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/. ヘ .ヽ. /. ; \ .', /. .} ヘ .ヽ .',. '. /. /. } } 八 { いハ .} {. / ,'. /. { / | ハ|-‐\_| ト、 i. { ji. {. ハ |', / j/´| j.. ''´ /| | V} i . , {{ .', 厂_j」ハ / ノ jノ-─< リ. 八 } } 、. '八 .\ |< ノ∨ i /. / ノ / 八 、 \ ;ハ | / / i __/.. } / , '. ハ \ / ∧〈 /. 彡 ノ 厶ィ゙. リ } { ∧'. {/| 厂ンイ | / V{ { 、 |./ / ノハ ,′ ヽ ト、 {\ 〃 / | { ′ \{ ヽ \ / _」从 { { . 丶、 '′ _,.=≦三三三ハ{ ` -イ ,ィ≦三三三三三三ニ、 |/ 三三三三三三三三ニ、 /三三三三三三三三三三ニ、 _,厶-‐=ニ二三三三≧三三三ニ、 自衛隊駐屯基地に物資を調達に来た時唐突の足音に警戒し調達班が隠れ、足音の主、吾妻はトグサと相対した。 やましい所属なのは確かで公安のトグサと相容れず、会話中に意を決して介入する瞬間トグサに奇襲し、 アミティエを殺そうとする。最低街の何処かが住処の一つなのだろう。遭遇、拠点に来なければ良いが、 一人なら兎も角組織だって行動している場合、高い防衛能力を持った拠点と物資量なので恐らく来てしまうだろう。 機会があればなるべく始末しておきたい危険人物である。 初登場2スレ9846 出典PHANTOM OF INFERNO
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陽が落ちる(5) ◆S8pgx99zVs 【19:27】 「静謐な病院Ⅲ」 様々な経過を経て、また再び静寂を取り戻した病院。 非常灯だけで照らされた暗い廊下にカラカラという音を立て、此処に残った唯一の生者が歩いていた。 音を立てているのは、彼――トグサが押しているストレッチャーの車輪が回る音だ。 そのストレッチャーには死者――長門有希の遺体が横たわっている。 喜緑江美里が出した条件の一つ ――TFEI端末の確保。 そのために、彼女は深い場所にあった寝所から連れ出され、今此処にいる。 彼女を今まで人目につかない場所に隠しておいたのは、ロックとゲインの気遣いだ。 全身を真っ赤に染め、土に塗れた彼女の遺体はお世辞にも綺麗とは言えない。女性や子供に見せるは酷だった。 そして、ハルヒに対しては喜緑江美里とのコンタクトについてもボカして伝えてられている。 これは遠坂凛の提案だ。聞けば、ハルヒはその周りの人間がひた隠しにしていた、自身の能力に気付いたという。 そして、遠坂凛が言うには、それは生まれたての未熟児の様にとても危うい状態らしい。 扉を押し開け、先程の大部屋へと戻ってくる。 トグサが喝采を受けた三十分前とは打って変わって、人の居ないその広いスペースをとても静かだった。 「長門。……彼女は自分の力に気がついたそうだ」 トグサは横たわる彼女に話しかけるが……、やはり言葉は返ってこない。 もし生きていればどんな答えが返ってくるのか、そう考えてみても……、やはりそれも想像できなかった。 肯定するのか、否定するのか――そのどちらもトグサにはありえるように思える。 ”トグサさ~ん♪” 無音の室内で佇んでいたトグサの脳内に、タチコマのコールが響いた。 台の上の長門有希から視線を引き上げると、トグサはカウンターの上に置いたノートPCへと近づく。 ”大発見~♪” 覗き込んだディスプレイの中には一枚の写真が表示されていた。 それは城内の監視カメラからの物で、そこに写っていたのは広いスペースに鎮座する、複数の起動兵器だった。 「こ、これは……。 人型起動兵器……? それに思考戦車も……」 写真の中に写るのは見たこともないような人型兵器と、逆によく見知った思考戦車の数々。 ギガゾンビは参加者達に支給された物以外にも、それぞれの世界から兵器などを奪っていたということだった。 それらが、支給品として相応しくないから放っておかれたのか、それとも彼らが戦力とするために温存していたのかは分からない。 ただ、これを見ればこちら側がすることは一つだけだ。 「こいつがある部屋までのルートをMAPに出せるか? 出せたら画像と一緒にゲイナーへと転送してくれ」 ”もう用意してありま~す。では、送信しますよ――ポチっとな♪ と完了” 「よし。じゃあ、次はオンラインになっている思考戦車がないかを探して、それに進入しろ」 ”それも、もう終わっちゃってるんですよね~。ホラ、見て見てトグサさん」 ディスプレイに新しく表示された映像には、カメラに向かって手を振る思考戦車の姿があった。 「ずいぶんと仕事が速くなったな。それに気が利く」 23世紀レベルの技術に触れたからか、長門有希の用意したシステムのおかげか、タチコマは急速な自立進化を進めていた。 トグサの見ている前で、二機、三機と思考戦車が画面の内に現れる。 「よし、じゃあおまえらはそこを死守だ。ゲイナー達が来るまでそこを死守してくれ」 そのトグサのコマンドに対し、三機のタチコマが返した返事は――、 ”””もう、やってまーす♪””” 次に写ったのは、思考戦車から放たれる弾丸に身体を散らすツチダマの映像だった。 【D-3/病院・病室/2日目・夜】 【トグサ@攻殻機動隊S.A.C】 [状態]:疲労と眠気、足に結構な疲労、SOS団団員辞退は不許可 [装備]:コルトM1917 (弾数:6/6発-予備弾薬×114発) S W M19 (残弾6/6発-予備弾薬×51発) コルトガバメント (残弾:7/7-予備残弾×78発) [道具]:デイバッグと支給品一式、警察手帳、i-pod、エクソダス計画書 ノートパソコン、"THE DAY OF SAGITTARIUS III"のゲームCD [思考]: 基本:情報を収集し脱出策を講じる。協力者を集めて保護 1:タチコマ達にハッキングの維持、情報収集をさせる 2:集まった情報を選別してゲイナー達に送る 3:喜緑江美里からの通信を待つ 4:敵が現れれば、長門とノートPC、屋上のハルヒを守る ※以下の物が室内に放置されています。 【デイバッグ/支給品一式と食料】 デイパック×16 、支給品一式×24(食料25食分消費) 鶴屋の巾着袋(支給品一式と予備の食料・水が入っている) 【近接武器】 刺身包丁、ナイフとフォーク×各10本、レイピア、ルルゥの斧、獅堂光の剣 ハリセン、極細の鋼線 、スペツナズナイフ 【銃器】 コルトSAA (弾数:6/6発-予備弾薬×34発) ニューナンブ (弾数:5/5/-予備弾薬×39発) 銃火器の予備弾セット(各40発ずつ) ※以下の種類の弾丸がまだ残っています ●5.56mm NATO弾 (ミニミ機関銃) ×40発 ●.32ACP弾 (FNブローニングM1910) ×40発 ●.357マグナム弾 (マテバ2008M) ×40発 ●66mmHEAT (M72ロケットランチャー) ×40発 【その他遠距離武器】 鳳凰寺風の弓(矢18本)、クロスボウ 【その他の武器】 ルイズの杖、五寸釘(×30本)&金槌、黒い篭手(?) 【特殊な道具】 たずね人ステッキ、びっくり箱ステッキ(使用回数:10回) 【一般的な道具】 双眼鏡×2、望遠鏡、マウンテンバイク、ロープ、画鋲数個、マッチ一箱、ロウソク2本 暗視ゴーグル(望遠機能付き・現在故障中)、携帯電話(各施設の番号が登録済み) 【薬】 医療キット 市販の医薬品多数(※胃腸薬、二日酔い用薬、風邪薬、湿布、傷薬、正露丸、絆創膏etc) 【薬局で入手した薬や用具】 鎮痛剤/解熱剤/胃腸薬/下剤/利尿剤/ビタミン剤/滋養強壮薬 抗生物質/治療キット(消毒薬/包帯各種/鋏/テープ/注射器)/虫除けスプレー ※種類別に小分けにしてあります。 【その他】 ヤクルト×1本、紅茶セット(×2パック)、ホ○ダのスーパーカブ(使用不能) ドラムセット(SONOR S-4522S TLA、クラッシュシンバル一つを解体) クラッシュシンバルスタンドを解体したもの、ボロボロの拡声器(故障中) 、簡易松葉杖 蒼星石の亡骸(首輪つき)、リボン、ナイフを背負う紐、真紅のベヘリット ダイヤの指輪、のろいウザギ、ハーモニカ、デジヴァイス、E-6駅・F-1駅の電話番号のメモ ※「惚れ薬」はユービックが起こした爆発により失われました。 【α-5/ギガゾンビ城・格納庫/2日目・夜】 【タチコマ-α】 [状態]:剣菱HAW206 [装備]:主砲-120mm砲(胴体)、副砲-12.7mmバルカン(腕)、スモークディスチャージャー、フレアディスペンダー [思考]: 1:トグサの命に従い、格納庫を防衛する 2:フェイトちゃんに会いたいな [備考] ※S.A.C_「暴走の証明」に登場した剣菱重工開発の最新型重思考戦車 ※基本カラーはベージュで、四足で腕が二本。主砲を持っている。非常に頑丈 【タチコマ-β】 [状態]:多脚型思考6課戦車 [装備]:3連装7.92mmガトリング銃×2(胴体)、5.56mm対人機関銃(腕)×2、対甲グレネード弾、光学迷彩 [思考]: 1:トグサの命に従い、格納庫を防衛する 2:フェイトちゃんに会いたいな [備考] ※G.I.S_に登場した公安六課が所持する多脚型重思考戦車 ※基本カラーは暗いオレンジ。六足で腕が二本。タチコマと比べると二回りほど大きい 【タチコマ-γ】 [状態]:ドイツ製思考戦車 [装備]:3連装7.92mmガトリング銃×4(腕) [思考]: 1:トグサの命に従い、格納庫を防衛する 2:フェイトちゃんに会いたいな [備考] ※G.I.S(原作)に登場した公安一課が所持するドイツ製多脚型重思考戦車 ※基本カラーは都市迷彩(グレー)。四足で前面に腕が四本。タチコマとあまりサイズは変わらないが戦闘用なので頑丈 ※トグサ(タチコマ)よりゲイナー(ユービック)に格納庫の場所と写真のデータが送信されました ※格納庫にある人型起動兵器が、何体あってそれがなんなのかは未だ不明です 【19:28】 「バトル・ロワイアル」 一時期は恐慌状態に陥りかけ、最早これまでと思われたギガゾンビ城内だったが、 その後のフェムトの冷静な行動によって、なんとか指揮を行える程度までは持ち直していた。 セキュリティシステムの一部に加え、通信システムのほとんどを奪われたツチダマ達に、取れる手段は少ない。 だがそれでも、フェムトはツチダマ達の意志をまとめ上げ、その数を生かした作業を進めさせていた。 ――あの時、システムが乗っ取られるというその間際。 フェムトが放った電光は、壁の中を走るケーブルを破壊し、間一髪で最悪の事態を免れた。 その後、各所を繋ぐラインを物理的に排除して再起動した時には、ほとんどの機能が失われていた。 残っていたのは、司令室を含む最重要施設のコントロールと、予備を含む動力関係と他少しの機能のみ。 手足どころか目も耳を奪われた状態に近く、平静を取り戻した後もツチダマ達には深い絶望感が漂っていた。 そんな中でも、フェムトだけは諦めなかった。 冷静に思考を重ね、自分達の勝利条件を提示し、それに至る道筋を立てた。 自らが一つの頭脳となり、他のツチダマ達を手足として、勝利を求め道を邁進した。 フェムトが定めた勝利条件――それは、ギガゾンビの脱出だった。 我が主を助けたい。そして、彼さえ生き残れば何度だってやり直せる。そう考えての選択だ。 他の要素は全て外敵と設定し、状況を単純化させることで他のツチダマ達を誘導した。 自分にできること。自分がしなければいけないこと。――それを見失ったツチダマ達に役割を割り振った。 「管理ナンバー下一桁が0の者達は、情報伝達係りとする。 各所から発せられる情報を周囲に伝播するよう勤めろ。まずはこの情報をだ。急げっ! 管理ナンバー下一桁が1の者達は、ギガゾンビ様救出の任を与える。 閉じた隔壁は無視しろ、エアダクト、点検用通路等を地図から検出し、主の下へ辿り着く路を探し出せ! 管理ナンバー下一桁が2の者達は、タイムマシンの発進準備だ。 搬入路の隔壁の破壊に全力を尽くせ。何を使ってもかまわん。 管理ナンバー下一桁が3の者達は、城内外の警備だ。 オンラインで落とされた迎撃兵器をスタンドアローンで再起動し、侵入者に備えろ。 管理ナンバー下一桁が4の者達は、再起不能になったシステムの破壊だ。 あいつらに乗っ取られたシステムは放棄する。物理的な直接手段で以ってそれを破壊しろ。 管理ナンバー下一桁が5の者達は、起動兵器の発進準備を進めろ。 それを闇の書及びTPへの対抗手段とする。やつらが活動を始める前に一機でも多く起動させるのだ。 管理ナンバー下一桁が6の者達は、城外周の警備へと当たれ。 生き残ったやつらは必ずここに向って来る。それを逸早く察知し――叩け! 管理ナンバー下一桁が7の者達は、動力管理システムの下へと向え。 使用不能となった施設から電源の供給を止めて、それらを全てタイムマシンの発進準備に当てるよう調整しろ。 管理ナンバー下一桁が8の者達は、城内の新しい地図の作成だ。 隔壁が閉じて通れない場所、また逆に新しく通れる場所。それらを記し、城内で活動するもの達に伝播せよ。 管理ナンバー下一桁が9の者達は、城内外で戦う者達の補佐をしろ。 欠員が出た場所に素早く入り込み、陣形に乱れがでないよう努めろ。 また、城外のツチダマは、全て外敵への攻撃に移れ。まずは忌々しい、あの生き残り共をだ! さらに、管理ナンバー下二桁が0の者をその中のリーダーとし、情報を集束させ管理せよ。 ――以上だ。さぁ、動けツチダマ達よ! 我らが主、ギガゾンビ様のために!」 「「「「「「「「「「 我が主、ギガゾンビ様のために!!!!! 」」」」」」」」」」 そして、システム復帰より三十分余り、フェムトを頭脳として一体と化したツチダマ達は、順調に体制を整えつつあった。 フェムトが、司令室の未だMAPを映したモニターを見れば、あの十人の参加者達を現した印は「LOST」となっている。 バトルロワイアルというシステムで管理された参加者達。今や嵌められた枷を自ら外し、ルールの外へ出た。 これはバトルロワイアルが終了したことを意味するのか? ――その自問に、フェムトは重ねて答えを出す。断じて違うと。 ただ、ルールが変わっただけなのだ。より、大きな規模で――より自由なルール――根本的な生存競争へと。 ――ギガゾンビとツチダマ。 ――生き残りの参加者達。 ――闇の書。 ――タイムパトロールに代表される外部からの勢力。 これら四つの勢力。そう、バトルロワイアルのステージは此処に来てその位置にまで達したのだ。 ここから先は真の意味でルールがない。最後に立っていた者が勝者。 ――つまり、こらから行われる事こそが、本当のバトル・ロワイアルなのだ! 一人、モニターを眺めるフェムトの傍に一体のツチダマが寄ってくる。下一桁が0――伝達係りのツチダマだ。 (……遂に向かってきたか) ギガゾンビ城から南、バトルロワイアルの会場内へと続く幹線道路。 そこに配置したツチダマ達からの伝令によって、フェムトは生き残りの人間達が此処に向かってきていることを知らされた。 まずは、ギガゾンビ勢と生き残りの参加者達の直接対決が始まるのだ。 「闇の書は、まだなのだな。……うむ。では城外に出したツチダマ達をそちらへ集中させるよう伝えろ。 それと、押収物保管庫からの物品の持ち出しも許可する。 全責任はこのフェムトが取る。……お前達は全力でやつらを叩け、決してこの城内への進入を許すな」 フェムトの命令を受け取ると、そのツチダマは再び司令室の外へと駆けて行った。 そして、フェムトは再び一人になる……。 「城内外とその周辺に約千体、会場全体のツチダマが集まれば千五百を超える数のツチダマがいる。 例え、あいつらが魔法を使えようとこの数には敵うまい。絶対に我々が勝つ。……そうに決まっている。 ……だが、それでもやつらが此処にまで達しようというなら。 フ、フフフ……、フヒヒヒ……、フヒーー……、ヒ……、ヒ……、ヒ…………」 今やモニターと、非常灯の明かりだけが頼りの薄暗い司令室。その中央、フェムトの目の前に「ソレ」はあった。 フェムトと同じぐらいで、1メートルと少しぐらいの大きさの円筒形の黒い物体。 ギガゾンビが23世紀の世界から逃げる時に持ち出した、――最終兵器。 それは――、 『 地 球 破 壊 爆 弾 』 空虚な空間にフェムトの薄ら寒い笑い声が木霊している。 「フヒ、ヒヒヒ……、フヒー、ヒ、ヒ、ヒ…………。最後に、最後に……、笑うのは……我々だ!」 【α-5/ギガゾンビ城・司令室/2日目・夜】 【ホテルダマ(フェムト)】 [思考]: 基本:ギガゾンビ様の望みをかなえる 1:ギガゾンビ様の脱出を最優先 2:生き残り、闇の書、TPに対処 3:ギガゾンビ様が脱出したら、地球破壊爆弾を爆発させ全ての敵を道連れにする 【α-5/ギガゾンビ城・寝室/2日目・夜】 【ギガゾンビ@ドラえもん のび太の日本誕生】 [状態]:睡眠中 [思考]: 基本:バトルロワイアルを成功させる 1:……………… ※ ギガゾンビ城内の隔壁はそのほとんどがトグサ(タチコマ)によって閉じられています これは、トグサ側の操作によって自由に開閉することができます 現在、ギガゾンビの寝室および、タイムマシン発進所は、隔壁によって隔絶されています ※ ギガゾンビ城の押収物保管庫には、ギガゾンビが各世界から持ち出したものの内 支給品として配布されなかった物が置かれています それが何で、どれだけあるかは不明 ツチダマ達がそれを持ち出して使おうとしています ※ 亜空間より近づく船影の正体は不明です 時系列順に読む Back 陽が落ちる(4)Next 終わりの始まり Border of Life 投下順に読む Back 陽が落ちる(4)Next 終わりの始まり Border of Life 293 陽が落ちる(4) 涼宮ハルヒ 295 夜の始まり、旅の始まり -Fate- 293 陽が落ちる(4) ドラえもん 296 Moonlit Hunting Grounds 293 陽が落ちる(4) 野原しんのすけ 296 Moonlit Hunting Grounds 293 陽が落ちる(4) フェイト・T・ハラオウン 295 夜の始まり、旅の始まり -Fate- 293 陽が落ちる(4) 遠坂凛 295 夜の始まり、旅の始まり -Fate- 293 陽が落ちる(4) レヴィ 296 Moonlit Hunting Grounds 293 陽が落ちる(4) ロック 296 Moonlit Hunting Grounds 293 陽が落ちる(4) トグサ 296 Moonlit Hunting Grounds 293 陽が落ちる(4) ゲイナー・サンガ 296 Moonlit Hunting Grounds 293 陽が落ちる(4) ゲイン・ビジョウ 296 Moonlit Hunting Grounds 293 陽が落ちる(4) 住職ダマB(ユービック) 296 Moonlit Hunting Grounds 293 陽が落ちる(4) ホテルダマ(フェムト) 264 終わりの始まり Border of Life 293 陽が落ちる(4) ギガゾンビ 264 終わりの始まり Border of Life
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【朝】 NO. タイトル 作者 登場人物 261 「ゲインとゲイナー」(前編)「ゲインとゲイナー」(後編) ◆LXe12sNRSs 氏 フェイト・T・ハラオウン、レヴィ、ゲイナー・サンガ、ゲイン・ビジョウ 262 暁を乱す者(前編)暁を乱す者(後編) ◆lbhhgwAtQE 氏 北条沙都子、ロック、トウカ、野原しんのすけ、園崎魅音、キョン、涼宮ハルヒ、エルルゥ 263 Solemn Simulacrum ◆qwglOGQwIk 氏 グリフィス、住職ダマA(スラン)、番頭ダマ(コンラッド)、運転士ダマ(ボイド)、住職ダマB(ユービック) 264 SECRET AMBITION正義の味方Ⅲ ◆2kGkudiwr6 氏 水銀燈、劉鳳、セイバー、セラス・ヴィクトリア、トグサ、遠坂凛、ドラえもん、野比のび太 265 『FigureLess』VS『Amalgam』 ◆A.IptJ40P. 氏 劉鳳、水銀燈 【午前】 NO. タイトル 作者 登場人物 259 tribute ◆S8pgx99zVs 氏 峰不二子 260 運命に反逆する―――――――!! ◆fsB2AEW3Cw 氏 カズマ 266 Fate/hell sing不死身のドラキュリーナひとり、そして―― ◆LXe12sNRSs 氏 セイバー、セラス・ヴィクトリア 267 暁の終焉(前編)暁の終焉(中編)暁の終焉(後編) ◆WwHdPG9VGI 氏 ロック、トウカ、キョン、涼宮ハルヒ、園崎魅音、野原しんのすけ、北条沙都子 269 請負人Ⅲ ~決意、新たに~ ◆g3BDer9VZ6 氏 レヴィ、ゲイナー・サンガ、ゲイン・ビジョウ 270 FATE ◆lbhhgwAtQE 氏 トグサ、ドラえもん、遠坂凛、フェイト・T・ハラオウン、カズマ 【昼】 NO. タイトル 作者 登場人物 268 最初の過ちをどうか ◆qwglOGQwIk 氏 セイバー 271 ひぐらしのなくころに(前編)ひぐらしのなくころに(中編)ひぐらしのなくころに(後編)幸せな未来 ◆B0yhIEaBOI 氏 園崎魅音、北条沙都子、峰不二子、野原しんのすけ、グリフィス、番頭ダマ(コンラッド) 272 鷹の団Ⅱ(前編)鷹の団Ⅱ(後編) ◆WwHdPG9VGI 氏 グリフィス、運転士ダマ(ボイド)、住職ダマB(ユービック)、住職ダマA(スラン)、番頭ダマ(コンラッド)、ギガゾンビ 273 銃撃女ラジカルレヴィさん(前編)銃撃女ラジカルレヴィさん(後編) ◆2kGkudiwr6 氏 フェイト・T・ハラオウン、カズマ、レヴィ、ゲイナー・サンガ、遠坂凛、トグサ、ドラえもん、ロック、トウカ、キョン、涼宮ハルヒ 274 陽が昇る(前編)陽が昇る(後編) ◆S8pgx99zVs 氏 フェイト・T・ハラオウン、遠坂凛、トグサ、ロック、ゲイン・ビジョウ、ゲイナー・サンガ、ドラえもん、カズマ、レヴィ 275 遥か遠き理想郷~アヴァロン~ ◆FbVNUaeKtI 氏 キョン、涼宮ハルヒ、野原しんのすけ、トウカ、セイバー、グリフィス、住職ダマA(スラン)、住職ダマB(ユービック) 【第六回放送】 276 第六回放送 ◆lbhhgwAtQE 氏 ギガゾンビ
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石田ヤマト [名前]石田ヤマト [出展]デジモンアドベンチャー [声優]風間勇刀 [性別]男 [一人称]おれ [二人称]お前 呼び捨て [三人称] 八神太一→太一 [能力] 特別な能力は一切無い。 [備考] 太一と同じ、お台場小学校の五年生。 ”友情”の紋章の持ち主。趣味はハーモニカ。 母方の祖父がフランス人のクォーター。 普段はクールを装っているが、実はかなりの激情家である。 特に、離れて暮らしている弟に対してかなり過保護。 というのも、幼いころに両親が離婚。現在は父親と二人で暮らしている。 そのためか小学生にしては料理が上手く、デジタルワールドの旅でそのスキルが役に立つことになる。 劇中では、太一をライバル視するような描写も見られ、 互いの意見の衝突が発展し、殴り合いになる場面が度々あった。 [参戦時期] 『荒ぶる海の王 メタルシードラモン』の直前。 つまりダークマスターズを倒す前からの参戦である。 【本編での動向】 ぶりぶりざえもんと出会い、八神太一と同じくデジモンと勘違い。 この分だと石川五ェ門と遭っていても勘違いしてそうだな…… ぶりぶりざえもんに促され、トラックの運転をするハメに。 ヤマト、そいつは信用しちゃダメだ。 トラックを運転し会場外への脱出を試みるが、首輪爆破の警告によりあえなく失敗。 咄嗟にUターンし何とか禁止区域からは逃れるが、突然目の前に現れたグレーテルを轢き殺してしまう。 強い罪悪感に駆られ、せめてもの罪滅ぼしとしてグレーテルを埋葬する決意をする。 その道中で、ぶりぶりざえもんの傍若無人ぶりに嫌気が差し、黄色ブドウ球菌中毒になった彼を一時は捨てるが、 後に自己嫌悪の念に駆られ、戻って彼を回収する。……あんた、どこまでいい人なんだ……。 現在は、ぶりぶりざえもんの治療のために、途中で会った長門有希とともに病院へと走行中。 だが、その途中で今度は涼宮ハルヒを拾ってしまい、SOS団専属メンバーに任命されると彼女の横暴の餌食になってしまう。 ハルヒの仲間のルパン三世の下に急行する途中、アーカードの銃撃によりトラックが横転。 一時的に気を失い、目覚めた後は気絶中の間ハルヒたちの世話をしてくれたトグサと邂逅する。 トグサの叱咤に促され、ヤマトはグレーテルの遺体を埋葬。少年はまた一つ成長した。 トラックを修理中、ルパンの身を案じたアルルゥが消えたことがきっかけで、鳳凰寺風と接触。ハルヒ等を治療する。 風と別れた後は病院で治療を再開、ハルヒがなんとか持ち直すも、ぶりぶりざえもんが遠坂凛と水銀燈の二人を引き連れ、敵と間違えられる。 トグサの機転で逃走に成功するも、そこにセイバーが立ち塞がる。ヤマトはぶりぶりざえもんと共にセイバーの足止めをすることに。 なんとかセイバーから逃れたヤマトだったが、トラックに乗り込んだところで更なる追撃が。 万事休すと思われたが、ぶりぶりざえもんの身を挺した行動のおかげで難を逃れる。 ぶりぶりざえもんの犠牲に落ち込むヤマトたちは、後に次元大介と接触し情報交換。佐々木小次郎を警戒しながら映画館へと向かう。 映画館に残ったハルヒ、トグサ、アルルゥ、長門と共に新生SOS団を結成。その後、アーカードと戦うため向かったトグサと長門を後に、 病院に向かい、太一と再会するも、峰不二子の奇襲に遭う。一時は離れてしまった二人の友情を結ぼうとしたその手は、不幸にも不二子の凶弾で永遠に結ばれなくなってしまった。 太一の死でショックを受け気絶し、不二子に連れ去られるも、必死に追いかけてきたカズマによって救出されるかと思われた。 しかし、目を醒ました時、禁止エリアに侵入していたため、カズマも巻き添えになってしまうと考えたヤマトは、 爆発まで残り僅かの時間で、空中から降りてきたカズマを突き飛ばし、命と引き換えに彼を禁止エリアから脱出させ、その若き命を散らした。 支給品はRPG-7、デジヴァイス、クロスボウ。 名前 コメント
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陽が昇る(前編) ◆S8pgx99zVs 「これでよし……っと」 そう言って、遠坂凛はゲイナーの顔から手を放した。 そのゲイナーの顔は新しく貼り直された真っ白な湿布で覆われている。 ゲイナーの傷は見た目ほど……というか見た目だけで言えばまさに見るに耐えないといった感じであったが、 骨や眼球に異状はなかった。それが彼の後ろで寝ている暴力的な彼女の最低限の気遣いだったのか、 それともただゲイナーの運がよかっただけなのかはわからないが……。 遠坂凛とゲイナー、そして気絶したままベッドに横たわるレヴィ。 さらに同様に気絶したままベッドに横たわるカズマとそれを心配そうに覗き込むフェイト。 五人は、広いスペースにカウンターとベッドがずらりと並ぶ、そんな部屋にいた。 幸運にも戦火の被害を逃れられたそこは、点滴や注射、その他の簡易な処置を外来の患者に施すためのスペースであり、 まさに今の彼女達がいるにふさわしい場所だと言えただろう。 遠坂凛は一通りの手当てを終えてほっと一息をついた。 ベッドで横になっているカズマとレヴィ、どちらも軽くはない傷を負っていた。 ……だが、今回は魔術による回復は施してはいない。 ――セイバー。 遠坂凛が直前に出会った彼女は、間違いなくよく知った彼女であったと同時に全く知らない彼女でもあった。 士郎のサーヴァントではないセイバー――つまりは唯の英霊。それを相手にするということがどういうことか、 すでに凛はその身でもって知っている。 遂には出会うことのなかったアーチャー。彼もまた唯一人の英霊としてこの場に呼ばれたのか、 それは今となっては判別できないがおそらくそうであったのだろう。 主催者であるギガゾンビの采配かそれとも他の要因か、どういった因果においてそれがそうなったのかは解らないが、 確信できるのは彼女――セイバーとの和解や共闘は考えられないということ。 つまりは対決するしかないということだ。 ならば、その時までに魔力は少したりとも使うことは考えられなかった。 幸いなことに、あるいは皮肉なことに怪我人を治療するための用具には事欠かない。 ベッドで寝息を立てる二人も椅子の上で思案顔のゲイナーも、 単純な外傷のみで専門的な知識のない凛とフェイトの二人にも手当ては難しいということはなかった。 「フェイト。少しここをお願いするわ」 言いながら遠坂凛はレイジングハートを片手に出口へと向かう。 その背中に掛けられるフェイトの問いに、 「少し外の空気を……それとトグサの帰りが遅いわ。ちょっと見てくる」 そう答え、そのまま彼女は振り返ることなく部屋を出た。 病院の広い敷地をぐるりと囲む遊歩道。それらは今や見る影もなく無残な有様を晒していた。 綺麗に刈られその頭の高さを丁寧に揃えられていた芝生は根を張っていた土ごと掘り返され、 患者の心を癒すために活けられたであろう花壇の花は、その花弁の一枚すらも残ってはいない。 気晴らしのため、またはリハビリのための歩道を覆っていた煉瓦はことごとく砕かれており、 病棟を見上げれば、窓ガラスが砕けて光を乱反射し、所々の壁には亀裂が走り大きな穴が開いている。 そして、遠坂凛が立つそこには無数の黒い羽が風に揺られ緩やかに舞っていた。 ――水銀燈。 その人形に対する遠坂凛の気持ちは複雑なものだった。 自分は騙されていたのか? それは間違いのない客観的な事実だ。騙されていた。 しかし、それでも残るこの心のわだかまりはなんなのだろうか……? レイジングハートを持った方とは逆側の手に抱えられた闇の書――リインフォースに遠坂凛は尋ねる。 「水銀燈は……彼女が妹達を想う気持ちは本物だった……?」 それに対しては、リインフォースは回答を持たなかったが、 『わからない。だが、あの人形にもこの戦いを経て救いたいと願う一人の者がいたようだ』 水銀燈が今わの際に残した言葉。それが何を指すのかは余人には解せないことであったが、 それでも彼女なりに背負っているものがあったであろうことはリインフォースにも察することができた。 一際に強い風を受け病院から離れていく黒い羽達。それらを目で追いながら遠坂凛は頷く。 「レイジングハートはまた甘いと言うかも知れないけど。……私は水銀燈を赦すわ」 遠坂凛の言葉にレイジングハートから発せられる気配が剣呑なものへと変化する。 「私だけが彼女を赦せるのよ。 あなたが言いたいことも解るわ。だけど、私はまだ水銀燈の全てが嘘だったとは思えない。 だから私が代わりに彼女の罪を――想いを継ぐ。 すまないけど、レイジングハートにはまだまだ私を叱ってもらうことになるわ。 ……これからもよろしくお願いね」 レイジングハートが溜息をつく。そんな気配が感じられた。呆れ果てているのだ。しかし…… 『All right. マイマスター』 レイジングハートから返ってきたのは快い返答であり。その気配もまた柔和なものへと戻っていた。 「ありがとう。レイジングハート。……じゃあ、そろそろトグサを迎えに行きましょうか?」 と、心機一転して足を踏み出した遠坂凛は、その時初めてその足元にあるそれに気がついた。 それは一見すると周りに散らかったコンクリートの破片と変わらなかったが…… 「……腕?」 それは先の対決で劉鳳が落とした、石化の魔法に蝕まれ一つの石片と化した右腕だった。 遠坂凛は先程埋葬したばかりの劉鳳が腕を失っていたことを思い出す。 色は失われているがその腕は間違いなく劉鳳のものだろう。 ……だがしかし、それが纏っている鎧状の物に関しては初めて見るものであった。 「これも……彼の言うアルター能力の一種なのかしら……? ……!」 彼の一部であるなら一緒に埋葬するのがいいだろうと、落ちているのを慎重に拾い上げる。 そして、その腕に手を触れた所で彼女はそれに気が付いた。 「まだ、力が生きている……!?」 本来、アルター能力とは発現者の意志を投影したものであるため、 その人間が死んでしまえば再び粒子へと分解され散ってしまうのが道理だ。 しかし今回はリインフォースの力によって打ち込まれたミストルティンの効果によって、 その分散するはずのアルターが発現者の死後もその形を維持していた。 もっとも、その形は残っていてもその中を流れるはずの力の流動は石化によってその動きを止めている。 それゆえに魔力探知にも反応しなかったのだが…… 「これ魔力として使えないかしら? ……どう、リインフォース?」 石化しているとはいえ、内在している力は相当な量がある。対セイバーに向けて使える物はなんであろうと回収しておきたい。 だが、リンフォースの回答は彼女にとっては残念なものだった。 『……石化を解呪すれば、術者を失ったそれはおそらく分散してしまうでしょう。 例えるなら魔力は水。今のそれは凍っているようなものです。 そのままでは使えないが、かといって溶かしてしまうとそれは手の平から零れ落ちていってしまいます』 その返答に遠坂凛は眉根をよせた。しかたがないと石化した劉鳳の腕を埋葬するために身体の向きを変えたが、続くリインフォースの言葉がそれを止めた。 『しかし、同じアルター使いならばあるいは……』 「どういうこと……?」 『水銀燈と劉鳳の戦いを通じて、アルター使いは物質に止まらず魔力すらも分解、再構成し取り込むということが見て取れました。 ならば、その石化した腕も同じアルター使いならば直接取り込むことが出来るかもしれません』 そして、魔力を取り込んだアルターは飛躍的にその能力が向上するようだと彼女は付け加えた。 ふぅむと、遠坂凛は石化した劉鳳の腕を見る。 「どっちにしろ私には使えないってことか……。まぁ、いいわ。 だったら、あのカズマって男に渡してみましょう。あいつがこれを使いたがるかはわからないけど」 そう言うと、遠坂凛は手にした石化した腕を自身のデイバッグの中に仕舞い込んだ。 (いざ実物を見てみると、なんとも奇妙だな……) 遠坂凛がいる場所とは対の位置となる病院の南西の一角。 そこで、ロアナプラで運び屋の片棒を担いでいるロックが、 22世紀の子守ロボットであるドラえもんにコンタクトを取ろうとしていた。 スタンダードなサラリーマンスタイルを何時でも崩さないロックの視線の先には、 子供ほどの背の高さのずんぐりむっくりとした青いぬいぐるみのようなものがトボトボと歩いている。 (……警戒されないといいんだが) 意を決するとロックは通りの陰から出て、ドラえもんへと近づいた。 「……そうか、そんなことが」 突然現れたロックにドラえもんは最初警戒したが、ロックがいなくなったハルヒ達と一緒だったことを知るとその態度を少し和らげた。 そしてロックは彼から病院にセイバーの再襲撃があったことと、その中でのび太が命を失ったことを知る。 (これも不幸中の幸いか……?) 病院の方を振り返ればその惨状はすさまじいものだ。 レヴィ、ロベルタ、バラライカ。ロックの知る最強の女傑三人。 彼女達がそれぞれ三人ずつぐらいはいないとこんなことにはならないだろう……と彼に思わせる程に。 ハルヒやキョン、魅音達がここに残っていれば、のび太と同じ運命を辿ったであろうことは想像に難くない。 「しかし、ドラえもんはずっと気絶していたのか……」 ロックの眉間に皺が寄る。遠坂凛や水銀燈が残っている病院に入る前に状況を把握したかった。 だからこそ、まずはドラえもんにコンタクトを取ったのだが…… 情報としてはセラスや劉鳳が危機に陥っていたというネガティブなものしか得られなかった。 一度、キョン達の下へ戻るかそれともあえて踏み込むか…… とロックが逡巡している所に、ドラえもんを迎えに来たトグサが拳銃片手に近づいていた。 互いに接近する二人がそれぞれ相手に気付いた時、先に声をかけたのはロックの方だった。 「はじめましてトグサさん。俺はラグーン商会のロックです」 ロックは同時に両手を挙げて敵意がないことを示す。 「君がレヴィの……?」 再び、ロックとトグサとの間で互いの身分を確認するやり取りが行われた。 だが、今回は先程のドラえもんとの時とは違いトグサの警戒は十分に解かれることはなかった。 「君の話には裏付がない。キョン君達の内の誰かとここに来るべきだったんじゃないか?」 トグサの言葉にロックは確かにそうだと思う。その点を考慮して最初は四人で来ていたのだ。 「いえ、途中までは彼らと一緒に…………」 今更だと白々しくなると解ってはいても、ロックは事情を正直に話す。 信頼を得るために何よりも必要なのは隠し事をしないということだ。これはロックがロアナプラで得た教訓でもある。 一般から見れば不思議なことだが、大物の悪党であるほど物事に対し真摯な態度を取る。 何故ならば、法という規定に縛られない彼らにとっては信頼という規定こそが唯一の確固たるものだからだ。 大きな力を振るうには秩序が必要であり、表も裏もそのベクトルが異なるというだけで必要なものは変わりはしない。 しかし、やはり今の段階ではロックの話はただのご都合のようにトグサには聞こえる。 「すまないが、まだ君を信用することはできない。 だが、幸いなことに今この病院にレヴィが来ている。君がロック本人であるならば彼女に会うことで一応の保証が得られるだろう。 それに君の話が本当ならこちらからもキョン君達に迎えを送りたい」 そうしてトグサがロックを病院へ向かうよう促す。もちろんロックとしてもそれを断る理由はない。しかし、 「病院へ入る前に遠坂凛と水銀燈に関して話しておきたいことが……」 病院前の騒動で遠坂凛は集団の中に馴染んでいた。つまり彼女達の(ロックが推測した)目論見は未だ成功していると見て取れる。 ならば忠告が必要だとロックは切り出した。だが、トグサから返ってきたのは意外な答えだった。 「ハルヒが彼女達を疑っていたのはセラスと劉鳳から聞いている。 だが、すでに水銀燈は死んでいるし、遠坂凛もただ水銀燈に騙されていたということらしい」 「……つまり、全ては水銀燈の企みで他は不幸な誤解だったというわけですか?」 先程のロックの話がトグサにとってご都合ならば、今度の話はロックにとってご都合だと言えた。 水銀燈が死んでいるというのならば、それは単なる遠坂凛の言い逃れなのではないかと思える。 もちろん、それをトグサも察したようだ。 「君が信じられないのも無理はない。その誤解は君が直接遠坂凛と会って解いてくれ。 正直俺にも確証があるわけじゃあない。だが、それよりも今は状況を整理したいんだ」 そういうと再びロックを促す。もちろんロックもトグサと気持ちは同じである。なので今度は躊躇わなかった。 先頭を行くトグサ。その少し後ろを歩くロック。そして二人の後ろを重い足取りで追うドラえもん。 そのドラえもんにトグサは声をかける。 「ドラえもん。おそらくは君が唯一の証言者たりえる人物だ。 つらいかもしれないが、戻ったら昨晩から今まで病院で何があったかを教えてくれ」 だが、トグサからの声に返答はなく、ドラえもんはただ力なく頷くのみだった。 そして彼らは間もなく件の遠坂凛に出迎えられ、病院の中の例の部屋に集合した。 先程の広いスペースに今度は合わせて八人の男女が集まっている。 カウンターを机代わりに向かい合っているのは、トグサとロック、遠坂凛、ゲイナーで、 もう一人ドラえもんがカウンターの端に座っている。 カズマとレヴィは相変わらずベッドの上で意識を失ったままで、 フェイトがその脇に椅子を置いてカウンターの方を窺いながらもその様子を見守っていた。 「で、取りあえずはどうするのかしら?」 そうやって他の発言を促したのは遠坂凛だ。 「そうだな。取りあえず考えなければならないことは多いが、まずは彼の懸案から解決しよう」 そう言ってトグサは一番新しい同行者であるロックを指す。 セイバーと一緒に姿を消したセラスや、ゲイナーとフェイトがゲインと会って得てきた情報、 さらにその他諸々の懸案事項があったが、まずはキョンやハルヒ達も含めて全員が一箇所に集まることが優先だとトグサは考えた。 そのためにも、ロックと今は此処にいないキョン達の疑惑は払拭しておかねばならない。 「私が疑われているって話よね……」 「君みたいな女の子を疑うのは心苦しいけどね」 疑惑の対象である遠坂凛の態度は神妙だ。彼女自身、疑われるのは仕方がないと考えている。 翻って彼女を疑うロックの表情は穏やかだ。だが、これはただ彼のスタイルだというだけのことである。 表面上は紳士を装ってはいるが、その目その耳は彼女の一挙一動を逃しはしまいと澄まされている。 「取りあえず、昨晩からここで何があったのかを整理しようと思う。 正直な所、来てみればこんなことになっていて俺も混乱しているんだ」 そう言ってトグサはカウンターの端で置物のように佇んでいるドラえもんへと視線を移す。 つられるように他の三人もドラえもんを見るが、ドラえもん自身はそれに気づくことなく俯いたままだ。 のび太の死を知った直後の激昂した様子とは打って変わって、電池が切れたかのように静かにしている。 「……ドラえもん。あんた大丈夫?」 「えっ? あ、ハイ。ごめんなさい……えっと」 彼を気遣う遠坂凛の呼び掛けに、ドラえもんは初めて他の人間が自分を注視していることに気付いた。 「さっきも言ったが、この病院に最初からいたのはドラえもん――君だけだ。 落ち込んでいるところをすまないが、俺たちにここで何があったのかを教えてくれ」 この病院で一体何があったのか? それはまさに今、ドラえもんが考えていたことだった。 とても思い出したくないことだが、トグサに促されるとドラえもんはそれを少しずつ語り始めた。 ドラえもんがポツリポツリと病院の中からの視線で昨晩からの経緯を話し、 それに時折他の人間が自分が知る部分を加えて補完する。 そんな形で、昨晩から起きた病院での一連の騒動が手短にまとめられた。 ドラえもん達。ドラえもんに加え、八神太一、野比のび太、カズマの四人が病院に到着したのは昨晩。 それも真夜中の放送よりいくらか前のことだった。 破壊と殺戮の跡が強く残る真っ暗な病院の中で彼らはそこに残された遺体を埋め、食事を取って自分達の身体を癒した。 彼らがこの病院を訪れたのは、度重なる危機と不幸によって彼ら自身が心身共に傷ついていたからだが、 運命の神はさらに彼らを過酷な境遇へと叩き落とす。 「……その、ドラえもん達の前に現れたという謎の変装魔は峰不二子だな。 俺の……正確にはすでに亡くなった君島の支給品だったんだが、 彼の持っていた顔写真付き名簿のデータと、直接襲われたハルヒちゃんの証言で確認は取れている」 深夜の放送直前に現れた招かざる客――峰不二子。 彼女は時を同じくしてそこへと辿りついた涼宮ハルヒを襲い、 ヤマトを人質にドラえもん達の荷物を奪って最後には、最悪なことに太一を殺害してヤマトと共に暗闇へと姿を消した。 不二子を追ってカズマが去った後、彼らは涼宮ハルヒとアルルゥという新しく加わった二人の少女と 共に、薄暗い病室の中で夜に怯えながら仲間の帰りを待っていた。 そこに現れたのが偽者の遠坂凛――リインフォースの姿を纏った水銀燈であった。 『残念なことですが、アルルゥという少女を殺したのは水銀燈で間違いありません。 水銀燈は彼女を言葉巧みに誘い出して殺した後、その遺体を廃棄孔へと隠蔽しました』 アルルゥを殺害した水銀燈は彼女の不在を訴えてドラえもん達を動かそうとした。 その時、偶然にも丁度そこに現れたのがホテルから病院へと向かっていたセラス一行であった。 満身創痍であった彼女達は本性を表した水銀燈に襲われ、劉鳳を庇って剛田武が死んでしまう。 「この時、水銀燈は劉鳳が持っていた真紅のローザミスティカを狙っていたのよ。 彼がそれを持っていることは私も一緒に聞いて知っていたから……」 リインフォースの絶大な力の前に窮地へと陥っていたセラスと劉鳳を救ったのは、 途切れた魔力を追ってそこへと駆けつけた遠坂凛だった。 それが水銀燈と知らず撃退した遠坂凛はセラスや劉鳳と一緒に病院組へと合流する。 だが、彼女が入って来たことで病院内に対立が生まれた。 涼宮ハルヒが遠坂凛と何食わぬ顔で戻ってきた水銀燈から、以前襲われたことがあったからだ。 その対立の中、さらにホテルからキョン達一行が到達する。彼らとの邂逅は穏やかなものとはいかず、 小競り合いの末ハルヒが来たばかりのキョン達を連れて病院から離れるという結果に終わる。 それからしばらく後、早朝の放送を挟んで病院へ不穏な訪問者が立て続けに訪れる。 一人はトグサ。誤解から遠坂凛へと向けて発砲し、病院全体を覆う戦いの火蓋を切った。 そしてもう一人はセイバー。その圧倒的な力を見境無く振るって誰も彼もを襲い、のび太を殺害した。 その激しい戦いの中でついに遠坂凛は水銀燈の企みを知ることとなり、決別を決意する。 「そして、劉鳳と水銀燈は相打ちに終わり、セラスとセイバーは行方不明というわけか……」 この病院で起こった一連の騒動を知りトグサは嘆息した。 聞けば、誰も彼もが最悪の目を出したような話だ。例えば、ハルヒ達が映画館に残っていれば…… 自分が寄り道をせずに病院へと向かっていれば……遠坂凛達にいきなり発砲しなければ……。 誰かの行動が少し違えば、全員で力を合わせてセイバーに立ち向かう……そんな結果もあっただろう。 「遠坂さん……少し質問をしていいかな?」 発言の主はロックだ。そもそもは彼の遠坂凛への疑惑を払拭することが目的である。 「君は水銀燈とセイバーとの会話を聞いて、彼女が君を裏切っているということを初めて知った。 ……そう言ったね。 だが、実際はどうだったんだろう? 彼女の言動は初めからかなり怪しかったはずだ。 いつでも問い詰めれば、それは露見したんじゃないかと思うんだけど、どうだい?」 ロックの疑問は至極真っ当なものだ。同行してるとはいっても遠坂凛は何度も水銀燈に単独行動を許している。 その先々でトラブルが起こっているとするのならば、これを彼女が疑わないのはおかしい。 そして、その疑問を彼女が払拭しないことも……。 「あ、怪しいとは思うこともあったわ……。けど…………」 遠坂凛の口からはうまい反論が出てこない。それもそのはず、そもそもロックの言う通りなのである。 同じことはもう一人の同行者であるレイジングハートからも繰り返し言われていたのだ。 「直接会って、すぐにわかったよ。君がどういう人間なのかがね。 これでもここ一年でありとあらゆる悪党を見てきたんだ。人を見る目には自身がある」 自分を見るロックの目に遠坂凛は身体を強張らせる。 人のいいフェイトやカズマは証拠などがなくても自分を信じてくれた。しかし目の前の彼はどうだろうか? 「つまり、君という人間は……ただのお人好しってことさ」 「え?」 目の前の男から放たれた意外な言葉に遠坂凛は目をぱちくりとさせる。 「君のその、飼い主に叱られた子犬のような態度は悪人のそれではないよ。 君が水銀燈に対して決断を先延ばしにしていたのは、彼女のことを信じたかったから。 または、彼女が心変わりするのを願った……そんなところじゃないか?」 ロックの表情は普段の温和なものへと戻っていた。だが、それがまたにわかに険を帯びる。 「君のその優柔不断のせいで死ななくてもいい人間が死んでいる。それは理解しているかい?」 その言葉に遠坂凛は神妙な表情で首肯する。黒い羽舞散るあの場所でそれを誓ったのだ。 「……償いはするわ」 それを聞くと、今度こそロックは破顔一笑した。 「その言葉が聞けて安心したよ」 そして、これからもよろしくとロックは遠坂凛へと友好の手を差し出す。 その手を取ろうと遠坂凛も手を出したが、その手はロックの手へと届く前にピタリと動きを止めた。 ――何故なら、目の前にいるロックのその背後に鬼が立っていたからだ。 「ロォ~~ック……。なんだか随分と男前じゃあないか? あ~~ん?」 恐る恐る振り返ったロックの前には鬼――正確に言えば鬼の形相をしたレヴィが立っていた。 「お早う、レヴィ」 恐る恐るロックが声をかける。不機嫌なレヴィはニトロと変わらないので、その接触には細心の注意が必要とされる。 もっとも、不機嫌の理由がロックにある以上どう触っても爆発してしまうのだが……。 「人様が寝てる枕元で女を口説くたぁ、見せ付けてくれるじゃないか。 大体、仮にも先輩であるこのレヴィ様に対して一言も挨拶がないったぁ、一体どういう了見だ? あ?」 「い、いや、今のは別に口説いてたわけじゃあ……。それにレヴィは寝起きが悪いだろう……?」 「大体、腐ってもロアナプラの住人である手前があんなションベン臭い餓鬼相手にニヤケ面晒してたんじゃ、 同僚のあたしの面子が立たないと思わないか? え、ロック?」 「ご、誤解しないでくれレヴィ。別に他意はないんだ……」 「他意はない。……だとぅ? 安い嘘ついてんじゃねーぞ。あたしゃ、手前のあんな顔は見たこと無いぜ。 それともなんだ? ホワイト・カラーの旦那にはロワナプラの女じゃあ役不足ってか?」 「そ、そりゃあロアナプラじゃ……」 「死ね」 鉄拳一発。 顔面に制裁の刻印を押されたロックはカウンターの上を勢いよく奔ると、 端から飛び出し綺麗な放物線を描くとそのままゴミ箱へと逆様に突き刺さった。 あっけにとられた聴衆が一瞬の後ロックを救助に向かうと、 レヴィは先程まで寝ていたベッドに乱暴に腰掛け、すぐ傍で固まっていたフェイトをビクリと振るわせた。 「……くだらねぇ」 遠坂凛への疑惑が一応は拭われ、その後の一悶着が落ち着いた後。 キョン達を迎えに行く者の人選が行われたが、結果それには意外な人物が選ばれることになった。 ロックが書いた地図を片手に、意気揚々と病院の玄関を潜って出てきたのはレヴィとカズマ。 集まった人間の中でも気の短さと暴力趣向においては他の追随を許さない最も危険な二人である。 理由がないわけではない。 その理由とは、もし魅音達が残った民家に襲撃があったとしたらそれは峰不二子の可能性が高いとロックが推理したからだった。 今、彼らから見て所在が不明なのはセイバー、峰不二子、ゲインの三人。 セイバーだとするならば、距離的に考えても遠坂凛やフェイトが魔力を探知できてもおかしくない。 またゲインは味方のはずだし方向が違う。なので、消去法で峰不二子の可能性が高いとなった。 そして、峰不二子はカズマにとってもレヴィにとっても因縁浅からぬ相手であり、 気兼ねなく拳と銃弾を撃ち込める数少ない相手でもあるのだ。ならば、この二人がその機会を逃すはずがない。 「レヴィ。あくまで仕事はキョン君達の安全な移送だ。くれぐれも……」 出発する二人を見送るのは、顔面に張られた真新しいガーゼが眩しいロックだ。 彼も二人に同行することを繰り返し申し出たのだが…… 「耳にタコが出来るぜロック。あたしがプロだってことは手前が一番よく知ってるだろうに……。 手前はここでおとなしくガキと女の面倒を見てな。手前にはそれがお似合いだ」 あいも変わらずレヴィは不機嫌だ。そして、それは一緒に行くカズマも同様だった。 先刻、騒がしさに軋む身体を起こし仇敵である峰不二子が近くにいると知ると、 止めるフェイトを振り切って飛び出そうとしたのだ。もっとも向かうべき場所が分からないのですぐに戻ってきたが……。 「オイ! いつまでグズグズしてんだ。置いていっちまうぞ!」 カズマの胸中にあるのは、太一とヤマトのことだ。二人とも彼の速さが足りないばかりに死なせてしまった。 なので、今度ばかりは同じ轍を踏むまいと焦っているのである。 「何かあったら病院に電話するのを忘れないでくれよ!」 玄関から足を踏み出すと、二人はロックの言葉を振り切るようにアスファルトを突っ切った。 進むにつれ狭く複雑になる路地をよどみなく駆け抜け、あっという間に病院から離れて行く。 「大丈夫かな。あの二人……」 二人が正しい方向へ向かっていることを確認すると、ロックは折れた鼻に手を当てながらトグサ達が待つ病院の中へと戻った。 ロックが戻ってくると、トグサ達は次の議題としてセイバーと一緒に姿を消したセラスをどうするかと話し合っていた。 フェイトは一刻も早く仲間を追うべきだと主張したが、逆にセイバーの実力を知っている遠坂凛は慎重に行動することを主張した。 そして、いたずらな戦力の分散をよしとしないトグサとゲイナーも遠坂凛に同調し、そこにロックも加わることで議論に決着はついた。 (……苦労のかけっぱなしになるな) トグサの胸中はセラスに対する申し訳なさでいっぱいだった。 この悪趣味な殺人遊戯が始まって以来、彼女に拠点の防衛や荒事を任せっぱなしになってしまっている。 二度再会した時も毎回慌ただしい戦闘の真っ最中でろくに謝罪もしていない。 再び会えたならその働きを労いたいが、遠坂凛からセイバーの実力を聞くとそれも絶望的かと思えた。 「……で、セイバーが再び現れたとして俺達で迎撃できると思うか?」 トグサのその質問に遠坂凛は顎に手を当てて考える。 「……できないこともない。と思うけど」 返答は歯切れの悪いものだった。 先程の戦いでは勝負は一方的だったが、今彼女の手にはレイジングハートに加え闇の書がある。 ただし、どちらも先の戦闘で激しく消耗しているため、今の状態だと厳しいと言わざるを得ない。 これら両方が回復し、フェイトと連携すればおそらく互角以上に戦えるはずではあるが……。 『マスター。何者かがここへと接近しています』 レイジングハートの報告に遠坂凛の思考が中断される。まさかセイバーがと思ったが、 『いえ、魔力を持たない者が一人で近づいています』 その報告に、ほっと胸をなでおろす。それはここにいる全員もそうだったようだ。 「多分、ゲインさんだと思いますよ。そろそろ来ることだと思いますし」 フェイトとゲイナーの言葉通り、ひび割れた床板を踏んで現れたのはゲインその人だった。 時系列順に読む Back 銃撃女ラジカルレヴィさん(後編)Next 陽が昇る(後編) 投下順に読む Back 銃撃女ラジカルレヴィさん(後編)Next 陽が昇る(後編) 273 銃撃女ラジカルレヴィさん(後編) フェイト・T・ハラオウン 274 陽が昇る(後編) 273 銃撃女ラジカルレヴィさん(後編) 遠坂凛 274 陽が昇る(後編) 273 銃撃女ラジカルレヴィさん(後編) トグサ 274 陽が昇る(後編) 273 銃撃女ラジカルレヴィさん(後編) ロック 274 陽が昇る(後編) 269 請負人Ⅲ ~決意、新たに~ ゲイン・ビジョウ 274 陽が昇る(後編) 273 銃撃女ラジカルレヴィさん(後編) ゲイナー・サンガ 274 陽が昇る(後編) 273 銃撃女ラジカルレヴィさん(後編) ドラえもん 274 陽が昇る(後編) 273 銃撃女ラジカルレヴィさん(後編) カズマ 274 陽が昇る(後編) 273 銃撃女ラジカルレヴィさん(後編) レヴィ 274 陽が昇る(後編)
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静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (前編) ◆lbhhgwAtQE その病院はまさに静寂と喧騒と繰り返していた。 少女少年と刑事が出会った。 神父とメイドが攻めてきた。 安らぎを求めた幼い少年二人がやってきた。 少年たちは錯乱した男に襲われた。 右手を失った少年の傷と心を癒した。 魔性の女に場を乱された。 主催に反旗を翻した者達が集まった。 黒い人形の策略と騎士の猛襲により、疑心暗鬼が蔓延し、血の雨が降り注いだ。 そして、再三反旗を翻した者達の拠点になった。 しかし、今度は鎧の剣士によって襲われて……。 ……そして今。剣士を退けたそこには、再び静寂が戻っていた。 ◆ 「あの球体は何だ? あんなの最初からあったか?」 「いいえ、あんなの見た記憶ありませんよ。それに、見たことないって言ったら、あの城みたいな建物も……」 「どうなってる!? 一体何が……」 陽が沈み始め、朱くなる気配を見せつつある北の空の向こうに見える謎の建造物と黒い半円状の球体。 レントゲン室前にいた男達の目にはそんな奇妙な二つのモノが映っていた。 「ついさっきまで見えてなかったはずなのに……。まさかとは思いますが、例の襲撃者とやらが来たのが影響してるのでは?」 ゲイナーは大人二人にそう提案するが、二人の顔には困惑の表情が浮かぶ。 「そう言われても、こっちはただの元商社勤めの運び屋だぜ? あんな奇怪な現象について一人で講釈できるはずないだろ」 「あれがホログラムではなく、現実に存在しているものなのだとしたら、俺にも何とも言えないな」 「……あー、もう! これだから大人は!」 ゲイナーが苛立ち、頭を掻き毟る。 すると、そのゲイナーの耳にこちらに向かって走ってくる足音が聞こえてくる。 それは、当然のようにロックやトグサにも聞こえているわけで、三人は同じように音のする方向を向く。 そこで彼らが見たのはこちらに近づいてくる見慣れた褐色肌の男と自称猫型ロボット、そして…… 「しんのすけ君!!」 ロックが褐色肌の男の横を駆ける少年へと声を掛ける。 すると、少年のそれに応えるように速度を上げ、ロックの名を叫びながら駆け寄る。 「ほっほ~い、ロックおにいさ~~ん!!!」 自分達の仲間であり、生存者の中で最年少であろう少年が無事であることにロックは安堵の表情を浮かべる。 一方のゲイナーとトグサも突然失踪した褐色肌の男ゲインの帰還に安堵の様子だ。 「ゲイン! お前今までどこに……」 「あのですねぇ、勝手に消えてもらってはこっちとしても困るわけで…………」 そこまで口にしたところでゲインに声を掛けた二人、そしてロックは気付いてしまった。 ゲインが背負っていた金髪の少女の惨状に。 「何があった? 敵襲があったとは聞いていたが……」 「……話はフェイトに手当てしながらでいいか」 ゲインの静かな一言に対しては、何の反論もなかった。 ――言い換えれば、それほど少女の容態は芳しくないように、その場にいた一同には見えたのだ。 ――レントゲン室内。 フェイトの応急措置はゲインやトグサによって行われた。 彼女の傷は子供のやんちゃで済まされるレベルを疾うに越えていて、重傷箇所も複数あったが、ここが病院でありそれらを処置する為の薬品や道具が豊富にあったのが不幸中の幸いかもしれない。 彼らや、ロック、ドラえもん、しんのすけらの助力により、なんとかその処置は終わった。 「……ふぅ、これで大方は終わったか」 「骨も折れてるみたいだし、本当はちゃんと医者に診てもらって、しかるべき措置をとるべきなんだろうがな……」 包帯を至る箇所に巻かれ横たわるフェイトの姿は、痛々しくみえる。 「フェイトちゃん……しっかりするんだよ」 「そうだゾ! 気合でファイヤー、だゾ!!」 ドラえもんとしんのすけが目を閉じたままの少女を横から励ます。 後は、彼女自身の回復力に託す他なかった。 そして、そんな少年少女を横目に、ゲインらは治療中から交わしていた情報をまとめ、今後の方針について話し合っていた。 「……さて、と。今の俺たちがすべき事は大きく分けて二つだ。まず一つは……」 そう言いつつ、ゲインが指差したのはエクソダス計画書に書かれた一文。 ――2).その発信すべき電波を特定するためにトグサがギガゾンビのCPUへと侵入(ダイブ)する。 ―― ※その前提として、キョンと合流しノートPCを受け取る必要がある。 「シンノスケのお陰で、ようやくこれを行うための道具が来たわけだからな。まずはこいつをしないと首輪に関しちゃ何も始まらない」 「――ということは、俺の出番ってわけだな」 トグサが顔を上げ、真剣な面持ちになる。 この作業は、首輪に用いられている電波(?)を特定する為に必要なこと。 つまり、自分の行動如何でエクソダスの進行が左右されるということだ。 そう考えると、あまりに責任の大きい仕事である。 ……だが、他の九課のメンバーが皆逝ってしまった今、電脳通信やダイブが出来るのは自分しかいない。 やるしかないのだ。 「長門の遺志、キョン少年やしんのすけ少年の努力を無駄にはしない。……任せてくれ」 「何か分かり次第、僕も組み立て作業に移れるようにしとかないと、ですね」 トグサの横にいたゲイナーが技術手袋を片手に言葉を紡ぐ。 彼もまた、技術手袋による首輪の解除装置を作ることを己の使命とし、それに責任を感じていたのだ。 それを見て、ゲインはそんな使命を帯びた少年の頭をくしゃくしゃにする。 「よし、そっちは任せたぞチャンプ!」 「わ、分かりましたから、手を離してください!」 ゲイナーに言われてようやく手を彼の頭から離すと、ゲインは話を続行する。 「……まぁ、そっちの用事はそういうことで決まりだ。そして、あともう一つのやるべきことは……」 「キョン達の捜索だな?」 ゲインが言い出す前にロックが口を開いた。 「しんのすけ君の証言を基に考えると、ハルヒはあのセイバーっていう剣士に襲われてて、キョンもそこに向かってるっていう話だったな」 「あぁ。あいつらを迎えにいったレヴィとカズマって少年がその事に気付いて、そっちに救援に向かってる可能性は大きいが、 それにしても、この時間になっても戻ってこないとなると正直心配だ。それに、リンが消えたってのも気になる。 そっちの捜索もする意味でもここは一つ、おr――――」 「俺に行かせてくれないか?」 ロックは、ここで再びゲインの言葉に被せるように名乗りを挙げた。 「俺に……キョン達と凛の捜索を任せてくれないか?」 その言葉には、ゲインだけでなくトグサやゲイナーも驚いた。 何しろ、彼はこのメンバーの中では一般人に分類される人間。 ロアナプラという世界でも屈指の危険地帯に住居を構えてはいるものの、武器の扱いに関しては素人の……どちらかというと頭脳労働担当の男だったのだから。 「ロック……お前、本気か?」 「あぁ」 「外にはまだセイバーがいるし、俺が見た半透明の巨人やらグリフィスとか言う力を暴走させた奴が潜んでるかもしれないんだぞ?」 「それでも、キョン達は俺の仲間だから。エルルゥの墓前で結束を誓った大事な仲間だからな……」 思えば、セイバーに彼らが襲われたのは、あの時、自分の判断で彼らを民家に戻らせたのが原因だったのかもしれない。 確かに、当時はそのような事を予知できるわけはなかったし、病院には危険視していた凛がいて、むしろ病院行きの方が危険であった。 だから、全て自分の責任というわけではない……のだが魅音や沙都子、果てはトウカの死を知った今、彼はせめて自ら動いて、まだ生きているであろうキョンとハルヒを探し出したかった。 ――全てが手遅れになる前に。 「それに、今お前がここからまた抜けたら、病院を守る戦力が減るだろう、ゲイン?」 「それはそうかもしれないが……」 フェイトが深手を負い、凛がどこかへ消えた今、戦力になりうる人材は狙撃手のゲインと刑事のトグサのみ。 ゲイナーも銃は一応扱えるが、それでも自分の身を守るので精一杯だろう。 またいつ、例のグリフィスという狂戦士が襲ってくるやもしれない状況では、これ以上人材を割きたくないのが現実だ。 「俺は、確かに銃で人撃ったりしたことはないけど、荒事の中で死なないように立ち回ることには慣れてる。ようするに運がいいってことなんだけどさ」 ロックは決心したような面持ちになると、ゲイン達の顔を見る。 「俺だって馬鹿じゃない。無茶はしないつもりだ。……だから、頼む。行かせてくれ」 「本当にそれでいいんだな?」 そんなゲインの問いに、彼は無言で頷く。 「……分かった。なら、その仕事、ロックに任せよう」 「ゲインさん!? それ、本気でs――――」 「ただし! 成果が出なくても6時を境にして一度捜索は切り上げて、こっちに戻って来てくれ。……日が暮れてからの単独行動は冗談抜きで危険だからな」 「了解だ」 ゲイナーが何か言おうとするのを塞ぐように二人は頷きあう。 トグサも、彼らの様子を見て、止めようとはしない。 すると、ロックは立ち上がり、今度は部屋の片隅へと――元々テーブルに置いてあった道具が集められた場所へと向かった。 そして彼は、その道具の山の中から何やらステッキのようなものを取り出す。 「これがここにあるのも、因果なもんだ……」 それは、かつて行動を共にした獣耳の少女が、人を探すのに使っていた道具。 初めて出会った時、自分が彼女にその探していた人と勘違いされたのも今となっては遠い記憶……。 彼はそれを片手に部屋を出ようとドアの方へと向かう。 だが、そんな彼のスラックスの裾を引っ張る者がいた。 「お兄さん、ハルヒお姉さん達をお助けに行くの? だったらオラも行く!!」 彼を止めたのは、このメンバーの中で最年少の少年だった。 「しんのすけ君……。気持ちは嬉しいけど、今外に出るのは危険だ。だから――」 「やだ! オラも……オラもお姉さん達をお助けしたいんだゾ!! 魅音お姉さんやトウカお姉さん、エルルゥお姉さんにサトちゃんの分までオラも頑張りたいんだゾ!!!」 しんのすけは、真剣な眼差しでロックを見つめる。 その瞳に、確かな強さを秘めながら。 「………………」 ロックは知っている。 既に自分が隠してきた事実がゲインによって少年に明かされたことを。 しかしそれでも、少年の目にはあの混乱を治めたときと同じ強い意志が映っていた。 「ねぇ、一緒にハルヒお姉さん達をお助けしようよ。オラ……二人をモミジオロシになんか出来ないんだゾ」 「それを言うなら、『見殺しになんか出来ない』だろ?」 年相応な言葉の間違いを訂正してやりながらロックは、ゲイン達の方を見る。 「止めたいのは山々だが……この状況だと止めたほうが悪者になりそうだ」 「シンノスケがここまで意固地になってるのを無理矢理諦めさせるのは、お前が外へ出るのを諦めさせるくらい難しいだろうな」 「ちょっと! あなた達、本気でこの子まで外に出るのを――――」 「……その子は絶対に守ってくれよ。そうでないとミサエに叱られちまう」 「勿論だ。絶対に守り通してみせる」 そう言ってロックは、道具の置かれている場所から何やらマントのようなものを持ってくると、それをしんのすけに持たせる。 「あれ? これって確かヘンゼルに被せていた……」 「いざって時はそれを体から被るんだ。攻撃を弾いてくれるはずだから」 かつて自分としんのすけが対峙した時。 自分がヘンゼルの攻撃を回避するのに用いた道具をしんのすけに手渡すとは何という因果か。 ――そう自虐気味に苦笑すると、ロックは今度こそ部屋を出るべくドアのノブへ手を回す。 すると。 「待ってください、ロックさん!」 またも、それを止める少年の声が。 「あなた、確か何も武器を持っていませんでしたよね?」 自分に近づいてきたゲイナーがそう尋ねてくるので、ロックは首を縦に振る。 すると、彼はロックへと一丁の自動拳銃を手渡してきた。 「これ、護身用として貸します。いざって時は――」 「でも、これは君のだろう? それに俺は銃なんて……」 「でももヘチマもありません! 子供を連れて外へ出るのに丸腰のままだなんて、僕には考えられません!!」 そんなゲイナーの剣幕にたじろぎつつも、ロックはそれを受け取る。 「……あ、ありがとう。それじゃ、行ってくるよ」 「いってきま~す!」 「絶対に戻ってきてくださいよ? 無茶はしないで下さいよ!?」 ゲイナーの小言を背に、ロックは部屋を出た。 ◆ そして、それからすぐ。 病院正面玄関前に出た二人は、ふとそこで立ち止まった。 「さて、と」 ロックは、持っていたステッキを地面に立てる。 「涼宮ハルヒは、どこにいる?」 探すべき対象は凛も含めて三人。 その内、最も急を要するであろうは、セイバーに襲われている最中だったというハルヒ。 考えたくない可能性も脳裏をよぎるが、そんなことを考える暇があったら捜索を行ったほうがいい。 そう考えながら手を離したステッキは………… 「お~、あっちに向かって倒れたゾ~」 「東……か」 このステッキの元の所持者と出会った当初は、この靴占いにも似た道具を眉唾物と思っていたが、今はこれだけが頼りの綱。 「……よし、行くぞ、しんのすけ君」 「ぶ、ラジャー!!」 ロックはステッキの倒れた方角を信じて、しんのすけとともに仲間捜索の第一歩を踏み出した。 ◆ 「……ロックさん達、行きましたね」 「あぁ。後はもう、彼に任せるしかない。こちらにはこちらで、やるべき仕事を終わらそう」 「えぇ。分かってますよ」 ゲイナーはそう言うと、ノートパソコンを開いて電源を入れる。 そして、起動するまでの短い時間に彼はパソコンに接続していたi-podを外し、トグサに渡す。 「これ、貴方宛の何かが入ってるんですよね? 今のうちに調べておいてもらえますか?」 「そうだな。調べてみるとするよ」 トグサは、ケーブルが付いたままのi-podを手にするとそのケーブルの先端を自らの項へと接続する。 すると途端に、その音楽端末の中の情報がトグサの中に入ってくる。 無数の音楽データ、顔写真つきの名簿のようなデータ、そして………… ――『製作者(U):長門有希 コメント(M):9課へ』 (これを……俺たちに残したっていうんだな、長門) トグサは、長門の顔を思い出しながら、データを開く。 すると、まず最初に、やはり彼が元々予想していたような電脳通信の制限解除に関するプログラムを見つけた。 彼はそれを自身にインストールしながら、更にその内部のデータを確認しようとするが…… そこで彼は、想像をはるかに凌駕する情報量を持ったプログラムらしきものを見つけてしまった。 (な、何だこれは……!? 馬鹿な……!) それは、簡単に言えば情報ネットワーク内に設置された攻性防壁を突破する為の……いわゆるハッキングの為のプログラムだった。 しかも、とびきり難解な……トグサ達の時代では理解できない硬さを持った防壁を突破する為の。 それ故に、そのプログラム自体も相当難解で複雑なものになっている。 (こんな化け物染みたプログラム……長門が作ったとでもいうのか?) その圧倒的な情報量に気圧されながらも、トグサはプログラムを隅々まで調べる。 すると、そのプログラムを構成する文字列の最後に、何やらプログラムとは違うメモのようなものが見つかった。 彼はそのメモについて調べようとするが―――― 「ちょ、ちょっと待ってよ! まさかそんな体でどこかに行くつもりかい!?」 突如、フェイトの傍にいたはずのドラえもんが声を上げた。 トグサはプログラムを調べるのを一時中断し、声のするほうを見る。 パソコンを調べていたゲイナーも、集められた道具を点検していたゲインもトグサと同様にする。 すると、そこにはレントゲン室のドアへと這うように向かっていた上半身だけのツチダマと、ドラえもんの姿があった。 「用jを思いdしてな……外に行kねばならnくなtt」 「そんな体じゃ無茶だよ! ……だったら僕が一緒に行くよ」 ユービックは、負傷したフェイトをここへと運ぶ際に、彼女と一緒に運ばれてきた。 下手に動かれないようにという、監視の意図をもとに。 そして、そんな彼が動き出そうとしていたのだ。 ゲインは、ユービックを抱えて歩き出そうとしているドラえもんを止める。 「ちょい待った、ドラえもん。出る前にこいつに一つ訊きたいことがある」 彼はドラえもんの手に持つそれを見ながら言葉を続ける。 「……まさか何か企んでたりしてないだろうな?」 今まで主催者サイドに立っていたツチダマを見てきたゲインにとっては、やはり目の前のそれは警戒すべき存在であった。 彼は、ユービックのもとへと歩み寄ると、そう尋ねる。 「……グリフィス様のくb輪をなんtか出来るk能性持つおmえ達に、何かsるつもりはない」 「なるほどねぇ。そのグリフィスとやらを助けられる可能性のある俺達を迂闊には殺せない、ってか。……んで、その用事ってのは、俺達にも何か有益だったりするのか?」 「恐らkは……」 ゲインは思考する。 そのグリフィスを思う心は、下半身を犠牲にしてまで彼を守ろうとしたところからも想像はつく。 そしてそれ故に、例の反逆とやらの話も事実であり、このツチダマが協力者になりうる可能性も高い。 だが、その一方でそう簡単に主催者が作り出したロボットを信じきることもできない。 そこで、彼が下した決断は…… 「分かった。なら、その用事とやらに俺も同行する。それでいいか?」 「問dい…………無い……」 「そうか。……というわけだから、ドラえもん。お前さんはここに残っても……」 だが、ドラえもんは首を横に振る。 「うぅん。僕も少し外に用事があったから……一緒に行きます」 「……そうか。なら、こっちはお前達二人に任せるか」 ゲインはそう言って、トグサとゲイナーを見ると二人は頷く。 「大丈夫だ。こっちは俺達でなんとかなるはずだ。フェイトの事も、な」 「ですけど、またあの時みたいに勝手に遠くに行かないで下さいよ?」 「お前こそ、俺がいないからってヘマするなよ?」 笑って返すゲインに、ゲイナーは怒りながら反論するが、彼はそれを流しながらドラえもんへと声を掛ける。 「そんじゃ、行くとしますか。そのツチダマとやらの用事に」 ◆ レントゲン室を出た二人は、ユービックの指示する方向へと歩きはじめる。 「そこをひだr……」 「うん、分かった。左だね?」 指示されるまま廊下を曲がる。 すると、その曲がった先にあるものを見て、二人は思わず立ち止まってしまった。 「何でこんな場所にドアが……」 「これは……どこでもドアじゃないか!」 そこでようやくドラえもんは思い出す。 ここは、彼とユービックがどこでもドアを通じて、初めて出会った場所だった。 「ねぇ、ユービック。もしかして、用事って……」 「そうd……。いつまdもこれをそnままにし……ておkわけにmいか……ないt思ってn」 それは、失踪したグリフィスを探すのに使えるであろう重要なアイテム。 みすみす放置しておくには勿体無いものだった。 だが、一人そのドアの重要性を今ひとつ理解していない男がいた。 「なぁ、ドラえもん。どこでもドアっつーのは一体……」 「う、うん。どこでもドアってのはね……」 ドラえもんが、どこでもドアについての説明をすると、ゲインは納得したように頷く。 「なるほど。ってことは、首輪をどうにかしたら、こいつを使えばギガゾンビの居る場所に一気に行って奴を叩くことも……」 「そrは無rだ」 ゲインの発案をユービックはあっさりと却下する。 「あの城とsの周囲一帯nは大規模な空間歪曲制限が掛けrれていr……。だkら、ドアでの移動h不可能だ……。まぁ、プrイベートロックの拡大版t考えて……貰って構wな……い」 「プライベートロック……」 プライベートロックとは、どこでもドアでの移動を制限できる機能だ。 これを使えば、トイレや風呂場といった立ち入られては困る場所に入られずに済む。 しかし、これはドラえもんの知る範疇では個室にのみ有効な機能のはずだった。 一つの建造物とその周辺一帯などといった漠然とした範囲に有効なロックなどまだ開発が進んでいないはずなのに……。 しかし、ここで彼はとある事実を思い出す。 そう、ギガゾンビのいた時代は―― 「一世紀分の技術の差……ってことか」 「sういうkとだ。……それに、お前達nはまだグリフィスsまを…………探してもらわnくてはなrないんだ。早mった…………m似はよして欲しい……」 ドラえもんとユービックがそんな会話をしていると、やや置いてけぼりを食らっていたゲインは一人、そのドアに手を掛けた。 「だが、どちらにしても、こいつが何かと使えそうな道具だってことには変わりないよな。……だったら、これは俺たちで保管しておく。いいな?」 「……あぁ」 ユービックの返事を聞くと、ゲインはそのドアを持ち上げ、デイパックへとしまった。 どこでもドアを回収した後。 今度はドラえもんの用事を済ますべく、一行は病院の外、庭にあたる部分に来ていた。 そして、そのドラえもんの用事とは………… 「のび太君……太一君…………」 今は亡き親友達の名を呟くドラえもんの足元には、まさにその親友達の眠る墓があった。 カズマから病院を出る前に、ここに墓があることを伝えられていたのだ。 それは、先程のグリフィスとの戦いで奇跡的に被害を受けなかったらしく、盛られた土の上に刺さる風神うちわもそのままだった。 「ごめんよ。僕がもっとしっかりしてれば……もっと強かったら、君達を死なせずに済んだのに……」 ドジで頭が悪く、すぐに道具に頼ろうとしていたのび太。 やんちゃで、色々と無茶な事をすぐにしようとする太一。 二人とも、どちらかといえば“手の掛かる”子供だった。 それこそ、頭を悩ましそうなほども。 ……だが、それでも。 のび太には誰にも負けない優しさ、太一には誰にも負けない勇気があった。 死んでいい人間であるはずが無かった。 「君を立派な大人にするって約束だったのにね……。ヤマト君とあわせてあげる約束だったのにね……」 ドラえもんは涙を流しながら、悔しそうに呟く。 子供を守れない子守りロボットなんて、とんだお笑い種だ。 本来ならスクラップ級の失態だろう。 それは、彼自身が一番分かっているつもりだった。 ――そして、だからこそ彼は決意していた。 「……僕は絶対にここにいる皆と一緒に脱出する為に頑張るよ。そしてギガゾンビに一発入れてやるんだ! それがせめてもの罪滅ぼしだから!」 トグサやゲインといった大人達は勿論、カズマやゲイナー、フェイト、果てはしんのすけまでがエクソダスの為に何か動いている。 この状況で、22世紀のロボットが仲間の死にいつまでもクヨクヨしていて何もしていないでいいのだろうか? ――答えは否だ。 だからこそ、ドラえもんは二人の墓前に来て、その迷いを断ち切ろうと思ったのだ。 「よし! 頑張るぞ~!! えい、えい、おー!」 暮れはじめた空に拳を突き上げるのは、あの時のような大勢ではなく、彼一人だけ。 だが、彼の目にはうっすらと、今はいない仲間達の拳が見えていた……。 ドラえもんが拳を突き上げている丁度同じ頃。 ゲインとユービックとは、少し離れた場所で彼を待っていた。 そして、ユービックは泣きながら拳を突き上げる彼を見ながらふと、コンラッドの死に際し涙を流した新しい主の事を思い出す。 部下の死を悼み、涙を流す主が素晴らしいのであれば、その死を部下の涙を以って悼まれる主もまた素晴らしいのだろう。 自分にもし涙を流す機能があるならば、グリフィスが死に際した場合は確実に号泣するに違いないのだから。 「あいつh……いい主人に…………恵mれた……みtいだn」 ユービックは、ドラえもんの姿を見て素直にそう呟く。 「主人の死n対しt、あれだけの涙をなgすとは……yほどいい主人だったに違いnい」 「いや、それは違うだろう」 だが、そんなユービックの言葉にゲインが横槍を入れる。 「……なzだ? お前nは、あの涙g嘘のもnであるようn見えるのk」 「そうじゃない。あいつとのび太っていう少年が相当な信頼関係で結ばれてるのは確かだろうよ。……だがな、それは主従関係に基づいてる訳じゃないだろうってことさ」 「……? dはどういう関kいだというのd」 「わからないのか? …………ああいうのを“友達”っていうんだよ。尤も、あいつらの場合は“親友”って言うべきかもしれないがな」 ◆ i-podの中に入っていたプログラムに残されたメッセージ。 それは、このような書き出しから始まっていた。 ―― YUKI.N このメッセージを見つけた公安九課の人間へ。 YUKI.N、つまり長門有希はプログラムの内容についてこの書き出し以降、簡潔に説明をしてくれていた。 そして、その内容を更に手短に言うならば…… (なるほど。23世紀の攻性防壁に対するハッキングプログラムか。そりゃ、馬鹿みたいに複雑になるわけだ) レントゲン室に残り、メッセージを読み終えたトグサは、ようやくそのプログラムの意味を把握した。 ドラえもんを製作したよりも更に未来のネットワーク世界。 それがどれほど進歩しているかトグサには予想も出来なかったが、攻性防壁は自分のいる世界の数倍、いや数十倍性能が向上しているようだった。 これがそんな防壁を突破する為のプログラムだというのなら、トグサが信じられないほど複雑でも納得はいく。 (見たこともない防壁相手に、見たこともないプログラム抱えて侵入か。……こりゃ、気合入れなおさないとな) トグサは、緊張を顔に浮かべる。 しかも、緊張する理由はそれだけではない。 長門からのメッセージには更に、こう残されていた。 YUKI.N この世界の防壁は一度侵入されると、自動的にその侵入経路に対して対抗するプログラムを構築する機能を持つ。 YUKI.N 故に、本プログラムは一回限りしか使えない。注意されたし。 一度限り、失敗を許されないハッキング。 そのようなことを先に言われたら、自分の世界でのハックですら身構えてしまうだろう。 ……だが、尻込みをしている場合ではない。 これは、自分にしか出来ない、エクソダスの根幹に関わることなのだから。 それに…… (俺は、仮にも公安九課の人間だ。こんなことで失敗してたら少佐やバトーに笑われちまう。それにタチコマにだって……) トグサは、i-podの内部の調査を止めると、ポケットの中に入れていたメモリチップを取り出す。 (タチコマ……お前の力、借りさせてもらうぞ) そう頭の中で呟き、メモリチップに向けていた視線を今度はゲイナーへ向ける。 すると、彼は何やらその液晶画面を見続けたまま、何やら作業をしていた。 トグサは、何をしているのか気になり、それを背後から覗くと、そのノートパソコンに映っていたのは……。 「な、何だこれ?」 それは、まさしくゲーム画面であった。 何やら、軽快なBGMもスピーカーからも流れている。 「なぁ、もしかしてこれが……」 「そうです。ドラえもんから受け取った例の“THE DAY OF SAGITTARIUS III”ですよ」 「こりゃ、一体何のゲームなんだ?」 「見ての通り、宇宙艦隊を操って、自分の軍を勝利に導くシミュレーションゲームです」 キーボードを叩きながら、ゲイナーは説明する。 「クリア条件は単純ですが、索敵やら敵の行動予測やらそこそこ頭を使わせるみたいですね」 「……で、君はその……クリアできそうなのか?」 トグサにそう尋ねられ、ゲイナーはキーボードを叩く手を止める。 そして、トグサへと振り返る。 「僕は仮にもゲームチャンプですよ? 格闘系以外でも、ゲーム全般には慣れてるつもりです」 「そ、そうか……。それは頼もしいな……」 「このパソコンには『射手座の日を越えていけ』と残されてたんです。だったら、この“射手座の日”を越える――即ち全クリアしてみる価値はあるはずですよ」 そう言うと、ゲイナーはすぐに画面へ視線を戻し、タイピングを再開する。 「大丈夫です。コツさえ掴めば、意外と簡単ですから。全クリアまでにそう時間は掛からない筈です」 「分かった。なら、それは君に任せ――――」 妙に自身あり気なゲイナーにゲームの件を一任しようとしたその時だった。 「う、うぅん…………」 背後から聞こえてきたのは、まだ幼さを残す少女の声。 そして、そんな声が出せるのはこの部屋でただ一人。 「あ、あれ……私…………あぐぅっ!!」 そう、フェイトが意識を取り戻していたのだ。 時系列順に読む Back 夢Next 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編) 投下順に読む Back 夢Next 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編) 285 LIVE THROUGH(後編) トグサ 289 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編) 285 LIVE THROUGH(後編) ゲイン・ビジョウ 289 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編) 285 LIVE THROUGH(後編) ゲイナー・サンガ 289 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編) 285 LIVE THROUGH(後編) ドラえもん 289 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編) 285 LIVE THROUGH(後編) フェイト・T・ハラオウン 289 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編) 285 LIVE THROUGH(後編) ロック 289 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編) 285 LIVE THROUGH(後編) 野原しんのすけ 289 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編) 286 涼宮ハルヒの喪失(後編) レヴィ 289 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編) 286 涼宮ハルヒの喪失(後編) 涼宮ハルヒ 289 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編) 285 LIVE THROUGH(後編) 遠坂凛 289 静謐な病院Ⅱ ~それぞれの胸の誓い~ (後編)
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NO. タイトル 作者 登場人物 101 眼鏡と炎と尻尾と逃避と紅茶 ◆lbhhgwAtQE 鳳凰寺風、エルルゥ 102 峰不二子の憂鬱Ⅱ/君島邦彦の溜息 ◆LXe12sNRSs 峰不二子、君島邦彦 103 第一回放送 ◆q/26xrKjWg ギガゾンビ 104 東天の緋 ◆79697giSSk ヴィータ 105 I wish ◆KpW6w58KSs 石田ヤマト、ぶりぶりざえもん、長門有希 106 Ground Zero ◆TIZOS1Jprc 朝比奈みくる、セラス・ヴィクトリア、ロベルタ、バトー 107 武人の本懐 ◆lbhhgwAtQE キョン、トウカ 108 Unlucky girl ◆/1XIgPEeCM 園崎魅音 109 リスキィ・ガール ◆pKH1mSw/N6 劉鳳、朝倉涼子 110 -目的- -選択- -未来- ◆wlyXYPQOyA フェイト・T・ハラオウン、タチコマ 111 最悪をも下回る ◆q/26xrKjWg シグナム 112 くじけそうになったら涙を ◆C1.qFoQXNw ゲイン・ビジョウ、獅堂光 113 触らぬタチコマに祟り無し Flying tank ◆5VEHREaaO2 フェイト・T・ハラオウン、タチコマ、園崎魅音、水銀燈、遠坂凛、野比のび太 114 「永遠に(ネバー・ダイ)」 ◆LXe12sNRSs ロック、野原しんのすけ、ヘンゼル 115 Pernicious Deed! ◆QcxMJGacAM ソロモン・ゴールドスミス、蒼星石、次元大介 116 吸血鬼DAYDREAM ◆B0yhIEaBOI 朝比奈みくる、セラス・ヴィクトリア、キャスカ 117 Salamander (山椒魚) ◆B0yhIEaBOI カズマ、ストレイト・クーガー、高町なのは、ゲイナー・サンガ、レヴィ 118 ハートの8 ◆k97rDX.Hc. 古手梨花、剛田武、翠星石 119 幸運と不幸の定義 near death happiness ◆QEUQfdPtTM アーチャー、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール、桜田ジュン、八神太一、ドラえもん、草薙素子 120 影日向 ◆M91lMaewe6 グリフィス、音無小夜 121 仕事 ◆S8pgx99zVs トグサ、石田ヤマト、ぶりぶりざえもん、長門有希 122 嘘も矛盾も ◆TIZOS1Jprc 剛田武、園崎魅音、古手梨花、翠星石 123 親友を失った悲しみと、愛する人を失った悲しみ ◆LXe12sNRSs 鳳凰寺風、エルルゥ 124 Lie!Lie!Lie! ◆qwglOGQwIk 前原圭一、竜宮レナ、ソロモン・ゴールドスミス、蒼星石、次元大介 125 D-3ブリッヂの死闘 ◆lbhhgwAtQE ハルヒ、アルルゥ、ヤマト、ぶりぶりざえもん、長門、ルパン、シグナム 126 たとえ道が見えなくとも ◆7jHdbD/oU2 遠坂凛、水銀燈、野比のび太 127 峰不二子の退屈 ◆/1XIgPEeCM 峰不二子 128 知らぬは…… ◆pKH1mSw/N6 カズマ 129 「サイトと一緒」 ◆5VEHREaaO2 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 130 Ultimate thing ◆nBFOyIqCVI アーカード、真紅 131 トグサくんのメッセージ ◆LXe12sNRSs 桜田ジュン 132 トグサくんのミス ◆LXe12sNRSs トグサ 133 幕間 - 『花鳥風月~VSアサシン0』 ◆QEUQfdPtTM セイバー、佐々木小次郎 134 歩みの果てには ◆q/26xrKjWg 八神太一、ドラえもん、ヴィータ 135 行くんだよ ◆M91lMaewe6 ロック、君島邦彦、しんのすけ、キョン、トウカ 136 白雪姫 ◆S8pgx99zVs 劉鳳、朝倉涼子 137 正義の味方 ◆2kGkudiwr6 長門有希、アーチャー、アーカード、真紅、涼宮ハルヒ、アルルゥ、石田ヤマト、ぶりぶりざえもん、トグサ 138 ハードボイルド・ハードラック ◆tC/hi58lI. ガッツ、野原みさえ、北条沙都子 139 恋のミクル伝説(前編)恋のミクル伝説(後編) ◆LXe12sNRSs キャスカ、獅堂光、ゲイン・ビジョウ、朝比奈みくる、セラス・ヴィクトリア 140 死闘の果てに ◆q/26xrKjWg シグナム、ルパン三世 141 二人の少女 恐怖のノイズ/二人旅 ◆Lp4e6dlfNU 朝倉涼子、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 142 食卓の騎士 ◆TIZOS1Jprc セイバー 143 一人は何だか寂しいね、だから ◆lbhhgwAtQE 八神太一、ドラえもん、ヴィータ、峰不二子 144 Birth&death ◆Ua.aJsXq1I 前原圭一、竜宮レナ、次元大介、ソロモン・ゴールドスミス、蒼星石 145 正義の味方Ⅱ ◆S8pgx99zVs 長門有希、アーカード、アーチャー 146 彼は信頼を築けるか ◆4CEimo5sKs 劉鳳、桜田ジュン 147 KOOL EDITION ◆FbVNUaeKtI 朝倉涼子 148 Standin by your side! ◆KpW6w58KSs 八神太一、ドラえもん、ヴィータ、シグナム 149 約束された勝利/その結果 ◆TIZOS1Jprc ガッツ、キャスカ、音無小夜 150 暴走、そして再会なの! ◆lbhhgwAtQE ストレイト・クーガー、高町なのは、野原みさえ、獅堂光
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392:弥次郎:2022/10/08(土) 22 59 10 HOST softbank060146109143.bbtec.net 憂鬱SRW 融合惑星 攻殻世界SS 「曼殊沙華の来訪者」7 C.E.81 C.E.太陽系 融合惑星 β世界PRTO領域内 海洋都市群「カナン」 攻殻日本国 臨時首都東京 郊外 開拓エリア ビル 階段 光学迷彩を使っても、存在までは消せない。 だから、ビルの内部を突破していくのには慎重さを求められた。 ところどころに散乱する肉片や武器だったもの、あるいはビルの構造物の破片など、あらゆるものを慎重によけて進むのだ。 『……相当な激戦になったようだな』 踊り場から廊下への扉を静かに開け、そっと覗きこんだ素子はぼそりと通信でつぶやく。 事実、素子は廊下での激戦の跡を見つけていた。壁や床には銃弾の跡が多数あり、さらには肉片が飛び散っている。 もはや、スプラッタなアートとさえ言えるほどに、廊下は血と液体と肉片で彩られ、破壊の痕跡で満ちていた。 『しかし、どうやって一人で多数の相手を倒したんだか……』 『電脳戦に優れているなら、相手が多数でも勝てないこともないだろう……』 だが、トグサは死体の肉片に頭部だったものを見つける。 それは、生身の人間の頭を綺麗に輪切りしたものだ。義体化などをしていないのが見て取れる。 『少佐、この死体、義体化していません……』 『ああ。そして、綺麗すぎる切断面……本当に人間業か?』 『刃物で切ったっていうのか?』 『わからん。だが、軍用には格闘戦を想定し刀を内蔵した義手がある。それを使っている可能性はあるな。 トグサ、死体が腐食する前に記録しておけ』 『了解』 これ一つをとっても、精肉屋の貴重な手がかりだ。 肉どころか骨までも切り裂いているというあたり、相当な力か武器を使っている可能性がある。 それを行えるとすれば義体であり、その筋で調べていけば使っている武器の特定ができるかもしれない。 そう分かっていても、目の前で、明らかに恐怖を浮かべて寸断されている死体を見るのは、犯罪者であっても同情を禁じえなかった。 いったいどれほどの事態に直面し、どれほどの恐怖を感じたのであろうか。正体不明のテロリストはそれほど恐ろしいのか。 (……) 自分の背筋に、冷たいものが伝う感覚がする。同時に、体中の毛がぞわりと立ちあがるような感覚も。 職業柄、この手の修羅場というのはかなりの数踏んできたという自負をトグサは持っていた。 それでもなお、恐怖が体に染みてくるのだ。 『トグサ、遅れるなよ』 『了解』 手にしているセブロC26Aが、腰にセカンドガンとして備えるマテバが酷く頼りない。 それでも、前に進むしかない。素子の声に応じながらも、慎重に足を踏み出していった。 慎重なクリアリングとスニーキングで、徐々に徐々にと九課は階層を解放していく。 たくさんの死体と武器や戦闘の痕跡はあったが、未だに精肉屋も他のテロリストも見当たらない。 外で控えているタチコマ達や上空のヘリからは何ら通信がないことからすれば、未だに屋内にいることは確かであるはずだ。 ドンパチは覚悟の上で、このまま踏み込んでいくしかないのである。いつかはかち合うはずなのだから。 393:弥次郎:2022/10/08(土) 22 59 54 HOST softbank060146109143.bbtec.net 『……!止まれ!』 その時、ポイントマンの素子が手と通信の両方で後続の動きを制止した。 階層をだいぶ降りてきて、図面上では吹き抜けの広いフロアが先にあるはずだった。 『どうした?』 『……ここも戦闘があったようだ。それと、これだ』 視覚が共有され、その場の人間の誰もが驚愕する。 『爆弾か……!』 『だが、様子がおかしい』 一目で看破したのは爆発物の専門家でもあるボーマだ。 そのサイズや設計などはここからでもよく見える。整然と並べられているそれらは、明らかに対人以上のことを想定している爆弾だ。 思わず動きかけたボーマだったが、その動きは素子によって止められる。 『精肉屋に襲われたと思われるのに、なぜあの爆弾はあそこまであからさまに放置されている?』 その言葉に、誰もが動きを止めた。 そうだ。相手はテロを計画していたテロリストと思われていたが、同時に精肉屋に露見し襲われているはず。 だというのに、危険で取り扱いに注意が必要な爆弾を暢気に晒しているはずがないのだ。一つ間違えば誤爆し、自分達にも害が及ぶのだから。 『……罠か?』 『罠にしては幼稚すぎるような……』 『ボーマ、あの量が一度に起爆すればどうなる?』 『……質にもよるが、このビルに大きなダメージを与えられるだろうな。 この階層は吹き抜けで窓も多い。爆風が外に逃げることも考えられるが、いずれにせよ起爆させない方がいい』 よし、と素子はクリアリングをすると、素早く指示を出す。 『状況についてはよくわからんが、あの爆発物は処理する必要がある。 ボーマ、ワク、お前たちで爆発物を処理しろ。危険度が高いものは最悪外に放り捨てろ。ここは無人地帯だからな』 『了解』 『専用の道具がないと難しいかもしれないが……起動していないだけましか』 『頼んだぞ』 室内に踏み込めば、そこはテロリストたちの死骸であふれており、それ以外は雑多な武器やらが散らばっているばかり。 警戒されていた罠などは見当たらないばかりか、警備システムであろう監視カメラやそのほかの機材は破壊されている始末だ。 『トグサ、バトーの二人は何か証拠になるものがないか捜索を任せる。 精肉屋のことだ、徹底して破壊しているだろうが、断片でも情報が欲しい』 『了解』 なんともすっきりしないのであるが、テロの可能性を摘み取れたことは確か。 だが、同時になんともお膳立てされている状況であることを否定しきれなかった。 ともあれ、どうやらここが根城だったという推測から調査を行いつつ、ボーマたちは回収した爆弾の処理を開始した。 『これは精肉屋の仕業、何でしょうか?』 『わからん』 何とか端末やコンピューターなどの断片をかき集めながらも、トグサは素子に問う。 相手は義賊の様な事をしているテロリスト、ということなので、こういったことをしていてもおかしくはない。 とはいえ、ここまで丁寧にテロリストたちを始末し、危険物を回収させるというのは、ある種異常だ。 警察組織を利用するというのは犯罪者もやらなくもないことである。しかし、これはそれとは次元が違う話になる。 まるで素子たちのスケジュールまで掴んだうえで、後始末を任せるといわんばかりに振舞っているのだ。 『だが、どうやって我々の行動まで把握しているんだ? 九課の活動に限ったことではないが、この手の情報のセキュリティは高い。 それにここにいたテロリストについても、九課でかなり時間をかけて探り当てた情報だ。 個人で特定できるとは……』 『ですね』 そう、どうやったのかがまるで分らない。 総理の直轄であり、攻勢の警察組織という異端の九課に関わる情報は最重要機密だ。 その活動についてはかなり隠匿されており、ダミーの情報も大量にバラまかれている。 394:弥次郎:2022/10/08(土) 23 00 30 HOST softbank060146109143.bbtec.net それらの情報の中から正しい情報---つまり今回のテロリスト制圧を先読みし、尚且つテロリストについての情報を先に掴んでいた。 電脳戦に優れている、というレベルではない。情報の収集能力や精査する能力がおかしいほどに高いのだ。 まるで見えないバックドアをそこら中に仕掛け、全てを監視しているかのようですらある。 ディストピア小説に登場する偉大なる兄弟(ビッグブラザー)でもこうまでもいかないだろう。 『……』 『どうした、トグサ?』 『いえ、その……』 しばし考え込んだトグサは、素子へと自分の考えを、これまでの精肉屋の動きについての推測を語る。 『どうやったのか、誰がやったのか、いつやったのか……そこから捜査を進めるのは常套手段だと思うんです。 けれど、今回はそれではうまくいかない気がします』 『どういう意味だ?』 うまく言えませんが、とトグサは少し考え、慎重に言葉を紡ぐ。 『相手はまるで義賊の様な事をしています。 犯罪者やテロリストを悉く殲滅し、犯罪を未然に防ぎ、治安を守る。 その手段や方法は、どう考えても我々の考えの上を行きます。普通では追いつけることができないかもしれない』 『刑事上がりのお前らしくないわね?』 ええ、そうです、と頭をかきながらもトグサはつづけた。 『ですが、何故やったのか(ホワイダニット)で考えたほうが近道ではないかと思うのです。 相手の手段が想像も及ばない方法ならば、変わりようのない理由からの方が』 『テロリストや犯罪者を殺して回って、何の利益があるってんだ?』 トグサの言葉にバトーは割り込んだ。 そう、義賊のように行動しても、一切利益などでない。犯罪者から金品を奪うでもなく、ただ制圧し、未然に防ぐだけだ。 事前の準備や情報収集の手間などを考えれば、一銭の利益が出るものでもない。 九課とてこの手の仕事をしているが、きちんと給与は出るし手当もある。九課の活動はひいては国益のためということにもなっている。 『端的に言えば、テロリストや犯罪者がいなくなることで、利益が出る人間がかかわっていると、そう思えます』 『……圧倒的多数を占める望郷派とは逆の、この世界での生活を望む人間ということ?』 『ええ。そうでなければ、説明はつかない。この国が、このカナンでの生活に早く馴染むことが望ましい。 そう考えて行動できる人や組織はどれほどいるか、これまであまり調べてきませんでしたから』 その進言にバトーは呆れた視線を送るが、素子は違っていた。 確かにトグサの考えは的を得ていた。これまではテロリストを追いかけていて、その延長として精肉屋の追跡もしていた。 だが、その精肉屋は単なるテロリストとは違う行動原理や方針のもとに動いているならば、同じように推測していっても意味がないかもしれない。 ならば、発想を変えていくべきだ。そんな義賊のようなテロリストがいることで助かるのは誰か? 精肉屋はなぜそのような行動をとり続けているのであろうか? 『考えられるとしたら、それは……』 トグサが無線で続けようとしたそこから先の言葉は、破壊の音に遮られた。 フロアの壁を構成する金属も何もかもを一度に切断が二回発生。 同時に、切り裂かれた壁が崩壊するとんでもない轟音が響いた。 395:弥次郎:2022/10/08(土) 23 01 51 HOST softbank060146109143.bbtec.net 『伏せろ……!』 素子の声に指示されるまでもなく、とっさの判断でその場にいた九課の人員は遮蔽物の蔭へと飛び込んだ。 幅10mは余裕であるような巨大な壁が、一気に破壊され、その断片と衝撃が一度に襲い掛かってきたのだ。 「……!?」 そして、素子は見た。 そこにいる人の姿を。 何度となく回収された情報から作られた、モンタージュと酷似した姿を。 「精肉屋……!」 その姿は、断片的に回収された精肉屋の特徴とまさに一致していた。 服装はまるでお伽噺の人間だ、と言われたように、顔を隠す大きめの兜にマスク、とどめに鎧とマントという恰好。 汚れ、シミがついているそれらは、しかし不思議と調和を持っている。完成されているのだ。 そして、武器など、見える範囲では前装式と思われる連装銃と、これまた美術館にでも置いてありそうな剣だ。 剣はどちらかと言えば刺突を想定しているのか鋭い切っ先なのが見て取れた。 『……まずい!』 そして、その手にある連装銃がゆったりとこちらに向けられる。 その動作は、ゆっくりに見えて、決して侮れない。素子の第六感が、本能が、あれは危険だと叫んだのだ。 壁が吹っ飛ばされたので地面に伏せて適切な防御態勢だった素子は、それ故にすぐに反応することができた。 即ち、セブロC26Aを片手でとはいえ構え、引き金に指をかけ、相手に照準を合わせることができたのだ。 刹那の間に、照準を相手の手足に合わせ、射撃管制ソフトに導かれるように引き金を引く。 撃たなければ、自分が打たれ、殺される。キリングゾーンにいるという感覚が素子を包んでいた。 素子の動作は遅滞なくセブロC26Aの内部機構を動かし、銃口は5.45mm×45弾を立て続けに吐き出した。 牽制を放ち、相手の動きを見ながらもすぐさま立ち上がろうとして、驚愕すべき光景を見た。 「……」 相手の、精肉屋の手に握られた剣がぶれ、刹那の間に振るわれたのだ。 そして生じるのは立て続けの金属音と、壁に何かが激突する音だった。 (馬鹿な……) 相手は、銃弾を切り払った。アサルトライフルの、この至近距離で放たれた何発もの弾丸を、ただの剣で。 だが、驚愕に表情を歪める素子に余裕を与えてはくれなかった。照準を合わせ直した銃がこちらを捕らえたのだ。 外見は古い。だが、そこに油断する余地はなかった。即座の反応で、素子は体を一気に跳ねさせた。 義体化している彼女は、それこそ生身を超えた動きができる。半分伏せた状態から一気に後ろにバク転するようにして身を起こしたのだ。 そして同時に遮蔽物の方へと身を飛ばし、飛んでくる弾丸を躱した。 『総員、敵だ!応戦しろ!』 一切の遊びも余裕もなく、素子は叫んだ。 尋常ではない相手との戦いの火ぶたが、切って落とされた。 396:弥次郎:2022/10/08(土) 23 02 54 HOST softbank060146109143.bbtec.net 以上、wiki転載はご自由に。 一気にかけました。
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マテバ M-2008 4in. ▼マキナ・テルモ・バレスティック(マテバ)社製 ▼オートマティックリボルバー ▼SA/DA ▼装弾数 6発 ▼.357マグナム弾使用 ▼高速徹甲弾(*1)、発信機内蔵弾使用可 ▼サイボーグにも有効 ▼トグサが使用 ■S.A.C. 1st 第1話「公安9課 SECTION-9」に登場。 トグサが任務での件を気にして射撃練習をしていた時に使っていたのがこれ。 (*1) 小説では高速徹甲弾を使用していることになっているが、アニメ版ではそのように明言されていない。 また、設定資料の弾の形を見ても高速徹甲弾ではないと思われる…。 □登場作品 「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」 「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 2nd GIG」 「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 小説版」 「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society」 名前 コメント [PR] 価格
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【朝】 NO. タイトル 作者 登場人物 104 東天の緋 ◆79697giSSk 氏 ヴィータ 105 I wish ◆KpW6w58KSs 氏 石田ヤマト、ぶりぶりざえもん、長門有希 106 Ground Zero ◆TIZOS1Jprc 氏 朝比奈みくる、セラス・ヴィクトリア、ロベルタ、バトー 107 武人の本懐 ◆lbhhgwAtQE 氏 キョン、トウカ 108 Unlucky girl ◆/1XIgPEeCM 氏 園崎魅音 109 リスキィ・ガール ◆pKH1mSw/N6 氏 劉鳳、朝倉涼子 110 -目的- -選択- -未来- ◆wlyXYPQOyA 氏 フェイト・T・ハラオウン、タチコマ 111 最悪をも下回る ◆q/26xrKjWg 氏 シグナム 112 くじけそうになったら涙を ◆C1.qFoQXNw 氏 ゲイン・ビジョウ、獅堂光 114 「永遠に(ネバー・ダイ)」 ◆LXe12sNRSs 氏 ロック、野原しんのすけ、ヘンゼル 118 ハートの8 ◆k97rDX.Hc. 氏 古手梨花、剛田武、翠星石 119 幸運と不幸の定義 near death happiness ◆QEUQfdPtTM 氏 アーチャー、ルイズ、桜田ジュン、八神太一、ドラえもん、草薙素子 120 影日向 ◆M91lMaewe6 氏 グリフィス、音無小夜 121 仕事 ◆S8pgx99zVs 氏 トグサ、石田ヤマト、ぶりぶりざえもん、長門有希 125 D-3ブリッヂの死闘 ◆lbhhgwAtQE 氏 ハルヒ、アルルゥ、ヤマト、ぶりぶりざえもん、長門、ルパン、シグナム 127 峰不二子の退屈 ◆/1XIgPEeCM 氏 峰不二子 130 Ultimate thing ◆nBFOyIqCVI 氏 アーカード、真紅 131 トグサくんのメッセージ ◆LXe12sNRSs 氏 桜田ジュン 132 トグサくんのミス ◆LXe12sNRSs 氏 トグサ 140 死闘の果てに ◆q/26xrKjWg 氏 シグナム、ルパン三世 【午前】 NO. タイトル 作者 登場人物 113 触らぬタチコマに祟り無し Flying tank ◆5VEHREaaO2 氏 フェイト・T・ハラオウン、タチコマ、園崎魅音、水銀燈、遠坂凛、野比のび太 116 吸血鬼DAYDREAM ◆B0yhIEaBOI 氏 朝比奈みくる、セラス・ヴィクトリア、キャスカ 117 Salamander (山椒魚) ◆B0yhIEaBOI 氏 カズマ、ストレイト・クーガー、高町なのは、ゲイナー・サンガ、レヴィ 122 嘘も矛盾も ◆TIZOS1Jprc 氏 剛田武、園崎魅音、古手梨花、翠星石 124 Lie!Lie!Lie! ◆qwglOGQwIk 氏 前原圭一、竜宮レナ、ソロモン・ゴールドスミス、蒼星石、次元大介 126 たとえ道が見えなくとも ◆7jHdbD/oU2 氏 遠坂凛(カレイドルビー)、水銀燈、野比のび太 128 知らぬは…… ◆pKH1mSw/N6 氏 カズマ 129 「サイトと一緒」 ◆5VEHREaaO2 氏 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 133 幕間 - 『花鳥風月~VSアサシン0』 ◆QEUQfdPtTM 氏 セイバー、佐々木小次郎 134 歩みの果てには ◆q/26xrKjWg 氏 八神太一、ドラえもん、ヴィータ 135 行くんだよ ◆M91lMaewe6 氏 ロック、君島邦彦、野原しんのすけ、キョン、トウカ 136 白雪姫 ◆S8pgx99zVs 氏 劉鳳、朝倉涼子 137 正義の味方 ◆2kGkudiwr6 氏 長門、アーチャー、アーカード、真紅、ハルヒ、アルルゥ、ヤマト、ぶりぶり、トグサ 【昼】 NO. タイトル 作者 登場人物 123 親友を失った悲しみと、愛する人を失った悲しみ ◆LXe12sNRSs 氏 鳳凰寺風、エルルゥ 138 ハードボイルド・ハードラック ◆tC/hi58lI. 氏 ガッツ、野原みさえ、北条沙都子 139 恋のミクル伝説(前編)恋のミクル伝説(後編) ◆LXe12sNRSs 氏 キャスカ、獅堂光、ゲイン・ビジョウ、朝比奈みくる、セラス・ヴィクトリア 141 二人の少女 恐怖のノイズ/二人旅 ◆Lp4e6dlfNU 氏 朝倉涼子、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール 142 食卓の騎士 ◆TIZOS1Jprc 氏 セイバー 143 一人は何だか寂しいね、だから ◆lbhhgwAtQE 氏 八神太一、ドラえもん、ヴィータ、峰不二子 144 Birth&death ◆Ua.aJsXq1I 氏 前原圭一、竜宮レナ、次元大介、ソロモン・ゴールドスミス、蒼星石 145 正義の味方Ⅱ ◆S8pgx99zVs 氏 長門有希、アーカード、アーチャー 146 彼は信頼を築けるか ◆4CEimo5sKs 氏 劉鳳、桜田ジュン 147 KOOL EDITION ◆FbVNUaeKtI 氏 朝倉涼子 148 Standin by your side! ◆KpW6w58KSs 氏 八神太一、ドラえもん、ヴィータ、シグナム 149 約束された勝利/その結果 ◆TIZOS1Jprc 氏 ガッツ、キャスカ、音無小夜 150 暴走、そして再会なの! ◆lbhhgwAtQE 氏 ストレイト・クーガー、高町なのは、野原みさえ、獅堂光 151 君島邦彦. ◆7jHdbD/oU2 氏 ロック、野原しんのすけ、セイバー、君島邦彦 152 浮かぶ姿は暗雲 ◆M91lMaewe6 氏 剛田武、園崎魅音、古手梨花、翠星石 153 「借りは返す」 ◆LXe12sNRSs 氏 ゲイナー・サンガ、レヴィ 154 峰不二子の動揺 ◆pKH1mSw/N6 氏 峰不二子、八神太一、ドラえもん、ヴィータ 155 お別れ ◆4CEimo5sKs 氏 涼宮ハルヒ、アルルゥ、石田ヤマト、ぶりぶりざえもん、トグサ 156 すくわれるもの ◆q/26xrKjWg 氏 キョン、トウカ 157 いつか見た始まり ◆1vV4MvJUPI 氏 グリフィス、カズマ 158 圧倒的な力、絶対的な恐怖 ◆Xbtp/256QU 氏 アーカード、朝倉涼子 159 黒い死神、赤いあくま、そして銀の殺人人形 ◆2kGkudiwr6 氏 フェイト、タチコマ、遠坂凛、水銀燈、野比のび太、エルルゥ 160 逃げたり諦めることは誰にも ◆KpW6w58KSs 氏 真紅 161 「あはははは!」 ◆LXe12sNRSs 氏 ソロモン、蒼星石、竜宮レナ、前原圭一、次元大介、佐々木小次郎 【第二回放送】 NO. タイトル 作者 登場人物 162 第二回放送 ◆jFxWXkzotA 氏 ギガゾンビ