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『ノストラダムス大予言原典・諸世紀』は、1975年にたま出版から発売されたノストラダムス予言の原文対訳集である。 ヘンリー・C・ロバーツのThe Complete Prophecies of Nostradamusを翻訳したもので、2020年現在では日本語として唯一の原文対訳だが、信頼性は低い。 大乗和子訳、内田秀男(未作成)監修。 【画像】現行のカバー写真。初期のカバーはAmazonのこのページを参照のこと。 構成 ロバーツの英訳書の全訳である。 最初にゲーテの『ファウスト』からの引用句がある。 続いて息子セザールによるノストラダムスの肖像画が、ロバーツのコレクションとしてモノクロで転載されている(実際には、オリジナルはエクス=アン=プロヴァンスにある)。 続いて「セザールへの手紙」の日本語訳が収録され、そのあとで、ロバーツによる端書きの訳と、日本語版監修者による解説(pp.17-43)が載せられている。 本編にあたる詩百篇集では、原文対訳に解説が添えられている。 この解説は、原書に載せられていた解説と注をもとに、手短にまとめなおしたものである。 一方、詩によっては、編集者韮沢潤一郎らの解釈や、おそらく編集者らによって関連性があると判断されたジーン・ディクソンやエドガー・ケイシーの予言のフレーズが併記されている。 第7巻と第8巻の間には、「アンリ2世への手紙」が収録されているが、ロバーツの英訳に比べても、一部で大幅な省略が行われている。 なお、テーマごとに予言を分類した別添えの索引が挟み込まれている。 コメント 原書がそもそも信頼性の低いものであることに加え、日本語訳の信頼性が低い。 フランスの地名などの固有名詞を英語読みしたり、ローマ字読みしたりしている事例が目立つことからして、訳者はおそらくそれほどフランス語に通じていなかったものと考えられる。 具体例として、第2巻60番、第2巻90番、第5巻57番、第6巻100番、 第9巻20番などを挙げておく。 また、単純な誤訳も多い。 訳者あとがきによれば、ロバーツの英訳を余り意識しないようにしてフランス語原文の意味を汲み取ろうと努めたというが、実際には well と wall を取り違える類の、英訳を日本語に移しかえる際のミスと思しきものも少なくない。 例として、第1巻26番、第5巻32番、第5巻39番、第7巻80番、第8巻43番、第8巻番外詩6番、第12巻65番、第12巻71番などを挙げておく。 そもそも冒頭に収録された『ファウスト』の引用句自体が、岩波文庫版などと見比べると誤訳とわかる。 先行する訳が存在していた『ファウスト』の訳でさえそうなのだから、当時先行する訳がほとんど存在していなかった予言集の訳をそのまま受け入れることには、十分慎重になるべきだろう。 書誌 書名 ノストラダムス大予言原典・諸世紀 著者 ミカエル・ノストラダムス 編者 ヘンリー・C・ロバーツ 監修者 内田秀男 訳者 大乗和子 出版社 たま出版 発行日 1975年3月1日 海外の研究者向けの暫定的な仏語訳書誌 Titre Nostradamus Daiyogen Genten - Syoseiki (traduction / Texte original des Grandes Prophetiés de Nostradamus - Les Siècles) Langage japonais et français Auteur Michael NOSTRADAMUS Editeur Henry C. ROBERTS Directeur UCHIDA Hideo Traducteur DAIJÔ Kazuko Publication Tama Shuppan Lieu Tokyo, Japon Date 1er mars 1975 Page (4), 318, (1)pp. Note Traduction en japonais du livre d Henry C. Roberts, The Complete Prophecies of Nostradamus, New York, 1947/1949 ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
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ストラーオス ストラオスの別名。
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ストラテス | 航空機 | エクスウイング | 石版 | 人物 ストラテス----天の悪魔と人類の叡智より産み落とされし天を貫く異形の翼、成層圏の女神。 U.N DDP-008 ロードブリッツ スティール・ランス ソルフィディア KOR-01 ロードランセル ROSSIJA クドリャフカ ナデージュダ U.S.A スターライン スカイランナー E.U ヴィルヘルム グリッター NIPPON アキアカネ 明流星 東国ノ咎 NK 人民大躍進2号 人類反抗作戦 ストラトヘイロー Others マザークレイドル 龍声 ステラ・ナガン 曾原すずめ 夜刀ノ守 ナイトバード 天使 スツェイト ストラテス | 航空機 | エクスウイング | 石版 | 人物
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ノストラダムス協会(l Association des Amis de Michel Nostradamus)は、1983年に組織されたフランスの研究グループで、会長はノストラダムス書誌学の世界的権威であるミシェル・ショマラ。 1983年2月8日付の官報に設立が公示されている。直訳すれば「ミシェル・ノストラダムス友の会」であるが、日本では「ノストラダムス協会」と意訳されることが多い。 年1回の割合で機関誌「ミシェル・ノストラダムス研究誌」(Cahiers Michel Nostradamus(未作成))を発行した(1983年-1988年)。機関誌以外にも、1555年版予言集の影印本である『ついに再発見された初版本!「予言集」(1555年)』(La 1ère édition enfin retrouvée! Les Prophéties (lyon, 1555)(未作成), Lyon, 1984)や8ページの文献『ノストラダムスとその時代のカタログ、使用法』(Catalogue Nostradamus Le temps, Mode d emploi, Lyon, 1984)などを出版した。 ほかシンポジウムや展覧会などの開催も意欲的に行っていたようである。現在の活動状況はよく分からない。 理事会構成メンバー 以下は会報第1号に掲載されていた発足当初(1983年)のものである。 会長 ミシェル・ショマラ 副会長 ロベール・アマドゥ(未作成) 書記長 ジャン=フランソワ・エルバ(未作成) 出納係 ジャン=ポール・ラロッシュ(未作成) 理事 セルジュ・ユタン ほかに会員としてジャック・アルブロン、ミシェル・シモナン(未作成)、ロベール・ブナズラ、ルネ・シャピュス、ミシェル・モランなどがいたようである(*1)。 もうひとつの「ノストラダムス協会」 セルジュ・ユタンの『ノストラダムス予言集』1978年版には、サロン=ド=プロヴァンスに本部をおくほぼ同名の団体、「ノストラダムス友の会」(la Société des Amis de Nostradamus)への言及がある。その会長はA.-M. ミロー(未作成)という人物だという。この団体と、ショマラを会長とする団体との関係は不明である。 ロベール・ブナズラはミローを「ノストラダムス作品を広めるための国民協会」(l Association Nationale pour l Illustration de l Oeuvre de Nostradamus)の会長としているが(*2)、同じ団体なのかなどはよく分からない。ちなみにこの「ノストラダムス作品を広めるための国民協会」の方は、ノストラダムス没後400周年に当たる1966年に設立されたものだという(*3)。 ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
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アストラル アニメ本編のもう一人の主人公。遊馬の持つ「皇の鍵」から現れたアストラル世界からの使者。 透明な瞳と金色の瞳というオッドアイの持ち主。 クールで頭脳明晰、タクティクスに長けたデュエルの天才。 初期デッキの特徴 基本的には遊馬のデッキとよく似ているが、リクルーターが入っているなど、より安定して戦えるようになっている。 クリア時デッキ公開 モンスター 24枚 茫漠の死者 2 カゲトカゲ 2 カメンレオン 3 ゴゴゴギガース 2 ゴゴゴゴースト 3 ゴゴゴゴーレム 3 ゴゴゴジャイアント 3 ゴブリンドバーグ 3 ピラミッド・タートル 3 魔法カード 10枚 岩投げエリア 1 サイクロン 2 大嵐 1 死者蘇生 1 生者の書-禁断の呪術- 2 増援 1 RUM-リミテッド・バリアンズ・フォース 2 罠カード 6枚 神の警告 1 エクシーズ・リボーン 1 聖なるバリア ミラーフォース 2 リビングデッドの呼び声 2 エクストラ 15枚 No.50ブラック・コーン号 1 ガガガガンマン 1 No.16色の支配者-ショック・ルーラー 1 No.39希望皇ホープ 3 CNo.39希望皇ホープレイ 2 CNo.39 希望皇ホープレイV 2 No.91 サンダー・スパーク・ドラゴン 1 カチコチドラゴン 1 恐牙狼ダイヤウルフ 1 キングレムリン 1 隻眼のスキル・ゲイナー 1 立ち回り ランク4エクシーズを出すのに最も適したキャラクター。 上記デッキは茫漠の死者以外はランク4モンスターで揃えてある。 特記すべきタクティクスはアンデッドモンスターたちの回し方。 またゴゴゴゴーレムは序盤で墓地に落としておきたい。 ゴゴゴジャイアント、ゴゴゴゴーストで墓地より特殊召喚出来る。 カゲトカゲやカメンレオン、ゴブリンドバーグでレベル4を揃え どんどんエクシーズを進めよう。 オススメモンスター 茫漠の死者 相手ライフが8000の時、攻撃力4000で特殊召喚できる。 ピラミッド・タートルでサーチ可能なので、コイツで自爆特攻で呼び出すのも可能。 CNo.39 希望皇ホープレイV 原作無視で呼びだそう。 相手モンスターを破壊し攻撃力分のダメージを与える。 開いた場にダイレクトアタックを仕掛けれると強い。 ランク4 No.50 ブラック・コーン号 攻撃力2100、エクシーズ素材を取り除くことで自身の攻撃力以下の相手モンスターを一体破壊する。 トークン駆除やマシュマロン等、戦闘破壊駆除モンスター対策に。 キングレムリン 手札が足りなくなるデッキなので、カゲトカゲやカメンレオンを呼び出すのに最適。 掲示板 エクシーズモンスターカードが20枚になっています -- (名無しさん) 2014-01-02 16 41 52 クリア時デッキのエクシーズモンスターカード、修正されたのですがまだ合計が16枚です -- (名無しさん) 2014-01-03 10 50 28 遊馬に比べて安定した立ち回りがしやすかった。ゴゴゴのデッキを少し手直しするぐらいで大丈夫。 -- (名無しさん) 2014-01-07 16 47 03 フリーモードでこいつだけ出ねえんだけど、どうしたらいいんだ? -- (名無しさん) 2014-03-06 12 03 59 ストーリーモードで、クリアしたキャラ選択後、続けてプレイするとマップに出現するよ(多分誰でもいい) -- (名無しさん) 2014-03-06 22 28 24 続き で、一回デュエルすればフリーにも出現するよ -- (名無しさん) 2014-03-06 22 30 52 名前 コメント すべてのコメントを見る 遊戯王ZEXAL 激突! デュエルカーニバル! - 3DS
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登録日:2021/06/15 Tue 18 12 45 更新日:2023/11/29 Wed 19 11 42NEW! 所要時間:約 4 分で読めるでギッチョン ▽タグ一覧 TF ギッチョン ギッチョンチョン クイックストライク コックカワサキ コブラ サソリ デストロン トランスフォーマー ビーストウォーズ ビーストウォーズメタルス フューザー戦士 ブラー プレダコンズ 不憫 不遇 刑事コロンボ 機動戦士クイックストライク 砂漠戦闘指揮官 飛田展男 みんな~、ビーストウォーズごっこで元気よく遊んでるかギッチョ~ン! 俺、クイックストライクの真似はできるよな~? ハ~ギッチョンチョンでブラ~~~! はい、ご一緒に! ハ~ギッチョンチョン で (下の口で) ブラ~~~ は~い、よくできました~! それじゃビーストウォーズのはじまりでギッチョ~ン! クイックストライクとはCGアニメ「超生命体トランスフォーマー ビーストウォーズメタルス」の登場人物である。 肩書きは「砂漠戦闘指揮官」荷が重すぎじゃね? CV 飛田展男 【概要でギッチョ~ン!】 全長 2m 重量1.5t 初登場は第2話「新戦士登場!ギッチョンチョンですっ!」。 サソリとコブラの特徴を持って生まれたフューザー戦士。 オレンジと黄緑というサイケデリックな体色にビーストモードはサソリの尾がコブラとなっている異質な姿で、頭部が2つある状態となっている。 ロボットモードは右腕がコブラの頭、左腕にサソリの足が指のように並んでいる。 そしてスコルポスとは逆にサソリのハサミは両足に配置されている。 担当声優の飛田氏からの第一印象は「仮面ライダーのゲルショッカー系怪人」。 元々はコンボイ率いるサイバトロンが宇宙に放ったプロトフォームだったが、墜落のショックとクォンタムサージによってポッドが故障。 フューザー戦士となったのも、DNAスキャニング機能のバグによってコブラとサソリを同時にスキャンしたため。 加えてセキュリティがオフになって自分が何者か分からなくなっていたところを、デストロンの破壊大帝メガトロンに狙われ、コードの書き換えによりデストロンとなった。 【人物でブラー!】 ハイテンションな変人だが、攻撃的なところがあり、誕生直後に同時に生まれたパタパタ犬ことシルバーボルトに喧嘩を吹っかけている。 また、上述の書き換えのせいもあるが、ほぼ自分の意志でデストロンに加わっている。 一人称は「俺」「俺様」で、口癖は「ギッチョン!」「ブラー!」。 サソリとコブラで別の人格を有しているようで、ビーストモードではサソリの方は低い声、コブラの方は高い声で喋る。そのためかコブラ部分は千切れても動くことができる。 ロボットモードはもろコックカワサキその中間くらいの声で喋る。人格はどっち?それとも全くの別物? 気分屋な所があり、タランスにそそのかされてメガトロンを裏切ったこともある。 また、相手をいたぶることを楽しむサディスティックな一面もある。 担当声優のアドリブは冴え渡っており、某川口探検隊風のナレーションを披露したり、最終回では某北の国からのナレーションや某ウルルン滞在記チックなナレーションを見せている。 12話冒頭では15秒程度のOPイントロトークで冒頭のセリフを披露。クイックストライクの場合、語尾の「ギッチョン」は文章に繋げにくいため文字数が多くなりがちなのだが、最後のほうを若干早口にすることでセリフをギリギリとはいえ尺内に収めていた。 飛田氏の滑舌の良さが冴え渡っている場面である。 特にここのwiki的に必聴の価値があるのは第22話「もえてドラゴン」。 ここでクイックストライクはパワードコンボイを操っており、裏切り者のブラックウィドーを拘束しながらパワードスーツに乗ってこの台詞を吐いている。 機動戦士クイックストライク、いっきま~す!! 『君は、生き延びることができるか?』 ギッチョン? それとも、『君は、刻の涙を見る……』 ってかギッチョ~ン? それともあっさり潰しちゃおうか蜘蛛姉ちゃ~ん!? プチッって♪ この吹替の人、ノリノリである。コレに搭乗しそうである。 【戦闘能力でギッチョ~ン!】 武器は主にコブラの口から放つ毒の光弾「ベノム・ストライク」と毒の光線「ベノム・エクスプロージョン」。 また、コブラの口で噛み付いて毒を与える「ベノム・バイト」もある。 だが誕生して間もないせいかそこまで強くはなく、ワスピーター同様やられ役が多い。 ダイノボット戦に至っては格闘戦のみで倒されている。 【人間関係でブラー!】 メガトロン 彼の誘いに乗って配下になった一応の上司。 基本的には忠実だが、意にそぐわない作戦には反対したり、 時として裏切ったりする等、完全に心を許しているわけではないようだ。 タランス 怪しげなうひゃひゃ蜘蛛。 彼からは扱いやすいと思われてるのか、そそのかされてメガトロンに反抗したこともある。 ブラックウィドー 蜘蛛姉さん。 デストロン在籍時にはどうやら彼女に惚れていたようで、鼻の下を伸ばしていた。 ランページ 後輩にあたるカニじゃい! 割と気が合う方なのか、戦車モードの彼に乗りサイバトロンを攻撃したこともある。 インフェルノ 先輩のアリでごっつんこ。 特に仲がいいわけではないが、最後を共にすることに……。 シルバーボルト 恋に生きるパタパタ犬。 同時に誕生したいわば兄弟ともいえる存在だが、メガトロンの悪に気付き彼はサイバトロンに鞍替え。 この分かれ道が、その後の運命を大きく変えることに… コンボイ 敵の大将。 第22話ではタランスのマシンを使い、まさかの彼を操るという大快挙を成し遂げた。 【活躍に恵まれなかった毒蛇蠍……でギッチョン】 しかし、このクイックストライク、本編での扱いは不遇であった。 ライバルののシルバーボルトはブラックウィドーとラブコメを繰り広げ、 後輩のランページもトランスミューテイトとの友情話があったのに対し、クイックストライクはまさかの主役回なしであった。 一応、上述のようにコンボイを操ったりと活躍しなかったわけではないが。 そして最後はインフェルノと共に原人の村を襲っていた所、メガトロンが動かす戦艦ネメシスの攻撃に巻き込まれ死亡。 事実上見捨てられるという不憫な最期を遂げた(メガトロンは殺すつもりはなく、ただ彼らがそこにいる事を知らなかっただけだが)。 その後残骸は原人に拾われ、コブラ頭部は笛、足はバーベキューの支柱、ロボットモードの頭部はお面にされてしまった。 「ギッチョン、情けな~い!」 日本版最終話ことリミックスでは『北の国から』の主人公・黒板純みたいな口調で故郷のお母さんにメッセージを送ったり、モノマネ大会では刑事コロンボのモノマネを披露したが、 メガトロンに「良い子の皆にはわかんねーよ!」という理不尽な理由(*1)でお仕置きされた。 「ギッチョ~ン!」 【漫画版での活躍でブラー!】 コミックボンボンに連載された漫画版では最初、配下の量産型ロボットであるコブラ軍団(ネオのコラーダに似ている)とスコーピオン軍団(スコルポスに似ている)を率いてサイバトロン基地を襲撃。 だが先に侵入し、満足した結果が得られなかったブラックウィドーに八つ当たりされた。 その後、特に描写もなくジャガーに殺されていた。 だがランページのスパークにより復活…したがコンボイに一蹴された。 【玩具でギッチョ~ン!】 ベーシッククラスでの発売となり、単体としては本作のキャラで最も安価で購入できた。 だが全身クリアパーツで構成され、非常に美しい。 ビースト・ロボット両モード共に可動も申し分ないと完成度は高い。一方でクリアパーツの経年劣化による破損には十分注意されたい。 コブラの頭は水を含ませることで水鉄砲としても遊べる。 ちなみに紹介画像等では下半身のサソリの頭が前を向いている。説明書ではそのまま後ろに半回転させて完成となっているが、 取り外してサソリの顔を下側にすることにより劇中通りの姿にすることもできる。 対決セットはシルバーボルト…ではなくメタルスエアラザーとの「陽炎の対決」が発売されている。 ちなみにシルバーボルトはランページとの対決セットとなっている。 【余談でブラブラ〜】 中の人ネタ 日本版で声を担当する飛田氏は、前作のテラザウラーからの続投となっている。 前述の通り、クイックストライクの扱いはあまり良くなかったため、コレを逆手に取って主演作の某ガンダムパイロットのような口調で本編中愚痴ってネタにしていた。目立たない中で強烈な個性を発揮できるあたりはさすが飛田氏と言ったところか。 キャラ迷走? テレビ放送前に放映された劇場版(*2)やゲーム版ではいわゆる「軍師キャラ」として想定されていたようで、1人称が「わたくし」、語尾に「~でございます」と本編の彼とは真逆な不気味かつ慇懃無礼な口調で喋っていた。 また、玩具の説明書やカードでも口癖がなく、「砂漠の戦いは、俺に任せろ」など普通の口調で表記されていた。 実際の本編での頭の悪そうな言動の数々を見るに、軍師キャラにならなくて正解かも知れない。 リターンズでの活躍!? メタルスの続編にあたる「ビーストウォーズリターンズ(海外名 ビーストマシーンズ)」では、ライバルのシルバーボルトが姿はおろか変形モチーフや性格も含め別人になったが登場しているのに対し、すでに死亡しているため当然ながら未登場である。 しかし、「クイックストライク」という名称はマクシマルズの一員として使われている。劇中未登場キャラであり、サソリともコブラとも無関係な狼に変形する。 メタルスのクイックストライクとは別人かつ、シルバーボルトとも無関係であるが、メタルスでもシルバーボルトの変形モチーフに狼が含まれており、かつリターンズで狼要素が無くなったことを考えると、「クイックストライク狼に変形するTF」というのはどことなく皮肉を感じさせる。 はぁ〜追記・修正するギッチョンチョン! △メニュー 項目変更 この項目が面白かったなら……\ポチッと/ -アニヲタWiki- ▷ コメント欄 [部分編集] 毒が回った状態で連戦が続いたダイノボットに普通に軽くいなされてる辺り本当にパッとしない実力 -- 名無しさん (2021-06-15 21 41 58) すいません、おくさ~ん。 -- 名無しさん (2021-06-15 21 58 00) 尻尾を腕に、ハサミを両脚に変形するのはスコルポスとの差別化が利いてて良いと思うけど正直強敵になれそうな感じは全くしないデザイン -- 名無しさん (2021-06-15 22 09 30) 実質没設定だった軍師キャラとしてのコイツも見てみたかったな。「マイクロン伝説」のスラストみたく「策士策に溺れる」的な最期になって違和感なかったと思う。 -- 名無しさん (2021-06-15 22 26 23) 左腕って活用されたっけ? -- 名無しさん (2021-06-16 20 11 24) 奇抜なデザインに見えてフューザー戦士の中では実は割と綺麗にまとまってる方のデザインだという -- 名無しさん (2021-06-17 11 46 16) スコルポスより弱そうなイメージ -- 名無しさん (2021-06-17 12 08 07) ↑少なくとも頭はスコルポスの方が… -- 名無しさん (2021-08-24 18 33 25) 名前 コメント
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『ノストラダムス・メッセージ ソ連体制崩壊 ― 第三次大戦篇』 は、1991年に角川書店から刊行されたヴライク・イオネスクの著書。日本語版監訳者は当時筑波大学教授だった竹本忠雄である。 【画像】 『ノストラダムス・メッセージ』カバー 構成 ノストラダムス暗号とイオネスク解読 - 日本語版監修・翻訳者序 第一部 核超大国時代 - 第二次大戦後の世界 第一章 ソ連の新戦術 - 壊乱、詐術、スパイ 第二章 核エネルギー探査とスパイ活動の激化 第三章 スターリン支配下の国々の抑圧と殉難 第四章 ソ連外交のもたらした四つの危機 第五章 ヴェトナム戦争 第六章 その他の現代諸事件(一九六〇 - 一九七〇年代) 第二部 ソ連体制の崩壊と第三次大戦 第一章 概観 第二章 先駆症状 - イラン危機 第三章 挑発とテロリズムの拡散 第四章 天安門事件 - 中国人学生の蹶起と悲運(一九八九年春) 第五章 「ブカレストの翻訳者」と独裁者 第六章 ベルリンの壁崩壊、ルーマニア革命、そして・・・・・・ゴルバチョフの死 第七章 終わりの始まり 第八章 一九九一年六月 - ソ連体制崩壊の時 第九章 第三次大戦もし起こらば・・・・・・ 第一部は 『プロレタリアの時代に関するノストラダムス・メッセージ』(1976年) の第七部と第九部を再編集した内容といえる。ただし、むしろ角川書店版の第一部は、同じイオネスクの著書でも 『ノストラダムス 世界の秘史』(1987年)の第7部にも対応しており、第二部は『ノストラダムス 世界の秘史』 第8部に対応している。このため、どちらかといえば、『ノストラダムス 世界の秘史』 の第7部と第8部に、天安門事件や東欧革命の解釈などの新情報が挿入されているのが角川書店版と見るほうが、対応関係は分かりやすいと思われる。 ついでに述べておくと、巻末には「世紀別ノストラダムス文献目録」というリストがあるが、これも 『ノストラダムス 世界の秘史』 のほうに準拠したものになっている。そのことは、1976年以降の文献がかなり含まれていることからも、容易に理解できるであろう。 角川版の著作権表示は原書名が Nostradamus Message となっているが、原書の英語版などは実在しない。また、著作権表示の年は1990年になっている。これらの奇妙な表示は、既存の原書を大幅に加筆した新たな書き下ろし作品に近いという認識によるものだろうと思われる。 実際、イオネスクは筑波大学で1991年4月に行なった講演で 「『ノストラダムス・メッセージ』は、一九七六年の初版本の十一年後に増補版がパリで刊行されました。(略) 今回、日本で出ました翻訳は、私にとって、その後に解読されたテクストを大幅に加えた第三番目の出版ということになります」(*1)とコメントしていた。 いずれにしても、全体に占める未来解釈の比重が大きいといえ、このあたりは、日本では未来解釈ばかりがもてはやされた傾向によるものだろう。 続編に関する構想 訳者の竹本自身は『プロレタリアの時代に関するノストラダムス・メッセージ』の他の箇所も訳出する希望を持っており、当初の案ではフランス革命から第二次世界大戦までをまとめた巻 (原書の第四部から第六部に対応すると思われる) と、「科学技術・時間循環論篇」という巻 (原書の第一部から第三部および第八部に対応すると思われる) も出そうとしていた(*2)。この構想どおりに刊行されれば、イオネスクの処女作の全貌が訳出されることになったわけだが、実現には至らなかった。 日本では1993年に『ノストラダムス・メッセージII』が刊行されたが、これは未来予測や日本についての予言解釈を中心とする書き下ろしに近いものであり、当初の構成案には存在していなかった (ただし、『ノストラダムス・メッセージII』の巻末付録には、「科学技術篇」と重なる要素が含まれる)。その 『ノストラダムス・メッセージII』 では、三部作のラストにあたる近刊として 「フランス革命 - 第二次大戦篇」 が予告されていた(*3)。この時点で、方法論的な色彩が強い 「時間循環論篇」 の刊行は断念していたものと思われるが、 「フランス革命 - 第二次大戦篇」 の刊行すら実現しなかった。 一応、日本語版監訳者である竹本の単著 『秘伝ノストラダムス・コード』(2011年) は、実質的に 「フランス革命 - 第二次大戦篇」 をかなりの程度補完する内容となっている。 反響 奥付は1991年2月10日となっている。 その時期には、湾岸戦争がすでに開戦しており、日本ではノストラダムスへの関心も高まっていた。また、1980年代末からの東欧革命による共産主義体制総崩れの只中に当たっており、ノストラダムスを引き合いに出すまでもなく、ソ連体制の破綻は時間の問題と考えられていた。 そのような中で刊行されたこの本は、刊行に合わせてテレビ特番が企画されていた。それは3月末にフジテレビでの深夜番組 『3日でわかるノストラダムス』 として、イオネスクも出演する形で放送された(*4)。また、『女性セブン』1991年6月6日号には、訳者の竹本忠雄に対する1ページのインタビュー記事が載った(*5)。 1991年8月にいわゆる「8月革命」が起こり、ソ連情勢が緊迫したが、この時点までに3万5000部が発行されており、事件を踏まえて更なる増刷が決定したという(*6)。8月革命時には、角川書店にも若い読者たちから的中したという電話がいくつもかかってきたらしい(*7)。 そのあと、角川書店の編集部は、この本のPRをマスコミ各社にFAXしたらしいが、そこにかぎカッコつきで「ゴルバチョフの『死』」と書いてあったことから、『サンデー毎日』1991年9月8日号では 「ゴルビーを“殺して”しまった角川書店『ノストラダムスの商魂』」 などという見出しで揶揄された。 書誌 書名 ノストラダムス・メッセージ 副題 ソ連体制崩壊 ― 第三次大戦篇 著者 ヴライク・イオネスク 訳者 竹本忠雄 版元 角川書店 出版日 1991年2月10日 注記 外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire) Titre Nosutoradamusu Messêji (i.e. Nostradamus Message) Sous-titre Soren taisei houkai - Daisanji taisen hen (traduction / De la fin du régime soviétique jusqu à la Troisième Guerre Mondiale) Auteur Vlaicu IONESCU Traducteur TAKEMOTO Tadao Publication Kadokawa shoten Lieu Tokyo, Japon Date le 10 février 1991 Note 名前 コメント
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『虹とノストラダムス』は、太田忠司の小説。2012年にPHP研究所から発売された。帯の惹句は「あの頃、僕たちは世界の終わりを信じていた」「『あの予言』に触れたすべての人に贈る物語」。 【画像】カバー表紙 コメント 粕谷知世の『終わり続ける世界のなかで』のように、日本のノストラダムス現象を題材にとった小説といえるだろう。 海外の場合、ノストラダムスその人を題材にした小説や演劇は古くからあるが、ジャン=シャルル・ド・フォンブリュヌやパコ・ラバンヌの解釈が惹き起こしたパニックを題材にした創作の話は、当「大事典」では確認していない。ノストラダムスその人よりも、五島勉の『ノストラダムスの大予言』が与えた社会的影響の方が創作の題材になりやすいという点も、日本のノストラダムス現象の特殊な側面を示すものといえるだろう。 文庫版 2016年5月に『明日、世界が終わるとしても』と改題して、PHP文芸文庫から刊行された。 【画像】 カバー表紙 書誌 書名 虹とノストラダムス 著者 太田忠司 版元 PHP研究所 出版日 2012年10月11日 注記 外国人研究者向けの暫定的な仏語訳書誌(Bibliographie provisoire) Titre Niji to Nostradamus (traduction / L’arc-en-ciel et Nostradamus) Auteur ÔTA Tadashi Publication PHP Kenkyûjo Lieu Tokyo, Japon Date le 11 octobre 2012 Note roman. ※記事へのお問い合わせ等がある場合、最上部のタブの「ツール」>「管理者に連絡」をご活用ください。
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開発部秘伝! エクストリーム・モード! ㊙︎ 光/水/闇/火/自然文明 (5) 呪文:DMデッキ開発部 ■マナゾーンに置く時、このカードはタップして置く。 ■アタック・チャンス―開発部(自分の開発部が攻撃する時、この呪文をコストを支払わずに唱えてもよい) ■自分の開発部を1体選ぶ。次の相手のターンのはじめまで、そのクリーチャーのパワーはバトル中無限大になり、自身よりパワーの低いクリーチャーにブロックされない。 作者:ザ=ガーン フレーバーテキスト 仲間たちの力を借り、タカラネクサスは秘技エクストリーム・モードを発動させた。 評価 名前 コメント DM-EX「DMデッキ開発部特別編! ファイナル・ビルダーズパック!」に収録されるシークレット2種のうちの1枚。自分の開発部1体に∞パワーアタッカーとアンブロッカブルを与えます。完全にダモグラスX殺す用カードですね。 当然ながら、アンブロッカブルの条件となる「自身のパワー」とは元のクリーチャーのパワーとなります。 正直5色じゃなくていいですよね。あと種族に「DMデッキ開発部」を持ってる意味も全くないです。 (2/18) マナタップイン、すぐ忘れちゃうんですよね。しかも、今日(というか昨日)も忘れてたことに気付いて修正したばかりとあうのに……。
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ラノで読む さて、あれから二日が経過した。逢洲等華に訓練場の使用を頼んだ結果、俺と幻司郎、そして沢渡と片岡との勝負の舞台は体育館の柔道場を借りる事になった。 これは柔道場の床が畳で出来ているために、幻司郎が心置きなく投げ技を使えるだろうとの配慮かららしい。まあ、奴の場合床がなんだろうと手加減しない気もするが。 時刻は午後七時五十分、対戦は八時からとなっている。はじめに片岡と幻司郎が戦い、次に俺と沢渡がやり合う。グローブその他防具は一切付けないフルコンタクト形式で、ギブアップを宣言するか気絶した方が負け。シンプルなルールだ。 今、控え室というかロッカーには俺一人。当然の事ながら俺のサポーターはいない。いや、それはいい。 問題は幻司郎が未だに姿を現していないという事だ。奴は、あの後「二日後の夜? 困ったなあ」というととっとと帰って行った。そして、今この場にいないという事は………まさか帰ったのか? 「八十神さん、そろそろ出て来てもらえますか?」 逢洲が俺を呼びにくる。さて、時間か………ってどうすればいいんだろう。不戦敗?俺達のあの渋い会話は何? 「あの、ところで椿さんは?」 「………来て、ない」 「え、なんで……」 そこまで言って逢洲の言葉は途切れた。そのとき俺はどんな顔をしていたのだろうか? まあきっと鬼のような顔をしていたに違いない。 柔道場は広かった。試合場四つ分の畳で敷き詰められた部分の周りにじゅうぶんなスペースがあり、そこは『エグゾースト』と『ナイトファイア』のメンバーが占拠していた。俺が入場すると同時に容赦ないブーイングを浴びせかけてきた。既に怒りのボルテージが上がりきっていた俺には涼風のように感じられる。 畳の中央で、俺と沢渡、片岡が向かい合う。そして逢洲が審判のように俺達の間に立った。成り行きで、彼女はこの決闘?の立ち会い人になっている。 「おい、あのカマ野郎はどうした!」 「うるせえ! こっちが知りてえよ!」 片岡の怒声に俺もそれに負けない程の怒声で応える。マジでどこ行ったあの馬鹿。 「いやあ、ごめんごめん。この時間に抜け出すのはなかなか難しくてね」 能天気な声をして柔道場の入り口から姿を見せたのは………まあ、言わずもがなのあの男だ。 「おせーよ馬鹿!」 「あれ、そうかな? 約束の時間にはまだ後二分四十秒あるはずだけど」 「てかなんだよその格好は」 奴の格好はYシャツに蝶ネクタイ、それにベストにエプロン………まるでバーテンダーのようだった。 「いや、バイトを抜け出してきたもんだからさ。格好は勘弁してよ。それよりちゃちゃっと済ませちゃおうよ。何時間もバイト抜け出せないしね」 「ちゃちゃっと済ませるだと!? 上等じゃないかこのカマ野郎!」 幻司郎の発言に片岡は激昂する。挑発してるのか素なのかはわからないが。 「ゴホン! では、時間になったので始めたいと思います。片岡卓、椿幻司郎、両名前へ」 逢洲の呼びかけに応じて幻司郎と片岡は畳の中心に向かう。怒りを隠そうともせずに幻司郎を睨みつける片岡に対して、幻司郎は涼しい顔だ。 「ボコボコにしてやるからなあカマ野郎!」 「卓君! 言葉を慎みたまえ」 「う………」 逢洲の叱責に片岡は真っ赤になって俯いた。わっかりやすぅい! 「では、ルールを確認しておこう。フィールドはこの畳の上全て。決着はどちらかが気絶するか、ギブアップ宣言をするかだ。私はそれまで一切口を出さない。武器の使用は禁止だが、異能の使用に制限は無し。二人ともそれでいいですね?」 「ああ」 「もちろん」 「よし、では二人とも距離を取って……」 逢洲の指示に従い、片岡と幻司郎は距離を取る。その距離はおよそ三メートル。一度の踏み込みでは少し届かない距離だが、片岡が異能を用いれば無理ではないもしれない。 「では、はじめ!」 逢洲の号令と同時に片岡は幻司郎に飛びかかった。そしてまた案の定幻司郎に接触した次の瞬間には片岡は宙を舞っていた。背中から畳に落ちる片岡。 この間のゲームセンターの時と同じだ。馬鹿正直に突っ込んできた片岡の腕を取り、幻司郎はその腕に軽く上向きの力をかけてやるだけ。それだけでいい。 それだけの力で片岡は己の勢いも相俟って派手に宙に舞う。これが合気というものだ。 「椿さんが合気道の達人とは聞いていましたが、驚きました」 俺の隣に逢洲が腰を下ろして口を開く。 「ああ、まあな。はっきり言って片岡と幻司郎じゃ話にならん」 片岡は怒りで判断力を失っているという事もあるだろうが、それを加味してもやはり幻司郎には勝てないだろう。片岡の異能が、わかっていても対処出来ないというレベルの強力な異能なら幻司郎でも対応できないだろうが、片岡はそんなに強くない。問題は俺の方なんだよなあ………。 「しかし、一方的ですね。卓君もきちんと訓練をしていればこうまで一方的にならなかっただろうに。動きが大雑把でしかも単調すぎる」 「そうだな」 特に気の利いた返しも思いつかない。片岡が投げ飛ばされる度に立ち上がり、幻司郎に向かって行って投げ飛ばされる。そんな単調な攻防が続いていた。 「しかし、なぜこういう事になったんですか? 私は更正させて欲しいとお願いした筈ですが」 微妙に声にトゲがある気がする。怖いよ逢洲さん。 「更正してもらう。というか奴等にきちんと現実に向き合わせたいから俺はこうしたんだ」 「どういう意味ですか」 「じゃあ、逆に聞かせてもらうけど、彼らはなんでグレたと考えていた?」 「正直に言えば見当もつきませんでした。私の周囲は『思春期特有のはしか』と言っていましたが」 思春期特有のはしかか。間違ってはいないかもな。あの恥ずかしいワッペンとか、沢渡の話し方とかに関しては。 「まあそれも正しいんだけどな。………はっきり言っちゃえば、アイツらは弱いからだ」 「弱い?」 「そう、弱い。戦闘系の異能を持ちながら、奴等は弱い。事実、あいつらがラルヴァ討伐に出て行ったなんて事はないだろう?」 「確かに、彼らの異能はそのレベルでは………」 「だからグレたのさ。自分はこの学園でみんなが憧れるようなヒーローには決してなれないって現実が奴等を打ちのめした。でもって同じように活躍できない一般人のお山の大将を気取ってるってわけさ」 「どうしてそんな………」 アイスにはわからない事だろうが、これは別に俺がアイスを下に見ているわけでも、彼女に至らない所があるわけではない。それは強く言っておく。 彼女や、俺のボスである喜多川博夢のような真っ直ぐに生きて行ける奴には決してわからない事なのだ。我ながら僻っぽいけどな。 「この学園は異能を正しく使わせる教育には熱心だし、それを否定する気は勿論無い。だけどな、『持たざるもの』のコンプレックスを否応なく刺激してしまうんだ。アイツらは子供の頃から異能でみんなのヒーローになりたいと思ってきた。でも、それが叶わないと知って自分という存在自体が否定されたような気分になってる」 「決してそんな事は!」 アイスは声を荒げる。彼女は異能で誰かを差別するような人間でも、力や異能を振りかざす人間でもない事はこの数日でも良くわかっている。 「そう。決してそんな事はない。だから、俺達はアイツらにそれを教えてやらなきゃいけないのさ。異能なんて『たかが異能』でしかないって事をな」 「それで、彼らと闘う事に?」 「ああ。俺や幻司郎のように戦闘系の異能を持たない人間があの二人に勝つ事で現実を突きつけてやる。今あいつらは弱い異能でも、それに縋ってる。だから自分以外一般人のチームで優位に立って願望を満たしてるのさ。それを壊して、自分の道をちゃんと見つけてもらう。異能に頼れなくても、いくらでも生きて行く道はあるからな」 「そこまで考えていたんですね」 「俺も昔は似たようなコンプレックスを持ってたからな」 「でも、八十神さんは喜多川先生の元で立派に勉学に励んでいるではないですか。学部生の間に学術誌に論文を発表するというのは凄い事だと聞きましたが」 「当時の俺や、今の奴等の価値基準では勉強ができるなんてなんの意味もねーよ。昔の俺やアイツらにとっちゃノーベル賞を取るより上級ラルヴァを倒した奴の方が凄い人間だと認識するだろうな」 そうだ、俺は確かにそう思っていた。ガリ勉の奴を見ては、この学園でいい成績を取る事が一体何になると思っていた。 「そう、ですか……。そういえば、一つ聞いていいですか?」 「何だい?」 「結局、卓君と翔君はなんで対立してたんですか?」 「う〜ん、それは言えないな。奴等のプライバシーだしね」 「プライバシー、ですか」 そう言うと逢洲は黙り込んだ。はぐらかしたようで申し訳ないが、こればかりはしょうがない。 何故かと言えば、対立の原因は俺の読み通りだったからだ。音羽繋に聞き込みを頼んだ所、すぐに結果は出た。奴等の諍いの原因は女の取り合い。肝心の逢洲はどっちにもその気はないようだが。 残念だったな坊や達。 というわけで、いくらなんでも逢洲にだけは本当の事は言えない。 「おーい、逢洲さん。片岡君のびちゃったんだけど、どうする?」 幻司郎が暢気な声を上げた。見れば、片岡は畳の上で大の字になって気を失っていた。 「わかりました。そこまで! 勝者は椿幻司郎」 逢洲の声に『エグゾースト』の側は通夜のように静まり返り、『ナイトファイア』の側からは笑いが漏れていた。性格悪いなおい。 幻司郎がこちらに戻ってくる。余裕のようだったが、額に汗が浮かんでいた。 「余裕じゃねーか」 「まさか。一発もらえばこっちがアウトだからね。正直ヒヤヒヤしっぱなしだったよ」 バーテンダーは俺から水のペットボトルを受け取りながら正直な感想を述べる。まあそうだろうな。 「そういやその格好はなんだよ?」 「言ったじゃないか、バイトだって」 付き合いは長いがバーテンダーをしているなんて知らなかった。相変わらず無闇に謎の多い男だ。 「そう、ついでと言ってはなんだけどね。片岡君からちょっと装填《チャージ》しちゃった」 「おいおい、プライバシー侵害だぞお前」 「喜多川研鉄の掟、その一」 「「研究者の本分は真実の探求」」 幻司郎の声の後に、俺達二人の声が奇麗にハモった。 俺達の所属する喜多川研究室には『鉄の掟』なるものがいくつかある。掟の内容はボスである喜多川博夢が言う守らなければならないものから、変人である彼女の元で快適なキャンパスライフを送るための処世術みたいなものまでさまざまだ。 「まあ、そういう事さ。『真実は徹底的に探求する主義』だからね僕は」 「そうかい、何にせよ有り難いけどな」 「それと、僕に出来るのはここまでだから。僕は強い異能が欲しいなんて思った事が無い以上、彼らにかける言葉を持たない。後は君次第なんだよ、九十九」 「わかってる。とりあえず片岡の記憶を見せてくれ」 「了解」 すると奴は右手の人差し指を俺のこめかみに当てた。 「弾丸の名前は?」 「片岡卓」 「弾頭は?」 「絶望」 おいおい、絶望とはまたヘビーな感情だな。 「トリガーを引くよ」 目を閉じた俺に、片岡の記憶が流れ込んできた。 幼い片岡と、彼を庇って闘う、黒い仮面に黒いコートの異能者。 おそらく数年前の片岡と、奴の手のひら、そこに落ちる涙。 逢洲等華が凶悪なラルヴァを退治した事を伝える校内新聞の記事。 目を開ける。 幼い憧れ、残酷な現実、決して届かない目標。 片岡の気持ちが俺には痛い程にわかった。だからこそ、ここで二人をなんとかしなければいけない。 「どうだった?」 「まあ、ほぼ想像通りだったな。まさか『仮面の異能者』が出てくるとは思わなかったけど」 仮面の異能者っていうのは、確か十年くらい前の冬あたりから現れた謎の異能者だ。黒い仮面とコートが特徴でラルヴァが現れ、圧倒的な力で叩き潰しては消える一種の都市伝説。島内どころか遠征先にも現れては学園生達を助けていた。確か俺の姉貴も助けられた事があるらしい。 四年前あたりからその現れなくなったらしいが……。 「確かにちょっと予想外だったかな。良い意味でも悪い意味でも他人に影響を与えずにはいられない人らしい」 「なんだ、お前。『仮面の異能者』を知ってるのか!?」 「さあね。それよりそろそろ行った方がいいんじゃない? 逢洲さんが呼んでるよ」 確かに、逢洲が俺を呼んでいた。『仮面』に関する云々はまあこの際置いておこう。今は沢渡だ。 俺は幻司郎のような達人ではない。まともにやり合ったら勝ち目は薄いだろうが……。 なんとかするしかない。絡め手満載でどうにかするさ。 ** 「八十神さんよ。あんたマジで俺に勝つ気なのか? 黒こげになっても知らねーぞ」 「ハハハハハ! チャッカマンじゃ人を黒こげにはできないぞ坊や」 「俺の異能はチャッカマンレベルだってか!? 面白い冗談だな……」 「冗談じゃねえよ。事実を言ってるのさ」 「テメエ……!」 いいぞ、怒れ怒れ。冷静な判断力を失え。それでこそ俺に勝機が生まれるというものだ。 「お互い、開始前にエキサイトしすぎるな。ちゃんと位置につけ」 「はいはい、委員長どの」 「わかったよ逢洲姉ちゃん」 俺と沢渡は指定の位置につく。異能で奴の温度を確認。右手の温度がえらく上がっている。やる気だな。 「初め」 逢洲の言葉と同時に俺は思い切り右に飛ぶ。 俺の位置を沢渡が出した炎が掠めて行った。やはり奴は開始と同時に決めるつもりだったようだ。 「なっ……」 開始と同時の一撃が完全に避けられたのが驚きだったのが沢渡は声を上げる。甘いんだよ坊や。 「くそっ!」 躍起になって火炎を連発する沢渡。だが、俺は異能でどちらの手から発射されるか読んでいる。また、奴の火炎は有り難い事にそこまでの熱はない。当ったらヤバいくらいの熱さはあるが。 まあ、マジの火炎だったらこんな畳の上で異能なんか使えないしな。即火事だ。 奴の異能の正体は一見、炎のように見える異能の熱線ってとこだろう。射程はおよそ三メートルという所か。そんなに長くない。 やはり、正直に言って貧弱な異能だ。悲しい事に。 射程が長くもない上に半端な熱のせいで、密着状態では自分を傷つけてしまうので使えない。 対戦が始まっておよそ五分。躍起になって火炎を連発する沢渡だが、俺は回避に異能と神経を集中させてそれを避け続ける。奴の異能はおよそ、五秒に一回撃てるらしいという事がわかってきた。奴は平静を失い、緩急なんてものもなく可能になり次第火炎を撃ち続けている。俺の読みはまず間違いないだろう。 「いい加減にしろよ八十神! テメエいつまで逃げ回ってんだよ」 激昂した沢渡が声を荒げる。確かに、ちまちまやり過ぎたかな。 奴の異能の詳細はほぼ完全に掴んだ。そろそろ行動を起こしても良い頃だ。 逢洲の位置を確認する。彼女は畳の外に正座していた。この距離と両チームの奴等の歓声による騒音。俺と沢渡の会話は彼女には聞こえないだろう。 俺は異能を使用して奴を見る。 問いは『昨日自家発電した回数』。 すると、次の瞬間には奴の頭上に数字が表示される。『2』。 まあ、高校生としては妥当な数かな。 俺は笑みを浮かべると指を二本立てて奴に向ける。 「なんのつもりだ。ピースサインか?」 突然の行動に奴は意識を俺の指に向けてしまう。迂闊だぜ坊ちゃん。 「違うよ、『2』だ。この数字に覚えはないか?」 「なんの事だ?」 会話に乗ってきた。こうなればこちらのものだ。会話をしながら俺はじりじりと距離を詰める。一飛びで奴に届く距離まで、もう少し。 「お前は昨日、二回、ある事をしたな」 「二回って、まさか!」 奴はまるで火のように顔を赤くする。そうだ、それでいい。 「ようやくわかったか。お前の考えている通りだよ。お盛んだな少年」 「てめえ、なんでそんな事を!」 「これが俺の異能だ。俺の視界の中じゃなあ! どんな上級ラルヴァだろうと! 醒徒会だろうと! 守れるプライバシーなんて有りはしねーんだよ!!」 我ながらまるっきり悪役の台詞だとは思ったが、こういう絡め手を使わないと、俺の能力じゃ奴に勝つ事などできないので仕方が無いだろう? さあ、最後の一押しだ。 問いは『昨日、○○○○○○をおかずに使った回数』。 さすがに可哀想だから、伏せ字。ヒントは漢字だと四文字。まあわかりやすいな。 そして奴の頭上に表示された数字は……『2』。若いとはそういうもんだ。 「ほほう、そしておかずは……」 俺は顔を逢洲の方にゆっくりと向ける。出来るだけ卑しい顔を作るように心がけたが、出来ているだろうか。 「やめろぉー!!」 絶叫しながら奴は右手を俺に向けた。距離は十分、一飛びで奴に届く。 発射される炎をかいくぐって、俺は奴に飛びかかる。腰を屈めたタックル。 腰に思い切りぶち当ると、そのまま奴を押し倒す。マウントポジションてやつだ。俺がポジションをとった事で両チームからの歓声は一段と大きくなる。 「くそっ! 汚ねえぞ!」 「ハハッ! 褒め言葉だな」 この距離なら異能は使えないな!橘さんはそう言っていたし、ア○ロもそれでジオン○を撃破した。間違いない。沢渡はじたばたと暴れるが体勢をひっくり返す事は出来ない。マウントポジションはそれだけ強烈なのだ。 右手を振り上げ、奴の顔面に振り下ろす。ガードが間にあわず沢渡はそれをまともに受けた。 「がふっ!」 ここで引くわけにはいかない。奴の顔面を破壊しない程度に小刻みにパンチを重ねる。鼻血で顔面が赤く染まって行くのが痛々しい。 「おい、そろそろ降参したらどうだ。これ以上やってもしょうがないだろ」 「う、あ……」 沢渡の顔に涙がにじむ。屈辱、だろうな。だが、これで終りだ。 「おい、まだやれんだろ沢渡ぃ!! このまま戦闘異能も持たないただの男に負けてもいいのかよ!」 歓声のなか、それでもこちらまで聞こえる声で叫んだのは意識を取り戻した片岡だった。片岡の顔にも涙が浮かんでいる。 「ああああああああ!!」 沢渡が、片岡の叫びを受けて悲痛な声で絶叫する。 「嫌だ! 嫌だ! 強い異能も持てなかったのに! こんな所でこんな奴等に負けたら俺達は本当になんにも無いじゃないか! ふざけるなよぉ!」 次の瞬間、俺の左腕に激痛が走る。目を向けると、俺の左腕は焼きただれていた。沢渡は、この密着状態で、異能を使用したのだ。 この状態で異能を使えば、奴もただでは済まない。その右手もぐずぐずに焼きただれていた。 「沢渡ぃ!」 「俺は、俺は………」 左手の痛み以上に、俺は奴の発言に激昂していた。異能が通用しなければ、自分達には何も無いだなんて言葉を看過するわけにはいかない! 思わず奴の胸ぐらを掴んでいた。そして思い切り俺の顔に引き寄せる。 「おい、今お前なんて言った!? 何て言った!?」 「あんたに負けたら、俺には何にもないって言ったんだよ! あんたみたいな能力しかない奴に、俺が負けたら、生きて行けるわけないじゃないか!」 そう、これが沢渡の心の叫びだ。一つの悩みだけで生死に関わるところまで行ってしまうような年頃。 「ふざけろこのガキ!! これっぽっちの事で生きて行けないなんてほざいてるんじゃねーぞ!」 「だってそうじゃないか! 俺の異能じゃ誰も守れやしない! ラルヴァを倒す事もできないし、あんたみたいな戦闘系異能も持たない奴にだって勝てやしないんじゃ、何の意味も無いじゃないか!」 「それがおかしいってんだよ!! いいか! お前等も聞け!」 俺は周囲の両チームのメンバーにも声をかける。俺の声にただならぬものを感じたのか、柔道場内は静寂に包まれた。 「強い異能が無ければ価値がないなんて誰が決めたんだ? 世間か? それともこの学園か? 誰もそんな事決めてねえよ! テメエ等が勝手にそう思い込んでるだけだ!」 「でも、俺は……」 「強い異能を持った人間はそれに縛られる。異能と無関係には生きて行けない。お前等にも、俺にも、力が無い分その自由があるんだ。それでいいじゃないか」 「良くねーよ! 俺は異能で、ラルヴァを倒して! 大事なものを守りたかったんだ!」 「力が無くたって大事なものは守れる! 力に縋るんじゃねえよ! そうやって異能で自分を狭めるな!」 「俺は、俺は……」 「強い異能を持つ奴が勝ち組でも、そうでない人間が負け組ってわけでもない! 生きて行く道はいくらでもあるんだ。今ここで学校から逃げ出して燻っていたら、道は無くなって行く一方だぞ!?」 俺は本当に全てから逃げ出した。コイツにはそうはなって欲しくない。 「じゃあ、どうやって生きて行けばいいんだよ俺達は!」 「それはテメエの頭で考えろ! お前等自身が見つけ出せ! 他人にも力にも縋るんじゃない!」 「糞っ! 厳しいな……」 沢渡の声が柔らかくなる。俺の言いたい事は伝わったのだろうか。 「ああ、厳しくない人生なんかどこにもない。力を持った人間だって死ぬ程厳しいぞ。自分の力に苦しめられる事だってあるんだ」 「わかった、もうわかったよ。そうだな、アンタにも勝てないような異能に縋っててもしょうがねえな……」 「………」 そして、沢渡翔はゆっくりと顔を逢洲に向けて口を開いた。 「逢洲姉ちゃん。降参だ、俺の負けだよ……」 声が涙で滲む。 その宣言は俺に対する勝ち負けと言うよりも、自分の願望に対する訣別のように聞こえたのは気のせいだろうか。 「わかった。そこまでだ! すぐに担架が来るから二人とも安静にしていろ」 逢洲がそう宣言したのを受けて、俺は奴を解放し、そのまま畳に大の字に寝転んだ。 興奮していて気にしなかったが、左手の痛みが猛烈に訴えかけてくる。マズい。ちょー痛い。もう難しい言葉を使ってらんない。 「アンタは、今は自由に生きてるらしいな。自分の異能と折り合いをつけてさ。でも、どうだったんだ?」 沢渡が話しかけてきた。 「どうって?」 「みんなを守るヒーローになりたいって、思わなかったのか?」 「思ったよ。お前等と同じ頃に、凄く思ってた。昔、付き合ってた彼女が実際にヒーローだったからな。でも俺は叶わなかった」 俺の彼女だった女は強力な異能者だった。いつでもどこでも馬鹿みたいに明るく、馬鹿みたいに前向きで、馬鹿みたいに強かった。ラルヴァ討伐に出ては活躍をする、学園のスターだった。俺もああなりたかったんだ。 「それを聞いて、安心したよ」 「そうか」 「俺、明日から、学校行くよ。異能以外で俺に出来る事を見つけないといけないからな」 「そうしろ。俺みたいに退学なんてすんなよ」 「全く、変な奴だなアンタ」 そう言うと沢渡は笑った。 まあ、夢破れても泣いても笑えれば英雄だって誰かが言ってたから、これでよしとしておこう。結果オーライというやつだ。 ** 決闘?から三日が経った。あの後、俺と沢渡はすぐに医務室に運び込まれて治療を受けた。逢洲があらかじめ治癒異能者を待機させていたらしく、すぐに火傷は治った。焼かれたところだけ産毛が無くなって気持ち悪いがまあ良し。 治療を受けると、沢渡と片岡はその場でチームの解散を宣言し、メンバーに学校に行けと諭した。暫く揉めたが、割とすぐに混乱は終息し、皆家路についた。これからは、自分の現実から目を背けて群れているわけにもいかないのだ。辛いだろうが頑張って欲しい。まあ以外とどんな道でも楽しいもんだ。今ならそう思える。 ツヨシが去り際にそのニキビ面に笑顔を浮かべて「『ナイトファイア』は解散だけどさ、またゲーセンに来てくれよ。対戦しようぜ」と言ってくれたのは俺には救いだった。 逢洲等華は礼を言うと俺に深々と頭を下げた。 「一時はどうなるかと思いましたが、八十神さんに頼んで正解でした。先輩の紹介を聞いて良かったと思います」 「そうか。それなら、良かったよ」 「はい、今回の件では私ももっと精進する必要を感じました。では」 精進か。まずはその鈍感力をどうにかして欲しい。二人の男が悲しいから。 でも、まあ、頑張れよ。学園のヒーロー。てゆうかサムライだな、彼女の場合。 時刻は午後三時、俺は今日の講義を終えて、研究室にいた。 部屋にいるのは俺、幻司郎、そして院生の神代《かみしろ》さん。眼鏡とEカップの巨乳と黒髪ロングストレートヘアがトレードマークの美人だが、腐ってるのが残念な人。他の連中は、類人猿・天地奏のバイクの調整とやらで出払っていた。平和なもんだ。 ちなみに、何故カップサイズがわかるのか? 俺の異能は数字がわかるだけなので、アルファベット表記のカップサイズは普通ならわからない。その為に俺はトップバストとアンダーサイズからカップサイズを判断する公式を頭に叩き込んだのだ。クレバーだろ? この話をしたら幻司郎に「君はつくづくとクズだねえ」と言われたが、僻みが心地よかった。せいぜいヌーブラに騙されているが良いさ。 「しかし、なんだかよくわからない騒動だったな。男のガキばっか相手にしてさ。事件て程のもんでもなかったし、解決もかなり勢い任せだったし」 「終始行き当たりばったりだったのは議論の余地もないけどね。女性だったら逢洲等華がいたじゃないか」 「あの女は確かに美人だが怖過ぎ。俺なんか即座になます切りだよ」 「女っ気なら、ここに私がいるじゃない?」 神代さんは胸を誇示するように胸を張った。絶景かな。 「いや、ここの話じゃなくて、俺と幻司郎の話ですよ。ちょっとこの一週間色々あったんで」 「え〜、なになに? おねーさんに聞かせてくれるかなあ? あ、もしかして椿君の女装と関係があるのかな? あれ私にも渾身の出来だったんだけどどうだった?」 そうか、奴の女装はこの人がやったのか。道理できちんと化粧が出来てると思った。 「あれは上手く行きましたよ。九十九以外がみんな騙されましたからね。そういえば、最後の九十九の演説は素晴らしかったですよ。神代さんにも聞かせて上げたかったなあ」 「おい、馬鹿。やめろよお前!」 慌てて黙らせようとしたが、幻司郎は笑うだけだった。イヤミな奴だマジで。俺はあいつの暴走の件は黙っててやってるのに。 「ああ、いいわ。やっぱりいいわアナタ達のコンビ! 二人の美青年。クールな鬼畜眼鏡にワイルド風味のヘタレ受け。創作意欲が刺激されてされてたまらない!」 いくら腐ってるとはいえ、目の前の人物をネタにするのはやめてくれないだろうか。姉貴も腐ってたからそういうのに免疫があるからまだ我慢出来るんだが。てゆうか、俺がヘタレ受けってなんなんだよ? 「なんか色々インスピレーションが刺激されたからオネーサンは今日は帰るわ。喜多川先生は今日はいらっしゃらないし」 「え、神代さんもう帰るんすか?」 「喜多川研鉄の掟、その六」 「「「好奇心は全てに優先する」」」 神代さんの振りに合わせて三人の声がハモった。最早条件反射だ。 「そう言う事。それじゃーねー!」 言いたい事だけ言うと神代さんは出て行った。これだからオタクはコミュニケーション不全とか言われるんだちくしょーめ。 「出て行っちゃったねえ。神代さん」 「ああ。しょうがない姉ちゃんだよ全く。そういやお前にまだ聞いてなかったな」 「何がだい?」 「まずは女装した理由だよ。やる意味あったのか」 「そりゃあね。僕みたいなのが行くと、どうも男だけの集団には入れてもらいにくいんだ。だから女装してみたってわけさ」 ああ、そうか。自分みたいな日本人離れした美形じゃ溶け込みにくいからあえて性別逆転してみましたってか。一定の説得力があるだけになんだか余計に腹が立つ。 「ムカつくけどまあいいや。あと、今回お前が俺を手伝った理由だよ。誰に頼まれたんだ?」 「確かに後で説明するとは言ったけど………まだ気付いていなかったのか」 「悪かったな察しが悪くて。誰なんだよ」 「ふーむ。じゃあ逆にこっちが聞いてみようか。逢洲等華に君を推薦した人間について、心当たりはあるかい?」 「無いな。さすがに時間が経過したとはいえ、当時の風紀の連中で俺を推薦した人間がいたとは………」 「僕に君のフォローを頼んだ人間と、逢洲等華に君を推薦したのは同一人物だよ」 「なんだと!? お前当時の風紀に知り合いがいたのか?」 今回のどの件よりも驚いた。まさか幻司郎が風紀に知己があったとは。 「それが間違いなのさ。思い出してみなよ。逢洲等華は先輩に紹介された、と言っただけで、風紀委員の先輩に紹介された、とは一言も言っていない」 「それは、どういう……」 「察しが悪いな。それじゃ彼女も報われないよ」 「彼女? 女か?」 「しょうがないな。じゃあ答えを教えてあげよう。君を逢洲等華に推薦し、そして依頼を受けた君のサポートを僕に頼んだ人間。それはね」 「なんだよ」 「立花《たちばな》美咲《みさき》さんだよ。まさか、忘れたなんて言わないよね?」 その名前を忘れるわけもない。 強力な異能者だ《・》っ《・》た《・》女。 俺が、逃げ出した女。 そして、俺の初めての彼女。 eXtra/エクストラ(表) 終 eXtra/エクストラ(裏)に続く。 トップに戻る 作品保管庫に戻る