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http //www.ya.sakura.ne.jp/~nhd/html/SAIL01.html 挿絵もあったようだが削除済 どうやら18禁の内容なのでどうしても見たいというなら+をクリックしてください。 +... 娼好女せぇら Ver.0.2 第1話 壁の向こう側の秘密 ここは19世紀半ば過ぎのインドのボンベイ。 とある実業家の娘に、愛らしい少女が居ました。その名はセーラ。 イギリス人である父親と、フランス人である母親との間に出来た娘で、 育て方が良かったのか、周りでも評判の良い子でした。 しかし、セーラが4才の時に、母親と死別してから、父ラルフの態度が 変わっていったのでした。 それまでは、ただただ娘を可愛がる良き父親だったのですが、妻を失い はけ口を失ったラルフは・・・・。 ラルフ「さあ、セーラ。一緒にお風呂に入ろうね。」 セーラ「はい、おとうさま。」 そういうと、二人は豪華な泡の風呂に入っていった。 セーラ「あ、ぬるぬるするぅ。」 ラルフ「ははは、気にしなくてもいいんだよ。」 セーラ「?」 幼いセーラには、何故なのか分からなかった。 ラルフ「さあ、もっとこっちにおいで。」 そういうと、ラルフはセーラを自分の体に密着させた。 セーラは何も分からずに、ただラルフをじっと見つめていた。 ラルフは、娘の愛しさに、思わずぎゅっと抱きしめてしまった。 しばらくすると・・・ セーラ「おとうさま、くるしいよぉ。」 さすがに湯に浸かったままでの抱擁は、幼児には辛かったようだ。 そして、少し時間を置いて、セーラを再び膝元に置いた。 ラルフ「体を洗ってやろう。」 セーラ「はいっ!」 セーラは屈託の無い笑顔で答えた。 そういうと、セーラは浴槽から上がろうとしたが、ラルフは手を握って 浴槽に戻したのである。 ラルフ「セーラ、この浴槽の中に、石鹸やシャンプーの成分が入っているから、この中で洗えるんだよ。」 セーラ「このぬるぬるしたのがそうなのぉ?」 ラルフ「そうだよ、セーラ。」 そういうと、ラルフは、セーラの全身を、丁寧に両手で、弄(まさぐ)り はじめた。 セーラ「ああん、くすぐったい。やぁん。」 結構粘性の高い、謎の泡湯は、幼いセーラの体を刺激した。 ラルフ「ほおぅら、ここも奇麗にしようね。」 そういうと、セーラのアヌスに、指を這わせた。 セーラ「きゃうっ。」 セーラは、小鹿の様に跳ねた。 でも、ラルフは構わずに、アヌス付近をマッサージしていた。 セーラは観念したのか、躰をラルフに任せてしまった。 調子にのったラルフは、ほぐしたアヌスに、小指を入れてみた。 セーラは、一瞬顔が歪んだが、やさしくほぐされていたので、大した苦痛 にはならなかったようだ。 そしてラルフは、セーラが拒んでいない事を確認したのか、ぬるぬるした お湯を潤滑油代わりにして、小指をゆっくりと出し入れしたのである。 ラルフは、小声で震えるセーラを見て興奮してしまい、舌の動きを早めた。 浴室には、「ぐちゃ、ちゅぷっ、ぬちょ、ぢゅる・・・」と、淫靡な音が響き 渡っていた。 ラルフ「はぁ、セーラ、ふぅ、お前のここは、ねちゅ、とても美味しいよ。」 セーラ「あ、あっ、お、おとうさまぁぁ!」 奥深くまで舌を入れてくるラルフの執拗な攻撃に、セーラは躰をくびらせた。 しばらくして、甘美なアヌスの味を存分に味わったラルフは、セーラを寝室に 連れて行き、横たわるセーラのおでこにキスをして、こう言った。 ラルフ「あせることはない。まだまだ時間はある・・・。」 こうして、二人は深い眠りについたのである。この時セーラは、まだ5才・・・。
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第1回 そのはじまり 今思うと、エビが悪かったのかもしれない。 ハルカの叔父は神奈川の下田に住んでおり、そのとき伊豆半島名産の伊勢エビを送ってくれたのだった。 スチロールの箱に、オガクズと共に詰められた活きエビが八匹。 父も母も、娘のハルカも、最初は大喜びした。 母が箱を開いて、オガクズまみれの宇宙生物みたいなのが、ゾロゾロとはい出てきた時には、ちょっと背筋が寒くなったものの、やはり新鮮なエビのうまさは最高だった。 ぷりぷりとした肉を味わい、大きな頭にたっぷりと詰まったミソをすすった。 父とっておきの、なんとか言う白ワインも開けた。大変にうまかった。 しかし、刺身で二匹、ボイルで二匹、オーブン焼きで二匹と、豪華フルコースを堪能するうちに、家族はしだいに言葉少なになっていった。 流し台の上でキューとか鳴いているやつを、もう一度オガクズの中に戻すのは不可能だ。今この場で食べつくすしかない。それは判っているのだが、ハルカはだんだん気分が悪くなってきた。 最後はワインで流し込むようにして、なんとか八匹を腹の中に片付けた頃には、家族全員、もうエビなんて二度と見たくもないという顔になっていた。 こういうのは、いつか腹いっぱい食べたいと思っているうちが花だと思った。 胸が苦しかった。 さっきまであれほど有難がっていたミソのえぐみで、喉の奥がムカムカした。 もとからアルコールに弱いのに、調子に乗ってワインも飲みすぎた。 (実はハルカは中学生だ) ハルカはその夜、自室のベッドに転がり込むようにして、風呂にも入らずに寝込んでしまったのだった。 忘れもしない。4月17日。日曜日のことだ。 これで起きたら月曜日ではなかったと言ったら、信じてもらえるだろうか。 この長い話というのは、煎じ詰めると、つまりはそういうことだ。 菫色の水飴 長い夢を見ていた。 それは断片的な、まとまりのないイメージの連続で、ときおりぼんやりと像を結ぶことはあったが、ほとんどは、わけのわからないものだった。 ただ一つだけ、唐突な声というか、確信のようなものが、何度も意識を巡った。 「つながった!」 「つながった!」 「おまえは、つながった!」 具体的に何がどう「つながった!」のか、それはさっぱり見当もつかなかったが、夢の中でハルカは、繰り返し繰り返し、その声に強く揺さぶられた。 「つながった!」 「つながった!」 「おまえは、つながった!」 頭がずっしりと重く、寝汗が肌を伝う感触が、夢の中にまですべりこんで来るのが不快だった。 目が覚めた。 吐き気がした。 夜中過ぎくらいだろうかと、ぼんやり考えた。寝ぼけており、酔っ払っていた。目も耳も、なにか調子が変だった。 あたりは、明かりもつけないのに妙にぼんやりと薄明るく、紫がかって見えた。 より正確には、菫色というべきだろう。 そのせいなのか、部屋のデジタル時計の時間が、ぼやけてよく読めなかった。 頭が重く、ひどく眠く、吐き気も止まらない。さらにトイレも近くなってきた。 起きようか我慢しようか、しばらく悩んだあげく、ハルカはベッドからはい出し、よろめきながら廊下の先の洗面所に向かった。 空気が重く、肌が妙にヒリヒリした。 ようやく洗面所までたどりつき、用を済ませて帰ろうとして、ハルカは、はじめてそれに気付いた。 紫色の薄明かりに照らされた廊下に、それが見えた。 水飴の塊だ。 ハルカの通ってきた廊下全体に、まるで巨大な歯磨き粉のチューブからひねり出したように、それは漂っていた。 高さは、ちょうどハルカの背丈(162センチ)よりちょっと上まで。幅は1メートルくらいだろうか。外側は空気に溶け込むように透明で、内側にいくにつれて乳白色となり、中心ほとんど不透明で白っぽい茶色に見えた。いや、周囲が菫色のため、本当は何色なのかよくわからない。 もちろん、こんなものが廊下にあるはずはなかった。 不思議とあまり恐怖は感じなかった。それがあまりに突拍子もなかったためだろう。 (これは夢だろうか?) (これはなんだろうか?) ぼんやりと考えながら、ハルカは指先で、その手近なところに触れていた。思えば、寝ぼけたハルカは大胆だった。 不思議な感触だった。 触れたところから全体に、ゆったりと波紋が生じていくのは水のようで、強く力を入れた部分が、空気にじんわり拡散していくのは煙のようだった。 しかも、しばらく経てば、それは再びもとの場所に固まるのだ。 まるで池の底の泥をかきまわしているようだとハルカは思った。 その指先が、だんだん痛くなるのを感じ、ハルカは指を引っ込めた。 見ると、まるで擦りむいたかのように、赤く腫れている。思えばさっきのヒリヒリもこれだったに違いない。多分、寝ぼけたまま、ろくに前を見もせずに、この中を突っ切って来てしまったのだ。 菫色に染まった廊下で、指先を口に入れながら、ハルカはぼんやりと立っていた。 水飴は、まだそこにあった。 (眠い。とにかく寝よう。これは多分夢だ。) 結局そう結論付けて、ハルカは自分の部屋に向かった。 とにかく眠かったし、夢ならはやく覚めて欲しかったのだ。 ハルカが再び目覚めたのは、4月18日。月曜日の朝8時半過ぎである ハルカと蒲田について いつもより寝坊だった。 ハルカの父はすでに出勤しており、食卓では母が不機嫌そうにしていた。 ハルカは昨夜の奇妙なできごとについて、ちょっと話をしてみようかと思ったが、母の顔を見てやめた。 急がないと遅刻だ。 早く朝食を済ませるよう急かされた。何も変わらない、いつもの朝の風景だ。 してみるとあの妙な出来事は、やはり自分にだけ起こった夢に違いない。 しかし、ヨーグルトにコーンフレークと干しブドウをふりかけつつ、ハルカはふと、あることに気付いた。 立ったままの母が、しきりと二の腕の横あたりをもんでいる。 腕、どうしたの、とハルカは聞いた。 「起きたらなんだか痛いのよ、腫れちゃって。」 エビのせいかしらねと、母は言った。 その場所。 それはちょうど、あの菫色の世界で、ハルカが触れていた水飴の、同じくらいの高さにあった。 ところで、ここらへんでハルカについて紹介をしておこう。 ハルカは中学三年の15歳だ。 身長成績は、平均よりちょっと上。 自分では、ちょっと美人かもと思っているが、どんなもんだろう。 父と母と三人家族。東京都の南のはずれ、大田区の蒲田に住んでいる。より正しくは、蒲田から東急目黒線で一駅、矢口渡《やぐちのわたし》の近く、東矢口三丁目と言うところだ。賃貸マンション四階の3LDK。 両親の仕事の都合で、三年前、この蒲田のはずれに越してきたのだった。 ついでだから、この話の主な舞台となる、蒲田という街についても紹介しておこう。 一番有名なのはたぶんあの「蒲田行進曲」だが、あれはかなり大昔の話だ。 映画の撮影所があったころのテーマソングらしいが、今ではそうした面影はもう跡形もない。蒲田駅の発車ベルで例のメロディーが流れるくらいだろう。 もともとあまり品のいい街ではない。飲み屋や風俗店が多い。大田区名物の町工場を中心に少しは栄えていたらしいが、そのにぎやかだった街並みも、不況と高齢化で、今はさびれるばかりとなっていた。 だがその一方で、潰れた飲み屋や商店の跡地には、安くて小さなマンンションが、ものすごい勢いで増殖している。都心に通勤するサラリーマン向けだ。 小さな没落と繁栄が、狭い一帯に入り混じって、何とも言えないゴッタ煮の風景を作り出していた。 環状八号線、国道一号線、京浜急行線、東急目黒線、東急池上線など、首都圏の交通網が、さらにそのゴッタ煮をズタズタに貫通している。ひっきりなしに行き来する物流のトラックと、通勤客を満載した電車が、街の印象をますますゴチャゴチャとさせていた。 近くには多摩川が流れ、これが神奈川県との境。多摩川に沿って5キロも歩けば羽田空港、そして東京湾があった。 まあ、別段どうということのない街だ。 だがまさか自分がこの街の、東京都大田区近辺の救世主になろうとは、もちろんこの時ハルカは想像だにしていなかった。 二回目と三回目 この「菫色の水飴の世界」は、ハルカの通う東矢口第二中学三年C組で、一瞬だけ盛り上がって、その一瞬後にはすっかり忘れられた。 何しろ学校でこの手の話には事欠かないし、人が死ぬとか呪われるとか、盛り上がる要素にいまひとつ欠ける内容だったからには仕方ない。 二回目と三回目がなかったら、ハルカもそのまますっかり忘れるところだった。 つまり、一回では終わらなかったのだ。 二回目はそれから約一ヵ月後。5月8日のことだ。 前回同様、やはり日曜日の深夜だった。 いつものように夕食後、月曜日の小テストのための勉強をして、風呂に入って、パジャマに着替えて11時には寝た。 夜中にふと目覚めかけたとき、再び「あの」色調を、あの特徴的な菫色を感じたのだ。 それは前回と違って、ごくボンヤリとした感覚でしかなかった。日暮れ時に、どこかから漂ってくるカレーの香りのように、菫色の雰囲気とでもいったものに包まれたまま、はっきり目をあけることもできず、ハルカの意識は押し寄せる眠気に飲み込まれてしまった。 やはり起きたら何事もなく月曜日。 だが、ある事実がハルカの興味を強くひかずにおかなかった。 エビだ。 やはり夕食はエビだった。今度はグラタンの具。すっかり忘れかけていたあの記憶が呼び覚まされた。 この奇妙な符合はなんだろう? こうなると確かめないと気が済まないのはハルカの性分だった。 その二週間後の5月22日、ハルカはこっそりエビが献立に登るよう家族を誘導した。 何かというと天ぷらだ。必ずエビが入るし、実験が失敗してもこれはこれでうれしい。ハルカはイカやレンコン、サツマイモなどに混じって4匹のエビを食べた。 ハルカはその夜、はじめて意識的に「それ」に備えた。 小テスト用の勉強をして、風呂に入って、パジャマに着替えて11時にはベッドに入った。うっかり寝入ってしまわぬよう、ぼんやり天井を眺めながら待った。 12時。1時。2時。 しかし何もおこらない。 期待していたのも最初のうちで、だんだん飽きてきた。当たり前だがすごく眠い。 明日の朝が気になってきた。こんなバカをやっていれば一時間目の英語の小テストに響く。80点以下は、単語書き取り100回に再テスト。 あの薄汚いネズミ色の再生紙に、びっしりと英単語を書き連ねるのは実に不毛だ。 んなことを考えつつ、うつらうつらしてきたところで、三回目は起こった。 今度はこまめに時計をチェックしていたから、だいたいの時間もわかった。 おそらく午前3時20分過ぎ。 はじめて体験するその瞬間を、どのように表現したらいいだろう。 航空機事故や地震の際、テレビに速報が流れるその直前。 画面にはまだ何も変化はないのに、一瞬の静寂や、アナウンサーのかすかな様子の変化などから、なんとなく予兆というか、不吉な気配のようなものを感じないだろうか。 あの何ともいえない嫌な感じを、5倍にも強烈にしたような独特の感覚のあと、視界が突然菫色に変化したのだ。 スイッチをひねるような唐突さだった。それまでの暗闇に慣れた目からすると、まるで部屋中が菫色のライトに照らし出されたように見えた。 周囲の気温が、さっと二度ほど下がったように思えた。 いっぺんで目が覚めた。 ハルカは布団の中で、暗い菫色に染まった天井を凝視しつつ、しばらく硬直していた。 間違いない。夢ではなかったのだ。これが夢でなければだが。 待望の瞬間のはずなのに、不思議とあまり喜びは沸いてこなかった。 イコロの目がうまく揃ったときのような、ドキドキとした高揚感はあったものの、以前のような酔っ払った勢いがないためだろうか、なにか偶然「いてはならない」場所に紛れ込んでしまったかのような、漠然とした不安がハルカを包んでいた。 首から上だけを動かし、盗み見るようにして、ゆっくりと周囲を見渡してみる。 机や椅子、安い合板のクローゼット、いつものハルカの部屋が、全体に菫色となってしんと静まり返っていた。 時計のデジタル表示が、奇妙なことになっているのにもあらためて気づいた。 以前はただ、ぼやけたようにしか見えなかったのだが、注意深く観察すると、全体が半点灯のような状態で、時も分も、8の右の棒が取れたような形、つまり「EE:EE」のような表示のまま固まっていた。 ベッドを抜け出して、さらにじっくり時計を見てみようと思ったハルカは、自分の手が布団を押し上げられないことに気づいた。 手だけではない、全身が異様に重く感じられ、むきになって手足を動かそうとするたび、重さはぐんぐんと増してくるように思えた。 さらに強烈な眠気が、急激に全身に回ってくるのにも気づいた。まるで動こうとするハルカを抑え込もうとするかのようだ。 (眠りたくない!眠ってはいけない!) (もっと「ここ」にいたい!) (もっと「ここ」が見たい!) 叫ぶように、自分に言い聞かせるように、口をぱくぱくさせながら、ハルカは意識を失った。 決意 やはり起きたら何事もなく月曜日。 無理に体を動かそうとしたせいか、全身が妙にだるく、節々が痛い。 だが、そんなことはどうでもいい。 日曜の夜。 エビ。 そして菫色。 こには確かに、一種の法則性があった。 いつものように遅刻寸前で母からにらまれつつ、学校に向かい自転車を飛ばしながら、ハルカはアルキメデスだかピタゴラスだか、風呂場から裸で外に飛び出していった古代の学者のように興奮していた。 エウレカ!私は発見したのだ! 「それ、霊だよ!」 いつもの三年C組で、菫色の世界の話は、再びちょっとだけ盛り上がった。 だがその反応は、再びハルカを落胆させるに十分だった。 「霊」「金縛り」「異次元」「呪い」「魔法」 盛り上がっていた気分に、一気に冷水をかけられた気がした。 そうじゃない。 信じてくれないならまだいい、だが、これはないだろう、と思った。 あの異様で、独特な菫色の世界を、なんというか、そうしたありがちな言葉で括られてしまうのが、ハルカにはどうにも我慢ならなかったのだ。 だが、それがなぜかと言われれば、うまく説明が出来なかった。 不満足げなハルカを置いてきぼりに、やがていつものごとくに月曜の小テストが、そして授業がはじまった。 いつもと変わりない、月曜日の日常。 五月の日差しが心地よかった。 しかし、授業を上の空で聞き流すうちに、そしてご想像の通りというべきか、散々な結果に終わった小テストのため、ネズミ色の再生紙を英単語で埋め尽くすうちに。 ハルカの胸の中に、今朝の興奮が、先刻の不満がよみがえり、そして最後に不思議な使命感がわき上がって来た。 実のところハルカの日常は、近頃あまり面白くなかった。 いよいよ迫った受験に備え、家と学校と塾とを往復するだけの毎日だ。 別に大した目標があるわけではない。そこそこに勉強して、そこそこの公立高校の推薦をもらうだけの予定だ。両親は、もうちょっとレベルの高い私立校を目指したら、と言っていたが、それに特別な魅力も感じられないのだった。 それまで漠然と信じていた、自分の可能性や夢が、未来が、急にありがちな小さな現実の中に閉ざされていくような気がした。 ハルカには、さっきの自分がなぜ不満だったかわかった。 「未来」、「夢」、「可能性」、「霊」、「呪い」、「魔法」、どれも同じだ。 ちょっとロマンチックで、わかりやすく、そこそこに安心できる。 だが、どれも似通っていて、底が見えている。 なにもかもが、そうなのだ。 想像力と感受性に満ち溢れた15歳のハルカとしては、それがどうにも我慢のならないことだった。 偶然に垣間見た、あの菫色と水飴。 あの奇妙な世界は、少なくともそういういうこと「だけ」はなかった。 ロマンのかけらもないし、何にも似ていない。第一わけがわからない。あまりにデタラメすぎた。 日曜日と月曜日の間に、誰も知らない未知の世界があるのかもしれない。 中学生のハルカだって、ありえねえ、と速攻でツッコミを入れたくなる。 (しかし) とハルカは思った。 それがいい。 やってみよう。 あの菫色の世界を、自分の目で確かめてやろう。 その正体が何か、見きわめてやろう。 それが幻覚でも、錯覚でも、なんでもいい。 それは絶対に、ハルカだけの、世界のどこにもない探検になるはずだ。 そこそこな可能性や、ありがちな夢より、こんな再生紙の裏に英単語を書く毎日より、よほど面白そうだ。 どうやらエビがあれば、あとは部屋で寝てるだけで済みそう、という気軽さもいい。 ささやかな決意だった。 それはハルカにとって、久しぶりに胸がドキドキするような秘密の楽しみに思えたのだ。 受験が本格化するまでの。 →第2回へ続く
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開発者インタビュー「Creators Note」 #25 やいまん(2/2) http //sega.jp/archive/creators/vol_25/2.html 2Dでやれることはまだまだあると思います ゾルゲさんと組んでの仕事はどんな感じでしたか? やいまん ゾルゲさんは割りとトップダウンな作り方をするのに対し、私はボトムアップな作りをするので結構いろいろありました。 ゾルゲさんはまず「仕様ありき」で、得点やらタイムやらハイスコアなんかをとにかく入れろ、と迫ってくるんですが、私は周辺の仕様はゲームの成長に合わせて最適なものを追加していく作り方をしたかったので、最初の頃の企画会議はちっとも話が噛み合いませんでしたね(笑)。 結局「とりあえず」ということでゾルゲさんの仕様を盛り込むことになったんですが、開発の最後の頃にハイスコアなどの仕様を 「意味のあるもの」 にするのに苦労しました……。 でも細かい仕様はともかく、シナリオやイベントのボリューム感はすばらしく、最近のトレジャーに圧倒的に欠けているものはこのボリューム感だなと思い知らされましたね。 シナリオ以外にも、ステージの背景も無理を言って描いてもらったりしました。すいません、零細企業なもんで人手が足りないんですよ。 プログラムで表現するのが難しかったところはありますか? やいまん 私が勝手にサスペンド処理と呼んでいる、「イベントやステータス表示で、ゲーム内容を保ったまま、別の画面に切り替わって、またゲーム画面に戻ってくる処理」 が面倒でしたね。 これは例によって、ゾルゲさんの無茶な仕様を実現するために止む無く入れることになったものですが、GBAはRAMやVRAMにほとんど余裕が無いので大変でした。 まあおかげで、ゲーム中も切り替えた画面も表示能力を限界まで使った派手な画面にできたので、クオリティアップに貢献したと思ってます。 2Dゲームに対する思い入れがありましたら語ってください。 やいまん やっぱり日本人の得意分野は2Dでデフォルメなんですよ。マンガもアニメも浮世絵も(笑)。ゲームだって2Dでやれることはまだまだあると思います。残念なのは、今2Dゲームを思いっきり作れそうなゲーム機が無いことですね。 ゾルゲ 今は3Dのポリゴンをつくるデザイナーさんはたくさんいるけど、2Dのドット絵職人というのがいなくなってしまったね……。 やいまん でも、今回はゾルゲさんの人望でかなりすごいメンバーに絵を描いていただけました。 ゾルゲ 2Dのドット絵職人でもある(※)中井 覚 さん、(※)斉藤 智晴 さん、(※)横川 聡 さん に手塚キャラクターや背景を描いてもらいました。背景なんかとんでもなく凝ってる(笑)。 それに加えアトムの細かいアクションをつけたのは、トレジャーのナオキマンさん。まさにドリームチームです(笑)。 ※) 中井 覚 (なかい・さとし) 代表作: 『ジノーグ』 『重装機兵VALKEN』 『LORD OF MONSTERS 1.2』 ※) 斉藤 智晴 (さいとう・ともはる) 代表作: 『美食戦隊薔薇野郎』 『ガンハザード』 ※) 横川 聡 (よこかわ・さとし) 代表作:『ADVANCED WORLD WAR 千年帝国の興亡』 アトムで遊んでくれる方にメッセージをお願いします。 やいまん ゾルゲさんのおかげでシナリオもボリューム感たっぷりなので、それを読むだけでもすごく楽しめると思います。 ゾルゲ 私もそれなりのマニアですので、手塚ファンの方からは 「ヌルい!」 と言われることだけはないよう気をつけました(笑)。 やいまん イージーモードはある意味簡単にできているので、ゲームに慣れていない人でもクリアできると思います。 ハードモードは 「トレジャー基準」 というか、キャラゲーでこの難易度は高すぎだろ、とか思うんですが……。メガドライバーは、もしかするとハードでも物足りないかもしれませんね(笑)。 ゾルゲ トレジャーファンにもグッとくる要素もあります。 街の看板には懐かしいタイトルの看板があるし、『エイリアンソルジャー』 のセブンフォース楓みたいに変化するキャラクターが登場したり、『ガンスターヒーローズ』 の音楽が流れるシーンもあります。 やいまん 私は (後ろ向きな) オマージュみたいなものは好きではないんだけど、ゾルゲさんがいつの間にか手を回して……(笑)。 ゾルゲ アトムファン、手塚ファン、トレジャーファンに楽しんでもらいたいですね!
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『GAME MAGAZINE』インタビュー特集 http //www.m-2.jp/gamemagazine/reading/reading_interview/interview_004_01.htm (観覧不可、Internet Archiveで観覧可能) 21世紀最大の問題作『セガガガ』(もう決定)!!こんなモノ凄いゲームを作ったのは、いったい誰だ?! 誰も本気だって信じてくれないんです 破天荒というか、妄想誇大というか、まさに狂気乱舞の『セガガガ』。何より驚きなのが、このソフトがきちんと企画会議を通り、予算をもらって作られていることだ。どう考えても、一筋縄では行かなかったのではないかと思われるが、ゾルゲ氏は、いったいどんな手段を使ったのだろうか。 「『セガガガ』は、今セガがこんな調子だからできたゲームでもあるんです。こういうときは企画の面白さで勝負するしかない。だから気が狂ったのかと思われるような企画を作ったんです。でも、スタッフの85%は本気だと信じてくれないんですよ。社内プレゼンテーションも2回もやったのに、社長は笑って聞いてはくれるけど、それで帰っちゃうんです。しょうがないので、3ヶ月間くらい時間を使ってお金をくださいという話をしたんです。低予算で、早くできるゲームですっていって。ところが、企画を立ち上げたのは、1999年の正月なのに、なかなか完成しなくて、全然できていないじゃないかって、怒られました」 3つの遊び方を盛り込んでみました 制作に時間がかかったのは、いろいろな意味で調整が大変だったからだが、それはより面白いゲームを求めて、試行錯誤をした結果でもあったという。 「今回『セガガガ』には、3つの面白さを盛り込んでみようと思ったんです。 1.5分で解る面白さ 2.30分でぐっと来る面白さ 3.何回もやりたい面白さ の3つですね。 はじめの、5分で解る面白さは、操作性のレスポンスや難易度です。長年、プレイヤーが慣れ親しんだインターフェイスを使うことを心がけました。Bボタンを押せばキャンセル、Aボタンを押せばウィンドウが開くという感じで。そうすれば、プレイヤーもゲームにスッと入っていけると考えたんです。戦闘については、開発の最終段階でプログラマーさんが随分頑張ってくれて、読み込み時間をほぼゼロにしてくれたんです。おかげでテンポのよい戦闘が可能になりました」 『セガガガ』は、そのブッ飛んだ内容とは裏腹に、ゲームとしての基本は非常にしっかりとできている。さまざまな点でプレイヤーがストレスを感じないように、細部まできっちりと調整されているのである。ゾルゲ氏は「時間があったからいろいろやった。それが練り込んだように見えるのかもしれない」というが、無論、これは謙遜だろう。 「次の、30分でぐっと来る面白さは、全体的なテンポの問題ですね。3話進むのにそんなに時間がかからない。でも、しっかりと3話分のストーリーが展開し、ムービーが入る。シナリオも、最初はだいぶボリュームがあったんですが、絞って減らしてしまいました。主人公に、ヒロイン、それからサポート役に、悪役。それだけいればOKだと。キャラクターが多くて話がごちゃごちゃするより、少ないキャラクターで物語を理解しやすいように、シナリオライターさんにはいろいろご無理をお願いしました。でも、話が話だけに、キャラクターのリアリティには気を遣いました。オープニングで、主人公が凄い田舎に住んでいるというシーケンスをわざわざ加えたんですが、あぁいう部分がないと、プレイヤーがよりどころにするところがなくなると考えたんです」 キャラクターを絞り込んだのは、予算の問題もあったからだとゾルゲ氏はいう。とくに、スケジュール上、ゲーム開発に先行して発注しなければならないアニメーションとの調整は大変だったとのことだ。 「アニメーションは、メインキャラクター中心で発注したんです。だから、後でシナリオをいじりすぎると、アニメーションに出てこないキャラクターが生まれてしまうわけです。これは絶対にまずいので、アニメーションに合うよう話を進めることにはこだわりました。まぁ、予算も潤沢にあったわけではなかったんで、発注したアニメーションも、極力必要なエピソードだけにしました。全体的に間も詰めていますから、アニメ会社の人からは、ここは後何秒かないとつらいですよ、なんてツッコミを入れられたりしましたね。でも、そのへんはみんなプロですから、完成したアニメーションはシャープでテンポの良いものになったと思います」 ゾルゲ氏の話では、しきりとテンポという言葉が出てくる。実際、細部のストレスが少ない『セガガガ』は、じつに快適に物語が進行していく。クリアまでのトータル時間は約5~10時間(7時間くらいが平均)で、RPGとしては、非常にすっきりした作りになっているのだ。 「テンポのよさにこだわったのは、RPGにある100時間プレイに対する反論があったんです。今、ゲーム業界は、携帯ゲームやインターネットを含めて遊んでくれる人の時間を奪い合っている状況でしょう。そうじゃなくて、遊んでくれる人のライフサイクルに合わせて、ちょっと遊んでくれるものを提供していかないとダメだと考えたんですよ。プレイ時間が長いと、チェックが面倒だという理由も、あるんですがね」 『ドラゴンクエスト』が日本におけるRPGにひとつのフォーマットを作って以来、業界は、「RPGは長く遊べないといけない」という呪縛に囚われてきたのかもしれない。RPGでありながら、サクサク遊べるという『セガガガ』のコンセプトは、ある意味、斬新で、挑戦的といえるかもしれない。 「ただ、あまりにテンポがよすぎると、早く終わりすぎてしまうので、最後に付け加えたのが、3番目の何回も遊びたくなる面白さです。ゲーム中に「資料室」というセクションがあるんですが、ここに行くと、これまでに見たムービーや開発したソフトのタイトル一覧を確認できるんです。開発可能ソフトは100本ほどあって、コンプリートするには1週間くらいはかかると思います」 開発室で作られたソフトは、この作品のオリジナルもあるが、大半はこれまでセガが実際に発売してきたソフトになっている。昔懐かしいソフトもたくさんあって、そのパッケージを今見られるのは、往年のファンには堪らない魅力だ(→末尾にごく一部を紹介しているので、そちらも参照のこと)。 「途中の過程を上手くいった人ほど、よりよいエンディングを見られるようにしました。プロジェクトを成功させると、ちゃんとムービー付きのエンディングが見られて、そこまでは行けなかった場合は静止画一枚だけとか。こうした要素がないと、クリアすることが単なる作業になってしまいますから」 身内の話だからこそ、甘い話にはできなかった いろいろ驚かされる内容の多い『セガガガ』だが、中でも目立つのがRPGパートにおける「戦闘」時のやりとりだ。これは、正気を失っているスタッフを言葉で説得していくという形態を取っているのだが、そこで飛び交うセリフがもう……。プレイ時のお楽しみということで、あえて例の紹介は控えるが。ちょっとでも業界に足を突っ込んだ経験があると、実際ダメージを受けてしまうこと間違いなしである。 「説得の台詞は、開発中にどんどんと増えていったんですよ。私が説得画面のチェックにいくと、見たこともないような会話がいくつも入っている。でも、ここで止めたらきっと面白くなくなると思ったんで、そのままにしといたんです。そしたら、みんな調子に乗ってどんどん増やしていくんですね」 その過程をちょっとだけお伝えすると、次のような具合だったらしい。 「たとえば、私が『思いつきは企画といわない』という台詞をサンプルに入れておいたりすると、スタッフの方から『なにもしてないのにやった気になってますね』という台詞が出てくるんです」 これがディレクターとスタッフの「会話」である。とってもフレンドリーで、楽しくなってくること請け合いではないか。未経験者のあなた、このセリフ・バトルに触れてみたいと思いませんか? 「ゲームソフトを開発するSLGパートでは、絵が見えないとイヤなんで、まずフォーマットとして7人のキャラクターがいて、それぞれ動くのが解るように作りました。リアルタイムで動くようにして、遊んでいる最中に手持ちぶさたにならないようにしたんです。はじめは、もっと複雑なシステムも考えていたんですが、このソフトを買ってくれた人は、複雑さを求めていないだろうと思って、簡潔でわかりやすいシステムに変えました」 ゲーム内で、ソフト開発に携わるのは、主人公が戦闘で説得し、仲間にしたキャラクターたちだ。面白いのは、RPGパートとSLGパートで、キャラクターたちのパラメータが共有されていることである。 「現実の問題として、これは大変だったんですよ。そんなシステム、今まで見たことがなかったですから。でも、スタッフの努力で、RPGパートで捕まえたキャラクターを使って、そのままSLGパートの開発を行うことができたとき、ゲーム的な面白さは一気に上がったんです」 「戦闘→開発」という手順がゲーム進行の基本だが、ストーリー構成は章立てになっていて、ある程度物語の区切りがつくと、幕間劇が挿入される。ところが、これがまた凄い。お姉さんとモゲタンという名の怪獣が登場する人形劇なのだが、もうその内容が……。これについても、あえて伏せさせていただくので、是非プレイして、あの衝撃を味わっていただきたい。 「戦闘と開発の繰り返しだと、プレイヤーが飽きてしまうので、途中にムービーが必要だと思ったんです。でも、ただのムービーだとインパクトがないから、何かとてつもないものでなければといけない」 「とてつもないもの」というゾルゲ氏の目論見は100%達成されたといえるだろう。 「それで適当に人形をつくって、本社ビルの前にいってロケしたんです。撮影は、運動会で子供を撮るような市販のホームビデオで、スタッフにはビール飲ませてやるから、これ持ってろっていって。夏の暑い日でした。守衛さんには、何やってるんですかとか聞かれるし、バケツの水はかけられるし(当日、本社ビルの窓ガラス清掃が行われていた。劇中の映像に注意していると、清掃用のゴンドラが見える)……みんなどこか壊れていたんでしょうね」 『セガガガ』は、相当なキワモノぶりを発揮しているソフトである。だが、それと同時に中身に目を向けると、ゲームとして、じつに丹念に作り込まれていることもが分かる。その底流にあるのも、単なるヤケではなく、業界やユーザーの嗜好の変化を意識した視点なのだ。ただ、他人事ながらちょっと心配なのは、いわば、自分を笑いのネタにする内容だけに、スタッフが怒ったり、やる気を失ったりしなかったのかということだが……。 「そのへんは、正直おっかなびっくりだったです(苦笑)。でも、『セガガガ』は、はっきりいってセガを笑ってもらうゲームですからね。身内のことを書くんですから、甘く書くことはできません。10人中8人は引いても構わないから、あれでは生ぬるいといわれることだけはないように心がけたんです。それだけじゃなくて、今回は、いろいろと難しい注文ばかり出したんですが、みんなそれにしっかり応えてくれました。なんか、私がこんなところで代表面してインタビューを受けてますが、『セガガガ』が完成したのは、スタッフのおかげです。あらためて感謝したいです。みんな、本当にありがとう」 『セガガガ』がゲームという分野のひとつの里程標になれば最高です じつに印象深い傑作(好みは分かれるだろうが、ゲームとしての完成度が高いことは間違いない)『セガガガ』。ところが、なんとゾルゲ氏はこれがコンシューマデビュー作だという。 「今までずっとアーケードの仕事ばかりしていたんですが、もし今後、コンシューマゲームを作るなら、そのときは、世界観のしっかりしたものを作りたいですね」 ゾルゲ氏は「世界観というと、すぐビジュアルの話ばかりになってしまうが、本当はシナリオを始めとする創作全般の作業から、分けては考えられないもの」だという。これは小説や映画を考えれば、すぐにうなずけるところだろう。 「物語というものを、いかにして人が持っている思いを他人に伝えるかということを、真面目に押し出してみたいと思うんですよ。日本における商業主義的な創作というカテゴリーの中で考えると、まず小説、次に映画、マンガ、アニメ、そしてゲームが受け継いできたのは、何より物語性だと思うんです。それにゲームの特性であるインタラクティブ性を交えて、方向を模索していきたいですね」 ゲームの持つ魅力を、ゾルゲ氏は今後どのように表現するのだろうか。だが、その前にはゲーム業界を巡る厳しい状況が横たわっている。最後に、その点に関するゾルゲ氏のコメントをご紹介して、このインタビューを終わらせていただこうと思う。 「正直、ゲームはもう終わったメディアなのかもしれませんね。アニメは30年くらい持ったけど、ゲームの寿命はせいぜい15年だった。だから、この先はどうなるのか分からないけれども、ものを作るという行為は、今後も誰かが綿々と続けていくと思います。過去において、どんなメディアにも、メディアそれ自体が自分自身について語っている作品が存在しますね。『セガガガ』は……まぁ、そこまで格好のいいものにはならないかもしれないけど、そういう意味合いも多少はあると思うんです。長い歴史が流れて、20世紀の最後に登場した「ゲーム」という娯楽がどんなものだったのかを語るときに、『セガガガ』が、そうした時代を物語るひとつの里程標として位置づけられていれば、これに勝る喜びはないですね。ちょっと誇大妄想気味かもしれませんが」
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メギ曜日のハルカをアップしています。 第1回/第2回/第3回/第4回/第5回/第6回/第7回/第8回/第9回/第10回/第11回/第12回 岡野さんの「心の友」推薦文 ttp //g-bri.com/modules/halka/ より抜粋 かねこしんや(漫画家) 小説家になれる人間は生まれの不幸でトラウマを抱えた奴か、他人に理解できない妄想を本気で信じている奴だけです。だから、この小説は期待できます。 二木幸生(ゲームクリエイター) 悩んでいても、傷ついていても、誰かを好きでいつづける気持ちにだけはつけない嘘――あなたの愛が、「哀」へと変わる前に読んでほしい優しい物語です。たぶん、こんな内容なんだろうなあと想像して読んでもない小説の推薦文をテキトーに書いてみました。 かねこあきふみ(ゲーム屋稼業) 今日は何の日? むらかわみちお(漫画家) ttp //murakawamichio.cocolog-nifty.com/photos/works/photo.html より抜粋 ゾルゲール様は漫画家もされているので、極めてハードルの高い厳しい仕事だったけれど、それでもこの小説の魅力の虜になってしまった僕は、なんとしても絵を描きたかった。こんなにどきどきして読んだ小説は久しぶり。イマジネーションの豊かさのなんと圧倒的なことか。是非ぜひご一読を。 http //g-bri.com/modules/halka/ 第三者の評価 オススメのネット小説を晒すスレ 第15版 http //love6.2ch.net/test/read.cgi/bookall/1247447695/ 197 名前 この名無しがすごい! 投稿日 2009/08/26(水) 01 06 24 ID xxRgU0dN 【作品名】 メギ曜日のハルカ 【作者名】 ゾルゲ一造 【URI】ttp //g-bri.com/modules/halka/index.php?content_id=1 【ジャンル】 現代 SF? 【年齢制限の有無】無し 【長さ】長編 【状態】連載中(現在休載中) 【あらすじ・概要】 エビを食べる度に奇妙な夢を見るようになった少女「ハルカ」の物語。 【紹介理由・感想】 世界観や設定に「子供の遊び」を連想させるモチーフ が多く、面白い。 …というのが当初受けた印象だったが、途中から暗号のようなメッセージなど 非常に読みづらい単語や文章が当たり前のように登場し、かなり人を選ぶ内容へと変貌する。 作者以外理解できるのだろうか?と思えるほど極めて電波度が高いので注意。 198 名前 この名無しがすごい! 投稿日 2009/08/26(水) 16 03 39 ID DmFS81Mc 197 すまん。読んでる途中で飽きたww最後まで読めば違うんだろうが… 200 名前 この名無しがすごい! 投稿日 2009/08/27(木) 11 22 47 ID sfuD7C8x 紹介ありがとう 197 確かに電波だw これ最後まで読むのはしんどいな あとイラストにびっくりした イラスト地雷の人は避けた方が吉 199 ワロタw 201 名前 この名無しがすごい! 投稿日 2009/08/27(木) 16 05 08 ID p5eR737v 197はタイトルからして電波なんじゃないん? 238 名前 この名無しがすごい! 投稿日 2009/09/15(火) 23 01 14 ID +bY2q5ml 197 亀レス失礼。 この作者なんか見た事あると思ったら同一人物で驚いた。 まさかこのスレで名前を見ることになろうとは……。
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http //game.watch.impress.co.jp/docs/20080901/stg.htm製作状況について 心境について プロジェクトの開始時期について コンセプトについて 音楽に関して フォントについて オマージュ部分について オーバーウェポンに関して 難易度の調整に関して ストーリーに関して TAMAYO氏へのオファー内容 ムービーの効果音がショボイとユーザーから言われた点について 4面をデモプレイしながらのストーリー解説 最後に 「SEGA AGES 2500シリーズ Vol.33 ファンタジーゾーン コンプリートコレクション」 動画 音声(跡地)ニコニコ動画(2分割) You Tube(4分割) http //game.watch.impress.co.jp/docs/20080901/stg.htm 製作状況について イェー! 順調じゃねぇけどやってるよ! 大変だよもう! 2ちゃんねるで俺のこと叩いてるのオマエラだろ、まったくもう!(会場大笑) こっちは大変なんだよ!! 心境について まず一番いいたいのは、みんな本当にありがとう! シューティングのために集ってくれて。 あのね、今、シューティング大変なんだよ! でもね、こうやってみんなが集って盛り上げてくれたら、ひょっとしてまた次があるかも!? な感じまでキテるわけ!! まずはありがとう。ヨロシク! プロジェクトの開始時期について これはだいたい去年の4月くらいかな? シューティングってね、今セガで作ろうとするじゃん。『止めろお前』って普通止められんのね。もう死ぬことわかってるから。でも、考えようによっては、シューティングっていうのが、またこうやってきちんと集ってくれてるわけでしょ? これがビジネスになるんじゃないかな、っていうのをお面とってマジメな顔で説明したら、なぜか通っちゃったの!!(会場笑) だから、そこでなんとかお話を進めて、いやホントに。1年たってゲームができて、俺が一番ビックリしてる感じ コンセプトについて ここにいる皆はマニアだと思うから正直にききます。サンダーフォース、それぞれ好きだろ? 2、3、4、5、それぞれ好きだけど、全然違うでしょ。あれ、たぶんどこのやつも皆怒るんだよ。8方向スクロールにしろとか、『サンダーフォース!』って叫べとかね。どうせだったら、じゃぁ全部入れてやろうって始めたわけ。 もうちょっと具体的な話をすると、みんなたぶん一番新しい『5』が好きでしょ。『5』は3D演出を使った豪快プレイ、あれ本当に気持ちいいと思う。あそこに特化してると思うんですよ。一方『3』とか『4』とかはコンシューマーハードで一番エッジが立ったメガドライブの性能を使って、きちんと面白いゲームを作っている。今回『6』は、その両方を(ひとつの作品内で)棲みわけできないかなぁというのがコンセプト。 今(試遊台で)遊んでもらったけど、1~3面は難易度がイージーで武器が死んでもなくならないってことでかなり『5』に近い。ただ、これが4面以降になったら……みんな死ぬよ、きっと! しかも今の(試遊台の)自機は初心者向けなので武器もクローもなくなりません。でも、ちゃんと武器もクローもなくなるモードがあるので、それをやったとき初めて『あぁ“5”とは違ってそれなりに死ぬんだな』というのがわかると思います 音楽に関して (「いろいろ難しいのよ、大変なんだよ。そこらへん、まず察してくれ!」と前置きしつつ)ガラッとかえるしかなかった。でも、そういったとき、たとえばあの“ギターサウンドもどき”をただ作られても嫌でしょ? そこに1本スジが通っていないと。 私本当に物凄くシューティングが好きで……まぁそんなに上手くないんだけどね……シューティングの音楽っていうとやっぱり、熱くて、激しくて、そして儚いんだよ。儚くメロディアスなんだよ! これが入ってないとシューティングの音楽はなっちゃいない! といったところで、じゃぁ誰かなと思うと、 私の心がTAMAYOさんの方に向いていったと。自転車通勤中のipodの中身がレイフォース。あのノリが是非なきゃ困るなぁ!と思ってお願いした。 佐藤さんも、もちろん。ボス曲、いいよぉ! サウンドの皆さん、すっごいつわもの揃いなんだけど、誰ひとりスケジュール守ってくれなかった!(会場笑) でも佐藤さんだけはキチッと守って一度もリテイクがない素晴らしいサウンドをあげてくれた。これは、さすがシューティングのノウハウがある佐藤さんならではだと思う。特にラスボスは、俺一言しかいってないのにこんないい曲あげてもらっていいのか? ってくらいいい感じであがってる。 あと、ここにいないけども、グラディウスの古川さん、毎回おなじみの金子さんも含めて、元々のサンダーフォースの音はたとえ使わなかったとしても、これに……えー、なんつーか、絶対に負けない、勝ってるくらいのところまできたんじゃないかと思ってる フォントについて (会場大笑)笑うんじゃねぇよてめぇら! なに笑ってんだよ! あれがいいんだよ! まず最初にいっとく! 皆、漢字漢字っていってるけど、あれ漢字じゃないから! これもいっとくけど、漢字は消した! 俺、毎回あの新篆体(しんてんたい)っていうんだけど、あの字が好きで好きでしょうがないんだけども、あんまり評判が悪いから、あれは消した! ただ、読めない漢字みたいのがあるでしょ? あれは今回のストーリーに物凄く深く関わる部分((*1))なんで、あれは外せない。で、最後まで遊んでくれ。できればハードモードをクリアしてくれ。そのときに『おっ、いいじゃん!!』とたぶんいってくれるんじゃないかなと思ってるところなんで(不満は)最後までやってから言っていただけると助かる。あれはねぇ、悪くないと思うよ? オマージュ部分について サンダーフォースって、皆さんのなかで伝説になってると思うんだけども、実質的にあまり何もあまり残ってないのよ。今回イチから新しくそこに挑むにあたって『ちょっと、俺がイチから考えたサンダーフォースだぜ!』ってやるのも、みんな嫌だろ? せいぜい漢字であのザマだろ?(会場笑) もう、あんなもんじゃないぞ俺が好きに作ったら!! サンダーフォースって『5』がようやくサターンだったけど、きちんとポリゴンになった例ってないのよ。もうひとつ、毎回必ず歌舞伎のように紅い火の面があって、青い水の面があって、緑の森の面があるのよ。そこはやっぱり、サンダーフォースをきちんと遊ぶっていったときには、絶対に外さないと思った。俺にとってサンダーフォースは“メガドラのとっても遊びやすいシューティング”ってところがあったので、そこは外さないようになってる。ただ、4~6面、ここから断然違ってくると思う。特にラスボス! あれは見たら忘れられないと思うので、是非その目で見て呆れてくれ!ちゃんと違うところも入ってるんでね。 変えてくれ、変えてくれるなというのがあると思うけど、でも最後まで遊んでくれたら……あんまり偉ぶるとアレなんだけど、きちんとやってるつもりなんで。見てから判断してくれると嬉しいかな オーバーウェポンに関して 新作が出ますといって、オーバーウェポンが無かったら、嫌だろ? サンダーソードじゃなくてオーバーウェポンが欲しいだろ? 嫌だよな、あんな短いの! だからあれは外せないものとして入れました。ただ、オーバーウェポンというものをあまり前面に押し立てちゃうとゲームが破綻するのはみなさんが想像してるとおりなので、そこは明らかに“棲みわけ”という形でやってます。 具体的には、オーバーウェポンは何のためにあるかというと“サクサクプレイするため”です。サンダーフォースを遊びたいとき、いっつもハードモードでゴリゴリやりたいわけじゃないよね? 会社から帰ってシュンとしたとき、ラスボスと20分戦ってるとか嫌だろ? ああいうときのために、物凄くサクッとやりたいんだったら、オーバーウェポン主体。そのかわり、オーバーウェポンってボーナスに換算してるのよ。使っちゃうとボーナスがガクッと減るの。もしも稼ぎたいなら使うのは損。これも言っておくけど、オーバーウェポンを使わないからといってプレイがダラダラ長引いたりはしないよ。稼ぎの点で不利になるってだけだからね。オーバーウェポンは、ひとつが初心者向け、もうひとつにはプレイフィードをきちんと面白くするって頑張って入れているところでございます 難易度の調整に関して (自分自ら)ずーとやっている (開発元は)これも事情があって名前は明かせないけど、変なところじゃないよ。ちゃんとしたところが作ってる。物凄いこだわりがあって、ちっともスケジュールを守らないんだけど、最初から最後まできちんとやってきてくれております だから未だに遊んでて……(試遊台で)1UPがやたらめったらあったでしょ? あれ、ラストで集計してます。ボーナスになってる。だから、あの1UPをいかに集めていくとか、今は武器がなくならないけど、武器が無くなるモードでいかにどういう順番で武器を集めるかっていうのは、きちんと使いこなしてあります。 あと、今はまだ明らかになっていないけど、マニアのみなさんがゲロを吐くような凄くマニアックなモードもちゃんと入ってるから! そこまでやったとき(試遊台の印象で)これ見て簡単だなぁとかオーバーウェポンで終わりじゃんとか思っている人は、ぜひゲロを吐いて欲しいと思います ストーリーに関して 1~4と5をなんとかつなげたい。1~4と5って全然違う。ゲーム性だけではなく、ストーリー的にきちんとまぜてあげようと思ったのがお話の始まりです。 そこでちょっと話が戻って『なんであの字?』という話が出てくると思うんだけど。みんな思い出して欲しいんだけどさ、サンダーフォース1~4って“銀河連邦”っていうどこか遠くの星の世界の話じゃん。みんな英語しゃべってるじゃん。パイロットがロイ・S・マーキュリーってお前は何人だ!とか、そういうところあったでしょ。そこらへんの設定をちゃんとして、考証もしてる。あの視点をとって、再構成してみたらどうだ?ってところをちゃんとやってます サンダーフォース2~3をやっているときに英語をしゃべっているのは、僕らが日本で洋画を見たら吹き替えてるのと一緒で、あれは翻訳しているという解釈が成り立つ。でも、もしも銀河連邦と地球が出会ったとするじゃん。星間文明だよ? 全然違うはずじゃん。こいつらが両方英語をしゃべれたら、かえってSF的に嫌だろ? 絶対嫌だろ!? で、こういうとき皆よくやるのがゼントラーディ語とかメルキア文字とか((*2))、実はアルファベット1個変えただけとか、やるじゃん。あれSFとしてどうよ?よく見るとローマ字で書いてあったりすんの。皆、本当にサンダーフォースの世界がSFとして好きだったら、あそこもちゃんと再構成して、デタラメの言葉とかアルファベットをちょこっといじっただけってのは絶対に止めたいと思ったんだ。 だから、今『読めない字が出てくる』って皆思ってるだろうけど、あれ実は中央アジアで今は絶滅しちゃった西夏(せいか)文字を使っています。西夏文字って最近まで解読されてなかったんだけど、大学の先生のところで訳してた。だから、今回のエンディングとか、あそこらへんはサンダーフォースが好きな人ならグッとくる言葉が“すべて異星人の言葉として”きちんと言語体系、文字体系をもった言葉として翻訳されてます。 ボスが出るときにさ、また別のわけのわからない文字が出るでしょ。あれはモンゴル語だ。しゃべっているのは、モンゴル語の偉い先生。なんでかっていうと、銀河連邦とオーン帝国が戦ってるでしょ。で、もしも銀河連邦のほうがなぜか地球の西夏文字を使っているんであれば、西夏王国っていうのは現モンゴルね。あそこに滅ぼされたんだな。だから、そこらへんの関連をちょっと匂わせてやってます。で、普通に出てくるモンゴル語は、今モンゴル人が普通に作ってるウイグル語。そのかわり、オーンの紋章が出てくると思うんだけど、あれは元時代のパスパ文字。((*3))あれとオーンを結びつけて大学の先生に文字を発掘してもらってる。 だから、一見デタラメに見える文字の部分かもしれないけど、あそこスッゲェ気合入ってるから。どうか、今は単なる漢字もどきに見えるかもしれないけども、どうか最後まで見てくれ! そこらへんがSFとして……話が最初に戻るんだけど、1~4と5をつなぐストーリーとして一応組み立ててみたつもりだ。それでやっぱり納得いかなかったら、俺を怒ってくれ!! TAMAYO氏へのオファー内容 TAMAYOさんの曲ってね、せつないのよ。熱くて激しいんだけど、どこかで『あ、こいつ死んじゃうんだな』って儚さがいつも漂ってんのね。それはね、シューティングやってるこの(お客さん一同を指して)周り見てみろ! 盛り上がってるけど、家帰ったら寂しいんだろうなというあの儚さ! どこかあそこに通じるメロディアスさを……ってそんなこと言ってないけど、結構盛り込んでくれたらどうかなぁって、メロディ、メロディって強くお願いしました ムービーの効果音がショボイとユーザーから言われた点について あれね、アサインが変だったから。今ちゃんと鳴ってるよ? 製品版ではちゃんと鳴ってる。((*4))そこらへん外すわけねーだろ! 4面をデモプレイしながらのストーリー解説 今回の舞台は銀河連邦です。でも、見ればわかるとおり飛んでいるのは地球の機体です。バスティール……みなさんいわなくてもわかるよな? バスティールが流れ着いたのと同じように、今回はバスティールの大騒動から10年後、今度はオーン、正確にはオーンファウストだ。地球に攻めてきたという設定でございます。 そうなると、やっとの思いで封印したバスティール。でも、あれを使わないとオーンにはかなわないんだよな。そこで、封印していたバスティールが、あれは元はといえばライネックスの機体だから、オーンが攻めてきた場合に非常装置が組み込まれていたという設定なんですね。 だから、銀河連邦っていう地球人たちが聞いたこともないところなんだけど、そこの本星目指して救援を求めてくださいっていうんで、このフェニックスは……1、2、3面と選べると思うんだけども、わずかに解読されたバスティールの記憶素子のなかから銀河連邦の本星を目指して探しているっていうストーリー。だから、それぞれ見たことあるでしょ。あれは本当にこれまでの地図のなかに出てきた星の、ライネックスが記憶していたところに飛んだって感じなんです。 そこをやって、4面になってようやく銀河連邦の本星にたどり着くといった話になります。連邦は連邦でオーンファウストとやりあってるわけだから、連邦の本星っていうのは物凄い戦場になってる。まさに、オーンファウストの衛星軌道上からの爆撃を受けている戦場にフェニックスが突っ込むって話になってます。 で、考えたらさ、地球はバスティールが出てきたおかげであんなに大騒動になるってことは、地球側の機体がそんなに強いわけないじゃん? オーンと連邦との戦いにまぎれこんで、普通に考えたらフェニックスが活躍できるわけないでしょ。でも、機体としては一番強いでしょ。ここらへんの秘密も、きちんとストーリーに織り込んでる感じなので、ぜひ頑張ってハードあたりをクリアしてみると『なんでこのフェニックス、時代遅れのツギハギの機体が勝てるか』ってのもわかると思う。で、それがどうしてバスティールがあそこまで力を持っているかってとこにもつなげてみたつもりなので、どうかそこらへんも楽しんでください 最後に あのね、俺シューティング好きなんだよ。みなさんも好きでしょ? でも今、シューティングって作ってる側からいうと“作るだけ損”というか、採算度外視して作るみたいなモンになっちゃってるんですよ。これはもうみなさんもわかると思うんだけども、シューティングっていうゲーム全体が力をなくしてきているわけですよ。ただね、こうやって集って超盛り上がってくれてるでしょ? だから、シューティングそのものにはきちんと可能性があると私は思うんですよ。 だから、今回の『サンダーフォースVI』っていうのは“プロジェクトSTG”の第一弾として、これが上手くいったら皆が大好きだったあのタイトルとか、このタイトルとかさ! それをどんどん復活させていこうっていう話を基に進めているわけなんです。ただ、これは俺がひとりでギャーとかやってるだけじゃ仕方がないわけですよ。みなさんこうやってシューティングが好きで集ってもらってるわけなんだけども、こういったところからぜひ盛り上げてもらって。 たとえば車の世界だったら光岡自動車とかハーレー・ダビッドソンとか、本当にマニアで好きな人とその人のために提供するメーカーがきちんと回っているタイプはいくらでもあるでしょ。ただ、ゲームだけが、あんまりお金が儲かっちゃったから、そこいらへん疎かにしているところがあったと思うんだな。このまま放っておくと、シューティングがなくなっちゃうかもしれない。これは本当に! それなりに大変なことになってるので。でも、もしも逆にここで、作っているボクらと、遊んでくれる・買ってくれる君らが上手に手を組めたら。 シューティングっていうのはね、日本人にしか作れないジャンルっていわれてる。今、どんどんゲームが……もう日本人が作ったゲームは世界じゃいらないよって話になってるんだけど、シューティングに関しては外人さんなんかも『イェー!』っていってくれる、わりと数少ないジャンルになってるってのはある。 で、俺からみなさんに言いたいのは……俺ちょっとこんな変な格好してギャーとか言ってるけど、俺はさ、なんつーかなぁ。ちんどん屋のつもりなんだよ。こんなことででもシューティングが盛り上がってくれたらさぁ、今度他のメーカーとかも入ってきたら、別にこんな変なヤツがいなくたってシューティングが回るようになるじゃん。でも今はとにかく何かのキッカケを立てて、シューティングをビジネスとして回して、それを皆と一緒にやっていきたいというのが凄くあるわけだ。 だから、今回の『サンダーフォースVI』、みなさんもサンダーフォース好きだろ? で、シューティングも好きだと思う。でね! 本当に良かったら! 別に買ってくれとは言わない。でも、ちょっとグッときたらさ、手ぇ貸してくれよ!!これが上手くいったら、皆が好きだったんだけども、あんなゲーム続編出ねぇだろうなっていうのだけは山ほどアタリつけてある。 で、もうひとつ、勝手に作っちゃってる変な人たちもいる!!(会場大喝采) シューティングが日の目を見られるようにするためには……俺こういう言い方好きじゃないんだけど、団結。ちょっと言い方アレだね。きちんと手を取って盛り上げていきたいわけだ。もちろん俺が嫌な人だっているだろうし、あの漢字なんとかしろって人もいると思うんだけど、そこいらへんを広く踏まえたうえで、ちょっと一緒に頑張っていけたらなぁとか思ってる。良かったらヨロシク!! 「SEGA AGES 2500シリーズ Vol.33 ファンタジーゾーン コンプリートコレクション」 後ほどの「サンダーフォースVI」でも登場するゾルゲール氏からは、まだ(開発が)何も始まっていないのに堀井氏宛に「ボス描いた!(会場大爆笑)」という熱いメールが送り付けられたり、周囲のスタッフだけでなく直接関連はないが噂を聞きつけられる立場にいた人たちから「ファンタジーゾーンには一言いわせろ!」と凄まじいこだわりが多数寄せられたこと、さらには「ワープとお札はファンタジーゾーンに必要だろう」という信念のもと、奥成氏がゾルゲール氏やパッケージを描いた中井氏の3人で結託して「ギャラクシーフォースの打ち上げ」と称し堀井氏を呼び出して酒を飲ませ意識が朦朧としているうちに説得した(結果として、お札は堀井氏が頑なに拒んだためナシ。ワープもさんざん揉めた挙句に現在のアーケードライクな仕様に落ち着いた) 動画 flickrに、イベントの様子(岡野氏によるステージ4のデモプレイ)を撮影した動画が二本有る。 内一本では岡野氏の肉声も確認可能。地球と銀河連邦が出会って云々と一人で鼻息荒く喚き散らしている。 音声(跡地) 各動画サイトにて、トークの様子を録音した音声がアップされている。 ニュースサイトの記事では書き起こされていない発言等も、全てノーカットで収録されている。 追記 2022/12/10現在、全て非公開にされてしまっている。 ニコニコ動画(2分割) http //www.nicovideo.jp/watch/sm8086009 http //www.nicovideo.jp/watch/sm8086155 You Tube(4分割) http //www.youtube.com/watch?v=8RXDUbTWS1U http //www.youtube.com/watch?v=S5VyRi5adXE http //www.youtube.com/watch?v=TpZ_abn22rI http //www.youtube.com/watch?v=LXL5pIPKzyI
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工事中 http //astroboy-gba.sega.jp/siyosyo.html より引用 ゾルゲール哲と職人集団「トレジャー」が作り上げた「ASTRO BOY 鉄腕アトム アトムハートの秘密」。ゲームを作るにはまず仕様書なるものが必要なわけで。ゾルゲールにその仕様書なるものを見せてもらったのですが、これが実にわかりやすくて面白げ。そこで、SECRETページを発見できた皆さんにだけ特別にゾルゲ仕様書見せちゃいます、じゃじゃ~ん!ソフトを実際ご購入いただいた後、プレイしながら、ここがこうなったのね。こう変わったのね。なんつってコアな楽しみ方をするのもオツなもの。ではご覧下さいませ。 はじめに まず、アトムの10万馬力はめちゃくちゃすごいんだ!ということをまず印象づけます。具体的には、わらわら登場するザコを、もう手当たり次第ボコボコにして進むという豪快なもの。マンガチックに画面中を、敵やらアイテムやら得点表示やら電柱やらが飛び散りますイメージ的には「ガンスターヒーローズ」に近いですが、敵につかまれたりという部分もスッパリなくして問答無用に「わーすげーハデ、おもしれー」という演出に注力します。横画面のアクションは、それこそ数多く発売されているので、とにかくとことん目立つものを、しかもシステムとしては徹底してオーソドックスにして遊びやすく、というのが基本コンセプトです。 基本操作 変に凝ったことをせず、誰でも親しみやすいオーソドックスなものにします。レスポンスやフィーリングもできるだけ素直にしましょう。 (後日談)これは開発最初期に描いたイメージボードです。既存のゲームキャラとは一味違うセールスポイントとしての「アトム十万馬力!」を強調しつつ、それがあまり残酷に見えないようにするために、「マンガみたいにグルグルふっとんでいく敵」というアイディアを盛り込みました。これ、やるのは結構大変みたいなんですが、やいまんさんとナオキマンさんが、ほぼそのままのイメージで実現してくれてます。アトムがまったく似てませんが気にしないで下さい。 歩行 十字ボタンの左右で歩きます。キャラクターものなので、この基本パターンはとっても可愛くよろしく。歩くとおなじみの「キピ、キュキュ!」というかわいらしい効果音がします。 (後日談)やっぱりアトムは、あの足音が鳴らないとウソだろう!ということですがこの絵だとなんかキューピーみたいですね。本番では、ナオキマンさんの絵がかわいいです。 ダッシュ 左右どちらかに素早く二回入れるとダッシュします。これもかっこいいというよりは、チョコマカ可愛い動きでよろしく。(イメージ・ゴールデンアックス) (後日談)実際には、歩行が「走り」、ダッシュが「飛行」になりました。こういう「ロールケーキみたいなマンガ風の足」も、ちょっとやってみたかったんですが…。 ダッシュアタック ダッシュ中にパンチボタンを押すとダッシュアタックになります。アトムの10万馬力を表現するために結構強力にして、パワーアップするとザコの群なんかこれで一気に突破できたりしましょう。また、コンクリートの壁など、ハデに気持ちよくぶちこわせるアイテムをステージのあちこちに配置します。(イメージ・ゴールデンアックス&ソニックの高速アタック) (後日談)これも実際には、原作でおなじみの「飛びながらパンチ」になっています。初期のバージョンではソニックみたいな「ローリングアタック」でした。パンチになってからも、最初は普通にパンチをしてる絵でしたが、私が「ここはゲンコツが大きくないとイヤ~ン」と何度もゴネたので、今の「アレックスキッド」みたいなデフォルメした絵になってます。 飛行 アトムは飛べますが、あんまり自由自在に飛べると歩く意味がなくなるので、制限を付けようと考えています。二段ジャンプで一定時間(0.5~5秒、レベルアップにより増加)、いったん着地しないと再飛行できないというのが現在のプランです。この「飛行」を、いかに気持ちよく表現できるかが結構キモになりますので、噴射によるダイナミックな加速、飛行中に操作した場合の微妙な慣性など、調整をよろしくお願いします。{(イメージ・0移動爆装) (後日談)これはかなり仕様から変わって、「多段ダッシュ」のようなシステムになってます。たしかに、そっちのほうが使い勝手がいいですね。 飛行2 しかし、飛び続けられないというのもアトムらしくないので、ステージの要所には横シューのような、強制スクロールの飛行面を入れていこうと思います。 (後日談)これはわりとそのままですが、このアトム、よく見ると足が一本しかないですな。 パンチ パンチボタンでパンチします。あんまりリーチが短いとストレスがたまるので、パンチの軌跡を衝撃波のように描いたりして、多少かすったくらいでも当たったことにしてあげましょう。また、アトムの10万馬力を表現するために、ステージのそこら中に巻き添えでぶっこわれる様々なアイテムを配置して、なんか子供みたいだけどすごいパワーだなということを常にアピールさせましょう。 (後日談)これは、一見「海水パンツはいた子供」にしか見えないアトムが、いかにスーパーなのかを示すための演出として考えていた部分なのですが、敵以外にこういう演出を出すと、処理をけっこう圧迫するとのことで、1面の「ガラス割りまくり」あたりに、その片鱗をとどめる程度となっています。 フィンガーレーザー LRボタンで攻撃を三種類に切り替えらます。その一つ。お約束のリーチ長いけど威力そこそこ (後日談)ここらへんの仕様は、まったく変わっていますね。まさにこだわりのトレジャーの面目躍如の部分ですがいちおう全体を仕切る立場の私としては、なかなか仕様が固まらないのでそうとうハラハラ&イライラしました。(ただし、実際できあがったものは、この仕様よりもやはり圧倒的に遊びやすく、こなれています)アトムがキューピー状態でなく、ちゃんとパンツをはいているのも意外なポイントですね。右のよくわかんない敵はいったい誰なんでしょうか。 ためレーザー パンチ同様ためが可能です。隙がデカい分、威力、貫通力がアップします。 (後日談)これは両手レーザーですが、実際にはアニメでおなじみ「アームキャノン」になりました。仕様もRボタン一発になりましたが、やいまんさんには「ため攻撃」が、戦闘のテンポをそぐという考えがあったみたいですね。 マシンガン(仮称) LRで切り替える武器その3、スプレッド系の弾で、リーチは中くらい。広範囲の敵を倒せますが後ろにしか出せないと言うのがポイント。実は新作アニメ版のアトムはマシンガンでなく、アームキャノンを使用するという設定なので、どっちを使うかは未確定。いちおう、現時点ではためで画面中に乱射して敵一掃というのを考えています。 これら三種類の武器はLRで常に切り替え可能。ためによる変化で合計6種類の攻撃が可能で、それぞれに一長一短を(威力、得点、リーチ、レスポンスなど)つけて、弾切れなどのケチくさいことはやめようというのが現時点での考えです。 (後日談)これは今回のアニメではオミットされた設定なので、当初セガ内部(とくに海外)では思いっきり反対された部分です。ただ、これを外したら世の中の手塚マニアは絶対怒るだろうというのと、ゲームキャラとしてはこういう毛色の変わった攻撃はやはり外せないので、無理を通させてもらいました。その際、大いに役立ったのがナオキマンさんが描いてくれたサンプルグラフィックです。「お尻からマシンガンなんて、ちょっとカッコ悪いんじゃないの?」という海外からの意見を、みごと覆してくれました。(私の絵がカッコ悪かったというのもあるかもしれませんが。)ただし結局、この仕様にあるようなバックアタックでなく、シューティングの「ボム」風の全方位攻撃となったのでナオキマンさんのサンプルグラフィックはゲーム中には使用されなかったのですが、せっかくですからここに紹介しましょう。
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人気商品一覧 @wikiのwikiモードでは #price_list(カテゴリ名) と入力することで、あるカテゴリの売れ筋商品のリストを表示することができます。 カテゴリには以下のキーワードがご利用できます。 キーワード 表示される内容 ps3 PlayStation3 ps2 PlayStation3 psp PSP wii Wii xbox XBOX nds Nintendo DS desctop-pc デスクトップパソコン note-pc ノートパソコン mp3player デジタルオーディオプレイヤー kaden 家電 aircon エアコン camera カメラ game-toy ゲーム・おもちゃ全般 all 指定無し 空白の場合はランダムな商品が表示されます。 ※このプラグインは価格比較サイト@PRICEのデータを利用しています。 たとえば、 #price_list(game-toy) と入力すると以下のように表示されます。 ゲーム・おもちゃ全般の売れ筋商品 #price_list ノートパソコンの売れ筋商品 #price_list 人気商品リスト #price_list
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第2回 探求(1) 5月29.5日 ブラックタイガー(無頭冷凍、東急ストアにて10尾980円。うち4尾 スープで煮込む) ぼんやりと菫色を感じるのみ。 6月5.5日 ブラックタイガー(先週の残り、週末までにおかず用に4尾食べられ、2尾。バター炒め) 目覚ましを低音量にて使用。 失敗。鮮度が悪いためか発生を確認できず。 6月12.5日 (甘エビ刺身用、サンカマタにて15尾580円のうち7尾、醤油とワサビにて生食) 枕の下に携帯を敷き、バイブレーションアラームを使用 成功。しかしまたも手足動かせず。 これは五月から六月にかけて、ハルカがあの菫色の世界に到達というか覚醒というか、とにかく行き着いたその記録だ。 日付に小数点がついているのは、それが日曜と月曜の、どちらともつかない間にあるからだった。 ハルカはあの現象が発生する状況を、できるだけ細かく分析しようと考え、実験を重ねていた。 まず、はっきりとわかったことがあった。発生するのはやはり一週間に一度だけ。日曜日の夜だ。正確には日曜日と、月曜日の間、午前三時二十八分。 買ってきたエビは、たいてい一日で食べきれないので、月曜や火曜の献立に上ることも多い。しかし、日曜以外はどうしてもうまくいかないのだ。 曜日というのは、時間に対して人間が勝手に刻んだ目安でしかない。なぜ日曜の夜なのか。正直なところ理解に苦しんだ。 あるいは観測者である自分の精神状態、つまり、明日からまた退屈な一週間がはじまる、という嫌悪感のようなものが、その引き金となっているのかもしれない。 ただ、そうやって考えを進めると、要は自分の錯覚である、という、いかにもな結論が出てしまうので、そこはあまり深く考えないようにした。 エビ。日曜日と月曜日の間、午前三時二十八分。 起き続けているか、あるいは少なくとも20分以上前に、自然な形で目覚めていなければならず(これには携帯のバイブアラームが都合よかった)、時間ピッタリで急に起きようとしたり、大きなアラーム音を鳴らしたりと、目覚めにショックが伴った場合には発生しないようだ。ここまではわかった。 だが何度試みても、最初のときの、ベッドを抜け出して歩き回れるような自由が得られなかった。せいぜい布団の中で首を巡らせるだけだ。これでは研究を進められない。 いかにして一回目のときのように、はっきりとした発生に行き着くか、そこが課題だった。 もちろん、条件のひとつは明白だ。すなわち、あのイセエビ八匹。 だがあんな立派なイセエビは、そうそう食べられるものではない。お中元のカタログで調べたところ、あのサイズの活きエビの相場はだいたい3匹1万円。我が家の家計からして、晩のおかずに出る可能性はまずないし、ハルカの個人的こづかい(月2500円)から考えても、手が出るものではない。 しかし、グラタンやてんぷらの、安い小エビでも小規模の覚醒は起こった。 とすると、あの現象は、エビ全般に含まれる何らかの成分によって誘発されるものに違いない。 ならばその鍵となる成分を突き止め、よりコストパフォーマンスの高い、つまり安いエビの可能性を探っていくべきだとハルカは結論づけた 探求(2) 6月26.5日 オマールロブスター(一尾、東急ストアにて780円、ボイル) ワイン(グラス半分)を飲用 かなり意気込んでみたが失敗。発生確認できず 淡白なロブスターには誘発成分が少ないのではと推察 7月3.5日 相模湾産活きクルマエビ(特大1尾 東急ストアにて560円 塩焼き) 目まいのため意識を失うものの、ついにベッドから起き上がり、這い出すことに成功。 さらに実験は続いた。特にエビについて、研究の進歩は目ざましかった。 これまでの経験から、味の濃い、いわゆる「旨い」エビほど覚醒の誘発効果が高い傾向にあることがわかってきた。では、エビの旨さとは何か? ハルカはまるで水産科の学生のような熱心さで、エビの旨みを解き明かす調査に没頭し、とうとうその鍵を握るのが、ベタイン・グリシンであることをつきとめた。 ベタイン・グリシンは、アミノ酸の一種で、エビの身に、あの独特の甘味を与えている。これこそ、日本人が特にエビを好む原因なのだそうだ。 日本の食卓にのぼるカニ、エビ類の、ベタイン・グリシン含有量は以下の通りである (ベタイン・グリシン含有量) クルマエビ 539 イセエビ 420 ズワイガニ 357 タラバガニ 417 ハナサキガニ 476 (mg/100g) これによれば、エビ類の中でも最高のベタイン・グリシン量を含有しているのはクルマエビだ。これが捜し求めていた「誘発成分」とするならば、クルマエビには、イセエビを超える効果が期待できる。 また、エビのタンパク質は自己分解性が激しく、すぐに食感が失われてしまうこともわかってきた。つまり、素材はボイルや冷凍でなく、活きエビでなければならない。 活きクルマエビ。それがあの世界を探検する鍵となるかもしれない。 夏向けの洋服をいくつか我慢してでも、チャレンジする価値がありそうだ。 思いつめた表情のハルカを見て、周囲はきっと英単語でも覚えているのだと思っていたろうが、ハルカの心の中は、もはやエビで一杯だったのである。 そして夏休み直前の7月17日。 ハルカは大事なお年玉貯金を下ろし、東急ストアで活き車エビ(特大)6尾を、特価2000円にて購入。台所で塩焼きにし、一人で食べた。ビールのつまみに一匹欲しがる父にも渡さなかった。 両親もこの頃になると、日曜の深夜にエビをむさぼり食う娘の姿を見ても何も言わないようになっていた。受験を控えていることだし、何か神経がたかぶっていると思ったのだろう。 携帯のバイブアラームを枕の下にセットし、万全の布陣で、ハルカは覚醒に臨んだ。 全体的には、気が触れたようにしか見えなかったと思うが。 再び菫色と水飴 7月17.5日 これまでにないクリアーな覚醒だった。 いつもの金縛り状態でなく、体を動かせることにも気づいた。 あの最初の日と同じだ。水中で動くような抵抗があるものの、ゆっくりとなら体を動かせることにも気付いた。空気は重い、まるで水中のようだ。 カーテンを下ろした窓の外が明るい、窓のはじには、なにか光の筋が走っているのにも気付いた。窓の外がどうなっているのか、廊下の先にまた水飴はあるのか。 (今日こそ確かめてやる。) ハルカは興奮をおさえきれず、さっそく行動に移った。 タオルケットを持ち上げた。手の重さが増す気配はない。いける。 寝汗を吸ってやわらかいはずのタオルケットが、まるで日に数日もさらした雑巾のような感触で、妙に固まって感じられた。 ベッドからゆっくり上体を起こす。 大気がねっとりと重い。ガラス繊維に触れるような、チクチクした軽い痛みが皮膚を走った。 注意しながら横に転がって四つんばいの状態になり、そのまま窓を目指してゆっくりと這った。 体育座りをするように足を体にひきつけ、呼吸を落ち着けてから、窓枠に掛けた手を支えに一気に立ち上がった。 脳の血液が、急にぐわんと巡った。目まいがした。 ハルカはしばらく目を閉じて、窓に背を向けたまま立ち尽くした。 カーテン越しの外の光が、背中に感じられた。しかしそれは太陽の温かみとはどうも違うようで、はたして暑いのか寒いのか、よくわからないのだった。 ハルカは辛抱強く目まいがおさまるのを待った。今日こそ、この不思議な世界をしっかり見てやろうと、半ば意地になっていたのだ。 薄目を開けて窓の方に向き直り、カーテンを開いた。 小学生の頃から部屋にかかっているキャラクター柄のカーテンが、やはり干されて固まった雑巾のような感触だったが、いちいち気にして入られない。 四階の窓から外に見えたのは、宝石を思わせる深い菫色に染まったまま、不気味に静まり返った蒲田の町だった。 見渡す限り、動くものは何一つなく、またうまく説明できないのだが、すべてが動くはずもないように思えた。 町じゅうの道路に、例の水飴が流れ出していた。 乳白色、半透明のなかに混じった、青や赤、緑。 あたりを照らし出す菫色の光のため、正確にどんな色なのかはよくわからない。 それは、まるでガラス細工の巨大な工場が事故を起こし、溢れ出した色ガラスに、街が水没しているようにも見えた。 街路樹や窓、アンテナや電線などの細かい部分は、なぜか妙に霞んで見える。 カーテン越しに見えた光の筋は、天球をまたがって輝く、巨大な光の弓のようなものに見えた。 それは太陽の替わりに地上を紫色に照らし出しており、なにかひどく不気味なものに見えた。あたりをくまなく照らし出しているはずなのに、明るいのか暗いのかはどうも定かでなく、あたりのどこにも影がなく、またどこもすべて影のなかにあるようにも見えた。 風景全てが、なんともいえない違和感のなかにあった。 呆然としたまま空を見上げ、北のある一点を中心に、無数の同心円を空に描く光の筋を見て、ハルカは気付いた。 「星だ」 同じものを理科の教科書で見たことがある。 シャッターを開けたまま夜空を写真に撮ると、星はああして見える。 今こそハルカははっきりと理解した。 残像だったのだ。 星は光の筋となる。天空をまたぐ光の弓は、太陽の軌跡だ。 あの水飴は、町を行く人や車の流れなのだ。 この菫色の世界では、動くものすべてが、その動く軌跡そのままに、立体的な残像となって、空間に固まっているのだった。 どれくらい眺めていたろうか。ふと気づくと、はるか遠くに、見慣れないものが見えた。 何か塔のようなものだ。 南西、神奈川方向、川崎駅か、あるいはその先の横浜あたりだろうか。足元は、ビルの群に隠されてよくわからない。霞み具合からすると、相当の遠くにあるように見え、またその距離でこの高さに見えるとなると、かなり巨大なもののようだった。 ハルカの記憶している限り、窓の外にそんなものが見えたことはなかった。 視界の中でその塔だけが微妙に黄色っぽく、それはいかにもよく目についた。 ハルカはその塔の位置を、イトーヨーカドーと、ライオンズマンションとの間を目安にして覚えておくことにした。 そしてドアの外へ (そうだ、外は。) 新たな好奇心がわきあがってきた。 ハルカは注意深く、再びはうようにして部屋のドアに向かった。 よく見ると、ドアの合板がうっすらと透き通っていることに気付き、驚愕した。木目の向こうには、洗面所に続く廊下の様子が見えている。 しばらく考えて理解した。 このドアは一日のうちに何度も開閉される。おそらくそのため、これも一種の残像となって、完全な不透明にならないのだろう。 ドアは鉛のように重く、ノブは力をこめてようやく回った。 ノブを回す手が、まるでヤスリがけをするようにヒリヒリと痛んだ。 酔っ払っていたとはいえ、よくこんなものを気付かずに開けたものだとハルカは思った。 あるいは最初の覚醒のときは、もっと簡単に開けられたのだろうか。 ようやく通れるくらいの隙間を押し開けて、ハルカは廊下に出た。 振り返ると、ドアは、蝶番を中心にした、一片の巨大なバームクーヘンのように見える。 廊下にはあいかわらず水飴が流れていた。 今ははっきりと、これが母だとわかる。以前と流れ方が違うように見えるのも理解できた。 今日、母は掃除を手伝わせるために、何度もハルカの部屋を訪れていた。そのためハルカの部屋に向かう側の水飴は、より濃度が濃いのに違いない。 声をかけてみようかと思い、やめた。それはやはり、ただの影のようなもので、生命として存在しているようには思えなかったのだ。以前のような、うかつな接触をしないように、母の残像を避け、廊下の隅を横向きになってそろそろと進んだ。 玄関のドアは、マンションによくあるスチール製だ。これもよく見れば透き通っているのかもしれないが、暗さのせいか、あるいは材質のせいなのかよくわからない。 ハルカの部屋の、軽いドアでさえあの重さだった。ノブの固さ、ドアの重さはさらに増して、ハルカの力ではびくともしなかった。まるで銀行の大金庫をこじあけようとでもするようだ。 一瞬あきらめかけた。だが、なんとしても外に出て見たいという欲求は抑えがたかった。 あの高かったクルマエビを、今度食べられるのはいつかわからない、という、きわめてわかりやすい理由もあった。 パジャマのすそで手をくるみ、全身の力をこめてノブを回した。ノブに触れたパジャマの表面は、たちどころにボロボロになった。 ノブが回ったところで、何度もドアに体当たりをした。音がほとんどしない。以前と同じだ。まるで空気が振動を拒むようだった。 パジャマの肩口がズタズタになった頃、わずかにドアが動いた。急がないと、回したノブがまた元にもどってしまう。 ハルカは、ドアと、脇にある靴箱の間に、体を斜めに挟み込ませて、両足を踏ん張った。 少しづつドアは開いていった。足の裏はまるでドアの中にめり込んでいくように感じられ、すりむけて結構痛い。しかしここまで来たらやめられない。靴を履こうかとも思ったが、ハルカのお気に入りのスニーカーは、ものの見事に、小さな細長い水飴となっていた。歩く軌跡が見えているのだろう。地面を蹴ってはまた戻る、小さな弧をいくつも描いて、半透明のドアに混じるようにして外に消えていた。 こうして見ると、自分だけが靴のように水飴状になっていないのは、逆に奇妙なことのように思えてきた。 休み休み、時間を知るすべはないが、おそらく五分ほどをかけて、ハルカはとうとうドアをこじ開け、マンションの廊下に出た。 水飴の滝 玄関の暗がりから出ると、外の明るさはいかにも強烈で、ハルカは、菫色の光に一瞬目がくらみそうになった。 ここもやはり、しんと静まり返っている。足の裏の痛みに、コンクリートの冷たさがひんやりと心地よかった。 色とりどりの水飴の塊が廊下を埋め尽くしているのが見えた。マンションの住人の姿なのだろう、 ハルカが両親とともに住んでいるマンションは、ごく普通の小さな3LDKだ。部屋のそれぞれが廊下に面していて、中央にエレベーターと階段がある。 ハルカはとりあえずそこを目指した。 空気はますます濃密に、液体のように感じられた。ハルカはあえぎながら、泳ぐようにして、一歩一歩前に進んだ。やはりできるだけ水飴を避けるため、体は横向きで、端を選んで歩いた。 普段の出入りにはエレベーターを使っていたが、使い物にはならないだろうと思われた。 近づいて見ると案の定、エレベーター全体が灰色の水飴と化している。外に出るためには階段を使うしかなかった。 エレベーターにくらべ、通行が少ないせいだろう、階段の水飴は、廊下に比べて濃度が薄かった。ハルカは注意深く、そろそろと階段を下りていった。 それはまるで、水飴の滝に沿って下るようだった。階段の段差が、水飴に美しい一定のパターンを作っている。それはいつか家族で見に行った、鍾乳洞の奇岩を思わせた。 時々、誰か壁に手でもついたのだろうか、壁めがけて突き出された水飴があり。そのたびハルカは身をかがめて、トゲのようなその下をくぐるのだった。 ようやく一階にたどりついたハルカは、マンション入り口の自動ドアで足を止めた。 大きなガラスの自動ドアは、すりガラスのようになっていた。 ハルカにはその理由がわからなかったが、あるいは一日に何百回も開閉するために、表面のさまざまな反射が、それぞれ残像となって重なって見えるためかもしれない。 階段から流れ出した水飴は、エレベーターからのそれと合流して、太い一本の流れとなり、そのままドアを貫通していた。 ハルカは悩んだ。 これは玄関のドアのように開けられそうになかった。いや、ある意味では開いているとも言えるかもしれないが。いずれにせよ、外に出るには、この自動ドアを抜けるしかなかった。 しばらく悩んだ末、ハルカはドアに足先を突っ込んでみた。 ザクリ、と嫌な感触があって、しかし足先はわりと簡単にガラスのドアを貫通した。 母親とはまったく感触が違った。柔らかだが厚みのある人体と、薄いが固いガラスとの差かもしれない。ガラスの表面にゆっくりと波紋が生じ、それとともに、なんともいえない痛みが、ハルカの足先から伝わってきた。正確に言えば痛みというより、正座した後の足の痺れのような感じだ。ただそれよりずっと強烈だった。足を抜こうか、このまま進もうか迷ったものの、結局そのままドアの外に飛び出した。 ついにハルカは屋外に出た。 目の前には、また別の、これまで見たことのない水飴が流れていた。 全体的に幅広で、その分背は低かった。濃度から言えばこれまでのものよりずっと薄く、ほとんど透明に見えた。しかし全体になにかキラキラとした光沢があるのが違っていた。先に進むためには、この見慣れない水飴を超えていくしかない。ハルカは決心して、新しい水飴の中に片足をつっこんだ。 絶叫した。 ガラスとは比べものにならない。激痛だった。まるで熱湯に足を入れたかのようだ。 反射的に足をひっこめて、その反動で、アスファルトの上に派手にしりもちをつきながら、ハルカはこの水飴の正体を直感的に理解した。 (車だ!) マンションの前を走る車の残像に違いなかった。 おそらくこれは、運動エネルギーの塊のようなものなのだろう。速度が速い分、透明度が高く見えたのだ。 ハルカは、新たに目にした、この危険な残像に触れないよう注意深くマンションの周囲を一周してみた。しかし、どこもやがては、キラキラした残像に突き当たるのだった。都心の住宅街だから当然といえば当然だ。車の通らない道などない。これ以上は進めない。 ハルカはなすすべなく、マンションの入り口、植え込みの前に立ち尽くした。植え込み全体が、ぼんやりとかすんで見える。葉が風でそよぐ、その残像なのだろう。菫色がかった半透明の緑が美しかった。 ふと、眠気がゆっくりと全身を浸しつつあるのに気づいた。 いつもの、あの強烈な眠気だ。 突然のことにとまどいつつ、ハルカは恐怖した。ここで眠ってしまったら? このボロボロのパジャマで、マンション入り口に倒れているなど、冗談にもならない。 (戻らなければ!) だが、ひょっとしたら、と思ったが案の定、体もしだいに重くなってきた。 ハルカは、はいつくばるようにして来た道を引き返した。ドアのガラスを乱暴に通過し、必死で階段を駆け上った。部屋が四階であることを呪った。 手足はどんどん重くなり、眠気はますますひどく、次第に周囲が暗くなってきた。三階の途中までしか記憶にはない。 やはり起きたら何事もなく月曜日。 しかし目覚めたハルカの方は悲惨だった。 いったいどうやったのか、ベッドの中には戻っていたものの、全身はひどい筋肉痛で、特に車の残像に突っ込んだ足はひどかった。 ひとつ勉強になった。眠ってしまう前に、もといた場所に戻っておかないと、こういう目に遭うのだ。 本来日曜日と月曜日は切れ目なくつながっている。その間、いる場所が変わっている、なんてことはありえない。そのありえないことをやってしまうと、無理やりもとの場所まで引っ張り戻されるのではなかろうか、その距離が離れるほど、それはこういう大変なことに…などと考えているひまはなかった。やはり遅刻寸前だ。 ボロボロのパジャマを丸めてクローゼットに放り込み、あわてて着替えを済ませた。朝食をかっこみ、母ににらまれながらマンションの出口に走ったハルカは、自動ドアのガラスが、なんだか全体的にゆがんでいるのに気付いた。 理由はわかっている。 しかしこれが自分の仕業であるとはまさか言えないし、言ったところで誰も信じないだろう。ハルカはそ知らぬ顔で自転車を飛ばし、いつものように学校に向かった。 思わず顔がにやけた。いまやハルカは、この見慣れた街の、全く別の姿を見ることができるのだった。 →第3回へつづく
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