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作詞:bibuko 作曲:bibuko 編曲:bibuko 歌:初音ミク 翻譯:pumyau VOCALOID的異常愛情 下略 說什麼「為了守護重要的事物」 那不過就是詭辯 無意志的兵器只是正常的啟動 隨機削減生命 飛彈將藍天割成兩塊 染血的雲簡直就像胎兒的頭顱般 即使世界就此成灰 我依然會一直在此歌唱吧 一邊俯視逐漸消失的街道 受光芒燒灼 被黑雨澆淋 即使吐出血來 歌聲也一定 不會消失 身體就像捏糖人般的逐漸溶解 焦灼的血沾黏在喉頭無法弄掉 若是不管傷痛或痛苦或憤怒或悲傷 都能一起被燒光就好了 建築在無數犧牲之上的理想 不過就是場騙局 但人們卻沒有察覺 為了不讓熊熊燃燒的火焰將我的聲音 完全消除 待在我身邊吧 緊握的雙手不要再放開 流下鮮紅眼淚的你在想些什麼? 在大大的蕈狀雲下 髒汙的大氣侵蝕身體 流下的血 就像是腐臭的油 不過還是想活下去 不想消失 心中只有這份想法 用焦爛的雙腳 再度站起身 歌唱 即使世界就此成灰 我依然會一直在此歌唱吧 一邊拖著焦黑的身體 不斷重複的不只是悲劇 這首歌也一定會有所聯繫 往仍未見的明日 這首歌的題材是史丹利・庫柏力克(Stanley Kubrick)的電影《奇愛博士》(Dr. Strangelove or How I Learned to Stop Worrying and Love the Bomb) 片名超長! 日本片名譯為『博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』,難怪曲名要下略 電影還滿有趣的,雖然是老老的黑白片了不過滿推薦看一下的。 雖然當初我看的翻譯字幕簡直是悲劇而且我的英文也沒救所以好多台詞聽不懂! 不曉得有沒有義勇鄉民或佛心片商重新翻譯發行。
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第005話 イヤだよキモイ!お前(以下略 ◆jKyibSnggE 気がつくと、白川高菜は山の中にいた。 「こ、ここは…?」 周囲を見渡すが、見えるのは夜の闇ばかり。 月明かりが照らすものは、周囲の木々のみ。 ただ、どうやらここは山の頂上らしく、どの方向を見ても道は下り坂だった。 「…そうだわ、地図で場所を…」 地図を広げてみる。 『神塚山』…名前が記されているのは、島の真ん中に位置するこの山だけだ。 そして、どの方向へ歩いても麓まではかなりの距離である。 「……居場所は特定できたみたいだけど嬉しくない…」 ガビーン 高菜はしばらく地図を握り締めて震えていたが、やおら地図を地面に叩きつけると叫び始めた。 「こんなところに置いてくな、あんの白ブタが!そもそもいきなり殺し合いとか言われてもワケわかんないのよ! それにブタのクセにバスケなんてやってんじゃないわよ!肉が揺れてんのよ、ブタオヤジがぁ!」 思いっきりキレる高菜。 さり気に安西先生をこき下ろしている。 「はぁ……これからどうしよう」 ひとしきりキレたあと…高菜はようやくこれからどうするかを考え始めた。 とりあえずは知り合いと合流したいところだが…。 ジャガーさん――よく分からない行動をとる時もあるけど、なんだかんだで頼りになる人。 ピヨ彦くん――頼りになるかは分からないけど、一緒にいても害はないし安心できるかも。 ニンニン言う人(※)――いないよりはマシかも…いや、いなくても別に……うん、いない方がいいや、ウザイし。 ※…ハマーこと浜渡浩満のこと。実際にはニンニン言いません。 「うん、とりあえずジャガーさんかピヨ彦くんを探そう」 約一名をあっさり切り捨て、行動方針を定める高菜。 このままここにいても仕方がないし、黙って殺されるわけにもいかない。 「私にはアイドルになる夢があるのよ…その為にはなんとしてもこんな殺し合いからは逃げ出さなくちゃ」 とりあえずいちばん近いと思われる、G-06の鷹野神社を目指して歩き始めようとして… ――ガサガサ 「…! だ、誰!?」 足元の石を拾って音がした茂みの方へ投げつける。 もちろんただの牽制のつもりだったのだが… 「い、痛っ!高菜殿、拙者でござるYO!」 …聞き覚えのある声がするなり、さらに石を投げまくる高菜。 茂みの中からは石がぶつかる音と悲鳴とが断続的に聞こえてくる。 「痛っ、ちょ、待って…痛いって高菜殿!せっしゃ…ハマーでござるYO!」 そう言いながら茂みの中から現われたのは、ついさっき(心の中で)切り捨てたばかりのハマーであった。 「や、やぁ高菜殿。拙者が来たからにはもう安心でござるYO」 「……なんでお前ここにいるんだこの黒ブタがぁぁ!」 「ガバス!」 思いっきり殴ってしまってから、高菜はふと思った。 「(…確かにハマーさんはウザイけど、数少ない知り合いだし、それにやっぱ男だし頼りになるかも…。 どうしよう、殴っちゃったこと謝った方がいいわよね…)…あの、ごめn」 …なさい、と続けようとしたところで、高菜は絶句した。 「…(;´Д`)ハァハァ」 「気色悪りぃんだよこのブタ野郎ー!」 「ペッサー!」 【F-05/神塚山山頂/1日目・午前0時半ごろ】 【女子5番 白川高菜@ピューと吹く!ジャガー】 状態:興奮 装備:なし 道具:支給品一式、支給アイテム(未確認) 思考:1.ハマーキモッ! 2.鷹野神社へ向かう 3.殺し合いから脱出したい 【男子27番 浜渡浩満@ピューと吹く!ジャガー】 状態:殴られて小ダメージ(でも快感) 装備:なし 道具:支給品一式、支給アイテム(未確認) 思考:1.高菜に話しかける 投下順 Back ツッコミ役はつらいよ Next 旅と少女とピヨ彦 時間順 Back 桜木花道の決意 Next Yesterday Once More 初登場 白川高菜 がんばれ高菜 初登場 浜渡浩満 がんばれ高菜
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萌々木アニメーション学院は、立正大学のサークル「アニメーション研究会」の別名です。 団体名の由来は「かってに改蔵(久米田康治)」から。 歴史もあり、過去に絵師を輩出したこともあるとかないとか。 普段はラウンジに集まって雑談に耽ったり、何人かで秋葉原を闊歩したり、ゲーセンにたむろしてみたり、 みんなで夕食に行ったり、家が近いメンバーのところに泊まりに行ったり、月に一回親睦会があったり、 テスト前にノートを交換したり、年二回みんなで旅行に行ったりする、ごく普通のオタク系サークルです。 年に二回、アニ魂と呼ばれるアニメのレビュー本を コミックマーケットにて発行中です。
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【2002年度(H14)】 年末あたりに設立。 謎の空白期間 【2008年度(H20)】 新入生が次々と姿を消す。 ジョナサン死亡説が流れる。 H20年度入学生はウツ氏にお猿さんとの対話を丸投げする。 新入生がほとんど残らなかったYO! 【2009年度(H21)】 事情により勧誘ができなかったよ事件。 圧倒的存在感高橋。 サクラをナルト、サスケが奪い合う。 闇の翼事件。 史上かつてないボードゲームブーム到来。 部室消滅事件。 【2010年度(H22)】 活動拠点を3B1に移す。 伝説の2010年入学生が続々と入ってくる。 御殿場やらに合宿に行った。楽しい旅行だった。 夏コミも冬コミもスペースとれなかった。次に期待。 何故かホモが湧いた。たまげたなぁ。 新入生たくさん残ってくれた 嬉しい。 【2011年度(H23)】 新入生たちはすでに仲良し。良き哉良き哉。 また夏コミに落ちる。どういうことなの。 ポケモン人口全盛期。 合宿超楽しかったし☆ まさかの橘花祭大成功! さらにまさかのC81も大成功!! ドミニオンブーム到来。ここはカードゲーム部か。 年度二度目の合宿。スキーとかリア充過ぎ。 【2012年度(H24)】 1年生多過ぎィ!!さぁ、いったい何人やめていくのかな?(ゲス顔) 麻雀部設立。サークル内に電流が走る。 合宿楽しかったな!うおおおお 橘花祭を忘れるという事件… 冬コミィィィ…(´・ω・) イベント企画なるか!? つーか、結構一年残ってるすげぇ… 記念すべき第一回上映会が開催 【2013年度(H25)】 今年も人数だけはやたら増えました 顔合わせまでに淫夢を予習してくる優秀なホモ共 またもや麻雀が流行る。はいはい、定期定期 フットサルで骨折しちゃったよ!事件 箱根に合宿に行く。骨折した彼は急遽不参加に ゲーセン組がかつて無い勢いで増殖 まさかの退学者、現る。後の退学シルバーである スキー合宿に行く。OB乱入事件 留年率、脅威の5割弱!リュウネンジャー結成 【2014年度(H26)】 一部の2年生が留年の危機、ちゃんと講義に出始める MTG大流行、金欠オタクが増産される Lineグループ解散事件!本家Lineが中国人によって消される 久々のアニメ視聴会、「サカサマのパテマ」を視聴 熱海で夏合宿、楽しかったが帰宅後ぱたりぱたりと部員が病に倒れる 文化祭不参加、やらかす 冬合宿帰りで玉突き事故!グリザイアかはたまたリトルバスターズか 一部の2年生は無事進級できました 【2015年度(H27)】 最初から元気な新入生が登場、同級生もタジタジ 部員が増えたコミケ部、新入生と上級生が協力して同人誌を買い漁る 伊香保温泉に合宿、温泉気持ちよかった 今年は文化祭に参加、焼きそばを作り大成功を収める 今年も現る留年生、このサークル定期的に留年してんなぁ 【2016年度(H28)】 blogを始める。みんな更新よろしくね☆
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317 NPCさん sage 2007/02/01(木) 13 27 41 ID ??? 奪取ミッションで、依頼主の云うとおりに動いたら敵の猛攻をうけてPCの半分が死亡。 しかも依頼主が云った場所に、奪取するものは無かった。ほうほうの態で帰還 実は、自分たちを囮&デコイ役にして、依頼主が自分でミッションこなして EDで「お陰でブツは楽に手に入りました。ごくろうさん(プゲラ)」というメールがとどいた。 これは困ったちゃんGM? それとも、依頼主が云った事を鵜呑みにした漏れ達がアフォ? 363 NPCさん sage 2007/02/01(木) 19 38 42 ID ??? 身内でシャドウランキャンペーンやってたんだが、 もし 317 の事態になったら、PL総出でGMをつるし上げること間違いなし。 「生き残ったPCで依頼人を殺しに行こうか。」 「少なくとも、この依頼人や所属組織の仕事は二度と請けねーな。」 「仕事を仲介したフィクサーもな。」 「だいたい依頼人は何を考えてPCを騙したんだ?」 「騙すメリットが無いよなぁ。最初から陽動の依頼にしときゃいいのに。」 「しかも自分でばらすし。真相をPCに教えるメリットもないのに。」 「PCは依頼人に恨まれてたか?」 「いや、そんな伏線はひとつも無かった。」 「NPCが騙すのはかまわんが、その動機がPLに判るようにすべきだろ。」 「つまり、依頼人の行動が不合理きわまりない。人物設定が破綻している。」 「キ○○イを登場させるなら、最初から○チガ○とわかるようにしないと。」 「やっぱり、PLへの嫌がらせか?」 「キャンペーンのGM辞めたいなら、素直にそう言っていいんだぞ。」 「つか次回から別のゲームしようぜ。俺がGMしてもいい。」 PCの死亡は、敵戦力の下調べを怠ったPLのミスかもしれない。鳥取の習慣次第かな。 理由も無く騙すNPCは、GMが困ったちゃん。 366 NPCさん sage 2007/02/01(木) 20 02 03 ID ??? まあ実際PLを騙したいだけのGMとのセッションはつまらん 395 NPCさん sage 2007/02/02(金) 02 54 19 ID ??? NPCがPCを騙すシナリオが頻発しちまうと、PLが依頼を受けなくなったり、 あるいは受ける前後にえらく時間かけて調査したりすることになって、セッションがgdgdになるぞ。 なんにも裏のないシナリオで依頼人を探るために1時間無駄に費やすとかな。 396 NPCさん sage 2007/02/02(金) 02 57 46 ID ??? 395 GMがPLを騙すシナリオが頻発しちまうと、PLがゲームに参加しなくなったり だとよりリアルに。 399 NPCさん sage 2007/02/02(金) 03 41 36 ID ??? ちゃんと伏線があって、NPCがPCを騙すに足る理由が説明されてれば納得するんだがなぁ。だが実際は GM「実は君たちは騙されていたのだよ! ワハハハハハ!」 PL一同「 (゚Д゚) ハァ? 」 ってのがほとんど。そりゃー怒りたくもなるさ。 402 NPCさん sage 2007/02/02(金) 03 56 15 ID ??? たまにあるよな、無駄に依頼内容の詳細を隠蔽する依頼人 それ聞いてたら数時間分のセッション内容が短縮出来ましたみたいな、さ それがネタとして仕込んであって笑えるならともかく・・・ いや、GMはネタのつもりだったけど全く笑えなかっただけなら俺は許すが 417 NPCさん sage 2007/02/02(金) 12 32 24 ID ??? 「依頼の裏はとらないの?」 「俺はプロだぜ。依頼人も知られたくないことも有るだろう。紹介者も信用できるしな」 「…そうね」 最後の依頼人が裏切るシーンを全削除しましたとさ。 429 317 sage 2007/02/02(金) 14 23 18 ID ??? 報告者です。gdgdなかき方で申し訳なかったです。 先程までサーバー規制で書き込めませんでした。 ・ゲームは、コンベで行いました。システムはシャドウランです。 漏れは、卓割れで移動した&初めてのシステムなので詳しいルールは分からないので勘弁 ・PCは全員アーキタイプ。 漏れ含めて4人(戦士系1、企業工作員崩れ1、魔法使い2) ・PCは最初からパーティーで、依頼主の女性が話を持ちかけたところからスタート。 ・女性は某企業の研究者で、違法実験に耐えられない。会社を告発するから研究データーの入った マスターファイルを研究所から奪取してほしいという内容。 ・女性は、研究所の全見取り図を所持していた(GMが実際に建物の地図を出した) ・最下層にデーターは保管されている。 ・ただし、最下層に降りるには途中階にある集中監視室を制圧しなければならない(セキュリティ全停止のコードをくれる) ・警備員が交替する時間帯を教えてくれ、この時間帯なら運がよければ1人しかいないという。 要は、GMが作戦を8割方提示した状態でスタート。漏れを含めて全員、突入ミッションだと 思い込んでおり、携帯性や消音装備、スタングレネード買い込んで、GMの提示した時間どおりに ミッション開始。 430 317 sage 2007/02/02(金) 14 26 24 ID ??? ・潜入は成功し、遭遇も無く監視室へ行くと、一人だけがモニター見ていた。 PCの工作員崩れが、隠密で背後忍びよってホールドアップを促す。 ・GMはじゃあ不意打ち判定とか言い出して、おもむろに行動力の対決。 相手の方が圧倒的に早く、ホールドアップを促した工作員崩れより早く敵は 大口径拳銃を取り出して、工作員崩れを[射殺]。 ・あわてて全員突入するが、男を殺す前にエマージェンシーボタンを押されてしまう ・セキュリティ全解除して、最下層へ向かうが後ろから警備員が20人くらい追いかけて来る。 ・応戦しながら最下層まで行くが、生き残ったのは戦士1人、魔法使い1人だけだった ・指定された部屋にはなにもなかった。 ・奇跡的に脱出に成功(途中で警備員が引き上げ出した) ・帰って見ると「お陰でブツは楽に手に入りました。ごくろうさん」 というメールだけ届いた。(報酬は無し) ・GMはこれで終わりといったが、生き残った二人が依頼主に会うとかいったので 各自、1回だけ行動を許された。 ・話し合った結果、戦士が依頼主に会い、魔法使いが真相を探ることになった。 ・調べた所、「実は、データーは別階層に有り、そこに行くためには、役員級のIDか監視室でロックを外す必要がある」ことがわかる。PCは鍵開け&囮として雇われていたようだ。 ・そのこと聞いた戦士が、依頼主に会うが、依頼主は「だまされた方が悪い」「出るとこ出てもいいけど、自分達の恥を業界中に晒すだけよ」 といってとりあわなかった。 最後に、GMから「依頼主の裏も取らず(以下略)」というコメントはあった スレ124 MKP
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プロフィール 宮城県にてなぜかこの世に生を受ける。いまでも不思議。 幼少のころから西武の黄色電車を見せられたこともあるのか、大の西武Lover. それは経営にも少なからず影響している。小学生の頃は成績がよくどこでも受かるといわれていたが 本命の学校に不合格。この日から転落の一途をたどっているのかもしれない。このとき、 某改蔵人間物語や某絶望教師物語の影響でネガティブ思考になりがちになった。 大学卒業後、高卒と偽ってニコニコ鉄道に入社し、駅員として岩男駅の配属となる。が、 一年後詐称がバレてクビになった。 帰るところもなく、初音の北の温泉街にたどり着きそこの廃れっぷり絶望したと同時に開発を志し ドラえもん銀河急行鉄道を立ち上げる。この温泉街にある終着駅を渋谷と名づけここを基点として 路線敷設、周辺開発を行った。 その後初音大地震が発生、渋谷周辺一帯はガレキの山と化した。開発の地を涼境の南に置くが、 運悪くまた地震。現在は涼境の北の開発を行っている。 肩書き ドラえもん銀河急行鉄道株式会社代表取締役社長 ちょっとした話 ・地震という名のマップ破損。今もオドオドしているさ ・初音の北が地震でつぶれたという設定自体、自分でも忘れかけている
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ぼかろのいじょうなあいじょういかりゃく【登録タグ bibuko ほ 初音ミク 曲】 作詞:bibuko 作曲:bibuko 編曲:bibuko 唄:初音ミク 曲紹介 bibuko氏の13作目。 今回の曲の元ネタは、スタンリー・キューブリック監督の映画。ヤンデレの歌ではありません。あしからず。(作者コメ転載) 正式なタイトルは「ボカロの異常な愛情 または彼女は如何にして憂うのを止めて歌を愛するようになったか」(動画の最後に表示) 歌詞 「大切なものを護るため」だなんて そんなのは詭弁にしか過ぎなくて 意思の無い兵器はただ正常に作動して 無作為に命を削ってく ミサイルが青い空を二つに切り裂いて 血に染まる雲はまるで胎児の頭のように このまま世界が灰になっても わたしはずっとここで歌おう 消えゆく街並みを見下ろしながら 光に焼かれ 黒い雨にうたれ 血へどを吐いたって 歌声はきっと 消えやしない 飴細工のように身体が融けてゆく 焦げた血が喉に張り付いて取れない 痛みも苦しみも 怒りも悲しみも 一緒に焼かれて消えればいいのに 幾多の犠牲の上に築いた理想など まやかしでしかないのに 人はそれに気付かない 燃えさかる炎にわたしの声が かき消されないように 傍にいてよ 握った両手は二度と離さないでね 真っ赤な涙を流すあなたは 何を想うの? 大きなキノコの雲の下で 汚染した大気が身体を蝕んで 汚れ落ちる血は まるで腐ったオイルのよう でも生きたい 消えたくない その想いだけを胸に 焼け爛れたこの足で もう一度立ち上がって 歌うの このまま世界が灰になっても わたしはずっとここで歌おう 焦げ付いた身体を引きずりながら 繰り返すのは悲劇だけじゃない きっとこの歌だって繋がってゆく 未だ見ぬ明日へ コメント 名前 コメント
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昼休み。 「二宮、君はどこかな」 教室の生徒の目を見ないようにしながら、生徒会長の二年生、中村優斗は声を教室中に呼びかけた。何で俺がこんな仕事を、と思いながら。 「あの、僕……ですけど」 問題の女子は、学食で買ってきたパンを自分の机で食べていた。『僕』? 「あ、ごめんなさい。君付けで呼ばれると、つい、僕って答えちゃうんです」 パンを席に置いて近寄ってきた小柄な女子は、恥ずかしそうに笑いながらそう言ってきた。優斗が尋ねる。 「君が、二宮刹那君?」 「そうです」 「あれ、おかしいな」 名簿を確認してみる。二宮刹那。男子となっているが? こちらの混乱に気づいた二宮が、のんびり言ってきた。 「あ、僕先月まで男だったんです。もしかしたら、まだ性別欄が訂正されてないかもしれません」 童顔美少女でしかも巨乳の割に、頭の回転はそれなりのようだった。この言い方は差別的だな。と優斗は頭の中で一人突っ込みを入れた。 とりあえず推薦状の文面に誇張表現はなさそうだ。 「今、時間あるかな?」 「ええ、ありますけど……」 「おいおいおいおいおい」 やたらと「おい」を連発したのは、教室で男子たちと談笑していた男子の一人だった。この女子を呼んでからは、興味深そうにこちらを見ていたが。 「おいおい兄さん。年長者みたいだけど、年下の子をたぶらかすのはどうなのよ?」 制服のブレザーの校章の色が学年ごとに違うので、年齢の違いは一目で分かるようになっている。 「ちょっと門倉。何で喧嘩腰になってんのよ」 先ほどとは別人のような冷たい声で、二宮が男子に言った。当たりは柔らかそうだが、人見知りが激しいのかもしれない。 「あのな二宮。お前がへらへらし過ぎなんだよ。知らない男に付いていかないって習っただろ」 「馬鹿にしないでよ! それにあんたと比べたら、知らない男のほうがいくらかマシ!」 「ひ、ひどい……」 門倉と呼ばれた男子ががっくりとうなだれた。 「それで何ですか」 「あ、あぁ」 花のような笑顔を向けられて、優斗はうろたえた。雰囲気がころころ変わる女子だ。 「まだ名乗ってなかったんで、一応。生徒会会長の中村優斗です。ちょっとお話があるので、生徒会室まで来てもらえますか?」 「え?」 こう尋ねると大体の生徒は似たようなリアクションをするが、二宮もそれらと同じように、不安げな顔になった。 別に牢屋に連れていくと言ってるわけでもないのに、どうして皆怖がるのだろうか? 「そのお話……ここで聞くことは出来ませんか」 二宮のやんわりとした拒絶にも、優斗は動じなかった。何としても連行するし、そうしたほうが彼女の為でもある。 「ここだと話しづらいんで、できれば来てもらいたいんですが」 「はい……」 教室を出て、懐かしい一年のクラスが並ぶ廊下を、二宮を引き連れて歩く。周りの生徒がこちらを見てくるのは、 こんな場所をこんな時間に歩く二年生が珍しいからなのか、それとも隣の女子に異常なまでのオーラが備わっているからなのか。 前方の教室のドアが開く。 「刹那」 隣の女子を見つけるなり、その男子は声を上げた。 「彼方」 二宮もまた、意外そうに男子の名前(恐らく)を呼んだ。 彼方と呼ばれた男子の目が、自分に向けられる。 「二年生の人、ですね。どうしたんですか」 穏やかな口調に反して、その眼には冷たく攻撃的な光が宿っていた。優斗は答える。 「生徒会の者です。彼女にちょっとお話があって」 「本当に生徒会の人間なんですか」 疑り深いガキだな、と思いつつも、優斗は生徒手帳に挟んでいた会長職の証明書を渡した。 代々受け継がれてきたものなので、もうぼろぼろになったカードである。 「へぇ。こんなもん、ほんとにあったんですね」 ピン、と指で弾いてから、彼方少年は優斗に証明書を返した。喧嘩を売られているのは分かるが、それに乗ってやるほど 自分は子供でもないと、優斗は自負している。 「で、生徒会の要件だという証明は?」 「勘弁してくれよ。この程度のことで教師の許可だの証明書だの要求されてもな」 「じゃあやめておけば? 知らない野郎に腕引っ張られたら、普通不安になるんじゃないの? 女の子って」 ぴしり、とこめかみ付近でひびの入る音が、優斗には聞こえた。昼飯返上で動いている人間にずいぶんな言いようだ。 「あんまり調子に――」 「彼方。私、別に大丈夫だから」 大人しげな二宮の声が割って入った。そしてそれを合図に、男子の全身から毒気が抜けて、困惑した様子になる。 「ならいいけど。じゃあ」 「うん……」 なんだこの二人。仲がいいのか悪いのか。喧嘩の最中だったのだろうか。ともかく彼方少年は、男子トイレのドアの向こうに消えていった。 「すいません。中村さん。友達が失礼しました」 名前を呼ばれて、ぐらっときた。男の悲しい性である。 「は? ああ、いや。別にいいけど。今の、二宮君の友達?」 「はい。女体化するずっと前、中学の時からの付き合いなんです。ちょっと最近神経質になってるみたいなんですけど、いい人です」 二宮の昔の姿は知らないが、まあ今まで友達だったのが突然こんな美少女になったら、それは神経質にもなるわな。と優斗は一人納得する。 「友達は多いの?」 「少ない、と思います。教室のバカと、今の彼方くらいですね」 両方ともルックスが整っていたが、面食いというわけでもないのだろう。何しろひと月前まで男だったのだから。 階段を上がり、生徒会室の前までやってきた。ポケットの鍵をドアの穴に差し込み、部屋の中へエスコートする。 「どうぞ。散らかってますけど」 「失礼します……」 蚊の鳴くような声でそう言って、二宮が部屋の中に入った。他には誰もいない。 「他の人はいないんですか?」 「うん。どいつもこいつも不真面目でね」 確かにこの状況では、さっきの男子二人の懸念も的外れだったとは言えないな。まあ口に出して不安を煽る意味もないが。 「そこ、座って下さい」 窓際にある、応接室のお下がりのソファに二宮を座らせ、優斗は、段ボール箱をソファ前のテーブルに置いた。 「何ですか、これ……ミスコン参加者募集箱?」 二宮が段ボール箱の表面の文字を読み取った。 テーブルを挟んで対面する位置にあるソファに腰を下ろして、優斗は説明を始めた。 「再来週の文化祭で、ミスコンテストがあるのは知ってる?」 「ええ、聞いたことくらいは」 「自薦他薦問わずにしたのは失敗だった」 自分で言いながら、優斗は自分の失策を振り返り、額に手を当てて溜息をついた。 「女子たちが仲間内で盛り上がれるように、っていう配慮だったんだけどねぇ。まさかこんな事態になるとは……」 「どんな事態になってるんですか」 ここまで言っても分からないのか。まあ普通分からないよな。こんなマンガやドラマみたいな話。 「二宮刹那っていう一年女子を推薦する紙が、山のように入ってたんだよ。この中に」 優斗は段ボール箱を乱暴に叩いた。二宮が呟く。 「本当に、僕……なんですか?」 「一年生に、君と同姓同名の人は一人もいない」 「はぁ……そうなんですか」 「出る気、あるかな?」 そう尋ねると、二宮は顔を伏せてしまった。こうなることが分かってるから、他の生徒会役員がこの役目を嫌がったことを思い出す。 「困り……ますね。こういうの」 二宮の言葉に、なるべく優しい声で答える。 「想像はできるよ。興味ない人には参加しても苦痛なだけのイベントだし、熱望されるのを無下に断るのも、色々角が立つからね」 「どうしたらいいんでしょうか」 「企画を盛り上げるのがこっちの仕事だから、できれば参加してほしいね。個人的には」 確実に出来レースになるだろうが、という言葉は呑み込んだ。 「それは、命令なんですか?」 「まさか。そんなことしたら、さっき廊下で会った男子にマジで殺されるよ」 しばらく唸った後、二宮は申し訳なさそうに頭を下げた。 「あの……ごめんなさい。辞退させてもらえますか」 「どうぞどうぞ。暗い顔して出場されても、推薦した連中が心配するだけだからね」 「はい。ありがとうございます」 あくまで控えめな、柔らかい笑顔が返ってきた。不意に、鼓動が高鳴るのを感じて、舌打ちをした。 首を傾げる二宮に、優斗は苦笑いを浮かべることしかできなかった。 ――ついに来た、のかな? 目覚ましを止めて、ついでに時間も見てみる。六時四十分。窓に引かれたカーテンは、朝日の光を受けてうっすら明るくなっている。 胸回りが不自然に窮屈なパジャマの感触に、期待は高まる。でも僕はもう一度頭から布団をかぶった。今までこの高揚感は、何度も裏切られてきたのだ。 それが落胆に変わってしまう前に、もう少しだけこの弾む気持ちを持ち越していたかった。 何分経過しただろうか。いい加減起きないとまずいかなと、体で感じ始めた頃、僕はゆっくりとベッドから降りた。七時前だった。 部屋の隅に置いてある鏡台の前で、恐る恐る立ち止まる。そこには昨日までと同じ、冴えない姿恰好の高校一年生の男子が―― 映っていなかった。 坊ちゃん刈りは、肩まで届くセミロングになっていた。寝ぼけ眼で突っ立っている鏡の向こうの美少女の顔は、 僕の驚きと連動して、即座に驚愕の表情へと変わっていく。大きく呼吸をすると、豊満な胸が上下するのが服の上からでも分かった。 「やった……」 でも僕には、喜ぶ前に確認しなければならないことがあった。 柔らかい感触の顔を両手で軽く叩き、頭を振って思考の回転速度を速める。表情筋を動かす。意志の弱そうな瞳。強そうな瞳。 悪戯っぽい笑顔。上品な微笑。敵意と独占欲をないまぜにしたような、冷たく釣り上った目と、相手に内心を知られまいとする無表情。憂いを含んだ哀しげな顔―― 「何だ……楽勝じゃん……」 一通り試し終わって、僕は呟いた。ベッドから這い出てきた直後でも、ここまでできる。少なくとも僕の目には、どの表情も真実味があった。 「ふふ……」 女そのものといった声をこぼしながら、僕は思った。こんなに使い勝手のいいツールがあるのに、学校の女子は意中の男の気を引くのに苦労してるのか。 ひいき目抜きにしても僕は恵まれた女体化を遂げたようだが、それ以上の武器がこちらにはある。男として生きてきた十五年の間行われた、知識の蓄積。 何の特徴もない僕が、これから様々な人間から、抱えきれない程の愛を押し付けられる。そう想像しただけで、背筋がぞくぞくした。 学校を休んで色々と準備しないとな、と部屋を出た僕は、今日一日のプランを立てる。これなら母さんも文句は言えないだろう。 一時はあまりに格好をつけた名前を授けた母に軽い嫌悪感を抱いていたが、今はぴったりに思える。僕はこれから、男の理想の瞬時に使い分けるのだから。 家の廊下をぺたぺたと歩きながら僕、二宮刹那は、こうして期待を膨らませるのだった。
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内海彼方は、授業の合間の休み時間はぼんやり過ごすほうが好きだった。 「内海~」 周囲を確認したわけではないが、教室のドアの向こうからの声で男子の視線がそちらに集中するのが、肌で感じられた。 「あ、いた」 別のクラスのその美少女は、まっすぐこちらに向かってくる。初めは違和感があった女子用のブレザーも、少し短めのスカートも、もうすっかり馴染んでいた。 「どうした刹那。なんか用?」 そんなものないんだろうな、と分かっていながら聞いてみる。彼女のことを名前で呼ぶのは、昔からの習慣だった。 最近までそう呼ぶと恥ずかしそうにしていたが、今は気に留めていないようだった。むしろ今は、自分の名前が気に入っているらしい。 「別にないよ」 そんなもの必要なの? とでも言いたげに、刹那は返してきた。屈託のない笑みと共に。 机に頬杖を突いた格好を解いて、彼方はため息をついた。彼女が来るとクラスの男子がはしゃぎまわるが、自分も例外ではなのかもしれない。 実際、少女が来たことで明らかに気分が昂ぶっていた。なるべく表に出さないように努めてはいるが。 周囲の視線を感じながら、彼方は本心と逆の意見を述べた。 「あのさ。休み時間の度に来るのって疲れない? 無理してくることないよ」 「何で? もしかして迷惑?」 笑顔を翳らせた刹那に、そんなことはないと言いたかった。 ただ話をするだけでも、彼方にとってはかけがえのない時間となった。授業中にあった些細な出来事も、お互いで共有すると価値が跳ね上がった。 しかし彼方は、刹那の言葉を否定しなかった。 「うーん。たまには誰とも喋らないでじっとしていたい日もあったり。それにほら、俺って一応彼女居るんだよ」 彼方が頭を抱えているのは、主に後半の部分についてだった。刹那はどこ吹く風といった感じだが、彼女のほうは遭遇するたびに不機嫌になる。 「私は中川さんとも仲良くしたいんだけどな」 刹那は、問題の彼女の名前を口にした。 「やっぱり私、中川さんに嫌われてるの? 彼方」 「ん~、好かれてはいないというか……」 「そっか……ごめんね。今度からあんまり顔出さないように気をつける」 勝手に座っていたクラスメイトの椅子――誰も文句は言わないだろうが――から立ち上がり、刹那は寂しげな微笑を浮かべ去って行った。 それから一分と経たずに室内にやってきた中川は、楽しげに彼方に尋ねてきた。 「あれ、二宮さんは」 「みりゃ分かるでしょ。来てないよ」 もう帰った、と表現したほうが正確だったが、彼方はそう答えた。 「マジで。よかった~」 刹那が出しっぱなしにしていった椅子に座り、中川は息をついた。 「なんかもう、友達になりましょうとか言い出しそうだから冷や冷やしてたんだよね、私」 「問題あるの? 中学から知ってるけど、性格悪い奴じゃあないよ」 「え~、嘘だ~」 懐疑的な眼差しで中川は声を上げた。 「だってあの子さあ、放課後の図書室で、同じクラスの野球部のエースといちゃいちゃしてんのよ。何だっけ、門倉とかいう」 「二宮と家が隣の男子だろ。そいつとも中学一緒だったから、良く知ってる。家が近いから、波長さえ合えば仲良くなるのも早いんだろ」 「それで彼方にも色目使ってくるじゃん、あの女」 中川は徐々に口調を刺々しくしていく。不快な気分が募ってきているのが、自分でも分かった。彼方は言う。 「色目は言いすぎでしょ。単に昔からの付き合いの延長ってだけだよ」 「ああいうセックスアピールの強い女はね、すぐ相手を勘違いさせるのよ。馬鹿な男はそれと知らずに引っかかるけど、 女の目からするとわざとらしくって、もう見てるのもムカつくの」 「女の世界のことなんて知らないけど、あいつはまだ女体化してから日が浅いんだよ。すぐにルール押しつけんのも可哀想だろ」 「相手に合わせてころころ態度変えてんのよ。さっきの野球部と話してる時なんか、それはもうぎゃあぎゃあと――」 「やめよう。こんな話、不毛だよ」 彼方は中川の声を遮った。気づけば刹那の弁護ばかりを頭の中で組み立てている。 相手によってキャラクターを使い分けるのは、この年になれば当り前だとか、刹那の振る舞いに魅力を感じるのは 受け手である男のほうの問題に過ぎないとか、もともと友達の少ない奴だったから、数少ない友人として助けになってやりたいとか―― そして突然、目の前にいる『彼女』の顔に、得体のしれない嫌悪感を覚えた。 俺は、どうしてこの女と恋人ごっこなんかしてるんだろう? 向こうが熱心に言い寄ってきたから? それなりに可愛いから? 彼女がいたほうが世間体がいいから? 理由などなかったことに気づいた彼方の頭をよぎったのは、刹那の悲しげな微笑だった。 それは偶然だったのか。 それとも必然だったのか。 多分必然だろうな。彼方はそう考えながら、全力で校舎内の階段を駆け上がっていた。 授業が終わった放課後。まっすぐ一人で帰ろうとする中川と、その少し後ろについていた刹那。さらにその後ろを偶然歩いていた俺。 五階建ての校舎の中で、一年生のクラスは3階。学年が上がるごとに下の階に下りていく。四階以上は特別教室や、各文化部の部室がある。 階段を降りようとした中川を突き落とした刹那は、その様子を目撃した彼方と目が合うと、確かに笑ったのだった。薄く。虚ろな目で。 四階、五階と次々駆け上がる。まだ人気のないエリアに、彼方と、その先を行く刹那の足音だけが響き渡る。 立ち入り禁止と書かれた看板の横をすり抜けて、屋上へ出る階段を上がる頃には。相手の足音はもう止まっていた。 最後の踊り場で一旦足を止め、その先に顔を向ける。 重厚な作りの南京錠が取り付けられた扉に背中を預け、刹那は座り込んでいた。 「お前……なぁ」 乱れた息を整えながら、彼方は一段ずつ階段を上っていく。 「やっぱり足、速いね。昔から知ってたけど」 抑揚のない刹那の声が反響する。 「結構迷ってたよね。階段から落ちた中川さんを助けようか、それとも私を追いかけようかって。踊り場から、ちらっと見えたよ」 少女は続ける。 「どうしてこっちに来たの?」 その問いは、彼方が最もされたくないものだった。足の動きが鈍る。 「片方は怪我人よ。もしかしたら命に関わるかもしれない。少なくとも私は、そうなってもいいって気持ちで突き落した。 なのに彼方は、もう逃げ場もない犯人の前に立っている。――ねぇ、どうして?」 「どうだって、いいだろ」 「よくない。少なくとも女の子にとっては、とても重要よ。それこそ、命に関わるくらい」 近づいてみて分かったが、胸を大きく上下させている少女の顔は、青白かった。とても全力で階段を駆け上ってきたとは思えない程に。 「あなたが自分を放り出して私を追いかけていた。なんて聞いたら、中川さん、どう思うのかしら」 階段を上りきる直前で、彼方の足は完全に止まった。努めて冷静な口調で尋ねる。 「他に誰も見ていた奴がいなかったけど、ずっとこういうロケーションを待ってたのか?」 「うん。もう一週間くらいたつかなぁ」 「大した根気だな」 「そうでしょ。もっと褒めてよ」 にっこりと刹那は笑ったが、彼方は質問を変えた。 「お前は……俺がここに来るって、分かってたのか?」 「私、そんなに自信過剰じゃないよ」 苦笑しながら刹那は続ける。 「来てくれたらいいな、ってくらい」 「もし来なかったら、どうするつもりだったんだよ」 「その時は、大人しく名乗りを上げて捕まろうかなって思ってた。だって、選んでもらえなかったってことでしょ」 「……何のためにこんなことしたんだよ」 「分かんない」 子供っぽい口調で刹那は即答して、音もなく立ち上がった。 「後悔してる? 彼方?」 「してるよ。お前がこんなことするのを、俺は止められなかった」 「自分のせいだって、自覚ある?」 「正直、ない。……でも、今からでいいなら、お前の力になって――」 彼方の声は、突然正面から抱きついてきた、というより体当たりしてきた刹那によって中断させられた。一瞬の浮遊感。 そのすぐあとに落下の感覚と、階段に体を打ち付ける衝撃。 何度も背中の激痛に声を上げながらも、彼方は腕の中の少女の体だけは離さなかった。自分でもその事実は不思議で、可笑しかった。 踊り場まで転げ落ちて、動きが止まった。刹那をきつく抱きしめていた腕も放す。 「怪我は?」 そう聞きながら、彼方は思った。俺は刹那の気に当てられて、本当におかしくなりかけているのかもしれない。 「平気。彼方が守ってくれた」 体を持ち上げて、刹那は馬乗りの態勢になった。踊り場の採光窓から差し込んだ夕日が、彼女の顔をべったりとしたオレンジ色に染め上げる。 「彼方がずっと私に優しかったみたいに、私も彼方のことがずっと好きだったんだよ。 持久走大会の時に靴紐結んでくれたり、宿題忘れた時にこっそりノート貸してくれたり。クラスの皆と打ち解けられない時も、いつも気にしてくれたよね。 男の子の頃はそれだけでよかった。でも今は、彼方が他の人と一緒にいることが、辛い。私は一番でなくてもいいの。でも、他の誰のものにもならないで」 まるで呪文みたいだ。抗う意思を根こそぎ奪い取られながら、彼方は頭に直接染み込んでくる刹那の言葉に、そんな感想を持った。
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「ちょっと翔太! さっさと起きなさい!」 階下の母親の声に、ベッドの上の門倉翔太は顔をしかめた。てこでも動いてなるものかと、さらにきつく布団にくるまった。 昨日は野球部の練習が長引いたせいで、いつも以上に目覚めが悪かった。一時間目は糞つまらない物理。遅刻も悪くないな―― 「あら、どちら様――え! 二宮君なの!」 母の声。隣に住む同級生の名前を馬鹿みたいに叫んでいる。二宮? あの地味な男か。小学校から一緒だったが、翔太にとっては至極どうでもいい存在だった。 「え! そうだったの!? ごめんなさいね。すぐに叩き起して……あら、そう?」 どすどすど階段を踏み鳴らす音。肥満気味の母親にしては、やや震動が弱い。別の人間が来る……? それでも翔太は動こうとしなかった。どうでもいい。今は寝ていたい。 ドアが開く音。その直後、布団の上に何かがのしかかってきた。 「う!」 呻き声を上げて、翔太は布団の上部だけめくった。母親だったら殺す――! 「何のつもりだコラ……人の安眠妨害してんじゃ……」 「何のつもりですって!? それはこっちの台詞よ!」 翔太のわずか十五センチ前には、パジャマに収まりきらない程の、柔らかそうな胸の谷間が迫っていた。 「んな!?」 相手の体ごと、掛け布団を力の限り吹っ飛ばす。 「きゃ!」 ごん、と壁に固いものが激突する音と共に、謎の人物の悲鳴も聞こえた。 「なん、だんだよ……」 舌をもつれさせながら、翔太はベッドの上に立ち上がった。これまでの人生で、母親との寝起きバトルは数えきれないくらいやってきたが、 この状況は明らかに異常だ――! 部屋中にさまよわせていた視線が、異物の存在を捉える。布団の下敷きになった、青地の上にゾウの絵柄がぽつぽつ描かれたパジャマ。 その格好に身を包んで目を回しているのは、やたらと胸のでかい少女だった。恐らく年はこちらと同じくらいか、少し下だろう。 「お、おい。大丈夫? か?」 とりあえず、俺が加害者なのか? いやでもこいつ人の部屋に勝手に、っていうか人の家に勝手に上がってくるなんて何者? と頭の収拾がつかないまま少女を助け起こそうとした翔太はしかし―― 「んな、わけないでしょ!」 少女の右ストレートを顔面にもらった。 「がはぁ!」 二、三歩後方によろめいて尻もちをついた翔太の前に、少女は仁王立ちする。よくよく見れば、ずいぶん幼い顔立ちだった。怒気に満ちてはいたが。 「あんた、昨日私の家にプリント持って来なかったでしょ」 腹の底から出しているような声が、少女から出てくる。 「んあ、ってまずお前誰だよ……?」 「二宮よ! 隣の! 玄関のおばさんの声、聞こえてたでしょ!」 「んな馬鹿な……」 言いながら、翔太は昨日の出来事をざっと振り返る。二宮とは同じクラスだが、確か欠席理由は女体化だとか担任が言っていた。 そして翌日の小テスト対策のプリントを、二宮と家が近い自分が届けておけとも。 「分かった。お前が二宮だとしよう。でもどうしてパジャマで俺の部屋に押し掛けてきてんだよ?」 「あたしも今朝になって思い出して、慌ててここまで走ってきたのよ、悪い? 物理のテストなんてヤマ張らなきゃどうしようもないのよ! さっさと渡しなさい!」 部屋着の襟をつかまれ前後に揺すられながら、翔太は答える。 「分かったから離せ」 思いのほか華奢な二宮の手をがしっと握り返し、引き離す。そして窓際の勉強机の上に乗せておいた鞄から、問題の紙を取り出した。 ごく簡単な問題ばかり。適当に授業を受けているだけの翔太でもそこそこ解けそうなレベルだ。 「忘れてたのは悪かったけど、こんなもんなくたってどうにかなるだろ。いつも真面目に先生の話聞いてるし、ノートもちゃんと取ってんだろ?」 ぼんやりした印象しかないが、二宮の授業態度は良かったはずだ。 しかしその問いに対する二宮の返答には、それまでの勢いが感じられなかった。 「どんなに真剣にやったって、できないもんはできないのよ……」 「はぁ」 割と要領が良いほうなので、翔太には彼女の苦悩は理解しかねた。まあいるよな。頑張っても空回りして、全然うまくいかない奴。 部屋の隅に立っていた二宮が、ぽつりと聞いてきた。 「あんた、悪いと思ってるんなら、今日の放課後、私に勉強教えてよ」 無茶言うなよ、こっちには部活とか友達付き合いとかが――という翔太の言葉は、彼女の哀願するような目に抑え込まれた。 「ねえ、お願い」 同情なのか異性に対する点数稼ぎなのかは判別しかねたが、翔太は首を縦に振っていた。