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私のやんごとなき王子様 4日目 「着替えに洗顔、歯磨きに充電器それから~」 旅行鞄を開いて荷物の最終チェック。忘れ物があったら厄介だもの。 「うん、バッチリ!」 重たい旅行鞄を持ち上げると私は玄関へと向かった。 玄関ではママが私の出発を見送る為に立っていてくれた。 「気を付けてね。頑張るのよ」 「うん、有難う」 ママともしばしのお別れ。パパは早朝から仕事に出かけてしまったけど、昨晩はたっぷり話をした。高校生活最後の演劇祭、二人とも見に行くのが楽しみだって言ってくれて、それが素直に嬉しかった。 「それじゃ、行ってきます」 「行ってらっしゃい!」 ママに見送られて、私はさなぎと待ち合わせをしている駅へと向かった。 「ごめ~ん! 待った?」 「ううん、今来たとこだよー」 駅に着くと、さなぎの姿は既にあった。 「楽しみだね~!」 さなぎが本当に嬉しそうに言うから、私もますます楽しみになってくる。 合宿が行われるリゾート島へは、理事長がチャーターした大型客船で行く。船の用意された港に現地集合なのだが、私やさなぎのような庶民代表はそこまで電車で行くのだ。 亜里沙様や風名君なんかは高級車で横付けなんだろうな、なんて重たい荷物に早くも痺れかけてきた右腕が、そんな二人を羨ましく思ってしまうのに拍車をかけている。 「にしてもさぁ、ホントにリッチだよねぇ」 電車に揺られながらさなぎがこぼす。 「そうだねー。だって理事長が自ら船をチャーターだもん。私、あんな豪華な船に乗れるのって、多分これが最後だと思う」 「あはは! 言えてる~」 理事長は本当に素晴らしい方だと思う。とはいっても私達のような一般の生徒では中々会う事すら難しいので、よくは知らないのだけれど。それでも私達がこうして伸び伸びと過ごせるのは、全て理事長の教育方針の賜物だと思うのだ。 「それにさー、理事長ってちょーカッコイイよね~!」 「さなぎは利根君のファンなんじゃなかったの?」 「利根君は利根君、理事長は理事長! はぁ~、今回の合宿にも途中から様子を見に来て下さるらしいけど……あ~、是非ともお目通りしたい!」 まったくもう、ゲンキンなんだから! なんて思いつつも、さなぎの気持ちも十分すぎる程に分かる。 とんでもないお金持ちで、物腰が柔らかで、おまけに美形。理事長とは言ってもまだ若く、確か36歳だったかな? 十分すぎるほどの魅力を兼ね添えた大人の男性に憧れを抱かない女子の方が少ないだろう。 さなぎと一緒になって理事長の噂話なんかを、あれやこれやと話している内にあっという間に目的の駅に着いた。 電車を降りると、すぐに潮の匂いが鼻腔をくすぐった。なんだかいよいよ始まるぞー! っていう感じでワクワクしてしまう。 「さ、それじゃあ重い荷物と共に、我ら庶民団参りますか~!」 さなぎが元気よく改札口へと向かい、私もそれを追う。 駅を出ると港は目の前で、ここからでも私達の乗る大型客船が目に留まる。 そしてその前にはメルセデスやフェラーリ、ジャガーといった高級車がズラズラと並び、見送りの挨拶を受ける生徒達でごった返していた。 やっぱりこの学園において、私達みたいな庶民は本当に少数派なんだな――なんて少しだけ後ろめたさを感じる。なんだかこんな所にいるのが場違いにすら思えて来るのだ。 「行こっ、美羽」 そんな私の心を察したかのように、さなぎが私の手を引いた。 うん、そうだよね。私にはさなぎがいるし、それに―― 私を待っててくれる男の子もいる。 改札を抜けた先に見つけたその姿に、私の心は一気に軽やか弾みはじめた。 波江4日目・No.2へ 一つ戻る波江3日目・No.3 ブラウザを閉じてお戻りくださいv 私のやんごとなき王子様トップへ戻る
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登録日:2012/06/25(月) 08 56 11 更新日:2022/10/26 Wed 23 13 17NEW! 所要時間:約 5 分で読めます ▽タグ一覧 20代ホイホイ コロコロコミック 俺たちに是非読んで貰いたい作品 十日野鬼久 名作 小学館 月刊コロコロコミック 漫画 良い意味で場違い 薬売りのメソメソ 読み切り 載る雑誌を間違えた 薬売りのメソメソは、十日野鬼久が月刊コロコロコミック1999年8月号(No.256)に載せた読み切り漫画である。 第44回小学館新人コミック大賞で佳作を授賞した十日野の作品。コロコロでは読み切りから連載へつながるパターンが多いのだが、十日野の漫画が連載されることはなく、後にも先にもこれっきりであった。 そもそもこの掲載自体、映画「スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」のコミカライズ版のページ不足分(「急病のため」としてラスト16ページ分が未掲載であったが、単に「原稿を落とした」可能性もあり)の穴埋めであったとみられるが。 コロコロは知っての通りギャグや下ネタ、かっこいいマシンやホビーが幅を利かす雑誌である。 しかしこの薬売りのメソメソは、そのどれにも当てはまらないような話であった。 そのためコロコロ読者の支持は得られなかったが、わずか16Pである意味とてつもないインパクトを残した(内容は後述)。 登場人物 メソメソ 薬売りの行商をしている女の子。本名なのか知らないが、怖くなると名前通りめそめそと泣く。しかし普段は明るく元気で優しい性格。本人は裁縫が得意じゃないというが、なかなか上手である。大好きな父親がいる。 魔女のおばあさん 道に迷ったメソメソを泊めてくれた魔女のおばあさん。いかにも昔話に出てきそうな人相風体なので、メソメソに警戒される。 魔法の力が弱ってきているらしく、「若返りの薬」、「時間を長く感じない薬」、「ひとりでも楽しい気分になる薬」をほしがっている。普段あまり料理をしないようである。 話の内容 薬売りの行商をしていたメソメソは、迷子になって森で夜を迎えてしまう。めそめそと座りこんでいると、そこは魔女の家のドアの前だった。 「薬売りか…。若返りの薬はあるかい?」 泊めてもらうことになったメソメソ。昔話に出てきそうな風体の魔女に、太らされた挙句、眠りについたところを食べられるのではないか、と心配する。ところがコーヒーにミルクを入れられた時 「あ、そんなにミルク入れないで…。」 「なまいきだねメソメソ。ねむれなくなるよ。」 「!!」 もう眠りにつく心配をされているということは、すでに自分は美味しそうに太っていると思われているということ…!?、と思ったメソメソ。次第に瞳が潤み始め、おばあさんが売ってほしい薬の話をしだしても、そんな薬持っていないし、めそめそと泣くばかり。 耐えかねた魔女は相手にしてられなくなり、 「あたしの友だちだったら、こんなめそめそ泣きゃしないってのに。」 と言って部屋に戻ってしまう。 不思議に思うメソメソ。こんな森の魔女に友達などいるのだろうか? するとおばあさんの部屋から話声が。 「…あの歳で行商なんてえらいねェ、ヒイラギ。」 「―でもあの子はいいさ。ひとりのようでひとりじゃない。」 「たびさきで友だちをこしらえて…なお、あの子の帰りをまってくれているひとがいる。」 「あの子のころからあたしゃ―」 一体誰と喋っているのだろうか。不思議に思ったメソメソがドアの穴から中を覗いてみると… そこには目いっぱいのぬいぐるみを相手に、寂しそうに話しかけているおばあさんがいた。 メソメソはおばあさんがなぜ「若返りの薬」、「時間を長く感じない薬」、「ひとりでも楽しい気分になる薬」をほしがっていたのか、理解したのだった。 その夜、なにかを決心したメソメソはスコップと袋を持って外に出る……。 翌朝おばあさんのぬいぐるみを直してあげることにしたメソメソ。おばあさんも大喜びする。そして父親から聞かされた言葉を語り出す。 「薬はただのませてもきかないって。たすけたい…きもちに神さまが力をかしてくださるんだって。」 「おまえの薬でたすかったひとの笑顔で、おまえのこころもすくわれる……。」 「にんげんはひとりでは生きていけないようにできている。神さまはそこまでなさけぶかいから――…。」 昨夜の外出のせいか、そこまで語ってうたたねをしてしまうメソメソ。その言葉とメソメソの優しさに涙を流すおばあさん。 「…メソメソの神さまは、こんなおいぼれ魔女の…この子を早くぶじに村へ帰してやりたいってきもちにも、力をかしてくださるかしら……?」 そして寝ているメソメソの靴に精一杯の魔法をかけるのであった。 日が高くなり、帰ることにしたメソメソ。 おばあさんは魔法でメソメソの靴を「空とぶくつ」にしていたのだった。目的地を思って歩き出せば、体が浮いて飛んで行ける靴だというのである。 驚き喜ぶメソメソ。 「…そんじゃあ帰りまぁぁっす!」 「二度とこんな森とおるんじゃないよ。」 「……」 「……」 「ひとついいわすれてたんだけど、あたしゆうべこっそりね」 「おばあさんの足もとあたりに、薬草のタネまいといたから。」 「ちゃんッとおせわしてね!」 メソメソは昨晩、薬草の種を植えていたのだった。 おばあさんに薬草を育ててもらうことで、若返り、時間を長く感じず、ひとりでも楽しい気分になるだろう、と考えたのである。 そして最後に一言 「実がなるころにまた来るわ!」 笑顔で手をふるおばあさん。 その後森には、忙しそうに、しかし楽しそうに薬草の手入れをするおばあさんの姿があったのである。 メソメソが渡したのは「心の傷に塗る薬」だったのだろう。 以上が話の内容である。心温まる話、ファンタジーな絵のタッチは、コロコロでの浮きっぷりが凄まじかった。 しかしコロコロ読み切りものの中でも、その完成度の高さは強いインパクトを残している。 作者は自分のHPでこの漫画を公開しており、複製・転載・加工・翻案・配布などの二次利用を認めている。 現在作者HPが消えているため読むのは困難であるが、上述のように転載などの二次利用を認めているため、有志がどこかへアップロードしてくれるのを待つか、当時のコロコロを押入れから探してくるしかない。うまく手に入れたら、ここのサイトにアップロードしてもらえると、助かります。 運よく見つけた際は、明らかにコロコロでは場違いなその作風を感じていただきたい。 ※余談 作者の十日野鬼久はゲド戦記(小説)の大ファンらしく、自分のサイトもゲド戦記のファンクラブ的な位置で作っており、イラストを描きまくっていた。薬売りのメソメソはついでに載せていたようで、原稿も残っていないらしい。もったいない…… おばあさん「追記・修正の薬はあるかい?」 メソメソ「そんなのないよぉ…」メソメソ △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 1999年か・・・その頃ならボンボンに載ってたら人気が出てたろうな -- 名無しさん (2014-04-22 02 35 56) うわ、懐かしい! もう項目読んでるだけでおぼろげながらも思い出せるw ってか公開してるのか!ちょっと見てくる! -- 名無しさん (2014-04-22 04 09 44) コロコロを溜め込んでいざ捨てるとき、この話だけ大事にとっておいた -- 名無しさん (2014-10-11 20 46 44) 「薬売りのメソメソ」掲載号のコロコロコミックを持っていたけど、捨ててしまったことを心の底から後悔している。捨てた時はまだ子供だったから単行本がその内出るだろうと思った。本当に馬鹿だった。あの時の自分を呪っている。絵もストーリーも全部大好きだった。自分が許せない。 -- 名無しさん (2015-03-07 01 17 58) 小学生だった当時、この漫画の内容と絵がすごく好きでした。とにかく好きで、そこだけ切り取って保管していました。是非いろんな人に読んで欲しくて、小学生の保存方法で荒くて申し訳無いのですがアップロードします。捨ててしまった人、新しく見た人の助けになれば幸いです。どうかこの記事の複製~のくだりが本当であり、アップロードによって問題が起こりませんように・・・ -- 名無しさん (2015-07-21 00 14 25) ↑この漫画の二次利用や転載は認められていましたが、今現在うpしていただいたものはコロコロ掲載版であり、作者の主張とちょっと食い違うかもしれません。実は作者がサイトにうpしていたバージョンのjpgを古いPCからサルベージできたため、今うpされているものを削除していただければ、そちらをうpさせていただきますが、いかがでしょうか -- 名無しさん (2015-07-25 21 20 26) ↑今確認しました。現状こちらでは編集、削除が出来ない状態なので、管理者の方に連絡し削除していただくか編集権限をいただけるように連絡いたしました。削除されるまで今しばらくお待ちいただければと思います。軽率な行動、申し訳ありませんでした。 -- 名無しさん (2015-07-27 22 25 08) 懐いwなんでこんな連載にもなんなかった読み切り漫画の記事があんだよwww -- 名無しさん (2015-08-31 02 27 26) ファイルの件はどうなったのかな…削除もされていないし、斧かどっかに作者さんがあげてたファイルをzipでアップロードしてURL貼り付けるくらいでもいいと思うけど -- 名無しさん (2016-06-04 18 47 27) 「なまいきだねメソメソ。ねむれなくなるよ。」ミルク沢山入れるとカフェインの効果が薄くなるのか? -- 名無しさん (2018-02-14 01 34 53) 名前 コメント
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《ルナ・ドーパント》 効果モンスター【T2】 星6/水属性/アンデット族/攻 2200/守 2000 このカードは通常召喚できない。自分フィールド上に【T2】を持ったモンスターが存在する場合のみ特殊召喚する事ができる。 このカードはリリースできず、シンクロ召喚の素材にする事はできない。 「ルナ・ドーパント」はフィールドに1体しか表側表示で存在できない。 1ターンに1度、自分の墓地の「ドーパント」と名のついたモンスター1体をゲームから除外する事で、 自分フィールド上に「マスカレイドトークン」(戦士族・闇・星2・攻800/守600)を1体攻撃表示で特殊召喚する。 水属性・アンデット族の特殊召喚モンスター。 T2モンスターはそれぞれ異なる特殊召喚条件を持つが、このカードの条件は自分フィールドに他のT2モンスターが存在すること。 それ以外の条件には一切左右されないためフットワークが軽いようにも見えるが、他のT2モンスターが必須なため単独では確実に働けない。 ラッシュをかけるのに向いているが事故要因とも成り得る、ハイリスクハイリターンなモンスターである。 起動効果は、自分の墓地のドーパントを除外する事で《マスカレイドトークン》を呼び出せるというもの。 コストはT2に限定されていないため、通常のドーパントモンスターを合わせてデッキに投入する事でも発動可能。 生成されるトークンはこれといった特徴のない低級モンスターであり、また攻撃表示であるため何の必要もなく発動してもアドバンテージには繋がりにくい。 しかしこのカードの特殊召喚に成功した時点で既に少なくとも2体のモンスターが自分フィールドに存在している事は確実なため、さらに手数を増やす事で相手は処理に追われる事となるだろう。 追加火力として優秀な働きを見せるこのカード自身と合わせて、ダイレクトアタックで3000のライフを奪えるのは大きい。 原作において- 劇場版仮面ライダーW FOREVER AtoZ~運命のガイアメモリ~に登場。 「NEVER」幹部・泉京水がT2メモリ「ルナ」によって変身した超強力5大ドーパント。両腕を自在に伸縮させたり、分身としてマスカレイド・ドーパントを複数生成するといった特殊能力を多く持ち、これにより相手を幻惑する。 京水自身は鞭による戦闘を得意とする、つかみ所のないオカマ。傭兵部隊である「NEVER」には場違いとも言えるコミカルな性格の持ち主でメンバーのムードメーカーであるが、 同時にメンバー屈指の実力者でもあり克己に対する忠誠心は特に厚く彼を「克己ちゃん」と呼ぶ。常にダンスを踊るかのようなステップで移動し、美形の男を好むようである(さらに欲を言うと強くて美形の男が好み)。 演じたキャストは須藤元気。 いかつい外見でありながらのそのコミカルな言動による怪演は視聴者に強烈なインパクトを与え、彼の放った言葉一つひとつがネタとしてブームを巻き起こした。 (代表的な台詞に「誰このイケメン?誰このイケメン!?」 「イケメンで強いのね! 嫌いじゃないわ!嫌いじゃないわ!」等々) 驚くべきは、これらの所作や台詞が全てキャスト本人によるアドリブであったという点だろう。 企画当初は関西弁を話す強面の男という設定であった泉京水であるが、《メタル・ドーパント》の剛三とキャラが被るという事から急遽設定が変更され、 その結果京水はオカマキャラとしてぶっつけ本番で演じられたという。この英断が正解であった事は、現在各所で猛威を振るっている京水の台詞ネタの数々が証明していると言える。 召喚時のメッセージは 「そろそろアタシも、行こうかしら!」 「ルナ!」 トークン生成時の起動効果は 京水「行ってらっしゃーい!」 ルナ・ドーパントがマスカレイドの分身を生み出す!場にマスカレイドトークンが現れた! イケメンを攻撃した場合のメッセージは「あら男前じゃなぁい!」 イケメンに攻撃された場合のメッセージは「イケメンで強いのね! 嫌いじゃないわ!嫌いじゃないわ!」
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管理局史上最大の事件と呼ばれるJS事件は機動6課の活躍により終結した、かく言う私ティアナ・ランスターもその一人である…そして6課は解散、皆思い思いの道へと進んだ、私は執務官を目指し奮闘中、そして私に下された課題… 「第97管理外世界に魔力が検出、そこの調査、監視に向かって欲しい」 と というわけで私、ティアナ・ランスターは何故か元相方のスバル・ナカジマと共に、97管理外世界の三咲町にある高校に通う羽目になった。 フェイトさんの話によると最初私が派遣されるのはバチカンという国の調査とされていたが、そこにいる管理局がつけたコードネーム 「暗黒卿」と呼ばれるランクSSSの人やその他諸々やばいのが沢山いるので却下 (なんでもなのはさんが血相を変えて行動して変更したらしい) 「ティア~似合う~?」 高校の制服を着て、元いや現相方はおおはしゃぎだった、確かに高校に通ってない自分たちにとって 学校の制服は異世界であってもうれしいものであった。 そんなこんなで魔力要素が検出されたクラスにやってくる。 「うお、青髪だ!」 「隣の外人の子、綺麗だなぁ」 とクラスの人々から色々と声が上がる、 「ねぇねぇ、ティア~褒められているよ~」 「はいはい」 相方はすっかり舞い上がっていた…そして私は感じ取った、私達を睨みつけるように見つめているただ 一人明らかに別の学校のセーラー服を着ている黒い長髪の女子生徒から発せられる、何か不思議な力、 魔力に近い力…そんなことをつゆしらず相方はすっかりクラスに溶け込んでいる。 「ティアナの席は…そうだな、志貴の隣だな」 担任が言うと一斉に野次が飛ぶ、そして私は眼鏡をかけた男子生徒に挨拶をする、そしてその男子生徒は笑顔で 「ああ、よろしく」と言ったが…私は一つ疑問を浮かべる。 「その眼鏡は?そして・・・その眼は?」 その男子生徒から眼鏡から発せられる魔力は何かを封じ込めて…ロストロギアに近い雰囲気をただよわせていた、 眼を封じているのか?私は思った… 「これが今回の監視対象なのかな?」 私がそう思ったときである。 「志貴ぃ~~~~~~~~遊びにきたよ~~~」 とどこか場違いな声が聞こえると・・・窓をぶち破って何かがやって来た。 「は?」 それが私の口から漏れ出た言葉だった、窓をぶち破ってやってきた女性、金髪で紅い目でぶっちゃけ女の私でさえも唖然とされる 美しさとスタイルを持つ女性…それなら「ああ、そうか」と思う、思うけど… (な、なんなのよ、この桁違いの魔力量は!) そう、あの最終日の日に対峙した隊長や副隊長などを軽く凌駕する魔力を持っているのだ。 「志貴ぃ~今から遊びに行こうよ~」 金髪の女性はダダをこねるヴィヴィオのように言う、そして隣の男子、遠野志貴と言う男子は困惑しながらも 「学校に来るなといあれほど言ったのに!」 と叫んでいる、そして先ほど私を睨んでいた女子生徒がその金髪に食って掛かる突然魔力値をあげながら… 「あの」 私は近くの生徒に声をかける、これは何なのと、そうすると生徒は素っ気無く言う。 「いつものことだ、すぐに慣れるよ」 いつものこと?え?97管理外世界って確か魔法文明が全くないはずじゃ… そして荒れるクラスの中相方は笑顔で話し掛ける 「ねぇティア、高校って面白いんだね」 「あんたの頭の方が面白いわよ」 …正直言います…生きて帰れるかなぁ…というか、なのはさん、私に何か恨みあります? ナタもって襲い掛かったり、お持ち帰りした覚えはこれっぽっちも覚えてないのですが。 そして、その遠野志貴と言う男子生徒の監視に乗り出したのが運の尽き、機人級のメイドロボに追っかけ回されたり、 夜にシャッハ以上の暴力シスターに「ダーイ」と言われながら追っかけまわされたり、 自分と似たような武器を持っている人に操られたり、挙句に地下王国に叩き落とされたりと …ティアナとスバルの珍道中がはじまります。 その頃 「なのはちゃん、三咲町に自分の部下を送ったと…」 「にぱ~…え?忍さん、私何か不味い事したかな。」 「…葬式の準備始めた方がいいと思うわよ」 目次 次
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プロローグSS(熱海真夏) ――ザザ、とノイズが走り、画面に屈強な若い兵士が映る。 あれは、二年前。町内の前線で哨戒をしていた時のことだ。ジャングルの空気は湿って蒸し暑く、俺たちはじっとりと汗をかきながら忙しなく辺りを警戒していた。 それから、そう、なんだったか……ジョンのやつがつまらないジョークを飛ばしたんだ。忍び笑いをする奴もいたが、俺はイラついてこう言った。 「おい、ジョン。いい加減にしねえとお前のその……」 その瞬間だった。 がさ、と茂みをかき分ける音がした。俺たちは瞬時に銃を構えた……。そのつもりだった。現れた、戦場には場違いな人間の姿を見た時、訓練を受けたはずの俺たちの銃口は、軽くぶれた。 そこに立っていたのは、麦わら帽子を被り、袖のない白いワンピースを爽やかに纏った、黒髪の少女だった。ワンピース? 妙な虫も多いこのジャングルで? 俺は訝しんだ。ボブの奴が、民間人だと踏んだのだろう。恐る恐る声を掛けた。 「君、ここは危険区域だ。すぐに立ち去っ……」 「あははっ!」 少女は笑った。無邪気で、とても楽しそうな笑顔だった。 「ねーっ、君も来てみなよ! 波が気持ちいいよー!」 波だと? 俺は再度訝った、その時。俺たちの小隊で一番若いエディが呟いた。 「海だ」 「何?」 「海が見える。空は真っ青で、カモメが飛んでて……あの子がいる」 エディはふらふらと、俺たちの塹壕から歩み出た。俺は、止めようとしたんだ。だが、遅すぎた。 「きゃっ、やだ、もう!」 少女は跳躍した。そして。 「サンダルが濡れちゃった!」 エディの側頭部を、凄まじい勢いの回転蹴りが仕留めた。奴は何かに憧れるような目をしたまま、湿った地面に倒れ伏し、痙攣した。それきりだ。 「ファック!」 敵だ。小隊の心はひとつになった。MP7が一度に火を噴く。だが、その時の俺のゾッとする気持ちを何と言えばいいのか。銃弾の雨の中、少女は手をかざして、困ったように笑っていたのだ。 「あはっ、冷たい!」 今度はボブがよろめくように前に進み出た。 「やったなー、もう、お返し! えいっ!」 「やめろ、下がれ、ボブ!!」 どういう奇跡か、銃弾は少女にかすりもしていなかったらしい。そして、ボブの眼窩に無慈悲な目潰しが叩き込まれた。 「あーあ、濡れちゃった。ま、でもすぐ乾くか」 「ジョーン!」 「もうちょっとだけ歩こう? 今日は調子いいの」 「テリー!」 「もうちょっとだけ……うん、平気。平気、だから」 「ジョージ!」 俺は必死でマガジンを交換すると、次から次へと各個撃破された戦友たちの倒れ伏す様を呆然と眺めた。こんなことがあっていいはずがない。相手は、たかがティーンの女子ひとりだぞ!? 「……来年、私、ここに来れるのかなあ?」 少し咳込んだ少女が、切なげに俺を見て微笑んだ。その瞬間、俺は、奴らが見たと思しき幻を目の当たりにしていた。 真っ白い砂浜。寄せては返す波。海の水はどこまでも透き通って、空の色を映して青く。 「約束。ね。きっと一緒に……」 少女が細い小指を立てた。俺は吸い込まれるかのように、その指に自分の小指を重ね――。 気がついた時には地面に叩きつけられ、空を……町内の熱帯の木に隠されてほとんど見えやしねえクソッタレな空を眺めてたってわけさ。 いいか、気をつけろよアンタも。奴は突然現れる。そうして、ひとりずつ順番に始末する。狩るんだ。何人いても同じさ。あいつの『夏』にはどんな兵士でも形無しになっちまう。俺はあいつを……。 ――ザザ。興奮した様子の兵士が周囲に取り押さえられたところで、映像は終わっている。 熱海真夏。町内のきのこたけのこ戦争をたった独りで終焉に導いた、伝説の傭兵。これは、彼女の活動のほんの一端を示す記録である。 彼女は、動き出した。最強の7月14日生まれを決める、この機会を狙って。折しも季節は夏、彼女の能力『夏への扉(サマータイムアゲイン);』が最も威を発揮する時。 熱海真夏の夏が始まる。
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oath sign 最悪の気分だ。苦虫を噛み潰したような表情で、青年は溜息を零した。 ピタリと首に装着されている首輪からは、無機質特有の冷たさしか感じられない。辟易して取り外そうにも、ルールブックに書いてある言葉を信じるなら、この首輪は一定の衝撃で作動する。 もし作動してしまえば、解除方法は無し。ポン、と。あの会場で犠牲となった少女と同じく、彼の首は間抜けな音を立てて飛ぶに違いない。 それは、如何なる身であろうとも敵わない現実。 「……どうしたものかねぇ」 溜息と共に率直な感想を吐きだす。 そんじょそこらの出来事にうろたえるほど、彼の精神は柔ではない。が、これは流石に別次元だ。 自分ひとりだけならば、まだどうにかなった。どうにでもなった。 だが、手にした参加者名簿が持ち前のポジティブな思考を押しとどめる。 「我が愛しき妹に、相棒。白ちゃんに期待の新人、それにあの子……」 むぅ、と。 端正な顔を不機嫌そうに歪めると、彼は手にした参加者名簿をくしゃくしゃに丸めた。 不愉快極まりない。 あの首謀者の嗜好など知りたくもないが、その悪辣さは十分に感じ取れる。舌打ちと共に紙を投げ捨てると、自身の首輪を人差し指で軽くノックした。 「アンタは殺す」 この首輪が、ただ爆発の為だけの首輪とは思えない。おそらくは、参加者の状態を知る何かが埋め込まれているはず。 一言。思い浮かべるはあの神父。言葉を刃に、殺気を滲ませ、目を本来の色へと変えて宣言する。 「絶対に殺す」 主催者への反逆の意志と宣告。 だがそれは、聞く者が聞けば失笑に、あるいは嘲笑に付すであろう言葉。この現実が見えていない阿呆の言葉。 戦場で生き残るのは、強者か臆病者と相場が決まっている。弱者は元より、場違いな勇者も生き残るには値しない。 命のかかったこの現状では、命を握られている現状では、青年の行動は明らかに致命的。 ――――だが、果たしてそれは正しいのか? 闇夜に映える金色の髪の毛をかき上げ、夜空に浮かぶ満月を見上げる。 闇夜に煌めく血のように紅い瞳を眇め、夜空に浮かぶ満月を見上げる。 「絶対に、殺す」 僅かに足を浮かせ、一息の後に踏み下ろす。音を立てて、舗装されていた道路にヒビが走る。 歯を剥き出しに。唸るように言葉を紡ぎ、絶対の誓いを此処に残す。 これが、貴様らの未来と言わんばかりに。 これが、貴様らの末路と言わんばかりに。 そうして青年――――千堂伊織はその場を後にした。 ■ 普段通りの彼ならば、此処まで感情を剥き出しにすることは無かっただろう。 このような理不尽な世界に身を置いても、例え意志表明を宣言するにしても、もう少しスマートに事を進めたはずだ。 それをしなかった、或いは出来なかったのには理由がある。 一つは、先ほどまで手にしていた参加者名簿。ひいては、それに記されていた五人の名前。 コレに関しては、特に説明が必要なわけでもあるまい。 おそらくは、この悪趣味なゲームに参加させられた殆どの参加者が大なり小なり通る事項なのだから。 「……ふん」 忌々しげに鼻を鳴らして、伊織は頬についた跡を擦った。 既に乾いてこびり付いてしまったが、それが何であったかが分からぬ伊織ではない。 先ほど目の前で起きた出来事を、妹を庇った際に浴びたソレを、骸を抱いて慟哭する女性を。 瞼の裏に今尚こびり付いた光景を振り払い、伊織は歩き続ける。 別に、義憤に燃えているわけではない。 別に、特段正義感が強いわけではない。 別に、彼の二人に同情しているわけではない。 別に、彼の二人に共感しているわけではない。 別に、安っぽい下らない感情を抱いているわけではない。 そう、別に……ただ、そういう気分なだけなのだ。 【一日目/0時30分/B-2】 【千堂伊織@FORTUNE ARTERIAL】 [状態] 健康 [装備] [所持品]基本支給品、ランダムアイテム [思考・行動] 基本:ゲームの破壊 1:ゲームに乗るつもりはない 2:知り合いと合流 【備考】 体育祭後より参戦 No.008 剣と天使 投下順 No.010 bad end No.008 剣と天使 時系列順 No.012 いざ、行かん! GAME START 千堂伊織
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夏のお遊び②4分の2 8KB 人間があれ、方言がいや という人は読まないほうがいいね! 駄文なのは勿論。舞台は幻想郷?なら問題ないかなぁ。 微妙な長さだから4つに分けました。 その2 「わがりばじた。ぞれでぢぇんをたずけてもらえるんでずね。じまず、しまず、うんうんしまず!」 ゆっくりはプライドの高いナマモノなので、こういった命令には従わないが、この状況ではさすがに。 「おい、こっちに見えるようにやれよ!」 「わがりまじた。ら、ら、りゃんのうんぶんするどころみでくだざいいいぃぃぃーーーー」 「ぼんがばやべべ! ぼんばこごしだぐでぼ、ぐぇんふぁだびびょうるだぼ! (らんしゃまやめて! そんなことしなくても、ちぇんはだいじょうぶだよ! 〔俺的主観〕)」 らんは底に当たる部分を天へと向ける。肛門=あにゃるをSに向けているのだろう。 内出餡の目立つ顔はほんのりと赤い。群れの前でこんな格好を晒すのは、ゆっくりでも恥ずかしいのだろう。 「おーい、S。お前そんな趣味あってんな。俺友達付き合い考えなおすわ。」 「10何年いっしょにおったけどまさかなぁ。Mちゃんに言っとくわ、気つけやって。」 「何言ってるねん、お前ら。俺そんな趣味ないわ。 この前何かの本で読んだんやけど、らんてな糞が温い酢飯らしいねん。 俺最近ずーっとほんまかなぁーって思っとったんや。それが確かめたかってな。」 「それやったら初めっから、らんにうんうんしろって言えばいいやないか。」 「でもそれってなんか風情ないし、つまらんやん。 何かこう、大事なものを守るために羞恥に耐えるって方が何かうーん、いいやんけ。」 S、お前はやっぱり変態0確やな。 そういっている間にも、らんは必死に息んでいる。 「ぶーん、うーん! うんぶんざんはやくでてええぇぇーーーでてくれなびど、こばるびょのおおーーー」 「早くしろや! この腐れ饅頭が! 糞の1つぐらいひねりだされへんのか、えーこらぁぁ!」 「ゆっくりが便秘って聞いたことないしなぁ。あっ! ここ2,3日雨続いたやろ。 こいつら餌食べてへんのとちゃうか?」 俺は側にいたまりさに聞いてみる。 「おい、昨日はお前ら餌食べたんか。2,3日雨降ったら食いもんベシャベシャでだめになってまうやろ?」 「そうです! むれのみんな、きのうごはんさんあんまりたべられてません。 とっておいたおはなさんとか、まわりのくささんをたべただけです。」 「お前ら花ってこの辺咲いてへんやんけ、どこから持ってきたんや?」 「よこのおおきないしさんがいっぱいあるところにあるのを、ほしておくんです。」 「他にもそこから採ってきたりするんか?」 「はいいい、とってきます。かたいのにはいったあまいおみずさんとか、たまにあまあまさんがあります。」 「ってことらしいわ。この墓荒らしが言うには。多分本当やろ、あんまり食ってへんのわ。」 短くなったタバコを、そのまりさのまむまむに突っ込んで消す。 「あづっ、あづいよぉぉーー まりざ、までぃざのまむまむとぺにべにがあああぁーーーー ぼうでいむと、すすずっきりしで、あっあっかじゃんづくれだいびょおおぉぉー」 「ぞうでず、らんばおなががずいてるんでず。むれのびんなもぞうでぶ。だがらなかながでなびんでず。」 「ほー じゃあ腹いっぱいになったら、すぐに出せんねんな?」 「でます!でばず! きっと、ぜっだいにぶんうんだじまずすぅー」 「ちょっと待てよ、今おはぎとあまあまさん?食わしてやるからな。」 立ち上がり側にあった穴に目を向け、手を突っ込む。 「さっきから聞こえてないと思っとったんか、おい。 『おぎゃあさんとおどぶざんがー ゆっくりできないよーーー』 ってずっと聞こえとってんぞ。このちびどもが。」 穴の中から、ちぇん3匹、らん1匹を掴み上げる。子ゆっくりになったばかりぐらいだ。 それにしてもよく気が付いたな。抜け目の無い奴だ、昔から。 「あまあまは3つっと。あー、あんこがいるな。こっちにいてっかな。」 そこから2,3歩の穴に今度は手を入れる。 「大当たりー!!! 餡子種ゲット! こしあん2つとつぶあん1つか、これで十分!」 数にして子ゆっくり7匹か。それにしてもこいつら地面にも巣作ってたんやな。気づかんかったな。 草むらの中に廃材の塊があって、それが巣やと思ってたけど、いくつか持ってるねんな。 「はなぜ、はなぜよ! このくぞにんげん! まりさたちが、おとうさんとおかあさんたちがほんきになったら、 おばえらなんかゆっくりできなくしでやるううぅーーー」 「はなしてね! はなしてね! かわいいれいむにこんなことしちゃだめだよ! ゆっくりできないよ!」 「わがらない、わっわっわがらないびょ! どぼしてこんなごとになってぶのぉぉぉ」 「だめだよ! ぢぇん! おかあさんがなんとかまもっていてくべだのに、そんなこといっちゃぁぁぁーー」 「ふぅー 1匹だけは現状理解できてるみたいやな。これはおいといて。 後はもう救いようないな。折角大人たちがかくまってたみたいやのに。その辺にもいくつかあるぞ。 このらんの頑張りを無駄にするとは、やはりゆっくり。しかしこれもゆっくりの魅力やな。」 俺と周りを見て、耳を澄ます。 「ゆっ、ゆっ、ゆーぅうーーん! ごわいよ、こわいよ、たすけでよーーおとうさん、おきゃあさーん!!」 といった声がいくつかから聞こえてくる。あいつ地獄耳かほんまに。 「この1匹を除いた6匹はもうゆっくりできません! がんばったこのらんのご褒美になります。 ゆっくり理解して絶望してね!」 「なんだのおぉーーー あのばばあだけあばあばぼらべりゅのおおぉぉー まぢがってぶんだぜええぇええーー」 「おかあざんだけずるい、ずるいじゅるいいいいーー ちぇんばわからないびょっ!」 「かわいいれいむにもちょうだいね! まってるよ! ゆっくりはやくおねがいね!」 状況を理解しているであろう子らんは、白目をむいて泡を吹いている。 ゆっくりにしては賢すぎるのも残酷なことだ。 「はぁ、何言ってるの? ばかなの、ねえ、ほんとにばかなの? 何で俺がお前たちに餌なんかやらんとあかんの? ねえ?」 そう言ってSはらんのしっぽを1つちぎる。らんは痛みに堪え、悲鳴を上げない。 そして子まりさを1匹、子れいむを1匹掴み上げる。 「ゆーん、おそらとんでりゅみたい!! もっとやって、もっとやって!!!」 「くそにんげんにしてはきがきくんだぜ! まりささまをたのしませようとするなんて。」 現状を理解していない2匹は、場違いな嬌声を上げている。 『ぶりゅっ! ぶりゅぅぅぅううーーーー!!!!』 「「ゆべっ!!」」 「ああぁぁあああ゛゛ーーー お、おっちびちゃんたちぐああああああああーー」 2匹は餡子の塊へと姿を変えた。 一瞬静まりかえったゆっくりたちが、思い思いに声を上げ、うるさい。 「ほんとにばか、餡子脳! まあ、全部餡子だからな。」 そう言いながらSは、らんのしっぽの皮を剥き、餡子で包んでいく。 「つっくりましょー♪ つっくりましょー♪ なになになにがーでっきるかなぁ♪」 こいつも場違いな懐かしい歌を歌いながら、餡子をこねていく。 「あっ、できました♪ 今回の究極のメニューはこれだ!!! 野生の子まりさとれいむを苦痛を味あわせることなく一瞬で潰し、餡子とする。 それでこれまた野生のゆっくり育ったらんの米粒。 これをその場で仕上げた、究極の『おはぎ』だ。」 ただの餡子と米粒の塊を一々仰々しく掲げる。 汚染物質の塊じゃねえか、これ。 「さあ、食え! お食べなさい! 遠慮することはない。これは俺がお前のためだけに初めて作った、真心一杯の新妻料理だ!」 「りゃんのしっぼと、れいみゅたぢのこじょもたちぐうあぁーーーーー」 らんは精一杯口を閉じ、それを食べることを拒む。 「どうした? 食え、食え、うまいぞ。たぶんしつこい甘さもなく、上品に仕上がっているぞ!」 「ぶーん、ぶーん」 「俺の料理が食えないと。やっぱりそうか、いざとなったら自分が一番かわいいんだ。 ちぇんがどうなってもいいんだな。」 そう言いポケットからライターを取り出し、ちぇんに近づける。 「ほーれ、ほーれ。火がついちゃうぞーーー ちぇんが飛んでっちゃうぞー」 「ぶーん、うーん、りゃんぎゃま、りゃんじゃまああああぁぁぁぁーーー」 観念したようにらんが言う。 「わがりばした、わがりまじたがら。そのゆっぐりできにゃいものをじぇんからはなじてくださいーーー」 「おおっ、食べるんだな。遠慮深い奴だなぁ、すぐに食べないなんて。 さあ、お食べ、たんとおあがりなさい。」 らんは周りのゆっくりの視線を気にしながら口をつけていく。 「おい、うまいか? なあ、うまいか? どうだ、自分のしっぽと他人の子どもの味は!」 「ゆぐっ、ゆぐっ! おいしいでず、とっでもおいしいでぶ。」 「そうかぁー? ほんまにおいしいんか? お前たちおいしいの食べると『むーしゃむーしゃ、しあわせー♪』って言うやろ。」 「ほんとにおいしいです。むーじゃ、むーしゃ、しっしっじあばぜーーーー」 らんは顔中涙と涎だらけにしながら、今できる精一杯の笑顔で『しあわせー』繰り返す。 それを見つめるゆっくり達は、ガタガタ震えるのみ。悪態をつくものはいない。 ぱちゅりーは『ぐぼぉぉーー、ごぼぉっ』っと中身を吐き出している。ありゃもうダメだな。 「どうだ? お腹いっぱいになったか?」 「はいい゛ー らんはおなかいっぱびになりまじた。ありぎゃとうございまず!」 「じゃあ、次はデザートだな。待ってろよ、すぐに準備するからな!」 「えっ! もういいでぶ! おなきゃいっぱいでず! らんばもううんうんできまず!!!」 「いやぁ、そういってもお前、お腹のところまだペチャンコじゃねえか。 それにしっかりデザートまでごちそうしないと、失礼にあたるだろ、ゆっくりでも。」 「もう、もう、いいでずーーーー えんりょじでおきまぶぅうーー」 また起こりうる惨劇を理解しているであろうらんは、必死に辞退しようとする。 ここでSは初めて俺達を呼んだ。 続き トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る
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うっわぁ。 それがその光景を見た崇永成汰の率直な感想だった。なんというかもうこれ以上言い様がないというくらいに、素直な感想だ。語彙力がないのも申し訳ないが、心の底からそう思ったのだ。 成汰は講義を終えて、食べ損ねていた昼食を買いに行こうとしていた。普段は弁当を自作して持ってきているのだが、今日は放課後にいろいろと用事があり、鞄の中に弁当箱を入れるのが邪魔だったので珍しく外食することにしたのだ。成汰の場合、コンビニ弁当でも気分的には外食扱いになる。 教育学部の校舎を出て、ふと周囲に視線を動かすと、見覚えのある人がいた。 ベンチに腰かけるグレイのジャケット姿の男、久賀だ。八千代さんという黒のラブラドールレトリバーを常に連れた職業不明の男で、よく大学キャンパス内を二人で散歩している。成汰はちょっとしたきっかけで会えば軽い会話を交わすくらいの仲なのだが、友人を表現するにはちょっと気が引けてしまう感じの人だ。もう少し仲良くなりたいなぁと思ったりもしているのだが。 久賀は学生とおぼしき成汰と同い年くらいの男と話していた。ぎょろっとした目が蛙のようである。一度見かければ忘れられなそうな顔だったが、見覚えはなかった。 声をかけるべきか迷った瞬間、矢継ぎ早に言葉を連ねる久賀の声が聞こえてきたのだ。 成汰は一瞬耳を疑った。 それは舌鋒と言うに相応しい、相手の心を完膚なきまでにへし折りそうな言葉攻めであった。 問いかけという形式をとりながら、相手に一切回答の機会を与えない言葉の羅列。会話の隙がないというだけではない、言葉を発するのを躊躇わせる威圧感のようなものがその時の久賀にはあった。フラットに抑えられた声音で重ねられる問いには恐怖すら感じられた。 うっわぁ。 そして、成汰の感想に至るわけである。 八千代さんの制止ではっとした久賀は言葉を収め、気まずそうに謝罪していた。相手へのフォローもそぞろに八千代さんの連れて立ち去る久賀に、あの人も人間だったんだなぁといささか場違いに感心した。 一方、一人取り残された学生のほうは蒼白な顔で突っ立ったまま、地面を見つめて口元を震わせている。 成汰が聞く前にどんな会話が繰り広げられていたのかは知らないが、久賀は悪意を持って誰かを傷つけることはまずない男だ。そもそも他人に対する悪意や害意がないのではないかと思う。 勿論怒りや不快さを感じることはあるだろうし(わかりやすく言うと八千代さん関連の話だとか)、どうやら何かにつけて同意を求めるタイプの人間は苦手らしい。おそらくあの学生は何かしら久賀の逆鱗に触れたのだろう。 それにしても、なんだが気の毒な立ち姿である。今にも崩れ落ちそうな悲惨な顔に思わず同情してしまった。知り合いでもなんでもない相手だが、だからこそ盗み聞きのように立ち聞いてしまった申し訳なさが強かった。 「……あのさ、顔色悪いけど大丈夫?」 なるべく何気ない風を装って成汰は学生に声をかけた。 別に久賀のフォローというわけではないが、このまま放置するのも気が引けたのだ。 「気分悪いの? それとも貧血か? ひどい顔してるぜ」 「……あんた……」 反応がないので少し大きめに声を出すと、ようやく学生は成汰に気がついた。顔は蒼白のままだったが、目の焦点は合っている。 「なんか飲み物も買ってこようか? あ、それか、なんか食う?」 結構強引な話題の転換だったが、この場所にいるのはよくないだろう、いろいろと思い出して。ちょうど昼食に行くところだったわけだし、少しでも気が紛れればいい。 「もし大丈夫なら、飯でも食いに行かねぇ? ちょうどこれから――」 すると学生の顔が少し上がった。これなら一緒に飯でも食えば大丈夫そうかな、と成汰が安心しかけたその時だった。 「あ、ナリリン!」 この状況下ではかなり場違いなハイトーンの声が、絶対に振り返りたくない呼称が成汰を呼んだ。しかし、どれほど振り返りたくないと思っても、すでに反射的に反応してしまうほど呼ばれ慣れてしまった呼称でもあった。 しぶしぶ振り返れば案の定、毎日顔を突き合わせる学科の奴らが六人全員揃って、先程成汰が出てきた学部の校舎から出てきたところだった。ちなみに全員女子。今日も、お前ら寒い寒い言うならもうちょっと長いスカートはくとか、ジーパンにするとかしろよと言いたくなる格好だ。実際に言うと「ナリリンはわかってない!」「何がわかっていないかというと」「乙女の気持ちが!」とかいう鬱陶しい流れになるのでもう言わない。 さっきまで受けていたのは必修の授業ではなく、成汰一人が受講しているもので、学科の連中は空きコマだったはずだ。どこかの教室か休憩室でまたどこぞの誰かの噂話に花を咲かせていたのだろう。 どうしてこういうタイミングで来るかな、こいつら。 思わず盛大に溜め息を吐いていると、あっという間に囲まれた。 「授業終わったのー?」 「確か選択だよね? ナリリンってば真面目っ子!」 「真面目っ子ー!」 「うるせぇよお前ら」成汰から言わせればこいつらのほうが不真面目すぎる。 「ねぇ、ナリ君、この後って空いてる? みんなでケーキ食べに行かないかって話してたんだけど」 「私のアパートの近くに最近できたやつだよ」 「ナリリン気になるって言ってたでしょ? 行かない?」 「あぁ、あれか……」確かに気になる店だった。小さくカフェスペースもあって、入ってみたいなぁと頭の隅にはあったのが、毎度のことながらああいった店に一人で入った瞬間の店員のなんともいえない視線が嫌になる。その点、こいつらと一緒なら気兼ねなく入っていけるし、長々とショーケースを眺めていても、同じく長々とケーキ選びに迷うこいつらに紛れて変な目で見られることはない。 「……もう授業はないし、行くかな」 と、思わず行く気になって呟いてから思い出した。慌てて振り返る。 しばしの間ではあるが、成汰の脳内から完全に消去されていた男子学生は特徴的な蛙のような目を見開いて、唖然としていた。そりゃあ、いきなり姦しい女子学生が六人もやって来て、わらわらと囲まれたら驚くだろう。 飯に誘おうとしていたのに放置してしまった。慌てて謝る。 「あ、悪い。こいつら学科の連中で――」 が、いきなり背中に衝撃をくらってバランスを崩した。膝に手をついて堪えるが、何故か背中への荷重が消えない。「って、おい、押すな寄りかかんな誰だ海藤かっ?」矢継ぎ早に叫ぶが、姦し娘たち(なんか表現が古いな。六人だし)は聞く耳なんて持たない。 「これ誰? ナリリンの友達?」 「教育の人じゃないよね。ナリリンサークル入ってないし、何繋がり?」 「授業とかじゃない? ナリリン真面目っ子だから」 「だから、うるっせってのっ。そのネタ引っ張んな。てか、さっさと退けっ」重くはないが、激しく邪魔だ。 「何? その人もケーキ屋行くの?」 「いや、そういう話じゃないでしょう? いきなりそれって悪いじゃない」 「というか、早く行かないとケーキなくなっちゃうよ。ナリリン、新しいお店は全メニューチェックしたいんでしょ?」 「できればな、って、そういう話じゃねぇんだよ今は」 完全スルーから妙な絡みなんて、初対面なのに失礼すぎる。体を起して背中の重さを無理矢理落とし、改めて学生に向き直るが、 「…………けんなよ……」 歯軋りが聞こえてきそうな低い声で学生が呟く。 久賀に容赦なく言葉を並べたてられ紅潮から蒼白へと変わっていた顔色は、悄然から呆然とした様子に変わり、最終的には怒りか羞恥に染まった赤色に戻っていた。 「ふっざけんなよっ! 馬鹿野郎っ!」 何かの堰を切ったように金切り声で言い捨てて、学生は走り去った。足をもつれさせながら遠ざかる背中を成汰は唖然として見ていた。久しぶりに怒鳴られたな、最近キャーキャーって感じのこいつらの声ばっかり聞いてたから、なんか新鮮だな。 成汰は驚きのあまりちょっとずれたことを考えていたが、状況的に何もわかっていない学科の連中はいきなりの直情的な罵声に驚きつつもご立腹だった。 「何アレ!? いきなり馬鹿野郎とかなくない?」 「や、なんで怒ったのかすら意味わかんない」 「私たちがうるさかったのかもしれないけど、ナリ君は悪くないのに」 「ほんと、わけわかんないよね」 「もういいじゃん、あんなの。早くケーキ屋行こうよ」 「そうだよ、本題忘れることだった。ナリリン、行けるんだよね」 一瞬非難が集中したが、それもすぐさま流されて、なかったことにされる。この恐ろしく素早い意識の転換に時折、すげぇなこいつら、と感心する。絡まれて流されたあの学生は大変可哀想だが。 「いや、行けるけどよ」 学生が走り去った方向を見つめていた成汰だったが、追いかけるわけにもいかないし、追いかけてもしょうがないような気もして、結局諦めた。心の中で深く謝罪し、ついでに久賀の分も謝罪しておいた。 悪い。悪気はないんだ。ほんと、悪い。 成汰も、恐らくは久賀も、本当に悪気はないのだ。 「ささっ、ケーキ屋へゴー!」 「何食べよっかなぁ。迷うー」 「今月ちょっとお財布ピンチなんだよね」 「いや、むしろ別の何かがピンチだよ」 「だよねー。晩ご飯抜こっかな」 「ほら、早く行こうよ、ナリリン」 「お前らなぁ」 あの状況の元凶はお前らじゃないかと思いつつ、後ろ髪引かれながらも成汰は姦しいというか喧しい少女たちの後を追った。 あ、そうだ。 「悪い、途中で金下ろしに行っていいか?」 一度に全メニュー制覇は無理だが、ある程度は押さえたい。 いくらあれば足りっかな。 あとがき 傍から見ると、成汰は大勢の女の子をはべらせている野郎だという話(そこなのか)。 成汰は別に小川のことは嫌いじゃないよ。 悪気はない。 どちらかというと、ケーキのほうが大事だけど。 何故か久賀の話よりえぐい気がする。
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http //yomi.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1273071103/317-330 「ねえ、あんたにお願いがあるんだけど」 あれから桐乃は『人生相談』を持ちかける事はなくなった 寂しい限りだな そう、俺が思っていると誤解している諸君 間違えてはいけない もともと人生相談なんて軽々しくするものじゃない だからこそ、去年、桐乃が俺に『人生相談』を持ちかけた時には真剣に切迫詰まっていたのだろう だが、おかげでようやく俺達兄妹は、目を背けてはいけない、どうしようもなく家族であることを知った 少なくとも俺はそうだと信じてる だから、桐乃の『人生相談』が『お願い』になったとしても、同じように受け入れてやろうと思ってた まあ、初っぱなから「彼氏になれ」とか無茶苦茶な『お願い』だったけどさ まあ、その結果は諸君の知っての通りだが べっ、別に泣いてなんかいないんだからね(涙) で、今度はどんなお願いなんだ? 「で、なんだ?その『お願い』ってのは。今日は気分がいいから、特別に聞いてやるぞ?」 「うっえ、気持ち悪っ!こないだからアンタなんか勘違いしてるんじゃないの?」 …相変わらず容赦ねーな オーケー、オーケー、これくらいどうってことはない いつもの桐乃だ 俺が目に涙を溜めてるように見えたとしたらそれは仕様だ 「別に大したことじゃ無いんだから、貸しだなんて思わないでよね」 「思わねーよ」 だいたい、お前の頼み事に一々そんなこと考えてたら身が持たん 「で、なんだ?言ってみ?」 「えっと、言いにくいんだけど…た、お誕生日のね、ケーキを買ってきて欲しいの!」 なんだ、普通じゃないか?それのどこが? 確かに今まで大っ嫌いだった兄貴に誕生日のケーキをねだると言うのは気恥ずかしいだろうが、 って、あれ? 「ちょっと待て、桐乃?お前の誕生日はとっくに…」 「はぁ?なに言ってんの? 綾花ちゃんの誕生日に決まってるでしょ? っていうかあたしが実の兄に誕生日を祝えっておねだりするとか思ってるわけ?…キモ」 綾花ちゃんというのは相変わらず桐乃がはまっているラブタッチというゲームのヒロインだ ゲームのキャラクターの誕生日を祝う方がよっぽどキモいと思うがここは言わない方が賢明だろう 「買い物ぐらい付き合ってやんよ。駅前のケーキ屋さんでいいか?」 「はあ?あんたバカ? 地味子ならともかく、綾花ちゃんにそんなもので許されると思ってるわけ? だからあんたはモテないのよ。」 「うっせーよ。毎度毎度心をえぐるようなことを言いやがって」 とはいえ確かに桐乃が言う通り、ゲームの中とはいえ恋人に贈るプレゼントは特別なものなのだ 桐乃なりに精一杯恋人の誕生日を祝いたいのだろう 「わかったよ、どこへでも行ってやるって。んで、何処まで行けばいいんだ?」 「…わかんない」 予想外の返答に俺は戸惑ったが、考えてみればたかがケーキを買いに行くだけで桐乃が俺に『お願い』をするはずがない 「いや、それだといくら俺でも買えないよね、ケーキ」 ごく当たり前の反応に、桐乃は軽く逆ギレ気味に答えた 「せ、正確に言うとね、だいたい目星はついてんの」 そう言って桐乃はノートパソコンのブックマークを開いて、数件のお洒落なケーキ屋を俺に紹介しながら話を続けた 「ラブタッチはリアルが売りのゲームだから、恋人の誕生日に下手なお店で買ってきたケーキでお祝い、なんてできるわけないじゃない? だから今回はね、メーカーとショップが特別にコラボして『綾花たん生誕祭』をやるの。 ただ、事前に大々的に公開しちゃうとすぐに売り切れになっちゃうでしょ? 転売ヤーとか意味わかんない連中も綾花ちゃんのケーキを買ってプレミアつけて売ったりするだろうし…」 俺にはお前も意味わかんないけど、大事な人のために贈ろうとしたものが横取りされたら悔しいもんな 「でね、ネットに公開されたケーキの画像から、何件か候補が上がってて、多分代官山のここはトラップで、あたしは青山のここだと思うんだけど、自由が丘のこのお店も捨てがたいのよね」 そう語る桐乃が開いている限定ケーキの写真の写ったホームページと、ケーキショップの画像を見比べた俺はマジでビビった ホームページに掲載されていた写真はこれがケーキだと言われなければ気づかないようなぼやけた写真だ そこからショップをほぼ特定してるのだ オタクっていうのはみんな特殊工作員か何かっすか!? すげえな 「ちょっとあんた聞いてるの?」 むすっとした桐乃がそんな俺を見とがめる 「あ、ああ、悪い悪い、で、俺はお前と青山に行けばいい訳か」 「それじゃあんたに頼む意味ないじゃん。 あたしが青山に行くからあんたは自由が丘。 もし予想が当たってれば等身大綾花ちゃんフィギュアとツーショット撮影できる限定イベントもあるんだから、万が一にも外せないの」 真剣な面持ちで語る桐乃には悪いが、俺はそんな恥ずかしい証拠写真を残したくないので、桐乃の指示通り自由が丘に行くことになった その『綾花たん生誕祭』当日の自由が丘の朝 お洒落で少し懐かしい街並みの中に、どう見ても場違いな行列が出来ていて、俺はその列の比較的後ろの方に並んでいた モンサンクレール 自由が丘のちょっと丘の上にある、まさかゲームのキャラクターの誕生日ケーキを売り出すとは誰もが思いもしない超有名店だ そこにオタクの列がぶわっとできているのだ 静まり返った朝の街 ここが本当に『綾花たん生誕祭』をやる、と、明確に示すものはなにもない しかし、ここに間違いはないと確信を持って並ぶ男女の列 携帯ゲーム機を持ち出して、恋人と毎朝の愛の言葉を交わす勇者もいる また、ラブタッチのヒロイン、綾花を全面にあしらった携帯ゲーム機をチラ見せしては鞄に仕舞っている少し年季の入ったオタクの人も居る そこに、これから出かけるとおぼしき人達がひそひそ話をしながら通りすぎていく さすがに気まずい そんな気まずい思いをしている俺に、 「京介さん?」 と、背後から誰何する女性の声が聞こえた マズい…非常に、まずい… こんな姿を知り合いに見られたら、まず終わりだ 正直赤城と「ホモゲ部」の深夜販売に並んでたと知られるよりダメージがでかい ホモゲ部は瀬菜の買い物だから一部の腐った皆様以外にはすぐに誤解とわかるだろう だが、ラブタッチは違う まず秘密を守ると約束した桐乃の買い物だし、こいつはそもそも恋愛シミュレーションゲームだ 桐乃の秘密を守ったとしても、俺が残念な人に思われることはまず間違いない ん、待てよ? …っていうか、そもそもこんなところに、俺の知り合いで、俺を京介さんと呼ぶような奴って居ないよね? 意を決して振り返るとそこには… …すっごい美人がいた 長身でグラマラスな彼女は初夏らしい清楚なワンピースに身を包み、はにかむ様に俺をまっすぐに見ている さらさらの髪が一瞬風に流れる ヤバい 胸がドキッとした …ていうか、誰? お互いに見つめあう数秒の空白の後、彼女はおもむろにバッグからぐるぐる眼鏡を取り出してそれをかけてこう言った 「これは失礼した、京介どの」 「俺のときめきを返せえええ!」 思わず叫んだ俺に周囲の注目が集まる 『なにこいつ』『場違いじゃね?』『つーかリア充氏ね』 そんななんとも言えない雰囲気が辺りに立ち込めるが、彼女は気にせず続ける 「ところで京介氏、本日は何ゆえにこんなところに?」 「…桐乃の買い物だ。なんでもあいつがハマってるラブタッチの『綾花たん生誕祭』とやらで、この小洒落たケーキ屋で限定ケーキを売り出すらしい。もっとも、ネットの噂位しか情報が無いんでな、桐乃の奴も青山のナントカっていうケーキ屋に並んでる」 「ほほう、では京介氏は等身大綾花たんとツーショット写真が撮りたいと」 「って、全然人の話を聞いてねえ!?」 「冗談でござるよ。ははあ、それではきりりん氏には残念でござるなあ」 「ん?どういうことだ?」 「拙者も今回の『綾花たん生誕祭』の限定ケーキを買うべく来たのでござる。このお店に間違いは無いのでござるが…いささか遅かったようでござる」 沙織と話をしている間に、行列の先頭に動きがあった 店員さんが行列の整理をはじめた 少し場違いな雰囲気の男性はメーカーの人だろうか 「紳士淑女の皆様、本日は『綾花たん生誕祭』の限定イベントにお集まりいただきありがとうございます。 本日販売のお誕生日ケーキにつきましては限定数100とさせていただきます。 ただいまより整理券を配布いたしますので、列を崩さないようにお願いいたします。 なお、整理券配布の際は、かならず『綾花たん』の提示が必要となっております、予め電源を入れてお待ちいただきます様お願いいたします!」 小さくどよめく行列 っていうか『綾花たん』の提示が必要って何? 戸惑っていたところに、携帯が鳴った 桐乃だ 「どうしよう、青山じゃなかった…あんたの居る自由が丘が正解だった。でも、ネットでは綾花たんを連れてこないと本物のプレイヤーじゃないから、整理券配って貰えないかも、って…あんた、連れてきてるわけないよね…どうしよう…綾花ちゃんにあわせる顔がないよ…」 めちゃくちゃ落ち込んだ桐乃の声 「大丈夫、俺がなんとかする」 咄嗟にそう言って、俺は携帯を切った さて、そうは言ったものの、『綾花たん』の入った携帯ゲーム機は青山に居る桐乃の手元にある 整理券の配布は既に始まっている 今から桐乃にここまで来させても到底間に合わないだろう 然りとて、携帯ゲーム機が無いと整理券は配布されない 事実、列の前の方の何人かが追い返されている 妹の買い物でと言ったところで、扱いは変わらないだろう …待てよ?沙織はなんでここに来ていたんだっけ? 回りに聞かれては困る 少し強引に沙織の手を引いて耳元に顔を近づけて話しかける 「沙織、頼みがある。『綾花たん』を貸して貰いたい。ここに並んでるって事は、もちろん持ってきてるよな」 何故か少し動揺して沙織が答えた 「た、たしかに連れてきてござるが…」 「代わりに何でもする。さすがに楽しみにしていた桐乃を落ち込ませるのは忍びない。今だけ貸してもらえないか」 「代わりに、何でも、でござるか?」 「ああ、なんでもだ」 「わかったでござる。他ならぬきりりん氏のためでござるし…」 そういうと、沙織はぐるぐる眼鏡を外して、ぎゅっと俺の腕を組んだ 「京介さんがなんでもして下さるということでしたら、お安い御用ですわ」 居心地悪りい… 抜群のプロポーションを誇る超絶美人と腕を組んでケーキ屋に並ぶ俺は、どこから見てもリア充にしか見えない さらに困った事にこの行列が恋愛シミュレーションのヒロインのお誕生日ケーキの購入者の列だということだ 周囲から発せられるどす黒いオーラを感じる ホントに居心地が悪い だが、沙織はといえば、口許をω(こんなふう)にして、楽しそうにしている 本当にこいつは何を考えているのだろう? 彼女の表情を伺い知ろうと、ほんの僅かに高い彼女の目に目線を向ける すると、沙織が、しなだれ掛かるようにする ヤバい だっておっぱいが当たるんだもん 回りに聞かれないように沙織に話しかける 「おい、あんまり引っ付くなよ、なんていうか…」 「んー、駄目ですよ、京介さん。ちゃんと彼氏と彼女らしくしてくださらないと」 「おまえはどういう頭の構造してんの!?」 「あら、なんでもする、って先程約束して下さいましたよね?」 「うぐ、確かにそうは言ったが…」 「では、約束は守ってくださいね、京介さん」 参ったな 整理券の配布が進むに従い、列に殺伐とした雰囲気が立ち込める 限定数を越えた行列ができており、全員に行き渡らない可能性があるようなのだ 整理券を持った店員さんが俺達のところまで来た 「すみませんが『綾花たん』の提示をお願いいたします」 おもむろに沙織が携帯ゲーム機を取り出す そこには沙織の綾花のキャラクターが映っている 「あの、誠に申し上げにくいのですが、原則として列にお並びになられた方のみ整理券を配布させていただいております。 お見受けしたところ、そちらの『綾花たん』はお嬢様の物かと思われますので誠に申し訳ございませんが…」 まあ、確かにそうだよな どれだけ俺達が桐乃のためにやったこととはいえ、卑怯と言われてしまえば返す言葉はない 桐乃には悪いが… 「京介さん」 次の瞬間、携帯ゲーム機から、俺を呼ぶ『綾花たん』の声がした 「あ、綾花たん!?」 思わずゲーム機の中のキャラクターに話しかけてしまう 「うふふ、会いたかった、京介さん(ハァト」 やたらと甘ったるい声でゲームのキャラクターが話しかけてくる ヒロインと会話ができるラブタッチモードが起動しているようだ 畳み掛けるように、沙織が言った 「ごめんなさいね、彼ったらこのゲームに夢中で、私の誕生日のお祝いも忘れて『綾花たん』のケーキを買う、と出掛けてしまったから、つい私が意地悪をして隠してしまったの。 でも今日は私の誕生日でもあるの。だから本当は私の分のケーキも買いに来たのでしょう?ね、京介さん」 そういって沙織は話を合わせるように目配せする 「あ、ああ、そうだ」 「だからね、みんなで食べられるくらい大きなケーキを買って欲しいわ」 いつになく甘い沙織の声に自分達は本当に恋人同士なのではないかと錯覚さえ覚えてしまう 「これは失礼いたしました。それでは整理券をお渡しいたします」 丁寧に詫びる店員さんに、こちらこそ、と頭をさげてしまう 満足そうな笑みを浮かべてまた俺にしなだれかかる沙織に、つい何も言えなくなってしまう 店員さんが列の残りの人に整理券を配りに行ったところで、漸く人心地が付いた俺は沙織の耳元に囁いた 「少し心が痛いけど桐乃のがっかりした姿を見なくて済んだよ。悪いな、彼女のふりまでさせて」 「あら、京介さん?約束忘れたの?ふり、では無くってよ」 え?どういうこと? 複雑な表情を作る俺に、一瞬微笑んだあと、彼女はまたいつものぐるぐる眼鏡を掛けて、こう言った 「さてと京介氏、きりりん氏のためのお買い物はまだ終わりませんぞ。ケーキを買ったら秋葉原に行って、それから…」 「いや、いいよ。沙織、お前、桐乃のためにここに来たんだろう?多分、ラブタッチも俺が持っていないことを予想して。わざわざ予め新しいセーブデータまで作って…」 「…バレてしまいましたか、京介氏」 ぐるぐる眼鏡の向こうの表情はわからない 「それから、ケーキを買おう。今日は本当にお前の誕生日だったりしない?」 一瞬、沙織はぐるぐる眼鏡の隙間から俺を見て、それから答えて言った 「あれはきりりん氏の分でござるよ。どこかの兄上が妹の誕生日も忘れて、と溢してた故」 「そっか、ありがとうな」 本当にこいつには頭が上がらないよ ふと、ぐるぐる眼鏡を外して沙織が言った 「でも、約束は忘れないでくださいね、京介さん」 そうして沙織はまた、ぐるぐる眼鏡を掛けた そうして、整理券をもらった俺と沙織は、そのあと桐乃と合流して『綾花たん生誕際』限定ケーキを買った。 沙織は予め桐乃に俺と並んでいることを伝えるメールを送っていたらしく、桐乃はちょっとだけ照れくさそうに、ありがとう、と、沙織に言った それから、黒猫も呼んで、うちでちょっとしたパーティーをしよう、という話になった それからちょっと反則気味ではあるけれども、俺の代わりにということで、桐乃も等身大『綾花たん』とのツーショット写メを取らせてもらうことができた 最初はメーカーのスタッフさんが広報に使いたいと申し出てくれたのだが、桐乃はモデル業に差し障ると困るということで、丁重にお断りをした まあ、その代わりに俺が「彼女に『綾花たん』を届けさせた男」として、ネットニュースの格好のネタになったわけだが さて 丁度今、沙織から「京介さんへ」と題したメールが届いているのだが、なんだか微妙にいやな予感がするのだが、気のせいだろうか
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「俺は南ハルカに汗をふいてもらうんだ」 「南ハルカの言葉は絶対に正しいのだ」 「って保坂もおもしろい奴になったよね」 「速水先輩…笑い事ではないと」 「マキ、人が人を愛する事は必然な事なのよ、温かく見守らなきゃ」 「絶対楽しんでますよね?」 普段通りの先輩と後輩の会話、話題は保坂の事だ。 「ハルカがもし気持ち悪い魔の手にかかったらと思うと私は」 「安心しなよ、見栄っぱりで小心者の保坂には無理だろうから」 「でも…」 「大体アイツ女の子と付き合った事があるのかも怪しいわよ、…そうだ調べてみよう!」 「…速水先輩、何を調べるんですか?」 「保坂の女性経験よ、いきなり抱きついたりしたら解るかも」 その発言にマキは驚く 「ちょっ速水先輩!いきなり抱きついたりしたら襲われますよ!」 「大丈夫、保坂なんかヘタレだからそんな勇気ないわよ」 「大体女性経験を調べるのに何故抱きつくんですか?」 「対応で何となく解るでしょ?」 「それはどうかと…。」 今一つ納得できないマキであるが想像をふくらませ速水は楽しそうに保坂を捜し教室に戻って行く 「速水先輩!…もぅ!」 しょうがなく速水の後をマキはついて行った。 やはり南ハルカの為に栄養を重視した料理を」 教室では窓際で朱く染まった空を眺め何かを考える保坂が一人呟いていた 「うわっ、独り言キモい!」 「あの空が保坂にあってるわ」 個々の意見を発しながら廊下で保坂を観察する 「速水先輩、止めといた方が…」 「マキ、見てなさい」 「いや話しを…」 マキの意見を聞かず速水は教室に入って行く そして後ろから気配を感じ保坂は速水の方に顔を向けた 「保坂…」 「速水か、どうした?」 「私…、私…」 「なんだ?体調が悪…」 その言葉を継ぐかのようにいきなり抱きついた 「…速水、何のマネだ?」 抱きつかれた保坂は驚きもなく速水を見つめる 素で対応する保坂は想定外であり速水はパニックに陥る 「…好きなの!」 驚いた速水は考えも無しにその言葉を呟いた。 廊下でその状況を見つめるマキは驚きを隠せずに慌てだす 「あら、マキどうしたの?」 「???、!!!」 マキは声に振り向きまた驚いた。そして速水もその声に気付いた 「速水…、お前も知ってる通り俺は好きな人がいる」 「そうね、悪ふざけもここまでね。保坂、廊下を見なさい!男を試す時よ!」 そう言ってマキの方を指をさした 何事かと指した方に足を向け見てみるとマキと共にハルカがこちらを見ている 「男として羽ばたきなさい」 小声で保坂に呟く (速水…、俺の為に、手本を見せる為に) 何かに納得したように二人に近づいた マキとハルカは近づく保坂を見つめた そして保坂は二人の前に立ち、息を吸い顔を上に向け叫んだ 「好きだ!好きです!付き合ってくれ!」 その言葉が重い静寂を作る マキはハルカに視線を向け、保坂もハルカを見つめ答えを待つ ハルカは顔を真っ赤にしてマキを見つめる 「魅せたじゃない保坂」 速水は満足顔でうなずいた 重い空気の中、ハルカは口を開く。保坂は聞き逃さないよう唇を見つめ耳を澄ます 「…えっと、マキごめんね私邪魔だね」 「っはい?」 「この人前もマキに告白してたじゃない、早く答えてあげなよ。私は帰るから、バイバイ!」 そう言って足速に去って行った 取り残された三人は 「速水先輩…」 「面白かったねマキ。保坂…諦めたらそこで終わりよ!はい上がりなさい!魅せる男になりなさい」 「ああ、よく解らない状況だが振られた訳ではないからな!」 マキだけが場違いかのように困り顔で二人は満面の笑みで語り合った 削ったエロ、中途終了 「保坂…」 「速水…」 二人の唇がそっと触れ、少しの空白の後愛おしく離れる 「保坂、ハルカちゃんはいいの?」 「…相変わらず速水は意地悪だな。今の俺にはお前しか見えない」 「それキモいよ」 「これ以外の言葉では表せないんだからしょうがないだろ」 「でも案外嬉しいかも…あぅ!」 速水が言葉を続けると保坂の手は腹部からスカートの中へこそばゆくそっと動いて行く 「いきなり?普通胸を先に攻めるんじゃない?」 「悪い…よく解らないんだ」 「ふふっ」 そう言って速水はまた保坂の唇を求める