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はじけるひき子 VS夢の国 決意 都市伝説幼女やショタを拉致しコスプレさせまくる間に聞いた話。 ひ「夢の国ねぇ・・・。」 子供をさらい、バラして売ったり、夢の国内に閉じ込めるということらしいのだ。 ひ「そんなこと許せないわ。 ロリやショタを傷つけるなんて!! 優秀な狩人は必要以上に獲物を殺さない。それは狩り過ぎると獲物の子孫が少なくなり、やがて狩人の獲物が無くなるから。 ロリやショタも同じ。殺さなければロリとショタは大人になり、子を作る。 そして新たなロリとショタが産まれる! こうして可愛いロリとショタは永遠に続く。 そのために私はコスプレさせても監禁せず、写真を撮って、また家に帰す、いわばキャッチ リリースを実行してるのに。 この落とし前にプリンセスのドレスは貰うわよ!」 前ページ連載 - トイレの花子様
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キウルは漠然とした不安を抱いていた。 キウルを含めた一行は、G-2の港を目指していた。 しんと静まり返った薄闇の中、歩を進める。生乾きの服にも慣れてきた。 先頭を歩くのはモクバ。その後ろにキウルとディオがおり、最後尾はドロテアだ。 「なあ、キウル。それにディオも、休まなくて平気なのか?」 「私は平気ですけど、ディオさんは……」 振り向いたモクバに尋ねられて、キウルは隣のディオに視線をやった。 モクバの懸念は、キウル自身もひそかに心配していたところだ。 これまでの様子を見ても、ディオの肉体は一般人の枠を超えるものではない。 それに、事実として口数は減っていた。 「……問題ないよ。この程度で音を上げてはいられないさ」 しかし、ディオの答えは否定。 額に汗をにじませつつも、平然とした態度を崩そうとしない。 キウルはそれを聞いて口を噤んだが、反対に口を挟んだ者がいた。 「ふん、ご立派なことじゃ」 ドロテアである。 どうやらディオを好ましく思っていないようで、たびたび煽るような発言をしていた。 そして煽られたディオもまた、ドロテアに対して敵意を抱きつつあるようだった。 「いつまでやせ我慢が続くかのう」 「……ずいぶんとカンにさわる言い方をしてくれるじゃあないか」 「お?なんじゃ小僧、図星だったか?」 「やめろよ、ドロテア!」 モクバの制止もむなしく、しばし視線をぶつけ合う二人だったが、やがてディオが逸らした。 むやみに敵対するのは得策ではないと考えたのだろうか。 フフンと小気味よさそうに笑うドロテアを見て、キウルは溜息をついた。 (得体の知れないお方だ……) 可憐な見た目とは裏腹に、ドロテアは年不相応の超然とした振る舞いをしていた。 よく言えば不思議な、悪く言えば不気味なその態度は、気軽に話しかけるのを躊躇うほどだ。 (……ん?) そんな雑念に気を取られていたからだろう。 放たれる殺意を察知するのに、ほんの刹那だけ遅れた。 遠目に白装束の人物を認めたとき、すでに弩の矢先は、隣のディオへと向けられていた。 「……っ!危ない!」 咄嗟にディオを押し倒す。それと同時に走る痛み。 左腕を見ると、矢こそ刺さっていないものの、着物の白い布地は裂けて赤く滲んでいた。 「キウル!大丈夫か!?」 「く……かすり傷です、それより逃げましょう!」 キウルは声を上げて、モクバたちに逃走を促した。 一方的に攻撃されることを防ぐために、まずは遮蔽物のある場所へと向かうのが先決。 そう考えていたキウルは、襲撃者に向かって駆け出したディオに面食らうことになる。 「ディオさん、何を!?」 □ ディオ・ブランドーはブチ切れていた。 押し倒された直後、ディオは背後の地面に突き刺さった矢を見てすぐに理解した。 狙われたディオのことを、キウルが間一髪のところで救ったのだと。 しかし、そこで素直に感謝をするディオではない。 (のろまそうなモクバや小娘のドロテアよりも先に狙うとは……このディオを舐めているなッ!) むしろ湧き出たのは怒気だった。 恥辱を与えてきた痴女、神様気取りの乃亜、そして挑発的なドロテア。 これまでに蓄積されてきた苛立ちが、白装束の襲撃者によって決壊した。 背負っていたランドセルを放り出して、ディオは駆け出した。 「ディオさん、なにを!?」 「キウル!弓矢で援護しろ!」 「ええっ!?」 キウルに端的な指示をして、ディオは拳を握りしめた。 その拳を、まだ見ぬ襲撃者の顔面に叩き込む光景をイメージする。 (あのタイプの武器は矢を装填するのに時間がかかる! それまでに近づいて、するどい一撃を喰らわせてやる!) まさか丸腰の相手が突撃してくるとは思わなかったのか、襲撃者は動揺した様子を見せた。 ディオは口角を上げる。ケンカ慣れしていない相手だ。ゴロツキより簡単に倒せる。 (もらったッ) ディオは脳内で叫びながら、矢の装填にもたつく襲撃者の頬を殴り抜いた―― 「……なに!?」 ――はずだった。 しかし、手応えは皆無。お互いに微動だにしない。 不自然に思い拳を見れば、襟の部分でピタリと止まっていた。 「馬鹿な!何が起きている……?」 通常であれば殴った側も痛みを感じるはずが、その痛みすらもない状態だ。 まるで衝撃自体がいなされたかのような感覚に、ディオは困惑する。 それでもファイティングポーズは崩さずに、背後のキウルを呼んだ。 「キウル!援護はどうした!?」 「わかりません、身体が、急に、しびれて……」 「かすり傷じゃないのかッ!?」 背後の弱々しい声に振り向くと、そこには片膝を着いたキウルの姿があった。 そのかたわらで矢を弄んでいたドロテアが、キウルの様子を観察して言う。 「ふむ……おそらく麻痺薬のようなものじゃろう」 「チッ、矢に塗られていたか……」 舌打ちとともに襲撃者を見ると、ようやく矢の装填を終えたようだった。 いずれにせよ、即効性の毒物ではなかっただけマシだと結論づけて、ディオは叫んだ。 「モクバ!手を貸してくれ!」 バシルーラの杖という有用な支給品の使用回数を、また減らしたくない。 モクバに借りを作るのは癪ではあるが、踏み倒せばいいだけだ。 そんな打算を働かせた呼びかけへの返事は、イエスでもノーでもなく疑問符だった。 「あれ……?」 「おや?」 「どうしたんだ、モクバ!ドロテアでもいい!」 「いや、なんか変じゃないか?」 「うむ……」 (なにをグダグダとぬかしているんだ、マヌケども!) 罵倒の言葉を寸前で飲み込んで、ディオは襲撃者を警戒しながら再び振り向いた。 そして、モクバたちを視界に収めたとき、違和感を覚えた。 目線が先程までよりも低い。 (なんだ、この感覚は?まるで……そう!) あまりにも荒唐無稽なその答えは、モクバによって叫ばれた。 「見間違いじゃないッ!ディオが……ディオが縮んでる!」 「なにィ~!?」 ぶかぶかになった自身のシャツとズボンを見て、ディオは頓狂な声を上げた。 □ 藤木茂はフフフと笑みを浮かべた。 隠れて移動している最中に四人組を発見して、襲う計画を立てた。 ボウガンで一人を狙い撃ち、無力化したところで追い討ちをかける。 もし反撃を受けても、シルバースキンがあれば問題ない。 そして誰も無力化できなかったときは、逃げてまたやり直せばいい。 (よし!計画通りだ!) 狙いを定めたボウガンの矢は、命中こそしなかったものの一人を行動不能にした。 少年が急接近してきたのは予想外だったが、その拳はシルバースキンの前では無意味。 そしてお返しとばかりに、影に潜ませたセト神を、少年の影と交わらせる。 「ようやく気づいたかい?ほら、どんどん子供になる!」 「そんなバカなことが……!」 ディオの身長はゆっくりと、しかし確実に縮んでいった。 そうして藤木のクラスメイトの誰より小さくなったのを確認して、セト神を解いた。 「なぜだ!?どうして……」 (よし、これで準備完了だ) シカマルに痛い目に合わされたことから、藤木は学んでいた。 抵抗されないように、困惑したままのディオの首に手を回して身体の近くに寄せた。 さながらドラマで銀行強盗が人質を取るときのような体勢だ。 そしてボウガンをディオの頭に突きつけると、銀行強盗よろしくモクバたちを脅した。 「きっ、君たち! 今すぐランドセルの中身をまとめて、こっちによこすんだ! さもないと……ディオ君のことをこのボウガンで撃っちゃうよ!」 「なっ……!」 うわずった声でも、意図は伝わったらしい。 緊張で顔をこわばらせたモクバに、ダメ押しのつもりで言葉をかけた。 「そこの……モクバ君だったかな? はやくしないとディオ君が死んじゃうよ!」 「クソッ!」 歯噛みするモクバを前に、藤木はほくそ笑んだ。 フジキングの最強の計画はトントン拍子で進んでいる。 このまま支給品を奪い、四人とも殺せればパーフェクトだ。 「えっと、そこの女の子も!人が死ぬのは見たくないだろ?」 「妾は別にかまわんのじゃが」 「ドロテア!ダメに決まってるだろ!」 「まあ、そう言うと思ったがのう……仕方あるまい」 ドロテアと呼ばれた少女は、しぶしぶといった様子で背負っていたランドセルを肩から外すと。 「そら、くれてやる……のじゃ!」 十メートル以上離れたところから、それを投げつけてきた。 「うわっ!」 学校帰りに部屋の床に放り投げるのとはわけが違う。 ドッジボールの球もかくやという速さに、藤木は思わず目をつぶり、両手を顔の前にかざす。 (あ!シルバースキンがあるんだから、平気だ……) その事実に気づいたときは、もう遅かった。 ランドセルが手に当たって落ちた感触がしたのと同時に、目を開く。 すると、かざしていた両手の向こう側に、ドロテアが迫ってくるのが見えた。 「ひいっ……!」 反射的にトリガーを引くも、ぶれた矢は明後日の方向へと飛んで行く。 ディオ以上のスピードで迫りくるドロテアに、藤木は慌てて次の行動を迷った。 その隙に、ドロテアはディオの首根っこを掴むと、モクバたちのもとへと跳びすさった。 一秒にも満たない時間では、セト神を交わらせる間もない。 「ナイスだ!ドロテア!」 「そんな……」 こうして、あえなく藤木の人質作戦は失敗した。 代わりに手に入ったのは、少女のランドセルだけだ。 藤木は呆然と立ち尽くしてから、ランドセルに跳びついた。 □ 海馬モクバは次の手を打つために、頭をフル回転させていた。 キウルの麻痺は継続しており、弓を引くなどの戦闘に関わる行為は困難のようだ。 ディオの身体が縮んでいるのも同様。相変わらず服はぶかぶかだ。 現状で万全に動けるのは、モクバとドロテアのみ。 (さあ、あいつはどう出る?) 襲撃者はドロテアのランドセルの中身を検めていた。 ドロテアにディオを奪還された直後は呆然としていたものの、立ち直ったようだ。 つまり、まだ諦めてはいないらしい。勝算があるのか、はたまた虚勢や無謀の類か。 (どっちでもありえるけど……) ゲームに慣れているモクバでも、そこを読み切るのは難しい。 これまでの襲撃者の口調や態度から推測すれば、後者に思える。 しかし、事実として襲撃者の『身体を縮ませる能力』は驚異的だ。 (……いや。どちらにせよ、ここであいつを放置するのは得策じゃない!) モクバは脳内に浮かんでいた逃げの一手を、頭を振って否定した。 そして、キッと襲撃者をにらみつけた。目深にかぶった帽子で表情は見えない。 この襲撃者を野放しにするのは、他の対主催にとって危険だ。 モクバはかたわらのドロテアに小声で訊ねた。 「ドロテア、あいつを止められるか?」 「いまプレッシャーを与えて止めておるじゃろ。それとも、殺してよいのか?」 「それは……」 あまりにも自然に殺すという選択肢を出してくるドロテアに、モクバは閉口した。 ドロテアはフンと鼻を鳴らして、言葉を続けた。 「……どのみち、あの防御性能は一筋縄ではいかなそうじゃ」 「そうか……」 モクバはドロテアの言葉を受けて、さらに思考を重ねる。 この場を乗り越えたその先を見据えながら、この場で取るべき最善手を探ろうと。 そして、ひとつの結論を出した。 「ディオ、あんたはキウルと先に行け」 「なに!?この僕に尻尾を巻いて逃げ出せというのか!」 「そうじゃない。これは作戦だ」 「作戦だと?」 「ああ。俺とドロテアであいつを食い止める。二人は先に目的地に向かってくれ。 ここで足止めされて、タイムロスをするのは得策じゃない……それはわかるだろ?」 モクバは言葉を選びながら、説得を試みる。 プライドの高いところのあるディオに、露骨に逃げろと言うのは躊躇われたのだ。 「それに――」 「それに、動きの鈍い人間は良い“的”じゃ。 何度も都合よく助けてもらえるとは思わんほうがいいぞ」 (……おい!煽ってどうする!) 口を挟んできたドロテアの物言いに、モクバは緊張した。 発言の意図それ自体は、モクバも考慮していた部分ではある。 モクバたちは人数の上では有利でも、襲撃者に対処できるのはドロテアのみ。 そのドロテアとて、ディオやキウルに配慮し続けるのは簡単ではないはずだ。 それも、ディオたちにここから離れることを提案した理由の一つだった。 しかし伝え方は最悪に近い。モクバは内心で焦りながらディオを見た。 「……わかった。行こう、キウル」 モクバの予想に反して、ディオは素直に従う姿勢を見せた。 ぶかぶかのシャツの袖とズボンの裾をまくると、ランドセルを背負い、キウルを促す。 「しかし、いいんですか……?」 「ああ。ここはモクバたちに任せる……僕たちがいても、足手まといだ」 モクバは選ばなかった言葉を、ディオ自ら口にした。 その現実を認識させてしまったことに、モクバは申し訳なさを感じた。 「悪い、ディオ」 「……目的を忘れるなよ。あいつは殺しておくべきだ、とだけ伝えておこう」 「……」 こちらを見上げてくる鋭い視線に、モクバは返答できなかった。 しばらくして、ディオはモクバたちに背を向けて、小走りに駆け出した。 キウルもモクバたちに一礼して、ディオの後を追いかけていった。 □ ドロテアは獰猛な笑みを浮かべて、襲撃者を見ていた。 ドロテアがディオたちを遠ざけたかった理由は、足手まといだからというだけではない。 「これで本気を出せるというものじゃ」 現状のドロテアは、モクバと同行することで『生存の安全圏』を保障されている。 ディオたちと同行している状態でも、その契約自体は変わらない。 とはいえ、やたらと凶暴性を曝け出していては、契約も無為に帰してしまうと考えた。 つまり、惜しみなく凶暴性を出すために、モクバの提案に便乗してディオたちの目を遠ざけたのだ。 (それに……彼奴の能力。非常に興味深いのう) 若さを保つための研究を重ねてきたドロテアにはわかる。 あれは身体を縮ませているというより、むしろ若返らせているのだ。 数多の人物が求めたその能力を、ただの子供が使用しているという事実。 いち錬金術師として、ドロテアの好奇心はみなぎっていた。 (さて、あとはどう彼奴を倒すかじゃが……) ドロテアは白装束の防御をどう突破するか、思案する。 一本の矢によって開かれた戦端。この均衡状態を崩すのは誰か。 【E-3 北西部/1日目/黎明】 【ディオ・ブランドー@ジョジョの奇妙な冒険】 [状態]精神的疲労(中)、疲労(中)、敏感状態、服は半乾き、怒り、幼児化(あと一時間弱) [装備]バシルーラの杖[残り回数4回]@トルネコの大冒険3(キウルの支給品) [道具]基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:手段を問わず生き残る。優勝か脱出かは問わない。 0:ひとまず港へ行くor付近の施設で休憩する。 1:キウルを利用し上手く立ち回る。 2:先ほどの金髪の痴女に警戒。奴は絶対に許さない。 3:ジョジョが巻き込まれていればこの機に殺す。 [備考] ※参戦時期はダニーを殺した後 【キウル@うたわれるもの 二人の白皇】 [状態]精神的疲労(大)、疲労(大)、敏感状態、服は半乾き、軽い麻痺状態 [装備]弓矢@現実(ディオの支給品) [道具]基本支給品、ランダム支給品0~2 闇の基本支給品、闇のランダム支給品0~2 [思考・状況] 基本方針:殺し合いからの脱出 0:ひとまず港へ行くor付近の施設で休憩する。 1:ディオを護る。 2:先ほどの金髪の少女に警戒 3:ネコネさんたち、巻き込まれてないといいけれど... [備考] ※参戦時期は二人の白皇本編終了後 【ドロテア@アカメが斬る!】 [状態]健康、高揚感 [装備]血液徴収アブゾディック [道具]なし [思考・状況] 基本方針:手段を問わず生き残る。優勝か脱出かは問わない。 0:襲撃者(藤木)に対処。若返らせる能力に興味。 1:とりあえず適当な人間を三人殺して首輪を得るが、モクバとの範疇を超えぬ程度にしておく。 2:妾の悪口を言っていたらあの二人(写影、桃華)は殺すが……少し悩ましいのう。ひっそり殺すか? 3:海馬モクバと協力。意外と強かな奴よ。利用価値は十分あるじゃろう。 4:海馬コーポレーションへと向かう。 5:...殺さない程度に血を吸うのはセーフじゃよな? [備考] ※参戦時期は11巻。 【海馬モクバ@遊戯王デュエルモンスターズ】 [状態]:健康 [装備]:青眼の白龍@遊戯王デュエルモンスターズ [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2 [思考・状況]基本方針:乃亜を止める。人の心を取り戻させる。 0:襲撃者(藤木)に対処。殺すのは止めたいが……。 1:G-2の港に向かい船に乗ってマップの端に向かう。 2:殺し合いに乗ってない奴を探すはずが、ちょっと最初からやばいのを仲間にしちまった気がする 3:ドロテアと協力。俺一人でどれだけ抑えられるか分からないが。 4:海馬コーポレーションへ向かう。 [備考] ※参戦時期は少なくともバトルシティ編終了以降です。 ※ここを電脳空間を仮説としてますが確証はありません 【藤木茂@ちびまる子ちゃん】 [状態]:健康、手の甲からの軽い流血、シルバースキンを展開中 [装備]:シルバースキン@武装錬金、セト神のスタンドDISC@ジョジョの奇妙な冒険 [道具]:基本支給品、小型ボウガン(装填済み) ボウガンの矢(即効性の痺れ薬が塗布)×10、ドロテアのランドセル(基本支給品、ランダム支給品×0~2) [思考・状況]基本方針:殺し合いに乗る。 0:目の前の二人を……! 1:次はもっとうまくやる 2:卑怯者だろうと何だろうと、どんな方法でも使う 3:永沢君達もいるのかな… 4:僕は──フジキングなんだ 042 男の子ひとりも知りもしないのに 投下順に読む 044 殺人競走(レース)スタンバイ! 時系列順に読む 019 進め卑怯者 藤木茂 048 踊るフジキング 017 水平線の向こう側へ ドロテア 海馬モクバ ディオ・ブランドー 047 懐かし面影 探してる キウル
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「い、いぢぢぢぢ……ひ、ひで~目に遭ったぞ………」 かつて宇宙にその名を馳せた戦闘民族サイヤ人。 その最後の生き残りである孫悟空は、肩に負った傷の痛みに呻いた。 バビロンの魔女が放った貫通魔法の不意打ちは、彼をして覿面の効果を発揮しており。 びりびりと上着の道着を破いて包帯代わりに巻いてみたが、暫くは動かせそうにない。 (さっきの女がネモの奴を追うかも知れねぇ。そうなったら最悪だ。 そんな事になる前に、早いとこカルデアっちゅう場所に行きてぇけど………) 肩に負った傷は貫通している。服で止血こそしているが、本来なら絶対安静の傷だ。 だからこそネモが待っており、尚且つ医療設備の整ったカルデアに早く向かいたいが… ───だ、けど……誰も、助けて、くれないじゃないか…… 脳裏に過るのは、蹲って此方を恨めしそうに見つめてきた藤木の言動。 恐怖に怯え、凶行に及ぼうとしていた子供の姿だった。 孫悟空は自分がこれまでの行動で間違った選択をしたとは思っていない。 事実ネモは悟空と共に過ごした数時間余りで、一定の成果を上げた。 サンプルが無いため首輪の解除にこそ至ってはいないが。 それでも乃亜が科した死の戒めを解くのに、この島で最も近い存在だと考えている。 だから、他の子供より優先するのは当然だ。ネモの役割は替えが効かないのだから。 それでも、実際に犠牲になるであろう少年を目の当たりにすると…… 後ろ髪を引かれる様な複雑な思いが、胸中で渦巻く。 ───弱虫なんじゃないの、おじさん。 ベジータの息子であるトランクスと、実子の悟天。 魔人ブウの一件の時に二人から向けられた視線と厳しい言葉が蘇ってくるようだ。 あの時も結局、二人をちゃんと納得させる事は出来なかったな、そんな事を考えた。 「────すまねぇ」 孫悟空と言う男は、犠牲になる子供達に心を痛める善良さを有していたが。 同時に、感傷を何時までも引きずるほどの青さもなかった。 これまで助けられなかった犠牲者の子供達と。 これからも助けられないであろう犠牲者となる子供達に、短い謝罪の言葉を贈って。 そして、カルデアの方角に視線を向けた。 方針に変更はない。まずはネモとしおの二人と合流し、体勢を立て直す。 カオスやリーゼロッテの様なマーダーとネモ達が遭遇する前に、急がなければ。 硬い決意と共に、未だ肩に走る鋭い痛みを捻じ伏せ。 駆けだそうとした、その時の事だった。 「孫悟空さん………ですわね?」 空から声を掛けてきた、金髪の少女と銀髪の甲冑の少女に気づいたのは。 □ □ □ シャーロット・リンリンの襲撃から一足先に難を逃れてから暫し。 聖ルチーア学園にて、メリュジーヌを待っていた沙都子達だったが。 そこにメリュジーヌの姿は無く。 連絡を試みると、此方の方で30分程休息を取ってから合流すると告げられた。 まさか不覚を取り深手を負ったのかと考えたが、それはないと一言で返され。 そして、一方的に通信は切られた。 実にマイペース。沙都子は嘆息せずにはいられない。 とは言え彼女が告げてきた現在位置は既に目と鼻の先で、ならば焦る必要も無いか。 いざとなればカオスと共に迎えに行けばいい。彼女はそう結論付けた。 「沙都子おねぇちゃん……!」 それからすぐ後の事だった。 修道幼女の姿に戻っていたカオスが、突如急に緊張した面持ちを見せたのは。 人の目が無いからと存分に甘えていた先ほどまでとは違う。 不安に駆られ、縋るような眼差しが、沙都子へと向けられていた。 どういう事かと尋ねてみると、カオスは無言でそっと沙都子を抱きかかえ。 教室の窓から飛翔し、補足した対象へ向けて指さしてくる。 尤も、沙都子の視力では小さな人影にしか見えず、説明を仰いだ。 するとカオスはいかにも自信なさげな表情で、その名を呼ぶ。 「悟空お兄ちゃんが……」 孫悟空。 この殺し合いの当初にカオスが出会い、惨敗を喫し。 そしてメリュジーヌをして死力を尽くして戦い勝利できるか否かと語った男。 怪物の様なその男の生体反応を、カオスのレーダーがキャッチしたという。 彼女の索敵能力は人間の比では無い、間違いは無いはずだ。 その話を聞かされた瞬間、沙都子が考えたのはまず逃げるか否か、という事だった。 孫悟空と言う男は孫悟飯の話によればとても殺し合いに乗るような人間ではない。 つまり、沙都子の敵にしかなりえない人間だ。 そしてカオスの話によれば、真っ向からぶつかれば玉砕になる可能性が高い相手でもある。 このタイミングでみすみすカオスを失いたくはない。 相手は未だ此方に気づいていない様だし、選ぶのは逃げの一手。 即座に結論を出し、カオスに命じようとしたその時だった。 「あれ……でも………」 沙都子が命じる前に、カオスは怪訝そうな声を上げて、何某かを調べ始めた。 真剣な彼女の様子に沙都子も口を挟めず、黙ったままカオスの横顔を見つめて待つ。 数十秒程の時間をおいてカオスは、調べ終わった孫悟空の情報を沙都子に述べた。 「お兄ちゃん……ケガしてるみたい……」 報告を聞いた瞬間、建てられた方針の風向きが変わった。 カオスすら真っ向から打ち破った男が、手負いになっているという。 優勝を目指す沙都子にとってそれは、とても看過できる情報では無かった。 カオスも沙都子の様子が変わったのを感じ取ったのか。 指示を求めるように、上目遣いで見つめる。 「どうする…?もしかしたら、今ならメリュ子おねぇちゃんを呼べば勝てるかも……」 相手は手負いの獅子。今が討ち取る絶好のチャンスなのかもしれない。 逃走。その二文字で決定したはずの方針に、今度は三択の選択肢が浮かび上がる。 このまま当初の予定通り離れるか。接触してみるか。 それともメリュジーヌを無理やりにでも呼び戻し、抹殺を試みるか。 「………………………」 曲げた人差し指を顎に絡め、黙考を行う。 今度はカオスが、思索を巡らせる沙都子の横顔をじっと眺める番だった。 一分ほど経って、孫悟空が自分の道着を損傷した肩に巻くのに手こずっている間に。 北条沙都子は、新たな決断を下した。 「………これから、孫悟空さんと会って来ましょうか、カオスさん」 真剣な表情で、沙都子は出した決断を口にした。 カオスは彼女の言葉を聞いて、びくりと肩を震わせた。 当然だ、自身の最強兵装であるアポロンすら真っ向から打ち破る相手。 そんなカオスの知る地蟲(ダウナー)の常識から外れた男を相手取るのだ。 緊張も不安も、ロールアウトしてから幼いカオスが抱かぬはずも無かった。 「…安心してください。今回は彼と事を構えるつもりはありませんから」 カオスの不安を表情から察したのか。 沙都子はそっとカオスを抱き寄せて、そう告げた。 だが、言葉の意図を理解できずにカオスの表情が怪訝な感情を含む。 一か八か手負いの内に奇襲をかけるというのなら分かる。 だが、ただ接触するだけでは余りにもハイリスクかつローリターンだ。 もし自分達がマーダーだとバレたら。当然の不安だった。 「勝てる状況を作った上で挑むなら兎も角、場当たり的に勝負するのはナンセンスですわ。 ただ、どうあっても我々が優勝するには、あの方にもいずれ勝たなければなりません」 孫悟空は強敵だ。カオスもメリュジーヌもそう評価を下している以上、間違いはない。 よって偶発的な遭遇戦で勝負を挑むのは沙都子にとって愚策。 討ち取ることに成功しても、その時点でカオスとメリュジーヌが相打ちになっていれば。 そんな状況になってしまえば、沙都子の優勝も絶望的になってしまうのだから。 勝負をかけるのなら、こちらがアドバンテージを握れる状況に誘い込んだ上で挑みたい。 そしてそのために、探りを入れられるなら早い段階で探っておきたい。 最強の対主催である男が、血を流した原因を。 優勝に近づくほど、彼と対決する未来は避けられないのだから。 「大丈夫、彼も首輪を嵌められている以上、乃亜と違って此方と条件は同じ。 それに血を流せるのなら───殺せない相手ではありませんわ。それだけは確かです」 カオスの頬に優しく手を添えながらほほ笑む沙都子。 そんな彼女の不敵な態度は、カオスにとって頼もしく思えた。 動力炉に渦巻く不安が、晴れていく様だ。 表情が変わっていく己の左腕の様子を確かめつつ、沙都子は続ける。 守っていては勝てない。カオスさんが負けたからこそ、だからこそ行く。 一度コテンパンにした相手が、進んで近づくなんて普通ならば考えない。 だからこそ、相手の意表を突ける。 語る魔女の言葉は、自信に満ち満ちていて。 だからこそカオスは、沙都子の為に問わねばならなかった。 もし自分達がマーダーだと気づかれた場合、若しくは既に他の参加者から悪評を聞いていた場合、どうするのか、と。 「そうですわね……その時は、大人しく降参しましょう」 「……え?」 カオスの表情が、さっきまでの曇ったモノに変わっていく。 失望すら孕んで居そうな、その表情を前に。 沙都子の態度は変わる事無く不敵なままだった。 カオスの失望を払しょくする為に、再び彼女は考えを述べる。 「悟飯さんの言葉が正しければ、それはそれは人格的にも素晴らしい方の様です。 なら抵抗しなければ、マーダーとバレていた場合でも殺される事は無いでしょう」 「で、でも……」 余りにも楽観的に過ぎる様に思える言葉に、カオスの表情が更に曇る。 殺されない、と言っても支給品などは没収されてしまうだろうし。 拘束だってされてしまうだろう。もしそうなったら、優勝の望みが潰えてしまう。 そんなカオスの懸念に沙都子は、「だからこそ、メリュジーヌさんを呼び戻さないのです」 そう語った。 「カオスさんなら、もうメリュジーヌさんの持つ通信機に呼びかける位は可能でしょう?」 「え、う、うん……」 沙都子の持つ玉虫色のイヤリング型携帯電話を手渡され。 シナプス最高の科学技術を結集して作られたエンジェロイドが解析を行う。 シナプスの技術と比べれば流石の天才の技術も骨董品と言う他なく。故に結果は当然、 周波数さえ合わせればメリュジーヌの持つ通信機にカオス自身が呼びかけられると言う物だった。 「…これでカオスさんさえいればメリュジーヌさんといつでも通信ができます。 別動隊で動いてくれる彼女がいれば、例え我々が捕まったとしても………」 「そっか、メリュ子おねぇちゃんを呼べばいいのね!」 その通り、と沙都子は首を縦に振った。 例え孫悟空が沙都子達の悪評を知っており、掴まって拘束されたとしても。 殺されさえしなければ頃合いを見てメリュジーヌに救援を頼み、脱出が可能だ。 沙都子がメリュジーヌを別動隊としたのは、アリバイ作りのためだけでなく。 こう言った相互に支援し合える関係の構築のためでもあった。 「……とは言え、絶対に安全とは言い切れません」 沙都子は自分が撃てる手は全て打った自負がある。 しかし、それでも今から行おうとしている事は綱渡りである事は否めなかった。 既に孫悟空が沙都子達の悪評を認知しており、殺しにかかってくるかもしれない。 或いはメリュジーヌの通信機が破壊され、脱出不可能な状況に陥るかもしれない。 リスクを挙げて行けばキリが無くなるほどだ。しかし、それでも。 「それでも……今危ない橋を渡っておくべきだと、私は考えますわ」 それでも、シカマルや一姫の撒く悪評が周知され切っていない今のうちに仕掛けるべきだ。 綱渡りをしなければ、格下は下剋上を仕掛けるチャンスを失ってしまう。 その想いを胸に、沙都子はカオスに今一度問いかける。 ───私に、命を預けて下さいますか? 雛見沢の魔女は不敵な笑みを保ったまま、幼き天使を抱擁する。 抱きしめられたカオスは、沙都子の体温を感じながら暫く沈黙したあと。 やがて、意を決した表情を浮かべた。 そう、沙都子の言う通り、いずれ大博打は打たなければならない。 シナプスの最新鋭エンジェロイドでも及ばぬ怪物を、超えなければならないのだ。 だったら、今から臆している訳にはいかない。 臆していたら、きっと沙都子おねぇちゃんは一人でもやろうとするから。 沙都子おねぇちゃんにまで、要らないって言われてしまうかもしれないから。 それだけは、幼いカオスにとって、絶対に嫌なことだったから。 「───うん、一緒にやろう。おねぇちゃん」 沙都子の身体を潰さぬように優しく抱きしめ返しながら、カオスは力強く言葉を紡いだ。 その言葉が聞きたかった。沙都子はほくそ笑みながら体をゆっくりと離す。 そして片手でカオスの頭を撫でつつ、もう片方の手に握った拳銃をカオスに差し出す。 「これ、預かっておいてください」 そう言って、沙都子は拳銃を手放し、カオスに渡した。 別に隠し持ったまま接触してもいい。だが、数時間前のシカマルの事もある。 元々拳銃程度ではビクともしないであろう相手ではあるが。 それでも持ったまま接触すれば意識が拳銃に向かって、感知されてしまうかもしれない。 ならば最初から丸腰で接触し、殺気などを気取られるリスクを下げたほうが合理的。 その考えての譲渡だった。 同時に沙都子は、カオスに瞬間的な防衛行為を除く戦闘行為の一切を禁じた。 下手に抵抗しないほうが、捕虜として扱われる可能性が高いのだから。 渡された拳銃と、厳命された専守防衛の指示。 カオスは拳銃と沙都子の顔に何度か視線を彷徨わせた後、しっかりと頷く。 彼女の感情制御は幼いものの、決してバカではない。 沙都子の指示の意図を、即座に理解する聡明さがあった。 「さて…では、そろそろ行きましょうか」 カオスが自らの拳銃をランドセルに仕舞い、メリュジーヌの姿に変身するのを確認し。 沙都子は微笑みながら、彼女に抱きかかえられた。 不安はある。緊張はある。だが臆することはない。 直後、少女の矮躯が一瞬にして浮き上がり、負担のかからぬギリギリの速度で空を進む。 「──雛見沢に祀られるオヤシロ様として、孫悟空さんに挑戦です」 妖しい笑みを浮かべて、少女は征く。未来の栄光を得るために。 今の自分達の力量では決して及ばぬ相手を下すために。 この接触を、近いうちに来る勝利へとつながる布石とするために。 野心に燃えるその姿を知らない第三者が形容するなら、大胆不敵な策謀家の少女。 同時に、彼女の親友である古手梨花が見れば、きっとこうコメントするだろう。 アンタ、その無駄な情熱をもっと勉強に向けなさいよ、と。 □ □ □ 北条沙都子らと孫悟空のファーストインプレッションは、険悪な物では無かった。 まだシカマルや一姫ら一派と遭遇しておらず、悟空は沙都子の悪評を知らなかったからだ。 加えて、沙都子がシカマル達との交戦の反省から武装解除していたのも功を奏した。 元々悟空はシカマルと違い誰も彼も疑ってかかる性格ではなく。 接近するまで気づかぬ気の大きさの、それも丸腰の少女を、最初から疑ってかかる要因も無かった。そして何より、 「悟飯の奴と会ったのか!?」 「えぇ、残念ながら直ぐに別れて、今どこにいるかは分かりませんが…… 悟空さんの様に、このゲームに抵抗するとおっしゃっていましたわ」 沙都子が、彼の息子である悟飯の事を知っていたのが大きかった。 伝えられる特徴は、間違いなくセルゲームの時代の悟飯だ。間違いない。 悟空は破いた道着を沙都子の手でしっかりと巻き直されながら、それを確信していた。 今どこにいるかは定かではないにせよ、やはりこのゲームを打破するべく動いてくれているらしい。 「そうか…居場所が分かれば合流してぇ所だったんだけどな……」 「悟飯さんも言ってましたが、悟空さんも気で探す事はできませんの?」 依然悟飯と接触した際。 そう長い時間一緒にいたわけではないが、沙都子は彼と情報交換を行っていた。 その時に、気の探知がこの島では上手く働かないと伝えられていたが。 どうやら悟飯だけではなく、目の前の男も同じであるのか。 そう指摘してみると、悟空はあっさりと首を縦に振った。 「この島では気の探知が上手く働かなくてよ、それでも強ぇ奴なら分かるんだけんど── …そうだ沙都子。おめぇの隣に立ってるそいつ、もしかして機械だったりすんのか?」 「……は?」 「おめぇみたいな気の小さい奴は分かりにくいけど、それでも近くに来れば分かるんだ。 でもそいつ全く気を感じねぇから、もしかして機械なんじゃって思ったんだ 人造人間って、オラ昔そういう奴らに会ったことあるからよ」 そう言って彼はメリュジーヌを指さして、能天気に尋ねた。 彼の問いかけに、メリュジーヌに扮するカオスはポーカーフェイスのまま考えを巡らせる。 不味い、どう答えるべきか。下手な答えではボロが出てしまう。 こういった服芸は、如何なシナプスの第二世代エンジェロイドでも門外漢。 固まってしまいそうになる彼女に、沙都子は先んじて助け舟を出した。 「メリュジーヌさんは人とは違う種族の方ですから。 その気とやらの感じ方も違うのでしょう、ただでさえ乃亜に何かされているようですし」 あっけらかんと。眉一つ動かさずに沙都子はブラフを述べた。 本物のメリュジーヌは恐らく気と言う物を纏ってしまっているだろうが。 それでも今孫悟空を欺くにはこれしかない。 彼は本物のメリュジーヌと出会ってはいないだろうから、勝算は十分にある。 とは考えつつも、冷や汗を禁じ得ない瞬間だった。 「すまない。私は君の言う気というものを知らないから… 君の言う人造人間と同じかどうかは判断ができない」 沙都子のフォローに合わせた答えを、カオスも続ける。 正直流石に苦しいかと沙都子もカオスも思ったが、嘘だと断じるのも難しいはず。 祈るような気持ちで、二人は悟空の反応を待った。 「そうか……まぁ確かに普段と比べれば気そのものが感じにくくなってるしなぁ…… でもカオスやメリュジーヌみたいな奴が他にもいると、気の察知だけに頼るのも危ねぇな」 どうやら、納得はして貰えたらしい。 特に反論することなく、悟空は自身の置かれている状況を考え込んでいる様子だった。 それを見て、話題を変えようと沙都子が口火を切る。 今の沙都子たちにとって、最も知りたい情報について切り込んだ。 「私からも少しいいですか?悟空さん。 その、貴方に大怪我を負わせた相手について知りたいのですが……」 目の前の悟空はどう考えても一戦交えた直後の様子だ。 であれば、交戦の原因と肩を撃ち抜くという凶行に及んだ下手人のことが知りたい。 おそらくは沙都子が対主催であっても尋ねていたであろう問いかけだった。 「あぁ、おめぇ達に会うちょっと前に、長い白髪に黒い服の女に会って───」 長い銀の髪をした黒い服の女。 それが、最強の男の肩の風通しを良くした張本人だという。 単純な強さでいえば自分に劣るが、とにかく頭が良いらしい。 更に様々な魔法が使えて、人類を皆殺しにしようとしている危険な女だとか。 (その方が悟空さんの肩を撃ち抜いた相手…) 伝えられた女の情報を口の中で反芻しながら、沙都子は考える。 その内容は件の女に交渉の余地……否、利用価値があるか否かだ。 悟空の話では、痛み分けに近い結果に終わった様子だが。 となれば、相手も決して軽くないダメージを負っていて、単騎で勝つのは難しい。 そういった結論に至っていても不思議ではないし、もしそうなら交渉の余地がある。 孫悟空を倒すために、結託する余地が。 メリュジーヌと合流して以降になるが、可能であれば接触してみたい。そう思った。 「その女には私たちも気を付けておきますわ。ありがとうございます。 ……あと、もう一つだけ宜しいでしょうか。その、何故子供の姿に?」 もう一つ、沙都子には知っておきたい事があった。 それは、そもそも何故孫悟空と言う男が子供の姿でここにいるか、だ。 悟飯の話によると彼は立派な成人男性で、身長も相応の大きさだったという。 サイヤ人という人間に近しい宇宙人らしい、というのは悟飯から聞かされていたし。 実際目の前で尻尾を揺らす少年を見れば疑うべくも無いが。 まさか子供と同じ背丈になる術でも身に着けているのか。 そう尋ねると、やはりあっさりとした態度で彼は返事を返した。 「あ~その、色々あってさ。少し前に不思議な力で子供の姿にされちまったんだ。 ま、オラにとっちゃ対して困る事でもねぇけど」 「成程……その不思議な力というのは魔法か何かで?」 「あぁ、ドラゴ───おわ~~たたた!!!………うん、まぁ、そんな所だ」 「………?」 何だか話の結び付近が不自然なやりとりになりとなり、怪訝な感情が湧いた。 それに従い少し追求してみたが、その後の悟空の返答は歯切れが悪く、曖昧な物で。 挙句オラの話はこの辺にして、次は沙都子の話も聞きてぇと誤魔化されてしまった。 (とは言え何か特別な能力であれば……彼の身体にも通じるできるという事でしょうか) 悟空が飲み込んだ話は気になる物の、これ以上食い下がった所で心証を悪くするだけだ。 それに聞いてばかりと言うのも此方を探っているのかと、疑心を抱かれるかもしれない。 収穫はあったし、この辺で納得しておこう。 「では、私たちの方からも、これまで出会った方々の話を───」 話を聞いて抱いた考えはおくびにも出さず。 今度は自分たちが話をする番だと、沙都子は口を開こうとした。 だが、その前に、悟空は片手を前にして制止するようなポーズをとった。 同時に視線を、目前の少女二人から傍らへと移す。 カオスも既にそうしており、気づいていないのは沙都子だけの様子だった。 まだ呑み込めていない魔女を尻目に、戦士は誰何の声を上げる。 「隠れてねぇで、そろそろオメェらも出てきたらどうだ」 なるほど、これが気の探知というものか。 頼りにするのも頷ける察知力だと感じながら、遅れて沙都子も悟空らと同じ方向を向く。 するとそこには、純白の制帽を被った、不愛想そうな金髪の少女と。 金髪の少女の傍らに並び立つ、沙都子たちよりも一回り年下と見られる紫がかった髪の少女が立っていた。 「よく言うぜ。とっくに気づいてた癖によ、猿ヤロー」 初対面なのに、随分な物言いだ。 沙都子が他人事ながらそんな感想を抱いた少女が、リルトット・ランパード。 その隣に立ち、此方を興味深そうに見つめるのが、鈴原小恋。 それが彼女らの名乗った名だった。 □ □ □ 正直、その霊圧を感じ取った時、それなり以上に緊張を覚えた。 何故なら、その霊圧を知覚してまず脳裏を過ったのは。 見えざる帝国の主、ユーハバッハが定めた特記戦力。 藍染惣右介だったからだ。 ユーハバッハによって完聖体の力を奪われた今、戦闘になればまず勝ち目はない。 そんな相手が、降って湧いたように近隣に現れた。 そんな状況下で意識を尖らせないのは、リルトットから言わせれば間抜けもいい所だ。 (ま、とは言え……) 警戒は杞憂だったらしいけどな。 リルは目の前の孫悟空の実態を目にして、そう独り言ちた。 「へぇ~…小恋は今までずっとリルと一緒にいたんか」 「うん!おねえちゃんが、小恋とずっといっしょにいてくれたの!」 七歳のガキと意気投合する姿を見れば、警戒したのが馬鹿馬鹿しくなってくる。 受け答えからロリコンと言う訳ではなさそうだし、単純に精神年齢が近いのかもしれない。 というか、これ以上変態が現れられても困る。 「ロリコンじゃねーならガキに構ってないで、さっさと本題に入ろうぜ」 「ロリコンってなんだ?」 「………………」 変態でないのは結構だが、これはこれで接しにくいな。 そう考えていると、悟空を挟んで立つ少女が、ずれかけた場の雰囲気を戻す。 「悟空さん、急いでいるのでしょう? 逸れた仲間が危険な目に遭っているのでしたら、早く行って差し上げませんと」 そんな北条沙都子の理知的な物言いは、リルにとって微妙に違和感を覚えるものだった。 霊圧の大きさは疑いようもなく普通の人間の子供のそれだ。 自分が今まで面倒を見てきた鈴原小恋と同じ。死神の平隊士にも及ばない。 にもかかわらず、態度はまだ十の歳を数えた子供のそれではない。 ロリビッチの様に幼さから事態をよく理解していない訳でもなく。 むしろ正確に殺し合いという状況を理解したうえで、楽しんでいる様にも思えて。 どうにも掴みどころがなく、その立ち振る舞いは不気味ですらあった。 (妙な二人組だな) 掴みどころがないという点では、沙都子の隣に立つメリュジーヌもそうだ。 沙都子は流魂街の子供程度の霊圧しかないが、メリュジーヌに至っては霊圧を感じない。 にも拘らず、沙都子の言ではボディーガードには十分すぎるくらい強いという。 同行者の背後に佇み、口数が極端に少ない彼女の素性は沙都子に輪をかけて分からない。 まるで、少しでも所作を記憶されないようにワザと何もせず振舞っているようだ。 (ま、オレにとっちゃどーでもいいか) 妙な点は他にもいくつか見受けられたが。 彼女達は殺し合いに乗っていないといい、事実何か仕掛けてくるようには見えない。 悟空の事を警戒しているのかもしれないが、ならわざわざ刺激して一戦交えるのも徒労だ。 リルにとっては自分の安全が第一。相手が自分から大人しくしてくれるならその方がいい。 自分は探偵ではないのだから。藪をつついて蛇を出すのは他の奴がやってくれ。 脳内でそう結論を出し、沙都子たちのスタンスに思考を割くのをいったん中断する。 (ロリビッチの世話役は目途がついたし、次はテメェの身の振り方も考えるか…) 目の前の男はどう見ても首輪を外せるような技術があるとは思えないが。 少なくとも、小恋を押し付けるに足る善性と腕っぷしはあると見受けられる。 となれば、後はリル自身の動向だ。 このまま悟空達と一緒に行動するか。 それとも、単身で身軽に首輪を外せる技術者を探すかの二者択一。 選択肢が浮かんだ当初は、後者を選ぶつもりだった。 押し付け先が見つかった以上、お守りを続ける義理も必要も無いからだ。 それよりは、手分けして首輪を外す方法を探す方が合理的。 彼女のそんな考えは、悟空が次に発した言葉で大きく方向転換を成すことになる。 「……おめえら、ちょっとこれ、首に巻いてくれ」 重苦しい、声だった。 その声が響くと同時に、リルたちと沙都子達の手元に、タオルが放り投げられる。 どこかの施設の備品と思わしき、古ぼけたタオルだった。 特に怪しい所は見受けられない。 それを投げ渡して、悟空は真剣な顔で首の回り…首輪を覆う様に巻くことを促してくる。 リルはそれを見ると、特に異を示す事なく巻き付けて。 そして、悟空の雰囲気が変わった事に戸惑っている様子の小恋に近づき、彼女の首にも巻いてやる。 沙都子達も、怪訝そうな顔をしながら言うとおりにした。 「…よし」 確認後短い呟きを漏らし、悟空は自身のランドセルから1枚の紙を取り出す。 そして、もう一度沙都子達の首にタオルがしっかりと巻かれているかを確認してから。 短い文章が書かれたその紙を、リル達に提示した。 『首輪を外せる方法が分かった』 文面を見ると共に、リルの目が僅かに見開かれる。 一瞥してみれば、沙都子の方も似たような表情をしていた。 ぽかんとしているのは、ひらがな以外読めない小恋だけだ。 「………当然、お話はして下さいますのよね?」 僅かな沈黙の後。 詰問する様に、沙都子は紙を懐に仕舞いなおした悟空に尋ねた。 リルも無言のまま頷いて、小恋が口を挟まない様に口を抑えて、返答を待つ。 「おう、勿論だ。けど、すぐっちゅう訳にもいかねぇ。そういう約束だかんな。 ………だからまずカルデアって場所で仲間と合流して、それから話すことになる」 悟空達が得た首輪に関する情報は、文字通り対主催にとっての切り札になり得る物だ。 同時に、悟空達がどれほどの情報を知っているかを乃亜が把握すれば。 最悪の場合その時点で、口封じに首輪を爆破されてもおかしくない。 そうでなくともマーダーに計画を知られ、乃亜に密告されれば、先回りで対処されてしまうかもしれない。 となれば、軽々に流布できる情報では決してなかった。 ───もし、今後逸れたり、僕の身に何かあった時は、君の判断で伝えてくれ。 そうネモは言っていたが。 結局の所、彼の補足が無ければ説得力のある話をするのは難しい。 何故なら。 (考えてみりゃネモが書いてる以上の事を聞かれたら、オラじゃ何も答えられねぇ) ブルマならまだしも、何一つ知識のない自分が上手く説明できる気はしなかった。 要領を得ない話とならざるを得ず、何か尋ねられればもっと答えられる筈もない。 それに沙都子達を疑うわけではないにせよ、見極める時間が欲しかった。 脱出計画を明かすに足る者であると、判断するに足る時間が。 (……要は内容を聞かせてほしかったらついてこい、って話か) 要求を聞いて即座に、リルは要点を把握した。 まず仲間と最優先で合流を目指して、その過程で自分達が信用できる相手か測り。 お眼鏡に叶ってやっとこのうざい首輪を外す方法を教えてくれるという訳だ。 勿体ぶっているのは気に入らないが、勿体ぶるだけの情報を掴んでいるのだろう。 「───いいぜ、このロリガキとオレはお前と一緒に行ってやる」 即決だった。 自分の脇に控える鈴原小恋の口から手を離し、ぷは、と息をするのを聞きながらリルトットは返答を返した。 「おねえちゃん……これからも小恋といっしょにいてくれる?」 子供と言うのは大人の想像以上に大人の事を良く見ている物だ。 小恋は今迄唯一頼れる相手であるリルトットの事をずっと観察していた。 だから言葉にしないまでも、彼女が何となく自分と離れたがっているのではないか。 そう感じており、それ故に彼女はこの時リルにそう尋ねたのだった。 「あぁ。もう暫くは、な」 懐かれる様な事はした覚えはないし、こいつ絶対これまでの話の流れ理解してねぇな。 ドライな感想を抱きつつもリルは小恋の問いかけを否定することなく、ぽんぽんと頭を叩きながら肯定した。 「えへへ~……!ありがと、おねえちゃん」 頬に手を当てて嬉しそうにしながら、小恋は無邪気に笑う。 全く犬じゃああるまいし、何故ここまで見ず知らずの相手に懐けるものか。 子供(ガキ)は能天気で羨ましい。 案外みのりちゃんとやらもこいつが誑かしたのかもな。そう考えずにはいられなかった。 「────おし、オメェら二人は一緒に来るって事でいいんだな」 「うん。小恋、おねえちゃんといっしょにいく!」 小恋がリルの代わりに元気に返事を返して。 温度差はあるものの話は纏まったと悟空は認識した。 となれば後は、残るもう二人。 悟空は沙都子とメリュジーヌの方へと向き直り、もう一度尋ねる。 「そんで、オメェらの方はどうする?」 悟空の予想では彼女達も着いて来るだろうと、そう思っていた。 だが、彼女等の返事は、彼が予期した物とは違うモノとなる。 向き直られてから一拍の時を置いて。 ────申し訳ありません。我々は直ぐにはいけません。 北条沙都子は、孫悟空にそう告げた。 □ □ □ 「なぁ、どう思う?」 「何がだ?」 「惚けてんなよ猿野郎、北条沙都子達のことに決まってるだろーが」 情報交換はつつがなく終わった。 状況がひっ迫しているため詳らかに語り合う事は叶わなかったが。 それでも信用に足る人物と、危険人物の情報は共有することができた。 信用に足る人物として、悟空はネモと悟飯の名前を。 沙都子の方はエリスや写影達の名前を挙げた。 逆に危険人物として悟空はカオスや長い銀髪に黒衣の女(リーゼロッテ)、場合によってはフランの名前を。 沙都子は赤髪に隈取の少年や、桃色の髪をした巨人の少女、 そして、他人に変身して他の参加者を襲い、不和をばら撒く参加者の存在を提示し。 リルトット達はこれまで碌に参加者に出会っていないため、余り貢献できなかったものの。 近場で大きな霊圧が激突していたことを、その代わりとして伝えた。 後は、褐色の少女と、銀の髪にこれまた喪服を来た女が危険だとも。 一連の情報交換はつつがなく進み、特に何か起こる訳でも無く沙都子達を別れたのだが… 「んー…少しひっかかる所はオラもあったけどよ、別に何もしてこなかったしなぁ」 「お前の息子からお前の事を聞いてたんなら、猫を被ってた線も無い訳じゃねぇだろ」 沙都子の挙動は確かにリルトットが見ても怪しい所は見受けられなかった。 だが、彼女の背後に控えていたメリュジーヌは別だ。 借りてきた猫の様に大人しく、発言も少なかったが。 視線だけは孫悟空の事をずっと注視し、挙動を警戒している様な節さえあった。 話が確かなら孫悟空とメリュジーヌは今この場が初対面であったにも関わらず、だ。 もし、単純に強大な力を持つ悟空を畏怖していた、と言う話ならそれで済むが…… (妙な所があったのはメリュジーヌだけじゃねぇ。あのエセお嬢も同じだ) 北条沙都子も立ち振る舞いとは別の視点で、違和感を持つところが無い訳ではなかった。 彼女の霊圧は大きさこそ流魂街のガキと同程度の大きさしかなかったが。 質の観点から言えば、普通の人間が放つ物とは違っていたのである。 (発信源が弱くて断定はできねぇが、それでもあの霊圧には……) 虚(ホロウ)と似た性質を感じた。 無論彼女が銀城空吾の様な完現術者(フルプリンガー)と言う訳では無いだろう。 しかし経験か能力か…何方かが過去に接点を持っているとしてもおかしくはない。 (──とは言え、何か訳アリでもイコールそれがマーダーって話にゃならねぇか) 痛くない腹を探られるのは誰だっていい気はしない。 リルだって、自分が滅却師である事は明かしていないのだし。 北条沙都子が腹の内を明かしていないからと言って危険人物だと判断するのは勇み足か。 少し違和感があったといっても違和感止まりで、断定できる要素は何一つないのだから。 「それに、乃亜に尻尾振ってるマーダーなら…… 首輪を外す方法が分かった奴を放って置くのも考えにくい。今は保留にするしかねぇか」 もし沙都子達がマーダーなら、首輪を外せるという参加者を放って置くのは考えづらい。 首輪を外されれば殺し合いそのもの、ひいては優勝して得られる権利が成立しなくなるし。 乃亜の対応次第ではとばっちりを受ける可能性もゼロではないからだ。 それなのに、沙都子達は悟空に襲い掛かろうだとか、そういう挙動は見せなかった。 その事から考えれば彼女等は本当に対主催であるか。 マーダーであっても生存優先で、戦意の薄い者たちなのかもしれない。 何より。 ────私達は梨花を探さなければなりませんから、一緒には行けません。 あの時の、北条沙都子の。 哀切を帯びた表情は、嘘ではない様にリルトットの目には映ったのだ。 だから、彼女が選んだ結論は保留。 北条沙都子達を信用はしないが。過剰に疑ってかかることもしない。 そう言う話で、一先ずの決着はついた。 「誰も彼も疑ってかかるのはしんどいしよ。それでいいんじゃねぇか?」 お前はもうちょっと疑えっつーの。 悟空の能天気な言葉に心中でそう毒づきつつ、リルはそれじゃあさっさと行くぞと急かす。 目の前の猿男のツレとやらが死んでしまえば、脱出計画も水の泡になるようだし。 さっさと合流し、地盤を固めたい所だった。 「おし、そんじゃあ悪ぃけど、小恋はオメェが背負ってくれるか?」 「………構わねぇが、トチ狂った馬鹿が襲ってきた時はお前が相手しろよ」 折角押し付け先が見つかったのに、結局お守りをする羽目になるのか。 そう考えつつも、リルが悟空の要請に異を唱える事は無かった。 肩を損傷した奴が背負うよりも自分が背負う方が、不都合が無い。 しかしここまで巨大な霊圧を内包する男に小さくない傷をつける女がいるとは。 自分と出会わないまま、どっかでくたばっていて欲しいものだ。 面倒な相手とは関わり合いになりたくない思いを膨らませつつ、リルは同行者の少女を担ごうとする。 その時の事だった。 「………おにいちゃん、かたのけが、だいじょうぶ?」 ここまで自分よりも大きなお兄ちゃんとお姉ちゃんが必死に何かを相談していて。 話に一向に入れなかった鈴原小恋が、声を挙げたのは。 彼女の視線は、血の滲んだ道着が巻かれた悟空の肩へと向けられていた。 「ん?まぁ…確かに痛ぇけど、放っておきゃその内治───いぢぢぢぢぢ!?」 幼い少女が怯えぬよう空元気を見せたが、直ぐに呻き、体を丸めてしまう。 そんな悟空を小恋はじっと見つめ、とてとてと可愛らしい歩幅で詰め寄り。 そして、朗らかな普段の彼女からかけ離れた、真剣な表情で悟空の肩の近くに手を添える。 「いたいのいたいの、とんでいけー」 そっと痛くない程度に傷口に手をやり、愛らしい響きで、お馴染みのおまじないを行う。 何故なら今の彼女は、ブラックマジシャンガールだから。 痛ましい目の前のお兄ちゃんの様子が不憫で、何かしてしてあげたいと思ったから。 お姉ちゃん達の難しい話に入っていく事ができなかった小恋も、役に立ちたかったから。 「ぶらっくまじさんがーるのおまじない…ちょっとは、いたくなくなった?」 そう言って小首を傾げて、少女は尋ねる。 その様を冷めた様子で、リルは見つめていた。 精神的な物なら兎も角、肉体的な傷がそんなまじないで回復するわけがない。 さっさと担いで出発するよう促そう。そう考えながら小恋に手を伸ばす。 それと殆ど同じタイミングの事だった。 孫悟空が、「おおっ!」と、驚いた様な声をあげたのは。 そしてするすると、巻いていた道着を取り払う。 「痛っ゛………ど、どうなってんだ……?」 まだ痛みは感じている様子だったが。 それでも彼の肩には劇的な変化が表れていた。 貫通し、風穴が空いたはずの肩の傷が塞がっていたのだ。 まだ傷口は痛ましく、痛みもある様子だったが、通常ではありえぬ回復だった。 それを見たリルはばっと小恋の方を向き、問い詰める。 「おい、どういう事だ」 「………?ぶらっくまじしゃんがーるのおまじないだけど」 「お前のまじないで怪我が治ったりするわけねぇだろ」 「でもみのりちゃんはこれだけでひゃくねんはたたかえるって」 「それはその女がおかしいだけだ」 「そんなこといわれても………」 困った様な表情を浮かべる小恋を前にして、リルは少し考えてから。 もう一度同じおまじないをやってみろと命じてみる。 特に断る理由もなく促されるまま悟空の怪我に向けて、小恋は再びおまじないを行った。 しかし、その効果は先ほどと比べるとかなり鈍い。その後も何度か試すが結果は変わらず。 貫通した肩の傷を癒すほどの目に見えた治癒効果は初回だけだった。 「んだよ。凄かったのは最初だけか」 「いやーそんな事もねぇぞ。まだ痛ぇけど、傷が塞がっただけでも大したもんだ! それに、疲れとかは大分マシになったしな!」 なははと笑って肩を回した後、また走った痛みに呻く悟空を眺めながら。 リルは己の記憶を辿っていた。 最初からこのロリガキが傷を癒せる井上織姫の様な能力者だったことは考えにくい。 本人の認識的にも、能力を隠していたとも思えない。 元々そう言った才覚がありこの異常な状況下で後天的に発現した可能性はなくもないが。 ここまでずっと一緒だったリルの目には、そういった兆候は見られなかった。 それに支給品は痴女ビッチに奪われているため支給品を使ったというのも考えにくい── と、そこまで考えて、一つの可能性に行き当たる。 「おい、お前。オレと会う前に道具かなんか使わなかったか」 「え?」 「支給品だよ支給品。元から怪我を治す力があったわけじゃないだろ」 「うーん……あ、そう言えば、ドーナツたべるまえに、へんなきのみはたべたよ? おいしくなかったから、ドーナツのほうがよかったけど」 そう、鈴原小恋が、リルトット・ランパードと邂逅する、その三分前。 その時に食べていたのが、彼女が今しがた見せた快癒の奇跡の原因だった。 チユチユの実という、偉大なる航路に伝わる実を口にして。 鈴原小恋は悪魔の実の能力者となっていたのである。 とは言え、支給品の説明書に書かれていたことは漢字が多かったため彼女には読めず。 口にしてからも自分が能力者になった自覚がなく。 霊圧の大きさはほとんど変わらなかったためリルも気づくことがなかった。 「変な木の実、ねぇ………次美味そうなモン見つけたら、ちゃんと話しとけよ」 リルの予想は正しかった。 しかし確認しようにも、支給品の説明書は金髪ビッチに盗られてそのままだ。 現状では確証を得る方法は何もなかった。 とは言え、ハッキリさせておかなければ困る話でもない。 安定性はまるでない上に、本人が能力の事をまるで理解していないが。 これで面倒を見るだけの利用価値は生まれたという訳なのだから。 それに、いざとなれば。 食いしんぼう(ザ・グラタン)の能力を行使し、自分がもっと上手く使ってやる事も──、 「えへへ…小恋、すごい?みのりちゃんちゃんがしったらほめてくれるかな」 「あぁ、またオラ達が怪我した時は治してくれっと助かるぞぉ」 はぁ、とため息を吐いた。 無邪気に笑う小恋を見ていると、何故自分だけが真面目にやっているのか。 そんな気分になって来る。 何時だって能天気で、無邪気で。たまに蠱惑的で。 一言で言って、扱いに困る。彼女はリルトットにとって、そんな少女だった。 「………無駄話してないで、さっさと行くぞ。腹減ってきたしな」 ここまで殆ど他の参加者との交流を絶ってきたが。 この孫悟空と言う男と、この男のツレと接点を持ったことはきっとマイナスではない。 後は勝ち馬かどうかを見極めるだけ。 そして、その見極めの為には、今のこの流れを断ち切るべきではない。 さっさと孫悟空の仲間と合流し、首輪の解除方法とやらを聞きたいものだ。 小恋の首根っこを掴んで、強引に担ぎ上げながら、リルはそんな風に思考を巡らせていた。 「おう!そんじゃあ行くか。ネモの奴なら、何かうめぇもん昼飯に作ってくれっぞ」 「しゅっぱーつ!」 ………叶うならば。 孫悟空のツレは、もう少し緊張感を持ってる奴であって欲しい。 あと、料理が美味いと良い。 リルトット・ランパードはそう願わずにはいられなかった。 【E-5/1日目/午前】 【孫悟空@ドラゴンボールGT】 [状態]:右肩に損傷(中)、ダメージ(小)、界王拳の反動(小)、悟飯に対する絶大な信頼と期待とワクワク [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品0~2(確認済み)、首輪の解析データが記されたメモ [思考・状況]基本方針:殺し合いを止める。 1:首輪の解析を優先。悟飯ならこの殺し合いを止めに動いてくれてるだろ。 2:悟飯を探す。も、もしセルゲームの頃の悟飯なら……へへっ。 3:ネモに協力する。カルデアに向かいネモと合流する。 4:カオスの奴は止める。 5:しおも見張らなきゃいけねえけど、あんま余裕ねえし、色々考えとかねえと。 6:リルと小恋もカルデアに連れていく。脱出計画の全容を伝えるのはネモと合流後。 7:リーゼロッテを警戒する。 [備考] ※参戦時期はベビー編終了直後。 ※殺し合いが破綻しないよう力を制限されています。 ※SSは一度の変身で12時間使用不可、SS2は24時間使用不可。 ※SS3、SS4はそもそも制限によりなれません。 ※瞬間移動も制限により使用不能です。 ※舞空術、気の探知が著しく制限されています。戦闘時を除くと基本使用不能です。 ※記憶を読むといった能力も使えません。 ※悟飯の参戦時期をセルゲームの頃だと推測しました。 ※ドラゴンボールについての会話が制限されています。一律で禁止されているか、優勝狙いの参加者相手の限定的なものかは後続の書き手にお任せします。 【リルトット・ランパード@BLEACH】 [状態]:健康、銀髪(グレーテル)に対する嫌悪感(中) [装備]:可楽の団扇@鬼滅の刃 [道具]:基本支給品一式、トーナツの詰め合わせ@ONE PIECE、ランダム支給品×0~2 [思考・状況] 基本方針:脱出優先。殺し合いに乗るかは一旦保留。 0:悟空と共にカルデアに向かう。 1:チビ(小恋)と行動。機を見て悟空達に押し付ける。 2:首輪を外せる奴を探す。ネモって奴が有力か? 3:十番隊の隊長(日番谷)となら、まぁ手を組めるだろうな。 4:あの痴女(ヤミ)には二度と会いたくない、どっかで勝手にくたばっとけ。 5:あの銀髪イカレ過ぎだろ。 6:二つの巨大な霊圧に警戒。 [備考] ※参戦時期はノベライズ版『Can't Fear Your Own World』終了後。 ※静血装で首輪周辺の皮膚の防御力強化は不可能なようです。 【鈴原小恋@お姉さんは女子小学生に興味があります。】 [状態]:精神的疲労(中)、チユチユの実の能力者。 [装備]ブラック・マジシャン・ガールのコスプレ@現地調達 [道具]:なし [思考・状況] 基本方針:みのりちゃんたちのところにかえる。 1:おねえちゃん(リル)といっしょにいる。 2:おにいちゃん(悟空)といっしょにカルデアってばしょにいく。 [備考] ※参戦時期は原作6巻以降。 ※チユチユの実の能力者になりました。 ※カナヅチになった事を知りません、また、能力についても殆ど把握していません。 ※能力も発現仕立てなので、かなり未発達でムラがあります。 孫悟空たちと別れ、その姿が見えなくなってから数分後。 聖ルチーアの屋上へと戻ったカオスは、浮かない顔で沙都子へと問いかけた。 「おねぇちゃん……これで良かったの?」 カオスには、不安だった。 自分を超える強さを有する孫悟空が、首輪を外す方法まで知ったのかもしれない。 その可能性は、カオスを酷く動揺させた。 別れるまでは何とかポーカーフェイスを保ったが、心穏やかにはいられない。 それ故に、沙都子が選んだ判断の真意を求めたのだ。 そんな彼女に対して、沙都子は落ち着いた態度で考えを述べる。 「そうですわね。確かに、安穏と待てる状況ではない様です。 ただ……考えなしに妨害しようと襲い掛かっても、結果は付いてきませんわ」 あそこで孫悟空に襲い掛かった所で、沙都子達が得る物は何もない。 返り討ちにされるか、勝っても悟空が首輪を外す手立てを有している訳では無いからだ。 だから沙都子は、直接的な行動を起こさず、悟空達の状況の把握に努めた。 恐らく、次は無いだろう。悟空達の目には、今回の邂逅の時点で僅かに疑心の彩があった。 それを警戒して、沙都子は敢えて一姫やシカマル達の悪評を流さなかった。 もし沙都子が彼らを悪く言えば、沙都子自身が彼女等と出会っていた事が明白になる。 他人の姿を借りて人を襲う殺人鬼という架空の存在に押し付けるのには、都合が悪い。 そこまでやっても恐らく次に会う時は、沙都子がマーダーである事を認識しているだろう。 だから、次は無い。直接情報を得られるのは、きっと今回が最初で最後。 それでも、今回得た情報のカードを最大限有効利用すれば、勝機はある。 「悟空さん達は私達の悪評を知りませんでした。 となると、今迄行動した範囲はそう広くは無いのでしょう」 悟空の話から出た限られた情報から、推論を組み立てていく。 「そして、拡声器なんてモノを使われて、危険人物が集まりやすくなった場所の近く… カルデアと言う場所で待ち合わせているのも変ですわ。別に待ち合わせ場所を話していないとも思えませんし」 沙都子の見立てでは、悟空は頭の回転は決して悪い男には見えなかった。 そんな男が、予め逸れた際の合流地点を複数示し合わせておかないとは考えにくい。 にも拘らず、態々危険地帯の近辺であるカルデアを指定するという事は…… となれば、首輪解除にはカルデアという施設が関わり、そこでしか叶わない可能性がある。 もしそうであれば、カルデアと言う施設を破壊してしまえば、脱出計画は頓挫。 そうでなくとも、大いに停滞するはずだ。 「でも……」 だが、沙都子の立てた策略を聞いても、カオスの表情は晴れない。 結局の所、悟空が守っている限りカルデアは陥落できないのではないか。 勿論、肩に怪我を負っていた事から彼もこの殺し合いにおいて絶対ではないのだろう。 だがそれでも、他の対主催を協力され、守りを固められれば…… 自分とメリュジーヌだけではどうにもならなくなるのではないか。 そんな懸念が、彼女の思考回路を占領していた。 「えぇ、貴方の心配は分かっていますわ、カオスさん。 だから我々はもう一勝負、博打を仕掛けなければなりません」 カオスの懸念を見透かしたように、妖しい笑みを浮かべて。 沙都子は脳裏にある絵図を示しだす。 「簡単です。悟空さんにカルデアの守りを固められれば困るというなら…… 自分でカルデアの守りから離れて貰えばいいのです」 「どうやって?」 そんな方法があるのか。 さっぱり見当がつかないカオスに、沙都子は事も無げに告げた。 「孫悟空さんの息子である、孫悟飯さんを扇動して差し上げましょう」 彼等親子の強さは、この殺し合いでも群を抜いている。 少なくともこれまで出会った対主催で、彼等と並ぶ者はいない。 それが、メリュジーヌとカオスの見地だった。 という事は、彼等のうちどちらかがもし殺し合いに乗れば…… ────止められるのは、片割れだけという事になる。 「そして、そのための布石はもう打ってあります」 図らずも雛見沢症候群の投与は、親子で殺し合わせるのにうってつけの干渉だ。 孫悟飯を最低でもL4…叶うならL5の末期症状に罹患させ。 その上で、暴れまわるL5の悟飯を悟空と潰し合わせる。 悟空の話によれば今の悟飯より彼の方がずっと強いらしいが。 恐らく乃亜のハンデにより、実力は横並びにされているだろう。 それが、悟空の語った見立てだった。実に好都合である。 「彼等の拠点は分かっているのですから、親子で殺し合いをしている間に襲撃するもよし、 疲弊した悟空さんを暗殺するのも良し。叶うなら、彼の肩に大穴を開けた方ともコンタクトを取りたいですわね」 雛見沢症候群の末期症状の凄まじさは沙都子自身が身をもって理解している。 どんなに心を通わせた仲間でも、肉親でも、脳漿を弾けさせる事に躊躇が無くなる。 孫悟飯にH173を盛ったのは、我の事ながら数奇な巡りあわせだが、この気運を活かさぬ手はない。 「………危なく、ない?」 「ハッキリ言って、メチャクチャ危ないですわ」 一連の計画を聞いて、一先ずの納得を得たカオスだったが。 あの孫悟空の息子を扇動するというのは、沙都子も危険ではないか。 そう考えての指摘を、沙都子は即答で肯定した。 雛見沢症候群の凄まじさは百年の惨劇の中で飽きるほど体験してきたのだから。 暴走した悟飯の矛先が沙都子に向いたとしても、何らおかしくはない。 「だとしても、危ない橋でも渡らなければ、私達は勝てません 私達は高みから追われる側ではなく、高みに立つ悟空さん達を追う立場なのですもの」 紛れもなく、これから沙都子がやろうとしている事は大博打だ。 だがそれでも、此処を通さなければ優勝という空の玉座へと繋がる道は辿れない。 対主催も、マーダーも、例外は無く。挑まぬ者に、奇跡は微笑まない。 雛見沢で、百年のカケラ巡りを追体験した今。 それが彼女の矜持であり、信仰だった。 「もう一度、尋ねましょう───ついて来てくれますか?カオスさん」 雛見沢の新たなるオヤシロ様として、瞳を紅く煌めかせ。 禍神の依り代となった少女は、笑みを浮かべて天使を誘う。 例え天使の答えが決まっているとしても、自分で選択させるために、彼女は問いかけた。 悟空に会う前の様に問いかけられた天使は数秒の間、沙都子の紅い瞳をじっと見つめて。 こくり、と。小さく、だが確かに意志が籠った頷きを見せてから、口を開く。 「メリュ子おねぇちゃんとこのまま会えたら…… 直ぐに悟空お兄ちゃんに似た生体反応のサーチ、始めるね」 告げる声色に迷いはもう感じられず。 本当に主に使える御使いであるかのように。 混沌の名前を冠する、シナプス最新鋭にして、最高峰の第二世代エンジェロイドは。 尚も地蟲の少女の命運を護る剣となる事を選び続ける。 「任せて、おねぇちゃん」 【E-6 聖ルチーア学園/1日目/午前】 【北条沙都子@ひぐらしのなく頃に業】 [状態]:疲労(小)、梨花に対する凄まじい怒り(極大)、梨花の死に対する覚悟 [装備]:FNブローニング・ハイパワー(4/13発) [道具]:基本支給品、FNブローニング・ハイパワーのマガジン×2(13発)、葬式ごっこの薬@ドラえもん×2、イヤリング型携帯電話@名探偵コナン [思考・状況]基本方針:優勝し、雛見沢へと帰る。 0:今度こそメリュジーヌさんと合流する。その後悟飯さんを探し、扇動する。 1:メリュジーヌさんを利用して、優勝を目指す。 2:使えなくなったらボロ雑巾の様に捨てる。 3:カオスさんはいい拾い物でした。使えなくなった場合はボロ雑巾の様に捨てますが。 4:願いを叶える…ですか。眉唾ですが本当なら梨花に勝つのに使ってもいいかも? 5:メリュジーヌさんを殺せる武器も探しておきたいですわね。 6:エリスをアリバイ作りに利用したい。 7:写影さんはあのバケモノができれば始末してくれているといいのですけど。 8:悟空さんと悟飯さんは、できる事なら二人とも消えてもらいたいですわね。 9:悟空さんの肩に穴を開けた方とも、一度コンタクトを取りたいですわ。 10:梨花のことは切り替えました。メリュジーヌさんに瑕疵はありません。 [備考] ※綿騙し編より参戦です。 ※ループ能力は制限されています。 ※梨花が別のカケラ(卒の14話)より参戦していることを認識しました。 ※ルーデウス・グレイラットについて、とても詳しくなりました 【カオス@そらのおとしもの】 [状態]:全身にダメージ(中)、自己修復中、アポロン大破、アルテミス大破、イージス半壊、ヘパイトス、クリュサオル使用制限、沙都子に対する信頼(大)、メリュジーヌに変身中 [装備]:なし [道具]:基本支給品、ランダム支給品2~1 [思考・状況]基本方針:優勝して、いい子になれるよう願う。 0:沙都子おねぇちゃんを守る。メリュ子おねぇちゃんが待ってる場所に行く。 1:沙都子おねぇちゃんと、メリュ子おねぇちゃんと一緒に行く。 2:沙都子おねぇちゃんの言う事に従う。おねぇちゃんは頭がいいから。 3:殺しまわる。悟空の姿だと戦いづらいので、使い時は選ぶ。 4:沢山食べて、悟空お兄ちゃんや青いお兄ちゃんを超える力を手に入れる。 5:…帰りたい。でも…まえほどわるい子になるのはこわくない。 [備考] 原作14巻「頭脳!!」終了時より参戦です。 アポロン、アルテミスは大破しました。修復不可能です。 ヘパイトス、クリュサオルは制限により12時間使用不可能です。 ルーデウス・グレイラットについて、とても詳しくなりました。 【チユチユの実@ONE PIECE】 超人系の悪魔の実。 食す事でカナヅチとなる代償と引き換えに、生物のあらゆる傷を治癒させることができる。 この治療能力は肉体損傷だけでなく、精神ショックも回復することができる。 他者から治癒力を提供してもらい、別の者の治癒にも使うことができる他、 切断された部位を治すこともできる(ただし、縫い合わせる必要がある)。 涙を流す事で、一時的な超回復の効果を持つ花を咲かせる事等もできるが、 今回食べた小恋は、上記の能力を何一つとして認識していない。 096 命も無いのに、殺しあう 投下順に読む 098 闇の胎動 時系列順に読む 092 さすらいの卑怯者 孫悟空 111 竜虎相討つ! 091 足りない箇所を埋め合う様に リルトット・ランパード 鈴原小恋 088 悪の不在証明 北条沙都子 104 僕は真ん中 どっち向けばいい? カオス
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このページはこちらに移転しました 待ち合わせ 作詞/魔理沙っち ミンミンゼミの足元は 思った以上に涼しくて 梅雨に濡らした文庫本 未だにシワがとれない 立ち止まる影を見て しおりを挟む あるきだす君を見て 走って追って
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春待ちガーデン ショールーム リスト imageプラグインエラー 画像URLまたは画像ファイル名を指定してください。 imageプラグインエラー 画像URLまたは画像ファイル名を指定してください。
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登録タグ これはひどい ウルトラマンタロウ「解せぬ」 ジョーク・ネタ セクシャル パワーワード 下ネタ 危険度1 ウルトラマンタロウのパロディと思わしき自主製作特撮。全3話。2話目はスカトロネタ有り。 露骨な下ネタ、チープな演出が特徴的なおバカ作品。 タイトルに反して、オープニングでは音の外れたウルトラセブンのメロディが流れ、本編でのヒーローもウルトラマンのような姿をしている。 分類:ジョーク・ネタ、セクシャル 危険度:1 コメント もう何が何やらひどすぎて…w -- TKM (2010-12-21 18 12 09) 見るべきじゃなかった映画第一位だな -- T.T (2011-01-30 18 35 42) 落花生映画www -- みつあみ (2011-02-19 19 38 37) なぜか笑えないwww -- 名無しさん (2011-03-27 15 58 46) こ れ は ひ ど い -- シェンガオレン (2011-04-02 21 06 59) 巨大ぼっき-wwwwwwwwww -- s (2011-05-21 21 07 21) ロシュツマ星人のぼっきーパネェwww最終回の予告完全にアウトでしょwww -- こんばんワニ (2011-07-11 03 00 41) 俺の好きなウルトラマンに泥をぬるつもりか!。こんなん成人向けビデオコーナーに置いた方がいいよ。 -- テロン (2011-07-22 07 47 16) ウルトラマンをバカにするな!! -- 名無しさん (2011-08-09 19 18 38) チ○コが、いや、歯が立ちません -- 名無しさん (2011-08-09 19 44 54) BGMがセブンwww -- 名無しさん (2011-08-10 00 26 08) なんの需要があるんだww -- 蒼真 (2011-08-10 00 47 52) どれくらい前に作られたんだろう -- 名無しさん (2011-08-10 03 48 31) 手の込んだ手抜きw -- 名無しさん (2011-08-22 03 34 08) 時間無駄にした -- 名無しさん (2011-08-22 07 44 35) wwww -- 名無しさん (2011-08-24 15 09 59) チョタ?? -- 名無しさん (2011-08-24 15 56 56) ウルトラマンベリアルって検索しても変な画像でるよ -- 名無しさん (2011-09-05 23 33 50) マジキチw -- 名無しさん (2011-09-05 23 51 53) おえ -- コマンチョタロウ (2011-10-05 23 32 51) くだらんw -- 名無しさん (2011-11-06 20 40 23) ある意味でダイフィルを越えてる -- 名無しさん (2011-11-07 04 41 41) ナンスカコレ・・・ -- AVIVA in USA (2012-01-15 14 32 49) タグのとおり、 こ れ は ひ ど い -- まるすらっしゅまる (2012-01-15 14 36 18) ヤベwwwwイクww -- イッキ~ (2012-01-21 18 29 51) テ ラ ヒ ド ス -- ウルトラマンエンジェル (2012-01-28 09 09 28) この製作者絶対ウルトラマンなめてんだろwwwww -- イカという名のイカ (2012-02-13 13 51 14) ウルトマランの先祖か? 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-- 名無し (2014-04-18 00 08 46) ウルトラマンコスモスってかっこいいよね -- Pr (2014-04-18 17 35 52) 画像検索でNNNのパワーアップのあいつがいた…びひった… -- wind (2014-11-10 15 40 50) ウルトラマンをバカにするなんて 酷い! -- 名無しさん (2014-11-15 11 46 55) 自分を売ルトラマンよりひどい(直球) -- 霊夢 (2014-11-15 11 51 46) 画像検索ですでにアウトwwwww -- 名無しさん (2014-12-23 11 03 14) 1994年製作だとか -- 名無しさん (2014-12-25 23 11 01) 完成度高けーな。オイ。 -- かめかめ (2015-11-28 11 32 52) 動画見れません -- りりか (2016-01-02 18 01 09) ウルトラマンチョタロウが怖い -- たちえ (2016-01-07 16 07 01) 4話あったような気がする -- 名無しさん (2016-01-30 20 17 58) 下品すぎる!もはやウルトラマンじゃねえ! -- ワツイア (2016-05-12 20 55 54) ウルトラマンチョタロウの人の頭の車の形にボッキ -- 名無しさん (2016-06-26 18 28 31) 1話から53話まで続くらしい -- 名無しさん (2016-06-26 18 29 33) ウルトラマンチョタロウの人くるまの形っ言ってごめんね -- 名無しさん (2016-07-25 20 46 00) スカトロって糞? -- 有真 (2016-07-27 10 02 01) ウルトラコジャック見た目ウルトラコチン ビデオとDVDあるらしい -- 名無しさん (2016-08-06 16 54 00) もはやウルトラマンじゃない。悪影響だよ -- くろざ (2016-09-19 07 57 38) 尻怪獣アスラよりひどいとはたまげたなあ -- DTTNPK先生 (2017-02-17 08 35 17) ひでぇwwwwwww -- 名無しさん (2017-02-18 12 02 06) 死ねと書いてある、コメント欄が不快。 -- キプロス (2017-03-10 03 34 44) 良い子のみんなもドピュンドピュンドピュン -- 名無しさん (2017-03-29 00 54 40) ウルトラマンコスモスのスモスってなんぞ -- 名無しさん (2017-07-16 12 53 08) な に こ れ -- なナス (2018-04-21 13 07 59) アカン -- MIA (2018-08-16 15 37 02) ↑2 コスモスネタ本当に不快、俺みたいに純粋に好きな奴もいるんだからやめろ。もちろんこれも不快 -- 名無し (2019-12-23 17 31 19) 連投スマン。↑2じゃなかった↑3だった -- 名無し (2019-12-23 17 32 57) ワロタwwwwwwwww -- nakasako (2020-02-27 11 16 15) ??????????????????????????????????????? -- KABOSU (2020-03-28 16 57 53) な に こ れ ! -- 名無しさん (2020-04-29 15 07 39) 画像検索で阿部さんの画像が出て来た -- メタトンNEO (2020-06-12 16 51 48) 男性の局部がリアルな作り込みで驚いた。 -- 名無しさん (2020-07-22 19 45 50) 銀魂にも出てきそうで怖いし子供の夢を壊してるイメージしかない -- 名無し (2020-08-05 21 22 59) 他のアニメをそういうことに使わない方がいいのでは? -- チャルゲッチュさん (2020-09-13 10 03 34) ↑は自分の↑に言ってます -- チャルゲッチュさん (2020-09-13 10 04 25) ↑チャルゲッチュ・・・サルゲッチュ -- 名無し (2020-09-13 10 41 05) 庵野監督が見たら鬱になりそう -- 名無しさん (2020-09-13 10 46 56) 下ネタパロディ嫌いな層って結構多いのね -- 名無しさん (2020-09-13 12 10 22) 思ったより過激な下ネタだった。 -- ゲーム太郎 (2020-09-22 22 28 08) 視聴した時間返してくれ -- カナダ (2020-09-22 22 50 19) 朝から晩までチャルゲッチュ♪エイエイオーオーオイナリサン -- 名無し (2020-09-23 13 28 47) やれケツだけ星人だ、やれスカトロだ -- 名無し (2020-09-28 21 32 39) 最終回の方が一番草生えたwww -- コッペパン (2021-01-23 21 54 42) エグいねこれ -- 見たよ (2021-01-25 15 47 19) トレギア氏離反の本当の原因説 -- 名無しさん (2021-01-26 00 00 50) 最終回の時に登場した敵の下半身、絶対にペ〇ス使っただろwww -- ねろ (2021-02-26 17 00 06) 主人公の低予算感すごい -- ナイル (2021-03-19 23 16 21) ウルトラマン「解せぬ」 -- ミライトワ (2021-06-10 22 07 29) 酷いなんてもんじゃない -- うい (2021-06-18 23 33 56) ハヌマーンとレッドマンとウルトラマン拉致ですらここまで酷くは無い -- 名無しさん (2021-07-02 23 09 27) ???「おせち、おせち、おせち◯こ!」 -- ビリー (2021-07-10 20 32 09) ウルトラマンが拉致されて腹筋ボコボコにパンチ喰らって -- 名無しさん (2021-07-11 05 13 51) マンチョ -- ざえねえ (2021-07-11 12 24 00) ウルトラマンファンは見ないほうがいい・・・ -- 名無しさん (2022-01-10 08 57 10) 汚い -- ナムルマン (2022-05-04 21 50 24) この動画の作者にスペシウム光線浴びせてぇわ -- 名無しさん (2022-07-06 16 45 06) ミキシングでソフビ人形作りたい -- 伊集院茂夫 (2022-09-12 22 17 42) 中国版ウルトラマン -- 名無しさん (2023-01-06 14 37 25) ウルトラマンチョタロウvsウルトラマン拉致vsウルトラマン伝説 -- 名無しさん (2023-05-28 14 52 00) アイ付き違いだったのか!(迫真) -- 名無しさん (2023-08-07 14 02 55) (このコメントは削除されました。) 途中言い換えるシーンがもうツボ -- めろん (2023-08-21 17 47 21) 名前 コメント 度の過ぎた誹謗中傷コメントは書かないでください。
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待ち受ける獅子(まちうけるしし) 待ち受ける獅子 ユニット-ライオン 使用コスト:白2無4 移動コスト:白1無2 パワー:7500 スマッシュ:1 クイック このカードと隣接する自分のユニットのないスクエアに相手のユニットが置かれた時、あなたはこのカードをそのスクエアにリリース状態で置く。 敵がどれほど貧弱であろうと、百獣の王は全力を尽くす。 目の前にユニットが置かれると飛び掛るライオン。 このカードが中央ラインにあれば1体であるにも関わらず、強力なエリア防衛線を築くことが出来る。 ただし、このカード以上のパワーを持つユニットが出されても強制的に吸い込まれてしまうし、その場合はガーディアン・ソウルとの相性も良くない。 このカードが何かしら対処される時は確実に倒される場合であり、この効果が実際に有効に働く場面は見ることがないかもしれない。 このカードをフォローするなら使用できる状況が限定で、かつ警戒されていることが多いガーディアン・ソウルより、汎用性の高いダイヤモンド・ソウルやレストア・コマンドなどを使用した方がいいだろう。 このユニットの低コスト版に躍りかかる獅子が存在する。 隣接するスクエアが中央エリアのスクエアだったとして、相手ユニットが中央エリアにプレイして墓地に置かれた場合でも、この効果は起きる。 隣接するスクエアでバトルが起きた場合は、この効果は発揮されない。 この能力は、対象を取ってないためこの能力がスタック?に乗った後にパラドクス・ストームなどで別のスクエアに置いても相手のユニットが置かれたスクエアに置かれてしまう。 収録セット ファースト・センチュリー エキスパンション 激戦をもたらす者(070/100 レア/シルバーレア) ファースト・センチュリー ストラクチャーデッキ ベストスタートデッキ イラストレーター 山崎太郎
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ケルベロス第五の首 ◆.6msC4hQo6 ガラスのように煌めく水平線に漂う一隻のクルーザー。 一見、優雅な光景にも、殺戮に満ちた世界では等しく不幸は訪れる。 響は放送の与える影響を痛感していた。 「風間くんが、風間くんが死んじゃったよぉ、僕の大切な友だちだったのに」 「情けないわね。さっきまで、俺のことは海の若大将と呼んでくれって言ってたじゃない」 ビアンカは涙で顔がぐしゃぐしゃのマサオを棘のある声で非難する。 彼はしんのすけのような、根っからのハードボイルドではない。 人が変わったように強気になれるのは、その役にのめり込んだ時だけだ。 だから、冷酷な現実が仮面を引きはがせば、ただの弱気な5歳児になってしまう。 いやむしろ、没入する能力があるからこそ、この年で友の死を実感してしまったのかもしれない。 「そ、そんなこと言われたって、悲しいから、涙が止まらないんだよ」 「だから泣かないで。あんまり泣かれると、私まで泣きたくなるじゃないの。ぐすっ」 「大丈夫、絶対大丈夫だよ」 桜が二人の背中をそっと抱きしめる。 その声は優しいものの、顔は悲しみで憔悴していた。 「桜、君も大事な人を亡くしたんだろ。泣ける内に泣いた方が良い、直にそれどころではなくなる」 響は桜から李小狼との関係は聞いている。 元同級生であり、戦友であり、限りなく恋人に近い関係。 肝心なところは照れてしまい、あまり教えてくれなかった。 けれども、それが一層、初々しさを際立たせたものだ。 「私が一番のお姉さんだから、今は泣けないよ」 彼女は首を横に振り、弱々しい笑顔で答える。 けれども、静かにため息をついて、さらに小さな声で嘆きを表した。 「やっぱり、本当の気持ちはさっさと伝えないと駄目だよね。心残りができちゃったよ」 実際はドルべの死の時と違って、涙を流す気力もないのだろうか。 響はブリッジに戻り、彼らの代わりにハンドルを握る。 こんな時、司令ならそしてドルべなら、どのように振る舞っただろうか。 いや、他の同僚、例えば暁達であっても、自分よりも上手く彼らを励ませただろう。 ムードメーカーの偉大さをつくづく思い知らされる。 しばらくして、ビアンカが船室に入ってきた。 「響お姉さん、運転、交代しましょうか。その方が外の警戒もしやすいでしょ。 私も動かし方が分かるようになった、と思うわ。たぶん」 声は大分いつもの調子に戻っている。 「気分の方は大丈夫なのか」 「もう平気よ、私の知り合いは死んでないし。うーん、あんなに悲しくなったんだろ。さっぱり分からないわ」 「君が悲しみに共感できる心の優しい子だからじゃないか」 「そういうんじゃないの、貰い泣きの前からソーシツカンはあったのよ。 もしかしたら、ずっと昔に出会った人の名前があったのかも。でも思い出せないのよね」 彼女は自己の内面を言語化できずに困ってるようだった。 響は話題を切り替えようと、少し前に考えた計画を打ち明ける。 「ああそうだ、鎮守府に行く前に、少しだけ地図の外の海域に向かってみようと思う」 「それって大丈夫なの、首輪がどっかーんって爆発しない?」 「ルールブックに駄目とは書かれてないからな。少なくとも事前の警告はあるだろう。 おそらく、禁止エリアと似た扱いだろうが、確かめてみる価値はある」 「なんか大切なことみたいね。お姉さんに任せるわ」 その時、マサオが血相を変えて扉を開けてきた。 「たっ、たいへんだよ、強い魔力がこっちにきてるって!」 ◎ ◎ ◎ 操縦はマサオに任せ、ビアンカと共に船首へ向かう。 桜はカードを左手に持ち、無言で海を見つめている。心の傷は癒えたとは思えない。 だが、それを無理に呑み込んで、護る者として戦場に立っている。 その姿は美しくも、危うく感じられた。 響は視線の先に低空飛行する存在をとらえる。 黒を基調にしたドレスに身を包んだ、栗毛色のボブカットの少女。 速度はクルーザーよりも早く、両者の距離は徐々に狭まってくる。 ビアンカが彼女に対し、いったん止まるように身振りを交えて伝えてみる。 だが、相も変わらず鬼ごっこを続けてくる。 「響ちゃん、ただの天邪鬼さんってことはないのかな」 「その期待が外れた場合、非武装の船は格好の標的だな」 響は銃に弾丸を込めながら、桜に答える。 そして、当然のように悪い予感は的中するものだ。敵は遠距離から杖を構え、複数の火球を放ってきた。 だが、こちらも戦闘の対策はできている。仮面の男の時のように犠牲者は出さない。 「樹(ウッド)!」 桜がカードを発動する。巨大なマングローブが海面を貫き、天に達する。 たっぷりと水分を吸った樹木は激しく蒸気を上げ、炎と視界を遮る砦となる。 「カードさん、お友だちが燃えるのは辛いだろうけど、もう少し我慢して」 桜はカードに向かって申し訳なさそうに語る。 「よし、そのまま丙作戦だ。強引に防壁を突破してきたら、例のカードを使ってくれ。迂回してきたなら――」 響はその時、視界の端に奇妙なカラスを捉える。 妙にかぎ爪の大きいそれは一直線にブリッジに向かっている。 あの中にはマサオがいる。護身に空気砲があるとはいえ、命の保証はない。 「くっ、陽動だったか。後は手筈通りに頼む!」 彼女は炎の魔導師をふたりに任せて、鳥を撃ち落そうと照準を合わせた。 ◎ ◎ ◎ (想定の範囲内とはいえ、放送ごとにルールが変わるのは厄介ですね) 当初の計画では、シュテルは全力で邪魔者を処理つもりでいた。 余力がなくなった際は、信頼できそうな相手にディア―チェを託すつもりだった。戦利品と自身の命と引き換えに。 恐ろしく身勝手な願いという自覚はある。それでも、あの王のカリスマならば、慕うものも多いと考えていた。 だが、今回の放送によって少々状況が変わった。文脈からして、十二人殺しは全参加者の合計だろう。 死者がひとりでもオーバーすると無効になるなら、彼女の努力だけではどうにもならない。 それどころか、それまで全力を尽くしても、次回の勝利条件で全く無意味になるかもしれない。 ならば、都合のよい勝利条件の出るまで生き残り、牙を磨いた方が柔軟に対応できる。 重要なのは、その時までに圧倒的な力を貯え、キャスティングボードを握ることだ。 ならば、そのためにどう振る舞うべきか。 殺しに乗ってない連中と馴れ合えば、しがらみが強くなって、力を独占するのは困難だろう。 それに他人を騙し続ける自信はあるものの、最後に王を裏切りの絶望に落とすのは後味が悪い。 だからと言って、無差別の狩りを続ければ、正義の味方に警戒されて、徒党を組まれて討伐される。 (だから、結論はすぐに出ました。そして、私は今、その指針に従って動いています。 レヴィが存命だったなら、面白そうだとはしゃいでいるところでしょうか) シュテルの炎の誘導弾(パイロシューター)に対して、巨大な樹木が壁となる。 炎で崩れつつも枝を伸ばして、シュテルを捕まえようとする。随分と変わった魔術だ。 船上には最低でも3人の戦闘員がいる以上、正面からぶつかるのはリスクが高い。 そこで右に旋回し、側面から魔法を叩きこもうとした。 その時、彼女はセーラー服の射手が《クロクロークロウ》に銃口を向ける場面を目撃する。 これは好都合。 シュテルは速度を緩め、伏せていたトラップカードを反転する。 「攻撃宣言に対して、《バイバイダメージ》を《クロクロークロウ》に対して発動、 このターン、そのモンスターは戦闘破壊されず、ダメージは相手に反射します」 これで勝利の方程式は整った。シュテルは並行思考を駆使して、次の計画の微調整をする。 彼らのプロファイリングが正しければ、提案に乗らざるを得ないはず。 刹那、シュテルの僅かな隙を狙い、小さな風の竜巻3つが襲い掛かる。 これに覚えがある。クラールウィンドの風の足枷だ。 牽制程度の威力しかないが、追尾能力と足止めの効果を持っている。 この状況で回避は不可能、プロテクションで防御する。 だが、これはいわゆるひとつの判断ミスだ。 「迷(メイズ)っ!」 刹那、クルーザーから響く、凛々しい少女の声。 シュテルの周囲の空間がゆがみ、視界は単色の外壁で覆われようとする。 迷のカードは対象を異次元の迷宮に閉じ込める力を持つ。 そこではイカサマは許されず、自力で迷路を抜けなくてはいけない。 強大な魔力があれば強引に突破できるものの、それでもタイムロスになる。 このままだと、ターゲットを逃がす羽目になるだろう。 シュテルは彼女たちのコンビネーションを高く評価する。 レヴィから受け継いだ力を調整するための研ぎ石たりえそうだと。 「カウンター罠、《ゴブリンのその場しのぎ》発動! ライフを500ポイント払い、魔法カードの発動を無効にし、そのカードを持ち主の手札に戻す」 産み落とされる寸前の寸前のラビリンスは一瞬で溶け去り、 カードは白い光に包まれて、所有者のランドセルの中に戻っていく。 失敗に備え、常に一手、二手先を考えるのが理のマテリアル。 彼女は元の世界の戦いで、束縛魔法(バインド)の恐ろしさを理解しており、 保険としてこのカードを伏せていたのだ。 シュテルは相手のリアクションを確認しようと術者の顔を見る。 そして、驚いてくれる余裕はなさそうだなと、少しだけ残念に思う。 それから念には念を入れ、もう一枚のカードを手札から取り出す。 「《クロクロークロウ》への攻撃宣言に対して、手札から《ジェントルーパー》を特殊召喚します」 ◎ ◎ ◎ 響は初め、何が起こったのか理解できなかった。 自分は大ガラスに向かって、銃弾を放ったはずである。 だが、着弾と同時に全身に焼けるような激痛が走ったのだ。 口から鮮血を零しながら、膝をついて崩れ落ちる。 「えっ、えっ、これってマホカンタ?」 ビアンカが慌てて駆け寄り、クラールウィンドで治癒を試みる。 この娘は今、デバイスの機能で作られたバリアジャケットを着用している。 高貴な風格の漂わせる黄色のローブ。 デザインは本人がイメージしたもので、絵本に乗っていたプリンセスローブをモデルにしたらしい。 ちなみにイメージの過程で、桜が自身のコスプレさせられ遍歴をカミングアウトしたり、 変身の瞬間に裸になったことを、マサオがうっかり指摘して、ビアンカから肘鉄を食らったりしていている。 「なに、これくらいの損傷は日常茶飯事だ。それよりもマサオを守ってくれ」 響は言葉を絞り出す。自分は早めの修理で死線を生き延びた不死鳥ではあれど、 白き盾を襲名した初戦がこれとは己が情けない。 彼女に言葉に対して、ビアンカはどちらを選べばよいのか分からないという顔をする。 その間にクルーザーが次第に減速し、かの漆黒の魔術師は甲板に降り立った。 「お初にお目にかかります。私は星光の殲滅者、願いのために殺しに乗っています」 彼女は淡々と自己紹介する。碧い瞳はどこまでも冷静で、かつ燃えるような闘気を孕んでいた。 そして、ドルべのものとは形状は違うものの、腕に付けている装置はデュエルディスクだろうか。 響は自分が傷を負ったカラクリに合点する。 彼女に初めに言葉をぶつけたのはビアンカだ。 「人を殺して願いを叶えても、幸せになんてなれないわ」 「いえ、貴女方がただの非力な子供たちなら、そのまま見逃しましたよ。 ですが、皆さんは骨のある戦士だとお見受けしたので、挨拶させて頂きました」 シュテルは表情筋に乏しい笑顔を作る。 彼女の狙いは勝利の報酬ではなく、強者との戦い自体が目的と言いたいのか。 「とんだ悪い子ね。お父さんとお母さんに叱られるわよ」 「私とっての母とは、かのシステムになるのでしょうか。叱られるどころか、拳を交えたこともありますね」 その時、ふたりの会話を中断するように、数発の空気砲の音、続けて少年の絶叫が走る。 「あ、痛い痛い、そこは止めて、ひ、ひいいいいいっ!」 「マサオっ!」 ブリッジから、ウーパールーパー男がマサオを羽交い絞めにして現れた。 彼から反撃を食らったのか、多少足取りはおぼつかない。だが、園児の力で逃れるのは無理だろう。 そして、少年の頭上には、あの目付きの悪いカラスが飛んでいて、時折おにぎり頭を突っついている。 ビアンカは思わず駆け寄ろうとする。だが、シュテルは足元に電撃が放ち、足止めをする。 「ビアンカちゃん、負けちゃってごめんなさい。 カラスを撃ったはずなのに、突然、コイツが現れて、二人掛りで襲い掛かってきたんだ」 自分の置かれた状況そっちのけで、謝りだすマサオ。 当のカラスはシュテルの方へ飛んでいき、彼女は足に括り付けた小型カメラを取り外した。 どうやら、モンスターを偵察機代わりにして、奇襲のタイミングを伺っていたようだ。 「随分とデュエルモンスターズに慣れているようだな。もしかするとデュエリストか」 「いえ、カードを使ったのは島に来てからです。それにしても決闘者ですか……しっくりする名称ですね」 「では、閑話休題。貴方達の中から2人まで選んで、殺し合って欲しいのです。念の為に言うと、対戦相手は私です」 皆は彼女の突飛な提案に、戸惑いの色を隠せない。 シュテルはそれを無視してルールの説明をする。 戦いの参加費用として支給品が必要で、それはシュテル自身が選択すること。 シュテルを降参させられれば、人質を解放して参加費用も返し、身を引くこと言うこと。 仮に参加者が両方死んだ場合も、残りの人間に手を出さないということ。 ハンデとして、試合中はその参加費用とデュエルディスクを使うつもりないということ。 それに加えて、ゲームの趣旨に反する行為が行われた場合、 警告の後に、試合を破棄して平常通りの殺し合いを始める、 つまり、モンスターを大量召喚して、全員を狩るつもりでいること。 響はこれを聞いて、こちらを逃がさないことを重視したルールだと推測した。 支給品を事前にチェックし徴収するのも、迷のカードのようなトリッキーな効果を警戒するためだろう。 「殺しは遊び感覚でやるもんじゃないんだがな」 「これは遊びではなく、存在意義そのものです。胸の焔は常に闘争を求め、消えることがありません」 そう語る彼女は本当に楽しそうだ。生粋のバトルマニアなのは真実だろう。 他の強い相手と戦わせるとでも言い包めれば、戦いを回避できるかもしれない。 だが、響は何かが引っ掛かっていた。本当にそれが彼女の動機の全てなのか。 殺し合いを願っている割に、やけに慎重に生きようとしている。 「これって、私ひとりで参加してもいいんだよね?」 桜が一歩前に出て質問した。その声は自信に満ちているという訳ではなく、 何か吹っ切れたように落ち着いていて、背筋を凍らせるものがあった。 「待て、自己犠牲のために、ドルべは私達に未来を託したわけじゃないぞ」 「こいつが約束を守ると思ってるの、ひとりで戦おうと思っちゃ駄目よ」 「できれば助けて欲しいけど、それでお姉さんが死んだら僕は……あっ、ヌメヌメするからやめてー」 慌てて制止する響たち。シュテルはほんのわずかの間だけ辛そうな顔をする。 だが、それは誰にも気づかれることなく、先ほどの調子に戻る。 「人質を取っておいてなんですが、そこは信じてくれとしか言えませんね。 ただ、解答は今から3分以内にお願いします。でなければ……」 そして、マサオの方を一瞥し、片手を開いて握りつぶすように仕草をする。 響たちの取った決断は。 【A-2 海上/朝】 【星光の殲滅者@魔法少女リリカルなのはシリーズ】 [状態]:生命力消費(小)、レヴィの魔力を引き継ぎ [装備]:ルシフェリオン@魔法少女リリカルなのはシリーズ、決闘盤(遊馬) D・ゲイザー@遊戯王ZEXAL、デッキ(遊馬)@遊戯王ZEXAL [道具]:基本支給品一式×4、小型無線カメラ、ランダム支給品2~6 [思考・行動] 基本方針:ディアーチェを守るため、殺し合いに乗る 1:都合のよい勝利条件が出るまで力を蓄える 2:参加者は見つけ次第、燃滅。ただし、1を優先して無理はしない。 3:他者を欺くため、強者限定の戦闘狂のように振る舞う 4:少年(光彦)は次会えば絶対に殺す。 ※A s PORTABLE -THE GEARS OF DESTINY-のSEQUENCE10、消滅後からの参戦です ※レヴィの魔力を引き継ぎました。詳細は不明ですが、雷の魔力変換を行えるようになったかもしれません ※クロクロークロウとジェントルーパーを召喚中です。バイバイダメージとゴブリンのその場しのぎを使用しました。 【クロクロークロウ@遊戯王ZEXAL】 目付きの悪いカラス。攻撃力900なのでそこまで強くない。 【ジェントルーパー@遊戯王ZEXAL】 紳士な振る舞いのウーパール―パー男。他のモンスターを自ら受けようとする。やはりそこまで強くない。 【ビアンカ@ドラゴンクエストⅤ 天空の花嫁】 [状態]:健康、MP消費(小)、バリアジャケット展開中 [装備]:さやかの剣@魔法少女まどか☆マギカシリーズ、クラールヴィント@魔法少女リリカルなのはシリーズ [道具]:基本支給品一式、桂美々著の同人誌セット@Fate/kaleid liner PRISMA ILLYA プリズマ☆イリヤ [思考・行動] 基本方針:アベルと一緒に家に帰る。殺し合いには乗らない 1:アベルを探す 2:マサオ、響、桜と共に行動 3:シュテルの提案に半信半疑 3:他の人に会ったら、この本の意味を聞いてみたい ※少なくともギラまでの呪文を習得しています。 ※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。 【佐藤マサオ@クレヨンしんちゃん】 [状態]:健康、人質状態 [装備]:なし [道具]:基本支給品一式、コワモテかかし@DQ5 [思考・行動] 基本方針:皆を探して合流。殺し合いには乗らない 1:しんちゃんを探す 2:ビアンカ、響、桜と共に行動 3:あの本って何だろう……? ※空気砲@ドラえもんはジェントルーパーに奪われた状態です ※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。 【響@艦隊これくしょん】 [状態]:ダメージ(中、治療中)、疲労(小)、白き盾の名を継ぐ [装備]:基本艤装@艦隊これくしょん、水平二連式散弾銃@Fate/Apocrypha [道具]:基本支給品一式、通常弾×3、魔弾@Fate/Apocrypha×2 クルージングボート@現実 [思考・行動] 基本方針:殺し合いの打破。一人でも多くを生きて帰す 1:この場を切り抜ける 2:戦力を整える。仲間を守る。 3:首輪の解析、解除を行う方法を探す。地図の外の海域にも行ってみる。 4:鎮守府に行き、響専用ドックで武装の調達、及び首輪の解析・解除に役立ちそうなものを探す。 5:航行中、海上及び空中も警戒。 6:雷、電と合流を目指す。 7:ベクターなる人物には注意。 8:暁がいないのは……ちょっと安心、かな。 ※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。 ※ドルベ、木之本桜のカード能力について知りました。 ※ビアンカの呪文について知りました。 【木之本桜@カードキャプターさくら】 [状態]:疲労(小) 、精神不安定 [装備]:星の杖@カードキャプターさくら [道具]:基本支給品一式、さくらカード(14枚)(『樹』1時間使用不可)、ランダム支給品1~2 [思考・行動] 基本方針:殺し合いはしない。一人でも多く死なせずに帰りたい。 1:皆を守りたい。たとえこの身が尽きるとも…… 2:首輪の解析、解除を行う方法を探す。 3:鎮守府に行き、首輪の解析・解除に役立ちそうなものを探す。 4:残りのさくらカードを探したい。 ※参加者達が時空の垣根を超えて集められているという仮説を聞きました。 ※ドルベのカード能力について理解しました。 ※ビアンカの呪文について理解しました。 ※No.102 光天使グローリアス・ヘイローをさくらカード化させましたが制限はDMカード通り使用不可です。 ※さくらカード化は一度の使用で気絶するほどの魔力を消費します。 シュテルは第二放送までは様子見か。 今回の2つの優勝条件じゃ、シュテルがディアーチェを優勝させるのは難しいからな。 561 名前: 名無しさん [sage] 投稿日: 2014/06/12(木) 16 14 29 pnInlsQ20 投下乙です 参戦時期の問題上仕方ないとは言えぼんやりとした感覚でしか認知されないレックス哀れ... 状況の方はシュテルは怖いけどそれ以上に桜ががが とにかく目が離せない展開です 562 名前: 名無しさん [sage] 投稿日: 2014/06/12(木) 16 46 42 vTXcGKsA0 投下乙です 唯一同作キャラの死んでいない響に全ての重荷がかかりそうだな しゅてるんはスタンスを微調整か マーダーから転向した訳ではないが乗ってない、ってところかな 腹の内が本人にも読めないのが怖いところだ 新着レス 2014/06/12(木) 21 21 563 名前: ◆2kaleidoSM [sage] 投稿日: 2014/06/12(木) 20 26 19 7wE7Q0S60 アベル、黒のアサシン予約します
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「14人……14人も…」 コナンは、俄かには信じられない事実に打ちのめされていた。 危惧していた、少年探偵団の面々の名こそ呼ばれなかったものの、たった一時間で14人が死んだという事実は、大きく、重く、コナンに伸し掛かる。 一時間で14人ともなると、相当数の者が殺し合いに乗った。若しくは一度に大勢を殺戮する手段を持つ者が複数居る。この何方かである。 そしてコナンは、乃亜の言葉から、後者であると推測した。 ──── 特に、割戦隊の五人が大きかったけど、悪くないペースで殺し合っていてくれるね。 それにしても、仮にも殺しのプロが五人も居て纏めて殺されるなんて、些か肩透かしだなぁ……。 フフ……所詮、社会のレールにも乗れなかった、負け犬共の傷の舐め合いだったということかな。 “仮にも殺しのプロが五人も居て纏めて殺されるなんて” 子供ばかりを集めておいて、殺しのプロも何も有ったものでは無いと、普通ならば思うだろうが、生憎とコナン自身が、変なクスリで子供の姿になった高校生である。 年齢詐称の、見た目は子供な連中が跋扈していてもおかしくは無い。 それに、この世には子供兵士チャイルドソルジャー)という存在が在る。別段に子供ばかりを集めたとしても、その中に暴力や殺人に長じた、果ては慣れ親しんだ者が居ても、何らおかしくは無い。 問題なのは、その殺しに長じた者が5人も纏めて殺されている事だ。 五人が誰かに襲われて殺されたのか、誰かを襲って返り討ちにあったかは不明だが、それだけの戦力を持った者が、此の地を徘徊している事は明らかだった。 (キック力増強シューズをオレに持たせた訳だ) 急に頼りなく感じられ出したシューズを見下ろし、コナンは短く息を吐く。 このシューズさえ有れば、少なくとも殺し合いに乗った者に襲われても、最悪でも身を護るくらいは出来ると思っていたが、考えを改めるべきだろう。 (それにしても、どうやって死亡者数を確認している?) コナンは声に出さずに思考する。迂闊に声に出して、乃亜に盗聴されては意味が無いからだ。重要な事柄は、声に出さずに思考するべきだった。 矢張り首輪か?首輪で生体反応をチェックしているのだろうか。 超小型高性能ドローン等も考えられるが、可能性としては首輪の機能というのが一番妥当だろう。首輪の検証をしない限りは何とも言えないが。そして首輪の検証をする為には首輪を入手する事と、専門知識を持った者が必須だが。 そしてコナンに、首輪のサンプルを獲得する手段は無いに等しい。 首輪のサンプルを獲得する為には、誰かを殺した上で頭部を切り離すか、頸部が千切れるのを当然とした上で、無理矢理首輪をもぎ取るかしなければならないのだから。 「そんな事が出来るかよ…バーロー」 そしてその様な行為は、江戸川コナンの探偵としての在り方に反する。 兎に角。今は、仲間を集める事だ。情報を得る事、首輪を外す事、乃亜を捕まえる事も大切だが、最も重要なのは集団の形成による数の威圧だ。 多人数で行動することにより、殺し合いに乗った者達が無闇と手を出せないようにするのだ。 「まるで回遊魚みたいだけどな」 集団で泳ぐ事で襲われる事を避ける小魚を連想して、コナンは顔を顰めた。 ────クジラに襲われれば群ごと一呑みだけどな。 頭を振って、嫌過ぎるイメージを振り払うと、コナンは改めてタブレットを操作して、島全体の地理と、現在位置と、付近の施設を確認する。 「一番近いのは図書館…次が衛宮邸と教会… …」 近隣に複数の施設が有るが、何処を目指すべきかというと、いまいち判然としない。 手っ取り早く誰かと会うのならば、怪我をした者が目指しそうな病院。それに何らかの手掛かりが有りそうな海馬コーポレーションだろうか。 病院ならば、怪我をした者や、誰かを助けようとする者が集まって来るだろう。 海馬コーポレーションならば、海馬乃亜に関する情報を求める者達。海馬乃亜に反旗を翻す事を決意した『対主催』が集まって来ることだろう。 反面。集まってくる者達を狙ってやって来る『マーダー』もいると考えられる。 この場合。多人数を纏めて殺しにやって来るのだから、割戦隊の五人を纏めて仕留めた様な連中の様に、上位に入る実力なり殺戮手段なりを持つ者がやって来ることだろう。 そんな連中に襲われた時のことを考えて、コナンは気が滅入った。 尤も、今いる場所から目指すには、山を越えるなり迂回するなりしなければならない。当然、出遅れる。現時点で病院や海馬コーポレーションの近くにいる者との邂逅は、望めないだろう。 最悪、集まった者達が、強力なマーダーに殺され尽くした後、という事も考えられる。そうなったら只の徒労だ。この二つは後回しにして、人のいそうな場所を目指すべきだろう。 「となると魔法魔術学校か」 魔法だの魔術だのといったオカルトに関わる手がかりを求めて、やって来る者がいるかも知れない。先ずは、此処を目指すべきだろう。 「回り道になるが、衛宮邸と桜田ジュンの家、ついでに映画館に寄っておくか」 明確に個人と関係が有る施設である、きっと此処に集められた者達の中に、関わる者が居るのだろう。 名簿が解禁された時に、『衛宮』、『桜田』の名があるかどうかを確認しておくべきだろう。 もしも、この名の持ち主が殺し合いに乗っているならば、衛宮邸と桜田ジュンの家での探索が、役に立つかも知れないのだから。 映画館は完全についでだ。態々こんな時に映画館なんぞに立ち入るとは思えないが、集められたのは子供ばかりである。コナンには思いもよらない理由で、映画館を目指すかも知れなかった。 「というかI・R・T(アイドル・レイプ・タワー)ってなんだよ……」 どういうセンスの持ち主なんだ。海馬乃亜は。あの歳でこんなふざけた真似をするわ、I・R・T(アイドル・レイプ・タワーなんてトチ狂ったセンスの施設を用意するわ。 いや、実は何か意味が有って、I・R・T(アイドル・レイプ・タワー)なる怪施設を配している可能性も有る。 おそらくは関係者が此処に居るであろう、衛宮邸と桜田ジュンの家の様に。 という事はつまり…。 「マジか……」 小中学生のアイドルなんて、数こそ少ないが、珍しいものでは無い。コナンは自身の想像に吐きそうになった。 「何が有ったら、あの歳でこうまで歪むんだ…」 海馬瀬人を知る者ならば、「まぁ海馬だし」で済ませるのだろうが、生憎とコナンは海馬の家の者達とは今日が初対面である。必然として思考は錯綜する。 「っと、こんなこと考えてる場合じゃねぇ」 コナンは先刻確認した支給品を取り出した。 どうにも気に入らない名前と効能のアイテムだが、この場所に放り出されて、歩き回る事一時間。誰とも接触できず、無為に一時間を過ごし、その間に14人も死んだとあっては、好き嫌いを云々していられない。 効果の程を試していないのが気になるが、これは仕方がない。説明書通りならば、使い所を冷静に見極めなければならなかった。 その使い途が有るとすれば、それは“現在”だろう。 説明書を読んだ限りでは、気に入らない名前と効能のアイテムだが、此処では有用だ。 「オレにこんなモン渡すとは、つくづくコケにしてねーか?」 コナンが取り出したのは、『真実の鏡』。遠く離れた場所のみならず、過去ですら映し出すという魔法の品だ。 「こんなもん在ったら、探偵なんて不要だっつーの」 いかなる難事件もコレさえ在れば念じるだけで、全ては白日の元に晒される。 探偵としての矜持を虚仮にされている様で、コナンは不快だった。 「これ迄の人生を全否定されてる様でムカつくんだが」 それでも、数多の難事件を解き明かしてきた知性が、この道具の有用性を理解させる。 過去を映すことは制限によって出来ず、映し出せるのは現在居るエリア内のみ。使用できる時間はたったの三分。そして一度使えば一時間の使用不能期間がある。 早々に14人もが死んでしまったこの事態。近場に生きている人間が居るならば、そして危険人物で無いのならば、 この道具を使って居場所を探り当て、さっさと出逢うべきだろう。 衛宮邸に行くとしても、この鏡で得た結果次第では、後回しになる。 そしてコナンは鏡を用いて、今現在いるエリアを具に見ていき、そして一つの人影を見つけ出した。 ◆ アーカードとの死闘を切り上げ、空を飛んで移動した魔神王は、岩山を越えたところで地へと降り立った。 魔神王の知識の内にある吸血鬼や、高位の魔術師が転生した不死王(ノーライフキング)とは、まるで異なる吸血鬼。 アレもまた、自分達の世界である魔界とは異なる物質界の住人なのだろうか。 あの様な存在が他にもいた場合、戦闘で消耗した魔力を回復させなければ、同様の存在と戦うことになった時に面倒だ。 それに、武器も欲しい。この剣は強力だが、それだけだ。化け物に対して有効とは言え、それであの吸血鬼をどうにかできるものでも無い。それは、至高神の権能で鍛えられた聖剣を以ってしても、傷の治りが鈍くなるだけでしかなかったこの身が証明している。 この巨剣は魔神王自身にも有用だが、致命打を与えるには至らない。 魔神王を滅ぼす為の剣である、魂砕き(ソウルクラッシュ)の様な、あの手の存在を滅ぼす為に造られた武器が欲しかった。 此処で思い出されるのは海馬乃亜の言葉だ。 【そうそう、殺し合いと言っても、ゲームは公平に行わなければならないからね。キミたちにはランダムにアイテムを支給するよ。 圧倒的強者にはハンデも与えよう。ただ、殺すだけじゃなく戦略も必要になるわけさ】 魔神以外にも巨人や竜を使役していた古代魔法王国(カストゥール)の者達は、使役していた存在が、制御できなくなった時の為に、必ずその対抗策を用意していた。 魔神王にもその対抗手段は存在し、それが『魔神王の剣』と後の世の伝承(サーガ)に語られる魂砕き(ソウルクラッシュ)である。 魔神王に対する魂砕き(ソウルクラッシュ)同様に、あの吸血鬼にもまた、何らかの対抗策が有り、そしてその対抗策はこの地に集められた者達の誰かに渡されているのだろう。 それを入手する事が、あの吸血鬼を滅ぼす確実な方途だろう。 並行して、魂砕き(ソウルクラッシュ)も探す必要が有った。あの剣さえ手中に収めていれば、魔神王は不滅と呼んでも過言では無いのだから。 そんな思考を巡らせながら歩いていた魔神王は、地面に転がる死体を見つけて、足を止めた。 何度も何度も殴打され、何らかの手段で胸を貫かれて死んだ中島弘の死体を、魔神王は無感情に見下ろし、無言で中島の頭を右手で掴んで、骸となった中島を持ち上げると、左手で中島の胸倉を掴んで体を固定し、右手を一捻り。 それだけで、中島の頸部は捩じ切れ、胴から離れてしまった。正しく人外の、凄まじい、怪力だった。 無言のまま、魔神王は中島の頭から首輪を外すと、自身のランドセルに入れた。 魔神王の最終目的は、乃亜を含む皆殺しにある。その為にも、首輪の入手は必須だ。他の者たちは兎も角、乃亜に関しては、首輪を外さなければどうにもならない。 この首輪は、古代魔法王国(カストゥール)の魔術師達が用いた制約(ギアス)の様なものだ。神代より生きる古竜(エンシェントドラゴン)ですらが、魔術師達に逆らう事ができなかった魔術による縛め。 この縛を外さなければ、乃亜を殺すどころか、逆らう事すら出来はしない。首輪を入手し、調べ上げる必要が有った。 更に魔神王は、中島の死体からランドセルを外し、服を剥ぎ取るとこれもまたランドセルに入れる。 全裸になった中島の胴を乱雑に打ち捨てると、右手に持ったままの中島の頭に空いた左手の五指を突き込み、指が頭蓋に完全に埋まったところで勢いよく手を引き抜く 骨の割れる乾いた音と、皮膚の裂ける湿った音とが同時にし、中島の頭蓋は魔神王の掌サイズの骨と皮膚が剥ぎ取られ、内部に詰まった脳を晒した。 柔らかい肉を食いちぎり、咀嚼する音。 魔神王が中島の脳を食っている音だ。 見る者がいれば、間違い無く恐慌に陥るだろう、悍ましい食事風景が終わるまで、数分の刻を要した。 ────見られているな。 中島の脳を喰らいながら、魔神王は自身が何者かに見られている事を感知していた。密かに『逆感知(カウンター・センス)』を用いてみたが、近くにいる事しか分からなかった。これも乃亜の施した制限なのだろう。この分では、次元の扉を開いて覗き見ている者のところへと転移することも叶わないだろう。 「………………」 僅かに覚えた苛立ちを込めて、覗き見ている何者かへと鮮血色の瞳を向けた直後、それまで感じられていた視線が消滅した。 魔神王の視線を受けて、慌てて切ったというよりは、何らかの理由で術が解除された様な唐突さだった。 ‘……………」 構う事なく中島の脳を喰い尽くした魔神王は、中島の頭部を胴体目掛けて投げつけると、火球を放ち、中島の死体を骨も残さず焼き尽くす。 「磯野カツオ…大空カオリ……やはり姿を変えられぬか」 中島の脳を食った事で、中島の記憶と知識、それに技能を獲得した魔神王は、中島の記憶にある人物への変身を試みたが、全く姿が変わる事はなかった。 「ふむ…ならばこの姿ならば」 呟いた魔神王の姿が変化し、ついさっき魔神王の手により肺すら残さず燃え尽きた、中島弘の姿を取った。 「脳を食った者にしか姿を変えられぬという訳か」 確かに魔神王とその眷属の持つ変身能力は、脅威の一言に尽きる。魔神戦争に於いて、この変身能力を駆使する鏡像魔神(ドッペルゲンガー)達は、人と入れ替わる事で、ロードス中に不信と不和とを蒔いたものだ。 賢者と呼ばれた大魔術師も、大地母神の愛娘と呼ばれた聖女も、鏡像魔神(ドッペルゲンガー)の変身を見破る事はできず。只々、鏡像魔神(ドッペルゲンガー)との疑惑を持たれた者を殺す事でしか、その正体を暴くことが出来なかったのだから。 此処まで強力な能力は、当然の様に制限の対象となってもおかしくは無かった。 この分では、対象を観察する事で、対象の記憶を読み取る能力も、制限の対象となっている事だろう。 つくづく不快な話だった。 「この人間を殺したのは二人。一人は永沢」 中島の記憶から得た情報を元に、中島に死を齎した者と、その手段を確認する。 永沢と、後から現れた少女に呼ばれていた子供が使っていたのは『バット』という、子どもの遊びで用いられる木製の棍棒。 殴打されて、気絶していた最中に現れ、結果として中島の命を奪った少女が用いたのは、先刻戦った吸血鬼が用いていたのと同類の道具。中島の記憶によると『銃』というらしい、飛び道具。 男女ともに、二人の戦力を合わせたとしても、魔神王の敵では無い。 出会えば簡単に殺せる程度の相手、何処に行ったのかも解らない相手を、探して殺し出すのは手間でしか無い。 放置しておいても害になる事は無い以上、他の者を殺して手間を省いてくれる事を期待しよう。 それよりも優先すべきは、先ほど覗き見ていた者だろう。中島弘の姿を散っている今現在の状態であれば、脳を貪り食っていた少女と同じ存在だとは気付かれまい。 元の姿と、今の姿。二つの姿を使い分ければ、この地に集められた人間どもの間に、不和と不信を撒くことも容易い。 その為にも、覗き見ていた者を殺して口を塞ぐ必要が有った。 警戒されぬ様に、この姿で近づいて、速やかに殺す。 当面の方針を決めた魔神王は、中島のランドセルを改める。あの吸血鬼を打倒できる武具か、或いは魂砕き(ソウルクラッシュ)が有る事を期待したのだが、結果は外れ。出て来たのは、透明な瓶に入った血液だけだった。 付属していた説明書を読んで、魔神王は冷笑した。 「結局この者は、此処で死ぬ定めだったか」 瓶の中身を三口飲んだ魔神王は、ランドセルに仕舞った中島の服を取り出すと、慣れ親しんだ手付きで服を着はじめた。 【B-5/一日目/深夜】 【魔神王@ロードス島伝説】 [状態]:健康 (魔力消費・中) [装備]:ドラゴンころし@ベルセルク(現在はランドセルの中) 魔神顕現デモンズエキス×3@ アカメが斬る! [道具]:基本支給品、ランダム支給品×1~2、魔神顕現デモンズエキス(5/2)@アカメが斬る! [思考・状況]基本方針:乃亜込みで皆殺し 1:アーカードを滅ぼせる道具が欲しい。 2:魂砕き(ソウルクラッシュ)を手に入れたい 3;覗き見をしていた者を殺す 4:覗き見をしていた者を殺すまでは、中島弘として振る舞う。 [備考] 自身の再生能力が落ちている事と、魔力消費が激しくなっている事に気付きました。 中島弘の脳を食べた事により、中島弘の記憶と知識と技能を獲得。中島弘の姿になっている時に、中島弘の技能を使用できる様になりました。 中島ひの記憶により永沢君男及び城ヶ崎姫子の姿を把握しました。城ヶ崎姫子に関しては名前を知りません。 変身能力は脳を食べた者にしか変身できません。記憶解析能力は完全に使用不能です。 ※現在中島弘の姿をしています。 支給品紹介 魔神顕現デモンズエキス@アカメが斬る! 中島弘の支給品。 超危険種の血液をそのまま使用した帝具。効果は血液の主と同じ『無から氷を生成する』という能力を獲得できるというもの。 なお、この血液を飲んだ者は、血の持つ激烈凄惨な殺戮衝動に自我を破壊され、発狂してしまうが、超強固な自我を持つ者ならば耐えられる。 ロワでは効果が制限されていて、血を飲んだ者の能力次第で効果は変動するが、誰が飲もうが大城塞や大河を凍結させる様な威力は出せない。 一口飲めば効果を発揮し、中島には五口分支給されていたが、魔神王が三口飲んでしまっている。 ※中島弘に支給されたランドセルと、ぶちまけられた基本支給品が、B-5の何処かに転がっています。 ※中島弘の死体は燃え尽きてなくなりました。 ◆ 江戸川コナンは探偵である。論理(ロジック)という刃で、謎(ミステリー)という縺れた糸を断ち切る存在。それが探偵である。 その探偵である江戸川コナンは、現在何をしているかというと…。 吐いていた。 「何だ…アイツ……。人の脳を…………」 思い出すたびに、腹の底から熱いものが込み上げてくる。 無理もないと言えば無理もない。 なにしろ死体をいくら見慣れていると言ったって、バラバラにされた死体を始めとして、惨殺死体にも慣れていると言ったって、人の姿をした者が、人の頭蓋を素手で破壊して、人の脳を喰っている。そんな情景など今まで見た事が無かったにだから。 しかし、江戸川コナンはそれだけの事で、こうまでにはなりはしない。コナンの心神を打ちのめし、胃の内容物を吐き出させた決定打は、あの脳を喰っていた少女が、明確にこちらの存在に気付いていた事だった。 あの少女の鮮血色の瞳は、確実にコナンが見ている事を気づいた上で、鏡越しにコナンへと向けられていたのだ。 少女の底知れない、深淵の様な眼差しは、食人という光景に衝撃を受けていたコナンの精神を打ちのめす決定打となったのだ。 あそこで制限時間が来なければ、あの少女は鏡を通じてコナンの居る場所へとやってくる。そんな迷信的な恐怖を、コナンはあの少女の眼差しから、受けたのだった。 (アイツが────来る!!!) コナンは確信していた。あの少女は確実に自分を殺しに来ると。此処に留まっていては、自分もあの脳を喰われていた者と同じ運命を辿る事になると。 (逃げ……ないと) コナンは立ち上がると、フラつきながら移動を開始した。 殺されない為にも、立ち直る期間を確保する為にも、今は此処から離れる必要が有った。 【江戸川コナン@名探偵コナン】 [状態]:健康 [装備]:キック力増強シューズ@名探偵コナン [道具]:基本支給品、ランダム支給品×0~1(本人確認済み) 真実の鏡@ロードス島伝説 [思考・状況]基本方針:殺し合いを止め、乃亜を捕まえる 1:仲間達を探す。 2:乃亜や、首輪の情報を集める。(首輪のベースはプラーミャの作成した爆弾だと推測) 3:乃亜の言う異能者に警戒。 4:人喰いの少女(魔神王)に恐怖(大) 5:衛宮邸と桜田ジュンの家を回って情報を集め、映画館に立ち寄った後ボグワーツ魔法魔術学校へと向かう 6:今は兎に角有働する [備考] ハロウィンの花嫁は経験済みです。 真実の鏡は一時間使用不能です。 支給品紹介 真実の鏡@ロードス島伝説 江戸川コナンに支給。ロードス島に伝わる『太守の秘宝』の一つ。 遠く離れた場所や、過去さえも望めば映しだす魔法の品 過去を映すことは制限によって出来ず、映し出せるのは現在居るエリア内のみ。使用できる時間はたったの三分。そして一度使えば一時間の使用不能期間がある。 012 カサブタだらけの情熱を忘れたくない 投下順に読む 014 この素晴らしき魔剣と契約を! 時系列順に読む 044(候補作採用話) immortal combat 魔神王 051 「藤木、友達を失くす」の巻 096(候補作採用話) 探偵への挑戦状 江戸川コナン 050 Everyday Level Up!!
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『風宮家』『鈴乃FC』『さみしんぼ同盟!』に所属している。 声の投稿はまだない。 風宮 佑太 □基本安心のショタ声 □自称「音痴」だが、実はものすごく上手いらしい。 □性格は基本Sである。 □可愛い、ショタボイス最高っ □何もかも可愛い、何したって可愛い。 □可愛すぎて性別を忘れられる事がある。 □稀に親フラがある。(親も美声である。) □LIVEにはそこそこの頻度で出没。→ 【とある厨房のgdgd放送】 □可愛い、ショタ可愛い。 □俺の姫、いや、嫁。← □性別?そんなの関係ないさ。 □それくらい可愛いんだよ、ショタは。 □え?何々?声変わりしたいって言ってた?何だって!? あのショタ声が無くなるなんて世界の破滅だっ!!!!