約 6,146 件
https://w.atwiki.jp/tanpakushitsu/pages/25.html
その日も、いつもと同じ青い空………………ラレ作品 ク/ロノ/ス・ジョ/ウンターの伝/説(小説) ※原作は時間遡行装置、ク/ロノ/ス・ジョ/ウンター(以下CJと略す)にまつわる短編オムニバス。 その内、piroko氏が教えてネットで紹介されたという「鈴/谷/樹/里の軌跡」がネタ元になっている。 参考リンク:不治の病を治す話より piroko氏 不治の病を治す話(SF・ファンタジー等) 小説、漫画、アニメ、映画などのフィクションで、不治の病に罹った人間を治した (または治しそうな引きで終わる)話を探しています。 例で言えばブラック・ジャックで未来の技術に託すコールド・スリープなんかがあると思います。 他に思いつくのは、例えば自分自身が医者になってその病を研究するとか…、 未来にタイムスリップして医学を学んでくるとか… 本のタイトルと、どうやって治すのかを教えて頂ければ幸いです。 変な質問ですみません。 回答者 >未来にタイムスリップして医学を学んでくるとか… 梶尾慎治 「クロノ/スジョウ/ンターの/伝説」の最終話。 まさにこのパターンです。泣けます。 映画「この胸いっぱいの愛を」の原作ですが映画にはこのストーリーは含まれていません。 piroko氏 ありがとうございます。 そう!こういうお話を探していました。 上記の本、早速Amazonで注文しまして、明日届くようです。楽しみです♪ ありがとうございました。 補足で失礼します。 上記で紹介して頂いた本を読みました。 「鈴谷/樹里の軌/跡」、号泣しました…!こういうお話が読みたかったんです。 ご紹介、本当にありがとうございました。 お陰様で久しぶりにいい作品に出逢えることが出来ました。 ※この作品は単行本・文庫版で何度かリニューアルして発行され、収録作品が若干異なっている。 検証では2003年発行の文庫本を底本とした。 原作は文庫本で100ページほど、栄養本はA5サイズで72ページ(表紙込)の短編。 概要 主人公・鈴/谷/樹/里(以下、女)には子供の頃憧れを抱いた青年(以下、男)がいた。 不治の病を抱える彼と当時はなすすべもなく別れるが それから19年後、特効薬の開発とタイムマシン・CJの存在で男を救う条件が揃った。 だがCJで過去に止まれる期間は三日間。その後は現在よりはるか未来へ弾き飛ばされてしまう。 二度と現在の時間軸に戻れない代償を覚悟の上で、男を救うため女は過去へ飛ぶ。 ストーリー上時間軸は過去(1980)→現在(1999)→過去(1980)→未来(2035)と展開 栄養本で女=吉良、男=明日欄に置き換えるとほぼ同じ (1)過去~不治の病に冒された青年 ◎原作 1980年・女は11歳の時小児性結核で入院。同じ病院の入院患者だった男(27,8歳)と出会い、 本好きの自分に様々な童話を話して聞かせてくれた彼を慕うようになる。 やがてネタが尽きると、男は制作中だという自作の童話「足/す/く/み/谷の巫/女」を披露する。 彼は退院後この作品を完成させ、プロの童話作家になることを夢見ていた。 ある日、美しい女性が男のもとを訪ね、深刻な話をしているのを立ち聞きしてしまう。 女性に嫉妬に近い感情をおぼえるが、彼女は男の元婚約者で別れ話をしていたのだった。 難しい病気な上、将来が不安定な夢を追いかけているからしょうがないと、男は自嘲的に話す。 また男は「君を見ているとた/ん/ぽ/ぽ/娘を思い出すよ」と語りだす。 それは女と同じ名前(ジュリー)を持つ主人公の少女が、タイムトラベルするSF小説だった。 だが語りの途中で容態が急変し、女は看護婦を呼ぶ。 翌日になっても男は姿を見せなかったので、女は彼の病室を探しに行く。 そこで医師たちの「チャ/ナ症候群の末期なんです」という言葉を耳にする。 入室しようとするが、中にいた若い女医(主人公は看護婦だと思っている)に阻まれ望みは叶わなかった。 翌日、女医は男が亡くなったことを告げ「た/ん/ぽ/ぽ/娘」の文庫本を女に渡す。 突然の別れに女はただ泣き続けた。 ◎栄養本 年代は明記していないが現代?(後の文に「インターネットもそう普及していない」時代とある) 吉良は10歳。事故で骨折し入院中、病院の屋上で明日欄(20歳)と出会った。 二人はよき話し相手となり、吉良は学校の友達のこと、 明日は勉強ばかりしていた自分の少年時代などについて話す。 明日は玩具技師になるのが夢で、跳んで喋るボール型のペットロボを作ったことがあるが 商品化までには至らなかった。 吉良に欲しいおもちゃはないかと尋ね、鳥ぃ(描写は種ドラマCDのような感じ)を作ることを約束する。 ある日、ピンク髪の美しい女性が明日を訪ねて来、それを目撃した吉良は嫉妬に近い感情をおぼえる。 だが明日は彼女を「親が決めた元婚約者で、最後まで互いに恋愛感情はなかった」という。 寂しげな表情の明日は吉良の額にキスをし、鳥ぃを必ず作ると繰り返す。 それが二人が交わした最後の会話だった。 その後、明日は屋上に姿を見せなくなる。 看護士に聞いてみると、「エレン・ドル症候群」という難病で面会謝絶状態だという。 その日の夜、胸騒ぎを覚えた吉良は明日欄の病室を探し出すが 部屋の前で青年医師に制止され、彼が死んだことを告げられる。 青年医師は一目だけでも明日に会いたいという願いを頑なに拒否、吉良はその場に泣き崩れた。 共通点 幼い主人公は難病を患っている青年に出会い憧れを抱く 男=明日欄の夢:童話作家=玩具技師 約束のアイテム:「足/す/く/み/谷の/巫/女」=鳥ぃ もう一つキーアイテムとして原作には「た/ん/ぽ/ぽ/娘」があるが、栄養本はこれに相当するものはなし。 男は病気が原因で婚約者と別れる、嫉妬をおぼえる主人公 ネタバレになるが病室の前で女=吉良を制止した医師は、未来の自分の姿 (2)現在~特効薬の発見 ◎原作 19年後の1999年、30歳の女はかつて男と出会った病院に勤務する医師になっていた。 男の命を奪った病気について調べているうちに、結果として医学の道へ進むことになったのだった。 化粧っけもなく女らしさを放棄した外見にも拘らず、 美しく成長していた女は異性からよく交際を申し込まれる。 だがある種トラウマなほど男を思い続けていたため付き合いは続かなかった。 その日、女はチャ/ナ症候群の少女を患者に抱えていた。 いまだ有効な治療法がなく、少女の容態は悪化するばかりだった。 そこへ病院に出入りしている製薬会社のプロパーが、ある研究所のレポートを持ってくる。 女が赴任した頃頼んでいた、チャ/ナ症候群の治療薬に関するものだった。 さらに臨床データと引き換えにアンプルを提供するという。 認可前の薬であることを家族に説明した上で使用すると、劇的な効果を示し患者は快方へ向かう。 女は病気の完治に気分が高揚していたこともあり、 同僚医師から強く勧められていた見合い話を受けることなった。 だがあの時、この薬があれば男を救えたはずだという考えが頭を離れなかった。 ◎栄養本 退院した吉良は少年時代の明日を真似てひたすら勉強に打ち込んだ。 最初は明日と同じ玩具技師を目指していたが 手先が不器用な彼には無理だとわかり、いつしか医学の道を志す。 学校をすべて飛び級で卒業し、10年後には20歳の天才医師となっていた。 それまで同性異性問わずよく告白されるが、明日のことが忘れられずにずっと一人身で通した。 ある日、明日の命を奪ったエレン・ドル症候群の情報を求めていつものように ネット検索していると論文が見つかった。 ある抗がん剤が患者に劇的な効果を示したというのだ。 吉良は早速秘書の明倫にチケットを手配させ、論文の著者がいる研究所を訪ねることにした。 研究所で薬に関する情報を提供してもらうと 患者は癌を併発していたので亡くなったが、エレン・ドル症候群は完治していたという。 吉良は自分も同じの病気の患者を抱えていると嘘をつきアンプルを譲ってもらった。 続いて患者が入院していた病院へ行き、担当医師から使用方法と副作用を聞き出す。 収穫を得て吉良はシャトルで帰途に着く。 共通点 主人公は医師になる 主人公はもてるが一人の男をずっと心で思い続けている(恋愛物にありがち) 探し求めていた治療方法の発見 原作でプロパーは過去と現在をつなぐ重要な存在だが、栄養本に相当する人物はなく 吉良が独力で治療薬と情報を手に入れている。 女の勤務場所は過去に自分が入院していた病院だが、吉良は全く違う病院。 私見。 大筋は同じだが、細部は色々手を入れて変えてある感じ この後の展開ではっきりしますが原作は様々な要素で過去と現在が幾重にもリンクしている(さすがプロの技) 栄養本では個々の要素のつながりが薄く、ぶつ切りな印象です。 病気と治療薬は細部でもかなり類似点がみられる。詳しい比較は↓ (3)病気と特効薬比較 ◎原作 病名はチャ/ナ症候群 レトロウイルスによる特殊な肝炎。 飲料水に混じって体内に侵入する、ある意味風土病 抗生物質で病状を緩和するのが精一杯で、根本的な治療法はなく患者は徐々に衰弱 治療薬はシュワルナゼリン-200 フェイズ3(人体への投与で効果が認められた)をクリアし 海外では抗癌剤の補助薬品としてすでに製品化されているが、厚生省の認可は受けていない 「エーリッヒ腹水癌、乳癌などに効果が認められるケースがある」 「―─特筆すべきは、一部地域で風土病とされているチャナ症候群に 驚異的効果を発揮することであろう──」 「抗癌性としては今いちだし、チャナ症候群って病気も少ない。 需要としてどうかってことなんスよ。 ただ、鈴谷先生が関心を持っていらした病気だから……」 副作用として高熱、難聴になった例がある 使用方法は筋肉注射を16時間ごとに3回 ◎栄養本 病名はエレン・ドル症候群、発見した女性医師の名前から 100万人に一人といわれる発症率の伴性遺伝病 発熱・関節炎・咽頭病など炎症性疾患 抗生物質による治療が主で、画期的な方法はなかった 治療薬はβ-レイチルマイシン フェイズ2(少数の患者を対象とした探索的試験)までクリアしたが 抗癌剤として開発したが効果が不十分で、商品化までには至らなかった ―─エレン・ドル症候群の患者に投与したところ、画期的な効果が見られたため、 今後この疾患に関して特効薬となる可能性がある。 しかしながら同症候群の患者は非常に稀であるため、需要の関係からこの症候群の 薬として当社で商品とするのは難しい… 副作用は一時的な発熱と難聴 使用方法は筋肉注射を一日に一度、計3回 共通点 治療薬は抗癌剤として開発されたが効果は今ひとつ 男が患っていた難病の特効薬になりうる しかし病気自体が珍しいため、商品価値は薄い 使用法、副作用も似ている どちらも架空の病気である(栄養本はあとがきに記述あり) この他、原作ではアマゾンの密林に生息する特殊なカビが薬の原料だと説明あり (4)現在~タイムマシン ◎原作 お見合いの相手は個人病院、N医院の跡取息子。 同僚Y医師の先輩にあたるN医師が経営していたが息子は医学の道に進まなかったため、 女医を嫁にもらって後を継いで欲しいらしい。 詳しい事情を知って後悔する女だが、エンジニアだという相手のN氏も結婚する気はなく、 身内の顔を立てるためにきたのだといった。 二人は世間話に花を咲かせ、話題が自分の仕事に及ぶと N氏は自社で開発中止になったというタイムマシンの件で口を滑らせる。 さらに女は詳しい性能やデメリット、実際に過去に飛んだ人間がいることを聞き出し、 男の命を救うにはこれしかないと信じた。 (最大二十年前に遡れ、過去に三日間滞在できる) ※CJの原理については他の短編ですでに触れている。 そちらのほうが栄養本に近いので、以下比較のため抜粋 「時間流を遡るという自体行為が、自然の法則に逆らう許されないことなのかもしれない。 だから……何と言えばいいのか……時の神(クロノス)、時の法則を管理する神の…… 摂理といったものが、万物の調和を果たすために、過去に遡った存在をその性質に応じて 未来へ押し戻すんじゃないのかな」 和彦は、藤川の言うことにも一理あるような気がした。 過去へ跳ぶ状態というのは、ちょうど、腰にコイル状のバネを装着して 遠くへジャンプするようなものではないかと連想した。 一端を固定したバネが伸び切った状態で着地する。そのバネは徐々に引く力を強めていく。 その力が跳んだ人のとどまる力を超えたときに、後方へ身体を引き戻す。そんなものではないか。 「吹/原/和/彦の軌跡」より 「天文学でいうワームホールという穴があります。これは、一般性相対理論で、 超高密度物体が時空をくねくねとカーブして、空間の二つの区域をつないだトンネルの ようなものです。このワームホールの一方の入り口を重力的電気的に引っ張り、 光速近くまで加速した後、速度を加える方向を逆転させ、元に戻します。 すると、アインシュタインの特殊相対性理論により、行って戻った入り口のほうでは、 静止していたもう一方の入り口より時間が経過しないことになる。 だから、静止した入り口から、もう一方の入り口に移れば過去に行けるという 基礎理論が生まれます。それを発展させたのが時間軸圧縮理論です。 それでCJという物質過去射出機が製造され、私がやって来た……」 「布/川/輝/良の軌跡」より 女は正直に事情を話し、人助けのためにCJを使わせて欲しいと懇願する。 N氏は社外秘と、タイムパラドックスの危険性を盾に頑として拒否するが 終いには「マスコミに公表する」と半ば脅迫めいた手段で説得、 ついにCJ使用の承諾を取り付けた。 N氏は未来へ飛ばされた後、自分のところを訪ねてくれば力になると約束してくれた。 海外へ留学するといって病院をやめ、身辺整理を済ませた後 N氏らと共にCJが保管されている倉庫へ赴き過去へ跳ぶ。 ◎栄養本 吉良はアプリリウス帰りのシャトルで新と出会う。 彼は時間遡行を研究しているギル教授の下で学ぶ学生だった。 二人はタイムマシンの話をして意気投合し、新が研究室を見に来るようにとすすめる。 後日、教授の家を訪ねた吉良は実物を目にし、タイムマシンの原理について説明を受けた。 「なら、噛み砕いて説明しよう。この機械は文字通り時間の流れをねじ曲げる機械だよ」 「ねじ曲げる……」 教授は脇にあった机の中から一本の紐を取り出した。 「時間を一本の紐としよう。例えば十年前に戻りたいとする。 その場合、紐の上では遠い筈の現在と十年前の時間をね、こうやって」 教授が紐の二ヶ所をつまんだ。その二つをくっつける。 「結んでしまえばいい。単純に、これだけだ」 「……宇宙空間でワームホールを利用して、ワープするようなものですか?」 吉良の問いに、教授は深く頷いた。 「その通り。君は賢いな。説明が省けて助かる」 「でも、……そんなに無理矢理時間を繋げてしまって、平気なんですか?」 論理はよくわからないが。空間をねじ曲げるなど並大抵のことではない。 吉良がそう言うと、後ろで聞いていた新が頷いた。 「うん、そう。だからリバウンドがあるんだ」 シャトルの中でも新はそう言っていたなと思う。教授もゆっくりと首肯した。 「君が過去に戻ったとして、過去にいられるのは三日程度だろう。 だがその後、君はその時間軸から弾き飛ばされる」 「……弾き……?」 「そうだ。我々はこれをリバウンドと呼ぶ。時間軸はバネのようなものと考えてくれればいい。 反動があるんだ。……例えば君が十年前に戻った場合、君はその三~四倍未来に飛ばされる。 つまり、現在よりも三十年から四十年後に、飛ばされる」 人間での実証例は教授が自ら試した一度だけだという。 それでも吉良は初恋の人を助けたいと事情を打ち明け、10年前に送って欲しいと頼む。 新は過去から戻ったら自分の家を訪ねるようにといい、教授も渋々承諾した。 発展途上国の子供達を助けたいと嘘をついて病院を辞め、身辺整理を済ませた吉良は過去へ。 共通点 過去へ戻った反動で未来へ飛ばされるタイムマシン←この作品で最大のポイント 過去から戻ったらうちへ来いと言う協力者 身辺整理の仕方 原作の女は母が失踪、父と不仲。弟にだけ事情を話した。吉良は事故で両親をなくしている 両者ともに家族の縁が薄く身軽な点でタイムトラベルに有利な環境にある ※N氏はCJに関わる技術者として、別の短編にも登場している。 (5)過去~再会 ◎原作 過去に到着した女は白衣を着て病院の裏口から侵入し、男の病室へ。 「あなたを助けに来ました」と突然現れた女医に驚く男だが、 これ以上悪くなることはないと思い彼女の治療に賭けてみることにした。 口裏を合わせ、自分は男の親戚でアメリカの研究所からN医院の紹介で来たと 当時担当医だった19年後の同僚・Y医師に説明し、治療の許可を取り付けた。 こうして一回目の注射は無事終了し、副作用で男は熱を出す。 また女は病院に出入りし始めたばかりの製薬会社プロパーと出会う。 彼は売り込みが上手くいかず困っていた。 もし彼がこのまま営業に失敗したら、タイムパラドックスが起こり 19年後自分は特効薬を入手できなくなるのでは?と危惧し、 Y医師の先輩が経営するN医院に紹介状を書いてもらうようアドバイスする。 ◎栄養本 過去に着いた吉良は明日の病室へ。 茂・クラインの紹介で海外の研究所から特効薬を持って来たと明日に説明する。 一度目の注射が終わると明日は吉良に「傍にいて欲しい」といい、 この病院で出来た幼い友人と交わした約束について語った。 その時、回診の医師が病室にやって来て明日は吉良にベッドの下に隠れるよう指示した。 やがて薬の副作用で明日は一時的な難聴と発熱に見舞われた。 耳が聞こえない状態の明日の手を握って吉良は愛の告白をし、 完全に意思は疎通しないながらも二人はキスを交わす。 栄養本は原作の同僚医師やプロパーの存在を削っているため 吉良は明日以外、過去の人間とは接点がない。 (6)過去~告白 ◎原作 女は、一人の少女が男の病室に入ろうとしているのを目撃。 それが過去の自分だと気付き、タイムパラドックスを防ぐために押し止める→(1)にあるシーン その後熱が下がり快方に向かっている男と話した。 「先生はとてもなつかしい感じがする。とても素直になれて、落ち着く。退院したらお礼がしたい」 男の言葉に女はいっそ事実を話してしまいたい衝動に駆られる。 二度目の注射が終わり、女は体調がよくなった男と話す。 ふとしたことから11歳の自分が話題に上るが 「ジュリを紹介しますよ」との言葉に「あの子に二度と会わないで!」と叫んでしまう。 男は女の意外な反応に驚き、「あなたはいったい何者なんです」と問いただす。 女は覚悟を決め、た/んぽ/ぽ娘の一節を口にして正体を明かし、泣きながらすべてを打ち明けた。 男は自分を救うため医師になって未来から来てくれた女に感動し、老人になるまで 結婚しないで君の帰りを待つという。 女は自分のことはいいから「足/す/く/み/谷/の/巫/女」を完成させると約束してほしいと言った。 やがてタイムリミットが近づくと時間流が女を引き込み、苦しめる。 だが治療の時間が来るまで意志の力でなんとか耐え続けた。 Y医師が「N医師はあなたのことなど知らないそうだ」といって病室に飛び込んでくるが 最後の注射を終えた瞬間、女は未来へ飛ばされた。 ◎栄養本 明日は吉良の存在を病院側へ隠すことに協力してくれた。 なぜ何も訊かずに自分を信じてくれるのだろうと不思議に思う吉良。 やがて二度目の注射が終わり二人は色々な話をした。 明日は今まで恋をしたことがないと言い、吉良は今恋をしているのかと訊く。 吉良は真実を話すことができず、もどかしい思いを抱える。 明日が幼い吉良に約束した鳥ぃの設計図はすでに完成し、後は組み立てるだけになっていた。 吉良は「あの子に10年間は鳥ぃをあげないで」と懇願する。 明日は「お前が好きだから信じるよ。 病室に入ってきた時、一目であの吉良だとわかって恋に落ちた」という。 両思いになったのも束の間、吉良はこの時間軸にあと一日しかいられない事情を説明する。 明日はならばせめて今だけでも、と吉良の身体を求め二人は結ばれた。 (ここで10ページほど濡れ場が続く) 最後の注射を終えると吉良は時間に引き込まれる。 「僕のことは忘れて他の誰かと幸せになると約束して」 「俺はお前を忘れない」二人は最後の言葉を交わし、吉良は未来へ飛ばされた。 共通点 タイムパラドックスを防ぐため過去の自分に会わない様にと言う 正体を明かし、約束を交わす 原作で男は引っ掛かりを感じながらも自力で女の正体にたどり着けなかったが、 栄養本では明日は最初から吉良の正体に気付いていた(なんてエスパー・・ (7)未来~時を超えた恋人 ◎原作 目が覚めるとそこは2035年のN医院。 老人になったN氏とその妻がいて「道で倒れているのを発見されうちに運ばれた」という。 本棚には男名義で出版された童話本が並び、彼が約束どおり夢をかなえたとわかる。 男はデビュー前にここを訪ねてきてN氏にすべて事情を話していた。 女が過去から戻り意識を取り戻したら連絡する手はずになっていると聞き、 とりあえず男がまだ生きていることに女は安堵する。 やがて男が現れるが、とうに80を過ぎているはずの彼は30代の姿。驚く女に 「どうしてだと思う? 樹里が未来へ跳ばされた後、ぼくの身にも同じ現象が起こったんだ。 でもついたのは2028年だった。 それで樹里から聞いていたN医院を訪ねたんだ。まだ、樹里は帰っていなかった。 Nさんが教えてくれた。 どうも体内に入った未来の薬品が、ぼくの肉体を伴って過去から引き戻されたらしい。 でも、跳ばされた年数はNさんの計算より少し先だ。 それから、約束どおり執筆を再開した。 ラッキーにも処女作で賞をもらって、もう十数冊出版した」 男は女に完成した「足/す/く/み/谷/の/巫/女」を手渡して言う。 「この本を君に一番最初に読んでもらいたかった。これからはずっと一緒にいよう」 二人は抱き合い、ハッピーエンド。 ◎栄養本 目が覚めるとギルの研究所。 部屋の中は機械類でいっぱいで、球体のペットロボが跳ね回り吉良に話し掛ける。 そこには新の孫だという少年と車椅子の教授がいて、 「現在」から41年が経過したが、明日はまだ生きていると教えてくれた。 ペットロボは吉良の名を呼んだので、これは明日が作ったものに違いないと確信し 涙を押さえきれずに一人になるため屋上へ行く。 屋上に出ると、明日との約束の品だった鳥型ロボットが吉良の指に止まる。 そして後から呼ぶ声に振り向くと、そこには二十歳のままの明日がいた。 驚く吉良に明日は経緯を説明する。 「吉良が跳んだ少し後、……俺も跳んだんだ。あれから十年後に」 「……え?」 吉良は顔を上げた。よく意味がわからない。 吉良が跳んだのはタイムトリップのリバウンドのためだ。 明日欄はあの時代に生きていただけなのに…… 「未来の薬が入っただろ、……俺の中に」 「……あ」 「あの薬は過去にはない薬だったからかな。 あの薬が作られた時代に、多分無理矢理跳ばされたんだと、……思う」 だが、それでも明日欄は今二十歳でいることはできない。 あの時代から更に四十一年が経っているのだ。 「それから、探したんだ。吉良が使ったタイムマシンを。 ……お前が言った新って言う名前だけを頼りに、彼を何とか探し出して、 問い詰めて、そして俺もギル教授の研究室に行って、……もう一度十年前に跳んだ」 二人は愛を確かめあってキスを交わし、ハッピーエンド。 共通点 気がつくと協力者の家 男が約束のアイテムを完成させる 薬の影響で、男も未来へ引き摺られる 二人は若い姿のままで再会し、ハッピーエンド 原作→男はそのまま未来の世界に居付いて女を待つ 栄養本→明日は飛ばされた先でタイムマシンを探し出し、吉良を追って自分も過去へ飛ぶ と異なっているが タイムマシンの反動効果を利用して恋人が追いかけてくるラストは、原作の別の短編(布/川/輝/良の軌跡)と同じである。 (8)あとがきと教えてネット あとがき抜粋 最近実はタイムトラベル物に凝っています。 もともと生化学が専攻なので、科学的な背景や設定を調べて書くのが好きなこともあり、 SF要素の混じっている話は書きやすいのですが、 恋愛ってやっぱり障害があると燃えますよね。 時間ってその障害の一つとして書きやすいテーマなんです。 このお話も、とある時間旅行小説に影響されて書いたお話です。 プロットを始める前に、青い空にト/リ/ィが羽ばたくラストシーンがぱっと浮かんで、 それを目指して書きました。 ちなみにエレン・ドル症候群はpirokoが作った架空の病気ですので、あしからず。 原作にあたる作品の設定・ストーリー展開を丸々なぞっているにもかかわらず、 「SFやタイムトラベルものは書きやすい」??? また、吉良と明日欄を未来で再会させる方法について ↓教えてネットのこのあたりの質問から、原作と別の方法を模索していた形跡がみられる。 1000年後にハッピーエンド 1000年後に恋人と再会するには? 様々な本を読んでいる方にお伺いします。 ある本を読んで、その話をハッピーエンドにするにはどうすればよいか疑問に思いました。 主人公の恋人がタイムトリップして1000年後に飛んでしまうとします。 主人公は諸事情でタイムトリップ出来ません。 でも、恋人に逢いたくてたまりません。 恋人に逢うにはどうすればいいと思いますか? 私が思いつく方法は、 ・1000年間コールド・スリープする。 ・宇宙にあがって光速に近い速度で移動する。 そのほかにどんな方法があるでしょうか? 奇抜な発想、様々なSF・ファンタジー本での設定など、教えて頂ければ幸いです。 未来へのタイムトラベル 未来へのタイムトラベルの方法 Wikipediaを見ますと、未来へのタイムトラベルの方法として、 光速に近い速度で移動することに よるウラシマ効果や冷凍睡眠があると思います。 他に、どんな方法がありますでしょうか? タイムトラベルは立派に物理学の学問として研究されていると思いますので、 お詳しい方でなくても何かご存知の方いらっしゃいましたらお教え下さいませ。 上記の質問が出されたのはpiroko氏が原作本を読了した直後。 結局、他にいい方法を思いつかなかったのか 原作そのままと別の短編のオチを組み合わせたラストに落ち着いたらしい。 (同人創作とは関係なく純粋に興味があったので質問した可能性もあるが)
https://w.atwiki.jp/tanpakushitsu/pages/18.html
唇に弾丸 左手にマシンガン………………ラレ作品 YE/LL/OW(BL漫画) ●設定比較 【黄色:基本設定】 ゴ/ウ(以下G)…攻 根っからの男好き(ゲイ)の22歳。特技はピッキング。18歳以下の華奢な少年が好み 料理の腕は極上。ただし肉料理が多い タ/キ(以下T)…受 女好きノンケの22歳。体術・射撃・機械に強い。女なら相手は選ばず 過去に訳アリ 二人ともガタイ良し顔良しの美形設定 黄色設定上の概要 二人が出会ったのは一年前 Gがそれまで組んでいた相棒に裏切られ(有り金を全て持って逃げられた)ところTが組まないかと声をかけてきたのが始まり。 R/O/O/S/Tというカフェの上階に同居している。リビングなどの生活空間は共有しているが寝室は別。 身体の関係も無し。 お互いのことは詮索しないため出会ってからの一年分しかお互いを知らない。 GはTを心底好きで日々アプローチを繰り返している 「愛してる」「好きだ」「俺のものになれ」等。隙をみてはキスをしたり押し倒したりするが、 その度Tに殴られたり銃を突きつけられたりして黙らされる TはノンケなためGの誘いには基本的に乗らないが、実はGを好き ただし、Tは出会った当初Gに「タイプじゃない男の方が相棒としては助かる」と圏外発言されており 日々のアプローチを冗談の範囲だと思っている節がある TもGを好きだが、過去男に押し倒されたトラウマにより身体の関係は考えられないと思っている (そのせいで女好きになった) 二人の仕事は「横/取/り/屋」 R/O/O/S/Tのマスターからの依頼を元に、主に押収前の麻薬を発見し 横取りをして依頼者に渡すことで報酬を得ている 依頼方法はマスターから紙で渡されるキーワードでネット上の掲示板にアクセスして 内容を見るというもの 「横/取/り/屋」は元々Gがしていたもの。 ちなみにストーリー上、麻薬探しに侵入する際、大抵その麻薬は何かの暗号と共に隠されていて その暗号を二人が解くのも見所になっている 栄養サイド 【唇/に/弾/丸/左/手/に/マ/シ/ン/カ/゙ン:基本設定】 明日欄… 18歳。特技は暗号解きやピッキング。独自ルートを使って銃器の入手を行っている 吉良と出会うまではボディガードを主な仕事としていたが 闇ルートで名前が売れていたことを吉良に着目され、組まないかと声をかけられる 通り名はジャスティス 吉良…戦闘・射撃・ハッキング。 生い立ち上の理由により、腕は立つが知識が偏っている 過去に訳アリ 通り名はフリーダム 設定上の概要 二人が出会ったのは一年前 ボディガードとして名前が売れていた明日欄に目をつけた吉良が組まないかと声をかけたのが始まり。 同居をしているが、寝室は別。 きわどい雰囲気はあるが、身体の関係は無い お互い詮索しないため一年前に出会ってから今までの一年分しかお互いを知らない 明日は出会った瞬間から吉良に惚れており、日々アプローチを繰り返している 隙を見てキスをする、襲うなど。 吉良も内心は明日のことが好きだが、過去の理由から応えないようにしている 二人の仕事は「狩/り/屋」 吉良のセキュリティをかけてメアドに直接届く依頼を元に 麻薬組織の情報や麻薬などを狩り、報酬を得ることを目的とする 「狩/り/屋」は元々吉良がしていたもの。 ●「横/取/り/屋」と「狩/り/屋」の説明文 黄色 →「横/取/り/屋」それが俺たちの仕事だ CAFE"R/O/O/S/T"のマスターから渡される紙に書かれている限定のキーワードで 特別な掲示板にアクセスして入る そこに今回の仕事内容が書き込まれているというわけだ ちなみにこれは●●組(ヤクザ名)に警察が麻薬の押収に踏み込む日時。 俺たちの仕事はそれまでに"麻薬"を横取りすることだ ※ただしストーリー上、銃器を横取りする話などもある 唇に~(本文P5下段) →仕事の斡旋は、吉良のメールアドレスに直接届く。吉良が何重にもセキュリティロックをかけたアドレスだ。 ハッキングはまず不可能。 吉良とコンビを組み、主に裏ルートで「狩り屋」を生業とするようになってからは一年が経つ。 「狩る」のは様々だ。麻薬組織の情報や麻薬そのものであったり、密輸現場の決定的証拠であったり マフィアの人間であったり……、人である場合もあるし麻薬などの物資である場合もあるし情報である 場合もある。殺しそのものを目的とした仕事以外は、大抵受け持っている ●二人の関係 唇に~(P4上段) 「…なあ吉良、そろそろ俺のものになれよ……」 「んッ……」 喉元に口付けると、吉良が甘いと息を漏らした。 (以下明日の吉良に関する表現なので中略)-- 堪らずに、明日欄は愛しい名前を囁いた。 「吉良……」 だがその時、ゴリっという音を立てて、冷たい感触をした塊が顎に突きつけられた。 恐る恐る下を向くと、吉良愛用のワルサーPPKの銃口がこちらの喉を狙っていた。 黄色 TがGのアプローチに対し、銃を突きつけてやめさせるシーンが多い 中でも、顎に銃を突きつけるというシーンが多いのでそれを栄養は模倣していると思われる また、栄養本作中P7上段に明日欄が不意打ちで頬にキスするシーンアリ。 これも黄色の中では日常茶飯事(TにGが不意打ちでキスをする) ちなみに栄養が初っ端で書いている「俺のものになれよ」というセリフも、黄色の中には多い。 「いつになったら俺のものになるんだろう」 「俺のものになる予定なんだよ」 「やっと俺のものになったんだ」 など。 ●二人の出会い 受から攻めに誘いをかけてコンビを組むという点が同じ 吉良「こんにちは「ジャスティス」僕と仕事組まない?」 黄色(T)「お前が錠前破りのゴ/ウ?相棒を探してるって『R/O/O/S/T』のマスターから聞いた。 俺はタ/キ。多分役に立てるぜ」 ※ストーリー検証 検証前の補足ですが、栄養の本は1冊完結なこともあり1冊を通して1本のストーリー展開です 対して黄色はコミック連載ものなので前半は読みきりの単発の話が続き 登場人物が揃ったところで後半から二人がくっつくための怒涛の展開という形です こんな感じでそもそもストーリー展開の形式が違うので いきなり似てる部分を抜き出しても分かりにくいと思うから、 最初に栄養のストーリー概要だけざっとあらすじ的に書きます その中で、黄色と被る部分について後から細かく書き出す形にします 【栄養本の前半部分概略】 〝狩り屋〟を生業としている明日と吉良にある日入ってきた依頼の内容は オ/ー/ブ国家元首である篝の護衛をしてくれというものだった。 依頼人であるキ/サ/カの話を聞くとコンクリートを素手で抉れる程の怪力を持つ 犯人が篝の命を狙っているからそれを〝狩って欲しい〟とのこと。 依頼を受け張り込みを開始した明日と吉良を襲ったのは素手でコンクリを砕き 銃弾を跳ね返す硬度の肉体を持つ怪物だった。 深夜の襲撃は二人の働きにより仕留めることが出来たが、その一件で明日も吉良も怪我を負ってしまう。 (明日は重症) ■明日と吉良が怪物からの護衛時に怪我をする時のシチュとセリフ 篝の命を狙ってきた怪物(強化人間)と明日吉良が銃を使って戦うシーン。 戦闘シーン自体は特に何もないが、怪我をした時のシチュが原作と被る →黄色 銃の横取りを頼まれたGとTが一度だけ依頼をしくじる話。 犯人宅に侵入したTが逃げ遅れて足に銃弾を受け、その後 助けに入ったGが、不意打ちで背後からわき腹を打たれるシーンがある 倒れたGをTは抱き起こして必死に名前を呼ぶが、 GはTに血塗れの手で触れ、キスをして「俺を置いて逃げろ」と言う 結局二人は助かるが、敵になぜ生きてるんだと聞かれた時 GがTに後ろから絡みつつ 「残念、生きてるよ。つーかまだ死ねなくてね。俺、本懐とげてないんで」 と言う。※原文引用(Tを手に入れてないのに死ぬ訳ないだろ、という感じ) →栄養 襲い掛かってきた怪物に応戦するも銃がなかなか効かず手こずる二人 そんな中、吉良が相手に投げつけられた椅子の破片で足を負傷して動けなくなる。 激昂した明日が怪物に向かっていくも、銃を構えた隙を突かれ脇腹を怪力によって抉られてしまう。 死なないでという吉良に明日は血塗れの手で触れて 「死なない、よ。俺はまだ……お前を手に入れて、……ないからな……」 と言う。※原文引用 <共通点> ★怪我の箇所が同じ(怪我をして受が足を引きずって攻に駆け寄るのも同じ) 受けが攻めを必死に呼ぶ(身体を支えて)あたりが被る ★一件落着後の攻めのセリフの意味が同じ ■麻薬密売組織に辿り着くまでの謎解き 設定にも書いたことを繰り返しますが、メッセージや暗号を使っての謎解きは 黄色の中では麻薬の隠し場所やターゲットを探す際に毎回のように仕込まれているものであり、 黄色特有のもの。謎解きが使われていること自体が両作品の大きな類似点と言える。 →黄色の6話目 麻薬の隠し場所を探す時の暗号に「ヘブライ語(象形文字)」による暗号解読が出てくる 最初は何だか分からない字面をヘブライ語だとGの元相棒に指摘され ネットで暗号とヘブライ語辞典を照らし合わせたところ暗号がヘブライ語で 「バビロン」と書かれていることが判明。ヘブライ語→バビロン→旧約聖書→バベルの塔→古代アイム語で「神の門」をあらわす→神社の鳥居 と言った具合に謎が解かれていく →栄養 プ/ラ/ン/トで捕まった捕虜が自白剤で吐いたキーワード「ジグラット」が 麻薬密輸組織の名前であることが分かる。(ジグラットはバベルの塔のモチーフとなっている建造物) また篝を襲った人間兵器がしていた刺青はくさび型文字でディンギル(訳:神)と彫られていた。 (くさび形文字の解読には原作と同じく明日吉良がネットを使用) くさび形文字→メソポタミア文明→ジグラット→バベルの塔という流れがある。(こっちは流れが強引なので上手く書けませんが…) 【バベルの塔について:原文そのまま引用】 →黄色 とりあえず〝バビロン〟と言えば連想するのは旧約聖書の『バベルの塔』。 人間が神を超えるため空に届く塔を建てようとした高層建築だ。 神よりも優れた存在になったと驕った人類に怒った神は それまで共通だった「人の言葉」を互いに理解できなくしてしまう それによりコミュニケーションがとれなくなり、「バベルの塔」の建設は不可能になった それ以来、この世には多種の言葉が存在するのだと言われている →栄養 「吉良、ジグラットは知っているか」 「ええと……聞いたことがあるような」 「バベルの塔は、もともと人間が神に届きたいがために建てたものなんだ。 だから高く高く聳え立つ塔を建設した。 だが神はそんな人間に対して怒り狂った。そして神がした行為は、言語を 分かつことだ。今ではもう統一されているが、古来濃くによって言語が違ったのはバビロニアの 神が怒った結果だったのさ」 <共通点> ★象形文字とくさび形文字という古代語を引き合いに出し暗号を作った点が同じ (解読にネットを使った点も同じ) ★メソポタミア文明と旧約聖書という古代の象徴的な伝説の名前を多数 登場させている ★「バベルの塔」という神話の引用文がまるまる同じ意味 ※上でも言われてるけどこれは結構決定的かも? 前半はこんな感じです 謎解き以外はありがちと言えばありがちかも。 ただシチュだけだったらありがちでスルーだけど、 設定がある程度被った上でのシチュも被ってるってことなので 判定要素にはなると思う。 後半は、シチュエーションだけじゃなくてストーリー根底の流れも被ってきます バベルの塔に関する意見 97 名前:名無しさん@ゴーゴーゴーゴー![sage] 投稿日:2007/09/26(水) 02 11 56 ID J/PZUiv6 黄色も夏コミの栄養の本も持ってないけれどバベルの塔に関して少し知識あるから 意見言わせてもらっても良いだろうか。 くさび形文字→メソポタミア文明→ジグラット→バベルの塔の流れは不自然じゃなくて 寧ろ相当ストレート、分かりやすい。 ヘブライ語→バビロン→旧約聖書→バベルの塔→古代アイム語で「神の門」をあらわす→神社の鳥居 の方が結構???になる(何故古代アイム語が突然出てくるのだろうか) 「バベルの塔」という神話の引用文がまるまる同じ意味って書いてあるけれど バベルの塔に関する文献は少なくて(それをネタにした話は多いけれど) 解釈はどれもそんなに変わらない。 これで黒判定はまず無理、逆に詳しい人間からは白判定が出ると思う。 納得がいかないならもっと詳しい人がいる世界史辺りのスレで聞いてくるのもいいかも。 でも気になったので該当本を両方手に入れてバベルの塔辺りをきちんと検証してみる。 みんなも頑張ってくれ。 118 名前:黄色・補足[sage] 投稿日:2007/09/26(水) 19 53 04 ID yAOPSi5r 黄色の検証を上げたものですが 97 に対して、補足させていただきます くさび形文字→メソポタミア文明→ジグラット→バベルの塔の流れは不自然じゃなくて 寧ろ相当ストレート、分かりやすい。 ヘブライ語→バビロン→旧約聖書→バベルの塔→古代アイム語で「神の門」をあらわす→神社の鳥居 の方が結構???になる(何故古代アイム語が突然出てくるのだろうか) ってことですが、自分が読んでいて黄色の方が自然に感じて栄養の方が不自然に感じた 理由を補足します。 まず黄色については、上に抜き出したように簡単に結論まで辿り着いた訳ではなく、 バベルの塔と神の門はすぐに結びついた訳ではなく、主人公達も数日悩んでいるというブランクがある 最終的には旧約聖書から『バビロンとは中東で昔使われていたアイム語で』という文章を発見したことで神の門に辿り着きます 対して栄養のメソポタミア→ジグラット→バベルという流れについては 詳細に書くとまず、強化人間を作るために使われていた麻薬の名前が「マルドゥク」と分かる (捕虜が吐いた一つ目のキーワードだった) これに対し明日が即座に「バビロニアの主神の名前か」と気づき、 吉良が「バビロニア……またメソポタミアか」と結びつける そして二つ目の自白キーワード「ジグラット」から 82で抜き出した会話に繋がります ここまで大体1P半で流されていたので、流れが急で不自然に感じたのだと思う (実際、作中ではメソポタミア→ジグラット(バベル)という両者が繋がる具体的な補足は無し) 101も言ってくれているが、話の中で理由付けがしてあるか如何の問題だと思います バベルの塔の黒かも?という発言に関しては不用意で申し訳なかったです 突っ込み頂ければ上記のように詳細を上げることも可能なので そういうとこも含めて検証してもらえると助かります そして他の皆さんも検証本当にお疲れさまです!
https://w.atwiki.jp/tanpakushitsu/pages/19.html
どこかに君がいると思った……………………ラレ作品 神/はサイ/コロを振/らない(小説) ■大まかな話の流れ■ 【神/サ/イ】 1994年8月15日、和/報/航/空/4/0/2/便が乗員乗客68名を乗せたまま消息を絶った 機体の残骸等は一切発見されず、2ヵ月後には捜索は打ち切られ「4/0/2/便は墜落し、乗員乗客は全員死亡」と確定された 慰霊碑が作られ、毎年慰霊祭が行われるようになる しかし、量子力学の権威、加/藤/教/授(以下、教授)は乗員乗客の生還を信じ 「4/0/2/便はマ/イ/ク/ロ/フ/゙/ラ/ッ/ク/ホ/ー/ルに飲み込まれタイムトラベルをし、10年後に戻ってくる」と宣言 教授の予告通り、4/0/2便は10年後に戻ってくる 遺族や関係者はパニックに陥るが、ひとまず「無事に戻って良かった」と喜び合った だが教授は「時間の捩れはもう一度起こり、4/0/2/便及び乗員乗客は3日後に再び元の時間軸に戻され 4/0/2/便は墜落し、乗員乗客は全員死亡する。」とも言う 乗員乗客68名と家族は、それぞれの3日間を過ごし、消息を絶ったのと同じ日8/15に元の時間軸へと戻っていった 【栄養本】 吉良は家族と船旅に出掛ける事になった。明日欄は吉良に旅の安全を願ってお守りを渡し見送る しかし吉良と家族の乗った船(ノ/ア/号)が消息を絶ってしまう 捜索が行われたが破片ひとつ見つからず、捜索は打ち切られる 大和家の親族達は、吉良親子は亡くなったものと考え墓を作った だが明日欄は吉良の死を信じる事が出来ずに探し続ける ノ/ア/号が消息を絶って一年後、突然吉良は明日欄の前に現れる 吉良曰く、ノ/ア/号は恐らく津波に飲まれ転覆した。パニックになって明日欄の名前を呼び続けたらここに来たということだった 明日欄は吉良がタイムトリップしたと判断し、意作と痔悪化の元に連れて行く 「ノ/ア/号は時間の捩れに巻き込まれてタイムトリップしたが、時間の捩れはもう一度起こり吉良はまた元の時間軸に戻される」 というのが、3人で話し合った結果だった 明日欄は吉良が元の時間軸に戻っても死なないよう、事前に津波を回避出来る方法を考え、それを吉良に託す 託された吉良は、明日欄の前から消え、消息を絶った丁度一年後の同じ日に元の時間軸へと帰って行く ■神/サ/イと栄養本の類似点■ 消息を絶ったもの(ラレは4/0/2便、栄養は吉良)が戻って来た日付は、消息を絶った日の数日前 戻って来たものは、再び時間の捩れで元の時間に戻される 戻るのは「10年後(栄養本では1年後)の消息を絶った日」で、現在に居る事が出来るのはわずかな日数 タイムトラベルの仕組みの説明に「量子力学」を使用 未来の出来事を変えるために「発信機」を作り、それを使う 神サ/イは、元の時間軸に戻った後を変えようとする訳ではなく(希望を抱きつつも死ぬのは仕方ない」と捕らえている) その三日間を現在に居る自分の家族等とどう過ごすかという所に焦点をあてていて、ラストも4/0/2便は墜落したとされる描写もある 栄養本は、残された時間を、ノ/ア/号転覆から救うためにどう使ったらいいのか、とういのに焦点を当てている感じ 丸々パクるというより、大まかな話の流れと設定をパクって、そこに明日吉良要素を足して、ラストをラブエンドにした感じかな 神/サ/イ読んだ人が栄養本読んだら( A`)になるレベルだとは思う ■消息を絶った後の記述■ 【神/サ/イ】 (14P、6行目~) 1994年8月15日に乗員乗客68名を乗せて消息を絶った報/和/航/空/4/0/2/便の捜索は 7日間、延べ機530機の航空機と、海/上/自/衛/隊海/上/保/安/庁の艦船200隻 海岸線を捜索する警/察/消/防の人員12万名によってなされたが、結局ライフ・ジャケット1枚すら発見出来なかった。 かろうじて油の帯が発見された辺りを海底ソナー、深海潜水艇によってその後2ヶ月間、捜索が繰り広げられたが、 尾翼1枚の発見もならなかった。 運/輸/省は消息を絶った日から2ヵ月後の10月15日、4/0/2便の墜落と、乗員乗客全員の死亡を確定、 すべての捜索活動の打ち切りを発表した。 事故からおよそ1年後、運/輸/省の航空機事故調査委員会は、急速に発達した積乱雲を避けきれず、 ダウンバーストに巻き込まれて海面に叩き付けられたものと結論を下した。 遺族がそれで納得したわけではなかったが、世間的には、次第に関心も薄れ、 人々の記憶から忘れ去られて行った。 【栄養】 (11P,上段13行目~) だが現実は明日欄の望むようにはいかなかった。 ノア号は見つからなかった。 ……その船の欠片さえも見つからず、明日欄の愛した少年と共に、忽然と姿を消したのだった。 1日が過ぎ、1週間が過ぎ、そして1ヶ月経っても、船は見つからなかった。 マスコミは騒ぎ、捜索隊は焦り、そして月日と共に忽然と消えたノア号は忘れ去られていった。 ――そして、1年が経った。 (26P、上段1行目) ノア号の捜索は打ち切られた。当然だ、海に出ても、潜っても、何も見つからないのだ。 忽然と姿を消したノア号には、様々な説がつけられた。 宇宙人誘拐説、ブラックホール説、難破して粉々になった、船の破片は深海のクレバスに沈んだ、 ……科学的な解釈から非科学的な解釈まで、多種多様だった。 共通点は 忽然と消え 一切手掛かり無し 欠片(ライフ・ジャケット1枚、尾翼1枚)すら発見出来ず 捜索隊による捜索 海底捜索 人々に忘れ去られる 船、飛行機が消えたので、当たり前といえば当たり前の展開 事故も風化して忘れ去られるのも当たり前の展開ですが 小さな共通点として上げておきます。 栄養の方では「捜索がいつ打ち切られた」といった記述は一切ありません。 26P、上段1行目は、ノア号が消えてから1年経った記述になっていて その1年後に吉良が明日欄の元に現れます これは私的見解ですが、 もし栄養がこの本を参考にしていると考えた場合 「10年では間が開きすぎるし、パクバレの足がつく恐れがある」 「ラレで捜索が打ち切られたのが1年後、事故が風化していく描写もある」 「1年後くらいに吉良が現れるのが丁度いい」 と考えた恐れがあり ただ、今は栄養に対して非常に懐疑的になっていて、頭が凝り固まってる 自覚があるので「疑いすぎだ」と思われた場合はスルーして下さい ■「時間の捩れ」「タイムトラベル」の記述■ 【神/サ/イ】 (34P、7行目~) 「時間は貴重です。特に皆さんの時間は。簡単に言えば、4/0/2便の身の上に起こったことはタイムトラベルです。 タイムトラベルを引き起こした原因は、地球を横切った、マイクロ・ブラックホールでしょう。恐らく、直径1ミリあるかどうかの。 それが時間軸の捩れを引き起こし、皆さんは吸い込まれ、10年後の未来に吐き出された。 そして皆さん、これからが肝心なことです。この現象はもう一度起きます。 起きるというより、すでに起きたという方が良い。それは10年前に起こったことです。 もう一度、時間が捲られ、皆さんは10年前に引き戻されるでしょう。」 「競/馬年/鑑でも持って帰ったらえらいことになる」 「そうです。けれど、私の考える所、皆さんの時間は、引き戻された時点で終わりです。 つまり、皆さんに残された時間は、15日の夕方まで。つまり明日から3日間ということになります」 全員の顔色が変わった。 「それは死ぬという意味なの?」 「物理学的には、時間の終了に過ぎないが、生物学的考察をするなら、死ということになる」 (35P、5行目~) 「(略)だが、うかうかしている間に時間は過ぎ、3日経ったら、あんたたちふいにわれわれの時間軸から引き離されて消える。 永遠にね。この3日間に何を為すべきか、大急ぎで計画を立てた方が良いぞ」 (69P、5行目~) 「まさか。今でも夢を見ているんじゃないかと思うよ。東/大の先生と話をしてくれ。もし、彼の言うとおりなら、君らは3日後、 乗客もろともまた消える。何か救える術があるかもしれない」 「彼は無いと言っていた」 「一縷の望みという奴さ。われわれは経営学や航空力学はお手の物だが、量子力学となると手に負えない。 だが、それが科学である限り、手はあるんだ」 【栄養】 (19P、上段16行目~) 「そして、幻でないのなら、幽霊でないのなら、お前はタイムトリップをしただけなのかもしれない。 あの船の惨事の最中から、1年後の今へ」 「……タイムトリップ……?」 (21P、上段19行目~) 「吉良は実態も持っているし、俺以外の人間にも見える。触れるし、体温も持っている。幻とは思えない。 だからお前達に聞きたいんだ……タイムトリップなどという現象が本当に有り得ると、思うか?」 「わからんな。ここいいる吉良が幽霊でも何でもなく、間違いなく吉良だと言うなら、 そう考えるのが自然じゃないか?」 「ん~、俺もそう思う。たださ……」 「ただ……?」 痔悪化の言葉に、吉良が不安げな目を向けた。 「ただ、タイムトリップ……、時間の捩れが生じたんなら、もう一度時間の捩れは起こるんじゃない? 早かれ、遅かれ」 「時間の、捩れ……」 それがどういうものかわからない。痔悪化も推測で言っているだけだ。 だが吉良の瞳が戸惑うように揺れているのを見て、明日欄は吉良の肩を抱く腕に力を込めた。 「……吉良の意識が途切れたのはいつだ?」 意作が聞いた。吉良が考え込む。 「確か、出向して3日目だから、……7月30日、かな」 「あと1週間で1年か。……同じ日に時間の捩れが起こる可能性は……あるんじゃないか?」 「……ああ、そうかもな」 「そうすると、……吉良は、消えるのか?」 言葉にしただけで背筋がぞくりと震えた。 せっかくこの腕の中に帰ってきたのに。やはり今ここにいる吉良はこの世界の人間ではなくて、 本来あるべき場所に戻されると言うのか……? 明日欄の言葉に、意作と痔悪化は無言で首を横に振った。当然だ、彼らにわかる訳がない。 「……どうしたら、いいんだ」 喉から、掠れた声を絞り出した。 「どうしたら、いいんだ。吉良を救いたい。もう、帰したくない。……どうしたらいい。どうしたら、いい……」 「俺らも、わかんないさ……」 憔悴した明日欄の言葉に、痔悪化がぽつりと答えた。 しばらく誰も何も喋らなかった。教室の時計の音だけがこちこちと響いた。 (31P、上段8行目~) 「今日、痔悪化が言ってたけど……でも、よく考えたらさ、僕が帰ったとしても、それは不可能だよ。 僕の記憶にある限り、もう船は逆さになってたんだ。だから僕が戻ったとしても、逆さになった後だよ」 「……」 吉良の言葉に沈黙した。 そうだ、1週間後、吉良の意識が途切れた地点に戻ると仮定すれば、船は既に転覆した後だ。 船はひっくり返ったまま浮いていられるように出来ていない。 ……逆さになった先にあるのは、……死だ。 (28P、上段15行目) ふと、ある考えが明日欄の脳裏を掠めた。 「なあ、吉良……」 「ん……?」 もしそれが奇跡を起こしたのだとしたら、吉良が帰るのも防げないだろうか。出来れば、一生このまま……。 だがその考えに、吉良は頭を振った。 「それは、無理……かも」 「何故だ?……お前は今、ここにいるじゃないか」 「うん。……でも、すごく不安定なんだ、僕」 「不安定……?} 「何か、ふわふわしてる。現実味がない感じがする」 共通点は タイムトリップはもう一度起きる 「時間の捩れ」という言葉を使用 引き戻されるのは「戻って来たのと同じ日付」(10年後、1年後の違いはあり) 戻った先に待っているのは「死」 (栄養は、後に、船転覆直前に戻ることになっている。船が津波を避けられれば吉良は助かるので 正確には死ぬ訳ではないが、避けられなければ死が待っている設定) 「救えるかもしれない」→「無理だろう」の流れ ■発信機に関する記述■ 【神/サ/イ】 (142P、15行目~) 「実は昨夜から掛かっていました。叔父さんならきっと、エンジニアとしての可能性にチャレンジするだろうと思ってね。 データはすでに準備しました。後は、メモリ回路を工夫するだけです。 毎秒三回、その発信を繰り返すようプログラムします。(以下、話題が変わるため略)」 【栄養本】 P39、下段14行目~ 「ここに仕込もうか。」 「えっ、発信機を?」 「ああ、俺が作る。」 「明日欄、が…?」 (略) 「俺がマイクロユニット得意なの、知ってるだろ。モールス信号でSOSと座標が発信されるようにするんだ。 吉良は時間になったら……、そうだな、船が転覆する二、三時間前でいいだろう。 その時になったら発信のボタンを押すだけでいい。 船は遭難者の信号を受け取ったと勘違いし、進路を変え、遭難者を助けに行く。(以下略)」 (64P、上段4行目~) 彼の造った発信機は確かに吉良と共に過去を超えた。吉良は緊張しながらも、明日欄に教えられた通りにボタンを押した。 一回押す。そして、一分経ってから、もう一度押す。それを五、六回繰り返した。 神/サ/イサイドは、4/0/2便を救うためではなく この10年間で起こった悲しい事故や事件、天災をデータにまとめ 10年前に戻った4/0/2便から発信 事件、事故等を前もって防ぐため 栄養サイドは、SOSと座標を組み込んだ救難信号を発信して ノ/ア/号を救助に向かわせ、津波を回避させるため 目的は違うけど「発信機」を作って「一定の間隔で繰り返し発信」する辺りが同じ 決定打にはならないけど、小さな共通点の一つ。 ちなみに神/サ/イで「過去に戻るとき、現在の時間軸のものは素粒子レベルに分解されて消える。過去に持って行く事は出来ない」 とされているが、発信機は無事に時を越えた記述あり 栄養本も、発信機が無事に時を越えるのか不安に思う記述があったが、発信機は時を越える事が出来ている この辺りの記述も必要であれば、探して本文抜き出ししますので言って下さい。 ただ、これに関しての神の方での記述に、実際起こった事故や事件に関するものが含まれていました なので、抜き出すのは控えました。 ■タイム・パラドックス、量子力学に関しての記述■ 【神/サ/イ】 (107P、7行目~) 「(略)それに、私の理論が正しければ、これはすでに過去に起こったことだ。取り返せるわけでもない。 解は二つしかない。君たちがこのまま、この時間軸に留まるか、あるいはまた10年前に戻って、そこで瞬時に死ぬかだ。 もし10年前に戻って、そこで生き続けられるとしたら、タイム・パラドックスが時空を破壊する。 乗客の誰かが競/馬年/鑑を抱いて帰ったら、面倒になるからな」 「引き返した瞬間、われわれの意識はどこにあると思いますか?」 「良い質問だと思うが、敢えて言えば、ゼロ・ポイントだ。君が10年後、私とこうして会話した記憶は、そのゼロ・ポイントにおいては 存在しないだろう。手に持った競/馬年/鑑も消え失せる。考えても見てくれ。誰かチタン合金のケースに競/馬年/鑑が収められた CD-ROMを持ってYSに乗り組んだとしたら。タイム・パラドックスが起こる条件はただひとつ。 平行宇宙(パラレル・ワールド)で別の実体が生き続けることだが、少なくともそれは、私や君の時間軸じゃない。無視して構わない。 パラレル・ワールドにおいては、墜落を免れた4/0/2便もいるだろうし、別のパラレル・ワールドには、墜落はしたものの、 乗客の何人かは助かったケースもあっただろう。 だが、私が生きているこの時間軸、そこには君のお父上もいるわけだが、そこでは、君らは死んだんだ。生存者はいなかった。 ただ単に、10年後、ほんの一瞬、彼岸の挨拶に現れただけ。それが不思議と言えば不思議な話だが、 少なくとも私は科学でそれを説明出来る。科学で説明出来る以上、それが仮説を逸脱することはまず無い」 残念だが、同意する他は無かった。量子理論で、それが起こりうることだとは証明できる。 そして同時にそれは、彼らの生存があり得ないことも証明していた。生き残れるシナリオはあるかもしれないが、 少なくとも、それを加藤の理論の中では、立証出来なかった。 【栄養】 (33P、下段7行目~) 「シ/ュ/レ/テ/゙/ィ/ン/ガーの猫、だな」 明日欄の話を聞くなり、痔悪化はいきなり断定した。 その思考実験は明日欄も知っていた。吉良は不思議そうに首を傾げている。 「波/動関/数を提唱した人物か?」 意作の言葉に痔悪化が頷いた。 「そうだ。……簡単な思考実験だよ。いいか、吉良」 ぱちくりと目を見開いた吉良がどうやら一番この思考実験を知らない様子だった。 (以下、関係ない記述のため略) 痔悪化は紙に大きく立方体の絵を描いて吉良に差し出した。 「ここにブラックボックスがある。この箱の中に、猫が一匹と……ここではわかりやすく 毒入りの餌が置いてあるとしよう。猫が一匹と、毒入りの餌な。OK?」 吉良がうんうんと頷いた。 「猫が餌を食べるか食べないかは、猫次第だ。だが、外からこの箱を見てみな。 ブラックボックスだから、猫が餌を食べたか食べないかは、外からはわからない。 つまり、蓋を開けるまで、猫が死んでいるか生きているかはわからないんだ」 「うん。……そうだね」 吉良が考えながら呟いた。痔悪化もその答えに満足そうに頷いた。 「つまりだ。蓋を開ける前は、猫が生きている状態と死んでいる状態が重なり合っている」 吉良が考え込んだまま沈黙した。意作が顎に手をあてながらふむふむと呟いた。 「つまり……、平行に存在していると言うことか?」 「そういうこと」 「なら、この重なり合いの状態はいつ解かれるんだ?」 「観測された時だ。つまり、蓋を開けられた時。この時初めて、猫の状態がどちらか一つに収束される」 (35P、下段1行目~) 「論文の概要はこうだ。ノア号は見つかっていないのではなく、素粒子レベルで消え失せた。 未来はまだ決まっていないから、未来を決めるために誰かが必ず帰ってくる。 そして事故の日になると、必ず事故当日に戻る。これにより未来は決まり、世界は収束すると言うんだ。 ……俺は量子力学はよくわからんが、コ/ヘ/゚/ン/ハ/ー/ケ/゙/ン/解/釈ににおける波/動関/数収束と言うんだそうだ。 ……わかるか?」 神/サ/イも栄養も書いてる事は概ね同じだと思います。 どちらも同じ量子力学からの引用だと思うので、同じになるのは当たり前といえば当たり前かもしれません 一応書き出ししてみましたが、内容よりも「トリックに量子力学を引用している」ことの方が重要だと思う ■大学を追われた教授の存在■ 【神サイ】 (16P、9行目~) 加/藤/久/彦は、長年東/大で量子力学を教えていたが、4/0/2/便遭難に纏わるある事件がきっかけで大学を追われた。 今は、名も無い私学で基礎物理学を教えていた。 (23P、21行目~) 「加/藤/教授が、あのトンデモな説を披露した時、私は関係者として腸が煮えくりかえる思いだった。 遺族の感情に塩をすり込むような行為だと思ったからだ(以下略)」 (36P、1行目~) 「……現実を受け入れ、大学に、息子の私物を取りに行った時です。その時は礼儀的な挨拶を交わしただけだった。 年が代わった、一月のある日、先生が私の家を訪ねて来て下さった。息子は生きていると言う。 最初は、『生きているような気がする』とただの比喩にも聞こえたが、どうもそうじゃない。 量子効果がどうのこうのと訳のわからないことを仰る。 てっきり、頭がおかしくなったものと思って、丁重にお引き取り頂いた。 一年後、一周忌を前にして、ある週刊誌記事が載りました。先生の事を誹謗する記事で、 4/0/2/便は墜落していないと言って東/大に居座るトンデモ教授というタイトルだった。 先生はその記事が元で東大を追われたが、信念は変わらなかった(以下略)」 【栄養】 (35P、上段7行目~) 「……妙な、論文を見つけた」 意作はそう言って論文をばさりと机に置いた。手に取って眺めた瞬間に、ある一文が目に飛び込んできた。 ――彼は必ず、帰ってくる。 「……これは……」 「量子力学を研究している、ある大学教授の論文だ。図書室でノア号関連の論文を探していてな、見つけた。 ……あまりの異説に、学会からは身を追われたんだそうだ。……ここを見てくれ」 意作が指差したところを、三人で覗き込んだ。 ――船の人間は、一年後の事故日前に必ず帰ってくる―― 以前落とした検証の「おおまかな流れ」の部分で しかし、量子力学の権威、加/藤/教/授(以下、教授)は乗員乗客の生還を信じ 「4/0/2/便はマ/イ/ク/ロ/フ/゙/ラ/ッ/ク/ホ/ー/ルに飲み込まれタイムトラベルをし、10年後に戻ってくる」と宣言 教授の予告通り、4/0/2便は10年後に戻ってくる と書きましたが、この教授はこの説を唱えたことで大学を追われています 栄養本でも、同じような説を唱えた大学教授が学会を追われているという共通点 ■写真■ 【神サイ】 (315P、1行目~) 「ああ、僕もそう思うよ。きっとあの子は、またいつか帰って来てくれる」 黒/木は、恐る恐るウインドブレーカーのポケットに手を入れ、一枚のサービスサイズの写真を取り出した。 「写っていたよ!…・・」と妻に見せた。 「嘘!?それ、あの子が持っていたんじゃないの?」 「うん。黛さんに頼んで、真っ先にコピーして貰った」 「写真がどうかしましたか?」と橘がそれを覗き込んだ。 上半身裸の子が、丁度Tシャツを着ようとして、背後を振り向きながらシャツから首を出したところだった。 笑っていた。亮/君が三歳頃の写真だろうと思った。 「息子のお気に入りの写真でしてね、ずっとヒーロー物のカードと一緒に持ち歩いていたんですよ。 焼き増ししたかったが、ネガが行方不明で、結局諦めた。だからこの写真を見るのは十年振りだったんです。 どうせ写真も消えるからと、その前にその前にコピーを取っておいて良かった」 【栄養】 (59P、上段6行目~) バスローブを羽織った彼が黒い物体を掲げた。髪を拭きながら近づくと、それはポラロイドのカメラだった。 (59P、下段16行目~) 「吉良を撮っておきたい。……ずっとお前のいない世界で、宝物にするために」 帰って来た4/0/2/便の中に5歳の男の子がおり 神サイラスト辺りで、その子が持って帰って来た写真をコピーして手元に残すという描写があり 栄養本でも、ラストにアイテムとして写真が出てくる 神サイは【写真のコピー】、栄養は【お互いに撮り合った写真】と違いはありますが 共通点として上げておきます ■発信機の記述(追記)■ 【神サイ】 (141P、16行目~) 「ええ。二年前から、野辺山の電波望遠鏡を手がけています。それまでは五年くらい、自/衛/隊の無線機を開発してました」 「じゃあ、話は早い。技術は問題ないし、俺が何を頼むかも解っているよな」 「不思議だと思いませんか?もし、叔父さんの考えてるような事が可能で、それを俺が作ったとしてですよ (実際に起こった震災や事件に関する記述のため割愛)は起こっている。叔父さんの企みは失敗したということじゃないんですか?」 「だって、まだ何もしていないじゃないか?明後日には、君が読む新聞のバックナンバーの記事は違っているかもしれないぞ。(以下略)」 「量子力学はちんぷんかんぷんですが、そんなにうまく行きますかね……」 「やってみる価値はある。方法は考えてあるんだろう?」 「ええ。トランシーバーをちょっと改造します。出力は5ワットもあれば十分でしょう。ただ、出力が小さいし、たぶん、発信できる時間も 一秒も無いはずです。だから、確実に聴いている連中に届ける必要がある。50キロバイト前後のデータを圧縮通信の要領で送信します。 送信時間は0コンマ三秒前後。受信する側のとっては、ほんの一瞬、ピークが現れるだけですが、潜水艦通信用の周波数を使うから、 自/衛/隊の通信傍受部隊は変わらずキャッチできる」 「たった50キロバイトに何を入れる?」 「50キロバイトもあれば、新聞一紙は入ります(以下略)」 「一晩で出来るかい?」 「実は昨夜から掛かっていました。叔父さんならきっと、エンジニアとしての可能性にチャレンジするだろうと思ってね。 データはすでに準備しました。後は、メモリ回路を工夫するだけです。 毎秒三回、その発信を繰り返すようプログラムします。(以下、話題が変わるため略)」 (273P、9行目~) 神/降/竜/蔵は、羽田に到着し、空港内の特別室で、甥っ子が例の通信機を完成させて持参するのを待っていた。 その神/降/清は、やっと携帯電話の中身を入れ替えた圧縮型無線機を完成させた。 結局、一個作るのが精一杯だった。 (300P、7行目~) 清は、祖父を抱きかかえるようにして立たせ、お菓子が入った紙袋を手渡した。 「甘納豆です。機内で食べて下さい」 そして、耳元で囁いた。 「下に、例の携帯がひとつ入っています。機内で扉がロックされたら、アンテナを延ばして電源を入れて下さい。 発信するたびに、送信状態を示す旗が3本立ちます」 「有り難う。うまくいくことを祈っててくれ」 「成功しますよ、必ず」 (318P、2行目~) 「(略)昨夜から、インターネットで、過去の新聞や事件を検索して見た。だが、何一つ歴史は変わっていなかった。 (略)メッセージはあの時代に届いたと確信していたが、何一つ歴史は変わっていない。失敗だったのだ。 自分が試みたことのあまりの重大さと、失敗したという結果に打ちのめされていた。 (略) 「あなたはやり遂げたんですよ。過去に情報を送ろうとし、それは見事に届いた」 「そんな馬鹿な!?じゃあどうして歴史は変わっていないんです?」 「誰も変えようとしなかったからですよ」 財/部はあっさりと言った。 神サイサイドでは、実際に「通信機を使っている」描写はありませんが、時を越えて通信に成功している描写はあります しかし、どうして通信機だけ素粒子レベルまで分解して消えなかったのか一切説明が無かったので謎のまま 栄養本も、通信機と写真は時を越えていますが、こちらも一切説明はありません ■タイムスリップ、量子力学に関する記述■ 【神サイ】 ※「また10年前に戻されるなら、この10年間に起こった事故等を未然に防げるのでは?」的な質問に対し (54P、16行目~) 「それは、時間の法則というか、タイム・パラドックスとかいう理由で不可能だということです。残念ですが……」 (71P、19行目~) 「解っていることは、時間のずれが微妙に連続していたことだ。たぶん誤差の範囲内だろうが、少し気になっている。 君らにとっては、ほんのミリ・セカンドだったことが、われわれの世界では数十分連続した可能性がある。 いずれにせよ、君らがこの後もこの時代で暮らせることを保障するデータが出る可能性はゼロだよ」 (179P、4行目~) 「ちなみに、君は、今回起こった奇跡を説明できるかね?」 「はい、マイクロ・ブラックホールを利用することにより、タイムトラベルやワープを実現する手法は、従来から語られていました。 恐らくは、マイクロ・ブラックホールの通過により、不連続なワームホールが一瞬出現したのではと思います」 (略) 「たとえば、運悪く銃撃戦になって、彼を射殺したとする。難病患者に彼の臓器が移植されたらどうなる?それも消えるのか?」 「それは止めた方が良いでしょうね。綺麗に消えますから。たとえば、この時代に着替えたとします。 当然、みんなもう着替えていることでしょう。彼らが現代で着た服はその場に残ります。中身だけ消える。 切った爪や抜け落ちた髪の毛も一緒に消えます。でも裸のまま、十年前に戻るわけじゃありません。 こっちで脱いだ服を着て出現するでしょう」 「その着た服を焼却炉で焼いてしまったら?」 「問題ありません。元の時間軸に戻る過程で、分子レベルで再構成されるはずです」 「奴は人を殺せるのか?」 「それは難しい所だと思います。これがSFドラマなら、犯人が元の時間軸に戻って時間空間の歪みが正常になった時点で、 撃たれた被害者は傷跡も無く蘇るはずですが、私はそうは思いません。たぶん彼は、この世で人を殺せます。 乗員乗客を含めれば、68名もの人間がこの時間軸に放り出されたんです。極端なことを言えば、 彼らがこの時代で一呼吸した途端に、この地球上の酸素の総量を減らし、二酸化炭素を増やしている。 バタフライ効果と言いますが、北京で蝶が羽ばたけば、ニューヨークで嵐になるかもしれない。 何の影響も及ぼさずに、元の時間軸に戻れると考えるのはナンセンスです。すでに影響を及ぼしています。 私は、コ/ミ/ケに行けそうにないし、警部らも、休暇か、本来別の事件の捜査に当たっていただろう事を思えば、すでに大きな影響を受けている。 本来新聞の一面を飾るはずだった事件や政治のスキャンダルが封印されたかも知れない。オリンピックの記事だって片隅に追いやられた。」 立て板に水を流すような調子で、彼女はすらすらと喋った。 「警部補、でも、われわれの記憶も一緒に綺麗に消え失せて、8月の12日の午後から、われわれの時間が再スタートする可能性もあるでしょう?」 小/林が面白そうな話だと乗ってきた。 「それはあり得ません。それが起こりうるのはまさにSFの世界でだけの話です。数百人の記憶を消すのは、何も未来の技術を用いる必要はありません。 メディアを総動員して、それは錯覚だった、集団催眠に掛かったんだと群集心理学の手法で対処すれば良いのですから。 でも地球規模で広がったニュースの記憶を物理学的に消すのは無理です。なぜなら、私たちの時間軸だけが、数日遡るなんてことは無理だからです。 タイム・パラドックスが起こって、天体現象に矛盾が生じる。その矛盾を解消するには、たとえば太陽や銀河の位置そのものを数時間戻す必要が生じます。 それをやり遂げるには、この宇宙が誕生して以来消費された全エネルギーの総量分くらいのエネルギーが要るでしょう。 だから、それはあり得ないことです。われわれの記憶に、この奇跡の出来事は残ります」 「それじゃ、何をやっても奴は逃げおおせるということじゃないか?」 でも死ぬんですよね?それに、この時代で彼を逮捕することは出来るでしょう。確か、事故発生時に、彼らは元の時間軸に帰るはずですが」 「なんで15日なんだ?365日の暦なんて、人間の都合だろう?物理の法則とは関係ない。なんで17日や20日じゃないんだ?」 「偶然です。実は、ある所で、加/藤/教/授が、ご自分の理論に関して語ったとされるテキスト・ファイルが密かに出回っていまして、 それを読んだことがありますが、教授はその中で、時間軸を計算したら、たまたま彼らにとってのリターン・ポイントは、 この年の同じ月のほぼ同じ時間になったという話でした。15日という数字自体にはたいした意味はありません」 (290P、5行目~) 「さて、本日の私のテーマは、量子理論が開く未来という、われわれ科学者を取り巻く大状況に関して、お話させて頂きます。 その前に、この3日間で、新たに教授とわたくしが突き止めた、この現象に関して、いくらか説明させて頂きます。 まず、われわれはたまたまマ/イ/ク/ロ・ブ/ラ/ッ/ク/ホ/ールの通り道を横切ってしまったわけですが、その後の計算により2つのことが解りました。 まずマ/イ/ク/ロ・ブ/ラ/ッ/ク/ホ/ールは、ひとつではありません。2つです。ある種の2連星と考えて差し支えないと思います。 それは、列島沿いに張り巡らされた重力歪み計その他、たとえば、月表面とのレーザー測距計等の瞬間的な歪みデータから導き出されました。 また、われわれは今回、たまたまその軌道とぶつかりましたが、このマ/イ/ク/ロ・ブ/ラ/ッ/ク/ホ/ールは、非常に安定しています。寿命も長い。 つまり、質量の減少が無い。この辺りのことは全く謎です。 そして、この2連のマ/イ/ク/ロ・ブ/ラ/ッ/ク/ホ/ールは、太陽の軌道を、恐らくは地球と同じくらいの半径で回っている」 大きなどよめきが起こった。 「ただし、幸いにして、公転面が地球とずれているために、それが互いに影響し合うのは、かなり限られると考えて良いでしょう。 今はまだ、それが数十年に一度なのか、数百万年に一度なのかは解らない。恐らくは、その接近の距離によって、 いわゆる加藤カーブの特異点が移動するものと推測されます。 地球史を紐解けば、恐らくは、このマ/イ/ク/ロ・ブ/ラ/ッ/ク/ホ/ールとの接近がもたらした天変地異があったはずです。 皆さんがご承知のように、ここ10年の研究で、ブ/ラ/ック/ホ/ールはわれわれが考えてるより遥かに多い数がこの宇宙に存在することが解ってきました。 たとえば、人間社会によくある、神隠し。そのいくらかは、これらマ/イ/ク/ロ・ブ/ラ/ッ/ク/ホ/ールの悪戯かも知れません。 今、この教室の空間の何処かにも、エネルギー的に極めて安定したブ/ラ/ック/ホ/ールが存在しているのかも知れません。 では、本題に入りましょう――」 甲/斐は、静まり返った講堂で、量子理論が切り開く、未来の世界に関して語り始めた。 もう100年経っても、われわれが宇宙でワープ飛行してわけじゃない。たぶん宇宙探査は、ロボット、冷凍睡眠技術を使って、100年単位の移動を前提に細々と続いている程度だろう。 火星のテラ・フォーミングだって、地球環境の保全に金を掛けた方が遥かに安上がりに済む。 人類の地球外への移住にはほとんどメリットは無い。 (325P、16行目~) 神/は/サ/イ/コ/ロ/を/振/ら/な/い……。それが加/藤/教/授の口癖だった。 もとはア/イ/ン/シ/ュ/タ/イ/ンが、「偶然」を要素とする、当時の量子力学を批判して述べた言葉だと聞いた。 だが、神は、ほんのちょっと悪戯心を起こしたのかも知れないと思った。 大事なものを奪われて道に迷っていた人々に、家族が再生するきっかけを与えてくれたのだ。 【栄養】 (22P、上段20行目~) 「例えば、吉良が過去に帰って事故の原因を取り除いたとしたら、どうだ?」 二人が呆然と痔悪化を見遣る。吉良が首を傾げた。 「どうなる……のかな。助かるのかな」 「……事故の原因を取り除いたとしても、パラドックスじゃないか?」 痔悪化がぼそりと呟いた。全員が痔悪化の顔を見た。 「パラドックス……?」 三人の疑問を汲み取ったように、痔悪化がぽりぽりと頭を掻いた。そう言えばこんな彼でも、成績はトップクラスだったことを思い出す。 明日欄には到底追いつかないが、それでもいつも上位に食い込んでいた。 「タイムパラドックスだ。過去に戻って歴史が変わるなんてことは有り得ないって言われてる。 吉良が過去に戻って事故が防げたとして、吉良が生き延びたとしても、この世界の歴史は変わらない。 生き延びた時点で別の世界が出来る。いわゆる平行世界って奴さ。 だから、どこかの世界で吉良が生きている時間軸発生するかもしれないけど、この時間軸じゃない。 ……この世界の歴史は、変わらない……これは量子力学の世界でほぼ確実と言われている事実なんだ」 (33P、上段15行目~) 吉良の墓標。……吉良・大和の文字が消えかかったり、現れたり…… 何故消えかかる?――そうだ、消えたと言うのなら、他にも消えたものがあるじゃないか。 ノア号の残骸と乗員達だ。……吉良の話によれば、船は逆さになり転覆した。そして恐らく沈没する。 だが一年経った今でも、その片鱗すら見つかっていない。 ……あれも消えたのではないか? 「……まさか」 「明日欄?」 この仮説が正しいのかどうかわからない。希望的観測かも知れない。だが…… 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 、 「まさか、未来はまだ決まっていない……?」 (35P、下段9行目~) 219の記述直後のシーン 「つまり、吉良はやはり事故当日に帰る。これにより未来が決まると言ってるんだ、この学者は」 しん、と静まり返った。吉良が明日欄を見上げているのがわかる。彼の手を強く握り締めた。 ……吉良は、やはり過去に戻るのだ。 自分の腕の中から、離れて…… 痔悪化が静かに意作に問い掛けた。 「なあ、そうしたら吉良が過去に戻って事故の原因を取り除けば、吉良が帰ってくるってことか?……そうなのか?」 「いや。……この論説によると、時間は可逆で、歴史は不可逆なんだ。吉良が帰って過去を変えたとしても、 やはり前に痔悪化が言った通り、タイム・パラドックスだ。この世界に、吉良は帰って来ない……」 (66P,上段10行目~) ――その時だった。 ぐらり、と視界が歪んだ。 「えっ……?」 両手が透けているのに気が付いて、明日欄は何度も瞬きを繰り返した。だが両手は色を失っていく一方で、一向に戻らない。 何だ、これは……? 「まさ、か……」 明日欄は壁にかかった時計を仰いだ。 ……8時15分。 事故の時間を過ぎている。 ああそうか、と明日欄は目を閉じた。 シ/ュ//レ/デ/ィ/ン/ガ/ーの猫が入っていたブラックボックスの蓋が開けられたのだ。 、 、 、 、 、 、 、 未来は決まった。 もう重ね合わせの状態は終わったのだ……未来が決まった、だからこの世界は消えてなくなる。 そうだ、この世界はノア号のいない、吉良のいない世界だ。 だから、この世界が消えると言うことは、つまり…… 思考がまとまり前に、明日欄は暗闇の中へと飛ばされた。 栄養本では 「……事故の原因を取り除いたとしても、パラドックスじゃないか?」 「タイムパラドックスだ。過去に戻って歴史が変わるなんてことは有り得ないって言われてる。 吉良が過去に戻って事故が防げたとして、吉良が生き延びたとしても、この世界の歴史は変わらない。 生き延びた時点で別の世界が出来る。いわゆる平行世界って奴さ。 だから、どこかの世界で吉良が生きている時間軸発生するかもしれないけど、この時間軸じゃない。 ……この世界の歴史は、変わらない……これは量子力学の世界でほぼ確実と言われている事実なんだ」 となっているけれど、ラストでは平行世界は出来ずに一つに収束されてます ハッピーエンドのするためだろうけど、読み比べるとその矛盾に、ちょっと無理矢理感を感じます 量子力学は解らないけれど「きちんと調べて正しい知識に乗っ取って話を作ろう」というより 「多少嘘が入っても、それっぽい感じになればいい」みたいな印象を受けました 確かに自分がサラリとウィキで見ただけなら、コ/ペ/ン/ハ/ー/ゲ/ン/解/釈は栄養と同じ受け取り方をするかもしれない ウィキ丸写しはあるかもしれないね その辺、自分は詳しくないので解る方にお任せしたいと思います あと、神サイも栄養も、元の時間軸に戻るのが「消失した日と同じ日」なのだけれど 神サイで 「なんで15日なんだ?365日の暦なんて、人間の都合だろう?物理の法則とは関係ない。なんで17日や20日じゃないんだ?」 「偶然です。実は、ある所で、加/藤/教/授が、ご自分の理論に関して語ったとされるテキスト・ファイルが密かに出回っていまして、 それを読んだことがありますが、教授はその中で、時間軸を計算したら、たまたま彼らにとってのリターン・ポイントは、 この年の同じ月のほぼ同じ時間になったという話でした。15日という数字自体にはたいした意味はありません」 となっているので、ここはどう見ても神サイオリジナルだろうし、自分も同じ日じゃなくてもいいんじゃない?なんでこの設定にしたの? という気持ちがあります 「偶然被ったにしては…」という感じ それと、今回落とした神サイ部分で たぶん宇宙探査は、ロボット、冷凍睡眠技術を使って、100年単位の移動を前提に細々と続いている程度だろう。 という記述があるのですが、栄養にも確かこんなネタあったよね 多分「螺旋スペクトル」だったと思うんだけど、これは「トッ/プをね/らえ!」からパクったのか ここから「100年単位移動なら冷凍睡眠でいける」的な感じになったのか気になります
https://w.atwiki.jp/tanpakushitsu/pages/3.html
更新履歴 取得中です。 ここを編集
https://w.atwiki.jp/tanpakushitsu/pages/5.html
更新履歴 @wikiのwikiモードでは #recent(数字) と入力することで、wikiのページ更新履歴を表示することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_117_ja.html たとえば、#recent(20)と入力すると以下のように表示されます。 取得中です。
https://w.atwiki.jp/tanpakushitsu/pages/10.html
コメントプラグイン @wikiのwikiモードでは #comment() と入力することでコメントフォームを簡単に作成することができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_60_ja.html たとえば、#comment() と入力すると以下のように表示されます。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/tanpakushitsu/pages/7.html
動画(youtube) @wikiのwikiモードでは #video(動画のURL) と入力することで、動画を貼り付けることが出来ます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/17_209_ja.html また動画のURLはYoutubeのURLをご利用ください。 =>http //www.youtube.com/ たとえば、#video(http //youtube.com/watch?v=kTV1CcS53JQ)と入力すると以下のように表示されます。
https://w.atwiki.jp/tanpakushitsu/pages/22.html
test -- (てすと) 2008-03-05 20 09 42 test -- (てすと) 2008-03-05 22 29 12 「その日も、いつもと同じ青い空」の検証がひととおり終わりました。 -- (検証) 2008-04-14 23 20 22 新規ジャンルで小説書いてるの見ましたよ。 配本やサイト小説の構成がまんまでわかりやすかった。 (復活→兎虎) -- (名無しさん) 2012-04-17 03 07 13 名前 コメント すべてのコメントを見る
https://w.atwiki.jp/tanpakushitsu/pages/17.html
設定が被ってると思われる箇所(ラレ>時間旋律) ポジションは、元作品のヒーロー→明日、ヒロイン→吉良で。 二つの世界の時間軸は庭だけで繋がってる 元作品→現在と過去が重なる現象は町単位で起きている。 ただヒーローとヒロインが会っている場所はほぼ庭に限定される。 ある日突然、二つの世界が繋がって触れ合えるようになる(ほんの短い時間) でも手を離した直後? に二つの世界は全く繋がらなくなる 元作品→手を離した後に一度繋がりは切れるが、その後に世界が繋がらなくなる という描写はなく、ヒーローとヒロインがそれぞれ、その町を離れなければならなくなる 設定が似ていると思われる部分追加 ヒーローは学校の活動で高い能力を持ち周囲から期待される存在だが、本人は その活動よりもヒロインと会うことを優先して活動を早めに切り上げることにしている。 二人が会うのは夕方 栄養→待ち合わせ時間として二人で決めてる。 元→二つの時間が重なる現象が町で起こるのが主に夕方。 主にヒロインがヒーロー側のことを色々聞きたがる。 315 名前:時/間/旋/律[sage] 投稿日:2007/11/16(金) 06 20 46 ID q5ukeo5n 魚拓から『世界の、先で』に関するあらすじレスを置いときます。方言削除 世/界/の/、/先/で/持ってるのに出てこない 覚えてる設定だけ置いていきます 吉良は明日の20年前の世界に住んでいて、元々吉良の家だった場所が明日の家になってる 二つの世界の時間軸は庭だけで繋がってる 新が明日の後輩 普段は吉良と明日は触れ合えない ある日突然、二つの世界が繋がって触れ合えるようになる(ほんの短い時間) でも手を離した直後? に二つの世界は全く繋がらなくなる 落ち込む明日 使い物にならない明日に新がキレて、明日の家の庭に来て庭に変化を起こすことで世界を庭を繋げようとする このとき新は庭の椅子の場所を動かして、明日が何か(たしかベンチ)を壊してた 二つの世界が再び繋がる でもまたいつ切れるかわからないから、明日は吉良の世界に行くと決意する 明日吉良が互いが消えないようにしばらく手を繋いだままガチュン 新の家に明日から手紙が届いて終わり このとき、事が起きた次の日くらいには届くようにしろよと新が明日に対して考えてた 316 名前:時/間/旋/律/検証[sage] 投稿日:2007/11/16(金) 06 23 14 ID q5ukeo5n 魚拓から『世界の、先で』…時/間/旋/律(柳/原/望)の検証レスをコピペ 29の前の部分になるかと…方言は削除 普段は吉良と明日は触れ合えない ある日突然、二つの世界が繋がって触れ合えるようになる(ほんの短い時間) でも手を離した直後? に二つの世界は全く繋がらなくなる →ここの部分はピタっと一致してる あとは、まったく一緒とは言えないけおいろいろ改変をしてるって感じ 吉良は明日の20年前の世界に住んでいて、元々吉良の家だった場所が明日の家になってる 二つの世界の時間軸は庭だけで繋がってる →庭で繋がってるのは一緒。元ネタの方は過去の時代は大正で、 庭がある家はヒーローの友達の家の所有物(もう使われていない建物) 新が明日の後輩 落ち込む明日 使い物にならない明日に新がキレて、明日の家の庭に来て庭に変化を起こすことで世界を庭を繋げようとする このとき新は庭の椅子の場所を動かして、明日が何か(たしかベンチ)を壊してた →元ネタの方は、新は後輩でなく友達で、むしろヒーローを過去に行かせないように 自分のじいさま(学校の理事長)に色々頼んだりして止めようとする。 現在と過去の時間が重なるきっかけになるのは火事。 最終的にヒーローが過去に行く時の火事がもとでヒーローは足に大やけどを負い、ヒロインの助けを借りないと歩けない体になってしまう。 新の家に明日から手紙が届いて終わり このとき、事が起きた次の日くらいには届くようにしろよと新が明日に対して考えてた →元ネタの方は、ヒーローの友達のじいさまが、実は過去の世界に行ったヒーローの後の姿であることが、 じいさま本人の口から明らかにされる。 じいさま(元ヒーロー)は、自分が過去に行ったことでヒロインに苦労をかけることになったのを 悔やむ気持ちもあったが、止めてもヒロインの元に行こうとする過去の自分の姿にやっぱりこれで良かったと納得して終わり
https://w.atwiki.jp/tanpakushitsu/pages/20.html
1000年生きても…ラレ作品 G/o/l/d/e/n/ C/h/i/l/d/(漫画) ■「黄金子供」における座敷童子の基本的な設定 「家」に寄生する日本の妖怪、元は童神。作品に登場する座敷童子もその一族。 日本人の生活様式が「家」に定住しなくなったので、「人」に寄生するようになった。 自分を庇護してもらう礼として、寄生した「人」の運気を操作し、「富」を与える。 人の世界に潜り込む方法は、主に不慮の事故で亡くなったりした子供になりすます。 元々「童子」の妖怪だから、大人になれない。 ある程度周りに合わせて見かけを成長させる事はできるが、「性差」を出す事ができないので 限界が来たら寄生した人間から離れる。 タイムリミットは15歳前後。 成長できない事が隠し通せなくなった時点で、その姿を放棄する。 方法は神隠しに遭う、殺す等、怪しまれないように自然に存在を消す。 ■栄養該当本「1/0/0/0/年/生/き/て/も」における吉良の基本的な設定 人間が「何かを望む心」から生まれた存在。吉良もその一族。 色々な国の伝承に登場する「幸せを運ぶ子供」。ある島国では「座敷童子」とも呼ばれているが、 実は「家」に寄生する訳ではなく、元々「人」に寄生する存在。 人の望みを叶える為に生まれた種族なので、寄生した人間の望みを叶える。 (「望み」なので「富」とは限らない) 人の世界に潜り込む方法は、周りの記憶を操作する。 幸せを運ぶ「子供」である為、大人になれない。 詳しい説明はなく、「子供」だから16歳までしか人間の形を取る事が出来ないと書かれている。 よって、タイムリミットは16歳の誕生日。 16歳になったら寄生した人間の元を離れる。去る時に周りの人間全ての記憶を消す。 栄養本の基本設定の説明箇所で、ひっかかった部分を抜粋します。 「またある小さな島国では「座敷童子」という名前まで付いてるらしい。だが実際には少しだけ異なる。 座敷童子は家に寄生をすると言われているが、吉良達は人間に寄生をするのだ。」 この部分が、ラレを知っていた上での言い逃れのように感じるのですが…。 以下は読み比べた上で自分が感じたことも書き足してますが、 内容を知らない方への補足になればと思い、なるべく初めに感じたひっかかりとして そのまま上げてます。 【特に被り方が怪しい設定・表現方法】 ■人の「強く望む心」に引かれて寄生する 「黄金子供」→交通事故で家族を亡くした子供の強く家族を望む心に引かれ、 その子供の死んだ双子の姉になりすまし(元々居た存在)、その子供に寄生する。 栄養→事故で両親を亡くした明日欄の強く家族を望む心に引かれ、 明日欄の1つ下の弟になりすまし(元々は居ない存在))周りと明日欄の記憶を操作、明日欄に寄生する。 栄養の本文に、 「16歳になったらその(寄生している)人の傍を離れ、新しく「何かを望む人間」の傍へと跳んでいく。」 とあるが、「黄金子供」の方で、寄生先から新しい寄生先へ童子が移動する際のビジュアル表現が、 まさしく「跳んでいく」ように描かれている為、このビジュアルが先に頭にあった為、言葉にした結果 上のような文章になったように思えます。 でないと普通「跳んでいく」といった言葉は出にくい気がします。 また、ラレ作品では、座敷童子が取り憑く事を、「寄生する」という言葉で表現しているのですが、 この言い回し自体も特殊に感じるので(普通なら「取り憑く」と表現しそう。)、栄養本でも同じ言い回しが 出てくるのところもひっかかります。 ※ただし、寄生する時のシチュエーション(物語冒頭)は 「黄金子供」→交通事故の直後、事故現場にて。 栄養→明日欄の両親の葬儀にて。 という違いがあります。 ■人に触れると、その人間の欲しいものがわかる 「黄金子供」→双子の片割れに化けた座敷童子が自分達を引き取りたいと申し出た伯母さんに触れられた時 「保険金」「遺産」「金」といった欲望が流れ込んでくるシーンで、「金」「金」「金」といった 文字が乱舞しているといったビジュアル的表現あり。 その時、目を回した座敷童子が「た…単純だ…すごくわかりやすい…」というセリフを言う。 栄養→パ/ト/リ/ッ/クの叔父夫婦に引き取られる明日欄と吉良。以下本文抜粋。 「パ/ト/リ/ッ/クの弟だというヴ/ェ/ル/ナ/・/ザ/ラはそれでも一応愛想を浮かべて二人の頭を撫でた。 ―金、金、金…… ヴ/ェ/ル/ナの「願うもの」が伝わってくる。わかりやすいな、と吉良はこっそり笑った。」 これもラレ作品のビジュアル表現に引っ張られて文章を書いてしまっているように思えます。 ■寄生した人間への望みの叶え方 どちらも、単純に「寄生した人間に富を与える」訳でなく、ワンクッション置いているのが特殊かと。 「黄金子供」→寄生した生き残りの双子の弟の「欲しいもの」が、双子の姉(一緒にいてくれる家族)だった 為、その望みを叶える為に自分達を養育する親類の大人たちに間接的に「富」を与える。 栄養→寄生した明日欄の「欲しいもの」が、家族だった為、その望みを叶える為に自分達を養育する叔父夫婦に 間接的に「富」を与える。 ラレとの違う点は、ラレ側の座敷童子があくまで「富」を与える能力に限定されているのに対して、 栄養は「望むものを与える」能力なので、「富」とは限らないと言ってるころです。 でも、どちらも寄生した人間が子供な為、生活の保障を求めて結局周りの大人に「富」を授けるところは 結果的に同じ。 ■寄生先を変えたら、以前の記憶を失う 「黄金子供」→本来、一つの存在に執着は持たないように出来ている、と座敷童子本人からの発言あり。 (明記されていないが、執着を持ってしまうと人から人へ渡り歩けないからと暗に言っているようにとれる) その為、自分が以前どういう人間であったかは、姿を変えると殆ど忘れてしまう。 その話を聞いた狂言回し役のキャラが「短い期間で転生してるようなものか」と発言している。 栄養→以下該当部分を本文より抜粋。 (上記の通り、16歳までしか人間の姿でいられないとの説明の後) 「そして生まれ変わる。吉良が生まれ変わった瞬間、今まで吉良と共にいた人物の、吉良に関する 記憶は全て失われる。吉良自身も過去の記憶を失う。」 また、その理由はストーリー中、吉良が明日欄への恋愛感情に気付いた時に 「人間の望みを叶える筈の存在である自分達が、一人の人間に固執するなど、あってはならないことであった。」 と説明している。 ここまで、主に栄養本の冒頭プロローグ5pを見た上での設定の類似を上げてみました 印象としては、ラレ作品が一つ一つの設定に、何故そのキャラがそう考えるのか、 そういう行動を取るのか等の意味付けがある事に対して p数の制限もあってか、(本自体は90pほどの短編)栄養本には「そういう設定だから」で済ませてる部分が多いと感じました まだほんの冒頭のみなんですが、検証してみての感想 これはあくまで私が読み比べてみた印象なんで、余計な事でしたら以後控えます ストーリーの被りはこれから検証を進めますが、明らかに設定はWパロ表記が必要な被り方だと思います しかも「座敷童子」を「幸せを運ぶ子供」と言い換えたり、 上でも指摘しましたが、わざわざ「ある島国では「座敷童子」と呼ばれる事もあるようだが、実際は少し違う」 といった言い訳のような説明があったりと、 元ネタがバレないように改ざんしようとして、逆に元ネタを強く意識しているように見えるフシが感じられます。 そういった変更点もなく、素直に設定を使いまわしてWパロ表記がないのなら、 (例えばラレの「座敷童子」という呼び名をそのまま引用していたり) 逆にうっかり表記漏れ、という言い訳も理解できるんですが、 意識的に「座敷童子」を「幸せを運ぶ子供」と言い換えたりしているところ等に、 逆に指摘されたら「設定被りは偶然です」と言える様に、心の準備をしていたような意図を感じるのはうがちすぎでしょうか また、何故今ごろこのお話(初出は95年)と思ったんですが、 (ラレ作品は、商業だけど、長いシリーズの初期の作品。ラレさん自体もずっと追っかけてるファンの方以外は、名前は知ってても あまり作品を読んだことはない方が多いのでは、という位の知名度かと思われます) ラレ作品の文庫版が発行されたのが今年の2月頃、 栄養本の発行が今年の5月というのはタイミングが良すぎに思えるのですが…