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2008年、秋、東京。 俺はカメラ片手に小さな公園にやってきた。 遊具で遊ぶ幼女を盗撮するとかそういうワケではない。 そもそも、最近はアレな人々のせいで遊具が少なくなっているし。 俺は都会に住むゆっくり達のみすぼらしい姿を、ドキュメンタリー風に編集してyoutubeにアップロードしている。 それに関連したブログを日本語、英語の二ヶ国語で配信。 最近ではブログ運営もだいぶ軌道に乗ってきた。 アフィうめえと言える日は遠くないだろう。 「ふー・・・」 さっき自販機で買って来た缶コーヒーを開ける。 今日はどこへ行ってみようか。 そんなことを考える。 いつもはどこに行くかを考えてから動くのだが、たまには気の向くままに動こうと思ったのだ。 「お!」 そんな俺の視界の隅に、何やら丸いものが入った。 早朝の公園にいるものなんて、野良猫かゆっくりくらいなもの。 俺はさっそくカメラを構えた。 「・・・ありす種か」 公園によくある、コンクリートで固まったカマクラ的なもの・・・土管が貫通していてトンネルになっているアレだ。 その土管に、1匹のゆっくりアリスがいた。 ありすも俺の姿を確認したようで、ビクビクと様子をうかがっている。 「よお、ゆっくりしてけ」 掌を上に向けて4本の指が触れるように親指をつけ、腰を落としてその手を突き出した。 こうするとゆっくり達はエサをくれるものだと勘違いして寄ってくるのだ。 寄ってこないにしても、逃げだしたりはしない。 これは人懐っこい野良猫にも通用したりする。 「ゆ・・・・ゆっくりしていってね・・・!」 ずりずりと底部を引きずりながら、ありすは俺のほうに寄ってきた。 だが、「警戒してます」オーラが出まくりだった。 簡単に気を緩めないあたり、賢い個体だと思う。 大きさはバレーボールより一回り小さい。 それなりに死線をくぐってきたのだろう。 「お前は1匹か」 「ゆ・・・ありすは、ありすだけよ」 たまには独り身のゆっくりでも撮ろうか。 俺はありすに撮影の話をすることにした。 ありすは先ほどから俺の手をしきりに見ている。 まだ俺がエサを持っていると思っているようだ。 「・・・ゆ。おねがいがあるよ」 撮影についての解説を簡潔に終えると、ありすは何かを決意したような顔で俺を見上げた。 「なんだ?言ってみろ」 「・・・ありすを・・・い・・・いなかに・・・つれていってほしいの」 凄く言いにくそうだった。 「東京から離れたいってことか」 「ありすは、とかいはじゃなくていいわ・・・」 東京には、野良のゆっくりがかなりいる。 ただ、田舎や山に住むゆっくりと比べると大きく違う点がある。 それはありす種がヤケに多いという点だ。 田舎や山などに100匹のゆっくりがいた場合。 40匹がれいむ種、35匹がまりさ種、10匹がありす種、5匹がぱちゅりー種、残り10匹はその他の種だ。 だが、東京では違う。 35匹がれいむ種、30匹がまりさ種、30匹がありす種、残り5匹がその他の種になる。 その時のブームによって捨てられる野良ゆっくりが変化するので一概には言えないが、大体こんな感じになるのだ。 多くのありす種は「とかいは」という謎価値観に従って生きている。 特に、元ペットのありすは東京に激しい憧れを抱いていることが多い。 そのため、ありすは帰巣本能のような感じでジワジワと東京に群がってくるのだ。 だが野良ありすが想像した「とかいは」は東京にない。 連日保健所の職員に追われ、残飯をあさり、同族さえ喰らわねば生きていけない地獄なのだ。 「とかいは」に絶望したありすは田舎へと帰ろうとするが、アホなので帰り道など分からない。 都会に来たことを後悔しながら死んでいく運命だ。 「お前、どこらへんから来たんだ?」 「ありすはここでうまれたのよ」 詳しく話を聞くと、ありすは東京生まれということがわかった。 親のゆっくりが上記のアホ理由で東京に来たという。 そして意外なことに、親のゆっくりは東京の生活に慣れたらしい。 しかし、その子供のありすは東京での生活に耐えられなかったとか。 ありすは他のゆっくりから聞いた田舎の素晴らしさに感動し、東京脱出を目指しているのだ。 「そんなに東京は嫌か」 「ここはゆっくりできないよ・・・ありすはずっとひとりなんだよ・・・みんなとゆっくりしたいの」 親ゆっくりはどうしたのか、そう聞いたがありすはうつむいたまま喋らなくなってしまった。 今も生きてるというニュアンスを感じたため、近くに住んでいるものと思ったのだが。 「ま、わかったよ。撮影が終わったらお前を田舎に連れて行くよ」 「ゆ!おにいさんは、とてもとかいはなおにいさんね!」 ぱあっとありすは明るくなる。 俺はささっと小型マイクを仕込んだ。 もちろん撮影が終わったら放置だ。 田舎に送るなんて、誰がそんな面倒なことをするものか。 「じゃ、ありす。ちょっと体をよく見せてね」 「ゆっくりりかいしたよ」 毎度おなじみの身体検査をする。 ボロカスみたいな皮に、ぼっさぼさの髪。 小枝や砂が入り混じった髪の毛は実に汚らしい。 まさに野良ゆっくりだ。 そう思っていると瞳すら濁って見える。 埃で化粧をしたような肌は、油ぎったネットリしたものよか幾分かマシであった。 「よし、もういいぞ。じゃあありすはいつもみたいに生活しててくれ」 「ゆっくりりかいしたわ。これから、かりにいくわ」 「そうか。俺は隠れて撮影してるから」 ありすが公園を出て行った。 俺は距離を開けて、ありすを追うことにする。 「狩り・・・ねえ」 今まで何度も見てきたが、都会のゆっくりが言うところの「狩り」とはゴミ漁りor乞食だ。 満足に虫もいない大都会では仕方がないとはいえ、なぜ狩りというのだろうか。 全くもって疑問である。 「やっぱな・・・」 予想通り、ありすの目的地はゴミ捨て場であった。 だが朝も早いせいか、数えるくらいしかゴミ袋はない。 他の野良より早めに行動することで、エサを確保しようというのだろうか。 「・・・」 しかしありすは動かない。 ゴミ捨て場から少し離れた場所で、警戒態勢をとったまま。 「なにしてんだあいつ・・・」 せっかく早起きしても、ノタノタしてたら他のゆっくりが来てしまうだろうに。 「お・・・」 と思っていたら、ぼよんぼよんと跳ねながら1匹のゆっくり霊夢がやってきた。 大きさはソフトボールより一回り大きいほど。 成体一歩手前ってところだ。 「ゆゆっ!ありすもかりなんだね・・・!れいむにもちょうだいね」 「・・・いいわよ」 ありすの警戒が一気に濃くなった。 返事を返しているものの、れいむを強く意識していることが分かる。 が、当のれいむはゴミ漁りを始めていて気が付いていない。 「ゆっゆゆーん♪きょうはれいむもごはんをたべられるよ~♪」 ふりふりと左右に後頭部を揺らすれいむ。 それとは対照的に、上下に伸び縮みをするありす。 まるで準備運動でもするかのような動作だ。 そして、次の瞬間。 ありすの「かり」が始まった。 「れいむぅううう!!ゆっぐりじでいっでねぇえええええっ!!!」 「ゆぁあっ!?な、なんなのぉおお!?」 飛びかかるような勢いで、ありすはれいむに体当たりをした。 転がったれいむの底部がむき出しになる。 その底部を、瞬時にありすが噛み切った。 「ゆぎゅうあああああああっ!!」 閑静な住宅街に、れいむの醜い悲鳴が轟いた。 だがそれも一瞬のこと。 ありすは大きな石をれいむの口に突っ込み、声を封じてしまった。 あんな石を用意してあったとは。 俺は少し関心してしまう。 「・・・・ッ!!ゅ・・・ゅうううっ!!・・・・っ!?!・・・・ッ!」 「・・・れいむ・・・ゆっくりしていってね」 漏れた餡子で髪を染めたありすは、ゆっくりとれいむの頬に近寄った。 「ゆぅうううううっ!!!」 「・・・ッ!!・・・ッ!」 ありすが寝転がったれいむの頬に、自身の頬を押し付けた。 あれはゆっくりの交尾だろう。 ありすはものすごい勢いで頬を擦り始める。 「きったねぇ・・・」 じんわりとコンクリートの色が濃くなっていく。 遠くからでも、ねっとりとした体液がにじんでいる様子がわかった。 ありすの体もれいむの体も、光に照らされ不気味に輝いている。 「んっ!!すっすっきるぃぃぃいいいっ!!!」 「・・・・ゅぃ・・・!!」 ありすの体が動きをやめると、れいむの頭から茎がニョキニョキと生えてきた。 底部の穴から餡子が漏れていたが、れいむはまだ生きているようだ。 「ゆっふぅうう・・・・ゆふぅう・・・!!!」 茎に一瞬だけ視線を移したが、ありすはすぐにれいむに向き直った。 息も絶え絶えになりながら、再び交尾が始まる。 「ゆぐぅっ!!ゆぐっ・・・!ゆぅぇぁああっ・・・!」 4度目の交尾が終わると、ようやくありすはれいむから離れた。 交尾の潤滑油となる体液は2度目のすっきりあたりから枯れていたため、今のありすは酷い姿をしている。 頬は擦りキズだらけ、髪の毛は乱れまくりだ。 後半は交尾の痛みに小さな叫び声を上げながら、ありすは頬を擦っていた。 それはれいむも同様で、頬はキズだらけだし、底部から餡子が結構漏れている。 そして頭からは4本の茎が伸び、もはや死を待つのみだろう。 「ゆぐぅ・・・ゆぐ・・・!」 ありすは泣きながら、れいむから漏れた餡子を食べ始めた。 底部から飛び出した餡子は、赤ちゃんのゲンコツ1個分ほどにもなる。 食べ終わる頃には、れいむは真っ黒に朽ち果てていた。 「ゆっきゅりしちぇいっちぇね!」 「ゆきゅーり!」 「ゆっくち!」 10分もしない内に、赤ゆっくりは生まれ落ちた。 1本の茎から約8匹。それが4本なのだから、大体30匹近くの赤ゆっくりが生まれたわけだ。 「・・・ゆぅ」 興味無さそうに、ありすは赤ゆっくりを見下ろす。 「まんまー!おにゃかしゅいたー!」 「れーみゅも!」 「れいみゅ、おかーしゃんとしゅーりしゅりしたい!」 そんな赤ゆっくり達を尻目に、ありすは用が済んだ茎を口に挟んだ。 「むーしゃむーしゃ。しあわせー・・・」 そのまま茎は、ありすの口内へと消えていく。 赤ゆっくりの最初の食事となるはずの茎は、4本ともありすの腹に収まった。 「おきゃーしゃん!れーみゅ、おにゃかしゅいたー!!」 「みゃみゃ!!ありしゅもごはんたべちゃい!」 ワラワラとありすに群がる赤ゆっくり。 しかしありすは視線すら移さず、茎を4本食べると母体として朽ち果てたれいむの亡骸まで食べた。 「ゆ・・・いくわよ」 それだけ言うと、ありすはゴミ捨て場を去った。 「まっちぇー!!」 「れいみゅをしゅてないでぇえ!!」 「みゃみゃ!ありしゅとゆっくちちてー!!」 赤ゆっくり達は、親に捨てられたくない一心で、そのあとをピョンピョコ跳ねてついていく。 ありすも赤ゆっくりのことを考えているのか、ゆっくりと進んでいた。 「まーま、ありしゅ、おにゃかしゅいたの・・・」 「れーみゅもだよ・・・おかーしゃん・・・」 公園に戻ってくると、ありすは30匹ほどいた赤ゆっくりのうち20匹を食べてしまった。 あっちでママとゆっくりしましょうね、と言って見えないところに誘い、そのままパクリと。 悲鳴すら上げる間もなく、赤ゆっくり達はその短いゆ生を終了した。 それでようやく腹が満たされたのか、ありすは残った10匹の赤ゆっくりを食べることはしなかった。 れいむ種が6匹、ありす種が4匹残っている。 特に種に関してこだわりはないようだ。 「うるさいよ・・・しずかにしてね」 ギロリと赤ゆっくりを睨むその目に、親としての愛はまるで感じられない。 「ゆ・・・ごみぇんね・・・れーみゅ、しじゅかにするよ・・・」 「ありしゅも、いいこにするよ・・・」 きっと次の食事までの命なのだろう。 親しか頼れる存在がいないとはいえ、あまりにも惨めなものだ。 それは昼すぎにやってきた。 「でけえ・・・!」 バスケットボールよりも一回り大きいゆっくりアリス(以下、大ありす)が公園にやってきたのだ。 かなりの大型だ。 大ありすは何か探しものをしているかのような動きで、公園を散策していた。 苦労のかいあって、土管の中に入っているありす一家を発見した。 「そこのありすたち、ゆっくりしないででてきてね!」 ありすが土管から現れる。 赤ゆっくりはまだ生きていたようで、ありすの後頭部に隠れて震えていた。 「おきゃーしゃん・・・!たちゅけちぇ・・・!」 「こわいよ!ありしゅ、こわいよぉお!」 「みゃみ゙ゃー!!!ごわいぃいいいい!!」 大ありすの巨体は、赤ゆっくり達には相当な恐怖のようだ。 悲痛な叫びがマイク無しでも伝わってきた。 「ゆ゙っんっ!!」 ボン、という音が聞こえてきそうな勢いで、ありすが威嚇をした。 空気を含み、体を通常よりも大きく見せるものだ。 人間相手には全く効かないが、ゆっくり同士では効果がある。 が、大ありすはまるで動じていなかった。 「ゆふ・・・ふぅ・・・!」 大ありすは一気に膨れようとせず、ゆっくり空気を含んで膨れていく。 じんわりと、確実に。 プレッシャーをかけながら、それでもまだ膨張は終わらない。 「・・・!」 ありすはもはやこれまでと思ったのか、空気を吐き出し、元のサイズに戻った。 「お、おきゃーしゃん・・・!」 「まきぇにゃいでっ!!みゃみ゙ゃぁあああ!!」 「ゆっくりりかいしたようね。おチビちゃん」 勝ち誇った顔で、大ありすはありすを見下ろす。 ありすはその顔を見ようとせず、赤ゆっくりに振り返った。 「 "よん" でいいわ」 「・・・ゆっくりりかいしたよ」 ありすは、親を心配する赤ゆっくりに笑顔を見せた。 赤ゆっくりにとっては、生まれて初めての笑顔。 「あかちゃんたち、ママのおくちのなかにかくれてね」 「ゆっ!」 「おきゃーしゃん!!」 「こわかっちゃよぉお!!」 外敵から子を守る際、ゆっくりは口内に子を入れる。 それを本能で理解しているため、赤ゆっくりはすんなりとありすの口に入って行った。 大ありすはそれをニヤニヤと眺めている。 「ぷっ!ぷっ!ぷっ!ぷっ!」 ありすの口から、まるでスイカの種でも吐き出すかのように、4匹の赤ゆっくりが飛び出した。 そして、大ありすの目の前に転がっていく。 「じゃあこのこたちはおいしくいただくわ。あなたたちもゆっくりしていってね」 「お!?おきゃーしゃんっ!?」 「みゃみゃ!たちゅけちぇー!!!」 「どぼじじぇっ!?おぎゃーざー!!」 「だぢゅげでぇええっ!!」 やかましく騒ぐ赤ありすを大ありすは口に入れ、悠然と去って行った。 「あのデカいありすは、お前の親だったのか」 「・・・そうだよ」 夕方。 あらかた撮影を終えた俺は、ありすへのインタビューをしていた。 赤ゆっくりはもういない。 午後になると、町を彷徨う野良ゆっくりが多くなる。 ありすはあまり体が大きいほうではないため、殺し合いでは勝てない。 そのため、赤ゆっくりが必要になるのだ。 数匹渡す代わりに命を助けてもらう、いわばトカゲのしっぽのようなもの。 6匹の赤ゆっくりは、午後に出会った成体サイズのまりさに奪われてしまった。 「ありすは、ありすのおチビちゃんとおなじだったんだよ」 このありすはかつて、大ありすの命乞い用のゆっくりだったという。 捨てられていく姉妹を見て、いち早く危険を感じ取ったありすは大ありすのもとから逃げ出した。 それからはゴミをあさったり、乞食をしながら生きてきたのだという。 しかし、今では親である大ありすと同じ方法で生きていた。 「・・・ごはんとちがって、じぶんでうごくからべんりなの」 命乞い用の食糧を持って町に出るより、赤ゆっくりをひきつれて町に出た方が楽なのだとありすは言う。 それに加え、赤ゆっくりがいると食料を恵んでくれる人が多いらしい。 「あのれいむみたいになりたくないよ・・・」 今朝のれいむのことかと思ったが、違った。 都会に住む親ゆっくりには、2タイプあると聞いたことがある。 一つはこのありすのような、子供を動く食糧であるとみなしているタイプ。 いざとなれば子供すら捨てる、どちらかといえば少数派である。 大抵は、もうひとつのタイプになる。 それは子供を溺愛するタイプだ。 都会にはゆっくりできるものなど何もない。日々食糧争いを繰り返し、保健所職員に追われ、同族にすら気を許せない。 そんなゆっくり達にとって赤ゆっくりはまさに「真のゆっくり」として写るのだ。 溺愛というより、依存に近い。 子を失うことは、ただ一つの「ゆっくり」を失うこと。 それを極端に恐れ、子に依存してしまう。 ありすは昔、その典型例のようなれいむを見たのだという。 「バカなれいむだったよ」 その日、動く食糧を確保しようと、数匹のゆっくりがれいむ一家を襲撃したという。 1匹のまりさが赤ゆっくりを捕獲すると、親れいむは闘うことすら放棄した。 自分はどうなってもいいから赤ちゃんを助けてくれ、そう言って泣き崩れたのだ。 それを聞いたゆっくり達は、赤ちゃんは食べないから代わりにれいむを食べさせろと要求する。 そんな約束など守るわけがないのに、れいむはわずかな可能性にかけたのか、生きながらにして食糧にされてしまった。 赤ゆっくりが食後のデザート感覚で食べられてしまったのは言うまでもない。 それを物影で見ていたありすは、れいむの愚かさに腹が立ったという。 「ありすは、れいむみたいにはならないよ・・・!いなかにいって、みんなでゆっくりするんだから・・・!」 強い意志を感じた。 きっとこのありすなら、多分千葉あたりまでならいけるんじゃないかな。 俺はありすからマイクを外し、公園を去った。 全力疾走で。 おわり
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注意書き 虐待お兄さんが行方不明になります ゆっくりが普通のゆっくりとは違います 以上 日が沈みかけ、薄暗くなってきた山の中にゆっくり達の悲鳴が木霊していた。 「もうやだよおおおおおおおおおおおおおお!!!!だずげでえええええええええええええええええええええ!!!!」 「おねがいだがらもうやべでくだざいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!」 叫び声をあげるゆっくり達の中には一人の男が居た。 麓の村に住んでいた男だが、男は己のことを『虐待お兄さん』と名乗っていた。 趣味はゆっくりを虐待し、殺すこと。 だから男は今この上ない幸福を感じていた。 何故なら、ゆっくりを己の手で痛めつけて殺しているからだ。 無様に喚き、悲鳴を上げ、何もできずに死んでいくゆっくりが男は好きだった。 正確には、ゆっくりを殺す事が男は好きだった。 右腕で殴り、左腕で投げ、右足で踏み、左足で蹴る。 己の四肢を振るうだけでゆっくりは死んでいく。そんなにもゆっくりは脆かった。 中にはもちろん抵抗するゆっくりも居たが、人間に敵うわけがなく男に殺されていった。 「おちびちゃんたちはいそいで逃げてね!! まりさが囮になるからね!!」 「まりさごめんね…… 急いで口の中に入ってね!! ゆっくりしないで逃げるよ!!」 「みゃみゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」 家族を逃すため囮になろうとしたまりさは掴まれ、逃げようとしたれいむにぶつけられた。 口の中に居た子ゆっくりは潰れ、親のまりさとれいむももう動かなかった。 「人間なんかれいむ達の敵じゃないよ!!!! ゆっくり死んでね!!!!!」 「「「「「「「ゆっくりしんでね!!!!」」」」」」」 仲間と一緒に体当たりを仕掛けてきたゆっくりは、一匹残らず殺された。 ただ潰されたゆっくりは幸せだっただろう。数匹のゆっくりは底面の皮を破くだけで男は済ました。 動けば中身がこぼれて死ぬ。動かなくても徐々に中身がこぼれていって死んでしまう。 迫り来る死という恐怖に泣き叫ぶゆっくりの姿は相変わらず滑稽で、男の顔は笑っていた。 普通の人間であるならば、これだけの悲鳴を聞いていれば発狂するだろう。 しかし、男は『虐待お兄さん』である。今この場で感じているのは愉悦だけだ。 逃げるゆっくりも立ち向かうゆっくりも、どんどん男に殺されていく。 そして、最後に残った一匹のゆっくり。成体のゆっくりれいむが震えていた。 逃げようとしても、立ち向かっても男に殺されるのはもう分かりきっているのだろう。 どんな風に虐待しようか『虐待お兄さん』の男が考えていると、ある事を思いついた。 やわらかいゆっくりの体を持ち上げて、両手でゆっくりの頭頂部を男は掴む。 「な、なにするの!! ゆっくり離してね!!」 喚くゆっくりを無視して男は手に力を込め、真っ二つに引き千切ろうとした。 「おにいざんやべでね!! 痛いからはなじでね!!」 男がゆっくりの願いなど叶えてやるわけがなく、弾力のある皮はどんどん伸びていく。 「やだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!! じにだぐないよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」 そんな風に叫びながら、れいむは千切られた。 男の手にはちょうど半分に分かれたれいむがあり、片方は投げ捨てもう一つは持ち帰る事にした。家へ帰ってから食べるつもりである。 周囲を見渡してもゆっくりはもういないようなので、男は山を降りる事にした。 ゆっくりを追いかけてどんどん奥まできてしまい、帰るのが面倒だと男は思った。 男が去ってから少し経つと、一匹のゆっくりの残骸が震え始めた。 いや、一匹だけではない。見ればどのゆっくりの残骸も震えていた。 やがて一匹のまりさの残骸から腕が生え出して、徐々に元の丸い形に戻り始めた。 何秒も待たずにまりさは元の姿に戻り、辺りを見回してから息を吐いた。 「さて、今日もお疲れ様なんだぜ」 「お疲れ〜」 「一人だけだったね」 「でもこんなことよくやるよ」 「他の人間さんは忙しそうなのにねぇ」 まりさの声に反応して元の姿に戻ったゆっくり達は好き勝手に話を始めたが、男に残骸を撒き散らされてしまったゆっくりはまだ戻れていなかった。 「じゃ、いつもみたく先に元の姿に戻れたやつはまだ戻れてない奴の手助けをしてほしいんだぜ。戻れてない奴はどんどん助けを近くの奴に求めるんだぜ」 手を叩きながらまりさは指示を飛ばす。どのゆっくりも文句の一つも言わず指示通り動き始めた。 「あと数合わせで分裂した奴もちゃんと元に戻すんだぜ」 「しょうだよ!! もどらなかったらみんなこんな風に自我をもっちゃうよ!!」 まりさの言葉に続くように一匹の小さなれいむがまりさの隣でふよふよ浮きながら言った。 「お前さんも手伝ってくるんだぜ」 「みゅ〜… 面倒だよぉ…」 「そんな事は通用しないんだぜ」 「わかってりゅよ!!」 小さなれいむはふよふよと飛んでいく。その姿を見送ってからまりさもふよふよ浮き始める。 元の姿に戻ろうとしている仲間の残骸を集める作業に入るのだ。 残骸を集めるのは実に大変である。 ある程度の距離ならば勝手に残骸と残骸が勝手にくっ付いて元の姿に戻ろうとするのだが、撒き散らされてしまってはくっ付くことはできない。 放っておいても一番多く集まった残骸が中途半端に復元され、時間を置けば徐々に修復される。 しかし、この群れはもうあの『虐待お兄さん』に潰されてしまった群れなのだ。 それなのにこの場に留まっていてしまっては、流石に人間にだって怪しまれてしまう。 ゆっくりはあくまで『愚鈍で馬鹿で意地汚い動く饅頭』でなければならない。この秘密を人間に知られない為にも、今は一刻も早くこの山から離れなければならないのだ。 「困りました……」 まりさが仲間の残骸を集めていると、半分だけのれいむが俯いて浮いていた。 『虐待お兄さん』に最後真っ二つにされ、片方を持っていかれてしまったれいむだ。 「まあ、お前さんは仕方ないんだぜ。どうせ少ししたら元に戻れんだから人間に見られないように移動するしかないんだぜ」 食べられたりすれば適当に復活できるゆっくりではあるが、流石に中途半端に食べられてはそれも無理である。 このれいむは自然に修復されるまで待つしかないのだろう。 だが、れいむの返事は違った。 「いえ、別に元の姿に戻れないの事で困ってるんじゃないんです」 「? どういうことなんだぜ?」 「実は……」 山を順調に下っていた男は一つの違和感に気づいた。 最初は気のせいだと思っていたのだが、どうやら気のせいではないらしい。 右手に持っていたゆっくりれいむの半身がもぞもぞ動き出していたのだ。 不思議に思いながらゆっくりを顔の前まで持ってくると、断面から餡子がこぼれなくなっていた。 断面の方を見てみると餡子がこぼれない理由が分かった。餡子が消えていたのだ。 ゆっくりの中身である筈の餡子は見事に無くなり、断面には何もない空間が広がっていた。。 最初は餡子がこぼれて皮だけになったと思ったのだが、どうやら違うようである。 男が手を突っ込んでみると、男の腕はそのまま入ってしまったからだ。 いくら成体のゆっくりとは半分に切り取ったゆっくりの体はそこまで大きくない。 恐る恐る男は己の顔をゆっくりの断面に入れてみる。すると、男はゆっくりの中に吸い込まれていくのが分かった。 慌てて顔を皮から出そうにも既に手遅れで、男は顔から下も全て吸いこまれてしまった。 後には何も残らず、残ったゆっくりの皮はふよふよ浮いて男が下っていた山道を再び登り始めた。 「つまり、引き千切られた半分の方も復活してしまいどうやらあの男を飲み込んでしまったみたいなんです……」 「はぁ……」 れいむの説明を聞いていたまりさは溜息を吐いた。 今の話はおそらく本当の事で、間違いなく先ほどの『虐待お兄さん』は吸い込まれてしまったのだろう。 「全く、運の悪い人間さんだぜ……」 そう言いながらまりさは頭の裏を掻く。 人がいなくなったと分かれば人間は間違いなく山狩りをするだろう、そう考えてまりさは再び指示を出す。。 「れいむの半身がこっちに来たら出発するんだぜ。その前に各自修復するんだぜ!!」 ゆっくり達は再び作業を再開する。 今優先することは急いでこの場を離れ移動することだ。下手したら人間に見つかってまた潰されるかもしれないからだ。 流石に二日連続で潰されるのは嫌だからか、修復速度もどんどん上がってきている。 まりさも仲間の残骸を集め始めてから、再び溜息を吐いた。 「人間さんがゆっくりって名付けた癖に、ゆっくりがゆっくりできる日は来るのかだぜ……」 ま、ここじゃ無理かとまりさは思った。 終 by大貫さん ↓は後書きと感想フォームへの返事です。読みたくない方はこのまま戻ってください こんな駄文を最後まで読んで頂き本当にありがとうございます!! 本当は膿と膿以降人間を酷い目にあわす話は書くつもりはありませんでした。 ただ、あるれいむのAAを見て (これ、誰か吸い込まれたら面白そうだなぁ…)って思ったので書いてみました。 感想フォームに感想下さった方、本当にありがとうございます。 (名無しさん) 2008-11-10 15 16 03 後書きに対してのご忠告、本当にありがとうございます。 自分が作者様をおちょくるつもりはありませんでした。ただ、一言断っておいた方がいいかも…… と思っただけなのです。 本当にすいませんでした。 (名無しさん) 2008-11-19 13 43 03 読んで下さりありがとうございます。 タイトルを見れば分かるように、ゆっくりの中の膿と人間の中の膿を比較するために書いた作品です。 ですが、この作中に出てきた虐待お兄さんも他の人が書かれれば立派殺される事もなかったと思います。 (名無しさん) 2008-12-05 17 30 26 確かに原作の靈夢と魔理沙ならばふぅ〜んとかへぇ〜で済ましそうですね…… 反省です。 本当は最初は霖之助の視点で書くつもりだったんですが、霖之助というキャラは本当に扱い難いキャラだったので諦めさせてもらいました。申し訳ありません。 あと、最後に色々書いてくださいと言ってくださり本当にありがとうございます。 虐待スレという場で、ぬるいじめでも良いと言ってくださり本当に嬉しかったです。ありがとうございます。 最後まで読んでいただき本当にありがとうございます。お目汚し失礼!! 書いた作品一覧 ゆっくりいじめ系352 虐められるゆっくり ゆっくりいじめ系382 ある馬鹿なゆっくりの話 ゆっくりいじめ系394 きめぇ丸 ゆっくりいじめ系421 めーりんとこうりん ゆっくりいじめ系488 ゆっくり飼ってます ゆっくりいじめ系497 携帯でチマチマ書いてみた ゆっくりいじめ系571 みんなで食べよう ゆっくりいじめ系572 きめぇ丸その後 ゆっくりいじめ系596 ゆこまち ゆっくりいじめ系611 どこで何が狂い出したのか… ゆっくりいじめ系628 鳩と餌と糞 ゆっくりいじめ系793 誰かがやらねばいけないこと ゆっくりいじめ系823 保護場 ゆっくりいじめ系843 ゆっくり飼ってます2 ゆっくりいじめ系900 膿と膿 幽香×ゆっくり系9 ある馬鹿なゆっくりの話2 森近霖之助×ゆっくり系1 代価 ゆっくりいじめ小ネタ125 虫眼鏡 ゆっくりいじめ小ネタ128 ゆっくりが大好きだ!! ゆっくりいじめ小ネタ140 ガラス ゆっくりいじめ小ネタ146 生まれ変わり ゆっくりいじめ小ネタ251 飼われているゆっくり 野良のゆっくり
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初日 「ゆっくりしていってね!!!」 最近、このような鳴き声をよく耳にする。 ゆっくりとか呼ばれるそれは、ここ数ヶ月で幻想郷のあちこちで見るようになった謎のナマモノだ。 「ゆっくりしていってね!!!」 食用や愛玩用やストレス発散用、果ては性欲処理や衣料品にすら使われている。 種類によって特徴は異なるが、総じて知能は低く傍若無人。 「ゆっくりしていってね!!!」 甲高い声で常に大騒ぎする上田畑を荒らす事もあるので嫌っている人間も多い。 かくいう俺も、そんなゆっくりが大嫌いだ。 だがその理由は上記のものではない。知能が低かろうが大声で騒ごうが、そんな事は瑣末な問題だ。 「ゆっくりしていってね!!!」 俺が一番気に入らないのは奴らが常に他人に『ゆっくりする』事を要求している事だ。 全く気に入らない。生物か無生物かすらよく分からんようなナマモノの分際で人間様に命令するなんて。 そんな訳で野生のゆっくりをこの俺直々にゆっくりさせてやる事にした。何て親切なんだ俺。 「ゆっくりしていっt「ゆっくりしろぉ!!」 先程から散々騒いでいたそいつに、いきなり怒鳴り返してやる。 物凄く驚いたようで、目が白くなっている。歯茎まで見せ付けて気色悪いったらない。 「ゆっk「ゆっくりしろよぉ!!」 このように、人様にゆっくりさせようとする度にゆっくりさせ返す。 この必殺ゆっくり返しを続ければ、いくらクサレ脳味噌の奴らでもゆっくりしろ等とは言えなくなるだろう。 「y「だからゆっくりしろっつってんだろ!!」 ゆっくりブレインでも俺の鞭の愛を理解できたのか、壁の隅で感極まってブルブル震えている。涙まで流して、可愛い所あるじゃないか。 その日はもう喋らなかったので普段通り過ごす。 二日目 「ゆっくりしていってね!!!」 ゆっくり達の朝は早い。日の出と共に起き、とりあえず寝ている奴を片っ端から怒鳴って起こす。 何とも不快な習性だ。目覚まし時計よろしく壁に叩き付けて粉砕してやろうかと思った。 だがいけない。今の俺は愛の調教師。自分がやっているのは悪い事なのだと、こいつに教えてやる使命がある。 「ゆっくりs「ゆっくりしろモーニング!!」 朝の挨拶と調教を兼ねた、我ながら素晴らしい文句だ。寝起きの頭脳は時々こういう奇跡を起こすから面白い。 朝食を食べる頃には、何故あんな間抜けな台詞に感動したのか自分でも理解に苦しんだが。 「ゆ゛っ……ぐい゛……じで……っでね!!!」 呆れた事にこいつは食事中(芽が伸びまくってしまったジャガイモ)もこの台詞を吐いていた。 何という傲慢さ。これは思った以上に手強い相手だ。 「ゲフゥッ…ゆっくりしていtっ「ゆっくりしろ!!」 また顔が固まっている。いちいち面白い顔をするのはいいが、本当に理解しているのか疑問だな。まぁ、何とかなるだろう。 今更ながら付け加えると、うちのお隣さんまでは徒歩二十分かかるので安心だ。聞かれたら流石にヤバいし。 その後も四回ほど怒鳴りつけてから仕事にかかる。今育てているのはトメィトゥだけだ。 俺は親が莫大な遺産を残してくれたおかげで、好きな野菜を栽培しまくるという農家的に最大級の贅沢ができている。 去年は畑一面スウィートポテイトゥ祭りだった。 奴ら三日周期で収穫できる上一個120Gで売れるからつい植えすぎて大変な事になるんだよな。ウハウハだけど。 それはともかく紐で目の届く所にゆっくりを縛り付けてお仕事お仕事。可愛いトメィトゥに愛情たっぷりだ。 日が傾く頃には作業も終わった。その間ゆっくりさせた回数実に四十五回。喉がいてえ。 ゆっくりの紐を解き、家に連れて帰る。流石に反省したのか、家に入ってもぼんやり虚空を見つめている。 自分の夕食を済ませてからエサを与え(畑に生えていた雑草ども)風呂に入れる事にする。 エサを食ったら反省が消し飛んだのか、反抗的な目でこちらを睨んでいる。 「どうしたんだゆっくり。風呂に入れてやるからさっさと来い」 「ゆっくりしていっt「ゆっくりしろよ!!」 もう何が何だか。固まってる隙に風呂場に運び、湯をかけて全身をたわしで洗い、湯船に放り込む。 ゆっくりは綺麗好きというのは本当だったようで、先程までの反抗的な目はどこかへ行き、泣きながら俺に感謝していた。 「ゆっく…ゆっぐりじでいっ「ゆっくりしろ!!」 「ゆくくっくりじd「ゆっくりしろ!!」 風呂が気持ちよくてはしゃいでいるのか何度も何度も怒鳴らせられる。まだまだ調教が足りないな。 百数えてから湯船から引っ張り上げ、水を入れて湯を冷ましてから浸かる。 風呂はいいなぁ。人間の生み出した文化の極みだよ全く。ゆっくりが感動のあまりゴロゴロ床を転がって呻くのも良く分かる。 三日目 小鳥の囀りと共に目が覚める。布団の中を見るとゆっくりは起きていた。 起きていても騒がないとは、どうやら調教が効いてきたようでほっとする。 またあの雑音で起こされたら今度こそ壁を汚しそうだったしな。 だが朝の挨拶は大事だ。とりあえずゆっくりさせてから着替えて朝食を摂る。 食後歯を磨きながらゆっくりのエサ(昨日切った爪と壁を這っていた女郎蜘蛛)を与える。 今までのような汚い食い方ではなく、静かにゆっくりと食べていた。調教の成果に満足する。 だがまた忘れてはいけないので、特に何も言わないゆっくりをゆっくりさせておく。 またゆっくりを縛り付けて仕事に入る。昨日と違って随分静かで良い事だ。一時間に一回ゆっくりさせておく。 仕事を終え、ゆっくりを解こうかと思っていると野生のゆっくりが俺のゆっくりの傍にいた。 「ゆっくりしていってね!!!」 「…………」 「ゆ?ゆっくりしていってね!!!」 「…………ゆぅ……」 追い払っても良かったが、調教具合を確かめたかったので事の成り行きを見守る事にする。 「ゆっゆ。ゆっくりしていってね!!!」 「…………」 その後も野生のゆっくりは何度もがなり立てていたが、すっかり更正した俺のゆっくりは殆ど反応しなかった。 やがて飽きたのか、野生のゆっくりは俺のゆっくりの顔に一度体当たりしてからどこかへ行った。 俺の所有物に手を出すとは全くもって許せんので、帰る前にそいつを捕らえて鍬で潰しておく。 紐を解いていると何やら言いたそうにこちらを見ていたが、先回りしてゆっくりさせるとまた虚空を見つめていた。 その日のゆっくりのエサは夕方潰したゆっくりだった。 意趣返しをした主の俺に涙を流して感謝しつつゆっくりと食事するゆっくり。そんなに感謝されると照れるぜ。 とりあえずゆっくりさせてからハイパー風呂タイム。 昨日は男らしいちょい熱めの風呂だったので今日は温めに湯を沸かす。 タワシで洗ってからゆっくりを湯船に入れてやり、俺も体を洗ってからゆっくりを上がらせ湯を沸かして入る。 ゆっくりは温めの湯も気に入ったようで、ガチガチブルブル震えて俺に目で感謝していた。中々殊勝なのでゆっくりさせてやった。 風呂から上がって床に就く。そういえば今日はこいつ一度もゆっくりさせようとしなかったな。良い事だ。 四日目 今日も静かなグッモーニン。今日も騒いで起こさなかったゆっくりを誉めてやろうと思い、布団をめくると。 ゆっくりは干からびて死んでいた。 慌ててもしょうがないのでいつものように食事を済ませて仕事をする。 午前中で仕事を切り上げるとゆっくり加工所に連れて行く。あそこは最近ちょっとしたゆっくりの怪我等も見るらしい。 「朝起きたらこんな物が転がっていたんです。一体何なんでしょうかこれは?ゆっくりなのは分かるんですが…」 「これはゆっくりの死骸のようですが…しかしこの様な死に方は初めて見ます。解剖して調べてみても宜しいですか?」 「ええ、勿論です。別にペットとかいう訳でもないですし」 「そうですか。では、大した額ではありませんがどうぞ」 「これは?」 「ほんの気持ちです。変わった死に方をしたゆっくりを標本として提供してくれた方にお支払いしています」 「そうなんですか。どうもありがとうございます。では私はこれで」 「ええ。またおいで下さい」 珍しい死に方とか言っていたが一体何なんだろうな。その内聞きに行くとするか。 家に帰ると、野生のゆっくりが数匹飛び掛ってきた。何だ何だ。俺はゆっくりに恨みを買うような覚えは無いが。 饅頭が飛び掛ってきた所で痛くも何とも無い。とりあえず全て踏み潰しておいた。 また一匹捕まえて調教しようかとも思ったが、これ以上やると喉を痛めそうなのでやめておく。 ゆっくりは肥料にもなるらしい。とりあえずよーく潰してから畑に撒く。 また仕事をして、夕食を食べ風呂に入って寝る。 ゆっくり調教生活も今日で終わりだ。お疲れ様でした俺。 後日聞いた話だが、何でもあのゆっくりの死因は『ゆっくり欠乏症』とか言うらしい。 何らかの原因で長期間ゆっくりできずにいるとああやって死ぬんだとか。 俺がもっとゆっくりさせてやればあいつは長生きできたのだろうか。 そんなどうでもいい事を考えながら、今日もトメィトゥ達に愛を注ぐ。 TOMATO END
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「ゆっくりしていってね!」 家に帰ると丸っこい人面饅頭が一個あった。 俺は饅頭が喋るという事実以上にその言い草に呆れた。 「はふぅ…ちみたち、ゆっくりしていってねだって?」 私はゆっくり溜息を付いて間を取りながら言った。 「ゆっくりしていってね!おじさんはゆっくりできるひと?」 すぐさま人面饅頭が喋った。 俺はあきれ果ててまた溜息を付いた。 「むっふぅ~ん、ちみたちそれでほんとにゆっくりしてるつもり…かい?」 私はゆっくりと饅頭に語りかけた。 「ゆ!?れいむはゆっくりしてるよ!あやまってね!」 「ふぉぅ…そんなに急いで喋って…君達のどこがゆっくりしているというんだい…?」 私はこれでも地元一ゆっくりした男を自負している。 だというのにこいつは家に入ってすぐさま「ゆっくりしていってね!」と叫んだのだ。 ゆっくり一を自負する私にはゆっくりを騙りながらそのせわしない動作にあきれ果てたのだ。 「ゆ!?れ、れいむいそいでないよ!ゆっくりしてるよ!」 私は懐からライターとタバコを出すと一本出して軽く口に咥えて 火をつけてぽぅっと燃えるタバコの先を眺めると軽く吸って一服した。 「ふぅ…だからゆっくりはなしてくれといっているんだよ まったく…ちみはせわしない饅頭だね」 「れ゛い゛む゛ばゆっぐり゛ぢでるのおおおおお!!!」 「全く…急に泣き出さないでくれたまえ…」 突然涙を流す饅頭に軽く首を振ってこれは駄目だという意思表示をする。 それから軽く伸びをして欠伸をすると窓の外を眺めた。 「一体…ちみの何がゆっくりしていると言うんだね…?」 「ゆ゛っぅぅうう!!れいむのゆっくりしてるところ みせてあげるからおじさんはちゃんとあやまってね!!!」 「ふぅぅんむ、いいでしょう…ちみがゆっくりしているのがわかったらきちんと謝罪しよう」 私は手を組んで、チェアーをリクライニングに倒すとそこでゆっくり饅頭の様子を眺めた。 饅頭はそこでぷくぅ、と顎を膨らまして目を細めるとじっとし始めた。 あれがあの饅頭のゆっくりなんだろう、ナルホド確かにゆっくりしているかもしれない。 私は読書でもしながら一緒にゆっくりし始めることに決めた。 三時間後。 「い゛づまでごうぢでればいいのおおおお!おなかずいだあああ!!!!」 私がチェアーを窓際に動かして一時間ほどゆっくりと日光浴をし始めたあたりで 突然饅頭がわめきだした。 私はやれやれと左右に首を振った。 「せっかくゆっくりしていたというのに…ゆっくりできない無粋な奴だな…」 「どおぢでええええ!!!どおぢでれ゛い゛む゛がゆっぐりでまげぢゃうのおおおおお!?」 「ちみのそのせわしない半生を見返して…ゆっくりとは何かをもう一度ゆっくり考え直したまえ」 私はそう言うと再び日光浴を再開しゆっくりした。 「ゆぐうううううう!ゆ゛っぐりい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!!」 すると饅頭は数分ばかり頭を悩ませると餡子を吐いて果てた。 なるほど、ゆっくりとは死ぬこととみつけたりか。 最後の最後で中々見所のある饅頭だった。 私はうとうとし始めそのままゆっくりと昼ねをはじめた。 このSSに感想を付ける
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特に悪さをしていないゆっくりが酷い目にあいます 舞台は現代です 冬の夜は寒い。残業を終え、家に帰る途中に公園の自販機であったかいコーヒーを買って飲むことにした。 自販機から落ちてきた缶コーヒーを取り出す。どうでもいいけどあったかいどころじゃなくて熱すぎるなこれ。 火傷しそうなほどの熱を帯びた缶を手で転がし、近くのベンチに座る。そういやちと小腹も空いたなぁ。 寒空の下、クソ熱いコーヒーで一息ついていると、背後から人の声のような音が聞こえた。 「ゆ゛ぅぅ!おかーさん、さむいよぉぉ!」 「ゆっくりがまんしようね! ほら、すりすりすればあったかいよ!」 一体何事かと振り返るが誰もいない。おかしいなと思いつつふと視線を下に向けると、そこにはゆっくりの親子がいた。 大きさの違う二匹が頬を擦り合わせている。どちらもれいむ種だ。小さい方の大きさは野球のボールぐらい。 親と思われるサッカーボール大のゆっくりれいむの頭からは蔦が伸びており、そこには5匹の実ゆっくりが生っている。 どうやらにんっしんっ中らしい。実ゆっくりの形状からするとまりさ種だと思われるもう一匹の親は見当たらない。 少し興味がわいた俺はゆっくりの親子に尋ねてみることにした。 「ようれいむ、ゆっくりしていってね!」 「ゆゅっ!ゆっくりしていってね!」 「ゆっくりしていってね!」 この言葉を言えばゆっくりは本能的に反応せざるをえなくなる。 寒さに震えていた子れいむも目を輝かせてこっちを向いて返事してきた。 「ゆっ!おにいさんはゆっくりできるひと?」 「どうだろうな、多分できるだろう。ところで、お前のつがいのまりさはどこにいるんだ?」 「ゆゆっ!?おにいさんどうしてれいむのだーりんがまりさだってわかったの!?」 「んー、まあ…そうね、超能力だ」 説明するのも面倒だ自分で考えやがれと思いながら親れいむを適当にあしらう。 それで納得したのか、親れいむはすごーい!と言ったあと急に暗い顔になった。 相変わらず感情の変化が激しいナマモノですこと。 「ゆぅ…まりさは…きのういなくなっちゃったんだよ…」 子れいむも顔を俯かせて沈んでいる。 話を聞くと、どうやら昨日家族で移動中、まりさは車に轢かれて死んだらしい。 目の前で親がグチャグチャに潰れたのを思い出したのか、子れいむは泣きだしてしまった。 親れいむはそんな子れいむをすーりすーりとあやす。 「なるほど、それは残念だったな」 「ゆぅ…しかたないよ」 伴侶を亡くして自分も辛いだろうに、子供に心配は駆けさせないようにと笑顔を見せる親れいむ。 そんな彼女達を見て、あることが思いついた。 「なぁれいむ、俺の家に来ないか?」 「ゆゅっ!?おにいさんのおうちに!?いいの!?」 「ああ、俺も丁度お前達のようなゆっくりが欲しかったところなんだ」 二匹を連れて帰宅。出迎えてくれる人もいない一人暮らしなので部屋の中は外と同じぐらい冷えている。 ストーブをつけて次第に部屋が暖かくなってくると、寒さで震えていたゆっくり親子は生き生きとし始めた。 「ゆっ!あったかいよ!ここをれいむたちのゆっくりぷれいすにしようね!」 と子れいむははしゃぐ。親れいむもそんな元気な我が子の姿を見てうれしいのかにこにこと微笑んでいる。 とりあえず部屋着に着替え、子れいむを流し台の蛇口の下に置いた。 何するの、という顔をした子れいむを水で洗う。 最初は驚いていた子れいむだったが、冷たい水が気持ちいいのか次第にとてもゆっくりした顔つきになっていった。 「ゆぅ!すっきりー!」 「ゆ!よかったね!おにいさん、ありがとう!」 見違えるほど綺麗になった子れいむの姿を見て、親れいむは俺にお礼を言ってきた。 そんな親れいむを蔦が傷つかないよう慎重に持ち上げ、にんっしんっゆっくり用の天井部分が開いているタイプの透明なケースに入れた。 にんっしんっ中のゆっくりは勢いよく跳び跳ねたりすることはないのでこれで十分なのだ。 「ゆゆっ!?うごけないよ!おにいさん、れいむをここからだしてね!」 「その中でゆっくりしていれば、赤ちゃん達が無事に生まれてくるんだよ」 「ゆっ!そうだったの!じゃあれいむはここでゆっくりするね!」 完全に俺を信頼しているのか、そんな適当な言葉にも親れいむはいとも簡単に騙された。 そう、俺は別にこいつらを飼おうなんて思っちゃいない。ただ単に小腹がすいていたから食べようと思って連れて帰ってきたのだ。 台所の引き出しからトングを取り出し、それで子れいむを掴んで持ち上げる。 「ゆー!おそらをとんでるみたーい!」 目をキラキラと輝かせながら呑気な事を言う子れいむ。これから何が起こるかわかっていないんだろうな。 右手でトングを持ったまま、左手でガスコンロのスイッチを捻る。ボッという音と共に青い火がコンロから噴き出した。 「ゆぅっ!?なにもないところからひさんがでたよ!」 悲惨? …あぁ、火さんか。何事かと思った。 今まで見たことがないのだろう、ガスコンロを上空から眺める子れいむはキラキラと目を輝かせている。 そんな子れいむの底面の皮をガスコンロの火に直接あてた。いわゆる直火焼きと言うやつである。 「ゆゆ゛ぅ゛ぅぅぅぅぅ!?あじゅいよ゛おぉぉぉおぉおぉぉぉおおおぉぉぉぉぉ!!?」 一転して天国から地獄へ。つい先程まではとてもゆっくりした表情だったのが今は激痛に歪んでいる。 突然身に降りかかった出来事に、子れいむは困惑と苦痛が入り混じった顔をしている。 子れいむはもとより親れいむも何が起こったか理解できていないようだ。目をぱちくりさせている。 「ゆ゛あ゛ぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁぁ!!だすげでおがーーざぁぁぁぁぁぁん!!」 その声でようやく我に返ったのか、親れいむは目を見開いて大きく口を開けた。 「お゛に゛いざんな゛に゛じでるの゛おおぉぉぉおぉぉぉおおお!?」 「何って、見ての通りだよ。子れいむを焼いてるんだ」 「どぼじでぞんなごどずるの゛っ!!」 唾(っぽい砂糖水)をクリアケースにベタベタと振りかけるほどの勢いで親れいむは声を上げた。汚いなぁ。 何とか脱出しようとしているが、左右には身動きが取れず、身重のため飛び跳ねることが出来ないようだ。 それでも少しは体は動くらしく、ぐねぐねと体をひねろうとしたりしている。 が、その度に蔦に生っている実ゆっくり達がわさわさと揺れているのには気付いていないようだ。 「おいおい、あんまり動くと赤ちゃん達が落ちちゃうぞ」 子れいむの皮を焼きながら親れいむに言うと、ゆ゛っという声と共に体を動かすのをやめた。 自分が助けなければ可愛い子供が焼かれてしまう。かといって動けば可愛い赤ちゃん達が未熟なまま落ちて死んでしまう。 といったところだろうか、親れいむは何とも複雑な顔でオロオロしている。 その間にも俺は子れいむの皮をどんどんと焼いていく。 焼き過ぎず丁寧にこんがりと底面を焼き終わったら、次はその他の部分も次々と焦がしていく。 「ゆ゛あ゛あぁああああぁぁぁぁぁぁ!!お゛がぁぁざんどぼじでだすげでくれ゛ないの゛おおぉぉぉぉぉぉぉ!?」 流石にこの音量は近所迷惑になりそうだな。 というわけで次は口の部分を焼くことにした。子れいむの顔面を火に近づける。 「やべでっ、ゆ゛っぐりじでいっでよっ…ゆ゛びいぃぃぃいぃいぃぃぃいぃぃぃぃ!!?」 口を火で炙り、接着する。これでもう大きな声を出されることは無くなった。 続けて両目を焼き、そして全身を余すところなく焦がす。 完全には口が塞がっていないようで、時々ぷひゅ、ぷひゅ、という音が子れいむから聞こえてくる。 喋ろうとしているんだろうが、僅かに空いた口の隙間から空気が漏れているだけのようだ。 ゆっくりゆっくりと時間をかけて子れいむを炙る。 「やべでぇぇぇぇぇ!!れいぶのこどもをいじめないでええぇぇぇえぇぇぇえ!!」 その様子を見ていた親れいむが箱の中から懇願してきた。天井が開いてるから防音出来ないのがこのタイプの透明箱の難点だな。 当然無視して子れいむを焼き続ける。そうこうしているうちに子れいむが完全に焼きあがった。 もちもちとしていた白い肌は、こんがり美味しそうな褐色に変わっている。上手に焼けましたー! ピクピクと痙攣しているところをみると、まだ死んではいない。まあそうなるように調節したんだけどね。 とはいえ口はないから喋れないし、目もないから何も見えない、底面どころか体全てが焼かれているので全く動くことも出来ない。 そんな焼き子れいむを皿に乗せ、親れいむの入っている透明な箱の前に置く。これで一品完成だ。 「あ゛あ゛あぁあぁあぁぁぁぁ!!?でいぶのがわい゛い゛ごどもがああぁぁあぁぁぁぁ!!」 変わり果てたわが子の姿を見て、ダボダボと滝のように涙(っぽい砂糖水)を流す親れいむ。 近付くと、彼女は鬼のような形相でこちらを睨みつけてきた。おお、こわいこわい。 「れ゛いぶをがえじでっ!お゛に゛いざんはゆっぐりできない゛よっ!」 「ははは、かもな」 蔦に触れないよう、両手を親れいむの頭に乗せ、そして一気に体重を乗せた。 丁度親れいむを上から押し潰すような感じである。 「ゆ゛ぎぎぎいぃぃぃぃいぃぃぃぃぃいいいぃ!?」 突然の圧迫に親れいむは体をへこませて苦しそうにうめく。 すると、蔦に生っている実ゆっくり達が物凄い勢いで成長し始めた。みるみるうちに体が大きくなり、張りが出てくる。 親ゆっくりの体を押さえつけることによって強制的に餡子を蔦へと供給し、実ゆっくりを急成長させることができるのだ。 野生でも植物型にんっしんっ中の親ゆっくりが大きな石に押し潰された時などに見られる現象である。 やがて一匹、また一匹と大きくなった実ゆっくりは次々と地面に落ちて赤ゆっくりとなっていった。 「「「「ゆっくちちていっちぇね!」」」」 5匹の健康な赤ゆっくり達は母親に向かって生まれて最初のあいさつをした。 きっと最高のゆっくりしていってね!を返してくれるに違いないとでも思っているのだろう、赤ゆっくり達の顔は期待に満ちている。 「ゆ゛っ…おぢひちゃんたち…はや゛く…ここからにげ……て…」 体内の餡子が急激に減った親れいむは、息も絶え絶えに生まれてきた赤ちゃん達にここから逃げろと伝える。 母から帰ってきた言葉は彼女達の思いもよらない物だったらしく、赤ゆっくり達はショックを受けた顔になった。 「どうちてしょんにゃこちょいうのぉぉぉ!?」 「まりしゃ、おきゃーしゃんとしゅりしゅりしちゃいよー!」 Д<←こんな顔して透明な箱にまとわりつく赤ゆっくり達。中には泣いてるやつもいるな。 そんな赤ゆっくり達をボウルに入れ、その上から白ゴマをまぶす。 「ゆっ!なにきゃおちてきちゃよ!」 「ゆっくちたべりゅよ!むーちゃむーちゃ、しあわしぇー!」 「とっちぇもおいちいね!」 おいおい、できればゴマは食べないでくれよ。赤ゆっくり達が食べるだろうことも考えて少々多めにゴマを振りかける。 生まれたばかりの赤ゆっくり達の餅肌にゴマがべったりとくっついた。これで下準備は完成。 ボウルを持ち上げ、菜箸を使って一匹の赤まりさを熱しておいた油の中へと入れる。 「ゆー!おしょりゃを…ゆびゅゅぅぅうぅうぅぅぅぅぅ!?」 ジュウっという小気味良い音と共に物言わぬ上げ饅頭となる赤まりさ。その様子を見た親れいむは白目を剥いて気絶してしまった。 残りの4匹は何が起こったのかわからないのか、どうしたんだろうという顔をしている。 次はたっぷりゴマのついた赤れいむを投入した。 「ゆっ!れいみゅおしょりゃ…あ゛じゅい゛いぃいぃいぃぃぃぃぃいいぃぃぃぃ!!?」 姉妹の悲鳴を聞き、漸く身の危険を感じたらしい。残った3匹はガタガタと震え始めた。 「ゆ゛え゛ーーーん!!きょわいよ゛おぉぉぉぉぉぉぉ!!」 「やめちぇにぇ!こっちにこにゃいでにぇ!」 「たしゅけちぇおきゃーーしゃぁぁぁぁぁん!」 勿論手を止めるつもりはない。一匹、また一匹と次々油の中へ投下していく。 5匹全部を入れた後、しばらく低温で揚げ続けてキツネ色になったぐらいで取り出し、焼き子れいむを乗せた皿に盛り付けた。 二品目、ゴマ赤ゆっくり団子だ。美味しそうに出来た。早速食べる事にしよう。 テーブルに座り、まずは焼き子れいむをいただく。 野球ボールほどのサイズのそれの左右を掴み、真中から二つに割る。 出来てから少し時間がたってしまっているが、中身はまだあつあつで湯気が出てきそうなほどだ。 これはまだ子れいむが生きていたから、時間を置いていても熱を保っていたのだ。さすがに真っ二つに裂けた今は死んでいるが。 断面からまずは一口、口に含んだ。刹那、口の中に広がる餡子の甘味と皮の旨み。 カリッと香ばしい皮の表面と、それにその下にある皮のもちもちっとした触感、さらに適度な苦痛によって洗練された餡子が見事に調和している。 そして柔らかい食感の中でも一部分だけひときわもっちりしたものがある。これはゆっくりの目、白玉だ。 これもまた餡子との相性は抜群である。 「これは美味い!やっぱりゆっくりは最高だ!」 続けてゴマ赤ゆっくり団子を一つ、一口で食べた。 サクッとした触感と、油の染みた赤ゆっくり独特の柔らかくも弾力性のある皮。それを噛むたびにゴマの香りが口の中に充満する。 そして何といってもやはり生まれたての天然赤ゆっくりの餡子は素晴らしい。しっとりとしていてかつ鮮度がいい。 こちらも文句なしの出来だ。濃過ぎず薄過ぎずの味で何個でも食べられそうだ。 うおォン、俺はまるで人間火力発電所だ!とでもいうように次々と調理されたゆっくり達を口に含んでいく。 焼き子れいむも全て食べ終え、残るゴマ団子もあと一つとなってしまった。流石に結構な量があったので腹も膨れたな。 と思っていると、何やらキッチンの方から声が聞こえてきた。 「ゆ゛ぅ…でいぶの…がわい…いっ……」 っと、そういえば忘れていたな。どうやら親れいむが目を覚ましたらしい。 成体ゆっくり、特に親ほどにもなると餡子が劣化しているせいかそれほど美味しくはない。 そもそももうお腹も膨れたので今は親れいむを食べる気はない。 ならどうするか。決まっている。 「生ゴミは処分しないとな」 俺は虚ろな目をしている親れいむを箱から取り出し、スーパーのビニール袋に入れて固く口を縛った。 そしてそのまま何度も踏みつける。袋越しに弾力が伝わって来てこれがなかなか気持ちいい。 しばらく踏み続けていると、抵抗力が無くなって皮が破れ、餡子も漏れ始めたようだ。袋が内側から黒く染まってきた。 「も゛っど……ゆっぐりした…かっ…た……」 ピクリとも動かなくなった黒い餡子まみれのビニール袋をゴミ箱に捨てる。 親れいむを処分し終えた俺は、残っている最後の1個のゴマ団子を一口で食べた。 サクッという音と共に再び口内にゴマの風味と餡子の甘味が広がった。 うーん、デリシャス。これなら毎日でも食べたいね。 甘いもの食べて少しは疲れが取れたような気もするし、明日も頑張ろう。 終わり
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幻想郷の辺境。様々なゆっくり達が住むそこはゆっくり達の楽園と呼ばれていた。 いくつかの群れが集落を築き、その集落同士が更に合併して、クニとなる。 ドスまりさ率いるゆっくり国最大の国、ドマリカ国は奴隷ゆっくりや一般ゆっくりを貴族ゆっくりなるものが支配するゆっくり王政。 数匹のゆっくりぱちゅりーが指導者となり、ゆっくり皆平等の理念の元、少数精鋭によって確固たる地位を築いている生クリーム共同体。 古来より生クリーム共同体と友好関係にあり、教祖けーねの一族によって治められる神聖けーね教国。 そして、日和見主義のえいえんてぃー国。これら4カ国が現在の有力なクニである。 各々のクニには各々の掟があり、時に友好的に、また、時に緊張感を帯びた関係を構築していたのだ。 しかし近年。ドマリカ国のトップに一匹のドスまりさが君臨した事によってクニの間に衝突が増えてしまう。 ――ドマリカのトップに立ったのは、ドスはドスでもドゲスと呼ばれる邪悪な固体だったのだ! 〜〜第六回・よんかこくしゅのうゆっくりかいぎ〜〜 「むきゅー……まりさ。せつめいしてくれる? さいきんあなたのクニのゆっくりたちにごはんをとられるゆっくりがふえているの」 「おいどんのところもそうったい! こどもたちもあんしんしてゆっくりできんけーね!」 ドゲスまりさに詰め寄る二匹のゆっくり。生クリーム共同体のリーダーであるゆぱちゅりーと神聖けーね教国の教祖・けーねである。 二匹は自分のクニのゆっくりが謎のゆっくりによって虐められたり、或いは襲撃されたり、もしくは連れさらわれたりする事に頭を痛めていた。 そして、密偵を放ち賊を探ると、それらはドマリカからやって来ているのを突き止めたのだ。 「ゆっ。そんなことまりさは知らないんだぜ! じぶんのところのゆっくりもかんりできないおまえたちはボスしっかくなんだぜ!!」 にやにやと笑うドゲスに、遂にけーねの怒りが爆発する。 頭から突き出したとんがりホーンをもって、ドゲスへ体当たりを仕掛けた。 けーね種が本気になり、キモけーね種となった時に生えるそれこそ、いかなるゆっくりをも貫いてきた最強の武器、とんがりほーんなのだ。 しかし、それは並のゆっくり相手の話。ドゲスを捉えたはずのとんがりほーんは一撃で砕け散ってしまった。 「お、おいどんのキモくないとんがりほーんがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 「キモくないとんがりほーんだってさ」 「おお、きもいきもい」 「むきゅ!? けーね、だいじょうぶ!?」 ショックから白目をむき、泡を噴いているけーねの元に、駆け寄る(ぱちゅりーなので遅いが)と、けーねの顔をぺろぺろと舐める。 とんがりほーんは他のゆっくり種を貫く必殺の武器であり、けーね種のプライドでもあるのだ。 それが粉々に砕けてしまったとなればその精神的なダメージは計り知れない。 「むきゅーっ!?」 そしてぱちゅりーは背後から襲い掛かってきたえいえんてぃのてるよによって弾き飛ばされる。 この会議は、初めから罠だったのだ。 「ゆっふっふ……おまえたちがいなくなれば、おまえたちのクニをうばうことぐらいわけないよ! それにおまえたちはいつもべたべたしてきもちわるいよ!!」 ぱちゅりーとけーねは親友だった。 同じくクニを背負って居たから気が合うとか、そういうのではない。けーねもぱちゅりーも、同じように知性的な相手を慕っていたのだ。 「け、けーね……む、むぎゅうう!?」 そんな友人の前で 「ゆっへっへ! おまえはきょうからまりさのどれいだぜ! まずはまりさをんぎもっぢよぐさぜるんだぜぇぇぇぇ!!」 ぱちゅりーは 「い゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!! ずっぎりじたぐないぃぃぃぃ!! す、すっきりーーーーー!!」 強制的にすっきりさせられる。 悪夢のような時間の果てに―― 「ゆっふっふ……すっきりもできたし、ついにらくえんとーいつにむけてうごきだすぜ!!」 「むきゅっ、けーね。けーねのあかちゃん、がんばってそだてるわ」 ぱちゅりーは現実から目を逸らす事を決めた。 〜〜侵攻〜〜 ドマリカによる侵略はゆっくりでは考えられないほどの恐るべき速さで行われた。 まず、手始めにドマリカの誇る奴隷決死隊の襲撃によって生クリーム共同体の集落の一つが侵攻された。 「おかーじゃーーーん!!」 連行されていく赤ゆっくり達は洗脳と言う名の教育を受けさせられて立派な労働力へ。 「むぎゅううううう!! だべだいでぇぇぇぇむぎっ!?」 抵抗したゆっくり達は慰み者兼食料へ―― 本来ゆっくりは共食いを禁忌としているはずなのに、何故? それはこの奴隷ゆっくりたちの生活にある。 ぎりぎりまで食料を与えられず、兵ゆっくりに楯突けば数匹にじわじわと嬲り殺され、その死骸が奴隷ゆっくりに配給される。 ごく稀に配られる仲間の死骸は甘美だった。しかし、共食いをすれば殺される。奴隷達のストレスはいつもギリギリだった。 だからこそ、合法的にゆっくりを食える戦争が奴隷達は大好きなのだ。 「むーしゃ、むーしゃ」 「うっめ! これむっちゃうっめ!!」 こうして、ドマリカは死を恐れない労働力兼兵隊を得る。 その上、働きぶりを認められれば平ゆっくりになれるかもしれない。 そんな期待もあり、奴隷達の士気は圧倒的に高かった。 「……むきゅ……」 集落の長である年老いたぱちゅりーは、集会所の外で起きている惨劇にただクリームを零すだけ。 「ゆっ! こうなったらぎょくさいかくごでたたかうしかないぜ!」 「だめだよ! まだなにかほうほうがあるはずだよ!!」 若いまりさが叫ぶ。侵攻の際に妻と子を失ったまりさは徹底抗戦を主張し、対するれいむは別の手を考えるべきだと主張する。 老ぱちゅりーは悩んでいた。ここで玉砕覚悟で戦い、クニへの侵攻を少しでも遅らせて散るべきか。 それとも、何か他の――起死回生の一手を考えるか。 そんな時、一匹のゆっくりがおもむろに立ち上がる。 「ちぇんがたすけをよびにいくんだねー。わかる、わかるよー」 震えながら立ち上がったちぇんは目から餡子を流し、言う。 自分が助けを呼びに行くと。強いゆっくりに助けを求めに行くと。 老ぱちゅりーはむしろ助けにいくのは死にに行くようなものだと説得をしたが―― 「でも、このままだったらみんなゆっくりできないよー。だから、ちぇんはみんながゆっくりできるように、がんばるよー。わかってねー」 真夜中。 表のゆっくり達が静まり返ったのを確認して、集会所の入り口が開かれた。 ちぇんは帽子の中に保存食である干草を詰め、必ず仲間達のもとにもう一度帰ると心に誓い、跳ねる。 ひたすらに助けをもとめて。 「ゆっ!? おいしそうなのがにげたよ!」 「おいかけるんだぜ! あいつをどれーにしてやるんだぜ!!」 追いかけてくる無数の兵ゆっくり。 「つかまるわけにはいかないんだねー! わかるよー!!」 途中、小枝などで体を切りながらも、ちぇんは止まらない。 ひたすらドマリカの兵ゆっくりから逃げる。 水溜りを飛び越え、小山を乗り越え、竹林を踏み越えて。 ひたすらに、追っ手から逃げた。 体から餡子がこぼれ、自慢の尾は千切れかけ、意識も朦朧とした状態のちぇんを巡回中だったみょんが発見したのは不幸中の幸いだった。 「たいちょう! このこはたしかとなりのクニのしゅうらくのこだちーんぽ!」 斥候ゆっくりのみょんがちぇんの尻尾を咥えて前線基地という名の洞穴に戻ってくると、俄かに洞穴の中が騒がしくなる。 隣のクニ。生クリーム共同体のゆっくりが何故これほどボロボロになってここに流れ着いたのか? 疑問はすぐに解決される事になる。 「ゆっ!! たいちょー! ゆっくりできないこたちがうろうろしてたからゆっくりつかまえてきたよ!」 ひょいっと放り込まれる三匹の追っ手。 追っ手はまりさが二匹にれいむが一匹。れいむは餡子脳でありながら危機を察知しているのかガタガタと震え、まりさ達は何の自信かニヤニヤと笑っている。 「はやくまりさたちをかいほうしてね! それとおいしいごはんをよういしてね!!」 ごくごく標準的なゆっくりの反応に、前線基地のゆっくりたちは不快感を露にする。 神聖けーね教国において標準的な、いわゆる本能のままにゆっくりすることは悪徳とされているのだ。 「たいちょー! こいつらわるいゆっくりだちーんぽ! やっつけるぺにす!!」 ぷーっと膨らみ、怒りを露にするのはこの前線基地一番の古株である顎に傷のあるみょんだった。 傷みょんが憤るのも無理は無い。かつて、このみょんの家族は悪いゆっくり達に殺されてしまったのだから。 「おちつくんだぉ。こいつらをもっこもこにするのはかんたんだぉ。でも、すぐにもっこもこにしたらじょーほーがてにはいらないぉ? じょーほーはだいじだって、けーねもいってたぉ」 隊長とよばれた一匹のゆっくりが追っ手三匹にゆっくりと近づいていく。 それは追っ手のゆっくり達が見たことの無いゆっくりだった。 白っぽい髪に紅い目。ゆっくり達の中でもてるよやえーりんといった珍種に並ぶ珍種。 ゆっくりもこたんである。 「さ、おまえたちのしってることをさっさとはくぉ。そうすればけーねきょうてんにのっとっていのちのほしょうはしてやるぉ」 見たことの無いゆっくりに困惑し、更に警戒する追っ手れいむ。ところがあろう事か追っ手まりさ二匹はもこたんを畸形か何かだと思ったらしい。 ゆへへと下卑た笑いを浮かべ、周りのゆっくりを嘲笑う。 「こんなできそこないがりーだーなんて、ばかなの? まりさならこんなやつよゆうでかてちゃうよ!」 「ペニッ!? おまえ、たいちょーをぶじょくするちんぽ!?」 「かまわないぉ。あいてになってやるぉ」 口調は変わらないように振舞ってはいるのだが、その目から怒り浸透しているのが良くわかる。 こんなに恐ろしいもこたんを見たのはひさしぶりだった。 「ゆっへっへ! おまえなんかまりさのますたーあたっくでいっぱつだよ!!」 追っ手まりが飛び掛る。 もこたんはまりさに背を向けて目を瞑った。 コイツはやっぱり出来損ないのゆっくりだ。まりさはそう確信して大きく口を開ける。 が、その時もこたんの髪の中から綺麗な火が噴出したのを、不幸にもまりさは見てしまった。 ふじやまヴォルケイノ。 珍種であるもこたん種の持つ特殊な力。 髪の中にある噴出口から発射されるそれは人間たちから見れば花火のようなものだが、ゆっくりにしてみれば火柱も同然だ。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛づぃぃぃぃぃぃ!!」 顔面を焼かれ、もがき苦しむまりさに近づき、更に念入りに焼いていく。 凄まじい光景を見て二匹の追っ手ゆっくりは身動きが取れぬほどの恐怖を感じていた。 「おまえたち、こうはなりたくないぉ? だったらしってることをはくぉ」 ぼしゅっと噴出孔から火花を散らし、二匹を睨みつける。 排泄餡子を漏らしながら、二匹は知っている事をぽつぽつと漏らし始めた。 「……ち……んぽ……」 けーねが死んだ。そしてぱちゅりーは完全に敵の手に落ちてしまっている。 その事実を知ったみょんは言葉を失っていた。いや、他のゆっくり達も。 「……このことをとなりのクニのぱちゅりーたちにつたえるぉ。それと、けーねのこどもたちにも」 「たいちょう! そうしたらどうするちーんぽ!? みょんたちはどうすれば……」 「おちつくんだぉ! ――もこたんたちはわるいゆっくりたちをできるかぎりくいとめるぉ。このきちのみんなをすぐにあつめるぉ!!」 もこたんの号令を受け、伝令役のちぇんが弾かれたように走り出し、手当てを受けていたあのちぇんにもこたんが近寄っていく。 「……このからだで、よくがんばったぉ」 「……みんなが、ゆっくりできればいいよねー……わかる、よー……」 手当てはされているが、恐らくもうこのちぇんはもたないだろう。 まだ若いちぇんの命を無駄にする事はできない。 もこたんは手勢を引き連れ、ちぇんのいた集落の救援に向かう事にした。 「お、おねがいだよ! みんな、れいむもいっしょにゆっくりさせてね!!」 二匹の追っ手を前線基地に残った守備隊たちが囲む。 その目には皆激しい嫌悪感が浮かんでいる。そして、この二匹のゆっくりにもこたんの下したのは死刑宣告。 「おまえにはみずぜめ、そっちのまりさには――ふるこーすだよ!!」 「「「ゆっくりくるしんでしんでね!!」」」 「「い゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」」 別々に洞穴の奥に連れて行かれる二匹。 けーね経典に則ると罪を告白したゆっくりには情状酌量の余地が与えられるはずなのだが。 そこはステキな餡子脳。仲間とも言えるようなゆっくりを殺された事によって経典なんかすっ飛んだのだろう。 もこたんの“好きにするがいいぉ”の言葉を拡大解釈した結果そうなった。 「れいむ、のどかわいてるでしょ? いっぱいみずをのませてあげるね!」 無理やり口を開けさせられ、強制的に口移しで水を飲ませられる追っ手れいむ。 初めのうちは固定されている恐怖から涙目になっていた追っ手れいむだが、飲み物を貰えるとわかると安心したらしい。 「ゆっ! もうおみずはいいよ! こんどはごはんをもってきてね!」 だが、拷問をするゆっくり達は代わる代わる水を強制的に飲ませるのを止めない。 これこそけーね経典にある“ゆっくり水責め”である。 「ゆ゛っぷっ! もう、おみずいらないいいいい!! んぶっ!?」 それでも尚、水を飲ませ続け、限界寸前まで膨らむれいむ。 頃合を見計らって、拷問ゆっくり達のリーダーであるらんしゃまは拷問ゆっくり達を止めた。 「もういい! みんないっかいおみずをとめろ!」 ようやく助かる。れいむの心に僅かに希望が浮かんだ。 これが終わったら、なんとかしてここから逃げてゆっくり暮らそう。 そう思っていたれいむの体を突如らんしゃまが押し始めた。 「ゆっ!? す、すっきりしたいの……? いいよ、れいむですっきりしても……」 が、らんしゃまは体を離すと傍にあった棒を咥え、それで思い切りれいむの体を押し込みんで揺すり始めた。 「ゆゆゆゆゆゆ! す、す、す――うぼぉげぇぇぇぇえぇえええ!!」 途端にれいむの口から噴出す大量の水と少量の餡子。 「よし。もういっかいみずをのませろ!」 また、拷問ゆっくり達が水を口移しでれいむに飲ませていく。 この責めは、れいむが死ぬまで終わらない。 戦いは始まったばかりだ。 つづくかも このSSに感想を付ける
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ゆっくりと勇気あるゆっくり 森の奥には、ゆっくりと言えど近づくことはない。 人間が入ってこれなくとも、更なる脅威が待ち受けていることを、ゆっくり達 は理解しているのだ――。 ・ ・ ・ 「みんな、ゆっくり理解したかな!」 「「「ゆー!」」」 ここは、森の中にあるゆっくり教室。 大人のゆっくりが、周辺の子ゆっくりを集めて、生きる術を教えるプレイスだ。 その間親ゆっくりは狩りにいそしむことが出来るため、この一帯に生きるゆっく り達は、他よりも比較的にゆっくり出来ていたのだ。ゆっくり教室を立ち上げた のは、一人のゆっくりれいむであった。回復の早いゆっくりであるに関わらず、 頬や頭に穿たれた古傷は癒えることはなく、子ゆっくり達に威圧感と、それに勝 る信頼感を与えていた。 数年前に行われた、ゆっくりプレイス調査。森の中で、さらにゆっくり出来る プレイスを探し出す、主に子ゆっくり達が大人に隠れて行った大探検だ。探索は 複数回に渡り行われ、その都度新しいゆっくりプレイスを見つけることが出来た。 その歩みを森の奥へと進めるまでは。 彼女はその「生き残り」であった。子供たちが尋ねても、森で何があったのか を詳しくは語らない。だが、森の奥にだけは行かないように、周りのゆっくり達 に話して聞かせるのであった。 「いいかい、草と草がこう絡まっていたら――」 「少し地面の色が違う場所、一部だけ草に覆われたがあったら――」 「敵を攻撃するには必ず集団で、連携をして攻撃――」 「複数の敵に襲われた時に姉妹が怪我をしたら、すぐ逃げるんだよ、それはおび き寄せるために殺していないのだから――」 などと、講義の内容は自然を生き抜くだけでなく、罠の見分け方、殺戮下にお ける生存方法などが主眼となされていた。そのため、大人達は彼女のことを、 「きっと狡賢い人間に酷い目に遭わされたのだろう」と考えていた。また、この 教育を受けた子供たちは、人間の罠に掛かることも、逃げ帰ることも多かったため、 教室が潰されることはなかった。 「あう゛っ! い、いだいよー!」 殺傷能力の少ない罠に掛かった子れいむが、涙ながらに彼女の元へ寄ってくる。 「どれどれ……ああ、これならすぐゆっくり治るよ」 「ほんとう?」 「ゆっくりしていなさいね」 子れいむの傷口に口をあて、モゴモゴと舐める仕草をする教師れいむ。彼女に は不思議な力があり、簡単な怪我であれば治すことが出来た。特殊能力と言うわ けではない。口内の傷口から餡子を出せるようになってしまっただけだ。重傷の ゆっくりを直すには自分の餡子に限りがあるが、軽傷であれば負担にもならない。 多少重い傷のゆっくりに、自分の頬を食べさせたこともあった。 「う゛ー、う゛ー、……う? 痛くない! ゆっくり治ったー!」 「「「せんせいすごおおおおおい!」」」 彼女は騒ぎ立てる子ゆっくり達をまとめながら、新たな罠について説明をする のであった。 「ゆっくり帰ってきたよ!」 一日も終わり、住処へと帰る教師れいむ。 「ゆっくりお疲れさま!」 「「ゆっくりしていってね!」」 つがいのゆっくりまりさが優しく出迎える。教師れいむはこのつがいのことを、 誰よりも深く愛していた。共に野原を駆け回った幼馴染。そして自分のせいで怖 い思いをさせた「生き残り」の一人。彼女はゆっくりまりさの愛らしい顔に刻ま れた、幾筋かの古傷を見るたびに、あの出来事を、考えの至らなかった自分の態 度を、深く憎むのであった。 「学校はゆっくり出来るの、れいむ?」 そんな自分の思いを見透かしたかのように、まっすぐ自分を見つめて話を振る つがいに、照れたように視線をそらすゆっくりれいむ。 「もうすぐみんな、卒業だね。これで皆ゆっくりできるよ!」 自分が教えることはもうあまり残っていない。後は自分達で考え、生き残る努 力をするだけだった。それに秋も深まっており、そろそろ餌集めの手伝いをしな ければいけない時期に差し掛かっていた。そこまで考えた彼女は、自分を見つめ る熱を帯びた視線に気が付いた。 「ま、まりさ……っ」 「れいむっ! わ、私の子をゆっくり生んでねっ! みんなを守れるくらい、勇 気に満ちた、可愛らしいまりさ達の赤ちゃん産んでねっ!!」 当たり前だよ、と、れいむは微笑んだ。だって、自分とまりさの子供なのだから。 優しく口付けをするつがいに、そう心で呟いた。 ・ ・ ・ 襲撃があった。 これから生まれる赤ゆっくりに思いを馳せて、次第に育つ枝ぶりを愛おしく眺 めていた、そんな時に限ってだ。 襲撃者は群れはぐれゆっくりだそうだ。飾りを失い、生き延びて、なお生き残る ために群れ、ゆっくりを襲うはぐれゆっくりだ。襲ったゆっくりから飾りを得る のではなく、命を奪い去るのであるから性質が悪い。飾りを奪い取ったとたん、 他のはぐれから裏切りの烙印を押されるのであるから、彼女らにすればそれは当 然なのだろうが。 きゅ、と唇をかみ締める。「生き残り」であるからには、例えゆっくりだとし ても忘れることの出来ない思い出があるのだ。教師れいむは、つがいのまりさと 共に住処を飛び出した。 ・ ・ ・ 「生き残り」の教育とその場の指示が的確であったためか、騒ぎは次第に沈静 化していった。死傷者は少なからずいたが、被害はそれほど多くは無かったのだ。 生存者を探し、残党を狩りつつ、ゆっくり教室を開いている広場にたどり着い た彼女達が見たものは、複数のはぐれゆっくりと、襲われ嬲られている教師れい むの教え子達であった。 「いっくぞー、ほーれ♪」 「ぎゃはははは! ゆっくりしね~♪」 「ゆ゛っぐぢいいいい」 「きゃっちぼーるはゆっくりできるなあ~♪」 ただ投げあうのではなく、皮を毟るように子ゆっくりをほおり投げるキャッチ ボールなど、存在していいはずがない。 「ほーら、まりさの体はゆっくりしてて美味しいだろ~?」 「あがががが! あがっががが!」 小さい口に無理やり大人の体をねじ込んで、顎を引き裂く真似など許せるはず がない! 「ほーれ、ぷっすぷっす♪」 「いだあああ! ゆっぐぢおうじがえどううううう!」 体を貫く細い枝は迫害された時に埋め込まれたのだろうか、悪意を憎悪として 他者に向けるなど、してはならないのだ!! 教師れいむはその鬼畜どもに体当たりを食らわせた。 「ゆっくりとしんでね!! ゆっくりとしんでいってね!!」 憎い憎い飾り付きをいたぶっていたお楽しみを邪魔されたはぐれゆっくり達は、 いきりたちその牙を彼女へと向けた。注意をこちらに引き付けたところで、死角 に回り込んだつがいまりさが攻撃を仕掛ける。一撃必殺とまでは行かないが、目 の部分に体当たりをすることで大幅に戦闘力を削ぐことは出来る。 一撃ごとに姿をくらまし、教師れいむが挑発し、また一撃を加えるという作戦 は、極めて効果的であった。問題は、駆逐に時間を要したことだ。 「ぜんでぇ……たずげ……」 「ひぃ……ゆっぐりじだ……」 「おがあじゃ……」 最後の一匹を屠るまで、生命力の乏しい子ゆっくりたちは着実に命を散らし始 めていたのだ。教師れいむが子ゆっくり達を助けるために番いの傍を離れた、そ の刹那。息を潜め、死んだふりをしていたはぐれゆっくりが、猛然とつがいまり さに襲い掛かった。 不意を付かれたつがいまりさに為す術はなく、教師れいむが助けに入るその数 瞬きの間に皮膚を割かれ、餡子をすすられてしまった。 ――致命傷。だが、自分の餡子を全て吹き込めば、つがいまりさは息を吹き返 すだろう。だがそれを押し止めたのは、他ならぬつがいまりさであった。 「どーじで! までぃさ死んじゃうよ!?」 「まりざより……あのご達を……お願いじばず」 「でも、でも……!」 「まりざをだすけだら、あのご達は……」 つがいのまりさは助けられるだろう。だが、つがいまりさを助けてしまったら、 今助けを求めている子ゆっくり達は、一体誰がその命を助けると言うのであろう か。教師れいむには、番いの言いたいことは痛いほどよくわかった。 「でもっ!」 「まりざばっ!!」 引きつったように笑みを浮かべて、送り出すように告げるつがいまりさ。 「か弱いゆっぐりを助ける、そんな優しいでいぶが、だいずきでず……っ!!」 「……!! ――ごめん! ごめんでばでぃざ! だずげらでなぐで、ごべんで えええ!」 一生をかけて愛した番いの最後に背を向けて、己の勤めを果たそうとする彼女 に向けられた一言は、彼女の勇気を奮い立たせるに足りるものであった。 ――ありがとう、ゆっくりと愛してくれて―― 「産むからで! でいぶだじのがばいいあがじゃんを、とてもいざまじいあがじ ゃんを! か弱いゆっぐでぃをだずげる、ゆっぐりなあがじゃんを産むがだで! だから、――ゆっぐりじでいっでで!!!!」 返事は聞こえなかったが、彼女の胸の中では、最愛のまりさがゆっくりと微笑み を浮かべていた。 ・ ・ ・ 生き残ったゆっくり達を迎えたのは、惨状であった。教室のあった場所に累々と 積もるはぐれゆっくり達の屍骸。痛ましく寄り添う教師れいむとその番いの屍骸。 そして教師れいむから猛々しく伸びる新たな命と、怪我も癒えた子ゆっくり達の姿 であった。 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 敵が居ないこと、自分達の子ゆっくりが無事なことを喜び、集落の勇者達が命を 落としたことに絶望し、その勇者達が新しい希望を紡いでいたことを、複雑な心境 ではあるが、喜んだ。 頬の傷を癒してもらおうと教師ゆっくりを探していたゆっくり達は、彼女がも う居ないことを嘆いた。 「先生の顔を食べると、傷が治って、とてもゆっくり出来たんだよ!」 「ゆっ、本当だよ! 他にも直してもらったれいむもたくさんいるよ! 昨日も!」 「先生は食べた時もぜんぜんゆっくりだったよ! だから直してもらいたかったの に……」 なるほどと大人のゆっくり達は思いを馳せる。確かに、幾度か怪我を直してもら った覚えもあった。ある者が呟く。 この赤ちゃん、先生の子供だよね! じゃあきっと、……。 ・ ・ ・ 煌き始める地平線に、輝く未来に向かって伸ばされた枝は、ゆっくりを守り抜き、 ゆっくりと生きるはずの、勇ましく生きるはずのその命は、ただの一度も朝日を拝 むことはなかった。 このSSに感想を付ける
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「ゆっくりしていってね!」 「…………あー」 家に帰ったらゆっくりがいた。 胡椒切らして往復5分だからと鍵かけて行かなかったのが悪かったのか。 家を空けていた時間が短かったせいか、幸い家は荒らされていないようだ。 「おにいさん、ここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!はやく「はいはいゆっくりゆっくり」ゆっなにするの!ゆっくりはなしてね!」 生憎透明な箱なんてもんはないので畳んでいなかった段ボール箱に放り込む。 すぐに潰そうかとも思ったが今はまず飯を作る方が先だ。 段ボールの中でゆっくりが騒いでいるが無視だ無視。 もやしを洗ってハムとキャベツと人参を適当な大きさに切ってフライパンに油をひく。 後はフライパンが十分に温まったら硬い物から入れて炒めるだけだ。 ふとゆっくりを見るとこちらを見て涎を垂らしていた……それを見てむくむくと悪戯心が沸く。 「おいゆっくり、これ食べたいか?」 「ゆゆっ、ゆっくりたべさせてね!」 ゆっくりの前に切ったハムを一枚ぷらぷらと摘まんで差し出す。 左右に動かすとゆっくりが動いてそれを必死に食べようとする。 ねこじゃらしを目の前に出された猫みたいで面白い……やっべ、テンション上がってきた! 「それそれそれ!」 「ゆっゆっゆっ!」 「そーらっ!」 「ゆーっ!!」 散々じらした末に、思わずハムを摘まんでいた手を思いっきり上に上げる。 それに応じて何とゆっくりも段ボール箱から飛び跳ねて大きく跳躍し……ってあれ? 「ゆがぁぁぁぁぁぁっ!?」 「うぉぉぉぉぉぉぉっ!? 水っ!水っ!!」 限界を超えたゆっくりは俺の腕を越えてその後ろに位置していたフライパンの上に着地。 既に煙が出る程に熱されていたフライパンはいともあっさりとゆっくりの底を焼き、髪と帽子にまで引火した。 その惨状に慌てて水を汲んでゆっくりに目掛けてぶっかける……って、あ。 「ゆごごぉぉぉぉぉっぉぉっぉっぉっ!?」 「あづぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ!?」 そりゃ十分に熱した油に水ぶっかければ跳ねまくるよなぁ、とパニックになった自分を何処か冷静に見ている俺がいる。 そして耐え切れなくなったゆっくりは最後の力を使ってフライパンの上から跳躍し……まとめて置いてあった調味料に激突した。 胡椒、七味、塩……様々な瓶が宙を舞い、そしてゆっくりに向かってその中身をぶちまけ、火傷した饅頭肌に致命傷を与える! 「ゆ゛っ゛がらっいだいぃぃっ゛!?」 「だ、大丈夫か!?」 「ゆ゛っ゛おに゛いざんだずげでね゛ゆっぐりでぎな゛……ゆ゛っ!?」 「お、おいどうした!?」 「ゆ゛っ゛、ゆ゛っ゛、ゆ゛っ゛っ゛ぐしょぉぉぉぉぉぉん!」 「うぉぉぉぉぉぉっ!?」 クシャミだ。ゆっくりに降りかかった胡椒がクシャミを誘発し、そのクシャミと共に多量の餡子が吐き出されてくる。 手で口を抑えずにクシャミをすると鼻水や唾が飛ぶのと同じ要領で、ゆっくりの口から餡子が吐き出されたのだ! 「もっ゛どゆ゛っ゛ぐり……じだがっだよぉ゛……」 それが致命量の餡子を吐き出したゆっくりの、最後の言葉となった。 「………………」 俺はゆっくりが息絶えた後も呆然としていた。 ぶちまけられた調味料、餡子まみれの野菜とハム、いまだバチバチいってるフライパン、そして息絶えたゆっくりの死骸。 「……クシャミで死ぬって、ゆっくりはホント難儀な生き物なんだなぁ」 混乱した思考の中で俺は、そんな言葉をゆっくりと吐き出したのだった。 ================== なんかゆっくりが勢い良くくしゃみしたら餡子吐き出しそうだなぁ、と思ったのでついかっとなって書いた。 このSSに感想を付ける
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前置き ゆっくりのセリフに読みやすくなる程度に度漢字を使用しております 補足は最後に適度にしてます しーしーの穴=まむまむとしています 舞台は幻想郷じゃない現代っぽいどこかです ゆっくり実験所 加工所やゆっくり見せモノ屋と違いゆっくりを研究し実験する施設 加工所と密接な関わりを持ち虐待用品からゆっくりフードまで幅広く開発する会社である しかし職員に好き物が多いのは言うまでもなく嗜好的な実験も数多く存在する 「そういえばさ、胎生出産のヤツってでるとこなくなったらどうなるんだ?」 職員の一人の言葉からこの実験ははじまった ある程度の個人的趣味は取り入れてもいいとはいえ実験前は所長に許可を取りに行くのが通例である まぁたいていは一言で終わるのだが 「おうおうやれやれ」 こうしてこの実験は開始された まずは胎生型のゆっくりペア(れいむxれいむ まりさxまりさ ありすxありす)を3組用意する そして人工的に発情させ夫婦共々にんっしんっすれば準備完了である 約2週間後- 「そろそろ赤ちゃん生まれそうだな」 「ゆゆ!れいむのあかちゃんもうすこしでうまれるよ!」 「れいむはうごけないからおにーさんもっとたべものをもってきてね!」 はいはい・・・と適当に相槌をうち白玉に少し砂糖をまぶした物をケージの中に放り込む 「「むーしゃむしゃしあわせー」」 元野良の2匹にはこれだけでも至上のご馳走である それを2週間も与え続けたためこの2匹はおにーさんへの警戒心がまったくなくなっていた 「おいしいのはいいが・・・お前達知ってるか?」 「ゆ?なんのこと?」 「いやな・・・・ゆっくりの間で流行ってる病気なんだが」 「ゆっ!?れいむたちびょーきなの!?」 饅頭であるゆっくりにも病気はある 野良は特に虫を媒介とした寄生虫や湿気によるカビ・・・ 何でも餡子に変えるが十分に栄養を取れないと病気になるらしい 「お前達はいいんだがお腹にいる赤ちゃんが死んじゃう病気らしいんだ」 2匹の顔が強張る ここにつれてこられ不安なときに相方とであった おにーさんがゆっくりぷれいすとご飯をくれてはじめてゆっくりできた日に結ばれた二匹 そしておにーさんの[ここでしばらくゆっくりしていいから2人で出産すれば?]の言葉からすっきりし合ったあの日 ずっとゆっくり幸せだった瞬間が壊れるかもしれないとよぎる 「おにーさんれいむのあかちゃんたすけてね!」 「にんげんさんなられいむたちのびょーきなおせるでしょ?ゆっくりしてないでなおしてね」 ここに来たとき1匹は瀕死の重傷だったのをおにーさんが小麦粉と水とオレンジジュースで治したのを覚えていたのだろう 「うーん、でもお腹の中の赤ちゃんだぞ?お腹を切らないと手術できないしなぁ」 「ゆっ!?そんなことしたられいむしんじゃうよ!そんなこともわからないの?」 「そうだよ!またあんないたいおもいしたらゆっくりできないよ!」 ゆっくりじゃなかったらゆっくりできないどころじゃなく死ぬ 「大丈夫だって、れいむだって餡子でてたのに生きてるだろ?赤ちゃんのためにあれをがまんできるかできないかだよ」 「ゆぅ〜・・・」 「おにーさん・・・れいむのおなかをきってね!」 「ゆゆ!れいむなにいってるの!そんなことしたらしんじゃうよ!」 「おなかをきってしゅじゅつしないと赤ちゃんしんじゃうんだよ!れいむもゆっくりりかいしてね!」 「ゆ〜・・・わかったよ!おにーさんれいむもゆっくりしゅじゅつしてね!」 もっと悩んでもいいと思うがさすが餡子脳 即決で切腹することを決めるあたり子供思いというか単純というか 「OKOK、じゃあ手術は明日するからそのつもりで今日はゆっくり休んでおけよ」 「ゆっくりりかいしたよ」 「おにーさんもゆっくりねてね!」 こうしてれいむ夫婦の実験のための説得が完了した ちなみにまりさとありすもこんな感じの説得だったため割愛する 眠らせてもいいが面白くないのと反応を記憶したいので起きたままの状態で手術がはじまった 手術といっても別段病気でもないしゆっくりを説得するためにつかった言葉なのだが 「い”だい”!!!!やべでええええええええ!!!!!!」 と、台の上でれいむが叫んでいる 「赤ちゃん死んで良いのか?」 「ゆ”ぐ!?だめだよ!ゆっくりしてないではやくしゅじゅつしてね!」 想像通りの反応が返ってきたところで職員は手術を続行する 懸命な読者の諸君ならもうわかっているだろうが手術が終わるまでこんな感じであるため割愛する 「ゆぐぅ・・・れいむとってもいたかったよ!おにーさんばかなの?しぬの?」 「なんでいたくできないの!」 手術が終わったら手を返したように罵倒してくる 1匹は育ちがいいのか教育がいいのか悪口はいってこないがしょせん元野良なのでその程度である 2匹いるためか調子にのって暴言を吐く饅頭達 「しゅじゅつがおわったんだからあかちゃんのためにおかしをもってきてね!」 「そうだよ!さっさとばかなにんげんはれいむのおかしをもってきてね!」 「うるせぇな糞饅頭が・・・」 「「ゆ!?」」 突然職員の口調が変わる 手術をすればこっちのもの もうおだてる必要などないのだから 「黙れっていってんだよ!」 ズンっ・・・という音とともに殴られたれいむが吹き飛び壁に激突する 「ゆ・・ゆぐぅ・・・」 さすがゆっくりに実験と研究した職員 皮越しにもかかわらず中枢餡に一撃でダメージを与え気絶させる 「快・・・感!」 ビクンビクンするゆっくりを見て少々悦に入るこの職員変態である 「れいむしっかりしてね!おにーさんなにするのれいむはにんっしゆぎゃゃぁぁあああああ!!!!!!」 職員はもう1匹のれいむにも一撃をくわえる 今度はかなり手加減したので気絶していない 「なでぃずるの!でいぶはにんしんじでるんばよ!ばがなの!じぶの!?」 呂律が回ってないのも毎度お馴染みなので無視して職員はれいむの髪をつかみ持ち上げる 「やべでねでいぶのぎれいばがみのげさばらないでね!」 「いいか?おしえてやるよ」 「ゆ?」 「お前達の赤ちゃんは改造した」 「ゆ”ゆ”?」 かいぞう? ゆっくりにはその言葉が理解できなかった 「かいぞぶっでなびなの?」 殴ったとき歯が折れたらしくまだ呂律が回ってない あとでオレンジジュースでも注射しよう 「赤ちゃんを強くしたんだよだからあの程度どころかお前が潰れるぐらい蹴ったって赤ちゃんは死にゃしねーよ」 「ゆ・・・・・ゆゆ!りかいしたよ!さすがれいむのあかちゃんはゆうしゅうだね!」 呂律が戻ってる・・・オレンジジュースがもったないないしこのままでいいか 「俺が改造したって言ってるだろうがこの餡子脳!」 そういって壁に叩きつける 実は親も改造されているので中枢餡を吐き自殺もできない そして皮は丈夫に痛みはそのままという虐待専用改造である ちなみに真性虐待癖の人はこの改造はあまり好きじゃないらしい 「やべでぇえ”え”え”え”!!!!!!!」 「でいぶばにんじんじでぶんだよやべででぇ!!!!!」 この後職員は退勤時間まで虐待して遊び続けたのはいうまでもない 3度目なのでもう言う必要がないだろうがまりさとありすも同じような状態である 手術内容の報告- 「変わった趣向だな」 「今回は資金集めも担ってますからね」 「ふむ・・・」 所長と実験責任者がレポートのチェックをしている 「虐待好きのための見世物・・・か」 「気に入りませんか?」 「いやそうじゃない・・・私がしたかった・・・」 「所長はもうちょっと自分の権限使ったほうがいいですよ」 「そうかもな」 含み笑いをする二人 その笑みには虐待癖特有の感覚が含まれていた ゆっくりが見ればこれだけで震え上がるだろう 「共通してることは母体の強化及び赤ゆの強化及び成長促進剤の投与、そして出産直前までオレンジジュースで栄養過多の状態にします」 「それ以外はこのレポートの通りか」 「はい、目を通しておいてください」 れいむへの措置 母体のまむまむ(ぺにぺに)を切除し溶いた強力粉で再生させる措置 強化してるとはいえ出産の圧力がどれほどかわからないため強力粉を使用している まりさへの措置 母体のまむまむ(ぺにぺに)とあにゃるを切除し溶いた強力粉で再生させる措置 ありすへの措置 母体のまむまむ(ぺにぺに)とあにゃるを切除し歯を溶かし上下を接着する措置 数日後- ありすは目が覚めた 周りには沢山の人がいるにも関わらずそこはとても静かであった 「んー!ん”−!」 必死に助けを求めようとするが歯が接着されているので話すことができるはずもない 出産まで少し時間があるので母体達がどのような状態か説明しておこう オレンジジュースを大量に投与されたありすの体はたぷんたぷんのデブゆっくりである 鏡の無いこの場所では自分の姿がどのようになってるかわからないだろう しかしこのありすは1匹ではない 伴侶を見るとたぷんたぷんのデブありすが目に入る 自然界のありすならば[いなかもの]と罵ったであろう このありすもはじめは伴侶がデブになっていく姿に軽蔑していたのだから しかしお互いいつからか理解してしまった 自分も同じ姿なのだろうということを れいむとまりさは言葉が話せる状態だったため 「まりさはまりさがどんなすがたになってもさいこうのつまとおもってるぜ」 「ぽっちゃりしたれいむもすきだよ!」 と言っていたのが気に入らなかったのか 職員は整形して作った超絶絶世美ゆっくりれいむとまりさを2組とすごさせとことんこの2組に惨めな思いをさせていた ちなみにこの美ゆっくりは中身を白餡に変えられ躾られているので虐待されたりはしない こうして説明してる間にどうやら時間が来たようだ 「ゆゆ!れいむのあかちゃんうまれそうだよ!」 「まりさのすてきなあかちゃんがもうすぐうまれるぜ」 「ん”−!(訳:とってもとかいはなあかちゃんがうまれそうね)」 こうして実験兼見世物は開始された 数分後(ありす編)- 「ん”ん”ん”ん”ん”!!!!!!ん”ん”ん”ん”!!!!!!!!!!!」 力んでも力んでも赤ちゃんが外にでる気配はなく終わらない激痛だけがあいすを支配する 「(あのまま殴りてぇ)」 「(動けない箱に入れて・・・ハァハァ)」 ここでは声を出すと退場となるんで観客たちは静かだが顔をみるだけでこの観客の98%が変態だとわかった 「ん”(略)(訳:どおしてうまれないの!?あかちゃんとかいなありすの子供なんだからゆっくりしてないででてきて!)」 眼球が半分隆起するほどの苦しみ 普通のゆっくりだけじゃなくほととんどの生物は死に至るであろう苦しみ だがその苦しみさえも強化改造されたこのゆっくり達には死に至らない程度の苦しみ 「ん”(略)(訳:ゆぎぃいぃいいいいい!!!!赤ちゃん何してるのぉ!??!?!?!?!?!)」 1匹のありすがこれまで以上の異常なほどの苦悶を浮かべる 「お、はじまりましたね」 「予想通りだが妄想より現実だなやはり」 「ですよねー」 研究員達は笑いながらありすの苦しんでる様をメモしている 「ん”!(略)(訳:どおしたのありす!?しっかりしてね・・・ゆぎゃぁああああああああ!!!!!!!!!)」 もう1匹のありすもさらに苦しみだした ここからは普通にありす達が話してますがしゃべれない状態です 別に書くのがめんどくさいとかじゃありませんわかりやすく分けただけですってば! [ゆぅ・・・このみゃみゃじゃありちゅはおしょとにでれにゃいんだよ・・・しょうだ!でぎゅちをさぎゃせばいいんだ!] (やべでえええええええええ!!!!!あじすのながびだべだいべぇえええええええ!!!!!!!) 出口がないなら出口を探す 親は言葉が話せないので静止することもできない 静止したとしても出ることがかなわないだけだが [むーしゃむーしゃしあわせー] (ゆぎゃああぁぁぁあばああああああああやべでぇえええええええいぎゃいびょぉぉぉおおおおおおおおおお!!!!!) 親の餡子を食べる子供 食べられ苦悶するがそれを伝えるすべを持たない親 成長促進の影響もあり食欲旺盛な子供の勢いは止まらない 甘いものを食べてるゆっくりは常識的に考えて止まらない 「おー、これは中々新鮮な苦しみ方ですね」 「あの不規則な中の規則的な痙攣・・・充血を超えて出血した見開いた目・・・流れ続ける涙・・・最高だ!」 もうやだこんな所長 [はやきゅそちょにでてみゃみゃにあいしゃちゅすりゅんだよむーしゃむーしゃ] (ゆ・・・ぎゃ・・・ばんで・・・・・・・・あが・・・ゃん・・・) さすがに餡子を食べられては強化されてるとはいえ限界であった [ゆ!?みょうたべりゃれりゅとこりょがにゃいよどうにゃったりゃでれりゅの?!] ゆあーんと餡子をすべて食べられた母親の中で泣きだす赤ゆっくり そこに職員が近づいていきナイフで母体の皮を切り穴を作った 「ゆ!おしょとだよみゃみゃにあえりゅよ!!」 「「ゆっくりしちぇいっちぇね!」」 父と母の中からて二匹同時にゆっくり挨拶 しかし両親からの挨拶はあるはずもなかった 「ありちゅちゃんちょあいちゃちゅできちゃよ!みゃみゃみょあいちゃちゅしちぇね」 「死ねるんだから挨拶できるわけないだろ」 職員が赤ゆに声をかける とびきりの現実と共に 「にゃにいっちぇるの!ありしゅはみゃみゃきゃらうみゃれちゃんだよ!」 「しょうだよ!みゃみゃがしんじぇたりゃありちゅはうみゃれてにゃいんだよ!」 なんでこんな知識があるかは不明だがこのさい置いておこう 「赤ちゃん達は外に出る前に甘い物を食べたよね?」 「ゆゆ!ありちゅはあみゃいもにょをたべちゃよ!」 「もちきゃちておにーしゃんがくれちゃの?にゃらもっとありちゅにちょうだいね!」 「あぁ食べさせてやるよ・・・」 そういってママの中に指をいれ残った餡子を取り出す 「にゃにちちぇるの!」 「やめちぇぇええええみゃみゃをいじめにゃいでぇぇぇええええ!」 「食べてみろ」 グイっと指をありすの口に入れる 「やめちぇねきもちわりゅい・・・」 「みゃみゃにょにゃきゃみなんてたべちゃくな・・・」 「「しあわせー!」」 二匹はしあわせーと美味しいものを食べたときの言葉を発する 「もっちょありちゅにたべしゃせてね!」 「もっちょちょうりゃいね!」 母親から取り出した餡子ということをすでに忘れている赤ゆ さすが餡子脳 「さてここで問題です」 「みょんだいにゃんていいきゃらおきゃしちょうりゃいね」 「今食べた餡子は何だったでしょうか?」 「おきゃしちょうらいっていってゆんだよ!ばきゃなの?しにゅの?」 「問題に答えれたらまた食べされてあげるよ今度はいっぱいね」 「ゆ!ゆっくりりきゃいしちゃよ!!」 「いぴゃいたべれりゅにゃらありちゅがんびゃるよ!」 問題に答えれば甘いものが沢山食べれるとゆっくり理解する しかし成長促進された餡子脳はしばらくすると気づいてしまった 「ゆぎゃぁぁぁあああああ」 「ありしゅ!?しっきゃりしちぇねどうしちゃの!?」 突然1匹が奇声をあげる そう気づいたのだこの赤ありすは 母親を食べたことを 「ゆべぇ・・・ゆがぁ・・・・」 「ありしゅがしにちょうだよ!ゆっきゅりぺりょぺりょしてにゃおすよ!」 そういって奇声を上げているありすを舐めるもう1匹のありす ペロペロのせいか落ち着きを取り戻したありすがゆっくり話し始める 「ありちゅ・・・ゆっきゅりきいちぇね・・・」 「ゆゆ?どうちちゃの?」 「ありちゅたちがたべちゃあみゃいおきゃちはねみゃみゃたちにゃんだよ」 凍りつくもう1匹のありす こちらも異常成長した餡子脳が理解したのだ 母親を食べたことを 「ゆ・・・・ぁ・・・・・みゃみゃ!!!!!」 「はいそこまでー」 母親の死体にかけよるありすをつかみ透明なケースにいれる職員 「にゃにするにょ!ありちゅをおりょして・・・」 ケースに蓋をされ外に声が漏れなくなった もう1匹も同じようにケースに入れられている こちらは傷心しうなだれているが 「さー、本日のショーの1つはここで終了です!皆様が今見たとおりこの強化されたゆっくりの強度は保障済みです いつもならこの赤ゆっくりは研究所いきですが今日はこの赤ゆっくりを競りに出したいと思います!!」 ウオォー!という歓声につつまれる劇場内 実験所で強化されたゆっくりが競りや売りにだされる事が稀であるため興奮が抑えきれないのであろう 「さぁまずは1000円から!」 こうしてありすの実験は終了した この赤ありすは今後死ぬまで虐待されゆっくりできることは数える程度の人生を歩むであろう 数分後(まりさ編)- 「あかちゃんゆっくりしすぎだよはやくうまれてきてね!」 ありす同様中々生まれてこない赤ちゃんに苛立ちを隠せないまりさ 日頃受けていた虐待がれいむやありすより強烈だったため出産の痛みはさほど苦しくないようだ 「どぼじでぇうばででごないどー!!」 と思ったら1匹は苦しいようだ 「まりさがんばってね!ふたりのすてきなあかちゃんのためだよ!」 「わ”わかったよ!まりさもがんばるよ!」 冷静なまりさが苦しそうなまりさを諭す そのおかげで苦悶していたまりさも落ち着きを取り戻し力むことを再開する だがいつまでたっても赤ちゃんがでてこない まむまむが広がらないのだ 「やっばでぃだべだよぉ!?」 「ゆゆっ!?なんであかちゃんうまれてこないのぉ!?」 さすがに冷静を保っていたまりさも不安がぬぐいきれなくなる 植物型にせよ哺乳類型にせよゆっくりは子供の出産を本能で理解している そのため自分をゆっくりな状態にして出産に挑むのが通例である 劇場内でこれだけの人目の中での出産は異常だが事実を切り離すことによりゆっくりな状態を作っている 本当に餡子脳はバカで便利にできている 「ゆばぁ!?ゆあああああげぇあああああああ!?!?!?!!???いだい!?いだいよぉあああああ!!!!」 苦しんでいたまりさが痛みを訴える 「ゆゆ?まりさどうしたの?」 「まりさのあん・・・こ・・・たべあ・・・・・ゆべぇ」 ゆべぇ・・・と口から黒い物体を吐き出す そしてその黒い物体はもぞもぞ動き出し 「ゆっきゅりしちぇいってね!」 ゆっくり挨拶をした 「ゆ?ゆゆ!?」 なんで赤ちゃんが? まりさの口から? なんで? 赤ちゃんがまりさを? 「ゆああああああああ!!!!!!!!!おなかのなかのあかちゃんはやくしんでね!」 ドスンドスンと何度も飛び跳ねお腹の中の子に死ねと言い放つ 毎度の事ながら都合よく危機を理解したのだろう 目の前の赤ん坊が外に出れず外を目指した結果を 「びゃ・・・ゆば・・・・」 どうやら赤ゆを吐き出したまりさはオレンジジュースを大量に与えていたおかげでかろうじて生きているようだ 正確には中身をぐしゃぐしゃにされ口内を突き破られた・・・だが 「しね!しね!おかーさんをころそうとするあかちゃんはしね!」 冷静だったまりさは狂ったように死ね死ねコールを連呼し飛び跳ねている 強化改造してるため普通のゆっくりの数倍のジャンプ力で飛ぶ姿は生首の幽霊が如くきしょい 良識ゆっくりと思ったらどうやらゲスが強いまりさだったらしい 「ゆっくりしてないでしねしねしねしねし・・・ゆぎゃぁ!!!!!!」 しかし中の赤ちゃん強化されている この程度じゃ死ぬわけが無かったのだ 「ゆぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ!!!!!!!!!」 歯を食いしばり中で暴れる子供を殺すためジャンプし床に自分を叩きつけさらに壁に突進し子供を殺そうとする だがそれらは無駄に終わる 「ゆぎゃぁぁぁぁあああああああぁぁぁあああああ!!!!!!・・・・・ゆべっ」 またもや黒い物体を吐き出すまりさ 言うまでもなく中の子供である しかし様子がおかしい 「・・・・・・・・・・・・・・・」 ゆっっきゅりしちぇいってね! 赤ゆ特有の赤ちゃん言葉のゆっくり挨拶がない 「あがじゃん・・・・どぼじであいざずでぎばいの・・・・」 さっきまで殺そうとしてたゆっくりの発言と思えないがゆっくりしたい本能の脳内式は 『苦しい!』→『赤ちゃん生まれる』→『開放感&これでゆっくりできるよ!』 と簡単に上書きを完了させた 親だけが 「ゆっきゅり・・・しべぇ!!!!」 「ゆゆ!?」 生まれてきた赤ちゃんの最初の言葉 それは親に対する殺意 生まれてきた赤ちゃんとの最初のすりすり それは目への的確で強力な噛み付きであった 「ゆぎぎぃああああああ!!!!やべでぇ!?あがじゃんやべでぇえええええ!!!!」 出産の疲労と開放感と中身へのダメージで動けない親の眼球を 「ゆべぇ!」 あっけなく噛み砕いた子供 「どぼじでごんなごどするのー!?」 「ごみくずはだまってしんでね!」 「やべでぇ!やべでぇ!やべでぇ!やべでぇ!やべでぇぇぇぇぇええええええ!」 攻撃は続いたが強化されている母親は吹き飛ぶばかりで死ぬことはなかった それから数分後- 「はいそこまでー」 職員が赤ゆ二匹と瀕死の親をケースにいれ競りを開始した 後から生まれた赤ゆは体内で殺されかけたせいか二言目にはしっかり話ができるほど成長してたこともあり高く売れ のちに飼いゆっくり競技としてできる[闘ゆ]の伝説の初代王者となるのはまた別の話 ちなみに1匹目の赤ゆは2匹目が親を殺そうとしてる間ずっと自分の親を看病しており 親もこのことが嬉しかったせいで自分の子供のせいで瀕死になったことを忘れ同じ虐待おねーさんに買われ この虐待おねーさんのパートナーとして他のゆっくりへの虐待を手伝う日々の中子供は[闘ゆ]に出場し 初代王者との激戦を制し2代目王者となる生涯を送るのは別の話 ゲス親まりは虐待され続けられ畑の肥料にされたとのこと 数分後(れいむ編)- 「ゆぎゃあぁああ(省略)」 〜この文は前2つとあまりに同じため削除しましたテヘッ☆〜 「もっと力めばいいんだよ」 「ゆっ!?ゆっくりりかいしたよ!」 「はやくあかちゃんでてきてね!!」 れいむは職員の言葉に素直に従った 産道であるまむまむは強力粉で再生されたため破れることすらなくいつまでも続く出産の苦痛から逃れるためである 「「ゆゆぅ〜!!」」 力いっぱい力む2匹のれいむに異変が起こるのはそれからすぐだった 「ゆあああああああ!?あにゃるがいだあああああああ!!!!!!!」 「ゆっゆっゆっ!?」 2匹してあにゃるの苦痛を訴える よくみるとあにゃるが切れて広がってるようだ 切痔? 「うんうんでないでね!あかちゃんがゆっくりでてこれないよ!!!ゆあがああああああ!!!!!!!」 お腹の中の子を気遣いながら苦痛にゆがむれいむの顔 「ぼう・・・だべだびょれいびゅ・・・・・・」 「ゆゆ!?れいむしっかりしてね!あんこはいちゃだめだよ!」 「ゆべぇ・・・・・・・・・・・・・・・」 「でいぶぅ!!!!!!!!!」 自分自身の苦痛をよそに伴侶を気遣うところは見習いたいものだ しかし中枢餡を吐き自殺した伴侶へのことなどすぐ忘れてしまう それほどの激痛がれいむを襲った 「!?!?!!!?!?!???!??!!!!?!?!」 れいむが歯を食いしばり目を見開き苦痛が頂点であることを悟らせる おそらくはあにゃるからうんうんがでないようにしてるのだろう 「(うんうんしたらあかちゃんがよごれちゃうよれいむはがまんするよ)」 人間が便意をがまんするようなものだろうか 歯を食いしばり血走った目を見開き・・・さっきも書いたねこれ そんな状態で力んでいる そう力んでいるのだ ブビッブビビビビビビビッッ!! 力んだせいで勢いよく餡子があにゃるから飛び出る 「どぼじでぇ!?」 あにゃるが切れてる状態で力むなんてマヨネーズをだすのにロードローラーを使うようなものだ 「ゆぅ・・・これじゃあかちゃんゆっくりできないよ・・・」 あたりに散乱する自分からでたうんうんに愕然とする 大量に中身をぶちまけたためれいむの大きさは3分の2ほどに萎んでいた 武装錬金の世界にゆっくりがいたらきっとホムンクルス指定されたゆっくりを斗貴子があのセリフでぶちまけてくれるだろう と、脱線したところで話を元に戻そう 「あかちゃんはやくゆっくりでてきてね」 舌を伸ばしまむまむがあった場所を舐めるれいむは気づいてないのだろうか 陣痛が消えていることに 「ゆゆ?」 もぞもぞとうんうんの中で動く何かをみつけるれいむは警戒態勢に入る そしてうんうんの中から・・・ 「ゆっきゅちしちぇいってね!」 うんうんとと一緒に外にだされた赤ゆがでてきた 「ゆっ!みゃみゃおにゃきゃちゅいたよ!ごひゃんちょうだいね!」 第一声の次は親に対してご飯クレクレ・・・間違いなくこのれいむの子だ しかし自分の子供に対し母れいむはゆっくり挨拶をしようとしない むしろその目はゲスを見る目であった 「ゆ?みゃみゃ〜ごひゃん〜」 すーりすりしようと近づく赤ゆ しかし生まれてはじめての親への甘えは叶うことなく困惑にかわる 「おまえなんかれいむのこどもじゃないよ!」 「ゆゆ!?」 赤れいむは困惑した ママの子供じゃない? そんなわけない お腹の中で聞いた声を覚えている 生まれてきてはじめてあいさつしたこのゆっくりが自分の母親じゃないはずがない! 赤れいむはたまらず叫ぶ 「れいみゅはみゃみゃのあかちゃんだよ!どおちてそんにゃこというにょ!」 「おまえはうんうんだよ!うんうんのくせにれいむのかわいいあかちゃんをなのらないでね!」 「れいみゅはうんうんじゃないよ!みゃみゃのこだよ!ゆっきゅちりきゃいちてね!」 「うるさいようんうんくさいにせものはさっさとしね!」 自分の子をうんうんと罵る親 あにゃるからでてくる=うんうん 実に単純でわかりやすい認識である 「おまえみたいなしゃべるくさいうんうんはゆっくりしね!」 「ゆべぇ!」 赤れいむは一撃で絶命した 強化されてる赤ゆを一撃で絶命させたのは単にお腹の赤ちゃんをゆっくり産みたい母性であろう 「これであかちゃんもゆっくりできるびょ・・・・ゆっぎゅりでぎゅゆっぎゃゆあべぁ」 母れいむが徐々に呂律が回らなくなる原因 これも単純である 赤ゆに突進した衝撃で切れたあにゃるから大量の餡子と共に中枢餡がとびでたためである つまり死亡確定! 「ぼっびょ・・・ゆっぎ・・・・ゅりじじゃぎゃっだ・・・」 こんな状態でもお決まりのセリフを言えるのは大したものである 「はいそこまでー」 「もっと早くとめようぜ」 「ちょっとどうなるか気になってつい・・・」 数分後- 結局れいむで生き残ったのは最初に死んだ母れいむの中の子だけ この子れいむは買っていった青年は愛でお兄さんだったため 躾を施され愛でお兄さんの飼う20匹超のゆっくりの子供の世話係として飼いゆっくりとしてはまともな生涯を送る 愛でお兄さんがこの虐待劇場にいた理由は 『愛でるにはゆっくりがどうしたら苦しむか知らないといけない』 というのが理由である その後- 「いやぁ、これでしばらくは資金面は困りませんね」 「たしかに困らないが」 「また見たい・・・ですよね?」 「その通りだ」 こうして3ヶ月に1度このショーは趣向を変え公開されることになる ゆっくりブリーダー達の中では研究所で強化改造されたゆっくりが飼えると毎回予約が殺到するようになるが それはまた別のお話 オマケ- 「「すっきりー」」 今この夫婦(まりさxありす)は子作りを終えたところである 「ありすのまむまむさいこうだったぜ」 「まりさのてくにっくもすごくとかいはだったわ・・・ゆっ!まりさこどもができてきそうだわ!」 「ゆゆ!でかしたんだぜありす!」 そういうとニョキと頭から茎が・・・生えてこなかった 「湯がやあああああああああああああ!!!!!!あたまがいだいああああああああ!!!!!!!!」 「ありす!?しっかりするんだぜ!」 突然叫びだすありすを心配しすりよるまりさ 「あだまがいだいわ”・・・まりさ・・・」 「なんなんだぜ?ゆっくりしっかりするんだぜ」 「もっとまりさとゆっぐりしだがった・・・・・・・・ゆ”っ!!??」 「ありすー!!!!!!!」 絶命したありすの後頭部から棒が突き出ている おそらく中枢餡を茎がが直撃し皮を突き破ったのだろう 「ありす!ありす!ありすぅぅぅぅううううううう!!!!!」 まりさは一晩中泣き続けた 「うーん、植物型は無理かー」 「強化したゆっくりでも持たないとはな」 「あらかじめ茎の通り道を作っておくとか?」 「背中に違和感あると夫役のほうが違和感もってすりすりしなくなるから素材を作るところからだな」 「んじゃそっちは俺が工面するよ」 今日も実験は続く Q.なんでわざわざ手術の説得したん? A.実験職員は1つの実験だけじゃなくいろいろな実験をするためです よってこの会話の記録も実験の1つ Q.赤ゆっくりはなんで同時に出産にはいったん? A.成長促進剤で調整されてます Q.白餡? A.白餡にしたら性格がよくなるってあったので ってことは自然発生したゆっくりには白餡は存在しない? Q.1組2匹の意味なくね? A.同じ種類にした罰です 文章力の低い作者を虐待して許してください Q.ありすの中身が餡子? A.よくある設定ではカスタードやクリームですがこの世界では一律餡子です Q.闘ゆ? A.闘犬のゆっくり版 ブーメラン殺法中のゆっくりはキモいと思う(見た目的な意味で 前の作品 「ゲスG誕生!」 「猟奇的に伺が。」 作:メトロイドマホロイド
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「あー、あちぃ……」 ここ最近、やけに強い雨が降り続いているせいで窓を開けられず、部屋の熱気がなかなか抜けない エアコンなんて便利なものを買う余裕がない俺は、一人暮らしをするときに持ってきた扇風機を使って空気を回している。 カバーが外れやすくなっているのが少々怖いが、かなりの強風を出せるので重宝している。 何気なく窓を見ると、普段なら見えるはずの家々がまったく見えない。こりゃまだまだ続きそうだ。 コンコン 「……ん?」 玄関を叩くような音が聞こえた。こんなときに来客か? コンコン 気のせいじゃない。どうやら誰か来たようだ。 のぞき窓を見てみるが誰もいない。こんなときにいたずらするような物好きがいるのだろうか。 玄関を開けてみた。 「ゆっ!おにーさん、まりさたちをたすけてほしいよ!」 足元には、成体サイズのゆっくりまりさが二匹居た。 「おにーさんありがとう!これでしばらくゆっくりできるよ!」 「あめがあがるまでゆっくりさせてね!」 話を聞くに、このまりさたちはゆっくりにしては珍しい同種のつがいであるらしい。 片方のまりさは妊娠している。しかも胎生のほうだ。本人達の感覚によれば、三匹ほどいるらしい。胎生にしては多いほうか。 家族が増えるということで最近川原に巣を移したまではよかったが、そこにきてこの豪雨が始まった。 巣は半日で使い物にならなくなり、なんとか雨風をしのいできたが今日は場所が見つからなくなってしまった。 「あんまり広い部屋じゃなくて悪いな。今はこのくらいしか出来ないんだ」 せめて少しでも快適なように、扇風機を横倒しにして二匹に風をあてている。 「だいじょうぶだよ!そとにいるよりはゆっくりできるもん!」 「ちゃんとおぎょうぎよくするよ!」 野生のわりにはやけに丁寧なゆっくりだと思っていたら、どっちも元々ペットだったらしい。 他のゆっくりがこれくらい賢ければ潰される数も減るだろうに……なんてことを考えていると、腹の虫がさわぎだした。 時計を見るともうすぐ昼時。昼飯を作るとしよう。 「じゃあ俺は飯でも作ってくるから、ゆっくりしててくれ」 「「ゆっくりしていってね!」」 部屋のふすまを閉めると、ポケットからミュージックプレイヤーとイヤホンを取り出す。 今日の作業用BGMを選びながら、昼食のメニューにとりかかった。 「やさしそうなおにいさんだったね!」 「そうだね!」 一方、こちらは残されたまりさたち。妊娠しているほうを母まりさ、していないほうを父まりさと呼ぼう。 まりさたちは、数日ぶりのゆっくりとした時間を味わっていた。 この雨のせいで、眠るときくらいしかゆっくりできていなかったまりさたち。 本音をいうと少しだけ窮屈だけれど、外とは比べ物にならないくらいのゆっくりぷれいすだった。 雨がやんだら巣を探そう。あかちゃんが生まれる前にいっぱいご飯を準備しよう。 二匹の頭は、これからのゆっくりの仕方についてでいっぱいだ。 ちょうどその時。 「――ゆ゛う゛っ!?あがちゃんがででぐる゛う゛う゛うっっっ!!?」 「ゆ!まりさ、ゆっくりがんばってね!」 気が緩んだせいだろうか、母まりさが突然出産を始めてしまった。 時期としてはもうそろそろという頃合だったが、あまりに突然すぎた。 まだなにも準備をしていないというのに! 「おにーさん!おにーさん!!たいへんだよ、まりさのあかちゃんがうまれちゃうよ!」 おそらく食事をつくっているであろうおにいさんを呼ぶまりさ。だが、いくら呼んでもおにいさんは来ない。 聞こえてくるのは何かを焼いたり切ったりする音だけだ。雨も激しいから、声が届いてないのかもしれない。 ならば、とふすまをあけようとするが、まったくびくともしない。 「おねがい゛い゛い゛い゛あ゛い゛い゛でえ゛え゛え゛え゛」 必死に動かそうとする父まりさ。が、ふすまのスライドする位置には雑誌のタワーのひとつが倒壊していた。 ゆっくり程度の力では、無理矢理開けることはできない。 「ゆううううううううううう!」 振り向くと、母まりさが苦しそうに転がって、あちこちに体をぶつけている。 「おちついてね!ぶつかったらあぶないよ!」 そんなことを言われても、こうして悶えでもしないと痛みに耐えられない母まりさ。 ぶつからないよう、父まりさが母まりさと部屋の荷物の間に入る。あちこち体が痛いが、気にしていられなかった。 もし、このとき。 まりさのどちらかが気付いていればよかったのかもしれない。 ぶつかった衝撃で、扇風機のカバーが転がっていったことに。 しばらくして、ようやく母まりさがおとなしくなった。 「がんばってね!ゆっくりうんでいってね!」 「 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 苦しそうな母親の顔の下に、同じ顔をした赤ちゃんが ぽん、と。一匹の赤ちゃんまりさが飛び出してきた。 「ゆっくりちていってにゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛ゆ゛うううううううううぅぅぅぅぅ!!」 生まれた喜びは、ほんの一瞬だった。 母まりさが止まったところは、よりにもよって扇風機の前だった。 しかも、先ほど暴れたときにカバーが外れてしまっている。 そんなところで子供を生めばどうなるか、ほぼ予想がつくだろう。 そう。この赤ちゃんまりさは、自分から扇風機に突っ込んでいく形になってしまったのだ。 「「ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」」 扇風機から飛ばされた赤ちゃんをみた二匹。 体はくまなくズタズタにされ、帽子も原型をとどめていない。 「ゆっ……ゆっ…………」と小さくうめき声をあげていたが、すぐに声は途絶えた。 「ゆううううううううう……まりざだぢの……あがぢゃん…………」 悲しみにくれるまりさ達。だが、そんな時間は与えられていなかった。 「ゆ゛うううう!!あがぢゃんがででくるよおおおお!!」 まだ母まりさのなかには赤ちゃんがいる。最初の子を無駄にしないためにも、残りの子たちを精一杯可愛がってあげよう。 そう考えた父まりさは、懸命に対策を考えた。 母まりさを見る。母まりさはもう痛みで動く余裕はまったくない。お兄さんもまだ当分戻ってこないだろう。 頼れるのは、自分だけだ。 「んーしょ!んーしょ!」 考えた結果、父まりさは扇風機のカバーをもどすことにしたようだ。 部屋の隅に転がっていたカバーを引きずっていく。 だが、カバー自体がゆっくりにとってはかなり重い。加えて、片付いていない部屋の足場は最悪に近い。 「ゆっくりいそいでね!はやくついてきてね!」 もうすでに二匹目の赤ちゃんの顔が見え出している。父まりさは、とっさに判断を変えた。 「まりさ……なにしてるの……?」 少し痛みに慣れたらしい母まりさが話しかけてきた。目の前には、扇風機をバックに立ちはだかる父まりさ。 「まりさがくっしょんになるよ!あんしんしてね!!」 どうやら、出てきた赤ちゃんを受け止めて守ろうという魂胆らしい。 「でる゛っ……でぢゃうよ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 二回目のぽんっという音と共に、赤ちゃんまりさが飛び出した。 「ゆっ!?」 父まりさには少し誤算があった。口で受け止めてあげるつもりだったが、実際に赤ちゃんがぶつかったのはおでこのあたり。 赤ちゃんは真横に吹っ飛んでしまった。 「ゆぅっ!いちゃいよう!」 「ごめんねあかちゃん!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりちていっちぇにぇ!」 生まれて最初にみたのは、お母さんとお父さんだった。 にっこりと笑いかけて「ゆっくりこっちへおいで!」と呼んでいる。 ぴょんと飛び跳ねようとした瞬間。 「ゆ?」 なんだか、突然回りが暗くなったような気がした。 上を見上げる。 雑誌の表紙に描かれたキャラクターたちが、赤ちゃんにゆっくりせまってきた。 「ゆ?」 赤ちゃんがなにやら上を見上げた。 なんだろう、と両親もつられて見上げてみる。 分厚い本が、赤ちゃんの頭に直撃する。口から噴水のように餡子が噴出した。 追い討ちをかけるように二冊、三冊と赤ちゃんに向かって落ちてくる雑誌。 赤ちゃんまりさがぶつかったのは、先ほどお兄さんがスペース作りのためにどかした雑誌群だった。通称「ジャ○プタワー」。 それも慌てて積み上げていたせいで構造は乱雑。いつ崩れてもおかしくない状態だった。 そこに赤ちゃんまりさが突っ込んだ結果がこれだよ。 「「ゆ゛がああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛っっっ!!!??」」 慌てて駆け寄る父まりさ。必死に本の山を切り崩していく。 掘って行くうちに、赤ちゃんまりさの帽子が見えてきた。 「あ……ああああ…………」 が、無事なのは帽子だけだった。 その下にいた赤ちゃんまりさは、もうただの皮でしかない。 「ごめん……ごめんねあかちゃん…………ちゃんとうけとめてあげれたら……」 心からの謝罪を告げると、振り向いてまた扇風機の前に立つ父まりさ。 「ちゃんとうけとめてあげるよ!ぜったいにうけとめるよ!!」 続く三匹目。少しずつ顔が見えてきた。 両親に緊張がはしる。 そして。 「ゆっくりちていってにぇ!」 最後の赤ちゃんが飛び出してきた。 幸いにもコースはさっきの赤ちゃんと全く同じだ。 「ゆっくりきゃっちするよ!!」 口に僅かな衝撃が走る。 衝撃で後ろに飛ばされるがなんとか着地。口の中では赤ちゃんが「おとーしゃーん?」ともぞもぞ動いている。 よかった。こんどはせいこうしたんだね。 ふひゅう、と父まりさから溜め息がもれた。 かぞくはへっちゃったけど、そのぶんいっぱいゆっくりさせてあげるね。 そんな感傷に浸っていると、後ろがなにやらガリガリとうるさい。 振り返る。 黒い帽子が、扇風機に巻き込まれていた。 「ゆううううううううっ!?」 キャッチした瞬間、まりさはほんの僅かだったが衝撃で後ろに飛ばされた。 その時、ちょうど帽子だけがまきこまれてしまったのだ。 「ま゛り゛さ゛のぼう゛じがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛」 ゆっくりにとって飾りは命と等しい。父まりさは迷いなしに扇風機に飛び掛った。 「ぼうじがえぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!」 ……よりにもよって、赤ちゃんゆっくりをくわえたまま。 「おーい。飯ができ……た…………ぞ……?」 飯を運んでふすまを開けた俺が見たのは、やけにちらかっている部屋と、そこかしこにとびちっている餡子。 そして、自我喪失といった状態のまりさが一匹。 「おい、どうした!なにがあったんだ!?」 「ゆ……うぅ……う゛わあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あん!」 まりさはじゅっと泣き続け、やっと話せるころには雨がやんで、久しぶりに太陽が顔を出したころだった。 澄んだ空気と夕日が心地よかったが、俺とまりさの空気は未だに重かった。 残った餡子を出来る限り集めて、庭の花壇に埋めてやる。 ボロボロになった片割れまりさの帽子に赤ちゃん達の帽子を重ねて、墓がわりにしてやった。 まりさはしばらく墓を眺めていたが、振り向くとゆっくり歩き出した。 「行くのか?」 「あめがやんだから……ゆっくりでていくよ。おにいさん、ありがとう……」 ぴょんぴょん跳ねて、まりさが遠ざかっていく。 「いつでも来いよ!ゆっくり待ってるからな!」 聞こえないかと思ったがちゃんと届いたらしい。 「ゆっくりしていってね!」 精一杯の笑顔で振り向いたまりさを。 自動車が一瞬で轢いていった。 「いいやつは早死にする、か…………」 案外嘘ではないのかもしれないな、なんて思いながら俺は五つの帽子を見つめていた。 「せいぜい、あの世でゆっくりしていってくれ」 ―――――――――――――― あとがき ゆっくりって結構喋らせにくいんだなぁという気がします。 特に悲鳴とか。 少しの間でも楽しんでもらえたら幸いです。 このSSに感想を付ける