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梓「ねえ」 律「へい」 梓「とって」 律「やだ」 梓「とって」 律「やだ」 梓「とれ」 律「ご遠慮いたします」 梓「・・・・」 律「・・・・」 梓「なんで?」 律「逆になんで?」 梓「いや、こっちが聞いてるから」 律「いや、こっちからも聞いてるから」 梓「・・・・」ムムム 律「・・・・」 律「ほれ」ヒョイ 梓「!」 律「とったぞ」 梓「とったね」ジー 律「・・・・///」 律「お前もとれ」 梓「やだ」 律「とれ」 梓「い や だ」 律「とってってば」 梓「やだしね」シャー 律「しねっていわれた」ガーン 律「シクシク」 律「シクシク」 梓「・・・・」 律「シクシク」チラッ 梓「いや、口でシクシクいわれても」 律「ですよね」ケロッ 律「でも、しねはだめだ」 梓「ごめんなさい」ペケ 律「(お!素直)・・・・いやいや、ペケってなんだよ」 梓「細かいことは気にスンナ」 律「・・・・」 ――― 梓「アイスたべる?」 律「うん」 梓「とってくる」スタタタタ 律「・・・・ヒマ」 律「ギター・・・・」ガチャガチャ 律「たしか・・・・これがCで」ジャーン 律「これが・・・エf」ミョーン 律「指つった」イタタタ 梓「なにしてんの?」パシャ 律「ギターを少々」 律「てか、いきなり写真とるな///」 梓「いや、めずらしい光景だなぁと」 律「たしかに」 梓「でしょ。はい、アイス」スッ 律「ありゃーっす」 律「お!パピコ」 梓「好き?」 律「うん。好き」 律「よく、澪と食べたよ」カジカジ 梓「ふーん」カジカジ 律「カジカジ」 梓「カジカジ」 ――― 律「そういえばさ」 梓「・・・・」カジカジ 律「学園都市ってとこに唯とすごく声が似てる人がいるらしくて」 梓「・・・・」カジカジ 律「でも、その人はパソコン使えるし、超能力使えるんだって」 梓「・・・・」カジカジ 律「・・・・・頭に花、生えてんだって」 梓「ふ~ん」カジカジ 律「・・・・」 梓「・・・・」 律「なんか怒ってらっしゃる?」 梓「べつに」 律「・・・・」 梓「カニとアイスは黙って食べる派だから」 律「そうなん?」 梓「そうなん」 律「じゃあ今度からアイス食べるときは黙って食べる」 梓「なんで?」 律「梓がそうするなら、私もそうする」 梓「・・・そっか」ニコッ 律「そうだよ~」ヘヘヘ 梓「でも、律はしゃべってればいいよ」 律「そう?」 梓「うん。うるさいほうが律っぽい」 律「・・・・喜んでいいのかわからないけどありがとう」 梓「どういたしまして」 ――― 律「梓は部活のときと2人のときとじゃ雰囲気違うよな」 梓「そうですか?」 律「そうですよ」 梓「どんな風に」 律「まず、口が悪い」 梓「それは律のせいだよ」 律「私の?」 梓「うん」 律「なんで?」 梓「なんででも」 梓「これくらい許容範囲じゃないとフェアじゃない」 律「・・・・そんなもん?」 梓「そんなもん」 律「そっか」ナデナデ 梓「いきなりなでるな!!」ゲシ 律「ひゃい」 律「いたいいたい。すね蹴りはなしでお願いします」ズキズキ 梓「・・・・アイスのゴミかして」 律「あ、ありがとう」スッ 梓「いえいえ。下に捨ててくる。ついでになんか飲み物とってくる」 律「コーラがいい」 梓「ない」 律「麦茶で」 梓「よし!」スタスタ 律「・・・・ヒマ」 律「・・・・・」ボスン 律「フカフカや」フカフカ 律「・・・・」 律「・・・・澪は禁止ワードってことですね」 律「・・・・唯はべつにいいみたいだな」フアァ 律「・・・・ムギは・・・・まぁ、いいだろ」ウトウト 律「・・・・」スゥスゥ 梓「おまたせっす」ガチャ 律「」スヤスヤ 梓「おーい」カタン トコトコ 律「」スヤスヤ 梓「かってに人のベッドの上に・・・・!!」 律「」スヤスヤ 梓「」ジー 律「」 梓「・・・・」 梓「おでこニーン」 律「ぶはっ」ゲラゲラ 梓「なに寝たふりしてんだよ」ペシッ 律「いたいいたい」スリスリ 律「あんな短時間に寝るほど私は単純ではないわ!」デン 梓「たぶん唯先輩は寝るでしょうけどね」 律「ふむ。一理ある。あと敬語になってるぞ」フカフカ 梓「・・・・お茶は?」 律「あとで飲む」ポムポム 梓「・・・・」ボスン 律「梓にしてはでかいベッドだな」 梓「うん」 律「うでまくらいる?」 梓「いらん」 律「そう」 梓「うそ」 律「素直じゃないなぁ~」スッ 梓「そうですね(棒読み)」スッ 律「・・・・」 梓「・・・・」 律「さっきの」 梓「ん?」 律「さっきのは梓のがえらいよね」 梓「さっきのって?」 律「こっちの話」ナデナデ 梓「?///」 律「私はまだまだだなぁ~」ナデナデ 梓「そう?」 律「そう」ナデナデ 梓「なにが?」 律「いつか教えちゃる」ナデナデ 梓「さりげなくお尻なでないで」 律「テヘ☆」 梓「テヘ☆でごまかさない」 律「ヘケッ」 梓「・・・・殴るよ?」 律「ごめんなさい」 ――― 梓「のどかわいた」 律「飲ませてあげようか」スッ 梓「そりゃどうも」スッ 律「ゴクゴク」 梓「え?そういう意味?」 梓「・・・・・・マジ?」 律「ふふふふんふうふ」 梓「///」ニューー 梓「なまぬるっ!!!量少ないし!!!」ゴクン 律「たしかに。失敗した」ゴクン 梓「普通に飲みたい」 律「はい」スッ 梓「ゴクゴク」 梓「ぷはーー」 律「いいのみっぷりだな」ボスン 梓「そりゃどうも」ボスン ――― 律「・・・・」 梓「・・・・」 律「とって」 梓「やだ」 律「いいじゃん」 梓「めんどい」 律「私はとったのに」ウルウル 梓「・・・・」 梓「・・・・」 梓「・・・・」ホドキホドキ 律「おぉぉ~~~」ジー 梓「あ、あんま見ないで!!///」 律「いいね!なんかグッとくるよ」mmq 梓「なら、いいけど・・・」 律「だいじょぶだいじょぶ」ナデナデ 梓「・・・・・似てない?」 律「・・・・ん?」 梓「似てない?」 律「!」ピーン 律「似てないよ」 律「梓は梓だよ~」ナデナデ 梓「そか」 律「うん、そうだよ」ナデナデ ――― 律「そろそろ帰るよ」 梓「うん」 律「さみしい?」ニヤニヤ 梓「さみしくないけど、さみしい」 律「なんだそれ」 梓「明日また会えるからいい」 律「そうだな。明日はムギなんのお菓子もってきてくれるかな?」 梓「練習するって」ゲシッ 律「とぅあい!」 律「だからすねはなしだってば」サスサス 律「あ、カチューシャどこ?」 梓「えっと・・・・」 梓「あ、あった」ポイ 律「なげんな!でもありがとう」カポッ 律「うん。普段の見え方」 梓「気をつけて」 律「はいはい」チョイナチョイナ 律「じゃ~な~」バイバイ 梓「はいはい」バイバイ 律「お~夕焼けがきれいだ」 律「梓に写メってやろう」カシャ 律「うんうん」マンゾク 律「うでしびれた・・・・」 ―――― 数日後ぐらい 梓「さて」 律「・・・・」 梓「さて」 律「・・・・」 梓「なんか言え」 律「誤解です」 梓「却下」 律「・・・・」 律「五階です」 梓「しね」 律「しねはだめだ」 梓「じゃあ、地獄に落ちろ」 梓「むしろ墜ちろ」 律「(ひどい)・・・・」 2
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律「もってきたぞーーーい」チョリーッス 唯「あ、う、うん、はやかったね。ありがとう」カチカチアタフタ 唯はテーブルの傍に置いている2つの座イスのうちの1つに座ってケータイをいじっていた。 この座イスは低反発になっていて、何気に私のお気に入りである。 よく宿題を写させてもらうために澪が遊びにくるので 2つセットでお買い得だったものを躊躇なく買えたあの頃は 今はもうなんだか潰れたまま戻らなくなってしまったクッションに似ている。 うん、自分で言っていて得に意味はわかってないから気にスンナ。 律「メール?憂ちゃん?」 牛乳やら皿やらをテーブルに置き、自分もイスに腰掛けながら尋ねた。 なにをそんなにアタフタしておるのだい? 唯「え、いや、別に。うい、うい、ういだよ、うん、きっとうい!」シマイシマイ ・・・・・なにそのうさんくさい憂ちゃん押し。 ちょっと話のきっかけに聞いただけなんだけどな。 「きっと」って。むしろこれはあれか。「誰?」って聞けってフリか、フリなのか? 極め付けに窓の外見て口笛ふくなよ、雨だっての。 唯「さて、わたしはしょーとけーき食べようかなぁ~~♪りっちゃんは?」 そういうと箱からさっさとケーキを皿に取り出した。 私は牛乳をコップに注ぐ。 ケーキには正直、牛乳だと思う。 紅茶もいいけど、やっぱ牛乳だよ、牛乳。 やっぱり牛乳はむさしの牛乳! 律「ん~~・・・・やっぱモンブランかな」 唯「え!?イチゴ好きじゃないの!?それ人生9割損してるよ!!」ガーン 律「いや、9割も損しないから。てか、イチゴ好きじゃないとか言ってないから」 唯「だよね~~。イーチゴちゃんを嫌いな人とかいないよ、イーチゴちゃんを!!」 イーチゴちゃん、イーチゴちゃんと調子を取りながらモンブランも皿に取ってくれた。 そういうことを普段するのは、部活ではムギ、家では憂ちゃんなのだろう。 でも、私と2人で居るときの唯はそういうことを結構気を利かしてやる人になる。 唯はなにもできないわけじゃない。 ちゃんと気も利くし、人並みにいろんなことできる。 ただ唯よりもずっと早く気が利く人(ムギや憂ちゃん)が居るからそれは普段見えにくくなる。 それに加え、唯の怠け癖と人に素直に甘えることが出来る性質は 見る人に彼女をさらに何も出来ない人のように思わせてしまう。 だから、唯が何かを人並みにしようものなら 周囲の人はまるで小学生が高校生の数学をスラスラと解いているのを 目の当たりにするかのように驚き、そして、彼女を必要以上に持ち上げる。 その結果、唯はその怠け癖とだらけ癖にますます磨きをかけるのだ。 デフレスパイラル以上の悪循環。 憂ちゃんよ、君は賢いのだからそろそろそこに気づけ・・・・いや、気づけてください。 牛乳の入ったコップを渡すと、さっそくケーキを食べ始めた。 唯「おいひぃ~~~」モグモグ 律「・・・・そうか、よかったな」ハハハ 唯「りっちゃん、たべないの?」オグモグ 律「ん?・・・いや、食うよ」パクッ 律「うん・・・・うまいな、モンブラン・・・」モグ 唯「そうなんだ~~。イチゴも牛乳もおいしいよ~~」ゴクゴク 律「・・・・・あの、・・・・あのさ・唯」 唯「ん?なに?」プハァ 律「今日は・・・・その・・・・部活勝手に休んでごめん・・・」 唯「・・・・」モグモグ 律「・・・・私、部長なのに・・・・」 律「いや、そもそも・・・こんなのが部長だなんて・・・・・」 律「なさけないよな・・・・・」 唯「・・・・」ゴクン 唯「りっちゃん、どうしたの?」 律「・・・・」 唯「なんか、あったの?」 律「・・・・・」 唯「澪ちゃんとケンカしちゃった?」 律「」ピクッ 律「・・・・・ちがう・・・ケンカはしてない」 唯「・・・・ムギちゃん?」 律「いや・・・・ムギとは別になにも・・・・」 唯「じゃあ・・・・・」 律「・・・・・・」 唯「・・・・あずにゃん・・・・かな?」 律「・・・・」 唯「・・・・やっぱり昨日なにかあったんだね」モグモグ 律「・・・・・・」 律「・・・・・うん」 昨日あったことをはなす。 いつもの私のテンポではなく、 澪に対しての罪悪感のせいか、梓に対しての思いのせいかわからないけど とにかく話にくかった。 声がのどで何回かつっかえた。 でも、唯はそれを何も言わずに聞いていた。 唯「そんなことがあったんだね・・・・」 律「うん・・・・」 唯「・・・」 律「・・・」 唯「・・・」 律「・・・」 唯「・・・」パクッ 律「・・・」 この雰囲気の中でケーキ食いやがった・・・。 唯「あ、えと、ごめん・・・ちょっと空気が重くて」ゴクゴク 私はよほどあきれた目を唯に向けたらしい。 あわてて言い訳が述べられた、牛乳のみながら。 いや、「空気重い」とか本人の前でいうなよ!! しかも空気重いからケーキ食うってなんだよ、オイ!! 律「・・・・ったく・・・お前は・・・」 唯「へへへ・・・サーセン」 そういって、唯はいつものフニャっとした笑顔を私に向ける。 その笑顔に、ちょっとあきれるけどしまいにはクスっと笑ってしまう。 私今笑える状況じゃないのに。 本来、呆れられるべきは、私なのに。 ・・・唯を見てるとたまに馬鹿らしくなる。 くだらないことで自分はクヨクヨとしてるんじゃないか、と。 本当はもっと単純で、それを私が勝手に難しくしているだけなんじゃなかろうか、と。 唯のせいでいろんなこと、わからなくなる。 唯と会ったときから、今までの私が積み上げてきた常識はゆっくり揺らいでく。 唯の視線で世界を見ることができたらいいのにな。 私もその柔らかさがほしかったよ。 また沈黙が始まろうとしていたけど、唯はケーキをゆっくりとついばみ始めた。 もうケーキが気になって仕方がないんだろう。 今日は放課後のティータイムもなかったんだし。 話をした手前、私のほうから次の会話をしたほうがいいのだろうけど、 私も、唯にならってケーキを食べることにした。 泣き虫にはモンブランの甘さがきつかった。 甘さを流すために牛乳を飲む私に唯が話かけてきた。 唯「ねぇねぇ」モグモグ 律「・・・ん?」ゴクゴク 唯「澪ちゃんはりっちゃんのどこが好きだったんだろうね?」 律「」プハァ 唯「りっちゃん、しょうもないデコなのにね」プークスクス 律「デコいうな、笑うな、そして私がそんなこと知るわけないだろう」 唯「じゃあ、あずにゃんなんでりっちゃんが好きなんだろうね?」 律「・・・」 唯「どうして・・・私じゃないんだろうね」 律「・・・」 律「・・・そんなもん、私が知りたいわ」 唯「ははは。ごめんごめん、怒んないで?」 律「・・・怒ってないから」 唯「そっか・・・よかった」 唯「でも、気になるなぁ」ウーン 律「・・・なんで気になるんだ?」 唯「んーーー」 唯「なんでかあててみる?」 律「・・・・」 なんだか、 唯の目すらもう直視できそうになくなってきた・・・ 律「それは・・・」 律「当てても当てなくても」 律「悲しくならないかな・・・?」 唯「んーーー」 唯「それは、どうなんだろうね」フヘヘ 律「・・・」 唯「てか、やっぱり昨日あずにゃん、りっちゃんのせいでこなかったんだね」モグモグ 唯「りっちゃんは、本当に嘘つきだなぁ」 律「・・・」 律「あ、えと、・・・その・・・ごめん」 唯「もう・・・!!澪ちゃんしかり、あずにゃんしかり・・・うちの部長は一体どうしたものかね」 律「・・・・・」 律「いやぁ・・・・ほんとうに、もう・・・言葉がないです・・・はい・・・」シュン 唯「(今日のりっちゃんは怒ったり落ち込んだり、リアクションが面白いね!!)」ホホウ 唯「(・・・もうちょっといじめてみようかね!!)」 唯「澪ちゃんからもあずにゃんからも『また明日』って言われてるのに学校休んじゃうし」 律「ううぅ・・・・」 唯「澪ちゃん、フラれた側なのに今日ちゃんと学校きてたんだよ?」 律「・・・・うん・・(みお・・・)」 唯「あずにゃんは部活には来てなかったけど憂からは『学校来てた』ってきいたよ」 律「・・・はい・・・・(あずにゃ・・・あずさ・・・)」 唯「あずにゃん、りっちゃんの返事まっててきっと今日学校きたんだよ?」 律「・・・・」 唯「りっちゃんだけだよ?」 律「・・・・」 唯「逃げたのは、りっちゃんだけだよ?」 律「・・・うん」 唯「・・・・どうするの?」 律「・・・・」 唯「このままでいても、なにも変わらないよ?」 唯「どうするの!?」 律「・・・・どうしましょう・・・・?」 唯「私にきかないでよ・・・・」 律「すいません・・・」 唯「りっちゃんはさ・・・・」 唯「本当に、あずにゃんのこと好き?」 律「・・・好きだよ」 唯「本当に?」 律「本当だよ」 唯「じゃあ、ちょっと言うけどさ」 律「?」 唯「いくらでも嘘はついてていいよ、うん、もうそれがりっちゃんなんだって私、受け入れる」 唯「今話してることがりっちゃんにとって嘘でも私、信じるよ」 律「いや、・・・・嘘じゃないさ、私はあずさが好きだよ」 唯「うん、それはわかったよ」 唯「人に言いたくないことなんて、人にはあって当たり前だからさ」 唯「とりあえず」 唯「自分が部長だってことを気にしてあずにゃんを傷つけるのはやめてくれないかな?」 律「・・・っ!?」 律「だって・・・私、部長だし・・・」 唯「・・・・」 律「部長が・・・・部員のうちの一人だけに好意よせてたら・・・・」 律「もしそれがみんなにバレたら部活、・・・うまくみんなとできなくなるかもしれないって思って・・」 律「そんなことになったら・・・いやだから・・・・だから・・・・・」 律「・・・・あずさのことは好きだけど・」 律「本当は・・・・部長として・・・あずさのことはどうしたらいいのか・・・・」 律「わからない・・・」 律「澪にも、梓にも・・・嫌われたっていいんだ」 律「それくらいのことを私は2人にしてるって思ってる」 唯「・・・・」 律「だけど・・・やっぱり私は」 律「私の思いのせいで・・・軽音部が軽音部じゃなくなるのが一番いやだ・・・・」 唯「・・・・」 唯「りっちゃんの話聞いてたら・・・・」 唯「けいおん部のみんながりっちゃん傷つけてるみたい」 唯「私たちが・・・りっちゃんの邪魔してるみたいにおもえてくるよ・・・」 唯「りっちゃんは、部長としてどうしていいのかわからなくて、今日こなかったみたいだけど」 唯「今日りっちゃんこなかったから、あずにゃんもしかしたら『断られた』って勘違いしてるのかもしれない」 律「・・・・!」 唯「それはいやでしょ?」 唯「・・・嫌だってちゃんと思えるよね?」 律「・・・・うん、嫌だ・・・・よ」 唯「うん」 律「いやだ・・・」 唯「・・・私たちは・・・澪ちゃんもあずにゃんも、ムギちゃんもけいおん部の部員で」 唯「りっちゃんはけいおん部の部長で・・・・」 唯「たしかに、部長が部活の雰囲気を乱すのはよくないって思うよ」 律「・・・・うん」 唯「でもね、私は別に、律を『軽音部の部長』って位置づけにしておきたくって部活やってるわけじゃないんだよ?」 律「・・・・・」 唯「ただ、みんなで居るのが居心地がよくて、みんなでお茶しながら話するのが楽しくて」 唯「みんなで・・・5人で5人だからこその音楽をするのが嬉しいんだよ」 唯「部活はただの場所だよ、私たち5人がわかりあってれば・・・」 唯「ねぇ、りっちゃん」 唯「部活なんて、場所なんてさ、どうでもいいんだよ」 唯「私だけじゃない。澪ちゃんもムギちゃんも」 唯「あずにゃんだって・・・みんなきっとそう思ってるよ?」 唯「誰も、りっちゃんを『軽音部の部長』って枠に押し込めたくって部活してるわけじゃないんだから」 唯「だから、部長だからとかじゃなくてさ、ちゃんと、自分の幸せとか、考えていいんだよ?」 律「・・・・」 唯「澪ちゃんも、・・・あずにゃんも、りっちゃんが部長だからりっちゃんのこと好きになったわけじゃないんだよ」 唯「きっと、そうだから」 唯「だから・・・・あずにゃんのこと・・・部長だとかそんなの気にしないで」 唯「ちゃんと考えてくれないと私・・・いやだな」 律「・・・・ゆい」 律「ごめんな・・・その・・・」 唯「・・・・」 律「ごめんな・・・」 唯「悪いと思ってるならちゃんとしてね?」 律「・・・うん、ちゃんとする」 唯「あと、さっき撮った私の寝顔もちゃんと消してね」 律「・・・・」 唯「返事は?」 律「・・・はい」 唯「へへ・・・よくできました」ナデナデ 律「・・・っちょ///」 律「いきなりなでるなよ!?///」 唯「はずかしい?」ナデナデ 律「あっ、当たり前だろ!?///てか、やめろってば!!」 唯「なでなで、いやだ?」ナデナデ 律「い、いや、いやじゃないけど・・・」 律「今はなんか、嫌だ」 唯「じゃあ、なでなでは私からのりっちゃんに対する罰です」ナデナデ 律「な、なんだよ・・・それ・・・てか、ほんとにやめて・・・・」 唯「今なんだかりっちゃんの嫌なことをしたいの、すごく」ナデナデ 律「・・・頭なでるなんて・・・罰のうちにはいるわけないじゃないか」 唯「でも、りっちゃんが嫌がるなら、なでなでもきっと罰になるよ」ニッコリ 律「・・・・ゆい」 唯「なにかな、りっちゃん」ナデナデ 律「私は・・・・ゆがんでるかな?」 唯「う~~ん」 唯「それ今私が答えたら、りっちゃんは楽になっちゃいそうだから」 唯「答えない。自分で考えなさい」ニッコリ 11
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「澪ちゃん・・・・場所選ばなすぎよ・・・・」 そう雑誌で顔を隠しながら隣でつぶやいた。 たしかに、私もそう思う。 音声は聞こえないが、窓ごしに唇の動きが見えた。 もともと今日告白をするということは聞いていたから あんだけ顔を真っ赤にしているのを見たら唇の動きだけで 何を言っているかなんてだいたい想像がついてしまう。 そういえば、文化祭のときもそうだったけど 澪センパイは緊張すると頭の回転がびっくりするくらい止まるンだった。 今日は放課後にムギ先輩に話があって前日に約束していた通り うまく部活を休み、ムギ先輩と落ち合った。 が、ムギ先輩いわく、私はうまく部活を休めてはいないらしい。 だけど、それは律先輩のせいだから、私は無実だ。 ムギ「まさか、りっちゃんが梓ちゃんに告白とは・・・私もヨミがまだまだだわ」 待ち合わせ場所にあらわれたムギ先輩に午後の出来事をすべて話すと そう言いながら先輩はため息をひとつついた。 梓「先輩がいうと『読み』ってか、『黄泉』の変換が正しく思えてきますね」 ムギ「なにか言ったかしら?」 梓「いえ!なにもいってません!」 たまにムギ先輩は怖い。なんというかオーラが禍々しい。 口がすべってしまったら、一体私はどうなってしまうんだろうか。 ・・・想像でとどめておきたいもんだ。 2人の家の中間ぐらいの距離で待ち合わせたのだけど、 どうやらその区域は律先輩たちの通学路だったらしい。 無言で歩く二人を見つけた私とムギ先輩はあわててコンビニへと入った。 梓「この時間帯はきっと人がたくさん居ますからカモフラージュにはなると思いますよ」 ムギ「梓ちゃん、ナイスよ!!」 私の提案であった。 無言で歩く2人がコンビニなど寄らないだろうと踏んでの発言であった。 しかし、私の考えは軽く踏んづけられてしまう。 コンビニにめったにこないらしく、 はしゃいで店内を回るムギ先輩について歩いていた私はふと店の外を見て驚いた。 梓「え!?」 ムギ「どうしたの?梓ちゃん」 梓「律先輩たちがこっちにきてます」 ムギ「え?もしかして、コンビニにくるのかしら」 梓「た、たぶん、・・・・ムギ先輩!!こっち!!!」 ムギ先輩を引っ張っていそいで本コーナーの前に行くと 立ち読みをしている男子高校生らしき人たちに混ざった。 そして無造作に置かれたマンガ雑誌2冊を私は手にとって、1冊を先輩に渡した。 梓「これを読むフリして顔を隠してください」アワアワ ムギ「・・・!!わ、わかったわ」アセアセ 雑誌で顔を隠した瞬間、コンビニに来店を示す音が響き 律先輩が入ってきた。 ムギ「間一髪ね」ヒソヒソ 梓「・・・で。ですね」ヒソヒソ 律先輩の来店は予想外だったけど人が多いことが幸いしたのか どうやら私たち2人には気づいていないようである。 ムギ「澪ちゃんは店の前で待ってるわね」 梓「はい。何か飲み物でも買いにきたんですかね?」 律先輩なら、まっさきにマンガ読みにきそうだな、と思ってビクビクしていたけど 私の予想ははずれにはずれて、律先輩は一目散にアイスコーナーへ向かっていった。 こっちにこなかったのはよかったけど、なんだか、行動を予測できなかったのが心なしか悔しい。 ムギ「アイスが目当てみたいね」 梓「・・・はい」 アイスを選びおわったのか、レジ待ちの列に律先輩は並んだ。 レジの流れは速いけど、なかなか並んでいる人が多い。 このマンガのコーナーもそうだけど、比較的コンビニ内は部活帰りの学生が多かった。 律先輩はレジに並んで、最初はボーっと棚を眺めていたみたいだけど、 途中から、コンビニの外を眺めた。 その視線の先に目をやると、そこには澪センパイがいた。 ・・・・・ながい・・・・。 長すぎる。 レジの番がくるまですんごい澪センパイを眺めていた。 一体何を考えているんだろうか。 なんか、やだな。 あぁ、こういう気持ち、なんていうか知ってる。 一般的に「嫉妬」っていうんだ。 最近部活になると、いつもこういう気持ちになる。 耳元で「あずにゃん、あずにゃん」言われてもその気持ちは消えることがない。 むしろ、私が体温に包まれてる姿を見ることで先輩もそういう気持ちを持たないものか、と 私は思ったりする。ごめんなさい、唯先輩。 あなたの抱擁を心から拒絶していないのは、律先輩へのあてつけのためなんです。 唯先輩を好きになれば、本当に、すんなりと私の恋はうまくいったのかもしれない。 いや、唯先輩が私に恋愛感情を抱いてるのかどうかとか、そういうことは知らないけど。 なんとなく、あの先輩はそういうのを受け入れてくれるような気がした。 というか、抱きつきまくっているのだから、受け入れてくれなきゃ困る。 あぁ、本当に、唯先輩を好きになればよかった。 私のちょい右で風に吹かれる澪センパイの髪がサラサラと揺れていた。 なんで、律先輩なんだ、私よ。 とても、勝てる気なんてしないよ・・・・。 そんなことを考えているうちに律先輩はコンビニから出て行った。 ムギ「あ、りっちゃんが澪ちゃんになんか渡したわね」 梓「・・・・パピコですかね?」 ムギ「パピコ?」 梓「あ、アイスですよ。昔ながらの定番って感じのアイスです」 ムギ「へぇ~~~」 そういいながら、ムギ先輩はアイスをマジマジと見ていた。 食べたいのかな? 梓「あの、・・・・私たちも買いますか?」 ムギ「え?」 梓「あれ、2つセットになって売ってるんですよ。私もちょっと今食べたくなりましたし」 ムギ「・・・・ほんと?」 梓「えぇ。じゃあ2人が去ってから買いますね」 ムギ「ありがとう、梓ちゃん」 梓「へへ。いえいえ。あ」 ムギ「え?」 ムギ「あ・・・・」 ムギ「澪ちゃん・・・・場所選ばなすぎよ・・・・」 どうやら、ムギ先輩もわかったようだ。 ギュッと、胸が苦しくなる。 律先輩、驚いた顔してた。 それは、まぁ、そうだよね。 こうなるってわかってたし、知ってたけど でも、やっぱり・・・・・つらいなぁ。 「もう一度よく考えて」なんて言わなきゃよかった。 あの時すぐに律先輩に返事すればよかった。 澪センパイが今日律先輩に告白するつもりだって言っとけばよかった。 今日一緒に帰るって言ってくれたときに素直に帰るって言えばよかった。 ・・・・でも、そんな後悔をいまさらしたってどうしようもなかった。 梓ムギ「あ・・・・」 律先輩が、澪センパイの手を引いて行ってしまった。 ムギ「・・・梓ちゃん、・・・・大丈夫?」 梓「あ、はい。・・・・大丈夫です」 できるだけ明るく言った。 こんな未来を選んだのはほかではない、私だ。 全部、受け止めよう。 梓「ムギ先輩、アイス、たべましょうか」 ムギ「え・・・でも」 梓「いいんです。律先輩には『ちゃんと考えて』って言いましたから」 梓「ちゃんと考えてきてくれるはずです。あの人はそういう人です」 梓「だから、今はアイス食べましょう!てか、アイス食べたいんです」 ムギ「・・・・強いわね、梓ちゃん」 梓「いえ、全然強くなんてないですよ」 本当は泣きそうだ。今すぐにでも先輩たちの後を追いたいくらいだ。 でも、今を受け入れる。それしか、今の私にはできそうにない。 その後、ムギ先輩がおごってくれたパピコは きっと忘れられないだろう感情とか、 誰かの幸せをふみにじらなければ自分の幸せを手に入れられそうにない私の未来を ゆっくりと私の中に溶かしていった。 こぼさないようにして部屋の扉をあけようと取っ手に手をかけた。 だけど、その手を回すことができなかった。 部屋の中から聞こえてきたからだ。 最近は聞かなくなったけど、耳が覚えてた。 部屋の中から、すすり泣く声がした。 その声を聞いた瞬間、さっきまでの時間で考えてた考えは どっかにいってしまった。 いや、あんな短期間で取ってつけたように考えたってそんなもん、 たかがしれてるんだ。 ゆっくり、1つ、深呼吸をして扉をあけた。 澪はうさぎのぬいぐるみを抱きしめていつものようにベッド脇に座っていた。 おまえ、それ本当に好きだなぁ・・・。 こんなときでも、いつも私の部屋に来る時の当たり前をしてくるとこに なんだか泣きそうになる。 澪はうさぎに顔をうずめて顔を上げようとしない。 きっと、泣き顔をみられたくないんだろう。 もうばれてるから無駄なのに。 律「澪」 澪「・・・・なに」 律「むぎちゃ、もってきたぞ、飲むか?」 澪「・・・・飲まない」 律「そうか、じゃあ、とりあえず」 私はテーブルに2つコップを置いた。 コトン、コトンとコップを置く音が響いた。 澪はまだうさちゃんと抱き合い中だ。 そのまま、澪の隣に座った。 座るときに、少し私の右肩と澪のの左肩が触れた。 澪がビクってなった。 律「なぁ」 澪「・・・・なんだよ」 律「今、ビクってなったな?な?」 澪「・・・・言うなよ」 恥ずかしそうに声を出す。 律「ふふふ」 澪「笑うな、ばか」 律「なぁ」 澪「・・・・なに?」 ちょっとさっきより不機嫌そうだ。 でも、涙はとりあえず止まったみたいだ。 律「お気に入りのうさちゃんの抱き心地はいかがかしらん?澪ちゅわん♪」 さっきよりもふざけた感じで言ってみる。 澪「・・・・ばかりつぅ」 そういうとともに私の頭に澪の左手が垂直に落ちた。 律「あいたっ!!!」 こいつ・・・・!!!グーでたたきやがった。 馬場チョップじゃなくてグーでたたきやがった。 鈍痛が響く頭のてっぺんを押さえる。 こんなやり取りももう何回繰り返したんだろう。 律「いったいな!!!ぶつことないだろ!!!ひとのうさちゃんとりやがって!!!!!」 澪「お前が悪いんだろ!!!いっつもいっつもいっつも私をからかうことばっかり言って」 澪「大体このうさちゃんだって私の部屋にあったのをお前が勝手に持ってったんじゃないか」 律「・・・・あれ?そうだっけ?」 やっと顔を上げた澪と目が合った。 澪「なんだよ・・・・・忘れたのかよ・・・・・」 ちょっと、澪の顔がゆがんだ。 澪「・・・・ほんとにバカだな。ばかりつ」 澪「・・・・ったく・・・・」 私でもなくうさちゃんでもなく、部屋のどこかを見て澪はつぶやくように言った。 澪「私はこんなバカがそれでも好きなのか」 律「・・・・」 今日2回目のその響きは1回目よりも私をドキッとさせた。 部屋っていう空間のせいか、それとも肩が触れるか触れないかの距離のせいか さっきよりも確かに私の耳に聞こえてきた。 やっぱ、うさちゃんじゃごまかせないよな、その話するために今ここにいるんだから。 律「あのさ」 澪「・・・・」 律「私のこと、す、好きって、その・・・・本当なの・・・・か?」 うぬぼれてるみたいなセリフで思わずどもった。 澪「本当だよ」 律「そ、そうか」 澪「というか、私はこの気持ちもうりつにバレてるって思ってたんだけど・・・・」 澪「全然そんなこと、なかったんだな」 そういって、澪は私を見て笑った。 ちょっとくたびれた感じの笑い方だった。 律「すまん」 澪「なんで律が謝るんだよ」 律「なんとなく・・・・」 澪「そうか・・・・」 そういうと、澪はコップに手を伸ばしそのまま一口飲んでいた。 その一口を飲み込んで、言う。 澪「りつ」 律「ん?」 澪「ずっと・・・好きだったよ」 澪「いつ好きになったかなんてもうわからないくらい。律の隣は居心地がよくて、安心できるんだ」 澪「律といると楽しいし、自分でも不思議なくらい私、強くなれる」 澪「文化祭だって、律がいたからがんばれたよ」 澪「いままでもいろんなことを律と経験して、見たり聞いたりしてきたけど」 澪「もっともっともっと、今まで以上にいろんなこと、私は律と一緒に見たいし聞きたいし共有していきたい」 澪「りつ、好き」 澪「ずっと私の隣にいてほしい」 澪「だめかな?」 そういうと澪は黙った。 私はずっと何もいえなかった。 喉がからっからだった。 部屋の中にはあいかわらず沈黙が続いていた。 こういうとき、すんごい考えてるってフリして 実は頭の中はそうとう真っ白で、何も考えてなんかなかったりする。 考えるって行為をまず冷静にできないし、 考えて答えがでるくらいなら、人間に「悩む」ってコマンドは必要がないんじゃないか。 律「澪・・・」 でも 律「正直、すごくうれしい・・・本当にありがとう・・・」 自分の顔が赤くなるのがわかる。 澪のほうを見ないで続ける。 澪はじっと部屋のどこかを見続けたまま言葉をまってた。 澪「・・・・・・」 律「さっき澪は自分のこと気持ち悪くないかってきいてきたけど、ぜんぜん私はそんなこと思わないよ」 律「だいじょうぶ、全然そんなこと思う必要なんてないから」 澪「・・・・りつ・・・・・ありがとう」 律「うん」 律「私も、澪みたく、ずっと一緒に同じものを感じたりできたらいいなって思ってた」 律「ずっと隣で笑ったり、馬鹿やったりできたらいいなって思ってた」 でも、それでも今の私はこうしている間も思い出してしまうんだ 律「澪といると本当に楽しい」 律「自分が自分で居られる気がしてた」 理屈じゃないんだ、目をもうどうしても離せない 律「きっとそういう自分でいられるってずっと思ってた」 律「でも」 ほんとうに、恋愛感情なんて考えてるだけ無駄なのかもな。 はっきりという。これだけはどもらせたくなかった。 素直に、言葉のままに、澪に届いてほしかった。 律「ごめん。私は梓が好きなんだ」 部屋の静けさが一段と強くなった気がした。 8
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梓「どうぞ」 律「澪に告白はしないからな」 梓「・・・・」 律「私はもう澪のこと、ふっきれてるんだ」 律「もう終わったことなんだ、本当に」 梓「・・・・どうですかね」 梓「さっき、惚れてるって言ってたじゃないですか」 律「今は人間として惚れてるよ。いいやつだもん」 梓「じゃあ、やっぱりすきなんじゃないですか?」 律「だから、恋愛感情はもうないんだってば」 梓「無理しなくていいですよ」 律「・・・無理なんてしてないよ」 律「逃げだって思われてもいいよ」 律「ただ、私はもう澪のことなんとも思ってない」 律「あいつは私の親友で、部活仲間で、大切な人以外の何者でもないよ」 梓「・・・・・そうですか」 律「だから、告白はしない。いいな」 梓「・・・・・でも」 律「ん?」 梓「澪センパイがそう思ってなかったらどうするんですか?」 律「・・・・・どういうことだ?」 梓「だから、そのまんまですよ。澪センパイが律先輩のこと好きだったらどうするんですか?」 律「澪が?私を?」 律「・・・なに言ってんだよ。そんなことあるわけないよ」 梓「・・・先輩はずっと一緒に居て、澪センパイの何を見てきてるんですか?」 律「なにって・・・・しぐさとか?」 梓「そばに居て、今まで一度も澪センパイから好意感じたことなかったんですか?」 律「そりゃ・・・・1度、2度くらいはそれっぽいこと思ったことあるけどさ」 律「そんなの、私が勝手に思ってることだろ?ないよ、澪が私を好きとかあるわけない」 梓「その否定は、期待したくないからしてる否定ですか?」 律「・・・なんだって?」 梓「それとも、本当に澪センパイが自分のこと好きじゃないって思ってるからしてる否定ですか?」 律「・・・・梓、なにがいいたいんだ。澪のことはもう関係ないってさっきから言ってるだろ?」 梓「・・・っわたしには関係あるんですよ!!!!」 さっきまで泣いていた梓がいきなり大声をだした。 うずめていた顔をあげ、私をにらんできた。 その目はうさぎみたいにまっかだった。 梓「先輩、本当にわからないんですか?どんだけにぶちんなんですか?わからないならおしえてあげましょうか?」 律「・・・・・なんだよ」 律「おまえ、澪が私を好きとか、つまんないこというんじゃないだろうな?」 梓「先輩にとってそれはつまらないことなんですか?」 律「・・・・つまんないよ」 梓「・・・・」 梓、なんでおまえがそこでつらそうな顔をするんだよ。 やめてくれよ、そういうの。 そういうとこ、お前は知らないと思うけどさ、澪にそっくりだよ。 律「梓は私じゃないから、私の思ってること、知らなくてわからなくてあたりまえ」 律「信じてもらおうなんて思ってない」 律「自分でも、最低で矛盾してるようなこと言ってるってわかってる」 律「でも、言わせてよ」 梓「・・・・」 律「・・・・言うぞ」 律「私は今、梓が好きなんだ」 律「だから、いくら澪が私を好きでも関係ない」 告白してるのに、ほっぺた赤くして、涙目で睨まれるってのはどういう状況なんだろうな。 自分ではわからないけどほっぺた、赤いのはきっと私も同じなんだろう。 さっきの梓もこんな風に変にスカッとしてて、でも居たたまれない気持ちだったのかな。 梓「それが、3つ目ですか?」 律「あ、あぁ、3つ目だ」 梓「ばか」 律「やかまし」 梓「本当ですか?」 律「ああ。本当だぞ」 梓「嘘ですよね?」 律「残念ながら嘘じゃないぞ?すまんな」 梓「なんで謝るんですか?」 律「なんとなくだ」 梓「・・・・先輩」 律「ん?」 梓「最低ですね」 律「ん。知ってる」 梓「先輩」 律「ん?」 梓「うれしいけど・・・・信用できません」 律「ん。わかってる」 梓「私といても幸せなんてないかもしれませんよ?」 律「なんでだよ」 梓「偏見とか」 律「・・・おいおい。そんなもの怖かったら私はここに梓を探しにすらきてないよ」 梓「性格の不一致とか」 律「それは今考える問題じゃないんじゃないかな?」 梓「・・・・・でも・・・・」 律「なんだよ」 梓「私、性格わるいですよ?」 律「ん~・・・それは多分今、もうなんとなくにじみでてるから、なんとなくわかるよ」 梓「・・・・それはそれで・・・」 律「それはそれで・・・?」 梓「むかつきますね」 律「おい!」 梓「先輩」 律「ん?」 梓「やっぱ信用できません」 律「・・・そう・・・ですか・・・」 梓「今日澪センパイと帰るんですよね?」 律「・・・まぁ、そうなってるけど別に話すことないし断るよ」 律「断って梓と帰るよ」 梓「いえ、断らないでください」 律「なんですと?」 梓「今日は澪センパイと帰ってください」 律「え?本当になんで?」 梓「いいから、今日は澪センパイと帰ってください」 律「もしかしてまた盗み聞きするつもりか?」 梓「いえ、そんなことしませんよ」 律「じゃあ、なんで・・・」 梓「・・・・もう下校時間ですね」 律「・・・あぁ・・・」 梓「先輩のケータイ返します」スッ 律「あ、うん・・・」 ケータイが点滅してた。 画面には「着信あり3件」と出ていた。 すべて、澪だった。 律「澪から?」 梓「先輩」 律「ん?」 梓「私は澪センパイじゃないです」 律「そんなことわかってるよ」 梓「告白、うれしかったです」 梓「本当に・・・うれしい」 梓「でも、信用してほしいなら、今日は澪センパイと帰ってください」 律「・・・・」 梓「帰ってから、ちゃんと考えてまた明日ここにでもきてください」 律「・・・あずさ」 梓「はい?」 律「好きだよ?」 梓「・・・はい。じゃあ、また」 やっと電話がつながった。 澪「あ。律?今どこにいるんだよ?梓はみつかったのか?」 律「あーー・・・いたんだけど、かえっちゃった」 澪「帰った?」 そう返えしながら私は部室を見渡す。 今さらながらきづいたけど、梓の荷物はなにひとつとしてなかった。 もしかして、今日は最初からくるつもりがなかったのだろうか。 そして、電話ごしの律の声・・・・なんだか元気がない。 律、梓となにかあったの? そうでかかったけど、飲み込んだ。 澪「とにかく、もう下校時間だから下駄箱んとこ来い!お前の荷物もってくから」 律「あぁ、すまん。じゃあ、下駄箱で」 澪「ん、また」 いつも元気なあいつの落ち込んだ声は私を動揺させるのに十分だった。 唯「澪ちゃん」 澪「---ん?」 唯「あずにゃんどうだって?」 澪「なんか、・・・帰ったらしいよ」 唯「え!!そうなの?なんでだろう」 ムギ「・・・・」 澪「さあ・・・・具合でも悪くなったのかな?」 唯「あずにゃん・・・・りっちゃんとなんかあったのかな」 澪「な、なにかって?」 唯「え・・・・、いや、わからないけど、りっちゃんがあずにゃんを怒らせたとか?」 澪「たしかに・・・・それはありうるよな」 唯「どうしよう・・・・心配だけど、私、和ちゃんと帰る約束しちゃったよ」 澪「私、律と帰るからさ、話きいとくよ」 澪「だから、梓のことが心配なのはわかるけど、唯は和と一緒に帰りな」 唯「で、でも・・・・」 ムギ「なら、私が梓ちゃんの様子を見に行くわ」 唯「ムギちゃん」 澪「ムギ・・・」 ムギ「私も梓ちゃん、心配だから」 澪「ん。なら、ムギに梓のことまかせるよ」 唯「ムギちゃん、あずにゃんを頼んだよ!!」 ムギ「ええ。まかせて」 澪「じゃあ、とにかくさっさと校内からでないとな」 唯ムギ「うん」 ムギを先に行かせて 唯と2人で戸締りをして、急いで下駄箱へ向かうと 律が壁にもたれてすでに待っていた。 澪「律!」 律「あ・・・・澪」 律「・・・・と唯」 唯「りっちゃん!!私はおまけですかーーーー」ドーーーン 律「ゲフッ!!!」 律「唯、いてーよ!!いきなりつっこんでくるんじゃねぇ!!!」 唯「りっちゃん!!あずにゃんになにかしたの!?」 律「・・・・・!!!」ピク 澪「お、おい、唯・・・」 律「・・・・・」 律「なにもしてないよ」 唯「ほんとに!?」 律「あぁ・・・・」 唯「ほんとにほんとに!?」 律「ほんとにほんとに」 唯「ほんとにほんとにほんとにほんとに!?」 律「あああああーーー!!!ほんとに、ほんとに!!!!」 唯「りっちゃん!信じるよ!!」 律「あぁ。信じてくれよ、唯」 律「そしておかえしだーーーー」ドーーン 唯「ゲフッ!!!」 唯「りっちゃん隊員、痛いです!!」 律「へへへ」 澪「・・・・」 なにか、あったんだな。 唯におどけてるけど、全然いつもの律じゃない。 そう思いながら、律を見ていたら律と目が合った。 律はちょっと、伏せ目がちに笑った。 あぁ。この律のしぐさ、そうとう参ってるときのものだ。 本当に、梓と何があったんだよ、りつ。 アタマ アタマ クビ 唯「あ、和ちゃんからメールきた!」 唯「・・・・え!?校門のとこで待ってるって」 澪「唯はやくいけよ、和、待たせたらわるいぞ?」 唯「え!?う、うん。そうだね。こんな中途半端なときにごめん」 澪「気にすんな」 唯「ほんとにごめんね。じゃあ、先にかえるね!」 澪「気をつけてな」 律「またなー・・・」 唯「うん、また明日!」 靴を履き替えて、校門へ走っていく唯の後ろ姿を2人で見送った。 澪「律」 律「ん?」 澪「ほらこれ、お前のバッグ」 律「あぁ・・・・悪いな、わざわざ持ってこさせて」 澪「いいよ別に」 澪「私たちもそろそろ出ないと」 律「・・・だな」 普段の行いが悪いからだな、と私は思った。 ムギは、机の中のものを全部いれてきた、と言った。 全部、か。重たいぜ、「全部」って言葉はさ。 ムギ、私が勉強に不熱心なの知ってるだろ? 私、これでもおきべんしてるんだぜぇ? 荷物の量、おかしいとか思わなかったか? 感謝はしてるけどな。 感謝はしてるけど、重たい。バッグ重たい。 顔には出さなかったけど下駄箱のとこでバッグを渡されたとき、その重さにびっくりした。 よくもまぁ、こんな重たいバッグをなんでもないかのように こいつは部室から持ってきたもんだ、と思いながら隣を歩く澪を見る。 私も澪も、下駄箱を通り校門を抜けて普段の帰り道を無言で歩いてた。 長年一緒にいると、こんな無言の時間なんて結構気にならなくなる。 そんなに毎分毎秒話すことなんてない。 違う場所にいるなら、お互いの現状を話すとか、話題の提供元なんていくらでもありそうだけど 私らはクラスは違えど、ほとんど同じ生活空間を共有しているわけで。 だから、こんな沈黙、いつもなら全然気にならないんだ。 いつもなら。 澪「あのさ」 律「っぅえ!?」 澪「・・・・なんて声だしてんだ」 律「い、いや、いきなり話しかけられたからちょっと、びっくりした・・・」 澪「そうか」 律「ん・・」 律澪「・・・・・」 澪「あのさ・・・」 律「うん」 澪「梓と何かあったのか?」 律「・・・え?なんで?」 澪「りつ、なんか元気ないから・・・」 律「・・・・そうか?」 澪「そうだよ。私にはわかる。それに梓部活来ないで帰ったし」 澪「・・・なにか、あったんだろ?」 律「まぁ・・・うん(澪になら言っても大丈夫かな?)」 律「さっきは唯には何にもないって言ったんだけど、ちょっと色々あったんだ」 澪「色々って・・・?」 律「いや、それはちょっと・・・・詳しくは・・・いえない」 澪「・・・・そっか」 律「・・・・うん」 空気が重たかった。 あきらかに、いつもの沈黙ではなくなってた。 そして、どうして私は澪に詳しく言えないんだろう。 考えてるふりしてどうでもいいことばっかり思いつく。 こういう時、咄嗟に出てくる言葉って、本心なんだろうか。 澪「梓がさ」 律「・・・うん」 澪「ホームルーム始まる前にメールくれたんだけど」 律「・・・・うん」 澪「りつが私に話があるって」 律「あぁ・・・・うん・・・・ん?」 澪「話ってなんだ?私、帰り道でちゃんと聞くって言ったからさ」 澪「ちゃんと、聞こうと思うんだけど・・・」 律「・・・・」 どうしよう。 6
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澪をみると、何かを反芻するように目を瞑っていたけど 目をゆっくりあけて、ためいきをつくように言葉を吐いた。 澪「・・・・・そっか」 律「・・・・・そうなんだ。だから、ごめん。澪の隣にはいられない」 数ヶ月で色々な梓を知った。 でも、色々な澪をその倍以上に知っている。 それでも思い浮かんだのは梓の顔だった。 どうして、とたずねられてもわからない。答えられない。 むしろ自分自身に尋ねたい。 『どうして澪ではなく梓なのか』と。 両想いだったのに、どうして、と。 部活とか、雰囲気っていざとなったら頭の中になんてなかった。 梓、お前の言葉、案外正しいのかもしれない。 自分が答えられないものに答えを出すときは結局、 そのとき、そのしゅんかんに自分の中にあるものを信じるしかないんだな。 私の場合、澪と梓の2人ともを失うかもしれないけど。 澪「・・・・なぁ」 ちょっと気持ち、力のない声で澪が聴いてきた。 律「ん?なに?」 澪「りつは・・・・その・・・・・」 律「?」 澪「私を好きだったことって・・・・・一回もない?」 律「・・・・・・」 律「・・・・・ないよ」 澪「ほんとに?」 律「・・・・うん。本当に。一回もない」 律「澪は私の友達で、最高の親友だよ」 澪「そっか・・・・。わかった」 澪「なんか、ごめん。引き際が、悪いね・・・・」 律「いや、私こそ・・・・ごめん」 澪「あ、謝られても・・・・私がみじめになるだけなんだけどなぁ~・・・・」 律「・・・・」 澪「・・・・」 澪「・・・・梓に」 律「ん?」 澪「梓に告白とか・・・するの?」 律「それは・・・・まぁ・・・・するかな・・・・」 澪「そっか・・・・」 律「うん・・・」 澪「・・・・りつ」 律「ん?」 澪「きっと、大丈夫だよ」 律「え・・・っと・・・・なにが?」 澪「梓も、きっとりつのこと、好きだよ」 泣きそうなのに、澪は私に笑ってくれた。 律「・・・・・」 律「・・・・そうかな」 なんとかそういうと、ひざの間に顔をうずめた。 やばい。なんだか泣きそうだ。澪の顔をみることができない。 澪「うん。そうだよ。だから、絶対だいじょうぶ。自信もちなよ」 律「おう・・・・。ありがと・・・・」 時間、止まってくれないかな。 澪を傷つけたかったわけじゃないのに。 澪にこんな笑顔させたくなかったのに。 澪のことが好きだったのに。 こんな気持ちになるために人を好きになったわけじゃないのに。 そう思うと、もうダメだった。 「みお・・・・ごめん・・・・」 私のほうが、泣き出してしまった。 一度泣くと収まりがつかなくなりそうで怖かった。 でも、泣かないのもそれはそれできつかった。 だから、私はあの場所でたまに一人でひっそりとないていたわけだ。 膨らんだ風船が割れないように、空気を入れたり抜いたりしていた。 澪の前では、小さい頃からいままで一度も泣いたことがなかった。 「澪」と「ごめん」の単語2つのみを何度も繰り返しながら泣きじゃくる私を 澪はぼーっと見ていた。 私の泣き顔をはじめてみて澪はどう思ったのだろう。 いきなり、暖かいものが私を包んだ。 気づくと澪に抱きしめられていた。 驚きのあまり、あんなに流れていた涙がやっと止まった。 律「・・・・・み、お・・・!?」 澪「・・・・やっと、泣き止んだか?」 律「う・・・・うん・・・ご、ごめん。いきなり泣いたりして・・・」 澪「いいよ、別に」 怒っているのか、あきれているのか、よくわからない声色だった。 澪の顔は見えないのに、澪の声が耳元で聞こえてくるのはなんだか 変な感じがした。 澪はしっかり私の背中に腕を回してきていたので、身動きはとれなかった。 澪「りつ」 律「う、うん」 澪「おまえ意外と小さいな、抱き心地微妙。うさちゃん以下」 律「う、うるないな!!こんな状況でそんなこというなよ!!」 澪「ふふ」 律「なに笑ってんだよ」 澪「いつもからかってくれてたおかえしだ」 律「なんだそりゃ・・・」 澪が私の肩にあごを乗せてきた。 こんな風に澪からしてくるなんて、はじめてだ。 さっきまで泣いていた顔を見られなくてすむのはとても都合がいいんだけど。 澪「あのさ」 律「う、うん・・・」 澪「さっきの私がどんな顔をしてたか、私にはわからないけど」 律「うん」 澪「それを見て、おまえに同情なんて私はされたくない」 律「・・・・」 澪「私とじゃないほかの誰かといることになるからって」 澪「私はりつの隣で笑うことはやめたくない」 澪「べつに友達のまま、隣で笑ってくれてそれでいい」 律「・・・・みお・・・・」グスン 澪「だから、泣くな!」 そう言って、澪は私の背中を少しつねった。 律「いたい!!」 澪「耳元でわめくな!うるさい!!!」 律「(・・・・この状況でいえないけど、なんか理不尽)ご、ごめん・・・・」 澪「さっきの・・・・」 澪「さっきの私はきっとりつに悲しい顔を向けたんだと思う。だろ?」 律「う、うん」 澪「・・・悪かったよ、それは謝る」 律「いや、べつに」 澪「でも」 律「?」 澪「でもな、さっきはおまえはそれを見なかったフリしなきゃいけなかったんだぞ?」 律「・・・・・・」 澪「・・・・おまえは、」 澪「私より梓がすきなんだから、「ごめん」なんていう立場じゃないし、泣いてもいけなかったんだ」 澪「私は確かに悲しかったよ」 澪「でも、その悲しみは私だけの悲しみだ」 澪「・・・私だけが悲しんでいい悲しみなんだよ・・・・りつ・・・・」 そういうとさらにギュっと抱きしめられた。 肩のしめりを感じながら、私は澪の背中を抱くのをためらった。 そのためらいは一瞬だったけど、でもそれですべてのような気がした。 律「みお・・・・・」 私は少し高いところにある澪の肩にあごを乗せる。 澪「なんだよ・・・・」 泣き声が答える。 律「誰か1人を好きってなんなんだろうな」 そうたずねると、おまえがそれをいうな、と返ってきた。 律「うぅぅ~・・・そんな風にぶっきらぼうなことをおっしゃらずに」 澪「なんだよ?何がいいたいんだ?」 律「変なこというと思うんだけど、おどろかない?」 澪「え?なんだよ・・・・変なことって・・・・・」 律「おどろかない?」 澪「いや、おどろくだろ」 律「じゃ、やめた」 澪「おい!気になるだろ!!!いえよ!!!!」 声は泣いてるのに、口調は強気だ。 律「おどろかない?」 澪「な、内容による....」 律「・・・・・あのさ」 澪「う、うん」 律「きっと理解してもらえないと思うけど澪だけにはちゃんと言っとくよ」 澪「・・・なにを?」 律「・・・・・・」 澪「・・・・・・?」 律「私は、梓が好きだけど」 律「一緒に居たくて、一緒にいろんなことしたいと思うのも梓だけど」 澪「え?・・・・なに?おまえは私の傷を増やしたいのか?」 律「いいから、だまってきいとけ」 澪「・・・・なんだよ」 律「世界で一番大好きなのは」 律「澪、おまえなんだよ」 澪「・・・・・は?」 澪をぎゅっと抱きしめ返した。 勢いで抱きしめてしまったんだけど、どうしよう。 そんなことを思いながら、すんごく自分の心音だけがやかましく響いてた。 でも、そういう緊張じゃなくて、いつもじゃないこの状況にただ緊張してるだけなんだ。 澪は何も言わない。とりあえず、場をもたせなくては。 律「そういえばさ」 澪「・・・・」 律「『あからさまに』って」 律「『にわかに』とか『ついちょっと』って意味なんだよね」 澪「・・・・・いや、今そんなこというの期待してないから」 律「あ、そう」 澪「うん」 律「・・・・・」 澪「・・・・・」 どうやら、なにか間違えたみたいだ。 律「・・・・なんか、話ずらいから離してもいい?」 自分から抱きしめといていうセリフじゃないな。 澪「・・・・・」 あ、ダメなんですね、わかりました。 ならこのまま話をしよう。 それにしても、澪は胸がでかいですね。言ったら絶対殴られるから言わないけど。 澪「てか、・・・・説明は?」 いろいろなことをすっ飛ばして、なんかおかしなテンションになってますよ? なんでそんなに怒ってるんですかね、澪さん。 律「・・・・・えっと、まぁ多分ぼやかして言ってもわからないと思うけど、でも雰囲気でわかってほしいんだけど」 澪「・・・うん」 律「澪は、もう好きすぎて何もできない」 澪「・・・・は?・・・なんだよ、それ」 律「なんというか、ヤル前から萎えてるって気分というか」 澪「やるって?なにを?」 律「いや、だから・・・その・・・ナニを・・・」 澪「?」 え?わかんないの?そこ詳しく言わなきゃダメなの? 家出してたメルヘンチックな少女このタイミングで帰ってきちゃった? 今の澪、げにまっこと唯といい勝負ぜよ。 律「えっとですね・・・そのね・・・・まぁ、恋人同士がするようなことを」 澪「!?」 あ、やっと気づいたか。身体ビクってなってやんの。 まぁ、こんな話、澪にとっては恥ずかしくていたたまれないよね。 澪「ちょ、いきなり何いいだすんだよぉ!?」 律「いきなりって。でも、付き合うってなったらきっとそういうことするだろ?」 澪「そ、そうなのか・・・・?」 律「え、そうでしょ・・・・」 これ素で言ってるんだろうな。 そんな風に純粋だから、汚せないんだよ、まったく。 律「だから、というか、なんというか・・・・澪のことすごく好きなんだけど」 律「自分の中でもうそれが当たり前のことになってて」 律「一緒に居てもドキドキしないし、そういうことを澪としたいって思えないんだよ、どうしても」 澪「・・・・・」 そこから澪がまた黙ってしまって、何を言えばいいのかわからなくて私も黙ってしまって。 1、2分が2時間くらいの体感時間になるくらいの沈黙に押しつぶされてしまって 本当にどうしようか、と私が思い始めた頃に澪が口を開いた。 澪「律、離して」 いきなり言われたから、なにを話すのか?と最初思ったけど あ、「話す」じゃなくて「離す」か、と自分の中で漢字の変換ミスを正した後 おそるおそる澪を抱きしめてた手の力を緩めた。 抱きしめてたままの形でしばらくいたから、動かすときに腕の関節が少し痛かった。 澪と身体が離れたときに、スッと胸のあたりの温まっていた空気が抜けて その部分が少し寒くなった。 電気もつけてない部屋の中は暗くて、 部屋の中に入ってくる街頭の明かりだけでなんとかお互いの顔はぼんやり確認できていて 澪の表情をなんとか見ようとしたけど、 今どんな表情をしてるのか見たくないと思う自分もいた。 私の制服のボタンあたりを見ながら澪が静かに言った。 澪「じゃあさ、律は梓とそういうことしたいの?」 まさか、ここで澪の口から梓の名前が出てくるとは予想だにしていなかった 。 土管の中に入ろうと思ったらそこからパックンが突如として出てくるような そんな不意打ちを見事に食らってしまった。 マリオなら1P減るとこだが、私はマリオでも永遠の2番手でもない。 私にHPはあとどれくらい残っているだろう。 律「え!?・・・・えっと・・・・・あの」 律「・・・・・なんというかその・・・・///」 顔が自分でも赤くなるのがわかったし、明らかに誰が見ても動揺してた。 今日だって、ふざけた雰囲気を出しながら手を握るのが精一杯だったのに そんなことをいきなり言われても恥ずかしくなるばかりだ。 場面を想像してしまいそうになる自分のそんな幻想をどうか、ぶち壊せ。遠慮なく。 澪「・・・・・私の前じゃいつもそんな顔しないのにな」 律「え?」 澪「だからさ、律がそういう風に照れてるの、初めて見た」 さっきまでと違って、いつもの飽きれたような声色で言われた。 律「照れてる?」 澪「いや、顔真っ赤だから」 律「(やっぱり・・・)」 律「そですか・・・・///」 指摘されると、もっと恥ずかしくなるのはなんでなんだろうな。 もう、とそう言ってため息のようなものをついた。 澪「そんなの見せられたら] 澪「どうしようもないじゃないか・・・・・」 律「えっと・・・・」 澪「りつのこと大好きだったけど、今は」 澪「世界で一番だいっっきらいだ」 律「・・・・・」 9
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一体なにを言えばいいんだ。 あずさは澪と帰れって言ってたけど、そもそもあれはどういう意味だったんだ? 文字通りにただ一緒に帰ればいいわけじゃないだろう。 私に澪に告白しろって遠回りに言っていたのか? だとしたら、私はあずさに、フラれたんだろうか? あずさの方から告白したくせに・・・・フラれたのか・・・・!? え・・・それかなりショックなんだけど。 いや、ショックだぞ?シャレにならないくらい。 しかも、帰ってからちゃんと考えろっても言ってた。 なにを考えるんだ?偏見のことか? ・・・・くっそ、私のノータリンな頭ではわけがわからない。 しかも今考えてもショックが増えただけかもしれない。 私の言葉を待つ、澪の視線が痛い。 口数の減少とともに減速していった2人の速度でも 私の家の近くのコンビニ近くまで来てしまった。 どんだけ私は沈黙してたんだ。 そして、澪、お前はどんだけ健気に私の言葉を待ってるつもりだ。 律「み、澪!」 苦し紛れ、そういわれてもしかたがないけど、その言葉を私は言った。 律「コンビニ、寄らないか?」 澪「・・・・いいけど」 律「・・・よし、じゃあパピコ食おうぜ」 澪「パピコ?夏はもう終わったぞ?」 律「いいじゃんいいじゃん、私おごるからさぁ」 澪「・・・・えぇ・・・・でも」 律「(よし、おごるって言葉に惹かれてる。さっすが澪。あと少し!)」 律「ね?あれ2つセットになって売ってるし」 澪「アイス食べたいなら別にパピコじゃなくてもいいんじゃないのか?私は食べないからな」 律「なんだか今無性に澪とパピコ食べたいんだよ!!」 澪「なっ!?」 律「な?いいだろ?」 澪「・・・わかった。いいよ」 律「よし!じゃあ買ってくるから(なんとかごまかせた)」 澪「私は買うものないから店の前で待ってるな」 律「おう~」 店内はなかなか賑やかだった。 大半が私のような学生で、部活帰りといったところか。 パピコを手にとりレジに向かう。 結構な人がレジに並んでいた。 単品の客が多いせいか、1人1人の支払い時間はそれほどたいしたものではなかったけど レジを待ってる時間が私にはやけに長く感じられた。 ふと、外に目をやると、澪の後ろ姿が見えた。 ベースはきっとおろしてるんだろう。 スラっと伸びたきれいな黒髪がたまに風に揺れてるのがわかる。 ・・・・・ん?澪のやつ、なんか掌に書いて飲んでるぞ? なにしてんだ?腹減ってんのか?空気うまいか? ・・・・・・。 あの後ろ姿に恋をしていた。 もちろん、後ろ姿だけじゃない。 横顔でもいい。 でも、振り向いたら、私のほうを向いてくれたら 私は友達として振舞わなきゃいけなかったから。 気づけばいつも傍にいてくれていた。 私のこと、色々、もしかしたら私以上にわかってくれてる。 自覚をするとか、そういう次元じゃなくて、 それが当たり前だった。 「澪を好きでいること」 それが私の1つのアイデンティティーでもあった。 事実は変えられないし、私は別に澪を好きであったことを消したいわけじゃない。 ただ。 私が澪を好きであったことは、少なくとも、あずさを傷つけた。 かつて私を私として形造ってくれたものが 今、あずさを傷つけた。 うん、傷つけたんだ。 冗談じゃなくて、私があずさを泣かせたんだ。 支払いを終えてコンビニを出た。 澪は夏は終わったって言ってたけど、 この時間になってもまだ太陽は沈んでなかった。 私はさっそくパピコの袋を開ける。 キンキンに冷えた2つの栓を切って澪の方へ向かった。 律「澪、おまたせ~」 澪「ん」 澪はベースを背負う。 背負い終わったのを見計らって私は手渡す。 律「ほれ、澪のぶん」 澪「ありがと」 律「ん。ありがたくいただけよ~」 澪「はいはい。ありがとございます」 律「よし、いただきなさい」 2人でそのままコンビニの前でパピコにかぶりつく。 このコンビニで何か買ったときは、いつもコンビニの前で食べていた。 歩きながらだと、すぐに家についてしまうからそういうことはしなかった。 好きだった頃の習慣を変えるのもなんだか自分に対してあざとい感じがしたし、 いまさら変えると逆に不自然になってしまう気がする、2人の間での習慣のようなものだった。 2人ともアイスに夢中になってた。 また沈黙だったけど、さっきとは違ういつもの沈黙だった。 あと数分でこの沈黙は終わるはずだった。 そして、きっと2人でまた歩き出して 私は家の中に入り、澪は私の家の前を通りすぎ、 自分の家に帰るはずだった。 でも、それは私の中でだけだった。 私のパピコが食べごろになった頃だろうか。 澪「・・・・りつ」 アイスを食べながら澪がつぶやいた。 律「ん?」 澪「私も、りつに話があるんだけど」 律「・・・話?」 澪「うん」 律「そうか。なんだ?」キョトン 澪「おまえ・・・軽いな」 律「ん?」 澪「いや、まぁ、いいんだけどさ、・・・別に」 律「なんだよ。言いたいことがあるならさっさと言ってみろよ」 澪「・・・・その言葉そのままさっきまでのお前に返していいか?」 律「ごめんなさい。どんな話でしょうか、澪さん」 さっきの沈黙のおもさと話題を蒸し返されてはたまらない。 いつものようにおちゃらけた。 澪「・・・・」 澪「あのさ」 律「おう」 正面を向いていた澪は私のほうへ身体を向けた。 その澪の動作でパピコに向いていた私の視線はようやく澪に向く。 澪「驚くかもしれないんだけど」 律「うん。何?」 澪「・・・・ごめん。場所を選んでない私が悪いのかもしれないけど」 澪「ちゃんと聞いてくれないかな?」 澪「今じゃないと、もう言えない気がするんだ」 律「・・・・」 律「うん・・・・わかった」 あたりはさすがにそろそろ暗くなってきて、 夕日が真っ赤に澪に射していた。 澪「あのさ」 律「うん」 澪「おかしいって、気持ち悪いって思うかもしれないんだけど」 律「うん」 澪「私、ずっと」 澪「りつのことが好きなんだ」 あずさ、お前はいつから知ってたんだ? 私はやっぱりノータリンだよ。 ごめん。 そういえば、文化祭のときもそうだったけど 澪は緊張すると頭の回転がびっくりするくらい止まるンだった。 澪も私が好きだったのか、と、いまさらな事実を突きつけられて現実逃避したくなった。 『あと数ヶ月・・・いや、今日の朝でもいい。もっと早くわかっていれば』 そんな考えが頭の中をちょっとかすった。 そして、そんなことを考えたことが顔に出たんじゃないかと怖くなった。 澪は恥ずかしいのか下を向いてしまっている。 大丈夫、きっと顔の表情は、みえてない。 いまなら、少しでもうれしいとおもった私をなかったことにできる気がした。 とにかく、話をするにしても、返事をするにしてもコンビニの前はダメだ。 こんな場所で告白してくるなんて、 お前の中のメルヘンチックな少女は一体なにしてるんだ?家出中か? 律「あ、のさ・・・」 澪がゆっくりと私の顔をみる。 ―――-まさかとは思ったが、涙目である。 澪「・・・・」 律「・・・・ちょっと、ここじゃ話にくい内容だから・・・・場所移動しない?」 澪は何もいわない。うん。困る。 澪「・・・・りつ」 律「ん?」 澪「怒ってないの?」 律「なんで?」 澪「いきなり、・・・・その・・・・」 澪「好きっていわれて・・・・・」 澪「私のこと・・・・気持ち悪くないの?」 澪「嫌になってない・・・?」 律「・・・・」 なんか、もう、大変だ。 みんな、大変だ。偏見まみれだ。 梓といても澪といても、私はそれと対峙することになるんだけど、 私をふくめてみんな怖がりだ。 ・・・きっと、そういうものからも澪を守るのが私の役目だった。 律「・・・・」 あと少しだけ、その役割を延長してもいいだろうか? 律「みお」 できるだけ、優しく言ってみる。 律「私は怒ってないし、みおのこと気持ち悪いとも思ってない」 律「嫌いにもなってない」 律「とりあえず・・・・場所、変えよう」 律「ここから近いし・・・・私の家、いこう」 そういって私はみおの手を掴んだ。 みおの顔が赤くなるのを見ないように振り返って歩き出した。 無言で歩きながらボンヤリ思った。 私がこれからすることは、一体誰を傷つけるのかな。 梓かな、澪かな。 自分かな。 まぁ、どっちに転んだって、いつの日かの私はきっとたまに思い出して後悔する。 梓からも、澪からも愛想をつかされるかもしれないけど、それでもいいや。 さすがに帰り道は太陽さんもお帰りらしくてほの暗い。 家の明かりをまぶしく感じる。 10分ほどで、私の家に着いた。 しかし、家は真っ暗である。 澪「・・・・今日おばさんいないの?」 律「・・・・・あれ?」 いないとか言ってたっけ? そう思って、繋いでいた手をほどき 急いでケータイを見てみると、不在着信が2件とメールが1通届いていた。 2件とも母親からのものであり、メールも同じであった。 律「・・・・・」 澪「・・・・なんて?」 このころになると少し澪も落ち着いてきたのか、やや元気なさげであり 少々緊張気味ではあるが、私に話しかけてきた。 律「・・・・・私が帰ってくるのが遅かったから、私除いてみんなで外に食べに行くって」 澪「・・・・」 律「・・・・・・(ひどい)」 まぁ、逆に2人のほうが好都合だよな・・・・。 律「・・・・・まぁ、というわけで、親はいないけどそのほうが澪も話やすくない・・・か?」 澪「・・・・それは・・・話やすいけど・・・・でも・・・・」 律「あーー、家の前でつったってるのもなんだし、入ろうぜ?」 澪「・・・・わかった」 律「よし、じゃあ入った入った」 律「あ、なにか飲み物もっていくから先に部屋いっといて」 澪「え、そんな飲み物とか別にいいよ・・・」 律「いいからいいから。あ、あと」 ちょっと意地悪っぽく笑って私がそういうと途端にみおは不安な顔をした。 澪「え?なに?」 律「いや、私ら2人ともパピコのごみそのまま手に持ったままだなぁって思って」 手をつないだ手とは逆の手にそれぞれパピコの容器を持ってた。 普段ならコンビニで捨ててくるのにな。 そういう簡単なことに気が回らないってのは、お互いやっぱ緊張してる証拠か。 そう思うとなんだか笑えてきた。 律「はは。ほら、捨ててくるからかして」 澪「あ、ありがと」 律「おう。じゃあ、部屋いっといて」 澪「わかった・・・」 そういって私は台所へ。 澪は私の部屋へ分かれた。 てか、部屋ちらかってないよな? 大丈夫だよな?今朝の私よ? アイス食べたからのどが渇いたってのもあるっちゃあるけど 実際は時間稼ぎなわけで。 ほんの少しだけでいいから、一人で落ち着きたかった。 ごみを捨ててノロノロとコップを2つとる。 梓と澪は、・・・・まぁ、梓からは直接聞いたけど、 澪は私のように部活の雰囲気がどうなるとか多分怖がってないんだろうな。 でも、それは部活がどうでもいいってことじゃなくて きっと、うぬぼれかもしれないけど、伝えなければ苦しくてたまらないほど それくらい私のことが好きってことなのかな。 あの澪がなぁ、、、私を好きなのか・・・。 そっかぁ。両想いだったんだなぁ。 なんだか、うれしいけど、すっごい悲しいなぁ。 冷蔵庫から麦茶を取って、コップに注いだ。 ・・・うん。もう戻れないってすっごく悲しい。 私があきらめなければ、今はきっと全然違う方向にベクトルが向いていたんだろう。 その影で誰かが泣いていたとしても、 そいつはきっと泣いていることを私に隠すから きっと私は気づかずに自分の幸せだけを見つめることができたんだろうな。 泣いていた頃には全然想像もつかなかった未来に私はいて。 今もやっぱりなんだか泣きそうになってる。 それが正しいのか、間違ってるのかなんて全然わからないけど。 気持ちは伝えなきゃいけないんだ。 もう怖がっちゃいけないんだ。怖がる必要なんてないんだ。 思ってること、全部言うんだ、みおに。 その結果で泣くかもしれないけど、言うことは間違ってないんだ。 きっと、大丈夫だ。大丈夫なんだ。 だって、嘘じゃないんだから、この私の中にある気持ちは。 麦茶を冷蔵庫に戻して、2人分のコップを持って私は部屋へ向かった。 7
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梓「先輩」 律「んあ!?」 梓「いや、そんなに驚かなくても」 律「あぁ、すまんすまん」 律「で、なに?」 梓「いつまで手、繋ぐんですか?」 律「・・・梓いやか?私と手繋ぐの」 梓「まぁ、生理的には嫌ではないです」 律「なにその返答。今日のお前はちょっと予想外の動きをするな、おい」 梓「今日は調子いいんで」 律「そ、そうか。嫌じゃないならちょっと繋がしといてくれ。人恋しい時代なんだ」 梓「なんですか、それ」 律「とある個人的な思春期だよ」 梓「そですか」 律「そです」 律「あずさぁ」 梓「なんでしょう」 律「手、あったかいな」 梓「私体温高いんで」 律「(こいつ、猫に生まれるべきだったんじゃね?)」 ――― 梓「なに考えてんですか?そんなに遠くばっかみて」 律「ん・・・・梓」 梓「はい」 律「部活、楽しいだろ?みんないいやつだし」ニコッ 梓「・・・・はい。唯先輩のスキンシップが過剰なのを除けば、あの場所は私にはもったいないくらいの場所です」 律「ふふ。梓、雰囲気かわったな」 梓「そうですか?」 律「ん。表情が明るくなったよ。部活だけじゃなくて、憂ちゃんとかの影響もあるんだろうけどさ」 梓「そうですかね」 律「そうですよ」 梓「先輩は、ここに居るときと、部活のとき雰囲気違いますよ」 律「そうですかね」 梓「そうですよ。なんだかションボリしてます」 律「そうですか」 梓「・・・・先輩」 律「ん?」 梓「・・・先輩は、自分の嫌な話になると話をはずらかす傾向がありますね」 律「そうか?」 梓「そうですよ。最近わかってきました」 律「そっか」 律「・・・なぁ、あずさ」 梓「はい」 律「私さ」 梓「はい」 律「部活、好きなんだ。みんなのこと、好きなんだ。そんな部活の部長で嬉しいんだ。だから」 律「あの場所、私はどうしても壊せないんだ。大切なんだ」 梓「・・・・?」 律「壊すってのはちょっと大げさかもしれないけど、その可能性をもつ言葉、持ってたんだ」 律「そんなに頭よくないから。いっぺんにいろんなことできなくて」ジタバタ 律「でも、一緒に居たくて。でも、部長だからとかそういうこと考えて・・・・」パタパタ 律「捨てたんだ。そういう気持ちごと全部」 律「そしたらきっとまたみんなで楽しめるって思って」 梓「・・・・」 律「勝手にほれて。勝手に失恋」ハハハ 梓「・・・・」 律「でも、そんなうまくいかないよな」ニガムシ 律「澪が好きだったんだ」 梓「そうなんですか」 律「そうだったんですよ」 律「でもそれはもう自分の中でも整理できはじめてて」 梓「はい」 律「でも、ちょっと疲れたから。私は」 律「たまにここに居るんだ」 律「だから貴重な私を梓はみてるんだぞ~」ギュ 梓「・・・・そうですね」ギュ 梓「先輩は嘘をつくのがうまいですね」 律「え、なに?ほめられてる?」テレテレ 梓「いや、別にほめてません」サラッ 律「ひどいな」 梓「澪先輩がすきなんてそんなのぜんぜんわかりませんでした」 律「終わったことだけどお前、これ誰にもいうなよ?」 梓「わかってますよ。誰にもいいませんよ」 律「嘘ついてるってわけじゃないけどな」 律「・・・・いつもどおりに接するだけだよ。友達として」 キンコ~ンカンコ~ン 律「・・・さすがにサボりが2教科目になると学校どうでもよくなるな」 梓「ですね。今もう午後の最後の授業ですし」 律「梓、横にならない?」 梓「いいですけど」 律「ここで横になるの気持ちいいんだ」ゴロン 梓「そうなんですか。やってみます」ゴロン 律「そら、きれいだなぁ」 梓「はい」 律「私のクラスは今頃、日本史なんだけど梓は?」 梓「私はたしか現国ですね」 律「現国かぁ。私にとったらラクガキの時間だな」 梓「見てみたいですね。律先輩の現国のノート」 律「私の見るなら澪の見たほうがおもしろいぞ?きっと痒くなるような詩がチラホラ書いてあるはずだから」 梓「なんとなく想像できますね」 律「だろ?」クスッ 律「ちなみに唯のはよだれにまみれてる」 梓「うわ・・・・それも想像できますね」ハハッ 律「ムギのノートはきれいだぞ~。たまに変なメモっぽいのがすみにかかれてるけど」 梓「メモ?」 律「唯のスキンシップをレベル分けしてあったりとか」 梓「そうなんですか・・・・(深くはきかないでおこう)」 梓「・・・・まだ澪先輩のこと好きなんですか?」 律「・・・・いや、もうそういう気持ちはないよ」 梓「それでいいんですか」 律「うん。イーんだよ」 梓「・・・・」 梓「・・・・私は」 律「ん?」 梓「律先輩、好きなんですよ」 律「・・・ん?」アビョーン 梓「でも、この気持ちがこれからどうなるのかわかりません」 律「ヴェ!?今の告白じゃないの!?」 梓「告白じゃないですよ。告白っぽいですけど」ハァ 梓「私、今ぜんぜん緊張もしてないし、この気持ちで部活がどうなるとか想像してませんでした」 梓「というか、今言うつもりもぜんぜんありませんでした」 律「え?え?好きってさ・・・恋愛感情?」ワタワタ 梓「恋愛感情ですよ」サラッ 律「そ、そうなの・・///」 梓「でも、澪先輩の話聞いて、ちょっとカチンときたので」 梓「きっとちゃんと恋愛感情です。さっき気づきました」フンス 梓「あ!」 律「え?」 梓「ってことはさっきのはやっぱ告白になるんですかね?」 律「えぇ~~~!?なにそのいったりきたり。なんか恥ずかしくなってきた。手はなしていい///?」 梓「ダメです」キッパリ 律「いやいや離す離す」ヨイショ 梓「ダメですってば!!」ギュ 律「痛い!!!」 律「なぁ」 梓「はい」 律「私のなにがいいんだ?」 梓「・・・・デコ?」 律「むーなしいのは気のせいかな?」 梓「う~~~ん・・・こういうのはきっと言葉じゃあらわせませんね」 律「そうか(じゃあデコってなんだったんだよ)」 梓「私、先輩がよくここでないてたの、知ってました」 律「」 律「見てたの・・・・?」 梓「見てたっていうか、なぜかここくるとかならず律先輩居るから。必然的にというか偶然的というか」 律「あらやだ。・・・なんか恥ずかしいをとおりこしてきた///」 梓「理由は知らなかったですけど、さっきわかりました」 律「(逃げて叫び倒れ悶えたい)」 梓「なんかさっきの悔しくなってきました。やり直します」 律「え!?///なんでお前はそんなに冷静なの?」 梓「先輩、おきてください」セイザ 律「は、はい・・・・え!?」セ、セイザ 梓「コホン」フゥ 律「(いやな汗だなぁ、おい・・・てか、なんなの?この展開は・・・)」ドギマギ 梓「正直、この気持ちのせいで部活の雰囲気がどうにかなるとか、知ったこっちゃないです」 律「おいおい・・・・」 梓「というか、人を好きになってて、そんなこと気にしてられないです、私は」 梓「でも、それは断られてもそれまでどおりに接することが私と律先輩ならできるって思うからです」 梓「ほかのひとならきっと無理だったと思うし。こんなに冷静に告白なんてしてませんから」 梓「部活に入ったことは本当に感謝してるし」 梓「あそこはもう私の縄張りの一部なのでこれから言うことできまづくなったとしても私は部活やめるなんてことありませんから」 律「・・・・・・」 梓「大好きなんです」 梓「人を好きになるって初めてですけど」 梓「すごく、心があったかくなりました」 梓「もっと一緒に居て、いろんなものを一緒に感じて。触れたりしたいなって思ったり、もっと声を聞いていたいなって思ったり」 梓「会ってさよならした瞬間にすぐに会って声を聞きたくなったり」 梓「うまく言葉にできない感情が溢れたり。不安定でなきそうになったり。でも、やたらとなんだか心強くなったり」 梓「一秒でも会いたいと思える相手が居る、それが恋なら、私、恋を知れてよかったです」 律「・・・・・」 梓「でも、だからって、律先輩が澪先輩に告白しなかったからって私はそれを責めることはしないし」 梓「私が告白をしたからって『強い』わけでも、先輩が告白をしなかったからって『弱い』わけでもなんでもないんです」 梓「だから、ね、律先輩」 梓「そんな風に泣かないでください」 律「・・・・ヴ・・・・ん」ポロポロ …… 梓「泣き止みましたか?」 律「はい。お手数おかけしました(まさか後輩の胸をかりて泣く日がくるとは)」スンスン 梓「いえいえ」トントン 律「(心地いいがはずい///)」スンスン 梓「あの、私返事きいてないんですけど」 律「え?返事、今?はやくね?(顔ちかっ///)」 梓「チッ」 律「え?今舌打ちした?」 梓「先輩」 律「は、はい」 梓「好きなんで、一緒にいてください」 律「ちょ・・・、直球ですね///」 梓「直球です」 律「ん~~~~・・・・」 律「つか、え?考える時間ってないわけ?」 梓「恋愛感情なんて考えてるだけ無駄ですよ?」 律「なにその自論。なんかこわい」 梓「先輩のマンホール思春期論より全然支持者はいると思います」 律「くっ・・・・(なぜか言い返せない自分がいる)」 梓「」ジー 律「・・・・」 梓「」ジー 律「・・・・///」 梓「」ジー 律「(無言の圧力だが・・・・・)」 律「(かわいいと思ってしまう自分が居る・・・///)」 律「(よくみると梓かわいいかもな)」 律「あ、っあの、さっ」 梓「なんでしょう?」 律「ちょっと話それるけどさ、私たち、フツーに女の子どうしの恋愛OKな上で話すすめてるよな」 梓「そうですね」 律「梓は・・・偏見とかないのか?」 梓「・・・先輩は偏見あるんですか?」 律「ありますぇん」 梓「ならいいじゃないですか」 梓「てか、先輩、澪先輩好きだったなら偏見どうたらこうたらを確認とるまでもなくこっちの世界の側の人間じゃないですか?」 律「世界って・・・」 律「別に私はそういう風に世界を白黒つけようとしてるんじゃなくて・・・・ただ」 律「私の場合は好きになったのが澪だったからだけだ」 律「澪とはずっと一緒にいたからな。なんか、澪だと女どうこうの次元を超えてるっていうか」 律「澪が女だったから好きになったわけじゃないというか、だな。うん・・・・」ウーン 梓「・・・・」 律「うん。そうだな。私は澪の人間味に惚れてたんだ.小学生のころなんてお互いつるつるだったわけだし」 律「女としての魅力なんてあったもんじゃなかったぞ」 梓「(つるつるて)・・・・小学生の頃から好きだったんですか?」 律「え!?んぁ・・・・ま、まぁ・・・・///」 梓「はぁ・・・・」 律「なんのため息だよ」 梓「ヘタレが」ボソッ 律「へ、ヘタレじゃねぇよ!!!てかボソッといえてねえよ!!!!」 梓「そんなに好きならさっさといっちゃえばいいんじゃないんですか?」 律「え?いやだからそれは」 梓「小学校の頃から好きなら部活がどうとかの次元だって超えてると思いますよ」 梓「てか、部活をもっともな理由にして逃げてるとしか思えません」 律「いや、だって断られたらきまづいでしょ・・・・」 梓「きまづいとかきまづくないとかそんなこといってるうちにいつか本当に誰かにとられちゃいますよ?それでいいんですか?」 律「・・・・」 梓「どうせまだひきづってるんですよね」 律「いや、・・・・別に・・・・」 梓「うぜぇ!!!!」ゲシッ 律「!!いたい!!!」ドタッ 律「お、おまえ先輩にすねげりって・・・・」 梓「は?」 律「え!?いや、その」ビク 梓「ったく・・・・グダグダグダグダして・・・走るのはドラムだけですか?あ?」 律「」 律「(なにこれ)」ビクビク 梓「人がせっかく勇気だして告白したのに・・・」 律「え?緊張してないとか言ってたじゃ」 梓「緊張しないわけないじゃないですかっ!!!!!」カッ 律「ですよね」ビクビクビク 梓「しかも・・・なんで途中から」 梓「先輩の恋愛相談になってんですか・・・」 律「ははは・・・・ほんとだね・・・」 律「・・・・なんか、わるい・・・」 梓「・・・・・」ジー 律「(すんげぇ見られてる、こ、怖い)」オドオドビクビク 梓「先輩」 律「は、はい!!」ビシッ 梓「澪先輩に今日告白してください」 律「」 律「え・・・・?」 4
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踏み台ジャンプ踏み台ジャンプの成立条件 踏み台小ジャンプと踏み台大ジャンプ 踏みつけ後の無敵 モーションあり踏み台ジャンプ踏み台モーション 地上踏み台ジャンプ 空中踏み台ジャンプ モーションなし踏み台ジャンプ その他踏み台の原理が利用されているワザなど 踏み台ジャンプ 敵ファイターの頭部付近と重なった状態でジャンプ入力をおこなうと、敵ファイターを踏みつけてジャンプすることができる(踏み台ジャンプ)。 はじきジャンプの設定がオンのとき、Lスティックを倒しっぱなしにしていれば、踏み台可能になった瞬間に自動で踏み台ジャンプをおこなう。 なお、全身無敵状態のファイターやチームメイトは踏み台ジャンプの対象にできない。 また、入力優先度の関係で、「空中ジャンプ + 空中攻撃」の同時入力をおこなった場合では、踏み台ジャンプに移行することができない。 踏み台ジャンプは、プレイヤー番号の大小によって踏み台の優先度(踏み台の可否)が異なる。 複数のプレイヤーが同時に踏みつけ入力をおこなった場合、プレイヤー番号が最も小さいファイターが踏みつけを開始する。 踏みつけ可能な領域に複数のファイターが存在している場合、プレイヤー番号が最も大きいプレイヤーを踏みつける。アイスクライマーの本体とオプションでは、本体ではなくオプションを踏みつける。 踏みつけ入力とモーション移行が同時におこなわれた場合、プレイヤー番号の大小によってアクションが変化する。番号の小さい側が踏み台入力したと同時に、大きい側が攻撃モーションに移行した場合、モーションありの踏み台ジャンプを開始する。 番号の大きい側が踏み台入力したと同時に、小さい側が攻撃モーションに移行した場合、モーションなしの踏み台ジャンプを開始する。 踏み台ジャンプの成立条件 踏み台ジャンプが可能なのは、自ファイターの踏みつけ領域が敵ファイターの 存在領域(ECB) もしくは踏みつけ領域(?)に重なっている場合。 検証不足のため、詳しい条件については要追調査。 また以下の状況では、モーションなしも含め、踏み台ジャンプが成立しない。 踏み側の条件 踏み側の「攻撃動作」が終了してから、16Fが経過していない「攻撃動作」とは、地上攻撃・空中攻撃・(多くの)必殺ワザ・アイテム投げのモーションのことを指す。一部、「攻撃動作」に含まれない必殺ワザも存在する(ピーチの下必殺ワザで確認)。 空中攻撃のモーション中に着地した場合、着地モーションも「攻撃動作」に含まれる。 アイテム投げは「攻撃動作」に含まれるが、アイテムの空中その場落としは含まれない。 踏み側が前に踏み台ジャンプをしてから、8Fが経過していない 計算される踏み台ジャンプのY初速が0.5を下回る踏み台ジャンプのY初速はジャンプ毎に0.75倍に減衰していくが、この0.75を乗じた後のY初速が0.5未満の場合、踏み台ジャンプできない。 踏まれ側の条件 踏まれ側が、全身無敵状態 踏まれ側が、踏み側のチームメイト 踏み台小ジャンプと踏み台大ジャンプ 踏みつけモーションの終了時までジャンプボタンが押下されていなければ「踏み台小ジャンプ」に、押下されていれば「踏み台大ジャンプ」に移行する。 踏みつけモーション中に再度ジャンプ入力がおこなわれた場合、踏み台モーション直後から空中ジャンプに移行する。 踏み台小ジャンプ後に出した空中攻撃には、通常の小ジャンプと同様に0.85倍の与ダメージ補正がかかる。 ただし、踏みつけモーションの8F目を攻撃でキャンセルした場合は補正がかからない。 詳細は、 該当の項目 を参考。 踏みつけ後の無敵 今作から、踏みつけモーション後の1-4Fは全身無敵状態になるようになった。 また、1-4F中に他のモーションへ移行した場合も、全身無敵は継続する。 ただし、踏みつけモーションの8F目を攻撃でキャンセルした場合は無敵が付与されない。 詳細は、 該当の項目 を参考。 モーションあり踏み台ジャンプ 以下のモーション中のファイターに対して踏み台ジャンプをおこなうと、モーションあり踏み台ジャンプに移行する。 単に「踏み台ジャンプ」という場合にはこれを指す場合が多い。 モーションあり踏み台ジャンプをおこなうと、踏み側のファイターは踏みつけモーションに、踏まれ側のファイターは硬直モーションに移行する。 硬直差などは地上踏み台・空中踏み台で異なる。詳細は後述を参照。 モーションあり踏み台ジャンプに移行する場合 ヒットストップ中(空中のみ) 待機中 歩行中/走行中/ダッシュ中/ステップ中 しゃがみ中(しゃがみ歩き中) ジャンプ中(ジャンプ踏切中) 通常着地中/空中攻撃の着地モーション中 必殺ワザの着地モーション中(尻もち落下後のみ)例えばカービィの上必殺ワザなど、専用の着地モーションが存在する場合はモーションなし。 ガケあがりジャンプ中(無敵終了後) 受け身中(無敵終了後) ふっとび中/空中落下中/尻もち落下中 カベジャンプ中/カベ張りつき中 踏み台ジャンプ中 アピール中 踏み台モーション モーションあり踏み台ジャンプをおこなった場合、踏み側は8Fの踏み台モーションに移行する。 ただし、踏み側はモーションの8F目を空中攻撃・必殺ワザ・アイテム投げでキャンセルすることができる。 踏み台モーションの8F目を攻撃でキャンセルした場合、以下の点が通常と異なる。 4Fの無敵フレームが付与されない。通常であればジャンプ入力開始の9-12Fが全身無敵となるが、キャンセル時には無敵がつかなくなる。 踏み台小ジャンプ時でも、空中攻撃の与ダメージ補正が適用されない。小ジャンプ空中攻撃に適用されるはずの、0.85倍の与ダメージ補正が適用されなくなる。 地上踏み台ジャンプ 敵ファイターが地上にいる際に踏み台ジャンプをおこなうと、地上踏み台ジャンプを開始する。 踏み側は8Fの踏みつけモーション、踏まれ側は標準で28Fの踏まれモーションのあと行動を開始できるようになる。(*1) ただし、踏み側はモーションの8F目を空中攻撃・必殺ワザ・アイテム投げでキャンセルすることができる。 したがって、踏み側が20Fもしくは21Fの有利フレームを得ることができる。 空中踏み台ジャンプ 敵ファイターが空中にいる際に踏み台ジャンプをおこなうと、空中踏み台ジャンプを開始する。 踏み側と踏まれ側は共に8Fの踏みつけモーションを経たのち、踏まれ側のみ一定フレームのあいだ落下モーションへ移行する。 ただし、踏み側はモーションの8F目を空中攻撃・必殺ワザ・アイテム投げでキャンセルすることができる。 落下モーションの硬直フレームはファイターごとに個別の値が設定されており、この間は移動と受け身以外のアクションが行えない。 また、ヒットストップ中およびやられ硬直中に踏みつけられた場合、このとき生じているふっとび速度の大きさに応じて、落下速度も早くなる。 つまり、かなり大きいふっとびを受けているファイターが踏みつけられた場合などでは、実質的にメテオのように作用することもある。 全ファイターの落下モーションの全体フレームは以下の通り。 +ファイター順 ファイター 全体フレーム マリオ 37F ドンキーコング 35F リンク 35F サムス・ダークサムス 39F ヨッシー 40F カービィ 41F フォックス 28F ピカチュウ 36F ルイージ 39F ネス 39F キャプテン・ファルコン 31F プリン 44F ピーチ・デイジー 41F クッパ 32F アイスクライマー 40F シーク 33F ゼルダ 39F ドクターマリオ 37F ピチュー 31F ファルコ 32F マルス・ルキナ 35F こどもリンク 32F ガノンドロフ 34F ミュウツー 36F ロイ・クロム 32F Mr.ゲーム ウォッチ 40F メタナイト 34F ピット・ブラックピット 37F ゼロスーツサムス 34F ワリオ 35F スネーク 33F アイク 34F ゼニガメ 39F フシギソウ 38F リザードン 36F ディディーコング 33F リュカ 38F ソニック 34F デデデ 30F ピクミン オリマー 39F ルカリオ 34F ロボット 35F トゥーンリンク 38F ウルフ 32F むらびと 39F ロックマン 32F Wii Fit トレーナー 40F ロゼッタ チコ 41F リトル・マック 30F ゲッコウガ 31F パルテナ 36F パックマン 39F ルフレ 37F シュルク 35F クッパ Jr. 34F ダックハント 34F リュウ・ケン 35F クラウド 34F カムイ 34F ベヨネッタ 32F インクリング 35F リドリー 32F シモン・リヒター 31F キングクルール 34F しずえ 40F ガオガエン 33F パックンフラワー 30F ジョーカー 35F 勇者 35F バンジョー カズーイ 33F テリー 37F ベレト/ベレス 35F ミェンミェン 36F スティーブ 38F セフィロス 31F ホムラ 35F ヒカリ 31F 格闘Mii 30F 剣術Mii 36F 射撃Mii 37F +フレーム順 ファイター 全体フレーム 28F 30F 31F 32F 33F 34F 35F 36F 37F 38F 39F 40F 41F 44F モーションなし踏み台ジャンプ 踏みつけの対象にしたファイターが特定のアクション中にある場合、踏み台モーションをはさむことなくそのままジャンプへ移行する。 これをモーションなし踏み台ジャンプ(Phantom Footstool)と呼び、成立の1F目から踏み台ジャンプを開始する。 なお、「空中ジャンプ + 空中攻撃」の同時入力をおこなった場合は必ずモーションなし踏み台ジャンプに移行する。 モーションなし踏み台ジャンプは、以下の点で通常踏み台ジャンプと異なる。 踏み台成立の瞬間に、踏み側のファイターが踏まれ側のファイターの頭上へとワープしない。 踏み側のファイターは、踏み台モーションはさむことなくそのままジャンプモーションに移行する。踏み台モーションが存在しないため、必ず大ジャンプの踏み台ジャンプになる。 踏まれ側のファイターは、踏まれモーションをはさむことなくそのままアクションを継続する。空中踏まれ後の落下モーションも存在しない。 踏み台モーションに移行しない場合(モーションなし踏みつけ) ヒットストップ中(地上のみ) 地上攻撃のモーション中 空中攻撃のモーション中(着地中を除く) 必殺ワザのモーション中(ゼニガメの横必殺ワザを除く) シールド中 回避中 たおれ/ダウン中 ガケつかまり/ガケあがり行動中 アイテム投擲中/アイテム取得中 その他 踏み台の原理が利用されているワザなど の下必殺ワザ 踏み台が成立すると3Fの踏みつけモーションをはさみ、4F目に埋め属性の攻撃判定を出現させる。 踏まれ側は、モーションあり踏み台の場合は踏みつけモーションに移行するが、モーションなしの場合は移行しない。 の下必殺ワザ2(反転キック) 基本的にゼロスーツサムスの下必殺ワザと同じ仕様が利用されている。 ただし、攻撃判定の発生は踏みつけ移行の1F目。 の横必殺ワザ 突進中のゼニガメと通常落下中の敵ファイターの踏みつけ領域が接触すると、自動で踏みつけに移行する。 ただしこの自動踏みつけは敵ファイターが通常落下中でしか発生せず、空中攻撃のモーション中や尻もち落下中は発生しない。 また、ジャンプの上昇中などにジャンプ入力して任意で踏むこともできない。 踏みつけに移行したあとは、ゼニガメは164F (2.7秒強)のあいだまったく身動きが取れなくなる。 アイテム:ミドリこうら 基本的にゼニガメの横必殺ワザと同じ仕様が利用されている。 ただし、ゼニガメの場合とは異なり必ずモーションなし踏み台でミドリこうらを踏みつける。 名前
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律「あのさ」 梓「ん」 律「いつぞやの話にもどるけど」 梓「ん?(え?)」 律「澪に嫉妬はやめろ」 律「あと少々唯にもな」 梓「なっ!?」 律「わかるけどさ」 律「色々めんどいって」 律「それに」 律「これ以上手に入れたら」 律「罰があたるって」 律「一緒にいれるだけで幸せだろ?私たち」 律「それでいいじゃないか」 梓「・・・・」 律「でも、お前にだけ言ってるんじゃないんだ」 梓「?」 律「これは私にも言えることなんだ」 律「私もときたま唯に嫉妬するぞ」 梓「(へぇ~)・・・・どんなときですか?」 律「ご存知、私はドラムの田井中律だ」 梓「そうですね」 律「ドラムの場所ってのはな、どこだと思う?」 梓「どこって・・・・」 梓「バンドの一番後ろ」 律「ザッツライト」カタコト 梓「(ザッツライトすらカタコトな高校生・・・)」 律「後ろってのは、すべて見えてるんだ」 梓「すべて・・・」 律「そう。すべてだ」 律「演奏の時はみんなの背中しか見えないけどな」 律「でも、私はバンドのメンバーの中でただ一人だけ」 律「演奏している全員を見ることができるんだ」 梓「はぁ・・・」 律「いい話になんとかもっていこうとしてんだから飽きるんじゃない」 梓「で、なにがいいたいんですか?」 律「(・・・こういう時の敬語ってイラっとくるものがあるな)」 律「とにかくだ」 律「唯はいつも梓の隣にいるからうらやましいなって」 律「バンドしてるやつとしてはダメなことを私はたまに思うんだ」ドーン 梓「・・・・」 律「なんか言えい」 梓「・・・・」 律「なんか言え」 梓「・・・・」 律「なに考えてんだ?」 梓「いや、好きあってるのにこうもうまくいかないとは」 梓「付き合うって難しいなぁと」 律「・・・・・」ダキッ 梓「うわ!?///」 律「なぁ・・・」 梓「はい?」 律「けんかゴッコもうこれくらいでいい?」 律「なんかりっちゃんかなしくなってくたよ」 梓「そうだね。なんか雰囲気も悪くなってきたし」 梓律「・・・・」ハハハ 梓「ムギ先輩に『けんかゴッコしてみたらいつもと違っていいわよ』っていわれてしてみたけど」 律「微妙だったな・・・」 梓「微妙だったね・・・」 梓「本音がチョロっと出てきてたし」ギロッ 律「まぁ、こういう時にサラっというのがお互いにいいのかな?っと」アセタラ 梓「まあね」 律「時間帯がいけないんだ。1時なんていう、ちょっと精神的にハイになってる時間帯が・・・」 梓「たしかに・・・・」 律「な」 梓「そういいながらさりげなく胸さわんな」ゴツン 律「ぎゃん」 律「・・・・相変わらず貞操が固いですね」ズキズキ 梓「まぁ・・・い、いつか・・・///」 律「そうかそうか、五日か!!」 梓「ち、ちがう!!」ゲシッ 律「ぎゃん!!」 律「ちょっとしたジョークだっての!!!!」ズキズキ 梓「律がわるい!!!」 律「ったく・・・まぁ、今はとりあえず」ドッコイショ 梓「おいおい///」 律「私の湯たんぽにでもなってくれ」 梓「それは猫の得意分野だからまかしといて」ヒッシ 律「よしよし」ナデナデ 梓「明日、はれるといいな~」ウトウト 律「だな」ウトウト 梓律「スゥスゥ」 ―――― さかのぼって、4月ぐらい 律「思春期はT字路のど真ん中にある蓋のないマンホールだと私は思う」 梓「・・・・はい?」 梓「いきなりなんですか?下ネタですか?」 律「下ネタじゃないっての。私の持論だ。今思い付いたけど」 梓「そうですか」 律「(こいつ、ボケ殺しか!!)」 律「ところで、あ、梓・・・?」 梓「なんですか?律先輩」 律「(お!よかった、名前あってた)この人気のない屋上の片隅は私の密かなる隠れ家的スペースなんだが」 梓「奇遇ですね。ここは私の縄張りという名の授業サボり場スペースです」 律「・・・なんと!?ここはお前の縄張りだという証拠はどこにある?」 梓「証拠はないですが、とりあえず今日は私がここに来たときは誰もいなかったので、今は私の縄張りです」 律「ムムム・・・」 律「どく気は?」 梓「ないです」 律「先輩に譲る気は?」 梓「申し訳ないですが、ないです。弱肉強食です。世の中早い者勝ちの席取りレースですよ、律先輩」 律「じゃあ、一緒に居るのは?いい?」 梓「え?」 律「いや、露骨に嫌な顔されると何気に傷つくよ?」 梓「まぁ、居るだけなら・・・」 律「・・・しっくりこない返答だな、おい」 ――― 梓「・・・・」ボケー 律「・・・・」ボケー 律「なぁ」 梓「なんですか?」 律「お前なんか部活入ってんの?」 梓「入ってるように見えますか?」 律「えと・・・帰宅部、とか?」 梓「はぁ」 律「・・・・」 梓「・・・・」 律「なぁ」 梓「なんですか?」 律「私はけいおん部をやってるんだ」 梓「そうなんですか・・・(一応ライブは見に行ったから、知ってる)」 律「こうみえても部長なんだぜぇ~」フンス 梓「見えませんね(ベースの人が部長だと思ってた)」 律「くっ!!部長に見えなくても私が部長なんだ」 律「そんな部長の私が、入学そうそう授業をサボるお前の度胸と勇気を見込んでいうが」 梓「?」 律「けいおん部入らないか?」 梓「」 梓「え?」 律「左手みて思ったけど、お前さ、ギターかベースか弾けるんだろ?」 梓「まぁ、ちょっと趣味で弾いてる程度です」 律「おぉ!(はったりかましてみるもんだな)」 律「ギター?ベース?」 梓「ギター・・・・ですけど・・・」 律「アコギ?」 梓「エレキ、です」 律「・・・(逸材発見!!)」 律「よし、決めた・・・!!」 梓「?」 律「お前、けいおん部、入部決定な!」ニカッ 梓「んなっ!?」 律「お前と顔合わすの、これが3回目だけど3回ともつまんなそうだもん」 律「楽器、弾けるなら独りじゃなくて私たちと弾こう」 梓「いやいやいや、何勝手に決めてんですか」 律「部員足りないんだ。力、貸してくれ」 梓「・・・・」 キンコ~ンカンコ~ン 律「あ、終わった。次は体育だから戻らないと」タイイクスキー 律「梓」 梓「え!?」ビクッ 律「放課後、音楽室な」 律「そこは私らの縄張りだけど」 律「お前なら大歓迎だからさ。一度見にこい。私らの演奏聴かせてやるから。上手いお菓子もあるし」ニコッ 梓「・・・・」 律「じゃあ、またな!」スタタタタ 梓「・・・・」ポツン 梓「けいおん部・・・・か(お菓子って、なんだ?)」 ・・・・・ 律「とまあ、梓に会った頃の夢をみたよ」 梓「それはそれは。はずかしくてなんだか殴りたくなってくる夢だね」 律「いや、夢だから。殴らんといて。その拳は人を殴るためにあるのではないのだよ。だから速やかに下におろそうな」 梓「はいはい」 律「でもまぁ、」 梓「?」 律「梓が部活に入ってくれて良かったよ」ニッコリ 梓「///」 ゲシッ 律「ッセイ!?」 律「だからすねはやめれ!てか、何故に蹴る」サスサス 梓「ふん」フンス ====================== 澪「り、りつ!遅かったじゃないか!!!」 律「おぉ~!どったの?澪、そんなにあわてて」 澪「新入部員がきたぞ!」 律「へぇ。どんなやつ?」 澪「それが1年生なんだよ。ツインテールで猫みたいな子なんだ」 澪「しかも、ギターができるんだって!」キラキラ 律「ふむふむ。うれしいのはよ~~くわかったんだが・・・・」 律「本人いる前でそんなにはしゃいで恥ずかしくないのか?」 梓「///」 澪「え?あっ・・・///」 律「1年生」スタスタ 梓「は、はい」 律「・・・と、その前に」 律「唯。苦しそうだからとりあえず、抱きしめてる手を離してやれよ」 唯「え~~!!ひどいよ!!!りっちゃん!!!あずにゃん抱き心地いいから私離すなんてできない!!」ギュ 梓「キュ」 律「いや、抱きつくってか、技きまってっけど、それ」 律「ん?あずにゃん?」 梓「あっ///」 唯「この子のあだ名だよ~~!!!猫みたいなんだもん!!!」 律「なるほどな。たしかに、猫に似てるかもな(縄張りとか言うとことか、一人でいるとことか)」 律「えと、梓」 梓「は、はい」 律「私がけいおん部の部長の田井中律だ。来てくれてありがとな」ニコッ 唯「え!?りっちゃん、あずにゃんのこと知ってるの?」 律「ん?なんで?」 唯「だって、あずにゃんの名前知ってるじゃん」 律「(あ・・・やべ)まぁ・・・ちょっとな」 律「(授業サボってたことバレたら澪に怒鳴られるから黙ってないと)」 律「まぁ、とりあえず、今日は梓に私たちの演奏聞かせようぜ!」 唯澪「おぉ~~~~~!!」 唯「ってあれ?」 澪「ムギいなくないか?」 律「あ・・・・マジだ」 律「じゃあ、ムギくるまで自己紹介とかしてようぜ」 澪「そうだな」 梓「・・・・(ムギって人、なんかかわいそう)」 ――― 律「よっす、梓」 梓「・・・・・」 律「今日はわたしのが先だったな」ニカッ 梓「・・・・」スタスタスタ 律「ちょ!?」パシッ 梓「!?」 律「いきなり立ち去ろうとするとは何事だ!?りっちゃん泣いちゃうぞ!?」 梓「あ、いや、先に場所とられてしまったんで、違うとこいこうかと・・・」 律「なんだ。別に一緒に居ればいいだけだろ」 梓「いいんですか?」 律「?」 律「当たり前だろ?私と梓の仲じゃないか」 梓「・・・・///」 梓「じゃあ、失礼します」 律「おう!」ニカ~ 梓「先輩」 律「なに~」ボヘ~ 梓「いつまで私の手、つかんでるつもりですか?」 律「ん~~・・・それにしても梓の手はちっちゃいな~」 梓「律先輩も劣らずにちっさいと思いますけど」 律「・・・・気にしてたことを」ボソッ 梓「なんか言いました?」 律「言ってまへ~ん」 梓「なんで手がちっちゃいこと気にしてたんですか?」 律「聞こえてんじゃん///」 梓「まぁ、耳いいんで」 律「(ほんっとに猫みたいなやつだな)」 梓「てか、『気にしてた』ってなんで過去形なんですか?」 律「・・・・」 梓「?」 律「今はもう気にする必要がなくなったからだよ」ギュ 梓「痛い痛い!!!!」ドスッ 律「げふっ!!!」 律「不意うちでわき腹にエルボーはなしだろ・・・」ゴホゴホ 梓「手をいきなり強く握った方が悪いんです。正当防衛です」 律「くそっ!私は痴漢かなにかかっ!」ゴホゴホ 梓「・・・・そんなに痛かったですか?」 律「予想外の動きだったもんでね。キレイに入っただけですよ」ゴホゴホ 梓「対唯先輩用に練習してたんですが。ちょっと威力強いみたいなんで、唯先輩にはやめとくことにします」 律「いや、唯先輩『には』ってなんだよ、『には』って。私だってダメだっての!!!!!!」ウガー 梓「律先輩にはOKな気がなぜかするんです」 律「いや、だからダメだってーの!!」 3
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梓「なんかもう、そこからはじめなきゃ何もはじまんない気がしてきました」 律「え?いやいやいや、何いってんの?」 梓「告白して拒絶なりなんなりされるならそれまでの関係だってことですよ」 律「いや、無理だよ、無理無理無理。告白なんてしないっての」 梓「いつもみたいにあんなおちゃらけた態度をずっとつづけてても何も変わりませんよ?」 律「・・・・いや」 律「無理だってば・・・」 梓「人生で2、3度ぶっちゃけた日があったっていいと思いません?」 律「思いません」 梓「はぁ・・・・・」パシィ 律「え!(顔を両手ではさまれた!?)」ビク 梓「」クグッ 律「か、顔ちかづけんな!!!!!!ちちち、ちかいって!!!!///」 梓「逃げるな」 律「」 梓「ここで逃げたら、澪先輩との思い出、いつか全部忘れたくなる」 律「・・・・・」 梓「そんな自分自身を先輩は憎むと思う。今、今日の自分を絶対に悔やむと思う」 梓「だから、逃げないで」 梓「澪先輩なんだから」 梓「先輩がすきになったんだから」 梓「だから」 律「・・・・」 梓「大丈夫ですよ」ポンッ 律「・・・・・」 律「・・・・あずさは?」 梓「・・・・」 梓「私のことなんか気にスンナですよ」 律「いや、気にするって・・・・告白、してくれたのに・・・・・」 梓「ん~~~・・・・まぁ確かに、告白したのにその相手の恋路を手伝うってのもなんか尺にさわりますね・・・・」 律「・・・・・だろ?」 梓「じゃあ」 律「うん」 梓「断られたら付き合ってください」 律「」 律「え?」 梓「あ、先輩に拒否権はありませんから」ニコッ 律「え・・・・・?」 キンコ~ンカンコ~ン 梓「あ、授業終わったんで教室戻りますね」 律「いや、ちょっと待ってさっきのはちょっと」 梓「澪先輩には『律先輩が話しがあるからここに来いっていってました』っていっとくんで先輩はここで待っててください」 律「え?いやいや、ちょっとまってちょっとまって私も教室戻らなきゃ。バッグとかあるしホームルームもあるし」 梓「ムギ先輩にメールしとくんで大丈夫です。では」スタタタタ 律「え・・・・?」 律「マジ・・・?澪に告白?え?・・・・・・・」ポツン 律「はっ!!気を遠くしてる場合じゃなかった。澪とムギメールしてやめてもらえばいいんだ」 律「あったまいいなぁ~私」テヘ 律「えっと、ケータイケータイ・・・・」ガサゴソガサゴソ 律「けーたいけーた・・・い・・・・」ガサゴソガサゴソ 梓「先輩なにさがしてるんですか?」ヒョコ 律「ひゃい!」ビク 律「び、びっくりしたぁ」ドキドキドキ 律「忘れもんか?」 梓「先輩のケータイは私が預かってるんで無駄です」ヒョイ 律「」 律「え?」 梓「ちなみに先輩が私の胸で泣いているときにすりました」 律「」 律「なぁ」 梓「はい?」 律「お前に惚れた弱みってあるの?」 梓「ないです」サラッ 律「ですよね~」 梓「では、告白がんばってください」スタタタタタ 律「・・・・・・」 律「オワタ」ガックシ 律「ん?まてよ?別に従順に澪を待つことはないんだよな」 律「・・・逃げるか?逃げてしまおうか?逃げるのか…?」グズグズ 律「いや、逃げるとかじゃなくて…だって、なあ」 律「(私はもう・・・・)」 「なにボケッとつったってんだよ」 律「!?」クルッ 律「み、みお」 澪「人を呼び出しといてびっくりすんな」ビックリ! 律「え!?い、いや。ちょっと気分転換に・・・な」 澪「いや、返事になってないんですけど」 律「・・・ははは(なんかテンパっててわけがわからねぇ・・・。てか、みお来るの早すぎるだろっっ!!!)」 澪「こんなところよく知ってたな。梓に言われなきゃ多分在学3年間で私は知らないままだったぞ?」 律「あ・・・!」 澪「ん?」 律「いや、なんでもない(澪にこの場所バレたじゃないか!!梓のやろう!!)」 澪「?で。なんだよ、こんなところで話って」 律「・・・・(ど、どうしよう・・・)」ドキドキ 澪「?」 澪「…それって帰り道とかじゃダメなのか?」 律「か、帰り道・・・?」ドキドキ 澪「うん。部活行きたいしさ、2人だけで話すなら別にみんなとわかれてからでもいいだろ?」 律「(たしかに。だが、帰り道ってどうなんだろう…?)」 律「(梓は今日中に告白しろって…いやいや、だから梓に従う必要はないんだってば!!)」 律「(でも…)」 澪「りつ」 律「ん?」 澪「なにか、話たいことでもあるならさ、帰り道にちゃんときくからさ」 澪「そ、それでいいだろ?」ソワソワ 律「・・・・」 律「(こいつなんでソワソワしてんだ?)」 澪「み、みんな待ってるし、ほら、部活いくぞ」ギュ 律「!?」 律「・・・・お、おう・・・わかった・・・・・(手にぎられた)」 スタタタタタ 梓「・・・・・ばか」 ――― 律「おい」 澪「あん?」 律「もう、部室なんだから・・・・その、・・・・手、離せよ」 澪「あ、ごめん」 パッ 律「(あいかわらず私のが手、ちっさいな)」クスッ 澪「(なに手見て笑ってんだ?)」 ガチャ 律「ち~~~す」 澪「遅くなってすまん」 唯「お!!澪ちゃんちーーーす!!!」シュビッ 唯「りっちゃんひさしぶり~~」ニヤニヤ 律「あ、あぁ・・・・久しぶりだな」ハハハ 澪「唯、ひさしぶりってなんだよ?」 律「いや、ちょっと、な」 唯「澪ちゃん、聞いて!!!りっちゃん今日午後の授業全部サボったんだよ!!!」 律「ちょ!おい、唯!いうなよ」 唯「ふへへ。サボリはだめだよ、りっちゃん!!」フンス 澪「へ~~」ジー 律「(くそ、唯のやつめ)」 澪「あの場所にずっといたのか?」 律「あぁ・・・・まぁな」タジタジ ムギ「あ、りっちゃん、これ、バッグ。一応机の中のもの全部中に入れてきたんだけど・・・・」 律「あ、ムギ・・・・わるいな。サンキュ」 ムギ「いいのよ」ニコニコ 律「(すっげぇいい笑顔だな・・・・。梓はムギになんて言ったんだろうか)」 澪「あれ?梓は?」 律「」ビクッ ムギ「一番最初にきてたんだけど」 唯「さっきトイレ行くって言っていちゃってからまだ帰ってきてないんだよ」 澪「そうなのか」 律「・・・・」 唯「でも、結構時間たってるんだよね」 ムギ「そうなのよね」チラッ 律「!」 律「(・・・・・もしかして)」 唯「私ちょっとさがし」 律「ちょっと梓探してくるわ!!!!」ダッ 澪「あ、おい、律!!!」 唯「あ!私が行くって今言おうとしてたのに!!」 唯「私もあずにゃん探しにいくよ!!」ダッ ガシ 唯「え!?」 ムギ「まぁまぁ、梓ちゃんのことはりっちゃんにまかせておきましょう?」 唯「で、でも・・・・」 ムギ「今日はケーキもってきたんだけどなぁ」 唯「ケーキ」ピクッ 唯「ムギちゃん!!!」 唯「あずにゃんはりっちゃんにまかせてケーキたべよう!!!」ドゥ~ン ムギ「ふふ。今用意するわね」 唯「わーーい」 澪「律だけで大丈夫かな・・・」 ムギ「澪ちゃん」 澪「ん?」 ムギ「りっちゃんにちゃんと話できた?」 澪「い、いや・・・・できなかった・・・いざ、2人きりになると照れちゃって///」 ムギ「あらあら」 澪「で、でも、今日帰りに2人で話することになったぞ!!!律もなんか話あるみたいだし!!!」 ムギ「そう・・・。がんばってね?」 澪「お、おう!!!相談のってくれてありがとうな!!ムギ!!!」 ムギ「いいのよ、私が好きでやってることだから」 唯「ねぇ、2人ともなんの話してるの?」 澪「え!?いや、ちょっと・・・な///」 ムギ「唯ちゃん、ケーキは何がいいかしら?チョコレートとかチーズケーキとか、結構種類もってきたんだけど」テキパキ 唯「え!?ホント!!!どれにしようかなぁ~~」ワクワク ムギ「あせらなくても大丈夫よ」ニッコニッコ 唯「うひょ~~い!ムギちゃんだいすきーーー」 ムギ「あらあら、私も唯ちゃん好きよ」 澪「(ムギ、唯の扱いうまいな。てか、唯なんか不憫だ)」 澪「(・・・・・・律)」 ―――― 律「梓、さっきのまさか見てたのか?まぁ、なにもなかったんだけど」タタタタタ 律「ったく、・・・・ばかだなぁ」タタタタタ 「こら!!律!!!!」 律「うわ!?」 和「廊下走ったらダメじゃない!!」 律「の、のどかかぁ。驚かすなよ。びっくりした」ドキドキ 和「律が廊下走ってるのが悪いんじゃない。というか、どうしたの?そんなに急いで。部活は?」 律「あ、そうだ、和、梓みなかったか?」 和「梓ちゃん?生徒会室からここまでそれらしき人は見かけなかったけど・・・・」 律「(こっちで見なかったってことはやっぱあの場所か!!)」 律「和!ありがと」ダッ 和「いや、だから廊下走らない!!!!」 律「わわわ!へへへ」・・・・スタスタスタ(早歩き) 和「ったく」クス 和「それにしてもどうしたのかしら。梓ちゃん探してるなんて」 和「まぁ、私には関係ないわ、ないよね、・・・・やっぱないわ」ウンウン ゴメーンユズレナイーユズラナイー 和「あら?唯からメールだわ」 和「・・・今日一緒に帰ろう」 和「ひさしぶりに唯と下校・・・・」ポワワワ 和「がってんしょうちのすけ、っと」カチカチ 和「フフフ、さて、あと少しがんばりますか!!!」 ダダダダダダ(階段を駆け上がってる) ガチャ 律「!!!」 律「あずさ!!!」 梓「あ、へたれ」 律「・・・ははは」 律「おまえ、いつからここにいたの?」 梓「澪センパイがくる・・・・ちょっと前くらいから・・・です」 律「そっか・・・」スタスタ こちらに背を向けて座っている梓にゆっくり近づいていく。 体育座りをしてるこいつは、とても小さく見えた。 梓「今日中って言ったから、別に帰り道でも、・・・・いいですよ、告白」 私が隣に座るうちに、ひざに顔をうずめながらそういった。 律「・・・・盗み聞きなんて、性格わるいぞ?」 梓「そうやってまた話をそらすんですね」 律「・・・・」 梓「あと、性格わるいはいいすぎです」 律「さよけ」 律梓「・・・・・」 ふぅ。 律「あのさ」 梓「はい」 律「私は梓に」 梓「はい」 律「いいたいことが3つある」 梓「・・・・なんですか?」 ひざに顔をうずめたまま、梓は言う。 おまえ、バレバレだぞ? 律「1つ目」 梓「はい」 律「今なんで泣いてたんだ?」 梓「・・・・泣いてませんよ」 律「うそこけ」 梓「泣いてません」 律「いや、声が涙声だろうが」 梓「・・・・・」 律「泣いてたろ?」 梓「・・・とある個人的な思春期です」ズズッ 律「・・・・じゃあ・・・まぁ・・・そういうことでいいよ」 梓「はい。そういうことでお願いします」ズズッ 律「てか、私のせいか?」 梓「・・・・じゃあ、それもそういうことでお願いしときます」スンスン 律「・・・・」 時間って経つ。なにかそのせいで変わってく。 自分でも無意識だ。無意識だった。 自覚ってのは、いつからあったのかな。 そもそも自覚をするってこと自体できることなんだろうか。 律「2つ目いうぞ」 5