴキブリは見事、落ちていった。 晴れやかな笑顔で溜息をつく荻上だったが。 『なっ、ナニぃぃぃ!!』 天井と、部室の扉に2体のエネミー発見。 「ヒィ…………」 荻上の目に涙の粒が浮かぶ。 しかし涙目のまま、ホウキで特攻を敢行してしまう。 結果は当然、目標ロスト……。 『う、動いたら殺られる!?』 ホウキをを両手で胸に抱えたまま、立ち尽くす荻上だった。 ガチャ。 「ちはー」 ドアの陰から顔を覗かせたのはシャツにネクタイ、スラックス姿の笹原だった。 「さ、笹原さぁ~~~ん………」 首をぎぎぎと入り口に向ける、青い顔の荻上が見えた。 「……?あれ?どうしたの?」 苦笑しつつ普通に部室に入ってくる笹原だったが 「駄目です!今……今、アレが居ます!黒い悪魔が―――!!」 ホウキを抱えたまま、笹原の傍に駆け寄る荻上。 「黒い悪魔?うーん、ひょっとしてゴキブリ出たの(苦笑)?」 上着と鞄を机の上に置くと、笹原は腕組みをした。 「はい……1匹はホウキで出したんですけど、さらに2匹出て……消えました」 「あ、上に……!」 机の上に有った先月のエロゲ誌を丸めると右手に構える笹原。 「だっ駄目ですよ!中身が出るじゃないですかっ!」 「えーーー(苦笑)それじゃどうするの?」 「さっきはホウキで窓から出しました」 「じゃあホウキ貸して(苦笑)」 手を伸ばす笹原。荻上の手の上を握ってしまう。 「あっ」 少し赤くなる二人。荻上は視線を逸らして照れている。 ベタベタバカップルへの道は遠い。 気を取り直してホウキを構える笹原。 「無残殺虫ホイホさんでも有ればなぁ」 などとマイナーな殺虫メカのネタを呟く。 もっとも、春にクッチーがコスプレしていたのも、そのライバル であるコンバッツさんなのだが。 とりあえず、天井に居るターゲットに向かってホウキを伸ばす笹原と 不安げに両手を胸の前に組み、それを見守る荻上。 その時、不意にゴキブリが飛んだ! 荻上の方に向かって一直線――――。 「きゃーーーーーーーっ!!!」 「荻上さんッッ!」 普段はそう声も高くないが、叫び声は甲高い荻上の悲鳴が サークル棟にこだまする。 荻上が目を覚ますと、床の上で笹原に抱き抱えられていた。 『うわーーー大胆……でねくて!』 「あ、あの、笹原さん?」 「…だ、大丈夫?窓から落ちそうだったから」 「ありがとうございます。アレは、奴はどうなりました?」 「うん、窓から飛んで出て行ったのが見えたよ」 「ホントですか?……よかった」 「やー、でもあと1ぴ――――」 ガチャり。 「大丈夫でありますか!?」 何故か近くに居たらしき朽木が、部室に入ってきた。 「――――やや!?こっ、これは失礼しました……」 「「ちがーーーう!!」」 笹原と荻上はハモって否定すると、大急ぎで立ち上がる。 「ゴキブリが出てね、荻上さんに向かって飛んだから」 笹原はやや必死に説明をしかける。 その説明に耳を傾けつつ、あごに手を構えてポーズを作り、朽木がゆっくりと歩む。 「そうでありマスカ」 ペキッ。 「「「ぺきっ??」」」 3人が朽木の足元に目をやると、靴の端から見える、黒い触角と脚。 顔をあわせて固まる3人だった。 後日、ゴキブリの巣は発見された。 田中が去年の夏にクワガタを買おうとした飼育ケースが ロッカーの上の奥に有り、中のものは時間の経過で ゴキブリの巣に変換されていた。 「やー、自然の驚異だねぇ……」 田中にしては珍しい失敗だ。誤魔化して笑うしかない。 「あれ以来、ワタクシの二つ名が『一撃殺虫』とか言われますし 荻上さんが何か前より距離を置くんですよ……」 流石に落ち込む朽木。 「すみません!けど、アレを思い出してしまって!」 テーブルの向こうで荻上が叫ぶ。 「お詫びに、学祭用に衣装を朽木君にも1着作るよ」 「それじゃあ無残殺虫ホイホさんのメイドVer.で―――」 「懲りてないのかよ!!」 笹原、斑目、大野のツッコミを受けて、してやったりの朽木だった。
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胡桃「遅れちゃった……ん、部室から何か聞こえる……」 『京太郎……もっと奥……』 『この辺ですか……?』 『うん……気持ちいい……』 胡桃「こっこれは!」 バタン 胡桃「何してるの!」 京太郎「何って」 シロ「耳掻き……」 胡桃「あ……そうなんだ……」 翌日 胡桃「また部室から何か聞こえる……」 『きょ、京太郎!そんなに動いちゃだめぇ……あんっ!』 『くっ……塞さんっ!……塞さんっ!』 胡桃「もう騙されないよ」 胡桃「どうせ昨日みたいな事でしょ」 ガチャ 胡桃「ごめーん遅れたー」 京太郎「く、胡桃先輩!?」 塞「く、胡桃!?ち、違うの!これは……」 胡桃「ほんとにヤッてんのかい!!!」 カンッ