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前ページ次ページ虚無の王 モット伯の邸を守る衛兵、従者、そして一門の貴族達とて、決して、警戒を疎かにしていた訳では無い。 昨今は、“土塊のフーケ”なる盗賊が巷を騒がせている。警備には一層の力を入れていた。 だが、どんなに厳重な警戒態勢にも、必ず穴が有る。 侵入者の行動如何によっては、機能不全を起こす事が有る。 今回は相手が悪かった。 侵入者を指揮するのは空。前“風の王”にして、最も“空の王”に近い、と言われた男だ。 “空の王”の資質の一つである“イーグル・アイ”は庭園の地形から、建物の構造まで全てを見通す。 そこに、空のテロリストとしての知識が加わる時、邸の警備は丸裸となる。 空は単独では無い。足手纏いを引き連れている。それが、警備側に不幸をもたらした。 見慣れぬ血に荒れ狂う素人達に、無音で作戦を遂行させる事は出来ない。本来、殆どの人間に気付かれる事無く、目的を達せる男が、好んで無用な戦いに臨む。 衛士の待機室。 兵士達は固唾を飲んで、武器を構える。扉の向こうから、喊声が近付いて来る。 扉が蹴り開けられる。飛び込んで来た所を包囲、一斉に打ちかかろうとして、衛兵達は唖然とする。 先頭は車椅子。誰もが立っている人間を想定していた。一瞬、目標を見失う。対応が遅れる。 その一瞬で、空は壁走り〈ウォール・ライド〉。後背へと回り込む。 意図的に速度を抑えた動きに目を奪われた時、喊声が耳朶を打つ。 いや、それは喊声では無かった。獣の咆吼だ。 憤怒、恐怖、憎悪、そして血に狂う、オーク鬼の様に歪んだ目をした男達の姿に気付いた時は、もう遅い。 野蛮で原始的な一撃が、忽ち刀槍で武装した兵士達を打ち倒す。 もし、遠い異世界で、過半の国家から身分制度が失われている事を知ったら、彼等は身震いしつつも、納得する事だろう。 警護の兵士達は、文字通り、骨身に叩き込まれたのだ。 平等と言う虚構の信仰により、互いを牽制しつつも結びつく最大派閥。最も理性に乏しく、残忍凶暴なる集団。“平民”の恐ろしさを。 「走れっっ!!」 デルフリンガーを振り翳して、空はマルトー達を叱咤する。放っておいたら相手が死ぬまで――――いや、死んでも――――滅多打ちに打ち続けるだろう。 中世西洋の建築物は多くの場合、廊下が無い。 それは防衛上の要請でもあり、人的な物を含む全ての資産を、来客に誇示する為でも有る。 侵入者が最深部に至る為には、全ての部屋を突破しなければならない。 ハルケギニアでは事情が変わる。 防衛線の要所を構築するのは、魔法を操るメイジだ。その為にも、射線を通す必要が有る。 メイジが直接防衛に当たる場所と、そうで無い場所で構造がガラリと変わる。 また、一つの部屋を突破。次の扉を開く。 最初に見えたのは、クォーレルの束だ。無数の弩が、一斉に殺意を解き放つ。 空は掌を翳す。忽ち生まれた空気の壁が、矢を有らぬ方向へと弾き飛ばす。 長い廊下だった。両脇に扉は見えない。居住の為では無く、防衛の為のスペース。 衛兵に動揺が走る。 なんだ、あの車椅子の男は。何をした?何が起きた? 空が加速。後に控えたメイジが、炎の、風の魔法を解き放つ。だが、超音速の衝撃波さえ見切る男にとっては、矢だろうが、魔法だろうが、止まっている様な物だ。 魔法までもが容易く打ち払われると、衛兵、貴族は今度こそ恐慌に陥った。 まさか、先住――――っ!そんな言葉が漏れた時、車輪が壁を蹴り、空の姿は全員の視界から消える。天井を蹴り、敵陣のど真ん中に“出没”する。 剣光閃々。 血飛沫が散る。錆びた刃が肉を刮ぎ取り、骨を砕く。悲鳴が上がる。 そこに、わっと押し寄せる狂気の怒号――――。 料理人達は血眼で武器を振り回す。時折、凶器の先端が仲間を掠めるが、誰も意に介さない。 杖を失ったメイジが床に這い蹲り、頭を庇う様にして抱えている。その頭を、背を、腰を、スコップの縁が、棍棒が繰り返し打ち据える。 壁に追いつめられた下級貴族は、既に顔の形が分からなくなっている。 救いに入ろうとした兵士は、横合いから大剣の一撃を受ける。 「次やっ!」 敵戦力の沈黙を確認して、空は叫ぶ。返事は無い。 振り向いた時、料理人達は覆面の上からでも判る薄ら笑いで、動けなくなった貴族達を踏み躙っていた。誰もが、血と、貴族に対する歪んだ復讐心に酔っている。 空は舌打ちする。これだから、ド素人は嫌だ。取って返し、その眼前にデルフリンガーを振り下ろす。 白刃と空の眼光が、一瞬、料理人達の濁った思考を停止させた。 「次や――――」 前進を命じようとした時、向こうから扉が開いた。姿を現したメイジの杖には、既に火球が燃えている。 空が飛び出したのと、火球が杖を離れたのは、ほぼ同時だった。眼前で炸裂。背後で悲鳴と絶叫が渦を巻く。 火球を放ったメイジは、即後退。室内の兵力と交代する予定でいたのだろう。だが、空の速度も、火球を無傷で正面突破する事も、彼等の想像を超えていた。 メイジは何が起きたかも判らぬ内に切り倒された。空は突き当たりから、壁を走る。 料理人達は後に続かなかった。空が打ち払った火球の余波を浴びて、パニックに陥っていた。 もし、壁際に隠れていた弩兵が、室内に飛び込んだ竜巻に意識を奪われていなければ、忽ち蜂の巣に変えられた事だろう。 いや、一人、料理人達に杖を向けている者が居た。 見習い騎士と思しき少年は、既に呪文を完成させていて、空の速度に反応出来ていなかった。 目の前で同胞が倒れると、訳も判らず、廊下に向けて氷の矢を放つ。殴り倒され、意識を失ったのは、その直後だ。 室内を綺麗に片付けると、空は廊下に向き直る。 体のあちこちに火傷を負った料理人達は、脚をふらつかせ、座り込み、床に転がり、呻き、泣き喚いている。 「腕!腕!痛い!俺の腕!腕!」 氷の矢を浴びたか、左腕が凍り付いた男も居る。 「止まるなっ!走れっ!」 叱咤するが、料理人達は泣き言を止めない。空は呆れ返って、車輪を返す。 「待ってくれ!我等の風っ!こいつ、腕が!」 「棄ててけっ」 冷然、言い放つと、空は一人先を急ぐ。連中が動く気になるのを待っていたら、包囲されるのがオチだ。 頼みの綱が行ってしまうと、料理人達は弾かれた様に立ち上がる。慌てて後を追う。ここは、恐ろしい貴族の館だ。置いてけぼりは堪らない。 「ま!……待ってくれっ!……待ってっ!」 凍った腕を引き摺る男が、悲鳴混じりで最後に続く。 「走れ!」 一体、何度叱咤された事だろう。料理人達は必死で、車椅子の背中を追いかける。 「走れっ!」 脚がふらつく。目を汗が刺す。心臓が破裂しそうだ。 「走れっっ!」 意識が朦朧とする。武器に体が振り回される。 それでも料理人達は走る。本能的な恐怖に背を押されて走る。落伍したら命は無い。 刃が掠め、魔法の余波に突き倒されつつも、がむしゃらに突き進む。 庭園―――― 門衛達は唖然、屋敷を見つめている。交錯する怒号と喊声。 侵入者?何時?どこから? 上からは、何の指示も無い。 あくまで持ち場を守るべきか、応援に駆けつけるべきか――――迷った時、頭上を何かが過ぎる。 眼前で地響きが弾んだ。 「失礼するっ!」 小さなチャリオットにも似た異形の車体が、一声残して駆け抜けて行く。 車輪を持った奇妙なゴーレムにも、騎手たるメイジにも、見覚えが有った。 急ぎつつも、ギーシュは慎重にワルキューレを操作する。 広い庭園には障害物が多い。侵入者の脚を止め、上から狙い撃つ為だ。 空の様な異能を持たずとも、建物の構造は大まかに判る。伯爵の部屋も判る。 同時期に建築された建物なら構造は似通っているし、この邸は何度か訪れている。 「止まれっ!!」 正面玄関前。 言われるまでも無く、ギーシュは制動に入っていた。石畳を削り、砂を蹴立てながら急停止。 「あっ!……グラモンの御子息!どうされました!?」 「伯爵をお助け申し上げる為に来たのだ。退がってい給え」 震える脚で、ギーシュはステップから降り立つ。 原始的ながらサスを備えるとは言え、青銅の車輪はダイレクトに路面を拾う。強烈な震動は、手にも脚にも痺れを残す。 ギーシュは杖を振るい、ワルキューレを変形させる。部分的に作り替える方が、一から作り直すよりは、若干、精神力の消耗を抑えられる。 トラックレーサー仕様の車椅子にも似た下半身が失われ、ウィールを備えた脚部が現れる。上半身も若干ボリュームを増す。 ワルキューレの胸甲が僅かに開く。何かが飛び出し、衛兵達は目を瞠る。フックが屋根を捉え、青銅のワイヤーが垂れ下がる。 ギーシュはワルキューレの首に腕を回す。ワイヤーを軽くウィンチ。ウィールが地面から僅かに離れる。 後は一瞬だった。ワルキューレが壁を蹴る。浮き上がった体を、ウインチが猛烈な勢いで巻き上げる。 登攀型ワルキューレは、四階の高さを、たった二歩で征服した。 * * * トリステインの平民は通常、サウナ風呂を使う。浴槽に湯を張り、身を沈めるのは、貴族にのみ許された贅沢だ。 まさかその贅沢を、二晩続けて味わう事になるなど、三日前には想像もしなかった。だからと言って、堪能する気分には程遠い。 シエスタは昨晩の出来事を思い出す。 服を乾かしながら、空の残り湯を使った時には、人が来ないか、と気が気で無かった。 湯に浸かっている、と言うより風呂釜に隠れている塩梅だ。 その点、伯爵邸の浴室は豪華だ。 広い広い大理石の浴場に香水の香り。空の風呂釜とは比較にならない。 それでも、不安に身を縮めていた昨夜の方が、余程心地よかったし、安心だった。 頭の中を、先輩メイドが残した言葉がグルグル回っている。 用意してある服に着替えて、伯爵の寝室で待つ様に―――― モット伯は言っていた。お前を単なるメイドとして雇った訳では無い、と。 つまりは、こう言う事だ。 とぷん、と湯に頭までを沈める。 行きたくない―――― そんな考えが脳裏を過ぎる。 このまま、モット伯が待ち草臥れて眠ってしまうまで、こうしている訳にはいかないだろうか。 いかなかった。メイドが戸を激しく叩いて急き立てる。 仮にこのまま頑張っても、伯爵自ら喜々として乗り込んで来るだけだろう。 仕方無く、浴室を出る。 用意された衣服は、意外や意外。極普通のメイド服だった。この屋敷で使われる、露出が大きな物では無い。 若干、魔法学院の物より、生地が安っぽいのは何故だろう。 長湯をし過ぎた。 のぼせて、フラフラとした足取りで指定の部屋に向かう。 重い樫の扉を開くと、天蓋付きの豪奢な寝台が目に止まる。 ああ。この部屋で、愛する人と契りを交わすのであれば、どれだけ素敵な事だろう。 部屋には誰も居ない。 寝台には小さなサイドチェストが付いていて、数冊の本と、邸の主人を象った陶像が立っている。 見ていると、気分が悪くなって来た。 シエスタは出来る限り、寝台から離れた場所で待つ事にする。 と、壁越しに靴音。シエスタは身を小さく強ばらせる。 扉が静かに開く。 “波涛”の二つ名を持つ貴族が、鼻息も荒く登場した時、シエスタは一瞬、卒倒しそうになった。 「シエスタよ」 「は、はい」 「指示した通り、生地が薄く、少し引っ張っただけでも破れてしまうブラウスと、些細な事で伝線してしまうスットキングを、きちんと着用して来たかねっ?」 「は……えっ!……ええっ!?」 言葉に併せて、モット伯爵の渦眉がピクピク動く。渦髭もピクピク動く。どう言う訳か、渦巻く揉み上げまで動く。 シエスタは唖然とした。一瞬、言われた事が理解出来なかった。 何?何?この人?何、あの眉毛!? 「あの~……用意された服を着て来たのですが……」 「うむっ。宜しいっ。いいね。いいね。最高だねっ」 モット伯が歩み寄って来る。ゆっくりと、ゆっくりと。獲物を追い詰めた肉食獣の慎重さだ。 シエスタは身を縮こませる。 「どうした?逃げないのかね。良いのだよ、逃げても。反撃するなと好きになさい」 そうは言われても、足が竦んで動けなかった。 シエスタは顔を背ける。 怖く無い。逃げない。何度、口にした事だろう。 それでも、十数年間――――いや、六千年間かけて刷り込まれた恐怖が、そうそう払拭出来る訳が無い。 「つまらん」 手首が掴まれる。体が独楽の様に回る。 気付いた時、シエスタは寝台の上に倒れ込んでいた。 白い布地が切り裂かれ、寝台の上に舞い散った。 ボリューム感溢れる、柔らかい肉が零れ落ちる。 「いやあっ!」 目に飛び込んで来た“物”に、シエスタは悲鳴を上げた。 モット伯は脱いだら凄かった。自らの衣服を引き裂いた瞬間、突き出した下腹!ズボンから垂れ下がる柔らかい脂肪! シエスタは目眩を覚えた。 ああ、貴族は魔法でエネルギーを消費するでのではなかったのかしら? だから、どんなに食べても太らないのでは? でも、そう言えば、ミスタ・マリコルヌはピザデ――――ぽっちゃりさんだったわね。 「フハハ!いいぞ!いいぞ!泣け!叫べ!」 白い下腹部がたぷたぷと揺れながら躙り寄って来る。 シエスタは後退る。 狭い寝台だ。忽ち、追い詰められ、組み伏せられる。 「っ――――!」 両手首が抑えられる。振り回す脚が空を切る。 声が出ない。恐ろしさのあまりに、歯の根が合わない。 と、モット伯の動きが止まった。喚声が床を伝って聞こえて来た。 胡乱気な顔で、首を巡らせる。 シエスタも動きを止めた。 蛇の様な視線から解放された事で、若干、思考力が戻って来た。 自分は今、モット伯に組み伏せられている。両手首を抑えられ、のし掛かられている。 つまり、 モット伯は杖を手にしていない――――! 脳裏にギーシュの姿が浮かんだ。 空とどう戦うかを相談していた時、ぽろりと零した言葉を思い出した。 そうだ。メイジが魔法の力を行使するには、杖が不可欠。今のモット伯は下腹の突き出た、ただの中年男性でしか無い。 シエスタは必死で身を捩った。小娘の力だ。大の男に抵抗するのは難しい。 だが、相手はただの人間なのだ。メイジではないのだ。助かる可能性は有る筈だ。 「んん?大丈夫、大丈夫。心配は要らない。我が警備隊は優秀だよ。さあ、続けよう。もっと私を楽しませてくれ!」 モット伯の顔が近付いて来る。渦巻く鬚が近付いて来る。突き出た唇が近付いて来る。酒臭い息と、荒い鼻息が近付いて来る。 シエスタは堪らず、目を瞑り、顔を背ける。 鬚が鼻を掠める。吐息を飲み込んでしまい、思わず咳き込む。シエスタは首を左右に捩る。 蛞蝓の気配が、喉元に近付き――――そして遠ざかった。 足音がする。 乱雑な足音だ。 側まで近付いて来ている。部屋のすぐ前。 モット伯は下卑た中年から、一転、歴戦のメイジへと豹変する。 足音で判る。近寄って来るのは、近従の下級貴族では無い。サイドチェストの杖に手を伸ばし、扉へと向き直る 両手が自由になった。シエスタもまた、サイドチェストに手を伸ばす。 扉が開け放たれた。 現れたのは、車椅子の男だ。長さ1.5メイルもの大剣を手にしている。そして、返り血にまみれた、覆面の男達。 邸の主人が侵入者めがけて、完成した呪文を放とうとした、正にその瞬間だ。 主人の姿を象った像が、その米神を直撃した。 モット伯の眼球がぐるん、と回った。水のトライアングルメイジは一転、寝台から転げ落ち、床に頭を打ち付けた。 手にずしり、と重い感触。 シエスタは邸の主人から守ってくれた、主人のブロンズ像を見つめる。 辺りを見回す。確かに在った筈の物が見当たらない。 「シエスタっ!」 誰かが声を挙げた。 「この野郎っっ!」 誰かが叫んだ。 料理人達は倒れ臥すモット伯へと群がり、鈍器を振りかぶる。 「やめいっ!ボケっ!」 それを制したのは空だ。勢い余って振り下ろされた一打を、デルフリンガーで受け止める。 「大事な人質や」 その様を、シエスタは目を丸くして見つめていた。 空が助けに来るのが意外なら、マルトーを始めとする厨房の料理人達が来るのは、更に意外な事だった。 涙が零れた。 返り血にまみれた男達。それだけでは無い。刀創を負った男が居て、折れた腕を力無く垂らしている男が居る。凍傷を負った男が居る。マルトーの額には、はっきりと刃物の跡が見える。全員があちこちに火傷を負っている。 彼等は自分の為に、そこまでしてくれた。 恐ろしい貴族の邸に乗り込んで来てくれた。 それが何より嬉しくもあり、申し訳無くもあった。 「シエスタ、大丈夫か?何もされてないか?」 「俺達だ!助けに来たんだ!もう大丈夫だ!」 料理人達は次々に覆面を取って、素顔を見せる。 シエスタは笑った。泣きながら笑って、礼を言った。 「こらこら!お前等!まだやで!まだ助かってへんで!帰るまでが襲撃や、言うたやろ!」 抱き合い、笑い合う一同をよそに、窓際へ寄った空は、手を叩いて注意を促した。 「さ、撤収や!手順をちいと変えるで!よく聞け!」 空は部屋のカーテンを外させる。 結って、ロープ代わり。廊下側の窓から脱出する。 「そこに抜け道が有る!マルトー!皆を先導し!」 部屋を照らす、魔法のランプを一つ放る。 料理人達が四苦八苦、準備を進めている間に、空は廊下に出ると、窓から下を見下ろす。 どうやら、大丈夫そうだ。 「我等の風!こいつはどうするんだ?」 一人が、モット伯の頭を軽く蹴った。 「ワイに任しとき。話つけとく」 自分は後から合流する。先に行け。 その言葉に、料理人達は素直に従った。“我等の風”がどれ程の力を持っているのかは、戦列を共にしてよく判っている。 料理人達は覆面を着け直すと、脱出にかかる。 部屋には、空とモット伯だけが残された。 「もう、ええぞ」 空は部屋の窓を開けた。 * * * 意識を取り戻したモット伯が最初に目にしたのは、青銅の乙女だった。 膝枕は冷たく、固かった。 体を起こそうとした時、頭部に激痛が走る。 「ああ!伯爵!気付かれたのですね!良かった!本当に良かった!」 安堵の笑顔を見せたのは、破れやすいブラウスに、容易く伝線するストッキングを履いた、巨乳のメイドではなかった。 親友の息子だ。 美少年と言って良い、端正な顔立ちだが、生憎、モット伯にその気は無い。 「ギーシュ君……これは……」 「ああ。僕よりは、青銅製とは言え、乙女の方が宜しいかと思いまして」 「いや、そんな事より、何故、君がここに……」 「ああ!伯爵!本当に申し訳有りません!僕がいけなかったのです!」 不意にギーシュが詫びた。何が何やら、判らなかった。 「我がグラモン家とモット家は常に戦列を共にした間柄。なにより、高雅なる趣味を共にする同志。我が父にとって、伯爵は得難き友であり、畏れながら、私も伯爵を父の様にお慕い申しておりました。 その伯爵と――――ああ!僕はなんと愚かだったのだろう!あんな些細な事で諍いを起こし、身の程知らずにも、手勢を差し向けるなどと!――――」 「あの……ギーシュ君……話が見えないのだが?」 諍い?何の話だ? 自分とギーシュとの間に、いつ、どんな問題が起きた? 手勢?何を言っている? 確かに、不逞の輩が侵入し、遂には自分の寝室にまで踏み入って来たが、そこにグラモン家の家臣など一人も居なかった。 「心から悔いているのです。僕は愚かにも、伯爵の美しい邸を踏み躙り、多くの御家人を傷付けてしまいました。僕ごときが、偉大なる水のトライアングル・メイジ。“波濤”のモット伯爵に叶う筈など無いのに!」 モット伯はピンと来た。 シエスタが居ない。連れ去られた。あの侵入者達は、彼女が目的だったのだ。 ギーシュが主犯、とは考え難い。遣り口が粗雑過ぎるし、何より無謀だ。 だが、彼はシエスタに執心している。彼女を連れ去った者を庇い、この件を容認しろ、と言っている。あのメイドを諦めろ、と言っている。代わって、自分が咎を引き受ける、と……。 なるほど、相手が平民なら、なんとしでも誅殺しなければならないが、貴族とその手勢なら和解の余地は有る。 「ギーシュ君、君は……」 「そうです!全ては僕の罪なのです!――――でも、伯爵はお優しい方。きっと、最後には許して下さる物と信じていますよ」 と、ギーシュは口元を釣り上げて笑った。そこに全ての罪を背負う殊勝さは、微塵も見られなかった。 なんのつもりだ―――― 「!――――」 この時、モット伯爵は気付いた。 杖が無い! モット伯爵は魔法学院時代を思い出していた。倫理の時間だった。 偉大なるオーギュスト三世、幼少の砌の話だ。彼は斧で父王が大切にしていた桜の樹を切り倒してしまった。王子は全てを正直に話し、父王はそれを許した。 父王が何故、王子を許したのか――――教師の問いに、ジュール・ド・モット少年は答えた。 王子が未だ手に斧を持っていたからだと思います――――。 「ギ、ギーシュ君。君は……こんな事をして、どうなるか判っているのかね!」 「勿論、僕は罪を犯し、お許しを乞う身です。その為には、誠意を見せなければなりますまい。伯爵。どうか、これで僕の罪を御容赦願えないでしょうか?」 ギーシュは背中から羅紗の袋を取り出した。紐を解き、そして半分だけ覗いた中身に、モット伯は目を瞠った。 それだけで判った。あれは、長年、自分が夢見て止まなかったツェルプストー家の家宝。召喚されし魔道書ではないか! 「ギギギ、ギーシュ君それは?」 「もし、お許し頂けるなら――――罪深き僕に、僕の罪行に荷担した者に許しを与え、僕の手勢が貴方に与えた、あらゆる人的物的損失に関する賠償・返済を免除して下さるならば――――謝罪と、そして和解、両家のさらなる友好の証として、これを差し上げたいと思います」 モット伯は無言で歩み寄った。夢遊病者の足取りだ。 ギーシュは再び、魔道書を袋に戻す。 「ギ、ギーシュ君!いい、意地悪をしないでくれ給えよ!ささ、もっとだ!もっと見せてくれ!」 「では、お許し頂けるのですね」 「当然だ!始祖にかけて誓うよ!だから、さあ!早く!」 ギーシュは寝台に歩み寄った。側のサイドワゴン。天板下のラックには、ナイトキャップが収められている。 内一本を抜き取る。 「タルブ産ですか。素敵だ。さすが、伯爵。良い趣味をしていらっしゃる」 グラスを二つ。年代物の赤が、ルビーの深みでランプの灯を弾いた。 「さあ、乾杯しましょう伯爵!今夜の不幸な出来事を忘れ、更なる友誼を誓いましょう!始祖ブリミルと、女王陛下と、祖先より受け継いだ名に賭けて!」 * * * 抜け道の先で、空は料理人達と合流した。 長い長いトンネル。空を除いては知らない事だが、ギーシュの使い魔ヴェルダンデが掘った物だ。 恐るべき貴族の牙城を脱したと思うや、料理人達は一斉に膝をつき、へたり込んだ。 誰もが疲労困憊していた。 誰もが浅からぬ傷を負っていた。 だが、その顔は晴れやかな物だった。 「皆さん、本当に有り難うございます」 シエスタが改めて頭を下げる。 いいって事よ。水くさい事言うな――――そう返しながら、料理人達は一様に笑みを浮かべている。 「なあ、“我等の風”」 「シエスタを連れ戻せたら勝ちだ、てあんたは言ってた」 「俺達、本当に勝ったんだよな……」 「貴族に勝ったんだよな」 満面、笑顔を浮かべる料理人達。 一瞬、空は胡乱気な目をした。 正直に足手纏いだったのだが――――まあいい。貴族に依存するばかりで、自助努力と無縁だった連中が、気合いだけは見せたのだ。 採点魔のキリクではないが、及第点として良いだろう。 言いたい事が色々有ったが、結局、それは飲んでおく事にした。 「おうっ……けちょんけちょんやっ」 歓喜の雄叫びが爆ぜた。へたり込んだまま、料理人達は拳を突き上げた。 シエスタは一人一人に礼を言って回る。 「さあ、帰りましょう!」 シエスタが元気良く号令をかけた。 彼らの本分は戦闘では無い。明日には、いつも通りに厨房の仕事が待っている。 空が言う通り、帰るまでが襲撃なのだ。 * * * 翌朝―――― 「なるほどのう……」 ギーシュが説明を終えると、オスマンは重々しく頷いた。 「わしと君の父上は趣味が似ておる」 「知っています」 「つまり、モットはわしらと趣味が似ておる」 「よく判ります」 「注意しておくべきだったのう。相談して貰えれば、最初からこんな事にはならんかったのだが……」 「やはり、御存知有りませんでしたか」 知っていたら、オスマンはなんとしてでも阻止しようとしただろう。 シエスタが勤務中まで“飛翔の靴”を履いているのは、学院長直々の要望と聞いている。 「全部署の事情が、直に伝わる訳では無いからのう。ともあれ、あのメイドの事は安心しなさい。悪い様にはせん」 報告を終えて、学院長室を後にする。 ギーシュは本塔を出た。 今回の件は、本家にも報告しなければならないだろう。 オスマンは口添えしてくれる、と言っていた。モット伯はグラモン家の名を出さない、と言ってくれた。あまり、大事には発展せずに済むとは思うのだが……。 だが、モット伯の家臣には多くの犠牲者が出た。死人も出たかも知れない。彼等からの突き上げが有った時、伯爵はどうするだろう。 彼等が犯人に辿り着き、私的な報復に出るのも考えられない事では無い。その場合、的になるのは後盾の無い料理人達だ。 知った事か、と思う。シエスタは助かった。それでいいではないか。 気付くと、ヴェストリの広場だった。 初めて空と決闘した場所。 その後は、しばしば特訓に利用させて貰った。 芝や壁のあちこちにウィールの跡が付いている。 昨晩、料理人達が退散した後、伯爵の寝室に入った。 抜け道を掘ったのがヴェルダンデなら、衛士を誘導して、シエスタと料理人達の逃亡を幇助したのはギーシュだった。 「ええんか。手柄、全部、マルトー供にくれてやって」 その問いを、ギーシュは首肯した。 昨日、空が言った通り、早目にはっきりさせるべきなのだ。 自分はモンモランシーと付き合っている。自分とシエスタとでは住む世界が違う。 もう、出来るだけ会わない様にしよう。 ギーシュはそう決めた。空との決闘に、協力願うのも止めよう。 「ミスタ・グラモン!」 ギーシュの決意は固い。 だから、背後から声を掛けられた時も、振り向く事はしなかった。 「なんだ、君か」 出来る限り、素っ気無い風を装った。 「昨日は有り難う御座います。ミスタ・グラモン」 「何の話だね?厨房の仲間達に助けられたのだろう?礼を言わなくていいのかい?」 返事は無かった。 ウィールの音が、背後にゆっくりと迫って来た。 「……私、言いましたよね。貴族は怖くない、て」 「ああ」 「でも、駄目ですね。いざ、その時になったら、やっぱり……」 「ああ」 「伯爵に組み敷かれた時、私、怖かったんです。とても怖くて……震えちゃって、声も出なくて……」 「ああ」 「その時、厨房の皆や、空さんが来てくれて……伯爵が杖を取られて……」 「ああ」 「このままじゃ、皆が危ない、て……私、夢中でした。咄嗟に手近な物を掴んで……えいっ、て!……」 「ああ」 「それが、ブロンズ像だったんです。それで、伯爵は気を失われて、私も皆も助かったんです」 「その皆には、よく礼を言うといい」 「……でも、変なんですよね」 「……何が?」 嫌な予感がして、声が上擦りかけた。なんとか誤魔化す。 「私、一人でお部屋に入った時、よく見たんです。そこに“青銅”の像なんて無かったんです」 「み、見落としたのだろう」 「それで、後で見たんですけど、陶像が無くなってたんです」 薄い陶器の像だった。殴られれば痛いだろうが、それだけだ。気絶することなど有り得ない。 「……そ、それは、あれだ。うん。ま、間違いなく、君の気のせいであり、十中八九勘違いだ」 動揺を隠そうとして、思わず多弁になる。直後、更なる動揺がギーシュを襲う。 繊手が、そっと指先に触れた。 「ギーシュ様」 ブロンズ像で頭を殴られたかの様な衝撃だった。 「“青銅”のギーシュ様」 シエスタは“青銅”を必要以上に強調した。 ありがとうございます――――甘い声が耳元で囁いた時、腕が柔らかく弾力の有る感触に包まれた。 「ししし、シエスタ?」 声が震えた。 正に鎧袖一触。二つの魔法兵器が誇る絶大なる威力は、“清童”のギーシュが築いた心の防壁を、忽ちに崩壊させた。 「ああ、あのだねえ……ぼ、僕はだね……その……」 「知っています。ミス・モンモランシでしょう」 「あ、あああ。うん。そうなんだ。だ、だかららら……」 「いいんです」 シエスタは言った。 「いいんです。私は二番目でも……信じて、待ってますから……」 息が止まりそうになった。 「終まいには刺されるで」 空の声が、脳裏に蘇る。 艶の有る黒髪が肩に乗った時、ギーシュは決心した。 そうだ――――遺書を書こう。 * * * 放課後―――― 「どうして先に行っちゃうのよ!」 いつも特訓をしている岩場だ。 空の後姿を見付けると、ルイズは唇を尖らせた。 「ここまで歩いて来るの、大変なんだから」 昨晩もそうだ。キュルケ、タバサ共々、風竜で駆け付けはしたものの、厳戒態勢のモット伯邸には降下も叶わず。 どうした物かと悩んでいる内に、邸から現れたギーシュに告げられたのだ。 万事解決だ。もう、心配はいらない―――― 全く。何をしに行ったのか、判らない。 「自分だけで何もかもやって。あのメイドを連れ戻して、さぞ得意なんでしょうね」 不満のあまりに、そんな嫌味が口を衝いて出そうになった時だ。 空は溜息を付いた。 横からひょい、と覗き込む。憮然とした顔だ。 「……なによ、変な物でも食べたの?黄昏ちゃって」 「ワイかて、気分が悪い時くらい有る」 「何か有ったの?」 「どうもこうも、あるかい」 箝口令を敷いたにも関わらず、マルトー達はすっかり浮かれきっていた。 貴族に勝った。貴族に勝った。 秘密だけど、ここだけの話だけど、と、学院中の平民相手に触れ回る。脚色も鮮やかな彼等の武勇伝は、遠からず街の酒場まで漏れ出す事だろう。 これでは、話を収めてくれたギーシュの骨折りが無に帰しかねない。 「全く、しょーも無い奴らや。貴族のボーズに助けられたんも知らんと、いい気になりおって。あれしきの事で、空飛んだつもりになっとる。ホンマ、救いようが無いわ」 「仕方がないわよ」 散々、悪態を吐く空に、ルイズは微笑した。 「“空”なんて、誰でも手が届く物でしょう」 「あん?」 振り向こうとした時、ルイズの手が、ひょい、と帽子を取り上げた。 「本当、空は近いわ。手を伸ばせば、接吻できるくらいに」 「なら、してみるかい?」 「やーよ」 ルイズは帽子を被って見た。ブカブカだ。 「今のあんたはいや。曇り空は御免だわ」 杖を手に、ルイズは手近な大岩に歩み寄った。大岩と言うよりも、岩山と呼んだ方が的確かも知れない。 表面を撫でると、ざらりとした、重く冷たい手触りが返って来た。 「あんた、よその世界から来たんでしょう?」 「信じてへんのやなかったんか?」 「信じてなかったわよ。信じて無かったけど……」 信じざる得ない気がした。 空はあまりに自由だ。あまりに奔放だ。 恐らく、彼の故郷は、階級が無いにも関わらず、人間が獣の群では無く、人でいられる特異な場所なのだろう。 ハルケギニアには、そんな場所は存在しない。 階級に相応しい生活、相応しい装い、相応しい言動を取らない人間は、貴賤を問わず、誰からも相手にされなくなる。 「……私ね。ずっと、“塔”の中に閉じ込められている様な気持ちだった。窓の無い、真っ暗な“塔”――――」 自分は魔法の才が無い。貴族にも関わらず、魔法が使えない。 役立たずを許しておく程、貴族の社会は寛容では無いし、魔法を使えない貴族を受け容れる程、平民の社会は慈悲深くは無い。 お前は要らない――――世界にそう言われている気がした。 「でもね――――」 ある日、暗く息苦しい“塔”の中に、“風”が吹き込んだ。 風を辿ると、細い光が見えた。ぶ厚い“塔”の壁に、僅かな亀裂――――。 ルイズは呪文の詠唱を始める。 イメージするのは擂り鉢だ。爆発のエネルギーを一点に収束する形だ。 閃光が生じた。 熱を含んだ風が吹き寄せる。ルイズの頭から舞った帽子を、反射的に受け止めた時、空は目を瞠った。 岩山越しに、“空”が見えた。 熱量凡そ3000度。超音速のジェット噴流が巨岩を豆腐の様に刳り抜いていた。 成功に、ルイズは安堵の息を漏らす。 「風穴、空けたわよ。“塔”の天辺まで」 ルイズは自慢気な笑みを浮かべた。誇らし気と言うには、あまりに幼く、子供っぽい笑みだった。 さあ、褒めて!驚いて! 悪戯っぽい鳶色の瞳が、素直にそう言っていた。 「……こいつは、おでれーた」 どこかで聞いた科白だ。 事実、空は素直に驚いていた。こんなに早く、成果が上がるとは思っていなかった。 いや、そもそも成果が上がる事自体、確信していた訳では無かった。 この破壊力――――火の系統など及びもつかない。 なるほど、昨日から妙に機嫌が良かった訳だ。 「んー、実は未だ、10回に1回くらいしか成功しないんだけど……“道”は開けた?」 「上等や!」 帽子を被り直しながら、空は笑う。ルイズに負けず劣らず、邪気の無い笑みだ。 イツキと違い、陰謀の絡まない二番弟子の成長は、純粋に喜ばしい物だった。 「“爆風の道〈ブラスト・ロード〉”て所か?目の前に転がる邪魔な小石、全部吹き飛ばして突き進む、お前だけの“道”や。ぴったりやんか!」 「私だけの“道”て事は、当然、一番の使い手は私なんだから、私が“王”よね、“元”王さま?」 ルイズは得意そうに言った。 「この場合は“爆風の王”かしら?それとも“爆発の王”?“ゼロの王”とか言ったら、酷いんだから」 「えー、“ゼロの王”格好いいやん。まあ……爆発やら、爆風は語呂悪いわ。普通は漢字一文字やけど思いつかんし……“破烈の王”なんてどや?」 「“破烈の王”?……別に悪くないけど、どうして?」 「そら、ルイズはすぐ、癇癪、破裂させよるからな」 「な、なによー。それっ」 ルイズは空の股を抓り上げた。 声に笑みが混じった。顔にも笑顔が残った。指先には、まるで力が入らなかった。 仕方なく、胸に肘鉄砲で勘弁してやる事にする。 まるで効いていない。空はにやにや笑っている。 「それに、未だ“王”は早いわ。“破烈の王”候補、て所か?」 「候補、て。私しか居ないじゃない」 「力不足。元王さまが言うんやから間違いない。もっと精進し」 ルイズは膨れた。 まあ、仕方が無い。他系統のトライアングルやスクウェアと対等に渡り合えない現状、“王”はあまりにおこがましいだろう。 だが、方向性は見えた。 何をしていいのかも判らなかったり、本当にこれで良いのかと悩んでいた時期とはもう違う。ずっと気が楽になった。 “塔”から飛び出す事は出来なくても、確かに陽は差した。“空”は見えたのだ。 「そや、ルイズ!滝や!滝見付けたんや!ほな、行くで!特訓や、特訓!特訓特訓クソクソクソら特訓やっっ!」 「何させる気よ」 ルイズは車椅子の握りに手を伸ばす。 春を迎え、陽は一日一日と長くなっていた。 ゆっくりと車椅子を押していると、爽やかな風が頬を撫でて行った。 頭上を仰ぐ。 雲一つ無い空に、ルイズは頬を綻ばせる。 「本当に、気持ちのいい空――――」 ――――To be continued ? 前ページ次ページ虚無の王
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229 名前:発売予告「ゼロの三国志」[sage ] 投稿日:2006/09/22(金) 15 08 51 ID d/9e1u42 「あなたに対する、相応の覚悟を持って望みますわ」 アンリエッタの言葉から、全ては始まった。 光輝満る国の女王、女王アンリエッタが率いるは、トリステイン王国アンリエッタ親衛隊! アン「見てらっしゃいルイズ・フランソワーズ! 誰に喧嘩売ったか教えてあげるわ!」 アニエス「殿下、キャラが壊れてます」 アン「をーーっほっほっほっほっほ! ラ・ヴァリエールがなんなのよ!こっちは王族よおーぞく!」 アニエス「あのー殿下ー?」 愛するご主人様のためなら戦もなんの!シエスタ率いる魅惑の妖精メイド隊! シエスタ「待っててくださいサイトさん! 悪のぺったんこの魔の手から、必ず救い出して見せます!」 ジェシカ「それいけシエシエー!」 シエスタ「頬を染めろ!上目遣いになれ! 貴様らが口からクソ垂れる前と後ろに、『ご主人様』とつけろ! わかったか蛆虫どもっ!」 ジェシカ「はいっ♪ご主人様っ♪」 東の果ての第三勢力!おっぱい帝国からの侵略者!エルフ爆乳同盟! テファ「あのー、私は別にー…」 キュルケ「恋は奪い合ってこそ燃え上がるもの!司令官がそんなんでどーするの!」 テファ「ていうかアナタエルフじゃな」 キュルケ「おっぱいつながりでいいじゃないの!それー、おっぱい!おっぱい!」 テファ「お、おっぱい、おっぱい…」 それを迎え撃つは、その名も知られた、大貴族!ラ・ヴァリエール『サイトは渡さないんだもん』軍! ルイズ「どっからでもかかってらっしゃい! どこの誰だろーが、攻撃呪文でみぃな殺しよっ!」 カトレア「あらあらまあまあ。頑張ってねルイズちゃん♪」 ルイズ「言ってないでちいねえさまも戦うのっ!」 カトレア「それじゃあ、軽く塵といきましょうか♪」 ルイ&カト「をほほほほほほほほほほほほほほ」 サイト「あのー。この場合俺の立場はー?」 デルフ「決まってんじゃねえか。『賞品』」 それを見ていたガリア無能王。 ジョゼフ「言っていいか?余も言っていいか? サイトきゅん萌えーーーーーーーーーッ!!」 シェフィールド「ああっ、ジョゼフ様が壊れたっ!」 タバサ「…萌え」 かくして、才人をめぐる血で血を争う戦いが、今、始まった! ニャンテンドーNii対応ソフト、「ゼロの三国志」、2007年上旬、発売っ! 230 名前:せんたいさん[sage ] 投稿日:2006/09/22(金) 15 09 51 ID d/9e1u42 ごめんなさいもうしませんorz 383 名前:ゼロの三国志 販促CM[sage ] 投稿日:2006/09/25(月) 19 28 11 ID vV01kKiA 〜アンリエッタ親衛隊ハイライトシーン〜 アニエス「機関最大!最大戦速!第一次ガンダールヴ奪還艦隊、旗艦『ヒラガ』、発進!」 部下「イエッサー!」 トリステイン王城がせり上がり、その下から巨大な飛空艇が現れる。 アンリエッタ「総員、対衝撃対閃光防御。機関最大、艦首トリステイン砲、発射!」 旗艦『ヒラガ』から発射される極太の光。 着弾地点で湧き上がるキノコ雲。雲が晴れると、そこには巨大なクレーターが。 そしてその中心には…無傷のルイズ。 マザリーニ「馬鹿な!全力のトリステイン砲の直撃を受けて無傷だと!ラ・ヴァリエールは化け物か!」 〜魅惑の妖精メイド隊ハイライトシーン〜 シエスタ「皆さん、私はサイトさんが好きです。 皆さん、私はサイトさんが大好きです。 厨房で、中庭で、廊下で、お部屋で、トイレで、お風呂で、ベッドの上で。 ありとあらゆるところで出会うサイトさんが大好きです。 (中略) 皆さん!私はサイトさんを。サイトさんの奪還を望みます! あのぺったんこの魔の手から、愛する人を救おうと思います! 協力していただけますか!?」 メイドたち「はいっ、ご主人様っ♪」 シエスタ「よろしい!ならば戦争です!一心不乱の大戦争です!奴らに思い知らせてやりましょう、本当のメイドの恐ろしさというものを!」 メイドたち「はいっ、ご主人様っ♪」 ヴァリエール軍指揮テント内にて。 ヴェリエール軍将校「馬鹿な!女一人に一個中隊が全滅だと!?」 ジェシカ「あらお言葉ね。『女』じゃないわよ」 す、っと突然将校の背後にどこからともなく現るジェシカ。 ジェシカ「私たちはメイド。ご主人様の危機とあらば、どこへでも駆けつける」 将校「な、ならばお前の主人とやらは…」 ジェシカ「我らの主人の名は、ヒラガサイト。さようなら、お馬鹿さん」 ドシュッ 〜爆乳エルフ同盟(以下略 コルベール「故人曰く。 『メカとおっぱいは大きいほうがいい』! その通り!まさにその通り!そこで私は開発したのです、この『オストラント』号を!」 キュルケ「きゃー、ジャン素敵ー♪」 ギ−シュ「あの、コルベール先生の首筋についてるキスマークは」 モンモン「…先生も男だったってことかしら」 炸裂するルイズの『エクスプロージョン』。吹き飛ばされるエルフの戦士たち。 ルイズ「おーっほっほっほっほ!エルフといってもこの程度!?雑魚ね雑魚!」 そして、もう一度放たれる『エクスプロ−ジョン』。しかし、その爆発を、同じ『エクスプロージョン』が打ち消す。 その煙の向こうから現れるティファニア。 ルイズ「あんたはっ…!」 テファ「忘れてた?私も『虚無』なのよ!」 〜ラ(ry カトレア「いますぐ戦闘を止めてください!」 そう言いながら攻撃魔法をどっかんばっかん撃ちまくるカトレア。 カトレア「…無駄な抵抗ですから♪うふふふふふふふふふふふふふふ」 シエスタ「そんな!質量を持った残像ですって!?」 ルイズ「残像じゃないわ!これが、これこそが『イリュージョン』の真の姿! 避けられるかしら?全方位からの『エクスプロージョン』!」 シエスタ「当たらなければどうと言うことはない!」 384 名前:せんたいさん[sage ] 投稿日:2006/09/25(月) 19 29 22 ID vV01kKiA ほら、やらないほうがよかったorz 〜おまけ 裏ルート「サイト脱出」 サイト「今すぐ戦闘を止め、この地域から脱出してください!」 アン「サイトさん!?」 サイト「聞こえますか、トリステイン軍!今すぐ退艦して、この地域から脱出してください! まもなくここは、全力の『エクスプロージョン』で地上から消え去ります!」 アン「なんですって!?」 サイト「あなたは、あなただけはッ!」 ワルド「何を叫ぼうが今更! 人は滅ぶ、自らの生み出した虚無に呑まれてな!」 サイト「それでも、それでもっ…! 俺には、守りたい世界があるんだぁーーーーーーーーー!!」 ガノタでスマソ
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3日目 Navi 今日もすがすがしい朝がやってきました 村の広場の真ん中に食べかけのまま息絶えている コンチさん の遺体が発見されました… Navi 村人の皆様、今日もがんばってください Navi 昼の部スタートです 1 (なび村) TeaRabbit ★占い結果Reranさん真っ白な村人様でした 1 (なび村) noeight ぎゃあああごめんなさあああああいCOしてたの忘れててBBLさん占ってしまった!!〇です! 1 (なび村) コンチ コンチが死んだらダイアロスが爆発する 1 (なび村) TeaRabbit 若葉が見えたので占いました、ほぼ勘ですごめんなさい 1 (なび村) Cindlitta コ、コンチー!! 1 (なび村) BBL 占いCO デュビアさん○でした 理由 寡黙どころも探しておこうという発言がSGを探しているような気がしたので占いました 1 (なび村) Reran コンチさん無実でしたねw 1 (なび村) jinjahime ふむ。コンチさんは村人だったか 1 (なび村) デュビア SG? 1 (なび村) リュファ 【おはようコイン霊媒】今朝は寛永通宝!(ちゃりーん)表が出ました、あかみさとさんは○です! 1 (なび村) しまむらくん ログが早くて追いきれないしまむらくんです 1 (なび村) リヴァイン ○進行ですな 1 (なび村) Cindlitta no8→BBL○ ウサギ→Reran○ BBL→デュビア○ 1 (なび村) Jareky コンチさん、お達しは遺言になってしまわれたか 2 (ゾンビ部屋) コンチ こんちーっす 1 (なび村) しまむらくん 今日は全部○ですか? 1 (なび村) TeaRabbit あえて言うなら ドキドキ と言っていたので 人外かなと 2 (ゾンビ部屋) Navi あかん、ダイアロスが滅ぶ 2 (ゾンビ部屋) コンチ うむ 1 (なび村) noeight ゴメンナサイゴメンナサイ対抗占いゴメンナサイ 1 (なび村) しまむらくん あ、まとめてくれてた。ありがとです 2 (ゾンビ部屋) あかみさと おつかれさまですー 1 (なび村) レリック 対抗占いかーno8視点はBBL狂か 2 (ゾンビ部屋) コンチ そしてねます 2 (ゾンビ部屋) コンチ おやすみーっす 1 (なび村) TeaRabbit ですねー 1 (なび村) Reran あかみさとさん○だとかばったjinjaさんは少し村目でみて良さそうですね 1 (なび村) デジュー noeightさん視点、うさぎさんが狼ですね 2 (ゾンビ部屋) Navi おやすみなさい(´;ω;`) 2 (ゾンビ部屋) あかみさと おおうおやすみなさいませ 1 (なび村) noeight そうなりますね・・・ 1 (なび村) Cindlitta no8さんが狂人だったらどうにもわからなくなりますね 1 (なび村) リヴァイン ですねー 1 (なび村) TeaRabbit うさー 2 (ゾンビ部屋) あかみさと かばったら村目ってのはどうなんだ・・・? 1 (なび村) jinjahime ふむー一番占い先に好感持てるのはウサギさんかな 1 (なび村) リヴァイン ○進行なので今日も適当に指定 ですかね 1 (なび村) TeaRabbit ありがとうございますー 1 (なび村) シエスタSS ミスって対抗占いなんだよな? (T) noeight > うっうっ・・・自分のバカァ・・・・ 1 (なび村) リヴァイン ですね 1 (なび村) デュビア うん 1 (なび村) noeight はいスミマセン・・・ 1 (なび村) しまむらくん ごめんなさい、no8って noeightさんの略であってます? 1 (なび村) リヴァイン あくまで対抗占い ですね 1 (なび村) jinjahime 狂アピに見えるな 1 (なび村) シエスタSS ふむふむ 1 (なび村) Cindlitta ワシは昨日の「どうせなら噛まれたい…」という発言より、ウサギさんをあまり真で見てません 1 (なび村) リヴァイン 可能性としてはなくないですね 1 (なび村) リュファ 真かどうかは別として、ミスは本当でしょう。 1 (なび村) デュビア no8はそうだと思う 1 (なび村) Cindlitta デショウナ 1 (なび村) しまむらくん 了解です、ありがとです 1 (なび村) デジュー 明日、どこを噛んでくるかが重要になるよね。役職噛むのか仮○噛むのかグレー噛むのか 1 (なび村) TeaRabbit 吊られるよりは噛まれたいです、信頼的に 1 (なび村) しまむらくん no8さんなんていないよなーって考えちゃって・・ 1 (なび村) TeaRabbit 狂人か真かですからね 1 (なび村) jinjahime Noeightさんですね 1 (なび村) Cindlitta せめて呪殺出してからとか、少しは前向きな気概を…w 1 (なび村) TeaRabbit 三択な状況よりはましです 1 (なび村) Jareky 後々、考える材料になるって感じで、今はとりあえずいいかな。対抗占い 1 (なび村) デジュー noeightでno8かと略してますね 1 (なび村) リヴァイン 特に追求しなくてもいいですね 1 (なび村) TeaRabbit 呪殺しようと思って出来たためしがありませんw 1 (なび村) シエスタSS せめて占いで早めに動きが欲しいな 1 (なび村) Cindlitta あ、すいません、eightさんだと長いんで8で略させて頂いてます。申し訳ない 1 (なび村) noeight あ、で、本日の吊りは・・・? 1 (なび村) リヴァイン ●ほしいですねー 1 (なび村) シエスタSS 黒田氏なり呪殺なり 1 (なび村) TeaRabbit 呪殺狙うと疑われますしね~ 1 (なび村) しまむらくん !! 納得です ありがとです>デジューさん 1 (なび村) noeight 大丈夫です。もともとNo.8のつもりなのでw 1 (なび村) リヴァイン じゅさつ今の段階で出ちゃうと狼が有利になりそうなのであまり狙うのはお勧めしません 1 (なび村) Reran 呪殺欲しいからできれば狐ありそうなとこの指定は避けてほしいですが、今のところは見当つかないですよね 1 (なび村) デジュー 完グレから指定してきましょうか。狩人当てないようにね 1 (なび村) Jareky SK8ERで、スケーターというのがありました。 1 (なび村) リュファ 今のところ指定候補はレリさん、デジュさん、シエスタさん、しまむらさんあたりに狙いをつけています・・・(決定ではありません。) 1 (なび村) Reran 狐っぽいとこ=狩人もありますし Navi 5分経過(後2分) 1 (なび村) TeaRabbit ふむー 1 (なび村) Cindlitta ふむん 1 (なび村) レリック ウチは無職だよちなみに 1 (なび村) リヴァイン 無駄占いの可能性もありますしねー 1 (なび村) しまむらくん じぶんも役職ないですー 1 (なび村) jinjahime ふむージャレさんシエスタさんリヴァインさんあたりが気になるかなぁと 1 (なび村) リヴァイン ほむほむ 1 (なび村) Cindlitta んー 1 (なび村) デジュー 狩人CCOも場合によっては有効そう。狩人いなくてもすぐ占い噛みに来ないと思うし 1 (なび村) BBL なんかCOなしっぽい発言になってるけどどうします? 1 (なび村) シエスタSS 特に反論が思い浮かばねぇw 1 (なび村) Jareky 絞りこんだほうがいいよね 1 (なび村) リヴァイン まぁ○進行ですしねぇ・・ Navi あと1分 1 (なび村) デュビア 狐がいるからねー 1 (なび村) Cindlitta 今日に限って言えば 1 (なび村) デジュー 素村COは狩人透けるからやめましょうねー 1 (なび村) jinjahime 白っぽい雰囲気で村狐っぽいなと思います>私の上げた三人 1 (なび村) Reran noeightさんのミスにツッコむ人は見当たらずと 1 (なび村) Cindlitta レリックさんが寡黙っぽいかなぁ? 1 (なび村) デュビア 結構最初のほうに突っ込んだよ 1 (なび村) TeaRabbit 狩人が村COしているのかもですよー 1 (なび村) Jareky 寡黙から多弁までいるって感じですね 1 (なび村) レリック うちもCOしてからやめればよかったって思った>村CO 1 (なび村) しまむらくん 村人いっちゃだめなのか、ごめんなさい Navi 20秒前 1 (なび村) リヴァイン あぁ大丈夫ですよ 1 (なび村) デジュー noeightさんはBBL○を有効に利用してくれればいいさ 1 (なび村) リヴァイン それより指定を・・・ 1 (なび村) Cindlitta 指定あります? 1 (なび村) Reran 今日の吊りを間違えると呪殺出ない限り吊り余裕がなくなるのでリュファさん頑張って~ 1 (なび村) TeaRabbit はれ?指定は 1 (なび村) デュビア まだないね Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) Navi 投票は私に直Tellでお願いします 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 3日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- 3 (GREEN) リヴァイン ほほぉう (T) Cindlitta > レリック 吊りで! 3 (GREEN) リヴァイン 霊媒に集めてみる?w 3 (GREEN) しまむらくん 村っぽくないかなーこわいよー 3 (GREEN) TeaRabbit 誰吊ろうかなっ 3 (GREEN) TeaRabbit 行ってみましょうかw (T) jinjahime > 投票>レリックさん 仕方ない 3 (GREEN) しまむらくん 霊媒よせしますか? 3 (GREEN) リヴァイン ワンチャンかけてみようw 3 (GREEN) しまむらくん りょうかいですー 3 (GREEN) リヴァイン リュファさんだっけか (T) noeight > 指定ない?とりあえずTeaRabbitさんで (T) デュビア > シエスタSSさんでお願いします (T) BBL > 占い吊りたいなあということでnoeightさんに投票します (T) しまむらくん > リュファさんに投票しますー (T) リュファ > しまった、発言の様子見てたら決定言うの忘れた・・・ と、とりあえずシエスタさんで。 (T) シエスタSS > なんかつられそーレリックさんに入れとくか (T) TeaRabbit > リュファ様に一票お願いいたします (T) Jareky > デジューさんに投票 (T) リヴァイン > リュファさん 3 (GREEN) しまむらくん 投票してきたー (T) レリック > しまむらくんかなー 3 (GREEN) リヴァイン 投票してきたー 3 (GREEN) リヴァイン つれたらラッキーすぎるなぁw 3 (GREEN) TeaRabbit 占い先は指定された誰かにしましょう 3 (GREEN) リヴァイン ですね 3 (GREEN) しまむらくん レリックさんが役なし発言してたから便乗してのってみたけど 3 (GREEN) リヴァイン その辺からが無難です (T) Jareky > ニンジャー、もう少し絞りこむように導いて欲しかったヨ 3 (GREEN) しまむらくん 怪しくないかなあうあうあー 3 (GREEN) リヴァイン あーまぁ問題ないですよ (T) デジュー > リヴァインさん投票で (T) Reran > Cindlittaさんに投票します レリック3 TeaRabbit1 シエスタSS2 noeight1 リュファ3 デジュー1 しまむらくん1 リヴァイン1 Cindlitta1 3 (GREEN) リヴァイン まぁさすがに霊媒吊れないでしょうから自分に●うって身内ギリもありですね 3 (GREEN) リヴァイン 噛みはどうしようかなぁ 3 (GREEN) しまむらくん 今度はデジューさんかみますか? Navi 20秒前 3 (GREEN) リヴァイン んー 3 (GREEN) リヴァイン グレー8で残りが6吊り・・・ 3 (GREEN) TeaRabbit 姫様が狼見抜いていますね 3 (GREEN) リヴァイン ジンジャさんですか Navi またお伝えし忘れてました 3 (GREEN) TeaRabbit そこを噛んだら怪しすぎますがw 3 (GREEN) TeaRabbit ですね 3 (GREEN) しまむらくん ですねー デュビア ざわ・・・ざわ・・・・ Cindlitta 同数フラグのお知らせ。 Navi なび村独自ではありますが リュファ ? レリック 同数かー Navi 同数について TeaRabbit うさ? Navi 投票が同数だった場合、3分間の延長議論の後、再投票をお願いいたします リヴァイン 同数かー Navi 再投票は1日に3回までとなり、これで決着が付かない場合、 Navi Navi子が蘇って村を支配します noeight なびこ? Jareky 税金1.75倍はいやだ Navi 逆らうことはできません しまむらくん !? Navi 税金は1.75倍です Navi お菓子と天丼は全て没収です 3 (GREEN) リヴァイン レリックさん入れたことにします しまむらくん お菓子もってっちゃだめー! Navi すなわち、全ての陣営の負けになります Jareky 天丼も? 3 (GREEN) TeaRabbit シエスタさんに入れましたー Reran お菓子とられちゃうのはいや~ Navi 天丼も 3 (GREEN) TeaRabbit でいきます リュファ ポテロングが!? jinjahime わたしのにんにくせんべい>< 3 (GREEN) しまむらくん どうしよっかな・・・ Navi と、いうことで Navi 投票同数が出ました 3分間の延長議論の後、再投票をお願いいたします 3 (GREEN) しまむらくん レリックさんでいいのかな 3 (GREEN) TeaRabbit あ、今喋ったら駄目かな? Navi 議論スタートです 3 (GREEN) リヴァイン おk 3 (GREEN) Navi こちらの会話一時ストップです 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 3 (GREEN) しまむらくん あ、どうなんだろう? 1 (なび村) Cindlitta まあ、あるかなとは思ったヨ 1 (なび村) Reran よかった~~ 1 (なび村) レリック ウチorしまむらさんで分かれたのかな、とりあえず考える時間が増えてよかった 1 (なび村) リヴァイン あっぶねぇ 1 (なび村) シエスタSS まあしていなかったしちょうどいいな 1 (なび村) jinjahime 時間なかったから同数はGJ 1 (なび村) BBL 危なかったですね 1 (なび村) デュビア リュファさん指定ありますか? 1 (なび村) デジュー リヴァインさんに投票したよ。狐銃殺は後にして●探ししてほしいって発言が気になった 1 (なび村) noeight で、指定はどうなります? 1 (なび村) TeaRabbit OKOKです 1 (なび村) しまむらくん もう一回話し合い了解です 1 (なび村) リュファ ごめんなさい。発言の様子見てたら決定言うの忘れてました 1 (なび村) リヴァイン ドンマイ 1 (なび村) Reran 候補の方にいれると寄せられて村が吊られそうだったので票はいりそうにないところに入れておきました 1 (なび村) jinjahime レリックさんとしまむらくん あたりでわかれたのかな? 1 (なび村) リュファ とりあえず、 1 (なび村) デュビア ああ 投票さきいいますか 1 (なび村) Jareky 5%を1.75倍にして8.75% 、Naviこきっと計算できないヨ 1 (なび村) Reran 自分はCindlittaさんに 1 (なび村) Cindlitta アフン 1 (なび村) jinjahime レリックさん 1 (なび村) Jareky デジューさんに投票しました 1 (なび村) リヴァイン レリックさんに入れました 1 (なび村) TeaRabbit あ、いいます? 1 (なび村) レリック しまむらさんに入れた 1 (なび村) デュビア シエスタさんに 1 (なび村) TeaRabbit シエスタさんに 1 (なび村) しまむらくん れりっくさんにいれました 1 (なび村) Cindlitta ワシはレリックさんに。候補の中では寡黙目だったので 1 (なび村) BBL しまむらさんにいれました 1 (なび村) noeight 投票先公開? 1 (なび村) Reran Cindさんは怪しいではなく票が入らないと思ったので 1 (なび村) リュファ 候補がJINJAさんと被ってて、反論もないシエスタさんにしたいとも思うのですが。 1 (なび村) noeight 自分は視点黒のうさぎさんでした。指定なかったので。 1 (なび村) TeaRabbit えっと数あっています? 1 (なび村) リュファ (でもJINJAさんの罠かも?) 1 (なび村) リヴァイン 全員言ってないからあってないかと 1 (なび村) Cindlitta シエスタさんはあまり人外臭は感じませんが… 1 (なび村) Reran jinjaさんは今のとこは信用できるかと思います 1 (なび村) リヴァイン まぁとりあえず指定きいと来ましょう 1 (なび村) Jareky Jinjaさんの候補は占い先候補のような気がする。(村or狐視ってことで) 1 (なび村) リヴァイン また時間切れは怖いです 1 (なび村) jinjahime 指定はいいけど、私の誘導も信頼しすぎないでね?>リュファさん 客観視点として、私は完全グレーだから 1 (なび村) しまむらくん おやつ没収怖いです Navi あと1分 1 (なび村) noeight 指定誰ですか? 1 (なび村) リュファ では候補全部外していいですか? 1 (なび村) しまむらくん 誰に投票すればいいですか? 1 (なび村) リヴァイン どうぞ 1 (なび村) Cindlitta あ、はい、指定をお願い致します 1 (なび村) jinjahime リュファさんにまとめはおまかせします 1 (なび村) Reran あと1分なので指定しちゃってください~ 1 (なび村) リュファ リヴァインさんに。 1 (なび村) リヴァイン はい 1 (なび村) jinjahime 了解です 1 (なび村) Jareky ちゃぶ台返しOK Navi 20秒前 1 (なび村) シエスタSS kk 1 (なび村) リヴァイン COないです 1 (なび村) noeight 了解です。 1 (なび村) Cindlitta 了解しました 1 (なび村) TeaRabbit はいな 1 (なび村) レリック 了解ー 1 (なび村) しまむらくん 了解ですー 1 (なび村) デジュー シエスタさん占って欲しいかな (T) サイア > GK出たら、すもさん狐可能性もあるけど、即告発可能はポジになるしなー Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート Navi 投票は私に直Tellでお願いします 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- (T) Cindlitta > リヴァイン 吊りで! 3 (GREEN) TeaRabbit いやあああああああああ 3 (GREEN) リヴァイン うーんくさかったかなぁ 3 (GREEN) しまむらくん あばばば (T) サイア > GKってなあに? (T) リュファ > リヴァさん。 (T) noeight > リヴァインさん (T) サイア > GJでした (T) Reran > リヴァインさんに投票します (T) レリック > シエスタさんだねー 3 (GREEN) リヴァイン しゃべりすぎたかも? (T) Jareky > リヴァインさんに投票 3 (GREEN) しまむらくん うちもそのうち吊られそうこわい 3 (GREEN) TeaRabbit 身内切りは無理、しまむらくんさんを占われたらアウトです (T) デュビア > りヴァインさんでお願いします (T) jinjahime > 投票>リヴァイン ごめんにゃー 3 (GREEN) リヴァイン 票寄席は多分無駄なのでサクっといきましょう 3 (GREEN) リヴァイン いえ 3 (GREEN) リヴァイン 逆に身内ギリアリです (T) デジュー > シエスタさんに投票してみようっと 3 (GREEN) しまむらくん さっきのグレーだったから占ってみようーがきそうでこわい 3 (GREEN) TeaRabbit 信頼勝負? 3 (GREEN) リヴァイン 2wで身内ギリするなんて多分誰も思わないハズですからね 3 (GREEN) しまむらくん 自分切って真信頼狙いいきますか? (T) レリック > 間違えたー、修正効くならリヴァインさんにー 3 (GREEN) TeaRabbit 既に怪しいのですけれど僕・・・ (T) BBL > リヴァインさんに投票します 3 (GREEN) リヴァイン 今日霊媒噛めなかった場合 それも視野にいれるといいです (T) シエスタSS > リヴァさんで 3 (GREEN) TeaRabbit この後全く黒出せなくなって (T) > レリック 変更了解です (T) しまむらくん > リュファさんにだめもとでいれます 3 (GREEN) TeaRabbit 詰みそうな気が>< 3 (GREEN) リヴァイン 残り2wですからね 3 (GREEN) TeaRabbit 前に計算間違って負けたトラウマがー 3 (GREEN) リヴァイン しまむらさんに●出すのは後半がよいでしょう 3 (GREEN) TeaRabbit はいなー Navi あと1分 3 (GREEN) しまむらくん それまで村っぽくちんまりしてます 3 (GREEN) リヴァイン 身内ギリするなら ですけどねw 3 (GREEN) TeaRabbit 投票は・・・ 3 (GREEN) リヴァイン とりあえず票は適当にデジューさんにでも寄せましょう 3 (GREEN) TeaRabbit はいな (T) リヴァイン > デジューさん (T) TeaRabbit > デジュー様に一票お願いいたします リヴァイン10 シエスタSS1 リュファ1 デジュー2 3 (GREEN) しまむらくん あわててリュファさんのままにしちゃった(´・ω・`) 3 (GREEN) リヴァイン www 3 (GREEN) リヴァイン まぁ問題ないですw (T) シエスタSS > でじゅこ許さん!なんて怖いこと言うんだ!溶けちゃうじゃない! 3 (GREEN) リヴァイン どーせかてないのでw 3 (GREEN) しまむらくん ごめんね; 3 (GREEN) リヴァイン いえいえw 3 (GREEN) リヴァイン んじゃ頑張ってください 3 (GREEN) しまむらくん がんばるます 3 (GREEN) しまむらくん うさぎさんの胃も心配。 3 (GREEN) リヴァイン がんばれw 3 (GREEN) TeaRabbit どくどくいってるー 3 (GREEN) しまむらくん うちも手がぷるぷるだー Navi さよなら リヴァインさん …あなたの勇姿は忘れない リヴァイン (」・ω・)」じんー!(/・ω・)/ろー! Navi 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です Navi 役職の方は私にTellお願いします (T) noeight > 占いです。デジューさんの正体は何でしょうか? 3 (GREEN) しまむらくん どうしよう 2 (ゾンビ部屋) リヴァイン おつかれいー 2 (ゾンビ部屋) あかみさと おつおつー 3 (GREEN) しまむらくん 噛む人決めないとだった 2 (ゾンビ部屋) リヴァイン 変な指定で吊られたなぁw (T) > noeight デジューさんはごく普通の村人だったのです!○ 3 (GREEN) TeaRabbit アグアグこわいひとだ~れ? (T) BBL > 狂人です 占い吊れなかったなあ 残念 3 (GREEN) TeaRabbit とりあえずシエスタさんに白出します (T) noeight > うぐぅ…了解 3 (GREEN) しまむらくん ううーんデジューさんがやっぱり場慣れしてひっぱっていけそうなきがする 3 (GREEN) しまむらくん かぷかぷしちゃいます? 3 (GREEN) しまむらくん 白りょうかいですー 2 (ゾンビ部屋) リヴァイン 多弁で吊られたと予想 3 (GREEN) TeaRabbit いいですよー考えている余裕ないですw Jareky LD,ニンジャー 3 (GREEN) しまむらくん かぷかぷてるしますね。 Navi すとーっぷ デジュー LDだね デュビア アイエエエエ! jinjahime すとっぱ 3 (GREEN) しまむらくん すとっぷだった レリック ピタっ リヴァイン あらら Cindlitta ニンジャーがリアル霧がくれの術を しまむらくん LD? Navi chの会話もとめてくださいね~ Navi お戻りになるまでちょっと待ちましょう~ しまむらくん はーい レリック 今のうちにおやつの補給をー Cindlitta 雪もふってきたことですしウサギさんをなべに… noeight ハッその手があったか! Jareky 絶対没収されたくないぬ TeaRabbit なんでやねん!∑(´□`;) jinjahime うさぎさんのボディカイロ(つ・ω・(-ω-*)もふもふ 1 (なび村) リュファ ごめんなさいー jinjahime ちょっとその毛皮の中に入れておくれよ 1 (なび村) Navi おかえりなさ~い 1 (なび村) Cindlitta 復活ッ!ニンジャー復活ッ! 1 (なび村) しまむらくん おかえりなさいー TeaRabbit /(・ x ・)\そのうちにー 1 (なび村) jinjahime おかえりですー 1 (なび村) Navi お迎え参りますね 1 (なび村) noeight おかえりなさい! 1 (なび村) リュファ いま木工前です。 レリック チャック着いてると便利だに 1 (なび村) デジュー おかえりー Naviはリュファに手を振った 1 (なび村) デュビア おかか~ リュファはNaviにうやうやしく礼をした Navi あるたー リンchan ですねぇw 1 (なび村) Reran おかえりなさい 1 (なび村) BBL おかえりなさい デュビア Killモーフ TeaRabbit あかぐろぐろです リュファはおじぎをした jinjahime ピタッ Navi それでは リュファ すみません jinjahime いえいえーしょうがないです Navi 夜時間残り4分のところから再開いたしましょう! Jarekyは眠りについた jinjahime _(´ω`_[___] Navi それではよーい Navi すたーと! Cindlitta ニンジャーは滅びぬ!何度でも蘇るさ! 3 (GREEN) しまむらくん わんわん、続きですね (T) jinjahime > こたつむりCO_(´ω`_[ ̄ ̄ ̄] 3 (GREEN) しまむらくん デジューさんかぷかぷのTELLしてきますー 3 (GREEN) TeaRabbit どうしたらいいか分からなくなってきましたっ 3 (GREEN) TeaRabbit はーい (T) リュファ > ・・・ではあらためて、リヴァさんの遺体検査を。 3 (GREEN) しまむらくん うさぎぱわー! (T) しまむらくん > デジューさんをかぷかぷします。何味かなー? (T) jinjahime > メタ的にはうさぎさん妄信したいけどね (T) > リュファ リヴァインさんはなんと真っ黒な狼だったのです!● (T) リュファ > うわー!! 3 (GREEN) しまむらくん かぷかぷお伝えしてきましたわん 3 (GREEN) しまむらくん にしてもこの後どうしましょうね、ほんと・・・ 3 (GREEN) しまむらくん 疑われないのって難しい。 (T) > しまむらくん 今日はデジューのおろしカツよ~! (T) jinjahime > レランさんが囲われてるんじゃないかって気がしてる。デュビアさんは村っぽい 3 (GREEN) TeaRabbit パターン考えすぎて、よくわからなくー (T) しまむらくん > さっぱりでご飯がすすむね! 3 (GREEN) しまむらくん 騙り大変そうだー 3 (GREEN) しまむらくん お狐も倒さないといけない・村もぱくぱくしないといけない 3 (GREEN) しまむらくん 狼って忙しい! 3 (GREEN) TeaRabbit お狐は・・・もう気にしない! Navi あと1分 3 (GREEN) しまむらくん ぱくぱくできたらいいよね! 3 (GREEN) しまむらくん 無害な村人なりきりがんばるよー 3 (GREEN) TeaRabbit ああ、なんだか嫌な予感しかしません 3 (GREEN) しまむらくん ダーマ神殿にいこう・・・ 3 (GREEN) TeaRabbit 一緒に行こうか・・・ Navi 20秒前 3 (GREEN) しまむらくん さっきの村は自信満々だったのになーむずかしい! 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 2日目へ 4日目へ
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3日目 Navi 今日もすがすがしい朝がやってきました 村の広場の真ん中に食べかけのまま息絶えている あかみさとさん の遺体が発見されました… Navi 村人の皆様、今日もがんばってください あかみさと うおおおおおおお!駄目だ駄目だ全然駄目だぜええええ!! Navi 昼の部スタートです 1 (なび村) メルーファ ベグり・・? 1 (なび村) Jareky 【占いCO】すもでんぱさんは村パンダでした。○です。発言少なめというのが気になったのと、味方だと頼りになりそうだと思い、占いました。 1 (なび村) Akizuki おはですー 1 (なび村) リュファ 【おはよう霊媒】てんとう虫の死骸から毒素が検出されました・・・ナナツさん、●です!! 2 (ゾンビ部屋) Navi ばとらさん・・・ 1 (なび村) SEIRIOS うわー・・・ 1 (なび村) glimmakin おはようございますー 1 (なび村) jinjahime ふーん? 1 (なび村) ほしくん おはようございますー 1 (なび村) jinjahime そうくるのねー 1 (なび村) メルーファ ナナツさん●なのかー 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ くそうニンジャーめぇ・・・ 1 (なび村) glimmakin ナナツさん黒ですねー 1 (なび村) SEIRIOS 順当なのであんまし参考にならない● 1 (なび村) jinjahime 真狼-狂真もあるかな? 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ いいぞSEIさん 1 (なび村) シエスタXX まあ今日はニンジャでいいかな 1 (なび村) リュファ 結果をそのまま伝えてるだけなので 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ そうだぞ 完遂だぞ 1 (なび村) glimmakin これでリュファさん吊れば人外1は連れますね 1 (なび村) ほしくん まあ黒出るよなー 1 (なび村) メルーファ ナナツさんが狂人だと思ってたのに・・! 1 (なび村) jinjahime ニンジャ→ジャレで 1 (なび村) リュファ ・・・やっぱりそうなるんですか。 1 (なび村) jinjahime 2吊りあまりました 1 (なび村) すもでんぱ 黒なら霊媒は用済み 1 (なび村) Akizuki ですね 1 (なび村) SEIRIOS 安全のためにリュファさん吊り、かな? 1 (なび村) ほしくん うーん 1 (なび村) メルーファ 狩人保護をかねて、リュファさん吊りでおkですね 2 (ゾンビ部屋) あかみさと _( 3」∠)_うわあああああ 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ いらはーい 2 (ゾンビ部屋) あかみさと はっ なんだ夢か 1 (なび村) シエスタXX 残ったジャレさんはどうだろう 2 (ゾンビ部屋) あかみさと お邪魔します 2 (ゾンビ部屋) リンウ 狼のえさ・・ウフ 2 (ゾンビ部屋) sunesuki おはよう! 2 (ゾンビ部屋) Navi おいでまし~ 1 (なび村) jinjahime 占い噛みきってくれると楽なんですけどね 1 (なび村) ほしくん まあローラー完遂の方向でいいのかな? 1 (なび村) シエスタXX 狂なのかな 1 (なび村) glimmakin Jareさんはぎりぎりまで残したいですね 1 (なび村) jinjahime 真狂狼ぜんぶあるね 1 (なび村) glimmakin 真の可能性があるので 1 (なび村) すもでんぱ 10>8>6>4 1 (なび村) jinjahime 黒引いてくれれば、黒吊って、終わらなければということも出来ますね 1 (なび村) すもでんぱ 狼の可能性あるとしても1日は残せる 2 (ゾンビ部屋) サイア (いらっしゃいましー) 1 (なび村) ほしくん 多分占いの方に狂と真、霊媒に狼と真、科と考えてるんですが 1 (なび村) glimmakin ですです 1 (なび村) Jareky 狂人、狼が出てるとして、1潜伏だよね。それを見つけるのが自分の仕事です 1 (なび村) jinjahime 今日はリュファ吊り 1 (なび村) シエスタXX もしもジャレさん狼なら 1 (なび村) シエスタXX もう明日吊らないとキツイよね 1 (なび村) ほしくん まあ今日はローラー完遂でいいよね 1 (なび村) SEIRIOS 今日はリュファさんとして、その先を考える方向? 1 (なび村) glimmakin そうですね 1 (なび村) シエスタXX 俺は明日黒でなければ 1 (なび村) リュファ ・・・なにか遺言残したいけど、どうしよう・・・ 1 (なび村) Jareky 潜伏狼をあぶり出す議論をしてほしいです 1 (なび村) シエスタXX ジャレさん釣りたいけどな~ 1 (なび村) メルーファ 今日リュファさん吊って、明日グレー吊って、その次にJareさん? 1 (なび村) glimmakin 一回グレーはさめるはずです 1 (なび村) ほしくん 対抗してきた真占いを潰したって可能性も 1 (なび村) jinjahime 今日、リュファさん吊って、占い結果見て決めます 1 (なび村) シエスタXX 一回グレー挟めるのか Navi 5分経過(後2分) 1 (なび村) ほしくん ふむ 1 (なび村) シエスタXX うーん 1 (なび村) Jareky 役職には狼と狂人が出ているのでそれらはローラで吊れます。残る潜伏狼のヒントを出すような議論を 1 (なび村) jinjahime 黒引いたら、黒吊り→ジャレ吊りでおk 1 (なび村) SEIRIOS 結果待ちの部分が多いんだね 1 (なび村) シエスタXX 白もらったすもさんの意見聞きたいかも 1 (なび村) すもでんぱ ん? 1 (なび村) ほしくん まだ色々解ってないからなー 1 (なび村) glimmakin すもさん静かだったんですよね 1 (なび村) リュファ グレーはさみ案のメルさんは村っぽい・・・? 1 (なび村) すもでんぱ 片白だからうちの意見言っても無駄だと思うよ? 1 (なび村) ほしくん すもさんは誰が怪しいと思ってます? 1 (なび村) jinjahime で、発言が少ないところだと、AKIZUKIさん Navi あと1分 1 (なび村) すもでんぱ あかみさとさんが真の可能性あるしね。 1 (なび村) Akizuki ふむそんなに話してないかな・・・ 1 (なび村) ほしくん 食われましたしね 1 (なび村) すもでんぱ それを承知でなら 1 (なび村) すもでんぱ SEIさん。 1 (なび村) Jareky とりあえずはすもさんが噛み合わせにならずによかったと思ってる 1 (なび村) jinjahime 真狼で対抗食い、リュファ狂-ナナツ真もあるね>可能性 1 (なび村) SEIRIOS 占いが真狂なら狼に真占いは見抜けてなかったろうし・・・まだわからないねー Navi 20秒前 1 (なび村) すもでんぱ ま、明日だな 1 (なび村) リュファ 翌朝Jareさん狙われないんでしょうか。 1 (なび村) jinjahime 真狂ならベグだね Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート Navi 投票は私に直Tellでお願いします 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 3日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- (T) メルーファ > リュファさんに投票します (T) SEIRIOS > リュファさんに投票します (T) すもでんぱ > ニ、ニンジャー (T) シエスタXX > ニンジャーで 3 (GREEN) glimmakin 誤爆注意っと (T) ほしくん > リュファさん投票でー (T) Akizuki > リュファさん吊りで 3 (GREEN) glimmakin ナナツさん即吊れ痛すぎでしょうwww (T) jinjahime > 吊り投票>リュファ ふむー (T) Jareky > リュファさんに投票 3 (GREEN) glimmakin ベテランさんがあああ;; (T) リュファ > ・・・とりあえず・・・SEIさんにでも。 3 (GREEN) glimmakin まあ今日の噛みは通って良かったです 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ もはや カールをあけなければいけない 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ チーズ味 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ ばりっ 2 (ゾンビ部屋) sunesuki うぐぅ・・・うらやましい・・・ 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ もぐもぐ (T) glimmakin > リュファさんでお願いします リュファ9 SEIRIOS1 2 (ゾンビ部屋) リンウ このゲームは予想が大はずれだったときとかが面白いのだろうか・・w 2 (ゾンビ部屋) Navi 村に残ってる時間が長いほど心臓に負担がかかるゲーム?w Navi さよなら リュファさん …あなたの勇姿は忘れない 2 (ゾンビ部屋) あかみさと 村同士が潰しあうのを楽しむゲーム Navi 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です リュファ ぎゃーやられたー・・・というのは嘘!! Navi 役職の方は私にTellお願いします リュファは闇にまぎれて村から逃走した!! 2 (ゾンビ部屋) Navi 逃げたw 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ さすがニンジャー汚い! (T) Akizuki > Jarekyさんの護衛につきまう (T) > Akizuki しっかりまもってあげてね! 1 (なび村) Akizuki はい~ 1 (なび村) Akizuki ・・・ 2 (ゾンビ部屋) サイア なにやら誤爆っぽい (T) Akizuki > ・・・了解です (T) Jareky > SEIRIOSさんを占います 2 (ゾンビ部屋) Navi ニンジャーにいわれてすぐプリッツ買いに行ったけど 2 (ゾンビ部屋) Navi あんまおいしくなかった・・・ 2 (ゾンビ部屋) リュファ ・・・ありゃ。 (T) > Jareky SEIRIOSさんはごく普通の村人でした!○ 2 (ゾンビ部屋) Navi おいしかった? 2 (ゾンビ部屋) リュファ ・・・もしかしてなびさん、チーズ風味が苦手なんじゃ? 3 (GREEN) glimmakin 誤爆こわw 2 (ゾンビ部屋) リュファ 割といけると思いました。 3 (GREEN) glimmakin 狩人日記かきかきっと 2 (ゾンビ部屋) Navi チーズ自体は好きなんだけど 2 (ゾンビ部屋) Navi ダメなチーズもある感じ 2 (ゾンビ部屋) リュファ 好みのわかれる味かも。 (T) Jareky > 寝言が気にはなるが、あえて外したけど。うむ 2 (ゾンビ部屋) Navi ほかのはもう売り切れてました! 3 (GREEN) glimmakin 誰かもうかなー (T) メルーファ > リュファさん真、ナナツさん狼に思考転換! 3 (GREEN) glimmakin すもさんかんでみよっと (T) glimmakin > すもさんをかみかみします (T) > glimmakin おいしくたべてね! 2 (ゾンビ部屋) リュファ 他は売り切れ。・・・ネタ?自体は好評だったのかな。 2日目へ 4日目へ
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トリステイン王宮の最奥にある女王の寝室では、その部屋の主が悩ましげな溜息を漏らしていた。 窓際で2つの月を見上げ、祈りを捧げるかの様に手を胸の前で組んでいる。 (……サイト…さま) その時、雲が不意に月を隠した。 (あぁ…サイトさま…わたくし…わたくし…) ラ・ヴァリエールから帰ってきて以来、毎夜こんな調子である。 彼女がこうなってしまったのに、原因は2つ有った。 1つは、数日前から見続けている夢。 もう1つは、ラ・ヴァリエールからの帰りに起きたのだった。 「あ、あの…女王陛下…」 顔面を蒼白にしながらシエスタが口を開いた。 ルイズの実家からの帰り道、本来ならありえない事なのだがアンリエッタ、ルイズ、サイト、シエスタは同じ馬車に乗っていた。今回の訪問は公式では無い。折角だから普段では味わえない同年代たちとの相乗りを楽しみたい、とのアンリエッタのたっての希望があったからだ。御者に背を向ける形でサイトが座っており、その横にルイズ、前にはアンリエッタ、そしてルイズの前にシエスタが座っていた。ちなみに来る時も同じ理由で同じ席順だった。 「どうなさいました?」 「き、きき、昨日はとんだご無礼を、お、おお、お許し下さい」 昨日の無礼、それは酒を飲んだシエスタがアンリエッタを無理やり宴に引っ張り込み、更には同じメイド仲間と話すが如く馴れ馴れしい態度で接してしまった事だった。確かに、いちメイドが国の頂点に君臨する者に対するソレでは無かったが、アンリエッタは気にする風は無かった。 「大丈夫、気にしていませんわ。それに…」 そこで視線をサイトに移す。 「昨日の主役はサイト殿です。わたくしは単なる傍観者として参加していたに過ぎません。女王としてではなく、彼を知る1人の女として」 そういって微笑を浮かべシエスタを振り返る。 しかし、その言葉を聞いて、3人はそれぞれ違うことを考えていた。 (彼を知るですってー!姫さまってば『わたくしの騎士じゃない』なんて言っておきながら… も、もしかしてこの犬ってば嫌がる姫さまに無理やり…) (サイトさんってば、もう女王陛下と…) (な、何を言い出すんだ、この姫さまは…) サイトが隣を見ると、案の定ご主人様はどす黒いオーラを纏っていた。 (あちゃー、やっぱ勘違いしてるよ) 「あの、姫さま?その言い回しはどうかと…」 サイトの訴えに、しかしアンリエッタは『わたくし何か間違ったこといいましたかしら?』とでも言う様に平然としている。 「ひ、姫さま、その…彼を知るって、どういう…」 「あら、何を言ってるのルイズ。あの時あなたも居たじゃないの」 「……へ?」 「わたくしが偽りのウェールズ様と行こうとしたとき、サイト殿は怪我を負いながらも止めてくださいました。そしてルイズ、あなた の虚無が無ければ……」 その時、数滴の雨粒が窓を叩いた。 馬車はおりしも街に差し掛かろうとしていた。 「あら、雨」 シエスタがいち早く気付くと同時に、その勢いは激しさを増していく。 突然の雨に、街を行く人々も騒ぎながら近くの軒下へと駆け込んでいく。 「わたしたちも一旦近くの宿で雨をしのぎませんか、姫さま」 御者を気遣ってかルイズが提案するが、反応は返って来ない。見ると、アンリエッタは小刻みに震えており、その震えはだんだんと大きくなっている様だった。 「姫さま、どうなさったのですか?」 その様子を見ていたサイトはハッと思い出し、座ったまま勢い良くアンリエッタの手を引き寄せ、力強く抱きしめた。 いきなりの展開に呆然としていたルイズだったが、我に返ると 「あ、あああんた、いいいいきなり姫さまになんて事してんのよ」 とサイトの耳をひっぱり叫ぶ。 「サイトさん、いきなりどうしちゃったんですか?」 シエスタも状況をつかめておらず、おろおろしながら2人を見るしか出来ないでいる。 しかし、サイトは周りの反応などまるで気にした様子も無く、更に抱きしめる力を強めた。 「大丈夫、大丈夫ですから。俺は、俺とルイズはここに居てますから」 「あんた、何言ってんの?いいから姫さまを離しなさいよ」 耳を引っ張る力を更に強めよううとしたルイズだったが、振り向いた使い魔の目がいつもと違い真剣で、相手を射竦めるに十分な威圧感を持っていた為に思わず手を離してしまう。 (な…なによ…) 訳がわからず、泣いてしまいそうになる。そんなルイズを今度は打って変わって優しく見つめ『後で何でも言うこと聞いてやるから』と諭すサイト。そうこうしている内に抱きしめた彼女の震えは徐々に治まり、潤んだ瞳で見つめきた。 「……サイト…さん」 呟き瞼を閉じるアンリエッタ。その唇がそっと近づいてくる。 「……」 「……」 ルイズとシエスタは突然の展開に、言葉を忘れたかの様にただ口をパクパクさせるしか出来ないでいた。 あと数センチで唇が触れ合おうかという時、サイトはアンリエッタの肩に手をやり、そっと引き離した。 「……ぁん…」 名残惜しそうに漏れるため息と共に、拗ねたような、甘えたような目でサイトを見る。 「……姫さま?」 眼前の困った様な表情と、自分に突き刺さる2つの鋭い視線に我を取り戻す。 (わたくしったら、いったい何を……) 「あ…こ、これは…その…ち、ちがうんです…」 かなり動揺しているらしく、言葉遣いが幼き頃に戻っていた。 「と、とりあえずどこかで休みませんか?雨は止みましたけど、もうそろそろ暗くなってきますし…」 重くなった雰囲気に耐え切れずに発したシエスタの言葉に全員が頷き、近くの宿に一泊することになった。 俺とシエスタ、ルイズと姫さまとで分かれて部屋に入る。 「ふぅ……」 ベッドに仰向けに倒れこみ、ぼんやりと天上を見ながら先ほどの事を思い出した。 (やっぱ思い出しちゃったんだろうなぁ) 先ほどのアンリエッタは、いつぞやの安宿で見せたのと同じ、少女の顔だった。『女王としての顔しか見せませぬ』と 言われた時には少し寂しい思いに駆られたものだったが、やはり彼女のああいう表情は凄く可愛いと思う。 (ついつい守ってあげたくなるんだよなぁ) そんな風に考え込んでいたとき、バタンと勢い良く扉が開き、ルイズが現れた。 (ぅわ、怒ってるよ) どす黒いオーラを放ち、つかつかと部屋の中へやってくるなり、床を指差すご主人様。 「犬、座りなさい!」 彼女の剣幕に、言われた通り床に座る。 「説明してもらいましょうか?」 (説明って言われてもなぁ) 「さっきの姫さまのあんたを見る目、尋常じゃなかったわ。あんたいったい、姫さまに何したの?」 声は優しいんだけど、目が怒ってる所為で異常に怖かった。 仕方ない。あの時の話をすると、この嫉妬深いご主人様はまた怒りに我を忘れて鞭を振るうのだろうが、話さないと 更にひどい仕打ちを受けそうだ。 「前にお前、アニエスさんとキスしたときあっただろ?」 「そ、そそ、それが何の関係があるって言うのよ!あああんただってあの時姫さまと、キキキキスしたじゃない!」 顔を真っ赤にして手を振り上げるルイズ。 「待てって、話は最後まで聞けよ。あの時も雨、降ってただろ?んで、聞いたんだよ、姫さまから。雨が怖いって」 「…は?雨が怖い?…ふん、嘘吐くならもっとましな嘘吐きなさいよね」 「嘘じゃねーって。さっき馬車の中でも行ってたじゃねーか。アンドバリの指輪の所為で偽りのウェールズと…」 そこまで言って、ルイズはハッとした。思い出したようだ。 「で、その時の所為で雨が怖くなったらしいんだ」 「……そう」 当時の事を思い出したのか、しゅんとなるルイズ。 「…わかったわ。で?そんなお労しい姫さまをいきなり、だだだ、抱きしめたのはいったい何故なのかしら?」 「……」 「…どうしたのよ、何とか言いなさいよ」 (言っていいんだろうか…) あの時は姫さまから肩を抱いてくれって言ってきた。でも、あれは別にやましい意味じゃないし、それに俺じゃなくても 同じ事を言ってたと思う。 (でもなあ、さすがにソレは姫さまの名誉の為に言わない方がいいかもな) 「いやほら…あの中で男って俺だけだったし…」 「……」 「ああいう時に抱きしめるってのが男の役目だと思うし…」 「……」 「……」 「……」 「……」 沈黙が流れた。どうしたんだろうと思い見上げる。と、そこには鞭を持つ手を振り上げ、肩をわなわなと震わせるご主人 様の姿があった。 「へー…『男の役目』ねぇ…そうやってあんたはあっちへふらふら、こっちへふらふら…」 (やばい!) その手が振り下ろされると思った瞬間、『やめて!』と声がした。 見ると、入口に姫さまが立っていた。 「やめてルイズ、お願いだから。サイト殿はわたくしを落ち着かせるためにやった、ただそれだけなの」 鞭を持つルイズの手を両手で包み込み、姫さまは優しく語り掛けた。 「…じゃあ、なんで姫さまは…その…サイトに…キ、キスしようとしたんですか?」 声を震わせるルイズ。その頬には一筋の雫が流れていた。 「そ、それは…その…」 困ったようにこちらを見る。目が合うとすぐに視線を逸らし、頬を染めて俯く。 (だー、そんな表情してたらますます疑われますって!) 「いや、その…あれだ。俺を王子さまと間違えたんだよ」 「え?そんな事は…」 (たー!もう、この姫さまは…) 俺は『ここは任せて』と視線に籠めて姫さまを見る。 「ほら、姫さまはあの時混乱してたからさ」 「…あんた、ウェールズ様に全然似てないじゃない。王子さまってガラでもないし…」 「ぅわ、ひっでー…じゃなくて。だからな、混乱しててだな、気が付いたら男に抱きしめられてて、ついつい俺とウェールズが だぶって見えたんだと思う」 「……」 「……」 「……もしかして、それを狙ってたんじゃないでしょうね」 「んなわけあるか!」 (姫さま、ごめん) 何がごめんなのか分からなかったが、とりあえず俺は心の中であやまった。 「……わかったわよ」 「……へ?」 「信じてあげるって言ってんの!」 ルイズはそっと手を下ろすと、落ち着きを取り戻した声で 「あの…姫さま、申し訳ありません。お見苦しいところをお見せして…」 「いいのよ、ルイズ。それより、ほら…」 「……?」 「サイト殿と仲直りしないと…」 姫さまはそういって、そっとルイズの背中を押す。 「…ごめんね、サイト」 「いや、別に…」 「…でも、あんただって悪いんだからね!」 (……?) 「いつもいつも他の女の子ばっかり…」 「……ごめん」 「ねぇ…ギュッってして」 頬を赤らめ、上目遣いに見上げてくるご主人様。 「後で何でも言うこと聞いてくれるって言ったじゃない。ねえ…」 「ああ」 手をまわし、力を籠めてルイズを抱きしめる。 「…サイトぉ」 腕の中のご主人様は、うっとりとした表情で目を瞑っている。 それまで事のなりゆきを見守っていたシエスタが、『よかったですね、ミス・ヴァリエール。サイトさんと仲直りできて』と優しく 声を掛ける。 「うん…」 俺はシエスタに『ありがとう』と感謝を述べ、姫さまに視線を移した。 彼女も『よかったですね』と言ってくれた。 だが、その目には悲しげな光が宿っていたのを、このとき俺は気付くことが出来なかった。
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召喚されたのは、煤汚れた2つの鉄くずだった。 何らかの魔法がかけられているようではあったが、少なくとも"生き物"ではない。 異例の事態であったため、判断は保留。本来は使い魔召喚の儀が完了しなければ足切りされるものなのだが、 学院長の判断を仰ぐ、という形でうやむやになった。 周囲の視線から避けるように自室へと戻ったルイズは、召喚されたガラクタを力任せに床に叩きつけると、 声にならない声をあげながら泣き叫び続けるのだった。 --- それは現実味のない"夢"だった。 ここでない場所、今でない時。 そこでくりひろげられる、戦い。 『お前は誰だ』 繰り返される問いかけ。 『俺か?俺は、通りすがりの――』 目が覚めると、朝だった。 どうやらそのままずっと眠ってしまっていたらしい。 襲ってくる空腹に気だるげに身を起こすと、床には昨日投げ捨てた"それ"が転がっているのが目に留まった。 煤汚れていたはずのそれは、窓からもれる朝日を、白い光沢の表面と中央の赤い輝石で反射させて輝いていた。 「君の軽率な行いのせいで、可憐なるレディを傷つけてしまった。それは理解できるかな?」 人だかりが出来ていた。 なんでも、二股がバレたギーシュがメイドに八つ当たりしているらしい。 人ごみを掻き分けて前に出たルイズは顔をしかめた。 「やめなさい。下品にもほどが有るわ」 ギーシュは悪趣味なフリル付きの服をしならせ、手にした薔薇の花を突きつける。 「物の道理というやつを、愚鈍な平民に諭していたところだ」、と。 ギーシュにとって不運だったのは、そのメイドがルイズの"お気に入り"だったということであろうか。 「あんたのそれは、ただの言いがかり。道理もなにもない、駄々こねてわめいてる赤ん坊と同じよ。 気分が悪いからいいかげんやめて。あなたは罪のない平民に嫌がらせをすることで、トリステイン全ての 貴族の誇りを汚しているのよ。今すぐモンモランシー達とシエスタと、ここにいるすべてのみんなに謝罪しなさい」 だが彼は、赤ん坊と同じ、ではなかった。不幸なことに彼は、正真正銘の赤ん坊だったのだ。 「決闘だ!!」 そういうことになった。 決着は一瞬だった。 『アタックライド!ブルァァァスト!!』(※若本ボイスでお楽しみ下さい) ガンモードへとその形状を変えたライドブッカーから射出される弾丸は、クラインの壷から生み出される 無尽蔵の50口径エナジー弾。 原型を留めぬほどに粉砕されたゴーレムを目の当たりにして茫然自失のギーシュに、空間を破砕して 唐突に出現したマシンディケイダーが突撃し、全く見せ場のないまま決闘は終わった。 その後ルイズは、学院長と交渉してシエスタをヴァリエール家専属とし、以後誰も彼女にちょっかいをかける者は いなくなった。 その日のうちにルイズの個室にはベッドとクローゼットが運び込まれた。シエスタは後にこのことを振り返り、 "クックベリーパイの奇跡"と家族に語ったという。 使い魔が得られなかったルイズはこの思わぬ同居人に顔を緩ませ、トリステインの城下町まで買い物にさそう。 2つ返事で了解したシエスタと虚無の休日を満喫し、途中乱入したキュルケ、タバサとともに風竜に乗って帰還した ルイズを待っていたのは、30メートルを超える巨体の土のゴーレムだった。 翌朝、4人に徴集がかけられた。 ルイズは目の下にくまを作ってフラフラと揺れて立っていた。昨日城下町のゴミ捨て場で拾った喋る剣のせいで 寝不足だったのだ。 目撃したゴーレムについて話をしていると、ミス・ロングビルがあわただしく駆け込んでくる。 「フーケの潜伏先を発見しました」 馬車に揺られながら眠りこけるルイズ。 鎖でぐるぐる巻きにされたデルフを抱えて寄り添うシエスタ。 黙々と本を読むタバサ。 無意味にハイテンションなキュルケ。 御者をしながら我関せずのロングビル。 やがて一行は森の前の小屋に到着した。 目を覚ましたルイズは、警戒もせずずかずかと小屋に歩み寄り、中へと入っていく。 あっけに取られて固まっていた4人は、あわててあとを追った。 「これが『破壊の杖』?」 ルイズは苦笑した。 「とても杖には見えないわねぇ」 「・・・・・・ユニーク」 「あれ?ミス・ロングビルは?」 シエスタのつぶやきと被るように、轟音とともに小屋が倒壊した。 ・ ・ ルイズはキレていた。 シエスタがぐったりとしたまま動かない。 必死に魔法を撃ちながら後退するキュルケとタバサ。 しかし、騒ぎで馬が逃げ出していた為、逃走手段がない。 風竜が助けに飛んできたのだが、ゴーレムの動きが激しく近づけないでいる。 ・ ・ ルイズはキレていた。 ・ ・ ルイズはぶちキレていた。 『破壊の杖』に『カード』をセットしてゆらりと立ち上がると、タバサに向けて引き金を引いた。 抗議の怒鳴り声をあげるキュルケにも、問答無用で引き金を引く。 風竜をあしらったゴーレムが、ルイズ達に向かって振り向いた。 フーケは口元を醜悪にゆがめて哂っていた。恐怖のあまり狂ったか、と。 『破壊の杖』の形状から、使い方には想像がついていた。 だが、いくら引き金を引いても何も起こらなかった。 その疑問もどうやら解消したようである。 フーケは哂っていた。自分のゴーレムが崩れ去るその瞬間まで。 そのゴーレムの左肩は高熱で溶け出し、足は地面と融解していた。右半身は無数の氷の槍にで砕かれて散った。 あっけない結末。 フーケのゴーレムは再生不可能なまでに破壊されていた。 『疾風のサヴァイヴ』と『烈火のサヴァイヴ』 それが、ルイズが二人に撃ち込んだものの正体だった。 ただ大きいだけのゴーレムは、短時間ながらスクウェアクラスの力を発揮した二人の敵ではなかった。 わめき散らして文句を並べ立てるキュルケを完全に無視して、ルイズはシエスタを介抱していた。 タバサが黙ってそれに従い、治療を施している。 キュルケが怒鳴り疲れる頃、ロングビルが戻ってきた。 どうやって倒したのか、不自然なまでに執拗に聞いてくる。 ルイズは顔を顰めながら『破壊の杖』にカードを1枚セットし、ロングビルに渡した。 後ずさり、飛びのいて杖を構えるロングビル、いや、土くれのフーケ。 銃口を自身に向けると、ためらいも無く引き金を引いた。 「ふんふんふんふふ~~ん。答えは聞いてない!」 パニックを起こし、そのまま続けて引き金を引いたフーケは、胸を真っ赤な血に染めて事切れた。 彼女の最後の言葉は、哀れにも多くの人の知るところとなる。 学院に戻り、報告を果たした4人。 ルイズとキュルケにはシュバリエの称号が、タバサには精霊勲章が授与されるよう、取り図らわれた。 また、『破壊の杖』は宝物庫に戻されることなく、ルイズに管理が委ねられた。 フーケ討伐の報は、翌日には王宮にまで届いていた。 これ幸いと学院を訪問し、こっそりとルイズに会いに来たアンリエッタは、アルビオンへの潜入任務を持ちかける。 ルイズは二つ返事で引き受けると、親書と指輪を預かった。 『ファイナルフォームライド!リュリュリュリュウキ!!』 ルイズは面倒ごと(ギーシュ)を避ける為に、アンリエッタが帰った直後にアルビオンへ出発した。 毛布にくるまり、ドラグレッダーの背でシエスタと交代で仮眠をとる。 明け方にはラ・ロシェールの町並みが見えていた。 三日後でないとアルビオンに渡る便が出ない。それは極めて深刻な問題だった。 ルイズは脱力していた。だが、何日も足止めをくらうつもりもなかった。 ウェールズ皇太子がニューカッスルに陣を構えているというのは既に小耳に挟んでいた。 ディエンドライバーに『ナイト』をセットしてシエスタを撃つ。自分はディケイドライバーで『リュウキ』に。 かくして二人はミラーワールドを通って堂々とアルビオンに渡り、襲撃も場内の警戒も無視して、 陽が傾く頃にはウェールズの部屋に忍び込むことに成功した。 「華々しく散る」 そう言ってウェールズは笑った。 ルイズはそこにかつての自分を見た。 もし自分がディケイドライバーを手にすることがなければ、それにまつわる戦いの記憶に触れること がなければ、どうなっていただろう。 きっと貴族の誇りの為にフーケに挑み、無様な屍を晒していたに違いない。 今すぐにでもこのバカを昏倒させて、アンリエッタのおみやげにするのは簡単だ。だが、ルイズもまた "貴族"であった。 自国を危険に晒してまで個人の感傷を通すわけにはいかない。悩むルイズの心をさらにかき乱したのは、 使者としてやってきたワルドであった。 彼は謁見を申し出ると、人払いを申し出た。自室にワルドを招くウェールズ。 表向きいないことになっているルイズとシエスタは、ずっと隠れたままだった。 思いがけない人物との再会に気を緩め、姿を見せようとするルイズ。だが、その好意は無残な形で 裏切られる。ワルドの風がウェールズを貫いたのだ。 ウェールズにすがるシエスタ。睨み付けるルイズ。 一瞬愕然としたワルドだったが、すぐに余裕の笑みを浮かべる。ディエンドライバーの銃口を突きつけるルイズ を前に、4体の偏在を生み出して取り囲んだ。 ワルドは微塵も慌てていなかった。小娘二人、始末するのは造作もないと思っていた。 だから、ウェールズがワルドを伴って部屋に入って来たとき、念のために、とカードをセットした状態で隠れ ていたことも知らなかった。まあ、知っていてもそれが何なのか、彼は知らなかったのだが。 『カメンライド!ディケーィド!!』 腕を横なぎに振るい、サイドハンドルが押し込まれると、風の攻撃魔法を吹き飛ばし、 "仮面ライダー"がハルケギニアに降臨した。 『アタックライド!イリュージョン!!』 現れた4体の分身に、ワルドの偏在は驚愕する暇もなく切り捨てられた。 狭い室内である。確かに個室としては破格の広さではあるが、それでも回避できる空間の余裕がなかった。 残ったワルドの本体も、反撃も回避すら許されずひれ伏した。かませ犬退場の瞬間であった。 『アタックライド!タイムベント!!』 ウェールズを蘇生したルイズは、レコン・キスタ5万の軍勢の前に立っていた。 ゾルダを召喚し、エンドオブワールドで先制攻撃。その後も様々な仮面ライダーを召喚してたった一人で戦っていた。 交錯するドラグレッダーの火球と竜騎士の魔法。 ウェールズは奇襲にあわてて軍を編成していたが、まだ出撃には数分かかるだろう。 ルイズはその前に決めるつもりだった。 手にしたのは無銘のカード。 「覚えておきなさい!その目に焼き付けなさい!私が!この世界の!仮面ライダーよ!!」 ・ ・ 虹色の光とともに描かれたのは、自身が最もよく知る戦士 『カメンライド!ルイズ!!』 ・ ・ ・ それは変身前の姿と同じ。 ヒロイック・サーガ 『アタックライド!英雄の歌!』 ・ ・ それは自分自身のもうひとつの仮面 『カメンライド!サン!!ナノーハ!!コトノハ!!シタターレ!!ルフィ!!オーフェン!!アドバーグ!!』 ・ ・ 暴食する"可能性"の使い魔。得られなかった自分とは違う自分が共に在ったはずのものたち。そして―― 『――ゼットン!!』 ・ ・ ・ ・ 自分以外のこの世界の仮面ライダー。 「終わりにしましょうか。オリバー・クロムウェル」 『ファイナルアタックライド!!ルルルルイズゥ!!』 「エクスプロォォォォォオジョン!!!」 その日、ハルケギニアに"ゼロの破壊者"が降臨した。
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前ページ次ページ“微熱”の使い魔 才人の話を聞きながら、エリーはどうしたもんかねえ、といった顔をした。 ちなみに、才人はただ口論になったとかいうことだけを語り、エリーやキュルケに関してのルイズの発言は黙っていた。 腹の立つことではあったが、わざわざ本人たちの前で言うのもどうよ、と考えてのことだった。 「……で、そのルイズさんと喧嘩してごはんもらえなかったの、要するに?」 「左様」 「左様って……」 どこか芝居がかった態度で、他人事のような顔をして答える才人に、エリーは苦笑する。どうも彼なりの見栄というか照れ隠しらしい。 「あの、ヒラガさん、でしたっけ? 貴族のかたにそんな態度をとっては大変ですわ」 シエスタはかすかに顔を青くしてそう言う。 「へん。いいんだよ、あんなの。貴族だか山賊だか知らねーけど、魔法が使えるからって威張りやがって。つーか、あのおピンク頭はその魔法すら使えねーんじゃねーか! ぼっかんぼっかん爆発起こすだけで」 才人は悔しげに言ってから、うつむいた。腹が減っているのに大声を出して、がくりと疲労がきたのか。 「まあ、“ゼロ”のルイズらしいって、言えばらしいかもね」 キュルケは赤い髪をかきあげながら、皮肉な笑みを浮かべた。 彼女の生まれ育ったゲルマニアは、トリステインに比べれば貴族=メイジの地位は絶対ではない。 「確かに魔法が使えるに越したことはないわ。でもね、ゲルマニアで一番ものをいうのは、これ。これを稼ぎ出す能力よ――」 キュルケは昨夜、エリーにそう断言している。親指と人差し指で○をつくって。 「それで、どうするの使い魔さん? 私としては、またあなたに食事をわけてもいいんだけどね。……面白いし」 才人に向かい、つやっぽい笑みを浮かべながらキュルケはたずねる。面白いというのは、その後で起こるべくして起こるであろう事態をさしてのことだ。 すなわち。 「でも、キュルケさんにごはんもらったら、お仕置きなんだよね……?」 エリーが複雑そうな表情で言った。 お仕置き。 その言葉を聞くや否や、才人はがっくりと肩を落とした。 「やっぱ、めしと寝床を押さえられてるのが痛いよなあ……。ちっきしょう……」 「うーーーん…………」 目の前で途方に暮れている“使い魔仲間”に、エリーは小さくうなってしまう。 助けてはあげたいのだが、それをすれば後々才人がひどい目にあうのは間違いない。 ちらりと横目で見ると、キュルケはむしろそうなること、ルイズがぷっつんして暴れるのを期待しているように思われる。 「あのう? もし、私たちの食べている賄いでよろしかったら……。それなら、大丈夫なんじゃないでしょうか?」 横から、シエスタが声をかけてきた。 「え? ホントに!?」 「良かったねえ、ヒラガくん」 楚々としたメイドの声に、才人はパアーッと顔を輝せ、エリーもほっと胸をなでおろす。 キュルケだけはちょっと残念そうな顔をしていたが、やがて、まあ、いいかと肩をすくめる。 やっぱ、拾う神はいるんだ。才人は心中密かに今日から神様を信じようかなどと思っていたりした。 「おいシエスタ、何だそいつらは?」 そう言ってエリーと才人をジロリと睨んだのは、やや太り気味でいかつい風貌のコックだった。どうやら厨房の責任者であるらしい。 見たところあまり歓迎しているような態度ではない。確かに厨房へ素人がウロウロ入り込まれては迷惑ではあるのだろうが。 それにしても、心地のいい視線ではない。 特にエリーに向けられる視線は、厳しいというか、小さな敵意のようなものが含まれているようだった。 マルトーと呼ばれるその男の視線に、エリーと才人は思わず顔を見合わせた。 「あの、こちらは……ミス・ツェルプストーとミス・ヴァリエールの……」 「ああ、人間が使い魔としてきちまったってな。話は聞いてる」 とりなすように経緯を説明するシエスタの言葉に、マルトーはエリーと才人を交互に見比べる。 「こっちの坊主は見たこともねえ格好だが……。そっちの嬢ちゃんはメイジじゃねえのか?」 「違いますよう」 緊張に耐えかねたエリーは、いっそ哀れみさえおぼえるような声で言った。 「だから、私は貴族でも魔法使いでもありませんって。錬金術士です。見習いというか卵ですけど」 「錬金って、そいつは錬金の魔法じゃねえのかい?」 「あんな便利なことはできません」 エリーはシュヴルーズの見せた錬金魔法を思い出しながら断言する。 杖を振っただけで石を別の金属に変質させる。そんなことはイングリドのようなベテランですらできないだろう。 確かにアカデミーの中には、魔法を操れるものもいるにはいる。ノルディスやアイゼルなどがそうだった。 だが、それらもどちらかというと護身用のためのものであって、ここハルケギニアのような、それこそエリーから見れば何でもアリの便利な代物ではない。 「ふうん? まあ、何でもいいやな。それで、そっちの坊主は……飯だったか?」 マルトーはシエスタに言った。 「はい。何でもミス・ヴァリエールから罰を受けて食事を抜きにされたそうで」 「…ったく、勝手に呼びつけといていい気なもんだ。これだから貴族って連中は……。で、そっちはそれとして、嬢ちゃんは何だったてんだ? あんたも飯抜きにされたのか?」 「いえ。そういうんじゃないです。ええとですね、ホウレンソウがあったら、いくらかわけていただきたいんですけど」 「ホウレンソウ? ホウレンソウって、あの野菜のホウレンソウか?」 マルトーは目を丸くしてエリーを凝視した。 「そうです」 エリーはうなずいた。 「生のままでか? 何に使うんだ、そんなもん?」 「薬の材料に必要なんです」 「薬? やっぱあんたメイジか? しかし……ホウレンソウ? あんたの国じゃ、そんなもん秘薬の材料に使うのか?」 「秘薬っていうほど、たいそうなものじゃないですけど。滋養強壮によく効くって評判です」 エリーはちょっと照れくさそうに笑った。 ホウレンソウを材料として作る薬・アルテナの水は飛翔亭で受けた依頼で何度もこなしているので、調合にはちょっと自信を持っているアイテムなのだ。 「ま、まあ、いいけどよ……」 エリーの顔を見ながら、マルトーは指で頬をかいた。 今ひとつ正体がよくわからないが、悪い娘ではないらしい。そのように判断したのか。 そんなマルトーに、エリーは頭を下げた。 「ありがとうございます。あの、お礼とかは何もできませんけど……」 「別にそんなもんは……。いや、そうだな。だったら、シエスタを手伝ってやってくれねえか? これからデザートを運ぶんでな」 「まあ、そんなこと……!」 「わかりました! お安い御用です」 シエスタは驚いたが、エリーはとんと胸を叩いて了解した。 「でも、エリーさん」 「いいの、いいの。気にしないで」 「あの――俺も何か手伝えることないかな?」 才人が言った。 「ヒラガさんまで」 「いや、こっちだってただ飯食わせてもらうより、何かしてからもらったほうが。何ていうか、気が楽だから」 「話は決まったな。人手があるほうがさっさと片付くってもんだ。シエスタ、遠慮しないで手ぇ借りな」 「そうだよ、遠慮なんかしないで」 マルトーがシエスタに笑いかけ、エリーもそれに同調した。 「そうですか……。それじゃあお二人とも、お願いしますね」 エリーと才人、それにマルトーを見ながら、シエスタは控えめな微笑を浮かべた。 「ええと、ところでさ」 才人がちょっと声の調子を変えて、エリーとシエスタを見た。 「俺のことは、名字じゃなくて、名前で呼んでくれないか? 何か平賀って呼ばれると、どうも……」 「え? ヒラガが名前じゃないの?」 エリーが首をかしげた。シエスタも同じような顔をしている。 「俺の国では、名字つうか、家名? それが前に来るんだよ」 「へえー。そうなんだ……。じゃあ、改めてよろしくね、サイト」 「ああ、よろしく……」 「お二人とも仲が、よろしいんですね?」 エリーと才人を見て、くすりとシエスタが笑う。 エリーは、そうかなあ? とのんきな笑顔で言った。才人はかすかに照れたような表情になったが、エリーは気がついていないようだった。 しばらくして後。エリーは白いエプロンをつけて、トレイのケーキを配って歩いていた。 才人は少し離れたところで、エリーの持っているものよりやや大きめのトレイを手に、シエスタと二人で配っている。 「はあい、エリー」 いくらか配り終えたところで、エリーは声をかけられた。 キュルケだ。 褐色のつややかな少女は、手をひらひらさせながらエリーに笑いかける。 「ホウレンソウもらいにいくーとか言ってたのに、何やってるの?」 「ホウレンソウのお礼、かな?」 「ふーん……? まあ、いいわ。私には、イチゴケーキをちょうだいな」 「え? ケーキ、一種類しかないだけど……」 エリーはあわててトレイに目をやる。その様子を見て、キュルケは小さく噴き出した。 「冗談よ」 「もー、脅かさないでください。ドキッとしたじゃないですか」 エリーは小さく頬を膨らませた。ちょっとハムスターチックだ。 「ごめん、ごめん。エリーって、何か可愛いから、ついね」 そうキュルケが言った、そのすぐ後だった。 何やら、大きな笑い声が響いた。 振り向くと金髪の端正な顔をした少年を中心に、数人の男子生徒が談笑をしている。 内容は、誰それと付き合っているかいないとかいう、まあ、ありふれた話題のようだ。 しかしエリーはしばらく輪の中心にいる少年から目が離せないでいた。 なるほど、いかにも貴族然とした美形である。胸のさした薔薇もよく似合っている。 しかし、エリーが受けた印象は、貴人というより、奇人だった。 (何か、変わった人だなあ………?) 「ねえ、エリー、早くケーキちょうだいな」 「あ、ごめんなさい」 キュルケの声に、エリーはあわてながらも器用な動作でケーキを皿の上に置く。 「ひょっとして、あのギーシュに見とれてた?」 「え? いや、そーじゃないですけど……」 エリーがちょっと引きつった笑みを浮かべた。まさか、変な人だと思いました――というわけにもいかない。 キュルケは、ふーんと探るようにエリーを見つめていたが、不意に視線を別の方向をやった。 「あれ? ルイズの使い魔くんじゃない」 ちょうど才人たちがケーキを配っているところを見つけたらしい。 「うん。サイトも一緒に手伝ってるんですよ」 エリーがそう言って振り返ると、才人はギーシュに何か話しかけているようだった。しかしギーシュのほうはそれに応じない。才人はムッとしながらも床から何かを拾ってテーブルの上に置いた。 ギーシュはそれに対し何か言っていたようだが、急に周囲の少年たちが何やら騒ぎ出した。 その後はまさに急展開だった。 ギーシュが何か弁解をしていると、茶色のマントを着た女の子が出てきて泣き始めたかと思うと、ギーシュにびんたをかまして走り去ってしまった。 おちつく間もなく、今度は巻き毛の女の子が出てきた。巻き毛の子は何事かギーシュと話していたが、ワインを頭からギーシュに浴びせてから一声怒鳴りこれまた去ってしまった。 「………何あれ」 あっという間に起こった修羅場を見て、エリーは呆然としていた。 キュルケは口元を押さえてかすかに身を震わしている。笑いをこらえているのだ。 そばで修羅場を見ていた才人は、芝居がかった仕草で顔を拭いているギーシュをケッという顔で見ていたが、すぐに歩き出した。 ギーシュがそれを呼び止める。 何やら両者は話しているが、どうも穏やかな会話ではなさそうだ。シエスタも青い顔をしている。 エリーは嫌な予感を覚えて、才人のほうへ駆け寄った。 君が軽率に―― 二股かけてるお前が悪い―― いいかい、給仕君。僕は―― どっちにしろ、二股なんかすぐ―― ふん、ああ君は―― どうやらギーシュは修羅場の起こった責任を才人に求めているらしい。 しかし。 「……平民に貴族の機転を期待した僕が馬鹿だった。行きたまえ」 エリーがすぐに駆け寄った時には、ギーシュは小馬鹿にした態度ながらも、話を切り上げたようだった。 その態度にエリーはちょっと嫌なものを覚えたが、まず荒事にならずにすんだようなので、ほっとする。 だが、そんなエリーの心境をよそに、才人は目を怒らせてギーシュを睨みつける。 「うるせえキザ野郎! 一生薔薇でもしゃぶってろ!」 その一言に、ギーシュの顔色が変わる。 あっちゃー……。才人のうかつな言動に、エリーは思わず片手で顔を押さえた。 このサイト・ヒラガなる少年、自分からトラブルを招き、なくても作り出すタイプかもしれない。 「使い魔くん……どうやら君は貴族に対する礼儀を知らないらしいな?」 「あいにくと俺はそんなもんのいない世界にいたんでね」 「いいだろう。ならば君に貴族への礼を教えてやる。食後のいい腹ごなしだ」 「おもしれえ」 才人は凶暴な笑みを浮かべた。 「だ、ダメだよ!」 エリーは大声で叫び、才人の肩をつかんだ。 「え、エリー?」 「何で喧嘩なんかしてるの。それに、相手を挑発するようなこと言って」 「それは、あいつが――」 「確かにあの人が二股してたのが一番悪いけど……だからって無意味に喧嘩なんて」 「意味はあるんだよ、可愛らしいお嬢さん」 ギーシュは若干顔を引きつらせながらも、キザな仕草でエリーに言う。それに対し、才人はさらに表情をこわばらせた。 「彼はこの僕を侮辱してくれた。それ相応の対応をしなければ、面子にかかわるんだ」 わかるだろう? とギーシュはエリーに言った。妙に色気を含んだ声である。 先ほど修羅場を体験したばかりであるのに、こりていないのだろうか。 「上等だ、この野郎!」 「ダメ、やめて!」 才人はギーシュに詰めよろうとするが、エリーは必死でそれを押さえる。 「離してくれよ! こいつ、ぶん殴ってやる!」 「どうして!」 「あいつ、けっこう可愛い子と二人も付き合ってやがった!!!!」 「…………え――?」 才人はおまけに俺を……とさらに叫ぼうとしたが、エリーの眼を見て動きを止めた。 「あの……可愛い子と付き合ってから、喧嘩を?」 エリーは目を丸く才人を見つめる。 シーン……。 しばらく、沈黙が周囲を包んでいた。 「ぷふぅ!!」 それを破ったのは、ギーシュだった。顔をおたふく面みたいにふくらませて噴き出したのだ。 「ど、どうやら僕は、君にひどく残酷なことをしてしまったらしい……。いや、薔薇の存在自体が君には残酷なのかな? す、す、すまなかったね。謝るよ……」 ギーシュは爆笑しそうなのを必死で抑えているという体で、キザったらしく言った。 「愛を受けることができない者に嫉まれ憎まれるのも、薔薇のさだめだ。では失礼――」 そのまま、スキップでもするように席を立って離れていく。 「てめ、待て! こんちくしょう! やっぱ殴る! ぶん殴る!! 待てよ、おい! キザ野郎! アホ! ボケ! うんこ!!」 「だからダメだって!!」 才人はエリーに押さえられながらギーシュに向かって怒鳴りちらす。 しかし、ギーシュは、あははあ、くはーと笑いながら意にもかいさない。何か勝者の余裕という感じだった。 「ちくしょお…! 何だかとってもちくしょおおう……!」 「あのサイトくん、何も泣くことは……」 エリーは床に膝を悔し泣きし始めた才人の肩を叩きながら、子供をあやすように言った。 「そ、そうですよ。貴族と喧嘩にならなくて、良かったじゃないですか……。それに、その、サイトさんにもいつかいい人が……」 シエスタも遠慮がちながら慰めの言葉をつむいだ。しかしそれによって、才人の泣き声はさらに大きなものになった。 そんなエリーたちの様子を遠くから忌々しそうに見ている少女がいる。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール――才人の、“主人”であるメイジ。 前ページ次ページ“微熱”の使い魔
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2日目 Navi 朝になりました お客様にお酒を出しながら自分もたくさんお酒を飲んだNavi子…お客様にも緑の液体を出し続け、それが噂になり客足は遠のき、ついには閉店しNavi子は失踪した模様です… Navi きっと狼の仕業です Navi 村人の皆様、今日もがんばってください Navi 昼の部スタートです 1 (なび村) ナナツボシ のんじゃったーーーーー 1 (なび村) jinjahime 緑はダメだ 1 (なび村) ほしくん おはようですー 1 (なび村) あかみさと あちゃー 1 (なび村) メルーファ あわわわ 1 (なび村) Akizuki おはよう~ 閉店はやっ 1 (なび村) シエスタXX どこに狼の介入ができたんだ 1 (なび村) glimmakin 緑・・・!?w 1 (なび村) SEIRIOS うんこれは狼のせいだよね 1 (なび村) すもでんぱ 緑・・・ 1 (なび村) メルーファ さすが緑・・・ 1 (なび村) ナナツボシ うんこは狼のせいに空目した・・・ 1 (なび村) jinjahime で、とりまCOしてもらおうかね 1 (なび村) あかみさと 【占いCO】ふははー!我こそが占い師であるぞ!信じ敬いひれ伏すがよいー! ちなみにまじめにやるんでよろしく 1 (なび村) リュファ おはようございます。緑の液体・・・きっとなつかしのきゅうりペプシにちがいない。 1 (なび村) ほしくん 狼がきっとデマを広めたんだよ・・・ 1 (なび村) Jareky 【占いCO】こんな日(4月1日)に占い師になるなんて、なんかの陰謀だ。この村の闇を解明して見せる! 1 (なび村) ナナツボシ あかみさとさんとじゃれさん? 1 (なび村) メルーファ あかみさんとJareさんが占いかな? 1 (なび村) jinjahime 2CO確認 1 (なび村) あかみさと む、対抗もなかなかやる気のようだね 1 (なび村) jinjahime 12>10>8>6>4>2 1 (なび村) jinjahime 3-1もしくは2-2の安定路線がいいなぁ 1 (なび村) SEIRIOS うわあい 1 (なび村) glimmakin 2CO把握ですー 1 (なび村) シエスタXX 2COだね 1 (なび村) jinjahime ということで、霊出てもらうかどうか 1 (なび村) メルーファ 霊媒出ちゃってもよさげかな? 1 (なび村) ナナツボシ 出ちゃうの? 1 (なび村) ほしくん 2COおk- 1 (なび村) シエスタXX 霊媒でてほしいけど 1 (なび村) ナナツボシ 黒で手からでいいんじゃない? 1 (なび村) リュファ まだ占い出ませんかー? もう出揃いましたかー? 1 (なび村) Akizuki 明日でいいのでは? 1 (なび村) シエスタXX 本人次第かな 1 (なび村) Jareky 12人、5吊りで2狼(+1狂)を屠って下さい 1 (なび村) glimmakin 今回共有居ないんですよね メルーファは眠りについた 1 (なび村) ほしくん おk 1 (なび村) あかみさと 共有はいないね 1 (なび村) ナナツボシ なしー 1 (なび村) jinjahime 真狂本線。2割くらいで真狼で今日潜伏かな? 1 (なび村) glimmakin 軸になりたいなら出てもいいんじゃないんでしょうか? 1 (なび村) jinjahime 狂潜伏かな? 1 (なび村) jinjahime というかんじ? 1 (なび村) メルーファ 霊媒が2COならロラで狼1匹確実だし、霊媒出てもいいと思うー 1 (なび村) あかみさと 対抗はいまのところ狂で見てるよ 狂潜伏は・・・どうだろうねぇ 1 (なび村) ほしくん 狼2潜伏? 1 (なび村) リュファ 占い出そろったようなので、ここで【霊媒Co】します。この村は私を軸にするように。 1 (なび村) ナナツボシ まだわかんないけどその可能性が高いと思う 1 (なび村) シエスタXX 出ないなら占いに吊り先指定してほしいな 1 (なび村) あかみさと 霊出る流れで2CO出るならまた換わってくるんだけどね 1 (なび村) SEIRIOS 順当なら狼は潜伏だろうなあ 1 (なび村) あかみさと お、リュファさん霊ね 1 (なび村) メルーファ リュファさん霊媒了解ですー 1 (なび村) glimmakin あ、リュファさん出た 1 (なび村) リュファ ふふふ。 1 (なび村) jinjahime 対抗は? 1 (なび村) ナナツボシ リュファさん霊媒了解 1 (なび村) ほしくん 狂ニートはそうそうないし 1 (なび村) glimmakin 把握ですー 1 (なび村) リュファ 指定はですねー、 1 (なび村) Jareky 発言、観察中につき、静かになります。 1 (なび村) Akizuki 霊媒了解~ 1 (なび村) あかみさと 対抗いないならリュファさん真でよさそうだね 1 (なび村) jinjahime 2-1確認です 1 (なび村) jinjahime 真狂-真本線 1 (なび村) メルーファ 【占い】あかみさとさん、Jarekyさん 【霊媒】リュファさん 1 (なび村) jinjahime 霊媒軸で行きましょうか 1 (なび村) ほしくん リュファさん霊媒確認 1 (なび村) glimmakin それがいいですねー 1 (なび村) あかみさと ですね 初日は霊に指定してもらう感じかな 1 (なび村) メルーファ 占い対抗が狼だったら、この霊媒COで狂人が大綱に出てくるだろうし、 1 (なび村) ほしくん おkですー 1 (なび村) リュファ ナナツさん指定。虫は霊界とをつなぐかけ橋。(知らないけど) 1 (なび村) メルーファ 占いは真狂かなー 1 (なび村) ナナツボシ かんべーん 1 (なび村) glimmakin COありますか? 1 (なび村) jinjahime 指定了解>ナナツ 1 (なび村) ナナツボシ 私霊媒 1 (なび村) メルーファ ぬぬ 1 (なび村) あかみさと えっ 1 (なび村) glimmakin あらw 1 (なび村) リュファ そんなばかな。 1 (なび村) SEIRIOS ほほう 1 (なび村) jinjahime OK-ロラで 1 (なび村) シエスタXX ほう 1 (なび村) ナナツボシ 黒でるまでもぐってたかったのに 1 (なび村) jinjahime ナナツ>リュファ 1 (なび村) ほしくん 霊媒COとみていいんですかね 1 (なび村) jinjahime でロラ 1 (なび村) glimmakin これは即ロラかなー 1 (なび村) メルーファ 確かにナナツさんは、リュファさんのCO前にも「黒出てからでいいんじゃ?」と言ってましたね 1 (なび村) jinjahime 対抗でてるのに 1 (なび村) ほしくん うーん 1 (なび村) シエスタXX なんかさっきと似た展開だな 1 (なび村) メルーファ 12>10>8>6>4 ローラー始めないとか 1 (なび村) ほしくん ローラーかけた方がいいかなー 1 (なび村) リュファ 実はjinjaさんと迷ってたんですが、ナナツさんで正解だったようです。 1 (なび村) あかみさと まぁ発言的には真あるところ だけど対抗出たならすぐ出て欲しいところではあるね 1 (なび村) ナナツボシ こうなるともう信用とれないだろうしローラでいいよ 1 (なび村) jinjahime ( ´゚д゚`)エー 1 (なび村) glimmakin 一応、発言には矛盾してませんね 1 (なび村) ほしくん ふむ 1 (なび村) Jareky 軸がない Navi 5分経過(後2分) 1 (なび村) メルーファ リュファさんのCO前の発言は信じられるけど、リュファさんが出た時点で対抗してほしかったかな 1 (なび村) あかみさと ん、あー 確定の村がいないのか 1 (なび村) ほしくん ですねー 1 (なび村) Jareky グレラン?霊媒ローラー? 1 (なび村) リュファ むむむ。 1 (なび村) jinjahime すもさん発言ないなぁという印象 1 (なび村) シエスタXX ロラでいいよもう 1 (なび村) ナナツボシ 1日でも結果は出したいけど 1 (なび村) jinjahime レイロラ 1 (なび村) ほしくん 霊媒も安定しなくなったしなぁ 1 (なび村) Akizuki ローラーすると霊媒軸で動けないのか 1 (なび村) ナナツボシ それに信用がつかないから 1 (なび村) あかみさと そもそも二人出た時点で霊軸は無理 1 (なび村) ナナツボシ ローラーがいいとおもう 1 (なび村) メルーファ 占いが真狂なら、1日見てもいいだろうけど、 Navi あと1分 1 (なび村) メルーファ これは真狼-真狂 ありえるかも 1 (なび村) ナナツボシ たぶん1匹つれるもん 1 (なび村) ほしくん ふむ 1 (なび村) jinjahime 初日だから仕方ないけどね 1 (なび村) Akizuki 今回も吊り指定は公開? 1 (なび村) リュファ ふたりそろって結果同じなうちは霊媒機能してます。ずれてからローラーにしてください。 1 (なび村) メルーファ 非公開かな? 1 (なび村) Jareky 霊ローラーでいいよね? 1 (なび村) jinjahime ん~グリムさんが捨てっぽいかなぁと振ってみる 1 (なび村) シエスタXX え、吊り先公開なん? Navi 私にTELLでお願いいたします 1 (なび村) glimmakin ナナツさん>リュファさんでその後どうするかですね Navi 公開ではありません Navi 20秒前 1 (なび村) リュファ ちなみに明日は私が後で結果言います。 1 (なび村) ナナツボシ グレランなの? 1 (なび村) シエスタXX おk 1 (なび村) glimmakin そうですか? 1 (なび村) jinjahime 霊媒ロラで Akizuki 了解です 1 (なび村) ほしくん おk 1 (なび村) SEIRIOS ロラの流れかな? 1 (なび村) メルーファ 霊媒ローラーですね 1 (なび村) あかみさと ん、グレランなの?まじで? 1 (なび村) ほしくん れいばいろら確認 1 (なび村) シエスタXX ロラでしょ 1 (なび村) Jareky 5吊りだよ?全ローラーしたら残り1吊り 1 (なび村) ナナツボシ ローラ完遂してね 1 (なび村) メルーファ 決め打たないならロラしないと 1 (なび村) あかみさと ロラでいいよね Navi 夜まで時間がありません 皆様今日の尊い犠牲をお選びください(会話はストップです) Navi 投票は私に直Tellでお願いします 3 (GREEN) Navi 会話可能時間スタート 3 (GREEN) Navi ---------------------------------------- 1 (なび村) Navi -------------------------- 1 (なび村) Navi 2日目終了 1 (なび村) Navi -------------------------- 3 (GREEN) ナナツボシ さようならw (T) すもでんぱ > ななつん 3 (GREEN) glimmakin ごめんなさいw 3 (GREEN) ナナツボシ むりだろw (T) メルーファ > リュファさんに投票します (T) SEIRIOS > ナナツボシさんに投票します (T) ほしくん > ナナツボシさん投票でー (T) リュファ > むー、ナナツさんしかないかなこの場合。 3 (GREEN) glimmakin ちょっと庇えませんね;; (T) シエスタXX > ナナツンで 3 (GREEN) ナナツボシ まぁ信用は奪えたと思いたい 2 (ゾンビ部屋) サイア (気が付けば投票タイムへ) (T) あかみさと > Jarekyさんに投票しますー (T) jinjahime > 吊り投票>ナナツボシ 3 (GREEN) ナナツボシ 一応リュファさんにいれます (T) Jareky > ナナツボシさんに投票 2 (ゾンビ部屋) リンウ もふ・・w 3 (GREEN) glimmakin はいー (T) Akizuki > ナナツボシさん吊りでお願いします (T) ナナツボシ > リュファさんに1票~ (T) glimmakin > リュファさんでお願いします ナナツボシ8 リュファ3 Jareky1 (T) jinjahime > そして、ちょっとお手洗いに・・・ (T) ナナツボシ > あかんやんw 2 (ゾンビ部屋) リンウ 専門用語だらけの一日目はとりあえずおわりました・・・zz 3 (GREEN) glimmakin しかし即指定は厳しいですねーw 2 (ゾンビ部屋) Navi どうしても用語が多くなってしまいますね・・・ 3 (GREEN) glimmakin スナイパーリュファさん 3 (GREEN) ナナツボシ リュファさんローラー回避してるから 向こうによらないかなw 3 (GREEN) glimmakin かなぁw 2 (ゾンビ部屋) リンウ 今回の問題点は 霊媒2名の頭をどう処理するか・・ らしい 3 (GREEN) ナナツボシ のこったら 暴れてみようかな 3 (GREEN) glimmakin はいw 3 (GREEN) ナナツボシ どきどき 3 (GREEN) glimmakin ドキドキ Navi さよなら ナナツボシさん …あなたの勇姿は忘れない 3 (GREEN) glimmakin ぎゃああwww 3 (GREEN) ナナツボシ さよーならー Navi 日が沈み始めました よい子も悪い子も寝る時間です Navi 役職の方は私にTellお願いします ナナツボシ え・・・ちょ・・・ 3 (GREEN) glimmakin はぁ・・・ 3 (GREEN) glimmakin 断末魔がwww (T) リュファ > ・・・一応、ナナツさんの真偽を・・・ (T) Akizuki > メルーファさんの護衛に就きます 3 (GREEN) glimmakin さて黒撃たれたらゲームオーバーだから狩人日記だけ書いておこうかな (T) > リュファ ナナツボシさんは実は真っ黒な狼虫でした!● 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ 冥土いいいいいいいいいいん 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ さみしい (T) > Akizuki しっかり守ってあげてね! (T) リュファ > やっぱり・・・ (T) Akizuki > 了解です~ 2 (ゾンビ部屋) リンウ 霊媒かぶりをつぶされたナナツボシアナタの勇士は(以下略 2 (ゾンビ部屋) サイア イラッシャイマシー 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ この前も最初に消された (T) Jareky > まよい中 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ もう だめだ 2 (ゾンビ部屋) sunesuki おつカーレイ! (T) メルーファ > ナナツさんは霊媒を乗っ取るつもりだった狂人と見てみる! 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ なんにもあやしいことしてないのにいいいい シエスタXX ごめん今チャットゲーム中だから無理だわ 2 (ゾンビ部屋) リンウ このゲームの性質上 初日につぶされるとものすごい悲しそう・・;; 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ さみしい (T) jinjahime > 戻りました。失礼しました。 シエスタXX ほほほーい>< 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ シエスタさんがこわれたレイディオ (T) Jareky > すもでんぱさんを占います 3 (GREEN) glimmakin かきかきっと 2 (ゾンビ部屋) リンウ えーと 今回はゾンビの声はないんですかえ? 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ ゾンビの声とは・・? (T) > Jareky すもでんぱさんは村のためにがんばる村パンダでした!○ 2 (ゾンビ部屋) sunesuki ゲーム内容に触らない誤爆って珍しいかも 2 (ゾンビ部屋) サイア 遺言? 2 (ゾンビ部屋) リンウ 霊媒による告白アビリティ・・ 3 (GREEN) glimmakin 誰かもうかなーベーグルでもいいんだけど 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ ここでは役職はださばいねー 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ ださないねー 3 (GREEN) glimmakin ベグっちゃおっと! 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ 推理続行なかんじ (T) glimmakin > あかみさとさん噛みますかみかみ (T) > glimmakin おいしくたべてね! 3 (GREEN) glimmakin 通らなかったら、死亡フラグw 2 (ゾンビ部屋) ナナツボシ あと吊られたから私は結果はもらえませんでした 2 (ゾンビ部屋) リンウ 3日目に期待・・ 1日目へ 3日目へ
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空は果てしなく青く、天高く上った太陽は黄金色の光で地上を照らしている。植物の葉は青々と輝き、時折撫でる風揺れてサラサラと音を立てていた。 鳥の鳴き声が耳に優しく、近くを流れているらしい川の音は気分を落ち着かせてくれる。 実に素晴らしい天候だ。 この蒸し暑ささえなければ。 雨の水分を地面が吸収し、気温の上昇と共にそれを放出しているということは理解できるのだが、納得し難い不快感がここにはあった。 タルブの村の南に広がる森。その少し奥まった場所に身を寄せた人々は、拭う先から出てくる汗に辟易としていた。 村の有力者や逃げ遅れた行商人の代表が集まり、張り詰めた顔で今後の動向について話を進めている姿も、どこか気力が失せているように見える。そんなだから、他の村人達の表情も疲れを隠しきれないで居た。 夏なのだから、暑いのは当たり前。と言いたい所だが、生憎とトリステインは熱帯でも亜熱帯でもない。空気中の過剰な水分によって蒸される暑さとは、本来は縁が無いのである。そんなわけで、免疫の無い暑さに誰しも意識が朦朧としているのであった。 問題は、そんな疲労感が風邪を引いている人々にも広がっていることだ。 体力の無い子供や老人は多くが倒れたまま、熱と咳に魘され続けている。森の状況がコレでは安静にしていても回復の見込みは無く、それどころか悪化の一途を辿ることだろう。大人の中で風邪を引いている者の中には、避難を続けるのであれば自分を置いていって欲しいなどとのたまう者が出る始末だ。 しかし、そんな事を口走ってしまう気持ちが理解出来てしまうほど、状況は確かに楽観視出来るものではなかった。 戦場は近く、タルブ村の人々も延々とこの場所に止まるわけには行かない。食料の問題も存在するし、戦場で散った人間の肉を求めて亜人や獰猛な肉食獣が集まってこないとも限らない。 自衛の手段を持たない人々は、どこかに庇護を求めて歩く必要がある。そんな時、風邪の病に倒れた人々は足枷となるのは明白で、置いて行けという言葉に籠められた意味は決して軽々しいものではないのだった。 「弱音吐いてんじゃないよ。男だろ?」 弱音を吐く男の頬を一発引っ叩いたジェシカは、小刻みに熱い息を吐く男の額を濡れた布で拭きながら、励ますように言った。 弱気になっていては、治るものも治らない。風邪さえ治ってしまえば問題は解決するのだから、今はとにかく強い意志を持ってもらうことが一番なのだ。 だからこそ、見捨てないと伝えて、生きることを諦めさせない。 しかし、ジェシカのその言葉の半分は、自分に向けたものだった。 病人の数は、十や二十ではない。中には、本当に足手纏いにしかならない人が確実に存在している。だからと言ってそれを見捨てれば、以後は足手纏いだと感じる度に誰かを捨てる事を躊躇しなくなるだろう。 そんな心理が働いてしまうことを、ジェシカは恐れていた。 ジェシカだけの問題ではない。村人の中には何人か見捨ててでも、自分の家族を守りたいと思っている人間は少なくないはずだ。 見捨てられる人間は、自分の家族かもしれない。 そういう現実的の残酷な部分に気付いていないからこそ、誰かを切り捨てようと考えてしまうのだろう。幸いにして、ジェシカの家族や知り合いに風邪を引いている人間は居ない。その僅かな余裕が、彼女に本当の恐怖に目を向けさせていた。 誰かを見捨てなければならなくなったのなら、あたしも一緒に死んでやる。誰かの死を背負って生きられるほど、自分の背中は広くも力強くも無い。 そんなことを思うジェシカは、果たして臆病なのか、それとも単純にプライドが高いだけのか。どちらにしても、誰かを犠牲にするという選択肢が存在していないことは確かだった。 「さあて、次に行きますか」 体が拭き終わり、不快感から一時的に逃れた男が寝息を立て始めたのを聞いて、ジェシカは手に持った布を傍らに置いた水の入った桶に放り込む。 息を抜く暇は無い。 眼前には、木陰に並べられた無数の病人達の姿がある。ジェシカ同様、病人の世話に忙しなく動く十数人の手がまったく追いつかない病人の数。その中には、介助無しには生きられないほど衰弱している人間も居る。 地獄絵図とはいかないが、緩やかな絶望を感じさせる光景だ。 それでも、この状況でジェシカが頑張れるのは、風邪の治療薬を買いだしに行ったカステルモールが必ず戻ってくると信じているからであった。 ぐぅ。 気張ったのが悪かったのか、ジェシカの腹が小さく鳴り響く。 長く緊張感の続かない女であった。 「……お腹減った」 困ったように眉を寄せて、ジェシカはお腹を摩る。 生物である以上、人間は空腹を避けられない。 村で行われていた炊き出しのお陰で、今の所この場に居る避難民の多くは空腹を訴えてはいないが、極少数、食料の配給をしていた人間の多くが食事を求める腹の虫と格闘中だった。 ジェシカもその一人で、本来なら炊き出しで作った食事を一通り配り終わった所で、最初から多めに用意した炊き出しの残り物に手を出す予定だったのだ。 アルビオンが攻めて来なければ、今頃は炊き出しに参加した女性達と輪になって雑談に興じていたことだろう。そう考えると、戦争なんて余所でやれと本気で言いたくなってくる。 とはいえ、それを今言ったところで食い物が降って湧いてくるはずも無く、腹も膨らみはしない。 結局ジェシカに出来ることといえば、病人の看護をしながら食料の調達に出た他の人々の帰りを待つことだけだった。 「はぁ……、ひもじいわぁ」 思わず溜め息を零し、二度目の腹の音に肩を落とす。 そんなジェシカを神様が見かねたのか、思わぬ方向から救いの手が差し伸べられた。 「ジェシカさん、お腹減ってるんですか?」 問いかけたのは、ウェストウッドの子供達の面倒を見ていたティファニアであった。どうやら、子供達の世話は一息ついて他の手伝いを始めていたらしい。 普段耳を隠すために使っている大きな帽子が無いと思って手元を見てみると、その帽子が籠代わりになって鮮やかな赤い実を山のように乗せていた。 思わず、ごくりと喉が鳴った。 「そ、そんなこと、あんまり率直に聞かれても乙女のプライドって奴が……。いえ、やっぱり空腹です」 一時的に女らしさというものが表に顔を出したが、腹の虫には勝てなかったらしい。すぐに出した顔を引っ込めて、引き篭もりに転職したようだ。 「なら、コレを食べませんか?」 そう言って、ティファニアは木の実の入った帽子を差し出した。 「木苺です。さっき、沢山実をつけているのを見つけたので、子供達にも分けてあげようかと思って摘んで来たんです。前の家の近所で取れる実はちょっと食べ辛いものが多かったんですけど、コレはほんのり甘くて美味しいですよ」 差し出された帽子から一つ実を摘んで、ジェシカはそれを恐る恐る口に入れる。 軽く噛み潰した瞬間、果汁と共に口の中に甘さが広がった。 「あ、本当だ。美味しいわ」 「でしょう?」 ぱっと花が咲いたかのように、ティファニアは顔を綻ばせた。 味の保証が出来て安心したのか、それとも空腹に耐えかねたのか、ジェシカは次々と実を摘んでは口に入れ、顎を動かす。 「んー、ホント美味しいわ。食べたことが無いわけじゃないけど、小さい頃に食べた時はついうっかり死んでしまいそうなくらい辛かったから、苦手意識があったのよねえ」 果たして本当に年頃の少女なのか、頬が膨らむほど木苺を口いっぱいに詰め込んで、ジェシカは過去の記憶を振り返る。 「……辛い?珍しいですね。酸っぱかったことはありますけど、あまり辛いっていうのは」 「時期が悪かったのかしら?実はコレより大きかったけど表面が少し萎んでて、歯応えも少しあったわね。もしかしたら、枯れる途中だったのかも」 あの時は三日も寝込んだわ。と笑いながら軽く言って、ふと首を傾げる。 「でも、あれ?木苺って、今採れるんだっけ?あたしが食べたのは、確か秋の中頃だったような……」 同じ赤い実で、秋に取れる辛いものといえば……。 恐らく、唐辛子だ。寝込むほどだから、同じ唐辛子でも特に辛い品種だったのだろう。 多分、ジェシカさんが食べたのは違う実です。とは言えず、ティファニアは愛想笑いだけしてこの場を立ち去ろうとする。 一々過去の恥を蒸し返すことも無いだろう。このまま話をはぐらかせば、誰も不幸にならないで済む。 気付か無い方が幸せなことだってあるのだ。 「あれぇ?でも、厨房で食べさせて貰った時には、別の名前だったような……」 「し、失礼しまー……、あら?」 いよいよジェシカの推測が唐辛子の方向に向いた所で、ジェシカとティファニアの目に何かを探して走り回るシエスタの姿が映った。 「お、シエスタじゃん。おーい、シエスタ!……シエスタ?」 手を振り呼びかけるがまったく聞こえていないらしく、辺りを見回して走り続けている。 様子がおかしい。 周囲の目も気にせず誰かの名前を呼び続け、いつも暖かい笑顔を浮かべる顔を張り詰めたものに変えている。彼女のそんな顔は、ジェシカはここ数年見たことが無かった。 「ごめん、ティファニア。ちょっと行くわ。ご馳走様」 ティファニアに別れを告げて、ジェシカはシエスタに駆け寄る。 泣きそうな声で何度も何度も同じ名前を呼ぶ少女の姿は、見ていて痛々しいものだった。 「サイトさん!サイトさーん!どこに居るんですか!?返事をしてください!」 「シエスタ!」 正面に立ったジェシカにさえ気付かなかったのか、ぶつかって初めてシエスタはジェシカの存在を視界に入れて、あ、と声を漏らした。 「な、なに?」 「なに、じゃないよ。そんな酷い面ぶら下げて」 涙こそ零していないが、泣いているようにしか見えないシエスタの顔を、ポケットから取り出したハンカチで乱暴に拭う。案の定、瞼の下には涙がいっぱいに溜まっていて、ハンカチを大きく濡らしていた。 目元を隠されたのがきっかけになったのか、それまで平気なふりをしていたシエスタが鼻を啜るようになる。緊張の糸が緩んで、堪えていたものが流れ出始めていた。 「まったく、折角の美人を台無しだよ」 「う、ぐず……、でも、でもね、居ないのよ。サイトさんが、どこにも……。わたし、つい口を滑らせちゃって……。先生方が村に残ってるって……、そしたらもう」 「居なくなってたって?……なるほどね」 シエスタの言葉に相槌を打って、ジェシカは彼女の体を抱き締める。 詳しい事情や、どうしてそういう話の流れになったのかは分からないが、血気盛んな少年が正義感を出して突っ走ったといったところだろう。特に、珍しい話でもない。 タルブ村の中にも、村を守ろうと鍬や鎌を手に立ち向かおうとした若者は居たが、実際に竜騎士を前にして無謀な勇気を保っていた者は少なく、本当に命を投げ出しかねない者は強制的に引き摺られて避難させられている。 まだ村を守ることを諦めていない奴も居るが、その中の一人が監視下から抜け出したようなものだろう。 しかし、そう冷静に考えられるのは、才人とジェシカの関係が薄いからに過ぎない。シエスタの立場に立っていたのなら、ジェシカも同じように泣いたり探し回ったりと落ち着かなくなるだろう。 「もしかしたら勘違いかもしれないって、ぐす、あちこち探したけど、やっぱり見つからなくて……」 見かけよりもずっと気丈なこの娘が、こんなに取り乱すなんて。 これだけでも、サイトという人物がシエスタにとってどういう存在か理解できる。 村に訪れたトリステイン魔法学院の生徒達の中に何人か少年を見ているが、一人で飛び出して行ったという事は、サイトというのは風邪を引かなかった黒髪の男の子のことだろう。ハルケギニアでは見られない顔立ちで、随分と幼い印象があった。 あれがシエスタの想い人か。 身の丈に似合わない大きな剣を背負っていたが、護衛を務めているにしては、それほど強そうには見えない。それに、言っては悪いが、あまり考えて行動するタイプにも見えなかった。 もし、見掛け通りの性格だとすれば、村に人が残っていることは意図的に隠していたに違いない。わき目も振らず飛び出していくことが分かりきっていたのだろう。 行動パターンが子供のようだ。 良く言えば、母性本能をくすぐるタイプなのか。しかし、悪く言えば、頼りない。 まあ、人の好みなんて千差万別だ。あれこれいっても始まらない。今は、その少年の居場所を考えるほうが重要だろう。 森の中に居ないということは、やはり村に向かったと見るべきか。 「厄介なことになったもんだね」 まさか、森を抜け出して村まで探しに行くわけにもいかない。かといって、放っておいたらシエスタは一人で探しに行ってしまいそうな雰囲気だ。 こうなれば、とジェシカは腹を括って抱き寄せていたシエスタを離し、目を合わせた。 「アタシが村の様子を見に行ってやるから、シエスタはここで待ってな。いいね?」 「でも、ジェシカ……」 赤くなった目を向けてくるシエスタに、ジェシカは不敵に笑って、どんと胸を叩いた。 「あたしに任せときなって。きちんと連れ戻して来てあげるから、大船に乗った気でいなよ」 渦巻く不安を欠片も見せず、ウィンクまで追加する。 そんなジェシカの様子にシエスタは頼もしさを感じて、納得したように頷いた。 「……絶対、危ないことはしないでよ?サイトさんのことも心配だけど、ジェシカの事だって心配なんだからね?」 「分かってるって」 ジェシカは表情を崩して軽く笑い、シエスタの頭を撫でる。 それは、まるで気丈な姉が泣き虫の妹を慰めるような姿だった。 「じゃ、行って来るわ」 早足に駆け出したジェシカの背中を、シエスタは見送る。ただ、自分の不甲斐なさに、下唇を噛みながら。 「これじゃ、お姉さん失格ね」 呟いて、自分の年齢とジェシカの年齢を比較する。 忘れてしまいそうだが、ジェシカは年下なのだ。閉鎖的な学院での生活が長いシエスタよりも、人の出入りが激しく、男性の欲望を直接目にする居酒屋で生活しているジェシカの方が大人びてしまうのも仕方が無いのかもしれない。 それでも、年下に慰められてしまうというのはなんとも照れ臭く、年上としての矜持を傷付けられる。 もし、ジェシカが男だったなら、素直に頼れたんだろうなあ。などと考えて、脳裏に男装したジェシカを思い浮かべたシエスタは、予想以上に自分好みの人物像が出来上がって、思わず頬を赤くした。 愛しの彼と並べてみても、遜色は無い。いや、むしろ……。 「いやいやいやいや!ダメよ、シエスタ!そっちの道に走っちゃダメだって、ローラが言ってたじゃない!」 学院の使用人寮で同室の女の子の言葉を思い出して、シエスタはブンブンと首を振った。 コレは不味い。と、自分を欲望の満ちたイメージから追い払う。 しかし、そうすると、恋する乙女補正がかかって現実よりも美化された才人と男装のジェシカだけが脳の中に取り残されて、シエスタと言う存在が消えた二人だけの世界が出来上がる。 見詰め合う美男子。そして、流れ落ちる鼻血。 高鳴るこの気持ちの正体はなんなのか。 シエスタは、新しい世界に目覚めそうだった。 森の外に繋がる獣道。多くの村人が通って踏み固められ、藪や突き出した小枝といった障害物が除去されたそこを走るジェシカは、従姉妹が新しい世界に目覚めかけていることなんて気付くことも無く、その場の勢いに流されて調子に乗り過ぎたかと早くも後悔していた。 「ああは言ったものの、サイトってのが村の中に入り込んでたら、アタシじゃどうしようもないんだよねえ」 竜騎士隊に包囲された村は、既に外と中との交通を遮断されている。村の周囲には遮蔽物らしい遮蔽物も無い為、忍び込むのは至難の業だ。 それは才人にも言えることなのだが、彼の場合は戦う手段があるし、村に向かった時間が竜騎士隊が村を制圧する前である可能性がある。 ジェシカとしては、森の出入り口辺りで足踏みしていてくれるとありがたいのだが。 「……儚い期待よね」 猪突猛進に飛び出していくような人間が、敵の目を恐れて立ち止まったりはしないだろう。 一度した約束は決して破らないのが、ジェシカの流儀だ。シエスタに大丈夫だと言った以上は、結果を出すまで立ち止まるつもりは無い。 しかし、早速暗礁に乗り上げてしまった気分であった。 「考え事しながら動いてるときに限って、悩んでる時間も無いときたもんだ」 足元に転がる小枝を踏んで、肩に落ちてきた木の葉を払ったジェシカは、目の前に広がる風景に溜め息を吐いた。 森を抜けたのだ。 一歩前に出れば、もうそこは森の中ではない。天井のように広がる木の葉の影は途切れ、踏み固められた道が草原を横切るように伸びている。道の先には空に煙を昇らせるタルブの村が見えるし、その頭上には死肉に群がるハゲワシのように空を飛び交う竜騎士の姿もあった。 ここから先はアルビオン軍の初期攻撃目標であり、トリステインの防衛圏。 つまり、戦場である。 口の中に溜まった唾を飲み込んで、ジェシカは少しずつ早くなり始めた心臓を服の上から押さえつけた。 「どーしよっかなあ。ここから先に出たら、絶対見つかるよねえ……?」 浮かぶ冷や汗をそのままに、ちらっと空を見上げる。 村の頭上を支配している竜騎士隊の目を盗んで村に入り込むなんて、無理で無茶で無謀だ。 仮に無理矢理入り込もうとして見つかった場合、抵抗する力の無いジェシカでは追い返される程度ならともかく、万が一捕虜にでもされたら何が待っているか分からない。 きっと、アレやコレやソレを、道具だったり、複数だったり、獣だったりでグッチョグチョにされ、最後には薬で考える力も奪われて、ヒギィとかアヘェとかしか言えない体にされてしまうのだ。 うら若き乙女が背負う過酷な運命にジェシカの頬は真っ赤に染まり、ひゃあぁ、なんて悲鳴を上げて何処かのミ・マドモワゼルのように腰がクネクネと動いていた。 「って、なんでアタシは興奮してるんだ!?……落ち着こう。ちょ、ちょっと深呼吸を……」 落ち着きのなくなってきた自分を自覚して、大きく息を吸う。 膨らんだ変な好奇心を押し潰し、聞きかじりの知識から生まれた妄想を打ち消した。 自制心の強さは、同じ黒髪の従姉妹よりも上のようだ。 「はー……、すー、はぁ、すー、はぁ……。ん、よし!」 「何が、よし、なのよ?」 「うへぇ!?」 突然足下から聞こえてきた声に、ジェシカの心臓が体ごと跳ねた。 一気に血圧の上がった体を巡る過剰な酸素に、頭がぐらりと揺れる。 それをなんとか耐え切ったジェシカは、地面から草でも生えるかのように上半身を露出させた少女に向き直った。 「え、エルザさん?こ、ここ、こんな所でなにを?」 「なにって……、届け物の配達途中に顔を出したら、ジェシカが居ただけよ」 地面に手をつき、土の中に埋まっていた下半身も外に出したエルザは、まだ買ってそれほど経っていない黒いドレスの土汚れを叩いて払う。それで落ちない汚れは放置された。 「ん、でもジェシカが居るってことは、目的地は近いってことよね?じゃあ、無理に暗い場所を歩かなくてもいいわけか。顔出して正解だったわね」 事情の飲み込めないジェシカを置いて、エルザは一人で納得したように呟くと、自分が出てきた地面の穴に顔を近づけた。 それに合わせて、ぴょこ、とジャイアントモールが顔を出す。 普段から愛らしい円らな瞳が、今日は一層に強く輝いていた。 「良ぉーし、よしよしよしよしよし。よく頑張ったわ、ヴェルダンデ。お陰でトカゲ乗りの連中に見つからずにここまで来れた。凄いわ、立派よ」 短い毛の生えた体をエルザに撫で回され、ヴェルダンデは嬉しそうに鼻先をピクピク動かす。 だが、ただ撫でられることで満足しないのか、エルザの体を頑丈な爪の生えた大きな前足で叩くと、今度はちょっと違う鼻先の動きで何かを訴えた。 「うん?ああ、ゴメン、忘れてたわ。報酬をあげないとね。ご褒美は、二匹でいい?」 ヴェルダンデの頭が左右に振られる。 「じゃあ、三匹?」 ブンブン、と勢い良く頭が縦に振られた。 「三匹か。黒くて長いのが、三匹。……三本同時攻めなんて、っもう、このドエロ!」 わけの分からないこと口走って恥ずかしげに赤く染まった頬を押さえたエルザは、ヴェルダンデの頭を叩いて良い音を響かせ、何処からともなく黒光りする巨大で長いモノ。もとい、自分の腕ほどもある黒ずんだミミズを三匹取り出した。 なんで叩かれたのか良く分かっていないヴェルダンデの目が、ミミズに釘付けになった。 「行くわよ、ヴェルダンデ。……とってこーい!」 抱えられるような形で支えられていたミミズの巨躯が、ジャイアントスイングの遠心力で遠く投げ飛ばされる。それを、ヴェルダンデが土中を掘り進みながら追いかけた。 「……ふぅ。良い汗かいたわ」 何故かやり遂げた顔になったエルザが、額に流れる汗を袖で拭って息を吐く。 ヴェルダンデが少し離れた所で一匹目のミミズをキャッチし、素早く食べ終えて二匹目に狙いを澄ませたところで、やっと雰囲気的に置いてきぼりにされていたジェシカが我を取り戻した。 「えーっと、エルザさん?」 「ん?なによ、さん付けで呼んだりして。水臭いじゃない」 かけられた声に振り向いたエルザが、以前とは少しだけ変えられた呼び方に怪訝な表情を浮かべる。 「いや、でも、年上だし……」 倍近い時間を生きている相手に向かって、ジェシカは言い辛そうに答えた。 エルザが吸血鬼であることは教えられていたが、ジェシカがエルザの実際の年齢を聞いたのは最近のことである。見た目よりちょっと歳を取っているのかな?という程度の認識だった為、以前は呼び方がエルザちゃんだったのだが、実は母親と殆ど同年代であることを知って、さん付けに改めたのであった。 目上の人間に対するような、ちょっと縮こまった態度を見せるジェシカに、エルザは困り顔に少しの笑みを混ぜた表情になった。 「ああ、年齢のことなら気にしなくたっていいわよ。さん付けでわたしを呼んだりしたら、傍から見て不自然でしょう?だから敬語も要らないし、従来通り、ちゃん付けで呼んで。というか、呼べ」 最後が何故か命令形だが、とりあえず納得したように首を縦に振ったジェシカは、頭の中で何度か呼び方の練習をすると、エルザをちゃん付けで呼んで話を本題に移した。 「それで、エルザちゃんがここに居るのって、なんで?」 エルザの口から、溜め息が漏れた。 「最初に言ったわよ。届け物の途中に顔を出しただけだって。……あっ、聞きたいのは届け物の中身と、何処に行くのかってことかしら?」 意思の疎通に僅かなズレを感じてエルザが言い直すと、ジェシカはコクリと頷いた。 「別に珍しいものでもなんでもないんだけど……、ちょっと待っててね」 エルザはそう言うと、おもむろにスカートを持ち上げ、肌に優しい上質コットン生地の裏地に出来た大きな膨らみに手を伸ばした。 スカートの裏側であるため、膨らみの位置は手探りだ。しかし、生地の良さのせいか、伸ばした手が膨らみに触れる度、少ない摩擦と意外に広い裏地の中を泳ぐように膨らみの中身はスルスルと逃げていく。 「んー……?入れるときは簡単だったのに、取り出すとなるとちょっと手間がかかるわねえ」 どうやら、スカートの裏は大きなポケットになっているらしい。手で持ち運べる程度の荷物なら収納できるらしく、件の届け物もそこに入れられているようである。 ただ、構造的な欠陥なのか、取り出す際にスカートを捲る必要があるようで、エルザはジェシカ以外の目が無いことをいいことに、太腿まではっきり見えてしまうほどスカートを高く持ち上げ、ブンブンと振り回している。 それでも荷物はポケットの中に篭城を決め込み、外に出てくる様子は無かった。 「このっ、出て来い!往生際が悪いわよ!」 「往生際とか言う以前に、はしたないって……、うわぁ!?」 思わず突っ込みを入れそうになったジェシカが、振り回されるスカートの向こうに大人の空間を発見し、驚きに思わず声を上げる。 子供が見てはいけない、神秘の世界を見つけてしまったのだ。 「……?どうしたのよ。ちゃんと出てきたわよ」 スカート裏のポケットから、ぼと、と落ちた包みを抱えて、エルザが不思議そうに首を傾ける。一見してあどけない子供の仕草なのだが、今のジェシカにはそれが妖艶な色香を放っているように見えて、どうにも顔が赤くなるのを止められなかった。 「いえ、何でもありません」 「……そう?」 もう一度首を傾げたエルザは、頭上に疑問符を浮かべながら包みを解き始める。 それを横目に見ながら、ジェシカは瞼の裏にしっかりと刻み込まれた光景にこめかみを押さえた。 ドレスと同色のストッキングにガーターベルト。大切な部分を覆う下着は、肌の色がはっきり確認出来るほど透けたレース生地で、赤紫のリボンがプレゼントを飾り立てるように結ばれていた。 穿いていない状態の直接的な色気よりも、穿いている状態の背徳的な色気よりも、よっぽどエロい印象を根付かせるエロティシズム。 その道のプロのお姉さんだって滅多に穿かないような、際どいにも程がある下着を常用しているなんて……。 「やっぱり、さん付けで呼びます」 大人って凄い! そう思った、ジェシカ16歳の夏であった。 「?」 自分の下着のことでジェシカが変な尊敬の念を抱き始めたことなんて露知らず、ただ首を捻るしかないエルザは、一抱えもある包みを解いて、現れた無数の薬包紙の一つを手に取った。 「コレが、わたしがここにきた理由よ。どっかの血筋マニアに頼まれて、タルブの人たちに配る予定の風邪薬。買って来るって話は聞いてたでしょ?」 ジェシカの手の平に薬包紙を載せて、その中に収められた粉を見せる。 水のメイジの力を借りなくても風邪に対して効果をあげるそれは、本来なら平民の手の届かない高級品だ。しかし、村に滞在するシャルロットの母の名義で出された資金が、村の住人に一通り配給できるだけの量を確保することを許した。 小匙一杯分あるかどうかという量の粉が、平民の年収に匹敵する価値がある。突然にそんなことを言われたら、すぐには納得出来ないだろう。一年の労働が、たった一匙分の薬にしかならないなんて。 しかし、タルブの村人達にとっては待ち望んだ代物であることに変わりはない。ジェシカも首を長くして待っていたそれは、絶望感の漂う避難民達に希望を与えてくれるはずだった。 「予防薬にもなるって話だから、ジェシカも飲んでおいたほうがいいと思うわ。ずっと病人の傍に居たんでしょ?甘く味付けしてあるから、遠慮せずにがーっといっちゃいなさい」 「あ、うん。……へぇ、便利なものだね」 言われたままに薬包紙を口の前に持ってきて、盛られた粉末を口内に流し込む。 瞬間、舌の上に広がった途轍もない苦味に、ジェシカの表情が歪んで皺だらけになった。 「み、みふ……!」 「ぶふっ、くっくっくっく……。残念だけど、ミミズはもう無いわよ」 口の中の苦味を取り除こうと水を求めたジェシカに、エルザが笑いを漏らして腹を抱えた。 聞き間違いをしたという様子ではない。わざと水とミミズを聞き間違えたふりをしているのだ。 「みふ!みふはっへば!!」 涙が零れそうになるほど刺激的な味が、ジェシカに強烈な喉の渇きを与えている。 粉薬を飲むときには水が必要だと言う認識は有ったのだが、量が量だ。唾で十分に飲み込めると思ったし、甘い味付けだと言うから警戒もしなかった。それが、間違いの元だ。 薬はしつこく口の中に張り付き、唾で飲み込もうとするジェシカを嘲笑うかのように、無駄無駄無駄ァッ!とハイになってジェシカを攻め立てている。 「えー、蜜ぅ?貴女、薬を飲むのに蜂蜜なんて使うつもり?贅沢ねえ」 「ひはう!みふっへいっへるへひょ!!」 尚も聞き間違いしたふりをするエルザの胸倉を掴み、ガクガクと揺さぶる。しかし、完全に遊びに入ったエルザは、その程度で音を上げることは無かった。 「は、はふぁったわね!」 「ふふふ、わたしは一度として水無しで飲めるだなんて言ってはいないわ。薬が甘いなどというありもしない幻想を抱き、飲み水を用意しなかった貴女の負けよ、ジェシカ」 何時の間に勝負事になっていたのか。 サディスティックな笑みを浮かべたエルザは、嘲るように高笑いしてジェシカの手を振り解くと、颯爽と逃げ出した。 ジェシカの歩いてきた獣道を逆走していくエルザに手を伸ばして、待て、と声をかけようとするが、口の中の苦味とそれが高級品であるという事実がジェシカの行動を妨げる。 平民の年収が口の中に納まっているのだ。おいそれと無駄には出来ない。 「お、おふぉれー!」 でも結局、口の端から粉を少量吹いて、ジェシカは恨みを込めた声を上げた。 森の木々に去り行くロリ吸血鬼の後姿が隠れ、やがて景色に溶け込んで見えなくなる。 目的地は分かっているのだから、追おうと思えば追えなくは無い。しかし、ジェシカにはシエスタとの約束があるため、このまま帰るというわけにはいかない状況だ。 森の中から一歩も出ないまま終わりでは、シエスタも納得しないだろう。 一先ず口の中の風邪薬を何とかしよう、と湧き水でもないものかと周囲を見回したジェシカは、足元に開いた穴を見て苦味でクシャクシャになった表情を更に歪めた。 エルザが何処から来たのかは分からないが、少なくとも、この穴は森の外に通じているはずだ。もしかしたら、村の近くに出入り口があるかもしれない。 シエスタとの約束を優先するなら、この穴に入ってさっさと村の様子を見に行くべきだ。しかし、口の中の苦味はどうにも耐え難い。 解決策が一つ見つかると、すぐに別の問題が発生するから人生と言うものは過酷だ。 先日の雨が今日降れば、口の中の苦味ともおさらば出来るのに。 もしそうなったら、風邪の薬自体飲むことは無かっただろう。そんな事実を無視して、天候に文句をつけたジェシカは、心の中でチクショウ!と叫んで、穴に中に飛び込んだ。 村の様子を見ることが出来たら、すぐに帰って誰かに水を貰おう。 そう思って行動したのはいいのだが、ヴェルダンデという案内役も無く、真っ暗な穴の中をどうやって移動するのか。 そんなことにジェシカが気付いたのは、穴の中ですっかり迷子になってからのことであった。
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前ページ次ページLouise and Little Familiar’s Order キュルケは軽く身繕いをした後、少女の手を引いて階下へと向かう。 ルイズが追って来るのではないかと時々後ろを振り返りもしたが、そこには誰もおらず、ただ薄暗く続く長い廊下があるだけだった。 まあ、追って来ていたとしてもあれほどの事を言った後である。 上手い文言の一つや二つが早々簡単に思いつくわけはないと思われるが。 それにしても、メイジ失格なんて少し強く言い過ぎたか?と思ってしまう。 実際二人はしょっちゅう言い合いをする事があった。 家は国境を挟んで隣同士だし、お互い家名を背負っているプライドからか些細な事でも火種になる始末だった。 しかし、今回はそれらとは少し事情が違う。 あそこまで他人に対して棘を出し、塞ぎこんでしまいそうなルイズに発破をかけるなら、あれぐらい言わないと無理だろう。 それに、からかったり弄ったりする楽しさも無くなってしまうし。 と、異様なまでにその場が静かな事に気づいた。 隣で手を引かれている少女は言葉を失ったように黙り込み、キュルケの方を見つめている。 目はさっきまで泣いていたせいで、隅の辺りが赤くなってしまっている。 少しでも少女の不安要素を取り除こうと、彼女は手始めに自分の名前を名乗ってみる。 「挨拶が遅れてごめんなさいね。私の名前はキュルケ。本当はもっと長い名前なんだけどこれから呼ぶ時は短く『キュルケお姉さん』でいいわ。」 「キュルケ……お姉さん?」 「そうそう。それで良いの。じゃあ、今度はあなたのお名前を教えてくれるかしら?」 「わたしは、ミー。」 「そう。可愛い名前なのね。お姉さん気に入ったわ。」 キュルケは子供をあやすといった事はした事が無かったが、その要領は意中の相手を落とすのに似ている。 先ず些細な事を何でも良いから聞き出し、それに関して褒める。 そうされて困ったり嫌がったりする人間というのはまずいないからだ。 そして、相手は自分に敵意が無いと信じ、心の内奥に通じる扉にかけられた鍵を開錠するのである。 案の定、少女は顔を僅かに赤らめて俯いた。まずは第一段階終了である。 そしてその次に進む為の扉が二人の目の前に現れた。 Louise and Little Familiar’s Order 「First meal at the another world」 それは厨房へと通じる扉だった。 同級生達が、料理や使用人の態度について色々と文句をつけるためにここへ来ていたのを、何度か見た事があったからだ。 中ではまだ仕事が続いているのか、騒がしい音が続いている。 もう殆ど片付け終わったかしらと気にしつつ、キュルケはその扉を高らかな音をさせて何度かノックした。 「はあい。今参ります!」 可愛らしい声がした後で扉がすっと開いた。 中から現れたのは、メイド服姿がよく似合う純朴そうな黒髪ショートの少女だった。 彼女はキュルケの姿を確認すると、かしこまって挨拶をする。 「これは貴族様。こちらへはどのような用事でしょうか?」 「一ついいかしら?賄いってまだ残ってる?」 それはメイドの少女にとって、全くといって良いほど意外な質問だった。 いつもなら、貴族がここを訪れる時は出した料理に何らかのけちを付けるものなのだが、妙な事になった。 「少々お待ち下さいませ。……マルトーさあん。賄いってまだ残ってますか?」 「何ぃ?ああ、それならちっとだがそこにある鍋に残ってるぞ。ところでシエスタ、そんなもん何に使うんだ?」 シエスタと呼ばれた少女の問いに、物凄い勢いで山のような洗物を片付けるコック長らしき中年の男性が答える。 「いえ……私ではなく、貴族様が必要だと仰られているので……」 「分かった。今そっちに行くから待ってろ。」 マルトー氏は手を拭き、いそいそといった感じで戸口までやってくる。 「これは貴族様。このような下賤な場所へ一体どのようなご用件で参られたのでしょうか?」 声は威厳があり丁寧な感じもしたが、どこと無く相手に対して敵意を向けている感じだった。 「この子に何でも良いから何か食べさせてあげたいのよ。今日丸一日何も口にしてないらしいから。」 「分かりました。では早速ご用意させて頂きます。」 二つ返事をして深々と頭を下げてはいるが、やはり慇懃な感じがするのが否めない。 それからマルトー氏は厨房の奥へと戻り、鍋に火をかけ出した。 と、シエスタがミーと視線が同じくらいになるまで屈み込んでから、キュルケに質問をした。 「あのう、失礼ですがこの子ってまさかミス・ヴァリエールの使い魔になったっていう子ですか?」 「そうよ。よく知ってるわね。あたしは違うけど。」 「それは……私達の間でも召喚の魔法で平民を喚んだって噂になっているので……」 シエスタは完全にへどもどした状態になる。 一方、厨房の奥では多くの使用人達がひそひそ声で陰口を言っていた。 「使い魔が平民って噂本当だったんですね。」 「しかもあんな小さい子がねえ。」 「しかし今日一日ご飯も貰えなかったとは可哀相に……機嫌一つで飯の一つや二つを下げさせるなんて貴族様ってのは本当鼻持ちならんねえ。」 「しぃっ!聞こえますって!」 ルイズが聞いたら、平民のくせにといって大声で怒鳴りつけかねないだろう。 この場に彼女がいないのが幸いしたとキュルケは心底思った。 するとシエスタがミーの手を引いて、一番近くにあった椅子に座らせる。 多くの大人に囲まれて緊張でもしているのか、おどおどした表情で周りを見渡すミーにシエスタはにっこり笑って話しかける。 「初めまして。私はここで働いているメイドのシエスタ。あなたのお名前は?」 「ミー。わたしのなまえはミー。」 「そう、ミーちゃんって言うんだ。ミーちゃん、もう少しだけ待っててね。暖かいスープがあったの。直ぐ持ってくるから。」 そう言ってシエスタは大きな竈の前へ行く。 それから2、3分経った頃だろうか、暫くすると彼女は、湯気の立つスープの入った皿を持ってそこに現れた。 「はい、どうぞ。おかわりもあるからゆっくり食べていってね。」 シエスタは皿と簡素な銀スプーンをテーブルの上に置き、優しい声でスープを食べるよう勧める。 ミーは最初周りを見渡すばかりで、スプーンに手を触れようともしない。 だが、ややあってから彼女はゆっくりとスプーンを手に取り、それから夢中でスープを口にかき込み始めた。 その様子を見てシエスタはポツリと呟く。 「よっぽどお腹が空いていたんですねえ。」 「召喚された後、ルーンが刻まれる時のショックで丸一日寝込んでいたそうだもの。無理も無いわ。」 「ルーンってあの手の甲にあるやつですよね?」 「そうよ。ところであなた、やけに小さい子の扱いに慣れてるのね。」 「はい。田舎に親戚の子が沢山いましたから、面倒を見なければならなかったんです。慣れてくると楽しかったんですけどね。」 キュルケはシエスタの呟きにいつの間にか相槌を打っていた。 彼女はシエスタが平民だという事に関しては、そこまで気にしてはいなかった。 キュルケはトリステインの出身ではない。隣国の帝政ゲルマニアの出身なのだ。 トリステインでは貴族である条件が「領地を購入する事」、「公職に就いている事」そして「魔法が使える事」と、如何にも固い物である。 が、彼女の故郷では殆ど原則金回りの良さが物を言う為、元平民の貴族が街路にごろごろしている事も珍しくは無かった。 当然、キュルケもそんな中で暮らしてきたので平民の扱いは手馴れている。 そしてその中で思う。 この娘なら毎日のご飯どうにか出来るのではないか、と。 「ねえ、頼みがあるんだけど。」 「あ、はい。何でしょうか?」 「明日の朝、もしこの子が食堂から締め出し喰らってたら、今みたいにご飯あげてくれる? この子の『御主人様』は多分食堂の中に入れさせないだろうし、例え入れさせてもこの子にとって良い物は出ないでしょうね。」 「分かりました。そうします。」 シエスタは二つ返事で頼みを承諾した。 その時、ミーがスプーンを置いて小さく呟いた。 「おかわり……ください。」 温かい食事と人付き合いは冷たく凍った心を溶かす。 誰が言ったか知らないがそんな言葉を聞いた事がある。 聞いて直ぐは「そんな事って本当にあるのかしら?」と思っていたが、今日はそんな様子を傍で目にした。 強ち嘘ではないのかもしれない。 キュルケはそんな事を思いつつ、食事を終えたミーを連れてルイズの部屋の前に来た。 そこまで来るとミーは内心怯えきっていた。 厨房の人々にさっきまで柔らかい笑みを撒いていた彼女の顔も、すっかり恐怖で歪んでしまっている。 「ルイズが恐いの?安心して。お姉さんがきちんといろいろ言っておくから。」 そう言ってキュルケは部屋の戸を数回叩いた。 「開いてるわ。入って来て良いわよ。キュルケでしょ?」 極めて不機嫌そうなルイズの声が聞こえる。 その声には答えず、キュルケは扉を開け、ミーを伴って部屋の中へ入る。 その時キュルケは部屋の中の惨状に唖然とした。 卓がひっくり返り、本という本は彼方此方に吹き飛び、普段着ている衣服は全て散らかったままになっていた。 まるで嵐が一陣通り過ぎていったかのようである。 そして天蓋付きのベッドの上では、ネグリジェ姿のルイズが毛布を被って猫のように体を丸めていた。 どうやら彼女が積もり積もった癇癪を爆発させた結果らしい。 「何の用?」 ルイズは上体を起こし、虚ろな目線で戸口にいる二人を見つめた。 そんな彼女を見てミーはさっとキュルケの背後に隠れる。 「あなたの使い魔を返しに来たのよ。」 「何よ。随分早い返却じゃない。」 「但し、あなたがこの子の面倒をきちんと見れるっていう前提付きだけどね。きちんと面倒を見るって約束するなら今この場で返すわ。 出来ないのなら私か厨房で知り合った平民の使用人がこれから面倒見る事になるから。」 キュルケがそう言うと、ルイズはさっとベッドから飛び出て二人の元までやって来た。 手は硬く握り締められ、顔は流石に真剣な顔つきになっている。 幾ら自分と最初の出会いが悪かったとは言え、使い魔として召喚された以上、キュルケ、ましてや平民の手を借りなければ子供一人手なづける事も出来ないと思われるのは嫌なのだろう。 そしてルイズは震える手でキュルケの元からミーを引き離し、凛とした声で言う。 「馬鹿な事言わないでよ。この子は私の使い魔なのよ。あんたや平民の手を借りるまでもないわ。私の使い魔なんだから私がこの子を立派にしてみせるわ!」 それは意地でも見栄でも何でもない。飾りも無い。 使い魔を持った一人のメイジとして、果たすべき責務に向かうという一言だった。 メイジと使い魔は一生を共にするのだ。 最初からその義務を投げ出していたのでは、自分が目指す立派なメイジなんて夢のまた夢に等しい。 面白いわね、とばかりにキュルケが笑みを浮かべてそれに答える。 「そう?じゃあ私は部屋に戻るわ。……いい?ミーちゃん。ルイズの側にいて恐くなったり泣きたくなったりしたら直ぐ私の所に来るのよ。」 「ふざけないで。どんなにこの子が辛い目に会ったって、最後は……最後は絶対に私の所に戻るようにしてみせるわ!やってやろうじゃないの!」 「あら、随分と頼もしい言葉じゃない。本当の事になれば良いけど。ま、せいぜい頑張ってね。それじゃあ、お休み。」 キュルケはくすっと笑って部屋から出て行った。 そんな様子を見てきーっと吼えたくなったが、隣にミーがいるのでそれは泣く泣く我慢する事にした。 悔しいが彼女は、ミーにご飯を与える等今の自分にはやってのけない事を幾つかやって貰ったのである。 また癇癪を起こしてあっさり約束が反故になるのも嫌だった。 取り敢えず落ち着く為に深呼吸し、改めて名前を訊く。 「あなたの名前は何?」 「わたしは……ミー。」 改めて始まった主人と使い魔の生活。 自分より小さい子をあやした事の無い、厳しく躾けられたルイズは、果たして異世界から来たミーと上手くやれるのか。 未来へと続く道は未だ暗闇に閉ざされている。 前ページ次ページLouise and Little Familiar’s Order