約 1,942,015 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3951.html
前ページ次ページLouise and Little Familiar’s Order キュルケは軽く身繕いをした後、少女の手を引いて階下へと向かう。 ルイズが追って来るのではないかと時々後ろを振り返りもしたが、そこには誰もおらず、ただ薄暗く続く長い廊下があるだけだった。 まあ、追って来ていたとしてもあれほどの事を言った後である。 上手い文言の一つや二つが早々簡単に思いつくわけはないと思われるが。 それにしても、メイジ失格なんて少し強く言い過ぎたか?と思ってしまう。 実際二人はしょっちゅう言い合いをする事があった。 家は国境を挟んで隣同士だし、お互い家名を背負っているプライドからか些細な事でも火種になる始末だった。 しかし、今回はそれらとは少し事情が違う。 あそこまで他人に対して棘を出し、塞ぎこんでしまいそうなルイズに発破をかけるなら、あれぐらい言わないと無理だろう。 それに、からかったり弄ったりする楽しさも無くなってしまうし。 と、異様なまでにその場が静かな事に気づいた。 隣で手を引かれている少女は言葉を失ったように黙り込み、キュルケの方を見つめている。 目はさっきまで泣いていたせいで、隅の辺りが赤くなってしまっている。 少しでも少女の不安要素を取り除こうと、彼女は手始めに自分の名前を名乗ってみる。 「挨拶が遅れてごめんなさいね。私の名前はキュルケ。本当はもっと長い名前なんだけどこれから呼ぶ時は短く『キュルケお姉さん』でいいわ。」 「キュルケ……お姉さん?」 「そうそう。それで良いの。じゃあ、今度はあなたのお名前を教えてくれるかしら?」 「わたしは、ミー。」 「そう。可愛い名前なのね。お姉さん気に入ったわ。」 キュルケは子供をあやすといった事はした事が無かったが、その要領は意中の相手を落とすのに似ている。 先ず些細な事を何でも良いから聞き出し、それに関して褒める。 そうされて困ったり嫌がったりする人間というのはまずいないからだ。 そして、相手は自分に敵意が無いと信じ、心の内奥に通じる扉にかけられた鍵を開錠するのである。 案の定、少女は顔を僅かに赤らめて俯いた。まずは第一段階終了である。 そしてその次に進む為の扉が二人の目の前に現れた。 Louise and Little Familiar’s Order 「First meal at the another world」 それは厨房へと通じる扉だった。 同級生達が、料理や使用人の態度について色々と文句をつけるためにここへ来ていたのを、何度か見た事があったからだ。 中ではまだ仕事が続いているのか、騒がしい音が続いている。 もう殆ど片付け終わったかしらと気にしつつ、キュルケはその扉を高らかな音をさせて何度かノックした。 「はあい。今参ります!」 可愛らしい声がした後で扉がすっと開いた。 中から現れたのは、メイド服姿がよく似合う純朴そうな黒髪ショートの少女だった。 彼女はキュルケの姿を確認すると、かしこまって挨拶をする。 「これは貴族様。こちらへはどのような用事でしょうか?」 「一ついいかしら?賄いってまだ残ってる?」 それはメイドの少女にとって、全くといって良いほど意外な質問だった。 いつもなら、貴族がここを訪れる時は出した料理に何らかのけちを付けるものなのだが、妙な事になった。 「少々お待ち下さいませ。……マルトーさあん。賄いってまだ残ってますか?」 「何ぃ?ああ、それならちっとだがそこにある鍋に残ってるぞ。ところでシエスタ、そんなもん何に使うんだ?」 シエスタと呼ばれた少女の問いに、物凄い勢いで山のような洗物を片付けるコック長らしき中年の男性が答える。 「いえ……私ではなく、貴族様が必要だと仰られているので……」 「分かった。今そっちに行くから待ってろ。」 マルトー氏は手を拭き、いそいそといった感じで戸口までやってくる。 「これは貴族様。このような下賤な場所へ一体どのようなご用件で参られたのでしょうか?」 声は威厳があり丁寧な感じもしたが、どこと無く相手に対して敵意を向けている感じだった。 「この子に何でも良いから何か食べさせてあげたいのよ。今日丸一日何も口にしてないらしいから。」 「分かりました。では早速ご用意させて頂きます。」 二つ返事をして深々と頭を下げてはいるが、やはり慇懃な感じがするのが否めない。 それからマルトー氏は厨房の奥へと戻り、鍋に火をかけ出した。 と、シエスタがミーと視線が同じくらいになるまで屈み込んでから、キュルケに質問をした。 「あのう、失礼ですがこの子ってまさかミス・ヴァリエールの使い魔になったっていう子ですか?」 「そうよ。よく知ってるわね。あたしは違うけど。」 「それは……私達の間でも召喚の魔法で平民を喚んだって噂になっているので……」 シエスタは完全にへどもどした状態になる。 一方、厨房の奥では多くの使用人達がひそひそ声で陰口を言っていた。 「使い魔が平民って噂本当だったんですね。」 「しかもあんな小さい子がねえ。」 「しかし今日一日ご飯も貰えなかったとは可哀相に……機嫌一つで飯の一つや二つを下げさせるなんて貴族様ってのは本当鼻持ちならんねえ。」 「しぃっ!聞こえますって!」 ルイズが聞いたら、平民のくせにといって大声で怒鳴りつけかねないだろう。 この場に彼女がいないのが幸いしたとキュルケは心底思った。 するとシエスタがミーの手を引いて、一番近くにあった椅子に座らせる。 多くの大人に囲まれて緊張でもしているのか、おどおどした表情で周りを見渡すミーにシエスタはにっこり笑って話しかける。 「初めまして。私はここで働いているメイドのシエスタ。あなたのお名前は?」 「ミー。わたしのなまえはミー。」 「そう、ミーちゃんって言うんだ。ミーちゃん、もう少しだけ待っててね。暖かいスープがあったの。直ぐ持ってくるから。」 そう言ってシエスタは大きな竈の前へ行く。 それから2、3分経った頃だろうか、暫くすると彼女は、湯気の立つスープの入った皿を持ってそこに現れた。 「はい、どうぞ。おかわりもあるからゆっくり食べていってね。」 シエスタは皿と簡素な銀スプーンをテーブルの上に置き、優しい声でスープを食べるよう勧める。 ミーは最初周りを見渡すばかりで、スプーンに手を触れようともしない。 だが、ややあってから彼女はゆっくりとスプーンを手に取り、それから夢中でスープを口にかき込み始めた。 その様子を見てシエスタはポツリと呟く。 「よっぽどお腹が空いていたんですねえ。」 「召喚された後、ルーンが刻まれる時のショックで丸一日寝込んでいたそうだもの。無理も無いわ。」 「ルーンってあの手の甲にあるやつですよね?」 「そうよ。ところであなた、やけに小さい子の扱いに慣れてるのね。」 「はい。田舎に親戚の子が沢山いましたから、面倒を見なければならなかったんです。慣れてくると楽しかったんですけどね。」 キュルケはシエスタの呟きにいつの間にか相槌を打っていた。 彼女はシエスタが平民だという事に関しては、そこまで気にしてはいなかった。 キュルケはトリステインの出身ではない。隣国の帝政ゲルマニアの出身なのだ。 トリステインでは貴族である条件が「領地を購入する事」、「公職に就いている事」そして「魔法が使える事」と、如何にも固い物である。 が、彼女の故郷では殆ど原則金回りの良さが物を言う為、元平民の貴族が街路にごろごろしている事も珍しくは無かった。 当然、キュルケもそんな中で暮らしてきたので平民の扱いは手馴れている。 そしてその中で思う。 この娘なら毎日のご飯どうにか出来るのではないか、と。 「ねえ、頼みがあるんだけど。」 「あ、はい。何でしょうか?」 「明日の朝、もしこの子が食堂から締め出し喰らってたら、今みたいにご飯あげてくれる? この子の『御主人様』は多分食堂の中に入れさせないだろうし、例え入れさせてもこの子にとって良い物は出ないでしょうね。」 「分かりました。そうします。」 シエスタは二つ返事で頼みを承諾した。 その時、ミーがスプーンを置いて小さく呟いた。 「おかわり……ください。」 温かい食事と人付き合いは冷たく凍った心を溶かす。 誰が言ったか知らないがそんな言葉を聞いた事がある。 聞いて直ぐは「そんな事って本当にあるのかしら?」と思っていたが、今日はそんな様子を傍で目にした。 強ち嘘ではないのかもしれない。 キュルケはそんな事を思いつつ、食事を終えたミーを連れてルイズの部屋の前に来た。 そこまで来るとミーは内心怯えきっていた。 厨房の人々にさっきまで柔らかい笑みを撒いていた彼女の顔も、すっかり恐怖で歪んでしまっている。 「ルイズが恐いの?安心して。お姉さんがきちんといろいろ言っておくから。」 そう言ってキュルケは部屋の戸を数回叩いた。 「開いてるわ。入って来て良いわよ。キュルケでしょ?」 極めて不機嫌そうなルイズの声が聞こえる。 その声には答えず、キュルケは扉を開け、ミーを伴って部屋の中へ入る。 その時キュルケは部屋の中の惨状に唖然とした。 卓がひっくり返り、本という本は彼方此方に吹き飛び、普段着ている衣服は全て散らかったままになっていた。 まるで嵐が一陣通り過ぎていったかのようである。 そして天蓋付きのベッドの上では、ネグリジェ姿のルイズが毛布を被って猫のように体を丸めていた。 どうやら彼女が積もり積もった癇癪を爆発させた結果らしい。 「何の用?」 ルイズは上体を起こし、虚ろな目線で戸口にいる二人を見つめた。 そんな彼女を見てミーはさっとキュルケの背後に隠れる。 「あなたの使い魔を返しに来たのよ。」 「何よ。随分早い返却じゃない。」 「但し、あなたがこの子の面倒をきちんと見れるっていう前提付きだけどね。きちんと面倒を見るって約束するなら今この場で返すわ。 出来ないのなら私か厨房で知り合った平民の使用人がこれから面倒見る事になるから。」 キュルケがそう言うと、ルイズはさっとベッドから飛び出て二人の元までやって来た。 手は硬く握り締められ、顔は流石に真剣な顔つきになっている。 幾ら自分と最初の出会いが悪かったとは言え、使い魔として召喚された以上、キュルケ、ましてや平民の手を借りなければ子供一人手なづける事も出来ないと思われるのは嫌なのだろう。 そしてルイズは震える手でキュルケの元からミーを引き離し、凛とした声で言う。 「馬鹿な事言わないでよ。この子は私の使い魔なのよ。あんたや平民の手を借りるまでもないわ。私の使い魔なんだから私がこの子を立派にしてみせるわ!」 それは意地でも見栄でも何でもない。飾りも無い。 使い魔を持った一人のメイジとして、果たすべき責務に向かうという一言だった。 メイジと使い魔は一生を共にするのだ。 最初からその義務を投げ出していたのでは、自分が目指す立派なメイジなんて夢のまた夢に等しい。 面白いわね、とばかりにキュルケが笑みを浮かべてそれに答える。 「そう?じゃあ私は部屋に戻るわ。……いい?ミーちゃん。ルイズの側にいて恐くなったり泣きたくなったりしたら直ぐ私の所に来るのよ。」 「ふざけないで。どんなにこの子が辛い目に会ったって、最後は……最後は絶対に私の所に戻るようにしてみせるわ!やってやろうじゃないの!」 「あら、随分と頼もしい言葉じゃない。本当の事になれば良いけど。ま、せいぜい頑張ってね。それじゃあ、お休み。」 キュルケはくすっと笑って部屋から出て行った。 そんな様子を見てきーっと吼えたくなったが、隣にミーがいるのでそれは泣く泣く我慢する事にした。 悔しいが彼女は、ミーにご飯を与える等今の自分にはやってのけない事を幾つかやって貰ったのである。 また癇癪を起こしてあっさり約束が反故になるのも嫌だった。 取り敢えず落ち着く為に深呼吸し、改めて名前を訊く。 「あなたの名前は何?」 「わたしは……ミー。」 改めて始まった主人と使い魔の生活。 自分より小さい子をあやした事の無い、厳しく躾けられたルイズは、果たして異世界から来たミーと上手くやれるのか。 未来へと続く道は未だ暗闇に閉ざされている。 前ページ次ページLouise and Little Familiar’s Order
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/2042.html
「いざ進めやギーシュ!めざすはヴァルダンテ♪」 トリステインの南方目指し、馬を駆る 「ねえ、なんでこいつがいるのよ、キュルケ」 ルイズがため息をつく。 「説明しよう!ギーシュは宝探しなどという面白そうなことに関しては 鋭い嗅覚を持っているのである!」 「要するにあんたが勝手についてきたわけね、このアカポンタン」 「まあそうともいうね」 「じゃあ帰りなさいよ、一応私のためなんだから」 「なにも成果を得ずに帰ったらおしおきされちゃうじゃないか!」 「誰によ誰に」 「まあまあ、ミス・ヴァリエール、いいじゃないですか」 シエスタが宥める。 「さすが、美しい女性は僕のことをわかってくれるな!ハハハ!」 「シエスタ、こんな奴かばうことないわよ、 まあシエスタがそう言うなら許してあげるわよ、感謝しなさい」 キュルケが地図を開いて先導する。 「えーと、まずはここから東に1キロね…」 トリステインを数日かけて各所を周り、六日目には大量にあった宝の地図ももう残り数枚になっていた。 「なによキュルケ、宝なんて全然ないじゃない。なによこのガラクタの山は!」 「ヒンタボアイランドへの地図、星がいくつか入った黄色いボール、 変な円盤、DISCって書いてあるわね…しん・よげんのしょってなによこの汚い紙は… あとは…波動エンジン設計図?なによこれ」 キュルケがひとつ黒いノートを拾う。 「この黒いノートなんか使えるんじゃない?なにか書いてあるけど読めないわね… とりあえずギーシュの名前でも書いておくわ」 「あれ、ミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストー、ミスタ・グラモンが心臓を 抑えてもがいていますけど…あ、動かなくなりました」 「いいのよ、ほっときなさい、ギーシュだから」 「ギーシュだもんね」 「そうですか…」 ルイズが振り向いてキュルケに尋ねる。 「あとどこが残ってるのよ」 「あとはタルブ周辺だけね、シエスタ案内してくれるー?」 「ええ、もちろんですよ」 「じゃあ、ギーシュいくわよ、って動かないんだったわね…フレイムー、 ギーシュひきずってきなさーい、重かったら焼いてもいいから」 「ぎゅるぎゅる!?(そ、そんなご主人さま、それはひどすぎるんじゃあないですか!?)」 といいながらギーシュを引きずり、馬に乗せる。 「さあ、目指すは南よー」 キュルケが行く先を指さした。 「なんか薄気味悪い森ね…」 ルイズが呟く。 「いかにも今回の山場って感じだね、諸君」 「あら、ギーシュ生きてたの?」 「ギャグキャラは死なぬ!何度でも蘇るさ!」 「なにか出るかもしれないわね、警戒して進みましょう」 その言葉を聞いてギーシュがバラをあしらった杖をくわえる。 「ふふ、こんなこともあろうかと、今週のびっくりドッキリワルキューレ! 名付けて、ワルキューレ旅団!全国の女子高生の皆さんどうぞご覧下さい!」 説明しよう!ワルキューレ旅団とは、大型のワルキューレを手のひらサイズまでに小型化し、 数を増やした物である!数は増やしたが体積は減っていないため、戦力を集中させることによって 従来の敵にも対処でき、かつ一体一体の体積は小さいため、全滅させることは困難、という代物である! 偵察、威力偵察、囮、遅延作戦、多方面攻撃など幅広い任務に使えるぞ! 「そして、最終的には合体して超電磁やゲッター線、ミノフスキー粒子などを使えるようにする予定だ! どうだ、すごいぞ! かっこいいぞー!戦いは数だー!ワハハハハハ!」 「…まあいいわ、やってみなさい」 大量のワルキューレをばら蒔き、森の中へ進ませる。 「第一青銅大隊はそのまま前進、第二黒金大隊は停止し、第四…じゃなかった第三偵察小隊を十時の方向に、 えーと第二青銅大隊は停止じゃなかった第五白銀大隊が、えーとそんなにないよなあ…第三黒金大隊でいいのかなあ」 「指揮が混乱を究めてるわね」 「う、うるさいルイズ、大量のゴーレムを動かすってのはすごい集中力がいるんだぞ!」 「じゃあなんでむやみやたらに増やすのよ…」 「大きくするなら大きく、小さいなら全力をかけて大量生産が僕のポリシーだからね」 「まるで使えないわね…どっかのヒゲ伍長の兵器みたいだわ」 「う、うるさいな、……ん?あれ、おかしいな第十六偵察小隊が動かないなあ、どうしたんだろう」 「あんたのゴーレムでしょ、私に聞かないでよ。そもそもなによその小隊の数は、何体いるのよあんたのゴーレム」 「あ、あれ?どんどん動かせるゴーレムが減っていく、も、もしかして敵襲かなあ…」 キュルケがため息をつく。 「偵察の意味ないじゃない…」 「で、でも敵がいることがわかっただけでも大きな進歩じゃないかね?」 「普通にゴーレム出せばよかったじゃないの、とにかくなんとかしなさいよ」 「わかった、とりあえず集合させよう、これでなにが起きてるかわかるはずだ」 ギーシュが目をつぶって杖を振る。 「お、オーク鬼の集団だ!」 ギーシュが悲鳴をあげる。 「総員退避ィいいいい!こっちまで撤退いいいッ!」 ルイズが慌ててギーシュの肩を揺する。 「ちょ、ちょっと、そんなことやったら私たちのところにオーク鬼が来ちゃうじゃない!」 「あああああ!忘れてたあああ、でももう遅いや、あはははは」 ボロボロの小さなワルキューレが次々と集まってくる。 「なんだこりゃ、オーク鬼にやられたにしては…穴だらけなんて不思議な傷だな…?」 ガサガサよ周りの藪が動く。全員杖(シエスタはフライパン)を構え、場が静まる。 そして、藪からオーク鬼が顔を出した。 「来たわよッ!」 ルイズが叫ぶ。 しかし、いたのはオーク鬼だけではなかった。 キュルケがあとずさりしながら言う。 「ね、ねえ、これはなに?ギーシュのゴーレムなの?なんか小さい兵隊で、銃みたいなのを持ってるけれど…」 「え?僕のゴーレムはもうここに全て集まって……」 小さな兵隊が銃をこちらに向ける。 「伏せなさいッ!」 ルイズが叫んだ次の瞬間、小さな銃からでた弾丸が伏せたルイズ達の上を突き抜けていく。 「ど、どうなってるんだ!?」 ギーシュがうろたえる。 「もしかして…スタンドじゃない?人間以外が持ってるってこともありえるはずよ!」 キュルケが杖を構えて距離をとりながら言う。 シエスタはフライパンを構えて震えている。 「じゃあ、この兵隊はどれかのオーク鬼のスタンドなのね……なら、こうするしかないわね、それは…逃げる!」 ルイズが振り向いて逃げようとする。 「……こともできないみたいね、見事な包囲だわ、ギーシュも少しは見習いなさい」 後ろにも獲物を狙う目をしたオーク鬼が何体も並んでいた。 「さて、観念する?無駄な抵抗してみる?」 ルイズが尋ねる。 「そんなの決まってるじゃない!」 「命を惜しむな、名を惜しめ、この家訓の通りに死ぬまでさ!ミス・シエスタだけでも逃がすぞ!」 二人は杖を構える。 「少年少女ども、相変わらずいい啖呵だな!こんな優れた人間どもをオーク鬼の夕食にするにはあまりに惜しすぎるゥウウウウッ! そのとき、茂みの後ろから声が聞こえた。 「この世にナチスがあるかぎりィイイイイイイッ!共産主義は栄えないィイイイイイイッ! この村に俺がいる限りィイイイイイイイッ!オーク鬼どもは栄えないィイイイイイイッ!」 男の後ろから彼女たちがよく見知る男がでてきた。 「やあ、ミスタ・グラモン、ミス・ヴァリエール、ミス・ツェルプストー、ミス・シエスタ、でしたかな?今週の山場ですぞ」 「食らえオーク鬼どもォオオオオオウッ!重機関砲発射ァアアアアアッ!」 機関砲をぶっ放しながら前進していく。 「どうだオーク鬼どもォオオオオオオッ!我が愛機Bf.109最新型搭載ィイイイイイ機関砲の味はァアアアア!」 小さな兵隊が銃を放つが、もちろん効果はなく、そのうち本体が倒れたのか兵士は消え去った。 オーク鬼が全てやられるか逃げていき、一息をつく。 「それにしても、なぜこんなところにコルベール先生とシュトロハイムさんがご一緒にいらっしゃるんですか?」 ルイズが二人に尋ねる。 「若者がァアアアア!天才コルベールの技術を起点にィ……このシュトロハイムの体の部品は作られておるのだアアア!」 「うむ、彼は柔軟な発想を持っていてね、私の研究を認めてくれた上に色々とアドバイスしてくれるのだよ! 非常にためになっている、研究がはかどってはかどってしようがない!」 コルベールは嬉しそうに顔をほころばせる。 「それで、どうしてここにいるんですか?」 シュトロハイムがうなずく。 「オスマンの計らいでな、この前のゴーレム騒ぎで家が壊されたからな、ここに土地を紹介してもらったのだ。 それにしてもここはいいところだ、風土もいい、人もいい、飯もいい!イギリス人も見習うべきだな! ということでここに住まわせて貰っておるのだ、こういったところは不慣れだが、近所の人たちも色々と 世話をしてくれる。俺にとってここは第二の故郷とも思えてきたな!」 一行はコルベールに目を向けると、コルベールは口を開いた。 「うむ、シュトロハイムくんにあの空飛ぶヘビくんの話をしましたらね、感心されまして、彼はそれを応用した 『ひこうき』というものについて教えてくれたのですよ!そしてある日、友人の話を聞いていると、ここに『空の羽衣』 という道具があると聞きまして、話を聞く内に、シュトロハイムくんの言っていた『ひこうき』というものと特徴が 似ていることに気付いたのですよ!それを考えるといてもたってもいられなくなって、こちら向かったところ、 なんと彼に出会ったのですよ!」 「『空の羽衣』ですって!?」 シエスタが驚きの声をあげる。 「おや、ミス・シエスタ、ご存じなのですか?」 「ええ……私のひいおじいちゃんの、形見です。ひいおじいちゃんはそれを纏えば飛べるとも言ってたそうですけど、 誰も動かせなくて…きっとインチキなんでしょうね」 そう笑うと、シュトロハイムが口を挟んできた。 「インチキなどではないィイイイイイッ!コルベールの知力と努力の結果ァアアアアアア! 『空の羽衣』を飛ばすことは可能となったのだァアアアアア!」 「ほ、ほんとうですか!」 シエスタが目を輝かせる。 「百聞は一見にしかずゥウウウウウ、ついてこい少年少女どもォオオオオ!」 そういって背を向け歩きだすが、ふと気付いたように振り返る。 「そういえば、ミス・ヴァリエールだったか、君がナチスについてなにか悪いことを言っていたような気がするのだが」 「なに、ナチスって?私そんなもの知らないわよ?」 「そ、そうだな、そうに決まっているな、すまなかったな、では行くぞ、諸君ゥウウウウ!」 To Be Continued...
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6245.html
前ページ次ページゴーストステップ・ゼロ ルイズとヒューは黙々と教室の片付けをしていた。 服が破けてしまったルイズはヒューのコートを身に纏っている。 「ところでルイズお嬢さん、「おかしいでしょう?」何が」 「魔法も使えないメイジのくせに貴族なんて威張ってる。誰もが言ってるわ、威張るだけなら平民でもできるって。 だけどね、私は貴族なの!このトリステイン王国の栄えあるヴァリエール公爵家の!お父様とお母様の実の娘なの! 魔法が使えませんなんて言える「使えてるじゃないか?」え?」 足元に落ちている教卓の破片を教室の隅に片付けながらヒューは淡々と言葉を綴る。 ゼロのフェイト シーン05 “ギーシュの香水と夢の魔法” シーンカード:マヤカシ(幻影/裏切りの露見。魔的な襲撃。毒。不実な人間の罠。不確かな夢。) 「少なくともオレはこんな事は出来ない、お嬢さん達が平民っていう連中と同じだっていうのもあるかもしれんがね。 それに、オレをこのハルケギニアに呼び出して契約までしたんだ、何も出来ないっていう事はないだろう。」 「アンタを召喚した事だってただの失敗だったかもしれないじゃない、ただの平民なんだから。」 「けど召喚したっていう事実は残る。どうして失敗しているか調べた事は?」 「なによそれ、ちゃんと呪文を唱えて杖を振れば魔法は発動するのよ? お母様や姉様達、先生方が言うような感覚は掴めないけど、発音もちゃんと完璧にしてるんだから成功しない方が おかしいのよ。」 「その辺かもしれないな。」 「なんですって!お母様や姉様達が私に嘘を教えていたとでも言うわけ!「いや、そういう意味じゃなくてだな」 どういう意味よ?」 「別にルイズお嬢さんの家族が嘘を付いているとは言わない。ただ、本人にとっての真実が他人にとっての真実とは 限らないって事。 簡単なたとえ話さ。普通の貴族が使う魔法がナイフだとする、片やルイズお嬢さんの魔法はフォークだったら?っ ていう話だよ。 使う道具が違うのなら、使う方法も目的も違って当たり前だろう?」 「な、何よそれ。 私には普通の魔法は使えないとでも言うつもり?」 「怒るなって、別にそんな事は言ってないだろう。フォークだってケーキは切れるしナイフでも肉を突き刺せる。 要は自分なりの使い方があるんじゃないか?っていう事を言いたいのさ。 所詮は門外漢の話だから話半分で聞いておいてくれると助かるんだがな。 とりあえず、お嬢さんの魔法の証明が目の前にあるんだ、諦めるのはまだ早いだろ。」 そう言ってヒューは片付けを再開する。 だがヒューの魔法に関する見解を聞いていたルイズは机を拭く手を止めてしまっていた。 今までそういった事を言ってくれる人もいなかったし、ルイズ自身考えもしなかった事だからだ。 しかし、それはしょうがない事でもある、第一ハルケギニアの常識から外れている考えなのだから。決められた手順 で行使すれば魔法は発動するものなのだ、その手順が(自分にとって)間違っているかもしれないなんて考えもしな かった。 なんなのだろうこの使い魔は、本当にただの平民なのか。ハルケギニアの常識は知らないし、主どころか貴族も敬わ ない。 だけどいくら田舎育ちとはいえ、常識を知らないの一言で済ませられる程、貴族と平民の身分の差に関する常識は 軽々しいものではない、事この件に関して言えば始祖ブリミルがここハルケギニアで系統魔法を広めて以来のものだ。 第一、あの“ぽけっとろん”とかいうマジックアイテムを持っていた時点で貴族の力を知っているはずなのに。 普通ではありえない程の無知…その上先程の魔法に関するヒューの意見は、ある意味始祖ブリミルの系統魔法を否定 するものだろう、なにしろ魔法が使えない理由を行使者ではなく魔法の法則そのものに求めているのだ。 結構前にこのトリステインにもいたという新教徒の一員だろうか。しかし、彼等でも貴族と平民の差というものは 理解していただろうし、魔法の法則に疑問を抱いたという事は無かった筈だ。 そこまで考えると、ルイズの中にはこの使い魔に関する好奇心が湧き上がってきた。今までどんな生活をしていた のか、とーきょーのばという故郷の話、持っている不思議なマジックアイテムの話。聞く事はこれでもかという位 いっぱいある、今日の夕食が終わったら全部聞き出そうとルイズは決心していた。 そうして2人で行った片付けは、昼食前にはなんとか終わらせる事が出来た。とりあえず昼食を取ろうと、食堂に 向かうルイズ(制服は着替えた)と後からのんびりと付いていくヒュー。 「じゃあルイズお嬢さん、オレは中庭辺りで昼寝でもしてる。用事があったら呼びに来てくれ。」 「ま、待ちなさいヒュー!」 とりあえず飯抜きという話なので、寝て空腹を紛らわせようと中庭に行こうとしたヒューをルイズが呼び止める。 ヒューがふり返るとルイズは真っ赤になりながら仁王立ちしていた。 「ご、御主人様に色々と気をつかうなんて、使い魔としては基本中の基本だけど褒めてあげる。 それから、本来はご褒美をあげる所なんだけど、今朝方の罰の撤回をしてそれを褒美とします、御主人様の慈悲に 感謝なさい。」 「そいつはありがたいけどな、何処で食えばいいんだい? ルイズお嬢さん達と一緒ってわけにはいかんだろう。」 「それもそうね、さすがに他の使い魔と同じようにはできないし…、そこのメイド!」 そう言ってルイズが呼び止めたのは、今朝方ヒューと出会ったシエスタだった。 ワインボトルと水が湛えられているピッチャーを乗せたトレイの傍にいる所を見ると、どうやら飲み物の給仕をする 為に控えていたらしい。ルイズに呼ばれた彼女は共にいた同僚に一言断って歩み寄って来る。 「お呼びでしょうか、ミス・ヴァリエール」 「ええ、私の使い魔に食事を用意してくれないかしら。 この通り、あなたたちと同じ平民だから、他の使い魔と同じ所で食事をさせるのも憚れるのよ。」 「左様ですか。それでしたら私どもが食しているものと同じものはどうでしょう、すぐにご用意できますが。」 「ええ、それでいいわ。それと代金が別に要るようなら私宛に請求してもらって構わないから。 じゃあヒュー、食事が終わったらここで待ってて頂戴。」 「ああ、悪いな色々と。」 「き、気にしなくてもいいわよ、使い魔の管理や世話は主人たるメイジの務めなんだから。」 赤面しながらそう言うと、ルイズは食堂の中へと消えていった。 「やれやれ、じゃあそういう事で、悪いけど何処で食えるか教えてもらえないか?」 「ええ、こちらですヒューさん。」 「そういえばシエスタ、ちょっと聞きたい事があるんだけどいいか?」 「ええ、何でしょう?」 「うちの御主人サマってどういった評判なんだい?」 「ええとそれは私達平民から見た…という意味ですよね…。 すいません、そういったことは流石に。」 「そうか、いや別に無理にっていう訳じゃないんだ、さっき教室で騒ぎがあったからちょいと気になってな。 悪かった、忘れてくれ。」 「本当にすいません。 着きました、ここが厨房です。私達はここで賄いを頂いてるんですよ。」 シエスタに連れられて来た厨房はヒューにとって、知ってはいるものの初めて見るものだった。 ヒューが生きていたニューロエイジにとって料理とは(少なくとも一般庶民にとって)、ある程度加工された培養 食品に独自の手を加えて個性を出す…といったものである、とりあえず上を見ればキリが無いが、少なくとも目の前 で展開している光景というのは見たことが無い光景だった。 そんな風に呆然としているヒューの前へ恰幅が良い中年男が現れる、他の料理人と微妙に異なる格好から恐らくここ の責任者だろうと当たりをつけ、笑顔を浮かべる。 「マルトー親方、こちらミス・ヴァリエールの使い魔さんでヒューさんです。 何でも、ミス・ヴァリエールが他の使い魔と一緒の食事は具合が悪いので私達と同じ食事を摂らせて欲しいそう で。」 「面倒をかけてすまないマルトーシェフ。 ヒュー・スペンサーだ、こっちの常識には疎いんで色々迷惑掛けるかもしれんがよろしくたのむ。」 「おう、まあ貴族の連中からっていうんならいいさ。 ところでお前、俺の名前に妙なのをくっつけたがありゃなんだ?」 「何って“シェフ”の事かい?あれはオレの住んでた所で料理長って意味さ。」 「へえっ、おまえさんが住んでた土地じゃあそんな言葉があるのか? 変わってるなあ、ええおい。」 「いやまぁ、結構遠い所だからな。珍しい風習もあるさ。」 「何が珍しいものか!良い話じゃねえか。よし、賄いだが味の方は作った俺様が保証するし量もたっぷりあるからな、 遠慮なく食っていきな。」 「じゃあ、ありがたく頂くよ。」 そういうやりとりの後、席に着くとシエスタがシチューが入った深皿と固めのパンが入った籠を持って来る。 やってきた食事はヒューにとって十分以上に満足するものだった、なにしろトーキョーN◎VAでは滅多にお目にか かれない天然素材の食材を名人ともいえる料理人が調理しているのだ、その味は推して知るべきというものだろう。 「美味かったよ、ありがとう。」 「そうですか?それは良かったです。マルトー親方にも伝えておきますね。」 「しかし、君には今朝から世話になりっぱなしだな。何か手伝える事があったら言ってくれないか? 流石にこう借りばかりできると申し訳ない。」 「え?いいですよそんな一応仕事ですし。」 「これから、世話になる事もあるかもしれないしな、挨拶代わりってヤツさ。」 「え、っとそれじゃあデザートの配膳を手伝ってもらえますか?」 「ああ、それじゃあさくっと終わらせようか。」 そうしてヒューとシエスタは2人でケーキを配膳することになった。 ヒューが持ったトレイからシエスタがケーキを取り、貴族の子女の前に邪魔にならないように配膳していく。 数名の生徒達はシエスタの隣に立つヒューを見て驚くが程なくして会話に戻る。 そんな仕事の最中、ヒューとシエスタは少年達のグループが歓談しているテーブルに近付いた。どうやらグループの 中でも派手目な外見をした少年に他の少年達が交際関係の詰問をしているようだ。 (風上のマリコルヌという少年もいた) 若くて結構な事だ…等とヒューが感心していると、シエスタがかがみこんで何やら拾い上げた、見た所香水壜の様に 見える。 「あの、落とされましたよ?」 シエスタは当然、近くの少年達に訪ねる。 「ん?いや知らないな。君の見間違いじゃないのか?」 「いえ、確かに貴「そうでしたか、これは失礼。いこうかシエスタ」え?ちょ、ヒューさん?」 シエスタと派手な少年の会話を遮り、シエスタと一緒に少年達のテーブルから離れる。 ヒューは困惑するシエスタを他所に、受け取った香水壜を観察する。 「ヒューさん、どうして返さないんですか?多分あの人達の誰かの「モノだろうね」?じゃあどうして。」 「連中の話を聞いてると、交際関係の事で盛り上がっていた。そんな中で“知らない”と言っているということは… まぁ知られちゃ困る事情があったり、友人にばれると恥ずかしいというのもあるんだろう。 それにこれがあるのなら、作り手の特定はそう難しくはないさ。」 香水壜を持ち上げてニヤリと笑う。 「え?ヒューさん分かるんですか?」 「いや、正確には知っていそうな人物を知っているってところだね。まあここは仕事を続けようじゃないか。」 「は、はい…」 そうして仕事を続けたヒューとシエスタは、キュルケとその友人らしい小柄な少女がいるテーブルにやって来た。 「あら、ヒューじゃない。どうしたの?まさかもうクビになっちゃった?」 笑いながら、明らかに冗談めかした言い方でヒューをからかうキュルケ。友人らしい少女は読んでいた本から一瞬 だけ頭を上げた後、興味を失ったのか、再び読書に戻る。 「いやいや、これは色々とお世話になった礼に仕事を手伝っているのさ。 ところで、お嬢さん方に一つ尋ねたい事があるんだが良いかい?」 「あら、ヴァリエールに聞かなくていいの?」 「うちの御主人サマは聞きたい事に疎いみたいだからね、それに君の方が詳しいと思ったのさ。」 「へぇ、まあいいわヴァリエールの使い魔に頼られるツエルプストーっていうのも面白いしね。で、何?」 そういうキュルケにポケットから取り出した香水壜を見せ、事のあらましを軽く説明した後、見覚えがないか確認 をとる。 「件のお坊ちゃんは知らないと言ってたんで、オレが知っている中で香水に詳しそうな君に聞きに来たという訳。」 「へぇ、ギーシュがねぇ。嗅いでも?」 「どうぞ、一回位開けたからって蒸発しないだろうしな。 オレの見立てでは個人で、しかもあまり裕福じゃないが貴族の作だと見ているんだが。」 キュルケはヒューの意見を聞きながら香水壜を開け、香りを確認する。 「へぇ、ところでヒュー、どうしてこれが個人製作だと?」 「壜さ。ラベルも貼っていない上、ごく僅かだが、硝子の厚さもまちまちで歪みもある、趣味は良いがね…。という 事なら売り物の線はかなり低い。一応、御主人サマも香水とか持っていたけど、これよりかなり上等な壜を使って いた、御主人サマの話だと実家は金持ちらしいからな。それに、オレ達平民には香水なんて仕事にしていない以上、 そうそう作れないだろう?」 最後の言葉はシエスタにだったが、別段卑下したり馬鹿にするような口調ではなかったので、シエスタは素直に 頷けた。 キュルケと友人らしい少女は驚いていた、たった一つの香水壜でそこまでの事を推察できるというのはメイジでも そうはいないだろう。 ディティクトマジックを使えば、魔力の反応からメイジが作成したのであれば分かるだろうが、目の前の男はそれ すらせずに見ただけで言い当てたのだ。 「参ったわね、なかなか凄いじゃないヒュー。 その通り、これはメイジの生徒が個人で作成した香水よ。製作者の名前はモンモランシー・マルガリタ・ラ・フェ ール・ド・モンモランシ、あのテーブルに座っている金髪巻き毛の子。 何だったら私が渡しておきましょうか?」 「いや、いいよ。無関係の娘さんを騒動に巻き込むのは忍びない。 じゃ、助かったありがとうな。」 「ええ、どんな騒動が起きるか楽しみにしてるわ。」 そうしてヒューとシエスタはキュルケ達のテーブルから離れる。 ヒューが十分離れた後、小柄な少女が口を開いた。 「興味深い」 「あら、タバサ珍しいわね貴女が興味を持つなんて。で、どこら辺?」 「足音」 「え?観察眼じゃなくて?」 「それもある。けど、足音はもっと興味深い。」 「足音?変な音はしなかったと思うけど?」 「違う、しなかった。全然」 「え?」 そこまで聞いてキュルケは背後、ヒューとシエスタが去っていった方向に振り向く。2人はそろそろモンモランシー がいるテーブルに着こうというところだが誰もヒューに気を払っていない。“ルイズが呼び出した使い魔の平民なの に”誰も話題にしないのだ。 それを見てキュルケは可笑しくなった。ただの平凡な平民の男かと思っていたが、あの使い魔はこの場にいるほぼ全 てのメイジを謀っているのだ、平民とはいえあの男に背後から近付かれて察知できるメイジは一体どれ程いるだろう。 「へぇ、全然気が付かなかった…。 ていうとヒューってばそっち関係の仕事をしてたのかしら、どう思う?」 「まだ分からない、ただ可能性はあると思う。」 「じゃあ、ルイズが召喚したのはメイジ殺しかもしれないのね…。ああ、そういえば今朝方の話なんだけどヒュー ってばルイズの爆発を避けてたわね。」 キュルケのその話を聞いたタバサは今まで読んでいた本から顔を上げ、ヒューの姿を見る。 その姿が朧気に霞んで見えるのは自分の気のせいだろうか…。 (本当に、興味深い。) 「失礼、レディ・モンモランシですね?」 モンモランシーは最初、自分に声を掛けてきた男性が誰か分からなかった。分かったのは身に纏っている変わった コートを見てからでだった。 「え、ええ。何か用かしらミス・ヴァリエールの使い魔さん。」 「ヒュー・スペンサーと申します、レディ・モンモランシ。 落し物を届けに参りました。」 「落し物?何かしら、覚えが無いけど。」 「いえ、正確には貴女様の落し物ではないのです。実はこの香水の小壜でして。」 と言いつつ、手品の様に件の香水壜を取り出し、モンモランシーの掌の上に乗せる。 モンモランシーは急ぎ壜に刻んである徴を確認すると、ヒューに顔を向ける。 「これは、何時どちらで拾われたの?」 「ミスタ・グラモンという方が談笑されているテーブル付近です、初め彼等に尋ねたのですが知らないと言われまし て。ならばこの香水を作った方なら持ち主をご存知では?と思いまして。」 「そ、そう。ありがとうスペンサー、これは私から返しておくわ。ご苦労様でした。」 「いえいえ、お役に立てて光栄です。それでは本日のデザートを存分にお楽しみ下さい。」 モンモランシーの顔は笑っていたが額には太い青筋が浮かんでいた。 ヒューとシエスタが立ち去って数分経った頃、モンモランシーはギーシュに香水を渡して小言を言おうと近付いたが、 聞こえてきた声に足を止める。 「そういえばギーシュ、この間だけどね1年のケティ嬢と一緒じゃなかったか?寮の窓から2人揃って出て行く所を 見たっていう噂を聞いたんだが。」 「なに?ケティ嬢といえば、1年でも可愛い部類に入ると評判のレディじゃないか!」 と俄かにギーシュの周りが沸き立つ、生来目立ちたがり屋な所があるギーシュは、その騒ぎに苦々しく思いながらも 満更悪い気も起きなかったのか、友人達を静める為に異性との武勇伝を披露し始めた。 「たしかにケティとは親しくさせてもらっている。しかし、君達に一つ言っておきたいのはだね。 ん?どうしたんだね?君達、顔が真っ青じゃないか…。後ろ?」 友人達の表情をいぶかしんだギーシュがふり返ると、そこは恐ろしい形相をしたモンモランシーが立っていた。 「げげぇぇぇッツ、モッモッモッモンモランシー!いっいや違うんだこれは!ケティ…いや彼女に乗馬を教えて欲し いと言われただけであってだね!「酷いですギーシュ様!」ケティ?」 モンモランシーに弁解しようとしたギーシュではあったが。その時、反対側から可憐な少女の声が聞こえてきた。 ギーシュや人々がそちらに目を遣ると、そこには友人らしい数人の女生徒に支えられた栗毛の少女が、涙に瞳を濡ら しながらギーシュに近付いていった。 「あの森の中で“僕の心の中にいるのは君だけだ”と言ってくれたのは嘘だったのですか?」 「いっいや、それは違う「貴方の先程の言葉が何よりの証ですわ!」」 そういうとケティはギーシュの頬をひっぱたいて風の様に走り去っていった。 後にこの光景を見ていたマリコルヌ・ド・グランドプレは、恍惚とした表情でこう述懐する。 「あの時の平手打ちは見事だったね。細い足首から引き締まったウエスト、さらに上半身の捻りを手首のスナップ に余す所なく伝えきった至高のスパンk…うわなにをするきさまら!」 ケティの平手打ちを左頬に食らって床に倒れ伏したギーシュだったが、未だ彼のピンチが去った訳ではなかった。 朦朧とする彼の意識を呼び覚ます香りがある。これは、嗚呼そうだこれは愛しのモンモランシーの香水の香りでは ないか、そう思って目を開いたギーシュの目の前には足があった。 恐る恐る顔を上げると、そこには先程の恐ろしい形相とは打って変わって、麗しい笑顔を浮かべているモンモランシ ーがギーシュを見下ろしていた。 笑顔だった、確かに笑顔だったが、見ている者には泣いている様にしか見えなかった。 左手に持っているのは、あの時落としていた香水壜。その壜の中身はもう残り少ないのだろう、一滴二滴と自分の為 に作ってくれた香水が目の前の床に落ちていく。そうして、とうとう空になってしまったその壜を床に落とした後、 何も言わず踵を返して食堂から立ち去っていった。 食堂は静寂に包まれた、流石にここまでの修羅場というのはそうそう見れないものなのだろう。ケティという少女の 烈火の如き平手打ちもさることながら、何よりモンモランシーの冷たい氷の様な怒りが恐ろしかった。 何故、どうしてこんな事になったのかギーシュには分からなかった。呆然と床にへたり込んだまま、落ちている香水 壜を見つめる。 モンモランシーが僕の為に作ってくれた香水…。いつも彼女と一緒にいるような気になれたので、いつも持ち歩いて いた、モンモランシー以外の少女と歓談している時だって持っていた。彼女と過ごす時にだけほんの少し使っていた 大事な香水だった。 それがもう無い、何が悪かったのか分からなかった。そうしてしばらく“床に落ちた”“香水壜”を見た時、少し前 の会話が脳裏によぎった。 (「あの、落とされましたよ?」…「ん?いや知らないな。君の見間違いじゃないのか?」…「いえ、確かに貴「そ うでしたか、これは失礼。いこうかシエスタ」え?ちょ、ヒューさん?」) そうだ、あの2人の平民だ、あの2人が余計な事をしてくれたからあの2人が傷ついたんだ。あの2人が気を利かせ て後から届けてくれれば、僕は振られずに済んだし、モンモランシーもケティも傷つかないで済んだんだ。 思い立つと、ギーシュは止まれなかった。香水壜を拾い上げ食堂を見回すと、香水壜を拾ったメイドがいた。もう1 人の平民は見えないが、そっちは後からにしよう。とにかく貴族に対する躾を叩き込んでやらねば気がすまなかった。 シエスタは食事で使用した様々な食器を片付けている最中だった。 食堂で貴族達が何やら騒ぎを起こしていたが、食器が割れる音とかしなかったのである意味安堵していた。そうして いつもの様に仕事をしていると、何やら背後から呼ばれたので、振り向くとそこには恐ろしい形相の貴族の少年が 1人立っていた。 左頬には見事な紅葉が付いていたが、笑うような事はできなかった。何しろ訳はわからないが、この貴族の怒りは 間違いなく自分に向いているのだ。周囲で仕事をしていた同僚達は、巻き添えを恐れて離れている。別に責める気は 無い、自分でもそうするだろうから。 とにかく何故、怒っているのか理由を知らなくてはどうしようもないので、恐ろしいが聞いてみる事にした。 「あ、あの。ミスタ・グラモン、何か御用でしょうか…。」 「ああ、君ともう1人の平民に“これ”の事で言いたい事があってね。」 そう言うとギーシュは懐から空になった香水壜を取り出してシエスタに見せた。 対するシエスタはというと、香水壜が持ち主の下に戻った事に安堵しつつもそれが何故怒られる原因になるのか今一 つ分からなかった。 「あ、その香水壜でしたら、ミス・モンモランシに「いや、いいんだ」え?」 「僕が言いたいのはだね、これが僕の物だと分かっていながら何故、モンモランシーに渡すような事をしてくれたの かっていう事だよ!おかげで僕の名誉はもとより。2人のレディの名誉まで傷ついてしまったじゃないか!」 その頃ルイズは昼食を摂り終え思索に耽っていた、周囲の級友達は他愛のないおしゃべりに熱中していたが、ルイズ は思考の海に深く潜り込んでいた。 考えていたのは先程ヒューから言われていた魔法の事について、“使い方を変える・自分の魔法がどういう魔法なの か発見する”言うのは簡単だ。しかしこれは一から魔法を作り上げるという事でもあるだろう。困難な茨の道だ、 誰にも理解されないだろう。それに、もしかしたら異端の烙印を押されるかもしれない…。 だけど、そう…だけどこの道には光が見える。道は蜘蛛の糸の様に細く頼りなく、道の長さときたら遥かに遠い天空 の果てだろう。 だが、分かるのだきっとこれが正解だと、この道を往くしかないのだと。それに1人ではない、使い魔が…ヒューが いる。 昨日彼はいった“死ぬまででいいなら一緒にいる”と。私の使い魔、唯一つのそして初めての魔法、彼が近くにいて くれるなら自分の道を信じられる。 そう、ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールはきっとどこまでも行けるはずだ。 前ページ次ページゴーストステップ・ゼロ
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1849.html
8日目 Navi 今日もすがすがしい朝がやってきました 村の広場の真ん中に食べかけのまま息絶えている あらぐむさん の遺体が発見されました… あらぐむ Naviこは死んだ!もう戦いは無意味なはずだ!何故だ!何故殺す!何故戦う!なぜそっとしておけないんだぁ! あらぐむ 俺はまだ…十分に生きちゃいないんだ! 2 (ゾンビ部屋) サイア 偽装に乗ってきたので、狼の口裏合わせかと Navi 村人の皆様、今日もがんばってください Navi 昼の部スタートです 1 (なび村) SEIRIOS 今日の占い結果:シエスタさん○。というかそうとしかならないです以上。 あらぐむ みんな、星になっちゃえばいいんだ! 1 (なび村) シエスタSS オレも以上 3 (GREEN) BBL 私視点Jareさん真だから狂狼残りですね 2 (ゾンビ部屋) サイア シキさんもね、んま本当はメタなんです 1 (なび村) こののん もう言うことはないですね 2 (ゾンビ部屋) Navi なび子死んだら終わりなの…? 1 (なび村) BBL 私視点Jareさん真だから狂狼残りですね 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ いーん 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン おちかれー 1 (なび村) BBL 引き分け処理をしましょう 2 (ゾンビ部屋) オペこ おーん 1 (なび村) SEIRIOS BBLさん吊りで勝ちでーす 2 (ゾンビ部屋) シキワロス メタするほど一緒にやった覚えが(ry 2 (ゾンビ部屋) jitto わかってるよ・・・俺が怪しかったのは・・・ 2 (ゾンビ部屋) サイア オツカレー 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ おちかれー 2 (ゾンビ部屋) jitto 乙~ 2 (ゾンビ部屋) うんちや おつかれさまー 2 (ゾンビ部屋) シキワロス おつかれさまですー 2 (ゾンビ部屋) オペこ Navi子生存で全てが 1 (なび村) BBL シエスタさんに投票するのでこののんさん合わせてください 2 (ゾンビ部屋) サイア あらぐむさん狩で喰われたらどうしよーとか、共有で話してて 2 (ゾンビ部屋) Jareky ちょこっとだけ信頼してくれた人いたような気がする 1 (なび村) こののん んーと 2 (ゾンビ部屋) jitto キスさせろ~ 1 (なび村) こののん BBLさん 1 (なび村) BBL Jareさん視点破綻はまだしてません 1 (なび村) BBL はい 2 (ゾンビ部屋) サイア 翌日シキさんで、狩COきたから、勝った。としか考えんかった 1 (なび村) こののん 占いと霊媒のうちわけいってみてもらっていいですか 1 (なび村) BBL 占いは 1 (なび村) シエスタSS こののんさんは 1 (なび村) BBL SEIさん狼 jittoさん狐 Jareさん真 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ 実はしえすんじゃなくて俺が狩人だったんだよ!(ババーン 1 (なび村) シエスタSS ドS 1 (なび村) BBL 霊媒は判断が付きませんが真狂です 1 (なび村) こののん そこでだめです 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン 墓場でもいいタイミングでCOしたなーって言ってましたね 2 (ゾンビ部屋) シキワロス BBLさんまたすごい内訳に 1 (なび村) こののん SEIさん白丸です 1 (なび村) BBL 多分うんちやさん真です 1 (なび村) BBL えっ 1 (なび村) こののん ジャレさんから白丸がSEIさん 1 (なび村) シエスタSS 覚えた 2 (ゾンビ部屋) サイア 狂人はしえたんになるんかな? 1 (なび村) BBL 私視点霊媒の判断がつかないので困るのですが… 1 (なび村) BBL あ 1 (なび村) BBL 違うか 2 (ゾンビ部屋) サイア この内訳だと 1 (なび村) BBL うんちやさん偽だ 1 (なび村) BBL うんちやさんが狼だ 1 (なび村) SEIRIOS 私が偽だとしても狂で出さないと破綻なのねー 1 (なび村) BBL うん 1 (なび村) BBL これであってる 2 (ゾンビ部屋) シキワロス Jareさんが狂人になる 2 (ゾンビ部屋) シキワロス ないと思う 2 (ゾンビ部屋) サイア とりあえず 1 (なび村) BBL SEIさん狂人だ 2 (ゾンビ部屋) サイア BBLさん破綻推理ちっく 2 (ゾンビ部屋) うんちや わんわん 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン BBLさんの努力に涙 1 (なび村) BBL なんかもうこんがらがって着てる 2 (ゾンビ部屋) サイア でも、一応ありっちゃーありか 2 (ゾンビ部屋) サイア 吊るけど 1 (なび村) こののん 4人め占いCOの狂人? 2 (ゾンビ部屋) jitto 引き分けになれ~ 2 (ゾンビ部屋) Jareky うむ、そう言えば○しかださなかったな・・・ 1 (なび村) BBL SEIさんに●出されて頭が… 1 (なび村) こののん 占い3と霊媒2が出たあとででますかね 1 (なび村) SEIRIOS 私とこののんさんの投票先はBBLさんで決まってるよね 1 (なび村) BBL 呪殺されたのをみて狂人がすかさず対処したのかと 1 (なび村) こののん シエスタさんも決まってますから 2 (ゾンビ部屋) サイア これで引き分けになると 1 (なび村) SEIRIOS シエスタさんは決まってるかな? 2 (ゾンビ部屋) サイア 泣くよ? 1 (なび村) こののん 大丈夫ですよ 1 (なび村) BBL 占いが確定するのは厳しいですからね 1 (なび村) シエスタSS 流石に 1 (なび村) こののん なるほど 2 (ゾンビ部屋) シキワロス ライン戦推した自分のミスに 2 (ゾンビ部屋) サイア Navi子ひっぱたきまくるよ? 1 (なび村) SEIRIOS きんくりさんおねがいする? 1 (なび村) シエスタSS もう引き伸ばす理由ない 1 (なび村) BBL どれだけ怪しくても狂人は出るしかない 2 (ゾンビ部屋) jitto なるわけないけど念じてみた(テヘペロvvvv 2 (ゾンビ部屋) シキワロス ひどい八つ当たり 2 (ゾンビ部屋) サイア ○ラッシュは予想したので、共有出したのだ 1 (なび村) こののん いや先に出なかった理由が謎なので 1 (なび村) BBL 引き分け処理ですからね 2 (ゾンビ部屋) Navi たたくと 1 (なび村) こののん 今日はBBLさんかな 2 (ゾンビ部屋) Navi 増えます 1 (なび村) こののん 進めてもらって大丈夫です 2 (ゾンビ部屋) サイア というか共有死んだ状況でSEIさん●出しがちょい信頼↑ 1 (なび村) シエスタSS んだなー 1 (なび村) BBL 潜伏しようとしたんじゃないかなあ 2 (ゾンビ部屋) オペこ ポコポコポコポコポコポココポkポkポkpコポkp 2 (ゾンビ部屋) jitto 増えるの!?ビスケット!?? 2 (ゾンビ部屋) サイア ぽpけっとのビスケット・・ 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン 増えたら持ち帰ってもいいですか? 1 (なび村) SEIRIOS BBLさんに入れるのはぶれないねー 1 (なび村) BBL そこまでは狂人に聞いてみないとわかりません 1 (なび村) こののん うん 1 (なび村) BBL SEIさんはね 2 (ゾンビ部屋) Navi グレムリンのテーマと共にお楽しみください 1 (なび村) BBL いや 2 (ゾンビ部屋) シキワロス いろいろとこわい。 2 (ゾンビ部屋) jitto よかった・・・同じこと考える人いたんだ 1 (なび村) BBL こののんさんはダメです Navi 5分経過(後2分) 1 (なび村) BBL どう言えばいいのかなあ 2 (ゾンビ部屋) サイア これで負けてもひっぱたく 2 (ゾンビ部屋) サイア まさかのSEIさんLWは死ねそう 2 (ゾンビ部屋) Jareky オペこさんは、偽者でも●出せる状況だった気がしないか? 2 (ゾンビ部屋) jitto 結局叩くのかよ!!! 2 (ゾンビ部屋) サイア うひ 1 (なび村) BBL うんちやさんは占い真狂狐に思ったから 1 (なび村) こののん 狂人が狼わからないのにオペ子さんクロマル出た理由は? 1 (なび村) BBL 真あるいは狂人と思われる為にでたのかと Navi あと1分 1 (なび村) BBL ●出しやすい所だからかと 1 (なび村) BBL それがたまたまヒットしただけかと 1 (なび村) こののん たまたまかぁ 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン こののんさんがドSに見える 1 (なび村) BBL そこまで不思議なことではないです 2 (ゾンビ部屋) サイア いいねいいねー 2 (ゾンビ部屋) オペこ うん 2 (ゾンビ部屋) サイア じつは、ウチ結構Sなんで 1 (なび村) BBL 占いへの擦り寄りとか怪しかったですからね 2 (ゾンビ部屋) jitto 投票先が本気でわからなくなってきた・・・・・ 2 (ゾンビ部屋) サイア 多分、生きてたら、超BBLさん攻撃した 2 (ゾンビ部屋) オペこ 偽に●を打たれるくらいの怪しさだったらしい 2 (ゾンビ部屋) Jareky BBLさんも見事に応じて見える Navi 20秒前 2 (ゾンビ部屋) オペこ 思ったことを喋っただけなんだけどなー 1 (なび村) BBL 占われたくない狼には見えましたよ 1 (なび村) こののん ふむ 1 (なび村) BBL シエスタさんに投票してください (SH) PEPPERMINT 本日のぺんぎん村は 一回目狐勝ちyukomac 二回目狐勝ち、とよよ 以上で終了でございます!オツカレ! 2 (ゾンビ部屋) オペこ SUGEEEEEEEEEEE 1 (なび村) BBL 引き分けしかありません 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン 狐2連勝だと! Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) Navi 投票は私に直Tellでお願いします 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 8日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- (T) シエスタSS > BBLさんで (T) SEIRIOS > BBLさんに投票します 2 (ゾンビ部屋) サイア 引き分けだと、しえたん狂人しか 2 (ゾンビ部屋) シキワロス 狐2連勝www 2 (ゾンビ部屋) サイア あら 2 (ゾンビ部屋) うんちや 狐で勝ってみたいなぁ・・ 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン あとでログみてこw 3 (GREEN) BBL もうゴールしてもいいよね… 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ コマックコマック (SH) サイア オツカレー 4 (パリっ子) こののん んーもうBBLさんでいいよね (SH) サイア Navi村、たぶんチェックメイト 2 (ゾンビ部屋) シキワロス 狐勝ちにした狼はこちら (T) こののん > BBLさんに投票 (T) BBL > シエスタさんに投票します BBL3 シエスタSS1 (SH) jitto そしてお疲れ様!!! 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン きんくり来るか? 2 (ゾンビ部屋) Jareky 破綻はしてなかったけど、言い間違えたのは失敗だった (T) サイア > イイノヨ (T) サイア > と。 (T) BBL > そんなことはない!!と叫びたい… PEPPERMINT 最後まであきらめんなよー 2 (ゾンビ部屋) オペこ yukoMAX!!!!!! Navi 最終日なのでいろいろまきまきします 3 (GREEN) BBL SEIさんが天敵すぎるなあ 2 (ゾンビ部屋) jitto もう一度狐で勝負してみたいな SEIRIOS (ここでガヨーとかいったらたのしいだろうな) 3 (GREEN) Jareky (最後までよくがんばった。感動した) 2 (ゾンビ部屋) サイア じつは Navi さよなら BBLさん …あなたの勇姿は忘れない BBL やっぱり力こんにゃく食ってもダメだな! 2 (ゾンビ部屋) サイア 今日、キンクリについて色々調べました Navi 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です 2 (ゾンビ部屋) サイア (じつはJoJo知らない) Navi 役職の方は私にTellお願いします 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン 今日なんだw 2 (ゾンビ部屋) サイア うん 2 (ゾンビ部屋) jitto キンクリ? 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン キングクリムゾン 2 (ゾンビ部屋) サイア ちょっと動画でキンクリエフェクトでもしようかなっとね 4 (パリっ子) こののん おっと夕方は喋れないのわすれてた 2 (ゾンビ部屋) シキワロス 素数は1とその数でしか割れない孤独な数字・・・私に勇気を与えてくれる・・・ 2 (ゾンビ部屋) jitto ほうほう・・・(わかってない 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン なるほどw 2 (ゾンビ部屋) サイア 演出というか (T) シエスタSS > まだだ!まだ狼はいる!男はみんな狼だ!こののんさんだけは死守! 2 (ゾンビ部屋) サイア まきまきなえん出で 2 (ゾンビ部屋) シキワロス キンクリってJoJoだったのね (T) SEIRIOS > 共有を占うという謎行動します!こののんさんは白ですよね? 2 (ゾンビ部屋) サイア 演出 2 (ゾンビ部屋) BBL お疲れ様でした 3 (GREEN) オペこ (勝ちを諦めないその姿勢はイケメンだった あやしくてすまんかった) 2 (ゾンビ部屋) BBL くそー 2 (ゾンビ部屋) サイア オツカレー 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン おちかれさまー 2 (ゾンビ部屋) サイア だからチェックメイトだってば 2 (ゾンビ部屋) BBL 半PPされたー! (T) > SEIRIOS こののんさんは真っ白でした!○ 2 (ゾンビ部屋) サイア ぇー 2 (ゾンビ部屋) Mrチキン BBLさんいじめられまくり 2 (ゾンビ部屋) サイア そんなセリフ (T) SEIRIOS > ワーイ 2 (ゾンビ部屋) サイア まさか、本当に? 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ キング・クリムゾンって言うセリフと共に、ざわーるどが表示されて下にでっかくキラークイーンの文字が 2 (ゾンビ部屋) あらぐむ そんなエフェクト 2 (ゾンビ部屋) BBL どちらの視点でもチェックメイトですね (T) > シエスタSS 守り続けてね! 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 2 (ゾンビ部屋) うんちや ┣¨┣¨┣¨┣¨・・・ 2 (ゾンビ部屋) サイア やらかした? Navi すがすがしい朝がやってきました 村人は昨日のまま全員元気な姿で顔を合わせることができたようです 3 (GREEN) Jareky その前提が間違ってると知ってくれ:SEIが偽を完全に捨ててる Navi 村人勝利END Fin 2 (ゾンビ部屋) シキワロス ヨカッタヨー 1 (なび村) サイア おーつーかーれーさーまー 2 (ゾンビ部屋) Jareky その前提が間違ってると知ってくれ:SEIが偽を完全に捨ててる 1 (なび村) シキワロス おつかれさまですー PEPPERMINT おつおつぽ! 4 (パリっ子) サイア ふー 1 (なび村) Mrチキン おちかれさまー 1 (なび村) こののん おーよかった 4 (パリっ子) サイア おつかれねー EVANS 丁度終わっていた 3 (GREEN) BBL いやオペこさん怪しいかはわかりませんでした 1 (なび村) シエスタSS おつおつ Navi ペカー 1 (なび村) うんちや おつでしたー 1 (なび村) SEIRIOS おつかれさまー 1 (なび村) Melge おつかれさま~ オペこ ちくしょおおおおおおおおおおお あらぐむ おつかれさまー 4 (パリっ子) こののん おつかれさまー Cindlitta おつp 3 (GREEN) BBL ただああいうしかなかった… Navi それでは役職発表です! 4 (パリっ子) サイア いやー。共有さん強誘導してもイイノヨ あらぐむ BBLさんも最後まで諦めずにすごかった! 1 (なび村) BBL お疲れ様でした Navi 人狼 BBL Jareky オペこ 4 (パリっ子) サイア 前日ドキドキしちゃった Navi 占い師 SEIRIOS PEPPERMINT がんばったのう Navi 霊媒師 うんちや Navi 狩人 シエスタSS Navi 狂人 トガリ PEPPERMINT 占い残ったのかw Navi 妖狐 jitto トガリ 仕事できなくてすみません オペこ デジューさんなんで分かったんだ Navi 以上でした! 4 (パリっ子) こののん けっこう分かんないもんだねぇ 4 (パリっ子) サイア ほんと頑張ってくれてありがとねー PEPPERMINT 狩人もかよw シエスタSS みんとん・・・オレやったよ! BBL SEIさん天敵すぎる! 1 (なび村) SEIRIOS 狼がんばれとかちょっとなったよ・・・・ 1 (なび村) Mrチキン 占い無双でしたね 4 (パリっ子) こののん いやいやサイアさんの推理どおり 4 (パリっ子) サイア SEIさん真じゃないと オペこ というか潜伏占いが成功する数少ない内訳だったなこれ・・・ PEPPERMINT やればできるじゃないかしえすたん 4 (パリっ子) サイア ごばく 2 (ゾンビ部屋) サイア SEIさん真じゃないと 2 (ゾンビ部屋) サイア Jareさん真になるやん オペこ デジューさんそんなに僕怪しかった? 1 (なび村) BBL SEIさんに占われないようになったり怪しまれないようになったのは成長したのかな? 2 (ゾンビ部屋) サイア で、信頼から見ても。。ねえ 1 (なび村) BBL そう思いたい… PEPPERMINT おつかりぃ jitto チキショウ!!欲も占ったな!!(怪しかったのは本人が一番よくわかっています・・・ SEIRIOS 潜伏な・・・これしたくてしたんじゃないんだ・・・・ 2 (ゾンビ部屋) シキワロス わりとあるかなっておもった 1 (なび村) サイア SEIさんすごいー 1 (なび村) サイア 超綺麗に 1 (なび村) BBL COしないほうが良かったのかなあ 2 (ゾンビ部屋) Jareky そこは主観の問題? 1 (なび村) サイア CO↓時点で SEIRIOS マジ出遅れたの 1 (なび村) サイア した時点で 1 (なび村) サイア ウチは勝ち確信したよ 1 (なび村) サイア だから、チェックメイト発言したんだよ EVANS 潜伏占いから村勝ちになったんだ!熱いね! 1 (なび村) BBL どっちにしろ積んでる気が 1 (なび村) サイア なければ最終日1/2だと思ってた 1 (なび村) サイア んま、しえたんがCOしたので 2 (ゾンビ部屋) ソラリコ せりおーはちょう早くじっとーが狐ってうったの? 1 (なび村) サイア どのみちチェックメイト オペこ うん 1 (なび村) BBL かみ合わせはうまくいったのにー!! オペこ 占いに狐が出てて 1 (なび村) BBL 予想してたんだよ! 1 (なび村) サイア んむー 1 (なび村) シキワロス 自分が狩人じゃないと意味はないっていう オペこ 対応しきれん狩った SEIRIOSはjittoの頭をなでた オペこ 即呪殺でて 1 (なび村) サイア あれは、じつはやられたーとか思った 2 (ゾンビ部屋) ソラリコ あ オペこ 信頼UP 1 (なび村) BBL いやシエスタさん噛んだら積むので 1 (なび村) サイア あらぐむさんに行くと思ってたので 1 (なび村) BBL 狩人っぽい方を噛んだんです 2 (ゾンビ部屋) ソラリコ やっぱり真じゃんー オペこ 狼は占いに出ていて対抗占い禁止の指令が出てたから 1 (なび村) サイア あらぐむさんなら 1 (なび村) BBL 残りでね オペこ 狼の占い語りもかなりきつかった 1 (なび村) サイア 白&狩り可能性あったので 1 (なび村) シキワロス 確かに自分は狩人のとき、狩人なんて死んでしまえと言ってしまうくらいひどく怪しいけれども。 Mrチキン 今回は占い潜伏が綺麗ですた オペこ そうだねー EVANS ほほー jitto 今度もう一度狐で勝負したいな(フラグではない 1 (なび村) サイア わは EVANS ログでにまにまさせていただきます 4 (パリっ子) サイア ともあれ、お疲れ様ねー 1 (なび村) BBL ライン戦派に狩人か!?とか思ったので 1 (なび村) Jareky シキさんなら、SEIさんが占う可能性もあったから、シキさん噛みにきめた 1 (なび村) オペこ デジューさんこれ寝てるぞたぶん 4 (パリっ子) こののん いやーつかれるね最後まで生きてるとw Navi 皆様おつかれさまでした、いちど中央に集まりましょう~ 4 (パリっ子) サイア わは あらぐむ なにかおどってる 4 (パリっ子) こののん 今回は胃が痛くならなかったけどね 1 (なび村) オペこ ちくしょう 何故分かったんだ・・・ 1 (なび村) シキワロス ライン戦っていえば怪しくなる 1 (なび村) BBL 呪殺さえなければ… 4 (パリっ子) サイア BBLさんは、途中怪しいリストにもあがってたんだよ 1 (なび村) サイア BBLさんは、途中怪しいリストにもあがってたんだよ PEPPERMINT リゾルート狐説は 4 (パリっ子) こののん なるほど (SH) jitto それにしても初日呪殺はないぜ・・・・ PEPPERMINT そこそこあったw 1 (なび村) BBL えー シエスタSS コマック無双だったのか? 1 (なび村) サイア 3か4日目あたりに共有で EVANS とよよさんに売ってもらいましょう 1 (なび村) BBL どのへんでしょうか? 1 (なび村) サイア いつだっけ?こののんさん 1 (なび村) サイア んと 1 (なび村) サイア 微妙発言あったんだよね 1 (なび村) こののん もうログ消えた! 1 (なび村) サイア うは 1 (なび村) BBL ログ見たほうが早いですかね? リゾルート 狐だったらあんな曖昧なローラー押ししないよぉー。・゚・(ノД`)・゚・。 オペこ 2連続狐勝利の村 初日狐呪殺の村 どこで差がついたのか 1 (なび村) サイア んま、ログUPされてから、ぁーここだ。と教えてあげます 1 (なび村) BBL お願いします オペこ わあい リュファはMelgeに拍手をした 1 (なび村) BBL 本当は疲れてるから早々に吊られようと思ってたのにw 1 (なび村) Jareky 1日目に共狐狼が出て占い潜伏。二日目には霊にも真狂が出た。潜伏占いは狐出てると判明? 1 (なび村) オペこ もし私の怪しさに気づいた人がいたら教えてください 1 (なび村) サイア で、Jareさんが狼だったとは 1 (なび村) BBL 山形帰りなのですよw 1 (なび村) BBL ですね 1 (なび村) シキワロス 大体あってた 1 (なび村) サイア なんだかんだで、予想は外れてる 1 (なび村) あらぐむ 実は 1 (なび村) サイア まー。村勝ちでやったね。という事で 1 (なび村) BBL 私が狼だと狩人がGJ出す確率は未だ高いままです 1 (なび村) Jareky 相方死亡偽装は発言稼ぎ 1 (なび村) BBL 最後の噛める方は当たったのになあ 1 (なび村) あらぐむ 今日役に立たなかったのは、役に立たない風にして生き残るためだったんだよ!(ババーン 1 (なび村) BBL ナ、ナンダッテー 1 (なび村) あらぐむ うそですごめんなさいやくたたずですみません 1 (なび村) BBL 狼で勝ちたいよー 1 (なび村) Jareky 発言少なめで狩りかどうか迷わされてたんだよ 1 (なび村) BBL せっかく最後まで残ったのにー 1 (なび村) シキワロス 正直●打たれるように動いた・・・つもりだった 1 (なび村) BBL 普通に村で見てました 1 (なび村) サイア ログみたら、BBLさんを狼と見るなら、トガリさん真かもしれん。とかいっちゃってるよ 1 (なび村) サイア ダメダメだった 1 (なび村) こののん あーそういやあったね 1 (なび村) BBL 狼と見られている時点で私はダメだなw 1 (なび村) こののん すっかり忘れてた! 1 (なび村) サイア わふ 1 (なび村) サイア んま 1 (なび村) BBL 精進せねば 1 (なび村) サイア 結果おーらい 1 (なび村) シキワロス おもむろにライン戦 1 (なび村) BBL もっと狼やらないとダメだなあ 1 (なび村) jitto 怪しすぎるだろ俺!! 1 (なび村) サイア どういう道を辿ろうとも、勝てば全て許される 1 (なび村) シキワロス 人狼故致し方なし 1 (なび村) BBL とりあえず狼二桁プレイを目指そう 1 (なび村) サイア ふぁいとー 村人勝利 配役 人狼 BBL Jareky オペこ 占い師 SEIRIOS 霊媒師 うんちや 狩人 シエスタSS 狂人 トガリ 妖狐 jitto 共有者 サイア こののん 7日目へ 2012年9月8日全ログへ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/2845.html
前ページ次ページゼロと聖石 ミメットが元気に走り回り、シルキスが火の塔の上に立っている。 ほかの使い魔たちと一緒にはしゃぎ回るのがチョコボの日常だ。 チョコボを飼って知ったことは、成長が早いことだ。 一週間で私の背丈を追い越して、乗れるサイズまで育った。 今は、鞍を体になじませている最中である。 その光景を見ながら、私はポーションを飲む。 手元には白紙の本、王家に伝わる始祖の祈祷書だ。 アンリエッタ姫から結婚式の祈祷文を読み上げてほしいと。 今は各属性の同級生に協力してもらって、文章を考えてる最中だ。 普段ならシエスタが紅茶を運んでくるが、今は帰省中。 といった事情で、チョコボの面倒は私が見ている。 野菜をあげたり、羽を整えてやったり、騎乗の練習をしたり。 コルベール先生は相変わらず『エンジン』を弄っている。 労働八号に進行状況を聞くと、 「ゲンジョウデ、ウゴカスコトハ カノウデス タダシ カイセキシュウリョウハ モウスコシダト イッテマシタ」 この分だと、もうしばらく掛かりそうだ。 二週間で間に合えばいいんだけど。 といった事情にも裏がある。 アルビオン方向から来る噂が不穏な空気をはらんでいる。 それも、軍備を進めているという噂が。 情報元はシエスタ。 タルブ村に集まる噂話を手紙にして送ってもらっている。 休暇なのにゴメンなさい。 しかし、今トリステインを攻めるのは得策じゃ無いはず。 気に入らないとはいえ、ゲルマニアとの同盟が有る。 いくらレコンキスタが最強の空軍を持っていた所で、数は覆せないはず。 「休戦で力を蓄えるの? それとも奇策でも使うのかしら…?」 どちらにせよ、開戦まで時間はそう長くは無い。 ここがトリステインの修羅場といったところか。 ところで今まですっかり忘れていたが、ウェールズさまはどうなったかしら? 別れ際に眠らされたからなぁ… 時間はアルビオンからの帰還までさかのぼる。 傷の処置を済ませた後、私ことワルドは『土くれ』フーケと共に、ウェールズの死体を捜していた。 奥の聖堂には、私とルイズ、あの平民―――シエスタとの死闘の後が残されていた。 中身の無い袖が揺れ、あの戦いで奪われたものと敵の姿がよぎる。 ―――アレだけの傷を負わせたのに、生きているということ自体が驚きだ。 地下の港に倒れていたメイジの遺体を見て、確証に変わった。 鋭い斬撃と共に残る焼け焦げ、十中八九シエスタの聖剣技だ。 聖堂から歩き、玉座の間にたどり着く。 ウェールズの遺体はそこに倒れていた。 手には、シエスタが使っていた剣の片方。 刻まれているルーンが何を意味するか解らないが、魔力の増幅効果を意味するものだろう。 「これは、コピーのルーンソードだね。タルブ村でしか売られていないヤツだ」 「ほう、目利きは流石だな。土くれ」 「ちょっとでも旅をしたことあるなら『冒険者の楽園』のことは知ってるさ」 なるほど、冒険者の楽園か。 気になるところだが、たかが小規模の村。 所詮は搾取されるだけの平民集団が肩を寄せ合っている程度。 「気になるのは、聖剣技か。メイジでもない平民が一体なぜ…」 「やぁやぁ! ワルド君、ウェールズの遺体、それとラブレターは見つかったかね!?」 やけにテンションの高い声が響く。 オリヴァー・クロムウェル。 もともとはただの司祭で、今はレコンキスタ総司令である。 「申し訳ございません、腕ごと持ち去られました」 「いや、構わんよ。それ以上に大事なのはこっちのウェールズだ」 倒れたままのウェールズに杖を振り、呟くような詠唱を紡ぐ。 すると、ウェールズの遺体が起き上がり、クロムウェルに対して礼をした。 ―――これが、虚無の魔法か。 会話をするウェールズとクロムウェル。 薄ら寒いものを感じながら、虚無の力に軽い恐怖を覚えるのだった。 シエスタが帰省してから五日が経った。 レコンキスタから休戦協定が持ちかけられ、王家はそれを受けた。 それにアルビオン側からの親善訪問も間近に迫っている。 当面状況は動かないだろう。 クックベリーパイを食べながら、シエスタからの手紙を読む。 噂話は休戦ムードで染まっていて、当面の動きは無いものと見ている。 ただ、一つだけ毛色が違う一言が載っている。 『レコンキスタの元、全ての国が統一され、聖地奪還のために一丸となる』 という一文が書かれている。 この噂は、レコンキスタに参加していたタルブ村の傭兵からだ。 内容の詳細を読むのと同時に、違和感が湧き上がる。 オリヴァー・クロムウェルはただの司祭だった男だ。 そんな男が虚無を手に入れただけで、あそこまでのし上がれるものなのか? 何か、裏を感じる。 クロムウェルの背後もそうだが、親善訪問にも何かの意図が見えてくる。 全ての国を統一して、聖地を奪還する。 今、レコンキスタは勢いに乗っていて、士気も抜群。 加えて虚無の使い手という肩書きだけでも、掲げた看板に箔が付く。 消耗しているとはいえ、殆どは無傷。 アルビオンの空軍戦力は脅威そのもの。 対するトリステイン側に対抗しうる航空戦力は無い。 この状況で掛けられる奇策は唯一つ。 ―――騙し討ち。 親善訪問でイチャモンをつけ、先制攻撃で数少ない航空戦力を黙らせる。 その後は援軍の来ないうちに、煮るなり焼くなり好きなように調理。 いくらなんでも親善訪問を騙った奇襲など、恥さらしな真似… いや、やりかねない。 レコンキスタは、聖地奪還のためになら何でもやりそうだ。 それこそ、聖地奪還のためには仕方が無いことだという言い訳と共に。 その結論に至った私は、シルキスとミメットを呼び寄せた。 帰省から七日目。 今日の分の手紙を書き終わり、ベットに寝転がる。 やはり、故郷はいい。 しばらくはこうやって、自分の剣を磨いたりしてのんびりと過ごしたい。 起き上がり、村のメインストリートを歩く。 商いの声に、噂話をする近所の人たち、はしゃぎまわる子供の声。 それらを耳にしながら、村を出て、草原にたどり着く。 風が吹き、草の香りが私を包む。 平穏な日常、これらがずっと続いていけばいい。 そう思っていた。 空には親善訪問を行うトリステイン空軍の船が飛んでいる。 ラ・ロシェールよりタルブ寄りで行われる親善訪問のお出迎えは、ここからだとよく見える。 ロイヤル・ソヴリン号から祝砲である空砲が放たれ、返答の空砲がトリステイン側から発せられる。 次の瞬間目にしたものは、レコンキスタ側の船が爆煙をあげる瞬間だった。 その光景を見た瞬間、私は村まで走った。 ここはもうじき―――戦場となる。 その前に村の人を避難させないと! 口笛を吹き、呼ぶのは私の愛羽。 「来なさい、トウホウフハイ!」 凄まじい勢いで飛んできて、隣に降り立つ黒チョコボ―――トウホウフハイに跨り、村へと急いだ。 前ページ次ページゼロと聖石
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/6984.html
前ページ魔物使いが使い魔 リュカは現状を分析し終えると同時に、 ルイズも勉強を終えたのか、瞼を擦りながらベッドに倒れこむ。 「ルイズ」 「ひゃっ!」 リュカが耳元でルイズの名前を呼ぶと ルイズはビク!と反応しベットからずり落ちた。 「あっあっあんたねえ!ごっご主人様の耳元で息を吹きかけるんじゃないわよ!」 耳を真っ赤にしんがらルイズは大声で捲し立てる 「ごめんごめん、大声で喋ったら迷惑だろうと思ってね。」 優しく微笑みながらリュカはルイズに問いかける。 「どうもベットは一つしかないみたいだけど僕はどこで寝たらいいのかな。」 「何いってんのよ!あんたは使い魔なのよ!寝る場所なんて決まってるじゃない!」 そう言うとルイズはそのままビシっと床を指し示す。 どうやら床で寝ろと言うことらしい 「文句ある!?本当なら平民が貴族の部屋にいられるってだけでも異常なのよ。 そんな床でも平民の寝床に比べたらよっぽどマシなはずでしょうから感謝し―」 一気に捲し立てるルイズの口上は途中で止まる。 見ればリュカがルイズの頭を優しく撫でその鳶色の瞳を見ながらにっこりと微笑んでいる。 「わかったよ、ありがとうルイズ」 その瞬間ルイズの顔が茹で上がったかのように真っ赤になり メタルスライムのような速さでベットの端に移動する。 「わわわわわわかったらいいいのよ、なら早く寝なさいよね!」 うん、わかったよと素直にリュカは答えるとそのまま床に腰掛けた。 正直な話この部屋に泊まれるとは思っていなかった、 第一印象が傲慢な貴族の女の子ということもあってまさか自分のような 得体の知れないものと一緒に寝るなんて考え付かなかったし 最悪野宿も検討していたので床でも寝れるだけ有難いというものだった。 壁に背をもたせかけて目を瞑る。 その時― もふっ 何か柔らかいものが顔に当たった。 リュカが目を開けるとそこにあったのは柔らかそうな毛布であった。 リュカが思わず目を開けてルイズを見ると 彼女はいかにも上質そうな布を何枚も戸棚の中から引っ張りだしそれをリュカに放り投げていた。 「きょきょきょ今日は寒いからこれくらい恵んでやるわっごご主人さまの 優しさに感謝しなさいよねっ!」 それだけ言い切ると急いでベットの中に潜り込み。 「そっそれから明日は私より早く起こすのよ! 洗濯物はそこにあるからちゃんと洗っといてよね! 洗い場は一階の踊り場から回って中庭に出て左側に調理場があるから その近くよっ!わかったらさっさと寝なさいよね!」 言いたいことだけ言うと毛布に包まった体はリュカとは反対のほうに向く。 リュカはそれをまるで小さい子犬を見るような目で見て 「わかったよ、ルイズは優しい子なんだね。」 優しく言うと毛布に包まれた塊はビクっビクっと震え 「あっあっあっあったり前じゃない、ご主人様は使い魔の面倒を見るのが仕事なのよ! 無駄話してないで早く寝なさい!」 声がなぜ震えているのかわからないがリュカは思った。 初めて見たときはとんでもない女の子だと思ったけれど思ったより接しやすい子のようだ。 今日一日見た限りでは彼女には何か無理をして虚勢を張ったり 傲慢にならなければいけない訳があるのかも知れない。 明日もう一度ルイズと話をしてみよう。 そう思いリュカは目を閉じた。 ルイズは困惑していた。 何故自分は今日初めてあった平民の しかもどこの馬の骨とも知れない男に慌てているのだろう。 使い魔を床に寝かせたのは予定どおりだったが (何度も使い魔の扱い方についての本を読んだのだから!) こんなに早く施しをやるつもりは全くなかった。 何をしているのかしらルイズ 犬ははじめが肝心なのよ、どっちが主人か立場をわからせるためには 身分の違いをはっきり見せ付けてやるのが一番なのに! ふとルイズは毛布に包まったまま右に向く。 そうよルイズそこにはあなたの呼び出した使い魔がいるのよ。 いきなり違う国から呼ばれたのはちょっと可哀想だけれども もうアレはあなたの使い魔なのよ。 さぁルイズ床に這い蹲って寂しそうに眠る使い魔をじっくり蔑むのよ。 そして明日はもっとしっかりと自分の立場っていうのを教えこまなきゃいけないわ。 そう思いルイズは瞼を開けアレを見た、 汚れたターバンを床に置いて黒髪が晒されたアレの顔をじっと見つめる。 目を閉じてうつらうつらとしていたアレはルイズの並々ならぬ視線に気づいたのか ふと目を開けルイズに向かって優しく微笑む。 「!!!!???」 ルイズは大慌てで視線を外し毛布に頭まですっぽり包まって体を背ける。 ルイズ落ち着きなさいルイズ なんであなたは使い魔の顔を見ただけで慌てるの 訳わかんないわ、しかも今日呼び出したばっかりの平民如きに 私は誇り高いヴァリエール家の三女なのよ、使い魔如きに(以下略) スヤスヤと眠る使い魔と 悶々と眠れぬ夜を過ごす主 初めての夜は更けていった。 翌朝、リュカは目を覚ますと身を起こすと 毛布を畳み側においてあった洗濯物を掴むと 昨日遅くまで起きていて寝付けず現在爆睡中のルイズを 確認すると扉をあけ外へと出ていった。 所代わり使い魔たちの食事場 大小様々な動物たちが一同に会す憩いの場所で メイド服をきた少女がその横を走りぬける。 (…あら?) 普段ならばさして気にはしない使い魔達の食事風景 しかしメイドの少女―シエスタは使い魔たちが食事をするといういつもの光景の中に、異変を見つけた。 広場の一角に使い魔たちが密集している。 記憶が確かならば、あそこは餌置き場ではなかったはずだ。 (なにかあったのかしら) 興味半分、義務半分でシエスタはその方向へと目を細める。 先日いつも本を読んでいる生徒が召還した ドラゴンの影になってよく見えないが、密集地の中心に人影が見えた。 自分と同じ黒い髪にお世辞にもよく手入れがされているとは思えないボロボロの服。 体格から考えると自分より2~3歳ほど年上であろう。 こちらから見ると後ろを向いているため顔はわからないが、 とてもメイジには見えない。 もしや自分と同じ平民が使い魔たちに絡まれているのでは…? その想像に顔を真っ青にするシエスタ。 だが、その懸念はすぐに払拭された。 少し近づいてみると、それは危害を加えられるという意味での絡まれるではなく、 懐かれているという意味でのものだったのだ。 大小様々な使い魔たちに身体を擦り付けられ、舌で舐められている青年が目に映る。 (凄い…) メイジの使い魔は基本的に主人にしか懐かない。 にも関わらず、彼は複数の使い魔たちに懐かれ、親しまれているではないか。 「わあ…」 感動と羨望の入り混じった声がメイド少女の唇から漏れる。 少年はリスや小鳥といった小動物はおろか、 狼やグリフォンといった肉食かつ獰猛なタイプの動物にすら懐かれていた。 終いには使い魔としては滅多にお目にかかれないドラゴンにまで顔を舐められて親しまれている。 なんて凄い人なのだろう。 シエスタはそう思った。 そこで声をかけてみた。 「あ、あの…」 おずおずとシエスタがたずねかける。 しかし使い魔の中にいる彼はそれに気づかずひたすら顔を舐められるに任せている。 (ど、どうしようこのまま行っちゃうのもあれだし、 そもそもこのままじゃあの人、ヨダレでベトベトになっちゃうんじゃ…) とシエスタが考えたところで 「―ぁはは、くすぐったいよ」 ようやく声が聞こえ、シエスタはほっと胸をなでおろす。 ほどなくして使い魔たちの輪の中から一人の男が出てきた。 案の定、顔は涎と汗でベトベトに汚れていたが 不思議とシエスタはそれには嫌悪感を示さなかった。 それより気になったのはその立ち振る舞いであった。 まるで使い魔たちが主人のように道を譲り作った道を歩いてきたのだから 「あの…!このハンカチ使ってください。」 シエスタは咄嗟にもっていたハンカチを渡す。 「ありがとうございます。」 青年はハンカチを受け取り爽やかな笑顔をシエスタに返す。 そこでシエスタは初めて青年の顔を見た 自分と同じ黒髪 整った顔立ち しかしシエスタの目を引いたのはその黒色の瞳であった。 この瞳、今まで学園で働いて様々な人間の目を見てきたがこんな目は初めて見た。 まるで無垢な少女の瞳のように透き通っているのに 知らず知らずのうちに引き込まれ心を開き、慕わずにいられなくなる そんな瞳を青年はしていた。 「ぁ…あの、あなたはミス・ヴァリエールが召喚したっていう平民の方ですか?」 おずおずとシエスタは尋ねる。 昨日のサモン・サーヴァントの授業で落ちこぼれのヴァリエール家の三女が 平民を召還したという話から推測したものであった。 「ああ、どうも昨日召喚されたリュカと言います。」 推測は当たり、同じ平民同士ということもあり シエスタとリュカはそれから何度か話をした。 (なんていうんだろう…わたしにお兄さんがいたらこんな感じだったのかしら) そんなことを思いながらシエスタはこの不思議な青年リュカのことを もっと知りたいと思った。 「大変ですよね…突然見ず知らずのところに呼ばれて 私でよければ何でも言ってくださいね!」 「こちらこそ、僕でよければ何でもいってください。」 シエスタとリュカはその後、二言三言言葉を交わし シエスタは洗濯物を手伝いと言い、リュカはそれを丁寧に断って 結局お互いの洗濯物を協力して洗う頃にはすっかり時間がたってしまっていた。 「シエスタさん、それではまた。」 「はっはい!リュカさん、わたしいつも食堂にいるので何かあったら来てください」 「すっかり遅くなってしまったな。ルイズもう起きてるかな。」 シエスタと別れ気がつけばすっかり日が昇ってしまっている。 もしかしたら自分を置いてもう朝食にいっているかも知れない。 そう思いリュカは部屋まで急いだ。 ルイズはまだ寝ていた。 しかも爆睡であった。 さすがにイビキは掻いていないが 枕を抱きしめてスヤスヤ眠っているところを見ると一向に起きそうもない。 元々、朝が弱いルイズだったが昨日はあれやこれやあって結局寝たのは もう日が昇る直前なほどの真夜中であったことからも関係している。 無論リュカは昨日ルイズが何でそこまで起きてたのかを知らないが― 「ルイズ、ルイズ朝だよ、起きなさい。」 軽く体を揺さぶってみる。 起きない。 「ルイズ、ルイズ、いい加減起きないと遅刻しちゃうよ。」 今度はかなり強く揺さぶってみる。 はじめは無視していたが揺らされることに序所に体が反応してきた。 その時ルイズは夢を見ていた。 年上の姉が自分のために大好物のクックベリーパイ焼いてくれる夢だ。 「ルイズ、ちいさなルイズ、あなたの大好物のパイが焼けたわよ。」 「わー!わたしちい姉さまの焼いてくださったクックベリーパイが大好きなの!」 「ほらほら、駄目よ焦っちゃ、ルイズほらルイズ」 コロコロと笑いながらカトレアはルイズを抱きしめる。 途端に何とも言えないいい匂いが備考をくすぐる。 ルイズはそのままカトレアの豊かな胸に顔をうずめようとして― 『ルイズ、早く起きなさい。』 「うー、むにゃむにゃ、ちい姉さまのくっくべりーぱぃ」 パっとルイズが目を開けると目の前にあったのは見知らぬ男の顔だった。 しかもよりにもよってご丁寧に頬に手なんかおいてやがった。 男はルイズに向かって安心したように微笑みながら 「あー…よかった、いくら揺すっても起きないし、 いきなり抱きついてくるからどうしようかと思ったよ。」 「い…」 「い?」 「いやああああああああああああああああああああああああああああああああ」 ルイズのこうげき。 つうこんのいちげき!! 凄まじい勢いで顔面を殴りとばされたリュカは綺麗に意識を手放した。 「それにしても酷いなぁ…折角起こしたのに殴られるなんて」 「しっ仕方ないじゃないの!寝ぼけてて昨日あんたを呼び出したことなんか覚えてないんだから」 あれから落ち着くにつれ記憶が戻ったルイズは自分が今、張り飛ばした男が 昨日やっとの思いで呼び出した使い魔だったと知って急いで介抱したのだが それでもどうしてコイツは自分を腕になんか抱いて揺すっていたのかを問い詰めたら 「ルイズが抱きついてくるから…」とか言っていたので全力でスルーしておいた。 これがその辺の同い年の男の平民だったら そんな戯けた記憶なんぞ忘れるまで鞭で叩いてたとこだが いくらなんでも大の男にそんなことしたらその…そういう趣味だと思われたら困る…のであった。 「とにかく!使い魔如きがご主人様に抱きつくなんて許されないんだからねっ! わかったら今後は気をつけなさいよ!いいわね!」 そこまでで言ってルイズは。今自分の着ている服がいつもの学生服だということに気づいた。 (あ…そうか、昨日あのまま寝ちゃったからネグリジェに着替える暇なんてなかったんだ) その時ルイズにある考えが浮かんだ。 本来なら使い魔講座の教本には載ってないが主従の区別をつけるために この方法は効果的なはずだ。それに何といっても平民なのだから これくらいのことはやってもらってもいいだろうと それを思い出すと未だごめんごめんと謝り続けるリュカに向かってにま~と笑うと 「まぁいいわ反省してるなら許してあげる。だから―」 そう言うとルイズは立ち上がり手をぱたぱたと振り始まる。 「?」 それが何の動作なのかわからないリュカは首を傾げる。 「もぉ~!じれったいわね!着替えさせろって言ってんのよ! き・が・え・さ・せ・て!」 そこまで言ってようやくリュカも気づいたようで、 「なるほどね。」と苦笑しながら 衣装箪笥の中に入っていた変えの制服と下着を取り出し始める。 ほどなく衣装を集め終えるとルイズの胸ポケットに手を― 「ちょちょちょちょちょ!ちょっと待ちなさいよ!!」 「ん?」 「あああああんた!ごっご主人様の裸っていうか女の子の裸とか見て何とも思わないわけ!? いくらなんでも素直に従いすぎじゃない!?」 リュカはさも当たり前のことのように 「でも、着替えさせていったのはルイズだし」 「そそそれはそうだけど、なんていうかそこはほら! うわっお前何俺の前で裸になってんだよ!とか言って 私が使い魔の前で裸になったって恥ずかしくもなんともないわよとか 得意気になって返すのが筋であって―」 「わかったから、ほら早く着替えないと学校遅れるよ?」 リュカが心配そうにルイズの顔を覗き込む。 ここで余談だがルイズの身長はリュカに比べて30サント以上の差がある。 だから覗き込むということは屈んで顔を近づけるということでありつまり― 「―ーーーーーーー!」 ルイズの目と鼻の先にわずか2サントほどの距離に リュカの顔がいっぱいに広がって… ボン! 今度はルイズはリュカの顔を思いっきり蹴りつけた。 その後「なぜか」顔がこれ以上ないくらい真っ赤にしたルイズが 「きょきょきょ今日は一人で着替えるわ!だからあんたは外で待ってなさい!」 と「なぜか」衣装箪笥の陰に隠れて出てこなかったので 仕方なくリュカはルイズの部屋の前で彼女の着替えが終わるのを待った。 しばらくして着替えを終えたルイズは部屋から出てきたが 未だ顔が茹であがったようであったが必死で顔を見られまいと顔を振っているところに 後ろから声がかかった。 「あら、ルイズおはよう奇遇ねぇ~♪」 その声に心あたりがあるのかルイズは心底嫌そうな顔で声の主の方向に顔を向ける。 燃えるような真っ赤な髪に褐色な肌、大きく胸元を開けるように開いた制服は どこが扇情的でそれを裏付けるようにその存在を主張していた。 キュルケ・アウグスタ・フレデリカ・フォン・アンハルツ・ツェルプストー ここトリステイン魔法学院とはお隣のゲルマニアの出身貴族。 ゲルマニアとトリステインの国境沿いに位置するヴァリエール家とチェルプストー家は 長年国土の領土問題で血みどろの争いを繰り広げた因縁の相手であり、 ルイズ・フランソワーズ・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールの個人的な宿敵でもあった。 そんなキュルケはルイズの横に並んだリュカを見上げると 「あっはっは!本当に平民を呼んじゃったのね、さすがは「ゼロのルイズ」ねぇ。」 「煩いわよ!シェルプストー!あんたには関係ないでしょ!」 ムキー!という効果音が聞こえてきそうな勢いで反応するルイズ。 本人としては本気で怒ってるつもりなのだろうが どことなしかキュルケはまるで年下の子を茶化すように相手をしている。 その様子を困ったように見つめながら困ったようにリュカは紫ターバンをカリカリと掻いた。 「せっかく呼び出したのならこういうのがいいわよねぇ~!」 キュルケの呼び出しに応じて部屋から出てきたのは 体長3メイルほどの巨大火トカゲであった。 「見てよこのサラマンダーこの色そして艶・・・火竜が生息する火山の火口付近でしか 発見されない珍種よぉ~好事家に見せたら値段なんかつけらんないんじゃないかしら やっぱり使い魔にするならこういうのがいいわよねぇ~♪」 さりげなく・・・イヤ、あからさまに嫌味を言われてることが またしてもルイズの逆鱗に触れたのか 「なによー!!ウシ乳ツェルプストー!」 「あーら、魔法も胸も「ゼロ」のあなたには言われたくないわよねぇ」 キッー!!という唸り語と共にルイズはキュルケに飛び掛かり 今まさにヴァリエール家vsツェルプストー家 対抗のキャットファイトが行われようとしたところ 「うんうん、そうか君はフレイムっていうんだね。」 「きゅるきゅるきゅるきゅるきゅる~♪」 まるで長年付き合ってきた犬のように尻尾をふるキュルケの使い魔と 猫をあやすようにコロコロとサラマンダーを撫でるルイズの使い魔 それを呆然と見ながらルイズとキュルケは完全に毒気を抜かれた。 その後 「自己紹介が遅れましたわ。私(わたくし)はキュルケ(略)ツェルプストー ミスタ失礼ですがお名前を聞かせて頂いてもよろしいかしら?」 「あ、どうも失礼しました。ミス・ツェルプストー僕の名前はリュカとお呼びください。」 「あらキュルケで結構ですのよ。」 ちょっとツェルプストーの女と仲良くしちゃダメでしょ! というルイズの声を無視して互いに自己紹介をすませた2人は 未だリュカの足元にじゃれ付きながらゴロゴロと嬉しそうに喉を鳴らすサラマンダーを見ながら 「すごいわね・・・あたし以外の人間にはなかなか懐かないこの子がこんなに気を許すなんて」 「子供の頃から動物とは相性がよくて」 「ふーん・・・ところでミスタ・リュカ あたしは先ほどから一度もフレイムの名を呼んでないのだけれどどこで知ったのかしら?」 「この子が教えてくれたんです。俺の名前はフレイムっていうんだって」 「・・・・・・」 こらー!リュカー!さっさと来なさい! ツェルプストー家の女と仲良くしたら承知しないんだからねー! 既に食堂へと歩き始めたルイズが急かすようにリュカを呼ぶ。 その声に答えて、すいません主が呼んでるものでいきますね。と 苦笑しながらリュカがルイズの後を追うのを見ながら 珍しくキュルケは物思いに耽っていた。 はじめはただの平民だと思っていたがあの男どこか違うかも知れない。 自分のフレイムは犬や猫のようにそう簡単に懐くような生き物ではない。 そしてリュカはフレイムの名前を「聞いた」と言った。 普通使い魔と会話できるのは主であるキュルケだけのはずなのにである。 これはおもしろいことになってきたかも知れない。 まずは親友に相談してみよう。 不適に笑いキュルケはフレイムと共に食堂へと向かった。 前ページ魔物使いが使い魔
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/724.html
前ページ次ページ堕天召喚録カイジ 第六話「厨房」 ざわ…… ざわ…… (なぜだっ……! なぜっ……! なぜっ……! 俺は……貴族だぞっ……! 平民たちの支配者っ……! グラモン家っ……名門に生まれた男だぞっ……! こんなっ…… こんな平民ごときにっ……! くそっ…… くそっ……! くそっ……! なんでこんなことになったんだっ……!) ギーシュ・ド・グラモンは滝のように冷や汗を流しながら、目の前の男を見つめていた。 男はヴァリエールが呼び出した使い魔の平民である…… 「ククク……どうしたっ……貴族の坊ちゃんよっ……! そろそろ……覚悟を決めるんだなっ……!」 平民がニヤリと嗤った。 ルイズに昼食を抜きにされ、カイジは空腹に苦しんでいた。 帝愛の地下収容所で粗末な食事に慣れているとはいえ、20代のカイジにとって、一食を抜くのはやはり堪える。 (くっ……自分の無能をっ……俺に八つ当たりっ…… つくづく……許せねぇっ……! ガキがっ……! 本当の生死に直面したことのないガキの発想っ……!) カイジは唇を噛みながらも、学院の敷地を歩き出した。 空腹はつらいが、何よりもまずこの学院の地理を頭に入れておきたいと考えたからである。 貴族の部屋には入らないように注意しつつ、ゆっくりと教室や通路の間取りを頭に叩き込んでいく。 (こりゃあ……フレイムさんについてきて貰ったようが良かったかもな……) 一瞬そんな考えがよぎるが、カイジは頭を振って打ち消した。 フレイムはフレイムで使い魔として働いているだろう。安易に人に頼るべきではない。 自分から動かなければ、いざと言うときに人は動いてくれないものであることを、カイジは経験的に知っていた。 ぐぅ~…… ああ、それにしても空腹っ……!! 「ハァ……」 カイジは溜息をついた。粗末な朝食に昼食抜き……なんとかしなければと思う。 そんなカイジに、一人のメイドがおそるおそる声をかけた。 「あの……ひょっとして……おなかが空いているんでしょうか……?」 「げぇっ……!! 美心っ……!!」 ぐにゃ~ 振り向いたカイジの顔が、その少女を見てぐにゃりと歪む。 「え? いえ、私の名前はシエスタですが」 「そ、そうか……わるかった……」 ニコ…… ニコ…… メイドの笑顔に、ぞぞぞとカイジの全身に震えが走った。 (くっ……! 似てやがるっ……!! 笑い方もっ……声もっ……! 坂崎のおっちゃんの娘っ……! 美心そっくりっ……生き写しっ……! なんでっ……! どうしてついてまわるっ……! 畜生っ……この後の展開が読めるっ……バレバレっ……!) ボロ…… ボロ…… カイジは絶望の涙を流す。美心……いや、シエスタは、そんなカイジを心配そうに覗き込んだ。 「泣くほどお腹が減っているんですね……ぜひ、厨房にいらしてください!」 「ちょ、まって…… おろひて…… おろひてくらはい……!」 おろへませんっ……! 美心……いや、シエスタは、がっちりとカイジの腕を掴むと厨房に引き立てていった。 「さあさあっ……どんどん喰ってくれっ……! わしの自慢料理だっ……! もっとも、あまりモノで作ったんだがな……ガハハ……」 「こちら、料理長のマルトーさんです!」 マルトーの厚意で、カイジは暖かく美味い食事にありつくことができた。 なるべく笑顔の二人を見ないようにしながら、カイジは食事をがつがつと平らげる。 「ありがとう……すごく美味かったですっ……! ありがとう、マルトーさんっ……! ありがとう、シエスタさんっ……! 本当に、ありがとうっ……言葉にできないっ……!」 ニコ…… ニコ…… カイジの言葉に、やさしく笑顔を見せるマルトーとシエスタ。 使い魔たちと教室で出合ったときと同じように、カイジはここでも人間の優しさに触れた気がした。 がっ……顔は坂崎親子っ……! (どう見ても坂崎のおっちゃんっ……そして、その娘の美心っ…… くっ……それ以外にみえねぇっ……! こんなにいい人たちなのにっ……!) 顔はっ……坂崎親子なのだっ……! どうみてもっ…… 第六話「厨房」終わり 前ページ次ページ堕天召喚録カイジ
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/359.html
前ページ次ページゼロのミーディアム 曲がり角からの突然の怒声にびっくりし、尻餅をついてしまったメイド 「あいたたた…」 そう言いながら彼女はお尻をさすっている 「ふん…少々気が立ってて気づかなかったわ。悪かったわね…」 水銀燈はぶっきらぼうにメイドに言い放ちそっぽを向く 本当に反省してるのかと言いたくなる、限り無く不躾な謝罪の言葉と態度これでも彼女は己の非を認めているのだが… しかしメイドは「ひっ…」と怯えるような声を出し大慌てでその場に立ち上がり 「も、申し訳ありません!貴族の方の前でとんだお見苦しい失態を!」 と深々と頭を何度も下げながら謝罪し始めた 彼女は別段謝るようなことをしていないのにだ。むしろ被害者とさえ言える 「はぁ?貴族ぅ?何を言ってるのよ貴女?」 「え?だってそんなに綺麗なお召し物を… …そう言えば人にしては小さいような…」 恐る恐る頭を上げ水銀燈を見て言うメイド。日本人を思わせる黒髪をカチューシャでまとめたどこか素朴だが健気な感じするの少女だ 「悪かったわね…そりゃ小さいわよ。人形だもの…」 水銀燈は向き直り不機嫌に呟く 「人形…?あ、もしかしてミス・ヴァリエールの使い魔になられたと噂の…」 「なんで知ってるのよ」 「いえ…先程お食事中だった貴族の方々のお話しが耳に入りまして…あの、本当にお人形さん…なんですか?」 物珍しそうに水銀燈を眺めながらメイドは言う 「何よぉ!そんなに動く人形が珍しいのかしらぁ!」 先程のイラつきがまだおさまっていないらしい。水銀燈は特に気に障る事でもないのに声を荒げる あと、貴女はとても珍しい人形ですと何度言えば… 「ご、ごめんなさい! …でも何故そんなにお怒りになられてるんですか?」 例え相手が失礼な態度をとろうとも不平も言わず身を案じる。この少女、メイドの鏡だ 「…貴女には関係無い」 またそっぽを向き遠くを見つめ水銀燈は言った (そうよ…こんな娘に構ってる暇は無いわ…早くなにか食べ物探さなきゃ) 全国の水銀党員を幻滅させそうな情けない思考。だか彼女を責めないでほしい。彼女だって生きるのに必死なのだ え、何?それがいいって? ともかく、このメイドに事情でも話せば助けてくれるかもしれない。だが薔薇乙女たる者、見ず知らずの少女に物乞いをする等というはしたない真似をする訳にもいかない ここでお腹の一つでも鳴れば空気を読んだメイドが食事でも手配してくれるのだろうが 人形たる彼女は様々な事情でお腹が鳴ることは決して無いのだ 「でも何かお困りのようですし…」 それでもメイドは食い下がる。この少女、困った人はほっとけないといった性分なのかもしれない だがそんな気遣いもイライラ頂点の水銀燈には逆効果だったらしい 「うるさいわねぇっ!こっちはお昼ご飯ぬかされてこの永遠の空きっ腹をどうやって満たそうかと必死なのよぉ! あんまり邪魔するとジャンクにするわよ!ジャンクにぃ!!」 あ、キレた。おまけに言ってることは最悪にカッコ悪い上に八つ当たり。この人形、乳酸菌足りてない だがメイドの方は特に気にすることもなく 「ああ、お腹がすいてるんですね。それではこちらへ…」 と言うと食堂裏のほうに歩き出した 少々癪だが後をついて行く水銀燈 「私、シエスタといいます」 「…水銀燈よぉ」 「変わったお名前ですね」 何か言いたげな水銀燈であったが、このメイド…シエスタが今の自分の助けになるであろう事を察し、黙ってついて行くことにした ここはトリステイン魔法学院の全ての「食」を生み出す食堂裏。つまりは厨房のことだ 水銀燈がシエスタに連れてこられた場所である シエスタは水銀燈を片隅に置かれた椅子に座らせ 「ちょっと待ってて下さいね」 と言うと小走りで厨房の奥に消えていった 少しばかり時間も経ち戻ってきたシエスタの手には温かいシチューの入ったお皿 「…何よこれ」 それが何かは水銀燈も気づいてるはずだが 「貴族の方々にお出しする料理の余り物で作ったシチューです」 「これを食べさせ…これを私に食べろと?」 これを食べさせてくれるの?と言いかけたのだがこの期に及んでまだ憎まれ口を叩く 人間に舐められる訳にはいかないとでも思ってるのだろうか? だがシエスタは尚も気にしていない 「ええ、よろしければ」 考えてみればシエスタは若くともこの学院でワガママな貴族達の世話をしているメイドだ。それらの傲慢な輩に比べれば水銀燈の憎まれ口など可愛い物なのだろう 何しろ貴族に口答えや無礼等を働けばお返しは口ではなく危険な魔法で返ってくることもありえるのだから 「…まあいいわぁ、いただいてあげる」 水銀燈は相も変わらず不機嫌を装う。内心は嬉しさでいっぱいの癖に… そしてスプーンでシチューを一口分すくって口に運ぶ 「(美味しい…)」 思わず顔をほころばせるがシエスタが見ているのに気づき慌てて顔を不機嫌に戻す。そしてもう一口 「本当にお人形さんでもお食事なさるんですね」 感心するように呟くシエスタだが一心不乱にシチューを口に運ぶ水銀燈の耳には聞こえていなかった。そしてその皿はあっと言う間に空っぽになった 「いかがでしたか?」 とのシエスタの問いに 「…悪くはなかったわね」 むすっとした顔で答えた水銀燈だが… 本当は十分に満足していた。思わず顔をほころばせた様やすぐに空になった皿がそれを物語っている それでも水銀燈はむっとした顔を崩さない。 だが…彼女は気づいていないがバレバレだった 何故なら彼女、不機嫌な顔をしながらもそのシンボルたる背の黒翼。それが「私、ご機嫌です!」と言わんばかりにパタパタしている ええ、それはもう大好きな飼い主に頭を撫でられ、嬉しがって振られる子犬の尻尾のようにパタパタと 不機嫌な表情とは裏腹に嬉しそうにパタパタしている翼の対比に思わずシエスタも笑みが漏れる 「よかった!お代わりもありますよ?」 「…あ、余ってるのなら貰ってあげてもよくてよ!」 この人形本当に素直でない 心の中では(やったわぁ!)と歓喜の叫びでも上げてることだろう そして二皿目も夢中になって食べ始める水銀燈を見てシエスタは 「(ああ…これって)」 「…今貴女、野生のカラスを手懐けるのってこんな感じなのかな?って思ったでしょ」 「(うっ!鋭い!)」 と、水銀燈に胸の内を看破され冷や汗をかいたりした 「ご馳走になったわね…」 「はい、お粗末様でした」 食事も終わり水銀燈も満足したようだ。頃合いを見計らってシエスタは水銀燈に聞いた 「ご飯いただけなかったんですか?」 「ちょっとゼロのルイズってからかったら、髪を真っ赤に染めんばかりに怒っちやったのよぉ。それで食事抜き」 「まあ!貴族にそんなこといったら大変ですわ!水銀燈さん!」 「本当にちょっとからかっただけよぉ。…まあ少しやりすぎた気もしないでもないけど… あと、水銀燈さんだなんてかしこまらなくてもいいわぁ。別に貴族じゃないんだし」 満腹になって少しはシエスタに気を許したらしい。彼女にしては珍しい譲歩だ 「でしたら銀さんとお呼びして…」 「なんですかぁ~?だからかしこまらなくてもいいっつってんだろうがコノヤロー。私に万屋でも開けってかぁ~?」 「はい?」 「…失言だったわ、忘れなさい… 後、私のことは呼び捨てで結構よぉ」 「でも…」 「つ、つべこべ言わないの!私がいいと言ってるのだから別に良いのよぉ!」 不機嫌そう…と言うより困ったような、少し照れた表情で水銀燈は言った 「はい、わかりましたわ。水銀燈」 シエスタも水銀燈が少しだけでも自分に感謝してくれていることを感じ、嬉しそうに頷いた 「さて…お腹も満たされたし食後に軽く運動がしたくなったわねぇ …貴女、何か私ができそうなことあるかしら?」 水銀燈はわざとらしく、言い訳がましく口を開いた 「はい?」 シエスタの方は意味が分からないように聞き返す 「つ、つまりよ…私が貴女の助けになってあげれるか、みたい、な…」 水銀燈の声はだんだん小さくなり口をもごもごさせる。顔は恥ずかしそうに俯かせながら 「えーと、つまりお手伝いをしてくれるってことでしょうか?」 「そ、そういうことよ!感謝なさい!私が人間の手伝いをするなんて…じゃなくて勘違いしないでよね!私はただ体を動かしたいだけで…」 パニックになってるのか水銀燈の言っていることはむちゃくちゃだった 素直に「昼食をご馳走してくれたお礼に何か手伝ってあげるわぁ」とでも言えばいい物を 目を回しながら必死に言い立てる水銀燈に微笑みながらシエスタは水銀燈にお手伝いをお願いした 「では、デザートを運ぶのを手伝ってもらえますか?」 「問題無いわぁ、このローゼンメイデンの第一ドール。水銀燈の力をもってすれば造作もないことよ」 よくわからないがすごい自信だ。ただデザートを配るだけなのに… ところ変わってトリステイン魔法学院内の図書館。ここはその中でも教師のみが閲覧を許された通称「フェニアのライブラリー」 薄暗いその一区画に灯る星の光のような小さな灯り、そしてそれを反射し恒星のごとく輝く灯り…否、それは人の頭だった この禿しい…間違えた、激しい光をU字ハゲに反射させ書を読みながらぶつぶつ言っている男性教師こそ 何を隠そう、先日のサモン・サーヴァントの担任教師にして『炎蛇』の二つ名をもつ火のメイジ。ミスタ・コルベールであった 彼はルイズの呼び出した使い魔の少女の事について昨夜からこの図書館にこもり調べ物をしていたのだ まずは人形やゴーレム、ガーゴイルに関する資料。無論、自動人形に関することを調べるためだ。しかし結果は得るものは何もなく どの書物も最後は「自動人形なんて無理無理、そんな訳だから諦めろ」と言う結論で終わってしまう 「(…だめだこりゃ)」 後ろ髪ひかれる思いで(ひかれるほどフサフサじゃないだろーが。なんて死んでも言えない)自動人形の調査は断念したが彼にはもう一つ気になることがあった それは彼女の「左手」に現れた不思議なルーン 珍しいルーンだった。彼は幾度かコントラクト・サーヴァントにも立ち会ったが奉職して二十年、あんなルーンは見たことが無い 最初は一般区画で調べていたもののそこではコルベールの求めた答えは見つからなかった 「フェニアのライブラリー」で浮遊魔法により最上段の本まで目を通し、 ひたすら目当てのルーンを探る。片手には彼女に現れたルーンのスケッチ。もう片方には次々と入れ替わる書物の数々 限り無く不毛な作業だが彼の努力は見事報われることとなった 今コルベールの手元にある本は始祖ブリミルの従者となりし使い魔達を記した物 その中の1ページを目にし思わずあっ!と声をだし驚き、魔法の集中を乱し床に落下しそうになるが慌てて立て直す そしてその書を抱えるとある場所にすっ飛んでいった コルベールの行き先はこの学院内で最も強大かつ博識であろう人物の居場所 学院最高権力者の部屋、すなわち学院長室であった 学院長室は本塔最上階にある。その部屋の中央、重厚なつくりのセコイアのテーブルと椅子に座っておられるお方こそ… 「わしがトリステイン魔法学院学院長オールド・オスマンである!!」 自己紹介ありがとうございます学院長 「どうかなさいましたか?オールド・オスマン」 そう言ったのは彼の秘書であるミス・ロングビル 「いや、特に意味は無いわい。少々退屈でのう…」 オスマン氏は椅子から立ち上がり理知的な凛々しい表情でロングビルに近づく 彼の顔に刻まれ皺は大樹の年輪のごとく彼の過ごしてきたであろう歴史を物語る 百歳、いや三百歳とすら言われるオスマン氏の年齢。それを知るのは彼のみ…いや本人すら知らないのかもしれない 「オールド・オスマン」 「なんじゃね?ミス…」 「暇だからと言って私のお尻を撫でるのはおやめ下さい」 人事のように羊皮紙に走るペンを眺めロングビルは言った オスマン氏は口を半開きにするとよちよち歩き始める 「わしの毎朝はケロッグコーンクリスピー。自転車通学がしたいんじゃが…」 「都合が悪くなるとボケたふりするのもやめてください」 そのようなやりとりをしているなかドアを蹴破らんと言わんばかりに勢いよく入室してくる人影 「オールド・オスマン!」 「なんじゃね?騒々しい」 荒い息をはきつつ飛び込んで来たのはコルベール。そのまま大慌てで報告を始める 「たたたた、大変です!」 「落ち着きたまえ、大変なことなどあるものか。全ては小事じゃよ」 「ここ、これをご覧ください!」 「んん?なんじゃ、『始祖ブリミルの使い魔達』?こんな古い文献なと漁りおって。ミスタ……えーと、ミスタ…ミスタ…なんだっけ?」 「コルベールですッ!お忘れですか!?」 「おお、悪いのう。そんな名前じゃったな。そう怒りなさんな、血圧あがるぞ?乳酸菌とっとるかのぅ?」 「ともかく!これを!」コルベールの渡したものは水銀燈に現れたルーンのスケッチと本のとあるページ それを見た瞬間オスマンの氏ののほほんとした表情は一変。キラリと目を光らせそれが細くなると、険しい色となる 「…ミス・ロングビル、席を外しなさい」 ミス・ロングビルは席を立ちドアの前まで行くと一礼した後部屋を退室する それを見届けたオスマン氏重々しく口を開いた 「詳しく説明するんじゃ。ミスタ・コルベール」 そのころ、そんな重々しい事態に学院長室がなっているとも知らず 水銀燈とシエスタはデザートのケーキを配っていた 水銀燈がはさみでケーキをつまみ一人ずつ配っていく様子を物珍しく見ている貴族達 「なんだか見せ物にされてるようで気に入らないわね…」 手伝いという立場上、小声で不平をつぶやく水銀燈 「みんな水銀燈に見とれているんですよ。ほら、まるでおかわいい人形さんみたいで…ってお人形でしたね」 「か、かわいいなんて言われても何もでないわよ!」 突っ込むのはそこですか 話ながらも作業は順調に進んだ しかしその時奥の一角から冷やかすような声が 「なあ、ギーシュ!お前、今誰と付き合っているんだよ!」 「誰が恋人なんだ?ギーシュ?」 ギーシュと呼ばれたメイジはすっと唇の前に指を立て 「付き合う?よしてくれ、僕にそのような特定の女性はいないのだよ。薔薇は多くの人を楽しませるために咲くのだからね」 と真顔でこっ恥ずかしいセリフを返す ナルシストにしてフェミニスト見てて不愉快になる典型だ。おまけに自分を薔薇に例える等… 文字通り薔薇乙女の名を冠する水銀燈には聞き捨てならぬことだが… (あんなのと関わり合いになるのも嫌ね…)と考えここは無視することにした その時ギーシュのポケットから何かが落ちる。ガラスでできた小瓶、中には紫色の液体が揺れている (関わり合いになりたくないって思った矢先に…まったく…) 誰も気づいた様子が無い。気にくわない人間だがそのまま知らんぷりするのも誇り高き薔薇乙女の名折れ。水銀燈は一つ大きなため息をついて言った 「貴方、ポケットから何か落ちたわよぉ」 しかしギーシュは振り向かない、天然か故意かはわかりかねる 水銀燈ははさみをシエスタに預け小瓶を拾いギーシュに差し出す 「落とし物だと言ってるのよキザ男」 ギーシュはけだるそうに水銀燈と小瓶を見ると少しだけ動揺した様子を見せたがすぐに立ち直り言った 「何を言っているのかわからないね?これは僕のじゃない」 だがギーシュの友人達はそれが何か知っていたらしい 「おおっ!この香水はもしや、モンモランシーの香水じゃないのか!?」 「そうだ!その鮮やかな紫色はまさしくモンモランシーが自分のためだけに調合してる物! ってことはお前が付き合ってるのはモンモランシーか!」 「残念ながら違うね、彼女の名誉のために言っておこう…」 ギーシュが何か言いかける前に彼の前に茶色いマントの少女が歩いてきた 「ギーシュ様…やはりミス・モンモランシーと……」 そしてボロボロと鳴き始める 「待ちたまえケティ、彼らは誤解しているんだよ僕の心に居るのは…」 バチン!という乾いた音と共にギーシュの言葉は…ケティと呼ばれた少女の平手打ちで遮られた 「その香水があなたのポケットから出てきたのが何よりの証!さようなら!」 彼はやれやれと言わんばかりに肩をすくめる だが、彼の不幸はこれでは終わらない 続いて歩いてきたのは巻き髪の見事な少女。なんとなく自分の姉妹の末っ子を思い出す水銀燈だが 彼女は…モンモランシーはあいにく雛苺ほど無邪気な性格では無かった モンモランシーはいかめしい顔つきでギーシュの前にやってきた 「モンモランシー!違う、彼女とはただ一緒にラ・ロシェールの森まで遠乗りしただけで…」 一見冷静な態度だが今度は動揺を隠しきれていない。冷や汗が一筋だが頬に垂れる 「やっぱりあの一年生に手をだしていたのね…」 「お、お願いだよ洪水…ゲフンゲフン!香水のモンモランシー。咲き誇る薔薇のような顔をそのような憤怒の形相で変形させないでくれよ!僕まで悲しくなるじゃないか!」 ギーシュの動揺はさらに広がっているらしい。言っている事の一部が嫌に不自然だ だが当のモンモランシーはまったく聞く耳持たずといった感じでテーブルねワインのビンをつかみドボトボとギーシュの頭上から注ぐ そして 「嘘つき!」 と怒鳴って去っていった 沈黙が流れる中ギーシュはハンカチで顔を拭くと 「あのレディ達は薔薇の存在を理解していないようだ」 と呆れるような言った 水銀燈は(自業自得ね、一生やってなさい…)と心の中でつぶやき作業に戻ろとした矢先 「待ちたまえ」 と彼女の背にギーシュの声がかかる 「何かしらぁ?」 「君が軽率に香水の瓶なんか拾うから二人のレディの名誉に傷が付いた。どうしてくれるのかね?」 なんと言うキザ男…一言聞いただけで呆れてしまった…この男間違い無く水銀燈に責任転嫁するつもりだ 「自業自得と言う言葉をご存知かしらぁキザ男さん…いえ、フラレ虫さぁん?二股かけてる貴方が悪いのよ」 あまりにも正当な物言い、そしてフラレ虫という単語にギーシュの友人達もどっと笑う 「その通りだフラレ虫!お前が悪い!」 ギーシュの顔にさっと赤みがさす 「いいかい?メイド君…えーと君はメイドでいいのか?とにかく!僕は君に話しかけられた時知らないふりをした。話を合わせる機転ぐらいあってもよいだろう?」 「くっだらなぁい、例えこの場を凌げたとしても二股だなんてどうせすぐにばれちゃうことに気づかないなんて本当におめでたいわね あと貴方、胸に刺さってる薔薇がぜんっぜん似合って無いわよ」 これには周りの貴族も大笑い。ぽかんと口を開け唖然としているギーシュをよそに水銀燈は話を続ける 「それに貴方が薔薇ですって?とんだお笑いだわ!」 「な、なんだと!」 ふん…と鼻を鳴らし真面目な表情で語りだす水銀燈 「…覚えておきなさい。薔薇はその身に鋭い棘を持ち他の者を寄せ付けようとしない孤高の花よ それでも何故、人は薔薇に手を触れようとするのか?答は簡単。例え棘が刺さろうとも惹かれるほどの魅力が薔薇にはあるからよ」 「何が言いたい…!」 「本当に貴方が薔薇のような気高さを持つならば彼女達は貴方を離れたりはしない。彼女達は貴方の二股と言う名の棘に…愛想を尽かし去っていった。つまりは貴方の魅力は薔薇に遠く及ばないと言う事ね」 「!!」 ギーシュの胸にグサリと刺さる水銀燈の言葉 「…もっとも、それ以前に薔薇のごとき気高き者は二股だなんで最低な真似はしないでしょうけどねぇ?そんな棘持つこと事態が問題なのよ」 水銀燈は不適に笑みを浮かべ言い放つ 「メイド風情が…!平民風情がよくもそんな知った口を!」 ギーシュの怒りが頂点に達したようだ 「残念だけど私はメイドでも平民でもない」 「…黒いドレスに翼、人間より一回り小さい体…そうか、君がヴァリエールの呼び出した人形の使い魔だな…!」 「あら、ご存知だったのかしらぁ?光栄ねぇ!」 「こんな屈辱は初めてだよ…君は貴族に対する礼をしらないようだね…」 「お生憎様。少なくとも貴方みたいな貴族に対する礼は持ち合わせてないわねぇ」 「よかろう調度いい腹ごなしだ。君に礼儀を刻んでやろう、決闘だ!」 文字通り体に直接刻みつけるつもりなのだろう だが水銀燈は踵を返しオロオロしながらも事態を見守っていたシエスタの方へ歩いていく そして顔だけ向き直り言い捨てた 「結構よ。今言ってた事を聞いてなかったのかしらぁ。貴方に対する礼など持ち合わせてないし、持ち合わせる予定も無い」 「ふん、逃げるのか?」 「そんな安い挑発にのるのはお馬鹿さんだけよ お人形遊びがしたいなら自分で買って一人寂しくお部屋で遊ぶのね」 口での戦いは水銀燈が一枚上手のようだ ギーシュは後ろで色々とわめいているようだが 水銀燈は歯牙にもかけず背を向け遠ざかっていく だが… 「流石は出来損ないのゼロのルイズの使い魔だね!これだけ侮辱されて何も思わないとは!飼い主と同じの出来損ないだ!」 何気に言い放ったギーシュの一言 (出来損ないですって…!) これを聞き水銀燈はうつむいてギーシュの方に向き直ると冷めたような声で言った 「気が変わったわ…」 「…!」 突然の心変わりにギーシュも不自然に思う 「その決闘、受けて立つわよ」 「何…?」 水銀燈から発せられる重圧。そして… 「遊んであげると言ってるのよ」 水銀燈のうつむいた顔があげられた。その瞳に灯るは憎しみと言う名の光 表情にあらわれているのは彼女がこの地に降り立ち初めて見せる感情、すなわち…『怒り』である 次回、薔薇を名乗るドールとメイジの決戦…! 前ページ次ページゼロのミーディアム
https://w.atwiki.jp/moejinro/pages/1817.html
5日目 あらぐむ 夜が明け、朝となりました。痛ましくも オペこさん の無残な死体が見つかったようです 2 (狼がぶがぶ) あらぐむ ------会話STOP------- 1 (もぐら村) あらぐむ -----------スタート-------------- あらぐむ chjoin 天界部屋 へどうぞお入りください あらぐむ 5日目の朝です 3 (天界部屋) ミクかわいい おぺこさんが 1 (もぐら村) ニキハウス すみません。自分でもわかりずらいと思ったので。昨日の発言はブロクターさんが怪しいという意見に同意という事です。 1 (もぐら村) いあん おはようございmす 3 (天界部屋) ラスフィーノ オペコさん噛むかー 3 (天界部屋) ブロクター おや、おぺこさんか オペこ ゲームだと熱くなっちゃうんだ すまん 1 (もぐら村) かこちん いあん○ orz●だせなかった 3 (天界部屋) yukomac あら 1 (もぐら村) ワルノス おはようさんで 3 (天界部屋) ラスフィーノ SGの位置だと思ったけど、他にもSG候補できたかな 1 (もぐら村) かこちん 同意の発言が多めに見えたので占った 3 (天界部屋) BBL 村としては疑い先が減るから助かるかな 1 (もぐら村) Mrチキン 一応かこちんさん●説 1 (もぐら村) Mrチキン 1.占いに真狂狐のパターンだと対抗占いが村の意見になってた場合にいきなり狂人込みのとこ噛みにいくと思えない 1 (もぐら村) いあん だったのかブロクターさん意見に同意かと思ってた 1 (もぐら村) Mrチキン 2.結果占いは真狼狐パターンとなるとかこちんさん●しかないと思う 1 (もぐら村) Mrチキン と考えています 3 (天界部屋) BBL というか経験者噛み? 1 (もぐら村) シエスタBC 説明してもらえると助かる>< 3 (天界部屋) ラスフィーノ あるね 1 (もぐら村) ワルノス 能力者考察多め→グレーから吊られたくない せんぷくにみえちゃったー 3 (天界部屋) ラスフィーノ それっぽい 1 (もぐら村) Linstant かこちんさんが●だとすると、グレーの中と合わせて狼2存命の可能性が 3 (天界部屋) オペこ おじゃまします ついゲームだと熱くなっちゃうんだ 強引だったね ごめんね 3 (天界部屋) ラスフィーノ リード者噛み 3 (天界部屋) yukomac いらっしゃい! 3 (天界部屋) BBL お疲れ様でした 3 (天界部屋) ミクかわいい いらしゃんせ~ 3 (天界部屋) ラスフィーノ おつかれさまー 3 (天界部屋) ブロクター 今のところ狼2だろうね 3 (天界部屋) BBL いえいえ 序盤まとめてくださったので助かりました 3 (天界部屋) ブロクター おつかれさまー 1 (もぐら村) かこちん まぁ、後吊りは2か3だ 3 (天界部屋) あらぐむ おつぽー 1 (もぐら村) Mrチキン ということでかこちんさんとその○と疑いの目 1 (もぐら村) ワルノス あと3本 3 (天界部屋) BBL 私だったら 3 (天界部屋) ラスフィーノ オペこさんさ!真なら、グレー占いが正解だとおもうぜよ 3 (天界部屋) オペこ え 1 (もぐら村) シエスタBC かこちん真の考え行っていい? 3 (天界部屋) オペこ ラスさんマジで真? 1 (もぐら村) Mrチキン どぞ 3 (天界部屋) ミクかわいい w 3 (天界部屋) ラスフィーノ いや今回はちがうけど 3 (天界部屋) BBL もういいじゃん霊媒適当にローラーしようよって投げやりに… 1 (もぐら村) シエスタBC 言っていい? 3 (天界部屋) オペこ ね・・・ねたばれ 1 (もぐら村) いあん あい 3 (天界部屋) オペこ まぁいいや ふむふむ それで 1 (もぐら村) シエスタBC 初日全役職でて 3 (天界部屋) ミクかわいい 今回に限っては霊ロラよくないと思います! 1 (もぐら村) ワルノス 白考察 cozyさん シエスタさんが白めー 潜伏狼の強弁って吊られやすくするだけじゃねとおもうー 1 (もぐら村) シエスタBC 狼サイドには役職に狐いるってわかるよね 3 (天界部屋) BBL まあラスさん真は厳しいですよね 3 (天界部屋) ラスフィーノ 対抗占いを押し付けられる時点で 3 (天界部屋) オペこ うん 1 (もぐら村) シエスタBC その状態で 3 (天界部屋) ラスフィーノ 狼は、真を噛むしかなくなる 3 (天界部屋) ブロクター だぬ 3 (天界部屋) BBL そうなんですか 3 (天界部屋) オペこ あの時点で大分真見えてたけど 狩人守れないかな? 1 (もぐら村) シエスタBC 占いにかみに行ったから 3 (天界部屋) ミクかわいい 真をかめる確率は5割ですね 3 (天界部屋) オペこ 狩人(で)まもれないかな? 3 (天界部屋) あらぐむ ん あらぐむ 夜が明け、朝となりました。痛ましくも あらぐむさん の無残な死体が見つかったようです 3 (天界部屋) あらぐむ あ あらぐむ chjoin 天界部屋 へどうぞお入りください あらぐむ 5日目の朝です 1 (もぐら村) あらぐむ -----------スタート-------------- 2 (狼がぶがぶ) あらぐむ ------会話STOP------- あらぐむ あ あらぐむ ごばく 3 (天界部屋) BBL だったら占い護衛させるように言っておいた方が良かったかもしれませんね 1 (もぐら村) シエスタBC え かこちん 吹いた 3 (天界部屋) オペこ うーん・・・ ニキハウス え ミクかわいい がんばーれ! 1 (もぐら村) いあん ごばくか Mrチキン びびった 3 (天界部屋) あらぐむ 別に真噛まなくても 3 (天界部屋) ラスフィーノ 5割以上だと思うけどな Linstant 自殺!? 3 (天界部屋) オペこ 狩人には守って欲しかったかなァ かこちん 村長居眠りしすぎ 1 (もぐら村) シエスタBC びびるわw 1 (もぐら村) cozy おやすみ。尊重 3 (天界部屋) ラスフィーノ 真じゃなくてもいいんだもの (T) BBL > もうこの墓地嫌だ…真予想中ってただけに嫌だ… 3 (天界部屋) あらぐむ 狐か護衛されると思われる人噛んで偽装でもいいような 3 (天界部屋) ラスフィーノ 死体1個でもいいんだ 3 (天界部屋) ミクかわいい 真狼狐で狐は噛めませんし 3 (天界部屋) ラスフィーノ 死体なしでもいいんだ 1 (もぐら村) かこちん で ニキハウス 普通に会話していいんですよね? 3 (天界部屋) ミクかわいい ふ、ふむふむ・・・? (T) BBL > 当たってただけに嫌だ… 1 (もぐら村) シエスタBC いじょうです 1 (もぐら村) かこちん ふむ 1 (もぐら村) Mrチキン ん~、ちょっと弱い気がするけど、ちなみに 3 (天界部屋) ラスフィーノ 結局占い確定する状況って 1 (もぐら村) Mrチキン 霊媒に狼いるっておもってるでOK? 3 (天界部屋) ラスフィーノ 真が噛まれずなおかつ、狩人も真をみきわめたとき 1 (もぐら村) シエスタBC そうっすね 1 (もぐら村) かこちん 私はそう思うね 3 (天界部屋) ラスフィーノ ダイブきついと思うよー オペこ こんにちは cozy 3 (天界部屋) オペこ ふーむ・・・ 3 (天界部屋) BBL なるほどなあ 1 (もぐら村) ニキハウス その可能性もありますね 3 (天界部屋) ラスフィーノ 死体0だって 1 (もぐら村) cozy かこちんさん、もう十分楽しんだでしょ。あとは潜伏狼に任せれば 1 (もぐら村) Linstant 白黒半々の占いを残しても情報で混乱するだけだったのかも… 3 (天界部屋) ラスフィーノ みんな占い師は●だすだろうし 1 (もぐら村) いあん なるほど~。確かにありげだな 1 (もぐら村) ワルノス 出遅れた狼説は あり得るとは思うけどその場合全潜伏のほうが効率よさげ 霊確定でびびったのかも?とちょっとおもう 1 (もぐら村) かこちん 私は思うに 3 (天界部屋) ラスフィーノ 何も見極められない 1 (もぐら村) かこちん 寡黙より 3 (天界部屋) オペこ ふむふむ 1 (もぐら村) シエスタBC まあかこちんつるに対して反対じゃないぜ 1 (もぐら村) かこちん 喋ってる人に狼いるのかなーとも 1 (もぐら村) シエスタBC そこだけ誤解しないでほしい cozy こんにちは オペこ 1 (もぐら村) Mrチキン 霊媒に狼出る可能性があまりに低いってのが前提ですかねぇ。私のかんがえ 1 (もぐら村) かこちん 寡黙にもいるのかなーとも あらぐむ 残り時間2分です 1 (もぐら村) かこちん 思えない 1 (もぐら村) ワルノス んだね ロラ前提だしね 3 (天界部屋) ラスフィーノ それだったら、占いは霊ロラの後にロラするとして 1 (もぐら村) ニキハウス 役職はローラーでいいと思います。で今日もグレー吊りたいです 1 (もぐら村) シエスタBC うむ 3 (天界部屋) オペこ では相互占いをせずグレーを占いで 3 (天界部屋) ラスフィーノ それまでに情報出し続けてもらうほうが村は有利かなぁと言われてる 3 (天界部屋) オペこ 情報が出ますかね 1 (もぐら村) いあん となると候補は何人だ 1 (もぐら村) かこちん とどのつまり 1 (もぐら村) ワルノス 今日グレー吊って 明日かこちんさんが●だすと 狼の思い通りになってしまうけど 3 (天界部屋) ラスフィーノ ロラはしますからね 1 (もぐら村) ワルノス 明日なの? 1 (もぐら村) cozy かこちんさんんは、yukomac狼と言ったのはずーーーっと後のほうです 3 (天界部屋) オペこ どんな情報が出ますかね?否定の意味ではなくて疑問です 1 (もぐら村) ワルノス あと3本よ 3 (天界部屋) BBL とりあえず相互するなら占い護衛鉄板? 1 (もぐら村) かこちん そうですね あらぐむ 残り時間あと1分です 1 (もぐら村) ワルノス かこちんさんつって かこちんさんの白吊りたいんだけど 1 (もぐら村) Mrチキン 私も同意 1 (もぐら村) cozy どうせ、 1 (もぐら村) ワルノス で これでミスリーだと僕は残されると 3 (天界部屋) BBL 多分真以外●出さなさそう 1 (もぐら村) ニキハウス 占吊り多いなら合わせます 3 (天界部屋) ラスフィーノ んー、多少はでますよね最低○が2個はでる 1 (もぐら村) Mrチキン かこちんさん吊りたい 3 (天界部屋) ラスフィーノ 各人からね あらぐむ 残り時間あと30秒です 1 (もぐら村) cozy みんなグレーなんだから、狼COしてもうちょっとかき回してよ 1 (もぐら村) かこちん かこちん吊っても良いよ? 3 (天界部屋) オペこ ふむふむ 1 (もぐら村) シエスタBC わかった 1 (もぐら村) いあん かこちん>グレーってこと? 3 (天界部屋) ラスフィーノ 霊ロラするから2個でるよね 3 (天界部屋) ラスフィーノ で、行動と○先で 1 (もぐら村) かこちん 実は狼は私で最後なのでしたわぉーん 1 (もぐら村) Linstant もしくは暫定○吊りですね 1 (もぐら村) ワルノス ●でないんだから 真要素ひくくなっちゃったんだ個人的思想です 3 (天界部屋) BBL cozyさん相変わらず凄いなあw 3 (天界部屋) ラスフィーノ 先に吊る占いを決めていけばいいよね 1 (もぐら村) かこちん ふふふ 1 (もぐら村) ワルノス 何故だ 1 (もぐら村) いあん !? あらぐむ 日は落ちて、村人たちは今日の処刑者を決めなくてはいけません。 1 (もぐら村) かこちん がんばったな村人よ あらぐむ 各人は処刑する人の名をTELLでお願いします 1 (もぐら村) あらぐむ ------STOP----------STOP------ 1 (もぐら村) あらぐむ ------STOP----------STOP------ 2 (狼がぶがぶ) あらぐむ ----会話可能時間です---- (T) ワルノス > んじゃかこちんさんで 3 (天界部屋) BBL 囲ってそうな○出した人の真を切るということですね (T) Mrチキン > かこちんさんでお願いします 2 (狼がぶがぶ) かこちん -~^ 2 (狼がぶがぶ) いあん w 3 (天界部屋) ラスフィーノ 早めに●出した人は (T) Linstant > かこちんさんに投票します (T) ニキハウス > かこちんさんに投票お願いします。狂人かも??? 3 (天界部屋) ラスフィーノ 視点でその人吊ればおわるから、先に連れますよね 2 (狼がぶがぶ) かこちん そして終わらない村 (T) シエスタBC > かこちん逝っていいよ 2 (狼がぶがぶ) いあん まあどうやったとこで吊りは免れなさそうだったし (T) cozy > かこちんさんに1票 3 (天界部屋) オペこ ふむふむ 3 (天界部屋) BBL ですね 2 (狼がぶがぶ) かこちん やっぱりかこちん○つりたいってのはいたねー 2 (狼がぶがぶ) いあん いいんでない?^^ 2 (狼がぶがぶ) かこちん うかつ 3 (天界部屋) ラスフィーノ 霊ロラ終わって、占いロラ終わって 3 (天界部屋) ラスフィーノ 残り6人かな (T) かこちん > こぐねえさまを吊ります(イナカッタ 3 (天界部屋) ラスフィーノ どうだろう、情報で五分五分よりかはよくないだろうかなぁ 2 (狼がぶがぶ) いあん まあでも今日明日だろうからおk 2 (狼がぶがぶ) かこちん よし 3 (天界部屋) BBL 気合で勝ってくれー 2 (狼がぶがぶ) かこちん 私を吊ってくれwww 3 (天界部屋) ラスフィーノ 途中で真はもう噛めないしね、噛んだら○が確定○になるし 2 (狼がぶがぶ) かこちん もう疲れたママン 3 (天界部屋) オペこ うーん ナルホドナァ 2 (狼がぶがぶ) いあん とりあえず投票はてきとうにしてくるw 3 (天界部屋) オペこ 僕がやっているのは俗にいう占いローラーで (T) かこちん > いあんさんを推奨します (T) いあん > Linstantさん吊りますー 2 (狼がぶがぶ) かこちん とりあえず後はがんばれ 3 (天界部屋) ラスフィーノ まぁ今回もう1こ怖いのは、占いに狐がいなかった場合 3 (天界部屋) オペこ 逆にラスさんの案は実際に占いローラーするけど 情報は確かに残るね 2 (狼がぶがぶ) いあん で、あとはどう噛んでいこうかな あらぐむ 残り時間あと1分です 2 (狼がぶがぶ) かこちん こじーかなー 3 (天界部屋) ラスフィーノ 銃殺もなにもでない、●ばっかりでる 2 (狼がぶがぶ) いあん fm (T) > かこちん 推奨? 3 (天界部屋) ラスフィーノ 占狼狼とかもあるよね、狼3のときとか 3 (天界部屋) BBL 確実に残るのは●出した人がいた場合のみでは? (T) シエスタBC > マジだったらはずかしいよぅ あらぐむ 残り時間あと30秒です 2 (狼がぶがぶ) いあん こじー>りんすさんでまずはいくね 3 (天界部屋) あらぐむ 投票がまだのかたはお願いします (T) かこちん > 投票でした (T) > かこちん 釣りでいいの? 3 (天界部屋) オペこ あらぐむさんに投票します (T) シエスタBC > 村でいてください! (T) > かこちん おk 3 (天界部屋) BBL あらぐむさんに投票します 2 (狼がぶがぶ) かこちん おk 2 (狼がぶがぶ) かこちん がんばれ あらぐむ 村人たちの話し合いにより かこちんさん は処刑されてしまいました 3 (天界部屋) ブロクター あらぐむさんに1票 あらぐむ まもなく夜となり狼たちの時間です。各々狼に怯えつつも推理し、明日の昼へと備えましょう あらぐむ 役職の方はTELLをお願いします あらぐむ /chjoin 天界部屋 へどうぞお入りください 2 (狼がぶがぶ) いあん 負けてもごめんw 1 (もぐら村) かこちん こんなところでドジ踏むとは う か つ ♪ 3 (天界部屋) ラスフィーノ しかもさ 3 (天界部屋) ラスフィーノ 真なら、●とか早めにみつけたら 3 (天界部屋) オペこ 村人たちの話し合いにより あらぐむさん は処刑されてしまいました 3 (天界部屋) オペこ ふむふむ 3 (天界部屋) ラスフィーノ 対抗占いしたら、銃殺もだせて詰みとか 3 (天界部屋) ラスフィーノ もうグレー占う理由もない 3 (天界部屋) かこちん ふぅ 3 (天界部屋) BBL 狼が来たぞー 3 (天界部屋) ミクかわいい がんばったな村人よがLW宣言に見える 3 (天界部屋) ミクかわいい いらしゃんせ~ 3 (天界部屋) ラスフィーノ おつかれー 3 (天界部屋) BBL お疲れ様でした 3 (天界部屋) ラスフィーノ 長生きしたねーw 3 (天界部屋) BBL なるほどなあ 3 (天界部屋) かこちん にゃほーい (T) いあん > かこちんの弔い合戦じゃ! cozyさんを一口でがぶりと^^b 3 (天界部屋) かこちん 長生きできたよー 3 (天界部屋) ブロクター おつかれさまー 3 (天界部屋) オペこ おつです ふむふむ 3 (天界部屋) BBL 呪殺は噛まれる前にできますもんね (T) > いあん 日本人なら味噌だよね! 3 (天界部屋) かこちん さぁ明日で最後よ 3 (天界部屋) かこちん 明日がくれば全てわかる 3 (天界部屋) ラスフィーノ 俺は狼の2騙りがあると 3 (天界部屋) ラスフィーノ 思ってる!w 3 (天界部屋) かこちん 残念だったな 3 (天界部屋) かこちん 私が狼と言うことは 3 (天界部屋) BBL それは違うよ! 3 (天界部屋) ラスフィーノ もう吊られてるかw 3 (天界部屋) ラスフィーノ そういうことかw 3 (天界部屋) かこちん 身内に○なんて出さないぜ 2 (狼がぶがぶ) いあん こじー噛んで来た>独り言 3 (天界部屋) ミクかわいい 2騙りなら狐生存? 3 (天界部屋) かこちん エモ誤爆・・・ 3 (天界部屋) ラスフィーノ それはない、銃殺は間違いなくでたw 3 (天界部屋) BBL 悪いけどもうかこちんさんの占い結果メモってないや 3 (天界部屋) かこちん 狐生存はない 3 (天界部屋) かこちん へへへ 3 (天界部屋) BBL えっ!? 3 (天界部屋) ミクかわいい 占いと霊で2騙りか! 3 (天界部屋) かこちん かこちん特攻するなんてすごいだろ 3 (天界部屋) ラスフィーノ 俺なんてたくさん、マクロ用意したけど 3 (天界部屋) ラスフィーノ どれも使えなかったw 3 (天界部屋) かこちん ラスさん狐透け透けでした 3 (天界部屋) BBL そう言えばなんで私噛んだんだろう? 3 (天界部屋) ラスフィーノ 真だったんだけどね 3 (天界部屋) BBL オペこさん先じゃない? 3 (天界部屋) オペこ ん? 3 (天界部屋) かこちん ログを見ればなー 3 (天界部屋) ラスフィーノ 僕、真でも あらぐむ 残り時間2分です 3 (天界部屋) ラスフィーノ 対抗占いしないですw 3 (天界部屋) オペこ 狩人と思ったんじゃないですか?>>BBLさん 3 (天界部屋) BBL そうかなあ 3 (天界部屋) オペこ 後序盤私を疑っている人もまぁまぁいましたし 3 (天界部屋) かこちん 狩人は別人だとおもたよ 3 (天界部屋) オペこ 私残せばSGに出来るとか考えててたのかも 3 (天界部屋) オペこ そうなのか 3 (天界部屋) ラスフィーノ でも後半 3 (天界部屋) かこちん そして私は狼と思ったか 3 (天界部屋) ラスフィーノ 別の人が 3 (天界部屋) BBL いあんさんあたりが狩人かなあと思ってたり 3 (天界部屋) ラスフィーノ SG候補になったので 3 (天界部屋) ラスフィーノ オペコさん噛んだとみる 3 (天界部屋) かこちん あそこでLW宣言をするのは狼じゃないんだなーっと あらぐむ 残り時間あと1分です 3 (天界部屋) ラスフィーノ 僕も、オペコさんはSG候補だと思ってた 3 (天界部屋) オペこ そうそう そんな感じですね>>ラスさん 3 (天界部屋) BBL 噛まれて安心はしました 3 (天界部屋) オペこ 対抗占いの指示自体が例え間違った物だったとしても 3 (天界部屋) BBL オペこさんが寝 あらぐむ 残り時間あと30秒です 3 (天界部屋) かこちん さて、皆様残った人で誰が狼なんでしょうね 3 (天界部屋) オペこ 村の多くが対抗占いを要求するなら 誰かが指示を出さなきゃいけない 3 (天界部屋) オペこ 指示を出したら疑われる これいかに 3 (天界部屋) BBL ログ追ってないからなあ 3 (天界部屋) ラスフィーノ 狼も対抗占いしませんとか言えば 3 (天界部屋) かこちん かこちんからすると 3 (天界部屋) ラスフィーノ 余計真噛みやすいんだけどなw 3 (天界部屋) かこちん おぺこ=狩人だとおもってました 4日目へ 6日目へ
https://w.atwiki.jp/familiar_spirit/pages/1496.html
「虚無って……何、これ」 アンリエッタも、ウェールズも、ルイズの疑問に答えることは出来なかった。 ルイズが更にページをめくり『始祖の祈祷書』を読み進めようとすると、よりいっそう『風のルビー』が強く輝いた。 「風のルビーが、輝いている」 アンリエッタがルイズの手にはめられた『風のルビー』を見ると、ウェールズの言ったとおり、不自然なほど強く光を反射して輝いていた。 「本当…ねえ、ルイズ、『始祖の祈祷書』を私にも……」 アンリエッタが試そうとするが『始祖の祈祷書』には何の文字も現れない。 もしやと思い『風のルビー』をはめて試すが、やはり何の文字も現れなかった。 「ルイズ、私の『水のルビー』でも読めるか、試して?」 「…………」 ルイズは無言のまま、アンリエッタの差し出した指輪を受け取り指にはめた。 「読める……読めるわ……」 『始祖の祈祷書』には、『風のルビー』をはめた時と同じように文字が浮き出ていた。 「まさか……私が、そんな、そんな」 ルイズは顔を押さえ、狼狽えた。 この本に書かれていることが本当なら、私は虚無の使い手。 今までの魔法の失敗は、私が系統魔法ではなく虚無の魔法の使い手だったからだと考えれば納得がいく。 だが、納得できない。 『なぜ吸血鬼になる前に教えてくれなかったのか!』 と、怒りにも似た感情が『始祖の祈祷書』に向けられる。 だが、本はそのまま、本として無機質な顔を見せたままだった。 アンリエッタから水のルビーを借りて、始祖の祈祷書を読もうとしていたウェールズだったが、自分には読めないことが分かると、顎に手を当てて何かを考えていた。 「アンリエッタ、この本がニセモノである可能性は?」 「ウェールズ様が疑われるのも無理はありません、ですが、『始祖の祈祷書』は過去に魔法学院やアカデミーで研究されているはずです。この本には『固定化』以外になんの魔法も付加されていないはずですわ……」 アンリエッタの言葉は少し震えていた。 ルイズの言葉が本当なら、伝説だと思われていた『虚無』の手がかりが現れたことになる。 そして、ルイズを悩ませていた魔法失敗の原因が、今解明されるかもしれないのだ。 アンリエッタは王女として、一人の友人として、期待せずにはいられなかった。 「そうなのか……ならば、石仮……いや、ミス・ルイズ。虚無の魔法とはどんなものなのか、確かめられるような魔法は書かれていないのか?」 正直なところ、ウェールズはまだ『虚無』に対して懐疑的だった。 アンリエッタやルイズを信用してはいるが、虚無の魔法ともなれば、その内容を確かめてからではないと信用は出来ない。 『伝説の虚無系統を、この目で確かめてみたい』というのが本音かもしれないが…… 虚無の魔法に対して懐疑的なのは、ルイズも同じだった。 あまりにも突然の出来事で、頭が混乱しているのかも知れない。 だが、今は『これが虚無である』と確かめられるような呪文を探すのが先だ。 ルイズは一心不乱にページをめくり、文字を探した。 「……以下に、我が扱いし『虚無』の呪文を記す。初歩の初歩の初歩。『エクスプロージョン』……意味は、爆発?」 爆発と聞いて、ルイズとアンリエッタが「あっ」と声を上げた。 ルイズはいつも、呪文を唱えると、爆発を起こしていた。 あれは、ここに書かれている『虚無』ではないだろうかと、思い当たったのだ。 考えてみれば、爆発する理由は誰も答えられなかった、ラ・ヴァリエール家の教育係も、両親も、姉も、誰もその疑問には答えられなかった。 ただ、彼らの望む結果を出せなかったから、ルイズの魔法は『失敗』で片づけられていたのではないか。 ルイズは更にページをめくる。 こんな所で爆発を起こしてしまったら、それこそ大問題だ。 別の何かはないかと、必死になって探した。 ルイズは本を凝視し、精神を集中させた。 ふとページをめくる手が止まる。 光と共に文字が浮かび上がり、別の呪文が姿を現した。 「初歩の初歩……〝イリュージョン〟……描きたい、光景……強く心に思い描くべし、なんとなれば、詠唱者は、空をも作り出すであろう…………かしら」 ルイズは、静かに詠唱を始めた。 それはアンリエッタとウェールズも聞いたことがない、長い呪文。 だが、ルイズにとっては、なぜか懐かしく、そして心落ち着く呪文だった。 ルイズは思い描く。 アンリエッタとウェールズの姿を思い描く。 テーブルの上に、二人が並んで立っている姿を想像して、詠唱する。 詠唱する。 詠唱する。 詠唱する…… テーブルの上に雲のようなものが集まり、徐々に人間の形を成して、色が浮かび上がっていった。 テーブルの上に立つのは、高さ15サント(cm)程のウェールズ、アンリエッタの姿。 ……だけではない。 羨ましい程のスタイルを持つ赤毛の女性。背丈より高い杖を持ち眼鏡をかけた水色の頭髪の少女。薔薇の造花を持った金髪の少年。長い髪の毛を綺麗にロールさせた女性。 ぽっちゃりとした体型で肩に鳥を乗せた少年。黒い頭髪と瞳を持つメイドの少女。眼鏡をかけた緑色の頭髪を持つ女性。逞しい肉体と髭をたくわえ豪華な鎧を着た男。ルイズを金髪にして眼鏡をかけたような女性。ルイズと同じ髪の色で目つきの優しい女性。 ほかにも沢山の人の姿が、まるで人形を並べていくようにテーブルの上に形作られていった。 「すごいな……、少し、確かめさせて貰うよ」 テーブルの上に作られていく人形に向けて、ウェールズは『ディティクト・マジック』を唱える。 光り輝く粉のような物が舞い、その存在を調査していく。 「手で触れることはできないが、ディティクト・マジックにすら反応しない幻……これが虚無なのか…」 「水でも、風の系統でもありませんわ、これが『虚無』の初歩なのね、ルイズ…………ルイズ?」 ウェールズが感心する一方、アンリエッタはルイズの表情に影が差していたのを見逃さなかった。 コンコン と、応接室にノックの音が響く。 「姫さま、会議の時間が迫っておりますが……」 アンリエッタは、ウェールズの処遇と、ワルド子爵の裏切りについて会議があるのを思い出した。 「ルイズ、後でまたお話ししましょう。すぐに部屋を一つ準備させますから」 ルイズはうつむいていた顔を上げ、アンリエッタを見て言った。 「は、はい……あ、私のことは、どうか誰にも言わないで」 「大丈夫ですわ、貴方がウェールズ様を守って下さったように、わたくしも貴方を守りましょう」 「……ありがとう」 アンリエッタとウェールズの二人は応接室を出ると、外で待機していた侍女がアンリエッタの言付けを受けて、すぐに上等なゲストルームへとルイズを案内した。 侍女が恭しく一礼し、ゲストルームを出て行くと、ルイズは糸が切れたようにソファに倒れ込んだ。 『イリュージョン』を唱えた影響なのか、ルイズの精神は思ったよりも疲弊していた。 侍女が出て行った途端、緊張の糸がほぐれたのだ。 ルイズは目と口を半開きにしたまま、意識を手放した。 夢の中で、ルイズは魔法学院にいた。 『ツェルプストー!見てみなさい、ふふーん、アタシは虚無に選ばれたのよ!』 『へー、すごいじゃない。でもその胸なら納得よね』 『ああああアンタ!エクスプロージョンでぶっ飛ばしてやるわよ!』 『ミス・ヴァリエール……貴方にお願いがある』 『え?お願いって……』 『タバサがお願いだなんて珍しいじゃない』 『虚無なら、ハシバミ草を育てる魔法があるはず』 『そ、そんなもん、無いわよ』 『……ふぅ』 『何よその落胆したようなため息はー!虚無よ虚無!凄いのよ!伝説よ!』 『ハハハ、ミス・ヴァリエール、君が虚無に選ばれただなんて、なんの冗談だい?』 『えい、金的』 『ウッギャー!』 『ちょっとルイズ!あたしのギーシュに何するのよ!』 『あれぐらい当然の罰よ、罰』 『駄目なの!ギーシュを罰していいのは私だけなのよ!』 『モンモランシー…あんた本当にギーシュが好きなのね。ならプレゼントよ”イリュージョン”』 『えっ、あ、ギーシュが一人、二人、三人……や、そんな、そんな沢山のギーシュに見つめられるなんて、私…ぽっ』 『あら、ヴァリエールったら、本当に虚無の魔法を使えるのね』 『ふふん、やっとツェルプストーも私の力を認める気になったのね』 『でも私はもっと派手なのがいいわ、心の底から恋を焦がすような、熱と光は無いの?』 『あるわよ』 『ふーん、じゃあやって見せなさいよ、ゼロのルイズ』 『ほえ面かいても知らないわよっ!”エクスプロージョン!”』 洪水のような熱と光に、魔法学院と級友達、そして自分自身が焼かれ、ルイズは目を覚ました。 ソファから身体を起こして窓を見る。 外には見慣れた月が二つ浮かび、ゲストルームをうす明るく照らしていた。 「……夢?」 自分の身体を触り、焼けこげていないか確かめる。 服を確かめても、夢の中のように魔法学院の制服は着ていない。 ルイズは「ふぅ」とため息をついて、再度ソファで横になった。 「戻りたい」 学院に。 「戻りたい」 人間に。 ルイズの小さな呟きは、誰にも聞かれることなく、月明かりに消えていった。 その頃、会議を終えたアンリエッタは、ルイズの作り出した幻のを思い出していた。 あの幻で作られたのは、ルイズの父母、姉達、魔法学院の制服を着た人々。 「子供の頃から、強がってばかり……」 空に浮かぶ二つの月を見上げると、月は一つの球体が二つに分裂するかのように位置をずらしていた。 アンリエッタは『おともだち』を、どんな手を使ってでも守ろうと決心していた。 ウェールズと再会できたのも彼女のおかげなのだから。 アンリエッタの表情は、いつもよりも遙かに堂々としていた。 沸き上がる『自信』も『決意』も、『おともだち』がくれたものだと思っていた。 「アニエスなら……ルイズに協力してくださるかしら?」 会議では、ウェールズの亡命を受け入れるには至らなかったが、親衛隊の新設が決定された。 ワルド子爵の裏切りが、親衛隊の新設を後押しする形となり、『銃士隊』の結成が決定されたのだ。 その隊長として、アンリエッタが選んだのは「アニエス」という平民の女性。 元傭兵のアニエスは、今はトリステインに所属する軍人として並々ならぬ功績を上げている。 アンリエッタは彼女に『シュヴァリエ』の位を与えたかったが、まだ他の貴族からの反感も大きく、実行には移せていない。 だが、機会を見てアニエスを中心とした『女性だけで構成された近衛兵』を集めるつもりだった。 「私も、私のお友達も、ずっと子供のままなのかもしれませんわ……」 アンリエッタは、ルイズと同じ月夜を見上げていた。 そして、数日後。 トリステイン魔法学院では、ある変化が生徒達を驚かせていた。 『風が最強だ!』と耳にタコができそうな程繰り返していたギトーが、どこか大人しくなり、傲慢さがなりを潜めてしまった。 それどころか、属性の使い分けと、連携を中心として授業が進められていく。 その変化に驚いたある生徒は『魅了』で記憶を改ざんされたのではないか……と言い出す程だった。 もう一つの変化は、シエスタの変化だった。 いつもより堂々と、自信に満ちた笑顔を見せて、授業を受け、実技に挑戦し、キュルケ達との会話にも物怖じしない、それは女性としての自信と言うより、戦士としての自信だったのかもしれない。 もっとも、それに気づいているのはキュルケとタバサぐらいのものだが。 元は平民なので、シエスタはどの貴族に対しても丁寧に接していたが、そのせいかマリコルヌが何かを勘違いして得意げにしていたのは秘密だ。 だが、いかに治癒の力を持つとはいえ、シエスタは元平民。 平民と貴族が同じ授業を受けるなど、馬鹿馬鹿しいと言って、シエスタに敵意を向ける者も存在していた。 シエスタは空を飛べない。 そのため、魔法学院の外で規模の大きい風の魔法を実習する時など、走ってその場まで移動する。 他の生徒達は『フライ』の魔法を使って移動している。 単独で空を飛行する魔法、風の基礎中の基礎、『フライ』すら使えないシエスタを馬鹿にする者も多かった。 だが、キュルケ達は違う。 ルイズが死んだ罪悪感からか、それとも純粋にシエスタの『治癒』の力を認めているのか、『フライ』が使えないからといってシエスタを馬鹿にすることは無かった。 キュルケ達と仲の良いシエスタを見て、ある生徒がこんなことを呟いた。 『キュルケは、平民上がりのメイジを飼っている』 その噂は瞬く間に広がり、キュルケとシエスタは侮蔑と好奇の混じった視線に晒された。 だが、元々同姓から羨まれ、恨まれるキュルケは気にしていない。 シエスタもそれがどうしたと言わんばかりの、堂々とした態度でいつもの生活を繰り返している。 そうなると面白くないのは、噂を広めた当人達。 キュルケとシエスタへ向けられていた好奇の視線、それが少なくなるに従って、今度は二人の人気が高まっていった。 姉のように振る舞うキュルケ。 優しい妹のようなシエスタ。 二人の人気を妬む、一部の生徒の『危険な』嫌がらせが実行されるのも、時間の問題だった。 To Be Continued → 25< 目次