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冥、真宵、はみちゃん in 温泉(エロなし小ネタ) 「冥さんもおっぱい大きいんだね」 「も、って他に誰かいるの? フ・・・まさか、貴女じゃないでしょうね」 「むっ・・・お姉ちゃんだよ。冥さんよりやわらかくっておっきいんだから!!」 「な、なんですってぇ? フン、じゃあ見せて御覧なさいよ!」 「よぉーし!目にモノ見せてやるんだから!!」 「・・・ここは・・・、温泉ね。 一体どうしたの?」 「千尋さま!」 「あら、はみちゃん。お久しぶりね。 ・・・ってことは、この体は真宵かしら。 なぜ私は呼ばれたの?」 「・・・ま、負けた・・・・・・」 「狩魔検事と千尋さまのどちらがおっぱいが大きいか競ったのです! さすがですね、千尋さまの勝ちです!!」 「・・・真宵ってば、しょーもない事で呼ばないでよ・・・」
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冥×弓彦 俺が冥に師事を受けてから3年が過ぎようとしていた。 検事として“一”から学び直そうと考えていた俺に、手を差し伸べたのは冥だった。 初めは、猫の手も借りたい程忙しい彼女の、単なる雑用としてこき使われる羽目になったが 彼女の国際検事としての仕事を間近で見ながら、俺は必死でそれを学び取ろうとしていた。 やがて、少しずつだけど、重要な仕事の一部を任されるようになり 今では彼女に頼りにされるようにまでなった。 鞭でビシバシ、冥に厳しく鍛えられた俺は、まだ“一人前”には程遠い検事だけど 今は自信を持って自分の仕事をしている。 こんなに、自分に自信が持てるようになったのは、冥のおかげだ。 しかし、冥と過ごす日々がまもなく終わる。 俺は近いうちに帰国することになった。 冥に師事を受けながら、検事として実績を上げた俺に 冥は帰国して独り立ちするように勧めたのだ。 部屋を掃除しながら、俺はトランクに荷物をまとめていく。 3年間、冥と過ごした日々を思い出す。 検事として辛かった時期に、 冥の与える容赦のない山のような雑用は、俺の悩みを忙しさで吹き飛ばした。 「悩む隙があるなら、少しでも多くの仕事をこなし、そして学びなさい」 そう言ってくれた時の冥の顔には、厳しさの中にも優しさがあった。 「う…くっ…」 我慢していたのに、次から次へと涙が溢れてくる。 おちこぼれだった俺を、検事として、熱心に師事してくれた彼女に対して 俺は… 俺は、それ以上考える事を止めた。 俺の事を、検事として独り立ちできる実力があると認めてくれた彼女に対して 離れたくないなんて言えるわけがなかった。 もう俺は、3年前のように、何も知らない子どもじゃない。 何も分からない子どもじゃない。 自分がどんな意味で冥の事を好きなのかを知っているし 自分の想いを冥に告げる事で、大切なものが壊れてしまうかもしれない事を分かっている。 だから、全部、自分の胸にしまい込んで、笑顔で、冥の元から独り立ちしよう。 何度も何度も、そうやって、自分に言い聞かせているのに 涙は全然止まらなかった。 “一人前”の検事になろうって、そう決めたのに、 俺はまだ、自分の気持ちひとつコントロールできない半人前だったのだ。 眠れないまま泣き続けた翌朝、俺は冥に何も告げずに、予定より“一週間”も早く帰国してしまった。 空港近くの適当なホテルをチェックインした俺は、すぐさまベッドに横になった。 久し振りの日本。 まさか、こんな気分で日本に帰国することになるとは思っていなかった。 3年間お世話になった人に対して、挨拶もせずに俺は帰国した。 仮に冥に自分の想いを告げた時より、はるかに多くの物を失ってしまった気がした。 携帯には、たくさんの着信。 全部、冥からだ。 俺は携帯を枕の下に置いて、布団を被った。 しばらく“1人”になりたかった。 これから自分がどうするべきかを考えたくなかった。 *** 俺はホテルで朝を迎えた。 朝食は殆ど喉を通らなかった。 カーテンを開けて窓の外を見ながら、俺はボーっとしていた。 電源を切っていた携帯を開いて、再び電源を入れると 冥からの着信が昨日より増えていた。 罪悪感を感じながらも、再び電源を切ろうとしていたら、 急に冥からの着信が入った。 何度も鳴るコール音。 俺は電話に出なかった。 また放置しようと思った。 このまましばらく逃げ続けるつもりだったのに、気づいたら、俺は電話に出ていた。 「…はい、一柳です」 《……、…私よ》 冥の口調は厳しかった。 「本当に…すみませんでした…狩魔検事」 俺はそれ以外何も言えなかった。 数分間、電話ごしに無言が続くと、冥は言った。 《何も言わずに勝手に帰国して…。どういうことなのか、今日はたっぷり聞かせてもらうわよ…》 冥に電話を切られると、部屋のドアが突然ノックされた。 慌てて部屋のインターホンを取ると、モニターに冥が映っていた。 「か、狩魔検事!?」 「部屋に入れなさい…」 「は…はい」 俺は恐る恐るドアを開けた。 続く
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その日の朝、茜のデスクにはあまり資料などが積まれていなかった。 最近やっと、仕事が片付いたのだ。 「ふう。」 こういうときこそ、お祝いにかりんとうでも食べたいのだがあいにく上司に禁止されている。 以前デスクの位置を変える際にたくさんのかりんとうのカスが茜のデスクからこぼれ出し、つくえの引越しプラスかりんとうのカス掃除になったからだ。 「刑事クン、おめでとう。」 ちゃらちゃらと音がする。 そして影が見える。 その人物はかりんとうをデスクの上に置いた。 「牙琉検事・・・検事としてここにいるなら、帰ってください。」 茜は冷たく言った。 「刑事クン、確かに検事としての用事もあるけれど、君のお祝いもしたかったんだ。」 いいからとっとと帰ってぇぇぇぇ! 茜は心の中でそう思ったが、口に出すわけにはいかない。 「何でボクには冷たいの?ボクはキミのこと愛しているのに。」 こういう光景が日常茶飯事のため誰も口を挟まない。 あーあ、貧乏くじひいたかなあ。 そう、科学捜査官の試験に落ちたところからほとんどのイヤなことが。 「茜クン、百面相してる君もいいね。」 うっとりしたように牙琉響也は言った。 「何でいきなり茜クンになってるんですか!」 「キミの名前を呼びたかったんだ。」 「私、受け付けに用がありますから。」 そう言うと、茜は立ち上がりすたすたと受付まで歩いていった。 ・・・いいかげんにして欲しい。 茜の心はレイニーだった。 後ろからじゃらじゃらさんがついてくる。 「仕事は片付いたんですか?」 茜が聞くと、 「別に受け付けに行ってからでもできるような仕事だからね。」 響也が少し楽しそうに答える。 何が嬉しいのか、茜には見当もつかなかった。 一応窓口側に回って書類を提出する。 ややこしい書類だったためか、昼休みまでかかってしまう。 はっきり言って、検事の仕事にもものすごく差し支えるのではないかと思われるが、響也は職員用出入り口に立っていた。 受け付けにはもう茜と職員の人、そして検事しかいない。 ぱあん 乾いた音が響く。 次の瞬間、茜のこめかみに拳銃が突きつけられていた。 つまり、人質扱いされた。 まさか、こういうことになるとは思わなかったので拳銃も持っていない。 「おい、あんたらがぱくってったリーダーを解放しろ!」 そういう要求か。 恐怖で体の震えが止まらない。 男は二人だった。 一人が茜のこめかみに銃を向けている。 もう一人はなぜか出刃包丁を持って周囲を見回している。 予想も出来ない事態が起こった。 響也が出刃包丁の男の視線をくぐって、茜を引っ張り出す。 乾いた音がして、茜の首の辺りに生ぬるく鉄のにおいがする液体がかかる。 それでも響也の行動は速かった。 あっという間にカウンターの下に隠れる。 茜は響也の肩を見た。 鮮やかな赤が流れ出している。 「ギターが弾けなくなるんじゃないですか!?」 小さな声で茜が言うと、響也は嬉しさと悲しさを無理矢理混ぜたような表情をした。 「でも、茜クンは助けられた。」 サイレンがした。 「警察だ!覚悟しろ!」 その後、事件のあったときにその場にいた三人は散々事情を聞かれた。 事情を言い終わるまではだいぶ時間がかかった。 まずは茜、響也、職員の方の順で事情を聞かれた。 茜は響也が行った病院に行った。 響也は一人部屋でベッドに転がっていた。 「茜クン、来てくれたんだ。」 響也はまるで宝物を見つけた子供のように、嬉しそうだった。 「今日は助けてくださってありがとうございます。しばらくは茜クンって呼んでもいいですよ。それから。」 二人の唇がしばらく触れ合う。 舌を絡めあう。 それから唇を離す。 茜は自分の頬が赤くなっているだろうと考えると恥ずかしかった。 「じゃっ、失礼しました!」 茜は病室のドアを荒々しく開閉して部屋を出て行った。 「やっぱり、茜クンが本命だよ・・・・すてきだ。」 つぶやくように響也は独り言を言った。
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真宵×千尋② 「お姉ちゃん! 久しぶりに一緒にお風呂入ろーよ」 そう声をかけてきたのは妹の真宵。 私の名前は千尋。 今日は久方振りに実家に帰っている。 「そうね。何年ぶりかしら、真宵とお風呂に入るのは」 「やった~!早く早く~」 私は真宵に手を引かれながら浴室に向った。 「あ~、気持ちイイねー」 「ホントに」私は真宵と湯槽につかっている。 二人互いに向き合い、脚を折って座る。 私はいい気分で目を閉じていた。今まで一人でしゃべっていた真宵の声がしなくなったことに気が付き目をあけた。 「真宵、どうしたの?」 「…お姉ちゃん、いーなー」真宵が羨ましそうに見つめる先には私の豊かな双丘があった。 「…私だって最初からこんなだったわけじゃないわ。真宵だって前に見たときより大きくなってるわよ」 「そうかなぁ」真宵は自分の胸をプニプニと突き真中に寄せたりして触っている。 「…ねぇ、お姉ちゃん、触って、イイ?」真宵が上目使いでおねだりする。 私は、やれやれ、という気持ちで「いいわよ。ただし、少しだけよ?」と答えてしまった。 「わーい、やったね☆」 真宵の手がゆっくりと私の胸に向って伸びてきた。 真宵の手がそっと私の胸に触れる。 「わー、柔らかいしやっぱり大きいね。私の手からはみだしちゃう」 真宵は私の胸をおもちゃのように下から持ち上げたり、突いたりして弄ぶ。鷲掴みにして回したりしながら遊んでいる。 …そういえば、何年SEXしてないのかしら…。 フとそんな事を思いながら目を閉じていると… 「!」いきなり鋭い快感が私を襲った。慌てて真宵の手を見ると真宵の指先が私の胸の先端を突いている。 「…っ、真宵っ!」私は真宵の手を振りほどこうとするが体に力が入らない。 何年か振りの愛撫に体全体が硬直する。 「お姉ちゃん、気持ちいいの?すごく硬くなってるよ」 真宵はそういいながらさらに突起物へ刺激を与える。 転がしてみたり摘んでみたり引っ張ったり…。次第に私の息は乱れていく。下半身が熱くなり体の奥から悲鳴が漏れる。 「…っ、んっ、や、やぁっ、やめなっ…さい、まよいぃ…」 私は真宵の肩を掴み、真宵の体を遠ざけようとするが力が入らない。 その間も真宵は私の胸を先端を中心に弄んだ。 「だっ、だめ…ぇ…」私がそう訴えると真宵は手を止めた。 「お姉ちゃん…」 真宵はそうつぶやくと同時に私に抱きついてきた。 真宵の鼻先にはまだ触ってほしそうに硬く尖った突起がある。 真宵は今度は何も言わずにそれを口に含む。 「あぁっ!」私の口から再び淫らな声が漏れる。 「お姉ちゃんのこれ、おいしいよ…」真宵はそう言いながらそれを舌で転がす。 時には軽く噛み、時には強く吸う。 「あっ…、はっ…、んん…っ」私はいつしか拒むのを辞め、真宵の頭を抱きその刺激に酔い痴れた。 真宵は片方の突起を口に含み、もう片方は指で摘む。 今まで突起を弄んでいた指の動きが止まり、徐々に下へ降りてくる。 「!!」 真宵の手が私の秘所に届く。ゆっくりと手を動かし、割れ目を擦る。 「そこはっ、だめぇっ…」私は動いてる手を制そうと手を添える。 「お姉ちゃんも一緒に…」真宵は私の手を掴み、自分の秘所へと導く。 真宵のそこは湯の中であるのに男性を受け入れるのに十分な準備が出来ているとわかるほどぬるぬるしていた。 「お姉ちゃん、触って…」真宵はそう言うと私への愛撫を再開した。 真宵の指は秘所の奥へと侵入し、真珠を発見するとそこを執拗に擦る。 「あっ!…っ!ま…まよい…!」私は耐え切れず大きな声をだしてしまう。 私は快感に身を捩った。もう、どうなってもいい…。 私は真宵の秘所に伸びる自分の指を蠢かす。 「あっ!んっ!」真宵がよがる。 私は真宵の真珠を見付けそこを優しく擦った。人差し指と親指とでクリクリと…。 そう、真宵が今私の真珠を弄んでいるように…。 「あっ、お、お姉ちゃんっ!いぃ…っ、気持ちイイよぉ」 「はぁっ…、あんっ、ま…まよい…」徐々に私たちの指を動かすスピードがあがる。 それに伴い快感も大きくなる。 「あっあっあっ!あんんっ!!あぁっ!やぁっ…あぁあんっ!!」 私たちの淫らな声が浴室に響き渡る。 「だっ、だめぇっ!おねえちゃっ…ん、もう私…っ、いくっ、イッちゃうよぉっ!!」 「はぁあんっ、あっ、わたっ、私もっ…!!」 互いの指のスピードがピークを迎えたその時… 「あああぁっ、ああーっ!!」 私たち二人は同時に絶頂を迎え、しばらく息を乱しながらお互いに寄り掛かっていた。 「はぁはぁはぁ…、お…、お姉ちゃん…」真宵は私の胸に顔を埋めて息を整えながら話し掛けてくる。 「はぁはぁ、…なーに?」 私は真宵の髪を撫でながら答えた。「また、一緒にお風呂入ろーね」 私はそんな真宵が愛しくなり「そうね」と額にキスをした。 終
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パイプオルガンの調べ 早く、検事局に行きたい。 早く、あの上司から離れたい。 ずっとそう思っていた。 同じオフィスの、真向かいに机を構えている男。 なんであの男が居るだけで部屋の温度が3度も上がるのよ…。 「やあ、トモエちゃん。相変わらず泳いでる?」 手をポンポンと鳴らしながら、オフィスに入ってきた。 その笑顔は、相変わらず“暑い”。 「ええ、まあ」 渋々返事をする。何よ。毎日嫌でも顔を合わせる癖に。 巌徒主席捜査官はお気に入りのパイプオルガンの前に立った。 「どう?トモエちゃん。一曲弾いてみない?」 「え…私がですか?」 ピアノは中学までしか習っていなかったから、ある程度譜面は読めても、未だ週に何時間も弾く巌徒よりは上手くはなかった。 それ以上に、ピアノではなくパイプオルガン。滅多にあるものではない。 初めてこの部屋に来たときから多少の憧れは抱いていたものの、巌徒が弾くまでは飾り物だとばっかり思っていた。 「……いいんですか、これ、巌主席徒捜査官の…」 「はっはっは、このボクが言ってるんだよ?」 パイプオルガンの前に立った。 (そういえば、茜が弾きたいって言ってたっけ…) 「あの、私…あまり弾けないのですが」 「何でもいいよ、君の得意な曲で」 試しに、“ド”の音の鍵盤に右手親指を置いた。 「ピアノとはまた違うだろう?」 とても重い鍵盤。 親指に力を入れ、やっと鍵盤を叩く。 ジャーーーーーーーーーーン!! 「きゃっ!」 急いで鍵盤を離した。 「今更びっくりすることはないだろう。ほら、弾いてごらん」 私は椅子にも座らず、小学校の時に習った「月の光」を弾き始めた。 「ドビュッシーか。いいね」 自分の背後に、巌徒が立つ。男の体温が近く感じられた。 弾いている私の両腕の下から、巌徒の手が入ってきた。 真っ黒なツヤのある皮手袋に包まれた指は、とてもしっかりと太い。 その指が私のジャケットのボタンに手を伸ばしてきた。 プツッ、とボタンを外す音がする。 「……巌徒主席捜査官。」 むすっとした顔で巌徒の顔を見た。 ……このはれんちオヤジ…。 ここに来るまでは、とてもアコガレていたのに。 「君は逆らえないはずだよ?絶対にね。」 「!」 そう、巌徒は知ってる…SL9号事件の本当の犯人を。 私がそれを隠すためにしたことも。 「……いいかい、演奏を止めちゃいけないよ?下にも聞こえてるんだからねえ?」 しらじらしい笑顔で私の顔を覗き込んだ。 じっとりと嫌な汗が頬を伝う。 「おや、暑いようだね」 (アンタの存在が暑いのよ)と思いながら、鍵盤を叩く。 「そのからだをもっと熱くしてあげよう」 皮手袋の指先をくわえ、するりと外した。 スカートをたくし上げ、もう片方の手を忍ばせてくる。 「ほら、もっと腰を突き出しなさい、ちゃんと支えててあげるから」 手が太ももの辺りに辿りつくと、親指の爪を立てビッ、とストッキングを破った。 「荒々しい事は好きじゃないんだけどね、今日はこの後約束があるんだ、チョーさんと」 ストッキングに開けた穴から、手が入ってくる。さらに、下着の中に侵入してきた。 「まだ濡れてはいないようだね?」 すぐ、中指を立てて動かし始めた。 太い指は嫌いではないのだが、相手が巌徒捜査官。濡れるものも濡れない。 「大丈夫。すぐびっしょりになるから」 中指の腹を膣壁に擦りつける。 「っ……!!」 ジャケットのボタンを外していたほうの手が、胸に直に滑り込んできた。 乳首を、強く摘む。 「大きすぎないのがいいね、このくらいでちょうどいいよ」 「……」 「ボクはね、トモエちゃんをこうやって抱くために君に尽くしてきたんだよ。まさか、君から寄ってくるとは好都合だった。」 「違う……!!私は検事に…」 自分の秘部を弄っていた巌徒の指が、“芽”の部分に当たった。 「きゃ……ッ」 「からだがずいぶん反応してきたようだね。じゃあ、ごホウビあげようか」 胸を触る手を止め、私の下着を下ろした。 自分の懐からゴムを取り出す。 「ボクは証拠を残すのが嫌いなのでね。だから、ナマでするのはやめておいてあげるよ」 口を使って器用に片手で開け、それを銜えたままスラックスのジッパーを下ろす。 さらに片手で器用に装着しているのか、ごそごそと背後で音を立てていた。 「処女のきつい締まり具合も好きだけどね、ボクはトモエちゃんのちょっと使い込まれたくらいのほうが好きだなァ」 準備もなしに、巌徒の太い肉棒が入ってくる。 「あああッ!!」 「どうだい?ボクの使い込まれたものもなかなかいいでしょ?」 ギッ、ギッと中でゴム1枚を隔てて熱いものがうごめく。 からだ全体にそのリズムが響いてくる。 「はあぁ、……がんとしゅせ…ッ……もっと、ゆっくり…」 自分が弾いている曲のテンポと、巌徒の刻むリズムがどうしても合わず、鍵盤を叩く指がもつれそうになる。 「いいんだよ?ここはボクとトモエちゃんの二人しかいないんだから大声を出しても。」 「はあん、んん…」 「いいねぇ。君が女に戻る瞬間を、ボクしか見れないのかと思うと」 「スローな曲だと、ちょっとテンポが取りにくいね」 パンパンパン… だんだん、小刻みにからだを打ちつけてくる。 「はあ、あうッ…いや、もう……」 「ダメダメ。ダメだよ、ともえちゃん。先になんてイカせないからね。」 「あッ、あ…」 「待て、と言ってるんだよ。あれ。聞こえなかった? 」 瞬時に顔つきが変わった。 再び胸を弄んでいた指先が、私の口の中に入ってきた。 「……ホラ。アレを咥えるように、いやらしくしゃぶってごらん?」 「う…んぐ……」 ちゅぶッ、ちゅうッ… 革の手袋の味がする。これなら素の指のほうがまだよかった。 「いや。まいっちゃうな、もう。トモエちゃんはこんなにイヤラシイんだー。」 嫌がらせとも取れるくらい、からだを激しく打ち付けてくる。 ちょうど先に果てたらしく、最後に、強く長く押し付けてきた。 「んんーーーッ!!」 自分の中にも快楽が走る。 ジャーーーーーーーーーーーーーーーーーーン!! 手を止めてしまったパイプオルガンが、全体重を乗せて奏でた。 この音はきっと局中に響き渡ってしまっている。 もとより、巌徒の弾くそれとは明らかに違うから、もしかしたら勘のいい市ノ谷響華辺りには気付かれてしまうかもしれない。 「トモエちゃんのからだはやっぱりいいね。……また、たのむね。」 ズルリと引き抜かれた肉棒は、自分の愛液でてらてらと光っている。 「こんなにイヤラシイからだだったなんて…マイっちゃうな。」 片方の手にべったりとついた私の愛液を、蜂蜜のように舐めとっている。 「今日はちょっと“とろみ”が強い。こんなプレイは初めてだからキンチョーしちゃったのね。」 あんなに抵抗したはずなのに、たっぷりと自分の愛液にまみれてしまった様子を見て、ちょっと自分のからだが信じられなくなった。 「じゃあ、トモエちゃん。お疲れ様。」 まるで何もなかったかのような顔をして、オフィスから出て行った。 セックス後特有の虚脱感に苛まれ、 床にへたりと座り込んだ。 巌徒がエレベータに乗ったあと、再びエレベータが到着する音がした。 (誰か、来る―――!) しかし、からだが動かない。 「失礼するよ。資料、届けに来た、ぜ…?」 入ってきたのは…罪門恭介だった。 一瞬空気が凍る。 無理も無い。私は 自分の愛液でぐちゃぐちゃになっていた。 ストッキングは穴だらけになり、スカートもめくれ上がっている。上半身も、乳房があらわになった姿。 彼には一番見られたくなかった。 彼は私の前にしゃがみ、顔を見た。 「アンタ、もしかしてまた…!」 こくん、とだけ頷いた。 「恭介……」 今まで我慢していたせいか、安堵感でいっぱいになり涙がこぼれて来た。 「……こりゃあヒドイ。あのお偉いさんも乱暴なことしてくれるぜ。……顔を挙げな。」 「んん…」 恭介のキスはとても優しい。脳天までとろけそうになる。 罪門恭介とこんな深い関係になったのは、ごく最近のことだった。 それより以前からも、仕事・プライベートに関わらず彼にはよく気遣ってくれた。 ただ、私がそれを愛情だと気付いたのが、ごく最近なだけなのだった。 彼にだけはこのこと…つまり、厳徒に無理矢理抱かれているのを言っていたので、 今さら動じることはなかった。 本当の理由は言えないのだけれど。 彼が、髪の毛を梳くように、頭を撫でる。 「お願いです…恭介。」 「わかってるぜ、オレに気持ちよくしてもらいたいんだろう?」 こくん… 「あ、今日はダメだな。ザンネンだが‥‥スキンをきらしてる」 「いえ…無くていいです…」 「……そうなのかい」 恭介は私の愛液がべっとりとついた秘部に顔をうずめた。 「そんなところ…舐めないで」 「あんな男とのセックスなんて忘れさせてやるさ。大丈夫、アンタは穢れてなんかないぜ」 優しい舌遣いで、秘部の中をかき回す。 「ほお‥‥アンタのからだは正直なんだな。」 恭介が、ベルトのバックル部を緩める。さらにズボンを緩め、自分の肉棒を出した。 既に硬く上を向いている。 こんなにボロボロにされた自分を見ても、そんな感情を抱いてくれたのだろうか。 「さあ、おいで。君の好きな体位でしてあげるよ。」 ゆっくりと恭介の膝の上に乗った。 「自分で入れてごらん。一番よく感じるところに。」 生暖かい、彼の肉棒を両手で掴んだ。 先端に、先走りなのか朝露が溜まっている。 「きょうすけぇぇ…」 改めて感じる彼の肌の暖かさに、今まで我慢していた感情がボロを出す。 「頑張って検事サマになるんだろう?」 腰にそっと当ててくれる手さえ嬉しく感じる。 「ん…」 私は、ゆっくり自分の体の中に恭介のからだの一部を埋めた。 腰を落とすと、更に自分の奥深くへと入っていく。 「はああ……」 吐く息が震える。 「ああ…すごい奥に当たってるね。ココで行き止まり、みたいだぜ。」 「この体位が一番深く入るから好きなの…」 「そのまま動いてみようか。」 「んッ、んッ…」 腰を上下に揺らしてみるが、いまひとつ巧くない。 恭介はポンチョを外し、床に引いた。 床に直接横にさせない、彼なりの心遣い。 「……恭介も脱いで」 首に巻いたバンダナとワイシャツのボタンを上から外していく。 肩まで脱がすと、彼の首筋にかぷっと噛み付いた。 「おやおや、まだ“真っ最中”なのに…困ったベイビイだぜ」 恭介は頭を撫でて、自分を引き剥がそうとはしない。そのまま自分で服を脱ぎ始めた。 甘えると噛み癖があるのを知っているのは恭介一人だけ。 茜に甘えたことはないから、この癖の事は知らない。 恭介の首筋には、既に噛み痕(あと)が複数ついており、自分が何度も甘えたあとが見て取れた。 「……痛くない?」 「そりゃあ、痛いさ。でもベイビイの心の痛みよりは痛くないよ」 「優しいのね」 「テキサスの男は、使命感と女にはめっぽうヨワいのさ。」 くすっ、とだけ笑った。彼のテキサス啖呵は相変わらずだ。 「もうそろそろ、いいかい。」 しびれをきらしたのか、床に押し倒された。 「やっぱりオレがやらないとダメなようだね。」 軽くキスをする。軽く乾いた唇が、湿りを戻した。 「いいかい?イきたくなったらちゃんといってくれよ。」 「でも、恭介が」 「アンタが気持ちいいのが一番さ。‥‥中に出してもいいのかな?」 あまりにもストレートな質問に顔が紅くなった。 すぐに声が出ず、ゆっくりと頷く。 「アイツよりはデカくないかもしれねえが、アンタを満足させることくらいはできるさ。」 グッと膣内に押し込まれる。 「……ッ!!」 「痛くないかい?」 パァン、パァンと、ややゆっくりではあるが心地よい打ち方。 こくん、と頷く。 「ゆっくりと深呼吸してみな。」 はあああ……とゆっくり息を吸っては吐いた。 恭介が首筋から胸へと、愛撫していく。 彼とのセックスは、自分にとって“癒し”、そして“救い”のようなものだった。 本当に、気持ちがいい。 「あああッ!!恭介、い・イ…」 「おっと、それ以上は言っちゃいけねえぜ。」 「お願い、もっとして。恭介で私の中を満たして。」 「ああ。」 恭介がキスを求めてきた。さらに激しいのは、興奮しているからなのか、巌徒に対する嫉妬心だろうか。 さっきよりも早いリズムで、私の中に打ち付けてくる。 愛する人からトン・トンと最奥を突かれる衝撃は他のどの快楽にも変えがたい。 「…もう…あッ、ああ……!!」 「巴………ッ…!」 恭介が私の中で果てると同時に膣内を恭介の精液が満たし、いつもより多かったのか、 接合部分からいくらばかりか溢れ出た。 自分の上にからだを重ねた。じんわりと汗が滲み出ている。 「……どうやら、オレも今日は頑張っちゃったようだぜ。」 いつもならさらりと言ってのけるのに、珍しく照れながら言った。 「……かわいい。」 ぎゅううと抱きしめる。 すると、彼が私を抱き起こし、ぎゅうっと抱き返した。 「アンタを支えられるのはオレしかいねえと思うし、今のオレにも…アンタが必要だ。 …今の事件が解決してアンタが検事になれたら、一緒になろう、な。」 「ええ‥‥。茜もきっと‥‥喜んでくれるわ。」 ごめんなさい…恭介。この事件の“本当に”解決する日は…きっと来ない。 私は涙がこぼれないように、目を固く瞑った。
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1 その夜、美雲は御剣怜侍のオフィスに向かっていた。糸鋸刑事から御剣がある事件の操作で行き詰まっていると聞いたのだ。 自分にできることはないだろうか?と考えた。いや、考える前に行動するのが一条美雲だ。ぬすみちゃんを持ってすぐに家を飛び出した。 暗い夜道を歩く。もう深夜だが御剣検事はまだ仕事中だろう。役に立てればいいけど… 「こんな時間に何してるのかな?」 振り返ると警官の姿。美雲は「しまった」と思った。 自分は検事と刑事の知り合いがいて、今から捜査協力に行くところだ……なんて、信じてもらえるわけない。しかし自分は急いでいるのだ。思わず地団駄を踏みたくなった。 「いやーわたしは、えっと…」 「見たところ未成年だよね。どこに行くのかな?もし家出なら…」 「待ちな!」 美雲が声のする方を見ると、見覚えのある男が立っていた。 「そこのお嬢ちゃんは俺の連れだ。わりぃな」 そう言って男は身分証を警官に掲げた。たちまち警官か慌てて敬礼をする。 「こ、国際警察……の方でしたか!失礼しました!」 警官が離れて行くと美雲は男の元に駆け寄りお辞儀した。 「ウルフだー!ありがとうございます!」 「こんな時間に何してやがる?カラスの嬢ちゃん」 事情を説明すると狼も検事局に用事らしい。 「アネさん……狩魔冥検事と捜査のことでな」 以前のように国際捜査官として活躍する狼には、一時期失われていたカリスマオーラが再び溢れていた。 「ロウさん、なんだかかっこよくなりましたね!」 美雲が率直な思いを言うと、狼の目が一瞬丸くなった、そして豪快に笑う。 「ありがとよ。お嬢ちゃんも可愛い女の子だ。夜道を歩くのはこれっきりにするんだな」 「無理ですよ!ヤタガラスは闇夜を飛んでこそヤタガラスですから!」 「アマイな!狼子、曰く!性犯罪は夜に多く起こるんだ!」 「せ、性犯罪ですか!うーん……」 そんな話をしている間に検事局に着いた。 同じ階でエレベーターを降りると、狼は狩魔冥の執務室に向かって歩き出す。 「じゃあな、カラスのお嬢ちゃん。あんまり無茶するなよ」 颯爽と去っていく狼の後ろ姿を見て、美雲はなぜか寂しさを覚えた。 2 「何を考えているんだ君は!」 御剣の執務室に入り助けに来たことを言うと、御剣は激昂した。 「いくら突飛な行動が趣味の君とは言え、こんな深夜に出歩くなど…」 「でも御剣さん、困ってるんですよね?」 「……せめて来るなら昼間にするか事前に連絡してくれたまえ!」 「ごめんなさい…」 御剣が心配ゆえに怒っていることは美雲にもわかっていた。 「あ、でも途中からロウさんと一緒に来たんですよ!」 「ロウ捜査官と?」 狩魔検事と捜査中らしいことを教えると、御剣の顔に笑みが浮かんだ。 「そうか、さすがロウ捜査官だな…」 狼のことを心配していたのだろう、御剣はホッとしている。美雲も話題を反らすことに成功してホッとした。 「またロウさんと一緒に捜査したいですよね!」 「ム?君は容疑をかけられたりしたこともあるが……?」 書類を読みながら御剣が答える。 「あはっ、そんなこともありましたね!でも今の狼さんは優しいし、わたしすごく好きです!」 途端に御剣が顔をあげ、険しい顔で美雲を見つめた。 「御剣さん?」 「ムゥ……そうか、美雲くんも17歳の女性だったな」 「なんの話ですか?」 「いや、そういったものは自分で気づくのが一番だろう。しかし……ロウ捜査官か……」 美雲には御剣の言ってる意味が全くわからなかった。 一方その頃、もう一つの執務室では国際捜査官が兼ねてからの疑問を同僚検事にぶつけていた。 「御剣怜侍との関係?……決まってるわ。あの男は私の弟弟子よ」 「あぁ、そんなこと言ってたな……だがアネさん、男と女としてはどうなんだ?」 狼の質問に冥の顔が一気に赤くなった。 「なっ!!そんな、私がどうしてレイジなんかと!!」 このうろたえぶりを見て狼は一人納得した。片思いか両思いか、どちらにしろ清廉潔白ではないだろう。 「な、なぜそんなことを訊いたのかしら?」 「……ここに来る途中、一条美雲に会ったんだ。御剣検事の仕事を助けに来たらしい」 「そう。相変わらずパワフルな子ね」 「本当に無鉄砲だ。こんな深夜に、男一人の部屋に行くなんてよぉ」 狼の言葉と表情から、天才検事はすぐ目の前の男の真意を読み取った。 「レイジのことを信頼しているのよ」 冥はさらに続ける。 「そして、レイジはあの子を娘のように思っているわ」 「娘?そうなのかい?」 「ええ。だからあの子の恋人になる男は苦労するんじゃないかしら」 冥の意味深な笑いに気づいて、狼も苦笑した。 「さぁ、捜査会議を進めましょう。狩魔の辞書に休憩の文字はないわ」 「当然だ。狼子の言葉にも休憩の文字はねぇ」 狼は美雲の無邪気な笑顔を頭の隅にとどめつつ仕事にとりかかった。 3 「……これで、明日の公判は問題ないだろう」 「どうですか御剣さん!正直、ぬすみちゃん大活躍でしたよね!」 御剣が言葉に詰まる。確かにぬすみちゃんのおかげで現場の矛盾を見つけることができた。しかし、もう夜明け前という時刻になってしまったのも事実。 「美雲くん、家まで車で送ろう」 「わぁ!ありがとうございます!」 二人で廊下を歩いていると、御剣がエレベーターの前で声をあげた。 「すまない、執務室に忘れ物をしたようだ」 エレベーターはもうすぐ到着してしまう。御剣がどうしようか迷っていると美雲は「先に駐車場、行ってますね!」と御剣の背中を押した。 御剣が去った方向を見つめていると後ろから声がした。 「よぉお嬢ちゃん。帰りも一緒なんて偶然だな」 「あっ、ロウさん!」 お互い頬が緩むのを無意識に隠し、到着したエレベーターに乗り込む。 「捜査会議はどうでしたか?」 「まぁ順調さ。標的はわかってるからな」 「へーっやりますね!」 狼の誇らしそうな、でも少し照れたような顔。その表情があまりに魅力的で、美雲は「このまま時間が止まればいいのに」とさえ思った。 そして、本当に止まってしまった。 ……エレベーターが。 「えっ!?えぇーっ!?」 騒ぐ美雲に対し、狼は舌打ちをした。 その時、狼に冥からの着信。 「言い忘れていたのだけど、検事局のエレベーターはこの時間メンテナンスで急に止まることがあるの。乗らない方がいいわ」 「もう少し早く聞きたかったなぁ、アネさん」 狼は美雲と一緒に閉じ込められたことを言うと、冥が少し笑ったような気がした。 「私の方から管理会社に連絡しておくわ。開くまで待ってるといい」 そう言って冥は電話を切った。狼は美雲の方に振り返る。 「お嬢ちゃん、どうやらエレベーターのメンテナンスで……」 「くそーっ!」 狼は目を丸くした。美雲は下げているポシェットの中をゴソゴソ漁っている。 「鍵を開けたり縄を抜けたりする道具はあるんですけど、さすがにエレベーターから脱出する道具はありません!ドロボウ失格だなぁ」 美雲が腕を組んでため息をつく。 どこまでも前向きな美雲を見て、狼の胸はなんだか暖かくなった。 4 「まぁいいさ。時期に管理会社の奴が来る。それまで……二人きりで待つとするか」 「ふ、二人きり……」 美雲の顔が赤くなる。狼の様子を窺うと、狼の方はなんとも思ってないように見えた。 『ピピピピピ…』 「うわ!」 今度は美雲の携帯が鳴った。出てみると御剣の大声。 「美雲くん!エレベーターに閉じ込められたというのは本当か!」 「あ、はい!でもロウさんも…」 「エレベーターに閉じ込められた時の恐怖はよくわかる。だが今のエレベーターはとても安全な作りで…」 「だ、大丈夫ですよー!」 早口で捲し立てる御剣をなんとか宥めて電話を切った。なんだかお父さんに心配される娘の気分だ。 「御剣検事か?」 「はい。なんだかすごく慌ててました!」 笑いながら狼が床にドカリと座りこんだので、美雲も隣に座る。 「な、何か話しましょうか!暇だし…」 「おう、なんの話だ?」 「えーっと……じゃあ、ロウさんの恋の話とか!」 冗談めかしてみたものの、美雲は純粋に狼のことを少しでも多く知りたかった。狼は豪快に笑って返す。 「女子高生らしい話題だな。だが、俺の苦手な話題だ」 「えーっ、どうしてですか?」 「……俺の初めて愛した女は、犯罪者だった」 美雲はハッとした。 真っ白な髪の、狼の部下。それは自分の父親を殺した女のことだ。 狼とあの女が恋人同士だったなんて、美雲には想像もつかなかった。 「俺を、恨むか?」 狼が尋ねる。父親の仇を愛した男、その男を自分は…… 「う、恨んでなんかいません!」 「本当かい?俺は、シーナと……」 「そんなの関係ありません!むしろ、わたしはロウさんのこと……好きです!」 狼は信じられないという目で美雲を見た。 美雲自身も信じられなかった。だけど今、自分の口から出た言葉にウソはないこともわかっていた。 初めは嫌な奴だったけど、数々の捜査を通して気付いたロウの優しさや真実を追う姿勢に、ずっと惹かれていたのだ。 「本気で言ってるのかい?」 狼の質問に美雲が頷く。 「そうか……お嬢ちゃんは本当に強いんだな。どんなことがあっても、全部その明るさで乗り越える…」 美雲と狼は言葉もなく見つめあった。そしてどちらかともなく顔を近づける。 「んっ……」 唇が離れて狼が囁いた。 「お嬢ちゃん、わかってるかい?オオカミの牙は、一度食らいついたら離れないぜ」 狼の言葉の真意を考えた。いつも犯罪者にこんなことを言って追いつめているんだろう。 だけど今回は違う。ロウさんは今から、わたしを…… 緊張と不安を押し殺して、美雲は小さく頷いた。 5 再び唇が触れると、狼の舌が素早く美雲の口内に侵入した。 「んっ……んん……」 「嬢ちゃん……大丈夫かい?」 そう言っている狼の息も段々と荒くなっている。 ――興奮してくれてるのかな? 興奮してるなら、確か体が反応するんだっけ。 そんなことが気になった美雲は半ば無意識的に狼の下半身に手を伸ばして確認した。狼の動きが一瞬止まる。 「なかなか……積極的なんだな?」 「えっ!?いや、すみません!興奮してくれてるのかなって、気になったら止まらなくて…」 美雲は急いで手を引っ込めた。 「ははっ、アンタらしいや」 狼は笑うと同時に美雲の服の中に手を入れて、器用にブラジャーのホックを外した。 「あ、ロウさんっ……」 すぐに狼の手は美雲の胸を荒々しく掴む。 「あぁっ!や、やだっ……!」 「アマイな。先に挑発したのはそっちだろう?」 更に狼はもう片方の手でスカートの中に手を入れた。 「やっ!待って……」 あまりの慌てぶりを見て狼は一旦手を止めると、「初めてか?」と尋ねる。 美雲は小さく頷いて「すみません」と謝った。 「謝ることはねぇさ。むしろ、大事な初体験が俺みたいな奴でいいのかい」 「あ、当たり前です!わたし、幸せです……」 「そうか。嫌になったら言ってくれよ」 「……はい!ロウさん、やっぱり優しいですね!」 美雲の笑顔につられて、狼も思わず微笑んだ。 しばらく優しく胸を揉んだ後、狼は再びスカートの中への侵入を試みた。 「あ、うぅ……」 美雲が緊張からなのか羞恥からなのか小さく呻く。 緊張しているのは狼だって同じだった。何しろ相手は17歳だ。若い体に対して歯止めが効くか、自分でもわからない。 そっと下着の中に指を差し込むと、クチュ、と水音が聞こえた。もちろん指にはぬるついた感触。 「濡れてるな、お嬢ちゃん……」 そう呟くと美雲は顔を真っ赤にした。 狼は更に指を動かす。 「あ、あぁんっ……やぁっ」 「嫌か?」 「だって、は、恥ずかしっ…」 「我慢しな。こうしないと後で痛い思いをするぜ」 “恥ずかしい”なんて、いつもの強気で天真爛漫な姿からは想像もつかねぇ言葉だな…… 狼はそんなことを考えた。 6 そろそろ挿入してもいいだろう。 そう考えた狼はベルトを外し自分のモノを取り出した。 美雲は思わず目を逸らす。 「避けることはねぇだろう。これがアンタの中に入るんだぜ?」 「だ、だって、なんかすごくイメージと違ったんですよー!」 「どんなものだと思ってたんだ?説明してくれよ」 「い、嫌ですよ!」 美雲が少しいつものノリを見せたことに安堵して、狼は脚を開いて座ると美雲の手を引いた。 「なんですか?」 「またがってくれよ。こんな場所だし、そうするしかねぇだろう?」 「えぇっ!?」 美雲は困惑するあまり固まってしまった。 狼はそんな美雲が可愛くて仕方なく、ニヤニヤしながら美雲の体を引き寄せる。 「いやー!嫌です!恥ずかしい!」 「俺は良い眺めだぜ。それに、自分の痛くないペースでいれられる」 「……そうなんですか?」 そんな優しい理由を言われたら逆らえない。言われた通り狼の上にまたがった。 「んっ……!」 びしょ濡れの秘部に狼の硬くなったものがあたる。 少しずつ腰を落としていくと、予想以上の痛みが美雲を襲った。 「うあぁっ!い、た……」 「大丈夫か?痛いなら、やめてもいいんだぜ」 美雲は慌てて首を振る。途中で諦めるなんてことはサガじゃないし、せっかく狼と一つになれるチャンスを逃したくなかった。 「それなら、落ち着け。お嬢ちゃん……もっと力を抜きな」 狼に言われた通り力を抜いて、ようやく狼のモノを全て受け入れた。 「すげぇ、キツい……」 一方狼も、予想以上の締め付けに余裕をなくしていた。 それでも、美雲の痛みが落ち着くまで我慢しよう……と思っていると、なんと美雲がゆっくり腰を動かし始めた。 「オイっ……痛くねぇのか?」 「だって、動いた方が……気持ち良いんじゃ……ないですかっ……?」 美雲の苦しそうな表情を見てどうしようもなくなった狼は、思いきり美雲を抱き締めた。 7 狼は完全に理性がなくなるのを感じた。思いのまま、美雲の中に突き上げる。 「ロウさんっ……気持ち良い……」 「俺も、気持ち良いぜ」 お嬢ちゃん―― そう言いかけて、改めて言い直す。 「美雲……気持ち良い。お前の中で、イきてぇ……」 美雲は答えに窮しているようだった。 勝手に肯定と受け取って、狼は更に激しく突き上げる。 「あっ、あんっ……やぁっ!あ、ダメっ」 「美雲っ……良い……」 美雲が力の限り狼を抱き締める。 それに応えるように狼も優しく美雲の頭を撫でた。 「ロウさんっ……あんっ、好きっ……」 「俺も、好きだ……みくもっ……」 しばらくして、狼は美雲の中に射精した。 「……お、遅いですね!エレベーターの人!」 服を着て数十分待っても管理会社の人間はいっこうに現れない。 狼の中で生まれていた疑惑が、確信に変わっていった。 「アネさん……連絡なんてしてねぇかもしれないな」 「えぇっ!?わたしたち、忘れられてるんですか?」 あの優秀な狩魔冥が“忘れる”なんてありえない。おそらくハメられたんだろう。 そう推察した狼が試しに非常ボタンで連絡してみると、予想通り管理会社にはなんの連絡も入っていなかった。 「ひどいなぁ狩魔さん!」 「まぁいいさ。おかげでアンタとこうして……」 狼が美雲に近づいてゆっくり口づける。美雲は気まずそうに目をキョロキョロさせた。 「狼子、曰く……愛した女は一生守り抜くぜ」 「ど、ドロボウ子曰く……オオカミさんには、かなわないです……」 それからまた数十分後、無事2人はエレベーターから脱出した。 迎えた御剣と冥の目に飛び込んできたのは、美雲の首もとについた赤い痕。 美雲自身は気付いていないのかいつも通り元気に笑っている。 冥は自分の計画が成功したことにニヤリとして、当の狼士龍は御剣の殺気に気付かないフリをして颯爽と次の事件現場へ向かっていったとか。
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霧緒×冥 『お泊まり会』 どうしてこんな事になったのだろう。 冥はシャツのボタンを留める自分の姿を鏡で見ながら思った。 キチンと洗われたシャツは、揃いのパジャマのズボンと一緒にキレイにたたまれていたものだ。 冥がシャワーを浴びている間に置かれたのだろう。浴室に入った時にはなかったものだ。 それを大人しく身につけながら、やはり冥は釈然としない。 今日はただお茶をするだけのつもりだったのだ。 新しいアパートに引っ越したので遊びに来ないかと誘われ、じゃあ3時のお茶でもと、手土産のケーキを持って訪問した。 近状報告にもならないようなおしゃべりに花を咲かせているうちに日も落ち、せっかくだから夕食も、さらには食後に一杯などと誘われているうちに―― どうせなら泊まっていかれませんか?――と。 断るチャンスはなかった訳ではないだろう。しかし、小さな誘いを断り切れずにいるうちに、ズルズルと事態は大きくなっていて。 何より、慣れないアルコールをうっかり摂取してしまったのがいけない。 口にし始めて間もないワインは、少しばかりなら平気なのだが、これももう少し、もう少しと勧められ、言われるままに口に入れてしまった。 正確な量は分からないが、明らかに過剰摂取な事は理解できる。 平常な判断力が残っていたなら、いくら流れとはいえ外泊などキッパリと断っていただろう。 ぽぉとした頭で頷いてしまったが最後。すっかり相手は泊める気でいるし、こうしてシャワーまで借りている。 熱い湯を浴びているうちに頭も少し冴えてきて、せっかくの厚意だけど遠慮しよう。シャワーを浴びたらちゃんと断りを入れて帰ろう、と決めたのだが。 脱衣所に出てみると自分の服がない。そして替わりに置かれていたのがこのパジャマだ。 さすがに服を着ないで出るわけにもいかないので、しぶしぶパジャマを身につける。 何だか流されているようで、とても納得がいかない。 今に戻ると、家主である華宮霧緒がお茶を入れていた。 冥の姿を目にとめると、ニコッと笑顔を向ける。 「あ、冥さん」 「シャワーありがとう」 「いいんですよー。あ、パジャマ分かりましたか」 「えぇ。それでね、霧緒‥‥」 私、帰るから服を、と言いかけた冥には気づかず、霧緒は矢継ぎ早に捲し立てた。 「じゃあ私もパッと入ってきちゃいますねっ。あ、お茶入れておいたので、どうぞごゆっくりしててくださいっ」 「あっ、ちょっと‥‥」 皆まで言い終わる前に、霧緒はタオルを抱え忙しそうにパタパタとバスルームへ向かってしまった。 取り残された冥は、しばらく呆然としていたが、とりあえず目の届く範囲をぐるっと見回してみた。。 目のつくところに、服は置いていないようだ。 家主の姿がないので、少しの居心地の悪さと遠慮を感じながら、自分の荷物が置いてあるテーブルの隅に移動した。 もしゃと思ったが、バッグと一緒に服は置かれていなかった。 そのままちょこんとテーブルの横に腰を下ろす。 このテーブルは、今は部屋の端に寄せられ、空けたフローリングの床に布団が2組敷かれていた。 泊める気というか、一緒に寝る気のようだ。 酒気からくるものではない頭痛を確かに感じながら、冥はお茶をすすった。 こんな事、始めてだ。 一日女友達の部屋で過ごす事も、一緒に夕食の準備をした事も、隣の布団で寝る事も。 知人の家に招待された事は何度かあったが、それは手厚くても社交的にもてなされただけで、こんなに生活の中に招き入れられた事などない。 身内とは違う「生活」の中に身を置く、この違和感。 いわゆる「一般的」な年頃の女の子達が築いてゆく交流などとは無縁の世界で生きてきた冥にとって、それは全て不思議な感覚で。 面映ゆいようなくすぐったさと、恥ずかしさと居心地の悪さなど、いろんな感覚が混じり合い、でもちょっとわくわくする高揚感が、冥の中でささやかに主張する。 世間の子たちは皆、このような事をするのかしら‥‥。 並んだ布団をぼんやり見つつ、冥は考える。 冥は幼い頃からその才ゆえに大人の中で育ってきて、大人の処世術だけを教え込まれ、そう振る舞う事を求められてきた。 それを当然だと思ってきたし、それに必死で応えてきた。 もちろんそんな存在は希有なもので、冥には近しい歳の子供とふれあった思い出などほとんど無い。 だから今でも、同じくらい、もしくは年少の人間とのふれあい方が分からない。 ましてや「友達」がなんであるかも、よく分からない。 「完璧」を目指す彼女であるから、もちろん精神心理学的に勉強はした。 しかし実体験の伴わない「知識」に、彼女はそれ以上の理解を示せないでいる。 霧緒は冥を「友達」だと思っているようだ。 それも冥自身にはよく分かっていない。周りの人間がそう思っているようなので、これをそういう関係というのだろうと冥は判断しただけだ。 霧緒は冥を「友達」だと思っているからこそ、こうして馴れ馴れしく近寄ろうとし、引き入れようとするのだろう。 でもそれを戸惑いながらも許容している自分も、実はそう思っているからなのかもしれないと、冥は考えている。 霧緒は布団から顔をのぞかせ、きょとんとして冥を見た。 「え?こういうの初めてなんですか?」 「そうよ」 同じく布団を被って、こちらは天井を見ながら、ぶっきらぼうに冥は言い放つ。 何だか、どんな些細な事でも自分に足らない部分があるというのが癪なのだ。 別に目指すところに必要がないのならば、その過程において知る機会がなかったのなら、「知らない」事が悪い事とは思っていない。 ただ、他の人間に「知らない」というだけで好奇の目で見られ、その部分に置いて優位に立たれるのがたまらなく悔しいのだ。 もちろん、そんな子供じみたプライド自体が恥ずかしいのも、冥は分かっている。 分かっているのについムッとしてしまう自分に、また腹が立つのだ。 最近では、それも少しは落ち着いて受け止められるようになったと、自分では思っているのだが。 どうも自分を近くから見ている人間に言わせると「まだまだだな、冥」という事になるらしい。 「霧緒はよくこういう事するの?」 あまり自分の事を詮索されたくなくて、代わりに自分から尋ねてみた。 そうだ、知らないなら聞いて見ればいいじゃないか。足りないなら補えばいいのだ。 「そうですねー。昔はよくやりたがってましたね、“お泊まり会”」 「“お泊まり会”?」 「普段はほら、家の用事とか門限とか、まだ遊び足りないのに帰らなきゃいけないってなるじゃないですか。だから思い出したように“お泊まり会”やりたーい!気の済むまでおしゃべりしたいーって」 そういって霧緒は懐かしむようにくすくす笑う。 口調に同意を求める意図が含まれていたように思うが、残念ながら冥にはそんな思いをする事はまったくなかったし、機会もなかった。 返答に困るが、特別それを求められていた訳でもないようで、霧緒は冥に構わず続ける。 「まぁ、実際はそんなに話す事もなかったりするんですけど」 普段と違う日常を送ってみたくなるんでしょうね、と霧緒は言った。 何となく、それは分かる。今の冥が、その真っ直中に置かれているからだ。 だからと言って、また体験したいかと聞かれれば、今のところは何とも判断つきかねるところだ。 「話すのが目的なのに、話す事がなくなってどうするのよ」 「ん~、大人しく寝ちゃう、とかですか? まぁそういう事もありましたけど、結局、普段しゃべり足りないから~なんて、方便なんですよね」 「? どういう事?」 少し、この不可思議な習慣に対して興味が湧いてきて、冥は霧緒の方に顔を向けた。 「やっぱり、興味があるんじゃないですか?友達というか、他人の生活」 「‥‥なるほど‥‥」 妙に納得してしまう。先ほどからの自分の中の奇妙な高揚感も、見知らぬ「他人の生活」という世界を覗く好奇心とも言えるわけだ。 「後はホラ、一番はやっぱり、普段できない話、じゃないですかね?」 心なしかウキウキしたように顔を輝かせて霧緒が言う。 「普段できない話?」 「普通にお茶しながらとかじゃ出来ないような、ちょっと恥ずかしい話とか、告白とかですよ」 コレが盛り上がるんですよね~、と霧緒は何だか1人で嬉しそうだ。 「暗がりの中で布団に入りながらコソコソ話ししてると、普段聞けないような事とか聞いちゃったり、話してみちゃったりするんですよ!」 「‥‥ふぅん」 霧緒の話を分析すると、要は他人を生活に入れる、または入る事によって非日常を作りだし、それによって日常ではあり得ない会話が成立する事が、これまた非日常感を煽って心を躍らせる、という事か。 「どんな話をするの?」 そうですね~、と霧緒はちょっと恥ずかしそうに目線を泳がせた。 「年頃の女の子が集まってする話ですから、やっぱり異性の事とかですよね。それから他には、もっと深く、の話」 「‥‥深く?」 霧緒はゆっくりと微笑んだ。 「冥さんは、興味ありませんか? ‥‥他の女の子の、性の話」 意味ありげな霧緒の微笑みと言葉を全て聞いてから、冥はハッとした。 霧緒がちょっと、顔を近づけた。 「気になるじゃないですか、他の女の子のカラダ、とか。自分は、他と比べてどうなのか、とか」 「‥‥! っきゃ‥‥!」 その時、冥の無防備な脇腹に何かが触れた。 霧緒が布団の中から手を差し入れてきたのだ。薄い布越しでも、突然の接触に冥は驚いて身じろぎする。 「ふふ。こうしてちょっとだけ触りっこしたりとかして。ね、冥さん」 「ちょっと‥、霧緒、やめなさい!」 触れるだけでなく、ゆっくりと手のひらで撫で上げようとされた腕を、とっさに掴んで冥は身を引いた。 「分かった、もう分かったから! 寝ましょ、もう」 ぐいと布団の中で霧緒の腕を押し返しながら冥は顔を俯けた。 いきなりの事で、心臓が跳ね上がるほど驚いた。 まさか彼女がこんな巫山戯るような真似をするなんて、思ってもみなかっただけに、驚いた。 緊張で紅くなった頬を見られたくなくて顔を上げられない。 仄かな電球の明かりのみの薄暗さだというのに、そんな事にも気がまわらなかった。 だから、気がつかなかったのだ。 すでに霧緒が、冥の布団のすぐ横にまで近寄っていた事に。 「私、興味あるんです、冥さんに」 「え?何‥‥?」 その時にはもう、もう片方の腕が伸びてきていて。 彼女の腕を押しのけるために張った両腕の隙間をぬって、今度こそがら空きの脇腹を撫でられた。 「ひゃ‥‥」 小さな悲鳴をあげる冥に、霧緒は少し意地悪く微笑む。 「いいじゃないですか、女同士ですもの。こうして少し巫山戯たって」 「ふざ‥け‥‥?」 思わず脇腹にまわった腕を止めようと、そっちに注意を向けた隙に、今度は離した腕を胸元に伸ばされた。 「‥‥やっ!」 そのままゆっくりとふくらみの縁をなぞるように脇の方へと指を滑らせる。 霧緒の、女性の細い指先の繊細な動きで撫でられて、冥はくすぐったさと少しの拒絶感に声を上げる。 身体をよじり、抵抗が留守になったところを、霧緒はするすると指を滑らせていく。 始めのように撫でるのではなく、ただそのラインをなぞるように。 そしてゆったりと開いたパジャマの襟元から、鎖骨をたどって細い首筋まで指を這わす。 「霧‥緒っ!く、くすぐったいから‥‥も、やめてっ」 冥は正直戸惑っていた。 はっきり言ってこんな行為、断じて許す訳にはいかない。 いくら女同士とはいえ、他人に無遠慮に身体を触られて気分がいいはずはない。 だが、彼女はあくまでも少し巫山戯てるだけと言うし、冥も、本気で力に任せて拒絶するところではないのではないかという迷いがあった。 「ふふふ、意外と、可愛らしい反応なさるんですね」 霧緒の言葉に、冥はカッと顔が熱くなった。 何だか、彼女の悪ふざけに真剣に困っている自分を笑われたようで、そして真面目に迷ってしまった自分が馬鹿みたいで、羞恥が身体を駆けめぐる。 「か、からかわないでちょうだいっ!」 ぷいっと顔を背けると、霧緒がまた笑った気配がした。 「‥‥本当に、こういう事慣れてらっしゃらないんですね」 悪いか!と冥は心の中で悪態をついた。 どうせ自分は子供らしいふれあいも、思春期のお互い窺うような付き合いも、友達同士で育む気恥ずかしい秘密も、すっ飛ばして育ったのだ。 そんな冥に、霧緒は今までの彼女への心証がまったく違う方へ向かうのを自覚していた。 「‥‥可愛い。冥さん‥‥」 「はぁっ‥‥!?」 何の聞き間違いかと、キッと霧緒を睨み付けようとした冥は、瞬間びくっと身体を縮こませた。 「‥きゃ‥っあ‥‥!」 するっと霧緒の指が、直接冥の胸に触れてきたのだ。 気づくとすでにパジャマの前ボタンがいくつか外されている。繊細な細い指で、気づかれぬように器用に外したらしい。 「冥さん、肌キレイですね‥‥。凄く滑らかで‥しっとりして‥‥」 「いっいや‥‥」 あり得ない事態に、冥は軽いパニックになっていた。 止めさせようと腕は彼女に掛けていても、力が入らず抵抗にならない。 その間にも霧緒は素肌に触れさせる指を増やし、手のひらで撫で、そしてゆっくりと腹から脇にかけて撫で上げ、冥の柔らかな乳房の感触を確かめる。 すでにボタンは全て外され、シャツはすっかりはだけられていた。 「やぁ‥! や、めなさい、霧緒っ」 冥の思考回路は完全に混乱の最中にあった。どうしてこんな事になっているのか、霧緒は一体何を考えているのか、自分は一体どうしたらいいのか。 彼女が女性である、という事がその混乱に拍車をかけていた。 同性である霧緒が、自分を辱める訳がないという事実との相違点が受け入れられないのと、今まで「近しい位置」にあった友人と呼べるかもしれない存在を、拒絶する決心がつかない事が、冥の思考をかき乱していた。 一方、霧緒自身も事の方向が違ってきた事を自覚していた。 そう、最初は確かにちょっとした悪戯心だったのだ。 しかし冥に触れてみたいというささやかな欲望の中に、「甘えたい」という自身の悪癖がまったくないとは思っていなかった。 もしかしたら、冥が自分を支えてくれる存在になってくれるかもしれない、と期待していなかったとしたら嘘になる。 ところが彼女の思っても見ないところで、冥は違う反応を見せた。 まるで初な少女のような恥じらい。 普段の堂々とした彼女からは想像もしていなかった戸惑いぶりに、霧緒自身も揺さぶられた。 そうだ、実際にこの年下の女性はまだ少女なのだ。 その生まれ持った才能と、鍛えられたプロフェッショナルの仮面に隠された、歳相当の初々しい仕草。 今まで感じた事のないこの優越感‥‥。 年長者としての経験と自信が、霧緒に余裕を与えていた。 他者に上に立ってもらう事しか知らなかった自分が、こうして誰かを翻弄している。 しかもそれが少なからず欲していた相手だという事が、霧緒の歯止めを効かなくしていた。 もっと彼女の違う面を見てみたい‥‥! そう、きっとこの誇り高い少女は、このような姿を決して誰にも見せないに違いない。 その隠したヴェールに、今自分は手をかけている。 そう思うと、言い表せない興奮が、霧緒を駆り立てた。 「冥さん‥‥素敵‥‥」 そうつぶやくと、冥の乳房の弾力を弄ぶように手を添えた。じんわりと伝わる体温が心地いい。 「‥い、や‥‥」 「ふふっ、意外とボリューム、あるんですね。スレンダーだから、もう少しささやかかと思ってました」 そうは言っても、まだ小振りと言えるそのふくらみを、今度はゆっくりと優しく揉みしだく。 「やっ‥だ。‥‥言わ‥ない、でっ!」 他者に無防備な部分を見られるという羞恥が、さらに冥の混乱に拍車をかける。 抵抗しようとはするものの、身体を震わせるだけで効果にならない。 その反応は、とても愛らしくて。霧緒は次第に自分の中に嗜虐心が起きあがってくるのを感じていた。 「でも形はキレイ‥‥。色も‥白くて、ピンクが映えますね‥‥」 そう言い終わらないうちに、霧緒は細い指先でそっと冥の蕾に触れる。 「あぁっ!‥‥きゃ、ぁ‥‥」 今までの触れ方では快感に結びついていなかったのか、直接刺激に繋がるところに触れると、冥は拒絶とは違う悲鳴を上げた。 「や、やぁあ‥‥」 まだ柔らかい先端を、ゆっくりと指先で転がし、さすり、擦りあげていくと、そのピンクの蕾がぷっくりと姿を現した。 「うふ‥、こんなになっちゃって。‥‥感じてくれるんですね‥‥」 「いや、いいやぁあ‥ぁ‥‥」 段々抵抗の気力が掠れていく冥の声は、霧緒に芽生えたある種の欲を満足させ、さらに求めさせるには充分な効力があった。 「大丈夫ですよ、冥さん」 そう言うと霧緒は、冥のパジャマのウエストに手を掛けた。 「なっ、何‥‥?」 すでに冥は涙声だ。自分がどのような状況に置かれているか、許容しかねているのだろう。きっと、泣き出しそうになっている自分にも気づいていないに違いない。 この時、霧緒はもう決めていた。 「同じ女同士ですもの。‥‥悪いようにはしませんから」 この少女を、私が女性へと染め上げてみせる。 そしてするっとウエストに手を滑り込ませると、さっとズボンを抜き去った。 「あっ!」 さすがにこればかりは冥も理解したのか、悲鳴を上げて身体を守ろうとよじる。 しかし、霧緒が胸に添えていた指できゅっと小さな乳首を摘むと、冥は小さな嬌声をあげて身をのけぞらせた。 たっぷりと手間を掛けた乳房への愛撫が、効いているようだった。 冥はパジャマの下に下着をつけていない。 もちろんそれは霧緒が服と一緒に隠してしまったからで、それを知っているからこそ、邪魔な布きれを剥ぎ取った時の爽快感といったらなかった。 「大丈夫、私だって経験はあります。どこが感じるか、どうすれば痛くしないか、知ってますから」 「な、んで‥‥こんな事‥‥」 先ほどの刺激が引き金になったのだろう、冥は端正な美しい顔を愛らしく歪めて、その頬に涙がこぼれている。 「私、冥さんが大事なんです。大事な冥さんを、苦痛に苦しませたくない‥‥」 震わせる冥の身体をそっと撫でて、霧緒は外気に晒された脚の間に指を滑り込ませた。 反射的に冥は膝を摺り合わせ、身を縮こませる。そんな反応すら愛らしかった。 「‥‥デリカシーのない男なんかのために苦痛を味わうくらいなら、私が優しく慣らしてあげます」 努めて優しく、冥に語りかける。 そうだ、この自分が。彼女の緊張した身体をほぐしてあげる事ができるのは自分だけなのだ。 そう、ゆっくりと。欲に突っ走る男とは違って、やさしく確実に気持ちよい事を分からせてあげる‥‥。 何より、霧緒自身が同性同士の行為を知らないわけではないという事実が、彼女を自信付けていた。 「‥‥‥‥‥‥」 しかし冥も、これだけは譲れないとばかりに、霧緒の秘所に伸ばした腕を掴んで動かさない。 その吃驚するような力と、急に顔を伏せて押し黙ってしまった冥に、霧緒はふと異変を感じ取った。 「‥‥冥さん?」 続きを、と思ってもこれが意外とびくともしなくて、霧緒は肝心なところに指を伸ばせないでいる。 「‥‥‥?」 さすがに不振に思って冥の顔を覗き込むと、冥は何とも言えない複雑な表情で、顔を真っ赤にしていた。 ただ、嫌がっている訳でも、恥ずかしがっている訳でもなさそうな‥‥。 イヤな、予感がした。 「あの、冥さん?」 「‥‥‥‥」 とりあえず、彼女を押さえつけていた腕から力を抜いて、少し身体を離してみた。 先程までの凝固したような束縛はなんのその、引く力にあっさりと冥は霧緒を解放した。 すでに、先程まであった決意はすっかり抜けきってしまった。今は、その決定的な一言を聞きたくないという、軽い恐怖。 まさか、この些細な仕草ですらまだ幼い彼女が。 それでも意を決して、聞いてみる。 「‥‥もしかして、初めてじゃない‥‥とか?」 「‥‥‥‥‥‥‥‥」 返答は、ない。 だが、ガンとして動かないその身体と、決して霧緒に見られまいと目を反らしているその姿に。 全てを察した気がした。 軽い喪失感の一方、その頑なな姿すらいじらしくて。 お互い固まったまま、いくばくかの時間が過ぎ。 冥がふと真っ赤な顔を上げた。 「‥‥私、帰るから。服を出して」 去り際、冥は『今晩の事は、なかった事にしましょう』とだけ告げて去っていった。 あのっ!あの男がっ!! 思い当たる人物は、1人しかいなかった。 仮にも自分にとって恩人でもあるその人物であるが、それでも冥と比べる術があるわけでなく。 ただ霧緒は冥がすでに寝取られていた事実に、心の奥底から恨みの念を送るしかできないのだ。 あぁそれにしても、冥の恥じらう姿の何と初々しく艶めかしかった事か。 思い返しては、その全てを手にしている相手への妬ましい思いが湧いてくる。 こうしてまた、霧緒は男への嫌悪感を新たにしたのであった。
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糸鋸×春美 『はじめて記念』 警察署・刑事課 「うわああああん!!」 フロアの奥から、女の子の泣き声が聞こえてくる。 きっと、どっかで迷子になったんだろう。 「イトノコ先輩!」 「何っスか?自分は今忙しいっスよ…」 「あの子のお守りをしてて欲しいんス、僕、これから巡回行かなきゃいけなくって」 …後輩のクセに、ナマイキっス…。 「先輩、クマさんそっくりだから、あの女の子も喜ぶと思うんス」 …クマさん、っスか。 「わかったっス。じゃあ、君はしっかり巡回してくるっスよ」 そう言うと、後輩はすぐフロアを後にした。 「ホント、お人好しっスね、自分は…」 女の子の泣き声のするほうへ向かった。 「うわああああん!!」 …もう、うるさいっス。早く両親来ないっスかねぇ…。 ガチャ。 目の前に、女の子が座っている。 幼稚園児かと思ったが、小学校低学年くらいの、…ん? 天女のような髪型がピコピコと揺れている。 もしかして…? 「春美くん…?」 「!」 振り向くと、涙で顔がグチャグチャの春美くんだった。 「おひげのけいじさん!!」 自分を見るなり、駆け寄って抱きついた。 「どうしたっスか?」 「うわああああん!!」 「泣いてちゃ、わかんないっス。自分でよければ、話して欲しいっス」 「真宵さまに怒られてしまわああああん!!」 「…壷でも割ったっスか?」 ぎゅう、と、服の裾を掴んだ。 「…誰もいないトコでだったら、話してもらえるっスか?」 こくん、とうなづき、フロアを出た。 警察署・屋上 「ここなら、誰も来ないっス。じゃあ、自分に話して欲しいっス」 「…真宵さまには言わないで下さいね」 春美くんは、装束の裾から手を入れると、するり、とパンツを下ろした。 「な、ナニしてるっスか!自分は、そんな……?」 パンツが、赤く染まっている。 「朝、起きたら私のパンツが血だらけだったんです…!真宵さまに言ったら、きっと事件だと大騒ぎしてご迷惑をお掛けすると思って。・・事件て言ったら、けいじさんだから」 「…自分のトコに来たっスね」 「私、怪我したのでしょうか…?お腹は痛いんですけど、切られた覚えがないんです」 …この子は、もうそんな年になってしまったっスね。 「怪我でも、病気でもないっス。春美くんは、女の人になったっス」 「…え?」 パンツを上げ、春美くんの手を引いた。 「今日は、自分、早退するっス!!」 「えっ?おひげのけいじさん、お仕事…」 「たまには、休みも必要っス!」 スーパー・店内 「気持ち悪いかも知れないっスけど、もうちょっと我慢するっス」 「はい!」 手を引いて、女児の下着コーナーへ向かう。 「さあ、春美くんの好きなものを選んでいいっスよ」 「ええっ、で、でも、けいじさん…」 「いいっス。今日は、春美くんのお祝いっスから」 春美くんは、嬉しそうにパンツを選び始めた。 いつもは装束ばかりだったから、こんなトコには来て服を選んだことが無かったのだろう。 春美くんは、ピンク地に暖色系の花柄模様のかわいらしいパンツを一枚選んだ。 …問題は、生理用品だ。 薬局に寄って、おばちゃんに、こっそりと耳打ちした。 「ああ、大丈夫よ。最近なら、お父さんでも買っていってあげる人いるから。…ほら、いるでしょ?離婚して、娘を引き取ったお父さんとか…」 「…自分はまだ離婚すらしてないっスけど…」 それを聞いて、ちょっと安心した。 丁寧につけ方まで教えてくれた。 家までの帰り、自分が誘拐してるように見えないように、ずっと親子のフリをして、手をつないでいた。 「おひげのけいじさん、」 「どうしたっスか」 「…ありがとう。」 にっこりと笑った。 自分が本当のお父さんだったら、どれほど良かったか…。 イトノコの部屋 こんなところに客を入れるのは何年ぶりっスかねぇ。 「あまりキレイじゃないっスけど、」 「おじゃまします」 浴槽にお湯を張る。 「お風呂が沸いたから、入るといいっス」 「はい」 「あ、ちょっと待つっス」 春美くんのパンツをするり、と下ろし、血まみれのアソコを舐め始めた。 「だめ!けいじさん!!そんなトコ、汚いです…!」 「だから、自分がきれいにするっス」 「はぁ、あんッ…!」 生理になっているせいか、とても敏感になっている。 ねっとりとした経血が、舌に纏わりつく。 「お腹にちょっと力を入れるっス」 どろどろ、とまた血が流れ出てきた。 それを、ちゅるっと吸う。 「はあ、はあ…」 春美くんは、顔が紅潮してきている。 アソコの上部に位置する、クリトリスをやさしく吸った。 「はああああんッ…!!けいじさんッ、気持ちい…」 春美くんはそのままイってしまうと、膝をがくんと落とした。 「女の人になった、ホントのお祝いっスよ…」 春美くんを抱き抱えると、風呂場へ連れていった。 春美くんは自分で服を脱ぐと、お湯を2・3掛け、浴槽に入った。 自分は、その傍らで、血まみれのパンツを洗い出す。 「…ごめんなさい、けいじさん…」 浴槽からひょこっと顔を出し、自分を見ている。 「なあに、いいっスよ」 「…けいじさん、さっきのって…」 「春美くんが、もっと大人になって、…そうっスね、真宵くんぐらいになったら、もっと教えてあげるっス。」 「ホントですか?…約束、です」 小指を差し出された。 「…指きりげんまん、…」 にこにこと、嬉しそうだ。お父さんと、こんなことをしたことが無かったのだろう。 「乾いたら、自分が届けに行くっスよ」 お風呂から上がって、バスタオルに身を包んで春美くんが出てきた。 「ほら、春美くん。よく見てるっス」 さっき買ってきたナプキンの包み紙をぺりぺりと剥がし、ピンクのパンツに貼り付けた。 「さあ、履いてみるっス」 春美くんは、バランスを崩さないようにと自分の肩に手を置き、右足から通し始めた。 スッ、とパンツを上げる。 「…どうっスか?」 「ちょっと変な感じ。ふふっ」 「春美くん、」 「…?」 「これは、悪いコトじゃないっスよ。だから、ナルホドくんの事務所に戻ったら、真宵くんに、ちゃんとお話するっスよ」 「ナルホドくんには?」 「言わなくていいっス!…あと、さっき自分がやったことは、真宵くんにも言っちゃダメっス」 「ふふっ、私と、おひげのけいじさんのひみつ、ですね」 「そう、秘密っス」 成歩堂法律事務所 「ねぇ、ナルホドくん。ハミちゃん遅いよ。遅い、おーそーいー!みそラーメン!!」 お腹が空いているときの真宵ちゃんは、人一倍タチが悪い。 「きっと、夕食のお買い物でもしてるんだよ」 ガチャ。 「ただいまです!」 「ハミちゃん!こんな時間までどこに行ってたの?」 「真宵さま!」 ぎゅうう、と真宵ちゃんに抱きついた。 「ど、どうしたの?ハミちゃん」 「真宵さまぁ…」 真宵ちゃんも、優しく抱く。 「おかえり。…一人で遠くまでいって怖かったんだね。」 「真宵さま、わたし…」 ごにょごにょ。 春美ちゃんは、真宵ちゃんに、何か内緒話を始めた。 「なあんだ!そうなんだ!…ナルホドくん!今日の夕食変更!」 「は?」 「ハミちゃん、お赤飯だよ!」 「…お赤飯…?て、何?」 「だ、だめです、真宵さま…」 春美ちゃんは、顔を真っ赤にしている。 「んもう!ニブいなぁ、ナルホドくん。ハミちゃんはね、生理がきたんだよ!」 「…そう、なの…?」 「うわああああん!真宵さまヒドイです!!」 春美ちゃんは、余りの恥ずかしさに泣き出してしまった。 「…ごめん、ハミちゃん…あたし、女の人しかいない環境だったから…」 (それって女子高と同じ原理じゃないか?真宵ちゃん、羞恥心のカケラもなくなってる…) その晩、ハミちゃんはずっと愚図っていた…。
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前 高い声を漏らす彼女はぎゅっと目をつぶり、彼の背に回っていた腕は、抱き寄せることも拒むことも出来ず、こっけいにも背中でこぶしを作っている。 それは、手を開いていることが不安で、身を強張らせる中でした動作に過ぎないのだが、その初心さがまた、かわいらしい。 彼女の余裕のなさが、少々悪趣味とも思える彼の思考を後押しする。 「メイ。だいぶ硬くなってきたようだが、感じているのだろうか?」 言って、くりくりとそこをいじってやれば、反論も悲鳴に変わる。 にらみつけようとした目は力なくゆがみ、愉快そうな彼の顔を見たくないのか、ふたたび目を閉じてしまう。 背に回していた腕を下ろして、声を抑えるように口元に持っていく。 荒い息はおさまらないにしても、声を飲み込むには効果的なようだ。 それをおもしろがるように、彼は再度、口を使うことにした。 一度胸の間に唇を落としてから、頂に舌を伸ばし、吸い付く。 「っ!」 息を呑み、背が反らせたのがわかる。 かまわず唇と舌とで硬くしこったそこを舐り、時には歯をたてる。 首を振ってもだえる気配を感じ、視線をあげると、よほど声を出したくないのか、自分の指を噛んでいた。 慌てて口を離して、その手の甲に唇を落とし、口から離させる。 息を乱した彼女は今度こそ、非難の目を向けた。 「あなた、私に何を言わせたいの?」 が、怒りではなく甘美な興奮に頬を染めて、そのうえあられもない格好で、肌に汗を浮かべて、息を乱しながら言われても、恐縮する気は起きない。 平然と手を取り、彼女の歯形がついた指に口付ける 「傷が付く。噛むなら私の指にしたまえ」 「なっ……」 自分の意見に取り合わない男に彼女が何か言おうとしたが、それも彼は無視し続ける。 言葉通り自分の指を彼女の口元に差し出し、胸への愛撫を再開する。 先ほどとは反対の胸に口付け、舐り、その間も空いた手はもう一方をもみしだく。 得体の知れない生き物のように、熱く蠢く舌の感覚に、彼女は差し出された指を噛んだ。 のどまで出掛かった嬌声を、ただのくぐもったうめき声に変えるだけとわかっていても、差し出されたその骨ばった指に、歯形を付けたくて。 「ふ、ん、んうっ……」 鼻にかかった声は、それでも十分にいやらしく、女を喜ばせているという事実が彼を満足させる。 加えてそれが、あの勝気で、人の言うことなど聞きもしない、まるで女王然とした彼女なのだという事実が、妙に彼をくすぐる。 きしむベッドの上では、彼女は彼に弄ばれるほかない。 そう思うと、冷静な彼らしくないイタズラ心が度々顔を出す。 どの程度自分の行動を受けいれてくれるものかと、彼はためしに彼女の口の中で指を動かしてみた。 彼女の舌は驚き、一瞬ひっこんだが、ややあって彼の指を確かめるように動いた。 そろりと、ざらつく舌で指を舐めあげられるのは、なかなかに官能的だ。 猫でもあやしているような気分になる。 その間も胸への愛撫を止めないので、彼女の歯が何度か彼の皮膚に痕を残した。 落ち着くと傷跡を癒すように舌を這わせるのが、いじらしい。 ひとしきり戯れを繰り返し、彼女の舌が彼の指を舐めるのに疲れると、ようやく指を引き抜き顔を上げ、唾液にぬれたその指でくるりと敏感な頂をなぞる。 なまめかしいため息をつく彼女はもう、非難の視線を向けるのも忘れていた。 人の体の一部を舐めるという初めての行為に、簡単に酔ってしまったようだ。 薄く開いたままの唇に口付けながら、彼の手は腰をくすぐり、足の付け根をそっとなでる。 滑らかな肌のその先に、たまらなく熱くなっている場所があるのを、彼女は理解しているのだろうか。 「メイ」 呼びかける彼の声に、彼女が視線を上げた瞬間、その場所を指が滑った。 下着の上からでもわかる湿った空気と熱は、彼女が情欲に溺れつつあることを示している。 いや、と身をよじる彼女が逃げ出す前に、彼は下着の中に指を入れる。 ゆるりと、彼女自身のぬめりをまとわりつかせて表面をなでると、それだけで声をあげる。 「や、れ、れいじ」 すがりつき、それでも快感を与えられれば喜び震えてしまう体を制御する術を彼女は知らない。 知らないから、怖い。 彼にすがりつき、自分のものではないような弱弱しい声をあげ、そのくせ、体中の神経が彼の触れる場所に集まってしまったような錯覚に酔う。 彼の指は閉じられた花びらを割り、蜜を溢れさせる。 彼女が今日のために選んだだろう下着はいやらしい蜜を吸い、使い物にならなくなってしまった。 それでも彼は下着の隙間から指を差し入れたまま、花弁の間をなで続ける。 「は、うぅ、んっ……れい、じ」 下着を着けたまま乱されるのはたまらなく恥ずかしくて、いっそのこと脱がせてくれればいいのに、と頭の隅で思うのに、それを彼女が口にするのはそれ以上に恥ずかしいことのようで、困惑と快感でぬれた瞳を向けることしか出来ない。 彼はそれに気づいているのかいないのか、彼女の敏感な芽をさぐりだし、指の腹でこする。 「っ!」 びくりと背をのけぞらせ、突然の衝撃から逃げ出そうと身をよじる。 が、逃れられない。 下着はしっかりと彼の手と彼女の体を固定しているのだ。 まさかそのためにわざわざ指を差し入れたわけではないだろうが、彼は彼女が逃げられないのを知ると、満足そうに笑みを浮かべて指を動かした。 敏感な箇所をつまんでやれば甲高い悲鳴をあげ、その周囲を愛撫すれば甘いため息をつく。 その合間合間に自分を呼ぶ声がいとしくて、彼の熱もあがってゆく。 もう、彼の中心は痛いほどいきり立って、目の前の甘い肉の中に飛び込みたがっていた。 だが、もう少し。 彼女と今後 このようなアレ をするためには、もう一段階だけ我慢しなければならない。 「れい、れい、じぃっ……いやぁっ、だめ、だめ、なのっ……」 乱れきった彼女が頭を振って、彼に視線を向ける。 それを合図に彼は指を抜き、彼女の下着に手をかけた。 ようやく一つの羞恥から開放されると知った彼女は、思うように動かない体を動かし、腰を浮かしてそれを手伝う。 けれど、秘所を明かりに照らされるのも十分に恥ずかしい。 少しでもそこを隠そうと、彼女が足を閉じようとする間にひざを割りいれられ、それは適わなかった。 彼に軽々と片足を抱えあげられ、熱くぬれた其処が外気にさらされ、ひやりとする。 「やっ……れ、れいじ、いや、恥ずかしい……」 表情を隠すように顔を布団に押付け、口元を手で押さえて、蚊のなく様な声で訴える様は、嗜虐心をそそる。 「だが、こうしないと君の中をほぐせない。」 わかるだろう?と問いかける彼に、彼女は惚けたような表情を向ける。 「なか……」 「そう、中、だ。私が入るこの場所で君が感じてくれなければ、それは完璧なセックスとは言えない。そのための準備が必要なのだ……こういった」 言いながら、深爪といってもいいくらい短く切られた爪を乗せた指先が、彼女の中に埋め込まれてゆく。 一瞬彼女が眉をしかめたように見えて、その指を止める。 「痛い、だろうか」 「いいえ……大丈夫だから……続けてちょうだい」 得意の強がりなのだろうと、彼には容易に想像できた。 だが、今引いてしまってはまた同じことを繰り返すだけだ。 彼女には苦痛であったとしても、今後それを快感に変えてゆくためには耐えてもらわなければならない。 彼女の言葉通り、続けるしかない。 まだまだ男を受け入れるには未熟なそこを傷つけないように、指の腹でなぞるようにして押し進む。 絡みつく体液と柔らかな内壁を指の根本にまで感じたときには、我慢の2文字を思い浮かべるよりほかなかった。 いずれ彼自身の求める方向に行き着くのだと自分自身を納得させながら、少しでもそのときを彼女が心安らかに受け入れられるようにと、ゆるゆると内部を探り、ほぐす作業に没頭する。 「は……んんっ……なんだか……ヘンな感じ、ね」 呟く彼女の眉間のしわが薄くなったことに、安堵の息をつく。 すぐに快感を得られるようになるとは思っていない。 職務上、性犯罪の判例もあらかた頭には入っている。 残念ながら、快感ではなく苦痛を与えられた原告の証言ばかりだが。 ともあれ、性交渉の経験に乏しい女性にとって、そこがあまり気持ちのいい場所ではない、ということだけは承知している。 もっとも、自分のこの行為がどれほど役に立つのかは定かではないが。 「その……メイ、大丈夫、だろうか」 「え……ええ。痛くはないわ、今のところ」 彼女らしくないはっきりしない物言いも、ひっかかるにはひっかかる。 けれどもう、彼自身が収まりの付かない有様になっている。 自制心という堰に阻まれた情動が、もはや体の一部などでは収まらないほどに膨れ上がっている。 その熱を暴発させず、まだ少しコントロールできるうちに、彼女と一つになっておく方が得策だろう。 愛液に濡れた指を引き抜くと、彼女の肩がふるりと震える。 こんな反応では済まないことをしようとしているのだ。 彼女に二度も「失態」と呼ばれないように準備をして、彼女の頬に唇を押付け、かすれた声を聞かせる。 「すまないが……もう、限界だ」 え、と聞き返す彼女の腰をつかみ、いきり立った彼自身の先端を押し当てる。 ぬるりとすべる感触を楽しんで、入口にあてがうと、彼女の身体が強張るのを感じた。 「メイ。力をぬいてくれないか」 「……努力、するわ」 ふう、と息をつく彼女の中に、ゆっくりと彼自身を押し込んでゆく。 一瞬苦痛に歪んだ彼女の表情が見えなかったわけではないが、それよりもあまりに気持ちのいい感触に、猿のように腰を動かしたくなるのを抑えるので精一杯だった。 まとわりつく肉の壁、握られているような強さのしめつけ、あるいは狭さ。 そして、別の生き物のように蠢き、跳ねるお互いの熱い感触。 腰の奥でふくれあがる快感をさらに強いものにしたい。 それに身をゆだねて、理性のたがを外して、本能のままに動き出したい。 うずまく欲情を抱えたまま、みっちりと彼女の中を満たした状態で息をつき、一言、声をかける。 「メイ。いくぞ」 見上げている彼女の表情はどこか不安げだったが、もう、彼は動き出していた。 一旦ギリギリまで引き抜き、浅いところでの抜き差しを繰り返す。 一番狭い入口で一番気持ちの良い所を刺激できるこの状態は、効率よく彼を高ぶらせる。 「っく、あ、あぁっ!」 眉間に深いしわを刻んで悶える彼女の様は、やはり快感とは違う感覚なのだろう。 だがその様子も、今の彼には欲情におぼれている様にしか見えない。 際奥に突き立てれば弓のように背がしなり、激しく腰を動かせばそれにあわせて声を上げる。 首を横に振って嫌がる様も、先ほど咎めたのに自分の指を噛む様も、男を感じているようにしか、見えない。 いななくように声を上げ、目じりに涙を浮かべる姿にも胸が痛むことはなく、ひたすらに、自身の快感だけを追及して腰を動かす。 それでも相手を感じさせてやろうという欲求がないわけではないらしく、器用とは言えない手が彼女の敏感な肉芽をつまむ。 「あぁあっ!イヤ、ダメ、だめぇっ!」 激しく首を振る彼女には、まだそこは刺激が強すぎて、しかも先ほどまでとは違って遠慮のない触れ方をするので、それこそどうすることもできない。 ただ苦しくて、涙が浮かぶ。 身をよじることもできず、息の続く限り声を上げる。 それでも彼を突き放すことは出来なくて、薄い爪を皮膚につきたてて、すがりつくのだ、 きしむベッドの上で叫び続けていた彼女の声はかすれ、彼の体温は上がる。 薄く目を開いた彼女が見た彼の瞳は見たことがないほど妖しく光っていて、それでも自分だけを見つめていることに安堵する。 「レイっ、レイジっ……!」 「メイっ……っく、いく、ぞっ……」 彼女がそれを理解するより早く、彼の突き上げはいっそう早くなっていった。 身体をゆすぶられ、体内をえぐられ、突かれ、意識が遠のきそうになったとき、 それ は来たらしかった。 「っく……は、はぁ……はぁ……っ」 ひとたび動きを止めた彼が緩慢な動きで幾度か深く彼女を貫いて、肩で息をつき、役目を終えた自身を引き抜くと、ぐったりと身体を投げ出す。 自分の中で達したらしいとわかると、彼女には不思議な満足感が沸いてきた。 苦痛に耐えた時間は果てしなく長く感じられたが、それも彼を満足させられたという結果を考えれば許せた。 「レイジ……」 甘くかすれた声で横に倒れこんでいる男を呼ぶと、息を乱したまま彼女に顔を向けた。 「メイ……」 たくましい腕が彼女の体を抱き寄せる。 それに身をゆだねて、しばし互いの息が整うのを待つ。 一気に上がった体温を、やっと冷静に味わうことが出来る。 ややあって彼女が身じろぐと、彼はそれを押さえつけるように抱きしめる手に力をこめた。 逃げるのを諦めた彼女は既に息が整い始めているのだが、彼は予想以上に体力を使ったらしく、目をあけもしない。 「……意外と体力を使うものなのね」 呟いた彼女にようやく視線を向けて、彼が答える。 「うむ……まぁ、そうだな。女性が積極的に動かない限りは、往々にして男性が非常に体力を消耗することになる」 そう、と答えた彼女は、それ以上口を開かない彼に問いかけても無駄と諦め、目を閉じる。 しばし呼吸だけが部屋に響き、二人は意識を混ぜ合わせたような混沌としたまどろみに足を突っ込む。 心地の良い時間がどれほど過ぎただろうか。 息の整った彼が彼女の頭をなでる頃には、彼女は寝息を立てていた。 その寝顔は安らかで、ほっとする。 当初の目的であった「彼女を満足させる」ことができたかどうか、まだ確かめようもないが、とりあえずはこうして、自分の腕の中で眠っていることに安堵するとしよう。 いや、それにしても、と彼は思わず緩む口元を押さえる。 ――とても、良かった こんな直接的な台詞を口にしようものなら、力の限り殴られるかもしれないが、事実は曲げるわけにはいかない。 彼女の体はどこも触り心地が良かったし、情事に慣れていないわりに敏感だった。 あげる声はたまらなく可愛らしくみだらで、余裕のあるときこそ普段の強気な素振りをみせていたが、最後のころにはそれもすっかり影を潜めていた。 普段は涼しげな瞳を熱くうるませて、イヤ、なんて首を振るしぐさは反則だとすら思った。 あげく、こうして無防備に裸体をゆだねて、子どものように寝息を立てられては、もう単純に幸福と感じてしまうのも無理はないだろう。 まだ幼かった彼女に昔してやったように頭をなでると、細い髪が流れる。 そういえば明かりをつけたままだった。 明かりを落とそうと腕を伸ばすと、彼女がみじろぐ。 「……起きたか」 問いかけると、眠たげにうっすらと目を明ける。 「寝ていた?」 「ああ。疲れただろう。まだ休むといい」 「ええ。でも寒いわ。服を着させて」 バスローブを手繰り寄せる彼女がけだるげに身を起こすと、密着していた肌が離れ、汗が体温を奪う。 まだ、離れたくはない。つい、彼は彼女を引き倒して抱きしめる。 「どうしたの?」 眠気も覚めた、といった表情で彼を見る彼女に、どう説明したものか。 「布団をかぶればいい。私も寒い」 平静を装って布団を手繰り寄せ、彼は言葉通り二人の体を覆うようにする。 しばし不思議そうにしていた彼女も、自分の熱で布団が温まると納得したのか、再び彼に寄り添って目を閉じる。 ようやく彼も明かりを落として、彼女の肩を抱いて目を閉じる。 「ねえ、レイジ」 問いかける声の優しさに、彼はすっかり油断していた。 「 女性が積極的に動く場合 の方法、勉強するわ。あなたばかり疲れては不公平だもの」 白目をむいた彼が、慌てて彼女に真意を問い質そうとみじろぐと、彼女は目を閉じたまま笑う。 「何を慌てているの?誰も今とは言っていないわ。いいから寝かせて頂戴」 「う……うむ。そうだな……」 本当に、油断ならない。 ため息をつく男の横では、不敵な女が満足そうに寝息を立て始めていた。 -----おわり-----
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成歩堂×春美③ 「なるほどくん、タイヘン! お菓子がなくなっちゃったよぉ!」 「え? もうないの?」 真宵ちゃんが戸棚の中を指差して、僕に非難の目を向けてくる。 もともと来客用にと買い置きしてあるものなのに、 そのほとんどが真宵ちゃんの胃の中に消えているのを僕は知っている。 「どうして買い足しておいてくれなかったのっ!?」 「い、いや、先週あんなに買ったから当分大丈夫じゃないかと思って…… ねぇ春美ちゃん?」 真宵ちゃんのキツい視線に耐えられなくなった僕はソファに腰を下ろしていた 春美ちゃんに話題の共有を持ちかけた。 「先週のお買い物は楽しかったですね、なるほどくん! わたくしのものまで買っていただいて本当に嬉しかったです!」 春美ちゃんはそう言って、その時僕が買ってあげた可愛いカップを 両手で大事そうに抱えて見せてきた。 「そ、そう……それはよかった」 僕も先週の買い物はよく覚えている。 あの時の買い物の量はハンパじゃなかったから。 真宵ちゃん、ホイホイ好きなもの買って全部僕に持たせるんだからな…。 「なるほどくん、お菓子買いに行こう! お菓子っ!」 「あー……ぼ、僕はいいから。真宵ちゃん、適当なもの買ってきてよ」 「えッ!ホント? 私が買ってきていいの?」 危機迫る表情で詰め寄ってくる真宵ちゃんに 僕は一枚お札を渡して苦笑を返す。 真宵ちゃんはやや肌寒く感じる天候も何のその、 軽やかな足取りで出かけて行った。 買いものに出かけた真宵ちゃんを待つ間、 僕は春美ちゃんとニュースの流れているテレビを見ていた。 「はぁ……」 「ん?」 聞こえてきた物憂げな溜息に視線を向けてみると、 何やらほんわかとした表情で僕を見る春美ちゃんと目が合ってしまった。 両手で頬を抑え、どこか夢見心地な感じで僕を熱っぽく見つめてくる。 「な、なんだい? 春美ちゃん」 「いえ、相変わらずなるほどくんと真宵さまは仲がよろしくて結構なことだと…… わたくし、うらやましいかぎりです」 「………」 春美ちゃんはことあるごとに僕と真宵ちゃんを恋人同士にしたがる傾向がある。 いつからそんな風に思うようになったのかは定かではないが、 春美ちゃんの中では僕らは恋人同士でいなくてはいけないらしい。 「は、春美ちゃん。前から言ってるけど、僕と真宵ちゃんはそういう関係じゃ…」 「まあッ!! なんということを言うのですか!そんなことをおっしゃっては なるほどくんを一途に想っておられる真宵さまがかわいそうですッ!!」 ありゃ。また始まった……まったくしょうがないな。 こうやって自分の考えに突っ走るところ、真宵ちゃんと似てるなぁ……。 「い、いやいやいや、だからね、そうじゃな」 「なるほどくんッ! それ以上言うのならわたくし、黙っておられませんよッ!?」 「ちょ、ちょっと春美ちゃん、落ち着いて僕の話を」 ドガッ!! 「おぐッ!!」 な、なんて重い正拳突きだ……。 「なるほどくん、大変! 鼻血が…」 「痛い……」 『次のニュースです。……』 僕の顔面細胞の惨殺式を見ていたはずのテレビの中では、 人気のありそうな女性キャスターが無表情でただ原稿を読み続けていた。 「申し訳ありませんでした。 わたくし、少々こうふんしてしまっていたみたいで…」 「い、いや。気にしないで」 鼻に捻り入れたティッシュを抑えながら、僕は春美ちゃんを手で制した。 しかし今の僕の無様な状態では説得力もなく、 春美ちゃんは居心地が悪そうに僕を見つめている。 「わたくし、真宵さまとなるほどくんはいつも仲良くしていてもらいたんです」 「そ、そうだね。ケンカはよくないね」 「あの……お二方は、その……恋人同士ですよね?」 「………」 ……ここでもし『違う』と言ったなら……次はどんな攻撃が来るのだろうか? あの細い脚をムチのようにしならせた延髄蹴りとか……いやいや、 春美ちゃんのことだから口からエクトプラズムなんか出して 僕の想像をはるかに凌駕することをしてくるかも知れない。 そっち方面は信じていない僕だけど、あんなすごい霊媒を行う彼女のことだから 何が起こっても不思議に思えないぞ…。 「あの、なるほどくん?」 「は、はい!?」 「わたくしの言ったこと、聞いていましたか?」 春美ちゃんは僕の顔を下から覗きこむように見上げてきた。 その栗色の大きな瞳のなんと愛らしいことだろう。 だがこの子は、紛れもなく僕の鼻にティッシュを突っ込ませた張本人なんだ。 「も、もちろんさ! えーと、僕と真宵ちゃんが恋人同士かって?」 「はい! 今なら真宵さまも留守ですから、遠慮なさらずに本当のことをおっしゃってください!」 「本当もなにも、僕と真宵ちゃんは…」 ギン! 「うッ!」 「なるほどくん」 春美ちゃんの刺すような視線が僕の口を閉ざす。 「………じ、実は、恋人同士なんだ。ご、ごめんね春美ちゃん! ちょっと照れ臭くてさ…ははは……はぁ」 額に浮かぶ幾筋もの汗を指先で拭い取りながら僕がそう言うと、 春美ちゃんはさっきまでとはうって変わって、にぱっと愛らしい笑顔を見せた。 「やっぱりそうなのですね! あぁ、この場に真宵さまがいらっしゃれば、 どんなに喜ばれたことでしょう!」 許してくれ、真宵ちゃん。 僕の身の安全のために、了解も得ずに君を勝手に恋人にしてしまったことを…。 「あの、あの、なるほどくん」 「な、なんだい?」 「わたくし、お二方が恋人であると確認できたら、 ぜひ聞きたかったことがあったのです」 春美ちゃんはこれまで以上にその大きな瞳をくりくりと輝かせて僕に尋ねてくる。 「……何かな……?」 これ以上何を聞かれるのかという不安に僕が怯えていると、 春美ちゃんはいやいやと首を左右に振って恥ずかしそうに身をよじっていた。 「お二方は、あちらの方はどこまで進んでいらっしゃるのでしょう……?」 「あ、あちらの方というのは……」 もちろんその内容は意図できたが、まだ幼い春美ちゃんの口から そんな質問が出たことを信じたくなくて、僕は彼女に聞き返した。 「お、おカラダの関係、です!」 「あ、あ~……」 聞きたくなかったその言葉を聞かされて、僕は頭を抱え込みたい衝動にかられた。 そういうことに興味を持つにはちょっと早すぎないか?春美ちゃん…。 僕はそう思って彼女を視界に捕らえた時、ふいにどす黒い感情が 腹の底から込みあがってきた。 ドクン。 心臓が早鐘を打ち始める。 心なし春美ちゃんの瞳は潤んで、頬はリンゴのような鮮やかな紅に 染まっているように見えた。 ドクン。 さっきまでそれは質問に対する恥ずかしさからなのだと思っていたが、 今の僕には、それは彼女が欲情しているようにさえ映ってしまっていた。 もうすでに止まっていたはずの鼻の中の血液が、 再び熱く溶け出して僕に鉄の味を思い出させる。 人は、その時の持ちようで相手を自分の都合のいいように捉えてしまう―― そんな状況を、僕は今まさに身をもって体験していた…。 「は、春美ちゃんは……興味が、あ、あるの?」 「え? そ、それは、その…」 どんどん荒くなる息をできるだけ正常時に近づけようと努力しつつ、 僕は春美ちゃんの隣のソファへ移動した。 どこか違った雰囲気をまとった僕を感じたのか、 春美ちゃんは困惑の表情を浮かべていた。 しかし、そんな困った表情でさえ今の僕には魅力的に見えて、 春美ちゃんのしっとりと濡れた真っ赤な唇が欲情する心を扇情して止まない。 その唇を濡らす唾液をすすりたい……! 「僕、僕が、教えてあげよう。春美ちゃんに、大人がどういうことをするのかを」 「え? な、なるほどくん?どうしちゃったんですか、いきなり……?」 怯えさえ見せる春美ちゃんの真っ赤なほっぺに、僕は舌を伸ばした。 僕の舌先に、熱くすべすべした肌の感触が乗る。 「ひゃあ、な、なるほどくん……!」 くすぐったそうに身をよじった春美ちゃんを、僕は流すまいと両手で包み込んだ。 小さな彼女の身体を強引に僕の胸に抑えつけて、 僕はその可憐な唇を狙って自らのそれを移動させる。 「はぷっ……」 ぷちゅ、と唇が合わさるお茶目な音がして、僕は春美ちゃんの唇を捕らえた。 ぷりぷりとした感触がこっちの唇を押し返すのがとても気持ち良くて、 僕は無我夢中になって春美ちゃんの口内を深く吸った。 「んんっ」 僕を殴ったとは思えないほどの小さな拳を握り締めてじたばたと 抵抗を試みていた彼女も、自分の口内に差し入れられた舌に身を強張らせてしまう。 僕は小さな歯茎を丹念に舌先でなぞり、春美ちゃんの綺麗な歯並びを一つ一つ 確かめるように舐め上げた。 「はぁ、はぁ、はぁ、春美ちゃんの口は、上品な味がする、はぁ、はぁ」 「な、なるほろくんっ……」 初めて受けるであろう口腔内の愛撫に、 春美ちゃんの抵抗は明らかに弱まってきている。 戸惑う彼女の気持ちにさらに拍車をかけようと、 僕は両手で春美ちゃんのお尻を鷲掴みした。 「はやッ!?」 まだ未成熟な、固い感触のお尻を巫女装束の上から揉みしだき、 僕は春美ちゃんの細い首筋に舌を這わせながらそのまんまるいお尻を楽しむ。 「なるほどくんっ……く、くすぐったいです」 「こうしてるとだんだん気持ち良くなってくるんだよ。 春美ちゃんもどこかヘンな感じがしない?」 「そ、そういえば……」 春美ちゃんに『感じる』という気持ちを理解させるのは難しいかも知れないけど、 少なくともこう感じさせることはできるはずだ。 「春美ちゃんは僕にこうされて、嫌かい?」 「う、うぅ……わ、わかりません……わたくし、さきほどから身体が熱くて…… 心臓もどきどきして爆発しちゃいそうなんです……」 拒絶しない。 春美ちゃんの潤んだ瞳は彼女の心の動揺を現しているようだった。 僕は彼女の着物の裾を持ち上げて、その細く綺麗な脚を拝むことにした。 「きゃっ! なるほどくん、なにをなさるのですかっ!?」 驚く彼女を他所に僕は長い裾を春美ちゃんの腰の横で絞るようにくくると、 真っ白なパンティを網膜に焼き付けた。 可愛らしい小さなパンティがお尻の割目に食いこんでいるその光景は 春美ちゃんがいくつであろうとも関係なく『女』の腰つきを感じさせるのに充分だった。 「春美ちゃん、立って」 僕はゆっくりと立ち上がる彼女の両腿に手を差し入れて、 そのままぐっと自分の胸元まで持ち上げた。 まだ幼いとあってか小柄な春美ちゃんの全体重は、 腕力に自信のない僕にでも容易に持ち上げられるほどだった。 「な、なるほどくん! こんな恥ずかしい格好をさせないでくださいっ!」 脚をM字に開かれた春美ちゃんが、思わず両手で顔を覆う。 「いいかい、春美ちゃん。僕のズボンのチャックの位置、わかるだろう?」 「え? はッ……」 僕が彼女の耳元で囁くようにそう言うと、春美ちゃんはきゅっと目を瞑って首を縮めた。 「チャックを下ろして、大きくなっている僕のモノを取り出して。大丈夫、恐くないから」 「そ、そんなッ……!」 再度紅くなった顔を両手で覆って恥ずかしさに身悶えする春美ちゃんを見てると、 僕の中の黒い心がより大きくなる。 「春美ちゃんが出してくれないといつまでもこのままだよ。だって先に進めないからね」 「……うっ……」 控えめに、恐る恐る手を僕の股間に伸ばして春美ちゃんはチャックの位置を探ってきた。 ようやく目的のものを掴んだか、彼女の手が止まってそろそろと何かを引き下ろすような ゆっくりとした動作に変わる。 僕の胸の中には春美ちゃんがいるために直接股間を拝むことはできないが、 トランクスの隙間から外気が差しこんでくるのを僕は肌で感じ取れた。 短い、汗ばんだ指が僕のトランクスの窓から遠慮がちにモノを掴む。 「くっ……そ、そう、それだよ春美ちゃん。そのまま真っ直ぐ…」 「っ……」 春美ちゃんがぶるぶると震える手で優しく僕のモノを導く。 僕のそれは彼女の手の中で怒張し、まるで『もっと強く握れ』とでも いわんばかりにビクビクと脈打っていた。 「で、出ました……こ、これでいいですか?」 「うん。さぁそれじゃ今度は春美ちゃんの番だね」 春美ちゃんの腰を一瞬高く持ち上げて、僕は素早く片手の指を彼女のパンティの横に 差し入れた。薄い布地のそれを絡め取るようにして、強引に膝下までずり下ろす。 「あ!」 春美ちゃんの肩越しに見えたそのパンティの中心には、 一筋のシミがはっきりと映し出されていた。 「あれ? 春美ちゃん、これはなに?」 「あ、あぁの、これはぁ……」 しどろもどろになって言い訳を探す春美ちゃんのびちゃびちゃになっているその部分に 僕は剥き出しにされた自分のモノを近づけていった。 ぬるぬると滑る秘裂に平行させて竿の部分をあてがう。 「ひゃ、な、なるほどくん?」 「今から春美ちゃんのここを気持ち良くしてあげよう」 僕はあてがったモノを彼女のワレメに擦りつけるようにして腰を前後させ始めた。 腰を突き出すと春美ちゃんの小さな突起が僕の亀頭に当たって彼女が可愛い喘ぎを漏らす。 「はっ、ひん……っ! なるほどくぅん、おオメがぁ、おマメがぁ、こすれてぇ……!」 「はぁ、春美ちゃん、そのおマメ、何て言うか知ってる?」 ぷりぷりと心地良い弾力を返してくる春美ちゃんの股は 想像以上に僕に刺激を送りこんできて、 彼女と息絶え絶えの会話を交わしている間にモノは痛みを感じるぐらいに膨張していった。 「はひ、はひ、ッ・……ク、クリトリス……クリトリス、ですよねッ?」 「そう、そうだよ春美ちゃん、すごいね、春美ちゃんは物知りだね……!」 彼女にモノを擦りつける度に訪れる極上の快感は 僕に春美ちゃんを抱えさせたまま仰け反らせてしまうほどに強烈で、 はっきりと見えてきた絶頂の瞬間を少しでも高めたいと思う一心に 僕はさらに激しく彼女の股にモノを擦りつけた。 「あぁう、はッ、はッ、はッ……!! いやぁ、わたくし、こわれて、こわれてしまいますぅぅ!」 2人の密着部を濡らす液体は、春美ちゃんの愛液なのか僕の先走り汁なのか 判別できないほどに混ざりあっていて、 腰を揺らす度にグチャグチャと聞こえる音は僕らの興奮をさらに高めてくれる。 「はっ、はる、はるみちゃん! 出すよっ! 見てて、僕の出すところを見てて!」 「あぁ、な、なるほどくんの、せいえきが、でますッッ………!!」 ぶびゅ! びゅくっ! びゅくっ……!! 顔を両手で覆いながら、しかし指の間からはしっかりと、 春美ちゃんは僕の射精の瞬間を見届けていた。 のたうつモノが収まるまで春美ちゃんの股に擦りつけた後、 僕は彼女をソファに寝かせて続きを促した。 「春美ちゃん、次はもっとスゴイことしてみようか?」 「も、もっとすごいんですか!?」 「春美ちゃんのココに僕のコレを入れるんだよ」 さきほどまでの素股でかなり感じていたように見えた彼女は 大きな瞳をさらに見開いて驚きの表情を見せた。 「わ、わたくし、ちょっとコワイです……その、痛いとか…」 「大丈夫だと思うよ。だってこんなに濡れちゃってるからね、春美ちゃんのおまんこは」 そう言って僕がつん、とその柔かい肉を突付くとピクン、と春美ちゃんが脚を曲げる。 「でも、でもぉ……」 「じゃぁ痛かったら止めよう。でも春美ちゃんも興味あるんじゃない?」 「は、は……い」 春美ちゃんの中では好奇心より恐怖の気持ちが勝っているようだったけど、 正直僕は彼女の膣内に入れたい衝動でおかしくなってしまいそうだった。 幼い子のアソコがあんなに柔かくて気持ちいいなんて知らなかったし、 その奥はどんな感触を僕に与えてくれるのだろうと考えると身体が震えてくる。 普段の僕が聞いたなら憤慨するに違いない。 いたいけな少女を手篭めにするなんて最低の男のすることだ、と。 でも、今の僕にはそんなことはどうでもよく、 『目の前の春美ちゃんの”女の味”を確かめること』、 ただそれだけが僕の心を捕らえてしまっていた。 「いい? 痛かったら言うんだよ?」 「あぁ……、わ、わたくし……とうとう……」 もうお互いのことしか見えなくなるほど、 僕らはこれから知る未知の体験に没頭してしまっていた。 春美ちゃんは初めてのセックスに。 僕は未発達な幼女の身体に……。 2人が息を止めて、静かな、ほんの一時の沈黙が訪れる。 そして、その沈黙を破る声が――― 「なっ、なにしてるのなるほどくんッッッッ!!!!」 その沈黙を破った声が、僕の行動を急停止させた。 その声がした方向に、僕と春美ちゃんは弾かれたように顔を向ける。 そこにはいたのは、お菓子の詰めこまれた袋を両手にぶらさげて、 今にも火を吐きそうなほど顔を真っ赤にした般若だった。 「ま、ま、まッ……」 「真宵さまッ!!!」 「は、はみちゃん!! なるほどくんッ!! わ、わたしがいない間に、な、な、な……なぁぁぁぁ!!」 「ち、違うんだ真宵ちゃん! これは、その!ちょ、ちょ、ちょっとした悪ふざけで…」 「ふさけすぎだよッ!! な、なるほどくんが、はみちゃんを……わ、わたしはぁ……」 真宵ちゃんの怒りの矛先が僕に集中する。 まぁこの状況を見れば明らかに僕が悪者なんだろう。 ここはとりあえず謝っておいたほうが良さそうだ。 「………」 「ご、ごめん真宵ちゃ……真宵ちゃん?」 「………ぷくぷくぷく」 ばたん。 「ま、真宵さまっ!!」 「た、大変だ……!」 僕と春美ちゃんは乱れた服を直すのも後に、 ショックのあまり倒れてしまった真宵ちゃんを介抱するのに奔走することになった。 真宵ちゃんの目が覚めた時のことを考えると……僕まで倒れたくなるよ。 自業自得と言われれば、それまでなんだけど……。 完