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『手乗りめーりん』 5KB 小ネタ 実験 加工場 虐待人間 箸休めてきな小ネタです 「ちゃおちゃお、ちゃおーん!」 帰宅した私を元気良く迎えてくれる一匹のゆっくり。 子ゆっくりサイズの、めーりんと言うゆっくりだ。 実はこのめーりんは、「手乗りゆっくり」という品種のゆっくりで、この大きさで生体サイズなのだ。 「こぼにぇー、こぼにぇー」 手乗りめーりんに続いて出てきたのは、「手乗りゆゆこ」だ。 子ゆっくりサイズではあるが、食欲は衰えず、一回の食事で成体ゆっくり1匹くらいは簡単に食べてしまうほどだ。 「ちぃーん、ちぃーん」 小さな羽根で一生懸命羽ばたいているのは、「手乗りみすちー」。 こんな小さな羽根で、どうやって飛んでいるのかは知らないが、そこは希少種とはいえ不思議生物のゆっくり。 気にしていたらキリがないだろう。 「ちゃおお?」 不思議そうな顔で、首を傾げるような動作をするめーりん。 このめーりんも、本来のめーりんと同じで昼寝好き、花を育てる、基本種に馬鹿にされる、主従関係を重んじる、などの特性がある。 非常にのんきなゆっくりで、飼い主の言うことをよく聞くので、飼いやすい種類である。 「こぼにぇー」 しばらくめーりんと遊んでいると、何やら私の元に現れたゆゆこ。 どうやらお目当ては、こたつの上のミカンの様だ。 私はミカンを一つ手に取ると、皮をむかないでそのままゆゆこの目の前に転がした。 ゆゆこはミカンを追いかけて跳ねていき、ミカンをそのまま丸のみにした。 「こぼにぇー♪」 嬉しそうに目を細めるゆゆこ。 ゆゆこ種は「こぼね」としか喋らない上に、部屋でじっとしていることが多い、何を考えているのか解らないなどと言われるゆっくりである。 だがどんな食べ物でも、幸せそうな顔をして食べるその姿が可愛らしいと、人気のある種類のゆっくりだ。 「ちぃーん、ちぃちぃーん、ちぃーん♪」 TVから流れてくるクラシック曲に合わせて、楽しそうに鳴いているみすちー。 その歌声は驚くほどきれいで、れいむ種等が好む「おうた」という名の雑音とは比較にならないほどだ。 本来の種類は「ちんちん」とまるで、男性の象徴のような鳴き声なのだが、手乗りみすちーは、発音が未熟なため、気にはならないだろう。 これらのゆっくりは、加工所で作られた物。 どうして希少種の、それも喋らない種類ばかりなのかは、ちょっとした開発秘話がある。 「手乗りゆっくり」計画は、成体になるとわりと場所を取るゆっくりを、もっと手軽に飼えないかという発想で開発がスタートした。 ゆっくりに遺伝子という高度な物があるのかは知らないが、様々な実験が行われて開発が進められた。 「ゆっぎぃぃぃ!やべでぇぇぇぇ!びりびりいだいぃぃぃぃ!ゆぎょぎょぎょおぉぉ?!………ゆぴぃ!がぴぼごぼどべべべ…」 ガタガタと、高速で震え上がる実験体のゆっくり。 白目を剥いてだらしなく舌を出し、ブスブスと煙を両目、口、まむまむ、あにゃるから出し始める。 「ゆびぃぃぃぃぃぃぃぃーーーーーーー!………」 「ふん!死んだか…このくらいの電圧で根を上げやがって…」 「あのー…主任、一応1000V超えてますよ…それに、実験体R-050が炎上してます…」 高圧電流を流して、ゆっくりの体に強制的な変化を起こさせようとしてみたり。 「がべががぎぎぎぎ!ゆっげろぉぉぉぉぉぉぉ?!」 体を激しく動かし、苦しむ実験体ゆっくり。 両目をカッと見開くと、勢い良く餡を吐き出した。 「ふーむ…はぴ粉にちょっとハバネロ混ぜただけなのに、情けない奴だ!」 「ちょっとどころか、これ殆どハバネロじゃないですか!えーっと、M-380の死亡を確認」 「あー…訂正。ハバネロにはぴ粉混ぜただけで死にやがって…使えんゴミ袋だな」 さまざまな薬物、調味料を投与して、ゆっくりの体質改善をしてみたり。 「ゆっぎゃぁぁぁぁぁ!ちくちくさん、こっちにこないでぇぇぇぇ!!わがらないよぉぉぉぉ!!」 闘技場のような実験施設内で、棘だらけの装甲を纏ったラジコンカーに追われる実験体ゆっくり。 ラジコンカーは、ワザとゆっくりを掠めて走り去ったり、ゆっくりを殺さない程度に攻撃を加える。 「はっはっは!さっさとにげろ!逃げないと、死ぬぞー!!」 「やだぁぁぁぁぁ!らんしゃまぁぁぁ!たすけてよぉぉぉぉぉ!!」 「あのー…主任、実験体T-800で遊んでませんか?」 「別に楽しんではいないよ。っと、あのゴキブリめ!らん種に助けを求めて、自力で進化しようとしないな…よし、死ね!廃棄だ!」 「にゅわぁぁぁぁ!ゆぎゃ!わがらなっ!」 ゆっくりを危機的状況下に追い込んで、自立進化を促そうという実験なのだがこれも失敗に終わった。 こうした研究者達の苦労と、多くの実験体のおかげで、ついに手乗りゆっくりは完成に至ったのだ。 まあ、詳しい製法は企業秘密なのだが。 だが、完成した手乗りゆっくりにも致命的な欠点があった。 「ゆゆ?にゃに、このばばーは?きたないかおを、みしぇな 『グチャ!』 ゆっべぇ?!」 「誰がババアか、この生ゴミが!舐めた事ぬかすと、握りつぶすぞ!!」 「あぁ?!主任、もう既に握りつぶしてますって…試作の『手乗りれいむ』が…ちゃんと躾たはずなのに…」 「ゆっぴぃぃぃぃ!なにしゅるのじぇぇぇぇ?!このくしょどりぇぇぇ!まりちゃしゃまのれい 『ブチャ!』 びゃ!」 「あー?なんか喋ったか、ウジ虫。あんまり騒ぐと潰すぞ?」 「えっと…もう潰してます…はぁ…試作の『手乗りまりさ』までもが………主任は研究科より駆除課の方が向いてませんか?」 「ふん…やっぱり、れいむとまりさは駄目だな…生かしておく価値が無い!」 このように、手乗りの基本種は暴言を吐く、躾をしても意味がない等の問題が発生して、ペットとしては売り物にならなかった。 問題は手乗りサイズに縮小した事による、中身の減量だった。 このせいで、記憶出来る情報が少なくなり、何時までたってもバッジの取れない馬鹿ゆっくりが出来上がったのだ。 そこで研究科は、言葉数の少ないゆっくりに目を付けた。 めーりん、ゆゆこ、みすちーなど、特定の言葉しか喋らないゆっくりは、その分言語情報が少ない。 試しに、ペット用の躾をしてみたところ、最高で銀バッジの試験を通る事が出来た。 ちなみにみょんは、通常の言葉を喋らない代わりに淫語のレパートリーが豊富で、18ヶ国語で「ちーんぽ」と喋れるほどだった。 そのせいで、基本種と変わらない餡子脳っぷりを発揮してくれた。 こうして完成した「手乗りゆっくり」は、体躯のせいで赤ゆっぽい発音の鳴き声を発するが、ペットとして売り出される事になった。 ちなみに基本種は、ストレス解消用等に需要があり、ペットショップ等で一緒に販売されている。 完 徒然あき
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おれ設定込みです。 以前スレに出ていたネタ、絵を元ネタにしています。 「いいかめーりん、頼んだぞ」 「じゃおおおおん!!」 勢いよく答えたのはゆっくりめーりん 丈夫な肉体と「何かを守る」習性をもつゆっくり 「気をつけるんだぞ、腹が減ったら野菜を食べていいぞ」 「じゃおおおおん!!」 そう言って主人は人里へと出かけて行った。 小料理屋を営む弟の婚礼のため今日は夜まで戻らない。 その間この畑を戻るのがめーりんの仕事 「じゃおおおん!!」 柵の切れ間の門に立ち畑番の任務が始まった。 数時間後 「ZZZ…ZZzzz…」 堂々と午睡を取るゆっくりめーりん これさぼっているのではない。計画的休息である。 畑番という集中力と根気を要する任務をこなすためには この「しえすた」が必要なのだ。少なくともめーりんはそう考えている。 「う~!たーべちゃーうぞ~!!」 そこに飛来したのは「こーまかんのおぜうさま」ことゆっくりれみりゃ そのお目当ては 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせ~♪」 「おいちいね!!」 御食事中のまりさの親子 少し前に「しえすた」中のめーりんに 「ゆっくりしていくね!!」と元気よく挨拶して入ってきた。 なおこの畑はゆっくり達に「めーりんのところ」という名で知られる 有名なゆっくりスポットであることを記しておく。 「た~べちゃ~うぞ~!!」 「ゆゆ!!ゆっくりにげてね!!」 「まりさはおいちくないよおお!!」 れみりゃから逃れるべく畑中を駆け回るまりさ親子 小石を蹴とばし畝に突っ込み猛烈な勢いで逃げていった。 「ZZZzzz…ZZzzz…」 この状況においても「しえすた」を続ける胆力の持主ゆっくりめーりん 畑番を任されるゆっくりは一味ちがうのだ。 「うっうー!!おーいしかったどぉー♪」 まりさ親子を平らげたらしく畑に戻ってくるゆっくりれみりゃ 次なるお目当ては 「ZZZzzz…zzz…」 皮の厚さに定評のあるゆっくりめーりん 計画的休息はいまだ続行中である。 「うあうあ♪あかあか♪」 めーりんをひょいっと持ち上げるれみりゃ 「じゃおっ!?」 この状況でついに覚醒したゆっくりめーりん 「じゃおおおおおおおおおおお ついにその実力が発揮 「う~!」 されなかった。平然とめーりんにかぶりついたれみりゃ だが様子がおかしい。 「んガ・が・がgがgg…」 肉まんフェイスを真っ赤に染めて悶えだす 「ghががdcgガg…」 「じゃお・・・??」 「がらいどおおぉおおおぉ!!じだがびりびりずるどぉおお!!」 めーりんの中身はぴりりと辛いピザまん、れみりゃには少々きつい 「ざぐやああぁ~!!ざぐやああぁ~!!」 そのまま飛び去っていくれみりゃ 「じゃおおおおん!!」 ゆっくりめーりん、勝利の瞬間である。 振り返れば自分以外が齧った痕のある野菜がいくつか目につくはずであるが 常に前を見続けるめーりんが気づくはずもない。 あるいは見てもわからないかもしれない。 ゆっくりめーりんが加工場で扱われないのは「皮が厚い分餡が少ないから」 丈夫な肉体に対しておつむのほうはさっぱりなのだ。 「皮の商品化に漕ぎ着ければあるいは…」というのがある加工場研究部員の談 「じゃおおおおおん!!」 悪辣なるれみりゃを撃退し意気軒昂なゆっくりめーりん たっぷりとった「しえすた」のおかげで疲れもない。 まさに気炎万丈といった様子 と、そこに近寄ってくる一匹のゆっくりまりさ 何やらにやついた笑みを浮かべている。 「めーりん!」 「じゃおおおん!!」 勢いよく返事をするめーりん 「きょうからここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!!」 「じゃおっ!?」 「だからめーりんはでていってね!!」 いきなりやってきてとんでもないことを言うゆっくりまりさ 「じゃおおおおおん!!」 当然臨戦態勢にはいる激烈なるな闘争心の持主ゆっくりめーりん。 「とられるのがいやならこのまりさをたおしてね!!」 と叫んだまりさは 猛烈な勢いで逃げ始めた。 「じゃおっ?」 理解できない行動に困惑するめーりん たたかうはずなのになんでにげるの?うしろむきでたたかうの? この不測の事態に直面しためーりんは 「じゃおおおおおん!!!」 逃げるまりさを追いかけ始めた。攻撃は最大の防御である。 何か重要なことを忘れているような気もしたがめーりんには関係なかった。 まりさとめーりん 二匹の姿が見えなくなったころ 「むきゅ、うまくいったわね」 物陰から出てきたのはゆっくりぱちゅりーとその子供達 先ほどのまりさの家族である。 噂に名高い「めーりんのところ」に来てみたところ 「簡単に入れる」「邪魔するめーりんはいっつも寝てる」という噂に反して れみりゃを撃退するほどの実力者が番をしていた。 ここでぱちゅりーは一計を案じた。 その結果がこれである。 「むきゅ、みんなゆっくりしていくわよ。」 「「「ゆっくりちていくよ!!」」」 一方まりさを追跡するめーりんは岩だらけの川辺に来ていた。 追っていたまりさは先ほど見失った。 いったいどこへ…と辺りを見まわしためーりんは途轍もないものを目にした。 まりさが泳いでいる!! 「じゃ、じゃお!!??」 あの特徴的な帽子がすいーっと水面を流れていくのである。 帽子に乗って下っているのではないことにめーりんは驚愕した。 まさかまりさが泳ぐなんて!! 「じゃおお~ん!! 激烈なるな闘争心の持主ゆっくりめーりんは猛烈な勢いで追い始めた。 「ほんとうにあのめーりんはばかだね!!」 「むきゅ、かんたんにひっかかったわね」 しばらくのちの畑の会話 逃げたはずのまりさもそこにいる。 「あのぼうしのもちぬしのおかげだわ」 ゆっくりめーりんを撒くために使ったのは ここに来る途中で拾った帽子に小石を詰めたもの うまくやれば沈むことも転覆することもないいいおもちゃになる。 ゆっくりはお互いを帽子で識別する。 動く帽子の中に誰もいないことに気づくのはいつになるやら 「ばかはあつかいやすくてたすか…」 「むきゅ?どうしたの」 固まったまりさの視線の先に目を向けるぱちゅりー そこにいたのは 「う~!しかえしにきたどぉ~!」 「やられたままじゃこーまかんのめんつにかかわるどぉ~!」 数匹のゆっくりれみりゃ どうやら先ほどのれみりゃが姉妹を連れてきたらしい。 れみりゃには珍しい仲間意識の持ち主のようだ。 「う~!でもあかいのがいないど~」 「でもまんじゅうはいるど~」 「「「でなーだど~!!」」」 夕刻の迫る畑にゆっくり一家の断末魔が響いた。 その日の夜遅く すでに高く上った月の下 主人は人里から帰ってきた。 「いや、すまないなめーりん。遅くなっちまった」 だが畑にはいくつかのゆっくりの帽子が転がるのみ めーりんの姿はない。 「まさかやられちまったのか?」 だが畑の被害はあまりない。ではめーりんはいったいどこへ? 「じゃおおおおおおおおおおおん!!!!」 「めーりん!」 盛大な叫び声をあげて泥まみれになりながら駆けてくるのは 大いなる忠誠心の持主ゆっくりめーりん その口にはしっかりとゆっくりまりさの帽子が咥えられていた。 「そうか入ってきたやつを追ってたのか。」 「じゃおん!!」 「よくやったぞめーりん。今度も頼むな。」 「じゃお~ん!!」 ゆっくりめーりんは今日も畑に立ち続ける。 このSSに感想を付ける
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おれ設定込みです。 以前スレに出ていたネタ、絵を元ネタにしています。 「いいかめーりん、頼んだぞ」 「じゃおおおおん!!」 勢いよく答えたのはゆっくりめーりん 丈夫な肉体と「何かを守る」習性をもつゆっくり 「気をつけるんだぞ、腹が減ったら野菜を食べていいぞ」 「じゃおおおおん!!」 そう言って主人は人里へと出かけて行った。 小料理屋を営む弟の婚礼のため今日は夜まで戻らない。 その間この畑を戻るのがめーりんの仕事 「じゃおおおん!!」 柵の切れ間の門に立ち畑番の任務が始まった。 数時間後 「ZZZ…ZZzzz…」 堂々と午睡を取るゆっくりめーりん これさぼっているのではない。計画的休息である。 畑番という集中力と根気を要する任務をこなすためには この「しえすた」が必要なのだ。少なくともめーりんはそう考えている。 「う~!たーべちゃーうぞ~!!」 そこに飛来したのは「こーまかんのおぜうさま」ことゆっくりれみりゃ そのお目当ては 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせ~♪」 「おいちいね!!」 御食事中のまりさの親子 少し前に「しえすた」中のめーりんに 「ゆっくりしていくね!!」と元気よく挨拶して入ってきた。 なおこの畑はゆっくり達に「めーりんのところ」という名で知られる 有名なゆっくりスポットであることを記しておく。 「た~べちゃ~うぞ~!!」 「ゆゆ!!ゆっくりにげてね!!」 「まりさはおいちくないよおお!!」 れみりゃから逃れるべく畑中を駆け回るまりさ親子 小石を蹴とばし畝に突っ込み猛烈な勢いで逃げていった。 「ZZZzzz…ZZzzz…」 この状況においても「しえすた」を続ける胆力の持主ゆっくりめーりん 畑番を任されるゆっくりは一味ちがうのだ。 「うっうー!!おーいしかったどぉー♪」 まりさ親子を平らげたらしく畑に戻ってくるゆっくりれみりゃ 次なるお目当ては 「ZZZzzz…zzz…」 皮の厚さに定評のあるゆっくりめーりん 計画的休息はいまだ続行中である。 「うあうあ♪あかあか♪」 めーりんをひょいっと持ち上げるれみりゃ 「じゃおっ!?」 この状況でついに覚醒したゆっくりめーりん 「じゃおおおおおおおおおおお ついにその実力が発揮 「う~!」 されなかった。平然とめーりんにかぶりついたれみりゃ だが様子がおかしい。 「んガ・が・がgがgg…」 肉まんフェイスを真っ赤に染めて悶えだす 「ghががdcgガg…」 「じゃお・・・??」 「がらいどおおぉおおおぉ!!じだがびりびりずるどぉおお!!」 めーりんの中身はぴりりと辛いピザまん、れみりゃには少々きつい 「ざぐやああぁ~!!ざぐやああぁ~!!」 そのまま飛び去っていくれみりゃ 「じゃおおおおん!!」 ゆっくりめーりん、勝利の瞬間である。 振り返れば自分以外が齧った痕のある野菜がいくつか目につくはずであるが 常に前を見続けるめーりんが気づくはずもない。 あるいは見てもわからないかもしれない。 ゆっくりめーりんが加工場で扱われないのは「皮が厚い分餡が少ないから」 丈夫な肉体に対しておつむのほうはさっぱりなのだ。 「皮の商品化に漕ぎ着ければあるいは…」というのがある加工場研究部員の談 「じゃおおおおおん!!」 悪辣なるれみりゃを撃退し意気軒昂なゆっくりめーりん たっぷりとった「しえすた」のおかげで疲れもない。 まさに気炎万丈といった様子 と、そこに近寄ってくる一匹のゆっくりまりさ 何やらにやついた笑みを浮かべている。 「めーりん!」 「じゃおおおん!!」 勢いよく返事をするめーりん 「きょうからここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!!」 「じゃおっ!?」 「だからめーりんはでていってね!!」 いきなりやってきてとんでもないことを言うゆっくりまりさ 「じゃおおおおおん!!」 当然臨戦態勢にはいる激烈なるな闘争心の持主ゆっくりめーりん。 「とられるのがいやならこのまりさをたおしてね!!」 と叫んだまりさは 猛烈な勢いで逃げ始めた。 「じゃおっ?」 理解できない行動に困惑するめーりん たたかうはずなのになんでにげるの?うしろむきでたたかうの? この不測の事態に直面しためーりんは 「じゃおおおおおん!!!」 逃げるまりさを追いかけ始めた。攻撃は最大の防御である。 何か重要なことを忘れているような気もしたがめーりんには関係なかった。 まりさとめーりん 二匹の姿が見えなくなったころ 「むきゅ、うまくいったわね」 物陰から出てきたのはゆっくりぱちゅりーとその子供達 先ほどのまりさの家族である。 噂に名高い「めーりんのところ」に来てみたところ 「簡単に入れる」「邪魔するめーりんはいっつも寝てる」という噂に反して れみりゃを撃退するほどの実力者が番をしていた。 ここでぱちゅりーは一計を案じた。 その結果がこれである。 「むきゅ、みんなゆっくりしていくわよ。」 「「「ゆっくりちていくよ!!」」」 一方まりさを追跡するめーりんは岩だらけの川辺に来ていた。 追っていたまりさは先ほど見失った。 いったいどこへ…と辺りを見まわしためーりんは途轍もないものを目にした。 まりさが泳いでいる!! 「じゃ、じゃお!!??」 あの特徴的な帽子がすいーっと水面を流れていくのである。 帽子に乗って下っているのではないことにめーりんは驚愕した。 まさかまりさが泳ぐなんて!! 「じゃおお~ん!! 激烈なるな闘争心の持主ゆっくりめーりんは猛烈な勢いで追い始めた。 「ほんとうにあのめーりんはばかだね!!」 「むきゅ、かんたんにひっかかったわね」 しばらくのちの畑の会話 逃げたはずのまりさもそこにいる。 「あのぼうしのもちぬしのおかげだわ」 ゆっくりめーりんを撒くために使ったのは ここに来る途中で拾った帽子に小石を詰めたもの うまくやれば沈むことも転覆することもないいいおもちゃになる。 ゆっくりはお互いを帽子で識別する。 動く帽子の中に誰もいないことに気づくのはいつになるやら 「ばかはあつかいやすくてたすか…」 「むきゅ?どうしたの」 固まったまりさの視線の先に目を向けるぱちゅりー そこにいたのは 「う~!しかえしにきたどぉ~!」 「やられたままじゃこーまかんのめんつにかかわるどぉ~!」 数匹のゆっくりれみりゃ どうやら先ほどのれみりゃが姉妹を連れてきたらしい。 れみりゃには珍しい仲間意識の持ち主のようだ。 「う~!でもあかいのがいないど~」 「でもまんじゅうはいるど~」 「「「でなーだど~!!」」」 夕刻の迫る畑にゆっくり一家の断末魔が響いた。 その日の夜遅く すでに高く上った月の下 主人は人里から帰ってきた。 「いや、すまないなめーりん。遅くなっちまった」 だが畑にはいくつかのゆっくりの帽子が転がるのみ めーりんの姿はない。 「まさかやられちまったのか?」 だが畑の被害はあまりない。ではめーりんはいったいどこへ? 「じゃおおおおおおおおおおおん!!!!」 「めーりん!」 盛大な叫び声をあげて泥まみれになりながら駆けてくるのは 大いなる忠誠心の持主ゆっくりめーりん その口にはしっかりとゆっくりまりさの帽子が咥えられていた。 「そうか入ってきたやつを追ってたのか。」 「じゃおん!!」 「よくやったぞめーりん。今度も頼むな。」 「じゃお~ん!!」 ゆっくりめーりんは今日も畑に立ち続ける。 このSSに感想を付ける
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消えては出てくる⑨。 死亡する直前に細胞分裂を起こして2~3時間後に復活するぞ!!
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おれ設定込みです。 以前スレに出ていたネタ、絵を元ネタにしています。 「いいかめーりん、頼んだぞ」 「じゃおおおおん!!」 勢いよく答えたのはゆっくりめーりん 丈夫な肉体と「何かを守る」習性をもつゆっくり 「気をつけるんだぞ、腹が減ったら野菜を食べていいぞ」 「じゃおおおおん!!」 そう言って主人は人里へと出かけて行った。 小料理屋を営む弟の婚礼のため今日は夜まで戻らない。 その間この畑を戻るのがめーりんの仕事 「じゃおおおん!!」 柵の切れ間の門に立ち畑番の任務が始まった。 数時間後 「ZZZ…ZZzzz…」 堂々と午睡を取るゆっくりめーりん これさぼっているのではない。計画的休息である。 畑番という集中力と根気を要する任務をこなすためには この「しえすた」が必要なのだ。少なくともめーりんはそう考えている。 「う~!たーべちゃーうぞ~!!」 そこに飛来したのは「こーまかんのおぜうさま」ことゆっくりれみりゃ そのお目当ては 「むーしゃ♪むーしゃ♪しあわせ~♪」 「おいちいね!!」 御食事中のまりさの親子 少し前に「しえすた」中のめーりんに 「ゆっくりしていくね!!」と元気よく挨拶して入ってきた。 なおこの畑はゆっくり達に「めーりんのところ」という名で知られる 有名なゆっくりスポットであることを記しておく。 「た~べちゃ~うぞ~!!」 「ゆゆ!!ゆっくりにげてね!!」 「まりさはおいちくないよおお!!」 れみりゃから逃れるべく畑中を駆け回るまりさ親子 小石を蹴とばし畝に突っ込み猛烈な勢いで逃げていった。 「ZZZzzz…ZZzzz…」 この状況においても「しえすた」を続ける胆力の持主ゆっくりめーりん 畑番を任されるゆっくりは一味ちがうのだ。 「うっうー!!おーいしかったどぉー♪」 まりさ親子を平らげたらしく畑に戻ってくるゆっくりれみりゃ 次なるお目当ては 「ZZZzzz…zzz…」 皮の厚さに定評のあるゆっくりめーりん 計画的休息はいまだ続行中である。 「うあうあ♪あかあか♪」 めーりんをひょいっと持ち上げるれみりゃ 「じゃおっ!?」 この状況でついに覚醒したゆっくりめーりん 「じゃおおおおおおおおおおお ついにその実力が発揮 「う~!」 されなかった。平然とめーりんにかぶりついたれみりゃ だが様子がおかしい。 「んガ・が・がgがgg…」 肉まんフェイスを真っ赤に染めて悶えだす 「ghががdcgガg…」 「じゃお・・・??」 「がらいどおおぉおおおぉ!!じだがびりびりずるどぉおお!!」 めーりんの中身はぴりりと辛いピザまん、れみりゃには少々きつい 「ざぐやああぁ~!!ざぐやああぁ~!!」 そのまま飛び去っていくれみりゃ 「じゃおおおおん!!」 ゆっくりめーりん、勝利の瞬間である。 振り返れば自分以外が齧った痕のある野菜がいくつか目につくはずであるが 常に前を見続けるめーりんが気づくはずもない。 あるいは見てもわからないかもしれない。 ゆっくりめーりんが加工場で扱われないのは「皮が厚い分餡が少ないから」 丈夫な肉体に対しておつむのほうはさっぱりなのだ。 「皮の商品化に漕ぎ着ければあるいは…」というのがある加工場研究部員の談 「じゃおおおおおん!!」 悪辣なるれみりゃを撃退し意気軒昂なゆっくりめーりん たっぷりとった「しえすた」のおかげで疲れもない。 まさに気炎万丈といった様子 と、そこに近寄ってくる一匹のゆっくりまりさ 何やらにやついた笑みを浮かべている。 「めーりん!」 「じゃおおおん!!」 勢いよく返事をするめーりん 「きょうからここはまりさのゆっくりぷれいすだよ!!」 「じゃおっ!?」 「だからめーりんはでていってね!!」 いきなりやってきてとんでもないことを言うゆっくりまりさ 「じゃおおおおおん!!」 当然臨戦態勢にはいる激烈なるな闘争心の持主ゆっくりめーりん。 「とられるのがいやならこのまりさをたおしてね!!」 と叫んだまりさは 猛烈な勢いで逃げ始めた。 「じゃおっ?」 理解できない行動に困惑するめーりん たたかうはずなのになんでにげるの?うしろむきでたたかうの? この不測の事態に直面しためーりんは 「じゃおおおおおん!!!」 逃げるまりさを追いかけ始めた。攻撃は最大の防御である。 何か重要なことを忘れているような気もしたがめーりんには関係なかった。 まりさとめーりん 二匹の姿が見えなくなったころ 「むきゅ、うまくいったわね」 物陰から出てきたのはゆっくりぱちゅりーとその子供達 先ほどのまりさの家族である。 噂に名高い「めーりんのところ」に来てみたところ 「簡単に入れる」「邪魔するめーりんはいっつも寝てる」という噂に反して れみりゃを撃退するほどの実力者が番をしていた。 ここでぱちゅりーは一計を案じた。 その結果がこれである。 「むきゅ、みんなゆっくりしていくわよ。」 「「「ゆっくりちていくよ!!」」」 一方まりさを追跡するめーりんは岩だらけの川辺に来ていた。 追っていたまりさは先ほど見失った。 いったいどこへ…と辺りを見まわしためーりんは途轍もないものを目にした。 まりさが泳いでいる!! 「じゃ、じゃお!!??」 あの特徴的な帽子がすいーっと水面を流れていくのである。 帽子に乗って下っているのではないことにめーりんは驚愕した。 まさかまりさが泳ぐなんて!! 「じゃおお~ん!! 激烈なるな闘争心の持主ゆっくりめーりんは猛烈な勢いで追い始めた。 「ほんとうにあのめーりんはばかだね!!」 「むきゅ、かんたんにひっかかったわね」 しばらくのちの畑の会話 逃げたはずのまりさもそこにいる。 「あのぼうしのもちぬしのおかげだわ」 ゆっくりめーりんを撒くために使ったのは ここに来る途中で拾った帽子に小石を詰めたもの うまくやれば沈むことも転覆することもないいいおもちゃになる。 ゆっくりはお互いを帽子で識別する。 動く帽子の中に誰もいないことに気づくのはいつになるやら 「ばかはあつかいやすくてたすか…」 「むきゅ?どうしたの」 固まったまりさの視線の先に目を向けるぱちゅりー そこにいたのは 「う~!しかえしにきたどぉ~!」 「やられたままじゃこーまかんのめんつにかかわるどぉ~!」 数匹のゆっくりれみりゃ どうやら先ほどのれみりゃが姉妹を連れてきたらしい。 れみりゃには珍しい仲間意識の持ち主のようだ。 「う~!でもあかいのがいないど~」 「でもまんじゅうはいるど~」 「「「でなーだど~!!」」」 夕刻の迫る畑にゆっくり一家の断末魔が響いた。 その日の夜遅く すでに高く上った月の下 主人は人里から帰ってきた。 「いや、すまないなめーりん。遅くなっちまった」 だが畑にはいくつかのゆっくりの帽子が転がるのみ めーりんの姿はない。 「まさかやられちまったのか?」 だが畑の被害はあまりない。ではめーりんはいったいどこへ? 「じゃおおおおおおおおおおおん!!!!」 「めーりん!」 盛大な叫び声をあげて泥まみれになりながら駆けてくるのは 大いなる忠誠心の持主ゆっくりめーりん その口にはしっかりとゆっくりまりさの帽子が咥えられていた。 「そうか入ってきたやつを追ってたのか。」 「じゃおん!!」 「よくやったぞめーりん。今度も頼むな。」 「じゃお~ん!!」 ゆっくりめーりんは今日も畑に立ち続ける。 このSSに感想を付ける
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『めーりんの食卓』 紅 美鈴が紅魔館の門番をやっているのは周知の事実である。 最近はそれに加え、実は彼女は門番をやるだけでなく、料理を作らせても一級である、という噂が立っていた。 射名丸 文はその噂を聞きつけ、美鈴に取材を試みた。しかし、 「根も葉もない噂でしょう」 美鈴は笑って手を振りそう答え、にべもない。 「いや、しかしですね、火の無い所にとも言いますし」 文は食い下がるが、 「やや、本当に。やっつけみたいな物しか作りませんから」 美鈴は邪気の無い笑顔でそう繰り返すだけである。 「むむむ、そうですか」 これ以上の収穫は望めまい、残念ながら。 文はそう判断し、美鈴に一礼した。 「お付き合いいただき、ありがとうございます」 「いえいえ。また来てくださいね、今度は館のお客さんとして」 「ええ、ありがとうございます」 お嬢様、だいたいいつも暇してるんでー。 と、いう美鈴の声を背中に聞きながら、文は空を飛んでいった。 「いつも暇とはどういう事かしら」 「げ、お嬢様。いたんですか」 美鈴がいつも寝泊りしている小屋。それは館の庭にある。 彼女がそこに帰ってくると、主人のレミリア・スカーレットが座っていた。 「まるで私が常に退屈してるみたいじゃないの」 「違うんですか。強者とは常に退屈していると聞きましたが」 「大体合ってるわ」 「まあどっちでもいいですが」 「で、美鈴。またいつものを頼みたいんだけど」 「ええ、分かっています。さあお嬢様、こちらに」 レミリアは美鈴に連れられ、小屋の奥へ歩いていった。 紅魔館のメイド長、十六夜 咲夜は珍しく、ぼーっとしていた。 する仕事が無いのである。 「掃除は済んだ、洗濯も取り込んだ、食事の用意は…まだ早いわね」 ぷ、と軽く頬を膨らませる。 それはちょっと見ても分からない程度の変化だが、咲夜の主人などは一目見て見抜くだろう。 咲夜は不機嫌らしい。 「最近はこういった事が多いわねえ」 彼女の不機嫌の原因は、端的に言えば仕事が減ったことにある。 レミリアが「私の分の食事は要らないわ」と宣言したのだ。 勿論、咲夜が作る料理はレミリア用の物だけではないのだが、主人の分を用意しないというのはどうにも心持ちが悪い。 「ま、気にしてもしょうがないか」 紅茶でも作ろうか、パチュリー様とかフランドール様にお出ししよう。 そんな事を考えながら、咲夜は歩き出した。 こちらは美鈴の小屋。 「うむ、美味しいわ!」 「ああ、良かったです」 レミリアが口をもぐもぐと動かしながら、満足気な表情をしていた。 「それにしても美鈴は料理が上手だよねえ。私はこないだ、つい自慢してしまったわ」 「え、困りますよお嬢様。私が目立ったら意味が無いです」 「美鈴は謙虚ねえ」 レミリアは軽く息をつき、それから立ち上がった。 「さて、行ってくるわ」 「ええ、頑張ってきて下さいね」 とん。 物音に気づいて咲夜が振り返ると、レミリアが何かを食卓に置いていた。 「あら、お嬢様。いたんですか」 「今来たのよ。ほらほら咲夜、こっちに来なさい」 レミリアがホイホイと手を振っている。 軽く首を傾げながら、咲夜は彼女の側に寄った。 「何でしょう、お嬢様」 「おほん」 レミリアが口を開く。 「十六夜咲夜」 「はあ」 レミリアが突然真面目くさった顔をしたので、何となく笑ってしまいそうになるのを抑えながら、咲夜も姿勢を正す。 「今日が何の日か分かっているかしら?」 「今日ですか?満月ですね」 「そう。で?」 「ええ…?」 咲夜は困ってしまった。何の日、と言われても思いつかないのだ。 レミリアとかフランドールの誕生日とかでは無い。何だろう? 「んもう、肝心な所が鈍いわねえ、咲夜は」 「はあ…?」 「もういいわ、これを見なさい」 レミリアは、さっき持ってきた何か…食卓に置いた何かを指差した。 「はあ」 それは皿である。 その上には銀の蓋がされていて、中に何かが入っていると思われる。 レミリアが蓋を取った。 まず咲夜の目に入ったのは文字だった。 読んでみた。 「『しつも あいがとつ ちくや』」 「『いつも ありがとう さくや』!!」 レミリアはウガーと怒鳴る。 勿論、咲夜にはその文字はすぐに読めたのだが、でも恥ずかしくて、ついレミリアの字が汚いのをからかってしまったのだ。 「あのねえ、もう分かってるでしょう!」 レミリアが詰め寄る。 咲夜は何かがこみ上げてくるような気がした。 「今日はね、咲夜、貴方が我が従者になった日、記念すべきその日が、それが今日なのよ!」 咲夜は何も言うことができなかった。 レミリアが持ってきたのはケーキだったのだ。 普段料理なんてしないレミリアが、でもとても頑張ったようで、それはきちんとケーキの形をしているのだ。 ケーキの上にはチョコレートのプレートが載っていて、その字がすごく歪で、だから尚更、咲夜は何も話すことが出来なくなってしまったのだ。 「お嬢様、」 咲夜は、やっとそれだけを言った。 「うん?」 レミリアは咲夜を見上げている。 咲夜はレミリアを抱きしめた。 「…ふむ」 ケーキを作って散らかった小屋のキッチンを片付けて、それから美鈴は軽く料理を作っていた。 別に凝った物ではない。 やっつけみたいな物である。 「別にね、自分に作る分は凝らなくてもいいんですよね」 誰にともなく、美鈴はつぶやく。 ケーキぐらい、彼女は簡単に作れる。 でもああいったお菓子というのは、それは作りたい相手がいる者が、誰かの為にそれを作りたい者が作るべきなのだ。 だからレミリアに作り方を教えたのである。 「咲夜にさ、何か贈りたいのよ。ケーキとか」 そう言って頼まれたから。 美鈴はケーキを作らない。 やっつけで十分だ、と彼女は思っている。 「さて、出来た出来た」 軽い炒め物。 別に、誰にだって作れるものだ。 それを皿に盛り、彼女は自分の食卓に向かう。 …つい今まで、その食卓には何も無かった。 でも次の瞬間、そこには何か置いてあったのだ。 時間でも停めて、それから置いていったみたいに、そこには何か置いてあったのだ。 『お礼よ』」 大きなケーキだった。 誰が作ったかなんて、一目でわかる。 ばたん それから音がした。 美鈴が目を向けると、 「美鈴!やったわ、うまくいったわよ!」 「うまくいかされましたわ」 レミリアと咲夜が戸を開け、現れた。 「なんかケーキが食べれるんだって?」 フランドールもいた。 「私は少しでいいわよ」 パチュリーも来ていた。 美鈴は思わず笑ってしまった。 「初めてですよ、私の食卓がここまで賑やかなのは」 おわり
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オリジナル設定あり 「くずめーりんはゆっくりしんでね!」 「じゃおおーん!!」 森の小道を歩いていると、ゆっくりめーりんがゆっくりたちにいじめられていた。 いじめゆっくりの面子はれいむ、まりさ、ありす、ぱちゅりー、さらにみょんにちぇん、さくやまでいた。 「ほんとうにくずめーりんはきたならしいわね!ありすのとかいはなおめめがくさっちゃうわ!」 「むぎゅ、おばかなくずめーりんはそばにいるだけでばかがうつるわ」 「ちーんぽ!」 「わからないよー!くずめーりんのそんざいいぎがわからないよー!」 「もんばんもまんぞくにできないめーりんにはおひまをだしてあげるわ。えいえんにゆっくりやすむといいわ」 「じゃおーん!じゃおーん!」 めーりんは必死に許しを求めているようだが、ゆっくりたちはまったく容赦なくめーりんを弄り続けている。 「おいこら!おまえたち!やめろ!」 俺はめーりんを助けようと、大声を出してゆっくりたちを脅かした。 「ゆゆ!にんげんがきたよ!ゆっくりできないよ!」 「ゆっくりいそいでにげるんだぜ!」 「あら、おぜうさまがよんでるわ!もういかなきゃ!」 ゆっくりたちはゆっくりらしからぬ迅速さでさっと散らばっていった。 「じゃおーん・・・じゃおーん・・・」 ぼろぼろのめーりんが俺の足元に縋り付いてきた。 「よしよし、もう大丈夫だぞめーりん」 俺はめーりんの頭をなでてやる。 「まったく酷いやつらだな。なんだってめーりんばかり差別するんだろうな・・・」 「じゃおーん・・・おーん、おーん」 めーりんの目は涙で真っ赤に腫れていた。俺はめーりんの涙を拭ってやる。 「よければ、俺の家にこないか?食べ物ぐらいはあるぞ」 「じゃおーん!じゃおーん!」 めーりんはこくこくとうなづいた。言葉はわからないが、来るという意味だろう。 「それじゃあ行こうか」 俺はめーりんを抱きかかえて家路を急いだ。 「さあ、ここが俺の家だ。ゆっくりしていってね」 「じゃおーん・・・」 「ごはんの前に傷の具合を見てみようか」 幸いにして、めーりんは大きな傷は負ってないようだった。 「とにかく腹が減っただろう。なにか食わせてやる」 「じゃおーん!じゃおーん!」 「えーっと、めーりんは辛いものもいけるんだっけ?」 「じゃおん!じゃおん!」 「麻婆豆腐の残りがあるな。これをやろう」 残り物を差し出すとめーりんはむしゃむしゃと食べ始めた。 「じゃーおん!じゃーおん!じゃじゃおーん!」 他のゆっくりの“むーしゃーむーしゃーしあわせー”ってやつに相当する鳴き声だろうか。 他のゆっくりの場合は聞いててイライラするだけだが、めーりんのそれは不思議と微笑ましく思える。 「おいしいかいちゅーごく?」 「めーりんはちゅーごくじゃないよ!めーりんはめーりんだよ!おにいさんばかなの?しぬの?」 「・・・・・・」 「・・・・・・じゃおーん」 「やっぱり普通に喋れたんだな」 「じゃお?じゃおじゃお?」 「もうその耳障りなじゃおじゃお喋りはいらないぞ」 「・・・め、めーりんは、めーりんはね、ほかのゆっくりにおどされて、ふつうにしゃべることを・・・」 耳の錯覚ではなかったようだ。めーりんは他のゆっくりと同様、人語で話始めた。 だがその内容は・・・ 「うまい嘘だが、俺には通じないぞ」 「!?」 「おまえは自発的にじゃおーんしか言えない様に装っている。そして、脅されているのはむしろ他のゆっくりたちだ」 「じゃお、おにいさん?めーりんは・・・」 「めーりん種は騎馬めーりんなどを輩出するほど、戦闘力に優れた種だ。なのになぜゆっくり界で地位が低いのか? 俺はそれが不思議でならなかった」 「め、めりーんはつよくなんかないよ!だからほかのゆっくりに・・・」 「もうひとつ不思議なことがあった。めーりんがいじめられてる現場を、目撃している人間がやけに多いということだ。 しかも、それらの目撃例は人里に近い場所、人間も通る道がほとんどといっていい」 「じゃ、じゃってそれはにんげんが・・・」 「一見当たり前に思えるだろうが、ひとつおかしな点がある。なぜゆっくりたちがそんなリスクを犯すのかということだ。 なんでわざわざ人間に見つかる可能性のあるような場所でいじめる?森の奥まで引っ張っていけばいいではないか。 人間の中にゆっくりを嫌っている者が少なからずいることはゆっくりも知ってるはず。その上にいじめなんかしているところを見られたら、 人間の嫌いなゲスゆっくり認定確実だろう」 「きっと!ゲスだからあたまがわるいんだよ!」 「俺も最初はそう思った。ゲスだからそんなことまで頭が回らないのだろうとな。 だが、事実は違った。おまえらめーりんは、わざといじめられている!」 「!!」 「より性格にいうならいじめられてる風を装っている。他のゆっくりを脅して、自分を攻撃させているのだ。 わざわざ人里近くまで来させてな」 「じゃお!なにいってるの・・・めーりんよくわからないよ・・・」 「そして、通りがかった人間に助けてもらう。助けてくれた人間がついでに食べ物をくれることを期待してな。 あわよくば飼いゆっくりにしてもらえることすらありうる。人間でいうところの当り屋に似ているな」 「・・・・・・」 さっきまで必死に抗弁していためーりんは神妙な面持ちで黙りこくっている。 「めーりん種には“ちゅーごく”と呼ばれると躍起になって否定するという性質がある。 偶然そのことに気がつき、それと同時にめーりんは実際には普通に喋れることが判明された。 そして、めーりんの本性に関して本格的な調査が始まったのだ。 「大方のゆっくりは名前の通り怠惰な性質があるが、その中でもめーりんの怠惰さはずば抜けている。 普通の餌集めなどまずしない。めーりんば他のゆっくりから奪うことしかしない。騎馬めーりんがその代表格だ。 だがそれすらも億劫に感じるめーりんもいた。そして、この手を、人間の同情を引くという手を思いついたわけだ。 いや、よく思いついたものだ。ぱちゅりー種以上の知能があるんじゃないのか?・・・サボることに関しては」 「め、めーりんは!めーりんはかわいそうなんだよ!はくがいされてるんだよ!にんげんさんはめーりんをあわれんでたすけてあげなくちゃいけないんだよ! じゃおーん!じゃおーん!じゃおーん!じゃおおーんん!」 「黙れ」 俺は平手でめーりんの頬を強めに打った。乾いた音が鳴り響いた。めーりんは黙った。 「あるいは本当に迫害されていた時代もあったのかもしれない。少なくとも騎馬めーりん出現以前の時代には。 人間のめーりんへの哀れみの根は深い。いつしかそれを意図的に利用するようになったわけだが」 「・・・めーりん、めーりんもうおうちかえるぅっ!」 「いいだろう。帰してやる。おまえたちのせいで少なからず被害を受けた人間もいたが、俺自身はおまえらにこれといった恨みはないからな」 「そ、それじゃあゆっくりさような」 「とはいえ同じことを繰り返されては困るからな。それはできないようにしておかないとな!」 「じゃおーん!めーりんもうしないよ!」 「なにを?」 「え?ええーっと・・・」 「ちゅーごくは本当に馬鹿だなぁ」 「だからめーりんはちゅーごくじゃないっていってるでしょ!ばかなじじいはゆっくりしね!・・・あっ」 「他のゆっくりなら即ゲス認定できる台詞だな。それじゃあ始めようか」 「じゃおおおおおおおおおんんん!!!」 「じゃ・・・お・・・じゃ・・・お・・・」 数時間後、そこには変わり果てためーりんの姿があった。 帽子は切り刻まれ二度と被れないようになり、髪の毛は大半をむしられ、残った部分は弁髪風に結わってある。 むしった髪の毛を口元に移植し、ドジョウ髭のように装わせた。額には“中”の烙印が刻まれた。 「もうおまえはめーりんではない。これからおまえはちゅーごくだ」 「めー・・・りん・・・は・・・ちゅーご・・・く・・・じゃ・・・な・・・」 「はははは!闘将ちゅーごくマンって感じだな!これでもう余程ゆで好きの人間でもなければ騙されて助けたりしないだろう」 「じゃおおおーん!じゃおおおおおおーんん!」 俺は無様なめーりん改めちゅーごくを家の外に蹴りだした。 ちゅーごくは地面に這いつくばって寒さにぶるぶる震えている。 「おら、さっさと俺の目の前から消えないともっと酷い目にあわすぞ?」 「じゃおん!じゃおん!」 ちゅーごくは必死に這いずって俺から遠ざかっていった。 足は半分しか焼いてないのでなんとか動けるようだ。 「これからは真面目に生きていくんだぞちゅーごく!」 「べーびん゛ばぢゅーごぐじゃ゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!」
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※ぬるいじめです ※虐待お兄さんがいます ※ネタいです <<めーりんがぎゃくたいおにいさんをおうえんするおはなし>> ※めーりんのセリフには副音声を被せています やあ、ボクは虐待お兄さん! ……なんだけど、最近なんだかマンネリ気味なんだ。 れいむをまりさをありすをみょんをさくやをれみりゃをふらんをめーりんを。 りぐるをるーみあをもみじをちるのをきめぇ丸をおりきゃらをひなをさなえをかなこをすわこを。 ドスまりさをクイーンありすをきめら丸をゆゆこをゆーびぃをれてぃをにちょりを。 焼く斬る潰す刺す犯す砕く食べる増やす混ぜる揚げる茹でる罵倒する言い負かす凍らせる。 ありとあらゆる種にありとあらゆる虐待をし尽くした後では、何を、どう虐待しても「これはやったなぁ……」という具合で、新鮮味がない。 惰性でだらだらと虐待を続けていたが、やっぱり満たされない。ボクの虐待道もここまでか……そう思っていた時。 「じゃお! じゃおーん!?(おにいさん! どうしたの!?)」 心配そうに声を上げているのは虐待用に捕まえていためーりん。お前、人の心配なんてしてる暇あるのか? お前は今から虐待されるんだぞ? お前を虐待しても楽しくないだろうけど、ボクは虐待お兄さんなんだ。 そう、虐待をするお兄さんなんだ。そうしなければボクは只のお兄さんだ。そんなのは嫌だ。 名前もない他ただのお兄さんでは終わりたくないんだ! そんな心の叫びと共に、めーりんを蹴飛ばす。何百何千とゆっくりを蹴り飛ばしてきたボクの足は、 意識せずとも生かさず殺さずの絶妙な力加減でめーりんを壁に叩き付ける。……満たされない。 虐待を始めた当初は、とても楽しかった。そう、ただ蹴り飛ばすだけでも、胸のすく思いだった。 いつからだろう……胸に燃える火が消えてしまったのは。よく分からない悲しさともどかしさに、我知らず、涙がこぼれた。 「じゃおじゃお! じゃおぉぉぉ!(よくわらないけどなかないで! おにいさんがなくとめーりんもかなしいよ!)」 めーりんは涙を流しながらなおも吠えている。そうか、お前も泣いてくれるか…… そして、そんなときにふと気付いた。めーりんは、じゃお、としか言わない。そして、とても優しい性格だという事に。 ゆっくりの姿が確認された当初、ゆっくりはとても純粋で、ただひたすらにゆっくりゆっくりと言って 人間をゆっくりさせようとしてきた。もしかしたら、めーりんはそんな原種の面影を色濃く残すゆっくりなのではないか? そう思うと、じゃあなぜじゃおとしか言わないんだ? という思考が脳裏をよぎる。 「じゃお」。そう、じゃおだ。めーりんの出せる唯一の言葉。そこに秘密が隠されている気がする! そう気付いたボクの手は、本棚の辞書に伸びていた。中国語の辞典だ。何故中国語かって? めーりんは中国じゃないか。 しばらくページをめくり、ボクはおそらくそうであろう記述にたどり着いた。 加油(じゃーよう) 中国語で「頑張れ」の意味。 ピンイン:jia1 you2 頑張れ、か。そうか、めーりんはずっと、ボク達に頑張れ、頑張れと言ってくれていたんだ! 来る日も来る日も虐待され、仲間にすら喋れないとつまはじきにされ、それでもなお頑張れと言える。 けして諦めないという不屈の心。それがゆっくりめーりんというゆっくりなんだ! そう確信した時、胸の中に熱い何かがこみ上げてきた。そう、消えてしまったと思っていたはずの、赤々と燃える虐待の火だ! そう、方法も、種類も関係ない。虐待したいから虐待する、それが僕なんだ。それが虐待お兄さんなんだ! ありがとう、ありがとうめーりん! 君は忘れかけていた大事な事を思い出させてくれた。 そんな君を虐待することなんてボクには出来ない。決して君だけは虐待しない、そう誓うよ! 「じゃ、じゃお? ……じゃお~♪(よくわからないけど、よかったのかな? いじめられないっていうのはいいことだよね♪)」 そうかそうか、君も嬉しいか! ボクも嬉しいよ。今日は記念すべき日だ! 数日後…… 「や、やべるんだぜぇぇぇぇ! ばりざのこといじめないでぇぇぇ!」 「でいぶのおぢぼんぢぎだだいでぇぇぇぇ!」 「ごんだどどがいばじゃだいわぁぁぁぁぁぁぁ!」 数日後、そこにはとても活き活きとした顔で虐待をするボクの姿が! めーりんの応援によってボクは自分を取り戻す事ができた。そう、ボクに必要だったのは新しいアイディアじゃない。 ボクの虐待を暖かく見守ってくれる、唯一無二のパートナーの姿だったんだ! そんなめーりんにはボクの活き活きした姿を見て欲しいので、危なくないように常に透明な箱に入れて保護している。 御飯だって三食とってもあまあまな餡子やカスタード、時には肉まんやあんまんをあげているし、感動の涙で濡れた身体は 定期的にゆっくりトリマーにお願いして生まれたてのように綺麗にしてもらっている。 今だってめーりんは透明な箱の中でずっとこちらを見て涙を流している。僕が活き活きしている姿がそんなに嬉しいんだね! 有難う、ボクも君がそんなに感動してくれるととっても嬉しいよ! さあ、次はどんな虐待をしようかな! そうだ、やっぱりシンプルイズベスト。普通に殴ったり蹴ったりしよう! さあ、見ててねめーりん! ボクの活き活きとした虐待ライフを! 「じゃお! じゃおぉぉぉぉん!(やめてよ! めーりんにそんなのみせないでぇぇぇぇぇ!)」 ―――――――――――――――――――――――― 96スレ 28さんの「北京語の加油(ジャーヨー)が訛ったもんだと認識してた 」 という書き込みに触発されて受信した電波。虐待お兄さんのテンションがアップダウン激しいのは仕様です。 勢いのままにたら書いたら何かよく分からないものができた……なんぞこれ。 多分壮絶なすれ違いが生み出した悲劇を書きたかったんだと思いますが定かではありません。 予想外に高評価だった「ふつうと~」の次がコレってどうなんだろう…… あまりにアレ過ぎるので収録の際は投棄場行きでいいかもしれません。判断はお任せします。 小ネタにしても次はもう少しマトモなものを書こう…… 書いたもの ふつうとちょっとだけちがうゆっくりさくやのおはなし めーりんがぎゃくたいおにいさんをおうえんするおはなし
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外が騒がしいので、部屋の窓を開けてみるとゆっくりが居た。 「やい!くずめーりん!さっさとそこからでていくんだぜ!」 「ここはれいむと、まりさのおうちだよ!くずのめーりんはどこかへいってね!」 俺の住んでるアパートの隣には、人通りの少ない裏通りがある。 故に最近では粗大ゴミを捨てて行く、不届きな奴らが居るのでゴミ通りになりつつあった。 当然アパートの住人はあまり良い顔をしてないが、俺を含めて積極的に片付けようともしなかった。 そればかりか大家に至っては、退去者が残していった粗大ごみをそこに捨てる始末。 そんなゴミ通りを住処に選んだゆっくりが、たまに現れたりするのだ。 「じゃおじゃおぉぉん!」 「やっぱりめーりんはくずなんだぜ!まりささまがみつけた、すてきなおうちに、かってにすみついているんだぜ!」 「どうやら、せいさいがひつようみたいだね!くずのめーりんは、くずらしくしんでね!!」 黒帽子と赤りぼんのゆっくりが、大声で騒ぎ立てる。 たしか、まりさとれいむとか言う奴だ。 それと対峙しているのは、緑色の帽子の奴、ちぇんとか言う奴だっただろうか? 古びたプラスチック製の衣装ケースの中から、二匹を威嚇している様だった。 「じゃおぉぉぉぉぉ!!」 「くずのめーりんのくせに、まりささまにはむかったことを、こうかいさせてやるんだぜぇぇぇ!!」 「れいむのつよさを、おもいしってねぇー!!」 どうやら縄張り争いか何かの様だ。 それにしても、五月蝿くて敵わない。 俺はマグカップにお湯を注ぐと、外で騒ぎ立てるゆっくりに浴びせてやった。 「ゆっくりし 『バシャァァァ』 ゆ?………ゆっぎゃぁぁぁぁぁぁ!あついんだぜぇぇぇぇ!!」 「まりさ?!どうしたのぉぉぉぉ?!」 「じゃ…お?」 お湯は見事にまりさに命中、さっき沸かしたばかりだからさぞかし熱いだろう。 まりさは両目を飛び出さんばかりに見開き、お湯か涙か判らない物を飛び散らせながら転げ回った。 「あついぃぃぃぃ!!どぼじでまりさが、こんなめにぃぃぃぃぃ?!」 「くずめーりん!まりさになにをしたのぉぉぉ?!」 「じゃ、じゃおぉ?!」 れいむは何を勘違いしたのか、緑帽子のゆっくりに罵声を浴びせる。 どうやら、俺の存在に気がついてない様なので、俺はもう一杯のお湯をれいむに浴びせてやった。 「ゆっばじゃぁぁぁ?!…ゆっぎゃぁぁぁぁぁ!あづいぃぃぃぃ!!なんなのごれはぁぁぁぁ?!」 熱湯を浴びて跳ね回るれいむ。 絶叫しながら動き回っているので、周りが見えてないらしく、もがき苦しんでいたまりさの底部を踏み潰した。 「ゆげべぇ!…で、でいぶ…なにずるんだぜ…ぎぎ…」 「あづいよぉぉぉぉ!!だれかでいぶをだずげろぉぉぉぉ!!」 駆除するつもりでお湯を浴びせたのだが、体がでかい事が幸いしたのか、騒ぐだけで未だに死にそうにはない。 このままでは、余計に五月蝿いだけなので何とかしようと考えていると、ある事を思い出した。 ゆっくりという奴は苦い物と辛い物が苦手だという事に。 俺は早速濃い目のブラックコーヒーを作り、大騒ぎしている二匹にそれを浴びせた。 「ゆげっべぇぇぇぇ?!にがあつぅぅぅぅ?!ゆげろぉぉぉぉぉぉ!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!げろあつぅぅぅ?!エレエレエレエレ……」 熱湯とブラックコーヒーの死のハーモニーに、大量の餡を吐いて沈黙する二匹。 それを呆然と見つめていた緑帽子のゆっくりが、ふと俺の方を見上げる。 「じゃお?」 俺と目が合うと、首を傾げる様な仕草をしてしばし固まる。 俺はこいつにもコーヒーを浴びせてやろうかと思ったが、ポットのお湯が切れてしまった。 仕方ないので何か無いかと探していると、面白半分に買ってきて食べ切れなかった激辛スナックの袋が目に入る。 それの中身を2、3個取り出すと、緑帽子ゆっくりの目の前にそれを放った。 「じゃおぉ?」 緑帽子はスナック菓子を警戒しているのか、しばらく様子を伺っていたが、菓子を一舐めするとそれを食べ始めた。 ゆっくりは辛い物が苦手という話を聞いて居たのだが、こいつは美味しそうに放った分を完食してしまった。 「じゃおん!」 食べ終わると、お礼のつもりか、笑顔で俺に頭を下げるような仕草をした。 駆除するつもりでやったのだが、そんな態度に少し腹がたったので、残った菓子を全部ばら撒いてみた。 緑帽子は目をまん丸にして驚いたようで、何度も頭を下げると、撒かれた菓子を丁寧に拾い集めてプラケースの巣に運んでいった。 「じゃおぉん!」 スナック菓子を回収し終えた緑帽子は一声鳴くと、俺に再度頭を下げて巣の中に入っていった。 「それは、めーりん種だな。希少種のはずなんだが、そんな所に居るって野良って事か?」 昨日見たゆっくりの事を友人に説明した所、珍しそうにそう語った。 友人の話ではめーりん種は「じゃお」としか喋れず、辛い物も平気で食べるそうだ。 そして他種から苛められやすいゆっくりらしい、道理で昨日二匹に絡まれていた訳だ。 捕まえてゆっくりショップに売りに行こうかと考えたが、俺を見るなりニッコリ笑って「じゃお!」っと頭を下げた。 そんな仕草を見て、あげる気なんかまったく無かったはずの、コンビニで買った唐揚げの一つを与えてしまった。 めーりんは驚いた表情で俺を見て、何度もお礼を言うように頭を下げた。 野良ゆっくりの殆どが、ペットが捨てられた物だ。 たまに、調子に乗ったアホが町にやってくる事もあるそうなのだが、殆どは飽きられたか、ゲス化して捨てられ野良になる。 これだけ善良そうなのに、どうして野良生活をしているのだろうか? 俺が不思議そうにめーりんを眺めていると、めーりんが同じように首をかしげる仕草をしていた。 それからしばらくの間、俺はめーりんの行動を観察するようになった。 俺が家に居る時は、大抵巣に使用しているプラスチックケースの中で昼寝をしているようだった。 たまに、何か食料をもって帰ってくる事があるが、どこでそれを調達しているのかは解らない。 ただ、どうも生ゴミを漁っているというよりは、どこかの飲食店の残り物をビニール袋に詰めて貰ってきたような感じであった。 俺も時折、窓からスナック菓子を与えたりしてやったが、めーりんはその度に頭を下げて「じゃおん!」っと嬉しそうに声をあげた。 野良ゆっくりに餌を与えるのはマナー違反なのかもしれないが、めーりんを見ていると、なんだかついつい餌をあげてしまっていた。 野良猫等に餌付けしている人達も、こんな心境なのだろうか? それからも、俺は飽きもせずにめーりんの様子を見ていた。 特に騒ぎもせずに、暇さえあればのんびり昼寝をしているめーりん。 割と賢くて綺麗好きなのか、巣の周りはわりと綺麗に片付けている。 時々、他の野良ゆっくりに苛められて居る所を見た事があるが、俺が助けてやると、嬉しそうに何度も頭を下げていた。 めーりんが幸せそうにしているだけで、俺もなんだが幸せな気分になっていく。 ゆっくりに癒し効果があるとは思っても居なかったが、 それまで、ゆっくりに特に興味が無かった俺だったが、めーりんを観察しているうちに、こいつなら飼っても良いと思うようになっていた。 だが、俺の住むアパートはボロな上にペットは禁止。 その内どこかに引っ越そうかとも考えたが、俺のあるバイトの給料ではそれも難しかった。 「じゃお、じゃお、じゃおおん!」 その日は珍しくめーりんが鳴いていた。 気になって窓を開けてみると、めーりんの巣の前に一人の少女が居た。 めーりんは少し怯えている様子で、俺は思わずめーりんに声をかけた。 「めーりん、大丈夫か?!」 「じゃ、じゃおぉぉん!!」 めーりんは俺に気がつくと、大きな声で返事をした。 少女も俺のほうに向き直ると、俺の顔を見て微笑んだ。 「こんにちは、おにいさん。このめーりんは、あなたのめーりんですか?」 「いや、飼ってるわけじゃないよ。まあ、その…隣人ってとこだな」 俺と少女のやり取りを不安そうに見つめるめーりん。 見た所、少女に何かされた訳でもなさそうだが、少しオドオドしているのが気になる。 「どうした、めーりん?この子に何かされたのか?」 「じゃ、じゃおおん」 俺の問いに慌てて顔を左右に振るめーりん。 少女も、何もしてませんよと俺に言う。 少女の話では、町でめーりんを見かけたので後を着けてきたのだそうだ。 「のらのめーりんは、めずらしかったので…」 めーりんは見知らぬ人間を見て、怯えていたのだろうか? そんな事を考えていると、少女がめーりんの頭を優しく撫でた。 めーりんは気持ちよさそうに目を細めた。 そんなめーりんの様子に、少女も嬉しそうに微笑んだ。 少女が帰り際に、バッチの申請をした方が良いのでは?と俺に提案してきた。 バッチが着いていれば、ゆっくりの一斉駆除でめーりんが捕まっても、即潰されたり加工所送りにされたりする事は無いそうだ。 最低ランクの銅バッチでも、捕獲されるとまず飼い主に連絡が入るそうだ。 確かに、めーりんをこのままにして置いたら、その内駆除されてしまうかもしれない。 俺は本気で引越しを考え始めていた。 引越し先を色々探してみたが、やはり良い物件は見当たらなかった。 本格的に転職でもして、住居を変えようかと考えていると、公園の方からゆっくりの悲鳴が聞えてきた。 「ゆべら!…いだいぃぃぃぃぃ!!どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉ?!」 「ゲスにんげんは、まりささまがせいさいして…ゆっぎゃぁぁぁぁ!いだいぃぃぃ!やべろぉぉぉぉ!!」 「やめてぇぇぇ!!こんなのとかいっばぁ?!」 「おかーしゃん!ゆびぇぇぇぇぇぇん!!」 公園内では、制服を着た人間によるゆっくりの一斉駆除が行われていた。 親を潰されて、泣き叫ぶ赤ゆっくりや子ゆっくり。 人間に向かっていって、返り討ちにあうゆっくり。 逃回っている所を踏みつけられるゆっくり。 必死に命乞いをして潰されるゆっくり。 正に公園はこの世のゆっくり地獄と化していた。 そんな中で一匹のゆっくりと目があった。 駆除から逃れようと、公園のフェンスまでやって来たゆっくりの様だ。 薄汚れた、れいむ種と、傍らにはその子供と思われる、小さなまりさがいた。 「ゆひぃ!に、にんげんさん!!」 「ゆびぇぇぇ!こわいのじぇぇぇぇ!!」 俺の姿を見て怯えるれいむ。 それに反応するかのように、泣き叫ぶ子まりさ。 だが、親れいむは俺に向かって話しかけてきた。 「おねがいです、にんげんさん。れいむはどうなってもいいから、おちびちゃんだけは、たすけてください!!」 そう言われて、俺はあらためて子まりさに目をやる。 子まりさは俺と目が合うと、慌てて親れいむの陰に隠れる。 「このままだと、れいむたちはころされちゃうんですぅぅぅ!!だから、せめておちびちゃんだけでもぉぉぉぉ!!」 「そういわれてもな…」 正にその言葉通りだった。 こいつらは善良そうな種でも、めーりんを苛めたりする者もいる。 だが助けを求められて、拒むのも気が引けると思ってしまった。 以前なら、ゆっくりに対してこんな事は考えもしなかっただろう。 しかし、俺の言葉を聴いた子まりさが、俺に向かって罵声を浴びせた。 「なにしてるのじぇ?!はやくまりちゃをたすけるのじぇ!!このくじゅにんげん!!」 「おちびちゃん!どぼしてそんなこというのぉぉぉぉ?!」 親れいむは、慌てて子まりさを叱るが、子まりさは悪びれる様子はなかった。 「くじゅはくじゅなのじぇ!まりちゃをゆっくちさせないやつは、みんなくじゅなのじぇ!!」 助けて貰おうという立場のはずなのに、俺をクズ呼ばわりする子まりさ。 そんな子まりさの態度に少し呆れてしまったが、ふと、大変な事に気がついた。 駆除は公園だけなのか? もしかしたら……… 「すみません、職員の方!ここに逃げ出そうとしてるゆっくりが居ますよ!!」 「あーどうも、ったく、糞ゆっくりが…」 「「どぼじでぇぇぇぇぇ?!」」 俺は子まりさが少々気に入らなかったので、ちょっと意地悪をしてその場を去る事にした。 親子ゆっくりの悲鳴を後ろで聞きながら、慌てて家に向かった。 アパートの裏のガラクタ通りに足を踏み入れ、めーりんの巣に向かう。 普段は窓から見ているだけだったので、こんなにガラクタが散乱しているとは思わなかった。 TVだのエアコンだのをここに捨てに来る神経も分からないが、そんな事を気にしている場合じゃない。 ようやく、見慣れたプラスチックケースを見つけたが、めーりんの姿はどこにも無かった。 あれから、めーりんは戻ってくる事は無かった。 外が騒がしいと思って覗いてみれば、別のゆっくりがめーりんの巣に住着こうとしているくらいだった。 俺はそんなゆっくりを駆除しながら、めーりんの帰りをひたすら待った。 捕まって駆除されてしまったのではないかとも思った。 それでも、どこかで生きているのではないかという思いは捨て切れなかった。 そして、めーりんが居なくなって数日たったある日の事。 バイトから帰って来てしばらくすると、外から聞き覚えのある鳴き声が聞えてきた。 「じゃお、じゃお、じゃおぉぉん!」 俺は慌てて窓を開けると、そこには以前ここで出会った少女に抱かれためーりんが居た。 「じゃおん!」 「おにいさん、こんにちは」 俺を見て微笑むめーりんと少女。 俺は家を出てめーりんと少女の下へ向かった。 少女の話によれば、一斉駆除があった日にたまたま町でめーりんを見かけたので、慌てて保護したとの事だった。 そしてそのままの流れで、めーりんは飼いゆっくりになったそうだ。 じゃおっと得意そうにめーりんは俺にバッチを見せてくれた。 めーりんの帽子には胴色のバッチが輝いていた。 俺としては、少し残念で寂しい気もしたが、これがめーりんにとっては一番良かったのかもしれない。 そんな事を考えていると、めーりんが器用に帽子を脱ぎだした。 そして帽子の中から虹色に光るプラスチックの宝石の様な物を取り出した。 「じゃおじゃお、じゃーお」 「いままで、おせわになった、おれいにどうぞっていってます」 少女がめーりんの通訳をしている。 どうしてめーりんの喋っている事が解るのかは知らないが、俺はそれを受け取った。 「貰っていいのか?」 「じゃおじゃーお、じゃおおん」 「めーりんのたからものだっていってます。おにいさんに、もらってほしいそうです」 「そっか、めーりんありがとうな」 「じゃおん」 めーりんは照れながら一声鳴いた。 あれから、あのめーりんとは一度も会ってない。 あの後俺は仕事も変えて引越して、今では一匹のめーりんと暮らしている。 後から解った話だが、めーりんが俺にくれた物はペットショップ等で売られているゆっくりグッツの一つのようだ。 めーりん種が好むおもちゃらしい。 あのめーりんはどこであれを手に入れたのかは解らない。 もしかしたら、元飼いゆっくりだったのかもしれないが、今となっては詳しい事は解らない。 ただ、あのめーりんが幸せであるならそれで良いだろう。 少女だと思っていた子も、どうやら胴付きゆっくりだったようだ。 あの時は気にもしていなかったが、ペットショップで似たような子を見つけたときは驚いた。 俺ももう少しよく彼女を見ていれば、背中から生えていた変わった形の羽に気が付いていたのだと思う。 「じゃお?」 俺の隣に居るめーりんが、不思議そうに俺を眺める。 「何でもないよ、めーりん。ちょっと昔を思い出していただけだよ」 「じゃおん!」 めーりんは一声鳴くと、あの不思議な虹色のおもちゃを眺めたり転がしたりして遊び始めた。 めーりんはあのめーりんと同じ様に、のんびりゆっくりしていた。 完 徒然あき
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外が騒がしいので、部屋の窓を開けてみるとゆっくりが居た。 「やい!くずめーりん!さっさとそこからでていくんだぜ!」 「ここはれいむと、まりさのおうちだよ!くずのめーりんはどこかへいってね!」 俺の住んでるアパートの隣には、人通りの少ない裏通りがある。 故に最近では粗大ゴミを捨てて行く、不届きな奴らが居るのでゴミ通りになりつつあった。 当然アパートの住人はあまり良い顔をしてないが、俺を含めて積極的に片付けようともしなかった。 そればかりか大家に至っては、退去者が残していった粗大ごみをそこに捨てる始末。 そんなゴミ通りを住処に選んだゆっくりが、たまに現れたりするのだ。 「じゃおじゃおぉぉん!」 「やっぱりめーりんはくずなんだぜ!まりささまがみつけた、すてきなおうちに、かってにすみついているんだぜ!」 「どうやら、せいさいがひつようみたいだね!くずのめーりんは、くずらしくしんでね!!」 黒帽子と赤りぼんのゆっくりが、大声で騒ぎ立てる。 たしか、まりさとれいむとか言う奴だ。 それと対峙しているのは、緑色の帽子の奴、ちぇんとか言う奴だっただろうか? 古びたプラスチック製の衣装ケースの中から、二匹を威嚇している様だった。 「じゃおぉぉぉぉぉ!!」 「くずのめーりんのくせに、まりささまにはむかったことを、こうかいさせてやるんだぜぇぇぇ!!」 「れいむのつよさを、おもいしってねぇー!!」 どうやら縄張り争いか何かの様だ。 それにしても、五月蝿くて敵わない。 俺はマグカップにお湯を注ぐと、外で騒ぎ立てるゆっくりに浴びせてやった。 「ゆっくりし 『バシャァァァ』 ゆ?………ゆっぎゃぁぁぁぁぁぁ!あついんだぜぇぇぇぇ!!」 「まりさ?!どうしたのぉぉぉぉ?!」 「じゃ…お?」 お湯は見事にまりさに命中、さっき沸かしたばかりだからさぞかし熱いだろう。 まりさは両目を飛び出さんばかりに見開き、お湯か涙か判らない物を飛び散らせながら転げ回った。 「あついぃぃぃぃ!!どぼじでまりさが、こんなめにぃぃぃぃぃ?!」 「くずめーりん!まりさになにをしたのぉぉぉ?!」 「じゃ、じゃおぉ?!」 れいむは何を勘違いしたのか、緑帽子のゆっくりに罵声を浴びせる。 どうやら、俺の存在に気がついてない様なので、俺はもう一杯のお湯をれいむに浴びせてやった。 「ゆっばじゃぁぁぁ?!…ゆっぎゃぁぁぁぁぁ!あづいぃぃぃぃ!!なんなのごれはぁぁぁぁ?!」 熱湯を浴びて跳ね回るれいむ。 絶叫しながら動き回っているので、周りが見えてないらしく、もがき苦しんでいたまりさの底部を踏み潰した。 「ゆげべぇ!…で、でいぶ…なにずるんだぜ…ぎぎ…」 「あづいよぉぉぉぉ!!だれかでいぶをだずげろぉぉぉぉ!!」 駆除するつもりでお湯を浴びせたのだが、体がでかい事が幸いしたのか、騒ぐだけで未だに死にそうにはない。 このままでは、余計に五月蝿いだけなので何とかしようと考えていると、ある事を思い出した。 ゆっくりという奴は苦い物と辛い物が苦手だという事に。 俺は早速濃い目のブラックコーヒーを作り、大騒ぎしている二匹にそれを浴びせた。 「ゆげっべぇぇぇぇ?!にがあつぅぅぅぅ?!ゆげろぉぉぉぉぉぉ!!」 「ゆぎゃぁぁぁぁ!!げろあつぅぅぅ?!エレエレエレエレ……」 熱湯とブラックコーヒーの死のハーモニーに、大量の餡を吐いて沈黙する二匹。 それを呆然と見つめていた緑帽子のゆっくりが、ふと俺の方を見上げる。 「じゃお?」 俺と目が合うと、首を傾げる様な仕草をしてしばし固まる。 俺はこいつにもコーヒーを浴びせてやろうかと思ったが、ポットのお湯が切れてしまった。 仕方ないので何か無いかと探していると、面白半分に買ってきて食べ切れなかった激辛スナックの袋が目に入る。 それの中身を2、3個取り出すと、緑帽子ゆっくりの目の前にそれを放った。 「じゃおぉ?」 緑帽子はスナック菓子を警戒しているのか、しばらく様子を伺っていたが、菓子を一舐めするとそれを食べ始めた。 ゆっくりは辛い物が苦手という話を聞いて居たのだが、こいつは美味しそうに放った分を完食してしまった。 「じゃおん!」 食べ終わると、お礼のつもりか、笑顔で俺に頭を下げるような仕草をした。 駆除するつもりでやったのだが、そんな態度に少し腹がたったので、残った菓子を全部ばら撒いてみた。 緑帽子は目をまん丸にして驚いたようで、何度も頭を下げると、撒かれた菓子を丁寧に拾い集めてプラケースの巣に運んでいった。 「じゃおぉん!」 スナック菓子を回収し終えた緑帽子は一声鳴くと、俺に再度頭を下げて巣の中に入っていった。 「それは、めーりん種だな。希少種のはずなんだが、そんな所に居るって野良って事か?」 昨日見たゆっくりの事を友人に説明した所、珍しそうにそう語った。 友人の話ではめーりん種は「じゃお」としか喋れず、辛い物も平気で食べるそうだ。 そして他種から苛められやすいゆっくりらしい、道理で昨日二匹に絡まれていた訳だ。 捕まえてゆっくりショップに売りに行こうかと考えたが、俺を見るなりニッコリ笑って「じゃお!」っと頭を下げた。 そんな仕草を見て、あげる気なんかまったく無かったはずの、コンビニで買った唐揚げの一つを与えてしまった。 めーりんは驚いた表情で俺を見て、何度もお礼を言うように頭を下げた。 野良ゆっくりの殆どが、ペットが捨てられた物だ。 たまに、調子に乗ったアホが町にやってくる事もあるそうなのだが、殆どは飽きられたか、ゲス化して捨てられ野良になる。 これだけ善良そうなのに、どうして野良生活をしているのだろうか? 俺が不思議そうにめーりんを眺めていると、めーりんが同じように首をかしげる仕草をしていた。 それからしばらくの間、俺はめーりんの行動を観察するようになった。 俺が家に居る時は、大抵巣に使用しているプラスチックケースの中で昼寝をしているようだった。 たまに、何か食料をもって帰ってくる事があるが、どこでそれを調達しているのかは解らない。 ただ、どうも生ゴミを漁っているというよりは、どこかの飲食店の残り物をビニール袋に詰めて貰ってきたような感じであった。 俺も時折、窓からスナック菓子を与えたりしてやったが、めーりんはその度に頭を下げて「じゃおん!」っと嬉しそうに声をあげた。 野良ゆっくりに餌を与えるのはマナー違反なのかもしれないが、めーりんを見ていると、なんだかついつい餌をあげてしまっていた。 野良猫等に餌付けしている人達も、こんな心境なのだろうか? それからも、俺は飽きもせずにめーりんの様子を見ていた。 特に騒ぎもせずに、暇さえあればのんびり昼寝をしているめーりん。 割と賢くて綺麗好きなのか、巣の周りはわりと綺麗に片付けている。 時々、他の野良ゆっくりに苛められて居る所を見た事があるが、俺が助けてやると、嬉しそうに何度も頭を下げていた。 めーりんが幸せそうにしているだけで、俺もなんだが幸せな気分になっていく。 ゆっくりに癒し効果があるとは思っても居なかったが、 それまで、ゆっくりに特に興味が無かった俺だったが、めーりんを観察しているうちに、こいつなら飼っても良いと思うようになっていた。 だが、俺の住むアパートはボロな上にペットは禁止。 その内どこかに引っ越そうかとも考えたが、俺のあるバイトの給料ではそれも難しかった。 「じゃお、じゃお、じゃおおん!」 その日は珍しくめーりんが鳴いていた。 気になって窓を開けてみると、めーりんの巣の前に一人の少女が居た。 めーりんは少し怯えている様子で、俺は思わずめーりんに声をかけた。 「めーりん、大丈夫か?!」 「じゃ、じゃおぉぉん!!」 めーりんは俺に気がつくと、大きな声で返事をした。 少女も俺のほうに向き直ると、俺の顔を見て微笑んだ。 「こんにちは、おにいさん。このめーりんは、あなたのめーりんですか?」 「いや、飼ってるわけじゃないよ。まあ、その…隣人ってとこだな」 俺と少女のやり取りを不安そうに見つめるめーりん。 見た所、少女に何かされた訳でもなさそうだが、少しオドオドしているのが気になる。 「どうした、めーりん?この子に何かされたのか?」 「じゃ、じゃおおん」 俺の問いに慌てて顔を左右に振るめーりん。 少女も、何もしてませんよと俺に言う。 少女の話では、町でめーりんを見かけたので後を着けてきたのだそうだ。 「のらのめーりんは、めずらしかったので…」 めーりんは見知らぬ人間を見て、怯えていたのだろうか? そんな事を考えていると、少女がめーりんの頭を優しく撫でた。 めーりんは気持ちよさそうに目を細めた。 そんなめーりんの様子に、少女も嬉しそうに微笑んだ。 少女が帰り際に、バッチの申請をした方が良いのでは?と俺に提案してきた。 バッチが着いていれば、ゆっくりの一斉駆除でめーりんが捕まっても、即潰されたり加工所送りにされたりする事は無いそうだ。 最低ランクの銅バッチでも、捕獲されるとまず飼い主に連絡が入るそうだ。 確かに、めーりんをこのままにして置いたら、その内駆除されてしまうかもしれない。 俺は本気で引越しを考え始めていた。 引越し先を色々探してみたが、やはり良い物件は見当たらなかった。 本格的に転職でもして、住居を変えようかと考えていると、公園の方からゆっくりの悲鳴が聞えてきた。 「ゆべら!…いだいぃぃぃぃぃ!!どぼじでごんなごどずるのぉぉぉぉぉ?!」 「ゲスにんげんは、まりささまがせいさいして…ゆっぎゃぁぁぁぁ!いだいぃぃぃ!やべろぉぉぉぉ!!」 「やめてぇぇぇ!!こんなのとかいっばぁ?!」 「おかーしゃん!ゆびぇぇぇぇぇぇん!!」 公園内では、制服を着た人間によるゆっくりの一斉駆除が行われていた。 親を潰されて、泣き叫ぶ赤ゆっくりや子ゆっくり。 人間に向かっていって、返り討ちにあうゆっくり。 逃回っている所を踏みつけられるゆっくり。 必死に命乞いをして潰されるゆっくり。 正に公園はこの世のゆっくり地獄と化していた。 そんな中で一匹のゆっくりと目があった。 駆除から逃れようと、公園のフェンスまでやって来たゆっくりの様だ。 薄汚れた、れいむ種と、傍らにはその子供と思われる、小さなまりさがいた。 「ゆひぃ!に、にんげんさん!!」 「ゆびぇぇぇ!こわいのじぇぇぇぇ!!」 俺の姿を見て怯えるれいむ。 それに反応するかのように、泣き叫ぶ子まりさ。 だが、親れいむは俺に向かって話しかけてきた。 「おねがいです、にんげんさん。れいむはどうなってもいいから、おちびちゃんだけは、たすけてください!!」 そう言われて、俺はあらためて子まりさに目をやる。 子まりさは俺と目が合うと、慌てて親れいむの陰に隠れる。 「このままだと、れいむたちはころされちゃうんですぅぅぅ!!だから、せめておちびちゃんだけでもぉぉぉぉ!!」 「そういわれてもな…」 正にその言葉通りだった。 こいつらは善良そうな種でも、めーりんを苛めたりする者もいる。 だが助けを求められて、拒むのも気が引けると思ってしまった。 以前なら、ゆっくりに対してこんな事は考えもしなかっただろう。 しかし、俺の言葉を聴いた子まりさが、俺に向かって罵声を浴びせた。 「なにしてるのじぇ?!はやくまりちゃをたすけるのじぇ!!このくじゅにんげん!!」 「おちびちゃん!どぼしてそんなこというのぉぉぉぉ?!」 親れいむは、慌てて子まりさを叱るが、子まりさは悪びれる様子はなかった。 「くじゅはくじゅなのじぇ!まりちゃをゆっくちさせないやつは、みんなくじゅなのじぇ!!」 助けて貰おうという立場のはずなのに、俺をクズ呼ばわりする子まりさ。 そんな子まりさの態度に少し呆れてしまったが、ふと、大変な事に気がついた。 駆除は公園だけなのか? もしかしたら……… 「すみません、職員の方!ここに逃げ出そうとしてるゆっくりが居ますよ!!」 「あーどうも、ったく、糞ゆっくりが…」 「「どぼじでぇぇぇぇぇ?!」」 俺は子まりさが少々気に入らなかったので、ちょっと意地悪をしてその場を去る事にした。 親子ゆっくりの悲鳴を後ろで聞きながら、慌てて家に向かった。 アパートの裏のガラクタ通りに足を踏み入れ、めーりんの巣に向かう。 普段は窓から見ているだけだったので、こんなにガラクタが散乱しているとは思わなかった。 TVだのエアコンだのをここに捨てに来る神経も分からないが、そんな事を気にしている場合じゃない。 ようやく、見慣れたプラスチックケースを見つけたが、めーりんの姿はどこにも無かった。 あれから、めーりんは戻ってくる事は無かった。 外が騒がしいと思って覗いてみれば、別のゆっくりがめーりんの巣に住着こうとしているくらいだった。 俺はそんなゆっくりを駆除しながら、めーりんの帰りをひたすら待った。 捕まって駆除されてしまったのではないかとも思った。 それでも、どこかで生きているのではないかという思いは捨て切れなかった。 そして、めーりんが居なくなって数日たったある日の事。 バイトから帰って来てしばらくすると、外から聞き覚えのある鳴き声が聞えてきた。 「じゃお、じゃお、じゃおぉぉん!」 俺は慌てて窓を開けると、そこには以前ここで出会った少女に抱かれためーりんが居た。 「じゃおん!」 「おにいさん、こんにちは」 俺を見て微笑むめーりんと少女。 俺は家を出てめーりんと少女の下へ向かった。 少女の話によれば、一斉駆除があった日にたまたま町でめーりんを見かけたので、慌てて保護したとの事だった。 そしてそのままの流れで、めーりんは飼いゆっくりになったそうだ。 じゃおっと得意そうにめーりんは俺にバッチを見せてくれた。 めーりんの帽子には胴色のバッチが輝いていた。 俺としては、少し残念で寂しい気もしたが、これがめーりんにとっては一番良かったのかもしれない。 そんな事を考えていると、めーりんが器用に帽子を脱ぎだした。 そして帽子の中から虹色に光るプラスチックの宝石の様な物を取り出した。 「じゃおじゃお、じゃーお」 「いままで、おせわになった、おれいにどうぞっていってます」 少女がめーりんの通訳をしている。 どうしてめーりんの喋っている事が解るのかは知らないが、俺はそれを受け取った。 「貰っていいのか?」 「じゃおじゃーお、じゃおおん」 「めーりんのたからものだっていってます。おにいさんに、もらってほしいそうです」 「そっか、めーりんありがとうな」 「じゃおん」 めーりんは照れながら一声鳴いた。 あれから、あのめーりんとは一度も会ってない。 あの後俺は仕事も変えて引越して、今では一匹のめーりんと暮らしている。 後から解った話だが、めーりんが俺にくれた物はペットショップ等で売られているゆっくりグッツの一つのようだ。 めーりん種が好むおもちゃらしい。 あのめーりんはどこであれを手に入れたのかは解らない。 もしかしたら、元飼いゆっくりだったのかもしれないが、今となっては詳しい事は解らない。 ただ、あのめーりんが幸せであるならそれで良いだろう。 少女だと思っていた子も、どうやら胴付きゆっくりだったようだ。 あの時は気にもしていなかったが、ペットショップで似たような子を見つけたときは驚いた。 俺ももう少しよく彼女を見ていれば、背中から生えていた変わった形の羽に気が付いていたのだと思う。 「じゃお?」 俺の隣に居るめーりんが、不思議そうに俺を眺める。 「何でもないよ、めーりん。ちょっと昔を思い出していただけだよ」 「じゃおん!」 めーりんは一声鳴くと、あの不思議な虹色のおもちゃを眺めたり転がしたりして遊び始めた。 めーりんはあのめーりんと同じ様に、のんびりゆっくりしていた。 完 徒然あき