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「は?つけて?」 「だから!コンドームはつけてセックスしたの?」 「あっ…うん。ちゃんとつけたよ」 シンジの答えを聴くと満足そうに頷きユイさんから発せられた先程までのプレッシャーが嘘の様に感じられなくなった。 「そう、なら良いわ。好きな人に抱かれたい、抱きたいは自然な事だもの。ただ学生なんだから二人には、節度あるお付き合いをして欲しいの」 ユイさんは私に微笑み、シンちゃん。ちょっと席を外してちょうだい、とシンジをリビングから追い出す。ユイさんは私の隣に座り、優しく頭を抱き寄せてくれた。 「…ごめんなさい…叔母様…」 「良いのよ謝らないで。アスカちゃん、シンジの事好き?」 「はい…大好きです」 「そう…不出来な息子ですけどシンジをヨロシクね。ってまだ早いか♪」 ユイさんは笑いながら私の涙を拭いてくれた。頭を撫でながら 「痛かった?でもすぐに慣れるわ。解らない事があったら恥ずかしがらずに私やお母さんに聞きなさい」 「はい…。ありがとうございます」 「でも…コンドームはちゃんとつけなさいね。私、おばあちゃんになるのはまだ嫌よ♪」 「はい♪叔母様」 そのあと、シンジのお家で研究所から帰ってきたお母さんと一緒にご飯食べたんだっけ… お赤飯…お母さんビックリしてたなぁ 「ふぅ…お水飲んでこよっと」 「…んっアスカ?…今何時…?」 「ごめんシンジ。起こしちゃった?まだ三時よ」 私はシンジのおでこにキスをしてキッチンに向かおうとした。腰に緩やかに腕が巻かれシンジの唇が私の耳元で言葉をつむぎだす… 「アスカもう一回…しようか?」 「………えっち…」
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アスカから激しくするお許しが出たので、20回程コトに及ぶシンジ 20回中5回気絶して、ラスト3回は全く記憶がない上に 「最後の方のアスカ、凄くHで凄く可愛かったよ」と言われるアスカ と妄想してみたものの、うな重何杯食べたって そんなことは無理だよなぁと現実に返るシンジ 「シンジ君、そんな時には、これを使うといいよ。熊本土産だ」 加持から、肥後ずいきを貰い、眼を輝かせるシンジ。 やっぱり風俗で経験値を稼ぐしかないかとソープの門をくぐるシンジ。 超人的な第六感でそれを察知するアスカ ネルフの権力で先回りすることに 入り口で目隠しを装着のうえ案内されるシンジ 従業員の興奮を高めるためとの説明を受けて 「へぇ~そんなもんなんだ」と納得して先を進むシンジ 嬢と他一名が待つ部屋へ通されたシンジ 「お客さん、こういうとこ初めて?」 「…………………」 スッ、パサッ 「え、ええ、まぁ、そうです(服も脱がせてくれるんだ、こういうトコって!)」 「へぇー、そうなんだ。でも、大丈夫なのこんなトコに来て 嫉妬深い彼女とかいて、その娘に見つかったら大変なんじゃないの?」 「え、あ、い、いえ、だ、大丈夫ですよ、そんな彼女なんていませんし」 「……………(ムカッ)」 グイッ 「痛っ!!」 「あ、あら、御免なさい、じゃこっちに寝そべって」 「…………………」 ガシッ 「あ、はい(ん?何か覚えのある手だな)」 「……………(ギンッ!!)」 「(ヒィッ)じ、じゃちょっと待っててね、私も準備するから」 生命の危険を感じてシンジと他一名を残して出て行く嬢 「…………………」 ドスッ!!! 「グハッ、い、痛いよ!」 「そう、痛いの、へぇ~」 「そ、その声は……………」 聞き覚えのある声を耳にし、目隠しに手をやるシンジ 「ヒィッ、ア、ア、ア、ア、ア、アスカ」 目隠しをとったシンジの眼前には鬼も恐れをなすほどに怒りに満ちた表情のアスカがいた その頃、ケンスケもご案内。 なにやら、廊下から不穏な空気が漂ってきているのを感じた。 しかし、今日は何故か、普通料金なのに、3輪プレイ・延長無制限・女の子途中交代OKという ありえない破格のサービスを提供してもらえることになっていた。 シンジがどうなろうと知ったことではなかった。 「…お客さん、お飲み物は何になさいます?」 「…そ、そだな、じゃ、コーラを」 「フロントさん、ユンケル1ダース、おねがいしま~す」 「…た、たのんでないよ、そんなの!!」 「大丈夫よ、シンジ。ケータリングも頼めるから。後で一緒にピザ食べて、夜明けのコーヒーも一緒に飲もうね~」 「ま、まだ、お昼の2時なんだけど…」
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シンジ『ただいまぁ~』 アスカTV見ながら『お帰り~遅かったわね?』 シンジ『うん・・・帰りにトウジと会って軽く飲んでて遅くなってさ』 アスカ『そうなの・・・』 相変わらずTV見ながら『さっき鈴原から電話で夫婦喧嘩して家追い出されたから今晩泊めてくれって言ってたわよ!』 『どこのトウジさんと飲んでたの?』 シンジ『ギクッ』 ドキドキ冷や汗^^ 『さぁーて着替えて風呂入るかな・・・』 アスカややキレ気味に『ちょっと!こっちに来て座りなさい!』 シンジ『いやぁ~先に、きっきがえてくりゅりょりょ』 アスカ怒りモードで『シンジ! お す わ り !』 シンジ『はっはひぃ』 蛇に睨まれた蛙状態のシンジ テーブルに頬杖しながらTV見てるアスカが、おもむろに 『で?本当は、どこで何してたの?』 シンジ『いや・あの・その・・・』 シンジの表情や仕草を見ながらアスカ 「まさか浮気か?」と思い 『シンジ・・携帯見せて』 シンジ完全にどうようしながらも 『なっなんで?』 アスカ『いいから見せなさいよ!』 シンジ心の声 「ラッキー!携帯には何も証拠は残してないから余裕だな」シンジ『わっわかったよ』 しぶしぶアスカに携帯をスーツのポケットから出して渡そうとした時 アスカが 『あっサイフも見せて!』 シンジ一瞬凍り付いた表情になり顔をひきつけながら 『えっサイフも?』アスカ『そうよ』 シンジ焦りながら考える 「サイフにも証拠残してないよな大丈夫だよな」 「あれはあの中に混ぜてあるし、大丈夫!」 「よし!ここさえ乗り切れば大丈夫だ!」 「頑張れ!シンジ」白々しく『携帯と・サイフね』 携帯とサイフを渡すシンジ 『はいアスカ』 携帯をチェックするアスカの様子みながらシンジは 『着替えてくるね』 と言って、テーブルから離れようとした瞬間アスカが、 『シンジ~メール受信が四件削除してあるみたいだけど何で?』 シンジその質問は想定内と着替えながら 『あっそれね何か出会い系サイトのメールだったから見ないで削除しただけだよ』 アスカ『じゃ送信四件削除してあるのはなんで?』 シンジ かなり動揺しながら心の声「えっ?ちょ!まってアスカ!そっちもチェックするのかよ?」 「想定外だよ!マズいよ!どうする」 『ははっなんでかなぁ~?^^』 アスカ『浮気した?』 『鈴原と飲んだじゃなく!女と!あんな事や!こんな事!してたんだ!』 と鬼の形相でシンジの背後に迫るアスカ シンジ慌てながら 『ちょ!アスカ~!待って!まってって!』 『浮気なんて、してないよ!本当だよ!』 シンジの襟首掴みながら 『じゃ!なにしてたのか白状しなさい!』 『わかったよ!白状するよ!』 シンジ『ヘルス・・ヘルスに行っただけだよ!』 アスカ完璧にキレながら『はぁ!ヘルスですって!』 襟首の手ほどきながら 『そうだよヘルス』両手を自分の腰にあてながら呆れ顔のアスカが 『やっぱ浮気してたんだ!』 シンジ『ヘルスはHしてないから浮気じゃないって言うから行ったんだよ!』 アスカ『誰がそんな事言ったの?』 シンジ『父さんだよ!父さんがヘルスはギリギリ浮気にならない、だから母さんの目とヘソクリ盗んで時々行ってるって』 アスカ『はぁ?あんたバカ~!』 アスカ完璧に呆れながら 『おかあさまに言いつけてやる!』 シンジ珍しくキレ気味に 『何で母さんに言うんだよ!』 『当たり前でしょ!アタシというバカシンジには、もったいない素敵な奥さんがいながら浮気しといて!』 『だからヘルスは浮気に…』 シンジに睨み詰め寄りながら 『世間一般では風俗も浮気になるの』 シンジ背中に冷たい汗流しながら 『知らないよ!そんな事!』 アスカ『出て行ってよ!』 シンジの首根っこ掴み玄関から放り投げながら 『今日は帰ってこなくて、いいから!外で一晩反省しなさい!バカシンジ!』 『ちょ!まってよ!アスカ~~~』 玄関先に立っていたトウジが一言 『お前も追い出されたんかいな…』
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夜7時 「ただいま~」 「お、おかえり・・・」 「どうしたの?なんか元気ない?」 「そ、そんなことないわよ!ただわたしも忙しいから疲れてるだけよ!」 「あ、そうそうハイ、お弁当箱」 アスカはその単語を聞くと急にビクッとして下を向いてしまった。 (いつもはあたしが愛が足りないって言ってるのに、今日はシンジに愛が足りないって思われるかも・・・) 「今日もおいしかったよ、アスカ」 アスカがそれを聞いてホッとした瞬間だった。 「でも毎朝作ってたんじゃしんどいでしょ?たまには今日みたいなのも良いと思うよ。僕はアスカの作ってくれたものならなんでも良いんだから。 そうだ、僕もアスカにお弁当作ってあげるよ。」 そう微笑みながら言うシンジの言葉を聞いてアスカは自然と涙があふれていた。 「バレちゃったか・・・」 「そりゃあね。エビフライがアスカの味じゃなかったから。なにより朝からあんな車の音出してたら起きちゃうよ」 シンジは苦笑いしながら言う。するとアスカはシンジの胸に顔を埋める。 「朝から気付いてたのに騙してたんだ・・・」 「アスカが僕の為に一生懸命になってくれてたのが嬉しくてさ、昔のアスカじゃ考えられないよね」 そう言ってシンジはニコっと微笑む。 「また、そういうこと言う!」 そう言ったアスカの目にはキッと吊り上っているがうっすらと涙が見える。 「怒ってない?」 「僕が?なんでさ?僕はアスカが忙しい中、お弁当作ってくれるんだから、ちょっとくらい手を抜いても気にしないよ」 「良かった・・・あたしってさ、あんたに愛情を求める癖にさ、あたし自身があんたに同じようにできてるかって言われると少し自信なかった だから、お弁当まで手抜いたのがバレたりしたらきっと愛想つかされると思った」 「ふふ、良いんだよ。僕はそんな素直じゃなくてわがままなアスカが好きになったんだから」 「バ~カ」 そして二人のシルエットが一つに重なる。 「あ~まま、ぱぱちゅー、ちゅー」 となりの部屋からさっきまで寝ていたのだろう二人の愛息がまだハイハイを卒業したばかりのヨタヨタとしたおぼつかない足取りでやってきていた。 「ただいま」 シンジはさっと我が子を抱き上げてアスカの方を見る。 「だからさ、これからはそんなに頑張らなくても良いよ。」 そのとき、アスカはこれまでホントの意味でシンジを信じてあげられてなかったんだなぁと今までを振り返る。 「あんなこと考えちゃって、ホントあたしバカみたい」 最終章 終 その後、アスカが今回の件で味を占めたことと以外にも冷凍食品がアスカの口に合ったことで お弁当どころか晩御飯にまで冷凍食品が出てくる機会が増えてしまうも 自分の言葉の為になかなかそのことを口に出せず、苦笑いしかできないシンジさんでしたとさ
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7時、シンジが起きてきたころとほぼちょうどにお弁当は完成した。 アスカは今朝の出来事を悟られぬようと、疲れてはいたがなんとか元気に振舞う。 二人で簡単に朝食を済ませて、シンジが仕度にダイニングを出ると朝の疲れが一気にアスカを襲った。 「・・・カ・・・スカ・・・アスカ」 アスカは出勤前のシンジに起こされる。 「ん、もう行くの?」 「うん、じゃ行ってk」 「シンジお弁当持った?」 「ん。持ったよありがとう。じゃ」 テーブルに突っ伏したままアスカはシンジのスーツの裾を引っ張る。 「アスカ?」 「シンジ・・・キス、して?」 「きゅ、急にどうしたの?」 「べ、べつに!なんでもないわよ!少し前までは朝は毎日してたでしょ!?ま、わたしはどっちでもいいんだけどアンタがしたいならさせてあげるわよ!」 顔を真っ赤に染めて目を逸らすアスカを見てシンジはフッと微笑むとためらいなくキスをした。 「い、いってらっしゃい・・・」 「うん、行ってきます」 (なんであたしだけ、恥ずかしがってるのよ!なんか・・・ムカツク) 「でも今日初めてお弁当手抜きになっちゃった・・・冷凍なんて使っちゃったし時間なくてハンバーグも作れず冷しゃぶにしちゃったし・・・ ミサトのやつ、今度会ったらただじゃ済まさないわよ!」 三章 終
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月曜日朝5時、碇家の台所には一家の主の姿がある。 「さ~てと、今日も頑張りますか!」 アスカはいつものように鼻歌を歌いながら冷蔵庫から目当ての材料を取り出し準備を始めていく。 まずは野菜を温野菜にする準備を終えると、お弁当にご飯を入れてうちわで扇ぐ。 良い頃合いまで冷めると、出汁巻きを手際よく焼き温野菜とともに冷ましてお弁当に盛り付ける。 いつもならここでメインの準備に入るのだが、アスカは冷凍室を覗いたところである異変に気付く。 「あれ?ない・・・」 アスカは急いで冷凍室を奥まで探すが、目当てのものは見つからなかったようで、絶望の表情を浮かべている。 「ああ~・・・なんでなのよぉ~!」 アスカは、寝ている家族を起こさぬように小さく唸るように言う。 どうやらお弁当のために、下準備を済ませ冷凍しておいた高級車海老を使ったエビフライと、松○牛を使ったハンバーグが見当たらないようだ。 「まだストックはいっぱいあったはずよねぇ・・・シンジは勝手に食べたりしないし。」 (最近ウチに出入りした人間・・・) 「あっ!!!」 アスカは急いで電話を掛ける。 (この前火曜は非番だって言ってたから、今日はこの時間仕事してるはず・・・) 「もしもし!加持さん!?」 「おっアスカじゃないか、どうしたんだ?こんな朝早くから。そんな血相抱えたような声だして」 「あたしがヒカリと飲みに行ってた間に土曜にウチにミサトと遊びにに来たって言ってたわよね!」 「あ、ああ・・・それがどうしたのか?」 「そのときミサト変なことしてなかった!」 「はは、アイツが変なのはいつものことだろ!」 アスカは辛抱たまらんといった感じで一気にまくし立てる。 「そんなこと聞いてんじゃないわよ!あの女ウチで勝手に何かしてなっかったかって聞いてんのよ!さっさと答えなさい!」 加持はいつもと違うアスカの様子に驚きを隠せず、あ然としながら冷蔵庫から何か勝手に取り出してはシンジに調理させて酒の肴にしていたことを告げた。 アスカはそれを聞くと返事もせずに電話を切り時計に目を向けた。 このとき朝5時40分。シンジの起きる1時間20分前。 アスカは急いで車のキーを取ると、エプロン姿のままで愛車ポルシェ911ターボを駆りエンジンフルスロットル。 そのホイルスピンはまるで今のアスカの心情を表すよう、荒々しい走りで第三新東京市郊外から都心へ向かっていった。 「あんのクソアマァァぁぁぁあ!!!!!!!!」 第一章 終
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シンジを追い出しても怒りの、おさまらないアスカ 『あのバカ!どうせ行く所は分かってるんだから!プンプン!』 と頭から煙りをだしながもシンジの着替えと明日のYシャツネクタイ靴下をバックに詰め込み 『フゥ~しょうがない、お母様に愚痴ってくるか』 『その前に、これをバカシンジに渡してこないと』 なぜか怒っていても少し笑顔のアスカ 駐車場に向かい自分の車に乗り込む 碇家には二台の車がある 一台は足がわりの軽自動車とアスカ専用ドイツ製ベンツのオープンカーである もちろん色は赤 セカンドインパクト前のビンテージもので希少車 故障が多いがアスカ曰わく手離す気は全くないらしい 理由は、独身時代シンジに無理やりせがんで買ってもらった思い出の車だって事は言えない 車で走り出して間もなく目的地近くで男二人がトボトボ歩く姿確認して 安堵のため息 フゥ~ 『やっぱり緊急避難所ケンスケ宅に行こうとしてるわね』 『ホントいつもワンパターンなんだから』 男二人に近づき突き放す言い方で声をかける 『・・シンジ・・』 シンジ肩をビクッとさせながら 『ア・アスカ・・』無愛想にバックとカバンをシンジに渡す 『これ着替えと仕事のカバン』 戸惑いながら『え?あっうん』 『ありがと』 アスカいつもの調子で 『べ・別にお礼なんて…いいわよ!』 『頭冷やして明日は仕事終わったら真っ直ぐ帰ってくるのよ!』 バツ悪そうに頭書きながらシンジ 『うん』 アスカ勝ち誇った表情で笑みを浮かべニヤリと 『よろしい』 『じゃあね~』 車に乗り込み走り去るブロロロ~ 見送るシンジがボソり 『アスカあの車に乗ってきたんだ…』 トウジが不思議そうに 『シンジあの車がどないしたって?』 『シンジ、アスカまだあの車に乗ってたんだ古いやろあれ?』 シンジ照れながら 『ああっ・・気に入ってるみたいだからさ・・・』 それから数十分後赤い車は郊外の一戸建ての家の駐車場にいた 乗っていた人物は既に家の中のリビングのソファーに座りながら何やら喋っている いや正確には、ある人物に向かい一人で喋り捲っている 『お母様!まったく!バカシンジときたら!』 なかば呆れ顔で時には笑顔で紅茶を軽く飲みながら聞き入るシンジの母親碇ユイ 『お母様!聞いてますか?』 ニコニコしながら聞いてるユイ 『はい聞いてますよ』 『アスカちゃん夕御飯まだでしょ?』 アスカ突然とっぴょうしもない質問に思わず素で 『あ・はい、まだです』 『じゃ残り物で良かったら軽く何か作るわね』 キッチンに向かい冷蔵庫の中の食材を見ながら 『アスカちゃん焼きそばでいい?』 ポカーンとした表情のアスカは 『焼きそばでかまいませんよ』 と言うのが精一杯だった キッチンで手際よく料理を始めるユイに向かい 『あたし手伝います』 ユイは優しく 『いいのよアスカちゃん座ってなさい』 『うちの人もだけどホント男って勝手よね~ 女の気も知らないで』 『うちの人なんて・・・』 フゥ~ 『昔は私が海外に単身赴任してる頃に愛人は作るし・・あたしの同級生には手出すし・・』 『挙げ句に、その同級生の娘にまで手出して大変だったのよ』 キッチンからの、いい香りにお腹鳴らしながらアスカ ふぅ~ん 『別れようとか考えなかったんですか?』 出来た焼きそば皿に盛り付けながらユイは 『出来た!』 『はいアスカちゃん召し上がれ』 と焼きそばをアスカに差し出す 『別れようとはしなかったわ』 『あの人の事信じて愛してたからね』 優しく微笑みながらアスカを見つめ優しい口調で 『アスカちゃんもでしょ』 『シンジの事愛してるから・・』
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その言葉に今まで抑えていた感情が爆発する 突然声を出して大泣きするアスカ 思わずユイもビックリしながら 『アスカちゃん!』 『だって!愛してるから!愛してるから!大好きだから!許せないの!』 『他の女と仲良くしてる所とか!いくらヘルスや飲み屋の女でも許せないの!』『でもシンジ鈍感だから!それが解らないの!』 『アタシ以外の女とは仲良くしてほしくないの!』 『ずっとアタシだけを見ていてほしいの!』 『でもシンジ馬鹿でお人好しだから!それが出来ないの!』 ユイは優しく優しくアスカ抱きしめながら泣き続けるアスカに 『アスカちゃん、ありがとうシンジをそんなに想ってくれて』 アスカの頭と肩をギュッと抱きしめながら 『ありがとうアスカちゃん』 しばし時は流れ ユイがおもむろに泣いた子供あやすように優しい口調で 『アスカちゃん焼きそば冷めちゃうから食べなさい』 アスカ素直に涙をぬぐいがなら笑顔で 『はい』 と言い食べ出して 『お母様の焼きそば美味しいです!』 ユイは、その表情見ながら嬉しそうにニコニコしてお茶を煎れる 『今度お料理色々教えて下さいね』 アスカは焼きそば食べ終わりお茶を飲みながら笑う ユイはアスカの笑顔みながらニコニコして 『いつでもいいわよ但し夫婦喧嘩の時は教えないわよ』 二人で顔を見て笑う ユイは 『アスカちゃん今夜泊まってく?』 アスカは 『いえ・おばさま…じゃなくて、お母様に話したらスッキリしたから帰ります』 ユイは少し残念そうに 『あら、そう残念ね』 アスカは 『今度シンジと一緒にお泊まりに来ますから』 ユイは嬉しそうに 『そうじゃ楽しみにしてるわ』 アスカは 『じゃアタシ帰りますね迷惑かけてすいませんでした』 『あら迷惑なんて思ってないわよ、帰り車の運転気をつけてね』 帰り際の玄関でアスカに向かい 『アスカちゃん、さっきの馬鹿亭主のへそくりくすねてるって話本当?』 アスカ妙に動揺しながら 『・・えっ?あっいやその…言葉の・言葉のアヤですよハハ』 気まずそうに答える ユイは顔で笑いヒキつりながら 『じゃ~気をつけてね~』 と手を振り見送る 赤い車が見えなくなるまで手を振り心の中で 「アスカちゃんの表情から、ありゃ本当だな」 「最近へそくり少ないと思ってたら馬鹿亭主だったか!」 「しかもヘルスに使っていたとなると・・・」 ゲンドウ帰宅の30分前の出来事であった
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『碇シンジ もっとも長い誕生日』 「誕生日おめでとう、シンジ!」 午前0時を告げた瞬間、真っ先に祝ってくれるアスカ、何度も祝ってもらっているが、 やっぱり一番好きな人に祝って貰うのは何より嬉しい。 「ハイ! これプレゼント!」 外は真っ暗だと言うのにアスカの笑顔は白色矮星のように眩しい。 「開けて良い?」 「もっちろん!! 今すぐ開けなさい!」 何故命令口調?と疑問に思ったが、そんなことを詮索するのはアスカに失礼であろうから 一先ず置いておこう。丁寧にラッピングされた箱から出てきたものは・・・ 【 最高級 】 超・絶倫赤マムシドリンク 1ダース入り 「え~~~っと・・・ アスカ?」 「なにィ?」 アスカが妖艶に微笑む。 先ほどの眩しいまでの笑顔とは全くベクトルの違う笑顔に僕は戸惑う。 「コレは?」 「シンジの誕生日プレゼント。その壱。その弐は勿論・・・」 恥ずかしそうにそれから先は言葉に出さないが、アスカの人差し指は己を指している。 そうか・・・ そうですか・・・ そういう意味ですか。 「・・・ 今日は眠らせないわよ」 「明日、仕事なんだけど・・・」 「問題ないわよ、アタシが今日は休みますって連絡入れといたから、昨日の内に」 どこぞのヒゲ親父も顔負けの裏工作と根回しの良さに目眩を覚える。改めて言わせて 貰えば先程アスカは『今日は眠らせない』と言った。決して『今夜は』では無い。 僕は覚悟を決め、プレゼントその弐に手を付けることにし、頭の中で今日という日に 早々と別れを告げることにした。 皆様は良い一日でありますように・・・
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補足:未来とは子供のことです まだ未来が産まれない時のことだ。 産婦人科の病院の個室にアスカは切迫流産のために緊急入院していた。 ブドウ糖の点滴の様子を見ながら不安な表情をしているシンジ。 鎮静剤が効いているのかアスカは眠っている。 シンジは医師の説明をアスカにどう話したらいいか考えている。 「五分五分ですね。 今のところ赤ちゃんは無事ですよ。18週目に入っていますから、赤ちゃんの体には異常はみられないし、心音もはっきり聞こえます。 エコーで確認しましたが元気です。 ただまた出血する可能性や早産の可能性があります。 このことは奥さんには少しの間言わないでおきましょう。」 医師はアスカの流産の処置をした後、渋い顔をしながらシンジに、万が一、子どもが早産で産まれてくる場合は帝王切開で産ませることや理由を詳しく説明した。 赤ん坊が障害児になるかもしれないなんて言うわけにいかないと思った。 「シンジ、ごめんね」鎮静剤がきれたのか、目を覚ましたアスカは泣きそうな声で謝った。 「赤ちゃんは無事だよ。だから安心してアスカ。謝らなくていいんだよ」シンジはアスカの手をそっと握った。 「どうして怒らないの?アタシ、赤ちゃんの管理できなかったのよ」アスカは泣きながらシンジに言った。 「アスカが悪いんじゃないんだ。赤ちゃんは女の子だってさ。元気だって。たまたま体調が悪かっただけだよ」というシンジの言葉にアスカは首を振って否定した。 シンジは自分を責めているアスカに何も言えなかった。 もし、母が生きていたらアスカみたいに自分を責めるのだろうかとシンジは思った。 自分は男だし、いまだ父親としての実感はないし微妙だった。 ただ、アスカの切迫流産の時、赤ん坊の障害についてのリスクを医師から話された時、無事に産まれてほしいと思ったことは確かだ。 時々、産科での検診で一緒にエコーの画像を見ながら不思議な気持ちで胎児の成長を見ていた自分には父親の自覚はなかったようだ。 ふたりの命を自分は抱えているのにアスカより成長や自覚が足りない自分が歯がゆかった。 アスカの容態が安定して退院が決まったのは一週間後だった。 アスカはシンジにおなかを触ってと言った。 シンジはアスカのおなかに手をおいた。 ピクピクっとなにか動いた感触がした。 胎動だった。 パパ、ママ、元気に生まれるからねと赤ん坊から言われた気がしたシンジだった。